Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2015年8月31日

Google Newsでみる医師不足 2015年8月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース  5,830
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 20,100
First 5 in Google in English 

In Physician Shortage, Can Nurse Practitioners Replace Doctors?
NBCNews.com‎ - 15 時間前(USA)

Patients are increasingly turning to nurse practitioners instead of physicians for a less expensive healthcare alternative. Some experts say the trend is a solution to the staggering cost of medical treatments and the shortage of physicians, which is expected to exceed 46,000 within the next decade, according to the Association of American Medical Colleges.


Is There A Medical Marijuana Doctor Shortage In New Jersey?
Patch.com‎ - 4 日前 (New Jersey 州)

One of the stated reasons for the bills was a “shortage of physicians” qualified to recommend cannabis to their patients. But do the numbers support their claims? The U.S. Department of Health and Human Services defines a “health professional shortage” as an area that exceeds 3,500 patients per physician.


Centre's denial to establish new medical colleges causing doctor shortage: SC
Economic Times‎ - 2015年8月22日 (インド)

Centre's denial to establish new medical colleges causing doctor shortage: SC ... colleges or to increase their intake capacity have caused loss of opportunities to the students as well as lesser number of doctors, the Supreme Court has said.


Ontario cuts 50 medical residency places, critics warn of doctor shortage
CBC.ca‎ - 2015年8月10日 (カナダ オンタリオ州)

"Cuts to medical school enrolment and training positions in the 1990s led to doctor shortages and longer wait times," said OMA president Dr. Mike Toth. "We have .. a growing and aging population who require more complex care. We need more doctors to meet those needs and provide that care, not fewer."


Potential for Ontario doctor shortage worry patients, OMA
Toronto Sun‎ - 2015年8月15日(カナダ オンタリオ州)

A decade later, the province had a serious shortage of physicians — 2.5 million people without a family doctor. ... Northern Health Research at Sudbury's Laurentian University, says he's not convinced there's a widespread doctor shortage.



(他に10位以内のニュースは、米国:アラバマ州、全米(3)、テネシー州、カナダ:ビクトリア州、などからも)


  1. 2015/08/31(月) 04:49:54|
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8月30日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/352798?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516285
シリーズ: 改革進む医学教育
高校で総合診療医を“青田買い”◆三重大学Vol.2
「教育のある所に人が集まる」

2015年8月30日(日)配信 池田宏之(m3 .com編集部)

 総合診療医の育成に当たって「研究」に力を入れる三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座(竹村洋典教授)だが、「教育のあるところに人が集まる」(竹村氏)との信念に基づいて、教育にも力を入れて、多様な取り組みを展開している。「患者目線で医療現場を見る」1年生の教育が、5年生、6年生になれば、上級医とともに、現場で患者を受け持ち、処方や治療方針について学ぶようになる。「早い段階での意識が重要」と考える竹村氏は、県内の高校で、総合診療医が仕事の内容を紹介する授業を実施して、志のある学生を“青田買い”する取り組みを始め、効果が出ている。


医学生「医療とは違う知識が必要」

 地域の医師は1年生から教育を始める。1年生向けの教育は「医療と社会」が1つの大きなテーマとなっている。1年生は、地域の医療機関の現場に足を運ぶ。7月の授業では、見学を終えた1年生を前に、竹村教授は、医療の在り方について切り出した。「かつては常に救う医療だったが、今は“軟着陸”が必要ではないか」と述べた。“軟着陸”は、慢性期疾患を抱える高齢者に対して、竹村氏が考える医療だ。「患者に寄り添うことを忘れて『どんどん救えば良いだろう』という医療でいいのか」と述べた。

 生徒に感想を求めると、過疎地に立地する県立一志病院を見学した女子学生は「患者と話して印象に残ったのは、病院が近くにないこと。もっと医師も頻繁に訪問診療ができれば良いのではないか」と指摘。他の女子学生は、駅から医療機関へのアクセスする際に坂が急だった点を挙げた。ある男子生徒は、ALSの医療者の訪問診療を見て「もっと壮絶な病気かと思ったが、穏やかない印象。医療とは違った知識が必要になるのではないか」と投げかけた。

 授業は、意思疎通のできない末期癌患者を想定して、延命治療の中止の判断を誰がするのかといった議論で、「家族が決めるべき」「親族でも意見が割れて決められないのでは」といった議論も。竹村氏は「認知症でも意思判断できる能力があるかもしれない」と投げかける。医療者として知識を学び始めたばかりの1年生や2年生の実習の目標について、竹村氏は「医療者としてではなく、患者として医療を見る」こととしていて、学生は、本格的な医学教育が始まる前に、基礎の基礎として「患者目線」で医療に接する。

認知症患者に対峙する医学生

 5、6年生のテーマは「参加型臨床研修」「人としての総合診療医の接触」がテーマで、約1カ月にわたる病院実習が含まれる。津市の郊外に立地する三重県立一志病院は、人口の高齢化率も高く、コモン・ディジーズを診るのが特徴だ。竹村氏の週1回程度の診察には、見学に来た6年生の生徒が付いた。夫が末期がん患者で、本人が認知症を発症した患者の診察前には「薬の副作用に気をつけないといけない」と指摘。その上で、家庭環境を踏まえて「軟着陸を考える必要がある」と述べた。「目のまぶたが重い」と訴える患者には、インターネットなどを活用して調べ、末期の胆嚢がん患者には疼痛の状況に耳を傾ける姿を医学生に見せる。「臓器だけを診ている」と揶揄されがちな細分化した専門科の診療から離れた診療に、医学生たちが真剣に耳を傾ける。学生は、触診や問診も体験し「忙しい大学の先生に放っておかれがちになる実習と違い、総合診療の実習は、治療方針や薬剤の決定など患者への介入が多い」と感想を述べた。


 医学生は、入院患者を受け持ち、昼休みには、総合診療医と学生が全員集まるカンファレンスも実施する。終末期の患者について医学生が報告すると、先輩の医師は、退院も見据えて、「良い時間を確保できるように」とアドバイスする。さらに、患者の自宅や周辺施設を見に行くこともある。一志病院の四方哲院長は、「退院後も患者が暮らせるかどうかに関心を払う教育」の必要性を指摘する。地域の高齢者向けの健康教室や食事改善活動に携わることもある。基本は、実習は泊まり込みとなるが、施設に宿泊施設が整備済みだ。

 現場で働く医師からも、好評だ。亀山市立医療センターに講師として勤務する医師は、学生が専門として「総合診療」を選ぶかどうかと関係なく、「(退院やその後の生活まで見据えた)総合診療医がいることを知ってほしい」と、意義を語る。さらに、竹村氏は、地域の医療の現状を知る結果として「『自分がどうにかしないと』と思ってもらえれば」と、10万人当たりの医師数が全国平均を下回る三重県に残ってもらえるような、副次的な効果にも期待を寄せる。

課題は人件費の安定性

 地域の現場で医師を育てることについて、竹村氏は、大学病院の総合診療医に来る患者は、特殊な不安を抱えていて、コモン・ディジーズから離れている点を踏まえて、「大学で教えるのは不可能」と指摘する。その上で強調するのは、卒前教育の重要性だ。研究室の研究の中では、「患者中心の意識の高低は、入学時に決まっているとの研究結果もある。卒前教育に加え、それより前の中等教育も重要」とする。実際に、県内の高校に総合診療医を派遣し、出前授業をする取り組みも始めている。入学生のうち125人中、35人が、授業に行った高校から入学するなど、一定の効果を挙げている。

 総合診療医を志す学生や若手の増加については、「『人間を診て、治療している』という識が見えやすくなってきたのではないか」と述べる。学生の中には、津市内にバーを開いたり、休学して日雇い労働者の集まる東京の山谷地区や大阪の西成地区に行く生徒も出てくるなど、「人間的に、面白い人が集まっている」と期待を示す。

 さらに総合診療医の養成を広げる課題としては、大学のバックアップの重要性を指摘する。自治体が予算を割いて対応できるのは後期研修医までで「学生の派遣や研究は難しい」と指摘。「へき地が高給で医師を募集した事例があったが、結果的に良い人材は来なかった。教育があるところにこそ良い人材が集まる」と力を込めて、話す。

 今後の課題として、竹村氏が考えるのは人件費の安定性。寄付講座は自治体からの寄付で成り立つため、議会の承認など行政のプロセスを経ざるを得ず、「首長の意向が変わると困る。中には、医療を軽んじている人がいるような信じがたい人もいる」と語る。

 総合診療医育成、寄付講座といった取り組みは、全国で広がりつつある。竹村氏は、三重大学で学んだ医師が、他の都道府県に移り、総合診療医の育成に力を入れることも多い中で、「取られっぱなし」と笑う。その上で、卒前教育の拡大などを通じて、「お互いさまになってほしい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/348198?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516284
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
「医療は贅沢品か」「窓口負担5割に」◆Vol.18
医療制度改革を巡る自由意見
 
2015年8月30日(日)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 Q15では、医療制度改革について、自由意見を寄せてもらった。主なものを紹介する。

【医療と経済】
・国民の所得格差があるのに、医療の平等を求めるのはおかしい。尊厳死の選択が可能ならば、医療費を払えなくてある一定以上の医療を受けられないことを国民が主張するなら、ジェネリック医薬品の受け入れは当然。また、後期高齢者にピロリ菌の検査や除菌など健康保険診療には反対。
・政治家が、国の税収が減っても、高度経済成長期のような高齢者・低所得者を優遇して甘やかした結果が、現在の体たらくを生んだ元凶。救いようはもうないのでは?
・経済が逼迫しているから、聖域無き経済改革の犠牲になるのが社会保障ではその国の未来は半ばないと思う。社会保障を削る前に、もっとしわ寄せするべき所があるはず。
・医療費削減のためアメリカのように保険のランク付けが必要と思う。
・自己負担を増やせばよい、医療は贅沢品、ということか。
・お金がないので、福祉の中へ市場原理を導入するのは致し方ないと考えるが、それはどんなに言い繕っても、後退や縮小にしかなり得ない。
・非常に高薬価な一握りの薬剤を認可しておきながら、「それ以外の医療費は削減する」「病床数は減らす」という政策は絶対に間違っている。
・経済の論理が全てに優先していると感じるのは私のひがみか。
・黒字を追及する必要はなく、収支がゼロでよい。

【改革の方向性】
・高齢者に対する医療費を削減する必要があることをじっくり国民に説明する必要がある。削減した医療費を子供の社会保障に充てていかなければ、少子高齢化は止まることはなく、日本の経済に未来はないと思う。
・2025年から2030年辺りに団塊の世代が後期高齢者層に入り、それをこなせば楽になっていくため、政府はうまくごまかそうとしていると感じる。
・保険では最も基本的な医療を提供すればよい。その他は自費にすればよい。例えば婦人科で通常の開腹手術を基本として内視鏡手術との差額は自費にすればよい。
・現在のシステムを維持するのが、グローバルに見ても最良の医療提供方法と思われる。
・病院の病床数の適正化や在宅医療の整備などの問題を、すぐに解決するのは困難である。国民全体で問題を認識し、一人一人が理解を深めないと、改革は進まないと思う。
・昨今の在院日数や在宅復帰率の設定目標は、高齢者等に望まない治療を強いる傾向にある。微調整よりは、抜本的に福祉と医療を限られた資材で対処する必要がある。
・医療制度改革の必要性は十分に理解できるが、やり方を誤ると地域医療の切り捨てなどの医療崩壊につながる可能性があるので、圧力で押し切る方法ではなく、現場の意見も尊重しながら慎重に行ってほしい。
・基本的に削減のための改革であり、最終的な被害者は患者自身になると思われる。
・医療保険は医師の指示下でのみ使うようにしてほしい。
・やるならば思い切ってやらないと、2025年には間に合わない!
・地方で頑張っている開業医を切り捨てないでほしい。
・患者、特に弱者本位の改革をしてほしい。

【具体策】
・医療保険、国保、社保、共済などを、まず統一すること。国民保険ですので。
・医療費負担割合の見直し(透析・難病・生保)。使った医療費の負担はある程度持つべき。
・予防医学に重点を置くべき(検診を義務化し、正当な理由なしに精密検査や治療を拒む場合は罰則や保険負担率のアップを検討)。
・医療に消費税をかけてほしい。
・新設医学部、医者数の増加はやめるべき。コメディカルの権限、給料を上げてスタッフを増やす。 ・医局制度の改革後、政府に研修医から医師の活動まで管理されるようになった。それならば、医師の専門性、数、質もコントロールをするべきでは?
・後発品の使用について、安全性、薬効等まだ不明であり、強制するべきでない。どうしても強制するのなら、安全性ほか不明な部分がある旨を知らせるべき。
・医療クラークの充実。
・窓口自己負担を5割にすべき。
・民間企業などが進出しているが、医療経験や知識がないスタッフが多く、ハードがあっても機能しておらず、うまくいかないと主治医をはじめとする病院に責任を押し付け、面倒だと丸投げするところあり。また、暴力団や知識のない建設業や輸送業者が福祉領域に既に潜り込んで暗躍しており、質を高めることや監視や評価することも政府がやるべきことだと思う。
・皆保険制度は維持するが,全くのフリーアクセスではなく,専門医制度の中で総合診療医の役割を明確にし,地域でのゲートキーパーの役割を担わせる。また、自由開業制ではなく,ある程度地域を区切った認可を行う。レベルの均一化のために明確な基準による更新制度を導入すべき。
・今政府の進めている在宅訪問診療への移行は、少子化などにより在宅介護が困難なため、難しい点も多いと思われる。むしろ在宅では介護できない高齢者を受け入れる施設を増やし、介護者に働いてもらい、税金を納めてもらった方が経済効果も高いと思う。

【政治家、官僚、医師の在り方】
・平気で利益追従のため患者さんをだましたり、法律にそむいたりする医師が多いため、そのような輩は医師免許剥奪という強い姿勢で臨むことが必要。医師会自体も自浄しないと政府も聞く耳を持たない。
・改悪ばかりで、納得いかない。医者にばかり、押し付けるのではなく、政治家こそ、聖域なしの抜本改革すべき。
・無駄なことを考える官僚の数も削減すべき。議員と官僚の数を半分にすれば社会保障費は賄える。 ・医者以外のモノがあれこれ考えても、そうそううまくはいかない。また、医者も我を通してばかりでもだめ。
・医師会に政権を取るつもりで取り組んでいただきたい。
・厚生労働省が、何かする度に現場の医師の仕事が増える。現場の声を聞かずに机上の空論をふりかざすのはいい加減にしてほしい。
・改革推進者には広角な視野で大局観を持つ人物を多く登用すべき。
・リスクを負って、昼夜問わずに働く医師より、「急患は診ない」「検診しかしない」といった医師の給与が高いといった根本的な問題を解決すべき。

【その他】
・何をやってもどうにもならないでしょう。
・お上の命令には逆らえない。
・自分自身に関係がなければ、特に関心がない。



http://www.m3.com/news/general/352819?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516287
神戸大病院のカテーテル再使用で厚労省が通知 
2015年8月29日(土)配信 毎日新聞社

神戸大病院:カテーテル再使用で厚労省が通知

 神戸大医学部付属病院(神戸市)で使い捨てのカテーテルが再使用されていた問題で、厚生労働省は28日、医療機器の使用方法を守るよう求める通知を都道府県に出した。

 神戸大病院によると、同院は2010年度以降、循環器内科で不整脈の手術に用いるカテーテルを使用後、滅菌処理して約300人の患者に再使用していた。カテーテルの添付文書には「再使用禁止」と明記されていたが、保険適用になる本数を超えて使うと病院の負担になるため、再使用したという。健康被害は確認されていない。



http://www.m3.com/news/general/352835?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150830&dcf_doctor=true&mc.l=119516288
「採血で後遺症」鹿児島市立病院、和解金支払いへ 
2015年8月29日(土)配信 読売新聞

 鹿児島市立病院で採血後、左手まひの後遺症が残ったとして市に損害賠償を求めた女性に対し、市は和解金として1200万円を支払う方針を固めた。和解金額の決定議案を9月定例市議会に提案する。

 病院などによると、女性は1995年6月、県内の会社の定期健康診断で病院を訪れ、採血後、「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」を発症した。女性は採血針で神経を損傷し、まひが残ったと主張して提訴し、約8800万円の損害賠償を求めていた。福岡高裁宮崎支部は今年5月、双方に和解勧告した。

 病院側は「CRPSは神経損傷がなくても発症する。ただ、採血の際に神経を傷めなかったことを立証することができなかった」と説明。原告側弁護士は「裁判所が病院側にある程度の責任を認め、病院がそれに応えたと受け止めている」と話した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150830_63014.html
<これから>病院存続 覚悟の転身/第24部・意志を継ぐ(1) 
2015年08月30日日曜日 河北新報

◎南相馬市・中林智之さん

 夢に描いていた「南の島の診療所」と環境は大きく異なる。でも、選んだ道に迷いはない。
 南相馬市原町区の南相馬中央医院(旧・原町中央産婦人科医院)。医師中林智之さん(61)が着任して2年以上がすぎた。肩書は院長でも常勤医はほかにいない。慣れない方言に戸惑いつつ、1日50~60人の外来患者に向き合う。
 以前は富山県内の総合病院で内科医として活躍していた。福島との縁と言えるのは、学生時代に観光で何度か訪れたことぐらい。地域をまたいだ転身は2012年8月、偶然目にした新聞報道がきっかけだった。
 「福島第1原発事故後も地元に踏みとどまって診療を続けた」。記事は高橋亨平前院長の活躍を伝えていた。そして「末期がんに侵され、後継者を捜している-」。病院存続の危機を訴える一文に、心が動いた。
         □
 当時58歳。自治医科大の1期生として、晩年はへき地医療にささげようと決めていた。「私では駄目でしょうか」。手紙を書いた。2カ月後には高橋前院長との面談が実現し、重責を引き継ぐことが決まった。
 翌年1月、高橋前院長は74歳で永眠する。中林さんが福島に移住する2カ月前のことだった。「訃報を伝える全国ニュースを見て、存在の大きさをあらためて感じた」と振り返る。
 専門は循環器系。新体制になって産科の看板は下ろしたものの、今も女性患者の割合は高い。「心の病気が原因の不眠などを抱える方もいる」。診察室の中で、長期化する避難生活の影響を実感する。
 除染作業員の健康診断も数多くこなしている。糖尿病といった生活習慣病が目立つのが気掛かりだ。多くは単身での寮生活者。「食事療法が難しくてね」。復興の最前線に立つ人々を思いやる。
         □
 看護師などの人手不足もあり、市内には休止している診療所が少なくない。避難先から戻る住民が増えるにつれ、限られた受診先にしわ寄せが向かっている。
 医師の負担が限界を超えれば、地域医療は崩壊しかねない。「まずは病院を継続させて責任の一端を担う。自分にできることをやるだけ」。淡々とした口調に決意をにじませる。
 富山の家族は既に呼び寄せた。「少なくともあと10年、体力が許す限り現役を続けたい」。へき地と被災地。活躍の舞台は違っても、地域を支える情熱と使命感に変わりはない。(斎藤秀之)
     ◇
 多くの命が奪われたあの日から4年半になろうとしている。家族、仲間、そして東日本大震災後の出会い…。道半ばで世を去った大切な人との思いはつながっていく。志を受け継ぎ、前を見据えて再生への歩みを刻む。(第24部は4回続き



http://mainichi.jp/area/oita/news/20150830ddlk44040207000c.html
研修医:大分で医療に従事を 60人がワークショップ /大分 
毎日新聞 2015年08月30日 地方版

 県内の病院で研修中の若手医師が一堂に会する合同研修会が29日、大分市内のホテルであった。研修医の県内定着を図ろうと県医師会などが初めて企画。大分大医学部付属病院など9病院の研修医約60人が参加し、ワークショップなどを通じて交流を深めた。

 県によると、研修期間後に研修医の約3割が県外に流出するという。広瀬勝貞知事は「大分市、別府市以外の市町村では医者の数が少ない。将来はぜひ大分で医療活動に従事してもらいたい」とあいさつ。県医師会の近藤稔会長は「研修期間が終わっても地域医療のために貢献してほしい」と呼びかけた。

 その後、参加者は研修先の病院ごとにチームに分かれ、倦怠(けんたい)感を訴え来院した62歳の女性の病名を、症状や既往歴、生活歴などから推測、特定するワークショップに取り組んだ。

 指導に当たった大船中央病院の須藤博副院長は「患者の言葉をいかに医学的用語に置き換えるかが大切」などと診断のポイントを話した。【西嶋正法】



http://jp.wsj.com/articles/JJ10403367518906984590418465520201828126188
年度内にも再発防止策=群馬大事故で第三者委
2015 年 8 月 30 日 19:30 JST 更新 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 群馬大病院で肝臓の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、第三者のみで構成する事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)は30日、東京都内で記者会見し、今年度内をめどに再発防止策をまとめると発表した。

 病院は内部調査を行って3月に報告書を公表したが、当時の外部委員に無断で報告書に加筆するなどの問題が判明。大学が7月に第三者委を設置した。上田委員長は内部調査の問題点も検証する考えを示した。

 群馬大は第三者委に対し、手術の執刀医(退職)が着任した2007年以降の死亡例30件の情報などを提供。第三者委は医学面の評価を関連学会に委託し、他に調査が必要な事故がないか検証も求める。また、病院関係者や患者家族への聞き取り調査を行い、再発防止策をまとめる。

 上田委員長は「(手術の)危険性を下げるにはどうすればいいかに言及する必要がある」と述べた。 

[時事通信社]



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H4E_Q5A830C1000000/
年群馬大病院の学外委が初会合 肝臓手術の患者死亡で
2015/8/30 23:22 日本経済新聞

 群馬大病院で同じ男性医師(退職)の肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、弁護士ら学外委員6人で構成する調査委員会は30日、都内で初会合を開き、遺族や男性医師、病院関係者からヒアリングをすることを決めた。

 記者会見した上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長)によると、男性医師らが手術の際、家族にどのような説明をしていたのかを調べるため、遺族や病院関係者と面談する。医学的な検証には専門的な知識が必要として、学術団体に調査を委託する。

 同病院では昨年、同一医師が執刀した腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術で患者計18人の死亡が判明。今年3月、腹腔鏡手術の調査委の最終報告書を公表した。内容が不十分との指摘を受け、開腹を含めた男性医師の手術を全て調べるため学外委員会を立ち上げていた。〔共同〕



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150830-OYT1T50117.html
年群馬大病院の術後死、新たに12例が判明
2015年08月31日 03時00分 読売新聞

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者からなる新たな医療事故調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)の初会合が30日、東京都内で開かれた。


 会議後に記者会見した上田委員長は、大学側の調査で新たに12人の死亡が判明し、公表されていた18人と合わせ30人の死亡例が示されたことを明らかにした。今後、診療内容を詳しくみる医学的評価を専門学会に委託。30人の死亡例を中心に問題を調べる。

 初会合では、調査対象を2007~14年に同病院で行われた肝胆膵かんたんすい(肝臓、胆道、膵臓)の全手術とすることなどを確認した。上田委員長によると、この日は大学側が経緯を説明し、委員が意見交換した。


  1. 2015/08/31(月) 04:41:10|
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8月29日 

http://apital.asahi.com/article/news/2015082900010.html
診療報酬を過大請求、群馬県後期高齢者医療広域連合が和解案了承
2015年8月29日 朝日新聞

 群馬県後期高齢者医療広域連合(前橋市)は、約8千万円の診療報酬を過大請求したとして医療法人(高崎市)に同額を支払うよう求めた裁判で、法人側が4千万円を支払い、残りを放棄するなどとした前橋地裁の和解案を受け入れることを決めた。

 連合によると、法人は2008年12月~11年9月、後期高齢者医療保険で入院基本料を過大に請求。関東信越厚生局の調査で11年10月に発覚した。連合は支払いを求めて14年3月に提訴していた。

(朝日新聞 2015年8月29日掲載)



http://mainichi.jp/area/niigata/news/20150829ddlk15040126000c.html
医療過誤訴訟:病院側争う姿勢 口頭弁論 地裁 /新潟
毎日新聞 2015年08月29日 地方版 毎日新聞

 新潟市の女性(当時68歳)が新潟南病院(新潟市中央区)で網膜剥離の手術を受けた後に死亡したのは、術中の不適切な麻酔が原因だとして、女性の遺族が同病院を経営する医療法人「恒仁会」に約8300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、新潟地裁(三浦隆志裁判長)であった。病院側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。

 訴状によると、網膜剥離を患っていた女性は2012年6月に手術を受けたが、執刀医が誤って視神経を包む膜内に麻酔を打ち、約15分後に心肺停止となった。女性の心拍は回復したが、蘇生後に脳に後遺症が残り、約3年後に死亡。原告側は、麻酔を誤注射したことや心肺停止後にも適切な蘇生が行われなかったことが死亡につながったなどとして、慰謝料や入院費を求めている。【柳沢亮】



http://apital.asahi.com/article/news/2015082900003.html
中津川市民病院の出産事故、市が300万円の賠償で和解
2015年8月29日 朝日新聞

 中津川市は27日、中津川市民病院で2013年8月に起きた出産事故で、女性に損害賠償金300万円を支払うと発表した。

 市によると、女性は市内の産科医院に入院したが、胎児が異常な姿勢で産道を下りた。そのため8月21日に市民病院に転院し、帝王切開で出産。仮死状態で生まれた男児は翌22日、救急搬送先の名古屋大付属病院で死亡した。

 両親は「医療過誤」と主張して名古屋簡裁に調停を申し立て、市側が和解勧告を受け入れた。

 市民病院の担当者は取材に「医療過誤とはとらえていないが、早期の解決を図るため、賠償金を支払うことにした」と話している。

(朝日新聞 2015年8月28日掲載)



https://www.m3.com/news/iryoishin/352469?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478366
“スーパー診療所”、若手医師来たれ!
広島県神石高原町で「過疎地医療×国際救急医療」実現

2015年8月28日(金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会「保健医療2035策定懇談会」がこの6月にまとめた提言書でも言及された、“スーパー診療所”が、この10月にも実現に向け始動する見通しだ(懇談会については、『20年後の保健医療政策、国民的議論を』などを参照)。

 場所は、広島県の東部、標高約500mの中国山地にある神石高原町。人口1万人足らずで、交通の便は悪いものの、地方再生のモデルとして注目を集めている町だ。牧場や農園、ドッグランなどがある自然体験型の公園「神石高原ティアガルテン」から、「ピースワンコ事業」という犬の殺処分ゼロを目指した保護活動まで、ユニークな取り組みを展開している。地域経済の活性化、雇用創出につながり、観光客だけでなく、IターンやUターンで神石高原町に来る人も少なくないという。

 いまだ手薄なのが、医療と教育。そこで医療の面で浮上したのが、“スーパー診療所”構想だ。コンセプトは、「過疎地医療×国際救急医療」。民間ヘリコプターと四輪駆動車という救急搬送手段を常備し、プライマリ・ケアは診療所で、救急対応や入院などが必要になった場合には、ヘリコプターで近隣の基幹病院に搬送する。さらに災害時などは、国内外を問わず、医療チームを派遣する。ヘリコプターはこの10月から稼働予定。“スーパー診療所”の運営に関わる人材は現在募集中で、医師のIターンも期待する。

 “スーパー診療所”の運営主体となるのが、国内外において紛争・災害支援に長年取り組んでいるNGO、ピースウィンズ・ジャパン(NPO法人)だ。これまで27カ国・地域、現在は10カ国で活動中だ。「ピースワンコ事業」は同法人が実施しているもので、「神石高原ティアガルテン」の立ち上げにも関わった。

 代表理事を務める大西健丞氏は、その狙いを「“スーパー診療所”は、過疎地医療のモデル、総合診療医の養成、災害時の医療支援の研究など、さまざまなパイロットスタディーの拠点としたい。ヘリコプターは、この新しい診療形態のその一つのデバイスとして常備する」と説明する。「優秀で変わったことが好きな、かつ『夢の田舎暮らし』を希望する若手医師にぜひ来てもらいたい」(大西氏)。

 民間ヘリ会社の運営にも参画

 ピースウィンズ・ジャパンは1996年設立。緊急支援、復旧・復興支援、開発支援が中心的活動で、人命救助や無医村での巡回診療など、医療面での支援も手掛けてきた。その活動地域は幅広い。現在活動しているのは、イラク、南スーダン、東ティモール、スリランカ、ケニア、アフガニスタン、ネパール、モンゴル、ミャンマー。国内では、東日本大震災後の沿岸部と、神石高原町だ。

 “スーパー診療所”構想のきっかけとなったのが、東日本大震災の被災地への支援。ピースウィンズ・ジャパンは、震災翌日の2011年3月12日には現地入りした。そこで民間ヘリコプターの有用性を実感し、2013年にNPO法人格を取得した「オールラウンドヘリコプター」に参画。東北沿岸部で、地元自治体や医療機関と連携して、医療搬送や災害対応活動を今も実践している。

 過疎地では、病床を持つ病院という“箱モノ”を作り、医師をはじめ多くの医療者を雇用し、運営するのは容易ではない。その解決法が、いざという時にすばやく患者搬送が可能なヘリコプターを自前で持つことだ。ドクターヘリや救急車は到着までに時間がかかる上、ドクターヘリは公的な事業であり、運営補助金が出るものの、その運行には制約も多い。

 これに対し、民間ヘリコプターは「医療機関が自由自在に使えるヘリ。『ワンウエイ』であるため、搬送時間も短くて済む。巡航速度は、時速220km。直線距離で飛べるので、救急車で1時間半かかるところを、ヘリコプターを使えば、12、13分で搬送できる」(大西氏)。

 しかも、患者搬送だけでなく、血液や医薬品、医師や医療従事者の搬送なども可能だ。「これまでの経験を生かし、初期およびランニングコストを抑える方法が分かった」(大西氏)ため、実現できた。ランニングコストだけを見ても、ドクターヘリは年間2億円以上だが、“スーパー診療所”の民間ヘリコプターは、5000万~6000万円にとどまるという。

 若手医師の研修の場として幅広く展開

  民間ヘリコプターを置く“スーパー診療所”自体は、クリニックを新設するか、既存の診療所を継承したり、後継者不在で廃院になった診療所を譲り受けるなど、幾つかの選択肢を考えている。「医師を診療所院長とすることはもちろん必要だが、NPO法人による複数の診療所運営が可能であることは、厚生労働省に確認済み」(大西氏)。

 “スーパー診療所”の運営には、診療報酬だけでなく、ピースウィンズ・ジャパンの活動経費も充てる。また周囲の診療所などと連携し、民間ヘリコプターなどはこれらの診療所も使えるようにする。

 それだけにとどまらない。何よりピースウィンズ・ジャパンの強みは、海外での活動実績。複数医師体制を取り、若手医師の研修の場とし、プライマリ・ケアは診療所で学び、国内外の災害現場や医療過疎地域などに赴き、医療支援も経験してもらう方針だ。神石高原には、長年、地域医療に従事した高齢の医師もいる。この医師に若手医師のメンターになってもらう計画もある。

 「論より証拠」、パイロットスタディーの成功目指す

 神石高原での取り組みのもう一つの柱は、教育。医師が過疎地域に赴任する際に、ネックとなるのが子供の教育だ。この点も、既に実績があり、地元中学校の近くで、寮を運営し、希望者には寮生活を送ってもらっている。ピースウィンズ・ジャパンのさまざまな人的ネットワークを生かし、英語のネイティブスピーカーをはじめ、各科目の講師を派遣し、寮の中学生向けに塾を開いている。大西氏は「学校教育だけでは限界がある。寮も、教育の場の一つ。塾の開校以来、成績が良くなったので、入寮の人気が高まった」とその成果を語る。塾は広く開放していくことを検討、さらに高校生向けには、海外の高校にも留学できる奨学金制度を作る予定もあるという。

 そのほか、病児保育やケア付きの高齢者住宅、医師に限らずさまざまな職種のIターンやUターン向けの、ログハウスや古民家を改装した住宅なども用意する予定だ。

 「政府がもし本気で人口のリバースを考えるのなら、皆が行きたいと考える“理想郷”を作らないといけない。例えば、東京に住むより、病気になった場合でも救命率や社会復帰率が高く、しかも医療費は安く済むことを証明することが必要」。こう語る大西氏は、「論より証拠」と語り、神石高原の”スーパー診療所”のパイロットケースの成功を目指す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/348197?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478370
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
「医療で経済成長可能」、1割満たず◆Vol.17
民間企業参入には、医療格差への懸念も

2015年8月29日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

Q.14 医療は経済成長に結びつくか。
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 Q14では、政府において、社会保障の公的支出削減部分を、民間企業に担ってもらい、「経済の成長への新エンジン」としたい考え方があることを踏まえて、「医療が経済成長に結び付くか」を聞いた。

 最も多かったのは、勤務医では、「どちらとも言えない」で38.5%となった。開業医で最多だったのは「結び付かない」で55.0%。医療による経済成長については、開業医より、勤務医の方が、比較的明るい見通しを持っている結果となった。

 ただ、「結び付く」としたのは、勤務医で11.2%、開業医で5.0%。臨床現場の期待が高いとは言えない結果。

 回答の理由について、任意で聞いた。主な意見は以下の通り。

【結び付く】
・ニーズは増えると思うが、国民の所得増が無いと難しいのでは。
・民間企業の新鮮な知恵が必要。
・消費ではなく投資と捉える。
・再生医療や再生医療を用いた新薬開発に期待。
・医療ツーリズムが発展する可能性がある。

【どちらとも言えない】
・民間では利益優先になりがちであるため、質の低下を招き、格差社会が医療で再現されると予想する。経済成長どころの話ではないと思う。
・医療は、進歩はあっても、生産性はない分野と考える。ただ今後グローバルな医療については検討課題であろう。
・医療を「金儲け」に使うことを極端に嫌う医療者が少なからずいるため。
・必要な受診の抑制につながらなければ良いが。
・なぜ経済成長が必要なのか?いつまで成長ばかり追い求めるのか?

