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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2015年12月31日

Google Newsでみる医師不足 2015年12月31日
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Doctor Shortage Worsens, Particularly In Southern States
Forbes‎ - 2015年12月29日 (USA)
There are 91 active primary care physicians per 100,000 population in the United States, but there needs to be more if Americans are going to get the right care, in the right place and at the right time, a group representing the nation's medical schools and teaching hospitals says in a new report.

The Association of American Medical Colleges (AAMC) this week released its annual physician workforce report, which looks at the supply and makeup of U.S. physicians, as well as the general expanding state of graduate medical education in the U.S. The report drew on data that includes information from AAMC researchers as well as the American Medical Association’s “Masterfile.”


New laws to ease doctor shortage see long delays, criticism
Yahoo News‎ - 2015年12月12日 (Missouri, USA)
JEFFERSON CITY, Mo. (AP) — A new Missouri law offered a first-of-its-kind solution to the physician shortage plaguing thousands of U.S. communities: Medical school graduates could start treating patients immediately, without wading through years of traditional residency programs.

Following Missouri's lead, similar measures were enacted in Arkansas and Kansas and considered in Oklahoma. The idea appeared to be a new model for delivering medical care in regions with too few physicians to meet needs.

Yet more than 18 months after that first law passed, Missouri regulators are still trying to make it work. And not a single new doctor has gone into practice in any of the three states as a result of the new laws.


Local organizations working to fix Meaford family doctor shortage
Simcoe.com‎ - 2015年12月22日 (Ontario, Canada)
“Yes, we have a shortage of family physicians. Dr. Weiss has now retired, and we do not believe all of Dr. McCall's patients had yet been picked up. We also have another physician who is likely going to be leaving at the end of the year,” she said. “We also do not have numbers, but we believe we could take on two more doctors and have sufficient patients to keep them occupied.”


Easing Nevada's Doctor Shortage
KTVN‎ - 2015年12月15日 (Nevada, USA)
They say this office will serve as a "center for engagement" between the physicians who work at Renown and UNR professors, and especially the students who are considering a career in medicine. There's an urgent call for something like this: Nevada's alarming shortage of doctors and nurses. Rochier calls it "A real problem, and it’s a serious problem. Depending on which survey you look at, we rank somewhere between 38th and 47th in the country in physicians per capita."

Especially primary care doctors, and nurses. Dr. Rochier has been in the medical field for 40 years now. He says he's never seen a shortage like this. UNR's Melissa Piasecki, an MD who serves as an executive associate dean told us, "We only have a few residency programs, and many of our students have to go out of state to get the training and specialty they want.".


Lawmaker touts Cuban medical school as fix for rural doctor shortage
Charleston Post Courier‎ - 2015年12月5日 (North Carolina, USA)
Just north of Greenville, farmers in rural Henderson County grow 65 percent of all the apples in North Carolina — the seventh largest aggregate crop in the country. The Ginger Golds and Pink Ladies, the Honey Crisps and more than a dozen other varieties peak on their own schedules from August through October, which is just to say that a lot of migrant apple pickers walk into the low-income clinic where Dr. Kari Koch works each fall.


(他に10位以内のニュースは、米国:全米、モンタナ州、カナダ:ブリティッシュコロンビア州(2)、マニトバ州などからも)


  1. 2015/12/31(木) 09:23:07|
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12月30日 

http://mainichi.jp/articles/20151230/ddl/k10/040/036000c
群馬大病院
術後患者死亡「マンパワー不足」 事故調 /群馬

毎日新聞2015年12月30日 地方版 群馬県

 群馬大医学部付属病院で同一医師による肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、医療事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は29日の記者会見で「マンパワーがきわめて不足していた」と病院の診療体制が十分でなかった可能性に触れた。日本外科学会に委託した医学的調査の対象は2007〜14年度、手術後に死亡した64例で、他の医師14人による34例も含まれていた。来年4月をめどに報告書をまとめる予定。

 京都市で記者会見した上田委員長によると、対象は旧第1、2外科の計15人が行った消化器外科手術約6700件中、術後に院内で死亡した64例で、「全てに問題があったわけではない」。旧第2外科の肝胆膵(かんたんすい)チームだった男性医師(3月に退職)による腹腔(ふくくう)鏡手術8例など30例も含む。

 日本外科学会の検証委は約50人で構成され、部位別に九つの小委員会を設置。24日の第1回会合で64例中13例を除外し、今後、男性医師による30例を含む残り51例について、遺族の了解を得て手術前後の記録を精査する。男性医師にも聞き取り調査するとみられる。

 また、事故調は20日、男性医師からヒアリングを実施。男性医師は、死亡症例検証会が開かれていなかったことを認めた一方、「患者の容体変化や死亡は毎日、外科内の引き継ぎとして情報共有されていた」という趣旨の話もしたという。【尾崎修二】



http://news.livedoor.com/article/detail/11012525/
現役医師が明かす「医者が行きたくない病院を見た目で判断する方法」
2015年12月30日 9時38分 マイナビスチューデント

8日に放送された「まさかソコなん?」(関西テレビ)では、各分野のプロが見た目だけで、その善し悪しを見分けている判断基準を暴露。その道のプロは、素人ではわからない目で判断をしていることが明らかになった。

現役医師が明かしたのは、「見た目でわかる、行きたくない病院」まず、医師がひとりでやっている町医者の場合は、簡単にわかるそうで、それは看板。

おおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎医師によると、何種類もの科が書いてある病院は行きたくない病院だとか。

医師免許を取得すれば、どの「科」でも掲げられる。町医者の場合、需要があるため内科を表記することが多いが、決してその医師が内科専門とは限らないという。

大竹医師によると、実は、2番目に書いてある科が、専門の場合にしていることが多いとか。風邪の症状はひとつではない。安易に風邪と診断して薬を処方する医師は危険だ。逆に、ひとつの「科」のみ書いてある病院は、自信がある証拠だそう。病院に入る前に、まず看板をチェックしよう。

次は、歯医者。丸橋全人歯科の丸橋医師は、「私だったら行きたくない歯医者はすごく多いんです」という。

丸橋医師は、「行きたくない歯科医院の本棚には、多くの場合、ゴルフの本がたくさんあります」とのこと。
待合室に並べてある本で、その医師がどういう思考なのか傾向がはっきりわかる。握力を使うスポーツをすると、手の繊細な作業に支障が出て、震えが出たり、固定がきかなかったりすることがある。

歯科医師は、手先を使って繊細な治療をする。雑な治療をされないためにも、歯科にかかるときには、待合室をチェックしよう。

そしてもうひとつチェックしたいのが、待合室にある表彰状。感謝状がたくさん飾ってある歯科医にはいきたくないという丸橋医師。

感謝状や表彰状は、講演に参加したり、学会に参加したり、登録するだけでも、貰えるので手に入れるのは簡単。そのため、感謝状がたくさんあっても意味がないとか。

しかし、その中に「認定書」がある場合は別。「認定書」は、優秀な医師にのみ与えられる場合があるため、優れているかどうか判断基準になる。

今や、コンビニよりも多い歯科医。
サービスが過剰になっているが、やはり医師の技術が一番大事。どの病院を選ぶか迷ってしまったら、以上のような目で判断してみてはどうだろうか。



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2015/1230038104/
【2015年 私の5大ニュース】
新春特別企画 2015年私の5大ニュースと2016年の抱負

(日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長 木戸 道子)
2015.12.30
 2015年はどのような年だったでしょうか。医療を必要とする人々を支援すべく,奔走を続ける先生方も多いことと思います。一方,第三者機関による医療事故調査制度の開始,次々と現れる新薬とジェネリックの躍進など,医療を取り巻く環境の変化を感じる出来事も相次ぎました。Medical Tribuneは医療関係者と医療・医学の最新情報をつなぐ架け橋として,鋭意活動を続けていきます。本企画では魅力あるコンテンツづくりに多大な貢献をいただいている,さまざまな診療科・領域でご活躍の先生たちに,2015年の5大ニュースと2016年の抱負としてそれぞれの身の回りに起こった変化や展望を語っていただきました。

1. 産婦人科医不足は改善せず

 分娩取り扱い施設の減少,出産年齢の上昇,ハイリスク妊婦の増加などを背景に、少子化にもかかわらず勤務先ではお産が増加しており,2012年以来は年3,000件超が続いている。全国的な産婦人科医不足で,自分の夜間休日の勤務もまだ続きそうである。元気で仕事ができることに感謝し,母子の大切な命を預かる仕事を次代に継承していきたい。

2. 妊娠出産育児マンガ本の発刊

 診療のかたわら,マタニティ・育児雑誌の記事監修や,妊娠出産育児情報をまとめた「Baby+」の執筆協力などに携わった。気軽に読める「マンガ解説 よくわかる!妊娠と出産」(学研)も4月に発刊した。妊産婦さんやご家族の参考になるとよいのだが。

3. 女性ヘルスケアアドバイザープログラムに参加

 知識を整理して新しい情報を学ぼうと日本産科婦人科学会主催の「女性ヘルスケアアドバイザープログラム」に申し込んだ。医学的なことのみならず女性の貧困やDVなど社会問題にも対応した盛りだくさんの内容に毎回感動。全国から集まった産婦人科医が熱心に聴講している姿にも励まされた。女性の生涯にわたる健康支援がさらに進んでいくことが期待される。

4. 「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」報告書が公表される

 昨年(2014年),厚生労働省に設置された懇談会に構成員として参加してきた。今年1月に報告書が公表され,資料は厚労省のホームページで閲覧できる。離職防止のための支援策のみならず,指導的立場となる人材の育成に向けて一段進んだ施策が求められている。課題は山積しているが,取り組みを継続していくことが大切である。

5. 医療勤務環境改善支援へ動き出す

 医療介護総合確保推進法に基づき,全国で医療勤務環境改善支援センターの設置が進んでいる。厚労省「医療分野の勤務環境改善マネジメントシステムに基づく医療機関の取組に対する支援の充実を図るための調査・研究」に参加し,実施における課題について検討を行っている。秋からは社会保障審議会医療部会委員の重責も担うことになった。医療者の過重労働が改善し医療安全が向上していくことを願っている。
2016年の抱負

 診療やさまざまな担当業務で忙殺されがちだが,出会いを大切にし,家庭や職場などで温かく見守ってくれる人々に感謝しつつ,地道な活動を続けていきたい。



http://gigazine.net/news/20151230-human-3-0/
無料で人体の構造を立体的に隅々まで確認できる3D解体新書「HUMAN 3.0」レビュー
2015年12月30日 12時00分00秒 GIGAzine

普段は皮膚に覆われて見ることのできない骨格・内臓・筋肉・神経などの人体構造を、3Dグラフィックで好きなだけ見ることができるブラウザ版の解体新書のようなウェブサイトが「HUMAN 3.0」です。病気を患った時に自らの体内について勉強したい患者や、人体構造の知識が必要な介護士、医療系の学生・教師から本職の医者から単に人体構造に興味のある一般ユーザーまで、誰でも無料とは思えないレベルで人体構造を学習できるとのことなので、実際に使ってみました。

HUMAN 3.0
https://human.biodigital.com/index.html

ブラウザからHUMAN 3.0にアクセスすると、トップページには男性の骨格模型が読み込まれます。

マウスでドラッグすると骨格模型の向きを変えることができ……

マウスホイールが縮小・拡大に対応。


調べたい部位をクリックすると、英語で部位の名称や説明が表示されます。

左側のメニューには「Skeletal System(骨格系)」「Ligament System(靱帯系)」「Digestive System(消化器系)」「Urinary System(泌尿器系)」「Respiratory System(呼吸器系)」などの項目があり、トグルボタンをオンにすると、該当部位が骨格模型に肉付けされます。

残りの「Endocrine System(内分泌系)」「Nervous System(神経系)」「Cardiovascular System(心臓血管系)」「Lymphatic System(リンパ系)」「Viscera System(内臓)」「Muscular System(筋肉系)」「Integumentary System(外皮系)」も全てオンにするとこんな感じ。人体の知りたい部位だけを表示できるわけです。

右下にある「Explorer」のアイコンをクリックすると、左側のメニューを非表示にでき、全画面で人体模型をチェックできます。


操作方法に慣れれば「口の中から外を見る」のようにピンポイントで普段は見られない人体の部位について勉強できるようになります。

右上のバーにある鉛筆アイコンをクリックすると、表示している人体を編集するメニューが出現します。「Transparency Mode」だと人体の全ての部位を透明にすることができ……

メスアイコンはクリックした部位を削除することができ、半分人体模型を作り出すことも可能。

人体の一部分のみのプリセットは「Featured」から表示することができますが、いくつかの項目がロックされています。これらは有料のプレミアムアカウントに移行すると閲覧可能になります。

ウェブサイトやブログに自分が見ていた部位をウィジェットにして埋め込むことも可能で、右上の埋め込みアイコンから「GENERATE CODE」をクリックすると……

埋め込み用のHTMLタグが生成されました。これをHTMLエディタに貼り付ければOKです。

実際に埋め込みを表示すると以下のような感じ。複数人に同じ人体パーツを共有できるため、同じ勉強を行っているグループ内などで活用できそうです。



http://mainichi.jp/articles/20151230/k00/00m/040/076000c
化血研
業務停止110日 厚労省処分、1月上旬にも

毎日新聞2015年12月30日 07時45分(最終更新 12月30日 07時45分)

 熊本市の一般財団法人「化学及(および)血清療法研究所」(化血研)が、国が承認していない方法で血液製剤を製造していた問題で、厚生労働省が化血研に対する業務停止処分の期間を110日とする方針を固めたことが関係者への取材で分かった。医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく業務停止処分としては過去最長という。

<化血研>「最初は試験的」元理事長、隠蔽認識は否定
<化血研>無届けでボツリヌス毒素運搬

 厚労省の業務停止処分の最長はこれまで、抗ウイルス剤「ソリブジン」の臨床試験で発生した死亡事例を国に報告しなかったなどとして、1994年に製造元の日本商事(当時)に出した105日。

 厚労省は既に処分内容を化血研に伝えており、弁明を聞いた上で早ければ1月上旬にも処分する。

 厚労省は5月に化血研を立ち入り検査し、献血で作る血液製剤が国の承認と異なる方法で製造されていることを確認した。

 化血研の第三者委員会の調査で不正は遅くとも1974年から続き、12製品の31工程で無断で添加物を加えるなどしていたことが判明。国の査察で不正が発覚するのを免れるため、承認通りに作ったとする虚偽の記録を作成するなどしていた。

 厚労省はこうした隠蔽(いんぺい)工作を特に悪質と判断。「医薬品の製造販売業の許可取り消しに相当する事案」として検討し、業務停止処分にする方針を固めていた。化血研のシェアが高い血液製剤やワクチンは処分の対象から外す予定。

 化血研の不正製造で健康被害は確認されていないが、塩崎恭久厚労相は「組織的に長期間にわたって監督当局をだましてきた。健康被害が出ようが出まいが関係ない」と厳しく処分する考えを示していた。【古関俊樹】



http://mainichi.jp/articles/20151231/ddm/016/040/003000c
戦後70年・日本のサイエンス
医療の進歩、変わる死生観 延命最優先から患者の意思尊重へ

毎日新聞2015年12月31日 東京朝刊

戦後、病院で亡くなる人が増えたが、最後の時を過ごす場所は多様化している=千葉県内のホスピスで宮間俊樹撮影


 戦後、衛生状態が改善し、高度な医療が誰でも受けられるようになったため、日本は世界有数の長寿国となった。一方、脳死や延命治療などを巡り、新たな問題も起きている。技術や医療の進歩は、日本人の生と死をどのように変えてきたのだろうか。【下桐実雅子】

 ●感染症に抗生物質

 戦前、日本人を苦しめてきたのは感染症だった。結核は「国民病」として恐れられ、1918年から世界中で大流行したインフルエンザ(スペイン風邪)では、国内で38万人の死者が出たと報告されている。

 長く死因の上位を結核や肺炎、胃腸炎が占めていたが、戦後、抗生物質の普及により感染症で亡くなる人は激減し、平均寿命は延びていく。61年には、国民皆保険制度が整い、誰もが薬や医療技術の恩恵を受けられるようになった。感染症に代わって、脳卒中やがん、心臓病が死因の上位に浮上した。

 60〜70年代には、口から食事が取れなくなっても、血管に栄養を注入して長期生存できる「中心静脈栄養(高カロリー輸液)」と呼ばれる技術が開発された。駆け出しの医師として大学病院の外科に勤務していた東京都小平市の山崎章郎(ふみお)さん(68)=ケアタウン小平クリニック院長=は「抗がん剤の種類が限られ、がんは切るしかない時代。根本治療ができなければ、少しでも命を延ばすことが最優先された」と振り返る。

 病院での死の迎え方に一石を投じてベストセラーになった山崎さんの「病院で死ぬということ」(90年)の中には、臨終を迎える人への蘇生術の様子が生々しく描かれている。「呼吸が停止し、心臓が停止しそうになったとき、医師たちの一人は人工呼吸を開始し、一人は心臓内に強心剤を注入するや即座にベッド上に飛び上がり、患者にまたがると、全身の力を込めて心臓マッサージを開始した」。できる限りの治療を求める社会のニーズに応えた結果でもあった。

 ●「病院死」50%超える

 77年、日本人の亡くなる場所は病院が自宅を抜き、79年には「病院死」が50%を超えた。山崎さんは「病院で迎える死は、その過程が医学的に管理されており、家族が入る余地はない。病名の告知もタブーの時代、患者本人は自分がなぜ死ぬのかを知らされず、その意向が反映されることはなかった」と語る。

 大阪では77年、終末期医療のあり方に関心を持つ医療関係者が集まり、「日本死の臨床研究会」が発足した。終末期医療に詳しいノンフィクション作家の柳田邦男さん(79)は「研究会はその後のがん医療の転機となった。死を陰に置くのではなく、表に出してしっかりと向き合い、患者がその人らしく、最期まで納得して生きられるよう支援することを目指した」と話す。

 ●終末期の関心高まる

 80年代には、全国的にも安らかな最期を目指す「ホスピスケア」「ターミナルケア」が注目された。81年、聖隷三方原病院(浜松市)に国内初のホスピスが開設され、3年後には淀川キリスト教病院(大阪市)にもできた。

 抗がん剤など、がん治療の効果を判断するのに、「Quality Of Life」(QOL、生活の質)の視点が入り始めたのもこのころだ。東京大特任教授の清水哲郎さん(68)=死生学・倫理学=は「『治療で命が延ばせるか』だけではなく、快適に過ごせるのか、人生の中身を考えようという動きが出てきた。QOLを大事にするホスピスケアと同じ流れだった」と語る。QOLという考え方は、がんがモデルとなり、その後、高齢者の医療に広がった。

 市民の中でも「生と死」を考える活動やホスピス設置を求める運動が全国に広がった。90年代に入ると、「病院は本来、治療の場だ」と考える医師たちが、家に帰ることを望む患者を住み慣れた自宅でみとる在宅医療の試みも、各地で目立つようになった。

 また91年、東海大病院の医師が58歳の末期がん患者に薬物を投与して死なせる事件が起こり(のちに殺人罪が確定)、終末期の医療への社会の関心が高まった。死期が迫った時に延命治療を拒否する意思をあらかじめ文書で示す「リビングウイル」の普及を進めていた「日本尊厳死協会」の会員数はこの事件後、急増した。2004年と06年には、北海道立羽幌(はぼろ)病院と射水(いみず)市民病院(富山県)で末期がん患者らの人工呼吸器を取り外して死なせたことが発覚した。

 こうした多様な動きが広がって、がんや難病に対する死生観が変化し、死を表に出して議論する「死の社会化」が起こったと、柳田さんは分析する。「一人一人が自分の死の迎え方や死を前にした時、いかに生きるかを考えるようになり、実際にその状況も変わってきた」。死に直面した人たちが人生の意味や死への考えを社会に発信する闘病記が増えたことも、大きな影響を与えたという。

 ●「脳死」の概念生まれ

 一方、人工呼吸器の普及は、心臓は動いていても脳の機能が失われ元に戻らない「脳死状態」という新たな概念を生み出した。68年に札幌医科大で和田寿郎教授(当時)が行った国内初の心臓移植は、提供者が本当に脳死だったのかが疑われ、大きな問題になった。その結果、日本では移植医療は長く停滞したが、85年、厚生省(現・厚生労働省)の研究班が新たな脳死判定基準(竹内基準)を発表し、再び議論に上った。

 90年、首相の諮問機関・脳死臨調(臨時脳死及び臓器移植調査会)が設置され、「脳死は人の死か」を巡って、33回の会合で大激論が展開された。92年に当時の宮沢喜一首相に手渡された最終答申は、脳死を「人の死」とし、脳死者からの臓器移植を認めたが、人の死とすることに反対の梅原猛氏ら4人の少数意見が併記される異例の内容だった。参与として議論に参加した東京大客員教授の米本昌平さん(69)=科学史=は「医師の専権事項だった脳死の判定が社会に引きずり出されてコントロールできなくなり、政治的なテーブルができた」と話す。

 しかし、答申から臓器移植法が97年に施行されるまでは5年の月日を要した。2010年の改正法施行で15歳未満や家族同意での臓器提供も認められるようになったが、脳死は今なお、「死とは何か」という問題をわれわれに突きつけている。

 人工呼吸器は、難病患者の医療も大きく変えた。全身の筋力が徐々に低下する進行性の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者は、呼吸にかかわる筋力も低下するため、生きるためには人工呼吸器が欠かせなくなる。80年代から在宅でも人工呼吸器を使えるようになり、その後、健康保険の適用にもなった。

 しかし、人工呼吸器を使うALS患者は国内で3割にとどまる。ALSの母を10年以上、在宅で介護した経験がある川口有美子さん(53)=NPO法人さくら会副理事長=は「呼吸器をつけて20年以上生きる人もいる。延命ではなく人生そのものだ。しかし、療養の場が家になり、介護してくれる人がいないと生きられない」と指摘する。

 今、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った難病治療や再生医療に大きな期待がかかる。それが実用化したとき、日本人の死生観はどう変わるだろうか。(このシリーズは今回で終わります)
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http://biz-journal.jp/2015/12/post_13094.html
連載  不要ながん治療が患者を殺す?
がん診断の9割は間違い?治療やめたら治る例も

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
2015.12.31   Business Journal

 1年がもう少しで終わりますが、今年も芸能界やスポーツ界では多くの人ががんで亡くなりました。すぐに頭に浮かぶ名前を挙げても、歌舞伎役者の坂東三津五郎さん(すい臓がん、59歳)、俳優の今井雅之さん(大腸がん、54歳)、フリーアナウンサーの黒木奈々さん(胃がん、32歳)、女優の川島なお美さん(肝内胆管がん、54歳)、大相撲理事長の北の湖敏満さん(大腸がん、62歳)と多数に上ります。
 もちろん一般の人でもがんで亡くなっているケースは非常に多く、我が国では統計上3人に1人ががんで死亡しています。また、がんを発病している人は2人に1人といわれています。これは、国立がん研究センターが2014年に発表した、男性の60%、女性の45%ががんを発病しているというデータに基づいています。
 ところで、一括りにがんといっても、それらにはさまざまな状態があり、本当にがんといえるのか疑われるケースも多いようです。『医者に殺されない47の心得』(アスコム)の著者である近藤誠医師(元慶應義塾大学医学部講師)は、がんと診断されているケースの多くは「本当のがんではない」、すなわち“がんもどき”であると指摘しています。特に、乳がんと前立腺がんの9割以上は、がんもどきであるといいます。

がんと腫瘍の違い

 がんとは悪性の腫瘍のことです。腫瘍は正常な機能を失った細胞の塊で、悪性とそうではないものがあり、悪性でない場合は単なる腫瘍です。ちなみに医学界では、「良性腫瘍」という言葉がよく使われていますが、これは「良い腫瘍」とも受け取られ、誤解を招く恐れがあります。腫瘍は正常な機能を失った異常な細胞の塊ですから、「良いもの」ということはあり得ません。ですから、「良性」ではなく「悪性ではない」という表現が正しいといえます。
 腫瘍が生じる原因は、放射線、ウイルス、化学物質、紫外線などであることがわかっています。それらが細胞の遺伝子を壊したり変形させたりすると、細胞分裂の際に突然変異を起こし、異常な細胞になります。これは、本来の細胞の機能を果たすことができないものです。これが腫瘍細胞であり、その塊が腫瘍です。
 ただし、悪性ではない腫瘍は、それほど問題はありません。一定の大きさにとどまり、臓器を機能不全に陥れることはないからです。また転移することもなく、ほかの臓器を侵食することもありません。近藤医師は、この悪性でない腫瘍をがんもどきと呼んでいるのです。
 一方、悪性の腫瘍は際限なく増殖して正常細胞を侵食し、臓器を機能不全に陥れます。また、転移して他の臓器で増殖し、それも機能不全にします。その結果、人を死に追いやるのです。これが、がんです。
 腫瘍が悪性か悪性でないかを判断するのは、なかなか難しいようです。以前岩手県に行った際に開業医の方々と懇談する機会があったのですが、悪性かどうかを判断できるのか質問したところ、内科医は「判断できる」と答えましたが、脳外科医は「判断できない」と答えました。また、近藤医師も「がんの見極めは、とても難しい」と述べています。

がんではないのに、手術や抗がん剤で命を落とす?

 あるケースを紹介しましょう。知人の元テレビディレクター(男性、54歳)は、東京都内の大学病院で前立腺がんと診断され、検査のために肛門から金属の棒を入れられたところ、翌日から腰に激痛が走り、歩けなくなってしまいました。前日まで普通の生活をしていたにもかかわらずです。そのため、「このままではがん治療で死んでしまう」と考え、その後の治療を拒否しました。そして、自然食を心がけるようにしたところ、体調は回復し、がんは消失したとのことです。
 この知人の場合、実際はがんではなく、悪性ではない腫瘍だった可能性が高いといえます。前述のように近藤医師も、前立腺がんの9割以上はがんもどきであると指摘しています。
 さらに、肝内胆管がんのため54歳という若さで亡くなった川島なお美さんの場合も、本当にがんだったのか疑わしいとの声があります。実は川島さんは、近藤医師にセカンドオピニオンを求めていました。近藤医師は川島さんとのやりとりを、インタビューに答えるかたちで「文藝春秋」(文藝春秋/11月号)で述べています。それによると、川島さんは都内のある病院でのMRI検査で肝臓に2センチほどの影が確認されました。つまり、腫瘍が見つかったわけで、担当医に手術をすすめられたようです。
 しかし、その腫瘍は悪性か悪性でないかわからなかったため、川島さんは手術を拒みました。そして、近藤医師にセカンドオピニオンを求めてきたのです。
 近藤医師は、「川島さんがDVDに入れて僕のところに持ってきた検査画像では転移の所見は認められなかった」と述べています。がんとは、増殖を続けて正常細胞を侵食し、また転移して他の臓器をも侵食する腫瘍のことです。その意味では、「転移がない」ということは、がんではない可能性があるということです。
 そこで近藤医師は、ラジオ波焼灼術という治療法をすすめました。これは、ラジオ波を患部に照射してがんを焼き切ってしまうというものです。しかし結局のところ、川島さんはがんを切除する手術を受けて、その後亡くなってしまったのです。
 冒頭で述べたように、現在2人に1人ががんを発病しているといわれていますが、筆者の知人や川島なお美さん、また近藤医師の指摘を総合すると、それらの多くは実際にはがんではなく、悪性ではない腫瘍の可能性があります。それをがんと診断され、手術や抗がん剤の投与などによって、結果的に命を落としているケースが少なくないのかもしれません。
 健康診断などでがんと診断されても、その言葉を鵜呑みにせずにセカンドオピニオンやサードオピニオンを求め、悪性か悪性でないかを十分に確認する必要があるでしょう。そうしないと、取り返しのつかないことになりかねません。なにしろ直接生死にかかわることですから、慎重の上にも慎重を期すようにしましょう。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)



https://www.m3.com/news/iryoishin/387429
シリーズ: The Voice(医療)
オーストラリアの薬局解体新書~日本の保険薬局の今後を考える~ 第2回 医療制度および薬局を取り巻く背景

2015年12月30日 (水)配信 藤田健二


 創薬研究員、薬局薬剤師、学習支援・薬局研究部門のマネジャーを経て、シドニー大学大学院で薬学博士号の取得を目指す藤田健二先生に、オーストラリアの医療制度および薬局実務を読み解きながら、今後の日本の保険薬局のあり方について考察していただく本連載。第2回は、「医療制度および薬局を取り巻く背景」についてお話しいただきます。

かかりつけ医を中心としたプライマリケア・システム
 オーストラリアでは、日本の人口のわずか6分の1に相当する約2,300万人が、日本の約20倍の国土に暮らしています。さらに、内陸部は砂漠や草原が大部分を占めており、人口の多くは沿岸部に集中しているため、医療機関へのアクセスの容易さが住む場所によって影響を受けやすいという特徴があります。
 オーストラリアの医療保障制度は、税方式による国民皆保険制度を基本として、病院での診療部分をカバーするメディケアと、処方せん医薬品をカバーするPharmaceutical Benefits Scheme (PBS)によって支えられています。この2つの公的システムによって、患者の医療費負担を軽減していますが、対GDP総医療費は2012年で9.1%に達しており(日本は10.3%)、増大する医療費の抑制が喫緊の課題となっています。
 オーストラリアで医療機関を受診する場合は、一般医(General Practitioner/ GP)に電話をして予約を取ります。ただし、イギリスのような1人のGPをかかり医として登録する制度ではないため、受診するGPを自由に決定および変更することができます。GPは歯科を除く全ての診療科の疾患が対象。専門医や病院への受診は緊急な場合を除いてGPからの紹介状が必要なため、GPがプライマリケアにおけるゲートキーパーの役割を担っています。

医療機関と薬局の利用頻度
 2009年時点でのGPの人数は2万5707人で、人口10万人当たりのGP数は113人。参考までに、日本の診療所に従事している医師数は10万0544人(2012年)、人口10万人当たり79人です。また、オーストラリアでは、1人当たりの年間受診回数6.6回に対して(日本は13.1回)、薬局の年間利用回数は14回以上というデータがあります。
 なぜ、オーストラリアでは、医療機関の年間受診回数が薬局の利用回数の半分なのでしょうか。1番の要因は、オーストラリアではリピート処方せん(処方せん1枚で複数回に渡りGPを受診せずに薬局で薬を受け取れる制度)が導入されており、患者の症状と使用医薬品によっては最大12ヶ月間GPの診察を受けないからだと考えられます。しかし、それは同時に、薬局薬剤師も患者の薬物治療管理に相応の責任を担っていることを意味しています。

薬局が置かれている状況
 ここで、オーストラリアと日本の薬局が置かれている状況を3つの側面から比較します。
 まず、1薬局がカバーしている人口についてです(表1)。2012年時点でのオーストラリアの薬局数は5240店、1店舗が4100人をカバーしているのに対し、同年での日本の薬局数は5万5797店、1店舗が2300人をカバーしており、オーストラリアの薬局の方が1店舗当たり約1.8倍多くの住民をカバーしている計算になります。
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表1.人口と薬局数についての日豪比較

 次に、1店舗当たりの薬剤師数を見てみましょう(表2)。2012年時点でのオーストラリアの薬局薬剤師数は1万3451人(人口10万人当たり 59人)、日本の薬局薬剤師数は15万3012人(10万人当たり 120人)です。ただし、オーストラリアには、ファーマシーテクニシャン(テクニシャン)と呼ばれる調剤助手が薬剤師1人につき1~2人いるため、調剤業務を担う従業員数を日本と比較する場合、テクニシャンの人数もカウントする必要があります。薬剤師と同数のテクニシャンが勤務していると仮定して2職種の人数を合算すると、人口10万人当たりの薬局薬剤師とテクニシャン数の合計は119人となり、上述した日本の120人とほぼ同数になります。
 つまり、日本の薬剤師数は海外と比較して過剰だという話をときどき耳にしますが、薬局薬剤師とテクニシャンを合算した総数で比較すると特別過剰にはなりません。ここで取り上げた数字を用いて1店舗当たりの薬剤師(テクニシャン含む)の人数を比較すると、オーストラリアは6.6人、日本は2.7人となり、1店舗で調剤業務を担う従業員数はオーストラリアの方が2.4倍多いことが分かります。
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表2.薬局薬剤師数についての日豪比較

 最後に、1店舗当たりの処方せん応需枚数についてです(表3)。年間の処方せん枚数はオーストラリアでは2億7500万枚、日本では7億6000万枚であり、これを1店舗当たりの応需処方せん枚数(月間)に換算すると、それぞれ4400枚と1100枚に相当します。つまり、日本の薬局と比べて、オーストラリアの薬局の方が1店舗当たり約4倍多く処方せんを調剤している計算になります。
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表3.処方せん枚数についての日豪比較

 以上をまとめると、オーストラリアの薬局は、1店舗当たりの調剤業務を担当する従業員数は日本よりも2.4倍多いものの、日本よりも1店舗当たり1.8倍多くの住民をカバーして、4倍量の処方せんを応需していることが読み取れます。このような違いが生じる理由は、両国間に大きく3つの違いが存在するからではないかと考えています。
 1つ目は、調剤方法の違いです。オーストラリアでは包装単位で調剤を行うため、日本のように箱から薬を取り出してシートをハサミで切って輪ゴムでとめる業務がありません。服用方法などの必要事項が記載されたラベルを箱に貼って完了なので、ピッキング時間が短時間ですみます(写真1)。
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写真1.箱出し調剤の様子(筆者撮影)

 2つ目は、薬歴記載方法の違いです。オーストラリアでは、薬歴の記載が必須ではありません。ただし、患者と話をした結果、薬学的介入につながった場合は、決められた方法で記載する必要はあります。よって、このことも業務時間の短縮につながります。
 3つ目は、法規制の違いです。オーストラリアでは、日本のように薬剤師一人当たりの処方せん応需枚数に制限がないため、少人数でも多くの処方せんを応需することができます。また、オーストラリアでは、薬局の開設や移転に対して政府が厳しいルールを設けています。その結果、適正数の薬局が適切な位置に配置されており、全ての国民が平等に薬局へアクセスできることを可能にしています。
 このように、患者の薬物治療管理に悪影響を及ぼさない範囲での調剤業務の効率化と偏りのない薬局配置が、日本よりも少ない薬局数で多くの処方せんを応需することを可能にしていると考えられます。

オーストラリアは「コンサルタントファーマシスト」を活用
 今後、日本で、かかりつけ医による医療提供体制が構築されて医療機関の機能分化が進めば、大病院の前で林立している薬局数が減少するとともに、薬局の立地面での偏りも徐々に解消されていくと考えられます。今回取り上げたデータをもとに、将来的な処方せん枚数の伸びなどを考慮せず、単純に両国の人口対薬局数だけを考えると、日本は約3万1000店舗あればオーストラリアと同等のサービスが可能という結論になります。
 しかし、こうした単純な数値比較だけでは意味を持ちません。なぜなら、近年オーストラリアでは、薬局内での業務が忙しくて在宅や介護施設での活動ができない薬局薬剤師の代わりに、薬局外でのサービス提供を専門とする薬剤師「コンサルタントファーマシスト」が誕生しており、こうした動きは、日本が目指す健康サポート薬局とは異なる方向に進んでいく可能性があるからです。そのため、海外の薬局事情を日本と比較考察する場合、今回取り扱った定量的なデータだけでなく、薬局に求められる機能を含めて、さまざまな角度から考察する必要があります。

【主な参考文献】
Duckett, S., and Wilcox, S. (2015).The Australian Health Care System (5th ed.).South Melbourne,Vic: Oxford University Press.
Hattingh, L., Low, J. S., & Forrester, K. (2013).Australian pharmacy law and practice (2nd ed.).London: Elsevier Health Sciences APAC.
The Pharmacy Guild of Australia. (2015).Retrieved November 27, 2015, from http://www.guild.org.au/.

