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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月30日 

医学部新設

https://www.m3.com/news/iryoishin/344393?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MS150730&mc.l=114482412
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
成田市の医学部、2017年度開学の可能性も
3府省が特区で方針案、「世界最高水準」拠点目指す

2015年7月30日(木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 内閣府、文部科学省、厚生労働省は7月29日、「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」(案)をまとめた。7月31日に開催予定の国家戦略特区「東京圏」の成田市分科会で議論する見通し。方針案が、同分科会や「東京圏」の区域会議等で了承され、方針案が示す「必要な条件整備」を満たせば、早ければ2017年4月に、国際医療福祉大学が成田市に医学部を新設する可能性が高まってきた。同大は既に成田市に「成田キャンパス」を設置し、2016年度に看護学部・保健医療学部を開学することが決まっている。

 7月29日には、日本医師会などが会見を開き、成田市での医学部新設への反対声明を出したばかり(『「メディアに訴えるしかない」、成田医学部反対』を参照)。医療界では依然、反対意見が強い中、政府主導で医学部新設に向けた動きが具体化した。東北地方では、東北薬科大学が2016年度の医学部新設に向け、今夏の大学設置・学校法人審査会での審査を待っている状況(『医学部「地域枠」55人、充足見通し、東北薬科大学』を参照)。1981年の琉球大学の医学部新設以来、ストップしていた医学部新設が、2校実現する可能性が浮上してきた。

 方針案では、世界最高水準の「国際医療拠点」としての医学部新設を目指すとしており、「必要な条件整備」として、(1)一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なる特徴を有する医学部とする(留学生や外国人教員の割合を確保したり、大多数科目の授業を英語で実施するなど)、(2)医学部および附属病院設置の際に、教員等の引き抜きにより、地域医療に支障を来さない――などを求める。

 法令上の対応も行う予定。医学部の新設は、文科省の告示で現在制限されているが、特区に限って新設できるよう、今秋を目途に告示等の特例を設けることになると見られる。またあくまで特区における特例であり、「医学部を新設するとしても、1校」とする方針。

 国際医療福祉大学は従来から医学部新設を検討しており、成田市での新設は、2014年3月に同市が国家戦略特区の「東京圏」に指定された時から検討が始まった(『成田・国際医療福祉大学の医学部新設、再浮上』を参照)。最短で行けば、2016年3月までに設置認可申請を行い、同年8月頃の大学設置・学校法人審査会で新設が認められれば、2016年4月の開学になる。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS30H7F_Q5A730C1EA2000/
成田に国際医療拠点 政府、38年ぶりに医学部新設
2015/7/31 1:20日本経済新聞 電子版

 政府は30日、千葉県成田市での大学医学部の新設を認める方針を固めた。医学部の新設を禁じている文部科学省の省令を今秋にも改正し、外国人教授などを多く受け入れる世界最高水準の国際医療拠点をつくる計画。今秋に事業者を募り、2017年4月の開学を目指す。「岩盤規制」の一つである医学部の新設に風穴が開く格好だ。

 31日に開く国家戦略特区の会議に医学部の開設を認める方針を示す。国際医療福祉大学が参入意欲を示している。

 医学部の開設は、東日本大震災の復興目的で特例的に認可された東北薬科大学を除くと1979年以来38年ぶり。日本医師会は「新設を認めると将来的に医師数が過剰になる」と反対してきた。

 安倍政権は医療分野を成長産業として位置付けている。新たな医学部の設立目的を「世界最高水準の国際医療拠点」と規定。日本の空の玄関である成田空港が立地する地の利を生かし、外国人教授や留学生を多く受け入れる。日本人教員も海外での診療経験などが豊富な人材を配置、最高レベルの教育環境を整える。

 併設する国際病院では高度医療を提供し、外国人患者も受け入れる構想だ。最先端の医療機器を民間企業と共同開発する研究開発施設も設立し、医療産業の集積を目指す。医療機器の輸出促進につなげたい考えだ。

 周辺地域の患者の利便性も高める。日本は地域間で医師の偏在があり、医師不足が社会問題となっている。11年時点の人口10万人あたりの常勤の医師数は最も多い高知県の221人に対し、最も少ない埼玉県は108人と半分以下にとどまる。成田市がある千葉県も121人と少なく、医療機関の充実を求める声があがっていた。

 ただ、医学部の新設で医師が増えると、高齢化などで膨らんでいる医療費が一段と増える要因となる可能性がある。財政健全化計画で掲げる医療費の抑制方針に逆行しかねない。厚生労働省など関係省庁は今回の医学部が国際医療拠点という位置づけであり、当面は成田市に限定するという方針を踏まえ、新設に合意した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/344325
シリーズ: 医師不足への処方せん
「メディアに訴えるしかない」、成田医学部反対
日医ら3回目の会見、手詰まり感も

2015年7月30日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 政府の国家戦略特区で検討が進んでいる千葉県成田市における医学部新設について、日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議は7月29日、反対の意思を示す会見を開いた。同様の3者合同の会見は3回目で、反対の趣旨は、変わっていない(『「医師の養成過剰、目前」、成田の医学部新設巡り声明』を参照)。医学部新設を巡っては、文部科学省や厚生労働省はオブザーバーとしてしかメンバーに入っていない非公開の国家戦略特区「東京圏」成田市分科会で議論が進み、医療関係者が与党などの関係者に陳情しても手応えがなく、手詰まりの様相を呈している状況。度々会見を開く理由について、会見の出席者の1人は「計画の止めようが分からない。(一転して計画が白紙見直しとなった)新国立競技場のように世論の盛り上がりに期待して、メディアに訴えるしかない」としている。

 会見には、日医会長の横倉義武氏、日本医学会会長の高久史麿氏、医学部長会議顧問の森山寛氏らが出席。横倉氏は、7月に入って日医総研が公表した必要医師数調査において、「(5年前と比較して)必要な医師数の倍率 増加は認められず。必要医師数は充足されつつある」とした。出席者らは、新設を検討している国際医療福祉大学が示している国際人材育成のカリキュラムへの疑問や、医師過剰への懸念、診療科や地域偏在を解決する重要性など、従来の主張を繰り返した。

 会見の中で、相変わらず根強いのが、進め方への疑問。森山氏は、成田市分科会において、当事者以外の医療関係者が排除されているのに加え、非公開になっている点について、「密室で内容が出てこない。賛成する人だけ集めてヒアリングをしていて、不公平感が漂う」と指摘(『成田・医学部、「方針と進め方に一定の前進」』を参照)。医学部長会議相談役の寺野彰氏も、「特区ならば民主的なプロセスを踏まなくてよいのか」と諮問を呈した。

 成田市の医学部新設の検討は、政府主導で進んでいる。検討メンバーは、成田市や国際医療福祉大学などで、反対を示している三者は入っておらず、関係省庁の文科省、厚労省もオブザーバーとなっている。会議は非公開で、これまで3回開催されている。



http://mainichi.jp/edu/news/20150730ddlk04100042000c.html
東北薬科大:NTT東北病院と譲渡に向け交渉 /宮城
毎日新聞 2015年07月30日 地方版

 東日本大震災の復興支援として医学部新設先に選ばれた東北薬科大(仙台市)の高柳元明学長は27日、付属病院として運営するため、NTT東日本東北病院(同)と経営譲渡に向けて交渉していることを明らかにした。近く合意する見通しだという。

 東北薬科大病院の466床に、NTT病院の199床を合わせることで、高柳学長は「(十分な病床数を確保でき)医学部の付属病院として完成する」と話した。

 同日、仙台市内で東北6県の医療関係者を集めた会議を開き、終了後、記者団の質問に答えた。

 会議では、勤務先を宮城に限定した奨学生を30人、宮城以外の東北5県の勤務を計20〜25人とする制度についても議論。委員からはあらためて「医師の新たな地域偏在が起こる」などの懸念が出た。



医学一般

https://www.m3.com/news/general/344349
アカハラで男性教授を減給 部下に退職迫る、富山大
2015年7月30日(木)配信 共同通信社

 富山大は29日、部下の准教授に退職を迫るなどのアカデミックハラスメントを繰り返したとして、大学院医学薬学研究部の60代の男性教授を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。処分は28日付。

 大学によると、教授は同じ講座に所属する准教授を退職させようと2009年以降、再就職先を何度も紹介したり、研究を妨害したりした。被害の訴えを受け、大学側が過去2回注意したが改善せず、ことし3月に3回目の注意を受けていた。

 教授は「退職を求めていない」などと事実関係を否定しているという。

 遠藤俊郎(えんどう・しゅんろう)学長は「ハラスメントは教育や研究に携わる者として許されない。被害者には心よりおわびする」とのコメントを出した。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150729-OYT1T50159.html
パワハラ教授、准教授に再就職先を何度も紹介
2015年07月30日 08時55分 読売新聞

 富山大(富山市)は29日、部下の准教授に対するパワーハラスメント行為があったとして、大学院医学薬学研究部(医学)の60歳代の男性教授を減給10分の1(1か月)の懲戒処分にしたと発表した。

 処分は28日付。

 発表によると、男性教授は2009年12月頃から14年2月頃にかけ、同じ講座の准教授を辞めさせようと再就職先を何度も紹介したほか、講座のスタッフ会議で不適切な発言をしたり、准教授に対して実質的に進退を迫る行為をしたりしたなどとして、大学側から今年3月までに3回にわたって注意を受けた。いずれも准教授が学内のハラスメント防止委員会や倫理室に申し出て発覚した。

