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11月29日 

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シリーズ: 医師と看護師、業務の在り方調査
「サラリーマン医師が増加」「医師に意見を」◆医師調査Vol.12-2
医師と看護師、お互いに求めることは?

2015年11月29日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.15 日常業務において、看護師(あるいは医師)に期待すること、改善を望むことなどを、ご自由にお書きください。 『「高齢医師に引き際を」「接客業の自覚を」◆医師調査Vol.12-1』では、医師と看護師のお互いに職種に対し、期待すること、改善を望むことについて、自由回答で聞いた。続きをご紹介する。


【看護師の意見】

<診療に関して>
・ガイドラインにないような過去の治療はやめてほしい。
・サラリーマン的医師が多くなった。医師としての倫理観が薄れている?
・その領域の専門定期知識、技術は優れているが(そうでないのもいるが)、分野外になると途端にダメな医師が多い。特に最近若い世代の医師においてそう思う。すぐに、専門外のところはろくに患者の話も聞かず、診ず、別の医師に振ってしまう医師がいる。昔は、ある程度の診断を付けて、その分野の医師に相談し、「そうですね、お見立ての通り・・・」と事が進むことが多かったし、患者や看護師も信頼できた。そんな医師が減ったと感じる今日この頃である。
・医師同士の連携をしてほしい。医師の好き嫌いで、他科依頼をやめないでほしい。迷惑を被るのは患者である事を知ってほしい。
・救急や外来診療を嫌がるような言動を避けてほしい。入院につながる入口なのに、さまざまな理由で救急を断る、外来診療をあからさまに嫌がる。何のために医者になったのか、分からないような人が多すぎる。
・早期から緩和ケアを入れてほしい。
・検査を行う迄に準備を確実に行ってほしい。造影検査の同意書が完璧でないことが多く確認業務が大変。
・困るとなんでもERでということになる。総合診療科があるのに。
・最新のevidenceに基づいて医療を提供してほしい。
・治療の決定をすることに責任を持ち、報告されたことは自身で確認した上で治療方針を決定・実施してほしい。
・自覚を持ってほしい。自分が診れない患者を安易に入院させないでほしい。
・小児科医師が点滴や採血補助の時押さえ方について指導してくる。それは子どもの権利条約上なっていなのでやりたくない。看護師の考え方も尊重してほしい。午前中、子どもがやっと寝たのに採血をする。そんなに急ぐのかを考えてほしい。入院中の患者の生活が不便でないかどうかも考えて、必要性のない処置であれば早めにやめてほしい。
・ターミナルで苦しんでいる患者にしっかりICしない。現状でも発熱・肺炎で苦しんでいるのに抗がん剤処方したりする。コミュニケーションが取れないのでなぜ抗がん剤をするのかもスタッフは困惑。すんなり楽にさせてあげられない。DNRといっても詳細まで決定していないので医師の判断で抗生剤や昇圧剤開始してしまうので死にきれない人が多くいる。DNRなら何もしないでください・・・。
・倫理的問題(経口摂取できないとすぐに胃瘻やCVを入れる)や、退院後の生活のことを考えていないなど。
・嚥下や栄養管理に関する知識不足。

<多職種連携に関して>
・地域包括システムの理解が低い。退院支援への関りが弱い。チームメンバーの一人としての意識が低い。患者・家族に対する接遇が不十分。
・チーム医療における適切なリーダーシップ、入退院調整に関する権限委譲。
・チーム医療を自覚してほしい。パターナリズムをふかすのはやめて。
・チーム医療を推進しているが、積極的に参加する医師も多いが、中には興味がない医師も多い。また安全に対しても積極的に参加してくれる医師と差が大きいため、病院職員としての意識を持ち積極的に参加してほしい。
・チーム医療推進のためにメディカルスタッフに対して同じ立場で協力してほしい。上下関係を強調しないでほしい。パワハラの改善。
・できれば看護師も交えてチームカンファレンスを行ってほしい。治療の目標を知りたいし、知っている事で患者さんとの会話に違和感を与えることなく行えると思う。また処方された薬剤や指示内容の意図が分かりやすい。
・どの職種がどのような力を発揮できるか、多職種の専門性に目を向けてほしい。
・ヒトモノ時間の管理をして看護師の時間外を少なくするよう考えてほしい。
・もっと新しい知見に目を向けて、学び続けないと、患者にとっての最善は尽くせないのに、まだまだご自身のプライドだけで頑なに新たな意見を取り入れない方が多い。医師も医療チームの1人であることに気付いてほしい。
・異なる職種とのコミュニケーションをとることができる医師であってほしい。医師の知識の高さは十分理解できるので、その知識をスタッフの育成にも協力していただきたい。
・医師と患者の間を取り持つ役割を看護師が担っている所が大きいので、患者の治療方針や退院計画にもっと看護師が関われるようにしてほしい。
・医師は特別という考えを無くして、決められたルールは守って、感情的にならず互いに良いコミュニケーションをとりながら仕事をしてほしい。
・医療の現場では医師がリーダーでありことは否めないが、医師はそのことをどのように自覚しているのか不明。上から目線で、賛同し難い治療方針では誰も協力はできない。
・医療はチームでやるものだという意識と行動。お山の大将的な医師が多すぎる。
・組織の中で全体としての協力と協調性を発揮し、診療面では建設的な指導力を期待する。
・他職種の意見に耳をかす。経験的治療ではなく、エビデンスに基づく最新知見の習得と一歩踏み出す勇気。
・他職種の意見も聞く耳を持ってほしい。病院経営に協力してほしい。威圧的な態度を改めてほしい。コミュニケーションをうまく取れる医師になってほしい。
・医療訴訟を懸念してか、トラブルを起こさないためにどうするかを第一優先にする医師は、患者さんに十分な知識がないのに治療方針を自分で判断することを求めることが多い。一度の説明でわかる範囲で選択してもらうのではなく、チームで関わり十分に話し合ってから決定できると良いこともある。他人の思いを冷静に聞き、客観的に判断し、他職種にも任せることができるよう意識を変えていただきたい。また認識を共有し、任せられるような人材を育てられるチーム作りをめざしていただきたい。
・主治医が検査・手術等で動けない時の応援態勢など、チームとして動く意識を持ってほしい。
・手術室運営会議には、各科代表者が全員参加できて、率直に意見を言い合える会議にしたい。

【医師の意見】

<自主性を重んじる>
・どうでもよいことでいちいち連絡してこないでほしい。逆に、重要なことの報告が遅い。
・なんでも指示を仰ぐのではなく、自ら考えることを求めたい。
・プロ意識をもっと持ってほしい。
・もっとAUTONOMYを与える代わりに、それなりの資格を取ってもらう。単なるRNではなく、修士を持った看護師や医学部で研修できる制度などが必要。
・もっと責任を持って診療に当たってもらうこと。
・良い意味で誇りを持って取り組んでほしいと思います。
・視点を変えた医療への参加
・自ら考えて意見も持ってほしい。
・自分で判断してほしい
・自分の行為の意味、責任を常に意識するプロフェッショナリズム。
・自分自身で状況判断し行動すること
・主体的取り組み、的確な看護診断に基づくタイムリーな報告、最善の経過報告でしょうか。

<チーム医療>
・チームとして医療の質向上に向けて共に協力していきたいです。
・チーム医療の一角をなすという自覚と責任感。他科の知識。

<制度について>
・特にありませんが、看護体制でお金が決まるのはどうかしてほしい。
・看護師の数が増えれば良いと思う。
・看護師の中でも、業務分担を分けて行ってもよいと思う。
・准看護師資格の廃止
・看護師個々というより休める体制
・看護職の専門技術の認定基準が必要
・看護職の卒後研修体制の確立が望まれる。能力による良い意味での差別化を!

<医師との連携>
・もう少し医師に意見を。遠慮して言わないことがある。
・医師との連携、意思疎通
・医師との連絡を十分に取ること
・国立病院は看護部が垣根を作り医師との協力を阻んでいる感がある。公的病院の看護師の姿勢を見習ってほしい。

<医学知識の習得>
・もっと勉強してほしい。これは現在の勤務先の看護師のことです。一般論ではあありません。
・より専門的な医学的知識を有すること。
・医学的な知識・技術や患者に接する態度等において、個人差があまりにも大きすぎる。
・最低限の患者情報の収集や機材の取り扱いに関する知識を習得してから業務を行ってほしい。
・新しい知識や技術の習得に積極的になってほしい
・表面的な知識ではなくより根本的な、深い知識を探求し体得していただきたい
・病態や薬剤の知識をもっとつけてほしい

<意図を汲んで>
・医師の意図を汲んだ動きが出来るようになってほしい
・医師の指示で動くのではなく、先導する気持ちがほしい。
・言われたままに動くだけでなく、なぜ、そのようなオーダーになっているのかを知りたいとゆう気持ちを持ってほしい。

<看護師の差>
・看護師としての、使命感はどこへ?古くからの看護師と、新規卒業の看護師の差を感じる。
・看護師は看護師で自分のさらに違う種類の雑用に係っており、診療補助の増加に回る余裕はない。また、看護師個人の能力差が大きく均一のレベルで仕事を任せられない。 ・頑張ってはくれているものの、看護師達も人手不足。看護助手に委託すればいいのに、と思う。
・業務に対して、まもりではなく、攻めに出て欲しいが、数年で退職してしまいベテランが育ちにくいのを改善しないと意味がない。
・個人差があるのですが、仕方がないかなと思ってます。
・個人差が大きい、信頼できる人と心配な人がいる。医師も同様であるが。
・個人差を埋める努力をすべき



https://www.m3.com/news/iryoishin/374061
シリーズ: 医師と看護師、業務の在り方調査
「高齢医師に引き際を」「接客業の自覚を」◆医師調査Vol.12-1
医師と看護師、お互いに求めることは?

2015年11月29日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 Q.15では、医師と看護師のお互いに職種に対し、期待すること、改善を望むことについて、自由回答で聞いた。看護師の意見では、医師のコミュニケーション改善を望む声が多かったのに対し、看護師には基本的なスキルや自主性を持った対応を求める声が多かった。一部を紹介する。

【看護師の意見】

<コミュニケーションスキルに関して>
・接遇、特にコミュニケーションスキルの向上をしてほしい。医師の態度や言動が発端となるクレームが多い。
・カルテ記載、IC(インフォームド・コンセント)の記載
・口頭指示を減らし、自分で入力してほしい
・コミュニケーション能力の向上を望む。繁忙な業務の継続による精神崩壊がないような業務管理。
・ICがICになっていない。強引に医師の意見を押し付ける。
・決めたことを患者に説明して、看護師に直接言うこともなく、指示出しもせず、カルテにも書かない医師もいる。決まったことを看護師が知らない、ということは、医療不信のきっかけになるし、必要な説明や処置ができなくなるので、時間のロスになる。病院によって、システムやルールが違うので大変だとは思うが、普通に行っている医師も多いのだから、ある程度歩み寄ってほしい。
・まず、コミュニケーションがとれるようにしてほしい。いつまでも、医師は偉いという態度はやめてほしい
・医師間の意思疎通を自分で行ってほしい。
・患者・家族に感情的にならないでほしい。
・もう少し、ベッドサイドに行き、患者の現状を把握してほしい。カルテ上で見るのではなく、実際に見に行って実感してほしい。
・患者さんと向き合ってほしいが医師数も少ない中で頑張っていると思う。
・患者さんに優しく話をしてほしい。
・患者さんの立場で考えることのできる医師が少ない。IT化が進み、患者さんに向き合う時間が減っている。
・患者と接する時は、専門用語を使わないでほしい。もっと患者に分かりやすい表現で、説明するコミュニケーション能力が必要。
・患者の状態報告を電話で受けるだけで「様子見て」と言って、実際に診に来ない医師が多い。看護師は24時間様子を看ていて、看ていられなくなったからコールしている。結果、後手にまわることが多く、看護師裁量でできることが増えると患者にもよいと思う。患者の声に耳を傾けてほしい。
・患者や家族とのコミュニケーション力がまだまだ低い。その大切さを医学部で学ぶことは増えているが、上の医師たちは不十分であり現場に生かされてない。 ・患者を含めた医療チームの一員としての接遇と協調性。単に疾病の治療だけでなく、患者の背景を考慮した治療法の選択。
・患者家族に分かりやすい言葉で説明するように努力してほしい。患者、家族が素人と思うのなら素人がわかるように説明するのがプロだと思います。
・患者管理も十分できていない医師が多すぎる。分からないなら、医師同士で話し合えばいいのに「看護師を経由して聞いといて」では、看護師の医学的レベルによって伝えるニュアンスや話されたことへの理解が変わるため、患者のためにならない。
・当院には家庭医が居ますが、あまり患者さんの所に行かないので。そういう基本的な事ができてほしいと思います。

<その他>
・お互い認めながら、それぞれ専門職として協働できるといいです。
・医師によって仕事への意欲の差が大きく、不公平と感じる。頑張っている医師は支えてあげたいと思うが、そうでない医師は・・・。しかし、業務では公平に対応しなくてはいけないので、ジレンマに陥っている。
・医学教育で俺様的な医師を育てないでほしい。
・医師の教育体制(研修会や勉強会)に看護師や他職種も参加していいようなオープンな体制を作っていきたい。上級医師にやや個性がありすぎ。これは仕方がないか?
・一部スタッフに対する暴言がひどい医師がいる。パワハラ委員会があるがもっと積極的に改善する体制がほしい。
・地方で医師が高齢化しており実質負担が働ける医者に集中していること。事務員に補充をおねがいしたい。また、高齢医師には引き際を示さないことにより新規の医師が雇えないこと。
・研修医指導をしっかり行って欲ほしい。
・新しい機材を望みすぎ。選別をきちんと行うべき。
・人として成長すべき。
・日常業務というよりは人間力に問題のある医師が多すぎる。
・人格の形成。利己主義の改善。
・接客業であるという自覚。
・日本としての医療に対する方針が不明確だから、教育もシステム・制度がコロコロと変わり、医療の本質が置き去りになった医療しか提供できない医師が多い。医療者の権力者たちも自分たちの利権ばかりにこだわって来たから、偏った医療になった。医師も患者も、意識改革していかないと日本の医療の未来は期待できない。現状では、医師に期待することもない。改善するとしたら、教育システムしかない。

<医師も働き過ぎ>
・医師の仕事量が多く大変そうである。
・医師は、総じて働きすぎだと思うので、任せられるところは、どんどん任せてほしい。

<看護師への対応>
・看護師に対する意識改善。看護師は家政婦ではない。
・看護師に頼らず、医師としての責任において、正確な仕事をしてほしい。
・看護師の意見を素直に聞いてほしい。
・看護師は小間使いではない。患者さんを広く診ることもできます。医師もそこを理解してほしい。
・看護師を医療協働者として認める、信頼することが必要だと思います。
・看護師任せにすることが多くあるように感じている。看護師の診療拡大はいいことだが、さらに医師の学習意欲を削ぐことにならないか、看護師がすればいいことでしょう、とならないか不安。もっと患者に対して誠意を持ってほしいのと、患者のもとに足を運び患者本人を見てほしい。
・看護師とのコミュニケーションが取れない医師が多い。治療方針が分からないから聞くと今は忙しいとかまだ退院してないの?という。主治医はあなたですが?
・病院でチームステップスを全職員に教育しているが、まだまだ医師の判断について意見を言うと、「それは医師の判断だからいうことを聞いておけばいい」という考えは根強く残っている。看護師も知識を得るために自己研鑽しており、医療の質を上げようと意欲を持っているので、看護師を同等として接してほしい。

<処方切れの確認を>
・点滴・内服薬の処方がないことを看護師がチェックして報告するのは医師の仕事。なぜ私たちがチェックしなければならないのか?
・薬や点滴が切れる前に、看護師から催促される前に処方してほしい。
・薬処方切れを把握してほしい。

【医師の意見】

<基本的なところから>
・あいさつしてほしい
・おしゃべりを減らしてほしい
・正確な報告
・スキルの維持向上。
・メリハリのある集中力、自己研鑽
・もっと学んでほしい
・同じミスを2回以上しない
・また、明らかに軽症な状態(転んで擦りむいた、外泊していたけど家族が熱発して帰院した平熱の患者)の患者の診察をいちいち医師に依頼するのはやめてほしい。
・師業に相応な品格
・指示したことを忠実に守ってほしい。
・うまくやってくれているのでこのままで良い

<この業務をやってほしい>
・せめて尿カテ入れたり輸血をつなぐくらいはしてくれても良いと思うのですが・・・。
・できることはしてほしい
・メンタルケア
・医師以外の職種に対する簡単な医学的指導
・心理的サポートなど医師がやりにくい業務を積極的に請け負ってほしい。
・看護師でしかできない業務に専念させて、薬剤師がすればよい与薬や点滴の作成、看護助手がすればよい配膳・下膳、食事介助、クラークがすればよい外来補助など枚挙にいとまがないほど、看護師にやらせすぎだと思います。
・入院患者の診察には病棟の看護師が付いてほしい。摂食・嚥下のケアをもっと実践してほしい。
・小児科の外来で、看護師は電カルばかり見ていて(電話の問い合わせに答えたり、予約を確認したりしているらしい)、医師が診察している様子を見ていないので、乳幼児の口の中を診るときには毎回大声で呼ばなければならない。高度な知識や技術より、まず医師の診察補助をしっかりやってほしい。
・自分の仕事ではないと断らない
・積極的な診療への参加
・専門科に特化せず、まず患者さんが求める看護業務を全うできるよう求める。
・前向きに何でもやってほしい。専門看護師を育成してほしい。
・補助行為も立派な医療行為であるので、補助することは医師より下であり、やりたくないのではなく、医師と対等の行為であると認識して、頼まれごとではなく自主的、積極的に参加してほしい。

<患者対応>
・患者、家族とトラブルにならないような対応、医師患者間の緩衝役を期待している。
・緊急時にもっと患者の寄り添ってほしい(例えば、時間になったら患者をほって帰宅するようなこと)
・カンファレンスなどを開くことは良いことであるが、無責任な方針、現状を顧みない理想論、臨床より「看護学」の重きをおいた看護師の存在はむしろ診療の障害になる。
・接遇を重視するより、自然な見守りや介助などの気が利く患者さんへのサポートをお願いしたいです。

<その他>
・記録にこだわりすぎない
・研修医への接し方の改善
・語学
・口腔ケアの充実
・申し送りの時間が多いが、十分伝わっていない。
・診療介助が以前に比べて下手になっているので、スキルアップしてほしい。
・認定看護師などの資格の積極的な取得



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151129_11037.html
医師になる意志 育成奏功
◎宮城県教委、医学部進学支援事業6年目/地域医療担う人材期待

2015年11月29日日曜日 河北新報

 宮城県教委が2010年度にスタートさせた「医師を志す高校生支援事業」が、医学部進学を目指す各地の生徒に浸透してきた。県内は病院勤務医の不足が深刻化して久しく、協力する県医師会も地域医療を担う「未来の医師」に大いに期待を寄せる。

 「医学部に入学するのは大変だが、それ以上に医師国家試験は大変。さらに医師になってからも日々勉強が必要で、実にやりがいがある仕事です」
 仙台市若林区の仙台二華高で今月中旬、県教委と県医師会が開いた講演会。県内各地の高校から、医師を目指す1、2年生約120人が参加した。
 講師は医師免許を取得したばかりの研修医、最先端医療の研究者、緩和ケアに当たる臨床医の3人。それぞれの立場から、医師を志した動機や仕事の苦労話などを語った。
 憧れの現役医師の話に真剣に耳を傾けた高校生から「手術の頻度は」「薬の研究をするには医学部と薬学部どちらがいいのか」などと具体的な質問が相次いだ。午後からは2年生約40人が、栗原市栗原中央病院を見学した。
 支援事業は地域医療を担う医師を育成しつつ、県内の医師不足解消につなげるのが狙い。(1)講演会 (2)病院見学会 (3)予備校の協力による学習会 (4)東北大のオープンキャンパスに合わせた医学部体験会 (5)学習合宿-の五つの取り組みが柱となっている。
 6年目の本年度は、来年1月に数学や理科が中心の2泊3日の学習合宿を開催する。3月にも学習会を予定している。医学の道に進む志を育むだけでなく、学力向上にも重点を置いているのが特徴だ。
 県教委によると、県内の医学部進学者は毎年80人前後で推移。10~14年度の5年間に全国の医学部に進んだ402人中、36%に当たる144人が支援事業の参加者だった。直近の3年間では7割に上るという。
 こうした生徒の多くが卒業後に県外の医療機関に勤務することが、県内の医師不足の一因とされる。県高校教育課の担当者は「来春は県内に新医学部が誕生する。宮城の地域医療を担う人材が増えるといい」と話す。



http://www.asahi.com/articles/ASHCY3QZ6HCYUBQU00W.html?apital
サミット開催地の市民病院で院長ら3人退職へ
2015年11月29日11時17分 朝日新聞

 志摩市民病院(三重県志摩市大王町波切)の院長(58)ら3人の医師が来年3月末での退職願を相次いで提出し、市が受理していたことが分かった。常勤医4人のうち3人が退職し、代わりの医師が確保できなければ、診療体制の大幅な見直しを迫られる。

 市病院事業部によると、院長ら外科医2人と副院長の整形外科医が今月上旬から中旬にかけて、「一身上の都合」を理由に退職願を提出した。市民病院は昨年12月、常勤医不在だった内科を受け持つ総合診療医が加わったばかり。この常勤医を除く3人が退職するという。

 大口秀和市長は27日の定例会見で、「病院の体制が維持できるよう、大学病院などを回り医師の確保に努める」と話した。

 市民病院の医師不足と赤字解消を狙い、市は今年度からの指定管理者制度移行を目指して、昨年夏に管理者を募ったが応募がなかった。このため、今年度も市の直営で外来と40床の療養病床を運営している。昨年度末の累積赤字は約7億3千万円。



http://www.asahi.com/articles/ASHCY3RSFHCYUBQU00X.html
岩手県、3100病床過剰と推計 10年後の体制素案
角津栄一2015年11月29日11時27分 朝日新聞

 10年後の医療提供体制を定める地域医療構想の策定作業を進めている岩手県は、現在ある病床(ベッド)のうち約3100床が過剰になるという推計を公表した。地域医療の関係者と意見交換しながら、今年度中に構想を策定する方針だ。

 県は、26日の医療審議会医療計画部会で構想の素案を示した。それによると、2025年に必要な病床数は推計1万676床としている。県がまとめた5年後の病床数は1万3850床(昨年時点では1万3859床)で、3174床が過剰となる計算だ。

 推計を病床の機能別にみると、早急に治療が必要な状態の患者を対象とする急性期用や、長期療養が必要な患者を対象とする慢性期用が過剰な一方、在宅復帰に向けてリハビリなどをする回復期用の病床が不足している。

 推計は県内9ブロックに分かれる2次保健医療圏域ごとに計算しており、最も過剰となるのは盛岡圏域の1035床で、次が両磐圏域(一関市など)となっている。

 県は「必要な病床数は国が示した考え方に基づいて推計したもので、今ある病床を直ちに削減するものではない」と説明している。



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151129/k10010323661000.html
厚労相 自治体への医療費補助の減額 来春に結論
11月29日 20時18分 NHKニュース

 塩崎厚生労働大臣は、京都市で、全国知事会の会長を務める京都府の山田知事と会談し、国が、子どもの医療費を独自に助成する地方自治体に対し、補助金を減額している現在の制度を見直すかどうか検討を進め、来年春をめどに結論を出す考えを示しました。
 子どもの医療費を巡って、国は、独自に助成を行っている地方自治体に対し「助成によって一般的に医療費が増える事態となっており、その分は各自治体が負担すべきだ」などとして、国民健康保険などへの補助金を減額する措置を取っています。
 これについて、京都府の山田知事は「減額制度は自治体による少子化対策の取り組みを妨げている」などとして制度を廃止するよう求めました。これに対し、塩崎厚生労働大臣は「自治体から要望があることは承知している。来年の春をめどに答えを出したい」と述べました。
 このあと塩崎大臣は記者団に対し、「政府として子育て支援を強力に推し進めている一方で、今の制度は子どもの医療に配慮するとペナルティがかかるという逆方向のメッセージを発している。ただ一方で、財源の問題を解決しなければ改革はできないので、セットで答えを出していきたい」と述べ、制度を見直すかどうか検討を進め来年春をめどに結論を出す考えを示しました。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03152_04
【寄稿】 過剰診断を防ぐエビデンスの構築を
Preventing overdiagnosis conference 2015に参加して

加藤 幹朗(横須賀米海軍病院内科)
徳田 安春(地域医療機能推進機構本部顧問)
週刊医学界新聞   第3152号 2015年11月30日

 われわれは,2015年9月1―3日,米国メリーランド州ベセスダにある米国立衛生研究所(NIH)で開催されたPreventing overdiagnosis conference 2015[過剰診断防止カンファレンス2015,主催:米国立癌研究所(NCI)および英国オックスフォード大]に参加し,研究発表をする機会を得ました。本稿では,多数の医師や研究者が集結し白熱の議論が行われたカンファレンスの模様を報告します。

スクリーニングが過剰な介入・治療となり得る

 患者に害となり得る過剰な診断――「過剰診断」の問題が今世界中で話題となっています。過剰診断は,①無症状の人に対して不必要な診断が与えられたとき(不必要な診断によって不必要な治療介入がなされる)や,②有症状の人に診断(時に拡大解釈された診断)が与えられたものの,その診断そのものが有用性よりも害をもたらすとき,起こり得ます。

 過剰診断が生じる背景はさまざまありますが,原因の一つとしてスクリーニング検査が挙げられます。もともとスクリーニング検査は,疾病の早期発見・早期介入を目的としたものです。罹患率が高く,かつ重篤となる可能性が高く,介入の有無によって予後が大きく変わる疾病が対象であるほど,効果を発揮します。しかし,スクリーニング検査も万能ではなく,偽陽性により不要な治療を施してしまう可能性もあります。さらに,検査を行っても死亡率が改善しないばかりか,総合的にみると早期発見による早期介入が患者の不利益となることもあり得ます。

 例えば,本邦で乳児検診の一つとして行われていた「神経芽細胞腫マススクリーニング検査」が2004年に中止されたことは記憶に新しいと思います。この検査は,「生後6ヶ月時に実施する神経芽細胞腫検査事業は,事業による死亡率減少効果の有無が明確でない一方,自然に退縮する例に対して手術などの治療を行うなどの負担をかけており,このまま継続することは難しいと判断される」1)ことから中止となりました。この他にも,PSA測定による前立腺がん検診,乳がん検診における非浸潤性乳管がん(DCIS)の評価などで同様の問題が指摘されています。

有害事象を上回るアウトカム改善のエビデンスが必要

 今回のカンファレンスでは,Hyeong Sik Ahn教授(韓国高麗大)による素晴らしい講演がありました。「韓国においては,エコー,PET-CT,MRIなどの高度医療機器が市中の医療機関にくまなく設置されており,がんの早期発見・早期治療を目的とした国家的な検診推進の結果,甲状腺がんの診断件数が飛躍的に増加した。しかし死亡率に変化は見られず,逆に治療侵襲による合併症や治療費の増大を認めた。すなわち,罹患率上昇をもたらした検診は,死亡率低下につながらなかった」という報告です2)。過剰な検査が不利益につながったことに言及しました。

 われわれが発表したのも,ルーチンで行われがちな検査の有用性を検証した研究です。タイトルは “The need for routine pre-procedure coagulation screening tests for patients undergoing gastrointestinal endoscopy”。上下部内視鏡検査前に行われている凝固検査の必要性について,上下部内視鏡検査を受けた4998人の患者を対象に後ろ向き研究を行いました。内視鏡検査前にPT-INR,PTTの異常値が認められた患者において,検査後の重大な出血合併症(輸血,止血処置)との関連は認められなかった結果をもとに,病歴と身体所見から出血素因を疑い,かつその時点で必要があるときのみ凝固検査を行うべきであると提起しました。筆者が勤務する横須賀米海軍病院では,腹腔鏡下胆嚢摘出術などの外科的手術に際しても,病歴,身体所見,家族歴などで疑わしいものがなければ,PT-INRを含む凝固検査やB型肝炎,C型肝炎などの術前検査は行わない方針です。

 また,C. Keith Conners名誉教授(米国デューク大)からは注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)の過剰診断・過剰治療が欧米諸国でも大きな問題となっていることが報告されました。ADHDは家庭・職場・学校など2つ以上の状況で,気が散りやすい,過度にしゃべる,順番を待つのが難しいなどの項目が複数個認められた場合に診断されます。しかし,これらの項目は小児であれば誰でも持ち得る要素であり,観察者の主観的な要素も含まれるため,正常と異常との区別を明確につけることができず,拡大解釈で診断されてしまうケースも少なくありません。ADHDを訴えるのは小児自身ではなく,親などの周囲の人間です。そして,医師としては来院した小児に対して何も処置をしないという判断を下すには勇気が要ります。患者本人(小児)は困っていない場合であっても,周囲の人間の心情への配慮や,医師としての安全・安心を取って介入してしまい,過剰診断・過剰治療となっているというのです。

 これらの報告をもって,スクリーニング検査をしなければよいということを訴えたいのではありません。必要なのは,早期診断によるアウトカム改善が有害事象を上回るという科学的エビデンス,すなわち有効性の根拠を持って診療に臨むことです。その点,米国予防医学作業部会(USPSTF)では,各種スクリーニング検査のエビデンスに沿った推奨度をGradeごとに分類して表明しています(根拠を持って強く勧められるGrade Aから,勧められないGrade Dまで)。もちろん,これをそのまま本邦に当てはめることはできません。しかし「Grade D」つまり,「スクリーニング検査は必ずしも有益だとは限らない」という視点が存在することは注目に値します。

過剰診断とポリファーマシーの問題に共通する背景

 カンファレンスでは,世界最先端のポリファーマシー対策についても議論がありました。時として患者に害を生じ得る「多剤併用状態」が起きる背景としては,各診療科によって個別に診断した疾患に対して,個別の治療介入がなされていることが挙げられています。さらに,ウイルス性上気道炎に対する抗菌薬処方,不眠の根本原因を考慮しない睡眠薬処方,原因の異なる浮腫に対する利尿薬処方といった病態を無視した投薬,逆に,疾患ごとのガイドラインに準ずることに重きを置きすぎて高齢患者の包括的な評価による予後判定を無視した投薬なども原因として指摘されています。

 過剰診断とポリファーマシーの問題には共通する背景があります。①長年の習慣から検査・処方がルーチンとなっていること,②ルーチンを止めたり,患者・家族の要望に反したりするとトラブルが生じるのではないかという不安が生じること,③検査が複数の部署にまたがっていたり,複数の疾患があることで複数の医師が処方していたりと責任の所在が曖昧なこと,さらには,④診療行為や処方の量的増大により増収が図れてしまうという診療報酬体系上の問題もあり,議論は一筋縄ではいきません。

 これらの課題を解決するには,本邦でもエビデンスに沿った推奨度をUSPSTFのように表明すること,そのためのエビデンスを作り上げていくことが必要です。これまでに集積された膨大なデータを科学的に吟味し,有害事象を防ぐためのエビデンスを打ち立てていくことが今後のわれわれの責務ではないかと思います。


◆参考文献
1)神経芽細胞腫マススクリーニング検査のあり方に関する検討会報告書.厚労省;2003年7月30日.
2)Ahn HS, et al. Korea’s thyroid-cancer “epidemic”――screening and overdiagnosis. N Engl J Med. 2014;371 (19):1765-7. [PMID: 25372084]


かとう・みきろう氏 :  2006年近畿大医学部卒。市立豊中病院での初期・後期研修,水戸協同病院での総合内科研修を経て,15年より現職。日本内科学会認定内科医,臨床研修指導医。総合診療医として各科の架け橋になるとともに,米国医療を学び日本と海外との架け橋となるべく奮闘中。

とくだ・やすはる氏 :  1988年琉球大医学部卒。沖縄県立中部病院総合内科,聖路加国際病院/聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センター,水戸協同病院を経て,2014年より現職。ハーバード大MPH,医学博士,日本内科学会認定総合内科専門医,日本プライマリ・ケア連合学会理事,FACP。Choosing Wisely日本代表。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/clinicallabo/201511/544743.html
連載: 医師の知らない?検査の話  第3回
24時間対応が依頼できる検査はどれ?
Laboデータを信じるべきか?【細胞検査の巻】

2015/11/30 櫛引健一(和泉市立病院)  日経ビジネス

 臨床検査技師の業務範囲は施設規模が大きくなると医師の診療科と同様、専門分野に分けたがる傾向があり、「あれは知らない、これはできない」などと、わがままを言う事があるようです。しかし、病院全体が24時間体制で検査を実施するとなった場合、そうわがままは言えなくなります。今回は、形態学を中心とした細胞検査で「細胞同定能力は診療に直結する」というお話しです。いろいろな局面を想像してみてください。いくつか事例を挙げてみます。


●尿沈渣(赤血球・白血球・細菌・良性上皮細胞・異型上皮細胞・円柱・結晶成分など)

 尿沈渣という項目は、提出された尿(概ね10ml)を5分間程度遠心し、上清を捨て、比重の差によって下に溜まった細胞を光学顕微鏡で観察します。現在では、細胞を顕微鏡でのぞき込むという方法だけでなく、フローサイトメトリーの原理を利用した自動分析機器を用い、尿を遠心することなく細胞を篩い分け、結果を出している施設が多くなっています。そうです。「沈渣」という検査は、将来、死語になってしまう可能性すらあるのです。
   「尿沈渣、自動化されると、沈渣じゃない」。

 尿試験紙法にて10項目くらいの一般性状(蛋白・糖・潜血・比重等)を把握することは、初期診療において非常に多くの情報をもたらしますが、その定性結果と共に尿中成分の把握は重要な項目です。目視で尿沈渣を観察できる臨床検査技師は、ベテラン技師と呼べる指標の1つです。「たかが尿検査、されど尿検査」といわれるのがこの領域であり、奥が深い検査です。尿沈渣を精度よく目視観察できるようになったら当直業務可能!などと言われるゆえんです。尿検査は、24時間求めていただいて構わない検査項目だと考えています。機械化法が普及しても、やっぱり目視での沈渣観察は無くならないかな……。

●血液像(目視白血球分類)

 末梢血液検査と言われるものには、赤血球数・白血球数・血小板数・ヘマトクリット・ヘモグロビン、それに付随して計算で算出される赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)などがあります。現在では白血球の5分画も自動分析装置で1分もかからずに測定できてしまいます。白血球の中で好中球優位かリンパ球優位かは臨床上非常に有用な情報ですが、血算数値と同時に白血球5分画の情報も提供される時代になりました。ただし、「好中球」と自動分類されてくる数値は、桿状核球なのか、分葉核球なのかは機械では識別出来ません。測定機種によっては、検査技師に異常を知らせるフラグメッセージを出力してくるものがあるので、ある程度推測することは可能かもしれませんが、目視による確認が必要となってきます。このフラグメッセージの意味を理解すると機械化法の白血球5分画の裏ワザ的知識を得る事になり、かなりツウの臨床医になれます(笑)。
   「5分画、知っててお得、フラグメッセージ」字余り。

 染色による目視血液像は、白血球形態だけではなく、赤血球の状態や血小板の状態も把握できるので、自動化が進んでもなくならない検査の1つですが、至急対応は、ほぼ無理です。当直時など、血液学的検査を専門にしている技師が勤務していたのを見つけたら、アイスクリームなどを持参して個別交渉してみましょう。当然ながら骨髄像検査も目視による染色標本での観察が主体となり24時間対応が困難な検査領域です。夜中に無理を言うと嫌われちゃう検査項目です。

●脳脊髄液一般検査(細胞分類)

 これは一刻を争う検査であり、蛋白・糖などの生化学的項目はもとより、細胞数・細胞分類は救急診療において非常に重要です。蛋白・糖などは自動分析装置で測定が可能ですが、細胞数・細胞分類は、まだまだ自動分析装置の能力が伴っていないのが実情です。そういった背景により、大多数は用手(目視)検査が主流となっています。

 通常、細胞数のカウントは計算盤というガラス製の古典的な機材を用い(最近ではディスポーザブルのプラスティック製の計算盤もあります)、顕微鏡で目視カウントします。臨床検査技師の技術のみせどころ的な検査の1つです。脳脊髄液を染色液(サムソン液)で希釈し、染色しながら計算盤の中の細胞をカウントしていきます。細胞数をカウントしながら細胞分類(単核球か多形核球を識別する)も同時に行います。脳脊髄液中の細胞が単核球優位か多形核球優位かは、臨床上の大きな分岐点になりますので、その細胞同定能力は極めて重要です。

 細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎注1の鑑別は患者の予後に影響しますので、髄液糖の結果と併せて、出現している細胞の種類は臨床医にとって非常に神経質になるところです。細菌性髄膜炎症例は無菌性髄膜炎に比べ圧倒的に少数ですが、いざ細菌性髄膜炎であった時には、一刻も早く治療を開始しなければならない状況ですので、検査結果の持つ意味は重要です。単核球か多形核球かを判断するのは染色液中に含まれる酸性フクシンという色素の染色性のみで篩い分けするので、実はかなりの熟練度が必要です。おそらく深く教育されていない臨床検査技師は、「本来単核である細胞を過剰に多核へカウントする」傾向があり、臨床医に混乱を与えているのではないかと個人的には危惧しています。この検査は24時間対応を求められる検査です。
   「髄液は、採るのが大変、知ってるか?」

●細胞診領域

 自動化がほとんど実現していない領域であり、まだまだ職人的要素が強い分野です。24時間対応が難しく臨床医にとっては一刻も早く結果を知りたい時があるでしょうが、「至急対応はごめんなさい」の領域の1つです。

 日本臨床細胞学会の認定資格である「細胞検査士」。40年以上の歴史を持つこの資格は、難易度が高く、最終の平均合格率は25~30%ですので、認定輸血検査技師(前回紹介しました。合格率20%前後)と双璧をなしており、臨床検査技師免許を必須とする卒後資格としては最難関資格の1つであります。国内の細胞検査士の多くはInternational Academy of Cytology(IAC)の国際細胞検査士の資格も併せ持ちます。日本の細胞検査士は、意外と優秀なのです(笑)。

 臨床検査技師の中で、「職人気質」の色合いを強く出す領域として、「超音波技師」・「病理技師」・「微生物技師」・「細胞検査士」があると言われています(筆者の個人的見解を含む)。このうち細胞検査士は、悪性細胞をスクリーニングする意味合いにおいて、細胞診標本「陰性」に対するすべての責任を負う訳ですので、その崖っぷち的な緊張感・責任感たるや、相当の自覚と自負がなければできない仕事とも言えます。ただし偽陽性以上の標本は細胞診指導医へ回りますので、ある意味、責任は上級者へ委ねられることになります。

 形態学の大部分は、「門前の小僧、習わぬ経を読む」的な、反復する経験則の積み重ねであり、パターン認識と共に、個々の所見の読みと新たな知見の見い出しによって創り出されています。個々の細胞同定能力だけではなく、標本背景の様子、各種検査データなどの総合的判断によって顕微鏡に見えている細胞を確定していくのです。胸水・腹水に癌細胞があると判定されれば治療方針の選択に大きく影響を与えてしまいます。
   「責任は、重大なんだよ、スクリーナー」

 筆者は超難関資格と言われる細胞検査士資格も認定輸血検査技師資格も、臨床検査技師の素養の一部に過ぎないと考えているので、他の認定資格も含め、臨床からの要求に対しては個々のスキルを高め、可能な限り対応できる能力をもって検査全般に臨んでほしいと考えています。尿沈渣を鏡検する時は、「腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約」を少しでも理解してほしいと思うし、交差適合試験をする時には、実際に輸血されている患者さんを一度はベットサイドで観察してほしいと思うし、脳脊髄液検査をする時は、常に重篤な細菌性髄膜炎を意識して微生物学的検査を念頭においた迅速な対応で検査を進めてほしいと思うのです。

 余談ですが、ある日初期研修医から「胸水検査の正常値を教えて欲しいのですが」との質問が来ました。浸出液と漏出液の違いくらいなら、どこの教科書にも載っているしなぁ~とも思うし、カルテを見ると肺炎随伴性胸水か膿胸かを鑑別したそうな感じの中で、「胸水の正常値は?」との質問でしたので、ちょっぴりプッチン。「そもそも簡単に胸水を抜けるほど溜まっている状態って、正常の身体であり得ますか? 胸水の正常値という表現を使いますか?」と丁重にお答えしておきましたが、これって意地悪でしょうか(笑)。

注1:今回は非細菌性髄膜炎と同義として扱います。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t239/201511/544773.html
シリーズ◎2016診療報酬改定
看護職の夜勤72時間ルール、見直しで議論紛糾
医師委員からは賛成意見相次ぐも、日看協は現状維持求める

2015/11/29 二羽 はるな=日経ヘルスケア

 中央社会保険医療協議会(中医協)は11月25日の総会で、2016年度診療報酬改定に向け、看護職員の「夜勤72時間ルール」のあり方について議論した。厚生労働省が現行のルールを緩和する方向の見直しを提案したが、委員の間で意見が分かれ、了承には至らなかった。

 2006年度改定で、看護職員の月平均夜勤が72時間以下の場合に算定できる「夜間勤務等看護加算」が廃止され、夜勤時間は入院基本料の要件に組み込まれた。現在は月平均夜勤が72時間を超過した場合、「月平均夜勤時間超過減算」を算定し、入院基本料が20%減算される。超過減算を算定できるのは3カ月に限られ、その後は「特別入院基本料」(584点)を算定することになり、大幅な減収となる。なお、超過幅が1割以内(月平均夜勤が79.2時間以下)の場合、3カ月は通常の入院基本料を算定できる。

 例えば「7対1一般病棟入院基本料」(1591点)の場合、月平均夜勤が79.2時間を超えるか、79.2時間以下の超過が3カ月を超えると、超過減算となり入院基本料は1273点になる(図1)。超過減算を算定できる3カ月を超えても勤務超過が改善しない場合、特別入院基本料の584点を算定することになる。

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図1 月平均夜勤時間の要件と診療報酬点数の算定ルール
平均夜勤が79.2時間を超えるか、72時間を超過して79.2時間以下の状態が3カ月を超えると、超過減算となる。超過減算を3カ月算定した後は、特別入院基本料を算定する ※クリックで拡大します。
(出典:第315回「中央社会保険医療協議会 総会」資料)

 月平均夜勤時間の算出に当たっては、1カ月の夜勤時間が16時間以下の看護職員と夜勤専従者は計算から除外される。

 厚労省が提示した資料によると、2014年4月~2015年3月に超過減算を届け出たのは13施設だった。このうち10施設は2カ月以内に元の入院基本料に戻っていた。残りの2施設は特別入院基本料に変更、1施設は休床した。届け出を行った病院は病床規模が小さく、15対1の看護配置の病院が多かった。

 こうした実態を踏まえ、厚労省は、1カ月の夜勤時間が16時間以下の看護職員も月平均夜勤時間の計算に含めるなど、計算方法を見直すことを提案した。16時間以下の看護職員を計算に含めるようになれば、平均時間は短くなるため、72時間を超えにくくなる。

 さらに、超過減算を算定できる期間を現行の3カ月から延長すること、延長した期間を過ぎた後に特別入院基本料よりは高い入院料を設定することも提案。これは、3カ月では十分な職員を確保するのが難しいとの考えからだ。7対1入院基本料から特別入院基本料になると、収入は4割以下になる。そこで、病院の経営を維持しながら、早期の環境改善を促す狙いがある。

 厚労省の提案に対し、「夜勤が月1回しかできない看護職員が就職できないという話も聞く。16時間以下を計算から除外するルールは緩和してほしい」(日本医師会常任理事の松本純一氏)など、診療側の医師委員からは賛成意見が相次いだ。

 一方、支払い側からは反対の意見が上がった。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「看護師の健康と安全性の確保が第一であり、これらが阻害されるのであれば、反対せざるを得ない。いったん超過減算となっても2カ月以内に戻っている施設も多く、ハードルは高くないのではないか」と指摘。日本労働組合総連合会総合政策局長の平川則男氏も、「子育てや介護などの事情を抱える看護師が計算に含まれるようになることで、強制的に夜勤に入れられることも起こりかねない」として反対した。

 これに対して日医副会長の中川俊男氏は、「超過減算や特別入院基本料になれば、民間病院は即、倒産の危機に陥る。全国の病棟の看護師長が72時間ルールをクリアするために頭を悩ませている。高いハードルではないという認識を改めてほしい」と反論した。

 専門委員として意見を求められた日本看護協会常任理事の福井トシ子氏は、「労働基準法などには看護職員の夜勤時間の上限が定められておらず、診療報酬における72時間ルールが看護職員の夜勤労働に関する唯一の歯止めとなっている。看護職員の夜間負担はサービスの質の低下や医療安全リスクの高まりにも直結するため、現行の要件を維持すべき」と話した。

 日看協の調査によると、看護職員の月平均夜勤時間は「64時間以下」と「80時間超」が多く、二極化していた。このデータを基に、「夜勤時間の短い看護職員を計算に含めるようになれば、より長時間働く看護職員が増える可能性もある。計算に含めてみて、平均時間がどれだけ変わるかを示してほしい」(全日本海員組合組合長代行の松浦満晴氏)との意見も出た。

 診療側、支払い側と専門委員の主張が真っ向から対立し、議論は平行線をたどった。今回の議論では方向性は定まらず、厚労省が論点を整理し直した上で次回以降に再び議論することになりそうだ。

  1. 2015/11/30(月) 06:02:23|
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11月28日 

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151128-OYT1T50062.html
医師の偏在解消へ、医学部「地域枠」の拡大検討
2015年11月28日 17時53分 読売新聞

 医師が都市部に偏り、地方や診療科によっては不足していることについて、厚生労働省は、改善策を議論する検討会を年内に設置する。

 大学の医学部を卒業した後に地元で働くことを条件とする「地域枠」の拡大をするかどうか検討する。一方で、全国的には医師は増加傾向にあるため、2018年度以降の大学医学部の定員についても、16年度中に方向性を打ち出す。

 医師の数は増え続けており、12年には30万3268人となっている。しかし、04年度に研修医が病院を自由に選べるようになった影響で、地方や診療科によっては医師不足が深刻化した。

 政府は、医師が将来は過剰になるとの推計をもとに医学部の定員を抑制する方針だったが、08年度から方針を転換。全国の医学部の入学定員は、07年度に比べ15年度は1509人増加している。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94494560X21C15A1L41000/
北海道のせたな町、医師の奨学金未返済分 無利子で貸し付け
2015/11/28 10:59 日本経済新聞

 檜山管内のせたな町は医師が大学時代に借りた奨学金の未返済分について、同額を無利子で貸し付ける制度を設ける。町立の医療機関に一定期間勤務すれば、返済を一部免除する。同町は町立病院と、2カ所の診療所を経営しているが、医師が不足しており、新制度で医師を確保する。

 対象は現役医師。町立医療機関で一定期間勤めることを条件に、借りている奨学金の未返済分に対し、全額貸し付けを受けられる。返済期間は10年以内。契約期間を満了すれば貸付額の3分の1の返済を免除する。第1弾として町外で働く男性医師に貸し付けを行う予定。来年4月には町立病院の常勤医に採用する。

 道によると、現役医師が他の組織から借りた奨学金を貸与する制度は道内の自治体で初めてという。厚生労働省の担当者は「同様の制度の存在はこれまで聞いたことがない」と話している。



http://www.asahi.com/articles/ASHCW5HW5HCWULFA021.html
千葉・成田に医学部新設決まる 例外除き38年ぶり
大内奏
2015年11月28日18時39分 朝日新聞

 政府は27日、国家戦略特区に指定している千葉県成田市に、医学部を新設する計画を正式に認めた。成田空港との近さをいかした国際水準の医師の育成や、外国人患者を受け入れる「医療ツーリズム」の拡大を目指す。2017年4月に開設する予定。

 新設されるのは、国際医療福祉大学(栃木県)の医学部。医学部の新設は、東日本大震災からの復興目的で特例的に認められた東北薬科大(16年4月開設)をのぞくと、38年ぶりとなる。教員200人以上のうち10人以上を外国人とし、学生も定員140人のうち20人を留学生とする。大多数の科目で英語の授業を行うほか、全ての学生が海外での臨床実習を最低4週間受ける。

 20年には付属病院を成田市内につくり、10カ国以上の外国人患者を受け入れる計画。人間ドックや先端医療と、首都圏の観光をセットにして外国人を呼び込む考えだ。(大内奏)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127075
日本の医学教育レベル、国際基準で評価へ
(2015年11月28日 読売新聞)

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 大学の医学教育が国際基準を満たしているかどうかを評価する一般社団法人「日本医学教育評価機構(JACME)」が、12月に発足する。

 日本の医学教育は、大学ごとにカリキュラムが決められ、医学教育の質を担保する明確な基準と評価システムがなかった。初めて第三者の目で統一的に審査し、医学部を持つ全国80の国公私立大などの医学教育の底上げを図る。

 同機構は、文部科学省の支援を受け、全国医学部長病院長会議が主導して発足。高久史麿・日本医学会会長が理事長に就任する。

 審査は、世界保健機関(WHO)の下部組織「世界医学教育連盟」などが設ける国際基準に基づいて来年度以降に始める。具体的には、▽診療現場に出る臨床実習が、全カリキュラムのおおむね3分の1(約70週)を確保しているか▽学生や教員が議論するなど主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」を導入しているか――など計72項目にわたる。

 項目ごとに「適合」「部分適合」「不適合」の3段階で評価し、国際基準を満たしている場合には、同機構が大学に認定を与える。結果は公表され、認定は7年間有効となる。

 米国は2010年、海外の医学生が卒業後の臨床研修を23年以降に米国内で受ける場合、国際基準を満たした医学部の卒業生に限ることを、各国に通告した。米国での臨床研修を受ける日本人は卒業生全体の約1%(年間80人程度)だが、大学が国際基準に認定されないと、海外で医師として活動を希望する優秀な学生を集めにくくなる恐れもある。

 日本の医学教育は、臨床実習の時間が短く、講義も受動型といわれる。その結果、一般に日本と米国の医学部卒業生の間では、卒業後の臨床研修2年間ほどの経験の差があるとされる。

 同機構の理事に就任する奈良信雄・順天堂大特任教授は「米国の通告は、日本の医学教育にとっての『黒船』。これを外圧ととらえず、国際的に通用する医学教育を普及させる転機と考えたい」と話す。



http://mainichi.jp/area/mie/news/20151128ddlk24040094000c.html
志摩市民病院:医師3人退職へ 市長「存続へ努力」 /三重
毎日新聞 2015年11月28日 地方版