※本記事は、エムスリーグループが運営する薬剤師向け情報サイト『薬キャリPlus』で、2015年12月25日に掲載したものです。  https://pcareer.m3.com/plus/article/report-from-australia-2/

専門家プロフィール/藤田 健二(ふじた けんじ)
昭和薬科大学大学院卒業後、杏林製薬会社に入社、新薬の探索研究に3年間勤務。その後、薬樹株式会社の薬局薬剤師として3年、同社における社内外の学習支援・薬局研究のマネジメント業務に4年従事した後、渡豪。2015年6月、シドニー大学大学院臨床疫学プログラム修了。2016年3月より同大学院博士課程へ進学予定。35歳。



https://www.m3.com/news/general/387433
注射の痛み、塗り薬で緩和
2015年12月29日 (火)配信 毎日新聞社

 注射などの痛みで子どもが泣き叫び、手に負えなくて困ったという体験をもつ親は多い。つい最近、注射の痛みを感じなくさせる塗り薬が登場したが、医師の間でさえ認知度は低く、あまり普及していない。いったいどのような薬なのか。

 ●小児用局所麻酔薬

 この薬はエムラクリーム。皮膚に塗るクリーム状の局所麻酔薬(主成分はリドカインとプロピトカイン)だ。世界ではすでに70カ国以上で使われ、国内でも大人向けには使われてきたが、今年6月にやっと注射針を皮膚に刺すときの局所麻酔薬として小児用にも承認された。

 ●処置の苦労も減り

 東邦大学医療センター大森病院(東京都大田区)では10月から、子どもの採血や点滴挿入時、注射針を刺すときに苦痛が伴う検査処置時などでエムラクリームを使い始めた。以前は注射と聞いたり、針を見たりするだけで泣く子が多く、人形やおもちゃを持たせてあやすなど、処置の必要を説明し協力を求めるにも大変な苦労をしてきたという。

 しかし、「エムラクリームの導入後は、自発的に手を差し出す子どもまで出てきた」と看護師でチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)の原田香奈さん(38)は痛みや苦痛の軽減効果を話す。

 原田さんは「それにしても、日本でも子どもに使えるようになるまでの道のりは長かった」と感慨深げに話す。8年前、子どもや家族に心理社会的な医療支援を提供する専門職であるチャイルド・ライフ・スペシャリストの資格を取るため、米国の大学に2年半留学、オハイオ州の子ども病院で研修を受けた。

 そこで驚いたのが採血や点滴挿入時の光景だった。米国の病院では採血や注射などで子どもの皮膚に注射針を刺すとき、看護師たちは「これから痛みを取るために魔法のクリームを塗るよ」と言って腕に白いクリームを塗っていた。これが局所麻酔の塗り薬だった。日本と異なり、子どもたちが嫌だと暴れたり、泣き叫んだりする光景はほとんどなかった。

 それから8年。同大森病院では、子どもの腕からカテーテルを入れるときにも、腕に塗ってみたところ、通常の挿入時の痛みの度合いを8~10とすると、クリームを塗ったときの痛みは0~1の感じだと答えた。

 いまも緊張と不安で泣く子どもはいるが、注射針を刺す時の痛みを緩和できるようになった。4歳の子どもでも絵本を見ながら、「本当だ、痛くない」とエムラクリームの効果に驚いている。

 エムラクリームは以前でも、成人患者の血管腫や母斑の治療では皮膚へのレーザー照射時に使用が認められていた。注射時の痛みが嫌で病院へ行きたがらない子どもが多い現状があるだけに、同クリームの有効性などを研究してきたJR東京総合病院の花岡一雄名誉院長(日本麻酔科学会専門医)は「注射や点滴などで局所麻酔薬が乳幼児や14歳以下の小児にも使えるようになったことのメリットは非常に大きい」と今後、痛みの緩和に大きく貢献すると話す。

 クリームを使うときは注射針を刺す約1時間前に、腕など注射針を刺す部分に塗って、プラスチックフィルムで密封した状態にしておく必要がある。塗ってすぐに注射できないもどかしさはあるが、以前のように子どもが腕を出して落ち着くのを待ったり、処置の仕切り直しに時間がかかったりするのに比べると相当に楽だ。

 ●全国に普及を

 原田さんは「日本では痛みを我慢し、頑張ったらほめる文化がある。しかし、何度も採血が必要な子どももいるので、痛みを軽くする方法があるならば、痛みの我慢は必要ないはずだ」と全国の病院に普及することを願っている。【小島正美】



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シリーズ: The Voice(医療)
ドイツの薬局・薬剤師レポート 第1回 ドイツの医療制度と薬剤師を取り巻く環境

2015年12月28日 (月)配信 アッセンハイマー慶子

 ドイツでは2004年、増大する医療費を抑えるため大規模な医療制度改革が実施されました。これが薬局・薬剤師にとっての転機となりました。医療保険で償還される医薬品数の減少、保険請求薬価の見直し、OTC価格の自由化、支店の解禁(3店まで) など、ドイツの薬局は厳しい経営環境に置かれることになったのです。そのような中でも、「国民の健康を守る医薬品の専門家」というマインドを忘れず、業務の効率化とサービス・学術面の向上を図り、信頼される「行きつけ薬局」の地位を保つべく地道な努力を続けるドイツの薬局・薬剤師をレポートします。

ドイツの医療保険制度
 ドイツは皆保険制度を採用しており、国民の約9割が公的医療保険に加入し、約1割が民間医療保険を利用しています。公的医療保険の保険料は給与額の15%前後で、日本同様に労使折半ですが、扶養家族の保険料は徴収されません。
 また、一定給与水準以下の国民は公的医療保険に加入する義務があり、その給与水準は、2015年現在、月給4575ユーロ、年給で5万4900ユーロ(源泉徴収前)。加えて、公務員、自営業者、自由業者は給与額に関わらず民間医療保険に加入できます。

医療機関にかかるまで
 医師はホームドクター(主に総合医か内科医)、専門医と役割が明確に分担されており、国民はかかりつけのホームドクターを任意に選ぶことができます。
 軽い症状であれば、国民の7割はまず薬局に相談に行きます(ABDA統計より:IFAK Insutitut 2011調べ)。
 疾患の種類や症状によって異なるホームドクターを受診し、その後必要に応じて、ホームドクターに専門医を紹介してもらいます。受診に際して、初診料はかかりませんが、検査費は項目によって自己負担となる場合があります。
 ドイツは完全医薬分業のため、処方箋は全て院外に出ます。医師には調剤権がないので、医療用サンプルを除き、医薬品を患者さんに直接渡すことは許可されていません。

ドイツで薬剤師として働く
◆薬剤師になるまでの道

 ドイツでは22の大学に薬学部を設置しており、4年制(8ゼメスター制)を採用しています。2年次と4年次の終了時にそれぞれ国家試験があります。また、薬学生は2年次終了までに学期休みを利用して8週間の実務実習を行なわなければなりません。卒業後、1年間の実務実習を経て、薬剤師資格取得のための第3次国家試験を受けます。

◆ドイツの薬局、従業員数
 ドイツでは薬局は営利目的のためだけに経営されるべきでないという理念から、薬局開設者は薬剤師の資格が必要で、他資本や外国資本によるチェーン店経営を許可していません。
 2014年現在、ドイツ全土では2万441店の薬局があります(人口約4000人あたり1店の割合)。4万9821人の薬剤師が働いており、このうち女性の占める割合は71.3%。薬剤師の他にも、以下のスタッフが働いています。

薬学実習生 1467人
PTA(薬学技術アシスタント、いわゆるテクニシャン。実習生を含む) 6万1973人
薬剤師アシスタント、薬学エンジニア(両者旧資格で現在のPTAにあたる) 6543人
ヘルパー、PKA(薬学商業従事者。主に在庫管理を行う)、その他 3万2946人

 薬局数は2004年の医療改革後は増加傾向にありましたが、2008年の2万1602店をピークに減少し始めています。今後は統廃合が進み、各薬局が経営の効率化を図るだろうと言われています。(出典:Die Apotheke Zahlen Daten Fakten 2015)

薬局の業務
 ドイツでは医薬品を「要処方箋薬(Verschreibungspflichtig)」、「薬局指示薬(OTC, Apothekenpflichtig)」、「普通薬(Freiverkäuflich)」の3つのカテゴリーに分類します。
 このうち「要処方箋薬」と「薬局指示薬」は薬局でしか販売できません。原則的に大人へは「要処方箋薬」のみ、子ども(18歳未満)へは「要処方箋薬」と「薬局指示薬」が法定保険償還対象となります。ドイツの薬局は処方薬のみならずOTC、 医薬部外品、ホームケア用品、化粧品など、多くの品物を扱います。日本の調剤薬局とドラッグストアの両方の機能を合わせたような混合型です。
 そして薬局は、「速やかな医薬品供給」と「医薬品の有効性、安全性、品質の維持」を業務の2本柱とし、また、国民の健康を守る職務から、以下の業務を行っています。

・調剤業務
・OTC医薬品、サプリメントの相談販売
・介護施設、医院への医薬品供給
・処方された医薬品の配合禁忌・相互作用のチェック
・疑義照会
・輪番制の夜勤 (ひと晩に全国で約1400店の薬局が担当)
・血糖値、血圧の測定
・調剤用原料の確認試験
・製品情報、健康管理情報の提供
・副作用の関係当局への報告
・市販医薬品検査(外観、表示の適正をチェック)
・医薬品不良ロットの報告・回収・返品
・不良医療機器、不適サプリメント等が疑われた際の関係当局への報告

 上記以外にも町の健康イベントへの参加、学校での授業など、国民に薬局の仕事を知ってもらうためのアピール活動も行っています。

◆調剤業務
 調剤業務といっても日本と異なり「箱出し」が原則。箱は適応症、投薬期間に合わせて3サイズがあります。処方箋の受け取りから医薬品を出すまで非常に短時間で済むため、薬局には待合室を設置していません。もちろん、処方内容によっては製剤を調合することもあります。
 平日は医薬品の卸会社から1日に3~5回の配送があり、薬局に在庫がない場合も迅速に商品の補充ができます。
 医薬品の支払いは箱ごとに請求され、保険請求価格が50ユーロ以下なら、1箱あたり5ユーロ。50ユーロを超える場合は1箱当たり10%の負担で、上限は10ユーロです。

◆OTC医薬品、サプリメントの相談販売
 2004年の医療制度改革で、大人へのOTC医薬品処方が保険償還外となりました。これを機にOTC医薬品の相談販売も重要な業務の一つになり、応対にあたる薬剤師、PTAの力量が問われています。ですから、薬剤師やPTAは学術セミナーやメーカーによる医薬品の勉強会に参加し、知識を積極的に吸収しています。
 また、患者さんの中には、医薬品やサプリメントに関する質問、健康相談のためだけにいらっしゃる方もいます。たとえ即答できなくても、調べて必ず何らかの情報を提供しないと、薬局は来局者に見放されてしまいます。「ありません」「できません」「知りません」だけの回答は、薬剤師には認められないのです。

※本記事は、エムスリーグループが運営する薬剤師向け情報サイト『薬キャリPlus』で、2015年6月25日に掲載したものです。

専門家プロフィール/アッセンハイマー慶子(あっせんはいまーけいこ)
ドイツ「セントラル薬局」開設者、薬剤師。一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会理事。
「29年前、ドイツの大学院に入学したばかりの頃、研究室の同僚の働きぶりを見て、『薬学は衣食住に関わるオールラウンドな学問である』と感じました。大学で取得した専門知識を職場だけでなく、趣味や日常生活に生かしていたことに大変驚いたのです。連載を通してドイツの医療制度と薬剤師を取り巻く環境や、仕事の大切さや楽しさを伝えていければと思います」



https://pcareer.m3.com/plus/article/report-from-north-america-6/
北米現地レポート
第6回「カナダ薬剤師の実態と免許取得までの道」

薬キャリPlus 2015.12.24

日本で調剤薬局、ドラッグストアでの薬剤師勤務を経て、その後カナダの薬局でテクニシャンとして経験を積んだ五味さやかさん。その経験をもとに、現在お住まいのカナダ・ブリティッシュコロンビア州から、北米の薬剤師・テクニシャン事情をレポートしていただきます。
Contact :http://w-oasis.co.jp/globalpharmacist/contact/

カナダの医療者数
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カナダと日本の薬剤師数比較
(Canadian Pharmacists Association、厚生労働省のデータをもとに作成)

カナダには現在、約3万9000人の薬剤師が存在します。2009年~2012年の間にその数は10%増え、人口および労働人口の増加率(両者とも4%以下)をしのぐ勢いで伸長。人口10万人に対する薬剤師数は95人に達しています(なお医師は209人、看護師は1046人)。
なお、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師の調査 平成24年」によると、日本の場合は、人口10万人に対する薬剤師数は219.6人。医師数は237.8人です。

薬剤師数は年々増加していますが、平均年齢(43.5歳)は数年前からほとんど変化がありません。50歳以上の薬剤師は3割以上、日本同様に女性薬剤師の割合が多く、6割をしめています。

薬剤師の勤務先とその割合
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薬剤師の勤務先
(Pharmacist Workforce, 2012)

各州の薬剤師の勤務状況を調査した「Pharmacist Workforce, 2012」によると、勤務中の薬剤師のうち8割強(85.3%)はフルタイム(正社員・パートタイム)で勤務しており、自営は1割弱(7.6%)、残りは派遣を含む臨時的な雇用形態で雇用されています。

勤務先は、薬剤師約3万9000人のうち、薬局が2万7500人、病院が6500人、残りの5000人が製薬会社や政府、大学の他、NOPやNGO団体、弁護士やジャーナリスト、コンサルタントとして活躍しています。
なお、日本の薬剤師は、「薬局の従事者」が15万3012人(総数の54.6%)。「薬局勤務」の割合は年々増加しており、「病院・診療所勤務」は平成8年以降横ばいです。

しかし近年は、都市部における薬剤師の就職難が問題になっています。2012年の調査では、登録薬剤師のうち8%は未就業で、その3分の2以上は求職中でした。

実際、筆者が知る薬剤師の話では、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー市内では新卒の就職が困難で、大学卒業およびコースを修了後、ほとんどの人が全国規模で就職活動をしているそうです。郊外や引越しを伴う派遣先での勤務経験を経て、市内へ戻ってくるケースも多くあります。

給与

Payscale.comによると、カナダの薬剤師の平均年収は、ボーナスや残業代なども含めると平均約748万円(C$1=¥92.66で換算)で、平均時給は約4165円(2015年時点)。これらは、勤務している地域によっても異なり、年収で約590万円~1057万円、時給で3274円~4964円程度のばらつきがあるようです。
また、5年以下の薬剤師と20年以上の薬剤師とでは約100万円の差があり、最も給与の高い都市と最も安い都市とでは、150万以上の差がみられます。

<経験年数による薬剤師の平均給与の差>
  ・5年以下の新入り:約825万
  ・20年以上のベテラン:約936万

<都市による薬剤師の平均給与差>
  ・最も給与が安い都市(バンクーバー):約750万
  ・最も給与が高い都市(カルガリー):約908万

外国人薬剤師の実態

外国人薬剤師(国外で薬剤師資格を取得した後、カナダの薬剤師資格を取得した外国人)の割合は、全薬剤師数の4分の1(24.5%)に上るそうです。国別にみると、上位5ヵ国はエジプト、アメリカ、インド、イギリス、フィリピン国籍で、外国人薬剤師の全体の3分の2を占めています。

外国人薬剤師の就業比率が最も高いのがトロント市のあるオンタリオ州で、2012年にオンタリオ州で勤務していた薬剤師の約4割(39.6%)が外国人薬剤師であったそうです。なお、ブリティッシュ・コロンビア州は15.6%、アルバータ州は15.4%。また、海外薬剤師の9割近くが「薬局」に勤務しています。

薬剤師免許取得への道

薬剤師やテクニシャンの資格試験を実施しているのはNPO法人のThe Pharmacy Examining Board of Canada(PEBC)ですが、資格を与えるのは各自が所属する州政府のため、薬剤師資格が全国すべての州で有効というわけではありません。これは、州によって法律や医療制度が異なるためです。異なる州で薬剤師として働く際は、実務実習や語学力、法律の知識などに関する試験に合格すれば、新たにその州での資格を取得することができます。

州によって多少異なりますが、一般的に薬剤師資格取得の条件は以下の通り。

 カナダの大学(現在10の大学が認められている)において薬学士、もしくは薬学博士課程を修了

 薬剤師免許試験(筆記・実技)および各州の薬事法試験に合格
 一定期間の実務実習を終了
 一定レベル以上の英語もしくはフランス語能力を証明(試験の要件を満たす)

カナダの大学で学士もしくは博士課程を修了していない場合でも、書類審査により同等のレベル(学位証明、成績証明、免許証、語学力等)が保証された場合、海外薬剤師にも資格取得の機会が与えられます。

3種類の試験を受験し、必要な時間数の実務実習を受けるのが一般的です。

◆審査試験(Pharmacist Evaluating Examination)
他国の大学で受けた薬学の知識が、カナダの薬学部の教育レベルに達しているかどうかをチェックするための試験です。選択マーク式で、全300問中60%以上(180問)の正答率で合格できます。

◆国家試験1-筆記試験(Multiple Choice Question)
選択マーク式で全300問を出題。合格のための基準正答率は設けておらず、試験の難易度に応じて適当な合格ラインが定められています。

◆国家試験2-実技試験:オスキー(OSCE)
日本で実施されているオスキーよりもレベルの高いカウンセリング力が求められます。合計約12個の課題が出題され、各問題の解答時間は7分間。出題内容は、服用歴の確認や処方せん監査、薬剤に関連した問題の解決、服薬指導、フォローアップ内容の考案などで、問題によっては一般用医薬品や医療機器の選択や推奨も含まれます。ほとんどが患者や患者家族、医療従事者等との対話形式で行うものですが、一部医薬品情報(DI)の回答や処方せん内容に関する問題点等の指摘と推奨医薬品の提案など、記述問題も含まれます。

費用と時間

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資格取得までにかかる時間と費用(Cost and Time to Licensure by NAPRA)

資格所得までに要する時間と費用をWebサイト「Cost and Time to Licensure by NAPRA」で試算したところ、すべての試験に1回で合格した場合、以下のようになりました。

ただし、それぞれの試験を1回で合格している人の割合が少ないのも事実で、以下の内容に、さらにOSCE試験(1回$1500)や実務実習の時間、生活費などを考慮に入れると、200万〜300万円以上かかることが予想されます。

各州が提供している実技演習プログラムや政府が支援している公式のWebサイトなどではさまざまな情報が提供されています。

※詳細は、以下のサイトをご覧ください。
National Association of Pharmacy Regulatory Authorities (NAPRA)
The Pharmacy Examining Board of Canada (PEBC)

変わりゆく薬剤師の世界

カナダでは、昨今、政府の政策により移民の受け入れを進めています。一方、その移民の人口増加率をしのぐ勢いで薬剤師が増加。特に外国人薬剤師の割合が増えているという事実は、興味深い内容です。仮にこの事態が日本で起きた場合、皆さんはどのように感じるでしょうか。日本で移民の数が増加し、海外医療従事者達が皆さんの身近なところで活躍している姿を、頼もしいと感じますか、それとも脅威と感じますか。

また、薬剤師増加に伴い、都市部における就職難という新たな問題が生まれています。目下、大学側は薬学部の学習項目の拡大や修学年数の増加を検討しており、そうした動向からも、今後はさらに薬剤師の「質」に重点が置かれると思われます。

外国人薬剤師の増加や、都市部での就職難など、カナダの薬剤師業界が抱える課題は、日本にも起こりうる事態。ぜひカナダだけでなく、諸外国の薬剤師事情にも目を向け、考える機会を作ってみてください。

参考:
“Pharmacists in Canada”:Canadian Pharmacists Association
Pharmacist Income (Canada) : Payscale.com

  1. 2015/12/31(木) 06:10:42|
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12月29日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/387441
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
外科学会が50人態勢で調査、群大腹腔鏡死亡問題
調査対象は8年間で51の死亡症例

2015年12月29日 (火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学医学部付属病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題を受けて、同大が新たに設置した外部委員による「群馬大学医学部附属病院医療事故調査委員会」(委員長:上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は12月29日、京都市内で会見し、日本外科学会が専門調査を受託し、調査を開始したことを報告した。同学会は総勢50人態勢で9つの小委員会を設け、群大病院での消化器外科手術後に死亡した51例について医学的な調査する。

 2015年8月に発足した新たな群大事故調査委員会は、当初から医学的な調査については専門学会などに依頼するとしていた(『群大、新たな事故調が始動「負から正の遺産に」』を参照)。日本外科学会は11月24日に受託、12月24日に第1回の委員会を開いた。上田氏によると、外科学会は本件調査に当たって、総合的に検討する合同委員会とその下に9つの小委員会を設置。小委員会は臓器別に構成され、それぞれ3、4人の医師が参加する。肝胆膵分野での死亡例が多いことから半数は同分野になる。合同委員会は小委員会の委員長と弁護士や医療安全の専門家などで構成され、全体で総勢50人規模になるという。

 外科学会の調査対象は、8人の腹腔鏡手術を担当した執刀医が群大病院で手術を始めた2007年度から2014年度までの8年間で、旧第1外科と旧第2外科で行われた消化器に対する手術で、術後に在院死亡した症例。当該執刀医以外が担当した手術も対象にし、術式や手術から死亡までの期間は問わない。8年間で約6700例の手術が行われており、そのうち在院死亡した64例についての基礎データ(年齢、疾患名、術式など)を外科学会の第1回委員会で検討。51例については、診療録、画像データなどを基に、さらに詳しく調査する必要があると判断された。今後、大学が遺族の同意を得た後に資料を提出し、外科学会の小委員会で専門的に調査する。

 各小委員会は2016年1月と2月に2、3回ずつ開いて、それぞれ5、6例を検討する。その後、合同委員会でまとめ、外科学会の理事会で承認を得た後、群大事故調に提出される。群大事故調は2015年度内の報告書提出を予定していたが、外科学会の学術総会が2016年4月に予定されていることなどから、その後にずれ込む見通し。

 検討対象となった64例の内訳は、第1外科で肝胆膵16例、上部消化管4例、下部小器官6例の計26例。問題となった当該執刀医が所属する第2外科では、肝胆膵33例、上部消化管4例、下部小器官1例の計38例。同期間の肝胆膵の手術数は、第1外科で約600例、第2外科で約570例だった。術後の在院死亡の基準は外科学会が決めており、上田氏は「消化器外科の全体を判断すべきと考えられたのでは」と説明した。

 64例の執刀医は計15人。これまでの会見などで当該執刀医の死亡症例は腹腔鏡下、開腹手術を合わせて30例あることが明らかにされており、51例に全て含まれる。

 費用については、1例につき30万円程度を大学が外科学会に支払う。交通費などの実費に充てられ、調査を担当する医師への謝礼金はないとみられる。外科学会の受託が遅れた理由について、上田氏は「新たな医療事故調査制度が10月から始まり、ファジーな時期だった。(3月に公表された大学による)事故調査報告書では『過失あり』という文言が入るなど、新しい制度への多大な影響があった。外科学会内部で議論に時間がかかったようだ」と説明した。

 群大事故調は12月20日までに10回の委員会を開催した。20日には当該執刀医、診療科長へのヒアリングも行った。それぞれ弁護士を同席した上で、2時間以上のヒアリングになったという。「答えなくない質問には答える必要がないことを話した上で、全ての質問に答えてくれた」(上田氏)。

 ヒアリングでは、診療科の体制やインフォームド・コンセントの在り方などのほか、3月の報告書の作成過程などについても質問したという。執刀医と診療科長は「前回調査ではヒアリングが1回20分程度で、事前に報告書の確認できず、一部は事実と異なる」などと主張したとのこと。また、診療体制については、死亡症例検討会を行っていなかったことが確認された。

 上田氏は「(群大事故調では)専門領域の質問はできない」として、医学的な内容については外科学会が別途、ヒアリングを行う見通しであると説明した。

 そのほか、これまでの委員会で対象とする腹腔鏡手術8例、開腹手術10例のうち、15遺族からヒアリングを行い、さらに1遺族から行う予定。2遺族からは「必要ない」との回答があったという。



http://www.asahi.com/articles/ASHDY4R2YHDYULBJ01T.html
術後死64人、半数が同じ医師 群馬大病院の症例調査へ
竹野内崇宏
2015年12月29日22時00分 朝日新聞デジタル

 群馬大病院で肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、外部の有識者でつくる医療事故調査委員会は29日、日本外科学会に医学的な検証を委託し、同じ期間に肝臓を含む消化器の手術後に病院内で死亡した全症例64人分を調べることを発表した。問題が指摘されている40代の男性医師(退職)が執刀した手術では術後に30人が死亡しており、約半数を占めている。

 調査委は学会からの報告を受け、4月にも報告書をまとめる予定。

 会見した上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)によると、学会が調査対象としたのは、男性医師が群馬大病院で手術を執刀した2007~14年度に、消化器外科で実施された手術約6700例のうち、問題の有無にかかわらず院内で死亡した64人について。診療体制などを調べるには、男性医師が担当した手術だけを対象とするのは適切でないと判断した。64人の手術を執刀した医師は男性医師のほかに14人。

 また上田委員長は、今月20日に調査委が男性医師から聞き取りをしたことを明らかにした。男性医師は、術後の死亡例については病院内の検討会や会議の場で情報を共有していたと説明したという。

 上田委員長は「マンパワーが足りないなど、病院の診療体制に問題があったと考えている」と話した。(竹野内崇宏)



http://mainichi.jp/articles/20151230/k00/00m/040/025000c
群馬大患者死亡
日本外科学会へ医学的な検証委託

毎日新聞2015年12月29日 19時52分(最終更新 12月29日 22時14分)

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で、同一の医師から肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、同病院医療事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は29日、京都市内で記者会見し、日本外科学会(東京)へ医学的な検証を委託したと明らかにした。

 上田委員長によると、検証は責任追及ではなく再発防止が目的。日本外科学会は、約50人のメンバーで同病院消化器外科全般の診療態勢を検証するため、問題の医師の担当だけでなく2007〜14年度に同病院で手術後に亡くなった64症例すべてを調べる。うち51症例は病院側に詳細なデータの提出を求めたという。

 調査委は「64症例すべてに問題があったわけではない。今後は資料要請があった患者の診療記録などを、病院が遺族の同意を得て提供していく」としている。日本外科学会は来年4月までに検証を終える見通し。【土本匡孝】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128648
群大術後死、外科学会が51例検証へ…問題医師以外の執刀も
(2015年12月30日 読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は29日、2007~14年度に行われた消化器外科手術後に死亡した患者51人を対象に、診療に問題がないか詳細な医学的検証を行うと発表した。

 この中には、既に明らかになっていた問題の男性医師による30人も含まれる。検証は日本外科学会に委託されており、来春にも結果をまとめる予定だ。

 この日、京都市内で記者会見した上田委員長によると、同学会は、問題の男性医師が旧第二外科に在職した07年4月から15年3月まで8年間の調査を実施。難易度の低い手術も含め、旧第二外科と旧第一外科で行われた消化器外科の全手術(約6700例)から、入院中に死亡した64人(旧第一26人、旧第二38人)の病名や手術方法といった基礎データを検討した。64人の手術は、問題の男性医師を含む15人が執刀した。

 検討の結果、51人に詳細な調査が必要と判断。今後、遺族の同意を得てカルテや検査画像を精査し、手術や術後管理など診療に問題がないか調べる。51人のうち30人は、問題の男性医師が執刀した肝胆膵かんたんすい(肝臓、胆道、膵臓)外科手術の患者(腹腔ふくくう鏡8人、開腹22人)だった。

 また、上田委員長は、今月20日に男性医師と上司だった教授に聞き取りを行い、教授が、患者の死亡が相次いでいたことを認識していたことを明らかにした。それでも手術を継続した理由については、上田委員長は明言を避けた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128640
検査怠り誤診、重い障害…佐賀大病院が患者に謝罪
(2015年12月29日 読売新聞)

 佐賀大付属病院は28日、40歳代の女性患者へのMRI(磁気共鳴画像)検査や治療などが遅れ、女性の下半身に重い障害が残るミスが発生した、と発表した。

 同病院は女性に謝罪し、厚生労働省などへ報告した。

 同病院によると、女性患者は10月、「両足に力が入らない」と来院。診察した総合診療医(40歳代)は、別の医師から勧められたMRI検査を見送り、女性の病歴などから「ストレスなどが原因」と診断して別の病院を紹介した。

 女性は症状が改善せず、数日後に別の病院でMRI検査を受け、脊椎に血腫が見つかった。佐賀大付属病院で血腫を取り除く手術を受けたが、下半身にまひが残った。

 同病院の森田茂樹院長は「速やかに(血腫を)除去すれば、まひは残らなかった可能性がある。再発防止を徹底する」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386093
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
2015年、診療室の波乱万丈エピソード◆Vol.5
「勤務先が不祥事で閉鎖」「75歳で専門医取得」

医師調査 2015年12月29日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 Q6-1.  2015年に、医療関連でご自身の身の回りで起きたことの中で、良かったことはありましたか。最も印象深かったエピソードを、可能な限り具体的に教えてください。(任意)
 Q6-2.  2015年に、医療関連でご自身の身の回りで起きたことの中で、悪かったこと、困ったことはありましたか。最も印象深かったエピソードを、可能な限り具体的に教えてください。(任意)

 2015年の印象的なエピソードを、良かったことと悪かったに分けて任意で尋ねました。世相を表すような患者とのエピソードや、診療にまるわるヒヤリとした出来事、ショッキングな思い出、波乱万丈な人生の一コマなどが多数寄せられました。

「悪かったこと・困ったこと」

<院内環境・職場環境の悪化>

・勤務先の医療法人が不祥事で全部理事辞職。勤務先が閉鎖され解雇された。【勤務医】
・大学病院からの当直医の応援がなくなり、60歳を前に再び当直勤務に就くことになった。【勤務医】
・勤務していた医療法人が理事長の暴走で解散(計画倒産)し職を失ったが再就職した。【勤務医】
・部長が定年退職したために後任の部長になったが、人は減る、仕事量は多い、給料は少ないで肉体的にも精神的にもきつい年になった。【勤務医】
・税制が変わり、給料が減った。看護学院長を併任になり、仕事が増えて忙しくなった。次第に体力が低下。【勤務医】
・自分の専門分野以外の病院業務を分担させられ、その業務にかなりの時間を割いていること。【勤務医】
・病院の採算環境がますます悪化し、急性期医療が崩壊しつつある。【勤務医】
・バイト先が看護師不足で診療を中止した。【勤務医】
・勤務病院を変えましたが、どこも問題は同じであることを実感しました。【勤務医】
・院長が相談もなく科の方針を決め、医師も事務も振り回されているので、転職を決意。給料は下がるし勤務時間はかなり伸びるし、退職金や福利厚生も期待できなくなるけど、新しいスキルは身につけられるのかな…。【勤務医】
・業績の悪化で役員報酬の1割カット、冬のボーナス2分の1に。とほほ。【開業医】

<薬の関係>
・患者の方がインターフェロンフリーの新薬の情報が早くて、説明に難渋した。【勤務医】
・院内薬剤がジェネリック医薬品に強制的に替えられた。【勤務医】
・製薬会社との関係性が難しくなった。【勤務医】
・政府主導でジェネリックが決まり、新薬開発において製薬メーカーとの協議、すなわち、未来へ向けての議論が少なすぎたように感じる。【開業医】
・医療費無料の患者に3倍量の座薬を間違って処方してしまったが、薬局で無料だからいいでしょうと言われて、大量の薬をもらいましたと患者から報告受けたこと。【勤務医】
<診療でヒヤリ>
・脊椎の手術でレベル誤認したこと。患者さんに謝罪し、再手術をさせていただきました。幸いにしてその後の経過は良好です。【勤務医】
・予防接種後の水痘を誤診したかもしれない。【勤務医】
・心臓血管外科との手術連携が旨く行かず、患者さんを混乱させてしまったこと。結果的には上手く行きましたが、連携の際、患者さんへの説明の手順について考えさせられました。【勤務医】
・スタッフの処方ミス。【開業医】

<世相と患者の問題>
・患者がインターネットで入手した「生半可な医学知識」を振りかざすので、当方が閉口する。【開業医】
・早期発見・早期受診の名の下で、特に問題のない物忘れや頭痛の患者が増加した。【勤務医】
・些細なことで患者さんがどなり、辟易したことが以前よりも増加した。昼休みがなくなるくらい多忙を極めた。【勤務医】
・なぜか予約時間よりもかなり早く来院していた方を、順番通りで良いということだったので、予約時間通りで診察室にお呼びしたら「いつまで待たせるんだ!」と30分くらい罵倒された。【勤務医】
・受診を控えたり、投薬日数を増やせように申し出る方の激増。【開業医】
・重症患者が在宅において増えた。【勤務医】
・神経内科専門医で勤務医ですが、見当違いの紹介患者が増えていること。【勤務医】
・年々ネット情報が氾濫し、患者さんが知っている病名を上げ続けて尋問される外来になり無駄な検査と説明の時間がかかるようになってきた。【開業医】
・外来診療を依頼されたが、入院から退院までの1カ月の間に、次第に血性アルブミン値が低下しており、退院時1.8mg/dlの状態で紹介されたこと。すぐに病院へ戻した。【開業医】
・長年、診療させていただいておりました患者さんが亡くなられたこと。【開業医】
・患者さんの窓口負担の未納が増えた。【開業医】

<その他>
・医局の医師が病気により急逝されたこと。【勤務医】
・PAが高値を示し、同時に大腸ポリープも癌が疑われた(現在、前立腺癌も大腸癌も疑いが晴れつつある)。【勤務医】
・電子カルテがとうとう導入されたが、仕事が楽にならない。【勤務医】
・昨年メーカーを変えた電子カルテに不具合が多く、明らかな欠陥をメーカーにクレームを付けても対応しない。カルテの電子化を進めたのは厚生労働省なのに監査もしていないのはなぜだろう?【勤務医】
・開業10年以上経って、機械類が次々壊れ買換えに追われた1年であった。【開業医】
・施設や設備の老朽化で、新規購入や買い替えが必要になったが、どれにももれなく8%の消費税が付いてきたこと。診療報酬は引き下げられるし、消費税は相変わらず損税のままで収入は減少傾向なのに、大変きつい出費だった。【開業医】
・知らないところで事務長の不正請求があり、訴訟問題に発展しかかった。【開業医】
・税務署が来て、重加算税を取って帰った。【開業医】
・特になかった。自分自身が加齢からと思うが、色々と能力的に低下してきている。【開業医】


「良かったこと」

<個人的なエピソード>
・75歳で日本人間ドック学会健診専門医の試験に合格。【勤務医】
・子どもが医学部に合格した。【開業医】
・自分が腹腔鏡の手術を受けて、無事終了したこと。【勤務医】
・自分が心筋梗塞に罹患して、運良く助かったこと。短期間、患者にもなったが、また医師に復帰。通院しながら診察・検査も行うという両面性を初めて体験したこと。自分の運命は自分だけで左右できるものではないということを実感させられた年であった。【開業医】
・一泊二日で自分自身が心臓カテーテルを2回して、費用が高くて驚いた。安くはないと思うが、普段病気をしないのでびっくりした。たまには医者も、患者になった方が良い経験になるだろう。【開業医】

<仕事で良かったこと>
・私(整形外科医)が勤務する病院の手術室ナースの多くが、私の手術の介助に入りたがっているという事実を知ったこと。おそらく私が手術中に声を荒げたりすることがない(つまりおっかなくない)からと推察されます。外科医にとって手術室ナースは仕事上の最も重要なパートナーですので、ありがたいことと思っています。【勤務医】
・研修医が処置や問診の取り方が素晴らしく外来負担が減った。【勤務医】
・売り上げや稼働率の低下が、医療の質の向上に伴ってやむを得ず派生していることに、勤務している病院が一定の理解を示してくれていること。【勤務医】

<医療の発展に感謝>
・C型肝炎ウイルスの経口薬が画期的な治療成績を示していること。【勤務医】
・糖尿病内科をしている者にとって、画期的な新薬が出たことは実に喜ばしいことであった。他の分野でも言えることであるが。【開業医】

<患者とのエピソード>
・長く待たせた外来で、待たせたことを謝罪した後に、患者さんに全く怒ることなく「先生優しいから、いろいろ話聞いてくれるから大変でしょ」と労われたこと。看取った患者家族に、「本当に先生に診てもらってよかったです」と言われたこと。【勤務医】
・月並みですが、患者さんに喜んでいただけるのが一番うれしいです。【勤務医】
・救急外来で、救急車の無理な利用を減らそうとする旨の発言を、患者さん自身から何度も御聞きしたこと。【勤務医】
・重症仮死で生まれた新生児を蘇生したが、無事後遺症なく退院させられたこと。【勤務医】
・胃癌のため胃全摘後でうつ病の50代の患者が、るい痩と低カリウム血症で入退院を繰り返していたが、ようやく落ち着いて外来通院していること。【勤務医】
・地道に患者様のこと考えて診療していたら患者さんが戻ってきたこと。【開業医】
・ジェネリックが、増えることが当たり前のようになり、患者さんから、喜ばれました。【開業医】
・20年以上前の勤務医時代に看取った患者の家族と偶然再会し、一家4人全員のかかりつけ医になったこと。【開業医】
・以前から診ていたAS患者が他院で弁置換術をして無事だったこと。【開業医】
・以前診た患者さんが、お母さんになって子供を連れてきたこと。【開業医】

<新しい職場で気持ちを新たに>
・6月末で今まで23年務めた病院を辞め、7月より現在の職場に就いたこと。ストレスが激減しました。【勤務医】
・大学病院に転勤となり、多様な症例が経験できるようになった。【勤務医】
・思い切って東京を跳び出してみて良かった。地方にはまだまだ活躍できる場所がある。【開業医】

<その他>
・メーカーさんが提供してくれる勉強会に数多く出席して、多くの知識を得ることができた。【勤務医】
・民事医療訴訟の被告となったが、訴訟ビジネス集団の弁護士や専門医のもっともらしいデッチ上げの訴えをことごとく論破していること。【開業医】
・初めて聴診した心疾患で勉強になった。【開業医】
・警察の検死官の定員が増えたお陰で、死体検案の際に検死官が立ち会う機会が増えて検案がスムースに行えるようになった。【開業医】
・W台風で床上浸水になったが 清掃業者も終日緊急で対応してくれ スタッフも文句一つなく通常の勤務についてくれました。ひたすらみなさんに感謝、感謝でした。【開業医】
・医師会を辞めることにより、時間が作れるようになり、当直も無くなり、改めて現在の医師会が制度疲労を起こしているのを再認識致しました。【開業医】
・長年のスポーツドクターとしての仕事が認められ、県よりスポーツ功労賞を授与された。【開業医】
・診療所をやっていますが、後輩に副院長職で来てもらって時間的余裕から旅行に行けるようになった。【開業医】
・世の慢性的な看護師不足の中、良い人材に巡り会えたこと。【開業医】

<良いこともあれば⇒悪いことも>
・「患者さんが宿舎の玄関先に何も言わず置いていってくれた野菜の数々が今年は上出来でうまかったこと」⇒「就職活動の準備をせざるを得なくなったこと。いつも目にするWeb広告の「ちくしょう!転職だ!」が洒落にならない」。【開業医】
・「当院が訪問診療を開始してそれなりの売り上げになったこと」⇒「訪問診療開始でオンコールが頻繁になり精神的・体力的に疲れた」。【開業医】
・「最悪な理事長を退任させた」⇒「最悪な前理事長の借金が残った」。【開業医】 
・「患者さんの数が一気に増えて、全国レベルに並べたこと」⇒「同業者から根拠のない誹謗中傷を受けたこと」。【開業医】
・「長い公務員生活にピリオドを打ち開業したこと」⇒「開業の手続きの複雑性にびっくり」。【開業医】
・「大会長を任じられた学会地方会を無事に終わらせることができたこと」⇒「職員の内部におけるいじめ、それに伴う退職、それに伴って私自身が円形脱毛に陥ったこと」。【開業医】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201512/CK2015122902000147.html
乳房切除医療事故 「患者、家族に申し訳ない」
2015年12月29日 東京新聞【千葉】

 森田健作知事は二十八日の記者会見で、県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、県内の三十代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を切除された医療事故について「患者、家族に申し訳ない。おわび申し上げる」と陳謝した。
 知事は「女性にとって乳房は命。それを間違えたのは忍びがたい。『私の人生をどうしてくれるの』というお気持ちだと思う」と述べた。県は、外部専門家を含む「院内事故調査委員会」を年明けの一月初旬にも開催し、取り違えが、どの過程で発生したかなどを調べる。 (村上一樹)



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2015/1229038107/
【2015年 私の5大ニュース】
新春特別企画 2015年私の5大ニュースと2016年の抱負

