Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2015年12月31日

Google Newsでみる医師不足 2015年12月31日
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Doctor Shortage Worsens, Particularly In Southern States
Forbes‎ - 2015年12月29日 (USA)
There are 91 active primary care physicians per 100,000 population in the United States, but there needs to be more if Americans are going to get the right care, in the right place and at the right time, a group representing the nation's medical schools and teaching hospitals says in a new report.

The Association of American Medical Colleges (AAMC) this week released its annual physician workforce report, which looks at the supply and makeup of U.S. physicians, as well as the general expanding state of graduate medical education in the U.S. The report drew on data that includes information from AAMC researchers as well as the American Medical Association’s “Masterfile.”


New laws to ease doctor shortage see long delays, criticism
Yahoo News‎ - 2015年12月12日 (Missouri, USA)
JEFFERSON CITY, Mo. (AP) — A new Missouri law offered a first-of-its-kind solution to the physician shortage plaguing thousands of U.S. communities: Medical school graduates could start treating patients immediately, without wading through years of traditional residency programs.

Following Missouri's lead, similar measures were enacted in Arkansas and Kansas and considered in Oklahoma. The idea appeared to be a new model for delivering medical care in regions with too few physicians to meet needs.

Yet more than 18 months after that first law passed, Missouri regulators are still trying to make it work. And not a single new doctor has gone into practice in any of the three states as a result of the new laws.


Local organizations working to fix Meaford family doctor shortage
Simcoe.com‎ - 2015年12月22日 (Ontario, Canada)
“Yes, we have a shortage of family physicians. Dr. Weiss has now retired, and we do not believe all of Dr. McCall's patients had yet been picked up. We also have another physician who is likely going to be leaving at the end of the year,” she said. “We also do not have numbers, but we believe we could take on two more doctors and have sufficient patients to keep them occupied.”


Easing Nevada's Doctor Shortage
KTVN‎ - 2015年12月15日 (Nevada, USA)
They say this office will serve as a "center for engagement" between the physicians who work at Renown and UNR professors, and especially the students who are considering a career in medicine. There's an urgent call for something like this: Nevada's alarming shortage of doctors and nurses. Rochier calls it "A real problem, and it’s a serious problem. Depending on which survey you look at, we rank somewhere between 38th and 47th in the country in physicians per capita."

Especially primary care doctors, and nurses. Dr. Rochier has been in the medical field for 40 years now. He says he's never seen a shortage like this. UNR's Melissa Piasecki, an MD who serves as an executive associate dean told us, "We only have a few residency programs, and many of our students have to go out of state to get the training and specialty they want.".


Lawmaker touts Cuban medical school as fix for rural doctor shortage
Charleston Post Courier‎ - 2015年12月5日 (North Carolina, USA)
Just north of Greenville, farmers in rural Henderson County grow 65 percent of all the apples in North Carolina — the seventh largest aggregate crop in the country. The Ginger Golds and Pink Ladies, the Honey Crisps and more than a dozen other varieties peak on their own schedules from August through October, which is just to say that a lot of migrant apple pickers walk into the low-income clinic where Dr. Kari Koch works each fall.


(他に10位以内のニュースは、米国:全米、モンタナ州、カナダ:ブリティッシュコロンビア州(2)、マニトバ州などからも)


  1. 2015/12/31(木) 09:23:07|
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12月30日 

http://mainichi.jp/articles/20151230/ddl/k10/040/036000c
群馬大病院
術後患者死亡「マンパワー不足」 事故調 /群馬

毎日新聞2015年12月30日 地方版 群馬県

 群馬大医学部付属病院で同一医師による肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、医療事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は29日の記者会見で「マンパワーがきわめて不足していた」と病院の診療体制が十分でなかった可能性に触れた。日本外科学会に委託した医学的調査の対象は2007〜14年度、手術後に死亡した64例で、他の医師14人による34例も含まれていた。来年4月をめどに報告書をまとめる予定。

 京都市で記者会見した上田委員長によると、対象は旧第1、2外科の計15人が行った消化器外科手術約6700件中、術後に院内で死亡した64例で、「全てに問題があったわけではない」。旧第2外科の肝胆膵(かんたんすい)チームだった男性医師(3月に退職)による腹腔(ふくくう)鏡手術8例など30例も含む。

 日本外科学会の検証委は約50人で構成され、部位別に九つの小委員会を設置。24日の第1回会合で64例中13例を除外し、今後、男性医師による30例を含む残り51例について、遺族の了解を得て手術前後の記録を精査する。男性医師にも聞き取り調査するとみられる。

 また、事故調は20日、男性医師からヒアリングを実施。男性医師は、死亡症例検証会が開かれていなかったことを認めた一方、「患者の容体変化や死亡は毎日、外科内の引き継ぎとして情報共有されていた」という趣旨の話もしたという。【尾崎修二】



http://news.livedoor.com/article/detail/11012525/
現役医師が明かす「医者が行きたくない病院を見た目で判断する方法」
2015年12月30日 9時38分 マイナビスチューデント

8日に放送された「まさかソコなん?」(関西テレビ)では、各分野のプロが見た目だけで、その善し悪しを見分けている判断基準を暴露。その道のプロは、素人ではわからない目で判断をしていることが明らかになった。

現役医師が明かしたのは、「見た目でわかる、行きたくない病院」まず、医師がひとりでやっている町医者の場合は、簡単にわかるそうで、それは看板。

おおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎医師によると、何種類もの科が書いてある病院は行きたくない病院だとか。

医師免許を取得すれば、どの「科」でも掲げられる。町医者の場合、需要があるため内科を表記することが多いが、決してその医師が内科専門とは限らないという。

大竹医師によると、実は、2番目に書いてある科が、専門の場合にしていることが多いとか。風邪の症状はひとつではない。安易に風邪と診断して薬を処方する医師は危険だ。逆に、ひとつの「科」のみ書いてある病院は、自信がある証拠だそう。病院に入る前に、まず看板をチェックしよう。

次は、歯医者。丸橋全人歯科の丸橋医師は、「私だったら行きたくない歯医者はすごく多いんです」という。

丸橋医師は、「行きたくない歯科医院の本棚には、多くの場合、ゴルフの本がたくさんあります」とのこと。
待合室に並べてある本で、その医師がどういう思考なのか傾向がはっきりわかる。握力を使うスポーツをすると、手の繊細な作業に支障が出て、震えが出たり、固定がきかなかったりすることがある。

歯科医師は、手先を使って繊細な治療をする。雑な治療をされないためにも、歯科にかかるときには、待合室をチェックしよう。

そしてもうひとつチェックしたいのが、待合室にある表彰状。感謝状がたくさん飾ってある歯科医にはいきたくないという丸橋医師。

感謝状や表彰状は、講演に参加したり、学会に参加したり、登録するだけでも、貰えるので手に入れるのは簡単。そのため、感謝状がたくさんあっても意味がないとか。

しかし、その中に「認定書」がある場合は別。「認定書」は、優秀な医師にのみ与えられる場合があるため、優れているかどうか判断基準になる。

今や、コンビニよりも多い歯科医。
サービスが過剰になっているが、やはり医師の技術が一番大事。どの病院を選ぶか迷ってしまったら、以上のような目で判断してみてはどうだろうか。



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2015/1230038104/
【2015年 私の5大ニュース】
新春特別企画 2015年私の5大ニュースと2016年の抱負

(日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長 木戸 道子)
2015.12.30
 2015年はどのような年だったでしょうか。医療を必要とする人々を支援すべく,奔走を続ける先生方も多いことと思います。一方,第三者機関による医療事故調査制度の開始,次々と現れる新薬とジェネリックの躍進など,医療を取り巻く環境の変化を感じる出来事も相次ぎました。Medical Tribuneは医療関係者と医療・医学の最新情報をつなぐ架け橋として,鋭意活動を続けていきます。本企画では魅力あるコンテンツづくりに多大な貢献をいただいている,さまざまな診療科・領域でご活躍の先生たちに,2015年の5大ニュースと2016年の抱負としてそれぞれの身の回りに起こった変化や展望を語っていただきました。

1. 産婦人科医不足は改善せず

 分娩取り扱い施設の減少,出産年齢の上昇,ハイリスク妊婦の増加などを背景に、少子化にもかかわらず勤務先ではお産が増加しており,2012年以来は年3,000件超が続いている。全国的な産婦人科医不足で,自分の夜間休日の勤務もまだ続きそうである。元気で仕事ができることに感謝し,母子の大切な命を預かる仕事を次代に継承していきたい。

2. 妊娠出産育児マンガ本の発刊

 診療のかたわら,マタニティ・育児雑誌の記事監修や,妊娠出産育児情報をまとめた「Baby+」の執筆協力などに携わった。気軽に読める「マンガ解説 よくわかる!妊娠と出産」(学研)も4月に発刊した。妊産婦さんやご家族の参考になるとよいのだが。

3. 女性ヘルスケアアドバイザープログラムに参加

 知識を整理して新しい情報を学ぼうと日本産科婦人科学会主催の「女性ヘルスケアアドバイザープログラム」に申し込んだ。医学的なことのみならず女性の貧困やDVなど社会問題にも対応した盛りだくさんの内容に毎回感動。全国から集まった産婦人科医が熱心に聴講している姿にも励まされた。女性の生涯にわたる健康支援がさらに進んでいくことが期待される。

4. 「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」報告書が公表される

 昨年(2014年),厚生労働省に設置された懇談会に構成員として参加してきた。今年1月に報告書が公表され,資料は厚労省のホームページで閲覧できる。離職防止のための支援策のみならず,指導的立場となる人材の育成に向けて一段進んだ施策が求められている。課題は山積しているが,取り組みを継続していくことが大切である。

5. 医療勤務環境改善支援へ動き出す

 医療介護総合確保推進法に基づき,全国で医療勤務環境改善支援センターの設置が進んでいる。厚労省「医療分野の勤務環境改善マネジメントシステムに基づく医療機関の取組に対する支援の充実を図るための調査・研究」に参加し,実施における課題について検討を行っている。秋からは社会保障審議会医療部会委員の重責も担うことになった。医療者の過重労働が改善し医療安全が向上していくことを願っている。
2016年の抱負

 診療やさまざまな担当業務で忙殺されがちだが,出会いを大切にし,家庭や職場などで温かく見守ってくれる人々に感謝しつつ,地道な活動を続けていきたい。



http://gigazine.net/news/20151230-human-3-0/
無料で人体の構造を立体的に隅々まで確認できる3D解体新書「HUMAN 3.0」レビュー
2015年12月30日 12時00分00秒 GIGAzine

普段は皮膚に覆われて見ることのできない骨格・内臓・筋肉・神経などの人体構造を、3Dグラフィックで好きなだけ見ることができるブラウザ版の解体新書のようなウェブサイトが「HUMAN 3.0」です。病気を患った時に自らの体内について勉強したい患者や、人体構造の知識が必要な介護士、医療系の学生・教師から本職の医者から単に人体構造に興味のある一般ユーザーまで、誰でも無料とは思えないレベルで人体構造を学習できるとのことなので、実際に使ってみました。

HUMAN 3.0
https://human.biodigital.com/index.html

ブラウザからHUMAN 3.0にアクセスすると、トップページには男性の骨格模型が読み込まれます。

マウスでドラッグすると骨格模型の向きを変えることができ……

マウスホイールが縮小・拡大に対応。


調べたい部位をクリックすると、英語で部位の名称や説明が表示されます。

左側のメニューには「Skeletal System(骨格系)」「Ligament System(靱帯系)」「Digestive System(消化器系)」「Urinary System(泌尿器系)」「Respiratory System(呼吸器系)」などの項目があり、トグルボタンをオンにすると、該当部位が骨格模型に肉付けされます。

残りの「Endocrine System(内分泌系)」「Nervous System(神経系)」「Cardiovascular System(心臓血管系)」「Lymphatic System(リンパ系)」「Viscera System(内臓)」「Muscular System(筋肉系)」「Integumentary System(外皮系)」も全てオンにするとこんな感じ。人体の知りたい部位だけを表示できるわけです。

右下にある「Explorer」のアイコンをクリックすると、左側のメニューを非表示にでき、全画面で人体模型をチェックできます。


操作方法に慣れれば「口の中から外を見る」のようにピンポイントで普段は見られない人体の部位について勉強できるようになります。

右上のバーにある鉛筆アイコンをクリックすると、表示している人体を編集するメニューが出現します。「Transparency Mode」だと人体の全ての部位を透明にすることができ……

メスアイコンはクリックした部位を削除することができ、半分人体模型を作り出すことも可能。

人体の一部分のみのプリセットは「Featured」から表示することができますが、いくつかの項目がロックされています。これらは有料のプレミアムアカウントに移行すると閲覧可能になります。

ウェブサイトやブログに自分が見ていた部位をウィジェットにして埋め込むことも可能で、右上の埋め込みアイコンから「GENERATE CODE」をクリックすると……

埋め込み用のHTMLタグが生成されました。これをHTMLエディタに貼り付ければOKです。

実際に埋め込みを表示すると以下のような感じ。複数人に同じ人体パーツを共有できるため、同じ勉強を行っているグループ内などで活用できそうです。



http://mainichi.jp/articles/20151230/k00/00m/040/076000c
化血研
業務停止110日 厚労省処分、1月上旬にも

毎日新聞2015年12月30日 07時45分(最終更新 12月30日 07時45分)

 熊本市の一般財団法人「化学及(および)血清療法研究所」(化血研)が、国が承認していない方法で血液製剤を製造していた問題で、厚生労働省が化血研に対する業務停止処分の期間を110日とする方針を固めたことが関係者への取材で分かった。医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく業務停止処分としては過去最長という。

<化血研>「最初は試験的」元理事長、隠蔽認識は否定
<化血研>無届けでボツリヌス毒素運搬

 厚労省の業務停止処分の最長はこれまで、抗ウイルス剤「ソリブジン」の臨床試験で発生した死亡事例を国に報告しなかったなどとして、1994年に製造元の日本商事(当時)に出した105日。

 厚労省は既に処分内容を化血研に伝えており、弁明を聞いた上で早ければ1月上旬にも処分する。

 厚労省は5月に化血研を立ち入り検査し、献血で作る血液製剤が国の承認と異なる方法で製造されていることを確認した。

 化血研の第三者委員会の調査で不正は遅くとも1974年から続き、12製品の31工程で無断で添加物を加えるなどしていたことが判明。国の査察で不正が発覚するのを免れるため、承認通りに作ったとする虚偽の記録を作成するなどしていた。

 厚労省はこうした隠蔽(いんぺい)工作を特に悪質と判断。「医薬品の製造販売業の許可取り消しに相当する事案」として検討し、業務停止処分にする方針を固めていた。化血研のシェアが高い血液製剤やワクチンは処分の対象から外す予定。

 化血研の不正製造で健康被害は確認されていないが、塩崎恭久厚労相は「組織的に長期間にわたって監督当局をだましてきた。健康被害が出ようが出まいが関係ない」と厳しく処分する考えを示していた。【古関俊樹】



http://mainichi.jp/articles/20151231/ddm/016/040/003000c
戦後70年・日本のサイエンス
医療の進歩、変わる死生観 延命最優先から患者の意思尊重へ

毎日新聞2015年12月31日 東京朝刊

戦後、病院で亡くなる人が増えたが、最後の時を過ごす場所は多様化している=千葉県内のホスピスで宮間俊樹撮影


 戦後、衛生状態が改善し、高度な医療が誰でも受けられるようになったため、日本は世界有数の長寿国となった。一方、脳死や延命治療などを巡り、新たな問題も起きている。技術や医療の進歩は、日本人の生と死をどのように変えてきたのだろうか。【下桐実雅子】

 ●感染症に抗生物質

 戦前、日本人を苦しめてきたのは感染症だった。結核は「国民病」として恐れられ、1918年から世界中で大流行したインフルエンザ(スペイン風邪)では、国内で38万人の死者が出たと報告されている。

 長く死因の上位を結核や肺炎、胃腸炎が占めていたが、戦後、抗生物質の普及により感染症で亡くなる人は激減し、平均寿命は延びていく。61年には、国民皆保険制度が整い、誰もが薬や医療技術の恩恵を受けられるようになった。感染症に代わって、脳卒中やがん、心臓病が死因の上位に浮上した。

 60〜70年代には、口から食事が取れなくなっても、血管に栄養を注入して長期生存できる「中心静脈栄養(高カロリー輸液)」と呼ばれる技術が開発された。駆け出しの医師として大学病院の外科に勤務していた東京都小平市の山崎章郎(ふみお)さん(68)=ケアタウン小平クリニック院長=は「抗がん剤の種類が限られ、がんは切るしかない時代。根本治療ができなければ、少しでも命を延ばすことが最優先された」と振り返る。

 病院での死の迎え方に一石を投じてベストセラーになった山崎さんの「病院で死ぬということ」(90年)の中には、臨終を迎える人への蘇生術の様子が生々しく描かれている。「呼吸が停止し、心臓が停止しそうになったとき、医師たちの一人は人工呼吸を開始し、一人は心臓内に強心剤を注入するや即座にベッド上に飛び上がり、患者にまたがると、全身の力を込めて心臓マッサージを開始した」。できる限りの治療を求める社会のニーズに応えた結果でもあった。

 ●「病院死」50%超える

 77年、日本人の亡くなる場所は病院が自宅を抜き、79年には「病院死」が50%を超えた。山崎さんは「病院で迎える死は、その過程が医学的に管理されており、家族が入る余地はない。病名の告知もタブーの時代、患者本人は自分がなぜ死ぬのかを知らされず、その意向が反映されることはなかった」と語る。

 大阪では77年、終末期医療のあり方に関心を持つ医療関係者が集まり、「日本死の臨床研究会」が発足した。終末期医療に詳しいノンフィクション作家の柳田邦男さん(79)は「研究会はその後のがん医療の転機となった。死を陰に置くのではなく、表に出してしっかりと向き合い、患者がその人らしく、最期まで納得して生きられるよう支援することを目指した」と話す。

 ●終末期の関心高まる

 80年代には、全国的にも安らかな最期を目指す「ホスピスケア」「ターミナルケア」が注目された。81年、聖隷三方原病院(浜松市)に国内初のホスピスが開設され、3年後には淀川キリスト教病院(大阪市)にもできた。

 抗がん剤など、がん治療の効果を判断するのに、「Quality Of Life」(QOL、生活の質)の視点が入り始めたのもこのころだ。東京大特任教授の清水哲郎さん(68)=死生学・倫理学=は「『治療で命が延ばせるか』だけではなく、快適に過ごせるのか、人生の中身を考えようという動きが出てきた。QOLを大事にするホスピスケアと同じ流れだった」と語る。QOLという考え方は、がんがモデルとなり、その後、高齢者の医療に広がった。

 市民の中でも「生と死」を考える活動やホスピス設置を求める運動が全国に広がった。90年代に入ると、「病院は本来、治療の場だ」と考える医師たちが、家に帰ることを望む患者を住み慣れた自宅でみとる在宅医療の試みも、各地で目立つようになった。

 また91年、東海大病院の医師が58歳の末期がん患者に薬物を投与して死なせる事件が起こり(のちに殺人罪が確定)、終末期の医療への社会の関心が高まった。死期が迫った時に延命治療を拒否する意思をあらかじめ文書で示す「リビングウイル」の普及を進めていた「日本尊厳死協会」の会員数はこの事件後、急増した。2004年と06年には、北海道立羽幌(はぼろ)病院と射水(いみず)市民病院(富山県)で末期がん患者らの人工呼吸器を取り外して死なせたことが発覚した。

 こうした多様な動きが広がって、がんや難病に対する死生観が変化し、死を表に出して議論する「死の社会化」が起こったと、柳田さんは分析する。「一人一人が自分の死の迎え方や死を前にした時、いかに生きるかを考えるようになり、実際にその状況も変わってきた」。死に直面した人たちが人生の意味や死への考えを社会に発信する闘病記が増えたことも、大きな影響を与えたという。

 ●「脳死」の概念生まれ

 一方、人工呼吸器の普及は、心臓は動いていても脳の機能が失われ元に戻らない「脳死状態」という新たな概念を生み出した。68年に札幌医科大で和田寿郎教授(当時)が行った国内初の心臓移植は、提供者が本当に脳死だったのかが疑われ、大きな問題になった。その結果、日本では移植医療は長く停滞したが、85年、厚生省(現・厚生労働省)の研究班が新たな脳死判定基準(竹内基準)を発表し、再び議論に上った。

 90年、首相の諮問機関・脳死臨調(臨時脳死及び臓器移植調査会)が設置され、「脳死は人の死か」を巡って、33回の会合で大激論が展開された。92年に当時の宮沢喜一首相に手渡された最終答申は、脳死を「人の死」とし、脳死者からの臓器移植を認めたが、人の死とすることに反対の梅原猛氏ら4人の少数意見が併記される異例の内容だった。参与として議論に参加した東京大客員教授の米本昌平さん(69)=科学史=は「医師の専権事項だった脳死の判定が社会に引きずり出されてコントロールできなくなり、政治的なテーブルができた」と話す。

 しかし、答申から臓器移植法が97年に施行されるまでは5年の月日を要した。2010年の改正法施行で15歳未満や家族同意での臓器提供も認められるようになったが、脳死は今なお、「死とは何か」という問題をわれわれに突きつけている。

 人工呼吸器は、難病患者の医療も大きく変えた。全身の筋力が徐々に低下する進行性の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者は、呼吸にかかわる筋力も低下するため、生きるためには人工呼吸器が欠かせなくなる。80年代から在宅でも人工呼吸器を使えるようになり、その後、健康保険の適用にもなった。

 しかし、人工呼吸器を使うALS患者は国内で3割にとどまる。ALSの母を10年以上、在宅で介護した経験がある川口有美子さん(53)=NPO法人さくら会副理事長=は「呼吸器をつけて20年以上生きる人もいる。延命ではなく人生そのものだ。しかし、療養の場が家になり、介護してくれる人がいないと生きられない」と指摘する。

 今、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った難病治療や再生医療に大きな期待がかかる。それが実用化したとき、日本人の死生観はどう変わるだろうか。(このシリーズは今回で終わります)
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http://biz-journal.jp/2015/12/post_13094.html
連載  不要ながん治療が患者を殺す?
がん診断の9割は間違い?治療やめたら治る例も

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
2015.12.31   Business Journal

 1年がもう少しで終わりますが、今年も芸能界やスポーツ界では多くの人ががんで亡くなりました。すぐに頭に浮かぶ名前を挙げても、歌舞伎役者の坂東三津五郎さん(すい臓がん、59歳)、俳優の今井雅之さん(大腸がん、54歳)、フリーアナウンサーの黒木奈々さん(胃がん、32歳)、女優の川島なお美さん(肝内胆管がん、54歳)、大相撲理事長の北の湖敏満さん(大腸がん、62歳)と多数に上ります。
 もちろん一般の人でもがんで亡くなっているケースは非常に多く、我が国では統計上3人に1人ががんで死亡しています。また、がんを発病している人は2人に1人といわれています。これは、国立がん研究センターが2014年に発表した、男性の60%、女性の45%ががんを発病しているというデータに基づいています。
 ところで、一括りにがんといっても、それらにはさまざまな状態があり、本当にがんといえるのか疑われるケースも多いようです。『医者に殺されない47の心得』(アスコム)の著者である近藤誠医師(元慶應義塾大学医学部講師)は、がんと診断されているケースの多くは「本当のがんではない」、すなわち“がんもどき”であると指摘しています。特に、乳がんと前立腺がんの9割以上は、がんもどきであるといいます。

がんと腫瘍の違い

 がんとは悪性の腫瘍のことです。腫瘍は正常な機能を失った細胞の塊で、悪性とそうではないものがあり、悪性でない場合は単なる腫瘍です。ちなみに医学界では、「良性腫瘍」という言葉がよく使われていますが、これは「良い腫瘍」とも受け取られ、誤解を招く恐れがあります。腫瘍は正常な機能を失った異常な細胞の塊ですから、「良いもの」ということはあり得ません。ですから、「良性」ではなく「悪性ではない」という表現が正しいといえます。
 腫瘍が生じる原因は、放射線、ウイルス、化学物質、紫外線などであることがわかっています。それらが細胞の遺伝子を壊したり変形させたりすると、細胞分裂の際に突然変異を起こし、異常な細胞になります。これは、本来の細胞の機能を果たすことができないものです。これが腫瘍細胞であり、その塊が腫瘍です。
 ただし、悪性ではない腫瘍は、それほど問題はありません。一定の大きさにとどまり、臓器を機能不全に陥れることはないからです。また転移することもなく、ほかの臓器を侵食することもありません。近藤医師は、この悪性でない腫瘍をがんもどきと呼んでいるのです。
 一方、悪性の腫瘍は際限なく増殖して正常細胞を侵食し、臓器を機能不全に陥れます。また、転移して他の臓器で増殖し、それも機能不全にします。その結果、人を死に追いやるのです。これが、がんです。
 腫瘍が悪性か悪性でないかを判断するのは、なかなか難しいようです。以前岩手県に行った際に開業医の方々と懇談する機会があったのですが、悪性かどうかを判断できるのか質問したところ、内科医は「判断できる」と答えましたが、脳外科医は「判断できない」と答えました。また、近藤医師も「がんの見極めは、とても難しい」と述べています。

がんではないのに、手術や抗がん剤で命を落とす?

 あるケースを紹介しましょう。知人の元テレビディレクター(男性、54歳)は、東京都内の大学病院で前立腺がんと診断され、検査のために肛門から金属の棒を入れられたところ、翌日から腰に激痛が走り、歩けなくなってしまいました。前日まで普通の生活をしていたにもかかわらずです。そのため、「このままではがん治療で死んでしまう」と考え、その後の治療を拒否しました。そして、自然食を心がけるようにしたところ、体調は回復し、がんは消失したとのことです。
 この知人の場合、実際はがんではなく、悪性ではない腫瘍だった可能性が高いといえます。前述のように近藤医師も、前立腺がんの9割以上はがんもどきであると指摘しています。
 さらに、肝内胆管がんのため54歳という若さで亡くなった川島なお美さんの場合も、本当にがんだったのか疑わしいとの声があります。実は川島さんは、近藤医師にセカンドオピニオンを求めていました。近藤医師は川島さんとのやりとりを、インタビューに答えるかたちで「文藝春秋」(文藝春秋/11月号)で述べています。それによると、川島さんは都内のある病院でのMRI検査で肝臓に2センチほどの影が確認されました。つまり、腫瘍が見つかったわけで、担当医に手術をすすめられたようです。
 しかし、その腫瘍は悪性か悪性でないかわからなかったため、川島さんは手術を拒みました。そして、近藤医師にセカンドオピニオンを求めてきたのです。
 近藤医師は、「川島さんがDVDに入れて僕のところに持ってきた検査画像では転移の所見は認められなかった」と述べています。がんとは、増殖を続けて正常細胞を侵食し、また転移して他の臓器をも侵食する腫瘍のことです。その意味では、「転移がない」ということは、がんではない可能性があるということです。
 そこで近藤医師は、ラジオ波焼灼術という治療法をすすめました。これは、ラジオ波を患部に照射してがんを焼き切ってしまうというものです。しかし結局のところ、川島さんはがんを切除する手術を受けて、その後亡くなってしまったのです。
 冒頭で述べたように、現在2人に1人ががんを発病しているといわれていますが、筆者の知人や川島なお美さん、また近藤医師の指摘を総合すると、それらの多くは実際にはがんではなく、悪性ではない腫瘍の可能性があります。それをがんと診断され、手術や抗がん剤の投与などによって、結果的に命を落としているケースが少なくないのかもしれません。
 健康診断などでがんと診断されても、その言葉を鵜呑みにせずにセカンドオピニオンやサードオピニオンを求め、悪性か悪性でないかを十分に確認する必要があるでしょう。そうしないと、取り返しのつかないことになりかねません。なにしろ直接生死にかかわることですから、慎重の上にも慎重を期すようにしましょう。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)



https://www.m3.com/news/iryoishin/387429
シリーズ: The Voice(医療)
オーストラリアの薬局解体新書~日本の保険薬局の今後を考える~ 第2回 医療制度および薬局を取り巻く背景

2015年12月30日 (水)配信 藤田健二


 創薬研究員、薬局薬剤師、学習支援・薬局研究部門のマネジャーを経て、シドニー大学大学院で薬学博士号の取得を目指す藤田健二先生に、オーストラリアの医療制度および薬局実務を読み解きながら、今後の日本の保険薬局のあり方について考察していただく本連載。第2回は、「医療制度および薬局を取り巻く背景」についてお話しいただきます。

かかりつけ医を中心としたプライマリケア・システム
 オーストラリアでは、日本の人口のわずか6分の1に相当する約2,300万人が、日本の約20倍の国土に暮らしています。さらに、内陸部は砂漠や草原が大部分を占めており、人口の多くは沿岸部に集中しているため、医療機関へのアクセスの容易さが住む場所によって影響を受けやすいという特徴があります。
 オーストラリアの医療保障制度は、税方式による国民皆保険制度を基本として、病院での診療部分をカバーするメディケアと、処方せん医薬品をカバーするPharmaceutical Benefits Scheme (PBS)によって支えられています。この2つの公的システムによって、患者の医療費負担を軽減していますが、対GDP総医療費は2012年で9.1%に達しており(日本は10.3%)、増大する医療費の抑制が喫緊の課題となっています。
 オーストラリアで医療機関を受診する場合は、一般医(General Practitioner/ GP)に電話をして予約を取ります。ただし、イギリスのような1人のGPをかかり医として登録する制度ではないため、受診するGPを自由に決定および変更することができます。GPは歯科を除く全ての診療科の疾患が対象。専門医や病院への受診は緊急な場合を除いてGPからの紹介状が必要なため、GPがプライマリケアにおけるゲートキーパーの役割を担っています。

医療機関と薬局の利用頻度
 2009年時点でのGPの人数は2万5707人で、人口10万人当たりのGP数は113人。参考までに、日本の診療所に従事している医師数は10万0544人(2012年)、人口10万人当たり79人です。また、オーストラリアでは、1人当たりの年間受診回数6.6回に対して(日本は13.1回)、薬局の年間利用回数は14回以上というデータがあります。
 なぜ、オーストラリアでは、医療機関の年間受診回数が薬局の利用回数の半分なのでしょうか。1番の要因は、オーストラリアではリピート処方せん(処方せん1枚で複数回に渡りGPを受診せずに薬局で薬を受け取れる制度)が導入されており、患者の症状と使用医薬品によっては最大12ヶ月間GPの診察を受けないからだと考えられます。しかし、それは同時に、薬局薬剤師も患者の薬物治療管理に相応の責任を担っていることを意味しています。

薬局が置かれている状況
 ここで、オーストラリアと日本の薬局が置かれている状況を3つの側面から比較します。
 まず、1薬局がカバーしている人口についてです(表1)。2012年時点でのオーストラリアの薬局数は5240店、1店舗が4100人をカバーしているのに対し、同年での日本の薬局数は5万5797店、1店舗が2300人をカバーしており、オーストラリアの薬局の方が1店舗当たり約1.8倍多くの住民をカバーしている計算になります。
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表1.人口と薬局数についての日豪比較

 次に、1店舗当たりの薬剤師数を見てみましょう(表2)。2012年時点でのオーストラリアの薬局薬剤師数は1万3451人(人口10万人当たり 59人)、日本の薬局薬剤師数は15万3012人(10万人当たり 120人)です。ただし、オーストラリアには、ファーマシーテクニシャン(テクニシャン)と呼ばれる調剤助手が薬剤師1人につき1~2人いるため、調剤業務を担う従業員数を日本と比較する場合、テクニシャンの人数もカウントする必要があります。薬剤師と同数のテクニシャンが勤務していると仮定して2職種の人数を合算すると、人口10万人当たりの薬局薬剤師とテクニシャン数の合計は119人となり、上述した日本の120人とほぼ同数になります。
 つまり、日本の薬剤師数は海外と比較して過剰だという話をときどき耳にしますが、薬局薬剤師とテクニシャンを合算した総数で比較すると特別過剰にはなりません。ここで取り上げた数字を用いて1店舗当たりの薬剤師(テクニシャン含む)の人数を比較すると、オーストラリアは6.6人、日本は2.7人となり、1店舗で調剤業務を担う従業員数はオーストラリアの方が2.4倍多いことが分かります。
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表2.薬局薬剤師数についての日豪比較

 最後に、1店舗当たりの処方せん応需枚数についてです(表3)。年間の処方せん枚数はオーストラリアでは2億7500万枚、日本では7億6000万枚であり、これを1店舗当たりの応需処方せん枚数(月間)に換算すると、それぞれ4400枚と1100枚に相当します。つまり、日本の薬局と比べて、オーストラリアの薬局の方が1店舗当たり約4倍多く処方せんを調剤している計算になります。
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表3.処方せん枚数についての日豪比較

 以上をまとめると、オーストラリアの薬局は、1店舗当たりの調剤業務を担当する従業員数は日本よりも2.4倍多いものの、日本よりも1店舗当たり1.8倍多くの住民をカバーして、4倍量の処方せんを応需していることが読み取れます。このような違いが生じる理由は、両国間に大きく3つの違いが存在するからではないかと考えています。
 1つ目は、調剤方法の違いです。オーストラリアでは包装単位で調剤を行うため、日本のように箱から薬を取り出してシートをハサミで切って輪ゴムでとめる業務がありません。服用方法などの必要事項が記載されたラベルを箱に貼って完了なので、ピッキング時間が短時間ですみます(写真1)。
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写真1.箱出し調剤の様子(筆者撮影)

 2つ目は、薬歴記載方法の違いです。オーストラリアでは、薬歴の記載が必須ではありません。ただし、患者と話をした結果、薬学的介入につながった場合は、決められた方法で記載する必要はあります。よって、このことも業務時間の短縮につながります。
 3つ目は、法規制の違いです。オーストラリアでは、日本のように薬剤師一人当たりの処方せん応需枚数に制限がないため、少人数でも多くの処方せんを応需することができます。また、オーストラリアでは、薬局の開設や移転に対して政府が厳しいルールを設けています。その結果、適正数の薬局が適切な位置に配置されており、全ての国民が平等に薬局へアクセスできることを可能にしています。
 このように、患者の薬物治療管理に悪影響を及ぼさない範囲での調剤業務の効率化と偏りのない薬局配置が、日本よりも少ない薬局数で多くの処方せんを応需することを可能にしていると考えられます。

オーストラリアは「コンサルタントファーマシスト」を活用
 今後、日本で、かかりつけ医による医療提供体制が構築されて医療機関の機能分化が進めば、大病院の前で林立している薬局数が減少するとともに、薬局の立地面での偏りも徐々に解消されていくと考えられます。今回取り上げたデータをもとに、将来的な処方せん枚数の伸びなどを考慮せず、単純に両国の人口対薬局数だけを考えると、日本は約3万1000店舗あればオーストラリアと同等のサービスが可能という結論になります。
 しかし、こうした単純な数値比較だけでは意味を持ちません。なぜなら、近年オーストラリアでは、薬局内での業務が忙しくて在宅や介護施設での活動ができない薬局薬剤師の代わりに、薬局外でのサービス提供を専門とする薬剤師「コンサルタントファーマシスト」が誕生しており、こうした動きは、日本が目指す健康サポート薬局とは異なる方向に進んでいく可能性があるからです。そのため、海外の薬局事情を日本と比較考察する場合、今回取り扱った定量的なデータだけでなく、薬局に求められる機能を含めて、さまざまな角度から考察する必要があります。

【主な参考文献】
Duckett, S., and Wilcox, S. (2015).The Australian Health Care System (5th ed.).South Melbourne,Vic: Oxford University Press.
Hattingh, L., Low, J. S., & Forrester, K. (2013).Australian pharmacy law and practice (2nd ed.).London: Elsevier Health Sciences APAC.
The Pharmacy Guild of Australia. (2015).Retrieved November 27, 2015, from http://www.guild.org.au/.

