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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2015年8月31日

Google Newsでみる医師不足 2015年8月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース  5,830
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 20,100
First 5 in Google in English 

In Physician Shortage, Can Nurse Practitioners Replace Doctors?
NBCNews.com‎ - 15 時間前(USA)

Patients are increasingly turning to nurse practitioners instead of physicians for a less expensive healthcare alternative. Some experts say the trend is a solution to the staggering cost of medical treatments and the shortage of physicians, which is expected to exceed 46,000 within the next decade, according to the Association of American Medical Colleges.


Is There A Medical Marijuana Doctor Shortage In New Jersey?
Patch.com‎ - 4 日前 (New Jersey 州)

One of the stated reasons for the bills was a “shortage of physicians” qualified to recommend cannabis to their patients. But do the numbers support their claims? The U.S. Department of Health and Human Services defines a “health professional shortage” as an area that exceeds 3,500 patients per physician.


Centre's denial to establish new medical colleges causing doctor shortage: SC
Economic Times‎ - 2015年8月22日 (インド)

Centre's denial to establish new medical colleges causing doctor shortage: SC ... colleges or to increase their intake capacity have caused loss of opportunities to the students as well as lesser number of doctors, the Supreme Court has said.


Ontario cuts 50 medical residency places, critics warn of doctor shortage
CBC.ca‎ - 2015年8月10日 (カナダ オンタリオ州)

"Cuts to medical school enrolment and training positions in the 1990s led to doctor shortages and longer wait times," said OMA president Dr. Mike Toth. "We have .. a growing and aging population who require more complex care. We need more doctors to meet those needs and provide that care, not fewer."


Potential for Ontario doctor shortage worry patients, OMA
Toronto Sun‎ - 2015年8月15日(カナダ オンタリオ州)

A decade later, the province had a serious shortage of physicians — 2.5 million people without a family doctor. ... Northern Health Research at Sudbury's Laurentian University, says he's not convinced there's a widespread doctor shortage.



(他に10位以内のニュースは、米国:アラバマ州、全米(3)、テネシー州、カナダ:ビクトリア州、などからも)


  1. 2015/08/31(月) 04:49:54|
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8月30日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/352798?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516285
シリーズ: 改革進む医学教育
高校で総合診療医を“青田買い”◆三重大学Vol.2
「教育のある所に人が集まる」

2015年8月30日(日)配信 池田宏之(m3 .com編集部)

 総合診療医の育成に当たって「研究」に力を入れる三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座(竹村洋典教授)だが、「教育のあるところに人が集まる」(竹村氏)との信念に基づいて、教育にも力を入れて、多様な取り組みを展開している。「患者目線で医療現場を見る」1年生の教育が、5年生、6年生になれば、上級医とともに、現場で患者を受け持ち、処方や治療方針について学ぶようになる。「早い段階での意識が重要」と考える竹村氏は、県内の高校で、総合診療医が仕事の内容を紹介する授業を実施して、志のある学生を“青田買い”する取り組みを始め、効果が出ている。


医学生「医療とは違う知識が必要」

 地域の医師は1年生から教育を始める。1年生向けの教育は「医療と社会」が1つの大きなテーマとなっている。1年生は、地域の医療機関の現場に足を運ぶ。7月の授業では、見学を終えた1年生を前に、竹村教授は、医療の在り方について切り出した。「かつては常に救う医療だったが、今は“軟着陸”が必要ではないか」と述べた。“軟着陸”は、慢性期疾患を抱える高齢者に対して、竹村氏が考える医療だ。「患者に寄り添うことを忘れて『どんどん救えば良いだろう』という医療でいいのか」と述べた。

 生徒に感想を求めると、過疎地に立地する県立一志病院を見学した女子学生は「患者と話して印象に残ったのは、病院が近くにないこと。もっと医師も頻繁に訪問診療ができれば良いのではないか」と指摘。他の女子学生は、駅から医療機関へのアクセスする際に坂が急だった点を挙げた。ある男子生徒は、ALSの医療者の訪問診療を見て「もっと壮絶な病気かと思ったが、穏やかない印象。医療とは違った知識が必要になるのではないか」と投げかけた。

 授業は、意思疎通のできない末期癌患者を想定して、延命治療の中止の判断を誰がするのかといった議論で、「家族が決めるべき」「親族でも意見が割れて決められないのでは」といった議論も。竹村氏は「認知症でも意思判断できる能力があるかもしれない」と投げかける。医療者として知識を学び始めたばかりの1年生や2年生の実習の目標について、竹村氏は「医療者としてではなく、患者として医療を見る」こととしていて、学生は、本格的な医学教育が始まる前に、基礎の基礎として「患者目線」で医療に接する。

認知症患者に対峙する医学生

 5、6年生のテーマは「参加型臨床研修」「人としての総合診療医の接触」がテーマで、約1カ月にわたる病院実習が含まれる。津市の郊外に立地する三重県立一志病院は、人口の高齢化率も高く、コモン・ディジーズを診るのが特徴だ。竹村氏の週1回程度の診察には、見学に来た6年生の生徒が付いた。夫が末期がん患者で、本人が認知症を発症した患者の診察前には「薬の副作用に気をつけないといけない」と指摘。その上で、家庭環境を踏まえて「軟着陸を考える必要がある」と述べた。「目のまぶたが重い」と訴える患者には、インターネットなどを活用して調べ、末期の胆嚢がん患者には疼痛の状況に耳を傾ける姿を医学生に見せる。「臓器だけを診ている」と揶揄されがちな細分化した専門科の診療から離れた診療に、医学生たちが真剣に耳を傾ける。学生は、触診や問診も体験し「忙しい大学の先生に放っておかれがちになる実習と違い、総合診療の実習は、治療方針や薬剤の決定など患者への介入が多い」と感想を述べた。


 医学生は、入院患者を受け持ち、昼休みには、総合診療医と学生が全員集まるカンファレンスも実施する。終末期の患者について医学生が報告すると、先輩の医師は、退院も見据えて、「良い時間を確保できるように」とアドバイスする。さらに、患者の自宅や周辺施設を見に行くこともある。一志病院の四方哲院長は、「退院後も患者が暮らせるかどうかに関心を払う教育」の必要性を指摘する。地域の高齢者向けの健康教室や食事改善活動に携わることもある。基本は、実習は泊まり込みとなるが、施設に宿泊施設が整備済みだ。

 現場で働く医師からも、好評だ。亀山市立医療センターに講師として勤務する医師は、学生が専門として「総合診療」を選ぶかどうかと関係なく、「(退院やその後の生活まで見据えた)総合診療医がいることを知ってほしい」と、意義を語る。さらに、竹村氏は、地域の医療の現状を知る結果として「『自分がどうにかしないと』と思ってもらえれば」と、10万人当たりの医師数が全国平均を下回る三重県に残ってもらえるような、副次的な効果にも期待を寄せる。

課題は人件費の安定性

 地域の現場で医師を育てることについて、竹村氏は、大学病院の総合診療医に来る患者は、特殊な不安を抱えていて、コモン・ディジーズから離れている点を踏まえて、「大学で教えるのは不可能」と指摘する。その上で強調するのは、卒前教育の重要性だ。研究室の研究の中では、「患者中心の意識の高低は、入学時に決まっているとの研究結果もある。卒前教育に加え、それより前の中等教育も重要」とする。実際に、県内の高校に総合診療医を派遣し、出前授業をする取り組みも始めている。入学生のうち125人中、35人が、授業に行った高校から入学するなど、一定の効果を挙げている。

 総合診療医を志す学生や若手の増加については、「『人間を診て、治療している』という識が見えやすくなってきたのではないか」と述べる。学生の中には、津市内にバーを開いたり、休学して日雇い労働者の集まる東京の山谷地区や大阪の西成地区に行く生徒も出てくるなど、「人間的に、面白い人が集まっている」と期待を示す。

 さらに総合診療医の養成を広げる課題としては、大学のバックアップの重要性を指摘する。自治体が予算を割いて対応できるのは後期研修医までで「学生の派遣や研究は難しい」と指摘。「へき地が高給で医師を募集した事例があったが、結果的に良い人材は来なかった。教育があるところにこそ良い人材が集まる」と力を込めて、話す。

 今後の課題として、竹村氏が考えるのは人件費の安定性。寄付講座は自治体からの寄付で成り立つため、議会の承認など行政のプロセスを経ざるを得ず、「首長の意向が変わると困る。中には、医療を軽んじている人がいるような信じがたい人もいる」と語る。

 総合診療医育成、寄付講座といった取り組みは、全国で広がりつつある。竹村氏は、三重大学で学んだ医師が、他の都道府県に移り、総合診療医の育成に力を入れることも多い中で、「取られっぱなし」と笑う。その上で、卒前教育の拡大などを通じて、「お互いさまになってほしい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/348198?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516284
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
「医療は贅沢品か」「窓口負担5割に」◆Vol.18
医療制度改革を巡る自由意見
 
2015年8月30日(日)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 Q15では、医療制度改革について、自由意見を寄せてもらった。主なものを紹介する。

【医療と経済】
・国民の所得格差があるのに、医療の平等を求めるのはおかしい。尊厳死の選択が可能ならば、医療費を払えなくてある一定以上の医療を受けられないことを国民が主張するなら、ジェネリック医薬品の受け入れは当然。また、後期高齢者にピロリ菌の検査や除菌など健康保険診療には反対。
・政治家が、国の税収が減っても、高度経済成長期のような高齢者・低所得者を優遇して甘やかした結果が、現在の体たらくを生んだ元凶。救いようはもうないのでは?
・経済が逼迫しているから、聖域無き経済改革の犠牲になるのが社会保障ではその国の未来は半ばないと思う。社会保障を削る前に、もっとしわ寄せするべき所があるはず。
・医療費削減のためアメリカのように保険のランク付けが必要と思う。
・自己負担を増やせばよい、医療は贅沢品、ということか。
・お金がないので、福祉の中へ市場原理を導入するのは致し方ないと考えるが、それはどんなに言い繕っても、後退や縮小にしかなり得ない。
・非常に高薬価な一握りの薬剤を認可しておきながら、「それ以外の医療費は削減する」「病床数は減らす」という政策は絶対に間違っている。
・経済の論理が全てに優先していると感じるのは私のひがみか。
・黒字を追及する必要はなく、収支がゼロでよい。

【改革の方向性】
・高齢者に対する医療費を削減する必要があることをじっくり国民に説明する必要がある。削減した医療費を子供の社会保障に充てていかなければ、少子高齢化は止まることはなく、日本の経済に未来はないと思う。
・2025年から2030年辺りに団塊の世代が後期高齢者層に入り、それをこなせば楽になっていくため、政府はうまくごまかそうとしていると感じる。
・保険では最も基本的な医療を提供すればよい。その他は自費にすればよい。例えば婦人科で通常の開腹手術を基本として内視鏡手術との差額は自費にすればよい。
・現在のシステムを維持するのが、グローバルに見ても最良の医療提供方法と思われる。
・病院の病床数の適正化や在宅医療の整備などの問題を、すぐに解決するのは困難である。国民全体で問題を認識し、一人一人が理解を深めないと、改革は進まないと思う。
・昨今の在院日数や在宅復帰率の設定目標は、高齢者等に望まない治療を強いる傾向にある。微調整よりは、抜本的に福祉と医療を限られた資材で対処する必要がある。
・医療制度改革の必要性は十分に理解できるが、やり方を誤ると地域医療の切り捨てなどの医療崩壊につながる可能性があるので、圧力で押し切る方法ではなく、現場の意見も尊重しながら慎重に行ってほしい。
・基本的に削減のための改革であり、最終的な被害者は患者自身になると思われる。
・医療保険は医師の指示下でのみ使うようにしてほしい。
・やるならば思い切ってやらないと、2025年には間に合わない!
・地方で頑張っている開業医を切り捨てないでほしい。
・患者、特に弱者本位の改革をしてほしい。

【具体策】
・医療保険、国保、社保、共済などを、まず統一すること。国民保険ですので。
・医療費負担割合の見直し(透析・難病・生保)。使った医療費の負担はある程度持つべき。
・予防医学に重点を置くべき(検診を義務化し、正当な理由なしに精密検査や治療を拒む場合は罰則や保険負担率のアップを検討)。
・医療に消費税をかけてほしい。
・新設医学部、医者数の増加はやめるべき。コメディカルの権限、給料を上げてスタッフを増やす。 ・医局制度の改革後、政府に研修医から医師の活動まで管理されるようになった。それならば、医師の専門性、数、質もコントロールをするべきでは?
・後発品の使用について、安全性、薬効等まだ不明であり、強制するべきでない。どうしても強制するのなら、安全性ほか不明な部分がある旨を知らせるべき。
・医療クラークの充実。
・窓口自己負担を5割にすべき。
・民間企業などが進出しているが、医療経験や知識がないスタッフが多く、ハードがあっても機能しておらず、うまくいかないと主治医をはじめとする病院に責任を押し付け、面倒だと丸投げするところあり。また、暴力団や知識のない建設業や輸送業者が福祉領域に既に潜り込んで暗躍しており、質を高めることや監視や評価することも政府がやるべきことだと思う。
・皆保険制度は維持するが,全くのフリーアクセスではなく,専門医制度の中で総合診療医の役割を明確にし,地域でのゲートキーパーの役割を担わせる。また、自由開業制ではなく,ある程度地域を区切った認可を行う。レベルの均一化のために明確な基準による更新制度を導入すべき。
・今政府の進めている在宅訪問診療への移行は、少子化などにより在宅介護が困難なため、難しい点も多いと思われる。むしろ在宅では介護できない高齢者を受け入れる施設を増やし、介護者に働いてもらい、税金を納めてもらった方が経済効果も高いと思う。

【政治家、官僚、医師の在り方】
・平気で利益追従のため患者さんをだましたり、法律にそむいたりする医師が多いため、そのような輩は医師免許剥奪という強い姿勢で臨むことが必要。医師会自体も自浄しないと政府も聞く耳を持たない。
・改悪ばかりで、納得いかない。医者にばかり、押し付けるのではなく、政治家こそ、聖域なしの抜本改革すべき。
・無駄なことを考える官僚の数も削減すべき。議員と官僚の数を半分にすれば社会保障費は賄える。 ・医者以外のモノがあれこれ考えても、そうそううまくはいかない。また、医者も我を通してばかりでもだめ。
・医師会に政権を取るつもりで取り組んでいただきたい。
・厚生労働省が、何かする度に現場の医師の仕事が増える。現場の声を聞かずに机上の空論をふりかざすのはいい加減にしてほしい。
・改革推進者には広角な視野で大局観を持つ人物を多く登用すべき。
・リスクを負って、昼夜問わずに働く医師より、「急患は診ない」「検診しかしない」といった医師の給与が高いといった根本的な問題を解決すべき。

【その他】
・何をやってもどうにもならないでしょう。
・お上の命令には逆らえない。
・自分自身に関係がなければ、特に関心がない。



http://www.m3.com/news/general/352819?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516287
神戸大病院のカテーテル再使用で厚労省が通知 
2015年8月29日(土)配信 毎日新聞社

神戸大病院:カテーテル再使用で厚労省が通知

 神戸大医学部付属病院(神戸市)で使い捨てのカテーテルが再使用されていた問題で、厚生労働省は28日、医療機器の使用方法を守るよう求める通知を都道府県に出した。

 神戸大病院によると、同院は2010年度以降、循環器内科で不整脈の手術に用いるカテーテルを使用後、滅菌処理して約300人の患者に再使用していた。カテーテルの添付文書には「再使用禁止」と明記されていたが、保険適用になる本数を超えて使うと病院の負担になるため、再使用したという。健康被害は確認されていない。



http://www.m3.com/news/general/352835?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516288
「採血で後遺症」鹿児島市立病院、和解金支払いへ 
2015年8月29日(土)配信 読売新聞

 鹿児島市立病院で採血後、左手まひの後遺症が残ったとして市に損害賠償を求めた女性に対し、市は和解金として1200万円を支払う方針を固めた。和解金額の決定議案を9月定例市議会に提案する。

 病院などによると、女性は1995年6月、県内の会社の定期健康診断で病院を訪れ、採血後、「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」を発症した。女性は採血針で神経を損傷し、まひが残ったと主張して提訴し、約8800万円の損害賠償を求めていた。福岡高裁宮崎支部は今年5月、双方に和解勧告した。

 病院側は「CRPSは神経損傷がなくても発症する。ただ、採血の際に神経を傷めなかったことを立証することができなかった」と説明。原告側弁護士は「裁判所が病院側にある程度の責任を認め、病院がそれに応えたと受け止めている」と話した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150830_63014.html
<これから>病院存続 覚悟の転身/第24部・意志を継ぐ(1) 
2015年08月30日日曜日 河北新報

◎南相馬市・中林智之さん

 夢に描いていた「南の島の診療所」と環境は大きく異なる。でも、選んだ道に迷いはない。
 南相馬市原町区の南相馬中央医院(旧・原町中央産婦人科医院)。医師中林智之さん(61)が着任して2年以上がすぎた。肩書は院長でも常勤医はほかにいない。慣れない方言に戸惑いつつ、1日50~60人の外来患者に向き合う。
 以前は富山県内の総合病院で内科医として活躍していた。福島との縁と言えるのは、学生時代に観光で何度か訪れたことぐらい。地域をまたいだ転身は2012年8月、偶然目にした新聞報道がきっかけだった。
 「福島第1原発事故後も地元に踏みとどまって診療を続けた」。記事は高橋亨平前院長の活躍を伝えていた。そして「末期がんに侵され、後継者を捜している-」。病院存続の危機を訴える一文に、心が動いた。
         □
 当時58歳。自治医科大の1期生として、晩年はへき地医療にささげようと決めていた。「私では駄目でしょうか」。手紙を書いた。2カ月後には高橋前院長との面談が実現し、重責を引き継ぐことが決まった。
 翌年1月、高橋前院長は74歳で永眠する。中林さんが福島に移住する2カ月前のことだった。「訃報を伝える全国ニュースを見て、存在の大きさをあらためて感じた」と振り返る。
 専門は循環器系。新体制になって産科の看板は下ろしたものの、今も女性患者の割合は高い。「心の病気が原因の不眠などを抱える方もいる」。診察室の中で、長期化する避難生活の影響を実感する。
 除染作業員の健康診断も数多くこなしている。糖尿病といった生活習慣病が目立つのが気掛かりだ。多くは単身での寮生活者。「食事療法が難しくてね」。復興の最前線に立つ人々を思いやる。
         □
 看護師などの人手不足もあり、市内には休止している診療所が少なくない。避難先から戻る住民が増えるにつれ、限られた受診先にしわ寄せが向かっている。
 医師の負担が限界を超えれば、地域医療は崩壊しかねない。「まずは病院を継続させて責任の一端を担う。自分にできることをやるだけ」。淡々とした口調に決意をにじませる。
 富山の家族は既に呼び寄せた。「少なくともあと10年、体力が許す限り現役を続けたい」。へき地と被災地。活躍の舞台は違っても、地域を支える情熱と使命感に変わりはない。(斎藤秀之)
     ◇
 多くの命が奪われたあの日から4年半になろうとしている。家族、仲間、そして東日本大震災後の出会い…。道半ばで世を去った大切な人との思いはつながっていく。志を受け継ぎ、前を見据えて再生への歩みを刻む。(第24部は4回続き



http://mainichi.jp/area/oita/news/20150830ddlk44040207000c.html
研修医:大分で医療に従事を 60人がワークショップ /大分 
毎日新聞 2015年08月30日 地方版

 県内の病院で研修中の若手医師が一堂に会する合同研修会が29日、大分市内のホテルであった。研修医の県内定着を図ろうと県医師会などが初めて企画。大分大医学部付属病院など9病院の研修医約60人が参加し、ワークショップなどを通じて交流を深めた。

 県によると、研修期間後に研修医の約3割が県外に流出するという。広瀬勝貞知事は「大分市、別府市以外の市町村では医者の数が少ない。将来はぜひ大分で医療活動に従事してもらいたい」とあいさつ。県医師会の近藤稔会長は「研修期間が終わっても地域医療のために貢献してほしい」と呼びかけた。

 その後、参加者は研修先の病院ごとにチームに分かれ、倦怠(けんたい)感を訴え来院した62歳の女性の病名を、症状や既往歴、生活歴などから推測、特定するワークショップに取り組んだ。

 指導に当たった大船中央病院の須藤博副院長は「患者の言葉をいかに医学的用語に置き換えるかが大切」などと診断のポイントを話した。【西嶋正法】



http://jp.wsj.com/articles/JJ10403367518906984590418465520201828126188
年度内にも再発防止策=群馬大事故で第三者委
2015 年 8 月 30 日 19:30 JST 更新 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 群馬大病院で肝臓の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、第三者のみで構成する事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は30日、東京都内で記者会見し、今年度内をめどに再発防止策をまとめると発表した。

 病院は内部調査を行って3月に報告書を公表したが、当時の外部委員に無断で報告書に加筆するなどの問題が判明。大学が7月に第三者委を設置した。上田委員長は内部調査の問題点も検証する考えを示した。

 群馬大は第三者委に対し、手術の執刀医(退職)が着任した2007年以降の死亡例30件の情報などを提供。第三者委は医学面の評価を関連学会に委託し、他に調査が必要な事故がないか検証も求める。また、病院関係者や患者家族への聞き取り調査を行い、再発防止策をまとめる。

 上田委員長は「(手術の)危険性を下げるにはどうすればいいかに言及する必要がある」と述べた。 

[時事通信社]



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H4E_Q5A830C1000000/
年群馬大病院の学外委が初会合 肝臓手術の患者死亡で
2015/8/30 23:22 日本経済新聞

 群馬大病院で同じ男性医師(退職)の肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、弁護士ら学外委員6人で構成する調査委員会は30日、都内で初会合を開き、遺族や男性医師、病院関係者からヒアリングをすることを決めた。

 記者会見した上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)によると、男性医師らが手術の際、家族にどのような説明をしていたのかを調べるため、遺族や病院関係者と面談する。医学的な検証には専門的な知識が必要として、学術団体に調査を委託する。

 同病院では昨年、同一医師が執刀した腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術で患者計18人の死亡が判明。今年3月、腹腔鏡手術の調査委の最終報告書を公表した。内容が不十分との指摘を受け、開腹を含めた男性医師の手術を全て調べるため学外委員会を立ち上げていた。〔共同〕



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150830-OYT1T50117.html
年群馬大病院の術後死、新たに12例が判明
2015年08月31日 03時00分 読売新聞

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者からなる新たな医療事故調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)の初会合が30日、東京都内で開かれた。


 会議後に記者会見した上田委員長は、大学側の調査で新たに12人の死亡が判明し、公表されていた18人と合わせ30人の死亡例が示されたことを明らかにした。今後、診療内容を詳しくみる医学的評価を専門学会に委託。30人の死亡例を中心に問題を調べる。

 初会合では、調査対象を2007~14年に同病院で行われた肝胆膵かんたんすい(肝臓、胆道、膵臓)の全手術とすることなどを確認した。上田委員長によると、この日は大学側が経緯を説明し、委員が意見交換した。


  1. 2015/08/31(月) 04:41:10|
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8月29日 

http://apital.asahi.com/article/news/2015082900010.html
診療報酬を過大請求、群馬県後期高齢者医療広域連合が和解案了承
2015年8月29日 朝日新聞

 群馬県後期高齢者医療広域連合(前橋市)は、約8千万円の診療報酬を過大請求したとして医療法人(高崎市)に同額を支払うよう求めた裁判で、法人側が4千万円を支払い、残りを放棄するなどとした前橋地裁の和解案を受け入れることを決めた。

 連合によると、法人は2008年12月~11年9月、後期高齢者医療保険で入院基本料を過大に請求。関東信越厚生局の調査で11年10月に発覚した。連合は支払いを求めて14年3月に提訴していた。

(朝日新聞 2015年8月29日掲載)



http://mainichi.jp/area/niigata/news/20150829ddlk15040126000c.html
医療過誤訴訟:病院側争う姿勢 口頭弁論 地裁 /新潟
毎日新聞 2015年08月29日 地方版 毎日新聞

 新潟市の女性(当時68歳)が新潟南病院(新潟市中央区)で網膜剥離の手術を受けた後に死亡したのは、術中の不適切な麻酔が原因だとして、女性の遺族が同病院を経営する医療法人「恒仁会」に約8300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、新潟地裁(三浦隆志裁判長)であった。病院側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。

 訴状によると、網膜剥離を患っていた女性は2012年6月に手術を受けたが、執刀医が誤って視神経を包む膜内に麻酔を打ち、約15分後に心肺停止となった。女性の心拍は回復したが、蘇生後に脳に後遺症が残り、約3年後に死亡。原告側は、麻酔を誤注射したことや心肺停止後にも適切な蘇生が行われなかったことが死亡につながったなどとして、慰謝料や入院費を求めている。【柳沢亮】



http://apital.asahi.com/article/news/2015082900003.html
中津川市民病院の出産事故、市が300万円の賠償で和解
2015年8月29日 朝日新聞

 中津川市は27日、中津川市民病院で2013年8月に起きた出産事故で、女性に損害賠償金300万円を支払うと発表した。

 市によると、女性は市内の産科医院に入院したが、胎児が異常な姿勢で産道を下りた。そのため8月21日に市民病院に転院し、帝王切開で出産。仮死状態で生まれた男児は翌22日、救急搬送先の名古屋大付属病院で死亡した。

 両親は「医療過誤」と主張して名古屋簡裁に調停を申し立て、市側が和解勧告を受け入れた。

 市民病院の担当者は取材に「医療過誤とはとらえていないが、早期の解決を図るため、賠償金を支払うことにした」と話している。

(朝日新聞 2015年8月28日掲載)



https://www.m3.com/news/iryoishin/352469?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478366
“スーパー診療所”、若手医師来たれ!
広島県神石高原町で「過疎地医療×国際救急医療」実現

2015年8月28日(金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会「保健医療2035策定懇談会」がこの6月にまとめた提言書でも言及された、“スーパー診療所”が、この10月にも実現に向け始動する見通しだ(懇談会については、『20年後の保健医療政策、国民的議論を』などを参照)。

 場所は、広島県の東部、標高約500mの中国山地にある神石高原町。人口1万人足らずで、交通の便は悪いものの、地方再生のモデルとして注目を集めている町だ。牧場や農園、ドッグランなどがある自然体験型の公園「神石高原ティアガルテン」から、「ピースワンコ事業」という犬の殺処分ゼロを目指した保護活動まで、ユニークな取り組みを展開している。地域経済の活性化、雇用創出につながり、観光客だけでなく、IターンやUターンで神石高原町に来る人も少なくないという。

 いまだ手薄なのが、医療と教育。そこで医療の面で浮上したのが、“スーパー診療所”構想だ。コンセプトは、「過疎地医療×国際救急医療」。民間ヘリコプターと四輪駆動車という救急搬送手段を常備し、プライマリ・ケアは診療所で、救急対応や入院などが必要になった場合には、ヘリコプターで近隣の基幹病院に搬送する。さらに災害時などは、国内外を問わず、医療チームを派遣する。ヘリコプターはこの10月から稼働予定。“スーパー診療所”の運営に関わる人材は現在募集中で、医師のIターンも期待する。

 “スーパー診療所”の運営主体となるのが、国内外において紛争・災害支援に長年取り組んでいるNGO、ピースウィンズ・ジャパン(NPO法人)だ。これまで27カ国・地域、現在は10カ国で活動中だ。「ピースワンコ事業」は同法人が実施しているもので、「神石高原ティアガルテン」の立ち上げにも関わった。

 代表理事を務める大西健丞氏は、その狙いを「“スーパー診療所”は、過疎地医療のモデル、総合診療医の養成、災害時の医療支援の研究など、さまざまなパイロットスタディーの拠点としたい。ヘリコプターは、この新しい診療形態のその一つのデバイスとして常備する」と説明する。「優秀で変わったことが好きな、かつ『夢の田舎暮らし』を希望する若手医師にぜひ来てもらいたい」(大西氏)。