香坂 俊
2015.12.29 Medical Tribune

 2015年はどのような年だったでしょうか。医療を必要とする人々を支援すべく,奔走を続ける先生方も多いことと思います。一方,第三者機関による医療事故調査制度の開始,次々と現れる新薬とジェネリックの躍進など,医療を取り巻く環境の変化を感じる出来事も相次ぎました。Medical Tribuneは医療関係者と医療・医学の最新情報をつなぐ架け橋として,鋭意活動を続けていきます。本企画では魅力あるコンテンツづくりに多大な貢献をいただいている,さまざまな診療科・領域でご活躍の先生たちに,2015年の5大ニュースと個人的ニュースを語っていただきました。

5. 血圧はもっと下げた方が良い? SPRINT試験(N Engl J Med 2015年11月9日オンライン版)

 まずはSPRINT試験の結果である。血圧(収縮期)は140mmHg前後よりも厳格に120mmHg前後をターゲットとした方が予後は良いという結果をたたき出したランダム化比較試験であるが,注意すべきは,試験に登録されたのはCKD(慢性腎臓病)やCAD(冠動脈疾患)などさまざまな背景疾患を持ち,10年リスクが「15%以上」という超ハイリスク症例にとどまるということである。ほとんどの日本人の高血圧患者には当てはまらず,かつ平均3〜4剤という重層的な降圧薬投与がなじむとも思えない。「慎重な解釈が必要」に1票。

4. LCZ696が全てのリスクの心不全で効果的(J Am Coll Cardiol 2015; 66: 2059-2071)

 LCZ696は,ACE阻害薬やARBに代わって(おそらくは強力なプロモーションとともに)導入されてくるであろう次世代の心不全治療薬である(米国の商品名:Entresto)。その有効性を証明したのはPARADIGM-HFという試験であったが,自分はこの薬剤が全方位的に使えるのかどうか疑問に思っていた。SPRINT試験の降圧薬のように,そのリスクの大小によって効果に違いが出るのではないかといぶかしんでいたのである。しかしこの論文では,既存の予後予測モデルを活用し,そのリスクの大小にかかわらずLCZ696が威力を発揮しうるとの結果をきっちりと出した。臨床試験のpost-hoc解析もここまで来たかと感嘆した次第である。

3. エンパグリフロジンが劇的な予後改善,EMPA-REG試験(N Engl J Med 2015年9月17日オンライン版)

 エンパグリフロジンのこの結果には驚かされた。DPP-4阻害薬が「引き分け」ばかりだったのでSGLT2阻害薬も同じだろうと高をくくっていたら,ごく早い時期から著明な予後改善効果が見られ,そのまま突っ走ってゴールしてしまった。糖尿病には簡単な対処法は存在しないと思っていたが,SGLT2阻害薬は意外なブレイクスルーとなるかもしれない。ただ,効果の出方が非常に早く,単なる血糖のコントロールによる帰結だけではなさそうである。米国型の糖尿病患者(この試験の患者の平均BMIは30)には心不全治療に近いアプローチが必要なのかと考えさせられた。

2. Precision Medicine の威力の定量化(BMJ 2015; 350: h1302)

 この論文は薬剤を扱ったものではない。臨床系の論文でちょくちょく出てきている統計的な予後予測モデルを臨床現場に持ち込んだらどうなるか,というテーマを扱ったものである。その具体的な内容であるが,電子カルテと連動し患者情報を入力した際にその出血リスク(%)が同意書に印刷されるようにしただけで,カテーテル手技後のイベント発症を半分近くまで落とすことができたというものであり,恐るべき結果といえる。今後この論文のタイトルにもなっている「Precision Medicine(適格化医療)」は1つのキーワードになっていくのではないか? まさに次世代のEBM手法である。

1. PCSK9がやってくる(N Engl J Med 2015; 372: 1489-1499)

 PCSK9阻害薬は劇的にLDL値を下げる。しかし,ただそれだけでは今年のニュースの筆頭には置かない。この薬剤は「ただ最大量のスタチンだけを使っていればよい」という現在の米国ガイドラインに挑戦する破壊力を秘めており,おそらくは近い将来再びLDL値をターゲットとした規定が作成されるのではないか。またモノクローナル抗体である本剤は,循環器内科領域に初めて免疫学の内容を持ち込み,脂質治療の在り方を根本から変える可能性がある。この薬剤の開発がこのまま進めば,ワクチンでコレステロールコントロールを行う,ということも将来は十分ありうる。
日本のIABP解析結果が海外で波紋(JAMA Intern Med 2015; 175: 1980-1982)

 自分たちのデータベース(JCD-KiCSレジストリ)から発表した内容であるが,"LESS IS MORE"を標榜するJAMA Internal Medicine誌に採用していただいた。IABPの適正使用をうたったものであるが,驚いたのがこの内容が電子版に出て,すぐに海外のメディアからインタビューや取材の連絡が来たことである。インターネット時代の情報伝達力のすさまじさを思い知ることとなった(関連リンク参照)。なお,この論文の共著者は,一連のプロジェクトで現在も重要な位置を占めている方々で(臨床研究大学院一期生,システムと統計担当,CRC主任,カテーテル班チーフ,主任教授),この場を借りて今年1年分飛び切りの感謝をさせていただきたい。
(慶應義塾大学内科学 香坂 俊)



http://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201512/0008684801.shtml
姫路聖マリア病院に新館 体験型医療を充実
2015/12/29 20:30神戸新聞NEXT

 患者の治療、介護、最期のみとり-。これらを継続的に学べるシミュレーションセンターがこのほど、姫路聖マリア病院(兵庫県姫路市仁豊野)に完成した。生体反応を再現する人形を使った医療処置や、在宅介護、終末期患者への対応などが模擬体験できる。こうした施設は全国的にも珍しいといい、関係者は「地域医療レベルの底上げを目指す」と意気込む。(三島大一郎)

 姫路メディカルシミュレーションセンター「ひめマリア」。11月に同病院にできた新館「タボール館」の4階に整備された。タボールは、新約聖書に記載がある「タボール山(別名・変貌山)」から名付けた。

 模擬体験できるのは「医療」「介護」「みとり」の三つで、具体的な状況を想定した複数のシナリオをもとに行う。

 「医療」では、ナースステーションをはじめ、病室や医療機器類などの臨床状況を忠実に再現。医療処置はもちろん「チーム医療」に欠かせないコミュニケーション力や患者対応なども学ぶ。看護師が医師役を担うなど、他職種の動きを知る機会にもなるという。

 「介護」では、実際に介護ベッドや移動リフトを操作。専門職のトレーナーから技術指導を受ける。「みとり」では、ホスピス病棟のスタッフらが、終末期患者の苦痛を和らげる「緩和ケア」の手法などを直接手ほどきする。

 同センターは、県内外の医療従事者や救急隊員のほか、地元市民や教職員らにも開放される。同センターの田中宏治・エグゼクティブマネジャーは「知識だけでなく、さまざまな状況を実際に体験することが大事。多くの人に必要な技術を身に付けてほしい」と呼び掛ける。

 一方、タボール館には、医療的な要素を取り入れたフィットネスジム「マリアプラス」も併設。利用者は、医師や理学療法士、看護師らのサポートを受けながら、血液検査や心電図などのデータをもとに、体力と目標に応じた運動プログラムが組み立てられる。現在、2週間体験も実施中。

 ひめマリア http://himemaria-sim.jp/ ▽マリアプラス http://mariaplus.jp/



http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015123002000063.html
「レセプト債」56億円償還不能か 田原証券
2015年12月30日 中日新聞 朝刊

 医療機関の診療報酬請求権を基に「レセプト債」と呼ばれる債券を発行したファンドが破綻し、田原証券(愛知県田原市)がこの債券を顧客六百人以上に計五十六億円余販売していたことが、同社の内部資料などから判明した。顧客は償還を受けられない可能性があり、同県弁護士会の消費者問題担当の弁護士らが、被害者弁護団を結成する方向で検討している。

 破綻したのは資産運用会社「オプティファクター」(東京)と、同社が管理するファンド三社。四社の負債総額は二百九十億円に上り、東京地裁は十一月、破産手続き開始を決定した。

 レセプト債はファンド三社が発行し、田原証券やアーツ証券(東京)、竹松証券(金沢市)など七証券会社が延べ三千人の投資家に販売。発行債券の残高は二百二十七億円に上り、償還できない可能性があるという。証券取引等監視委員会はファンドの決算内容に不審な点があるとして、オプティ社や各証券会社などの調査に乗り出している。

 弁護士らによると、レセプト債は年利3%、償還期間は一年で、田原証券は安全性の高い商品として、東三河地区の一般投資家を中心に販売。オプティ社などの破綻直前には顧客らに書面で「見掛け上、商品の運用状況が極めて悪いと認識される可能性があるが、運用状況を確認し改善を図る要請もしている」「運用開始から金利や償還金の未払いが発生したことは一度もない」と説明していた。

 田原証券は本紙の取材に対し「顧客の対応に忙しく、取材には一切応じられない」としている。

 同社は一九二九年創業で、愛知県豊橋市や豊川市に営業所がある。小口取引が中心で、二〇一五年三月期の売上高は三億八千万円。

 <レセプト債> 各医療機関が市町村や健康保険組合に診療報酬を請求する権利をファンドが買い取り、それを裏付けに発行する金融商品。診療報酬は請求から支払いまで約2カ月かかるため、医療機関は請求権を売却すれば、即座に現金を調達できるメリットがある。診療報酬は健保組合などからほぼ確実に支払われるため、安全性が高いとされるが、元本割れすることもある。


  1. 2015/12/30(水) 05:40:35|
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12月28日 

http://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/201512/0008682616.shtml
新規の分娩受け入れ休止へ 明石市立市民病院
2015/12/28 21:30神戸新聞

 明石市立市民病院(兵庫県明石市鷹匠町)は28日、新規の分娩(ぶんべん)受け入れを来年1月から休止すると発表した。出産対応数が10年前の約1割に落ち込んだのが理由だが、同病院は高度医療が必要な妊婦の受け入れ先でもある。市が「子どもを産み育てやすいまち」を掲げることとのギャップを感じる人も出そうだ。

 同病院には現在、産婦人科の医師が3人いる。藤本莊太郎理事長(69)によると、2005年度の分娩数は426件だったが、08~09年度に医師不足で分娩対応を休止した影響や、病棟が新しい病院に人気が集まることなどから、14年度は51件にまで減少した。

 市内では現在、2病院と4診療所が出産に対応。14年度は明石医療センター(同市大久保町八木)で1061件、あさぎり病院(同市朝霧台)で965件などの分娩実績がある。市民病院は子宮が本来の位置から下がる「子宮脱」の手術で近畿1位の実績を誇るが、藤本理事長は「市内の医療機関に、妊婦受け入れ体制の余裕があることが分かったので、休止を決めた」と述べた。

 一方、市民病院は明石医療センターなどとともに2次救急医療も担う。泉房穂市長は、人口30万人を目指すため「任期中、12月末の人口が1月より減る年があればすぐに辞任する覚悟」とも述べており、市議の一人は「利用者数が少ないからといって分娩を中止するのはいかがなものか」と批判する。

 市民病院によると、現在受診中の妊婦は出産まで対応する。里帰り出産を予定する妊婦の健診は今後も受け入れる。(井原尚基)



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/264099
佐大病院、診療ミスで重度障害
2015年12月28日 19時43分 佐賀新聞

 佐賀大学医学部附属病院は28日、下半身の脱力感を訴え外来受診した40歳代の女性患者に、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を行わなかったため疾患を見落とし、両下半身まひなど重い後遺症が出る診断ミスがあったと発表した。主治医以外の医師にも意見を求めるコンサルトシステムが機能しなかった。同病院は厚労省九州厚生局など関係機関に届け出るとともに、患者と家族に説明、謝罪した。

 女性患者は今年10月、「両下半身に力が入らなくなった」と訴え、車いすで来院。患者は精神科に通院中で、呼吸が極端に速く、上半身が震えていたことから、主治医の総合診療医は、ストレスなどが引き起こす身体障害「転換性ヒステリー」の可能性が高いと判断した。

 コンサルトシステムで意見を求めた神経内科医から「血液検査とMRI検査を行うべき」との具申があったにもかかわらず、主治医は血液検査だけ行い、MRI検査は後日行うことにして他の病院に転院させた。

 ところが、発症から3日後にMRI検査をしたところ、脊椎に血腫が見つかり、附属病院で緊急手術したが、女性は両下半身のまひとぼうこう直腸障害が生涯続く重い後遺症が出た。病院側は「初診時に検査し、すぐに手術していれば、後遺症は避けられた可能性も否定できない」としている。

 会見した森田茂樹院長は「医師としてベストを尽くせば防ぐことができたミス。患者に多大なる苦痛を与えたことに対し深くおわび申し上げたい」と謝罪。コンサルトシステムを機能させるよう現場に周知するなど、再発防止策に取り組むという。



http://www.yakuji.co.jp/entry48120.html
【2015年回顧と展望】「門前」から「かかりつけ」「地域」への流れ定着を‐日薬副会長
日本薬剤師会副会長 石井甲一
2015年12月28日 (月) 薬事日報

 2015年は、薬剤師会にとって大きな嵐の真っ只中を歩いているような1年だったと思います。しかし一方で、イベルメクチンの開発で大村智氏がノーベル生理学・医学賞受賞という、うれしいニュースもありました。

調剤報酬の不適正請求

 2月、大手薬局チェーンの子会社が薬剤服用歴未記載のまま調剤報酬を請求していたとの新聞報道があり、当該企業もその事実を認めたため、厚生労働省より、全保険薬局を対象とした自主点検が指示されました。

 このような行為は、保険調剤のみならず、薬剤師そのものの信頼性を貶めるものであることから、3月に本会から都道府県薬剤師会に対し、研修会の実施を依頼すると共に、6月には本会の医薬分業対策委員会が作成した研修会用資料を都道府県薬剤師会に提供しました。

規制改革会議からの指摘

 2月、規制改革会議が「医薬分業における規制の見直し」をテーマとして取り上げ、3月に厚生労働省、日本医師会、健康保険組合連合会、有識者と共に、本会からは森副会長が参加した公開ディスカッションが行われました。

 ディスカッションの場では、本会が、かかりつけ薬局・薬剤師による面分業を目指してきていることを強調する一方、薬剤師による疑義照会、後発医薬品の使用促進、残薬支援等による医療保険財政や医療安全への貢献についてデータを示して訴えると共に、本会および都道府県薬剤師会にお願いし、構造規制の緩和に反対する決議を行い、日本薬剤師連盟の協力を得ながら、規制緩和に対する反対活動を展開しました。また、有村規制改革担当大臣、塩崎厚生労働大臣に対しては、決議文を添えた要望書を提出しました。

 その効果もあり、6月30日に閣議決定された規制改革実施計画では、医療機関の敷地内あるいは施設内への保険薬局を認めるとの結論には至らず、具体的な検討の場は厚生労働省に移ったと捉えています。

無資格調剤

 5月には薬局において無資格者に飲み薬の調整、軟膏剤の混合等を行わせていたとの報道がなされました。その後、厚労省より事実の確認と、このような行為が再発しないよう適切な指導を要請する都道府県衛生主管部(局)長宛の通知が発出されました。薬剤師の役割は処方箋の受け取りから始まり、服薬指導、さらには患者さんの服薬状況のフォローまで幅広いものであり、このような事例の発生は、薬剤師業務への信頼性を失うばかりか、薬剤師の存在そのものにも及ぶことになると捉えなければなりません。

健康サポート薬局と患者のための薬局ビジョンからの指摘

 9月、厚労省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」が、「健康サポート薬局のあり方について」との報告書をまとめました。健康サポート薬局は、これまで本会が目指してきた「かかりつけ薬局」機能を有しつつ、加えて、要指導医薬品等の供給等と共に地域住民に対する健康相談・健康サポート機能を備えた薬局であるとされました。今後、具体的な基準が作成され、基準を満たす薬局を行政が公表する制度が来年度からスタートすることになります。

 また、10月には「患者のための薬局ビジョン」が厚労省から示されました。同ビジョンには「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へとの副題がつけられており、25年までに全ての薬局が「かかりつけ薬局」になることを目指すべきであるとしています。行政から大きな応援をいただいたと捉えており、その期待に全国の薬局・薬剤師が応えていかなければなりません。

診療報酬・調剤報酬の改定

 来年4月は2年に一度の診療報酬・調剤報酬の改定が行われます。改定に向けて中央社会保険医療協議会が議論を続けてきましたが、一方で財政制度等審議会において、調剤報酬を標的にし、極めて厳しい対応を迫る議論が巻き起こりました。10月の会議に提出された資料には「現行の調剤報酬については、診療報酬本体とは別に、ゼロベースでの抜本的かつ構造的な見直しが必要」とする方向性が示されました。

 本会では、日本薬剤師連盟と連携しながら、医科1:調剤0.3を堅持した公平な改定となるよう陳情活動を展開してきましたが、加えて、調剤報酬のみを対象とした特例的改定を阻止することを訴えることにしました。今月4日の中医協における調剤報酬の検討では、「かかりつけ薬剤師・薬局の評価」「対人業務の評価の充実」「いわゆる門前薬局の評価の見直し」の3点が資料として示され、議論が行われました。

 その結果、今月21日、次期診療報酬改定は0.49%の引き上げ、医科0.56%、調剤0.17%と1:0.3を堅持することができました。しかし、一方で薬価の引き下げが行われ、また、いわゆる大型門前薬局等に対する評価の適正化という制度改革が行われることになり、必ずしも満足できるものではないと捉えています。

今後の展望

 患者のための薬局ビジョンに示されている、「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へという流れを着実に実行に移していかなければならず、全ての薬局が、地域住民にとって身近な「かかりつけ薬局」に移行できるよう、本会としても努力していく必要があると考えます。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128622
高齢者の薬どう減らす…副作用増、薬局は出すほど利益
(2015年12月28日 読売新聞)


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 高齢者の多くが不適切な薬の処方を受けている可能性が、厚生労働省研究班の調査で明らかになった。複数の持病のある高齢者には多剤投与が行われている実態もあり、薬の副作用で健康を害する例も少なくない。無益な薬の処方で体調を崩せば、さらに医療費、介護費もかさむ。今後、必要な対策は何か。

■入院中に削減

 「薬を3種類減らしました。時々、病棟に様子を見に行きます」

 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター。内科の矢吹拓医師(36)は、骨折で入院中の95歳女性に語りかけた。60歳代の次女は「こんなにたくさん薬を飲んで大丈夫かと思っていた」と胸をなで下ろした。

 矢吹医師らは今年1月、同病院に「ポリファーマシー(多剤)外来」を開設、入院してきた高齢者の薬を減らす取り組みを始めた。65歳以上で5種類以上の薬を飲み、同意を得た患者を呼び、院内の薬剤師、看護師らと共同で体調を見ながら必要度の低い薬や副作用のリスクの高い薬を減らす。10月までに37人(平均年齢81歳)を診察。入院時に平均8・6種類だった薬が同4・6種類になった。

 退院時にはかかりつけ医に患者の診療情報とセンター長名で薬の削減に協力を求める文書を送る。地域の患者を診る宇都宮協立診療所の関口真紀まさのり所長(60)は「病院全体の取り組みとわかり、診療を見直すきっかけになる」と話す。

■副作用の背景

 総合診療医の徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は、「特に影響を受けやすい80~90歳代の患者が増えているにもかかわらず高齢者特有の薬の作用や副作用に対する知識が医師の間に浸透していない」と指摘する。薬の代謝機能が衰えた高齢者が一般成人と同じ量の薬を飲むと副作用が出やすい上、薬同士の相互作用の影響も受けやすい。

 高齢者は飲む薬の種類が増えると、副作用が起きやすいというデータがある。だが、内科、整形外科など細分化した診療体制では患者が飲む薬の全体像を把握しにくく、薬の種類も増えやすい。近年、新薬が相次いで開発され、使える薬が増えたことも背景にある。

 薬局は、薬を処方するごとに調剤料が入るため、積極的に薬を減らそうという動きが起きにくい。

■「収益より信頼」

 薬の削減に取り組む薬局もある。首都圏で約140店を営む調剤薬局チェーン「薬樹やくじゅ」(本社・神奈川県)は約9割の薬局で医師の指示のもと、通院が難しい在宅患者や介護が必要な高齢者宅に薬剤師が薬を届ける。

 「訪問薬樹薬局 保土ヶ谷」(横浜市)の訪問薬剤師、高橋麗華さん(38)は痛み止めなど6種類を飲んでいた神経因性疼痛とうつうの90歳代女性の薬を、医師と相談しながら3種類に抑えた。

 薬樹は店舗の3割に管理栄養士を置く。服薬と栄養両面のサポートを通じて、症状が落ち着き、薬が減った糖尿病患者もいる。薬剤師の訪問事業は約5年前に本格化させた。地域の在宅医や訪問看護師らとの情報共有を徹底し、往診にも同行する。「薬が減れば目先の収益は落ちるが、かかりつけ薬局としての信頼が得られ、リピーターになってもらえる」と小森雄太社長(51)は説明する。

 だが、こうした取り組みは一部の薬局で始まったばかりだ。「薬を出すほど利益が出る、今の仕組みは問題だ」と小森社長は語る。(医療部 赤津良太、社会保障部 辻阪光平)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128615
高齢者への多剤投薬対策、厚労省検討案に「上下関係」の壁?
(2015年12月28日 読売新聞)

 厚生労働省は来年度の診療報酬改定で不適切な多剤投薬を減らす方針を掲げ、今年度中に具体策を詰める。

 いくつもの病院に通う高齢者の服薬情報を集めて管理する「かかりつけ薬局」が多剤投薬を見つけて医師に連絡する。国内外の学会などが作成した高齢者には避けるべき薬のリストを参考に医療機関が不適切な投薬を自ら減らしたり他の医療機関に連絡したりする――などが検討されている。投薬を減らした医療機関や薬局への診療報酬を手厚くする方針だ。

 不適切な処方を減らせば、膨張する社会保障費の削減にも結びつく。副作用の治療費が浮くだけでない。高齢者がいったん体調を崩し入院すると、体力が弱り、自宅に戻れず介護施設に移らざるを得ない例も少なくない。大量に処方された薬の飲み残しも多く、これを減らすことで年間100億円超の薬剤費が削減できるという試算もある。

 だが、医師からは「他の医師の処方に口を出せない」との声が根強い。全薬局の7割が医療機関近くに開設する「門前薬局」で、どこまで汗をかく薬局が出てくるかは不透明だ。「医師と薬剤師は上下関係があり、連携は難しい」との指摘もある。

 徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は「本来はかかりつけ医が責任を持って薬の調整をすべきだが、当面は高齢者の薬に詳しい総合診療や老年医学の医師が専門外来を作って適切な処方に変える方法もある」と話す。いかに実効性のある仕組みを作れるかが課題となる。

(医療部 米山粛彦)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128614
佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」
聖マリアンナの虚言

(2015年12月28日 読売新聞)

 2015年4月に多くのメディアが取り上げた精神保健指定医の資格の不正取得問題をご記憶の方は多いだろう。この連載でも関連記事を書いたが、最終的に23人が指定医資格を取り消され、医業停止1、2か月の処分を受けた。その聖マリアンナ医大病院(川崎市)でまたもや、患者の信頼を裏切る問題が起こった。

「シュレッダーで破棄した」と口裏合わせ

 この病院の神経精神科に以前通院していた30歳代の女性が、指定医資格の不正取得問題に不信感を募らせ、協力した臨床試験の原本閲覧を15年8月に求めた。すると、この試験の責任研究者を務める准教授と、病院、大学の職員が口裏を合わせて「シュレッダーで破棄した」とウソをつき、閲覧を拒み続けたのだ。病院は4か月後の12月21日、一転して原本の存在を認め、女性に謝罪したのだが、この幼稚なウソ対応は一体、何なのだろうか。虚言の背景に何があるのか。経緯を詳しく見ていこう。

 女性(別の複数の医師に「精神疾患ではない」と診断され、今は服薬をやめて元気になった)は、10年10月にこの病院を受診した。過労が続いて気が滅入めいり、前月から「周りに見られている気がする」といった強い不安に駆られるようになったためだった。初診の医師は「短期精神病性障害の疑い」と診断した。この障害は1か月以内に回復する。だが、4日後に診察した准教授は「統合失調症」と診断し、抗精神病薬を服用する臨床試験への参加を勧めた。女性は「社会の役に立つのなら」と考えて協力した。

 この臨床試験は、統合失調症を初めて発症した患者を対象に、市販の2種類の抗精神病薬を使って認知機能の改善度を比較する内容だった。女性は11年10月まで参加することになり、複数の認知機能検査と血液検査を繰り返し受けた。臨床試験は09年から12年までの計画で始まり、途中で16年まで延長されて、患者約40人が参加した。

 女性は12年に別の医療機関に移ったが、指定医資格の不正取得問題の報道で、神経精神科の医師たちが患者の治療の記録(症例)を使い回したことを知り、不信感を募らせた。主治医だった准教授も処分を受けたため、女性は15年8月、臨床試験からの自分のデータの削除と、検査結果などの原本閲覧を求めた。

医療安全と研究推進の職員がウソに関与

 准教授はデータ削除には応じたが、原本は「シュレッダーにかけた」として閲覧させず、医療安全管理室の職員2人と、大学院研究推進課の職員1人も「破棄したと聞いている」などと説明した。

 余りにも不自然な説明に納得できない女性が、病院と話し合いを続けると、准教授は12月、「顧問弁護士に相談して、正直に告白しろと言われた」として原本の存在を認め、コピーを女性に提供した。病院は、准教授を含む職員4人がウソに関わったと説明した。准教授は「僕が言い出したのではなく、4人で話して決めた。破棄したことにした方が安心すると思った」と明かし、「結果的にウソをついたと思う」と女性に謝罪したが、女性は「ウソをついてまで隠したかった何かがあるのでは」と、不信感をますます強めることになった。

生命倫理委で試験継続の可否を検討

 厚生労働省研究開発振興課は「臨床試験の指針は患者への十分な説明を求めている。不信感を抱かせる対応は絶対に避けなければならない」とする。研究倫理に詳しい斉尾武郎医師(精神科医)は「医療安全と研究推進の両部門までがウソをつく大学の臨床試験は、全て疑わしい。他の臨床試験も含め、徹底した調査が必要だ」とする。

 女性は「指定医の問題で多くの医師が処分を受けたというのに、相変わらず患者をバカにしている。原本や開示したカルテの記載、利益相反の面でも疑問が多い」として、さらに追及する構えだ。病院もこの臨床試験の調査を始めており、「近く、生命倫理委員会を開いて試験の継続の可否を検討する」としている。

 私は15年夏から、この問題を取材してきた。女性が指摘するように、ウソ対応以外にも不可解な点は多い。まずは、病院名に恥じないウソのない調査と、臨床試験参加者への誠意ある対応を求めたい。



佐藤光展(さとう・みつのぶ)
読売新聞東京本社医療部記者。群馬県前橋市生まれ。神戸新聞社の社会部で阪神淡路大震災、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)などを取材。2000年に読売新聞東京本社に移り、静岡支局と甲府支局を経て2003年から医療部。取材活動の傍ら、日本外科学会学術集会、日本内視鏡外科学会総会、日本公衆衛生学会総会等の学会や、大学などで「患者のための医療」や「精神医療」などをテーマに講演。著書に「精神医療ダークサイド」(講談社現代新書)。分担執筆は『こころの科学増刊 くすりにたよらない精神医学』(日本評論社)、『統合失調症の人が知っておくべきこと』(NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ)、『精神保健福祉白書』(中央法規出版)など。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128613
在宅医療の高齢者、48%に「不適切」薬…副作用も
(2015年12月28日 読売新聞)

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 副作用の恐れがあるため高齢者に「不適切」とされる薬が、在宅医療を受ける高齢患者の48%に処方され、うち8%の患者に薬の副作用が出ていたという大規模調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。高齢者の在宅医療で処方の実態が全国規模で明らかになるのは初めてという。同省では高齢者に広く不適切な処方が行われている可能性があると見て、来年の診療報酬改定で薬の適正使用を促す枠組み作りに乗り出す方針だ。

 高齢者は薬の代謝機能が衰えるため副作用が出やすい。近年欧米では高齢化に伴って社会問題になり、学会などが高齢者には避けるべき薬のリストを作っている。日本にも同様の基準はあるが医療現場には浸透しておらず、高齢者に深刻な副作用が出たとの報告が相次いでいる。

 厚労省研究班は2013年、高齢患者の飲む薬の全容を把握するため、通院が困難な患者を医師が訪問する在宅医療に着目。医師と連携した薬剤師が訪問業務を行う全国3321薬局に調査を実施した。1890薬局が回答し、在宅医療を受ける65歳以上の患者4243人の処方薬を把握した。同研究班がこのデータを米国で高齢者の処方指針とされるビアーズ基準の日本版に基づき分類すると、2053人(48・4%)に「不適切」とされる薬が処方されていた。

 このうち165人(8%)に副作用が認められた。複数の薬の副作用が出ている例もあった。最も多かったのはベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬で、ふらつき、眠気、転倒、記憶障害の他、妄想や幻覚などの副作用が出た患者もいた。心不全に使うジゴキシンは食欲不振や中毒、胃潰瘍や精神症状の改善に使われるスルピリドでは震えやこわばりなどの副作用があった。

 研究代表者の今井博久・国立保健医療科学院統括研究官は「副作用の少ない代替薬があるので、不適切な処方を漫然と続けるべきではない。医師と薬剤師が連携して処方内容を見直す体制作りが必要だ」と話している。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128609
乳房全摘出…検査結果が診察と矛盾、それでも検体取り違えを疑わず
(2015年12月28日 読売新聞)

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 千葉県がんセンター(千葉市中央区)が乳がんの女性患者2人から採取した病理検査の検体を取り違え、誤って1人の右乳房を全摘出した医療事故で、当初の診察とは矛盾する検査結果が出たにもかかわらず、同センターがこれを重視せず、検体の取り違えを疑っていなかったことがわかった。

 2人は同じ日に病理検査を受けており、同センターは「検査結果は、(取り違えに気付く)一つのポイントだった」と認めている。

 2人は10月中旬、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を受けた。1人は30歳代の早期がん患者。もう1人は50歳代で、医師の視診などで当初から「進行がん」が疑われていた。

 生検の結果、30歳代の検体からはがん組織が検出されず、50歳代の検体から進行がんの組織が検出された。しかし、検体が取り違えられていたため、「50歳代の女性からがん組織が見つからない」という事態になったが、同センターは「針生検(の精度)には限界があり、がん組織が採取できないことはしばしばある」として、この結果を「偽陰性」と判断。検体の取り違えを疑わず、再検査を行って進行がんと診断し、必要な治療を行っている。

 一方、生検の結果から30歳代の女性は誤って進行がんと診断され、12月上旬、直ちに必要がないにもかかわらず、右乳房の全摘出手術を受けた。その時に採取された組織と10月の生検で採取された組織ではがんの型が異なっていたため、検体の取り違えが判明した。

 同センターは今月18日、外部専門家を含む「院内事故調査委員会」を設置した。委員会では、どうして検体の取り違えが起きたかだけでなく、検査結果の評価が妥当だったかについても検証の焦点になりそうだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128595
乳房全摘出、病院長「原因特定できず」
(2015年12月28日 読売新聞)

 あってはならない医療事故がまた起きた。千葉県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、30歳代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を全摘出された事態を受け、記者会見した同センターの永田松夫病院長らは「患者さま、ご家族に深くおわび申し上げる」と深々と頭を下げた。

 ただ、原因については「現時点では特定できていない」と述べるにとどめ、専門家らによる調査委員会で究明するとした。

 早期がんの30歳代女性と進行がんの50歳代女性の検体は同じ日に採取されていた。永田病院長らによると、取り違えが起きた「針生検」と呼ばれる病理検査は、マニュアル通りに行われていれば、病理医が診断を終えるまでに乳腺外科の主治医と看護師、看護補助者、病理検査科の臨床検査技師、複数の検査補助者、病理医の9人前後が関与する。各段階で取り違えを防ぐため、患者名などを書いたラベルを貼った検体容器や伝票を照合する決まりだ。

 このうち、乳腺外科と病理検査科のどの段階でミスが起きたかについてセンター側は「今のところわからない」と繰り返した。また、必要のない手術で乳房を全摘出した責任を問われると、永田病院長は「そこの部分は戻らない。大変重く受け止めている」と硬い表情で答えた。

 同センターは、透明性を確保するため、弁護士や病理医ら外部委員4人を含む計9人の「院内事故調査委員会」を設置。これに先立ち病院側が行った医師や看護師ら関係者5人への聞き取り調査では、「マニュアル通り行っていた」と答えたといい、調査委で徹底的な原因究明を行い、再発防止策を講じるとしている。

 病理検査は、針などを使い患者から採取した組織を顕微鏡などで詳しく調べる検査。がんの広がりや種類などの診断に活用し、切除範囲の決定など治療方針に大きな影響を与える。

 組織を採取し、臨床検査技師が標本を作り、病理医が診断する。一連の過程には、医師以外に複数の医療スタッフも関わる。

 多くの患者を診療する病院はどこも、検査前に患者本人に名前を名乗ってもらい、検体に貼ったラベルの氏名と照合するなどの手順はマニュアル化している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47721.html
厚生連の「公的医療機関」位置付けを維持- 厚労省、社会医療法人に変更後も
2015年12月28日 09時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、公的医療機関の開設者となっている厚生農業協同組合連合会(厚生連)について、社会医療法人に変更した後も公的医療機関に位置付けることを決めた。今年の通常国会で、厚生連が社会医療法人に組織変更可能な規定が盛り込まれた改正農業法の成立を受けた措置。今年度内に医療法第31条で規定する公的医療機関の開設者の告示を改正する方針だ。【新井哉】


 厚生連をめぐっては、農林水産業・地域の活力創造プラン(2014年6月改訂)で、公的医療機関として地域に必要なサービスを提供する際、組合員以外の利用規制が問題となる場合、「社会医療法人に転換することを可能とする」と明記。こうした状況を踏まえ、社会医療法人への組織変更規定を含む改正農業法が8月に成立した。

 社会医療法人は、へき地や救急、周産期医療など地域で必要な医療の提供を担う医療法人を認定するもので、一定の収益事業が可能。病院や診療所、介護老人保健施設の非収益事業や本来業務の医療保健業については、法人税が非課税となっており、公益性が強く求められている。

 厚生連の病院と診療所は全国に約140施設ある。厚労省は、国民に必要な医療を確保するために設けられた公的医療機関の制度の下で「地域医療の確保に一定の役割を果たしてきた」と指摘。引き続き公的医療機関としての役割が期待されていることや、組織の目的や社会的な役割はこれまでと同じであるとの理由から、「法人格の形式的な変更をもって、ただちに指定を外す理由にはならない」としている。

 ただ、社会医療法人に変更後、都道府県知事に認定を取り消されて通常の医療法人になった場合、地域医療の確保にかかわる役割を十分に果たせない可能性がある。このため、厚労省は、社会医療法人の認定を取り消された際は、公的医療機関の開設者から外す規定を設けるという。改正告示の適用は、改正農協法の施行日と同じ来年4月1日を予定している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47741.html
薬価引き下げの新ルール、「極めて理不尽」- 業界団体が声明
2015年12月28日 17時00分キャリアブレイン

 来年春の薬価制度改革の骨子がまとまったことを受け、日本製薬団体連合会(日薬連)など3団体はそれぞれ声明を発表した。骨子には、既に保険収載されている医薬品のうち、年間の販売額が極めて大きい品目の薬価を最大半額にする「特例再算定」の創設が盛り込まれたが、日薬連側は「極めて理不尽」だとしている。【敦賀陽平】

 特例再算定の内容は、(1)年間の販売額が1000億円超から1500億円以下で、予想販売額の1.5倍以上(2)年間の販売額が1500億円超で、予想販売額の1.3倍以上―のいずれかを満たす品目を対象に、(1)では最大25%まで、(2)では最大50%まで薬価を引き下げる―というもの。

 声明で日薬連側は、薬価設定時の前提条件の変化すら考慮されておらず、単に販売額などで薬価を引き下げるルールだとして、「極めて理不尽なものと捉えている」と主張。その上で、国民皆保険制度の持続性を保つため、「薬剤費全体と個別医薬品の市場規模の在り方を抜本的に検討した上で、最大の当事者である製薬業界にとって納得性のある結論にしていただきたかった」との苦言を呈した。

 また日本製薬工業協会も、「イノベーションの否定そのものと言わざるを得ず、到底容認することはできない」との見解を示した。

■「市場実態に基づかない要望をした」―GE薬協
 骨子には、2020年度末までに後発医薬品のシェアを8割以上に引き上げるとする政府目標の達成に向け、後発品の置き換え率(シェア)が低い長期収載品(後発品のある先発医薬品)の薬価を引き下げる特例(Z2)の基準を厳格化することや、新規の後発品の薬価を先発品の原則5割に引き下げることも盛り込まれた。

 これについて日薬連側は、「後発品への置き換えによる医療費適正効果額は年々スピードを増す形で増加している」などとして、「特例引き下げの強化は容認できない」と主張した。

 一方、経営状況の厳しさなどから新規の後発品の薬価の維持を求めていた日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は、厚生労働省が9月に行った薬価調査で、新規の後発品の公定価格と実売価格との乖離率が先発品よりも大きかったことに触れ、「市場実態に基づかない要望をしたことについて深く反省している」と陳謝した。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128600
相次ぐ患者・検体取り違え…医療事故、後絶たず

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 患者や検体の取り違えによる医療事故は後を絶たない。

 横浜市立大病院(横浜市)では1999年1月、それぞれ心臓と肺の手術を受ける予定だった男性患者2人を取り違える事故が起きた。病棟の看護師が1人で2人の患者を搬送し、手術室の看護師に受け渡す際に間違いが生じた。同病院は事故後、名前を記入したリストバンドを患者に着けるなどの対策を講じた。

 乳がんを巡っては昨年、兵庫県高砂市の高砂市民病院で、病理検査を受けた女性2人の検体を取り違え、誤った検査結果を伝えるミスが起きた。良性だった女性は、別の病院で乳腺の一部と周囲を切除する手術を受けた。摘出した組織からがん細胞が見つからず、誤りが判明した。