※本記事は、エムスリーグループが運営する薬剤師向け情報サイト『薬キャリPlus』で、2015年12月25日に掲載したものです。  https://pcareer.m3.com/plus/article/report-from-australia-2/

専門家プロフィール/藤田 健二(ふじた けんじ)
昭和薬科大学大学院卒業後、杏林製薬会社に入社、新薬の探索研究に3年間勤務。その後、薬樹株式会社の薬局薬剤師として3年、同社における社内外の学習支援・薬局研究のマネジメント業務に4年従事した後、渡豪。2015年6月、シドニー大学大学院臨床疫学プログラム修了。2016年3月より同大学院博士課程へ進学予定。35歳。



https://www.m3.com/news/general/387433
注射の痛み、塗り薬で緩和
2015年12月29日 (火)配信 毎日新聞社

 注射などの痛みで子どもが泣き叫び、手に負えなくて困ったという体験をもつ親は多い。つい最近、注射の痛みを感じなくさせる塗り薬が登場したが、医師の間でさえ認知度は低く、あまり普及していない。いったいどのような薬なのか。

 ●小児用局所麻酔薬

 この薬はエムラクリーム。皮膚に塗るクリーム状の局所麻酔薬(主成分はリドカインとプロピトカイン)だ。世界ではすでに70カ国以上で使われ、国内でも大人向けには使われてきたが、今年6月にやっと注射針を皮膚に刺すときの局所麻酔薬として小児用にも承認された。

 ●処置の苦労も減り

 東邦大学医療センター大森病院(東京都大田区)では10月から、子どもの採血や点滴挿入時、注射針を刺すときに苦痛が伴う検査処置時などでエムラクリームを使い始めた。以前は注射と聞いたり、針を見たりするだけで泣く子が多く、人形やおもちゃを持たせてあやすなど、処置の必要を説明し協力を求めるにも大変な苦労をしてきたという。

 しかし、「エムラクリームの導入後は、自発的に手を差し出す子どもまで出てきた」と看護師でチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)の原田香奈さん(38)は痛みや苦痛の軽減効果を話す。

 原田さんは「それにしても、日本でも子どもに使えるようになるまでの道のりは長かった」と感慨深げに話す。8年前、子どもや家族に心理社会的な医療支援を提供する専門職であるチャイルド・ライフ・スペシャリストの資格を取るため、米国の大学に2年半留学、オハイオ州の子ども病院で研修を受けた。

 そこで驚いたのが採血や点滴挿入時の光景だった。米国の病院では採血や注射などで子どもの皮膚に注射針を刺すとき、看護師たちは「これから痛みを取るために魔法のクリームを塗るよ」と言って腕に白いクリームを塗っていた。これが局所麻酔の塗り薬だった。日本と異なり、子どもたちが嫌だと暴れたり、泣き叫んだりする光景はほとんどなかった。

 それから8年。同大森病院では、子どもの腕からカテーテルを入れるときにも、腕に塗ってみたところ、通常の挿入時の痛みの度合いを8~10とすると、クリームを塗ったときの痛みは0~1の感じだと答えた。

 いまも緊張と不安で泣く子どもはいるが、注射針を刺す時の痛みを緩和できるようになった。4歳の子どもでも絵本を見ながら、「本当だ、痛くない」とエムラクリームの効果に驚いている。

 エムラクリームは以前でも、成人患者の血管腫や母斑の治療では皮膚へのレーザー照射時に使用が認められていた。注射時の痛みが嫌で病院へ行きたがらない子どもが多い現状があるだけに、同クリームの有効性などを研究してきたJR東京総合病院の花岡一雄名誉院長(日本麻酔科学会専門医)は「注射や点滴などで局所麻酔薬が乳幼児や14歳以下の小児にも使えるようになったことのメリットは非常に大きい」と今後、痛みの緩和に大きく貢献すると話す。

 クリームを使うときは注射針を刺す約1時間前に、腕など注射針を刺す部分に塗って、プラスチックフィルムで密封した状態にしておく必要がある。塗ってすぐに注射できないもどかしさはあるが、以前のように子どもが腕を出して落ち着くのを待ったり、処置の仕切り直しに時間がかかったりするのに比べると相当に楽だ。

 ●全国に普及を

 原田さんは「日本では痛みを我慢し、頑張ったらほめる文化がある。しかし、何度も採血が必要な子どももいるので、痛みを軽くする方法があるならば、痛みの我慢は必要ないはずだ」と全国の病院に普及することを願っている。【小島正美】



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シリーズ: The Voice(医療)
ドイツの薬局・薬剤師レポート 第1回 ドイツの医療制度と薬剤師を取り巻く環境

2015年12月28日 (月)配信 アッセンハイマー慶子

 ドイツでは2004年、増大する医療費を抑えるため大規模な医療制度改革が実施されました。これが薬局・薬剤師にとっての転機となりました。医療保険で償還される医薬品数の減少、保険請求薬価の見直し、OTC価格の自由化、支店の解禁(3店まで) など、ドイツの薬局は厳しい経営環境に置かれることになったのです。そのような中でも、「国民の健康を守る医薬品の専門家」というマインドを忘れず、業務の効率化とサービス・学術面の向上を図り、信頼される「行きつけ薬局」の地位を保つべく地道な努力を続けるドイツの薬局・薬剤師をレポートします。

ドイツの医療保険制度
 ドイツは皆保険制度を採用しており、国民の約9割が公的医療保険に加入し、約1割が民間医療保険を利用しています。公的医療保険の保険料は給与額の15%前後で、日本同様に労使折半ですが、扶養家族の保険料は徴収されません。
 また、一定給与水準以下の国民は公的医療保険に加入する義務があり、その給与水準は、2015年現在、月給4575ユーロ、年給で5万4900ユーロ(源泉徴収前)。加えて、公務員、自営業者、自由業者は給与額に関わらず民間医療保険に加入できます。

医療機関にかかるまで
 医師はホームドクター(主に総合医か内科医)、専門医と役割が明確に分担されており、国民はかかりつけのホームドクターを任意に選ぶことができます。
 軽い症状であれば、国民の7割はまず薬局に相談に行きます(ABDA統計より:IFAK Insutitut 2011調べ)。
 疾患の種類や症状によって異なるホームドクターを受診し、その後必要に応じて、ホームドクターに専門医を紹介してもらいます。受診に際して、初診料はかかりませんが、検査費は項目によって自己負担となる場合があります。
 ドイツは完全医薬分業のため、処方箋は全て院外に出ます。医師には調剤権がないので、医療用サンプルを除き、医薬品を患者さんに直接渡すことは許可されていません。

ドイツで薬剤師として働く
◆薬剤師になるまでの道

 ドイツでは22の大学に薬学部を設置しており、4年制(8ゼメスター制)を採用しています。2年次と4年次の終了時にそれぞれ国家試験があります。また、薬学生は2年次終了までに学期休みを利用して8週間の実務実習を行なわなければなりません。卒業後、1年間の実務実習を経て、薬剤師資格取得のための第3次国家試験を受けます。

◆ドイツの薬局、従業員数
 ドイツでは薬局は営利目的のためだけに経営されるべきでないという理念から、薬局開設者は薬剤師の資格が必要で、他資本や外国資本によるチェーン店経営を許可していません。
 2014年現在、ドイツ全土では2万441店の薬局があります(人口約4000人あたり1店の割合)。4万9821人の薬剤師が働いており、このうち女性の占める割合は71.3%。薬剤師の他にも、以下のスタッフが働いています。

薬学実習生 1467人
PTA(薬学技術アシスタント、いわゆるテクニシャン。実習生を含む) 6万1973人
薬剤師アシスタント、薬学エンジニア(両者旧資格で現在のPTAにあたる) 6543人
ヘルパー、PKA(薬学商業従事者。主に在庫管理を行う)、その他 3万2946人

 薬局数は2004年の医療改革後は増加傾向にありましたが、2008年の2万1602店をピークに減少し始めています。今後は統廃合が進み、各薬局が経営の効率化を図るだろうと言われています。(出典:Die Apotheke Zahlen Daten Fakten 2015)

薬局の業務
 ドイツでは医薬品を「要処方箋薬(Verschreibungspflichtig)」、「薬局指示薬(OTC, Apothekenpflichtig)」、「普通薬(Freiverkäuflich)」の3つのカテゴリーに分類します。
 このうち「要処方箋薬」と「薬局指示薬」は薬局でしか販売できません。原則的に大人へは「要処方箋薬」のみ、子ども(18歳未満)へは「要処方箋薬」と「薬局指示薬」が法定保険償還対象となります。ドイツの薬局は処方薬のみならずOTC、 医薬部外品、ホームケア用品、化粧品など、多くの品物を扱います。日本の調剤薬局とドラッグストアの両方の機能を合わせたような混合型です。
 そして薬局は、「速やかな医薬品供給」と「医薬品の有効性、安全性、品質の維持」を業務の2本柱とし、また、国民の健康を守る職務から、以下の業務を行っています。

・調剤業務
・OTC医薬品、サプリメントの相談販売
・介護施設、医院への医薬品供給
・処方された医薬品の配合禁忌・相互作用のチェック
・疑義照会
・輪番制の夜勤 (ひと晩に全国で約1400店の薬局が担当)
・血糖値、血圧の測定
・調剤用原料の確認試験
・製品情報、健康管理情報の提供
・副作用の関係当局への報告
・市販医薬品検査(外観、表示の適正をチェック)
・医薬品不良ロットの報告・回収・返品
・不良医療機器、不適サプリメント等が疑われた際の関係当局への報告

 上記以外にも町の健康イベントへの参加、学校での授業など、国民に薬局の仕事を知ってもらうためのアピール活動も行っています。

◆調剤業務
 調剤業務といっても日本と異なり「箱出し」が原則。箱は適応症、投薬期間に合わせて3サイズがあります。処方箋の受け取りから医薬品を出すまで非常に短時間で済むため、薬局には待合室を設置していません。もちろん、処方内容によっては製剤を調合することもあります。
 平日は医薬品の卸会社から1日に3~5回の配送があり、薬局に在庫がない場合も迅速に商品の補充ができます。
 医薬品の支払いは箱ごとに請求され、保険請求価格が50ユーロ以下なら、1箱あたり5ユーロ。50ユーロを超える場合は1箱当たり10%の負担で、上限は10ユーロです。

◆OTC医薬品、サプリメントの相談販売
 2004年の医療制度改革で、大人へのOTC医薬品処方が保険償還外となりました。これを機にOTC医薬品の相談販売も重要な業務の一つになり、応対にあたる薬剤師、PTAの力量が問われています。ですから、薬剤師やPTAは学術セミナーやメーカーによる医薬品の勉強会に参加し、知識を積極的に吸収しています。
 また、患者さんの中には、医薬品やサプリメントに関する質問、健康相談のためだけにいらっしゃる方もいます。たとえ即答できなくても、調べて必ず何らかの情報を提供しないと、薬局は来局者に見放されてしまいます。「ありません」「できません」「知りません」だけの回答は、薬剤師には認められないのです。

※本記事は、エムスリーグループが運営する薬剤師向け情報サイト『薬キャリPlus』で、2015年6月25日に掲載したものです。

専門家プロフィール/アッセンハイマー慶子(あっせんはいまーけいこ)
ドイツ「セントラル薬局」開設者、薬剤師。一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会理事。
「29年前、ドイツの大学院に入学したばかりの頃、研究室の同僚の働きぶりを見て、『薬学は衣食住に関わるオールラウンドな学問である』と感じました。大学で取得した専門知識を職場だけでなく、趣味や日常生活に生かしていたことに大変驚いたのです。連載を通してドイツの医療制度と薬剤師を取り巻く環境や、仕事の大切さや楽しさを伝えていければと思います」



https://pcareer.m3.com/plus/article/report-from-north-america-6/
北米現地レポート
第6回「カナダ薬剤師の実態と免許取得までの道」

薬キャリPlus 2015.12.24

日本で調剤薬局、ドラッグストアでの薬剤師勤務を経て、その後カナダの薬局でテクニシャンとして経験を積んだ五味さやかさん。その経験をもとに、現在お住まいのカナダ・ブリティッシュコロンビア州から、北米の薬剤師・テクニシャン事情をレポートしていただきます。
Contact :http://w-oasis.co.jp/globalpharmacist/contact/

カナダの医療者数
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カナダと日本の薬剤師数比較
(Canadian Pharmacists Association、厚生労働省のデータをもとに作成)

カナダには現在、約3万9000人の薬剤師が存在します。2009年~2012年の間にその数は10%増え、人口および労働人口の増加率(両者とも4%以下)をしのぐ勢いで伸長。人口10万人に対する薬剤師数は95人に達しています(なお医師は209人、看護師は1046人)。
なお、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師の調査 平成24年」によると、日本の場合は、人口10万人に対する薬剤師数は219.6人。医師数は237.8人です。

薬剤師数は年々増加していますが、平均年齢(43.5歳)は数年前からほとんど変化がありません。50歳以上の薬剤師は3割以上、日本同様に女性薬剤師の割合が多く、6割をしめています。

薬剤師の勤務先とその割合
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薬剤師の勤務先
(Pharmacist Workforce, 2012)

各州の薬剤師の勤務状況を調査した「Pharmacist Workforce, 2012」によると、勤務中の薬剤師のうち8割強(85.3%)はフルタイム(正社員・パートタイム)で勤務しており、自営は1割弱(7.6%)、残りは派遣を含む臨時的な雇用形態で雇用されています。

勤務先は、薬剤師約3万9000人のうち、薬局が2万7500人、病院が6500人、残りの5000人が製薬会社や政府、大学の他、NOPやNGO団体、弁護士やジャーナリスト、コンサルタントとして活躍しています。
なお、日本の薬剤師は、「薬局の従事者」が15万3012人(総数の54.6%)。「薬局勤務」の割合は年々増加しており、「病院・診療所勤務」は平成8年以降横ばいです。

しかし近年は、都市部における薬剤師の就職難が問題になっています。2012年の調査では、登録薬剤師のうち8%は未就業で、その3分の2以上は求職中でした。

実際、筆者が知る薬剤師の話では、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー市内では新卒の就職が困難で、大学卒業およびコースを修了後、ほとんどの人が全国規模で就職活動をしているそうです。郊外や引越しを伴う派遣先での勤務経験を経て、市内へ戻ってくるケースも多くあります。

給与

Payscale.comによると、カナダの薬剤師の平均年収は、ボーナスや残業代なども含めると平均約748万円(C$1=¥92.66で換算)で、平均時給は約4165円(2015年時点)。これらは、勤務している地域によっても異なり、年収で約590万円~1057万円、時給で3274円~4964円程度のばらつきがあるようです。
また、5年以下の薬剤師と20年以上の薬剤師とでは約100万円の差があり、最も給与の高い都市と最も安い都市とでは、150万以上の差がみられます。

<経験年数による薬剤師の平均給与の差>
  ・5年以下の新入り:約825万
  ・20年以上のベテラン:約936万

<都市による薬剤師の平均給与差>
  ・最も給与が安い都市(バンクーバー):約750万
  ・最も給与が高い都市(カルガリー):約908万

外国人薬剤師の実態

外国人薬剤師(国外で薬剤師資格を取得した後、カナダの薬剤師資格を取得した外国人)の割合は、全薬剤師数の4分の1(24.5%)に上るそうです。国別にみると、上位5ヵ国はエジプト、アメリカ、インド、イギリス、フィリピン国籍で、外国人薬剤師の全体の3分の2を占めています。

外国人薬剤師の就業比率が最も高いのがトロント市のあるオンタリオ州で、2012年にオンタリオ州で勤務していた薬剤師の約4割(39.6%)が外国人薬剤師であったそうです。なお、ブリティッシュ・コロンビア州は15.6%、アルバータ州は15.4%。また、海外薬剤師の9割近くが「薬局」に勤務しています。

薬剤師免許取得への道

薬剤師やテクニシャンの資格試験を実施しているのはNPO法人のThe Pharmacy Examining Board of Canada(PEBC)ですが、資格を与えるのは各自が所属する州政府のため、薬剤師資格が全国すべての州で有効というわけではありません。これは、州によって法律や医療制度が異なるためです。異なる州で薬剤師として働く際は、実務実習や語学力、法律の知識などに関する試験に合格すれば、新たにその州での資格を取得することができます。

州によって多少異なりますが、一般的に薬剤師資格取得の条件は以下の通り。

 カナダの大学(現在10の大学が認められている)において薬学士、もしくは薬学博士課程を修了

 薬剤師免許試験(筆記・実技)および各州の薬事法試験に合格
 一定期間の実務実習を終了
 一定レベル以上の英語もしくはフランス語能力を証明(試験の要件を満たす)

カナダの大学で学士もしくは博士課程を修了していない場合でも、書類審査により同等のレベル(学位証明、成績証明、免許証、語学力等)が保証された場合、海外薬剤師にも資格取得の機会が与えられます。

3種類の試験を受験し、必要な時間数の実務実習を受けるのが一般的です。

◆審査試験(Pharmacist Evaluating Examination)
他国の大学で受けた薬学の知識が、カナダの薬学部の教育レベルに達しているかどうかをチェックするための試験です。選択マーク式で、全300問中60%以上(180問)の正答率で合格できます。

◆国家試験1-筆記試験(Multiple Choice Question)
選択マーク式で全300問を出題。合格のための基準正答率は設けておらず、試験の難易度に応じて適当な合格ラインが定められています。

◆国家試験2-実技試験:オスキー(OSCE)
日本で実施されているオスキーよりもレベルの高いカウンセリング力が求められます。合計約12個の課題が出題され、各問題の解答時間は7分間。出題内容は、服用歴の確認や処方せん監査、薬剤に関連した問題の解決、服薬指導、フォローアップ内容の考案などで、問題によっては一般用医薬品や医療機器の選択や推奨も含まれます。ほとんどが患者や患者家族、医療従事者等との対話形式で行うものですが、一部医薬品情報(DI)の回答や処方せん内容に関する問題点等の指摘と推奨医薬品の提案など、記述問題も含まれます。

費用と時間

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資格取得までにかかる時間と費用(Cost and Time to Licensure by NAPRA)

資格所得までに要する時間と費用をWebサイト「Cost and Time to Licensure by NAPRA」で試算したところ、すべての試験に1回で合格した場合、以下のようになりました。

ただし、それぞれの試験を1回で合格している人の割合が少ないのも事実で、以下の内容に、さらにOSCE試験(1回$1500)や実務実習の時間、生活費などを考慮に入れると、200万〜300万円以上かかることが予想されます。

各州が提供している実技演習プログラムや政府が支援している公式のWebサイトなどではさまざまな情報が提供されています。

※詳細は、以下のサイトをご覧ください。
National Association of Pharmacy Regulatory Authorities (NAPRA)
The Pharmacy Examining Board of Canada (PEBC)

変わりゆく薬剤師の世界

カナダでは、昨今、政府の政策により移民の受け入れを進めています。一方、その移民の人口増加率をしのぐ勢いで薬剤師が増加。特に外国人薬剤師の割合が増えているという事実は、興味深い内容です。仮にこの事態が日本で起きた場合、皆さんはどのように感じるでしょうか。日本で移民の数が増加し、海外医療従事者達が皆さんの身近なところで活躍している姿を、頼もしいと感じますか、それとも脅威と感じますか。

また、薬剤師増加に伴い、都市部における就職難という新たな問題が生まれています。目下、大学側は薬学部の学習項目の拡大や修学年数の増加を検討しており、そうした動向からも、今後はさらに薬剤師の「質」に重点が置かれると思われます。

外国人薬剤師の増加や、都市部での就職難など、カナダの薬剤師業界が抱える課題は、日本にも起こりうる事態。ぜひカナダだけでなく、諸外国の薬剤師事情にも目を向け、考える機会を作ってみてください。

参考:
“Pharmacists in Canada”:Canadian Pharmacists Association
Pharmacist Income (Canada) : Payscale.com

  1. 2015/12/31(木) 06:10:42|
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12月29日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/387441
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
外科学会が50人態勢で調査、群大腹腔鏡死亡問題
調査対象は8年間で51の死亡症例

2015年12月29日 (火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学医学部付属病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題を受けて、同大が新たに設置した外部委員による「群馬大学医学部附属病院医療事故調査委員会」(委員長:上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は12月29日、京都市内で会見し、日本外科学会が専門調査を受託し、調査を開始したことを報告した。同学会は総勢50人態勢で9つの小委員会を設け、群大病院での消化器外科手術後に死亡した51例について医学的な調査する。

 2015年8月に発足した新たな群大事故調査委員会は、当初から医学的な調査については専門学会などに依頼するとしていた(『群大、新たな事故調が始動「負から正の遺産に」』を参照)。日本外科学会は11月24日に受託、12月24日に第1回の委員会を開いた。上田氏によると、外科学会は本件調査に当たって、総合的に検討する合同委員会とその下に9つの小委員会を設置。小委員会は臓器別に構成され、それぞれ3、4人の医師が参加する。肝胆膵分野での死亡例が多いことから半数は同分野になる。合同委員会は小委員会の委員長と弁護士や医療安全の専門家などで構成され、全体で総勢50人規模になるという。

 外科学会の調査対象は、8人の腹腔鏡手術を担当した執刀医が群大病院で手術を始めた2007年度から2014年度までの8年間で、旧第1外科と旧第2外科で行われた消化器に対する手術で、術後に在院死亡した症例。当該執刀医以外が担当した手術も対象にし、術式や手術から死亡までの期間は問わない。8年間で約6700例の手術が行われており、そのうち在院死亡した64例についての基礎データ(年齢、疾患名、術式など)を外科学会の第1回委員会で検討。51例については、診療録、画像データなどを基に、さらに詳しく調査する必要があると判断された。今後、大学が遺族の同意を得た後に資料を提出し、外科学会の小委員会で専門的に調査する。

 各小委員会は2016年1月と2月に2、3回ずつ開いて、それぞれ5、6例を検討する。その後、合同委員会でまとめ、外科学会の理事会で承認を得た後、群大事故調に提出される。群大事故調は2015年度内の報告書提出を予定していたが、外科学会の学術総会が2016年4月に予定されていることなどから、その後にずれ込む見通し。

 検討対象となった64例の内訳は、第1外科で肝胆膵16例、上部消化管4例、下部小器官6例の計26例。問題となった当該執刀医が所属する第2外科では、肝胆膵33例、上部消化管4例、下部小器官1例の計38例。同期間の肝胆膵の手術数は、第1外科で約600例、第2外科で約570例だった。術後の在院死亡の基準は外科学会が決めており、上田氏は「消化器外科の全体を判断すべきと考えられたのでは」と説明した。

 64例の執刀医は計15人。これまでの会見などで当該執刀医の死亡症例は腹腔鏡下、開腹手術を合わせて30例あることが明らかにされており、51例に全て含まれる。

 費用については、1例につき30万円程度を大学が外科学会に支払う。交通費などの実費に充てられ、調査を担当する医師への謝礼金はないとみられる。外科学会の受託が遅れた理由について、上田氏は「新たな医療事故調査制度が10月から始まり、ファジーな時期だった。(3月に公表された大学による)事故調査報告書では『過失あり』という文言が入るなど、新しい制度への多大な影響があった。外科学会内部で議論に時間がかかったようだ」と説明した。

 群大事故調は12月20日までに10回の委員会を開催した。20日には当該執刀医、診療科長へのヒアリングも行った。それぞれ弁護士を同席した上で、2時間以上のヒアリングになったという。「答えなくない質問には答える必要がないことを話した上で、全ての質問に答えてくれた」(上田氏)。

 ヒアリングでは、診療科の体制やインフォームド・コンセントの在り方などのほか、3月の報告書の作成過程などについても質問したという。執刀医と診療科長は「前回調査ではヒアリングが1回20分程度で、事前に報告書の確認できず、一部は事実と異なる」などと主張したとのこと。また、診療体制については、死亡症例検討会を行っていなかったことが確認された。

 上田氏は「(群大事故調では)専門領域の質問はできない」として、医学的な内容については外科学会が別途、ヒアリングを行う見通しであると説明した。

 そのほか、これまでの委員会で対象とする腹腔鏡手術8例、開腹手術10例のうち、15遺族からヒアリングを行い、さらに1遺族から行う予定。2遺族からは「必要ない」との回答があったという。



http://www.asahi.com/articles/ASHDY4R2YHDYULBJ01T.html
術後死64人、半数が同じ医師 群馬大病院の症例調査へ
竹野内崇宏
2015年12月29日22時00分 朝日新聞デジタル

 群馬大病院で肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、外部の有識者でつくる医療事故調査委員会は29日、日本外科学会に医学的な検証を委託し、同じ期間に肝臓を含む消化器の手術後に病院内で死亡した全症例64人分を調べることを発表した。問題が指摘されている40代の男性医師(退職)が執刀した手術では術後に30人が死亡しており、約半数を占めている。

 調査委は学会からの報告を受け、4月にも報告書をまとめる予定。

 会見した上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)によると、学会が調査対象としたのは、男性医師が群馬大病院で手術を執刀した2007~14年度に、消化器外科で実施された手術約6700例のうち、問題の有無にかかわらず院内で死亡した64人について。診療体制などを調べるには、男性医師が担当した手術だけを対象とするのは適切でないと判断した。64人の手術を執刀した医師は男性医師のほかに14人。

 また上田委員長は、今月20日に調査委が男性医師から聞き取りをしたことを明らかにした。男性医師は、術後の死亡例については病院内の検討会や会議の場で情報を共有していたと説明したという。

 上田委員長は「マンパワーが足りないなど、病院の診療体制に問題があったと考えている」と話した。(竹野内崇宏)



http://mainichi.jp/articles/20151230/k00/00m/040/025000c
群馬大患者死亡
日本外科学会へ医学的な検証委託

毎日新聞2015年12月29日 19時52分(最終更新 12月29日 22時14分)

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で、同一の医師から肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、同病院医療事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は29日、京都市内で記者会見し、日本外科学会(東京)へ医学的な検証を委託したと明らかにした。

 上田委員長によると、検証は責任追及ではなく再発防止が目的。日本外科学会は、約50人のメンバーで同病院消化器外科全般の診療態勢を検証するため、問題の医師の担当だけでなく2007〜14年度に同病院で手術後に亡くなった64症例すべてを調べる。うち51症例は病院側に詳細なデータの提出を求めたという。

 調査委は「64症例すべてに問題があったわけではない。今後は資料要請があった患者の診療記録などを、病院が遺族の同意を得て提供していく」としている。日本外科学会は来年4月までに検証を終える見通し。【土本匡孝】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128648
群大術後死、外科学会が51例検証へ…問題医師以外の執刀も
(2015年12月30日 読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は29日、2007~14年度に行われた消化器外科手術後に死亡した患者51人を対象に、診療に問題がないか詳細な医学的検証を行うと発表した。

 この中には、既に明らかになっていた問題の男性医師による30人も含まれる。検証は日本外科学会に委託されており、来春にも結果をまとめる予定だ。

 この日、京都市内で記者会見した上田委員長によると、同学会は、問題の男性医師が旧第二外科に在職した07年4月から15年3月まで8年間の調査を実施。難易度の低い手術も含め、旧第二外科と旧第一外科で行われた消化器外科の全手術(約6700例)から、入院中に死亡した64人(旧第一26人、旧第二38人)の病名や手術方法といった基礎データを検討した。64人の手術は、問題の男性医師を含む15人が執刀した。

 検討の結果、51人に詳細な調査が必要と判断。今後、遺族の同意を得てカルテや検査画像を精査し、手術や術後管理など診療に問題がないか調べる。51人のうち30人は、問題の男性医師が執刀した肝胆膵かんたんすい(肝臓、胆道、膵臓)外科手術の患者(腹腔ふくくう鏡8人、開腹22人)だった。

 また、上田委員長は、今月20日に男性医師と上司だった教授に聞き取りを行い、教授が、患者の死亡が相次いでいたことを認識していたことを明らかにした。それでも手術を継続した理由については、上田委員長は明言を避けた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128640
検査怠り誤診、重い障害…佐賀大病院が患者に謝罪
(2015年12月29日 読売新聞)

 佐賀大付属病院は28日、40歳代の女性患者へのMRI(磁気共鳴画像)検査や治療などが遅れ、女性の下半身に重い障害が残るミスが発生した、と発表した。

 同病院は女性に謝罪し、厚生労働省などへ報告した。

 同病院によると、女性患者は10月、「両足に力が入らない」と来院。診察した総合診療医(40歳代)は、別の医師から勧められたMRI検査を見送り、女性の病歴などから「ストレスなどが原因」と診断して別の病院を紹介した。

 女性は症状が改善せず、数日後に別の病院でMRI検査を受け、脊椎に血腫が見つかった。佐賀大付属病院で血腫を取り除く手術を受けたが、下半身にまひが残った。

 同病院の森田茂樹院長は「速やかに(血腫を)除去すれば、まひは残らなかった可能性がある。再発防止を徹底する」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386093
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
2015年、診療室の波乱万丈エピソード◆Vol.5
「勤務先が不祥事で閉鎖」「75歳で専門医取得」

医師調査 2015年12月29日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 Q6-1.  2015年に、医療関連でご自身の身の回りで起きたことの中で、良かったことはありましたか。最も印象深かったエピソードを、可能な限り具体的に教えてください。(任意)
 Q6-2.  2015年に、医療関連でご自身の身の回りで起きたことの中で、悪かったこと、困ったことはありましたか。最も印象深かったエピソードを、可能な限り具体的に教えてください。(任意)

 2015年の印象的なエピソードを、良かったことと悪かったに分けて任意で尋ねました。世相を表すような患者とのエピソードや、診療にまるわるヒヤリとした出来事、ショッキングな思い出、波乱万丈な人生の一コマなどが多数寄せられました。

「悪かったこと・困ったこと」

<院内環境・職場環境の悪化>

・勤務先の医療法人が不祥事で全部理事辞職。勤務先が閉鎖され解雇された。【勤務医】
・大学病院からの当直医の応援がなくなり、60歳を前に再び当直勤務に就くことになった。【勤務医】
・勤務していた医療法人が理事長の暴走で解散(計画倒産)し職を失ったが再就職した。【勤務医】
・部長が定年退職したために後任の部長になったが、人は減る、仕事量は多い、給料は少ないで肉体的にも精神的にもきつい年になった。【勤務医】
・税制が変わり、給料が減った。看護学院長を併任になり、仕事が増えて忙しくなった。次第に体力が低下。【勤務医】
・自分の専門分野以外の病院業務を分担させられ、その業務にかなりの時間を割いていること。【勤務医】
・病院の採算環境がますます悪化し、急性期医療が崩壊しつつある。【勤務医】
・バイト先が看護師不足で診療を中止した。【勤務医】
・勤務病院を変えましたが、どこも問題は同じであることを実感しました。【勤務医】
・院長が相談もなく科の方針を決め、医師も事務も振り回されているので、転職を決意。給料は下がるし勤務時間はかなり伸びるし、退職金や福利厚生も期待できなくなるけど、新しいスキルは身につけられるのかな…。【勤務医】
・業績の悪化で役員報酬の1割カット、冬のボーナス2分の1に。とほほ。【開業医】

<薬の関係>
・患者の方がインターフェロンフリーの新薬の情報が早くて、説明に難渋した。【勤務医】
・院内薬剤がジェネリック医薬品に強制的に替えられた。【勤務医】
・製薬会社との関係性が難しくなった。【勤務医】
・政府主導でジェネリックが決まり、新薬開発において製薬メーカーとの協議、すなわち、未来へ向けての議論が少なすぎたように感じる。【開業医】
・医療費無料の患者に3倍量の座薬を間違って処方してしまったが、薬局で無料だからいいでしょうと言われて、大量の薬をもらいましたと患者から報告受けたこと。【勤務医】
<診療でヒヤリ>
・脊椎の手術でレベル誤認したこと。患者さんに謝罪し、再手術をさせていただきました。幸いにしてその後の経過は良好です。【勤務医】
・予防接種後の水痘を誤診したかもしれない。【勤務医】
・心臓血管外科との手術連携が旨く行かず、患者さんを混乱させてしまったこと。結果的には上手く行きましたが、連携の際、患者さんへの説明の手順について考えさせられました。【勤務医】
・スタッフの処方ミス。【開業医】

<世相と患者の問題>
・患者がインターネットで入手した「生半可な医学知識」を振りかざすので、当方が閉口する。【開業医】
・早期発見・早期受診の名の下で、特に問題のない物忘れや頭痛の患者が増加した。【勤務医】
・些細なことで患者さんがどなり、辟易したことが以前よりも増加した。昼休みがなくなるくらい多忙を極めた。【勤務医】
・なぜか予約時間よりもかなり早く来院していた方を、順番通りで良いということだったので、予約時間通りで診察室にお呼びしたら「いつまで待たせるんだ!」と30分くらい罵倒された。【勤務医】
・受診を控えたり、投薬日数を増やせように申し出る方の激増。【開業医】
・重症患者が在宅において増えた。【勤務医】
・神経内科専門医で勤務医ですが、見当違いの紹介患者が増えていること。【勤務医】
・年々ネット情報が氾濫し、患者さんが知っている病名を上げ続けて尋問される外来になり無駄な検査と説明の時間がかかるようになってきた。【開業医】
・外来診療を依頼されたが、入院から退院までの1カ月の間に、次第に血性アルブミン値が低下しており、退院時1.8mg/dlの状態で紹介されたこと。すぐに病院へ戻した。【開業医】
・長年、診療させていただいておりました患者さんが亡くなられたこと。【開業医】
・患者さんの窓口負担の未納が増えた。【開業医】

<その他>
・医局の医師が病気により急逝されたこと。【勤務医】
・PAが高値を示し、同時に大腸ポリープも癌が疑われた(現在、前立腺癌も大腸癌も疑いが晴れつつある)。【勤務医】
・電子カルテがとうとう導入されたが、仕事が楽にならない。【勤務医】
・昨年メーカーを変えた電子カルテに不具合が多く、明らかな欠陥をメーカーにクレームを付けても対応しない。カルテの電子化を進めたのは厚生労働省なのに監査もしていないのはなぜだろう?【勤務医】
・開業10年以上経って、機械類が次々壊れ買換えに追われた1年であった。【開業医】
・施設や設備の老朽化で、新規購入や買い替えが必要になったが、どれにももれなく8%の消費税が付いてきたこと。診療報酬は引き下げられるし、消費税は相変わらず損税のままで収入は減少傾向なのに、大変きつい出費だった。【開業医】
・知らないところで事務長の不正請求があり、訴訟問題に発展しかかった。【開業医】
・税務署が来て、重加算税を取って帰った。【開業医】
・特になかった。自分自身が加齢からと思うが、色々と能力的に低下してきている。【開業医】


「良かったこと」

<個人的なエピソード>
・75歳で日本人間ドック学会健診専門医の試験に合格。【勤務医】
・子どもが医学部に合格した。【開業医】
・自分が腹腔鏡の手術を受けて、無事終了したこと。【勤務医】
・自分が心筋梗塞に罹患して、運良く助かったこと。短期間、患者にもなったが、また医師に復帰。通院しながら診察・検査も行うという両面性を初めて体験したこと。自分の運命は自分だけで左右できるものではないということを実感させられた年であった。【開業医】
・一泊二日で自分自身が心臓カテーテルを2回して、費用が高くて驚いた。安くはないと思うが、普段病気をしないのでびっくりした。たまには医者も、患者になった方が良い経験になるだろう。【開業医】

<仕事で良かったこと>
・私(整形外科医)が勤務する病院の手術室ナースの多くが、私の手術の介助に入りたがっているという事実を知ったこと。おそらく私が手術中に声を荒げたりすることがない(つまりおっかなくない)からと推察されます。外科医にとって手術室ナースは仕事上の最も重要なパートナーですので、ありがたいことと思っています。【勤務医】
・研修医が処置や問診の取り方が素晴らしく外来負担が減った。【勤務医】
・売り上げや稼働率の低下が、医療の質の向上に伴ってやむを得ず派生していることに、勤務している病院が一定の理解を示してくれていること。【勤務医】

<医療の発展に感謝>
・C型肝炎ウイルスの経口薬が画期的な治療成績を示していること。【勤務医】
・糖尿病内科をしている者にとって、画期的な新薬が出たことは実に喜ばしいことであった。他の分野でも言えることであるが。【開業医】

<患者とのエピソード>
・長く待たせた外来で、待たせたことを謝罪した後に、患者さんに全く怒ることなく「先生優しいから、いろいろ話聞いてくれるから大変でしょ」と労われたこと。看取った患者家族に、「本当に先生に診てもらってよかったです」と言われたこと。【勤務医】
・月並みですが、患者さんに喜んでいただけるのが一番うれしいです。【勤務医】
・救急外来で、救急車の無理な利用を減らそうとする旨の発言を、患者さん自身から何度も御聞きしたこと。【勤務医】
・重症仮死で生まれた新生児を蘇生したが、無事後遺症なく退院させられたこと。【勤務医】
・胃癌のため胃全摘後でうつ病の50代の患者が、るい痩と低カリウム血症で入退院を繰り返していたが、ようやく落ち着いて外来通院していること。【勤務医】
・地道に患者様のこと考えて診療していたら患者さんが戻ってきたこと。【開業医】
・ジェネリックが、増えることが当たり前のようになり、患者さんから、喜ばれました。【開業医】
・20年以上前の勤務医時代に看取った患者の家族と偶然再会し、一家4人全員のかかりつけ医になったこと。【開業医】
・以前から診ていたAS患者が他院で弁置換術をして無事だったこと。【開業医】
・以前診た患者さんが、お母さんになって子供を連れてきたこと。【開業医】

<新しい職場で気持ちを新たに>
・6月末で今まで23年務めた病院を辞め、7月より現在の職場に就いたこと。ストレスが激減しました。【勤務医】
・大学病院に転勤となり、多様な症例が経験できるようになった。【勤務医】
・思い切って東京を跳び出してみて良かった。地方にはまだまだ活躍できる場所がある。【開業医】

<その他>
・メーカーさんが提供してくれる勉強会に数多く出席して、多くの知識を得ることができた。【勤務医】
・民事医療訴訟の被告となったが、訴訟ビジネス集団の弁護士や専門医のもっともらしいデッチ上げの訴えをことごとく論破していること。【開業医】
・初めて聴診した心疾患で勉強になった。【開業医】
・警察の検死官の定員が増えたお陰で、死体検案の際に検死官が立ち会う機会が増えて検案がスムースに行えるようになった。【開業医】
・W台風で床上浸水になったが 清掃業者も終日緊急で対応してくれ スタッフも文句一つなく通常の勤務についてくれました。ひたすらみなさんに感謝、感謝でした。【開業医】
・医師会を辞めることにより、時間が作れるようになり、当直も無くなり、改めて現在の医師会が制度疲労を起こしているのを再認識致しました。【開業医】
・長年のスポーツドクターとしての仕事が認められ、県よりスポーツ功労賞を授与された。【開業医】
・診療所をやっていますが、後輩に副院長職で来てもらって時間的余裕から旅行に行けるようになった。【開業医】
・世の慢性的な看護師不足の中、良い人材に巡り会えたこと。【開業医】

<良いこともあれば⇒悪いことも>
・「患者さんが宿舎の玄関先に何も言わず置いていってくれた野菜の数々が今年は上出来でうまかったこと」⇒「就職活動の準備をせざるを得なくなったこと。いつも目にするWeb広告の「ちくしょう!転職だ!」が洒落にならない」。【開業医】
・「当院が訪問診療を開始してそれなりの売り上げになったこと」⇒「訪問診療開始でオンコールが頻繁になり精神的・体力的に疲れた」。【開業医】
・「最悪な理事長を退任させた」⇒「最悪な前理事長の借金が残った」。【開業医】 
・「患者さんの数が一気に増えて、全国レベルに並べたこと」⇒「同業者から根拠のない誹謗中傷を受けたこと」。【開業医】
・「長い公務員生活にピリオドを打ち開業したこと」⇒「開業の手続きの複雑性にびっくり」。【開業医】
・「大会長を任じられた学会地方会を無事に終わらせることができたこと」⇒「職員の内部におけるいじめ、それに伴う退職、それに伴って私自身が円形脱毛に陥ったこと」。【開業医】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201512/CK2015122902000147.html
乳房切除医療事故 「患者、家族に申し訳ない」
2015年12月29日 東京新聞【千葉】

 森田健作知事は二十八日の記者会見で、県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、県内の三十代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を切除された医療事故について「患者、家族に申し訳ない。おわび申し上げる」と陳謝した。
 知事は「女性にとって乳房は命。それを間違えたのは忍びがたい。『私の人生をどうしてくれるの』というお気持ちだと思う」と述べた。県は、外部専門家を含む「院内事故調査委員会」を年明けの一月初旬にも開催し、取り違えが、どの過程で発生したかなどを調べる。 (村上一樹)



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2015/1229038107/
【2015年 私の5大ニュース】
新春特別企画 2015年私の5大ニュースと2016年の抱負

香坂 俊
2015.12.29 Medical Tribune

 2015年はどのような年だったでしょうか。医療を必要とする人々を支援すべく,奔走を続ける先生方も多いことと思います。一方,第三者機関による医療事故調査制度の開始,次々と現れる新薬とジェネリックの躍進など,医療を取り巻く環境の変化を感じる出来事も相次ぎました。Medical Tribuneは医療関係者と医療・医学の最新情報をつなぐ架け橋として,鋭意活動を続けていきます。本企画では魅力あるコンテンツづくりに多大な貢献をいただいている,さまざまな診療科・領域でご活躍の先生たちに,2015年の5大ニュースと個人的ニュースを語っていただきました。

5. 血圧はもっと下げた方が良い? SPRINT試験(N Engl J Med 2015年11月9日オンライン版)

 まずはSPRINT試験の結果である。血圧(収縮期)は140mmHg前後よりも厳格に120mmHg前後をターゲットとした方が予後は良いという結果をたたき出したランダム化比較試験であるが,注意すべきは,試験に登録されたのはCKD(慢性腎臓病)やCAD(冠動脈疾患)などさまざまな背景疾患を持ち,10年リスクが「15%以上」という超ハイリスク症例にとどまるということである。ほとんどの日本人の高血圧患者には当てはまらず,かつ平均3〜4剤という重層的な降圧薬投与がなじむとも思えない。「慎重な解釈が必要」に1票。

4. LCZ696が全てのリスクの心不全で効果的(J Am Coll Cardiol 2015; 66: 2059-2071)

 LCZ696は,ACE阻害薬やARBに代わって(おそらくは強力なプロモーションとともに)導入されてくるであろう次世代の心不全治療薬である(米国の商品名:Entresto)。その有効性を証明したのはPARADIGM-HFという試験であったが,自分はこの薬剤が全方位的に使えるのかどうか疑問に思っていた。SPRINT試験の降圧薬のように,そのリスクの大小によって効果に違いが出るのではないかといぶかしんでいたのである。しかしこの論文では,既存の予後予測モデルを活用し,そのリスクの大小にかかわらずLCZ696が威力を発揮しうるとの結果をきっちりと出した。臨床試験のpost-hoc解析もここまで来たかと感嘆した次第である。

3. エンパグリフロジンが劇的な予後改善,EMPA-REG試験(N Engl J Med 2015年9月17日オンライン版)