 大学はハラスメント行為が繰り返された点を問題視し、改めて事実確認を行った結果、処分を決めた。大学側の調査に対し、教授は「特定の方に進退を迫る行為はしていない」と主張しているという。

 遠藤俊郎学長は「健全なキャンパス環境の実現に全力で取り組む」とのコメントを発表した。



https://www.m3.com/news/general/344419
再使用禁止の器具使い回し 神戸大病院、300人に
2015年7月30日(木)配信 共同通信社

 神戸大病院(神戸市)は30日、再使用が禁止されている医療器具を1回使った後に滅菌処理して再度、使用した患者が2010年度以降、約300人に上ると発表した。患者の健康被害は確認されていない。

 同病院によると、再使用があったのは循環器内科が不整脈の手術で患部を焼くのに使う電極付きカテーテル2種類。07年と14年に厚生労働省が適正な使用を徹底するよう通知していた。

 2種類のカテーテルは1回の手術で保険適用の範囲で使える本数が決まっており、上限を超えて使う場合は保険が適用されず費用が全て病院の負担になるため、一度使ったものを滅菌して再使用していたという。肝炎など感染症の患者に使ったカテーテルを再使用したケースはなかった。

 ことし5月に滅菌を担当する看護師長から病院長に連絡があった。調査委員会を設置して調べた結果、10年度以降、再使用があった患者は296人、再使用の有無が不明な患者は41人だった。さらにさかのぼって調べている。

 病院は患者に文書を送り、個別に説明する方針。藤沢正人(ふじさわ・まさと)病院長は「再発防止に向け、職員への注意喚起と周知徹底を行う」と謝罪した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/344326
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
”地域医療構想以外は削減”に疑問
地域医療総合確保基金、内示2回に分割

2015年7月30日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は7月29日の会見で、今年度の地域医療介護総合確保基金の内示が2回に分けられ、1回目の内示において、看護学校養成所運営費補助金など地域医療構想関連以外の事業への配分が削られたことに言及して、2回目の内示で十分な手当てをするように求める考えを示した。また、この日の会見では、大詰めを迎えたTPP(環太平洋経済連携協定)について、海外に投資する企業が投資先の政府を訴えられるISD条項への懸念を示し、「歯止めをかけるように要望している」とした。

 基金の設立の契機となった2013年8月の「社会保障瀬制度改革国民会議」の報告書において、「地域における医療従事者の確保」も用途の1つとして挙がっている。2015年度の基金について、医療分の内示が、7月17日付で実施された。ただ、横倉会長によると、今年度の1回目の内示では、看護学校養成所運営費補助金や2014年度からの継続事業などについて「大きく削られるなど、2014年度と相当異なる点があった」と言い、都道府県医師会からは、事業継続への懸念が出ているという。

 横倉会長が特に強調したのは看護学校養成所運営費補助金で、「地域医療構想を考えれば、医療や介護の重要な担い手となる看護職の養成に必要不可欠」と指摘して、重点的な配分を求めた。削減の理由については、6月末に閣議決定された「骨太の方針」において、「基金をメリハリのある配分にする」旨が盛り込まれたことを一因として挙げた。

 今秋の2回目の内示に向けて、日医は、「2回目の内示は、在宅や医療関係者の確保にも十分な配分を行う」ように求め、厚生労働省は既存事業の継続へ配慮する意向を示したという。

 TPPについて懸念を示したのはISD条項。横倉会長は、日本の国民皆保険制度が、ISD条項で提訴の対象となることを危惧して、「二国間の問題ではあるが、韓国やカナダなどで、(ISD条項に基づく訴訟の)問題がある。日本においては、起きないようにしてほしい」と述べ、公的医療の給付範囲を維持し、混合診療の全面解禁や営利企業の参入を認めないように求めた。



http://mainichi.jp/area/okayama/news/20150730ddlk33040473000c.html
玉野市民病院:立て直しの道険し 今月から民営化、白紙 指定管理者の「県外」法人、地元医師会が難色 /岡山
毎日新聞 2015年07月30日 地方版

 2013年度末で32億円超の累積赤字を抱え、深刻な経営難に陥っている玉野市民病院(同市宇野2)の立て直しを目指し、今月スタートするはずだった指定管理者制度による民営化が白紙になった。指定管理者に選ばれた県外の医療法人に、地元医師会が難色を示したためだ。市はあくまで指定管理者制度をベースに新たな事業者を選定したい考えだが、再公募の時期や条件は決まっておらず、経営改善の道は険しい。【原田悠自】

 市民病院は1952年、「市立玉野療養所」として同市田井に開設された。73年に現在の病棟が建てられ、名称も変更。12診療科を持ち、病床数199床の市内最大の医療機関として長年、地域医療を支えてきた。

 しかし、2004年に研修先の病院を自由に選べる臨床研修医制度が導入されたことで、高い医療技術を習得できる都市部の病院に研修医の人気が集中。そのあおりを受け、10年前には20人いた常勤の医師が徐々に減り、現在は半分の10人となっている。

 医師不足もあって外来患者は減少。市民病院事業管理局によると、一般的に7割以上の利用で採算が取れるとされる病床利用率が08年度以降は7割を下回るなどして経営を圧迫。今年5月時点では37・8%まで低下し、厳しい状況が続く。事業管理局は「医療環境が充実している岡山市中心部の大規模病院に患者が流れているのではないか」と分析する。

 市は、運営を民間に任せることで経営を立て直そうと指定管理者制度の導入を決定し、今年1〜2月に事業者を公募した。3月に大阪市の医療法人「若葉会」に決まり、今月から指定管理に移行する予定だった。

 ところが、玉野市医師会がこれに反発。現在、市民病院に常勤する医師10人のうち9人が岡山大医局から派遣されており、県外の事業者が運営することで医局からの医師派遣の継続が困難になることが大きな理由だ。同医師会は「市内の医療機関と行政が協力し、オール玉野で解決すべき」との立場だ。

 運営開始に向けて準備を進めていた若葉会は、自前で小児科や整形外科の医師を確保するめどが立たず、運営を断念することを5月に市側に伝えた。

 市民病院は、今月には異動する予定だった小児科の担当医を慰留するなどして医療体制の維持に懸命だが、経営立て直しに向けた具体的な動きは見えてこない。市は現時点では指定管理者制度の導入方針を変えておらず、事業管理局は「情報収集に努め、業者の再公募の時期や条件を決めたい」としている。



http://mainichi.jp/select/news/20150731k0000m040076000c.html
胃がん検診:内視鏡検査も実施へ 厚労省検討会が提言
毎日新聞 2015年07月30日 20時05分(最終更新 07月30日 20時34分)

 厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」(座長・大内憲明東北大教授)は30日、市区町村が行う胃がん検診で、新たに内視鏡検査の追加を提言することを決めた。同省は提言に沿って検診実施指針を改正し、早ければ来年度からの検診に反映させる。胃のエックス線検査もこれまで通り実施し、両方の実施体制が整っている自治体では受診者がどちらかを選べる。

 提言によると、胃の内視鏡検査は、最近の国内外の研究で、胃がんの死亡率を減らす効果が認められた。エックス線、内視鏡ともに50歳以上を対象とし、検診間隔は2年に1回とする方針だ。

 ただし、内視鏡検査はエックス線に比べて費用がかかるほか、検査を行う医師や医療機関の確保が課題で、安全管理も含めた体制整備が必要だと指摘した。

 一方、胃がんのリスクになるピロリ菌感染の検査は「死亡率を減らせるのかを示す証拠がないため、さらに検証が必要」とした。

 また、乳がん検診については、乳房のエックス線検査「マンモグラフィー」を引き続き、40歳以上を対象に2年に1回推奨するが、併用していた視触診の有効性は認められず、マンモグラフィーだけでもよいとした。【下桐実雅子】



http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20150730196206.html
加茂病院 開院へ迫る“時間切れ”
拡張めぐり 市長と県の対立続く

2015/07/30 10:27 新潟日報

 立て替えをして2017年度末に開院する予定の県立加茂病院をめぐり、延べ床面積の拡張などを求める加茂市の小池清彦市長と、基本設計に沿って建設を進めたい県との対立が続いている。県側は予定通り開院するためには合意のタイムリミットを8月中旬としているが、今月行った協議は不調に終わった。開院を待つ市民からは不安の声が漏れる。

    ◇    ◇

 加茂病院は施設が老朽化し、耐震への対応も必要なことから13年、県が建て替えを決めた。ことし1月には県が基本設計を発表。市長は「今後の医学の進歩に対応するため大きなスペースが必要」と拡張を求める要望書を提出したが、県は将来の増築で対応するとして、基本設計に理解を求める回答をしていた。

 6月、県が基本設計に沿った計画通知書を加茂市に送付すると、市長は「合意がないまま作成されたもので不当かつ無効」として抗議。計画通知は市に留め置かれたままになっている。

 県病院局業務課の三林康弘課長は、本体工事の議決を要する県議会の日程などから「加茂市は計画通知をお盆ごろまでに通してもらわないと、17年度末の開業には間に合わない」とする。