 志摩市民病院(同市大王町)の常勤医師4人のうち、大和俊信院長(58)ら3人が「一身上の都合」などを理由に辞表を提出し、来年3月末に退職することが分かった。大口秀和市長は「医師確保に努め、病院存続のために頑張りたい」と述べた。

 同病院は2012年4月には7人の常勤医師が在籍していたが、次第に減少。ここ数年は1億円を上回る赤字が続いており、指定管理者の募集を行ったが応募がないなど、運営を巡る混乱が続いていた。医師の補充ができない場合は、総合診療を担当する30代の男性医師だけとなる。

 現在の診療科目は外科、内科、整形外科、リハビリテーション科で、40床の療養病棟を運営する。非常勤医師は3人いる。【林一茂】

〔三重版〕



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127060
腹腔鏡手術、5病院で高い死亡率…10例に医学的問題
(2015年11月28日 読売新聞)


 群馬大学病院で肝臓の腹腔鏡手術後に患者の死亡が相次いだ問題を受け、日本肝胆膵外科学会が、全国の主な病院で行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の成績を調べたところ、死亡率が4%以上と高率の病院が五つあることが27日、わかった。5病院の死亡例10例の診療経過にいずれも何らかの問題があったことから、同学会は各症例をさらに精査し必要があれば指導を行う方針で、年内に結論を出す。

 群馬大の問題発覚後、同学会は昨年11月~今年1月、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院として学会が認定している全国約210病院を対象にアンケートを実施した。2011年から4年間に行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の死亡率などを調査。死亡率が5%前後と群馬大の死亡率(8・7%)に近い高率と考えられる5病院に対し、死亡例の診療経過に関する詳細な報告を求めた。

 学会が設置する安全管理委員会が死亡例10例について、手術に適しているかどうかの判断や手術の技術、術後管理のあり方を検証したところ、何らかの医学的問題が見られたという。

 同学会は今後1か月かけ、死亡例をさらに精査。問題が大きいと判断されれば、高度な手術を担う病院としての学会の認定を取り消すことも含め、処分や指導を行う見通しだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=127061
死亡率8%超2病院、「高難度」認定更新認めず
(2015年11月28日 読売新聞)

 日本肝胆膵外科学会が、開腹も含めた肝臓と膵臓の高難度手術で死亡率が8%を超える2病院に対し、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院としての認定更新を認めなかったことがわかった。

 この2病院ほどではないものの、死亡率が5%を超えた病院も6病院あり、今後、指導を検討する。うち2病院は、腹腔鏡手術の死亡率が4%以上と高率の5病院にも含まれていた。

 同学会の認定病院は毎年度、開腹か腹腔鏡かといった手術方法を問わず高難度手術の成績を学会に報告しているが、群馬大の問題を受け、同学会は、改めて12~14年度の各病院の報告を調査していた。その結果、2病院は死亡率が8%を超え、死亡例の診療内容にも問題があった。

 群馬大での開腹及び腹腔鏡による手術の死亡率は10%を超えていた。問題を受け、群馬大と、同様の問題が起きた千葉県がんセンターは認定が取り消されている。



https://www.m3.com/research/polls/result/27?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151128&dcf_doctor=true&mc.l=133075867
意識調査 結果
医療者自身の服薬コンプライアンスは?【薬剤師会員からの質問】

カテゴリ: 医療 回答期間: 2015年11月17日 (火)~24日 (火) 回答済み人数: 4520人

 今回は、m3.comの薬剤師会員からの質問です。医療従事者、ご自身の服薬コンプライアンスについて尋ねた質問で、「医療者は患者に対し、とかく服薬コンプライアンス維持を要求するが、医療者自身が患者の場合、自身で実行することはなかなか難しいことが多い。この部分について「医者の不養生」になっていないかを調査したい」とのことです。


風邪に罹患、医師で「必ず服薬」は2割以下

 今回は、医療者自身の服薬に対する意識についてお伺いしました。風邪をひいた時、インフルエンザに罹患した時、生活習慣病になった時の3つの状況で、「必ず服用する」「服用しない」「場合による」の中から選んでいただきました。全体で見ると「必ず服用する」と答えたのが多かったのは、「インフルエンザ」「生活習慣病」「風邪」の順番となりました。

 インフルエンザでは概ね7~8割が「抗インフルエンザ薬」を服用すると答えましたが、生活習慣病では、「必ず服用」は4割弱から5割強に。風邪では1割から3割とバラつきがありました。特に、生活習慣病にかかった時、薬物治療を行うかどうか、医療従事者でもその判断は迷うようです。

 風邪の時に「必ず服用する」と答えた割合が高かったのは、「その他の医療従事者」で28%、最も少なかったのは「勤務医」で13%でした。風邪は「服薬しない」を選ぶ割合も高く、特に勤務医の20%は「服用しない」を選び、「必ず服用する」が「服用しない」よりも少ないという結果になりました。

 インフルエンザの時、「抗インフルエンザ薬を服用する」と答えた割合が高かったのは「看護師」で88%、低かったのは「歯科医師」で69%でした。高血圧などの生活習慣病でも同じ傾向で、「必ず服用する」の割合が高かったのは「看護師」で55%、低かったのは「歯科医師」で37%でした。

 最後に、服薬コンプライアンス維持のための工夫を尋ねました。あると答えたのは16%~27%で、歯科医師の割合が高い結果となりました。

 具体的な工夫の中身は、コメント欄で回答を募りました。多かったのは、「食卓など目につく所に置く」「事前に準備」「容器を工夫」「回数を減らす」「携帯アプリを使う」などの工夫。「薬の効果により、重要なものはキチンと飲むが、やはり忘れることはあるのが人間である」(医師)といった、薬の重要度が高ければ忘れないという意見もありました。

 生活習慣病に関しては、「高血圧などの生活習慣病になったら夜勤の多い今の職場を辞めて、生活習慣を正すことから始めます。生活習慣病の薬は崩れた生体機能を化学物質により矯正するものなので、生活習慣を正してもなお、高血圧などが続いたら、薬を飲み始めます。降圧剤などは特に、飲んだり飲まなかったりが一番生体にとって悪いので、飲み始めたら絶対に服薬順守します」(薬剤師)、「自分が媒体となって患者にうつすようなことがあってはならないと考えているので、インフルエンザに関しては、内服は絶対します。ほかの生活習慣病等に関しては、薬より先に食事療法を試してみたりします。それでも検査データが悪化するようであれば、あきらめます」(看護師)といった声もありました。

回答者総数は、4520人。開業医715人、 勤務医2447人、歯科医師51人、看護師150人、 薬剤師878人、その他の医療従事者279人でした。

 本調査へのコメントは、引き続き募集中です。本ページ最下部の「コメントする」から、ご意見、ご感想をお寄せください。

Q1 風邪を引いたら薬を服用しますか
112802.jpg
必ず服用する (757人)服用しない (742人)場合による (3021人)
セグメント   必ず服用する 服用しない 場合による
開業医     139      78      498
勤務医     317      506      1624
歯科医師    14      7       30
看護師     37      19      94
薬剤師     173      96      609
その他の医療従事者 77    36      166
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q2 インフルエンザに罹患したら、薬を服用しますか
112803.jpg
抗インフルエンザ薬を…その他の医薬品を服用…基本的に何も服用しない(538人)
セグメント   抗インフル  その他の医    基本的に
        薬を服用する 薬品を服用する 何も服用しない
開業医     615      40       60
勤務医     1929     183        335
歯科医師    35      8         8
看護師     132      5        13
薬剤師     721      74       83
その他の医療従事者 223    17       39
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q3 高血圧などの生活習慣病に罹患したら、薬を服用しますか
112804.jpg
必ず服用する (2278人)服用しない (206人)場合による (2036人)
セグメント     必ず服用する 服用しない  場合による
開業医       415      15      285
勤務医       1231      114      1102
歯科医師      19        8        24
看護師       83        2        65
薬剤師       421      37      420
その他の医療従事者 109      30      140
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q4 ご自身の経験で、今まで服薬コンプライアンスを守っていますか?
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完全に守っている(482人)ほとんど守っている(2250人)どちらとも言えない(1344人)ほとんど守っていない(374人)全く守っていない(70人)
セグメント    完全に守っ  ほとんど  どちらとも  ほとんど   全く
         ている    守っている 言えない   守っていない 守っていない
開業医      104     400     167     38       6
勤務医      278     1230     725     171      43
歯科医師     1       28       15       5       2
看護師      13       78       45      14       0
薬剤師      66       369     301     126      16
その他の医療従事者 20      145     91      20       3
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果

Q5 ご自身の服薬コンプライアンス維持のための工夫はありますか? ※工夫の中身や、これまでの回答の理由・ご意見について、「回答する」ボタンを押した後のページ下、コメント欄にご記入ください。
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ある (891人)ない (3629人)
セグメント    ある       ない  
開業医      156       559
勤務医      411       2036
歯科医師     14        37
看護師      38        112
薬剤師      228       650
その他の医療従事者 44       235
開業医 : 715人 / 勤務医 : 2447人 / 歯科医師 : 51人 / 看護師 : 150人 / 薬剤師 : 878人 / その他の医療従事者 : 279人
※2015年11月24日 (火)時点の結果



http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151129-OYT1T50000.html
診療報酬、マイナス改定へ…1700億円を抑制
2015年11月29日 08時28分 読売新聞

 政府は、医薬品の値段(薬価)や、医師、薬剤師らの技術料の価格(本体)を見直す2016年度の診療報酬改定で、全体の改定率をマイナスとする方向で調整に入った。

 16年度予算編成の焦点である社会保障費の抑制は、目標とする約1700億円の抑制分をほぼ診療報酬のマイナス改定でまかなう考えだ。

 診療報酬改定はほぼ2年に1度実施される。全体の改定率がマイナスになれば8年ぶりだ。

 厚生労働省による16年度予算の概算要求では、医療、年金、介護などの社会保障費は15年度予算より約6700億円増える。要因は、高齢化や、医療が高度化していることなど様々だ。政府は財政再建を着実に進めるため、高齢化で避けられないとされる年約5000億円増にとどめる方針だ。



http://biz-journal.jp/2015/11/post_12646.html
連載  富家孝「危ない医療」
手術の下手な医師蔓延で、多くの患者が死亡という現実…医師だけ特別扱いは許されない

文=富家孝/医師、イー・ドクター代表取締役
2015.11.29 Business Journal


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「医療事故調査制度について」(厚生労働省HPより)

 この10月から「医療事故調査制度」がスタートした。これは、たび重なる医療過誤事件の原因究明と再発防止を目的としたもの。この制度によって、第三者機関「医療事故調査・支援センター」が設立され、医療機関は患者の死亡事故が発生した場合はセンターに届け出て、自ら院内調査を行う。その調査結果は遺族に開示され、遺族が納得できないときはセンターに再調査を依頼できるようになった。

 こうした第三者機関の設立は、医療過誤事件の被害者となった患者側にとっても、医療機関側にとっても一見すると「大きな前進」のようにみえるが、実情はとても「前進」とはいえない。
 なぜなら、制度スタートから1カ月あまり経った11月13日、センターを運営する日本医療安全調査機構が発表した事故は全国でたった20件にすぎなかったからだ。センターでは年間1000~2000件を想定していたので、まさに想定外なのである。
 また、寄せられた相談は250件で、その相談内容の4分の1は医療事故として届け出る必要があるかどうかというもので、事故そのものではなかった。
 こんな状況だから、現場の医者の関心・反応は本当に鈍い。私が聞きおよんだところでは、医師会や日本医療法人協会などがシンポジウムや説明会などを活発化させているにもかかわらず、「新制度は機能しない」と言う医者が多い。医者の関心は、事故を起こしてしまったとき、どう責任を取らされるかだが、新制度になってもこの点はまったく曖昧なままだからだ。

新制度の致命的欠陥

 医療は人間が人間に対して行う以上、事故は必ず起こる。それが、過誤(ミス)によるものかどうかを判定するのは、本当に難しい。当事者である医者側が口を閉じてしまえば、ほとんどが隠蔽されてしまう。
 そのため、第三者機関が必要なのだが、新制度ではその調査はまず院内で行われる。また、調査の対象になるのは「予期せぬ死亡事故」に限定されている。治療中などに死亡する危険性を患者に事前に説明していたり、カルテに記載していたりすれば、対象から除外することも可能で、その判断は医療機関に委ねられている。さらに、院内調査の報告書を遺族に提供するかどうかについても、任意とされた。
 結局、第三者機関による調査が行われるのは、院内調査の結果に納得できない遺族からの求めがあったときだけ。しかも、医療事故1件の院内調査には数十万円から100万円かかり、その調査費用は医療機関側が負担することになっている。

 これで、医療事故が本当に解明されるだろうか。

医者だけが例外は許されるべきではない

 じつは、新制度発足に当たって、被害者団体は遺族などが相談できる窓口をセンターに設置することを求めていたが、退けられてしまったのである。
 私は息子が医療事故に遭ったため、医者を訴える裁判を経験している。この裁判は医者が医者を訴える、しかも私は母校の医者を訴えたので、マスコミで大きく取り上げられた。
 しかし、残念ながら民事でも刑事でも敗訴した。その根底には「医療は本来不確実なもの。いくら過誤があっても刑事免責されるべきだ」という考え方があった。しかし、これは交通事故などで業務上過失致死罪が成立するのに比べたら、医者だけが例外にされていることになる。
 医療事故の多くはミスから起こるが、外科手術では手術が下手、あるいは未熟な医師が行い、死ななくてもいい患者が死亡してしまうことがある。去年、群馬大学病院で腹腔鏡手術により8人が死亡していた事件は、この典型である。群馬大では過失を認め、院内調査が行われて謝罪した。しかし、これは現場医師のせいにした「とかげの尻尾切り」であって、事故の真相解明は不十分だった。
 私は、事故の真相究明と責任追及は切り離すべきで、院内調査より第三者機関の調査を優先すべきだと考える。そうしたうえで、あくまで医学的な見地による真相解明を行い、その調査に基づいて患者側がいつでも訴訟を起こせるようにすべきだと考えている。
 そうしないと、事故を起こした医療機関は確実に口をつぐむ。それを防ぐためには、事故調での発言は免責するなどの処置も必要だろう。
 さらに、外科手術が下手、未熟な医者が手術を行って患者を死亡させた、などの場合は、確実に刑事罰を科すことだ。つまり、「下手くそ罪」のようなものをつくらないと、遺族は泣き寝入りするだけになる。運転が下手なプロのドライバーのクルマに乗って事故に遭った場合のことを考えてみてほしい。医者もドライバーも同じなのだ。
 しかし、今回の事故調制度では、当事者である医者側が「事故は予測不可能」と言うだけで、「免罪符」を手に入れている。「前進」と言うより、「後退」である。この制度は来年6月に見直しが行われることになっているが、厚労省も医師会ももっと患者側に立って制度を見直してほしい。
(文=富家孝/医師、イー・ドクター代表取締役)



http://www.sankei.com/region/news/151129/rgn1511290008-n1.html
手作り模型「巨大な胃」 倉敷・川崎医科大の「現代医学教育博物館」人気 岡山
2015.11.29 07:00 産経ニュース

 ■副館長「小学生も楽しく学べる」

 倉敷市にある川崎医科大の「現代医学教育博物館」が人気を集めている。見学者は年間約8千人。人気の理由は、人体模型など全てが職員の手作りによる展示で、楽しんで学べるように工夫が凝らされているためだ。

 高さ約2・5メートル、幅約5メートルある巨大な胃の模型には、がんや潰瘍などの病巣がリアルに作られている。胃がんは分類の仕方に合わせて4カ所あり、腫瘍の形も分類ごとの特徴を表している。胃の内部を見る疑似体験ができる人体の上半身の模型では、モニターを見ながら手元で胃カメラを操作できる。

 昭和56年の開館以来、来館者の声や世間の関心を反映して、展示内容を替えてきた。副館長の森谷卓也教授は「病気予防のコーナーを充実させ、小学生にも対応できるようにしています」と話す。

 腸に見立てたクッションを見学者が板に貼り付けて全長を実感する展示や、何秒でボタンを押せるかで反射神経を測定する機器もあり、楽しみながら医学に触れられる。

 職員が製作する展示は、最短でも約3カ月、手の込んだものでは約2年かかるものもある。特に病気や患部の説明や、模型作りには細心の注意を払う。

 館内には、主に医療関係者らに公開している専門性の高い別フロアもある。付属病院の患者から提供を受けて保存した臓器約1700点を展示。病状によって変わる心臓の鼓動を確認したり、採血の練習をしたりできる装置もあり、他大学の医学部の学生や看護師でも学べるようにしている。

 団体見学の場合は事前に連絡が必要。開館日など問い合わせは同医大を運営する川崎学園(電)086・462・1111。
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川崎医科大の「現代医学教育博物館」に展示されている、職員手作りの巨大な胃の模型。手前は副館長の森谷卓也教授=岡山県倉敷市


  1. 2015/11/29(日) 10:28:56|
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11月27日 

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015112700811
患者減り診療中止=肝移植5人死亡の病院-神戸
(2015/11/27-19:57)時事通信

 生体肝移植手術を受けた患者9人のうち5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市)は27日、患者の減少で診療体制を一時縮小すると発表した。いったん診療を中止するが、再開時期は未定という。
 同センターでは昨年11月の開院以降、今年6月までに患者5人が相次いで死亡。夏以降は生体肝移植を見合わせ、9月に移植再開を発表した。しかし、患者の数が想定を大きく下回り、「これまでの体制で病院事業を維持することがかなわなくなった」としている。 
 同センターの代理人弁護士によると、既に医師やスタッフを削減し、患者には転院などの措置を取ったという。今後は再建に向け、支援者を募集する方針。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20151127-OYT1T50069.html
がん報告、主治医が見落とし…患者2人治療遅れ
2015年11月27日 17時34分 読売新聞

 新潟県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)は26日、患者2人について、がんが見つかったとする検査結果をそれぞれの主治医が見落とし、治療の開始が遅れるミスがあったと発表した。

 同病院は患者と家族に経緯を説明し、謝罪した。

 同病院によると、昨年10月、胃がん手術をした新潟県燕市の70歳代男性が陽電子放射断層撮影(PET)検査などを受けた際、肝臓がんがあると分かった。

 しかしがんの所見が書かれた検査結果報告書について、検査部門と連絡ミスがあり、主治医は確認せず放置した。今年9月に男性が定期検査を受け、検査結果の見落としが発覚。男性は10月、肝臓がんの切除手術を受けて退院した。

 これを受け、同病院は医師が確認していない検査結果報告書を一斉点検した。新潟市の60歳代女性患者でも同様に検査結果の見落としがあったことが判明した。

 女性は4月に主治医が交代し、引き継ぎが不十分で、6か月間検査結果が確認されなかった。女性は現在経過観察を受けているという。

 佐藤信昭院長は「チェック態勢が甘かった。今後は医師に検査結果を強制的に確認させて再発防止に尽くしたい」と話した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26HCG_X21C15A1000000/
体内に18年間ガーゼ放置 石川・能美の市立病院
2015/11/27 12:43 日本経済新聞

 石川県能美市の市立病院が、首の手術をした同県川北町の60代女性の体内にガーゼを18年間も放置するミスをしていたことが27日までに分かった。病院が市議会の委員会で報告した。ガーゼは体内で丸まり、周囲が腫瘍状になっていたが、既に病院が摘出した。

 病院によると、女性は1996年9月、交通事故で首を脱臼骨折したため、骨盤の上部の骨を削り取り、首の部分に移植する手術を受けた。その際、医師が止血のために約30センチ四方のガーゼを右腰に押し込み、取り出すのを忘れていたという。

 女性は今年に入って腰に違和感が生じるようになり、3月に痛みに変わったため、市立病院で受診。検査でガーゼが見つかり、周囲が13センチにわたり腫瘍状になっていた。18年前に手術を担当した医師は既に市立病院にいなかったが、連絡を受けて女性に直接謝罪したという。

 能美市立病院総務課の担当者は取材に「二度とこのようなことがないよう努めたい」と話した。〔共同〕



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20151127_2
県内病床、25年に23%減 地域医療構想の素案示す
11月27日(金)岩手日報

 県は26日、2025年時点で必要な病院ベッド(病床)数を県全体で14年比3183床(23・0%)減とする地域医療構想の素案を県医療審議会医療計画部会(部会長・岩動孝県医師会副会長)に示した。高齢化を踏まえて限られた医療資源を効率的に活用し、医療費抑制にもつなげることが狙い。今後は病床機能の転換や在宅医療への移行を目指すが、民間病院の理解を得ることや在宅医療の充実をどう図るかが課題になる。 

 必要病床数は、入院患者数や「団塊の世代」が75歳以上となる25年の推計人口、病床稼働率を基に推計。14年は1万3859床だが、25年時点で必要なのは1万676床で、3183床が過剰になると試算した。

 内訳は救命救急や集中治療に対応する「高度急性期」が1053床、「急性期」が3055床、療養が必要な「慢性期」が938床それぞれ過剰となる。

 反対にリハビリや在宅復帰を担う「回復期」は2149床の不足と推計。急性期や慢性期から回復期へ病床機能の転換を求める。



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20151127_10
「在宅医療の受け皿は」 県の病床削減構想で関係者ら
11月27日(金) 岩手日報

 県が26日、県医療審議会医療計画部会に出した地域医療構想の素案では、県内医療機関の入院ベッド(病床)数の大幅削減の必要性が示された。2025年時点で約3千床(14年比)が過剰との試算について、県は「あくまで目標値」と説明。だが、委員や医療関係者からは実現性に対する疑問や病床に代わる在宅医療を充実できるか懸念の声が上がっている。

 「在宅の受け皿が整わない場合は病床を維持するのか」「医療と福祉の連携を促す国のインセンティブ(刺激策)はあるのか」

 同日の医療計画部会では、医師や福祉関係者でつくる委員から在宅医療に関する質問が集中した。入院ベッド削減に代わる在宅医療の充実策が示されなかったためだ。

 現場の医療関係者の間でも不安の声が相次いでいる。関係者は「訪問看護師の絶対数が不足している。専門の知識や経験が必要とされ、責任も重いため志すことをちゅうちょする傾向がある」と人材確保の難しさを指摘する。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47439.html
地域医療構想、41都道府県で来年度半ばに- 厚労省調査
2015年11月27日 17時00分 キャリアブレイン

 今年4月に都道府県で策定作業が始まった2025年に目指すべき医療提供体制を実現するための施策などを盛り込んだ地域医療構想(ビジョン)について、41都道府県が来年度半ばまでに策定する予定であることが分かった。厚生労働省が26日に開催された「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」に報告した調査結果=関連記事病床報告制度に地域医療ビジョンで追加項目=で明らかになった。【君塚靖】

 厚労省が実施した「都道府県の地域医療構想の策定の進捗状況」調査によると、ビジョンの策定時期については10月20日現在、20府県が今年度中を予定し、21都道府県が来年度半ばまでに策定するとしている。ビジョンは、都道府県の医療計画に追記することになっており、法律上18年3月までに策定するよう定めているが、厚労省は来年半ばごろまでに策定するのが望ましいとしている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47449.html
次期改定での病棟群単位実現へ最後のお願い- 日病協が2回目の要望書提出へ
2015年11月27日 20時00分 キャリアブレイン

 12の病院団体で構成される日本病院団体協議会(日病協)は27日の代表者会議で、2016年度診療報酬改定に向けた要望書を、厚生労働省に提出することを決めた。日病協は7月にも要望書を出しているが、入院基本料を病棟群単位で届け出できるようにするといった見直しの必要性を改めて訴える“最後のお願い”で、その実現を目指す。また、新たに救急医療の評価の見直しなども求める。【佐藤貴彦】


 一般病棟入院基本料には、7対1や10対1といった区分があるが、原則として一つの病院で複数の区分を届け出ることが認められていない。日病協は、1棟以上の病棟で構成する病棟群ごとに、さまざまな区分の一般病棟入院基本料を届け出できるようにする仕組みを導入すべきだと主張している。

 要望書は来週にも提出する。7月に要望した項目のうち、入院基本料を病棟群単位で選択できる仕組みの導入のほか、患者の重症度を評価する「重症度、医療・看護必要度」の抜本的な見直し、診療報酬での維持期リハビリテーションの評価の継続など5項目の実現を、改めて要請する。

 さらに、救急医療の評価や、同一日に複数の診療科を受診した場合の評価、多職種連携による食事指導などの評価についても、16年度改定で見直すよう求める。

■大病院に生保受給者が殺到する!? 出席者が懸念

 この日の代表者会議では、16年度改定に向けた中央社会保険医療協議会(中医協)での検討状況に関する意見交換も行われた。会議終了後に記者会見した楠岡英雄・日病協議長は、紹介状を持たずに大病院を受診した患者に定額の支払いを求める新制度について、出席者から、生活保護受給者が大病院に殺到しないように施策を講じるべきとの意見があったことを明らかにした。

 同制度は来年4月にスタートするもので、中医協では、患者が公費負担医療の対象の場合などは支払いを求めない方向で検討が進んでいる。

 そのほか、DPC制度で入院費用が包括支払いになる期間のうち、点数が最も低い「入院期間III」を延長する方向性について、結果としてその期間の一日当たりの報酬額が減る可能性があることから、病院に及ぼす影響を調べて延長の是非を決めてほしいといった要望もあったという。

 また楠岡議長は、DPC対象病床に入院した患者の入院費用の計算方法が月をまたいで変わった場合、必要に応じて病院が診療報酬の請求をやり直すルールを新設する方向性についても、結果として病院の資金繰りに悪影響を及ぼすといった懸念が示されたことを紹介した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47431.html
27病院、12月中データ加算を算定できず- 厚労省が通知
2015年11月26日 17時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、DPC対象病院など27病院に、12月中は「データ提出加算」の算定を認めないと地方厚生局などに通知した。7-9月分の患者データを、決まった形式で締め切りまでに提出しなかったため。【佐藤貴彦】

 データ提出加算は、既定の形式で患者のデータを定期的に提出する病院の評価。報酬額は病院の規模や提出するデータによって違うが、退院時に100-160点を算定できる。

 9月までの3カ月分のデータの締め切りは10月22日だった。通知の対象となった病院は以下の通り。

 愛心メモリアル病院(札幌市東区) ▽ 倶知安厚生病院(北海道倶知安町) ▽ 協立病院(同帯広市) ▽ 鶴岡協立病院(山形県鶴岡市) ▽ 蓮江病院(埼玉県久喜市) ▽ 国際医療福祉大三田病院(東京都港区) ▽ 鈴木病院(同江東区) ▽ 東急病院(同大田区) ▽ 東京北医療センター(同北区) ▽ 仁和会総合病院(同八王子市) ▽ 山本記念病院(横浜市都筑区) ▽ 身延町・早川町組合立飯富病院(山梨県身延町) ▽ 佐久市立国保浅間総合病院(長野県佐久市) ▽ メイトウホスピタル(名古屋市名東区) ▽ 豊橋医療センター(愛知県豊橋市) ▽ 大仙病院(堺市西区) ▽ 東和病院(大阪市東住吉区) ▽ うえだ下田部病院(大阪府高槻市) ▽ 堀病院(同泉南市) ▽ 合志病院(兵庫県尼崎市) ▽ 出雲徳洲会病院(島根県出雲市) ▽ 阿知須同仁病院(山口市) ▽ 田岡病院(徳島市) ▽ 寺沢病院(福岡市南区) ▽ ヨコクラ病院(福岡県みやま市) ▽ 新生会病院(北九州市八幡西区) ▽ 阿蘇温泉病院(熊本県阿蘇市)



http://mainichi.jp/select/news/20151128k0000m040148000c.html
厚労省:高齢者療養病床の代替、2案示す
毎日新聞 2015年11月27日 22時20分

 厚生労働省は27日、有識者による「療養病床の在り方等に関する検討会」に、新たな高齢者向け施設の設置を提案した。容体の安定している患者の多い療養病床について、政府は医療費抑制のために大幅削減する方針を打ち出しており、新施設はこれに代わる高齢者の受け皿となる。

 厚労省は2案を提示。一つは施設内に医療機能があり、医師や看護師が常駐する特別養護老人ホームのイメージ。当直体制を取り、夜間や休日に症状が悪化しても、すぐに診察を受けられる。もう一つは医療機関と住まいの併設型で、住宅と医療機関が同じ敷地内にある。いずれも、日常的な医師の診察やみとりのケアも受けながら暮らせる「住まい」を目指す。

 療養病床には、介護の必要性の高い人向けの介護型と、医療的ケア中心の医療型がある。政府は、介護型を2017年度末に廃止、医療型についても削減する方針を打ち出している。病床を削減した際に高齢者が行き場を失わないようにするための対応が課題となっている。

 検討会は今後、必要な医療や介護などの機能や、想定される利用者像などを議論し、年内に提言をとりまとめる。【細川貴代】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015112702000168.html
危険任務を想定 強化される自衛隊の医療態勢
2015年11月27日 東京新聞

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのメンタル対策、感染症への準備や前線での救急救命態勢の拡充、移動式コンピューター断層撮影(CT)装置の導入…。自衛隊の現在進行形である。海外での戦闘参加に道を開いた安保関連法の成立と前後し、その医療・衛生態勢が強化されている。自衛隊病院の新設計画も浮上した。観念的に考えがちな新安保法制だが、足元では実戦に備えた動きが急ピッチで進んでいる。 (榊原崇仁、三沢典丈)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H6G_X21C15A1MM8000/
診療報酬引き下げへ 厚労省など、社会保障費抑制めざす
2015/11/28 2:00日本経済新聞 電子版

 厚生労働省と財務省は2016年度の診療報酬を引き下げる調整に入った。薬の公定価格にあたる「薬価」と医師らの技術料にあたる「本体」を合わせた全体でのマイナス改定は8年ぶりとなる。病院の収入が減る一方、患者や国・地方の負担は減る。社会保障費の伸びを抑制する政府目標に向け、診療報酬を下げざるをえないと判断した。

 診療報酬は医療サービスの公定価格で2年に1回見直している。前回の14年度改定は消費増税分の上積みを除くとマイナスで、実質的には2回連続の引き下げとなる。

 医療費の総額は15年度の見通しで43兆円。診療報酬を1%引き下げると医療費を4300億円削減できる。これにより国費の負担が1110億円減るほか、患者の窓口負担も540億円減る。

 政府は6月に閣議決定した経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で、高齢化による社会保障費の伸びを年5000億円(国費ベース)に抑える目標を掲げた。厚労省が8月末に財務省に提出した16年度予算要求から1700億円の削減が必要になる。

 政府は27日の臨時閣議で、6月の社会保障費の抑制目標を踏まえて来年度の予算を編成する方針を確認した。16年度は年金や介護で大きな制度改正はないため、1700億円の大半を診療報酬の引き下げでまかなう必要がある。

 診療報酬のうち薬価部分は薬の実勢価格に応じて毎回下がっており、近年は1.4%前後のマイナス改定が続いている。技術料の本体部分は財務省が引き下げを求める一方、厚労省は引き上げを求めている。今年末にかけての予算編成の過程で攻防が続きそうだ。

 仮に本体部分が小幅なプラス改定になったとしても、薬価のマイナス幅を埋めることは難しく、全体ではマイナスになる見通しだ。



http://www.m3.com/news/general/378653
岐阜、医療ミス:69歳死亡 中津川市民病院、患者遺族と2200万円和解 /
2015年11月27日 (金)配信 毎日新聞社

 中津川市民病院(中津川市駒場)は26日、心臓カテーテル治療でミスがあり、今年1月に県内の女性患者(当時69歳)が心破裂を起こして死亡したと発表した。遺族に対し、2200万円の損賠賠償金を支払うことで和解したという。

 同病院によると、この女性は他の病院で冠動脈狭窄(きょうさく)の診断を受けて中津川市民病院に入院。今年1月13日、内科の男性医師(48)が、心臓に細長い管を挿入して心臓の状態を調べる心臓カテーテル治療をしたところ、女性は冠動脈解離となり心破裂を起こした。愛知県内の病院に搬送して開胸による止血術を施したが、消化管からの大量出血により同17日に死亡した。

 市民病院側は内部の事故調査会を経て「治療管理に注意義務違反があった」と過失を認め、今月25日に遺族と和解した。

 病院で記者会見した安藤秀男病院長は「当院による医療ミスであり、深くおわびします」と謝罪。同病院には心臓血管外科の常勤医師がおらず、事故防止対策として、心臓カテーテル治療の際には他院の心臓血管外科医師による援助を受ける基準を作成するという。【小林哲夫】



http://www.m3.com/news/general/378608
若手研究者1割増やせ 政府、海外流出防ぐ
2015年11月27日 (金)配信 共同通信社

 若手研究者の海外流出を食い止めるため、政府の総合科学技術・イノベーション会議の専門調査会は26日、40歳未満の若手の大学常勤教員を5年で1割増やす目標を示した。

 目標は2016~20年度の科学技術政策の指針となる「第5期科学技術基本計画」に盛り込まれる方向だ。

 調査会によると、13年度の若手の大学常勤教員は、全体の25%にあたる約4万4千人。任期が付いた不安定な雇用形態が増えた影響で海外の研究機関などに出て行く人が増え、10年前と比べて7ポイント下がった。

 調査会は「若手研究者向けに雇用期限のない安定的なポストを拡充することが求められる」と提言。長期的には大学の若手教員の比率を3割以上に増やすのを目指す。

 26日に開かれた調査会では「数値目標を掲げると影響が大きいため現場の意見を聞く必要がある」「ある程度の目標は必要」などの意見が出た。



http://www.m3.com/news/general/378565
研究者育成など、2020年度へ8目標 科学技術基本計画案
2015年11月27日 (金)配信 朝日新聞

 来年度から5年間の科学技術政策の指針となる政府の第5期科学技術基本計画案が26日、内閣府の有識者会合に示された。科学技術の革新をもたらすため、若手研究者の育成や産学連携の推進など八つの数値目標が盛り込まれた。

 計画案では未来の産業創造や社会変革に向けて、情報技術を駆使した「超スマート社会」の実現をうたう。そのために、人材育成や大学改革など基盤的な力の強化も求めている。

 計画を進める指標として2020年度までの達成を目指す数値目標を新たに設けた。若手研究者の減少を食い止めるため、現在約4万4千人いる40歳未満の大学教員数を1割増やしたり、研究開発型ベンチャー企業の新規上場数を約60件に倍増させたりすることを掲げた。これらは全体の目標で、個別の大学などに求めるものではないという。

 年内に政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)が答申としてまとめ、年度内の閣議決定を目指している。

 ■第5期科学技術基本計画の数値目標案

 40歳未満の大学教員数         1割増
 自然科学系の女性研究者の新規採用割合  3割に
 引用回数の多さで上位10%に入る論文数 2割増
 企業や大学などの間の研究者の移動数   2割増
 大学との共同研究で企業の出資額     5割増
 研究開発型ベンチャー企業の新規上場数  倍増
 中小企業による特許出願件数       全体の15%に
 大学による特許権の実施許諾件数     5割増



http://www.m3.com/news/general/378692
ドローンを遠隔診療に活用へ 養父市で試験飛行
2015年11月27日 (金)配信 神戸新聞

 国家戦略特区の兵庫県養父市で26日、市と三井物産が小型無人機「ドローン」の試験飛行を行った。ドローンを使った医薬品配達や情報通信技術(ICT)による遠隔診療などの実現を目指している。

 同市と三井物産は2月、医療に最新技術を利用する事業案を政府に合同で提案。実現には薬事法や電波法などに関する特例措置が必要なため、特区での規制緩和を求めている。同市は農業分野を中心に取り組んでいるが、特区では国家戦略特区法の定める特例をいずれの分野でも活用できる。

 試験飛行には、大阪市中央区の計測機器メーカー「アミューズワンセルフ」のドローンを使った。市役所近くの河川敷と市内のスキー場で、プロペラ8枚を備える直径約1メートルの機体が5~10分の飛行を繰り返した。自動操縦を中心に高度50メートルまで上昇し、写真の撮影や地形のデータの収集などを行った。

 同市の構想では、自宅にいる患者が情報端末を使って、病院の医師による問診などを受け、ドローンで医薬品を届けてもらう。

 試験飛行に立ち会った三野昌二副市長は「来年にも、夏場のスキー場をドローンの練習や講習用の飛行場として利用できるようにしたい」と新たな事業案も明かした。(那谷享平)


  1. 2015/11/28(土) 06:07:42|
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11月26日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/378383
シリーズ: 地域医療構想
地域医療構想の策定、41県は「2016年度半ば」
4つの「医療機能」の定量的指標、設定は前途多難か

2015年11月26日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)の第12回会議が11月26日に開催され、各都道府県の地域医療構想策定の進捗状況や、2016年度の病床機能報告制度の現状が報告された(資料は、厚労省のホームページ)。構想策定は一定程度は進んでいるが、2県は「策定時期は未定」とするなど、一部の地域では遅れている。今後の病床機能報告制度の見直しに向けた議論では、高度急性期をはじめとする4つの医療機能に関する定量的指標を設定する難しさのほか、地域医療構想の策定や、病床機能を報告する各医療機関の戸惑いなどが浮き彫りになった。

 地域医療構想の策定予定は、2015年度中が20府県、2016年度半ばが21都道府県。医療法上の策定期限は2018年3月末だが、厚労省は2018年度からの第7次医療計画に組み込むことを踏まえ、「2016年度半ばまでの策定が望ましい」としており、41都道府県が間に合う見通し。残りは、2016年度中が4県(長野、高知、福岡、熊本)、未定が2県(新潟と兵庫)。全ての都道府県で1回以上は、地域医療構想策定に関する会議を開催しており、最多は東京都の6回。「構想区域ごとの会議」の開催は、全ての区域で実施が32都府県、一部のみの実施が6道府県、未実施が9県であり、地域による差はある(いずれも2015年10月20日現在)。

 病床機能報告制度では、毎年1回10月に、各医療機関に報告を求める。締め切りは10月31日。2015年度の報告状況は、11月8日現在で76.2%(報告対象1万4684施設中、1万1196施設)にとどまる。そのうち、提出ファイルが正常だったのは、83.6%。

「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」の次回会議では、2015年度の病床機能報告制度の概況が報告される予定。

病棟単位か、病院単位か

 26日の会議で議論になったのは、「病床機能報告の改善」について。初年度の2014年度の報告内容は、(1)特定機能病院は、報告時点の85病院中、75病院が、全ての病棟を、「高度急性期機能」として報告、(2)高度急性期機能を選択し、循環器科を持っている病院でも、PCIの実績がない――など、実施している医療の内容と、医療機能の選択が一致していない例が見られた。

 病床機能報告制度では、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つの医療機能から、各医療機関が、現時点でどの医療機能を担っているか、将来どの機能を担うかなどを「病棟単位」で報告する。その際、現時点での定性的な定義では、解釈にばらつきが生じ得る。

 厚労省は、(1)各医療機関が、医療機能の判断に迷わないように、定量的な指標の設定、(2)地域医療構想策定後、各構想区域で、医療機能の分化・連携のための話し合いの際に活用――という目的から、各医療機能の指標となる項目について、分析する方針を示した。(2)は、例えば、急性期機能が過剰、回復期機能が不足している構想区域において、この定量的な指標を基に、急性期機能を担い続ける病棟、あるいは回復期機能に転換すべき病棟を把握する際に用いるイメージだ。

 例示されたのが、病床規模別(200床未満、200~399床未満、400床以上など)に、「全身麻酔手術の件数」「悪性腫瘍手術の件数」「救急車受入件数」を「分析項目」とする案だ。これらの「医療の内容に関係する項目」は、2015年度までは「病院単位」だが、2016年度以降は、同年の診療報酬改定時のシステム改修の際に、レセプトに病棟コードを付記する対応を求めるため、「病棟単位」での把握が可能となる。

 しかしながら、「分析項目」を議論する以前の問題として、病床機能報告制度で把握すべき機能が、「病棟単位」あるいは「病院単位」なのかなど、根本的な疑問や意見が呈せられた。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「手術件数はなぜ病棟単位で把握しなければいけないのか、意味が分からない」と指摘。さらに「今日の資料を見ると、先祖返りして、変質しているように見える」との問題意識も示した。地域医療構想の策定後は、各医療機関の自主的な取り組みによって、2025年の医療提供体制の構築を目指すが、定量的な指標の策定により、“見える化”が進むため、医療機能の転換に「強制力」が伴いかねないことを懸念した発言と言える。

 日本病院会副会長の相澤孝夫氏も、「病院機能で見たいのか、それとも病棟機能で見たいのか、両者は異なる。混在していて分からないので、整理をしなければいけない」と指摘。さらに「(各医療機関によって)急性期機能の判断は違う。いったい急性期機能は何かについて合意しないと、議論は始まらない」とも述べた。

 厚労省医政局地域医療計画課課長の迫井正深氏は、さまざまな情報があり、混乱が生じていることは認め、「分析項目」については改めて整理し、検討すると引き取った。

経済財政諮問会議の議員、「7対1」を誤解

 26日の会議では、2回目を迎えた病床機能報告制度でもなお、各医療機関において混乱や戸惑いが見られる現状についても意見が出た。

 中川氏が問題視したのは、社会保障制度改革推進本部「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」の今年6月の「第1次報告」を問題視。日医は反対したものの、都道府県別の2025年の医療機能別必要病床数が公表されたとし、「案の定、現場に大混乱、ショックをもたらした。その弊害がいまだに続いている。必要病床数が削減目標と考えている県庁の担当者がたくさんいる」(中川氏)。さらに11月24日の経済財政諮問会議に、民間議員が提出した資料で、7対1入院基本料の病床が全て「高度急性期機能」としており、誤解がある点も指摘した。

 日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、2014年度の病床機能報告制度が「急性期機能」が多数を占めたことから、「あの数字を見ると、『急性期機能で報告した方がいい』と思う。数値が独り歩きして、かえって“規制”をしている」と実情を話した。さらに、各地域で地域医療構想の策定会議が実施されているが、「医師会(の役員)が司会をしていても、県主導で会議が進んでいる」(武久氏)。

 相澤氏が、現場で一番問題になるのは、「患者の流入、流出」だとした。地域医療構想は「構想区域」(原則、2次医療圏単位)で策定する。相澤氏が経営する相澤病院は、長野県にある。「県は、なるべく構想区域単位で完結するように、と言っている」と述べる相澤氏は、「構想区域」別の患者の流出入のデータは提示されているが、「どこと、どこの病院が患者のやり取りをしているかなどのデータがない。そのため今、とん挫しており、具体的な話になっていない」のが現状だとした。「構想区域」単位で、4つの医療機能を充足させるために、例えば、過剰な機能から不足している機能に転換すれば、他の「構想区域」の患者の流入は減少する。この辺りの調整が難しいとした。

 これに対し、中川氏は、現状の体制を反映させ、患者の流出入を前提として、地域医療構想を策定すれば済むとの解釈を提示。一方で、全国自治体病院協議会議長の邊見公雄氏は、「そうした時は、今の構想区域を変えればいい」と述べ、2次医療圏を追認する必要はないとした。

構想実現に向けて情報共有

 厚労省はそのほか、地域医療構想策定後の取り組みについても提示。(1)医療機関には、毎年10月の病床機能報告の際に、前年度から病床機能を転換した場合には、どんな施策で何床転換したのか、地域医療介護総合確保基金を活用したかなどについて報告を求める、(2)都道府県には、調整会議の検討状況、病床機能の転換状況、基金の活用状況などの情報提供を求める――という案。情報共有を通じて、構想実現につなげるのが狙い。



http://www.qlifepro.com/ishin/2015/11/26/the-report-of-medical-care-and-long-term-care-part-i/
フランスの医療と介護(1)
2015年11月26日 QLifePro

今回機会をいただき、5日間の日程でフランスの医療介護事情を視察させていただきました。
日本とフランスのこの領域の制度は似通っていると言われますが、もちろん個々の制度設計は事情に合わせて違っています。日本のほうが進んでいることもあるかもしれませんし、逆も然りです。非常に厳しい時期に渡仏することになりましたが、学びや発見の多い貴重な視察となりました。皆様にもシェアできることがあればと、数回に分けてレポートさせてもらえればと思います。

まずはパリ17区で開業する看護師のクリストフ・ラセフ(Christophe Lasserre)氏のもとに伺い、フランスでは一般的な開業看護師についていろいろお話をお聞きしました。

■フランスの開業看護師はどのようなことを行っているのか

フランスで看護師免許を持っているのは約60万人。うち98,249名が開業看護師として独立して仕事をしている。開業看護師のうち15,000人が男性。看護師が開業するためには24カ月以上の勤務看護師としての職歴が必要。やはり専門職としての力が必要だし、バイタルだけでなく「第六感」のようなものが必要。
開業看護師の対人口密度はフランス全土でばらつきがある。偏在を防ぐため、看護師密度の高いところでは新規開業はできないようにされている。逆に、医療サービスの少ない地域でなければ新規開業できない。現実としては密度の高い地域では既存の開業看護師に雇用されるか、開業看護師の廃業を待つ(暖簾を買う)しかない。南仏は看護師の数も多い。中仏や北仏であれば新規開業は容易であり、また年間3,000ユーロの補助金も出る。社会保障費の支払いも軽減される。
一人で開業することもできるが、365日×24時間を一人でやることは難しい。日本の常勤2.5人という制限は理にかなっていると思う。一人開業している看護師はフランスにもいるが、そのような看護師は実際には24時間対応できず、患者が困ることになる。

■クリストフ氏の開業看護師としての取り組み

17区の中心地で開業して13年目になる。3名の看護師で開業した。12万人が暮らす地域内に5つのステーションがあるが、競争ではなく協働という関係にある。(クリストフ氏「だけど僕たちがベスト!」とおっしゃってました)
ちいさな地域(「●丁目」単位)で地域に密着した活動、急変が起こった時にもすぐに対応ができる範囲で仕事をしている。

平均的な1日のスケジュール
07:00~13:00:1回目の巡回訪問、患者住所や処置内容に応じて毎朝プログラムする。
13:00~14:00:ステーションで処置(通院が可能な方への皮下注やガーゼ交換など)。来られる人はできるだけ来てもらうようにしている。空いた時間にサンドイッチなどで軽くランチ。処置の後は電話メッセージへの対応、カルテ記載、緊急対応、入院・退院の管理、請求業務、訪問計画の見直しなど。
14:00~17:30:午後の巡回。
17:30~22:30:ステーションに戻ってきてから、通院可能な方へのステーションでの処置。
その後、翌日のプランニングをしてから、夜の巡回に。自宅に帰るのは22:30~23:00くらいになる。
全員が毎日こんな働き方ができるわけはない。クリストフ氏の場合は月15日くらいがこのような感じだという。

▽急変時の対応
 看護師がファーストで対応する。
 看護師が救急搬送、病院受診、医師への往診依頼などの判断をすることが多い。看護師からの往診依頼に対しては医師はフレキシブルに対応してくれる。
▽対応患者数
 1日あたりの平均的な対応患者数50~70名/看護師1名。
 最高で1人当たり94件を対応することも。地域密着かつ患者を熟知しているからこれが可能になる。
 (ちなみにこの日は遅刻ができないので、午前中は9件「だけ」に制限したとのこと)
 患者とは家族のような関係、自分にとっての祖父や祖母のような関係を作っている。
▽看護師の報酬
 3人の看護師が各自の業務に対する診療報酬をそのまま得ている。
 働く看護師は1人あたり1,000ユーロを支払い、ステーションのプラットフォームを使用する。
 (一匹狼が3人集まっているイメージ)
▽対象患者
 新生児から高齢者まで。現在の患者の最高齢は107歳。
▽移動手段
 徒歩・自転車・スクーター
▽ステーションの設備・施設
 病院の外来や待合室のような感じ。
 処置のためのスペースと設備もある。衛生材料・医薬品キャビネットとデスクとPC。
▽ICT
 看護業務用ソフトがあり、医師からの処方箋(指示箋)や処置内容から訪問計画が容易になっている(PC上ですべての処置内容や訪問計画が管理されている)。予定表をプリントアウトしてポケットに入れて巡回していく。
 PCにはカードの読み取り機があり、患者の持つVITALカード(※1)と、プロフェッショナルカード(医師・看護師などの専門職が持つ)が両方差し込まれて初めて機能するようになっている。これで誰が担当したのかが明確になる。VITALカードには保険情報が入っていて、PCから電子的にレセプトが送られる。
▽処置材料等
 基本的なものは携行しているが、必要な医療材料はあらかじめ医師が処方しているので、患者のベッドサイドに準備されていることが多いとのこと。

■開業看護師の業務内容

▽臨床検査
 臨床検査センターも開業コメディカルによる。これらの検査センターと連携し、医師の指示に基づき、検査が必要な患者は朝早めに訪問し、検体を採取する。
▽医療処置
 筋注・皮下注・ヘパリン注射、糖尿病患者のサポート(インスリン)など対応可能。いずれもプロトコールが決まっている。
▽医療機器管理
 中心静脈栄養や留置カテーテル、ストマなどの医療機器の管理も。カテーテルの挿入や抜去も。栄養バッグの交換を担当している患者もいる。
▽服薬支援
 高齢者の在宅支援のため、看護以外の仕事もする。特に重要なのが服薬管理。服薬カレンダーのセットのみならず、高齢者が薬をきちんと飲めているのかどうか確認するための訪問を組むこともある。
 日本では薬剤師による介入(訪問服薬指導)が可能だが、フランスでは薬剤師にこのような役割はない。地方では薬剤師のボランティア精神による薬剤配達などはあるようだが、フランスでは「薬を飲む」という医療行為の管理も看護の業務に含まれると看護師が考えているとのこと。
▽在宅化学療法
 在宅でも病院の処置室と同じような清潔環境を作ってラインを挿入し、中心静脈からの抗がん剤投与を行う。
▽外科手術後のフォローアップ
 在院日数短縮のため、術直後で退院する患者が多い。外科医の指示箋に基づき抜糸までの創部消毒などの処置などを行う。またドレナージチューブの処置も在宅で行う。多くの患者は通院してくるので在宅訪問はしないで済んでいる。
▽外科処置
 褥瘡や皮膚潰瘍に対し、局所麻酔を伴う処置を行うこともある。
▽在宅緩和ケア
 一般的な緩和ケアに加えて、皮膚に露出した腫瘍の処置など。
▽在宅看取り
 多くの方を看取っている。
 ターミナルケアはかかりつけ医と開業看護師だけではカバーしきれないことがある。緩和ケア入院ができないケースはHAD(在宅入院連盟 ※2)が介入する。HADから看護の業務を請け負う形に移行する。
 またモバイルチームやネットワークとも連携している。
 在宅の看取りには家族がいることが必須条件になる。家族がいたとしても疼痛治療が在宅で十分提供できない場合には、病院がより適しているとクリストフ氏は考えている。フランスでも在宅での看取りを推進しているが、実際には最終的に病院に搬送してしまうケースが多いとのこと。
▽生活支援
 経過に伴いCureからCareに重点が移っていく。入浴支援などの衛生面の支援などもカバーしていくことになる。
▽コスト・請求
 行為ごとに点数が決まっている(AMI(点数コード))。
 例)皮下注射:行為4.73+加算1.35+訪問料2.50=8.50ユーロ
 米国では同じ行為に対し85ドル。
 ガーゼ交換:15.10ユーロ、複雑なガーゼ交換:20.10ユーロ、点滴:30.85ユーロ。
 開業看護師で稼ぐためには、たくさんの業務量をこなさなければならない。情熱や患者への愛情がなければ続けられない。