 エンパグリフロジンのこの結果には驚かされた。DPP-4阻害薬が「引き分け」ばかりだったのでSGLT2阻害薬も同じだろうと高をくくっていたら,ごく早い時期から著明な予後改善効果が見られ,そのまま突っ走ってゴールしてしまった。糖尿病には簡単な対処法は存在しないと思っていたが,SGLT2阻害薬は意外なブレイクスルーとなるかもしれない。ただ,効果の出方が非常に早く,単なる血糖のコントロールによる帰結だけではなさそうである。米国型の糖尿病患者(この試験の患者の平均BMIは30)には心不全治療に近いアプローチが必要なのかと考えさせられた。

2. Precision Medicine の威力の定量化(BMJ 2015; 350: h1302)

 この論文は薬剤を扱ったものではない。臨床系の論文でちょくちょく出てきている統計的な予後予測モデルを臨床現場に持ち込んだらどうなるか,というテーマを扱ったものである。その具体的な内容であるが,電子カルテと連動し患者情報を入力した際にその出血リスク(%)が同意書に印刷されるようにしただけで,カテーテル手技後のイベント発症を半分近くまで落とすことができたというものであり,恐るべき結果といえる。今後この論文のタイトルにもなっている「Precision Medicine(適格化医療)」は1つのキーワードになっていくのではないか? まさに次世代のEBM手法である。

1. PCSK9がやってくる(N Engl J Med 2015; 372: 1489-1499)

 PCSK9阻害薬は劇的にLDL値を下げる。しかし,ただそれだけでは今年のニュースの筆頭には置かない。この薬剤は「ただ最大量のスタチンだけを使っていればよい」という現在の米国ガイドラインに挑戦する破壊力を秘めており,おそらくは近い将来再びLDL値をターゲットとした規定が作成されるのではないか。またモノクローナル抗体である本剤は,循環器内科領域に初めて免疫学の内容を持ち込み,脂質治療の在り方を根本から変える可能性がある。この薬剤の開発がこのまま進めば,ワクチンでコレステロールコントロールを行う,ということも将来は十分ありうる。
日本のIABP解析結果が海外で波紋(JAMA Intern Med 2015; 175: 1980-1982)

 自分たちのデータベース(JCD-KiCSレジストリ)から発表した内容であるが,"LESS IS MORE"を標榜するJAMA Internal Medicine誌に採用していただいた。IABPの適正使用をうたったものであるが,驚いたのがこの内容が電子版に出て,すぐに海外のメディアからインタビューや取材の連絡が来たことである。インターネット時代の情報伝達力のすさまじさを思い知ることとなった(関連リンク参照)。なお,この論文の共著者は,一連のプロジェクトで現在も重要な位置を占めている方々で(臨床研究大学院一期生,システムと統計担当,CRC主任,カテーテル班チーフ,主任教授),この場を借りて今年1年分飛び切りの感謝をさせていただきたい。
(慶應義塾大学内科学 香坂 俊)



http://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201512/0008684801.shtml
姫路聖マリア病院に新館 体験型医療を充実
2015/12/29 20:30神戸新聞NEXT

 患者の治療、介護、最期のみとり-。これらを継続的に学べるシミュレーションセンターがこのほど、姫路聖マリア病院(兵庫県姫路市仁豊野)に完成した。生体反応を再現する人形を使った医療処置や、在宅介護、終末期患者への対応などが模擬体験できる。こうした施設は全国的にも珍しいといい、関係者は「地域医療レベルの底上げを目指す」と意気込む。(三島大一郎)

 姫路メディカルシミュレーションセンター「ひめマリア」。11月に同病院にできた新館「タボール館」の4階に整備された。タボールは、新約聖書に記載がある「タボール山(別名・変貌山)」から名付けた。

 模擬体験できるのは「医療」「介護」「みとり」の三つで、具体的な状況を想定した複数のシナリオをもとに行う。

 「医療」では、ナースステーションをはじめ、病室や医療機器類などの臨床状況を忠実に再現。医療処置はもちろん「チーム医療」に欠かせないコミュニケーション力や患者対応なども学ぶ。看護師が医師役を担うなど、他職種の動きを知る機会にもなるという。

 「介護」では、実際に介護ベッドや移動リフトを操作。専門職のトレーナーから技術指導を受ける。「みとり」では、ホスピス病棟のスタッフらが、終末期患者の苦痛を和らげる「緩和ケア」の手法などを直接手ほどきする。

 同センターは、県内外の医療従事者や救急隊員のほか、地元市民や教職員らにも開放される。同センターの田中宏治・エグゼクティブマネジャーは「知識だけでなく、さまざまな状況を実際に体験することが大事。多くの人に必要な技術を身に付けてほしい」と呼び掛ける。

 一方、タボール館には、医療的な要素を取り入れたフィットネスジム「マリアプラス」も併設。利用者は、医師や理学療法士、看護師らのサポートを受けながら、血液検査や心電図などのデータをもとに、体力と目標に応じた運動プログラムが組み立てられる。現在、2週間体験も実施中。

 ひめマリア http://himemaria-sim.jp/ ▽マリアプラス http://mariaplus.jp/



http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015123002000063.html
「レセプト債」56億円償還不能か 田原証券
2015年12月30日 中日新聞 朝刊

 医療機関の診療報酬請求権を基に「レセプト債」と呼ばれる債券を発行したファンドが破綻し、田原証券(愛知県田原市)がこの債券を顧客六百人以上に計五十六億円余販売していたことが、同社の内部資料などから判明した。顧客は償還を受けられない可能性があり、同県弁護士会の消費者問題担当の弁護士らが、被害者弁護団を結成する方向で検討している。

 破綻したのは資産運用会社「オプティファクター」(東京)と、同社が管理するファンド三社。四社の負債総額は二百九十億円に上り、東京地裁は十一月、破産手続き開始を決定した。

 レセプト債はファンド三社が発行し、田原証券やアーツ証券(東京)、竹松証券(金沢市)など七証券会社が延べ三千人の投資家に販売。発行債券の残高は二百二十七億円に上り、償還できない可能性があるという。証券取引等監視委員会はファンドの決算内容に不審な点があるとして、オプティ社や各証券会社などの調査に乗り出している。

 弁護士らによると、レセプト債は年利3%、償還期間は一年で、田原証券は安全性の高い商品として、東三河地区の一般投資家を中心に販売。オプティ社などの破綻直前には顧客らに書面で「見掛け上、商品の運用状況が極めて悪いと認識される可能性があるが、運用状況を確認し改善を図る要請もしている」「運用開始から金利や償還金の未払いが発生したことは一度もない」と説明していた。

 田原証券は本紙の取材に対し「顧客の対応に忙しく、取材には一切応じられない」としている。

 同社は一九二九年創業で、愛知県豊橋市や豊川市に営業所がある。小口取引が中心で、二〇一五年三月期の売上高は三億八千万円。

 <レセプト債> 各医療機関が市町村や健康保険組合に診療報酬を請求する権利をファンドが買い取り、それを裏付けに発行する金融商品。診療報酬は請求から支払いまで約2カ月かかるため、医療機関は請求権を売却すれば、即座に現金を調達できるメリットがある。診療報酬は健保組合などからほぼ確実に支払われるため、安全性が高いとされるが、元本割れすることもある。


  1. 2015/12/30(水) 05:40:35|
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12月28日 

http://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/201512/0008682616.shtml
新規の分娩受け入れ休止へ 明石市立市民病院
2015/12/28 21:30神戸新聞

 明石市立市民病院(兵庫県明石市鷹匠町)は28日、新規の分娩(ぶんべん)受け入れを来年1月から休止すると発表した。出産対応数が10年前の約1割に落ち込んだのが理由だが、同病院は高度医療が必要な妊婦の受け入れ先でもある。市が「子どもを産み育てやすいまち」を掲げることとのギャップを感じる人も出そうだ。

 同病院には現在、産婦人科の医師が3人いる。藤本莊太郎理事長(69)によると、2005年度の分娩数は426件だったが、08~09年度に医師不足で分娩対応を休止した影響や、病棟が新しい病院に人気が集まることなどから、14年度は51件にまで減少した。

 市内では現在、2病院と4診療所が出産に対応。14年度は明石医療センター(同市大久保町八木)で1061件、あさぎり病院(同市朝霧台)で965件などの分娩実績がある。市民病院は子宮が本来の位置から下がる「子宮脱」の手術で近畿1位の実績を誇るが、藤本理事長は「市内の医療機関に、妊婦受け入れ体制の余裕があることが分かったので、休止を決めた」と述べた。

 一方、市民病院は明石医療センターなどとともに2次救急医療も担う。泉房穂市長は、人口30万人を目指すため「任期中、12月末の人口が1月より減る年があればすぐに辞任する覚悟」とも述べており、市議の一人は「利用者数が少ないからといって分娩を中止するのはいかがなものか」と批判する。

 市民病院によると、現在受診中の妊婦は出産まで対応する。里帰り出産を予定する妊婦の健診は今後も受け入れる。(井原尚基)



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/264099
佐大病院、診療ミスで重度障害
2015年12月28日 19時43分 佐賀新聞

 佐賀大学医学部附属病院は28日、下半身の脱力感を訴え外来受診した40歳代の女性患者に、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を行わなかったため疾患を見落とし、両下半身まひなど重い後遺症が出る診断ミスがあったと発表した。主治医以外の医師にも意見を求めるコンサルトシステムが機能しなかった。同病院は厚労省九州厚生局など関係機関に届け出るとともに、患者と家族に説明、謝罪した。

 女性患者は今年10月、「両下半身に力が入らなくなった」と訴え、車いすで来院。患者は精神科に通院中で、呼吸が極端に速く、上半身が震えていたことから、主治医の総合診療医は、ストレスなどが引き起こす身体障害「転換性ヒステリー」の可能性が高いと判断した。

 コンサルトシステムで意見を求めた神経内科医から「血液検査とMRI検査を行うべき」との具申があったにもかかわらず、主治医は血液検査だけ行い、MRI検査は後日行うことにして他の病院に転院させた。

 ところが、発症から3日後にMRI検査をしたところ、脊椎に血腫が見つかり、附属病院で緊急手術したが、女性は両下半身のまひとぼうこう直腸障害が生涯続く重い後遺症が出た。病院側は「初診時に検査し、すぐに手術していれば、後遺症は避けられた可能性も否定できない」としている。

 会見した森田茂樹院長は「医師としてベストを尽くせば防ぐことができたミス。患者に多大なる苦痛を与えたことに対し深くおわび申し上げたい」と謝罪。コンサルトシステムを機能させるよう現場に周知するなど、再発防止策に取り組むという。



http://www.yakuji.co.jp/entry48120.html
【2015年回顧と展望】「門前」から「かかりつけ」「地域」への流れ定着を‐日薬副会長
日本薬剤師会副会長 石井甲一
2015年12月28日 (月) 薬事日報

 2015年は、薬剤師会にとって大きな嵐の真っ只中を歩いているような1年だったと思います。しかし一方で、イベルメクチンの開発で大村智氏がノーベル生理学・医学賞受賞という、うれしいニュースもありました。

調剤報酬の不適正請求

 2月、大手薬局チェーンの子会社が薬剤服用歴未記載のまま調剤報酬を請求していたとの新聞報道があり、当該企業もその事実を認めたため、厚生労働省より、全保険薬局を対象とした自主点検が指示されました。

 このような行為は、保険調剤のみならず、薬剤師そのものの信頼性を貶めるものであることから、3月に本会から都道府県薬剤師会に対し、研修会の実施を依頼すると共に、6月には本会の医薬分業対策委員会が作成した研修会用資料を都道府県薬剤師会に提供しました。

規制改革会議からの指摘

 2月、規制改革会議が「医薬分業における規制の見直し」をテーマとして取り上げ、3月に厚生労働省、日本医師会、健康保険組合連合会、有識者と共に、本会からは森副会長が参加した公開ディスカッションが行われました。

 ディスカッションの場では、本会が、かかりつけ薬局・薬剤師による面分業を目指してきていることを強調する一方、薬剤師による疑義照会、後発医薬品の使用促進、残薬支援等による医療保険財政や医療安全への貢献についてデータを示して訴えると共に、本会および都道府県薬剤師会にお願いし、構造規制の緩和に反対する決議を行い、日本薬剤師連盟の協力を得ながら、規制緩和に対する反対活動を展開しました。また、有村規制改革担当大臣、塩崎厚生労働大臣に対しては、決議文を添えた要望書を提出しました。

 その効果もあり、6月30日に閣議決定された規制改革実施計画では、医療機関の敷地内あるいは施設内への保険薬局を認めるとの結論には至らず、具体的な検討の場は厚生労働省に移ったと捉えています。

無資格調剤

 5月には薬局において無資格者に飲み薬の調整、軟膏剤の混合等を行わせていたとの報道がなされました。その後、厚労省より事実の確認と、このような行為が再発しないよう適切な指導を要請する都道府県衛生主管部(局)長宛の通知が発出されました。薬剤師の役割は処方箋の受け取りから始まり、服薬指導、さらには患者さんの服薬状況のフォローまで幅広いものであり、このような事例の発生は、薬剤師業務への信頼性を失うばかりか、薬剤師の存在そのものにも及ぶことになると捉えなければなりません。

健康サポート薬局と患者のための薬局ビジョンからの指摘

 9月、厚労省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」が、「健康サポート薬局のあり方について」との報告書をまとめました。健康サポート薬局は、これまで本会が目指してきた「かかりつけ薬局」機能を有しつつ、加えて、要指導医薬品等の供給等と共に地域住民に対する健康相談・健康サポート機能を備えた薬局であるとされました。今後、具体的な基準が作成され、基準を満たす薬局を行政が公表する制度が来年度からスタートすることになります。

 また、10月には「患者のための薬局ビジョン」が厚労省から示されました。同ビジョンには「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へとの副題がつけられており、25年までに全ての薬局が「かかりつけ薬局」になることを目指すべきであるとしています。行政から大きな応援をいただいたと捉えており、その期待に全国の薬局・薬剤師が応えていかなければなりません。

診療報酬・調剤報酬の改定

 来年4月は2年に一度の診療報酬・調剤報酬の改定が行われます。改定に向けて中央社会保険医療協議会が議論を続けてきましたが、一方で財政制度等審議会において、調剤報酬を標的にし、極めて厳しい対応を迫る議論が巻き起こりました。10月の会議に提出された資料には「現行の調剤報酬については、診療報酬本体とは別に、ゼロベースでの抜本的かつ構造的な見直しが必要」とする方向性が示されました。

 本会では、日本薬剤師連盟と連携しながら、医科1:調剤0.3を堅持した公平な改定となるよう陳情活動を展開してきましたが、加えて、調剤報酬のみを対象とした特例的改定を阻止することを訴えることにしました。今月4日の中医協における調剤報酬の検討では、「かかりつけ薬剤師・薬局の評価」「対人業務の評価の充実」「いわゆる門前薬局の評価の見直し」の3点が資料として示され、議論が行われました。

 その結果、今月21日、次期診療報酬改定は0.49%の引き上げ、医科0.56%、調剤0.17%と1:0.3を堅持することができました。しかし、一方で薬価の引き下げが行われ、また、いわゆる大型門前薬局等に対する評価の適正化という制度改革が行われることになり、必ずしも満足できるものではないと捉えています。

今後の展望

 患者のための薬局ビジョンに示されている、「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へという流れを着実に実行に移していかなければならず、全ての薬局が、地域住民にとって身近な「かかりつけ薬局」に移行できるよう、本会としても努力していく必要があると考えます。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128622
高齢者の薬どう減らす…副作用増、薬局は出すほど利益
(2015年12月28日 読売新聞)


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 高齢者の多くが不適切な薬の処方を受けている可能性が、厚生労働省研究班の調査で明らかになった。複数の持病のある高齢者には多剤投与が行われている実態もあり、薬の副作用で健康を害する例も少なくない。無益な薬の処方で体調を崩せば、さらに医療費、介護費もかさむ。今後、必要な対策は何か。

■入院中に削減

 「薬を3種類減らしました。時々、病棟に様子を見に行きます」

 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター。内科の矢吹拓医師(36)は、骨折で入院中の95歳女性に語りかけた。60歳代の次女は「こんなにたくさん薬を飲んで大丈夫かと思っていた」と胸をなで下ろした。

 矢吹医師らは今年1月、同病院に「ポリファーマシー(多剤)外来」を開設、入院してきた高齢者の薬を減らす取り組みを始めた。65歳以上で5種類以上の薬を飲み、同意を得た患者を呼び、院内の薬剤師、看護師らと共同で体調を見ながら必要度の低い薬や副作用のリスクの高い薬を減らす。10月までに37人(平均年齢81歳)を診察。入院時に平均8・6種類だった薬が同4・6種類になった。

 退院時にはかかりつけ医に患者の診療情報とセンター長名で薬の削減に協力を求める文書を送る。地域の患者を診る宇都宮協立診療所の関口真紀まさのり所長(60)は「病院全体の取り組みとわかり、診療を見直すきっかけになる」と話す。

■副作用の背景

 総合診療医の徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は、「特に影響を受けやすい80~90歳代の患者が増えているにもかかわらず高齢者特有の薬の作用や副作用に対する知識が医師の間に浸透していない」と指摘する。薬の代謝機能が衰えた高齢者が一般成人と同じ量の薬を飲むと副作用が出やすい上、薬同士の相互作用の影響も受けやすい。

 高齢者は飲む薬の種類が増えると、副作用が起きやすいというデータがある。だが、内科、整形外科など細分化した診療体制では患者が飲む薬の全体像を把握しにくく、薬の種類も増えやすい。近年、新薬が相次いで開発され、使える薬が増えたことも背景にある。

 薬局は、薬を処方するごとに調剤料が入るため、積極的に薬を減らそうという動きが起きにくい。

■「収益より信頼」

 薬の削減に取り組む薬局もある。首都圏で約140店を営む調剤薬局チェーン「薬樹やくじゅ」(本社・神奈川県)は約9割の薬局で医師の指示のもと、通院が難しい在宅患者や介護が必要な高齢者宅に薬剤師が薬を届ける。

 「訪問薬樹薬局 保土ヶ谷」(横浜市)の訪問薬剤師、高橋麗華さん(38)は痛み止めなど6種類を飲んでいた神経因性疼痛とうつうの90歳代女性の薬を、医師と相談しながら3種類に抑えた。

 薬樹は店舗の3割に管理栄養士を置く。服薬と栄養両面のサポートを通じて、症状が落ち着き、薬が減った糖尿病患者もいる。薬剤師の訪問事業は約5年前に本格化させた。地域の在宅医や訪問看護師らとの情報共有を徹底し、往診にも同行する。「薬が減れば目先の収益は落ちるが、かかりつけ薬局としての信頼が得られ、リピーターになってもらえる」と小森雄太社長(51)は説明する。

 だが、こうした取り組みは一部の薬局で始まったばかりだ。「薬を出すほど利益が出る、今の仕組みは問題だ」と小森社長は語る。(医療部 赤津良太、社会保障部 辻阪光平)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128615
高齢者への多剤投薬対策、厚労省検討案に「上下関係」の壁?
(2015年12月28日 読売新聞)

 厚生労働省は来年度の診療報酬改定で不適切な多剤投薬を減らす方針を掲げ、今年度中に具体策を詰める。

 いくつもの病院に通う高齢者の服薬情報を集めて管理する「かかりつけ薬局」が多剤投薬を見つけて医師に連絡する。国内外の学会などが作成した高齢者には避けるべき薬のリストを参考に医療機関が不適切な投薬を自ら減らしたり他の医療機関に連絡したりする――などが検討されている。投薬を減らした医療機関や薬局への診療報酬を手厚くする方針だ。

 不適切な処方を減らせば、膨張する社会保障費の削減にも結びつく。副作用の治療費が浮くだけでない。高齢者がいったん体調を崩し入院すると、体力が弱り、自宅に戻れず介護施設に移らざるを得ない例も少なくない。大量に処方された薬の飲み残しも多く、これを減らすことで年間100億円超の薬剤費が削減できるという試算もある。

 だが、医師からは「他の医師の処方に口を出せない」との声が根強い。全薬局の7割が医療機関近くに開設する「門前薬局」で、どこまで汗をかく薬局が出てくるかは不透明だ。「医師と薬剤師は上下関係があり、連携は難しい」との指摘もある。

 徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は「本来はかかりつけ医が責任を持って薬の調整をすべきだが、当面は高齢者の薬に詳しい総合診療や老年医学の医師が専門外来を作って適切な処方に変える方法もある」と話す。いかに実効性のある仕組みを作れるかが課題となる。

(医療部 米山粛彦)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128614
佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」
聖マリアンナの虚言

(2015年12月28日 読売新聞)

 2015年4月に多くのメディアが取り上げた精神保健指定医の資格の不正取得問題をご記憶の方は多いだろう。この連載でも関連記事を書いたが、最終的に23人が指定医資格を取り消され、医業停止1、2か月の処分を受けた。その聖マリアンナ医大病院(川崎市)でまたもや、患者の信頼を裏切る問題が起こった。

「シュレッダーで破棄した」と口裏合わせ

 この病院の神経精神科に以前通院していた30歳代の女性が、指定医資格の不正取得問題に不信感を募らせ、協力した臨床試験の原本閲覧を15年8月に求めた。すると、この試験の責任研究者を務める准教授と、病院、大学の職員が口裏を合わせて「シュレッダーで破棄した」とウソをつき、閲覧を拒み続けたのだ。病院は4か月後の12月21日、一転して原本の存在を認め、女性に謝罪したのだが、この幼稚なウソ対応は一体、何なのだろうか。虚言の背景に何があるのか。経緯を詳しく見ていこう。

 女性(別の複数の医師に「精神疾患ではない」と診断され、今は服薬をやめて元気になった)は、10年10月にこの病院を受診した。過労が続いて気が滅入めいり、前月から「周りに見られている気がする」といった強い不安に駆られるようになったためだった。初診の医師は「短期精神病性障害の疑い」と診断した。この障害は1か月以内に回復する。だが、4日後に診察した准教授は「統合失調症」と診断し、抗精神病薬を服用する臨床試験への参加を勧めた。女性は「社会の役に立つのなら」と考えて協力した。

 この臨床試験は、統合失調症を初めて発症した患者を対象に、市販の2種類の抗精神病薬を使って認知機能の改善度を比較する内容だった。女性は11年10月まで参加することになり、複数の認知機能検査と血液検査を繰り返し受けた。臨床試験は09年から12年までの計画で始まり、途中で16年まで延長されて、患者約40人が参加した。

 女性は12年に別の医療機関に移ったが、指定医資格の不正取得問題の報道で、神経精神科の医師たちが患者の治療の記録(症例)を使い回したことを知り、不信感を募らせた。主治医だった准教授も処分を受けたため、女性は15年8月、臨床試験からの自分のデータの削除と、検査結果などの原本閲覧を求めた。

医療安全と研究推進の職員がウソに関与

 准教授はデータ削除には応じたが、原本は「シュレッダーにかけた」として閲覧させず、医療安全管理室の職員2人と、大学院研究推進課の職員1人も「破棄したと聞いている」などと説明した。

 余りにも不自然な説明に納得できない女性が、病院と話し合いを続けると、准教授は12月、「顧問弁護士に相談して、正直に告白しろと言われた」として原本の存在を認め、コピーを女性に提供した。病院は、准教授を含む職員4人がウソに関わったと説明した。准教授は「僕が言い出したのではなく、4人で話して決めた。破棄したことにした方が安心すると思った」と明かし、「結果的にウソをついたと思う」と女性に謝罪したが、女性は「ウソをついてまで隠したかった何かがあるのでは」と、不信感をますます強めることになった。

生命倫理委で試験継続の可否を検討

 厚生労働省研究開発振興課は「臨床試験の指針は患者への十分な説明を求めている。不信感を抱かせる対応は絶対に避けなければならない」とする。研究倫理に詳しい斉尾武郎医師(精神科医)は「医療安全と研究推進の両部門までがウソをつく大学の臨床試験は、全て疑わしい。他の臨床試験も含め、徹底した調査が必要だ」とする。

 女性は「指定医の問題で多くの医師が処分を受けたというのに、相変わらず患者をバカにしている。原本や開示したカルテの記載、利益相反の面でも疑問が多い」として、さらに追及する構えだ。病院もこの臨床試験の調査を始めており、「近く、生命倫理委員会を開いて試験の継続の可否を検討する」としている。

 私は15年夏から、この問題を取材してきた。女性が指摘するように、ウソ対応以外にも不可解な点は多い。まずは、病院名に恥じないウソのない調査と、臨床試験参加者への誠意ある対応を求めたい。



佐藤光展(さとう・みつのぶ)
読売新聞東京本社医療部記者。群馬県前橋市生まれ。神戸新聞社の社会部で阪神淡路大震災、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)などを取材。2000年に読売新聞東京本社に移り、静岡支局と甲府支局を経て2003年から医療部。取材活動の傍ら、日本外科学会学術集会、日本内視鏡外科学会総会、日本公衆衛生学会総会等の学会や、大学などで「患者のための医療」や「精神医療」などをテーマに講演。著書に「精神医療ダークサイド」(講談社現代新書)。分担執筆は『こころの科学増刊 くすりにたよらない精神医学』(日本評論社)、『統合失調症の人が知っておくべきこと』(NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ)、『精神保健福祉白書』(中央法規出版)など。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128613
在宅医療の高齢者、48%に「不適切」薬…副作用も
(2015年12月28日 読売新聞)

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 副作用の恐れがあるため高齢者に「不適切」とされる薬が、在宅医療を受ける高齢患者の48%に処方され、うち8%の患者に薬の副作用が出ていたという大規模調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。高齢者の在宅医療で処方の実態が全国規模で明らかになるのは初めてという。同省では高齢者に広く不適切な処方が行われている可能性があると見て、来年の診療報酬改定で薬の適正使用を促す枠組み作りに乗り出す方針だ。

 高齢者は薬の代謝機能が衰えるため副作用が出やすい。近年欧米では高齢化に伴って社会問題になり、学会などが高齢者には避けるべき薬のリストを作っている。日本にも同様の基準はあるが医療現場には浸透しておらず、高齢者に深刻な副作用が出たとの報告が相次いでいる。

 厚労省研究班は2013年、高齢患者の飲む薬の全容を把握するため、通院が困難な患者を医師が訪問する在宅医療に着目。医師と連携した薬剤師が訪問業務を行う全国3321薬局に調査を実施した。1890薬局が回答し、在宅医療を受ける65歳以上の患者4243人の処方薬を把握した。同研究班がこのデータを米国で高齢者の処方指針とされるビアーズ基準の日本版に基づき分類すると、2053人(48・4%)に「不適切」とされる薬が処方されていた。

 このうち165人(8%)に副作用が認められた。複数の薬の副作用が出ている例もあった。最も多かったのはベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬で、ふらつき、眠気、転倒、記憶障害の他、妄想や幻覚などの副作用が出た患者もいた。心不全に使うジゴキシンは食欲不振や中毒、胃潰瘍や精神症状の改善に使われるスルピリドでは震えやこわばりなどの副作用があった。

 研究代表者の今井博久・国立保健医療科学院統括研究官は「副作用の少ない代替薬があるので、不適切な処方を漫然と続けるべきではない。医師と薬剤師が連携して処方内容を見直す体制作りが必要だ」と話している。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128609
乳房全摘出…検査結果が診察と矛盾、それでも検体取り違えを疑わず
(2015年12月28日 読売新聞)

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 千葉県がんセンター(千葉市中央区)が乳がんの女性患者2人から採取した病理検査の検体を取り違え、誤って1人の右乳房を全摘出した医療事故で、当初の診察とは矛盾する検査結果が出たにもかかわらず、同センターがこれを重視せず、検体の取り違えを疑っていなかったことがわかった。

 2人は同じ日に病理検査を受けており、同センターは「検査結果は、(取り違えに気付く)一つのポイントだった」と認めている。

 2人は10月中旬、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を受けた。1人は30歳代の早期がん患者。もう1人は50歳代で、医師の視診などで当初から「進行がん」が疑われていた。

 生検の結果、30歳代の検体からはがん組織が検出されず、50歳代の検体から進行がんの組織が検出された。しかし、検体が取り違えられていたため、「50歳代の女性からがん組織が見つからない」という事態になったが、同センターは「針生検(の精度)には限界があり、がん組織が採取できないことはしばしばある」として、この結果を「偽陰性」と判断。検体の取り違えを疑わず、再検査を行って進行がんと診断し、必要な治療を行っている。

 一方、生検の結果から30歳代の女性は誤って進行がんと診断され、12月上旬、直ちに必要がないにもかかわらず、右乳房の全摘出手術を受けた。その時に採取された組織と10月の生検で採取された組織ではがんの型が異なっていたため、検体の取り違えが判明した。

 同センターは今月18日、外部専門家を含む「院内事故調査委員会」を設置した。委員会では、どうして検体の取り違えが起きたかだけでなく、検査結果の評価が妥当だったかについても検証の焦点になりそうだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128595
乳房全摘出、病院長「原因特定できず」
(2015年12月28日 読売新聞)

 あってはならない医療事故がまた起きた。千葉県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、30歳代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を全摘出された事態を受け、記者会見した同センターの永田松夫病院長らは「患者さま、ご家族に深くおわび申し上げる」と深々と頭を下げた。

 ただ、原因については「現時点では特定できていない」と述べるにとどめ、専門家らによる調査委員会で究明するとした。

 早期がんの30歳代女性と進行がんの50歳代女性の検体は同じ日に採取されていた。永田病院長らによると、取り違えが起きた「針生検」と呼ばれる病理検査は、マニュアル通りに行われていれば、病理医が診断を終えるまでに乳腺外科の主治医と看護師、看護補助者、病理検査科の臨床検査技師、複数の検査補助者、病理医の9人前後が関与する。各段階で取り違えを防ぐため、患者名などを書いたラベルを貼った検体容器や伝票を照合する決まりだ。

 このうち、乳腺外科と病理検査科のどの段階でミスが起きたかについてセンター側は「今のところわからない」と繰り返した。また、必要のない手術で乳房を全摘出した責任を問われると、永田病院長は「そこの部分は戻らない。大変重く受け止めている」と硬い表情で答えた。

 同センターは、透明性を確保するため、弁護士や病理医ら外部委員4人を含む計9人の「院内事故調査委員会」を設置。これに先立ち病院側が行った医師や看護師ら関係者5人への聞き取り調査では、「マニュアル通り行っていた」と答えたといい、調査委で徹底的な原因究明を行い、再発防止策を講じるとしている。

 病理検査は、針などを使い患者から採取した組織を顕微鏡などで詳しく調べる検査。がんの広がりや種類などの診断に活用し、切除範囲の決定など治療方針に大きな影響を与える。

 組織を採取し、臨床検査技師が標本を作り、病理医が診断する。一連の過程には、医師以外に複数の医療スタッフも関わる。

 多くの患者を診療する病院はどこも、検査前に患者本人に名前を名乗ってもらい、検体に貼ったラベルの氏名と照合するなどの手順はマニュアル化している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47721.html
厚生連の「公的医療機関」位置付けを維持- 厚労省、社会医療法人に変更後も
2015年12月28日 09時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、公的医療機関の開設者となっている厚生農業協同組合連合会(厚生連)について、社会医療法人に変更した後も公的医療機関に位置付けることを決めた。今年の通常国会で、厚生連が社会医療法人に組織変更可能な規定が盛り込まれた改正農業法の成立を受けた措置。今年度内に医療法第31条で規定する公的医療機関の開設者の告示を改正する方針だ。【新井哉】


 厚生連をめぐっては、農林水産業・地域の活力創造プラン(2014年6月改訂)で、公的医療機関として地域に必要なサービスを提供する際、組合員以外の利用規制が問題となる場合、「社会医療法人に転換することを可能とする」と明記。こうした状況を踏まえ、社会医療法人への組織変更規定を含む改正農業法が8月に成立した。

 社会医療法人は、へき地や救急、周産期医療など地域で必要な医療の提供を担う医療法人を認定するもので、一定の収益事業が可能。病院や診療所、介護老人保健施設の非収益事業や本来業務の医療保健業については、法人税が非課税となっており、公益性が強く求められている。

 厚生連の病院と診療所は全国に約140施設ある。厚労省は、国民に必要な医療を確保するために設けられた公的医療機関の制度の下で「地域医療の確保に一定の役割を果たしてきた」と指摘。引き続き公的医療機関としての役割が期待されていることや、組織の目的や社会的な役割はこれまでと同じであるとの理由から、「法人格の形式的な変更をもって、ただちに指定を外す理由にはならない」としている。

 ただ、社会医療法人に変更後、都道府県知事に認定を取り消されて通常の医療法人になった場合、地域医療の確保にかかわる役割を十分に果たせない可能性がある。このため、厚労省は、社会医療法人の認定を取り消された際は、公的医療機関の開設者から外す規定を設けるという。改正告示の適用は、改正農協法の施行日と同じ来年4月1日を予定している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47741.html
薬価引き下げの新ルール、「極めて理不尽」- 業界団体が声明
2015年12月28日 17時00分キャリアブレイン

 来年春の薬価制度改革の骨子がまとまったことを受け、日本製薬団体連合会(日薬連)など3団体はそれぞれ声明を発表した。骨子には、既に保険収載されている医薬品のうち、年間の販売額が極めて大きい品目の薬価を最大半額にする「特例再算定」の創設が盛り込まれたが、日薬連側は「極めて理不尽」だとしている。【敦賀陽平】

 特例再算定の内容は、(1)年間の販売額が1000億円超から1500億円以下で、予想販売額の1.5倍以上(2)年間の販売額が1500億円超で、予想販売額の1.3倍以上―のいずれかを満たす品目を対象に、(1)では最大25%まで、(2)では最大50%まで薬価を引き下げる―というもの。

 声明で日薬連側は、薬価設定時の前提条件の変化すら考慮されておらず、単に販売額などで薬価を引き下げるルールだとして、「極めて理不尽なものと捉えている」と主張。その上で、国民皆保険制度の持続性を保つため、「薬剤費全体と個別医薬品の市場規模の在り方を抜本的に検討した上で、最大の当事者である製薬業界にとって納得性のある結論にしていただきたかった」との苦言を呈した。

 また日本製薬工業協会も、「イノベーションの否定そのものと言わざるを得ず、到底容認することはできない」との見解を示した。

■「市場実態に基づかない要望をした」―GE薬協
 骨子には、2020年度末までに後発医薬品のシェアを8割以上に引き上げるとする政府目標の達成に向け、後発品の置き換え率(シェア)が低い長期収載品(後発品のある先発医薬品)の薬価を引き下げる特例(Z2)の基準を厳格化することや、新規の後発品の薬価を先発品の原則5割に引き下げることも盛り込まれた。

 これについて日薬連側は、「後発品への置き換えによる医療費適正効果額は年々スピードを増す形で増加している」などとして、「特例引き下げの強化は容認できない」と主張した。

 一方、経営状況の厳しさなどから新規の後発品の薬価の維持を求めていた日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は、厚生労働省が9月に行った薬価調査で、新規の後発品の公定価格と実売価格との乖離率が先発品よりも大きかったことに触れ、「市場実態に基づかない要望をしたことについて深く反省している」と陳謝した。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128600
相次ぐ患者・検体取り違え…医療事故、後絶たず

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 患者や検体の取り違えによる医療事故は後を絶たない。

 横浜市立大病院(横浜市)では1999年1月、それぞれ心臓と肺の手術を受ける予定だった男性患者2人を取り違える事故が起きた。病棟の看護師が1人で2人の患者を搬送し、手術室の看護師に受け渡す際に間違いが生じた。同病院は事故後、名前を記入したリストバンドを患者に着けるなどの対策を講じた。

 乳がんを巡っては昨年、兵庫県高砂市の高砂市民病院で、病理検査を受けた女性2人の検体を取り違え、誤った検査結果を伝えるミスが起きた。良性だった女性は、別の病院で乳腺の一部と周囲を切除する手術を受けた。摘出した組織からがん細胞が見つからず、誤りが判明した。

 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)では2013年12月、小児がんの一種の「神経芽腫」の男児に移植する予定だった本人の幹細胞を、同じ病気で入院していた別の女児に誤って移植した。主治医の思い違いなどが原因だった。

 また、熊本大病院(熊本市)や大阪市立総合医療センターなどでは、肺がん患者の検体を取り違え、別の患者の肺の一部を摘出した。東北大病院(仙台市)では07年12月、前立腺肥大症の患者を前立腺がんの患者と取り違え、誤って前立腺を摘出する事故が起きている。

(2015年12月28日 読売新聞)



https://www.m3.com/news/general/387143?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151228&dcf_doctor=true&mc.l=137029029&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
2千万円支払いで和解 がん誤診、胃切除
2015年12月28日 (月)配信 共同通信社

 兵庫県立加古川医療センター(加古川市)でがんと誤診され、胃の3分2を切除された男性患者の遺族が県などに損害賠償を求めた訴訟は25日、県が病院側の過失を認め遺族に2千万円を支払うことで、神戸地裁で和解が成立した。県が同日、発表した。

 県などによると、病院は2011年3月、病理検査の際に他人の標本と取り違え、70代の男性を胃がんと誤診した。男性は胃潰瘍で手術は必要なかった。男性は12年8月に術後の後遺症に苦しみ自殺したが、和解内容では「胃の切除との因果関係は不明」としている。

 遺族が今年5月、5500万円の損害賠償を求め提訴していた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/387187
「かかりつけ医推進事業」概算要求から大幅減、厚労省予算案
「地域医療介護総合確保基金」は2015年度と同額の904億円

2015年12月28日 (月)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省は12月24日、2016年度予算案を発表した(資料は、厚労省のホームページ)。予算規模は30兆3110億円で2015年度比3963億円の増加。政府全体の社会保障関係費は31兆9738億円で、同4412億円増の過去最大規模となった。新規の重点施策として概算要求で4.5億円を要求していた「かかりつけ医による医療提供体制の構築」は2100万円にとどまった(概算要求については、『「かかりつけ医」推進に4.5億円、厚労省概算要求』を参照)。病床の機能分化・連携、在宅医療の推進する「地域医療介護総合確保基金」は、2015年度の904億円と同額を確保した。

 厚労省地域医療計画課によると、「かかりつけ医による医療提供体制の構築」事業は、8月の概算要求時点では「かかりつけ医を広めるためのモデル事業を市区町村から公募、優れたアイディアを採用する」としていたが、要求額の4.5億円から2100万円に大幅に減額された。モデル事業はできなくなったため、「予防・健康づくり、病診の連携、在宅医療・介護連携等、かかりつけ医として幅広く活動している医療機関について」の効果検証を行うとしている。2.3億円を要求し、1.8億円にとどまった「かかりつけ薬局を推進する『患者のための薬局ビジョン』」と大きな差が付いた。また、後発医薬品については、政府の利用推進の方針を受け、品質確保対策の促進事業は7.1億円を確保した。

 厚生労働省予算内での医療分野は11兆5438億円で、同538億円増(0.5%増)。介護は同1030億円増(3.6%増)の2兆9323億円。年金は同1971億円(1.8%増)の11兆2498億円。