 民間ヘリ会社の運営にも参画

 ピースウィンズ・ジャパンは1996年設立。緊急支援、復旧・復興支援、開発支援が中心的活動で、人命救助や無医村での巡回診療など、医療面での支援も手掛けてきた。その活動地域は幅広い。現在活動しているのは、イラク、南スーダン、東ティモール、スリランカ、ケニア、アフガニスタン、ネパール、モンゴル、ミャンマー。国内では、東日本大震災後の沿岸部と、神石高原町だ。

 “スーパー診療所”構想のきっかけとなったのが、東日本大震災の被災地への支援。ピースウィンズ・ジャパンは、震災翌日の2011年3月12日には現地入りした。そこで民間ヘリコプターの有用性を実感し、2013年にNPO法人格を取得した「オールラウンドヘリコプター」に参画。東北沿岸部で、地元自治体や医療機関と連携して、医療搬送や災害対応活動を今も実践している。

 過疎地では、病床を持つ病院という“箱モノ”を作り、医師をはじめ多くの医療者を雇用し、運営するのは容易ではない。その解決法が、いざという時にすばやく患者搬送が可能なヘリコプターを自前で持つことだ。ドクターヘリや救急車は到着までに時間がかかる上、ドクターヘリは公的な事業であり、運営補助金が出るものの、その運行には制約も多い。

 これに対し、民間ヘリコプターは「医療機関が自由自在に使えるヘリ。『ワンウエイ』であるため、搬送時間も短くて済む。巡航速度は、時速220km。直線距離で飛べるので、救急車で1時間半かかるところを、ヘリコプターを使えば、12、13分で搬送できる」(大西氏)。

 しかも、患者搬送だけでなく、血液や医薬品、医師や医療従事者の搬送なども可能だ。「これまでの経験を生かし、初期およびランニングコストを抑える方法が分かった」(大西氏)ため、実現できた。ランニングコストだけを見ても、ドクターヘリは年間2億円以上だが、“スーパー診療所”の民間ヘリコプターは、5000万~6000万円にとどまるという。

 若手医師の研修の場として幅広く展開

  民間ヘリコプターを置く“スーパー診療所”自体は、クリニックを新設するか、既存の診療所を継承したり、後継者不在で廃院になった診療所を譲り受けるなど、幾つかの選択肢を考えている。「医師を診療所院長とすることはもちろん必要だが、NPO法人による複数の診療所運営が可能であることは、厚生労働省に確認済み」(大西氏)。

 “スーパー診療所”の運営には、診療報酬だけでなく、ピースウィンズ・ジャパンの活動経費も充てる。また周囲の診療所などと連携し、民間ヘリコプターなどはこれらの診療所も使えるようにする。

 それだけにとどまらない。何よりピースウィンズ・ジャパンの強みは、海外での活動実績。複数医師体制を取り、若手医師の研修の場とし、プライマリ・ケアは診療所で学び、国内外の災害現場や医療過疎地域などに赴き、医療支援も経験してもらう方針だ。神石高原には、長年、地域医療に従事した高齢の医師もいる。この医師に若手医師のメンターになってもらう計画もある。

 「論より証拠」、パイロットスタディーの成功目指す

 神石高原での取り組みのもう一つの柱は、教育。医師が過疎地域に赴任する際に、ネックとなるのが子供の教育だ。この点も、既に実績があり、地元中学校の近くで、寮を運営し、希望者には寮生活を送ってもらっている。ピースウィンズ・ジャパンのさまざまな人的ネットワークを生かし、英語のネイティブスピーカーをはじめ、各科目の講師を派遣し、寮の中学生向けに塾を開いている。大西氏は「学校教育だけでは限界がある。寮も、教育の場の一つ。塾の開校以来、成績が良くなったので、入寮の人気が高まった」とその成果を語る。塾は広く開放していくことを検討、さらに高校生向けには、海外の高校にも留学できる奨学金制度を作る予定もあるという。

 そのほか、病児保育やケア付きの高齢者住宅、医師に限らずさまざまな職種のIターンやUターン向けの、ログハウスや古民家を改装した住宅なども用意する予定だ。

 「政府がもし本気で人口のリバースを考えるのなら、皆が行きたいと考える“理想郷”を作らないといけない。例えば、東京に住むより、病気になった場合でも救命率や社会復帰率が高く、しかも医療費は安く済むことを証明することが必要」。こう語る大西氏は、「論より証拠」と語り、神石高原の”スーパー診療所”のパイロットケースの成功を目指す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/348197?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478370
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
「医療で経済成長可能」、1割満たず◆Vol.17
民間企業参入には、医療格差への懸念も

2015年8月29日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

Q.14 医療は経済成長に結びつくか。
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 Q14では、政府において、社会保障の公的支出削減部分を、民間企業に担ってもらい、「経済の成長への新エンジン」としたい考え方があることを踏まえて、「医療が経済成長に結び付くか」を聞いた。

 最も多かったのは、勤務医では、「どちらとも言えない」で38.5%となった。開業医で最多だったのは「結び付かない」で55.0%。医療による経済成長については、開業医より、勤務医の方が、比較的明るい見通しを持っている結果となった。

 ただ、「結び付く」としたのは、勤務医で11.2%、開業医で5.0%。臨床現場の期待が高いとは言えない結果。

 回答の理由について、任意で聞いた。主な意見は以下の通り。

【結び付く】
・ニーズは増えると思うが、国民の所得増が無いと難しいのでは。
・民間企業の新鮮な知恵が必要。
・消費ではなく投資と捉える。
・再生医療や再生医療を用いた新薬開発に期待。
・医療ツーリズムが発展する可能性がある。

【どちらとも言えない】
・民間では利益優先になりがちであるため、質の低下を招き、格差社会が医療で再現されると予想する。経済成長どころの話ではないと思う。
・医療は、進歩はあっても、生産性はない分野と考える。ただ今後グローバルな医療については検討課題であろう。
・医療を「金儲け」に使うことを極端に嫌う医療者が少なからずいるため。
・必要な受診の抑制につながらなければ良いが。
・なぜ経済成長が必要なのか?いつまで成長ばかり追い求めるのか?

【結びつかない】
・ハードウエアが良くなり、国際間格差が以前ほどなくなって、「日本優位」を言えなくなる。
・医療を経済的観点で全て行うと、格差拡大を助長して、短期的には経済的効果があるが、その後、悪化すると思う。
・生産性を高める行為でなければ、民間企業に肩代わりさせただけでは、後退はあり得ても、成長には結び付かない。
・これまでアメリカで実施された数々の民間企業参入も、医療費の削減にはつながっていない。
・医療に営利企業が参入すると、おそらく万人に均一な提供はできないと思われるし、介護保険の時と同じく利益追求にエスカレートする企業が多数出現すると思われる。経済成長とリンクする必要なし。
・医療全般は金が際限なくかかる。民間参入したとしても結局、税金の持ち出しが多くなる。
・医療と儲けとは相容れない。経済的格差があるように、医療も保険診療での範囲を決めて、医療にも格差を設けるか、腹腔鏡やナビを使う場合は私費の加算を設けること。救急ならば幾らでも健康保険診療ができるのは改めるべき。
・成長を促すには富裕層の数は限られている。選択肢を増やすに留まると思う。
・医療は消費するばかりだから、そこからの経済発展はない。その産業は発展するかもしれないが、使われる金は、大半は税金であり、金を生み出すわけではない。
・国の方針に対する強い不信感がある。
・医療は産業ではない。しかし、診療に付随する周辺産業・雇用には結び付くことは否定しない。
・営利企業に医療の継続はできない。
・医療は国家レベルでそもそも利益誘導できる性格のものではないと思うから。
・現状、公的病院を減らす方向にあるので、市場原理の導入は効率化に傾くが、その場合、災害時・緊急時の余力を奪うことになる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/352797?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478367
シリーズ: 改革進む医学教育
研究重視で総合診療医を養成◆三重大学Vol.1
地域医療講座の医師の研究「義務」

2015年8月29日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座(竹村洋典教授)は、地域医療を担う総合診療医の育成で有名だ。2011年に日本で初めて、地域の病院に医師を配置する寄付講座を設置して以降、県内外に人材を輩出している。臨床医と捉えられる総合診療医のイメージを越えて「日本発のエビデンスの構築」に向けて、総合診療の研究者を育てることに力を入れている。地域に設置した寄付講座の医師には研究を義務として課し、エビデンスの発信に注力する。竹村氏は、欧米のエビデンスをそのまま導入しがちな傾向に疑問を呈して、行政や総合診療医教育まで見据えて、エビデンスを発信したい考えだ。

医療提供幅狭いと、入院増加

 三重県亀山市の亀山市立医療センター。三重大学は地域医療の現場として寄付講座を置いている。総合診療科には、「三重大学助教」の肩書を持つ医師が常勤医として勤務し、前期研修医、後期研修医が研修を続けるほかに、三重大学の5年生や6年生が実習に訪れる。記者が同行取材したある日の病棟では、研修医が十二指腸潰瘍で歩けなくなった患者の所見を学生に確認してもらったあと、助教の医師が確認して、「関節が固くないので筋力の低下では」とアドバイスした。

 三重大の地域医療講座は、名張市や津市にも存在している。今では珍しくなくなった「地域医療講座」だが、三重大の特徴は、講座設置の目的の中に、「教育」に加えて、「研究」を入れている点だ。竹村教授は、「研究は義務」と言い切る。亀山市立医療センターにいる助教の医師も、臨床の現場に日々あたりながら、研究を続けていて、「次は運動をしている人と、していない人の間で、医療費に影響するのかを研究したい」と話した。

 「研究」を講座の1つの柱としてきただけに、竹村教授らの日本の医療環境についての成果は少なくない。医療の包括性を見た結果では、かかりつけ医の提供する医療の範囲が狭いほど、受診や入院、救急車利用の頻度が増加することやかかりつけ医にかかる期間については、年齢補正を入れると、受診や入院の頻度に影響がないことがわかった。最近では、高齢者の救急車の利用結果を分析して、3割以上が、「不適切」「利用が避けられた」可能性を指摘し、今年の「The Tohoku Journal of Experimental Medicine」誌に掲載された。

 また、講座では、白衣の下に着る服や履物、女性の髪の色といったものも、研究対象。「サンダルやスニーカーの場合、患者の満足度に影響を与えるかどうか」といったものなで研究テーマ」となる。1万4000人規模のコホート研究が実施されていて、総合診療医に関する研究が実施できる環境が整っている。2015年は8月までに既に6本の論文を英文誌に掲載している。

「米国や英国でなく、日本型」

 「総合診療のエビデンス」にこだわる理由は、竹村教授自身の体験が背景にある。2005年に京都で開かれた世界の家庭医の学術大会「WONCA」(主催:世界家庭医機構)の時の体験。当時、総合診療において、欧米の研究に基づいたエビデンスを示すことが一般的だった中で、元プレシデントのM. K. ラジャクマール氏は「欧米の知識ばかりを入れて面白いのか」「日本の素晴らしい医療の話を聞きに来たのに、日本人は他の国の話ばかりしている」と指摘された。自身も米国留学中に、総合診療医としての経験を積む中で、「患者を看ているだけでは物足りない」と感じた竹村氏は、日本から総合診療のエビデンスを発信する決意をして以来、科研費なども積極的に取得している。

 日本の医療制度は、国民皆保険体制で、医療機関はフリーアクセスとなっているなど、先進諸国には見られない特徴がある。総合診療医の理念の1つとして、「患者中心性」を掲げ、欧米のエビデンスをそのまま適用するのは難しいことが多い。竹村氏は「大学では、他の部門で夜中まで研究しているが、総合診療医も同じはず。われわれから、EBMの判断材料となるエビデンスを発信しないといけない」と言い切る。

 社会的な背景や国民性といったものも研究対象となる中で、「日本人が何を考えているか、どう行動するかをやらないといけない」とも述べ、エビデンスの適用の難しさを指摘している。「米国や英国でなく、日本型でないといけない」が信念で、総合診療医の育成方法や、コーチングまでも含めて研究対象となっている。

「学会もアカデミズム重視に」

 竹村氏は、研究の重要性を新しい専門医制度の観点からも重要と考えている。従来、学会が専門医の認定で成り立ってきた側面を指摘した上で、「今後アカデミズムが必要となる。その上で、分野に資するエビデンスを作る場にならないといけない」とする。

 医療費増加への風当たりが強い中で、行政サイドとのやりとりも見据え、同大学の人文学部との共同研究で、貧困の問題との関連も調べる研究もある。竹村氏は「行政の人に『総合診療医が良い』と言ってもわかってもらえない」と述べた上で、教育内容や総合診療医の重要性を説明するエビデンスを確立したい考え。「コスト削減とか地域偏在解消と言えばもっともらいしいが、本当かどうか実証していかないといけない」と述べていて、費用対効果の側面などからも、総合診療医の活躍の場が広がることに期待を示している。



http://www.m3.com/news/general/352753?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478374
数値目標、企業に義務 女性活躍推進法が成立
2015年8月29日(土)配信 朝日新聞

 企業に女性登用を促す女性活躍推進法が28日、参院本会議で可決され、成立した。来年4月から、大企業を中心に、女性の管理職比率や採用比率の数値目標を含む「行動計画」づくりなどが義務づけられる。2026年3月末までの時限法だ。

 行動計画づくりが義務づけられるのは、常時雇用する従業員が301人以上の企業。採用者や管理職に占める女性の割合、勤続年数の男女差といった状況を把握し、改善点を分析した計画をつくる。管理職比率などの数値目標も盛り込む必要がある。さらに、女性比率や勤続年数差といった女性が職業を選ぶ際に役立つ情報は、定期的に公表させる。具体的な項目は今後、省令で定める。

 ただ、行動計画の未作成や数値目標の未達への罰則はない。また、パートやアルバイトについての取り組みが計画に組み込まれるとも限らない。狙い通りに女性登用が進むかは、企業の実行力にかかっている。

 法案は昨秋の臨時国会に提出されたが、同年の衆院解散・総選挙のため、いったん廃案になった。そのため、今通常国会に再提出されていた。


  1. 2015/08/30(日) 05:22:38|
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8月28日 

http://apital.asahi.com/article/news/2015082800018.html
東北薬科大の医学部設置、期待と課題
2015年8月28日 朝日新聞

 東北薬科大(仙台市)の来年4月の医学部設置にゴーサインが出た。文部科学省の審議会が27日、新設を認める答申を出した。地域医療の充実に期待が高まる一方、思惑通りにいくのか課題も多い。

 答申を受け、東北薬科大は27日夕、記者会見を開き、高柳元明学長は「東北地方の医療事情を改善するよう、医学部を充実・発展させていきたい」と述べた。来春、大学名を「東北医科薬科大」へと変える。

 医学部の定員は一学年100人。このうち55人程度は「地域枠」とする。

 入学金や在学中の授業料として、計2600万~3千万円を同大や東北各県が貸与。卒業後、10年前後は医師不足の地域で勤務することを義務づけ、これを果たせば返還が免除される。宮城県内で30人、他の5県で計25人程度となる見通しだ。

 6年間の学費3400万円のうち、自己負担は400万~800万円程度で済む。国立大学並みの費用で学べるようにし、地域医療に意欲的で優秀な学生を集める狙いだ。入試は、1次試験が来年2月1日、2次試験が同13日にある。

 医学部生は、薬学部がある仙台市青葉区小松島のキャンパスと、宮城野区福室の大学病院に隣接して設けられる教育研究棟と新病院棟で学ぶ。1期生は2018年度以降、福室キャンパスに通うことになる。

 教員は180人前後を予定し、仙台市内の同大と東北大から計107人を確保する。「医師不足を助長しかねない」との声に配慮し、他の東北5県からの採用は8人にとどめる。

 臨床実習にはベッド数が600床必要になるが、今の病院は466床しかない。このため同大は、仙台市若林区に199床を持つNTT東北病院を譲り受ける交渉を進めている。

 (森治文)

 ■教員採用、東北に偏り

 地域医療への影響には、なお不安がある。医学部を設置する大学に薬科大を選んだ文科省の構想審査会は、教員となる医師を東北地方から多く引き抜かないよう薬科大に求めていた。しかし採用が決まった174人のうち、134人は東北からの応募者だった。

 東北各県の大学医学部トップや医師会長ら12人は、今月20日にあった審査会の会合に先立ち、「地域医療崩壊に向かうことは必須」として、対応を検証するよう文書で要請。会合では「これ以上(東北からの採用に)傾くのは問題だ」などの指摘が出て、座長の遠藤久夫・学習院大教授は「全般的には適切だが、課題もある」と総括した。

 薬科大は27日の会見で、地域医療に悪影響を与えない応募者を選んだと説明。開学後に影響が出たと指摘されれば、調査して対応する方針を明らかにした。高柳学長は「(公募結果は)期待はずれだった。他大学の教員公募がだいたい終わった昨年11月に公募に参入したことが、応募者が少なかった原因だ」と話した。

 学費を貸す学生が宮城県内では30人いるのに、他の5県は各5人程度とされたことについても、12人は審査会に文書で「医師の新たな地域偏在が生じる可能性がある」と指摘した。

 高柳学長は「宮城の30人は、宮城県がお金を出している。このお金を他県(の学生)に使うのは容易ではない。他県でもできるだけ修学資金を用意してもらえないか、今後要請していく」と話した。

 (小宮山亮磨)
(朝日新聞 2015年8月28日掲載)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150828_13021.html
<新医学部>宮城県、110億円規模を補助
2015年08月28日金曜日 河北新報


 大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大(仙台市青葉区)への医学部新設を下村博文文部科学相に答申した。いったんは県立医学部設置構想を掲げながらとん挫した宮城県は、修学資金制度や新キャンパス整備に県費を拠出し、県内第二の医学部始動を支援する。

 2016年4月に「東北医科薬科大」と名称変更する薬科大への県の支援枠組みは図の通り。
 このうち修学資金制度は県と薬科大が、共同で資金を管理する一般社団法人を設立。県は法人経由で薬科大に対し、80億円程度を段階的に拠出する。
 薬科大は法人から資金提供を受け、医学生1人当たり6年間で総額3000万円を貸与する。医学生は卒業後に県が指定する医療機関に10年間勤務すれば返済が免除され、免除分は勤務先の医療機関が負担する。
 原資の拠出方法、期間などは今後詰める。県は県議会11月定例会以降に予算化していく。
 新キャンパス整備への補助は総額30億円。県は本年度当初予算で10億円を計上し、残りの支出についても債務負担行為を設定した。
 医学部新設をめぐっては昨年5月末、急きょ村井嘉浩知事が県立での医学部設置構想を表明。8月末に文科省の構想審査会が新医学部の設置先として薬科大を選定し、県立の「宮城大医学部」は選外となった。
 県医師確保対策室は「県立医学部が実現できなかったのは残念だが、東北の医師不足解消といった県が掲げた理念の相当部分は新医学部でも生きている。県の支援は応分の負担と考える」と話した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150828_13015.html
<新医学部>理事長、卒業生の東北定着図る
2015年08月28日金曜日 河北新報

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 大学設置・学校法人審議会による医学部新設の認可答申を受けて東北薬科大(仙台市青葉区)は27日、高柳元明理事長らが記者会見に臨み、「卒業生が東北に定着し、地域医療、災害医療に貢献できるようにしたい」と語った。

 審査の過程では「カリキュラムの内容が不十分」と指摘を受けた。申請書の再提出を求められるなど、難産の末の認可答申となった。
 高柳氏は手厚い修学資金制度を新医学部の特徴に挙げ「経済的な理由で医学部を断念するような高校生に、ぜひ受験してほしい」と呼び掛けた。
 卒業生は一定期間、地域医療機関に勤務すると修学資金の返済が免除される。医学部長に就任予定の福田寛教授は「この間に地域医療に携わる充実感を味わってもらい、義務年限の終了後も東北に定着してほしい」と話した。
 東北6県の自治体や医療教育機関の代表でつくる薬科大教育運営協議会は、今後も年1回以上開催する。高柳氏は「地方の医療事情を改善しようと真剣に協議したのは、全国でも画期的だった」と振り返った。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150828_13013.html
<新医学部>東北の受験地図一変か
2015年08月28日金曜日 河北新報

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 37年ぶりに誕生する東北薬科大(仙台市青葉区)の新医学部は、東北の受験地図を塗り替えることになりそうだ。実質、国公立大並みの学費。今後、ライバル関係になりそうな岩手医大(盛岡市)。来春の受験シーズンをにらみ、受験業界が情報の収集と分析に駆け回っている。

 予想偏差値「67.5」。
 ことし6月、大手予備校の河合塾が模擬試験のデータに基づいて発表した新医学部の偏差値に受験業界が絶句した。「こんなに高いとは…」
 偏差値67.5は、全国に29ある既存の私大医学部でも自治医大、日本医大などと同じ上位6~12位のレベル。それだけ新医学部が注目されている証拠だ。
 やはり新医学部に熱い視線を注ぐ医師志望の予備校生三田充真さん(28)=宮城野区=は「奨学金がほかの私大医学部と比べて段違いに充実している。ここなら親に負担をかけずに済む」と話した。
 新医学部の修学資金制度は表の通り。A方式の場合、東北の病院に一定期間勤務すれば、学生の学費負担は6年間で400万円程度にとどまる。
 新医学部の1次試験は2月1日で、受験日が重なるのは久留米大(福岡)だけ。他校との併願が容易な点も新医学部人気の一因になっている。
 私大医学部は出題傾向にそれぞれ癖があり、大学ごとに対策が必要になる。新医学部は「過去問」がなく、受験生の間には「張った山が当たれば合格するかも」と希望的観測が流れているという。
 新医学部を迎え撃つ既存の私大医学部に目を転じると「これまで東北唯一の国公立大併願校だった岩手医大が新医学部を最も脅威に感じている」と東北医学受験ゼミナール(青葉区)は分析。ここでも手厚い修学資金制度が威力を発揮するとの見立てだ。
 ただ、岩手県内には「新医学部人気は、岩手医大を志望する地元の受験生にとって、入りやすくなるため好都合」(盛岡中央ゼミナール)との見方もある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/352207?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150828&dcf_doctor=true&mc.l=119241880
シリーズ: 医師不足への処方せん
「東北医科薬科大学」、来春誕生
医学部新設は37年ぶり、高柳理事長「大変身が引き締まる思い」

2015年8月28日(金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北薬科大学は8月27日、2016年4月の医学部設置認可が内示されたことを受け、記者会見を開き、同大理事長・学長の高柳元明氏は、「大変身が引き締まる思い」との思いを述べるとともに、「ようやく医学部新設の出発点に立ったということ。円滑に立ち上げ、どのように発展、充実させていくか、これからの努力が問われる」と決意を新たにした。同日付で、文部科学省の「大学設置・学校法人審議会」は、同大の医学部設置を認めるよう下村博文文科相に答申した(資料は、文科省のホームページ)。正式認可は8月31日の予定。

 医学部新設は、1979年に設置が認められた琉球大学以来、37年ぶり。全国で81番目の医学部の誕生となる。東北薬科大学は今後、医学部新設に向け、受験生への説明会や、9月中旬には採用予定の教員を集めて医学部の趣旨説明会を開くなどなど、急ピッチで準備を進める。「地域医療に貢献するという、熱い思いを持った受験生を全国から集めたい」(高柳理事長)。来年4月の時点で大学の名称も、「東北医科薬科大学」に変更する。医学部長には、元東北大学加齢医学研究所教授で、東北薬科大学放射線核医学講座教授の福田寛氏が就任予定だ。

 同大医学部は、地域医療や災害医療に対応できる、幅広い臨床能力を持つ総合診療医の養成を通じて、東日本大震災後の復旧・復興への貢献を目指す。医学部の入学定員は100人、うち55人が修学資金を利用する入学枠とし、宮城県を中心に東北6県の病院で、医学部1年次から実習するカリキュラムを組み、卒業生の東北地方への定着を図る。

 174人の採用予定教員(2015年6月末現在)のうち、東北大学関係者が64人、37%を占める。「東北大学とは、性質が全く違う。研究ではなく、地域医療に貢献する人材を養成する医学部設置の要請があったために、手を上げた」と語る高柳理事長は、「第二の東北大学、という指摘は当たらない」と批判をかわした。

 当初予定より1年遅れながらも実現

 東北薬科大学は、1939年の開校。東北・北海道地区では最初に薬学部を開設した大学だ。医学部新設に向けた動きを公にしたのは、2013年10月。当初は2015年4月の新設を目指していたが、1年遅れながらも実現にこぎつけた(『「東北医科薬科大学」、2015年4月の実現目指す』を参照)。

 高柳理事長は、「薬剤師養成の長年の実績を持つ上、被災地にある本学にとって、医学部新設は本学が果たすべき重要な使命だと考え、取り組んできた。医療過疎や医療崩壊の現状を踏まえ、また被災地の復旧・復興の核となる医学部を作り、東北地方の医療を将来にわたって担う人材養成が、新しい医学部の使命だと考えている」と抱負を語った。

 東北地方の医学部新設は、復興庁・文部科学省・厚生労働省の3省庁の合意で、2013年12月に「東北地方に1カ所に限り、医学部新設を認める」という方針が決定(『医学部新設方針、関係3省庁が合意』を参照)。その後、公募が行われ、東北薬科大学のほか、宮城県、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)が手を上げた。文科省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」での議論で、地域医療に支障を来さないように教員を採用するなど、「7つの条件」を満たすことを前提に、東北薬科大学が候補に選ばれた。それが1年前の2014年8月末のことだ(『東北薬科大、医学部新設の“第一関門突破”』を参照)。

 以降、東北各県の関係者との協議の場である「教育運営協議会」において、「7つの条件」の対応状況を説明しながら準備を進め、今年3月の構想審査会で医学部新設の設置認可申請が認められた(『東北薬科大、医学部新設の“第二関門突破”』を参照)。東北薬科大学は3月31日に設置認可申請を行い、大学設置審の審査を踏まえた補正申請書を6月30日に提出した。

 高柳理事長は、「多くの関係者の協力があって、ここまで来たという思いだ。構想審査会で選定されたのは、1年前の8月の末。その後、『7つの条件』を満たすことを考えながら、教員の選考、制度設計、施設設備の整備計画など、大学設置基準に合致するための検討を進めた」と振り返り、この1年の間に急ピッチで準備を進めたことを説明。

 「医学部新設は、教育研究棟や附属病院の整備、施設規模、財政負担、社会的影響などを考えると、他の学部の新設とは、比較できない大事業であると感じている。総力を挙げて、この事業に取り組んでいきたい。社会から、『新しい医学部ができて良かった』と言われるようにしたい」(高柳理事長)。

 大学設置審の指摘事項、主に二つ

 大学設置審は、大学設置基準への適合状況、学校法人の経営状況などについて、面接審査や実地審査を含め、多岐にわたる審査を行った。その中で、主な指摘事項は二つ。一つは、医学部の“2023年問題”に、新設当初から対応するなどカリキュラムの問題、もう一つは、大学附属病院の問題だ。これらのほか、卒業生の地域定着策について、大学設置審の答申に「留意事項」が付された。

 医学部の“2023年問題”とは、2023年までに「国際的な認証評価」の基準を満たすよう改革が求められる、日本の医学部が抱える共通の課題だ(『「JACME」、全80大学が参加し今秋発足』を参照)。臨床実習は72週以上が必要なほか、教育を評価する体制を組み込み、教育内容の継続的改良が求められるなど、さまざまな評価項目がある。トライアルなどの形で評価を受けたのは、まだ6大学。

 「医学教育のグローバルスタンダードに最初から対応するよう求められたのが、一番の指摘事項。3月の申請の時点でも、この視点を当然ながら盛り込んでいたが、不十分だとされ、6月に補正して申請書を提出した」(福田氏)。

 もう一つの指摘事項、大学附属病院は600床が基準とされるが、東北薬科大学病院(仙台市宮城野区)は466床。このため現在、NTT東北病院(仙台市青葉区、199床)の取得に向け、交渉を進めている。「交渉はほぼ最終段階に入っている」(東北薬科大学事務局長の堀田徹氏)。東北薬科大学病院に隣接する敷地に、教育研究棟の建設を進めており、新病院は新4年生が臨床実習を始める2019年までに完成させる予定。

 卒業生の地域定着策と地域医療への影響が課題

 東北薬科大学の新設医学部の特徴は、東北6県に医学生の教育の拠点として「地域医療ネットワーク病院」を置くなどして、医学部1年生から繰り返し、各地域で実習を行う点。

 さらに55人という枠で、修学資金制度を設け、卒業生に東北地方に定着してもらうことを目指す。6年間の学費は、3400万円。うち最大3000万円の修学資金が受けられ、義務年限(修学資金のタイプに応じて10~12年間など)を果たせば、返済免除となる。「経済的な事情から、医学部進学を断念していた高校生に、この資金を活用して、ぜひ入学してもらいたい」(高柳氏)。

 もっとも、この修学資金を活用した卒業生の地域定着策の実効性と、教員採用に伴い、医師の引き揚げが起きることによる地域医療への影響を懸念する声は、「教育運営協議会」で最後まで消えなかった(『「不十分な対応、検証を」東北薬科大学の医学部新設』を参照)。会見でも、これらに関連する質問が出た。

 修学資金制度は、資金を出す各県と、学生教育や卒業生の受け入れを担う各地域の病院の協力なくしては、成り立たない。高柳氏は27日の会見で、「(宮城県以外の)東北5県との連携は、当初はスムーズではなかったが、本学の趣旨を説明することによって、各県とも大分協力的になった」と述べた。その上で、東北6県の各大学、各自治体、医師会が参加する「教育運営協議会」について、「三者が集まり、地域医療や医師の偏在の問題などを真剣に協議したのは、全国的にも例がないだろう」と説明、今後も少なくとも年に1回開催していく予定だという。また地域医療への影響については、教員が東北薬科大学に着任した後の後任の補充は、開学後すぐに調査するとともに、何らかの具体的事例があった場合に調査をするなどして、対応していく方針。



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http://mainichi.jp/edu/news/20150828ddlk40100497000c.html
キッズツアー:医療機関の仕事、児童が模擬体験 飯塚病院 /福岡
毎日新聞 2015年08月28日 地方版

 小学生が医師や看護師など医療機関の仕事を模擬体験する「キッズツアー」が27日、飯塚市芳雄町の飯塚病院(増本陽秀院長、1116床)であった。29人が白衣姿になり、医療機器の操作や心肺蘇生法などを学んだ。

 2010年に始まり6回目。低学年、高学年3班ずつに分かれ、医療機器訓練施設「スキルラボ」での腹腔鏡(ふくくうきょう)トレーニング機器の操作▽薬剤部での模擬薬剤の調合や分包▽ME(臨床工学技士)センターでの心拍数測定−−などを体験。心肺蘇生体験のコーナーでは、模型で心臓の仕組みについて説明を受けた後、人形を使って心臓マッサージのやり方やAED(自動体外式除細動器)の使用法なども学んだ。

 直方市立福地小4年の平山千畝(ちうね)君(9)は「腹腔鏡は思ったより力が要った。集中するのも大変だったけど、慣れたら上手に動かせて楽しかった」と話した。【平山千里】

〔筑豊版〕



http://www.m3.com/news/iryoishin/352432
シリーズ: 地域医療構想
医師数報告見送り、病床機能報告で、本年度
報告督促やデータ訂正依頼は実施へ

2015年8月28日(金)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が8月27日に開かれた。10月から実施する2回目の病床機能報告における医師数報告は、前回の議論を経て見送りとなり、今後の追加項目を検討することとなった(『医師数の報告追加に異議、病床機能報告制度』を参照)。今回から、未提出の医療機関への督促や、明らかなデータの誤りの訂正を求めることを実施することが決まった。また、今後の活用方法についての議論があり、データが集積した結果として、慢性期医療で示されたような、構想区域別の入院受療率の“中央値”の考え方が、急性期医療の議論の中で出てくることを懸念する声もあった。

特定機能病院、報告で申し合わせ?