その 他、クリストフ氏と話してわかったポイントなど、雑感——————

■看護師に処方権
2007年4月15日から看護師に処方権が与えられた。衛生材料(ガーゼ、点滴材料、カテーテル類、外用薬など)は看護師で処方できるようになった。これらの処置や処方のための医師受診が必要でなくなった。
(処方箋がなくてもかなりの範囲の薬をOTCとして購入することができる。)

■やはり連携が重要
自由気ままに仕事をしているように見えるかもしれないが、開業看護師にもチームワークが必要。特にかかりつけ医、病院との連携は非常に重要。また薬局・薬剤師、PTなどのリハ職など。HADとのパートナーシップは(HADからの患者紹介が多いので)非常に重要。特定の薬局を紹介することは禁止されているとのこと。
情報共有は適宜行っているが、時間を合わせてカンファランスなどはしない。ただ、医師とは自由に意見交換できる関係にある。

■請求根拠のトレーサビリティ
処置のトレーサビリティを確実にするために、医師の指示箋と処置内容を照合するために、SCOREというソフトを使用している。

■最後に・・・

「このような事態にもかかわらず、パリに来ていただいて本当にありがとう。
いま医療現場は被害者の治療に追われて大変な状況になっている。
パリは本当に素晴らしい街。またぜひ来てください」

————————-

日本では開業権があるコメディカルは助産師のみ。クリストフ氏からは医療専門職としての自信と誇りを感じました。また協働する看護師が、給与を受け取るのではなく、逆に経費を分担で支払い、それぞれが自分の業務内容を請求するという仕組みも明確でよいと思いました。また、心身共にストレスの多い仕事でもあるが、オンとオフをはっきり分けることでこの仕事を続けていけるとおっしゃっていました。コメディカルのあり方について、フランスのスタイルには参考にできることが多いと思いました。
ただ、看取りの支援のあり方については日本のほうが少し進んでいるかな?
フランス国内では安楽死を望む声も上がってきているという話も聞くそうです。隣国ベルギーのように合法化はされていないが、実際には病院で死期を早めてしまうような治療を行うことが事実上認められているとのことでした。
ちなみにクリストフ氏は44歳とのこと。同世代です。

※1)https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴィタルカード
※2)在宅入院(Hospitalisation a Domicile:HAD)、またはその事業を行う事業体の全国的な組織「在宅入院連盟」のこと。2008年現在、フランス全土に177の事業所がある(1事業所あたり60床程度か)。患者さんの自宅のベッドを1床としてカウントする。対象疾患は精神科を除く周産期からターミナルケアまでの急性期疾患。

(編集部より)
佐々木医師がオーガナイザーを務め、各方面で大きな話題となっている「在宅医療カレッジ」の特別企画としてシンポジウムが開催されます。「地域包括ケア時代に求められる医療と介護の役割」 と題し、厚労省の専門官も含めたパネリスト10人のディスカッションが行なわれるとのこと。詳しくはこちらをご覧ください。

[2015年12月10日開催]在宅医療カレッジ特別企画 「地域包括ケア時代に求められる医療と介護の役割」

佐々木淳   医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長
プロフィール
筑波大学医学専門学群、東京大学大学院博士課程卒業。三井記念病院、医療法人社団 哲仁会 井口病院副院長等を経て、24時間対応の在宅総合診療を提供する医療法人社団 悠翔会を設立。



http://www.asahi.com/articles/ASHCV35R9HCVUTIL008.html
「タダで診療」 協力者に芸能関係者も 療養費不正請求
2015年11月26日15時02分 朝日新聞

療養費と診療報酬がだましとられるまでの流れ
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 暴力団員らが総額1億円以上の療養費と診療報酬を不正請求したとされる事件の構図が、警視庁への取材でわかってきた。健康保険が適用されない自由診療をタダですると持ちかけて1千人近くまで協力者を増やし、得られた患者情報でうその請求を繰り返す――。協力者には芸能関係者らも含まれていた。

療養費不正請求、9割が国保加入者 容疑者「審査甘い」

 警視庁は今月、東京都杉並区の接骨院を摘発、指定暴力団住吉会系組長(50)や会社役員(38)ら16人を詐欺容疑で逮捕した。指南役とみられる会社役員は、弁護人に「グループでは自分が始めた手口」と説明し、こう漏らしたという。「どんどん広がり自分の知らない人にまで拡散した」

 大手芸能事務所に所属する30代のお笑い芸人の男性も、「患者役」の一人だった。捜査関係者によると、この男性はアルバイト先の客に「モニター登録すれば無料でマッサージが受けられる」と誘われて接骨院に通うようになったという。

 ある女性は「美容注射が無料で受けられる」と聞き、都内の美容外科医院を訪れた。院長は、テレビのバラエティー番組に出演していた女性医師が務めていた。都心繁華街で飲食店紹介業をしていた30代男性は、「国の助成金を使って歯のホワイトニングを受けないか」と言って客の女性らに千葉県内の歯科医院を紹介した。

 いずれも暴力団員らのグループの関与が疑われ、警視庁が詐欺容疑で捜査している。

 ログイン前の続きマッサージや美容注射、ホワイトニングは本来、費用全額を患者が支払わなければならない。捜査関係者は「けが人は探せないがマッサージを受けたい人ならいくらでもいる。詐欺グループが患者情報を集めるための手口だった」とみる。

 グループは、こうして来院させた患者から健康保険証の情報を入手。それを元に、健康保険が7~9割を負担してくれる保険診療の申請書を作って不正請求を繰り返していたという。

 ある接骨院では、来院者に3~4カ月分の申請書に署名させ、同部位の施術が怪しまれないように施術部位を変える「部位転がし」という手法で不正請求を繰り返していた。サービスに近い自由診療を無料にして患者を誘い、うその保険診療の請求で取り戻す構図だった。

■組長ら逮捕「氷山の一角」

 厚生労働省によると、医療費の不正請求が認定され返還された金額は2009年度は約56億1千万円だったが、13年度には約146億1千万円と急増した。厚労省の担当者は「事件で発覚したのは氷山の一角だ」と話す。

 不正請求に関与したと明かす人が取材に応じた。その手口は、摘発された詐欺グループのものとほぼ同じ。その一人は「使い古された方法」とも話した。

 都内の接骨院で働いていた男性(41)は院長の指示で「モニターとして無料でマッサージします」と知り合いに声をかけ、まず保険証を集めたという。

 来院者に療養費の請求用紙に署名をもらい、打撲やねんざの施術をしたことにした。「(自治体などから)問い合わせがあったら『院に通っている』と答えて」と口裏合わせを頼み、「毎月500万円ほど架空請求した」。患者の署名はコピーし、空欄の用紙と重ねてガラス机の下から照らしてなぞっていたという。

 神奈川県内の接骨院に勤めていた男性(35)は、院長が不正請求する現場を目の当たりにした。慢性の腰痛や肩こりでもねんざや打撲として扱い、患者の体の一部を強く押して痛みを生じさせて「急性の症状」として保険申請することがあった。

 こうした不正を指南する「経営セミナー」も開かれているという。「接骨院にダイレクトメールが送られ、広まっている」と、この男性は話す。講師は接骨院の関係者や経営コンサルで、「保険の使い方」を教えてくれるのだという。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201511/CK2015112602000170.html
【千葉】
成田・新設医学部の事業者候補 国際医療福祉大に内定

2015年11月26日 東京新聞

 成田市に国家戦略特区を利用して新設する医学部の事業者候補に二十五日、国際医療福祉大(栃木県大田原市)が内定した。政府の国家戦略特区会議の分科会が二十日に同大を候補に選び、二十五日までの追加募集で他に応募がなかった。今後、政府の特別区域諮問会議を経て正式決定される見通し。同大は来年三月に医学部の設置認可を文部科学省に申請。二〇一七年四月の開学を目指す。 (渡辺陽太郎)
 同大によると、一学年の定員は百四十人で教員は二百人以上。原則として全学生が海外での臨床実習を履修し、海外経験豊富な医師による英語教育などで「世界的に活躍できる医師」の養成を目指す。
 日本医師会などは、医学部や付属病院が新設されると、地域の医師が教員として引き抜かれ医療崩壊を招くと懸念している。同大はこれに対して「(医師などの)引き抜きはせず、(都内などの同大付属病院や関連病院など)グループ七百人の医師から選ぶほか、国内外からの公募で確保する」と説明している。
 同大は来年四月に看護学部と保健医療学部を市内に開学し、医学部はその隣に設置する計画。市は二十二億七千六百万円かけて用地を取得し、無償貸与する方針。さらに県に協力を求め、八十億円を上限に校舎設置費の半分を補助する方針を表明している。



http://www.j-cast.com/trend/2015/11/26251582.html
超高齢・人口減少社会で、国民皆保険を守るためになすべきこと
2015/11/26 15:48 印刷 J-Cast News

■「医療政策を問いなおす―国民皆保険の将来」(島崎謙治著、ちくま新書)

30代の頃、家族とともに3年ほど、アメリカで暮らしたことがある。初めての海外暮らしだったが、一番、苦労したことは「医療」だった。

日本のように保険証一枚で、どの医療機関でも受診可能なわけではなく、また、料金も医療機関ごとに違っていて、しかも高額だった。自宅に請求書が届くと、少なくとも日本の数倍、ときには10倍を超える医療費にたまげた。

特に、妻が切迫早産のため、3週間の入院の末、次女を産んだときには青ざめた。何と請求総額が300万円を超えたのだ。

あのときほど、日本の「国民皆保険」のありがたみを感じたことはない。「いつでも、どこでも、だれでも」医療が受けられること。日本で暮らしていたときには、気にも留めなかったアタリマエが、いかに素晴らしいことなのかを知った。

それから20年近くが経ち、この世界に誇る国民皆保険も、「超高齢・人口減少社会」という厳しい状況を前にして、大きなチャレンジを受けている。

本書は、厚生労働省で長年、医療行政に従事した後、アカデミアの世界に転じ、内外の医療政策をウォッチしてきた著者が、これからの厳しい時代に、この国民皆保険をどう守っていくかについて、具体的に論じたものだ。

同時に本書は、医療提供体制、医療保険制度、診療報酬など、医療に関する複雑な制度・政策をわかりやすく解説するほか、なぜ日本は社会保険方式なのか(税方式ではないのか)、なぜ被用者保険と国民健康保険の二本建てなのかといった、そもそもの話を平易に説明している。コンパクトながら日本の医療政策の全体像を理解する上でも役に立つ。

国民皆保険の形骸化リスクの最大要因は、人口構造の変容

国民皆保険に対する内外の評価は高い。著者曰く、「(日本において)医療政策をめぐる関係者の対立は激しいが、『国民皆保険の堅持』の一点については広範な支持がある」という。

しかし、今後半世紀以上にわたって続く「超高齢・人口減少社会」という人口構造の変化が、この国民皆保険を危うくする可能性がある。保険財政の面でも、医療提供体制の面でも、必要な資源を確保できず、「国民皆保険の堅持」という旗を掲げたまま、事実上形骸化してしまうことが危惧されるというのだ。

著者によれば、日本の国民皆保険は、1961年に実現し、その後、「右肩上がり」の社会経済の下で成熟し、1973年にほぼその形を整えたという。しかし、今後、日本社会の人口構造、さらにその影響を受けた経済状況が「右肩下がり」になれば、この世界に誇る国民皆保険制度は、1961年以前まで逆行してしまう可能性があると指摘する。

1961年当時の医療を振り返ると、
① 公的保険で利用できる医療の範囲が制限されていた(制限診療)。例えば、抗生物質は自由に使えず、サルファ剤→ペニシリンの順で使用し、それでも効かない場合に初めて使用できるなど、治療方法の順番が指定されていた。
② 同一の病気による給付期間は3年間に制限されていた。
③ 国民健康保険の給付率も被用者保険の被扶養者の給付率も5割にとどまっていた(現在は高額療養費制度の効果もあって実質的な給付率は87 %)。
今から見れば、「そんな時代があったのか」という感覚かもしれないが、今後、高齢者の増加による医療・介護費の増加、生産年齢人口の減少に伴う経済の低迷、そして医療・介護従事者の不足などの条件が重なれば、公的保険の給付範囲や給付率の縮減、地域医療や介護の崩壊が進み、国民皆保険とは名ばかりの状態、すなわち1961年当時の状況と変わらない事態になってしまう可能性があるというのだ。

著者は、こうした事態を回避し、現在の国民皆保険を実質的に堅持するためには、近未来の人口構造の変容の影響を正確に把握した上で、日本の医療の実情に即した医療政策を考えるべきと主張する。

担い手(マンパワー)不足への対応が重要課題

人口構造の変容を考えた際に、医療・介護の財政問題と並んで懸念されるのが、担い手(看護師や介護士などのマンパワー)不足である。

2012年段階で医療・福祉就業者は既に労働力人口の約11%を占めているが、今後、要介護者等が急増する中で、2013年には約16%にまで達すると見込まれている。その後も高齢化率は32%(2030年)→36%(20140年)→40%(2060年)と上昇することを考えると、将来的には医療・福祉就業者が労働力人口の2割超という事態も覚悟する必要がある。

近年、労働需給がタイトとなっていることもあって、都市部を中心に担い手不足がクローズアップされているが、今後は、この担い手問題が、医療・介護政策の中心課題となり続けるのだ。

問題解決には、まずは、医療・介護ロボットの導入など医療・介護現場での生産性向上が最優先だが、著者は、看護・介護人材の確保方策として、以下の4つを挙げている。

① 新規養成数を増やす
② 離職を防ぐ
③ 潜在看護師(約71万人)や潜在介護福祉士(約53万人)等の活用を図る
④ 外国人の看護職・介護職の受け入れを図る
著者によれば、①については、今後、若年労働力の需給がさらに逼迫することを考えると、現実的な選択肢ではないという。また、経済界を中心に主張されている④の外国人労働力の積極的受入れも、送り出す側の東南アジア諸国の出生率が低迷しており、中長期的に見ると、多くを期待することはできないとする。

つまりは、①離職を防ぐとともに、②一度、業界を離れた有資格者にカムバックしていただくほかないのだ。そのためには、看護・介護の仕事の魅力を高めるために、キャリアアップへの道筋とそれに応じた抜本的な待遇改善など、現場の実情に即した、本格的な取組みが不可欠となる。
2018年は日本の医療政策の転換点―方向性は共有、問題は実現できるか―

本書で繰り返し述べられているように、2018年は、次期医療計画や医療費適正化計画の策定、国民健康保険の財政運営の見直し(都道府県の責任主体化)の施行、そして、診療報酬と介護報酬の同時改定という節目の年である。著者の言葉を借りれば、ここ数年は日本の国民皆保険の将来に関わる正念場ということになる。

そこで、ポイントとなるのは、①医療機関の機能分化と連携、そして、②地域包括ケアの推進である。

誤解を恐れずにいえば、前述の2018年に実施される各種施策は、いずれもこの2つを実現することを主眼としているといっても過言ではない。そして、この2つの方向性については、医療界のみならず、費用負担を担う経済界にも財政当局にも異論はない。

問題なのは、本当に実現できるのかという点だ。

振り返れば、この2つの課題は、1980年代以降、常に医療行政の課題として意識され、様々な方策が講じられてきた。しかし総じていうと、目覚ましい進展がないまま今に至っている。その背景には、これらの課題が、自由開業医制、私的医療機関中心の医療提供体制、「医療は都道府県、介護は市町村」という行政の役割分担など、歴史的沿革や日本の医療制度の構造から派生した問題であり、ある意味で必然だったからだ。

また、同時に、問題の射程が、医療にとどまらず、介護、福祉、そして、住まい、まちづくりと、範囲が広がり、総合的・一体的な取組みがどんどん難しくなっているという事情もある。

しかし、団塊の世代が後期高齢者となる2015年まで残り10年を切った今日、医療・介護をはじめ限られた社会資源を効率的にフル活用できる体制を地域ごとに構築していくことは至上命題となっている。

そんな危機感を背景に、ここ数年の間に、地域医療構想、地域医療介護総合確保基金、地域医療連携推進法人制度、総合診療専門医、都道府県による国民健康保険の財政運営など、これまでにない様々な政策手段が整えられてきた。今、これらの仕組みを本当に活かせるかどうかが問われている。

本書において、著者が繰り返し指摘しているように、最も政策効果の高い診療報酬を基本ツールとしながらも、こうした新たな政策手段を適切に組み合わせ(ポリシー・ミックス)、総力戦で臨む必要がある。そのためには、これまで医療政策に距離を置いてきた自治体(都道府県や市町村)をはじめ、各セクターが有為な人材を配置するなど、正面から本腰を入れて医療問題に取り組む体制が求められている。

国民皆保険という日本の貴重な財産を、どう引き継いでいくか、そのために関係者が小異を捨て、知恵を絞り、そして、ねばり強く連帯することが大切だと思う。

JOJO(厚生労働省)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=126992
「Dr.コトー」の後任見つからず…住民「不安」
(2015年11月26日 読売新聞) 読売新聞


 鹿児島県薩摩川内市が下甑島(人口約2400人)にある3診療所を来春、一つに集約する再編計画を示したのに対し、住民らが3診療所体制の維持を求めて署名活動したり、市や市議会に嘆願書、陳情書を出したりしている。

 再編に加えて、下甑手打診療所の所長で人気漫画「Dr.コトー診療所」のモデルになった瀬戸上せとうえ健二郎さん(74)は来年3月に退任の見通しで、住民からは不安の声が上がる。(江上純)

 「納得がいかない」「住民の命を何だと思っているんだ」

 20日、島北部の鹿島地区で行われた市の住民説明会。鹿島診療所に来年4月以降、常駐する医師がいなくなることを聞いた100人超の住民からは、再編計画に反対する意見が相次いだ。

 市の計画では、瀬戸上さんの退任後、従来の3診療所を、医療機器が充実して入院設備もある手打診療所に集約する。鹿島診療所と下甑長浜診療所の医師計2人は手打に移り、それぞれ鹿島、長浜両地区に週2回出張診療するほか、ほかの4地区も含めて週1、2回、希望する住民を手打、長浜両診療所へ市が送迎する方針だ。

 市は昨年3月、瀬戸上さんの市職員としての任期が残り2年になったことを踏まえ、瀬戸上さんが推薦する医師のもとを訪ね、下甑島の診療所に来ることに前向きな返事をもらっていた。ところが今年になって、この医師が家庭の事情で来島できなくなったという。市は後任医師を募ったり、病院を回って常駐医師の派遣を要望したりしたが、後任は見つからず、今回の再編計画を立てた。

 住民の間には「医師が確保できないのだから仕方がない」との意見もある。しかし、不安を訴える声の方が目立つ。

 20日の住民説明会で、鹿島地区コミュニティ協議会の中野重洋会長(68)は、現状の医療体制の堅持を求め、市長宛ての嘆願書と住民296人分の署名を市の春田修一・市民福祉部長に手渡した。春田部長は「皆さんの思いは胸に刺さるが、再編計画は5年後、10年後の下甑島全体の医療を守るための苦渋の選択です」と理解を求めた。

 再編計画に反対する動きは手打地区でも起きている。手打地区コミュニティ協議会の日笠山直宏会長(76)と自治会長3人は連名で、3診療所の維持を求める陳情書を20日、市長らに宛てて郵送した。「75歳を区切りにひと休みしたい」と話す瀬戸上さんについても、地元有志は「瀬戸上先生は島の宝。もう少し頑張ってほしい」と訴えている。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20151126219912.html
がんセンターで2件のがん見落とし
2015/11/26 21:31 新潟日報

 県立がんセンター新潟病院(佐藤信昭院長)は26日、同病院で会見を開き、がんの疑いを示す検査結果を見落とし、適切な治療を怠るミスが2件あったと発表した。病院は本人と家族に謝罪し、慰謝料の支払いなども検討している。同病院では2010年にもCT検査の報告書を見落とし、がんが進行して患者が死亡する医療ミスを公表しており、第三者がチェックする規定をつくったが機能しなかった。

 同病院によると、見落としがあったのは、燕市の70代男性の肝臓がんと、新潟市の60代女性の腎臓がん。

 男性は昨年9月、胃がん手術後の定期検査で肝臓がんの疑いが判明、同10月にMRIとPET―CT検査を受けた。放射線診断医の検査結果報告書にはがんの所見があったが、主治医が確認せず、今年9月の定期検査で初めて気付いた。男性は先月、手術を受けた。他の臓器などへの転移はないという。検査結果を確認する日程などを調整する際、検査部門と主治医の連携が不十分だったとみられる。

 女性は先月、男性のミスを受けたデータの一斉点検で判明した。今年3月にCT検査を受けたが、検査を依頼した医師が退職。引き継ぎが不十分で、検査結果が放置された。女性は経過観察を続けているという。

 同病院では10年の事故を受け、院内でつくる医療安全管理担当が毎月1回、未確認の報告書のリストを出して主治医に確認させていたが、徹底されていなかった。

 同病院は、未確認の報告書がなくなるまで各医師に閲覧を督促するなどの再発防止策を講じるという。会見で、佐藤院長は「おわび申し上げたい」と謝罪。「(10年の事故と)同じような案件が起きたことを重く受け止め、再発防止に全力を尽くす」と述べた。

【社会】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151126_15019.html
医療と福祉担う病院 被災地の南三陸に完成
2015年11月26日木曜日 河北新報

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の公立志津川病院の後継となる南三陸病院・総合ケアセンター南三陸が完成し、25日に現地で落成式があった。地域医療と福祉の拠点となる施設の誕生に関係者が期待を寄せた。

 防災集団移転事業が進む志津川東地区に整備。鉄筋一部鉄骨3階で、延べ床面積1万2270平方メートル。建設費は55億8000万円。内装に南三陸杉を使った。隣り合う災害公営住宅や新役場庁舎予定地とともに新しい町中心部を形成する。

 新病院は12月14日に開院する。内科、外科、小児科など診療科は10科。病床数は人口減を見越し、震災前より36床減の90床を確保した。保健センターや子育て支援室を置き、一つの施設で医療と保健福祉を組み合わせた地域包括ケアが可能になる。

 落成式典には、台湾紅十字組織やイスラエル医療団といった支援に携わった国内外の団体から関係者約150人が出席。佐藤仁町長は「新病院は町民にとって心のよりどころになるだろう」とあいさつした。

 旧公立志津川病院は津波で5階あった建物の4階まで浸水し、入院患者や職員74人が死亡、行方不明になった。震災後、町は町内に仮設診療所を置く一方、登米市のよねやま診療所に間借りする形で38病床を持つ病院を開設し、2拠点体制を取っていたが、新病院の開院でいずれも閉じることになる。



http://toyokeizai.net/articles/-/94048
薬の大量処方で医者が儲かるという「大ウソ」
薬が減らないのには2つの原因があった

和田 秀樹 :精神科医
2015年11月26日 東洋経済オンライン

医者は金儲けのために薬を出しているのではない

日本人は、諸外国と比べて、医者に行った時の薬の処方が多い。それに疑問を感じているのか、「薬漬け」ということばもよく使われる。

その理由について、医者が利益を得るために薬を必要以上に大量に出しているからだと考える人が少なくない。だから一般の人と比べて医者の収入が多いと思われているフシもある。

どうも日本には医者の「性悪説」のようなものがあるようだ。

たとえば、かつて老人医療費が無料になった時代があるが、当時、病院の待合室が高齢者であふれ返っていた。高齢者のサロンとさえ揶揄された。

その際に待合室で元気そうな高齢者が、次に行く旅行の相談をしているとか、いつも来ているおじいさんが今日は顔を見せないので聞いてみると「風邪をひいてるから」というようなオチになっている。要するに、病気でも何でもない高齢者を医者が集めて金儲けをしていて、本当に病気のときは来ないという話である。

しかし、ここでよく考えてほしい。高齢者の通院患者というのは、風邪をひいたなどの急性の病気で医者にくるほうが珍しく、多くの場合は、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症など慢性の病気で医者に来ているのである。体調がいいのであれば、待合室で旅行の相談をするのは何の不思議もないし、むしろ待合室でよぼよぼしているとすれば、薬の出し過ぎか、医者がちゃんと体調を管理できていないことになる。私の外来に通う認知症の患者さんだって、風邪をひいている時は、代わりに家族が来ることなどざらにある。

しかし、日本の医者は薬を出すことで金儲けをしていると厚生労働省(当時は厚生省)も考えたようで、90年代後半くらいから医薬分業を強烈に推し進めた。要するに院内で処方するのではなく、院外薬局で薬を患者がもらうシステムに変えていった。そうするといくらたくさん薬を出しても、医者に入るお金は処方箋料だけとなる。たくさんの薬を書くと余計に手間が増えるのに入るお金は同じというシステムだ。

結論的にいうと、これでほとんど処方は減らなかった。世間や厚生省が考えるほど、医者は金儲けのために薬を出していたのではなかったのだ。

薬漬け医療を生む「専門分化主義」の弊害

では、なぜ、たとえば高齢者だと15種類も出されるような、多剤処方、いわゆる薬漬け医療が蔓延するのだろうか?拙著『だから医者は薬を飲まない』でも解説しているが、私は基本的に医学教育の在り方に問題があるのだと考えている。

ひとつは「専門分化主義」、もうひとつは「正常値至上主義」である。

大病院、とくに大学病院に行ったことがあればお気づきになるだろうが、内科という科はその手の病院では消滅している。代わりに、呼吸器内科、内分泌科、消化器内科、循環器内科という臓器別の診療科が並んでいる。

このような専門分化は、特定の臓器の病気と診断がついている場合、とくに珍しい病気に対して、専門的に治療を行うには望ましい。しかし、それによって専門外の分野の治療はお粗末になってしまうということは珍しくない。

一般に大学病院や大病院の医師などが開業する場合、糖尿病の専門医や消化器内科の専門医として開業できればいいが、それでは広く患者が集めきれないので、一般内科ということで開業するケースが多い。ところが高齢者の場合、一人でいくつもの病気を抱えているほうがむしろ通常だ。高血圧で血糖値も高く、そのうえ、骨粗鬆症も始まっているなどということがざらだ。

その際、循環器の専門医であれば、高血圧に関しては、自分の専門知識で治療ができるだろう。しかし、糖尿病や骨粗鬆症については、専門外の素人のような感じで治療をすることになる。

そういう際の医者向けのマニュアル本はいっぱい出ている。それぞれの病気についての「標準治療」が紹介されている本だ。どんな検査をして、どんな治療をすればいいかが書かれているから、確かに大外れの治療にはならないだろう。しかし、多くの場合は標準治療として、2、3種類の薬を飲ませればいいという話になっている。すると、4つ病気を抱えたお年寄りに「標準治療」を行うと12種類の薬を飲ませることになる。

ところがこの手の標準治療は、ほかの病気が合併していることはほとんど考慮に入れられていない。基本的にその病気の専門家が作るのだが、その病気に詳しくてもほかの病気に詳しくないことには変わらない。そして、多くの場合、ほかの薬を飲んでいる場合に、その処方をどうすればいいのかなどは書かれていない。

結果的にほかの分野のことを知らない専門医が次々と開業していくうえに、患者層の多くが高齢者(これからはその傾向がどんどん強まっていくだろう)なので、多剤併用の傾向がさらに進んでいくことになる。

ところが大学病院というのは、基本的に教育スタッフがほとんどこの手の「専門家」である。こういう人が医学教育を牛耳っている以上、多少制度をいじっても、むしろ受けた教育に忠実なまじめな医者ほど薬をたくさん使ってしまうことになる。

本当は正常ではない「正常値」

もうひとつの問題は、「正常値」主義である。要するに検診などで異常値が出れば、ある病気の早期発見ができたということで、治療が開始されてしまうということだ。

2012年の人間ドック学会の発表によると、人間ドックでどの項目も異常がなかった人はわずか7.8%しかいなかったという。92.2%の人は何らかの形で異常を抱え、それを医者に見せるとその異常値を正常化させるような治療が行われてしまう。

ここでも、専門分野の病気なら、「この程度の異常なら大丈夫」と言えるのかもしれないが、専門外の場合は「一応、治療しておきましょう」になりかねない。

実際、血圧の正常値などは大規模調査の結果などで、ときどき変更されるが、検査の正常値というのは、平均値プラスマイナスアルファなどという「雑な」決め方をされていることが多い。身長が平均よりひどく高くても、ひどく低くても病気とは言えないように、「平均を外れていること=病気である」とは言えないだろう。

どの値を超えれば病気になりやすいという大規模調査をすればいいのに、それがほとんど行われていないのが現実だ。また検査データを正常にしたら、本当に病気が減るのかもわからないということも珍しくない。

本当に「正常な値」と、薬を使うことで「正常にした値」というのは、体に与える意味が違う。たとえば、ピロリ菌があると胃がんになるというので、最近は除菌が盛んに進められるが、生まれつきピロリ菌がない人は確かに胃がんにならないのだが、長い間ピロリ菌が胃の粘膜に影響を与えていた人は、菌を殺しても胃がんにならないとは限らないそうだ。

検査値を正常にしないといけないというイデオロギーに、医者(患者の多くも)が染まっている限り、異常値にはつい薬を使うということになって、どんどん薬が増えていってしまう。

これからの時代に必要な医者とは

最近になって高齢者が増えてきたこともあって、専門医でない総合診療医や、地域の患者への往診を含めて(要するにその患者さんの生活状況もみる)サポートしていく地域医療医が再評価されているという。

総合診療医というのは、専門医ほど各臓器には詳しくないが、人間全体をみて、その人に何が大切かの優先順位がつけられる。15種類の薬を飲んでいる人に、これだけは飲んでくれという5種類が選べるような医師だ。

総合診療や地域医療、そして彼らによる啓もう活動が盛んな長野県は平均寿命が男性1位、女性1位になっていながら、ひとり当たりの老人医療費は全国最低レベルだ。つまりきわめてコストエフェクティブ(コストがかからず、患者さんの健康長寿につながる)な治療を行っていることになる。いっぽうで、大学病院の多い県ほど、平均寿命が短く、老人医療費も高いという傾向がある。検査値の正常主義はむしろ時代遅れなのだ。

高齢化が進んでいるのだから、医学教育の大幅な改変が求められる。しかし、大学の医学部の教授というのは、一度なると定年までやめないし、各医局が定員を削る気がないから、専門医ばかりが養成され、総合診療医がなかなか教育できない。

だとすれば、旧来型のダメな大学病院は半分くらいスクラップして、総合診療や心の治療、がんへの特化などのニーズにあった医学部をどんどん新設すべきなのだ。

厚生労働省は医療費を制度で削ろうとばかりするが、医学教育改革こそが、もっともコストエフェクティブな制度だと私は信じている。



http://www.m3.com/news/general/378301
阪大の医療過誤認めず 遺族の請求棄却 地裁 /大阪
2015年11月26日 (木)配信 毎日新聞社

損賠訴訟:阪大の医療過誤認めず 遺族の請求棄却 地裁 /大阪

 大阪大学病院(吹田市)が悪性リンパ腫の男性(当時70歳)のB型肝炎感染を知りながら、肝炎発症の副作用がある抗がん剤の投与を続けたため死亡したとして、遺族が大阪大に対し計約1億3200万円の賠償を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。川畑正文裁判長は「B型肝炎による肝不全が死因とは認められない」と判断し、原告の請求を棄却した。【三上健太郎】



http://www.m3.com/news/iryoishin/378211
「医療だけ低賃金になる」、横倉日医会長が危機感
社会保障費増の5000億円弱抑制「大きな問題で遺憾」

2015年11月26日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は11月25日に記者会見し、財務省の財政制度等審議会が11月24日、社会保障関係費増を5000億円弱に抑制することを掲げた「2016年度予算の編成等に関する建議」をまとめたことを受け、「地域医療の崩壊につながる大きな懸念がある。到底容認できない」と危機感をあらわにした。その上で、安倍政権が企業に賃上げを要請している点に触れ、「今回の診療報酬改定で削減ありきの議論では、医療従事者だけ賃金上昇が無い、低賃金でやりなさいということになりかねない」と述べ、アベノミクスが目指す所得拡大のためにもマイナス改定は避けるべきだと主張した。

 「2016年度予算編成等に関する建議」では、社会保障関係費の伸びを「確実に高齢化による増加分の範囲内」とする5000億円弱に抑制するように要請。厚労省が増加分として概算要求した6700億円から1700億円強の削減となる(『「社会保障費増、5000億円弱に抑制」財政審建議』を参照)。

 横倉氏は、財政審の建議について、「具体的な削減を示唆しているのは大きな問題で、遺憾に思う」とコメント。建議の根拠となった、社会保障費の伸びを3年間で1兆5000億円以内にするとした「経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太の方針)」は、「あくまで目安と受け止めるべき」と述べ、画一的でない柔軟な対応が必要だと主張。現在の医療機関の厳しい経営環境では、厚労省が示した6700億円が必要な財源だと訴えた。

 財政審の建議では薬価引き下げを診療報酬本体の財源に充てないと明記され、同24日開催の経済財政諮問会議でも7対1入院基本料の厳格化等を求める意見が出ており、2016年度診療報酬改定の引き下げ圧力が強まっている(『財務相、社会保障費増「5000億円弱に抑制」と念押し』を参照)。横倉会長は、会見で、「薬価を含めた全体の改定率のマイナスはやむなし」との見方について意見を求められると、この時点では意見を差し控えるとした上で、「全体のプラスマイナスの議論は、必要なのかというのはあると思う」と発言。財政審の審議会長の吉川洋氏(東京大学大学院経済学研究科教授)の言葉を引用し、「分配をしっかり、メリハリを付けてやっていくのは正しいと思う」と述べ、全体の改定率よりも改定の中身の方が重要との見方を示した。

 一方で、7対1入院基本料の算定病床の削減など、診療報酬本体の削減を求める声については、「今の状況では地域医療が困難になる可能性が有る」と指摘。さらに、看護師の夜勤時間の「72時間ルール」(『看護師の「72時間ルール」緩和を提案、厚労省』を参照)の緩和を求める動きを踏まえ、「72時間ルールをクリアするためには、7対1の看護職員がいないと看護体制が組めない。7対1を削減して10対1にした時、72時間ルールをクリアできる看護体制が組めるのか。常に両方を見ないといけない」と述べ、7対1入院基本料の算定病床を削減するならば、72時間ルールの緩和も必要だと指摘した。



http://www.m3.com/news/general/378306
人工呼吸器エラーで死亡 院長ら3人書類送検
2015年11月26日 (木)配信 共同通信社

 京都府警は26日、人工呼吸器がエラーでアラームが鳴っているのに気付かず、患者を死亡させたなどとして、業務上過失致死の疑いで、京都市右京区の泉谷病院の男性院長(68)と女性看護師長(40)、女性看護師(30)の3人を書類送検した。

 送検容疑は、ことし8月4日午前3時ごろから同3時40分ごろまでの間、入院中の男性患者(76)が装着していた人工呼吸器が正常に作動しない場合に鳴るアラームに気付かず、処置が遅れ、低酸素脳症で死亡させた疑い。

 府警によると、同じ階に看護師3人がいたがいずれも仮眠中でアラーム音に気付かず、別の階にいた看護師が気付いて発覚した。人工呼吸器の管が外れていたとみられる。

 3人はいずれも容疑を認め、院長は「全員が仮眠しているとは知らなかった。看護師長に任せていた」、看護師長は「今まで事故が起こらず、誰かが気が付くと思っていた」と供述している。


  1. 2015/11/27(金) 05:48:35|
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11月25日 

http://blogos.com/article/146423/
主張/財政審の建議/“削減ありき”で医療を壊すな
しんぶん赤旗2015年11月25日 09:22

 財務相の諮問機関である財政制度等審議会が2016年度の政府予算編成に向けた建議(意見書)をまとめ、麻生太郎財務相に提出しました。歳出削減の対象に、もっぱら社会保障を挙げ、国民に必要な医療・介護の費用などを容赦なく削り込むことを要求しています。「社会保障を充実させる」といって、国民に消費税増税で負担を求めておきながら、予算編成のたびに社会保障費の抑制や削減ばかりが焦点になること自体、異常としかいいようがありません。国民の暮らしと安心を揺るがす社会保障費削減路線は、やめるべきです。

機械的カットが前面に

 16年度予算編成では、すでに今夏の概算要求の段階で、社会保障費の伸びを15年度概算要求より1600億円も抑え込み6700億円の増加しか認めていません。24日の財政審建議は、この伸びをさらに削り、5000億円弱の増に圧縮することを要求しました。

 安倍政権が今年6月に決定した「財政健全化計画」では、16年度から3年間で社会保障費の増加分を約1・5兆円に抑える方針を掲げています。それを「先送り」するな、と強く迫る内容です。

 なかでも建議が、「重要課題の一つ」と明記し、「削減」の標的にしているのは、公的医療保険財政から医療機関に支払われる診療報酬です。16年度は2年に1度行われる診療報酬改定の年にあたるためです。患者がかかる医療の範囲や質を左右する診療報酬を「削減ありき」で機械的に引き下げることは、きわめて乱暴です。医療技術の質を保つために必要な報酬が手当てされなければ、国民は安心して医療機関にかかれません。かかりたい医療が保険から外されてしまえば、患者の負担は深刻です。

 財政審の建議は、薬の値段とともに医師の技術料も含めて「マイナス改定が必要」と強調しました。技術料まで踏み込んだマイナス改定が仮に強行されれば、医師不足などで地域の医療機関が撤退するなどして「医療崩壊」を加速させた06年の改定以来です。またもや国民の健康と命を危機にさらそうというのか。まさに無反省です。

 財政審建議は、安倍晋三首相の政権復帰後の予算編成で、13〜15年度と連続して社会保障費の伸びを年5000億円程度に抑え込んだことを示し、予算圧縮は可能であるかのようにいいます。

 しかし、日本の社会保障費は、高齢者人口の増加や、医療技術の進歩・改善などにより年1兆円規模の「自然増」が必要とされています。それを無理やり半分に抑え込んだ結果、13年度は生活保護費の大削減、14年度は診療報酬の実質マイナス改定が押しつけられました。15年度も、介護報酬を過去最大規模で削減し、特別養護老人ホームなどの経営に打撃を与え、サービス利用者に深刻な影響を広げています。年金も実質カットです。こんな社会保障破壊が続けられては、国民の暮らしは、まったく成り立ちません。

政治の姿勢を変えてこそ

 診療報酬を1%引き下げて削減できる国費約1000億円は、トヨタ自動車1社の研究開発減税1200億円とほぼ同額です。大企業減税の大盤振る舞いをやめれば、社会保障費財源は確保できます。大企業中心の政治から、国民の暮らしを最優先にする政治への転換がいよいよ必要です。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47424.html
日医横倉会長「本体マイナス容認できない」- 「国民が医療受けられない」と強調
2015年11月25日 21時00分 キャリアブレイン

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は25日に開いた記者会見で、前日に財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が、2016年度診療報酬改定で本体の改定率をマイナスにするなどして、社会保障関係費の伸びを抑えるよう求める建議をまとめたことについて、「到底容認できない。本体マイナスになれば医療機関の経営が苦しくなり、国民が医療を受けられない事態になる」と述べた。【君塚靖】

 横倉会長は、「診療報酬が下がって一番困るのは、やはり国民。医療従事者は収入が減っても、一生懸命にサービスをしようとするが、それができなくなる地域が出てくることをわれわれは心配している」と述べた上で、日医としては国民が過不足ない医療を受けられるよう、引き続き必要な財源を求めていくとした。

■国公立以外の民間病院は20床―49床で赤字転落

 この日の会見では、今年実施された医療経済実態調査(医療実調)についての日医の見解を発表した。日医の見解はすでに、20日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で明らかにされていたが、見解の詳細と、同日の総会で支払側委員から受けた質問への答えも示した。

 会見で見解の詳細を説明した中川俊男副会長は、中医協総会で支払側を代表して医療実調を分析した健康保険組合連合会(健保連)が、前回や前々回の医療実調を並べて経年として中期トレンドととらえていたことについて、「医療実調は、直近2事業年度の定点調査なので、客体が違うものを経年で比較するのは問題がある」と改めて強調した。

 また、同じく20日の中医協総会で健保連が一般病院について、赤字体質の公立病院を含めると、損益差額率は病床規模別ではすべての規模で赤字だが、公立病院を除くと50―299床規模で黒字を維持していると指摘したことに対し中川副会長は、一般病院は国公立も民間病院も損益差額率が低下したとコメントした上で、「国公立以外の民間病院は20―49床が赤字に転落し、50―99床も損益差額率が連続して低い」とのデータを示した。



http://www.sankeibiz.jp/business/news/151125/prl1511251622140-n1.htm
他院の処方を「明らかにおかしい」と思ったことがある医師は、4人に3人。しかしその場合でも「処方医への疑義照会・意見・相談」は「全くしない」が多数派~「医師から医師への疑義照会」実態調査~
2015.11.25 16:22 SankeiBiz


グラフ1
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グラフ2
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グラフ3
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月600万人が利用する日本最大級の病院検索・医薬品検索・医療情報サイト群ならびに医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(キューライフ/本社:東京都千代田区、代表取締役:山内善行)は、他医の処方に対する「医師からの疑義照会」がどの程度なされているのか、その実態を確かめるべく、開業医を中心とした医師250人を対象にインターネット調査を実施した。

その結果、7割以上の医師が他院の処方内容を見て、「明らかにおかしい」と思ったことがあった。ただし「明らかにおかしい」と思っても、7割以上の医師は処方医に対して疑義照会・意見・相談を全くしていないことがわかった。

昨今、ポリファーマシー(多剤処方)の問題が指摘されることが増えてきた。特に患者が高齢になると、複数の病態や疾患を抱えていることが多いため、それぞれの専門の医師による別々の治療によって、薬が追加されてしまいやすい。患者がかかりつけ薬局をもち、それが機能していれば、成分の重複や相互作用リスクに「気がつく」ところまでは役割を果たせるかもしれないが、主体的に交通整理するところまでは難しい。まして、ポリファーマシーの弊害を防ぐとの観点で積極的に薬を減らす検討は、かかりつけ医でなければ不可能だろう。

そのため診療所の医師には、個別最適を全体最適の目で補正する役割が期待されるが、実態としては、他院の処方に疑問を呈すだけでもかなり困難であることが明らかとなった。背景として、臨床現場の多忙さや専門性の高い治療法への知識不足もあるが、「言いづらい」「トラブルの原因になりそう」「言っても効果ない」といった理由も多い。ただし、自分が他院から疑義照会を受けた経験がある医師が2割以上はいるため、施設を越えた医師同士のコミュニケーション促進策が望まれよう。

詳細な調査結果は http://www.qlife.co.jp/news/151125qlife_research.pdf からダウンロードできるほか、医療者向け情報サイトQLifePro医療ニュース(http://www.qlifepro.com/news/)でも掲載されている。

【結果概要】
1) 他院の処方に「明らかにおかしい」と思ったことがある
74%の医師は他院の処方内容を見て、「明らかにおかしい」と思ったことがあると回答した。

2) 他院の医師に対して疑義照会・意見・相談をしたことがある
他院の処方内容を見て「明らかにおかしい」と思った場合でも、76%の医師は疑義照会・意見・相談は「全くしない」ことがわかった。疑義照会しない理由としては、「他院を尊重」「面倒・多忙」「トラブル回避」が多かった。

3) 他院から疑義照会・意見・相談を「受けた」ことがある
22%の医師は、他院の医師から、疑義照会・意見・相談を受けたことが「ある」と回答した。

【調査実施概要】
▼調査主体
株式会社QLife(キューライフ)
▼実施概要
(1) 調査対象: 診療所の理事長・院長・副院長・勤務医
(2) 有効回収数:250人
(3) 調査方法:インターネット調査
(4) 調査時期:2015/8/11 ~2015/8/18

………………………………………………………………………
▼株式会社QLifeの会社概要
会社名 :株式会社QLife(キューライフ)
所在地 :〒100-0014 東京都千代田区永田町2-13-1 ボッシュビル赤坂7F
代表者 :代表取締役 山内善行
設立日 :2006年(平成18年)11月17日
事業内容:健康・医療分野の広告メディア事業ならびにマーケティング事業
企業理念:医療と生活者の距離を縮める
URL  : http://www.qlife.co.jp/



http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/151125_1.htm
紋別医師会啓発講座を初開催、安易な救急要請遠慮を
(11月25日付け)北海民友新聞

 紋別医師会(小林正司会長)が主催する市民健康講座が20日夜、市文化会館で開かれ、市民約160人が救急車の正しい利用法について理解を深めた。救急車の出動件数は全国的に年々増加傾向で救急車の到着時間と病院収容までの時間が延びている現状がある。その一因として、緊急性のない病気での通報や通院時のタクシー代わりに利用するケースがみられ、社会問題化している。小林会長は「紋別市は脳梗塞や急性心疾患の患者を管外搬送できるようになっており、救急車が出払うことも考えられる。軽度のけがや病気での119番通報はなるべく控えてほしい」と呼びかけた。

 救急医療普及啓発事業として企画したもので、医師会が市民向け講座を開催するのは初の取り組み。

 日本全国で救急車は年間540万件の出動要請があり、そのうちの半数は入院を必要としない軽症者だったという。小林会長の病院にもかつて、人差し指に釣り糸が刺さった市外の釣り客が搬送されてきたことがあった。小林会長は「日本はイギリスと並び救急車配備の先進国といわれ、アメリカと違い無料で医療機関へ搬送してもらえる。だが、安易に利用する人が増えたため、到着時間の遅れが社会問題になっている」と課題を指摘。その一方で「紋別では軽症者による救急要請が全国平均に比べて少ない。市民の皆さんはよく考えた上で通報していると思う」と述べた。

 紋別市では平成20年から3台体制で救急車を運用。搬送区域は市内にとどまらず、平成23年からは脳梗塞患者を北見の道東脳外科病院へ、平成25年からは急性心筋梗塞患者を遠軽厚生病院へ市内の医療機関を経由せず直接搬送することが可能になっているが「直接搬送は救急救命士の判断で行っている。患者に脳梗塞の疑いがあるかどうかを見極める能力は若手専門医並みに高い」(小林会長)という。その上で「管外に直接搬送すると片道で最大2時間かかり、救急車が手薄になる。その間に軽症者が利用すると重傷者の搬送に支障をきたす。安易な利用は避けてほしい」と訴えた。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0205700.html
医師奨学金を肩代わり せたな町、地元勤務で一部免除
11/25 07:00、11/25 08:23 更新 北海道新聞

 【せたな】檜山管内せたな町議会は24日、町立国保病院・診療所の医師確保策として、都市部などの若手医師が町内で一定期間勤務することを条件に、大学在学中に借りた奨学資金の未返済分全額を無利子で貸し付ける条例案を可決した。返済は10年以内で、契約した期間通りに勤務すれば貸付額の3分の1の返済が免除される。

 道によると、医療従事者を目指す学生を対象に奨学金を貸し付ける事業を行っている市町村は道内で約4割あるが、他の機関から受けた奨学金の返済分を貸し付ける形で医師の確保を目指す制度は初めてという。勤務する期間は返済期間などによって町との話し合いで決める。

 町は来年4月、空知管内で現在勤務する30代の男性研修医を町立国保病院の常勤医に採用する予定で、適用第1号として医師が未返済の奨学金約2500万円の貸与手続きを今後行う。



http://news.livedoor.com/article/detail/10873735/
ジェネリック医薬品に半数以上の医師が「不信感」 完全に同じ薬ではない
2015年11月25日 16時0分 NEWSポストセブン

 11月6日、厚生労働省は医師などを対象に行なったジェネリック医薬品についての意識調査の結果を、中央社会保険医療協議会に報告した。

 それによると、病院勤務の医師のうち54.9%、つまり半数以上が、現在のジェネリックに対して「不信感がある」と回答。その主な理由は、先発医薬品との「効果・副作用の違い」(67.9%)、「使用感の違い」(38.6%)などである。

 ジェネリックは、医薬品の「有効成分の特許」が切れた後に発売される低価格の後発薬で、年々かさむ医療費を抑えるための「救世主」と目されてきた。

 新薬の開発には臨床試験などの費用として数百億円かかるといわれるが、先発薬と同じ有効成分を使うジェネリックは臨床試験が大幅に割愛されるため、開発費が節約され、薬価が抑えられる。先発薬と比べて3~5割安くなる場合もある。

 厚労省によると、2012年度の国民医療費は約39兆2000億円。2025年度には55兆円を超えるとみられている。ジェネリックの利用が増えれば患者個人の医療費だけでなく、国民医療費を大幅に削減することにもなる。

 政府は今年5月、2020年度末までにジェネリックの普及率を80%以上に引き上げるとする目標を掲げ、医療財政を健全化するための施策とした。

 そんな中で発表された今回の調査結果は、医療業界で大きな話題となっている。医師たちがジェネリックに不信感を抱く主な理由である先発薬との「効果、副作用の違い」は、“特許が切れた後”という部分に起因している。

『なぜ、あなたの薬は効かないのか? 薬剤師しか知らない薬の真実』(光文社刊)の著者で薬剤師の深井良祐氏が解説する。

「医薬品の特許は、有効成分そのものの『物質特許』や薬の製造過程に関わる『製剤特許』など様々です。最初に切れるのが『物質特許』で、多くのジェネリックはこの特許だけを真似して出されています。

『製剤特許』が切れるまでは成分と用量は先発品と同じでも、製剤法は同じではないのです。さらに薬は有効成分だけでなく、添加物も含まれます。剤形(錠剤、カプセル、粒状などの形)の違いで効果に差が出る可能性もあります」

