Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月30日 

http://mainichi.jp/select/news/20151031k0000m010131000c.html
財務省:8年ぶり診療報酬マイナス改定の方針
毎日新聞 2015年10月30日 22時46分

 財務省は30日、2016年度の予算編成で医療サービスの公定価格である診療報酬の引き下げを求める方針を固めた。薬剤師に支払われる報酬の抜本的な見直しなどを求め、一般会計の3割超を占める社会保障費抑制に向けて8年ぶりのマイナス改定を目指す。ただ、厚生労働省は引き下げに慎重で、年末にかけての交渉は曲折が予想される。

 同日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会に提案し、大筋で了承を得た。診療報酬は医師・薬剤師の技術料に当たる「本体」と、薬そのものの価格である「薬価」に分かれるが、両方の引き下げを求める。原則2年に1回行われる改定では近年、市場実勢に合わせて薬価が下がる一方、本体は増額が続いており、本体・薬価ともにマイナスになれば10年ぶり。要求する引き下げ幅は11月にも固める。

 財務省が本丸と位置づけるのが、薬剤師への調剤報酬だ。薬局を病院から独立させる「医薬分業」を進めた結果、薬局はコンビニエンスストアを上回る全国約5万7000店に増えた。ただ、医師の処方箋が必要な薬では、大病院と関係が深い「門前薬局」の存在が大きい。財務省は、病院から独立した薬剤師が過剰投薬などを防いで医療を効率化させるといった当初の目的を果たしていないと指摘。多くの薬を処方するほどもうかる仕組みを改め、患者の立場に立って調剤する薬局を優遇するよう「ゼロベースでの抜本的な見直しが必要」とした。

 薬価については、先発薬(新薬)でも特許が切れた後は薬価を引き下げるよう提案。将来的には、安価な後発薬(ジェネリック薬)の価格までしか保険適用を認めず、特許切れ先発薬との差額は自己負担とすることを求めた。また、処方箋なしでも買える市販品類似薬は保険の適用外にすべきだとした。

 ただ、日本医師会などの反発は必至で、医療の質の低下を警戒する厚労省との調整は難航が必至だ。

 雇用保険や子育て、地方財政についても議論。失業者減で雇用保険積立金が過去最高水準の6兆円台に積み上がったことを踏まえ、企業と従業員の保険料負担を一時的に減らすべきだと指摘した。企業には保険料負担が減った分の範囲内で政府の子育て支援充実策への企業負担増を求める。【宮島寛】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47173.html
マイナス改定に大多数が賛成、財政審分科会- 「もぐらたたき」と反対の委員も
2015年10月30日 18時00分 キャリアブレイン

 財政制度等審議会(財政審)の財政制度分科会は30日、会合を開き、2016年度の予算編成に向けた議論をした。会合後に開いた記者会見で吉川洋・分科会長(東大大学院教授)は、診療報酬の引き下げには「一人の委員を除き、圧倒的多数が賛成だった」ことを明らかにした。反対した委員は「診療報酬の引き下げは、もぐらたたきのようなもので限界がある」と主張したという。【坂本朝子】

 この日の会合では、財務省が16年度の診療報酬改定に向けた論点として、「経済・財政再生計画」に示された考え方に沿って、医療保険制度の持続可能性を確保するため、▽市場価格を反映した薬価改定▽診療報酬本体のマイナス改定▽「経済・財政再生計画」に示された診療報酬の改革検討項目(後発医薬品の使用促進、調剤報酬の見直しなど)の実現-などを提示。

 吉川分科会長は、委員から「これまでも賃金・物価の推移を勘案して診療報酬を引き下げることをやったわけだが、効果的だし、当然やるべき」「医療の高度化により生産性が向上した分は医療費の抑制に反映させるべき」など、診療報酬の引き下げが妥当との意見が多く見られたとした上で、「基本的には下げていくことに対して、一人を除いてコンセンサスがあると考えている」と述べた。また、薬価や調剤報酬の見直しについても多数が賛意を示したという。

 その一方で、ただ一人、診療報酬の引き下げに難色を示した委員は、「医療制度の改革のためには、かかりつけ医の推進や電子カルテの普及をすべきであり、イギリスに学ぶべき」と主張したという。

 また、吉川分科会長は、複数の委員から診療報酬の中身にめりはりを付けるよう求める意見があったことに触れ、「(薬価を)下げた分を本体に回すのは論外」と強調した上で、苦しい財政状況の中では診療報酬全体を見直し、点数の付け方を変えるべきだと主張した。

 そのほか、個別の項目では、湿布などの市販品類似薬を保険収載から除外すべきとの意見や、お薬手帳が有効に機能していないため、マイナンバーとひも付けて薬の一元管理の効率化を図るべきなどの意見が見られたという。

 財政審は、今後発表される医療経済実態調査の結果なども踏まえ、来年度予算の編成などに関する建議を取りまとめる予定。



http://www.sankei.com/economy/news/151030/ecn1510300054-n1.html
診療報酬マイナス改定を提案 調剤薬局報酬見直しも 財政審
2015.10.30 20:08 産経ニュース

 財務省は30日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)を開き、医療サービスの公定価格である「診療報酬」を平成28年度改定で引き下げるよう求める方針を示した。「本体」と呼ばれる医師と薬剤師の技術料で10年ぶりのマイナス改定を目指し、調剤薬局の報酬でも抜本的な見直しを提案。厳しい財政事情を踏まえ、歳出抑制につなげる。

 診療報酬は医薬品の価格と技術料から構成され、改定は2年に1回。薬価は市場の実勢価格に沿って下がってきたが、技術料は平成20年度以降プラスが続いている。財務省は物価や賃金の動向を考慮しても技術料は高止まりしているとして、マイナス改定の必要性を訴えた。診療報酬を1%下げると医療費が年間4300億円減らせるという。 会合では、処方する薬の投与日数などに応じて報酬が上がる仕組みの見直しのほか、薬の過剰投与が指摘される大病院周辺の「門前薬局」の報酬引き下げなども提案した。

 この日は地方財政についても議論。財務省は、リーマン・ショックを機に始めた地方交付税に上乗せする「別枠加算」について、自治体の税収回復などを理由に廃止を提言した。



http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20151027med00m010009000c
「抗がん剤は効かない」は本当か
今解きたいがん治療の誤解【前編】

中村好見 / 毎日新聞 医療プレミア編集部
2015年10月28日

 川島なお美さんが胆管がんで急逝、また北斗晶さんが乳がんを告白と、著名人のがんのニュースが相次ぎ、改めてがんの予防や治療への関心が高まっています。日本人の2人に1人が一生のうち一度はがんになる時代。しかし、がん治療や予防についての誤解や、科学的根拠のない代替療法の誇大な宣伝などが、インターネットを通して無限に拡散されているのが現状です。「患者さんに害を及ぼす情報を放置してはいけない」と発信を続けている日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之医師に、がん治療の誤解や、正しい情報をどのように見分けたらよいかを聞きました。3回に分けてお届けします。【聞き手=編集部・中村好見】

 −−川島なお美さんの訃報の後、「『抗がん剤の副作用でステージに立てなくなる可能性があるなら、私は最後まで女優として舞台に立ち続けたい』というのは、抗がん剤に対する誤解ですので残念です」という先生のツイッターやフェイスブックでの投稿は、大きな反響がありました。一歩踏み込んだ発言だと感じましたが、どのような思いで発信されたのでしょうか。

 抗がん剤に対する誤解が、さらに広まってしまうのではと危惧しました。この10年ほどの医学の急速な進歩で、抗がん剤の副作用対策はかなり進みました。僕の患者さんには、きちんと副作用管理をして、抗がん剤治療を受けながら仕事を続けている人が大勢います。それなのに「誰もが吐いて、髪の毛が抜けて、体がぼろぼろになって、寝たきり状態で仕事ができなくなってしまう」という世間の抗がん剤のイメージは、ほとんど変わっていません。もちろん、すべての副作用が無くなったわけではなく、不快な症状を伴うことはありますが、旧来の副作用のイメージとは大きく異なるのが事実です。そして患者さんの選択は尊重しなければなりません。ただ、著名人の影響力は大きく、正しい情報を受けられていたのかが気になりました。また、抗がん剤治療への誤解をあおるようなメディアの報道の仕方にも大きな問題があると感じました。

 −−抗がん剤治療は、入院して受けるというイメージがありました。

 がんは、白血病などの血液がんと、それ以外の固形がんに分かれます。血液がんは抗がん剤だけで治る可能性があるので、連日強力な抗がん剤を投与するため、入院する必要があります。一方、固形がんの抗がん剤は、一部の治療を除いて、ほとんどが通院で受けることができます。通院治療が可能であれば、患者さんの生活の質(QOL)を保つことを考えて、通院で行うことが原則と思います。欧米では通院治療が主流です。しかし、日本では慣習で初回の抗がん剤治療は入院としたり、基本的にすべて入院でやっていたりと、9割以上の病院で一度以上は入院させています。もちろん、がんが進行し、症状が出て体力が弱って通院治療が困難な場合など、入院が必要な場合もありますが、まだまだ通院治療が遅れているという現実があります。


 −−インターネット上や書籍では「抗がん剤は効かない、逆に命を縮める」という言説が多く見られます。そもそも、抗がん剤でがんは治るのでしょうか。

 まずは、「抗がん剤が効く」とはどういうことか説明しましょう。先ほど、血液がんは抗がん剤だけで治る可能性があるとお話ししましたので、ここでは固形がんについてお話しします。抗がん剤を使う目的は、大きく分けて二つです。一つは手術や放射線治療後の再発を予防する(完治率を高める)治療、もう一つは進行再発がんに対する延命(がんが大きくなるのを一定期間防いで共存する)治療です。いずれも、効果があることが科学的なデータで示されています。また、分子標的薬(※注)などの新薬が毎月のように登場し、これまで治療が難しかった患者さんにも可能性は広がっています。

 しかし、抗がん剤に限界があることも正しく理解しなければなりません。特に進行再発がんについては、現状では完治は極めて難しい。抗がん剤には副作用がありますし、ほとんどの固形がんは、次第に抗がん剤への耐性を持ちます。どのような患者さんに抗がん剤が適応するかは、がんの種類、ステージ、年齢、全身状態や臓器機能によって一人一人異なります。また、最も重要なのは患者さんの価値観です。医療者は正しい情報提供をした上で、患者さんが大切にしたいこと、QOLを考慮し、抗がん剤治療を続けるか続けないか、最善の方法は何なのか一緒に考えていくことが大切です。そういった治療のコーディネートを担うのが抗がん剤治療を専門に行う腫瘍内科医のはずなのですが、日本では欧米に比べてまだまだ少ないのが現状です。

 −−緩和ケアについても、大きな誤解があると指摘されていますね。

 緩和ケアは、がん末期になってから、痛みや苦しみを和らげるための治療と思っていませんか。2010年、「緩和ケアに延命効果が認められた」という、世界中のがん治療医にとって衝撃的な論文が米科学誌に発表されました。早期に緩和ケアを導入すれば、無駄な抗がん剤を減らしてQOLを向上させ、延命効果をもたらすというのです。この結果を受けて、米国では外来での緩和ケアが広がりましたが、日本での取り組みは、こちらもまだまだというのが実情です。

 延命効果がはっきりと認められているのですから、緩和ケアは進行再発がんと診断された時から導入すべきです。抗がん剤治療と併用が可能です。痛みを和らげるための治療はもちろんですが、最も大切なのは病状をきちんと理解してもらい、患者さんが大切にしたいことを聞いてその生活をサポートすることです。「趣味を続けたい」「おいしいものをおなかいっぱい食べたい」「仕事を続けたい」…一番多いのは「家族とできるだけ長く普通の生活がしたい」という答えです。僕の患者さんの中には、抗がん剤治療を受けながら、「世界一周をしたい」「結婚式を挙げたい」という夢を実現した人もいます。進行再発がんは、生活の質を保ち、よりよい共存を目指すことが目標です。がんと上手に付き合うこと、治療ともうまく付き合っていくことが大切と思います。

※注 分子標的薬:がん細胞だけが持つ特徴を分子レベルでとらえ、それを狙い撃ちにする薬。



http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20151028med00m010005000c
「若いうちから乳がん検診」は有効か
今解きたいがん治療の誤解【中編】

中村好見 / 毎日新聞 医療プレミア編集部
2015年10月29日

 北斗晶さんが乳がんを告白し、「若かろうが年を取っていようが乳がん検診に行ってください」と呼びかけ、乳がん検診を実施している病院への問い合わせが増えているといいます。ただ、日本の自治体などの乳がん検診の対象は40代以上。20〜30代の若い世代の検診は有効なのでしょうか。そして日本のピンクリボン運動の問題とは。誤解の多いがん予防や治療について、前回に引き続き日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之医師に聞きました。【聞き手=編集部・中村好見】

がん検診のメリット、デメリットを正しく知る

 −−北斗さんについては、乳がん検診を受けた後にがんが見つかったことも話題になりました。乳がん検診は結局、有効なのでしょうか。

 北斗さんの件に関して、私たちが学ぶべき重要なことがあります。それは「検診には限界があることを知る」ということです。まず、がん検診が有効ながんと、そうでないがんがあります。現在、検診の有効性がある程度科学的に示されているのは「大腸がん」「子宮がん」「乳がん」「肺がん」「胃がん」−−の五つです。さらに有効性が示されているがんでも、北斗さんのように、検診によって100%がんを見つけられるわけではありません。毎年検診を受けていても、数ヶ月で大きくなるがんもあります。それなのに「検診さえしておけば、がんは早期発見、早期治療できる」というような誤解を与えるキャンペーンや報道が多いと感じています。

 また検診の有効性は、年齢によっても議論があります。日本の乳がん検診は40代以上が対象です。一方、米国予防医療作業部会は2009年、それまで推奨していた40代のマンモグラフィー(乳房X線撮影)は、大規模追跡調査の結果、ほとんど効果がないので推奨しないという勧告を出しました。閉経前で乳腺密度が高い40代は、健診の精度が下がります。不必要な放射線照射や組織検査、過剰診断(※注)、過剰治療を受けて、無用な不安をかきたてられるデメリットの方が大きいという判断でした。アジアでは欧米より、閉経前乳がんのリスクが高いなど人種による違いもあり、お隣の韓国は日本と同じく40代から、カナダや英国では50代からと、国によって対応は分かれています。大切なのは検診のメリットとデメリットを正しく知った上で、選択することです。一方、20〜30代の検診の有効性は科学的に示されていません。デメリットをきちんと伝えることなく「若いうちからがん検診を受けよう」と呼びかけることは、控えるべきでしょう。ただ、家族歴や気になる症状がある人は乳腺専門医に相談し、検査を受けるべきかどうか検討してください。

日本のピンクリボン運動の問題とは

 −−今月は乳がん月間で、ピンクリボン運動などが展開され、盛んに検診が呼びかけられています。

 この時期が近づくと、正直憂うつになります。それは日本のピンクリボン運動が、「早期発見、早期治療」、つまり検診の啓発しかほとんどしないからです。ピンクリボン運動は米国で始まりましたが、検診については実はあまり強調されていません。「乳がんに対して理解を深める」というキャンペーンです。寄付金は、検診の啓発ではなく乳がんの治療研究に主に使われます。2013年の国民生活基礎調査によると、2012〜13年の2年間で日本の40〜60代の乳がん検診率は43.4%。70%以上が並ぶ欧米に比べるととても低い。だから検診率を上げるのは重要ですが、啓発だけでは効果が十分でないのは明らかでしょう。行政が検診台帳を整備して、乳がん検診を受けていない人への呼びかけを徹底するべきです。

 日本ではあまりに検診についてばかり言うので、検診せずにがんにかかった患者さんは「検診しなかった私が悪い」と思うようになりますし、周りの人も「検診しなかったから悪い」というレッテルを貼るようになります。若年性乳がんの患者さんもいます。がんになったことが悪いことをしたかのように扱われるのはどうか、と思います。

 −−レッテル貼りについては、がんに関する報道が増えた後、「がんになるような食生活や生活習慣だったのでは」「体を温めていたらがんにならなかったのに」「無用なマンモグラフィーを受けて被爆したせい」などの言説がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上などにあふれました。

 そういった情報は誤解を広げ、がん患者さんを助けるどころか傷付けるだけですね。がんは、家族歴も関係します。また、マンモグラフィーのデメリットは述べた通りですが、50〜60代は受けた方が、死亡率が下がることが科学的に示されています。また1回の撮影で乳房が受ける放射線の量(0.05ミリシーベルト)は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量(2.4ミリシーベルト)の50分の1程度です。不必要な放射線は受けるべきではありませんが、健康影響はほとんどないと考えてよいと思います。今、大切なのは「がんは誰でもなる病気。がん患者さんを応援しよう。がん患者さんが安心して暮らせる社会を目指しましょう」という運動で、それが本来、ピンクリボン運動が目指すべき姿ではないでしょうか。

※注 過剰診断:検診では、健康に影響はなく、微小でその後も進行がんにはならないがんを見つける場合があります。これを「過剰診断」といいます。ただ今のところ、このようながんと普通のがんを区別することはできません。



http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20151029med00m010002000c
「医療否定本」を信じる前に
今解きたいがん治療の誤解【後編】

中村好見 / 毎日新聞 医療プレミア編集部
2015年10月30日 毎日新聞

 川島なお美さんが手術後に抗がん剤治療を拒否し、食事療法や邪気を取り除くという民間療法を受けていたと報道されると、その選択を巡ってインターネット上では議論が起こりました。「がんは放置してもいい」「がんが消えていく食事」「奇跡のがん免疫細胞療法」−−。インターネット上や書店に並ぶ書籍には、がん患者を惑わせるような情報にあふれています。私たちはどのように正しいがん情報を見分けたらよいのでしょうか。3回にわたる日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之医師へのインタビュー最終回です。【聞き手=編集部・中村好見】

 −−がんについての情報があふれ、医学的に最善とされている標準治療を否定する患者さんが増えていると聞きます。

 がん情報について、特に問題なのはインターネットです。もしもがんと言われたら、まず、インターネットで自分のがんについて情報を入手する人が多いと思います。ただ日本のインターネットのがん情報がどのくらい正確かというと、正しい情報にヒットする確率は50%以下だったという研究の報告があります(2009年、国立がん研究センター・後藤悌医師の論文より)。現在はさらに、医療関係者や影響力のある著名人らがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発言し、科学的根拠のない情報がもっともらしい「事実」として拡散されていく問題もあります。

 医療機関は、比較広告、誇大広告などが禁止されています。また、医薬品以外の健康食品や、医薬品でも承認されていないものについては、病気の治療や予防に効果があることを示すことが禁じられています。しかしインターネット上のこうした広告については、野放しの状態でした。昨年末の医薬品医療機器法(旧薬事法)の施行に伴う通達などで、今後は取り締まりが強化されることを期待します。

 一方、よく見かける「食べ物で末期がんが消えた」などという民間療法や代替療法に関する本や情報は、特定の商品と結び付けていなければセーフとされています。しかし、科学的根拠のない治療法で治ったという極端な事例について、万人に適応するかのような誤解を与えているので注意が必要です。生活習慣の見直しや食事はがんの予防につながる可能性はありますが、一度なってしまったがんが「治る」という科学的根拠はありません。

 何が正しい情報なのか迷ったら、国立がん研究センターのホームページに開設されている「がん情報サービス(http://ganjoho.jp/public/index.html)」を見てください。各種がんについて比較的偏りのない情報が書かれており、代替療法についても解説されています。また、現時点での最善の治療法である「標準治療」について書いてある診療ガイドラインは、「がん診療ガイドラインなどのエビデンスデータベース(http://ganjoho.jp/professional/med_info/evidence/index.html)」で調べることができます。

 −−そもそも、がんの「標準治療」とはどういったものなのでしょうか。

 言葉のイメージから誤解されがちですが、「標準治療」は、“並の治療”という意味ではありません。大規模臨床試験の結果から、現時点で最も効果が高く安全と認められた、最善の治療法です。しかも日本は皆保険の国で、「標準治療」はきちんと保険承認されています。これに対して「最新治療」は、期待されてはいるものの、まだ最良かどうか分かっていない“研究段階の治療”です。例として重粒子線や陽子線治療が挙げられます。中には厚生労働省の「先進医療」に指定され、一部の大学病院やがんセンターなどで保険診療との併用が認められているものがありますが、先進医療にかかわる費用は自己負担です。

 また、インターネットの広告でよく見かけるクリニックが自由診療で実施している「免疫細胞療法」は、全額自己負担です。科学的に有効性が示されていないから「標準治療」にならず、もちろん保険承認もされていないのです。数百万円の治療費をつぎ込んだにもかかわらず、効果がないまま、十分な緩和ケアを受けられずに亡くなった患者さんの話をよく聞きます。進行がんの患者さんの不安を利用して、ビジネスにしてよいのでしょうか。欧米では効果が実証されていない治療をするには届け出が必要で、「日本の状況はあり得ない」と言われます。免疫細胞療法は少なくとも臨床研究として実施し、治験と同じように無報酬で行うべきだと思います。

 最近、「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれる画期的ながん新薬が、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として保険承認され、他のがんへの治験もすすんでいます。メディアは「新しい免疫療法」などと報じていますが、従来の免疫細胞療法との混同を避けるため、呼称には注意すべきでしょう。

 −−いわゆる「がん放置療法」や「がんもどき理論」を唱えて著書がベストセラーになっている医師の近藤誠さんに対して、『「抗がん剤は効かない」の罪』、『医療否定本の嘘』を出版して反論されていますね。

 近藤医師の本は分かりやすく、おもしろい。また医学的な誤りは非常に多いのですが、過剰診断や過剰治療など、日本の現代医療の問題点を一部突いているのが、逆にやっかいと言えます。読者はどこまでが本当で、どこからが仮説、またはうそに過ぎないかが判断しにくいのです。

 近藤医師は、がんは「すでに転移が潜んでいて治療しても治らない“本物のがん”」と「放置しても進行しない“がんもどき”」に二分されると主張しています。そしてがん検診や早期治療を否定しています。ただ、がんはそんなに単純ではありません。「放置すると進行していずれ死に至るが、積極的治療で治るがん」と「積極的治療で治すことは難しいが、延命、共存できるがん」も存在します。また、進行しない“がんもどき”があるのは事実ですが、初期の段階で“本物のがん”と見分けることは現状できません。患者さんに放置をすすめて、がんが進行して最悪亡くなったら“本物のがん”、進行しなかったら“がんもどき”というのは後出しじゃんけんに過ぎません。医師としての姿勢に欠けているのではないでしょうか。

 近藤さんを信じてがんを放置したものの、進行して私を訪ねてくる患者さんもいます。がんについての情報は、人の人生や命を左右します。売れるからといって患者さんに誤解や混乱を与えるような本を出版するメディアも罪深いのではないでしょうか。学会や公的機関も放置すべきではないと思います。

 −−現代医療への誤解が広がっているのには、患者に寄り添うような医療がされていない、医療不信が背景にあるとも指摘されています。

 その通りだと思います。ある意味、医師と患者のコミュニケーション不足から生じた医療不信が“医療否定本”を生んだとも言えるでしょう。医師不足は深刻化し、毎日百人近くのがん患者さんを外来で診ている医師がざらにいます。現場は疲弊し、患者さんへの説明が十分でなかったり、心ない言葉を言ったりする医師がいるのは現実です。また、日本の大学病院やがんセンターでは、積極的治療ができなくなった患者を放り出すような傾向もありました。

 がん患者さんが言われて最も傷つくのは「もう何も治療法がない」という言葉と、「断定的な余命告知」だという報告があります。余命告知は医師の経験値やあくまで中央値で、一人一人異なる患者さんの余命を正確に予測することはできません。また、がん専門医による治療は、積極的治療ができなくなり、緩和ケア医やホスピスに紹介した時点で“終わり”ではありません。「最期まであなたの主治医です、いつでも相談してください」というメッセージを伝え、患者さんのQOL(生活の質)を支えることが大切だと思っています。(おわり)


【プロフィル】

勝俣範之(かつまた・のりゆき):日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授

1963年生まれ。88年、富山医科薬科大学卒業。国立がんセンター中央病院内科、同薬物療法部薬物療法室医長を経て、ハーバード大学公衆衛生院留学。その後、国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科外来医長、11年より現職。専門は、内科腫瘍学全般、抗がん剤の支持療法、臨床試験、EBM(根拠に基づく医療)、がん患者とのコミュニケーション、がんサバイバー支援など。著書に『「抗がん剤は効かない」の罪』(毎日新聞社)『医療否定本の嘘』(扶桑社)がある。



http://apital.asahi.com/article/story/2015103000004.html
(教えて!医療事故調査制度:3) 遺体の解剖、何が分かる?
教えて!医療事故調査制度

2015年10月30日 朝日新聞

10294_201510300530064b2.jpg

拡大
事故の原因究明のポイント/国の死亡事故調査モデル事業で死因は…

 死亡原因は医療行為によるのか、持病や合併症によるのか。医療事故調査では、カルテや看護記録のチェック、担当医や遺族からの聞き取りのほか、解剖が死因究明のカギを握る。

 医療裁判に詳しい石川寛俊弁護士は「事故が起きるときは、どのように容体が悪くなったかという記録が丁寧に書かれておらず、解剖して死因が初めてわかることも多い」と話す。

 解剖では、専門の臨床医も立ち会って、手術でどの部分を切り、縫合したかなどを丁寧に調べる。手術がうまくいっているとなれば、麻酔方法や手術後の点滴、呼吸管理などに問題があった可能性が出てくる。

 大阪大の松本博志教授(死因究明学)は「解剖でわかったことと、担当医らへのヒアリングで確認したいきさつとを照らしあわせれば、診療行為との関係を明らかにできる」と話す。

 国の医療事故調査のモデル事業では、2010~12年度に解剖を実施した73例中、88%が死因が判明もしくは確認できたという。

 脳卒中でリハビリ中に突然死した患者の原因が事故でなく、足の静脈にできた血栓で肺の血管を詰まらせたと解剖で判明したケースもあった。異状がないという確認も調査にプラスだ。

 ただ解剖できる施設は限られ、地域差も大きい。

 松本さんは「医療事故の解剖は、医療行為がどうされたかと死因を調べるため、通常の病理解剖とは視点が違う。正確な評価には解剖医と臨床医いずれもかなりの経験が必要」。人材育成や、実施・協力体制づくりが欠かせない。

 もう一つの大きな課題が、遺族の心情への配慮だ。事故で失った家族の体にメスを入れる解剖への拒否感情が働きやすい。

 事故遺族で、現在は病院で患者と医師の意思疎通を支援する豊田郁子さんによると、「今後の医療のために」「原因はわからないと思うけれど、どうしますか」と病院側から言われ、傷つく遺族も少なくない。

 ただ、解剖をした遺族を対象にしたアンケートでは約8割が評価。頭部は遺体を傷つけずにCTやMRIで出血や骨折を調べる「死亡時画像診断(Ai)」を利用できる場合もある。

 豊田さんは「病院側は、解剖でどのようなことがわかるか丁寧に説明するとともに、遺族の心情をくんで、何ができるか考えることが大切」と話している。

(富田洸平、桜井林太郎)
(朝日新聞 2015年10月30日掲載)



http://dot.asahi.com/aera/2015102800077.html
介護する側・される側の負担軽減「ユマニチュード」とは
(更新 2015/10/30 07:00) Dot朝日/AERA

 認知症の治療は薬物療法が中心だが、根本的な治療(キュア)は期待できない。「不治の病」に対処するため、医療現場もケア重視に傾いている。

 アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型という4タイプの認知症のうち、薬の効果が期待できるのは主にアルツハイマー型だ。1999年に抗認知症薬「アリセプト」が発売され、2011年には3剤が加わった。アリセプトはレビー小体型にも効果があり、14年から健康保険適用になっている。

 いずれの薬も症状の悪化を遅らせることはできるが、認知症を根治する効果はない。しかし、順天堂大学精神科の新井平伊(へいい)教授は「認知症の治療は薬だけではない」と話す。

「むしろ患者さんと介護する家族が適切な環境のもとで精神的に落ち着いて生活できることが重要で、それを支援する医療や介護の役割は大きい。認知機能が低下しても、穏やかに過ごせればいい人生を送れる。新薬の開発も大事ですが、それ以上にいま認知症と闘っている目の前の人を救う医療や介護が求められているのです」

 その潮流を象徴するケアとして注目を集めるのが「ユマニチュード」。フランス語で、人間らしさを取り戻すという意味だ。

 東京医療センター(東京都目黒区)では、認知症の症状がある入院患者に、11年から実践している。ユマニチュードを日本に導入した同センター・総合内科医長の本田美和子医師は「このケアの柱は『あなたを大事に思っていますよ』と、相手にわかる形で伝えること」と話す。

「たとえば時間を知りたいと思ったとき、いきなりすれ違う人の腕をつかんで、時計をのぞきこんだりしませんよね。でもケアの現場では、突然病室を訪ねて『おむつを交換しますね』とズボンに手をかけることは珍しくありません。状況がわかっていない患者さんはびっくりするし、怖いので、思わず『やめて』と意思表示する。ケアする側は拒否されたとか攻撃的になっていると感じますが、実はごく当たり前の反応で、自分を守ろうとしているだけなんです」

 おむつ交換のときはまず、これから行きますよという合図のノックをし、反応を待ってから近づく。そして目を見て穏やかに「調子はどうかなと思って会いに来ました」と伝える。おむつ交換が目的でも、おむつの話から始めないようにするのだ。

「ケアの間は、目を見てポジティブな話をし、優しく触れながら『あなたが大事』という思いを伝え続けます。相手はメッセージを感じ取り、穏やかにケアを受け入れるようになります」

 ユマニチュードの導入後、患者の行動・心理症状(BPSD)だけでなく、職員の疲弊度も明らかに改善したという。病院や施設が導入するのに加え、家族に学んでもらい、在宅介護に生かす取り組みも始まっている。

※AERA  2015年11月2日号より抜粋



http://www.news24.jp/nnn/news8659565.html
誤った発表で信用を失墜 県が謝罪文を掲載(福島県)
[ 10/30 12:11 福島中央テレビ]

 事実に反する発表をして、大熊町の病院の信用を失墜させたとして、県は、きょうからホームページに謝罪文を掲載している。
 大熊町で双葉病院を経営していた医療法人は、原発事故の直後に、県が誤った発表をしたため、信頼が失墜した、などと県を訴えていた。
 この裁判は、先週、県がホームページに謝罪文を掲載することで和解した。
*記者リポート
 「県のホームページを見ますとトップページの項目に、双葉病院に関する記載があります。ここをクリックすると、謝罪文が掲載されます」
 『十分な情報共有ができないまま、事実に反する記者発表を行った』などと、知事の名で謝罪している。
謝罪文は、きょうから1年間掲載される。
  http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/library/futabaowabi.pdf
futabaowabi.jpg
クリックで拡大



http://apital.asahi.com/article/news/2015103000002.html
病院の赤字拡大、診療所は利益安定 厚労省調査
2015年10月30日 朝日新聞

 医療機関や薬局の経営状況を調べた2014年度の「医療経済実態調査」の概要が29日、分かった。病院の赤字幅は前年度より拡大したが、診療所や保険薬局の利益率(収入に対する利益の割合)は7~10%の黒字だった。診療行為や薬代の公定価格となる診療報酬の来年度の見直しで、マイナス改定の圧力が強まる可能性がある。

 調査は厚生労働省が実施。来週の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に示され、診療報酬改定の基礎データとなる。

 14年度の病院(精神科以外)の利益率はマイナス3・1%で、前年度より赤字幅が1・4ポイント拡大した。公立病院がマイナス11・3%(前年度比3・0ポイント減)、国立病院がマイナス0・3%(同3・6ポイント減)。民間病院は0・1ポイント減でも2・0%の黒字を維持した。

 一方、病床がある診療所は10・7%(同0・7ポイント減)、病床がない診療所は8・8%(同0・4ポイント減)と安定的な利益率を確保。保険薬局は7・0%(同2・1ポイント減)だった。

 前回の14年度診療報酬改定は、消費増税対応分を除くと実質的にマイナス1・26%だった。このため設備投資額が大きく、増税による仕入れコストが上がった大規模な病院ほど経営が悪化した可能性がある。

 医師の年間の給与・賞与額をみると、国立病院の院長が1934万円で、前年度より8・4%増加。13年度で東日本大震災に関連する減額措置が終わったためとみられるという。最も高いのは民間病院の院長で、0・1%増の2930万円だった。

(朝日新聞 2015年10月30日掲載)


  1. 2015/10/31(土) 07:00:32|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月29日 

http://www.m3.com/news/general/370551
一審判決変更、市に賠償命令 米内沢病院整理解雇訴訟の控訴審
2015年10月29日 (木)配信 秋田魁新報

 旧公立米内沢総合病院を運営していた北秋田市上小阿仁村病院組合(管理者・津谷永光北秋田市長)の解散に伴い、分限免職(整理解雇)されたのは不当だとして、元職員5人が市に地方公務員の地位確認と2500万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁秋田支部(山田和則裁判長)は28日、請求を退けた一審秋田地裁判決を変更し、市に250万円の支払いを命じた。地位確認の請求は棄却した。

 判決で山田裁判長は、前管理者だった岸部陞(すすむ)前市長が雇用を継続する趣旨の発言をし、津谷市長も同じ方針を確認していたとして「原告が市職員として任用されることを期待するのはやむを得ない」と指摘。市は任用しない方針を原告に誠実に説明しなかったとし、「原告の期待権を侵害しており違法だ」と認めた。

 一方、組合解散後も市には職員を引き継いで採用する義務はなく、分限免職処分は裁量権の逸脱には当たらないとの一審判決の判断を支持。原告を市職員として任用するよう求めた請求は却下した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/369886
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
出生前診断の是非、医師の3分の1が「分からない」◆Vol.5
一般向けの遺伝子検査、医師の半数「ある程度有効」

2015年10月29日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 妊娠中に妊婦の羊水や血液から、ダウン症などの胎児の染色体異常を調べる出生前検査。検査の結果、染色体異常が確定した97%で人工妊娠中絶をしたという調査結果もあるなど、命の選別につながるという指摘も否定できない。高齢出産が増える中で、診断を受けるかどうか悩むカップルも増えている。

 「ご自身、もしくはパートナー」について尋ねたところ、「利用したい」と回答した医師側は3割にとどまった。また、「分からない」とする回答もNewsPicks(以下、NP)側の2割に対して、医師側は3割だった。日ごろ、生と死を見つめる医療現場にいるからこそ、悩みが深いのかもしれない。

10291_20151030053003b40.jpg

 利用したいと回答した医師からは、「生命の選択という問題はあるものの、個人レベルに落とし込んでしまえば、手段があるなら利用したいと思うのが普通なのでは?」「自分の妻も高齢出産であり、利用した。ただし、値段が高すぎると思った」などの声があった。

 翻って利用する気がないという医師側の反対意見としては、「「染色体異常と出生前に分かったから中絶するという発想にはとても反対。この風潮は不妊治療をしてまで子どもを授かった夫婦に多いことも気に入らない」「出生前診断は,事実上の障害児の出生前断種として機能している。その差別的考え方に反対している」などが挙った。

NewsPicks読者は半数強が「利用したい」

 一方、NP側の回答では、「利用したい(利用経験がある)」が過半数を超えた。もっとも、「検査にお金を使うより、障害者が生活にこまらず生きていける懐の深い社会を作ることにお金を使ってほしい」などの意見も寄せられた。

 利用する気がないという意見では「授かった命。生まれるまで詳細は分からなくて良い。正直、性別だって生まれるまで分からなくて良い。せっかく生まれてきてくれたなら、どんな子供であっても育てたい」「出生前診断をすること自体に罪悪感がある」などが挙がった。

10292_20151030053004779.jpg

一般向けの遺伝子検査、医師の半数弱が「ある程度有効」

 唾液や口腔内の粘膜などを分析することで、がんや生活習慣病などの発症リスクや体質の遺伝的傾向を知るための遺伝子検査。米国の女優アンジェリーナ・ジョリー氏が遺伝子検査の結果を基に、がん予防の目的で、乳房、卵巣と卵管の摘出手術を受けたというニュースは記憶に新しい。

 医療現場では抗がん剤の有効性を事前に確認するためなどに利用されているが、近年は一般人を対象とした民間業者による参入が相次いでいる。一方で、科学的根拠に乏しいものがあるとされ、結果をどう解釈をするのかといったカウンセリング体制が不十分との指摘も多い。「現時点」での有効性を尋ねたところ、「有効」「ある程度有効」と回答した医師は約半数に達した。

「専門家のフォローアップが不可欠」

 もっとも、自由意見では「カウンセリング体制が不十分なまま、検査が独り歩きしている」「患者教育も行われないままで余計な情報を伝えることは、害悪以外の何物でもないと思います」など、現状では、検査で分かった情報の活用の仕方が不十分という意見が多かった。

 一方、一般向けの遺伝子検査を有効と考えるNP読者は7割に達した。もっとも、「検査結果を聞いても、それをどう理解し、自分の生活にどう生かせばよいのか分からない。人間ドックのように、検査結果に対する専門家のフォローアップがあればいい」など医師同様に検査後のカウンセリングやフォローアップを要望する意見も見られた。

 また、NP読者には既に「実際にやってみた」という人が複数名いた。「遺伝子検査はやってみたが、結果を見て具体的な対応が取れるような意味のあるデータは結局提供されなかった」「祖先の情報が得られた点は有意義だった」などの感想があった。

ビジュアル作成:櫻田潤(NewsPicks編集部)
※出生前診断に関するm3.com会員、NewsPicks読者のコメントはこちら⇒
※一般向け遺伝子検査に関するm3.com会員、NewsPicks読者のコメントはこちら⇒



http://www.m3.com/news/iryoishin/370110
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
出生前診断「生命の選択につながる」「義務にしてもいいくらい」
m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.5 自由回答1

2015年10月29日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

  『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第5回「「出生前診断の是非、医師の3分の1が「分からない」」で紹介した、出生前診断についての医師、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。「生命の選択に用いるの反対」「義務にしてもいいくらい」など、双方とも賛否の意見が入り乱れた。

Q ご自身、もしくはパートナーが出産する場合に、出生前診断を利用したいと思いますか。

■■NewsPicks読者
・このようなことが倫理的に許されるのだろうか?このようなことにお金を使うより、障害者が生活に困らず生きていける懐の深い社会を作ることにお金を使ってほしい。
・二人の子どもがいて、出生前診断は行える状態でしたが、妻が年齢的に異常が出ることは低いことから実施はしませんでしたが、高齢出産になればやっていました。
・子どもを育てるのは本当に大変なことで不安がいっぱいです。事前に覚悟を持てるのであればやっていいと思います。ダウン症の子どもを持つ親のコミュニティに参加したりすることもできます。母親は産まれてくればどんな子どもでも育てていくかも知れないが、父親は厳しい現実になることがあるので事前の情報はあった方が良い。
・義務にしてもいいくらい。
・授かった命。生まれるまで詳細は分からなくて良い。正直、性別だって生まれるまで分からなくて良い。せっかく生まれてきてくれたなら、どんな子供であっても育てたい。
・友人が受けていてそういう検査があることは知っていたが、出産した病院では検査を受けるかどうか聞かれなかった。医師が選択肢を提示しなければ、中絶も減る?
・倫理的な問題はあるが、実際にダウン症の子が生まれたら、人生が変わってしまうから。奥さんのことを考えたら、やりたい。
・パートナーの精神的負担やコスパを考えるとやはり必要かなと。
・利用したいが費用が高額。
・出生前診断をすること自体に罪悪感がある。
・人の命という神聖な領域ではあるものの、自分やパートナー、生まれてくる子供の今後の人生を考えると実施したい。
・倫理的には問題かもしれないが、世話をする人の人生が大事。
・利用して何か異常が分かれば、苦悩は増すと思う。
・高齢出産に限りできるようにするなど配慮が必要。
・出生前診断に保険が適用されて利用者負担を下げるべき。
・過去出産した際に、診断があったとしても受けなかったと思う。あくまで自分は、ということで、受ける人の気持ちも分かります。
・家族、母親、産まれてくる子供、全てにおいて最善であることを出産の前にできるならば利用することも一つであると思う。ただし、命の選別につながるのも確かで、妊娠中にあらゆる情報が分かるようになったのも、医療が進むが故の結果である。安易に検査を行うべきでないし、命の重さを理解してカウンセリングを十分に行うべき。
・私には2人の子どもがいる。妻の妊娠の際に、実際には利用しなかったが、利用の検討はした。命の選別の問題は理解できるし、ダウン症の子を差別する気持ちも全くないが、いざ自分の子どもがそうなのは全く別次元の別問題である。今の日本の社会情勢では障害を抱えた子どもたちをケアし、温かく見守る余裕はないと考える(健常者でさえ自分の生活に必死なのが実情だろう)。そういった中で、障害を抱えた子を残して自分が先に逝くことは、その子が不憫でならない。私には中絶を選んだ方たちを非難することはできないし、誰にも非難する権利などないだろう。
・妻もやや高齢で、利用したかったが、費用が高かったので諦めた。
・高年齢出産40代後半になるとしたら、利用を考えるかもしれませんが、若い世代(20.30代)では不要と思います。
・妻が高齢だったので出生前診断を利用した。親の負担を考えると希望者は利用できるようにすべき。
・ハンディキャップを背負うと分かっていて生む必要があるのかは疑問。もちろん最終的には親の判断。現実問題、障害があると分かっていながら生む人はあまりいないと思う。

■■医師(m3.com会員)
・いいとも悪いとも言えない。
・生命の選択に用いるのは反対。
・障害児にも人権はあるが、出生後の子育てがとても大変であることを考慮すると、出生前診断は積極的に利用したいものである。「何のために生きているのか」ということをいつも考えさせられる。
・よくない。
・運命を受け入れる覚悟を持つべき。
・生命倫理の議論が不十分。
・生命の選択という問題はあるものの、個人レベルに落とし込んでしまえば、手段があるなら利用したいと思うのが普通なのでは?
・まずは、カウンセリング環境などを確立すべき。
・診断できるのは悪くはないが、中絶が増えるのは好ましいことではない。
・染色体異常と出生前に分かったから中絶するという発想にはとても反対。この風潮は不妊治療をしてまで子どもを授かった夫婦に多いことも気に入らない。
・現時点では命の選別と言われてもしょうがないレベルでしかない。
・自分の妻も高齢出産であり、利用した。ただし、値段が高すぎると思った。
・ダウンや不幸な症例を減らす意義はある。命の選別というが障害児を持った親の苦悩は計り知れない。 ・第3子を妻が妊娠した際に検討したが、妻が先天異常などあっても受け入れようという意見であった。この意見に賛成して出生前診断は行わなかった。
・これは生命の秩序に反しています。
・出生前診断は事実上の障害児の出生前断種として機能している。その差別的考え方に反対している。
・パートナーが高齢になりリスクが上がれば検査をする可能性はありますが、実際42歳で出産しましたが、検査はしませんでした。子供も今のところ異常はないようでした。
・ダウン症の人権を無視している。
・よくないかもしれないが、自分が先に死亡した時のことを考慮すると致し方ないかもしれない。行政がしっかりして自分の死後も面倒を見てくれるなら不要と思うが実現は不可能と思われる。
・予測できる疾患や先天異常だけでも除外したいと思います。
・出生前診断については、医療経済的に疾患関連遺伝子陽性なら堕胎が許容される様な法案が通らない限り、予後不良な疾患にのみ限られるべきであると思う。そうでないと優生思想の世の中となってしまう。



http://www.m3.com/news/iryoishin/370111
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
遺伝子検査「予防に寄与する」「詳細なカウンセリング必要」

m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.5 自由回答2
2015年10月29日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

  『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第5回「「出生前診断の是非、医師の3分の1が「分からない」」で紹介した、一般向け遺伝子検査についての医師、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。「予防に寄与する」「詳細なカウンセリング必要」など、期待と課題が寄せられた。 。

Q 現時点で、一般向けの遺伝子検査は有効だと考えますか。

■■NewsPicks読者
【肯定的】
・精度を高めていただいて、ウチのような遺伝する慢性疾患を持つような家系に有効な検査になればいいと思います。汎用的なものとか、疑われる疾患に特化したものとか、気軽に安価にできるようになれば、ホームドクター制の推進と合わせて医療費の削減につながる可能性はないでしょうか。
・自身のリスクを把握することは予防に寄与すると思う。
・オーダーメードの薬が遺伝子に基づいてできるのなら、それは素晴らしいことだと思います。
・受けてみたい、と常々思っていた!価格がちょっと高いかな…。

【否定的】
・遺伝的傾向を知ってどうするのか?例えば家族に癌患者が多くても癌にならない人はならない。このようなものに貴重な財源を割くべきではない。
・分析後の提案があいまいでメリットをほぼ感じない。

【その他】
・検査結果を聞いても、それをどう理解し、自分の生活にどう生かせばよいのか分からない。人間ドックのように、検査結果に対する専門家のフォローアップがあれば、いい。
・検査自体より、マイナンバーとも紐付けが怖い。
・癌や生活習慣病、その他疾患の発症に遺伝的素因が関係しているのは知られてきている事実。ただ、一つの遺伝子のみで説明が付くことはむしろ少ないだろう。複数種類の遺伝子と環境因子で発症するということが多くの疾患で説明されることだろう。一概に良い遺伝子とか悪い遺伝子とかは言えないはず。鎌状赤血球がマラリアには強いように、ある遺伝子はある癌の発症リスクは上げるが、ある生活習慣病の発症リスクは下げる、といった事実が出てくるだろう。遺伝子検査はかなりのリテラシーを持った人でないと正しい解釈は難しいだろうと思われる。一般人向けの遺伝子検査はある種の遺伝子を「悪者」扱いにして、その遺伝子を持っていればある種の癌のリスクが持ってない人に比べ、何倍である、といった説明をするものであって、現状は占いプラスαくらいに捉えてもらうのが妥当ではないかと思う。
・会社によって検査の水準が異なるように感じる。きちんとしたものを淘汰する仕組みが必要。また、それを使う消費者や、相談を受けるであろう医療従事者の教育を進めるべき。
・遺伝子検査はやってみたが、結果を見て具体的な対応が取れるような意味のあるデータは結局提供されなかった。祖先の情報が得られた点は有意義だった。
・例えば「遺伝的に発症のリスクが高い」と知ったところで、遺伝なんだから根本的な治療法なんてないんじゃない?
・生命保険会社が保険料率のリスク分類に用いそう。
・個人別リスク情報が把握可能になるにつれ、将来的に現在の形での民間保険(医療、生命)は存在できなくなるように思っています。

■■医師(m3.com会員)
【肯定的】
・過剰に反応しなければ、ある程度有効と考えます。
・これから需要が高まると思います。
・ガンなどの病気のリスクが高い家系は患者の希望があればすべきだと思います。
・価格がもっと安ければ、医療費抑制の可能性があると思います。
・病気になりやすさが分かれば予防も可能。