 医師数報告は除外されたものの、2回目の報告においては、1回目といくつかの点を変更する。1点目は未報告の医療機関に関する対応。医療法上は、命令を受けても未報告の医療機関は都道府県知事が公表できることになっているが、今回は命令の前に「督促」を実施して、報告率の上昇を目指す。ペナルティを伴うことは実施しない。

 2点目は、「間違いと考えられる報告への対応」。救命救急入院料やICUを算定しているにもかかわらず、「回復期」「慢性期」と報告する医療機関など、明確な誤りと考えられる場合には、連絡を取り、修正を求める。厚労省の担当者は「最終的には院長の判断になるが、うっかりミスもあると考えられるため連絡を取る」と述べた。

 また、「回復期リハビリテーション病棟だけが該当する」との誤解から、実際の回答数が減ったとみられる「回復期」への注釈や、特定機能病院に対して「全てが高度急性期にならないと考えられる」ことなどをマニュアルなどに追加し、注意を促す。10月にデータの提出の受付を始め、期限は10月末。12月11日ごろが、確認用データの修正・追加期限で、2016年2月ごろから結果の公表を始める。

 特定機能病院に対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「大学病院の本院は全て高度急性期として出す申し合わせがあったと聞いている」とした上で、病棟ごとに適切な選択につなげるように求めた。日本病院会副会長の相沢孝夫氏は、特定の県の名前を避けたものの、「地域の中核病院が全て高度急性期で合わせたことがあった」と述べ、実態とのかい離を修正する方法を考えるように求めた。


病床機能報告「定量的な視点を」

 今後の検討事項についても議論が出た。日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、DPCデータに、病棟コードが追加された場合、医療機関の報告と関係なく、提供する医療が明らかになる点を指摘した上で、今後の対応を質した。厚労省大臣官房審議官の吉田学氏は、DPCにおける病棟コード記載は、あくまで義務ではなく、加算のインセンティブである点を指摘した上で、「病床機能報告とは直接はつながらない」と述べた。ただ、今後データが出てきた時点で、利用方法を検討したい考えを示した。中川氏は、法律において病床機能報告のデータが、医療機関の連携推進にしか使えない点に釘を刺した。日本医療法人協会会長の加納繁照氏は、今後データが集積する結果として、「慢性期のように中央値といった考え方になるかもしれず、推移を見守らないといけない」と指摘した。

 データの積極的な活用を訴えたのは、慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏。“分化”について、医療機関ごとに機能が分化していく意味であるとの考え方を示した上で、「今年度(の報告項目で)は、うまく分化できるというほどでもない。来年度以降、(本来の)分化にどのようにつながるかの検討を進めるべき」と述べ、定量的な視点を導入するように求めたほか、現在報告している情報も、可能な限り機能分化に役立つように検討すべきとの考え方を示した。

 健康保険組合連合会理事の本多伸行氏は、都道府県が現状で公開しているデータが、患者にとって、活用しにくい状況であることから、「リハビリテーションやハイリスク分娩などの項目で検索できるようにしてほしい」と述べ、患者視点からの活用策検討を求めた。

 また病床のばらつきについて聞いたのは、東京都奥多摩町保険課長の清水信行氏。東京都内の二次医療圏においても高度急性期の多いところとそうでないところがある点を指摘して、調整方法を聞いた。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「私たちがどうこうすべきと言わない方が良い」と述べ、地域ごとの自主的な調整に期待を示した。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=47072
高校生が医師の仕事体験
豊橋市民病院で県内初の試み/医師不足解消のキャリア教育としても注目

2015/08/29 東日新聞

 将来医師を目指す高校生たちが28日、豊橋市民病院で医療機器などを使って医師の仕事を体験した。同病院によると、公募で高校生に医療現場を見学する機会を提供するのは県内初の試み。地方の医師不足解消に向けたキャリア教育として注目される。

 参加したのは、公立からは時習館高の12人を筆頭に、豊橋東高2人、豊丘高と岡崎高の各1人、私立では桜丘高と東海高(名古屋市)から各1人。

 白衣を着た高校生たちは、医局や集中治療室、救急外来などを見学した。放射線技術室では、人体を3次元画像で調べるCTの仕組みを学び、精密な人体模型を使って超音波で体内の様子を診察する腹部エコーの操作を実体験。血管に見立てたチューブに特殊なワイヤーなどを挿入して、血管の治療も模擬体験した。

 時習館高校2年の清水咲良さんは「普段は見られないところも見学でき、病院の雰囲気を体感できた。今日のことを思い出しながら、医学部を目指して勉強を頑張りたい」と表情を引き締めた。

 同病院によると、全国の傾向と同じく東三河でも慢性的な医師不足に悩まされている。高校生の感想で聞かれたように、医療現場を間近に見た経験が医師を志す上でより励みになっているのなら、キャリア教育として有効と言えそうだ。

 同病院では今回の企画の内容を改善し、次回の開催につなげたいとしている。



http://www.asahi.com/articles/ASH8W5FM6H8WULFA01T.html
国立大病院、初の赤字84億円 消費増税が影響 昨年度
高谷秀男
2015年8月28日09時11分 朝日新聞

病院なども仕入れ時に消費税を払っている
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 全国43の国立大学付属病院の2014年度決算が合算で84億円の赤字となった。赤字は04年度の国立大学法人移行後、初めて。消費税率が8%に上がり、病院が仕入れる物品や設備にかかる税負担が増えたことが主な理由だという。

 国立大学付属病院長会議が集計した。病院別の収支は示していない。43病院の医療収入は計9760億円、交付金も含めた総収入は1兆1千億円で、支出が1兆1084億円だった。消費税負担が重荷になる設備・備品の購入額は前年度より計87億円、34%減らしており、会議の委員長の山本修一・千葉大病院長は「最先端医療という大学病院の役割に重大な影響を及ぼす」と話している。

 公的保険による医療・介護サービスは非課税扱いだが、病院が仕入れる物品などには消費税がかかる。政府は、増税時に診療報酬や介護報酬を引き上げて穴埋めする措置をとってきた。だが、受診時にかかる初診料や再診料を中心に引き上げたため、物品調達が多い大病院ほど負担増の穴を埋めきれていない。

 病院長会議の試算では、診療報酬の増税対応分は43病院で計117億円あったが、光熱費や消耗品を含む消費税の支払いは171億円増え、差し引き54億円の損になった。一方、私立大医学部でつくる日本私立医科大学協会の試算では、傘下28大学の病院で増税による差し引きの負担増は少なくとも計56億円にのぼる。協会の消費税問題担当である明石勝也・聖マリアンナ医科大学理事長は「私立の医大は病院の黒字を教育に回して成り立っている。国立よりも深刻な問題だ」と話している。(高谷秀男)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150828/CK2015082802000161.html
【茨城】
筑西・桜川 病院再編整備推進協 11月までに基本計画

2015年8月28日 東京新聞

 筑西市と桜川市の病院の再編と統合を話し合う再編整備推進協議会が二十六日夜、筑西市で開かれ、新中核病院と桜川市立病院の医療機能や病床規模など、全体像を示した基本構想を了承した。十一月下旬までに、診療科目など具体的な内容を盛り込んだ基本計画を策定する方針。
 基本計画の策定に向けて、協議会内に建設委員会と作業部会を設けることになった。メンバーには両病院や地元医師会の医師などが入る。
 また、急性期医療を担う新中核病院の整備で、協議会で早急にリーダーの選定を求める声が上がっていたため、自治医科大や筑波大の付属病院と連携して理事長、新病院長の人選を進めることになった。 (原田拓哉)



http://www.m3.com/news/general/352539?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150828&dcf_doctor=true&mc.l=119241886
病院職員の2割「やった」 宮城・大崎市民病院の電子カルテ不正閲覧問題
2015年8月28日(金)配信 河北新報

 大崎市民病院(宮城県大崎市)で入院患者の電子カルテが不正閲覧された問題で、同病院が実施した「個人情報の取り扱いに関する職員意識調査」の結果が27日、市議会民生常任委員会に提出された。それによると、回答した職員の約20%が業務と無関係に患者の電子カルテや関係文書を閲覧したことがあり、院外に個人情報を漏らしたケースもあった。

 調査は7月29日~8月20日の間、医療事務や清掃などの委託職員を含む全職員を対象に無記名で行い、1681人(99.12%)から回答を得た。

 回答者の98.8%(1660人)が個人情報の取り扱いに注意が必要との意識を「持っている」としたものの、20.3%(341人)が業務と関係ない個人情報を閲覧したことが「ある」と答え、意識と実態のずれが浮き彫りになった。

 さらに3.0%(50人)は、院内で知った患者の病状や来院状況を家族や知人に話したことが「ある」と回答。一部の個人情報が外部に漏れていた。

 また、16.8%(282人)が、他の職員が業務と無関係に個人情報を閲覧しているのを見たことが「ある」と答えたが、うち「本人に注意した」と「上司に報告した」は、それぞれ34人と9人にとどまった。

 結果について、病院側は「個人情報保護への注意喚起などが実際の行動に結びつかず、不正を見聞きしても注意しにくい職場風土がある」などと分析。対応策としてアクセス制限などのシステムの見直しとともに研修の実施などを挙げた。

 委員会で市の阿部健雄病院事業管理者は「医療現場に安全文化を根付かせるのが大事」と話し、今後、職員の意識変化を把握する追跡調査も実施する。



http://www.m3.com/news/general/352499?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150828&dcf_doctor=true&mc.l=119242038
岐阜、新生男児死亡:遺族と市民病院が和解 中津川 /
2015年8月28日(金)配信 毎日新聞社

 中津川市民病院での出産を巡り、死亡した乳児の遺族が病院を相手取り損害賠償を求めていた訴訟について、同病院は27日、病院側が賠償金300万円を支払うことで遺族側と和解したと発表した。

 同病院によると、2013年8月21日、胎児が異常な姿勢で産道に向かう状態で県内の女性が病院に搬送された。吸引・鉗子分娩(かんしぶんべん)の後、帝王切開したが、乳児は仮死状態で生まれた。深夜に心拍が低下したため、名古屋大医学部付属病院に緊急搬送したが22日朝、出血性ショックで死亡した。

 安藤秀男病院長は「医療過誤ではないが、搬送までに時間がかかり、措置にも時間がかかった」と話し、今後の対策について「医療レベルの向上に努め、高次医療機関との連携を進めたい」と話した。【小林哲夫】


  1. 2015/08/29(土) 06:49:20|
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8月25日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/348177
シリーズ: 私の医歴書◆高久史麿・日本医学会会長
医学部、新設するなら第二の自治医大◆Vol.25

2015年8月25日(火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――長年、医学研究だけでなく、医学教育、医療政策にかかわってきた立場として、今の日本の医療をどう見ているのだろうか。
 今、医学部新設については、ある国会議員の方が、「新しく作るなら、第二の自治医大を作るべき」と言われたことを聞いたことがあります。その考えは私も同じです。どんな医師を養成するのか、それからどんな配置にするのかなどを全然考えないで、ただ増やしてもあまり意味がないでしょう。東北の方(東北薬科大学の医学部新設)は復興支援の意味もあるもかもしれませんが、成田市(国家戦略特区に指定された千葉県成田市と国際医療福祉大学が新設を検討)方はちょっと問題ですね。

 その関連で言えば、「特定看護師」も以前検討されていましたが、看護師さんができることはやってもらえばいい。ナースプラクティショナーみたいな人も養成せざるを得ないでしょう。私が医師になった1954年当時と今とでは、医療の中身も随分違う。うまく役割分担をしていかないといけない。それから、フリーアクセス、「標榜の自由」も問題でしょうね。こうしたシステムを変えない限り、幾ら医師を増やしても、あまり意味がないと思います。

 医学教育については、CBTとOSCEに加えて、今度は(臨床実習の成果を試す)advanced OSCEも行われるようになっています。国家試験も3日間500題というのは多過ぎるので、今後は減らす方向に行くのでは。CBT後の問題に限り、2日間で400題とか。

 さらに医学教育については、国際標準に合わせた医学教育を行うための準備も必要(『「JACME」、全80大学が参加し今秋発足』を参照)。

 医学研究はどうでしょうか。AMEDがうまく運営してくださることを期待しています(2015年4月に発足した日本医療研究開発機構。『志ある臨床医の協力、研究開発のカギ - 末松誠・AMED理事長に聞く◆Vol.1』などを参照)。あとは製薬企業の奨学寄付金が厳しくなっているので、大学では、研究費の確保に困っているのでは。そもそも、基礎も臨床も研究に従事する人手が少ない。生物統計学が得意な医師も少ない。パブリックヘルスを修了しても、生物統計学に詳しい人は皆、製薬会社に行ってしまう。大学にポジションがないからです。治験は企業がやるからいいけれど、それ以外の臨床研究をいかに進めるかは難しい問題です。


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http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1508/1508068.html
ABC分類導入による胃検診の在り方を探る
[2015年8月25日] MT Pro / Medical Tribune

 ABC分類では,Helicobacter pylori(HP)血清抗体検査とペプシノゲン(PG)法を組み合わせて胃がんリスクを判定する(表)。簡便なスクリーニング法として,対策型検診や任意型(人間ドック)検診に導入が進んでいる。第56回日本人間ドック学会学術大会(7月30~31日,会長=医療法人社団相和会理事長・土屋敦氏)のパネルディスカッション「ABC分類によって,今後の任意型(人間ドック健診)胃検診は変わっていくのか」では,各施設における実施状況や課題が示され,それぞれの立場からの見解が報告された。
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リスク判定と年齢を考慮した個別の対応を

 四谷メディカルキューブ(東京都)消化器内科部長の伊藤慎芳氏は,2005年5月~15年4月に同院でHP抗体検査,PG検査,上部消化管内視鏡を行った受検者6,201人(男性3,805人,女性2,396人,平均年齢53.7歳)を対象に,ABC分類の有用性と問題点について検討した。平均観察期間は2.0年であった。プロトンポンプ阻害薬使用例,胃術後例,腎不全例は除外した。

 最も多かったのはA群の3,092人(50%)で,B群が1,280人(20%),C群が546人(9%),D群が110人(2%),E群(除菌後)が1,173人(19%)であった。

 胃がん発見率は,多い順にC(C+D)群で2.9%,E群(除菌後)が1.3%,A群が0.032%であった。胃がんが発見されたときの平均年齢は65.3歳で受検者平均よりも12歳高く,男女比は34:11であった。早期がんと進行がんの比は41:4であった。小病変や平坦な色調変化の病変が多いため,内視鏡の有用性が高いことが示唆された。

 A群には若年者が多いが,高齢者では除菌歴がなく,感染が自然に終息したとみられる感染既往例が混在しているため,画像所見を活用することでリスク判定の精度が高まる。D群は未感染,現感染,感染既往,自己免疫性胃炎が混在しているため,未感染以外は個別に精査が必要である。同氏は「ABC分類は胃がんリスク評価に有用であるが,人間ドックにおいては,E群(除菌後)の設定や丁寧な内視鏡検査,HP抗体濃度やPG値を考慮した個別対応が重要になる」と述べた。

 ABC各群の割合は,2000年以前は多い方からB群,C群,A群の順であったが,2000年以降は同A群,B群,C群,E群,今後は同A群,E群,B群,C群の割合になると予測されている(図1)。地域,年齢など対象の特性によって異なるが,大半が超低リスクになるとみられており,変化に対応した検査や指導体制が望まれる。
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胃がんリスクを自覚し,検診受診や除菌治療の動機付けとする

 宮城県対がん協会がん検診センター(仙台市)では, 2011年4月にABC検診をオプション検査として導入し,検診受診の動機付けと除菌治療の情報提供に活用してきた。同センター副所長の加藤勝章氏は2011,12年度のABC検診受診者にアンケートを行い,40歳以上の回答者365人(胃リスク判定A:184人,B:99人,C+D:82人)について集計した。 

 リスク評価後の胃がん検診に対する意識の変化について,「胃がん検診を受ける必要性を強く感じた」と回答したのはA群 42.0%,B群57.6%,C+D群82.7%と高リスク群で高かった(図2)。リスク評価は,胃がん検診の重要性を啓発する良い機会であることがうかがえた。また「今後,どのような方法で胃がん検診を受けたらよいと思うか」との問いに対して,「毎年,胃X線検査を受ける」と回答したのは,A群 53.2%,B群48.5%,C+D群32.0%で,低リスク群においても,リスク評価は検診自体の動機付けとなる可能性が示された。
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 リスク評価後の検診受診,治療の状況が把握できた293人を調査したところ,胃X線の後に上部消化管内視鏡検査(EGD)を受けたのは,C+D群で30.0%,B群で27.1%と約3割に及んだ。また,ABC検診受診前に除菌治療を受けていたのは2%(E群と分類)であったが,リスク評価を契機に新たに除菌治療を受けたのはB群の18.1%,C+D群の47.6%と増加しており,ABC検診を契機としてその後の動向に変化が見られたことが分かった。

 同氏は「任意型検診は健康意識の高い受診者が多いため,HP感染や胃がんリスクなどに関する情報提供を積極的に行い,個人の疾病リスク低減に努めることが肝要である」と提言した。

(鈴木 志織)



http://kenko100.jp/articles/150825003572/
医学部の女性教授になるには○○が必要!? 東京医大調べ
女性教授・准教授に共通する要素あり

2015年08月25日 06:00 公開  健康百科

 大学の女性教授は1割程度。狭き門だが、医学部で教授や准教授を務める女性には、同じ要素があることが、同大学医学研究科の泉美貴教授(医学教育学)らの調査で分かった。医師に不可欠なプロ意識のほかに、性格や生き方など複数の要素が共通していたという。この結果は、7月24~25日に新潟市内で開かれた日本医学教育学会の会合で報告された。

20人の女性教授・准教授を調査

 女性の社会進出に伴って、大学で教授や准教授を務める女性も増えてきた。とはいえ、もともと大学教員に占める女性の割合は少なく、2007年度の学校教員統計調査によると、准教授で18.2%、教授では11.1%にとどまっている。

 教授・准教授になるのはどんな女性なのか―。泉教授らは、女性医師20人(教授12人、准教授8人、平均年齢52.8歳)を対象に、(1)教授・准教授になるまでに味わった困難、(2)その対処法、(3)仕事を続けられた理由、(4)共通する要素―について質問した。なお、20人のうち既婚者16人、子供あり13人、介護経験あり6人、留学経験あり18人だった。

困難にめげない楽天的性格が必要
 その結果、困難は「子育てで離職」「妊娠時の職場の嫌がらせ」などのエピソードが挙げられ、その対処法として「可能な仕事から始めて復職した」「同僚に助けを求めた」などが紹介された。
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 仕事を続けられた理由は、「仕事が楽しかった」「やりたいことを求めることで先が開けた」「良い指導者から指導を受けた」「困難なときは考えて選び、結果を肯定的に捉えた」など、前向きに取り組めたことを挙げる人が多かった。

 共通する要素では、「楽観的でおおらかな考え方」「仕事は好きなことを探求する」「その時点での最善を尽くす」「社会的責任を果たす」などが挙げられたという。

重要なのは"キャリア優先の選択"

 泉教授らは以上の結果を踏まえ、大学で女性医師がキャリアを積み上げていく上で必要な条件となるモデルを作成した。

 そこでは、「キャリアを優先して選択することの重要性」が挙げられている。とはいえ、それは「キャリアのために結婚・出産をしない」などというのではなく、そうしたライフイベントの時期を慎重に選ぶこと、自分を鍛えてくれる上司や同僚を選ぶことなど、キャリアに向けて適切に、計画的に行動することを勧めているのだ。

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 また、能力の向上を怠らない、受けた教育を社会に還元するなどの「プロフェッショナリズム(プロ意識)」を貫くこと、困難に対しては「楽天的に臨み、結果にとらわれない」などを心がけるよう助言している。

 今回は医学部教授・准教授が対象の調査だが、結果についてはそれ以外の女性のキャリア形成にも通じるといえるだろう。

(あなたの健康百科編集部)



http://www.m3.com/news/iryoishin/351455?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150825&dcf_doctor=true&mc.l=118670087
「無法な捜査許しがたい」、岐阜県警捜査に反論
「徳雲会」への医療法違反容疑での差し押さえ、取消決定

2015年8月25日(火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 岐阜県警が医療法違反の疑いがあるとして社会福祉法人「徳雲会」の関連診療所などを8月6日に家宅捜索した件について、法人側は8月24日、岐阜市内で記者会見を開き、「このような無法な捜査が行われたのは全く許しがたい」と訴えた。岐阜地裁は21日に、容疑に関連のない資料まで違法に押収したとして、処方せんなど、約1000点のうち235点の 資料の差し押さえ取り消しを決定した。しかし、カルテなど診療に必要な資料の返還は認められなかったので、法人側は25日に最高裁に特別抗告した。法人側弁護士の郷原信郎氏は、不自然な捜査の背景には「同法人のクリニック開設を妨害しようという意図があるのでは」と指摘した。

被疑事実は医師2人の共謀による「管理者の兼職」

 裁判所の決定書によると被疑事実は、2013年12月27日から2014年1月21日の間、徳雲会が運営する「笠松クリニック」(岐阜県笠松町)の院長だった大矢隆晶氏が、同法人が運営する「心療内科オークヒルズクリニック」(岐阜県各務原市)で、同クリニックにも院長がいたものの、実質的な管理を行っていたとしている。両クリニックとも、当時も現在も、医師が複数名いる体制になっている。大矢氏とオークヒルズクニックの院長の医師が共謀したとして、2人を被疑者としている。

 医療法12条は、診療所を管理する医師は都道府県知事の許可なく、他の診療所の管理者を兼任できないと規定。違反に対する法定刑は最大でも罰金20万円(同法74条)と定めている。

 岐阜県警は2015年8月6-11日の間に、徳雲会が運営する両診療所や介護施設、関連する調剤薬局、理事長、院長や従業員の自宅などを捜索し、カルテや診療記録、処方せんなど1000点以上を押収。法人側は容疑と関係のない資料も押収されたとして、岐阜地裁に処分を取り消す準抗告を申し立てたところ、21日付けで処方せんなど235点の差し押さえ取り消しが決まった。法人側はカルテなどが返還されないことなどを不服として、25日に最高裁に特別抗告した。

「被疑者が医師である必要ない」

 会見を開いたのは郷原氏と大矢氏。郷原氏は「違反があったとしても兼任は実質的には1週間程度。これほど大規模な捜査をすべき事件ではないことは明らか」と主張し、捜査全体への疑いを示した。その上で、そもそも医療法12条は病院の開設者に対する規定であって、本来被疑者になるべきは管理者の医師ではなく、法人、および法人の理事長であるべきとし、「なぜ被疑者が医師になるのかまったく理解できない」と主張した。

 大矢氏は違反の有無について「理事の指示に従って届出などは行っていた。現場の医師としてやっていたので、分からないというのが事実」と話した。

ずさんな押収資料の取り扱い

郷原氏は資料押収のやり方についても「今時、考えられないほどずさん」と指摘した。両クリニックが使っているのは紙のカルテ。郷原氏によると、県警は数十通のカルテが入った段ボール箱を「1点」として扱うなど、中身を確認することなく根こそぎ押収したという。郷原氏は検察官としての経験を基に、カルテなど重要な個人情報が含まれた書類などでは、患者氏名を1人ずつ特定・記録した上で押収する必要があると指摘する。 押収した資料の管理もずさんな可能性があると指摘しており、診療に必要なカルテなどの一部は、診療所側の求めに応じて返却されたが、少なくとも1件で資料の欠損が確認されており、他にも抜けの可能性があるものが相当数見付かっているという。

 裁判所が差し押さえ取り消しを決定した235点の資料については、県警が段ボールに詰めて返還しようとしたが、「欠損がないかなど、きちんと整理してから返還してほしい」として受け取りを拒否している。

 両クリニックは押収後も診療を続けている。大矢氏は「丁寧に聞き取りをするなどして、今のところ問題は生じていないが、待ち時間が延びて患者には迷惑をかけている。老人ホームの入居者のカルテも持っていかれており、急変があっても適切な紹介状を書くことが難しい」と話す。

背景に診療所開設妨害の意図?