【結びつかない】
・ハードウエアが良くなり、国際間格差が以前ほどなくなって、「日本優位」を言えなくなる。
・医療を経済的観点で全て行うと、格差拡大を助長して、短期的には経済的効果があるが、その後、悪化すると思う。
・生産性を高める行為でなければ、民間企業に肩代わりさせただけでは、後退はあり得ても、成長には結び付かない。
・これまでアメリカで実施された数々の民間企業参入も、医療費の削減にはつながっていない。
・医療に営利企業が参入すると、おそらく万人に均一な提供はできないと思われるし、介護保険の時と同じく利益追求にエスカレートする企業が多数出現すると思われる。経済成長とリンクする必要なし。
・医療全般は金が際限なくかかる。民間参入したとしても結局、税金の持ち出しが多くなる。
・医療と儲けとは相容れない。経済的格差があるように、医療も保険診療での範囲を決めて、医療にも格差を設けるか、腹腔鏡やナビを使う場合は私費の加算を設けること。救急ならば幾らでも健康保険診療ができるのは改めるべき。
・成長を促すには富裕層の数は限られている。選択肢を増やすに留まると思う。
・医療は消費するばかりだから、そこからの経済発展はない。その産業は発展するかもしれないが、使われる金は、大半は税金であり、金を生み出すわけではない。
・国の方針に対する強い不信感がある。
・医療は産業ではない。しかし、診療に付随する周辺産業・雇用には結び付くことは否定しない。
・営利企業に医療の継続はできない。
・医療は国家レベルでそもそも利益誘導できる性格のものではないと思うから。
・現状、公的病院を減らす方向にあるので、市場原理の導入は効率化に傾くが、その場合、災害時・緊急時の余力を奪うことになる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/352797?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478367
シリーズ: 改革進む医学教育
研究重視で総合診療医を養成◆三重大学Vol.1
地域医療講座の医師の研究「義務」

2015年8月29日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座(竹村洋典教授)は、地域医療を担う総合診療医の育成で有名だ。2011年に日本で初めて、地域の病院に医師を配置する寄付講座を設置して以降、県内外に人材を輩出している。臨床医と捉えられる総合診療医のイメージを越えて「日本発のエビデンスの構築」に向けて、総合診療の研究者を育てることに力を入れている。地域に設置した寄付講座の医師には研究を義務として課し、エビデンスの発信に注力する。竹村氏は、欧米のエビデンスをそのまま導入しがちな傾向に疑問を呈して、行政や総合診療医教育まで見据えて、エビデンスを発信したい考えだ。

医療提供幅狭いと、入院増加

 三重県亀山市の亀山市立医療センター。三重大学は地域医療の現場として寄付講座を置いている。総合診療科には、「三重大学助教」の肩書を持つ医師が常勤医として勤務し、前期研修医、後期研修医が研修を続けるほかに、三重大学の5年生や6年生が実習に訪れる。記者が同行取材したある日の病棟では、研修医が十二指腸潰瘍で歩けなくなった患者の所見を学生に確認してもらったあと、助教の医師が確認して、「関節が固くないので筋力の低下では」とアドバイスした。

 三重大の地域医療講座は、名張市や津市にも存在している。今では珍しくなくなった「地域医療講座」だが、三重大の特徴は、講座設置の目的の中に、「教育」に加えて、「研究」を入れている点だ。竹村教授は、「研究は義務」と言い切る。亀山市立医療センターにいる助教の医師も、臨床の現場に日々あたりながら、研究を続けていて、「次は運動をしている人と、していない人の間で、医療費に影響するのかを研究したい」と話した。

 「研究」を講座の1つの柱としてきただけに、竹村教授らの日本の医療環境についての成果は少なくない。医療の包括性を見た結果では、かかりつけ医の提供する医療の範囲が狭いほど、受診や入院、救急車利用の頻度が増加することやかかりつけ医にかかる期間については、年齢補正を入れると、受診や入院の頻度に影響がないことがわかった。最近では、高齢者の救急車の利用結果を分析して、3割以上が、「不適切」「利用が避けられた」可能性を指摘し、今年の「The Tohoku Journal of Experimental Medicine」誌に掲載された。

 また、講座では、白衣の下に着る服や履物、女性の髪の色といったものも、研究対象。「サンダルやスニーカーの場合、患者の満足度に影響を与えるかどうか」といったものなで研究テーマ」となる。1万4000人規模のコホート研究が実施されていて、総合診療医に関する研究が実施できる環境が整っている。2015年は8月までに既に6本の論文を英文誌に掲載している。

「米国や英国でなく、日本型」

 「総合診療のエビデンス」にこだわる理由は、竹村教授自身の体験が背景にある。2005年に京都で開かれた世界の家庭医の学術大会「WONCA」(主催:世界家庭医機構)の時の体験。当時、総合診療において、欧米の研究に基づいたエビデンスを示すことが一般的だった中で、元プレシデントのM. K. ラジャクマール氏は「欧米の知識ばかりを入れて面白いのか」「日本の素晴らしい医療の話を聞きに来たのに、日本人は他の国の話ばかりしている」と指摘された。自身も米国留学中に、総合診療医としての経験を積む中で、「患者を看ているだけでは物足りない」と感じた竹村氏は、日本から総合診療のエビデンスを発信する決意をして以来、科研費なども積極的に取得している。

 日本の医療制度は、国民皆保険体制で、医療機関はフリーアクセスとなっているなど、先進諸国には見られない特徴がある。総合診療医の理念の1つとして、「患者中心性」を掲げ、欧米のエビデンスをそのまま適用するのは難しいことが多い。竹村氏は「大学では、他の部門で夜中まで研究しているが、総合診療医も同じはず。われわれから、EBMの判断材料となるエビデンスを発信しないといけない」と言い切る。

 社会的な背景や国民性といったものも研究対象となる中で、「日本人が何を考えているか、どう行動するかをやらないといけない」とも述べ、エビデンスの適用の難しさを指摘している。「米国や英国でなく、日本型でないといけない」が信念で、総合診療医の育成方法や、コーチングまでも含めて研究対象となっている。

「学会もアカデミズム重視に」

 竹村氏は、研究の重要性を新しい専門医制度の観点からも重要と考えている。従来、学会が専門医の認定で成り立ってきた側面を指摘した上で、「今後アカデミズムが必要となる。その上で、分野に資するエビデンスを作る場にならないといけない」とする。

 医療費増加への風当たりが強い中で、行政サイドとのやりとりも見据え、同大学の人文学部との共同研究で、貧困の問題との関連も調べる研究もある。竹村氏は「行政の人に『総合診療医が良い』と言ってもわかってもらえない」と述べた上で、教育内容や総合診療医の重要性を説明するエビデンスを確立したい考え。「コスト削減とか地域偏在解消と言えばもっともらいしいが、本当かどうか実証していかないといけない」と述べていて、費用対効果の側面などからも、総合診療医の活躍の場が広がることに期待を示している。



http://www.m3.com/news/general/352753?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150829&dcf_doctor=true&mc.l=119478374
数値目標、企業に義務 女性活躍推進法が成立
2015年8月29日(土)配信 朝日新聞

 企業に女性登用を促す女性活躍推進法が28日、参院本会議で可決され、成立した。来年4月から、大企業を中心に、女性の管理職比率や採用比率の数値目標を含む「行動計画」づくりなどが義務づけられる。2026年3月末までの時限法だ。

 行動計画づくりが義務づけられるのは、常時雇用する従業員が301人以上の企業。採用者や管理職に占める女性の割合、勤続年数の男女差といった状況を把握し、改善点を分析した計画をつくる。管理職比率などの数値目標も盛り込む必要がある。さらに、女性比率や勤続年数差といった女性が職業を選ぶ際に役立つ情報は、定期的に公表させる。具体的な項目は今後、省令で定める。

 ただ、行動計画の未作成や数値目標の未達への罰則はない。また、パートやアルバイトについての取り組みが計画に組み込まれるとも限らない。狙い通りに女性登用が進むかは、企業の実行力にかかっている。

 法案は昨秋の臨時国会に提出されたが、同年の衆院解散・総選挙のため、いったん廃案になった。そのため、今通常国会に再提出されていた。


  1. 2015/08/30(日) 05:22:38|
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8月28日 

http://apital.asahi.com/article/news/2015082800018.html
東北薬科大の医学部設置、期待と課題
2015年8月28日 朝日新聞

 東北薬科大(仙台市)の来年4月の医学部設置にゴーサインが出た。文部科学省の審議会が27日、新設を認める答申を出した。地域医療の充実に期待が高まる一方、思惑通りにいくのか課題も多い。

 答申を受け、東北薬科大は27日夕、記者会見を開き、高柳元明学長は「東北地方の医療事情を改善するよう、医学部を充実・発展させていきたい」と述べた。来春、大学名を「東北医科薬科大」へと変える。

 医学部の定員は一学年100人。このうち55人程度は「地域枠」とする。

 入学金や在学中の授業料として、計2600万~3千万円を同大や東北各県が貸与。卒業後、10年前後は医師不足の地域で勤務することを義務づけ、これを果たせば返還が免除される。宮城県内で30人、他の5県で計25人程度となる見通しだ。

 6年間の学費3400万円のうち、自己負担は400万~800万円程度で済む。国立大学並みの費用で学べるようにし、地域医療に意欲的で優秀な学生を集める狙いだ。入試は、1次試験が来年2月1日、2次試験が同13日にある。

 医学部生は、薬学部がある仙台市青葉区小松島のキャンパスと、宮城野区福室の大学病院に隣接して設けられる教育研究棟と新病院棟で学ぶ。1期生は2018年度以降、福室キャンパスに通うことになる。

 教員は180人前後を予定し、仙台市内の同大と東北大から計107人を確保する。「医師不足を助長しかねない」との声に配慮し、他の東北5県からの採用は8人にとどめる。

 臨床実習にはベッド数が600床必要になるが、今の病院は466床しかない。このため同大は、仙台市若林区に199床を持つNTT東北病院を譲り受ける交渉を進めている。

 (森治文)

 ■教員採用、東北に偏り

 地域医療への影響には、なお不安がある。医学部を設置する大学に薬科大を選んだ文科省の構想審査会は、教員となる医師を東北地方から多く引き抜かないよう薬科大に求めていた。しかし採用が決まった174人のうち、134人は東北からの応募者だった。

 東北各県の大学医学部トップや医師会長ら12人は、今月20日にあった審査会の会合に先立ち、「地域医療崩壊に向かうことは必須」として、対応を検証するよう文書で要請。会合では「これ以上(東北からの採用に)傾くのは問題だ」などの指摘が出て、座長の遠藤久夫・学習院大教授は「全般的には適切だが、課題もある」と総括した。

 薬科大は27日の会見で、地域医療に悪影響を与えない応募者を選んだと説明。開学後に影響が出たと指摘されれば、調査して対応する方針を明らかにした。高柳学長は「(公募結果は)期待はずれだった。他大学の教員公募がだいたい終わった昨年11月に公募に参入したことが、応募者が少なかった原因だ」と話した。

 学費を貸す学生が宮城県内では30人いるのに、他の5県は各5人程度とされたことについても、12人は審査会に文書で「医師の新たな地域偏在が生じる可能性がある」と指摘した。

 高柳学長は「宮城の30人は、宮城県がお金を出している。このお金を他県(の学生)に使うのは容易ではない。他県でもできるだけ修学資金を用意してもらえないか、今後要請していく」と話した。

 (小宮山亮磨)
(朝日新聞 2015年8月28日掲載)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150828_13021.html
<新医学部>宮城県、110億円規模を補助
2015年08月28日金曜日 河北新報


 大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大(仙台市青葉区)への医学部新設を下村博文文部科学相に答申した。いったんは県立医学部設置構想を掲げながらとん挫した宮城県は、修学資金制度や新キャンパス整備に県費を拠出し、県内第二の医学部始動を支援する。

 2016年4月に「東北医科薬科大」と名称変更する薬科大への県の支援枠組みは図の通り。
 このうち修学資金制度は県と薬科大が、共同で資金を管理する一般社団法人を設立。県は法人経由で薬科大に対し、80億円程度を段階的に拠出する。
 薬科大は法人から資金提供を受け、医学生1人当たり6年間で総額3000万円を貸与する。医学生は卒業後に県が指定する医療機関に10年間勤務すれば返済が免除され、免除分は勤務先の医療機関が負担する。
 原資の拠出方法、期間などは今後詰める。県は県議会11月定例会以降に予算化していく。
 新キャンパス整備への補助は総額30億円。県は本年度当初予算で10億円を計上し、残りの支出についても債務負担行為を設定した。
 医学部新設をめぐっては昨年5月末、急きょ村井嘉浩知事が県立での医学部設置構想を表明。8月末に文科省の構想審査会が新医学部の設置先として薬科大を選定し、県立の「宮城大医学部」は選外となった。
 県医師確保対策室は「県立医学部が実現できなかったのは残念だが、東北の医師不足解消といった県が掲げた理念の相当部分は新医学部でも生きている。県の支援は応分の負担と考える」と話した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150828_13015.html
<新医学部>理事長、卒業生の東北定着図る
2015年08月28日金曜日 河北新報

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 大学設置・学校法人審議会による医学部新設の認可答申を受けて東北薬科大(仙台市青葉区)は27日、高柳元明理事長らが記者会見に臨み、「卒業生が東北に定着し、地域医療、災害医療に貢献できるようにしたい」と語った。

 審査の過程では「カリキュラムの内容が不十分」と指摘を受けた。申請書の再提出を求められるなど、難産の末の認可答申となった。
 高柳氏は手厚い修学資金制度を新医学部の特徴に挙げ「経済的な理由で医学部を断念するような高校生に、ぜひ受験してほしい」と呼び掛けた。
 卒業生は一定期間、地域医療機関に勤務すると修学資金の返済が免除される。医学部長に就任予定の福田寛教授は「この間に地域医療に携わる充実感を味わってもらい、義務年限の終了後も東北に定着してほしい」と話した。
 東北6県の自治体や医療教育機関の代表でつくる薬科大教育運営協議会は、今後も年1回以上開催する。高柳氏は「地方の医療事情を改善しようと真剣に協議したのは、全国でも画期的だった」と振り返った。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150828_13013.html
<新医学部>東北の受験地図一変か
2015年08月28日金曜日 河北新報

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 37年ぶりに誕生する東北薬科大(仙台市青葉区)の新医学部は、東北の受験地図を塗り替えることになりそうだ。実質、国公立大並みの学費。今後、ライバル関係になりそうな岩手医大(盛岡市)。来春の受験シーズンをにらみ、受験業界が情報の収集と分析に駆け回っている。

 予想偏差値「67.5」。
 ことし6月、大手予備校の河合塾が模擬試験のデータに基づいて発表した新医学部の偏差値に受験業界が絶句した。「こんなに高いとは…」
 偏差値67.5は、全国に29ある既存の私大医学部でも自治医大、日本医大などと同じ上位6~12位のレベル。それだけ新医学部が注目されている証拠だ。
 やはり新医学部に熱い視線を注ぐ医師志望の予備校生三田充真さん(28)=宮城野区=は「奨学金がほかの私大医学部と比べて段違いに充実している。ここなら親に負担をかけずに済む」と話した。
 新医学部の修学資金制度は表の通り。A方式の場合、東北の病院に一定期間勤務すれば、学生の学費負担は6年間で400万円程度にとどまる。
 新医学部の1次試験は2月1日で、受験日が重なるのは久留米大(福岡)だけ。他校との併願が容易な点も新医学部人気の一因になっている。
 私大医学部は出題傾向にそれぞれ癖があり、大学ごとに対策が必要になる。新医学部は「過去問」がなく、受験生の間には「張った山が当たれば合格するかも」と希望的観測が流れているという。
 新医学部を迎え撃つ既存の私大医学部に目を転じると「これまで東北唯一の国公立大併願校だった岩手医大が新医学部を最も脅威に感じている」と東北医学受験ゼミナール(青葉区)は分析。ここでも手厚い修学資金制度が威力を発揮するとの見立てだ。
 ただ、岩手県内には「新医学部人気は、岩手医大を志望する地元の受験生にとって、入りやすくなるため好都合」(盛岡中央ゼミナール)との見方もある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/352207?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150828&dcf_doctor=true&mc.l=119241880
シリーズ: 医師不足への処方せん
「東北医科薬科大学」、来春誕生
医学部新設は37年ぶり、高柳理事長「大変身が引き締まる思い」

2015年8月28日(金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北薬科大学は8月27日、2016年4月の医学部設置認可が内示されたことを受け、記者会見を開き、同大理事長・学長の高柳元明氏は、「大変身が引き締まる思い」との思いを述べるとともに、「ようやく医学部新設の出発点に立ったということ。円滑に立ち上げ、どのように発展、充実させていくか、これからの努力が問われる」と決意を新たにした。同日付で、文部科学省の「大学設置・学校法人審議会」は、同大の医学部設置を認めるよう下村博文文科相に答申した(資料は、文科省のホームページ)。正式認可は8月31日の予定。

 医学部新設は、1979年に設置が認められた琉球大学以来、37年ぶり。全国で81番目の医学部の誕生となる。東北薬科大学は今後、医学部新設に向け、受験生への説明会や、9月中旬には採用予定の教員を集めて医学部の趣旨説明会を開くなどなど、急ピッチで準備を進める。「地域医療に貢献するという、熱い思いを持った受験生を全国から集めたい」(高柳理事長)。来年4月の時点で大学の名称も、「東北医科薬科大学」に変更する。医学部長には、元東北大学加齢医学研究所教授で、東北薬科大学放射線核医学講座教授の福田寛氏が就任予定だ。

 同大医学部は、地域医療や災害医療に対応できる、幅広い臨床能力を持つ総合診療医の養成を通じて、東日本大震災後の復旧・復興への貢献を目指す。医学部の入学定員は100人、うち55人が修学資金を利用する入学枠とし、宮城県を中心に東北6県の病院で、医学部1年次から実習するカリキュラムを組み、卒業生の東北地方への定着を図る。

 174人の採用予定教員(2015年6月末現在)のうち、東北大学関係者が64人、37%を占める。「東北大学とは、性質が全く違う。研究ではなく、地域医療に貢献する人材を養成する医学部設置の要請があったために、手を上げた」と語る高柳理事長は、「第二の東北大学、という指摘は当たらない」と批判をかわした。

 当初予定より1年遅れながらも実現

 東北薬科大学は、1939年の開校。東北・北海道地区では最初に薬学部を開設した大学だ。医学部新設に向けた動きを公にしたのは、2013年10月。当初は2015年4月の新設を目指していたが、1年遅れながらも実現にこぎつけた(『「東北医科薬科大学」、2015年4月の実現目指す』を参照)。

 高柳理事長は、「薬剤師養成の長年の実績を持つ上、被災地にある本学にとって、医学部新設は本学が果たすべき重要な使命だと考え、取り組んできた。医療過疎や医療崩壊の現状を踏まえ、また被災地の復旧・復興の核となる医学部を作り、東北地方の医療を将来にわたって担う人材養成が、新しい医学部の使命だと考えている」と抱負を語った。

 東北地方の医学部新設は、復興庁・文部科学省・厚生労働省の3省庁の合意で、2013年12月に「東北地方に1カ所に限り、医学部新設を認める」という方針が決定(『医学部新設方針、関係3省庁が合意』を参照)。その後、公募が行われ、東北薬科大学のほか、宮城県、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)が手を上げた。文科省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」での議論で、地域医療に支障を来さないように教員を採用するなど、「7つの条件」を満たすことを前提に、東北薬科大学が候補に選ばれた。それが1年前の2014年8月末のことだ(『東北薬科大、医学部新設の“第一関門突破”』を参照)。

 以降、東北各県の関係者との協議の場である「教育運営協議会」において、「7つの条件」の対応状況を説明しながら準備を進め、今年3月の構想審査会で医学部新設の設置認可申請が認められた(『東北薬科大、医学部新設の“第二関門突破”』を参照)。東北薬科大学は3月31日に設置認可申請を行い、大学設置審の審査を踏まえた補正申請書を6月30日に提出した。

 高柳理事長は、「多くの関係者の協力があって、ここまで来たという思いだ。構想審査会で選定されたのは、1年前の8月の末。その後、『7つの条件』を満たすことを考えながら、教員の選考、制度設計、施設設備の整備計画など、大学設置基準に合致するための検討を進めた」と振り返り、この1年の間に急ピッチで準備を進めたことを説明。

 「医学部新設は、教育研究棟や附属病院の整備、施設規模、財政負担、社会的影響などを考えると、他の学部の新設とは、比較できない大事業であると感じている。総力を挙げて、この事業に取り組んでいきたい。社会から、『新しい医学部ができて良かった』と言われるようにしたい」(高柳理事長)。

 大学設置審の指摘事項、主に二つ

 大学設置審は、大学設置基準への適合状況、学校法人の経営状況などについて、面接審査や実地審査を含め、多岐にわたる審査を行った。その中で、主な指摘事項は二つ。一つは、医学部の“2023年問題”に、新設当初から対応するなどカリキュラムの問題、もう一つは、大学附属病院の問題だ。これらのほか、卒業生の地域定着策について、大学設置審の答申に「留意事項」が付された。

 医学部の“2023年問題”とは、2023年までに「国際的な認証評価」の基準を満たすよう改革が求められる、日本の医学部が抱える共通の課題だ(『「JACME」、全80大学が参加し今秋発足』を参照)。臨床実習は72週以上が必要なほか、教育を評価する体制を組み込み、教育内容の継続的改良が求められるなど、さまざまな評価項目がある。トライアルなどの形で評価を受けたのは、まだ6大学。

 「医学教育のグローバルスタンダードに最初から対応するよう求められたのが、一番の指摘事項。3月の申請の時点でも、この視点を当然ながら盛り込んでいたが、不十分だとされ、6月に補正して申請書を提出した」(福田氏)。

 もう一つの指摘事項、大学附属病院は600床が基準とされるが、東北薬科大学病院(仙台市宮城野区)は466床。このため現在、NTT東北病院(仙台市青葉区、199床)の取得に向け、交渉を進めている。「交渉はほぼ最終段階に入っている」(東北薬科大学事務局長の堀田徹氏)。東北薬科大学病院に隣接する敷地に、教育研究棟の建設を進めており、新病院は新4年生が臨床実習を始める2019年までに完成させる予定。

 卒業生の地域定着策と地域医療への影響が課題

 東北薬科大学の新設医学部の特徴は、東北6県に医学生の教育の拠点として「地域医療ネットワーク病院」を置くなどして、医学部1年生から繰り返し、各地域で実習を行う点。

 さらに55人という枠で、修学資金制度を設け、卒業生に東北地方に定着してもらうことを目指す。6年間の学費は、3400万円。うち最大3000万円の修学資金が受けられ、義務年限(修学資金のタイプに応じて10~12年間など)を果たせば、返済免除となる。「経済的な事情から、医学部進学を断念していた高校生に、この資金を活用して、ぜひ入学してもらいたい」(高柳氏)。

 もっとも、この修学資金を活用した卒業生の地域定着策の実効性と、教員採用に伴い、医師の引き揚げが起きることによる地域医療への影響を懸念する声は、「教育運営協議会」で最後まで消えなかった(『「不十分な対応、検証を」東北薬科大学の医学部新設』を参照)。会見でも、これらに関連する質問が出た。

 修学資金制度は、資金を出す各県と、学生教育や卒業生の受け入れを担う各地域の病院の協力なくしては、成り立たない。高柳氏は27日の会見で、「(宮城県以外の)東北5県との連携は、当初はスムーズではなかったが、本学の趣旨を説明することによって、各県とも大分協力的になった」と述べた。その上で、東北6県の各大学、各自治体、医師会が参加する「教育運営協議会」について、「三者が集まり、地域医療や医師の偏在の問題などを真剣に協議したのは、全国的にも例がないだろう」と説明、今後も少なくとも年に1回開催していく予定だという。また地域医療への影響については、教員が東北薬科大学に着任した後の後任の補充は、開学後すぐに調査するとともに、何らかの具体的事例があった場合に調査をするなどして、対応していく方針。



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http://mainichi.jp/edu/news/20150828ddlk40100497000c.html
キッズツアー:医療機関の仕事、児童が模擬体験 飯塚病院 /福岡
毎日新聞 2015年08月28日 地方版

 小学生が医師や看護師など医療機関の仕事を模擬体験する「キッズツアー」が27日、飯塚市芳雄町の飯塚病院(増本陽秀院長、1116床)であった。29人が白衣姿になり、医療機器の操作や心肺蘇生法などを学んだ。

 2010年に始まり6回目。低学年、高学年3班ずつに分かれ、医療機器訓練施設「スキルラボ」での腹腔鏡(ふくくうきょう)トレーニング機器の操作▽薬剤部での模擬薬剤の調合や分包▽ME(臨床工学技士)センターでの心拍数測定−−などを体験。心肺蘇生体験のコーナーでは、模型で心臓の仕組みについて説明を受けた後、人形を使って心臓マッサージのやり方やAED(自動体外式除細動器)の使用法なども学んだ。

 直方市立福地小4年の平山千畝(ちうね)君(9)は「腹腔鏡は思ったより力が要った。集中するのも大変だったけど、慣れたら上手に動かせて楽しかった」と話した。【平山千里】

〔筑豊版〕



http://www.m3.com/news/iryoishin/352432
シリーズ: 地域医療構想
医師数報告見送り、病床機能報告で、本年度
報告督促やデータ訂正依頼は実施へ

2015年8月28日(金)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が8月27日に開かれた。10月から実施する2回目の病床機能報告における医師数報告は、前回の議論を経て見送りとなり、今後の追加項目を検討することとなった(『医師数の報告追加に異議、病床機能報告制度』を参照)。今回から、未提出の医療機関への督促や、明らかなデータの誤りの訂正を求めることを実施することが決まった。また、今後の活用方法についての議論があり、データが集積した結果として、慢性期医療で示されたような、構想区域別の入院受療率の“中央値”の考え方が、急性期医療の議論の中で出てくることを懸念する声もあった。

特定機能病院、報告で申し合わせ?