その他の主な予算事項は以下の通り。 

・認知症高齢者等にやさしい地域づくりのための施策の推進  82億円
・「かかりつけ医」による医療提供体制の構築   2100万円
・専門医に関する新たな仕組みの構築に向けた取組  1.9億円
・特定行為に係る看護師の研修制度の推進  4.1億円
・医療事故調査制度の適切な運用  8.2億円
・救急医療体制の整備、医療提供体制推進事業費補助金150億円の内数及び医療提供体制施設整備交付金25億円の内数
・ドクターヘリの導入促進  61億円
・災害医療体制の充実 99億円、医療提供体制推進事業費補助金150億円の内数、医療提供体制施設整備交付金25億円及び国立病院機構運営費交付金144億円の内数
・臨床効果データベース整備  1.4億円
・後発医薬品の品質確保対策の促進  7.1億円
・クリニカル・イノベーション・ネットワークの構築  31億円
・ゲノム医療の実用化に向けた取組の推進  36億円
・革新的な医薬品等の実用化に向けた質の高い臨床研究の推進等  57億円
・データヘルス(医療保険者によるデータ分析に基づく保健事業)の効果的な実施の推進  7.5億円
・糖尿病性腎症患者の重症化予防の取組への支援  0.4億円
・患者のための薬局ビジョンの推進  1.8億円
・予防・健康インセンティブの取組への支援  1.2億円



https://www.m3.com/news/general/387150
研究不正で教授停職1カ月 熊本大、論文の画像流用
2015年12月28日 (月)配信 共同通信社

 熊本大は25日、1998~2012年に発表した論文9本に画像の流用などの不正が見つかった研究グループを主宰する同大大学院生命科学研究部の光山勝慶(みつやま・しょうけい)教授(58)を、停職1カ月の懲戒処分にした。

 大学は、光山教授が論文を執筆した助教授や研究員に対して、論文作成やデータの保管方法の指導や確認を怠ったため不正が繰り返されたと判断した。光山教授は「ケアレスミスだった」と説明し、大学も論文の内容に影響を与えるものではないとしている。

 原田信志(はらだ・しんじ)学長は「研究者倫理の徹底と再発防止に努める」とのコメントを出した。

 熊本大は3月、光山教授が責任著者を務めた心疾患などの病態解明に関する論文に、実験画像の流用や画像自体の加工が見つかったとして、研究不正を認定した。



https://www.m3.com/news/general/387155
向精神薬、ネットで拡散 生活保護悪用、対策急務 「キャッチアップ2015」
2015年12月28日 (月)配信 共同通信社

 副作用の危険性がある向精神薬が、インターネットを通じ拡散した実態が明らかになりつつある。兵庫県警が6月以降、計6人を逮捕した不正転売事件。生活保護など医療費の公費負担制度が悪用され、重複処方された医薬品が横流しされた。薬物中毒で死亡した購入者もおり、防止策の整備が急務となっている。

 「ネットの掲示板で向精神薬の売買を知った」。向精神薬の営利目的所持容疑で今月逮捕された無職女性(32)=兵庫県西脇市=は、県警の調べにこう語ったという。母子家庭への医療費助成制度を使い、2010年以降に約18万錠の医薬品を安価で得ていたとみられる。女性はその後、起訴猶予となった。

 一方、県警はこれまでに転売容疑で生活保護受給者だった京都市の男女2人を逮捕。複数の医療機関に何度も通うなどして、医薬品を無料で入手していたという。

 拡散の「ハブ」とされるのが、東京都の小岩井由香(こいわい・ゆか)被告(56)=麻薬取締法違反罪などで公判中=だ。京都市の男女や奈良市の薬剤師の男、別の京都市の男を通じて西脇市の女性などから向精神薬を仕入れ、09~15年にネット上で123人に販売したとされる。うち埼玉、和歌山、兵庫、鹿児島の4県の計5人が過剰摂取による薬物中毒で死亡。うち4人は自殺とみられる。

 不正は止められなかったのか。京都市は11年度以降、レセプト(診療報酬明細書)を電子化し、生活保護受給者による重複処方を審査。ただ今回の事件では生活保護以外の支援制度も使われており「統合的なチェックができず見抜けなかった」(担当者)という。

 厚生労働省によると、12年11月の1カ月間に重複処方を受けていた受給者は6825人。うち76%は、別の症状で複数の病院にかかるといった正当な理由はなかった。だが調査は改善指導が主な目的で、犯罪につながるケースを見つけ出すのは困難なのが実情だ。

 「不正防止策を医療機関同士で共有することが重要だ」と指摘するのは、日本精神神経科診療所協会の浅野達蔵(あさの・たつぞう)理事。転売目的の患者は、医薬品を指定して処方を求める傾向があるという。浅野理事は「過剰な管理は一般の患者の不利益となる。医師が自覚を持ち、不正を見抜く目を養う必要がある」と話している。

 ※向精神薬

 精神疾患の治療に使われる抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などの総称。中枢神経に作用し、精神機能に影響を及ぼす。乱用の危険性があるため、麻薬取締法の対象。過剰に服用すると、幻覚や錯乱などの症状が現れ、死亡するケースもある。インターネットを通じた不正転売が社会問題となっている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/383309
シリーズ: 始動する“医療事故調”スペシャル座談会
拙速な制度の見直しは危険◆Vol.7
医師法21条との関連は別問題

2015年12月27日 (日)配信 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――新たな医療事故調査制度がどのように機能するか、最初の立ち上がりが重要です。

山本 先ほど武田先生が言われたように、医療事故調査とは何かをきちんと理解して、この制度が前提としている趣旨に従って、運営していける人材の養成は非常に重要な問題だと思います。

 他の分野、例えば消費者事故調でも、やはり人材が足りない。消費者庁がスタートした時は、年間100件の調査を行うとしていましたが、数年経っても、まだ5、6件程度。調査ができるような人材の養成が、日本全体でできていない。今回、センターの役割として、「事故調査に関わる知識、技能の研修」が入ったのは、人材養成という趣旨も含んでいると思います。

3氏はいずれも、医療事故調査制度の見直しは、拙速に行うべきではない、と釘を刺す。

――人材養成のためには、センター自身が体制を整えなければいけない。

山本 その通りです。

武田 国としては、ここで重大決断をした。一種のパラダイムシフトを国が先導した稀有な例であり、これで終わりではなく、ここからが始まりで、人材養成にも、力を入れてもらいたいと思います。

――センター調査の在り方も、今後、問題になってきます。センターには、各分野の専門的人材はいないので、さまざまな学会に支援を仰ぎ、機能させていかなければいけない。

長田 センター調査も含め、事故調査の方法や報告書の書き方について、トレーニングしていくことが必要。報告書一つで、印象が変わってきてしまうからです。

山本 センターには、対象となる医療事故が全て報告されてくることになるので、その中から、この制度にかなった報告書はどんなものなのかを例示していくようなことも必要でしょう。

――医療法において、医療事故調査制度は、「公布後、2年以内に見直す」となっています。先ほど、武田先生から「執行猶予にしてもらいたい」との意見が出ましたが、見直しを延期することは可能なのでしょうか。

山本 「法律の公布後から」とされたのは、見直し規定としては稀有な例です。「法の施行後から」、つまり制度の開始を起点とするのが、普通でしょう。

 今回の制度では、公布から施行まで1年半近くかかっています。いったん始めた制度を、施行からわずか数カ月で見直すのは、制度全体を評価する期間としては、やや短すぎると思います。制度が機能しているのか否かについて、慎重に見極めないと、場合によっては誤った方向に改正のベクトルがかかりかねないと懸念しています。

 法律上は、「公布後2年以内に法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとする」となっています。検討を加えた結果、「必要な措置を加えるかどうかの判断がまだできない」となる可能性ももちろんあるでしょうから、繰り返しになりますが、慎重に考えていただきたい。

――仮に見直す場合、どの辺りの見直しが必要になるとお考えですか。異状死体の届出を定めた医師法21条との関連で、見直しが必要との意見も一部にあります。

山本 医師法21条の問題をまた巻き込むと、問題はかなり複雑になってくることは明らかです。「(医療事故調査制度が)現状の仕組みのまま、21条を廃止することができる」と思っている人がいるとすれば、「難しいことをお考えになっている」と言わざるを得ません。21条を関連付けて改正するには、(2008年に、厚労省が医療事故調査制度案としてまとめた)「大綱案」とは言いませんが、別の制度が必要。21条の問題と切り離した結果、今回のような制度になったわけです。
 もっとも、21条自体をいいと思っているわけでは、必ずしもありません。何らかの検討は必要でしょう。

――医師法21条をどう解釈され、どのように見直すことが必要とお考えなのでしょうか。

山本 医療機関が自らの判断で医療事故を警察に届け出ることが必要か、しかも刑罰を科してまでやる意味があるかということです。「大綱案」自体がいいかは別としても、「大綱案」では、一度、第三者である医療専門家の目を通し、「専門家から見てもこれは許し難い」という事例だけを、警察に通知する制度を作ろうとしたわけです。

 医療の専門家から見れば、現状では「なぜ、これを起訴するのか」という事例があるかもしれません。しかし、警察や検察は、基本的には医療の素人であり、彼らを責めても仕方がない話。医療の専門家の判断を尊重する仕組みは、選択肢としてはあり得ると思います。ただ、「同業者の判断が、責任追及につながる」と問題視する声もあり、どんな制度がいいのか、私自身、結論を持っているわけではありません。医療の専門家を交えて議論する必要はありますが、繰り返しになりますが、今回の制度の見直しとは別の議論です。

――ただ、その専門家が信用できない場合もあり得ると思います。例えば、産科医療補償制度は、「専門家が判断している」制度であり、無過失補償の対象となった事例についての原因分析報告書の内容を問題視する意見も聞きます。報告書を受け取った分娩機関が異議を唱えたため、再検討したところ、委員会での意見は二分したとの報告もあります。その場合には両論併記するのが専門家としての正しい態度ではないでしょうか。警察や検察など、医療者以外が、専門家の意見を過信する懸念もあるのでは。

山本 法律の世界においては、「過失」は、注意義務が前提になります。その「注意義務」には水準論があり、どんな水準を下回れば、過失があったかを考えます。一般的には、民事でも、また刑事でも、「標準的な医療機関の注意義務を、前提にしなければならない」と考えられています。

 しかし、どの世界でもそうかもしれませんが、超一流の方々が集まると、「なぜこんなことをしたのか」「これは絶対におかしい。過失があるはずだ」と厳しく判断し、高いところに「注意義務」を設定しがちです。それを全て警察に送っていたら、大変です。この辺りは、ぜひ医療界の方々に考えていただきたい。

長田 逆のパターンで、「他の病院で起きたのなら、仕方がないけれど、僕に限ってはこれは事故に当たる」という議論になることもあり得ます。「先生にとっては、そうかもしれませんが、一般的にはあり得ます」と言っても、納得されなかったりします。

 日本において「一番の医師」は,たった1人しかいないのです。医師が100人いたら、100番の医師もいるわけです。一番の医師は、「僕に任せれば、手術は成功した」と、言いたいのでしょう。けれども、例えば、野球の世界では、イチローの打率は4割にとどきません。6割失敗しても、拍手喝さいを受けます。なぜ医師だけ、100例の手術をして、大半は成功しているのに、高すぎる目標に届かなかったからといって非難されてしまうのか……。

 話を元に戻して,武田先生はどのようにお考えですか。

武田 医師法21条は、「体表に異状がある場合に届け出る」という解釈であり、私も今回の制度とは切り離して考えるべきだと思います。

 また最後に、患者安全の視点から一言、付け加えさえてください。「事故予防」は、1次予防、2次予防、3次予防という考え方をしなければいけません。病気と同じで、事故が起きる前に防止するのが、1次予防。「早期に発見し、早期に対応する」という2次予防の考え方で言えば、同様の事故、問題が続いた場合、「問題が起きていることに早く気づき、対応策を講じるべきだったのではないか」という議論になります。さらに3次予防では、「事故を拡大させない、同じ事故を起こさない」ことが必要。(2009年に発表された)「WHO医療安全関連国際標準分類のための概念フレームワーク」ではこのような表現になっています。

 さらに言えば、「事故から予防策を学ぶ」のは、「外れ値」、つまり失敗事例から学ぶという、いわゆる「SafetyI」の考え方。しかし、医療事故に至るには、さまざまな分岐点があり、失敗事例だけを分析して、原因を特定することは難しいケースが多い。医療は複雑系であり、「事故予防」の今のトレンドは、「外れ値」に限らず、成功事例まで幅広く目を向けて事故を回避する、「SafetyII」という考え方です。これを法律で進めるのは難しいでしょうが、幸い今回の医療事故調査制度は、「学習型」の仕組みなので、うまく「SafetyII」の考え方につながるように、誘導していただければと期待しています。

 今回の制度で、さまざまなデータが出てきます。他のデータ、例えばDPCデータなどと合わせながら、医療の質や各医療機関の機能を評価していくのが、これからの医療の在り方ではないでしょうか。質が高いところを評価していくインセンティブの仕組みを作れば、日本の医療機関全体の質向上につながっていくと思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/384612
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
1位はあの大学の問題、2015年の10大ニュース◆Vol.4
大学の不祥事相次ぐ一方、ノーベル賞の明るい話題も

2015年12月27日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.4 2015年の10大ニュースは何だと思われますか(10個まで選択可)。

Q.4では、2015年の10大ニュースとして、m3.comに掲載した主要90本のニュースの中から、最大10までの選択肢で聞いた(回答者、勤務医505人、開業医500人)。

全体の順位                    それぞれの票数と順位
                          勤務医 開業医

1  群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術に      291   247
   関する一連の問題(通年)           (1位) (1位)

2  理化学研究所のSTAP問題(通年)         229   228
                          (2位) (2位)

3  ノーベル医学・生理学賞に大村智氏(10月)    130   156 
                          (3位) (3位)

4  東京女子医科大学病院の誤投与の問題(通年)    124   109
                          (4位) (4位)

5  聖マリアンナ医科大学の精神保健指定医      87   91
   不正取得問題(通年)               (5位) (5位)

6  東北薬科大学の医学部新設に向けた動き(通年)    83   85
                          (6位) (7位)

7  韓国でMERSが発生、流行、日本でも対応へ(6月) 72    81
                          (9位) (8位)

8  2016年度診療報酬改定に向けた議論(通年)     66   86
                          (11位) (6位)

9  神戸国際フロンティアメディカルセンターの    77   74
   生体肝移植問題(通年)              (7位) (10位)

10 2017年度の専門医制度改革に向けた議論(通年)   76   69
                          (8位) (11位)


 1位は、2014年末から報道が続いた「群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術に関する一連の問題」。計538票を集め、多くの医師が高い関心を持ち、関連報道を注視していたことが分かった。同問題では、同じ執刀医による肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡したのを受け、大学側は事故調査委員会を設置。3月に「最終報告書」を公表したが、外部委員の意見を聞かずに「執刀医に過失があった」と記載していたため公表後に削除したほか、外部委員が委員会にほとんど出席していなかったなど、事故調査に問題があることも判明した。

 大学は、改めて事故調査委員会を設置し、病院組織としての問題点などを総合的に検証、再発防止案を策定する「群馬大学医学部附属病院改革委員会」も設置した。病院改革委員会はこれまでに、「医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった」とする中間まとめを提出(一連のニュースは『シリーズ:群馬大学腹腔鏡死亡事故』を参照)。

 2位は理化学研究所のSTAP論文問題。2014年に引き続きマスコミで大きく取り上げられた。2015年は、3月に理研の「運営・改革モニタリング委員会」が再発防止案をまとめ、野依良治・理化学研究所理事長(当時)が記者会見し、ES細胞の混入した人物が特定できないまま、理研は一応の幕引きを図った。元ユニットリーダーの小保方晴子氏をめぐっては、Nature誌などへの論文投稿料、約60万円を理研が返還請求したほか、早稲田大学が小保方氏の論文に不正があったとして、博士学位を取り消した。兵庫県警は被疑者不詳で、ES細胞の窃盗容疑の告発状を受理している。

 3位は久々の明るい話題となった、大村智氏(北里大学特別栄誉教授)のノーベル生理学・医学賞受賞。大村氏が開発に寄与した抗寄生虫薬イベルメクチンは、発展途上国だけでなく日本でも疥癬などの治療に使われ、多くの医師にとっても身近な話題になったようだ。大村氏のひた向きな研究姿勢や、美術や科学技術振興への積極的な支援も注目された。

 4位は東京女子医科大学病院のプロポフォール投与事件。4月に外部調査委員会による事故調査報告書が公表された(『「死因は禁忌薬の使用」、女子医大第三者委9』を参照)。群馬大と東京女子医大は、6月から特定機能病院の承認を取り消されている。5位は、聖マリアンナ医科大学病院の精神保健指定医の不正取得問題。同大は、教授を諭旨退職、指導医らを懲戒休職などとする学内処分をしたほか、23人が医業停止処分を受けた。

 6位には、医学部新設が決まった東北薬科大学の話題。7位は韓国で発生し、日本でも対策に追われたMERS。8位は2016年度診療報酬改定に向けた議論、9位は術後の死亡率の高さが問題視された、神戸国際フロンティアメディカルセンターの生体肝移植。10位は2017年度の専門医制度改革に向けた議論。総合順位には入らなかったが、開業医の9位は、C型慢性肝炎の画期的新薬に保険収載が認められたニュース。効果が極めて高いものの、高額であることが話題となった(11位以降はこちら)。

11位以降
全体の順位
11  C型慢性肝炎の画期的新薬、「高効果、高薬価」(5月)
12  ノバルティスを業務停止へ 副作用報告違反で初 厚労省(2月)
13  医療事故調査制度がスタート(10月)
14  千葉がんセンターの腹腔鏡下手術の死亡事案問題(通年)
15  国家戦略特区(千葉県成田市)の医学部新設に向けた動き(通年)

16  亀田総合病院、『医療崩壊』小松氏を懲戒解雇(9月)
17  12月からストレスチェック制度開始、変わる産業医(11月)
18  高血圧学会、元教授を処分 バルサルタンで「データ操作」疑惑 (1月)
19  臨床研修医の採用8千人超え、過去最多更新(6月)
20  国立国際医療研究センター病院の造影剤誤投与問題(通年)

21  生命科学系の論文80本、不正疑いネットで指摘 (1月)
21  マイナンバー制度収賄容疑で厚労省室長補佐逮捕(10月)
21  化血研の処分検討 厚労省、血液製剤問題で(11月)
21  レセプト債4社が破綻、227億円償還不能か(11月)
21  医師の66.2%が受診中断の経験、保団連調査(1月)

26  特定機能病院の承認取消、厚労省の立入検査(通年)
26  41万件で1億7千万円 くすりの福太郎不適切請求(6月)
28  医師に謝礼1千万円超184人 製薬会社、講演料など(4月)
29  酒たばこ「18歳から」紛糾 成人年齢引き下げ、自民提言(9月)
30  ノバルティスに業務改善命令、副作用報告遅れ(11月)

31  医学部定員、2016年度は9262人に、128人増(10月)
32  京都大学病院、元准教授を収賄容疑で逮捕(6月)
33  武田に業務改善命令、誇大広告認定、厚労省(6月)
34  厚労省予算3%増の29兆9000億円、2015年度(1月)
35  骨太の方針発表、後発薬普及、医療費適正化(6月)

36  調剤薬局の薬歴未記載問題が発覚(3月)
36  総合診療専門医の「医師像」、明らかに(4月)
36  群馬県で、健康診断中の女性がX線台から落ちて死亡(5月)
36  ノバルティスを業務停止へ 副作用報告違反で初 厚労省(2月)
36  教授が医大学長をパワハラで提訴へ、浜松医大(6月)
36  41道府県で病床削減の試算、患者動態現状通りで(6月)
36  国家戦略特区(千葉県成田市)の医学部新設に向けた動き(通年)
36  看護師の特定行為に係る研修制度がスタート(10月)

44  札幌医大、教授を懲戒解雇、兼業で(5月)
44  2018年度から医療に新たな番号制度、産業競争力会議(5月)
46  発症後1日半で急死、インフルエンザ脳症(1月)
46  東大、推薦入試も難関 募集要項を正式公表(7月)
  1. 2015/12/29(火) 06:47:40|
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12月27日 

http://www.sanyonews.jp/article/277943/1/
福祉福山市医師会が検案医不足で対策 
警察協力委発足や研修会で養成

(2015年12月27日 15時26分  山陽新聞)

 警察の依頼で変死体の死因を特定する「検案医」が、福山市内で不足している。「報酬が安い」「診療中に急な呼び出しがある」といった理由で引き受け手が少なく、一部の医師に負担が偏っているのが実情。福山市医師会(市中心部、東部)は警察協力委員会を立ち上げ、協力医師のリストを作成したり、検案医の養成に力を入れるなど対策に乗り出した。

 検案医は、遺体の死因などを調べて死体検案書を作成する。事件などの際の検視にも携わる。検案書は医学的、法律的に人の死亡を証明するもので、戸籍の抹消手続き、生命保険の適用、死因統計の資料などに関わる。

 「100件以上の検案をした年もある」。2005年から福山東署の検案に協力する瀬尾胃腸科内科医院の瀬尾功院長(77)はこう話す。変死体の発見現場に駆け付けることもあるという。

 福山東、西、北署によると、14年の検案件数は494件。市内には約700人の医師がいるが、定期的に検案に協力する医師は7人程度という。変死体が見つかった場合、警察が医師に検案を要請するが、「断られることはよくある。毎回探すのに苦労している」と福山東署の早志光弘刑事官。

 検案1件当たりの報酬は3千円。医師免許以外の資格は必要ないが、変死体の死因特定には一定の知識や経験が必要だ。日常の診療業務を抱える医師たちには「呼び出しがあっても、目の前の患者を置いて行くことはできない」という声もある。

 事態改善のため、福山市医師会は警察協力委員会を9月に発足させた。協力医師5人の連絡先を載せたリストを作り、福山東署に提供。藤岡正浩委員長(船町ふじおかクリニック院長)は「一部の医師にかかっていた負担が軽減され、警察も検案医を探す作業がスムーズになる」と期待する。1年間で10人前後まで増やしたい考え。

 さらに警察協力委は11月6日、研修会を福山市内で初めて開催。広島大大学院の法医学専門家を招き、医師ら約90人が死体検案書の作成について学んだ。今後も実技を含めた研修会を継続的に開く方針。市医師会の児玉雅治副会長(児玉クリニック院長)は「検案医の量と質を向上させていく。多数の死者が予想される大規模災害の備えにもなる」と話している。



http://www.sankei.com/premium/news/151227/prm1512270020-n1.html
【安倍政権考】
8年ぶりの診療報酬マイナス改定 
でも本体部分は増で医師会はご満悦 
裏には参院選見据えた安倍首相の影が…

2015.12.27 14:00 産経ニュース

 政府の経済財政諮問会議は12月24日、国の財政健全化目標を達成するための改革スケジュールや進捗状況を管理するための指標を盛り込んだ「経済・財政再生アクション・プログラム」を取りまとめた。

社会保障費抑制の試金石


 「本日、経済・財政一体改革の工程を具体化した『経済・財政アクションプログラム』を決定した。関係大臣においては、本プログラムに基づき、政府一丸となって制度改革を実施していただきたいと思う」

 議長の安倍晋三首相は、同日の諮問会議でこう述べ、同プログラムを確実に実行していくよう関係閣僚に指示した。同プログラムの工程表では、国の一般会計予算で歳出の3分の1以上を占める社会保障費の抑制に向け、社会保障分野の44の施策について、進捗させる時期と進捗指標となるKPI(重要業績評価指標)が設定された。

 その社会保障費抑制の試金石となったのが、平成28年度の次期診療報酬改定の改定率だった。年末の28年度当初予算案の編成に合わせて政府・与党で合意された診療報酬全体の改定率はマイナス0・84%。診療報酬全体のマイナス改定は20年度以来8年ぶり。内訳をみると、医薬品や材料の価格である「薬価部分」を1・33%引き下げる一方、医師らの技術料にあたる「本体部分」は0・49%の引き上げとなった。

 前回の26年度改定では、消費税率の8%引き上げに伴う医療機関の仕入れコスト増の補填分を上乗せしており、「本体部分」の実質の改定率はプラス0・1%しかなかった。そう考えると、今回の「本体部分」のプラス0・49%は上げ幅が5倍も増えた格好だ。

 塩崎恭久厚生労働相は21日、閣僚折衝で改定率が正式決定した直後の記者会見で、改定率について「医療機関の経営状況や働いている方々の賃金動向をよく加味しながら考えた」と説明したが、来年夏に参院選を控え、「本体部分」の引き上げを求めていた大票田の日本医師会(日医)に配慮したのは間違いない。

横倉・日医会長の続投後押し

 「社会保障の充実に向けてご尽力いただいた安倍首相をはじめ、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、塩崎厚労相ら各閣僚の皆さん、自民党の高村正彦副総裁、谷垣禎一幹事長、二階俊博総務会長、稲田朋美政調会長、田村憲久政調会長代理、その他関係議員の先生方に深く感謝を申し上げる」

 同じく21日に記者会見した日医の横倉義武会長は、会見の冒頭、「本体部分」のプラス改定に尽力した政治家や議員連盟の名前を一つ一つ挙げて感謝の言葉を述べた。ただ、自民党の厚労族議員の一人は「今回の診療報酬改定は大きな流れがあらかじめ決まっていたので、あまり動かなかった」と打ち明ける。社会保障費の抑制が叫ばれる中、「本体プラス」は安倍首相の意向で予算編成前から固まっていたというのだ。

 福岡出身の横倉氏は、自民党の古賀誠元幹事長の地元後援会長を務めたことがあるなど自民党とは太いパイプを持つ。安倍首相とも関係は良好といわれ、厚労省幹部は「横倉氏が会長の間は日医の既得権益に切り込むのは難しい」と語る。

 来年6月には日医会長選があり、横倉氏の3選出馬もささやかれる。横倉氏の続投を確実にするためには「本体プラス」が必須であり、そうした流れを安倍首相も後押ししたのが今回の診療報酬改定の実態だった。

 日医会長選や参院選後には、患者の自己負担を軽減する「高額療養費制度」の見直しなど社会保障抑制の具体的な議論が本格化する予定だが、今回の診療報酬改定の内幕をみる限りは、日医の発言力は引き続き維持されそうな雲行きだ。

(政治部 桑原雄尚)



http://www.yomiuri.co.jp/national/20151227-OYT1T50010.html
乳房全摘出、検体取り違え疑わず…検査結果矛盾
2015年12月27日 09時22分 読売新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)が乳がんの女性患者2人から採取した病理検査の検体を取り違え、誤って1人の右乳房を全摘出した医療事故で、当初の診察とは矛盾する検査結果が出たにもかかわらず、同センターがこれを重視せず、検体の取り違えを疑っていなかったことがわかった。

 2人は同じ日に病理検査を受けており、同センターは「検査結果は、(取り違えに気付く)一つのポイントだった」と認めている。

 2人は10月中旬、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を受けた。1人は30歳代の早期がん患者。もう1人は50歳代で、医師の視診などで当初から「進行がん」が疑われていた。

 生検の結果、30歳代の検体からはがん組織が検出されず、50歳代の検体から進行がんの組織が検出された。しかし、検体が取り違えられていたため、「50歳代の女性からがん組織が見つからない」という事態になったが、同センターは「針生検(の精度)には限界があり、がん組織が採取できないことはしばしばある」として、この結果を「偽陰性」と判断。検体の取り違えを疑わず、再検査を行って進行がんと診断し、必要な治療を行っている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53560/Default.aspx
介護療養病床など転換先の新類型を提示 住まいに医療併設の“医療外付型”も
2015/12/28 03:51 ミクスオンライン

厚生労働省は12月25日、療養病床の在り方等に関する検討会に、介護療養病床、医療療養病床(25対1)の転換先として、長期療養を行う医療提供施設、住まいの機能を強化し居住スペースに病院・診療所を併設する“医療外付型”の新たな施設類型を提案した。介護療養病床や医療療養病床は、2017年度末で廃止されることが決まっている中で、新施設類型が認められれば、転換先として、医療療養病床(20対1)や介護老人保健施設、有料老人ホームなどの既存の類型に加え、新たな選択肢ができることになる。

療養病床をめぐっては、独居老人や認知症患者などで長期療養がやむをえない患者が入院しており、転院先を見つけるのが難しいことも指摘されている。一方で、在宅療養がすべての受け皿となることも難しく、これら病床の転換先となる新たな施設類型の設置が求められていた。

新施設類型は、▽長期療養を行う医療提供施設である“医療内包型”▽医療を外から提供する、住まいと医療機関の併設類型――。医療内包型は、医療必要度、介護必要度に応じて2つのモデルを提示した。医療必要度が高く、容体が急変するリスクがある患者については、特別養護老人ホームと同程度の介護機能に加え、喀痰吸引や経管栄養を中心とした日常的・継続的な医学管理を求めた。医療提供体制も、24時間の看取り、ターミナルケアに加え、医師の当直体制・オンコール体制を求める。一方で、比較的容体が安定した患者については、医師の当直体制を求めず、オンコール体制による看取り・ターミナルケアを行うこととした。医療外付型は、併設する病院・診療所からのオンコール体制による看取り・ターミナルケアを求める。

検討会は、年明けにも議論をまとめる予定。社会保障審議会医療保険部会、介護保険部会での審議を経て、2017年度通常国会に医療法など関連法の改正案を提出する見通しだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95613190Y5A221C1NN1000/
遠隔でも死亡診断書作成可能に 規制改革会議が提言へ
2015/12/28 0:54日本経済新聞 電子版

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は患者が自宅で最期を迎える「在宅みとり」などの際に、医師による診断書の作成条件を緩和するよう求める。医師がすぐに行けない地域では、看護師の補助を受けて医師が遠隔で死亡を判断し、診断書を書けるようにする。今後、対象地域などを厚生労働省と詰める。

 規制改革会議は来年6月にまとめる答申に盛り込む方針だ。医師法では、死亡診断書の交付に医師に立ち会いを義務付けている。受診後24時間以内に死亡した場合に限り、医師は改めて立ち会わなくとも診断書を作成できる。

 ただ過疎地で自宅療養する患者など、すぐに医師が行くのが難しい場合がある。遺族が長い期間、遺体を自宅に保存したり、遠くの病院まで搬送したりしなければならないケースもあるという。

 規制改革会議では(1)離島やへき地で医師がすぐに駆けつけられない(2)終末期の対応について患者や家族の事前の同意がある(3)看護師がテレビ電話などを使って医師に状況を報告し、最終的な診断は医師が行う――などの条件を満たせば医師が直接立ち会わずに診断書を交付できるよう求める。



http://healthpress.jp/2015/12/post-2184.html
来年から湿布薬の処方枚数に制限~欧米では使われない不思議な薬
2015.12.28 Health Press

 昔から日本人には馴染みのある「湿布薬」。捻挫や打撲、肩こり、腰痛などで用いられる、日本ではポピュラーな薬だ。日本人なら誰もが一度は使ったことがあるのではないだろうか。

 そんな身近に処方されてきた湿布薬(鎮痛消炎貼付剤)が、2016年4月の診療報酬の改定を機に、処方枚数が制限されるという。厚生労働省は、1回で70枚以上処方される患者は延べ約30万人/月いるとして、今回の制限によって国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。

 市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1~3割の負担ですむ。「湿布薬は何枚あっても困らない」と多めに処方してもらい、余ったものをストック、家族などに譲渡するケースは少なくない。患者に必要以上の枚数が処方されるという無駄が問題視されてきた。

 そもそも、湿布薬の効果や副作用について十分な知識をもたず、安易に使用していないだろうか。

温熱効果や冷却効果はない!

 湿布は、開発の経緯から大きく「第一世代」と「第二世代」に区分けされる。第一世代は、消炎鎮痛成分(サリチル酸メチルなど) に加え、刺激成分が温感・冷感を与える。その後、鎮痛効果の高い非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs) を含んだ貼付剤が登場した。これが現在、主流となっている「第二世代」である。

いずれも、肩こりや腰痛の原因である「筋肉の凝り」を取ってくれるわけではない。あくまで「痛み止め」「炎症を抑える」ための薬だ。

冷湿布を貼るとヒンヤリする冷却効果は、配合されているメンソールによるもので、実際には「冷却」されているわけでない。一方、温湿布も、トウガラシエキスなどによって温かく感じているだけだ。実際に冷やす・温めるという効果は期待できないということを覚えておこう。

欧米ではほとんど使われていない湿布

 ところで、日本ではとても普及している湿布だが、欧米ではほとんど使われていない。痛み止めといえば飲み薬が一般的で、湿布のような貼り薬はあまり使われない。また、保険が適応されない国も多い。文化や習慣の違いなのかもしれないが、「薬」として“認めていない”場合が多いのだ。

 湿布はその手軽さから、「薬物」のイメージは薄いが、保険診療で採用されている、れっきとした薬。たとえば、ハガキ大のサイズの湿布薬を10枚ほど使うと、血中の鎮痛成分の濃度は、飲み薬1日分と同じくらいになるという研究結果がある。

湿布の多用、連用で副作用に見舞われることも

 すべての薬には何らかの副作用がつきものだが、湿布も同様だ。安易に使っていると思わぬ副作用に見舞われることがある。特に高齢者に多いのが、多用、連用によるものだ。

 たとえば、痛みや炎症を抑える医療用貼り薬「モーラステープ」に含まれる「ケトプロフェン」という鎮痛成分には、「光線過敏症」という副作用がある。貼ったまま紫外線を浴びると、貼った部位に発疹、腫れ、かゆみ、水ぶくれなどの症状が表れる。

 厚生労働省の発表によると、妊娠後期に使用した後、胎児の心臓につながる胎児動脈管が収縮し、胎児に肺高血圧症などが起きたケース、妊娠中期の使用で羊水が少なくなる羊水過少症も報告されている。

 また、インドメタシンには、筋肉を萎縮させてしまう副作用があり、ほかにも喘息を患っている人には用いてはならないという欠点がある。そのほかにも、アレルギー反応を引き起こしたり、胃の粘膜を刺激して胃腸炎になったりしたケースが報告されている。

 今回の湿布の処方枚数の制限策が、医療費削減の面だけでなく、適切な使用に基づく効果や副作用への喚起を呼ぶことに期待したい。
(文=編集部、監修=三木貴弘)



http://www.iwanichi.co.jp/ichinoseki/9014.html
医療職の苦労、喜びは 市内中学生 医師に質問、現場を肌で
(12/27) 岩手日日新聞

 医療関係の仕事について中学生に理解を深めてもらう医療職セミナー(一関保健所主催)は26日、一関市田村町の昭和病院で開かれた。同院スタッフによる講演や施設見学を通じ、生徒が医師や看護師の仕事に触れた。

 市内の中学1~3年生11人と保護者らが参加。同院の杉内登院長は「この地域は医者もスタッフも人数が足りていないのが現状。病院の内側ではいろいろな人が医療に携わっていることを知ってほしいし、皆さんには医療職に就いてこの地方を支えてもらいたい」と呼び掛けた。

 講演では同院の研修医、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーの4人が、仕事を志したきっかけや魅力、進路、チーム医療の重要性などを紹介。研修医2年目の春成淳平さん(28)は、主な業務や1日の生活スケジュールを説明した上で「医者は命に直接触れることができる仕事。勉強すればするほど知識が身に付き、苦しむ患者さんを救う選択肢が増える」とやりがいを語った。

 生徒からは「医者には重い責任や苦しい経験があると思うが、それでも続けていくためにモットーにしていることは何か」「看護師の仕事をやってきて、これまでで一番の喜びは何か」などの質問が出された。

 講演に続き、病院内の薬局や検査室、病棟などを見学し、担当者から業務や施設について解説を受けた。医療職を志望しているという菊池美咲さん(一関中2年)は「看護師は患者とたくさん対応していることが分かった。話を聞いて将来の参考になったし、自分も困っている人を助けたいと思った」と話していた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53559/Default.aspx
次期診療報酬改定 
7対1入院基本料、かかりつけ薬剤師などが焦点に 
薬価制度改革骨子も了承

2015/12/28 03:53 ミクスオンライン

中医協総会は12月25日開かれ、2016年度診療報酬改定率の報告を受け、支払側、診療側の各側から意見が出された。支払い側は、急性期病床である看護配置7対1入院基本料について重症度、医療・介護必要度、平均在院日数、在宅復帰率の見直しを求めた。調剤報酬については、かかりつけ薬剤師については機能を診療報酬上明確にした上で、服薬状況の一元的・継続的管理を行うことを求めた。一方、診療側は初診料・再診料の引上げや、地域包括ケアシステムにおけるかかりつけ医の手厚い評価、かかりつけ薬剤師・薬局の推進を求めた。これに基づき、年明けから診療報酬改定の個別改定項目の議論に入る。

医薬品関連では、支払側が薬局での後発医薬品体制加算について調剤割合の低い薬局での減算措置を設定すべきとした。また、湿布薬、ビタミン剤、うがい薬などの市販品類似薬は「負担の公平性の観点から保険給付から除外すべき」とした。湿布薬については1回あたりの上限を70枚に設定し、処方日数の記載や70枚を超える場合には理由をレセプトに記載することを求めた。ビタミンD以外のビタミン製剤については、投与が必要な場合に限定すべきとし、処方できる疾患名を限定すべきだと主張した。

◎薬価制度改革骨子了承 特例引き下げ導入に製薬業界は反対

同日の総会では、売上が1000億円を超える医薬品の薬価を引き下げる巨額再算定や基礎的医薬品の新設、新薬創出加算の試行的導入の継続などを盛り込んだ2016年度薬価制度改革骨子も了承された。基本的考え方として、「革新的新薬の評価に重点を置き、特許の切れた新薬については後発医薬品への置き換えが着実に進むような薬価制度」とされた。これについて専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「業界もこれに対応した企業活動を進めているところ。メリハリをつけた薬価制度が政策目標につながると確信している」と述べた。

その上で、16年度改定で、新薬創出加算の試行的導入の継続や先駆け審査指定制度加算の導入されることについて、「予見性が高まることについては日本での革新的な新薬の開発を後押しするもの」と評価を示した。基礎的医薬品については、「試行的導入ということで、対象品目を絞り込んで実施されると理解しているが、次期改定に向けて引き続き検討していただきたい」と述べた。

一方、特例再算定については、「前提条件の変化を問わず市場規模の拡大の事実のみをもって薬価を引き下げるのは妥当ではないというのが基本的な考え方」と主張した上で、「特定の企業に対してきわめて大きな影響、負担を負わせることになることから、個別の事情をよく勘案し、対応いただきたい。今後、医療費に占める薬剤費全体の議論、国をあげて取り組んでいるイノベーション創出のための取り組みとも照らしあわせてその必要性について引き続き議論いただきたい」と述べた。

◎日薬連「製薬業界にとって総体的に厳しい結果」

骨子が了承されたのを受け、日本製薬団体連合会(=日薬連、野木森雅郁会長)、日本製薬工業協会(=製薬協、多田正世会長)、日本ジェネリック製薬協会(=GE薬協、吉田逸郎会長)の3団体はこれを受け、声明を発表した。以下、各団体のコメント。

日薬連は「今回の薬価制度改革は、製薬業界にとって総体的に厳しい結果となった。引き続き、我が国の医療保障制度の持続性維持と国民の健康・増進、および成長産業としての製薬産業の国際競争力強化という政策目標の達成を目指して取り組んでいく」とコメントを出した。

具体的項目として、新薬創出加算の試行的導入や基礎的医薬品の新設を評価した一方で、特例再算定や後発品へ置き換えが進まない先発品の特例引き下げ(Z2)の区分見直しに言及した。特例再算定については「市場拡大再算定と異なり、薬価設定時の前提条件の変化という自由に基づくことさえなく、単に販売額と拡大倍率だけに基づいて薬価引き下げを行うルールは極めて理不尽なものと捉えている。イノベーションの評価と皆保険制度の持続性維持の大切さを理解しながらも、薬剤費全体と個別医薬品の市場規模の在り方を抜本的に検討した上で、製薬業界にとって納得性のある結論にしていただきたかった」とした。またZ2の区分見直しについては、「後発医薬品への置き換えによる医療費適正効果額は年々スピードを増す形で増加しており、さらなる削減を目的とする本特例引き下げの強化は容認できない」とした。

製薬協も同様に新薬創出加算の試行的導入の継続や基礎的医薬品の新設を評価した上で、特例再算定については「イノベーションの否定そのものと言わざるをえず、到底容認することはできない」とした。そのほか、費用対効果評価の試行的導入については、本格的導入を前提としないことや、製薬業界の意見の反映、議論の参画を配慮することを改めて求めた。

GE薬協は、初収載時の後発医薬品の薬価引き下げについて「生産設備の増強などの巨額の投資判断を迫られていることなど大変厳しい経営状況であることを訴え、現状維持を要望した。しかし、薬価調査の結果、新規収載後発医薬品のかい離率が先発品の水準と比べ非常に大きな数値だった。市場実態に基づかない要望をしたことについて深く反省している。流通面の改善も含め、後発医薬品のさらなる信頼性の向上に向けて努力する」とコメントを出した。



http://getnews.jp/archives/1324863
製薬会社への信頼が揺らぐ瞬間…米で死亡例報告の漏れなど深刻
DATE:2015.12.27 21:00 imedi(アイメディ)

「薬」の安全性、気にしていますか
お医者さんで処方された薬だし、薬剤師さんから説明も受けた。お薬手帳も持って行ったし、飲み合わせも大丈夫だと言われた。だからこのお薬には、何の心配もない!!