 郷原氏は、不自然な捜査の背景には、同法人が岐阜県各務原市内に9月に開設する内科クリニックへの妨害しようという意図があるのでは、と推測している。家宅捜索の数日後に、岐阜県健康福祉部医療整備課から法人理事長に対して、「おたくは、9月に各務原に内科診療所を開業する届出を出しているが、法人の理事らは本当に賛成しているのか」との電話があったという。理事長が賛成していると回答すると、県は「意思確認をするため」として連絡先名簿を要求した。郷原氏は「これらの経緯からすると、警察の捜索は、診療所開設を妨害することを目的に行われたとしか考えられない」と主張。

 郷原氏は本件について、県職員から、「県が県警に事件を持ち込んだ」と説明を受けたとも話す(m3.comの取材に対して、県医療整備課は「捜査中で、肯定も否定もできない」と回答)。各務原市の捜索に関しては、すぐ隣の施設にいた理事長が「捜索に立ち会いたい」と求めたが認められなかったにも関わらず、県警の要請で県の保健所職員が立ち会っていた。

 また、大矢氏は各務原市医師会に入会を申し込んだが、「クリニックを建築する前に医師会に話がなかったので、入会させられない」として、断られていると証言。「内科で医師会に入れないのは診療に支障を来す」と訴える。

 法人側は東海北陸厚生局による執拗な「監査」も行われているとも主張する。約3年前から、診療所の管理者の医師が呼び出され、長時間聴取されるということが続いているという。大矢氏は監査には「求められたものは、全て提出している」と話す。

 郷原氏は本件について記した自身のブログで「徳雲会の診療所を、そして、各務原市内での内科診療所の開業を潰そうとする岐阜県、岐阜県警、そして、厚労省の出先の東海北陸厚生局の動きの背後に何があるのか。岐阜県、県警、医師会の幹部がどのようにつながっているのか、或いは、県や国の政治家がそこに関わっているのかいないのか。(中略)19世紀の世の中に戻ったかのような錯覚を覚える今回の事件、到底、現代の法治国家において起きていることとは思えない」と記している。



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[医学研究] 日本の臨床医学の論文数は1万6,646件、世界5位 内閣府会合
2015年8月25日(火)配信 厚生政策情報センター

科学技術指標と科学研究のベンチマーキング2015(8/20)《内閣府》

 内閣府は8月20日、科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員との会合を開催し、「科学技術指標と科学研究のベンチマーキング2015」の報告を受けた(p1~p9参照)。「科学技術指標と科学研究のベンチマーキング」は科学技術・学術政策研究所が、日本と主要国の科学技術活動に関する状況をまとめたもの。論文数や注目度の高い論文数などから分野ごとに分析している。

 研究開発のアウトプットの量的指標である「論文数(2011年~2013年)」は、日本が全分野合わせて7万7,094件で世界第5位。世界の全論文の6.2%を占めた(p312~p313参照)。

 臨床医学分野では、論文数は世界5位の1万6,646件で、全世界の6.2%を占めている。1位はアメリカ8万5,371件(シェア31.9%)、2位はイギリス2万3,392件(同8.7%)、3位は中国2万941件(同7.8%)、4位はドイツ2万268件(同7.6%)(p326~p327参照)(p368~p369参照)。

 他方、質的指標の「被引用件数の多い論文数(Top10%補正論文数、2011年~2013年)」(p271参照)では、日本は全分野合わせて6,546件で第8位。全世界の5.2%の割合を占めている(p312~p313参照)。

 臨床医学分野では、日本は1,337件で第10位で、全世界の5.0%の割合。なお、1位はアメリカ1万3,253件(同49.5%)、2位はイギリス3,970件(同14.8%)、3位はドイツ3,072件(同11.5%)だった(p326~p327参照)(p368~p369参照)。



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シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”のパラダイムシフト、認識せよ!
鹿児島でシンポ、「医療事故調査制度まったなし」◆Vol.1

2015年8月24日(月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 鹿児島県病院厚生年金基金は8月22日、厚生労働大臣政務官の橋本岳氏を基調講演の演者として招き、シンポジウム「医療事故調査制度まったなし―秒読みになった医療事故調査制度―」を鹿児島市内で開催した。


 橋本政務官は、「個々の医療事故について、遺族に説明し、納得してもらうことは必要」と断りつつ、この10月からスタートする医療事故調査制度において、各医療機関に院内調査を求めている理由は、「事故事例を集めて、医療界全体の安全を向上させていくことにある。この目的をしっかり踏まえた上で、適切に対応してもらえるとありがたい」と説明、制度の目的はあくまで医療安全向上にあることを強調した(シンポジウムのVol.2は、『“事故調”、「非識別化」に要注意』を参照)。

 冒頭にあいさつした、基金理事長の小田原良治氏は、「頭がパラダイムシフトした人の講演会を聞かないと意味がない」と、注意を促した。従来の医療事故調査では、「再発防止」「説明責任」「責任追及」が混然一体として扱われることが往々にしてあったが、今回の医療事故調査制度は、「再発防止」、つまり医療安全に特化している。これが「パラダイムシフト」の意味であり、橋本政務官の発言とも呼応する。

 シンポジウムは約3時間近くわたり開催された。橋本政務官も含め、医師や弁護士ら、計5人の演者が講演、4人が指定発言をし、その後、質疑応答が行われた。複数の演者が強調していたのは、医療事故調査制度を定めた法律、つまり医療法を正しく理解する必要性だ。さもなければ、「パラダイムシフト」の意味や内容を理解できないからだ。浜松医科大学医療法学教授の大磯義一郎氏は、「医療事故調査制度は、使い方によっては、“毒”にも“薬”にもなる難しい制度。医療安全の“薬”となる制度にする以前に、まずは“毒”にしないことが必要」と述べ、「正しく条文を読んで、正しく対応することが必要」と注意を促した。

 質疑応答で出た質問の一つが、第三者機関である医療事故調査・支援センターに対し、医療事故を報告しなかった場合の罰則規定の有無について。橋本政務官は、「医療法では、罰則などの規定はない」と説明。センターに報告するか否か、つまり医療事故調査をスタートさせるという「スイッチ」を押すか否かを最終的に判断するのは、医療機関の管理者であり、適切な判断が求められるとした。

 この点に関連して発言したのが、山形県・酒田市病院機構の日本海病院(山形県酒田市)の1年目の初期研修医、岡崎幸治氏。「研修においてミスをしたことはあるが、そのフォローもされたため、事故には至ってはいない。けれども、またいつミスするかは分からない。今回の制度を誤認して運用されると、とても怖い。仮にミスをしても、安心して研修できる体制を作ってもらいたい」とコメント。現状では、全ての医療機関の管理者が制度の目的を正しく理解しているとは言えず、医療安全ではなく、個人の責任追及に発展する懸念を払しょくできない研修医が多いことを示唆する発言だ。

 橋本政務官が挙げた「注意点」

 小田原氏は冒頭のあいさつで、10月からスタートする医療事故調査制度は、日本医療安全調査機構が実施してきた「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」とは目的が異なっていると強調。現在、全国各地でさまざまな団体による制度説明会が開催されているが、誤った説明がなされている場合があると問題視した。(1)制度の目的は、「原因究明と再発防止」ではなく、「再発防止」が目的、(2)医療事故調査・支援センターへの報告は「医療過誤の有無は問わない」、(3)調査や報告においては、事故に関わった医療者等の「非識別化」が求められる、(4)事故に関わる医療行為の医学的評価は制度上、求められていない――などの点を正しく理解することが必須であるとした。

 橋本政務官は、医療事故調査制度の全体像を、医療法や省令、通知を基に説明。(1)センターに報告する医療事故の範囲、(2)報告書作成の際の匿名化、非識別化、(3)院内調査における外部委員の活用、(4)再発防止策――について言及した。

 (1)について、橋本政務官は、「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」かつ「管理者が予期しなかったもの」が報告対象になり、その際、「過誤の有無は、調査の結果、分かるかしもれないが、報告の際は問わない」と説明。

 (2)に関しては、省令で、「事故に係る医療従事者等の識別(他の情報との照合による識別も含む)ができないように加工」と求めている。「単に名前を伏せればいいわけではなく、伏せても、『この医師だ』と分かってしまえば、問題。他の情報と合わせても分からないようにしてもらいたい」と注意を促した。

 (3)の外部委員の活用については、医療法上では、「必要な支援を求める」と規定。ただし、厚労省の医療事故調査制度に関するQ&Aは、「外部からの委員を参画させ、公平、中立な調査に努める」と記載している。橋本政務官は、このQ&Aは、改正医療法案の審議で、参議院の附帯意見で、事故調査の「中立性、透明性、公正性」の確保が求められたことを受けたものであると説明。ただし、「Q&Aは法律ではない」と述べ、外部委員の参画は義務ではないとした。

 さらに(4)の再発防止策について、橋本政務官は、次のように解説した。「院内調査の結果、何らかの改善が必要であれば、それを実施してもらう。ただし、この制度においては、義務として求めているわけではない。一方、センターは収集した事故事例を整理、分析し、再発防止策を検討する。ただし、個々の事例に対し、(再発防止策について)返事を返すわけではない」。

 センター調査こそパラダイムシフトを

 「パラダイムシフト」の観点から、発言した一人が、長崎県の諫早医師会副会長を務める満岡渉氏。「医療安全のための事故調査と、紛争解決、つまり説明責任を果たしたり、責任追及のための事故調査は違う。両者を混同すると、医療安全だけでなく、医療者の人権も損なわれる」と強調した。

 満岡氏が提示した中で、フロアの関心を呼んだのが、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」に関する資料。これまで日本医療安全調査機構が実施してきた同事業は、対象となった事例について100点満点で評価する仕組みで、「合格」「ほぼ合格」「過失(改善・研修)」、「重過失(刑事・民事責任)」、「採点対象外」との採点基準を持ち、運営されてきたという。「個人の医療行為の評価を行うのが、モデル事業の本質であり、システムエラーを分析するものではない」(満岡氏)。同機構は、医療事故調査・支援センターに指定された。満岡氏は、新制度において同機構が事故調査を実施した場合、モデル事業と同様に医療行為の評価、ひいては責任追及につながる可能性を強く懸念した。

 長崎県医師会では、医療安全に資する制度として運営するため、新制度の支援団体として活動する「院内事故調査支援委員会」と、医賠責を担当する「医療紛争処理委員会」を別個に設置した。「どちらの組織に相談すべきかを迷った場合、まず紛争として処理すべき。その後に、医療安全のための対応をすればいい」(満岡氏)。

 センターと院内の調査結果、整合性が取れるのか?

 シンポジストの講演の後、質疑応答が行われたが、質問の一つは、「医療事故調査・支援センターの報告書が、医療機関が遺族に説明した内容と整合性が取れない場合にどうするのか。整合性が取れない場合に、訴訟に報告書を利用することができる」との懸念だ。

 橋本政務官は、センター調査について、(1)各医療機関が院内調査を実施していれば、センターはそれを待つ、(2)各医療機関の院内調査の報告書が出ていれば、それを確認する形で、センター調査を行う――という前提を説明。「医療機関がきちんとした調査を行っていれば、センターはそのままそれを認める形になるのだろう」と述べるとともに、センターが確認をして、「間違っていた」となれば、センターと医療機関の調査結果は異なるとした。その場合には、医療機関が相応の対応が求められると見られる。

 弁護士の井上清成氏は、「ほとんどの場合、(センター調査は)院内調査プラスアルファという形になるだろう。ただ、時には院内調査の結果が覆される場合もあり得る」と指摘。院内調査とセンター調査については、「法律的には優劣はない」と説明、センターが問題のある調査結果をまとめた場合には、センターや調査を行った委員を訴えることも選択肢としてあるとした。

 センターへの未報告、罰則規定なし

 医療事故調査・支援センターへの報告について、報告しなかった場合の罰則規定についても質問が出た。

 橋本政務官は、医療法では、センターへの報告という「スイッチ」を押すか否かの最終的な判断は、管理者であると定められているものの、「罰則規定はない」と説明。質問者が「家族が、(事故について)了解、納得したのに、スイッチを押すと、紛争の懸念が高まるのではないか」との質問には、橋本政務官は、「今回の制度において、家族の了解の有無は一切関係ない」と答えた。

 医師・弁護士の田邉昇氏は、「医療事故だったのに、報告しなかった」と遺族から訴えられる可能性について、東京都立広尾病院事件の高裁判決を引用し、以下のようの説明。「医師法21条の届出は、公法上の義務であり、遺族に対する義務ではない。(今回の医療事故調査制度の報告も)公のシステムとして規定しているので、遺族側が『事故調に報告しなかったから、心が傷ついた』と訴えても、遺族への賠償対象にはならない」。

 大磯氏は、センターへの報告対象は、「医療起因性」と「予期可能性」で判断するので、管理者の裁量の幅があるとした。その上で、予期でき、報告しなかった場合にはその旨を記録に残すことは大事であるとしたほか、報告しなかった場合でも、「院内調査をしてはいけない」という規定はないとし、医療事故調査制度とは別に調査を行うのは自由であるとした。「この制度に乗るか否かと、事故調査を実施するか否かは別の議論(大磯氏)。

 そのほか、厚生労働省が2000年に当時の国立病院等に対して出した「リスクマネージメントマニュアル作成指針」についての質問も出た。同指針は、「医療過誤によって死亡または傷害が発生した場合、またはその疑いがある場合には、施設長は、速やかに所轄警察署に届出を行う」と定めており、この指針に基づいた対応をしている国立病院機構の病院がいまだあるという。橋本政務官は、国立病院から法人化し、国立病院機構に移行したのに伴い、同指針は失効したと説明(『「リスクマネージメントマニュアル作成指針」失効』を参照)。「今回の制度に合わせて、各法人、各病院でルールの見直しを行うべきだろう」(橋本政務官)。



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シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”、「非識別化」に要注意
鹿児島でシンポ、「医療事故調査制度まったなし」◆Vol.2

2015年8月24日(月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 8月22日の鹿児島県病院厚生年金基金のシンポジウム「医療事故調査制度まったなし―秒読みになった医療事故調査制度―」で、「非識別化」について掘り下げて講演したのは、弁護士の井上清成氏。医療事故調査・支援センターへの報告、遺族への説明、センターへの事故調査に関する報告書の提出など、さまざまな場面で、「非識別化」が求められると注意を促した(シンポジウムのVol.1は、『“事故調”のパラダイムシフト、認識せよ!』を参照)。

 井上氏は「医療者の名前を墨塗りしても識別できるかどうかは、相手が持っている情報との兼ね合いで決まる。この相対性こそが非識別化の本質」であると説明。例えば、遺族は、医療事故当時やその前後の診療状況などについてセンターよりも情報を持っている上、カルテなどの開示請求も可能なため、遺族への説明時などにおける「非識別化」の程度は上がるとした。

 医療事故調査制度では、センターが調査を実施した場合、医療機関と遺族にその調査結果を報告する。井上氏は「法律と省令のいずれも、両者に同じ報告をすることは想定していない」と述べ、「非識別化」の点で両者への報告内容は異なるとした。さらに、医療事故に関する記者会見やホームページの掲載について、「全国民に知られることになる。その誰かが保有している情報とマッチングさせても、医療者を識別できないようにすることが必要」と述べ、「非識別化」のハードルは高いとし、「今後の医療事故において、本当に記者会見はできるのか」と疑問を呈した。

 なお、井上氏は、8月19日に開かれた茨城県医師会の「医療事故調査制度に関する説明会」に出席した際、厚生労働省医政局総務課医療安全推進室長の大坪寛子氏に、例えば「今回、問題を起こした看護師は誰か、と聞かれた場合、非識別化を念頭に『お教えできない』と答えていいか」と質問。大坪氏は「名前は教えないということでいい」と回答したという。

 医療者の人権侵害にも要注意

 非識別化から派生して、事故調査における人権侵害と利益相反の観点から講演したのは、浜松医科大学医療法学教授の大磯義一郎氏。「将来の医療安全のための医療事故調査制度であり、個別事案のための紛争解決ではない。目的外として使用すると、法令違反、ひいては人権侵害になる」と警鐘を鳴らした。

 「事故調査は、使い方によっては“毒”になるか、“薬”になるかが難しい制度。医療安全のための“薬”となるための制度にする以前に、まずは“毒”にしないことが必要」。こう述べる大磯氏が、“毒”になる危険性として挙げたのが、憲法38条に定める「自己負罪拒否特権」を無視した事故調査だ。

 「真実解明の名の下に行われる自白の強要・拷問は許されない」とし、東京女子医科大学病院のプロポフォール投与事故(『「死因は禁忌薬の使用」、女子医大第三者委』を参照)など、最近の医療事故調査では、この原理が守られていない例が見受けられると問題視。群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡事故、国立国際医療研究センター病院のウログラフイン投与事故などでも、医療者の人権が守られない事故調査が実施されたと、大磯氏は問題視する(『群大執刀医「『過失あり』に納得できず」』、『造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年』などを参照)。また事故調査に当たっては、調査を行う医療機関側と、事故当事者の医療者の間には利益相反が生じる点にも、十分な注意が必要だとした。

 「センターへの報告が目的にあらず」

 「報告体制よりも、重要なのは院内体制の整備」。こう警鐘を鳴らしたのは、「現場の医療を守る会代表」世話人で、坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏。現在、日本医療機能評価機構が実施している「医療事故情報収集等事業」とは異なり、この10月からの医療事故調査制度では、無床診療所も、該当する医療事故があれば、医療事故調査・支援センターへの報告が求められるからだ。「報告することが目的化してはいけない」と指摘し、(1)全死亡のチェック体制の構築、(2)院内の医療安全管理指針と公表基準の見直し、(3)ピアレビュー、CPC、M&M、(4)事故が起きた時の初動体制の構築、(5)グリーフケア、(6)過重労働対策――などに関する院内での準備が求められるとした。そのほか、新制度の報告対象は、「医療事故情報収集等事業」に包含されるため、「屋上屋を重ねてはいけない」と述べ、重複する二つの制度の在り方も疑問視した。

 社会医療法人慈生会(東京都足立区)理事長の伊藤雅史氏も、管理者の立場から、制度開始まで1カ月強と迫っていることから、院内体制を整える重要性を強調。伊藤氏の病院では、全ての院内死亡例について、医療安全管理室でカルテ監査を行う体制になっている。必要に応じて主治医に話を聞き、詳しい調査が必要になった場合に事故調査委員会を開催するという。

 医療界に「二つの誤解」

 「二つの誤解」という観点から講演したのは、医師・弁護士の田邉昇氏。「二つの誤解」とは、(1)医師法21条に基づく異状死体の届出は、医療への警察介入のきっかけになるので、警察に届出をしなくて済む制度への期待、(2)医療事故は、きちんと調査して遺族に説明すれば、刑事、民事裁判に発展しないはずであり、そのための制度が必要――というもの。

 田邉氏は、東京都立広尾病院事件を例に挙げ、「二つの誤解」の理由を説明した。同事件の2004年の最高裁判決は、医師法21条について「外表異状説」を採用し、刑集(最高裁判所刑事判例集)に掲載されていることから、この判断は揺らぐことはないとした。「医療事故のうち、警察に届け出る義務があるものはほとんどない。また今回の制度に報告して、医師法21条の義務は免除されない」(田邉氏)。

 GL準拠の医療しかできなくなる懸念?

 医師・弁護士の山崎祥光氏は、具体例を挙げつつ、「医療に起因する死亡」の要件を説明。判断に迷うことも想定されるため、「医療事故調査・支援センターに報告する対象か否かを院内で相談する体制、仕組みを作っておくことが必要ではないか」とコメント。

 いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)院長の佐藤一樹氏は、厚生労働科学研究費補助金の「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」(研究代表者:西澤寛俊氏・全日本病院協会会長)の班員を務めた立場から、(1)WHOドラフトガイドラインこそ正規軍、(2)医師法21条「外表異状説」こそ正論、(3)モデル事業の無効性/有害性、(4)全国標準化はダメ!現場感覚と乖離、(5)院内報告書は遺族に交付しない、(6)RCA(根本原因分析)の危険性――を指摘し続けていると説明(『“事故調”西澤班、「自律的な院内調査が基本」』などを参照)。

 医療法人福寿会(岡山県倉敷市)理事長の秋山正史氏は、産科医療補償制度について言及した。同制度は、重度の脳性麻痺児に対する補償が目的。しかし、それだけにとどまらず分娩時の医師らの行為について、「優れている」から「劣っている」まで15段階で評価していることから、「分娩機関の反論する機会もないなど、医師にとって不利な私的裁判制度」などの批判があることを紹介。2009年に産科医療補償制度がスタートしてから、「ガイドラインに沿った医療しかできなくなった」との声がある一方、若手医師などの間では、「ガイドラインに沿っていれば、訴えられないから、楽」との安易な考えもあるという。なお、医療事故調査制度では、医療事故についての医学的評価は除外されている。



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20年後の保健医療政策、国民的議論を
保険医の定数配置や総合診療の推進の声も

2015年8月25日(火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 20年後を見据えた保健医療政策のビジョンについて、塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会「保健医療2035策定懇談会」(座長:渋谷健司東京大学大学院教授)が6月に策定した提言書を周知し、国民的な議論を深めるために、厚労省は8月24日、シンポジウムを開いた。策定懇談会のメンバーやアドバイザーの識者が、保険医の定数設定や総合診療医の推進などについてディスカッションした。

 冒頭のあいさつで塩崎大臣は、厚労省内に提言書の実現に向けた推進本部を設置したことを紹介。「実行するために、今日何をするのか大事」として、9月初めまでに省内の関係部局が提言書の120項目について、実現可能性を整理すると述べ、「必ず実行したい」と意気込みを語った(『「保健医療2035推進本部」を設置、厚労省』を参照)。

 策定懇談会の座長を務めた渋谷氏も登壇し、若手の識者や厚労省職員をメンバーにした策定懇談会で、充実した議論を行ったことをアピール。提言の実現に向けた動きについて「プロセスが始まったのはうれしい」とした上で、「提言書にはあえて議論を喚起する提案も盛り込んだ。国民的な議論の端緒にしてほしい」と期待を込めた。

  提言書では、高価値の保健医療サービスを低コストで提供する「リーンヘルスケア」、個人が必要なサービスを主体的に選択できる「ライフデザイン」、日本の優れた保険医療制度をモデルに世界をけん引する「グローバルヘルスリーダー」の3つのビジョンと、これらを実現するための具体的な施策120項目を挙げている(詳細は「保健医療2035」のホームページを参照)。

 パネルディスカッションでは、策定懇談会メンバーの日本医療政策機構理事の小野崎耕平氏がファシリテーターを務め、渋谷氏のほか、東海大学教養学部人間科学環境学科社会環境博士課程教授の堀真奈美氏、慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授の宮田裕章氏、厚労省保険局総務課企画官の榊原毅氏、アドバイザーの地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏、内閣官房社会保障改革担当室長の宮島俊彦氏の6人のパネリストが参加。ツイッターで会場からの意見もリアルタイムで壇上のスクリーンに表示された。

地域間格差をどう乗り越えるか

  意見が相次いだのは、医師の地域や診療科の偏在の問題。地域ごとに人口の高齢化の速度や資源が異なり、地域医療に関して中央集権的な決定をするのは困難だとの見方に対し、尾身氏は「東北地方などでは、県を超えた医師の偏在の問題など、県内の資源だけでどうにかできる限界を超えている。地域連携を支えるオールジャパンでの意思決定が必要だ」と指摘。「この県のこの診療科の医師はこれぐらいでいいという議論は、これまではタブーだったが、プロフェショナルを尊重しつつ、地域のニーズに沿った配置をする意思決定が求められる」と主張した。

 これに対して渋谷氏は、地域の医療ニーズに合わせた病院機能を整備する地域医療構想に触れ、「成功したらいいと思うが、本当に成功するのか疑問。在宅医療もできれば理想的だが、経済的なコストが高いとの指摘もある。病床機能を再編して、在宅に任せれば全て解決するとは思えない。民間で人々が求めるサービスを提供することも重要だ」と意見を述べた。

 また、提言書の「医師の偏在が続く地域での保険医の配置、定数の設定」と「自由開業の標榜の見直し」の項目に触れ、「これは必ずしも強制的にやることではない」としたのは、宮島氏。「地域医療は医師単独でやるのではなく、地域ケアに携わる人材や地域の人がいて初めてできる。また、医師1人でやらなくてもいい。主治医と副主治医で地域を診るという形もあるだろう。強制的ではなく、ネットワークとしてだんだん形成されていく過程をたどる。強制してもできないのでは」と注文を付けた。

 小野崎氏は、策定懇談会の中で一般から意見を募った際に、「国である程度、医師や専門家の配置について、考えた方がいいのではないか」という意見が多かったことを紹介。「医学部教育に多額の国費をかけて、国を挙げて育てた医師が、地域や専門に(定数)配置されてもいいと思う人が割といることが分かった」と説明し、保険組合が配置定数を決めるドイツの例を挙げ、今後の議論が必要だとした。
  
総合診療医はなぜ大切なのか

 尾身氏は、日本ではこれまで縦型の専門医が中心になってきたが、専門医を増やすだけでなく、コモン・ディジーズを診るファーストコンタクトの医師の質を高め、増やすことが必要だと指摘。総合診療医が19番目の専門医になったことに触れ、「今回初めてポジションが明確に定義された。これまでは総合診療医を選んだ人は専門家になれないと思われていた。今後はキャリアディベロップメントが重要になる」と述べた。

 榊原氏は、個人的な意見と断った上で、「自己負担の議論はこれからだが、良かれと思って在宅は厚めに診療報酬が付くようにしていたが、患者はより多く払わないといけなくなる。提供者には厚く、受診者には負担を減らすようなインセンティブも議論していいのではないか」と提案した。

 宮田氏は、総合診療医は専門医よりも、医学知識の常時アップデートが難しいと指摘し、「IT化や専門医チームとの相談で支援できる」と指摘。渋谷氏は、「生活習慣病の指導や予防などの公衆衛生の視点も必要になる。重要なのは、患者にとっての価値をどう高めるか。マネジメント能力やコミュニケーション能力など基本的なコンピテンシーを持った人材の育成が必要だ」と話した。


  1. 2015/08/26(水) 07:27:39|
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8月23日 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150823-00050098-yom-soci
国立大26校、文系学部の改廃を計画
読売新聞 8月24日(月)3時0分配信

 文系学部のある全国の国立大60校のうち、半数近い26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していることが、各国立大学長を対象にした読売新聞のアンケート調査でわかった。

 教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる。国立大の文系に再編の波が押し寄せている実態が浮かび上がった。

 文部科学省は今年6月、大学改革を狙いに、法学部や経済学部などの人文社会科学系と教員養成系の学部・大学院の廃止や他分野への転換を求める通知を出した。アンケートはこれを受け、全国立大86校の学長に7月末現在の学部の改廃計画や通知への受け止めなどを尋ね、81校から回答を得た。



http://www.m3.com/news/general/350636?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150822&dcf_doctor=true&mc.l=118318475
ジェネリック、海外での品質検査強化へ…安全確認し普及促進
2015年8月22日(土)配信 読売新聞

 新薬より安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及を促進するため、政府は来年度、日本に原薬や製剤などを輸出する海外製造所に派遣している査察員を、増員する方針を固めた。

 ジェネリックの信頼性への懸念が普及への障壁になっているためで、研究者などから品質への疑問が出たジェネリックについて、厚生労働省が実施した品質確認検査の結果を、新たにまとめる。

 薬の安全性の査察を行う独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)の担当部門を、現在の約50人から1・5倍程度に増員する。査察員は海外の医薬品製造所に出向き、〈1〉製造過程や品質管理〈2〉社員の教育訓練――について、国内と同様の査察を実施する。

 疑問が指摘されたジェネリックの品質確認検査の結果については、厚労省が「ブルーブック(仮称)」として冊子にまとめ、医療関係者らに配布する。

 ジェネリックは特許の切れた新薬と同じ有効成分で作られ、価格は3~5割程度のものが多い。効果や安全性は、厚生労働相が新薬と同等と認定しているが、医師や利用者の間では不安が根強く、2014年の厚労省調査によると「積極的には処方しない」とした医師の約6割が「(効果や副作用を含む)品質に疑問がある」と答えた。

 今年2月現在の普及率は、欧米各国よりも低い58・2%。中でも、「輸入品の安全性への問い合わせが多い」(厚労省)ことから、海外査察員の増員により不安解消を目指すことにした。同省は来年度予算の概算要求に、ジェネリック普及の関連費用として計9億1000万円を盛り込む。