 医師数報告は除外されたものの、2回目の報告においては、1回目といくつかの点を変更する。1点目は未報告の医療機関に関する対応。医療法上は、命令を受けても未報告の医療機関は都道府県知事が公表できることになっているが、今回は命令の前に「督促」を実施して、報告率の上昇を目指す。ペナルティを伴うことは実施しない。

 2点目は、「間違いと考えられる報告への対応」。救命救急入院料やICUを算定しているにもかかわらず、「回復期」「慢性期」と報告する医療機関など、明確な誤りと考えられる場合には、連絡を取り、修正を求める。厚労省の担当者は「最終的には院長の判断になるが、うっかりミスもあると考えられるため連絡を取る」と述べた。

 また、「回復期リハビリテーション病棟だけが該当する」との誤解から、実際の回答数が減ったとみられる「回復期」への注釈や、特定機能病院に対して「全てが高度急性期にならないと考えられる」ことなどをマニュアルなどに追加し、注意を促す。10月にデータの提出の受付を始め、期限は10月末。12月11日ごろが、確認用データの修正・追加期限で、2016年2月ごろから結果の公表を始める。

 特定機能病院に対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「大学病院の本院は全て高度急性期として出す申し合わせがあったと聞いている」とした上で、病棟ごとに適切な選択につなげるように求めた。日本病院会副会長の相沢孝夫氏は、特定の県の名前を避けたものの、「地域の中核病院が全て高度急性期で合わせたことがあった」と述べ、実態とのかい離を修正する方法を考えるように求めた。


病床機能報告「定量的な視点を」

 今後の検討事項についても議論が出た。日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、DPCデータに、病棟コードが追加された場合、医療機関の報告と関係なく、提供する医療が明らかになる点を指摘した上で、今後の対応を質した。厚労省大臣官房審議官の吉田学氏は、DPCにおける病棟コード記載は、あくまで義務ではなく、加算のインセンティブである点を指摘した上で、「病床機能報告とは直接はつながらない」と述べた。ただ、今後データが出てきた時点で、利用方法を検討したい考えを示した。中川氏は、法律において病床機能報告のデータが、医療機関の連携推進にしか使えない点に釘を刺した。日本医療法人協会会長の加納繁照氏は、今後データが集積する結果として、「慢性期のように中央値といった考え方になるかもしれず、推移を見守らないといけない」と指摘した。

 データの積極的な活用を訴えたのは、慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏。“分化”について、医療機関ごとに機能が分化していく意味であるとの考え方を示した上で、「今年度(の報告項目で)は、うまく分化できるというほどでもない。来年度以降、(本来の)分化にどのようにつながるかの検討を進めるべき」と述べ、定量的な視点を導入するように求めたほか、現在報告している情報も、可能な限り機能分化に役立つように検討すべきとの考え方を示した。

 健康保険組合連合会理事の本多伸行氏は、都道府県が現状で公開しているデータが、患者にとって、活用しにくい状況であることから、「リハビリテーションやハイリスク分娩などの項目で検索できるようにしてほしい」と述べ、患者視点からの活用策検討を求めた。

 また病床のばらつきについて聞いたのは、東京都奥多摩町保険課長の清水信行氏。東京都内の二次医療圏においても高度急性期の多いところとそうでないところがある点を指摘して、調整方法を聞いた。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「私たちがどうこうすべきと言わない方が良い」と述べ、地域ごとの自主的な調整に期待を示した。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=47072
高校生が医師の仕事体験
豊橋市民病院で県内初の試み/医師不足解消のキャリア教育としても注目

2015/08/29 東日新聞

 将来医師を目指す高校生たちが28日、豊橋市民病院で医療機器などを使って医師の仕事を体験した。同病院によると、公募で高校生に医療現場を見学する機会を提供するのは県内初の試み。地方の医師不足解消に向けたキャリア教育として注目される。

 参加したのは、公立からは時習館高の12人を筆頭に、豊橋東高2人、豊丘高と岡崎高の各1人、私立では桜丘高と東海高(名古屋市)から各1人。

 白衣を着た高校生たちは、医局や集中治療室、救急外来などを見学した。放射線技術室では、人体を3次元画像で調べるCTの仕組みを学び、精密な人体模型を使って超音波で体内の様子を診察する腹部エコーの操作を実体験。血管に見立てたチューブに特殊なワイヤーなどを挿入して、血管の治療も模擬体験した。

 時習館高校2年の清水咲良さんは「普段は見られないところも見学でき、病院の雰囲気を体感できた。今日のことを思い出しながら、医学部を目指して勉強を頑張りたい」と表情を引き締めた。

 同病院によると、全国の傾向と同じく東三河でも慢性的な医師不足に悩まされている。高校生の感想で聞かれたように、医療現場を間近に見た経験が医師を志す上でより励みになっているのなら、キャリア教育として有効と言えそうだ。

 同病院では今回の企画の内容を改善し、次回の開催につなげたいとしている。



http://www.asahi.com/articles/ASH8W5FM6H8WULFA01T.html
国立大病院、初の赤字84億円 消費増税が影響 昨年度
高谷秀男
2015年8月28日09時11分 朝日新聞

病院なども仕入れ時に消費税を払っている
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 全国43の国立大学付属病院の2014年度決算が合算で84億円の赤字となった。赤字は04年度の国立大学法人移行後、初めて。消費税率が8%に上がり、病院が仕入れる物品や設備にかかる税負担が増えたことが主な理由だという。

 国立大学付属病院長会議が集計した。病院別の収支は示していない。43病院の医療収入は計9760億円、交付金も含めた総収入は1兆1千億円で、支出が1兆1084億円だった。消費税負担が重荷になる設備・備品の購入額は前年度より計87億円、34%減らしており、会議の委員長の山本修一・千葉大病院長は「最先端医療という大学病院の役割に重大な影響を及ぼす」と話している。

 公的保険による医療・介護サービスは非課税扱いだが、病院が仕入れる物品などには消費税がかかる。政府は、増税時に診療報酬や介護報酬を引き上げて穴埋めする措置をとってきた。だが、受診時にかかる初診料や再診料を中心に引き上げたため、物品調達が多い大病院ほど負担増の穴を埋めきれていない。

 病院長会議の試算では、診療報酬の増税対応分は43病院で計117億円あったが、光熱費や消耗品を含む消費税の支払いは171億円増え、差し引き54億円の損になった。一方、私立大医学部でつくる日本私立医科大学協会の試算では、傘下28大学の病院で増税による差し引きの負担増は少なくとも計56億円にのぼる。協会の消費税問題担当である明石勝也・聖マリアンナ医科大学理事長は「私立の医大は病院の黒字を教育に回して成り立っている。国立よりも深刻な問題だ」と話している。(高谷秀男)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150828/CK2015082802000161.html
【茨城】
筑西・桜川 病院再編整備推進協 11月までに基本計画

2015年8月28日 東京新聞

 筑西市と桜川市の病院の再編と統合を話し合う再編整備推進協議会が二十六日夜、筑西市で開かれ、新中核病院と桜川市立病院の医療機能や病床規模など、全体像を示した基本構想を了承した。十一月下旬までに、診療科目など具体的な内容を盛り込んだ基本計画を策定する方針。
 基本計画の策定に向けて、協議会内に建設委員会と作業部会を設けることになった。メンバーには両病院や地元医師会の医師などが入る。
 また、急性期医療を担う新中核病院の整備で、協議会で早急にリーダーの選定を求める声が上がっていたため、自治医科大や筑波大の付属病院と連携して理事長、新病院長の人選を進めることになった。 (原田拓哉)



http://www.m3.com/news/general/352539?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150828&dcf_doctor=true&mc.l=119241886
病院職員の2割「やった」 宮城・大崎市民病院の電子カルテ不正閲覧問題
2015年8月28日(金)配信 河北新報

 大崎市民病院(宮城県大崎市)で入院患者の電子カルテが不正閲覧された問題で、同病院が実施した「個人情報の取り扱いに関する職員意識調査」の結果が27日、市議会民生常任委員会に提出された。それによると、回答した職員の約20%が業務と無関係に患者の電子カルテや関係文書を閲覧したことがあり、院外に個人情報を漏らしたケースもあった。

 調査は7月29日~8月20日の間、医療事務や清掃などの委託職員を含む全職員を対象に無記名で行い、1681人(99.12%)から回答を得た。

 回答者の98.8%(1660人)が個人情報の取り扱いに注意が必要との意識を「持っている」としたものの、20.3%(341人)が業務と関係ない個人情報を閲覧したことが「ある」と答え、意識と実態のずれが浮き彫りになった。

 さらに3.0%(50人)は、院内で知った患者の病状や来院状況を家族や知人に話したことが「ある」と回答。一部の個人情報が外部に漏れていた。

 また、16.8%(282人)が、他の職員が業務と無関係に個人情報を閲覧しているのを見たことが「ある」と答えたが、うち「本人に注意した」と「上司に報告した」は、それぞれ34人と9人にとどまった。

 結果について、病院側は「個人情報保護への注意喚起などが実際の行動に結びつかず、不正を見聞きしても注意しにくい職場風土がある」などと分析。対応策としてアクセス制限などのシステムの見直しとともに研修の実施などを挙げた。

 委員会で市の阿部健雄病院事業管理者は「医療現場に安全文化を根付かせるのが大事」と話し、今後、職員の意識変化を把握する追跡調査も実施する。



http://www.m3.com/news/general/352499?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150828&dcf_doctor=true&mc.l=119242038
岐阜、新生男児死亡:遺族と市民病院が和解 中津川 /
2015年8月28日(金)配信 毎日新聞社

 中津川市民病院での出産を巡り、死亡した乳児の遺族が病院を相手取り損害賠償を求めていた訴訟について、同病院は27日、病院側が賠償金300万円を支払うことで遺族側と和解したと発表した。

 同病院によると、2013年8月21日、胎児が異常な姿勢で産道に向かう状態で県内の女性が病院に搬送された。吸引・鉗子分娩(かんしぶんべん)の後、帝王切開したが、乳児は仮死状態で生まれた。深夜に心拍が低下したため、名古屋大医学部付属病院に緊急搬送したが22日朝、出血性ショックで死亡した。

 安藤秀男病院長は「医療過誤ではないが、搬送までに時間がかかり、措置にも時間がかかった」と話し、今後の対策について「医療レベルの向上に努め、高次医療機関との連携を進めたい」と話した。【小林哲夫】


  1. 2015/08/29(土) 06:49:20|
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8月27日 

http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20150827-OYTNT50412.html
東北薬科大医学部答申 「認可」医師定着に期待
2015年08月28日 河北新報

 ◆本県偏りに課題

 東日本大震災からの復興支援として、東北薬科大(仙台市)に医学部が新設されることになった。文部科学相の諮問機関が27日、設置を認可するよう答申した。卒業後、東北での勤務を条件にした奨学金制度を設けるなど、養成した医師の東北地方への定着に向け、被災地では期待が高まる。ただ、対象が本県に偏り、新たな地域偏在を生みかねないといった課題も残る。

 「医学部の設置が認められ、身が引き締まる思いだ。これからの努力が問われる」

 東北薬科大の高柳元明学長は27日夜、学内で開いた記者会見で、そう語った。

 大学名を東北医科薬科大に改称し、2016年4月に開設する。今後は説明会を開くなど新設医学部の教育内容などを周知する。

 高柳学長は記者会見で、薬科大の大きな特色として、奨学金と「地域医療ネットワーク病院」を挙げた。

 奨学金は入学定員100人のうち、55人が対象となる。6年間の学費は入学金も含めて3400万円だが、定員35人に3000万円、定員20人に2600万円以上を貸し付ける。

 いずれも東北の医療機関で一定期間勤務することが条件となる。本県の対象は30人で、県は原資として、約80億円を段階的に拠出する方針だ。高柳学長は「経済的な問題から医学部への進学を断念していた高校生は少なくない。そういう人に入学してもらい、医師として東北に残ってほしい」と力を込めた。

 ネットワーク病院は、学生が臨床実習をするなど教育の拠点となる医療機関。 本県では気仙沼市立病院、石巻赤十字病院など9病院、東北5県では2か所ずつの計10病院と連携する。

 ただ、奨学金を貸与される半数以上は本県枠で、関係者からは、新たな医師の地域偏在が生まれる可能性も指摘されている。この点について、薬科大の堀田徹理事は「奨学金はこれが最終形ではない。地域偏在と言われないようにしたい」と述べた。

 ◆新設に歓迎の声「高齢者安心できる」

 東北薬科大への医学部新設が決まり、県内からは歓迎の声が上がった。

 東日本大震災の津波で全壊した公立志津川病院(南三陸町)は町内の仮設診療所などで診察している。高血圧などの治療で通院する阿部綾雄さん(87)は「高齢者が多くなっている南三陸のようなところにお医者さんが来てくれると安心できる」と期待を寄せる。医師不足で東北大から内科医を4か月交代で3人ずつ派遣してもらっており、同院の担当者も「できれば自前で確保したい。医学部新設は前向きに捉えたい」。石巻市で在宅診療に当たる医師の佐藤保生さん(67)は「医師不足は深刻。地域に根ざした医師を育成してほしい」と注文を付けた。

 医学部を志望する高校生にとっても期待は大きい。

 仙台二華高1年の畑中海斗さん(15)は被災地の力になりたいと医師を目指している。「様々な診療科を診られる総合診療医を育てるカリキュラムが魅力。大きな選択肢の一つになった」と喜ぶ。

 難関大学専門の進学塾「Y―SAPIX(ワイサピックス)」(本部・東京)の事業本部長・奥村直生さん(54)は「薬科大は奨学金が充実している。首都圏の学生も関心を寄せるのでは」と話す。

 ただ、多くの医師が教員として薬科大に移ることで地域医療の崩壊を危惧する声もある。県医師会の嘉数かかず研二会長は「医師や看護師の引き抜きで、地域医療に支障が出ないかなど国や県も見守る必要がある」と指摘している。



http://jp.wsj.com/articles/JJ12462065554762113810016765474902587057460
東北薬科大医学部を認可=新設は37年ぶり—設置審
2015 年 8 月 27 日 20:14 JST 更新 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大(仙台市)の医学部新設を認めるよう、下村博文文部科学相に答申した。医学部の新設は1979年の琉球大以来で37年ぶりとなる。入学定員は100人で、2016年4月の開設と同時に、名称を東北医科薬科大に改める。

 医師の質確保などの観点から、医学部の新設は原則として認められていないが、文科省は13年、東日本大震災の復興支援と医師不足解消のため、東北地方で1校限りの特例を認める方針を決定。3校が応募し、東北薬科大が選ばれていた。

 同大の高柳元明理事長は記者会見し、「ようやく出発点に立った。東北の医療を担う医学部を円滑に立ち上げ、どのように発展・充実させていくか、これからの努力が問われる」と語った。

 医学部を持つ大学は80校となる。設置審は認可に当たり、地域への医師定着など目的の順守や付属病院の人員確保などの留意事項を挙げ、同省は指摘事項が守られているか定期的に点検する。 

[時事通信社]



http://www.sankei.com/life/news/150827/lif1508270021-n1.html
東北薬科大で「医学部新設」認可へ 琉球大以来37年ぶり 文科省審議会が答申
2015.8.27 19:24 産経ニュース

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大学(仙台市)が来春の開設を目指し認可申請していた医学部について、大学設置基準などに適合するとして、下村博文文科相に新設を認めるよう答申した。医学部設置は昭和54年の琉球大(沖縄県)以来37年ぶり。同大学は「東北医科薬科大学」と改称し、東北地方に7大学目の医師養成の拠点が誕生する。

 政府は昭和57年以降、医師の供給過剰への懸念などから医学部新設を制限しているが、今回は東日本大震災に襲われた東北地方の復興促進の観点から特例として認めた。そのため、審査結果に多くの留意事項が設けられたのが特徴的だ。

 答申によると、地域への医師定着や復興支援といった本来の目的の順守▽教育や診療に従事する医師数の確保▽地域の要望を踏まえた病院の特色づくり-など留意事項は13項目に上り、文科省は開設後に各項目の履行状況を調査するとしている。

 同審議会で医学部設置の可否が審査されるのは37年ぶりだったため、特別審査会が設けられ、書類だけでなく実地調査などより慎重な審査が行われた。

 同大学は現在、医学部付属病院に必要とされる病床数を確保するため、NTT東日本東北病院(仙台市)と譲渡交渉などを進めている。

 同審議会は27日付で、同大学を含む公私立の大学・大学院・短大で計46件の学部や学科、研究科などの設置を「可」と答申した。



http://digital.asahi.com/articles/ASH8W2HGCH8WUTIL004.html
東北薬科大の医学部新設を承認 被災地医療充実で特例
高浜行人2015年8月28日00時42分 朝日新聞デジタル 宮城

 東北薬科大(仙台市)の医学部新設について、文部科学相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」は27日、設置を認める答申を出した。計画通り、2016年度に大学名を「東北医科薬科大」に変えてスタートする。大学の医学部新設は1979年の琉球大以来37年ぶり、80校目。

 政府は医師の過剰供給を防ぐため医学部の設置を認めてこなかった。だが、東日本大震災の被災地医療の充実などのため、東北地方に1校に限り認めると13年に表明。昨年8月、応募した3団体から東北薬科大を選んだ。

 同審議会は「地域への医師定着」や「必要な科目への専任教員の配置」などを留意事項としてあげており、東北薬科大は来年4月の開設以降、こうした点に配慮した運営が求められる。文科省も問題がないかチェックし、不十分なら改善を求める。

 審議会の佐藤東洋士・大学設置分科会長は「東北地方での医師の定着という社会からの期待に応えるため、地域の行政や医療機関と連携を深めることが不可欠」とコメントした。

 答申では医学部を含め、私立大15校の学部設置と、私立大2校の大学院の設置が認められた。滋慶大(大阪市)の新設など公私立3校が認可申請を取り下げ、私立7校が保留とされた。ほかに新設されるのは次の通り。(高浜行人)

 【学部】宮城学院女子・現代ビジネス▽学習院・国際社会科▽大正・地域創生▽金沢星稜・人文▽健康科学・看護▽山梨学院・スポーツ科▽修文・看護▽大阪経済法科・国際▽関西福祉科学・教育▽大和・政治経済▽大手前・健康栄養▽姫路独協・看護▽岡山理科・教育▽環太平洋・経営

 【大学院】横浜創英大▽岐阜医療科学大


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https://www.m3.com/news/iryoishin/352046?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150827&dcf_doctor=true&mc.l=119040011
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「後発品の80%目標、本当にいいのか」、日医中川氏
後発品の供給体制に懸念、使用促進で業績も悪化

2015年8月27日(木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)は8月26日、2016年度薬価制度改正に向けて、日本製薬団体連合会をはじめ、3つの製薬団体へのヒアリングを実施した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。

 後発医薬品の急激な使用促進が供給にも支障を来しかねないことなどから、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「80%という目標が国民のために本当にいいのかを検討する必要がある」と発言、後発医薬品への急激な置き換えに慎重姿勢を示した。「後発医薬品の薬価が高いという印象をぬぐえない。後発医薬品と長期収載医薬品の薬価を下げ、急激な置き換えに対応するのが一つのやり方ではないか」(中川氏)。

 3団体の要望で共通していたのは、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」など、医薬品のイノベーション促進に向けた評価だ。そのほか、(1)当初予定よりも売上が上回った場合に薬価を引き下げる「市場拡大再算定」の撤廃、(2)2017年度の消費税率引き上げに伴う薬価改定時に、市場実勢価格に基づく薬価引き下げの見送り、(3)輸液など長期に使われるものの、薬価が低下し、採算割れしかねない基礎的医薬品の薬価の維持――などを求める意見が上がった。

 製薬団体がイノベーション促進評価を求めるのは、後発医薬品の使用促進が企業業績に影響が及んでいるからだ。日薬連が提示した、「2014年度国内医療用医薬品専業メーカー8社」の業績は、8社中6社が、対前年度比で営業利益はマイナスになった。日薬連会長の野木森雅郁氏は、「個々の企業によって事情は違う」と断りつつ、「長期収載品が、想定以上のスピードで後発医薬品に置き換わったことが、そのまま利益に影響している」と説明。「財政健全化と成長戦略の適切なバランスが必要」と訴え、「予測を超える後発医薬品使用の急速な進展は、研究開発への投資をはじめ、新薬メーカーの経営の予見性を損なう」とし、イノベーション促進につながる評価と、後発医薬品使用の「円滑で無理のない促進」を求めた。

 後発医薬品に関しては、政府がこの6月にまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2015」で、従来の使用目標が上方修正され、後発医薬品に係る数量シェアの目標値については、「2017年央に70%以上、2018年度から2020 年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする」とされた。

 「後発医薬品シェア80%、本当にいいのか」
 26日のヒアリング対象は、日薬連のほか、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)。

 3団体のプレゼンテーションの後の質疑応答で、後発医薬品について質問した一人が、中川氏。野木森氏の資料に「後発医薬品使用の急激な進展は、後発医薬品メーカーの製造体制に多大な負荷をかける」との一文があったことから、「仮に無理して量産すると、どんな問題が生じてくるのか」と質問。

 参考人として出席した、日本ジェネリック製薬協会会長の吉田逸郎氏は、「(後発医薬品のシェア)60%に対する供給体制でやってきた。今回は80%という目標が設定されたので、業界を挙げて必死に取り組んでいる」と述べ、具体的内容は次回以降の薬価専門部会で説明すると答えるにとどまった。

 この回答に対し、中川氏は、「品質などに支障が生じるのであれば、80%という目標の見直しを、業界を挙げて要望すべき。国民から見ると、医薬品の信頼性は、後発医薬品よりも長期収載品の方が極めて高いと思う。そうしたバランスの中で、80%という目標が国民のために本当にいいのかを検討する必要がある」との考えを述べた。さらに、「日本の後発医薬品の薬価は諸外国と比べて高いのか」とも問いかけ、野木森氏は、「一般的には日本の後発医薬品は高いとは言われているが、(制度の違いなどがあることから)ダイレクトに比較するのはむずかしい」と回答。吉田氏は、「われわれが知る限り、それ(日本の後発医薬品は高い)を的確に表しているデータは存在しない。海外の薬価と比較する場合には条件をそろえる必要があるが、一定の条件では必ずしもそうではない」と反論した。

 また健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、2014年度薬価改定で、後発医薬品の使用促進策として導入された「Z2」制度の影響について、質問した。「Z2」とは、後発医薬品が収載されてから5年以上が経過しても、後発医薬品のシェアが60%未満の長期収載品の薬価を引き下げるルール。

 野木森氏は、「その影響を検証するのは難しい」と回答。参考人として出席した日本製薬団体連合会会長の多田正世氏は、「制度に反対しているわけではないが、医薬品の性質上、置き換わりにくいものがある」と現状を説明。さらに、Z2は「後発医薬品のシェア60%」を前提に導入されたことから、「80%を目標にして後発医薬品の使用を進める中で、Z2の影響を検証の段階で見直すことも検討しなければいけない」ともコメント。もっとも、白川氏は、後発医薬品の使用促進が国としての方針のため、「長期収載医薬品で得てきた利益が減っていくのはやむを得ない」と述べ、2016年度薬価制度改正に向け、後発医薬品の使用促進をどう盛り込むかが焦点になるのは必至だ。

 費用対効果評価、「現行の保険償還前提に」
 そのほか、2016年度から試行的導入される医薬品の費用対効果評価についても、質問が出た。多田氏は、試行的導入は、現行の保険償還、あるいは薬価制度を前提にし、(1)医薬品のイノベーションの阻害につながらない、(2)患者の医薬品へのアクセスが制限されない、(3)ドラッグ・ラグの助長につながらない――の3点を満たす形で実行されるべきと主張した。

 「基礎的医薬品の薬価の維持」について、より詳しい説明を求める意見に対し、野木森氏は、「基礎的医薬品」は、「長年、医療の現場で使用され、かつ日常診療で頻回に使われる薬」であるとした上で、「頻回の改定を受けて、かなり薬価が下がってきている。過去に採算割れして、薬価引き上げを要求したこともあるが、また薬価が下がってしまう。一度、薬価の見直しを要望した医薬品については、その薬価を維持するなどの対応をしてもらいたい」と求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/352094?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150827&dcf_doctor=true&mc.l=119040012
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「患者目線の申出療養に」、意見相次ぐ
患者団体が意見書、委員も「患者が分かる」資料要求

 2015年8月27日(木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が8月26日に開かれ、2016年度に始まる患者申出療養制度について議論した。患者団体から「混合診療の原則禁止の再確認」「保険収載への道筋の明確化」などを求める意見書が提出されたほか、委員からも患者の目線で分かりやすい制度にすべきとの指摘があった(資料は厚労省のホームページ)。

 患者申出療養に関する議論は前回7月10日にスタート(『患者申出療養、来年度開始に向け検討開始』を参照)。実施可能な医療機関の範囲や審査期間、有害事象が発生した場合の責任の所在などが委員から課題として挙げられた。

 患者申出療養は、保険外併用療養制度の新たな仕組みで、患者からの申出を起点に、国内未承認医薬品等の使用や国内承認済みの医薬品等の適応外使用などを、保険適用の診療と併用できる。「患者の選択肢が増える」といった好意的な意見も一部あるものの、否定的な意見も根強い(『患者申出療養、実質は混合診療の自由化』)。

 厚労省は前回の意見を踏まえ、同制度を利用した医療は前例の有無に関わらず、臨床研究中核病院が単体、もしくは窓口機能を有する特定機能病院やかかりつけ医を含む身近な医療機関と連携して実施すると説明。また、患者申出療養が基本的に臨床研究として臨床研究計画に基づいて、臨床研究のスキームで実施されることや、保険収載に向け迅速に対応する方針などを改めて強調した。

 厚労省の説明に対し、「患者の視点」に関する質問が相次いだ。連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の花井十伍氏は「患者の声を(協議会で)聞いてみてもいいのではないか」と提案。連合総合政策局長の花井圭子氏は、有害事象が発生した場合に患者が全責任を負わないように、明確なルール作りが必要ではないかと指摘。厚労省は「先進医療と同水準の対応を考えている」と回答した。

 健康保険組合連合会副会長・専務理事の白川修二氏は、厚労省の説明について「提供する体制はすっきりしたが、『臨床研究のスキーム』と言われても患者側は分からない。患者側の責任はどこまでかなど、患者申出療養と言うからには患者の視点でまとめた資料が必要だ」と指摘。次回までに資料をまとめるよう厚労省に求めた。

 患者団体からの意見書は、「日本難病・疾病協議会」と「全国がん患者団体連合会(26の団体が賛同)」がそれぞれ提出。前者は混合診療の原則禁止の再確認、同制度の対象の限定、薬事承認と保険適用の道筋の明確化や高額負担の軽減策、インフォームド・コンセントの徹底などを要望し、審議が尽くせない場合は延期を検討するよう強く訴えた。

 後者は、同制度の導入により治療薬の薬事承認と保険適用が遅れることがないようにした上で、患者の利用しやすい制度にしてほしいと要望。同制度の導入に関わらず、安全で有効な治療薬が早期に使用できるための制度改正と救済策の検討が必要だとした。



http://www.m3.com/news/general/352073?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150827&dcf_doctor=true&mc.l=119040207
残業減らし女性の就労増を 成長力維持で労働経済白書
2015年8月27日(木)配信 共同通信社

 厚生労働省の2015年版「労働経済白書」の概要が26日、判明した。少子高齢化が進む中で労働力を確保して経済成長を維持するため、残業を少なくしたり、子育てする女性や高齢者の就労を増やしたりすることが必要だと掲げた。

 白書は「労働生産性と雇用・労働問題への対応」と題し、人口減少社会での働き方の在り方を分析した。9月中旬に発表される見通し。

 働き手を増やすため効率的な就労が求められると指摘し、企業が残業時間の抑制のほか、従業員への教育訓練に取り組むかどうかで、生産性に違いが生じていると紹介。訓練に積極的な企業では、同業他社と比べて生産性が勝っていると認識しており、売上高の増加につながっているとのデータを示した。

 また、働きたいと考えながら出産や育児のために職探しをあきらめている女性が多いとして、保育所定員を増やすほか長時間労働を抑制するといった子育てとの両立支援が重要だと強調した。



http://www.m3.com/news/general/352122?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150827&dcf_doctor=true&mc.l=119040202
刑務所医、民間兼業可能 フレックスタイム制も導入
2015年8月27日(木)配信 共同通信社

 刑務所や少年院などで働く国家公務員の常勤医「矯正医官」の不足解消を目指し、民間病院での兼業を可能とし、勤務にフレックスタイム制を導入することを盛り込んだ矯正医官兼業・勤務時間特例法が27日、衆院本会議で成立した。

 法務省によると、刑務所などの常勤医師の数は4月時点で定員328人のうち257人にとどまり、71人が欠員。常勤医師がいない施設もあり、近隣の医療機関に受刑者を搬送して対応する深刻な状況だ。

 人手不足の背景には、民間と比べ給与が少ないことや勤務時間が柔軟でないことなどが指摘されている。特例法では、法相の承認を得れば正規の勤務時間内でも民間病院での兼業を認められ、医療技術の維持や向上のため、外部の病院で症例研究などをしやすいように始業や終業の時刻を自ら決められるようにする。



http://www.asahi.com/articles/ASH8W52WCH8WUTIL01J.html
刑務所の医師不足、民間との兼業を容易に 特例法案可決
金子元希2015年8月27日23時10分 朝日新聞デジタル

矯正医官の定員と欠員の推移
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 刑務所などの矯正施設に勤める医師のなり手不足を解消するために、民間病院での兼業を認めやすくする特例法案が27日、衆院本会議で可決・成立した。刑務所外での経験を積む機会を増やし、人材を確保するのがねらい。近く公布され、年内にも施行される。

 矯正施設に勤める医師は「矯正医官」と呼ばれる国家公務員。兼業には首相と法相の「許可」が必要で、条件も厳しい。そこで、特例法では手続きを法相の「承認」に簡略化。施設の仕事に影響がない範囲で、民間の病院での診察などが柔軟にできるようになる。

 また、現行では勤務時間が平日の朝から夕方に固定されているが、特例法では新たにフレックスタイム制を導入。外部での研修にも参加しやすくする。

 今年4月時点での全国の矯正施設の常勤医は定員328人に対して257人で、欠員は2割にも及ぶ。患者が受刑者らに限られているため、医療技術を向上させるには不向きだったことなどから敬遠されていた。

 医師不足を受けて法務省が設けた有識者会議は昨年1月、「このままでは矯正医療は早晩崩壊する」と指摘。施設の医療機器が不十分なことや、研修や兼業に制約があることなどを問題点として挙げた。

 福島刑務所に6年間勤め、「塀の中の患者様」の著書がある若宮病院(山形市)の日向正光・精神科医長は「特例法の成立はある程度評価できるが、給与を民間と同水準にするなど、より具体的で踏み込んだ改革が必要だ」と指摘した。(金子元希)



http://www.m3.com/news/general/352109?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150827&dcf_doctor=true&mc.l=119040193
ファイザーに改善命令へ 副作用200例未報告 厚労省
2015年8月27日(木)配信 朝日新聞

 製薬大手ファイザー(東京都渋谷区)が医薬品の重い副作用約200例を国に報告していなかったとして、厚生労働省は、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき、同社に業務改善命令を出す方針を固めた。同社の弁明を聞いた上で、9月にも正式な処分を出す。同社には再発防止策の作成などを求める。

 関係者によると、ファイザーは重い副作用約200例を把握していたにもかかわらず、同法で定められた15~30日以内に国に報告していなかった。社内の安全管理担当部門に伝わっていなかったことなどが原因で、報告が5年以上遅れた例もあったとみられる。

 同社の社内調査で発覚し、厚労省に伝えていた。報告漏れのなかには、医療関係者に副作用情報などを伝える添付文書の改訂につながるようなケースはなかったという。

 同社広報部は「コメントは差し控える」としている。

 副作用の報告漏れをめぐっては今年2月、ノバルティスファーマが白血病治療薬などの重い副作用約3200例の報告を怠ったとして15日間の業務停止命令を受けた。



http://mainichi.jp/select/news/20150827k0000m040156000c.html
ファイザー:厚労省、改善命令へ 副作用報告遅れる
毎日新聞 2015年08月27日 09時10分

 製薬会社ファイザー(東京都渋谷区)が製造・販売する医療用医薬品で副作用が出たのに、国への報告が遅れたとして、厚生労働省は医薬品医療機器法(旧薬事法)違反で同社に業務改善命令を出す方針を固めた。報告遅れは約210件に上り、6年半にわたって未報告だったケースもあったという。厚労省は既に処分案を同社に通知しており、弁明を聞いて9月に最終的な処分を出す方針。

 関係者によると、同社では遅くとも2008年ごろから医薬品の副作用情報が安全管理の担当部署に報告されていないケースがあった。MR(医薬情報担当者)と医師らの面談記録を保存するシステムのコメント欄に書き込まれた副作用情報が見落とされたり、各地の営業所が医療機関から寄せられた副作用情報を認識していなかったりしたためという。

 同社は昨秋、社内調査で報告遅れの副作用情報がある可能性を把握し、今年2月に厚労省に報告した。その後の調査で、内部報告の仕方について記した手順書に不備があったことが判明し、厚労省は業務改善命令を出すことが必要と判断したとみられる。報告遅れによる新たな健康被害は確認されていないという。

 同社広報部は「現段階では何もコメントできない」としている。

 医薬品医療機器法は、死者が出るなどした重大な副作用は15日以内、死者や重い障害などが出る恐れがある副作用は30日以内に、厚労相に報告しなければならないと定める。副作用の報告義務違反では、製薬会社ノバルティスファーマが昨年7月と今年2月に厚労省の行政処分を受けている。【古関俊樹】



https://www.m3.com/news/iryoishin/352113?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150827&dcf_doctor=true&mc.l=119040017
シリーズ: 医療機関の消費税問題
10%引上時に解決を要望、消費税問題で日医
「時間的に可能」、2016年度税制改正要望