 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)では2013年12月、小児がんの一種の「神経芽腫」の男児に移植する予定だった本人の幹細胞を、同じ病気で入院していた別の女児に誤って移植した。主治医の思い違いなどが原因だった。

 また、熊本大病院(熊本市)や大阪市立総合医療センターなどでは、肺がん患者の検体を取り違え、別の患者の肺の一部を摘出した。東北大病院(仙台市)では07年12月、前立腺肥大症の患者を前立腺がんの患者と取り違え、誤って前立腺を摘出する事故が起きている。

(2015年12月28日 読売新聞)



https://www.m3.com/news/general/387143?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151228&dcf_doctor=true&mc.l=137029029&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
2千万円支払いで和解 がん誤診、胃切除
2015年12月28日 (月)配信 共同通信社

 兵庫県立加古川医療センター(加古川市)でがんと誤診され、胃の3分2を切除された男性患者の遺族が県などに損害賠償を求めた訴訟は25日、県が病院側の過失を認め遺族に2千万円を支払うことで、神戸地裁で和解が成立した。県が同日、発表した。

 県などによると、病院は2011年3月、病理検査の際に他人の標本と取り違え、70代の男性を胃がんと誤診した。男性は胃潰瘍で手術は必要なかった。男性は12年8月に術後の後遺症に苦しみ自殺したが、和解内容では「胃の切除との因果関係は不明」としている。

 遺族が今年5月、5500万円の損害賠償を求め提訴していた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/387187
「かかりつけ医推進事業」概算要求から大幅減、厚労省予算案
「地域医療介護総合確保基金」は2015年度と同額の904億円

2015年12月28日 (月)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省は12月24日、2016年度予算案を発表した(資料は、厚労省のホームページ)。予算規模は30兆3110億円で2015年度比3963億円の増加。政府全体の社会保障関係費は31兆9738億円で、同4412億円増の過去最大規模となった。新規の重点施策として概算要求で4.5億円を要求していた「かかりつけ医による医療提供体制の構築」は2100万円にとどまった(概算要求については、『「かかりつけ医」推進に4.5億円、厚労省概算要求』を参照)。病床の機能分化・連携、在宅医療の推進する「地域医療介護総合確保基金」は、2015年度の904億円と同額を確保した。

 厚労省地域医療計画課によると、「かかりつけ医による医療提供体制の構築」事業は、8月の概算要求時点では「かかりつけ医を広めるためのモデル事業を市区町村から公募、優れたアイディアを採用する」としていたが、要求額の4.5億円から2100万円に大幅に減額された。モデル事業はできなくなったため、「予防・健康づくり、病診の連携、在宅医療・介護連携等、かかりつけ医として幅広く活動している医療機関について」の効果検証を行うとしている。2.3億円を要求し、1.8億円にとどまった「かかりつけ薬局を推進する『患者のための薬局ビジョン』」と大きな差が付いた。また、後発医薬品については、政府の利用推進の方針を受け、品質確保対策の促進事業は7.1億円を確保した。

 厚生労働省予算内での医療分野は11兆5438億円で、同538億円増(0.5%増)。介護は同1030億円増(3.6%増)の2兆9323億円。年金は同1971億円(1.8%増)の11兆2498億円。

その他の主な予算事項は以下の通り。 

・認知症高齢者等にやさしい地域づくりのための施策の推進  82億円
・「かかりつけ医」による医療提供体制の構築   2100万円
・専門医に関する新たな仕組みの構築に向けた取組  1.9億円
・特定行為に係る看護師の研修制度の推進  4.1億円
・医療事故調査制度の適切な運用  8.2億円
・救急医療体制の整備、医療提供体制推進事業費補助金150億円の内数及び医療提供体制施設整備交付金25億円の内数
・ドクターヘリの導入促進  61億円
・災害医療体制の充実 99億円、医療提供体制推進事業費補助金150億円の内数、医療提供体制施設整備交付金25億円及び国立病院機構運営費交付金144億円の内数
・臨床効果データベース整備  1.4億円
・後発医薬品の品質確保対策の促進  7.1億円
・クリニカル・イノベーション・ネットワークの構築  31億円
・ゲノム医療の実用化に向けた取組の推進  36億円
・革新的な医薬品等の実用化に向けた質の高い臨床研究の推進等  57億円
・データヘルス(医療保険者によるデータ分析に基づく保健事業)の効果的な実施の推進  7.5億円
・糖尿病性腎症患者の重症化予防の取組への支援  0.4億円
・患者のための薬局ビジョンの推進  1.8億円
・予防・健康インセンティブの取組への支援  1.2億円



https://www.m3.com/news/general/387150
研究不正で教授停職1カ月 熊本大、論文の画像流用
2015年12月28日 (月)配信 共同通信社

 熊本大は25日、1998~2012年に発表した論文9本に画像の流用などの不正が見つかった研究グループを主宰する同大大学院生命科学研究部の光山勝慶(みつやま・しょうけい)教授(58)を、停職1カ月の懲戒処分にした。

 大学は、光山教授が論文を執筆した助教授や研究員に対して、論文作成やデータの保管方法の指導や確認を怠ったため不正が繰り返されたと判断した。光山教授は「ケアレスミスだった」と説明し、大学も論文の内容に影響を与えるものではないとしている。

 原田信志(はらだ・しんじ)学長は「研究者倫理の徹底と再発防止に努める」とのコメントを出した。

 熊本大は3月、光山教授が責任著者を務めた心疾患などの病態解明に関する論文に、実験画像の流用や画像自体の加工が見つかったとして、研究不正を認定した。



https://www.m3.com/news/general/387155
向精神薬、ネットで拡散 生活保護悪用、対策急務 「キャッチアップ2015」
2015年12月28日 (月)配信 共同通信社

 副作用の危険性がある向精神薬が、インターネットを通じ拡散した実態が明らかになりつつある。兵庫県警が6月以降、計6人を逮捕した不正転売事件。生活保護など医療費の公費負担制度が悪用され、重複処方された医薬品が横流しされた。薬物中毒で死亡した購入者もおり、防止策の整備が急務となっている。

 「ネットの掲示板で向精神薬の売買を知った」。向精神薬の営利目的所持容疑で今月逮捕された無職女性(32)=兵庫県西脇市=は、県警の調べにこう語ったという。母子家庭への医療費助成制度を使い、2010年以降に約18万錠の医薬品を安価で得ていたとみられる。女性はその後、起訴猶予となった。

 一方、県警はこれまでに転売容疑で生活保護受給者だった京都市の男女2人を逮捕。複数の医療機関に何度も通うなどして、医薬品を無料で入手していたという。

 拡散の「ハブ」とされるのが、東京都の小岩井由香(こいわい・ゆか)被告(56)=麻薬取締法違反罪などで公判中=だ。京都市の男女や奈良市の薬剤師の男、別の京都市の男を通じて西脇市の女性などから向精神薬を仕入れ、09~15年にネット上で123人に販売したとされる。うち埼玉、和歌山、兵庫、鹿児島の4県の計5人が過剰摂取による薬物中毒で死亡。うち4人は自殺とみられる。

 不正は止められなかったのか。京都市は11年度以降、レセプト(診療報酬明細書)を電子化し、生活保護受給者による重複処方を審査。ただ今回の事件では生活保護以外の支援制度も使われており「統合的なチェックができず見抜けなかった」(担当者)という。

 厚生労働省によると、12年11月の1カ月間に重複処方を受けていた受給者は6825人。うち76%は、別の症状で複数の病院にかかるといった正当な理由はなかった。だが調査は改善指導が主な目的で、犯罪につながるケースを見つけ出すのは困難なのが実情だ。

 「不正防止策を医療機関同士で共有することが重要だ」と指摘するのは、日本精神神経科診療所協会の浅野達蔵(あさの・たつぞう)理事。転売目的の患者は、医薬品を指定して処方を求める傾向があるという。浅野理事は「過剰な管理は一般の患者の不利益となる。医師が自覚を持ち、不正を見抜く目を養う必要がある」と話している。

 ※向精神薬

 精神疾患の治療に使われる抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などの総称。中枢神経に作用し、精神機能に影響を及ぼす。乱用の危険性があるため、麻薬取締法の対象。過剰に服用すると、幻覚や錯乱などの症状が現れ、死亡するケースもある。インターネットを通じた不正転売が社会問題となっている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/383309
シリーズ: 始動する“医療事故調”スペシャル座談会
拙速な制度の見直しは危険◆Vol.7
医師法21条との関連は別問題

2015年12月27日 (日)配信 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――新たな医療事故調査制度がどのように機能するか、最初の立ち上がりが重要です。

山本 先ほど武田先生が言われたように、医療事故調査とは何かをきちんと理解して、この制度が前提としている趣旨に従って、運営していける人材の養成は非常に重要な問題だと思います。

 他の分野、例えば消費者事故調でも、やはり人材が足りない。消費者庁がスタートした時は、年間100件の調査を行うとしていましたが、数年経っても、まだ5、6件程度。調査ができるような人材の養成が、日本全体でできていない。今回、センターの役割として、「事故調査に関わる知識、技能の研修」が入ったのは、人材養成という趣旨も含んでいると思います。

3氏はいずれも、医療事故調査制度の見直しは、拙速に行うべきではない、と釘を刺す。

――人材養成のためには、センター自身が体制を整えなければいけない。

山本 その通りです。

武田 国としては、ここで重大決断をした。一種のパラダイムシフトを国が先導した稀有な例であり、これで終わりではなく、ここからが始まりで、人材養成にも、力を入れてもらいたいと思います。

――センター調査の在り方も、今後、問題になってきます。センターには、各分野の専門的人材はいないので、さまざまな学会に支援を仰ぎ、機能させていかなければいけない。

長田 センター調査も含め、事故調査の方法や報告書の書き方について、トレーニングしていくことが必要。報告書一つで、印象が変わってきてしまうからです。

山本 センターには、対象となる医療事故が全て報告されてくることになるので、その中から、この制度にかなった報告書はどんなものなのかを例示していくようなことも必要でしょう。

――医療法において、医療事故調査制度は、「公布後、2年以内に見直す」となっています。先ほど、武田先生から「執行猶予にしてもらいたい」との意見が出ましたが、見直しを延期することは可能なのでしょうか。

山本 「法律の公布後から」とされたのは、見直し規定としては稀有な例です。「法の施行後から」、つまり制度の開始を起点とするのが、普通でしょう。

 今回の制度では、公布から施行まで1年半近くかかっています。いったん始めた制度を、施行からわずか数カ月で見直すのは、制度全体を評価する期間としては、やや短すぎると思います。制度が機能しているのか否かについて、慎重に見極めないと、場合によっては誤った方向に改正のベクトルがかかりかねないと懸念しています。

 法律上は、「公布後2年以内に法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとする」となっています。検討を加えた結果、「必要な措置を加えるかどうかの判断がまだできない」となる可能性ももちろんあるでしょうから、繰り返しになりますが、慎重に考えていただきたい。

――仮に見直す場合、どの辺りの見直しが必要になるとお考えですか。異状死体の届出を定めた医師法21条との関連で、見直しが必要との意見も一部にあります。

山本 医師法21条の問題をまた巻き込むと、問題はかなり複雑になってくることは明らかです。「(医療事故調査制度が)現状の仕組みのまま、21条を廃止することができる」と思っている人がいるとすれば、「難しいことをお考えになっている」と言わざるを得ません。21条を関連付けて改正するには、(2008年に、厚労省が医療事故調査制度案としてまとめた)「大綱案」とは言いませんが、別の制度が必要。21条の問題と切り離した結果、今回のような制度になったわけです。
 もっとも、21条自体をいいと思っているわけでは、必ずしもありません。何らかの検討は必要でしょう。

――医師法21条をどう解釈され、どのように見直すことが必要とお考えなのでしょうか。

山本 医療機関が自らの判断で医療事故を警察に届け出ることが必要か、しかも刑罰を科してまでやる意味があるかということです。「大綱案」自体がいいかは別としても、「大綱案」では、一度、第三者である医療専門家の目を通し、「専門家から見てもこれは許し難い」という事例だけを、警察に通知する制度を作ろうとしたわけです。

 医療の専門家から見れば、現状では「なぜ、これを起訴するのか」という事例があるかもしれません。しかし、警察や検察は、基本的には医療の素人であり、彼らを責めても仕方がない話。医療の専門家の判断を尊重する仕組みは、選択肢としてはあり得ると思います。ただ、「同業者の判断が、責任追及につながる」と問題視する声もあり、どんな制度がいいのか、私自身、結論を持っているわけではありません。医療の専門家を交えて議論する必要はありますが、繰り返しになりますが、今回の制度の見直しとは別の議論です。

――ただ、その専門家が信用できない場合もあり得ると思います。例えば、産科医療補償制度は、「専門家が判断している」制度であり、無過失補償の対象となった事例についての原因分析報告書の内容を問題視する意見も聞きます。報告書を受け取った分娩機関が異議を唱えたため、再検討したところ、委員会での意見は二分したとの報告もあります。その場合には両論併記するのが専門家としての正しい態度ではないでしょうか。警察や検察など、医療者以外が、専門家の意見を過信する懸念もあるのでは。

山本 法律の世界においては、「過失」は、注意義務が前提になります。その「注意義務」には水準論があり、どんな水準を下回れば、過失があったかを考えます。一般的には、民事でも、また刑事でも、「標準的な医療機関の注意義務を、前提にしなければならない」と考えられています。

 しかし、どの世界でもそうかもしれませんが、超一流の方々が集まると、「なぜこんなことをしたのか」「これは絶対におかしい。過失があるはずだ」と厳しく判断し、高いところに「注意義務」を設定しがちです。それを全て警察に送っていたら、大変です。この辺りは、ぜひ医療界の方々に考えていただきたい。

長田 逆のパターンで、「他の病院で起きたのなら、仕方がないけれど、僕に限ってはこれは事故に当たる」という議論になることもあり得ます。「先生にとっては、そうかもしれませんが、一般的にはあり得ます」と言っても、納得されなかったりします。

 日本において「一番の医師」は,たった1人しかいないのです。医師が100人いたら、100番の医師もいるわけです。一番の医師は、「僕に任せれば、手術は成功した」と、言いたいのでしょう。けれども、例えば、野球の世界では、イチローの打率は4割にとどきません。6割失敗しても、拍手喝さいを受けます。なぜ医師だけ、100例の手術をして、大半は成功しているのに、高すぎる目標に届かなかったからといって非難されてしまうのか……。

 話を元に戻して,武田先生はどのようにお考えですか。

武田 医師法21条は、「体表に異状がある場合に届け出る」という解釈であり、私も今回の制度とは切り離して考えるべきだと思います。

 また最後に、患者安全の視点から一言、付け加えさえてください。「事故予防」は、1次予防、2次予防、3次予防という考え方をしなければいけません。病気と同じで、事故が起きる前に防止するのが、1次予防。「早期に発見し、早期に対応する」という2次予防の考え方で言えば、同様の事故、問題が続いた場合、「問題が起きていることに早く気づき、対応策を講じるべきだったのではないか」という議論になります。さらに3次予防では、「事故を拡大させない、同じ事故を起こさない」ことが必要。(2009年に発表された)「WHO医療安全関連国際標準分類のための概念フレームワーク」ではこのような表現になっています。

 さらに言えば、「事故から予防策を学ぶ」のは、「外れ値」、つまり失敗事例から学ぶという、いわゆる「SafetyI」の考え方。しかし、医療事故に至るには、さまざまな分岐点があり、失敗事例だけを分析して、原因を特定することは難しいケースが多い。医療は複雑系であり、「事故予防」の今のトレンドは、「外れ値」に限らず、成功事例まで幅広く目を向けて事故を回避する、「SafetyII」という考え方です。これを法律で進めるのは難しいでしょうが、幸い今回の医療事故調査制度は、「学習型」の仕組みなので、うまく「SafetyII」の考え方につながるように、誘導していただければと期待しています。

 今回の制度で、さまざまなデータが出てきます。他のデータ、例えばDPCデータなどと合わせながら、医療の質や各医療機関の機能を評価していくのが、これからの医療の在り方ではないでしょうか。質が高いところを評価していくインセンティブの仕組みを作れば、日本の医療機関全体の質向上につながっていくと思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/384612
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
1位はあの大学の問題、2015年の10大ニュース◆Vol.4
大学の不祥事相次ぐ一方、ノーベル賞の明るい話題も

2015年12月27日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.4 2015年の10大ニュースは何だと思われますか(10個まで選択可)。

Q.4では、2015年の10大ニュースとして、m3.comに掲載した主要90本のニュースの中から、最大10までの選択肢で聞いた(回答者、勤務医505人、開業医500人)。

全体の順位                    それぞれの票数と順位
                          勤務医 開業医

1  群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術に      291   247
   関する一連の問題(通年)           (1位) (1位)

2  理化学研究所のSTAP問題(通年)         229   228
                          (2位) (2位)

3  ノーベル医学・生理学賞に大村智氏(10月)    130   156 
                          (3位) (3位)

4  東京女子医科大学病院の誤投与の問題(通年)    124   109
                          (4位) (4位)

5  聖マリアンナ医科大学の精神保健指定医      87   91
   不正取得問題(通年)               (5位) (5位)

6  東北薬科大学の医学部新設に向けた動き(通年)    83   85
                          (6位) (7位)

7  韓国でMERSが発生、流行、日本でも対応へ(6月) 72    81
                          (9位) (8位)

8  2016年度診療報酬改定に向けた議論(通年)     66   86
                          (11位) (6位)

9  神戸国際フロンティアメディカルセンターの    77   74
   生体肝移植問題(通年)              (7位) (10位)

10 2017年度の専門医制度改革に向けた議論(通年)   76   69
                          (8位) (11位)


 1位は、2014年末から報道が続いた「群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術に関する一連の問題」。計538票を集め、多くの医師が高い関心を持ち、関連報道を注視していたことが分かった。同問題では、同じ執刀医による肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡したのを受け、大学側は事故調査委員会を設置。3月に「最終報告書」を公表したが、外部委員の意見を聞かずに「執刀医に過失があった」と記載していたため公表後に削除したほか、外部委員が委員会にほとんど出席していなかったなど、事故調査に問題があることも判明した。

 大学は、改めて事故調査委員会を設置し、病院組織としての問題点などを総合的に検証、再発防止案を策定する「群馬大学医学部附属病院改革委員会」も設置した。病院改革委員会はこれまでに、「医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった」とする中間まとめを提出(一連のニュースは『シリーズ:群馬大学腹腔鏡死亡事故』を参照)。

 2位は理化学研究所のSTAP論文問題。2014年に引き続きマスコミで大きく取り上げられた。2015年は、3月に理研の「運営・改革モニタリング委員会」が再発防止案をまとめ、野依良治・理化学研究所理事長(当時)が記者会見し、ES細胞の混入した人物が特定できないまま、理研は一応の幕引きを図った。元ユニットリーダーの小保方晴子氏をめぐっては、Nature誌などへの論文投稿料、約60万円を理研が返還請求したほか、早稲田大学が小保方氏の論文に不正があったとして、博士学位を取り消した。兵庫県警は被疑者不詳で、ES細胞の窃盗容疑の告発状を受理している。

 3位は久々の明るい話題となった、大村智氏(北里大学特別栄誉教授)のノーベル生理学・医学賞受賞。大村氏が開発に寄与した抗寄生虫薬イベルメクチンは、発展途上国だけでなく日本でも疥癬などの治療に使われ、多くの医師にとっても身近な話題になったようだ。大村氏のひた向きな研究姿勢や、美術や科学技術振興への積極的な支援も注目された。

 4位は東京女子医科大学病院のプロポフォール投与事件。4月に外部調査委員会による事故調査報告書が公表された(『「死因は禁忌薬の使用」、女子医大第三者委9』を参照)。群馬大と東京女子医大は、6月から特定機能病院の承認を取り消されている。5位は、聖マリアンナ医科大学病院の精神保健指定医の不正取得問題。同大は、教授を諭旨退職、指導医らを懲戒休職などとする学内処分をしたほか、23人が医業停止処分を受けた。

 6位には、医学部新設が決まった東北薬科大学の話題。7位は韓国で発生し、日本でも対策に追われたMERS。8位は2016年度診療報酬改定に向けた議論、9位は術後の死亡率の高さが問題視された、神戸国際フロンティアメディカルセンターの生体肝移植。10位は2017年度の専門医制度改革に向けた議論。総合順位には入らなかったが、開業医の9位は、C型慢性肝炎の画期的新薬に保険収載が認められたニュース。効果が極めて高いものの、高額であることが話題となった(11位以降はこちら)。

11位以降
全体の順位
11  C型慢性肝炎の画期的新薬、「高効果、高薬価」(5月)
12  ノバルティスを業務停止へ 副作用報告違反で初 厚労省(2月)
13  医療事故調査制度がスタート(10月)
14  千葉がんセンターの腹腔鏡下手術の死亡事案問題(通年)
15  国家戦略特区(千葉県成田市)の医学部新設に向けた動き(通年)

16  亀田総合病院、『医療崩壊』小松氏を懲戒解雇(9月)
17  12月からストレスチェック制度開始、変わる産業医(11月)
18  高血圧学会、元教授を処分 バルサルタンで「データ操作」疑惑 (1月)
19  臨床研修医の採用8千人超え、過去最多更新(6月)
20  国立国際医療研究センター病院の造影剤誤投与問題(通年)

21  生命科学系の論文80本、不正疑いネットで指摘 (1月)
21  マイナンバー制度収賄容疑で厚労省室長補佐逮捕(10月)
21  化血研の処分検討 厚労省、血液製剤問題で(11月)
21  レセプト債4社が破綻、227億円償還不能か(11月)
21  医師の66.2%が受診中断の経験、保団連調査(1月)

26  特定機能病院の承認取消、厚労省の立入検査(通年)
26  41万件で1億7千万円 くすりの福太郎不適切請求(6月)
28  医師に謝礼1千万円超184人 製薬会社、講演料など(4月)
29  酒たばこ「18歳から」紛糾 成人年齢引き下げ、自民提言(9月)
30  ノバルティスに業務改善命令、副作用報告遅れ(11月)

31  医学部定員、2016年度は9262人に、128人増(10月)
32  京都大学病院、元准教授を収賄容疑で逮捕(6月)
33  武田に業務改善命令、誇大広告認定、厚労省(6月)
34  厚労省予算3%増の29兆9000億円、2015年度(1月)
35  骨太の方針発表、後発薬普及、医療費適正化(6月)

36  調剤薬局の薬歴未記載問題が発覚(3月)
36  総合診療専門医の「医師像」、明らかに(4月)
36  群馬県で、健康診断中の女性がX線台から落ちて死亡(5月)
36  ノバルティスを業務停止へ 副作用報告違反で初 厚労省(2月)
36  教授が医大学長をパワハラで提訴へ、浜松医大(6月)
36  41道府県で病床削減の試算、患者動態現状通りで(6月)
36  国家戦略特区(千葉県成田市)の医学部新設に向けた動き(通年)
36  看護師の特定行為に係る研修制度がスタート(10月)

44  札幌医大、教授を懲戒解雇、兼業で(5月)
44  2018年度から医療に新たな番号制度、産業競争力会議(5月)
46  発症後1日半で急死、インフルエンザ脳症(1月)
46  東大、推薦入試も難関 募集要項を正式公表(7月)
  1. 2015/12/29(火) 06:47:40|
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12月27日 

http://www.sanyonews.jp/article/277943/1/
福祉福山市医師会が検案医不足で対策 
警察協力委発足や研修会で養成

(2015年12月27日 15時26分  山陽新聞)

 警察の依頼で変死体の死因を特定する「検案医」が、福山市内で不足している。「報酬が安い」「診療中に急な呼び出しがある」といった理由で引き受け手が少なく、一部の医師に負担が偏っているのが実情。福山市医師会(市中心部、東部)は警察協力委員会を立ち上げ、協力医師のリストを作成したり、検案医の養成に力を入れるなど対策に乗り出した。

 検案医は、遺体の死因などを調べて死体検案書を作成する。事件などの際の検視にも携わる。検案書は医学的、法律的に人の死亡を証明するもので、戸籍の抹消手続き、生命保険の適用、死因統計の資料などに関わる。

 「100件以上の検案をした年もある」。2005年から福山東署の検案に協力する瀬尾胃腸科内科医院の瀬尾功院長(77)はこう話す。変死体の発見現場に駆け付けることもあるという。

 福山東、西、北署によると、14年の検案件数は494件。市内には約700人の医師がいるが、定期的に検案に協力する医師は7人程度という。変死体が見つかった場合、警察が医師に検案を要請するが、「断られることはよくある。毎回探すのに苦労している」と福山東署の早志光弘刑事官。

 検案1件当たりの報酬は3千円。医師免許以外の資格は必要ないが、変死体の死因特定には一定の知識や経験が必要だ。日常の診療業務を抱える医師たちには「呼び出しがあっても、目の前の患者を置いて行くことはできない」という声もある。

 事態改善のため、福山市医師会は警察協力委員会を9月に発足させた。協力医師5人の連絡先を載せたリストを作り、福山東署に提供。藤岡正浩委員長(船町ふじおかクリニック院長)は「一部の医師にかかっていた負担が軽減され、警察も検案医を探す作業がスムーズになる」と期待する。1年間で10人前後まで増やしたい考え。

 さらに警察協力委は11月6日、研修会を福山市内で初めて開催。広島大大学院の法医学専門家を招き、医師ら約90人が死体検案書の作成について学んだ。今後も実技を含めた研修会を継続的に開く方針。市医師会の児玉雅治副会長(児玉クリニック院長)は「検案医の量と質を向上させていく。多数の死者が予想される大規模災害の備えにもなる」と話している。



http://www.sankei.com/premium/news/151227/prm1512270020-n1.html
【安倍政権考】
8年ぶりの診療報酬マイナス改定 
でも本体部分は増で医師会はご満悦 
裏には参院選見据えた安倍首相の影が…

2015.12.27 14:00 産経ニュース

 政府の経済財政諮問会議は12月24日、国の財政健全化目標を達成するための改革スケジュールや進捗状況を管理するための指標を盛り込んだ「経済・財政再生アクション・プログラム」を取りまとめた。

社会保障費抑制の試金石


 「本日、経済・財政一体改革の工程を具体化した『経済・財政アクションプログラム』を決定した。関係大臣においては、本プログラムに基づき、政府一丸となって制度改革を実施していただきたいと思う」

 議長の安倍晋三首相は、同日の諮問会議でこう述べ、同プログラムを確実に実行していくよう関係閣僚に指示した。同プログラムの工程表では、国の一般会計予算で歳出の3分の1以上を占める社会保障費の抑制に向け、社会保障分野の44の施策について、進捗させる時期と進捗指標となるKPI(重要業績評価指標)が設定された。

 その社会保障費抑制の試金石となったのが、平成28年度の次期診療報酬改定の改定率だった。年末の28年度当初予算案の編成に合わせて政府・与党で合意された診療報酬全体の改定率はマイナス0・84%。診療報酬全体のマイナス改定は20年度以来8年ぶり。内訳をみると、医薬品や材料の価格である「薬価部分」を1・33%引き下げる一方、医師らの技術料にあたる「本体部分」は0・49%の引き上げとなった。

 前回の26年度改定では、消費税率の8%引き上げに伴う医療機関の仕入れコスト増の補填分を上乗せしており、「本体部分」の実質の改定率はプラス0・1%しかなかった。そう考えると、今回の「本体部分」のプラス0・49%は上げ幅が5倍も増えた格好だ。

 塩崎恭久厚生労働相は21日、閣僚折衝で改定率が正式決定した直後の記者会見で、改定率について「医療機関の経営状況や働いている方々の賃金動向をよく加味しながら考えた」と説明したが、来年夏に参院選を控え、「本体部分」の引き上げを求めていた大票田の日本医師会(日医)に配慮したのは間違いない。

横倉・日医会長の続投後押し

 「社会保障の充実に向けてご尽力いただいた安倍首相をはじめ、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、塩崎厚労相ら各閣僚の皆さん、自民党の高村正彦副総裁、谷垣禎一幹事長、二階俊博総務会長、稲田朋美政調会長、田村憲久政調会長代理、その他関係議員の先生方に深く感謝を申し上げる」

 同じく21日に記者会見した日医の横倉義武会長は、会見の冒頭、「本体部分」のプラス改定に尽力した政治家や議員連盟の名前を一つ一つ挙げて感謝の言葉を述べた。ただ、自民党の厚労族議員の一人は「今回の診療報酬改定は大きな流れがあらかじめ決まっていたので、あまり動かなかった」と打ち明ける。社会保障費の抑制が叫ばれる中、「本体プラス」は安倍首相の意向で予算編成前から固まっていたというのだ。

 福岡出身の横倉氏は、自民党の古賀誠元幹事長の地元後援会長を務めたことがあるなど自民党とは太いパイプを持つ。安倍首相とも関係は良好といわれ、厚労省幹部は「横倉氏が会長の間は日医の既得権益に切り込むのは難しい」と語る。

 来年6月には日医会長選があり、横倉氏の3選出馬もささやかれる。横倉氏の続投を確実にするためには「本体プラス」が必須であり、そうした流れを安倍首相も後押ししたのが今回の診療報酬改定の実態だった。

 日医会長選や参院選後には、患者の自己負担を軽減する「高額療養費制度」の見直しなど社会保障抑制の具体的な議論が本格化する予定だが、今回の診療報酬改定の内幕をみる限りは、日医の発言力は引き続き維持されそうな雲行きだ。

(政治部 桑原雄尚)



http://www.yomiuri.co.jp/national/20151227-OYT1T50010.html
乳房全摘出、検体取り違え疑わず…検査結果矛盾
2015年12月27日 09時22分 読売新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)が乳がんの女性患者2人から採取した病理検査の検体を取り違え、誤って1人の右乳房を全摘出した医療事故で、当初の診察とは矛盾する検査結果が出たにもかかわらず、同センターがこれを重視せず、検体の取り違えを疑っていなかったことがわかった。

 2人は同じ日に病理検査を受けており、同センターは「検査結果は、(取り違えに気付く)一つのポイントだった」と認めている。

 2人は10月中旬、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を受けた。1人は30歳代の早期がん患者。もう1人は50歳代で、医師の視診などで当初から「進行がん」が疑われていた。

 生検の結果、30歳代の検体からはがん組織が検出されず、50歳代の検体から進行がんの組織が検出された。しかし、検体が取り違えられていたため、「50歳代の女性からがん組織が見つからない」という事態になったが、同センターは「針生検(の精度)には限界があり、がん組織が採取できないことはしばしばある」として、この結果を「偽陰性」と判断。検体の取り違えを疑わず、再検査を行って進行がんと診断し、必要な治療を行っている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53560/Default.aspx
介護療養病床など転換先の新類型を提示 住まいに医療併設の“医療外付型”も
2015/12/28 03:51 ミクスオンライン

厚生労働省は12月25日、療養病床の在り方等に関する検討会に、介護療養病床、医療療養病床(25対1)の転換先として、長期療養を行う医療提供施設、住まいの機能を強化し居住スペースに病院・診療所を併設する“医療外付型”の新たな施設類型を提案した。介護療養病床や医療療養病床は、2017年度末で廃止されることが決まっている中で、新施設類型が認められれば、転換先として、医療療養病床(20対1)や介護老人保健施設、有料老人ホームなどの既存の類型に加え、新たな選択肢ができることになる。

療養病床をめぐっては、独居老人や認知症患者などで長期療養がやむをえない患者が入院しており、転院先を見つけるのが難しいことも指摘されている。一方で、在宅療養がすべての受け皿となることも難しく、これら病床の転換先となる新たな施設類型の設置が求められていた。

新施設類型は、▽長期療養を行う医療提供施設である“医療内包型”▽医療を外から提供する、住まいと医療機関の併設類型――。医療内包型は、医療必要度、介護必要度に応じて2つのモデルを提示した。医療必要度が高く、容体が急変するリスクがある患者については、特別養護老人ホームと同程度の介護機能に加え、喀痰吸引や経管栄養を中心とした日常的・継続的な医学管理を求めた。医療提供体制も、24時間の看取り、ターミナルケアに加え、医師の当直体制・オンコール体制を求める。一方で、比較的容体が安定した患者については、医師の当直体制を求めず、オンコール体制による看取り・ターミナルケアを行うこととした。医療外付型は、併設する病院・診療所からのオンコール体制による看取り・ターミナルケアを求める。

検討会は、年明けにも議論をまとめる予定。社会保障審議会医療保険部会、介護保険部会での審議を経て、2017年度通常国会に医療法など関連法の改正案を提出する見通しだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95613190Y5A221C1NN1000/
遠隔でも死亡診断書作成可能に 規制改革会議が提言へ
2015/12/28 0:54日本経済新聞 電子版

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は患者が自宅で最期を迎える「在宅みとり」などの際に、医師による診断書の作成条件を緩和するよう求める。医師がすぐに行けない地域では、看護師の補助を受けて医師が遠隔で死亡を判断し、診断書を書けるようにする。今後、対象地域などを厚生労働省と詰める。

 規制改革会議は来年6月にまとめる答申に盛り込む方針だ。医師法では、死亡診断書の交付に医師に立ち会いを義務付けている。受診後24時間以内に死亡した場合に限り、医師は改めて立ち会わなくとも診断書を作成できる。

 ただ過疎地で自宅療養する患者など、すぐに医師が行くのが難しい場合がある。遺族が長い期間、遺体を自宅に保存したり、遠くの病院まで搬送したりしなければならないケースもあるという。

 規制改革会議では(1)離島やへき地で医師がすぐに駆けつけられない(2)終末期の対応について患者や家族の事前の同意がある(3)看護師がテレビ電話などを使って医師に状況を報告し、最終的な診断は医師が行う――などの条件を満たせば医師が直接立ち会わずに診断書を交付できるよう求める。



http://healthpress.jp/2015/12/post-2184.html
来年から湿布薬の処方枚数に制限~欧米では使われない不思議な薬
2015.12.28 Health Press

 昔から日本人には馴染みのある「湿布薬」。捻挫や打撲、肩こり、腰痛などで用いられる、日本ではポピュラーな薬だ。日本人なら誰もが一度は使ったことがあるのではないだろうか。

 そんな身近に処方されてきた湿布薬(鎮痛消炎貼付剤)が、2016年4月の診療報酬の改定を機に、処方枚数が制限されるという。厚生労働省は、1回で70枚以上処方される患者は延べ約30万人/月いるとして、今回の制限によって国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。

 市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1~3割の負担ですむ。「湿布薬は何枚あっても困らない」と多めに処方してもらい、余ったものをストック、家族などに譲渡するケースは少なくない。患者に必要以上の枚数が処方されるという無駄が問題視されてきた。

 そもそも、湿布薬の効果や副作用について十分な知識をもたず、安易に使用していないだろうか。

温熱効果や冷却効果はない!