 つまり、ジェネリックと先発薬は「完全に同じ薬」ではない。

 双方を治療で使用した場合に全く同じ効果が出るかどうかを検証した調査は存在しない。患者がジェネリックに切り替えたところ、発作の悪化や副作用の出現が報告された事例もあるという。新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦氏は次のように語る。

「添加物や剤形が変わると、薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。人によっては効きすぎたり効果が出にくかったりする。同じ料理を同じ材料、分量で作ったとしても、違う調味料が加われば異なるレシピとなり、味も変わるのと同じことです」

 前出の深井氏は、実際に効果の差が表われやすい医薬品を挙げる。

「たとえば、喘息を治療するための貼り薬のジェネリックを敬遠する医療従事者は多い。貼り薬は肌にピタッと貼ることで徐々に薬が溶け出していく。溶け出しのタイミングは、製剤方法に左右されます。それが真似できない状況でジェネリックが次々と出てくるため、効果に違いが表われやすいのです。その他にも“外用薬”といわれる湿布や点眼薬、塗り薬などは、効果に差が出やすいと言われています」

※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1125037868/
日本医療研究開発機構の展望
「がん」と「難病・未診断疾患」からゲノム医療を推進

学会レポート | 2015.11.25 Medical Tribune

 日本医療研究開発機構(AMED)が今年(2015年)4月にスタートして半年が過ぎた。理事長の末松誠氏は,第74回日本癌学会学術総会(10月8〜10日,会長=名古屋医療センター院長・直江知樹氏)でAMEDの現状と今後の取り組みについて説明し,「ゲノム医療実現のため,AMEDの主要9プロジェクトの中でも,まずはがんと難病・未診断疾患の領域から進める方針だ」と述べた。

 AMEDの事業は縦割り(戦略推進部の7つの事業課)と横割り(5事業部)が交差する構造で,研究開発のプラットフォームとして進めている(図では9つのうち7つのプロジェクトを提示)。健康・医療戦略推進会議の下に設置されたゲノム医療実現推進協議会では中間取りまとめが発表され,その中で9つのプロジェクトのうち,まず「がん」と「難病・未診断疾患」の領域でゲノム医療を推進していくとしている。

<図>戦略推進部と他5事業部との「縦横連携」
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(末松誠氏提供)

 末松氏はAMEDが,がん関連学会と共にリードしていかなければならないと認識している課題として以下の6点を挙げた。

 ①病理検体の標準化を中心とした地方拠点構築整備事業(その運営を支える専門医師,分子生物学やゲノムに精通した病理専門医の育成)
 ②実践をしながらのアノテーション人材*1の育成
 ③日本人がんゲノム情報+詳細な治療情報のデータベース構築
 ④次の創薬に向けた検体二次利用の管理体制の構築
 ⑤シーズの枯渇を招かないような基礎研究への力点
 ⑥スピードの遅れは致命傷になる(走りながらprecision medicine*2を構築していかねばならない)
ゲノム研究をゲノム医療に

 日本では40年以上の難病研究の歴史があるが,国際連携に関しては国としての取り組みが進んでいなかった。AMEDは,リーディングプロジェクトの1つとして未診断疾患イニシアチブ(IRUD)を立ち上げた。IRUDはその研究開発を通じて,希少・未診断疾患患者に対して体系的に診断する医療システム,患者情報を収集蓄積し開示するシステムを確立することを目的としている。
 IRUDは,かかりつけ医,拠点病院(総合病院),IRUD解析コンソーシアム,データネットワークなどの連携により診断困難な患者をフォローアップする診断体制を構築し,参加する拠点病院にIRUD診断委員会を設置し,全国配備を目指すという。小児は国立成育医療研究センター,成人は国立精神・神経医療研究センターが中心となり,全国に拠点を配置していく。
 末松氏は「ゲノム研究をゲノム医療につなげるためには,フェノタイプのマッチングが非常に重要と考えており,かかりつけ医,解析コンソーシアム,診断委員会の間で,個人情報を明らかにしなくてもゲノム情報のやり取りができるように体制を整えていきたい」と述べた。
 特に希少疾患・難病の場合は,国内に同じ症状の患者が存在するとは限らないため,国際的に情報を共有する枠組みが必要となる。AMEDはIRUDの立ち上げとともに,7月30日には国際希少疾患研究コンソーシアム(IRDiRC)に加盟した。しかし,IRDiRCもまだ方向性が固まっていない状況で,①データ共有の方法②ゲノム情報の使用に関する世界共通の仕組みがない③Machine-readable consent(どの国のどの情報がどのようなインフォームド・コンセントを得て使用可能になっているのかを世界のどこでも分かる)という概念−などが問題となっている。同氏は「もう1つ重要なことは,難病研究に限らないが,ヒトゲノムの解析が進展した際に,研究のリーダーだけでなく,他の研究者の貢献もできるだけ等しく認めるという考え方(Microattribution)である」と述べた。

医療研究開発の加速を図る

 末松氏は「ぜひ皆さんに知ってもらいたいこと」として研究費の機能的運用について説明。AMEDのウェブサイトには『研究費の機能的運用について(Vol.2)』が掲載されている。現在可能なことは①合算使用(設備・旅費)②目的使用をした場合の目的外使用③直接・間接費による研究補助員雇用④年度末までの予算執行(報告は5月末でよい。各省共通)−などである。
 来年以降は①間接経費の弾力的運用と透明化(各大学・研究機関が本当に研究インフラ・環境の充実に使っているか)②採択から契約完了までのスピードアップ③明許繰越制度の運用(各省バラバラのルールを統一し,できることを明文化)−などを考えているという。同氏は「現場の研究者の皆さんの意見で大学・研究機関の管理体制を改革し,医療研究開発の加速を図る必要性がある。AMEDはそれを応援する」と述べた。
 横割りの事業では,創薬等支援技術プラットフォーム事業,難病創薬支援事業なども進行しており,来年からはClinical databaseを利用した効果的な臨床研究推進体制の強化なども開始される。同氏は「AMEDは,がん研究課以外のがん研究プログラムが明確になる公募情報の提供を目指す。また,他分野で導入した高価な機器を全てのプロジェクトでも利用できる体制を求めていく」と述べ,「がんの研究費はがん研究課以外の部分も大きいということをご理解いただきたい」とまとめた。
(慶野 永)

*1 データの信頼性を評価,解析し,解析結果を解釈,活用できる人材
*2 精密医療:遺伝子プロファイルを利用した個別化治療



http://www.asahi.com/articles/SDI201511233259.html
シリーズ:スタッフを育てる
診療所に医師や看護師を集めるために

アピタル・武藤真祐
2015年11月25日09時20分 朝日新聞

医師や看護師などの医療専門職はとても流動性が高い職業です。武藤真祐さんは日本国内では、東京都文京区と練馬区、宮城県石巻市の3カ所で在宅療養支援診療所を経営していますが、どんどん医師や看護師を採用しているように見えます。医師や看護師の不足が叫ばれる中、なぜこのように貴重なスタッフが集まってきているのでしょうか。(アピタル編集部)

 現在、日本国内の診療所に関しては、常勤医師が11人、非常勤医師が14人います。看護師は15人です。他に理学療法士(PT)が1人、社会福祉士(SW)が1人います。この2人は、その資格を基礎資格として持っているだけでその仕事をしているわけではありません。私たちのクリニックでは、連携部として、看護師やPT、SWが地域医療連携の仕事もしています。

 私たちも、常勤の医師や看護師を集めるにとても苦労しました。開業した当初の常勤医師は私一人で、そのあと少しして整形外科の医師が加わってくれました。彼は、もともと友達だったので、「来てくれないか」と相談したらありがたいことに来てくれたのです。それ以外は、非常勤の医師で対応していました。患者さんが増えていく一方で、常勤医師の採用が難しいので非常勤で埋めていくということが3年ぐらい続いたのです。非常勤医師は、知り合いの紹介をたどったり、医局などから派遣してもらったりしていました。

 私たちの診療所に常勤医師が増え始めたきっかけは、三つあります。一つは、在宅医療の実績を積み上げていくことで興味を持ってくれる医師が増えたこと。二つめは、採用担当者をおいたこと。そして、三つめは組織がだんだんと成熟していくにあたり、非常勤医師として祐ホームクリニックで働くうちに常勤になる決断をしてくれる人も増えてきたのです。

 特に最後のパターンについて言えば、非常勤医師から常勤医師になる決断は非常にハードルが高いのです。どこかに勤めていて週1回アルバイトに行くのと、そこに常勤になるのは全く違うのです。ある意味ではアルバイトは割り切ってやることができますが、常勤となると人生の設計図の中に組み込むということになります。私たちの診療所で非常勤医師から常勤になった医師は、元の勤務していた病院の規模は大きく、またいわゆる有名な病院に勤務していた人も多いです。そして、在宅医療だけではなく外来や検査に従事し、人によっては研究に身をおいていた人も居ます。このような環境では、周囲に在宅医療をやる医師はほとんどいません。そんな彼らが非常勤として在宅医療の現場で働いている中で、祐ホームクリニックの魅力に気づき常勤医師の道を選んでくれたのです。これはとてもうれしいことです。

 我々のクリニックで常勤医になると、約80%は在宅医療に時間を使うことになります。例えば、誰もが知っている有名病院の勤務医から、言ってしまえば無名の診療所の勤務医になる。そのギャップはすごく大きく、人生のキャリアの大きな転換点になることは間違いありません。

 開業して6年弱たち、こうした常勤医たちが、クリニックの診療、研究、教育において、大きな役割を担ってくれるようになってきました。次回以降に医師及び看護師が常勤として勤務してくれるために当院の取り組みをお話ししたいと思います。

<アピタル:医療の実践型リーダーシップ・スタッフを育てる>

http://www.asahi.com/apital/column/innovator/

アピタル・武藤真祐(むとう・しんすけ)
医療法人社団鉄祐会祐ホームクリニック理事長・院長
2002年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。三井記念病院などにて循環器内科、救急医療に従事後、宮内庁で侍医を務める。その後マッキンゼーを経て、2010年医療法人社団鉄祐会を設立。2015年、シンガポールで「Tetsuyu Home Care」を設立し、同年8月よりサービス開始した。現在、東京医科歯科大学医学部臨床教授、厚生労働省情報政策参与も務める。INSEAD Executive MBA。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H53_V21C15A1EE8000/
診療報酬下げ容認 日医会長、技術料は増額求める
2015/11/26 0:23

 日本医師会の横倉義武会長は25日の記者会見で、2016年度の診療報酬改定について医師の技術料の引き下げは「到底認められない」として増額を求めた。一方、技術料と薬価を合わせた全体の改定率については「全体の上げ下げの議論が必要なのか」と必ずしも引き上げにこだわらない考えを示した。

 日医は国の厳しい財政状況を見越して全体のマイナス改定は容認する一方で、技術料のプラスを目指す方向とみられる。診療報酬は2年に1度見直す医療サービスの単価で、薬の公定価格の「薬価」と医師の技術料の「診療報酬本体」からなる。薬価は市場価格の下落に伴って毎回下がる。

 医療機関の収入に直結する本体部分は日医が毎回、大幅な引き上げを要求。本体のプラス幅が薬価のマイナス幅を上回り、全体の改定率は前回まで3回連続のプラスだった。



https://www.m3.com/news/general/377949
稚内市、4600万賠償へ 悪性リンパ腫の判明遅れ
事故・訴訟 2015年11月25日 (水)配信共同通信社

 北海道稚内市は25日、市立稚内病院で悪性リンパ腫の可能性を疑い転院させるのが遅れたとして、昨年3月に転院先の病院で死亡した未成年(当時)の女性の両親に対し、賠償金として計約4600万円を支払うと明らかにした。裁判外の和解。

 稚内病院によると、女性は2013年11月から3回にわたって入院。当初は急性散在性脳脊髄炎と診断されていた。3回目に入院していた昨年1月の検査で悪性リンパ腫が疑われたため、治療設備が整った病院に移ったが、その後、死亡した。

 両親側は「病気の把握と転院が遅れたことが死亡の原因になっている」と主張。市が認めた。賠償に向け、12月定例議会に関連議案を提出する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/377690
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
財務相、社会保障費増「5000億円弱に抑制」と念押し
経済財政諮問会議「2016年度予算編成の基本方針(案)」議論

2015年11月24日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 経済財政諮問会議が11月24日開かれ、「2016年度予算編成の基本方針(案)」や経済・財政一体改革の具体化に向けて議論、麻生太郎財務相は、2016年度の社会保障関係費増について、「5000億円弱に抑えていかなければならない」と発言した。高齢化等に伴う伸びとして6700億円増を要求した今夏の予算概算要求から、1700億円強の削減を求めたことになる(資料は、内閣府のホームページ)。

 同日に開催された財政制度等審議会による「2016年度予算の編成等に関する建議」でも同様に、社会保障関係費の伸びを「5000億円弱」に抑えるよう提言している。2016年度は医療以外の分野では主だった改革が予定されていないことから、概算要求から削減されれば、医療費で対応せざるを得ない(『「社会保障費増、5000億円弱に抑制」財政審建議』を参照)。

 民間議員が提出した意見書には、「後発医薬品の薬価は、先発医薬品の価格の半額以下」「7対1入院基本料の一層の厳格化と報酬の引き下げ」など、マイナス改定につながる内容が並ぶ。7対1入院基本料の削減を目指した2014年度診療報酬改定について、「too late,too little」と不十分さを指摘したり、「患者負担増の増加、保険料の増加、手取り収入の減少を踏まえ、2016年度改定は、マイナス改定とすべき」と求める意見も出た。

 財政審の建議では、「薬価改定は、診療報酬本体の財源とはなり得ない」とも明記。2014年度改定では、従来改定とは異なり、薬価・材料改定財源が診療報酬本体の改定財源に充当されなかった(『中川日医副会長、改定で「3つの苦言」』などを参照)。この点を強く問題視する日本医師会をはじめとする医療側をけん制する建議であり、2016年度診療報酬改定が厳しい内容になるのは必至だ。

 もっとも、マイナス改定への圧力が強まる中、塩崎恭久厚労相は、それを正面からは否定せず、「物価や賃金、経営状況を踏まえ、議論する」と述べるにとどまった。

 「2016年度予算編成の基本方針(案)」は、2016年度が「経済・財政再生計画」の初年度に当たることから、「デフレ脱却・経済再生」の取り組みを加速させるとともに、改革工程表を十分に踏まえた上で、歳出改革を着実に推進するのが基本的考え方。11月25日以降、与党自民党の意見をヒアリングし、最終案を作成、経済財政諮問会議に最終的に諮る予定。その後、閣議決定される段取りになる。


2014年度改定、「too late,too little」

 24日の経済財政諮問会議では、民間議員から「経済・財政一体改革の具体化に向けて~社会保障分野~」と題する意見書が提出された。

 基本的考え方として、(1)診療報酬などの改定を通じた、関係者の行動の変化を促すインセンティブ改革、(2)医療・介護関連情報の徹底した開示を通じた国民負担や地域間格差の「見える化」、(3)健康増進・予防サービスにおける優良事例の全国展開の推進――に取り組むことを求めている。

 診療報酬本体については、7対1入院基本料のほか、療養病床入院基本料の引き下げを提言。会議では、民間議員が、「2014年度改定の成果について、厚労相から説明を受けたが、『too late、too little』ではないか。7対1入院基本料の病床も、療養病床もわずかしか変化していない。もっと早く大きな成果を目指して、今回の改定に臨むべき」と対応を求めた。

 薬価については、(1)後発医薬品の価格を先発医薬品の価格の半額以下、(2)特許の切れた先発医薬品の価格の大胆な引き下げ、(3)市販類似医薬品(湿布等)を保険収載から除外、(4)薬価改定の成果は、確実に国民に還元――などを提言。

 調剤報酬については、(1)門前薬局などの調剤報酬の適正化、(2)かかりつけ薬局については、医師との役割分担や健康増進サービスにおいて果たすべき役割の明確化――などを求めた。

 そのほか、地域医医療構想や医療費適正化計画の前倒し策定、徹底した医療の「見える化」のためにNDBの活用などのデータインフラ整備・分析などの必要性も指摘している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/377605
「医師の強制加入組織」、医療の質保証に必要か
医療の質・安全学会、英独の事例交え議論

2015年11月24日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 第10回医療の質・安全学会学術集会で11月23日、パネルディスカッション「医療職能集団の制度と機能―医療の質保証の体制を国際比較から考える―」で、医療の質保証の観点から、「医師の強制加入組織」の要否やその在り方をめぐり、イギリスやドイツの事例も交え、議論した。

 座長を務めた、小泉俊三氏(佐賀大学名誉教授)は、パネルディスカッションの冒頭、「医療の質、特に医師の質を保証するために、医療のプロフェッションとして、医師の集団はどうあるべきか」と問題提起、日本学術会議が2013年8月に、医師の強制加入組織を提言したことにも触れ(『「全医師加盟組織」は行政からの自立 - 広渡清吾・前日本学術会議会長に聞く』を参照)、海外の事例も踏まえて、医師組織の在り方を検討していく必要性を指摘した。

 イギリスではGMC(General Medical Council;医療総合評議会)、ドイツでは医師会が、それぞれ全員加入の組織として、医師の質の保証を担っている(詳細は、後述)。

 金沢大学付属病院総合診療部特任教授の野村英樹氏は、イギリスの場合、臨床医としての適性評価・診療資格管理などを行うGMC、政治的・経済的交渉を行うBritish Medical Association(BMA;英国医師会)、研究・学術団体であるRoyal Colleges(王立臨床医会)は、相互に利益相反の関係にあるため、「三権分立」しており、この在り方がプロフェッショナルソサイエティとして望ましいとした。「GMCが本当に医師の自律団体なのかを疑問視する声もあるが、医師個人の質保証を目的とした団体が、政府から独立して存在し続けているのは事実」と野村氏は述べ、学ぶべき点があるとした。

 ドイツで約30年、心臓外科医として臨床に従事した経験を持つ、北関東循環器病院院長の南和友氏は、ドイツ医師会が、医療の質・安全に大きな役割を果たしているだけでなく、勤務医の健康管理も行うなど、医師の人権を守る役割を果たしている現状を紹介。「医師の組織は、強制加入にすることが必要。日本においてそれを実現するために、手っ取り早いのは、専門医の認定を行うことではないか。かなり強制力が出てくる」と提案した。ドイツでは、大学医局と地域の病院とは人事的なつながりがないなど、「脱閉鎖体質」であり、風通しのよいことも、医療の質向上につながっているとした。

 これに対し、「医師個人の専門職としての質の保証」よりも、「病院組織としての質保証」に重きを置くべきとしたのが、慶應義塾大学名誉教授の池上直己氏。病院と医師の関係が欧米と日本では異なる上、大学医局を中核とする「医師の階層構造」、基幹病院は公的病院が中心であるなどの「病院の階層構造」が存在するからだ。「ドイツ、イギリスには、技能集団を支えるための基盤があり、専門職はお互いが対等であることが前提。ドイツ、イギリスにも階層構造はあるものの、日本の階層構造は細かく、医師のヒエラルキーや、その医師が勤務する病院のヒエラルキーがあるので、ピアレビューの導入は難しい」。池上氏はこう指摘し、「病院組織としての質保証」には、診療報酬が有力なツールになり得るとした。


 パネルディスカッションでは、「医師の強制加入組織」を考える上で、歴史的な考察が必要という観点から、東京大学医科学研究所公共政策研究分野特任准教授の神里彩子氏が、日本医師会の成り立ちを概説。

 神里氏は1906年制定の医師法以降の医師会の歴史的経緯を説明したが、中でも特徴的なのが、終戦直後の動き。医師会は、戦前は、「強制設立・強制加入制」だったが、戦後はGHQの民主化政策で改組が求められ、「任意設立・任意加入制」となった。その際、医師会執行部は「強制設立・強制加入制」とし、懲戒審議権や医籍の管理などを行うことを検討したとされるが、自治権を持つ重要性について議論し、GHQ側に説明・説得した目立った動きは見られなかったという。GHQのPHW(Public Health and Welfare)医療課長補佐によるPHW覚書には、「医師会の目的、そして医師会に与えられた業務の目的についての理解が多分に欠如しているようである」との記載がある。

 対照的なのが、弁護士会。「弁護士の使命」「弁護士職務の独立の重要性」をGHQに訴え、弁護士法が制定され、「強制設立・強制加入制」が認められた。GHQ民政局法律課長は、弁護士法案を見た際、「本当に占領軍が目的としていたこと、民主化という目的の結晶のように考えられたほど」と述べているという。「GHQの民主化政策、イコール任意設立・任意加入制という図式に必ずしも限らない」と神里氏は指摘、強制設立・強制加入制にはメリット、デメリットがあるとし、「強制設立・強制加入制の組織の要否についての多面的な議論と合意形成が必要」と考察した。

 小泉氏とともに座長を務めた、東京大学教養学部教養教育高度化機構の客員教授の米本昌平氏は、医師組織の在り方の検討に当たって、「医療の質保証や、医療事故の扱いなどに関して、医療プロフェッションが保持すべき機能・制度を整理し直し、取り組むべき政策論的課題を明確化し、共通化する必要がある」と指摘。その実現に向け、オープンフォーラムを継続的に実施していくことが求められるとし、「次のテーマは、(この10月からスタートした)医療事故調査制度の1年後の検証ではないか」と提案した。

 フロアから発言した、医療の質・安全学会理事長で、日本医学会会長の高久史麿氏は、医師組織の在り方は、日医幹部なども交えて議論すべき課題であるとした。「医師のプロフェッショナル・オートノミーを考えると、医師が行政から処分を受けるのはどうか」と疑問を投げかけるとともに、戦後の日医改革について、「トップの判断が、禍根を残す」と述べ、問題が残ることを示唆した。

 イギリスとドイツの現状は、以下の通り(発表内容を編集部で抜粋)。

GMC(英国総合医療評議会):金沢大学付属病院総合診療部特任教授の野村英樹氏

・ GMCは、NHSとは独立した機関で、1858年制定の医療法により設立。イングランド、ウエールズ、スコットランドの全医師が加盟する団体。
・ 9つの診療領域別の学術団体であるRoyal Colleges(王立臨床医会)、政治的・経済的交渉を行う医師の労働組合(trade union)とも言えるBritish Medical Association(BMA;英国医師会)とは、「三権分立」の体制。
・ GMCは、(1)認定された医師の最新状態の登録簿の維持(日本の医籍に相当)、(2)適正診療規範の作成、(3)高い水準の医学教育の促進、(4)診療適性に疑義のある医師に対する毅然とした公正な対処(一部は、MTPSという組織に移行)――の4つが主な役割。
・ 会員からの年間登録維持料(2015年4月現在で420ポンド、年収3万2000ポンド未満者は50%割引)で、運営。
・ 2014年の支出は、約1億ポンド(約190億円)で、うち「診療適性審査」(診療適性調査費45%、診療適性審判費14%)が59%を占める。
・ 「診療適性審査」は、公的組織や一般からの苦情などを基に実施。苦情のうち、審査まで至るのは約10%。審査結果は、「約定」「条件付医師登録」「一時停止」「除名」の4段階で判定。
・ 最近、医療・医師組織の改革が行われ、GMCは医療の質保証における「1階部分」、Royal Collegesは「2階部分」を担っていたが、GMCが専門医・GP資格認定も、行うようになったほか、「3階部分」として、「NICE」(英国国立医療技術評価機構)などが担うようになった。職員は以前は約470人だったが、業務拡大に伴い、増員。

ドイツ医師会:北関東循環器病院院長の南和友氏

・ ドイツ医師会は、1865年設立。16州に17の医師会。医師免許取得者全員が、入会を義務付けられ、加入医師数は約26万人。
・ 主な役割は、(1)専門医の試験・認定、(2)生涯教育の監視、(3)診療所や病院の開業許可、(4)医師年金の運営、(5)医師の勤務実態の把握と管理、(6)医療訴訟の相談、(7)医療の質・安全の監視――など。
・ ドイツ医師会の傘下に、「Marburger Bund」(勤務医の労働組合、勤務医の約70%に当たる11万4000人が参加)、保険者や厚生局と医療費などの交渉を行う、「Kassenaerztliche Verein」(保険医協会、全国に17カ所、開業医全員と勤務医の代表が参加)があるが、「三権分立していると言っていい」(南氏)。
・ 各病院の院内死亡率をはじめとするクリニカル・データを収集・調査する仕組みがあり、各病院には自院のデータと全国平均がフィードバックされるため、成績は一目瞭然。かかりつけ医(国民に持つことを義務付け)が患者を紹介する際の判断に使用されたりする。
・ ドイツの場合、保険者も、医療の質を保つことに貢献しており、「患者のエージェント」として、各医療機関の治療レベルに関する情報を患者に提供している。健康保険は「一般保険」と「プライベート保険」の二本立てで、年収に応じて「プライベート保険」を選択できる。「プライベート保険」は、「一般保険」とは異なり、かかりつけ医が指定する医師以外も、受診でき、「この制度を作ったことにより、いい医師のところに患者が集まるようになり、医療全体の好循環につながっている」(南氏)。
・ 医療提供体制の特徴として、大学主任教授と関連病院の人事的なつながりがなく、教授が定年退職すれば、後任教授は他大学から選ばれるため、「脱閉鎖体質」、風通しの良さが医療の質向上につながる。
・ 専門的な医療の集約化も、専門医教育の充実につながり、医療の質・安全に貢献。2014年の場合、心臓外科手術の1施設当たりの件数は、ドイツは約2400件、日本は約100件と大きな開きがある。



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1125037893/
認知症、早期診断を...厚労省が地域拠点設置を加速化〔読売新聞〕
yomiDr. | 2015.11.25 読売新聞

 厚生労働省は、地域の認知症治療の拠点「認知症疾患医療センター」としての診療所の指定を加速化する方針を固めた。
 住民が早期に診断を受け、治療を始めやすくする狙いがあり、来年の診療報酬改定で、センターに指定された診療所に報酬を手当てする構えだ。認知症の国家戦略(新オレンジプラン)で掲げる、全国500か所にセンター設置の目標達成につなげる。
 センターは、専門医や臨床心理士らが一定人数そろい、脳画像を調べる磁気共鳴画像装置(MRI)などの検査機器を使える体制が整った医療機関を都道府県や政令市が指定する。住民からの相談対応、かかりつけ医と連携した診断や療養方針の決定、地域の開業医への研修などを行う。
 これまで診療報酬では、指定を受けた病院には診断料などが払われてきたが、昨年枠組みが新設されたばかりの診療所には手当がなかった。
 今年8月現在、全国に335か所ある同センターのうち、診療所は19か所にとどまっている。
 ある診療所では、半年間で、記憶障害が起きるアルツハイマー型や予備軍とされるMCI(軽度認知障害)など認知症関連で計205件の診断をし、患者をかかりつけ医らに計64件橋渡しした。全国の診療所でも同センターの機能を果たせると厚労省は判断した。
(2015年11月25日 読売新聞)



https://www.m3.com/news/general/377929
保険金詐欺の疑い、接骨院経営者ら逮捕 通院日数水増し
2015年11月25日 (水)配信 朝日新聞

 交通事故で負ったけがの治療の通院日数を水増しし、保険金をだまし取ったとして、愛知県警は25日、愛知県武豊町の「松崎接骨院」元経営、松崎孝信(37)=同町冨貴=と、患者の会社員川野真道(37)=名古屋市天白区元八事5丁目=の両容疑者を詐欺容疑で逮捕し、発表した。いずれも容疑を認めているという。

 岡崎署によると、川野容疑者は昨年11月に乗用車を運転中に追突事故に遭い、接骨院に通院した。その際、柔道整復師の資格を持つ松崎容疑者は川野容疑者と共謀し、通院日数を6日から23日に水増しした施術証明書などを作成。これを損害保険会社に提出し、治療費名目で2回にわたって保険金約18万円をだまし取った疑いがある。

 捜査関係者によると、川野容疑者は、別の保険会社に勤める知人女性から、松崎容疑者を紹介されたとされる。事故直後の医師の診断では1週間程度のけがと診断されたのに、名古屋市天白区の自宅から往復で100キロ近くの距離がある接骨院に、2~3日に一度通院したよう偽装。保険会社から払われる1日4200円の慰謝料を得ていたという。

 川野容疑者が事故の衝撃でデジタルカメラやパソコンが壊れたと不審な物損請求をしたため、損保会社が調査して発覚、県警に相談していた。

 接骨院は今年9月に閉院したが、県警は関係先を家宅捜索するなどして内偵捜査を進めていた。治療費の不正請求はほかに約30件あるとみており、県警はさらに調べる方針。

■日数水増し、双方にうまみ

 自動車事故などの負傷者数は減っている一方、自動車損害賠償責任(自賠責)保険への請求額は増加している。背景には、接骨院による不正や過剰な請求があるとも指摘されている。

 損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構によると、交通事故の負傷者は2009年は約91万人だったが、13年は約78万人。これに対し、接骨院が自賠責に請求した総施術費用は約478億円から1・5倍の約717億円に増加した。

 接骨院関係者によると、自賠責の診療は、診療費が定められた健康保険とは違い、自由に治療費を決められるため、診療日数の水増しや過剰請求につながっているという。損保会社や自動車修理業者などから負傷者を紹介してもらい、患者として抱き込む接骨院も目立つという。

 一方、患者も通院1日当たり4200円の慰謝料が支払われるため、接骨院と結託して不正請求に関与している疑いがあるという。

 不正は見抜けないのか。関係者によると、多くの運転者は損保会社の任意保険にも加入しているため、自賠責保険と併せて損保会社が一括調査し、両方の保険の合計額を患者側に支払う。自賠責保険は立て替えた後で請求する流れのため、損保会社は自賠責の「けがによる損害」の限度額120万円を超えなければ、余計な負担はない。その結果、自賠責分の審査は甘くなりがちという。

 捜査関係者は「一括調査ではなく、自賠責についても審査や調査をしっかりする仕組みが必要だ」と指摘している。

     ◇

 〈自賠責保険〉 自動車による人身事故の被害者を救済するため、加入が義務づけられている。損害保険会社が販売し、保険金の支払いもする。被害者1人当たりの保険金の支払い限度額は、死亡時3千万円、重度の後遺障害4千万円、けが120万円。自賠責だけでは賠償額が足りないことが多く、損害保険会社による任意の自動車保険もある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/377007
シリーズ: 社会保障審議会
「多剤投与にメス」「在宅の暴力対策を」との声も
医療保険部会、2016年度診療報酬改定基本方針で意見

2015年11月24日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)


 社会保障制度審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が11月20日に開かれ、11月19日に社保審医療部会で提示された2016年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)について議論した(骨子案と医療保険部会での議論は『「治し、支える医療」に転換、削減のターゲットは薬』を参照)。「多剤投与の適正化」については、医療部会に続いて委員間で意見の対立があったほか、医療従事者の負担軽減について、在宅医療や訪問看護の現場での医療サービス提供者への暴力の問題や、夜勤勤務の対策を求める意見が出た。

 多剤投与をめぐっては、基本方針(骨子案)の具体的方向性のうち、医療費の効率化・適正化の項目で、「残薬や多剤・重複投薬の削減を進める」としている。19日の医療部会では、日本医師会副会長の中川俊男氏が「行きすぎた長期処方の是正」の追加を求めた上で、追加しない場合は多剤投与の是正の削除を要求した。

 この発言に対し、20日の医療保険部会では、健康保険組合連合副会長の白川修二氏が「多剤は絶対に取ってはいけない」と反論。理由としては、精神科の多剤投与を制限した前回改定が「上手く機能していない」としたほか、中央社会保険医療協議会の資料で多剤投与が残薬の要因になるとの研究が紹介されたことを挙げ、「多剤にメス入れるべき」と強く主張した(『「多剤投与の適正化」を評価、認知症患者』を参照)。

 医療従事者の負担軽減や地域包括ケアシステムの推進の観点から、「在宅医療や訪問看護を担う方々の安全確保が重要」と主張したのは、法政大学経済学部教授の菅原琢磨氏。「先行研究では、施設よりも在宅の医療現場でサービス提供者に対する暴言や暴力を受ける割合が高く、4~7割が受けているとの研究もある。(在宅医療従事者の)離職の大きな要因にもなっている」と指摘し、「今後は認知症対策や精神医療が重要となる。リスクが高い患者も訪問看護や在宅医療でみるケースや、十分な事前準備、情報が無いまま、1人夜間に訪問が必要なケースも考えられる。特に訪問看護の分野では女性の職員も多いので、今から十分な安全対策の議論が必要だ」と述べた。

 医療保険部会と医療部会の意見を踏まえて、基本方針案を作成し、12月上旬に決定する見通しだ。


11月20日の社会保障制度審議会医療保険部会では、骨太の方針の具体化についても議論された<『高齢者の負担増、受診抑制懸念か容認か?』

「数が問題ではない」

 多剤投与の是正については、白川氏以外にも重要性を指摘する声が相次いだ。「患者の立場からも重要なので推進を」(連合副事務局長の新谷伸幸氏)、「あまりに多くて結局飲みきれず、飲みやすいのを適当に飲んでいる人もいる。減らす努力をするのも大事」(日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏)といった意見があった。

 日本慢性期医療協会副会長の中川翼氏(定山渓病院長)は「医療機関だけで調整するのは難しいこともある。本当に効果があるのか検証しないと薬だけ増えてしまう。特に、経鼻胃管栄養や胃ろうでは、患者が(意識して)飲んでいるわけではないので、多いということが患者に認識されない。多剤投与、特に長期の入院患者について確認することは重要」と発言した。

 日本医師会副会長の松原謙二氏は、「多剤が即ち悪ではない」と反論。問題は「不適切な多剤や長期処方」だと指摘し、「例えば高血圧ではさまざまな薬が増えて、一種類の薬を大量に使うのではなく、何種類かの薬を組み合わせて治療する方が適切かつ全体の量を抑えることができることもある。治療のやり方が変わってきている」と多剤が適切なケースもあるとして理解を求めた。

 日本薬剤師会副会長の森昌平氏は「薬の数はシンプルがいいのは議論の余地がないと思う。不必要な重複や組み合わせが問題の中心。何剤以上なら良いとか悪いではなく、適切な薬剤使用の上の管理の観点で議論が必要だ」と述べた。

看護師の夜勤72時間ルール

 具体的方向性の「医療従事者の負担軽減・人材確保」の項目で、「看護職員の夜勤負担の軽減」の重要性を指摘したのは、日本看護協会副会長の菊池令子氏。19日の医療部会の議論でも同様の意見が出たが、同項目に「看護職員の夜勤負担の軽減」も含まれており、文言の修正は不要との意見が出ていた。

 看護師の夜勤負担については、2016年度の診療報酬改定で、入院基本料の「看護職員の月平均夜勤72時間以内」(72時間ルール)とする要件の撤廃・緩和を求める声が出ており、日本看護協会は、職員確保や医療安全の観点からも72時間ルールの堅持を強調している(『「看護師の生命線」、72時間ルール』を参照)。

 松原氏は夜勤負担の問題は重要だとしつつ、「病院の経営の問題もあるので、まず十分な供給体制の整備が必要」と主張したが、菊池氏は「看護師は3分の1が潜在職員。人材の確保には、勤務環境の改善が重要だ」として、供給体制よりも勤務環境改善が優先だと訴えた。白川氏は、「ここでどちらが良いというより、中医協で話すべき議題」と指摘した。


  1. 2015/11/26(木) 05:51:21|
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11月24日 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201511/544701.html?bpnet
シリーズ 東北地方の医学部新設
「東北の地域医療の発展に寄与できると確信している」
東北薬科大学理事長の高柳元明氏に聞く

2015/11/24 聞き手:加納亜子=日経メディカル

 2016年4月、東北医科薬科大学(宮城県仙台市)の医学部が開学する。

 医学部新設を目前とした今、同大学はどのような医学教育により、どのような医師を育成していこうと考えているのか――。東北薬科大学(東北医科薬科大学)理事長・学長の高柳元明氏に開学後の展望を聞いた。

たかやなぎ もとあき氏 ○ 1974年東北大学医学部卒。医学博士。専門は呼吸器、アレルギー内科。東北大病院助手、カナダ・マクマスター大博士研究員などを経て、2000年東北薬科大学教授。2001年より現職。2006~2012年、日本私立薬科大学協会会長。現在、日本私立大学協会副会長、日本高等教育評価機構理事を務める。
(撮影:向田幸二)

 37年ぶりの医学部新設ということもあり、本学に対する社会の関心や期待の高さを強く感じている。社会からの期待に応えられるような医学部を創らなくてはならないと日々、身の引き締まる思いだ。

 本学はもともと、地域社会に貢献できる薬剤師の育成を最大の目標とし、薬学の教育・研究を通じ、広く人類の健康と福祉に貢献する目的から創設された。

 その志が凝縮された「われら真理の扉をひらかむ」という建学の精神のもと、何よりも東北地方に住む方々や社会から、「できてよかった」と言われるような医学部の創設に最善を尽くしたい。

患者を想い、地域に貢献しようとする意欲を育てたい

 本学の医学部は、高度な専門的知識と技能だけでなく、幅広い臨床能力を持ち、あらゆる臨床現場で役に立つ医師(総合診療医)を育てていく必要性から新設が認められた。

 より診療能力の高い医師を育成するため、本学が最も注力しているのが、医師としての心構えを身に付けてもらえるようなカリキュラムの作成である。

 文部科学省が公表している最も新しい医学教育モデル・コア・カリキュラムには、医学教育の前提として「医師として求められる基本的な資質」を身に付けさせることと記載されている。この資質には、地域医療やチーム医療を担うために欠かせないコミュニケーション能力、総合的診療能力、医学研究への志向、自己研鑽といった技術面での能力に加え、病める人やその家族の想いに共感し、人々の健康を献身的に支えようとする気持ちや、地域医療に貢献しようとする意欲と使命感が含まれていると私は認識している。

 診療をする上で、高度な知識や技能は確かに必要だ。だが今は、技能だけではなく、上記で述べた医師としての心構えが重視されている時代でもある。

 もし、昔ながらの医療のパターナリズムにとらわれていれば、患者を中心とする視点が欠けた医療を行いがちになる。患者や家族とうまくコミュニケーションが取れなければ、何か問題が起きたときにすぐに医療訴訟につながるだろう。さらに、医師が自分がチーム医療の中心だと偉ぶれば、チーム医療はうまく回らない。

 こうした様々な場面における、過去の医学教育の反省点を踏まえ、今のモデル・コア・カリキュラムがある。その結果、医師としての基本的な資質を備えた総合診療医の育成が求められるようになったのだろう。

 モデル・コア・カリキュラム改訂の背景を踏まえ、新たに医学部を新設する本学では総合診療という技術の部分と、医師本来の精神、心、患者さんに寄り添う気持ち・心構えを同時に育てていかなければならないと考える。

総合診療医への注目が追い風に

 本学に求められている「幅広い臨床能力を持つ総合診療医」の育成には今、強い追い風が吹いている。2017年度から19番目の基本領域専門医として総合診療科が新たに位置付けられることに加え、テレビ番組などでも総合診療科が取り上げられる機会が増えているからだ。

 世論の期待が総合診療科に集まれば集まるほど、若い学生も注目し、今後は総合診療医になりたいと考える医師・医学生が増えていくだろう。我々は、そうした学生の期待や要望に応えられるような教育システムを作らなければならないと考えている。

 「鉄は熱いうちに打て」ということわざがあるが、医学部に入学して6年が経ってから患者への思いやりを持つ人間性や医師として求められる資質を修得させようとしても、身に付くものにはならないだろう。

 だからこそ、本学ではありとあらゆる環境・場面で状況に応じた診療を担える総合診療医になり、地域医療を支えたいと思う初心を忘れないうち、つまりは入学後すぐから本学の医学教育の目的や趣旨、養成する医師像を学生や教員に示し、低学年のうちから患者への思いやりを持てる人間性を培う機会を積極的に提供していきたいと思っている。


 こうした教育を実現するために、本学は地域医療ネットワークを構築し、基幹病院と地域の医療機関とを回る循環型のプログラムを導入する。入学した全ての医学生は6年間の間に繰り返し地域医療教育サテライトセンター(宮城県内に2施設)や地域医療ネットワーク病院(宮城県内に9施設、他の東北5県に10施設)に滞在しながら医療に関する体験・実習を経験してもらうカリキュラムを作成中だ。地域住民とのコミュニケーションを繰り返し取ることで、医療環境や地域住民の特性、医療への要望を知り、医師としての使命感や将来像を考えるきっかけを作れるよう指導していきたいからだ。

 一般的に、日常診療に必要な技術の多くは400床程度の急性期病院であれば身に付けられる。たとえある医療機関に全ての分野のエキスパートがいなかったとしても、地域医療ネットワーク病院とサテライトセンター、そして大学附属病院の計20以上の施設を循環するプログラムであれば、それぞれの分野における日本有数のエキスパートがどこかの施設には必ずいる。この仕組みがあれば研修先の環境や医学生の希望を踏まえ、より多くのエキスパートと出会い、知識・経験を学べるはずだ。

 入学した医学生にはこの循環型のプログラムにより、卒前6年間で最低限必要な総合診療医としての診療能力を身に付けてもらいたい。そして卒後の初期研修2年間で、知識だけでなく臨床能力・技術を獲得していく。その後は医学生それぞれの進路希望に応えられるような制度設計をしていきたい。

カリキュラムでは医学・薬学の連携も重視

 加えて、75年以上の歴史のある薬学教育・研究の経験を基に、医学教育にも薬学知識を加え、医学と薬学の連携にも注力をしたいと考えている。

 我々の学生時代は薬理学は教わっても、薬物動態については学ぶ機会がほとんどなかった。今でもその傾向は強いが、薬剤を見てその化学構造式や薬物動態をすぐにイメージできる医師はさほど多くない。だが、それが分からなければ、代謝経路や他の薬剤との相互作用を踏まえた適切な処方薬の選択は難しい。

 今は薬剤については薬剤師、食事は栄養士とそれぞれの専門家が集まってチーム医療を担う時代だ。全ての薬剤に関する知識を医師が把握し、細かな指示をするわけではない。

 だが、チーム医療となれば薬剤師や看護師と話し合いながら治療のプランニングを行う必要がある。優秀なチーム医療のスタッフと互いに協力しながら診療をする上で、医師が薬理作用だけではなく、薬物動態もある程度把握していれば、スタッフ間の連携がより円滑になると私は考えている。こうした教育で得た知識は、震災が起きた場合などの対応にも生きてくるだろう。

地域との関わりを増やし、定着率の向上を目指す
 今はここまでに述べた教育を循環型のプログラムに乗せ、医学生に提供していくことを考え、開学時期に向け準備を進めているところだ。教育の結果、自然と東北地方の医療を担っていきたいと考える医師が増えることを願っている。そして、よりその意欲を高めてもらうために設けているのが本学特有の修学資金枠(奨学金枠)である。

 例えば修学資金を受けとった学生であれば、卒前の6年に加えて卒後約10年東北地方の医療機関で教育を受け、活躍することになる。人は長年所属するところに愛着を感じるもの。同じ地域に長年いれば、地域に住む住民との関係もできる上、東北地方に在住の方と家庭を築くといったことになれば、自然と東北地方に定着する人は増えていく。その積み重ねにより、本学は東北地方の医療に貢献できるだろう。

 このように卒後の地域定着を促す目的でも、東北大学をはじめ他の大学や自治体との連携を積極的に進めていきたい。さらに、東北地方の中で気に入った地域やゆかりのある土地のある学生には、そうした地域でトレーニングを受けてもらったり、学生の希望に合わせて都市部や地方の医療機関に振り分けて研修をしてもらったりというように柔軟な対応でそれぞれの医学生・卒業生をサポートできればと考えている。

 昔と比べ、今の学生は医師に限らず、社会のためになりたい、社会に貢献したいと考える人が非常に増えている。おそらく医学の分野でもそうだろう。地域医療に貢献したい、地域で医療を行いたい、そう思う若い人は存外いるのではないかと私は期待している。


懸念は複雑化した入試区分が理解されるか

 本学の授業料は3400万円と設定している。この額は全国の私立医科大学の平均値から定めたものだが、国公立の医学部の授業料と比較するとその差は決して小さくはない。

 そこで、本学では授業料相当額を修学資金でカバーし、経済的負担を軽くして医学部進学を目指してもらうため、定員の半数を超える学生が修学資金の適用を受けられるよう入試枠を設けている。これは卒後の活躍を期待し、東北地方の医療を担いたいという強い想い・意欲を持つ学生に少しでも多く集まってほしいという考えから作った枠である。

 通常であれば、「地域枠」は定められた地域の出身者が受けられる入試枠となる。だが、本学の場合は、出身県を問わず全国どこからでも受験できる仕組みを取った。修学資金を受け取れるが、代わりに卒後10年ほど東北地方で地域貢献をしてもらうことを求める仕組みである。これは非常に新しい「地域枠」だと自負している。

 受験生にはまず、一般枠、修学資金枠のA方式(東北地域医療支援修学資金)、B方式(東北地域医療支援修学資金)から、どの枠で受験をするかを意思表示してもらう形になる(表1)。

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表1 東北医科薬科大学の入試枠と募集人数

 この本学特有の修学資金枠を設けたため、入試区分が増え、受験する側からしても少し分かりにくくなってしまったという反省点はある。東北地方の医学部や自治体に説明する際にも時間を要した部分でもあり、正直なところ正しく理解してもらえるか心配している点でもある。

 だが、この枠を設けたことで、医学部を目指す学生に金銭面での負担が少ない新たな選択肢を示すことができたと考えている。

 将来、東北地方の医療に従事し、地域住民の健康を担う使命感に燃え、さらに病める人とその家族の想いに共感できる強い意志と柔らかな心を持った医師になりたいという志を持つ学生に、1人でも多く集まってもらいたいと心から願っている。

<編集部 注>
 なお、医学部への出願期間は2015年12月16日から2016年1月13日まで。学生募集要項など入学試験に関する情報は同大ウェブサイトで公表されている。
http://www.tohoku-pharm.ac.jp/new/index.cgi?eid=332



http://www.m3.com/news/iryoishin/377647?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151124&dcf_doctor=true&mc.l=132375148&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「社会保障費増、5000億円弱に抑制」財政審建議
調剤基本料、調剤料などの見直し求める

2015年11月24日 (火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 財務省の財政制度等審議会は11月24日、「2016年度予算編成等に関する建議」を麻生太郎財務大臣に提出した。実質的に医療費がターゲットとなる社会保障費では「確実に高齢化による増加分の範囲内(5000億円弱)にしていくことを求める」として、診療報酬のマイナス改定を強く求めた(資料は、財務省のホームページ)。

 会見した審議会長の吉川洋氏(東京大学大学院経済学研究科教授)は診療報酬改定について「薬価と診療報酬本体についてマイナス。医療関係者は診療報酬の改定率が上がるか下がるかに関心を持つが、診療報酬は平均。国・経済の状況を見れば、財政の論理が働くのは当然。平均価格を上げる時代は終わり、今は配分が問題。配分に歪みがあると、医療にマイナスの影響を与える。医療関係者は配分にもっと意を払ってほしい」と強調した。

 厚生労働省は高齢化等に伴う社会保障費の増加分として、2016年度予算では6700億円を概算要求しているが、財政審は「経済・財政再生計画」が目標とする3年間で1兆5000億円以内に抑えるよう要望。2016年度は初年度であることから、「確実に高齢化による増加分の範囲内(5000億円弱)にしていくことを求める」として、概算要求から1700億円以上の削減幅を求めた。2016年度診療報酬改定を控える医療以外では改定や制度改正がないことから、財政審が求める削減は実質的に医療のみが対象になる。吉川氏は「初年度であり確実に達成してほしい。5000億円弱を目指して頑張るべき」として「弱」に込めた思いを説明。会見に同席した財政制度分科会会長代理の田近栄治氏(成城大学経済学部特任教授)も「委員からは『もっとやれ』というものもあり、穏やかに抑えたところ」と話した。

 建議では、財政が直面する課題を「社会保障」と「社会保障以外」に分けて解説。社会保障では「国民皆保険・国民皆年金の持続可能性を確保するための制度の見直しが急務」、社会保障以外では「人口減少を踏まえた『自然減』を前提とすべき」と述べている。

 安倍内閣の過去3年間では、高齢化による社会保障費の増加分は1.5兆円程度になったことから、2016年度から始まる「経済・財政再生計画」でも今後3年間の増加分を1兆5000億円に抑えるよう要請。特に2016年度については「3年間の目安であるからといって、歳出の伸びの抑制を先送りすることがあってはならない。内外から、厳しい視線が注がれているという緊張感を持って、2016年度予算を編成すべきである」と注文している。

調剤報酬に厳しい注文

 個別の改革内容のうち、2016年度診療報酬改定では、薬価改定に加え、診療報酬本体のマイナス改定を行い、社会保障費全体の実質的な伸びを高齢化による増加分に押さえることを基本とするとされた。「薬価改定は、診療報酬本体の財源にはなり得ない」とし、薬価引き下げの結果を、医療費の伸びの減少に反映していくことが重要であるとした。

 さらに、調剤報酬に対して厳しい注文が並び、「処方せんの受付と必要な薬剤を取り揃える行為のみで相当程度の収益を稼ぐことが可能になっている」などとして、(1)調剤基本料、(2)調剤料、(3)薬学管理料――について見直しを求めた。

 調剤基本料では、「大型門前薬局」を念頭に低い点数が設定されている「特例」の対象拡充や点数引き下げを求めた。基準調剤加算についても、「真にかかりつけ薬局としても求められる機能を果たしている薬局に対する加算にすべき」として、要件の厳格化や、電話番号の交付といった形式ではなく、対応件数など実績を要件とすべきとした。後発医薬品調剤体制加算では、一層の使用促進のため、加算水準の引き下げや、取組が不十分な薬局に対する減算措置の導入が必要としている。

 調剤料では、投与日数や剤数によって業務コストが増大するという前提が合理的でないとして、院内処方と同様に定額にすべきとした。2016年度については激変緩和として、水準を半分程度にし、投与日数の伸びに応じて点数の伸びが逓減していくよう求めた。一包化加算も機械化が進んでいるとして、点数を大幅に下げつつ、投与日数に応じた点数配分を廃止するべきとしている。

 薬剤服用歴管理指導料では、「適切な管理を行っていない薬局も事実上算定可能となっており、実質的に形がい化している」と判断。成果を分析した上で、継続的かつ一元的な管理指導を行っている薬局にのみ高い点数が算定されるよう厳格化すべきとした。



http://www.m3.com/news/iryoishin/377011
シリーズ: 社会保障審議会
高齢者の負担増、受診抑制懸念か容認か?
「骨太の方針」の改革工程の具体化で議論