2015年8月27日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会は、2016年度の医療に関する税制要望をまとめ、8月26日に会見した(資料は、日医のホームページ)。医療機関の負担が問題となっている控除対象外消費税については、消費税率10%への引き上げタイミングの先送りを受けて、抜本的解決のタイミングを、昨年の「消費税率10%時」から「消費税率10%引き上げ時」に変えた。

 2015年度の要望の時点では、抜本的解決のタイミングについて「消費税率10%時」としていたが、安倍晋三首相が、2017年4月まで先送りすることを表明したことを受けた対応。「時間的に環境整備可能と考えた」(日医常任理事の今村定臣氏)という。

 ただ、実際の解決方法については、医療団体内で多様な意見があることから、「軽減税率等による課税取引に転換すること等」との表現のままで、具体的な方法を絞っていない。会見した今村常任理事は、「医療関係者の中でも立場ごとに相反があるのは事実。なるべく一本化するのが理想」としたものの、現時点で、医療団体間の調整をして、具体的な方法を絞った意見表明する意向がないことにも言及した。

 また、2017年4月からのさらなる先送りについて「現下の世界情勢を見ると、(2017年4月の引き上げ実施が)どうなるか分からず、予断を許さない」として、さらなる先送りの可能性も念頭にあることにも言及した。

 税制要望では、「勤務必要経費の上限額拡大」「地域医療確保のための医学生修学金等の返還免除益が給与所得として課税されないための措置」なども重点項目として盛り込まれている。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO91067590Y5A820C1EA1000/
社説・春秋
薬局の機能を高め医療の効率化進めよ

2015/8/28 日本経済新聞

 薬局や薬剤師のあり方が問われている。どのように患者の役に立っているかがわかりにくいことが大きな原因だ。医療の質や安全性を高め、膨張する医療費を抑えるといった役割を明確に担えるよう、制度の見直しや関係者の意識改革が求められる。

 患者が病院や診療所にかかったとき、薬については医師が書いた処方箋を外の薬局に持ち込んで受け取ることが多い。これを医薬分業という。薬の専門家である薬剤師が処方は適切かなどをチェックするためだ。

 しかし現実には飲みきれないほどの多種多量の薬を処方されて、かえって状態が悪化する患者や飲み残して効果が出なかったりする患者が相次いでいる。「処方箋通りに薬を出しているだけ」と見られても仕方がない状況だ。

 本来は必要なはずの患者の服薬歴の管理もせずに、調剤報酬だけは受け取っていたという不祥事なども発覚した。薬局改革が必要との認識は高まっている。

 厚生労働省はこの状況を踏まえて議論を始めている。改革の方向は「かかりつけ」機能の強化だ。

 方向は妥当だろう。患者が異なる疾患でそれぞれ別の医療機関を受診し、そのたびに別の薬局で薬を受け取っていては、その患者の服用薬の全体像を把握することは難しい。いつも利用する薬局を決め、そこに各医療機関が出す処方箋を持ち込むようにすれば、この問題は解決する。

 調剤する薬局が一つなら、医師と相談しながら重複して処方されている薬や飲み合わせの悪い薬を省くといった作業がしやすい。服薬しやすい工夫をし、飲み残しを減らすことも可能だろう。特に複数の病気を抱えることが多い高齢患者にこの機能は重要だ。価格の安い後発薬の利用も進めたい。

 薬局が地域の人に気軽に立ち寄れる健康相談所として活躍することも期待される。日々の健康づくりに貢献し、必要なときに受診を勧めるといった機能が発揮できれば医療の効率化にもつながる。

 かかりつけ薬局として選ばれるためには、患者にメリットを感じてもらう努力が必要だ。努力する薬局を評価するような調剤報酬の支払い方式を考えるべきだ。

 処方箋には病名の記載がないなど、薬剤師に患者情報が不足している問題も改善が必要だろう。患者の側でも、かかりつけ薬局を持つという意識を高めたい。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1508/1508065.html
【おススメ】女性医師がキャリアを続けられるヒント集
[2015年8月27日]MT Pro / Medical Tribune

 医師のキャリアは,おおよそ24歳で医師国家試験に合格し, 2年間の卒後臨床研修を経て,ようやく自身が進むべき診療科からスタートします。しかし女性医師の場合,出産や育児を機に就労率が低下してしまいます。

 こうしたライフイベントがあっても女性医師がキャリアを断念しなくてもすむにはどうしたらよいのでしょうか。産後も大学病院に復職し,奮闘しながらキャリアを伸ばす挑戦を続ける若手女性医師を紹介しました(関連記事)。産休を終えて復帰した女性医師は後に続く後輩女性医師のロールモデル。その立ち位置を意識しつつ,専門医取得という新たな目標を自分に課しています。ともすると,育児に手がかからなくなったら本格的に復帰すればよいと考えがちですが,それだと昇進・昇格とは縁遠くなる「マミートラック」に陥ってしまうそうです(関連記事)。

 ところで,キャリアをアップさせる方法には「山登り型」と「川下り型」があるそうです(関連記事)。後者は,時々の環境に柔軟に対応し,軌道修正しながら,そこで成長していくという考え方。川の先には大海が確かに開けています。

「困難への対処法の習得」もキャリア継続には大事なスキルです。大学医学部・医科大学で教授・准教授を務める女性医師に共通していたのは,困難に遭遇しても楽天的に臨む姿勢でした(関連記事)。

[シリーズ 少子化最前線-産科医療の今](3)「育児中も常勤」にとどまらない,ステップアップ目指す働き方
[シリーズ 少子化最前線-産科医療の今] (4)「女性医師支援」で見えてきた課題と今後の展望
女性医師のキャリア形成に“楽天的な姿勢”が重要/医学部の女性教授・准教授へのインタビュー
[第45回日本心臓血管外科学会総会]女性心臓血管外科医のキャリアアップをどう実現するか
女性医師活躍のための報告書案を取りまとめ/厚労省懇談会
女性医師の就労支援に向け初の厚労省懇談会
日本糖尿病学会が女性医師のキャリア形成で“約束”
学会幹部に女性会員の登用目指す―日本精神神経学会/女性を軸とした精神医学の推進も
(編集室)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150827_15063.html
被災地医療の現場 医大生が体感
2015年08月28日金曜日 河北新報

 医学生に地域医療への理解を深めてもらおうと、県などでつくる県医師育成機構は20、21の両日、全国の医学生向けに夏季セミナーを開いた。将来、県内の自治体病院で働く予定の学生ら18人が参加し、東日本大震災の被災地の病院を視察した。
 学生たちは気仙沼市の市立病院と本吉病院、南三陸町の公立志津川病院・南三陸診療所を視察。県庁であった報告会では、それぞれが感じた地域医療現場の大変さややりがい、復興途上の被災地への思いなどを語り合った。
 自治医科大(栃木県下野市)の5年阿部翔太郎さん(22)は「気仙沼市立病院で震災直後の状況を聞き、衝撃を受けた。自分もいずれ地域医療の現場で働くだけに、使命感と緊張感が湧いた」と語った。
 県医師確保対策室の志賀慎治室長は「被災地が復興し街並みが変わっても、住む人がいる限り医療へのニーズはなくならない。皆さんが担い手になってくれることを期待している」と学生たちにエールを送った。



http://www.townnews.co.jp/0306/2015/08/27/296723.html
夏休みに職業体験 教育
小学生が日本医科大とココリアで

掲載号:2015年8月27日号 タウンニュース 多摩版

 日本医科大学多摩永山病院(新博次院長)は8月7日、市内の小学5・6年生を対象にした職業体験「ブラック・ジャックセミナー」を開催した。

 同院では、2年前から「人の命」を救う医師の仕事に触れ、医療への関心を高めてもらうと同時に、将来医師を志してもらうきっかけづくりにと同セミナーを企画。今年は17人の子どもたちが参加した。

 鶏肉やビーズを代用し実際に手術で用いる内視鏡や超音波メスを体験。専用キットを使った縫合結紮の他、シミュレーターを使って胆嚢の摘出手術にも挑戦した。参加した5年生の男の子は「腕が疲れたけど楽しかった」と感想を話した。同院の外科・牧野浩司准教授は「興味を持ってくれていた。病院や手術のことを知ってもらい、将来医師を目指してもらうきっかけになれば」と振り返っていた。

 ココリア多摩センターで8月15日、16日の2日間、夏休み小学生職場体験イベント「ココリア多摩センターで働いてみよう!」が行われた。

 地域密着のショッピングセンターとして、地域貢献を目的に実施している同イベント。今年で3回目を迎えた。今年は、多数の応募の中から選ばれた50人が参加した。

 子どもたちは、朝”出勤”した後、三越スタッフによる接客マナーの講習を受講。その後、インフォメーションセンターや衣料品店、飲食店など18店舗に分かれて、接客から販売、製造、陳列などそれぞれの店舗の業務を体験した。同施設営業部の工藤修平さんは「一生懸命に楽しそうに働く小学生たちの姿は我々スタッフも毎回刺激を受けている。この経験が将来少しでもプラスになってくれれば嬉しい」と話した。



http://www.tv-sdt.co.jp/nnn/news8808795.html
医学生の病院見学
(静岡県)

[ 8/27 19:50 静岡第一テレビ]

県内への医師の定着を図ろうと27日、医学生を対象に県中部の病院見学ツアーが開かれた。これは医学部の学生に実際に病院を見て、研修病院に選んでもらおうと県中部保健所が行ったもので、3つのグループに分かれて、それぞれ3つの病院を見学した。このうち藤枝市立総合病院には午前中6人の学生が訪問し、病院の概要や研修態勢の説明を受けたあと、ことし4月本格稼働した救急センターを見学し、担当の医師から救急体制の現状などの説明を受けていた。病院ツアーには全国から22人が参加し、午後も別の病院を見学したあと、3つのコースの参加者が合同で病院の指導医師や研修医なども参加する情報交換会に臨んだ。



http://mainichi.jp/edu/news/20150827ddlk22100060000c.html
職場体験:中学生、医療の魅力や責任学ぶ 静岡赤十字病院 /静岡
毎日新聞 2015年08月27日 地方版

 静岡赤十字病院(静岡市葵区)で25、26の両日、市内の中学生が医療現場の職場体験をした。看護師と共に入院患者の検温や、放射線技師とレントゲン室などの見学をして仕事の魅力や責任を学んだ。

 医療従事者を増やすきっかけになればと、同病院が2000年から年に数回開催している。25日は同市立東中2年の生徒2人が参加した。

 レントゲン室では、放射線技師らがガンマカメラやMRIといった特殊な機械の使い方や用途を説明。生徒たちはうなずいたり、質問したりし、真剣な表情で聴き入っていた。

 小児科医を目指しているという伊本知香さん(13)は「放射線と聞くとレントゲン写真のイメージが強かったけど、がん治療など多くの用途があると知った。体験はとても刺激になった」と目を輝かせていた。

 同病院企画課の大庭和歌子主事は「医師や看護師だけでなく、病院はさまざまな職種で支えられていることを学んでほしい。今回の体験を機に、将来医療に携わってくれるとうれしい」と目を細めていた。【井上知大】



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/news/20150827-OYTNT50368.html
「病院の先生、手術大変」 飯塚で児童が体験
2015年08月28日 読売新聞

 筑豊地区の小学生が病院の仕事を体験するイベントが27日、飯塚市芳雄町の飯塚病院で行われ、約30人が参加した。


 医師や看護師、薬剤師などの仕事を体験することで、医療という職業に関心を持ち、命の尊さを感じてもらおうと、同病院が2010年から行っている。

 児童らは数班に分かれ、医療機器の操作や人形を用いた心臓マッサージ、自動体外式除細動器(AED)の使用、シロップを使った調剤などを体験した。

 「鏡視下手術」の練習用機器の操作では、児童らは真剣な表情でモニターを見ながら鉗子かんしを動かしていた。

 直方市立福地小4年、平山千畝君(9)は「すごく集中力がいりました。先生たちは手術で大変な思いをしていることが分かった」と話していた。



http://www.med.or.jp/nichinews/n270905a.html
横倉会長
地域や患者ニーズに応える医療機関を公平に支えそれぞれの機能コストを適切に反映した診療報酬体系を目指す

日医ニュース 第1296号(平成27年9月5日)

 平成28年度診療報酬改定に向けて、今秋から中医協での議論が活発化するのを前に、今号では横倉義武会長に、次期診療報酬改定に対する日医の考えを改めて説明してもらった。

横倉会長/地域や患者ニーズに応える医療機関を公平に支えそれぞれの機能コストを適切に反映した診療報酬体系を目指す(写真) 前回、平成26年度の診療報酬の改定は、消費税率が8%に引き上げられる時期とも重なっていたため、保険料・患者負担という国民負担が増えることのないよう調整がなされたこともあり、診療報酬本体でわずかに0・1%増という大変厳しい結果となりました。
 平成28年度の改定においても、消費税引き上げが延期され、国と地方の長期債務残高が1000兆円を超えるという国家財政が厳しい状況にありますので、増加する医療費の適正化を図ろうとする考え方が必ず出てきます。
 このため、来年度の予算編成に向けては、年末までに改定財源をめぐって財務省などとの大変厳しい攻防になると考えています。
 医療費の十分な確保は必要ですが、財政危機に直面しているギリシャのようにハードランディングになることなく、国民の求める医療を過不足なく提供できるよう改革を進め、ソフトランディングをしていくことが必要です。
 6月に閣議決定された「骨太の方針2015」では、社会保障費の伸びについて、「社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1・5兆円程度)となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで継続していくことを目安とし、効率化、予防等や制度改革に取り組む。この点も含め、2020年度に向けて、社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ行う充実等に相当する水準におさめることを目指す」と表現されています。
 当初示された「素案」から、文中に「目安」という言葉が入り、自民党・厚生労働関係議員の幹部会は、「『基調の継続』はあくまでも『目安』であり、『水準』はあくまでも『目指す』ものであるため、社会保障関係費の上限を課しているわけではなく、一定の柔軟性があるものだ」と強調しており、かつて行われたような社会保障費の機械的削減は行われないものと考えています。
 社会保障と経済は相互作用の関係にあり、老後が不安であるという思いを持つ国民に安心を示すことは、経済成長を取り戻すための出発点であると考えています。今まで、日本では社会保障の安定によって健全な社会がつくられてきました。今後も、超高齢社会に向けて、社会保障を充実させて国民の不安を取り除き、より一層安定した社会をつくっていくことが求められます。
 このため、我々医療側からも、人口が減少していく中で、国民皆保険を堅持していくため、財政主導ではなく、例えば生涯保健事業の体系化によって、平均寿命と約10年の差がある健康寿命を延伸していくことや、学会が策定する診療ガイドラインにも症状に応じてコスト意識をもった処方を掲載する等、過不足ない医療提供ができる適切な医療を提言していかなければなりません。

医療・介護の財源確保は経済成長にもつながる

 国民が適切な医療を受けるためには、過不足のない診療報酬の確保が重要です。また、診療報酬は国民皆保険体制の中で、実質的に医業経営の原資を司るものであり、医業の再生産の可能性を左右し、ひいては医療提供体制の存続に直結します。
 わが国では、アベノミクスの成果により、2010年と比べて2014年は、物価は消費税率の引き上げも含めて2・8%、賃金は2・4%と大きく上昇しています。その一方で、医療機関の費用構造を見ると、人件費の割合は2000年の50・2%から、2012年は46・4%へと大きく減少しており(図)、ものの値段の上昇によって人件費が圧迫されています。また、2000年以降は製造業の1人当たり平均給与は上昇しているものの、医療・福祉業では下落傾向にあります。このような中で、ものと技術とを分離した適切な資源投入を諮ることに重点を置いた上で、医療・介護の財源を確保し、医療機関を経営的に安定化させることができれば、医療・介護関係従事者には給与等の形で還元されますし、医療・介護分野は、特に地方において雇用誘発効果が高いと言われていますので、地方から経済を活性化させ、ひいてはわが国の経済全体の成長へとつなげていくこともできると考えています。
 日医としましては、今後も政府与党などに対して、これらのことを繰り返し説明し、適切な医療財源の確保を求めていきたいと考えています。

横倉会長/地域や患者ニーズに応える医療機関を公平に支えそれぞれの機能コストを適切に反映した診療報酬体系を目指す(図)
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薬価財源等を活用し医療技術の充実を

 平成26年度診療報酬改定は、国民との約束である社会保障・税一体改革に基づき、2025年のあるべき姿に向けてその第一歩を踏み出したものでした。平成28年度改定は、改革を継続する次の一歩として、平成30年度の医療と介護の同時改定に向けて襷(たすき)をつないでいかなければなりません。
 前回の改定では、在宅医療における不適切事例の適正化が図られた他、7対1看護基準の見直しに伴う急性期後の受け皿づくりの整備のため、かかりつけ医機能、有床診療所、在宅医療への手当て等、地域に密着した医療を提供したことに対する適切な評価が行われました。
 限られた財源の中でも、超高齢社会に対応する上での最重要課題である地域包括ケアシステムの構築に向けて意義のある改定がなされたものと思っており、今回の改定においても、その方針は堅持されるべきものであると考えています。
 病床機能の区分については、日医・四病院団体協議会合同提言「医療提供体制のあり方」を基本とし、病期に応じて「高度急性期病床」「急性期病床」「回復期病床」「慢性期病床」に病床区分され、各地域それぞれの医療資源等を踏まえて、地域の実情を十分に反映し、柔軟に機能分化を進めることになります。どのような機能を選択しても、地域や患者ニーズに応えている限り経営が安定して成り立つよう、体制構築に取り組む全ての医療機関を公平に支える、それぞれの機能のコストを適切に反映した診療報酬体系が極めて重要です。
 かかりつけ医機能の評価に関しては、前回の改定で、その評価のために、「地域包括診療加算」と「地域包括診療料」が創設されました。これは日医がかねてからその評価を強く求めてきたものであり、かかりつけ医機能の評価の道筋をつくることができたと考えています。かかりつけ医を受診することにより、患者さんがそれぞれの症状に合った、ふさわしい医療を受けられるようになり、適切な受療行動、重複受診の是正、薬の重複投与の防止等により医療費を適正化することも期待できます。
 前回は限られた改定財源であったこともあり、厳しい算定要件となりましたが、今回はその評価の拡充等を更に強く求めていきたいと思います。
 次に、薬価改定財源の診療報酬本体への充当についてですが、もともと、薬価差は、制度発足時に十分な技術評価ができなかったことから生じたものであり、その不足分に相当する潜在的技術料であったことや、「医薬分業」の推進とも密接に関連することを踏まえつつ、薬価財源等を活用し、技術を充実させることにより、医療の安全・安心を図ることが必要です。
 厚労省等による経済的インセンティブを用いた医薬分業の推進により、分業率は、過去20年で著しく上昇しましたが、常々、その効果が当初期待したものであったかということは検証されるべきと考えていました。過去10年間、医科の院内処方の調剤料及び処方料は約1000億円減少しましたが、保険薬局の調剤技術料は5500億円増加しています。この財政負担は、医薬分業を進めるために調剤報酬上のインセンティブを大きく付け過ぎた結果と言えます。
 調剤技術料は、院内処方から院外処方に移転した分以上に増加しており、これを端緒に、患者さんの恩恵・利便性、保険財政上の影響、医療機関や調剤薬局の経営状況等、さまざまな観点から掘り下げた議論が進むよう、期待しています。
 その他、前回の診療報酬改定では、消費税率の引き上げと重なったため、国民負担を増やさずに医療を充実させるという配慮の下、地域医療介護総合確保基金が創設され、地域医療の充実が図られることになりました。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、かかりつけ医を中心として、国民が住み慣れた地域で質の高い医療が受けられるよう、診療報酬と地域医療介護総合確保基金を車の両輪として、より一層医療提供体制の改革を進めていく所存です。
 今後は、会内の社会保険診療報酬検討委員会で取りまとめて頂いた前回改定の評価(別記事参照)と、次回の改定に関する要望書などを基に、執行部内でも検討を行い、中医協を主戦場として、日医の考えをしっかり述べていきたいと考えています。
 また、年末に向けては、さまざまなマスメディアを使って、適正な医療費の確保の必要性を国民に訴えていくとともに、国民医療を守る総決起大会の実施も含めた検討を行うため、国民医療推進協議会を開催したいと考えております。
 診療報酬改定を取り巻く財政状況は大変厳しく、会員の先生方お一人おひとりのより一層の理解と協力が求められます。会員の先生方にはぜひ、年末に向けまして地元選出の国会議員にご理解頂けるよう、働き掛けを強化して頂く等、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

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今回のインタビューのポイント

国家財政が厳しい状況で、年末までに改定財源をめぐって大変厳しい攻防になる。

人口が減少していく中で、我々医療側からも、国民皆保険を堅持していくための改革を進めるとともに、過不足ない医療提供ができる適切な医療を提言し、ソフトランディングしていかなければならない。

調剤技術料は、院内処方から院外処方に移転した分以上に増加しており、これを端緒に、患者さんの恩恵・利便性、保険財政上の影響、医療機関や調剤薬局の経営状況等、さまざまな観点から掘り下げた議論が進むよう、期待している。

診療報酬改定を取り巻く財政状況は大変厳しく、会員の先生方にはぜひ、年末に向けて地元選出の国会議員にご理解頂けるよう、働き掛けを強化して頂く等、ご協力をお願いしたい。
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http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14406804944774
機能別病床 「回復期」増床後押し
整備費補助へ 県、超高齢化に対応

2015年8月28日(金) 茨城新聞

県内の病院で患者の在宅復帰に向けた支援やリハビリを行う「回復期病床」が不足する中、県は、新たに回復期病床を増やす医療機関に対して財政支援する取り組みを始める。超高齢化を迎える2025年を見据え、医療ニーズの変化に対応するのが狙い。優遇策を設けることで、過剰とされる急性期病床からの転換を促し、病床の再編を進める。

県は支援を始めるため、県議会第3回定例会に提出する15年度一般会計補正予算案に事業費1億9900万円を盛り込んだ。

医療機関が回復期病床を増やすために施設を新築したり増改築したりする際に、県は昨年度創設された「地域医療介護総合確保基金」を活用し、1床当たり320万円の2分の1を上限に補助する。

回復期の病室や機能訓練室の整備のほか、リハビリに使う機器の導入費用などが対象で、本年度は120床分の予算を計上。近く受け付けを始める。

国は将来の医療提供体制について、従来の「病院完結型」から「地域完結型」への転換を目指す。しかし、団塊世代が75歳以上となる25年には、慢性疾患を抱える高齢者が大幅に増えるため、急性期に偏る現在の病床配置では対応できない恐れもあるとされる。

このため、病床の機能を救命救急や集中治療に対応する「高度急性期」▽緊急性の高い「急性期」▽リハビリや在宅復帰に向けた「回復期」▽現在の療養病床に相当する「慢性期」-の四つに分類する制度を新たに導入した。

14年度から始まった病床機能報告制度の集計結果によると、本県の医療機能の現状(14年7月1日現在)は、高度急性期と急性期の合計が全体の6割以上を占め、今後、需要が高まるとみられる回復期は1割に満たない。

国が示した25年の医療需要の推計値と比べると、急性期を現行より約4割減らす必要がある一方で、回復期は約4倍に増やすことが求められる。

今後、県は、こうした国の推計値や報告制度の結果を基に、25年の医療需要や必要病床数などを盛り込んだ「地域医療構想」を策定する。既に7月に構想策定に向けた調整会議を発足させており、16年度までにまとめる方針。

回復期病床の充実に向け、県は「施設整備と並行し、人材確保の対策も進めていきたい」と説明している。(戸島大樹)
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27H67_X20C15A8000000/
C型肝炎新薬に医療費助成 厚労省
2015/8/27 21:27 日本経済新聞

 厚生労働省は27日、C型肝炎の新しい飲み薬「ハーボニー」(一般名レジパスビル・ソホスブビル配合剤)による治療を医療費助成の対象とすることを決めた。1錠(1日分)は約8万円で12週間、毎日服用するが、助成で患者の自己負担は月額最大2万円となる。保険適用となる今月31日の治療から助成する。

 C型肝炎患者の7~8割を占める遺伝子型「1型」で、慢性肝炎と初期の肝硬変の患者に効果があるとされ、重い副作用を伴うことがある従来のインターフェロンの注射が不要となる。〔共同〕



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14405914969145
2病院の構想了承 筑西・桜川推進協 基本計画策定へ
2015年8月27日(木) 茨城新聞

「筑西・桜川地域公立病院等再編整備推進協議会」(会長・山口巌県医療改革担当顧問)の4回目の会合が26日、筑西市二木成の県筑西合同庁舎で開かれ、新中核病院と桜川市立病院の整備の指針となる基本構想を了承した。

基本構想は、2病院の将来像や病床規模、建設場所、経営形態、整備スケジュールなどを決めた。今後は具体的な診療科目などを盛り込んだ基本計画の策定に入る。そのため協議会内に建設委員会と作業部会を設けて作業を進める。10月下旬以降に第5回会合を開いて基本計画を正式決定したい考え。

また、理事長や新病院長といったリーダーの人選については「県を通じて筑波大と自治医科大に協力をお願いしている」(須藤茂筑西市長)とし、できるだけ早く人選を進めたい意向を示した。

山口会長は、7月29日から20日間実施された基本構想に関するパブリックコメント(意見公募)について「両市から44人137件の意見が寄せられ、市民の関心の高さがうかがえた。特に医療機能への意見が多かった」とした。(大高茂樹)


  1. 2015/08/28(金) 06:25:02|
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8月26日 

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=123025
「医療用」薬の誇大広告、監視制度を創設へ
(2015年8月26日 読売新聞)

 高血圧治療薬「ディオバン」を巡る臨床研究データ改ざん事件を受け、厚生労働省は、医療用医薬品の誇大広告を監視する制度を創設する。

 医師の処方箋が必要な医療用医薬品の広告は、一般用医薬品と違い、製薬企業と医療従事者の間で完結していて、行政の監視の目が届きにくい。このため現場の医師らに販売促進活動の実態を報告してもらい、違法行為があれば行政指導などを行う。

 医療機関の医師ら計約20人にモニターを依頼。パンフレットなどの効能や効果などの記述に虚偽や誇大な内容があったり、関連した論文が誤解を招くような形で引用されていたりした場合、同省に報告してもらう。新薬と、各社の競合が激しい生活習慣病薬などが主な対象になる。

 同省は来年度からの実施を目指しており、2016年度予算の概算要求に2200万円を計上した。

 「ディオバン」事件では、薬の効果を大きく見せるため、論文のデータを改ざんするなどし、販売元のノバルティスファーマ社と元社員が、薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(誇大記述・広告)で起訴された。



http://pressrelease-zero.jp/archives/80961
日本臨床内科医会のCURASAW®(キュラソウ)チャネルを開設
株式会社ミュートスのプレスリリース
2015年 08月 26日

製薬企業を中心とした企業向けCRM/SFAに特化したシステムの開発及びインターネット関連システムの開発、企画運営、プロモーションサービスを手がける株式会社ミュートス(本社:大阪府大阪市 代表取締役社長:富山慎二 以下、ミュートス)は本日、医療関係者のための医学・医療ニュースキュレーションアプリ「CURASAW®(キュラソウ)」に「日臨内」チャネル(提供元:日本臨床内科医会(東京都千代田区 会長:猿田享男 以下、日臨内))を開設しましたのでお知らせいたします。

■「日臨内」チャネル
CURASAW®では『医学・医療ニュースはこれ一つ』というコンセプトの下、様々な医学・医療の情報を発信する団体・メディアと連携を進めております。
 今後「日臨内」チャネルでは日臨内の調査研究や啓発活動、インフルエンザ研究関連情報、各県での地区催行講演会の予定など、幅広い情報を掲載する予定です。
なお、「日臨内」チャネルは「日本臨床内科医会に加入されている医師が閲覧できる専用チャネル」と「CURASAW®の会員であれば閲覧できるチャネル」の計2チャネルを配信いたします。

■CURASAW®について
CURASAW®は『医学・医療ニュースはこれ一つ』をコンセプトとした医療関係者のためのキュレーションジャーナルです。
CURASAW®は使われるほど、ユーザーの興味・関心を学習して、そのユーザーに最適な情報を個別に配信いたします。移動中や診療の待ち時間などのスキマ時間で医学・医療ニュースのナナメ読みが可能です。

■アプリのダウンロード
iOS版 :App Store
Android版 :Google Play

■日本臨床内科医会について
1985年に第一線の臨床内科医師が集結し結成された会員数約16,000人の全国組織です。内科診療を通じて医療の向上に貢献することを目指して活動しています。

■お問い合わせ先
営業に関するお問い合わせ
Mail) salesg@mythos-jp.com  企画営業部 取締役部長 関 国康
プレスリリースに関する問い合わせ
Mail) info@mythos-jp.com   代表取締役 佐藤 正晴(CEO兼CFO)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150826_23003.html
68歳医師、青森で再出発「地域医療に貢献」
2015年08月26日水曜日 河北新報

 青森県東通村の村立診療所に8月、68歳の医師が着任した。ことし3月まで熊本市の保健所長を務めていた大塚博史さんだ。国の再研修制度に手を上げ、約30年ぶりに臨床医に復帰した。「早く地域の役に立てるようになりたい」と力を込める。
 大塚さんは熊本県出身。1974年に熊本大医学部を卒業後、小児科医として同大付属病院などに勤務した。83年、友人に請われて保健所入り。以来、一貫して保健行政に携わってきた。定年延長を経て、3月に退職した。
 行政に身を置きながらも、臨床への思いは消えなかった。定年退職後、再出発の道を模索する中で国が地域医療振興協会に委託する再研修制度を知り、「臨床に戻れるチャンスがあるなら、やらない手はない」と一念発起した。迷いはなかった。
 全国4カ所の候補の中から東通村を選んだ。包括ケアを導入し、在宅、通院、入院の幅広い患者と接することができる環境が大きかった。「患者と直接触れ合い、訴えに処方する。目の前で結果が出る」。医師の原点に立ち戻り、日々やりがいを感じている。
 診察の現場では所長の川原田恒さん(60)の指導を受けながら、多くの医療関係の電子書籍を詰め込んだタブレット型端末も活用する。「薬の処方や病気への考え方が変わり、戸惑いもある。昔は分厚い本を繰らなければならなかったが、便利になった」
 全国からへき地医療の研修に来ている20~30代の研修医と、同僚として机を並べる。「気兼ねなく一緒に議論してくれる」と話すのは仙台市出身の村中二三枝さん(31)。大塚さんも「若い先生から教えてもらうことも多い。いい刺激になる」と語る。
 大塚さんの任期は1年間。「年齢のこともある。先のことは考えていない。今できることを、少しずつでも広げていきたい」。目の前の地域医療の現場に全力を注ぎ込む考えだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H15_W5A820C1CR0000/
被曝医療に中核拠点 規制委、広島大など5施設
2015/8/26 12:55 日本経済新聞

 原子力規制委員会は26日の定例会合で、原子力発電所で事故が発生した際に、被曝(ひばく)医療の中核となる機関に広島大や長崎大など5つの施設を指定した。従来は放射性物質が広範囲に拡散する事態を想定しておらず、東京電力福島第1原発事故では治療を受けられない患者が多く出た。こうした反省から、被曝医療の体制を強化する。