 湿布は、開発の経緯から大きく「第一世代」と「第二世代」に区分けされる。第一世代は、消炎鎮痛成分(サリチル酸メチルなど) に加え、刺激成分が温感・冷感を与える。その後、鎮痛効果の高い非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs) を含んだ貼付剤が登場した。これが現在、主流となっている「第二世代」である。

いずれも、肩こりや腰痛の原因である「筋肉の凝り」を取ってくれるわけではない。あくまで「痛み止め」「炎症を抑える」ための薬だ。

冷湿布を貼るとヒンヤリする冷却効果は、配合されているメンソールによるもので、実際には「冷却」されているわけでない。一方、温湿布も、トウガラシエキスなどによって温かく感じているだけだ。実際に冷やす・温めるという効果は期待できないということを覚えておこう。

欧米ではほとんど使われていない湿布

 ところで、日本ではとても普及している湿布だが、欧米ではほとんど使われていない。痛み止めといえば飲み薬が一般的で、湿布のような貼り薬はあまり使われない。また、保険が適応されない国も多い。文化や習慣の違いなのかもしれないが、「薬」として“認めていない”場合が多いのだ。

 湿布はその手軽さから、「薬物」のイメージは薄いが、保険診療で採用されている、れっきとした薬。たとえば、ハガキ大のサイズの湿布薬を10枚ほど使うと、血中の鎮痛成分の濃度は、飲み薬1日分と同じくらいになるという研究結果がある。

湿布の多用、連用で副作用に見舞われることも

 すべての薬には何らかの副作用がつきものだが、湿布も同様だ。安易に使っていると思わぬ副作用に見舞われることがある。特に高齢者に多いのが、多用、連用によるものだ。

 たとえば、痛みや炎症を抑える医療用貼り薬「モーラステープ」に含まれる「ケトプロフェン」という鎮痛成分には、「光線過敏症」という副作用がある。貼ったまま紫外線を浴びると、貼った部位に発疹、腫れ、かゆみ、水ぶくれなどの症状が表れる。

 厚生労働省の発表によると、妊娠後期に使用した後、胎児の心臓につながる胎児動脈管が収縮し、胎児に肺高血圧症などが起きたケース、妊娠中期の使用で羊水が少なくなる羊水過少症も報告されている。

 また、インドメタシンには、筋肉を萎縮させてしまう副作用があり、ほかにも喘息を患っている人には用いてはならないという欠点がある。そのほかにも、アレルギー反応を引き起こしたり、胃の粘膜を刺激して胃腸炎になったりしたケースが報告されている。

 今回の湿布の処方枚数の制限策が、医療費削減の面だけでなく、適切な使用に基づく効果や副作用への喚起を呼ぶことに期待したい。
(文=編集部、監修=三木貴弘)



http://www.iwanichi.co.jp/ichinoseki/9014.html
医療職の苦労、喜びは 市内中学生 医師に質問、現場を肌で
(12/27) 岩手日日新聞

 医療関係の仕事について中学生に理解を深めてもらう医療職セミナー(一関保健所主催)は26日、一関市田村町の昭和病院で開かれた。同院スタッフによる講演や施設見学を通じ、生徒が医師や看護師の仕事に触れた。

 市内の中学1~3年生11人と保護者らが参加。同院の杉内登院長は「この地域は医者もスタッフも人数が足りていないのが現状。病院の内側ではいろいろな人が医療に携わっていることを知ってほしいし、皆さんには医療職に就いてこの地方を支えてもらいたい」と呼び掛けた。

 講演では同院の研修医、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーの4人が、仕事を志したきっかけや魅力、進路、チーム医療の重要性などを紹介。研修医2年目の春成淳平さん(28)は、主な業務や1日の生活スケジュールを説明した上で「医者は命に直接触れることができる仕事。勉強すればするほど知識が身に付き、苦しむ患者さんを救う選択肢が増える」とやりがいを語った。

 生徒からは「医者には重い責任や苦しい経験があると思うが、それでも続けていくためにモットーにしていることは何か」「看護師の仕事をやってきて、これまでで一番の喜びは何か」などの質問が出された。

 講演に続き、病院内の薬局や検査室、病棟などを見学し、担当者から業務や施設について解説を受けた。医療職を志望しているという菊池美咲さん(一関中2年)は「看護師は患者とたくさん対応していることが分かった。話を聞いて将来の参考になったし、自分も困っている人を助けたいと思った」と話していた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53559/Default.aspx
次期診療報酬改定 
7対1入院基本料、かかりつけ薬剤師などが焦点に 
薬価制度改革骨子も了承

2015/12/28 03:53 ミクスオンライン

中医協総会は12月25日開かれ、2016年度診療報酬改定率の報告を受け、支払側、診療側の各側から意見が出された。支払い側は、急性期病床である看護配置7対1入院基本料について重症度、医療・介護必要度、平均在院日数、在宅復帰率の見直しを求めた。調剤報酬については、かかりつけ薬剤師については機能を診療報酬上明確にした上で、服薬状況の一元的・継続的管理を行うことを求めた。一方、診療側は初診料・再診料の引上げや、地域包括ケアシステムにおけるかかりつけ医の手厚い評価、かかりつけ薬剤師・薬局の推進を求めた。これに基づき、年明けから診療報酬改定の個別改定項目の議論に入る。

医薬品関連では、支払側が薬局での後発医薬品体制加算について調剤割合の低い薬局での減算措置を設定すべきとした。また、湿布薬、ビタミン剤、うがい薬などの市販品類似薬は「負担の公平性の観点から保険給付から除外すべき」とした。湿布薬については1回あたりの上限を70枚に設定し、処方日数の記載や70枚を超える場合には理由をレセプトに記載することを求めた。ビタミンD以外のビタミン製剤については、投与が必要な場合に限定すべきとし、処方できる疾患名を限定すべきだと主張した。

◎薬価制度改革骨子了承 特例引き下げ導入に製薬業界は反対

同日の総会では、売上が1000億円を超える医薬品の薬価を引き下げる巨額再算定や基礎的医薬品の新設、新薬創出加算の試行的導入の継続などを盛り込んだ2016年度薬価制度改革骨子も了承された。基本的考え方として、「革新的新薬の評価に重点を置き、特許の切れた新薬については後発医薬品への置き換えが着実に進むような薬価制度」とされた。これについて専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「業界もこれに対応した企業活動を進めているところ。メリハリをつけた薬価制度が政策目標につながると確信している」と述べた。

その上で、16年度改定で、新薬創出加算の試行的導入の継続や先駆け審査指定制度加算の導入されることについて、「予見性が高まることについては日本での革新的な新薬の開発を後押しするもの」と評価を示した。基礎的医薬品については、「試行的導入ということで、対象品目を絞り込んで実施されると理解しているが、次期改定に向けて引き続き検討していただきたい」と述べた。

一方、特例再算定については、「前提条件の変化を問わず市場規模の拡大の事実のみをもって薬価を引き下げるのは妥当ではないというのが基本的な考え方」と主張した上で、「特定の企業に対してきわめて大きな影響、負担を負わせることになることから、個別の事情をよく勘案し、対応いただきたい。今後、医療費に占める薬剤費全体の議論、国をあげて取り組んでいるイノベーション創出のための取り組みとも照らしあわせてその必要性について引き続き議論いただきたい」と述べた。

◎日薬連「製薬業界にとって総体的に厳しい結果」

骨子が了承されたのを受け、日本製薬団体連合会(=日薬連、野木森雅郁会長)、日本製薬工業協会(=製薬協、多田正世会長)、日本ジェネリック製薬協会(=GE薬協、吉田逸郎会長)の3団体はこれを受け、声明を発表した。以下、各団体のコメント。

日薬連は「今回の薬価制度改革は、製薬業界にとって総体的に厳しい結果となった。引き続き、我が国の医療保障制度の持続性維持と国民の健康・増進、および成長産業としての製薬産業の国際競争力強化という政策目標の達成を目指して取り組んでいく」とコメントを出した。

具体的項目として、新薬創出加算の試行的導入や基礎的医薬品の新設を評価した一方で、特例再算定や後発品へ置き換えが進まない先発品の特例引き下げ(Z2)の区分見直しに言及した。特例再算定については「市場拡大再算定と異なり、薬価設定時の前提条件の変化という自由に基づくことさえなく、単に販売額と拡大倍率だけに基づいて薬価引き下げを行うルールは極めて理不尽なものと捉えている。イノベーションの評価と皆保険制度の持続性維持の大切さを理解しながらも、薬剤費全体と個別医薬品の市場規模の在り方を抜本的に検討した上で、製薬業界にとって納得性のある結論にしていただきたかった」とした。またZ2の区分見直しについては、「後発医薬品への置き換えによる医療費適正効果額は年々スピードを増す形で増加しており、さらなる削減を目的とする本特例引き下げの強化は容認できない」とした。

製薬協も同様に新薬創出加算の試行的導入の継続や基礎的医薬品の新設を評価した上で、特例再算定については「イノベーションの否定そのものと言わざるをえず、到底容認することはできない」とした。そのほか、費用対効果評価の試行的導入については、本格的導入を前提としないことや、製薬業界の意見の反映、議論の参画を配慮することを改めて求めた。

GE薬協は、初収載時の後発医薬品の薬価引き下げについて「生産設備の増強などの巨額の投資判断を迫られていることなど大変厳しい経営状況であることを訴え、現状維持を要望した。しかし、薬価調査の結果、新規収載後発医薬品のかい離率が先発品の水準と比べ非常に大きな数値だった。市場実態に基づかない要望をしたことについて深く反省している。流通面の改善も含め、後発医薬品のさらなる信頼性の向上に向けて努力する」とコメントを出した。



http://getnews.jp/archives/1324863
製薬会社への信頼が揺らぐ瞬間…米で死亡例報告の漏れなど深刻
DATE:2015.12.27 21:00 imedi(アイメディ)

「薬」の安全性、気にしていますか
お医者さんで処方された薬だし、薬剤師さんから説明も受けた。お薬手帳も持って行ったし、飲み合わせも大丈夫だと言われた。だからこのお薬には、何の心配もない!!

私たちの『薬』に対する意識は、だいたいこのようなものなのではないでしょうか。特に、ドラッグストアで処方箋無しに入手した薬などに関しては、薬の名前をネット検索して調べたりする人は、稀な存在のような気がします。

深刻な「事例の報告遅れ」目立つ。消費者にとっては致命的

FDA(Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局)は、アメリカ国内における食品・医薬品・化粧品・医療機器・動物薬・玩具などの諸製品について、その許可や違反品の取締りなどを専門的におこなう政府の機関です。

アメリカの権威ある医薬系雑誌『米国医師会雑誌(The Journal of the American Medical Association,JAMA)』は、製薬会社が所定の15日以内に、FDAへ有害事象を報告しない比率が 2004~2014年で約10%にのぼり、なかでも、「患者の死亡」が絡む場合は特に報告が遅れる傾向があるという、ミネソタ大学教授らによる指摘を、オンライン版に掲載。

この10年間で 死亡例の4万件以上。死亡しなかった例に至っては、じつに12万件もの報告の遅れがあったそうです。
JAMAのレッドバーグ博士によると「有害例、死亡例の報告遅れで人々に薬の安全性に対する警戒心も遅らせてしまった。かなり多くの人が危機意識を持たずに危険な薬を服用してしまいました」とのこと。

『薬』の流通をコントロールできる唯一の機関なのに…
FDAの役割は、あらゆる検証方法で、市場に流通している薬のヒトに対する安全性を担保することです。
したがって、FDAは問題のある薬を市場から排除したり、販売を一時停止する権限を持っています。

そして、その判断に最も影響力を持つのが、製薬会社からの迅速な事例報告なのですが、FDAは多くの場合、報告が遅れている製薬会社には「警告を出す」だけに止まっているとのこと。
例えば、9か月から3年程度にわたって報告が遅れていることを ファイザー(Pfizer Inc.)にたいして指摘するなど。

レッドバーグ博士は今回の報告書の中で、FDAはもっと報告を迅速に行うよう、製薬会社を取り締まる必要があると指摘していますが、FDAのクリストファー・ケリー広報担当は、「当該報告書にはまだ目を通していないのでコメントできかねる」と応じました。

報告されているのは、「全体の2%程度」という現実
多くの製薬会社は、死亡しない場合の91%、死亡した場合の87%については所定の15日の期間内にFDAへすみやかに報告していますが、残りの部分については月の後半に回されたりしていました。

二日や三日の遅れじゃなかったですよ。3%が3~6か月未満、6%が6ヶ月以上、残りの3%は6か月以上遅れての報告でしたよ

レッドバーグ博士は、「実際の報告状況は、調査結果よりもっとひどい状況だ」と予測しています。
「FDAは100万件もの報告を受領検討したと言っていますが、それは全報告数の約2%くらいです」

深刻なケースは、製薬会社の内部調査に時間をかける
アメリカで事業を行う主要な研究開発志向型の製薬企業と、バイオテクノロジー企業を代表する組織、米国研究製薬工業協会(PhRMA)のスポークスマンは、「患者の安全は 全ての製薬会社にとって最優先事項ですから、我々はきちんと毎年、FDAに何百、何千件もの報告を提出しています」と主張。

ただし、「ぜひ知っておいて頂きたいのは、何か予期せぬ深刻な状況が見られて、それをFDAに報告する場合。我々としても、患者本人や医療機関から提出された報告を入念に調査しなければならないということです。報告はそれから行います」と付け加えました。

消費者や医療機関からもどんどん報告すべき!
博士によると、消費者や医療機関も、直接FDAにアクセスできるのだから、FDAは製薬会社からの報告だけに依存する必要はないと述べています。

製薬会社は確かに事例報告を行っていますが、特に深刻な例に関しては内部調査が長びいて報告に遅れが目立つため、「個人からの直接報告がもっとあって良いのではないか?」と示唆しました。

日本では、どこが判断していて、どこへ言えばいいのか?
まず、『薬事法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)』があります。

これは、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制をおこなうとともに、指定薬物の規制に関する措置や、医療上とくにその必要性が高い医薬品。
及び、医療機器の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的として制定された法律で、所轄省庁は厚生労働省医薬食品局です。

また、安全性の調査研究にかんしては、厚生労働省の施設機関のひとつである『国立医薬品食品衛生研究所(National Institute of Health Sciences: NIHS)』が、医薬品・医療機器・食品・化学物質についての品質や安全性、有効性についての調査・研究を実施しているほか、安全性にかんする膨大なデータベースを有しています。

何か薬品に関して不安な点がある場合は、直接、消費者庁や国民生活センターにご連絡されるのも宜しいかと思います。
どちらも電話で個人からの相談対応を受け付けているほか、サイト内に専用メールフォームがあります。

【参考】

Drug Makers May Delay Reporting Patient Harms to FDA: Study-consumer.healthday.com
http://consumer.healthday.com/public-health-information-30/drug-safety-news-741/drug-companies-sometimes-delay-reports-of-patient-harms-to-fda-study-701680.html

http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2398401

Ma P, Marinovic I, Karaca-Mandic P. Drug Manufacturers’ Delayed Disclosure of Serious and Unexpected Adverse Events to the US Food and Drug Administration. JAMA internal medicine. 2015 Sep 1.



  1. 2015/12/28(月) 05:44:05|
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12月26日 

https://www.m3.com/news/general/386817?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151226&dcf_doctor=true&mc.l=136975602
検査取り違え、乳房全摘出 千葉県がんセンター
2015年12月26日 (土)配信 共同通信社

 千葉県がんセンター(千葉市)は25日、早期の乳がんの30代女性患者(千葉県在住)と、別の患者の検査結果を取り違え、誤って30代女性患者の右乳房を手術で全摘出したと発表した。センターは「直ちに全摘出する必要性は低かった」として手術を受けた患者に謝罪した。

 センターは、外部の専門家を交えた院内事故調査委員会を設置し、原因を究明する方針。

 センターによると、10月中旬、30代女性患者の乳房に針を刺して組織を採取、がん細胞を調べる検査を実施した。だが、同じ日に検査を受け、進行性の高い「浸潤性乳管がん」と診断された別の50代女性患者の検査結果とセンター内で取り違え、12月上旬、30代女性患者に右側乳房の全摘出手術を行った。

 センターは、50代女性患者の現在の病状を明らかにしていない。

 12月15日、30代女性患者の手術時に取り出した検体を調べたところ、取り違えが判明した。

 25日、記者会見した永田松夫病院長は「このような事故を起こし、患者様、ご家族に深くおわびする」と謝罪した。

 センターでは2014年、腹腔鏡手術を受けた11人が08~14年に死亡していたことが判明。県の第三者委員会はことし7月、最終報告書で手術方法の選択などの問題があったと指摘していた。



https://www.m3.com/news/general/386806
患者取り違え乳房全摘出…早期がんの30代女性
2015年12月26日 (土)配信 読売新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、病理検査を行った乳がん患者2人の検体を取り違え、直ちに手術の必要がない早期がんの30歳代女性の右乳房を全摘出したと発表した。

  発表によると、同センターは10月中旬の同じ日、いずれも千葉県内の30歳代女性と50歳代女性に、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を実施。この際、検体を取り違えたために、30歳代女性を「進行がん」と診断し、本人と家族の同意を得て12月上旬、右乳房の全摘手術を行った。

 しかし、12月15日に摘出した部位を検査したところ、進行がんではなく早期がんと判明。17日、30歳代女性と50歳代女性の検体の遺伝子を調べたところ、2人の針生検の検体を取り違えていたことがわかった。同センターは「30歳代女性は、最初の針生検の時点では全摘出する必要はなかった」としている。



https://www.m3.com/news/general/386816
乳房全摘出、病院長「原因特定できていない」
2015年12月26日 (土)配信 読売新聞

 あってはならない医療事故がまた起きた。

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、30歳代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を全摘出された事態を受け、記者会見した同センターの永田松夫病院長らは「患者さま、ご家族に深くおわび申し上げる」と深々と頭を下げた。ただ、原因については「現時点では特定できていない」と述べるにとどめ、専門家らによる調査委員会で究明するとした。

 早期がんの30歳代女性と進行がんの50歳代女性の検体は同じ日に採取されていた。永田病院長らによると、取り違えが起きた「針生検」と呼ばれる病理検査は、マニュアル通りに行われていれば、病理医が診断を終えるまでに乳腺外科の主治医と看護師、看護補助者、病理検査科の臨床検査技師、複数の検査補助者、病理医の9人前後が関与する。各段階で取り違えを防ぐため、患者名などを書いたラベルを貼った検体容器や伝票を照合する決まりだ。



https://www.m3.com/news/general/386805
近所付き合いでPTSDの危険減…ハーバード大など 被災高齢者3000人調査
2015年12月26日 (土)配信 読売新聞

 東日本大震災で被災した高齢者のうち、震災前に近所付き合いなどが活発な地域に住んでいた人は、被災による心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する危険性が4分の3に抑えられていることが、約3000人を対象にした米ハーバード大学などの調査でわかった。

 高齢者の被災前の生活状況と、被災後のPTSDの危険性の関連を分析した大規模な研究は初めて。

 同大などが参加する高齢者に関する調査研究プロジェクト「日本老年学的評価研究(JAGES)」は2010年、全国31市町村に住む65歳以上の高齢者に、介護予防などを目的とした生活状況の調査を実施していた。

 調査対象には翌年に起きた震災で被災した宮城県岩沼市の5058人も含まれていた。同市の被害は死者・行方不明者187人、損壊家屋5428棟に上った。

 このため、同大は東北大などと共同で、13年に追跡調査を行い、3606人から回答を得た。

 PTSDを発症する危険性は、個人的に近所付き合いなどが多い人は、少ない人と比べると0.87倍、近隣住民の結び付きが強いエリアに住む人は0.75倍だった。被災前からあった近所とのつながりが被災後の助け合いを生み、PTSD発症の危険性を低減させたとみられる。また、今回の結果から、高齢で体調が悪いなどの理由で個人的なつきあいが少なかった人でも、周囲の人たちの結びつきが強いと、危険性がより小さくなる可能性が示唆された。

 引地博之・ハーバード大客員研究員は、「将来の災害に備えた地域づくりに役立てていきたい」と話している。



https://www.m3.com/news/general/386790
遺伝情報の外部提供、本人同意が必要 有識者会議
行2015年12月26日 (土)配信 朝日新聞

 病気のなりやすさなどにかかわる個人の遺伝情報について政府の有識者会議は25日、医療機関や検査会社が外部へ提供する場合には新たに本人の同意を求めることで大筋合意した。医療保険加入時の差別などにつながる可能性もあることから、病歴などと同様に特に慎重な扱いを求める。

 現在の個人情報保護法では遺伝情報の保護が明確に位置づけられていなかった。近年は検査サービスなどで遺伝情報の入手が容易になっていることから、9月に成立した改正個人情報保護法(公布後2年以内に施行)で位置づける方針。

 具体的には、病気のなりやすさや薬の効きやすさなどが分析できる形になった情報(ゲノム情報)を、改正法で新設された「要配慮個人情報」の対象とし、本人の同意を求める。単純な配列データは指紋などと同様に、明確な拒否がなければ提供できる扱いとする。

 研究者からは、本人同意が厳格になることで研究が進まなくなるとの懸念も出ており、この日の会合では研究の妨げにならないように配慮することも確認した。(竹野内崇宏)


  1. 2015/12/27(日) 05:50:39|
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12月25日 

https://www.m3.com/news/general/386535?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151225&dcf_doctor=true&mc.l=136773348&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
入院男性殴られ死亡 精神科、同室の男関与か
2015年12月25日 (金)配信 共同通信社

 24日午後10時ごろ、名古屋市守山区の精神科病院「守山荘病院」から「入院中の患者が別の患者に殴られた」と119番があった。男性(68)が別の病院に運ばれたが、約2時間後に死亡した。

 愛知県警守山署によると、男性と同じ病室に入院していた30代の男が「自分がやった」と話しており、傷害致死容疑で男から事情を聴くとともに、男性の遺体を司法解剖して死因を調べる。

 男がナースセンターにいる看護師に伝えて発覚した。手に殴った形跡があったという。病室は4人部屋で、他の2人にけがはなかった。



https://www.m3.com/news/general/386530
【福島】県立大:駅東口通りに整備を 
理学療法士など医療従事者養成 
福島市長らが知事に要望 /

2015年12月25日 (金)配信 毎日新聞社

県立大:駅東口通りに整備を 理学療法士など医療従事者養成 福島市長らが知事に要望 /福島

 福島市の小林香市長と福島商工会議所の渡辺博美会頭は24日、福島駅東口駅前通りに理学療法士や作業療法士など医療従事者を養成する県立大学を整備するよう求める要望書を内堀雅雄知事に提出した。

 要望書では、「若者層の中心市街地への交流や定住人口の拡大が、保健・医療・福祉の充実や体制の強化と並んで福島市の重要な課題」と指摘。整備が決まれば、市が用地を取得して県に無償貸与し、大学の開設後は学生や教員の利便性を高めるための施策を市と商工会が連携して行うとしている。

 小林市長は「駅前を中心としたにぎわいを考えると、中心街に設置していただければありがたい」と話した。内堀知事は「現在は基本構想を策定中であり、設置場所の選定について十分に参考にさせていただきたい」と述べた。

 県は昨年12月、保健・医療体制を充実させるため、県立の養成施設の整備を具体的に検討する有識者会議を設置。有識者会議は今年8月、県内には理学療法士などの養成施設が少ないとして、県立大学の早急な整備が必要と提言していた。【横田香奈】



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151225-038113.php
百貨店跡地を無償貸与 福島県立大誘致、福島市が提案
2015年12月25日 10時44分 福島民友新聞

 県内で人材不足が深刻な保健医療従事者を養成するため県が設置を検討する県立大構想で、小林香福島市長と渡辺博美福島商工会議所会頭が24日、県庁で内堀雅雄知事に対し、同市への整備をあらためて要望した。小林市長は、同市栄町の駅前通りに面した旧百貨店「コルニエツタヤ」跡地で、現在は中古本販売店や飲食店などが入る商業施設と駐車場になっている民有地約3千平方メートルを建設候補地とし、市が取得後に県へ無償貸与する方針を表明した。

 内堀知事は「街なか一等地の無償貸与は大きな提案。設置場所の選定で十分に参考としたい」と前向きに検討する意向を示した。また、候補地にある建物について小林市長は「県が設置を決めれば、更地にして提供する」との考えを示した。

 市は福島商議所と協力して用地交渉を進め、地権者のふくしま未来研究会(佐藤勝三代表理事)から県が候補地への開設を決めることを条件に、寄付を受けることで合意を取り付けた。同会は福島民友新聞社の取材に「街なかの活性化のために寄付する」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/386527
【宮城】塩釜市立病院:地域医療重視のプラン案を提示
2015年12月25日 (金)配信 毎日新聞社

塩釜市立病院:地域医療重視のプラン案を提示 /宮城

 経営再建を進める塩釜市立病院は、療養病棟や在宅医療など「地域包括ケアシステム」の中核病院を目指す来年度からの経営改革プラン案を示した。

 プラン案は、果たすべき役割として、(1)専門性の維持と救急患者の積極的受け入れ(2)回復期患者の在宅復帰支援(3)療養病棟による慢性期医療(4)在宅医療の充実――を重点に挙げた。経営効率化と、市の一般会計からの繰り入れも含めて経常黒字を目指す。同病院は2005年度、不良債務比率が全国ワースト4に悪化したのを機に外部識者の意見も踏まえた改革プランを開始し13年度に累積債務を解消。14年度も経常赤字が続き、識者を交えた審議会で新たな改革プランの策定に乗り出していた。新プランは来年度から5年間で、来年1月に審議会が中間答申、県の「地域医療構想」策定後の来夏に決定する方針。【渡辺豊】



http://www.iwanichi.co.jp/kitakami/8938.html
課題共有、連携強化 岩手中部地域 県立病院運営協
(12/25)岩手日日新聞

 岩手中部地域県立病院運営協議会(会長・髙橋敏彦北上市長)は24日、同市大通りのブランニュー北上で開かれた。花巻、北上、遠野の3市から市長や県議、関係団体代表ら委員24人のうち代理を含む18人が出席し、県立の医療4施設の経営や運営、環境整備などについて意見を交わした。

 同協議会は、中部地域にある県立の中部病院、遠野病院、東和病院、大迫地域診療センターの4施設について意見や要望を聞き、施設運営に役立てようと、毎年度1回開催している。

 髙橋市長は「有意義な協議にするため、各県立病院のさまざまな運営の工夫を聞いた上で、委員の皆さんの忌憚(きたん)ない意見をお願いしたい」、中部病院の遠藤秀彦院長が「2025年問題が近くに迫っていることを踏まえてご意見を頂きたい」、県医療局の八重樫幸治局長は「限られた医療資源の中で今後も県民に良質な医療を持続的に提供するため、県立病院間のネットワークを活用した応援体制の強化や福祉介護施設との連携をより一層強めていく必要がある」とあいさつした。

 各病院長が病院の運営状況や役割、患者数の統計などを説明。委員からは病院の在り方や医師・看護師の確保の見通し、県立病院の収支などについて意見や質問が出された。

 今後の医師確保の見通しについて、八重樫局長は「県内の病院で勤務した場合に奨学金の返還を免除する岩手医大の地域枠をはじめ、医療局や市町村の奨学生を合わせると毎年55人の医師を養成している。その医師が来年度から各病院に配置され、28年ごろには300人ぐらいになる。合わせて即戦力の医師を招聘(しょうへい)することで確保していきたい」と答えた。

 県立病院の収支については「14年度は外形基準の見直しで赤字ではあるが、病院本体の業績を表す経常損益は14年度決算で11億6800万円の黒字。中部病院をはじめとした基幹病院が黒字を計上して地域病院の赤字を支えているので、全体では黒字の経営をしている」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/386474
「在宅みとり」規制緩和へ 遠隔でも死亡診断認める
2015年12月25日 (金)配信 共同通信社

 厚生労働省は24日、政府の規制改革会議の健康・医療ワーキンググループで、在宅での「みとり」に関する規制を緩和する方針を示した。離島やへき地で在宅患者が亡くなった場合、医師がテレビ電話などで遠隔診断するといった要件を満たせば、死亡診断書を出せるようにする。

 規制改革会議によると、最後の診察から24時間を経過して亡くなった場合は診察をしないと死亡診断書が書けない。医師が速やかに患者の自宅を訪問できないと、遺体を長い時間冷やして保存したり、診療所に遺体を運んだりする必要があった。死亡診断を見越して患者の意に反して入院させるケースもあったという。規制緩和が実現すれば、これらの不都合が解消される見通し。

 厚労省は、今回の緩和は離島やへき地に限定する方針。規制改革会議はさらに幅広く認めるよう求めており、引き続き細部を詰める。

 厚労省が示した要件は(1)患者が離島やへき地に住んでいて医師らの対応が困難(2)患者や家族が事前に同意している(3)これまでの診察で近く亡くなると判断(4)法医学教育を受けた看護師が患者宅で対応する(5)医師がテレビ電話などで遠隔診察、診断する―で、すべてを満たす必要がある。厚労省は来年にも自治体に見直しを通知する。

 ※在宅死の状況

 自宅で亡くなる人は1950年代には8割程度いたが、年々減少し2010年代には1割程度まで下がった。最近は病院で亡くなる人が8割近い。近年、自宅で亡くなる人が微増する傾向があり、内閣府の意識調査では「自宅で最期を迎えたい」と答えた人が54・6%と最高だった。自宅で亡くなる割合は都道府県の間で約2倍の差がある。東京都は16・7%で最も高いが、大分県は8・4%で最も低い。



https://www.m3.com/news/general/386476
理事長に懲役5年求刑 医療法人の診療報酬詐欺
2015年12月25日 (金)配信 共同通信社

 診療報酬を架空請求して計約3千万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた奈良市の医療法人「光優会」理事長の医師松山光晴(まつやま・みつはる)被告(55)の初公判が24日、奈良地裁(柴田厚司(しばた・あつし)裁判長)で開かれ、被告は「間違いない」と起訴内容を認めた。検察側は懲役5年を求刑し、即日結審した。判決は来年2月9日。

 検察側は論告で「『法人の借金返済に充てたい』という利欲的な動機に酌量の余地はない。長期かつ多数回にわたる悪質な犯行だ」と指摘した。弁護側は「深く反省し、被害額もほぼ弁償した」として執行猶予付きの判決を求めた。

 起訴状によると、被告は2010年1月~13年3月ごろにかけ、法人が運営していた奈良県橿原市の精神科クリニックで、元職員の男性らの診療報酬明細書に虚偽の記載をして診療したように装い、約45回にわたって計約3千万円余りをだまし取るなどしたとしている。



http://mainichi.jp/articles/20151226/k00/00m/040/108000c
千葉県がんセンター
人違いで乳房切除 検体取り違え

毎日新聞2015年12月25日 21時27分(最終更新 12月25日 21時30分)

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、県内に住む30代の早期乳がん患者について、すぐに手術の必要がないのに右乳房をすべて切除するミスを起こしたと発表した。細胞の検査結果を50代の進行性の乳がん患者と取り違えたのが原因という。センターは外部有識者を含む院内事故調査委員会を設置し、来月に初会合を開いて詳しい原因を調べる。

 センターによると、10月中旬、被害に遭った30代女性の乳がんが疑われる部位の組織を針で採取して検査した。本来は経過観察していればよい早期の乳がんだったが、センターは同じ日に検査した50代女性の検体と取り違えて11月上旬、乳房の全摘手術が必要と診断。12月上旬に手術した。女性は退院しており、命に別条はないという。

 今月15日、病理医が手術で取り除いた組織を診断して10月の検査時と型が異なることに気づいた。2日後、2人の検体の遺伝子検査をして取り違えていたと分かった。一方、進行性の50代女性は10月下旬の時点で、検査結果が視診と一致しなかったことから再検査を受けていた。

 検体は診療科でホルマリン容器に入れ、患者名のラベルを張るなどした上で病理検査科に送られて組織の診断をされる。一連の過程には医師や看護師、臨床検査技師らが関与する。その間に取り違えたとみられるが、センターは「現段階でどの過程で間違いがあったか特定できていない。院内事故調の結果を待ちたい」と説明している。

 センターは、今月18〜22日に2人の患者や家族に経過を説明して謝罪した。補償などについても検討する。25日、県庁で記者会見したセンターの永田松夫病院長は「患者、家族はじめ、県民に深くおわびする。徹底的に原因究明と検証を行い、速やかに再発防止策を講じていく」と述べた。【岡崎大輔】

腹腔鏡手術問題で改革中に

 千葉県がんセンターを巡っては、2008年6月〜14年2月に腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者11人が相次いで死亡する問題が昨年4月に発覚。このため今年4月、国による「がん診療連携拠点病院」の指定を更新されなかった。さらに、保険適用外の腹腔鏡手術を実施して診療報酬を不正請求していたことも明らかになり、行政処分を受けた。

 腹腔鏡手術の問題に関する県の第三者検証委員会は、センターについて「不都合な情報を表に出したくない意識の表れがあり、原因究明や再発防止に向けた取り組みを行わなかった」との報告書をまとめている。

 これを受け、センターは11例のうち8例を執刀した医師らを処分。医療事故の再発防止策を検討する医療安全管理委員会の権限を強化したり、患者が主治医以外の意見を聞けるように他病院の医師を紹介する「セカンドオピニオンセンター」を設置したりして、院内体質の改善を進めていた。センターの永田松夫病院長はこの日、「改革を進めている中での事故で大変重く受け止めている。再び起こらない体制を整えたい」と謝罪した。【岡崎大輔】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H5D_V21C15A2PP8000/
長期入院病院の転換先、2つの新モデル提示 厚労省
2015/12/25 19:25 日本経済新聞

 厚生労働省は25日の検討会で、長期入院の高齢者向けベッド(療養病床)を持つ病院の転換先として、2つの新たな施設のモデルを示した。医師が常駐して必要な治療を施せる医療型の施設や、医療機関と併設する住宅型施設を創設する。既存の介護施設も含めて、転換先を病院自ら決めてもらう。医療サービスを必要な人に絞り込む。

 年明けにも議論をまとめる。同省の社会保障審議会医療部会や介護保険部会で施設基準や介護保険と医療保険のどちらを適用するかを詰める。2017年の通常国会に関連法の改正案を出す。

 長期入院ベッドは、治療の必要性が乏しいのに、介護施設が見つからなかったり、家族が介護できなかったりして利用する高齢者も多い。医療費が膨らむ一因となっていることから、一部は17年度末で廃止して、他の施設に移行することになっている。

 施設案は医療を提供できる介護施設や、医療機関に隣接するサービス付き高齢者住宅のような施設を想定しているもようだ。この日の検討会では施設案に対して目立った反対は無かったが、「所得が低い利用者の負担に配慮してほしい」といった声が出た。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386585
シリーズ: 医師不足への処方せん
“患者に危害加える研修医”の処遇、課題に
2020年度からの臨床研修制度改革を議論

2015年12月25日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 厚生労働省の第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・国立病院機構理事長)が12月24日に開かれ、2020年度の臨床研修制度改革に向けて、「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」で策定した、新たな到達目標の骨格案とその検討状況について議論した(『臨床研修、新評価の骨格案を提示』を参照)。制度上の到達目標の取り扱いや到達目標を達成できなかった研修医への対応などが課題として挙がった。

 骨格案では、「医師としての基本的価値観」「資質、能力」「遂行可能業務」の3つを到達目標として設定し、その上で到達目標を達成するための臨床研修プログラムに係る方略と評価方法を定める。これに対し、到達目標を達成できなかった場合の評価方法について質問が出た。

 ワーキンググループ座長の福井次矢氏(聖路加国際病院長)は、「質を担保できない医師は、患者と接して危害を加えないようなところに行ってもらうように、強く薦める以外できないのが実状だ」と説明したほか、部会長の桐野氏は「大きな課題だが、解決方法はまだない」として、今後の課題とした。

 骨格案として提示されたのは大まかな枠組みで、具体的な中身については検討中としている。今回の審議会での議論を踏まえて、さらにワーキンググループで検討する。

「やってはいけない」と言えるのか

 福井氏は冒頭で骨格案について説明し、「これまでの到達目標は一つ一つの細かい知識や技術を表記した細かい目標で、簡略化してほしいとの意見が多かった。今回は『コンピテンシー』という新しい教育目標の考え方に基づいた到達目標を提案したい」と述べた。「遂行可能業務」については、「適切な『資質・能力』を持つ人に限って任せられる業務で、単独で遂行できる業務を書き出す予定だ」とした。

 委員からは、評価方法や評価後の対応についての質問が相次いだ。和歌山県立医科大学理事長・学長の岡村吉隆氏は、「到達目標を達せられなくても臨床研修ができたとするのか。骨格案には、『社会に対する使命感』など、医療の社会性についての言及があるが、客観的な評価ができない」と意見。山形大学医学部長の山下英俊氏も岡村氏に同意し、「どこまで完成度を求めるのか、評価が極めて難しい。評価する我々は何を持って(研修医の)資質や能力を担保するのか。遂行可能業務とあるが、医師法では医師免許があれば医師の業務ができることになっている。教育現場では、やってはいけないと言わないといけないこともあるが、それと医師法の整合性を取る仕組みが必要だ」と求めた。

 労働者健康福祉機構千葉労災病院長の河野陽一氏は、「卒前と卒後では評価の軸が異なるが、卒後に問題があるとなった場合の選別のシステムがない。現状では再教育を現場でやって、ここまではというところで送り出すことになる。評価を厳密にどうするのか、達成しなかった場合の対応を決めないと同じことの繰り返しだ」と主張した。

 福井氏は、到達目標の取り扱いについては、「臨床研修の修了認定時に到達目標を達成していること、という文言はあるので、100%達成とするかは別として、達成することが求められる」との見解を述べた上で、到達目標を達成できなかった研修医については、「現在の研修制度では、どれだけ指導しても患者に危害を与える可能性が高い人は、修了認定をしなくてもいい、ということになっている。しかし実際の判断は非常に困難だ。質を担保できない医師は、なるべく患者と接しなくてもいい分野に強く薦めること以外に我々はできないのではないかと思う」と現行制度の枠組みで限界があることに理解を求めた。

 岡山県精神科医療センター理事長の中島豊爾氏は、具体的な評価方法については、「ワーキンググループでは、まだ議論はそこまでいっていない。到達目標の中身を具体的にどうするか話している段階だ」と説明した上で、「臨床研修が終わった後に患者と接する業務につかせないとするのは、医師法の改正が必要だ」と指摘。桐野氏は「今回の改定でどこまでできるのか考えるべきだ。ただ、どうにもできない人をどうすべきかについては大きな課題。それを上手にマネージする仕組みはまだないので、検討が必要だ」と述べた。

そもそも臨床研修制度は必要か?

 岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏は、「卒前医学教育や国家試験が大きく変化しており、専門医制度も始まる。その流れの中で臨床研修制度をどのように位置づけるのかの視点が必要だ」と指摘し、卒後の2年間の臨床研修制度そのものの在り方について疑念を呈した。

 福井氏は、ワーキンググループでの各団体のヒアリング結果を踏まえ、「卒前教育は充実しているが、まだ卒後の研修を短くできるまでには至っていないのが実状だ」と説明。聖隷浜松病院顧問の清水貴子氏も「学生実習と免許を持った後の臨床研修の内容は大きく違う」と指摘した。社会医療法人財団董仙会理事長の神野正博氏は「6年間の医学部教育で問題のある学生は排除した上での臨床研修であり、2年間の臨床研修は国民が求める医師像に近づけるような医学知識、臨床能力を身につける時期だ」と臨床研修制度の意義を強調した。

 また、山下氏は、特定の診療科を必修科とする現行の臨床研修制度に対し、専門医を志す医師のためにはより柔軟な制度が必要だと指摘した。これに対しては、「今後、高齢化社会で複数疾患の患者が増えるが、それに対応できない医師が増えているのは事実。それを増やさないために議論しているのではないか」(神野氏)、「ワーキンググループの学会のヒアリングでも、生涯学習や将来的な目標設定を臨床研修に入れるべきだという意見が多かった。短期間にするのは難しいのではない」(清水氏)といった意見が出た。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386518
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「極めて遺憾」、改定率決定で中川日医副会長
2016年度改定と社会保障関係費抑制の「既成事実化」けん制

2015年12月25日 (金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、12月25日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、2016年度改定について薬価改定財源が診療報酬本体に充当されなかったことについて「極めて遺憾」と述べるとともに、2016年度予算案で社会保障関係費の伸びが機械的に5000億円に抑えられたことを問題視、これらが既成事実化しないよう、厚生労働省に対応を求めた。

 25日の中医協総会では、21日に決まった2016年の改定率が報告された。これを受けて、中川氏は、「改めて2点を申し上げ上げる」と切り出した。

 第一は、2014年度改定と2回連続で、薬価改定財源が、診療報酬本体改定財源に充当されなかった点。薬価(1.22%)と材料(0.11%)は通常改定で1.33%、加えて薬価の市場拡大再算定で0.19%、合計1.52%の引き下げ。さらに薬価の「特例再算定」などでも0.4%の引き下げを行う。一方、診療報酬本体の引き上げ率は0.49%(『「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定』を参照)。「健康保険法上で明確に、薬剤と診察は不可分一体であるとされている。薬価改定財源を診療報酬本体改定財源に充てることは、当然と考えるべき。極めて遺憾」と中川氏は指摘。

 第二は、社会保障関係費の伸びの抑制。今年6月に閣議決定した「骨太の方針2015」では、直近3年間で社会保障関係費の伸びが約1.5兆円に収まったことを受け、今後3年間も同様の伸びにとどめるとされた。中川氏は、「機械的抑制とは、あえて書かれていない。各年度の歳出においては、柔軟に対応し、かつこの額は『目安』と書かれている。にもかかわらず、1.5兆円を機械的に3分の1にして、5000億円の伸びにとどめるとされたのは、非常に残念」と問題視した。

 中川氏は、今回の対応は、小泉政権下での「骨太の方針2006」を想起させるとの見方も示した。同方針では、社会保障関係費の伸びを5年間で1.1兆円抑制するとされ、「5年間均等」との記載はなかったものの、翌2007年度予算では機械的に5分の1ずつ、つまり「2200億円抑制」という方針が打ち出された。「社会保障関係費の機械的抑制が、地域医療の崩壊をもたらしたことは皆の共通認識」と中川氏は警鐘を鳴らした。



http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95482000U5A221C1I10000/
診療報酬本体プラス、動いたのは…
2015/12/25 6:30日本経済新聞 電子版

 「『4人会』を知らないのはモグリだよ」。自民党厚生労働族の1人はこう解説した。2016年度の診療報酬改定は8年ぶりのマイナス改定だったが、医師や薬剤師の技術料にあたる本体部分はプラスだった。その舞台裏で4人会といわれる族議員のボスたちが影響力を及ぼしたという。それは事実なのか、関係者の証言をたどった。

■えりすぐりの最高幹部

 自民党厚労族のなかでは約10人が「ボス」と位置づけられている。例えば党税制調査会長の宮沢洋一、税調最高顧問の野田毅、地方創生相の石破茂側近で元環境相の鴨下一郎、財務相の麻生太郎が首相だったとき官房副長官として仕えた松本純らがその一角を占める。

 4人会はボスのなかでも、えりすぐりの最高幹部をさす。筆頭格は党幹事長や財務相などを歴任した元衆院議長の伊吹文明と、厚労相経験者で元参院副議長の尾辻秀久のベテラン2人だ。首相、安倍晋三の補佐官である衛藤晟一、第2次安倍内閣で厚労相だった田村憲久が脇を固める。4人は国会周辺でひそかに会合を開いては事務方と綿密な調整をしたとされる。

 「日本医師会長の横倉義武さんが最終盤で『0.5~0.6%でお願いします』と4人会に伝えたようだ」。別の自民党厚労族はこう話す。横倉は16年夏に会長選挙を控える。診療報酬の本体について医師会内には、0.7%以上の引き上げを求める強硬論があった。0.49%のプラス改定での決着は「横倉さんの面目を保てるギリギリの線」(党政調幹部)という。

 ただ、4人会より、自民党と連立を組む公明党が影響力を発揮した部分もある。本体プラスを裏づける財源問題だ。

 「恒久財源を明示する必要はない。参院選で負けたら元も子もないだろう」。公明党政調会長の石田祝稔は、政調会長代理の桝屋敬悟とともに財源問題で踏み込みたくないと、かたくなだった。

 16年度の財源は全国健康保険協会(協会けんぽ)への国の補助金を減らすことで穴埋めできる。ただ、それは1年限りの財源だ。17年度以降の恒久財源はほかに探さなければならない。

 17年度以降の財源を、患者負担の月額上限を定める高額療養費制度を見直すことで確定させたい――。こんな考え方のもと、財務省は合意文書案をつくった。石田らは高額療養費に関する記述をそっくり削除し、文書案を突き返したという。

 「高額療養費の見直しと書くだけなら、中身に踏み込まないのだから、それでよかったのに。公明党は固かった」。自民党幹部は振り返る。

■4人会でも公明党でもない

 一方で、日医関係者はこんな見方も示す。「本体プラスの流れをつくったのは4人会でも公明党でもない。安倍さんだ」

 「医療の現場で働く人の給料の問題にしっかり対応してくれればいい」。8日、首相の安倍晋三は首相官邸を訪れた横倉にこう伝えた。アベノミクスの恩恵はサラリーマンにとっては賃金の引き上げであり、医師らにとっては診療報酬の引き上げだ。

 安倍はかつて自民党社会部会長(現厚労部会長)として診療報酬改定に直接かかわった。社会保障は得意分野でもある。官邸主導が強まる安倍政権の政策決定のなかで、安倍の意向抜きの「本体プラス」はありえないという見方は有力だ。=敬称略



http://www.sankei.com/west/news/151225/wst1512250085-n1.html
手術でガーゼ置き忘れ15年 男性患者に福井県立病院
2015.12.25 20:45 産経ニュース

 福井県立病院(福井市)は25日、手術した男性患者の体内にガーゼを置き忘れ、15年以上放置する医療事故があったと発表した。手術でガーゼを摘出、男性の健康状態に問題はないという。担当医の確認不足が原因で、24日に示談が成立した。

 病院によると、男性は福井県越前市在住の60代で、平成11年3月に胆のう摘出手術を受けた。26年11月、右脇腹に突然痛みを感じ、外科を受診。入院して磁気共鳴画像装置(MRI)検査をした結果、手術用ガーゼが肝臓外側に残っていることが判明。病院側は男性に謝罪し、ガーゼ摘出の手術をした。

 手術の前後でガーゼの枚数を確認する決まりだったのに、担当医が作業を怠っていた。病院は「患者に苦痛を与え、心からおわび申し上げる」とするコメントを出した。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201512/0008675890.shtml
胃がんと誤診し一部切除 兵庫県が遺族と和解
2015/12/25 19:53 神戸新聞

 兵庫県は25日、県立加古川医療センター(加古川市)で2011年にがんではない70代男性の胃を誤って切除した医療事故をめぐり、男性の遺族に解決金2千万円を支払うことで、神戸地裁で和解が成立したと発表した。

 県によると、11年2月に同センターの検査技師が男性の胃の病理検査をした際、80代の入院患者の組織片と取り違えて標本を作製。男性は胃潰瘍だったが、胃がんと誤診され、3月に手術で胃の3分の2を切除した。

 同センターは過失を認めて謝罪し、補償交渉を進めたが、男性は翌年8月に自殺。医療ミスとの因果関係は不明とされた。

 今年5月に男性の遺族が、県に対して5500万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴。10月に裁判所が和解を勧告していた。

 県の佐藤二郎病院事業副管理者は「このような事案が発生したことは、大変申し訳ない。再発防止に努めたい」としている。

(斉藤正志)



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1225/san_151225_1160376777.html
筋弛緩剤誤投与の薬剤師ら2人懲戒処分 大阪府立医療センター
産経新聞12月25日(金)19時8分

 大阪市住吉区の大阪府立急性期・総合医療センターで昨年12月、がん治療で入院中の60代の男性患者が筋弛緩(しかん)剤を誤投与され死亡した問題で、同センターは25日、20代の女性薬剤師と40代の女性看護師を戒告の懲戒処分にしたと発表した。
 同センターによると、昨年12月29日、抗菌剤の処方を指示された薬剤師が、誤って筋弛緩剤を病棟に配送。病棟の看護師も十分に確認しないまま点滴で男性患者に投与した。
 大阪府警住吉署が業務上過失致死容疑で薬剤師らを書類送検したが、大阪地検が今年9月、不起訴(起訴猶予)処分としていた。
 また、監督責任を問い、幹部職員4人を厳重注意処分とした。



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20151225-OYS1T50027.html
「許可取り消し相当」厚労相が化血研批判
2015年12月25日 読売新聞

 国内の血液製剤の約3割を製造する一般財団法人・化学及および血清療法研究所(化血研、熊本市)が、血液製剤やワクチンを国の承認を受けていない方法で製造していた問題で、塩崎厚生労働相は25日の閣議後記者会見で、「医薬品の製造販売の許可取り消し処分に相当する悪質な行為だ」と厳しく批判した。

 ただ、化血研は他社の代替品のない血液製剤やワクチンを供給しているため、厚労省は、年明けにも化血研を医薬品医療機器法に基づき、製造販売の許可取り消し処分に次いで重い、業務停止処分とする方針を固めている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128519
化血研、年明けにも業務停止処分へ…数十日~数か月間
(2015年12月25日 読売新聞)

 国内の血液製剤の約3割を製造する一般財団法人・化学及および血清療法研究所(化血研、熊本市)が、血液製剤やワクチンを国の承認を受けていない方法で製造していた問題で、厚生労働省は年明けにも化血研を医薬品医療機器法に基づく業務停止処分とする方針を固めた。数週間以内に化血研側の弁明を聞いた上で処分を行う。停止期間は数十日~数か月の間で決める見通し。

 厚労省は5~12月、化血研に3回にわたって立ち入り検査を行った。この結果、化血研では40年前から、国の承認書とは異なる方法で血液製剤を製造していたことが判明。1995年頃からは、承認通りに製造したと見せかけるために虚偽の記録を作成し、国の検査に虚偽の説明をしていた。

 同省は、化血研のこれらの行為について、承認書と異なる製法による医薬品の販売や虚偽の報告を禁じた同法に違反すると判断。不正製造が長期に及んだ上、極めて悪質な隠蔽工作が行われていたことを重く見て、行政処分では「許可取り消し」に次いで重い業務停止が妥当だと判断した。

 停止期間中は、医薬品の出荷などができない。ただ、他社の代替品のない一部の血液製剤やワクチンについては、患者への影響を考慮して処分対象から外す。

 同省は当初、今年末までに業務改善命令を出した上で、詳しい調査を経て業務停止処分とする方針だったが、立ち入り検査などで悪質な行為が確認できたことから、早期の業務停止に踏み切ることにした。

 一方、同省内には、医薬品の製造・販売業の許可自体を取り消すべきだという意見もあった。しかし、血液製剤とワクチンの業界で市場占有率が大きい化血研が業務を継続できなくなると影響が大きすぎるため、停止処分にとどめる。



http://www.qlifepro.com/news/20151225/cut-by-the-large-gate-before-proper-4-billion-medical-revision-rate-of-16-settled.html
大型門前適正化で40億円削減-16年度の診療報酬改定率が決着
2015年12月25日 AM10:30  QLifePro/薬事日報

■特例点数の総額が消失する規模

塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相が21日に行った来年度予算案の閣僚折衝で、2016年度診療報酬改定率を、本体プラス0.49%(国費プラス500億円程度)とすることを決めた。医科0.56%増、歯科0.61%増、調剤0.17%増で、技術料割合に基づく医科:歯科:調剤「1:1.1:0.3」の配分比率は維持した。調剤増は国費ベースで約30億円に相当するが、改定の別枠で実施される「大型門前薬局等の評価の適正化」によって約40億円(国費)が削減されることから、差し引くと調剤全体ではマイナス10億円(国費)と見ることもできる。

大型門前薬局等の適正化で削減される国費ベースの40億円を医療費ベースに換算すると160億円に相当する。年間の処方箋枚数を8億5000万枚とした場合、そのうちの7.6%(6460万枚)の処方箋が調剤基本料において点数が低くなる特例点数(25点)を算定しているとされる。

特例点数は、「処方箋受付回数月4000回超かつ集中率70%以上」と「処方箋受付回数月2500回超かつ集中率90%以上」のいずれかの要件に当てはまる薬局が算定するもの。

7.6%のうち何%の薬局が適正化のターゲットとなる「大型門前」に該当するのかは明らかでないが、仮に7.6%の処方箋全てに網をかけた場合、医療費ベースで160億円に相当し、現在、特例点数を算定している7.6%の調剤基本料が消失してしまう規模の金額になる。

一方、通常改定で薬価(1.22%、国費1200億円)と材料(0.11%、国費100億円)の計1.33%(国費1300億円)引き下げ、ネット(全体)での改定率はマイナス0.84%となった。

今回は、厚労省が「制度改正に伴うもの」との理由から、改定率の計算に入れなかった「別枠扱い」に注目する必要がある。

別枠扱いでは、まず、通常の市場拡大再算定と、年間販売額が極めて大きい品目に対する巨額再算定で480億円、新規後発品の薬価引き下げと、「後発品への置き換えが進まない場合の長期収載品の特例引き下げ」(Z2)の区分見直しによる20億円の計500億円を削減。

大型門前薬局の評価の適正化で40億円、経腸栄養用製品の給付適正化で40億円、湿布薬の1処方当たりの枚数制限と、費用対効果の低下した歯科材料の適正化で計30億円程度の計610億円程度(国費)を捻出した。

今回の改定率は、診療報酬全体(ネット)でマイナス0.84%だが、通常の市場拡大再算定による薬価見直しの影響を加味すると、マイナス1.03%になると厚労省は説明している。これに、別枠扱いによる引き下げ分を加味すると、マイナスの幅は大きくなる。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128500
イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常
全員一致か、反対者いたのか…医療ガイドラインで気になること

(2015年12月25日 読売新聞)

今年最後のお題は、「違憲判決」についてです。

 12月16日、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)で、女性再婚禁止期間の一部違憲、夫婦同姓合憲の判決が出ました。僕の興味は、その判決が全員一致で決まったのか、反対があったのか、そして何人の裁判官がどんな理由で反対したのか、なのです。再婚禁止期間に関しては全員一致で違憲でしたが、夫婦同姓は全員一致で合憲ではありませんでした。15人のうち5人が反対で、女性の裁判官3人は全員が違憲という主張でした。この法廷の裁判官の比率が男女ほぼ同数であれば、違憲となったのではとも思いたくなります。15人のうち、10人が合憲で5人が違憲です。相当な差があるようにも思えますが、たった3人が合憲から違憲に考えを変えれば、それで翻ってしまうような結果ということです。裁判所の意見は、少なくともあからさまに夫婦同姓が違憲とは言えないので、国会で議論を深めろという趣旨だと思います。

結婚したら新しい姓を名乗るような制度も…

 僕は「人はいろいろ」と思っていますので、家族のあり方もいろいろであっていいと思っています。つまり昔ながらの家族、祖母・祖父・父親・母親・子供といった三世代、またはそれ以上の世代が一緒に暮らすスタイルもほほ笑ましいでしょう。また、お年寄りだけの家族もあるでしょう。若い人だけの家族も当然にあります。父親と子供だけ、母親と子供だけと言ったいわゆるシングルファーザー、シングルマザーの家庭もありえます。独身という生き方もありますし、また男同士、女同士の家庭もオーケーです。そうであれば、夫婦という形もいろいろになりますので、夫婦別姓をあえて否定することもないように思えます。ただ、子供の姓をどちらにするかは結構大切なことで、夫婦仲が良い時は夫婦別姓でも問題ないのでしょうが、後からどちらでも選べるとなると夫婦仲の悪い状態で子供がどちらの親の姓を選ぶかを決めるのはちょっと酷なように思えます。いっそ、結婚したらまったく新しい姓を名乗るようなシステムも悪くないなと僕は思っています。マイナンバーで個人の特定は姓名とは無関係に死ぬまで、または死後も追えるようになるのですから、ある意味姓名はどうでもいいことにもなります。

反対意見、将来的には正しいことも

 さて、ここからが医療のお話です。最高裁大法廷も全員一致で決まるものもあれば、また反対意見が存在するものもあります。それが大切なのです。反対意見があって決められたことは、もしかしたら反対意見が将来的に理にかなっている可能性も相当あると思っています。また専門家・有識者が全員一致で決めても、もしかしたら反対のことが正しいこともあります。その良い例は、原発事故のメルトダウンで、有識者の方々は当初、ほぼ全員がメルトダウンはしていないとテレビ、ラジオ、新聞で言い放っていましたが、今やメルトダウンが起こっていないと言う人は皆無になりました。医療にはガイドラインがあります。専門家、有識者と呼ばれる方々が、今までの臨床試験や経験をもとに最良と思う治療戦略を書き留めたものがガイドラインです。ガイドラインに対して希望することは、その意見が全員一致で決まったのか、それとも専門家・有識者の中に反対を唱える人がいたかがわかるようにしてもらいたいのです。最高裁大法廷で行われている反対意見の明記のようなことはガイドラインでは通常行われていません。つまり、全員一致で決まったガイドラインか、または反対意見があったガイドラインか、そしてどんな反対意見があったのかなどが不明なのです。また、ガイドラインは改定されていきます。つまりどんどんと進歩・改良されるのです。それは以前のガイドラインは少々問題があったということの裏返しです。ですから、ガイドラインを頭から信じ込むことは間違っており、その時点での多くの専門家・有識者の意見の集約の結果であると理解することが大切です。人はいろいろですから、多くの人を通常はグループ化せず、また年齢や併存疾患で分ける程度のざっくりとしたグループ分類で治療方針を示しています。ガイドラインを使用する医師は、目の前の患者さんがどれに当てはまるかを考え、そしてそのガイドラインを使用した方が患者さんに有益であると思えるときは、それに従えばいいのです。また、あまり有益でないと感じる時は、敢あえてガイドラインとは異なった治療をすることも実は患者さんのためかもしれません。最高裁大法廷の判決には当然に拘束力がありますが、ガイドラインには法的拘束力はありません。ガイドラインを十分に参考にしながら、人それぞれに合わせた治療を行うのが経験豊富な真の臨床医と思っています。



https://www.m3.com/news/general/386526
大型門前適正化で40億円削減 - 16年度の診療報酬改定率が決着
2015年12月25日 (金)配信 薬事日報

特例点数の総額が消失する規模

 塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相が21日に行った来年度予算案の閣僚折衝で、2016年度診療報酬改定率を、本体プラス0.49%(国費プラス500億円程度)とすることを決めた。医科0.56%増、歯科0.61%増、調剤0.17%増で、技術料割合に基づく医科:歯科:調剤「1:1.1:0.3」の配分比率は維持した。調剤増は国費ベースで約30億円に相当するが、改定の別枠で実施される「大型門前薬局等の評価の適正化」によって約40億円(国費)が削減されることから、差し引くと調剤全体ではマイナス10億円(国費)と見ることもできる。

 大型門前薬局等の適正化で削減される国費ベースの40億円を医療費ベースに換算すると160億円に相当する。年間の処方箋枚数を8億5000万枚とした場合、そのうちの7.6%(6460万枚)の処方箋が調剤基本料において点数が低くなる特例点数(25点)を算定しているとされる。

 特例点数は、「処方箋受付回数月4000回超かつ集中率70%以上」と「処方箋受付回数月2500回超かつ集中率90%以上」のいずれかの要件に当てはまる薬局が算定するもの。

 7.6%のうち何%の薬局が適正化のターゲットとなる「大型門前」に該当するのかは明らかでないが、仮に7.6%の処方箋全てに網をかけた場合、医療費ベースで160億円に相当し、現在、特例点数を算定している7.6%の調剤基本料が消失してしまう規模の金額になる。

 一方、通常改定で薬価(1.22%、国費1200億円)と材料(0.11%、国費100億円)の計1.33%(国費1300億円)引き下げ、ネット(全体)での改定率はマイナス0.84%となった。

 今回は、厚労省が「制度改正に伴うもの」との理由から、改定率の計算に入れなかった「別枠扱い」に注目する必要がある。

 別枠扱いでは、まず、通常の市場拡大再算定と、年間販売額が極めて大きい品目に対する巨額再算定で480億円、新規後発品の薬価引き下げと、「後発品への置き換えが進まない場合の長期収載品の特例引き下げ」(Z2)の区分見直しによる20億円の計500億円を削減。

 大型門前薬局の評価の適正化で40億円、経腸栄養用製品の給付適正化で40億円、湿布薬の1処方当たりの枚数制限と、費用対効果の低下した歯科材料の適正化で計30億円程度の計610億円程度(国費)を捻出した。

 今回の改定率は、診療報酬全体(ネット)でマイナス0.84%だが、通常の市場拡大再算定による薬価見直しの影響を加味すると、マイナス1.03%になると厚労省は説明している。これに、別枠扱いによる引き下げ分を加味すると、マイナスの幅は大きくなる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/386587
シリーズ: 医師不足への処方せん
医学部新設で宮城の研修医募集上限を漸増
2017年度から17人ずつ、激変緩和

2015年12月25日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 2016年4月に東北医科薬科大学(現:東北薬科大学、仙台市)に医学部(定員100人)が新設されるのを受け、宮城県における臨床研修医の募集定員の上限を2017年度から2022年度まで毎年15人~17人増やし、計100人増加させる方針が決まった。12月24日に開催された厚生労働省の第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・国立病院機構理事長)で決定した。

 臨床研修医の募集定員は、全体で研修希望者の1.2倍(2015年)から2020年度までに1.1倍までに縮小する方針が決まっており、その全体の上限を踏まえ、人口分布や医師養成数、地理的条件等の加算を加えて、都道府県別の上限を決定する。現行制度では、地域枠などで医学部入学定員の増員がある場合は、増員があった年度の次の年度からこの増員分を加算して、上限数に反映させている。

 2016年度の東北医科薬科大学では、定員100人の医学部が新設されるため、現行制度に当てはめると、2017年度に宮城県の募集定員の上限が一気に58人追加されることになるが、厚労省は激変緩和措置として、2017年度から2020年度までの4年間、毎年25人ずつ増加させる案を示した。

 これに対し、日本医師会常任理事の小森貴氏は、「2016年度の入学者が臨床研修を始めるのは、2022年度からなので2022年度までに増やせばいいのではないか。激変緩和措置が必要であれば、2016年度から2022年度までの6年間で17人ずつ(2022年度は15人)漸増させてはどうか」と提案した。

 委員からは小森氏の案に同意する意見が相次ぎ、2016年度から2022年度までの6年間で17人ずつ(2022年度は15人)漸増することで了承が得られた。

 同時に、東北薬科大学病院は、厚労大臣に指定を受けた基幹型臨床研修病院の申請を取り下げ、2016年度から医学部を有する東北医科薬科大学病院を基幹型相当の臨床研修病院とすることが決定した。



http://www.asahi.com/articles/ASHDT3GQ3HDTPTIL006.html
教授が研究費1.5億円を不正処理か 大阪大大学院
2015年12月25日13時31分 朝日新聞

 大阪大学(大阪府吹田市)の大学院情報科学研究科の50代の男性教授が、少なくとも1億5千万円の研究費を不正に処理していた疑いのあることが25日、大学への取材でわかった。一部を私的に流用していた可能性もあり、阪大は教授の処分や刑事告訴を検討している。

 阪大関係者によると、男性教授は取引がある業者に架空の物品を発注し、その代金を「預け金」としてプールさせる手法などで、研究費を目的外に使用していたとみられる。不正処理は長年にわたり、総額1億5千万円以上にのぼるという。

 男性教授の不正経理に関する情報が寄せられたため、阪大は昨年から調査委員会を設置。男性教授のほか、阪大に関わる複数の研究者が関係していたとみて調べている。25日午後、記者会見を開き詳細を説明するという。

 阪大では9月にも、NPO研究の第一人者として知られる大学院国際公共政策研究科の教授が、約900万円の公的研究費を不正使用したとして停職3カ月の処分を受けている。11月には学内の宿泊施設の利用者から徴収した宿泊料約2300万円を着服したとして、大学本部事務機構の職員を懲戒解雇した。



http://www.sankei.com/west/news/151225/wst1512250047-n1.html
阪大教授が1億5千万円不正経理か 10年以上、一部は私的流用
2015.12.25 13:12 産経ニュース

 大阪大大学院情報科学研究科の50代の男性教授が、10年以上にわたって不正な経理処理を行っていた疑いを持たれていることが、25日、大学への取材でわかった。業者に研究費を預けるなどの手口で、不正経理は少なくとも1億5千万円にのぼり、一部は私的に流用していたという。

先月も発覚、施設担当職員の着服3700万円超…

 大学は教授の懲戒処分と刑事告訴を検討している。大学によると、「預け金による不正な経理処理が行われている」との情報が寄せられたことから、学内に調査委員会を設置。不正な経理処理が行われていた時期や手口など、事実関係の調査を進めている。

 科学技術振興機構によると、同機構の「戦略的創造研究推進事業」の研究費も不正に処理されていた。不正処理には男性教授のほか同じ研究室の複数のメンバーが関与していた。複数の業者に物品を架空発注したり、価格の高い物品を発注しながら低価格の物品を納入させたりして差額分をプールさせていた。

 大学院情報科学研究科は学部を持たない大学院だけの組織で、吹田キャンパス(大阪府吹田市)に拠点を置いている。コンピューター技術やプログラミング、システム工学などの研究者が所属している。

 阪大では先月、施設管理を担当していた職員が外国人研究者らが利用する宿泊施設の利用料を着服していたことが発覚。金額は3700万円以上にのぼるといい、大学は職員を懲戒解雇処分とした。


  1. 2015/12/26(土) 05:58:56|
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12月23日 

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015122390095905.html
授受10年、1千万円超か 名城病院汚職、容疑者2人起訴
2015年12月23日 10時00分(中日新聞)

 国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者の紹介をめぐる汚職事件で、逮捕された同院医長の赤沢貴洋(きよひろ)(41)=同市東区、医療法人「光寿会」(同市西区)を実質経営する医師多和田英夫(64)=同市西区=の両容疑者は、10年以上前から計1千万円超の授受をしていたとみられることが分かった。名古屋地検は22日、収賄の罪で赤沢容疑者を、贈賄の罪で多和田容疑者をそれぞれ起訴した。

 捜査関係者によると、2人は2004年ごろ知り合い、直後から患者百数十人を介し、現金を授受していた。授受は当初、手渡しだったが、同じ手法で06年に摘発された、人工透析患者の紹介をめぐる愛知県豊橋市民病院の汚職事件をきっかけに変更。以後、口座振り込みにしたという。

 起訴状によると、赤沢被告は名城病院で自分が治療し、引き続き人工透析が必要な患者32人を、光寿会傘下の病院や診療所に転院させる見返りとして、13年4月~今年10月の22回にわたり、多和田被告から銀行口座に計約263万円の振り込みを受けたとされる。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015122302000178.html
【茨城】
新中核病院は2次医療対応 筑西・桜川再編協議会 基本計画案を了承

2015年12月23日 東京新聞

 筑西市と桜川市の三病院の再編統合について話し合う再編整備推進協議会が二十一日夜開かれ、新中核病院と桜川市立病院(仮称)の整備の基本計画案を了承した。基本計画に盛り込む予定だった診療科目は、両病院の機能分担などで調整が遅れ、先送りとなった。
 基本計画案によると、筑西市が整備する新中核病院は急性期医療などを担い、二次医療に対応する。桜川市立病院は地域医療に重点を置き、新中核病院との連携を深める。診療科目については、現行の三病院の診療科を踏まえ、来年三月までに方向性を打ち出す。
 また、病院建設のスケジュール案も示された。それによると二〇一八年十月の両病院の同時開院を目指し、新中核病院は一六年十二月、桜川市立病院は一七年六月にそれぞれ着工する計画。(原田拓哉)



https://www.m3.com/news/general/385926?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151223&dcf_doctor=true&mc.l=136435592
2014年度の個別指導は4466件、増加傾向に
2015年12月23日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は2014年度の「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について」を12月22日に公表、保険医療機関等への個別指導は4466件に上ることが分かった。前年より66件増で、近年増加傾向にある。保険医等の個別指導は1万2066人で、前年よりも131人減少したが、2010年の6020人のほぼ2倍の水準(資料は、厚労省のホームページ)。

 保険医療機関等に対する適時調査は2347件(対前年度比161件減)、監査は87件(同7件減)。

 保険医療機関等の保険指定の指定取消処分(指定取消相当を含む)は、41件。内訳は、指定取消17件(医科7件、歯科9件、薬局1件)、指定取消相当24件(医科8件、歯科10件、薬局6件)。その原因を見ると、不正請求(架空請求、付増請求、振替請求、二重請求)がその大半を占める。これらに至る端緒としては、保険者、医療機関従事者等、医療費通知に基づく被保険者等からの通報が計25件と過半を超える。

 返還金額は、合計133億2377万円、内訳は、指導による返還分が41億3453万円(対前年度比7億1550万円増)、適時調査による返還分が65億1527万円(同3億4019万円増)、監査よる返還分が26億7397万円(同23億4359万円減)。

 適時調査による返還も高水準で推移
 保険医療機関への個別指導は、2010年度4061件、2011年度3955件、2012年度4302件、2013年度4400件、2014年度4466件と推移している。内訳は、医科1604件、歯科1365件、薬局1497件。

 2014年度の指導関係ではそのほか、新規個別指導が6518件(医科2097件、歯科1623件、薬局2798件、集団的個別指導が1万3079件(医科4170件、歯科5058件、薬局3851件)。

 最近の特徴として、適時調査の増加も挙げられる。2010年度は2117件、2011年度2274件、2012年2409件、2013年度は2508件と過去5年では最も多く、2014年度は減少したものの2347件。適時調査による返還は、2010年度は32億円だったが、2011年度は55億8133万円、2012年度は72億2491万円に増加、以降は減少したものの、2013年度は61万7508万円、2014年度は65万1527万円と高水準で推移している。



https://www.komei.or.jp/news/detail/20151223_18809
厚労省がプラン公表
公明の主張大きく反映
受診勧奨を徹底普及
受動喫煙 防止進める

公明新聞:2015年12月23日(水)付

厚生労働省は22日、国民の死因1位である「がん」の死亡率を減らすための「がん対策加速化プラン」を公表した。同プランは、今年6月に安倍晋三首相が策定を指示。8月に公明党がん対策推進本部(本部長=古屋範子副代表)が厚労相に申し入れた提言の内容も大きく反映された。

仕事と治療両立へ指針 小児・若年世代に焦点
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がん対策加速化プランのポイント国は、がん対策推進基本計画で「2007年度から10年間で75歳未満の年齢調整死亡率を20%減少」との目標を掲げているが、対策の遅れなどにより、このままでは17%減にとどまると予測されている。このため、がん対策加速化プランでは(1)予防(2)治療・研究(3)共生――を柱に、17年の次期基本計画策定までの間で集中的に実行すべき具体策を明示した。

避けられるがんを防ぐための「予防」では、検診受診率の向上をめざして、特に効果の高い個別受診勧奨に言及。事例集作成などによる市町村での徹底的な普及のほか、精密検査でも受診勧奨を進めるとした。

また、各市町村・保険者の受診率などを比較可能な形で公表し、受診を促すインセンティブ(誘因)を導入する。胃がん検診での胃カメラ検査も普及させる。従来、位置付けが不明確だった職域での検診は、早急に実態を把握し、ガイドライン(指針)を策定する。

たばこ対策では、19年ラグビーワールドカップや20年東京五輪・パラリンピックの開催までに受動喫煙防止対策を強化。学校でのがん教育に関しては、専門医、患者、経験者など外部講師の活用を支援する。

「治療・研究」では、小児がんの医療提供体制や、治療後の合併症などに対応する長期フォローアップ体制を検証。AYA世代(思春期・若年成人世代)のがん医療の実態調査、希少がん対策の検討も行う。

遺伝情報を活用した「ゲノム医療」実現への取り組みや、がん診療連携拠点病院などを簡単に検索できるシステムの構築も進める。

「共生」では、がんになっても安心して働き、暮らせるように、拠点病院で相談支援を実施するほか、ハローワークと連携した就職支援の全国展開をめざす。また、仕事と治療の両立を支援するための企業向けガイドラインを策定する。

苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上に向けた緩和ケアでは、医師の研修受講を促し、訪問看護師も含めて地域での緩和ケアに携わる人材への研修を行う。

  年齢調整死亡率
  高齢化など年齢構成の変化の影響を取り除いた場合の人口10万人当たりの死亡者数。

検診充実や家族支援に全力

党がん対策推進本部長 古屋範子副代表

がん対策加速化プランでは、受動喫煙防止や個別受診勧奨、がん教育など、これまで公明党が推進してきた施策が多く盛り込まれた。特に検診は質が向上し、内容も拡充される。国が掲げる受診率50%の達成へ、さらに対策を加速させていきたい。

党としても、がん対策基本法の見直しや、受動喫煙防止のための法律制定に向けた国会での議論をリードしていく。併せて、患者だけでなく家族への支援にも取り組んでいく。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22HDH_T21C15A2CR8000/
がん検診、市町村の受診率公表へ 厚労省が対策加速化プラン
2015/12/23 21:35 日本経済新聞

 厚生労働省は23日までに、がんの死亡率減少を目指した「がん対策加速化プラン」を公表した。がん検診の受診率向上や、がん医療情報の提供体制の充実、働くがん患者の就労支援などが柱。

 国内のがん検診の受診率は40%程度と欧米に比べて低く、国は受診率の50%への引き上げを掲げている。プランでは、早期発見や治療に結び付けるため、市町村ごとの検診受診率を比較可能な形で公表、職場での検診の実態調査を行って企業向けガイドラインも策定するとした。

 患者へのがん医療情報の提供体制が不十分だとして、がん拠点病院の診療実績や専門医の配置を簡単に調べられるようなシステムを今後作成。働くがん患者が就労を継続できるように、専門の相談員が医療機関や企業との調整などを行うことも盛り込まれた。

 がんの死亡率が十分に下がらないとして、安倍晋三首相が6月にプラン作成を指示していた。


  1. 2015/12/24(木) 05:31:21|
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12月21日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/385147?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MS151221&mc.l=136083239
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定
ネット1.03%減、本体0.49%増も過去3回より低く

2015年12月21日 (月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)、成相道子、高橋直純(m3.com編集部)

 政府は12月21日、2016年度診療報酬改定について、ネットの改定率を1.03%のマイナスとすることを決めた。診療報酬本体は0.49%引き上げる一方、薬価(1.22%)と材料(0.11%)を通常改定で1.33%、加えて薬価の市場拡大再算定で0.19%、合計1.52%引き下げる。


 さらに別途、2016年度改定で新たに導入する薬価の「特例市場拡大再算定」、後発医薬品の使用促進、大型門前薬局の調剤報酬の適正化、湿布薬の使用制限などで、合計0.4%の引き下げを行う。厚生労働省はこれらの引き下げを「制度改正に伴うもの」という理由から、「外枠」として扱い、改定率の計算に入れない方針だが、これらを含めて改定率を試算すると1.43%のマイナス改定となる。

 ネットのマイナス改定は、2014年度改定に続き、2回連続。2014年度改定では消費増税対応分を除けば1.26%のマイナス改定だった(対応分を含めれば、0.1%)。日本医師会をはじめ、医療界は「ネットでプラス」を要求していたが実現せず(『「ネットプラス改定」を要望、総決起大会』を参照)、本体0.49%増も、過去3回の改定よりも低く抑えられている(下表参照)。

 塩崎恭久厚労相は21日に会見し、マイナスとなったネットの改定率よりも、今回0.49%のプラスになった「本体改定率が一番重要だ」と指摘し、「より良い医療を確保するという意味で、大きな成果があった」と強調した。


 日本医師会会長の横倉義武氏も同じく21日に会見、「少し厳しいが、財政全体を考えると医療崩壊が起きないような配慮はされた。安倍総理はじめ閣僚、自民党の方々には深く感謝する。ぎりぎり合格点と考える」と受け止めた。

 診療報酬本体の引き上げ率は、医科0.56%、歯科0.61%、調剤0.17%で、1:1.1:0.3の割合。当初、調剤については引き下げ圧力もあったが、結果的にはプラスを維持した。

 今改定では、「外枠」扱いとされた部分に注視する必要がある。薬価の「特例市場拡大再算定」は、売上年1000億円を超す医薬品の薬価を引き下げるルールとして2016年度改定から導入される(『年間1500億円超の薬、最大50%も薬価ダウン』を参照)。その額は約280億円。そのほか(1)後発医薬品への置き換えが進まない長期収載医薬品の特例的引き下げ(国費ベースで約20億円)、(2)大型門前薬局の調剤報酬の引き下げ(約40億円)、(3)経腸栄養用製品の給付の適正化(約40億円)、(4)湿布薬の1処方当たりの枚数制限など(約30億円)――を合わせ、約410億円、約0.4%相当の引き下げになる。

 厚生労働省は、2016年度予算概算要求の段階で、社会保障費の約6700億円の増額を要求。これに対し、財務省サイドは5000億円弱への抑制を求めていた(『財務相、社会保障費増「5000億円弱に抑制」と念押し』を参照)。これらの目標達成の一環として、「外枠」扱いの引き下げが実施された。

 「外枠」扱いの部分を勘案すれば、(2)は約0.04%に当たり、この分を調剤報酬の引き上げ率0.17%から差し引くと、約0.13%増にとどまる。

 薬価の通常改定では、薬価と市場実勢価格の乖離相当の引き下げが行われ、それにより浮いた財源を診療報酬本体の改定財源に充当することが、通例だった。しかし、2014年度改定ではこの充当が行われず、日医は問題視していた(『中川日医副会長、改定で「3つの苦言」』を参照)。

 塩崎厚労相は、「従来からその時々の課題に応じて、診療報酬本体に充当する場合もしない場合もあった。今改定では、厳しい財政状況の下、経済財政再生計画との調和と地域包括ケアシステムの構築といった医療の質の向上などを考え、必要な本体改定率を確保できた」と述べ、今回の改定でも本体への充当は十分にされているとの見方を示した。一方で、横倉会長は、「薬剤は診察と不可分。薬価改定の半分も本体に充当されず、非常に残念」と問題視している。
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 削減のターゲットは薬
 2016年度診療報酬改定の基本方針は、既に社会保障審議会で決定している(『「不適切な長期投薬」は是正、削減対象は薬』を参照)。

 2025年の医療提供体制の構築に向けて、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」が重点課題だが、内容的には、地域包括ケア病棟や地域包括診療料など、新しい概念の点数が設定された2014年度改定と比べれば、算定要件や加算の見直しなど、従来路線の調整的な改定にとどまる見通しだ。次回の2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定が、2025年に向けた最大の焦点と言える。

 機能分化の関連では、7対1入院基本料の病床抑制に向け、算定要件をどこまで厳しくするかが焦点(『7対1厳格化に「やり過ぎ」の声も』を参照)。外来については、医療法改正を受け、特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院の患者数抑制に向け、紹介状なしの患者等に定額負担徴収を導入する(『紹介状なし大病院受診、定額徴収義務化』を参照)。在宅に関しては、高齢者向けの集合住宅への訪問診療は締め付けが強化されそうだ(『「湿布薬、1回70枚」に制限する案も』、『分割調剤や残薬調整、診療側と支払側で意見対立』などを参照)。大型門前薬局についても、メスを入れる(『門前薬局から、かかりつけ薬局・薬剤師への転換迫る』を参照)。

 一方、引き上げ項目は、チーム医療の推進、退院支援をはじめ地域医療連携の取り組みのほか、認知症をはじめ高齢社会に向けて増加が想定される疾患の対応については、一定の評価がなされる見通し。評価の視点としては、施設や人員配置などのストラクチャー評価ではなく、診療行為の成果を見る「アウトカム評価」がどの程度、入ってくるかが注目点の一つだ(『リハビリ、「アウトカム評価」重視へ』を参照)。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47674.html
診療報酬、実質2期連続マイナス改定- 本体は0.49%引き上げ
2015年12月21日 16時17分 キャリアブレイン