私たちの『薬』に対する意識は、だいたいこのようなものなのではないでしょうか。特に、ドラッグストアで処方箋無しに入手した薬などに関しては、薬の名前をネット検索して調べたりする人は、稀な存在のような気がします。

深刻な「事例の報告遅れ」目立つ。消費者にとっては致命的

FDA(Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局)は、アメリカ国内における食品・医薬品・化粧品・医療機器・動物薬・玩具などの諸製品について、その許可や違反品の取締りなどを専門的におこなう政府の機関です。

アメリカの権威ある医薬系雑誌『米国医師会雑誌(The Journal of the American Medical Association,JAMA)』は、製薬会社が所定の15日以内に、FDAへ有害事象を報告しない比率が 2004~2014年で約10%にのぼり、なかでも、「患者の死亡」が絡む場合は特に報告が遅れる傾向があるという、ミネソタ大学教授らによる指摘を、オンライン版に掲載。

この10年間で 死亡例の4万件以上。死亡しなかった例に至っては、じつに12万件もの報告の遅れがあったそうです。
JAMAのレッドバーグ博士によると「有害例、死亡例の報告遅れで人々に薬の安全性に対する警戒心も遅らせてしまった。かなり多くの人が危機意識を持たずに危険な薬を服用してしまいました」とのこと。

『薬』の流通をコントロールできる唯一の機関なのに…
FDAの役割は、あらゆる検証方法で、市場に流通している薬のヒトに対する安全性を担保することです。
したがって、FDAは問題のある薬を市場から排除したり、販売を一時停止する権限を持っています。

そして、その判断に最も影響力を持つのが、製薬会社からの迅速な事例報告なのですが、FDAは多くの場合、報告が遅れている製薬会社には「警告を出す」だけに止まっているとのこと。
例えば、9か月から3年程度にわたって報告が遅れていることを ファイザー(Pfizer Inc.)にたいして指摘するなど。

レッドバーグ博士は今回の報告書の中で、FDAはもっと報告を迅速に行うよう、製薬会社を取り締まる必要があると指摘していますが、FDAのクリストファー・ケリー広報担当は、「当該報告書にはまだ目を通していないのでコメントできかねる」と応じました。

報告されているのは、「全体の2%程度」という現実
多くの製薬会社は、死亡しない場合の91%、死亡した場合の87%については所定の15日の期間内にFDAへすみやかに報告していますが、残りの部分については月の後半に回されたりしていました。

二日や三日の遅れじゃなかったですよ。3%が3~6か月未満、6%が6ヶ月以上、残りの3%は6か月以上遅れての報告でしたよ

レッドバーグ博士は、「実際の報告状況は、調査結果よりもっとひどい状況だ」と予測しています。
「FDAは100万件もの報告を受領検討したと言っていますが、それは全報告数の約2%くらいです」

深刻なケースは、製薬会社の内部調査に時間をかける
アメリカで事業を行う主要な研究開発志向型の製薬企業と、バイオテクノロジー企業を代表する組織、米国研究製薬工業協会(PhRMA)のスポークスマンは、「患者の安全は 全ての製薬会社にとって最優先事項ですから、我々はきちんと毎年、FDAに何百、何千件もの報告を提出しています」と主張。

ただし、「ぜひ知っておいて頂きたいのは、何か予期せぬ深刻な状況が見られて、それをFDAに報告する場合。我々としても、患者本人や医療機関から提出された報告を入念に調査しなければならないということです。報告はそれから行います」と付け加えました。

消費者や医療機関からもどんどん報告すべき!
博士によると、消費者や医療機関も、直接FDAにアクセスできるのだから、FDAは製薬会社からの報告だけに依存する必要はないと述べています。

製薬会社は確かに事例報告を行っていますが、特に深刻な例に関しては内部調査が長びいて報告に遅れが目立つため、「個人からの直接報告がもっとあって良いのではないか?」と示唆しました。

日本では、どこが判断していて、どこへ言えばいいのか?
まず、『薬事法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)』があります。

これは、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制をおこなうとともに、指定薬物の規制に関する措置や、医療上とくにその必要性が高い医薬品。
及び、医療機器の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的として制定された法律で、所轄省庁は厚生労働省医薬食品局です。

また、安全性の調査研究にかんしては、厚生労働省の施設機関のひとつである『国立医薬品食品衛生研究所(National Institute of Health Sciences: NIHS)』が、医薬品・医療機器・食品・化学物質についての品質や安全性、有効性についての調査・研究を実施しているほか、安全性にかんする膨大なデータベースを有しています。

何か薬品に関して不安な点がある場合は、直接、消費者庁や国民生活センターにご連絡されるのも宜しいかと思います。
どちらも電話で個人からの相談対応を受け付けているほか、サイト内に専用メールフォームがあります。

【参考】

Drug Makers May Delay Reporting Patient Harms to FDA: Study-consumer.healthday.com
http://consumer.healthday.com/public-health-information-30/drug-safety-news-741/drug-companies-sometimes-delay-reports-of-patient-harms-to-fda-study-701680.html

http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2398401

Ma P, Marinovic I, Karaca-Mandic P. Drug Manufacturers’ Delayed Disclosure of Serious and Unexpected Adverse Events to the US Food and Drug Administration. JAMA internal medicine. 2015 Sep 1.



  1. 2015/12/28(月) 05:44:05|
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12月26日 

https://www.m3.com/news/general/386817?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151226&dcf_doctor=true&mc.l=136975602
検査取り違え、乳房全摘出 千葉県がんセンター
2015年12月26日 (土)配信 共同通信社

 千葉県がんセンター(千葉市)は25日、早期の乳がんの30代女性患者(千葉県在住)と、別の患者の検査結果を取り違え、誤って30代女性患者の右乳房を手術で全摘出したと発表した。センターは「直ちに全摘出する必要性は低かった」として手術を受けた患者に謝罪した。

 センターは、外部の専門家を交えた院内事故調査委員会を設置し、原因を究明する方針。

 センターによると、10月中旬、30代女性患者の乳房に針を刺して組織を採取、がん細胞を調べる検査を実施した。だが、同じ日に検査を受け、進行性の高い「浸潤性乳管がん」と診断された別の50代女性患者の検査結果とセンター内で取り違え、12月上旬、30代女性患者に右側乳房の全摘出手術を行った。

 センターは、50代女性患者の現在の病状を明らかにしていない。

 12月15日、30代女性患者の手術時に取り出した検体を調べたところ、取り違えが判明した。

 25日、記者会見した永田松夫病院長は「このような事故を起こし、患者様、ご家族に深くおわびする」と謝罪した。

 センターでは2014年、腹腔鏡手術を受けた11人が08~14年に死亡していたことが判明。県の第三者委員会はことし7月、最終報告書で手術方法の選択などの問題があったと指摘していた。



https://www.m3.com/news/general/386806
患者取り違え乳房全摘出…早期がんの30代女性
2015年12月26日 (土)配信 読売新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、病理検査を行った乳がん患者2人の検体を取り違え、直ちに手術の必要がない早期がんの30歳代女性の右乳房を全摘出したと発表した。

  発表によると、同センターは10月中旬の同じ日、いずれも千葉県内の30歳代女性と50歳代女性に、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を実施。この際、検体を取り違えたために、30歳代女性を「進行がん」と診断し、本人と家族の同意を得て12月上旬、右乳房の全摘手術を行った。

 しかし、12月15日に摘出した部位を検査したところ、進行がんではなく早期がんと判明。17日、30歳代女性と50歳代女性の検体の遺伝子を調べたところ、2人の針生検の検体を取り違えていたことがわかった。同センターは「30歳代女性は、最初の針生検の時点では全摘出する必要はなかった」としている。



https://www.m3.com/news/general/386816
乳房全摘出、病院長「原因特定できていない」
2015年12月26日 (土)配信 読売新聞

 あってはならない医療事故がまた起きた。

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、30歳代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を全摘出された事態を受け、記者会見した同センターの永田松夫病院長らは「患者さま、ご家族に深くおわび申し上げる」と深々と頭を下げた。ただ、原因については「現時点では特定できていない」と述べるにとどめ、専門家らによる調査委員会で究明するとした。

 早期がんの30歳代女性と進行がんの50歳代女性の検体は同じ日に採取されていた。永田病院長らによると、取り違えが起きた「針生検」と呼ばれる病理検査は、マニュアル通りに行われていれば、病理医が診断を終えるまでに乳腺外科の主治医と看護師、看護補助者、病理検査科の臨床検査技師、複数の検査補助者、病理医の9人前後が関与する。各段階で取り違えを防ぐため、患者名などを書いたラベルを貼った検体容器や伝票を照合する決まりだ。



https://www.m3.com/news/general/386805
近所付き合いでPTSDの危険減…ハーバード大など 被災高齢者3000人調査
2015年12月26日 (土)配信 読売新聞

 東日本大震災で被災した高齢者のうち、震災前に近所付き合いなどが活発な地域に住んでいた人は、被災による心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する危険性が4分の3に抑えられていることが、約3000人を対象にした米ハーバード大学などの調査でわかった。

 高齢者の被災前の生活状況と、被災後のPTSDの危険性の関連を分析した大規模な研究は初めて。

 同大などが参加する高齢者に関する調査研究プロジェクト「日本老年学的評価研究(JAGES)」は2010年、全国31市町村に住む65歳以上の高齢者に、介護予防などを目的とした生活状況の調査を実施していた。

 調査対象には翌年に起きた震災で被災した宮城県岩沼市の5058人も含まれていた。同市の被害は死者・行方不明者187人、損壊家屋5428棟に上った。

 このため、同大は東北大などと共同で、13年に追跡調査を行い、3606人から回答を得た。

 PTSDを発症する危険性は、個人的に近所付き合いなどが多い人は、少ない人と比べると0.87倍、近隣住民の結び付きが強いエリアに住む人は0.75倍だった。被災前からあった近所とのつながりが被災後の助け合いを生み、PTSD発症の危険性を低減させたとみられる。また、今回の結果から、高齢で体調が悪いなどの理由で個人的なつきあいが少なかった人でも、周囲の人たちの結びつきが強いと、危険性がより小さくなる可能性が示唆された。

 引地博之・ハーバード大客員研究員は、「将来の災害に備えた地域づくりに役立てていきたい」と話している。



https://www.m3.com/news/general/386790
遺伝情報の外部提供、本人同意が必要 有識者会議
行2015年12月26日 (土)配信 朝日新聞

 病気のなりやすさなどにかかわる個人の遺伝情報について政府の有識者会議は25日、医療機関や検査会社が外部へ提供する場合には新たに本人の同意を求めることで大筋合意した。医療保険加入時の差別などにつながる可能性もあることから、病歴などと同様に特に慎重な扱いを求める。

 現在の個人情報保護法では遺伝情報の保護が明確に位置づけられていなかった。近年は検査サービスなどで遺伝情報の入手が容易になっていることから、9月に成立した改正個人情報保護法(公布後2年以内に施行)で位置づける方針。

 具体的には、病気のなりやすさや薬の効きやすさなどが分析できる形になった情報(ゲノム情報)を、改正法で新設された「要配慮個人情報」の対象とし、本人の同意を求める。単純な配列データは指紋などと同様に、明確な拒否がなければ提供できる扱いとする。

 研究者からは、本人同意が厳格になることで研究が進まなくなるとの懸念も出ており、この日の会合では研究の妨げにならないように配慮することも確認した。(竹野内崇宏)


  1. 2015/12/27(日) 05:50:39|
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12月25日 

https://www.m3.com/news/general/386535?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151225&dcf_doctor=true&mc.l=136773348&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
入院男性殴られ死亡 精神科、同室の男関与か
2015年12月25日 (金)配信 共同通信社

 24日午後10時ごろ、名古屋市守山区の精神科病院「守山荘病院」から「入院中の患者が別の患者に殴られた」と119番があった。男性(68)が別の病院に運ばれたが、約2時間後に死亡した。

 愛知県警守山署によると、男性と同じ病室に入院していた30代の男が「自分がやった」と話しており、傷害致死容疑で男から事情を聴くとともに、男性の遺体を司法解剖して死因を調べる。

 男がナースセンターにいる看護師に伝えて発覚した。手に殴った形跡があったという。病室は4人部屋で、他の2人にけがはなかった。



https://www.m3.com/news/general/386530
【福島】県立大:駅東口通りに整備を 
理学療法士など医療従事者養成 
福島市長らが知事に要望 /

2015年12月25日 (金)配信 毎日新聞社

県立大:駅東口通りに整備を 理学療法士など医療従事者養成 福島市長らが知事に要望 /福島

 福島市の小林香市長と福島商工会議所の渡辺博美会頭は24日、福島駅東口駅前通りに理学療法士や作業療法士など医療従事者を養成する県立大学を整備するよう求める要望書を内堀雅雄知事に提出した。

 要望書では、「若者層の中心市街地への交流や定住人口の拡大が、保健・医療・福祉の充実や体制の強化と並んで福島市の重要な課題」と指摘。整備が決まれば、市が用地を取得して県に無償貸与し、大学の開設後は学生や教員の利便性を高めるための施策を市と商工会が連携して行うとしている。

 小林市長は「駅前を中心としたにぎわいを考えると、中心街に設置していただければありがたい」と話した。内堀知事は「現在は基本構想を策定中であり、設置場所の選定について十分に参考にさせていただきたい」と述べた。

 県は昨年12月、保健・医療体制を充実させるため、県立の養成施設の整備を具体的に検討する有識者会議を設置。有識者会議は今年8月、県内には理学療法士などの養成施設が少ないとして、県立大学の早急な整備が必要と提言していた。【横田香奈】



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151225-038113.php
百貨店跡地を無償貸与 福島県立大誘致、福島市が提案
2015年12月25日 10時44分 福島民友新聞

 県内で人材不足が深刻な保健医療従事者を養成するため県が設置を検討する県立大構想で、小林香福島市長と渡辺博美福島商工会議所会頭が24日、県庁で内堀雅雄知事に対し、同市への整備をあらためて要望した。小林市長は、同市栄町の駅前通りに面した旧百貨店「コルニエツタヤ」跡地で、現在は中古本販売店や飲食店などが入る商業施設と駐車場になっている民有地約3千平方メートルを建設候補地とし、市が取得後に県へ無償貸与する方針を表明した。

 内堀知事は「街なか一等地の無償貸与は大きな提案。設置場所の選定で十分に参考としたい」と前向きに検討する意向を示した。また、候補地にある建物について小林市長は「県が設置を決めれば、更地にして提供する」との考えを示した。

 市は福島商議所と協力して用地交渉を進め、地権者のふくしま未来研究会(佐藤勝三代表理事)から県が候補地への開設を決めることを条件に、寄付を受けることで合意を取り付けた。同会は福島民友新聞社の取材に「街なかの活性化のために寄付する」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/386527
【宮城】塩釜市立病院:地域医療重視のプラン案を提示
2015年12月25日 (金)配信 毎日新聞社

塩釜市立病院:地域医療重視のプラン案を提示 /宮城

 経営再建を進める塩釜市立病院は、療養病棟や在宅医療など「地域包括ケアシステム」の中核病院を目指す来年度からの経営改革プラン案を示した。

 プラン案は、果たすべき役割として、(1)専門性の維持と救急患者の積極的受け入れ(2)回復期患者の在宅復帰支援(3)療養病棟による慢性期医療(4)在宅医療の充実――を重点に挙げた。経営効率化と、市の一般会計からの繰り入れも含めて経常黒字を目指す。同病院は2005年度、不良債務比率が全国ワースト4に悪化したのを機に外部識者の意見も踏まえた改革プランを開始し13年度に累積債務を解消。14年度も経常赤字が続き、識者を交えた審議会で新たな改革プランの策定に乗り出していた。新プランは来年度から5年間で、来年1月に審議会が中間答申、県の「地域医療構想」策定後の来夏に決定する方針。【渡辺豊】



http://www.iwanichi.co.jp/kitakami/8938.html
課題共有、連携強化 岩手中部地域 県立病院運営協
(12/25)岩手日日新聞

 岩手中部地域県立病院運営協議会(会長・髙橋敏彦北上市長)は24日、同市大通りのブランニュー北上で開かれた。花巻、北上、遠野の3市から市長や県議、関係団体代表ら委員24人のうち代理を含む18人が出席し、県立の医療4施設の経営や運営、環境整備などについて意見を交わした。

 同協議会は、中部地域にある県立の中部病院、遠野病院、東和病院、大迫地域診療センターの4施設について意見や要望を聞き、施設運営に役立てようと、毎年度1回開催している。

 髙橋市長は「有意義な協議にするため、各県立病院のさまざまな運営の工夫を聞いた上で、委員の皆さんの忌憚(きたん)ない意見をお願いしたい」、中部病院の遠藤秀彦院長が「2025年問題が近くに迫っていることを踏まえてご意見を頂きたい」、県医療局の八重樫幸治局長は「限られた医療資源の中で今後も県民に良質な医療を持続的に提供するため、県立病院間のネットワークを活用した応援体制の強化や福祉介護施設との連携をより一層強めていく必要がある」とあいさつした。

 各病院長が病院の運営状況や役割、患者数の統計などを説明。委員からは病院の在り方や医師・看護師の確保の見通し、県立病院の収支などについて意見や質問が出された。

 今後の医師確保の見通しについて、八重樫局長は「県内の病院で勤務した場合に奨学金の返還を免除する岩手医大の地域枠をはじめ、医療局や市町村の奨学生を合わせると毎年55人の医師を養成している。その医師が来年度から各病院に配置され、28年ごろには300人ぐらいになる。合わせて即戦力の医師を招聘(しょうへい)することで確保していきたい」と答えた。

 県立病院の収支については「14年度は外形基準の見直しで赤字ではあるが、病院本体の業績を表す経常損益は14年度決算で11億6800万円の黒字。中部病院をはじめとした基幹病院が黒字を計上して地域病院の赤字を支えているので、全体では黒字の経営をしている」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/386474
「在宅みとり」規制緩和へ 遠隔でも死亡診断認める
2015年12月25日 (金)配信 共同通信社

 厚生労働省は24日、政府の規制改革会議の健康・医療ワーキンググループで、在宅での「みとり」に関する規制を緩和する方針を示した。離島やへき地で在宅患者が亡くなった場合、医師がテレビ電話などで遠隔診断するといった要件を満たせば、死亡診断書を出せるようにする。

 規制改革会議によると、最後の診察から24時間を経過して亡くなった場合は診察をしないと死亡診断書が書けない。医師が速やかに患者の自宅を訪問できないと、遺体を長い時間冷やして保存したり、診療所に遺体を運んだりする必要があった。死亡診断を見越して患者の意に反して入院させるケースもあったという。規制緩和が実現すれば、これらの不都合が解消される見通し。

 厚労省は、今回の緩和は離島やへき地に限定する方針。規制改革会議はさらに幅広く認めるよう求めており、引き続き細部を詰める。

 厚労省が示した要件は(1)患者が離島やへき地に住んでいて医師らの対応が困難(2)患者や家族が事前に同意している(3)これまでの診察で近く亡くなると判断(4)法医学教育を受けた看護師が患者宅で対応する(5)医師がテレビ電話などで遠隔診察、診断する―で、すべてを満たす必要がある。厚労省は来年にも自治体に見直しを通知する。

 ※在宅死の状況

 自宅で亡くなる人は1950年代には8割程度いたが、年々減少し2010年代には1割程度まで下がった。最近は病院で亡くなる人が8割近い。近年、自宅で亡くなる人が微増する傾向があり、内閣府の意識調査では「自宅で最期を迎えたい」と答えた人が54・6%と最高だった。自宅で亡くなる割合は都道府県の間で約2倍の差がある。東京都は16・7%で最も高いが、大分県は8・4%で最も低い。



https://www.m3.com/news/general/386476
理事長に懲役5年求刑 医療法人の診療報酬詐欺
2015年12月25日 (金)配信 共同通信社

 診療報酬を架空請求して計約3千万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた奈良市の医療法人「光優会」理事長の医師松山光晴(まつやま・みつはる)被告(55)の初公判が24日、奈良地裁(柴田厚司(しばた・あつし)裁判長)で開かれ、被告は「間違いない」と起訴内容を認めた。検察側は懲役5年を求刑し、即日結審した。判決は来年2月9日。

 検察側は論告で「『法人の借金返済に充てたい』という利欲的な動機に酌量の余地はない。長期かつ多数回にわたる悪質な犯行だ」と指摘した。弁護側は「深く反省し、被害額もほぼ弁償した」として執行猶予付きの判決を求めた。

 起訴状によると、被告は2010年1月~13年3月ごろにかけ、法人が運営していた奈良県橿原市の精神科クリニックで、元職員の男性らの診療報酬明細書に虚偽の記載をして診療したように装い、約45回にわたって計約3千万円余りをだまし取るなどしたとしている。



http://mainichi.jp/articles/20151226/k00/00m/040/108000c
千葉県がんセンター
人違いで乳房切除 検体取り違え

毎日新聞2015年12月25日 21時27分(最終更新 12月25日 21時30分)

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、県内に住む30代の早期乳がん患者について、すぐに手術の必要がないのに右乳房をすべて切除するミスを起こしたと発表した。細胞の検査結果を50代の進行性の乳がん患者と取り違えたのが原因という。センターは外部有識者を含む院内事故調査委員会を設置し、来月に初会合を開いて詳しい原因を調べる。

 センターによると、10月中旬、被害に遭った30代女性の乳がんが疑われる部位の組織を針で採取して検査した。本来は経過観察していればよい早期の乳がんだったが、センターは同じ日に検査した50代女性の検体と取り違えて11月上旬、乳房の全摘手術が必要と診断。12月上旬に手術した。女性は退院しており、命に別条はないという。

 今月15日、病理医が手術で取り除いた組織を診断して10月の検査時と型が異なることに気づいた。2日後、2人の検体の遺伝子検査をして取り違えていたと分かった。一方、進行性の50代女性は10月下旬の時点で、検査結果が視診と一致しなかったことから再検査を受けていた。

 検体は診療科でホルマリン容器に入れ、患者名のラベルを張るなどした上で病理検査科に送られて組織の診断をされる。一連の過程には医師や看護師、臨床検査技師らが関与する。その間に取り違えたとみられるが、センターは「現段階でどの過程で間違いがあったか特定できていない。院内事故調の結果を待ちたい」と説明している。

 センターは、今月18〜22日に2人の患者や家族に経過を説明して謝罪した。補償などについても検討する。25日、県庁で記者会見したセンターの永田松夫病院長は「患者、家族はじめ、県民に深くおわびする。徹底的に原因究明と検証を行い、速やかに再発防止策を講じていく」と述べた。【岡崎大輔】

腹腔鏡手術問題で改革中に

 千葉県がんセンターを巡っては、2008年6月〜14年2月に腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者11人が相次いで死亡する問題が昨年4月に発覚。このため今年4月、国による「がん診療連携拠点病院」の指定を更新されなかった。さらに、保険適用外の腹腔鏡手術を実施して診療報酬を不正請求していたことも明らかになり、行政処分を受けた。

 腹腔鏡手術の問題に関する県の第三者検証委員会は、センターについて「不都合な情報を表に出したくない意識の表れがあり、原因究明や再発防止に向けた取り組みを行わなかった」との報告書をまとめている。

 これを受け、センターは11例のうち8例を執刀した医師らを処分。医療事故の再発防止策を検討する医療安全管理委員会の権限を強化したり、患者が主治医以外の意見を聞けるように他病院の医師を紹介する「セカンドオピニオンセンター」を設置したりして、院内体質の改善を進めていた。センターの永田松夫病院長はこの日、「改革を進めている中での事故で大変重く受け止めている。再び起こらない体制を整えたい」と謝罪した。【岡崎大輔】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H5D_V21C15A2PP8000/
長期入院病院の転換先、2つの新モデル提示 厚労省
2015/12/25 19:25 日本経済新聞

 厚生労働省は25日の検討会で、長期入院の高齢者向けベッド(療養病床)を持つ病院の転換先として、2つの新たな施設のモデルを示した。医師が常駐して必要な治療を施せる医療型の施設や、医療機関と併設する住宅型施設を創設する。既存の介護施設も含めて、転換先を病院自ら決めてもらう。医療サービスを必要な人に絞り込む。

 年明けにも議論をまとめる。同省の社会保障審議会医療部会や介護保険部会で施設基準や介護保険と医療保険のどちらを適用するかを詰める。2017年の通常国会に関連法の改正案を出す。

 長期入院ベッドは、治療の必要性が乏しいのに、介護施設が見つからなかったり、家族が介護できなかったりして利用する高齢者も多い。医療費が膨らむ一因となっていることから、一部は17年度末で廃止して、他の施設に移行することになっている。

 施設案は医療を提供できる介護施設や、医療機関に隣接するサービス付き高齢者住宅のような施設を想定しているもようだ。この日の検討会では施設案に対して目立った反対は無かったが、「所得が低い利用者の負担に配慮してほしい」といった声が出た。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386585
シリーズ: 医師不足への処方せん
“患者に危害加える研修医”の処遇、課題に
2020年度からの臨床研修制度改革を議論

2015年12月25日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 厚生労働省の第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・国立病院機構理事長)が12月24日に開かれ、2020年度の臨床研修制度改革に向けて、「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」で策定した、新たな到達目標の骨格案とその検討状況について議論した(『臨床研修、新評価の骨格案を提示』を参照)。制度上の到達目標の取り扱いや到達目標を達成できなかった研修医への対応などが課題として挙がった。

 骨格案では、「医師としての基本的価値観」「資質、能力」「遂行可能業務」の3つを到達目標として設定し、その上で到達目標を達成するための臨床研修プログラムに係る方略と評価方法を定める。これに対し、到達目標を達成できなかった場合の評価方法について質問が出た。

 ワーキンググループ座長の福井次矢氏(聖路加国際病院長)は、「質を担保できない医師は、患者と接して危害を加えないようなところに行ってもらうように、強く薦める以外できないのが実状だ」と説明したほか、部会長の桐野氏は「大きな課題だが、解決方法はまだない」として、今後の課題とした。

 骨格案として提示されたのは大まかな枠組みで、具体的な中身については検討中としている。今回の審議会での議論を踏まえて、さらにワーキンググループで検討する。

「やってはいけない」と言えるのか

 福井氏は冒頭で骨格案について説明し、「これまでの到達目標は一つ一つの細かい知識や技術を表記した細かい目標で、簡略化してほしいとの意見が多かった。今回は『コンピテンシー』という新しい教育目標の考え方に基づいた到達目標を提案したい」と述べた。「遂行可能業務」については、「適切な『資質・能力』を持つ人に限って任せられる業務で、単独で遂行できる業務を書き出す予定だ」とした。

 委員からは、評価方法や評価後の対応についての質問が相次いだ。和歌山県立医科大学理事長・学長の岡村吉隆氏は、「到達目標を達せられなくても臨床研修ができたとするのか。骨格案には、『社会に対する使命感』など、医療の社会性についての言及があるが、客観的な評価ができない」と意見。山形大学医学部長の山下英俊氏も岡村氏に同意し、「どこまで完成度を求めるのか、評価が極めて難しい。評価する我々は何を持って(研修医の)資質や能力を担保するのか。遂行可能業務とあるが、医師法では医師免許があれば医師の業務ができることになっている。教育現場では、やってはいけないと言わないといけないこともあるが、それと医師法の整合性を取る仕組みが必要だ」と求めた。

 労働者健康福祉機構千葉労災病院長の河野陽一氏は、「卒前と卒後では評価の軸が異なるが、卒後に問題があるとなった場合の選別のシステムがない。現状では再教育を現場でやって、ここまではというところで送り出すことになる。評価を厳密にどうするのか、達成しなかった場合の対応を決めないと同じことの繰り返しだ」と主張した。

 福井氏は、到達目標の取り扱いについては、「臨床研修の修了認定時に到達目標を達成していること、という文言はあるので、100%達成とするかは別として、達成することが求められる」との見解を述べた上で、到達目標を達成できなかった研修医については、「現在の研修制度では、どれだけ指導しても患者に危害を与える可能性が高い人は、修了認定をしなくてもいい、ということになっている。しかし実際の判断は非常に困難だ。質を担保できない医師は、なるべく患者と接しなくてもいい分野に強く薦めること以外に我々はできないのではないかと思う」と現行制度の枠組みで限界があることに理解を求めた。

 岡山県精神科医療センター理事長の中島豊爾氏は、具体的な評価方法については、「ワーキンググループでは、まだ議論はそこまでいっていない。到達目標の中身を具体的にどうするか話している段階だ」と説明した上で、「臨床研修が終わった後に患者と接する業務につかせないとするのは、医師法の改正が必要だ」と指摘。桐野氏は「今回の改定でどこまでできるのか考えるべきだ。ただ、どうにもできない人をどうすべきかについては大きな課題。それを上手にマネージする仕組みはまだないので、検討が必要だ」と述べた。

そもそも臨床研修制度は必要か?

 岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏は、「卒前医学教育や国家試験が大きく変化しており、専門医制度も始まる。その流れの中で臨床研修制度をどのように位置づけるのかの視点が必要だ」と指摘し、卒後の2年間の臨床研修制度そのものの在り方について疑念を呈した。

 福井氏は、ワーキンググループでの各団体のヒアリング結果を踏まえ、「卒前教育は充実しているが、まだ卒後の研修を短くできるまでには至っていないのが実状だ」と説明。聖隷浜松病院顧問の清水貴子氏も「学生実習と免許を持った後の臨床研修の内容は大きく違う」と指摘した。社会医療法人財団董仙会理事長の神野正博氏は「6年間の医学部教育で問題のある学生は排除した上での臨床研修であり、2年間の臨床研修は国民が求める医師像に近づけるような医学知識、臨床能力を身につける時期だ」と臨床研修制度の意義を強調した。

 また、山下氏は、特定の診療科を必修科とする現行の臨床研修制度に対し、専門医を志す医師のためにはより柔軟な制度が必要だと指摘した。これに対しては、「今後、高齢化社会で複数疾患の患者が増えるが、それに対応できない医師が増えているのは事実。それを増やさないために議論しているのではないか」(神野氏)、「ワーキンググループの学会のヒアリングでも、生涯学習や将来的な目標設定を臨床研修に入れるべきだという意見が多かった。短期間にするのは難しいのではない」(清水氏)といった意見が出た。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386518
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「極めて遺憾」、改定率決定で中川日医副会長
2016年度改定と社会保障関係費抑制の「既成事実化」けん制

2015年12月25日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、12月25日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、2016年度改定について薬価改定財源が診療報酬本体に充当されなかったことについて「極めて遺憾」と述べるとともに、2016年度予算案で社会保障関係費の伸びが機械的に5000億円に抑えられたことを問題視、これらが既成事実化しないよう、厚生労働省に対応を求めた。

 25日の中医協総会では、21日に決まった2016年の改定率が報告された。これを受けて、中川氏は、「改めて2点を申し上げ上げる」と切り出した。

 第一は、2014年度改定と2回連続で、薬価改定財源が、診療報酬本体改定財源に充当されなかった点。薬価(1.22%)と材料(0.11%)は通常改定で1.33%、加えて薬価の市場拡大再算定で0.19%、合計1.52%の引き下げ。さらに薬価の「特例再算定」などでも0.4%の引き下げを行う。一方、診療報酬本体の引き上げ率は0.49%(『「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定』を参照)。「健康保険法上で明確に、薬剤と診察は不可分一体であるとされている。薬価改定財源を診療報酬本体改定財源に充てることは、当然と考えるべき。極めて遺憾」と中川氏は指摘。

 第二は、社会保障関係費の伸びの抑制。今年6月に閣議決定した「骨太の方針2015」では、直近3年間で社会保障関係費の伸びが約1.5兆円に収まったことを受け、今後3年間も同様の伸びにとどめるとされた。中川氏は、「機械的抑制とは、あえて書かれていない。各年度の歳出においては、柔軟に対応し、かつこの額は『目安』と書かれている。にもかかわらず、1.5兆円を機械的に3分の1にして、5000億円の伸びにとどめるとされたのは、非常に残念」と問題視した。

 中川氏は、今回の対応は、小泉政権下での「骨太の方針2006」を想起させるとの見方も示した。同方針では、社会保障関係費の伸びを5年間で1.1兆円抑制するとされ、「5年間均等」との記載はなかったものの、翌2007年度予算では機械的に5分の1ずつ、つまり「2200億円抑制」という方針が打ち出された。「社会保障関係費の機械的抑制が、地域医療の崩壊をもたらしたことは皆の共通認識」と中川氏は警鐘を鳴らした。



http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95482000U5A221C1I10000/
診療報酬本体プラス、動いたのは…
2015/12/25 6:30日本経済新聞 電子版

 「『4人会』を知らないのはモグリだよ」。自民党厚生労働族の1人はこう解説した。2016年度の診療報酬改定は8年ぶりのマイナス改定だったが、医師や薬剤師の技術料にあたる本体部分はプラスだった。その舞台裏で4人会といわれる族議員のボスたちが影響力を及ぼしたという。それは事実なのか、関係者の証言をたどった。

■えりすぐりの最高幹部

 自民党厚労族のなかでは約10人が「ボス」と位置づけられている。例えば党税制調査会長の宮沢洋一、税調最高顧問の野田毅、地方創生相の石破茂側近で元環境相の鴨下一郎、財務相の麻生太郎が首相だったとき官房副長官として仕えた松本純らがその一角を占める。

 4人会はボスのなかでも、えりすぐりの最高幹部をさす。筆頭格は党幹事長や財務相などを歴任した元衆院議長の伊吹文明と、厚労相経験者で元参院副議長の尾辻秀久のベテラン2人だ。首相、安倍晋三の補佐官である衛藤晟一、第2次安倍内閣で厚労相だった田村憲久が脇を固める。4人は国会周辺でひそかに会合を開いては事務方と綿密な調整をしたとされる。

 「日本医師会長の横倉義武さんが最終盤で『0.5~0.6%でお願いします』と4人会に伝えたようだ」。別の自民党厚労族はこう話す。横倉は16年夏に会長選挙を控える。診療報酬の本体について医師会内には、0.7%以上の引き上げを求める強硬論があった。0.49%のプラス改定での決着は「横倉さんの面目を保てるギリギリの線」(党政調幹部)という。

 ただ、4人会より、自民党と連立を組む公明党が影響力を発揮した部分もある。本体プラスを裏づける財源問題だ。

 「恒久財源を明示する必要はない。参院選で負けたら元も子もないだろう」。公明党政調会長の石田祝稔は、政調会長代理の桝屋敬悟とともに財源問題で踏み込みたくないと、かたくなだった。

 16年度の財源は全国健康保険協会(協会けんぽ)への国の補助金を減らすことで穴埋めできる。ただ、それは1年限りの財源だ。17年度以降の恒久財源はほかに探さなければならない。

 17年度以降の財源を、患者負担の月額上限を定める高額療養費制度を見直すことで確定させたい――。こんな考え方のもと、財務省は合意文書案をつくった。石田らは高額療養費に関する記述をそっくり削除し、文書案を突き返したという。

 「高額療養費の見直しと書くだけなら、中身に踏み込まないのだから、それでよかったのに。公明党は固かった」。自民党幹部は振り返る。

■4人会でも公明党でもない

 一方で、日医関係者はこんな見方も示す。「本体プラスの流れをつくったのは4人会でも公明党でもない。安倍さんだ」

 「医療の現場で働く人の給料の問題にしっかり対応してくれればいい」。8日、首相の安倍晋三は首相官邸を訪れた横倉にこう伝えた。アベノミクスの恩恵はサラリーマンにとっては賃金の引き上げであり、医師らにとっては診療報酬の引き上げだ。

 安倍はかつて自民党社会部会長(現厚労部会長)として診療報酬改定に直接かかわった。社会保障は得意分野でもある。官邸主導が強まる安倍政権の政策決定のなかで、安倍の意向抜きの「本体プラス」はありえないという見方は有力だ。=敬称略



http://www.sankei.com/west/news/151225/wst1512250085-n1.html
手術でガーゼ置き忘れ15年 男性患者に福井県立病院
2015.12.25 20:45 産経ニュース

 福井県立病院(福井市)は25日、手術した男性患者の体内にガーゼを置き忘れ、15年以上放置する医療事故があったと発表した。手術でガーゼを摘出、男性の健康状態に問題はないという。担当医の確認不足が原因で、24日に示談が成立した。

 病院によると、男性は福井県越前市在住の60代で、平成11年3月に胆のう摘出手術を受けた。26年11月、右脇腹に突然痛みを感じ、外科を受診。入院して磁気共鳴画像装置(MRI)検査をした結果、手術用ガーゼが肝臓外側に残っていることが判明。病院側は男性に謝罪し、ガーゼ摘出の手術をした。

 手術の前後でガーゼの枚数を確認する決まりだったのに、担当医が作業を怠っていた。病院は「患者に苦痛を与え、心からおわび申し上げる」とするコメントを出した。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201512/0008675890.shtml
胃がんと誤診し一部切除 兵庫県が遺族と和解
2015/12/25 19:53 神戸新聞

 兵庫県は25日、県立加古川医療センター(加古川市)で2011年にがんではない70代男性の胃を誤って切除した医療事故をめぐり、男性の遺族に解決金2千万円を支払うことで、神戸地裁で和解が成立したと発表した。

 県によると、11年2月に同センターの検査技師が男性の胃の病理検査をした際、80代の入院患者の組織片と取り違えて標本を作製。男性は胃潰瘍だったが、胃がんと誤診され、3月に手術で胃の3分の2を切除した。

 同センターは過失を認めて謝罪し、補償交渉を進めたが、男性は翌年8月に自殺。医療ミスとの因果関係は不明とされた。

 今年5月に男性の遺族が、県に対して5500万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴。10月に裁判所が和解を勧告していた。

 県の佐藤二郎病院事業副管理者は「このような事案が発生したことは、大変申し訳ない。再発防止に努めたい」としている。

(斉藤正志)



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1225/san_151225_1160376777.html
筋弛緩剤誤投与の薬剤師ら2人懲戒処分 大阪府立医療センター
産経新聞12月25日(金)19時8分