【否定的】
・フォロー体制が不十分な状態では検査を進めるべきではない。
・遺伝子検査自体が不確かであることと、結果が出た時の対応方法が決まっていない。
・質が悪い、論拠の薄いものも。玉石混交。
・生命倫理の議論が不十分。
・有効性が価格に見合っていないと思います。
・患者教育も行われないままで余計な情報を伝える必要は害悪以外の何物でもないと思います。
・有効性が不明。
・遺伝子差別が起こりかねないと危惧している。
・全く無意味だと思う。
・判定の基準が良く分からないのに、価格が高い。
・さまざまな新たな差別が生まれる温床になる可能性がある。
・コストパフォーマンスが極めて悪いと思います。健康不安に付け入っている感じがして、個人的には嫌いです。
・多因子遺伝が多いので必ずしも有効ではない。
・医療費高騰につながると思う。
・可能性の問題だけで、確実にその病気になると言える検査はない。患者を惑わせるだけなので、検査はすべきではないと思う。
・現時点では残念ながら、裏付け資料が乏しく、有効性を論じる段階にはない。

【その他】
・遺伝子異常を発見しても、医学の進歩にはつながるが、本人の病気の解決にはならないと考えます。
・病気はgenomeが起こすのではなく、epigenomeです。理解力不足。正確な情報が伝達されていない。医療者側にも無知がはびこっている。
・より正確な情報とセットにしないとかえって混乱招く。
・患者さんのプライバシーは、きっちり守ってほしい。
・カウンセリング体制が不十分なまま、検査が独り歩きしている。
・オーダーメード医療はこれからどんどん出てくるでしょう。ニーズに合っていると思いますが、体制がそこまで整備されていません。
・ベースとなるデータがまだ十分でない上、まともに結果を解釈できない人に行うのは危険である。
・結果の解釈につき詳細なカウンセリングがなされるべき。
・対策がなければ意味がないのでは?
・患者の理解、解釈する能力が必要。
・一般向けにやる意味は皆無。ただの金稼ぎの手段で、こういう考えが日本の医療をダメにする。



http://www.m3.com/news/iryoishin/370242
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
後発薬の「価格帯」、一本化で簡素化へ
薬価は先発薬の「5割」に引き下げか

2015年10月28日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)は10月28日の会議で、後発医薬品の薬価について議論、将来的には価格帯を一本化する方向でおおむね了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。現行制度では、後発医薬品の薬価は、先発医薬品とは異なり、銘柄別ではなく、3以内の価格帯として設定されている。2016年度改定で一気に一本化するのか、段階的に進めるのかについては、年末に公表予定の薬価調査で後発医薬品の実勢価格を踏まえて検討する予定だ。また、後発医薬品が新規に収載される場合には、現在は先発医薬品の0.6掛けから、0.5掛けとする案が出ている。

 後発医薬品は、今年6月に閣議決定した「骨太の方針2015」で、数量シェア目標について、(1)2017年央に、70%以上、(2)2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に、80%以上――という目標が掲げられた。2016年度薬価制度改革では、後発医薬品の使用促進が重要課題となる。

 厚労省が、後発医薬品の薬価について提示した論点は、(1)新規収載の後発医薬品の薬価(現在は、先発医薬品の0.6掛け)、(2)一定の銘柄数を超える後発医薬品に適用される特例(現在は、10を超す場合は、先発医薬品の0.5掛け)、(3)バイオ後続品の薬価(現在は、先行バイオ医薬品の0.7掛け)、(4)後発医薬品の価格帯の数と、その際の基準額(現在は、最高価格を基準に、3つの価格帯)――の4点。

 日本医師会常任理事の松本純一氏は、薬価と市場実勢価格(医療機関への納入価格)の差に当たる「乖離率」が24.1%(2013年9月の薬価調査)と大きいことから、(1)については「0.5掛けでも、利益が出ていると解釈できる」と指摘。(2)についても、最初に収載される後発医薬品が0.6掛けで、その後に10を超す銘柄の後発医薬品が収載される場合、最初の後発医薬品に関しても0.5掛けにすべきとした。(3)のバイオ後続品は、使用促進の観点から、価格の引き下げが必要とし、0.6掛けあるいは0.5掛けに下げるべきと指摘。(4)の価格帯も、3つの価格帯があると複雑であるとし、「一つにすべき」と求めた。

 日医副会長の中川俊男氏も、後発医薬品メーカー、それに伴う銘柄数の多さを問題視する視点から、「後発医薬品メーカーの再編統合がぜひとも必要。再編統合につながるような改定はできないのか」と求めた。例えば、10超、あるいは20超など、銘柄数の多さに応じて、薬価を段階的に抑える設定にすれば、おのずから銘柄数は減少することが期待できるとした。

 支払側の健康保険組合連合会副会長の白川修二氏も、基本的には松本氏と同意見だった。例えば、(1)については、「(後発医薬品の使用についての)政府目標が高い設定になっており、価格の面でも使用が進むような、政策的な意図が必要ではないか。新規収載の後発医薬品の薬価は下げる方向で議論し、その下げ幅は乖離率のデータを分析しながら、議論していく」と指摘。(4)についても、「我々は、一物一価でやるべきであり、1つの価格帯に集約すべき、との意見は、前回改定から変えていない」と述べ、いずれも薬価調査の結果を見つつ、2016年度改定で実施するか、あるいは段階的に進めるのかについて検討すべきとした。

実勢価格が極端な「外れ値」は別扱いか

 後発医薬品の価格帯については、2014年度改定で、「最高薬価品の50%以上」「最高薬価品の30%以上、50%未満」「最高薬価品の30%未満」の3つに分けて、それぞれ統一価格を設定する方式に簡素化された。

 9月30日の日本ジェネリック製薬協会のヒアリング時でも、将来的には価格帯を集約すべきとの提案があり、価格帯を一本化する方向性自体は、関係者の意見が一致している。ただし、薬価は市場実勢価格の加重平均で算出されるため、価格帯を一本化すると、大幅に薬価が上がる後発医薬品が出る可能性がある。専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬常務執行役員)は、極端に市場実勢価格が安い場合などの「外れ値」は別扱いにするなどの経過措置が必要だとした。

「乖離率」、後発医薬品は24.1%

 2013年9月の薬価調査によると、薬価と市場実勢価格との「乖離率」は、2012年4月から2013年6月に収載された新規後発医薬品は24.1%、これらの後発医薬品に対する先発医薬品は8.2%と、開きが大きい。後発医薬品が「安く売っても、利益が出る」と見られるのは、このためだ。しかし、「乖離率」の詳細をみると、内用薬は大きいものの、注射薬や外用薬では小さいなど、剤形によっても違いがあることから、丁寧にデータを見ていくべきと、加茂谷氏は求めた。

 そのほか、バイオ後続品については、専門委員の土屋裕氏(エーザイ代表取締役)からは、慎重な検討を求める意見が出た。他の後発医薬品とは異なり、新薬とほぼ同等の臨床試験で有効性等を評価することが必要なほか、大量生産もしにくいことから、低分子の化学合成品の後発医薬品より、開発・製造コストがかかるからだ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/370233
「専門医、施設基準で女性に配慮を」
日医男女参画委、日医会長宛ての中間答申

2015年10月28日 (水)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会常任理事の笠井英夫氏は10月28日の定例記者会見で、日本医師会男女共同参画委員会がまとめた中間答申の内容を公表した。横倉義武・日医会長宛てで、女性医師が働きやすい環境を作るため、2017年度から始まる新専門医制度での配慮や診療報酬での施設基準の緩和を提言した内容。日医は一般社団法人日本専門医機構や中医協を通じて、実現を求めていく。

 答申を出したのは、日医が設置した、全国の女性医師らで主体となる男女共同参画委員会(委員長:小笠原真澄・秋田県医師会理事)。最終答申は2015年度末までに提出される予定だが、議論が進む新専門医制度や診療報酬改定について緊急性が高いとして、中間答申を出すことになったという。

 中間答申では、「医療界はとりわけ多様性が価値を生む領域であることを認識し、多様な働き方とその実績を評価する仕組みが求められている」と指摘した上で、新専門医制度について、専門医資格試験は出産や育児など女性のライフイベントと重なりやすく、「臨床実績を積み重ねることがハードルの高いものになる」と訴えた。

 要望事項としては、(1)出産・育児休業、介護休業等の事由によるプログラム休止・中断への配慮、および研修再開後の体制(短時間勤務に対する言及)への配慮、(2)基幹研修施設、関連研修施設等の施設基準の設定についての配慮、(3)更新時における期間延長等の配慮、(4)専門研修カリキュラムにおける日本医師会生涯教育講座の利用の推進――の4点を挙げている。

 施設基準の緩和では、短時間正規雇用の医師は、診療報酬の施設基準の「常勤医師」に該当しないことを問題視。「専従の常勤医師」要件を見直して、「複数の短時間正社員の合算による常勤換算を認める」よう要望した。笠井氏は「次期の診療報酬改定において実現を求めていく」と話した。

台湾に支援金1383万円

 この日の会見では、6月に台湾で起こった爆発事故への支援金として全国の医師会から1383万7010円が集まったと報告された。内訳は都道府県医師会33件(768万5000円)、郡市区等医師会43件(178万円)、個人などその他287件(437万2010円)。全額が台湾医師会に寄付される。



http://www.m3.com/news/general/370250
来てないのに「出勤」の印鑑 収賄容疑の厚労省室長補佐
2015年10月29日 (木)配信 朝日新聞

 マイナンバー制度の導入に向けた調査業務をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された厚生労働省の室長補佐が職場に来てない日に職場に出勤した扱いとなっていた可能性があることが分かった。厚労省は出退勤や勤務状況の管理を徹底するよう、15日付で官房長名の通知を省内に出した。

 28日の民主党の会合で厚労省が明らかにした。担当者によると、国家公務員は始業時間までに職場に来ると、自分の出勤簿に印鑑を押す決まりがある。室長補佐の中安一幸容疑者(46)は職場に来るのが週の半分以下だったとされるが、逮捕後に昨年度の出勤簿を調べると、印鑑が押されて記録上は出勤したとされる日に職場に姿がなかったと証言する同僚がいた。本人が後日押したり、別の人が押したりした可能性があるとみて、同省が調べている。

 会合で担当者は「出勤簿の記録と勤務実態に矛盾がある。労務管理ができていなかった可能性があり、調査している」と話した。記録と実態とのズレの日数は明らかにしなかった。(久永隆一)



http://medg.jp/mt/?p=6224
MRIC Vol215   医療システムの再設計と医学部の新設~新しい社会モデルの候補地としての埼玉県~
前衆議院議員(元財務省官僚)、東京大学大学院客員教授、松田政策研究所代表
松田まなぶ
2015年10月29日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 医師不足が言われて久しく、政府も近年、医学部の定員は増やしてきましたが、医学部(医学科)の新設ということになると、1979年の琉球大学以来、認められてきませんでした。最近になって、東日本大震災の復興支援として東北地方に所在する大学一校にのみ新設を認める方針が採られることになり、
 2016年4月に、日本では37年ぶりの医学部新設が宮城県内で実現することになりました。加えて、国家戦略特区として成田市にも医学部が新設を認める方針を政府は決定しましたが、それは国際的な医療人材の育成を目的とするもので、一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なるものとされています。
 このように、医学部新設は極めて例外的なケースに限られていますが、全国一の医師不足地域とされる埼玉県に所在する、主として看護師を養成している某私立A大学が医学部新設を強く要望しています。ただ、政府の方針では、少なくとも国家戦略特区なり地方創生特区として認定された地域でなければあり得ないということになっています。どれだけ必要性が高くても、どれだけ住民のニーズが強くても、専ら医師数の増加だけを正面に掲げた医学部新設はとても無理な状況のようです。

 そこで、医学部新設につながる特区を埼玉県が申請するとすれば、それはどのような内容のものなのか、その試案づくりに関して筆者がA大学の理事長のお手伝いすることになったのですが、そこから見えてきたのは、今後の日本の医療システムを考える上での重要な論点でした。
 以下、現段階での試案について述べたいと思います。その内容は、筆者が長年にわたり社会システムデザインの「不肖の弟子」としてご指導をいただいている横山禎徳氏からのご提案を踏まえたもので、東大医科研の上昌広教授からも貴重なアドバイスや情報提供をいただきながら、筆者の文責でまとめたものです。

 超高齢化社会に適合した医療システム改革の必要性など、真正面から医療問題に取り組もうとする立場からは、この構想に多くの関係者が賛同してくれます。しかし、実際に動かすとなると、各人が置かれた立場の制約が大きいようです。
 もし、これが医療問題のソリューションとして正しい方向なのであれば、世の中を動かすのは世論という時代です。今の安倍政権も改革に向けた求心力の強い政権です。共鳴の輪が広がることを期待したいと思います。

●医学部の定員削減方針は果たして正しいのか。

 日本が医師不足状態にあり、これに直接応える対策が医学部の新設であることは論を待たないはずです。なかでも埼玉県は、人口当たり医師数だけでなく、医学部当たりの人口も723万人(千葉県は619万人、全国平均は165万人)と、全国ワーストワンです。
 その結果として、埼玉県は千葉県とともに、県外の医学部から医師が大量に流入する地域となっています(参考1参照)。その主な流入元は東京、東北、甲信越です。国民的な関心は地方の医師不足であり、埼玉県はこれに拍車をかけることで、周辺の都県に迷惑をかけていることにもなります。
 対策は、埼玉県、千葉県での手当てです。宮城県や成田市の次は、埼玉県に医学部を新設することが喫緊の課題ではないでしょうか。同県での医学部新設は、県内への医師の定着のみならず、全国的な医師不足対策の上でも必要となっていると思われます。

 しかし、そもそも医師数を増やすことについては、次のような反対意見があります。
 第一に、「医療崩壊」が社会問題となったことから、政府は2008年度から医学部の増員へと方針を転じましたが、2012年時点での医師数は30.1万人と、10年前に比して4.1万人増えており、今後、政府は2019年度まで増員を続ける方針なので、医師養成には8年かかることを踏まえると、このままでも2027年度まで、医師数の増加が続くということです。

 第二に、他方で、65歳以上の高齢世代の人口は2042年をピークに減少していくということです。日本の超高齢化がピークアウトすれば、人口の減少とともに医療需要も減少するので、医師数を増大させても、いずれ医師過剰を招くという見方です。
 最近では、政府は医療費膨張を抑制するためにも、2020年度以降、医学部の定員を削減する方針である旨の報道もなされました。恐らく、筆者がかつて勤めた財務省の立場からみれば、このような理屈になるのでしょう。しかし、財政の論理だけでは重大な公益が見失われることが往々にしてあります。先日の豪雨による堤防決壊が「事業仕訳」の結果だったという話がありますが、本当だとすれば、人命とどちらが大事なのかということになるでしょう。少し慎重に考えてみたいと思います。

 まず、足元をみると、医師も「超高齢化」が進み、死亡等による抹消手続きがなされない限り現役医師としてカウントされ続けるので、統計的医師数よりも現場の病院等での医療能率は一層低下しつつあるという指摘があります。例えば、日本医療労働組合連合会が病院に勤務する医師を対象に行った調査によると、3割の医師が「過労死ライン」である月80時間以上の時間外労働を行っている実態が明らかになっています。
 出発点が稼働医師数の圧倒的な不足状態である中で、今後、現状を続けたところで、日本の医師不足状態が解消するとは見込みにくいようです。2035年においても、60歳以下の男性医師は2010年に比して4%しか増加せず、2050年までみても、特に医療に対するニーズの高い75歳以上人口当たりの実働年齢医師(75歳未満、あるいは60歳未満)の数は、首都圏(東京、茨城、千葉、神奈川、埼玉)では概ね減少が続き、中でも埼玉県では減少が顕著であることを示す推計もあります。

 さらに重要なのは、いまや、医師が専ら単なる医者を営んでいられる時代ではなくなっているということではないでしょうか。その点にこそ考えるべき論点があると思われます。

●多様な医療人材が必要な時代に

 ここからは横山禎徳氏の指摘ですが、そもそも日本の現在の医療システムは、1961年の国民皆医療保険制度の導入時に出来上がったものです。当時は、人口構成がピラミッド型だっただけでなく、国民の主要な疾患は感染症という、すぐに治る形態の病気でした。
 しかし、人口構成が逆ピラミッド型になり、主要な疾患が循環器系疾患やがんなどに代表される慢性病へと変化し、社会の高齢化がこれを促進しているこんにち、多くの国民が、「完治」が定義上あり得ない疾病と長く付き合っていかざるを得ないことにどう対応するかが医療の課題になっています。医療システムは、こうした時代の変化に応えられるよう、再設計が必要な局面にあります。

 慢性病は身体のみならず、心にも病をもたらします。急性症の場合は治れば心も元気になりますが、完治しない病は心の問題を伴います。医師は心身の両面に対応しなければならなくなっています。米国では両面を診る体制づくりが進んでいますが(米国の健康関連支出170兆円のうち30兆円が心のケアとされる)、医師の関心が人間よりも身体的な疾病に集中している日本は、この面での遅れが大きいようです。
 従来型の純粋医療以外に、様々なタイプの医師が必要になっています。米国のメイヨークリニックは、慢性病には様々なタイプの医師が必要であることを示しているとされますが、日本で同様な医療クラスターを形成しようにも、そのような医師を訓練する場がありません。
 医療そのものだけでなく、臨床もマネージメントも含め、様々な能力を訓練する医学教育と実践の場が日本には必要です。
 A大学の理事長は、医療以外にも他分野の学問や職業の経験を有する多様な人材に医学教育を行うために、医学部入学年齢を多様化する「再チャレンジ構想」を提案しています。特に、東京に隣接する埼玉県の場合、こうした再チャレンジを求める人材が集まりやすい立地上のメリットもあるようです。

●超高齢化社会の新しい社会システム設計

 活力ある超高齢化社会の運営モデルの構築は、21世紀前半における日本の国家目標に据えても良い大テーマです。いずれどの国もが高齢化を迎える21世紀の世界で、他国に先駆けて人類が経験したことのない社会に突入する日本にとって、これは課題先進国として最も大義名分のあるテーマといえます。同時に、経済社会全体に最も広範な影響を与える「全体システム」の再設計を伴う課題でもあります。
 ここにおいて日本が、世界が参考にできる魅力的なモデルの構築に成功すれば、それは21世紀を通じて日本に世界の中での優位性と活力をもたらすことになるでしょう。

 では、そのモデルを何処で構築するかですが、それは、一定規模以上の人口が存在し、しかも、その人口が今後、全国の中でも急激に高齢化していく地域ということになります。その条件を最も備えているのが神奈川県と埼玉県です。神奈川県では「未病対策」が進められています。埼玉県では、医療のあり方そのものを中心テーマに据え、医療システム全体の再設計というアプローチから、より根源的な課題解決モデルを構築することが考えられるのではないでしょうか。
 その際、問題の中心にある慢性病対策は、ひとり医療システムのみでは対応しきれない課題です。社会の全体システム設計の観点から、医療を超えた問題解決を図る必要があります。例えば、的確な情報提供、住民の健康管理、コミュニケーションの場の形成などが挙げられます。

 大事なのは「健康寿命」とされる中にあって、自らの健康は自らマネージする能動的な国民を増やしていく必要があります。孤独死が増大していますが、他者との会話を全く欠く生活を送る高齢者に人との接触や外出の機会を与えるコミュニティーの形成も、健康対策上の課題となっています。心の緊張感をもって生活する人々を増やすことは、超高齢化社会の重要なテーマです。
 感染症とは異なり、慢性病の場合、人々がまちを行き交い、相互に交流することは可能であるだけでなく、望ましいことです。その際に高まるニーズがICTです。正確には、SIDT、すなわち、センサー・インターネット・デジタルテクノロジーと呼ぶべきもので、動き回る患者を24時間モニターし、センターとつながる仕組みが求められます。

 情報技術は慢性病との親和性が高く、健康マネージメントには医療のみならず、情報科学など様々な分野の科学技術を駆使することが必要になります。
 さらに視野を広げれば、健康・医療システムは、超高齢化社会の「経営」システムを構成する社会システムの一つであり、その再設計は、他の社会システム、例えば、住宅システム、高齢者雇用システム、短期滞在システムなど、地域の様々な社会システムと有機的に結び付くことで、「地方創生」にも大きく寄与するでしょう。医療や健康を中心に関連する産業と有機的な連携が図られることになれば、地域経済の活性化にもつながるはずです。

●「健康マネージメント特区」構想(仮称)

 慢性病を中心とする医療システムは現在の日本には未だ存在しないというのが、横山禎徳氏の指摘です。これを地域の全体システムとして構築することを「特区」として試すこととし、必要な規制改革措置や資源投入を図ってみてはどうかというのが、筆者の提案です。そこには、その中核となる病院と、システムをマネージメントする仕組みと、そのニーズに応えられる医療人材を育成する基本的機能としての医学部を設置することが不可欠だということになります。

 こうした「特区」を設けて日本全体の課題解決モデルを構築する場は、何も埼玉県に限られるものではないかもしれません。しかし、解決すべき課題が集中する埼玉県であれば、その最初のチャレンジの場として十分な大義名分があるのではないでしょうか。
特に、埼玉県の場合、医療人材の確保を病院の誘致に求めるだけでは、同県が全国から医師を吸引している構造は是正されないことになります。やはり、新しい社会システムを構築する中で、新しいタイプの多様な医療人材を地元で育成し、このことを通じて県内での医師確保を図ることが有効だと思われます。医学部の新設には、それぐらい大きな構想と、日本全体の課題解決という大義名分の中での位置づけが不可欠でしょう。
 とはいえ、以上は荒っぽいスケッチに過ぎません。医療界始め、各界の有識者、専門家、実務家の皆さまから、お知恵を寄せていただく必要があります。もし、これを熟度ある構想へと仕立て上げることができれば、日本の医療問題に正面から向き合う形での課題解決の突破口になるのではと考え、本稿を一つの問題提起として発信することといたしました。

【参考1】医師養成:7県で半数以上流出 育てた医師定着せず
     ~毎日新聞(2015年04月12日)記事より抜粋~
 地元の大学で養成した医師のうち、全国7県で半数以上が他県へ流出していることが慶応大などの研究チームの調査で分かった。多くが千葉や埼玉、兵庫など大都市近郊の都市へと流れたとみられる。
 47都道府県別に、1994年から2012年までの18年間に医学部を出て国家試験に合格した医師の数を累計。実際にこの間に増えた医師数と比較し、増減を人材の移動とみなした。
  その結果、養成した医師のうち他県へ流出した割合が最も高かったのは石川で68%。島根、鳥取、高知、秋田、青森、山梨も含め計7県が50%を超えた。地方からの流入が多いと思われていた東京は、養成数の16%にあたる医師が他県へ流出していた。
 一方、地元で養成した医師と比べたときの流入した医師の割合が最も大きかったのは千葉で232.3%。続く埼玉も、養成した医師の倍以上の流入があった。両県とも人口は多いが、医学部を持つ大学は1校しかなく、地方で養成された人材を吸収している構図が浮かんだ。

<養成された医師のうち、県外に流出した割合>
 (1)石川 68%、(2)島根 58.9%、(3)鳥取 56.4%、(4)高知 54.4%、(5)秋田 53.9%、(6)青森 53%、(7)山梨 51%、(8)福井 49.2%、(9)徳島 46.9%、(10)佐賀 44.8%
<養成した医師に対する流入した医師の割合>
 (1)千葉 232.3%、(2)埼玉 225.6%、(3)兵庫 72.7%、(4)静岡 68.3%、(5)広島5 7.3%、(6)茨城 40.9%、(7)宮城 36.1%、(8)岐阜 33.5%、(9)神奈川 32.3%、(10)長野 23・8%
※上位10県 慶応大など調べ

【参考2】首都圏の高齢化の進展
 2035年における65歳以上人口の実数を指数化(2005年=100)すると、全国では144.6に対し、埼玉県は182.3、神奈川県は182.9と、いずれも1.8倍以上になるものと推計。ちなみに、千葉県は1.70以上、東京都は1.50以上。この要因としては、団塊世帯が高度成長期に非大都市圏から首都圏に流入したことが挙げられている。



https://medical-tribune.co.jp/rensai/2015/1029037632/
<2>ED治療薬偽造品
偽造品が蔓延,深刻な健康被害の事例も
医療品などの自己“処方”から患者を守るには

2015.10.29 Medical Tribune

 勃起障害(ED)治療薬は,インターネット上で不正に売買される医薬品の最たるものである。他の医薬品同様,医師の処方に基づいて使用されるべきED治療薬だが,手軽に,密かに入手できるネット通販を利用する人は後を絶たない。ネット上に流通するED治療薬の実態はどのようなものか。また,ED治療薬の適正使用を推進するために,医療関係者にできることは何か。偽造ED治療薬の問題に詳しい,昭和大学藤が丘病院泌尿器科教授の佐々木春明氏に話を聞いた。

ネット上で売られているED治療薬の半数は偽造品

 ED治療薬を扱う通販サイトは膨大に存在する。「数は把握できていないが,今なお増加し続けている印象がある」と佐々木氏は言う。競争激化を背景に"激安""スピード配送"といったうたい文句で他との差別化を図るサイトも目立つようになった。"正規品保証"を明示するところも多いが,うのみにすべきではない。
 同氏らが行った調査によると,インターネットで流通しているPDE5阻害薬の55.4%が偽造品であった。調査国別に見ると,タイのサイトで入手したPDE5阻害薬の67.8%,日本のサイトで入手したものでも実に43.6%が偽造品であったという(日性機能会誌 2010; 25: 19-28)。
 偽造ED治療薬の中には,承認されていない用量や,実在しない剤形のものがある。また,正規品を横に並べて比較しないと判別が難しいほど,外見上極めて精巧につくられている偽造品も出回っている(図1)。

図1 (略)

殺鼠剤,抗炎症薬,血糖降下薬...何が混入しているか分からない

 偽造ED治療薬には有効成分が含まれていないどころか,健康被害を起こす物質が混入していることがある。偽造品の多くは不衛生な場所でつくられる。ネズミ駆除のために使われた薬が,製造過程で混入したとみられる偽造ED治療薬も見つかっている。
 また,偽造品業者はたいてい1つの機械で複数の製品をつくる。例えば,前日まで抗炎症薬メフェナム酸をつくっていたミキサーが,翌日にはED治療薬の偽造に使われる。メフェナム酸がED治療薬に混入してしまうことは想像に難くない。覚醒剤をつくっていた機械で偽造ED治療薬がつくられる可能性すら否定できない。
 さらに,血糖降下薬が意図的に混ぜられた偽造ED治療薬も少なくない,と佐々木氏は指摘する。「ED治療薬を飲む人には糖尿病が多いだろう。血糖値を下げてやればEDも良くなるんじゃないか」という,いいかげんな発想に基づく作為だという。

重篤な低血糖を来した事例あり。海外では死亡例の報告も

 実際,偽造ED治療薬を服用したことで深刻な健康被害を来した事例が報告されている。
 日本では,冷汗とふらつきを主訴に救急外来を受診した40歳代男性に重篤な低血糖が認められた。低血糖の原因は当初不明だったが,患者が入院前夜に服用したというED治療薬が,タイ人の友人から譲渡された偽造品であったことが後に判明。患者の血液中に高濃度のグリベンクラミドが認められたため,患者が服用した偽造薬に同成分が大量に混入していたと考えられた(出雲博子,他. 糖尿病 2011; 54: 906-909)。
 海外では死亡例も認められている。例えば,グリベンクラミドを含む偽造ED治療薬の服用が低血糖を引き起こし,それが原因で死亡に至ったと断定されたケースが2例,2008年にシンガポールから報告された。
 佐々木氏自身は偽造ED治療薬が原因で健康被害が生じた事例は経験していないが,「飲んだけど効かなかった」と,一目で偽造品と分かる錠剤を持参する人はたまにいるという。

「自分が買ったものは正規品」−根拠なき甘い認識

 では,ED治療薬を使用している人たちは,偽造品の存在をどの程度認知しているのか。国内でED治療薬を製造・販売している製薬会社が合同で行った調査によると,ネット購入者,医療機関受診者にかかわらず,ほぼ全員が「ネット上には偽造品が出回っている」,大半が「偽造品と本物は区別できない」と認識していた。一方で,「自分がネットで購入したものは本物だ」と考えているネット購入者が約9割に上ることも判明した。
 ネットでED治療薬を購入した理由は「手軽に入手できるから」が最も多く,その他「安く入手できる」 「人に知られず入手できる」 「医療機関を受診するのは面倒」などが上位に挙がった(図2)。

10293_2015103005300556b.jpg

 なお,ネットで購入したED治療薬を服用した人の4割以上が副作用を経験していることも分かった。これについて,佐々木氏は「医療機関で処方されたED治療薬で生じる副作用の頻度より高い印象がある。また,正規品の副作用とは考えにくい症状も見られる」との見解を示した。

EDを診る医療機関の増加が適正使用の推進につながる

 偽造ED治療薬から患者を守るための方策はあるのか。佐々木氏は,ED診療を行う医療機関の増加に期待する。「自由診療のEDを扱うと診療体制が煩雑になるため,敬遠する泌尿器科医もいると思う。しかし,安全なED治療薬を求めて医療機関を受診する人は少なくないことが前述の調査で示されている。EDを診る医療機関が増えれば,患者はネットで購入せずに済むようになるのではないか」と考えている。
 なお,ED治療薬は泌尿器科専門医でなくても処方できる。「併用禁忌薬さえ確認していただければ問題ない。プライマリケアの1つとしてEDを診て,積極的にED治療薬を処方してもらえれば」と言う。
 一方,厚生労働省に期待することとして,税関検査の強化の他,情報提供の充実を挙げる。「偽造医薬品の中でも,ED治療薬のように内服するものは特に注意が必要である。健康被害が出てからでは遅いということを肝に銘じながら,情報発信を繰り返してほしい」と同氏は強調した。
(編集室)



http://apital.asahi.com/article/story/2015102900008.html
(教えて!医療事故調査制度:2) 誰がどこまで調べるの?
教えて!医療事故調査制度

2015年10月29日 朝日新聞

 1日から始まった医療事故調査制度では、まず医療機関が自ら調査(院内調査)をし、結果を遺族らが納得できなければ、第三者機関の「医療事故調査・支援センター」による調査が始まるという二段構えだ。

10294_201510300530064b2.jpg
拡大

どんな調査がされるか

 元済生会宇都宮病院長で医療制度を考えるNPO法人の中沢堅次理事長は「医療機関は責任を持って院内調査をし被害者に事実をありのままに説明することが重要。第三者機関の調査で事故の全てを解決できるわけではない」と指摘する。

 院内調査では、カルテなどの診療記録をチェックし、担当医や看護師らからヒアリングをするほか、必要に応じて、解剖を実施したり、血液や尿などの検査・分析をしたりする。各都道府県の医師会や関連学会などが支援する。

 一方、センターの調査は、院長らからの説明や必要な資料の提出を求めるが、「新たな事実の調査というよりは、院内調査の結果を医学的に検証するのが主な役割」と厚生労働省の担当者。

 制度の中心はあくまで「院内調査」に置かれることについて、遺族側は「病院側が内輪で都合が悪いことを隠すのでは」と懸念する。ここで重要なのが「客観性」だ。院内調査に、その病院とは関係ない「外部委員」が参加しているかが一つの判断材料になる。

 昨年、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が死亡する事故が千葉県がんセンターと群馬大病院で発覚した。千葉県がんセンターでは県の検証委員会の報告書作りに日本外科学会など外部もかかわりトラブルなく進んだが、群馬大病院では当初、病院内部だけで実質的に調査したため、遺族の信頼を失うなど混乱した。

 日本医師会は9月、医療事故調査制度に関する医療機関や都道府県医師会向けのマニュアルを発表。院内調査で委員長と専門的な医学判断をする委員を外部から招くことを推奨している。今村定臣常任理事は「患者、国民の信頼に応えるため、公平性、中立性、透明性を担保しなければならない」と話す。

 院内調査と第三者機関のセンターの調査では、報告書の扱いと患者の費用負担も異なる。

 院内調査の報告書はセンターへ必ず提出される。遺族に対しては遺族が希望する方法で説明するように厚労省は求めているが、文書の提出は義務化されていない。センターによる調査結果は、医療機関にも遺族にも報告書が渡される。ただ院内調査では遺族の費用負担はないが、遺族がセンターに調査を依頼した場合は2万円がかかる。

 (富田洸平、桜井林太郎)
(朝日新聞 2015年10月29日掲載



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47153.html?src=catelink
地域包括ケア、「不動産」と「福祉」連携を- 都検討会議が中間報告、認知症対策も
2015年10月29日 20時30分 キャリアブレイン

 東京都は28日、都の地域包括ケアシステムのあり方を議論している検討会議がまとめた中間報告書を公表した。中間報告書では、低所得高齢者が適切な住まいを確保しにくいことを挙げ、「不動産」と「福祉」の連携による住まいの確保と見守りの支援を一体的に提供する必要性を指摘。認知症についても初期段階からの対応策が必要とした。【新井哉】

■ 住まいの確保と見守り、一体的な生活支援検討へ

 検討会議は7月から、超高齢化社会に対応した地域包括ケアシステムを都内で構築しようと、「医療と介護」と「介護予防と生活支援」、「高齢期の住まい方」の3分野の対応策や、今後の議論の方向性を議論してきた。

 中間報告書では、東京五輪が開催される2020年をピークに、東京の総人口が減少に転じるといった都を取り巻く状況を説明。人口構造の転換期においては「現状を引き延ばした予測に基づく施策は通用しない」とし、各地の先駆的な取り組みを参考に検討することを求めている。

 各分野の具体的な対応策も挙げており、地域包括ケアへの貢献度が高いと見込まれるサービス付き高齢者向け住宅については、供給を促進するため、適切な立地への誘導に加え、医療・介護など多様なサービスを行う事業者を併設した「拠点型」と、空き家などを活用した「分散型」の供給が必要と指摘。サ高住などの住まいの確保と見守りなどの生活支援を一体的に行う取り組みを、今後の検討会議で議論する方向性を示した。

■ 25年に認知症高齢者は1.6倍、在宅生活支援モデル開発を

 また、中間報告書では、都内で13年に約38万人だった認知症の症状のある高齢者が、25年には約1.6倍の約60万人に増加することが見込まれることにも触れ、「認知症の診断を受けていない人や初期の認知症の人が多くいると推計される」と指摘。問題が顕在化してから初めて医療・介護サービスの利用を考える人が多いことを挙げた。

 こうした状況を改善するため、▽住民主体の健康づくりの推進▽適時・適切な支援の充実▽認知症に関する正しい知識の普及▽在宅生活支援モデルの開発―といった取り組みが必要とした。今後、中間報告書で示した方向性などを検討会議で議論し、来年3月に報告書を公表する見通し。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47147.html
類似名や後発品、取り違え防止の環境整備を- 評価機構、薬局事例まとめた報告書公表
2015年10月29日 13時00分 キャリアブレイン

 日本医療機能評価機構は、2014年に薬局から報告された「ヒヤリ・ハット」に関する報告書を公表した。名称が類似した医薬品や後発医薬品などの事例を掲載。先発医薬品を後発医薬品に変更する際に薬剤の取り違えが少なくないことから、医薬品の棚に後発医薬品の一覧表を提示するなど、「エラーを発見しやすい環境を整備することも重要」としている。【新井哉】


 医薬品の販売名の中には、名称が類似しているものがあり、薬剤の取り違えの事例が報告されているという。報告書では、「特に薬効が異なる医薬品を取り違えた場合や、ハイリスク薬を取り違えた場合は医療事故につながる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 報告書によると、2014年に薬剤を取り違えた事例は、前年よりも76件多い817件。このうち「名称類似」に関する事例は246件で、全体の3割を占めた。246件のうち、頭文字が2字のみ一致している事例は62件、3文字以上一致している事例は153件あった。発生場面ごとの分類では、内服薬調剤が182件で最も多かった。

 また報告書では、患者の希望などにより後発医薬品に変更した際の「ヒヤリ・ハット」についても分析。後発医薬品への変更に関しては、142件の報告があった。このうち、薬剤の取り違えが105件で最も多かった。

 105件の内訳については、後発医薬品に変更して調剤するところを同一成分の先発医薬品を調剤した事例が8割超を占めた。こうした状況を踏まえ、報告書では「調剤する前に患者の先発医薬品・後発医薬品の希望を薬歴などで適切に確認することの重要性が示唆された」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47142.html
新専門医制度で中小病院の切り捨て懸念- 四病協、専門医機構に要望へ
2015年10月29日 09時00分 キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は28日に開いた総合部会で、2017年度から始まる新専門医制度で中小病院に対する配慮を求める要望書を、近く日本専門医機構の池田康夫理事長に提出することを決めた。四病協は、研修の基幹施設の相当数を大学病院が担うことが想定されるとし、医局が専門医の派遣を決定する際には、「中小病院の切り捨てにならないような地域医療を守る配慮が望まれる」と主張している。【坂本朝子】

 機構に要望するのは、▽機構が研修の基幹施設に対して地域医療への配慮を求めること▽連携施設の要件で地域特性に対する柔軟な配慮をすること▽医局から独立して運営している病院にも配慮すること-の3つの項目。いずれも、指導医や専攻医が偏在しないよう対応を求める内容だ。

 総合部会後の記者会見で、日本精神科病院協会の山崎學会長は、「中核病院が研修の基幹施設からかなり外れる」と述べ、大学病院に力が集中することに懸念を示した。



http://www.sankei.com/west/news/151029/wst1510290102-n1.html
民間の病院長年収2900万円超  高水準を維持 勤務医年収は1500万円超 厚労省調査
2015.10.29 22:06 産経ニュース

 平成26年度の医師の平均年収は、医療法人が経営する民間病院の院長が2930万円で、25年度より0・1%増えたことが29日、厚生労働省の「医療経済実態調査」で判明した。一般診療所の院長(主に開業医)の年収も2914万円で同0・5%減とほぼ横ばいで、ともに高水準を維持した。厚労省は11月4日の中央社会保険医療協議会(中医協)で報告する。

 民間の病院や診療所の経営が安定していることを反映した。実態調査は2年に1度実施し、医療サービスの価格を決める28年度の診療報酬改定の基礎資料となる。

 診療報酬は医師、看護師など医療関係者の人件費にも使われる。診療報酬を引き上げると患者の窓口負担や保険料、公費の必要額が増える。民間医療機関の経営が安定していることが明らかになったことで、財務省を中心に報酬引き下げを求める圧力が強まりそうだ。

 民間病院の勤務医の年収は1544万円で同2・1%の減少。開業医の半額程度で格差も浮き彫りとなった。

 26年度の医療機関の経営では、入院ベッドがある有床診療所の利益率は10・7%、入院ベッドのない外来だけの診療所でも8・8%と高く、民間病院は2・0%だった。一方で国公立の病院は厳しい経営状態が続いている。



http://news.biglobe.ne.jp/trend/1029/sgk_151029_2200814189.html
男社会の「白い巨塔」 孤独な闘い強いられる女医の悩みとは
NEWSポストセブン10月29日(木)7時0分

 男社会である“白い巨塔”の中で女医の闘いは孤独だ。彼女たちの悩みを一つ一つ聞いていこう。35歳の外科医は「女性ならではの悩み」を口にする。

「オペ中に急に生理が始まってしまい、そのまま垂れ流し……ということがよくあります。長いオペだと途中でトイレに行く暇もないので、ナプキンをしていても漏れてきてしまうし。それに生理痛の時にオペで立ちっぱなしというのは本当に辛いんです。でも周りは男性ばかりだから言えません」

 病院内では同じ女性である看護師との関係が微妙なのだとか。

「医師はナースとの関係をスムーズに運ぶことが大切なんですが、若い女医にだけ意地悪してくるナースも多いんです。でも、ナースに嫌われると自分の患者さんの情報を教えてもらえなくなるなど、仕事に本当に差し支えるので、ペコペコするしかない。そういうナースに限って、男性医師の前では別人みたいに優しいんですよね(苦笑)」(循環器科医・28)

 女医同士のいがみ合いもある。上司から可愛がられている女医は他の女医たちに嫉妬されるし、仕事ができないとバカにされる。

「上司である男性医師の前ではブリッ子して可愛がられてるのに、女の前では本性丸出しの嫌な女医もいる。女医がロッカールームで数人集まれば、噂話や他の女医の悪口ばかり。基本的にOLの給湯室と一緒です」(内科医・33)

 男性の上司や同僚との関係も、OLと同じ。若くて可愛い女医はチヤホヤされるし、上司に飲みに誘われたら嫌でも断われない。逆に婦人科クリニックに勤務する女医(38)からはこんな嘆き節が。

「女性スタッフばかりなので、男性と知り合う機会がない」

 さらに医療現場では、男性患者との接し方にも気を遣う。

「男性患者の下半身に触れなくてはいけない時がけっこうあるんです。とくに救急の現場で男性器に尿を取る管を入れる時なんかは、こちらが若い女医だと男性患者は気まずそう」(外科医・30)

※週刊ポスト2015年11月6日号


  1. 2015/10/30(金) 05:46:38|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月28日 

http://news.biglobe.ne.jp/it/1028/mnn_151028_1472067069.html
病院で始まった大規模なスマホ導入、キッカケは「院内利用制限の緩和」
マイナビニュース10月28日(水)10時0分

 NTTドコモは10月26日、東京慈恵会医科大学(慈恵医大)と共同で、スマートフォンやクラウドサービスを活用した医療分野のIT化に関する取り組みの説明会を行った。IT化にあたっては、慈恵医大病院4病院へ約3600台のスマートフォンとフィーチャーフォンを一括導入している。

 ドコモは、「+d」と呼ばれる取り組みを通して、同社の資産を使って他社とコラボレーションし、さまざまなサービスなどを実現していく方針を示している。今回の取り組みもその一環で、「慈恵医大」+「ドコモ」の2者による協業で、慈恵医大病院におけるIT化を進める取り組みとなる。

 もともと、病院では携帯電話の利用が制限されていた。携帯電波が医療機器に影響を与えることが懸念されていたためで、病院内ではPHSを利用することが一般的だった。しかし、第2世代(2G)の携帯電波が停波し、4Gがメインになったことで状況が変わり、昨年には「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」が出され、病院内での携帯電話利用が可能になっている。

 それに伴い、慈恵医大はスマートフォン利用に向けた調査を行い、利用に関して問題ないと判断。今回の3224台のスマートフォンと364台のフィーチャーフォンの導入が決定した。医療機関によるこの規模の導入事例は国内で最大、海外でも「知る限りは最大規模」(ドコモ副社長・寺﨑明氏)だという。

 導入を主導した慈恵医大脳神経外科学講座の村山雄一主任教授は、「3600台の導入がニュースなのではない」と指摘。その意義を「コミニュケーションが活性化する、それに尽きる」と強調する。

 医療現場で「IT化が遅れていた」とは、来賓として挨拶にたった政府関係者だけでなく、慈恵医大側も認めており、その結果としてコミニュケーションが不足していたと村山教授は見る。

 例えば、ニュースでも報道される「患者のたらい回し」といった状況でも、当直の医師は「誰にも相談できず、高度な判断をしなければならない。こうしたことが若手医師には負担になっている」(村山教授)。これに対して、IT化によってコミニュケーション環境が構築できれば、こうした負担を解消できるという。

 そのためにスマートフォン導入とともに開発されたのが医療関係者向けのコミニュケーションツール「Join」だ。

 これはLINEのようなスマートフォン向けコミニュケーションアプリで、例えば患者を診断をする際、撮影したレントゲン写真などを投稿すると、ほかの医師らがそれを見てアドバイスなどを行える。急患の症状を聞いてそれを投稿すれば、「緊急なので迎え入れて専門医を招集する」「ほかの専門医がいる病院を紹介する」といった対応ができる。

特に「転院は時間勝負」と村山教授。Joinによって大学や系列といった病院の壁を超えて医師同士が相談し合い、画像を見て適切な病院に転院させるといったことができるという。このJoinの仕組みは、すでに米Rush大学で採用されており、地域の複数の中核病院でJoinを使った連携をしていると語る。

 また、レントゲンやMRIの画像などを専門医に見せて、緊急でなければその専門医を深夜に招集せずに済むといったメリットも存在するという。当直医だけでなく、普段の診療などでも撮影したデータや院内の手術室のライブ映像などを医療従事者間で共有でき、一人の患者に対して多対多で同時にコミニュケーションして診療が行えて、質の向上と時間の短縮が図れるとしていた。

 すでに、慈恵医大では撮影したレントゲンなどのデータを院内サーバーに保存。そこからJoinに対し、患者の情報を除いて匿名のデータのみを送信するという、機能を追加する形でシステム構築を実現している。なお、プラットフォームやアプリの開発ではドコモらが協力している。

 このシステムは、診療だけでなく、ほかの病院の医師、大学病院の専門医らと症例共有や相談などができるため、地域医療の連携への活用も期待されており、「医師不足や質向上に寄与できる」とのこと。慈恵医大では4つの病院でJoinを導入して従事者のコミニュケーション向上を図っていく。また、槍ヶ岳にも診療所を設けており、医師の専門外の患者が来ることもあり得ることから、来夏にはこの診療所でもJoinを導入し、診療に役立てる方針だ。

 Join自体はすでに国内の約50病院で稼働しているほか、米国、南米、台湾、スイスでも利用されており、日本発の医療アプリとして世界展開を図っている。日本においては、医療機器として保険収載として認定されるよう申請しているという。こうして集められた診療情報や画像データなどは、Joinのクラウドでビッグデータとして集積されて分析を行い、人工知能(AI)を使って診療支援、病気の予防と解明といった取り組みも実施する。

 また、MySOS、Teamと呼ばれるアプリも開発。MySOSは、患者自身のスマートフォンで自身の健康情報を管理するためのアプリで、身分情報、既往歴、内服薬、健康診断結果などを保存しておき、どの病院に行っても再診察などをせずに現在の状況を病院側が把握できる。

 診療データやMRIなどの画像データも保存されるため、短期間に複数の病院でMRIを撮影する無駄が省ける。緊急時には、家族やかかりつけ医の連絡先が表示され、そこにすぐに連絡することも可能だという。

 このMySOSとJoinを組み合わせることで、災害時の救急医療モデルも検討されており、MySOSで通報と初期対応が効率化し、救急車からJoinで病院側に情報が共有され「適切な対応が取れる」としていた。

 Teamは、病院や患者、その家族、行政、介護が一体となって情報を共有できる「地域包括ケアクラウドシステム」とされている。これまで、病院から退院して家庭やケア施設で介護することになった場合、介護者やヘルパー、かかりつけ医などが、それぞれ個別に記録をまとめ、連携できていなかった。Teamはその点で、それぞれの記録を一括して連携できる。それぞれの情報を元に、効率的に適切な介護ができるようになるほか、病院側も経過観察によって指示やアドバイスが行える。