 政府は21日、2016年度の診療報酬改定について、医師の技術料などの「本体部分」を0.49%引き上げることを決めた。麻生太郎財務相と塩崎恭久厚生労働相が財務省内で会談し、最終合意した。薬価と材料費は1.52%引き下げるため、全体の改定率はマイナス1.03%となる。【敦賀陽平】

 14年度の改定は、消費税率の引き上げに伴う補てん分を除くと、改定率はマイナス1.26%となるため、実質2期連続のマイナス改定となる。
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http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47672.html
診療報酬本体プラス「ぎりぎり合格点」- 16年度改定率受け日医が会見
2015年12月21日 19時30分 キャリアブレイン

 政府が2016年度診療報酬の改定率を決定したことを受け、日本医師会(日医、横倉義武会長)は21日に緊急記者会見を開き、本体改定率がプラス0.49%になったことについて、一定の評価ができるとのコメントを発表した。会見で、横倉会長は「薬価等改定の引き下げ分の半分程度となるプラス0.75%くらいの引き上げを期待していたので、それを100%とすると、ぎりぎり合格点」と述べた。【君塚靖】

 横倉会長は、日医として16年度改定で、本体がマイナスになると医療機関の経営が苦しくなり、国民が医療を受けられない事態になると主張してきたことから、「プラス改定になったのは、(マイナス改定になれば医療崩壊につながるとの)趣旨を国民に理解してもらえたからだろう」との見解を示した。

 一方、薬価等改定の引き下げ分の半分程度しか本体に充当されなかったことについては不満が残る結果だと強調した上で、「薬価差益は、本来評価すべき技術料を補完するものであり、財源を切り分けるのは適当ではなく、今後も薬価等改定財源は、本体財源に充当すべきだと主張を続ける」と述べた。



http://mainichi.jp/articles/20151222/k00/00m/010/115000c
診療報酬
実質1.03%減…人気医薬品、価格下げ

毎日新聞2015年12月21日 21時43分(最終更新 12月21日 22時11分)

診療報酬改定率の推移
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 塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相は21日、2016年度の医療の公定価格である診療報酬改定率について、全体でマイナス0.84%とすることで最終合意した。全体のマイナス改定は08年度改定以来、8年ぶり。ただ、これとは別に、想定以上に売れた医薬品の価格引き下げを含めると実質マイナス1.03%となる。

 診療報酬は0.1%で税金約150億円、保険料約190億円、患者の窓口負担約46億円に相当する。今回の結果を受け、患者負担は、診察料などは増えるが、薬代は軽くなる格好だ。

 今回の診療報酬改定は、「本体」と「薬価」を合わせた全体の改定率は早くからマイナスが固まっていた。社会保障費の自然増(概算要求で6700億円)を約5000億円に抑える政府方針が夏に決まり、「財布」の大きな診療報酬が標的になったからだ。日本医師会(日医)幹部も「これが効いた」と認める。

 このため、日医は狙いを本体プラスに絞った。前回14年度の改定は消費増税に伴う補填(ほてん)分を除けば実質0.1%増の厳しい結果だったが、今回は0.4ポイント近い増額に。日医の横倉義武会長は21日の記者会見で「少し厳しいが、医療崩壊を招かないようにしてくれたと理解している。ぎりぎり合格点だ」と評価した。

 本体増額の背景には来夏の参院選で、集票力のある日医への期待があるからだ。閣僚経験者は「(民主党政権時代から)自民支持だった横倉さんを大事にする」と早い段階から明らかにしていた。「首相官邸にも理解があった」(与党議員)といい、横倉氏は安倍晋三首相とも面会し、本体増額の必要性を直接訴えている。

 一方、薬や医療材料の公定価格「薬価」は市場価格の下落に合わせマイナス1.33%。しかも、想定以上に売れた医薬品の価格を下げる措置を含めるとマイナス1.52%で、国費1500億円を捻出。

 さらに、改定率には含まれないが、販売額1000億円超の医薬品の価格を引き下げる特例で280億円、特定の病院の処方箋を集中的に受け付ける大型「門前薬局」の調剤報酬引き下げで40億円を捻出するなど、経営に「余裕」があると見込める分野を対象に切り込むなどして削減額を700億円積み上げ、自然増の伸び抑制分と本体の引き上げ分をひねり出した。

 ただ、当初は医療費の窓口負担に上限を設けて負担を軽減する高額療養費の高齢者分の見直しも検討していたが、公明党が強く反発したため、「中身は今後議論する」(塩崎厚労相)として、明示しなかった。【堀井恵里子、阿部亮介】



http://www.iforex.jpn.com/news/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81%E3%81%8C%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%97%E3%81%9F%E6%96%B0%E8%96%AC%E3%81%AE%E5%80%A4%E4%B8%8B%E3%81%92%E3%82%92%E6%A4%9C%E8%A8%8E-3617
厚生労働省がヒットした新薬の値下げを検討
筆者 鳥羽賢

12/21/2015 - 20:39 iFOREX

厚労省が予想外にヒットした新薬の価格を下げられる政策を検討している。
 日本では医薬品の価格を政府が決めるという方式を採用している。価格の決定権は政府にあるのだが、医療費抑制のために予想外にヒットした新薬の価格を引き下げられる政策を導入することを検討しているという。

ヒット新薬は医療費負担に

 日本においては、医薬品の価格は製薬会社ではなく政府が決めるという方式が採られている。これは日本に国民皆保険制度があり、医薬品の代金の大半を政府などが払うことになるため、そのようになった。

 新薬が開発されると、製薬会社は製造費や市場規模などのデータを希望価格とともに厚生労働省に提出するが、最終的な決定は厚労省が行う。そして市場に出た後は、2年に1度改定が行われる。

 しかし最近になって、今後予想外にヒットした新薬の価格を引き下げる政策の検討をしているというニュースが流れた。予想外にヒットした新薬とは、具体的には年間の販売額が1500億円以上、かつ製薬会社の予想の3割以上となった薬が該当する。その場合、次回の価格改定で最大50%まで価格を引き下げられる。

 同様に年間の販売額が1000億円以上で、かつ製薬会社の予想の5割以上だった薬の場合、次回の価格改定で最大25%まで価格を引き下げられる。

 このような政策が検討されているのは、単純に言えば公的医療費削減のためだ。特に予想外にヒットした新薬について、かなりの医療費負担となる。その負担を緩和するために、次回の価格改定で最大半額まで価格を引き下げられるような制度を導入しようとしている。

 ただ当然ながら、製薬業界はこの政策に反対している。製薬業界の業界団体である日本製薬団体連合会は、「市場で評価される薬剤を価格下げの対象にするのは理にかなわず、 経営の予見性の観点からも大きな問題」と述べ、政策の撤回を求めた。

 今回のような政策が導入されれば、製薬会社の経営にとっては大きな打撃になるので、反発は当然と思われる。しかし日本の高齢化進行に伴う医療費の膨張への対策も不可欠で、そこのところの政府と製薬業界の綱引きがどのような決着になるかが問題でもある。

 最近では特許が切れた後、別の製薬会社によって製造される医薬品、ジェネリック医薬品の普及が急速に進んでいる。欧米ではもともと普及が日本より早かったが、日本でも最近は医療費抑制のためにジェネリックの使用を推奨するケースが増えてきた。

 いろいろな要因から、世界でも最大手クラスのファイザーも含めた製薬会社にとって、経営環境はますます厳しくなる。しかし医薬品は人の命を救うための重要な製品であり、他の業界とは違う。そのような意味で、製薬業界を必要以上に締めつけるような政策は控えめにした方がいいという声も増えるだろう。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128297
ヒット新薬の値下げ検討、最大半額に…製薬業界は猛反発
(2015年12月21日 読売新聞)

 国内での売れ行きが予想外に伸び年1000億円を超えた医療用医薬品の値段(薬価)を引き下げるという新ルールを、厚生労働省が来年の診療報酬改定から導入する方針を固めた。保険適用された薬が対象。医療費が膨れあがるのを防ぐためだが、製薬業界は新薬開発を妨げると猛反発している。
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 新ルールでは、年間の販売額が1500億円を超え、製薬会社の予想の3割増以上となった薬について、2年に1度の診療報酬改定で公定価格を最大半額に下げる。1000億円超で予想の5割増以上となった薬も、最大25%落とす。

 新薬の値段は、製薬企業が開発コストや材料費などに加え、国内の市場規模を考慮して算定した価格を厚労省に提出するなどし、有識者会議での検討を踏まえた上で、同省が決定している。社会保障費の抑制が課題となる中、当初の予想を超す巨額の売り上げが生じた場合、公的保険財政からそのまま支出するのは難しいと判断した。

 調査会社IMSジャパンのまとめによると、近年、年間1000億円以上の売り上げがあった薬は、抗血小板薬の「プラビックス」、抗がん剤「アバスチン」(2014年)、高血圧治療薬「ブロプレス」(13年)と、同「ディオバン」、抗認知症薬「アリセプト」(12年)など。

 また、今年は米国で開発されたC型肝炎の画期的治療薬「ソバルディ」(1錠約6万円)と「ハーボニー」(同約8万円)も発売され、国内患者の多さもあり、薬剤費がかさむ見通しだ。同社によると、今年5月に発売された「ソバルディ」の7~9月の売り上げは433億円に上り、年間1000億円を超えるのはほぼ確実とされる。

 同省では、年内に開かれる有識者会議に諮った上で最終決定する方向だ。これに対し、「革新的で成功した新薬に対するペナルティーに他ならない」(米国研究製薬工業協会)、「市場で評価される薬剤を価格下げの対象にするのは理にかなわず、経営の予見性の観点からも大きな問題」(日本製薬団体連合会)など、国内外の製薬団体から撤回を求める声が上がっている。



http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151221-OYT1T50153.html
診療報酬改定 地域医療を守る視点が重要だ
2015年12月22日 03時21分 読売新聞 社説

 高齢化で膨らむ医療費の抑制は、社会保障制度を維持する上で欠かせない。診療報酬のマイナス改定はやむを得まい。

 2016年度の診療報酬改定で、政府は全体として0・84%引き下げることを決めた。前回14年度改定はプラス0・1%だったが、消費増税の対応分を除けばマイナス1・26%だった。実質的に2回連続の引き下げだ。

 今回、医師らの技術料である「本体部分」を0・49%引き上げる一方、医薬品の価格である「薬価部分」は、実勢価格に合わせて1・33%引き下げる。

 政府は、財政健全化に向けて全体のマイナス改定を早々に決め、本体部分への切り込みも検討してきた。日本医師会などは、医療崩壊を招きかねないとして、プラス改定を強く求めてきた。

 来年夏の参院選を前に、政府・与党が医療機関側に配慮する形で決着したとの見方もある。

 前回の実質マイナス改定以降、病院経営は悪化傾向にある。地方の医師不足も依然として深刻だ。医療従事者の人件費となる本体部分の引き上げは、地域医療を守り、国民の不安を和らげるためには、必要な措置と言えよう。

 報酬改定と同時に、薬剤費抑制のための制度改革を実施する。国内での売り上げが年1000億円を超えたヒット新薬の値下げや、医師が処方する湿布の枚数制限などが見込まれている。

 安価なジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進も急ぎたい。

 薬局に支払われる報酬も大幅に見直す。患者の服薬情報を一元管理する「かかりつけ薬局」の普及を促すため、大病院周辺に立ち並ぶ「門前薬局」の報酬は減額する。もうけ過ぎとの批判が強いことを受けたものだ。

 診療行為ごとの報酬の具体的な配分は、年明けに議論される。超高齢社会に適した医療提供体制を構築する。費用を抑えつつ、医療の質を向上させる。こうした方向性に沿ったメリハリのある配分にすることが重要である。

 都道府県では、将来の医療ニーズと必要な病床数を盛り込んだ地域医療構想の策定を進めている。高コストの急性期向け病床を減らし、退院支援や在宅診療などを充実させるのが狙いだ。

 急性期病床が増えすぎ、症状の安定した高齢患者が多数入院している現状は改める必要がある。

 高齢者が地域で安心して暮らせるよう、医療と介護の連携強化も大切だ。報酬配分で重点課題とすべきである。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO95412030S5A221C1EA1000/
医師の報酬引き上げは妥当なのか
2015/12/22付 日本経済新聞 社説・春秋

 健康保険で受ける医療の公定価格である診療報酬が2016年度は全体で1%程度引き下げられることが決まった。診療報酬のうち薬価部分が下がったことが寄与した。保険料や税金が財源である健康保険の財政は厳しく、引き下げは妥当だ。

 しかし医師、歯科医師、薬剤師の技術料部分、いわゆる診療報酬本体については約0.5%の引き上げとなった。国民の負担軽減や国家財政の健全化に役立てるためには引き下げてもおかしくはないはず。なのに、なぜこの部分をわずかでも優遇する必要があったのか明快な理由が見当たらない。

 診療報酬は原則2年に1度、社会情勢を踏まえて改定することになっている。16年度は改定年に当たるため、政府の来年度予算編成の中で改定率が議論されていた。

 薬については、実際の取引価格を基に新たな薬価が決まる。市場では以前に決めた薬価より安く取引されることが多いため、新薬価は改定のたびに下がるのが常だ。

 これに対し、いつも大きな議論となるのは本体部分の改定率だ。病院や診療所などの収入に直結する部分だけに、医師会など関係団体の引き上げ圧力は強い。

 今回、本体部分の中で、大病院の近くに密集する大型「門前薬局」の報酬を引き下げる方針は示された。「処方箋通りに薬を出しているだけ」といった批判や、それらの薬局の利益率が高いことを踏まえると、適切だろう。

 問題はその他の部分で目立った切り込みがないことだ。医療機関の経営は楽ではない、といわれるが、医療機関の機能や規模などを子細に見ると一様ではない。

 手術などを担う急性期病院では経営が厳しいところもあるが、診療所の収益などは安定的といえる。全体を抑えつつ、余裕のあるところから厳しいところへ財源を回す改定を考えるべきだ。

 にもかかわらず、本体部分は引き上げありきで検討が進んだ感が強い。来夏の参院選を見据え、日本医師会などの支持を得るための政治決着といわれても仕方ない。

 全体の改定率が決まったことで、次は個別の診療報酬の改定作業が始まる。少なくとも医療機関の経営実態に即した改定をしてもらいたい。できる限り費用を抑えて良好な医療体制をつくるための、医療機関や患者負担のあり方などについても、もっと議論を深めるべきだ。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53512/Default.aspx
本誌試算 16年度薬価改定 薬剤費ベースで7100億円前後消失 7%強に相当
公開日時 2015/12/22 03:52 ミクスオンライン

塩崎厚労相と麻生財務相は12月21日、大臣折衝を行い、2016年度診療報酬改定を本体プラス0.49%(国費プラス500億円程度)とし、外枠改定分として610億円程度を改定財源とすることを決めた。医薬品関連では、特例再算定として280億円程度、通常の市場拡大再算定として200億円程度、経腸栄養用製品の給付適正化で40億円程度、湿布薬の枚数制限などで30億円程度、後発医薬品関連で20億円程度を追加財源とした。この結果、薬価に関しては、市場実勢価格に基づく薬価引き下げで1200億円、特例再算定など外枠改定分で500億円を確保した。これにより単純計算で国費ベース1700億円分が引き下げられることになる。本誌が試算したところによると、薬剤費ベースに換算すると7100億円前後で、7%強の市場が消える。

今改定における市場実勢価に基づく薬価の引き下げは国費ベースで1.22%引き下げ、薬価ベースに換算すると5.57%の引き下げとなる。今改定は市場拡大再算定を外枠改定とした。このため過去の薬価改定率と比較する場合は、今回の市場拡大再算定分として国費ベースで0.19%、薬価ベースで0.90%引き下げを加える必要があり、これらを合算した国費ベースで1.41%、薬価ベースで6.47%の引き下げを用いる。

後発医薬品関連では、初収載の後発医薬品の薬価0.5掛け(10品目超の内用薬では0.4掛け)、後発医薬品への置き換えが進まない長期収載品の特例的引下げ(いわゆるZ2)の置き換え率の引上げで、国費ベースで20億円を確保する。

◎巨額な医薬品「特例再算定」は国民皆保険堅持の観点から 田村前厚労相

塩崎厚労相は大臣折衝後の記者会見で、前回改定の0.10%の約5倍、さらには前自民党政権時代の2008年度改定の0.38%を上回るプラス0.49%を実現できたと説明。「医療機関の経営状況や医療従事者の賃金動向を踏まえて適切な財源を確保できた」と評価した。

一方で、国民皆保険堅持の観点から、巨額な売上をあげる製品については鋭い切込みがあった。田村憲久前厚労相は同日昼に行われた自民党厚生労働部会後に記 者団に対し、「製薬企業がどう思っているかわからないが、思ったよりも利益が上がっているのは確かだ。公的保険の持続性を考えるのであれば、一定のことをせざるを得ない」と語った。イノベーションを阻害するとの指摘が製薬業界側にあることに対しては、「公的保険がなくなったらイノベーションどころではない。公 的保険がパンクしたらその時点で全部自費でやってくれということになる」と述べ、理解を求めた。


◎7100億円前後消失 企業経営へのインパクト大 ビジネスモデルの転換も

今回の薬価改定に伴い薬剤費ベースで7100億円前後が消失する。製薬企業各社の業績にも大きなインパクトをもたらすことになるだろう。各社の業績を支えたブロックバスターが相次ぎ特許切れの時期を迎え、その一方で国は後発医薬品の80%目標の達成を閣議決定した。塩崎厚労相も大臣折衝後の記者会見で、16年度改定を契機に、今後3年間を重点改革期間と位置づけ、「改革工程表に沿った着実な実行」を求めたところ。ならば政府は後発医薬品80%の着実な達成に向け、まずは17年央の数量シェア目標70%をクリアするための施策を繰り出してくることは間違いない。長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却はもはや避けられないだろう。一方、今改定では巨額医薬品に対する「特例再算定」も導入された。17年度には消費税増税改定が、18年度には再び薬価通常改定が控えるだけに、製薬企業の経営は正念場を迎える。厚労省はこの改革を通じ、「地域包括ケアシステム」への転換を強固に推し進める方針だ。今改定を通じ厚労省は、新しい医療マーケットに見合うビジネスモデルの構築をメッセージとして製薬各社に突き付けられたともいえそうだ。

【2016年度診療報酬改定等】(国費▲1500億円程度/医療費(平年度ベース)▲6200億円程度)

(1)診療報酬本体 +0.49%(国費+500億円程度)
   各科改定率 医科 +0.56%
   歯科 +0.61%
   調剤 +0.17%

(2)薬価等
 ① 薬価▲1.22%(国費▲1200億円程度)
 ※上記のほか
 ・市場拡大再算定による薬価の見直し(国費▲200億円程度)
 ・年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施(国費▲280億円程度)
  等により国費▲500億円程度

 ② 材料価格▲0.11%(国費▲100億円程度)

(3)診療報酬・薬価等に関する制度改革事項
 ① 医薬品価格の適正化(国費▲500億円程度)
 ・新規収載された後発医薬品の価格引下げ
 ・後発医薬品の数量シェア目標の引上げを踏まえた長期収載品の特例的引下げの基準の見直し
 ・市場拡大再算定による薬価の見直し、年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施

 ② 大型門前薬局等に対する評価の適正化(国費▲40億円程度)
 ③ 経腸栄養用製品に係る給付の適正化(国費▲40億円程度)
 ④ その他(湿布薬の1処方当たりの枚数制限等)(国費▲30億円程度)

  【決定】16年度薬価・診療報酬改定 改定率や削減額
   http://www.mixonline.jp/download/detail/tabid/259/downid/8573/Default.aspx



https://www.m3.com/news/iryoishin/383307
シリーズ: 始動する“医療事故調”スペシャル座談会
「院内死亡を全例把握」は大きな成果◆Vol.5
制度が機能すれば紛争減少を期待

2015年12月21日 (月)配信 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医療事故調査制度では、遺族への説明の在り方も問題になります。医療安全が目的であって、ご遺族への説明責任を果たすための制度ではありませんが、一方ではご遺族への説明も必要です。この辺りは、どう切り離しつつも、対応していけばいいのでしょうか。

武田 今回の制度は、「学習志向型」の制度なので、ご遺族に説明をするかどうかは、必ずしも問われていないと捉えています。もちろん、ご遺族には説明しますが、調査報告書を手渡して、「このような経過を辿り、この結果になった」と説明するよりも、「これからこのようにして、医療を変えていきます」と伝えるのが、趣旨だと考えています。

 ただ、そうとは言え、ご遺族は「本当の原因が知りたい」と言われるわけです。そうしたご遺族に対し、今のような答え方では、多分通らないでしょう。ここに、制度本来の趣旨と、事故に遭われた方への思いやりをどうするかという問題があります。これは、ガイドラインで書くような話ではなく、患者・ご遺族とのリスクコミュニケーションの中で解決していくべき問題。調査報告書を渡しても、納得しない人もいるわけです。医療メディエータの関与も必要かもしれません。

 ご遺族に説明しても納得が得られないのであれば、中央(医療事故調査・支援センター)に調査を依頼する道があるわけです。それでもダメであれば、民事訴訟を起こす道も閉ざされてはいません。もっとも、今回の制度は、医療者の努力を「是」としているというのが、私の解釈。調査報告書を渡すかどうかなどを議論する前に、医療者側が紛争などのリスク軽減のために、いかに努力するかが、一方で問われています。

山本 私も論理的には、医療の安全と、患者・ご遺族の納得が直結するものではないと思っています。一方で、この制度に基づいて、きちんとした調査を行い、かつご遺族に対して、的確な説明がなされ、コミュニケーションを取ることができれば、むしろ紛争は減っていくのではないかと期待しています。もちろん、武田先生が言われたように、医療の分野に限らず、いくら説明しても分からない人がいることも、私も紛争を取り扱う専門家としてよく承知しています。

 医療の民事訴訟は、2004年がピークで、新規に提訴される訴訟件数は、1000件を超えましたが、その後は減少して、今は700~800件です。医療側の努力があり、コミュニケーションをうまく取れるようになってきた面が間違いなくあるでしょう。法律上は、院内調査の結果について、「遺族に説明しなければならない」となっています。どんな方法で説明するかは別として、この説明により、紛争の発生自体を予防できるようになっていけば、さらにより良い方向に向かうと思います。多くのご遺族は説明すれば、理解し合える部分が大きいと、個人的には考えています。

――紛争の減少のほか、今回の制度による影響をどうお考えでしょうか。

武田 医療事故調査制度が医療に与える影響ですが、「記録」の在り方を、もう一度、きちんと見直すことが必要になる点が挙げられます。ピアレビュー型の調査に当たっては、同僚に対して、科学的な検証に堪え得る材料を示さなければいけないからです。

 今は「忙しい」という理由などから、記録を重視していないかもしれませんが、説明した事実や実施した行為を記録として残すことこそが、唯一の証拠になります。医師や看護師をはじめ、あらゆる医療職に対し、この考え方を徹底的に鍛えなければいけません。特に、緊急時は皆が、バタバタしており、記録に残していないかもしれませんが、記録がなければ、調査は難しい。

 また、もし医療事故が起きた場合に、看護師さんなどは、「きれいにしなければいけない」と考え、すぐに片付けを始めますが、そうではなく現状を保全して、写真を撮ることが必要。現状保全をせずに、「あの時、こうだったよね」と言っても、検証は難しい。この辺りのことが書いているのは、日本看護協会の医療事故に関するガイドラインです。

長田 おっしゃる通りです。当院で、10月からの制度開始に当たって、医師や看護師をはじめ、職員向けの講習会を開催したのですが、一番驚かれたのは、「医療事故が起きた際に、最初に何をすべきか」ということで、記録や現場保全が必要だという点です。例えば、「救命処置を行う、家族に連絡する」ことなどはこれまでやってきたことですが、記録や現場保全ができない。

 私は麻酔科医です。手術室は常に事故が起き得る状況なので、麻酔科は、記録を取り、状況を把握することで、進歩してきた領域。心電図や血圧計をはじめ、今は人の手による記録ではなく、自動で記録できるようになりました。こうしたハードが、手術室だけではなく、全ての医療フィールドに広がっていけばいいと考えています。

 今年、米国を視察した際、非常に進んだ病院があり、「これだけ立派な施設を維持するのは、大変ですよね」と伺ったら、「よく聞いてくれたね。私たちの国は、あなた方の国の数倍の費用をかけている」との答えでした。医療安全のためのハード、ソフトの体制を充実させるなら、相応の費用がかかることも、理解してもらうことが必要でしょう。

――先生方のお話をお伺いしていると、医療安全文化やその体制を醸成していくことが、今回の制度の一番の目的であり、成果ではないかと考えられます。

長田 事故の報告件数はそう多くはないと思いますが、医療現場では、まず「事故が起きてはいけない」と考え、説明をきちんとし、記録を取るという意識が、今まで以上に高まってくるのではないでしょうか。

山本 そうであれば、制度を創設した意義があるということですね。

武田 「院内死亡」があっても、病院長が必ずしも把握していたとは言えません。しかし、今回の制度により、「院内死亡」の全てを、病院長がチェックするシステムの構築が、新たに求められるようになります。この点も大きな変化、成果でしょう。管理者に上がらなければ、センターに報告するかどうかを判断できないからです。

 従来、「この事例は、病気で死亡したのだから、病院長まで報告しなくてもいいだろう」と判断していたケースの中には、実は事故が隠れていたかもしれません。

 さらに今回の制度で、医療事故がセンターに報告されるようになれば、日本における悉皆データが蓄積されることになります。これは世界的に見ても大きなインパクトです。「報告の数が多いから、危険な医療をやっている」というわけではありません。学習志向型のピアレビューという今回の制度の趣旨から言えば、「少し疑わしいものも、報告する」形でもいいのでは、と私は思っています。実際に調査をして、「これは医療事故ではなかった」と後から分かっても、それは恥ずかしいことではありません。報告して、調査をし、再発防止につなげるというPDCAサイクルを回して、医療安全につなげるという制度の趣旨を、医療者が理解する必要があります。

 このような医療者の取り組みが世間に理解されれば、「このまま制度を継続しよう」となるでしょう。制度の見直しが2016年6月に予定されていますが、2年間くらいは状況を見ないと、統計的なデータも出せず、見直しの議論は難しいのではないでしょうか。

山本 先生が言われる通りだと思います。「報告することが恥ずかしい」とか、「報告の数が多いから、危ない病院だ」といった話ではありません。むしろ逆でしょう。一定の確率でどんな医療機関でも医療事故は必ず起きると思うので、異常に報告数が少ない場合は、むしろ「ガバナンスなどに問題があるのではないか」との推定すら働くように思います。

 制度が施行されてから、まだ2カ月足らず。最初の段階では、先ほどお話があったように、現場では「戸惑い」もあるのだと思います。年間1300~2000件といった報告数の予想は、どの程度、根拠があるのかという問題はありますが、もう少し様子を見なければいけないでしょう。「疑わしい」ものは、報告していただいて、しっかりと調査をして、「医療事故に当たらない」のであれば、それでもいいわけです。医療界として、こうしたカルチャー、姿勢で臨んでいただければとありがたいと思っています。



https://www.m3.com/news/general/385272
37年間、体内にガーゼ 新潟、手術で置き忘れ
2015年12月21日 (月)配信 共同通信社

 新潟県立坂町病院(新潟県村上市)は18日、37年前に十二指腸潰瘍の手術をした患者の体内にガーゼを置き忘れるミスがあり、今年11月に手術で摘出されたと発表した。患者は県内の60代男性で回復している。病院側は経緯を説明、謝罪した。

 病院によると、男性は30代だった1978年7月に十二指腸と胃の一部を切除する手術を受けた。今年6月、別の病院で尿管結石の治療のため検査した際、腹部に腫瘍が見つかり、さらに別の病院で11月に腫瘍を切除した結果、内部からガーゼの塊が見つかった。

 腫瘍は体を守るため異物の周囲に細胞が集まって形成される肉芽腫だった。ガーゼの塊は広げられないが、数センチ角の止血用とみられる。78年の執刀医は既に死亡。カルテも保存期間を過ぎて廃棄されており、置き忘れの詳しい原因は分からないという。

 鈴木薫(すずき・かおる)院長は記者会見し「患者さんにご迷惑をかけ申し訳ない」と述べた。手術時に使用したガーゼの数を確認するなどの対策を徹底するとしている。



http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015122190205035.html
がんを3年見落とし、患者死亡 名古屋大病院
2015年12月21日 20時50分 (中日新聞)

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)は21日、検査のために泌尿器科に通院していた患者の肺がんを、主治医や放射線科医が3年にわたって見落とし、治療が遅れて死亡したと発表した。石黒直樹病院長は「医療ミス」と認め、遺族に謝罪した。賠償する方針も明らかにした。

 亡くなったのは県内の40代男性で、2007年6月から名大病院に通い始めた。直前に別の病院で腎臓がんの手術を受け、将来の他の器官への転移の有無を調べるためだった。

 半年に一度、名大病院でコンピューター断層撮影(CT)検査を受けたが、主治医らは肺の異常に気付かなかった。男性が胸に痛みを感じ、12年5月に別の病院で診察を受け、肺がんが判明した。既に悪化しており、14年3月に死亡した。

 過去のCT画像にがんとみられる陰影が写っていたことが分かり、名大病院は男性の死後、検証のための調査委員会を設置。09年5月にはがんの可能性に気づくことができたと結論づけた。当時、手術していれば、5年後の生存率は82%だったという。

 男性はCT検査を10回受け、計13人の医師が診断に関わっていた。調査委は見落としの原因を「主治医がCT画像の診断を放射線科に委ね、自らチェックしなかった」と指摘した。また放射線科の医師は腎臓がんの転移にとらわれていたなどとして診断態勢の改善を求めた。

 男性は名大病院を信頼し、自らの希望で通院を始めたという。石黒病院長は会見で「重大な医療ミス。患者の期待を裏切り、遺族にご迷惑をかける結果になり、心からおわびする」と頭を下げた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128255
群大術後死、開腹5例「延命できた」…遺族側が執刀医らに説明要求
(2015年12月21日 読売新聞)

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 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術後に患者が相次いで死亡した問題で、遺族とその弁護団(団長・安東宏三弁護士)が19日、群馬県内で記者会見し、独自調査した開腹手術5例の全てについて「手術しなければ延命できた」などとする中間報告書を公表した。

 遺族らは執刀医らに直接説明するよう改めて求め、十分な回答がなければ法的措置も辞さないと表明した。

 独自調査では、いずれも開腹で、肝臓の手術後に死亡した4人と、膵臓すいぞうの手術後に死亡した1人について、消化器外科の専門医に検証を依頼。カルテや画像を解析し、術前の説明、手術や術後の経過について検討した。

 専門医は「手術をしなければその時点で死ぬことはなく、少なくとも数か月は生きられた」「術前に必ず行うべき検査をしていない」などと指摘。手術でがんを取り切れない場合も中止せず、強引に進めた例もあり、患者の利益よりも難しい手術への挑戦を優先した可能性があることも問題視された。

 会見したのは開腹手術の患者3人の遺族。妹を亡くした男性が「怒りが込み上げて言葉にならない。手術ありきではなく、他の選択肢も示してほしかった」と訴えた。

 この日は、病院が設置した第三者の医療事故調査委員会による開腹手術の遺族に対する聞き取りも行われた。弁護団は、執刀医と診療科長の教授、病院に、遺族に直接説明するか、書面で質問に答えるよう改めて求める通知書を送ったことを明らかにした。1月13日までに回答がなければ、民事訴訟も検討する。

 この問題では、同一の男性医師が手がけた肝臓の腹腔ふくくう鏡手術後に8人、開腹手術後に10人が約3か月以内に死亡。その後の調査で、このほかにも、膵臓も含め、12人の術後死亡例があることが分かっている。



https://www.m3.com/news/general/385270?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151221&dcf_doctor=true&mc.l=136044434&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
病院に5千万円賠償命令 虫刺され、治療後に死亡
2015年12月21日 (月)配信 共同通信社

 虫に刺された宮崎県の女性=当時(69)=が皮膚の深部で壊死(えし)が広がる「壊死性筋膜炎」で死亡したのは、病院の治療が不適切だったためとして、遺族が病院を経営する社会福祉法人愛泉会(宮崎県日南市)に計約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、宮崎地裁は18日、病院の過失を認め計約5100万円の支払いを命じた。

 藤田光代(ふじた・みつよ)裁判長は判決で「症状を見分けるための血液検査などを怠った。診察時に適切な治療がされていれば、死亡を回避できた可能性は高い」と判断した。

 判決によると、女性は2011年4月、右足を虫に刺され、痛みが強かったため同県日南市の愛泉会日南病院で診察を受け、帯状疱疹(ほうしん)の疑いがあると診断された。2日後に意識がもうろうとし、搬送先の病院で死亡が確認された。



https://www.m3.com/news/general/385127
虚偽記載 認知症本に 兵庫医科大教授
2015年12月21日 (月)配信 毎日新聞社

虚偽記載:認知症本に 兵庫医科大教授

 兵庫医科大(兵庫県西宮市)は18日、認知症研究が専門の主任教授(61)の著書に、虚偽記載があったと発表した。ある成分の効能を確かめるために患者らを対象に行った研究について、大学が設置する倫理委員会の審査を経ていないのに「承認を得た」と書いていた。大学は教授の処分を検討している。

 大学によると、虚偽記載が見つかったのは認知症を扱った本で、4月に出版された。この中で、卵黄や大豆由来の物質「ホスファチジルコリン」入りのカプセルを飲んだ認知症患者ら310人を調べたところ、症状が改善したと報告した。さらに「兵庫医大倫理委員会の承認を得た」と記載していた。ところが、大学側が倫理委の承認がないことに気づき、6月に教授から聞き取りを開始したという。

 大学側は9月に学内外の弁護士や研究者らで調査委員会を設立して調査を始め、11月に「虚偽記載にあたる」との報告書をまとめた。

 一方、教授は取材に対し「研究は別の医療機関で行った。兵庫医大の倫理委員会の承認を得たというのは誤記で、出版後すぐに気づいた。大学からの指摘前に増刷分以降は削除している」と話した。【吉田卓矢、畠山哲郎、柳楽未来】



https://www.m3.com/news/general/385317
認知症で免許取り消し、倍増…症状に関する「質問票」義務化が一因
2015年12月21日 (月)配信 読売新聞

 認知症と診断されて運転免許を取り消された鹿児島県内のドライバーが2010年以降、年々増え、今年は10月までに55人と、昨年1年間(32人)の2倍近くに達したことが、県警への取材で分かった。

 昨年6月施行の改正道交法で、免許の更新時に病状などに関する「質問票」の提出が義務化されたことが増加の一因となっている。

 県警によると、認知症に伴う免許取り消しは、2010年は2人だった。それ以降、増え続け、11年13人、12年18人、13年20人、14年32人。今年1~10月の55人のうち8割超は、75歳以上のドライバーだった。

 55人の取り消しのきっかけは、免許更新時などの「認知機能検査」(75歳以上は全員、75歳未満は必要と判断された人が受検)が30人と半数以上を占める。次いで、警察への相談が12人、質問票から認知症と疑われた事例が8人だった。交通事故を起こして、発覚したケースもあった。

 質問票は、過去5年以内に〈1〉病気で意識を失ったことがある〈2〉思い通りに体を動かせなくなったことがある〈3〉十分な睡眠をとったが週に3回以上、眠り込んだことがある――など5項目に回答。虚偽の記載をした場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。

 ただ、質問票の回答内容ですぐに免許取り消しとなるわけではなく、医師が問診するなどし、安全な運転に支障がないかどうか判断される。質問票の記入を本人でなく、同伴の家族が行っている事例も見られ、県警は「本人に正しく記入してほしい」と訴える。

 さらに県警は今秋、県医師会を通じて県内の各医療機関に対し、認知症やてんかん、睡眠障害などが疑われる人がいた場合、警察への相談を促すよう、協力要請した。「特に75歳未満については運転能力の有無を把握するのが難しい」(県警幹部)という実情もあるからだ。

 認知症を除く病気で免許取り消しとなったドライバーも今年1~10月に81人いる。県警交通企画課の西政樹理事官は「事故を起こしてからでは遅いので、少しでも不安があれば、警察に相談してほしい」と呼びかけている。(橋本龍二)


http://www.sankei.com/west/news/151221/wst1512210090-n1.html
名古屋大が60代教授を6カ月の出勤停止処分  診療所不正開設に関与
2015.12.21 20:48 産経ニュース

 名古屋大は21日、長野県松本市の診療所の不正開設に関与したとして、60代の男性教授を6カ月出勤停止の懲戒処分にした。

 大学によると、教授は大学院に所属。松本市に「松本駅前皮膚科」が開設された際、中京病院(名古屋市)の形成外科部長(当時)に知人の医師を紹介し、54万円の報酬を受け取ったとされる。

 教授は7月に医療法違反容疑で愛知県警に書類送検され、8月に罰金30万円の略式命令を受け、即日納付した。

 名古屋大は「服務規律の徹底と再発防止に取り組み、信頼の回復に努めたい」とのコメントを出した。



http://www.nishinippon.co.jp/feature/local_councilor/article/214325
小児急患3ヵ所廃止へ 専門医不足で現場にしわ寄せ、福岡市
2015年12月21日 15時56分 西日本新聞