    ◇    ◇

<市民に遅れを案ずる声>

 病院利用者からは心配する声が聞かれる。定期的に通院する加茂市の無職女性(75)は「病院の中はすっかり古くなっている。計画に遅れることがないようにしてほしい」と話した。

 加茂病院は赤字運営で、かつては縮小計画も持ち上がった。建て替えの道筋を付けた市長の思い入れは強く、今春の市長選でも「できるだけ大きな最高の病院にする」と繰り返し訴えてきた。ある市議は「いったん言い出せば曲げないのが市長の性格。こうなる前に県は打つ手がなかったのか」と困惑の表情を浮かべた。

 市長と若月道秀県病院局長らが今月中旬に行った協議では、病院拡張に関する議論は平行線に終わった。一方で、加茂市と田上町が求めてきた病児・病後児保育施設の設置については、加茂市が規模や運用主体などについての要望をまとめて提出することになった。

 加茂病院「患者と家族の会」の杉田三二代表(79)は「双方が早く一致点を見いだし、予定通りに開院してほしい」とし、近く早期解決を求める会の要望書を、市長や県病院局長らに提出する予定だ。



http://apital.asahi.com/article/news/2015073000008.html
臨床研究病院に3病院 厚労省
2015年7月30日 朝日新聞 (本紙記事より)

 厚生労働省の社会保障審議会医療分科会は29日、質の高い臨床研究や治験を進める「臨床研究中核病院」に、国立がん研究センター中央病院、東北大病院、大阪大病院の3カ所を承認する、との意見で一致した。8月上旬に正式に承認される見通し。

 革新的な医薬品や医療機器の開発などに必要な研究で、中心的な役割を担うことが期待されるという。臨床研究中核病院は医療法に位置づけられ、厚労省が今年4月から全国の医療機関に対し募集をかけていた。



http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-246546-storytopic-1.html
北部病院、分娩受け入れ再開 かかりつけ医紹介状で対応
2015年7月31日 5:01  琉球新聞

 県立北部病院(名護市、仲間司院長)が6月から、これまで緊急搬送や帝王切開経験などハイリスク出産に限定していた産婦人科の診療制限を取り除き、同院で出産を希望する患者を受け入れている。ただし、同院は「地域医療支援病院」との位置付けから、飛び込み受診には対応せず、かかりつけの開業医の紹介状が必要となる。 北部病院の産科医師がことし4月に1人増えて2人体制になったことによる措置。同院は引き続き、多胎児など集中治療が必要となる出産については、新生児集中治療室がある県立中部病院や琉球大学付属病院などと連携していく。
 北部病院産婦人科は産科医の定員が4人で、まだ2人不足している。同科は医師不足から2005年に休診していた。08年以降、一時は4人体制になったこともあったが、制限しながら診療を続けてきた。
 これまでに名護市と同市議会などが県などに完全再開を要請してきた。県は「県北部地域・離島緊急医師確保対策基金」を創設し、医師の確保に努めている。一方で、医師不足解消のため県立北部病院と北部地区医師会病院を統合し、基幹病院を設置する提言も出ている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/344384
国がん、東北大、阪大の3病院が臨床研究中核病院
第1次分の残り8病院の審査も継続

2015年7月30日(木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の社会保障審議会医療分科会(会長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)は7月29日、今年4月から医療法上で制度化された臨床研究中核病院に国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)、国立大学法人東北大学病院(宮城県)、国立大学法人大阪大学医学部附属病院(大阪府)の3病院を承認したと発表した(資料は厚労省のホームページに掲載)。

 臨床研究中核病院は、日本発の革新的医薬品・医療機器の開発などに必要となる質の高い臨床研究を推進するため、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担うことが期待され、医療法に基づき、承認される(『高いハードル、臨床研究中核病院の承認要件』を参考)。厚労省が第1次の締め切りとしていた5月15日までに11病院が申請。書類の不備がなく実地調査が済んだ3病院が承認された。医政局研究開発振興課は「8病院が不承認ということではない」と説明しており、今後も審査を進めるという。

 予算事業で実施していた「臨床研究中核病院整備事業」の対象になっていた10病院がこれまで臨床研究中核病院と呼ばれることがあったが、医療法上で制度化されたことにより、新たに承認された3病院のみが臨床研究中核病院の名称を使用できるようになる。同事業名は臨床研究品質確保体制整備事業に変更されている。

 臨床研究中核病院になる法律上のメリットは名称独占のみだが、3病院は新たにAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)が行う未承認医薬品等臨床研究安全性確保支援事業の対象になることが決まっている。未承認薬等による副作用や海外の安全性情報の収集・科学的評価を行うことや、臨床研究中核病院以外の医療機関における臨床研究の安全対策に関する相談・サポート体制を構築する。


  1. 2015/07/31(金) 06:09:02|
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7月25日 

http://www.nnn.co.jp/news/150725/20150725003.html
「皆さんと地域医療を」 健康講座通し理解促進
2015年7月25日 日本海新聞

 公立浜坂病院(兵庫県新温泉町二日市)による健康講座が24日、同町の居組地区公民館で開かれた。健康維持のこつを解説したほか、同病院の現状や診療体制充実への取り組みを紹介。魅力ある病院づくりに向け、住民の理解と協力を求めた。

運動機能を維持する方法を紹介する宮階さん(左)の講話。病院と住民の距離を縮める試みが始まった=24日、新温泉町の居組地区公民館
 医師不足解消と並行し、同病院への関心を呼び戻そうと企画。県の養成医で内科の八幡晋輔医師(32)と医療スタッフが各地へ出向く。初回のこの日は約30人が耳を傾けた。

 八幡医師は「今こそ地域医療! 医師不足を考える」と題し、各地で医師不足が起きている原因を解説。研修制度の変化や、専門分野の細分化が主な原因と指摘した。一方、招致した医師を地域で支え育てる環境が必要と強調。「きょうは地域と病院の連携の第一歩。病院だけでなく、皆さんと地域医療をつくりたい」と協力を呼び掛けた。

 理学療法士の宮階大輔さん(32)は、加齢とともに筋肉や関節などが衰え、日常生活に困難をきたす「ロコモティブシンドローム」の対策を紹介。テーブルや椅子を使ったトレーニングを実演した。

 同地区の岡島康治さん(81)は「若い先生たちの情熱に応えられるよう、少しでも病院に足を運びたい」と話していた。



http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=34744
社会 : 伊那に産婦人科医院27日開業 市補助制度適用第1号
更新:2015-7-25 6:01 長野日報

 産科・婦人科の「菜の花マタニティクリニック」が27日、伊那市日影のベルシャイン伊那店近くに開業する。市が昨年度創設した産科医の新規開業を支援する補助制度の適用第1号。同クリニックでは年360件の分娩を取り扱うほか、不妊治療にも取り組む方針だ。少子化対策が大きな課題となる中、安心して産み育てる環境の充実に向けて期待されている。

 市健康推進課によると、上伊那地域では現在、出産ができる医療機関は伊那市の伊那中央病院と駒ケ根市にある民間診療所の2施設のみ。産科医の不足で負担が集中する伊那中央病院では2008年度から里帰り出産の受け入れを行っていない。

 このため、市は分娩を取り扱う産科医の市内への開業を促そうと、昨年7月に補助制度を創設。10年以上継続して分娩を扱う医療機関を対象に、施設整備費の5分の1、2000万円を上限に補助する仕組み。同クリニックでは上限の2000万円の補助を受ける見込みだ。

 開業するのは、元飯田市立病院婦人科部長の鈴木昭久さん(44)。現在、駒ケ根市に住む鈴木さんは上伊那地域の産科医療態勢を憂い、少子化対策に熱心で補助制度もある伊那市が「最適地」と判断し、開業を決めた。昨年12月に着工。設計・監理を城取建築設計事務所、施工を窪田建設が請け負った。

 同クリニックでは自由な姿勢で出産できる「フリースタイル分娩」を導入。分娩室にはベッドにもなる広めの分娩台を備えたり、畳の上で出産できる和室を設けた。風呂もあり、リラックスできる環境を整えた。部屋は全て個室(洋室11、和室4)とし、プライバシーに配慮。家族が喜びを分かち合ったり、絆を深めるようにした。

 医師は鈴木さんのほか、非常勤の女性医師が就任。医局の後輩という女性医師は不妊症が専門で、当初、数年後としていた体外受精も半年後をめどに開始する見通しだ。助産師外来も充実。妊婦健診では取り上げられないような妊娠中の悩みや体の不調などの相談に応じる。

 鈴木さんは「補助金を受けたことも踏まえ、この地域の少子化対策に貢献していけるよう取り組んでいきたい」と話していた。



http://mainichi.jp/edu/news/20150725ddlk31100533000c.html
鳥取養護学校:復職の看護師辞職で2人に /鳥取
毎日新聞 2015年07月25日 地方版

 5月に6人の看護師全員が一斉辞職を申し出て、医療的ケアの必要な児童生徒が一時登校できなくなった県立鳥取養護学校(鳥取市江津)で、6月に復職した看護師が7月22日付で辞職したことが分かった。県立中央病院などから1日3人の緊急派遣も1学期で終了。一方で7月21日には1人を新規採用しており、現在、看護師は2人という。