 新たに指定したのは、地域の医療機関では対応できない高い線量を被曝した症状の重い患者を受け入れる「高度被ばく医療支援センター」と、各地で被曝医療の連携を進める「原子力災害医療・総合支援センター」の対象となる5つの医療機関。

 広島大や長崎大のほか、弘前大(青森県)や福島県立医科大、放射線医学総合研究所(千葉県)を選んだ。放医研は高度被ばく医療支援センターとしての役目だけを果たす。

 原発事故の場合、患者の受け入れは原則として、原発の半径30キロメートル圏内にある21道府県がそれぞれ1~3カ所指定する「原子力災害拠点病院」が対応する。被害が拡大した場合などには今回指定した5つの医療機関が支援して適切な治療が行き届くようにする。

 新たな医療体制は規制委が同日改定した「原子力災害対策指針」に盛り込んだ。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150826-OYT1T50083.html?from=ycont_latest
1錠8万円の肝炎新薬保険適用…治験で全員治癒
2015年08月26日 20時22分 読売新聞

 C型慢性肝炎の治療薬「ハーボニー」(一般名・ソホスブビルとレジパスビルの合剤)について、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は26日、保険適用を承認した。

 9月上旬に発売予定。

 遺伝子型1型の患者を対象とした臨床試験(治験)で、157人全員が治癒する高い効果を示したことから、薬価は1錠(1日分)8万171円とされたが、患者の自己負担は国の助成により、月額で最大2万円に抑えられる見通し。

 ギリアド・サイエンシズ社のハーボニーは、C型肝炎感染者の約7割を占める遺伝子型1型を対象とした飲み薬。治療に必要な12週間の服用で約670万円かかるが、類似薬の半分の治療期間で安全性も高いことなどが評価された。同社は治療対象となる患者を約26万人と推計している。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/52014/Default.aspx
中医協総会 C肝薬ハーボニーの高薬価で算定方式に各側から疑義
2015/08/27 03:51 ミクスOnline

中医協総会は8月26日開かれ、新薬10品目の薬価収載について了承したが、C型肝炎治療薬・ハーボニー配合錠(一般名:レジパスビル/ソホスブビル)が高薬価であることをめぐり、診療側・支払側双方から疑義が示された。診療側の中川俊男氏(日本医師会副会長)は、算定根拠となった類似薬効比較方式の「ルールを早急に見直すということを決めてほしい」と求めた。これに対し、厚生労働省保険局医療課の中井清人薬剤管理官は、「次期薬価制度改革の中で検討したい」と述べた。また、市場拡大再算定の見直しも改めて検討する方針も示された。

ハーボニー配合錠の1日薬価は、8万171.30円。同剤は、ダクルインザ錠60mg(1日薬価:9186.00円)とソバルディ錠400mg(6万1799.30円)を比較薬に、類似薬効比較方式Ⅰで算定されている。抗がん剤などと同様、「一定期間の使用が設定されている医薬品」とみなされ、1日薬価ではなく、1クールをベースにすることに算定される。つまり、1クールあたりのハーボニー配合錠の薬価と、ダクルインザ錠とソバルディ錠を足し合わせた薬価を合わせ、これをもとに1日薬価を算定することになる。今回のケースでは、投与期間がダクルインザ錠で24週、ソバルディ錠で12週であることから、投与期間が12週のハーボニー配合錠の1日薬価は結果として、ソバルディの1日薬価に、ダクルインザ錠の1日薬価を2倍にして足し合わせたように見える。

中川委員は、「比較薬としてダクルインザがあるが、投与期間が12週ですむのに倍の薬価がついている。非常に不明瞭な形で薬価がついていることについては、明確な説明責任がある」と厚労省側に説明を要求した。これに対し、厚労省は1982年の「新医薬品の薬価算定に関する懇談会報告書」に根拠があると説明。薬価算定組織の清野精彦委員長は、「決して新しいルールではないが、こうした算定をしているということはご理解いただかないといけない。患者さんが非常に多いと思うので、検討していただきたい」と述べた。

これに対し、中川委員は、「透明性は、非常に高くない。患者さんが待ち望んでいるから早く承認しないといけないという空気を感じる。長い目で見ると、きちんと決めないと禍根を残すと思う」と指摘。1日薬価をベースとした薬価算定ルールへの変更を検討するよう求めた。診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)も、「30年前と同じルールを適合するのは時代遅れ。事務局として早急に案をまとめていただいて、性急に提案いただきたい」と述べた。

収載の見送りも提案されたが、支払側の花井十伍委員は、「次の機会というのを賛同しがたいくらい、患者が待っている。遅らせたという十字架がきつい」と述べ、薬価収載を求めた。厚労省の保険局医療課の宮嵜雅則課長は、「現在適用されているルールで算定している。これを否定することは、薬価に基づくルール算定そのものを否定することになる。いまのルールで算定しているものを変えるということは制度そのものを否定することになる」と再度理解を求め、議論は収束。最終的に薬価収載が承認されることとなった。

高額薬剤であることから、市場の拡大、薬剤費増加の懸念も示されたが、厚労省側は、薬価改定時に市場拡大再算定のルールがあると説明。市場拡大再算定をめぐっては、現行ルールでは、原価計算方式で算定された医薬品で市場が原則2倍以上となった場合に限定されており、ハーボニー配合錠は対象外となる。ただ、薬価算定組織からは類似薬効比較方式まで拡大する見直しも提案されているところ。同日開かれた薬価専門部会では、製薬業界側から市場拡大再算定の見直しに反対する声が圧倒的だったが、薬価算定組織の清野精彦委員長は、「市場拡大再算定については検討していかないといけない。中医協の先生方にもご検討いただきたい」と改めて意見を表明した。

そのほか、同剤のピーク時の予想投与患者数が約1万8000人とされたことについて、規模が小さいのではないかとの指摘もあったが、すでにダクルインザが市場にあること、他剤の上市も予想されることなどから、この推計となったと説明された。


◎日米欧製薬団体 新薬創出加算の継続求める PhRMA、EFPIAは市場拡大再算定の撤廃求める

薬価専門部会は26日開催され、新薬創出加算や先駆導入加算、基礎的な医薬品の安定供給など、次期薬価制度改革に向けた論点について、日本製薬団体連合会(日薬連)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、日本製薬工業協会(製薬協)からヒアリングを行った。


新薬創出加算をめぐっては、日薬連、PhRMA、EFPIAの日米欧3団体が、それぞれの立場から現行ルールでの維持・継続を求めた。日薬連の野木森雅郁氏(アステラス製薬会長)は、後発医薬品(GE)80%を見据え、長期収載品のシェアの大幅な減少すると見通し、「特許期間中の新薬から研究開発原資が確実に確保できる仕組みと新薬評価の拡充が重要」と述べた。PhRMAのトニー・アルバレズ在日執行委員会委員長は、新薬創出加算の導入後にドラッグ・ラグが短縮されたことや、アンメット・メディカルニーズの高い医薬品をはじめとした国内申請品目の増加を示し、「新薬創出加算は真に医療に貢献する新薬の研究開発投資を促進する効果を上げている」と主張した。EFPIAのカーステン ブルン会長は、「日本が魅力的な市場であるためには、イノベーションの評価が大事」と述べた。その上で、現在の試行的導入という状況が不安感を招く可能性を指摘し、新薬創出加算の継続を早期にシグナルとして発信することで、「ますます日本にイノベーション、外国の投資を引きつけることにつながる」と述べた。

これまで新薬創出加算の制度化を求めてきた経緯があり、“継続・維持”へと主張が変化したことについて、日薬連の野木森会長は「わたくしどもの気持ちは制度化していただきたいということには変わりはない。制度化が試行との違いは、将来をちゃんと予測できる。安心材料というのは言い過ぎかもしれないが、そういう要素もある。ただ、そのほかの要望もあり、優先順位から控えめ。今回は少なくとも継続で臨みたい」と述べた。

先駆導入加算については、日薬連が加算要件の見直しと加算率の拡大を要望したほか、EFPIAからは先駆け審査指定制度の品目が確実に加算対象となることへの要望が出された。

市場拡大再算定をめぐっては、PhRMAが「革新的で成功した新薬に対するペナルティにほかならず、強く反対する」と意見表明。「このルールはそもそも撤廃されるべき。少なくとも類似薬効比較方式で算定された医薬品について適用されるべきではないと考える」と主張した。同様に、EFPIAも市場拡大再算定の廃止を求めた。

基礎的医薬品については、日薬連が薬価を維持するルールの導入を要望。基礎的医薬品のイメージを質され、「日常診療で、確実に頻回に使われている薬。処方件数が多いということが非常に大事」との見方を示した。

そのほか、2017年度の消費税増税に伴う薬価改定については、3団体すべてから反対の姿勢が示された。「増税分を一定の調整を加えた上で現行薬価に上乗せした1989年と同様の対応を求める。消費税増税対応という趣旨の範囲内での限定的な薬価対応とする必要がある」(PhRMA)などの意見が出された。



http://apital.asahi.com/article/kiku/2015082500016.html
 これって効きますか?《143》「利益相反」に対する誤解
機能性表示食品制度を知る

大野智 (おおの・さとし)
2015年8月26日 朝日新聞

「利益相反(りえきそうはん)」という言葉を聞いたことがありますか?

初めて聞いたという人が多いかもしれません。医学研究における利益相反については、日本医学会のガイドラインは次のように説明しています。

アカデミアに営利企業の参入が多くなればなるほど、教育・研究という学術機関としての社会的責務と、産学連携活動に伴い生じる個人の利益が衝突・相反する状態が必然的・不可避的に発生する(図参照)。こうした状態が Conflicts of Interest (COI;利益相反と和訳されている)である。

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この説明だけ読むと、もしかすると「利益相反とは、何か悪事を働いていることではないか?」と思ってしまう人がいるかもしれません。

今回は、この「利益相反」について考えてみます。

シリーズでお伝えしている機能性表示食品のガイドラインにも、「利益相反」という言葉が幾度となく登場してきています。代表的な箇所を下記に転載します。

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●「臨床試験に関する査読付き論文」に関する説明 (ガイドライン:27頁目)
 掲載雑誌については、著者等との間に利益相反による問題が生じていないことが重要となる。このため、利益相反による問題が否定できない雑誌への掲載論文を、機能性表示食品の機能性に係る科学的根拠としてはならない。

●「臨床試験に関する一般消費者向けの抄録」に関する説明 (ガイドライン:28頁目)
 対象者の特性(参加者数、性、年齢、健康状態等)、研究デザイン、介入(食品や機能性関与成分の種類、摂取量、介入(摂取)期間等)、対照(プラセボ、何もしない等)、利益相反情報等を記載する。

●「研究レビューに係る基本的な考え方」に関する説明  (ガイドライン:29頁目)
 研究レビューについては、その結果の客観性・透明性を担保するために検索条件や採択・不採択の文献情報等、結果に至るプロセス、スポンサー・共同スポンサー(研究の発案、運営、資金の全て又はいずれかに責任を負う個人、企業、研究機関又はその他の団体)及び利益相反に関する情報、出版バイアスの検討結果について、届出資料中に詳細に記載しなければならない。

●「研究レビューに関する一般消費者向けの抄録」に関する説明 (ガイドライン:34頁目)
 検索日、検索対象期間(いつからいつまでに公表された論文を検索対象としたか)、対象集団の特性(性、年齢、健康状態等)、最終的に評価した論文数、研究デザイン、利益相反情報等を記載する。

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改めて、「利益相反」の分類について説明します。
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機能性表示食品ガイドラインでとりあげられている「利益相反」は、狭義の利益相反(「個人としての利益相反」「組織としての利益相反」)になります。特に「個人としての利益相反」については、昨今、良い意味でも悪い意味でも注目されています。

「個人としての利益相反」とは、『自分以外の誰かの利益を優先する義務のある者が、自分の利益を得ること(または、そのように見えること)』を言います。

具体的には、「患者の利益をはかる義務と責任を有する医師が、第三者(製薬企業等)から自分の利益(経済的な利益等)を得ること」などがあります。なお、経済的な利益とは「謝金」「研究費」「株式」「知的所有権」などが該当します。

そもそも、人には、親子関係、夫婦関係などの家族関係から、出身校、勤務先などの組織関係など、無数の利害関係があります。そして、その関係性を善いものにするために、ひとりひとりが全力を尽くして調整をしています。しかし「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」といった利害関係の葛藤が生じる場面に、誰しも遭遇することがあるかと思います。

そのようなことを踏まえ、法的倫理的観点から社会的に重要な関係性を選び出し、必要な範囲で調整のルールを設定することが、利益相反の基本的な考え方になります。

ともすると、利益相反とは「相手に対して組織や個人における責任が果たされていない」という事実を指していると誤解されていることが多いのですが、これは間違った解釈です。

利益相反とは、社会から「相手に対して組織や個人における責任が果たされていないのではないか」という疑念を抱かれる状況を指しています。したがって、適切にマネジメント(開示のルール、制限のルール)をおこなうことで社会への説明責任を十分に果たすことができればよいという考え方です。

医学・医療において利益相反は必ず存在します。ただ、利益相反があること自体が問題なのではなく、利益相反があることで臨床研究や診療における科学性や倫理性が歪められないように、一定のルールを設けて管理する事が大切になってきます。

利益相反の考え方で覚えておいてほしい重要なポイントは次の二つです。

● 不正を取り締まるルールではない
● 利益を得ること自体が不正ではない

しかし、今年の4月には、このような報道もありました。

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「講演会で薬名繰り返す 講師の医師、製薬会社から謝礼」 (朝日新聞2015年4月1日)
http://apital.asahi.com/article/news/2015040100002.html
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まるで、時代劇でよくある「豪商と悪代官の悪巧みを暴いた!」かのような論調です。

しかし、繰り返しになりますが、利益相反の考え方では、利益を得ること自体が不正ではありません。

次回は、機能性表示食品制度で重要な位置づけとなっている「臨床研究(ランダム化比較試験等)」における利益相反と規制のあり方について詳しく解説したいと思います。


大野智 (おおの・さとし)
帝京大学医学部臨床研究医学講座 特任講師/早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構 客員准教授 1971年、静岡県浜松市生まれ。1998年島根医科大学(現島根大学医学部)卒業。腫瘍免疫学、がん免疫療法を主な研究テーマにしているが、補完代替医療や健康食品にも詳しく、厚生労働省『「統合医療」情報発信サイト』の作成に取り組んでいる。帝京大学緩和ケア内科、東京女子医科大学消化器外科などで癌患者の診療に当たっている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/348178?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150826&dcf_doctor=true&mc.l=118874850
シリーズ: 私の医歴書◆高久史麿・日本医学会会長
専門医、「標榜」と将来は連動◆Vol.26

2015年8月26日(水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――高久氏は厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の座長を務め、2013年4月に報告書をまとめ、2017年度からの新専門医制度の基礎を作った(『最大の成果は「総合診療医」の創設 - 高久史麿・日本医学会会長に聞く◆Vol.1』などを参照)。
 検討会ではいろいろな議論がありました。専門医とは何かという点では、「スーパードクター」ではなく、「安全で標準的な医療ができる」「患者さんに信頼される」という形で定義しました。医師にとっては、患者さんの信頼を得るために専門医が必要になるでしょうし、専門医を取得するというプライドもあるでしょう。それにやはり、学会に出席して判子だけを押してもらって帰るというのは、やめるべきだと思っています。そうではなく、きちんとトレーニングを受け、勉強した上で資格を取得する制度が必要です。

 今、日本では医師全員が専門医を取得しているわけではありません。アメリカでは、レジデンシーを修了しないと、その科を標榜できない。「標榜の自由」は、専門医制度と関係してくる問題で、いずれ日本も、専門医の資格を持たないと、標榜を出せない時代になってくるかもしれません。その方が、患者さんにとっても、どこを受診すればいいかが分かりやすい。

 ただ、専門医制度については検討課題も多い。まず移行措置。私は内科の認定医制度を作る時に、日本内科学会の理事長をやっていました。その際も、「既に開業されている人はどうするのか」といった議論があり、長年開業されている人は、短期間の講習で認定するという措置で、乗り切りました。今回の専門医制度についても、例えば、今、開業されている先生に対しては、総合診療専門医の講習か何かを受けてもらい、総合診療専門医の看板を出せるようにしたりする。内科では、認定内科医を取得している人が多いと思う。そうした医師を専門医にするとか……。移行措置をあまり厳しくすると、大変じゃないかと思います。

 2年の初期研修、プラス3年の専門医研修。合計で5年間。ただ、専攻医の研修を行う施設が大病院に限られてくるようになれば、中小病院からは、「若い医者が来なくなる」との懸念も出てくるでしょう。大きな病院を中心に、ネットワークを組むなど工夫が必要ですね。

 さらに組織体制の問題もあります。今回の専門医制度改革に当たって、従来の日本専門医制評価・認定機構が改組され、日本専門医機構が発足しました。その社員として基本領域の学会を認めるかどうかで、もめました。しかし、学会の協力がないと、機構だけでは専門医制度は運営できず、結局、学会を社員として認めることになりました。

 新しい専門医制度は、2017年度からスタートします。極めて重要だけれど、難しい問題がたくさんあります。初めからあまり厳しい形で制度で運営すると大変。皆がある程度満足するような形でスタートして、だんだん整えていけばいいと思います。一通り完成するには、やはり10年ぐらいはかかるでしょう。しかし、10年って、あっと言う間に経ってしまうでしょうね。



http://www.m3.com/news/general/351713?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150826&dcf_doctor=true&mc.l=118874851
新薬開発へ患者情報集約、政府が製薬会社に提供
2015年8月26日(水)配信 読売新聞

 政府は来年度、新薬開発に必要な臨床試験(治験)の迅速化を目指し、国内患者の情報集約に乗り出す。

 日本では新薬の承認が海外より遅れる「ドラッグ・ラグ」が問題となっており、一因として、製薬会社が治験患者を探す難しさが指摘されている。政府は、医療拠点を通じ製薬会社に患者情報を速やかに提供することで、新薬実用化までの時間をできるだけ短くしたい考えだ。製薬部門の研究投資を呼び込み、国際競争力を高める狙いもある。

 厚生労働省の構想では、国立がん研究センター(東京都)など国内6か所の国立高度専門医療研究センター(NC)にそれぞれ治験連携事務局を新設し、各NCが全国約440の病院を通じ、患者情報を集める。情報は年齢、性別、病名、治療歴などで、患者本人の同意を得られた場合に限り、提供される。各NCは、希少がんやパーキンソン病など専門領域に応じて蓄積された情報を、製薬会社に伝える。



http://www.m3.com/news/general/351792?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150826&dcf_doctor=true&mc.l=118875062
地域医療の実情学ぶ 静岡県医学修学資金利用の大学生
2015年8月26日(水)配信 静岡新聞

 静岡県は25日、県内で働く医師養成を目的に設立された「ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ」の夏季セミナーを浜松市中区のホテルで開いた。県医学修学研修資金を利用する県内外の医大生49人が県内の医療関係者らと交流し、地域医療の実情を学んだ。

 セミナーには、理事長の川勝平太知事や学長の本庶佑ふじのくに地域医療支援センター理事長らも出席。県立総合病院の小阪謙三産婦人科部長が手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使用した子宮頸(けい)がんの腹腔(ふくくう)鏡手術など最新医療を紹介した。

 昨年度に設立されたバーチャルカレッジは普段、一定期間の県内勤務を条件に返還が免除される研修資金利用者にメールマガジンや動画などで情報を発信している。同日の初の夏季セミナーでは、若手医師のリクルーターや医療関係者が医学生と対面で交流し、本県と縁のない学生に魅力を伝えた。県内の臨床研修病院27病院のブースでは、病院の情報を発信した。

 金沢大医学部1年の男子学生は「最先端治療に携われる可能性が分かり、勤務する意欲が増した」と話した。


  1. 2015/08/27(木) 07:30:42|
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8月25日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/348177
シリーズ: 私の医歴書◆高久史麿・日本医学会会長
医学部、新設するなら第二の自治医大◆Vol.25

2015年8月25日(火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――長年、医学研究だけでなく、医学教育、医療政策にかかわってきた立場として、今の日本の医療をどう見ているのだろうか。
 今、医学部新設については、ある国会議員の方が、「新しく作るなら、第二の自治医大を作るべき」と言われたことを聞いたことがあります。その考えは私も同じです。どんな医師を養成するのか、それからどんな配置にするのかなどを全然考えないで、ただ増やしてもあまり意味がないでしょう。東北の方(東北薬科大学の医学部新設)は復興支援の意味もあるもかもしれませんが、成田市(国家戦略特区に指定された千葉県成田市と国際医療福祉大学が新設を検討)方はちょっと問題ですね。

 その関連で言えば、「特定看護師」も以前検討されていましたが、看護師さんができることはやってもらえばいい。ナースプラクティショナーみたいな人も養成せざるを得ないでしょう。私が医師になった1954年当時と今とでは、医療の中身も随分違う。うまく役割分担をしていかないといけない。それから、フリーアクセス、「標榜の自由」も問題でしょうね。こうしたシステムを変えない限り、幾ら医師を増やしても、あまり意味がないと思います。

 医学教育については、CBTとOSCEに加えて、今度は(臨床実習の成果を試す)advanced OSCEも行われるようになっています。国家試験も3日間500題というのは多過ぎるので、今後は減らす方向に行くのでは。CBT後の問題に限り、2日間で400題とか。

 さらに医学教育については、国際標準に合わせた医学教育を行うための準備も必要(『「JACME」、全80大学が参加し今秋発足』を参照)。

 医学研究はどうでしょうか。AMEDがうまく運営してくださることを期待しています(2015年4月に発足した日本医療研究開発機構。『志ある臨床医の協力、研究開発のカギ - 末松誠・AMED理事長に聞く◆Vol.1』などを参照)。あとは製薬企業の奨学寄付金が厳しくなっているので、大学では、研究費の確保に困っているのでは。そもそも、基礎も臨床も研究に従事する人手が少ない。生物統計学が得意な医師も少ない。パブリックヘルスを修了しても、生物統計学に詳しい人は皆、製薬会社に行ってしまう。大学にポジションがないからです。治験は企業がやるからいいけれど、それ以外の臨床研究をいかに進めるかは難しい問題です。


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http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1508/1508068.html
ABC分類導入による胃検診の在り方を探る
[2015年8月25日] MT Pro / Medical Tribune

 ABC分類では,Helicobacter pylori(HP)血清抗体検査とペプシノゲン(PG)法を組み合わせて胃がんリスクを判定する(表)。簡便なスクリーニング法として,対策型検診や任意型(人間ドック)検診に導入が進んでいる。第56回日本人間ドック学会学術大会(7月30~31日,会長=医療法人社団相和会理事長・土屋敦氏)のパネルディスカッション「ABC分類によって,今後の任意型(人間ドック健診)胃検診は変わっていくのか」では,各施設における実施状況や課題が示され,それぞれの立場からの見解が報告された。
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リスク判定と年齢を考慮した個別の対応を

 四谷メディカルキューブ(東京都)消化器内科部長の伊藤慎芳氏は,2005年5月~15年4月に同院でHP抗体検査,PG検査,上部消化管内視鏡を行った受検者6,201人(男性3,805人,女性2,396人,平均年齢53.7歳)を対象に,ABC分類の有用性と問題点について検討した。平均観察期間は2.0年であった。プロトンポンプ阻害薬使用例,胃術後例,腎不全例は除外した。

 最も多かったのはA群の3,092人(50%)で,B群が1,280人(20%),C群が546人(9%),D群が110人(2%),E群(除菌後)が1,173人(19%)であった。

 胃がん発見率は,多い順にC(C+D)群で2.9%,E群(除菌後)が1.3%,A群が0.032%であった。胃がんが発見されたときの平均年齢は65.3歳で受検者平均よりも12歳高く,男女比は34:11であった。早期がんと進行がんの比は41:4であった。小病変や平坦な色調変化の病変が多いため,内視鏡の有用性が高いことが示唆された。

 A群には若年者が多いが,高齢者では除菌歴がなく,感染が自然に終息したとみられる感染既往例が混在しているため,画像所見を活用することでリスク判定の精度が高まる。D群は未感染,現感染,感染既往,自己免疫性胃炎が混在しているため,未感染以外は個別に精査が必要である。同氏は「ABC分類は胃がんリスク評価に有用であるが,人間ドックにおいては,E群(除菌後)の設定や丁寧な内視鏡検査,HP抗体濃度やPG値を考慮した個別対応が重要になる」と述べた。

 ABC各群の割合は,2000年以前は多い方からB群,C群,A群の順であったが,2000年以降は同A群,B群,C群,E群,今後は同A群,E群,B群,C群の割合になると予測されている(図1)。地域,年齢など対象の特性によって異なるが,大半が超低リスクになるとみられており,変化に対応した検査や指導体制が望まれる。
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胃がんリスクを自覚し,検診受診や除菌治療の動機付けとする

 宮城県対がん協会がん検診センター(仙台市)では, 2011年4月にABC検診をオプション検査として導入し,検診受診の動機付けと除菌治療の情報提供に活用してきた。同センター副所長の加藤勝章氏は2011,12年度のABC検診受診者にアンケートを行い,40歳以上の回答者365人(胃リスク判定A:184人,B:99人,C+D:82人)について集計した。 

 リスク評価後の胃がん検診に対する意識の変化について,「胃がん検診を受ける必要性を強く感じた」と回答したのはA群 42.0%,B群57.6%,C+D群82.7%と高リスク群で高かった(図2)。リスク評価は,胃がん検診の重要性を啓発する良い機会であることがうかがえた。また「今後,どのような方法で胃がん検診を受けたらよいと思うか」との問いに対して,「毎年,胃X線検査を受ける」と回答したのは,A群 53.2%,B群48.5%,C+D群32.0%で,低リスク群においても,リスク評価は検診自体の動機付けとなる可能性が示された。
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 リスク評価後の検診受診,治療の状況が把握できた293人を調査したところ,胃X線の後に上部消化管内視鏡検査(EGD)を受けたのは,C+D群で30.0%,B群で27.1%と約3割に及んだ。また,ABC検診受診前に除菌治療を受けていたのは2%(E群と分類)であったが,リスク評価を契機に新たに除菌治療を受けたのはB群の18.1%,C+D群の47.6%と増加しており,ABC検診を契機としてその後の動向に変化が見られたことが分かった。

 同氏は「任意型検診は健康意識の高い受診者が多いため,HP感染や胃がんリスクなどに関する情報提供を積極的に行い,個人の疾病リスク低減に努めることが肝要である」と提言した。

(鈴木 志織)



http://kenko100.jp/articles/150825003572/
医学部の女性教授になるには○○が必要!? 東京医大調べ
女性教授・准教授に共通する要素あり

2015年08月25日 06:00 公開  健康百科

 大学の女性教授は1割程度。狭き門だが、医学部で教授や准教授を務める女性には、同じ要素があることが、同大学医学研究科の泉美貴教授(医学教育学)らの調査で分かった。医師に不可欠なプロ意識のほかに、性格や生き方など複数の要素が共通していたという。この結果は、7月24~25日に新潟市内で開かれた日本医学教育学会の会合で報告された。

20人の女性教授・准教授を調査

 女性の社会進出に伴って、大学で教授や准教授を務める女性も増えてきた。とはいえ、もともと大学教員に占める女性の割合は少なく、2007年度の学校教員統計調査によると、准教授で18.2%、教授では11.1%にとどまっている。

 教授・准教授になるのはどんな女性なのか―。泉教授らは、女性医師20人(教授12人、准教授8人、平均年齢52.8歳)を対象に、(1)教授・准教授になるまでに味わった困難、(2)その対処法、(3)仕事を続けられた理由、(4)共通する要素―について質問した。なお、20人のうち既婚者16人、子供あり13人、介護経験あり6人、留学経験あり18人だった。

困難にめげない楽天的性格が必要
 その結果、困難は「子育てで離職」「妊娠時の職場の嫌がらせ」などのエピソードが挙げられ、その対処法として「可能な仕事から始めて復職した」「同僚に助けを求めた」などが紹介された。
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 仕事を続けられた理由は、「仕事が楽しかった」「やりたいことを求めることで先が開けた」「良い指導者から指導を受けた」「困難なときは考えて選び、結果を肯定的に捉えた」など、前向きに取り組めたことを挙げる人が多かった。

 共通する要素では、「楽観的でおおらかな考え方」「仕事は好きなことを探求する」「その時点での最善を尽くす」「社会的責任を果たす」などが挙げられたという。

重要なのは"キャリア優先の選択"

 泉教授らは以上の結果を踏まえ、大学で女性医師がキャリアを積み上げていく上で必要な条件となるモデルを作成した。

 そこでは、「キャリアを優先して選択することの重要性」が挙げられている。とはいえ、それは「キャリアのために結婚・出産をしない」などというのではなく、そうしたライフイベントの時期を慎重に選ぶこと、自分を鍛えてくれる上司や同僚を選ぶことなど、キャリアに向けて適切に、計画的に行動することを勧めているのだ。

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 また、能力の向上を怠らない、受けた教育を社会に還元するなどの「プロフェッショナリズム(プロ意識)」を貫くこと、困難に対しては「楽天的に臨み、結果にとらわれない」などを心がけるよう助言している。

 今回は医学部教授・准教授が対象の調査だが、結果についてはそれ以外の女性のキャリア形成にも通じるといえるだろう。

(あなたの健康百科編集部)



http://www.m3.com/news/iryoishin/351455?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150825&dcf_doctor=true&mc.l=118670087
「無法な捜査許しがたい」、岐阜県警捜査に反論
「徳雲会」への医療法違反容疑での差し押さえ、取消決定

2015年8月25日(火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 岐阜県警が医療法違反の疑いがあるとして社会福祉法人「徳雲会」の関連診療所などを8月6日に家宅捜索した件について、法人側は8月24日、岐阜市内で記者会見を開き、「このような無法な捜査が行われたのは全く許しがたい」と訴えた。岐阜地裁は21日に、容疑に関連のない資料まで違法に押収したとして、処方せんなど、約1000点のうち235点の 資料の差し押さえ取り消しを決定した。しかし、カルテなど診療に必要な資料の返還は認められなかったので、法人側は25日に最高裁に特別抗告した。法人側弁護士の郷原信郎氏は、不自然な捜査の背景には「同法人のクリニック開設を妨害しようという意図があるのでは」と指摘した。

被疑事実は医師2人の共謀による「管理者の兼職」

 裁判所の決定書によると被疑事実は、2013年12月27日から2014年1月21日の間、徳雲会が運営する「笠松クリニック」(岐阜県笠松町)の院長だった大矢隆晶氏が、同法人が運営する「心療内科オークヒルズクリニック」(岐阜県各務原市)で、同クリニックにも院長がいたものの、実質的な管理を行っていたとしている。両クリニックとも、当時も現在も、医師が複数名いる体制になっている。大矢氏とオークヒルズクニックの院長の医師が共謀したとして、2人を被疑者としている。

 医療法12条は、診療所を管理する医師は都道府県知事の許可なく、他の診療所の管理者を兼任できないと規定。違反に対する法定刑は最大でも罰金20万円(同法74条)と定めている。

 岐阜県警は2015年8月6-11日の間に、徳雲会が運営する両診療所や介護施設、関連する調剤薬局、理事長、院長や従業員の自宅などを捜索し、カルテや診療記録、処方せんなど1000点以上を押収。法人側は容疑と関係のない資料も押収されたとして、岐阜地裁に処分を取り消す準抗告を申し立てたところ、21日付けで処方せんなど235点の差し押さえ取り消しが決まった。法人側はカルテなどが返還されないことなどを不服として、25日に最高裁に特別抗告した。

「被疑者が医師である必要ない」

 会見を開いたのは郷原氏と大矢氏。郷原氏は「違反があったとしても兼任は実質的には1週間程度。これほど大規模な捜査をすべき事件ではないことは明らか」と主張し、捜査全体への疑いを示した。その上で、そもそも医療法12条は病院の開設者に対する規定であって、本来被疑者になるべきは管理者の医師ではなく、法人、および法人の理事長であるべきとし、「なぜ被疑者が医師になるのかまったく理解できない」と主張した。

 大矢氏は違反の有無について「理事の指示に従って届出などは行っていた。現場の医師としてやっていたので、分からないというのが事実」と話した。

ずさんな押収資料の取り扱い

郷原氏は資料押収のやり方についても「今時、考えられないほどずさん」と指摘した。両クリニックが使っているのは紙のカルテ。郷原氏によると、県警は数十通のカルテが入った段ボール箱を「1点」として扱うなど、中身を確認することなく根こそぎ押収したという。郷原氏は検察官としての経験を基に、カルテなど重要な個人情報が含まれた書類などでは、患者氏名を1人ずつ特定・記録した上で押収する必要があると指摘する。 押収した資料の管理もずさんな可能性があると指摘しており、診療に必要なカルテなどの一部は、診療所側の求めに応じて返却されたが、少なくとも1件で資料の欠損が確認されており、他にも抜けの可能性があるものが相当数見付かっているという。

 裁判所が差し押さえ取り消しを決定した235点の資料については、県警が段ボールに詰めて返還しようとしたが、「欠損がないかなど、きちんと整理してから返還してほしい」として受け取りを拒否している。

 両クリニックは押収後も診療を続けている。大矢氏は「丁寧に聞き取りをするなどして、今のところ問題は生じていないが、待ち時間が延びて患者には迷惑をかけている。老人ホームの入居者のカルテも持っていかれており、急変があっても適切な紹介状を書くことが難しい」と話す。

背景に診療所開設妨害の意図?