 慈恵医大では、ドコモと協力して今年度中にナースコールをスマートフォンで受けられるようにしたり、院内に無線LANスポットを構築したり、非常用に無線LANを使ったVoIP電話を導入するといったIT化を進める。それ以降は、スマートフォンでの診察券、決済の対応、海外からの旅行者などに向けた翻訳アプリの開発などを実施していく計画。

 来賓の野田聖子議員は、地方の医療は医師も情報も足りない中、Joinによって地方の医療体制を補助できるようになると期待感を示し、「これからの時代を先行くものだと力強く確信している」と話す。また、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室長代理(副政府CIO)の神成淳司氏も、「Joinが日本の、世界の医療現場を変える大きなきっかけになれば」と期待を寄せていた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47145.html
診療報酬議論、主導してきた委員ら退任へ- 総会であいさつ
2015年10月28日 21時25分 キャリアブレイン

 2016年度診療報酬改定に向けた議論が中央社会保険医療協議会(中医協)で本格化する中、議論を主導してきた委員ら5人が29日付で退任する。28日の総会では、それぞれがあいさつし、報酬改定に向けた思いなどを語った。【佐藤貴彦】


 29日付で退任するのは、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)と長瀬輝諠委員(日本精神科病院協会副会長)、支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)、花井圭子委員(連合総合政策局長)、田中伸一委員(全日本海員組合副組合長)。

 鈴木委員は、超高齢化社会を乗り切るためには既存の診療所や中小病院といった医療資源を活用する必要があると強調。さらに、「専門医の開業医が存在するわが国においては、イギリス型や北欧型の家庭医、GP(の導入)はあり得ない。強行しようとすれば、現場の大混乱と国民の強い反発を招く」と述べた。

 白川委員は、「中医協は日本の医療提供体制を、いかに安全で効率的で国民にとって有益な仕組みにするかということを議論する場。スタンスとか問題意識が若干ずれることがあり、白熱した議論になることもあるが、(すべての委員の)目的は一緒だ」との認識を表明。任期中、激論を交わした委員らに謝意を示した。

 鈴木委員と白川委員は、各側を代表して意見を述べることが多く、この日の総会でも地域包括ケア病棟の評価をめぐって応酬を繰り広げた。16年度改定が刻々と迫る中、新任の委員がどのような主張を展開するのか-。次回の総会が注目を集めそうだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H3U_Y5A021C1EE8000/
後発薬の価格下げへ 中医協専門部会で一致
2015/10/28 19:46 日本経済新聞

 中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は28日の専門部会で、割安な後発医薬品(ジェネリック)の価格を下げることで一致した。医師など診療側と、健康保険組合など支払い側の委員が意見の一致をみた。これを受けて厚生労働省は2016年度から、後発医薬品の公定価格を引き下げる方針だ。

 厚労省は現在は新薬の60%と定められた価格の水準をさらに下げる見通しだ。医療費の膨張を抑えるとともに、患者の負担を軽くするのが狙い。年内に正式に決定する。

 28日の専門部会では、大企業健保を運営する健康保険組合連合会の委員が「後発薬の普及を進めるためにも価格を下げる方向で議論すべきだ」と発言。日本医師会の委員も「後発薬の価格が新薬の50%の水準になってもメーカーは利益が出るのではないか」と述べ値下げを求めた。

 医師など診療側の委員は政府の財政が厳しいなか、後発薬の価格引き下げで財源をひねり出し、医療機関が受け取る診療報酬を確保する思惑がある。健保連にとっても後発薬が広がれば負担の軽減につながる。

 後発薬は特許が切れた新薬の成分でつくる薬。研究開発コストがかからないため価格も安い。政府は6月、後発薬の普及率(数量ベース)を13年度の46.9%から、20年度までに80%に引き上げると決めた。厚労省によると20年度の医療費を1.3兆円削る効果があるという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47143.html
7対1併設の包括ケア、大病院で高い割合- 厚労省調査
2015年10月28日 20時30分 キャリアブレイン


 2014年度の診療報酬改定で新設された地域包括ケア病棟入院料の届け出医療機関のうち、一般病棟7対1入院基本料(7対1)を持つ病院の割合は、200床以上の大病院の方が中小病院よりも高いことが28日、厚生労働省の調査で分かった。【敦賀陽平】


 地域包括ケア病棟は、在院日数の短い急性期の患者や自宅などで病状が急変した高齢患者らの「受け皿」として創設された。しかし、中央社会保険医療協議会(中医協)の調査では、同じ病院内の急性期の病棟から患者を転棟させるケースが多いことが分かっており、もう一つの役割が果たせていないなどの指摘が出ている。

 厚労省は今回、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料1、2を除く)を届け出ている全国の医療機関1151施設について、2つ以上の病棟を持つ可能性のある「61床以上」と「60床以下」に分けた上で、中小病院(200床未満)と大病院(200床以上)の状況を比較した。

 地域包括ケア病棟が60床以下の中小病院(854施設)のうち、一般病棟10対1入院基本料(10対1)を持つ病院は6割超に上り、7対1は全体の18%だったが、大病院(279施設)では7対1が6割超を占め、中小病院とは逆の結果となった。

 一方、複数の地域包括ケア病棟を持つ可能性のある「61床以上」は、大病院では8施設、中小病院では10施設だった。



http://apital.asahi.com/article/story/2015102800005.html?iref=comtop_btm
(教えて!医療事故調査制度:1)「予期しない死亡」が対象
教えて!医療事故調査制度

2015年10月28日 朝日新聞

 第三者機関が医療事故の原因究明と再発防止を図る「医療事故調査制度」が今月1日から始まりました。万が一、大切な家族を医療事故で失ったときに、どうすればよいのでしょうか。制度の仕組みと課題をシリーズで読み解きます。

10281.jpg
拡大医療事故調査の流れ/患者団体

 「いろんな問題はあるが、医療界とともに国民から信頼される制度となるようこれからも役立ちたい」

 1999年に東京都立広尾病院で妻を医療ミスで亡くし、制度創設を求める活動を続けてきた永井裕之さん(74)は今月2日、厚生労働省での会見で思いを語った。

 制度は昨年6月に成立した地域医療・介護推進法に盛り込まれた。調査の対象となるのは、診察や検査、治療といった医療に起因(疑いも含む)する「予期しない死亡と死産」だ。意識不明といった重体のケースや生涯抱える後遺症は対象にならない。全国に約18万あるすべての医療機関・助産所で10月1日以降に起きたものが対象だ。

 仕組みはこうだ。病院など医療機関の院長が「予期しない死亡」が起きたと判断した場合、第三者機関の「医療事故調査・支援センター」に届けて院内調査をし、結果を遺族とセンターに報告。遺族らが結果に納得できなければ、センターに調査を依頼し、センターが独自調査をして、それを遺族と医療機関に報告する。

 届け出は年1千~2千件と推定されている。センターは、得られた情報を集め、事故の共通点を探り、再発防止策を様々な医療機関に知らせる。防止策が病院などの医療機関に浸透しているかも調査する。

 ■実施は医療機関側が判断

 ただ、医療機関側が医療事故でないと判断すると、事故調査は始まらない。遺族側からセンターに届け出ることはできない。医療機関側が自らに都合よく解釈して、調査しないのではないかと、遺族側は懸念する。昨年11月に発覚した群馬大病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者8人が死亡した事故では、死亡してから事故だったと知るまでに数年もかかった遺族もいた。

 そこで、厚労省は医療機関側が恣意(しい)的な判断をしないように、「予期しない死亡」について、(1)事前に患者らに死亡リスクを説明(インフォームド・コンセント)(2)カルテなどに死亡リスクを記録(3)担当医らから事情を聴き、院長が死亡が予期されたと認定――のいずれも該当しない場合と定義した。

 (3)は救急などの緊急時に説明や記録をする時間がない場合を想定。(1)と(2)については、「高齢のため何が起きるかわかりません」といった一般論ではなく患者の病状を踏まえて言及していなければならない、と厚労省の担当者は説明する。

 だが、判断するのはあくまで医療機関側だ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H2P_Y5A021C1PP8000/
調剤報酬「抜本的見直しを」 財務省要求へ、後発薬普及促す
2015/10/29 2:00日本経済新聞 電子版

 財務省は30日に開く財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で医療サービスの公定価格となる診療報酬を2016年度に引き下げるように求める。診療報酬の一部となる調剤薬局の報酬は「ゼロベースで抜本的かつ構造的な見直し」を求める。具体的には割安な後発医薬品の使用が少ない薬局は減収になる仕組みを提案。利用者が多い大型の調剤薬局の収入も減らすように求める。

 政府は診療報酬を2年に1回のペースで改めている。診療報酬が上がると病院や薬局の収入は増えるが、患者の自己負担も重くなる。財務省によると、診療報酬を1%下げると医療費を4300億円減らせる。

 財務省は調剤薬局が使用する後発薬の割合が60%未満の場合に減収とする仕組みの導入を求める。現在は55%未満の場合に収入の上乗せ分がゼロになるが、減収にはならない。政府は後発薬の普及率を現在の46.9%から20年度に80%以上に引き上げる方針。調剤薬局に後発薬の利用を促す。

 一つの病院の処方箋に頼る大型の「門前薬局」の収入を減らすようにも求める。医師の過剰な投薬をチェックしにくいとされるためだ。新薬の6割とする後発薬の価格をさらに引き下げるようにも提案する。

 同日に議論する地方財政では、08年秋の金融危機後に不況対策として始めた地方交付税に一定額を上乗せする「別枠加算」の廃止を求める。危機直後は企業の業績が落ち込んで税収も減ったが、景気回復に合わせて税収も持ち直しているため。15年度予算では2300億円が計上され、16年度予算では総務省が700億円を要求している。



http://jp.wsj.com/articles/JJ12526123605914713482418316367802150437942
診療報酬下げ求める=医師技術料も切り込み—財務省
2015 年 10 月 29 日 03:00 JST 更新 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 2016年度予算の焦点である診療報酬改定で、財務省は28日、診療報酬の引き下げを厚生労働省に求める方針を固めた。診療報酬のうち医師の技術料に当たる「本体」部分にも切り込む考えで、実現すれば10年ぶりとなる。30日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の会合で方針を示す。

 診療報酬の引き下げは国民負担の軽減となる代わりに事業者側は収入減となる。来年夏の参院選を控え、日本医師会や自民党厚労族などの反発は必至で、年末に向けた調整は難航が予想される。

 診療報酬は、病院や薬局が提供する医療サービスの公定価格。「本体」部分と、医薬品の値段などの「薬価」部分を合わせたものだ。16年度予算編成は2年に1度の見直し時期に当たる。

 財務省は、社会保障関係費の伸びを年平均5000億円に抑えるとした財政健全化計画の下、診療報酬の引き下げを求める。過去の改定では薬価を下げ、浮いた財源で本体を上げることが多かったが、今回はゼロベースで見直す構えだ。 

[時事通信社]



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47136.html
医学部定員増の答申、2校の負債率を問題視- 学科設置で海外研修に注文も
2015年10月28日 18時00分 キャリアブレイン

 大学設置・学校法人審議会は27日、私立大7校の医学部定員の増員などを認めるよう馳浩文部科学相に答申した。ただ、このうち2校については、負債率が高いことを問題視。理事が欠員となっている1校に対しても「速やかに補充すること」と注文を付けた。学科設置でも理学療法の海外研修の実行可能性に懸念を示した。【新井哉】


■負債総額900億円超の日本医科大、「適切に負債償還を」

 「申請前年度の負債率が高いことから、負債の減少に努めること」。今回の答申では、日本医科大(東京都文教区)と愛知医科大(愛知県長久手市)の負債率を、「留意事項」として取り上げた。

 日本医科大は2014年度の財産目録に、約1285億円の資産総額に対し、負債総額が約917億円となっていることを記載。答申では、19年度以降の負債償還率が高いことも挙げ、留意事項に「適切に負債の償還を行うこと」と書き込んだ。

 一方、愛知医科大には、負債の減少に努めることに加え、欠員となっている理事の早期補充を要望。このほか、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)に対しても、医療科学部のリハビリテーション学科と臨床工学科、医療経営情報学科の定員超過を是正するよう求めた。

■教員4人で学生80人対応の海外研修、実行可能性に懸念

 答申では、学部の学科を設置する城西国際大(千葉県東金市)と帝京科学大(東京都足立区)に対しても、それぞれ複数の留意事項を挙げ、改善に取り組むことを促した。

 城西国際大福祉総合学部に開設する理学療法学科については、海外研修などに関する5項目の留意事項を提示。必修科目として1年後期に開設する「理学療法海外研修」を取り上げ、学生が十分に「理学療法学」を学んだ後に履修することを要望した。

 また、授業担当教員2人と補助の引率教員2人で80人の学生に対応する計画についても「確実に実施できるかどうか、その実行可能性に懸念がある」と指摘。「何らかの理由で海外研修に参加できない学生がいた場合の措置が不明」とした上で、教員の配置と履修できない学生への措置を十分に検討することも求めた。

■「各教員の担当科目が多い」、教員の研究時間確保を

 帝京科学大医療科学部の医療福祉学科については、留意事項で「全体的に各教員の担当科目が多く、精神保健福祉士関係の科目も特定の教員に過度に偏っている」と指摘。「実習指導教員の非常勤採用を計画的に行っていく」との大学側の説明に対しても、実習指導以外の教員の計画的配置を行い、教員の研究時間の確保を図るよう要望した。

 答申内容は次の通り。【私立大医学部の収容定員増加】帝京大2人▽日本医科大2人▽愛知医科大2人▽藤田保健衛生大5人▽埼玉医科大(埼玉県毛呂山町)1人▽順天堂大(東京都文京区)3人▽東海大(神奈川県平塚市・伊勢原市)3人【私立大の学科新設】城西国際大(福祉総合学部理学療法学科=80人▽帝京科学大(医療科学部医療福祉学科=80人、3年次編入10人)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46973.html
全国がん登録、同意代替措置指針でパブコメ- 厚労省が来月26日まで
2015年10月28日 17時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、2016年1月の全国がん登録制度のスタート前に始まっている大規模コホート研究などで、研究対象者に対して改めて同意を得なくても済む代替措置の指針案についてのパブリックコメントの募集を開始した。来月26日まで受け付ける。同省は広く国民から意見を聞いた上で、12月中旬をめどに告示する。【君塚靖】


 全国がん登録制度を規定する「がん登録等の推進に関する法律」は、16年1月に施行される。同法では、制度開始前に始まっているがん調査研究などで、全国がん登録情報を利用するには、研究対象者に同意を得ることを義務付けている。しかし、その研究が大規模で同意を得るのが難しい場合などには、それに代わる措置を講ずることで、同意を得たと見なすことにしている。

 同意代替措置の指針案は、厚生科学審議会がん登録部会で議論して、取りまとめたものだ。その中では、がん研究者が所属する機関のホームページで、その調査研究で全国がん登録情報の提供を受けることや研究対象者から同意を得ることができない理由を示すようにするほか、全国がん登録情報が提供されることを拒否できる機会も保障するよう求めている。同意代替措置は厚労相が指針として定め、告示する。



http://apital.asahi.com/article/news/2015102800023.html
似た名前の薬、間違えて調剤246件 「業界で対応を」
2015年10月28日 朝日新聞

取り違えやすい薬の例
10282.jpg

 名前の似た薬を薬剤師が間違って調剤したケースが昨年、246件あったことが日本医療機能評価機構による全国約8千軒の薬局を対象にした調査でわかった。薬局は全国約5万軒に上るといい、機構は「報告されているのはごく一部。患者も説明を求め内容を確認してほしい」としている。

 調査によると、重大な事故につながりかねなかった「ヒヤリ・ハット」が計5399件あり、約3割は薬を手渡すなど実際に実施されたケースだった。4594件が調剤する際に起きた事例で、「数量間違い」(1343件)や「薬剤取り違え」(817件)などが多数を占め、薬の販売名が似ていたために間違えたケースも246件に上る。前年も報告された組み合わせが30種類以上もあり、血圧降下薬とアレルギー薬など目的や用途が異なる場合もあった。同機構は「名称変更なども含め、行政や業界で対応を考えてほしい」としている。(竹野内崇宏)



http://www.qlifepro.com/news/20151028/e-medicinal-different-generic-drugs-pharmacy-incidents-hat-annual-report.html
日本医療機能評価機構、薬効違う後発品を取違え-薬局ヒヤリ・ハット年報
2015年10月28日 AM11:00 QLifePro

■一般名処方で注意喚起

日本医療機能評価機構は26日、2014年の薬局ヒヤリ・ハット事例をまとめた集計結果を公表した。昨年の薬局におけるヒヤリ・ハット事例の報告件数は5399件。後発品の使用促進を受け、一般名処方に関するヒヤリ・ハット事例は5.3%と増えたが、薬剤取り違え事例のうち、不整脈用剤と痛風治療剤など主な薬効が異なる一般名の医薬品と取り違えた事例が12件(25.5%)見られたことから、同機構は薬局関係者に注意喚起した。また、医療機関で発生した処方の誤りを、薬局で発見した疑義照会関連の事例も14.6%と引き続き増えた。

14年に報告されたヒヤリ・ハット事例は、調剤関連が4594件(85.1%)、疑義照会関連が789件(14.6%)等となった。そのうち疑義照会関連のヒヤリ・ハット事例は前年の13.4%から増え、年々増加傾向にあることが分かった。

後発品の使用促進が一層加速する中、一般名処方に関するヒヤリ・ハット事例を分析したところ、昨年報告された5399件のうち288件(5.3%)と引き続き増加傾向にあった。そのうち調剤に関する事例252件の内訳を見ると、薬剤取り違えが138件(54.8%)と最も多かった。

薬剤取り違えの内容を見ると、同じ一般名の医薬品と取り違えた事例が89件(64.5%)となった。その事例を詳しく分析したところ、先発品と後発品の取り違えが72件(80.9%)と最も多く、後発品同士の取り違えも8件(9.0%)あった。

さらに、一般名処方の薬剤取り違え事例で、異なる一般名の医薬品と取り違えた事例は47件。そのうち主な薬効が異なる組み合わせの事例も12件(25.5%)あった。具体的には、不整脈用剤「アロチノロール塩酸塩錠10mg」を痛風治療剤「アロプリノール錠100mg」と間違えた事例などが見られ、同機構は「主な薬効が異なる医薬品と取り違えた事例は、医薬品を使った時の患者への影響が大きい」として、特に注意を促した。

先発品から後発品への変更に関する事例も142件(2.6%)あり、同様に薬剤を取り違えた事例が105件(73.9%)と最も多かった。取り違えの内容は、後発品に変更調剤するところを同一成分の先発品を調剤した事例が85件(81.0%)と大半を占めたが、後発品に変更調剤するところ、異なる成分の医薬品を調剤してしまった事例が10件(9.5%)、そのうち主な薬効が異なる組み合わせが6件あったことから、同機構は一般名処方事例と同様に注意喚起した。

今回、新たに散剤の調製に関するヒヤリ・ハット事例の分析を行ったところ、57件で全体の1.1%と少なかった。散剤は、錠剤やカプセル剤が内服できない乳幼児などが内服することが多く、実際に患者の年齢は0~10歳が22件(38.6%)と最も多く、全体の約4割を占めた。

その内訳を見ると、秤量間違いが24件(42.1%)、分包間違いが25件(43.9%)で、その要因としては確認を怠ったことが大半を占めた。



http://blogos.com/article/141450/
キラキラネームの子を持つ親はDQN? 小児科臨床論文より 医学論文の有意差は…
中村ゆきつぐ
2015年10月28日 08:00 BLOGOS

ツイッターで話題になっている論文です。

30歳前後の救命救急(ER)スタッフ27人にアンケートを取り、漢字が読めない(一致しない)+この名前はキラキラネームと思うという人間の割合が50%以上の時キラキラネームと定義。(104人の名前の読み方を想像するという結構大変なアンケート!)

ある期間(12月の1週間)日本赤十字和歌山医療センター救命救急センター(ER)を受診した15歳以下の患者104人中、16人のキラキラネーム患者とそれ以外を定義に基づき決定。そこで、キラキラネームでない患者の受診時間、救急車利用度、重症度を比較することで、親の公共空間(救急外来)に対する配慮を比較したという論文になります。

結果は救急車利用、重症度に差はないものの、キラキラネームの患者は深夜に来る割合が非キラキラネーム患者の3倍高く、有意差を持ったというものです。

親たちの公共空間に対する配慮の欠如の可能性とまとめています。

正直感想を言うと、和歌山という1地域、104人という少ないサンプル、キラキラネームの定義(ひらがなまじりは除く)、を含めて結論はなんとも言えないと思われます。そしてこれは著者らも論文で言及しています。それこそ救急車利用、重症度にも差が出たら確度が上がったでしょうが、これで親の配慮の欠如と決定はできないでしょう。

しかし小児科領域の臨床雑誌にこのような論文を載せるということは、ある意味若手にとって素晴らしいことだと思います。(著者は研修医)臨床において疑問を論文化して発表することはとても大事なことです。(私は苦手ですw)そして有意差が出ればそれは一つの意見となります。

生活保護患者の医療態度なんていうのも以前記事に書いたことがありましたが(みわよしこさんと生活保護について論戦)、どうしても臨床研究というのは思い込み、バイアスが排除されにくいものです。特にこのキラキラネームの定義がスタッフが思うという部分がある以上、バイアスが入りまくります。

キラキラネームをつける親たちは公共空間に対する配慮の欠如がありそうだけど実はないという仮説で動いたら有意差がついてしまったと著者は言っていましたが、医学論文の有意差なんてちょっとしたことで変化するいうことを皆さん理解していただければと思います。他の論文が積み重ねて出ることで学問は形成されていくのです。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201510/CK2015102802000137.html
【経済】
厚労省、後発薬の価格下げ検討 新薬の5割程度

2015年10月28日 朝刊 東京新聞

10283.jpg

 厚生労働省は二十七日、新薬と同じ有効成分、効果を持つジェネリック医薬品(後発薬)について、新たに販売する際の価格を引き下げる検討に入った。患者が使いやすくして普及を図り、医療費抑制につなげる狙いがある。中央社会保険医療協議会(中医協)が薬局に行った調査では新薬の五割程度の価格が望ましいとする声が多く、この水準を軸に議論が進みそうだ。
 二十八日の中医協で提案し、年内に結論を出す。二〇一六年度の診療報酬改定に反映させる。
 現在のルールでは、初めて発売する後発薬の価格は、すでに販売されている新薬の原則六割となっている。一四年度の改定では、当時の七割から五割程度に引き下げることを検討したが、製薬業界の反発で六割に落ち着いた経緯がある。
 後発薬は、新薬の特許期間や開発データの保護期間が過ぎた後に、同じ有効成分を使って製造する。開発コストがかからない分、新薬より価格が安い。
 一方で、日本の後発薬の使用割合は50%前後。欧米の60~90%と比べて普及が遅れ、医療費を押し上げている一因との指摘がある。政府は後発薬の使用割合を一八~二〇年度末までの早い段階に80%以上にする目標を掲げている。
 <ジェネリック医薬品(後発薬)> これまで使われてきた薬の特許が切れた後に同等の品質で製造、販売される薬。研究開発費用が低く抑えられるため、新薬よりも安い価格で提供できる。厚生労働省が審査し、新薬と同等の効果があり、代替可能な薬だと承認する。さまざまな病気や症状に対応しており、カプセルや錠剤、点眼剤などがある。




http://blogos.com/article/141491/
医師による肥満症治療薬の不正流通|向精神薬問題
小森榮

2015年10月28日 03:42 BLOGOS

東京の開業医が、向精神薬を大量に不正販売したとして、逮捕されました。不正販売されたのは、肥満患者の治療に使われるマジンドール(商品名サノレックス)、第3種向精神薬として規制されている医薬品です。

<ニュースから>*****

●「やせ薬」中国人らに440万で販売、医師逮捕
「やせ薬」と呼ばれる向精神薬を不正に販売したとして、関東信越厚生局麻薬取締部が東京・六本木の「アーバンライフクリニック」医師・S容疑者(57)を麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的譲渡)容疑で逮捕していたことがわかった。

逮捕は今月6日。
同部幹部によると、S容疑者は7月13日頃、向精神薬の「マジンドール」約1万8000錠を、処方せずに、中国人と日本人の男女3人に計約440万円で販売した疑い。「金もうけのためにやった」と容疑を認めているという。
マジンドールは、肥満患者に食欲抑制剤として処方される向精神薬。同部はS容疑者が昨年からマジンドールを大量購入し、中国人らに転売していたとみている。
読売新聞2015年10月26日 14時48分

*****

辛い食事制限や運動をしなくても、薬を飲むだけでダイエットできたら・・・。そんな願いをもつ人たちが熱い期待を寄せるのが、食欲抑制剤で、現在日本では、唯一マジンドールが認可されています。
錠剤を飲むだけで、食欲をおさえることができるのは、この成分が中枢神経系に働きかけて満腹感をもたらし、また摂取エネルギーの吸収を妨げ、エネルギー消費を高めるからです。少し詳しく言うと、摂食調節中枢に直接作用してその働きを抑制し、また神経終末に働きかけて神経伝達物質の再取り込みを阻害するというのが、この物質の作用なのです。これ・・・、覚せい剤の作用とよく似ていますね。そういえば、覚せい剤はとても作用の強い「やせグスリ」です。

いま日本で使われているマジンドール製剤、商品名サノレックスの添付文書をみると、その冒頭に、赤い文字で、「警告」が記載されています。

<添付文書より>*****

■警告
1.本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似しており、本剤を投与する際は、依存性について留意すること。また、海外においては食欲抑制剤の多くで数週間以内に薬物耐性がみられるとの報告がある。
2.本剤の適用にあたっては、使用上の注意に留意し、用法・用量、効能・効果を厳守すること。
(下記参照①)

*****

マジンドール製剤は、肥満の治療に有効だけれど、覚せい剤と同じような性質をもち、依存性が強く、副作用として神経過敏や不安といった精神面での問題や頻脈、胸痛、血圧上昇など交感神経系の問題が報告されている点も、覚せい剤とよく似ています。つまり、医師の監督の下で、注意深く使わなければならない薬なのです。

麻薬及び向精神薬取締法は、有用性が高い医薬品のうち、乱用された場合、麻薬や覚せい剤と同じような危険性をもっているものを「向精神薬」に指定し、その取扱いに様々な規定を設けています(下記参照②)。
現在、80種の物質(成分)が「向精神薬」に指定されていますが、これら成分を含む医薬品は、医師の処方によらなければ入手することはできません。
また医師は、これらの医薬品を患者が施用する目的(及び返品など法が定めた目的)以外で譲渡することはできません(50条の16)。この規定に違反して譲渡した場合には3年以下の懲役刑が科され、また、営利目的での違反に対しては、5年以下の懲役または5年以下の懲役及び100万円以下の罰金に処せられます(66条の4)。

今回のケースで、18,000錠という大量のサノレックスが、患者に対する処方としてではなく、特定の相手に譲渡されたのであれば、これは麻薬及び向精神薬取締法違反となるでしょう。

10284.jpg
↑厚生労働省「向精神薬事犯推移」より転載
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/gyousei-gaikyo/dl/torishimari_h25-04.pdf

ちなみに、向精神薬に関する違反は、近年では減少傾向にあり、2012年の検挙人員は59人、2013年では56人でした。

●自由診療という落とし穴

向精神薬は、その医療上の有効性と、健康に対するリスクのバランスを取りながら、患者の状態に応じて選択し、処方する薬です。そのために、様々な規制が設けられているわけです。
たとえば、マジンドールの場合、高度肥満症の治療に用いることが前提となっていて、普通体型の人に投与する場合には、健康保険が適用されません。

ところが、最近、「自由診療」をうたって、高度肥満の人以外にもマジンドール製剤を処方するというクリニックが少なくないのです。健康保険を使わない自由診療の場合、医師の判断による処方は制限されません。
しかし、「自由診療」の名の下で、マジンドール製剤を頻繁に処方している医師たちは、そのリスクをどこまで真剣に検討しているのでしょうか。そして、もしも患者に重大な副作用が現れた場合、その救済手段が用意されているのでしょうか。

たしかに、欧米では、中枢神経に作用する医薬品が多数認可され、様々な領域で実際に使われているのに比べ、日本では、規制の壁が厚いと感じている方もあるでしょう。でも、「自由診療」という形で、いきなり制限を取り払うことがむやみに広がって良いでしょうか。健康に対して一定のリスクを伴う向精神薬と「自由診療」の問題、ぜひとも、医学界での検討を進めてほしいと願います。

[参照]
①サノレックスの添付文書
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00007131.pdf
②厚生労働省の手引書
「病院・診療所における向精神薬取扱いの手引」2012年版
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/kouseishinyaku_01.pdf



http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20151028-OYTNT50302.html
医師による出産再開
2015年10月29日 読売新聞

 ◇彦根市立病院 年150件扱い可能に

 医師不足のため2007年から医師による出産を中止している彦根市立病院で、12月から出産の取り扱いと産婦人科の救急対応を再開することが決まった。新たに2人の産婦人科医の赴任が決まったためで、大久保貴市長と金子隆昭院長が28日に記者会見して明らかにした。

 同院では、06年に年間525件の出産があったが、当時の産婦人科医4人のうち3人が開業するなどして辞めたため、07年には出産が0件になった。08年には院内助産所を開設し、助産師による「正常分娩」の取り扱いを再開したが、年間14~40件にとどまっている。

 一方、市内では年間約1000件の出産のニーズがあるが、市内に2つある民間施設で取り扱えるのは半数で、残りは長浜市などで出産しているという。

 同院での医師による出産の再開は、市の課題だったが、全国的な産婦人科医の不足でこれまで解決できなかった。今回、滋賀医大の協力で2人の赴任が決まった。

 会見で、金子院長は、「院内助産所はそのまま残して充実させ、医師管理の出産と合わせて年間150件程度を扱えるように徐々に態勢を整えていきたい」と話した。また、引き続き若手医師などの配置を目指す予定で、「将来的には5人態勢で、年間500人の出産を扱えるようにしたい」と述べた。



http://blogos.com/article/141490/
診療所違法捜査、岐阜県警の許し難い「ノットリリースザボール」
郷原信郎
2015年10月28日 09:52 BLOGOS

前回のブログ【「弁護士たる政治家」としての橋下徹氏への疑問】で、橋下徹氏が、維新の党執行部を批判している理屈がデタラメであること、その「弁護士たる政治家」としての姿勢に重大な問題があることを指摘して厳しく批判したが、維新の党に提出した法律意見書に対して(なぜか私の名前を出さずに)批判する一方で、ブログに対して全く反論してこない。

昨日からは、美濃加茂市長事件控訴審での検察との戦い(【美濃加茂市長事件控訴審、事実審理開始で重大なリスクを抱え込むことになった検察】)、診療所つぶしの違法捜索事件での岐阜県警との戦い(【岐阜県警違法押収事件の背景に、県・国による「診療所つぶし」】)の戦線に復帰した。

美濃加茂市長事件の方は、10月初めの異動で、村山浩明判事が裁判長となった。

新たな裁判体となったわけだが、気を引き締め直し、この事件で警察・検察が捜査・公判で一体何をやってきたのか、無実・潔白の市長を逮捕し、美濃加茂市民の代表を葬り去ろうとしたのはなぜなのかを解明すべく、弁護人として、徹底した立証を行っていく。

一方で、岐阜県警の診療所等に対する違法押収事件の方は、岐阜地裁で、警察の押収処分の一部を違法だとして取り消す異例の決定が出てから、間もなく3か月になるが、岐阜県警は、いまだに、数千点のカルテを含む膨大な書類のほとんどを「留置の必要がある」などとして抱え込んだまま、被疑事実とされた罰金20万円の医療法違反事件の捜査については、被疑者の取調べすら行われず、全く動きもない。

この捜索は、極めて軽微な被疑事実で、必要性も全くないのに、関係するすべての事務所ばかりか、関係者の自宅も含めて11か所において、明け方まで「家探し」するという異常なやり方だったことに加え、そもそも、その「医療法違反」とされている被疑事実が、犯罪の構成要件に該当しないことを、弁護人として、早い段階から指摘してきた。

要するに、「医療法」における診療所等の「管理」に関する規定は、診療所等の開設者(本件で言えば、社会福祉法人徳雲会)に対して、資格ある医師に診療所を管理させることを義務づけている規定であり、違反に問われるとすれば「開設者」なのに、他の診療所の管理者となっていた「医師」が「別の診療所を管理した」という事実を犯罪事実ととらえ、医師を被疑者として捜索を行っているのである。

我々は、そのような医療法の法律解釈について所管官庁の厚労省に照会し回答を求めたところ、我々の解釈が正しいとの回答があった。

それによって、捜索の根拠自体がないことが明らかになったとして、岐阜県警に以下のような文書を送付して、押収物すべてを速やかに返還するように求めた。

犯罪構成要件に該当しない被疑事実による押収物の返還要請

貴県警生活安全部生活環境課及び羽島警察署は、本年8月6日夕刻から7日未明にかけて医療法違反の被疑事実で社会福祉法人徳雲会関連施設、同法人理事長、職員の自宅等11箇所に対する捜索差押を実施し、数千点に上る診療録等大量の書類等を差押えた。

同押収物の一部については、8月21日、岐阜地方裁判所の決定により、同県警作成の押収品目録記載の235点について、押収が違法であるとして押収処分が取り消され、既に返還済みであるが、その余の押収物については、ごく一部が還付されたほかは、今なお、留置の必要があるとして、押収が継続されている。

貴県警が捜索差押の根拠とした医療法12条違反の被疑事実は、

被疑者らが共謀の上、診療所Aにおいて、平成25年12月27日から平成26年1月21日までの間、同Aクリニックの管理者として岐阜保健所長に届出している医師が管理することなく、実質的な管理を診療所Bの管理者として届け出されている他の医師が行い、もって診療所を管理する医師が無許可で他の診療所の管理を行った

とのことであり、診療所を管理する「医師」が他の診療所の「管理を行ったこと」を犯罪事実ととらえるものである。

しかし、医療法における「管理」に係る規定は、診療所の「開設者」に、「資格ある医師等に管理をさせる」ことを義務づけるものである。「開設者」がその義務に反した場合に違反が成立することはあっても、「医師」等が「管理を行ったこと」について違反が成立する余地はなく、捜索差押の根拠とされた被疑事実はそもそも犯罪構成要件に該当しない。

このことを、当職らは、再三にわたって指摘してきたところであるが、今般、当職らが、医療法を所管する厚生労働省医政局総務課に対して行っていた照会に関して、添付書面記載のとおり、「他の診療所の管理者となっている医師が診療所を管理した事実があったとしても、当該管理を行った医師が違反に問われるものではない」旨回答があった。上記捜索差押で被疑者とされていた「医師」2名は、当職らが指摘していたとおり、上記医療法の規定による違反の主体にはなり得ないことが明らかになった。

なお、上記捜索差押の被疑事実においては、両罰規定の適用として、社会福祉法人徳雲会も被疑法人とされているが、被疑者とされる「医師」2名が違反行為の主体となり得ない以上、同法人も被疑法人とはなり得ないことは言うまでもない。

上記厚労省の回答から、貴県警が徳雲会および医師2名に対して行った捜索差押は、犯罪構成要件に該当しない被疑事実に基づく違法なものであることが明白になったのであるから、貴県警において保管中の押収物のすべてを、速やかに返還するよう要請するものである。

本要請に対する貴県警の対応について、10月19日午後5時までに回答されたい。

ところが、それに対する10月19日付岐阜県警の回答は、「平成27年10月15日付け要請については、現に捜査中の事件であり、捜査に関する事柄については、回答いたしません。」という木で鼻を括ったようなものだった。

「まだ捜査中」だと言いたいのだろうが、一体何の捜査をやっているのか。

昨日、捜査が行き詰ったためか、別件の容疑で全くデタラメな捜査を行っていることを赤裸々に示す事実が明らかになった。

徳雲会の診療所に昨年まで勤務していた医師が、理事長、院長らから告訴されていた軽微な事件があった。告訴した側もその内容をよく覚えておらず、我々弁護人にも全く知らされていなかったが、岐阜県警は、その事件を1年半近くも放置していたのに、告訴人側に全く知らせることもなく、10月に入って、その事件で医師の自宅や実家まで捜索し、使用しているパソコンやタブレットなどを押収した上で、被疑者として呼び出して取り調べることでプレッシャーをかけ、その後で、徳雲会の診療所で何か不正が行われていなかったか、具体的な事実を聞き出そうとしたのである。この期に及んでも、押収している大量のカルテの中から、何とかして犯罪のネタを引き出そうとしているのであろう。

警察の非道なやり方に恐怖を覚えた医師が、私の事務所に連絡してきたことから、警察の不当な捜査を把握するところとなった。

軽微な事件については、ただちに示談で解決し、昨日、告訴取消書を警察署に提出した。そして、警察が、事実を歪曲するような供述調書を作成していた点については、医師から正しい事実関係を述べた陳述書の作成提出を受け、徳雲会の事件を捜査する岐阜県警生活環境課に写しを提出し、担当課長らに厳重に抗議した。

数千点のカルテを含む膨大な書類の押収を不当に継続し、捜査の見込みが全く立たない状況で、別件の捜査と称して、徳雲会側が告訴している事件まで引っ張り出して、このような悪辣なことをやっているのが岐阜県警なのである。

ここまでくると、もはや「権力ヤクザ」の所業と批判されてもやむを得ないであろう。

岐阜県警は、そのような無駄な抵抗を直ちにやめ、違法・不当な捜査について謝罪し、事態を収拾すべきである。

ラグビーでは、タックルされて倒されてもボールを離さない「ノットリリースザボール」は重大な反則行為だ。診療に不可欠な大量のカルテを押収し、弁護人側からの攻撃でボロボロになりながら、いまだにカルテを抱え込んで離さない岐阜県警のやり方は、「ノットリリースザボール」の反則そのものであり、社会に対する重大な背信だ。


  1. 2015/10/29(木) 06:23:40|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月27日 

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=125527
群大術後死、指導力不足で医療の質低下…改革委
(2015年10月27日 読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、病院の管理体制を検証する改革委員会(委員長=木村孟・大学評価・学位授与機構顧問)が26日、都内で記者会見し、問題点を厳しく批判するとともに、改善を求める提言の中間まとめを公表した。

 改革委は5月以降7回、会合を開催。同じ医師が行った手術で死亡例が短期間に続発した背景、防げなかった組織としての問題点を検討した。

 改革委は、問題が起きた最大の要因として、患者の死亡が相次いだ第二外科と、第一外科が同じような手術を行いながら互いに協力せず、非効率で十分な安全管理がしづらい体制だったことを挙げた。指導力のない診療科長の下で、資質に欠ける医師が過剰な数の手術を一手に引き受けた結果、医療の質が低下し、死亡例が続発したと批判した。

 病院に安全管理部門はあったが、問題を把握できる仕組みになっていなかったと指摘。群馬大出身者が多く、閉鎖的で物を言えない風土もあったとして組織改革を進めるよう注文した。

 木村委員長は「病院長や診療科長が指導力を発揮しようとした証拠もなく、病院としての統率が取れていなかった」と批判した。

 田村遵一病院長は「指摘は非常に的を射ており、心から反省している。真摯に受け止め、早期に改革したい」と述べた。

 死亡が続いた原因と再発防止策については、改革委とは別の学外の専門家による事故調査委員会が行っている。調査委は来春をめどに報告書をまとめる予定で、これと合わせて、改革委も最終的な提言を行う。

◆改革委員会提言のポイント

(問題点)

▽第一、第二外科が独立運営され協力体制がなかった
▽スタッフ数に見合わない数の手術を行っていた
▽適格性を疑われる医師が主要構成員として存在
▽病院長や診療科長(教授)が指導力不足だった

(改善点)

▽医療事故などの報告が複数部署から上がる仕組みの構築
▽診療科長(教授)の能力・資質を適切に評価できる体制構築
▽他部署に口を出せない文化を払拭する



http://apital.asahi.com/article/news/2015102700025.html
聖マリ医大病院の医師、患者500人の情報紛失
2015年10月27日 朝日新聞

 聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)の30代の男性内科医が、患者約500人の氏名や年齢、病名などが保存された私物のノートパソコン1台を紛失したと、同大が26日発表した。これまでに不正利用は確認されていないという。

 同大によると、内科医は20日午後6時ごろ、非常勤で働く市内の別の病院から帰宅する途中、JR川崎駅で乗車した南武線の車内に、バッグに入れたパソコンを置き忘れた。翌朝に気づき、大学側に伝えた。

 個人情報の外部への持ち出しは原則として禁じられているが、学会で発表する資料を自宅で作成する目的で、上司らの許可を得ずに持ち出したという。

 同大はホームページに「お詫(わ)び」を掲載し、患者にも個別に説明して謝罪する。「再発防止に努める」としている。

(朝日新聞 2015年10月27日掲載)



https://www.m3.com/news/general/369830
「アプリで当直医師の孤立無くせ」、慈恵医大がICT化推進
2015年10月27日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 東京慈恵会医科大学は10月26日、これまで医師やコメディカルが院内の連絡用に使っていたPHSに代わり、スマートホンなど携帯電話3600台を導入し、医療のICT活用を推進すると発表した。導入に協力したNTTドコモによると、病院の大口導入としては国内最大で、「世界でも類を見ない規模」。10月に導入が始まり、スマホアプリでナースコールや電話帳の共有、顔写真付きのチャット機能などが使えるようになる。


 ICT化を進める同大脳神経外科学教授の村山雄一氏は、「スマホを導入する意義はコミュニケーションの活性化」と強調。従来の電話では1対1のコミュニケーションしかできなかったのが、スマホのアプリを使うことで同時に複数の人と情報を共有できるようになることから、「救急対応など、孤立した当直中の医師が1人で高度な判断を迫られ、若手の医師の負担になっている。患者を断らず、難しい患者が来たら皆で相談してより良い解決策を出せるようになる」と述べ、開発に携わるスマホアプリへの期待を込めた。

 慈恵医大は、2015年度中にスマホアプリでのナースコール対応や院内FreeWiFi設置を完了させ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、「スマホ診察券」のほか、「スマホ会計システム」「スマホ翻訳システム」など、スマホを使ったさまざまな医療のICT化を推進する方針。

 26日の記者会見では、元郵政大臣で衆院議員の野田聖子氏や学校法人慈恵大学理事長の栗原敏氏、NTTドコモ代表取締役の加藤薫氏らがあいさつ。栗原氏は、「医療の現場は多忙を極めている。患者中心の医療とワークライフバランスの両立のため、モバイルを導入して最適な医療を実現する」と抱負を語った。

 慈恵医大とNTTドコモは、今春から共同講座「先端医療情報技術研究講座」を開設。慈恵医大の本院と分院の計4つの病院で今回導入したスマホ3200台とフィーチャーフォン(従来の携帯電話)364台の計3588台を用いて、新たなサービス企画開発や共同研究を進めている。

 医療機関での携帯電話の使用は、これまで電波による医療機器への影響に配慮して制限されてきたが、電波の出力が少ない新しい機種の普及などを受けて規制緩和が進んでいる。2014年8月には、総務省などが参加する電波環境協会の「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針等」で、手術室や診察室等の一部のエリアを除いた利用が認められ、今回のスマホ大量導入につながった。

患者1人年間6万円の医療費削減効果

 村山氏が将来展望を含めて紹介したのは、3つの医療用アプリ「MySOS」「Join」「Team」など。これら3つの活用で、超急性期からリハビリ・地域包括ケアまで一貫した情報・業務連携の実現を目指している。


脳神経外科学講座主任教授、村山雄一氏は、脳梗塞などの迅速な対応が求められる医療現場で、リアルタイムに複数とコミュニケーションが可能なアプリの利便性が高いと指摘した。
 「Join」は医療従事者が医用画像の共有やチャットに使えるスマホアプリで、国内50病院、海外でも10以上の病院が利用しており、同大でも日常的に使っているという。当直医が外出先の専門医や自宅にいる専門医に相談できるほか、医用画像やライブ映像を共有し、診療科やシフトなどで作った関係者のグループで「カンファレンス」もできる。

 村山氏は、リアルタイムで相談ができること以外に、「他の医師に相談した内容や話し合いの様子を記録でき、指導医がリアルタイムで見られなくても、後で記録を確認できる。1人の責任にしないことが重要だ」と救急時の若手医師のサポートツールとしてのメリットを強調する。

 「Join」はこのほかにも、大学の垣根を越えて、地域医療連携に携わる医師のグループでの情報共有や、学会や研究会等の認定医への相談と専門医認定への活用、病院間の連携で救急患者の搬送先調整など、病院連携医療の質の向上や、医師不足の解消、医療費の削減への効果が期待できるという。慈恵医大では、急性期脳梗塞疾患の患者1人当たり、年間6万円の医療費が削減できたとしている。

医療の最適化、医療費の削減へ

 「MySOS」は患者自身が身分情報や既往歴、内服薬、健康診断結果などの健康情報を管理するアプリで、救急時には医療従事者がデータを確認したり、家族に電話をかけたりできるほか、転院先の病院とも情報を共有できる。将来的にはマイナンバー制と連携して、全ての医療データを個人で管理できるようにすることも想定している。

 「Team」は多職種連携クラウドシステムで、地域包括ケアに関わる全ての関係者が一体のチームとして情報を管理する。例えば、病院の医師が退院した患者の介護施設での経過状況を確認しアドバイスを送ったり、見舞いに行けない家族に介護士から患者の様子を伝えたりすることができるようになる。

 そのほか、村山氏は「MySOS」や「Join」を活用した災害救急への対応や、山岳ガイド協会の登山アプリと「MySOS」の連携で、慈恵医大槍ヶ岳診療所と静岡県消防・静岡県立総合病院で情報共有し、登山中の救急時にも対応する実証実験を実施していることなどを紹介。将来的には、モバイルで集めたビッグデータを使い、人工知能による診療支援や病気予防、マイナンバー制と連携した医療の最適化、医療費の削減などにつなげたいと説明した。



https://www.m3.com/news/general/369779
国立大交付金年1%削減 財務省「自己収入増加を」
2015年10月27日 (火)配信 共同通信社

 財務省は26日、財政制度等審議会の分科会で、国立大学に配る運営費交付金を毎年度1%ずつ削減するよう求める改革案を示した。同時に大学の自己収入を1・6%ずつ増やすよう促す。財政難を理由に自助努力を強調した提案だが、実施されれば授業料の引き上げにつながる可能性もある。

 財務省は、文部科学省と協議し、2016年度の予算編成から反映させたい考え。文科省、大学側の反論が予想される。

 付属病院を除く13年度の国立大学の収入は2兆2692億円。うち授業料や寄付金、民間企業からの受託研究資金で構成される自己収入が32・5%なのに対し、運営費交付金は51・9%を占める。