 辞職した看護師は6月15日に復職し、主に他の看護師の指示役を務めていたが、7月から週1日の勤務になっていた。県教委によると、辞職理由は「家庭の事情」という。

 9月1日付で更に1人を採用予定だが、少なくともあと3人の確保は必要で、山本仁志教育長は24日の定例教育委員会後の取材に「夏休み期間中に確保して通常状態に戻したい。引き続き全力をあげる」と述べた。また、とりまとめ役となる常勤看護師1人を配置するため9月補正で予算要求することを検討している。【小野まなみ】



http://mainichi.jp/area/shiga/news/20150725ddlk25040553000c.html
懲戒処分:民間施設でバイト 高島市民病院、看護師を停職処分 /滋賀
毎日新聞 2015年07月25日 地方版

 高島市民病院(高山博史院長)は24日、病院の看護師(33)が県内の民間福祉施設でアルバイトをしていたとして、停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。看護師は同日付で依願退職した。

 病院によると、この看護師は2012年4月〜今年5月の3年2カ月にわたり、平均月3回、福祉施設で日勤や夜勤をして報酬を得ていた。病院には無届けで、地方公務員法の営利企業等の従事制限や職務専念義務などに違反するとしている。 病院は、監督責任などがあったとして看護師の上司にあたる部長2人も文書訓告とした。【塚原和俊】



http://apital.asahi.com/article/news/2015072500017.html
腹腔鏡手術死亡、4医師懲戒処分 千葉県病院局
2015年7月25日 朝日新聞

 県がんセンターで腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が死亡した問題で、県病院局は24日、医師4人を懲戒処分とし、発表した。

 死亡11例中8例の手術を担当した男性医師(52)は、倫理審査委員会への申請を行わずに手術をしたことなどが病院への社会的信用を失わせた、などの理由で減給3カ月(10分の1)。同医師は同日付で退職した。同様に、11例中1例を担当した男性医師(56)は減給1カ月(10分の1)。当時の上司の男性医師(61)と、医療安全管理の責任者だった永田松夫・現病院長(64)の2人を戒告処分とした。

 このほか、医師や事務職員ら12人を文書訓告、1医師を厳重注意とした。



http://www.m3.com/news/iryoishin/341706
後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
医療費地域差原因「患者」が最多、僅差で◆Vol.7
「医療者」「レセプト審査」とほぼ三分

医師調査 2015年7月25日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 Q8では、医療費の地域格差への影響への大きいものを、「医療者の要因」「患者の要因」「レセプト審査」「その他」の中から、順位を付けてもらった。1位に選ばれたものを4ポイント、2位3ポイント、3位2ポイント、4位2ポイントとして回答を集計した。回答者は勤務医が304人、開業医が200人。

【勤務医の集計結果】
1位 患者側の要因  892ポイント(29.3%)
2位 医療者側の要因 890ポイント(29.3%)
3位 レセプト審査  855ポイント(28.1%)
4位 その他     403ポイント(13.3%)

 勤務医で最も多かったのは「患者側の要因」で、892ポイント、29.3%となった。ただ、2位の「医療者側の要因」は890ポイントで、差がほとんどなかった。レセプト審査も含めて、いずれも3割に満たず、三分する結果となった。

【開業医の集計結果】
1位 患者側の要因  604ポイント(30.2%)
2位 レセプト審査  564ポイント(28.2%)
3位 医療者側の要因 560ポイント(28.0%)
4位 その他     272ポイント(13.6%)

 開業医で最も多かったのは「患者側の要因」で、604ポイント、30.2%となった。「レセプト審査」「医療者側の要因」はともに、28.0%程度だったことを考えると、開業医は、患者の要因がわずかながら強いと考えていることがうかがえる結果となった。

 2位は「レセプト審査」で、勤務医と逆転した。レセプト審査に接することが多いことから、勤務医より実感が強いとみられる。
 大きな差はなかったものの、勤務医、開業医ともに「患者側の要因」が最も多い結果となった。

Q.9 地域の入院医療費の格差は解消できるか。
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 Q9では、地域ごとの入院医療費の格差について、解消可能かどうかを聞いた。政府は、2020年度のプライマリーバランスの黒字化に向けて、社会保障費を「本丸」と位置づけ、抑制したい考え。中でも、たびたび言及されるのが、地域の入院医療費の格差だ。

 最多だったのは、勤務医、開業医、ともに「分からない」で、半数近くなった。「短期的(2018年ごろまで)に可能、長期可能」としたのは、勤務医で23.7%、開業医で31.5%となった。「短期的に可能」は、勤務医3.3%、開業医3.5%で、1割にも満たなかった。

 「その他」で寄せられた、医療費の地域格差の具体例は以下の通り。

・意識がない、あるいは意思表示不能の超高齢患者への胃瘻増設、高カロリー輸液を、医療制度や患者家族の要望のために実施せざるを得ない日本の異常性。
・「健康を維持するための努力」に対して自覚があるかないかという環境や地域の民度の差。
・気管支喘息の治療が公費負担されている東京では、レセプトが通りやすいらしい。
・レセプトの影響で必要な検査ができない→結果的に医療費削減。患者側が貧しいと、最低限の医療でOKとなる→結果的に医療費削減。
・患者側が副作用を心配して後発品を好まないことがある。
・病院に来るバス代金が惜しくて、かなり重症になってからでないと、地方では病院に来ない。実家の病院(地方)で無料巡回バスを走らせたら、患者数が2倍になった。
・都市部と地方とのレセプト審査の差が大きい。外科手術の予防的使用の抗生剤の種類で感じた。
・糖尿病治療のCSIIなど、医療者患者とも使いこなしに熟達する必要あり、田舎では難しい。
・寝たきりや重度のリハビリが必要な場合など、患者家族は医療機関に入院を希望するところが多い。
・病名が合っていても査定してくる。



http://www.m3.com/news/general/342869
予防で医療費抑制/廃校を貸し出し 政権、新たな歳出改革
2015年7月25日(土)配信 朝日新聞

 安倍政権が、新たな歳出改革の取り組みを始めた。景気を冷やす単純な歳出カットは控え、予防医療を進めて医療費を抑えたり、少子化で廃止された小学校を民間に貸したりと、公共サービスの質を落とさずに財政を改善することを目指す。ただ、効果が出るまでには時間がかかりそうだ。

 内閣府と財務省は24日、各省庁の事務次官を首相官邸に集め、歳出改革への協力を求めた。西村康稔・内閣府副大臣は「無駄の排除、民間活用を徹底して、歳出増加を抑えることが重要だ」と呼びかけた。

 政府は2020年度の基礎的財政収支の黒字化を目指している。ただ、実質2%の高い経済成長率を実現しても、20年度で6・2兆円の赤字が残る見通しだ。

 そのため、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の下に専門調査会をつくり、年末までに歳出改革の工程表を策定。自治体の優れた取り組みを全国に広げるための組織もつくる。

 具体的な改革案としては、健康になる努力をした人には商品などに交換できる「ヘルスケアポイント」を発行して医療費を抑える仕組みや、自治体の窓口業務の民間委託を広めることなどが検討されている。政府は今後3年を集中改革期間と設定している。


  1. 2015/07/26(日) 05:56:54|
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7月21日 

http://www.hochi.co.jp/topics/20150721-OHT1T50032.html
【メディカルNOW】「ベッド数削減」医学部定員削減策の二の舞い、医療難民が増加へ
2015年7月21日15時0分 スポーツ報知

 今も一部の地域では「ベッドの空き待ち」で入院できない人がいるが、今後はそんな人がもっと増えるに違いない。政府が先月、10年後の2025年までに病院のベッド数を現在の135万床から16~20万床減らして115~119万床とする目標を示したからだ。地域別では東京・大阪・神奈川・埼玉・千葉・沖縄の6都府県では増えるが、それ以外の41道府県は大幅削減になる。狙いは高齢化で増加する一方の医療費を抑えることだ。入院できない患者は自宅や介護施設で治療してもらうのだという。しかし、独り暮らしの高齢者にも自宅で治療しろというのか。今でも空き待ちが多い特別養護老人ホームなど介護施設が10年後にどれほど増えているのか。

 誰しも好きで入院するのではない。治療が必要だから入院するのだ。ベッド数削減は、現場を知らない連中が机上の計算でひねり出した政策としか思えない。前例がある。1982年に閣議決定された医学部入学定員削減だ。医師の数を抑制すれば医療費を抑えられると考えたのだ。

 それを受けて医学部入学定員は85年の8340人をピークに年々削減され、03年には7625人(8%減)まで減少した。しかし、この頃から医師不足が深刻化する。地方の病院の勤務医不足、診療科別では産科・小児科・麻酔科の医師の不足だ。

 そのため08年から医学部入学定員を年々増やし、15年には9134人(21%増)になった。医学部入学定員削減は明らかに誤りだった。それで定員増に転じたが、一人前の医師になるには医学部6年と卒後研修2年の計8年かかるから、定員増の効果が表れるのは来年以降だ。

 ベッド数削減は、それに勝るとも劣らない愚策だ。高齢化が進むほど入院が必要な患者が増えるのは当たり前。ベッドが足りないと、感染症の流行や大規模な事故や災害にも対応できなくなる。ベッド数削減は、治療を受けたくても受けられない医療難民を増やすだけだ。(医療ジャーナリスト・田中 皓)



http://news.livedoor.com/article/detail/10372185/
働くならアメリカ、医療を受けるなら日本がいい? 現場の医師が語るアメリカの驚くべき医療事情
2015年7月21日 10時45分 All About