 大阪市住吉区の大阪府立急性期・総合医療センターで昨年12月、がん治療で入院中の60代の男性患者が筋弛緩(しかん)剤を誤投与され死亡した問題で、同センターは25日、20代の女性薬剤師と40代の女性看護師を戒告の懲戒処分にしたと発表した。
 同センターによると、昨年12月29日、抗菌剤の処方を指示された薬剤師が、誤って筋弛緩剤を病棟に配送。病棟の看護師も十分に確認しないまま点滴で男性患者に投与した。
 大阪府警住吉署が業務上過失致死容疑で薬剤師らを書類送検したが、大阪地検が今年9月、不起訴(起訴猶予)処分としていた。
 また、監督責任を問い、幹部職員4人を厳重注意処分とした。



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20151225-OYS1T50027.html
「許可取り消し相当」厚労相が化血研批判
2015年12月25日 読売新聞

 国内の血液製剤の約3割を製造する一般財団法人・化学及および血清療法研究所(化血研、熊本市)が、血液製剤やワクチンを国の承認を受けていない方法で製造していた問題で、塩崎厚生労働相は25日の閣議後記者会見で、「医薬品の製造販売の許可取り消し処分に相当する悪質な行為だ」と厳しく批判した。

 ただ、化血研は他社の代替品のない血液製剤やワクチンを供給しているため、厚労省は、年明けにも化血研を医薬品医療機器法に基づき、製造販売の許可取り消し処分に次いで重い、業務停止処分とする方針を固めている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128519
化血研、年明けにも業務停止処分へ…数十日~数か月間
(2015年12月25日 読売新聞)

 国内の血液製剤の約3割を製造する一般財団法人・化学及および血清療法研究所(化血研、熊本市)が、血液製剤やワクチンを国の承認を受けていない方法で製造していた問題で、厚生労働省は年明けにも化血研を医薬品医療機器法に基づく業務停止処分とする方針を固めた。数週間以内に化血研側の弁明を聞いた上で処分を行う。停止期間は数十日~数か月の間で決める見通し。

 厚労省は5~12月、化血研に3回にわたって立ち入り検査を行った。この結果、化血研では40年前から、国の承認書とは異なる方法で血液製剤を製造していたことが判明。1995年頃からは、承認通りに製造したと見せかけるために虚偽の記録を作成し、国の検査に虚偽の説明をしていた。

 同省は、化血研のこれらの行為について、承認書と異なる製法による医薬品の販売や虚偽の報告を禁じた同法に違反すると判断。不正製造が長期に及んだ上、極めて悪質な隠蔽工作が行われていたことを重く見て、行政処分では「許可取り消し」に次いで重い業務停止が妥当だと判断した。

 停止期間中は、医薬品の出荷などができない。ただ、他社の代替品のない一部の血液製剤やワクチンについては、患者への影響を考慮して処分対象から外す。

 同省は当初、今年末までに業務改善命令を出した上で、詳しい調査を経て業務停止処分とする方針だったが、立ち入り検査などで悪質な行為が確認できたことから、早期の業務停止に踏み切ることにした。

 一方、同省内には、医薬品の製造・販売業の許可自体を取り消すべきだという意見もあった。しかし、血液製剤とワクチンの業界で市場占有率が大きい化血研が業務を継続できなくなると影響が大きすぎるため、停止処分にとどめる。



http://www.qlifepro.com/news/20151225/cut-by-the-large-gate-before-proper-4-billion-medical-revision-rate-of-16-settled.html
大型門前適正化で40億円削減-16年度の診療報酬改定率が決着
2015年12月25日 AM10:30  QLifePro/薬事日報

■特例点数の総額が消失する規模

塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相が21日に行った来年度予算案の閣僚折衝で、2016年度診療報酬改定率を、本体プラス0.49%(国費プラス500億円程度)とすることを決めた。医科0.56%増、歯科0.61%増、調剤0.17%増で、技術料割合に基づく医科:歯科:調剤「1:1.1:0.3」の配分比率は維持した。調剤増は国費ベースで約30億円に相当するが、改定の別枠で実施される「大型門前薬局等の評価の適正化」によって約40億円(国費)が削減されることから、差し引くと調剤全体ではマイナス10億円(国費)と見ることもできる。

大型門前薬局等の適正化で削減される国費ベースの40億円を医療費ベースに換算すると160億円に相当する。年間の処方箋枚数を8億5000万枚とした場合、そのうちの7.6%(6460万枚)の処方箋が調剤基本料において点数が低くなる特例点数(25点)を算定しているとされる。

特例点数は、「処方箋受付回数月4000回超かつ集中率70%以上」と「処方箋受付回数月2500回超かつ集中率90%以上」のいずれかの要件に当てはまる薬局が算定するもの。

7.6%のうち何%の薬局が適正化のターゲットとなる「大型門前」に該当するのかは明らかでないが、仮に7.6%の処方箋全てに網をかけた場合、医療費ベースで160億円に相当し、現在、特例点数を算定している7.6%の調剤基本料が消失してしまう規模の金額になる。

一方、通常改定で薬価(1.22%、国費1200億円)と材料(0.11%、国費100億円)の計1.33%(国費1300億円)引き下げ、ネット(全体)での改定率はマイナス0.84%となった。

今回は、厚労省が「制度改正に伴うもの」との理由から、改定率の計算に入れなかった「別枠扱い」に注目する必要がある。

別枠扱いでは、まず、通常の市場拡大再算定と、年間販売額が極めて大きい品目に対する巨額再算定で480億円、新規後発品の薬価引き下げと、「後発品への置き換えが進まない場合の長期収載品の特例引き下げ」(Z2)の区分見直しによる20億円の計500億円を削減。

大型門前薬局の評価の適正化で40億円、経腸栄養用製品の給付適正化で40億円、湿布薬の1処方当たりの枚数制限と、費用対効果の低下した歯科材料の適正化で計30億円程度の計610億円程度(国費)を捻出した。

今回の改定率は、診療報酬全体(ネット)でマイナス0.84%だが、通常の市場拡大再算定による薬価見直しの影響を加味すると、マイナス1.03%になると厚労省は説明している。これに、別枠扱いによる引き下げ分を加味すると、マイナスの幅は大きくなる。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128500
イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
全員一致か、反対者いたのか…医療ガイドラインで気になること

(2015年12月25日 読売新聞)

今年最後のお題は、「違憲判決」についてです。

 12月16日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で、女性再婚禁止期間の一部違憲、夫婦同姓合憲の判決が出ました。僕の興味は、その判決が全員一致で決まったのか、反対があったのか、そして何人の裁判官がどんな理由で反対したのか、なのです。再婚禁止期間に関しては全員一致で違憲でしたが、夫婦同姓は全員一致で合憲ではありませんでした。15人のうち5人が反対で、女性の裁判官3人は全員が違憲という主張でした。この法廷の裁判官の比率が男女ほぼ同数であれば、違憲となったのではとも思いたくなります。15人のうち、10人が合憲で5人が違憲です。相当な差があるようにも思えますが、たった3人が合憲から違憲に考えを変えれば、それで翻ってしまうような結果ということです。裁判所の意見は、少なくともあからさまに夫婦同姓が違憲とは言えないので、国会で議論を深めろという趣旨だと思います。

結婚したら新しい姓を名乗るような制度も…

 僕は「人はいろいろ」と思っていますので、家族のあり方もいろいろであっていいと思っています。つまり昔ながらの家族、祖母・祖父・父親・母親・子供といった三世代、またはそれ以上の世代が一緒に暮らすスタイルもほほ笑ましいでしょう。また、お年寄りだけの家族もあるでしょう。若い人だけの家族も当然にあります。父親と子供だけ、母親と子供だけと言ったいわゆるシングルファーザー、シングルマザーの家庭もありえます。独身という生き方もありますし、また男同士、女同士の家庭もオーケーです。そうであれば、夫婦という形もいろいろになりますので、夫婦別姓をあえて否定することもないように思えます。ただ、子供の姓をどちらにするかは結構大切なことで、夫婦仲が良い時は夫婦別姓でも問題ないのでしょうが、後からどちらでも選べるとなると夫婦仲の悪い状態で子供がどちらの親の姓を選ぶかを決めるのはちょっと酷なように思えます。いっそ、結婚したらまったく新しい姓を名乗るようなシステムも悪くないなと僕は思っています。マイナンバーで個人の特定は姓名とは無関係に死ぬまで、または死後も追えるようになるのですから、ある意味姓名はどうでもいいことにもなります。

反対意見、将来的には正しいことも

 さて、ここからが医療のお話です。最高裁大法廷も全員一致で決まるものもあれば、また反対意見が存在するものもあります。それが大切なのです。反対意見があって決められたことは、もしかしたら反対意見が将来的に理にかなっている可能性も相当あると思っています。また専門家・有識者が全員一致で決めても、もしかしたら反対のことが正しいこともあります。その良い例は、原発事故のメルトダウンで、有識者の方々は当初、ほぼ全員がメルトダウンはしていないとテレビ、ラジオ、新聞で言い放っていましたが、今やメルトダウンが起こっていないと言う人は皆無になりました。医療にはガイドラインがあります。専門家、有識者と呼ばれる方々が、今までの臨床試験や経験をもとに最良と思う治療戦略を書き留めたものがガイドラインです。ガイドラインに対して希望することは、その意見が全員一致で決まったのか、それとも専門家・有識者の中に反対を唱える人がいたかがわかるようにしてもらいたいのです。最高裁大法廷で行われている反対意見の明記のようなことはガイドラインでは通常行われていません。つまり、全員一致で決まったガイドラインか、または反対意見があったガイドラインか、そしてどんな反対意見があったのかなどが不明なのです。また、ガイドラインは改定されていきます。つまりどんどんと進歩・改良されるのです。それは以前のガイドラインは少々問題があったということの裏返しです。ですから、ガイドラインを頭から信じ込むことは間違っており、その時点での多くの専門家・有識者の意見の集約の結果であると理解することが大切です。人はいろいろですから、多くの人を通常はグループ化せず、また年齢や併存疾患で分ける程度のざっくりとしたグループ分類で治療方針を示しています。ガイドラインを使用する医師は、目の前の患者さんがどれに当てはまるかを考え、そしてそのガイドラインを使用した方が患者さんに有益であると思えるときは、それに従えばいいのです。また、あまり有益でないと感じる時は、敢あえてガイドラインとは異なった治療をすることも実は患者さんのためかもしれません。最高裁大法廷の判決には当然に拘束力がありますが、ガイドラインには法的拘束力はありません。ガイドラインを十分に参考にしながら、人それぞれに合わせた治療を行うのが経験豊富な真の臨床医と思っています。



https://www.m3.com/news/general/386526
大型門前適正化で40億円削減 - 16年度の診療報酬改定率が決着
2015年12月25日 (金)配信 薬事日報

特例点数の総額が消失する規模

 塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相が21日に行った来年度予算案の閣僚折衝で、2016年度診療報酬改定率を、本体プラス0.49%(国費プラス500億円程度)とすることを決めた。医科0.56%増、歯科0.61%増、調剤0.17%増で、技術料割合に基づく医科:歯科:調剤「1:1.1:0.3」の配分比率は維持した。調剤増は国費ベースで約30億円に相当するが、改定の別枠で実施される「大型門前薬局等の評価の適正化」によって約40億円(国費)が削減されることから、差し引くと調剤全体ではマイナス10億円(国費)と見ることもできる。

 大型門前薬局等の適正化で削減される国費ベースの40億円を医療費ベースに換算すると160億円に相当する。年間の処方箋枚数を8億5000万枚とした場合、そのうちの7.6%(6460万枚)の処方箋が調剤基本料において点数が低くなる特例点数(25点)を算定しているとされる。

 特例点数は、「処方箋受付回数月4000回超かつ集中率70%以上」と「処方箋受付回数月2500回超かつ集中率90%以上」のいずれかの要件に当てはまる薬局が算定するもの。

 7.6%のうち何%の薬局が適正化のターゲットとなる「大型門前」に該当するのかは明らかでないが、仮に7.6%の処方箋全てに網をかけた場合、医療費ベースで160億円に相当し、現在、特例点数を算定している7.6%の調剤基本料が消失してしまう規模の金額になる。

 一方、通常改定で薬価(1.22%、国費1200億円)と材料(0.11%、国費100億円)の計1.33%(国費1300億円)引き下げ、ネット(全体)での改定率はマイナス0.84%となった。

 今回は、厚労省が「制度改正に伴うもの」との理由から、改定率の計算に入れなかった「別枠扱い」に注目する必要がある。

 別枠扱いでは、まず、通常の市場拡大再算定と、年間販売額が極めて大きい品目に対する巨額再算定で480億円、新規後発品の薬価引き下げと、「後発品への置き換えが進まない場合の長期収載品の特例引き下げ」(Z2)の区分見直しによる20億円の計500億円を削減。

 大型門前薬局の評価の適正化で40億円、経腸栄養用製品の給付適正化で40億円、湿布薬の1処方当たりの枚数制限と、費用対効果の低下した歯科材料の適正化で計30億円程度の計610億円程度(国費)を捻出した。

 今回の改定率は、診療報酬全体(ネット)でマイナス0.84%だが、通常の市場拡大再算定による薬価見直しの影響を加味すると、マイナス1.03%になると厚労省は説明している。これに、別枠扱いによる引き下げ分を加味すると、マイナスの幅は大きくなる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386587
シリーズ: 医師不足への処方せん
医学部新設で宮城の研修医募集上限を漸増
2017年度から17人ずつ、激変緩和

2015年12月25日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 2016年4月に東北医科薬科大学(現:東北薬科大学、仙台市)に医学部(定員100人)が新設されるのを受け、宮城県における臨床研修医の募集定員の上限を2017年度から2022年度まで毎年15人~17人増やし、計100人増加させる方針が決まった。12月24日に開催された厚生労働省の第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・国立病院機構理事長)で決定した。

 臨床研修医の募集定員は、全体で研修希望者の1.2倍(2015年)から2020年度までに1.1倍までに縮小する方針が決まっており、その全体の上限を踏まえ、人口分布や医師養成数、地理的条件等の加算を加えて、都道府県別の上限を決定する。現行制度では、地域枠などで医学部入学定員の増員がある場合は、増員があった年度の次の年度からこの増員分を加算して、上限数に反映させている。

 2016年度の東北医科薬科大学では、定員100人の医学部が新設されるため、現行制度に当てはめると、2017年度に宮城県の募集定員の上限が一気に58人追加されることになるが、厚労省は激変緩和措置として、2017年度から2020年度までの4年間、毎年25人ずつ増加させる案を示した。

 これに対し、日本医師会常任理事の小森貴氏は、「2016年度の入学者が臨床研修を始めるのは、2022年度からなので2022年度までに増やせばいいのではないか。激変緩和措置が必要であれば、2016年度から2022年度までの6年間で17人ずつ(2022年度は15人)漸増させてはどうか」と提案した。

 委員からは小森氏の案に同意する意見が相次ぎ、2016年度から2022年度までの6年間で17人ずつ(2022年度は15人)漸増することで了承が得られた。

 同時に、東北薬科大学病院は、厚労大臣に指定を受けた基幹型臨床研修病院の申請を取り下げ、2016年度から医学部を有する東北医科薬科大学病院を基幹型相当の臨床研修病院とすることが決定した。



http://www.asahi.com/articles/ASHDT3GQ3HDTPTIL006.html
教授が研究費1.5億円を不正処理か 大阪大大学院
2015年12月25日13時31分 朝日新聞

 大阪大学(大阪府吹田市)の大学院情報科学研究科の50代の男性教授が、少なくとも1億5千万円の研究費を不正に処理していた疑いのあることが25日、大学への取材でわかった。一部を私的に流用していた可能性もあり、阪大は教授の処分や刑事告訴を検討している。

 阪大関係者によると、男性教授は取引がある業者に架空の物品を発注し、その代金を「預け金」としてプールさせる手法などで、研究費を目的外に使用していたとみられる。不正処理は長年にわたり、総額1億5千万円以上にのぼるという。

 男性教授の不正経理に関する情報が寄せられたため、阪大は昨年から調査委員会を設置。男性教授のほか、阪大に関わる複数の研究者が関係していたとみて調べている。25日午後、記者会見を開き詳細を説明するという。

 阪大では9月にも、NPO研究の第一人者として知られる大学院国際公共政策研究科の教授が、約900万円の公的研究費を不正使用したとして停職3カ月の処分を受けている。11月には学内の宿泊施設の利用者から徴収した宿泊料約2300万円を着服したとして、大学本部事務機構の職員を懲戒解雇した。



http://www.sankei.com/west/news/151225/wst1512250047-n1.html
阪大教授が1億5千万円不正経理か 10年以上、一部は私的流用
2015.12.25 13:12 産経ニュース

 大阪大大学院情報科学研究科の50代の男性教授が、10年以上にわたって不正な経理処理を行っていた疑いを持たれていることが、25日、大学への取材でわかった。業者に研究費を預けるなどの手口で、不正経理は少なくとも1億5千万円にのぼり、一部は私的に流用していたという。

先月も発覚、施設担当職員の着服3700万円超…

 大学は教授の懲戒処分と刑事告訴を検討している。大学によると、「預け金による不正な経理処理が行われている」との情報が寄せられたことから、学内に調査委員会を設置。不正な経理処理が行われていた時期や手口など、事実関係の調査を進めている。

 科学技術振興機構によると、同機構の「戦略的創造研究推進事業」の研究費も不正に処理されていた。不正処理には男性教授のほか同じ研究室の複数のメンバーが関与していた。複数の業者に物品を架空発注したり、価格の高い物品を発注しながら低価格の物品を納入させたりして差額分をプールさせていた。

 大学院情報科学研究科は学部を持たない大学院だけの組織で、吹田キャンパス(大阪府吹田市)に拠点を置いている。コンピューター技術やプログラミング、システム工学などの研究者が所属している。

 阪大では先月、施設管理を担当していた職員が外国人研究者らが利用する宿泊施設の利用料を着服していたことが発覚。金額は3700万円以上にのぼるといい、大学は職員を懲戒解雇処分とした。


  1. 2015/12/26(土) 05:58:56|
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12月24日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/386232
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医研修、「指導医不在でも一定要件下で認めるべき」
日医、医師偏在の進展を懸念し提言

2015年12月24日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会は12月24日、「新しい専門医の仕組み―地域医療を守るための提案―」を公表した。2017年度からの新制度の開始に伴い、現在以上に医師の偏在が進むことを防ぐために、指導医が在籍していない過疎地の中小病院などでも、一定の要件の下で研修を認めることを求める内容だ(資料は、日医のホームページ)。これらの配慮が失われた場合、「現在の地域医療の機能を大きく損なうことが強く危惧される」としている。

 新専門医制度では、19の基本領域別に、専門研修プログラム整備基準とモデルプログラムが定められる。それを基に、実際に研修を担当する基幹施設が、地域の施設との連携を視野に入れつつ、専門研修プログラムを作成する。この時期に提言を出したのは、各基本領域を担当する学会が現在、各基幹施設からの専門研修プログラムの申請受け付け、あるいはその準備を進めているからだ。

 24日に会見した日医常任理事の小森貴氏は、内科領域の専門研修プログラム整備基準では、「指導医が在籍していない診療所や過疎地の病院等の特別連携施設と定義して、プログラム統括責任者と指導医による管理のもとで1年以内の研修を求め、地域医療やへき地医療の経験を積極的に評価する」と記載されていることを紹介。

 しかし、他の基本領域では、こうした記載がないために混乱が生じているという。例えば、指導医が1人しかいない施設では、何らかの事情で研修施設を休職あるいは異動等をした場合、専攻医は当該施設での研修期間は認められないことになる上、連携施設として認められにくくなることも想定される。その上、指導医数や症例数で専門医研修の在り方が規定されれば、専攻医に当たる卒後3~5年目程度の医師が、基幹病院等に集まり、結果的に地域の中小病院等の医師不足を招く懸念もある。

 日本専門医機構の理事も務める小森氏は、「専門研修プログラム整備基準に記載されていないために、『指導医がいない施設は連携施設になれない』と誤解しているケースもある。内科領域の考え方は、他の基本領域でも当てはまることは、機構の中でも十分に認識されている。指導医がいない施設での研修のあり方について明確に記載しつつ、地域医療の崩壊が絶対に起こらないようにしてもらいたい」と述べた。各基本領域の専門研修プログラム整備基準の大半は既に同機構で承認済みのため、同基準の変更ではなく、基幹施設が専門研修プログラムを作成する際に、今回の提言の趣旨を踏まえることを求めている。

 2013年4月の厚生労働省「専門医のあり方に関する検討会」の報告書でも、「現在以上に医師が偏在することのないよう、地域医療に十分配慮すべき」と記載されている。さらに小森氏は、同報告書で、研修プログラムの作成に当たって、「国や都道府県、大学、地域の医師会等の関係者と十分に連携を図ることが期待されている」と言及していることも紹介。地域全体で専門医に関する連携協議会を発足することが必要だとした。既に北海道では連携協議会が稼働しており、他にも数県準備段階にあるという。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128478
刑務所など矯正施設、医師不足が深刻化
(2015年12月24日 読売新聞)

 刑務所など矯正施設の常勤医師である矯正医官の定員割れが深刻化している。

 受刑者らの高齢化が進み、需要は高まる一方だが、九州・山口・沖縄では定員(47人)の7割しかおらず、常勤医を必要とする30施設のうち7施設は不在だ。こうした現状を踏まえて今月、国家公務員でありながら民間医師との兼業を容易にする特例法が施行。敬遠されがちな現場で、関係者は医師確保に奔走している。

 法務省によると、統計が残る2003年以降、矯正医官は全国的に定員割れが続き、最近は8割に満たない。背景として〈1〉民間医師に比べ、給与水準が2割ほど低い〈2〉医療技術の進歩に取り残される不安〈3〉業務の過酷さに応じた評価を得られない――などが指摘されている。九州・山口・沖縄は、全国統計よりさらに不足している。

 一方、受刑者は全国で60歳以上が約2割を占め、疾病を抱える入所者は6割以上に上る。医官不足に伴う外部の医療機関への搬送は、14年が1096件で10年前より約2割増えた。

 搬送は逃走の恐れを伴うとして受刑者1人に職員3人程度が付き添う規定があり、施設の負担は重い。福岡矯正管区の担当者は「医師不足は危機的な状況」と嘆く。

 こうした事態を受け、国は特例法改正で矯正医官の待遇改善に乗り出した。「公務を上回る公益性」など兼業の条件だった規定を変更し、本人の意向を尊重。手続きも簡略化した。さらに、研修に参加しやすいようフレックスタイム制を導入するなどした。

 法施行を受け、福岡矯正管区は研修医の就職説明会にブースを設けたり、医学生向けの出張講義を開催したりするなどしている。現役医師に対しても、兼業やスキルアップがしやすくなったことをPRする独自のパンフレットを制作し、周知、広報を図っている。

 同管区の大津幸雄・矯正医療調整官は「受刑者らの更生や社会復帰につなげるためにも医官を確保し、健康を維持して罪と向き合う環境を整えたい」と話す。(峰啓)

          ◇

 矯正医官 刑務所や拘置所、少年院などで働く医師で、入所者の診察や治療を行う国家公務員。今年の定員は全国で328人だが、257人(4月1日現在)しかいない。人事院によると、2012年の平均年齢は50.2歳(民間の医療機関で役職のない医師は41.2歳)。募集は各矯正管区が行う。

          ◇

「毎日、気が抜けない」受刑者530人を1人で診察

 受刑者約530人を収容する鹿児島刑務所(鹿児島県湧水ゆうすい町)で矯正医官を務める有村光生さん(52)は、「毎日、気の抜けない状態が続く」と厳しい業務の内容について語る。

 有村さんは2003年、大学病院の医師を辞めて医官として赴任。昨年11月に定員(2人)に戻るまでの約2年間、1人で受刑者を診察してきた。病死や体調の急変があると、深夜に自宅から駆けつけることもある。

 病状が重い場合などで移送が必要でも、受刑者の受け入れを拒む医療機関は少なくない。大声を上げたり、刑務作業を逃れようとして詐病を訴えたりする受刑者もいるなど、特有の事情もある。循環器科、外科や耳鼻科、眼科など幅広い診療を求められ、矯正医官ならではの難しさがあるという。

 刑務所内の診察室は、磁気共鳴画像(MRI)などの先端機器はなく、レントゲンがある程度。医療の最先端からは離れ、給料も大学病院時代からは下がったが、「自分がやめたら困る人が大勢いる。見捨てるわけにはいかないという使命感がある」と強調する。



http://mainichi.jp/articles/20151224/k00/00m/040/132000c
ワクチン
不足懸念が広がる 化血研不正で出荷自粛

毎日新聞2015年12月24日 09時00分(最終更新 12月24日 09時00分)

 血液製剤やワクチン大手の一般財団法人「化学及血清療法研究所」(熊本市)の不正製造を巡り、化血研のシェアが高い九州各地で出荷自粛によるワクチン不足への懸念が広がっている。既に北九州市内では、市医師会が把握できた医療機関のほぼ半数でB型肝炎と4種混合のワクチンが不足か入荷ゼロの状態。販売大手によると、B型肝炎と日本脳炎のワクチンが来年1月にも在庫切れの恐れがあるといい、各県は不安を募らせている。【大場伸也】

 「ワクチンが入荷せず、B型肝炎や日本脳炎の接種の予約は11月中旬ごろから断っている」。北九州市八幡東区の小児科は窮状を明かす。

 市医師会によると22日現在、ワクチンごとの入荷状況を把握できた市内の約90〜130医療機関のうち、B型肝炎と4種混合はほぼ半数、日本脳炎では4分の1程度でワクチンが「不足」または「入荷ゼロ」となっている。「ワクチンを接種できる病院を探している」との問い合わせが相次ぎ、入荷待ちが続く病院もある。また、「化血研のワクチンは接種したくない」と言う人もいるという。

 化血研のワクチンは、日本脳炎▽B型肝炎▽インフルエンザ▽4種混合(百日ぜき、ジフテリア、破傷風、ポリオ)−−などで全国的にシェアが高い。インフルエンザと4種混合は出荷自粛が解除されたが、B型肝炎と日本脳炎は現在も自粛中で入手しにくい。

 中でも九州は化血研製ワクチンのシェアが高く、例えば地元の熊本県では昨年度、日本脳炎ワクチンの約7割を同社製が占め、全国平均の約2倍。化血研によると、九州ではかつて販売会社を通さず卸業者に直接販売していた経緯もあるためシェアが高いといい、出荷自粛の影響を受けやすいようだ。

 長崎県医師会にも複数の郡市医師会から「B型肝炎、日本脳炎などのワクチンが足りない」と相談が寄せられている。大分県は医師会などに不要不急の接種を控えるよう要請した。福岡県は卸業団体などに在庫が少なくなったら連絡するよう求めている。

 厚生労働省はワクチンが不足した場合、県内の地域間もしくは県同士で融通する方針を示しており、「一部で足りない地域は出るが、当面、全国的な供給不足は生じない見込み」としている。だが、B型肝炎と日本脳炎のワクチン出荷がいつ再開されるか分からず、大分県の担当者は「B型肝炎は母子感染防止など緊急性を要するケースもある。このまま出荷自粛が続けばどうなるのかという不安はある」と話す。

 日本脳炎ワクチンは4歳までに3回、9歳で1回、原則公費で接種。B型肝炎は任意だが、標準で0歳児への接種(3回)を自治体に義務づけることが検討されている。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0037071.html
診療報酬改定 患者負担を抑制したい
12/24 08:55 北海道新聞 社説

 政府は、医療や薬の公定価格である診療報酬の2016年度改定で、全体で0・84%引き下げることを決めた。

 計算方法の一部変更があったため、従来の計算方法で算出すると1・03%のマイナスとなる。マイナス改定は8年ぶりだ。

 ただ、医療材料と薬の値段「薬価部分」を1・33%引き下げるのに対し、医師や薬剤師の技術料、人件費となる「本体部分」は0・49%の引き上げとなっている。

 肝心なのは、この改定が患者の窓口負担にどう影響するかだ。

 薬価が下がるのは確実だが、「本体部分」の引き上げをうけた医療行為ごとの報酬は、厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)の来年1、2月の審議で決まる。

 医療費の負担増は家計に直接響く。必要な治療を避けるケースも出かねない。負担の抑制につながるよう、患者本位の視点で議論を深めてもらいたい。

 今回の改定では、薬価引き下げで1400億円の国費を圧縮するほか、安いジェネリック医薬品(後発薬)の価格を下げ、使用割合を引き上げる目標を掲げた。

 大病院周辺の「門前薬局」の報酬引き下げなども盛り込んだ。

 利益率が依然として高い医薬品や調剤薬局のあり方を見直し、価格を抑制するのは当然だろう。

 疑問なのは、厳しい財政事情にもかかわらず、医療機関の収入に直結する「本体部分」をプラス改定した経緯だ。

 来夏の参院選を控え、自民党の有力支援団体である日本医師会など、医療関係団体に配慮したとの指摘が出ている。

 命に直結する医療の報酬が政治的思惑で決まったとすれば、患者不在との批判は避けられない。政府は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 一方、膨張し続ける社会保障費の伸びの抑制は、財政運営上の大きな課題だ。とりわけ、医療費は今後も焦点となってくる。

 今回の改定では「本体部分」の引き上げが決まったが、こうした情勢も踏まえれば、今後の引き下げも視野に入れる必要がある。

 特に、赤字体質が目立つ地方の病院では、成功事例などを参考にした経営努力が不可欠だろう。

 同時に中医協には、開業医に比べて、過酷な勤務を強いられがちな勤務医の待遇改善につながるよう、協議してほしい。

 それが、医師不足が顕著な救急や産科、小児科医などの確保や、地域医療を守ることになる。



http://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201512/0008673531.shtml
胃カメラ洗浄不足、900人検査へ 豊岡の病院
2015/12/24 21:30神戸新聞NEXT

 公立豊岡病院組合日高医療センター(兵庫県豊岡市日高町岩中)は24日、2013年7月~15年10月に人間ドックなどで使った胃カメラの洗浄で、洗剤の使用期限切れなどがあった、と発表した。消毒などはされていたためウイルス感染の可能性は低いとみているが、豊岡市内を中心に検査を受けた約900人に無料で血液検査を行う。

 10月16日、洗剤卸業者による棚卸しで発覚。検査後、手で胃カメラを洗う際に使う酵素系洗浄剤の期限が14年6月までだった。手洗い後の自動洗浄装置にも不具合があり、洗浄剤が使われていなかったことも判明。正常な作動を確認したのは13年7月だったという。

 評価を依頼した神戸大医学部付属病院の医師は「消毒まで推奨されている基準に準じており、感染の可能性はほとんどない」としたが、対象者には謝罪文を送り、検査を勧める。今回の確認中、血液検査の22人の結果通知にミスがあり、個別に謝罪したという。

 同センターの田中愼一郎副院長は「利用者に心配とご迷惑をおかけした」と謝罪。今後はマニュアルを見直し、洗剤の使用期限を徹底する。(若林幹夫)



https://www.m3.com/news/iryoishin/384645
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
2015年の医療界のキーパーソンは?◆Vol.3
1位は3年連続で安倍首相、政治の影響大

2015年12月24日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.3 2015年の医療界のキーパーソンは誰だと思われますか(5人まで選択可。必須)。

1位に選ばれたのは?

全体の順位   人物      それぞれの票数と順位
                勤務医  開業医
1    安倍晋三氏      295    307
    (内閣総理大臣)   (1位)  (1位)

2    山中伸弥氏      268    238
    (京都大学iPS細胞研  (2位)  (2位) 
     究所所長、2012年ノーベル生理学・医学賞受賞)

3    横倉義武氏       83    155
    (日本医師会会長)   (5位)  (3位)

4    大村智氏       124    109
    (2015年ノーベル生理 (3位)  (5位)
     学・医学賞受賞)

5    塩崎恭久氏       92     115
    (厚生労働大臣)    (4位)  (4位)

6    小保方晴子氏      63     67
    (元理化学研究所発生・ (6位) (6位)
     再生科学総合研究センター)

7    麻生太郎氏       44    65
    (財務大臣)      (7位)  7位)

8    永井良三氏       32    28
    (社保審医療部会長、  (8位)  (8位)
     自治医科大学学長)


9    近藤誠氏        26    25
    (『医者に殺されない  (11位)   (9位)
      47の心得』著者)

10   村木厚子氏       28    22
    (前厚生労働事務次官) (10位)  (11位)


 2015年の医療界のキーパーソンの1位は内閣総理大臣の安倍晋三氏で602票、2位は2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏で506票を集めた。2氏は3年連続で1位と2位を独占している。日本医師会会長の横倉義武氏は3位だった。

 これまでのキーパーソンを振り返ってみると、2008年から2011年までの調査では厚生労働大臣と日本医師会会長が上位を争っていたが、2013年からは首相が1位を堅持。山中氏と横倉氏で2位と3位を争う形が続いている。安倍首相は社会保障費抑制などを掲げた「骨太の方針2015」を打ち出し、実質的にそれに沿って診療報酬改定をはじめ、各種の制度改革の議論が進められるなど、首相官邸の意向が色濃く医療行政に反映されていると感じている会員が多いのではないだろうか。厚生労働大臣の塩崎恭久氏は4位、財務大臣の麻生太郎氏は7位だった。

 今年の新顔としては、4位に2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏がランクインした。また、勤務医の9位には、生体肝移植で死亡例が続いた神戸国際フロンティアメディカルセンター理事長の田中紘一氏が選ばれた(11位以降は>こちら)。

 そのほか、元理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏は、2015年はほとんどメディアに自身の姿を見せなかったものの、早稲田大学が博士号を取り消し、小保方氏の弁護団が抗議するなど、根強い存在感を示し、麻生氏を抑えて6位になった。

 社会保障審議会医療部会長を務める、自治医科大学学長の永井良三氏は8位、『医者に殺されない47の心得』著者の近藤誠氏が9位、2015年に退官した厚生労働事務次官の村木厚子氏が10位だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/383308
シリーズ: 始動する“医療事故調”スペシャル座談会
「当事者の責任追及」を正面から否定◆Vol.6
悉皆調査で医療事故の統計的分析可能に

2015年12月24日 (木)配信 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――仮に、事故の発生を報告した後に、「調査の過程で、事故ではなかった」と判断した場合、報告自体を取り消すことは可能なのでしょうか。

山本 法律の建て付けから考えれば、可能だと思います。報告後に、「医療事故ではなかった」と判断すれば、「報告義務の範疇には含まれなかった事象だった」ことを、センターに報告すればいいと思います。

武田 医学の世界には、「偽陽性」「偽陰性」があります。医療事故でも、「偽陰性」が問題であり、「偽陽性」が少し増えても問題はないと考えればいいでしょう。

山本 私もそう思います。

がん研有明病院の長田理氏は、「責任追及とは切り離した形で医療事故調査制度が動いた時点で、初めて安堵してこの制度に乗っていける」と語る。

長田 私たちの病院でも、「報告すべき事例は、年間どれくらいあるのか」を見積もってみたことがあります。当院の院内死亡は、年間500例弱です。癌の専門病院なので、癌でお亡くなりになる方が当然おられます。化学療法や手術を行う場合、死亡も想定され、そのリスクは患者さんに説明しているので、死亡例の大半は「予期した」に近いでしょう。

 こうした視点で検討した結果、「報告すべき死亡は年に2、3件あるかどうか」という推定になりました。10月を迎えるに当たって、職員を対象に説明会を繰り返していくと、重篤なアクシデントの数が減ってきました。また今までは、インシデントやアクシデントについて「報告してください」と依頼しても、なかなか報告が上がってこなかったのですが、早く出てくるようになりました。

 どの医療機関でも対応しているので、年間の報告数は1000例も出ないように、改善が進んでいるのでは、と思っています。仮に想定よりも報告が少なかったとしても、「隠している」のではなく、本当に減ったのだと思います。

武田 それは、にわかには信じがたいですね。今回の制度では、医療機関の規模を問わず、報告を求めています。中小病院や診療所、助産所などでは、人手や費用が足りず、必ずしも患者安全という視点からの取り組みが進んでいない可能性もあります。やや逆説的に聞こえるかもしれませんが、この辺りは、「Pay for Reporting」、つまり事故報告し、調査をしたら、診療報酬上で加点をするくらいのインセンティブが必要かもしれません。報告に対して、ネガティブではなく、ポジティブなインセンティブを付け、再発防止につなげていくようになれば、この制度のインパクトは大きくなると思います。

山本 予算があれば、「Pay for Reporting」もあり得るかもしれません。

武田 報告に対して支払っても、国全体としては医療事故が減れば、全体の費用は減るのではないでしょうか。悉皆データが中央に集まれば、我が国がエビデンスに基づくマネジメントができる可能性があるわけです。

 私が阪大病院で医療安全を担当していた時、「インシデントレポート」をものすごくたくさん出してくる診療科がありました。私は当時の病院長から、「診療科長を呼んでこい。これだけたくさんのレポート出して、危ないことになっている」と言われたことがあります。そこで私は「待ってください。そうしたカルチャーが根付いているのだから、むしろ頑張ってください、と一言言ってください」とお願いしました。

――そのようなことを指摘される先生がいる病院ではいいのかもしれませんが、医療者の間では、事故報告が懲罰や責任追及につながる恐れはないのか、という懸念があります。今回の医療事故調査制度は、「非懲罰性」がどの程度、担保されているのでしょうか。

武田 確かに懸念はあるのでしょうが、国が、非懲罰性、独立性、専門性を強調し、法制化するのは珍しい。普通なら、逆に事故原因調査に国が介入してくるでしょう。

 この10月から、医療安全の第2期と言ってもいいと思うのですが、医療者が自ら医療安全に取り組む体制になってきたわけです。このことを皆が理解して、医師会や病院団体などを挙げて、大キャンペーンをすべき、と思うほどです。そうすれば、この制度の精神を生かし得る。

山本 責任追及は、一番は刑事の問題だと思いますが、最後に訴追するのは、検察官の役割。しかし、検察官も、医療事故を扱いたくないのが本音でしょう。彼らは医療の専門家ではなく、専門的なことは分からない。裁判になれば、大変なことは目に見えています。

 本当に悪質な事例は別ですが、検察官の背中を押すものがなければ、「訴追しよう」とは思わないでしょう。ではなぜ後ろから押されるのか、なぜそうした世論が形成されるか……。私は、医療界自身が、事故の原因を明らかにし、再発防止に真剣に取り組み、医療安全を図っていくカルチャーを確立していけば、検察官は、個々の医療者を犠牲にして、「国民全体の非難欲求を満たそう」といった行動を取らないと思うのです。

 「医療事故調査制度は、責任追及につながる」という懸念は、観念的には分からなくもないですが、中長期的に見れば、この制度がうまく確立すれば、紛争はむしろ予防され、ご遺族の納得は得られ、社会の非難欲求は解消されていくようになると考えています。

長田 現場の考えを申し上げます。先日、ある病院で起きたのは、造影剤の誤投与事故。この事故は、医療機関側が、個人の問題を指摘し、刑事事件になり、有罪判決が出ましたが、それ以降はニュースで取り上げられることはなくなりました。

 一方で、大学病院の医療事故も昨年来、ニュースになっています。手術をすれば、一定の確率で患者さんは死亡する。もっと典型的なのは、関西で起きた生体肝移植の問題で、第一人者が、国内だけでなく、海外の患者さんなどにも移植を行っていたところ、死亡例が続いた。関連研究会の調査では、その施設でできることは全てやっていたけれども、小さな病院なので、マンパワーが足りないなどと指摘されたものの、担当の医師は反論されている。いずれも、いまだにニュースは続いています。

 私たちの目から見ると、最終的にすぐにケリが付くのは、「刑事事件になって、断罪されたケース」と見えてしまう。

 造影剤の誤投与事故については、本当であれば、誤投与された造影剤についてはバイアルなどを変更して、誰もが間違えないようにする工夫が必要なのに、そうした取り組みにはつながっていない。新たな制度になり、この辺りが変わるのか、というのが知りたいところです。

山本 まさにそこを変えたいところです。責任追及型の問題解決ではなく、何らかの事故が起きた場合、それをきっかけとして医療の安全につなげていく。事故の当事者の責任が問われるかどうかは別の次元の話でしょう。この制度は、当事者の責任を追及しただけで、次の日から何もなかったように対応する病院を、正面から否定しているのだと思うのです。

長田 先生が言われた通りに制度が動いた時点で、現場のスタッフとしては、初めて安堵してこの制度にしっかりと乗っていけるようになるのでは、と思います。

山本 ぜひ、そうあっていただきたい。

――また先ほど、武田先生は「悉皆データが集まれば」と言われましたが、現在、日本医療機能評価機構は、「医療事故情報収集等事業」を実施しています。医療事故調査制度と、どのように役割分担をしていくとお考えでしょうか。

武田 新たな制度は、センチネルイベント、本当に重大な結果を報告する制度。「医療事故情報収集等事業」においては、報告が義務付けられているのは、一部の医療機関のみである上、センチネルイベントは含んでいるけれども、ヒヤリ・ハットも収集しています。若干、目的が異なると思います。もちろん、医療安全という点では一致しており、ヒヤリ・ハットは出てくるものの、本当にフィードバックできているのでしょうか。

 新たな制度では、データをきちんと分析して、医療事故の実態を明らかにすることが可能になったので、日本の医療はこの10月から大きな一歩を踏み出したと言えます。医療者が医療者自らの手で、医療を変えていかなければいけないことを、行政から突き付けられたわけです。医療者はそうした気概を持ってやらないと、6月に予定されている見直しが怖い。とはいえ、1年足らずの見直しは、「執行猶予」にしてもらいたい。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201512/545098.html
色平哲郎の「医のふるさと」
成田市の医学部新設は誰のため?