 財務省は交付金の1%削減と自己収入の1・6%増額を続けると、31年度には交付金と自己収入がほぼ同規模になると試算し、この水準を目標とした。交付金の抑制には、大学が学生数の減少に見合う規模になるよう誘導する狙いもある。

 このほか少子化に対応し、全国の公立小中学校の教職員定数を24年度までの9年間に原則として約3万7千人削減するよう求める方針を示した。

 防衛予算では、安全保障関連法の成立で日本が米軍支援を強化することを踏まえ、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の減額を提案。公共事業については、自治体のインフラ整備を支援する社会資本整備総合交付金が効果の薄い事業に充てられないよう、配分に当たって費用対効果の分析などの事業評価を義務付けるべきだとした。

 ※国立大運営費交付金
 国が直接運営していた国立大学を2004年に「国立大学法人」に衣替えしたのに伴って創設された交付金。主に学生や教員の人数に基づき金額が決まり、15年度一般会計予算では1兆945億円だった。減額傾向にある中、文部科学省は改革の取り組み内容によって傾斜配分する仕組みの導入を進めている。国からは、交付金のほか、研究などに対する補助金も支出されている。



https://www.m3.com/news/general/369771
地域医療基金、大阪が最高 15年度2回目の配分額
2015年10月27日 (火)配信 共同通信社

 厚生労働省は26日、地域医療の充実のために都道府県ごとに設置した基金への2015年度の2回目の配分額を決めた。総額は約293億円で、大阪府が最多の28億8千万円だった。15年度の基金総額は約904億円で、先行して約611億円を既に交付しており、1回目と合わせた都道府県別の額としては、東京都の73億5千万円が最高となった。

 基金は、団塊の世代が全員75歳以上となる25年の地域医療の将来像を示す「地域医療構想」を実現するために使う。今回配った分は、病院ベッドの機能再編や在宅医療の充実、医師や看護師などの確保のために重点的に使う。

 2回目の配分額で大阪の次に多かったのは愛知県の19億5千万円。東京都の14億1千万円が続いた。

 基金の財源は国が3分の2、都道府県が3分の1を負担する。



https://www.m3.com/news/general/369761
聖路加国際病院、国際病院連盟の最高位大賞
2015年10月27日 (火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会の堺常雄会長は10月26日の定例記者会見で、国際病院連盟が選ぶ第1回国際病院連盟賞の最高位大賞に聖路加国際病院(東京都)が選ばれたと発表した。日本からは全部で3施設が応募し、いずれも入賞した。

 アメリカ・シカゴで開かれた10月6日から3日間に渡って開催された国際病院連盟第39回コングレスで、今大会から新たに創設された国際連盟賞の授賞式が行われた。この賞は、世界中の革新的で優れた病院・施設を表彰するというもの。賞には最高位大賞に当たるDr.Kim Kwang Tae Grand Award(金光泰最優秀大賞) とExcellence Awardsの2つのカテゴリーがあり、賞の数は全部で14になる。世界19カ国から105件の応募があり、日本からは3病院が応募。聖路加国際病院が最高位大賞を受賞したほか、八千代病院(愛知県)は最優秀賞、四国こどもとおとなの医療センター(香川県)は優秀賞をそれぞれ受賞し、日本から応募した全ての病院が受賞した。表彰委員会長を務めた堺会長は「地域の中でいかに質の高い医療を提供するかを常に考えており、当然の結果」と話した。

日本の受賞病院と受賞タイトル

聖路加国際病院:Measurement and Disclosure of Quality Indicator(QI), which express the Health Care Quality, and Improvement Activities(医療の質を表わす指標の測定・公開と改善活動)

八千代病院:Center of SUPER CARE MIX-A comprehensive Care from Emergency to Home for the Community(救急・急性期医療から在宅ケアまで切れ目のない医療を提供する「スーパーケアミックス」の実践)

四国こどもとおとなの医療センター:Developing new tools for analyzing financial management of hospitals and how to improve hospital management after merging of two hospitals(新たな病院経営指標の開発と2病院統合後の経営改善手法について)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47126.html
地域包括ケア、厚労白書で現場の活動紹介- 周産期医療や女性医師離職防止も
2015年10月27日 16時30分 キャリアブレイン

 塩崎恭久厚生労働相は27日の閣議に、2015年度版の厚生労働白書を報告した。「人口減少社会を考える」をテーマに掲げ、人口減少に応じた施策として、地域包括ケアシステムを進めていることを記載。地域の実情に応じて、在宅医療や介護予防サービスなどの充実に取り組む方針を示している。【新井哉】


 白書では、医療や介護、生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの概要について、イラストなどを交えて解説。空き家など既存の建物を改修して高齢者の共同住宅を運営して、利用者負担を安価に抑えるといった具体的な取り組みも紹介している。

 また、厚生労働省の検討会で議論が始まった周産期医療についても言及し、15年度予算で、周産期母子医療センターの母体・胎児集中治療室(MFICU)や新生児集中治療室(NICU)に対する支援などを行っていることを提示。小児の急病時に保護者の不安を解消する目的で行われている「小児救急電話相談(♯8000)」についても、相談実績のデータを挙げて効果を強調している。

 このほか、女性医師の離職防止を図るため、病院内保育所の運営に対する財政支援に加え、医療を担う人材の質の向上を目指し、チーム医療を推進していることも説明。後発医薬品についても、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする「数量シェア目標」を取り上げ、「目標の達成に向けて、引き続き後発医薬品の使用促進を図っていく」としている。



http://mainichi.jp/area/tottori/news/20151027ddlk31040572000c.html
医療体験:日赤病院100周年、900人が /鳥取
毎日新聞 2015年10月27日 地方版

 鳥取赤十字病院(鳥取市尚徳町)でこのほど、創立100周年を祝う感謝祭があった。約900人が参加し、医療体験や健康チェックをして楽しんだ。

 1915年4月1日、県立病院の施設を無償譲渡され開設。県内であった水害の他、23年の関東大震災時などに救護班を派遣した。戦後も国内外に医師や救護班を派遣するなど県外にも貢献してきた。

 感謝祭では人体模型に胃カメラを入れて異物を取り出すなどの医療体験や、実際の救護服を身につけられるブースが人気を集めた。山田藤三郎事務部長は「皆さんのおかげで100年を迎えられた。これからも愛される病院でありたい」と話した。【李英浩】



http://mainichi.jp/area/osaka/news/20151027ddlk27040414000c.html
住吉市民病院統合問題:府医療審、病床再編計画に反対 /大阪
毎日新聞 2015年10月27日 地方版

 大阪市立住吉市民病院(住之江区)を府立急性期・総合医療センター(住吉区)に統合し、跡地に民間病院を誘致する病床再編計画について、府医療審議会は26日、反対することを決めた。計画の許可権を持つ厚生労働省は、審議会の決定を重要視している。審議会は反対する決定をしたが松井一郎知事は今後、国に計画の許可を求めて申請する方針。

 計画では、住吉市民病院と同センターを統合して「府市共同母子医療センター」を開設し、同病院の跡地に南港病院(住之江区)を誘致する。地元医師会などで作る市南部保健医療協議会は「南港病院では現在の医療レベルを保てない」などとして計画に反対の意見をまとめた。

 審議会には医師ら8人が出席。「地元医師会の意見を尊重すべき」などの意見が大勢を占め、反対することを決めた。【松井聡】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47101.html
佐久医師会、在宅看取りで当番制- 在宅医の負担軽減と新規参入図る
2015年10月27日 09時00分 キャリアブレイン

 佐久医師会(長野県佐久市)では、今月から在宅看取りの当番制を始めた。開業医らがローテーションを組み、在宅医が不在で看取りが必要になった場合などに、代理で自宅を訪れ、死亡確認や死亡診断書の作成を行う。在宅医の負担を軽減するほか、在宅医療への新たな参入を促したい考えだ。【大戸豊】


 佐久市では、佐久総合病院をはじめ、在宅に力を入れてきた病院や診療所も少なくない。ただ近年では、在宅医の担当件数も増えているほか、看取りが必要になる可能性のある患者を常に抱えているため、週末の学会に出席しづらかったり、休日でも対応に追われたりすることもある。
 佐久医師会では、医師会内の在宅医療推進委員会に参加する医療機関を中心に29施設で看取りの当番制を始めた。在宅医は、週末に学会に出席したい際などに、クラウド型の情報共有サービス「Net4U」を通じ、事前に患者の病歴などの情報を登録。同じ患者を担当する訪問看護ステーションに当番制を利用することを伝える。
 当番の医師はNet4Uで依頼を確認し、患者に異変があった場合は、家族が訪問看護ステーションに連絡し、看護師が在宅での状況を確認した上で、当番医に連絡する。医師は自宅を訪れ、看取りの対応や死亡確認、死亡診断書の作成を行う。
 対象となる患者は、事前に自宅や有料老人ホームなどでの看取りを希望しており、訪問看護が入っていて、家族が代理の医師による看取りを承諾している場合に限られる。
 参加医師の中には眼科や耳鼻科、精神科の医師も含まれる。現在のところ、当番制は休日のみで、ローテーションは年に3回程度となる。対応地域も佐久市内に限定している。
 制度の立ち上げにかかわった金澤病院の金澤秀典院長は、今後地域での在宅看取りが相当増えることを見越したといい、「実際に対応するのは、最初は年間1ケタ程度かもしれないが、10年後に備えることが大事」と話す。また、地域の医師がカバーする体制をつくることで、在宅医療に参入するハードルを下げたいという。



http://apital.asahi.com/article/news/2015102700027.html
山梨県の地域医療構想、病床18%削減を検討会が了承
2015年10月27日 朝日新聞

 高齢化がピークを迎えるとされる2025年に備え、効率的で質の高い医療体制を目指す「地域医療構想」策定のための有識者らによる検討会がこのほど、甲府市内で開かれた。25年に必要な病床数を2014年度より約18%削減する案が了承された。

 構想は、社会保障費を抑制するため、病院から在宅医療へ転換する国の方針を受けたもの。国のガイドラインに従い、人口推計などを加味して山梨県が推計した。この日、了承された案では、総計で14年度で8368床あった病床数を25年に6895床にする。地域別では、中北は25年に4143床(14年度4878床)、峡東1724床(同2002床)、峡南263床(同460床)、富士・東部765床(同1028床)となっている。

 来月から区域ごとに調整会議を開き、県では来年度の早い時期に構想をまとめる予定。

(朝日新聞 2015年10月27日掲載)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47125.html
新総合事業、6割の自治体が17年4月から- 厚労省、全保険者のスケジュールも公表
2015年10月27日 17時30分 キャリアブレイン

 今年4月の介護保険制度の改正で導入された「介護予防・日常生活支援総合事業」(新しい総合事業)について、保険者の約6割は、準備期間の最終年度と位置付けられる2017年4月から実施する方針であることが、厚生労働省のまとめで分かった。また、厚労省は1579保険者のすべての移行スケジュールも明らかにした。【ただ正芳】


 今年4月の介護保険法の改正に伴い、介護予防訪問介護と介護予防通所介護が、市町村の「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行され、新しい総合事業に再編された。また改正に伴い、新しい総合事業は、ボランティアなども積極活用した多様なサービスの提供が可能な仕組みに見直された。新しい総合事業の開始時期は、今年4月から17年4月までの間で、各保険者が独自に定める。
 
 厚労省では今月1日段階での移行スケジュールをまとめて公表した。

 その結果、最も多くの保険者が新しい総合事業に取り組み始めるのは2017年4月で、全保険者の61.2%(966保険者)が、このタイミングでの事業実施を計画していた。次いで多かったのは来年度中の実施の20.2%(319保険者%)で、今年度中の実施を計画しているのは12.8%(202保険者)だった。実施時期未定は92保険者(5.8%)だった。
 
 厚労省が発表した各保険者の新しい総合事業の実施時期の一覧表はこちら。
    https://www.cabrain.net/newspicture/20151027-1.xlsx


  1. 2015/10/28(水) 05:29:18|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月26日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47105.html
公立病院の民間的経営手法、総務省が調査へ- 新改革プランの実施状況で
2015年10月26日 16時00分 キャリアブレイン

 新公立病院改革ガイドランで策定が求められている「新公立病院改革プラン」(新プラン)について、総務省が来年度以降に予定している実施状況の調査概要が26日までに分かった。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年における具体的な将来像に加え、民間的な経営手法を導入しているかどうかも調査項目に挙がっている。【新井哉】


■地方議会から「不採算部門」の指摘も

 公立病院をめぐっては、医師不足で小児や周産期医療などの提供体制を維持できず、診療科を休止・閉鎖するケースも少なくない。また、地方議会から「不採算部門」として公立病院の関連予算の縮小を求められ、一般会計負担の見直しに着手している自治体もある。

 ただ、県庁所在地から車で1-2時間ほどかかる地域では、公立病院だけが外来機能を持ち、病床を含め地域医療の“唯一の砦”になっているケースもあり、一般会計負担の見直しは、地域医療の提供体制の縮小につながりかねない。

 こうした状況などを踏まえ、総務省は今年3月に新公立病院改革ガイドラインを策定。病院事業を行っている地方自治体に対し、新プランを策定して病院機能の見直しや病院事業経営の改革に取り組むよう求めている。

■民間への譲渡や診療所化も選択肢に

 総務省は、新プランの実施状況を調査する際、地域医療構想を踏まえた役割を明確にしたい考えで、調査票に、▽地域医療構想を踏まえた病院の役割▽2025年における病院の具体的な将来像▽地域包括ケアシステムの構築に向けて果たすべき役割▽一般会計負担の考え方(繰出基準の概要)―といった項目を盛り込む見通しだ。

 また、調査票には経営の効率化や黒字化を目指す時期、民間的な経営手法の導入や収入増加・確保対策といった目標達成に向けた具体的な取り組みも記載する予定。経営形態の見直しについての項目も設け、地方独立行政法人や指定管理者制度に加え、民間への譲渡や診療所化も選択肢に挙げている。

 調査項目の概要について総務省は、地方自治体が新プランを策定する際の参考にすることを要望。また、都道府県に対しても、市町村が策定する新プランにどのような助言を行っているかも調査する方針だ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/367492
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
「近藤理論」を巡り医師とNP読者の意見の違い◆Vol.4
医師でも31.5%は「聞くべき点もある」

2015年10月26日 (月)配信 佐藤留美(NewsPicks編集部)

 がんは放置すべき、抗がん剤は毒だ、検診による早期発見のメリットはない――。元・慶應義塾大学医学部専任講師の近藤誠氏は、日本のがん治療を真っ向から否定する。氏が提唱する「がん放置療法」のあらましは簡単に言うとこんなことだ。がんには「本物のがん」と「がんもどき」の2種類があり、本物のがんは発見時には転移しており治療は無駄、一方、がんもどきは転移しないので放置しても良い。つまり、いずれの場合でも、積極的な治療は不要だと言う。

10261_20151027055142641.jpg

NewsPicks読者の58%が「近藤理論」に「聞くべき点ある」

 この「近藤理論」は、センセーショナルなタイトルの数多くの著書に加え、国民の2人に1人ががんに罹患し、がんが身近な問題と捉えられる時代になり、著書『医者に殺されない47の心得』は100万部を超えるヒットを記録した。 実際、今回のアンケートに答えてくれたNewsPicks(以下、NP)読者の6.2%が近藤理論に賛成し、51.8%もが聞くべき点もあると回答している。

著者の売名行為、エビデンス不足など医師は否定的

 だが、医師の間では近藤理論は長らく疑問視されてきた。実際、今回のアンケート結果を見ても、賛成と答えた医師は2.7%にすぎず、53.4%が反対と回答している。自由回答を見ると、実に辛辣な意見が寄せられる。

 反対意見の中でもとりわけ目立つのが、著者の売名行為なのではないかと訝しむ声だ。具体的には、「著者自身の「売名行為」。医療職者は読む価値なし」「こういう人をマスコミが取り上げるから日本の医療は崩壊するのです」「マスコミでなく学会でも発表してほしい」などの意見が挙げられる。また、「エビデンスレベルが不明」「エビデンスがなく突飛な意見を、ただひたすら喧伝すれば、一般市民は飛びつきやすい。関係する学会、医師会などは反対声明を出すべき」「全くの「机上の空論」。宗教家だと思う」などエビデンス不足を指摘する声も散見された。

 同時に、 「がんの治療は必要」とする意見も多く、近藤理論により患者が悪影響を受けると同時に、他の臨床医がその弊害を受けている現実を問題視する医師もいた。「局所で見つかって治療を希望されずしばらくして転移が、という例も見ます」「最後はまともな医師が近藤先生に騙された患者のフォローをすることになっている」「悪性度の低いものやStage1で術後に何年も元気な方が多くいらっしゃるので、がん 放置療法については、賛成できないです」「がんは2種類だけではなく、治療が有効なものもある。しかし、放置がいいものまで治療している現状も否定できない」「全く信頼に値しない内容であり、このようなデマに踊らされた挙げ句に受診に至る患者を診たくありません」「放置してよいはずがない 」などの意見にそうした声が代表される。

 さらに、現在一般的に行われている治療について、「積極的治療で恩恵を得ている患者さんは実際にたくさんいます」「補助化学療法は一定の効果があるし、切除不能であっても治癒が望める場合がある」と評価する声が上がった。

医師でも31.5%は「聞くべき点もある」

 しかし、一方で、医師でも31.5%は「聞くべき点もある」と回答している。「助けられる状態の場合は、積極的に治療すべきだと思うが、若干の延命のみであれば、選択の余地があってもよいと考えます」「治療しないのも選択の一つ。そういう考え方を広めたのは素晴らしいことと思う。さらに、(治療をしない)対象患者を受け入れられる態勢づくりが必要と思う」という意見もあった。

 治療の全てが効果があるわけでないことを身を持って実感している医師だからこそ、治療一辺倒でない考え方にも意義を見いだしているかもしれない。

ビジュアル作成:櫻田潤(NewsPicks編集部)
※近藤理論に対するm3.com会員、NewsPicks読者のコメントはこちら⇒



https://www.m3.com/news/iryoishin/368403
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
近藤理論「99害あって1利あり」「査読論文出すべき」
m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.4 自由回答

スペシャル企画 2015年10月26日 (月)配信 高橋直純(m3.com編集部)

  『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第4回「「近藤理論」を巡り医師とNP読者の意見の違い」。で紹介した、近藤誠氏が提唱する癌放置療法についてのm3.com医師会員、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。m3.com医師会員からは、「99害あって1利あり」「近藤氏はそのような理論を提唱するのであれば、一般書籍を出すのではなく、査読付雑誌への投稿をきちんと行うべきである」といった声が寄せられた。

Q  近藤誠氏が提唱する「がん放置療法」について、どう思われますか

■■NewsPicks読者

【肯定的】

・進行性の癌については、痛み緩和治療を除き、長期間の治療は止める。
・選択肢としてはありだと思います。
・切った張ったが、全てではないと思う。
・癌治療は医者や薬が治せるものではない。

【否定的】
・癌は怖いので、放置はできない。
・寛解された患者も私の周りだけでも3人おられる。国全体で見ると大勢いるはずだ。
・医学的には間違っているけど、これなら医療費は極めて少なくて済みますね。(近藤氏のクリニックは自費だからお金がかからないとは言わないけど)。
・エビデンスに反する意見の規制は、国が実施すべき。その意見に染まった患者の対応に医師をはじめとする医療従事者の貴重な時間が取られ、他の患者にも悪影響。
・患者側に立った場合、やっぱりキチンと治療してほしいと思う。
・科学の進歩に背を向けている時点で、医療者以前に科学者として失格。こういう本が売れてしまうことが問題。人類は不可能に対する挑戦の歴史あってここまでの高みに来たことに対し、感謝するべきだ。そしてさらに高みを目指していく。より早期の癌を見つけたり、癌になる前に予防したり。その流れを医者であるはずの近藤先生が分かってないのが残念。雨上がり決死隊の宮迫氏が胃癌で手術して現在元気にテレビで活躍している事実に対して、近藤先生がどうコメントするのか聞いてみたいもんだ。
・無駄な治療かどうかは本人・家族が決めること。医師が「無駄」と提唱するのはおかしいと思う。
・エビデンスがないただの譫言。延命率が上がるなら本人が副作用等考えて決めるべき問題。

【その他】
・医師の意見は賛成、反対ともに経験に基づくもので、何が真実か判断できない。臨床試験を実施して検証してほしい。
・全ての癌に対して、高い抗癌剤を使うことには否定的。苦痛を伴うのであれば、それを取り除く緩和ケアを推進すべき。
・本物の癌に対しては進行度によって治療が必要な場合もあるのではないだろうか。まあ抗癌剤は無駄だと思う。
・「ありがとう」の言葉に治癒効果もある。家族など周りの本気のサポート必要。
・効果があれば治療法は問わないが、癌と癌もどきの違いなど科学的に説明して欲しい。
・極論を述べているので危なっかしいが、むやみに治療することが正しいわけでないという点は同意。医者も勉強している医者と不勉強な医者がおり、患者は賢くなければ騙される。しかし、中途半端な知識で近藤氏の受け売りをそのまま自身に当てはめるのは大間違い。
・発症年齢にもよる。治療するか否かは医療従事者の提案までで、患者および身内が決定するべきことであると思う。
・近藤医師の意見が充分ではないと思うので判断に迷うが、治療よりも患者のQOLを重視した方がよいケースもあると思う。特に叔父の癌治療をみていて、そう思った。ただ、一般的に癌は一律で治療しないというのは常識的に受け入れられない。回復の見込みがある癌まで放置するのは医師による不作為殺人ではないのか。
・一般の人は擬似医学と医学の区別が付けられない。
・抗癌剤は、高齢者ではほとんどで意味がない。高齢者の寿命を半年伸ばすのに、保険からなん百万円も使うのは馬鹿げている。抵抗力を弱め、死期を早めるだけ。若者に対してや、血液の癌など、一部の癌は効果があるので治療すべき。

■■医師(m3.com会員)

【肯定的】
・治療しないのも選択の一つ。そういう考え方を広めたのは素晴らしいことと思う。さらに、対象患者を受け入れられる態勢づくりが必要と思う。
・患者本人がどうするか決めれば良い。医療費削減のためには、内容の真偽はともかく、良いお考えだと思います。
・確かに「見つけた以上、何かしなければいけない」という現状は異常。患者の期待値が高すぎるのが問題。人間、いつか死にます。

【否定的】
・個別の案件をさも一般のごとく広めており、提唱者は科学者ではないと推察される。
・賛成であれば医療機関を受診すべきでない。
・著者自身の「売名行為」。医療職者は読む価値なし。一般人に読まれると混乱を招く恐れがある。著者に対しては「いい加減にしろ」と戒めたい。
・国民は騙されている。
・一般向けはするだろうが、極端すぎる。何よりもの問題は著者が本当に患者さんを想って書いたのではなく、自分の名をあげることが目的であること。
・大腸癌の肝転移を切除して治癒する人たちもいます。まったくもって理解に苦しみます。真に受ける国民がかわいそう。正確な情報を提供すべき。
・癌と癌もどきの区別ができる技術を構築してほしい。
・医師とは思えない。
・転移があっても完治するケースはあります。彼は無知なだけです。
・近藤氏には、ひどく残念に思う。勘違いさせられている患者がたくさんいる。
・臨床を知らなすぎる。実際には、きちんと癌の患者さんの診療にあたっていないのがすぐにわかる。
・他の治療も理解した上で放置を選ぶのであればいいが、放っていた方がいいというのは乱暴であるし犯罪的。
・全く信頼に値しない内容であり、このようなデマに踊らされた挙げ句に受診に至る患者を診たくありません。
・最後はまともな医師が近藤先生に騙された患者のフォローをすることになっている。
・責任を伴わない近藤氏の発言は、日常診療において非常に迷惑である。
・無責任な主張でデータのこじつけと誇張が激しすぎる。手術や抗癌剤などを一般の方はできるだけ避けたい心理を利用したいわゆる詐欺のようなものです。その上、放置させて悪くなっても責任を取らないので日本の医療の足を引っ張る老害だと思います。セカンドオピニオン外来で稼ぐ悪人といってもいいでしょう。
・最近の抗癌剤の進歩で、転移していても治療すると停滞してくれて、長く予後が得られる方々が増えていると実感がある。近藤氏の説明では,これが納得できない。
・全くの「机上の空論」。宗教家だと思う。
・極論であり、徐々に進行するが治癒可能な癌があることを無視している。早期発見早期治療の効果が検証されるのはこれから。

【その他】
・99害あって1利あり。
・近藤氏はそのような理論を提唱するのであれば、一般書籍を出すのではなく、査読付雑誌への投稿をきちんと行うべきである。
・確かに、最後の最後まで「戦う」必要はない。
・著者御自身が癌になられた時は、本当に治療されないのでしょうか。
・結果について責任が取れるならそれでもよい。
・近藤先生が癌になって、証明してみてください。
・終末期の治療に対し国民に考えさせる機会を与えたことは意味があると思うが、科学的根拠は乏しいと思います。
・反対する点がほとんどですが、長く経過を見ないと正しさの検証はできないと思います。問題となる年齢(若年発症ならどうするのか)や、自分の身内にそのような問題が発生したときに、果たしてそうできるのか?
・選択するのは患者の自由だが根拠の乏しい癌放置療法をことさらに取り上げて報道することは間違っている。
・治療すればよいのかという警鐘。
・医学会も近藤誠を放置してきた責任は重い。
・患者が癌を理解したうえで放置することには同意する。
・各学会が公式に見解を述べるべき。
・2種類だけではなく、治療が有効なものもある。しかし、放置がいいものまで治療している現状も否定できない。
・有効性がはっきりせず、患者や家族に経済的に負担の多い治療法がないことはない。
・癌についての説は判断を留保するが、彼の目的が医学への貢献ではなく、自身への利益誘導であることは判然としている。
・マスコミでなく学会でも発表してほしい。
・個人的には早期発見・早期治療が望ましいと思う。
・「癌放置療法」を政府が放置するのは医療費の削減の意図があると思います。
・「本物の癌」と「癌もどき」理論は、全ての結果に対応できる、まさに「後出しじゃんけん」の屁理屈。どのような経過でも癌死に至れば「本物の癌」でした。全うな医師が全力で治療した結果、再発なき寛解に至れば、「癌もどきで何もしなくても治ったのだ」と言える。これでは、議論すること自体が無意味。最初から「本物の癌」と「癌もどき」を100%鑑別してくれる理論なら絶賛します。ただし、『医者に殺されない47の心得』を含め、同氏の著書は1冊も読んでいない(同氏の収入を増やすだけでばかばかしい)、同理論の詳細を知らない1医師の意見です。
・対照群を作ることができず、結果論なので検証しようがない。科学的な証明ができるといいと思う。
・言論・表現の自由は誰にでもある。



http://jp.wsj.com/articles/JJ10467118934569024562817403357900144755440
社会(時事通信)
「発言しにくい風土」改善要求=群馬大病院の改革委が中間報告

2015 年 10 月 26 日 22:30 JST 更新 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 腹腔鏡手術を受けた患者が相次いで死亡した群馬大学医学部付属病院の管理体制を検証してきた外部有識者の改革委員会は26日、「先輩や恩師に対して発言しにくい風土ができあがっていた」などとする中間報告をまとめた。組織内の風通しの悪さを改めるため、病院長らの意識改革を図るよう提言した。

 改革委は、患者の診療方針が合議ではなく、担当教授のみによって決定されるなど、「医療行為が閉鎖的、属人的になっていた」と指摘。患者の死亡が相次いだ原因に「体制的欠陥」を挙げた。

 こうした問題の背景には、医師の多くが同大出身者で占められることに由来する特異な風土があるとした。師弟関係の中で口が出しづらい状況が生まれ、「改革ができず、患者本位の医療など時代の流れに取り残される結果となった」という。

 改革委は「現場の声、特に若手の意見を取り入れる」形での意識改革などを進めるよう提言。改善策の進捗(しんちょく)状況を公表することも求めた。 

[時事通信社]



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO93285460X21C15A0CR8000/
「現場と意思疎通強化を」 群馬大病院患者死亡で改革委
2015/10/27 1:28 日本経済新聞

 群馬大病院で同じ男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、病院全体の体制を検証する外部有識者の「改革委員会」が26日、東京都内で記者会見し、「幹部と現場の意思疎通を強化すべきだ」などとする中間報告を公表した。

 木村孟委員長(元東京工業大学長)は問題の背景について「男性医師は死亡事故後も医療行為を続けており、適性を疑う。人間の尊厳を尊重していると思えない」と指摘。旧第1外科と旧第2外科が独立し、医師らの協力体制も整っていなかったと批判した。

 これらを踏まえ、病院長や診療科長ら幹部が現場の医師や看護師らと積極的に意思疎通し、問題を指摘しやすい体制を作るよう提言した。

 今後、取り組むべき改善策として、学生や若手医師らの安全教育、研修体制を整えていくことなどを挙げた。

 改革委は患者死亡が相次いだ組織の問題点を浮き彫りにするため設置され、5月に初会合を開いており、今回で7回目。

 群馬大病院では男性医師が旧第2外科で手術を担当していた2007~14年、肝臓や膵臓などの腹腔鏡や開腹の手術を受けた患者30人が術後一定期間内に死亡していたことが病院の調査で明らかになっている。〔共同〕



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1027/ym_151027_9435420238.html
指導力不足・医療の質低下…郡大術後死で改革委
読売新聞10月27日(火)3時8分

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、病院の管理体制を検証する改革委員会(委員長=木村孟つとむ・大学評価・学位授与機構顧問)が26日、都内で記者会見し、問題点を厳しく批判するとともに、改善を求める提言の中間まとめを公表した。
 改革委は5月以降7回、会合を開催。同じ医師が行った手術で死亡例が短期間に続発した背景、防げなかった組織としての問題点を検討した。
 改革委は、問題が起きた最大の要因として、患者の死亡が相次いだ第二外科と、第一外科が同じような手術を行いながら互いに協力せず、非効率で十分な安全管理がしづらい体制だったことを挙げた。指導力のない診療科長の下で、資質に欠ける医師が過剰な数の手術を一手に引き受けた結果、医療の質が低下し、死亡例が続発したと批判した。



http://apital.asahi.com/article/news/2015102600005.html
「やせ薬」不正販売容疑で六本木の医師逮捕 麻薬取締部
2015年10月26日(朝日新聞 2015年10月26日掲載)

 東京・六本木の開業医が「やせ薬」として利用されている肥満の治療薬を不正に販売したとして、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部が、開業医の男を麻薬取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで逮捕していたことが26日、捜査関係者への取材でわかった。

 同部によると、逮捕されたのは、港区六本木4丁目で「アーバンライフクリニック六本木」を開業していた渋谷雅彦容疑者(57)。7月13日、中国人と日本人の男女3人に向精神薬に指定されている「マジンドール」1万8千錠を約440万円で不正に販売した疑いがある。渋谷容疑者は「金もうけのためにやった」と容疑を認めているという。

 マジンドールは肥満症患者の治療に使われる向精神薬で、本来は医師の処方が必要だが、渋谷容疑者は診療行為をせず、薬を販売していたという。



http://blogos.com/article/141155/
日米両国に見る医療・介護政策のゆくえ ~責任を果たす制度をつくる~
冨田清行 / 東京財団研究員
2015年10月26日 17:50 BLOGOS

 米国では、ヘルスケア(医療・介護)分野において市場競争に委ねられている範囲が、日本と比べて大きく、また、その市場規模も巨額なものとなっている。米国の医療は、その費用がGDPの約1/5に匹敵する巨大な領域を形成しているが、政府による管理を極力避ける傾向にあることから、医療・介護市場の改革も主に民間側の努力によるところが大きい。2010年に成立したAffordable Care Act(以下、「オバマケア」と表記)は、政府主導で大きな改革を実施するという意味で、1965年に導入された公的保険であるメディケア、メディケイド以来の大きな転換期を構築している。しかし、医療・介護分野は、数多くの国民に対して(対象としては全国民)、数多くの医療・介護従事者と関連産業により、現実の医療・介護サービスが提供されるという巨大で複雑な仕組みである。そのため、実際の改革も難しさを極める。

 米国の改革は、これまでも医療費を抑制することや質を向上させることなど、数多くの取り組みがなされてきたが、オバマケアは医療保険の拡大、予防医療の充実、医療費の抑制など、医療・介護分野における包括的な改革を目指している。そのようなオバマケアの中で、注目される改革項目がある。

医療・介護分野における最大の改革の一つである、費用の抑制と質の向上の両立に挑戦しているAccountable Care Organization(アカウンタブル・ケア・オーガニゼーション)である。

1.二つの「A」

 米国の医療・介護分野におけるキーワードは、オバマケアの法律名称にも使われる“Affordable”(アフォーダブル:入手可能な、購入しやすい、等)が先ず思い浮かぶ。アフォーダブルという言葉は、現行の改革を巡る多くの政策議論や医療・介護サービス事業の説明、さらには、医療・介護産業によるテレビCM等でもよく見聞きする。オバマケアの象徴となる一つの言葉を、ここまで改革を社会に定着させたことは、自らの大統領選挙において、“Yes, we can.”で米国社会をまとめあげたオバマ大統領の訴求力の強さを認識する出来事でもある。

 一方、米国の医療・介護政策を眺めていると、もう一つの言葉が頻繁に登場してくることに気付く。“Accountable(アカウンタブル)”である。Accountable Care(アカウンタブル・ケア)は、現行の医療制度改革において、重要な概念として位置づけられており、アフォーダブルと同様、政策論議や現実の医療サービスの説明などの場面で目にすることが多い。この「アカウンタブル」という言葉は、日本語で「説明責任」と訳されることが多いが、医療・介護政策における説明責任とは何を示すのか、アカウンタブル・ケアを一言で表すことは難しい。しかし、後述するとおり、米国では、医療・介護分野におけるサービスの質を高めていく一つの概念として、定着している。

 “Affordable”と“Accountable”。医療保険に加入しやすくすることで医療へのアクセスを確保する一方、医療サービスの質の向上への責任も果たしていく。つまり、保険改革と提供体制改革の両方を見据えた、この二つの「A」こそが、現在の米国における医療・介護制度改革を表す基本概念と言える。

2.医療提供体制の改革

 アカウンタブル・ケアとは何なのか。現在進行している米国の医療提供体制の改革を見ることで、解きほぐしていきたいと思う。

 オバマケアは、アカウンタブル・ケア・オーガニゼーション(Accountable Care Organization (ACO) )と呼ばれる制度を創設している。以前の回で書いたとおり、オバマケアは文書にすると906ページに及ぶ。その中に医療保険改革をはじめ、数多くの改革項目が盛り込まれているが、米国の医療・介護分野における重要な概念である、アカウンタブル・ケアを名称に持つACOは、わずかに数ページしか記載されていない制度である。しかし、ACOは医療提供体制に関する改革として大きな注目を集めている。

 ACOの定義は、米国保健福祉省の傘下で、ACOを運営する行政機関であるCenters for Medicare and Medicaid Services (CMS)によれば、以下のとおりである[i]。

* ACOは、メディケアの患者に対して、連携の取れた良い質のケア・サービスを提供するために、自発的に形成された医師、病院、その他のケア提供者のグループである。
* 連携の取れたケアの目標は、不必要な重複サービスや医療過誤を回避する一方で、特に慢性疾患について、患者が必要な時に適切なケアを受けることを保障することである。
* ACOが、高い質のケアを提供すること、そして、医療費をより賢明に使うことを両立した時は、節約した費用をACOとCMSが分けることとなる。
* ACOはオバマケアの中に位置付けられ、政府が促進している取り組みであるが、ACOにはいくつかのタイプがある。大別すると、上記のとおり、高齢者向け公的医療保険であるメディケアの中のプログラムに基づき設立されるもの、また、州レベルで運営される公的医療保障であるメディケイドのプログラムに基づき設立されるもの、そして、公的制度とは別に独自に民間ベースで設立されるもの、の3つのタイプに分かれる。さらに、ACOの中心が医師(開業医、診療所)であったり、病院であったりといった特徴も分かれてくる。

 2011年には全米で64だったACOの数は、メディケアACO・プログラムが始まった2012年に336へ推移し、2015年1月には744にまで増加している[ii]。医師(開業医、診療所)が中心のACOは全体の37%、病院が中心のACOは28%、その両者が中心となっているACOは35%となっており、病院よりも小さい規模の医療提供者が中心となるものが多い[iii]。そして、ACOが診ている患者も徐々に増え、現在、全米で2350万人に達している[iv]。

 上記のとおり、ACOには公的プログラムに拠るものか、民間ベースか、また、ACOの中心が誰なのか等、多様な形が存在するが、共通している構造が、CMSの定義にあるとおり、医師、病院等のケア提供者のグループ化、連携(統合)ケア、質向上と費用節約の両立の3点である。

 アカウンタブル・ケアの概念は、ACOの創設時で初めて現れたものではなく、クリントン政権時の医療改革議論における「管理された競争」の背景となる概念であり[v]、さらには、1932年の医療コスト委員会 (CCMC) における、医療サービスの組織と費用に関する調査研究にまで遡って見ることができるとされる[vi]。

 したがって、アカウンタブル・ケア自体は何ら新しい概念ではなく、現在のオバマケアにおける提供体制改革の中心であるACOも、その考え方自体は目新しいものとはいえない。アカウンタブル・ケアの概念は、ACOの定義にあるとおり、単に費用を節約するのではなく、質の向上も同時に達成することである。

 米国においては、これまで数多くの改革が実行されてきたが、アカウンタブル・ケアの概念自体は一貫しており、それを実現する政策の手法、具体的な施策が、それぞれ生み出される時点で異なる形態を持って実施されてきたと考えられる。例えば、費用の節約を行い、医療サービスのネットワーク化を進めるという点を見れば、ACOとHMO (Health Maintenance Organization) は似た制度、組織である。しかし、これまでの米国の主要な医療提供組織の一形態であったHMOも膨張する医療費に対して導入が進められ、一時的には費用の抑制に繋がったものの、保険会社主導の抑制策の効果は長続きせず、むしろ医療サービスの利用における制約が患者にとって問題視されるようになっていった。

 ACOは、HMOとは違い、医師や病院といった医療サービスの提供者が中心となってネットワークを形成し、提供者側に質の向上と費用節約を両立するためのインセンティブを導入することが新たな施策である。

 さらに、提供者側と患者側の双方にとって、ACOへの参加は義務ではなく、ともに「自発的に」参加することが大きな特徴である。

 オバマケアは、医療保険の拡大を巡って国論を分ける大論争を繰り広げたが、ACOに関しては政治的な対立はほとんど見られない。当初、ACOがオバマケアの施行前で学術的な理論の段階にあった時点では、机上の空論であり効果が期待できない旨の批判が見られたものの、ACOに反対する政治的運動が見られないことは興味深い。

3.ACOが目指すもの

 ACOは、現在の米国の医療提供体制改革における大きな動きの一つである。

 ACOは、公的プログラムのみならず、民間独自により設立されるものがあり、また、ACOを形成する提供者の多様性によって、多様なACOの形成に結びつく。当然ながら、地域特性などを考慮すれば、ケアの提供には多様性が出てくるのであり、ACOも多様な形を持つのも自然である。

 また、ACOは、プライマリー・ケア、統合ケア、患者中心ケアなど、現行の医療提供体制における多くの改革と連動している。ACOと書くと、まず、組織(Organization)なので、何らかの物理的な組織体(entity)を思い浮かべるが、むしろ、システムと捉えた方が理解しやすい[vii]。この考え方に立てば、ACOとは、「質の向上と効率性のために、出来高払いや包括支払、人頭払いなど、様々な支払方法を駆使した、包括的な費用上及び医療サービス提供上の再構築戦略」となる[viii]。

 最近では、アカウンタブル・ケア・コミュニティ(Accountable Care Community(ACC))、アカウンタブル・ケア・ステイト(Accountable Care State(ACS))といった言葉まで登場している。このように、アカウンタブル・ケアを、医療・介護サービスを提供するケア提供グループとしてのACOが対象とする範囲を超え、コミュニティ全体、州全体に適用しようという考え方も出てきている[ix]。米国においては、メディケイドや州が運営する医療保険市場Exchange、医療提供者への規制、医療設備の供給規制、医師免許等の施策、つまり、医療費の管理に関係する権限の多くを州政府が有しており、その意味で州政府自身が州民の健康に対するアカウンタビリティを十分に発揮すべきであるという考え方も出ている[x]。そうなると、アカウンタブル・ケアは単なるケア提供体制の改革のみならず、地域社会全体を巻き込んだ改革ともいえる。

 ACOが、プライマリー・ケア促進、統合ケア、患者中心ケアなど、多くの医療提供体制改革と連動していることは、それだけ多くの医療・介護サービスのプロフェッショナルや関連産業、そして患者・家族と関わりを持つことを意味する。

 そして、プライマリー・ケア、統合ケアを目指すということは、これまで分散的で細分化された提供体制から転換して、医師、看護師、病院、専門医、歯科医、介護サービスなどの数多くの専門職種の人々が連携するような形を志向することとなる。そして、ACOの定義に「自発性」が含まれているとおり、規制ではなく、ケア提供者が自らの判断で積極的にACOに関与していくことのインセンティブを作り出さねばならない。それが、ACOの政策立案上の最大の挑戦である。

4.支払制度の改革

 質の向上と費用節約の両立をどうやって達成するのか、長年、多くの政策関係者が悩んできた課題であるが、それこそがACOのゴールそのものである。ACOは、その目標を達成するための仕組みとして、支払制度の改革を実施している。

 この支払制度改革がどのようなものなのか、公的制度であるメディケアACOについて具体的な状況を見てみる。

メディケアACOにおいては、現在、「メディケア・シェアード・セイビング・プログラム(Medicare Shared Saving Program(MSSP))」(2012年4月施行)と「パイオニアACO・プログラム(Pioneer ACO Program)」(2012年1月施行)の二つの主要なプログラムが進行中である。ともに、CMSへの申請に基づきプログラムが実施されるもので、MSSPは費用を節約した場合にその節約分をACOとCMSが折半し、パイオニアACOの方は、費用を節約した場合にその節約分を、逆に費用が過大になり当初の見積もりから超過して損失が発生した場合には、その損失をCMSと分けることとなっている。そのため、パイオニアACOの方がACO側にとってリスクが大きくなるが、節約した場合の分配基準がACO側に多くなるため、ベネフィットも大きくなっている。政府として、既にアカウンタブル・ケアの実績が認められる医療提供グループに対してはパイオニアACOへの参加を、そして、これからアカウンタブル・ケアを実践しようと試みるグループに対しては、リスクの小さいMSSPへの参加を促している構図となっている。

 このMSSPとパイオニアACOは、全体で年間どれだけの費用を要するのか、事前に見積もりを立てて、その見積もりに対して実際の費用を比較して節約分、又はと超過分を算出する。そして、医療費の支払いは、従前の出来高払い(診療を行った分だけ医療費が支払われる制度)でなく、包括支払の形式となっている。この支払方法の改革こそが、ACOのインセンティブ設計そのものであり、ACOが成功するか否かの鍵となっている。そして、包括支払の場合、ケアの質への影響が懸念されるが、CMSのプログラムは33の質の評価指標を設定し、質の向上を促す措置を担保している。

 米国では出来高払いに対する議論が長年続いてきた。出来高払いは、過剰診療へのインセンティブに繋がっており、また、医療提供者同士の連携させることに繋がっていない、との指摘がなされてきた[xi]。その流れを受けて、米国においては包括支払の導入が進んでいるが、ACOはアカウンタブル・ケアの実現と支払制度改革を明確に繋げた制度である。

 医療サービスに対する報酬の支払われ方には様々な方法がある。項目別予算制、総額予算制、人頭制、出来高払い制、1件ごとの包括支払制[xii]など、それぞれ長所短所を抱えながら、各国の事情を反映しつつ、適用されている。日本、米国双方において、出来高払いを基本としつつ、包括支払制度が徐々に導入されている状況にある。そのような中、ACOは出来高払いの欠点を一掃すべく、包括支払いを進めているが、プライマリー・ケア、統合ケアへの改革と連動していることから、より包括度の高い支払制度も視野に入ってくる。

 ACOは、アカウンタブル・ケアを具現化するシステムである。ACOは、誰に対して何の「責任」を果たすのか、そして、その「責任」を果たすために相応しい支払制度とはどういうものなのか。それを考える上で、多くのケア関係者、患者・家族、そして住民を巻き込んで、合意を形成していく過程として、ACOが果たす役割は大きいと思われる。

5.ACOの成果
 オバマケアの主要な柱の一つであるACOは、制度としての導入から3年が経過したところであるが、まだその成果を評価する材料が十分に出揃っているとは言い難い。特に、支払制度を巡っては、長年に亘り議論されてきたこともあり、改革の成果を評価するには、もう少し時間を要するのかもしれない。しかし、現時点で公表されている成果を見ることで、現状を知り、将来の見通しを描く際の参考となるであろう。

 CMSは、パイオニアACOおよびMSSPの成果を公表している。特に、パイオニアACOは強いインセンティブ設計が施されているので、パイオニアACOの状況を見ると、その成果が分かりやすいと思われる。

 米国には、政策評価を実施する機関としてGAO(Government Accountability Office)が存在しているが、GAOがCMSの公表したパイオニアACOの2012年と2013年の成果について評価しているので、これを参照して、成果を眺めてみる[xiii]。

 パイオニアACOは、2012年に32のACOが参加している。その内、ケアの質の基準を満たした上で費用節約に成功したのは13のACO(約41%)で、総額で1億3880万ドル(平均1070万ドル)の節約額となった。一方、医療費が超過したのは1つのACO(約3%)であり、超過額は510万ドルである。翌年の2013年は、パイオニアACOに参加したACOは23(9のACOはプログラムから離脱)となり、その内、11のACO(48%)が費用節約を実現し、その総額は1億2130万ドル(平均1100万ドル)であった。医療費が超過したACOは6つ(26%)となり、その総額は2270万ドル(平均380万ドル)となった。

 このように、費用節約に成功したACOは多く存在しているが、一方で費用節約を達成出来なかったACOも少なくなく、プログラムから離脱するACOの存在も含め、効果の有無がはっきりと分かれている(費用節約も超過もなかったACOは、2012年に18、2013年に6存在している。)。

 なお、ACOは費用節約のみならず、ケアの質の向上との両立が肝心である。メディケアにおけるACOプログラムは、質の評価指標として、33の指標を設定している。この33の指標は、①患者経験(Patient experiences of care)、②ケアの連携と患者の安全、③予防医療、④健康リスク集団の疾病管理に大別される。

 このケアの質に関しては、2012年から2013年にかけて向上したことが確認されている。2013年にパイオニアACOに参加した23のACOは、前年2012年と比べて、33の指標の内、22の項目(67%)について高いクオリティを記録している。

 また、GAOの評価は出ていないが、CMSが公表するデータによれば、2014年のパイオニアACOは、費用節約、質向上ともに2013年より成果が発揮されているようである[xiv]。

 これだけを見て、ACOが成功していると評価することは難しいであろうが、何らかの変化をもたらしていることは確かであろう。長年に亘る議論を経て変革していることについては、もう少し長い目で見た評価も必要となる。そして、ACOは現在進行形の改革であり、制度設計上の議論は継続して存在する。例えば、個々のACOの費用の基準額は過去の履歴から設定されるが、その設定額が過大になれば、節約の達成や容易であり、過少になれば、費用節約は困難となる。

 CMSはプログラムに柔軟に対応し、離脱を含め、ACOの広がりを促進する動きを止めていない。また、ケア提供者側もそれぞれが創意工夫をして、様々な努力を繰り広げている。こうした画一的でない躍動感がACOの特徴なのかもしれない。

最後に

 米国の医療・介護政策は大きな変革の最中にある。目立った議論としての医療保険の問題だけでなく、ケアの提供体制改革という膨大、かつ地道な努力も並行して行われている。

 医療・介護は、国の経済や財政に大きく影響するとともに、地域社会において基盤としても位置付けられる。米国の医療・介護政策に関する議論の場に赴くと、医療・介護は地域社会の中でどのような役割を担うべきなのか、また、市民がどのように医療・介護と接していくべきなのか、を問う場面に遭遇する。

 市場主義の医療が跋扈しているとの印象が強い米国にあっても、プライマリー・ケアの促進や統合ケア、患者中心ケアは、多くの人に共有されつつある言葉になっている。分散され細分化された医療・介護を繋げ、それが結果として、住民の安心に繋がり、費用の節約にも貢献するのであれば、医療・介護政策が目指す目標ははっきりする。

 巨大で複雑化した制度である医療・介護分野において、単一の目的だけでは全体の整合の取れた改革は難しい状況となっている。ACOは、複数の目標を同時に立てて、かつ、他の改革とも融合し、さらに数多くの関係者を巻き込もうとする改革であるが、その仕組みはシンプルであり、また、柔軟である。

 政府による規制でなく、ケア提供者の自発性と裁量による費用節約と質の向上を目指すという取り組みは米国ならでは、と見ることもできるが、医療・介護の提供体制を構築する責任を誰がどのようにして果たしていくのか、を考える上での重要な視点を示している。

 医療・介護政策は、「社会保障制度」として、どのような姿が望ましいのか、社会全体を巻き込んで合意形成して決めなければならない。その意味で、ACOは、地域社会が一体となってケア提供者や様々な専門家、産業、住民、行政をつなげていく、一つの仕組みとして、今後も注目に値する動きとなるであろう。


[i] Centers for Medicare and Medicaid Services, “What’s an ACO?”