 政府は6月末、年40兆円を超す医療費削減の目玉として、ジェネリックの普及率を20年度末までに80%以上に高める目標を設定。達成されれば、年に1・3兆円削減できる計算だ。

 厚労省ではこのほか、ジェネリック普及に向けた総合戦略を月内に策定する方針で、承認当初は新薬の6割(一部5割)に設定されている価格を、さらに引き下げられないか検討する。ジェネリックに市場を奪われる形になる新薬メーカーについても、薬価改定の度に安くなる新薬の価格を、特許期間の20~25年の間は下がりにくくする育成策を検討する。



http://www.m3.com/news/iryoishin/349486
シリーズ: 改革進む医学教育
4年生全員が4カ月間の研究実習◆広島大学Vol.2
「基礎研究に全員を曝露させる」、海外での実習も

2015年8月23日(日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 広島大学は、2012年度から医学部4年生全員を対象にした4カ月間の研究実習を始めた。これまで、4年生の年度末に行っていたCBTやOSCEを半年前の9月に前倒しし、10月から翌年1月末まで「みっちりと研究生活」を送るという。

 開始直後から担当している広島大学大学院医歯薬保健学研究院分子細胞情報学教授の今泉和則氏によると、目的は2つ。1つは臨床医になる学生にも研究マインドを養ってもらうこと。2つ目は医学研究を将来志す学生の育成だ。

 それ以前は2年次に1、2カ月間の研究実習をしていたが、低学年で知識が乏しいことや短期間であることから研究を掘り下げて行えず、不十分だとの反省があった。また、全国的に基礎研究の志望者が減少するのと同じく、広島大学でも減少。臨床医の研究マインドを養い、基礎研究者を増やすためには、全員が長期間、研究に没頭できるような仕組みが必要だった。

 開始の5年以上前から教授会で医学教育のカリキュラム再編の検討を重ね、座学を圧縮するなどして、2012年度に始まった。

1人1人が研究成果を発表

 具体的な実習は、多くの研究室が協力して支えている。学生は1 学年約120人。医学科以外にも原爆放射線医科学研究所などの計53~54の研究室に、教室の大きさに合わせて1~6人を配置。必ず1人1テーマが教員から与えられ、教員に示された研究の道筋に沿って実験を進める。テーマは基礎・社会医学研究に絞り、臨床研究は対象から外している。

 学生には、『医学研究実習手帳』という手のひら大の手帳が配布され、その日の研究内容や発見、感想などを毎日書き込む。教員がチェックし、出席や研究の進捗状況の把握に利用する。研究成果は、1カ月ごとにまとめて、レポートを提出。4カ月目の最後のレポートは、最終的な報告書として冊子にまとめている。

 最終週には、300人以上が収容できる広仁会館のホールで研究成果のプレゼンテーション大会を開催。4カ月間の成果についてポスターを展示し、6分のプレゼンと4分の質疑応答を行う。3人1組の教員が6組に分かれ発表の審査を行い、点数の上位学生から優秀賞を選ぶ。翌日、優秀賞受賞者は講義棟においてオーラルプレゼンテーションを行い、さらに最優秀賞の受賞者が1人選ばれる。

 中には、学会や、研究会で発表する学生も出てきており、今泉氏は「いいサイクルに入ってきた」と評価する。2012年度の4年生は現在卒後研修1年目で、実際に基礎研究に進む人が増えるかはまだ分からないが、研究実習が終わった後も臨床実習をしながら研究室に顔を出す学生も出てきた。また、「もともと医学研究を志しておらず、『自分は臨床一本だ』という学生が、研究の楽しみを見いだしガラッと変わった」(今泉氏)ケースも。臨床にしか興味がないと思っている学生も含め全ての学生を研究に「エクスポーズすることが大事」と今泉氏は強調する。

 今泉氏によると、医学部の学生は「医師になりたい人がほとんど」。しかし、研究者としての考え方やアプローチの仕方を学ぶことは臨床医にとっても重要だという。

 大学としてカリキュラムを組めるのは4カ月間だけだが、興味を持つ学生が増えて、自主的に研究を続け、成果が出ることを期待している。

学外の研究室でも実習

 学内の研究室だけでなく、協力する国内外の研究室で研究もできる。国内では理化学研究所や東京大学、京都大学の研究室、海外ではカナダのトロント大学や米国のハーバード大学、イリノイ大学、UCLAなどに派遣している。これまでに海外の研究室で実習したのは約33人で、2015年度は8人が行く予定だ。

 国際交流を担当する広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門ウイルス学教授の坂口剛正氏は「私を含めて、以前はポスドクで留学するのが主流だった。留学すると大きな刺激を受けて、『変わる』体験ができる。ぜひ若いうちにそういう体験をしてほしい」と語る。

 海外の大学への派遣は、国内よりも慎重にマッチングを行い、研究実績が出せるように配慮している。派遣先は、広島大学医学部の教員の直接の知り合いやコネクションがあった教授の教室で、派遣先から求められるスキルや研究内容を聞き、それに応えられる学生を審査して選ぶ。1年生から実施しているTOEICの成績も考慮される。

 2014年度にハーバード大学の関連病院であるマサチューセッツ総合病院で集中治療の基礎研究をした5年生の高田康平氏は「アメリカ人は作業が適当なところもあってびっくりした」と笑う。「海外に出て、日本の良さも痛感した。一つのことを粘り強く研究する楽しみも分かり、将来の選択肢も広がった」と振り返る。トロント小児病院に行った5年生の吉田龍平氏は「プレゼンで熱い討論が続くのはすごかった。一方で、日本の医療制度の優れた点も分かった。学生の時にしかできないことが経験できた」と話した。



http://www.m3.com/news/general/350856
依存性のある睡眠・抗不安薬「ベンゾ系薬剤」、過剰処方が2割
2015年8月23日(日) 読売新聞

 精神科などを受診する外来患者の約2割が、睡眠薬や抗不安薬に広く使われている「ベンゾジアゼピン(ベンゾ)系」の薬剤の処方量が過剰であるとする調査結果を、医療経済研究機構がまとめた。

 依存性があるベンゾ系薬剤は、使い続けるとやめにくくなる危険があり、厚生労働省は診療報酬で睡眠薬や抗不安薬の多剤処方を制限している。

 大手調剤薬局のデータベースを使い、2011年4月~昨年11月に精神科と心療内科から発行された、延べ110万人分の処方箋を分析した。その結果、標準的なベンゾ系薬剤(ジアゼパム)換算で1日当たりの最大用量を超えていた割合は19・1%だった。内訳は2倍以内が13・3%、2倍超から3倍は3・7%、3倍超は2・1%だった。

 日本は先進国の中でベンゾ系睡眠薬の使用量が極めて多いことが知られている。厚労省は昨年度の診療報酬改定で、睡眠薬や抗不安薬を一度に3種類以上処方した場合、原則的に診療報酬の一部を請求できない仕組みを導入した。だが、今回の調査ではベンゾ系薬剤の処方量は導入前と比べてあまり変わっていなかった。

 調査結果をまとめた同機構の奥村泰之主任研究員は「規制を導入しても全体の処方量を減らすことにはつながっていない。薬をやめにくくなる場合があることを念頭に置き、過剰な処方が行われないようにする対策が必要だ」としている。



http://mainichi.jp/edu/news/20150823ddlk43040200000c.html
ブラック・ジャックセミナー:外科医を目指して 高校生が手術模擬体験 済生会熊本病院 /熊本
毎日新聞 2015年08月23日 地方版

 高校生が外科医の指導を受けながら手術の模擬体験をする「ブラック・ジャックセミナー」が22日、熊本市南区の済生会熊本病院であり、市内の高校1年生38人が参加した。

 外科医不足を解消するため、将来的に医療界を志してもらうことを目的に、医療機器メーカーが2005年から全国各地で実施。過去のセミナー受講者が実際に外科医になったケースもあるという。

 参加者は、手術室で本物の超音波メスや電気メスを使って人体の代わりに豚肉を切断したり、実際の医師たちも練習のために使う手術シミュレーターや内視鏡手術トレーニングを体験したりした。

 真和高1年、野満友喜さん(15)は「ここで人の命が救われていると思うと緊張した。手術シミュレーターの画面はリアルで面白かった」と話した。

 済生会熊本病院の田中秀幸外科医長(48)は「セミナー参加者の進路の選択肢に医療界も加えてもらえたらうれしい」と話していた。【野呂賢治】



http://apital.asahi.com/article/news/2015082400004.html
山梨)育て、未来の外科医 模擬手術体験の催し
2015年8月24日 朝日新聞

 小学生に外科医の仕事を身近に感じてもらおうと、手術を模擬体験するイベント「ブラック・ジャックセミナー」が23日、甲府市富士見1丁目の県立中央病院で開かれた。

 外科医不足の中、子どもたちに興味を持ってもらおうと、医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(本社・東京)が全国で進めている取り組み。県内では初開催だという。

 県内の小学5、6年生42人が参加。グループに分かれて気胸手術、内視鏡、救急救命などのブースを回り、本物の縫合器や超音波メスを使った模擬手術をおこなった。救急救命のブースでは人形を使い、人工呼吸や電気ショックなどの蘇生術を体験した。




http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03138_06
クロストーク 日英地域医療
■第9回 ピア・レビューや外部監査の機能を持つ英国の医療

川越正平(あおぞら診療所院長/理事長)
澤 憲明(英国・スチュアートロード診療所General Practitioner)
企画協力:労働政策研究・研修機構 堀田聰子
(前回からつづく)
週刊医学界新聞 第3138号 2015年08月24日

日本在宅医と英国家庭医──異なる国,異なるかたちで地域の医療に身を投じる2人。現場視点で互いの国の医療を見つめ直し,“地域に根差す医療の在り方”を,対話[クロストーク]で浮き彫りにしていきます。

川越 これまでの議論からも明らかなように,英国は「登録医制度」であることを活かし,日常診療はもちろん,そこからさらに一歩踏み込んだ形で医療へ取り組めているようです。今回はその実践について伺っていきます。

登録制と電子カルテの両輪で,予防的アプローチを実践

川越 GPにとって「予防や健康増進を通し,地域全体の健康を支えること」も重要な役割であると,澤先生はよく指摘されています。前提として,英国の各診療所のGPたちは,登録住民の健康の度合いをどのようにして把握するのかを教えていただけますか。

澤 冒頭にご指摘いただいたように,患者の医療情報を一元化できる「登録制」が土台として機能しています。その上で,英国では,ほぼ全ての診療所に共通の機能を持つ電子カルテがありますから(第4回,第3113号),蓄積してきた登録住民の医療情報・記録をいつでも可視化できるわけです。

川越 日本での状況を照らして考えると,「他の医療機関で検診を行っているかどうか」という点も,患者さんに確認することがなければわかりません。英国では,登録医制度や前提となる診療情報の電子化・統合を進めてきたことにより,かかりつけ患者の健康管理までスムーズに行うことができているわけですね。

澤 それが予防的なアプローチを実践する上でも役立っていて,例えば,電子カルテでハイリスク集団に予防を呼び掛けるということも可能です。登録住民の「65歳以上の住民,または65歳未満であっても糖尿病・喘息を抱える患者,妊婦などから,インフルエンザワクチンの未接種者」を割り出し,当該者一人ひとりに手紙を出すことで予防接種を促すなど,実際に日常的に登録住民へ予防的な働き掛けを行っています。

川越 まさに登録医制度であることが活かされているんですね。

澤 おっしゃる通りです。予防から日常的な健康問題,さらには看取りまで,地域住民をトータルに支えるGPの仕事をこうしたシステムが助けてくれているんです。

動機付けには成果払いの仕組みも

川越 そうした健康増進に医療機関が取り組もうという動機付けの部分にもポイントがあるように思いました。何かインセンティブになるものが存在しているのですか。

澤 はい。基本的に診療所に登録している住民が健康になればなるほど,診療所が得をする仕組みになっています。

川越 診療所にとっては「報酬を増やす」目的を果たすことにもなる,と。

澤 そうです。そこで機能するのが,「成果払い(Quality and Outcomes Framework;QOF)」の仕組みだと思います。診療所が提供するサービスによって登録住民の電子カルテ上の健康データが改善すると,診療所の実績として評価され,QOFによる収入として報酬が入るようになっているんです。とはいえ,診療所の収入の大部分は,登録住民数や地域の健康ニーズの程度を加味して決められる「人頭払い」が占めてはいるのですが(註1)。

川越 どのような項目が成果払いの評価対象になるのでしょうか。

澤 例えば,「高血圧患者のうち,血圧が150/90 mmHg以下にコントロールされている人の割合」「糖尿病患者でHbA1cが7.5%以下にコントロールされている人の割合」といった項目が基準になります。また,数値上の改善が見られなくても,適切な検査や助言,治療を提供しているか否かも評価されており,報酬に反映されます。こちらは「認知症の診断前後に適切な血液検査を受けた患者数の割合」「禁煙指導を受けた喫煙患者数の割合」といった項目が挙げられます。

川越 どの国であっても,“取り分”が増えれば,取り組む者も増えるだろうという発想が根底にある点は共通しているのだなと感じました。しかも,おそらくそれが過重な労働負担にならない範囲で,医療の付加価値を高めることにつながるという実感も伴っているのでしょう。

澤 ただ,こうした成果払いの仕組みは,利益を追求するあまりに過度の医療化につながる恐れもあります。ですから,QOFには上限が定められており,ある一定の達成水準を超えると,それ以上の報酬が入らないようになっています。

 かつては診療所の診療報酬の3割ほどをQOFが占めた時代もあったようです。しかし,収入におけるQOFの割合が多いことが,「患者を“人”としてではなく,“数値”としてとらえるようになってしまうのでは」と懸念を抱くGPも多かった。それで最近になってQOFは1割程度に減少され,減った分は自動的に診療所に入る「コアファンディング」へと切り替わったという経緯もあります。

川越 なるほど。現在は,患者を過度に医療化しない工夫を意図的に盛り込んでいるということですよね。

外部監査は医療の質の担保も図っている

川越 診療所で行われている高血圧診療を,“外部から電子カルテ上で評価する”といったことが行われるというお話でした。ここには,各診療所が提供する医療の内容と質を「外部からチェックする」という点でも意義があるように思いました。

澤 外部からのチェックという点で言えば,前回紹介した「Clinical Commissioning Group」の中に,地域の診療所の薬剤処方のデータを集積し,処方内容を監査する「Medicines Management」というグループもあります。この組織は地域の診療所に対し,費用対効果の低い薬剤処方について注意喚起し,可能な限り安全かつ費用対効果の高い薬剤処方を促しているんです。

川越 具体的にはどのような介入をするのでしょう。

澤 以前,実際に経験した例を紹介します。私の診療所では,高血圧患者に出すカルシウム拮抗薬を,大体「lercanidipine」「amlodipine」「felodipine」の3つから選ぶようにしているのですね。28日分のコストを各10 mgの用量で計算すると,それぞれ£1.57,£1.00,£5.66。以上からもわかるようにfelodipineは比較的高コストです。しかし,得られる効果自体は他と大きく変わらないことから,Medicines Managementは可能な限りlercanidipineまたはamlodipineを処方するよう地域の診療所に呼び掛けていました。私の診療所は,こうした呼び掛けを受け,電子カルテでfelodipineを定期的に内服している高血圧患者を同定し,処方薬をlercanidipineに変更するに至っています。なお,この切り替え作業そのものも,診療所側がイエスと言えば,Medicines Managementが代わりにやってくれるんです(註2)。

川越 日本の場合,コストの意識はお世辞にも高いとは言えませんから,学ぶところが多くありますね。漫然とした薬剤処方を見直す契機にもなって,医療の質を上げるという点でも効果を発揮するのではないかと思いました。

澤 日本には医師の処方内容を外部から確認するシステムはないのですか。

川越 「疑義照会」といった形で薬剤師が医師の処方内容を確認する仕組みは存在しますが,澤先生の説明された取り組みとは異なります。もし仮に「1年間,処方内容に変更がない場合は,薬局の薬剤師が医師に対してアラートを発する」といった仕組みに発展すれば,有効なのだろうと期待できるのですが。

 ただ,日本の診療所医師にとって,「外部監査」は想像し難いことでしょう。英国の診療所のように複数医師の体制であればピア・レビューを内在化することにもなりますが,日本はそもそもがソロプラクティスの診療所が多数を占め,ともすれば「オレ流」の医療すらも存在し得る状況と言えますから。

澤 英国でも特に年配のGPでは学習意欲が低下し,昔からの診療スタイルを崩したがらない方がいるのも事実です。それでも,成果払いや外部監査機能,あるいはNICEのガイドライン(第5回,第3115号)など,「標準」を注意喚起し,そちらへ促す仕組みによって,危険な医療を排除し,質のばらつきを抑える方向には向かえているのではないかと思います。

川越 このように考えると,現状の日本は外部からの目が入る仕組みや枠組みが不十分と言えます。自らの実践を振り返り,どのように自己改革に取り組むべきかを考える姿勢を持っているのか,自分を含めて問い直す必要性を感じますね。

(つづく)

註1:英国の診療所に対する診療報酬の仕組みは複雑で,かつ毎年変更があるため詳細は記載しないが,「人頭払い」「成果払い」「出来高払い」等で構成される。澤氏の診療所では収入の約7割が人頭払いに相当。また,本文に登場しない出来高払いは,必要不可欠な医療サービスとは異なり,「Enhanced Service」と呼ばれる付加的なサービスの一部を提供することで得られる収入。具体的には,より複雑なマイナー外科,薬物依存症外来等。
註2:患者には,診療所から一連の事情を書いた手紙を郵送し,変更を承諾しない場合は診療所への連絡を呼び掛けている。澤氏が挙げたケースでも一部の患者から変更前の薬剤を希望する声があり,それらの患者にはfelodipineを継続したという。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03138_05
The Genecialist Manifesto ジェネシャリスト宣言
「ジェネラリストか,スペシャリストか」。二元論を乗り越え,“ジェネシャリスト”という新概念を提唱する。
【第26回】
無知と配慮の診断学

岩田 健太郎(神戸大学大学院教授・感染症治療学/神戸大学医学部附属病院感染症内科)
(前回からつづく)
週刊医学界新聞 第3138号 2015年08月24日

 ニュースの賞味期限は短い。本稿を書いている2015年7月7日は,サッカー女子ワールドカップでなでしこジャパンがアメリカに大敗した翌日である。世間はこの話題で持ちきりであるが,もう翌日にしてメディアもネタが尽き,どうでもよい話題をほじくり返している。あと2週間も経つと,誰もこの話題を口にしなくなるだろう。

 そのなでしこの前に大騒ぎになっていたのが,感染症のMERSである。もっともMERSそのものは2012年に見つかった感染症でさほど新規性はないのだが,隣の韓国で小流行が起きたために大騒ぎとなった(そしてほどなく誰も騒がなくなった。なんとなく)。



 「Middle East Respiratory Syndrome」というくらいだから,MERSは中東の疾患である。サウジアラビアなど中東諸国から帰国し,当地で発症する。イギリス,ドイツ,フランス,オランダ,アメリカなど,多くの先進国で患者が発見されている。フィリピンやタイなどアジア諸国でも輸入例が見つかっている。しかし,渡航先で流行したのは韓国だけの特殊な事例だ。

 韓国であっても医療機関での感染がほとんどで,コミュニティーで流行しているわけではない。韓国からMERSが日本に輸入される可能性はもちろん皆無ではない。しかし,中東からの渡航者でMERSが発見される可能性のほうがずっと高いとぼくは考える。韓国での小流行はじきに収束を迎えるが,中東での発症は今後長く続く可能性が高いからだ。それが数日後のことか,数年後のことになるのかはぼくにはわからないけれど。



 2014年には西アフリカを中心にエボラ出血熱が流行し,こちらも大騒ぎになったがやはり「なんとなく」,皆騒がなくなった。メディアもそうだが,医療機関でもガードをガチガチに上げてビビった揚げ句,誰もビビらなくなるといういつものパターンである。

 もっとも,ビクビクしないのは正しい態度である。どのみち,医療をやっている限り感染症患者からの曝露リスクは常に,恒常的にあるのだから,短期的にビクビクするのは意味がない。

 世界には感染症の擦れっからしのプロ以外は聞いたこともないであろう感染症がうじゃうじゃしている。ただ,それがたまたま偶然,日本に入ってきていないというだけの話だ。リスクは常にある。そのリスクを感得できていないのは,単に無知のせい(おかげ?)である。無知は常にリスクを過大評価するか,過小評価するかのいずれかの態度に導くのだ。だから,エボラ騒ぎのときも必要のない大騒ぎをした揚げ句,「本当に大丈夫かな」と言いたくなるくらいのノーガード状態にさらりと戻る。

 ある感染症が話題になって診療現場が大パニックになり,過剰反応をしまくった揚げ句に急に無関心になる。ぼくらはこのワンパターンな繰り返しを何度も見てきた。エイズ然り,SARS然り,新型インフルエンザ然り。どうしてこのワンパターンから学習しないのだろう,と思う。

 つまり,日常診療の段階で感染症を疑ったときに丁寧に旅行歴を尋ねる習慣を持っていれば,どのような新規の感染症が現れても,きちんと対応はできるのである。これが過小評価も過大評価もしないためのシンプルにして最大の防御だ。個々の病原体に特化したスペシャルな議論ではなく,「発熱患者に渡航歴を聞く」というジェネラルな命題にすればよいのだ。しかし,ぼくが知る限り,発熱患者,咳の患者,下痢の患者に全例旅行歴をとっている医者はごく少数派に属する。



 隣の韓国のお粗末なMERS対応を嗤っている場合ではない。なぜ日本でSARSが,エボラが,そしてMERSが入り込まず(so far),かつ国内流行をしなかったのか。よく問われる質問だ。ぼくの答えはいつも同じ。「日本は運が良かったからだ」である。旅行歴を問わずに感染症に対峙していれば,いつかどこかで輸入感染症の見逃しが起きる。それは「韓国からやってくる」と特定できる患者とは限らない。

 実際,中東で何年も問題になっていたMERSに本腰を入れだしたのは,韓国で患者が発生した「後」のことである。もし日本に先にMERSが入っていたら,まったく同じシナリオになっていた可能性は低くない(厚労省の名誉のために付言しておくと,彼らの動きはずっと早かった。厚労省は,今回の騒ぎが起きるずっと前,2015年1月にはMERSを2類感染症に指定している。呼吸器感染症の中では「危ない」部類に属することは知っていたのだ)。



 旅行歴を聞く。渡航歴があるとわかる。どうしたらよいか。全ての国の個別の感染症を全部,百科事典的に覚えておく必要はない。幸い,医学情報は多くなったが,情報へのアクセスは恐ろしいほどに容易になった。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)やWHOのホームページを参照してもよい。われわれが訳出した『キーストンのトラベル・メディシン』(メディカル・サイエンス・インターナショナル)を参照してもよい。これも感染症屋のマニアックな専門書ではない。海外に行く患者を診る医者全てのために書かれた本だ。21世紀の現在,「私の患者は1人も海外に行かない」という医者も稀有な存在だろう。

 では,それでも当該国の感染症がよくわからないとき。そのときこそ,擦れっからしの感染症屋に相談するときである。われわれは嬉々として,「ああ,ネパールからの帰国患者の発熱ですか。ぜひ拝見させてください」と申し上げるのである。

 致死率の高いMERSやエボラは,他者への感染性はそれほどでもない。医療機関内の感染は,ほとんどが初動の疑い方にエラーがある。普段から旅行歴を聞く習慣を持ち,コンタクトを最小限に抑えていれば感染のリスクは高くない。



 全ての医者が全ての国の全ての病気に精通している必要などない。しかし,外国にはいろいろな病気があるのだ,という無知の自覚,「無知の知」は必要だ。「この患者が外国から帰ってきた発熱患者じゃないと誰が決めたのだ」と常にガードを(ある程度)上げておくことが大切だ。メディアが大騒ぎしているときだけではなく。無知(の自覚)と配慮が診断に寄与するのだ。それはなにも,感染症に限定された話ではない。大切なのは「私の知らない何か」に対する自覚 awarenessなのだから。

(つづく)


  1. 2015/08/24(月) 05:56:56|
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8月22日 

http://mainichi.jp/edu/news/20150822ddlk12010026000c.html
成田市:医学部新設 病院用地も無償貸与 国際医療福祉大、20億円出資を要請 /千葉
毎日新聞 2015年08月22日 地方版

 成田市は21日の市議会特別委員会で、政府が新設を認めた大学医学部の付属病院の用地も、大学側に無償貸与する方針を明らかにした。医学部設置を希望する国際医療福祉大から、新たに設立する病院建設・管理会社の資本金150億円のうち、最大20億円の出資を要請され、協議中であることも説明した。

 病院用地は成田空港西側の同市畑ケ田(はたけだ)の市有地約15万2000平方メートルに加え、隣接する畑と山林計約3万5000平方メートルを約4億円で購入して無償貸与する。貸与期間は未定。造成費約6億円も市が負担する。市有地は2011年に多目的スポーツ広場を整備するとして約2億5000万円で取得した。

 国際医療福祉大は17年4月の医学部開設に向け、京成電鉄公津の杜駅前に2棟(延べ床面積計約4万9000平方メートル)を建設する計画。市は県とともに建設費と医療設備購入費の計約160億円のうち最大80億円を補助する意向だ。

 一方、病院(600床)は17年上半期に着工して19年度中の開業を予定する。地上11階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は約9万1000平方メートル。建設費用は積算中としている。

 ◇医学部用地22億円、取得予算案を提出

 市は21日の臨時市議会に、医学部用地を22億7600万円で取得する補正予算案を提出した。この日の医学部設置に関する特別委員会では、市議から「市は成田スカイアクセス線、成田富里いずみ清掃工場、JR成田駅東口の市街地再開発の3事業に計187億円を投入した。国際医療福祉大関連の歳出は計183億円。一つの私立大に対して多過ぎないか」などの意見が出て、継続審議となった。【早川健人】



http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20150822-OYT8T50048.html
医学部、公津の杜駅前に…成田市
2015年08月22日 14時46分 読売新聞

 政府が千葉県成田市内に認めた大学医学部新設を巡り、市が校舎の設置場所として、京成線・公津の杜駅前を選定したことが21日、分かった。


 同日開かれた市議会臨時会で市側が、同駅前の約1万4800平方メートルを京成電鉄から取得するための今年度一般会計補正予算案を提出した。校舎は2棟を予定し、設置費用のうち最大80億円を県と協力して補助する方針も初めて示された。

 補正予算案には、校舎の用地取得費として約22億7600万円が盛り込まれた。市は用地を取得した後、医学部設置者に対して30年間無償貸与することを想定している。今年度一般会計補正予算案が付託された市議会特別委員会で、小泉一成市長は「最短で2017年4月の開学で議論されており、逆算すれば校舎は年内に着工する必要がある」と説明した。

 校舎は設置者が建設する予定で、医療設備購入費などを含む費用は現時点で約160億円と試算されている。鉄筋コンクリート11階と6階の2棟の建設が見込まれているという。付属病院の建設場所として市は、成田空港西側の用地を無償貸与する方針。

 設置者は今秋に公募され、市内に看護学部などを開設予定の国際医療福祉大(栃木県大田原市)が最有力とされている。特別委では「無償貸与は妥当なのか」といった指摘があり、市議会は同予算案を継続審査とした。

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地図:G3作成



http://blogos.com/article/129617/
医師会と厚労省と政府の戦い 目的は患者に対する医療改善なんだけど
中村ゆきつぐ
2015年08月22日 14:00 BLOGOS

 日経メディカル記事です。「日医・医学部長会議が医師の偏在解消に向け緊急提言 医療機関の管理者要件に「医師不足地域での勤務経験」を」

 医師会と政府がやり合っています。

 2つの医大新設についてほとんど決定されてしまっているこの時代に、反撃として出してきた提案は医療者側が医師の勤務体系について自ら制限をかけることでした。

 「現状の医師不足の本質は、絶対数ではなく、医師の地域・診療科偏在にある」とした上で、この課題解決のためには、「医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」