 郷原氏は、不自然な捜査の背景には、同法人が岐阜県各務原市内に9月に開設する内科クリニックへの妨害しようという意図があるのでは、と推測している。家宅捜索の数日後に、岐阜県健康福祉部医療整備課から法人理事長に対して、「おたくは、9月に各務原に内科診療所を開業する届出を出しているが、法人の理事らは本当に賛成しているのか」との電話があったという。理事長が賛成していると回答すると、県は「意思確認をするため」として連絡先名簿を要求した。郷原氏は「これらの経緯からすると、警察の捜索は、診療所開設を妨害することを目的に行われたとしか考えられない」と主張。

 郷原氏は本件について、県職員から、「県が県警に事件を持ち込んだ」と説明を受けたとも話す(m3.comの取材に対して、県医療整備課は「捜査中で、肯定も否定もできない」と回答)。各務原市の捜索に関しては、すぐ隣の施設にいた理事長が「捜索に立ち会いたい」と求めたが認められなかったにも関わらず、県警の要請で県の保健所職員が立ち会っていた。

 また、大矢氏は各務原市医師会に入会を申し込んだが、「クリニックを建築する前に医師会に話がなかったので、入会させられない」として、断られていると証言。「内科で医師会に入れないのは診療に支障を来す」と訴える。

 法人側は東海北陸厚生局による執拗な「監査」も行われているとも主張する。約3年前から、診療所の管理者の医師が呼び出され、長時間聴取されるということが続いているという。大矢氏は監査には「求められたものは、全て提出している」と話す。

 郷原氏は本件について記した自身のブログで「徳雲会の診療所を、そして、各務原市内での内科診療所の開業を潰そうとする岐阜県、岐阜県警、そして、厚労省の出先の東海北陸厚生局の動きの背後に何があるのか。岐阜県、県警、医師会の幹部がどのようにつながっているのか、或いは、県や国の政治家がそこに関わっているのかいないのか。(中略)19世紀の世の中に戻ったかのような錯覚を覚える今回の事件、到底、現代の法治国家において起きていることとは思えない」と記している。



http://www.m3.com/news/general/351437?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150825&dcf_doctor=true&mc.l=118670088
[医学研究] 日本の臨床医学の論文数は1万6,646件、世界5位 内閣府会合
2015年8月25日(火)配信 厚生政策情報センター

科学技術指標と科学研究のベンチマーキング2015(8/20)《内閣府》

 内閣府は8月20日、科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員との会合を開催し、「科学技術指標と科学研究のベンチマーキング2015」の報告を受けた(p1~p9参照)。「科学技術指標と科学研究のベンチマーキング」は科学技術・学術政策研究所が、日本と主要国の科学技術活動に関する状況をまとめたもの。論文数や注目度の高い論文数などから分野ごとに分析している。

 研究開発のアウトプットの量的指標である「論文数(2011年~2013年)」は、日本が全分野合わせて7万7,094件で世界第5位。世界の全論文の6.2%を占めた(p312~p313参照)。

 臨床医学分野では、論文数は世界5位の1万6,646件で、全世界の6.2%を占めている。1位はアメリカ8万5,371件(シェア31.9%)、2位はイギリス2万3,392件(同8.7%)、3位は中国2万941件(同7.8%)、4位はドイツ2万268件(同7.6%)(p326~p327参照)(p368~p369参照)。

 他方、質的指標の「被引用件数の多い論文数(Top10%補正論文数、2011年~2013年)」(p271参照)では、日本は全分野合わせて6,546件で第8位。全世界の5.2%の割合を占めている(p312~p313参照)。

 臨床医学分野では、日本は1,337件で第10位で、全世界の5.0%の割合。なお、1位はアメリカ1万3,253件(同49.5%)、2位はイギリス3,970件(同14.8%)、3位はドイツ3,072件(同11.5%)だった(p326~p327参照)(p368~p369参照)。



http://www.m3.com/news/iryoishin/351201?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150825&dcf_doctor=true&mc.l=118670091
シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”のパラダイムシフト、認識せよ!
鹿児島でシンポ、「医療事故調査制度まったなし」◆Vol.1

2015年8月24日(月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 鹿児島県病院厚生年金基金は8月22日、厚生労働大臣政務官の橋本岳氏を基調講演の演者として招き、シンポジウム「医療事故調査制度まったなし―秒読みになった医療事故調査制度―」を鹿児島市内で開催した。


 橋本政務官は、「個々の医療事故について、遺族に説明し、納得してもらうことは必要」と断りつつ、この10月からスタートする医療事故調査制度において、各医療機関に院内調査を求めている理由は、「事故事例を集めて、医療界全体の安全を向上させていくことにある。この目的をしっかり踏まえた上で、適切に対応してもらえるとありがたい」と説明、制度の目的はあくまで医療安全向上にあることを強調した(シンポジウムのVol.2は、『“事故調”、「非識別化」に要注意』を参照)。

 冒頭にあいさつした、基金理事長の小田原良治氏は、「頭がパラダイムシフトした人の講演会を聞かないと意味がない」と、注意を促した。従来の医療事故調査では、「再発防止」「説明責任」「責任追及」が混然一体として扱われることが往々にしてあったが、今回の医療事故調査制度は、「再発防止」、つまり医療安全に特化している。これが「パラダイムシフト」の意味であり、橋本政務官の発言とも呼応する。

 シンポジウムは約3時間近くわたり開催された。橋本政務官も含め、医師や弁護士ら、計5人の演者が講演、4人が指定発言をし、その後、質疑応答が行われた。複数の演者が強調していたのは、医療事故調査制度を定めた法律、つまり医療法を正しく理解する必要性だ。さもなければ、「パラダイムシフト」の意味や内容を理解できないからだ。浜松医科大学医療法学教授の大磯義一郎氏は、「医療事故調査制度は、使い方によっては、“毒”にも“薬”にもなる難しい制度。医療安全の“薬”となる制度にする以前に、まずは“毒”にしないことが必要」と述べ、「正しく条文を読んで、正しく対応することが必要」と注意を促した。

 質疑応答で出た質問の一つが、第三者機関である医療事故調査・支援センターに対し、医療事故を報告しなかった場合の罰則規定の有無について。橋本政務官は、「医療法では、罰則などの規定はない」と説明。センターに報告するか否か、つまり医療事故調査をスタートさせるという「スイッチ」を押すか否かを最終的に判断するのは、医療機関の管理者であり、適切な判断が求められるとした。

 この点に関連して発言したのが、山形県・酒田市病院機構の日本海病院(山形県酒田市)の1年目の初期研修医、岡崎幸治氏。「研修においてミスをしたことはあるが、そのフォローもされたため、事故には至ってはいない。けれども、またいつミスするかは分からない。今回の制度を誤認して運用されると、とても怖い。仮にミスをしても、安心して研修できる体制を作ってもらいたい」とコメント。現状では、全ての医療機関の管理者が制度の目的を正しく理解しているとは言えず、医療安全ではなく、個人の責任追及に発展する懸念を払しょくできない研修医が多いことを示唆する発言だ。

 橋本政務官が挙げた「注意点」

 小田原氏は冒頭のあいさつで、10月からスタートする医療事故調査制度は、日本医療安全調査機構が実施してきた「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」とは目的が異なっていると強調。現在、全国各地でさまざまな団体による制度説明会が開催されているが、誤った説明がなされている場合があると問題視した。(1)制度の目的は、「原因究明と再発防止」ではなく、「再発防止」が目的、(2)医療事故調査・支援センターへの報告は「医療過誤の有無は問わない」、(3)調査や報告においては、事故に関わった医療者等の「非識別化」が求められる、(4)事故に関わる医療行為の医学的評価は制度上、求められていない――などの点を正しく理解することが必須であるとした。

 橋本政務官は、医療事故調査制度の全体像を、医療法や省令、通知を基に説明。(1)センターに報告する医療事故の範囲、(2)報告書作成の際の匿名化、非識別化、(3)院内調査における外部委員の活用、(4)再発防止策――について言及した。

 (1)について、橋本政務官は、「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」かつ「管理者が予期しなかったもの」が報告対象になり、その際、「過誤の有無は、調査の結果、分かるかしもれないが、報告の際は問わない」と説明。

 (2)に関しては、省令で、「事故に係る医療従事者等の識別(他の情報との照合による識別も含む)ができないように加工」と求めている。「単に名前を伏せればいいわけではなく、伏せても、『この医師だ』と分かってしまえば、問題。他の情報と合わせても分からないようにしてもらいたい」と注意を促した。

 (3)の外部委員の活用については、医療法上では、「必要な支援を求める」と規定。ただし、厚労省の医療事故調査制度に関するQ&Aは、「外部からの委員を参画させ、公平、中立な調査に努める」と記載している。橋本政務官は、このQ&Aは、改正医療法案の審議で、参議院の附帯意見で、事故調査の「中立性、透明性、公正性」の確保が求められたことを受けたものであると説明。ただし、「Q&Aは法律ではない」と述べ、外部委員の参画は義務ではないとした。

 さらに(4)の再発防止策について、橋本政務官は、次のように解説した。「院内調査の結果、何らかの改善が必要であれば、それを実施してもらう。ただし、この制度においては、義務として求めているわけではない。一方、センターは収集した事故事例を整理、分析し、再発防止策を検討する。ただし、個々の事例に対し、(再発防止策について)返事を返すわけではない」。

 センター調査こそパラダイムシフトを

 「パラダイムシフト」の観点から、発言した一人が、長崎県の諫早医師会副会長を務める満岡渉氏。「医療安全のための事故調査と、紛争解決、つまり説明責任を果たしたり、責任追及のための事故調査は違う。両者を混同すると、医療安全だけでなく、医療者の人権も損なわれる」と強調した。

 満岡氏が提示した中で、フロアの関心を呼んだのが、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」に関する資料。これまで日本医療安全調査機構が実施してきた同事業は、対象となった事例について100点満点で評価する仕組みで、「合格」「ほぼ合格」「過失(改善・研修)」、「重過失(刑事・民事責任)」、「採点対象外」との採点基準を持ち、運営されてきたという。「個人の医療行為の評価を行うのが、モデル事業の本質であり、システムエラーを分析するものではない」(満岡氏)。同機構は、医療事故調査・支援センターに指定された。満岡氏は、新制度において同機構が事故調査を実施した場合、モデル事業と同様に医療行為の評価、ひいては責任追及につながる可能性を強く懸念した。

 長崎県医師会では、医療安全に資する制度として運営するため、新制度の支援団体として活動する「院内事故調査支援委員会」と、医賠責を担当する「医療紛争処理委員会」を別個に設置した。「どちらの組織に相談すべきかを迷った場合、まず紛争として処理すべき。その後に、医療安全のための対応をすればいい」(満岡氏)。

 センターと院内の調査結果、整合性が取れるのか?

 シンポジストの講演の後、質疑応答が行われたが、質問の一つは、「医療事故調査・支援センターの報告書が、医療機関が遺族に説明した内容と整合性が取れない場合にどうするのか。整合性が取れない場合に、訴訟に報告書を利用することができる」との懸念だ。

 橋本政務官は、センター調査について、(1)各医療機関が院内調査を実施していれば、センターはそれを待つ、(2)各医療機関の院内調査の報告書が出ていれば、それを確認する形で、センター調査を行う――という前提を説明。「医療機関がきちんとした調査を行っていれば、センターはそのままそれを認める形になるのだろう」と述べるとともに、センターが確認をして、「間違っていた」となれば、センターと医療機関の調査結果は異なるとした。その場合には、医療機関が相応の対応が求められると見られる。

 弁護士の井上清成氏は、「ほとんどの場合、(センター調査は)院内調査プラスアルファという形になるだろう。ただ、時には院内調査の結果が覆される場合もあり得る」と指摘。院内調査とセンター調査については、「法律的には優劣はない」と説明、センターが問題のある調査結果をまとめた場合には、センターや調査を行った委員を訴えることも選択肢としてあるとした。

 センターへの未報告、罰則規定なし

 医療事故調査・支援センターへの報告について、報告しなかった場合の罰則規定についても質問が出た。

 橋本政務官は、医療法では、センターへの報告という「スイッチ」を押すか否かの最終的な判断は、管理者であると定められているものの、「罰則規定はない」と説明。質問者が「家族が、(事故について)了解、納得したのに、スイッチを押すと、紛争の懸念が高まるのではないか」との質問には、橋本政務官は、「今回の制度において、家族の了解の有無は一切関係ない」と答えた。

 医師・弁護士の田邉昇氏は、「医療事故だったのに、報告しなかった」と遺族から訴えられる可能性について、東京都立広尾病院事件の高裁判決を引用し、以下のようの説明。「医師法21条の届出は、公法上の義務であり、遺族に対する義務ではない。(今回の医療事故調査制度の報告も)公のシステムとして規定しているので、遺族側が『事故調に報告しなかったから、心が傷ついた』と訴えても、遺族への賠償対象にはならない」。

 大磯氏は、センターへの報告対象は、「医療起因性」と「予期可能性」で判断するので、管理者の裁量の幅があるとした。その上で、予期でき、報告しなかった場合にはその旨を記録に残すことは大事であるとしたほか、報告しなかった場合でも、「院内調査をしてはいけない」という規定はないとし、医療事故調査制度とは別に調査を行うのは自由であるとした。「この制度に乗るか否かと、事故調査を実施するか否かは別の議論(大磯氏)。

 そのほか、厚生労働省が2000年に当時の国立病院等に対して出した「リスクマネージメントマニュアル作成指針」についての質問も出た。同指針は、「医療過誤によって死亡または傷害が発生した場合、またはその疑いがある場合には、施設長は、速やかに所轄警察署に届出を行う」と定めており、この指針に基づいた対応をしている国立病院機構の病院がいまだあるという。橋本政務官は、国立病院から法人化し、国立病院機構に移行したのに伴い、同指針は失効したと説明(『「リスクマネージメントマニュアル作成指針」失効』を参照)。「今回の制度に合わせて、各法人、各病院でルールの見直しを行うべきだろう」(橋本政務官)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/351202?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150825&dcf_doctor=true&mc.l=118670093
シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”、「非識別化」に要注意
鹿児島でシンポ、「医療事故調査制度まったなし」◆Vol.2

2015年8月24日(月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 8月22日の鹿児島県病院厚生年金基金のシンポジウム「医療事故調査制度まったなし―秒読みになった医療事故調査制度―」で、「非識別化」について掘り下げて講演したのは、弁護士の井上清成氏。医療事故調査・支援センターへの報告、遺族への説明、センターへの事故調査に関する報告書の提出など、さまざまな場面で、「非識別化」が求められると注意を促した(シンポジウムのVol.1は、『“事故調”のパラダイムシフト、認識せよ!』を参照)。

 井上氏は「医療者の名前を墨塗りしても識別できるかどうかは、相手が持っている情報との兼ね合いで決まる。この相対性こそが非識別化の本質」であると説明。例えば、遺族は、医療事故当時やその前後の診療状況などについてセンターよりも情報を持っている上、カルテなどの開示請求も可能なため、遺族への説明時などにおける「非識別化」の程度は上がるとした。

 医療事故調査制度では、センターが調査を実施した場合、医療機関と遺族にその調査結果を報告する。井上氏は「法律と省令のいずれも、両者に同じ報告をすることは想定していない」と述べ、「非識別化」の点で両者への報告内容は異なるとした。さらに、医療事故に関する記者会見やホームページの掲載について、「全国民に知られることになる。その誰かが保有している情報とマッチングさせても、医療者を識別できないようにすることが必要」と述べ、「非識別化」のハードルは高いとし、「今後の医療事故において、本当に記者会見はできるのか」と疑問を呈した。

 なお、井上氏は、8月19日に開かれた茨城県医師会の「医療事故調査制度に関する説明会」に出席した際、厚生労働省医政局総務課医療安全推進室長の大坪寛子氏に、例えば「今回、問題を起こした看護師は誰か、と聞かれた場合、非識別化を念頭に『お教えできない』と答えていいか」と質問。大坪氏は「名前は教えないということでいい」と回答したという。

 医療者の人権侵害にも要注意

 非識別化から派生して、事故調査における人権侵害と利益相反の観点から講演したのは、浜松医科大学医療法学教授の大磯義一郎氏。「将来の医療安全のための医療事故調査制度であり、個別事案のための紛争解決ではない。目的外として使用すると、法令違反、ひいては人権侵害になる」と警鐘を鳴らした。

 「事故調査は、使い方によっては“毒”になるか、“薬”になるかが難しい制度。医療安全のための“薬”となるための制度にする以前に、まずは“毒”にしないことが必要」。こう述べる大磯氏が、“毒”になる危険性として挙げたのが、憲法38条に定める「自己負罪拒否特権」を無視した事故調査だ。

 「真実解明の名の下に行われる自白の強要・拷問は許されない」とし、東京女子医科大学病院のプロポフォール投与事故(『「死因は禁忌薬の使用」、女子医大第三者委』を参照)など、最近の医療事故調査では、この原理が守られていない例が見受けられると問題視。群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡事故、国立国際医療研究センター病院のウログラフイン投与事故などでも、医療者の人権が守られない事故調査が実施されたと、大磯氏は問題視する(『群大執刀医「『過失あり』に納得できず」』、『造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年』などを参照)。また事故調査に当たっては、調査を行う医療機関側と、事故当事者の医療者の間には利益相反が生じる点にも、十分な注意が必要だとした。

 「センターへの報告が目的にあらず」

 「報告体制よりも、重要なのは院内体制の整備」。こう警鐘を鳴らしたのは、「現場の医療を守る会代表」世話人で、坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏。現在、日本医療機能評価機構が実施している「医療事故情報収集等事業」とは異なり、この10月からの医療事故調査制度では、無床診療所も、該当する医療事故があれば、医療事故調査・支援センターへの報告が求められるからだ。「報告することが目的化してはいけない」と指摘し、(1)全死亡のチェック体制の構築、(2)院内の医療安全管理指針と公表基準の見直し、(3)ピアレビュー、CPC、M&M、(4)事故が起きた時の初動体制の構築、(5)グリーフケア、(6)過重労働対策――などに関する院内での準備が求められるとした。そのほか、新制度の報告対象は、「医療事故情報収集等事業」に包含されるため、「屋上屋を重ねてはいけない」と述べ、重複する二つの制度の在り方も疑問視した。

 社会医療法人慈生会(東京都足立区)理事長の伊藤雅史氏も、管理者の立場から、制度開始まで1カ月強と迫っていることから、院内体制を整える重要性を強調。伊藤氏の病院では、全ての院内死亡例について、医療安全管理室でカルテ監査を行う体制になっている。必要に応じて主治医に話を聞き、詳しい調査が必要になった場合に事故調査委員会を開催するという。

 医療界に「二つの誤解」

 「二つの誤解」という観点から講演したのは、医師・弁護士の田邉昇氏。「二つの誤解」とは、(1)医師法21条に基づく異状死体の届出は、医療への警察介入のきっかけになるので、警察に届出をしなくて済む制度への期待、(2)医療事故は、きちんと調査して遺族に説明すれば、刑事、民事裁判に発展しないはずであり、そのための制度が必要――というもの。

 田邉氏は、東京都立広尾病院事件を例に挙げ、「二つの誤解」の理由を説明した。同事件の2004年の最高裁判決は、医師法21条について「外表異状説」を採用し、刑集(最高裁判所刑事判例集)に掲載されていることから、この判断は揺らぐことはないとした。「医療事故のうち、警察に届け出る義務があるものはほとんどない。また今回の制度に報告して、医師法21条の義務は免除されない」(田邉氏)。

 GL準拠の医療しかできなくなる懸念?

 医師・弁護士の山崎祥光氏は、具体例を挙げつつ、「医療に起因する死亡」の要件を説明。判断に迷うことも想定されるため、「医療事故調査・支援センターに報告する対象か否かを院内で相談する体制、仕組みを作っておくことが必要ではないか」とコメント。

 いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)院長の佐藤一樹氏は、厚生労働科学研究費補助金の「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」(研究代表者:西澤寛俊氏・全日本病院協会会長)の班員を務めた立場から、(1)WHOドラフトガイドラインこそ正規軍、(2)医師法21条「外表異状説」こそ正論、(3)モデル事業の無効性/有害性、(4)全国標準化はダメ!現場感覚と乖離、(5)院内報告書は遺族に交付しない、(6)RCA(根本原因分析)の危険性――を指摘し続けていると説明(『“事故調”西澤班、「自律的な院内調査が基本」』などを参照)。

 医療法人福寿会(岡山県倉敷市)理事長の秋山正史氏は、産科医療補償制度について言及した。同制度は、重度の脳性麻痺児に対する補償が目的。しかし、それだけにとどまらず分娩時の医師らの行為について、「優れている」から「劣っている」まで15段階で評価していることから、「分娩機関の反論する機会もないなど、医師にとって不利な私的裁判制度」などの批判があることを紹介。2009年に産科医療補償制度がスタートしてから、「ガイドラインに沿った医療しかできなくなった」との声がある一方、若手医師などの間では、「ガイドラインに沿っていれば、訴えられないから、楽」との安易な考えもあるという。なお、医療事故調査制度では、医療事故についての医学的評価は除外されている。



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20年後の保健医療政策、国民的議論を
保険医の定数配置や総合診療の推進の声も

2015年8月25日(火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 20年後を見据えた保健医療政策のビジョンについて、塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会「保健医療2035策定懇談会」(座長:渋谷健司東京大学大学院教授)が6月に策定した提言書を周知し、国民的な議論を深めるために、厚労省は8月24日、シンポジウムを開いた。策定懇談会のメンバーやアドバイザーの識者が、保険医の定数設定や総合診療医の推進などについてディスカッションした。

 冒頭のあいさつで塩崎大臣は、厚労省内に提言書の実現に向けた推進本部を設置したことを紹介。「実行するために、今日何をするのか大事」として、9月初めまでに省内の関係部局が提言書の120項目について、実現可能性を整理すると述べ、「必ず実行したい」と意気込みを語った(『「保健医療2035推進本部」を設置、厚労省』を参照)。

 策定懇談会の座長を務めた渋谷氏も登壇し、若手の識者や厚労省職員をメンバーにした策定懇談会で、充実した議論を行ったことをアピール。提言の実現に向けた動きについて「プロセスが始まったのはうれしい」とした上で、「提言書にはあえて議論を喚起する提案も盛り込んだ。国民的な議論の端緒にしてほしい」と期待を込めた。

  提言書では、高価値の保健医療サービスを低コストで提供する「リーンヘルスケア」、個人が必要なサービスを主体的に選択できる「ライフデザイン」、日本の優れた保険医療制度をモデルに世界をけん引する「グローバルヘルスリーダー」の3つのビジョンと、これらを実現するための具体的な施策120項目を挙げている(詳細は「保健医療2035」のホームページを参照)。

 パネルディスカッションでは、策定懇談会メンバーの日本医療政策機構理事の小野崎耕平氏がファシリテーターを務め、渋谷氏のほか、東海大学教養学部人間科学環境学科社会環境博士課程教授の堀真奈美氏、慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授の宮田裕章氏、厚労省保険局総務課企画官の榊原毅氏、アドバイザーの地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏、内閣官房社会保障改革担当室長の宮島俊彦氏の6人のパネリストが参加。ツイッターで会場からの意見もリアルタイムで壇上のスクリーンに表示された。

地域間格差をどう乗り越えるか

  意見が相次いだのは、医師の地域や診療科の偏在の問題。地域ごとに人口の高齢化の速度や資源が異なり、地域医療に関して中央集権的な決定をするのは困難だとの見方に対し、尾身氏は「東北地方などでは、県を超えた医師の偏在の問題など、県内の資源だけでどうにかできる限界を超えている。地域連携を支えるオールジャパンでの意思決定が必要だ」と指摘。「この県のこの診療科の医師はこれぐらいでいいという議論は、これまではタブーだったが、プロフェショナルを尊重しつつ、地域のニーズに沿った配置をする意思決定が求められる」と主張した。

 これに対して渋谷氏は、地域の医療ニーズに合わせた病院機能を整備する地域医療構想に触れ、「成功したらいいと思うが、本当に成功するのか疑問。在宅医療もできれば理想的だが、経済的なコストが高いとの指摘もある。病床機能を再編して、在宅に任せれば全て解決するとは思えない。民間で人々が求めるサービスを提供することも重要だ」と意見を述べた。

 また、提言書の「医師の偏在が続く地域での保険医の配置、定数の設定」と「自由開業の標榜の見直し」の項目に触れ、「これは必ずしも強制的にやることではない」としたのは、宮島氏。「地域医療は医師単独でやるのではなく、地域ケアに携わる人材や地域の人がいて初めてできる。また、医師1人でやらなくてもいい。主治医と副主治医で地域を診るという形もあるだろう。強制的ではなく、ネットワークとしてだんだん形成されていく過程をたどる。強制してもできないのでは」と注文を付けた。

 小野崎氏は、策定懇談会の中で一般から意見を募った際に、「国である程度、医師や専門家の配置について、考えた方がいいのではないか」という意見が多かったことを紹介。「医学部教育に多額の国費をかけて、国を挙げて育てた医師が、地域や専門に(定数)配置されてもいいと思う人が割といることが分かった」と説明し、保険組合が配置定数を決めるドイツの例を挙げ、今後の議論が必要だとした。
  
総合診療医はなぜ大切なのか

 尾身氏は、日本ではこれまで縦型の専門医が中心になってきたが、専門医を増やすだけでなく、コモン・ディジーズを診るファーストコンタクトの医師の質を高め、増やすことが必要だと指摘。総合診療医が19番目の専門医になったことに触れ、「今回初めてポジションが明確に定義された。これまでは総合診療医を選んだ人は専門家になれないと思われていた。今後はキャリアディベロップメントが重要になる」と述べた。

 榊原氏は、個人的な意見と断った上で、「自己負担の議論はこれからだが、良かれと思って在宅は厚めに診療報酬が付くようにしていたが、患者はより多く払わないといけなくなる。提供者には厚く、受診者には負担を減らすようなインセンティブも議論していいのではないか」と提案した。

 宮田氏は、総合診療医は専門医よりも、医学知識の常時アップデートが難しいと指摘し、「IT化や専門医チームとの相談で支援できる」と指摘。渋谷氏は、「生活習慣病の指導や予防などの公衆衛生の視点も必要になる。重要なのは、患者にとっての価値をどう高めるか。マネジメント能力やコミュニケーション能力など基本的なコンピテンシーを持った人材の育成が必要だ」と話した。


  1. 2015/08/26(水) 07:27:39|
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8月24日 

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1508/1508067.html
“医師不足”は絶対数の不足ではなく,地域・診療科の偏在
日本医師会と全国医学部長病院長会議が緊急提言

[2015年8月24日] MT Pro / Medical Tribune

 医学部入学の定員増加により医師の数は増加しているが,依然として医師不足が指摘されている。日本医師会と全国医学部長病院長会議は,8月19日に記者会見を開き,「“医師不足”は医師の絶対数の不足ではなく,地域・診療科の偏在が大きいことであり,医学部新設では解消につながらない」とし,緊急提言の骨子を発表した。今後,さらなる検討を重ね,厚生労働省などに働きかけていくという。

医学部入学定員の削減と新たな医学部設置許可の差し止めも

 日本医師会会長の横倉義武氏は「医師の地域・診療科偏在解消が喫緊の課題となる中で,日本医師会では全国医学部長病院長会議とともに,医師偏在解消策検討合同委員会を設立し,今年(2015年)3月に第1回会合を開催して以来,7回にわたり議論を重ねてきた」と述べ,医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言の骨子をまとめたことを報告した。

 偏在解消に向けた大きな柱は,以下の5つである。

 1. 医師キャリア支援センター構想
 2. 出身大学がある地域での臨床研修
 3. 病院・診療所の管理者要件への「医師不足地域での勤務経験」の導入
 4. 地域ごと・診療科(基本領域)ごとの医療需給の把握
 5. 医学部入学定員の削減と新たな医学部設置許可の差し止め

 同氏は「今後もこの骨子を基に,さらなる検討を続け,国に向けて提言する所存である」と述べた。

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は「2004年度に新医師臨床研修制度が創設され,臨床研修医が大学病院以外の病院を選ぶケースが多くなり,医師が不足した大学病院は,地域の医療機関への医師の派遣に困難を生じるようになった。そのため,地域の医療機関では,新たに医師を確保できず,医師不足が顕在化した」と説明。「こうした状況を踏まえ,医学部入学定員は2008年度から暫定的な増員が行われ,2010年度以降は地域枠を中心に引き上げられた。その結果,2007年度には7,625人であった定員は2015年度には9,134人に増加。医師の絶対数の不足に対しては対策がなされており,順次,医学部定員増の効果が現れてくるものと期待される」と述べた。

 また,「一部にはさらに医学部を新設し,医師養成数の増加を図るべきとの意見もあるが,現状の医師不足の本質は,医師の地域・診療科偏在であり,これらの解消こそ喫緊の課題である。卒前教育の充実,それに続く卒後教育の充実のためには現行の医師臨床研修制度の抜本的な見直しや適切な専門医制度の設計が必要である」と強調した。