[ii] Tiaana Tu, David Munhlestein, S.Laurence Kocot and Ross White, “The Impact of Accountable Care, Origins and Future of Accountable Care Organizations”, Leavitt partners. Robert Wood Johnson foundation, May 2015

[iii] 同上

[iv] 同上

[v] Kelly Devers and Robert Berenson, “Can Accountable Care Organizations Improve the Value of Health Care by Solving the Cost and Quality Quandaries?”, Timely Analysis of Immediate Health Policy Issues, Robert Wood Johnson Foundation and Urban Institute, October 2009

[vi] Robert James Cimasi, “Accountable Care Organizations Value Metrics and Capital Formation”, CRC Press, 2013

[vii] Mark Bard and Mike Nugent, “Accountable Care Organizations Your Guide to Strategy, Design, and Implementation”, Health Administration Press, 2010

[viii] 同上

[ix] Rob Waters, “Health Innovators In Akron Bring Accountable Care To The Community”, Forbes(Online), 12/18/2013

[x] Center for American Progress, “Accountable Care States The Future of Health Care Cost Control”, September 2014

[xi] Topher Spiro, Maura Calsyn, and Meghan O’Toole, “A Strategy for Medicare Payment Reform Improving Accountable Care Organizations While Expanding Bundled Payments”, Center for American Progress, May 2015

[xii] 遠藤久夫・池上直己編著「医療保険・診療報酬制度」、講座 医療経済・政策学 第2巻、勁草書房、2005年

[xiii] United States Government Accountability Office, “Medicare Results from the First Two Years of the Pioneer Accountable Care Organization Model”, April 2015

[xiv] Centers for Medicare and Medicaid, “Medicare ACOs Provide Improved Care While Slowing Cost Growth in 2014”, 8/25/2015



http://blogos.com/article/141093/
主張/診療報酬の改定/医療の安心・安全を脅かすな
しんぶん赤旗
2015年10月26日 09:42 BLOGOS

 公的医療保険で受ける医療サービスの価格である診療報酬の2016年度改定に向けた議論が本格的に始まりました。安倍晋三政権の社会保障費削減路線のもとで、財務省や財界などは、診療報酬総額の大幅な「マイナス改定」を要求しています。外来、入院、検査、手術、投薬などさまざまな医療行為の財源となる診療報酬の改定結果は、国民が受ける医療水準に直結する問題です。安心・安全の医療を国民に安定して提供できるようにするためには、医療の質を損なう「マイナス改定」ではなく抜本的な増額こそが求められます。

現場をさらに疲弊させる

 診療報酬改定は原則2年に1度行われ、診療報酬総額の改定率は、予算編成作業のなかで内閣が12月中に決定します。医療機関などに支払われる、診療行為や薬ごとの具体的な報酬額(患者は1~3割の窓口負担)については、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を経て、来年2月ごろ決められる予定です。

 自民・公明両党が推進した「構造改革」路線のもとで行われた02~08年度の改定は、大幅引き下げが毎回強行され、多くの医療機関は経営危機にさらされました。それによって、国民に必要な医療が十分提供されない「医療崩壊」などの事態が引き起こされました。

 その後の改定も大幅マイナスではないものの、医療危機を打開する増額は行われていません。むしろ医療費削減路線のもと、地域に密着した中小医療機関の経営が困難になるような改定や、患者を「入院から在宅へ」強引に誘導する改定などが繰り返されました。

 安倍首相の政権復帰後初の診療報酬改定となった前回14年度は、財界や財務省から「医療費大幅抑制」要求が強まり、実質マイナスとなりました。その結果、看護師配置が他の病床より手厚い「患者7人に看護職員1人」病床の削減を促進することや、「同じ建物」に住む複数の患者を「同じ日」に診察すると医療機関の報酬が減額されることなどが盛り込まれ、患者・家族にも医療従事者にも大きな苦難をもたらしています。

 安倍政権は、この深刻な実態をますます悪化させようとしています。16年度予算で社会保障費の伸びを、概算要求段階からさらに1700億円程度削減することを掲げ、削減分の大部分を診療報酬のマイナス改定によって、ねん出することを露骨に狙っています。

 財務省は「全体としてマイナスとする必要がある」「サービス単価の大幅抑制」などとさかんに強調し、厚労省も今月示した診療報酬改定の基本方針案のなかで、「患者7人に看護職員1人」の病床の削減を加速させることなどを打ち出しています。「手厚い看護体制」づくりに完全に逆行する改悪は、医療現場をいっそう疲弊させ、患者・家族の安全を脅かすものでしかありません。

暮らし最優先の政治こそ

 医療を立て直すには、診療報酬の増額がどうしても必要です。患者負担に跳ね返らないよう窓口負担軽減なども求められます。

 財政が大変だといって社会保障費を削り込む一方で、軍事費は増額し大企業向けの法人税減税は気前よく実行する安倍政権のやり方には、なんの道理もありません。国民の健康と命、暮らしを最優先にする政治の実現が急務です。



http://mainichi.jp/shimen/news/20151027ddm005070013000c.html
記者の目:医療事故調査制度=古関俊樹(東京社会部)
毎日新聞 2015年10月27日 東京朝刊

 ◇遺族と信頼結ぶ検証を

 予期しない死亡事故を起こした医療機関が院内調査をして遺族や第三者機関に報告する「医療事故調査制度」が今月1日から始まった。私が医療事故の取材をして感じるのは、医療機関が遺族と情報を共有しないままに調査を進め、その結果、遺族の不信を招くケースが多いことだ。新しい制度を成功させるには、医療機関が院内調査を適切に実施するだけでなく、遺族と対話を重ねて調査への理解を得ることが必要だ。対話を怠れば信頼関係が崩れることを忘れてはならないと思う。

 18日夕、東京のJR四ツ谷駅前で、医療事故の遺族ら約10人が新制度の公正な運用を求める署名活動をした。2008年11月から月に1回行い、73回を数える。活動に参加して約3年という都内の40代の男性は10年12月、山梨県の病院にリハビリのため入院していた母親を医療事故で亡くした。吐いた物がのどに詰まる窒息死だった。弁護士からアドバイスを受けて事故の3日後にカルテの開示請求をしたところ、死亡の1週間前、母親に同様の事故が起きていたことが分かった。「なぜこんな大事なことを言わないんだ」と怒りがこみ上げた。男性は11年に民事裁判を起こし、病院側が管理のミスを認めて和解したが、それでも不信感が残ったという。

 ◇医療機関の姿勢、情報共有に課題

 新制度では、医療機関は予期しない死亡事故を起こした場合に第三者機関に届け出たうえで、院内調査を始める。調査開始の判断は医療機関に委ねられ、調査するのもその医療機関が主体だ。遺族に不服があれば第三者機関に再調査を申請できるものの、医療機関がしっかりと調査する前提で制度が作られている。

 医療機関が遺族に情報をどう伝えるのかは、これまでも新制度を巡る議論の要点だった。今年3月まで続いた新制度の運用指針を決める厚生労働省の有識者検討会では、調査結果をまとめた報告書を遺族に渡すかどうかで出席者の意見が割れた。一部の医療関係者が「報告書に必要な情報が書かれなくなる」などと抵抗し、医療機関の努力義務にとどまった。

 これまで全ての医療機関が遺族に情報を開示し、誠実に向き合ってきたとは言いがたい。私が取材した遺族は、「院内調査の過程で自分の意見も聞いてほしい」と訴えたのに、一切聞き入れられなかった。ある医師は「遺族は医学的には素人なので話を聞く必要がない、と考える医師もいる」と打ち明ける。

 医療事故の被害者や遺族を支援してきた市民団体「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長(65)は「病院が遺族に真摯(しんし)に対応せず、関係が悪化するケースは多い」と話す。

 医療機関は事故原因の解明につながる情報の大部分を持っている。このため、遺族に十分な説明をせず、重要な事実を隠したままでも、調査を進めることは可能だ。新制度の運用指針は遺族のヒアリングについて「必要な場合があることも考慮する」とするだけだ。

 ただ、これでは医療機関からの視点に偏った調査にならざるを得ない。遺族は自分の知る事実と異なる調査結果が出れば、「医療機関が事実をねじ曲げたのではないか」と怒りを感じ、裁判を考えるようになる。宮脇さんは「裁判は遺族にとって経済的、精神的な負担が大きい。医療機関の対応は遺族の将来に大きく影響する」と指摘する。

 ◇事実経緯を重視、名大病院の例も

 こうした中で、遺族に説明を尽くす姿勢を貫いている医療機関もある。02年に腹腔(ふくくう)鏡手術で患者が死亡する事故があった名古屋大病院は「逃げない、隠さない、ごまかさない」という原則を掲げ、遺族と向き合ってきた。

 名大病院は重大な医療事故が起きれば、調査委員会を設置して外部から招いた弁護士が中心になって遺族からヒアリングをする。生前に患者が家族に送ったメールなどがあれば示してもらい、送信時刻を客観的な証拠にすることもある。担当医が「遺族は納得している」と思っても、実際には遺族が疑問を感じていることもあるという。

 副院長で「医療の質・安全管理部」の長尾能雅教授(46)は「調査では事実経緯を明らかにすることが何より大切。そのためには、患者のそばにいた家族に話を聞くことが必要だ。同じ事実認識の下で分析しなければ、遺族の納得は得られない」と語る。

 新制度創設の機運が高まったのは、かつて刑事事件に発展する医療事故が相次ぎ、国民の医療に対する信頼が地に落ちたことが背景にある。遺族の声に丁寧に耳を傾けなければ、医療への信頼は再び大きく損なわれるだろう。情報を遺族と共有しつつ事故の再発防止につながる調査ができるか。取材を続けたい。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47099.html
医療事故調センター報告、東京で第1号事例- 機構、支援団体研修開催へ
2015年10月26日 11時00分 キャリアブレイン

 10月にスタートした医療事故調査制度(事故調)で、医療事故として医療機関から第三者機関である医療事故調査・支援センター(センター)に報告があった事例が、先週末までに東京で1件あったことがCBニュースの独自取材で分かった。この事例に関する詳細な情報は匿名化されており、医療機関名や診療科名などは明らかになっていない。【君塚靖】

 事故調では、医療事故の起きた医療機関は、センターに報告した上で院内事故調査に着手することになっている。また、その医療機関は、医療機関に技術的支援をしたり、専門家の派遣などをしたりする医療事故調査等支援団体(支援団体)に、センターに対して報告すべき事例かどうかを相談することができるが、センターに報告するかどうかは最終的に管理者が判断する。

 センターに報告する対象は、制度施行後に起きた医療事故であるため、今回、東京でセンターに報告された事例は、10月1日以降に起きた医療事故だ。センター業務を担う日本医療安全調査機構(理事長=高久史麿・日本医学会長)では、報告を受けた事例の情報は厳重に管理し、匿名化することで、医療機関名などが分からない仕組みにしている。

■支援団体向け研修では事例検証

 日本医療安全調査機構の木村壮介常務理事は、25日に東京都内で開かれた日経メディカルなどの主催による事故調に関する講演会で、支援団体向けに研修を実施する方針を明らかにした。研修の開催日程や内容などは今後詰めることになるが、センターへの報告事例などを検証する見通しだ。

 支援団体への研修の必要性は、制度施行前から指摘されていた。都道府県ごとの支援団体の取りまとめ役については、都道府県医師会がすでに名乗りを上げているが、支援団体の決定から制度施行までに時間が限られていたことから、支援団体同士の連携体制は現在構築中で、情報共有も十分ではない。

 支援団体ごとに制度への周知の程度が違うと、例えばある医療事故について医療機関が2つの支援団体に、センターに報告すべきかどうかを相談した場合、一方は報告の必要があるとアドバイスし、一方は報告の必要はないとアドバイスするなどして医療機関がかえって判断に迷い、結果的に現場が混乱する可能性もある。

 事故調を規定する改正医療法の参院厚生労働委員会の附帯決議に、「支援団体については、地域間における事故調査の内容及び質の格差が生じないようにする観点からも、中立性・専門性が確保される仕組みの検討を行う」ことなどが盛り込まれているため、同機構は支援団体向けの研修を実施する準備を急いでいる。



http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/102500005/102500003/?ST=ndh
どうなる?遠隔診療
厚労省の“解禁通達”で、ざわつき始めた現場

大下 淳一=日経デジタルヘルス
2015/10/27 00:00

離れた場所にいる医師と患者を情報通信機器でつないで行う「遠隔診療」。これまでは「原則禁止」と認識され、活用が進んでこなかったが、その状況が変わりそうだ。きっかけは2015年8月に厚生労働省が出した1本の通達だ――。

 東京都心で働くビジネスパースンなどを対象に内科診療を行っているお茶の水内科 院長の五十嵐健祐氏は2015年夏のある日、医療関係の知人や法律の専門家と熱のこもった議論を交わしていた。

 テーマは、同年8月10日に厚生労働省(厚労省)が各都道府県知事宛てに出した1本の通達である。「臨床医の立場から、この通達をどう解釈したらよいか」─―。議論は長時間、尽きなかった。

事実上の「解禁」

 議論の対象となった通達は、互いに離れた場所にいる医師と患者を情報通信機器でつないで行う診療、いわゆる「遠隔診療」に関するもの。同省が過去の通知で示した遠隔診療の適用範囲を、必要以上に狭く解釈しなくてよいことを強調する内容だった。

 これまで遠隔診療は、離島や僻(へき)地の患者を診察する場合など、対面診療が物理的に難しいケースを除いて「原則禁止」と捉える医療従事者が多かった。患者との対面診療を原則とする医師法第20条への抵触などを恐れてきたためだ。

 遠隔画像診断のように、医師同士をつなぐ「Doctor to Doctor(DtoD)」の領域では遠隔医療の活用が比較的進んでいるのに対し、「Doctor to Patient(Dt oP)」の領域での活用が遅れてきた理由がここにある。

 今回の通達では、厚労省が遠隔診療を事実上解禁─―。関係者の多くがそう受け取った(図1)。心電や呼吸状態などを計測できるウエアラブルセンサーを手掛ける米Vital Connect社の大川雅之氏(Vice President and General Manager, Japan)は、今回の通達は「遠隔診療に関心を持つ者にとっては大きなインパクトがあった」と話す。

10262_2015102705514262e.jpg

図1 潮目が変わる
クリックすると拡大した画像が開きます
 社会や医療現場からの要請(ニーズ)、それに応える技術(シーズ)の両面からも、遠隔診療の活用が期待される場面は確実に増えている。変わり始めた遠隔診療の潮目。それを読み解く上で、まずは今回の通達の中身を見ていこう。

事前の対面診療は前提にあらず

 厚労省が2015年8月10日に出した通達は、同省が1997(平成9)年に出し、2003年と2011年にその一部を改正した「平成9年遠隔診療通知」をベースとするものである。

 平成9年の通知で厚労省は、遠隔診療に対する「基本的考え方」を示した。診療は医師と患者が「直接対面して行われることが基本であり、遠隔診療はあくまで直接の対面診療を補完するものとして行うべき」というものだ。医師法第20条を踏まえた内容である。

 ただし、直接の対面診療と「同等ではないにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではない」と注釈をつけた。そしていくつかの「留意事項」を示し、遠隔診療の適用が認められる場面を具体的に挙げた。

 例えば、「在宅糖尿病患者」を対象に、「テレビ電話等情報通信機器を通して、血糖値等の観察を行い、糖尿病の療養上必要な継続的助言・指導を行うこと」といった内容である。

 この通知を多くの医療従事者は、遠隔診療はあくまでも「原則禁止」であり、厚労省が挙げた事例でのみ例外的に許されると解釈してきた。厚労省の事例をいわば“ホワイトリスト”と見なしてきた。

 これに対し今回の通達では、平成9年遠隔診療通知の「基本的考え方」や「留意事項」で挙げた事例を必要以上に狭く解釈しなくても良いことを強調した。明確化したのは次の3点だ(図2)。

10263.jpg

図2 事実上の「解禁」
クリックすると拡大した画像が開きます
 第1に、平成9年遠隔診療通知の留意事項において、「直接の対面診療を行うことが困難である場合」として「離島、へき地の患者」を挙げたが、これは「例示」だとした。すなわち、遠隔診療の対象を離島やへき地の患者に限る必要がないことを明確にした。

 第2に、平成9年遠隔診療通知の留意事項において、遠隔診療の対象と内容を「別表」で示したが、これは「例示」だとした。すなわち、別表に示した対象(在宅糖尿病患者など9種類)以外の疾患も遠隔診療の対象になること、および別表に示した「内容」以外の診療内容も許されることを明確にした。

 第3に、平成9年遠隔診療通知では「診療は医師または歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本」としていたが、今回は「患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこととされており、直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではない」とした。すなわち、直接の対面診療を事前に行うことが必ずしも遠隔診療の前提条件ではないことを明確にした。


積極推進に転じた政府

 今回の通達の背景には、遠隔診療をめぐる方針を政府がここにきて大きく転換したことがある。参議院議員の秋野公造氏(長崎大学 客員教授)は2015年10月9~10日に仙台市で開催された「第19回 日本遠隔医療学会学術大会(JTTA 2015)」(主催:日本遠隔医療学会)で講演し、その経緯に触れた。同氏は医学博士でもあり、遠隔診療を含む医療政策に関して積極的な提言を行っている。

 秋野氏が触れたのは、2015年6月30日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」、いわゆる「骨太の方針2015」に、遠隔診療を含む「遠隔医療の推進」が盛り込まれたことだ。

 同方針には遠隔医療という言葉が2カ所に現れ、このうち「医療等分野のICT化の推進等」の項目ではその冒頭で「医療資源を効果的・効率的に活用するための遠隔医療の推進」がうたわれた。遠隔医療の推進が骨太の方針に明記されたのはこれが初めてだ。

 さらに、骨太の方針の具体的な実施策を示すものとして同じ日に閣議決定された「規制改革実施計画」でも、健康・医療分野に「遠隔モニタリングの推進」という項目が新たに設けられた。推進すべき事項として「有用な遠隔モニタリング技術の評価」「遠隔診療の取扱いの明確化」「遠隔診療推進のための仕組みの構築」を明記するなど、遠隔診療に関してこれまでになく「踏み込んだ表現がなされた」(秋野氏)。

 こうした政府方針にもかかわらず、過去の通知の“分かりにくさ”が遠隔診療の普及を妨げかねない─―。そう判断した厚労省が6月30日の閣議決定から間もなく出したのが、今回の通達というわけだ。遠隔診療を「止めて(禁じて)はいないのにうまくいかない」(日本遠隔医療学会 常務理事の長谷川高志氏)というこれまでの状況を打破する狙いがある。

 ただし、今回の通達だけで遠隔診療の活用が一挙に広がると見る向きは少ない。診療報酬(保険点数)制度が遠隔診療の利用を前提とした形では整備されておらず、医療機関にとっては遠隔診療を導入するメリットがまだ薄いからだ。今後、遠隔診療の推進という政府方針が診療報酬改定にどう反映されるか、多くの関係者が注目している。

「ソーシャルホスピタル」実現にも関わる

 病気になってからの診断・治療から、未病段階での健康管理や重症化予防へ。病院でのケアから、地域や街、家庭といった日常生活の中でのケアへ―─。政府が打ち出した遠隔診療の推進はこうした、社会全体が医療の担い手となる「ソーシャルホスピタル」の実現に向けた医療のパラダイムシフトと深く関わっている。「医療資源を効果的・効率的に活用」し、医療費を削減するための仕組みづくりに、遠隔診療が重要な役割を果たすと期待されているのだ。

10264.png

日経デジタルヘルスが提唱するソーシャルホスピタルの概念図(イラスト:楠本礼子)
クリックすると拡大した画像が開きます
 例えば、高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で生活を続けられるようにする地域包括ケアシステム。その推進は遠隔診療の推進にも「大きく影響する」(日本遠隔医療学会の長谷川氏)。離れた場所にいる医師と患者をつなぐ遠隔診療のニーズは、在宅中心のケアにおいてより高まるからだ。

 医療情報の専門家で遠隔医療への造詣も深い京都大学 教授/医学部附属病院 医療情報企画部長の黒田知宏氏はより広い視点から、遠隔診療の必要性を説く。対面診療が必ずしも必要ないと判断される患者に通院を強いることは「社会全体の労働力、すなわち生産性を低下させる」(黒田氏)。同氏は医療側のリソース確保の面からも、遠隔診療は有効とみる。

 臨床の現場に立つ医師からも遠隔診療の活用を望む声は強い。お茶の水内科の五十嵐氏もそうした医師の1人。同氏が遠隔診療の活用を訴えるのは、高血圧症やメタボリックシンドロームなど、重大な疾患につながる生活習慣病はできる限り「上流(早期)で食い止めることが大切」(五十嵐氏)だからだ。

時間的制約からも解放される

 五十嵐氏のもとを訪れる患者には多忙なビジネスパースンも多く「通院する時間を持てないばかりに、治療を中断してしまう」(同氏)。結果として、薬の内服を続けさえすれば良好な状態を保てる症例でも、重症化してしまうケースがしばしばあるという。

 離島やへき地の患者のように物理的制約があるわけではないものの、こうして時間的な制約から孤立してしまう患者が都心部には多い。遠隔診療はそうした患者に手を差し伸べる手段ともなる。

新たなエビデンス生む

 診断のエビデンスの観点からも、遠隔診療には追い風が吹き始めている。例えば、日本高血圧学会(JSH)が2014年4月に発行した「高血圧治療ガイドライン2014」(JSH2014)。医療機関で測る「診療室血圧」と家庭で測る「家庭血圧」の診断が異なる場合、家庭血圧を優先するとの内容が初めて盛り込まれた。

 病院で測る値に比べて「遠隔でモニタリングした値は“精度が落ちる”のが常識だったが、むしろ(診断材料としての)精度は高い可能性がある」(五十嵐氏)。それにお墨付きを与えた事例の1つが、同ガイドラインというわけだ。

 このほか、政府による規制改革実施計画の「有用な遠隔モニタリング技術の評価」の項目でも、睡眠時無呼吸症候群に対する治療法(CPAP療法)の遠隔モニタリングの評価を検討するとの内容が盛り込まれた。社会問題化している睡眠時無呼吸症候群についても、診断や治療方針に関する新たなエビデンスを遠隔モニタリングが生みだす可能性がある。

 現在、日常のバイタルデータに基づく予防医療的な行為には基本的に保険点数が付かない。遠隔モニタリングが生む新たなエビデンスが、その状況を変える起爆剤になると期待されている。

遠隔診療をカジュアルに

 遠隔診療の実現手段(ツール)にも、ここ数年で劇的な変化が起こった。スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器が急速に普及し、ウエアラブル端末なども相次ぎ登場していることだ。

 これらのデバイスを使って、離れた場所にいる医師と患者が、患者の情報を手軽に共有できるようになった。クラウドコンピューティングや人工知能など、日常のデータを収集し解析するための情報基盤も飛躍的な進化を遂げている。

 大掛かりで高価な専用のテレビ会議システムで遠隔地をつなぐ従来の遠隔診療から、身近な機器を使った“カジュアル”な遠隔診療へ。ツールの進化は、遠隔診療の姿を大きく変えようとしている。既に保険適用外の領域では、モバイル機器を使った遠隔でのモニタリングツールや健康相談サービスが相次ぎ登場している。

 スマートフォンを使って、健康に関する心配ごとを遠隔地にいる医師に気軽に相談できる─―。「ポケットドクター」と呼ぶそんなサービスを2015年12月にも始めるのが、MRTとオプティムである。

 ポケットドクターでは、利用者がスマートフォンで相談内容を登録。あらかじめサービスにエントリーした複数の医師がそれを見て、自らが答えようと思った相談に対して休憩時間などに専用アプリから回答する仕組みだ。相談に当たっては、スマートフォンのカメラを使って患部の状況や顔色を伝え、より正確なアドバイスを受けられるようにする。

 「コンビニに行くような感覚で手軽に健康相談ができる環境を作りたい」。MRT 代表取締役社長の馬場稔正氏はサービスの狙いをこう話す。ゆくゆくは、患者側が医師を指定して行うセカンドオピニオンや、自治体向けのへき地医療など、ポケットドクターのインフラを使ったさまざまなサービスを検討していくという。

メンタルヘルスと高い親和性

 ウエアラブル端末も今後、遠隔診療において大きな役割を果たしそうだ。注目される領域の1つが、まだ「有効なバイオマーカーが存在しない」(VitalConnect社の大川氏)メンタルヘルスの領域である。

 Vital Connect社は同社のバイタルセンサーを使い、睡眠中の心拍やその変動、体動を測ることで「うつ病などの精神疾患に特有のパターンを抽出できるのではないか」(大川氏)とみる。今後、大学の研究者やアプリ開発者などと研究を進めていく。

 企業による従業員の「ストレスチェック」が2015年12月に義務化されるなどの動きもあり、メンタルヘルスに注目するプレーヤーは多い。例えば、ウェブ/テレビ会議向けクラウドサービス大手のブイキューブとエムスリーの合弁会社であるエムキューブも2016年度をめどに、メンタルヘルスの領域で医師と患者を直接つなぐコミュニケーションシステムを開発する狙いである。


  1. 2015/10/27(火) 06:08:15|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月25日 

https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52248/Default.aspx
中医協総会 抗精神病薬の多剤併用 減薬への取り組み強化へ
公開日時 2015/10/26 03:50 ミクスOnline

中医協総会は10月23日開かれ、抗精神病薬の多剤併用をめぐる論点として、十分な指導を行わずに大量投与されているケースについて評価を見直す方針が示され、大筋で了承された。クロルプロマジン換算で1日1000mgを大量投与のひとつの基準に定めたデータが提示されたが、診療側委員の長瀬輝諠氏(日本精神科病院協会副会長)は、「減薬も試みなければいけないが、1000mgはいかがなものか」と一律的な基準の設定には疑義を示した。今後は、例外措置の設定も視野に入れて議論が進む見通しだ。

抗精神病薬の大量処方をめぐっては、クロルプロマジン換算1日1000mgなど一定量を超えると、治療効果は変わらずに、副作用のリスクが増大することが指摘されている。臨床研究データでは、安全に減量が可能であることも報告されている。

2014年度診療報酬改定では、1回の処方において3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬または4種類以上の抗精神病薬を投与した場合について、処方せん料、処方料、薬剤料について減算措置がとられた。その結果、4種類以上の抗精神病薬を処方されている外来患者は、2013年の5.3%から3.8%と減少傾向を示した。一方で、レセプトデータによると、7日以上の処方のうち、クロルプロマジン換算1000mg/日を超える処方は2.5%あった。さらに、大量投与患者においても精神療法実施時間の延長がみられず、1回あたり10分未満の場合が多いことから、十分な指導が実施されているかも言及した。

こうした状況を踏まえ、「副作用の状況等を把握し、また安全性に配慮しながら抗精神病薬を減薬する試み等を促すよう、十分な指導によらず大量処方を行う場合の精神療法を見直してはどうか」と論点が示された。

◎診療側長瀬委員 一律的な基準に疑義

診療側、支払側も大筋で了承したが、診療側委員の長瀬輝諠氏(日本精神科病院協会副会長)は、クロルプロマジン換算1000㎎を指標にしている点について、「単剤が望ましいが、如何ともしがたいところがある」と述べた。その上で、リスペリドンやオランザピンを引き合いに、上限の用量を投与すると、クロルプロマジン換算で1000mgを超えるケースもあると指摘。「減薬も試みなければいけないが、1000mgはいかがなものか」と述べた。

これに対し、厚生労働省保険局医療課の宮嵜雅則課長は、臨床上の必要性からクロルプロマジン換算1000mgを超える場合もあることに同意した上で、「常量であれば越えない」と指摘。臨床状況を見て医師の裁量で投与がなされている実態も踏まえ、「一律にという意味ではない。そういうときの例外措置などをどのように設けるかも合わせて考えることが必要だ」と述べた。



http://www.sanin-chuo.co.jp/edu/modules/news/article.php?storyid=555552068
中学生が模擬手術 ブラックジャックセミナー
('15/10/25 山陰中央新聞)

 中学生を対象にした医療現場体験学習「ブラック・ジャックセミナー」が24日、島根県出雲市塩冶町の島根大医学部付属病院であり、市内の中学生21人が五つの手術を模擬体験して医療職への理解を深めた。

 将来の職業選択に役立ててもらおうと、同学部消化器・総合外科が毎年開き4回目。

 超音波振動で発生する摩擦熱を利用して止血しながら切開できる「超音波凝固切開装置」を使った腫瘍除去手術の模擬体験では鶏肉を内臓、鶏肉に刺したピンを腫瘍に見立てて挑戦。慣れない手つきながら、真剣な表情で装置を動かした。

 腹部に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術のシミュレーション機器を使って胆のう摘出を体験したり、気管にチューブを入れて酸素を送る「気管内挿管」を人形を使って行ったりした。

 医師になるのが夢という市立佐田中学校2年の小山璃々さん(14)は「気管内挿管は思ったより力が必要で大変だった。体験して医師になりたい気持ちが強くなった」と話した。



http://www.sankeibiz.jp/macro/news/151025/mcb1510251703004-n1.htm
“爆買い”中国人が「人間ドック」へ殺到…なぜ? 日本観光の合間に受診
2015.10.25 17:03  SankeiBIZ

 陽電子放射断層撮影(PET)検査とコンピューター断層撮影(CT)検査が同時にできるPET-CT装置。訪日中国人の間では「爆買い」だけでなく、こうした医療装置をつかった人間ドックなどにも関心が高まっているという9月30日に関空で行われた「爆買い」観光客への啓発のためのティッシュ配り。来日する中国人の関心は「爆買い」から徐々に変わりつつある中国建国66年の国慶節を迎え、北京の天安門広場で国旗掲揚式を見る大勢の人たち。訪日する中国人の「爆買い」は日本経済を底上げしているが、買うだけじゃなく健康志向の「診る」ことにも関心が強まっている=10月1日(新華社=共同)
 今年も国慶節の始まりとともに来日した中国人が店頭に殺到し、さまざまな商品を大量に買い集める「爆買い」が注目を集めた。ただ、最近はその中国人の行動パターンにちょっとした変化が表れているという。日本旅行の際、「爆買い」だけに注力するのではなく「診察体験」を新たに加えるケースが出始めている。来日中国人らは“神薬”と呼ぶ日本の医薬品も大量買いすることが知られているが、中には観光旅行を楽しむ合間に「人間ドック」を受けるなど、トータルで200万円近くにもなるツアーで日本が世界に誇る健康診断を利用する富裕層もいるという。

 内視鏡検査まで

 日本政府は成長戦略の一環として、医療ツーリズムを推し進めており、日本国内の医療機関を利用してもらうために中国だけでなく世界各国から日本に招き入れるようとしている。

 日本国内の旅行会社でもこうした動きを受けて、訪日プランの中に日本の医療機関での健康診断を組み入れるケースが出ている。中には全身PET-CT検査、頭部MRI、腫瘍マーカーなど人間ドック並みの検査項目がずらりと並ぶプランも用意されている。来日した中国の観光客は日本国内での観光や「爆買い」を満喫する合間にあらかじめ予約していた健康診断を受けるというわけだ。

 ある旅行会社のウエブサイトをみてみよう。「中国人・在日華僑のお客様限定」と銘打ったコースでは5日の滞在期間中、1泊2日で人間ドックを受診し、残りは東京などでの観光を楽しむ。その健診内容は問診から始まり、身体測定、尿検査、血液検査、胸部X線検査、消化器の内視鏡検査、腹部超音波検査など普通の人間ドックで受診できる内容と同じである。

 5500億円の市場規模

 日本国内の大学病院でも併設されている健診センターで中国からの受診者を積極的に受け入れているところもある。参考のために日本の大手旅行代理店が過去に立てたプランをみてみると、平均的なツアー費用は3泊4日で総額約180万円。宿泊費などのほか、検診代約35万円が含まれている。

 中国人が日本の健康診断に殺到する背景には、中国国内の医療態勢の未熟さが要因の一つにある。先進的な医療なら、欧米諸国など日本以外の国でも受けることができるはずだが、中国人が日本に来るケースが多いという。まず、地理的な近さに加えて、中国人は日本人と同じ東洋人で身体的な特徴が似ていることなどから、日本の医療機関での受診を希望するようだ。

 健康診断などを軸とした市場規模は5500億円になるといわれており、政府は経済産業省や観光庁を中心に「医療ツーリズム」への取り込みを進めている。

 ただ、課題も多いようだ。アジアにはシンガポールやタイなどのように国を挙げて海外からの医療機関への受診者受け入れに取り組んでいる諸国がある。また、受診に際してトラブルが起きた場合にどう対処するかといった問題にも直面することになる。



http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=555565035
談論風発 : 主治医として体験する臨床現場/焦りは禁物 物事丁寧に
 島根県済生会江津総合病院名誉院長 堀江裕
('15/10/25 山陰中央新聞)

 私は「臨床最前線」という言葉が好きである。盆や正月と同じで、きりっとした気分になるからである。テレビや映画でみる災害や、交通事故などで遭遇する救急室での世界をまず思い浮かべる人も多いと思う。

 古い話だが、ベンケーシーという脳神経外科医のドラマをみて、医療の世界を志した人もいるはずだ。しかし、臨床最前線は救急医療だけではない。私は一般内科医として臨床の現場で仕事を再開して半年になる。主治医になることが臨床最前線にいることだと確信はしているが、とまどったり、違和感を抱いたりすることも多い。その体験談を述べてみたい。

 まず、現場復帰は勉強である。「イヤーノート」という医学生の90%以上が買って国家試験対策をする勉強する本がある。その存在さえ、私は数年前まで全く知らなかったが、難病疾患の執筆を頼まれたので、数年前に書いたところ毎年、著者進呈で新しい本が送ってくるようになった。

 これまでは、若い先生に右から左へとプレゼントしていたが、今年は何とか自分で食らいついてイヤーノートをそばに置いて勉強することに決めた。この本は毎年更新されていくので、最前線の知識が得られると思って実行している。大海の中で水かきしているだけかもしれないが、最新の領域を勉強しているという気分に浸れるので、精神衛生上、ありがたいと思っている。

 しかし、実践治療となると、話は別である。電子カルテを使いこなさなければいけない。電子カルテに慣れない医者には、クラークさんといって医師医療事務補助の人に、日常的にそばで手伝ってもらうシステムがあって、私も例に漏れず、専任の人がそばにいて助けてもらっている。

 薬の処方はもちろん、次回診察の予約、検査の予約、紹介状の返事など多岐にわたるが、その場で落ち度なく、チェックしてもらえるのは、うれしい限りである。まだクラークさんなしで独り立ちはできていないのが現状である。

 入院患者さんが決まって、主治医として説明するときに最も戸惑いを覚えるのが、急変事の対応を外来でご家族と話す時である。

 私は医療現場は言葉が大切だと、いつも自分に言い聞かせているが、人の話がゆっくり聞けない性格である。「急変時にどうされますか」と質問したところ、「病院だからすべてできることはしてください。挿管して心臓マッサージもお願いします。胃ろうも当然つくってください」と返事されて二の句がつげなかった体験がある。

 ご高齢でも患者さんのご家族がそう言われるのも、もっともだと得心した体験がある。しかし、患者さんには何が起こるか分からない世界なので、対応策はあらかじめ決めておいてという、今時の病棟の看護師さんたちの気持ちも理解しているつもりである。また、肝炎の患者さんの説明で、インターフェロンに代わる内服薬の治療説明がうまくいかず暗礁に乗り上げた。1カ月でも早く治療開始しようという気の焦りで、ゆっくりご家族と話すことを怠ったためである。

 そういえば正月にもらった「上手より、丁寧に」という年賀状があることを思い出した。「気の焦り」は性格でもあるが、迅速さや上手さよりも、物事を丁寧にしましょうという年賀状で、机の前に貼って座右の銘にして自分に言い聞かせている毎日である。

…………………………

 ほりえ・ゆたか 雲南市吉田町出身。鳥取大医学部卒。鳥取県の日野病院長などを経て、2004年6月に島根県済生会江津総合病院院長に就任。15年4月から同名誉院長。


  1. 2015/10/26(月) 05:49:42|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月24日 

http://www.j-cast.com/tv/2015/10/24248756.html
なぜなくならないのか大病院の『医療事故』年間1300~2000人死亡!とにかく隠せの閉鎖体質
2015/10/24 12:00    J-CASTニュース>テレビウォッチ>私見「クローズアップ現代」

千葉県がんセンターで7年前に父親を亡くした渋谷春樹さん(仮名)の自宅の留守電には、手術前日の父の元気な声が残っている。初期の胃がんですぐ退院できると楽観していた。ところが、腹腔鏡手術のあと容態が急変して死亡した。病院は「傷口が開いた」「一定の確率で起こる合併症で仕方がなかった」と説明した。納得するしかなかった。
この3月(2015年)、信じられないニュースを見た。がんセンターではその後も腹腔鏡手術が続けられ、11人の患者が亡くなっていた。いずれも、父の時と同じ消化器外科のチームによるものだった。渋谷さんはいま、「父の死がムダになってほしくない」という。

現場からの指摘「何かおかしい」耳貸さなかった千葉県がんセンター

渋谷さんの死亡を医療チームは「避け難い合併症」「再発防止は困難」で通してきたが、第三者委員会は渋谷さんのケースを医師の技量不足とした。他にも、止血が遅れたなど「何例かは発生を予防できた可能性がある」と断じた。
実は、内部で声をあげていた人がいた。麻酔科の志村福子医師は手術のやり直しが多いことに気付いた。「手術時間は長いし、出血は多いし・・・。それが翌日、翌々日に縫合不全とか出血で戻ってくる」
幹部に訴えたが、組織としてとりあげられなかった。どんな場合に調査するかのルールもなかった。「一例 一例向き合っていれば、そこで終わっていたかもしれない」
調査が行われたのは外部への告発があってからだった。がんセンターはいま調査部門の権限強化や安全スタッフの増員、聞き取りなど、改革に取り組んでいる。ようやくといったところだ。
順天堂医院副院長で天皇の手術も担当した天野篤さんは「麻酔科の医師の訴えに対応しなかった。組織のガバナンスの欠如です。医療安全の文化が欠けて いた。基幹病院ではあってはならないことです」という。



http://apital.asahi.com/article/news/2015102400004.html
看護師による死亡確認可能に 在宅、医師到着待たず 規制緩和検討
(朝日新聞 2015年10月24日掲載)

 みとりを在宅でしやすくするため、政府の規制改革会議は、医師が行う死亡確認を看護師にもできるようにする検討を始めている。23日の会合では、規制の緩和を求める日本看護協会から、可能にするための条件案が示された。

 現在、医師の最後の診察から24時間以内に死亡した場合は、現場から看護師が死亡を伝えることで医師は死亡診断書を交付できるが、24時間を超えると医師は改めて診察しなければ死亡診断書を出せない。医師が少ない地域などでは、到着するまでに時間がかかるため、死亡に備えて入院することもあるという。

 規制改革会議は、24時間を超えても医師の指示のもとで看護師が死亡確認することで、医師が直接診察をしなくても死亡診断書を交付できるようにすることを検討している。死亡診断書が速やかに出れば、家族は死亡届の提出や火葬などの手続きに入れる。一方、看護師の死亡確認では、犯罪などによる死亡を見逃す恐れも指摘されている。

 この日の会合で日本看護協会は、看護師による死亡確認で医師が死亡診断書を交付できる条件案として「患者や家族と事前の取り決めがある」「終末期と判断された後の死亡」「医師の速やかな死亡診断が困難」などを挙げた。

 規制改革会議は来年6月までに提言をまとめる予定。

 横浜市で在宅医療をしている西川真人医師は「みとりを重ねた看護師ならば、(24時間過ぎた後でも)死亡確認ができるのではないか。ただ、家族に事前に納得してもらうことが重要だ」と話す。

(竹野内崇宏)



http://www.m3.com/news/iryoishin/367040
国立国際医療研究センター、誤投与事故「10の疑問に回答」◆Vol.3
以前の医療安全体制は十分だったのか?どんな改善を進めたのか?

2015年10月24日 (土)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

Q8:いくら「禁忌」などの注意書きがあっても、ヒューマンエラーは起き得る。その防止に向け、事故後、ウログラフインをはじめ、危険薬の取り扱いをどう変更したのか。1本ずつ払い出しを行うなどの対策は実施したのか。

 ウログラフインをはじめ、検査室におけるハイアラート薬の管理を見直し、実施した。X線透視室では、必要な時にすぐに撮影ができるよう、棚に複数の造影剤を置いていたが、事故後は、ウログラフインを「ハイアラート薬」として扱い、(1)1本ずつ薬剤部から払い出しを行う、(2)警告用の赤いシールを箱とアンプルに貼るなどの対応をした。薬剤部をはじめ、現場に必要性を説明し、職員の理解を得て進めた。なお、病棟についても、医薬品を管理するために病棟薬剤師を配置し、今年の6月から、「病棟薬剤業務実施加算」を算定できるだけの体制を整えた。


【事故後の造影剤使用に関する改善点(概要)】
1.レジデントや研修医の基本的な知識や手技の確認と研修
 指導医がレジデントと研修の基本的な知識を確認した後に、指導医の監視下で手技に参加させることを徹底する、など。
2.脊髄造影検査のマニュアルの整備など
 従来のクリニカルパスに加え、マニュアルや医薬品の安全使用のための業務手順書を改定した、など。
3.チーム医療における相互チェックの実践
 (1)X線透視室に、常勤看護師1人を配置、(2)同室で行う検査は、医師・診療放射線技師・看護師がチームとなって実施、(3)患者、ハイアラート薬・造影剤の確認は、全ての職場で医師を含む二職種者によるダブル・チェックを行うことを徹底、(4)全ての侵襲的検査、治療において、複数職種によるタイムアウトの体制を整備した。
4.ハイアラート薬の管理の徹底
 ウログラフインをハイアラート薬に追加。全てのハイアラート薬には、箱と本体に警告用の赤いシールを貼付した。
5.造影剤の配置と管理の見直し
 (1)経口以外の造影剤は、薬剤部の直接管理とし、検査ごとに処方オーダーして、薬剤師が払い出す、(2)経口以外の造影剤を電子カルテで処方オーダーした際、造影剤ごとに使用用途を表示できるように、システムを変更、(3)管理棚の経口の造影剤は、台帳記入の上で持ち出し、多職種によるダブル・チェックの上、使用することとした。


Q9:事故当時の医療安全管理体制は、十分だったのか。事故後、医療安全管理体制をどのように見直したのか。

 2014年4月の時点でも、医療安全について、医療安全推進室と医療安全管理室の二つがあったが、その役割が曖昧な点があったため、2014年5月から、「医療安全管理室」として統合し、担当職員も増員した。並行して、医療安全の各種委員会も見直し、人数、開催頻度を増やしたほか、役割も充実させた。2014年度内には、見直しを一通り終えており、「5.デスカンファレンス」については、他病院などでの事件を機に、2015年5月から開始した。

 医療安全体制の向上に向けてこれで良いということはなく、今後も各種研修やe-ラーニングなども実施しつつ、不断の見直しを行っていく。


【事故後の医療安全管理体制の見直し(概要)】
1.医療安全管理室
 室長に加え、3人を新規に任命し、所属医師を計4人とした。専従の看護師も、1人から2人に増員した。
2.リスクマネジメント委員会
 院内全部門の責任者を参加させ、人数を13人から23人とした。
3.リスクマネージャー会議
 各部門からのリスクマネージャー(RM)69人に加え、より臨床現場に近い若手104人をジュニアリスクマネージャー(JRM)とし、従来は、全職員の4、5%が参加する会議だったが、12-13%にまで増えた。開催頻度も3カ月に1回から、毎月開催にし、医療安全情報をメール等以外に、直接的に伝達する機会を増やした。
4.リスク分析小委員会
 事例分析の回数を月1回から2回に増やし、それ以外に必要があれば随時行うなど、迅速に分析できる体制に変更した。
5.デスカンファレンス
 全死亡例について、診療科内でデスカンファレンスを実施し、カルテに記載、退院時サマリを医療安全管理室に提出する体制に変更した。
6.インシデント報告の推進
 ヒヤリハットの事例報告は、月に400~500件。件数は、従来とは変わっていないが、医師からの報告が、以前は全体の1、2%だったが、今は5-10%に増えるなど、職員の意識は、今回の医療事故を契機に、変わってきたと考えている。「患者影響度レベル」で3a以上の事例は、1カ月当たり10件未満だったが、今は20件弱に増えた。これは事故が増えたのではなく、確実に報告されるようになった結果と見ている。
7.医療安全パトロールの強化
 毎日の巡視は、医療安全管理室の専従看護師が実施、従来の1人から2人体制に変更。それ以外に、年に2回実施する大規模のパトロールのメンバーも、173人に大幅増員、16チーム(1チーム約12人、医師、看護師、メディカルスタッフで構成)体制で、従来は一部の病棟のみだったが、全病棟、手術室、各種検査室などまで拡大。検査項目も、従来の約4倍の16項目に増やした。
8.指差し声出し復唱ルールの確認
 以前から実施していた「指差し声だし復唱」を、自己評価だけでなく、他者評価(リスクマネージャーなどによる抜き打ち評価)を導入した。



Q10:10月からの医療事故調査制度のスタートに当たって、見直した点は何か。今回と同じような事故が起きた場合、医療事故調査・支援センターへの報告対象になり得るのか、記者会見等で公表するのか。

 医療安全への取り組みに全力を尽くし、今回のような事故を二度と起こさないということが大前提であるが、質問に対し答えるのであれば、医療事故調査・支援センターへの報告等についても法令の規程に則り適切に対応する。

 事故報告書を遺族側に渡す場合には、匿名化は必須である。また記者会見を行うかどうかは、個別判断となる。対応に当たっては、患者や国民の理解と支持が得られるかどうかが重要である。

※取材は、副院長の大西真氏、医療安全管理室長、医療安全管理者が対応。各者の発言をまとめた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368863
シリーズ: The Voice(医療)
がん治療の“トレードオフ”と報道
がんを克服するための覚悟

2015年10月24日 (土)配信 渡辺亨(浜松オンコロジーセンター院長)

 芸能人のがん体験がワイドショーで連日報道され、それを見た人たちが「がんが心配」「しこりがある」「ちくちくいたい」などと、外来に殺到しています。医療機関としては極限の状況の中で精一杯対応しており、結果、ほとんどの受診者は、大丈夫、心配ないですよ、何かあればいつでも来て下さいね、という対応で終わっています。

 有名人のブログには闘病日記が克明に書き綴られ、ワイドショーのコーナーで毎日、詳細に伝えられていています。特に取材努力はしなくていいわけですから、楽なものです。本人がブログを書く心境は、私がこのブログを書いているのと同じだろうし、芸能人だからと言って特別な思惑があるわけではないでしょう。受け取る側の一般ピープルは、冒頭のような「行列のできる診療所」状態をもたらしています。一方、がん治療を専門とする我々は、宮良通信からのコメントにもあったように、なんでそんな治療になるの??