 と冒頭で述べた後

 各大学医学部に、卒業後の医師の異動を生涯にわたって把握する「医師キャリア支援センター」(仮称)を設置。

 臨床研修については、自由に場所を選べる現在の仕組みを改め、出身大学の所在地域(出身大学の関連病院のある範囲を含む)で行うことを原則とする。臨床研修医の需給が均衡していない地域では、全国の支援センターをつなぐ組織として新設する「全国医師キャリア支援センター連絡協議会」(仮称)が各地域の情報を共有し、地域ごとの需給調整を進める。

 という昔の医局の復活?つまり政府がおこなおうとしている医大の新設ではなく、各大学に全体医局のようなものを作り、地域のニーズに応えるといったものです。

 まあ今の大学にそれを要求しても人、能力の関係で難しいと思いますが。

 さらに医師の偏在解消に向けて、提言では、「一定期間、医師不足地域で勤務した経験があること」を病院・診療所の管理者要件に新たに加えることも盛り込んだ。

 基本開業する前には僻地勤務を義務づけるという内容です。若い医師達から反発されそうな内容です。僻地の設定等、また強制性の人権に対する影響等、実行性に乏しいことが想像されます。

 政府が予定する医療の地方改革は現実味を帯びています。DPCデータをもとにした2025年の医療機能ごとの医療需要と必要病床数を推計し、これを目指して医療機能の分化・連携を推進するための施策を各地方自治体が計画しています。(NHK特報首都圏 波紋広がる"地方移住"自治体の受け止めは なんかだましてない?)地域医療構想の策定期限は2016年3月です。

 基本は在宅、かかりつけといった老人医療関連改善なのですが、血液内科については全く考慮されていないんですよね。県毎の計画も県境ではどうするのか、今後の医療の進歩に対する対応はどうするのかも全く考慮されていません。以前に書いたように、現在の医療を基に進歩なく10年後を迎えると言ったものです。

 今までの臨床研修制度変更、7対1等、施策の失敗で医療をある意味崩壊させてきた厚労省。そして既得権益を守ろうとするためそれをとめれなかった医師会。そして医大を新設することでまた利益を得ようとする政府関係者。すこし流れをみなければと思いますが、また悪い方向に動いています。


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http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150821med00m010004000c
孤島の小さな診療所から
7)離島の医師のプライバシーって?
太田龍一 / 沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

2015年8月22日 毎日新聞

 前回紹介した「ワンクッションコール」に関連して、もう一つエピソードを紹介させていただきます。

医師用住宅は診療所のすぐ隣

 現在、私は診療所医師住宅という沖縄県に建てていただいた家に住んでいます。とても広くて快適なのですが、一つ難点があります。それは医師住宅の場所です。なんと診療所のすぐ隣に建っているのです。通勤時間は数十秒、島の人なら誰でも医師がどこにいるか分かるという利点がある半面、医師のプライバシーが守られないという面もあります。

 特に夜間の時間外診療の時が大変です。ほとんどの島民の方は、ワンクッションコールのシステムを理解されており、役場を通して受診してくれます。しかし一部の島民の方が今でも、直接診療所医師住宅に来られます。インターホンを押すだけならまだしもドアを何度もたたく人、お酒を飲んで大声で呼ぶ人などもいます。本当に患者さんが大変な状態で、すぐに駆けつける必要がある時は仕方がないですが、その多くが急を要しないのが現状です。また他の離島の診療所医師の中には、女性1人で生活している人、妻子がいる人などさまざまで、中には夜間の時間外診療に身の危険を感じているという人もおり、実際に診療所医師を巻き込んだ事件が過去に幾つか起こっております。

 離島という環境下で、診療所医師のプライバシーの問題を考えると難しい部分が多々あります。一人の島民として、仕事以外のプライベートな時間も確保したいと思うのは自然な感情だと思いますし、公私の切り替えはストレスを解消するためにも大切です。一方で、島民の方々の健康を守るという役割を担っている以上、昼夜を問わず患者さんに対応することが求められます。「離島で働いているから仕方がない」というご意見もよく聞きます。しかし離島診療所医師というとてもやりがいのある仕事を一生懸命やっているのにもかかわらず、一部の人がつらい記憶を残して島を去っていく現状を考えると、どこか改善できないものかと日々考えています。

医師のプライバシーだけの問題じゃない

 確かに患者さんが直接医師住宅に来るのを抑制することは難しいと思います。医学に関して知識がない方が、自分自身だけでなく、周りの人が急変したらすぐに医師に診てもらいたいと思うのは当たり前の行動ですし、気持ちとしてはとても理解できます。しかし、本当の急変である場合は、無理をして診療所に直接連れてくるよりも、役場に電話をして指示を仰ぎ処置をしながら救急隊を待つ方がより安全である場合もあります。

 実際に診療所で行っているデイサービスでこんなケースがありました。ある利用者の方の家に迎えに行くと、その方が目の前でパンを喉に詰まらせて苦しんでおられました。発見した家族の方がすぐに役場に電話し、心臓の血液循環を維持するための胸骨圧迫(心臓マッサージ)の指示を受けて、すぐに処置に取りかっていました。この方は90代の高齢で、診療所に運ばれた際は、息も絶え絶えでしたが、沖縄本島へ搬送後、一命を取り留め、現在は元気に暮らしておられます。

 大切なのは、やはり島民の方々に適切な知識を適切に伝え続ける意識だと思います。役場職員の方々との勉強会や診療所が出している広報ももちろんですが、それらを無理なくやり続けることが重要です。どうしても何かを変えようとすると、たくさんの労力が必要になります。診療所だけの力でどうこうできるものではありません。しかし現在、島には「島をよくしたい」と思っている方々がたくさんいます。その方々の力を少しずつお借りしながら、「無理なく続けられる最低限の診療所受診マナー」を作っていきたいと思っています。

太田龍一 おおた・りゅういち :  沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。



http://www.m3.com/news/iryoishin/348196
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
改革で経営悪化の見通し、6割弱◆Vol.16
薬価差益の復活を求める意見も

医師調査 2015年8月23日(日)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q.13-1 現在の社会保障制度関連の改革メニューで、経営環境は良くなるか。
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 Q13-1では、今政府が提案している社会保障制度関連の改革メニューで、経営環境は良くなると考えるかを、開業医のみ200人に聞いた。

 最も多かったのは「悪くなる」で42.5%、「とても悪くなる」と合わせると、計58.0%が、経営環境の悪化を見通した。現在の政権では、社会保障費の抑制圧力が強いのに加え、抑制した部分を、市場原理に任せて産業化する流れとなっている。多くの医師が、公的保険の診療に携わっている中で、暗い見通しが多数を占める結果となった。「とても良くなる」「良くなる」は、計3.5%にとどまった。

 「どちらとも言えない」は、26.5%。社会保障費の抑制圧力はあるものの、政府は、地域完結型医療の構築を目指す中で、かかりつけ医を評価する方向性を打ち出していることが、一因とみられる。

 経営環境に好影響を与える改革のアイデアについて、自由回答で聞いたところ、以下のような回答が寄せられた。

・医療、福祉、労働、介護、年金を地方に移管し、地方に合ったやり方にして、無駄を減らす。福祉費の重複取りをまず無くす。現在の厚労省では、無駄がどれだけあるのかさえ分かっていない。年金情報の漏洩ですら、全体を把握できていないのが現状なので。
・まず、地域ごとの小分画による改革を、試験的に導入するべきだと思う。
・薬価差益を復活させる。
・医師の技術料が安すぎる。
・院外処方で調剤薬局が儲かる仕組みをやめなければ、全体の保険診療費は抑えられないと思う。
・現行より報酬の値上げ。
・10年経過したら、先発品の価格を、半額などジェネリック並みに下げればよい。



http://www.m3.com/news/iryoishin/350632
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
患者団体、高負担の長期化懸念し意見書
患者申出療養制度の創設控え、中医協に提出

2015年8月22日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 2016年度の創設に向け患者申出療養制度についての中央社会保険医療協議会の議論が始まるのを前に、日本難病・疾病団体協議会(JPA)と全日本がん患者団体連合会(全がん連)が、高額な負担の長期化や固定化を懸念し、制度で認められた医療を速やかに保険収載することなどを盛り込んだ意見書を提出し、8月21日に共同で厚生労働省内で会見した。両団体は、中医協での意見聴取を求める声が出た。

 両団体は、別々に意見書を提出。内容で共通しているのは、患者申出療養制度で認められ、有効性と安全性が確認された医療を速やかに保険収載とする点。JPAの意見書では、現状の先進医療の総医療費のうち、先進医療部分が7割超を占めていることから、「保険収載に至ることなく留まる医療について、一部の富裕層にしか適用されない」として、制度の導入で、現状の格差がさらに広がることへの懸念を示している。全がん連の意見書でも、安全で有効な医療について「患者が負担なく少しでも早く使用できる制度に」と求めている。両団体ともに、新しい医療が保険収載されなかったり、遅れたりすることの結果として「混合診療が解禁」された状態になる点を懸念している。

 全がん連理事長の天野慎介氏は、「(安全で有効な医療を)保険収載をしっかりする原則を崩してほしくない」と述べた上で、負担から利用者が限定される可能性や、エビデンスのない医療へアクセスしてしまう可能性を指摘した。

 JPA事務局長の水谷幸司氏は、先進医療の制度で、費用の9割以上が先進医療部分である重粒子線治療が保険収載されてこなかった経緯を指摘。厚労省は保険収載を前提とする方針を打ち出しているのに対して、「(陽子線治療のように)高額な負担が続くことへの危惧が強い」として、患者申出療養制度で認められた医療が、保険収載される過程について、人材や予算の裏付けをするように求めた。

 保険収載を担保するために、天野氏は、患者申出療養制度で認められた医療について、保険収載の可否を判断するまでの期限を区切るアイデアを示した。JPAの意見書には、患者申出療養制度に関する会議を設置することや、重篤な医療事故などが起きた際に国が責任を持って公的な保障なども求めている。

  1. 2015/08/23(日) 07:13:35|
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8月20日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46528.html
東北医学部の新設準備に構想審「対応適切」- 地域医療への影響不安も、月内正式認可へ
2015年08月20日 21時09分 キャリアブレイン

 来年4月の開学を目指している東北薬科大(仙台市青葉区)の医学部新設をめぐり、文部科学省の「構想審査会」は20日の会合で、同審査会が示した新設の条件への対応状況について議論し、同大の対応について「全般的には適切」と判断した。委員からは、医師ら教員の採用予定地域が東北に偏っているため、医師の異動によって地域医療に支障が出るとの不安の声も上がったが、同大側は、赴任時期を分散させることで影響を緩和する策などを示した。文科省は同大の医学部新設を月内に正式認可する見通し。【丸山紀一朗】

 この日の会合には、高柳元明理事長ら同大の関係者が出席し、新設に向けた準備の進捗についてヒアリングが行われた。

 委員から特に指摘が多かったのは、同大が採用予定の174人の教員のうち、現在の所属先が東北地方以外の人は40人にとどまり、残りはすべて東北からの採用である点だ。これに対して同大側は、多数の医師が同時期に異動しないよう、137人の臨床系教員の赴任時期について、2016年4月が86人、17年4月が33人、18年4月が18人と分散させると説明。さらに、東北からの採用であっても、特に東日本大震災の影響で医師数が不足しているとされる沿岸地域からの採用は控えるよう留意したと強調した。

 また、卒業後に宮城県内の医療機関で、10年間勤務すれば返還免除となる年間30人の修学資金枠について、同大側は、同時期に最大300人の医師を県内の病院・診療所に配置するシミュレーションを提示。仙台市内を除く100床以上の自治体病院(15病院)に120人、同じく100床未満の自治体病院(14病院)に40人、同じく自治体病院以外の病院(7病院)に60人、自治体診療所(19診療所)に20人、キャリア形成のために勤務する仙台市内を含む基幹病院に60人とし、受け入れ先は十分確保できると説明した。




http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46511.html
和歌山県立医大の留年者増、理由は何か?- 評価委が聞き取り調査要望
2015年08月19日 20時04分 キャリアブレイン

 和歌山県は19日、県立医科大の昨年度の業務実績の評価結果を公表した。この評価結果をまとめた県公立大学法人評価委員会は、医学部の1年次と2年次の留年者数が「依然として多い」としたほか、6年次についても「増加している」と指摘。留年者への聞き取り調査などを行うことを求めている。【新井哉】

 評価委は、今年度から医学部の1年生にTOFELを受験させることを決めたことなどを評価する一方、留年者が多い状況について、「その真因がどこにあるのか、早急に検討する必要がある」と指摘。留年者への聞き取り調査に加え、教養課程を見直す必要性も挙げている。

 地域貢献については、産官学連携推進の取り組みとして2013年7月に包括的連携協定を結んだ住友電気工業との共同研究について、「さらなる進展が期待される」とした。ただ、小中学生や高校生を対象とした「出前授業」の実施数と受講者数が減っていることに触れ、今年度以降の活動を発展させることを求めている。

 短時間正規職員制度を新設したことは、「育児等によりフルタイム勤務が難しい看護職員でも働きやすい環境やキャリアを継続できる体制が整備された」と評価したが、今後、看護職以外の職種にも広げることを要望。短時間勤務の医療従事者の増加については「組織全体に与える影響を分析する必要がある」としている。



http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20150820/news20150820930.html
医学部生、地域の課題学ぶ 愛南でセミナー
2015年08月20日(木) 愛媛新聞

 医師や看護師を目指す学生が地域医療の課題を学ぶセミナー「愛南町の医療にふれる会」が18、19両日、同町御荘平城の御荘文化センターなどであった。愛媛大と順天堂大(東京)の医学部生21人が参加し、愛媛大教授や町内の医師らの話に耳を傾けた。
 県立南宇和病院によると、町の拠点病院である同病院の常勤医は、定員22人に対し10人(4月現在)と不足し、麻酔科医不在のため帝王切開などの緊急手術も難しい状況。セミナーは疲弊する地域医療の実情を伝え、学生の進路選択の参考にしてもらおうと、町や南宇和郡医師会、愛媛大の共催で2012年から開いている。
 18日は教授や医師ら6人が講演した。



http://www.news24.jp/nnn/news8776516.html
医者を目指す学生が地域医療の実習(高知県)
[ 8/20 12:41 高知放送]

この実習は医者を目指す学生たちが実際に地域医療の現場に立ち、医師と患者のやりとりなどを見ることで地域の医師不足を解消しようと県が毎年開いている。今年は自治医科大学や高知大学の学生など43人が参加している。県内では高知市や南国市などに高度な医療機関が集中しているが、中山間地域にも質の高い医療を提供することが課題。学生たちは20日から3日間、大月町や馬路村など県内14か所の病院や診療所で医師の診療を見学したり補助などをする。



https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2015/08/20/131803401
医療人の資質高めたい 地域医療担う学生が知事訪問
8月20日大分合同新聞夕刊。

 大分大学医学部の「地域枠」と自治医科大学に今春入学した計14人が19日、県庁を訪れ広瀬勝貞知事と懇談した。14人は同日から県が開く2泊3日の地域医療研修会に参加、へき地診療所などで実地研修をする。
 地域枠1年の津村佳希さん(18)が「人と人とのつながりを大切に、たくさん経験を積み、医療人になるための資質を上げていきたい」、自治医科大学1年の安部さやかさん(18)が「将来古里に貢献し、多くの人に健康な生活を届けられる医師になるため、研修を通じてやる気と情熱を高めていきたい」とあいさつ。
 広瀬知事は「初心を忘れず、地域に根差した医療を担う人材に育ってほしい」と激励した。
 地域枠は奨学金を貸与する代わりに卒業後7~9年間、県内で地域医療に携わってもらおうと、県と大分大が2007年度から始めた制度。今回の研修会には14人を含め、計38人が参加、各地で診療を見学する。



http://www.yomiuri.co.jp/teen/news/20150820-OYT8T50035.html
看護体験、高校生に人気…千葉
2015年08月20日 10時53分 読売新聞

 全国的に看護師不足が進む一方、千葉県内では看護体験を希望する高校生が増えている。

 病院側は人材育成に力を入れ、将来的には勤務してもらえればとの期待もあり、積極的に体験事業に乗り出している。一方、看護師志願者の増加を受け、地域医療を支えてくれる人材を育てようと、大学の看護学部受験に向け「合格講座」を新設する高校も出てきた。

 旭市の旭中央病院で7月31日、高校生を対象にした看護体験が行われ、県立匝瑳高校の30人が参加した。看護師の仕事を紹介するビデオを見た後、仕事を一部体験。シーツ直しや血圧測定、心拍や瞳孔のチェック、車いすやストレッチャーでの移動などをこなした生徒からは「仕事に魅力を感じた」「自分の将来像を確立できた」といった感想が寄せられた。

 この日行ったのは同病院独自の体験事業だ。例年、県看護協会の呼びかけに応じ、看護体験を年数回行ってきたが、高校側のニーズが高いと見込み、今年は独自の体験事業を新たに設けた。約140人が5日間に分かれて参加する。

 同病院の広報担当者は「生徒には看護師になりたいという気持ちをより強く持ってほしいし、事業を通じて病院の知名度向上につながれば」と狙いを話す。

 県看護協会の呼びかけによる看護体験の参加者も増加傾向で、高校生を中心に2010年度の481人から、14年度は614人に増加。今年度は既に750人以上が体験した。

 ただ、県が昨年4月に発表した調査では、2025年には、保健師などを含む看護職員が4530~1万5150人不足するとの結果が出た。県看護協会の沢田いつ子専務理事は「将来の進路を考える高校生を中心に看護の仕事の魅力を広くアピールしていきたい」と話す。

 一方、匝瑳高は今年度、「看護学部合格講座」を新たに設けた。近年、大学の看護学部志望者が増加傾向にあるため、合格実績の向上に加え、将来、地元の病院で働いて地域貢献してくれればとの願いを込めた。

 講座は2、3年生が対象。2年生は、看護師の仕事や使命などについて大学教員の講演を聴き、3年生は予備校の面接講座や模擬試験を受けて対策を練っていく。模試と課題図書代以外の費用負担はないという。

 同高の進路指導部長、前田康晴教諭は「どこの大学に進んでもいいが、様々な体験を積み、最終的には地域に戻って活躍してくれたら」と期待している。(渡辺光彦)



http://www.sankei.com/region/news/150820/rgn1508200019-n1.html
小中学生が医療現場体験 国際医療福祉大でキッズスクール 栃木
2015.8.20 07:02 産経ニュース

 国際医療福祉大学(大田原市北金丸)で19日、小中学生に医療福祉について学んでもらう体験講座「第6回キッズスクール」が開かれた。11の学習プログラムと2つのイベントが行われ、公募190人の中から選ばれた県内と福島県の小中学生112人が参加した。

 小学生は主に患者の立場で体の仕組みなどを学ぶ利用者コース、中学生は医療福祉の現場を体験する従事者コースに挑んだ。開校式の後、中学生たちはグループごとに内視鏡シミュレーターを使った模擬手術や内視鏡のトレーニングキットの操作、超音波診断装置(エコー)による断層面の観察などを体験しながら学んだ。

 終了後は全員に認定証が授与された。

 那須塩原市立三島中1年の平野帆花(ほのか)さん(13)は「内視鏡のトレーニングキットは難しかったけどゲームのように楽しめた」と話していた。



http://www.sankei.com/region/news/150820/rgn1508200026-n1.html
神栖に夜間救急センター 来月6日開設、日曜に診療 茨城
2015.8.20 07:09 産経ニュース

 医師不足が深刻な鹿行地域南部の医療体制の充実を図るため、鹿島医師会は9月6日、神栖市知手中央の神栖済生会病院内に「鹿行南部地域夜間初期救急センター」を開設する。

 診療時間は毎週日曜日の午後7時から同10時までで、休日の日中は休日当番医を利用することになる。

 診療は鹿島医師会と茨城水郷医師会の医師が担当し、高校生以上を対象に急な発熱や腹痛、切り傷などの軽症に対する応急診療にあたる。中学生以下は鹿嶋市宮中の鹿嶋市夜間小児救急診療所で受け入れる。

 受付時間は午後7時から同9時45分まで。

 運営費は初年度に限り県が1800万円を上限に補助し、翌年からは神栖市と鹿嶋市、潮来市が補助する。センターの専用電話番号は0299・77・9900。



http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20150820ddlk45010332000c.html
県総合計画審:4カ年の政策評価答申 2項目「成果上がらず」 /宮崎
毎日新聞 2015年08月20日 地方版

 県総合計画審議会(会長、菅沼龍夫・宮崎大学長)は19日、2011〜14年度の同計画アクションプランの政策評価を河野俊嗣知事に答申した。将来世代の育成や観光交流・海外展開など10項目のうち、健康長寿社会づくりと持続可能な地域づくりの2項目は「成果が上がっていない項目がある」と、A〜Dの4段階のC評価とした。

 健康長寿の分野では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者と予備群の割合は、全国平均(27・1%、13年)以下を目標にしたが、29・8%と上回った。市町村立医療機関の常勤医師数も、11年4月の86人から、14年は113人に増員するはずだったが、実際は82人に減っていた。

 地域づくりの分野では、県民意識調査で「県内に住み続けたいと思う」人の割合を、11年4月の81・2%から14年は100%とする計画だったが、15年2月は78・4%と逆に減少。「地域のつながりが強いと思う」人の割合も、11年4月の40・9%から14年は45%に増やす目標にもかかわらず、15年2月は38・2%に落ち込んだ。

 菅沼会長は「経済的だけでなく、文化的にも宮崎の暮らしを豊かにしてほしい」と河野知事に要望した。C評価の2項目以外は、「成果が上がっている」のA評価が1項目、「一定の成果が上がっている」のB評価が7項目だった。政策評価した4カ年は河野知事の1期目の任期にほぼ重なる。【中山裕司】



http://mainichi.jp/area/aichi/news/20150820ddlk23040095000c.html
小牧市民病院:がん所見見落とし、300万円で和解 /愛知
毎日新聞 2015年08月20日 地方版

 小牧市は、市民病院の医師が、胸部CT検査で肺がんの疑いとした所見を見落とし、患者の肺がん治療開始が遅れたとして、300万円を支払うことで遺族と和解したと発表した。関連議案を24日開会の市議会定例会に提出する。

 同病院によると、患者は60代の男性で昨冬に死亡した。男性は2009年に間質性肺炎と診断され、定期検診を受けていた。14年6月のCT検査で肺がんがみつかり、リンパ節への転移が疑われた。このため、13年12月に実施したCT検査の結果を確認したところ、放射線科医師が「肺がんの疑い」との所見を出していたが、主治医の呼吸器内科部長(当時)が所見を見ていなかったことが明らかになった。【花井武人】



http://news.livedoor.com/article/detail/10489112/
イラク派遣隊員29人が自殺 帰還隊員らが語ったPTSDの恐怖
2015年8月20日 7時0分 dot.(ドット)

 2016年2月に安保法制が施行され、南スーダンPKOで自衛隊の武器使用が拡大──。安倍政権が描く青写真が国会で暴露され、衝撃が走った。イラクへの派遣で自衛隊の自殺者は29人にのぼる。その上、武器使用で死のリスクも増し、「捨て駒にされる」と隊員らは訴える。

 イラク戦争では、政府はサマワ地域を「非戦闘地域」とし、復興支援活動に03年から09年まで自衛隊を派遣。自衛官に死者は出なかったものの、帰国後に精神面で変調をきたし、自殺した例が多数報告されている。

 6月5日、民主党の阿部知子衆院議員が提出した質問主意書への回答で、政府はイラク特措法に基づいて派遣された約5600人の陸上自衛隊員のうち21人、約3600人の航空自衛隊員のうち8人が、在職中に自ら命を絶っていたことを明らかにした。

 10万人当たりで換算すると、陸上自衛隊のイラク帰還隊員の自殺者数は38.3人。これは、一般職の国家公務員の21.5人、自衛官全体の33.7人(いずれも13年度)に比べても高い値だ。過去に自衛隊員のメンタルヘルスを担当した防衛省関係者はこう話す。

「派遣前に精神面で問題なしとして選抜された隊員がこれほど自殺しているというのは、かなり高い数字。しかも、これは氷山の一角で、自殺にいたらないまでも、精神面で問題を抱えている隊員が多くいるはず」

 その詳細は公表されていないが、29人の自殺者の中には、幹部らも含まれることが、関係者の証言で明らかになっている。 一人は04年から05年までイラクに派遣された、当時40代の衛生隊長(2佐)だ。家族の反対があったものの、医師として現地に赴き、自衛隊員の治療だけでなく、現地で病院の運営も手伝い、時には徹夜の作業が続くこともあった。

 それが、イラクから帰還した後にうつ病を発症。やがて自殺願望が出るようになった。首をくくって自殺未遂をしたこともあった。

 治療のために入院もしたが病状は改善せず、最期は自らの太ももの付け根をメスで切り、自殺した。遺書はなかったという。

 そして当時30代の警備中隊長(3佐)は、05年に妻子を残したまま、車内に練炭を持ち込み、自殺した。警備中隊長は百数十人の警備要員を束ね、指揮官を支える役割で、この中隊長の部隊はロケット弾、迫撃砲などの攻撃を数回受けたほか、市街地を車両で移動中、部下の隊員が米兵から誤射されそうになったこともあったという。

 中隊長は帰国後、日米共同訓練の最中に、「彼ら(米兵)と一緒にいると殺されてしまう」と騒ぎ出したこともあったという。

 第1次カンボジア派遣施設大隊長を務めた元東北方面総監の渡邊隆氏は言う。

「カンボジアへの派遣以降、海外に派遣された自衛隊員で自殺をした人は59人います。PTSD(心的外傷後ストレス障害)は個人個人に影響があると考えないといけない。『弱い』と言ってしまったら、そこで終わってしまうのです」

(本誌・西岡千史、長倉克枝/今西憲之、横田一)

※週刊朝日 2015年8月28日号より抜粋



http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015082002000097.html
精神の戦傷、なお病室に 3月時点、元軍人ら全国で5人
2015年8月20日 朝刊 中日新聞

 第二次大戦中、戦地での過酷な経験や軍隊生活の中で精神障害を負った元軍人・軍属が、今年三月時点で五人入院していることが、中日新聞の調べで分かった。いずれも戦後七十年、入院生活を余儀なくされたとみられ、病室のベッドで最期を迎えようとしている。

 五人は北海道、愛媛県、福岡県、宮崎県、鹿児島県に各一人。戦傷病者特別援護法に基づき、精神を病んで療養給付を受ける元兵士を調べた。このうち、鹿児島県社会福祉課は「今年六月に亡くなった」という。宮崎県は、四月以降の給付実績を公表していない。残り三人は六月も給付されており、現在も入院している可能性が高い。

 戦争と精神障害との関連を研究している清水寛・埼玉大名誉教授によると戦時中、戦地で心に傷を負った軍人らの大半は、千葉県市川市の国府台陸軍病院(現・国立国際医療研究センター国府台病院)で治療、入院しており、一九三八年二月から終戦直後までに計一万四百五十人余りに上った。終戦三十年の七五年時点でも、五百五十六人が入院したままだった。病状が落ち着いても、行く当てがなく退院できない「社会的入院」が多かったとされる。

 同病院の患者約八千人の「病床日誌(カルテ)」を分析した清水名誉教授は、これほど大勢の患者が生まれた要因として、(1)戦争の拡大、長期化による兵力の大量動員で、知的障害を含む精神障害者の入営を増やした(2)大規模かつ苛烈な近代戦争としての戦場が心身に耐え難い衝撃、不安を引き起こした(3)私的制裁をはじめとする軍隊内部の暴力的な性格、構造が人間性を壊した-とみる。

 今も生存する未復員兵のうち、福岡県内の病院に入院する男性は現在九十八歳。病院によると、認知症が進み、会話も難しい状態という。親兄弟はすでに亡く、保護者に当たる親族は、病院を通じ「そっとしておいてほしい」と話した。

 清水名誉教授は「名誉の負傷だった身体障害者に比べ、戦傷精神障害者は恥とされ、世代交代が進む中で肉親とのつながりも疎遠となった。彼らはやがていなくなるだろう。だが、決して忘れ去ってはならない」と指摘する。 



https://www.m3.com/news/iryoishin/350069?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150820&dcf_doctor=true&mc.l=117947001
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「大学が生涯、医師の異動を把握」案提言、医学部新設対案
「歯学部になりたくない」との吐露も、日医など