2015年11月24日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 社会保障制度審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が11月20日に開かれ、2015年度の経済・財政再生計画(骨太の方針)の改革工程の具体化に関し、「医療・介護を通じた居住費負担の公平化」「高齢者の負担の在り方」などについて議論した。高齢者負担増については、「受診抑制になる」「低所得者への配慮が必要」と警戒する声や、「現状では現役世代の納得が得られない」「後期高齢者も窓口2割負担を覚悟すべき」と容認する意見が出た。

 「骨太の方針」では、(1)社会保障制度の持続可能性と世代間・世代内での負担の公平化、負担能力に応じた負担を求める観点から、医療保険における高額療養費制度や後期高齢者の窓口負担の在り方について検討、(2)かかりつけ医の普及の観点から外来時の定額負担について検討、(3)医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化について検討――などが掲げられ、医療保険部会で議論し意見をまとめる。

 議論では、(1)の高齢者の負担増について意見が割れたほか、(2)のかかりつけ医の普及について、「診療科ごとに専門医が開業医として診療を行っている状況で、何を持ってかかりつけ医とするのかなど、全体像が不透明。かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担だけでなく、かかりつけ医の定義、いつまでにどれだけの総合診療医が誕生して、国民のプライマリケアの体制が整うのか、工程表と目標のビジョンを明確に」(日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏)といった意見が出た。

「配慮必要」「現役世代の負担重い」

 高齢者の負担増に関しては、全国後期高齢者医療広域連合協議会会長、佐賀県多久市長の横尾俊彦氏が、2017年度の後期高齢者の保険料負担の軽減特例の廃止を踏まえ、「同じようなタイミングで、他の負担増もあり得るとなると、受診抑制も生じかねない。単なる負担の引き上げでは高齢者も納得をしがたい」と主張。連合副事務局長の新谷伸幸氏は、「一定の理解はするが、低所得者への配慮が必要だ」と述べた。

 全国老人クラブ連合会理事の川尻礼郎氏は、「高齢者は多数の疾患を抱える。通院や入院を繰り返す高齢者の特性に理解が必要。年金減額、消費税増税もあり、丁寧な議論が必要」と訴えた。日本医師会副会長の松原謙二氏は「受診抑制になれば重症化が懸念される」と指摘した。

 一方で、全国健康保険協会会長の小林剛氏は「現役世代が高齢世代よりも重いのは明らか。現状では現役世代の納得考えられない」として、高齢者や高額療養費制度での自己負担増を求めた。日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏も「高齢者を一律に経済的弱者と捉えるのではなく、応分負担の観点から相応の負担を求めてもいいのではないか」と容認する考えを示した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、議論の在り方について、「高齢者の負担は、現役世代の負担とリンクしているので、全体として高齢者本人の負担と現役世代の負担、公費をどう組み合わせるかの議論を進めてほしい」と厚労省に注文した上で、「患者窓口負担は後期高齢者も2割負担を覚悟すべき。保険料の軽減特例の廃止も確実に実施してほしい。現役並み所得の基準の再考も必要で、高額療養費の自己負担分もかなり低額に抑える措置が続いているので撤廃が必要だ」と多くの課題を指摘した。

「食事は医療の一環」

 「骨太の方針」の(3)「医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化」に関連して、厚労省は、「現行で入院医療の必要性が高いとして負担を求めていない、療養病床の医療区分Ⅱ・Ⅲの居住費負担」「65歳未満の介護保険の対象にならない療養病床の入院患者の居住費負担」「65歳以上で医療保険の療養病床の入院患者の居住費負担320円から370円への引き上げ」を論点として提示。

 松原氏は、「食事は医療の一環」として、居住費負担の増額に反対する意見を主張。新谷氏も慎重な議論が必要だとした。白川氏は、「居住費負担は、医療区分Ⅱ・Ⅲに限定しているが、一般病床でも短期入院と長期入院、精神病床も含め幅広い議論が必要だ」と指摘し、論点以外にも居住費負担の見直しを進めるよう求めた。

国保の保険料上限を引き上げ

 厚労省は、同部会で高所得者世帯の国民健康保険の年間上限額を、現行から4万円増額し、医療と介護を合わせて89万円とする方針を示した。限度額に達するのは、約1000万円以上の収入がある世帯で、上限額は3年連続の引き上げ。



http://www.m3.com/news/general/377521
投与めぐり対応ばらばら 医療現場の模索続く
2015年11月24日 (火)配信 共同通信社

 団塊の世代が75歳以上となる2025年には認知症の人が700万人に達すると推計されるなど、認知症の適切な医療やケアは現代日本が直面する大きな課題だ。医療の中核である抗認知症薬の投与をめぐって審査機関の取り扱いが地域でばらばらな実態が明らかになり、あるべき医療に向けた模索が続く。

 薬の投与量は製薬企業の臨床試験データに基づき、厚生労働省が承認している。有効量を下回れば治療が無駄になりかねず、「適応外使用」として保険診療で認めないのは一定の合理性がある。

 しかし、高齢者の多い認知症は患者の個人差が大きい。「薬が効きすぎて興奮や暴行、歩行障害、飲み込み障害といった、介護の負担にもなる副作用が頻発しているのは専門家なら誰でも知っている」と複数の医師が指摘する。微妙なさじ加減を必要とする脳神経に作用する薬でもあり、医師の裁量で少量投与も認めてほしいとの要望が医師や介護関係者から上がっていた。

 各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)への取材では「認めている」(奈良)、「医師の裁量による」(熊本)と容認を明確にしている地域がある一方、「客観的に有効性が示されなかった」(愛知)、「薬効はないと判断している。あるなら添付文書を見直すべきだ」(長野)と回答した地域もあった。

 また、「最低用量以下なら中止した方がいいとの考えもある」(福島)、「用法用量通りが望ましいが、用量より低い場合は認める」(山口)とする地域もあった。

 関東の国保連の審査担当者は「基本的には査定しないが、1人の審査委員だけ査定している」と困惑げに話す。「査定されたという情報はあっという間に広がり、保険者から査定要請が激増する」と、関西の審査委員は指摘する。

 旧厚生省は1980年に「(昭和)55年通知」を出して適応外使用に道を開いたが、抗認知症薬の少量投与については統一見解を示していない。ある審査委員は「厚労省が十分調査して、賢い決定をすれば解決することだ」と話している。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1124/jj_151124_9530576250.html
5000億円弱に抑制を=社会保障費の伸びで—財政審建議
時事通信11月24日(火)13時37分

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は24日、2016年度予算編成に向けた建議(意見書)をまとめ、吉川洋会長が麻生太郎財務相に提出した。焦点の社会保障関係費については、15年度予算比6700億円増の概算要求を5000億円弱の増加に抑えるよう要請。薬や医療サービスの公定価格である診療報酬はマイナス改定を求めた。
 政府が6月末に策定した財政健全化計画は、社会保障関係費の伸びを16年度からの3年間で1兆5000億円程度に抑制する目安を定めた。
 建議は16年度の社会保障関係費の伸びを「確実に高齢化による増加分の範囲内(5000億円弱)にしていくことを求めたい」と明記し、健全化計画の目安達成に向けた取り組みを要請した。
 16年度は2年に一度の診療報酬の改定年度に当たる。建議では「薬価」に加え、医師の技術料に相当する「本体部分」でも「一定程度のマイナス改定が必要」と指摘した。本体部分のマイナスが実現すれば10年ぶりとなる。 

[時事通信社]



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=126858
死後、自分の遺体を解剖実習に…献体希望する理由は?
(2015年11月24日 読売新聞)

「大学が火葬費負担」動機に

 死後、自分の遺体を医・歯学部生の解剖学実習などに提供する献体で、希望者の動機に変化が生じている。元来、大病を患った人が恩返しにと登録したり、社会貢献活動に熱心な人たちが名乗り出たりしていた。しかし、最近では大学が火葬してくれることが注目され、費用面から希望する高齢者が目立っており、関係者は困惑している。(菊池宏一郎)

関係者困惑も

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 「別居している子供たちに面倒をかけたくないし、大学が火葬までしてくれると聞き、登録したいと思った。子供たちには葬式はしないで海に散骨してほしいと伝えている」。名古屋市で一人暮らしの女性(80)は、こう語った。女性は10月中旬、献体希望者の窓口になっている同市の団体「不老会」の集会に参加していた。

 ただし、登録には家族の同意が必要で、解剖に抵抗を感じている息子が反対しているため、登録はできない。女性は「時間をかけて説得し、考えが変わるのを気長に待ちたい」という。

 夫婦で献体に登録している同市の60歳代女性は、「夫が死んで一人になれば、面倒をみてくれる人もいない。火葬費用のことを考えた」と話す。

 実習後、大学が遺体を火葬する。引き取り手がいなければ、大学の納骨堂に安置される。妻を亡くし、同市で一人暮らしの男性(68)は「子供に葬式や墓守で世話をかけたくないと思って登録した。自分は墓に入らず、置いてもらえるなら納骨堂でいい」と考えている。

 不老会では毎年300~400人が登録しており、累計で2万3068人に上る。これまでに9586人が、名古屋大などでの実習に生かされた。

 医・歯学部のある大学や献体団体でつくる「篤志解剖全国連合会」(東京都)によると、核家族化や独居高齢者の増加に伴い、家族に負担をかけたくないという理由で献体を選択するケースが、ここ数年で全国的に増えてきたという。

 同会会長の松村譲児・杏林大教授(62)は、「献体は福祉や葬儀の代行ではない。登録した人の大きな決心を尊重する制度だ」と強調する一方で、「時代の変化で生じる様々な事情は無視できず、動機を安易に非難することはできない」と話す。不老会の北村直哉理事長(82)も「気持ちはありがたいが……」と複雑な心境だ。

解剖で「人体の個性実感」

 三重大(津市)で10月に行われた「解剖体感謝式」で、祭壇に花を手向けた医学部3年の辻本佳世さん(20)は「献体してくださった方々の尊い心を忘れず、医師として社会に貢献していきたい」と誓った。

 緒方正人医学部長(60)は、「人体にメスを入れることで医師になる覚悟ができる。標本や模型では得られない経験だ」と解剖学実習の意義を語る。血管の位置などは人によって異なり、人体にも「個性」があることを実感できるという。

 篤志解剖全国連合会などによると、1950~60年代、医・歯学生の増加に伴って実習に必要な遺体が不足し、「医学教育の危機」と呼ばれた。当時は、身寄りのない遺体が解剖に使われることもあったという。

 この現状を憂えた篤志家たちが献体の意義を広め、登録を呼びかける運動を展開。同会では統計が残る1970年以降、献体登録者は累計で26万5886人(昨年3月現在)で、30年前と比べ4倍になった。運動は全国に広がり、83年に献体に関する法律が成立したことで、認知度が上昇した。

          ◇

献体 解剖学教育や研究に役立てるため、自らの遺体を無条件・無報酬で提供すること。生前、大学や献体団体に申し込み、死亡後に大学が遺体を引き取る。親族がいる場合は原則、同意が必要。葬儀は献体前に済ませることができる。遺体は防腐処理が施されて保管され、大学のスケジュールに合わせて解剖するため、遺骨が遺族の元に戻るのは1~2年かかる。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47189.html
座間の新病院、総合診療科を前面に- 地域の患者をワンストップで受け入れ
2015年11月24日 08時00分 キャリアブレイン

 「来年4月開院する座間総合病院は、総合診療科が重要な役割を担います。病院機能は細分化し、患者さんは一体、どの診療科を受診すればいいのか、分かりづらくなってきています。まずはワンストップで患者を受け入れ、適切な診療科あるいは施設へ誘導する必要があると考えています」―。

 社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(JMA)の鄭義弘理事長は、こう話す。

 神奈川県の「県央」二次医療圏で、急性期医療を中心に地域医療を担っている海老名総合病院(海老名市、469床)を運営するJMAは現在、同市の北側に隣接する座間市に2016年4月、座間総合病院(渡潤院長、療養病床117床を含む352床)を開院する。

 JMAの発祥の地は、埼玉県。JMAは現在、同県で東埼玉総合病院(幸手市、173床)、静岡県で下田メディカルセンター(下田市、154床)をそれぞれ運営。グループで病院やクリニック、介護施設のほか、在宅療養支援事業や健診センター、保育施設を地域に密着した形で展開している。

 新たにスタートする座間総合病院は、特に内科領域では総合診療科が中心となり診療に当たる。高齢化の進展で、患者は複数の疾患を抱えることが少なくない。体調が悪くて、病院を受診しても果たしてどの診療科がいいのか分かりづらくなっている。

 さらに、医療が高度になるにつれ診療科が細分化し、患者が適切な診療科にたどり着けなくなるという皮肉な事態も起きている。鄭理事長は、「少しでも早く、患者さんが必要な医療を受けることができるように、総合診療科が窓口になってワンストップの体制で患者さんを受け入れます」と説明する。

 しかし、鄭理事長は、総合診療科は外来患者の単なる振り分け役では決してないと強調し、「総合診療科も独自の専門領域であり、そこで完結する医療も相当数あります。幅広い知識と技能が求められます」と付け加える。

■JMAに事務局を置く「海老名内科フォーラム」等の連携のための会が、地域での「顔の見える交流」実現

 11年10月末に日米合同委員会が開かれ、キャンプ座間チャペル・ヒルの住宅地区の一部の土地、約5.4ヘクタールを返還することで基本合意した。

 キャンプ座間のある座間市の現在の医療提供体制はというと、現存する医療機関の懸命の努力にもかかわらず、市内では内科、外科、小児科の二次救急輪番が組めず、隣接市の救急病院に協力を求めざるを得ない状況が続いている。14年1月から12月までの同市の救急搬送件数は5063件だったが、そのうちの約75.7%を海老名市や厚木市など市外に搬送しているのが実情だ。

 そこで、座間市は返還される跡地の一部(約1.5ヘクタール)に新病院を誘致することを決め、13年4月に病院の事業者の公募を開始、専門家委員会で審査を開始した。

 公募締め切りまでに複数の事業者から応募があったが、その中で専門家委員会は同年8月、新病院の事業者にJMAを選んだ。同委員会がJMAを選定した理由については、▽隣接市にある既存の海老名総合病院の救急医療での実績▽市が望む300床規模の総合的病院に向けた具体性のある提案―などが挙げられた。

 JMAは、座間市の新病院の事業者選定に名乗りを上げるに当たり、座間綾瀬医師会と海老名医師会と協議をした。地域医療には、医師会の協力が不可欠だと考えているからだ。両医師会の理事会では、JMAの考える地域医療の将来像について説明した。

 その結果、いずれの医師会からも理解と支援を取り付けることができた。鄭理事長は、JMAが新病院の事業者になることへの理解が得られたのは、30年余りにわたり地域の医療機関のよき理解の下で信頼関係が構築できていたことと、加えて病診連携のためのJMAに事務局を置く「海老名内科フォーラム」や多くの医師会との顔の見える会の実績が背景にあったとみている。

 その一つの「海老名内科フォーラム」とは、今年で12年目となる地域の医師50人前後が会する、内科領域の専門に偏ることのない、紹介症例の報告会のようなものだ。例年、2月と7月に開催。鄭理事長は、「内科フォーラムばかりでなく、そのほかのさまざまな研究会を通じて、病院の職員と地域の診療所の先生方との顔の見える交流が可能になっています」と説明する。

■JMAが目指す、県央二次医療圏の25年の医療提供体制の姿

 座間市の専門家委員会が、新病院の事業者にJMAを決めた理由に、具体性のある提案を挙げているように、JMAの県央二次医療圏で目指す25年の医療提供体制の姿は明確だ。

 政府は、団塊世代すべてが後期高齢者になる25年に向けて、病床機能の分化・連携の推進を打ち出し、今年4月から都道府県は、地域医療構想(ビジョン)策定に向け動きだしている。

 県がビジョンを策定する中で、JMAは独自ビジョンを掲げている。

 今後、日本は人口減社会になるといわれている。その中で、神奈川県の県央医療圏は、25年に向けて高齢化が進展するとともに、30年以降も人口増が続く見通しだ。大型のショッピングセンター「海老名ららぽーと」が15年10月に開業したり、海老名駅周辺に大型マンションの建設が進んだりするなど、再開発が急ピッチだ。

 このような県央医療圏の人口動態動向が予想される中で、同医療圏は圏内で医療提供を完結させることが思うようにいかず、同医療圏の北部に接する相模原医療圏と南部に接する湘南西部医療圏に、合わせて現在、1日当たり160人余りの入院患者が流出している。

 これに対し、JMAは強い危機感を感じている。それは、二次医療圏内で医療が完結できないと、地域住民が居住地から離れた場所にまで、通院しなくてはいけないといったデメリットも生じてくるためだ。

 これから県は、18年度からの保健医療計画の柱になる地域医療ビジョンの取りまとめを本格化させる。そのビジョンでは、原則二次医療圏に基づき設定される「構想区域」ごとに、25年の医療提供体制の在るべき姿を示すことになる。そこで肝になるのは、果たして将来に向けて二次医療圏内で、5疾病5事業などを完結できるかということだ。

 JMAは、県央医療圏の中で、海老名総合病院の高度急性期、急性期を中心とする機能を充実させる方針。すでに、同病院への救急車搬送件数は14年度に6706件に達している。17年4月からは、県の救命救急センターの指定を受けることができるよう準備を進めている。一方、座間総合病院には、一般急性期を中心に回復期、慢性期の機能を集中させ、JMAグループ内の療養病床を移行させる考えだ。

 JMAが座間市の新病院の事業者に選定され、来年4月、ついに座間総合病院は開院の運びとなるが、これまでの道筋は決して平たんではなかった。

 JMAが返還跡地の新病院の事業者に選定された13年、その当時、世界的な素材市況の高騰と、国内の人手不足で座間総合病院の予定建設費用は膨らむ一方だった。この間、病院の建設自体を断念することが、何度も鄭理事長の頭をよぎった。

 増大する建設費用を前に鄭理事長は、建設計画の見直しを指示。無駄を省き、コスト削減に努めた。しかし、患者第一の考えは譲らなかった。その一つが、病棟の配置だ。例えば、リハビリテーション施設と回復期病棟を同じフロアに設置したことなどはその一つ。それが患者さんや職員にとってより効率的に早期退院につなげられるという、鄭理事長の考えからだった。

■医療者には自己実現する機会を提供

 JMAでは職員に長く勤めてもらうために、キャリアパスについての独特な取り組みを進めようと考えている。

 特に、医療関係者のキャリアパスにおいては、JMAグループの高度急性期医療から慢性期医療までをカバーする病院のほか、訪問診療や介護の施設などのグループを活用し、若いうちからさまざまな医療にかかわる現場を経験するよう促している。鄭理事長は、こう話す。「医療者には、いろいろ経験してほしいのです。医療者としてこのようなキャリアパスを通じて、人間の深みのようなもの、多様な価値観を共有しようという姿勢が出てくると思います」と。

 さらに鄭理事長は座間総合病院で働くことを考えている医師に対し、このようなメッセージを送る。

 「幅広く急性期の患者さんを受け入れることと同時に、急性期後の患者さんのサポートの重要性を再認識していただきたいです。要するに、病気が治った後に、患者さんを待ち受けているのは家庭であり、地域社会であり、職場なのです。これからの医療には、帰ってゆくその先の満足度も考慮したサポートが必要だという視点を持ってほしいですね」



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47413.html
「7対1病床要件、一層厳格化を」- 経済財政諮問会議の民間議員が提言
2015年11月24日 21時53分 キャリアブレイン

 政府の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)の民間議員は24日、社会保障分野に関する経済・財政一体改革の具体化に向けた提案を、同会議に提出した。急性期病床の削減をさらに進めるため、7対1入院基本料(7対1)の要件をさらに厳格化し報酬額を引き下げることなどが提案されている。【松村秀士】


 民間議員が提出した提案では、経済・財政再生計画の初年度にあたる2016年度には、歳出改革を大胆に推進すべきと指摘。その実現には、特に「診療報酬改定などを通じたインセンティブ改革や医療・介護関連情報の徹底した開示を通じた国民負担や地域間格差の見える化」が、鍵としている。

 その上で、7対1については、14年度診療報酬改定で要件が厳格化されたものの、その減少は緩やかだとし、病床転換を促すためには、その要件の一層の厳格化や報酬額の引き下げが必要としている。

 再編が議論されている療養病床については、「医療の必要度が高い患者に限定してくべき」と提案。それでも医療必要度が低い患者を受け入れる療養病床については、医療従事者の配置基準を緩和し、診療報酬を引き下げる必要があるとしている。また、一般病床におけるDPC制度の対象病院と治療範囲については、医療の効率化を推進するために拡大すべきとした。

■未妥結減算制度の徹底へ、遅延金措置導入も提言

 調剤報酬については、「門前薬局」などの報酬を適正化すべきと明示。「かかりつけ薬局」については、「マイナンバーの活用を念頭に、医師との役割分担や健康増進サービスにおいて果たすべき役割を明確化すべき」としている。さらに薬剤流通の適正化にむけて導入された未妥結減算制度の効果は、「不十分であり、更なる改善策が必要」とし、その改善のための対応策として、妥結せずに納品を求める調剤薬局や病院などには不払い期間の遅延金を課すなどの措置を講じるべきとしている。

■「7対1は深堀りが必要」―塩崎厚労相

 同会議で塩崎恭久厚生労働相は、「7対1病床については深堀りが必要と認識している」と述べた。療養病床についても同様の考えを示したほか、調剤薬局に関しては国民が納得する形で見える化に取り組むことを強調した。一方、16年度に予定される診療報酬改定については、「物価や賃金、経済状況を踏まえて議論したい」とした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47400.html
包括ケア病棟届け出、1300病院を突破- 亜急性期廃止後、800病院超の増加
2015年11月24日 16時00分 キャリアブレイン

 昨年春の診療報酬改定で創設された地域包括ケア病棟の届け出医療機関の数が、先月時点で1300病院を突破したことが、地域包括ケア病棟協会の調査で分かった。都道府県別では、福岡県が106病院とトップで、2位の大阪府と兵庫県を36病院も上回っている。包括ケア病棟は、昨年9月末に廃止となった亜急性期病棟の機能を引き継いでおり、同病棟の廃止から1年余りで、届け出数は800病院以上増えたことになる。【敦賀陽平】


 包括ケア病棟は、病棟ごとの「入院料」と病室単位の「入院医療管理料」でそれぞれ2段階に分かれているが、同協会が今月14日時点の地方厚生局のデータを分析した結果(一部を除き、先月時点の届け出分)、報酬が高い「入院料1」と「入院医療管理料1」を届け出ているのは全国で計1232病院、「入院料2」と「入院医療管理料2」は計85病院だった。

 全体の届け出数を都道府県別で見ると、福岡が106病院で最も多く、以下は大阪と兵庫(70病院)、東京(69病院)、熊本と北海道(52病院)、愛知(51病院)などの順。また病床規模別では、「100-199床」(612病院)がトップで、次いで「20-99床」(383病院)、「200-299床」(153病院)などと続いた。



http://jp.reuters.com/article/2015/11/24/shimon-kaigi-idJPKBN0TD0W820151124
診療報酬改定で歳出改革、後発医薬品半額以下に=諮問会議民間議員
Business | 2015年 11月 24日 18:51 JST ロイター

[東京 24日 ロイター] - 経済財政諮問会議の民間議員らは24日の同会議で、社会保障分野の歳出改革を大胆に推進するため、後発医薬品の価格を先発品の半額以下にすることや、医療の必要度が低い療養病床の診療報酬を引き下げるべき、などと提言した。

伊藤元重・東京大学大学院教授ら民間議員4人は、経済・財政再生計画初年度にあたる2016年度において、医療分野の歳出改革を大胆に推進すべきだとして、診療報酬改定などを通じたインセンティブ改革を提言。

薬価については、特許の切れた先発薬の価格も大胆に引き下げることや、湿布等市販品類似医薬品の保険収載から除外することも提言。

診療報酬本体については、入院患者7人に対して看護師1人を配置する手厚い病床に対して診療報酬が高めとなっているため、そうした病床削減のために、診療報酬を引き下げることも盛り込んだ。

調剤報酬は、院外処方が院内処方に比べて1.2─1.5倍の高値となっていることから、いわゆる門前薬局など調剤報酬を適正化することを求めた。

また、医療費適正化計画の前倒しも提言、全ての都道府県が地域医療構想と整合的な医療費適正化計画を策定する期限を、従来の2017年度末から1年前倒しすることを提言。レセプトやカルテも含めて標準化された医療データを整備し連携活用できるよう、18年度までの集中改革期間内に前倒しでデータ整備を行うべきだとした。

検討が必要な制度改革については、16年度末までに結論を得て、医療・介護に関する法改正事項は17年度通常国会への提出を期限とすべきとした。

(中川泉 編集:内田慎一)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015112402000123.html
「必要な医療」削減 懸念も 診療報酬改定 議論本格化
2015年11月24日 朝刊 東京新聞

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 医療や医薬品の価格の二〇一六年度改定に向けた話し合いが厚生労働省の審議会で本格化している。健康や家計に直結するだけに慎重な議論が欠かせない。今後の行方を探った。 (我那覇圭)

 Q 医療の価格は誰が決めるのか。
 A 政府だ。診察や手術などの治療、入院、医薬品など細かく分けて決める公定価格で、いわば医療の価格表だ。この価格に合わせて医療機関や薬局に支払われる医療費「診療報酬」が決まる。診療報酬は健康保険の保険料と税、患者の窓口負担で賄われる。
 Q 価格はいつ決まるの。
 A ほぼ二年ごとに改定され、一六年度は改定の年にあたる。一六年度予算編成で厚労相と財務相が話し合って決め、価格表は改定率が決まった後の来年二月ごろにまとめる。
 Q どうやって決めるのか。
 A まず一年に使うであろう医療費の総額を本年度より増やすか減らすかを政府が決める。この増減の割合を改定率という。医療費の総額に収まるように細かい価格を決める。政府は充実させたい医療の価格を高くして、取り組む医療機関を増やすなどしてコントロールする。
 Q 一六年度の改定率はどうなりそうなの。
 A 改定率を1%上げると医療費が約四千億円増える。前回の一四年度は0・1%アップだった。しかし、医療費は消費税を課税できないため、5%から8%への増税分は医療機関が負担する。その分を差し引くと、実質的にはマイナス1・26%だった。高齢化で今回も政府は医療費を減らしたい意向だ。
 Q 減った場合の影響は。
 A マイナスなら患者の窓口負担は減るが、必要な医療が確保できない懸念がある。
 Q 価格表の改定のポイントは。
 A 厚労省は十一月十九、二十日の審議会で基本方針の骨子案を示し、大筋で了承された。超高齢社会を乗り切るため、在宅医療を支えるかかりつけ医や薬剤師を増やす。医療機関の役割分担を進め、不必要な医療サービスは減らす。だが、必要な医療サービスまで削られる懸念がある。議論を注視する必要がある。




http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47404.html
心療内科標榜の精神科病院が増加- 厚労省調査、神経内科は減少
2015年11月24日 17時00分 キャリアブレイン

 心療内科を標榜する精神科病院が増えていることが、厚生労働省が公表した2014年の医療施設調査の概況で分かった。消化器外科や眼科、歯科といった診療科を標榜する精神科病院は減っており、精神医療に関連した診療科に軸足を移す動きが浮き彫りになった。【新井哉】


 調査によると、全国の精神科病院は前年比1施設増の1067施設。診療科目別(重複計上)では、精神科が最も多く、全施設で標榜していた。以下は内科(655施設)、心療内科(432施設)、神経内科(199施設)などの順。

 精神科病院の診療科目別の状況については、心療内科が前年比4.6%(19施設)増えた一方、神経内科は4.8%(10施設)減った。前年まで1施設あった消化器外科を標榜する精神科病院はゼロになったほか、眼科も4施設から2施設に半減した。

 心療内科は、病気を身体だけでなく、心理・社会面も含めて総合的に診る「心身医学」などを主に内科領域で実践する診療科。ストレスなどの心理・社会的因子が密接に関連する病態に対応しようと、この診療科を新設する動きが広がりつつある。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47396.html
医療法人の2割が赤字- 14年度決算、福祉医療機構が調査
2015年11月24日 11時00分 キャリアブレイン

 2014年度の医療法人の決算で、全体の約2割が赤字だったことが、福祉医療機構の調査で明らかになった。赤字法人は、前年度からの収益の伸びを示す医業収益増加率が低く、費用の増加を収益で補えていない状況にあることが浮き彫りになった。【松村秀士】


 同機構は、資金を貸し付けている医療法人の財務諸表を基に、14年度の経営状況について分析した。それによると、前年度からの財務諸表データがある1210法人のうち、約2割に当たる241法人が赤字に陥ったことが判明した。

 赤字法人の1法人当たりの医業収益は27億6974万円、医業費用は28億2905万円で、費用が収益を上回った。医業損益は5930万円の赤字となった。前年度に比べ、費用が伸びたのは、給食材料費(増加率6.1%)や人件費(同3.9%)、水道光熱費や業務委託費などの経費(同3.3%)、医療材料費(同2.3%)などだった。

 同機構は、費用が伸びた理由について、昨年4月からの消費税率引き上げの影響を挙げている。一方、費用の中で医療材料費の伸び率が小さかったことについては、「単価が低い後発品のシェアが拡大したことや、消費税率引き上げ前に材料を購入するなど、事前対策の結果と推察される」としている。

■設備投資していない赤字法人、「機能見直す必要がある」

 同機構は、前年度黒字だったが、14年度に赤字となった法人の経営状況についても分析。その結果、設備投資によって減価償却費用が増えたことで赤字になった法人は医業収益増加率が3.5%で、黒字法人の3.6%とほぼ同水準であることから、一時的に赤字に陥っている可能性があるとした。

 一方、設備投資を行っていないにもかかわらず赤字に陥った法人については、「設備投資が行えず、さらに収益が減少するという厳しい経営サイクルに陥っている」と推察。こうした負のスパイラルから脱却するためには、今後、自院などが提供する医療機能を見直す必要があるとした。

【訂正】
本文3パラ目「医療材料費(同1.7%)」を「医療材料費(同2.3%)」に訂正しました。



http://www.nikkei.com/article/DGXMZO93822420Q5A111C1000000/
遠隔診療、事実上解禁 「ソーシャルホスピタル」へ前進
2015/11/24 6:30 日経デジタルヘルス

 離れた場所にいる医師と患者を情報通信機器でつないで行う「遠隔診療」。これまでは「原則禁止」と認識され、活用が進んでこなかったが、その状況が変わりそうだ。きっかけは厚生労働省が出した1本の通達。政府が遠隔診療を推進することは、社会全体が医療の担い手となる「ソーシャルホスピタル」の実現とも深く関わる

 東京都心で働くビジネスパースンなどを対象に内科診療を行っているお茶の水内科 院長の五十嵐健祐氏は2015年夏のある日、医療関係の知人や法律の専門家と熱のこもった議論を交わしていた。

 テーマは、同年8月10日に厚生労働省(厚労省)が各都道府県知事宛てに出した1本の通達である。「臨床医の立場から、この通達をどう解釈したらよいか」─―。議論は長時間、尽きなかった。

■事実上の「解禁」

 議論の対象となった通達は、互いに離れた場所にいる医師と患者を情報通信機器でつないで行う診療、いわゆる「遠隔診療」に関するもの。同省が過去の通知で示した遠隔診療の適用範囲を、必要以上に狭く解釈しなくてよいことを強調する内容だった。

 これまで遠隔診療は、離島や僻(へき)地の患者を診察する場合など、対面診療が物理的に難しいケースを除いて「原則禁止」と捉える医療従事者が多かった。患者との対面診療を原則とする医師法第20条への抵触などを恐れてきたためだ。

 遠隔画像診断のように、医師同士をつなぐ「Doctor to Doctor(DtoD)」の領域では遠隔医療の活用が比較的進んでいるのに対し、「Doctor to Patient(DtoP)」の領域での活用が遅れてきた理由がここにある。

 今回の通達では、厚労省が遠隔診療を事実上解禁─―。関係者の多くがそう受け取った(図1)。心電や呼吸状態などを計測できるウエアラブルセンサーを手掛ける米Vital Connectの大川雅之氏(Vice President and General Manager, Japan)は、今回の通達は「遠隔診療に関心を持つ者にとっては大きなインパクトがあった」と話す。

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図1 潮目が変わる
 社会や医療現場からの要請(ニーズ)、それに応える技術(シーズ)の両面からも、遠隔診療の活用が期待される場面は確実に増えている。変わり始めた遠隔診療の潮目。それを読み解く上で、まずは今回の通達の中身を見ていこう。

■事前の対面診療は前提にあらず

 厚労省が8月10日に出した通達は、同省が1997年(平成9年)に出し、2003年と2011年にその一部を改正した「平成9年遠隔診療通知」をベースとするものである。

 平成9年の通知で厚労省は、遠隔診療に対する「基本的考え方」を示した。診療は医師と患者が「直接対面して行われることが基本であり、遠隔診療はあくまで直接の対面診療を補完するものとして行うべき」というものだ。医師法第20条を踏まえた内容である。

 ただし、直接の対面診療と「同等ではないにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではない」と注釈をつけた。そしていくつかの「留意事項」を示し、遠隔診療の適用が認められる場面を具体的に挙げた。

 例えば、「在宅糖尿病患者」を対象に、「テレビ電話等情報通信機器を通して、血糖値等の観察を行い、糖尿病の療養上必要な継続的助言・指導を行うこと」といった内容である。

 この通知を多くの医療従事者は、遠隔診療はあくまでも「原則禁止」であり、厚労省が挙げた事例でのみ例外的に許されると解釈してきた。厚労省の事例をいわば“ホワイトリスト”と見なしてきた。

 これに対し今回の通達では、平成9年遠隔診療通知の「基本的考え方」や「留意事項」で挙げた事例を必要以上に狭く解釈しなくても良いことを強調した。明確化したのは次の3点だ(図2)。

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 第1に、平成9年遠隔診療通知の留意事項において、「直接の対面診療を行うことが困難である場合」として「離島、へき地の患者」を挙げたが、これは「例示」だとした。すなわち、遠隔診療の対象を離島やへき地の患者に限る必要がないことを明確にした。

 第2に、平成9年遠隔診療通知の留意事項において、遠隔診療の対象と内容を「別表」で示したが、これは「例示」だとした。すなわち、別表に示した対象(在宅糖尿病患者など9種類)以外の疾患も遠隔診療の対象になること、および別表に示した内容以外の診療も許されることを明確にした。

 第3に、平成9年遠隔診療通知では「診療は医師または歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本」としていたが、今回は「患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこととされており、直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではない」とした。すなわち、直接の対面診療を事前に行うことが必ずしも遠隔診療の前提条件ではないことを明確にした。

■積極推進に転じた政府

 今回の通達の背景には、遠隔診療をめぐる方針を政府がここにきて大きく転換したことがある。参議院議員の秋野公造氏(長崎大学 客員教授)は2015年10月9~10日に仙台市で開催された「第19回 日本遠隔医療学会学術大会(JTTA 2015)」(主催:日本遠隔医療学会)で講演し、その経緯に触れた。同氏は医学博士でもあり、遠隔診療を含む医療政策に関して積極的な提言を行っている。

 秋野氏が触れたのは、2015年6月30日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」、いわゆる「骨太の方針2015」に、遠隔診療を含む「遠隔医療の推進」が盛り込まれたことだ。

 同方針には遠隔医療という言葉が2カ所に現れ、このうち「医療等分野のICT化の推進等」の項目ではその冒頭で「医療資源を効果的・効率的に活用するための遠隔医療の推進」がうたわれた。遠隔医療の推進が骨太の方針に明記されたのはこれが初めてだ。

 さらに、骨太の方針の具体的な実施策を示すものとして同じ日に閣議決定された「規制改革実施計画」でも、健康・医療分野に「遠隔モニタリングの推進」という項目が新たに設けられた。推進すべき事項として「有用な遠隔モニタリング技術の評価」「遠隔診療の取扱いの明確化」「遠隔診療推進のための仕組みの構築」を明記するなど、遠隔診療に関してこれまでになく「踏み込んだ表現がなされた」(秋野氏)。

 こうした政府方針にもかかわらず、過去の通知の“分かりにくさ”が遠隔診療の普及を妨げかねない─―。そう判断した厚労省が6月30日の閣議決定から間もなく出したのが、今回の通達というわけだ。遠隔診療を「止めて(禁じて)はいないのにうまくいかない」(日本遠隔医療学会 常務理事の長谷川高志氏)という、これまでの状況を打破する狙いがある。

 ただし、今回の通達だけで遠隔診療の活用が一挙に広がると見る向きは少ない。診療報酬(保険点数)制度が遠隔診療の利用を前提とした形では整備されておらず、医療機関にとっては遠隔診療を導入するメリットがまだ薄いからだ。今後、遠隔診療の推進という政府方針が診療報酬改定にどう反映されるか、多くの関係者が注目している。

■「ソーシャルホスピタル」実現にも関わる

 病気になってからの診断・治療から、未病段階での健康管理や重症化予防へ。病院でのケアから、地域や街、家庭といった日常生活の中でのケアへ―─。政府が打ち出した遠隔診療の推進はこうした、社会全体が医療の担い手となる「ソーシャルホスピタル」の実現に向けた医療のパラダイムシフトと深く関わっている。「医療資源を効果的・効率的に活用」し、医療費を削減するための仕組みづくりに、遠隔診療が重要な役割を果たすと期待されているのだ。

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日経デジタルヘルスが提唱するソーシャルホスピタルの概念図(イラスト:楠本礼子)
 例えば、高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で生活を続けられるようにする地域包括ケアシステム。その推進は遠隔診療の推進にも「大きく影響する」(日本遠隔医療学会の長谷川氏)。離れた場所にいる医師と患者をつなぐ遠隔診療のニーズは、在宅中心のケアにおいてより高まるからだ。

 医療情報の専門家で遠隔医療への造詣も深い京都大学 教授/医学部附属病院 医療情報企画部長の黒田知宏氏はより広い視点から、遠隔診療の必要性を説く。対面診療が必ずしも必要ないと判断される患者に通院を強いることは「社会全体の労働力、すなわち生産性を低下させる」(黒田氏)。同氏は医療側のリソース確保の面からも、遠隔診療は有効とみる。

 臨床の現場に立つ医師からも遠隔診療の活用を望む声は強い。お茶の水内科の五十嵐氏もそうした医師の1人。同氏が遠隔診療の活用を訴えるのは、高血圧症やメタボリックシンドロームなど、重大な疾患につながる生活習慣病はできる限り「上流(早期)で食い止めることが大切」(五十嵐氏)だからだ。

■時間的制約からも解放される

 五十嵐氏のもとを訪れる患者には多忙なビジネスパースンも多く「通院する時間を持てないばかりに、治療を中断してしまう」(同氏)。結果として、薬の内服を続けさえすれば良好な状態を保てる症例でも、重症化してしまうケースがしばしばあるという。

 離島やへき地の患者のように物理的制約があるわけではないものの、こうして時間的な制約から孤立してしまう患者が都心部には多い。遠隔診療はそうした患者に手を差し伸べる手段ともなる。

■新たなエビデンス生む

 診断のエビデンスの観点からも、遠隔診療には追い風が吹き始めている。例えば、日本高血圧学会(JSH)が2014年4月に発行した「高血圧治療ガイドライン2014」(JSH2014)。医療機関で測る「診療室血圧」と家庭で測る「家庭血圧」の診断が異なる場合、家庭血圧を優先するとの内容が初めて盛り込まれた。

 病院で測る値に比べて「遠隔でモニタリングした値は“精度が落ちる”のが常識だったが、むしろ(診断材料としての)精度は高い可能性がある」(五十嵐氏)。それにお墨付きを与えた事例の1つが、同ガイドラインというわけだ。

 このほか、政府による規制改革実施計画の「有用な遠隔モニタリング技術の評価」の項目でも、睡眠時無呼吸症候群に対する治療法(CPAP療法)の遠隔モニタリングの評価を検討するとの内容が盛り込まれた。社会問題化している睡眠時無呼吸症候群についても、診断や治療方針に関する新たなエビデンスを遠隔モニタリングが生みだす可能性がある。

 現在、日常のバイタルデータに基づく予防医療的な行為には基本的に保険点数が付かない。遠隔モニタリングが生む新たなエビデンスが、その状況を変える起爆剤になると期待されている。

■遠隔診療をカジュアルに

 遠隔診療の実現手段(ツール)にも、ここ数年で劇的な変化が起こった。スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器が急速に普及し、ウエアラブル端末なども相次ぎ登場していることだ。

 これらのデバイスを使って、離れた場所にいる医師と患者が、患者の情報を手軽に共有できるようになった。クラウドコンピューティングや人工知能など、日常のデータを収集し解析するための情報基盤も飛躍的な進化を遂げている。

 大がかりで高価な専用のテレビ会議システムで遠隔地をつなぐ従来の遠隔診療から、身近な機器を使った“カジュアル”な遠隔診療へ。ツールの進化は、遠隔診療の姿を大きく変えようとしている。既に保険適用外の領域では、モバイル機器を使った遠隔でのモニタリングツールや健康相談サービスが相次ぎ登場している。

 スマートフォンを使って、健康に関する心配ごとを遠隔地にいる医師に気軽に相談できる─―。「ポケットドクター」と呼ぶそんなサービスを2015年12月にも始めるのが、MRTとオプティムである。

 ポケットドクターでは、利用者がスマートフォンで相談内容を登録。あらかじめサービスにエントリーした複数の医師がそれを見て、自らが答えようと思った相談に対して休憩時間などに専用アプリから回答する仕組みだ。相談に当たっては、スマートフォンのカメラを使って患部の状況や顔色を伝え、より正確なアドバイスを受けられるようにする。

 「コンビニに行くような感覚で手軽に健康相談ができる環境を作りたい」。MRT 代表取締役社長の馬場稔正氏はサービスの狙いをこう話す。ゆくゆくは、患者側が医師を指定して行うセカンドオピニオンや、自治体向けのへき地医療など、ポケットドクターのインフラを使ったさまざまなサービスを検討していくという。

 保険の一部適用を前提とした遠隔診療サービスもいよいよ立ち上がる。メディア事業などを手掛けるポートが、お茶の水内科の五十嵐氏らと共同開発した「ポートメディカル」がそれだ。スマートフォンなどを介し、遠隔で医師と患者をつなぎ、診断、処方、医薬品の配送までを実現する日本初のサービスとなる。

■メンタルヘルスと高い親和性

 ウエアラブル端末も今後、遠隔診療において大きな役割を果たしそうだ。注目される領域の1つが、まだ「有効なバイオマーカーが存在しない」(Vital Connectの大川氏)というメンタルヘルスの領域である。

 Vital Connectは同社のバイタルセンサーを使い、睡眠中の心拍やその変動、体動を測ることで「うつ病などの精神疾患に特有のパターンを抽出できるのではないか」(大川氏)とみる。今後、大学の研究者やアプリ開発者などと研究を進めていく。

 企業による従業員の「ストレスチェック」が2015年12月に義務化されるなどの動きもあり、メンタルヘルスに注目するプレーヤーは多い。例えば、ウェブ/テレビ会議向けクラウドサービス大手のブイキューブとエムスリーの合弁会社であるエムキューブも2016年度をめどに、メンタルヘルスの領域で医師と患者を直接つなぐコミュニケーションシステムを開発する狙いである。

(日経デジタルヘルス 大下淳一)

[『日経デジタルヘルス特別編集版2015秋』の記事を再構成]

[参考]日経BP社は2015年12月9日、「どうなる?遠隔診療」と題したセミナーを開催する。厚生労働省が遠隔診療の適用範囲について、より広い解釈を明確にする通達を出したことを受け、遠隔診療にかかわる医療関係者や産業界のプレーヤーを招き、遠隔診療の動向とそれが生み出す新たな市場機会を展望する。詳細は、http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/seminar/15/102100041/



http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20151124-OYTNT50057.html
県立大槌病院 休日・夜間急患受け入れず
2015年11月25日 読売新聞

 東日本大震災で被災し、来年度の開院に向けて再建中の県立大槌病院(大槌町)が、震災前に行っていた休日・夜間の救急患者の受け入れを行わないことがわかった。医師不足が理由で、平日の日中のみ受け入れる。病院側が24日、住民代表らでつくる釜石地域県立病院運営協議会で明らかにした。


 新病院は内陸部の寺野地区に建設される。鉄筋コンクリート3階で、2階が外来、3階が病棟。現在は仮設で診療をしているが、震災後初めて入院患者の受け入れを再開する。ベッド数は震災前よりも10床少ない50床となる。

 震災前は救急患者を24時間受け入れていたが、常勤医師が5人と少ないため、受け入れを平日午前8時半~午後5時15分に限定する。休日・夜間の救急患者は、県立釜石病院が受け入れる。

 診療科は6科(内科、外科、整形外科、皮膚科、眼科、リハビリテーション科)で、実質休診中の産婦人科はなくなる。開院は来年の夏前を目指すという。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52384/Default.aspx
政府 16年4月の薬価・診療報酬改定「本体マイナス」で調整スタート
公開日時 2015/11/25 03:51 ミクスOnline

政府は2016年4月実施の薬価・診療報酬改定について、本体マイナスとする方向で調整に入った。次期改定の焦点となる改定率について財務省は、16年度予算概算要求時点の社会保障費の伸び6700億円を5000億円弱にまで抑制する方針を示している。これまで5000億円程度としていたが、一歩切り込んだ形で、差額分である1700億円超を薬価の引き下げや診療報酬改定以外に、調剤報酬の抜本的見直しや、後発医薬品の価格引き下げなどで賄う方針。ただ、マイナス改定には日本医師会など診療側の強い反発が予測され、改定率をめぐる議論は与党自民党などを巻き込んで12月中下旬に予定される16年度予算案の財務省原案内示までもつれ込む可能性が高い。

11月24日に開かれた経済財政諮問会議では、“マイナス改定”を求める声がついだ。同日、麻生太郎財務相に手渡された財務省の財政制度等審議会の「2016年度予算の編成等に関する建議」、諮問会議の民間議員はともに、患者負担や保険料が増加する中で、物価・賃金が減少傾向を示す中で、診療報酬本体の引き下げを主張した。

◎諮問会議 民間議員は後発医薬品半額以下への引き下げ求める

諮問会議の民間議員は、診療報酬本体について、▽高度急性期、急性期病床からの転換をうながすために、看護配置7対1の急性期病床の要件厳格化、診療報酬引き下げ、▽医療必要度の低い療養病床は、医療従事者の配置を緩和し、診療報酬引き下げ、▽DPC(包括払い)適用の病院、治療範囲拡大——を求めた。さらに、調剤報酬については、院外処方が院内処方の1.2〜1.5倍の高値であることから、患者本位の価値に見合った報酬とするために、いわゆる門前薬局などの調剤報酬の適正化を求めた。かかりつけ薬局については、医師との役割分担や健康増進サービスにおいて果たすべき役割を明確化することを求めた。

薬価については、後発医薬品の価格を先発医薬品の半額以下に引き下げることを求め、特許の切れた先発医薬品の価値も大胆に引き下げるべきとした。そのほか、▽湿布などの市販品類似薬の保険除外、▽薬剤流通の適正化に向け、未妥結減算の改善、▽市場実勢価格を踏まえた薬価改定の実施——を求めた。

◎財政審・建議 薬価調査2016年中に実施を 調剤報酬は抜本的、ゼロベースで見直し

財政審の建議では、「持続可能性を確保するための制度の見直しが急務」と指摘し、診療報酬のマイナス改定や診療報酬関連の制度改革を行うことを提案した。
薬価については、継続的なマイナス改定が行われているが、市場実勢価格を反映しているに過ぎないと指摘。「診療報酬本体の財源にはなりえない」とした。2017年4月に予定される消費税増税を見据え国民の負担が増加しないよう、2016年中に薬価調査を実施し、直近の市場実勢価格を反映することを必須とした。この薬価調査の実施は遅くとも16年央までに決定すべきとした。薬価調査に基づく2016、17、18年度の3年連続薬価改定を求めた格好だが、その後の頻度については18年度までの改定実績、17年中に行われる薬価調査の結果を踏まえ、遅くとも18年央を目途に結論を得るべきとした。新薬創出加算については仮に本格導入を検討するのであれば、費用対効果評価の本格実施を前提とした上で、真に有用な新薬などを評価する枠組みとして重点化すべきとした。

後発医薬品の使用促進については、一定の期間を経ても後発医薬品へ置き換えが図られていない場合の特例引き下げ措置(いわゆる、Z2)は、新目標を踏まえた置換率の閾値の見直しや引き下げ率の拡大を図るべきとした。

調剤報酬については、「診療報酬本体とは別に、ゼロベースかつ抜本的かつ構造的な見直しが必要」と指摘。全体的な水準の引き下げを図りつつ、新にかかりつけ薬局の機能を果たす保険薬局については手厚い配分を行うことも提案した。

調剤基本料は、大型門前薬局を念頭に、集中率や処方箋枚数を基準に低い点数が設定されているが、この対象拡充や点数の引下げを図るべきとした。基準調剤加算も、集中率要件の大幅な引下げ、備蓄数の引き上げなどの算定要件の厳格化、24時間対応を実績評価などの見直しが必要とした。また、後発医薬品の取り組みが不十分な保険薬局については、原産措置の導入を図ることが適当とした。

調剤料については、全体の水準を半分程度に引き下げつつ、投与日数に応じた点数の増加をなだらかにすることを求め、段階的に院内処方と同様に投与日数や剤型にかかわらず定額とすべきとした。一包化加算についても点数を大幅に引き下げるとともに、投与日数に連動した点数配分の廃止を求めた。
一方で、かかりつけ機能を評価する薬学管理料については、服薬指導の意義、患者にとっての利点、これまでの管理指導による具体的な成果を分析し、要件を厳格化した上で、真に効果的に継続的、かつ一元的な管理指導を行っている薬局に限り、高い点数配分を行うことを求めた。
そのほか、かかりつけ医普及の観点から地域包括診療用の必要な要件緩和を行うことなどが盛り込まれた。

  1. 2015/11/25(水) 05:50:34|
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11月23日 

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-176413.html
<社説>産科が減少 安心して出産できる環境を
2015年11月23日 06:01 琉球新報

 産婦人科や産科を掲げている全国の病院が昨年10月時点で1361施設で前年比14施設減となり、現在の形で統計を取り始めた1972年以降、過去最少となった。24年連続で減少している。県内は産婦人科16施設、産科5施設の計21施設だった。本島北部では恒常的な医師不足が続いており、県内の医師確保も重要な課題だ。