色平 哲郎(佐久総合病院)
2015/12/24日経メディカル ブログ

 日本の空の玄関口、千葉県成田市に政府主導の国際戦略特区を利用して大学の医学部が新設される。成田市は国際医療福祉大学(栃木県大田原市)と共同で「医療分野におけるイノベーションの創出を担う国際的な人材育成」を目的に掲げ、医学部の新設を提案。政府は国際性を強く打ち出すことを条件に新設を認めた。

 東日本大震災からの復興目的で特例的に認められた東北医科薬科大学(2016年4月開学)を除けば、じつに38年ぶりの新設となる。この新設医学部は、教員200人以上のうち10人以上を外国人とし、学生も定員140人のうち20人の留学生枠を設ける。

 大多数の科目で英語の授業を行い、学生は海外での臨床実習を最低4週間受ける。2017年4月に開設し、20年には附属病院を成田市内につくり、10カ国以上の外国人患者を受け入れる計画が立てられている。

 国家戦略特区を担当する内閣府地方創生推進室の藤原豊次長は、11月7日付の東京新聞に、「成田市の提案は、世界的に活躍する医師の養成によって競争力を高め、国際ビジネス拠点になるという趣旨に合致した」とコメントしている。

 いわゆる「医療ツーリズム」。人間ドックや先端医療と首都圏の観光をセットにして、外国人富裕層を呼び込む拠点にしようという意図が見て取れる。

 日本医師会と全国医学部長病院長会議は、こうした方針に強く反発している。7月には、地元の基幹病院の医師らが教員として引き抜かれ、このままでは地域医療が崩壊すると声明を出した。

 そもそも千葉県内には医学部は千葉大学にしかなく、厚生労働省によれば、県人口10万人当たりの医師数は172.7人(2012年)と全国ワースト3位。小泉一成・成田市長も「最も重要なのは、地元と県内の医師不足解消」と言っている。

 しかし、新設を許可した政府は「医師不足解消のためとは聞いていない」(藤原次長)と突っぱねる。いったい何のための大学医学部なのか。国際的な医師を育てるというが、国民のニーズはどこにあるのか。

 以前、この話題を医療者のネットワークで発信したら、次のような声が寄せられた。

・特区に指定された成田市民の問題であると同時に、地域医療などの全国共通の問題があります。特区に関しては、混合診療、保険外併用療法拡大の問題もあり、油断できないと思います。

・これだけコンセプトが曖昧なのに計画だけは進んでいくなんて、信じられない。いったい医療の「国際競争力」って何? 勘違いしている人が多すぎる。

・例えばこの大学で、医療通訳の養成はもちろん、外国人もきちんと診られる医師を育てる意志があるのなら、その点は評価したい気もします。医療通訳にはそれなりの質と量の経験が必要ですし、外国人をきちんと診ることで、高齢者を含めコミュニュケーションが困難な方に寄り添う姿勢が醸成され得るとも思うからです。

・大学ができて地域医療をぶっ壊す、というようなことがないよう、今からしっかり予防線を張っていただきたいものですね。また、新設大には、地域にしっかりコミットするというスタンスを市との契約レベルで明確にしていただきたいものです。

 医学部の新設は、国民の声が反映されるチャンスなのに、情報開示がほとんどない。そこが「成田医大」の最大の問題点のような気がする。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386144
シリーズ: The Voice(医療)
医療界を愚弄する「実質▲1.43%」改定に抗議する
虚構を演出する「外枠改定」を厳しく指弾する

レポート 2015年12月24日 (木)配信 桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

 次期診療報酬改定の改定率が、▲0.84%で政府決定された。しかし、「外枠」改定分▲0.59%が算入されておらず、実質は▲1.43%である。前回の改定率(▲1.26%)を大きく上回るマイナス改定となった。医療経済実態調査では医療機関の5割が「経営悪化」と示されており、これに冷や水を浴びせた格好だ。われわれは医療機関を愚弄する、このマイナス改定の泥沼路線に、断固抗議する。

◆社会保障関係費増5,000億へ抑制 財務省の意向を貫徹し前回上回るマイナス改定
 決定された改定率▲0.84%の内訳は、本体+0.49%、薬価等▲1.33%とされている。しかし、「外枠」で(1)市場拡大再算定▲0.19%、(2)「特例」品目の市場拡大再算定▲0.28%の改定率明示分と、(1)新規収載後発品引下げ・長期収載品の特例的引下げ(20億円)、(2)大型門前薬局の調剤報酬引き下げ(40億円)、(3)経腸栄養製品の給付適正化(40億円)、(4)湿布薬の1処方あたりの枚数制限と歯科材料適正化(30億円)の計▲130億円が行われる(改定率▲0.12%相当)。これらを合計すると▲1.43%となる。

 次年度社会保障関係費は概算要求の増額分6,700億円が結果的に5,000億円へと切り込まれた。削減額1,700億円は①協会けんぽの国庫負担の削減200億円と②医療費の削減1,500億円で捻出する。つまり、診療報酬で▲1,500億円で捻出するのであり、その方策が上記であり、真の改定率は▲1.43%となる。関係者の尽力は多とするが、事実は厳然としている。

◆ゴマカシの「制度改定分」という、「外枠改定」の詐術が定着 医療崩壊の懸念
 改定率に組み込まない、「外枠改定」分は、「制度改定分」と称される。実は、この改定率分割の「手法」は、政権交代でプラス改定に転じた2010年度改定(改定率+0.19%)で、「プラス改定」を演出するために採用された。10年は「後発品のある先発品引き下げ」(▲0.16%)、12年は「ビタミン剤の保険外し」(▲0.12%)、14年は「うがい薬の単剤使用」(▲0.07%)と、以降は「定着」し常套手段となっている。今回は、薬価引下げに乗せて本体マイナス改定が財務省サイドから早々に提言され、攻防の末、本体+0.49%となったが、実は外枠改定となった市場拡大再算定分▲0.47%と同水準であり、改定率の明示がない「外枠改定分」▲0.12%で、実質は本体分が「深堀り」、マイナスされたに等しい。

 報道で急遽「実質▲1.03%」と踊った数字は、今回「外枠改定」分に分割した市場拡大再算定分を、戻し入れた数字である。それ以外の「外枠改定分」に注意が向かないよう仕向け、本体プラスの虚構を糊塗する厚労省からの作為的な演出となっている。 つまり、今次改定は、(1)薬価引き下げ財源の技術料振替えの廃止の「恒常化」と、(2)改定率を分割する「外枠改定」の手法の「定着」が図られ、(3)実質マイナス改定の完全な「既定路線化」が敷かれ、泥沼化した。骨太方針2015は2020年までに社会保障関係費1.9兆円削減を予定しているが、この間の診療報酬改定は3回あり、大半は医療で削減することとなる。今回の改定はそのプロローグとなる。

 今次改定にあたり、本体プラス改定の財源捻出を高額療養費の償還基準の引き上げ、要は患者負担の増加で行うことが画策された。いまだ火種は残っているが、「本体=医師技術料」に矮小化する報道と相まって、この方法は、診療報酬改定財源を患者負担で賄うという、医療者―患者・国民を完全に分断し、信頼関係を基礎とする現場の治療を台無しにする愚策であり、言語道断である。

 われわれは改めて、今回の診療報酬マイナス改定に強く、抗議する。

※本記事は、2015年12月24日付けの「政策部長談話」として、神奈川県保険医協会が同協会のホームページ上で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



https://www.m3.com/news/general/386095
「若い女性危険にさらす」 ワクチンでWHO諮問委
2015年12月24日 (木)配信 共同通信社

 【ワシントン共同】世界保健機関(WHO)のワクチン安全性諮問委員会は23日までに、日本で子宮頸(けい)がんワクチン接種の積極的な勧奨が中止されていることについて「若い女性をヒトパピローマウイルスによるがんの危険にさらしている」と批判する声明を出した。

 日本でワクチン接種後に全身の痛みやしびれが報告されている問題では、厚生労働省の専門部会がワクチンの成分が原因である可能性を否定したが、諮問委員会は「ワクチン接種再開の合意に至っていない」と懸念を示した。また「薄弱な根拠によって有益なワクチンを使わないことは、実質的な損害につながる」と警告した。

 諮問委員会は、フランスの医薬品・保健製品安全庁が200万人の少女を対象に行った研究でも、接種者と未接種者との間で症状の発生にほとんど差はなかったとし、「仮にリスクがあったとしても小さい。長期間にわたりがんを防ぐ利益との関係で勘案すべきだ」と指摘した。

 ワクチンは、日本で2013年4月に定期接種となったが副作用の報告が相次ぎ、厚労省は同6月に積極的な勧奨を中止した。



https://www.m3.com/news/general/386101
保険指定取り消し17施設 14年度返還請求133億円
2015年12月24日 (木)配信 共同通信社

 厚生労働省は22日、診療報酬の不正請求などで2014年度に健康保険法に基づく指定を取り消したのは、歯科を含む医療機関16と薬局1の計17施設(前年度比3施設減)だったと発表した。登録を取り消したのは医師8人、歯科医師13人、薬剤師8人の計29人。

 このほか24施設が取り消し相当だったが、いずれも取り消し前に廃業、1人が自主的に登録の抹消を届けた。

 指導や監査で不正請求を確認し、返還を求めた総額は約133億2千万円(前年度比約12億8千万円減)。看護職員らの勤務実態を偽り、診療報酬を不正に請求していた福岡県岡垣町の清涼会岡垣記念病院(閉院)の約3億3千万円が最多だった。



http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/201512/0008673600.shtml
患者家族の思い聞き取る 医学生が柏原病院で実習
2015/12/24 21:40神戸新聞NEXT

 緩和ケア病棟の患者の家族が抱える思いを医学生が聞き取るセミナーがこのほど、兵庫県立柏原病院(丹波市柏原町柏原)であった。神戸大医学部(神戸市中央区)や兵庫医科大(西宮市)の2~5年生9人が訪れ、時折涙を浮かべて語る患者家族に、真剣な表情で向き合った。

 神戸大地域医療教育学部門などが年2回開くセミナーの一環。県が学資を貸与する養成医学生が対象で、地方の医療の実態を学ぶのが狙い。同病院緩和ケア病棟(20床)はがん患者らの身体的、精神的苦痛を和らげる医療を提供している。



http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226583616970.html?pageKind=outline
医薬関係に90.5億円、PMDA人員拡充に1.3億円  医薬・生活衛生局の16年度予算案
( 2015年12月24日 ) 日刊薬業

 厚生労働省医薬・生活衛生局の2016年度医薬関係予算案は、前年度比1.7%(1億5000万円)増の90億5400万円となった。このうち「新しい日本のための優先課題推進枠」が14億400万円を占めた。革新的な医薬品・医療機器等の国内開発の環境整備や国際薬事規制調和戦略など10項目が柱となっている。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の人員拡充には1億3200万円を充て、職員を13人増員する。



http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226583612494.html?pageKind=outline
厚労省、革新的医薬品創出に825億円  16年度政府予算案、AMEDに3省で1265億円
( 2015年12月24日 ) 日刊薬業

 政府は24日の臨時閣議で、2016年度当初予算案を決定した。厚生労働省は、9月に策定した「医薬品産業強化総合戦略」を踏まえ、「革新的医薬品の創出」などで825億円を計上。ゲノム医療の実用化に向けた取り組みなどを推進する。日本医療研究開発機構(AMED)の対象経費は、厚生労働、文部科学、経済産業の3省で1265億円(前年度1248億円)と、1.3%増えた。そのうち厚労省予算は「医療分野の研究開発の促進」として盛り込んだ478億円(474億円)で、総合戦略を踏まえた予算の中に入っている。



http://getnews.jp/archives/1321209
優れた『新薬』は早く世の中に出てきて欲しいのです。
DATE:2015.12.24 21:00 imedi(アイメディ)ガジェット通信

厚生労働省が発表した、新薬を世界に先駆けて実用化するために迅速に審査する「先駆け審査指定制度」の対象には、
製薬会社MSDの胃がん治療薬・日本新薬のデュシェンヌ型;筋ジストロフィーの治療薬、塩野義製薬のインフルエンザ薬、アステラス製薬の急性骨髄白血病の治療薬などを計6品目を指定したと発表しています。今回のような、同制度の医薬品指定は初めてです。

「本制度は革新的な医薬品、医療器具、再生医療製品の審査をスピードアップするもの。追って、医療機器などについても指定したい」と、塩崎恭久厚労相は同日の閣議後の記者会見で 述べられました。

通常医薬品は、臨床試験、いわゆる治験を通じて、「従来の治療法よりも重篤な病気に高い有効性が期待できる」と判断され、通常1年程度かかる承認審査を、半年に短縮するのです。

どの治療薬、医療器具も含め、今すぐ助けを求めている患者さんがいるのが現実です。
それらを実用化し、苦しんでいる患者さんの命を助けてあげたいお医者さんがいるのもまた事実。
十分な安全性の確保は無論必要ではありますが、このような審査のスピードアップは、今後の医療ニーズに見合っていると思います。

治験(ちけん)とは
 医薬品もしくは医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験のこと。元々は、「治療の臨床試験」の略。
 治験は従来、「薬が承認を取得することが目的」であったため、少し前までは、企業主導で行われてきましたが、法改正により、必ずしも企業の開発プロセスに乗る必要はなく、医師主導でも実施可能となっています。
 動物を使用する試験により、薬の候補物質、もしくは医療機器の安全性および有効性を検討し、安全で有効な医薬品もしくは医療機器となりうることが期待される場合に行われます。
 治験は、第I相~第Ⅲ相までの「3段階」で行われることが多い
※ ただし、抗がん剤(特に細胞傷害性の抗がん剤)に関しては、方法を異にする場合があります。

・第I相試験(フェーズ I)
 試験参加を志願した健常成人が対象。被験薬を少量から段階的に増量し、被験薬の薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)や、安全性(有害事象、副作用)について検討することを主な目的とした試験です。
 第I相試験は、動物実験の結果をうけて、ヒトに適用する最初のステップであり、安全性を検討する上で重要なプロセスですが、手術や長期間の経過観察が必要な場合や、がんに対する抗がん剤などの投与のように、事前に副作用が予想されるものは、外科的に治療の終わった患者(表面的には健常者)に対して、補助化学療法としての試験を行うことがあります。
 また、抗がん剤の試験の場合は、次相で用いる用法・用量の限界を検討することも重要な目的となってきます。

・第II相試験(フェーズ II)
 第I相の結果をうけて、比較的軽度な少数例の患者を対象に、有効性・安全性・薬物動態などの検討を行う試験です。
 多くは、次相の試験で用いる用法・用量を検討するのが主な目的ですが、有効性・安全性を確認しながら徐々に投与量を増量させたり、プラセボ群を含む3群以上の用量群を設定して反応性を検討したりすることから、その試験の目的に応じて様々な試験デザインが採用されます。

・第III相試験(フェーズ III)
 実際に製品化された後、その化合物を使用するであろう患者を対象に、有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われるのが第III相です。
 それまでに検討された有効性を証明するのが主な目的であるため、ニセ薬(プラセボ)を用いるなどの試験デザインが採用されることがほとんど。
 ときには、数百例以上の規模になることもあるため、多施設共同で行う場合が多くあります。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47713.html
医療消費税問題、「抜本的な解決へ前進」- 日医、16年度与党税制改正大綱で
2015年12月24日 21時00分 キャリアブレイン

 2016年度の与党税制改正大綱で、検討項目として医療に関する消費税課税の在り方について明記されたことを受け、日本医師会(日医)の今村定臣常任理事は24日の記者会見で、「(問題の)抜本的な解決へ向けて、より前進した」と述べた。【松村秀士】

 医療界ではこれまで、社会保険診療に対する消費税が非課税であることによって生じている控除対象外消費税が、医療機関の経営を圧迫しているとの指摘があった。こうした問題について、15年度の与党税制改正大綱では、「個々の診療報酬項目に含まれる仕入れ税額相当額分を『見える化』することなどにより実態の正確な把握を行う」と明記された。

 これを受けて厚生労働省は今年、「見える化」に向けて、消費税率5%から8%への引き上げに伴う診療報酬による補てんの状況を把握する調査を実施。この厚労省の対応を踏まえ、今回の16年度大綱の検討事項には、「見える化」の文言は削除された。一方で、新たに「高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、平成29年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」とされた。

 24日の会見で、今村常任理事は、16年度大綱で検討項目に新たに盛り込まれた内容を評価した上で、医療消費税の問題の抜本的な解決に期待を示した。

■新たな専門医の仕組みで提言

 日医の小森貴常任理事は同日の会見で、新たな専門医の仕組みに関する提言を発表した。内科領域での専門研修プログラム整備基準では、指導医が在籍していない診療所や過疎地の病院などでの研修を一定の要件下で認めるとした一方、他の診療領域では「このような配慮がなされた明確な記載がない」と指摘。指導医が不在の診療所などでは研修が認められず、専門研修の実施が困難になる恐れがあるとの懸念を示した。

 小森常任理事はまた、内科以外の診療領域で今後、専門研修プログラム整備基準を策定する場合は、指導医が不在の診療所などでの研修を一定の要件で認めることを明確化する必要性を強調した。

  1. 2015/12/25(金) 05:51:17|
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12月23日 

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015122390095905.html
授受10年、1千万円超か 名城病院汚職、容疑者2人起訴
2015年12月23日 10時00分(中日新聞)

 国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者の紹介をめぐる汚職事件で、逮捕された同院医長の赤沢貴洋(きよひろ)(41)=同市東区、医療法人「光寿会」(同市西区)を実質経営する医師多和田英夫(64)=同市西区=の両容疑者は、10年以上前から計1千万円超の授受をしていたとみられることが分かった。名古屋地検は22日、収賄の罪で赤沢容疑者を、贈賄の罪で多和田容疑者をそれぞれ起訴した。

 捜査関係者によると、2人は2004年ごろ知り合い、直後から患者百数十人を介し、現金を授受していた。授受は当初、手渡しだったが、同じ手法で06年に摘発された、人工透析患者の紹介をめぐる愛知県豊橋市民病院の汚職事件をきっかけに変更。以後、口座振り込みにしたという。

 起訴状によると、赤沢被告は名城病院で自分が治療し、引き続き人工透析が必要な患者32人を、光寿会傘下の病院や診療所に転院させる見返りとして、13年4月~今年10月の22回にわたり、多和田被告から銀行口座に計約263万円の振り込みを受けたとされる。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015122302000178.html
【茨城】
新中核病院は2次医療対応 筑西・桜川再編協議会 基本計画案を了承

2015年12月23日 東京新聞

 筑西市と桜川市の三病院の再編統合について話し合う再編整備推進協議会が二十一日夜開かれ、新中核病院と桜川市立病院(仮称)の整備の基本計画案を了承した。基本計画に盛り込む予定だった診療科目は、両病院の機能分担などで調整が遅れ、先送りとなった。
 基本計画案によると、筑西市が整備する新中核病院は急性期医療などを担い、二次医療に対応する。桜川市立病院は地域医療に重点を置き、新中核病院との連携を深める。診療科目については、現行の三病院の診療科を踏まえ、来年三月までに方向性を打ち出す。
 また、病院建設のスケジュール案も示された。それによると二〇一八年十月の両病院の同時開院を目指し、新中核病院は一六年十二月、桜川市立病院は一七年六月にそれぞれ着工する計画。(原田拓哉)



https://www.m3.com/news/general/385926?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151223&dcf_doctor=true&mc.l=136435592
2014年度の個別指導は4466件、増加傾向に
2015年12月23日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は2014年度の「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について」を12月22日に公表、保険医療機関等への個別指導は4466件に上ることが分かった。前年より66件増で、近年増加傾向にある。保険医等の個別指導は1万2066人で、前年よりも131人減少したが、2010年の6020人のほぼ2倍の水準(資料は、厚労省のホームページ)。

 保険医療機関等に対する適時調査は2347件(対前年度比161件減)、監査は87件(同7件減)。

 保険医療機関等の保険指定の指定取消処分(指定取消相当を含む)は、41件。内訳は、指定取消17件(医科7件、歯科9件、薬局1件)、指定取消相当24件(医科8件、歯科10件、薬局6件)。その原因を見ると、不正請求(架空請求、付増請求、振替請求、二重請求)がその大半を占める。これらに至る端緒としては、保険者、医療機関従事者等、医療費通知に基づく被保険者等からの通報が計25件と過半を超える。

 返還金額は、合計133億2377万円、内訳は、指導による返還分が41億3453万円(対前年度比7億1550万円増)、適時調査による返還分が65億1527万円(同3億4019万円増)、監査よる返還分が26億7397万円(同23億4359万円減)。

 適時調査による返還も高水準で推移
 保険医療機関への個別指導は、2010年度4061件、2011年度3955件、2012年度4302件、2013年度4400件、2014年度4466件と推移している。内訳は、医科1604件、歯科1365件、薬局1497件。

 2014年度の指導関係ではそのほか、新規個別指導が6518件(医科2097件、歯科1623件、薬局2798件、集団的個別指導が1万3079件(医科4170件、歯科5058件、薬局3851件)。

 最近の特徴として、適時調査の増加も挙げられる。2010年度は2117件、2011年度2274件、2012年2409件、2013年度は2508件と過去5年では最も多く、2014年度は減少したものの2347件。適時調査による返還は、2010年度は32億円だったが、2011年度は55億8133万円、2012年度は72億2491万円に増加、以降は減少したものの、2013年度は61万7508万円、2014年度は65万1527万円と高水準で推移している。



https://www.komei.or.jp/news/detail/20151223_18809
厚労省がプラン公表
公明の主張大きく反映
受診勧奨を徹底普及
受動喫煙 防止進める

公明新聞:2015年12月23日(水)付

厚生労働省は22日、国民の死因1位である「がん」の死亡率を減らすための「がん対策加速化プラン」を公表した。同プランは、今年6月に安倍晋三首相が策定を指示。8月に公明党がん対策推進本部(本部長=古屋範子副代表)が厚労相に申し入れた提言の内容も大きく反映された。

仕事と治療両立へ指針 小児・若年世代に焦点
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がん対策加速化プランのポイント国は、がん対策推進基本計画で「2007年度から10年間で75歳未満の年齢調整死亡率を20%減少」との目標を掲げているが、対策の遅れなどにより、このままでは17%減にとどまると予測されている。このため、がん対策加速化プランでは(1)予防(2)治療・研究(3)共生――を柱に、17年の次期基本計画策定までの間で集中的に実行すべき具体策を明示した。

避けられるがんを防ぐための「予防」では、検診受診率の向上をめざして、特に効果の高い個別受診勧奨に言及。事例集作成などによる市町村での徹底的な普及のほか、精密検査でも受診勧奨を進めるとした。

また、各市町村・保険者の受診率などを比較可能な形で公表し、受診を促すインセンティブ(誘因)を導入する。胃がん検診での胃カメラ検査も普及させる。従来、位置付けが不明確だった職域での検診は、早急に実態を把握し、ガイドライン(指針)を策定する。

たばこ対策では、19年ラグビーワールドカップや20年東京五輪・パラリンピックの開催までに受動喫煙防止対策を強化。学校でのがん教育に関しては、専門医、患者、経験者など外部講師の活用を支援する。

「治療・研究」では、小児がんの医療提供体制や、治療後の合併症などに対応する長期フォローアップ体制を検証。AYA世代(思春期・若年成人世代)のがん医療の実態調査、希少がん対策の検討も行う。

遺伝情報を活用した「ゲノム医療」実現への取り組みや、がん診療連携拠点病院などを簡単に検索できるシステムの構築も進める。

「共生」では、がんになっても安心して働き、暮らせるように、拠点病院で相談支援を実施するほか、ハローワークと連携した就職支援の全国展開をめざす。また、仕事と治療の両立を支援するための企業向けガイドラインを策定する。

苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上に向けた緩和ケアでは、医師の研修受講を促し、訪問看護師も含めて地域での緩和ケアに携わる人材への研修を行う。

  年齢調整死亡率
  高齢化など年齢構成の変化の影響を取り除いた場合の人口10万人当たりの死亡者数。

検診充実や家族支援に全力

党がん対策推進本部長 古屋範子副代表

がん対策加速化プランでは、受動喫煙防止や個別受診勧奨、がん教育など、これまで公明党が推進してきた施策が多く盛り込まれた。特に検診は質が向上し、内容も拡充される。国が掲げる受診率50%の達成へ、さらに対策を加速させていきたい。

党としても、がん対策基本法の見直しや、受動喫煙防止のための法律制定に向けた国会での議論をリードしていく。併せて、患者だけでなく家族への支援にも取り組んでいく。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22HDH_T21C15A2CR8000/
がん検診、市町村の受診率公表へ 厚労省が対策加速化プラン
2015/12/23 21:35 日本経済新聞

 厚生労働省は23日までに、がんの死亡率減少を目指した「がん対策加速化プラン」を公表した。がん検診の受診率向上や、がん医療情報の提供体制の充実、働くがん患者の就労支援などが柱。

 国内のがん検診の受診率は40%程度と欧米に比べて低く、国は受診率の50%への引き上げを掲げている。プランでは、早期発見や治療に結び付けるため、市町村ごとの検診受診率を比較可能な形で公表、職場での検診の実態調査を行って企業向けガイドラインも策定するとした。

 患者へのがん医療情報の提供体制が不十分だとして、がん拠点病院の診療実績や専門医の配置を簡単に調べられるようなシステムを今後作成。働くがん患者が就労を継続できるように、専門の相談員が医療機関や企業との調整などを行うことも盛り込まれた。

 がんの死亡率が十分に下がらないとして、安倍晋三首相が6月にプラン作成を指示していた。


  1. 2015/12/24(木) 05:31:21|
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12月22日 

http://www.huffingtonpost.jp/masahiro-kami/doctor-insufficiency_b_8858190.html
福島の医師不足利権
上昌広
東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門 特任教授
投稿日: 2015年12月22日 13時40分 JST  ハフィントンポスト

福島の医師不足は深刻だ。関係者も対策に余念がない。あまり指摘されていないが、医師不足対策は、しばしば利権と化す。一例をご紹介しよう。

福島県いわき市の福島労災病院(以下、労災病院)の整形外科のケースだ。かつて、東北大から4名の医師が派遣されていた。ところが、昨年、宮城県内の医学部新設もあり、東北大は医師の引き上げを通告してきた。

この地域の整形外科医療は労災病院といわき市立総合磐城共立病院(以下、共立病院)が担ってきた。労災病院が診療を停止すると、いわき市は整形外科難民で溢れることになる。

労災病院は福島県立医大(以下、医大)に整形外科医の派遣を求めたが断られた。事態を重くみたいわき市が福島県に相談したところ、医大から寄附講座の活用を提案された。共立病院の「地域医療連携室だより」(2015年8月号)には、「福島医大付属病院紺野教授にいわき市の整形外科医不足についてご相談をしました。その際に紺野教授から共立病院に医師を派遣するために、寄付講座を作っては、とご指導を受けました」との記載がある。

では、寄附講座とは、どんな仕組みなのだろう。いわき市関係者から入手した資料によれば、共立病院は、3名の整形外科医を派遣してもらうために年間6000万円を医大に支払う。5年間で総額3億円だ。

一方、寄附講座から派遣される医師に支払われる人件費総額は2530万円。差し引き3470万円が医大の自由に使える金になる。残業代などは病院持ちだ。年間990万円を予定している。この結果、いわき市は3名の整形外科医を5年間派遣してもらうために総額3億4950万円を負担することになる。

そもそも医大は「県民の保健・医療・福祉に貢献する医療人の教育および育成」を理念に掲げており、震災後は多額の税金が投入されている。平成25年度の場合、運営費交付金として87億円、補助金として30億円だ。9億8429万円の黒字である。

寄附講座など設置せずとも、医師を派遣すればいい。震災で被害を受けたのは浜通りだ。福島市内に位置する医大ではない。ところが、いつの間にか被災地をネタに医大が焼け太る構造になっている。

さらに、寄附講座ビジネスの実態は、派遣されるべき医師に支払われる給与のピンハネだ。タチが悪い。

では、いわき市だけが特別なのだろうか。最近、福島県内の病院長から、「医大のホームページに寄附講座一覧があるから、それを見るともっと驚きますよ」と連絡を受けた。

そのページをみて驚いた。現在、医大には23の寄附講座が存在するが、このうち企業から寄附によるものは9つで、12が県内の医療機関、残りの2つが自治体だ。

医療機関には、南東北総合病院を経営する脳神経疾患研究所、星総合病院、会津中央病院、磐城共立病院など福島県の代表的な病院が名を連ねる。設置している寄附講座も一つとは限らない。磐城共立病院は二つだが、脳神経疾患研究所は5つだ。

寄附目的には、それらしいお題目が記されているが、実態は医師派遣だ。星総合病院の寄附講座の設置目的の項は「平成27年度以降、星総合病院に疼痛外来を設置し、そこで慢性の痛み患者を診療する。」と明記されている。

ちなみに、平成25年度の医大の寄附金収入は5億6130万円だ。以上の事実は、医大が寄附講座という仕組みを使って、医師派遣業で荒稼ぎしていることを意味する。

医大の使命は、医師を育成し、県民が必要とする地域に供給することだ。医師派遣ビジネスで金を儲けることではない。

かつて会津藩校日新館からは多くの有能な人材が育った。この学校では、什の掟として「卑怯な振舞をしてはなりませぬ」などと教えた。法律違反すれすれの方法で、金をふんだくる医大のやり方は卑怯だ。いまこそ、福島の伝統に立ち返るべきではなかろうか。

* 本稿は「医療タイムス」の連載を修正・加筆したものです。



http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/194950.html
家庭医養成へ実習支援 御前崎市がセンター整備
(2015/12/22 08:09)静岡新聞NEWS

 御前崎市は21日、浜松医科大(浜松市東区)が2019年度から総合診療医(家庭医)養成に向け学生の実習を始めるのに合わせ、実習生の受け入れ先として「市家庭医療センター」を整備する方針を明らかにした。受け入れ先を整備することで、指導する医師の確保が見込め、慢性的な医師不足の改善を図る狙い。同日の市議会全員協議会で示した。
 同市によると、市立白羽小のプール跡地に16年10月に着工し17年度上半期の運用を目指す。外来診療をメーンに訪問診療や訪問介護、通所リハビリなどを行う。入院や救急対応はしない。外来診療は当面、週3日程度実施し、実習生の受け入れが始まる19年度中には週5日に増やしたい考え。
 医師は森町、菊川市、磐田市とつくる「静岡家庭医養成協議会」から派遣してもらうという。
 菊川市と森町にも同様の施設があり、すでに研修医の実習を行っているが、学生の実習が始まると、受け皿が不足するといい、御前崎市としても整備に踏み切った。総工費は詰めている。
 市立御前崎総合病院の担当者は「なるべく早く開業して実績をつくり、学生や研修医の受け入れ体制を整えたい」と話す。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201512/545110.html?n_cid=nbpnmo_mled
記者の眼
「ニセ医学」にだまされても患者の自己責任?

2015/12/21 増谷 彩=日経メディカル

 今年9月、女優の川島なお美さんが亡くなった直後から、様々な報道が飛び交い始めた。その中の1つが、標準治療を拒否し、ある民間療法を行ったために壮絶な闘病生活を送ったという報道で、世間に衝撃を与えた。こうしたニュースを聞いて思い浮かぶのが、「ニセ医学」という言葉だ。「ニセ医学」の言葉の定義ははっきりしないが、内科医でブロガーのNATROM氏は、著書「『ニセ医学』に騙されないために」(メタモル出版、2014年)の中で、「医学のふりをしているが医学的な根拠のない、インチキ医学のこと」としている。

 冒頭のようなエピソードが世間を騒がせると、「民間医療を選ぶのは患者の自己責任ではないか」という意見を言う人を目にする。しかし、医療者は患者の選択を「自己責任」で済ませてしまってよいのだろうか。

医療者と「ニセ医学」
 今回、日経メディカル Onlineで「ニセ医学」に関するアンケートを行った。医師が「ニセ医学」と聞いて思い浮かべるもので一番多く挙がったのが「広告過剰なサプリメントや健康食品」だった。2位はメディア露出や出版活動が盛んな某医師の「がんもどき理論」、3位は1型糖尿病の男児がインスリンの投与を中止したために死亡した報道で世間を騒がせた「霊的療法」となった。その他のランキングや、回答した医師が実際に行っていた、または遭遇した「ニセ医学」、医師たちが「ニセ医学」について思うことなどについては調査結果の記事をご覧いただきたい(前編 「ニセ医学」と聞いて思い浮かぶのはアレ、後編 患者が「ニセ医学」を試したいと言ったら?)。

 アンケートで、「ニセ医学」について「言葉も意味も知っていた」と回答した人は、わずか801人(24.1%)。医師の4人に3人は知らないという結果になった。保険診療を行っている医師たちの関心は低いのかもしれない。医療者、特に医師に有用な臨床情報をお届けすべき媒体である日経メディカルでも、「ニセ医学」という言葉並びに「ニセ医学」に分類されるであろう民間療法を取り上げる機会はほとんどなかった。

 「ニセ医学」の話題でまず挙がってくるのが、「そんなものにだまされないよう、国民のヘルスリテラシーを向上させよ」という意見だ。ヘルスリテラシーとは、健康関係において適切な意志決定をするために必要な情報を調べ、理解して利用する能力のこと。もちろん、患者自身がヘルスリテラシーを高め、自ら判断できるようになることが望ましいのは間違いない。ただ、日経メディカルは医療者向けの媒体であるので、今回は「ニセ医学」に対して医療者が取るべき態度について考えてみたい。

その決定は本当に患者が「理解」し「選択」したものか
 アンケートでは、「患者が希望する限り仕方がない」(50歳代勤務医、内科系専門科)、「『信じる者は救われる』で、患者自身が選ぶことにケチはつけません。その代わり尻拭いもしません」(40歳代勤務医、循環器内科)という声が散見された。「患者自身がその治療を選んだのならば仕方がない」という考え方はあるだろう。「本人が満足なのであればそれでいいのではないか」と。

 しかしここで重要なのは、その患者は必要なことを十分理解した上で選択しているのかということだ。患者に害が及びかねない民間療法を選択している場合などは、「その『治療』はこうしたデメリットも指摘されていますがご存じですか」と一歩踏み込んでみるべきではないだろうか。頭ごなしに否定するのではなく、相手が選択に当たり知っておくべき情報を提供する。誤解していたり、思い込んでいることがあるようであれば、解いておく。ここで注意しなければならないのは、患者に情報を提供して納得や選択を「迫る」ことではなく、情報を提供した上で患者と医療者がともに考え「合意」することだ。

 医学教育を受けた医療者は、医学情報の適切な処理の仕方を心得ている。一方で、患者は体系的に医学を学んだことがないかもしれないし、インターネットなどで得た誤った情報をうのみにしているかもしれない。多くの医療者が「この表現は誤解を招く」と指摘している記事に、非医療者が「知らなかった、ためになった」といった感想を寄せているといったことはままある。適切な情報を知らなければ、どんなに頭の良い人であっても最適解を導くことはできない。

 こうした情報の非対称性がある医療については、医療者は専門職としての見解を伝える努力が求められるのではないだろうか。さらに、公衆衛生の側面も持つワクチン接種などでは、「打ちたくないんですか」と簡単に引き下がってはいけないのかもしれない。当然、無理矢理打つわけにはいかないが、説得を試みる姿勢も必要なのではないだろうか。

 標準医療を全く信用しない患者に対しては、医師であっても「勧める者は悪いが、すがる者も悪い」(50歳代勤務医、一般内科)といった感情が生まれるのは仕方がないことかもしれない。筆者も、根拠のない治療法や健康法について熱く語る人を実際に目の前にすると、諦めに近い感情や無力感を抱くこともある。しかし医療者には、その専門職のプライドにかけて、患者に関与する姿勢を放棄しないでほしいと筆者は思っている。

 患者はただ、もう誰を信じていいのか分からない状態になっているのかもしれない。そもそも、医師免許を持つ人が医学的な根拠が薄弱な治療法や機器を勧めていることもある。以前も筆者が本欄で書いた通り、往々にして「ニセ医学」と呼ばれるような極端な主張は断定的で分かりやすい(インフルエンザワクチンは打たない方がいい?)。そして標準医療を攻撃することが多い。患者はすっかり医療不信に陥っていたりする。インフォームドコンセントで「合意」に至れず、医師に突き放されたと感じている患者は、「あなたはこうすべきだ」と決めてくれる強い主張に救いを求めてしまうかもしれない。患者が貴重な時間や金銭を投じ、間違った藁をつかむのを黙って見ているだけにしないでほしい。

 患者のヘルスリテラシーを考慮したコミュニケーション手法については、厚生労働省のウェブサイト「『統合医療』情報発信サイト」に掲載されている例が参考になる。このサイトでは、患者に補完(代替)医療を利用しているかどうか尋ねるべきとしており、どうすれば患者と補完療法について話し合う時間を持てるかということや、話し合うためのヒント、情報が不足している民間医療について患者に伝えられることは何かといったことにも言及している。 