 アメリカの医療現場というとどのようなことをお考えになりますか? ドラマのような救急医療の現場を想像する方が多いかもしれません。医師にかかり、薬を処方してもらうという基本的な流れは日本と同じですが、システムは相当異なっています。

■1. 保険が一人ひとり違う

 まず、アメリカは国に統一された保険のシステムがありません。日本では通常3割負担で国が一律で保険を提供していますが、アメリカでは民間の保険がメインなので、人それぞれ違う名前の保険に入っています。

 たとえば通常の診療、救急医療、入院など項目ごとにいくらまでは個人の支払いになり、どこまで保険がカバーする、というような詳細が保険ごとに決まっています。

 私も雇用主から提示された2つの保険のうち、この項目を見比べて、1つを選びました。アメリカの保険は高いとよく言われていますが、私の場合は雇用側のサポートが手厚かったため、日本にいた時よりも安い保険料ですんでいます。これは雇用主によりますので、一概には言えません。

 オバマケアも現在保険に加入していない人が主なターゲットですので、日本のような国民全部をカバーする保険制度ではありません。

 一般的な医療であれば保険がカバーしてくれるので個人レベルではあまり意識することはありませんが、医療費の請求額自体はアメリカが圧倒的に高いです。飲み過ぎて倒れたら救急車で運ばれて、気づいたら病院だったという友人がいましたが、救急車代と診察代で1000ドル弱とられたとのことでした……。幸い保険がほとんどカバーしてくれたようですが。

 アメリカの保険と比べると日本の医療は平等でわかりやすく、優れている点が多いです。料金は一律で保険料も決まっているので、安心して医療を受けられます。また、高額な薬を使った治療を行う場合でも、高額療養費制度によって大部分は政府が肩代わりしてくれます。働くならアメリカ、医療を受けるなら日本がいい、というのがアメリカで働く日本人医師の定説になっていますが、まさにその通りだと思います。

■2. とにかく効率重視

 アメリカは短時間で効率よく仕事をまわすことを常に考えています。分業がはっきりしているので、自分の専門分野に集中して仕事をします。私が皮膚科の外来にいて一番驚いたのは、脚に潰瘍(かいよう)という皮膚に10cmほどの傷がある患者さんが受診したときのことでした。すでに診断はついていたので担当の皮膚科医が飲み薬の変更を指示しました。

 そこまでは通常通りなのですが、そのまま患者さんを返してしまい、傷自体の手当はまったく行わず、それに対するぬり薬を使った治療法の指導もありませんでした。

 不思議に思い「傷の処置はしないのか?」と聞いたところ、「それは傷を治療する専門のナースの仕事だから、皮膚科では診ないよ」とのことでした。日本では傷にぬり薬の治療をするだけのために皮膚科を受診することもあるくらいですから、この差には驚きました。

 ただ、皮膚科医が皮膚科医でなければできない仕事、つまり特殊な皮膚病の飲み薬の管理などに集中して効率よく多くの患者さんを診ることが重要、と考えているアメリカの医療からすると、これはもっともなことです。

 傷の処置をして長い時間を1人の患者さんにとられるよりは、その間に3人の患者さんを診察したほうが皮膚科医は限られた時間を有効に使えて患者さんの治療にも貢献できるというわけです。

■3. 診察時間が長い

 アメリカでは医師が一人あたりの診察にかける診察の時間が長いです。日本のように3分診療ということはまずなく、特に最初の診察時には場合によっては30分など長い時間をとって、すみからすみまで情報をとります。これにはカルテをしっかりと記載し、訴訟を避けるという意味もあります。

 一方で、日本のようにいぼやにきびといった病気で2週間ごとに皮膚科医にかかる、ということはなく、受診の間隔は長めです。

■4. 診察時の説明が専門的

 診察時間が長いためなのか、医師がかなり専門的な内容を話していることには驚きました。例えば乾癬(かんせん)の患者さんに新しい注射薬を始めるときに、その薬がなぜ効くのか、といった医学的な専門知識も話し、そして患者さんもそれにたいして質問し、よりよく理解しようと務めていました。

 アメリカではテレビで処方薬のCMが流れることも多く、その効果もあって病気のことを患者さんがよく知っているようです。

■5. プライベート重視

 日本では、診察中にはよほど重要な案件でない限り医師は電話に出ません。ところが、アメリカでは家族からの電話がかかってくると、「ちょっと待ってて」といい患者さんの目の前で電話に出ます。患者さんにとってもそれが自然で、電話の後にはその内容について2人で盛り上がっているくらいです。

 アメリカというと医療訴訟大国として有名で、医師と患者の関係が悪いのではないか、と予想してしまいますが、 むしろお互いかしこまった感じがなく、気を使わない間柄のことが多いです。

 医師の側から見るとアメリカの医療は効率がいい、残業が少ない、プライベート重視、と働く環境がいいです。ところが患者さんから見ると、主治医制でなくシフト制のため入院中に担当医がすぐ変わってしまう、医療費が高い、医療費の請求額が一定ではなく保険会社との交渉が必要、とマイナス面が目立ちます。

 医療の質、としてはアメリカのレベルは世界的に高いので、中国から来た友人はアメリカの医療のほうが中国よりも間違いなくいい、と言います。しかし、日本の医療レベルは(移植や新薬など特殊な分野を除けば)アメリカと遜色が無いので、その医療を低価格で受けられるというのは非常に恵まれていた、とこちらに来て実感しています。

【医療情報・ニュースガイド:野田 真史】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46256.html
「精神科」が労働者の身近な存在に- ストレスチェック導入で、診療所医師が期待
2015年07月21日 19時17分 キャリアブレイン

 従業員50人以上の事業場に対し、労働者の心理的な負担の程度を把握する検査が義務付けられる「ストレスチェック制度」が12月から始まるのを前に、同制度の課題や解決策を話し合うシンポジウムが17日、日本うつ病学会総会であった。東京都内で精神科クリニックを運営する医師はその中で、同制度のさまざまな問題点を指摘した一方、同制度が契機となり、労働者にとって精神科の医療機関が身近な存在になることに期待を示した。【丸山紀一朗】

 「なかなか自分からメンタルクリニックには行かないが、ストレスチェックでたまたま引っ掛かったことがきっかけで来てもらうようになり、『こういうところなんだ』と分かってもらえる。『また何かあった時には、行けば治療してもらえるかもしれない』といった風潮が広がり、精神科の敷居が下がる」-。都内で精神科の「紫藤クリニック」を運営する紫藤昌彦院長は、同制度が始まることによるプラスの影響をこのように予想した。

 同制度は改正労働安全衛生法に基づいて導入されるもので、産業医や保健師らが実施者となり、職場での労働者のストレスの程度を点数化し、その度合いの高い人を選定。労働者の希望に応じ、産業医もしくは外部の医師による面接指導を実施し、必要に応じて例えば精神科の専門医などへ紹介することを通じて、ストレス要因となる職場環境の改善につなげる。

 紫藤院長はまた、同制度の評価すべき点として、産業医や保健師らといった産業保健スタッフと、外部の精神科医との接点が増えることで、連携が深まることを挙げた。さらに、産業保健に関心を持つ精神科医が増えるとの見方を示した上で、「精神科と産業医はあまり関係ないと思っていたこともあり、日本医師会の認定産業医を取っていなかった」と自身の例を出し、今後取得を目指すことも明らかにした。

 一方で、企業側から面接指導を依頼されて困ることとして、その企業の職場の状況などを詳しく把握できない状態では適切な指導を実施するのが難しいと指摘。また、面接指導の結果として、医師から企業側に意見する労働時間の短縮や就業場所の変更といったストレス軽減策が、待遇面などで労働者側の希望と異なる場合はどうすればいいのかといった疑問も提起した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H17_R20C15A7000000/
小児患者190人に禁忌鎮静剤 人工呼吸中、厚労省13年調査
2015/7/21 12:12 日本経済新聞

 小児集中治療室(PICU)を持つ国内23の医療機関で2013年に人工呼吸器を付けて治療を受けた子供の4%超に当たる約190人に対し、禁忌とされる鎮静剤プロポフォールが投与されていたことが21日、厚生労働省研究班の調査で分かった。

 プロポフォールは添付文書の禁忌事項で、集中治療下で人工呼吸中の子供への使用禁止が明示されているが、実際には医師の判断で使うこともある。昨年2月、東京女子医大病院で投与された2歳男児が死亡する事故が発生。事態を重く見た研究班が同12月、PICUのある全国29施設の13年のプロポフォール使用状況を調べた。

 有効回答があった23施設で、PICUに入室し人工呼吸器が必要だった16歳未満の子供は計4283人。うち7施設で計189人にプロポフォールを使用していた。この中の3施設では計8人に対し、海外の文献などに基づき医師の間で使用の目安とされ、重い副作用を招く恐れがある48時間を超えて使用。うち7人への使用は72時間を超え、1人は1週間以上だった。

 投与の理由は「手術中に使用していたので継続した」「他の薬剤による副作用のため」「他の薬剤の効果が薄れてきたため」などが目立った。

 研究代表者で日本集中治療医学会の氏家良人理事長は「使用は限定的だと確認された」とする一方、「医師は禁忌であることを再認識し、保護者への説明を尽くし同意を得ることを原則としなければならない」と指摘。報告書に(1)複数の医師やスタッフによる使用可否の判断(2)投与時間は48時間以内(3)心電図や血圧、肝機能の測定など経過観察――を徹底するよう明記した。