 調査をした厚生労働省は減少理由について「少子化による出生数の減少や夜間・休日対応が多いなど厳しい勤務環境による産婦人科医の不足が背景にある」と分析している。
 県内では医師不足を理由に、県立北部病院の産婦人科ではことし9月まで医師2人体制での診療制限が続いていた。10月に新たに医師2人が赴任したことで約10年ぶりに定数4人体制に戻った。
 2005~07年は医師不足で休診に追い込まれ、08年以降は派遣医師などで一時的に4人だった時期もあるが、短期間で定数割れに戻っていた。北部では年間約千人の出産がある。12年度は県立中部病院への搬送が93件に上った。緊急を要する事態に陥った場合、北部地域から中部病院まで搬送されるのは妊婦にとって大きな負担だ。今後は医師4人の現行体制を何とか維持してほしい。
 県内の医師不足解消のため、県は本年度から保健医療政策課に医師確保対策班を設置した。14年度には北部・離島地区の医師不足解消のため20億円の基金を創設した。北部・離島で産婦人科医が開業する際には助成するなどの施策を展開している。今後も効果的な医師確保対策を進めてほしい。
 一方、日本産婦人科医会などの14年の試算では10年後の24年には26府県で産科医の人数が減少するという。一方で沖縄県は8・8%増加するとの予測になっている。いずれにしても地域にとって必要な医師の数を確保する必要がある。
 第3次安倍改造内閣は看板政策「1億総活躍社会」で、20年代半ばに出生率を1・8に回復させる目標を掲げた。若い世代の理想とする子ども数が実現した場合の「希望出生率」だ。14年は1・42だった。産み育てたいという意識が高まらなければ目標達成は到底実現できないだろう。
 少子化を食い止めるのには産婦人科の医師と施設を十分に確保することは不可欠だ。女性が安心して子どもを産める環境を整える施策を進める必要がある。



https://www.circl.jp/2015/11/23/6988/
やはり日本の公的医療制度は世界一!? 世界各国の医療保険の仕組み比較
WRITER: Hashimoto.M
CIRCL(サークル) 2015/11/23

 「アメリカで盲腸の手術をしたら300万円もかかってしまった……」
 こんな話を聞くと「日本でよかった」と思うけれど、これは本当の話だろうか? この背景には、各国で異なる医療保険の仕組みがある。では、日本の医療保険は、国際的に見るとどのような特徴があるのだろう。

「病院を選べない」「医療費が無料」――各国で異なる医療保険制度

 体調を崩して病院を受診するとき、かかりつけ医や評判の良さなど、その時の状況に応じて、私たちは自由に病院を選択できる。また、一定の自己負担率(2〜3割が一般的)の診察料金を支払うことで、適切な医療を受けられる。
 しかし、医療保険の仕組みは国によって異なり、受けたい医療機関を自由に選ぶという、私たちが当たり前のように行っていることができない国もある。医療費が無料の国や、逆に、場合によってはとても高額になることもあるのだ。
 アメリカへの旅行や出張で体調を崩して現地で医療を受けたときに、日本で同じ治療をした場合に比べて10倍も治療費がかかったなんて話もある。だが、日本とアメリカでは医療保険の仕組みが異なるので、このようなケースも起こり得るのである。

世界の医療保険制度は大きく3つのタイプがある

 世界各国の公的医療保険制度は大きく3つに分けることができるが、ポイントとしては2点。
・お金はどこから支払われるか(財源はどこか)
・医療サービスの提供者は誰か
という点だ。
 以下に3タイプを紹介するが、実際にはこれらがミックスされ、各国の医療保険制度が成り立っている。

1. 社会保険モデル:少ない自己負担、自由に選べる医療機関

 日本の健康保険はこのモデルだ。ほかにも、ドイツ、フランス、オランダなどヨーロッパ諸国で多く採用されている。
 国により制度が多少異なるが、基本的に国民は少ない自己負担で医療を受けられる。また、患者が受けたい医療機関を自由に選択することができる場合が多い。
 財源は社会保険で、医療サービスの提供者は公的機関と民間機関が混在する。

2. 国営医療モデル:無料の医療費、しかし受けたい医療機関は選べない

 イギリス、カナダ、スウェーデンなどが採用するモデルである。全ての国民は基本的に無料で医療を受けることができる。
 しかし、地域ごとに定められた診療所を受診する必要があり、患者が受けたい医療機関を自由に選択することはできない。
 財源は税金で、医療サービスの提供者は公的機関が中心である。

3. 市場モデル:未加入者は高額負担を強いられるケースも

 アメリカで採用されているモデルであり、ほかの先進国とは大きく異なる。高齢者や障害者など一部の人たちを除いて、公的医療保険制度はなく、一般的な現役世代では、自己負担で民間医療保険に加入する必要がある。
 しかし、アメリカでは無保険の人口が約14−15%にも上るとされている。これら保険に加入していない人が医療機関を受診した場合には、多額の費用負担がかかることになる。
 財源は民間保険で、医療サービスの提供者も民間機関が中心である。

日本の公的医療制度は世界一? 民間の医療保険は必要か

 日本の公的医療保険制度は国際的に高く評価されており、私たちは恵まれた環境にあるといえる。それでは、民間の医療保険は必要ないのだろうか?
 例えば、入院や治療が長引けば、費用が高額になることも考えられる。また、先進的な医療サービスは、公的医療保険の保障対象外となる場合もある。そんなとき、民間の医療保険に加入していれば、その分を賄えることもある。
 自分が将来病気になった際に、どんな医療を受けたいか、そんな視点から保険について今一度考えて見る機会を持つのも良いかもしれない。

参考:厚生労働省ホームページ/医療保障制度に関する国際関係資料について http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken11/
 Lify.jp(ライフィ) http://lify.jp/contents/health/index.php?p_no=0002



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0033214.html
【社説】 道立病院の経営 住民の健康守る視点で
11/23 08:55 北海道新聞

 道は赤字経営が続く道立6病院の立て直しに向けて、給与や人事の権限を持った病院事業管理者を2017年度に新設する方針を固めた。経営判断を早めて収支改善を図るのが目的だ。

 6病院は地域医療や専門医療の中核となっている。さらに経営が悪化すれば、道民への医療サービスが低下しかねない。再建に向けた動きは歓迎だ。

 しかし、収支ばかりに目が向き、過度に効率を追求すれば、不採算医療の切り捨てなどを招く。経営改善で忘れてならないのは、住民の健康を守る視点である。

 道立病院は江差(檜山管内江差町)、羽幌(留萌管内羽幌町)、緑ケ丘(十勝管内音更町)、向陽ケ丘(網走市)、北見(北見市)、子ども総合医療・療育センター(札幌市手稲区)の六つだ。

 過疎地の医療を支え、精神医療や高度な小児医療など民間の参入が少ない不採算医療を担っている。維持を求める声は根強い。

 道はこれまでに、道立病院全体の収支改善に向け、11年に紋別をオホーツク管内の一部事務組合に移管し、14年に苫小牧を廃止するなどの措置を講じてきた。

 ただ、赤字体質の改善にまでは至らず、累積赤字は522億円に上る。解消は急務だ。

 知事が持つ職員の採用や異動、給与の決定権を、新設する事業管理者に移せば、迅速で自由な判断ができるようになる。

 たとえば、人材確保に向けた職員の待遇改善や、診療報酬が多く配分される医療への重点的な人材配置などだ。

 道はこうした取り組みに期待をかける。先例があるからだ。

 事業管理者の新設には、病院事業を地方公営企業法の「財務など一部適用」から「全部適用」に変更する条例改正が必要だ。

 道によると、病院事業を「全部適用」としている都道府県は24県で、道内では札幌、旭川、函館の市立病院などが移行している。収支が改善した例は多い。

 心配なのは、道の関与が弱まり、効率を重視する企業的な運営が行き過ぎると、患者が置き去りにされかねないことだ。患者への負担増や職員削減となれば、本来の目的から大きく外れる。

 あくまでも公立病院であることを忘れてはならない。

 北海道は人口減少や高齢化が進んでいる。対策の一つのカギは地域に安心して暮らせることだ。道立病院を含めた地域医療体制の整備が欠かせない。



http://www.sankeibiz.jp/business/news/151124/bsk1511240032006-n1.htmv
【ファイザー合併】「バイアグラ」巨大化で日本の製薬会社、劣勢に
2015.11.24 00:32 産経ニュース

 米製薬大手ファイザーがアイルランドの同業大手アラガンを事実上買収する方向となり、米欧製薬大手の巨大化が一段と加速する見通し。規模で見劣りする日本の製薬会社が米欧勢との競争に立ち向かうのは一段と困難になり、経営戦略の練り直しを迫られそうだ。

 製薬業界は「規模の経済」が働きやすく、医師が処方する医療用医薬品を収益の柱とする米欧大手は同業他社との合併・買収(M&A)に積極的だ。

 新薬は特許切れになるとジェネリック医薬品(後発薬)に市場を奪われるため、競争力のある製品を投入し続けていけるかどうかが収益力を左右。ファイザーとアラガンの年間売上高を合算すると600億ドル(約7兆4千億円)を超え、スイスのノバルティスの売上高も約580億ドル(昨年12月期)に上る。

 これに対し、国内最大手である武田薬品工業の今年3月期の売上高は1兆7778億円にとどまり、日本勢の生き残りは難しさを増している。(共同)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H7Q_T21C15A1FFB000/
米ファイザー、成長M&A頼み アラガンを事実上買収
2015/11/23 23:20 (2015/11/24 0:15更新) 日本経済新聞

 【ニューヨーク=高橋里奈】米製薬大手のファイザーによるアイルランドの同業アラガンの事実上の買収は、自前での規模拡大が望みにくくなった環境の変化が背景にある。各社は主力品の特許切れが相次ぎ、後発医薬品メーカーとの競合も激化している。M&A(合併・買収)により新薬候補獲得を含めて製品ラインアップを拡充して局面の打開を図る。今回の買収のもう一つの目的とされる租税回避を巡っては米当局が規制強化に動く中で強行突破を図る格好だ。
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 両社の発表によると、アラガン株の評価額は363.63ドルと10月28日の株価に比べ約3割上乗せした水準。アラガン株主は1株につき新会社の株式11.3株を、ファイザー株主は同1株を受け取る。買収は2016年下半期に完了する予定。新会社の最高経営責任者(CEO)にはファイザーのイアン・リードCEOが就き、社長にはアラガンのブレント・サンダースCEOが就任するとしている。

 ファイザーはこれまでもM&Aで事業成長の壁を切り抜けてきた。2000年のワーナー・ランバート、03年のファルマシア、09年のワイスと大型M&Aを繰り返した。今年9月には後発医薬品7位の米ホスピーラの買収を完了した。収益を支えてきた高脂血症治療薬「リピトール」も元はワーナーの開発品だ。この手法は「ファイザーモデル」と呼ばれてきた。

 ファイザーの医療用医薬品の売上高はリピトールの特許切れが始まった11年と比べ100億ドル以上減り、14年にはノバルティス(スイス)に業界首位を奪われた。自社の有望な新事業が少ない中、世界各地に抱える営業部門を支えるためにも規模拡大を追わざるを得ない。今回もM&A頼みで首位に再浮上する。アラガンも米アクタビスが旧アラガンを買収し15年に社名を変更した。

 もう一つの狙いは租税回避だ。形式上は規模の小さいアラガンがファイザーを買収する格好をとる。本拠を法人税率が35%と先進国で最高水準の米国から12.5%のアイルランドに移すことで節税を図る。ファイザーのリードCEOもかねて税率が高い米国から国外に本社を移し、合法的に租税回避を実現する狙いを示唆してきた。

 製薬業界では、カナダのバリアントが米サリックス・ファーマシューティカルズを111億ドルで買収するなど大型のM&Aが相次いでいる。調査会社ディールロジックによると世界の製薬業界のM&A総額は15年に3千億ドル近くに達し、過去最高を更新する勢いだ。

 米調査会社IMSヘルスによると、世界の医薬品市場は20年に1兆4千億ドルと現状から約3割拡大する見通し。日米欧など先進国と新興国の格差が縮まり、中国、インド、ブラジル、インドネシアなどの需要の伸びが支える。同時に、ファイザーなど欧米製薬大手が収益源としてきた米国では後発薬が3割以上増える見込みで、各社は収益モデルの転換を迫られる。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52378/Default.aspx
中医協・費用対効果評価専門部会 1,2回改定経た製品が対象 業界側は原価計算方式には反対
2015/11/24 03:50 ミクスOnline

中医協費用対効果評価専門部会は11月20日開かれ、費用対効果評価の試行的導入に向けて対象品目など骨子が示された。この日厚労省が提示した案では、対象品目の要件として、保険収載後1、2回の改定を経た予想ピーク時売上高の高い医薬品で、有用性加算など一定の補正加算のある類似薬効比較方式、もしくは原価計算方式で算定することをあげた。指定難病、血友病、HIV感染症など治療法が十分に存在しない医薬品や、未承認薬等検討会議及びニーズ検討会からの開発要請品目、公募品目は除外する。これに対し、専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「(比較薬を置くことの難しい)原価計算方式で算定された新薬を対象にするのは困難ではないか」との考えを示した。対象品目は今年度内に決定する方針。


厚労省は、対象品目について、算定方式や加算の有無、売上高、対象年度を軸に案を提示した。加茂谷委員は、原価計算方式の医薬品は、適切な類似薬がないために原価計算方式で算定されていると説明し、「比較薬の存在しない新薬を対象に、何ならかの比較対象を置いて費用対効果評価を行い、仮に薬価が引き下がるような状態になれば、現行の原価計算方式そのものを否定する」と指摘した。これに対し、厚労省保険局医療課の眞鍋馨企画官は、中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドラインを引き合いに、「比較対象は無治療や経過観察を用いることもされており、直ちに対象にならないとの考え方はしていない」と説明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/374589?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151123&dcf_doctor=true&mc.l=132263646
「慈恵医大は偏差値56から72へ上昇」、2016年度医学部入試動向◆Vol.2
プレジデントFamily編集長・中村亮氏インタビュー
2015年11月23日 (月)配信 聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

――大学の難易度はどのように変化していますか?
 国公立前期では1位が東大(偏差値79)、2位:京大(77)、3位:大阪大(73)、4位:東京医科歯科大(71)、5位:名古屋大、九州大(70)となっており、以前からそれほど変化はありません(駿台予備学校のデータ、以下同)。一方で、私立大は軒並み偏差値が上昇しています。1位が慶応大(77)、2位:東京慈恵会医科大学(72)、3位:防衛医科大(71)、4位:自治医科大、順天堂大、大阪医科大(69)となっています。

 都市部の大学ほど高難易度の傾向がありますが、これも都市部の生徒の「地元志向」の表われという面もあります。

 偏差値の推移を見ると、東京慈恵会医科大学は1990年の偏差値56から72(※同じく、駿台予備学校の数値だが、対象とする模試が違うため数値に若干のずれが生じている)に、順天堂大も同55から68、杏林大、愛知医科医大が48から61へと大幅に上昇しています。私大最難関の慶応大も70から76にさらに難化しています。2000年代になって学費を下げた順天堂大、昭和大、帝京大などは受験者数も大幅に増えました。大学間の競争も激化しており、受験者は増えても各学校はいかに良い生徒を確保するかに力を入れています。

――「地域枠」も増えていますね。
 一般入試より倍率が低くなることもあり、条件に合う受験生にとっては狙い目です。筑波大の2015年度では一般入試の4.5倍に対して、地域枠は1.9倍でした。札幌医科大では定員110人に対して、地域枠は55人と半数を占めます。大学のある県以外の学生を受け入れる枠もあり、鳥取大では鳥取県枠のほか、兵庫県枠、島根県枠、山口県枠があります。

 地方だけでなく、首都圏でも私立大学を中心に杏林大、順天堂大、東京慈恵会医科大学などに東京都枠、北里大学には山梨県枠、茨城県枠、相模原市枠があります。

――2016年には37年ぶりの医学部新設となる東北医科薬科大医学部ができます。
 東北地方の私立大は岩手医科大のみということもあり、関心は高いようです。定員100人のうち、半数以上に奨学金が貸与されます。一般枠では自己負担が3400万円ですが、奨学金の枠によっては国立並みの400万円程度で済む場合もあり、人気が出そうです。

――m3.comの医師会員には子弟を医学部に入れたいとお考えの人も多いです。保護者としてどのように向き合うべきでしょうか。


 お医者さんの方にとっては、医学部受験はかつてご自分が挑んだ道ですが、当時の常識が通用しない面もあります。特に、私大も総じて難易度 が高騰しているため、国公立、私立を問わず、早めの準備をされることをお勧めします。実際、お医者さんに子育てについて尋ねたアンケートでは、「数遊びに親しんでいた」「身近に図鑑や科学の本を置いていた」など、理系の素養を自然を身に付ける家庭の工夫をしている方が多かったです。

 また、現実問題としては学校選びも重要になっています。小学生のお子さんをお持ちの場合は、医学部への進学実績の高い中高一貫校を目指すための中学受験を検討するのもいいかもしれません。受験生のお子さんをお持ちの場合は、各大学の入試制度がとにかく煩雑なことに注意してください。同じ大学でも、受験科目や方式が複数あるのが当たり前。子供の得意科目や学力に合わせて選択できないと、思わぬ不利な戦いとなることもあります。学校の進路指導担当の先生でも、国公立と私立合わせて80校の制度を把握するのは難しいのが現実です。その意味では、親の情報力が問われます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/377342
“医師有罪”でも続く、造影剤の誤投与事故
医療の質・安全学会、大磯浜松医大教授

2015年11月23日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 11月22日、千葉県で開催された第10回医療の質・安全学会学術集会のシンポジウム「最近の医療事故から薬剤に関する医療安全を考える」で、浜松医科大学医学部法学教授の大磯義一郎氏は、国立国際医療研究センター病院をはじめ、ウログラフインなどの脊髄腔への誤投与事故に関する分析結果を紹介。


 報道などで調べた結果、脊髄腔への誤投与事故で刑事事件化し、医療者が有罪になった事例はこれまでに7件あるが、繰り返し同様の事故が起きており、その当事者は経験が浅い若い医師が多いという。大磯氏は、医師の刑事責任を問うことが、事故の再発防止にはつながらないと指摘。

 10月から医療事故調査制度がスタートしたが、大磯氏は、事故調査報告書にも、警鐘を鳴らした。「人が間違えたから、事故は起きる。気合いを入れたら、事故は起きないというのが、裁判官の論理」。こう指摘する大磯氏は、事故原因を人的要因に帰着させた報告書を作成すれば、裁判官の「ストライクゾーン」に入り、結果的に、若い医師が刑事責任を問われることになりかねない上、再発防止にもつながらないとした。

 「刑事事件化すれば100%有罪」

 これまで国内で新聞報道されるなどして明らかになった脊髄腔への誤投与事故は19件、患者数では32例(同一事故で、複数の患者に誤投与した例あり)で、うち死亡したのは13例(死亡率は41%)。回復した事例もあることから、「造影剤の誤投与、イコール死亡ではない」(大磯氏)。

 13例のうち、10例(7件)において、最終行為者となった医療者が刑事訴追された。全員が、罰金20万~50万円、もしくは執行猶予付きの禁錮1~2年の有罪判決を受けている。医師の経験年数が判明した4件について見ると、経験年数は平均2.8年。若手研修医が多いのは、最終行為者になる機会が多いからだ。

 「患者が死亡すると、高い確率で刑事事件化する。刑事事件化すれば、100%有罪になる」。こう大磯氏は指摘した上で、刑事事件で有罪になっても、繰り返し同様の事故が起きていることを踏まえ、「刑事事件化により、故意犯であれば予防効果が期待できるが、医療事故は過失であるため、その効果は期待できない」と述べ、医療事故の刑事事件化に疑問を投げかけた。

 米国ISMPの緊急警鐘、徹底されず

 米国では、1994年にFDAが、「ヨード性造影製品の箱、バイアルおよび添付文書に警告をする必要がある」と警告した。しかし、再発防止につながらなかったことから、2003年、ISMP(米国医薬品安全使用協会)が、「箱やアンプルの警鐘は容易に見逃されている」ため、「脊髄造影剤とイオン性造影剤を厳密に分離して保管する」など、5項目の緊急警鐘を行った(下表)。

 一方、日本では、1991年に当時の厚生省が、ウログラフインの箱、容器、添付文書上で「警告」するよう行政指導があったが、その後、繰り返し同種の事故が発生しても、追加対応がない。「司法の理解は、我が国の医療安全水準に近い」(大磯氏)。

 このような日米の対応の違いを紹介した上で、大磯氏は2014年4月に事故が発生した国立国際医療研究センター病院の事例を分析。

 本事故については、2014年8月に病院が事故調査報告書をまとめたが、「分析結果や再発防止策として、ISMPの緊急警鐘が列挙されているにもかかわらず、主たる要因を人的要因に帰着させた」(大磯氏)。その後、担当医が今年7月、東京地裁で有罪判決を受けたが、同判決においても、「ISMPの緊急警鐘では、医療安全上の有効性が否定されている箱やバイアルの警告を過度に重視し、人的要因を主たる原因としている」と大磯氏は指摘した(『造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年』を参照)。

米国FDA/ISMPの警鐘内容            実施状況
 箱、バイアルおよび添付文書の警告         ○
 1.脊髄造影剤とイオン性造影剤を厳密に分離して保管 ×
 2.目立つ補助ラベルを使用             ×
 3.払い出しの際、ダブルチェックを行うこと     ×
 4.定期的に薬剤師が保管場所を訪れること      ×
 5.現場スタッフの教育等の具体的対策を取るよう提起 ×
米国FDA/ISMP警鐘の国立国際医療研究センター病院における事故当時の実施状況(大磯氏による)


  1. 2015/11/24(火) 06:12:00|
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11月22日 

http://www.m3.com/clinical/news/376429
手術時のアドレナリン濃度誤認に警鐘
日本医療機能評価機構、医師と看護師で目立つ食い違い

2015年11月20日 (金)配信 m3.com

 日本医療機能評価機構は11月16日、手術時にアドレナリン濃度を間違えたまま患者に皮下注射する誤投与が報告されているとして、医療安全情報で警鐘を鳴らした。アドレナリンの希釈倍数が医師の意図と看護師で最大250倍の差があった事例も認められている。同機構では、指示した医師と準備する看護師の双方が濃度や用法を確認するなどした事故防止策の徹底を呼び掛けている。

 同機構に報告された事例によると、医師はアドレナリンの50万倍希釈液(0.0002%ボスミン)を皮下注するため、手術前に器械出し看護師へ「ボスミン生食をください」と指示した。看護師は、院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2000倍希釈)と受け止め、医師に「0.05%ですか」と確認したところ、医師は詳細を確認せずにうなずいたという。看護師は、0.05%ボスミンが外用目的の製剤と思わず注射器にセット、医師が手術部位に計60mLを皮下注射したところ、患者に頻脈や高血圧が出現し、心室細動に至った。

 別の事例では、医師が手術中に外回り看護師へ「10万倍ボスミン」と指示したところ、その看護師は「3000倍ボスミンならあります」と答えたという。3000倍ボスミンが外用目的の院内製剤と知らなかった医師は、そのまま準備するよう伝えた。看護師は清潔野のビーカーに3000倍ボスミンを注ぎ、医師はビーカーから注射器に充填して7mLを局所注射した。患者の血圧は上昇、脈拍数が増加し、心室細動となった。

 日本医療機能評価機構へは、2012年1月-15年9月に同様の事例が6件報告されている。同機構は、事故を発生させた医療機関が術中にアドレナリン希釈液を使う場合は医師と看護師がそろって薬品名だけでなく濃度と用法を確認したり、外用目的の院内製剤に「禁注射」と記したラベルを貼り付けたりしている再発防止策を紹介し、注意を徹底するよう求めている。



http://blogos.com/article/146012/
新設医大開学と小児科、産婦人科減少、そして血液内科 この国は医療をどう考えている
中村ゆきつぐ
2015年11月22日 15:55  BLOGOS

お世話になっている先生の開業15周年祝賀会、そして以前自衛隊で仕事を一緒にした先生への理事長交代就任記念式典に参加してきました。

地域の患者さんのかかりつけ医としての信頼の構築の歴史、365日外来!そして在宅医療への拡大と地域社会への教育!中堅病院の成功例を確認できました。何せ若い事務、パラメディカル等のスタッフの動きがいい。これも働く人たちが組織として訓練されている証です。防衛医大の先生も多数お見えになっていましたが、以前の外科の先生が侍従医になられていたのは驚きました。

このように地域医療を含めていろいろな施策がなされ、各医院や病院が厚労省の指示で生き残りを図ろうとしている中、また新たな新設医大が認可内定のニュースが流れてきました。(成田市:医学部新設 医療福祉大に内定 国の特区分科会 /千葉)千葉地方版です。

国際医療福祉大という栃木を拠点にする大学が唯一開学に手を挙げ、成田市で国際的に活躍できる医師を育てる方針だそうです。まあ東北と違い出来レースなんですが、東北を含めて2校目の医学部新設です。医師会を含め私が今まで言ってきたことは全く考慮されません。

医学部を医療過疎の千葉に作り医療状況を改善させるということは今すぐに医師が排出されるなら悪い話ではありません。しかし2017年開学とすると、国家試験合格は2023年、2年の研修終了は2025年。あの団塊の世代が75歳になる時です。やっと医師をコンスタントに排出できるようになったと思ったら、今の少子化が解消されない限り医療ニーズ、いや医師の必要性は減っていきます。それこそ歯科や弁護士、シャープの液晶のように在庫がたまっていくでしょう。(まあ医師を過剰にして人件費を下げることを狙っているのかもしれませんが)

また開学にあたり医師の確保は国際医療福祉大で賄うことが可能であろうと書かれていますが、全ての国際医療福祉大関連病院に白血病治療、幹細胞移植などの高度な血液内科臨床はおこなわれていません。(那須、塩屋に医師はおり、リンパ腫などの治療や外来は実施されています。)

私が4年前獨協に来たのは栃木に勤務してくれる血液内科医がいなかったからで、その状況はまだ大きく変わっていません。また若い先生が血液内科医になろうとする方は今まで述べてきたようにやはりまだ少なく、まして田舎に勤務してくれる方は少ないままです。獨協越谷なんて血液医師はわずか2人で毎日朝から夜8時以降まで外来です。

何度も書いていますが、医師が少ないのは本当に勤務医の一部の専門性の強い領域です。そして仕事は忙しく、ミスの危険性は高まり、訴訟の危険性は高く、なり手がさらにどんどん減っていきます。(「しんどい医療」とは ではどうすれば)

そして今回小児科、産科はどんどん減り続けていることが厚労省から報告されています。(小児科21年連続、産婦人科24年連続で減少 厚労省)21年と24年!まさに無策です!一部病院が儲からないということも原因の一つです。別の記事(産婦人科設置の病院 過去最少に)からの引用です。

>一方、人口10万人当たりの病院の常勤医師の数は全国の平均で165.3人と前の年より3人増えていました。医師の数が最も多かったのは高知県で234.8人、次いで、徳島県が215.9人、福岡県が208.7人でした。最も少なかったのは埼玉県で114.8人、次いで、新潟県が129.7人、福島県が131.3人でした。

医師全体として増えているんですよ!すでに今!つまり医師数を増やすのではなく偏在を変える手段が必要なのです。なのになぜ新設医大!でも埼玉の医師数本当に酷いな!この記事から少し変わったのだろうけど(埼玉の救急問題;週間ダイアモンドより 上原先生は長島やイチローみたいなもの)

出生率を上げようということが今回安倍内閣から言われていますが、安心に産んでくれる産科(コウノドリいいですね!)、病気になった時見てくれる小児科、それがなきゃ安心して働けない、つまり子どもを産めないと思うのですが。保育所をいくら作ったって、いくら新設の病院作っても、一番最初と最後の足りないものを作らなければ、それは税金の無駄遣い、非効率だと思うのですが本当にわかっていないのでしょうか。それとは別ですが、血液内科も含めて悪性新生物を扱う医師もまさに今増やさないと今後難民が増えるだけなのですが。

前回の診療報酬も含めて、安倍内閣、いや自民党の医療政策、本当にダメだと思っています。



http://getnews.jp/archives/1264462
何色のお薬なら飲みたいですか?(効果がなくても)
DATE:2015.11.22 12:00 imedi(アイメディ)/ ガジェット通信

薬の色の心理的効果は結構重要です

大事なプレゼンの数時間前。昨晩遅くまでかかってリハーサルまでやったのに、今になって緊張してお腹が痛くなり、脂汗まで出てきたあなた。

すると、後ろで同僚の声がしました「これ、めっちゃ効くから飲んでみー」。
お腹が痛すぎて藁にもすがりたいあなたは、すごい勢いで振り返りました。さて、友人が手にしていた薬が何色だったら、あなたはそれをもぎ取るでしょうか?

■■赤い薬 ・・・与える印象:覚醒、活発。
   実際に、青とか白、あるいは緑色よりも圧倒的に痛み止めによく使われる色です。
■■青い薬 ・・・与える印象:精神の安定性。
   青と聞いてサッカーをイメージするのはイタリア人だけです(どうでもいいですがね)。
   赤と比べると頻繁に安定剤に使われる色です。
■■緑の薬 ・・・与える印象:恐怖感がなくなる。
   ある研究によると、緑の薬は赤や黄色の薬と比べ、恐怖症からくる不安障害の患者に2倍以上の効果があります。
□□白い薬 ・・・与える印象:胃腸や潰瘍に良さそう。
   実際、糖以外はほとんど何も含まない錠剤でも、飲むと効果がホントに現れるらしいです。

ということで、この場合友人が持ってる薬は「白」である可能性が高いと思われます。治るといいですね。でもそれ、ただの飴ちゃんかもしれませんよ…?

”効果がないのに効果がある薬”の効果

イギリス人のKevin Fong(ケビン・フォン)医師によると、イギリス国内の開業医のほとんどは、少なくとも1回以上「特に有効成分が含まれていないただのタブレット」を患者に処方したことがあり、もちろん場合によりけりですが、症状にものすごい効果を示す場合があるとのこと。

慢性痛の患者には特に効果的らしいです。これは俗にプラセボ(偽薬)効果と言われていて、鍼治療が人によっては偏頭痛に劇的に効果があるのもこの効果のひとつだそうです。

また、「手術するよ〜」と言って、特に何の処置も施さない”手術の真似事”のようなものでも効果がある場合があるそうです。

これが何故なのかは多くの研究がなされてきました。
そして最近の研究で、この無意味なただのタブレットを体内に摂取すると、実際に私たちの身体で本当に何らかの変化が起きることがわかってきています。

パーキンソン病で効果が

ニセ薬をパーキンソン病の患者に与える実験が行われました。

パーキンソン病とは、脳内の黒質という場所にある神経細胞が変性したり無くなったりして、黒質で作られる「ドパミン」という神経伝達物質が減少してしまうことにより、脳から全身に出される運動の指令がうまく伝わらなくなり、体の動きが不自由になる病気です。

(パーキンソン病のメカニズムより)

非常に簡単に言ってしまうと、「パーキンソン病」は「ドパミンの量」が増えれば改善が見込めます。

実験では、軽度〜中程度の35人を対象に、無意味なただのタブレットを与えると、ドパミンレベルが通常にまで改善されたそうです。

ドパミンを出すパーキンソン病治療薬である”L-dopa”の服用なども並行させながら行われた実験ですが、実際に得られた効果のほとんどはただのタブレットによるものだったそうです。

出典:Placebo effect of medication cost in Parkinson disease-neurology.org(PDF形式。閲覧には登録が必要)
http://www.neurology.org/content/early/2015/01/28/WNL.0000000000001282

「ただのタブレットだ」って患者に教えたらどうなるの?

やはり気になるのは上記のことではないでしょうか。
ある実験では、過敏性腸症候群(IBS)の患者に教えたところ、それでも60%の患者には効果があったそうです。

「ただのタブレットだから」と言って、何も飲まなかった人たちの改善率は35%だったので、それと比較するとかなり効果があると言えますね。
ちなみにこの記事では、「医者に行き、処方箋をもらう」という一連の儀式にこそ、心理的な効果があるのかもしれないと締めくくっています。

薬を勧めない流れは確実にあります

近年、『薬をやめれば病気は治る(岡本 裕著,幻冬舎新書,2013年)』とか『薬剤師は薬を飲まない(宇多川 久美子著,廣済堂新書,2013年)』といった本が話題を攫っていますが、もしかしたら、”病は気から”という昔からの諺はかなり本質を突いていたのかもしれません…。

【参照】

How can a dummy pill have a real effect on your body? - bbc.co.uk
  http://www.bbc.co.uk/guides/zq8mhv4
パーキンソン病のメカニズム
  http://www.parkinson.jp/about/mechanism.html
6 ‘Placebo Effect’ Mysteries: Why Americans Respond More Strongly To Fake Pain Pills And Other Oddities- medicaldaily.com
  http://www.medicaldaily.com/6-placebo-effect-mysteries-why-americans-respond-more-strongly-fake-pain-pills-and-360472


http://mainichi.jp/select/news/20151122k0000m010112000c.html
診療報酬:マイナス改定へ 本体の引き下げ焦点
毎日新聞 2015年11月22日 09時00分

 政府・自民党は、医療の値段である診療報酬を2016年度の改定で引き下げる調整に入った。マイナス改定は8年ぶり、前回(14年度)は消費増税分が加算されており、実質では2回連続マイナスになる。診療報酬のうち、「薬価」部分は1%超の引き下げとした上で、医師や薬剤師の技術料など「本体」部分も横ばい程度で調整しており、10年ぶりの本体マイナスに踏み込むかが焦点になる。【宮島寛、阿部亮介】

 診療報酬改定は国家財政に与える影響が大きく、16年度予算編成の最大の焦点の一つ。厚生労働省は8月末の概算要求で、高齢化に伴う年金・医療費などの自然増を6700億円と見積もっているが、政府の財政健全化計画に基づき、1700億円程度の圧縮を求められている。同省は来年度に大きな制度改正などがなく、主に診療報酬改定で解消しなければならない。1%下げで約1100億円の国費抑制効果が見込まれ、全体の下げ幅は最大1.5%程度を軸に検討している。

 診療報酬のうち、薬価については毎回、実勢価格下落に合わせ1〜2%程度下げてきた。来年度も同水準の引き下げをする。一方、本体でも、大病院に隣接して多くの処方箋を受け付けるだけで、服薬指導などをしていない「門前薬局」の報酬引き下げなど薬剤師の技術料にも切り込む。

 ただ、日本医師会は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声がある。このため、本体のうち医師の技術料などへの切り込みは抑え、「政治的に許容できる範囲」(自民政調幹部)で調整する方針だ。



http://mainichi.jp/edu/news/20151122ddlk22100018000c.html
医学部定員:16年度「地域枠」新たに6人 東海、帝京、日医大 /静岡
毎日新聞 2015年11月22日 地方版

 2016年度医学部入試で、卒業後に県内の地域医療に従事する条件で入学定員を増やす「地域枠」が、東海大(神奈川県)と帝京大(東京都)、日本医科大(同)で計6人設定された。今年度入試で近畿大(大阪府)と川崎医大(岡山県)に各5人初設定されており、これで地域枠は5大学計16人となる。【荒木涼子】

 近畿、川崎医大には今春、地域枠で計7人が入学した。県は医学部志望の学生の出身地を問わず“静岡枠”として奨学金を負担し、将来の県内の医師確保につなげる。

 地域枠で合格した場合、月20万円の奨学金を6年間で計1440万円借りられる。卒業後は臨床研修を終え、県が指定する地域医療の中核を担う公的病院などで9年間勤めると、返還免除となる。

 県地域医療課によると、奨学金を地方公共団体が負担する地域枠は10年度に本格化。医学部の定員増は文部科学省の認可が必要で、16年度入試について同省は10月末、新たに国私立9大学28人の定員増となる静岡など6県の地域枠を認可した。

 12年末現在の県内の人口10万人当たりの医師数は186・5人。全国平均226・5人を大きく下回り41位となっている。

 県には別に、120人分の奨学金制度「医学修学研修資金」もあるが、地域枠は「早い段階で県内で働きたいという明確な目標を持った学生を応援できる」と利点を挙げる。同課担当者は「少しでも多くの医師に県内で働いていただき、地域医療を充実させていきたい。奨学金の返還免除後も残ってもらえれば」と話している。



http://mainichi.jp/select/news/20151122k0000m010112000c.html
診療報酬:マイナス改定へ 本体の引き下げ焦点
毎日新聞 2015年11月22日 09時00分

 政府・自民党は、医療の値段である診療報酬を2016年度の改定で引き下げる調整に入った。マイナス改定は8年ぶり、前回(14年度)は消費増税分が加算されており、実質では2回連続マイナスになる。診療報酬のうち、「薬価」部分は1%超の引き下げとした上で、医師や薬剤師の技術料など「本体」部分も横ばい程度で調整しており、10年ぶりの本体マイナスに踏み込むかが焦点になる。【宮島寛、阿部亮介】

 診療報酬改定は国家財政に与える影響が大きく、16年度予算編成の最大の焦点の一つ。厚生労働省は8月末の概算要求で、高齢化に伴う年金・医療費などの自然増を6700億円と見積もっているが、政府の財政健全化計画に基づき、1700億円程度の圧縮を求められている。同省は来年度に大きな制度改正などがなく、主に診療報酬改定で解消しなければならない。1%下げで約1100億円の国費抑制効果が見込まれ、全体の下げ幅は最大1.5%程度を軸に検討している。

 診療報酬のうち、薬価については毎回、実勢価格下落に合わせ1〜2%程度下げてきた。来年度も同水準の引き下げをする。一方、本体でも、大病院に隣接して多くの処方箋を受け付けるだけで、服薬指導などをしていない「門前薬局」の報酬引き下げなど薬剤師の技術料にも切り込む。
 ただ、日本医師会は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声がある。このため、本体のうち医師の技術料などへの切り込みは抑え、「政治的に許容できる範囲」(自民政調幹部)で調整する方針だ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/377185
筋弛緩薬の誤投与死亡事故、「10の疑問」
医療の質・安全学会、要因と再発防止策を解説

2015年11月22日 (日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 11月22日、千葉県で開催された第10回医療の質・安全学会学術集会のシンポジウム「最近の医療事故から薬剤に関する医療安全を考える」で、上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)医療安全管理課の渡邊幸子氏は、2014年12月末、抗菌薬マキシピームの代わりに、筋弛緩薬マスキュレートの誤投与で患者が死亡した事故について、外部委員として携わった経験を踏まえ、報告した。


 渡邊氏は薬剤師で、当時は大阪府内の病院に勤務。同じ大阪にあるこの病院で発生したこの事故の報道を聞いた際、「10の疑問」がわいたと言う。その視点から、既に当該病院のホームページで公開された事故調査報告書を分析するとともに、再発防止策を解説した。事故調査は、2015年1月から5月にかけ、4人の外部委員を含む12人で実施。

 事故が発生したのは12月29日で、年末のため通常休日の1.4倍もの処方オーダーがあるという多忙な時期。通常使用していた後発医薬品セフェピムが供給不全で、一時的な代替薬としてマキシピームを使用していたため、注射薬自動払い機に装填しておらず、人手で取り出す対応をせざるを得なかったなど、ヒューマンエラーを招きやすい要因がさまざま重なり、生じた事故だった。投与を担当した看護師のダブルチェックも、マスキュレートとマキシピームのバイアルが類似していることなどから、機能しなかった。「ヒューマンエラーは結果であり、原因ではない。事故調査では、背景要因を漏れなく洗い出すことが必要」(渡邊氏)。

 渡邊氏は、病棟業務も始めるなど、10年前と比べても、薬剤師の業務は各段に増加している点も踏まえ、再発防止策を検討することが必要だとした。その一つが、ハイリスク薬の細分化と安全対策の強化。当該病院では、筋弛緩薬は、抗がん剤や抗ウイルス薬など他の薬とは別の保管庫に保管し、「毒薬」と注意喚起する表示を薬剤に張り、払い出し先として所定の部署以外を選べないようにした。さらに、「ハイリスク薬管理システム」(筋弛緩薬に限らず、保管庫に入れた薬については、処方情報と連動した薬剤が収納された扉だけが解錠され、薬剤取り出し後は自動洗浄される)も導入。

 そのほか、注射薬全般については「薬剤照合システム」(処方せんと薬剤本体のそれぞれのバーコードを照合して取り違えを防ぐ)を導入するなど、ヒューマンエラーを起こさないためのシステムの構築のほか、投薬前の「ダブルチェック」は、「正しい」という前提ではなく、「間違いがないか」という視点で確認するようにするなどの再発防止策を当該病院では講じたという。

 渡邊氏が発表した「10の疑問」と、事故調査報告書から分かるその答えは以下の通り(発表内容を編集部で抜粋)。

【疑問1】年末年始の繁忙度に見合う勤務体制が取れていたか?
・通常休日の約1.4倍の処方オーダー。日勤開始時点で、12月29日当日の緊急処方と翌30日分の定時注射薬の薬剤トレイが、約200ケースあり、薬剤師2人で担当。緊急内服処方の約44%は正午までの3時間に集中し、内服薬担当薬剤師は注射調剤まで手が回らない状況。
・29日は、医薬品卸業者からの麻薬の納品があり、病棟からの麻薬空アンプルの納品処理も通常より多かったため、深夜勤務明けの薬剤師が手伝うことはできなかった。
・医師・看護師からの薬剤に関する問い合わせ電話が頻繁にあり、業務がしばしば中断される状態。

【疑問2】注射薬のオーダーは入力だったのか、それとも読み取りエラーを招きやすい手書き処方だったのか?
・主治医は、他剤とともに、「マキシピーム1gを2バイアル、生食注2ポート100mL/キット1本を朝夕3日間点滴」をオーダー入力。薬局からの定時配送が14時だったため、主治医は薬局に電話、「薬を急いで上げてほしい」と依頼。

【疑問3】調剤者(薬剤師)はマスキュレートが筋弛緩薬だと認識していたのか?
・マキシピームは、注射薬自動払い出し機に装填されていない薬剤だった。当該薬剤師はマキシピームを含め、抗生剤の知識は十分にあり、マキシピームを取り出そうと考えながら、毒薬保管庫からマスキュレートを取り出した。

【疑問4】特別な管理を要する毒薬が、なぜ普通薬と間違えられて払い出されたのか?
・毒薬保管庫には、マスキュレートのほか、抗ウイルス薬であるデノシンなども保管。当該事故の30~60分前にデノシンが取り出され、マスキュレートを取り出す際には施錠されておらず。
・マスキュレートの管理簿では、集中治療室/救急病棟/手術室の3部署に払い出しが限定されていたが、払い出し先の記載欄は、チェック形式ではなく自由記載で、通常は払い出さない病棟名を記載しても異常と感じさせない様式だった。

【疑問5】抗菌薬は通常、アンプルピッカーなどで自動的に調剤されるのではないか?
・注射薬は通常、医師が注射処方オーダーを行えば、自動払い出し機で、注射処方せん、注射ラベルと一緒に、薬が払い出される。従来採用していた後発医薬品セフェピムは、自動払い出し機に装填していたが、供給不全のため、一時的な購入薬であるマキシピームは装填していなかった。

【疑問6】調剤後の監査は行われなかったのか?
・休日の日勤帯は薬剤師2人体制。14時の定時配送時間までに定時注射薬の調剤業務を遂行するためには、相互監査は現実的に困難であることから、化学療法薬、退院処方、外来処方を除いては、「自己監査」することになっていた。

【疑問7】毒薬の受け渡し手順はどうだったのか?
・休日の定時配送は14時。医師から急ぐよう連絡があったため、薬剤師は配送員に連絡。薬剤師は薬剤配送管理ステムのバーコードリーダーで、時刻と配送手段を示すバーコードの読み取りを行った。薬剤を受け取った配送員は、配送記録簿に署名、ナースステーションには主治医と看護師がいなかったため、他の医師に渡した。その医師は配送記録簿に受領の署名をし、テーブルに薬剤を置いた。

【疑問8】筋弛緩薬払い出し時、薬剤部からのリマインダーはあったのか?
・マスキュレートのバイアルのラベルの「毒」マークは小さく、「筋弛緩薬」の文字もピンク地に白抜きで小さく、気づきにくい。
・病棟に配送される薬剤トレイに注意喚起の用紙を入れるなど、医療従事者の注意喚起を促す対策は取られていなかった。

【疑問9】病棟での看護師のダブルチェックはなぜ機能しなかったのか?
・看護師A は、薬局作成の薬剤ラベルに印字されている患者氏名、マキシピームが正しいことを確認して、そのラベルを生食注2ポート100mL/キットに貼付。
・看護師Aは、届けられたマスキュレートのバイアルの形状とピンクのキャップ、「マ」で始まる文字を見て、マキシピームであると思った。
・ダブルチェックの依頼を受けた看護師Dは、看護師Aが読み上げた注射指示・実施簿の内容が、生食注2ポート100mL/キットに張られた薬剤ラベルの情報と一致していることを確認、続いて看護師Aが手に持っているバイアルを確認したが、看護師Aと同様に、バイアルの形状やキャップ、「マ」の文字で、マキシピームであると思った。
・2人の看護師とも、マキシピームは何度も使っており、バイアルの形状等の特徴を知っていたが、マスキュレートは一度も見たことがなかった。
・マスキュレートは、通常、注射用水で溶解し、シリンジで投与。生食注2ポート100mL/キットで溶解することはないが、同キットの口径にもぴったりフィットした。

【疑問10】投与後の観察段階で患者の容態変化は把握できなかったのか?
・看護師Aは、投与開始時に患者に異変がないことなどを確認、30分後に点滴の滴下状況と呼吸を確認。看護師Dは、終了予定の1時間後に患者の顔色と皮膚温を確認。両看護師とも患者が前日から眠れず倦怠感が強いとの情報を得ていたため、眠っていると思い、患者に声かけはしなかった。
・マスキュレートは、調剤後、約1時間かけて投与されており、異変がどの時点で起きたかは明らかではない。



http://www.m3.com/news/iryoishin/377006
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
費用対効果評価、新規収載品は対象外
2016年度試行的導入に向け、骨子固まる

2015年11月21日 (土)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が11月20日に開かれ、2016年度から試行的導入が始まる費用対効果評価のガイドラインと具体的要件の案が提示され、新規収載品は試行的導入での費用対効果評価の再算定の対象外とされた(資料は、厚生労働省のホームページ)。制度開始に向け、制度の骨子が固まった。

 厚労省が示した案では、(1)費用対効果評価の判断基準となる「閾値」を設定、(2)効果の指標として質調整生存年(QALY)を基本に用いて、他の指標も協議の上で使用可とする、(3)一連の費用対効果評価の工程には2年ほどかかるため、評価結果を保険償還価格の再算定に用いるのは改定1回か2回後の保険収載品とし、2018年度診療報酬改定時に再算定する、(4)新規収載品は再算定の対象外とする――などの方針が掲げられた。

 委員からは、「閾値」の設定について懐疑的な意見や質問が出たほか、効果指標がQALYに偏重しないよう求める声や、新薬等を早く費用対効果評価の対象にできる取り組みを求める意見が出た。大まかな方向性は概ね了承され、2016年度からの費用対効果評価の試行的導入に向けて、2015年内に議論がまとまる見通し。

ガイドラインを公表

 厚労省が示した試行的導入のガイドラインでは、費用対効果評価の総合的分析は、「公的医療の立場」を基本とし、必要に応じて介護や生産性損失の費用など、他の立場からの分析も考慮すると位置づけた。その上で、(1)評価の比較対象は、原則として保険償還され幅広く使用されている既存の類似したもの、それが無い場合は無治療・経過観察を用いる、(2)分析手法は費用効果分析が原則で、有用な場合は増分費用効果費(ICER)を使用、(3)効果指標は質調整生存年(QALY)を基本に、事前協議で別の指標も使用、(4)生産性損失の計算に当たっては、将来の費用と効果を長期国債の利回り等を参考に、年率2%の割引を実施――などと定めた。

 さらに、具体的な方法やスケジュール案も提示。費用対効果評価は、「企業のデータ提出」「公的立場からの再算定」「総合的評価」の一連の工程があり、「2年程度が必要」とされる。そのため、2018年度の改定から再算定結果を反映するスケジュールだ。厚労省が示した選定基準、再算定の方法、新規収載品の取り扱いは以下の通り。

 選定基準の要件は、(1)3つの要素(「原価計算方式で算定されたもの」「類似薬効あるいは苦悩区分比較方式で算定され、一定の補正加算が認められたもの」「ピーク時売上高の高いもの」)を検討する、(2)除外する要件は2つの要素(「希少な疾患に対する治療」「未承認薬等検討会議、ニーズ検討会からの開発要請品と公募品目」)を検討する、(3)再算定の評価対象は、保険収載後1~2回の改定を経て上記条件を満たすものであり、新規収載品も同様とする――だ。

 再算定の方法は、(1)分析結果の解釈では、費用対効果が良い、または悪いの判断の基準(=「閾値」)として一定幅を設け、個別製品ごとの判断する、(2)閾値の設定では、試行的導入では3つの方法(「一般的に広く受け入れられている既存の医療の費用を目安にする」「国民の支払意志額」「1人当たりGDP等の経済指標」)を参考にしつつ検討を続ける、(3)一連の流れは、現行の薬価算定組織や保健医療材料専門組織における価格算定の後、費用対効果評価による再算定を実施、最終的に中医協総会で了承する――という流れ。

 新規収載品については、(1)保険適用希望書の提出に合わせて、可能な範囲でガイドラインに則った分析結果の提出を求める、(2)試行的導入では、新規収載品の評価結果は価格算定に用いない――とした。

「いくらなら支払ってもよいか」

 費用対効果の判断基準となる「閾値」の設定方法について、「非常に奇妙」と述べ、慎重な議論を求めたのは日本医師会副会長の松原謙二氏。特に問題視したのは「国民がいくらまでなら支払ってもよいと考えるか」(=「支払意志額」)と「1人当たりGDP等の経済指標」を参考にするとした点だ。

 厚労省は、日本では1QALY当たり500万~600万円程度の支払意思額があるとする先行研究(2006、2010)のほか、WHOが1人当たりGDP(日本は2013年で380万円)の1~3倍との目安を提示していることを資料で提示した。

 松原氏は「自分の命がかかっていたら、いくらかかってもいいと考えるし、自分と関係がなければ意味がない。そういうものを数字で出すこと自体、意味がないのではないか」と述べ、閾値は中医協総会で判断すべきと主張。参考人として出席した国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部部長の福田敬氏は、支払意志額は疾患ごとではなく、1QALYごとであることを強調し、理解を求めた。