 福岡市内には、夜間や休日に急病の子どもを受け付ける市立の急患診療施設が計6カ所ある。市はこのうち博多区、城南区、西区の3診療所の小児科を来年4月に廃止し、残り3施設に集約する条例改正案を市議会12月定例会に提出した。小児科医の不足が主な理由だが、不要不急の利用者がいることも、現場の負担になっているという。来春以降、患者が集中することが予想される市急患診療センター(早良区)を取材した。
 午後8時。「痛いよー、痛いよー」。女児(6)の泣き声がフロアに響いた。トイレで看護師にかん腸をしてもらい、痛みは治まった。当番の医師は、便秘が原因の腹痛と診断した。診療開始からわずか30分間に7人の子どもが受診した。「普段より少ないくらい」と女性看護師は言う。
 センターは、3区の急患診療所の廃止後、現在3~4人の看護師を増やして患者増に対応する予定だが、小児科医2人体制はそのままだという。
 条例改正案を審議した18日の市議会常任委員会。市側は、小児科も内科も診ることができる医師の確保が難しい現状を説明した。センターを除く5施設の担当医59人は平均年齢が67・3歳と高齢化。担当課長は「体力的な問題を抱える中で、最大限にやってもらっている」と理解を求めた。
 担当医の多くは開業しており、平日は自分の診療所で、休日は急患診療所に交代で詰めている。無理が過ぎれば、医療事故につながりかねない。中山郁美市議(共産)は「根本原因の小児科医の不足を何とかしないとだめだ」と強調した。
 市医師会によると、小児科医は女性が多く、結婚や出産を機に離職する人も多い。一部医師が過酷な勤務を強いられ、若い医師が小児科を敬遠する悪循環を生む。市内の小児科医の登録者は256人にとどまる。
 現場のさらなる負担となっているのは「コンビニ受診」だ。平日の日中は仕事で忙しい親が軽症の子どもを連れてきたり、待ち時間が短いとの理由で受診させたり、不適切な利用も目につくという。3診療所の廃止に伴い医師の負担が増す一方で、不要不急の受診が増えれば、ときに深刻な影響を与えかねない。
 午後8時すぎ、中央区の女性(38)が次女(1)を抱きかかえて診察室から出てきた。40度を超す熱性けいれん。医師の治療により症状は和らいだようだ。「死んじゃうんじゃないかと思った」。そう打ち明けた女性の表情が緩んだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128239
東北大病院100年
第2部 転換点(3)研修制度改革へ「反乱」
インターン闘争(1968)

(2015年12月21日 読売新聞)

 1968年3月19日。東北大医学部(仙台市青葉区)の教室は熱気に包まれていた。翌日に控えた医師国家試験のボイコットを確認する決起集会には、実習生(インターン)や医学部生ら約130人が集まっていた。実習生だった坂総合病院名誉院長の村口至(75)は「我々が立派な医師になるため、しっかりとした研修が必要だ」と訴えた。

 実習生らが求めていたのは「インターン制度」の改革。当時は医学部を卒業すると、国が指定する病院で1年間、実習生として研修しなければ、国家試験を受けられない仕組みだった。戦後、米国から伝わった制度だが、米国と違い給料はなし。学生でも医師でもない不安定な身分で、指導カリキュラムもない。医療現場にとって都合のよい労働力として使われていた。

 60年の安保闘争の後、下火になった学生運動がベトナム反戦運動で再び盛り上がっていた時代。インターン制度の改革を求める動きは全国の医学部生らに広がっていた。

 当時、医学部があった東北地方の4大学の実習生は、医師国家試験のボイコットで足並みをそろえていたが、このうち1校は試験前日に受験を決めた。これに怒って阻止を企てたのが、別の大学の下級生グループ。「ヘルメットとこん棒で武装し、試験会場に殴り込んでくる」。情報を入手した村口らは、仙台市内の会場に早朝集合するようクラス全員に連絡した。意見は違えど、議論の末に受験を決めた仲間を会場に無事に入れるためだった。

 当日は警察の機動隊が出動し、物々しい雰囲気に。受験を拒否した村口ら東北大の実習生全員は、入り口で武装した学生とにらみ合ったが、こん棒は打ち下ろされることなく終わった。ボイコットは、全国30以上の大学で行われ、その年にインターン制度は廃止された。

  ◎

 「東北の医療を良くするため、どんな研修をするべきか」。村口らは深夜まで議論し、インターン制度に代わる新たな卒後研修を模索した。

 卒業後、そのまま医局へ入れば、教授の一存でまともな指導を受けられない病院に派遣される可能性もある。村口らは医局へ入る場合の条件を提示したり、地域の病院の院長らと直接交渉したりして、研修先を開拓した。学生らの「反乱」に大学側は慌てた。

 68年、学生らの発案で学生・研修医、研修病院、教授らが話し合いを行う「三者協議会」が設立された。東北大医学部生として設立に関わった玉橋信彰・日本病理研究所社長(70)は「医局の人事で地域に派遣される慣習が変わり、3者が対等の立場で、行き先や内容が話し合われるようになった」と語る。

 三者協は93年に「艮陵ごんりょう協議会」と名称変更され、今も研修先を探す学生向けに、説明会を開く。研修医のトレーニングや指導医の育成事業も展開している。協議会の事務局長で、東北大教授の江川新一(53)は「より良い研修制度を求めたインターン闘争が、三者協の設立につながった。その意義は大きい」と強調する。(敬称略)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128268
血液製剤、不正を生む業界の「寡占」…製品の安定供給も危機に
(2015年12月21日 読売新聞)

 一般財団法人・化学及および血清療法研究所(化血研、熊本市)が国の承認を受けていない方法で血液製剤などを製造していた問題で、厚生労働省は、血液製剤とワクチンの製造業界のあり方を見直す作業部会の設置を決めた。業界の「寡占」状態が不正につながり、製品の安定供給も脅かしている実態を探った。(社会部 小田克朗、医療部 赤津良太)

化血研など3法人のみ

■薬害後

 「ワクチン、血液製剤産業のあり方を検討し、国民の不安を解消したい」。塩崎厚労相は15日の閣議後記者会見でそう述べた。

 血液製剤は、1980年代まで約15の事業者が販売競争を繰り広げ、その大半は外国の売血を原料に使用していた。ところが、80年代末から薬害エイズが社会問題化し、国は90年、原料を原則として国内の献血で賄う方針を決定。日本赤十字社が集めた血液を国内メーカーに配分する仕組みを作った。

 今月2日に公表された化血研の第三者委員会の調査報告は、この薬害エイズ後の時期に多くの不正が始まったと認定。製法変更の際に国の承認を得ようとすると製剤の発売が遅れるため、変更を隠蔽したと指摘した。

 化血研の元理事は「薬害エイズは化血研にとってシェア拡大のきっかけになった」と認め、別の元理事は「安全な血液製剤は我々が作るという自負が、手続きを無視しても構わないという考え方につながったのだろう」と振り返る。

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■国主導

 90年代中頃からは、人の血液を使用しない遺伝子組み換え製剤が、外国製を中心に普及し始めた。血友病患者のための一部の製剤では85%を占めるようになり、国は、国内メーカーが体力を失わないよう統合を推進。2012年には2法人の事業を統合した一般社団法人・日本血液製剤機構(東京)が誕生し、国内献血を原料とするメーカーは同機構と化血研、日本製薬(同)の3法人だけとなった。

 国は03年から需給計画を毎年作成し、13年度は献血の血液(血漿けっしょう)の49%を同機構、36%を化血研、15%を日本製薬に配分。メーカー側は同年度、1リットル当たり1万640円を日赤に支払ったが、収益は安定しており、血液製剤市場は1000億円を超すとされる。

 需給計画に守られているという「甘え」に加え、競争にさらされなかったことで小規模メーカーとしての体質が変わらなかったことが、化血研の長年にわたる不正の要因となった。

 ただ、血液事業に詳しい室井一男・自治医科大教授は、「製剤の安全性と国内自給を両立させるには、一定の寡占状態はやむを得ない」と指摘する。

 作業部会は来春をめどに結論を出すが、血液製剤業界の寡占解消にまで踏み込むのは難しい見通しで、当面は抜き打ち検査の導入に加え、各法人で大手製薬会社並みの内部統制の体制を作らせることが課題になる。室井教授は、「国策として善意の献血血液を配分している点からも、国の責任は大きい。各法人での法令順守や不正防止の取り組みを厳しく監視し続ける必要がある」と話している。

ワクチン国際化「遅れ」
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 化血研は、一部のワクチンも国の承認と異なる方法で製造していた。厚労省は今年9月、化血研製のすべてのワクチンの出荷を差し止めたが、供給不足を回避するため、安全性を確認し次第、解除せざるを得ない事態に追い込まれている。

 化血研製がシェア(占有率)の8割を占めるB型肝炎ワクチンは現在も差し止められたまま。「母子感染を防ぐには出産後すぐに打つ必要がある。在庫が切れると対応できない」と、東京都内の大学病院の小児科医は戸惑いを隠さない。一方、百日せきなどの4種混合ワクチンは、11月に出荷差し止めが解除されたが、保護者の不安が根強く、他社製に切り替える診療所も出てきている。

 予防接種法で定期接種に定められたワクチンのうち、感染力が強く、大流行の懸念がある麻疹、風疹、結核などのワクチンは、国内6法人のいずれかが製造する。化血研のほか、北里第一三共ワクチン、阪大微生物病研究会(阪大微研)など、主に大学の研究室から独立した中小メーカーだ。

 戦後間もない1948年に同法が制定されて以来、危機管理の観点から、国が「ワクチンは原則国産」の姿勢を貫いてきた。伝染病の流行を防ぐため、定期接種は国民の義務とされ、集団接種が行われてきた。ところが、予防接種後の健康被害が社会問題化。90年前後には、被害者による訴訟が相次ぎ、国内のワクチン開発は停滞期に入った。

 対照的に欧米では80年代以降、新たなワクチンが次々と開発された。企業の経営統合も進み、今や世界のワクチンの8割は、国際的な製薬大手が占有する。海外のワクチン事情に詳しい新潟大小児科の斎藤昭彦教授によると、海外の製薬大手は各国に製造拠点を持ち、1か所で問題が起きても国を超えてカバーする体制に進みつつある。日本は規模が小さく、融通が利かないうえに「国がメーカーに頼んで作ってもらっている構造がチェックを甘くしている」と指摘する。

 渋谷健司・東大教授(国際保健衛生学)は「危機管理の面から国内メーカーの役割は大切だが、国内外の大手製薬会社と提携するなど、国際競争の中で品質を高めることも必要だ」と話す。



http://biz-journal.jp/2015/12/post_12976.html
連載 新見正則「医療の極論、常識、非常識」
医者に行くと早く死ぬ?不必要な高額医療がかえって体に害?

文=新見正則/医学博士、医師
2015.12.22 Business Journal

 今日の極論君は、「医者に行くと早く死ぬ」と言っています。常識君は「それは極端な話ではないか」といつもの優等生的な返答です。極論君は大きな書店でたくさんの医療書籍を立ち読みして、「医者に行くと早く死ぬ」といった論調に共感したようです。
 本連載前回記事では、テレビは上手に観ないとダメだといったお話をしました。スポンサーと視聴率に多大な影響を受けることは致し方ないことです。同じように、医療もボランティアではありません。そうすると、確かに極論君が指摘するように、無用な検査や投薬、無意味な処置が施されることも皆無ではないでしょう。
 なぜなら、日本の医療保険は基本的に国民皆保険です。ですから、誰もが最大で3割負担です。その上、高額医療費制度というのがあり、暦月での支払いの上限がほぼ決まっています。標準報酬月額が83万円以上の人で、
  25万2600円+(総医療費 - 84万2000円)×1%
 です。つまり、1000万円の医療を受けても負担額は35万円弱です。そして、収入により負担額はどんどんと減ります。詳しくは全国健康保険協会のHPを参照してください。
 つまり、診断、治療、リハビリなどの医療がどんどんと進歩を遂げて、そして医療費が高額になっているにもかかわらず、国民が負担する額は極めて低額に抑えられています。日本の医療制度はとても素晴らしいのです。
 しかし、極論君が立ち読みした人たちのひとつの意見は、医療費の負担額が少ないからこそ、医療を受ける側も、提供する側も、つい自然と、あるときは作為的に高額な治療に誘導されかねないというストーリーです。そして、それが体にかえって害を及ぼすという警告です。
 確かに、レストランでどんなものを食べても少なくとも7割は補助金が出て、そして毎月の支払い額の上限がほぼ決まっていれば、お腹いっぱいで食欲がなくても、また特別高価なものを食べようという記念日でなくても、そして体に悪くてもたくさん注文しそうですね。

素晴らしい医療システムを維持するために

 せっかくそんな医療制度に恵まれている日本に住んでいるのですから、われわれは適切な、そして自分に本当に必要な医療を堂々と受ければ、それでいいのです。病院に行って、「できるかぎりのことをしてください」とお願いすれば、当然、病院は必要以上の検査や治療をするかもしれません。病院の収入も開業医の収入も出来高に比例します。つまりレストランの収入と同じです。たくさんのお客さんに入ってもらって、そしてできれば高額のメニューを注文してもらえれば、こんないいことはありません。

 そんな光景を目にすると、常識君あたりからは「イギリスのように、総量規制をしてはどうでしょうか」といった意見が出ます。つまり、保険医療として行える年間の使用額を決めるという方式です。確かにそうすれば、医療費の上限が設定できますので国の財政は安定するでしょう。医療費はわれわれの負担金のほか、国の税金で賄われているからです。
 しかし、医療が萎縮すれば、今度はどちらか迷う検査や治療は行わなくなります。少々の有益性があっても、費用対効果を考えて施行されないことも起こりえます。それでは不利益も多いように思えます。
 現状の素晴らしい医療システムを維持するためにも、適切な医療が行える環境が何より必要です。極論君と常識君の間で、うまい着地点を探すことが必要ですね。
(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務
幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

  1. 2015/12/22(火) 05:58:55|
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12月20日 

http://www.socinnov.org/blog/p252
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (7):
高橋泰「首都圏の医療・介護の近未来」について

小松秀樹
2015.12.12   Blog  Socinnovブログ

高橋泰氏は、全国のほとんどの2次医療圏を訪問し、実情を自身の目で確認されている。学者なので、目で見るだけでなく、数字でも把握している。それどころか、誰もが2次医療圏について詳細な比較検討ができるよう、2次医療圏データベースを作成し、公開している。

高橋氏とは、2011年10月、仙台での講演で初めてお会いした。筆者は翌日、被災地支援のため南相馬市を訪問することになっていた。高橋氏は同行することを希望され、南相馬市で我々と行政との生のやり取りを観察された。好奇心旺盛な行動派学者である。

『地域包括ケアの課題と未来』で、高橋氏が提示された首都圏の介護の近未来予想図は衝撃的である。首都圏を含めて関東で入所介護施設が極端に不足する。現在でも東京は、後期高齢者人口当たりの要介護高齢者に対応した施設の収容能力が、日本最低レベルである。2025年には団塊の世代が後期高齢者になる。介護施設の不足している東京とその周辺のベッドタウンで、高齢者が急増することになる。

『地域包括ケアの課題と未来』の編集者の1人、小松俊平は、2012年1月『厚生の指標』に「医療計画における基準病床数の算定式と都道府県別将来推計人口を用いた入院需要の推移予測」と題する論文を発表した。「一般病床の需要は、2010年と比較して2030年には12%増加する。埼玉・千葉・東京・神奈川では20%以上増加する。」高齢化と人口減少の進んでいる地域では、「一般病床の大幅な供給過剰状態が継続する。」一方「療養病床・介護施設(入所施設)の需要は、2010年と比較して2030年には全国で65%増加する。東京では78%増加し、埼玉・千葉・神奈川では100%以上増加する。」

首都圏では独居高齢者が爆発的に増加する。独居高齢者が生活に支障をきたしても、地域での人々の結びつきが弱く、頼れる互助組織がない。このため、東京は、地方に比べて、施設介護の必要度が高い。東京で今、介護施設の新設が進んでいるというが、介護職の給与水準が他の職に比較して低いため、職員を集めるのが難しい。施設が整備されたとしても、年金だけに頼っている高齢者だと、特別養護老人ホーム以外の施設は費用が高いため入所できない。

首都圏では、孤立した高齢者が病院に運び込まれても、退院先がない状態になる。退院をめぐって、解決策のない不毛な争いが頻発するだろう。結果として、病院へのアクセスがさらに困難になり、孤独死が加速度的に増える。さまざまな対応策が講じられるだろうが、首都圏だけで解決するのは難しい。

筆者は、2012年3月、安房地域のまちづくりビジョン安房10万人計画を提唱し、安房地域への高齢者の移住を提案した。高橋氏は日本創成会議の一員として、2015年6月、首都圏の高齢者の地方への移住を提案した。筆者は安房地域の人口減少を課題とし、高橋氏は首都圏の高齢者の急増を課題とした。

安房10万人計画のミッションを以下に示す。安房10万人計画は消滅が危惧される過疎地の生き残りが目的なので、最大の顧客は若者である。

ミッション
 1 首都圏の高齢者に、安房で楽しく穏やかな人生を過ごし、死を迎えてもらう。
 2 高齢者を支える若者に、安房で結婚し、子どもを生み育ててもらう。
 3 安房を活性化することで、住民に職を提供する。

ミッションを実現するために、以下のような基本方針を掲げた。
1 大きな目標を設定し、それに向けて、地域のインフラを含めて、準備をしていく。莫大な投資を必要とする詳細な建設計画は策定しない。
2 地域の医療介護施設全体を必要に応じて利用する。施設の新たな建設は需要が確実に見込め、経営が成り立つ場合に限定する。
3 要介護者を直接ターゲットにしない。都会で仕事しながら安房にも生活拠点を持つ人、健康な高齢者、定期的な通院の必要のある高齢者を首都圏から迎え入れる。
4 安房に文化と魅力を創出する。これは、遊び心、創造力、発信力を持つ人材をどれだけ安房に住んでもらうかにかかっている。
5 官営の事業とはしない。官の役割は、一部のルールの法的根拠を提供すること、可能なものに資金を出すこと。
6 営利組織、非営利組織が参加できるようにする。産業として合理的なものにする。株式会社と非営利組織は異なる。それぞれの組織の原理に一致した機能を担当するようにする。それぞれの原理に従って動いて、活動量を最大にする。
7 金銭的にはフェアネスを貫く。高額の一時金は可能な限り避け、毎月の費用を納入する形にする。途中解約を正当な条件で行えるようにする。
8 富裕高齢者のための有料サービスを拡充する。これで収益を大きくして、給与を高くできるようにする。
9 亀田グループで利益と手柄を独占しない。参加した組織には、医療・介護提供で協力する。亀田グループのメリットは地域の人口が増加することである。

安房10万人計画として、2015年夏まで、インフラ整備に取り組んできた。安房地域医療センターでの無料・低額診療開始、民間公益活動へのふるさと納税利用の制度化、社会人に安定した雇用を提供するための看護学校創設、看護学生寮への高齢者向け住宅併設、高齢者の人生の重要な決定を支えるワンストップ相談サービスの事業化などである。こども園を中心とした複合組織による子育て支援(必要時夜間保育、病児保育、学童保育、母子家庭・父子家庭支援)の準備も進めつつあった。安房10万人計画のハブとして特定非営利活動法人ソシノフを設立した。

政府が提唱する「日本版CCRC構想」が、首都圏高齢者の地方への移住の目玉として注目されている。CCRCとはContinuing Care Retirement Communityの略で、高齢者が健康なうちに地方に移住し、ケアが必要になった場合にケアを受けながら終生過ごすことのできる生活共同体のことである。特徴として以下の3点が挙げられている。(1)健康な段階から入居する。(2)高齢者が、仕事や社会活動、生涯学習などの活動に積極的に参加する。(3)地域社会と交流し、地域に溶け込む。

このようなことが簡単に実現できるとは思えない。補助金の魔力が失敗の原因となる。有識者会議の素案には、「現行の補助金や税制優遇、関連制度のほかに、更なる支援策の在り方(地方創生特区、新型交付金、制度改正、移住・住み替え支援策等)についても、検討を進めることとしたい」と書かれている。従来同様、政府が補助金や交付金を出すための条件を事細かに決める。官僚の責任が問われないようにするための条件なので、事業の邪魔になる縛りが多くなり、事業の成功確率を下げる。天下り団体が設立される。箱ものに予算がでるとなれば、箱もの専門家が予算を求めて群がる。予算を獲得することが活動の中心になる。日本中に、同じような箱ものが誕生する。1987年のリゾート法や年金基金を使ったグリーンピアでは、需要を無視した開発を全国統一ルールで実行し無残に失敗した。

日本の高齢者は簡単には移住しない。筆者は、震災時、避難所で厳しい生活を送っていた高齢者を安房地域に迎え入れようとしたが、彼らは、頑として地元を離れようとしなかった。そもそも、CCRCは新しい事業であり、現時点で、社会に需要はない。東京の高齢者は地方に移住したいとは思っていない。現時点で社会に存在しない魅力を、新たに創りださなければならないのだから、簡単ではない。創り出した魅力を提示して、徐々に需要を拡大していくしかないが、いかに努力しても、実際に需要が生じないかもしれない。あらかじめ完成された事業を想定してはならない。高齢者の地方移住を成功させるには、全国一律の事業ではなく、新しい個別事業を積み重ねるしかない。個々の地域の状況を踏まえて、利用可能な資源と知恵を活用して、小さく始めて、新しい需要を地道に創りだすしかない。



https://www.m3.com/news/iryoishin/383399
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
医療界の環境、「依然として厳しい」◆Vol.1
勤務医2割、職場環境の改善を実感

医師調査 2015年12月20日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 2015年を振り返れば、群馬大の腹腔鏡手術をめぐる問題や聖マリアンナ医科大学の精神保健指定医の不正取得問題など、大学にまつわる不祥事のニュースが相次いだほか、約40年ぶりの医学部新設が正式決定し、2017年度からの専門医制度に向け制度設計の具体化が進むなど、今後の医療界の制度改革 にまつわるニュースが相次いだ。

 安倍政権下の経済・財政再生改革では社会保障費抑制の方針が打ち出され、年末には、2016年度の診療報酬改定や税制改正のニュースが連日、テレビニュースや新聞紙面を賑わせている。海外では、エボラ出血熱やMERSの流行など国境を超えた感染症の拡大や、深刻化する環境問題、テロや戦争、災害と医療の問題もクローズアップされた。

 m3.comでは、年末恒例の医療界1000人アンケートを実施し、2015年の所感と2016年の展望を尋ねた(実施日2015年12月1日~6日、開業医500人と勤務医505人の医師会員計1005人)。調査結果を年末から年始にかけて連載する。

 まず、今年(2015年)の医療界ならびに先生ご自身の仕事環境について、昨年と比較した所感を尋ねた。

Q.1-1 医療政策、メディアでの報道、世間一般の医療に対する見方などを総合的に見た医療界を取り巻く環境は、今年(2015年)と昨年(2014年)を比較してどうでしたか。
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 Q.1-1で2014年と2015年を比較した医療界の総合的な環境について聞いたところ、「変わらない」が55.3%で過半数を占めた。一方で、「悪くなった」「とても悪くなった」が計37.1%を占め、2014年度と比較すると4ポイント減。「良くなった」「とても良くなった」は計7.5%で、2014年度から横ばい。前年と比べると悪くはなっていないが、良くなったという要素もなく、まさに「変わらない」という実感がこもった結果になった(2014年度の調査は『「医療界の環境悪化」が増加、4割超◆Vol.1』を参照)。

 2014年は消費税率8%への引き上げと診療報酬のマイナス改定があり、2013年の調査と比べ、医療界の環境について「悪くなった」とする回答割合が大幅に増えた年だった。2015年に実施された大きな制度改革はなく、2014年の「悪化した環境」から変わらないが過半数、さらに悪化していると感じている人も4割弱いることになり、依然として厳しい環境にあることが伺える。政府は、2016年度からさらに厳しい社会保障費抑制 の方向性を打ち出しており、今後良くなる要素が少ないことも、実感に影響しているかもしれない。

Q.2 仕事のやりがい、勤務時間や給与などの勤務条件、医師・患者関係、職場の人間関係など総合的に見た先生ご自身の仕事環境は、今年(2015年)と昨年(2014年)を比較してどうでしたか。
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 続けて、Q1-2では、回答者自身の職場環境について尋ねた。同じく「変わらない」が56.7%を占めたが、「悪くなった」「とても悪くなった」を合わせて27.2%で、Q1-1の医療界の総合的な環境についての質問よりも10ポイント近く少なく、2014年調査の50.5%から23.3ポイントも下がっていた。「良くなった」「とても良くなった」は16.0%で、前年調査から11.1ポイント増加。全体的に2014年よりも大幅に改善した数字となった。特に勤務医では合わせて19.2%が改善傾向にあると回答した。

回答者の属性は以下の通り(勤務医505人、開業医500人)。
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http://mainichi.jp/articles/20151220/ddl/k10/040/121000c
群馬大病院
「手術で過大侵襲」 遺族側弁護団が独自調査 /群馬

毎日新聞2015年12月20日 地方版 群馬県

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で同一の執刀医による手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、遺族側の弁護団は19日夜、高崎市内で記者会見し、開腹手術5例の独自調査を発表した。弁護団は消化器外科医2人に検証作業を依頼。「手術による過大侵襲などがなければ、死亡しなかった」「記録の記載に誤りや不整合が多い」などと病院側の対応を批判した。

 記者会見には開腹手術の遺族4人も同席し、当時の執刀医の対応について「合併症のリスクの説明もなく、手術以外の選択肢はなかった」「事故調査委員会は真相究明してほしい」と語った。3月末に退職した執刀医や元上司の診療科長に対し、直接、遺族に説明するよう改めて求めた。

 病院では5年間で、同じ男性医師による腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた8人と開腹手術を受けた10人が死亡。大学が設けた事故調は計18例の遺族や病院関係者へのヒアリングを進めている。ただ、大学側が8月に新たに示した膵臓(すいぞう)手術を含む死亡事例12例に関し、調査対象に加えるか未定で、20代の妹を亡くした男性は「調査するかの基準が不明。今後、公平に調査してほしい」と訴えた。【尾崎修二】




http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151220-036890.php
「避難の健康影響」究明 医療最前線、レポード・クレアさん
2015年12月20日 09時51分  福島民友新聞

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の発生から4年9カ月。南相馬市は地震、津波、原発事故といった複合災害と向き合い続けてきた。復興の志を抱き、自ら望んで被災地で懸命に働く医師や研究者の姿が、復興途上の地域に新たな活力をもたらしている。同市の医療機関で、地域の医療再生や放射線不安の解消などに心血を注ぐ医療関係者3人の姿を追った。

 「頑張っている人たちの姿を見てるから、自分も頑張ろうと思える」。南相馬市立総合病院で働く英国人女性は屈託のない笑顔を見せる。レポード・クレアさん(22)は現在、被災地の病院で働く医師の姿に刺激を受けながら、仕事の合間に避難住民の健康について研究を進める。

 英国・エディンバラ大の大学院生だった2月、同大学院で講演した坪倉正治医師の話に感動、南相馬市で研究することを決意した。「一緒に研究しよう」と誘った坪倉医師らの尽力により病院職員のビザを取得、5月から同病院の英語指導助手として活躍している。

 同病院には原発事故後、本県の医療支援に入った医師たちがいた。昼夜を問わず懸命に働く医師、震災前の日常生活を少しでも取り戻そうとする市民の姿から、福島の本当の姿を理解した。

 専門は、世界中で疫学調査などを行う「国際保健」。現在は災害の影響が被災者の健康にどのような影響を及ぼしているのかについて研究を進めている。

 同市小高区の市立小高病院に出張することもある。主に接するのは、避難生活を送りながら通院生活を送る住民だ。「被災後に多くの糖尿病患者が血糖コントロールを悪化させている」。避難生活の中で糖尿病を悪化させ、苦しむ住民の姿を目の当たりにしながら、災害発生時は「どんな人にどんな病気のリスクが高いのか」との疑問が頭に残った。

 勤務医の英語論文に対して助言するなどの仕事をこなしながら、医師からカルテの読み方などを教わり、避難生活と糖尿病との関係解明に没頭する。世界中の人々の健康を守ることに応用できるよう、論文にまとめる考えだ。「収入や地位などによる病気リスクの違いを研究することは将来の世界的な災害発生時に大いに貢献できる」。純粋な思いが被災地の復興を後押しする。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03155_03
The Genecialist Manifesto
ジェネシャリスト宣言
「ジェネラリストか,スペシャリストか」。二元論を乗り越え,“ジェネシャリスト”という新概念を提唱する。
【第30回】
ポリファーマシーという問題と,ジェネシャリスト

岩田 健太郎(神戸大学大学院教授・感染症治療学/神戸大学医学部附属病院感染症内科)
週刊医学界新聞 第3155号 2015年12月21日

(前回からつづく)

大学病院を受診するとき。まあ,全ての大学病院を網羅的に調べたわけではないのであくまでも雑ぱくな感想だけど,受付ではいろいろな主訴を持つ患者をフラグメンタルに複数科受診させることが多いように思う。

 総合診療科が機能していない大きな病院も同じだ。頭痛があり,鼻水が出て,目が充血していて,身体の節々が痛くて熱があれば,脳神経外科と耳鼻科と眼科と整形外科と膠原病科をたらい回し……というのはさすがに極端だけど,このように複数科受診をさせる大病院の受付は割と多いと思う。

 複数の問題を抱える患者であれば,総合的に診療できるジェネラリスト一人が見ればよいわけで,上記の風邪の患者さんも上手にマネジメントできるはずだ。というか,そもそもこの患者は大病院・大学病院に行かず,いつものかかりつけ医にかかるのが筋だと思うけれど,本稿の主題を外れるのでここでは深入りしない。

 大病院の専門家はルーチンで特定の検査をしたがることも多い。件の患者には,おそらく何ひとつ特別な検査を必要としないが,頭部CTや内視鏡検査やあちこちのX線撮影や各種抗原抗体検査がなされかねない(まじで)。そして,たくさんの薬剤処方も――。「ポリファーマシー」はこのようにして起きる。

  *

 ポリファーマシーは,医療者の怠慢から起きているのではない。逆である。各医師が自らの専門性に照らし合わせて良心的に,真摯に診療したが故に,ポリファーマシーなのだ。

 本連載でも過去に述べてきたように,各科専門家はまれな病気や珍しい合併症,非典型的なケースを熟知している。そういうピットフォールに陥らないように,どうしても検査過剰,治療過剰になる。しかし見ているのが自分の領域だけなので,他科の医師がどのような検査をオーダーし,どのような薬剤を処方しているのかについての配慮が足りないこともある。そして,似たような薬剤がカブってしまう。時にそれらが,患者にとって有害なものになる。

 こういうときのスペシャリストの目は,「虫眼鏡の目」「ミクロの目」であり,細かいところ,小さいところを見る眼差しとなっている。しかし,複数の主訴を持つ患者のケアで大事なのは,「全体」を見ること。木を見つつ,森を見ることである。木を見つつ森を見るということは,問題の全体を相対的に見る,ということでもある。全体のパースペクティブから見る,ということでもある。自らの専門領域を相対化する(絶対化しない!)ということでもあるのだ。

  *

 そのとき,諸問題にはプライオリティーの高低が生じるだろう。緊急性の高低もある。諸臓器の症状が同じ病因から生じており,重なった検査や治療を省略できることもある。進行がん患者の尿酸値を薬剤治療で下げる必要はあるだろうか。そりゃ,腫瘍崩壊症候群のハイリスク患者とかは別だけど。あるいは,血糖値は? コレステロール値は?――。

 前回(第29回/第3150号),ファイナンシャル・プランナー(FP)との相違点を交えながら述べたが,全ての健康問題を最大限に治療する必要はない。少なくとも,「治療しない」という選択肢はあるはずだ。患者の中には,「Aという病気は治療したいけど,Bについては今は放っておきたい」と思う人もいるかもしれない。金銭的コストは下がるかもしれないし,薬剤の数が増えず面倒くさくないし,相互作用といった別のリスクをヘッジできるかもしれなくてもだ。

 しかしそうした中で,スペシャリストのほとんどは自領域のプライオリティーを「低い」と判断したくはないだろう。オレの担当する病気“だけ”は治療したい,という欲望はどうしてもあるものだからだ。それはぼくにもある。でもそこをぐっと抑え,「オレ様の専門領域」というオレ様目線をやめ,もっと総合的に全体的に患者を把握する必要がある。そのためには全てのスペシャリストがジェネ“シャ”リストになる必要がある。いや,それしかない。

  *

 大学病院の受付でも,どこの科が担当すべきか判然としない場合は,まずは総合診療科のようなジェネラリスト系の診療科“だけ”を受診させるべきだ。必要があれば,そして必要があるときだけ,ジェネラリスト・グループが各スペシャリストに相談する。その場合であっても,ポリファーマシーを回避するためには患者の全体像がきちんと把握できておいたほうがよい。

 “政治的”に,ジェネラリスト・グループが各スペシャリストに「そちらの治療はやめて」と促すことは難しい。それは可能かもしれないし,実際にやっているジェネラリストも知っているが,その場合に生じる感情的なしこりまで克服するのは困難で,また多くのジェネラリストがこのようなコンフリクトに苦しめられてきた。だから(たとえジェネラリスト・グループが大学病院にいたとしても),やはり各スペシャリストがジェネラリスト的エキスパティーズを身につけたほうがよい。そうすれば,不要なコンフリクトは回避でき,皆が「全体」を見ながら診療できるはずだ。

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 昔からそうだったのだが,大学病院においてジェネラリストが高いプレゼンスを保つことは難しく,またそれによって多くのジェネラリスト・グループは消滅した。または,各科が担当したくない患者の“ゴミ箱”のような役回り(言い方は悪いが)を押し付けられてきた。

 しかし,上述のように大学病院のようなタコツボ的,セクショナリズムが強い組織においては,本来,ジェネラリストの存在は貴重である。だからこそ,大学病院におけるジェネラリスト・グループはそのプレゼンスを高めるような突出した武器が必要だろう。例えば,神戸大学病院総合内科は,集中治療が強く,ICUケアのときにはしばしば諸科から相談されている。実際,ぼくら感染症内科も相談している。

 このように大学病院のジェネラリストは突出した武器を持っていたほうが生きやすい。日本の現状に合わせてもう少し世知辛い言い方をすれば,生き延びやすい。やはり,こちらもジェネ“シャ”リストになったほうがよいのである。

 ポリファーマシーの克服は難しく,こうやれば解決,という単一のソリューションは存在しない。たいていの難問がそうであるように。しかし,ジェネシャリストの普及はその克服に大きく寄与することだろう。必要条件,といってもよいと思う。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53508/Default.aspx
16年度診療報酬改定 改定率本体0.49%引き上げ きょうの大臣折衝で600億円の「外枠改定」追加合意へ
2015/12/21 03:52 ミクスオンライン

安倍晋三首相と麻生太郎財務相は12月18日午後5時ごろ、首相官邸で2016年度診療報酬改定の改定率について会談し、本体を0.49%引き上げることを確認した。薬価は、市場実勢価格に基づく改定を行うこととし、1.22%引き下げる。材料は0.11%引き下げる。これにより診療報酬全体(ネット)の改定率はマイナス0.84%となる。ただ、特例再算定や大型門前薬局の適正化など改革項目による「外枠改定」で約600億円を追加財源とする考え。「外枠改定」は、きょう21日に塩崎恭久厚労相と麻生財務相による大臣折衝で合意される見通しだ。

16年度改定は、診療報酬全体(ネット)では、2008年度改定以来のマイナス改定となる。ただし、14年度改定は消費税増税分を上乗せしており、実質的には2回連続マイナス改定となる。医科、歯科、調剤の配分は1:1.1:0.3を堅持し、医科はプラス0.55%、歯科はプラス0.61%、調剤はプラス0.17%となる。

◎「外枠改定」特例再算定で280億円、大型門前適正化で40億円

「外枠改定」の項目は、C型肝炎治療薬や抗がん剤・アバスチンなど1000億円超の巨額医薬品に対する「特例再算定」で280億円、通常の市場拡大再算定で200億円、大型門前薬局の適正化で40億円を財源とした。“抜本的な改革”を求められた調剤報酬だが、これによりネットでも30億程度のプラス改定となる見通し。そのほか、後発医薬品の初収載時の0.5掛け(10品目を超える内用薬は0.4掛け)に加え、湿布薬や経腸栄養食品の適正化などで、約80億円の財源を確保した。

そのほか、協会けんぽへの補助金を抑制。財務省は社会保障費の伸びを当初の6700億円から1700億円圧縮し、年間約5000億円とすることを求めていた。厚労省側は5000億円まで圧縮した上でさらに、プラス改定の財源を確保したことになる。

◎「プラス改定」を実現させた政策プロセスの変更

厚労省は、2016年度、18年度、20年度の改定を通じて、2025年に到来する超高齢化社会に向けて「地域包括ケアシステム」の構築を目指している。財務省もこの点には理解を示し、社会保障改革を単年度ベースとせず、今後3年間を重点改革期間とした改革工程表を作成し、それに基づいた政策を実施するようプロセスを変更している。このため今回の診療報酬改定に向けた財務・厚労の折衝では、社会保障費の伸びの圧縮が必要であるものの、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師の推進など、診療報酬本体プラスを容認する方向に傾いてきた。

2000年代前半の小泉政権時代には社会保障費の自然増に2200億円のキャップがはめられ、診療報酬本体に切り込むマイナス改定の連続から地域医療が崩壊した経緯がある。加えて日本医師会など医療団体も改定ごとに執行部が交代を繰り返し、政策の路線が定まらない時期もあった。今回の地域包括ケアシステムはまさに地域医療の再整備を目指すものであり、厚労省は、地域医療を担う医師会や薬剤師会との連携・協力が必要と判断した。なお、16年には参院選に加え、日本医師会、日本薬剤師会ともに会長選挙が控えている。

この間の財務省との折衝を通じても、厚労省はこの点を強く訴求し、2008年度改定のプラス0.38%を上回る改定率を目指した。さらに与党自民・公明の厚労関係議員とも連携し、最終的には日本医師会の横倉義武会長や日本薬剤師会の山本信夫会長が安倍首相に直談判するなど強い要請により、0.49%のプラス改定を実現させた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53505/Default.aspx
厚労省14年調査 在宅医療患者が過去最多 入院は減少傾向
2015/12/21 03:50 ミクスオンライン

厚労省が12月17日に発表した2014年患者調査によると、在宅医療を受けた患者数は2014年の1日当たり推計で15万6400人で、過去最多となった。3年前の11年調査は宮城県の石巻と気仙沼の両医療圏と福島県を除いているが、同年調査と比べると41.3%と急激に増えた。医師・歯科医師による訪問診療(往診除く)を受けた患者が約11万人を占め、在宅医療の増加を押し上げている。

患者調査は3年ごとに行われている。2005年調査以来、推計患者数は在宅医療では増加傾向にある一方、入院では減少傾向にあり、医療の在宅シフトが鮮明になっている。14年の入院患者数(1日当たり推計)は131万8800人で、11年調査と比べ1.7%減だった。平均在院日数は0.9日減の31.9日で、減少傾向にある。

その中にあって入院患者の約7割を占める65歳以上は増加傾向。都道府県別の入院受療率は、最も高い高知と最も低い神奈川とでは3.2倍の開きがある。


  1. 2015/12/21(月) 06:18:31|
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