2015年8月20日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会と全国医学部長病院長会議は8月19日、医学部新設への実質的な対案となる「医師の地域診療科偏在解消の緊急提言」の骨子を公表し、会見を開いた(資料は、日医のホームページ)。 提言の骨子には、卒業大学が医師の異動を生涯にわたって把握する「医師キャリア支援センターの設置」や、「大学所在地域における研修の原則化」「医療機関管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入」などが含まれていて、大学医局機能や、医師への規制強化とも受け取れる内容が並んでいる。

 千葉県成田市の医学部新設構想で、医療関係団体が“蚊帳の外”に置かれて進んできた経緯がある中で、提言について、規制強化などに対する医療界や医師会内部での反発を想定しながらも、反対意見を示すだけでなく、偏在解消に向けた実質的な対案を可能な限り早く示すことで、事態の打開を図る意図がありそうだ(『成田市の医学部、2017年度開学の可能性も』を参照)。「(養成数が増加して、混乱した)歯学部になりたくない」との発言もあり、医師の養成数の際限ない増加を防ぐための苦渋の選択だったとも言える。成田市の医学部新設は、提言の中で、計画の差し止めを求めている。細部も含めた具体的な提言は、今後まとめる予定。

 会見に臨んだ全国医学部長病院長会議顧問の小川彰氏は、提言全体について。18歳人口が減少する前提の中で、「近年、学力低下が明らかになっている。有能な医師を輩出する責任がある」と指摘。卒前教育から専門医研修まで、幅広く見通した医師養成システムの一環として提言を位置付け、務医環境の改善や医療訴訟リスクなど、全体を考えながら進める考えを示し、「現時点で最高の考え方を提示した」と述べた。

 日本医師会会長の横倉義武氏は、成田市の医学部の方針が固まった点につい、「大変、遺憾に思っている」と発言。日本医師会副会長の中川俊男氏は、医学部新設を推進する勢力について、「『医師の全体数の確保の手当てが終わった』という問いかけに一切答えてない。冷静な判断をしてほしい」と話した。

「新たな規制も覚悟」

 提言の骨子は、日医と全国医学部長病院長会議が、3月から検討を始めて、7回の会合を経てまとめられた。「医学部新設は地域での医師不足解消にならない中で、地域における医師不足解消のための代替案」(全国医学部長病院長会議会長の荒川哲男氏)との位置づけ。文部科学省の医師養成数の議論開始を見込んで、提言書をまとめる前に骨子のみを公開した。

 趣旨説明では、「現状の医師不足の本質は、医師の地域・診療科偏在で、これらの解消こそ喫緊の課題」との立場に立っている。さらに、「課題解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」と指摘して、「現状に対する危機感の下、相当の覚悟を持って提言を取りまとめた」としている。

 「相当の覚悟」について、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「最大の危機感は、申し訳ないが、歯学部のようになりたくない。国民が質の高い医療、医師を求めていると考える中で、適正な医学部定員を守らないといけない」と発言。その上で、「医師自ら新たな規制をかけられることまで覚悟をした上での緊急提言。医療界や医師会内部でも反発があるとみているが、それでも今出すのが決意の表れ」と述べた。

医師の行方把握「大学の義務

 提言骨子の5つの柱は(1)医師キャリア支援センター構想、(2)出身大学がある地域での臨床研修、(3)病院・診療所の管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入、(4)地域ごと、診療科ごとの医療需給の把握、(5)医学部入学定員の削減と新たな医学部設置認可の差し止め――の5つ。

 (1)については、全ての大学に「医師キャリア支援センター」を設置する考え。センターに卒業生全員が登録し、大学が生涯にわたって医師の異動を把握、研修医マッチングや臨床研修、専門医、生涯教育にわたって、キャリア形成に関与する。

 荒川氏は、臨床研修制度の必修化に伴う大学の医師派遣機能の低下について、「医師派遣機能が麻痺し、見かけ上の医師不足に拍車をかけている」と述べ、医学部定員増が続く中でも、医師偏在が拡大している点を指摘。同会議顧問の森山寛氏は、センターの設置について、「(現状のままで)派遣する力がすぐに戻ると思えず、センター構想は目玉」と述べた。
 荒川氏は、かつて医局が存在していた時代には「大学の機能としてキャリア支援ができていた」との認識を示した上で、卒業後の行き先を、大学が把握できない医師が増える中、「医師養成に税金を使っている以上、医師の把握は義務」と述べた。

 (2)では、出身大学がある地域での臨床研修を原則化し、需給が均衡しない場合、「医師キャリア支援センター」の全国組織で調整する考え。「強制力や罰則を持たせない」(日医常任理事の釜萢敏氏)方針だが、大学の研究成果などの自校教育を実施して、「地域への愛着をはぐくみ、地域での臨床研修意欲につなげる」(提言骨子)としている。

 森山氏は、現状の医学部定員の地域枠においても「法的拘束力がなく、ルーズなところがある」と指摘。臨床研修を行った地域に医師が定着しやすいとの見方もある中で、偏在解消に期待を示す声が出た。

地域医療の経験の重要性強調

 (3)の病院・診療所の管理者の要件として、「医師不足地域での勤務」の導入を提案。「医師不足地域」は、都道府県の持つ「地域医療支援センター」や都道府県行政が調整して指定する構想で、森山氏は、「強制的に思えるかもしれないが、地域医療における経験は医師養成の意味から重要」として、理解を求めた。

 (4)では、大学の「医師キャリア支援センター」が、地域医療支援センターや医師会とともに、各地域の現状と将来の医療受給のデータを把握する考え。医師配置の自主的な収斂を目指していて、医師や医学生の診療科選択に当たっては、大学の「医師キャリア支援センター」が相談に乗る構想。

 (5)では、現在の医学部定員について、本格的な見直しが予定されている2019年度を待たずに、早急な削減を提言。地域枠を維持する場合は「一般枠の削減」を求めている。さらに、千葉県成田市における医学部新設構想については、「認めることができない」として、差し止めるようを求めている。



http://www.m3.com/news/general/350071?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150820&dcf_doctor=true&mc.l=117947182
後発薬の品質向上へ戦略 検査を強化、使用促進 厚労省、新薬開発も支援
2015年8月20日(木)配信 共同通信社

 価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の使用促進を目指し、厚生労働省がまとめる「医薬品産業強化総合戦略」の概要が19日、分かった。後発薬の検査を強化し品質確保対策を充実させ、信頼性を高め医師や患者が使いやすい環境を目指す。後発薬拡大による収益悪化を懸念する新薬メーカーに配慮し、新薬の開発支援にも力を入れる。

 政府の経済財政運営の指針「骨太方針」は医療費抑制のため、後発薬の使用割合(2013年時点で47%)を17年度半ばに70%以上、18~20年度の早い時期に80%に引き上げるとの目標を掲げた。厚労省は月内にも戦略を決定。16年度予算の概算要求に必要経費を盛り込み、16年度診療報酬改定にも反映させる。

 後発薬は、検査担当の人員不足や検査機器の老朽化で品質管理が不十分なのではないかとの声が医療現場から上がっている。同じ有効成分の後発薬が多数発売されると特徴を比較しにくいといった問題も指摘されている。

 戦略ではこれらの課題の解消を狙い、国や都道府県の検査態勢を強化し、最新の分析機器を導入。輸入増が見込まれるため、海外で実地調査する「医薬品医療機器総合機構」の人員も増やす。

 後発薬の品質情報を有効成分ごとに体系的にまとめた冊子を作製し、検査データや専門家の評価を掲載。医師や薬剤師に配布し、患者の疑問に答えられるようにする。

 産業競争力の強化策として新薬開発も後押し。iPS細胞を活用した創薬や、ゲノム(全遺伝情報)に基づき個人の体質や症状に適した医療を行う「ゲノム医療」を重点的に支援。遺伝情報の集積拠点を整備し、難病への実用化も図る。

 ※ジェネリック医薬品
 新薬の特許期間や開発データの保護期間を過ぎた後、同じ有効成分を使って製造し、厚生労働省が効能も同じだと認めた後発医薬品。新薬に比べ、開発にかかる時間と費用が少ないため、販売価格を安くできる。新たに保険適用される後発薬は、原則として新薬の6割程度の価格になるため、使用割合が拡大すれば医療費の抑制につながると期待されている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/350061?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150820&dcf_doctor=true&mc.l=117947005
シリーズ: 臨床研修制度の見直し
「外科を必修に」「項目を絞って」、臨床研修
学会のヒアリング開始、臨床研修制度に関するWG

2015年8月20日(木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 厚生労働省の医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ(座長:福井次矢・聖路加病院長)が8月19日に開かれ、5年後の臨床研修制度見直しに向けた議論が行われた。日本内科学会、日本救急医学会、日本外科学会、日本麻酔科学会からヒアリングし、「外科を必修に戻すべき」「2年間に習得可能な項目に限定すべき」といった、各団体による問題点の指摘や提案がなされた(資料は厚労省のホームページ)。各学会とも、専門医制度にも言及しており、2017年度から始まる新専門医制度をにらみながら、臨床研修制度を見直す必要性が浮き彫りになった。

 2004年度から必修化された臨床研修制度は、5年ごとに見直しがされており、2015年度には募集定員数の制限などが追加された新制度が適用されている(『臨床研修の募集定員、「1.2倍」に制限』を参照)。次回見直しに当たる2020年度は、2013年の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会の報告書で「到達評価・目標の在り方について見直しが必要」との指摘を受けて、同ワーキンググループがその内容を検討している。これまでに、現行制度の実態や諸外国の制度などに関する調査結果について研究班から報告を受けた(『「カンファ参加」のみで経験疾患とする例も』を参照)。

 今回は日本内科学会から渡辺毅氏、日本救急医学会から森村尚登氏、日本外科学会から國土典宏氏、日本麻酔科学会から稲田英一氏が出席。各学会の意見などを述べた。次回以降も、関係団体からヒアリングを実施し、2016年度までに到達目標とその評価の在り方についてワーキンググループで具体的な見直し案を取りまとめ、医師臨床研修部会に報告する予定。

「2年間に習得可能な項目に限定を」

 日本内科学会認定医制度審議会理事で日本専門医機構の理事も務める渡辺氏は、臨床研修制度で全医師が共通して修得するのは、総合診療専門医を含む19の基本領域専門医に共通する必須項目に限定すべきだと提案。2年間で現実的に習得可能な項目に絞るべきだとした。

 また、臨床研修施設と内科研修施設はほぼ重複しているので、卒後1年目は内科、救急、地域医療の一般診療能力を養い、2年目は基本領域の専門医研修と連結して選択できれば、効率性も高まると指摘。内科の特徴として、ほとんどがサブスペシャリティの専門医取得を目指すことから、多様なニーズに対応できるよう年度毎の目標項目の設定が必要だとした。

「緊急度判定体系の理解、必要」

 日本救急医学会の教育研修統括委員会委員長で新専門医更新対応特別委員会の委員も務める森村氏は、見直しが必要な到達目標として(1)緊急度判定体系の理解、(2)メディカルコントロールの概念と体制の理解、(3)医学部教育内容・専門医制度認定基準の連続性、(4)単なる経験の有無ではなく習得の程度を明記、(5)コンピーテンシーを踏まえた到達目標の提示、(6)「緊急度・優先度判定」の実施――の6項目を挙げた。

 森村氏は、近年、高齢化とともに救急搬送の増加する中、119番や電話相談、入院時の看護師対応など、社会全体で共有する緊急度判定体系の構築が進んでおり、医師も「鳥瞰的な視点で自分の役割を理解することが重要」と指摘。さらに、救急救命士の処置範囲が年々拡大しており、救急救命士の教育や業務の事前計画立案、検証をする「メディカルコントロール」も重要だと訴えた。

「外科研修を必修に戻すべき」

 日本外科学会理事長の國土氏は、2010年度の見直しで外科研修が必修から外れた影響で外科離れが進んでいるとの懸念を示し、「外科研修を必修に戻すべきだ」と主張。「外科における周術期の診断学や外科治療学は医師にとって不可欠」とした上で、現行の臨床研修制度の課題となっている高齢患者の終末期の対応や緩和ケアなどについても、「総合病院の外科で最も研修できる」として、必修化のメリットを強調した。

 また、カテーテル治療や内視鏡治療など内科で施す侵襲的治療が増加していることを踏まえ、臨床研修の到達目標の経験目標のうち、経験すべき診察法・検査・手技の基本的治療法の項目として、「手術治療(外科手術、カテーテル治療を含む)について理解し、専門医への適切なコンサルテーションができる」を入れるよう求めた。 

 前提となる2年間の臨床研修制度についても、「初期研修を1年に圧縮し、2年目から進みたい科の専門研修を早く始められるようにしたらどうか」と提案した。

「麻酔科研修の有用性高い」

 日本麻酔科学会理事で教育委員長の稲田氏は、「麻酔科臨床研修の意義」について評価が不十分だと指摘。麻酔科では指導医の十分な指導の下で、気管挿管など基本手技を繰り返し実施し習得できることや、研修後に麻酔科志望に変わった研修医が多くいることから、麻酔科研修の有用性は高いと訴えた。

 麻酔科医の人数について、「潜在的に不足している」として、麻酔科研修を充実させることで麻酔科専門医が増加すれば、質の高い診療を提供できると主張。麻酔科研修の充実には、現行では選択研修で1カ月間となっているが、実質2カ月行っている研修医が多く、必要な技量の習得には最低2カ月が必要だとした。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0170212.html
精神科病棟、来月末で廃止 市立三笠病院、後任の医師断念 外来は継続
08/20 16:00 北海道新聞

【三笠】市立三笠総合病院は、精神神経科の入院病棟(65床)を9月末で一時休止する。常勤医師が今年3月末に退職して以降、代わりの医師が見つからないためで、再開の見通しが立っておらず事実上の廃止となる。精神神経科の外来診療は10月以降も継続し、内科や外科など、他の9診療科は、従来通りの診療体制を続ける。

 同病院によると、昨年1月に医師紹介会社を通じて着任した臨時嘱託医(74)が平日週3日、診療に当たっていたが、契約満了となった今年3月末で退職。4月以降は、週2日だった札医大による派遣医の外来診療を週3日に増やしたものの、入院患者の夜間の病状急変などに対応できない状態となったため、関係者が代わりの医師を探していた。

 同病院に入院している患者6人については、9月末までに転院、退院する方向。精神神経科の新規入院の受け入れは、すでに停止しており、10月以降は週3日の外来診療での対応となる。

 北山一幸副市長は19日、取材に対し「地方の医師不足の流れの中で休止は仕方ない面はあるが、関係者が頑張ってくれていたので残念だ」と話した。

 同病院では2013年8月に精神神経科の医師が診察中、患者に刺殺された事件以降、同科の医師が足りない状態が続いていた。(堀田昭一)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/51960/Default.aspx
患者、家族からの暴言・暴行 医師の約8割経験 メドピア調査
公開日時 2015/08/21 03:50 ミクスOnline

医師専用コミュニティサイト「MedPeer」(https://medpeer.jp)を運営するメドピアはこのほど、医師の約8割が患者またはその家族から暴言・暴行を受けたことがあるとの医師意識調査の結果を発表した。回答医師のうち、「暴言を受けたことがある」が60%、「暴言・暴行を受けたことがある」が18%だった。

調査は同社医師会員を対象に実施した。有効回答数は3880人。調査期間は6月15日~21日。

暴言や暴行をしてきた相手は、認知症患者、精神疾患患者、夜間救急当直時の酩酊患者、せん妄状態の患者など。そして、「治らない患者を治療している仕事の関係で、仕方がないことと考えている」(50代、放射線腫瘍科)、「ペインクリニックでは患者の気分も最悪なので暴言ぐらいはよくあるが、これは慢性頭痛の症状のひとつと考えている」(50代、麻酔科)など、患者の暴言などは病気によるものと理解しているとのコメントも複数見られた。

暴言や暴行がすぐに解決できない場合の対応策では、警察や警備員を呼んだり、事務方を介入させて対応しているとのコメントが見られた。

一方で、約2割の暴言や暴行の経験が「まったくない」との医師の中でも、暴言と言えるレベルではないが、「クレームはある」「嫌味や苦情、言いがかりはある」との内容が散見された。



http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20150821-OYTNT50064.html
診療所無許可開設 中京病院部長に有罪判決
2015年08月21日 読売新聞

 美容外科を無許可で開設したとして医療法違反に問われた名古屋市守山区、中京病院形成外科部長、浅井真太郎被告(50)に対し、名古屋地裁岡崎支部は20日、懲役6月、執行猶予2年(求刑・懲役6月)の判決を言い渡した。手崎政人裁判官は、「無許可診療所の開設に積極的に関与を繰り返し、多額の報酬を得ていたが、反省もしている」と述べた。

 この日が初公判で、検察側は冒頭陳述や論告で、浅井被告が2001年頃、アルバイト先の美容外科経営者を通じて名義貸しの仕組みを知り、06年頃から名義貸しする医師を紹介するようになったと主張。42か所の診療所に延べ61人の名義貸し医師を紹介し、14年9月頃までで総額約1億1914万円の報酬を受け取ったと指摘したうえで、「私欲のために各犯行に及んだ点で、強い非難に値する」とした。

 浅井被告は「間違いありません」と起訴事実を認め、「患者の信頼を損ね、申し訳なく思う」と述べた。

 判決によると、浅井被告は、愛知県岡崎市の美容外科「マリークリニック岡崎院」の元実質的経営者らと共謀し12年4月~13年6月、市長の許可を受けずに、レーザー脱毛などの医療行為を行う同院を開設したほか、長野県松本市の美容外科「松本駅前皮膚科」の元経営者らと共謀し12年6月~14年9月、同院を無許可で開設した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46513.html
事故調の第三者調査、遺族負担2.5万円に- 医療機関は10万円程度で調整
2015年08月20日 16時00分 キャリアブレイン

 10月にスタートする医療事故調査制度(事故調)で、遺族が医療機関の院内事故調査の結果に納得できず、第三者機関である医療事故調査・支援センター(センター)に調査を依頼した際の負担額が、一律2万5000円になる見通しだ。また、医療機関がセンターに依頼する費用は、10万円程度で最終調整している。【君塚靖】

 センターには、すでに日本医療安全調査機構(理事長=高久史麿・日本医学会長)が指定されている。事故調では、医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産で、医療機関の管理者が「予期しなかった」と判断した場合、遺族に説明した上でセンターに報告。医療機関は、院内事故調査を開始する。医療機関は院内事故調査の結果を遺族に説明するが、遺族はその結果に納得がいかなければセンターに調査を依頼することができる。

 遺族の負担額をめぐっては、制度設計の段階から、所得の多寡にかかわらず、負担が可能な範囲の額にするとして、低額に抑える方向が決まっていた。事故調を規定する改正医療法の参院厚生労働委員会の附帯決議には、「遺族による申請を妨げることにならないよう最大限の配慮を行うこと」と明記された。また事故調では、遺族だけでなく、医療機関もセンターに調査依頼することができる。


  1. 2015/08/21(金) 05:38:52|
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8月15日 

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150816/k10010191731000.html
産科医不足で医療機関再編検討へ
8月16日 4時38分 NHK

産科の医師が主に都市部に集中し地域によっては高齢出産などリスクの高いお産を扱う医療機関が不足していることから、厚生労働省は近く専門家による会議を立ち上げ、医療機関を再編するなど対策を検討することになりました。
厚生労働省によりますと、産科の医師が主に都市部に集中し地方では産科医の不足が深刻となっています。人口10万人当たりの産科の医師の数は去年3月の時点で、最も多い東京と沖縄で11.1人だったのに対し、最も少ない茨城では4.8人、福島では5人とその差は2倍以上開いています。
産科の医師が少ない地域では高齢出産などリスクの高いお産を扱う医療機関が不足していることから、厚生労働省は近く専門家による会議を立ち上げ、対策を検討することになりました。会議では、生まれる子どもの数の推計などから地域ごとに必要な医療体制を検討したうえで、高齢出産などリスクの高いお産にも対応できるよう産科の医師を特定の医療機関に集めるなど地域の医療機関の再編を目指すとしています。このほか、リスクの低いお産は助産師に担ってもらえるよう医師と助産師の連携についても検討を進める方針です。
厚生労働省は「地域で安心して出産ができるよう自治体や医療関係者に協力を求めて医療体制を整備していきたい」と話しています。



http://apital.asahi.com/article/news/2015081500007.html
地域医療教育協定を継続 三重県市町村振興協会と三重大
2015年8月15日 朝日新聞

 三重県市町村振興協会と三重大は、「地域医療教育に関する協定」を今年度から4年間、新たに締結した。2009年度から6年間続けてきた協定を引き継ぐ。12日の調印式で三重大の緒方正人・医学部長は「大学、地域、住民が『三位一体』となって地域医療の定着を図りたい」と述べた。

 新しい協定を結んだことで、協会は引き続き毎年1億円の交付金を三重大に出す。三重大はこれまで、交付金を活用して医学部生の入学定員を拡大したり、学内に10人の教員からなる「地域医療教育部門」を設置して、そのうち3人を紀南病院(御浜町)や尾鷲総合病院(尾鷲市)などに常駐させたりしてきた。今後はさらに、看護学生の地域定着に向けて看護教育も充実させるという。

 協会理事長の河上敢二・熊野市長は「伊賀、名張や県南部などは医師不足が続いている。学生のみなさんが地域に残ってもらい、各市町の医師不足解消につなげて欲しい」と話した。

 緒方医学部長によると、県内の医師数は増えているが、地域によって不足するなど偏りがあるという。また、専門医研修の制度が2年後に変更され、地域医療に影響が出る可能性もあるという。

 緒方医学部長は「県内での初期研修医の数は大幅に増えてきた。医師不足地域を研修医の教育の場としてさらに活用したい」と述べた。

(朝日新聞 2015年8月15日掲載)



http://www.m3.com/news/iryoishin/348729
地域に出ることで学生の視野が広がる◆筑波大学Vol.4
前野教授、鈴木准教授インタビュー

2015年8月16日(日)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 筑波大学地域医療教育学の前野哲博教授と医学教育企画評価室の鈴木英雄准教授に筑波大の医学教育の特徴をたずねた。

――地域医療のために大学教育はなにをすべきでしょうか。

前野教授 医療の原点は、地域にあることはいうまでもない。医療者には、医学的な治療だけではなく、患者さんの背景にある家庭や社会的状況に配慮する視点が必要。高齢社会を迎え、ますます多職種と連携しながら、それぞれの地域で活用可能な資源を最大限に活用していく姿勢も求められる。実際の現場で学ぶ実践的かつ体系的な教育プログラムの導入が欠かせない。私たちは、大学と地域をつなぎ、「地域で働く医療者は地域で育てる」環境の実現に向けて、中心的な役割を担っていきたいと考えている。

――筑波大の地域実習の特徴はどのようなものでしょうか。
前野教授 筑波大学の教員を市中病院に派遣しており、そこに学生を送るのが特徴。病院に派遣される教員の人件費と教育費は公的な資金や寄附金などの外部資金を充てている。教員は、大学が全国公募をして人事選考を行い、筑波大の教員にふさわしい医師を病院に派遣している。我々も、教員がいるので安心して学生の参加型実習をお願いできる。病院にとっても安定して医師が確保できるだけでなく、学生や若い医師が行くことで診療が活性化されるメリットがある。

 病院には、遠隔テレビ会議システムや電子ジャーナル、カンファレンスの設備など、大学の教育施設として成り立つための整備をお願いしている。教員の派遣は、教育環境の充実とセットでないと、ただの人件費の付け替えになってしまう。

――地域での「診療実習」に力を入れるのはなぜでしょうか。

前野教授 特定機能病院である大学病院では、いわゆるcommon diseaseや慢性疾患の管理はあまり経験できない。さらに、病気にならないための予防に関するアプローチや、病気を抱えて地域で生活する患者や家族を支援する介護サービス等との連携については、実際に人々が生活している地域でないと十分に学べない。

――60人以上が教員として病医院に派遣されています。

鈴木准教授 大学外にいても、教員には教育の義務を負っており、具体的にはチューターとして割り振っている。試験問題を作ることもある。FD(Faculty Development:教員の能力開発)講習会を開催しており、多くの地域医療教育センター・ステーションの先生方にも参加していただいている。大学内の教員にとっても、教員数が増えることで教育の負担の軽減が図られている。

――筑波大学病院は初期臨床研修のマッチングでも人気です。

前野教授 茨城という“片田舎”が全国3位のマッチ者を集めることができたのは、地域医療教育センター・ステーションの存在も大きな理由の一つであると考えている。本院の研修プログラムでは、センター・ステーションでの研修も多く組み込まれており、選択する研修医も多い。実際、研修修了後のアンケートでは、研修のよかった点として「院外研修を多く受けられる」という点が高く評価されていた。
――文科省の「グローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨床実習の充実(通称:GP)」にも採択されています。

鈴木准教授 採択された「高い実践力を育む大学―地域循環型臨床実習」では、臨床能力の向上、本格的な診療参加、教育能力の開発、地域医療実習の充実という4つの柱を立てている。多くはGP採択以前からやってきたことだが、採択されたことでテコ入れになっている。新たに導入した遠隔テレビ会議システムでは、県内どこでも一貫性のある教育環境を整備するが目的。教育だけでなく、病院間で難しい症例を相談するなど、臨床の現場でも役立っている。これらの取り組みは、昨年実施されたGPの中間評価において、本学はこのGPの採択大学の中でただ一つ、最高評価のS評価をいただいている。

――学生のうちから、地域で臨床実習を行う意義はどのようなものでしょうか。

鈴木准教授 僕らのころは、大学病院での初期研修が当たり前。地域に行くのは研修が終わってからだった。大学病院で「病気」を見ていたが、市中病院に出ると、患者、家族、地域を見てさらに社会的な保険制度に目が行く。医師になって10年くらいしてから分かることだった。学生のうちから地域に出ることで、視野が広がることは間違いない。昔は消去法で大学に残る学生もいたが、今の学生は、「こういう医者になりたい」と決めて進路を選んでいるようだ。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=46795
患者情報ネットで提供
豊川市民病院が来年4月運用予定/地域医療機関との連携強化

2015/08/16 東日新聞

 豊川市民病院は、本年度予算に盛り込まれている「地域医療連携システム」の概要をこのほど、発表した。同システムは地域の医療機関がインターネット上で同院の患者情報を閲覧できる仕組みで、2016年4月1日の運用開始に向けて準備を進めている。

 同院と地域医療機関との連携を強めることを目的とし、地域医療連携ネットワークサービス「ID―Link」(NEC製)のシステムを使用。同院の患者の電子カルテの中から、病名や処方、放射線画像、退院時記録などについて、連携病院の医師に限り参照できる仕組み。

 システムによって、同院を受診または入院している患者が連携病院に転院する場合など緊密な情報交換が期待でき、閲覧側の病院は事前に患者情報が得られ、より的確かつ効率的な治療ができる。個人情報の保護のため、連携病院では医師1人ひとりにIDとパスワードを付与する。

 同病院の担当者は「今年度中はまず、市内で入院施設のある病院から連携を進め、徐々に広めていきたい」と説明した。

 同システム導入の事業費は約2860万円で、すでに予算は計上済み。県が補助金を認めた場合、約1290万円は県が負担する。



http://www.sankeibiz.jp/econome/news/150816/ecb1508160701001-n1.htm
かかりつけ医の機能強化 慢性疾患患者に24時間対応
2015.8.16 07:01  産経ビズ

 日頃は外来にかかっている患者が、いざというときに発するSOSには、誰が応えるのか-。糖尿病や高血圧症など、複数の慢性疾患を抱える患者を対象に、厚生労働省は昨年度、治療費の新しい算定方法として「地域包括診療料」を創設した。中小病院や診療所が「かかりつけ機能」を発揮し、健康管理や訪問に対応することが期待される。健やかなときも、病めるときも、死の間際も、継続して診てくれる医師は増えるだろうか。(佐藤好美)