 企業側の専門委員からは、「評価対象の選定は、償還価格以外で財政影響への大きい要素も考慮してほしい」「新規収載品のデータは物理的に提出できないものがあるので理解して」「原価計算方式の新薬を費用対効果評価で再算定して薬価が下がる、というのは現行方式を否定するもので、不整合を生じる」といった意見が出た。



http://www.m3.com/news/general/376979
紹介状の治療情報見逃し、患者遺族と和解、新潟県立吉田病院
2015年11月21日 (土)配信 毎日新聞社

県立吉田病院:治療情報見逃し 患者遺族と和解 /新潟

 県立吉田病院(燕市)は20日、別の病院から移ってきた患者の紹介状に記された治療依頼を見逃し、患者が死亡したとして、遺族との和解に同意したと発表した。賠償額は1000万円で、県議会12月定例会に提案する。

 同病院によると、2011年5月、立川綜合病院(長岡市)で心臓手術を受けた燕市の当時80代の男性が、術後の治療を受けるため、吉田病院に通院を始めた際、送られてきた紹介状に記載されていた胆のうがんの治療依頼を、担当医が見落としたという。

 男性は12年4月、立川綜合病院に救急搬送され、がんが放置されていたことが判明。6月に同病院で手術を受けたが、8月に急性心不全のため死亡した。

 吉田病院はミスを認め謝罪。遺族は13年7月、新潟地裁に提訴し、今年9月に和解案が示されていた。立川綜合病院も和解に応じ、200万円を支払うという。【米江貴史】



http://www.m3.com/news/general/377163
子どもの薬誤飲防止対策、消費者事故調、錠剤包装強化を提言へ
2015年11月22日 (日)配信 毎日新聞社

消費者事故調:子どもの薬誤飲防止対策 錠剤包装強化を提言へ

 子どもが医薬品を誤飲する事故の防止策を検討している消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は21日、包装を強化して錠剤を押し出しにくい製品を開発、普及することを検討するよう、厚生労働省と製薬業界に提言する方針を固めた。使い捨てライターに義務付けられている「チャイルドレジスタンス(CR)機能」を挙げ、抵抗を大きくして簡単に開けられない方式の採用を促す。12月の委員会でまとめる最終報告書に盛り込む見通し。【鳴海崇】

 事故調はサンプル実験で、形状や厚さなどが異なる医薬品用の包装シート14種類と、直径8ミリの錠剤を用意。子どもと大人100人ずつを対象に、開封できた比率をシート別で調べた。

 その結果、子どもは開けられないが、大人は開けにくい程度のシートがあることを確認。CR機能のある包装が、子どもの誤飲防止に効果があることが裏付けられた。このため厚労省と製薬業界団体に対して、具体的な基準作りも視野に、導入を積極的に検討するよう求めることにした。また、子どもは成長すると行動が変化するため、事故の特徴も違ってくることや、誤飲のリスクや対策などの周知を徹底するよう、厚労省と消費者庁に要請する。

 子どもは開けにくく大人には開けにくくないように工夫されたCR包装容器は、欧米では使用が義務化されているケースがある。しかし日本では、個々の企業の判断に任され、コスト負担の増加などが響いて普及が遅れている。消費者庁によると薬に導入済みなのは3社程度にとどまる。

 子どもが誤飲すると重い中毒症状を起こしやすいのは、向精神薬や気管支拡張剤、血圧降下剤、血糖降下剤など。公益財団法人「日本中毒情報センター」によると、5歳以下の子どもによる医薬品の誤飲に関する相談は2014年に8433件あり、うち849件に何らかの症状があった。誤飲の年齢は1~2歳が約7割を占めた。一般用医薬品(市販薬)に比べて主に医師の処方による医療用医薬品の誤飲が増加する傾向にあり、14年は05年に比べて約2200件増えた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/376361
シリーズ: The Voice(医療)
ジェネリックを容認するか?
全否定は医者の悪しきパターナリズム

2015年11月21日 (土)配信 岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

 ジェネリックについて詳しくは「薬のデギュスタシオン」の金城紀与史先生の論説をご覧頂きたい。

 結論からいうと、ぼくはジェネリック(後発医薬品)容認派である。「容認」というのは積極的にジェネリックだけを使う、という意味ではないが、かといってジェネリックはだめだ、と否定はしないという立場である。

 ジェネリックは先発品(新薬)と同じ有効成分が同じ量入っている。生物学的同等性試験を行い、その血中濃度も同じであることが確認されねばならない。また、近年では先発品との前向き比較試験も多く、短期的には降圧薬、抗凝固薬や抗血小板薬などで短期的な臨床アウトカムには差がないことが分かっている。

 ジェネリックは高額な臨床試験をヘッジしているので安価に供給できるのが最大のメリットだ。確かに日本の国民皆保険制度のおかげで患者負担は大きくないから、ジェネリックの旨味は他国よりも小さい。しかし、生物学的製剤や分子標的薬など近年の医薬品は高額化が目立ち、3割負担であっても患者の支払い能力を超える場合が多くなっている(まあ、生物学的製剤のジェネリックは作りにくいらしいので、ここでの議論からはずれるが)。

 たとえ高額医療制度や難病支援で患者負担が小さくなっても、その費用を代替わりするのは医療保険であり、結局は我々のポケットから、となる。日本の医療費は年間40兆を超え、今後もますます高額化が進んでいくはずだ。昔のように「質の良い医療のためならお金はどんだけかけてもOK」という時代ではない。

 仮に百歩譲ってジェネリックの効果が既存の薬に劣るとしよう。たとえば、70点と90点というスコアの差にしよう。しかし、一般にユーザーがものを買うときは効果とコストのバランスを取って考える。コストはいくらかかってもよいから効果の高いものを、というユーザーもいるにはいるが、みんながそうではない。「安くて70点」を「高くて90点」より好む患者だって(本当は)多いはずだ。それを全否定するのは医者の悪しきパターナリズムである。なぜならば、「安くて70点」と「高くて90点」のどちらがベターかという問題は価値観の問題であり、純粋医学の命題ではないからだ。

 有効成分や血中濃度が予測できるのなら、短期的な感染症治療薬(=抗菌薬)の効果はほぼ期待できる。というか、そもそもバイオアベイラビリティーに劣り、有効な血中濃度を獲得できないフロモックスやメイアクトのようなセフェム、オラペネムなどを使用しているのにジェネリックは使えない、というのはダブルスタンダードだ。

 添加物によりアレルギー反応が起きたことがあるので、使いたくないというドクターもいた。しかし、アレルギー反応は新薬でも起きるのであり、ジェネリックだから使えないというのはこれもまたダブルスタンダードだ。こういう観点からはポリファーマシーを避けて「不要な薬、優先度の低い薬はなるたけ使わない」のが正しい戦略だ。しかし、日本のドクターは概ねポリファーマシーにも無頓着だ。複数の薬剤の相互作用も安全性や有効性に大きく影響する。ジェネリックの安全性、有効性を心配するなら、そちらも等しく心配すべきなのだが、なぜかポリファーマシーは看過される。

 短期的な有効性はあっても、長期的なアウトカムや安全性は確約されていない、という意見もある。それはそのとおりである。しかし、であるならなぜ発売されたばかりの新薬にはなんのためらいもなく飛びつくのだろうか。糖尿病、高血圧、うつ病など、発売されたばかりの新薬が日本では1番よく売れる。長期的な安全性や有効性、というジェネリックを非難する論点はどこにいったのだろう。

 血圧などは、ジェネリックを使ってみて、それでだめなら新薬に切り替えるというステップアップなやり方も可能である。この戦略なら、患者の負担や医療費を圧迫せずに有効な医療を提供することができる。ぼくがエイズ治療で行なっているのがこれで、有効性が分かっているけど副作用が懸念される既存薬(安価)を使ってみて、大丈夫なら継続、だめなら高額な薬に切り替えている。ジェネリックでも同じ戦略はとれるはずだ。

 ジェネリックを懸念しているドクターの多くは患者に対する医療のアウトカムを真摯に心配している。もちろん、それは正しい。なのでポリファーマシーや新薬の問題も等しく真摯に心配すべきだ。あと、ごく少数ながら、製薬メーカー(新薬を出す大メーカー)の利益相反からジェネリックを否定する医者もいないではない。こちらは、もちろん正しくない。見るべきは企業の利益(とその先にある自分の利益)ではなく、患者と日本の医療の持続的な質の維持にあるべきだ。

 あと、ジェネリックを作ってる企業が信用出来ないという声も聞く。しかし、ブランド品を作る大企業が信用に値するとは限らないのはすでに常識の部類に属する。フォルクスワーゲン、旭化成グループ、東芝、そしてノヴァルティス。これもジェネリックを否定する根拠としては弱い。


※本記事は、2015年11月17日のブログ『楽園はこちら側』で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t252/201511/544555.html
特集◎看護師特定行為で医療が変わる
特定行為研修で医師の仕事はどうなる?

2015/11/23 井田恭子=日経メディカル

 10月15日、指定研修機関の1つ、洛和会音羽病院(京都市山科区)で特定行為研修の講義が始まった(写真2)。この日のテーマは「診断のプロセス」。副院長で洛和会京都医学教育センター長の酒見英太氏が講師を務め、院内で選抜された5人の看護師が、診断推論法や感度・特異度といった臨床疫学の考え方などを学んだ。


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表4 洛和会音羽病院が特定行為研修を実施する5つの特定行為区分
(各特定行為区分に含まれる特定行為の詳細は
「10月スタート!看護師特定行為研修って何?」内表2を参照)

 「研修医向けの講義内容を基にして、英語の資料を極力日本語に訳すなど看護師が理解しやすいようにアレンジした」と酒見氏。同病院では、ICUやSCU、救急病棟などでの研修修了者の活躍を見込んで、急性期の現場で必要となる5区分12行為(表4)を盛り込んだ研修プログラムを、看護部が中心となって立ち上げた。看護部からの研修への協力要請に診療部として応じたという酒見氏は、「検査に走らずに身体所見を取ることの重要性を研修医や若手医師に指導してきたが、常時ベッドサイドにいる看護師こそ、そうしたスキルを使える機会がむしろ多く、知識と経験を積む意義はあるのではないか」と語る。

増える「指導医」としての関わり

 各医療機関において、38行為を今後どのように扱っていくのかについては、まずは組織での判断が必要になる。医師数や救急医療体制など、組織・地域の分析結果を踏まえ、患者にとって最も良い役割分担のあり方を診療部と看護部で再確認し、研修修了者の組織での活用について院内で共通認識を得る必要がある(図3)。その上で、手順書によって看護師に任せるというのであれば、特定行為研修への関わり方は、大きく2つある。

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図3 特定行為研修の運用に際して医療機関で検討すべきポイント(取材を基に編集部で作成)

 1つは、洛和会音羽病院のように自ら指定研修機関となる方法だ。臨床研修病院としての体制が整った病院であれば、決して難しくはない。ただしネックとなるのが、講義や演習をどうやって行うか。これについては解決策の一つとして、全日病が共通科目や区分別科目の講義・演習部分をカバーしたeラーニング教材の開発を進めている。国は、講義や演習のeラーニングによる受講を認めている。全日病は2016年4月にも教材の販売を開始する予定で、「病床数に応じて、1病院当たり月額3万~5万円で利用できるようにしたい」と副会長の神野正博氏は話す。うまく活用すれば、指定研修機関入りのハードルは低くなる。

 もう一つは、指定研修機関の「協力施設」になる方法だ。講義や演習は指定研修機関で行い、自施設では実習を中心に行うというスキーム。芳珠記念病院(石川県能美市)は、指定研修機関である日本慢性期医療協会の協力施設となり、10月から手術室の副看護師長が同協会のeラーニングの受講を始めた。理事長の仲井培雄氏は、「今年度の受講は指導者養成が目的。研修修了者は医師がそばにいない在宅や介護系施設でこそ役割を発揮できると考えており、当法人では今後、訪問看護ステーションや介護老人保健施設、グループホームなどで働く看護師を中心に、まずは受講してもらう計画だ」と方針を語る。

 現時点で全ての指定研修機関がこのような連携方式の研修を行っているわけではないが、例えば、2016年度に向けて指定研修機関の申請準備を進めている放送大学は、協力施設を募る形での研修の運用を計画している。こうした指定研修機関が増えれば、看護師は働きながら自施設で研修が受けられるようになる。研修に人を送り出す余裕のない小規模施設であっても、職員に受講の機会を提供できるようになりそうだ。

 いずれの方法にしても、日ごろ一緒に仕事をしている看護師が特定行為研修を受けることになった場合、今後は現場の医師が指導医となって実習などの指導に当たる機会が出てくるわけだ。なお、指導する医師の要件として国は、臨床研修指導医と同等以上の経験を有することや、特定行為研修に必要な指導方法などを学ぶ講習会への出席などを求めている。後者については、国から指導者育成事業の委託を受けた全日病が現在、各地で講習会を開催している。

実は手技より重要な「判断力」

 もっとも、看護師に業務を移譲できるようになるとはいえ、「研修医教育で手一杯で看護師教育まで手が回らない」という医師側の本音も聞かれる。「研修医業務とバッティングする」との理由で、看護師による特定行為の実施に静観の構えを見せる大学病院もある。また、この制度で研修が義務付けられているのは、手順書を使って38 行為を行う場合のみであり、手順書を使わず従来通り医師の直接指示下でこれらの行為を実施してもよいことから、研修制度の必要性そのものを疑問視する声もある。では、特定行為研修を行う意義はどこにあるのか。

 「特定行為研修」と聞くと、どうしても38ある特定行為に注目しがちだ。もちろんそれらを医師に代わって看護師が行う場面が今後は増えるだろうが、「手技ができる・できないよりも、研修を通じて、医学用語と看護用語の両方を理解し、医師と看護師、患者との間を取り持つような人材が育つことが、実は臨床現場において大きな意味を持つ」と北海道大学大学院医学教育推進センター教授の大滝純司氏は指摘する。

 看護師は投薬や処置などの指示を医師から日常的に受けており、指示の根拠となるような薬理学や病態生理の知識を当然持っていそうだが、実は基礎教育でそれらを医師のように体系的に学んでいるわけでは必ずしもない。「養成課程も准看護師養成所から大学までバラバラであり、目前の看護師に医学的知識がどれくらいあるのかは、一見しただけでは分からない」と大滝氏は説明する。だからこそ、「特定行為研修では厚みのある共通科目を学ぶ必要がある」(大滝氏)わけだが、それにより、医師と同じ思考過程でアセスメントできる看護師が現場に増えれば、共に働く医師にとっても良い変化が生まれる。看護師からの夜間の緊急コールの内容が、単に「患者の様子が何かおかしい」ではなく、緊急性をより的確に判断した上での報告となったり、看護側と治療方針を共有しやすくなるといった具合だ。前々回に紹介した日本医科大学武蔵小杉病院は、まさにその好例といえる。

 仲井氏も、「手技のスキル自体は、経験の豊富なエキスパートナースは既に持っているが、それらをどう使うかについてその都度、医師に判断を仰いでいるのが実情だ」と話し、「特定行為研修で臨床推論に基づく判断力を身に付け、手順書によりその技術が使えるようになれば、医師が手薄な在宅や夜勤帯の病棟などでよりタイムリーに必要な医療が提供できる。そのメリットは大きいはずだ」と続ける。

医師の「肩代わり」ではない

 「各職種間におけるタスクシフトなくして、『高齢化率3割時代』は乗りきれないのだと、この制度は教えてくれている」。在宅医療を手掛ける医療法人アスムス理事長の太田秀樹氏は、特定行為研修がスタートした意味をこう説く。ただし、「勘違いしてはいけないのが、医師が忙しくてできないから看護師に代わってやってもらうための制度ではないということだ」と続ける。

 医師不足地域においては、研修修了者にそうした役割を求める場面もあるかもしれないが、「重要なのはあくまで療養者の視点だ」と太田氏は念を押す。脱水を来した高齢の在宅患者に訪問看護師が手順書により速やかに点滴できれば、患者にとってメリットは大きく、そのことは、患者の在宅療養生活の質を高めるという訪問看護の役割にもフィットする。単に、医師側が自分たちの都合で研修を修了した看護師に業務を押し付けるだけでは、看護師は負担感を抱くだけで、権限移譲は進まないだろう。
 
 日本医科大学武蔵小杉病院内分泌・糖尿病・動脈硬化内科教授の南史朗氏も、「看護師にカニューレを抜いてもらうことが重要なのではなく、呼吸管理が行える看護師がいることに意味がある」と語る。そして、「特定行為研修を『ミニドクターの養成』と言って批判する声もあるが、医師と看護師の役割が異なることを踏まえて実践を積めば、そのような議論にはならないはずだ」と話している。


有賀 徹氏(昭和大学病院長)に聞く
「特定行為を行う危険性を判断できる能力が重要」

 元来、我々医療者は、「チーム医療」という言葉のない時代から、「患者さんにとって最もいいことをやろう」という職業規範の下、いわば自然発生的に職種を越えて仕事を相互乗り入れしてきた。

 そこへ来て近年、高齢化の進展に伴い、病気の治療だけでなく、患者を日常生活に戻すところまでの役割が医療者に求められるようになり、さらに医学そのものの進歩も加わって、多職種連携が一層叫ばれるようになった。

 そうした歴史的必然性の下、これまで一部の現場でやられてきたことを、医療界全体でより広く取り組めるように「社会の仕組み」を整備する必要性が出てきた。「グレーゾーン」といわれる医行為の明確化などの法整備がそれであり、その結果、特定行為研修制度が創設されたわけだ。

 「特定行為研修」といっても、試行事業修了者の活動を見ると、現実には皆が皆、特定行為を日々行っているわけではない。重要なのはむしろ、特定行為を行うことの危険性を正しく判断できる能力だ。研修を通じてそうした判断力を持った看護師が育つことは現場にとって有用であり、将来的には、彼らが研修医を指導する機会も出てくるだろう。「医師の責任が増大するのではないか」との懸念の声も聞かれるが、この制度は、医師が「任せられると判断した範囲」の業務を「任せられる看護師」のみに指示すればよいというもの。医師の責任は従来と変わらず、制度の運用責任はあくまで病院長はじめ管理者に課せられるものだ。

 ただし、研修を修了して現場に出た看護師は、ある意味で「新人」だ。その新人が場合によっては患者に侵襲を伴う行為をするのだから、医療安全の観点は欠かせない。特に、臨床研修病院以外の施設が特定行為研修の実習や修了後の実践を行う場合には、十分な安全体制を構築する必要がある。

 本来は、看護師だけでなく薬剤師など他のコメディカルへの職能移譲の検討もあっていい。医療者不足は自明であり、全医療者が“総力戦”で臨める仕組みを考えていくべきだろう。(談)

  1. 2015/11/23(月) 05:47:45|
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11月21日 

http://www.townnews.co.jp/0610/2015/11/21/309436.html
小学生が外科医を体験 教育
秦野赤十字病院が初開催

 タウンニュース 秦野版 掲載号:2015年11月21日号

 秦野赤十字病院で11月14日、市内の小学生を対象に外科医の仕事を体験する「第1回ブラック・ジャックセミナー」が開催された。 同セミナーは、医師不足が懸念される現代、将来を担う子どもたちに、人の命を救う医療体験をしてもらい「医師になりたい」「医療に携わる仕事がしたい」と関心を持ってもらおうと行われた。

 参加した24人の子供たちは、少人数のグループに分かれて様々な医療機器を体験。手術室では、用意された鶏肉の中に入れられた腫瘍に見立てた異物を、超音波メスで取り出した。

 また、実際に研修医などがトレーニングとして使用するシミュレーターでは、モニターに映し出されたリアルなCG画面を見ながら、胆のう摘出手術にチャレンジ。体験した子供の1人は「腫瘍がなかなかつかめず難しかった。お医者さんってすごい」と感想を話した。また、実際の手術針と糸を用いて縫合・結紮を体験した子供は「最初はうまくできなかったけど、何度もやって少しずつきれいにできるようになった。楽しかった」などと感想を話した。同病院では「今回外科医や看護師など現場で働くスタッフと直接交流を持つ機会を設けました。こうしたことがきっかけで将来1人でも多くの人に医師を目指して欲しいと願っています」と話す。



http://www.gifu-np.co.jp/news/zenkoku/main/CO20151121010014621830061A.shtml
認知症薬、審査に地域差 9県で少量投与認めず 
2015年11月21日 18:30 岐阜新聞/共同通信

 認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を規定の有効量を下回って少量投与した場合、過去3年間で全国の国民健康保険団体連合会(国保連)のうち9県が医療機関からの診療報酬支払い請求を認めない査定をしたことが、共同通信の調査で21日、分かった。26都県では、認めない査定はなかったとし、12県が少量投与を認めるべきだとするなど、抗認知症薬の扱いに地域差があった。

 興奮などの副作用を避けるため少量投与した医師側が不利益を受けたとの指摘がある。個々の患者に適した認知症医療に向けた審査の在り方が課題となりそうだ。



http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151120-OYT1T50102.html
特区・成田の新設医学部、国際医療福祉大に
2015年11月21日 08時10分 読売新聞

 政府は20日、国家戦略特区会議の分科会で、千葉県成田市での医学部新設について、国際医療福祉大(栃木県大田原市)を候補に内定した。


 年内にも特別区域諮問会議を開き、正式決定する。同大は2017年4月に新設する予定だ。

 特区「東京圏」に含まれる成田市での医学部新設は、19日まで希望大学などを公募したが、応じたのは同大だけだった。

 同大の計画では、新設する医学部医学科は1学年の定員が140人。国際的な医療拠点を目指し、定員のうち20人を東南アジアの政府や大学からの留学生とし、200人以上を予定する教員のうち5%(10人)以上は外国人教員とする予定だ。

 同大は成田空港に近い立地を生かし、海外からの患者に高度医療を提供する「医療ツーリズム」の実施も想定している。併設の大学病院は20年の東京五輪・パラリンピックの開催前に開院する予定だ。



http://mainichi.jp/edu/news/20151121ddlk12100061000c.html
成田市:医学部新設 医療福祉大に内定 国の特区分科会 /千葉
毎日新聞 2015年11月21日 地方版

 国の東京圏国家戦略特区会議成田市分科会は20日、成田市内での新設を認めた医学部の設置について、事業者として国際医療福祉大を内定した。

 国は12〜19日に医学部の設置事業者を公募し、同大のみが応募。20日の分科会で課題点を精査した上で、「事業を実施すると見込まれる者」として特区計画に位置づけた。

 同大の計画では、2017年4月の開学を目指し、入学定員140人、教員数200人以上、国際医療拠点として学生全体の14%の留学生を受け入れることを目指している。

 分科会では「教員や医師、看護師の確保のため、引き抜きなど地域医療に影響を及ぼさないか」などの懸念が指摘されたが、同大は「医師は関連機関からの配置転換などで対応し、教員も(東日本大震災被災地の)東北以外で公募する」といった方針を示した。

 小泉一成市長は「大学側の熱意が結果に結びついた」とコメントした。【渡辺暢】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151121_13013.html
民間医療ヘリ長期運休へ 運航費賄えず
2015年11月21日土曜日 河北新報

 東日本大震災を機に医療用多目的ヘリコプターを運航してきた気仙沼市のNPO法人「オールラウンドヘリコプター」が今月末での運航休止を決め、法人関係者が20日、市に報告した。寄付金が減少し、年5000万円の運航費確保が難しくなった。再開を模索するという。
 ヘリは2013年10月に復興支援として運航を開始。これまでに石巻赤十字病院(石巻市)や仙台厚生病院(仙台市)など12カ所と協定を結んで無償で救急患者や医師らを運び、出動件数は39件に上った。
 運航費は公益社団法人シビックフォース(東京)などが集めた寄付金で賄ってきたが、寄付は年々減少。ことしは国の助成金もなくなったためヘリを隔週運航にしたり、ファンを増やすイベントを開催したりと工夫したが、運営基盤を見直す必要があると判断した。
 現時点で撤退は考えておらず、今後はヘリやスタッフ数人を広島市内のNPO法人に貸し出して資金確保の一助とする。
 市役所を訪れた法人の渡部圭介事務局長は「利用が年々増えていただけに休止は苦渋の決断だが、基盤強化を図り気仙沼で再び活動したい」と説明した。ヘリポート用地を無償貸与した菅原茂市長は「多くの人を救う活動をしてくれた」と復帰に期待した。



http://news.livedoor.com/article/detail/10859822/
医学部生の知られざる実態 自信喪失するケースも多々
2015年11月21日 16時0分 LiveDoor News / NEWSポストセブン

 大学入試で医学部人気が続いている。しかし難しい入試を突破しても、疲れ切ってバーンアウトする研修医も多いという。知られざる医者の世界をコラムニスト・オバタカズユキ氏が紹介する。

 * * *
 インフルエンザの季節も到来、塾や予備校の前を通ると、マスク姿の子供たちの姿をよく見る。受験生もいよいよ追い込みの時期だ。

 大学受験でいうと、医学部人気上昇が止まらない。特に私立大学医学部医学科の人気が高い。2015年度の一般入試志願者数は8.9万人と過去最多だった。合格倍率は18.4%と狭き門だ。

 入試偏差値も高騰しており、かつて「お金さえかければ子供を医者にできる」といったイメージのあった下位層の医学部はもはや存在しない。河合塾のデータによれば最低偏差値ラインは62.5だ。私立大医学部の大半は早慶の理系学部以上の難関校になっている。

 その要因は、やはり将来の不透明感が増す中で、「免許さえ取ればエリートになれる」確実性にあると思われる。私立大学医学部の6年間学費総額は、
もっとも安い順天堂大学や慶應義塾大学で2100万円台、高いところでは川崎医科大学や金沢医科大学が4000万円を突破している。医学生は開業医や社長だけでなく、一般サラリーマンの子供たちも少なくないという。

 それだけ難関の医学部に入るには、生半可な受験勉強では通用しない。医学部合格者数の多い学校の大半は私立の中高一貫校だ。実際に私立中学の説明会を覗いたり、学校案内のパンフレットやホームページの受験者向けサイトを見ると、東大京大の合格実績数と並んで、医学部合格者数の増加具合をアピールしているところが目立つ。

 田舎のふつうの公立高校から苦学して国立大学医学部に、といった層も残ってはいるが、医学部合格への王道は、遅くとも小学4年生からガッツリ進学塾に通い、難関中高一貫校に入学してからも医学部受験予備校でガリガリ勉強してゴールイン、というものになっているのだ。

 医学部入試が難しくなること自体は悪くない。医療研究、医療技術が高度化する中、受験勉強で試されるような情報処理能力に秀でた人材はどうしても必要だからだ。

 ただし、医師免許取得者の大半は、臨床医になる。臨床医は、生身の人を相手にする仕事だ。相手の命を預かる場合も少なくない。勤務医は労働時間が長く、持久走をなんなくこなせるような体力を要する現場が多い。適性のあるなしも大きい。

 そうした医学部に入るまでと、入ってからの求められる能力の違いに戸惑い、自信喪失をし、大学留年を重ねる医学生がずいぶんいる(その状況を公的に調査・公表してほしいものだ)。また、「勉強ができたから医学部を選んだ」という入学同期の医学生、研修医を中心に、自分が進むべき診療科を選べずに迷い悩むケースも増えている。

 基本的に医師になる人は真面目であり、研修医時代もハードな仕事を懸命にこなそうとする。が、医学部や医局の世界はかなり閉鎖的で、自身が抱えている辛さや悩みを相談する機会が少ない。結果、一人で疲れきってバーンアウト(燃え尽き)になる研修医が3割はいるという調査結果もある。

 とはいえ、無事に医師免許をとって、2年間の初期研修でいろいろな診療科の臨床経験を重ね、後期研修で専門医としての修業を積む流れにうまく乗れれば、やりがいはもちろん大きな仕事だし、将来の高収入も確率高く期待できる。順調に医学部を卒業、研修を終えて、市中病院に就職した場合、30歳前後で年収1000万円超えはごく一般的だ。

 その頃に給与がグンとアップし、金銭感覚が麻痺するドクターも少なくない。基本的にモテモテなドクターたちは年収がアップした頃に結婚することが多い。一番多い組み合わせは医師同士、次いで医師と看護師などコメディカル、一般女性と結婚するのはその次だというが、「ブランドとしての医者」を狙い撃ちした妻の金づかいの粗さに苦労している男性医師は想像以上によくいるそうだ。

 自身や配偶者のセレブな生活を維持するため、そうしたドクターたちは研究日や休日になるべく効率よく稼げるアルバイトを入れる。医師のバイト代の相場は、時給1万円だ。日勤+当直の「日当直」バイトは15万円~20万円出る。それを月1回入れるだけでも年収は200万円以上プラスされる。ただし、勤務医のたいていはふだんの仕事もハードだ。そこにバイトの負荷か加わって、疲弊していくドクターも方々にいる。

 医師はマスメディアでも何かと注目されることが多くなった。バラエティ番組でよくみかけるタレントのような医師も増えている。

『総合診療医ドクターG』(NHK総合)、『ためしてガッテン』(NHK総合)、『きょうの健康』(NHKEテレ)、『駆け込みドクター!運命を変える健康診断』(TBS)『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(テレビ朝日)、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)など、医療情報番組はひっきりなしに放送されている。

 この秋は、『デザイナーベイビー』(NHK総合)、『破裂』(NHK総合)、『コウノドリ』(TBS)、『無痛』(フジテレビ)と医療ドラマもたくさんあった。

 受験界でも一般世間からも注目され、人気を集めているドクター。だが、その悩める等身大の姿は知られていない。

 そこで、医学部合格だけがゴールではない、そこから先が問題なのだというコンセプトで、医師専任キャリアコンサルトが著者の『医師・医学部のウラとオモテ「悩めるドクター」が急増する理由』という書籍を企画・編集協力して作った。医学部受験生やその保護者、教育関係者には実用書として役に立ち、医療問題に関心のある人には網羅された「業界の常識」が参考になるはず。一読してもらえたら幸いだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HCO_R21C15A1CR0000/
がん死亡率減少へ「検診受診率の向上を」 有識者会議
2015/11/21 12:17 日本経済新聞

 厚生労働省の有識者会議は21日までに、がんによる死亡率減少を目指した「がん対策加速化プラン」の基になる提言をまとめた。がん検診の受診率向上や、がん医療情報の提供体制の充実、喫煙率減少に向けたたばこ対策などが柱。提言を基に、政府は年内に同プランをまとめる。

 国内のがん検診の受診率は40%程度と欧米に比べて低く、国は受診率の50%への引き上げを掲げている。提言では早期発見や治療に結び付けるため、市町村ごとの検診受診率を比較可能な形で公表することや、職場での検診の実態調査を行って企業向けガイドラインを策定すべきだとした。

 患者へのがん医療情報の提供体制が不十分だとして、がん拠点病院の診療実績や、専門医の配置が簡単に調べられるようなシステムをつくることも盛り込んだ。

 喫煙率のさらなる減少に向け、たばこ税の税率引き上げや容器包装に書かれた注意文言の見直し、ニコチン依存症患者の禁煙治療の保険適用を拡大することも求めた。



http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20151121ddlk09070301000c.html
二言三言:窓口無料化は「麻薬」か /栃木
毎日新聞 2015年11月21日 地方版

 足利市の屋内子供の遊び場「キッズピアあしかが」の入場者が先月24日、15万人を超え、年間目標をクリアした。市の想定よりひと月半も早い。

 同市が先行モデルとしたのが、同じ遊具メーカーがプロデュースした福島県郡山市の「ペップキッズこおりやま」。東京電力福島第1原発事故から1年半後の2012年12月に開所した。同市は当時、飛散した放射性物質のため子供たちの外遊びが制限され、公園には除染土を詰めたフレコン袋が埋められていた。小児科医らは運動不足が子供の心身に及ぼす悪影響を調べ始め、親たちは心配を募らせていた。ペップキッズは被災地の親子の切羽詰まったニーズに的確に応えた施設であり、施策だったと思う。

 行政の施策にはきちんとした市民ニーズが必要だ。そう思うから足利市のキッズピアは評価できなかった。確かに市民アンケートでは欲しい施設の上位に入り、特に子育て世代の要望は強かったが、問われるべきはその切実さではないか。被曝(ひばく)の心配がない地域で、外遊びの代替施設のため、遊具代に1億円補助し、運営に毎年3000万円の公費を払い続ける必要性が本当にあるのか。

 個人的な思いは今も変わらない。だが、利用状況を見る限りキッズピアも子育て世代に歓迎されたのは確かなようだ。さすが、子育て世代にやさしいまち、と拍手したいが、そうもいかない。引っ掛かるのは、子ども医療費助成制度の上乗せサービスへの姿勢だ。

 近隣では佐野、栃木市、群馬県側の太田、桐生、館林市が中学3年生まで医療機関での負担がない窓口無料。足利市は未就学児は窓口無料だが、小中学生はいったん医療費を払い、後日市役所に請求する償還払いで、1カ月500円の自己負担もある。近隣並みを求める子育て世代の声は根強いが、助成費を抑えたい同市はかたくなだ。9月議会では格差是正を求めた若手市議に対し、和泉聡市長が「無料化は麻薬」と応じた。役所に出向く暇さえ見つけづらい共働き夫婦やひとり親、自己負担が受診の枷(かせ)になる世帯にとって、窓口無料のニーズは切実だ。麻薬にするもしないも行政の手腕次第ではないか。【太田穣】



http://mainichi.jp/area/gunma/news/20151121ddlk10040174000c.html
藤岡新病院:建設、109億円予算可決 17年秋開設へ /群馬
毎日新聞 2015年11月21日 地方版

 藤岡、高崎、神流、上野の4市町村でつくる多野藤岡医療事務市町村組合の定例議会が20日開かれ、公立藤岡総合病院の入院と外来を統合して新設する新病院の建設工事費約109億円の予算を可決した。来年2月着工、2017年秋オープンを目指す。

 昨年9月の指名競争入札では9社のうち8社が辞退し不成立となった。工事費は、この1年で建設費高騰などで約1割上昇した。【畑広志】



http://mainichi.jp/shimen/news/20151122ddm002010071000c.html
診療報酬:マイナス改定へ 本体の引き下げ焦点 政府調整
毎日新聞 2015年11月22日 東京朝刊

 政府・自民党は、医療の値段である診療報酬を2016年度の改定で引き下げる調整に入った。マイナス改定は8年ぶり、前回(14年度)は消費増税分が加算されており、実質では2回連続マイナスになる。診療報酬のうち、「薬価」部分は1%超の引き下げとした上で、医師や薬剤師の技術料など「本体」部分も横ばい程度で調整しており、10年ぶりの本体マイナスに踏み込むかが焦点になる。【宮島寛、阿部亮介】

 診療報酬改定は国家財政に与える影響が大きく、16年度予算編成の最大の焦点の一つ。厚生労働省は8月末の概算要求で、高齢化に伴う年金・医療費などの自然増を6700億円と見積もっているが、政府の財政健全化計画に基づき、1700億円程度の圧縮を求められている。同省は来年度に大きな制度改正などがなく、主に診療報酬改定で解消しなければならない。1%下げで約1100億円の国費抑制効果が見込まれ、全体の下げ幅は最大1・5%程度を軸に検討している。

 診療報酬のうち、薬価については毎回、実勢価格下落に合わせ1〜2%程度下げてきた。来年度も同水準の引き下げをする。一方、本体でも、大病院に隣接して多くの処方箋を受け付けるだけで、服薬指導などをしていない「門前薬局」の報酬引き下げなど薬剤師の技術料にも切り込む。

 ただ、日本医師会は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声がある。このため、本体のうち医師の技術料などへの切り込みは抑え、「政治的に許容できる範囲」(自民政調幹部)で調整する方針だ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=126790
薬の費用対効果分析…新薬の価格適正化狙う
(2015年11月22日 読売新聞)


限られた財源で有効治療

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 医療費が年間約40兆円に膨らむなか、厚生労働省は来年度から薬や医療機器の価格が効果に見合っているのかを考える「費用対効果」の分析を踏まえた値段の見直し作業を始める。

 限られた財源で多くの人に有効な治療を医療保険で受けてもらうための方法だが、慎重な運用も求められる。

 「天国と地獄です」。会社員の佐久間泰博さん(50)は、今年保険適用になった新薬と、かつて使った治療薬の違いをこう表現する。

 30歳の時、C型慢性肝炎と診断された。標準的に使われるインターフェロンという薬の注射を始めると、副作用で連日、39度を超す高熱に悩まされた。別の副作用のうつ症状も表れ、半年間、仕事を休んだ。だが、C型肝炎ウイルスは消えなかった。

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 転機が訪れたのは2年前。米国で飲み薬の新薬が開発され、日本で始まった治験に参加した。目立った副作用はなく、ウイルスも消えた。「会社にも家族にも迷惑をかけずに済む。普通の生活は何物にも代え難い」と笑顔で話す。

 佐久間さんが治験で使ったのは、今年9月に発売されたC型慢性肝炎の治療薬「ハーボニー」だ。患者の7割を占めるタイプのウイルスに効き、治験では全員が治癒している。世界的にも高い効果で話題になった薬だが、もう一点、耳目を集めたのが、薬の値段だ。薬1錠あたり8万円強。治療は12週間で、合計の薬剤費は約670万円に上る。日本の場合、患者の負担は国の肝炎への助成で月に最大2万円に抑えられるが、財政への影響は大きい。

 ハーボニーだけでなく、近年、世界では続々と高額な新薬が誕生している。そこで、各国政府が取り入れ出したのが、薬や医療機器の価格が効果に見合うかを分析する「費用対効果」という手法だ。

 効果は、生活の質と生存期間を組み合わせ算出する「QALYクオリー」という単位が使われる。1年を健康な人と同じに過ごせるなら1QALYだが、副作用から寝たきりが続くと0・3QALYになるイメージだ。

 具体的には、薬を使い「歩き回れるか」「痛みはあるか」「ふさぎ込んでいないか」を患者たちに聞き、生活の質を数値化。生存期間と合わせ効果を計算する。新薬と既存薬を比べ、効果の伸び1QALYにつき、価格の伸びが500万~600万円以下なら費用対効果は「良い」とされる。

 東京大の五十嵐中あたる特任准教授(薬剤経済学)がハーボニーを分析すると「良い」という結果になった。1錠の値段が高くても、効果が高く、ずっと飲み続けるわけではないことなどが効いたようだ。逆に「悪い」とされたケースは、ある抗がん剤が1QALY当たり1100万円強と海外の研究で算出されたことがある。

 厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は来年度から、この「費用対効果」を試行的に導入する。すでに販売されている薬から高額と判断したものを選び、企業に分析を求める。その後、厚労省など公的機関が改めて分析し、医師や経済学者らからなる有識者会議が、他に治療法はないか、価格が適正かを検討する。価格に反映されるのは2018年度の見通しだ。

 価格の適正化に使うための手段だが、下げすぎると採算が取れないため、製薬会社の販売控えも想定される。五十嵐特任准教授は「患者に必要な治療が届かなくなるようなことが起きないように、丁寧な議論が必要となる」と指摘している。

豪州は保険適用の可否に使用

 海外では費用対効果を価格の調整や保険適用をするかどうかに使っている。

 価格の調整に使うのはフランスやドイツ。既存薬より高い値付けを企業が求めるときに、費用対効果の分析を提出する。ドイツは企業と保険者の間で価格設定でもめたときに判断材料の一つとしている。

 オーストラリアは全ての新薬、英国は主に高額な薬剤を費用対効果の分析対象にし、保険適用の可否に反映させている。英国では費用対効果が悪いとして抗がん剤を保険の対象から外し、患者の不満が高まる事態も起きたことがある。

 日本で保険適用の可否に使うかは将来の本格導入に向けた検討課題だ。英国には分析結果によって薬の患者負担の割合が変わる制度もある。医療保険制度の維持のために、どんな負担の仕組みがいいかを国民全体で考えていく必要がある。(米山粛彦)



https://www.m3.com/news/iryoishin/374056?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151121&dcf_doctor=true&mc.l=132191814
シリーズ: 医師と看護師、業務の在り方調査
医師の看護師への評価が下落◆Vol.11
医師と看護師、お互いが61点の評価

2015年11月21日 (土)配信 成相通子(m3.com編集部)

Q.13 勤務先病院の看護師または医師に期待する総合的レベル(知識や技術、仕事に対する姿勢などを総合的に見て)を100点とすると、現状は何点くらいですか。

      医師が評価した 看護師が評価した
       看護師     医師
 平均点   61.36点     61.52点
 最高点   100点     100点
 平均点   1点      10点
 中央値   60点      60点

 Q.13では、病院勤務の医師(n=302)と看護師(n=238)に対し、お互いの評価を100点満点で尋ねた。平均点はともに約61点という結果だった。2年前の同様の調査では、医師が評価した看護師の点数は68.2点、看護師が評価した医師は59.4点で(『「医師は60点弱」、看護師が評価◆Vol.1』)、看護師による医師の評価は、約2点上がったのに対し、医師による看護師の評価が7点ほど下落していた。

 回答者数が異なるなど調査上の限界があり、断言はできないものの、看護師への評価は厳しくなったようだ。看護師の特定行為の研修制度が始まるなど、看護師に求められる業務の拡大が進み、看護師業務への期待が高まっていることへの裏返しと捉えられるかもしれない。

Q.14  勤務先病院の看護師の平均的な医学的知識や技術のレベルをどう感じていますか。対象:医師(n=302)
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Q.14  勤務先病院の医師の平均的な医学的知識や技術のレベルをどう感じていますか。対象:看護師(n=238)
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 Q.14では、病院勤務の医師と看護師に対し、それぞれ勤務先のお互いの職種について、平均的な医学的知識や技術のレベルをどう感じているか尋ねた。

 医師が看護師に対して不十分と感じているのは「基礎的な知識」(44.7%)が多かったのに対し、看護師が医師に対して不十分と感じているのは「新しい技術習得の意欲」「新しい知識習得の意欲」(37.4%)が比較的多かった。

 全体的に、医師の看護師に対する評価の方が、看護師の医師に対する評価よりも辛口な結果になった。



https://www.m3.com/news/general/376964
ベッドで暴れ転落、検査機器に挟まれ女性死亡
2015年11月21日 (土)配信 読売新聞

 愛知県一宮市の「総合大雄会病院」は20日、同県江南市の女性患者(74)が院内で検査中に機器に挟まれて死亡したとして、県警一宮署に届け出たことを明らかにした。

 同署で詳しい原因を調べている。

 同病院によると、女性は肺血栓の手術を前に、同日午前11時半頃から、放射線を使った画像化装置で肺の血流機能を調べていた。装置は、回転する円形の撮影機内にベッドが入る仕組みで、転落防止のため、女性の胸や太ももなどはベルトで固定されていた。

 検査開始から約1分後、女性がベッド上で暴れ出して転落したため、検査を中止。看護師らが助けようとしたが、女性は撮影機とベッドの隙間に胸部を挟まれ、3時間後に死亡が確認された。死因は窒息死。同病院は事故調査委員会を設置して詳しい原因を調べる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/376963
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
DPCのアップコーディング防止、一定の成果
中川日医副会長、DPC批判「複雑」「不適切事例も」

2015年11月21日 (土)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 11月20日の中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会(小委員長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の会議で、2016年度診療報酬改定に向けたDPC評価分科会の「中間とりまとめ」が報告された(資料は、厚生労働省のホームページ)。2014年度改定における、DIC(播種性血管内凝固症候群)へのアップコーディング防止、再入院ルールの見直し、持参薬の制限など、4つのDPC算定ルールの見直しが、一定の成果を挙げていることが示された。いずれも、今後も継続する方針。

 2016年度改定に向けた見直しは、「機能評価係数II」を中心に、多岐に、細部にわたる。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「後発医薬品係数」は、「数量シェアは2017年央に70%以上」という政府目標を基に、「70%以上を評価上限とする」などに変更した点を支持。最終的には80%が政府目標であることから、80%に早期に引き上げることを要望した。

 これに対し、「中間とりまとめ」に対し、「数え切れない見直しがなされており、ますますDPCの制度が複雑化している。中医協委員も、何人が理解しているのか」「もう少し分かりやすく整理してから、出し直してもらいたい」と苦言を呈したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。さらに、中川氏は(1)DPCでは、出来高制に比べて、アップコーディングなど不適切な請求が多い、(2)出来高制からDPCへの移行で、どの程度、点数が上がるのかを比較すべき――など、DPCそのものにも疑問を呈した。厚労省保険局医療課企画官の真鍋馨氏は、「DPC評価分科会に持ち帰り、検討し、また報告する」と引き取った。

 そのほか、基本問題小委員会では、「治癒」「軽快」の定義の見直しについて、DPC評価分科会が検討した3案が提示された。DPCについては、早期退院などに伴う医療の質の低下が生じていないかなどを評価するため、退院時転帰の経年変化を調査しているが、定義が徹底されていないことが問題になっていた。「再入院」の定義も見直し、対象は一般病棟グループへの再入院に限定し、その期間は退院から「6週間以内」を「4週間以内」に短縮する方針。

 これらの見直しは、DPC対象病院へのヒアリング結果を踏まえたもの。DPC評価分科会では、現状の「治癒」「軽快」「再入院」を用いた場合は、「正確にDPC制度導入による医療の質への影響が評価できない可能性が示唆される」としている。中川氏は、この点についても問題視。これまではDPC導入により、早期退院など医療の質低下は起きていないとされてきたが、「今までは良かった(問題がなかった)と、言いきれないのではないか」と指摘した。

 中川氏の問いかけに対し、DPC評価分科会・分科会長の小山信彌氏(東邦大学医学部特任教授)は、例えば、従来は抜糸するまで入院していた場合でも、外来で抜糸するようになるなど、治療形態が大きく変化したことが、定義の見直しの理由であると説明したが、DPC導入に関する過去の評価には、言及しなかった。

 中川氏は、過去の評価についてはそれ以上、追及しなかったものの、「治療形態の変化が、医療にとっていいかどうかは別問題。DPCでは、平均在院日数を短縮して、新規患者を入れるほど収入が上がる。(治療形態の変化は)これを追及してきた結果」と指摘し、「今回の定義見直しに伴い、以前との経年的な比較はできない。真摯にDPCの評価を行うべき」と求めた。

 20日の基本問題小委員会における議論のポイントは以下の通り。

 11月20日は、中医協総会も開催、医療経済実態調査について、診療側と支払側双方が意見(『「公立病院は高コスト体質」と問題視、保険者』を参照)。

◆2014年度改定におけるDPC算定ルールの見直しに伴う影響:DICの算定は減少

 アップコーディングとは、より高い診療報酬を得るために、意図的に傷病名コーディングの操作を行うこと。その代表例がDICで、2014年度改定で、レセプトに「DICの原因と考えられる基礎疾患」の記載を求めるなど、請求ルールを厳格化した。その結果、全入院件数に占めるDICの割合は、2012年度0.14%、2013年度0.17%と増加していたが、2014年度は0.14%に減少に転じるなど、適正化が見られた。

 同一傷病名による再入院についても、2014年度改定で、「前回入院と一連のものと見なす時期」を「3日以内」から「7日以内」に延長。その結果、改定前は「1日目から3日目」の再入院は少なく、「4日目」の再入院が不連続に増加する傾向にあったが、改定後は再入院までの日数による入院数のバラツキは減少した。

 持参薬に関しては、「入院の契機となる傷病の治療に係る薬剤を持参させることは、特別な理由がない限り、原則禁止」とされ、その検証調査で一定の理解が得られていることが確認された。今後も継続する方針で、「特別な理由」として、「病院の方針」「医師の方針」なども見られることから、次回改定では、これらを認めないことを明記するとともに、持参薬使用の場合には、使用量も含めたデータ入力を求めることを検討する。

 さらに2014年度改定では、癌患者に対する化学療法目的の入院など、入院初日の「医療資源投入量」が多い診断群分類については、入院初日の点数が高く、その翌日は低くなるよう、メリハリのある点数設定(点数設定方式D)に変更した。28のうち、21の診断群分類で、2014年度の在院日数は、2013年度に比べて減少。

 以上の結果について、日医常任理事の松本純一氏は、「分かりやすい方向に行くように、引き続き検討してもらいたい」と述べ、各論では、持参薬についてのみ言及した。「引き続き原則禁止でいいが、入院の契機となる疾患以外の治療薬については、持参薬を原則認めるべき」(松本氏)。

◆DPC評価分科会のDPC制度の対応についての検討結果(中間とりまとめ)の骨子

 DPCの包括評価部分の点数は、「診断群分類別点数」×「医療機関別係数」で決まる。「医療機関別係数」は、(1)I群からIII群の医療機関群別の「基礎係数」、(2)各医療機関の機能に応じて変わり得る「機能評価係数I」(人員など医療機関の構造を評価する係数)と「機能評価係数II」(医療機関の実績などを評価する係数)、(3)「暫定調整係数」(前年度の実績を保証するための係数)――で決まる。「暫定調整係数」は段階的に「基礎係数」に置き換わり、2018年度に廃止予定。

 DPCは、I群(大学病院本院)、II群(I群に準じる病院)、III群(それ以外の病院)に区分される。これらの区分の見直しも、検討されたが、3区分は現状を維持し、II群の定義を、従来は「大学病院本院の最低値」以上の実績を有するという相対評価だったが、「地域における医療機能を要件」とした「絶対値による基準値」を定める方針になった(『DPC、新たな転換期に、II群は絶対評価へ』を参照)。また大学本院の中には、分院よりも機能が低い例が見られることから、この点についても調整する方針。

 これらの前提を踏まえ、複数の見直しが検討されているが、現時点での議論の主なものは、以下の通り。

・基礎係数:「地域における医療機能を要件」は、現時点では客観的なデータがないことから、2016年度改定以降、引き続き検討。現行の「実績要件」のうち、「高度な医療技術の評価」は、「外保連試案」だけでなく、内保連が2013年12月に作成した「特定内科診療」(2014年度版で25疾患)を追加。

・機能評価係数I:現行の評価方法を継続。

・機能評価係数II:(1)新たな項目を検討するに当たって、現行の考え方を基本的には継続、(2)機能評価係数IIを構成する7つの指数については一部調整、(3)「分院よりも機能の低い大学病院本院」については、保険診療指数を減算、(4)保険診療指数で「病院情報の公表」(「診療科別症例数の多いものから3つ」など7項目)を評価、(5)がんや小児などの専門病院を評価するために、カバー率指数の調整、(6)後発医薬品指数について、「数量シェアは2017年央に70%以上」という政府目標を基に、70%以上を評価上限とする――など。