 研究班は「今回は、女子医大病院の問題発覚前の13年が対象期間だったが、現在はさらに使用が減っている可能性がある」としている。〔共同〕



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/51849/Default.aspx
厚労省・鈴木審議官 調剤薬局は「“物販業”から“サービス業”への転換を」
公開日時 2015/07/21 03:50 ミクスOnLine

厚生労働省の鈴木康裕技術総括審議官は7月19日、調剤薬局の経営の柱は医薬品販売によるものだとの認識を示した上で、今後は在宅医療の中で残薬や健康情報サービスに対応した“対人サービス”による付加価値を生み出す業態への展開が求められているとした。次回以降の調剤報酬改定でも、こうした機能面の評価を見据えたものになるとした上で、薬局には従来の薬価差に依存した経営から脱却し、「付帯サービスによる技術料を収入の柱に」と呼びかけた。第8回日本在宅薬学会学術大会(千葉県・幕張メッセ、7月19~20日)で講演した。

鈴木審議官は、生活習慣病が増加する中で、在宅療養における服薬の機会が増加すると見通した。その上で、今後の薬局が在宅医療において役割を担うことが必要との認識を示した。特に、飲み残しなどの残薬問題については、「効果や安全性の懸念だけではなく、医療費の有効活用という点でも課題」と述べた。


こうした中で、地域調剤薬局は生活習慣病を中心としたラインアップを在庫に揃えることが必要との見方を示し、「飲み方や、コンプライアンスを指導していただくことが必要」と強調。従来のような薬価差に依存した経営から脱却し、「飲み残しや健康情報について在宅サービスに対応できる業態への転換が求められている」と述べた。一方で、処方頻度が低く、副作用頻度が高い希少疾患治療薬などは院内処方が中心になるとの見方を示した。

調剤薬局が在宅医療にかかわる上での課題のひとつとして、特に郡部では移動距離が長く、薬剤師の確保が難しいケースもあると指摘。薬剤師が1、2名の小規模薬局単独では難しいとの見方を示し、「日本薬剤師会を中心に、共同で行うのか考えていただきたい」と述べた。

◎薬薬連携 医療従事者用SNS活用も視野に

在宅医療の推進に際しては、病院の薬剤部と地域調剤薬局との“薬薬連携”を通じ、情報を共有化することも重要になる。鈴木審議官は、個人のプライバシーに配慮した医療マイナンバーの推進などで、インフラ構築も進んでいくことを紹介した。


こうした中で、「最大の課題は情報交換コスト」との見方を示した。これまで、医師、薬剤師、看護師など多職種が一同に会して症例検討会などが開催され、一定の成果をあげてきた。ただ、地域で在宅医療が進展する中で、患者によって、多職種連携のメンバーや形態も変わる。「患者によってサービスの主体もかわるし、忙しい在宅のサービスを介する人が集まるのが難しい」と指摘。こうした情報共有でもIT化が力を発揮するとの見方を示した。

鈴木審議官は、情報共有を円滑にするツールのひとつの例として、完全非公開型医療介護専用SNSメディカルケアステーションを紹介し、こうした新たなサービスを活用して連携を深めることが可能になる時代に入ったとの見方も示した。



http://mainichi.jp/opinion/news/20150721k0000m070111000c.html
社説:かかりつけ薬局 患者を守る責任は重い
毎日新聞 2015年07月21日 02時34分

 高齢になるほど複数の病院にかかり、薬を重複して処方されるケースが増える。薬の飲み残しや飲み忘れで多額の医療費が無駄になっているとして、厚生労働省は患者に処方される薬を一元的に管理する「かかりつけ薬局」の拡充を検討している。
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 医療費の膨張を抑えることはもちろん重要だが、薬の飲みすぎや飲み合わせの悪さから副作用を起こす人が多いことにもっと注目すべきだ。「かかりつけ薬局」は高齢の患者の健康を守るためにこそ必要だ。

 高血圧や糖尿病、認知症など高齢になるほど複数の病気にかかる人は増える。専門の病院や診療科で診察され、それぞれの医師から薬を処方されるため、多種類の薬を大量に服用している人は多い。日常的に薬を飲んでいる自宅生活の高齢者の約4割が、6種類以上の薬を飲んでいるとの調査結果がある。

 薬の副作用を軽視すべきでない。70歳以上の約1割が重複して服用しているとされる催眠鎮静剤や抗不安薬は、重複により認知症が悪化すると指摘されている。高齢になるほど服用期間も長くなる。睡眠薬は認知機能の低下や転倒を招きやすく、抗精神病薬は脳血管障害を引き起こす率が高くなるという。日本老年医学会などは副作用の強い薬は高齢者への使用中止も考慮すべきだと診療現場の医師らに呼びかけている。

 副作用のリスクは医師が処方する医療用医薬品だけではない。消費者庁によると、市販薬の副作用が原因とみられる死亡例が昨年3月までの5年間に15件、後遺症が残ったケースも15件あったという。あらゆる薬を一元的に管理してチェックする薬剤師の役割は重要だ。

 「かかりつけ薬局」は、患者ごとに医師から処方された薬や市販薬について記録し、同じ成分の薬が重複していないか、飲み合わせは悪くないかなどの確認をし、医師らと連携して副作用被害を避ける役割が期待されている。

 薬局は全国に約5万5000カ所あり、年間8億枚近い処方箋を取り扱っている。中には患者に対し薬の説明を怠るなど本来の職務を全うしていない薬剤師もいるという。はたして医師や患者と連絡を取り合って「かかりつけ薬局」の役割を担える薬剤師がどのくらいいるのかという疑問も拭えない。

 ただ、最近は介護支援専門員の資格を持つ薬剤師も少しずつ増え、薬の管理や医師・看護師らと連携してチーム医療の一端を担っている例もある。高齢化の進展や薬のネット販売の解禁などに伴って、薬剤師の役割はますます重要になる。患者の安全を守る専門職として信頼を勝ち取らなければならないだろう。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150720-OYT1T50053.html
「なぜウソ」発言で上司のカルテ不正閲覧が発覚
2015年07月21日  08時57分 日本経済新聞

 宮城県の大崎市民病院(大崎市)で患者の電子カルテが不正閲覧されていた問題で、入院していた姉妹とその母親がプライバシーを侵害されたとして、病院と医療事務委託先のニチイ学館(東京)を相手取り、900万円の損害賠償を求めて仙台地裁古川支部に提訴することが分かった。


 関係者によると、姉妹の母親が昨年10月、夫の暴力でけがをした次女を受診させ、保護目的で長女とともに入院させた。母親は同社社員として病院に勤務しており、上司に「子供が階段から落ちてけがをした」と伝えたところ、「なぜうそをつくのか」と言われ、カルテが不正に閲覧されていたことが分かったという。母親は職場の人間関係に悩み、2月末で退職した。

2015年07月21日 08時57分


  1. 2015/07/22(水) 05:51:45|
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7月20日 

https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20150720_10
勤務医6年ぶり減 県立病院・センター14年度末
(2015/07/20) 岩手日報

 県医療局は2014年度末時点の県立病院と地域診療センターの勤務医数(常勤医と後期研修医)をまとめ、勤務医は558人で、前年同期比4人(0・8%)減と6年ぶりに減少した。震災対応のため新たに本県に着任した招聘(しょうへい)医の減少などが要因。沿岸被災地の県立7病院と同センターの勤務医は146人で同9人(6・0%)減るなど地域間の医師の偏在傾向は解消されていない状況だ。

 病院ごとの医師の増減状況(前年同期比)は、中央8人、磐井2人、釜石、江刺、一戸、東和で各1人増。減少したのは久慈、胆沢各4人、大船渡2人、宮古、遠野、高田、千厩、二戸、大槌、山田、南光で各1人。

 県医療局によると専門医資格の取得を目的とした都市部への大学院進学希望者が増加傾向にあることに加え、全国的な震災への関心の薄れが医師数減につながったとみられるという。震災支援で本県に新たに着任した招聘医は11年17人、12年12人、13年2人、14年1人と減少傾向だ。



http://blogos.com/article/123584/
医学と政治の思考過程 時代は変化しそれにあわせるのは進歩! 
2015年07月20日 09:13 Blogos

中村ゆきつぐ

私は医者です。平成元年に防衛医大を卒業し、医師免許を頂き医師たる幹部自衛官になり、途中選挙に出るため自衛官をやめなければいけず、ブログで自分の意見を発信する変った医者として現在にいたります。

自衛官時代イラクにも行かせていただき、本当に理想と現実の差に巻き込まれながらも、現実的に何をすることが一番大事なのかを決めて、いや自分に納得させて行動してきました。海外に行くことで日本という国の素晴らしさ、日本国民の素敵さを実感しました。その上で自分に与えられた仕事をその当時最大限素晴らしいものにしようと努力してきたつもりです。ただ評価はむずかしいと思います。いつももっとうまくやれるのではという反省の積み重ねです。