医師キャリア支援センターの役割が重要

 釜萢氏は,緊急提言の内容を説明し,「今回の緊急提言の骨子の5つの柱においては,医師キャリア支援センターが大きな役割を担うこととなるため,全ての大学に同センターを設置することが重要となる(現在は,設置している大学と設置していない大学がある)」と述べた。

 同氏は「現在,臨床研修制度の抜本的な見直しが行われており,それによって臨床研修のやり方が変われば,医師の地域・診療科偏在の問題についても新たな対応が必要になることが予想される。本日は骨子をお伝えしたが,近々,提言書を完成させ公表する予定である」と述べた。

新医師臨床研修制度の開始以降,マッチングに問題

 全国医学部長病院長会議会長の荒川哲男氏は,現在の医師不足の本質について「2004年度に始まった新医師臨床研修制度から,大学病院で研修する臨床研修医が減少し,マッチングに問題があるといえる。新制度以前には大学病院での研修が70〜80%であったのに対し,新制度以降は50%程度になり,地方の大学病院では40%を切るところもある。現在,大学病院からの医師派遣機能が麻痺しているというのが,見かけ上の“医師不足”である」と説明した。

 医師数が増えているにもかかわらず,各都道府県での偏在が拡大している。医師の増員,医学部新設では問題の解決につながらないということが明るみに出たといえる。同氏は「今回の緊急提言に沿って医療の改善を進めていくことが,本来の“医師不足”解消につながっていくと考えている」と述べた。

医療制度の改訂に応じて提言も変更

 全国医学部長病院長会議顧問の小川彰氏は「厚労省が先日発表した報告によると,2025年には日本の医師数はOECD,G7の世界標準に到達することが明確になっており,医師の適正数を維持するためには,2025年の6年前には定員の削減を行うべきである。一方で,日本の人口は減少している。また,当会議の調べにより,定員増の影響で医学部学生の学力低下も明らかになった」と主張。「国民が求めているのは,有能な医師に診察してもらうことで,われわれにも有能な医師を輩出する責任がある。単に数だけ増やすと,医師の能力低下という問題も生まれる。頭数を増やすのではなく,地域・診療科偏在の解消こそが現在の“医師不足”解消の鍵である」と述べた。

 同氏は「今回の提言は現在の医療制度の中でのものとなるため,制度の変更により緊急提言の内容も変わっていくという認識の下,常にこの提言は進歩,発展し,変更されていくことが前提である。現時点における最高の考え方を提示させていただいた」と結んだ。

(慶野 永)



http://www.m3.com/news/iryoishin/349487
シリーズ: 改革進む医学教育
無医地区が全国で2番目に多い県◆広島大学Vol.3
地域医療を担う医師を育てる

2015年8月24日(月)配信 成相通子(m3.com編集部)

 広島県は北海道に次いで2番目に無医地区が多い。人口約280万人の県に、医学部があるのは広島大学のみ。地域に根付いた臨床医の養成は喫緊の課題だ。

 2006年の医師数調査では、全国で医師数が減少に転じたことが判明。広島県でも診療体制を縮小する医療機関が相次いだため、2008年に危機感を持った広島県知事、県医師会、広島大学長らが連名で緊急アピールを発表し、地域医療の現状を県民に訴えた。県は医療体制整備事業として医師確保対策の推進や地域医療の充実に努めている。


 2010年に県の寄付金で開設されたのが広島大学地域医療システム学講座だ。同講座では、5年生で行う必修の地域医療臨床実習、6年生の選択の臨床実習、1学年20人の「地域枠」の学生の地域医療実習の指導やコーディネートを実施している。

 特に5年生の地域医療の臨床実習は、広島県の山間部や島しょ部(中山間地域)の病院と連携して、4泊5日の泊まり込みで行う。文部科学省のモデル・コア・カリキュラムの一環だが、広島大学では特に医師不足が深刻な中山間地域の医療について理解を深めることを目標に掲げ、全員が中山間地にある5つの病院(庄原赤十字病院、安芸太田病院、公立世羅中央病院、公立みつぎ総合病院、上石高原町立病院)に行く。

 実習は通年で、交代しながら2人1組を週に2、3カ所の病院に派遣。食事も病院食だ。教員も一部実習指導に加わり、最終日には1週間の振り返りを行う。

 同講座教授の竹内啓祐氏は、実習の手応えを感じている。実習前のアンケートでは「地域医療に興味を持っていない」とする学生が約3割いたが、実習後には約1割に減少。さらに、「将来、地域医療に従事してみたいか」という質問に対しても、実習前は3割が否定的だったのに対し、実習後は2割に減り、「従事してみたい」という積極的な意見が増えた。

 1週間の実習ですぐに地域医療に従事する医師が増えるわけではないが、「目的は、学生を中山間地域に曝露すること。実際に行くことで、(大学病院との違いに)ショックを受けて、医師不足について考えるきっかけにしてほしい」と竹内氏は語る。

「地域枠でも専門医が取れるように」

 広島大学では「ふるさと枠」と呼ばれる推薦入試の「地域枠」は2009年度から設立され、現在は毎年20人が入学している。「ふるさと枠」の学生は、卒後12年のうち9年間は県内の公的医療機関に勤務し、そのうち4年間は知事が指定する県内中山間地域公的医療機関で指定の診療科に勤務しなければならない。

 「ふるさと枠」の学生に対しては、1年生から春、夏、冬に医療現場体験や合宿があるほか、毎週水曜日に「ふるさと枠セミナー」というミーティングを実施。学年を越えたグループワークや実技実習を行い、将来の不安を解消するための話し合いもしている。

 課題となるキャリアプランに関しては、専門医育成プログラムがある27の全診療科が個別に「ふるさと枠」の学生の中山間地域勤務の義務と専門医取得が可能となるキャリアプランを作成し、担当者を設置した。

 自身も自治医科大学の出身で、広島県の中山間地域での医療に携わってきた竹内氏は「若いころは最先端の高度医療をやりたいという気持ちが大きい。一方で、地域に大事にしてもらえる地域医療の魅力もある。両方とも満足できるようなシステムが重要だ」と指摘する。

学生に様々な現場を体験させる

 「将来、地域医療に携わりたい」と話す6年生の岸本健一氏は、5年生の地域医療臨床実習について、「地域医療でもできることは多い。人と向き合って、患者の家族や家のことも分かる。大学では分からない医療を知ることができた」と好評価する。6年生の峠香苗氏も「大学よりも他職種とのコミュニケーションが密だった。地域住民との交流も盛んで、いい機会になった」と話している。

 岸本氏と峠氏は、同大の国際交流事業で短期間の留学も体験。台北大学に行った峠氏は「MRIやCTがあることなど日本で当たり前のことが当たり前でないと気付けた」と話し、オーストリアのグラーツ大学に行った岸本氏は「地域医療に従事する前に海外の医療も知りたかった」と語る。

 広島大学が実施する、合同教養実習、地域医療、医学研究実習、国際交流などのさまざま取り組みは、学生に実際の現場を体験させることで、学生自身がキャリアを考えて選択する仕組みになっているようだ。



http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2015/08/post_12023.html
【相双の医療】看護師不足解消せず 入院患者受け入れに影響
2015/08/24 12:28 福島民報

 相双地方の病院は東京電力福島第一原発事故から間もなく4年半を迎える今なお、深刻な看護職員不足にあえいでいる。県によると、相双地方の看護職員数は、事故直後に震災前より約4割少ない700人台に落ち込んで以降、回復の兆しが見えない。既に避難先で別の病院に勤務したり、事故の風評で新規採用に応じなかったりしているためだ。住民の帰還に伴って患者数は回復傾向にあるが、看護職員不足で入院患者の受け入れを増やせない病院もある。

■横ばい
 県によると、相双地方の看護師や保健師ら看護職員は、震災前の平成23年3月1日時点で1188人いた。同地方で入院患者を受け入れていた16病院は、原発事故による休業で離職したり、避難したりして震災から約4カ月後の7月1日時点で783人にまで減った。
 現在、外来診療や入院患者を受け入れている10病院でも、震災前の3月1日時点で788人いた看護職員が今年7月1日時点で676人にとどまる。年代別に見ると、20~40代の働き盛りの世代が不足傾向にある。
 南相馬市原町区の小野田病院では、79人いた看護師のうち事故による避難などで約20人が退職。その7割は20~30代の若手だった。同病院の事務担当者は「小さな子どもを抱え、放射線への不安から避難した人もいる。県内外で人材募集をかけているが、厳しい反応だ」と明かす。

■空き病床
 相双地方では避難住民の帰還が進み、患者数自体は回復傾向にある。だが、看護職員不足で入院患者の受け入れを制限せざるを得ない病院が少なくない。
 震災後に南相馬市から新地町に移転した渡辺病院は、震災前に約80人だった看護師が約50人にまで減少した。人員不足で175床のうち約四分の一に当たる46床での稼働を余儀なくされている。今年4月に現状のほぼ2倍に当たる約90床での稼働を目指したが、人員確保の見通しが立たず10月に先送りとなった。
 南相馬市立総合病院は、震災前に近い看護師約110人を確保した。しかし、新たに雇用した人の多くが臨床経験の浅い若手で、病床数を震災前の230床から150床に減らして運営している。

■打開策
 看護師ら看護職員の確保は、相双地方の医療再生に不可欠な要素だ。県は、相双地方以外から呼び込もうと、県外の病院から旧緊急時避難準備区域だった南相馬市内の病院に移る人に、前の職場との給与差額の一部を補填(ほてん)する制度を設けている。県内の看護学生や高校生が相双地方の医療体制を学ぶバスツアーも実施している。しかし、看護職員はいずれの地方でも不足傾向にあり、事態を打開するには至っていない。ある相双地方の病院の事務担当者は「(相双地方は)原発が立地し、風評は今も根強い。確保に向けて打つ手は全て打ったのだが...」とため息をつく。
 県医療人材対策室は「本県の現状を丁寧に説明するとともに、福島で働く意義を伝え、理解してもらうことで人材確保につなげたい」としているが、抜本的な対策は見えてこないのが現状だ。

[背景]
 相双地方はもともと看護師や医師が少ない"医療過疎地"とされていたが、東日本大震災と東京電力福島第一原発による避難で看護師らの流出に拍車が掛かった。医師数も震災前の水準に回復しておらず、平成23年3月1日時点で120人だった常勤医師数は、今年4月1日時点で88人にとどまっている。



http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20150824/news20150824993.html
医療職への興味育てて、子どもたちが仕事体験 松前
2015年08月24日(月) 愛媛新聞

 医療職を体験し、将来の夢を考えるきっかけにしてもらおうと、「子どもの夢プロジェクト2015」が23日、愛媛県松前町筒井のエミフルMASAKIであり、子どもたちが医師や救急救命士などの仕事の一端に触れた。
 病気や障害のある子どもと家族を支援するNPO法人「ラ・ファミリエ」(松山市室町)が主催。子どもたちは医師や県立医療技術大学(砥部町高尾田)の学生、松前消防署員らから血圧測定や血液型判定、心臓マッサージなどの方法を教わった。実際に現場で使う器具や試薬も使って、真剣な表情で取り組んでいた。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H0T_U5A820C1EAF000/
後発薬普及へ公定価格引き下げ検討 厚労省が戦略案
2015/8/24 10:52 日本経済新聞

 厚生労働省は24日の審議会で、特許が切れて割安な後発医薬品(ジェネリック)の普及を中心とする医薬品産業の戦略案を示した。患者の負担を減らすため、後発薬の公定価格の引き下げを検討する。輸入する後発薬の品質を確保するため海外工場の調査にあたる人員を増やす。高齢化で膨らみ続ける医療費の抑制につなげる。

 厚労省は2020年度までに後発薬の普及率(数量ベース)を約3割高め8割にする目標を掲げている。医療サービスなどの公定価格(診療報酬)を16年度に見直すにあたり、後発薬の価格を下げるほか、後発薬を処方する医療機関や薬局が受け取る報酬も充実させる方針だ。

 普及率の目標を達成するには輸入品も増える見通しだが、医師や患者のなかには海外の後発薬の品質に不安を抱く人もいる。医薬品医療機器総合機構(PMDA)で海外工場の実地調査にあたる人を増やす。

 一方、新薬メーカーの収益を確保するため、革新的な新薬は公定価格の引き上げを検討する。国内市場で後発薬が増えても、画期的な新薬を開発すれば一定の収益を確保できるようにする。M&A(合併・買収)による規模の拡大も視野に入れるよう促す。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=122923
製薬企業の合併促し、国際競争力強化…医薬戦略骨子案
(2015年8月24日 読売新聞)

 政府が成長分野の一つに位置づける医薬品産業の活性化に向け、厚生労働省が策定した総合戦略の骨子案が分かった。

 国内の製薬企業の合併を促し、海外企業と渡り合うには十分とは言えない競争力の強化を目指す。日本発となる新薬の開発を後押しする一方、安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及を進める方向性も打ち出した。厚労省は24日、業界との懇談会で示し、来年度の診療報酬改定に向けて議論する。

 世界の製薬企業売上高上位10社の中に国内企業は入っておらず、骨子案は「買収や合併による事業拡大を視野に入れるべきだ」と指摘。新薬を開発できない企業には後発薬製造などへの事業転換を迫った。

 厚労省は今年度、世界に先駆け日本で開発され、高い効果が見込めるがんや生活習慣病などの新薬を早期に承認できる制度を新設した。骨子案では、この新制度で承認された製品の価格を高く設定し、製薬企業に日本での開発を促すことを検討するとした。

 後発薬の普及策では、患者の負担を減らすため、最初の保険適用時に新薬の6割(一部5割)に設定している価格のさらなる引き下げを検討。品質向上などの面から、中小企業が多い後発薬企業の集約化も促す。

 特許が既に切れて値下がりしたものの、効果が高い高血圧治療薬や抗生物質などを医師が優先して処方するような方策や、生産停止に追い込まれないように価格面で下支えする方策も検討するとした。



http://mainichi.jp/area/iwate/news/20150824ddlk03040213000c.html
県立地域診療センター無床化:「近くに入院施設ない」54% 住民の不安鮮明に アンケート /岩手
毎日新聞 2015年08月24日 地方版

 地域医療の充実を目指す住民組織や、いわて労連など6団体でつくる「いのちのプロジェクト」は、入院病床が廃止された県立地域診療センターがある県内6地域の住民に実施したアンケート結果を公表した。「無床化」に伴い、「近くに入院する病院がない」(54%)や「夜間や休日が不安」(45%)など、多くの住民が不安を抱えている実態が明らかになった。

 同プロジェクトは3〜5月、岩手町や紫波町など県内6地域の住民1万4000世帯を対象に、病院などに受診する際の困りごとや、県への要望などを問うアンケートを実施。3255世帯から得た回答(回収率23%)をまとめた。

 休日や夜間に急に体調が悪くなった時の対応については、「救急車を呼ぶ」(40%)が最も多く、「受診できる病院を探す」(31%)などと続き、「我慢する」は12%に上った。自由記述欄には1391世帯が回答。「ふるさとで死ねない(入院できない)不安があるので、病院のある地域に移住したい」「高齢化率の高い地域で入院できる病院などがないことに不平等感を感じる」などの声が寄せられた。

 同プロジェクトは、県医療局にアンケート結果を説明。入院病床の復活や救急医療体制の抜本的な改善、地域医療体制の充実を要請した。同プロジェクトの及川剛さんは「寄せられた声は、安心して生活できないことを示しており想像以上に深刻。入院病床の復活を求めていきたい」と話した。【近藤綾加】



http://www.asahi.com/articles/ASH8K62Z4H8KULFA026.html
消費増税、病院経営を圧迫 「8%」ショック
高谷秀男、松浦新
2015年8月24日05時06分 朝日新聞

 「今年度は10億円の赤字です! 節約しませんか? ペーパータオルはたくさん取らずに1枚だけ」

 千葉市の千葉大医学部付属病院(ベッド数835床)の職員用トイレにはこんな貼り紙がある。

 2014年度決算は7億円の赤字だった。04年度に国立大学法人になって初の赤字。消費税率8%への増税が病院経営を直撃した。

 公的保険の医療サービスは消費税が非課税だが、病院が仕入れる物品には消費税がかかる。今回の増税で千葉大病院は消費税の支払いが5億円増えた。診療報酬による穴埋めを差し引いても2億円の負担増だ。

 赤字対策としてあらゆる経費節減に取り組む。残業を減らすため、従来は午後6時や7時に始めていた医療スタッフの会議を5時開始に早めた。手術用の帽子や注射器などは千葉市立の2病院と共同購入し、単価の引き下げを図る。

 薬はもともと安い後発薬を優先してきたが、さらに徹底し、7月には後発の比率が80%に達した。2月には3本目の井戸を稼働させた。病院で使う水の8割が地下水となり、年間1千万円の経費を削った。

 山本修一院長は「大学病院は最先端の医療に携われるから人材が集まる。しかし、最先端の医療機器を導入すればするほど消費税の負担が増える。必要な投資なのに後ろから撃たれているような感じだ」と窮状を訴える。

 苦しいのは私立も同じ。川崎市の聖マリアンナ医科大学病院(1208床)では、診察室のパソコンの電源を入れると「XP」の文字が浮かび上がる。米マイクロソフト社の基本ソフト、ウィンドウズXPのことで、昨年4月、顧客へのサポートを終了した。同病院は更新する予定だったが、延期して約20億円の経費を浮かせた。院内だけのシステムで、大手パソコンメーカーの協力を得ているので問題はないという。

 さらに業務委託していた看護助手は、直接雇用に切り替えた。委託費には消費税がかかるからだ。

 医師らの人件費に切り込む病院も出てきた。千葉県鴨川市に拠点を置く亀田総合病院グループ(992床)は、職員のボーナスを5~6%引き下げた。14年度の消費税支払額が前年度より約4億円増。これは前年度の税引き前利益約1・5億円を上回り、赤字が現実味を帯びたからだ。

 亀田隆明理事長は「国は診療報酬に消費税分が含まれるというが、消費税を正しく反映することは不可能だ。大きな設備投資や医療材料を多く使う基幹病院ほど負担が重い」と話す。

 首都圏のある医療法人の理事長は、この1年間で10の病院から「買収してもらえないか」と打診があったと明かす。「都心の100床以下の病院は、同じように収益を圧迫されている周囲の大型病院に患者を取られて大変なようだ」

 医療と同様、介護保険のサービスも非課税のため、物品購入にかかる消費税が重荷になっている。

 東京都世田谷区の特別養護老人ホーム「博水(はくすい)の郷(さと)」では、8%への増税で年間の消費税支払いが約600万円増えた。光熱費やリネン、おむつなど仕入れる物品のほぼすべてに消費税がかかる。送迎車の運転も業務委託なので、委託費に消費税が乗ってくる。

 政府は介護事業者の負担増を穴埋めするとして、増税時に介護サービスの公定価格である介護報酬を0・63%引き上げた。だが、博水の郷の介護報酬は約300万円しか増えなかった。田中雅英施設長は「全く足りません」と話す。

 コスト削減のため、3月から事務職員を1人減らし、残りの6人が残業でカバーする。照明はLEDに切り替え、近く節水装置も導入する。福祉施設の経営に詳しい宮内眞木子税理士は「全国的に見て、消費税がかかる物件費は費用の25%くらいある。0・63%ではちょっと足りない」と指摘する。

■輸出には消費税を還付

 輸出品は海外で売る時にその国で課税されることを考慮して、消費税をかけない。かけないのは「非課税」の医療・介護と同じだが、輸出は「免税」と呼ばれ、「仕入れ税額控除」を使えるのが特徴だ。

 一般の商品の場合、小売店などは消費者から受け取った消費税から、仕入れで卸売業者らに支払った消費税を引いた差額を納税する=図。この差し引く仕組みが仕入れ税額控除だ。

 輸出が多い企業は、仕入れ税額控除を使うと、受け取る消費税より支払った消費税が多いので、その差額が税務署から還付される。一方で医療・介護はこうした還付がない代わりに、診療報酬や介護報酬で穴埋めする仕組みになっている。

 2014年度の消費税還付金(地方消費税分を除く)は3・4兆円で、税率5%だった前年度から1兆円近く増えた。大半が輸出によると見られる。国の消費税収約16兆円は、還付金を引いた残りだ。

 大手自動車メーカー5社が受け取った還付金を元静岡大教授の湖東京至(ことうきょうじ)税理士が14年度決算などを基に推計したところ、計6千億円だった=表。前年度より2707億円多い。税率が10%になればさらに膨らむ。

 各社は受け取った還付金額を開示していない。トヨタ自動車は「輸出取引は消費税を受け取ることができないため還付を受ける。法に基づき適正に処理している」(広報部)と説明する。日産自動車は「(医療など)非課税取引も還付の対象にすべきではないか」(同)と話している。

 自動車部品などの下請けメーカーは、納入先に消費税を転嫁できれば負担増にならないはずだが、異なる実態もある。

 ある下請け部品メーカーは、当初増税分を売値に転嫁できたが、その後のモデルチェンジの際に実質値下げをのまされたという。「納入先が消費税を払ったといっても、その分、値下げされたら、下請けは自腹で消費税を納税しているのと同じ」と社長は言う。

■実態とずれ、見直す動き

 《解説》病院や介護事業者の仕入れにかかる消費税負担は、診療報酬や介護報酬の引き上げで穴埋めする方法をとってきた。今回の増税を機に病院などの不満が噴出したのは、報酬での穴埋めが実態とずれ、配分が偏るなど、制度上の不備を無視できなくなったからだ。

 厚生労働省は実態調査を踏まえて報酬を決めてきたが、消費税が絡むすべての取引を報酬で網羅するのは難しい。今回引き上げたのは約7千項目の診療報酬本体のうち初診料や再診料、入院基本料など一部だ。このため物品購入や設備が多い医療機関ほど穴を埋めきれなくなる。一方、比較的簡単な診療が多い開業医などは穴埋め分より過剰に配分される可能性がある。

 制度を見直す動きもある。日本病院会などでつくる四病院団体協議会は昨年、日本医師会と連名で消費税問題の抜本的解決をめざす税制改正を要望。この春から医療界、厚労省、財務省も加わって問題解決に向けた検討を始めている。

 輸出品のように、支払った消費税を後で差し引いたり還付したりする仕組みなら透明で問題は生じにくいはずだ。このため医療界には控除や還付を求める意見が強い。税率については免税や軽減税率、標準税率まで意見が分かれている。非課税を続けながら新たな病院支援策を求める声もあり、一枚岩とはいえない。(高谷秀男、松浦新)


  1. 2015/08/25(火) 05:14:25|
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8月23日 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150823-00050098-yom-soci
国立大26校、文系学部の改廃を計画
読売新聞 8月24日(月)3時0分配信

 文系学部のある全国の国立大60校のうち、半数近い26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していることが、各国立大学長を対象にした読売新聞のアンケート調査でわかった。

 教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる。国立大の文系に再編の波が押し寄せている実態が浮かび上がった。

 文部科学省は今年6月、大学改革を狙いに、法学部や経済学部などの人文社会科学系と教員養成系の学部・大学院の廃止や他分野への転換を求める通知を出した。アンケートはこれを受け、全国立大86校の学長に7月末現在の学部の改廃計画や通知への受け止めなどを尋ね、81校から回答を得た。



http://www.m3.com/news/general/350636?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150822&dcf_doctor=true&mc.l=118318475
ジェネリック、海外での品質検査強化へ…安全確認し普及促進
2015年8月22日(土)配信 読売新聞

 新薬より安価な後発医薬品(ジェネリック)の普及を促進するため、政府は来年度、日本に原薬や製剤などを輸出する海外製造所に派遣している査察員を、増員する方針を固めた。

 ジェネリックの信頼性への懸念が普及への障壁になっているためで、研究者などから品質への疑問が出たジェネリックについて、厚生労働省が実施した品質確認検査の結果を、新たにまとめる。

 薬の安全性の査察を行う独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)の担当部門を、現在の約50人から1・5倍程度に増員する。査察員は海外の医薬品製造所に出向き、〈1〉製造過程や品質管理〈2〉社員の教育訓練――について、国内と同様の査察を実施する。

 疑問が指摘されたジェネリックの品質確認検査の結果については、厚労省が「ブルーブック(仮称)」として冊子にまとめ、医療関係者らに配布する。

 ジェネリックは特許の切れた新薬と同じ有効成分で作られ、価格は3~5割程度のものが多い。効果や安全性は、厚生労働相が新薬と同等と認定しているが、医師や利用者の間では不安が根強く、2014年の厚労省調査によると「積極的には処方しない」とした医師の約6割が「(効果や副作用を含む)品質に疑問がある」と答えた。

 今年2月現在の普及率は、欧米各国よりも低い58・2%。中でも、「輸入品の安全性への問い合わせが多い」(厚労省)ことから、海外査察員の増員により不安解消を目指すことにした。同省は来年度予算の概算要求に、ジェネリック普及の関連費用として計9億1000万円を盛り込む。

 政府は6月末、年40兆円を超す医療費削減の目玉として、ジェネリックの普及率を20年度末までに80%以上に高める目標を設定。達成されれば、年に1・3兆円削減できる計算だ。

 厚労省ではこのほか、ジェネリック普及に向けた総合戦略を月内に策定する方針で、承認当初は新薬の6割(一部5割)に設定されている価格を、さらに引き下げられないか検討する。ジェネリックに市場を奪われる形になる新薬メーカーについても、薬価改定の度に安くなる新薬の価格を、特許期間の20~25年の間は下がりにくくする育成策を検討する。



http://www.m3.com/news/iryoishin/349486
シリーズ: 改革進む医学教育
4年生全員が4カ月間の研究実習◆広島大学Vol.2
「基礎研究に全員を曝露させる」、海外での実習も

2015年8月23日(日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 広島大学は、2012年度から医学部4年生全員を対象にした4カ月間の研究実習を始めた。これまで、4年生の年度末に行っていたCBTやOSCEを半年前の9月に前倒しし、10月から翌年1月末まで「みっちりと研究生活」を送るという。

 開始直後から担当している広島大学大学院医歯薬保健学研究院分子細胞情報学教授の今泉和則氏によると、目的は2つ。1つは臨床医になる学生にも研究マインドを養ってもらうこと。2つ目は医学研究を将来志す学生の育成だ。

 それ以前は2年次に1、2カ月間の研究実習をしていたが、低学年で知識が乏しいことや短期間であることから研究を掘り下げて行えず、不十分だとの反省があった。また、全国的に基礎研究の志望者が減少するのと同じく、広島大学でも減少。臨床医の研究マインドを養い、基礎研究者を増やすためには、全員が長期間、研究に没頭できるような仕組みが必要だった。

 開始の5年以上前から教授会で医学教育のカリキュラム再編の検討を重ね、座学を圧縮するなどして、2012年度に始まった。

1人1人が研究成果を発表

 具体的な実習は、多くの研究室が協力して支えている。学生は1 学年約120人。医学科以外にも原爆放射線医科学研究所などの計53~54の研究室に、教室の大きさに合わせて1~6人を配置。必ず1人1テーマが教員から与えられ、教員に示された研究の道筋に沿って実験を進める。テーマは基礎・社会医学研究に絞り、臨床研究は対象から外している。

 学生には、『医学研究実習手帳』という手のひら大の手帳が配布され、その日の研究内容や発見、感想などを毎日書き込む。教員がチェックし、出席や研究の進捗状況の把握に利用する。研究成果は、1カ月ごとにまとめて、レポートを提出。4カ月目の最後のレポートは、最終的な報告書として冊子にまとめている。

 最終週には、300人以上が収容できる広仁会館のホールで研究成果のプレゼンテーション大会を開催。4カ月間の成果についてポスターを展示し、6分のプレゼンと4分の質疑応答を行う。3人1組の教員が6組に分かれ発表の審査を行い、点数の上位学生から優秀賞を選ぶ。翌日、優秀賞受賞者は講義棟においてオーラルプレゼンテーションを行い、さらに最優秀賞の受賞者が1人選ばれる。

 中には、学会や、研究会で発表する学生も出てきており、今泉氏は「いいサイクルに入ってきた」と評価する。2012年度の4年生は現在卒後研修1年目で、実際に基礎研究に進む人が増えるかはまだ分からないが、研究実習が終わった後も臨床実習をしながら研究室に顔を出す学生も出てきた。また、「もともと医学研究を志しておらず、『自分は臨床一本だ』という学生が、研究の楽しみを見いだしガラッと変わった」(今泉氏)ケースも。臨床にしか興味がないと思っている学生も含め全ての学生を研究に「エクスポーズすることが大事」と今泉氏は強調する。

 今泉氏によると、医学部の学生は「医師になりたい人がほとんど」。しかし、研究者としての考え方やアプローチの仕方を学ぶことは臨床医にとっても重要だという。

 大学としてカリキュラムを組めるのは4カ月間だけだが、興味を持つ学生が増えて、自主的に研究を続け、成果が出ることを期待している。

学外の研究室でも実習

 学内の研究室だけでなく、協力する国内外の研究室で研究もできる。国内では理化学研究所や東京大学、京都大学の研究室、海外ではカナダのトロント大学や米国のハーバード大学、イリノイ大学、UCLAなどに派遣している。これまでに海外の研究室で実習したのは約33人で、2015年度は8人が行く予定だ。

 国際交流を担当する広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門ウイルス学教授の坂口剛正氏は「私を含めて、以前はポスドクで留学するのが主流だった。留学すると大きな刺激を受けて、『変わる』体験ができる。ぜひ若いうちにそういう体験をしてほしい」と語る。

 海外の大学への派遣は、国内よりも慎重にマッチングを行い、研究実績が出せるように配慮している。派遣先は、広島大学医学部の教員の直接の知り合いやコネクションがあった教授の教室で、派遣先から求められるスキルや研究内容を聞き、それに応えられる学生を審査して選ぶ。1年生から実施しているTOEICの成績も考慮される。

 2014年度にハーバード大学の関連病院であるマサチューセッツ総合病院で集中治療の基礎研究をした5年生の高田康平氏は「アメリカ人は作業が適当なところもあってびっくりした」と笑う。「海外に出て、日本の良さも痛感した。一つのことを粘り強く研究する楽しみも分かり、将来の選択肢も広がった」と振り返る。トロント小児病院に行った5年生の吉田龍平氏は「プレゼンで熱い討論が続くのはすごかった。一方で、日本の医療制度の優れた点も分かった。学生の時にしかできないことが経験できた」と話した。



http://www.m3.com/news/general/350856
依存性のある睡眠・抗不安薬「ベンゾ系薬剤」、過剰処方が2割
2015年8月23日(日) 読売新聞

 精神科などを受診する外来患者の約2割が、睡眠薬や抗不安薬に広く使われている「ベンゾジアゼピン(ベンゾ)系」の薬剤の処方量が過剰であるとする調査結果を、医療経済研究機構がまとめた。

 依存性があるベンゾ系薬剤は、使い続けるとやめにくくなる危険があり、厚生労働省は診療報酬で睡眠薬や抗不安薬の多剤処方を制限している。

 大手調剤薬局のデータベースを使い、2011年4月~昨年11月に精神科と心療内科から発行された、延べ110万人分の処方箋を分析した。その結果、標準的なベンゾ系薬剤(ジアゼパム)換算で1日当たりの最大用量を超えていた割合は19・1%だった。内訳は2倍以内が13・3%、2倍超から3倍は3・7%、3倍超は2・1%だった。