・算定ルール等の見直し:入院期間IIIの日数を見直すなど請求方法を簡素化、差額調整の仕組みの変更――など。

・退院患者調査の見直し:様式1(簡易診療録情報)、EF統合ファイル、Dファイルの見直し。

◆退院時転帰、「治癒」「軽快」の定義見直し:3案を提示

 DPCに対しては、1日当たりの包括点数が、入院期間に応じて漸減するために、不十分な治癒・軽快の状態で退院させ、医療の質低下につながるとの懸念がある。この点を検証する指標が、退院時転帰に占める「治癒」「軽快」や、「予期せぬ再入院」の割合。ただし、その定義が徹底されていないとの指摘があった。

 現状では、「治癒」は「退院時に外来通院治療の必要が全くない、またはそれに準じるもの」、「軽快」は「疾患に対して治療行為を行い、改善が見られたもの。原則として退院時点では外来等において継続的な治療を必要とするが、必ずしもその後の外来通院の有無は問わない」と定義されている。

 DPC評価分科会では、3つの見直し案を提示。A案は「治癒」「軽快」を1つの区分にまとめる案、B案は「治癒」と「軽快」の間に、「経過観察のみ」(退院後に、入院時に医療資源を最も投入した傷病名に関連して数回の経過観察のみの外来通院を必要とするもの)を設ける案、C案は、「治癒」「軽快」のままだが、「治癒」の定義を見直し、B案の「経過観察のみ」も含める案。

 DPC評価分科会では、多数の委員が「データ入力に関与する他の職種でも、理解可能」という分かりやすさの理由から、A案を支持。これに対し、基本問題小委員会では、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏が、「的確に評価できる理由にはならない」とし、あくまで「治癒」と「軽快」は分けるべきとし、C案を支持した。

◆医療の質を評価するための「再入院」の定義の見直し:一般病棟グループに限定

 「再入院」も、DPC制度導入の影響を評価する指標の一つ。現状では、「前回退院年月日より6週間以内の再入院」と定義されるが、入院の病棟種別は問わない。

 この定義を今後、病棟種別を「一般病棟グループ」に限定するとともに、「4週間以内」に短縮。「一般病棟グループからの退院年月日より、4週間以内の一般病棟グループへの再入院である場合」とし、再入院した場合に、(1)計画的再入院(前回退院時に、入院日が決定していた場合)、(2)計画外の再入院(前回退院時に、入院日が決定していなかった場合)――に分けて、その内容の報告を求めるようにする。

 「一般病棟グループ」とは、一般病棟入院基本料や特定機能病院入院基本料などを届け出ている、いわゆるDPC対象病棟。


  1. 2015/11/22(日) 05:56:16|
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11月20日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/376743
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「公立病院は高コスト体質」と問題視、保険者
医療経済実態調査結果、解釈が対立

2015年11月20日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が11月20日に開かれ、診療側と支払側の双方が、11月4日に公表された2015年度の医療経済実態調査結果の解釈に関する意見書を提出した。診療側は一般病院の収益は悪化しており、診療所についても「減収減益という危機的状態」と経営の厳しさを訴えたのに対し、保険者で構成する支払側は一般病院については公立病院の高コスト構造が問題であり、診療所に関しても中長期的トレンドで危機的状況にあるとは言えないと反論するなど、双方の解釈は食い違いを見せた(資料は厚生労働省のホームページ)。

 2015年度の医療経済実態調査は、診療報酬改定前後の2013年度と2014年度の医療機関の収益や給与などを分析したものだが、支払側は2009年度から6年分(2014年度と2013年度、2012年度と2011年度、2010年度と2009年度)の調査をまとめた見解を提出。2015年度の調査結果は全体的に「増収減益傾向」とした上で、2009年度からの中長期的な医療経済のトレンドでは、「一般診療所は安定的に黒字が続いている」「公立病院はコメディカルの給与が比較的高いなど、高コスト体質」といった見方ができるとした。

 これに対し、診療側は、医療経済実態調査が診療報酬改定前後の影響を見る調査であることから、支払側が実施した、経年的にまとめて中長期なトレンドを分析する手法の妥当性を問題視。さらに、一般診療所でも医療法人と個人立で収益の見方が違うとして、それらを合わせた全体の分析は「意味がない」とする声が相次いだ。診療側は、2014年度は2013年度と比べて「一般診療所は減収減益傾向の危機的状況」にあり、病院でも勤務する医療従事者が増えているが、それに見合う十分な手当てがされていないとして、「この状態では、医療提供体制が維持できない」と主張した。

 今回の意見書を踏まえて、12月上旬に両側が2016年度診療報酬改定率の意見を表明する。

一般病院、「全ての規模で連続赤字」vs「一部は黒字確保」

 一般病院は、医業と介護の収益から費用を引いた損益差額は2013年度から2014年度に1.4ポイント悪化しマイナス3.1%になった(https://www.m3.com/news/iryoishin/370859『病院は1.4ポイント赤字増、診療所は黒字維持』)。診療側の日本医師会が示した見方は下記の5点。

 * 民間では、医師給与が低下するなど、給与水準は抑制されているが給与比率が上昇している。医療関係職種の増員に見合う収益がない。
 * 流動比率、自己資本比率等安全性指標も低下。
 * 病床規模別では、全ての規模で連続赤字。
 * 民間病院では一般病棟基本料7対1の赤字が最も大きい。必要な人材を確保し、設備投資を行って医療提供体制を維持できる状態にない。
 * 大病院で赤字幅が拡大しており、消費税率引き上げに伴う補填が不十分だった可能性もある。
 
 これに対し、支払側の健保連は「療養病床60%以上」「それ以外」「DPC対象病院」など機能別の損益差額率のほか、「国立」「公立」「医療法人」など開設者別の損益差額率の経年変化の資料を提示した。その結果、「療養病床60%以上の病院は安定して黒字を確保している」「公立病院以外の50床~299床の中規模病院では黒字を維持している」と分析。公立病院については「看護職員、医療技術員、事務員、技能労務員の年収が公立以外の病院に比べて2割~5割強高い」「収益に占める医薬品費・委託費・減価償却費の割合が高い」などを赤字が続く理由とした。全体としては、「増収傾向だが、固定費も伸びており、結果として損益分岐点が上昇している」(健保連理事の幸野庄司氏)と述べた。

一般診療所は「危機的状態」か

 意見が鋭く対立したのは、損益差額が若干悪化したもののプラスは保った診療所の経営状態についての見解(無床はプラス16.1%、有床は11.7%)。日医は「全体で減収減益という危機的状態」だとし、特に、内科の診療所や在宅療養支援診療所の損益率悪化を危惧し、「在宅医療の推進に支障を来たす恐れがある」と訴えた。

 一方で、支払側は有床・無床、個人・医療法人のいずれの区分でも黒字で、特に医療法人は以前の調査と比較して「3~4ポイント高い水準」と指摘。「安定的に黒字が続いている」として、日医の「危機的状態」との見方に対し、「中長期的トレンドでは危機的状態とはとても言えない」(幸野氏)と反論した。

医師の給与は増えたか

 幸野氏は、医師の年収についても、一般病院の院長の年収は「安定的」で、一般診療所(医療法人)では、2009年度から平均で173万円増えるなど増加傾向にあると分析。特に医療法人の有床診療所院長の平均年収は3942万円と高額であることを指摘した。

 医師の年収に関しては、日医常任知事の松本純一氏が、一般病院の医師の平均給与の伸びがマイナス2.1ポイントだったにも関わらず、給与比率は上昇しているとして、職員増に見合う十分な手当てがされていないと主張した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/376702
国際医療福祉大の医学部新設、対応を確認
成田市分科会、英語教育などを評価

2015年11月20日 (金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 国家戦略特別区域の「東京圏」の成田市分科会の第5回会議が11月20日に非公開で開催され、成田市に新設予定の医学部の設置事業者に応募した国際医療福祉大学が公募要件に対応していることを確認した。

 会議後、内閣府、厚生労働省、文部科学省が合同でブリーフィングした。国、成田市、国際医療福祉大の関係者が参加した分科会は、午前9時から9時30分まで開催。11月12日から19日までの設置事業者の公募への応募は国際医療福祉大学のみだったことが報告された(『成田の医学部新設、告示改正で可能に』を参照)。

 その後、大学関係者が退席して9時30分から30分間、同大が提出した事業計画が、7月に国が出した「医学部新設方針」で指摘していた留意点に対応しているかを確認(『成田市の医学部、2017年度開学の可能性も』を参照)。いずれも問題ないとして、分科会として区域計画に国際医療福祉大を掲載することを確認した。順調にいけば、国家戦略特区における医学部 の設置事業者として正式に決定し、2016年3月に文科省に設置認可申請、2017年4月に開学することになる。

2年次までに英語で身体診察

 国際医療福祉大の事業計画では、入学定員は140人(収容定員840人)、教員は200人以上(大学設置基準では160人)。留意点として挙げられた「国際医療拠点」に関しては、文科省のスーパーグローバル大学に指定されている東京医科歯科大学の達成目標を参考にするとしている。留学生数は、東京医科歯科大の13.2%を上回る14%(20人)に設定。優秀な学生を確保するため、学生納付金は私大医学部で最低にするとし、留学生受け入れ促進のための奨学金を整備する。

 外国人教員については東京医科歯科大の2023年度の目標4.9%を上回る5%以上に設定した。診療参加型臨床実習期間では、世界学教育連盟(WFME)の基準を上回る90週を確保する。英語教育にも力を入れ、2年次終了までに、英語で患者の身体診察が行える能力を身に付ける教育を行う。4年次以降では英語でのカンファレンス、診療が可能なレベルを確保する。海外での臨床実習も最低4週間行う。

教員は附属・関連病院の配置転換で対応

 同じく留意点として挙げられた「教員確保による地域医療に支障を来さないような方策」については、同大の付属病院、関連病院の医師数は700人を超えており、そのうち180人が医学部教員経験者であるため、配置転換で対応可能であると説明。同大の病院では各診療科に複数の医師が配置されているので、配置転換後も補充は不要と説明する。国際教育や研究を担当する教員は、東北地方を除く国内外から公募するとしている。

 「自律的な運営のための計画」では、安定した財政状況で常に経常黒字を確保しているとし、さらに、校地や附属病院として新設する成田病院の敷地は成田市から長期無償貸与された上、校舎整備費として80億円の補助金が予定されていると説明した。

 「教育の質を確保するための適正な人数」については、大学設置基準を上回る教員数、校地面積を確保し、特に附属病院、関連病院の延床面積は基準の5.7倍になっているとし、定員増を認める大学設置基準の特例を大幅に上回る教育環境を整備していると説明した。

文科省「教学面で高い評価」

 文科省の担当者は「教学面は適切であると高い評価があった」、厚労省の担当者も「地域医療に影響がないようにやっていくと整理され、対応していることが確認できた」と説明した。

 一方で、11月19日にあった全国医学部長病院長会議(会長:荒川哲男・大阪市立大医学部長)の記者会見では、岩手医科医大学学長の小川彰氏が「医師が過剰になる中で、医学部新設は愚の骨頂ということを主張し続けてきたが、こんなことを許していいのか。日本の将来が危うくなる」と重ねて、医学部新設に反対を表明した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/376416
シリーズ: 社会保障審議会
「治し、支える医療」に転換、削減のターゲットは薬
医療部会、2016年度改定基本方針(骨子案)大筋合意

2015年11月19日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障制度審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)が11月19日に開かれ、2016年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)について議論、一部文言の修正や追記等を求める意見が出たものの、大筋合意した(資料は、厚生労働省のホームページ)。11月20日の社保審医療保険部会でも骨子案を議論、両部会の意見を踏まえて基本方針案を作成、12月上旬の決定を目指す。


 基本方針(骨子案)は、2025年に向けて地域包括ケアシステムの推進と、医療機能の分化・強化、連携を進めることを、「重点課題」に位置付けた。「治す医療」から「治し、支える医療」への転換を打ち出すとともに、医師、歯科医師、薬剤師の「かかりつけ」機能の充実を打ち出したのが特徴。

 一方で、医療費抑制に向け、引き下げのターゲットとなるのが医薬品。後発医薬品の使用促進、残薬や重複投薬を減らすなどの適正使用を推進するほか、医薬分業については、いわゆる門前薬局にもメスを入れる。

 基本方針は、「1.改定に当たっての基本認識」、「2.改定の基本的視点と具体的方向性」、「3.将来を見据えた課題」という3つが柱。「2」が2016年度改定の具体的内容で、4項目から成る(下表、および『「かかりつけ機能」「在院日数」の評価がカギ』を参照)。(1)から(3)は評価、つまり基本的には点数の引き上げを行う分野。一方、(4)は適正化、つまり点数引き下げ対象の分野であり、計6項目のうち、4項目が薬関係だ。

 2014年度改定など、過去数回の改定の基本方針と比べると、医療従事者の負担軽減など継続課題が幾つかある。一方で、2014年度改定では、高度急性期・急性期病床の適正化をはじめ、病床機能分化が全面に打ち出されていたのに対し、2016年度はこの点についての表現は、ややトーンダウンしている。代わりに、今回は新たに「治し、支える医療への転換」「かかりつけ医の評価」などの表現が使われ、病床機能分化にとどまらず、地域包括ケアシステムの構築を視野に入れ、医療・介護全体の機能分化と連携を進める方針が打ち出されている。

 基本方針(骨子案)について、修正要望が出た一つが、(4)のうちの「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進」。日本医師会副会長の中川俊男氏は、「行きすぎた長期処方の是正」の追加を求めた。また同じく(4)には「退院支援等の取組による在宅復帰の推進」が掲げられているが、(1)から(3)の評価する分野にも入れるべきとの意見が出た。

 そのほか、「3.将来を見据えた課題」には、さまざまな機会での医療に関する教育の必要性、医療におけるICTの活用などを盛り込むべきとの提案が上がった。


「行きすぎた長期処方の是正」追加を要望

 「行きすぎた長期処方の是正」を入れることを求めた理由について、中川氏は、各種データを見ると、処方日数、特に再診時の処方日数が長期化していることを挙げ、「異常と表現してもいいほど。(大病院などでは)90日処方が当たり前になっている。何らかの見直しがぜひとも必要」と指摘。

 日医常任理事の釜萢敏氏も、「病院勤務医の負担軽減という観点からの長期処方は、患者の視点に立っていない。90日処方が仮に可能なら、病院で診るべき患者ではなく、地域のかかりつけ医で対応すべき。医療機関の連携を図り、患者の状態に応じた適切な日数で処方することが大事」と、中川氏の意見を支持した。

 これに対し、厚労省保険局医療課長の宮嵜雅則氏は、長期処方は残薬の原因になり得る可能性はあるとしながらも、「処方権を制限するかという話にも関係する」と述べ、難色を示した。基本方針(骨子案)には、残薬という「結果」を書いたのであり、その「原因」や是正方法などは中医協で議論すべきとした。

 中川氏は、宮嵜課長の発言に納得せず、長期処方の是正を追加するか、追加しないのであれば多剤投与の是正も削除すべき、と求めた。さらに2014年度診療報酬改定で、地域包括診療料・加算が新設された際、これらの点数を算定する際は、いわゆる「7剤規制」の対象外となったことから、多剤投与の是正はその流れに逆行すると主張。

 議論を受け、永井座長は、「多剤投与は、状況に応じた判断だが、残薬と重複投薬は意味のないことであり、それを止めていくという方針でいい」と発言。最終的な記載は、医療保険部会の意見も踏まえ、決定する。

 そのほか、医薬品関連では、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏から、「患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し」について、「院内処方から、院外処方に変わると、患者の経済的な負担が増える。かかりつけ薬剤師・薬局の評価だけでなく、経済的な負担が増えないような在り方も検討してもらいたい」との要望が出た。

「参考資料」にクレームも

 基本方針(骨子案)の関連で議論になったのが、「参考資料」。過去の改定率の推移に関するデータで、2014年度について「0.10%」と記載されている点を問題視したのが、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏と、中川氏。「我々はマイナス1.26%という認識」(西澤氏)、「(18日のテレビニュースで)3回連続のプラス改定と報道されたが、0.10%という書きぶりは、非常に問題がある」(中川氏)との指摘だ。

 2014年度改定では、消費税率の5%から8%への引き上げに伴い、医療機関等の課税仕入れにかかるコスト増への対応分として、1.36%の引き上げが実施された。一方、診療報酬自体は1.26%の引き下げ。差し引き「0.10%のプラス」となっていた表記について、西澤氏と中川氏は、「3回連続プラス改定」という誤解を招かない表記への変更を求めた。

 厚労省大臣官房審議官の吉田学氏は、「0.10%」は政府が2014年度改定について、これまでどのように説明してきたか、その「ファクト」であるとし、「次の改定に向けて、誤解のない内容として発信していく」と述べ、表現については検討すると引き取った。

2016年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)(2015年11月19日社保審医療部会資料)
「2.改定の基本的視点と具体的方向性」(具体的方向性の例)
*(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点(重点課題)
  ア 医療機能に応じた入院医療
  イ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務の効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保
  ウ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化
  エ 質の高い在宅医療・訪問看護の確保
  オ 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化
*(2)患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点
  ア かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価
  イ ICTを活用した医療連携や医療に関するデータの収集の推進
  ウ 質の高いリハビリテーションの評価等、疾病からの早期回復の推進
*(3)重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点
  ア 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価
  イ 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価
  ウ 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価
  エ 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価
  オ 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実
  カ 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進
  キ  かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化
  ク 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価
*(4)効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点
  ア 後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討
  イ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進
  ウ 残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進
  エ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し
  オ 重症化予防の取組の推進
  カ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価



http://www.m3.com/news/iryoishin/376691
「奨学寄付金の増加を要望」、全国医学部長病院長会議
AMEDにも研究費の分配変革を期待

2015年11月20日 (金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 11月19日の全国医学部長病院長会議(会長:荒川哲男・大阪市立大医学部長)の記者会見では、大学での臨床研究の現状についても報告された。製薬企業などからの奨学寄付金が減少し、基礎研究などに支障を来しているとして、同会議として企業や行政に支援を求めていく方針を示した(他の会見内容は、『53病院が「大学病院の状況悪化」、消費増税の影響大』を参照)。

 調査は80大学を対象に2015年5月に実施。民間からの研究費助成金についての回答のあった77大学では、2011年度は合計377億円、2012年度は374億円、2013年度は367億円、2014年度は326億円と減少傾向にあることが分かった。特に研究不正がメディアに頻繁に取り上げられた2014年度は急激に減少しており、近年の動向について「以前より大幅に減った」が34大学、「若干減った」が25大学、「変わらない」が12大学、「増加した」が3大学だった。奨学寄付金の今後については68大学が「増加・維持したい」、13大学が「減少してもやむを得ない」と答え、「全廃すべきである」はゼロだった。

 一方で、企業からの受託・共同研究は2014年度で合計1万2065件、平均156件。2011年度の131件、2012年度の138件、2013年度の144件と年々増加傾向にある。

 文部科学省の科学研究費の件数は全体として増加傾向にあるが、1件当たりの金額については「増えている」が7大学、「変わらない」が33大学、「減っている」が40大学だった。総額としては「増えている」が33大学、「変わらない」が26大学、「減っている」が21大学となっている。

 調査結果をまとめた利益相反検討委員会の苛原稔氏(徳島大学医学部長)は「日本では医学研究の分野で公的資金が少ない。奨学寄付金は色々な用途に使え、基礎的な研究、本当にやりたい研究ができる」と強調し、「透明性を持った形で支援をしてもらえるよう製薬会社や行政に働きかけていく」と話した。

 日本製薬工業協会が講演謝礼や研究費支援状況を公表していることについては、「適切である」が49大学、「やむを得ない」が29大学、「できればやめた方が良い」が2大学、「やめるべきである」がゼロだった。公表基準では「適切である」が50大学、「緩めるべき」が3大学、「厳しくすべき」が4大学、「どちらとも言えない」が23大学だった。

「AMEDに期待」

 2015年4月に設立された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)について、荒川氏は「これまでは公的資金はほとんどが東大に行って、地方、公立の大学に回ってこないという実態があった。それが研究力の差だけでないと認識している。末松誠・AMED理事長は『咲いていない花を咲かせていく』と言っており、期待している」と話した。

 同じく今年度から制度化された臨床研究中核病院に関しては、苛原氏は「(中核病院で)高度なことをやることは重要だが、そうでないと研究ができなくなるのは問題である」と指摘。千葉大学医学部附属病院病院長の山本修一氏も「中核病院を中心にネットワークを作っていくというが、病院間の格差が大きいとそれもできない」として、大学病院全体の研究力向上を訴えた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/376690
53の大学病院が「状況悪化」、消費増税の影響大
全国医学部長病院長会議、後期研修医は増加傾向

2015年11月20日 (金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議(会長:荒川哲男・大阪市立大医学部長)は11月19日の記者会見で、2015年度「大学病院経営実態調査」の結果を公表した。80の大学病院本院全体では、53病院が悪化傾向にあると回答。全体では年間約22億7400万円の医業収支赤字となっており、厳しい経営状況が続いている。研修医数については、初期研修医の漸減傾向は続いているが、後期研修医は増加傾向にあることが分かった(他の会見内容については『「奨学寄付金の増加を要望」、全国医学部長病院長会議』を参照)。

 調査は2010年、2013年に続いて3回目。今回は2014年秋ごろに実施し、全国80大学病院本院から回答があった。1年前と比べた「全般的状況」を尋ねたところ、「良くなっている」が6病院、「少し良くなっている」が16病院、「変わらない」が5病院、「少し悪くなっている」が39病院、「悪くなっている」が14病院だった。「少し」を含めた「悪くなっている」の合計は53病院で、理由としては、1位が消費増税、2位が人件費の伸び、3位が診療報酬改定による収入減だった。

 病院収支については73病院から回答があり、2014年度の 医業収支赤字は全体では合計約22億7400万円だった。診療報酬改定による消費増税補填率は全体では59.2%にとどまった。報告書をまとめた経営実態・労働環境ワーキンググループ座長の山本修一氏(千葉大学医学部附属病院病院長)は「特定機能病院へのしわ寄せが強く出ている」と訴えた。

 診療報酬の加算の算定状況では「処置・手術の休日加算」「特定集中治療室管理料」「夜間急性期看護補助体制加算」のいずれも届出が進んでいないとして、要件の緩和を訴えた。

 大学病院勤務医の勤務環境では、宿直明け勤務緩和を病院全体で実施しているのは14病院で前回調査より2病院増加。育児休業制度を利用している人数は平均9.2人、短時間正規雇用制度は6.7人で増加傾向にあった。

後期研修医は増加傾向

 2015年3月時点の 初期研修医の数は、回答のあった76病院の合計5159人、1病院当たりの平均では68人だった。2010年の平均71人、2013年の69人から減少しており、大学病院離れに歯止めがかかっていないことが裏付けられた。一方で後期研修医の数は計1万559人、1病院当たり平均141人で、2010年の122人、2013年の135人から増加している。

 後期研修医増加の背景について、山本氏は希望的観測としつつ「市中の研修病院では先のキャリアパスを描きづらい。医局の良い点はキャリアパスを明確にできることで、専門医を目指す若い人達にとって魅力が復活しつつある」と分析。東邦大学医療センター大森病院病院長の小原明氏は「臨床研修病院の受け入れ枠がいっぱいになってきた。後輩も先輩の様子を見て、大学を選ぶようになってきるのでは」と話した。

 一方で、徳島大学医学部長の苛原稔氏は「地方では戻ってきていない。(自身の専門の)産科は右肩下がりでもっと増えてほしい」と述べ、小原氏も「小児科は微増だが、小児病院が増えており、大学病院の魅力が描きづらくなっている」とし、後期研修医数のトレンドには診療科による相違があると指摘した。



http://www.m3.com/news/general/376708
東日本大震災:双葉郡医療機関、今後5年間アンケ 「地元で再開」6施設、「条件整えば」14施設 県が事業支援検討へ /福島
2015年11月20日 (金)配信 毎日新聞社

東日本大震災:双葉郡医療機関、今後5年間アンケ 「地元で再開」6施設、「条件整えば」14施設 県が事業支援検討へ /福島

 ◇「民間の力限界」の意見も

 県は19日、原発事故で避難指示区域となった双葉郡6町村の医療機関70施設を対象に先月実施したアンケート調査で、回答した35施設のうち6施設(17%)が「今後5年間のうちに地元に戻り診療を再開する」と答えたと公表した。「条件が整えば再開したい」とする医療機関も14施設(40%)あった。県はアンケート結果の内容を分析した上で、事業再開などを支援するための具体策を検討する。【小林洋子】

 双葉郡の医療体制を議論する県の検討会で明らかにした。アンケートの対象は楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾の6町村。今後5年間の方針を質問し、病院5施設のうち4施設、診療所40施設のうち19施設、歯科診療所25施設のうち12施設が回答した。

 「地元町村で再開する」と回答したのは病院1、診療所4、歯科診療所1の計6施設。「地元町村以外で再開する」は診療所1、歯科診療所2の計3施設。「条件が整えば再開したい」は病院3、診療所5、歯科診療所6の計14施設だった。「再開しない」は診療所1、歯科診療所2の計3施設。「わからない(未定)」は診療所8、歯科診療所1の計9施設だった。

 「条件が整えば再開したい」と回答した14施設に再開の条件を複数選択で質問したところ、13施設が「住民帰還」、10施設が「生活インフラの復旧・整備」、9施設が「除染の完了」を条件に挙げた。「職員の確保」、「経営の成立」を条件に挙げた医療機関もそれぞれ4施設あった。

 双葉郡内の医療体制の再構築に向けた取り組みについて意見を聞いたところ、「双葉郡内で救急医療などを提供するには民間の力だけでは限界」との意見や、事業再開に向け財政的な支援を求める声が相次いだ。「町の具体的な帰還時期が明示されていないため、再開について返答できる状況にはない」との意見もあった。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151120-029543.php
診療地元再開6施設 双葉郡の医療機関、「条件整えば」4割
2015年11月20日 10時19分  福島民友ニュース

双葉郡の医療機関の再開意向調査
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 東京電力福島第1原発事故後に休止している双葉郡の医療機関で、今後5年間に地元で診療を再開する方針の病院や診療所は、県に回答した35施設のうち17.1%(6施設)にとどまることが19日、初の意向調査で分かった。一方、住民の帰還など「条件が整えば(双葉郡内外で)再開したい」と答えた医療機関が40%(14施設)と最も多かった。

 避難住民が帰還の条件として医療環境の回復を重視する中、医療機関側も今後の住民帰還の行方が不透明な状況で、運営再開の判断に迷っている実態が浮き彫りとなった。

 「条件が整えば」とした14施設が示した「条件」(複数回答)で最も多かったのは「住民帰還」で13施設。続いて「生活インフラの復旧・整備」が10施設、「除染の完了」が9施設だった。

 一方、「地元町村以外で再開する」「再開しない」と答えた施設はいずれも8.6%だった。「分からない(未定)」は25.7%。

 調査結果について堀川章仁双葉郡医師会長は「現状で民間(病院など)が帰還して再開させるには経営を度外視しないといけない。古里で再開させたい思いは強いが、今後を見通せない中では『冒険できない』という戸惑いを反映している」と分析。行政による公的支援の必要性を指摘した。

 結果は、双葉郡8町村や国、医療関係団体が参加し19日に県庁で開かれた検討会で県が示した。調査対象は、休止施設がない広野町と川内村を除く6町村の病院5、医科診療所40、歯科診療所25の計70施設。このうち病院4、医科診療所19、歯科診療所12の計35施設(50%)が回答した。




http://irorio.jp/nagasawamaki/20151120/279715/
「潰れる病院が多発するのでは…」診療報酬のマイナス改定提言に懸念の声
長澤まき
2015年11月20日 11時19分 IRORIO

 財政制度等審議会が来年の「社会保障費」の伸びを5000億円弱までに抑えるように提言するという。

社会保障費の伸びの抑制を提言へ

 財務大臣の諮問機関である「財政制度等審議会」が、来年度の予算案編成に向けて、麻生財務大臣に「社会保障費」の伸びを抑えるように提言することが分かった。

 今年8月時点では今年度より6700億円増えるとしていた「社会保障費」の伸びを、高齢化に伴って確実に増える分の範囲内である5000億円弱に抑えることを要求するという。

診療報酬の「マイナス改定」が必要?

 社会保障費の伸びを抑制する一貫として、財政制度等審議会は「診療報酬」のマイナス改定が必要だと指摘している。

 診療報酬を下げて患者の負担や医師の収入を減らすことで、社会保障費の抑制につなげる狙いだ。

経団連等が要請

 診療報酬のマイナス改定については今月18日、経団連や健康保険組合連合会などが厚生労働大臣に要望した。その理由は次のようなものだ。

 国民の社会保障費負担の増加を抑制しなければ、労働者の手取賃金の伸びが抑えられ、消費の下押し要因となるほか、企業においても事業コストの増大に直結することから、国内外からの投資が減退し、経済成長が大きく鈍化するのではないかと懸念されます

 また経団連等は、28年度の診療報酬改定にあたって「かかりつけ薬剤師」による残薬解消やジェネリック医薬品の使用促進など「医療費の適正化」を基本方針とすべきだとも主張している。

ネット上には病院の経営を心配する声も

 診療報酬のマイナス改定など社会保障費の抑制が提言されることについて、ネット上にはさまざまな意見がよせられている。

 * 社会保障費のために消費税増税したんじゃないの?
 * 潰れる病院が多発するのでは…
 * 阿鼻叫喚だとわからんのかねえ
 * 未来への不安は消えない
 * 「少々具合が悪くても病院に行くな」と言われているようにしか思えない
 * 公務員と天下りの賃金とボーナスと退職金と共済年金で削減しろ
 * 診療報酬を引き下げることで病院の経営が悪化するのではないかという懸念の声がみられた。

 医療費削減をめぐっては、厚生労働省と財務省も「市販薬を一定以上買うと所得税を減らすことができる制度」を新設し、医療機関への診察を抑制することを検討している。

出典元:社会保障費の伸び 5千億円弱に抑えるよう提言 - NHK NEWS WEB(11/20)
出典元:TPP対策に成果目標を=社会保障費増、0.5兆円弱—財政審建議案の全容判明 - THE WALL STREET JOURNAL(11/20)
出典元: 平成28年度診療報酬改定に関する要請 - Keidanren(11/18)
出典元:市販薬購入で所得税軽く 1万円超を控除検討 - 日本経済新聞(11/20)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47378.html
包括ケアの基礎資料に、市区町村別データ集- 日医総研のグループが作成
2015年11月20日 11時00分 キャリアブレイン

 日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の高橋泰・客員研究員(国際医療福祉大大学院教授)らのグループは、人口動態や医療・介護施設の現状などが市区町村ごとに把握できるデータ集を作成し、日医総研のホームページ上で公開している。これまで同グループが二次医療圏ごとにまとめていたデータを、地域包括ケアシステム用に作り替えたもので、高橋氏は「地域包括ケアシステムを考える上での基礎資料になる。ぜひ活用してほしい」としている。【敦賀陽平】

 データ集では、▽要介護者と高齢者の現状▽病床数(一般、回復期リハビリ、地域包括ケアなど)▽病院と診療所の医師数▽医療費と後発医薬品の使用割合(数量ベース)、介護給付費▽介護サービス従事者数―など、人口当たりの医療資源量における全国での位置付けが4つの色で分かるようになっている。

 また、人口動態に基づく医療・介護のニーズと、施設や職員の数といった供給の2つの視点から、それぞれの市町村の相対的な位置付けを知るため、各市町村の状況についてコメントした「サマリー」も掲載されている。

 高橋氏は「自分の所属する町の全国での位置付けが分かる。特に、地域包括ケアシステムに携わる市町村の関係者に見てほしい」と話している。



http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2015/11/20092040046237.shtml
「医療秘書」で医師負担減
(2015年11月20日更新)長崎新聞

 白十字会佐世保中央病院(佐世保市大和町、富永雅也理事長)が、県内でいち早く導入した「医療秘書」が効果を上げている。秘書がカルテの入力代行などを担い、医師の負担を軽減。結婚や出産で一度退職した女性を積極的に雇用し、「活躍の場」づくりにもつながっている。

 「手足がしびれます」

 「首の異常が原因かもしれないので、MRI(磁気共鳴画像装置)を撮ってみましょう」

 神経内科の診察室で患者と医師のやりとりを聞きながら、電子カルテに症状や治療法を入力するのは下田奈津子さん(38)。医療秘書歴7年目だ。

 市内の専門学校卒業後、石油販売大手に就職したが結婚を機に退社。子育てが落ち着き、働き口を探していた時に同病院の求人が目にとまり、医療秘書として採用された。

 医療の仕事の経験はなかったが、専門書を何冊も読んで少しずつ成長。「勉強した分だけステップアップできる仕事。やりがいがある」と下田さん。

 「医療秘書」は、文書作成の補助や行政への報告・対応などで医師をサポートするのが役目。医師の負担軽減や担い手確保を目的に国が2008年に診療報酬の対象に加え、全国的に導入が広がった。

 中央病院は国の動きに先駆けて05年5月に導入。現在、内科、外科など34診療科に計37人の女性秘書を配置している。秘書の大半が子育て中のため、1日4時間から働けるようにした点が特徴だ。専門知識習得のための研修も計画的に実施している。

 効果はてきめんに表れている。医師の残業時間は1カ月平均50時間を超えていたが、導入後、30時間を下回る月もある。医師の残業が減ったことで全体として人件費が抑えられ、医療秘書の給与支出を差し引いても収支はプラスだ。

 女性の活躍の場を広げる取り組みは他にもある。看護師が無料で患者の相談に乗る「看護外来」を「がん支援」「女性の尿失禁」など8種別で開設し、14年の外来数は計2151件で県内最多。利用者からも「女性だから相談しやすい内容もある」などと好評だ。

 富永理事長は「世の中には能力を持ちながら埋もれている女性がいっぱいいる。やりがいを持てる仕事と働きやすい環境があれば、期待に応える働きをしてくれる」と話している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47386.html
「機能分化と連携を推進」- 塩崎厚労相
2015年11月20日 15時30分 キャリアブレイン

 社会保障審議会医療部会で2016年度に予定される診療報酬改定に向けた基本方針の骨子案が提示されたことを受け、塩崎恭久厚生労働相は20日の閣議後の記者会見で、医療提供体制における重点課題を改めて示した。入院医療については今後、「急性期医療と急性期後の受け皿を整理する」とした上で、今後は急性期や回復期、慢性期での医療機能の分化と連携を進める考えを示した。【松村秀士】


 骨子案では、基本的な視点として、▽地域包括ケアの推進と医療機能の分化・強化、連携▽患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療の実現▽重点的な対応が求められる医療分野の充実―などが盛り込まれた。また、チーム医療の推進や質の高い在宅医療・訪問看護の確保といった具体的な方向性も示された。

 この日の会見で塩崎厚労相は、外来医療について、かかりつけ医を普及させて機能分化を推進すると強調。医薬品の分野では、後発医薬品の使用促進や価格の適正化を図るとした。



http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=556011004
島根ワイド : 医療現場にもっと方言を 医師や医学生対象にセミナー
('15/11/20) 山陰新聞

 「方言医療」でより良いコミュニケーションを-。医療現場で方言への理解を広める取り組みを、出雲、松江両市の経済関係者でつくる山陰地域創生会議(会長・三吉庸善出雲商工会議所会頭)が始める。高齢の患者にとっては使い慣れた方言が、症状や感情を最も的確に伝えやすい言葉だが、医師や医学生には方言の通じない他地域の出身者も多い。第1弾として、24日に出雲市内で医師や医学生向けの出雲弁セミナーを開く予定で「方言と医療のつながりを深めたい」と意気込む。

 島根県外出身の医師や学生が6割を超える島根大学医学部(出雲市塩冶町)。大阪府出身の中尾美香医師(30)=呼吸器・化学療法内科=は「たばこする(休憩する)という方言には一番びっくりした。『せつい』『いたしい』など、同じ意味でも違う表現があり、理解に苦労した」と当初を振り返る。

 県東部はもとより、西部からも患者が訪れ、出雲弁や石見弁が飛び出す。県内出身の医師や看護師らに教わり、方言での診察を心掛けている。方言だと、患者との会話がスムーズに進むのを実感し「地域の言葉でのコミュニケーションは親近感が生まれる」と話す。

 症状の把握や適切な治療のため、医師と患者の意思疎通は欠かせない。特にお年寄りはなじみ深い方言を話すが、通じなければ、患者が細かい情報を医師に伝えなかったり、互いにストレスに感じたりする。

 山陰の特性を活かした地域づくりに取り組む、山陰地域創生会議はこうした実態を知り、医療現場での方言に注目。方言医療という造語を作り、推進する。

 24日のセミナーは島根大医学部で開催。出雲弁保存会の藤岡大拙会長(83)を講師に迎える。医学生には地域の魅力を知ってもらい、地元就職につなげたい狙いも込める。

 今後は医療現場に限らず、福祉分野にも活動を広げたい考えで、前原和代事務局長(45)は「地域の医療と福祉の発展を後押ししたい」と話した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47383.html
病院などの施設数と病床数が減少- 厚労省調査、診療所は有床減り無床増加
2015年11月20日 13時00分 キャリアブレイン

 病院と一般診療所(歯科を除く)の2014年の施設数が前年に比べて減っていたことが、厚生労働省の調査で分かった。「有床」の一般診療所が減った一方、「無床」が増えた。病床数については、病院と診療所のいずれも減少した。【新井哉】

■1日平均の外来と在院患者数も減少

 14年の国内の医療施設数は、病院が前年度比47施設減の8493施設、一般診療所が同67施設減の10万461施設。施設の種類別で見ると、精神病院は1067施設(前年比1施設増)、一般病院は7426施設(同48施設減)となっている。

 一般診療所については、「有床」が前年度比9.7%減の8355施設となった一方、「無床」が同0.9%増の9万2106施設となり、「有床」から「無床」に移行する動きが浮き彫りになった。

 国内の全病床数は168万712床で、前年比0.9%減少した。このうち、病院病床数は156万8261床で同0.4%減少。一般診療所は11万2364床で同7.4%減少した。

 また、全国の病院における14年中の1日平均在院患者数は126万1181人で、前年比1.1%減少した。このうち一般病院は103万7337人で、同1.1%減少。精神科病院は22万3843人で、同1.3%減少した。

 病院の1日平均外来患者数については、同1.3%減の137万2114人。このうち精神科病院は前年比0.2%増の5万7047人、一般病院は同1.3%減の131万5066人だった。

■病院の常勤医師は増加、准看護師は減少

 厚労省が公表した病院報告によると、昨年10月1日時点の病院の医師数は、常勤換算で21万0112.4人。このうち「常勤」は前年比2.1%増の16万9600人、「非常勤」は同0.03%減の4万512.4人だった。

 また、薬剤師は同2.2%増の4万6663.4人、看護師は同2.8%増の76万7700.8人、准看護師は同4.6%減の13万5799人となっている。

 人口10万人当たりの常勤換算医師数を都道府県別に見ると、高知(234.8人)が最も多く、以下は徳島(215.9人)、福岡(208.7人)、京都と岡山(共に208.1人)と続いた。一方、埼玉(114.8人)が最も少なく、新潟(129.7人)、福島(131.3人)、静岡(131.5人)、岐阜県(134.1人)も少なかった。



http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20151120-OYTNT50388.html
3大学医学部に県地域枠
2015年11月21日 読売新聞

 東海大(神奈川県)と帝京大(東京都)、日本医科大(同)は2016年度から、卒業後に静岡県内の医療機関で働くことを条件に入学する医学部の「地域枠」を設ける。今年度から近畿大(大阪府)、川崎医科大(岡山県)が同様の地域枠を設置しており、これで地域枠は5大学で計16人となる。県は、学生の経済的な負担を減らしながら、医師不足の解消を目指す。


 新たに地域枠を設定する3大学の定員は、東海大3人、帝京大2人、日本医科大1人で、文部科学省が10月に増員を許可した。各大学は今後、出願期間を決める。近畿大と川崎医科大は今年度から、定員5人の地域枠をそれぞれ設けており、近畿大に2人、川崎医科大に5人が入学している。

 地域枠で入学した学生は県から6年間で1440万円の奨学金を借りることができる。卒業後に県立総合病院や県立こども病院など、県が指定する46の医療機関で、9年間勤務すれば、返済は全額免除される。

 県地域医療課によると、人口10万人あたりの県内の医師数は全国41位の186・5人で、全国平均の226・5人を大きく下回る。県は地域枠の活用で医師を確実に確保するとともに地域医療の充実を図る考えだ。

 県庁で20日、県と東海大、日本医科大との協定締結式が行われ、川勝知事は「学生が将来、県内で活躍してくれると県民も期待している。大学側には出来るだけ県の情報を提供する」と期待を寄せた。帝京大とは今月24日に協定を締結する。



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20151120-OYTNT50363.html
国際医療福祉大 医師や教員、国内外公募へ
2015年11月21日 読売新聞

 成田市内の医学部新設で20日、候補に内定した国際医療福祉大(栃木県大田原市)が、既設の付属病院や関連病院、国内外を対象に公募を行い、医師や教員を確保する方針を示していることがわかった。成田市に医学部と関連病院が新設されることで、地域医療に悪影響が出ないようにする意味合いがある。学生が指導医の下で問診やカルテの記入、採血などを担う欧米並みの診療参加型臨床実習の実現も目指している。


 政府に対して大学が示した方針によると、医師や教員の引き抜きなどで地域医療に支障が出るとの懸念に対し、「(開設済みの)付属病院と関連病院の医師数は700人超で、このうち180人以上が医学部の教員経験者。(成田への)配置転換が可能」と説明。東北地方を除く国内外からの公募も行うという。

 看護師についても人事異動、関連の看護学部などの卒業生の配置といった方法で確保する。

 診療参加型臨床実習は90週の確保を目指しており、実現すれば米・カリフォルニア州の基準72週を上回る。治療方針の議論などを通じ、医師としての知識や思考法、技能などを学ばせる。

 原則として、すべての学生が海外での臨床実習に最低でも4週間臨む。医療が充実している欧米諸国以外にも、東南アジア諸国など学生の希望に応じて機会を提供する。



http://mainichi.jp/select/news/20151121k0000m040156000c.html
愛知の病院:検査台から患者転落…機器に上半身挟まれ死亡
毎日新聞 2015年11月20日 23時47分(最終更新 11月20日 23時50分)

 愛知県一宮市桜1の総合大雄会病院(今井秀院長)で20日、同県江南市の女性患者(74)が検査台から落ち、動いている検査機器に上半身を挟まれ死亡した。病院は県警一宮署に通報、同署が詳しい原因を調べている。死因は窒息死だった。

 病院を経営する社会医療法人「大雄会」によると、女性は体の周囲を撮影機器が回転するガンマカメラで肺の検査を受けていた。胸、腹、脚を検査台に固定していたが、開始直後に女性が動き出し、機器に巻き込まれた。男性技師がすぐに機械を止めたが、胸や腹を圧迫されており、約3時間後に亡くなった。

 病院側は院内に医療事故調査委員会を設置する方針。松広耕三・法人本部長は「警察の捜査に全面的に協力する」とコメントした。【花岡洋二】



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t239/201511/544684.html?myselect=20151120
シリーズ◎2016診療報酬改定
主治医機能、算定対象となる疾患を拡大へ
小児に対する主治医機能の評価も検討

2015/11/19 二羽 はるな=日経ヘルスケア

 中央社会保険医療協議会(中医協)は11月18日の総会で、2016年度診療報酬改定における外来医療のあり方について議論した。2014年度改定で主治医機能を評価するために新設された「地域包括診療料」「地域包括診療加算」について、認知症患者に対して介護に関する療養上の指導を含めた継続的かつ全人的な医療を提供し、多剤投与の是正などを行う場合は高血圧、糖尿病、脂質異常症以外の疾患を合併していても算定できるようにすること、小児に対する主治医機能を評価することなどを検討した。

 地域包括診療料・加算は、主治医機能を持つ中小病院や診療所の医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対して全人的な医療を行うことを評価した点数。高血圧、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2疾患以上を有する患者を対象とし、療養上の指導や服薬管理、健康管理を行うこと、在宅医療を提供すること、24時間の対応を行っていることなどを算定要件としている。地域包括診療料は月1回1503点、地域包括診療加算は1回につき20点算定できる。

 これらの点数は、外来の機能分化を促進する観点から新設された。だが、2015年7月時点の届け出施設数は、地域包括診療料が93施設、地域包括診療加算が4713施設で、いずれも2014年7月より減っていた。中医協の診療報酬改定結果検証部会の調査によると、対象疾患を2疾患以上有する患者のうち、地域包括診療料を算定された患者は9%にとどまっていた。対象疾患の組み合わせとしては高血圧と脂質異常症の2疾患が多く、次いで高血圧と脂質異常症、糖尿病の3疾患が多かった。

 一方で、認知症の推計外来患者数は増加傾向にある。前出の調査によると、認知症の合併疾患としては消化器疾患や運動器疾患、循環器疾患などが多かった。地域包括診療料・加算を算定していない認知症患者の半数以上が6種類以上の薬を服用しており、10種類以上の薬を服用している患者も1割程度いた。

 また、厚生労働省がまとめた「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」では、認知症対策としてかかりつけ医が認知症に対する対応力を高めることや、かかりつけ医や介護支援専門員(ケアマネジャー)などが中心となって医療・介護の連携を図ることなどが挙げられている。

 こうした実態を踏まえ、認知症の場合は高血圧、糖尿病、脂質異常症以外の疾患を合併する場合でも主治医機能として評価することを厚労省は提案した。その場合、介護に関する療養上の指導を含めた継続的かつ全人的な医療の実施や、多剤投与の是正などを求める考えだ。

 算定対象となる疾患を拡大するという厚労省の提案に反対の意見はなく、方向性は了承された。一方で、多剤投与の適正化については、「必要な薬剤を処方した結果として多剤になるケースもある」として配慮を求める意見も診療側から出た。

 さらに、診療側からは現行の地域包括診療料・加算の算定要件を見直すよう、要望が相次いだ。日本病院会常任理事の万代恭嗣氏は、「病院の場合、算定要件に2次救急指定病院または救急告示病院とある。急患への対応は必要だが、2次救急指定や救急告示まで必要だろうか」との考えを示した。日本医師会副会長の中川俊男氏も、「『要件が厳しすぎる』という声を全国の医師会員から聞く。一つひとつの要件の緩和を検討してほしい」と訴えた。

小児に対する主治医機能を新たに評価
 併せて、小児に対する主治医機能を新たに評価することも検討した。厚労省の患者調査によると、外来受療率は高齢者と乳幼児で高い。小児では同一傷病名で複数の医療機関を受診する「重複受診」が多いほか、小児科は他の診療科に比べて時間外・休日・深夜の対応が多い傾向がある。

 そこで、小児に対して慢性疾患の継続的な管理や急性疾患の診療、時間外の対応、予防接種の実施や専門医への紹介などを行い、継続的かつ全人的な診療を行う主治医機能を評価することを厚労省は提案。委員から反対の意見はなかった。

 なお、小児科を標榜する医療機関では、3歳未満の外来患児に対しては、原則として「小児科外来診療料」という包括点数を算定することになっている。小児に対する主治医機能の評価は、この小児科外来診療料の評価方法を基本に、3歳以降の一定の年齢までを対象とする方針だ。

紹介なしの大病院受診、500床以上で定額負担求める方針
 紹介状を持たずに大病院を受診した患者に一定金額の支払いを求める定額負担の導入については、対象を特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院とすることがおおむね了承された(関連記事:患者定額負担の義務化に向けた議論がスタート)。徴収額については、国が最低額を設定する方針だ。

 定額負担を求めない患者像やケースについては、現在の選定療養制度を踏襲することが了承された。具体的には、(1)救急で受診した患者、(2)公費負担医療制度の受給対象者、(3)無料定額診療事業の対象患者、(4)HIV感染者――に対しては定額負担を求めない。このほか、自施設の他の診療科を受診中の患者や、地域にほかに当該診療科を標榜する医療機関がなく、大病院が外来診療を実質的に担っているような診療科を受診する患者などが定額負担を求めなくてもよい患者・ケースとして挙げられ(表)、了承された。

表 厚生労働省が示した定額負担を求めない患者・ケースの例
+-----------------------
| ・自施設の他の診療科を受診中の患者
| ・医科と歯科の間で院内紹介した患者
| ・健康診断の結果により受診指示があった患者
| ・救急医療事業、周産期事業等における休日夜間受診患者
| ・外来受診後そのまま入院となった患者
| ・地域に他に当該診療科を標榜する診療所等がなく、大病院が外来診療を実質的に担っているような診療科を受診する患者
| ・治験協力者である患者
| ・災害により被害を受けた患者
| ・労働災害、公務災害、交通事故、自費診療の患者
| ・その他、医療機関の判断により受診する必要を認めた患者
+-----------------------
 
 徴収額の最低額として、初診時は「3000円」「5000円」「1万円」の3案、再診時は「1000円」「初診時の最低額の約4分の1」「初診時の最低額の約2分の1」の3案を厚労省は提示。現在、診療所を受診して紹介状が発行された場合に、3割負担で約4350円かかることから、これを上回る金額として「5000円程度が妥当では」との意見が複数の委員から出た。

 なお、過去2回の改定では、外来の機能分化を進める観点から、紹介率や逆紹介率の基準を満たさない大病院を対象に、紹介状を持たない患者の初診料や、他院に紹介したにもかかわらず紹介元の病院を受診した再診患者の外来診療料を引き下げた。この措置については次期改定でも現行の基準を維持し、次期改定で定額負担を導入した後の影響を踏まえて検討する予定だ。



http://www.m3.com/news/general/376738?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151120&dcf_doctor=true&mc.l=132043329&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
<山形大生死亡訴訟>119番対応の評価 年度内に
地域 2015年11月20日 (金)配信河北新報

 佐藤孝弘山形市長は19日の定例記者会見で、119番山形大生死亡問題に関し「経緯の説明を受けている」と述べ、通報受理時の対応や救急車不出動の判断などの検証に入ったことを明らかにした。年度内にも評価を示す意向だ。

 市消防本部総務課によると、事案の経過や訴訟の和解内容を説明している。

 佐藤市長は当選後の9月、「事故の原因が市消防本部の体質なのか、ルールの不備によるものかもあいまいなままだ」と指摘。検証の必要性を強調していた。

  1. 2015/11/21(土) 05:47:51|
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