 うちでははそんな対応はしないよ、当然術前ケモだろ!、余命云々なんて論じる時期じゃないだろう!!!、など感じることは山ほどあります。また、今後抗がん剤治療が始まると、副作用のこと、脱毛だ、悪心嘔吐だ、体が日増しに弱っていくだのと、ワイドショーで「地獄の苦しみ」みたいに報道されるに決まっていて、予想される世の中のネガティブな反応には今からうんざりしています。がんの状態、治療の選択肢、治療の目的、治療をうけるに当たっての「得るもの」と「失うもの」のバランス、つまりトレードオフの考え方、などが、わかって報道するワイドショーなどはありっこありません。

 大根を買ってサンマを買って秋の味覚を味わいたければ、その代償として多少高かろうが、サンマ一匹300円でもお金を払うでしょう。それと同じで、がんを治したいのならば、その代償として多少の副作用は、耐えて、忍んで、乗り切って行かなければいけないものなのです。その覚悟がなければがんを克服することはできません。

※本記事は、2015年10月7日にオンコロジストの独り言―腫瘍内科医が本音で語る過去、現在、近未来のがん医療―で掲載した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.m3.com/news/general/368808
損賠訴訟:春日部市立病院で患者死亡 過失一部認め賠償命令 地裁判決 /埼玉
2015年10月23日 (金)配信 毎日新聞社

 春日部市立病院で2011年9月、関節リウマチで入院中の男性(当時75歳)が死亡したのは、副作用のある薬剤を使った後に適切な治療を怠ったためとして、同市の遺族3人が同市に計約6250万円の賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(高野輝久裁判長)は22日、病院側の過失を一部認め、660万円の支払いを命じた。

 高野裁判長は判決で、副作用の症状が出た後も薬剤の投与を続けたことについて「中止する判断をすべきだった」とした。男性の死亡と過失との因果関係については否定したが、「(男性は)被告の注意義務違反により生存可能性が侵害され、精神的苦痛を受けた」と結論付けた。

 判決によると、男性は11年3月、右肩の痛みを訴え同病院を受診。関節リウマチなどと診断された。同5月に同病院に入院。薬剤の副作用が出ていたが投与は続き、同9月6日に間質性肺炎で死亡した。判決を受け、男性の妻(78)は「病院の問題点を適切に判断してくれ、ありがたく思う。病院には、今後このようなことが起こらないようしっかりと改善してほしい」とコメントを出した。小谷昭夫病院事業管理者は「判決文が届き次第対応を検討したい」としている。【山寺香】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151024_63010.html
<福島医大>女性・小児医療の人材育成拠点開設
2015年10月24日土曜日 河北新報

 福島県立医大(福島市)は、女性や小児医療に携わる人材育成の拠点となる「ふくしま子ども・女性医療支援センター」を開設する。妊娠や出産のほか、子どもの成長も含め、女性の健康を生涯にわたって支援する先進的な医療体制の構築を進めながら、東京電力福島第1原発事故で減少した県内の産婦人科医らの確保を目指す。
 センターは2016年4月に開所予定で、産婦人科医や小児科医ら5人で構成。高い技術を持った医師らを全国から招き、付属病院で高度診療の実践・指導を行う。県内の拠点病院への医師派遣や技術向上のための研修会なども行う。
 11月1日に設立する準備室の室長には日本女性医学学会理事長の水沼英樹弘前大大学院教授が就任。内閣官房参与で日本産婦人科学会顧問の吉村泰典副学長がスーパーバイザーに就いた。
 開設に先立ち、付属病院に小児集中治療室(8床)を新設し、新生児集中治療室(15床)を6床増やすなど、周産期と小児救急の受け入れ機能を強化する。魅力ある研修体制を整備することで、産婦人科医らの県内定着を図る。
 水沼教授は20日に県庁であった記者会見で「福島で女性が安心して子どもを生み、はぐくみ、健やかな一生を送れるようにするのが役目だ」と語った。
 福島県内の勤務医は、新たな臨床研修制度が導入された04年以降、減少傾向が続いていたが、原発事故でさらに減った。人口10万人当たりの小児科医は全国38位、産科婦人科医は46位と低迷している。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368872
「クラークの一言で確定診断」、チーム医療の成果
意識調査「チーム医療、相談しやすい職種は?」自由記述1

2015年10月25日 (日)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 10月15日から22日にかけて、m3.com意識調査で実施した「【医師会員からの質問】チーム医療、相談しやすい職種は?」において、 Q3「チーム医療にまつわる良いこと、悪いことどちらでも構わないので具体的な思い出をお書きください」 には非常に多くの回答が寄せられました。

 貴重なご意見を、医療維新内で2回に分けてご紹介します。たくさんのご回答ありがとうございました。

調査結果はこちら⇒「【医師会員からの質問】チーム医療、相談しやすい職種は?」
https://www.m3.com/research/polls/result/15
自由記述2はこちら⇒『チーム医療「伝言ゲームで大変」「看護師がいじめる」』
http://www.m3.com/news/iryoishin/368873

【チーム医療の成果】

・技師の協力で検査がスムーズに施行できた。【医師】
・気管支喘息の患者に対して、多職種とチームを組んで教育プログラムを実践できたことは良い思い出になっている。【医師】
・チーム医療が進められるようになり、圧倒的に医療関係者の患者に対する態度は変わったと感じる。医療者同士は???【その他医療従事者】
・多職種で NST(栄養サポートチーム)や褥瘡などの話をすると、より良い方向性が見つけ易くなる。【薬剤師】
・公立のリハビリテーションセンターにいたころ、クラークさんが「●●さんは、前にいた◆◆さんとしゃべり方が似ているネ」という一言で神経難病の確定診断に至ったことがあります。【医師】
・担当医だけでは聞き取りきれない部分を、チームのスタッフが聞いてくれて新しい気付きにつながることが多いです。【医師】
・感染症のICTチームに所属しているので、検査方法などで臨床検査技師に聞いて、理解できた。【薬剤師】
・病院機能評価の受審で、対応は大変なのですが、職種を越えて協力し合え、良い評価を得られると大きな喜びを感じられました。【薬剤師】
・看護師が適切に患者対応をしてもらえるので、多少はスムーズに診察が可能である。【医師】
・手術中に、高齢の患者さまの不安を緩和するため、看護師がずっと、手をにぎっている場合があるのですが、術後、本当に感謝されました。謙虚に他職種の意見を聞く姿勢が必要。【医師】
・知り合いが増える。【医師】
・チ-ム医療は、1人のスタッフに全ての責任を負わせない、またダブルチェック機構としての人的ミスを減らすのが最大の目的だと思います。チームで取り組んでいると、誰かがお休みの日であっても他のメンバーが情報を吸い上げてくれて、24時間・365日、患者さんや病院内での事象をチーム内で共有できます(休みでも、連絡が入りますが...)。ずっと休みなく、感染対策などを1人で担っていると疲弊してきますが、お互いにお休みを取ってリフレッシュしながらだと疲弊せず、潰れずに任務を遂行できるようになります。【医師】
・看護師のリーダーがいなくて指示出しができない時に、笑顔で、「私が代わりに聞いておきます」と言ってきたり、耳の聞こえない患者にボードで会話するため、ペンを探している時に、「先生何かお探しですか?ペン?すみません、そんなことまでしていただいて」と言ってくれたこと。早く帰りたいからと医師を攻撃する看護師さんもいる中、優しさが伝わってきた。【医師】
・片麻痺の患者へのインスリン指導。医師・作業療法士・薬剤師で自己注射可能にし、退院まで持って行けた。【薬剤師】
・薬剤師さんの、薬品に関する情報で何度も助けてもらいました。【医師】
・複数の目が入るので安全性、妥当性が高められた。典型的な例では、ICTにおける過剰スペクトラム抗菌薬使用など。【医師】

【医師に言いたい】

・医師がコミュニケーションを取るのが下手な人であると、何も話が進まない【看護師】
・自分も医師ですが、医師が一番えらそうで、生意気で、いらっときます。【医師】
・他科にコンサルトするときに、専門外の分からないことを聞くと不快感を表されることが多々ある。【医師】
・医師は周りが見えていない。協調性がない。【医師】
・医師主導すぎるのに、忙しすぎてカンファレンスなど十分にできていない。【薬剤師】 ・独特の感性で治療する上司がいて、しかも人の治療は否定してくるため、ものすごく仕事がしづらい。【医師】
・医師、コメディカルの関係は改善しやすいが、個性的な医師に対する対応がいつも一番苦労する。【医師】
・自分勝手な医者が多い。【医師】
・偉そうな医者はチームに入らないのがベスト。【医師】
・お互い忙しいのに、医師の機嫌を見ながら声をかけないといけない時。ある程度の関係性ができても、医師は気を使います。【看護師】
・表向き上は「チーム医療」を公言しているが、裏では「チーム医療なんて無理、お前たちコメディカルの力は必要ない」と言う医師が、実際にいる。日本の医療制度ではチーム利用なんてものは夢のまた夢なんでしょう。チーム医療推進の前に、コミュニケーションスキル習得について推進してはいかがでしょうか?【薬剤師】
・医師の中には自分の概念で物事を考える方が多く、患者の考えに共感したり、認めることが少ない。患者が納得して治療を受けられることが重要。【看護師】
・Drはプライドが高く、意見を否定されたり、上からかぶせた物の言い方をすると、あからさまに気分を害するので、とても難しい。言葉を選ばなくてはならないと多くの場面で感じた。【薬剤師】
・医師が他職種に対して尊敬の念を持っていない。自分が一番だと思っているので、連携が進まない。【薬剤師】
・医師に疑義照会した時に、詳しく知らない薬剤のことでも自分の主張を押し通す場合がある。明らかにおかしいと思っても、医師に処方権があるので、処方せんにその旨を記入するだけで折れざるを得ないことがある。また、医師の業務負担を軽減しなければならないとのことで、他のスタッフの負担が増えている。【薬剤師】
・医師から、他の職種に具体的表現で、チームだ。助かっていると言われると、モチベーションが上がる。「それは私たちの仕事ではない」と返されることが多いので看護師には伝えず、直接担当医に伝えることが多い。【その他医療従事者】
・医師が「俺が俺が・・・」というタイプのチーム医療は見せかけのチーム医療。どちらかというと弱くても、コメディカル等がばんばん意見できるチーム医療は本格的のような・・・。そういうチームのコメディカルは皆さん医師を愛し信頼している方が多く患者の前では医師の自慢話をしている。「俺が俺が」のタイプのチームのコメディカルは「先生に聞いてください」「医師じゃないと答えられない」と言う。要はあとで医師に叱られるからであって、こんな北朝鮮的なチーム医療はチーム医療とは言わないと思います。【その他医療従事者】

【看護師に言いたい】

・看護師は看護をしてほしい。【医師】
・看護師、事務員の仕事の手際の悪さやいい加減さ、マニュアル化して応用が利かないところ、自分ができないことをそのままできないままにしておくことに対してプロ意識の薄さを感じる。責任感がないと感じ温度差がある。患者がどうなっていようとただ患者に何か起きたことでも伝書鳩のように伝えるだけのため、機械的な作業をしているロボットのよう。【医師】
・看護師が病気に興味がなさすぎる。【医師】
・初めて在宅医療に取り組む医師の診療所に電話をした。応対は看護師で、その人が期待した答えをすばやく返答しなかったため電話越しに聞こえるように診療所の同僚に「この人何言っているか全く分からへんわ~」と叫ばれた。あとから悪評高い看護師だったと知ってやはりと思ったがそういう看護師しか雇えない医師が気の毒だと感じた。【薬剤師】
・攻撃的な表現をする看護師により、医師、看護師全体が発言できなくなる。このため、チームとしての機能が果たせなくなる。この攻撃的な表現の看護師は、ベテラン看護師であることが多く、誰もこの看護師を修正することができず、チーム医療のボトルネックとなる。【看護師】
・まずは看護が重要です。治療方針も看護の具合で変わってきます。【医師】
・何でも医師に任せてしまおうと、個人のモチベーションが低い指導者クラスの看護師が複数いる。【医師】
・チーム医療といいながら、自分らの負担軽減しか考えていない(特に看護師)。真のチーム医療を実現できている施設はほとんどないのでは?【薬剤師】
・看護師はわがままで、言うことをなかなか聞かない。【医師】

【薬剤師に言いたい】

・調剤薬局の薬剤師の意識が低いせいもあるが、薬剤師のポジションがなかなか確立していない。介護関係の職種や施設、私設・公設含め意外とバラバラなような気がする。【薬剤師】
・何の根拠もなく、この薬は良くないと患者さんに話す薬剤師さんには困ります。【医師】
・看護師はもちろん、PSWともよく相談する。薬剤師は、院内で病状説明や病名告知に近いことを単独で行ってしまったり、例えば精神科の古典的な薬を、能書等を根拠に量が多すぎるなどアドバイスされ困惑する(当科は個人差が大きいので、例えばセレネースは9mgまでしか使用できません、と言われても、症状が取れないのでは増量も病棟の安寧上仕方ないし、並行して血中濃度も測定しているのだが)。【医師】
・自分の診療科は大抵フォローできるが、他の疾患や薬剤まで気を回せないので病棟の薬剤師がいないと困りますね・・・。【医師】
・チーム医療と言われてからやっと定着しつつある、といったところが現状である。以前からのつながりで医師、看護師の良くも悪くも連携が良く、薬剤師は何かと自己中心的、裸の王様的体質がいつまでも抜けきらず、どこかチームの中でも外れた存在。もっと積極的に輪に入って薬剤師という立場をアピールしよう。医師や看護師以上に化学を学びあの苦手な亀の子ベンゼン核を学び、本来主導的立場にありながら、自分たちの業界でしか通用しない専門薬剤師、認定薬剤師を取るのに必死。チームにはほとんど役立たない。もっと視界を広く、協働作業の大事な一役を担っているという自覚に目覚めて活躍してほしいしし、医師、看護師もいつまでも2業種で固まらずに、面倒がらずに、輪を広げる努力をしてほしい。【薬剤師】
・大学病院勤務時代、自分を優秀だと勘違いしている病棟担当薬剤師が投薬内容にいちいちイチャモンを付けてきて困ったことがある。【医師】



https://www.m3.com/research/polls/result/14?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD151024&dcf_doctor=true&mc.l=128386623
意識調査一覧
結果女優・川島なお美氏とのやり取りを公開した近藤誠氏、許される?

カテゴリ: 現場の思い 回答期間: 2015年10月13日 (火)~20日 (火) 回答済み人数: 1962人

近藤氏「癌への誤解ふせぐためにやり取りを公開」

 現在発売中の『文藝春秋』11月号に、「癌放置療法」を提唱する医師・近藤誠氏が「川島なお美さんはもっと生きられた 二年前、彼女は私のセカンドオピニオン外来を訪ねてきた」と題するインタビュー記事を掲載しています。

 2015年9月24日に亡くなった女優の川島なお美さんが2013年に近藤氏のクリニックに訪れた際の30分ほどの様子を説明したもので、近藤氏は「やりとりを公にするのはためらいもある」としつつ、「大問題だと思うのは、治療にあたった医師らが逃げの沈黙を決め込むことで、むしろがんに対する誤解が世の中に広がってしまうことなんです」と公開の理由を説明しております。

 守秘義務について、近藤氏は「法律上、亡くなった方は医師の守秘義務の対象ではなくなります」と説明します。刑法134条には、医療従事者の守秘義務が定められていますが、同法135条には、「告訴がなければ公訴を提起することができない」とされ、被害者が亡くなっている場合は罪に問うことが難しいのが現実。

 しかし、世界医師会総会で採択された「患者の権利に関するリスボン宣言」では、「患者の健康状態、症状、診断、予後および治療について身元を確認し得るあらゆる情報、ならびにその他個人のすべての情報は、患者の死後も機密は守られなければならない。ただし、患者の子孫には、自らの健康上のリスクに関わる情報を得る権利もあり得る」として、死後も秘密を守るよう求めています。

 近藤氏の今回の言動を皆様はどのようにお考えでしょうか。

近藤氏の言動、「許される」は4%

 担当した患者が亡くなった場合に、遺族の求め以外で個人情報を開示することについて、「許される」(35人)と「公益に資する目的であれば許される」(342人)を足した19%(計377人)が一定の理解を示しました。
 しかし、今回の近藤誠氏の言動については、「内容を知らないので、答えられず」(384人)を除いても、「許される」としたのは4%(64人)にとどまりました。
 自由意見は約300件寄せられましたが、ほとんどが否定的な見解。「医療従事者としては許されない」「自分の宣伝をしたいだけ」といった厳しい言葉が並びました。

Q1担当した患者が亡くなった場合、遺族の求め以外で個人情報を公開することは医療従事者として…?
10251.png

開業医 : 401人 / 勤務医 : 1218人 / 歯科医師 : 3人 / 看護師 : 39人 / 薬剤師 : 183人 / その他の医療従事者 : 118人
※2015年10月20日 (火)時点の結果

Q2今回の近藤誠氏の言動は、許されると思いますか?
10252.png

開業医 : 401人 / 勤務医 : 1218人 / 歯科医師 : 3人 / 看護師 : 39人 / 薬剤師 : 183人 / その他の医療従事者 : 118人
※2015年10月20日 (火)時点の結果

Q3今回の近藤誠氏の行動について、ご意見があればお書きください【任意】

【肯定的】
・意見を述べることに、制限はないと思う。【医師】

【否定】
・遺族、親族の了解が無ければ、秘守義務違反と考えます。【歯科医師】
・医療人として、最低の行為であり決して許されない。【医師】
・公共の利益にもならず、近藤氏が注目を引きたいがための言動であり、しかも内容に一貫性がないため、許される理由がない。【その他医療従事者】
・進行性疾患の患者について、2年も前の情報が必要とされるのか疑問である。【薬剤師】
・このような医者を生む体制、認める厚労省、煽るマスゴミ、全てに疑問を感じます。【医師】
・臨床現場で苦悩しつつ対峙している医師と患者との関係の中に専門家的な意見を差し挟むのであれば、ありとあらゆる可能性を考えた上で極めて慎重にしていただく必要がある。【医師】
・医師の発言がどれだけ影響があるのか、亡くなった人なんで、なんでも話して良い訳ではないこと、今後の医療につなげるとしても、個人を特定する発言は考えて行うべき行動だったのではないかと思いました。【薬剤師】
・なんでいまさら?患者は亡くなったのであり、その後の報道や、病気の知識を広める目的であったとしても、心ある医師としては、話すべきタイミングと場所が違うと、思わざるをえないねぇ〜。【医師】
・法的に問題なければ良いということではない。医師として違和感を感じる。【医師】
・近藤氏(あえて先生と呼びたくない)の論理を完全論破できる自信がない自分が恥ずかしい。【医師】
・大規模臨床研究の成果を否定し、個々の症例の成功例のみを取り上げるという手法を用いるあの方であればやりかねない行動では。【医師】
・薬物療法が全てではないが、患者さんに対する医療は、全治療期間での治療内容のバランスと患者さん自身のお考えが大切と考える。マスコミが興味本位でまくし立てるような報道はいかがなものかと考える。【医師】
・癌放置療法の立場から一般論としての発言であれば何ら問題ないと思う。が、個別事例でのやり取りの公表は、個々の事例に特有の条件や前提となる事柄などがある。さらに死者にもプライバシー、尊厳を配慮すべきと考えるから。【歯科医師】
・気持ちは分からないでもないが、患者の個人情報は、いかなる状況でももらしてはいけないと思う。【医師】
・死亡したという結果のみを根拠に自論を主張するのは卑怯だと思う。【医師】
・亡くなった患者に関して公開するのは、医師として医療従事者としては許されないことです。医学教育を受けた人であれば守秘義務は当然。患者さんには死後も家族、親戚があります。残された人に個人情報は遺伝的側面、習慣的側面、人種的側面などあらゆることが影響すると考えます。【医師】
・医師会がきちんとした表明をすべきであると思います。【医師】
・近藤理論には全面的に賛成でいましたが、今回のことで近藤は医師の風上にはおけない人だと思いました。思い上がりもええかげんにせよと言いたい。医師としての倫理観があまりにも欠けている。【医師】
・価値観はそれぞれで一方的に非難はできないが、やはり喋りすぎの印象あり。【医師】
・死後も、むしろ死後こそ機密は守られなければならない。【医師】
・直接担当した医師も沈黙せず意見を公表すべき。それが今後の医療の在り方を変えるかもしれないから。ヒポクラテスの誓いしかり、特にリスボン宣言では論文の際も倫理に基づいていたのか必ずviewerがチェックされます。近藤誠氏が取得した1980年の医学博士の時代では余り言われなかったかもしれないですが...【薬剤師】
・家族・患者への思いやりがない。医学の発展のため等の場合であるならば理解できるが、ご本人の金儲けのための道具として人の人生を批判するのはどうかと思う。【医師】
・個人が特定できない形で、癌に対する誤解を解くことも可能では。【医師】
・相手にしたくないが患者には不利益あり。のさばらしておく慶応に責任あり!【医師】
・肝内胆管がんという治療が難しいがんの無治療と積極的治療の比較データがない現時点で、文藝春秋といういわば一流誌が取り上げた点が理解できない。ただ話題作りで部数が伸びるという安易な取り上げかたのように思える。【医師】

【その他】
・近藤誠氏は、真実の面の部分とあれ、おかしいと思える部分もあり、結果的に世間の人を惑わせているだけの感じがする。【薬剤師】
・医療はファジーなもの。抗がん剤は全てnoではないが、行なわない方が良い時もあると思う。医師個人の考え方は大切だが、最終的には患者さんの希望に沿う治療を行うことが必要と思う。【医師】
・患者が納得できない説明が多すぎるので、近藤さんのような人が登場するのでしょう。近藤さん自身、昔は私たちが学ぶべきことも語っておられましたが、現状では医師として、プロとしての思考ではなくなっていますね。【薬剤師】
・完全に的外れではない。治療ワールドに患者をひっぱりこみ、稼いでいる医業の実態は罪深い。【医師】
・二人とも公人で、ブログ等で個人情報を公開しているわけだから守秘しなければならない義務は無かろうが、医師として病気の重症度や個人の精神状態を考慮確認せず、同等の病気に対する主治医説明が正しく本人に伝わったものとしての発言には、オピニオンリーダーとしての慎重さに欠けていると言わざるを得ない。【医師】


  1. 2015/10/25(日) 06:52:46|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月23日 

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H2H_T21C15A0EE8000/
大病院「門前薬局」を「かかりつけ」に 厚労省がビジョン
2015/10/23 19:21 日本経済新聞

 厚生労働省は23日、薬局の将来像を示す「薬局ビジョン」をまとめた。大病院の処方箋に依存する「門前薬局」を、複数の医療機関の処方箋を扱う「かかりつけ薬局」に変えることが柱だ。(1)患者の全ての服用薬を一元的に把握する(2)医師の過剰投薬や危険な飲み合わせを監視する(3)24時間対応や患者宅への訪問に取り組む、という3つの役割を求める。

 厚労省は2016年度以降の診療報酬改定で、大病院前に並ぶ門前薬局の収入を減らし、患者に身近なかかりつけ薬局の収入を増やす方針。3つの役割が報酬増を認める要件のたたき台になる可能性が高い。大病院依存の経営から抜け出せば、医師の過剰投薬や重複投薬を監視しやすくなり、医療費の抑制にもつながる。長期的な課題としては門前薬局に対し、建て替えなどを機に大病院前からの移転を促す。



https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1023037655/
研修医内定先、地方の割合が過去最高〔読売新聞〕
yomiDr. 2015.10.23

 厚生労働省は22日、来年4月から臨床研修を希望する医学生の内定結果を発表した。研修先の病院が、大都市部のある6都府県以外の地方に内定した割合は前年度比0.9ポイント増の57.4%で、医師の臨床研修が義務化された2004年度以降で最高となった。
 同省は研修医の適正配置を促すため、東京都や大阪府など大都市圏の6都府県を念頭に、都道府県別の募集定員に上限を設けるなどしており、取り組みが効果を上げているとみられる。
 臨床研修希望者9216人中、研修先の病院が内定したのは8687人。前年度比では鳥取県が36.7%、秋田県31.3%、山口県29.2%と増加した。逆に減少率が大きいのは徳島県25.8%、群馬県19.4%など。
(2015年10月23日 読売新聞)



http://www.m3.com/news/iryoishin/368797
シリーズ: 医師不足への処方せん
マッチ率100%は8大学、群馬大は研修医半減
大学人気の低迷続く、2015年度臨床研修マッチング

2015年10月23日 (金)配信 高橋直純、成相通子(m3.com編集部)

 2015年度医師臨床研修マッチングの最終結果を79の大学病院本院別に見ると、8大学が定員充足率100%となり、昨年度から4大学から倍増した。大学病院で研修を受ける割合の低下傾向は変わらず(『「大学人気」下げ止まらず、2015年度マッチング最終結果』を参照)、大学間の格差が広がっている実態が浮かび上がった。腹腔鏡下手術による医療事故に揺れた群馬大学は研修医が半減し、定員充足率は昨年の47.5%から24.6%にほぼ半減した。

 79の大学病院本院別に見ると、定員を満たしたのは、東京医科歯科大学、大阪医科大学、産業医科大学、京都府立医科大学、京都大学、関西医科大学、杏林大学、順天堂大学の8大学。いずれも東京、大阪、京都、福岡の大都市圏に所在する。

 定員充足率が90%台は18大学(2014年度22大学)で、以下、80%台11大学(同12大学)、 70%台14大学(同11大学)、60%台7大学(同11大学)、50%台9大学(同6大学)、50%未満12大学(同13大学)。

 最も多くのマッチ者を集めたのは、東京大学の125人、次いで東京医科歯科大学119人でトップ2は昨年度と変わらず、3番目に京都大学(81人)が入った。

名古屋大は自大学出身がゼロ

 自大学出身者がマッチ者に占める割合が100%だった大学は、昨年より2大学減り岩手医科大学、高知大学の2大学。高知大学は3年連続で、100%となった。自治医科大学を除いて、30%以下だったのは、東京大学(25.6%)、九州大学(19.1%)、横浜市立大学(21.2%)、慶応義塾大(21.3%)東京慈恵医科大学(22.2%)、千葉大学(28.2%)、神戸大学(27.3%)、名古屋大(0.0%)、東北大学(25.0%)の9大学で、昨年より6大学増加。出身大学の大学病院に縛られずに初期研修を行う流れも進んでいる。

Matching2015.jpg

クリックで拡大

大学病院の2015年医師臨床研修マッチングの最終結果(医学部を持つ大学・医科大学、計79の本院分を集計。「充足率」が高い順にランキングを作成。同数の場合は、「マッチ者数」が多い順に掲載。)
臨床研修、ためになった?
・臨床研修制度にどのような改革が求められる?
・臨床研修制度で学んだことは以降のキャリアにおいて有益だった?
・実りある初期臨床研修を行うために重要なのは?
など・・・



http://apital.asahi.com/article/news/2015102300003.html
研修医「マッチング」結果改善
2015年10月23日 朝日新聞

 来春卒業予定の医学生と臨床研修を受け入れる病院側の両方の採用希望をコンピューターで突き合わせる「マッチング」の結果が22日、発表された。全国の内定者8687人のうち、大都市のある東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県を除いた41道県に決まった人が57・4%で、制度が始まった2004年度以降、最高になった。

 研修医が大都市に集中する地域偏在が問題となり、厚生労働省は10年度から都道府県ごとに募集定員に上限を設けている。内定者に占める41道県の割合は年々高くなる傾向にあり、前年度より0・9ポイント上がった。

(朝日新聞 2015年10月23日掲載)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47075.html
滋賀医科大、認知症研究や神経内科強化へ- 文科省、国立大の中期目標案公表
2015年10月23日 11時00分 キャリアブレイン

 文部科学省は23日までに、国立大学法人の中期目標・計画(2016-21年度)の素案を公表した。各医系大学も、研究や附属病院の目標を記載しており、県内の認知症患者の急増が見込まれている滋賀医科大は、認知症の病態解明の研究を推進する方針を表明。同大医学部の附属病院についても、超高齢社会に対応するため、神経内科の体制を強化するという。【新井哉】

■県内唯一の特定機能病院、地域医療への貢献に期待も

 滋賀県内の認知症高齢者について、県は2020年には10年の2倍近い約4万1400人になると見込んでいる。また、認知症患者の入院状況は、退院患者平均在院日数の全国平均に比べて県内は大幅に長いことなどから、認知症対策が喫緊の課題となっている。

 こうした状況を踏まえ、県は10月に新たに3病院を認知症疾患医療センター(地域型)として指定。診療所型を含め、センターの指定を8カ所にまで拡充した。また、かかりつけ医の認知症診断に関してアドバイスなどを行う「認知症サポート医」の養成にも力を入れており、これまでに60人以上の医師が養成研修を修了したという。

 県は認知症対策を進める上で、医療機関の役割を重視しており、特に滋賀医科大医学部附属病院については、県内唯一の特定機能病院として質の高い医療を提供していることを評価。「地域医療や医療福祉の分野への貢献が期待される」としている。

■附属病院の「超高齢社会への対応」を明記

 滋賀医科大は中期目標・計画の素案に、認知症を中心とする脳科学研究について言及。分子神経科学研究センターを改組した「神経難病研究推進機構」に臨床研究ユニットなどを置き、認知症を主とした病態解明研究を推進する方針を示した。

 具体的には、早期診断や治療法の開発と、その臨床応用に向けたロードマップを策定し、▽特許出願(12件)▽国際学術シンポジウムの開催(6回)▽国内・国際共同研究の実施(10件)-といった指標を「達成する」とした。

 附属病院についても、「超高齢化社会への対応として、神経内科の体制強化を実施する」と明記。また、地域の医療需要を踏まえ、「県や地域の医療機関と連携して高度急性期機能の強化を図る」としている。

■「地域包括ケア」や「地域医療」に貢献も

 他の医系大学も「地域医療への貢献」に取り組む姿勢を示している。旭川医科大は地域医療連携ネットワークを活用して診療情報の共有による病院同士や病院と診療所の連携を強化する方針を掲げた。

 同大は、附属病院の目標について「中期目標期間中に組織的な支援体制を充実するとともに、紹介率80%程度、逆紹介率70%程度を達成する」と明示した。

 浜松医科大も「地域のニーズに対応した質の高い医療を提供できる体制を整備する」と附属病院の役割を明確にした。地域医療における高度急性期病院の中核的な役割を担うため、医療の専門性を高め、地域医療機関との連携体制を強化するという。

 また、東京医科歯科大は、自治体や医師会、地域の医療機関などとの連携の強化を進める方針だ。「先端医療および高度急性期機能を担う病院としての役割を果たし、地域包括ケア体制の構築に貢献する」としている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=125371
「麻薬に依存した状態で治療」医師に懲役3年の実刑判決
(2015年10月23日 読売新聞)

 医療用麻薬を自身に使ったなどとして、麻薬取締法違反(使用、所持)に問われた元八雲町立八雲総合病院医師、阿部正幸被告(55)(札幌市中央区)に対し、函館地裁は22日、懲役3年(求刑・懲役4年)の判決を言い渡した。

 佐藤卓生裁判官は「麻薬に依存した状態で治療に当たったと認められ、悪質だ」と述べた。阿部被告は、即日控訴した。

 判決によると、阿部被告は今年6月上旬から12日の間、医療用麻薬のモルヒネやフェンタニルを自らの体に使用したほか、当時の八雲町の自宅などにこれらを含む液体を所持した。

 佐藤裁判官は「社会的制裁を受けたことを考慮しても実刑に処することが必要」と指摘した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368739
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「7対1のICU、HCU化?」懸念の声
算定要件見直し、他病床との整合性がカギ

2015年10月23日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 10月21日に開かれた中央社会医療保険協議会基本問題小委員会(小委員長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、入院医療等の調査・評価分科会が実施した2014年度と2015年度の「入院医療等における実態調査」(分科会長:武藤正樹氏)の取りまとめを踏まえ、2016年度診療報酬改定に向けた方針について議論した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 7対1入院基本料をめぐっては、2014年度の診療報酬改定で算定要件が厳格化されたものの、同基本料を算定する病床数の削減幅をめぐって、十分ではないとする厚労省や支払側の意見と、十分に削減されたとする診療側で意見が割れている(『7対1病院、要件の厳格化?』を参照)。

 分科会の取りまとめでは、特定集中治療室(ICU)の要件設定の検討が必要と指摘したほか、7対1、10対1入院基本料の病棟で、90日を超えて入院する患者について、退院先は自宅が多いのにもかかわらず在宅医療を受けた患者が少ない状況や、入院理由は6割が医学的な理由だったものの、2割が「医学的には外来、在宅でもいいが、他の要因で退院予定がない」との理由だったとして、「退院に向けた支援の状況や退院後の状況を引き続き注視する必要がある」などの意見が紹介された。

 診療側からは、ICUの要件設定の見直しについて、厚労省の提示した根拠に疑念を呈する声や、「どんどん要件を厳しくすれば、7対1入院基本料の病床がICU化、HCU化してしまう」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)といった懸念の声など、さらなる要件厳格化の方向性に対する反対意見が上がった。

ICUを厳格化?

 分科会がICUの要件設定の見直しを必要としたのは、2014年度に改定された「重症度、医療・看護必要度」のA項目の“逆転現象”が理由だ。ICU管理料の算定には、「モニタリング及び処置等の項目(A項目)」3点以上、かつ「患者の状況等の項目(B項目)」3点以上の患者が8割以上を占めていることが要件。点数が高いほど、重症度や医療・看護必要度が高いはずだが、今回の調査結果で、A項目3点の患者が2点の患者よりも医師の指示見直しや看護師の処置・観察が必要な患者の割合が少ない“逆転現象”が起きていることが分かった。

 3項目の組み合わせで多いのは、「心電図モニター」「輸液ポンプ」「シリンジポンプ」で、この3項目のみに該当する患者の割合が50%以上を占める医療機関が少数ながらあることから、分科会の取りまとめでは「A項目が3点の患者には相対的に医療密度が低い患者が多いことが考えられる」として、項目の評価の適正化が必要だとした。

 日本病院会常任理事の万代恭嗣氏は、3項目のみの該当患者が過半数を超える医療機関数について、「具体的な数値が出ていないが、数施設にすぎないのでは」と指摘。「循環器の疾患を非常に多く取り扱っている可能性もある。(調査の)外れ値に注目して適正化というのは、日本の医療をゆがめてしまう。現場の対応が苦慮する」として、この調査結果から要件厳格化の議論に進めることに反対した。

 鈴木氏は2014年度改定で、7対1入院基本料のA項目に含まれない「輸液ポンプ」が、ICUやHCUのA項目には含まれている点に言及。ICUやHCUの算定要件が7対1入院基本料よりも『緩い』部分があるのは、「整合性が取れていない」として、「輸液ポンプ」をICUやHCUのA項目からも外して、算定要件を厳格化するか、そもそも7対1入院基本料のさらなる要件厳格化、病床数削減の方向性を見直すべきだと訴えた。

 武藤分科会長は、分科会で「心電図モニター」「輸液ポンプ」「シリンジポンプ」の3項目を1つの項目に集約化、もしくは他の項目と重みの差を付けるなどの意見が出たことを紹介した。具体的な方針について、今後中医協で議論する。

 このほか、鈴木氏は退院支援や在宅復帰率の加算に関連して、急性期の受け入れも行っている大病院が空床対策に地域包括ケア病棟を作り、7対1入院基本料の病棟から院内で「転棟」するケースがあることも指摘。地域の中小病院や有床診療所の地域包括ケア病床への「転院」を促すような評価が必要だと主張した。厚労省も今後の方向性については「中医協での今後の議論」としたが、「転棟」と「転院」については、機能分化の強化の観点から何らかの差を付けることも考えられるとした。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H3J_T21C15A0EE8000/
社会保障給付費1.5%増の110兆円 13年度、過去最高更新
2015/10/23 19:45 日本経済新聞

 国立社会保障・人口問題研究所は23日、2013年度の年金や医療、介護などの社会保障給付費が前年度比1.5%増の110.7兆円になったと発表した。高齢化で医療費や介護費が大きく膨らみ、過去最高を更新した。1人あたりの負担も増え続けており、給付の抑制が課題になる。

 社会保障給付費は税と社会保険料などを財源にした費用の合計で、病院の窓口で支払う利用者負担などは含まない。

 最も伸びが大きかったのは医療分野で2.1%増の35.4兆円。高齢化に加え、高度な医薬品や医療機器が増えているためだ。介護や失業手当などの福祉分野は1.5%増の20.7兆円だった。年金は1.2%増の54.6兆円にとどまった。13年10月に過去の「もらいすぎ」の解消として支給額を1%下げたためだ。

 社会保障給付費を1人あたりでみると、1.7%増の86.9万円と過去最高になった。国内総生産(GDP)に対する比率は22.91%で0.07ポイント下がった。マイナスになるのは23年ぶり。消費増税前の駆け込み需要などで分母のGDPが大幅に増えたためだ。

 社会保障給付費の財源になる収入は前年度比横ばいの127.1兆円で給付額を上回った。円安や株高で年金積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の収益が10.2兆円あったためだ。

 労使から集める社会保険料は2.5%増の63兆円。保険料率の引き上げに加え、新たに働き始めて保険料を納める人が増えたためだ。国・地方の公費負担は1.1%増の43兆円だった。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151023-022465.php
福島県がHPに「お詫び」掲載で和解、双葉病院訴訟
2015年10月23日 12時59分 福島民友新聞 

 東京電力福島第1原発事故に伴う県の不適切な報道発表で名誉を傷つけられたとして、大熊町の双葉病院を運営する医療法人博文会が、県に謝罪広告の掲載を求めた訴訟で23日、福島地裁(金沢秀樹裁判長)で和解が成立した。県が誤った記者発表をしたことを認め、県のウェブサイトに少なくとも1年間、同法人に謝罪する内容の文章を掲載する。


 法人側によると、県は「双葉病院についての記者発表に関する事実関係とお詫び」と題した文章を30日から掲載する。掲載文では「十分な情報の共有と状況の把握ができていないまま、事実に反する記者発表を行いましたが、このことは行政として著しく適切さを欠くものであったと考えております」とし、同法人に謝罪している。

 法人側は、震災直後に同病院の患者が救出される際、「病院関係者は1人も残っていなかった」と県が記者発表したことで病院の名誉を傷付けられたとし、昨年3月、県に謝罪広告の掲載を求め提訴していた。



http://mainichi.jp/select/news/20151023k0000e040243000c.html
双葉病院:運営の医療法人と福島県が和解
毎日新聞 2015年10月23日 12時28分

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故の際、患者を置き去りにしたかのような福島県の発表で名誉を傷つけられたとして、同県大熊町の双葉病院を運営する医療法人「博文会」が謝罪広告などを求めた訴訟は23日、福島地裁(金沢秀樹裁判長)で和解が成立した。

 法人の代理人弁護士によると、和解条項では県に新聞への謝罪広告は求めず、「十分な情報の共有と状況の把握ができていないまま、事実に反する記者発表を行い、行政として著しく適切さを欠くものだった」などとする県の謝罪文を今月30日から少なくとも1年間、県のホームページに掲載するという内容。

 第1原発から約5キロの同病院について、県は「(患者救出で)自衛隊が到着した時、関係者は一人もいなかった」などと報道発表し、法人は「院長ら6人が残っていた。虚偽発表だ」と提訴した。

 県は「その後の訂正や検証報道で病院側の名誉は回復された」と反論したが、地裁が今年4月、名誉回復措置を条件に和解勧告していた。【土江洋範】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47088.html
新専門医制度の議論は日病のWGで- 議論の効率化が目的、日病協
2015年10月23日 18時12分

 12団体でつくる日本病院団体協議会(日病協)は23日の代表者会議で、2017年から始まる新たな専門医制度について、加盟団体の一つの日本病院会(日病)が既に設置している同制度に関するワーキンググループ(WG)で、日病協としての意見を集約することを決めた。今後、日病以外の加盟団体からWGへの参加の意向を募る。【敦賀陽平】


 9月の代表者会議では、新制度で研修の中心となる「基幹施設」などの要件が、現行の制度に比べて高いとして、「大学病院に人材が集中するプログラムになりかねない」などの懸念が出た。このため、団体間で話し合いを進めることになっていた。

 楠岡英雄議長は23日の代表者会議後の記者会見で、「四病協(四病院団体協議会)としても検討を行っている。これで日病協ということになると、いろんな団体が屋上屋を架す形になり、非常に効率的ではない」と述べ、WGがまとめる提言に日病協としての考えを盛り込む意向を示した。

■次期改定の要望、第2弾は来月末に判断
 この日の代表者会議では、来年春の診療報酬改定に向けた2回目の要望書の提出について、来月末の代表者会議で最終的に判断することを確認した。各団体からの要望の受け付けは既に締め切られており、今後、下部組織の診療報酬実務者会議がそれらを精査し、その結果などを踏まえ、要望書の提出を決める。


  1. 2015/10/24(土) 05:56:44|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月22日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47072.html
研修医の内定者数、3年連続で増加- マッチング結果、地方比率は過去最大
2015年10月22日 19時00分 キャリアブレイン

 医学生らの来年度の臨床研修先を決めるマッチングの結果が22日、明らかになった。研修先が内定した人数は、前年度比3.4%増の8687人で、3年連続で増加した一方、内定率は研修希望者の94.3%で、前年度(95.8%)から微減した。内定者数に占める地方(大都市部のある東京都と神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県以外の道県)の割合は57.4%で、2004年度の新医師臨床研修制度の導入以降で最大だった。【新井哉】

■内定者の増加率、1位は鳥取

 来年度からの研修先を決めるマッチングには、前年度より8病院多い1023病院が参加し、計1万1052人(前年度1万1004人)の研修医を募集。希望順位登録者数は9216人(同8767人)だった。

 大学病院の内定者は3703人で、全体の42.67(同43.7%)だった。内定者に占める地方の割合は、08年度には51.3%だったが、翌年度から7年連続の増加となった。

 病院の所在地別の内定者数を見ると、前年度比で最も増加率が高かった都道府県は鳥取(前年度比36.7%増)。以下は、秋田(同31.3%増)、山口(同29.2%増)、和歌山(同26.2%増)、奈良(同22.2%増)などだった。

■都道府県別内定者は東京が最多、北海道で増加も

 また、内定者数が最多の都道府県は東京で1355人。以下は、神奈川(606人)、大阪(595人)、愛知(471人)、福岡(423人)、千葉(399人)、兵庫(361人)、北海道(353人)などの順。北海道では前年度に比べて24人増えた。

 研修医のマッチングでは、主に医学生(6年生)と研修病院が、希望する研修先と学生を順位付けしてそれぞれ登録。その後、コンピューターで、一定の規則に従って組み合わせを決める。

 厚生労働省は、研修医が都市部に集中しやすいなどの問題が指摘されていることを受け、10年度から都道府県別の募集定員の上限を設定するなどして、研修医の地域的な適正配置を誘導している。



http://mainichi.jp/select/news/20151023k0000m040106000c.html
診療報酬:社会保障費の伸び抑制の中、改定議論の課題は?
毎日新聞 2015年10月22日 21時06分(最終更新 10月22日 21時28分)

 2016年度診療報酬改定に関し、厚生労働省は21、22の両日、社会保障審議会の関係部会に改定の基本方針のたたき台を示し、議論が本格的にスタートした。社会保障費の伸び抑制が求められる中、マイナス改定となるかどうかが焦点だ。個別の課題では、薬の分野の見直しが重点課題に上るとともに、重症者向け病床の数を減らすことも議論になる。【堀井恵里子】


 ◇抑制のターゲット

 前回(14年度)は0.1%増だが、消費増税に伴う医療機関のコスト増を除いた実質ではマイナスだった。

 今回、社会保障費は概算要求から1700億円削減が見込まれる厳しい環境にある。来年度は大きな制度改正がないため、「診療報酬がターゲット」との見方が多い。

 医療費の国庫負担だけで1700億円削ると1%台半ばのマイナス。だが、日本医師会(日医)は来春に会長選を控えており、減額は避けたい考えだ。来夏の参院選で日医の支援を得たい自民党も増額圧力を強めそうだ。
 ◇薬が見直しの重点