 日本は先進国の中でベンゾ系睡眠薬の使用量が極めて多いことが知られている。厚労省は昨年度の診療報酬改定で、睡眠薬や抗不安薬を一度に3種類以上処方した場合、原則的に診療報酬の一部を請求できない仕組みを導入した。だが、今回の調査ではベンゾ系薬剤の処方量は導入前と比べてあまり変わっていなかった。

 調査結果をまとめた同機構の奥村泰之主任研究員は「規制を導入しても全体の処方量を減らすことにはつながっていない。薬をやめにくくなる場合があることを念頭に置き、過剰な処方が行われないようにする対策が必要だ」としている。



http://mainichi.jp/edu/news/20150823ddlk43040200000c.html
ブラック・ジャックセミナー:外科医を目指して 高校生が手術模擬体験 済生会熊本病院 /熊本
毎日新聞 2015年08月23日 地方版

 高校生が外科医の指導を受けながら手術の模擬体験をする「ブラック・ジャックセミナー」が22日、熊本市南区の済生会熊本病院であり、市内の高校1年生38人が参加した。

 外科医不足を解消するため、将来的に医療界を志してもらうことを目的に、医療機器メーカーが2005年から全国各地で実施。過去のセミナー受講者が実際に外科医になったケースもあるという。

 参加者は、手術室で本物の超音波メスや電気メスを使って人体の代わりに豚肉を切断したり、実際の医師たちも練習のために使う手術シミュレーターや内視鏡手術トレーニングを体験したりした。

 真和高1年、野満友喜さん(15)は「ここで人の命が救われていると思うと緊張した。手術シミュレーターの画面はリアルで面白かった」と話した。

 済生会熊本病院の田中秀幸外科医長(48)は「セミナー参加者の進路の選択肢に医療界も加えてもらえたらうれしい」と話していた。【野呂賢治】



http://apital.asahi.com/article/news/2015082400004.html
山梨)育て、未来の外科医 模擬手術体験の催し
2015年8月24日 朝日新聞

 小学生に外科医の仕事を身近に感じてもらおうと、手術を模擬体験するイベント「ブラック・ジャックセミナー」が23日、甲府市富士見1丁目の県立中央病院で開かれた。

 外科医不足の中、子どもたちに興味を持ってもらおうと、医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(本社・東京)が全国で進めている取り組み。県内では初開催だという。

 県内の小学5、6年生42人が参加。グループに分かれて気胸手術、内視鏡、救急救命などのブースを回り、本物の縫合器や超音波メスを使った模擬手術をおこなった。救急救命のブースでは人形を使い、人工呼吸や電気ショックなどの蘇生術を体験した。




http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03138_06
クロストーク 日英地域医療
■第9回 ピア・レビューや外部監査の機能を持つ英国の医療

川越正平(あおぞら診療所院長/理事長)
澤 憲明(英国・スチュアートロード診療所General Practitioner)
企画協力:労働政策研究・研修機構 堀田聰子
(前回からつづく)
週刊医学界新聞 第3138号 2015年08月24日

日本在宅医と英国家庭医──異なる国,異なるかたちで地域の医療に身を投じる2人。現場視点で互いの国の医療を見つめ直し,“地域に根差す医療の在り方”を,対話[クロストーク]で浮き彫りにしていきます。

川越 これまでの議論からも明らかなように,英国は「登録医制度」であることを活かし,日常診療はもちろん,そこからさらに一歩踏み込んだ形で医療へ取り組めているようです。今回はその実践について伺っていきます。

登録制と電子カルテの両輪で,予防的アプローチを実践

川越 GPにとって「予防や健康増進を通し,地域全体の健康を支えること」も重要な役割であると,澤先生はよく指摘されています。前提として,英国の各診療所のGPたちは,登録住民の健康の度合いをどのようにして把握するのかを教えていただけますか。

澤 冒頭にご指摘いただいたように,患者の医療情報を一元化できる「登録制」が土台として機能しています。その上で,英国では,ほぼ全ての診療所に共通の機能を持つ電子カルテがありますから(第4回,第3113号),蓄積してきた登録住民の医療情報・記録をいつでも可視化できるわけです。

川越 日本での状況を照らして考えると,「他の医療機関で検診を行っているかどうか」という点も,患者さんに確認することがなければわかりません。英国では,登録医制度や前提となる診療情報の電子化・統合を進めてきたことにより,かかりつけ患者の健康管理までスムーズに行うことができているわけですね。

澤 それが予防的なアプローチを実践する上でも役立っていて,例えば,電子カルテでハイリスク集団に予防を呼び掛けるということも可能です。登録住民の「65歳以上の住民,または65歳未満であっても糖尿病・喘息を抱える患者,妊婦などから,インフルエンザワクチンの未接種者」を割り出し,当該者一人ひとりに手紙を出すことで予防接種を促すなど,実際に日常的に登録住民へ予防的な働き掛けを行っています。

川越 まさに登録医制度であることが活かされているんですね。

澤 おっしゃる通りです。予防から日常的な健康問題,さらには看取りまで,地域住民をトータルに支えるGPの仕事をこうしたシステムが助けてくれているんです。

動機付けには成果払いの仕組みも

川越 そうした健康増進に医療機関が取り組もうという動機付けの部分にもポイントがあるように思いました。何かインセンティブになるものが存在しているのですか。

澤 はい。基本的に診療所に登録している住民が健康になればなるほど,診療所が得をする仕組みになっています。

川越 診療所にとっては「報酬を増やす」目的を果たすことにもなる,と。

澤 そうです。そこで機能するのが,「成果払い(Quality and Outcomes Framework;QOF)」の仕組みだと思います。診療所が提供するサービスによって登録住民の電子カルテ上の健康データが改善すると,診療所の実績として評価され,QOFによる収入として報酬が入るようになっているんです。とはいえ,診療所の収入の大部分は,登録住民数や地域の健康ニーズの程度を加味して決められる「人頭払い」が占めてはいるのですが(註1)。

川越 どのような項目が成果払いの評価対象になるのでしょうか。

澤 例えば,「高血圧患者のうち,血圧が150/90 mmHg以下にコントロールされている人の割合」「糖尿病患者でHbA1cが7.5%以下にコントロールされている人の割合」といった項目が基準になります。また,数値上の改善が見られなくても,適切な検査や助言,治療を提供しているか否かも評価されており,報酬に反映されます。こちらは「認知症の診断前後に適切な血液検査を受けた患者数の割合」「禁煙指導を受けた喫煙患者数の割合」といった項目が挙げられます。

川越 どの国であっても,“取り分”が増えれば,取り組む者も増えるだろうという発想が根底にある点は共通しているのだなと感じました。しかも,おそらくそれが過重な労働負担にならない範囲で,医療の付加価値を高めることにつながるという実感も伴っているのでしょう。

澤 ただ,こうした成果払いの仕組みは,利益を追求するあまりに過度の医療化につながる恐れもあります。ですから,QOFには上限が定められており,ある一定の達成水準を超えると,それ以上の報酬が入らないようになっています。

 かつては診療所の診療報酬の3割ほどをQOFが占めた時代もあったようです。しかし,収入におけるQOFの割合が多いことが,「患者を“人”としてではなく,“数値”としてとらえるようになってしまうのでは」と懸念を抱くGPも多かった。それで最近になってQOFは1割程度に減少され,減った分は自動的に診療所に入る「コアファンディング」へと切り替わったという経緯もあります。

川越 なるほど。現在は,患者を過度に医療化しない工夫を意図的に盛り込んでいるということですよね。

外部監査は医療の質の担保も図っている

川越 診療所で行われている高血圧診療を,“外部から電子カルテ上で評価する”といったことが行われるというお話でした。ここには,各診療所が提供する医療の内容と質を「外部からチェックする」という点でも意義があるように思いました。

澤 外部からのチェックという点で言えば,前回紹介した「Clinical Commissioning Group」の中に,地域の診療所の薬剤処方のデータを集積し,処方内容を監査する「Medicines Management」というグループもあります。この組織は地域の診療所に対し,費用対効果の低い薬剤処方について注意喚起し,可能な限り安全かつ費用対効果の高い薬剤処方を促しているんです。

川越 具体的にはどのような介入をするのでしょう。

澤 以前,実際に経験した例を紹介します。私の診療所では,高血圧患者に出すカルシウム拮抗薬を,大体「lercanidipine」「amlodipine」「felodipine」の3つから選ぶようにしているのですね。28日分のコストを各10 mgの用量で計算すると,それぞれ£1.57,£1.00,£5.66。以上からもわかるようにfelodipineは比較的高コストです。しかし,得られる効果自体は他と大きく変わらないことから,Medicines Managementは可能な限りlercanidipineまたはamlodipineを処方するよう地域の診療所に呼び掛けていました。私の診療所は,こうした呼び掛けを受け,電子カルテでfelodipineを定期的に内服している高血圧患者を同定し,処方薬をlercanidipineに変更するに至っています。なお,この切り替え作業そのものも,診療所側がイエスと言えば,Medicines Managementが代わりにやってくれるんです(註2)。

川越 日本の場合,コストの意識はお世辞にも高いとは言えませんから,学ぶところが多くありますね。漫然とした薬剤処方を見直す契機にもなって,医療の質を上げるという点でも効果を発揮するのではないかと思いました。

澤 日本には医師の処方内容を外部から確認するシステムはないのですか。

川越 「疑義照会」といった形で薬剤師が医師の処方内容を確認する仕組みは存在しますが,澤先生の説明された取り組みとは異なります。もし仮に「1年間,処方内容に変更がない場合は,薬局の薬剤師が医師に対してアラートを発する」といった仕組みに発展すれば,有効なのだろうと期待できるのですが。

 ただ,日本の診療所医師にとって,「外部監査」は想像し難いことでしょう。英国の診療所のように複数医師の体制であればピア・レビューを内在化することにもなりますが,日本はそもそもがソロプラクティスの診療所が多数を占め,ともすれば「オレ流」の医療すらも存在し得る状況と言えますから。

澤 英国でも特に年配のGPでは学習意欲が低下し,昔からの診療スタイルを崩したがらない方がいるのも事実です。それでも,成果払いや外部監査機能,あるいはNICEのガイドライン(第5回,第3115号)など,「標準」を注意喚起し,そちらへ促す仕組みによって,危険な医療を排除し,質のばらつきを抑える方向には向かえているのではないかと思います。

川越 このように考えると,現状の日本は外部からの目が入る仕組みや枠組みが不十分と言えます。自らの実践を振り返り,どのように自己改革に取り組むべきかを考える姿勢を持っているのか,自分を含めて問い直す必要性を感じますね。

(つづく)

註1:英国の診療所に対する診療報酬の仕組みは複雑で,かつ毎年変更があるため詳細は記載しないが,「人頭払い」「成果払い」「出来高払い」等で構成される。澤氏の診療所では収入の約7割が人頭払いに相当。また,本文に登場しない出来高払いは,必要不可欠な医療サービスとは異なり,「Enhanced Service」と呼ばれる付加的なサービスの一部を提供することで得られる収入。具体的には,より複雑なマイナー外科,薬物依存症外来等。
註2:患者には,診療所から一連の事情を書いた手紙を郵送し,変更を承諾しない場合は診療所への連絡を呼び掛けている。澤氏が挙げたケースでも一部の患者から変更前の薬剤を希望する声があり,それらの患者にはfelodipineを継続したという。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03138_05
The Genecialist Manifesto ジェネシャリスト宣言
「ジェネラリストか,スペシャリストか」。二元論を乗り越え,“ジェネシャリスト”という新概念を提唱する。
【第26回】
無知と配慮の診断学

岩田 健太郎(神戸大学大学院教授・感染症治療学/神戸大学医学部附属病院感染症内科)
(前回からつづく)
週刊医学界新聞 第3138号 2015年08月24日

 ニュースの賞味期限は短い。本稿を書いている2015年7月7日は,サッカー女子ワールドカップでなでしこジャパンがアメリカに大敗した翌日である。世間はこの話題で持ちきりであるが,もう翌日にしてメディアもネタが尽き,どうでもよい話題をほじくり返している。あと2週間も経つと,誰もこの話題を口にしなくなるだろう。

 そのなでしこの前に大騒ぎになっていたのが,感染症のMERSである。もっともMERSそのものは2012年に見つかった感染症でさほど新規性はないのだが,隣の韓国で小流行が起きたために大騒ぎとなった(そしてほどなく誰も騒がなくなった。なんとなく)。



 「Middle East Respiratory Syndrome」というくらいだから,MERSは中東の疾患である。サウジアラビアなど中東諸国から帰国し,当地で発症する。イギリス,ドイツ,フランス,オランダ,アメリカなど,多くの先進国で患者が発見されている。フィリピンやタイなどアジア諸国でも輸入例が見つかっている。しかし,渡航先で流行したのは韓国だけの特殊な事例だ。

 韓国であっても医療機関での感染がほとんどで,コミュニティーで流行しているわけではない。韓国からMERSが日本に輸入される可能性はもちろん皆無ではない。しかし,中東からの渡航者でMERSが発見される可能性のほうがずっと高いとぼくは考える。韓国での小流行はじきに収束を迎えるが,中東での発症は今後長く続く可能性が高いからだ。それが数日後のことか,数年後のことになるのかはぼくにはわからないけれど。



 2014年には西アフリカを中心にエボラ出血熱が流行し,こちらも大騒ぎになったがやはり「なんとなく」,皆騒がなくなった。メディアもそうだが,医療機関でもガードをガチガチに上げてビビった揚げ句,誰もビビらなくなるといういつものパターンである。

 もっとも,ビクビクしないのは正しい態度である。どのみち,医療をやっている限り感染症患者からの曝露リスクは常に,恒常的にあるのだから,短期的にビクビクするのは意味がない。

 世界には感染症の擦れっからしのプロ以外は聞いたこともないであろう感染症がうじゃうじゃしている。ただ,それがたまたま偶然,日本に入ってきていないというだけの話だ。リスクは常にある。そのリスクを感得できていないのは,単に無知のせい(おかげ?)である。無知は常にリスクを過大評価するか,過小評価するかのいずれかの態度に導くのだ。だから,エボラ騒ぎのときも必要のない大騒ぎをした揚げ句,「本当に大丈夫かな」と言いたくなるくらいのノーガード状態にさらりと戻る。

 ある感染症が話題になって診療現場が大パニックになり,過剰反応をしまくった揚げ句に急に無関心になる。ぼくらはこのワンパターンな繰り返しを何度も見てきた。エイズ然り,SARS然り,新型インフルエンザ然り。どうしてこのワンパターンから学習しないのだろう,と思う。

 つまり,日常診療の段階で感染症を疑ったときに丁寧に旅行歴を尋ねる習慣を持っていれば,どのような新規の感染症が現れても,きちんと対応はできるのである。これが過小評価も過大評価もしないためのシンプルにして最大の防御だ。個々の病原体に特化したスペシャルな議論ではなく,「発熱患者に渡航歴を聞く」というジェネラルな命題にすればよいのだ。しかし,ぼくが知る限り,発熱患者,咳の患者,下痢の患者に全例旅行歴をとっている医者はごく少数派に属する。



 隣の韓国のお粗末なMERS対応を嗤っている場合ではない。なぜ日本でSARSが,エボラが,そしてMERSが入り込まず(so far),かつ国内流行をしなかったのか。よく問われる質問だ。ぼくの答えはいつも同じ。「日本は運が良かったからだ」である。旅行歴を問わずに感染症に対峙していれば,いつかどこかで輸入感染症の見逃しが起きる。それは「韓国からやってくる」と特定できる患者とは限らない。

 実際,中東で何年も問題になっていたMERSに本腰を入れだしたのは,韓国で患者が発生した「後」のことである。もし日本に先にMERSが入っていたら,まったく同じシナリオになっていた可能性は低くない(厚労省の名誉のために付言しておくと,彼らの動きはずっと早かった。厚労省は,今回の騒ぎが起きるずっと前,2015年1月にはMERSを2類感染症に指定している。呼吸器感染症の中では「危ない」部類に属することは知っていたのだ)。



 旅行歴を聞く。渡航歴があるとわかる。どうしたらよいか。全ての国の個別の感染症を全部,百科事典的に覚えておく必要はない。幸い,医学情報は多くなったが,情報へのアクセスは恐ろしいほどに容易になった。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)やWHOのホームページを参照してもよい。われわれが訳出した『キーストンのトラベル・メディシン』(メディカル・サイエンス・インターナショナル)を参照してもよい。これも感染症屋のマニアックな専門書ではない。海外に行く患者を診る医者全てのために書かれた本だ。21世紀の現在,「私の患者は1人も海外に行かない」という医者も稀有な存在だろう。

 では,それでも当該国の感染症がよくわからないとき。そのときこそ,擦れっからしの感染症屋に相談するときである。われわれは嬉々として,「ああ,ネパールからの帰国患者の発熱ですか。ぜひ拝見させてください」と申し上げるのである。

 致死率の高いMERSやエボラは,他者への感染性はそれほどでもない。医療機関内の感染は,ほとんどが初動の疑い方にエラーがある。普段から旅行歴を聞く習慣を持ち,コンタクトを最小限に抑えていれば感染のリスクは高くない。



 全ての医者が全ての国の全ての病気に精通している必要などない。しかし,外国にはいろいろな病気があるのだ,という無知の自覚,「無知の知」は必要だ。「この患者が外国から帰ってきた発熱患者じゃないと誰が決めたのだ」と常にガードを(ある程度)上げておくことが大切だ。メディアが大騒ぎしているときだけではなく。無知(の自覚)と配慮が診断に寄与するのだ。それはなにも,感染症に限定された話ではない。大切なのは「私の知らない何か」に対する自覚 awarenessなのだから。

(つづく)


  1. 2015/08/24(月) 05:56:56|
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8月22日 

http://mainichi.jp/edu/news/20150822ddlk12010026000c.html
成田市:医学部新設 病院用地も無償貸与 国際医療福祉大、20億円出資を要請 /千葉
毎日新聞 2015年08月22日 地方版

 成田市は21日の市議会特別委員会で、政府が新設を認めた大学医学部の付属病院の用地も、大学側に無償貸与する方針を明らかにした。医学部設置を希望する国際医療福祉大から、新たに設立する病院建設・管理会社の資本金150億円のうち、最大20億円の出資を要請され、協議中であることも説明した。

 病院用地は成田空港西側の同市畑ケ田(はたけだ)の市有地約15万2000平方メートルに加え、隣接する畑と山林計約3万5000平方メートルを約4億円で購入して無償貸与する。貸与期間は未定。造成費約6億円も市が負担する。市有地は2011年に多目的スポーツ広場を整備するとして約2億5000万円で取得した。

 国際医療福祉大は17年4月の医学部開設に向け、京成電鉄公津の杜駅前に2棟(延べ床面積計約4万9000平方メートル)を建設する計画。市は県とともに建設費と医療設備購入費の計約160億円のうち最大80億円を補助する意向だ。

 一方、病院(600床)は17年上半期に着工して19年度中の開業を予定する。地上11階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は約9万1000平方メートル。建設費用は積算中としている。

 ◇医学部用地22億円、取得予算案を提出

 市は21日の臨時市議会に、医学部用地を22億7600万円で取得する補正予算案を提出した。この日の医学部設置に関する特別委員会では、市議から「市は成田スカイアクセス線、成田富里いずみ清掃工場、JR成田駅東口の市街地再開発の3事業に計187億円を投入した。国際医療福祉大関連の歳出は計183億円。一つの私立大に対して多過ぎないか」などの意見が出て、継続審議となった。【早川健人】



http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20150822-OYT8T50048.html
医学部、公津の杜駅前に…成田市
2015年08月22日 14時46分 読売新聞

 政府が千葉県成田市内に認めた大学医学部新設を巡り、市が校舎の設置場所として、京成線・公津の杜駅前を選定したことが21日、分かった。


 同日開かれた市議会臨時会で市側が、同駅前の約1万4800平方メートルを京成電鉄から取得するための今年度一般会計補正予算案を提出した。校舎は2棟を予定し、設置費用のうち最大80億円を県と協力して補助する方針も初めて示された。

 補正予算案には、校舎の用地取得費として約22億7600万円が盛り込まれた。市は用地を取得した後、医学部設置者に対して30年間無償貸与することを想定している。今年度一般会計補正予算案が付託された市議会特別委員会で、小泉一成市長は「最短で2017年4月の開学で議論されており、逆算すれば校舎は年内に着工する必要がある」と説明した。

 校舎は設置者が建設する予定で、医療設備購入費などを含む費用は現時点で約160億円と試算されている。鉄筋コンクリート11階と6階の2棟の建設が見込まれているという。付属病院の建設場所として市は、成田空港西側の用地を無償貸与する方針。

 設置者は今秋に公募され、市内に看護学部などを開設予定の国際医療福祉大(栃木県大田原市)が最有力とされている。特別委では「無償貸与は妥当なのか」といった指摘があり、市議会は同予算案を継続審査とした。

MAP3.png
地図:G3作成



http://blogos.com/article/129617/
医師会と厚労省と政府の戦い 目的は患者に対する医療改善なんだけど
中村ゆきつぐ
2015年08月22日 14:00 BLOGOS

 日経メディカル記事です。「日医・医学部長会議が医師の偏在解消に向け緊急提言 医療機関の管理者要件に「医師不足地域での勤務経験」を」

 医師会と政府がやり合っています。

 2つの医大新設についてほとんど決定されてしまっているこの時代に、反撃として出してきた提案は医療者側が医師の勤務体系について自ら制限をかけることでした。

 「現状の医師不足の本質は、絶対数ではなく、医師の地域・診療科偏在にある」とした上で、この課題解決のためには、「医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」

 と冒頭で述べた後

 各大学医学部に、卒業後の医師の異動を生涯にわたって把握する「医師キャリア支援センター」(仮称)を設置。

 臨床研修については、自由に場所を選べる現在の仕組みを改め、出身大学の所在地域(出身大学の関連病院のある範囲を含む)で行うことを原則とする。臨床研修医の需給が均衡していない地域では、全国の支援センターをつなぐ組織として新設する「全国医師キャリア支援センター連絡協議会」(仮称)が各地域の情報を共有し、地域ごとの需給調整を進める。

 という昔の医局の復活?つまり政府がおこなおうとしている医大の新設ではなく、各大学に全体医局のようなものを作り、地域のニーズに応えるといったものです。

 まあ今の大学にそれを要求しても人、能力の関係で難しいと思いますが。

 さらに医師の偏在解消に向けて、提言では、「一定期間、医師不足地域で勤務した経験があること」を病院・診療所の管理者要件に新たに加えることも盛り込んだ。

 基本開業する前には僻地勤務を義務づけるという内容です。若い医師達から反発されそうな内容です。僻地の設定等、また強制性の人権に対する影響等、実行性に乏しいことが想像されます。

 政府が予定する医療の地方改革は現実味を帯びています。DPCデータをもとにした2025年の医療機能ごとの医療需要と必要病床数を推計し、これを目指して医療機能の分化・連携を推進するための施策を各地方自治体が計画しています。(NHK特報首都圏 波紋広がる"地方移住"自治体の受け止めは なんかだましてない?)地域医療構想の策定期限は2016年3月です。

 基本は在宅、かかりつけといった老人医療関連改善なのですが、血液内科については全く考慮されていないんですよね。県毎の計画も県境ではどうするのか、今後の医療の進歩に対する対応はどうするのかも全く考慮されていません。以前に書いたように、現在の医療を基に進歩なく10年後を迎えると言ったものです。

 今までの臨床研修制度変更、7対1等、施策の失敗で医療をある意味崩壊させてきた厚労省。そして既得権益を守ろうとするためそれをとめれなかった医師会。そして医大を新設することでまた利益を得ようとする政府関係者。すこし流れをみなければと思いますが、また悪い方向に動いています。


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http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150821med00m010004000c
孤島の小さな診療所から
7)離島の医師のプライバシーって?
太田龍一 / 沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

2015年8月22日 毎日新聞

 前回紹介した「ワンクッションコール」に関連して、もう一つエピソードを紹介させていただきます。

医師用住宅は診療所のすぐ隣

 現在、私は診療所医師住宅という沖縄県に建てていただいた家に住んでいます。とても広くて快適なのですが、一つ難点があります。それは医師住宅の場所です。なんと診療所のすぐ隣に建っているのです。通勤時間は数十秒、島の人なら誰でも医師がどこにいるか分かるという利点がある半面、医師のプライバシーが守られないという面もあります。

 特に夜間の時間外診療の時が大変です。ほとんどの島民の方は、ワンクッションコールのシステムを理解されており、役場を通して受診してくれます。しかし一部の島民の方が今でも、直接診療所医師住宅に来られます。インターホンを押すだけならまだしもドアを何度もたたく人、お酒を飲んで大声で呼ぶ人などもいます。本当に患者さんが大変な状態で、すぐに駆けつける必要がある時は仕方がないですが、その多くが急を要しないのが現状です。また他の離島の診療所医師の中には、女性1人で生活している人、妻子がいる人などさまざまで、中には夜間の時間外診療に身の危険を感じているという人もおり、実際に診療所医師を巻き込んだ事件が過去に幾つか起こっております。

 離島という環境下で、診療所医師のプライバシーの問題を考えると難しい部分が多々あります。一人の島民として、仕事以外のプライベートな時間も確保したいと思うのは自然な感情だと思いますし、公私の切り替えはストレスを解消するためにも大切です。一方で、島民の方々の健康を守るという役割を担っている以上、昼夜を問わず患者さんに対応することが求められます。「離島で働いているから仕方がない」というご意見もよく聞きます。しかし離島診療所医師というとてもやりがいのある仕事を一生懸命やっているのにもかかわらず、一部の人がつらい記憶を残して島を去っていく現状を考えると、どこか改善できないものかと日々考えています。

医師のプライバシーだけの問題じゃない

 確かに患者さんが直接医師住宅に来るのを抑制することは難しいと思います。医学に関して知識がない方が、自分自身だけでなく、周りの人が急変したらすぐに医師に診てもらいたいと思うのは当たり前の行動ですし、気持ちとしてはとても理解できます。しかし、本当の急変である場合は、無理をして診療所に直接連れてくるよりも、役場に電話をして指示を仰ぎ処置をしながら救急隊を待つ方がより安全である場合もあります。

 実際に診療所で行っているデイサービスでこんなケースがありました。ある利用者の方の家に迎えに行くと、その方が目の前でパンを喉に詰まらせて苦しんでおられました。発見した家族の方がすぐに役場に電話し、心臓の血液循環を維持するための胸骨圧迫(心臓マッサージ)の指示を受けて、すぐに処置に取りかっていました。この方は90代の高齢で、診療所に運ばれた際は、息も絶え絶えでしたが、沖縄本島へ搬送後、一命を取り留め、現在は元気に暮らしておられます。

 大切なのは、やはり島民の方々に適切な知識を適切に伝え続ける意識だと思います。役場職員の方々との勉強会や診療所が出している広報ももちろんですが、それらを無理なくやり続けることが重要です。どうしても何かを変えようとすると、たくさんの労力が必要になります。診療所だけの力でどうこうできるものではありません。しかし現在、島には「島をよくしたい」と思っている方々がたくさんいます。その方々の力を少しずつお借りしながら、「無理なく続けられる最低限の診療所受診マナー」を作っていきたいと思っています。

太田龍一 おおた・りゅういち :  沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。



http://www.m3.com/news/iryoishin/348196
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
改革で経営悪化の見通し、6割弱◆Vol.16
薬価差益の復活を求める意見も

医師調査 2015年8月23日(日)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q.13-1 現在の社会保障制度関連の改革メニューで、経営環境は良くなるか。
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 Q13-1では、今政府が提案している社会保障制度関連の改革メニューで、経営環境は良くなると考えるかを、開業医のみ200人に聞いた。

 最も多かったのは「悪くなる」で42.5%、「とても悪くなる」と合わせると、計58.0%が、経営環境の悪化を見通した。現在の政権では、社会保障費の抑制圧力が強いのに加え、抑制した部分を、市場原理に任せて産業化する流れとなっている。多くの医師が、公的保険の診療に携わっている中で、暗い見通しが多数を占める結果となった。「とても良くなる」「良くなる」は、計3.5%にとどまった。

 「どちらとも言えない」は、26.5%。社会保障費の抑制圧力はあるものの、政府は、地域完結型医療の構築を目指す中で、かかりつけ医を評価する方向性を打ち出していることが、一因とみられる。

 経営環境に好影響を与える改革のアイデアについて、自由回答で聞いたところ、以下のような回答が寄せられた。

・医療、福祉、労働、介護、年金を地方に移管し、地方に合ったやり方にして、無駄を減らす。福祉費の重複取りをまず無くす。現在の厚労省では、無駄がどれだけあるのかさえ分かっていない。年金情報の漏洩ですら、全体を把握できていないのが現状なので。
・まず、地域ごとの小分画による改革を、試験的に導入するべきだと思う。
・薬価差益を復活させる。
・医師の技術料が安すぎる。
・院外処方で調剤薬局が儲かる仕組みをやめなければ、全体の保険診療費は抑えられないと思う。
・現行より報酬の値上げ。
・10年経過したら、先発品の価格を、半額などジェネリック並みに下げればよい。



http://www.m3.com/news/iryoishin/350632
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
患者団体、高負担の長期化懸念し意見書
患者申出療養制度の創設控え、中医協に提出

2015年8月22日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 2016年度の創設に向け患者申出療養制度についての中央社会保険医療協議会の議論が始まるのを前に、日本難病・疾病団体協議会(JPA)と全日本がん患者団体連合会(全がん連)が、高額な負担の長期化や固定化を懸念し、制度で認められた医療を速やかに保険収載することなどを盛り込んだ意見書を提出し、8月21日に共同で厚生労働省内で会見した。両団体は、中医協での意見聴取を求める声が出た。

 両団体は、別々に意見書を提出。内容で共通しているのは、患者申出療養制度で認められ、有効性と安全性が確認された医療を速やかに保険収載とする点。JPAの意見書では、現状の先進医療の総医療費のうち、先進医療部分が7割超を占めていることから、「保険収載に至ることなく留まる医療について、一部の富裕層にしか適用されない」として、制度の導入で、現状の格差がさらに広がることへの懸念を示している。全がん連の意見書でも、安全で有効な医療について「患者が負担なく少しでも早く使用できる制度に」と求めている。両団体ともに、新しい医療が保険収載されなかったり、遅れたりすることの結果として「混合診療が解禁」された状態になる点を懸念している。

 全がん連理事長の天野慎介氏は、「(安全で有効な医療を)保険収載をしっかりする原則を崩してほしくない」と述べた上で、負担から利用者が限定される可能性や、エビデンスのない医療へアクセスしてしまう可能性を指摘した。

 JPA事務局長の水谷幸司氏は、先進医療の制度で、費用の9割以上が先進医療部分である重粒子線治療が保険収載されてこなかった経緯を指摘。厚労省は保険収載を前提とする方針を打ち出しているのに対して、「(陽子線治療のように)高額な負担が続くことへの危惧が強い」として、患者申出療養制度で認められた医療が、保険収載される過程について、人材や予算の裏付けをするように求めた。

 保険収載を担保するために、天野氏は、患者申出療養制度で認められた医療について、保険収載の可否を判断するまでの期限を区切るアイデアを示した。JPAの意見書には、患者申出療養制度に関する会議を設置することや、重篤な医療事故などが起きた際に国が責任を持って公的な保障なども求めている。

  1. 2015/08/23(日) 07:13:35|
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