今回の集団的自衛権関連事象と、医学的思考過程の共通点について述べてみます。

安倍総理の言葉です。(平和安全法制のナゼ?ナニ?ドウシテ? 第四回 )
「時代が変わっていく。兵器も進歩していく。国際情勢も変わっていきます。国と国との関係も変わっていく中で、必要な自衛の措置を私たちは考え抜かなければいけないんです。これを考える責任を放棄するということは、もう政治家としての責任を放棄することなんだろうと思います。」

医療において、15年前に教科書にこの時はこうしなさいと書かれていたものが、現在禁忌処置(絶対やってはいけない処置)として教科書に書かれています。いろいろ積み重ねていく上で医学が検証されてきたのです。この変化を、いや以前の教科書に書かれているのだからこの治療をやり続けるべきだと言う方はそういらしゃらないと思うのですが。

いや、医療と政治は違う。それこそ、いや製薬企業が儲けるためにデータを捏造したに違いない、臨床データは改竄できる、医師と製薬会社は患者をモルモットにしている。本当どこかでみた思考過程です。憲法と教科書は違う。アメリカの言いなりになって日本国を戦争させる国にしようとしている。中国や北朝鮮が攻めてくるなんてありえない。あの9条を守ることが大事なんだ!多分そう反論する方がいらっしゃると思います。

医療はこの処置をすることでその患者の生命を維持する上で最良のものを選ぶ積み重ねです。それには副作用もあり、結果やらない方がよかったとなることも多々ありますが、やることによって生命を助ける確率が上がるものです。

放置することでじり貧が予想されれば、さらに危険な介入をすることもやぶさかではありません。もちろんこのタイミングでしかやってはいけない、つまり状況が悪くなったからこの処置が許されるということもあります。

こんなこと、ビジネスの世界でも同じことでしょう。まさにリスク管理です。立ち止まることがいいのか、前に進むことがいいのか。20台の患者さんと90台の患者さんでは当然答えは違いますし、家族の考え方でも答えは違います。それでも考え続け、現在最良と思える手を打たなければいけませんし、そうやってきているつもりです。

ただ一個人の考え方はやはりもろい物だと思います。だからこそ議論しましょうと言っているのです。日本という国、まだまだ元気で生きていて欲しいものを最大限いい方向に向かわせるために。

いろいろコメント頂きました。また真間田弘さんというジャーナリストの方とツイッターでも議論させていただきました。(@mamasan_h)本当とてもいい知識を頂きました。ありがとうございます。

対中国外交上全部は言えないことからも、国民が政府を信じれるかどうかが難しいのはよくわかります。医療不信と政治不信は同様の構図です。だからわかる範囲で議論をしましょう。それが政治です。国民はどうせ忘れるから、患者はどうせ知らないからと開き直るのはまだ早い。

医師と違って人も時間もあるはずです!主要な方はもっと忙しいでしょうが、少なくともプラカードをもったり、国会前で怒鳴る時間があるのですから。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201507/20150720_65003.html
楢葉の内科医が診療所再開準備
10月に再開予定の「ときクリニック」

2015年07月20日月曜日

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が9月5日に解除される福島県楢葉町の内科医土岐高久さん(61)が、町内で診療所を再開する準備を本格的に始めた。原発事故前は、内科では町内唯一の医療機関だった。再開目標は10月1日。土岐さんは「帰町する人たちを支えたい」と話す。

 いわき市出身の土岐さんは2002年、隣の広野町で「ときクリニック」を開業。04年3月に楢葉町へ移設した。町内の特別養護老人ホームの嘱託医も務めた。
 原発事故後、埼玉県に避難した後、茨城県土浦市に移った。将来の診療所再開を見据え、看護師や事務職員の雇用を継続。楢葉町に通い、国や県の補助も活用して建物の修繕や医療機械の整備などを進めてきた。
 再開の時期を決めたのは6月。帰還に向けた準備宿泊が4月に始まったからだ。7月初め、看護師らに10月再開を伝えた。現在、診療所内の再清掃や機器の点検、電子カルテ導入や医薬品発注などの準備に当たる。再開後の診察は火~金曜の週4日を予定する。
 土岐さんは、避難指示を解除する政府の判断には疑問を抱く。「空間放射線量が高い場所が残り、飲料水に不安もある。生活環境も整っていない」。準備宿泊の登録者は約700人と、人口の1割以下にとどまる。
 「当面、楢葉に戻る町民は少ない。廃炉・除染作業員の利用もあるだろうが、どれくらい患者が来るのかは分からない」と土岐さん。「地域に戻る住民がいる以上、再開するのが医療機関の責務。初心を忘れず、地域医療を守りたい」と話す。



http://mainichi.jp/select/news/20150721k0000m040016000c.html
療養病床:削減の検討開始 狙いは医療費の抑制
毎日新聞 2015年07月20日 19時05分(最終更新 07月20日 19時18分)

 ◇厚労省 有識者検討会を設置、年内に報告書まとめ

 厚生労働省は、長期入院患者を受け入れる「療養病床」削減の検討を始めた。現在は医療の必要性が低いのに入院している患者もおり、この人たちを自宅や介護施設などでのケアに切り替えることで病床数を削減し、医療費の抑制につなげるのが狙いだ。同省は有識者検討会を設置し、議論を開始。年内に報告書をまとめる方針だ。【細川貴代】

 療養病床削減は、病院から出た患者の受け入れ先の確保が大前提となる。10日に開かれた検討会の初会合では「高齢化が進行している。現在の制度を前提としない発想も必要ではないか」「新たなニーズに応じる施設の検討も必要だ」など病院と介護施設や自宅をつなぐ新たなサービスを求める意見が相次いだ。

 厚労省の推計では、療養病床にかかる費用は1人当たり月35.8万〜59.6万円だが、老人保健施設なら同27.2万円で収まる。このため、政府はかつて、介護を主とする「介護型」を2011年度末までに全廃する方針を打ち出した。しかし、退院後に行き場を失う「介護難民」の大量発生が懸念され、民主党政権時代に17年度末に延期した経緯がある。療養病床廃止には受け皿として介護施設の整備や在宅で医療を受ける訪問診療の拡充が不可欠だ。

 厚労省は今回、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年に向け、医療型の削減にも踏み込む意向だ。厚労省によると、医療型にも医療の必要性の低い患者はいる。さらに、療養病床は都道府県ごとにバラツキがある。人口10万人あたりの入院患者数(13年)は最も多い高知(391)と最少の山形(81)では4.8倍もの開きがあり、この差を縮める方針だ。

 現在は「一般病床」「療養病床」などと分かれているが、患者のニーズに応じて機能別に再編する。例えば、脳梗塞(こうそく)などで入院し、自宅復帰に向けリハビリ中の患者は「回復期機能」の病床、重篤ではないものの医療の必要な患者は「慢性期機能」の病床などと明確に区分。各都道府県が患者のニーズを推計し、効率的に病床を配置するよう医療機関に促す。これにより、療養病床を含む全入院ベッド数は、25年に最大約20万床の抑制が可能との政府の推計が先月公表されている。

 ただ、厚労省の想定通りに病床削減が進むかどうかは未知数だ。民間病院に対して削減を強制できず、政策的に誘導するのが限界だ。また、今回は介護型だけでなく医療型も削減するため、患者の受け皿作りのハードルはさらに高くなる。

 ◇療養病床

 長期にわたって療養を必要とする患者のための病床。医療保険が適用される「医療型」と介護保険適用の「介護型」がある。ただ、両者の患者の状態などに違いはないとされる。医療の必要性が低いのに入院する「社会的入院」の受け皿となっているとも指摘されている。



http://apital.asahi.com/article/news/2015072000003.html
カルテ不正閲覧、母娘3人提訴へ 大崎市民病院
(朝日新聞 2015年7月18日掲載) 2015年7月20日

 大崎市民病院の職員と医療事務を受託していた「ニチイ学館」(東京)の従業員によるカルテの不正閲覧でプライバシーを侵害されたとして、病院に入院していた姉妹と母親が病院と同社を相手取り、900万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁古川支部に起こすことが17日、関係者への取材でわかった。

 訴状などによると、昨年10月、父親からの暴力でけがをした次女が病院で診察を受け、長女とともに保護入院した。その際、同社の従業員だった母親が「子どもが階段から落ちてけがをした」と上司に伝えたところ、「なぜウソをつくのか」と言われ、カルテを無断で閲覧されていたことがわかった。

 母親は職場の人間関係に悩み、2月末で退社した。母娘の代理人の鈴木絢子弁護士は取材に「虐待やDVの被害者が保護されるべき病院でプライバシーの侵害が起きた」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/341240?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150720&dcf_doctor=true&mc.l=112797385
「事故調査報告書、遺族に開示」
日病医療事故調査制度シンポ、現場対応に難しさ

2015年7月19日(日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本病院会主催のシンポジウム「医療事故調査制度の施行に向けて~制度の理解と具体的運用~」が7月18日、都内で開催され、日病会長の堺常雄氏は、冒頭のあいさつで、多くの参加者が集まったことを受けて、「実際に医療事故が発生した際に、どう対応したらいいかが分からないからだろう」と、制度の解釈に難しさがあるとした上で、それ故に「管理者の責任は大きい」と指摘した。医療事故調査・支援センターに医療事故として報告するか否かなど、「管理者の判断」での対応が求められる事項が多いからだ(質疑応答は、『「事故の報告対象」「報告書」に質問集中』を参照)。