 具体的な見直しの重点になりそうなのが、調剤報酬など薬の分野だ。厚労省は、医療機関の処方箋を集中的に受け付ける「門前薬局」について、服薬指導など「かかりつけ薬局」の機能を果たしていない場合は報酬を減額する方針。

 また、厚労省の調査(13年度)で患者の約55%が「医薬品が余ったことがある」としていることを踏まえ、複数の医療機関から何種類もの薬をもらっているケースなどの改善策も議論する。後発医薬品の使用促進策や価格の引き下げも課題だ。

 ◇重症者病床で攻防

 重傷の患者を受け入れるため「患者7人に看護師1人」と手厚い配置で報酬額も最高の「7対1病床」(約36万床)の扱いも議論になる。導入当初の厚労省の想定を大きく上回る数に上り、医療費増加の一因との見方もあるためだ。

 前回改定で要件を厳しくしたことで約1.6万床減ったが、さらなる絞り込みが議論されている。中央社会保険医療協議会(中医協)では、健康保険組合連合会など医療費を負担する側が「(要件を)見直す方向で議論すべきだ」と絞り込みを主張しているのに対し、日本医師会など診療側からは「あまりに減らすような議論をすべきではない」とけん制している。
 ◇診療報酬

 公的医療保険を使って病院などにかかった場合の医療の価格。手術や検査、薬などに点数が付けられ、1点=10円で医療費を計算する。患者は窓口で原則3割を負担し、残り7割は健康保険組合などが医療機関などに支払う。ほぼ2年ごとに改定し、全体の改定率は予算編成に合わせて決まる。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/10/22/06.html
悲願の総合病院誘致を断念 鴻巣市、上尾中央医科グループと協議不調
2015年10月22日(木) 埼玉新聞

 鴻巣市は21日、一般社団法人上尾中央医科グループ協議会(上尾市)と協議を進めてきた総合病院の誘致計画を断念すると明らかにした。同協議会が県の病院整備計画の再公募に応募しない意向を固めたことから、今回は見送らざるを得ないと判断した。

 総合病院の誘致は鴻巣市にとって長年の悲願。市は2013年10月から、同協議会と誘致協議をしてきた。計画によると、新病院は赤見台近隣公園(赤見台3丁目)を予定地とし、病床数300床、14診療科。県の第6次地域保健医療計画(13~17年)の期間内着工を目指していた。

 上尾中央医科グループは上尾中央総合病院(同市柏座)を基幹病院とする医療事業グループ。市によると、同病院の中村康彦理事長が今月15日、県の再公募に応募しない意向を示した。近年の建設費高騰によるコスト増などで、同市が望む医療を将来にわたり提供することは困難と判断したことが理由という。

 市では、消費税の引き上げや診療報酬改定など、昨今の医療を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、上尾中央医科グループ全体にも影響があることから、計画を見送ることとしたという。

 原口和久市長は「総合病院誘致については多くの時間と努力を重ねてきたが、市民の皆さんの期待に応えることができず残念。計画をもう一度練り直し、チャンスがあれば誘致に取り組みたい」と話した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368399
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「医療に犠牲強いる」、横倉日医会長が財政審に反論
定額負担で「フリーアクセス阻害する」と主張

2015年10月22日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は10月21日の定例記者会見で、財務省が作成した、「骨太方針2015」の具体化に向けた社会保障制度の「改革工程表」について、「医療・社会保障に犠牲を強いるもの」と語った。10月9日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で示された改革工程表では、44項目のうち大半が医療関連だった(『外来医療費の地域差是正、2018年度から』 を参照)。

 横倉会長は改革工程表に挙がった、(1)医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化、(2)かかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担、(3)医療提供体制の適正化――の3点について反論を述べた。

 (1)は、入院と在宅医療の公平性を確保する観点から入院に際して居住費を求める内容で、横倉会長は「治療が必要だから入院しており、居住費という介護の概念は適さない。公平性の確保という視点が不適切」と指摘。(2)について、財政審はかかりつけ医以外を受診した場合は、定率負担に加えて少額の定額負担を課すべきと主張している。「定額負担は高齢者へ影響が大きく、受診控えで重症化し、かえって負担が増える」と指摘した上で、「日本の医療の特長であるフリーアクセスを阻害するもの」と拒否感を示した。

 さらに、(3)の医療提供体制の適正化について、病床機能の分化連携と都道府県の権限強化の二つの観点から反対意見を述べた。「地域医療構想の早期策定と推進」が求められていることに対し、「地域の関係者が情報を交換しながら共に考えるもので、拙速に策定されるべきものではない。病床機能報告は医療機関が自主的に機能を選択することが根幹である」と主張。「民間医療機関に対する転換命令等、医療保険上の指定に係る都道府県の権限の一層の強化」するための法案を遅くとも2017年度に国会提出すべきという財政審の主張に対しては、「法による強制やペナルティを課すことは健全な医療経営を阻害する。患者の強制転院や在宅移行につながり、需要予測にミスがあれば取り返しのつかない事態になる。地域医療の崩壊を阻止するためには、このような考え方を持つべきではない」と訴えた。

 社会保障財源については、支払い能力に応じた負担の公平化が先決として、「財政審の中で真剣に取り組まれてないので残念。速やかに改革を進めてほしい」と訴えた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/367491
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
ジェネリック医薬品「使いたい」医師はNP読者の半分◆Vol.3
NP読者「スムーズに勧めてほしい」

2015年10月22日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)


 先発医薬品の特許期間が切れた後に、他の製薬会社が同等の有効性があるとして製造・供給するジェネリック医薬品。開発費が不要なことなどから安価になる。医療費削減に効果があるとして、政府は2020年度末までにジェネリック医薬品の普及率を80%にすると表明。それによる医療費の削減効果は2020年度に1.3兆円になるとしている。

1021Z.jpg

医師では意見が分かれる

 では、そのジェネリック医薬品を「自分自身が」使用したいかを尋ねた本問、「思う」と答えた医師は35%にとどまった。医師側では「思う」「思わない」「どちらでも良い」がほぼ3等分しており、意見が割れている状況が見て取れた。自由記述欄からは、薬効が先発医薬品と同等かどうかに確信が持てないことに不安を感じているようだ。

薬効に不安、医師に選択権を

 具体的には、「十分な効果があることを示し、積極的に処方される体制を作ってほしい」、「もっともっといろんな種類のジェネリックが出てきてほしい」という期待の声もある一方、「有効成分が同じでも、基材・添加物まで同じとは限らないので、「同じ薬」とは言えない。副作用情報を収集・提供しない会社のものは使いたいとは思わない」、「先発品と同様の品質とは言い難い」など、薬効への不安が多く寄せられた。

 「きちんと第三者機関にて安全性や同等性の確認を行ってほしい」「後発品メーカーからの情報提供は皆無であり、副作用等が生じた際の窓口が不明」「責任性と継続性に問題がある。ジェネリックの使用を推進しすぎると、新薬の開発に支障が出る」など製薬会社への要望も多かった。

 また、複数のジェネリック医薬品がある場合は薬局の判断で処方される医薬品が決まることもあり、「医師がジェネリックメーカーを選択できないことは大きな問題だと思う」、「調剤薬局で薬価差益が大きい高額なジェネリックに変えられてしまう」という不満も寄せられた。

NP読者はスムーズに勧めてほしい

 一方、ジェネリックを使用したいと思うNewsPicks(以下、NP)読者は65%に達した。ジェネリック医薬品に対する意見についても、「ジェネリック医薬品は安くて助かる人が多いし、普及の促進には賛成。ただ、最初に作った人に対するインセンティブをきちんと確保するという基本姿勢を忘れないようにすべき」「今のジェネリックへの切り替えの仕方(薬局等での案内)を、もう少しぎこちなさをなくせばもっと普及が早いと思う」など好意的な意見が多数だった。また、医師や薬剤師に対して、「ジェネリック医薬品に対しての説明が少し雑な印象を受けるので、ちゃんと説明してほしい」という要望もあった。

ビジュアル作成:櫻田潤(NewsPicks編集部)
※ジェネリック医薬品に関するm3.com会員、NewsPicks読者のコメントはこちら⇒



http://www.m3.com/news/iryoishin/367555
シリーズ: m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」
ジェネリック医薬品「義務化すべき」「もっと情報提供を」
m3.com×NewsPicks共同企画◆Vol.3 自由回答

2015年10月22日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 『m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」』の第3回「ジェネリック医薬品「使いたい」医師はNP読者の半分」で紹介した、ジェネリック医薬品についての医師、NewsPicks読者の自由回答を紹介する。

Q ご自身が使う場合、ジェネリック医薬品を積極的に使用したいと思いますか。

■■NewsPicks読者
【賛成】

・従来のものと同等であれば、安いに越したことがない。
・ジェネリック医薬品は安くて助かる人が多いし、普及の促進には賛成。ただ、最初に作った人に対するインセンティブをきちんと確保するという基本姿勢を忘れないようにすべき。
・処方する医師や管理している薬剤師が先発薬との違いなどをしっかり把握しているのであればいいと思う。

【不安・反対】
・新薬と同じ成分と言っても、治験をほとんどしないので提供は不安。新薬の会社が人件費等もっと減らせば薬価を下げられるのではないかと思ってしまう。
・どこまで安全かが正直分からない。先生によって、ジェネリックだと成分が微妙に違うから、ジェネリックじゃない方がいいという話も聞くので、いいイメージはない。
・ジェネリック医薬品は先発薬よりも効かないという噂を聞いたことがあります。実際のところはどうなのか確認のしようが無いので少し高くてもと思ってしまう。

【その他】
・医師や薬剤師に対しての意見ですが、ジェネリック医薬品に対しての説明が少し雑な印象を受けるので、ちゃんと説明してほしい。「ほとんど同じで安い薬です」ではなく、こういう効果は問題なくあり、副作用の作用は〇〇です。ジェネリック医薬品のこの薬は少し苦いですとか、消化する時間が少し長いです、などの一言を添えて上げるだけで変わると思う。
・同等の有効性があっても、添加物の違いやその分量の違いなどで効果の出方や副作用の出方が違う。できればそうした細やかな情報を得て選択できるようにしてほしい。
・効用が同じ薬品だとは分かるが、そこに存在するリスクの説明が不十分と感じる。
・先発薬とジェネリックは、生物学的同等性試験だけでは正確に は「同等」とは呼べないはずなのに、呼んでいる。正確な情報提供が必要な薬剤なのに、行き届いていない。
・薬の相互作用はさほど気にしないのに、ジェネリックへの変更は頑なに拒否する医者が多いと思います。
・ジェネリックに変えても無駄な薬を配り続け、使い続けるこの国の形は変わらないし、結局は薬屋や、それを率先して行う医師がいるという構造も変わらない。医療費が数字の上で少し変化したとしても病気の改善率は変化しない。
・信頼できるジェネリック医薬品が普及していけばよいと思う。会社が多すぎる。
・今のジェネリックへの切り替えの仕方(薬局等での案内)をもう少しぎこちなさをなくせばもっと普及が早いと思う。
・以前かかった個人病院で、「ジェネリックはどうしても純度が低くなってしまう」と言われ、医者にも偏った解釈があることに驚いた。もっと科学(化学)に対するリテラシーが必要だと思う。
・医薬品の仕事をしている者ですが、問題ないと思っている。日本以外の国はジェネリックが主流。よくわかっていない人ほどジェネリクを嫌がる傾向があると思う。これも日本の問題点。個人的には、皆保険では、基本ジェネリックしか使えないようにし、新薬を使いたい人は差額を払うシステムが良い。また保険償還はいったん全額払ってから後で振り込まれるフランス方式にし、薬の使いすぎを抑制すべき。

■■医師(m3.com会員)
【賛成】

・基本的には使用する。
・品質に替わりはない。
・推進してよいと思う。
・もっともっといろんな種類のジェネリックが出てきてほしい。
・欧米並みにジェネリックのシェアを上げる政策を作るべきである。
・先発品と後発品で薬物動態の差の影響で疾患管理が大きく変わる薬(例えば抗癲癇薬)以外であれば安価な後発品を使いたい、処方したい。
・財政状況が危機的なので使用しています。
・日本製なら良いと思います。
・副作用などの問題がない限り、ジェネリックに変更していく必要がある。
・副作用に注意しながら、投与しています。
・効果が変わらなく大手で安全性と供給もしっかりしていれば使わない理由がない。

【不安・反対】
・先発品なら副作用がなかった人が後発品に変えた途端、調子が悪くなる人がいるので全面的に信用はできない。
・先発品と比較して効果のバラツキがまだあるように感じられる。
・有効成分が同じであるというだけで、何の試験もなく使用できるのはおかしいと思う。
・質の悪いジェネリックの駆逐が必要。
・やはり効き具合にばらつきがあるという印象。他の医師からも聞く。せめてクオリティコントロールの管理ができている国産のものを希望。
・ジェネリックが先発品と全く変わらないなんてデマを流して医療費を安く上げようとする根性が気に入らない。
・有効成分が同じでも、基材・添加物まで同じとは限らないので、「同じくすり」とは言えない。副作用情報を収集・提供しない会社のものは使いたいとは思わない。
・後発品メーカーからの情報提供は皆無であり副作用等が生じた際の窓口が不明。
・ジェネリック医薬品の安全性が保証できないので、積極的に使い難い。
・本当に効果が同等か不信感がある。
・ものによっては、ジェネリックで明らかに効果の低下があることが問題だと思う。

【その他】
・逆にジェネリックだけが儲かっている。
・名前がもう少し分かりやすくなってほしい(既存の名前に近いか、例えばタケプロン1、2などすぐに何の薬の後発医薬品が分かりやすくしてほしいです)。
・メーカーを選べるようにした方がよい。メーカーによっては,企業モラルの問題があると考えられる。
・安定供給を切に願います。
・もっと品質を抜き打ちで調査するなど厳しくすべきだ。
・一般名処方をしているが、調剤薬局で薬価差益が大きい高額なジェネリック変えられてしまう。
・品質を保証する制度がなんらかの形で必要と思います。
・現状では医師はジェネリックメーカーを選択できないことは大きな問題だと思う。
・効果と安全性が先発品ほどはっきりと分かっていない。フェーズ4を必須化してほしい。
・専門領域以外の薬の名前が覚えられないので不便。
・ジェネリックという呼び名より「ゾロ」の方が、雰囲気があって良い。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368400
2016年度からかかりつけ医研修、日医
実地研修では地域活動を評価

2015年10月22日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の鈴木那彦常任理事は10月21日の定例記者会見で、2016年4月より「日医かかりつけ医機能研修」を実施することを発表した。

 地域包括診療料や同加算の算定要件に含まれている研修との関係について、鈴木理事は「算定要件は厚生労働省が決めて、それに合わせて日医が行っている。新たな研修は日医が考えるあるべきかかりつけ医機能を充実強化するためのもの」と説明した。

 かかりつけ医研修修了証書の取得には、基本、応用、実地の3つの研修が必要となり、基本研修は日医生涯教育認定証の取得で充当。応用研修(座学)10単位、実地研修10単位の計20単位を3年間で取得することが求められる。

 応用研修のシラバスには(1)かかりつけ医の倫理、質・医療安全、感染対策、(2)健康増進・予防医学、生活習慣病、認知症、(3)フレイル予防、高齢者総合機能評価、老年症候群、(4)かかりつけ医の栄養管理、リハビリテーション、摂食嚥下障害、(5)かかりつけ医の在宅医療・緩和医療、(6)症例検討――の6項目が挙がっている。

 実地研修は、学校医や警察活動への協力医、市民対象の講演、退院カンファレンスへの参加、地域行事(祭りなど)への医師としての参加――など、地域での活動を1活動に付き5単位として認定するというもの。

 修了者には修了証書(認定書)が公布され、有効期限は3年間。事務手数料は医師会員は無料、非会員は都道府県医師会が定めるとしている。



http://www.m3.com/news/general/368497
鳥大医の移転「ない」 大学側が会見、陳謝
2015年10月22日 (木)配信 日本海新聞

鳥取大と医学部付属病院は21日、米子市で記者会見を開き、医学部などに近接する湊山球場(同市久米町)の敷地が大学の用地として使えない場合に移転する可能性を示唆した問題について、一転して「現実的に移転は不可能」との見解を示した。

 北野博也副学長は「市民や患者と家族の皆さまにご心配を掛け、おわびします」と陳謝した。



http://apital.asahi.com/article/news/2015102200016.html
鳥取大医学部・付属病院、鳥取に移転「否定」 大学側謝罪「学部長の私的な考え」
(朝日新聞 2015年10月22日掲載)

 鳥取大は21日、米子キャンパス(米子市)で記者会見を開いた。医学部と医学部付属病院が鳥取キャンパスに移転する可能性があると一部で報道されたことについて、「大学の公式な見解ではなく、現実的にはありえない」と否定し、患者らから懸念の声が出ていることに対して謝罪した。

 会見には北野博也副学長、小川敏英・医学部長、清水英治・医学部付属病院長らが出席し、今回の経緯について説明した。

 それによると、医学部と付属病院は9月、「湊山球場敷地使用について」と題する要望書を米子市に提出。市が整備を計画している湊山球場(付属病院南側)について、学生用グラウンドや外来駐車場、将来の建て替え用地として提供することを求めた。

 この要望に関し、小川学部長が今月発行の米子商工会議所会報に「(医学部と付属病院の)建て替えを機に他地域に移転する可能性も排除しない」と寄稿。小川学部長に取材した地元紙が「移転も視野に検討」「移転となれば鳥取キャンパスが『現実的』」との記事を掲載した。

 北野副学長は「小川学部長の私的な考えであり、大学として次期再開発の考えは詰めていない。医療圏の問題があり、米子地区での移転はあっても鳥取はない」と否定。小川学部長は「可能性として挙げたが、現実的に不可能であることを十分説明しなかった」と釈明した。鳥大は小川学部長の処分を検討する。

 湊山球場については、市は数年後に更地にし、桜などを植えて景観地にする計画を進めており、野坂康夫市長は20日の定例会見で「具体的な対応を庁内で検討している」と述べた。一方、市民団体は、大学側と連携してまちづくりに生かすことなどを求めている。

(古源盛一、杉山匡史)



http://www.m3.com/news/general/368405
生活保護の人、医療費割高…「自己負担なし」で過剰な診療?
2015年10月22日 (木)配信 読売新聞

 生活保護受給者の医療費は、国民健康保険に加入する同じ病気の患者より高くなる傾向があり、高血圧を持つ患者では1・5倍に上ったとの調査結果を、大阪大の研究班がまとめた。

 国の生活保護費は3兆6000億円を超え、その半分を医療費が占める。生活保護受給者の医療費は自己負担がないため、医療機関が過剰な診療を行っている可能性が指摘されていた。医療の適正使用の議論に一石を投じそうだ。

高血圧1.5倍、心臓病1.3倍…

 22日から大阪府内で開かれる日本心不全学会で発表される。調査は、2011年から15年5月分までの大阪府内のある市の国民健康保険(国保)に加入している約3万5000人と、生活保護(生保)受給者約5000人の診療報酬請求データを集計、分析したもの。

 生保患者が使った医療費は1人当たり平均月約8万1000円で、国保患者は同約7万1000円。年代別では35~59歳の現役世代で、生保患者が1・7倍と高く、65歳以上になると差がなかった。

 診療報酬請求上の病名別でも、分析した29疾患中「歯・口腔こうくう」と「周産期」を除く27疾患で生保患者の方が医療費が高かった。

 高血圧では、生保患者の医療費は1人当たり月約7万9000円で、国保の同約5万3000円の1・5倍。心筋梗塞などの心臓病では生保が約10万円で国保の1・3倍。両疾患では入院、検査費、訪問診療などの在宅費で、生保患者の医療費が高かった。

 一方、腎臓病全体では生保患者の医療費の方が高かったが、生活保護を受給していなくても公的助成が受けられる人工透析などでは、生保と国保患者の医療費に違いはなかった。こうしたことから研究班では、患者の自己負担の有無が医療費の額に影響する可能性が高いとみている。生活保護を巡っては、患者に不必要な過剰な医療が全国的に問題視されてきた経緯もある。

 調査をまとめた大阪大の田倉智之教授(医療経済)は「重症度の差のみならず、患者の費用負担を気にせずに済むため安易な医療提供が行われやすいことの影響がありうる。提供された医療の内容を詳しく吟味する調査が求められる」と語る。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368443
シリーズ: 社会保障審議会
2016年度改定、重点課題は機能分化と地域包括ケア
医療保険部会、厚労省が基本方針を提示

2015年10月22日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 厚生労働省は10月21日、社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学法学部教授)で2016年度診療報酬改定の基本方針案を示し、重点課題として、「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」を挙げた(資料は、厚労省のホームページ)。12月までに同部会と社保審医療部会で基本方針を策定し、年明けから中央社会保険医療協議会が具体的な診療報酬点数の設定を審議する予定。

 厚労省は21日の部会で、次期改定における3つの基本認識と4つの基本的視点を提示した。「超高齢社会における医療政策と方向性」「地域包括ケアシステムと効率的で質の高い医療提供体制の構築」「経済・財政との調和」の3つを基本認識とした上で、先に挙げた重点課題の視点のほか、「患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点」「重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点」「効率的・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」を4つの基本的視点として掲げた。

 具体的方向性には、医療機能に応じた入院医療、チーム医療の推進、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師(薬局)、がんや難病、後発医薬品の使用促進――などを評価する一方で、後発医薬品の価格適正化や門前薬局の評価の見直しなどが例として挙げられた。

 政府は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2015」などで社会保障費の伸びを「高齢化等に伴う増加額を加算した範囲内」に抑える方向性をしており(『来年度予算「医療費増は高齢化範囲内」、内閣府』を参照)、改定の基本方針でも質の高い医療と社会保障費抑制の両立を目指した困難な調整が求められそうだ。

医師と薬剤師の連携がカギ

 医薬品の適正使用の推進では、残薬や多剤・重複投薬を減らすために医師・薬剤師の協力による取り組みの推進が掲げられた。これに関して賛成意見が複数の委員からあった一方で、日本医師会副会長の松原謙二氏は「調剤医療費がひっかかる」とコメント。大手ドラッグストアで薬歴未記載が相次いだとの報道に触れ、調剤医療費を一から検証すべきだと述べた。

 これに対し、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、「薬歴の不記載はとんでもないことだが、一部の薬局の問題ではなく、特定の薬局の問題として、で対応が必要だ」と応じた上で、「残薬や重複投薬を薬剤師の疑義紹介で減らせるなど、医薬分業の効果もある。評価すべきは評価すべきだ」と述べ、医薬品の適正使用における薬剤師の役割の重要性を強調した。

「主治医」?「かかりつけ医」?

 重点課題で掲げられた医療の機能分化と地域包括ケアシステムの推進では、「診療所の主治医機能(かかりつけ医機能)の確保」が厚労省の案で提示された。これに対し、松原氏は、1人の医師ではなく複数の医師でも対応できるように、主治医機能ではなく「かかりつけ医」という言葉を使うべきだと指摘した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「主治医や総合診療医とかかりつけ医の概念が違うのでは」と述べ、厚労省の具体的方向性(案)にあった「かかりつけ歯科医の評価」についても「『かかりつけ歯科医』という概念は全く分からない」と主張。「(かかりつけ医などの)機能を高めることに異論はないが、評価というと点数を付けるかのように読める。表現の仕方を考慮すべき」と話し、部会で言葉と概念の整理をするよう求めた。

「保健医療2035」を入れるか

 複数の委員から指摘が挙がったのは、塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会が策定した提言書「保健医療2035」の取り扱い。厚労省の基本方針案では、基本認識の一部で「保健医療の価値を高めるためのリーン・ヘルスケア」の達成等の目標を掲げた『保健医療2035』に基づき、費用対効果等『患者にとっての価値』を考慮した報酬体系を目指していくこと」と記載されていた。

 これに対し、連合全事務局長の高橋睦子氏の代理で出席した新谷信幸氏は「提言はエッジが効いたものもあり、中医協でも議論していない。『基づき』というのはいかがなものか」と指摘。白川氏も「基づきというのは行き過ぎ」と同意し、「リーン・ヘルスケア」という言葉についても一般的に使われていないとして「適切な用語」にするよう求めた。

 一方、東海大学教養学部人間環境学科教授で、提言書を策定した懇談会のメンバーでもある堀真奈美氏は、2035年を見据えた中長期的な提言書は画期的で、基本方針に「文言を入れることに意味がある」と主張。「基づき」という言葉ではなく「方向性を参考にして」と表現を変えた上で残すべきだとした。

 21日の部会ではこのほか、「骨太の方針2015」の改革工程の具体化に関しても議論。医療費適正化に向けた取り組みや医療に要する費用負担の在り方について意見が交わされた。



http://jp.wsj.com/articles/SB12707975987092023884404581308663768680424
抗生物質と小児の体重増加に関連性=米調査
By GAUTAM NALIK
2015 年 10 月 22 日 17:08 JST Wall Street Journal Japan

 抗生物質を服用した小児は、服用しなかった小児より体重増加のペースが速いことが、新たな調査で明らかになった。体重は累積的に増加する可能性があるという。

 調査は、米ペンシルベニア州で約16万4000人の小児を対象に実施。幼少時に7回以上抗生物質を処方された子供は、抗生物質を飲まなかった子供と比べ、健康な15歳時点で体重が約3ポンド(約1.36キログラム)多かったと結論づけた。

 調査を率いた米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のブライアン・シュワルツ氏は「抗生物質はどの年齢でも体重増加に寄与する」と述べた。この調査結果は21日、医学誌「国際肥満ジャーナル」に掲載された。

 抗生物質と体重増加の関連性を示す証拠は増えつつある。畜産農家は家畜の成長を促すため、治療量以下の抗生物質を日常的に飼料に混ぜている。

 また複数の調査では、1~2歳の子供が抗生物質を服用すると体重増加につながることが示されている。体重増加の理由は、抗生物質が内臓内の一部の細菌を殺す一方、食物を分解する細菌を残すためとされる。これにより吸収される栄養分のカロリー増加につながるとみられる。

 抗生物質は最も一般的に処方される医薬品の1つだが、耐性菌の問題が大きくなっているのを受け、使用を制限する取り組みが進められている。公表されているある推計によると、2000~10年に米国内の抗生物質処方量は小児で18%減少し、成人については変わらず、高齢者では30%増加した。

 今回の新たなな調査は、抗生物質と体重増加の関係について、幼児期だけでなく小児期全体を対象にした最初の調査の1つ。

 シュワルツ氏らのチームは、2001~12年にペンシルベニア州の医療研究機関「ガイシンガー・ヘルス・システム」に登録された3~18歳の医療記録を精査した。データには肥満度指数(BMI)や抗生物質の使用、人種や性別、その他の各種情報があった。

 研究者らは、抗生物質を服用しなかった小児の典型的なBMIの軌跡と、服用した小児のBMIの軌跡を比較した。抗生物質を投与された群は少し体重が増えたが、翌年にその分は減った。ただ追加投与ごとに、体重の増加は累積的となり、抗生物質を投与しなかった群との差は拡大していった。

 シュワルツ氏は「これは(抗生物質の)影響が18歳で止まらないことを示唆している」と述べた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201510/CK2015102202000199.html?ref=rank
【群馬】
群大病院インフォームドコンセント 「説明同意書」に480例

2015年10月22日 東京新聞 群馬

 前橋市の群馬大学病院が、同じ男性医師(三月に退職)による腹腔(ふくくう)鏡などの手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)の指針を大幅に改定したことが病院への取材で分かった。リスクのある手術や検査前に患者側の承認が必要な「説明同意書」は主な症例や手術方式ごとに四百八十例を用意。内容を分かりやすくし、説明漏れがないよう体系化するなど充実させ、患者側の理解を深める。 (川田篤志)

 同病院は二〇〇三年、インフォームドコンセントの指針を初めて作成した。今回は〇八年に続き、七年ぶり二度目の改定。患者八人が亡くなった腹腔鏡手術死の問題を院内で把握した後の昨年十月以降、医師や看護師らでつくるワーキンググループ(WG)で内容を詰め、今年九月に改定し運用を始めた。

 インフォームドコンセントを充実させるために重視したのが、説明同意書づくりの刷新だ。

 病院が三月に公表した腹腔鏡手術死の調査報告書によると、患者側に示した当時の説明同意書には、詳しく説明するべき手術内容が簡単な記述のみで、予想される合併症も箇条書き程度だった。男性医師は「口頭で説明した」と主張するが、遺族側は手術のデメリットや治療の選択肢の詳しい説明がなかったと証言し、意見が食い違っていた。

 病院側は問題が起きた背景に、説明同意書の記述をそれぞれの執刀・検査医に任せていたことがあると分析。旧指針でも患者に承認を得るため「診療行為の具体的な内容」「治療行為に伴う危険性の頻度」「代替的治療法の内容および利害損失」など九項目で説明が必要と明記していたが、やり方は医師任せのため一部では多忙により記述を簡略化し、口頭で済ませる事例が起きた可能性があるという。

 WGでは、同意書で網羅するべき記述内容のひな型を示し、全二十六診療科を中心に、さまざまな病気や手術方式ごとに基本となる文書フォーマットの作成を呼び掛けた。現時点で四百八十例が提出、承認された。今後も随時増やしていく方針。

 内容は多いもので十数ページに及び、肝臓などイラストも充実させ、切除する部位の説明などで活用できる。執刀医らは基本的に、手術・検査を受ける患者に対応したフォーマットを示しながら説明し、合意書の承認を得ていく。

 インフォームドコンセントの新指針ではほかに、「死亡時対応 病理解剖と死後CTの説明同意」の項目を新設。説明を補助する役割を果たす「看護師の同席」の項目を章立てにした。発生確率が0・1%以上のリスクは必ず説明するよう求めるなど対応方針をより細かく明記した。今後、研修を行うなど医師や看護師らの意思統一を図っていく。

 病院の医療の質・安全管理部長を務める永井弥生診療教授は「患者側が求めている説明をより明確にした。医療者と患者の意識が共有できる形を作ることが大切。信頼関係を築き、患者側と行き違いがないように努めたい」と話した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47050.html?src=catelink
県立13病院、3億円超の未収金早期収納を- 新潟県が監査結果公表
2015年10月22日 09時00分 キャリアブレイン

 新潟県は、病院局などの企業会計監査結果の概況を公表した。監査結果では、県立13病院の3億円超の未収金について、早期の収納を促している。【新井哉】


 監査結果によると、県立の15病院のうち、13病院の過年度未収金の1万4533件、約3億3000万円を「指摘事項」として提示。金額が最も大きかった新発田病院(3211件、約8400万円)については、「件数、金額とも増加している」と指摘した上で、具体的な回収手法の見直しを行い、早期収納や発生予防を強化するよう求めている。

 また、吉田病院のボイラーなどの定期点検整備の業務委託についても、「委託内容が変更されたにもかかわらず、変更契約書が作成されていなかった」とし、財務規程に基づく適正な事務処理を促している。



http://apital.asahi.com/article/story/2015102200002.html
世界ランキング東大後退 なぜ
ニュースQ3

2015年10月22日 朝日新聞

 英国の教育誌が発表する世界大学ランキングで、国内筆頭の東京大が順位を落とし、去年のアジア首位から3位になった。ほかの国内組で200位以内は、京都大のみ。政府が「ランキング100位以内に10校」という目標を掲げたのに、どうして?
1021.jpg

 ■200位内の国内勢、東大と京大だけ

 教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)がランキングを公表した翌日の今月2日。当時の下村博文文科相は記者会見で「わが国の大学は国際面の評価が低い。それだけ魅力が無い」と厳しく指摘した。世界88位の京大の担当者は「努力したい」などと話し、43位の東大広報室は「コメントは控えたい」と言葉少なだった。

 国は、13年の「日本再興戦略」で大学ランキング上位校の増加を政策目標とし、「グローバル人材」の育成を進めようとしている。目玉事業が、留学生増加や海外連携を進める東大など37校に予算を充てる「スーパーグローバル大学」。ほかに、学長権限を強める法改正や教育内容の明確化を迫る制度変更などで「達成を目指している」と文部科学省は説明する。

 ■英語の論文重視、「日本には不利」

 それなのに、なぜ日本の大学のランキングは落ちたのか。朝日新聞の取材に、THE誌は「今年の指標で日本に不利な要素があった」と明かす。ランキングは論文引用数や外国人教員比率など13指標で評価されるが、文科省は「従来より英語論文が重視される方法に変わった」とみる。日本は日本語の論文が多いとされ、「国内大学の質が劇的に落ちたわけではない」と文科省の担当者は言う。

 ただ、大学生の学力に詳しい西村和雄・神戸大特命教授は「論文引用数の多い実績ある教授が定年で次々退職する一方、優秀な海外教員は報酬が低くて呼べない。順位低下は当然」と手厳しい。04年の国立大法人化後、交付金は削減され、スーパーグローバル大学の予算も1校あたり最大年約4億円。年間事業費2千億円超の東大にとっては微々たる額だ。

 ■予算確保に課題、「更なる投資を」

 THE誌も日本の大学予算に触れ、「ライバルと競うために、さらなる投資をするべきだ」と指摘した。ある国立大の学長は「職員減で教員は事務に追われ、論文を書く暇も無い。国はアクセルとブレーキを同時に踏んでいる」と嘆く。



http://mainichi.jp/shimen/news/20151023ddm005010038000c.html
診療報酬:マイナス改定焦点 議論スタート 薬分野見直し課題
毎日新聞 2015年10月23日 東京朝刊

 2016年度診療報酬改定に関し、厚生労働省は21、22の両日、社会保障審議会の関係部会に改定の基本方針のたたき台を示し、議論が本格的にスタートした。社会保障費の伸び抑制が求められる中、マイナス改定となるかどうかが焦点だ。個別の課題では、薬の分野の見直しが重点課題に上るとともに、重症者向け病床の数を減らすことも議論になる。【堀井恵里子】

 ◇抑制のターゲット

 前回(14年度)は0・1%増だが、消費増税に伴う医療機関のコスト増を除いた実質ではマイナスだった。今回、社会保障費は概算要求から1700億円削減が見込まれる厳しい環境にある。来年度は大きな制度改正がないため、「診療報酬がターゲット」との見方が多い。

 医療費の国庫負担だけで1700億円削ると1%台半ばのマイナス。だが、日本医師会(日医)は来春に会長選を控えており、減額は避けたい考えだ。来夏の参院選で日医の支援を得たい自民党も増額圧力を強めそうだ。
 ◇問われる薬局機能

 具体的な見直しの重点になりそうなのが、調剤報酬など薬の分野だ。厚労省は、特定の医療機関の処方箋を集中的に受け付ける「門前薬局」について、服薬指導など「かかりつけ薬局」の機能を果たしていない場合は報酬を減額する方針。

 また、厚労省の調査(13年度)で患者の約55%が「医薬品が余ったことがある」としていることを踏まえ、複数の医療機関から何種類もの薬をもらっているケースなどの改善策も議論する。
 ◇重症者病床で攻防

 重症の患者を受け入れるため「患者7人に看護師1人」と手厚い配置で報酬額も最高の「7対1病床」(約36万床)の扱いも議論になる。導入当初の厚労省の想定を大きく上回る数に上り、医療費増加の一因との見方もあるためだ。前回改定で要件を厳しくしたことで約1・6万床減ったが、さらなる絞り込みが議論されている。中央社会保険医療協議会(中医協)では、健康保険組合連合会など医療費を負担する側が絞り込みを主張しているのに対し、日本医師会など診療側からは「あまりに減らすような議論をすべきではない」とけん制している。

==============

 ■ことば
 ◇診療報酬

 公的医療保険を使って病院などにかかった場合の医療の価格。手術や検査、薬などに点数が付けられ、1点=10円で医療費を計算する。患者は窓口で原則3割を負担し、残り7割は健康保険組合などが医療機関などに支払う。ほぼ2年ごとに改定し、全体の改定率は予算編成に合わせて決まる。


  1. 2015/10/23(金) 05:41:34|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月21日 

http://www.m3.com/news/general/367532?portalId=mailmag&mmp=RA151020&mc.l=127747994
「米子市と鳥大 膝交えて」 医学部用地問題で鳥取県知事
2015年10月19日 (月)配信 日本海新聞

 鳥取県の平井伸治知事は16日の定例会見で、鳥取大医学部(米子市)などの用地問題について「米子市と鳥大で膝を交えて協議すべきだ」との考えを示した。県が配備を予定するドクターヘリの拠点には同付属病院が想定されており、県は両者の協議を冷静に見守る姿勢だ。

 鳥大医学部と同付属病院は学生数や患者の増加で施設が手狭になっており、市営湊山球場(米子市久米町)などを大学用地として使用できない場合、鳥大側は鳥取キャンパス(鳥取市)への移転も示唆している。

 平井知事は「実践的な臨床医療を高度に展開している拠点。施設の増設を繰り返してきたが限界がきている」と現状を指摘した上で、「緊急に病院が(鳥取市へ)移転することを想定できる状況でもない」との見方を示した。

 鳥大側の発言については「用地拡張について市と大学で協議しており、今回の発言もその一環と思う。県として口を挟む必要はなく、何らかの結論が出ることを期待している」と述べた。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368124
シリーズ: 医師不足への処方せん
医学部定員、2016年度は9262人に、128人増
過去最高、新設1大学、国立2大学、私立7大学で増員

2015年10月21日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 文部科学相は10月19日、大学設置・学校法人審議会に対し、2016年度の医学部入学定員を、2015年度の9134人よりも128人多い9262人とすることを諮問した。同審議会は今月下旬に答申、決定する見通し。

 内訳は、増員が計28人で、国立大学2大学(10人)、私立大学7大学(18人)。そのほか、2016年4月には東北薬科大学(4月から東北医科薬科大学)が定員100人の医学部を新設する(『「東北医科薬科大学」、来春誕生』を参照)。

 国立大学の2校は、筑波大学(2015年度132人→2016年度140人)、長崎大学(同121人→123人)。私立大学の7校は、埼玉医科大学(同126人→127人)、順天堂大学(同127人→130人)、帝京大学(同118人→120人)、日本医科大学(同114人→116人)、東海大学(同115人→118人)、愛知医科大学(同113人→115人)、藤田保健衛生大学(同115人→120人)。今回の定員増はいずれも2024年度まで。

 既存医学部の定員増は、(1)地域の医師確保のための入学定員増、(2)研究医養成のための入学定員増、(3)歯学部入学定員の削減を行う大学の特例――の場合に認められる。

 医学部定員は、2007年度は7625人だったが、2008年度から増加に転じた。今回の諮問通りに答申されれば、2007年度から2016年度までの間で、1637人増加することになる。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H0M_R21C15A0000000/
9大学の医学部、入学定員を計28人増 16年度
2015/10/21 12:44 日本経済新聞

 文部科学省は21日までに、国立大2校と私立大7校が2016年度に医学部入学定員を計28人増やす計画を公表した。これとは別に、東日本大震災からの復興支援策として、東北薬科大(仙台市、16年度から東北医科薬科大)で定員100人の医学部新設が認められており、来年度の総定員は9262人になる見込み。

 文科省は地域の医師不足解消のため、19年度まで医学部の一定の定員増を認める方針。私立大7校が申請した計18人分は、馳浩文科相が19日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。国立大2校の計10人分についても意見を求める。

 定員増は(1)都道府県が地域での勤務を義務付け、代わりに奨学金を出す「地域枠」の設置(2)複数の大学が連携して研究医の養成拠点形成を目指す――場合などに認められている。〔共同〕



http://www.m3.com/news/iryoishin/367805
シリーズ: 始動する“医療事故調”
「誤薬」「急性心筋梗塞の見逃し」も報告対象
日医講習会、日本医療安全機構の木村氏が講演

2015年10月20日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 10月18日に開催された日本医師会医療安全推進者養成講座の講習会で、日本医療安全機構常務理事の木村壮介氏が講演、「誤薬等の単純事例であっても、調査項目を省略せずに丁寧な調査を行うことが重要」と説明したほか、急性心筋梗塞を見逃して適切な対応をしなかった場合も「医療に起因したと判断される例」となり、報告対象となり得るなど、事例を挙げて医療事故調査・支援センターへの報告の考え方を紹介した。

 誤薬について、木村氏は「なぜダブルチェックをしなかったのか。教育体制はどうなっていたのかなども含めて、根本的な原因を明らかにすることが必要」と指摘。ただし、日本医療法人協会の「医療事故調運用ガイドライン」では、「誤薬等」は頻発する類型のエラーであり、「予期できる」として報告対象外としており、解釈が異なる。

 急性心筋梗塞について、木村氏が紹介したのは、下記の見逃し事例。医療事故調査・支援センターへの報告は、医療法施行規則では、「提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産であって、当該管理者が死亡または死産を予期しなかったもの」と規定されている。「提供した医療」には、実施した医療行為だけでなく、適切な医療行為をしなかった場合も含まれるというのが、木村氏の説明だ。

 日本医療完全調査機構は、この10月からスタートした医療事故調査制度の第三者機関である、医療事故調査・支援センターに指定され、医療機関から医療事故の報告を受け付けるほか、事故事例の分析・再発防止策の検討、医療機関もしくは遺族から依頼があった場合の事故調査などの役割を担う。スタートから3週間弱で、「予期していたかどうかの判断や報告対象になり得るかなど、相談事例は徐々に増えているが、実際に報告された事例はまだない」(木村氏)という。センターへの報告は、制度の“入り口”だけに、どんな事例が実際に報告されるか、その妥当性の検証が当面の課題だ。

 事例:診察、徴候、症状に関連するもの
  左肩から左上肢にかけて放散する激痛の訴えあり、
 救急指定病院に搬送。X線検査を行ったが診断がつか
 ず、緊急入院し、鎮静剤投与で経過観察。
  深夜の巡回時に、心肺停止状態で発見。蘇生処置に
 反応なく死亡。病理解剖の結果、急性心筋梗塞が判明。

 解釈:左肩から左上肢にかけて放散する激痛は、急性
 心筋梗塞に比較的典型的な症状。診察時のこの症状は、
 心筋梗塞の症状であった可能性があり、提供した医療
 に起因すると考えられる。


 木村氏の講演は、「医療事故」の定義、判断から、事故調査の具体的対応まで多岐にわたった。過去にもさまざまなセミナー等で講演しているが、フロアから質疑応答があった点をはじめ、18日の講演の主なポイントは以下の通り。なお、医療事故調査・支援センターへの報告の方法等は、日本医療安全調査機構のホームページを参照。

◆「医療事故」の定義:「予期」の解釈は?
 「医療事故」の定義のうち、(1)説明していたと認めたもの、(2)文書等に記録していたと認めたもの、(3)事情聴取等の結果、予期していたと認めたもの――のいずれにも該当しないものが、「予期しなかったもの」に該当。

 木村氏は、(1)と(2)に該当しない例、および(3)の該当例として、下表を挙げた。「個人の状況を踏まえた説明が必要。また出血が予期されているなら、輸血の準備をしておくなど、それに対する対応策を考えておくべき」(木村氏)。

 医療事故の定義の「予期」について
(1)予期していたと認められない説明の例
  「高齢のために何が起こるか分かりません」
  「全ての手術に死亡の可能性がある」
 (2)予期していたと認められない記録の例
  患者個人の臨床経過を踏まえていない一般的な記録
 (3)「事情聴取等の結果、予期していた」の該当例
  ・ 1人で救急搬送され、緊急対応のため、記録や家族
   の到着を待って説明を行う時間の余裕がない状況で
   処置を行い、かつ比較的短時間で死亡した場合。
  ・ 過去に同一の患者に対して、同じ検査や処置などを
   繰り返し行っているため、実施する前の説明や記録
   を省略した場合。


◆「医療事故」についての相談:「推定死亡原因」は必要か?
 あらかじめ「医療機関名、病床数、連絡先、該当診療科名、患者年齢、性別、死亡日時、臨床診断と治療経過・既往症、事故発生(医療行為)前後の状況、死亡までの経過、死亡の予期に関する説明・記録等の状況、推定死亡原因、相談内容」についてまとめておくとよい。

 フロアから、「推定死亡原因は、院内調査の中で明らかにしていくのであり、この時点で推定で書かなければいけないのかが疑問」と質問が出た。

 木村氏は、「臨床家である以上、亡くなった時点での推定死亡原因は持っていると思う。最終的な調査の結果、違ってくる場合もあることは大前提であり、不明な場合もあるかもしれない。これらも含めて、その時点でどのように考えているかを、自身でまとめて相談した方がいいということ。強要しているわけではない」と回答。

◆事故報告:「非識別性」はどう行うか?
 フロアから、センターのホームページに「医療事故報告票(記載例)」が掲載されていることから、「正直驚いた。改正医療法では、該当する医療者の個人情報が分からないように、非識別化することが求められているが、記載例は、『誰が』など、個人情報が分かるような情報が羅列されている。このように報告すべきと考えているのか」と質問。

 木村氏は、個人情報の秘匿性の担保は重要とした上で、「医師A 、看護師Bとしたとしても、実際に誰が担当していたかは、遺族はよく承知している。それも分からないように、『医療従事者が』といった形になると、報告書の内容そのものが表現できなくなってしまう。遺族と病院の間で周知の事実であれば、『名前が出ないように』という対応でいいのでは、と聞いている」と回答。

 それでもなお、フロアから、「例えば、夜勤で勤務していた看護師などは、誰が勤務していたかが、分かってしまう。医療従事者の個人情報をさらけ出すのは問題なのではないか」と追加質問。

 木村氏は、「個人に責任が及ぶような書き方は、しない方がいいと思う。チームで何人かがいた場合に、当然、名前を出さないが、『看護師Aが、看護師Bが』といった形は恐らく出るだろう。それ以上のことを伝えるわけではなく、遺族側が(担当者等を)知っている場合には、『それは知られていること』と厚労省も言っている。事実を正確に分析して伝えなければいけないという事情も同時にあり、難しい点もあるが、十分に注意して書いてもらいたい」と答えた。

◆院内調査:「支援団体」による支援は「Mustに等しい」?
 医療法上は、院内調査に当たっては、「支援団体に対し、必要な支援を求めるものとする」と記載されているが、木村氏は、「Mustに等しい」と説明し、「絶対条件ではない」と断りつつ、大学病院など自院で調査できる場合であっても、中立・公正・専門性を保つ観点から外部参加型の院内事故調査委員会の設置を求めた。

 院内事故調査に対する支援は、(1)「事故の判断」の相談、(2)解剖・Aiの施行支援、(3)調査委員会の設置・運営、(4)事故の情報の収集・整理、(5)専門家の派遣、(6)報告書記載・まとめ――に分かれるが、特に(5)と(6)において、学会などの領域別の専門家による支援が、中立・公正・専門性を保つためには重要だとした。