「ニセ医学」の汚名を晴らせるのは科学だけ
 アンケートでは、「効果のなさを立証することは難しい。国が先頭に立って民間療法と呼ばれるものの質の担保を行ってほしい」(20歳代勤務医、一般内科)という意見があった。実は、上記のウェブサイトでは一部の補完・代替医療エビデンス情報も掲載している。コクラン共同計画によるコクランレビューのうち、補完・代替療法に関するアブストラクトをまとめているのだ。一部は日本語訳もされているため、患者への情報提供にも有用だ。

 同じくエビデンスの面から、「歴史的には、その時点では医学界で正しいと信じられていた治療(瀉血など)も、100年たてば全くのニセ医学になっていることもある」(50歳代勤務医、小児科)といった声もあった。確かに、米国の初代大統領に致命傷を負わせたかもしれない瀉血が主な治療法とされていた時代はあった。ただし、その後比較対照試験が考案され、アレクサンダー・ハミルトンが瀉血の有効性を否定してから既に数百年が経過している。現代で「ニセ医学」の汚名を着せられている民間療法は、成熟した臨床試験によって有効性を証明することこそが正しいアプローチだ。

 いかに新たな治療法であっても、正しい方法で有効性が証明されれば、いつでも耳を傾けてもらえるのが科学の世界。現時点では広く認められていなくとも、確実に正しいと言い切れる治療法であれば、それが正しいことを一刻も早く証明すべく、試験デザインを考え始めるべきだ。つまり、効果を正確に判断できない患者の体験談を集めたり、標準医療を攻撃したりすることは全くの職務怠慢だと筆者は考えている。

 有効性が証明できなくても、「プラセボ効果も治療のうちだから」という考え方もある。患者に希望を抱かせることは罪なのか。確かに、その民間医療が標準医療の妨害はせず、侵襲性や副作用を絶対に伴わない方法で、非科学的な嘘をつくことなく、しかもできるだけ費用を抑えてやっているのであれば容認すべきかもしれない。しかし、この条件を満たす民間医療はどれほどあるだろうか。そして、医師が「有効性を証明できない」と考えている治療を実施することは、真摯な姿勢とはいえないだろう。

 ちなみに、アンケートでは「ニセ医学」というネーミングに疑問を呈する声も幾つか頂いた。「医学ではないのでネーミングとしてはいまいち。『ニセ医学も医学のうち』とか言われそう」(40歳代勤務医、救急科)という声もあった。どんなネーミングが妥当であろうか。



https://www.m3.com/news/iryoishin/385743
The Voice(医療)
女優・川島氏の遺族、「がん放置」に反論

2015年12月23日 (水)配信 中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

 川島なお美さんと鎧塚さんがお書きになった書籍カーテンコールが発売され、その評判が出ています。( 川島なお美が近藤誠の診断を告発 川島なお美が遺著で近藤誠医師のセカンドオピニオンを告発していた!「あれは何だったの」「がんを放置しないで」)書籍の中には(近藤)M医師のデタラメな態度などが書かれているようです。

川島さんの記述です。

 〈それからもうひとつ。様々な著書で有名なM先生の存在です。先生の本でためになったこともたくさんあります。即手術しなかったのも、抗がん剤や放射線治療に見向きもしなかったのも先生の影響かもしれません。でも、がんは放置さえすれば本当にいいのでしょうか?(略)私はそうは思いません。がんかもしれないと診断されることで、人生真っ暗になってしまったとしても、それは一瞬のこと。目からウロコの『気づき』をたくさんもらえて、かえって健康的でいきいきした人生に変わることだってある。それは、自分の病への向き合い方次第なんです。(略)がんと診断されたら放置するのではなく、その対処いかんでより健全で、充実した生き方が待っている。それは私ががんになってみて初めてわかったことなのです。がんと診断された皆さん、決して『放置』などしないでください。まだやるべきことは残っています〉

 本当にこの夫婦を尊敬します。よくこれだけ冷静にM医師の記述をしていただいたことを感謝します。

 別の記事からの引用です。鎧塚氏 なお美さんの高額民間療法言及
「とある大病院の医師による『どうみても負け戦です。後はどう敗戦処理を考えるかだけです』という人間味の全くない冷たい見解」

「ある民間医療の『必ず治りますから希望をもって諦めずに治癒をしましょう』と言って高額な治療を勧めてくる一見人間味溢れる医師」
と、夫妻に勇気を与えてくれはしたが、高額請求にその金儲けの真意が表れていた療法師…。

「藁をもすがる患者とその旦那にとってどちらが名医でどちらが藪医者だったのでしょうか?」 「私には今となっても結論は見いだせません」

 大病院の医師である私は、人間味のない見解を言った医師を責められません。希望を持たせすぎても結果は残念なものになります。あまり親身になるすぎると医師患者間のトラブルになると現場は考えられているため、このようない言い方になったものと思われます。

 また大病院は悪性新生物患者に完治、改善できる治療法がなくなった瞬間に緩和ケア科に転科したり、転院先を探して緩和療法を行うという流れが現在存在しています。川島さんの場合も腹腔鏡手術後、術後のフォローを他院で行わせたとか本当最近の大病院は優しくないんですよ。でもそれも今の大病院の医師数などの医療状況では仕方がない部分があるんです。

 緩和の患者さんをずっと入院させていると完治が望める治療を行なうべき人を入院させられないとかの問題があります。今まで治療した病院で最後まで面倒を診てあげられることが本当は感情的には望ましいのですが。

※本記事は、2015年12月15日の『中村ゆきつぐのブログ』で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/matsubara/201512/545103.html?n_cid=nbpnmo_mled
コラム: 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」
東北医科薬科大学新設、受験生への影響と日本の未来

2015/12/21 松原 好之

 来年度新設される東北医科薬科大学については、先ごろ日経メディカルに「学長インタビュー」が掲載されたこともあり、その内実に関してはかなり周知されていると思ったのですが、関東と関西在住の当塾の医学部受験生をはじめ、何人かの東北以外の医学部受験生に尋ねると、「あまりよく分からない」という答えや、「自分たちにとって、有利な条件は何もないようだ」という声が結構多く聞かれます。

 東北医科薬科大学1次試験が行われる2月1日は、ほかにも久留米大(医)、日本大(医・N)、帝京大(医・1日目)と似たようなレベルの大学の1次試験日程とかぶっているせいかもしれませんが、「東北医科薬科大学をぜひ受験したい」という声はあまり聞こえてきません(ちなみに、9月の駿台全国模試全国偏差値表によれば、この新設・東北医科薬科大学の合格確実偏差値は60、合格可能偏差値は57と出ています。ちなみに同じ東北の私立医学部の“先輩”にあたる岩手医科大学はそれぞれ61、58と出ています。全国の私立医学部の平均からすれば「やや下」となります)。

 ともあれ、「よく分からない」「(東北地方以外に住む自分たちには)有利なものは何もないようだ」という声に対して応えるために、まず新設・東北医科薬科大学の目玉にあたる、また、受験生と保護者の誰もが最も気になる「修学資金制度」についての部分を抜粋します(表1)。

表1 東北医科薬科大学の修学資金制度と入試制度 (東北医科薬科大学「医学部Guide Book」より抜粋)
(略)

 受験生の理解を複雑にしているA方式、B方式ですが、それはかいつまんで言うと、例えば次のようなものになります。

【A方式】
 A方式では希望する県は1県しか選べない。それは願書記入の時点で決めておかなくてはならない。つまり、宮城県の枠を希望する人ならその枠が30人あるので、A方式での希望県を宮城県と選んだ人の中での争いとなる。青森県の枠を希望する人は、定員が1人なので、その1人の枠に入れなければ、「合格」とはならない。例えば、宮城県枠希望者が300人、青森県枠希望者が10人となると、倍率はどちらも同じ10倍ということになる。

【B方式】
 B方式が少々複雑だ。願書記入時に一応、希望県を書く欄はあるが、これはあくまで単なるアンケートであって、合否には全く関係ない。つまり、B方式を希望した人から成績順に上位20人が選ばれるだけなのである。その合格した20人は、東北医科薬科大学の奨学金制度とは別個に、自身で希望する東北各県の担当窓口に問い合わせ、その県の制度に従って奨学金等の申請をすることになる。学生としては、この時、表2を見て、条件を確認し、どこの県に申請をするかを決めておく必要がある。例えば、青森県だと、青森県出身で、しかも県外大学の医学部在学者に限るなどという応募資格があるため、出願時によく確認しておく必要がある。

表2 B方式に対応する東北5県の自治体による修学資金制度一覧(大学を限定する制度を除く) この情報は2015年度の実績です(15年6月現在)。16年度の予定については、修学資金を希望する各県の担当課へ必ず問い合わせ、確認してください。
(略)


 受験生は、修学資金枠の「A方式」「B方式」、そして「一般枠」の計三つを、順位を付けて併願することが可能である。

 以上が、東北医科薬科大学の、やや複雑な募集要項の内実です。

 東北出身者でなければ、「これはどう見ても、自分たちにとってあまり有利ではない」という感想を持つのも無理はないだろうな、と思います。もちろん、建学の精神が、大震災の被災復興を大前提にしている、出身地、出身校によって差別しないと明言していることは分かっていることですが、それにしても、本当はどうなのかな、という疑問が残ってしまうわけです。

 それというのも、震災復興で医者が必要だ、というのは一見もっともらしく見えますが、震災後既に5年近くがたち、しかも東北医科薬科大学出身の医者が誕生するにはさらに6年を要するという現実をどう見るのか、ということです。新大学設置に反対していた日本医師会の言い分の中に、この期間に学生指導に現場の医師が駆り出され、かえって医師不足を招く、つまり、一番医師を必要とする時期に医師不足を招く、というものがありました。しかも震災後11年経って復興が完了し始めた頃に、東北地方に医者がドッと溢れ出す、その後、半永久的に医者が増え続けるという試算があるとするなら、「震災復興で医者が必要だ」という論理は成り立たないどころか、法科大学院の設置により、食えない弁護士が増えたのと同じ現象を生まないという保証はどこにもなくなってしまいます。

 東北医科薬科大学ができてしまった以上、残された道は、他の医学部の定員を少しずつ削って、医大生の数を全体でこれ以上増やさないようにするか、医師国家試験をもっと難しくして、簡単には医者になれないようにするか、のどちらかでしょう。

 NHKや民放各社は、今でも「東日本大震災を忘れるな」的な特集を定期的に組みます。そのテーマを掲げた番組さえ作っておれば、誰からも指弾されない“絶対聖域”であるかのようです。いつの間にか、「東日本大震災」と「その復興」さえ唱えれば何でもまかり通る、という風潮が日本全土に広がってはいないか、と危惧する次第です。

 私はかつて、当コラム2012年12月21日付「医大は受験生の学力に妥協しない姿勢を貫け」で、福島出身の被災者受験生Iさんのお母様の、「学業で下駄を履かせてもらってまで合格したくない」姿勢を賞揚し、以て「ニッポンの東北の母」による震災後の力強い自力復興の可能性を見出す文章を書かせてもらったことがあります。

 どうか、東北医科薬科大学が、いたずらに東北の受験生だけを優遇する態度にこだわるあまり、贔屓の引き倒しよろしく東北地方の“真の復興”に水を差すようなことがないことだけを祈るばかりです。

 そして、この国のかじ取りを任せられた政治家の皆様には、目先の現象にとらわれることなく、日本人、東北人の底力を信じて、10年先、100年先を見据えてきれいごとではない方針を立ててもらいたいものです。

 最後に、進学塾ビッグバンが作成した、2016年度全国私立医系大学30校の募集概要を掲げます(表3)。ここでは主に、2次試験の「面接のありよう」を模式図風に載せていますが、あくまで15年度入試の実施方法であって、16年度入試において、同じ形式で行われるかは保証の限りではありません。また、当たり前ですが、新設の東北医科薬科大学は載せていません。参考にしてください。

表3 2016年度全国私立医系大学30校の募集概要
(略)



http://blogos.com/article/151189/
「エビデンス弱い」と厚労省を一蹴したWHOの子宮頸がんワクチン安全声明  
村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
WEDGE Infinity2015年12月22日 09:40 BLOGOS

名古屋市のレポートから3日後の12月17日、世界保健機関(WHO)の諮問機関であるGACVS(ワクチンの安全性に関する諮問委員会)が子宮頸がんワクチンに関する新たな安全声明を発表した。

 今回の声明は2014年3月に発表された前回の声明以来、1年半ぶりとなる。3ページにわたる声明の最後の方で、一段を割いて日本に言及しているが、日本のメディアは一様に沈黙し、今のところ記事になったものを見ない。

「薄弱なエビデンスに基づく政治判断は 真の被害をもたらす可能性がある」
 今回、日本における副反応騒動への言及は、驚くほど踏み込んだ表現となっている。前回の声明では「GACVSは日本のデータに因果関係を見ないが、専門家による副反応検討会は引き続き調査中」と記載された顛末の続きは、今回、次のように辛辣だ。

「専門家の副反応検討委員会は子宮頸がんワクチンと副反応の因果関係は無いとの結論を出したにもかかわらず、国は接種を再開できないでいる。以前からGASVSが指摘しているとおり、薄弱なエビデンスに基づく政治判断は安全で効果あるワクチンの接種を妨げ、真の被害をもたらす可能性がある」

 声明の中で、政策判断を批判された国は日本のみ。政治的に配慮した表現を重視する国際機関が、一国だけ名指しで批判を行うのは異例のことだ。筆者もWHOに勤務した経験を持つが、こうした文書を見た記憶はあまりない。GACVSのメンバーは、世界から選ばれた疫学、統計学、小児科学、内科学、薬理学、中毒学、自己免疫疾患、ワクチン学、病理学、倫理学、神経学、医薬規制、ワクチンの安全性などに関する14名の専門家で構成されている。

 WHOの声明を読んだ日本小児科学会理事のある小児科医は「恥ずかしい限り」と語り、日本産科婦人科学会のある理事も「私には全体が日本への声明のように読める」と語った。報道されることはほとんどないが、両学会はこれまでもワクチン接種再開を求める要望書や声明を繰り返し発表している。

 今回の安全声明の最大のポイントは、フランスの医薬品当局による調査の解析結果だ。フランス当局は子宮頸がんワクチン接種後に起きている自己免疫性の症状について200万人の少女を対象に大規模調査を行い、ワクチン接種群と非接種群の間には「接種後3か月時点でのギランバレー症候群の発症をのぞくすべての症状の発症率に有意差無し」と結論づけた。

 有意差のあったギランバレー症候群の発症率上昇リスクも10万例に1例程度と大変小さい。WHOは今後、仮に別のスタディなどを通じてこの結論が確定することがあっても、ワクチンが子宮頸がん等の原因となるヒトパピロマーウイルスの感染を長期にわたって防ぐというベネフィットについて十分に考慮する必要があると念を押す。

 今回の安全声明には「CRPS(複合性局所疼痛症候群)」と「POTS(起立性頻脈症候群)」というふたつの症候群についての詳細な言及があった。これらの症候群は、一般の医療関係者には馴染みがないが、子宮頸がんワクチンの副反応を議論する際にはよく聞かれるものである。

 声明によれば、ワクチン導入以前から見られるこれらの症候群はいずれも原因が不明な上、関連性のない複数の症状の集合体に名前をつけている可能性もあり、何をもってCRPSやPOTSとするのかといった疾患概念は確立していない。こうした診断の難しさを考慮した上でも、ワクチン市販前治験、市販後調査のいずれにおいてもCRPSやPOTSの発症が増えたというエビデンスはない。CRPSもPOTSも、最近日本でも話題になった「慢性疲労症候群(CFS)」と症状がよく重なるが、CFSの発症とワクチンとの因果関係はイギリスにおける調査ですでに否定されているとする。

 声明が暗に「エビデンス薄弱」と一蹴した日本の「HANS(=ハンス、子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群)」なる疾患も、CRPSやPOTSと同様、疾患概念としての妥当性に乏しい。HANSは2014年から一部の日本人医師が唱えている疾患概念で、子宮頸がんワクチンが、慢性の痛みや疲労感、けいれんや運動障害、月経異常や自律神経障害、髄液異常などありとあらゆる症状を引き起こすというものだ。「症状からして免疫異常による脳神経障害としか考えられない病態」であるとするが、科学的エビデンスはない。HANSはさらに、ワクチン接種から何年経っても発症し、いったん消えた症状は何年経ってからでも再発することがあり、場合によっては100以上の症状が重なることもあるというから、関連性のない症状の集合体にただ名前を付けているだけの可能性が高く、疾患概念としての曖昧さはCRPSやPOTSの比ではない。

 前回の声明にあった「生物学的・疫学的裏づけのない、症例の観察に基づく薬害説を懸念する」という記述や、今回の声明にある「子宮頸がんワクチン接種後に起きたという、診たことの無い症状に出会った臨床医は、速やかにそれらの症状を診た経験のある医師たちに紹介することが推奨される。それが患者への有害で不必要な治療を防ぎ、患者の日常生活への復帰を早める」という記述は、日本に直接言及したものではないが、日本を念頭に置かずに書かれたものとは考え難い。

日本のメディアはこれでいいのか
 東京大学教授の坂村健氏は奇しくも声明が出たのと同じ12月17日、毎日新聞の紙上で、新しいワクチンと同様に分からないことの残る放射能の人体への影響と報道の在り方についてこう語っている(記事リンク)。

「事態がわからないときに、非常ベルを鳴らすのはマスコミの立派な役割。しかし、状況が見えてきたら解除のアナウンスを同じボリュームで流すべきだ」

 筆者は名古屋市の調査を取り扱った12月17日の記事で、主要メディアまでもがセンセーショナルな発言でメディアに露出したがる専門家や圧力団体の主張に大きく紙面を割く、ガラパゴス化した日本のジャーナリズムについて書いた。子宮頸がんワクチン問題においても同様に、国内外の信頼ある専門家や専門機関の声にきちんと耳を傾け、坂村氏の言う「解除のアナウンス」のボリュームを少しずつ上げていくことはできないのだろうか。

 国際機関の諮問する専門家が「エビデンス薄弱」とする有害な主張ばかりを取り上げ、日本だけが名指しにされた国際声明を一切取り上げないというメディアのあり方は嘆かわしい。

 圧力団体と共依存する数名の医師の限られた経験と印象から導き出される「学説」は劇場的でメディア好みかも知れないが、「医学」とは数多くの医師によって蓄積された厚みのある臨床の知見と客観的なデータに基づくものである。声明は、医学ではなく世論に寄り添う日本の政策決定に批判の目を向ける形となったが、世論をつくるメディア関係者にもグローバルな視野と科学的冷静さをもつことを呼びかけたい。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47694.html
昨年度、不正請求などで133億円返還- 前年度比8.8%減、監査による返還は半減
2015年12月22日 19時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は22日、医療機関と薬局が不正・不当に請求した診療報酬のうち、昨年度に返還が決まった額が計133億2377万円だったと発表した。前年度と比べると8.8%(12億8790万円)減っており、監査による返還額だけだとほぼ半減していた。【佐藤貴彦】

 地方厚生局などは、医療機関や薬局が医療保険制度上のルールに従わない診療報酬請求はしないように指導を行い、不正が疑われる場合などには監査を実施している。不当な請求や不正な請求があった場合は、診療報酬の返還や、保険医療機関としての指定の取り消しといった措置が講じられる。

 同省によると、昨年度に確定した返還額は、指導によるものが41億3453万円(前年度比7億1550万円増)、医療機関や薬局が届け出た人員の配置状況などが本当かどうかを確認する適時調査によるものが65億1527万円(同3億4019万円増)、監査によるものが26億7397万円(同23億4359万円減)だった=グラフ、クリックで拡大=。

 一方、保険医療機関などとしての指定が昨年度に取り消し処分になった件数(医療機関などが既に廃止していた場合を含む)は、医科の医療機関が15件(前年度比22件減)、歯科の医療機関が19件(同2件減)、薬局が7件(同6件増)だった。このうち、医科の医療機関1件は処分の執行を停止中。

 取り消し処分になった医療機関と薬局のうち、決定した返還額が最も高いのは福岡県の病院の約3億3350万円。同病院は、一般病棟に配置した看護職員の平均的な夜勤時間が72時間を超えていたにもかかわらず、虚偽の届け出を行い、診療報酬を不正に請求していたという。
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http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20151222224880.html
阿賀野の新病院 地域医療の軸に
市民と知事が意見交換

2015/12/22 11:52 新潟日報

 泉田裕彦知事が地域住民と意見交換する「知事とのタウンミーティング」が21日、阿賀野市山崎の市ふれあい会館で開かれた。10月に開院したあがの市民病院を中心にした地域医療のあり方について話し合った。

 県が主催。阿賀野市での開催は初めて。市民ら約220人が参加した。パネリストとして、あがの市民病院の尾崎進院長、スポーツインストラクターの遠藤志野さん、北窓隆子副知事らが登壇した。

 尾崎院長は、あがの市民病院の現状や課題を説明。病院が目指す方向について「基幹病院や在宅療養の後方支援を目指したい」などと語った。市内で介護予防の体操を教える遠藤さんは病院について「医師や理学療法士が予防という視点でアドバイスをしたり、受診の際に栄養指導や運動指導をしたりしてほしい」と要望した。

 終了後、泉田知事は「あがの市民病院の今後のあり方を考える上でいい機会だった。地域に頼りにされる病院にしていくことが必要だとあらためて実感した」と話した。



http://www.sankei.com/west/news/151222/wst1512220083-n1.html
透析患者転院で医師ら起訴 紹介料1千万円超 名古屋地検特捜部
2015.12.22 21:16 産経ニュース

 人工透析患者転院をめぐる汚職事件で、名古屋地検特捜部は22日、収賄罪で医師、赤沢貴洋容疑者(41)を、贈賄罪で医療法人「光寿会」の実質的経営者、多和田英夫容疑者(64)を起訴した。地検によると、赤沢被告は多和田被告と知り合った平成16年以降、患者百数十人を転院させ時効分を含め紹介料1千万円以上を受け取っていた。

 起訴状によると、赤沢被告は国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市)に勤務していた25年4月~今年10月、人工透析が必要な患者32人に病院を紹介する見返りとして、多和田被告から現金計約264万円を受け取ったとしている。

 愛知県警捜査2課によると、赤沢被告は光寿会傘下のクリニックで非常勤医師のアルバイトをしており、賄賂分はアルバイト代として口座に振り込まれていた。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD22H3T_S5A221C1CN8000/
名城病院医師らを起訴 透析患者紹介で贈収賄
2015/12/23 1:40 日本経済新聞

 名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者を巡る汚職事件で、患者紹介の見返りに計約260万円を受け取ったとして、名古屋地検は22日、同病院の腎・糖尿病内科医長、赤沢貴洋容疑者(41)を収賄罪で、医療法人「光寿会」(同市西区)の実質的経営者、多和田英夫容疑者(64)を贈賄罪で、それぞれ起訴した。

 同地検によると、2人は2004年に知り合った直後から、患者紹介と謝礼金のやり取りを開始。赤沢被告は同年以降、11年以上にわたり、多和田被告側に患者百数十人を紹介し、総額1千万円以上を受け取ったとみられる。謝礼の金額は当初、患者1人に対して5万円だったが、途中から10万円に上がったという。

 起訴状によると、赤沢被告は13年4月から今年10月、透析患者32人を転院させる際、多和田被告の医療法人グループの病院や診療所に紹介する便宜を図り、約260万円を受領したとされる。

 地検によると、謝礼金のやり取りは初めは手渡しだったという。その後、赤沢被告が多和田被告側の診療所で非常勤医師としてアルバイトを始めたため、アルバイト代に上乗せして、赤沢被告の銀行口座に振り込まれるようになったという。

 地検は、06年の豊橋市民病院(愛知県豊橋市)の透析患者を巡る医師の贈収賄事件で、謝礼のやり取りが手渡しだったため、両被告らは同年ごろ、アルバイト代に紛れ込ませる口座振り込みの形に変えたとみている。



http://medg.jp/mt/?p=6373
Vol.264 医者にも経営意識が必要、チャンスは東北地方に眠っている
仙台厚生病院 森田麻里子
医療ガバナンス学会 (2015年12月22日 06:00)
2015年12月22日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

昨今、有名な大規模病院の経営危機が囁かれるようになっている。8月の朝日新聞では、千葉大学医学部附属病院や千葉県鴨川市の亀田総合病院の窮状が報じられた。消費税増税の後も、それを補填できるほど診療報酬は増加しておらず、実質的に減収となっていることが病院経営に悪影響を及ぼしているようだ。
一方で、これまで医師がお金のことを考えるのはタブーであった。
医学部で病院経営を考えて診療をするように教えられた記憶はない。医学生は、大学時代にアルバイトをしても家庭教師などの狭い世界に留まることが多く、社会との接点が少ない。大学を卒業すると、研修医として朝から晩まで診療を行う。亀田総合病院は、実は私が研修医として勤務していた病院だが、私も目の前の患者のために最善を尽くすことをまず考えて診療を行ってきた。命は何よりも大切であり、お金などといった下世話なことを考えないのが美徳である、という雰囲気が、病院にはある。

しかし本当に残念なことだが、どんなに素晴らしい診療をしていても事業を維持できなければだめだ、という現実は社会人として勉強になった。

■仙台厚生病院のコスト意識
私が現在働いている仙台厚生病院は、2013年度の利益率が16.5%と、医療法人でトップになった病院だ。昨年度に就職して驚いたのは、病院全体のコスト意識の高さだ。

例えば、厚生病院アワードというイベントが年一回開催されている。病院の業務改善の試みとその具体的な結果を、事務も医師看護師も含め、全職員がレポートで提出するのだ。提出は任意だが、提出するだけでも年度末のボーナスが増額される。さらに一次、二次審査を通過したグループは、レッドカーペットが敷かれたホテルでのプレゼンテーションに招待される。そこで理事長が最優秀賞を選定し、上位受賞者には豪華賞品が手渡されるという一大イベントである。過去には、適切な点滴セットを使用することでコスト削減に繋がった事例や、事務スタッフによる患者説明を充実させることで医師が手術や投薬の業務に集中できるようになった事例が入賞している。

昨年度末には、理事長から全職員に向けて、パワーポイントファイルが配信された。業務向上のため「乾いた雑巾を絞る」ような努力を求めるという内容で、ボーナスを受け取る際に閲覧することが義務付けられた。なかなかのインパクトであったが、病院の業績がボーナスに直結しており、それは一人ひとりの努力に依っているという当たり前の事実を実感させる出来事だった。

■柔軟な理事長の姿勢と、人への投資が成果を生んでいる
一方、人への投資は惜しまない。今年の2月から若手医師の教育に力を入れるため、各診療科の若手医師を集めたプロジェクトチームを発足した。他の病院を視察に行き、研修医の就職説明会に若手を派遣して地道な勧誘を強化した。当院の見学に来た医学生とは、可能な限り全員と夕食を共にし、病院の良さを知ってもらうようにした。

その結果、病院の知名度が上がり、9月までに100名以上の見学者が押し寄せた。採用面接受験者もここ数年で最多であり、初期研修の採用内定者は昨年の2人から4人に倍増した。こういった成果が出てきたのは、必要な費用や院内の調整も含め、目黒泰一郎理事長の全面的なバックアップがあってのことだ。通常、病院のトップが若手医師の意見を聞いて方針を決めるようなことはあり得ない。私達若手医師にとっても、理事長と直接意見を交わし、病院のプロジェクトの一旦を担うことができる、貴重な機会となっている。

■東北に眠っているチャンス
それではなぜ、仙台厚生病院ではこのような投資が可能なのだろうか。コスト削減といっても限界があるだろう。実は、これは立地と関係がある。医療の価格は全国一律だが、土地代や人件費は場所によって随分違う。東北地方は他の地域と比較して、有利な立場にあるのだ。東北で働く医師は少なく、医師さえいれば事業をさらに拡大できるチャンスがある。そこで人的投資を行い、さらに成果がでるという良い循環が生まれているのだ。

■医者も社会における医療の価値を考える時代に
高校時代、通っていた塾の先生が朝日新聞「私の視点」のコピーをくださった。金沢大学名誉教授・河崎一夫先生による2002年の寄稿である。「医学を選んだ君に問う」と題したこの文章の中で、河崎先生は目の前の患者を助けること、医学研究に打ち込むことが医師の歓びだと述べていた。私は心打たれ、医学部を目指し受験勉強に邁進した。

しかし時代は変わり、医療を持続的に提供できる体制を作ることもまた、医師の重要な仕事になった。病院が倒産したら、困るのはその地域の患者さんだ。医療費が元で日本が潰れてしまったら、それこそ本末転倒である。

これは、もはや病院の経営者だけが考えれば済む問題ではない。医師一人ひとりが、社会における医療の価値とはどれほどのものなのか、謙虚に考えていくべきだ。



http://www.huffingtonpost.jp/kana-yamamoto/one-year-after-matching_b_8859720.html
マッチングから一年が経って
山本佳奈
滋賀医科大学医学部医学科
投稿日: 2015年12月22日 20時02分 JST  ハフィントンポスト

日本の医学部生は、6年生という最終学年になると、大きな山場を3つ迎える。マッチングと卒業試験と国家試験だ。一部の大学では、卒業試験を廃止している大学もあるが、ほとんどの医学生は、全ての山場をクリアし、晴れて初期研修医となることが出来る。

さて、今年も山場の一つである「マッチング」が終わった。それがどんなものなのか、後ほど説明するとして、叶うならば「マッチング」という言葉は、聞きたくない。だが、一年前のマッチングがあったからこそ、私は南相馬市立総合病院に来ることができた。南相馬の初期研修医だからこそ経験できていることは、数え切れない。だからこそ、マッチングから一年が経った今思うことを正直に書きたいと思う。

まず、「マッチング」についてご説明しよう。マッチングとは、いわば「お見合い」のようなものだ。医学生は6年生になると、初期研修病院として希望する病院に順位をつけて登録する。病院は、ぜひ来て欲しいと思う医学生に順位をつけて登録する。医学生と病院の希望を組み合わせることで、初期研修先の病院を決定していく。一般的なお見合いは、一度会いましょうと約束したとしても、その約束を解消することは可能だが、医学生と病院のマッチングの場合、そうはいかない。一度マッチしてしまえば、その病院に行かねばならない。

私も昨年、そんな病院と自分とのお見合いに参加した。私は、行きたいと思える病院をどうしても複数見つけることが出来なかった。希望しない病院を書いたとして、万一マッチすれば行かないといけないと思うと、希望する病院を複数書くことが出来なかったからである。さて、結果はどうだったか、というと惨敗だった。惨敗といっても、1つの病院しか希望しなかったので、単にその病院と相性が悪かっただけなのかもしれないが、うまくいかなかったことに変わりはない。

根拠なくマッチすると思い込んでいた私は、失敗という事実を突きつけられた瞬間、地獄へ落とされてしまった。いささか言い過ぎかもしれないが、そう思ってしまった。落ち込み途方に暮れつつも、いろんな病院に電話をかけては断られることを繰り返している矢先、南相馬の初期研修医の枠が一枠あいていることを知った。「今南相馬に行かないと、きっと行くチャンスはないだろう」と思い連絡した。すると、あれよあれよという間に、話が進み、面接の当日には採用が決まった。そんな紆余曲折を経て、私の南相馬での初期研修医生活は幕を開けた。

初めは、学生生活とは一変した、社会人としての生活に慣れることで精一杯だった。大学生なら遅刻してもいささか問題はないが、研修医はそうはいかない。医師であると同時に社会人としての自覚を持って行動することを要求される。そんな生活が、春休みが終わった瞬間突如として訪れたのだから、戸惑いがあったことは否めない。

それに、生まれ育ったところとは異なる環境に、私の体はなかなかついていってくれなかった。気候の違い、空気の違い、言葉の違い、全てが知らない世界だった。もちろん、病院の勝手も全然分からない私は、やることなすこと足手まといで上手くいかず、歯がゆく思う日が続いた。だが、新生活から二ヶ月が経ったころだと思う。ふと外の景色を眺められるようになった。もう春じゃなくなっている‥。そう思ったことを今でも覚えている。

その頃からだろうか。南相馬で研修することの意味を考えるようになった。初期研修医として身につけるべき技術や知識はたくさんある。採血、ルート確保、挿管、エコー、抗菌薬、輸液、心電図‥。これらはほんの一部に過ぎないが、研修医が学ぶことは必要最低限である。だが、こうした知識を身につけるためだけであれば、わざわざここに来る必要はない。他の施設では得ることのでいない何かを、自分のものにしなければ来た意味がない。

そう思うようになった時、いくつか気付いたことがある。まず、この病院には活気があるということだ。医師数全体の三分の一を若手が占めている。そんな若手を中心に、臨床も研究も共に頑張ろうという雰囲気がここにはある。

臨床の現場では、常に患者さんと向き合う。外来でも病棟でも手術室でもそうだ。臨床の現場で、常に医師として患者さんと向き合い、どういう治療が最も適切なのかを考える。そうやって、日々臨床の現場の最前線に立つと同時に、ケースレポートの作成や国内外の学会発表のための勉強をする。病棟業務と並行して研究を行う先生も少なくない。

週に一度、朝の7時から若手中心の勉強会も、夏から始まった。最新の論文を読む日もあれば、何かしらのトピックについてプレゼンする日もある。勉強会やろうよ、と声がけしてくださる先輩や、困った時や分からないことがあれば、すぐに相談できる先輩がいることは本当にありがたい。と同時に、自分が来年にそんな先輩になれているのかと考えると、焦りが次第に募ってきていることも否めない。

二つ目は、南相馬というコミュニティに入って医療を行っているということだ。南相馬にある全仮設住宅対象に2ヶ月に一度開かれている仮設講話は、震災後から今も継続して行われている。「先生の講話をいつも楽しみにしています」と、今もなお仮設住宅に住居を構えるおばあさんが言っていた。及川友好先生が、震災後ずっと継続して仮設講話をなさっているからこそのお言葉だったと思う。

さらに、避難指示解除準備区域にある小高病院で、非常勤医師として診療を行っている先生もいれば、往診を行っている先生もいる。「こんにちは。今日もお変わりないですか?」と先生が声をかけると、患者さんが安堵したような表情をなさるのがとても印象的だったことを覚えている。南相馬という地域に根ざし、コミュニティに入り日々診療している先生がいる。地域に根ざした医療がここにはあるのだ。

三つ目は、この病院に人が集まってきているということだ。震災後には4名まで減った医師も、現在は30名になった。来年には、マッチングで決まった4人の初期研修医が新たに加わる。彼らの出身の大学は、千葉、東京、奈良、北海道だ。全国からぞくぞくと南相馬に集まってきていることが見てとれる。加藤茂明先生もその一人だ。月に一度、分子生物学についての講義をしてくださる。基礎的なことから、疾患に関与すること、さらには最新のトピックスまで、講義内容は幅広い。生物学の観点から医学を教わることはとても新鮮であり、勉強になる。このような機会は本当にありがたい。

さらに興味深いことに、海外からも人が集まりだした。10月から当院に就職したアメリカ人の研究者のクレアとは、ルームシェアをしている。彼女は南相馬で生活し、南相馬の住民のためになる研究をしたいという。日本語が堪能の彼女は、すぐに病院に溶け込んだ。みんなの英語教師でもある。11月には、ネパール人の医師アナップが一ヶ月間研修を希望してここにやってきた。異なる価値観を持つ者どうしの国際交流が、南相馬でどんどん進んでいる。

四つ目は、「あらゆる視点から物事を観る」ことの重要性を教えてくれる環境が、ここにはあるということだ。私は、このことが最も重要だと考える。

東日本大震災は、南相馬に今もなお大きな問題を残したままだ。地震、津波、原発‥。いろんな立場や境遇の人がたくさんいるなかで、これらを解決するのは一筋縄ではいかない。「なぜこの人はこう言っているのだろうか」と相手の立場や考えを理解し、尊重しながら一つ一つ解決していくしかない。医療だって同じだ。

みながそうとは言わないが、医療者は往々にして、社会から医療を切り離して考えがちだ。病気を治すことが最優先であるがゆえ、病気だけを診てしまうことは仕方のないことなのかもしれない。だが、それだけでは根本的な解決にはならない。特に南相馬は、震災を契機とした背景をお持ちで病院に来られる患者さんは多い。

「震災後からかしら‥咳がよく出るようになってね‥。」や、「震災後、手足がしびれるようになって、どこの病院にいっても原因はわからないといわだ‥」といった具合に、「震災をきっかけに発症した」なんて訴えを聞くことは珍しくない。家族が避難してしまったためにたった一人で南相馬に残るお年寄りもいれば、震災復興のための作業員として赴任しにきている人もいる。

色んな事情を抱えた人が色んな所から来ている。だからこそ、病気だけを診るのではなく、患者さんの社会的な背景や家族構成、考え思い、抱えている問題や不安などの精神面、といったあらゆる視点から患者さんを診ることが大事となる。震災を経験した場所だからこそ、必要不可欠な視点ではないかと私は考える。研修医としての経験を南相馬で積んでいくかたわら、こうした物の見方を学べる機会は、本当に貴重だと思う。そして、そのような環境で研修できていることを、本当にありがたく思う。

冒頭にも書いたが、「マッチング」という言葉を未だに聞きたくないのは事実だ。だが、南相馬を選択したことを後悔はしていない。私は、ここでしか得られない経験を、半年ですでにたくさんさせていただいた。それに、ここに来ないと会えなかった多くの人に出会えたことは、私の財産だと思う。指導医の先生はじめ、病院のスタッフや事務の方々のおかげだ。特に、研修担当の事務の鈴木悦子さんは、時に厳しく、時に優しく、常に研修医のことを気にかけてくださる。研修だけでなく、身の回りのことから精神的なことまで、お世話になりっぱなしだ。改めて感謝申し上げたい。

来年は、後輩が4名も南相馬に来てくれる。震災5年目という大きな節目を迎える年でもある。研修を通して、南相馬でしか得ることの出来ないものを自分のものにできるよう、努力し続けたいと思う。

(2015年12月14日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151222-037370.php
志ある若い医師集う 医療最前線、南相馬市立総合病院・山本さん
2015年12月22日 10時36分 福島民友新聞 

 「地域と医療は切り離すことができないことを知った。今、医療の本質を経験している」。南相馬市立総合病院の研修医山本佳奈さん(26)は4月から、同病院で医師としての一歩を踏み出した。大勢の患者で待合室が混雑する地方の中核病院の現実。人員不足でも患者の命を守るために懸命に働く先輩医師の姿に「医療の原点」を見ている。

 滋賀県生まれ。今年の春、滋賀医大を卒業した。大学卒業後2年間、医療現場で指導を受けながら臨床研修を行う医療機関に南相馬市立総合病院を選んだ。

 「若い医師が集まっていると聞いていた。行けるのは、今しかない」。先端医療設備や病床数、福利厚生などが充実した都市部の病院も選択肢にはあった。最終的には震災、原発事故後に復興支援など「さまざまな志を抱いた医師が集う病院」であることと、医師としての思いが重なった。

 産科医を志す。これまで消化器科、神経内科、麻酔科など各診療科での臨床研修を受けてきた。「病院がコンパクトだけに先輩医師との距離が近く、相談に乗ってもらえる」。周囲からの身近なサポートに感謝する。研修医に医療現場で経験を積ませる環境づくりが、意欲ある若者の思いに応える。

 来年度の臨床研修病院と医師のマッチング結果で、南相馬市立総合病院には定員の1.5倍の希望があった。自身の進路については「臨床研修期間が終わっても、何らかの形でこの病院に携わっていきたい」と話す。

 県内の多くの病院で募集定員と希望者数に隔たりがある中、南相馬市立総合病院の人材育成や学生への発信力、地方創生といった課題へのヒントが浮かぶ。


  1. 2015/12/23(水) 06:52:52|
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