■医療も介護も

 東京都世田谷区に住む坂口康さん(67)は13年前に脳梗塞を発症した。今も左側にまひがあり、介護保険の要介護度は1。だが、つえを使って外出もするし、旅行にも行く。医療も介護も、住まいから車で数分の「在宅総合ケアセンター成城」で受ける。

 週に1度は同センターの通所リハビリに通う。介護保険のサービスで、理学療法士から個別リハビリを受け、自主トレに励む。80分のプログラムを終えると汗だくだが、「仲間とおしゃべりをして、リハビリをするのが楽しい。リハビリは、残った機能で暮らしていくためのものだと思う」と前向きだ。

 坂口さんのかかりつけ医は同センター長の井上智貴医師。リハビリを行うのと同じフロアに診察室がある。受診はたいてい月1回だが、いざというときには24時間、電話対応もしてもらえる。費用は、医療費が3割負担の人で月に4510円の定額。薬代や急な往診費などは別だが、風邪をひいて受診回数が増えても費用は変わらない。坂口さんが「地域包括診療料」の対象になっているからだ。

 地域包括診療料は昨年度、厚労省が新設した。算定できる医療機関も対象患者も限られている。診療所なら「常勤医が3人以上」で、看取(みと)りも含む在宅医療を行うことなどが条件。患者は高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症の4疾患のうち、2疾患以上を持つ人だ。

 坂口さんは、高血圧症と脂質異常症があてはまる。いずれも、脳梗塞の危険因子だ。今年5月には、目まいと嘔吐(おうと)で起き上がれなくなり、妻が同センターに電話をした。井上医師は再発の危険性を考えて、急ぎ訪問。患者の治療履歴などを記した診療情報提供書を書いて大学病院に紹介した。

 坂口さんは「脳梗塞は、いつ再発するか分からない。まひもあるから転ぶかもしれない。いつでも対応してもらえて、何回通っても同じ額なのは安心感がある」と、信頼を寄せる。

■全人的な医療

 地域包括診療料は「全人的な医療」が旗印。かかりつけ医には、健診の受診勧奨などの健康管理も任される。服薬管理も重要な仕事で、患者が他の医療機関からもらった薬があれば、それもカルテに記載して一元管理する。

 井上医師は「専門外でも、患者さんのすべての診療科の情報を把握し、かかりつけ機能を高めることが大切。必要に応じて専門医療機関と連携しながら、主治医としてやっていく。その哲学が大事だと思っている」と話す。

 慢性疾患の患者は月に1回程度の受診が一般的で、月額4510円はむしろ割高。算定には患者の同意がいる。井上医師は「総合的に診て、情報を一元化できる。診療情報提供書もしっかり書ける。患者さんにすれば具合が悪いときにかかっても、検査をしても、紹介状をもらっても、新たな費用はかからない。一種の保険のように感じていただいていると思う」とする。

■「主治医意見書」

 この費用を算定する要件には、介護の視点も盛り込まれた。患者が介護認定を受けるときの「主治医意見書」の作成は最低条件。同センターのように介護保険でリハビリを提供するのも、必須ではないが要件の1つだ。

 井上医師は、同センターの特徴を「1つの『箱』に、在宅を支える医療と介護のさまざまな機能が詰まっていること」と言う。外来や訪問診療のほか、クリニックには18床の病床もある。家で暮らす患者の身体機能が急に落ちれば、医療保険で患者を入所させ、短期集中のリハビリを提供する。家族が介護に疲れていれば、要介護度の重い高齢者を介護保険で一時的に入所させて、家族に休息を取らせる。地域包括診療料を導入する前も後も、対応はさほど変わらないという。

■近所の診療所への期待は? 介護にも目配りしたサービス

 厚生労働省が、日本医師会の調査を基に作成した資料によると、国民が近所の診療所に期待するのは「夜間や休日を含めた時間外の医療への対応(51.8%)」がトップ。「あなたや家族の健康について気軽に相談にのる(44.6%)」が続く(複数回答)。

 身近な診療所を「いざというとき」も「健康なとき」も頼りにする様子が浮かぶ。実際、がん検診の受診率は、かかりつけの医師が「いる人」と「いない人」では、「いる人」が高く、かかりつけ医が予防にも配慮していることが分かる。

 だが、医師1人の診療所に時間外対応をどこまで求めるかは難しい。「地域包括診療料」とともに昨年度、医師1人の診療所には「地域包括診療加算」が新設された。算定する医療機関では、対象患者は服薬管理や健康管理、在宅医療を受けられる。24時間対応は限定的な場合もある。1回の診療に60円(3割負担の場合)が上乗せされる。

 どちらの算定でも、かかりつけ医には、介護への目配りがいる。介護保険の主治医意見書の作成が必須の要件になったのは、医療職の介護への理解が進んでいないからだ。

 主治医意見書は介護認定をするための必須の書類。だが、介護認定をする自治体が最も苦労するのは「主治医意見書の回収にあたっての督促」だとの調査結果もある。

 厚労省は「介護も医療も両方分かった上で、患者さんや家族にどういったサービスを提供するのが一番適切かということをちゃんと判断していただくのも、主治医の機能」とする。

 医療機関での一時預かりなどが増えると、家での暮らしも続けやすい。日本に多い中小病院や有床診療所が、時代にあったかかりつけ機能を果たしていくか注目される。



http://apital.asahi.com/article/2025/2015081500006.html?iref=comtop_btm
日本創成会議「地方移住」提言 神奈川県の医療・介護の将来は?
2015年8月15日

 民間研究機関「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)が6月に発表した首都圏の高齢化問題への提言=キーワード=は、地方移住を盛りこみ大きな話題を呼んだ。移住先を考える「指標」として、全国の医療・介護の余力を調べる作業を担った高橋泰・国際医療福祉大大学院教授に神奈川の将来像や移住への考えを聞いた。

高橋泰・国際医療福祉大大学院教授=東京都港区

 ■高橋泰・国際医療福祉大大学院教授に聞く

 ――発表の狙いは何ですか。

 利用者目線に近い形で、自分が住む地域は将来、医療や介護が大丈夫かどうかを評価出来る指標を作りたかった。自分にとってどこが最適な土地か、移住を意識して、数値化して出した最初の例だと思います。このものさしが良い悪いの議論はありますが、ないと議論が進まない。

 ――神奈川をどう評価しますか。

 病院と診療所の医師数の合計では、人口10万に対し、全国平均は254人で、神奈川は239人。埼玉(179人)や千葉(197人)に比べ、医者は多い。ただ、高齢者の増え方が激しい。現在は介護は余力があるが、今後の高齢者の増え方は尋常じゃない。横浜北部は良い病院も多いし、川崎南部は昔から病院がある。今は充実しているが、人口が多いだけに老いていくと大変なことになる。

 今まで起きたことがないことが東京周辺で起きるわけで、その余波は考えている以上にきついんじゃないかと。

 ――危機回避策の一つに移住を挙げましたが、希望する人はいますか。

 これまで私から人口や医療に関するデータの提供を受け、分析した複数のメディアのスタッフが「退職後、地元に戻る」と言い始めました。今年の5月に私のおばが、相模原の家を売却して金沢に移住しました。自らデータを解析したり、東京圏の医療介護の状況を勉強したりすると、東京圏のリスクの大きさや医療介護の地方の格差が分かり、自発的に移住を考える人が少なくないようです。

 ――縁もない場所に住めないとの批判もあります。黒岩祐治知事は「違和感がある」と反論しています。

 強制移住じゃなく、移った方がより良い人生を送れると考える人が移ればよいということです。横浜の価値観が好きで、先祖代々という人はそれでいいわけです。

 黒岩知事と私の差は、神奈川の後期高齢者の増え方をどのように捉えられているかの差だと思います。埼玉や千葉に比べると、神奈川の現状はまだ恵まれています。だから、現状を見ている知事がそういうことを言うのは分かりますが、データを分析をすると、そう安泰じゃないと思います。

 ――今後、行政に必要な取り組みは何でしょうか。

 今回の発表は、魅力的な街を作り、人が寄って来るところは生き残るが、住みづらい地域は生き残りが難しくなるというメッセージなんです。

 石川県に川北町という町があります。そこは(昨年の日本創成会議の発表で)2040年の若年女性人口増加率が日本一です。子育てしやすく、あそこに行ったらいいと評判です。川北みたいな町になれば生き残るんです。

 ここはいい街なので来て下さいと、早く手をあげて、整備したところはたぶん生き残ります。だけど、ネガティブなところは沈むんじゃないでしょうか。

 (聞き手・佐藤陽、岩尾真宏)

 ■介護ベッド、地域で差 県外からの流入で不足も

 緊急性や重症度が高い患者に対応できる能力を示す「急性期医療レベル」は、川崎南部と湘南西部が、全国平均レベルの「レベル5」だったが、残りの9医療圏は、平均より少ない「レベル4」だった。

 2040年に介護ベッドの余裕がどの程度あるかを示す介護ベッド準備レベルをみると、11医療圏でレベル2~6と開きが出た。県西が最も余裕があり、横浜西部、横須賀・三浦が続く。一方、横浜南部や湘南東部、県央は最も不足していた。横浜市内の3医療圏では、西部は比較的余裕があるが、北部と南部は、かなり不足する予測だ。

 2015年と比べた25年の介護入所施設の収容能力(ベッド数)は、横浜西部、川崎北部、県西を除く8医療圏で、1410~7301床マイナスになる予測。介護ベッド準備レベルなどで、比較的余裕のある数字が出ていても、今後、介護施設が圧倒的に足りない東京都などから高齢者が流入してくる可能性が高い。


 ■病床数1万床増、必要 在宅患者、最大で倍に 県推計

 団塊世代が75歳以上になる2025年に向け、県は医療需要や目指すべき医療提供体制を記す「地域医療構想」の策定を始めた。まず25年の必要病床数や在宅医療患者数を推計し公表した。これらのデータなどを基に、県はどんな施策が必要かなどの議論を進める。

 7月30日、横浜市内で開かれた県保健医療計画推進会議で、地域医療構想に関する議論が始まった。県医療課から、初めて25年の必要病床数と在宅医療患者数が示された。レセプト(診療報酬明細書)のデータや将来の人口推計などを厚生労働省の計算式にあてはめ、県が推計した。

 25年の必要病床数は、14年に比べ約1万900床多い約7万2200床。(1)高度急性期(ICU=集中治療室=など)(2)急性期(手術直後など)(3)回復期(リハビリテーション)(4)慢性期(長期療養)といった機能別にみると、高度急性期や急性期を減らし、回復期を約1万6500床増やす必要があるとの結果が出た=グラフ。中でも横浜市は約6900床増やさないといけない。土地や人材を確保できるかが課題になる。
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 今後焦点になるのは、神奈川と周辺の都県との患者の流出入をどう考えるかだ。例えば、横浜市から都内の病院に通うケースは少なくないが、できるだけ県内で完結するようにするか。それによって必要な病床数も変わってくるからだ。県の担当者は「今後、東京都などと調整するが、現段階ではどちらの考え方をとるかは白紙」という。

 一方、25年の在宅医療患者数の見込みは、この10年で約1・7倍に急増することもわかった。最も高いのは相模原市で、2・1倍に増える予想が出た。県央が約1・9倍、川崎北部が約1・8倍だった=表。

 県は、こうしたデータを基に、各地域の実情も加味しながら、来年10月ごろまでに構想を策定する。大まかに(1)25年の医療需要(2)目指すべき医療提供体制の実現に向けた課題(3)その体制を実現するための施策、からなる。11の医療圏ごとの構想も盛り込む。昨年成立した地域医療・介護推進法で、都道府県に構想策定が義務づけられた。

 県医療課の担当者は「既に病院の中には、積極的なリハビリで在宅復帰を促す『地域包括ケア病棟』(回復期病棟の一種)をつくる動きが出ている。県も、急性期から回復期に病棟を転換するためのハード面の補助や、リハビリ人材の育成などソフト面の支援をしていきたい」と話している。

(佐藤陽)

 ◆キーワード

 <日本創成会議の提言> 東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)は急速に高齢化が進み、今後10年間で後期高齢者が175万人増加し、介護需要は45%増加する。施設を高齢者が奪い合う事態になるとし、こうした事態への「危機回避戦略」を打ち出した。戦略では「お試し移住」支援など、東京圏の高齢者の地方移住の促進▽利便性の高い地域への集住促進▽医療介護拠点への転用などの空き家の有効活用▽医療・介護サービスでのロボット活用などを提言。具体的な移住先として、医療・介護に余力のある26道府県の全国41地域を挙げた。

 ■県内の医療・介護の余力(1~7段階)と2025年の収容能力(▲はマイナス)

 ◇医療圏(区市町村名)
  急性期医療レベル
  介護ベット準備レベル
  2015年と比べた25年の介護入所施設の収容能力(ベッド数)

     *

 ◇横浜北部(鶴見区、神奈川区、港北区、緑区、青葉区、都筑区)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:3
  収容能力(ベッド数):▲3438

 ◇横浜西部(西区、保土ケ谷区、戸塚区、旭区、瀬谷区、泉区)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:5
  収容能力(ベッド数):748

 ◇横浜南部(中区、南区、磯子区、金沢区、港南区、栄区)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:2
  収容能力(ベッド数):▲7301

 ◇川崎北部(高津区、多摩区、宮前区、麻生区)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:4
  収容能力(ベッド数):941

 ◇川崎南部(川崎区、幸区、中原区)
  急性期医療レベル  :5
  介護ベット準備レベル:3
  収容能力(ベッド数):▲1425

 ◇横須賀・三浦(横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:5
  収容能力(ベッド数):▲1410

 ◇湘南東部(藤沢市、茅ケ崎市、寒川町)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:2
  収容能力(ベッド数):▲3186

 ◇湘南西部(平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町)
  急性期医療レベル  :5
  介護ベット準備レベル:4
  収容能力(ベッド数):▲1852

 ◇県央(厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:2
  収容能力(ベッド数):▲3920

 ◇相模原(相模原市)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:3
  収容能力(ベッド数):▲2489

 ◇県西(小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町)
  急性期医療レベル  :4
  介護ベット準備レベル:6
  収容能力(ベッド数):283

 <日本創成会議の資料を基に作成。レベルは数が高いほど余力があることを示す。急性期医療レベルは全身麻酔の実績や、病院への移動時間をもとに算出。介護ベッド準備レベルは2015年の75歳1千人に対する介護ベッド数の全国平均(81床)を基準とし、現在の介護数などから出した。>


 ■医療・介護の受け入れ余力のある地域

  北海道  旭川市、函館市、釧路市、帯広市、北見市、室蘭市
  青森県  青森市、弘前市 岩手県 盛岡市
  秋田県  秋田市
  山形県  山形市
  新潟県  上越市
  富山県  富山市、高岡市
  石川県  金沢市
  福井県  福井市
  京都府  福知山市
  和歌山県 和歌山市
  鳥取県  鳥取市、米子市
  島根県  松江市
  岡山県  岡山市
  山口県  山口市、下関市、宇部市
  徳島県  徳島市
  香川県  高松市、三豊市、坂出市
  愛媛県  松山市、新居浜市
  高知県  高知市
  福岡県  北九州市、大牟田市
  佐賀県  鳥栖市
  長崎県  長崎市
  熊本県  熊本市、八代市
  大分県  別府市
  鹿児島県 鹿児島市
  沖縄県  宮古島市

 (日本創成会議の資料に基づく。過疎地域は対象外。)


 ■2025年の在宅医療患者数の推計

医療圏   2013年度(人) 25年(人) 増加率(%)
横浜北部     14909  26738    179
横浜西部      8068  13877    172
横浜南部      8658  14058    162
川崎北部      8013  14721    183
川崎南部      5808   8818    151
横須賀・三浦    9908  14252    143
湘南東部      7150  11898    166
湘南西部      5324   9348    175
県央        6826  12705    186
相模原       4853  10189    210
県西        4251   6689    157
合計       83773 143299    171

 (厚労省の計算式に基づき県が試算。東京都などとの患者の流出入が現行のまま継続すると仮定した推計値。小数点以下は切り捨て。そのため合計数が合わない)

(朝日新聞 2015年8月15日掲載)

  1. 2015/08/16(日) 09:31:01|
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8月14日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/348193
「私大病院の医師、卒業生で充足」との見方
島根、福井、岐阜で医師倍率高く

2015年8月14日(金)配信池田宏之(m3.com編集部)

 7月に公表された日本医師会による「病院における必要医師数調査結果」では、最近の勤務医の動向が多様な側面から示された(『医師求人倍率が微減、5年前比、日医が全国調査』を参照)。必要医師数の倍率が最も高かったのは、島根、福井、岐阜の3県。また、私立学校法人立の病院においては必要医師数の倍率が低く、「卒業生で充足できているのではないか」(報告書)としている(資料は、日医総研のホームページ)。

必要医師不足の病院は半数

 常勤換算で、必要医師数が不足している病院は、回答した3384病院のうち50.0%、医師の求人をしている病院は、37.0%となった。同様の調査をした2010年の厚生労働省の調査と比べると、必要医師数と求人医師数の倍率のいずれも低下していた。

 診療科別に見ると、必要医師数の倍率が最も高かったのは、以下の診療科。
1位 リハビリテーション科 1.23倍
2位 アレルギー科 1.22倍
3位 救急科    1.20倍
4位 産科     1.19倍
5位 感染症内科  1.18倍
   婦人科     〃
7位 心療内科   1.17倍

 診療科別の必要医師数の倍率が低かった診療科は、以下の通り。
1位 外科     1.07倍
   消化器外科    〃  
   形成外科     〃
   小児科      〃
5位 皮膚科    1.08倍
6位 リウマチ科  1.09倍
   循環器内科    〃
   臨床検査科    〃
   消化器内科    〃
   心臓血管外科   〃
   精神科      〃

 必要医師数倍率が最も高かったのは、以下の都道府県。
1位 島根県   1.34倍
2位 福井県   1.24倍
3位 岐阜県   1.21倍
4位 徳島県   1.20倍
5位 秋田県   1.19倍
   香川県    〃
7位 新潟県   1.18倍
   岡山県    〃

 必要医師数倍率が最も低かったのは、以下の都道府県。
1位 石川県   1.05倍
2位 宮城県   1.06倍
   大阪府    〃
4位 神奈川県  1.07倍
   富山県    〃
   京都府    〃
   沖縄県    〃

 病床規模で見ると、必要医師が充足していない病院は、「20-99床」で41.7%、「500床以上」で62.4%となり、病床数が大きい方が倍率が高かった。ただ、必要医師数のある病院のみを見みると、500床以上の病院が最も低く1.05倍、「100-199床」と「200-299床」が最も高く1.17倍となり、報告書は「中小病院では、医師不足とそうでない病院が二分していると推察される」としている。

 開設者別では、必要医師の倍率が最も高かったのは、「社会法人」で1.15倍、次いで「都道府県・市町村・地方独立行政法人」で1.12倍。最も低かったのは、「私立学校法人」の1.07倍で、「卒業生で充足できているのではないか」(報告書)としている。

日本医師会 病院における必要医師数調査結果 http://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_581.html



http://www.m3.com/news/iryoishin/348690
病床は“減反政策”しかない - 高橋泰・国際医療福祉大学教授に聞く◆Vol.1
東京23区、医療需要でミスマッチ発生

2015年8月14日(金)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子、池田宏之(m3.com編集部)

 6月に日本創成会議首都圏問題検討分科会がまとめた、「東京圏高齢化危機回避戦略」。(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)では、医療や介護の需要が今後不足すると予測、地方への移住などがクローズアップされた。メンバーを務めた国際医療福祉大学教授の高橋泰氏に、この戦略の狙いや今後の見通しについてお聞きした(6月12日にインタビュー。計2回の連載)。

――移住の提案の狙いを教えてください。また現在、どの程度の水準の急性期医療を利用できる水準にあるかを指標化した「一人当たり急性期医療密度」の物差しを、「全身麻酔の件数」とした狙いは何ですか。

 「急性期医療密度指数」とは、全国を1キロメートル四方の区画に分け、各区画の住民がどこまで急性期医療を利用できるか(60分以内にたどりつける医療機関)を示す指標です。病院へのアクセスも、(直線距離でなく)道路距離を見ています。さらに、河川についても、橋梁上のスピードも考慮するなど、緻密な計算をしています。

 移住の話は、数年前から言い続けてきた話です。病床が多くても医師がいない地域もある中で、患者の視点に立って、急性期医療提供の機能で、一番正直で相関関係が強いのは、手術件数と考え、DPCのデータから取得できる全身麻酔を基準としました。DPCを導入していない病院の医療提供については、全国平均と同程度の機能を提供していると仮定して計算しています。

 例えば、千葉県の国保旭中央病院自体は、高度な医療を提供していますが、地域には基幹病院は旭中央病院しかないような状況で、「医療提供が十分でない」(急性期医療密度指数 0.66、全国平均は1.0)となるような指標となりました。

――分析結果を見て感じたことはありますか。

 全国344の二次医療圏のうち、私はこれまで340の医療圏を回ってきましたが、「肌感覚に合うな」と思いました。1カ所だけ感覚と違ったのは、島根県の松江市と出雲市の二次医療圏。個人的には、県立病院や大学病院のある出雲地域の方が、医療提供体制が充実していると考えていましたが、松江地域の方が急性期医療密度指数は高かったです。ただ、地元医師会の役員に聞いたら、「松江の方がよい」と言われましたので、「しっかりしたデータになった」と思いました。また、群馬県の前橋市は、10万人当たりの医師数が全国の県庁所在地で一番多いのですが、突出した値にはなっておらず(急性期医療密度指数1.03)、肌感覚に近い指標になったと思います。

――愛知県が、名古屋市以外は、0.86から0.56になっていて、値が低いように見えます。

 個人的には、全国平均とした1.0が高すぎで、0.8くらいで、地域を支えられるのではないかと思っています。愛知県、静岡県、岐阜県は、名古屋大学が医師を公立病院などにしっかり差配している地域で、数値ほど急性期医療の機能は弱くないのではないかと思っています。

――肺炎などの全身麻酔による治療を必要としない一般的な急性期医療はどう考えていますか。

 今後、ひずみが出るのは、東京23区だと思います。将来的に、23区内の高機能の病床は、周辺からの流入が減る分、だぶつくと見ています。高齢の人口が増えても、高機能医療への需要が増えるわけではありません。平均在院日数がさらに減少すると、ダウンサイジングする必要が出てきます。一方で、肺炎や脳卒中などの患者を診る機能は、東京23区は不足すると見ています。

 都内の病床は平たく言うと、患者1人1日当たりの入院単価は5万円ないと成り立ちません。地位包括ケア支援病棟は、3万5000円を超えることはないと考えられます。したがって、23区内では、医療密度が高くても、ミスマッチが起きてくると思います。

――東京では、医療需要が変化すると、提供する機能が変わるのでしょうか。

 政治的なマターだと思います。医療においては供給が需要を生むことがあるので、(何もしないと)、動脈硬化で歩きにくい人にステントを入れるとか、腰が曲がった人をまっすぐにするなどの“アビューズ”が生まれる可能性が高いです。「本人にとっては良いだろう」と、全てが徹底治療するような状況になりかねません。

 「医療提供(S)=人口(P)×医療の質(Q)」と言えますから、Sが固定で、Pが減ると、Qへの“アビューズ”が起きるのではないかと思います。どのような医療を提供しないのかといった問題や、公費でのカバー範囲、医療の地域差が議論になってくるでしょう。

 現場の医師はQをなかなか考慮できないので、そろそろPとQのバランスを見る人が出ないと、医療制度は持たないところまで来ているのではないかと思っています。

――介護については、2040年の予測を出していますが、医療については出していません。理由があるのですか。

 医療については、現在と2040年の需要は、2025年のピークを超えた後、ほぼイコールになると見ています。地域ごとに見れば、需要が増加する地域と、減少する地域がありますが、全体では均衡すると思います。介護需要は劇的に増えるのですが。

――人口当たりの病床数が多い四国や九州における病床はどうなるのでしょうか。

 病床がある限り医療費がかかるので、医療費がゼロになるように“減反政策”しかないと思います。医療機関の経営者と話していると、年間の医業収益は1床当たり500万円くらいで、職員の退職金などが賄えると聞きますし、2、3年くらいでペイすると感じています。

 東京や神奈川で病院が倒産するのを見たことがありますが、率直に言って、借金が残る経営者や、再就職の難しい事務職など一部の人を除いて、誰も困りませんでした。医師や看護師は転職し、患者もどこかに移ります。四国でも病床が一気に2、3割減ると困ると思いますが、少しずつ減らしていくなら、うまくいく可能性があると考えます。

――医療系の人材が、地方から東京圏に流入するのではないですか。

 地方創成においては東京の一極集中にならないようにする意味合いもあるので、望ましくはありません。同じ年金収入でも、物価の差がありますので、地方に住めば、「おかずが増えて、温泉付きの住居に住める」ことになり、日々の生活の質が上がります。

――「東京圏高齢化危機回避戦略」に対して、医療者からの反論はありましたか。

 データに対する反論はなかったです。地域包括ケアを進める人からの反論はありました。ただ、データを見る限り、(介護需要が大幅な不足が見通される)現状のまま「東京圏に住める」と言うのは無責任に感じます。

 在宅医療については、しっかりとしたデータがなく、考慮していません。ただ、在宅の話をするほど、国民が成熟しているとは考えておらず、今後の課題です。



http://www.m3.com/news/iryoishin/348695
シリーズ: 改革進む医学教育
地域実習でロールモデルが見つかる◆筑波大学Vol.2
地域実習は病院、診療所、医師不足地域に泊まり込み

2015年8月14日(金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 筑波大学医学群医学類6年生の足立真穂氏は、5年生終盤に地域クリニカルクーラクシップ(CC)を行なった。地域CCは6週間の病院実習、1週間の診療所・小病院実習、1週間の地域滞在型実習で構成される(『教員を地域に派遣、教育と医師確保に貢献◆筑波大学Vol.1』を参照)。どこの病院・診療所に行くかは本人の希望が優先される。足立氏は診療所・小病院実習として笠間市立病院、地域滞在型実習として神栖済生会病院を選んだ。病院実習の6週間は、水戸協同病院の総合診療科に4週間、日立総合病院の救急科に2週間と分割した。いずれの病院も筑波大の教員が派遣されている地域医療教育センター・ステーションに指定されている。

泊まり込みで地域を理解

 診療所・小病院実習は同時期に派遣される学生は1人だけだ。入院患者を受け持ったほか、医師や看護師の往診へ同行した。「病院外での患者さんの生活を意識できるようになった」と話す。他職種の仕事を理解するための調剤・調理実習、待合室で患者に自分の決めたテーマでアンケート調査を行うなど、きめ細かなメニューが用意されている。

 地域滞在型実習は、泊まり込みで医師不足地域の実態を理解するというものである。病院実習だけでなく、薬局実習や小学校で禁煙教育、乳児健診の手伝いなどをした。農家で農作業の手伝いをすることもある。3-4人の学生で行動するため、「一緒にいるうちに『医師としてどのような役割を担いたいか』など、普段しないような深い話ができたのも良かった」と振り返る。

病院全体が教育的な雰囲気

 足立氏は総合診療医を希望している。水戸協同病院では、初期研修医、後期研修医のチームに加わり、診察、診療方針の決定に携わり、カルテ記載や回診でのプレゼンを担当した。受け持った疾患は誤嚥性肺炎から心筋梗塞、末期癌と多様だ。「大学病院では学生では対応できない症例が多いが、地域だと学生でもできることがあった」と話す。

 初期臨床研修は水戸協同病院を希望している。5年生の夏から首都圏を中心に10近い病院を見学して回ったが、他の病院よりも教育的な雰囲気が強いと感じた。こまめにフィードバックをもらえるなど屋根瓦式(教えられた人が、次に教える側に回る)の教育体制がつくられていたという。「自分のロールモデルになる先生がたくさんいた。初期研修の2年間ではcommon diseaseにもきちんと対応できる医師になりたい」と意気込む。

 水戸協同病院には現在、大学から教授が8人、准教授が5人、講師が12人の計25人が派遣されている。学生教育を担当する医学教育企画評価室の鈴木英雄准教授は「筑波大の教員がいることで、病院全体が教育的な雰囲気が生まれると思う」と話している。

  1. 2015/08/15(土) 08:58:22|
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