◆センター調査:「3カ月以内に終了」なら院内調査待つ?
 センター調査の対象は、医療機関がセンターに報告する事例だが、依頼時期は、(1)院内調査終了後、(2)院内調査終了前(3カ月くらいの早期に、終了が見込まれる場合)、(3)院内調査終了前(3カ月くらいの早期に、終了が見込まれない場合)――の3パターンが想定されるとし、(2)の場合は、終了を待ってセンター調査を実施するが、(3)の場合は、院内調査とセンター調査が並行するとした。

 フロアからは、「3カ月くらいの早期に」の根拠について質問が出た。木村氏は、法的な根拠はないとし、「私が言ったのではなく、厚生労働省が公的な場で説明している」と回答。

◆報告書:「医学的評価」は必要なのか?
 木村氏は、報告書においては、「医学的な評価」を行うが、それは診療行為の時点でその行為が適切であったか否かであり、事故的評価として「こうすべきだった」などと評価するのではない、と説明した。

 フロアから、「医療機関は、評価をしなければいけないということか。医療事故調査・支援センターも、個別の医療行為について評価を行うのか」と質問。

 木村氏は、「評価という言葉は、法律の文章としては使われていない。責任とも関係してくるということで、評価という言葉が使われなかったのだと思う。ここで言う評価とは、分析をして、原因を究明する議論の際に、必要なのではないかという意味。白黒とか、良し悪し、という意味での評価ではない」と答えた。

 さらにフロアからの「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業でやっていた個別行為の評価や、産科医療補償制度で行っているような評価はやらないという理解でいいのか」との追加質問に、「原因がどこにあったのか、それはどのようなことなのかを究明することに、ポイントがあるということ。モデル事業も責任追及ではなく、原因究明と再発防止が主眼だった。『ここが悪かった』などと言うべき、ということでは全くない」と回答。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368116
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
たばこ対策、保険?自己責任?
「ニコチン依存症管理料」の要件緩和で意見対立

2015年10月21日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、10月21日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授長)に対し、たばこ対策である「ニコチン依存症管理料」の対象を若年層に広げるために算定要件緩和を提案したが、診療側と支払側で大きく意見が対立した(資料は、厚労省はホームページ)。診療側は厚労省の提案を支持、一方、支払側は要件緩和で、診療報酬での評価を予防的な行為にも広げることにつながりかねないことから反対した。

 厚労省は、要件緩和に伴うたばこ対策の年間医療費の抑制効果が、現状の約7.6億円から約132.5億円に拡大するとの試算も提示。しかし、支払側は医療費抑制効果よりも、「ニコチン依存症管理料」の成功率そのものが問題であるとするなど、最後まで議論は平行線をたどった。データを基に、改めて議論することになる見通し。


10月21日の中医協総会は、がん、難病、感染症対策についても議論。

 20歳代、「BI200未満」が82%

 「ニコチン依存症管理料」は、1日の喫煙本数に、喫煙年数を乗じて得た「ブリンクマン(BI)」が200以上を算定要件としている。20歳代のニコチン依存症患者82%は、喫煙年数が短いことが影響して、「BI200未満」だ。「BI200以上」という算定要件を緩和するのが、厚労省案。

 診療側からは、「現実には、高校生が禁煙外来に来ることもある。20歳未満も対象にすべき」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)、「BIという要件自体をなくした方がいい、という意見もある。重症化予防という観点で対策を講じていかなければいけない」(日医常任理事の松本純一氏)など、要件緩和を支持する意見が相次いだ。

 これに対し、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、前回、前々回の診療報酬改定でも、「ニコチン依存症管理料」をめぐる議論があったとし、「この手の話を出すのであれば、その効果をきちんと出し、データを基に議論すべき。若年者の喫煙が増えているから、という話ではない。たばこ対策は基本的には自己責任。保険料を使って、(禁煙対策を)診療報酬で評価するのは、いかがなものか」と述べ、「今のところは、慎重にやるべき、というか、むしろ反対」と述べた。

 厚労省によると、2009年度に3417人を対象に実施した調査では、全5回の治療を終えた人は35.5%で、終了9カ月後にも禁煙していたのは49.1%だった。一方、5回の治療を終えることができなかった人は、禁煙が続かないという割合が多かった。

 「たばこ対策は自己責任」に反論したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。たばこの害は、本人だけでなく、受動喫煙の害もあるとし、結果としてたばこが原因の疾病により医療費高騰にもつながるため、禁煙対策の重要性を強調。「失敗しても何度でも、禁煙に取り組めばいい。未成年の喫煙に対しても、毅然として禁煙を主張していくべき」(中川氏)。

 これに対し、白川氏は、「禁煙対策を進めることに異論はないが、保険を使うかどうかが問題。疾病に対して診療報酬で評価するのが、我が国の保険。自己責任で禁煙する人もいる。特定の人だけドクターの治療を受けないと治らないという。しかも、保険財政が厳しい中で、なぜ保険を使うのか。『自分で治せるものは、自分で治す』のが、今の保険財政の流れ」と反論。

 しかし、中川氏も、「ニコチン依存症は疾病であることは間違いない。自己責任で止めた人もいるが、どうしても止められない人を、保険の対象とするのは、無理筋なのか。将来の医療費を考える上でも、むしろ推奨すべき」と譲らなかった。

 その後も診療側と支払側の応酬が続き、意見を求められた田辺会長は、「ニコチン依存症という疾病類型があるのだから、それには保険適用にすべき。予防対策まで保険で診る必要はない。今の基準は、喫煙年数が関係している。それが少ないにもかかわらず、ニコチン依存症になっているというなら、合意ができる範囲でその基準と、(疾病と予防の)線引きを考えていくべき」との考えを述べた。



http://www.m3.com/news/general/368169
みなと赤十字で死亡事故 昨年度の横浜市立3病院まとめ
2015年10月21日 (水)配信 神奈川新聞

 横浜市は20日までに市民病院(同市保土ケ谷区)、脳卒中・神経脊椎センター(同市磯子区)、みなと赤十字病院(同市中区)の市立3病院で2014年度に発生した医療事故などをまとめた。みなと赤十字では死亡事故が1件発生。その他2病院で過失事故はなかった。

 みなと赤十字では昨年12月、内視鏡手術を受けた男性患者が低酸素脳症となり、意識を回復しないまま死亡する事故が発生。同病院は輸血の判断ミスなど、不適切な対応があったとしている。

 一方、医療事故には至らなかったものの、医療従事者が「ヒヤリ」「ハット」した事例は市民病院で3295件(前年度比85件減)、同センターは1358件(同123件増)、みなと赤十字は3592件(同326件増)。いずれの病院も薬の処方、チューブなどの使用管理、患者の転倒・転落などが上位を占めた。

 市は、病院側の過失が明らかで患者が死亡するなどの重大な結果が発生した事故は即時公表、それ以外の事故は一括公表している。



http://www.m3.com/news/general/368115
[規制改革] 重点フォローアップに保険外併用の仕組みの新設 規制改革会議
2015年10月21日 (水)配信 厚生政策情報センター

規制改革会議(第50回 10/15)《内閣府》

 内閣府は10月15日、「規制改革会議」を開催し、「会議の進め方」などを議論した。

 今期の「規制改革会議」は、2016年6月までの1年間、月1回ないし2回を基本として、規制改革の審議を進める。ワーキンググループ(WG)、ホットライン対策チームは引き続き設置し、(1)内閣の重要施策の実現のための規制改革、(2)これまでの改革の総仕上げ―について重点的に検討するとしている(p2~p4参照)。

 (1)では、多様な働き方を実現、ローカル・アベノミクス(地域経済の活性化など)推進、シェアリングエコノミー(住宅、モノ、サービスの交換・共有)推進、インバウンド(訪日外国人旅行者)の急増―に対する規制改革を中心的に審議するとしている(p3~p4参照)。

 (2)では、過去3期の規制改革実施計画に盛り込まれた項目のフォローアップを実施するとし、健康・医療分野での重点的項目には、(i)新たな保険外併用の仕組みの創設、(ii)介護・保育事業などの経営管理強化とイコールフッティング確立、(iii)保険者が診療報酬明細書の点検を可能とする仕組みの整備、(iv)医薬分業推進の下での規制の見直し、(v)市販品と類似した医療用医薬品の保険給付のあり方などの見直し、(vi)遠隔診療推進のための仕組みの構築、(vii)特定保健用食品の審査手続き見直し―の7項目があがっている。これらの検討はWGを中心として行うが、特に必要な内容は会議で審議する(p4~p5参照)。

 なお、2016年6月をめどに答申を取りまとめ、必要に応じて中間とりまとめなどを検討。また、状況に応じて随時、「意見」を公表するとしている(p2参照)。

資料1 P1~P6(0.5M) https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201510_4/2625_6_1_1445397937.pdf



http://www.cyzowoman.com/2015/10/iii3020.html
東大理IIIは勝ち組なのか? 国立大学病院医師は30代でも月収20万円の現実
2015.10.21 サイゾーウーマン

 息子3人を灘高から東大理IIIに入れたママ、佐藤亮子氏が炎上した。講演会での彼女の「受験に恋愛は邪魔」という発言が発端になり、彼女の猛烈な教育ママぶりは、テレビや週刊誌を巻き込んで大きな話題となった。通常の炎上と違い、著名人が実名で意見を言い、それでさらに燃え盛った印象だ。作家でタレントの乙武洋匡氏はTwitterで「この3兄弟が幸せな人生を歩んでいけることを心から祈るばかりです」と投稿している。普通、この手の子育て方法の論議は、子育て中のママたちが中心になって炎上させるが、今回は、乙武氏をはじめとして、中年男性が熱心に参加している。

 彼らはどこにイラっとくるのか。「東大理III」という日本最高峰の偏差値の学類は、学歴至上主義世代の彼らのコンプレックスを刺激するのだろうか。佐藤ママの長男はモデルとして「週刊朝日」(朝日新聞出版)の表紙を飾ったが、すっとしたイケメンだ。東大に取材に行くと、男女問わず学生の容姿レベルは高まっている。優秀な男性は、美人と結婚し、そういう夫婦の子供が東大に入るので、東大生に美男美女は増えて当然だ。佐藤ママの夫は評判のいい弁護士で、3兄弟を灘高、一人娘も私立に通わせ、かなりの経済力を持っている。それゆえに「結局、金持ちの子供が受験に有利でいい職業に就く。不公平だ」という批判もネットでは見かけられる。

 だが、ちょっと待ってほしい。理IIIに進学することは、果たして「勝ち組」なのか?

■医師の世界は、収入とカーストが反比例

 平成21年度の中央社会保険医療協議会の調査によると、病院勤務医の平均年収は1,479万円、開業医は2,468万円。開業医はビジネスセンスを磨けば、いくらでも稼げる可能性がある。彼らは多くが親の代から医師で、自営業者の後継ぎだ。たいていは私大の医学部を出ている。つまり、学費の高い私大出身の開業医こそ「金持ちの子が金持ちになる」世界を繰り広げている。

 だが、全国紙の医療記者はこう話す。
「いくら稼いでも、医師は、医学界で認められないと、劣等感を持つ生き物なんです」

 つまり、東大を頂点とする学閥・医局カーストがあり、研究業績が認められた人間が上に行く。エリートほど満たされ、自己肯定感を強くしていく。

 「医師の世界は、収入とカーストが反比例します。東大出身で国立大学付属病院に勤務したら、プライドは満たされるかもしれませんが、経済的には大変だと思います」と話すのは東大関係者。

 2009年に当時山形大学医学部長だった嘉山孝正氏が前出の協議会に提出した資料「医療の最後の砦の現状-特定機能病院(NCと大学病院)-」によると、国立大学病院勤務医の半分は非常勤職員で、彼らの年収は、研修医で341万円、医員(平均年齢33歳)で303万円だ。正規雇用になっても助教で475万円(同37.7歳)、准教授624万円(同48.8歳)、そして、“白い巨塔”の頂点である教授は721万円(同52.6歳)である。もちろん、バイトなどで副収入もあるが、先に紹介した勤務医の平均年収に比べても、かなり低く設定されている。

■30歳を過ぎて年収300万円以下

 東大理Ⅲは入学後もカリキュラムが厳しく、かなり勉強をしないとならない。そのため、バンド活動などの趣味を諦める学生もいる。また、卒業後2年間の研修医を終えると、たいていは大学院に進み、無給となる。週末、当直のバイトをすれば、サラリーマン以上に稼げるが、東大の院は研究者育成のための機関なので研究も忙しく、そうそうバイトもしていられない。苦労して、博士号を取っても、国立大学の付属病院ではすぐに正規雇用されず、非常勤として年収300万円程度の生活を強いられる。

 東大出身の若手研究者は、「特任助教」という肩書を持っていることが多いが、要は非常勤の助手であり、月収約20万円スタートである。30歳を過ぎて年収300万円以下というのは、かなり厳しいのではないか。そして、正規雇用されて、さらに准教授、教授と昇進していくのは激戦だ。バイトをすれば収入は増えるが、そちらに時間を取られると、研究で後れを取っていく。そのため、30代後半以降でも、親から仕送りを受けたり、妻の収入に依存したりするケースが出てくる。

 「製薬会社から割のいい仕事をもらって、お小遣い稼ぎ……というのが難しくなっています。今の時代、なにか事件が起きたら、すぐにやり玉に挙がるし、ネットで情報が拡散するから」(東大出身研究職)

 「激務で大学病院に泊まり込んでいて、家に帰ってこない。それなのに年収300万円ですよ。家事も生活費も全部私の負担です。しかも夫が、東大出身の医師だとバレると、激しく嫉妬される」(東大卒医師を夫に持つ30代女性)

 また、医師には訴訟リスクもある。特に大学病院には重篤な患者が来るので、最善を尽くしても、患者は死亡することが多く、訴えられる可能性が高くなる。最初に診察した町医者のミスが原因で患者が亡くなったのに、訴えられるのは、最後に担当していた大学病院の医師というケースもある。大学病院の医師というのはまったく割に合わない。

■看護師は、20代で年収400万円以上

 なぜ、そんな条件の悪い仕事を彼らは続けるのか? それは日本の社会で尊敬されるのは、金持ちではなく、「社会貢献した人」だからである。億ションで芸能人をはべらせパーティーをやっているIT企業オーナーと、ユニクロに白衣羽織って患者のために徹夜で働く大学病院の薄給医師のどちらが尊敬されるかといえば、やはり、後者だ。

 「大学でのキャリアを諦めて、民間病院で勤務しだすと、年収が2倍3倍になったりします。しかし、挫折感からストレスを抱え、家庭で妻へのDVが始まることも。DVに年収や学歴は関係なく、劣等感から発生するので」(病院勤務のカウンセラー)

 医師免許があるから、食いっぱぐれはしないが、30代で年収300万円程度で、しかも、家に帰れないほど忙しい彼らは、果たして“勝ち組”なのだろうか? 妻は30代前半までに出産したいのに、経済的に子どもが作れないというケースも出てくるのだ。

 
 この「東大医学部出身の医師の現状」を話すと、妙齢の女性たちが「じゃあ、どんな仕事の男性と結婚すればいいの?」と訊いてくる。医療関係では、おすすめしたいのは、看護師である。4年制大学の看護科が増えたことで、男子の看護師はこの10年で2倍に増えている。

 男性看護師たちの悩みは「土日休みじゃないから、恋人が作りにくい」「女性看護師は気が強いから、プライベートではつきあいたくない」である。看護師不足は今後も続くので、看護師は職に困ることもないし、男性は体力があるので夜勤も多くこなせるし、管理職への昇進が早いケースも多く、収入も安定している。なにより、女性上位の職場にいるので、女性への恐れというか敬意がある。

 看護師ならば、20代で年収400万円以上を安定して稼ぐ。また医師は医局に縛られるので、どこに飛ばされるかわからないが、看護師は勤務先を選べる。世間が知らないところに掘り出しものはあるわけで、現在の婚活的な狙い目は、エリート医師よりも男性看護師なのかもしれない。
(木原友見)



http://www.sankei.com/life/news/151021/lif1510210036-n1.html
次期診療報酬改定で厚労省、地域包括ケア推進へ 基本方針骨子案
2015.10.21 21:27 産経ニュース

 厚生労働省は21日、平成28年度の次期診療報酬改定について、基本方針の骨子案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会に提示した。22日の同審議会医療部会でも骨子案を示した上で、11月下旬ごろまでに両部会で基本方針をまとめる。

 厚労省は次期改定にあたり、「高齢化の進展に伴い『治す医療』から『治し、支える医療』への転換」「医療従事者の負担軽減」「無駄の排除や医療資源の効率的配分」といった基本認識に基づき、4つの方向性を骨子案に明記した。

 特に重点課題に掲げているのが「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」。患者の病状に応じた入院医療を提供し、自宅で24時間の巡回サービスや往診、訪問介護を受けられる「地域包括ケアシステム」につなげることを目指し、連携を進める病院やかかりつけ医への報酬を手厚くする方針だ。

 このほか、増大する医療費の抑制に向け、安価な後発医薬品の普及、医師・薬剤師による薬の飲み残しや重複調薬の是正、薬の過剰投与が指摘される大病院周辺の「門前薬局」の見直しなどについても診療報酬で評価していく。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H43_R21C15A0EE8000/
診療報酬の16年度改定へ議論開始 社会保障費1700億円抑制へ
2015/10/21 20:32 日本経済新聞

 診療報酬の2016年度改定に向けた議論が21日始まった。厚生労働省は同日、大病院前に並ぶ「門前薬局」の報酬や、割安な後発医薬品(ジェネリック)の単価を一段と下げる方針を示した。一方、医師の過剰な投薬を点検する「かかりつけ薬局」の報酬は積み増し、医療費の抑制につなげたい考えだ。財務省は社会保障費の伸びを1700億円分抑える方針で、診療報酬もマイナス改定が視野に入る。

 厚労省は21日の社会保障審議会医療保険部会に論点案を示した。12月初旬までに診療報酬改定の基本方針をまとめる。年末までに財務省と調整して診療報酬全体の改定率を決め、年明けに項目ごとの報酬を決める。

 厚労省が報酬の引き下げを明確に打ち出したのが、1つの病院の処方箋に頼ってもうける門前薬局だ。厚労省は薬局に対して医師の過剰・重複投薬をチェックする役割を期待している。しかし門前薬局は「病院からの処方箋を口を開けて待っているだけ」(幹部)とみている。

 一方で、複数の病院の処方箋を持ち込む「かかりつけ薬局」の報酬は引き上げる。患者の身近な相談相手になり、薬の飲み残しや危険な飲み合わせを確認する。24時間の対応や患者宅への訪問などが条件になりそうだ。患者の幅広い病気に対応する「かかりつけ医」の報酬も優遇を検討する。

 診療報酬は薬の単価も決めている。来年度改定では、特許が切れた新薬の成分でつくる後発薬の単価を下げる見通しだ。厚労省はすでに20年度までに後発薬の普及率を80%に上げることを決めている。普及の促進と並行して価格も下げて医療費を抑える。

 財務省は湿布などの市販品類似薬を保険の対象から外すなどさらなる効率化を求めており、診療報酬全体でマイナス改定を要求する方針だ。医療費の総額は年に約40兆円で、うち約10兆円が国の負担。診療報酬を1%下げれば国の負担を約1000億円抑えることができる。

 ただ横倉義武日本医師会会長は同日、「負担能力のある人の保険料を増やせばある程度の財源を確保できる」と述べ、診療報酬の大幅な引き下げをけん制した。年末にかけて首相官邸や与党、業界団体を含めたかけひきが激しくなりそうだ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/368185
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
地域がん・小児がん拠点、診療報酬でも評価
がん診療の均てん化、充実を後押し

2015年10月21日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授長)は10月21日、2016年度診療報酬改定に向けて、がん対策について議論、地域がん診療病院や、小児がん拠点病院を診療報酬上で評価していく方針について合意した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 がん対策について厚労省は、緩和ケアの充実に向け、(1)がん性疼痛緩和指導管理料について、緩和ケアに係る研修を受けた医師による実施を要件とする、(2)終末期に近いがん患者について、外来から在宅への連携を評価、(3)緩和ケア病棟における地域連携の取り組みと、短期間の入院を評価――などを提案。診療側と支払側ともに、おおむね了解したものの、(1)については、2016年4月実施ではなく、一定の経過措置を求める声が挙がった。さらに保険外併用療養で実施する医師主導治験について、医療機関や患者の費用負担軽減のため、同種同効薬の投薬・注射の費用も保険から支給する方針について合意が得られた。

 そのほか、21日の中医協総会では、たばこ対策(『たばこ対策、保険?自己責任?』を参照)のほか、難病対策と感染症対策に関しても議論。難病対策については、今年1月から難病法が制定され、指定難病は従来の56疾患から、今年7月までに306疾患に拡大された。難病の場合、長期療養が必要なことから、難病患者外来診療料が設けられ、療養病棟入院基本料の医療区分でも基準が設けられている。これらを306疾患に拡大する方針。

 感染症対策については、一類感染症対策を充実するため、「一類感染症患者入院医療管理料」について、(1)包括している検査や注射等の在り方、(2)14日を限度とする算定期間――を見直す。精神疾患等を有する結核患者を、精神病床で受け入れる場合の評価も検討する。


「がん性疼痛緩和指導管理料」の算定、「研修を受けた医師」

 がん対策推進基本計画では、2017年度までに、「がん診療に携わる全ての医療従事者が、緩和ケアに関する知識および技術を習得する」ことを求めている。「がん性疼痛緩和指導管理料」の算定要件の見直しは、この計画を踏まえたもの。

 「がん性疼痛緩和指導管理料」は現在、緩和ケアに係る研修を受けた保険医による場合は「1」の200点、それ以外の場合は「2」の100点という設定。これを見直し、「2」を廃止し、「緩和ケアに係る研修を受けた医師の実施」を要件とする。

 この方向性自体には了解が得られたものの、日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、いまだ 「2」の算定が多いことから、すぐに要件を見直すのは「早い」と指摘し、経過措置を設けるとともに、土日曜日の開催を増やすなど、希望する全ての医師が研修を受けられる体制の確保が必要だとした。

「全てに整備する必要性なし」

 2007年4月のがん対策基本法の施行以降、がん医療の均てん化を進めるために、がん診療連携拠点病院の一層の充実が図られてきた。しかし、人口規模が小さい2次医療圏などでは、拠点病院が整備されないことから、2014年度から新たに拠点病院と連携して運営する、地域がん診療病院が整備されるようになった。現在、これらの病院がない医療圏は、344の医療圏のうち84カ所。また小児がん拠点病院は、患者数が少ない小児がん医療の集約化が狙い。これらの整備を診療報酬上で後押しするのが、2016年度改定の課題となる。

 21日の中医協総会で意見が出たのが、地域がん診療病院の整備の在り方。日医の鈴木氏は、診療報酬上で評価することには異議を唱えなかったものの、人口が少ない2次医療圏にまで全て整備するのかを質し、他の2次医療圏と連携するやり方もあり得るとした。同様に、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏からも、「一律に全ての2次医療圏で整備する必要はない。柔軟な対応をしてもらいたい」との意見が出た。

 厚労省健康局がん・疾病対策課長の佐々木健氏は、人口が少ない2次医療圏がある現状を認めつつ、「地域で話し合いがなされており、医療圏の見直し、隣接する医療圏と連携とも含めて、注意深く検討していく」と答え、全ての2次医療圏に、地域がん診療病院等を整備していくわけではないとした。



http://blogos.com/article/140369/
あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか 日本発「薬害騒動」の真相(前篇)
- 村中璃子
WEDGE Infinity 2015年10月21日 16:27


「いずれもこの年齢の少女たちによく見られる症例ですね」

 ある冊子に記載された患者たちの症状や経過だけを見た場合、どういう考えを持つかという質問に対し、複数の小児科医・神経内科医・精神科医から寄せられた回答である。ひとつひとつの症例についてコメントや解説をつけてくれた医師もいた。

 この冊子は全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会・薬害対策弁護士連絡会・薬害オンブズパースン会議の3団体が昨年5月末に出版した「子宮頸がんワクチン副反応被害報告集」。弁護士が“被害者”本人およびその保護者に聴取した内容を記したものだ。

 今年に入ってから“被害者”に関するいくつかの書籍も出版されている。“被害者”の少女たちの症状は実に多彩だが、特に神経疾患を思わせる症状についての記述はどれも強烈だ。繰り返し起きる手足や全身のけいれん、「自分の意志とは無関係に起きる」という不随意運動、歩けない、階段が登れない、時計が読めない、計算ができない、そして、ついには母親の名前すら分からなくなった……。

 いずれも「ワクチンのせいだ」と思って読めば、読者は絶句し、ワクチンへの恐怖心を募らせるに違いない。

 しかも、“被害者”はなぜか「元気でやりたいことのたくさんあった、学校でもリーダー的役割を担っていた少女」ばかり。部活の部長、副部長、キャプテン、副キャプテン、生徒会長、コンクールで優勝した……。小さいころからスポーツや楽器などの習い事を続けてきた子も多い。その子供たちが「やりたかったことを実現するための未来をワクチンに奪われた」。

 去る9月17日、専門家らによる厚生労働省のワクチン副反応検討部会が行われた。子宮頸がんワクチンについて議論したのは1年2カ月ぶり。

 部会は今回も「ワクチンによる重篤な副反応の多くは心的なものが引き起こす身体の症状」との見解は覆さなかったが、「積極的な接種勧奨の差し控え」という奇妙な日本語の判断も継続するとした。差し控えにより接種率はかつての7割から数%にまで落ち込んでいる。

口に出せなくなった
大多数のまっとうな医師たちの考え


 回答を寄せてくれた医師の中には、子宮頸がんワクチン接種後の少女たちを診察した経験のある医師もいた。

 児童精神の専門医は「“精神科”と聞くだけで強い拒絶や怒りの反応を示す子もいるので、神経内科の先生の方でずっと診てもらうこともあります」と言った。神経内科医は「辛いのは症状を抱えた子供たち。ワクチンのせいであってもなくても良くなればいいでしょう?」と応じた。いずれも報告書や書籍に登場する、ふんぞり返って「気のせい」「演技では」「詐病だ」と断じる傲慢な医師たちの印象とは程遠い。

 多くの小児科医や精神科医によれば、子宮頸がんワクチンが導入される前からこの年齢のこういう症状の子供たちはいくらでも診ていた。しかし、今ではもう何でもワクチンのせいということになっていて、大多数のまっとうな医者の普通の判断を言うことがまるで「弱者への暴力」であるかのような雰囲気になっている。

 テレビでも繰り返し放送されたあの激しいけいれん症状。手足をばたつかせて立ち上がることもできなくなった苦悶状の表情をした少女たち。ワクチンのせいでないとすれば、いったい少女たちは何に苦しめられ、何に苦しんでいるのだろうか。

 ある病院を訪れたのは子宮頸がんワクチン接種後、「毎日午後3時になると必ずけいれんを起こすようになった」という少女とその母親だった。脳波、CT、MRI、採血と一通りの検査を実施したが異常は見つからない。「異常はないようですが発作の状態を確認しましょう」。3時になると言っていたとおり発作は起きたが、やはり脳波には異常がない。「では、入院して検査しながらもう少し様子を見ましょうか」。入院させたのは、時計がなくビデオカメラのついた病室だった。午後3時のけいれんは「ピタッと止まった」。

 「症状が少しおさまったようでよかったですね」

 医師はこれが脳や神経の病気ではなく、心因性のものであることを伝えた。ところが、母親は喜ぶどころか顔色を変えて言った。「これだけのけいれんがあるのに、また心の問題に過ぎないって言うんですか? この子に何の問題があるって言うんです。うちは家族も仲がいいし、この子は友達も多く学校でも元気にやっていたのに……」。

 少女の症状を説明するのも母親なら医師の説明に応じるのも母親だ。中学生や高校生と言えば自分の症状を説明するには十分な年齢だが、体調不良の原因をワクチンだと疑って受診する母娘では母親が前面に出てくるケースが多い。

 「偽発作(Pseudo seizure)というんですが、心の葛藤やストレスが引き金となって手足をばたつかせたり全身をくねらせたりと、けいれんのような動きを見せる患者さんがいます。私が勤めていた頃も“けいれんは伝染する”と言いましたよ。決して詐病というわけではないのですが、一人がけいれんすると同じ部屋の子供は真似して皆似たような動きをする。隣の部屋でも同じことが起きて、部屋ごとに別々のけいれんが流行するんです」。ワクチン導入以前に、神経疾患や重症の心身障害の患者が全国から集まる専門病院に勤務していた小児科医は言った。

元々たくさんいた
「アルプスの少女ハイジ」のクララ


 こうした症状が、大人にとってトラブルの少ないいわゆる「いい子」に多く見られるのは、決して不思議なことではない。背景には「過剰適応」と呼ばれる精神状態がある。期待に応えたいという思いや認められたいという思いが強く、自分の欲求や不満を適切に言葉で表現することが出来ない少女たちは自覚のあるなしにかかわらず、身体でそれを表現することもあるのだ。

 「メディアで騒いでいる症例の多くは、いわゆる、クララ病。『アルプスの少女ハイジ』にクララという車椅子に乗った綺麗な女の子が出てきますよね。病気だから学校には行かれないが、お金持ちだから家庭教師が勉強をみている。親は仕事が忙しく不在で、学校に行っていないから友達もいない。恵まれているように見えるのに孤独です。それがハイジに出会って立てるようになる。『うちの子は何の問題もない』と言ってくる親もいますが、思春期に問題も悩みもない子供なんていたらそっちの方がおかしいでしょ」。ある医大の小児科教授は溜息をつく。

 「これだけマスコミが騒げば、ワクチンはいいきっかけになります。親への不満を直接ぶつけられなくとも、他者に矛先が向かうのであれば本人も安全です。でも、本人にもご家族にも表だってそうとは言えませんよね……」

 前出の児童精神科医はこう語り、「1歳くらいの言葉のうまく喋れない小さな子供もやりますよ。たとえば、足をつっぱらせて変な姿勢を取るとママが来てくれると分かったら、子供はそれを何度も繰り返す。病気の後にそうなることも多い。下に兄弟が生まれたときになる赤ちゃん返りなんかもそれですね。幼児期であれ思春期であれ、その〝困った感〟に辛抱強く付き合うのも医者の仕事です」と続けた。

 「ワクチンを打った後、階段が登れなくなった子というのもよく出てきますが、そういう子と立ち話している時に、ポンッと肩を押してみるんです。そうするとその子が倒れて転落するということはありません。10代の女の子の反射神経は私よりずっといいから当たり前ですよね。心因性かどうかの判断は、脳波などに異常がないのを確認した後、訴えや症状に矛盾があるかないかで行います」

 ワクチンが薬害のように騒がれ、ある病気の患者が世間の認識以上に存在することが知られるきっかけとなった事例が過去にもある。ワクチン史上最大のスキャンダル、MMR(はしか・おたふくかぜ・風疹)ワクチンと自閉症だ。1998年、英国の医師が一流科学誌「ランセット」にMMRワクチンと自閉症との因果関係を示す論文を発表した。

 接種差し控えや国やメーカーを相手取った訴訟も起こされ、巨額の費用を投じて追跡調査を行ったが因果関係は認められなかった。結局、論文のデータを医師が捏造していたことがわかり、2010年になって論文は撤回。捏造データを世間が信じたのは、自閉症の子供が数多くいることが世間に認識されていなかったからである。

 子宮頸がんワクチンは、我が国において「思春期の少女だけ」に接種されることになった初めてのワクチンだ。「ワクチンによって患者が生まれた」のではなく「ワクチンによって、思春期の少女にもともと多い病気の存在が顕在化した」、そう考えるのが自然ではないだろうか。

 少女たちが苦しんでいることは事実で、少女たちは決して悪くない。騒ぎの責任は大人たちにある。しかし、少女たちの苦しみの原因がワクチンにあると断定する科学的裏付けは一体どこにあるのだろうか。

 次回はありがちな印象論ではなく、ワクチンの危険性を説く専門家たちの主張の中身を正面から検討する。

⇒中篇につづく



http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5525
子宮頸がんワクチン薬害説に
サイエンスはあるか
日本発「薬害騒動」の真相(中篇)

村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
2015年10月21日(Wed) WEDGE Infinity

2014年9月に長野で行われた一般社団法人・日本線維筋痛症学会の“子宮頸がんワクチン”セッションの会場に、医師の姿はまばらだった。大半を占めるのはメディアと被害者連絡会の関係者たち。西岡久寿樹理事長(東京医科大学医学総合研究所)による“HANS(ハンス)”についての説明に頷く記者や涙ぐむ被害者連合会の関係者らしき人たちもいる。しかし、ここから医学的なディスカッションが生じる気配はない。

仮説に仮説を重ねて
「病気」をつくる医師たち


 HANSとは、14年に入ってから西岡氏らが提唱している「子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群」の略称で、子宮頸がんワクチンを接種した人に起きたと“考えられる”免疫異常を指す。痛みや疲労感、神経・精神症状、月経異常や自律神経障害、髄液異常などありとあらゆる症状を引き起こしており、今の検査技術では証明できないが脳内で起きている異常と“しか考えられない”病態だという。

 すなわち、HANSという「免疫異常」の存在も仮説なら、その機序も仮説。実体のあるものが何もないのだ。世界の医学界が科学的エビデンスに基づく医療を原則とする中、この議論を鵜呑みにする専門家は少ない。

 しかも、HANSの定義は「接種から経過した時間は問わない」とされ、接種後3年以上も経って症状が出てきた患者なども含めるのでさらに戸惑う。極端なことを言えば10代でワクチンを打った少女が60代で自律神経障害を来した場合、それもHANSということになってしまうからだ。

 筆者は西岡氏のオフィスに取材に行き、HANSの発症機序を直接尋ねた。

 「責任病巣は脳の中枢神経。原因は基本的にはアジュバントしか考えられない。これが強ければ、脳血管関門を津波のようにブワッと越えていくわけですよ。脳内に存在するミクログリアが活性化して、免疫のシステムが全部狂っちゃうわけです」

 今年の線維筋痛症学会でも「HANSは脳の異常」とし、検査では分からないが「ワクチンのせいだ」とする西岡氏らのアジテートは相変わらずだった。

 「HANSは脳症であり、その4大症状は中枢神経由来である」「思春期に特有の症状? ちがうよ、と僕はいった」(西岡氏)。

 「心身反応だという人がいたら、その人はそこで思考停止していると思う」(横田俊平・元日本小児科学会長)。

 「視床下部の異常でしか説明できない」「画像検査などにはあくまでも補助的な意味しかないという立場にいます」「人類が経験してきた視床下部の症候とはちょっと違う」(黒岩義之・日本自律神経学会理事長)。

 そして、これらの仮説を主張する根拠は、科学的エビデンスではなく、豊富だという臨床経験だ。

 「長年難病に携わってきて、こんな子供たちに出会ったことがない」(西岡氏)、「私は一人の臨床医として話をします」「長年小児科医をしているが、朝から頭痛が続くという子供を診たことがない」(横田氏)。

悪魔の証明に乗り
「被害者」と共依存する「専門家」


 学会なのに有意なデータは提出されず、脳機能の説明とそれに基づく仮説だけが語られることに、医師である筆者も驚く。これでは専門家が議論するための会合ではなく、一般向けシンポジウムだ。去年も今年も開かれたが、学会でわざわざメディア向けセッションが設けられるのも珍しい。

 「患者さんたちは本当に気の毒だと思います。けれど、HANSはワクチンを打った後に起きたというだけで、接種からどんなに時間が経っていても、脈絡のないすべての症状をひっくるめて一つの病気だというんでしょ? それなら便秘でも発熱でも、ワクチンを打った後で起きたら何でもHANSだということになってしまう。しかも、エビデンスはないけどワクチンのせいだと言われたら、ただ黙っているしかないですよ。ないことを証明する『悪魔の証明』はできませんからね。横田先生は悪い人ではないのでしょうが、かなり迷惑しています」小児科学会理事のある医師は言った。

 「そんなに危ないというのなら、小児科学会や理事会に来てお話ししてくださいと何度も言ってるんですが、絶対に来ません。一般人やマスコミは納得させられても、同僚の小児科専門医たちを納得させる自信がないからでしょう。横田先生の医局の人たちも恥ずかしいとか言っていますよ。マスコミはそれなりの肩書の人が自信をもって言えば、言われたとおりに書いてしまいますよね」

 かつての横田氏は、小児科学会の会長としてヒブワクチン承認を推進するなどワクチン推進の立場にいた。しかし、西岡氏と子宮頸がんワクチンに出会ってからは反対派に転向した。筆者が「先生はなぜ小児科学会などもっと多くの専門家が集まる学会でお話しされないのですか」と尋ねると「小児科学会、アレは日本最大のワクチン利益団体だからね」と笑顔で答えた。

 現在、厚労省は子宮頸がんワクチン接種にまつわる診療相談体制として全国70の協力医療機関を指定しているが、その一つである横浜市立大学附属病院を訪れている患者は現在61人。横田氏は大学を離れた身だが一人で全員を診ているという。「小児科は子供ではなく母親の相手」と言われることもあるように、小児科医である横田氏の物腰は柔らかく、わかりやすい話をするのも上手い。「優しいお医者さん」といった印象で、患者家族や記者にも大変な人気だ。

 しかし、科学的であることと分かりやすく優しいことは別だ。

 「僕は横田先生とは専門が違うので考え方が違うのかもしれませんが、ワクチン外来に来たからといってその患者さんが全員ワクチンのせいで病気になったと考えるのはさすがにどうかと……」と言葉を濁らせる横浜市立大学の医局員もいる。

 一般の人は学会の理事長や会長、有名医大の教授などと聞けば、彼らの意見が学会や医局を代表する意見であるという印象を持つかもしれない。しかし、理事長選や教授選は政治の世界でもある。また、学会発表は会費を払い、資格さえあれば誰でも行えるので、学会発表しただけでは科学的信頼性があるとも言えない。

 研究内容が科学的に意味のあるものとして初めて認められるのは、データを積み上げ、仮説を立証し、査読者のいる医学雑誌にそれが受理された時である。「STAP細胞はあります」と涙ながらに主張しても、立証できなければ科学的意味がないことについては読者もよくご存じだろう。

 HANSの特徴は「数多くの症状があり、それが出たり入ったりすること」。1人で100を超える症状が現れる症例もあるという。

 しかし、例えば、世界の精神医療のスタンダードDSM-Ⅳ(米国精神医学会発行の「精神障害の診断・統計マニュアル」第4版)に掲載されている身体表現性障害の症状も実に多彩だ。

 異なる部位の体の痛み、下痢・嘔吐・便秘などの消化器症状、月経不順を含む性的症状、運動麻痺・平衡障害・麻痺・脱力・けいれんなどの転換性障害、記憶障害などの解離性症状、意識喪失・幻覚などの偽神経学的症状などがあり、HANSで中枢神経(脳や脊髄のこと)に由来する症状として挙げられているものとよく重なる。

 DSM-Ⅳが出されたのは94年。06年に子宮頸がんワクチンが登場する10年以上前から、このような症状の患者はいたことがわかる。

「漢字を書く脳領域」だけに起きる障害?

 「ワクチンのせいで漢字が書けなくなってしまったという子がよく紹介されますが、あの子はきれいなひらがなで言いたいことを全部書けていますよね。言語や文字をつかさどる脳領域の障害はあっても、漢字をつかさどる領域だけの障害が起きるというのは極めて稀です」と小児神経を専門とする医師は言う。

 確かに、子宮頸がんワクチンが漢字をつかさどる脳領域だけを選択的に障害 することは考えがたい。

 また、高次脳機能障害だとして論じられることの多い他の症状についてもこうコメントした。「簡単な計算もできないという症例がたくさん出てきますが、この子たちはみんな時間がかかっても全問正解しています。ワクチンを打った後に親の名前が分からなくなり『お母さんはどこ?』と親に向かって言ったなどという少女も複数出てきますが、それを『ワクチンで認知症になった』などという単純な議論で片づけてよいものか……」。

 しかし、ワクチン後の少女には「心因性」と言われて傷つき、怒り、症状が悪化するケースも多い。そんな少女たちにはどんな精神科医よりも「ワクチンによる脳神経障害」だと断じ、一緒に戦ってくれる医師たちが「いい先生」なのだろう。そして、彼らにすがる少女たちもまた「新しい病気を見つけた」と主張したい医師たちにとって、欠かせない存在なのかもしれない。

高齢者に使う認知症薬を
少女に使う危険性


 「16歳という処方箋を書くと61歳の間違いじゃないかって薬局から電話がかかってくることがあります」

 処方箋に記載された薬の名前はメマリー。昨年の線維筋痛症学会で衝撃を受けたのは、「十分な治験が行われておらず危険なワクチン」との主張を繰り返している西岡氏らが、10代の少女たちにメマリーやアリセプトなど高齢者の認知症治療に用いられる薬を多用していると知った時だ。

 メディアや被害者連絡会関係者を交えたセッションでは、これらの薬を少女へ保険適応するよう強く訴える意見も上がった。自費診療では負担が大きすぎるという。

 治験に合格したワクチンで薬害が起きたと訴えておきながら、思春期の患者での治験をしていない薬を用いる矛盾。なぜ、子宮頸がんワクチンは危ないが、少女たちに認知症の薬を飲ませることは安全だと思うのか。

 今年の学会で「メマリーの保険収載はうまくいきそうですか?」と西岡氏に質問すると、「もうちょっとエビデンスが欲しい。効くのは間違いないから、私は収載していいと思うがね。でも、まず厚労省がHANSを病気として認めないと。心身反応と言っているようじゃ話にならない」と返ってきた。

 認知症の薬だけではない。「免疫異常」と決まったわけではないのに、静脈に大量の点滴をする、極めて作用の強いステロイド・パルス療法や免疫グロブリン療法などを選択するのもいかがなものか。報告書や書籍によれば、これらの治療の後、症状が悪化する少女もかなりいるようだ。もし、これらの治療法が不適切で体調が悪化したのだとすれば、それこそが薬害ではないのか。

 中にはワクチン接種後、たまたまこれらの治療法が効く別の病気を発症した少女たちもいるだろう。もちろん、ワクチンのせいで病気になった特殊なケースもあるだろう。しかし、HANSの概念はあまりにも広く、〝被害者〟の数え方には疑問が残る。

 そして、こうした少女たちを苦しめるものの「正体不明さ」に乗りたがる大人たちは他にもいる。

ワクチンがあれば必ず現れる
宗教・サプリ・民間療法

 例えば、昨年の線維筋痛症学会では、「世界日報」の腕章をつけた記者が最前列で写真を撮るなど目立つ行動をとっていた。「世界日報」は統一教会の広報紙である。同教団は今年8月30日、ワクチン接種後の患者向けに「ホメオパシー講演会」を主催した。

 2012年には、婚前の性交渉を否定する同教団との関係が噂される女性国会議員が、「性の乱れを助長する」としてワクチン導入に猛反対。この議員は以前より、避妊を含めた性教育にも反対していた。

 ステロイド・パルスならぬビタミン・パルス療法なるものを提供するクリニックも登場した。ビタミン剤を大量投与すると脳の血流が改善するのだそうで、黒川祥子著「子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち」(集英社)に登場する「ワクチンのせいで化学物質過敏症と電磁波過敏症になった」という少女の母親によれば「ビタミンの点滴が1回1万5千円、パルスで入院すると10万円」。少女の場合、月4回のビタミンの他に様々なサプリも飲んでいるので月10万円はかかる。

 その他、人気があるのは、酵素ジュースや酵素風呂、整体、カイロプラクティックなど。副腎を鍛える整体(1回1万円)もあり、核酸・水素サプリ(月3万円)、ミドリムシ・ビタミン(月1万円)、マコモ茶・麦茶(月1万円)やデトックス水(1本5000円)にたどりついたケースもある。

 そして、最近口コミで患者が殺到しているのが、喉の奥(上咽頭)を綿棒で刺激するだけで、なぜか少女たちの症状が改善したという「Bスポット療法」だ。簡易な治療法だが、遠方からの患者は入院させて様子を見るらしい。先日行われた学会発表の演題は「内科疾患における上咽頭処置の重要性:今、またブレイクスルーの予感」。Bスポットという名称も学会演題も週刊誌を彷彿させる。

 ワクチンをめぐり、こうした人々が登場するのは日本に限ったことではない。医学専門誌「Vaccine」に掲載された分析によれば、反ワクチンを謳うウェブサイトには、ホメオパシーなど代替医療の紹介や広告、宗教的・倫理的に許されないといった言説、データや統計のない主張などが溢れている。

 注射で人工的に免疫を付与するワクチンは毒だといった自然志向、ワクチンを受けない権利や受けさせない権利といった市民権絡みの話もよくある。ワクチンを勧める国や専門家、接種する医師が金や権力と結びついて儲けているといった陰謀論は必ずと言っていいほど出てくる。

 また、言うまでもなく医療訴訟は弁護士にとっては大きなビジネスチャンスだ。中でも薬害訴訟は国やメーカーを相手に巨額のリターンが見込まれるため、アメリカでは薬害訴訟に特化した弁護士事務所もあるほどである。

 しかし、海外には日本のように、いったん導入された子宮頸がんワクチンの接種が、事実上滞ってしまっている国はどこにもない。国際学会も世界保健機関(WHO)もこのワクチンが安全で有用であるとの結論を覆していない。

 では、日本だけがなぜ接種を停止し、専門家が再度検討を行い結論を出した後でも再開できていないという事態がおきているのだろうか。

 後篇ではワクチンをめぐる日本の特殊性について考え、苦しむ少女たちに本当の意味で向き合うとはどういうことなのかについても改めて考えてみたい。

⇒後篇につづく



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151021_12056.html
みやぎ県南中核病院、2年連続赤字
2015年10月21日水曜日 河北新報

 みやぎ県南中核病院(大河原町)を運営する病院企業団の議会定例会が20日、同病院であり、2014年度決算を認定した。実質的な収支は2年連続の赤字となったが、赤字幅は前年度より縮小した。
 収入に当たる病院事業収益は前年度比3.7%増の79億7101万円、支出の事業費用は5.2%増の89億8770万円。減価償却費などを除いた現金収支は2444万円の赤字で、前年度より約1億2700万円改善した。
 年間の入院患者は延べ8万8789人で、病床稼働率は81.6%。外来患者は村田診療所を含めて延べ16万3722人。14年度末の医師数は57人で、前年度末より4人減った。
 14年度の収支に関し同病院は「年度前半は入院患者数が少なかったが、後半は入院、外来共に患者数が増えた。救命救急センターの指定を受け、9月以降は入院料加算の算定もでき赤字幅を減らすことができた」と総括した。

  1. 2015/10/22(木) 06:08:14|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
次のページ