 シンポジストは、日病副会長の末永裕之氏が司会を務め、日病の医療の安全確保推進委員会委員長の木村壮介氏、北海道大学病院医療安全管理部部長・診療教授の南須原康行氏、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏、名古屋大学医学部附属病院の副院長で、医療の質・安全管理部教授の長尾能雅氏の4人が、順に登壇。

 10月から始まる医療事故調査制度は、院内の事故調査を基本とする。同制度をめぐって、解釈や対応が実際に分かれると想定されるのが、院内事故調査の報告書の取り扱い。同制度の省令では、当事者を「匿名性、非識別化」して報告書をまとめるよう求めている。4人の演者はいずれも、遺族への報告書の開示を支持。ただし、どのように「匿名性、非識別化」すればいいか、現場は悩むところだが、具体的な手法についての言及はなかった。

 院内事故調査に当たっては、法律上、義務ではないが、厚生労働省は、「外部からの委員を参画させ、公平、中立な調査に務める」ことを求めている(同省のホームページ参照)。この点についても、シンポジストは外部委員の参画を支持した。

 北大「全ての死亡診断書を確認」

 シンポジウムは、4人の演者の講演の後、質疑応答という形で進められた。医療事故調査制度における医療機関の実務について講演したのは、南須原氏と長尾氏だ。

北海道大学病院医療安全管理部部長・診療教授の南須原康行氏
 「医療事故発生から院内調査委員会設置までの具体的対応」と題して講演した南須原氏は、(1)日ごろから行っておかなければいけないこと、(2)医療事故の判断のポイント、(3)調査の一般的な流れ――などについて説明した。

 (1)について、南須原氏が強調した一つが、医療事故を拾い上げる体制だ。「院内の報告体制の充実が前提であり、そのためには死亡事例をいち早くキャッチする体制が必要。全ての死亡事例を把握しておかないと、もれてしまう」(南須原氏)。北大病院では2014年11月から、南須原氏が院内死亡例の全ての死亡診断書を確認する体制にした。年間約600例の院内死亡があり、うち約300例は心肺停止の状態で搬送されてきた患者であり、検証が必要なのは残る約300例。「同じ診療科で立て続けに死亡が発生していないかなども見ている。場合によってはカルテを取り寄せたり、ヒアリングをすることもある」(南須原氏)。

 さらに診療記録が今まで以上に重要になることから、正確かつ遅滞のない記載がなされるように徹底したり、事故調査では臨床経過における時刻把握が重要になることから、モニター類や院内各所の時計の定期的な時刻合わせなど、きめ細かな対応をしている。

 (2)については、事例を挙げて判断例を紹介。医療事故調査・支援センターに報告するのは、「医療に起因した、予期しなかった死亡・死産」だが、その判断プロセスとして、院内合議を行い、管理者が判断する重要性を強調。「この判断においては、院内で、第三者的な立場の人を含む会議で、組織として対応せざるを得ない。この際、当事者の意見を聞くことも求められる」と南須原氏は話し、合議によっても判断に迷う場合には、支援団体やセンターに相談することも一つの方法であるほか、解剖やAiも活用できるとした。

 (3)の調査委員会について指摘したのは、設置規程を定める必要性だ。「病院の都合のいいように設置したように見られないようにしたい」(南須原氏)。また調査を進めるために、診療諸記録の保存、事故発生直後の状態の保存(事故と関連する可能性がある物品や薬剤、医療行為を検証するための画像やモニター記録など)なども求められるとした。

 さらに調査に当たっては、当事者の匿名性に配慮する必要性も指摘した。「調査する際に、カルテなどには主治医や患者の名前が入っている。これらの資料は、匿名化する必要はないだろう。調査を誤る可能性があり、委員には守秘義務があるからだ。ただし、それを基に経過表や報告書を作成する場合には、匿名化する。報告書は開示対象だが、委員会の内部資料は非開示という扱い」(南須原氏)。

 「事実は正確に、分析は機械的に、評価は丁寧に」

名古屋大学医学部附属病院の副院長で、医療の質・安全管理部教授の長尾能雅氏
 「調査の実際と報告書の作成」と題して講演した長尾氏は、事故調査の実施から報告書をまとめるに当たって、「事実は正確に。分析は機械的に。評価は丁寧に」が基本になるとした。「この点をあえて言うのは、事実が曖昧なままになり、分析はその都度異なり、評価が乱暴に行われることがある。こうした報告書が量産されたら、困る」(長尾氏)。

 院内調査の実施に当たっては、南須原氏と同様に、あらかじめ規程を定めておくことが必要だとした。

 「臨床経過に関する情報収集」は精度の高い分析と良質な再発防止策の立案に重要だとし、各種記録とヒアリングを基に進めると説明。ヒアリングに当たっては、(1)少人数の場でのヒアリング、(2)事故調査委員会でヒアリング――の二通りがあるとし、当事者の意向を踏まえて使い分ける。

 情報収集後は、時系列的に、関係する医療者が分かるように事実関係を整理する。その際、「診療記録など客観的に得られた資料」と「ヒアリングによる情報」を区別して記載することが必要であり、分析・評価に入る前には、遺族も含め、当事者に確認することが求められる。

 その上で分析・評価は、(1)死因、(2)事故の発生要因――の二つの視点から行う。死因については、必ずしも確定できない場合もあり得るという。事故の発生要因は、診療行為の全てに関して深堀するのは、時間がかかることなどから、死亡に関連した点を重点的に行っていく。その際、「何をしたか」(作為型行為)だけでなく、「何をしなかったか」(不作為型行為)に対しても検討するほか、事故の背景要因を探り、再発防止につなげていくことが必要だとした。

 報告書作成についても、その構成や記載する場合の注意点を詳しく説明。注意喚起した一つが、用語。例えば、「相当程度の可能性」「予見可能性」「注意義務」などの法律用語は、医療者が考える意味と異なる場合があるので、使用を避けるべきとした。また、「医療行為の評価」と「再発防止の提言」を区別するなど、記載に当たっての留意点も解説。

 報告書の病院の顧問弁護士に見せるか否かについて、長尾氏は次のようにコメント。「信頼でき、クライアントの意図を理解してくれる弁護士であれば、見せていいと思う。事故調査は、過失判断から切り離して行うものだが、遺族に報告書を説明して、謝罪や賠償への対応、社会への公表など、病院は次の判断をしなければならなくなるからだ。弁護士から、足りない部分などを指摘してもらえる場合もある」(長尾氏)。

 名大病院では現在、報告書はまず原本を遺族に渡して、説明している。それでも遺族の理解が得られにくい場合には、平易な表現で解説を加えたものを渡す。10月に医療事故調査制度が始まった後も、医療事故調査・支援センターに報告する内容と同じものを遺族に渡す方針だ。

 モデル事業、民事訴訟は234事例中6事例

 木村氏は、日本医療安全調査機構の中央事務局長も務める。2005年度から日本内科学会主導で開始し、現在は日本医療安全調査機構で実施している「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」の実績のほか、医療事故調査制度の概要を紹介。

日病の医療の安全確保推進委員会委員長の木村壮介氏
 モデル事業は全国10カ所で、今年4月までに受け付けたのは、239事例。うち、評価結果報告書を交付し、説明会開催までを終えたのは、221事例。機構の調べによると、把握できた234事例のうち、民事訴訟に発展したのは6事例。また2010年4月以降、評価を終えた102事例について、医療機関や遺族にアンケートした結果、医療機関側は「良く了解・理解した」96%、「質問多いが理解」2%、遺族側は「良く了解・理解した」57%、「繰り返し質問し理解」が35%で、おおむね高い評価が得られているとした。

 日病の「医療の安全確保推進委員会」では、2014年10月に会員にアンケートを実施。医療事故(死亡事例)の件数は、全国で年間1225件と推計される。1病院当たりの発生率は年平均0.3件が、病床規模別に見ると規模が大きいほど、発生率は高く、「20~99床」では年0.0285件、一方、「500床以上」では年0.7326件だった。また報告書の遺族への開示について、「当然手渡すべき」「匿名性を配慮した上で手渡すべき」とした回答が73.9%に上るという結果も紹介。

 医療事故調査制度で強調した一つが、院内事故調査に外部委員を入れる点。医療法上では義務ではないが、「病院の職員だけでなく、外部委員を入れることは、ほぼ義務に近い、と厚労省も言っている。外部委員が入ることにより、中立性、専門性、公正性が担保できる」(木村氏)。世界医師会の1987年のマドリッド宣言を引用し、医師が「職業的自主性」と「自己規律」を持って、「個人ではなく、職業団体が有するシステムとしての自律」の下に、医療事故調査に対応していく必要性を強調した。

 「報告書、遺族に開示を」山口氏

 「医療事故調査制度に期待すること」と題して講演した山口氏は、まずCOMLのこれまでの実績を紹介。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏

 1990年から開始した患者からの電話相談件数は、2000年から2005年の間がピークで、多い時は年間4000件を超えたが、最近は1500件弱にとどまっている。相談件数が変化した一因として、メディアが医療事故を取り上げることによる患者の意識の変化と医療現場の取り組みを挙げた。

 医療事故調査制度で期待することとして、山口氏が挙げたのが、報告書の交付だ。制度創設前の厚労省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の委員を務めた山口氏は、「ガイドライン(省令と通知)作成の議論の際に、検討部会で決めたことから、少し後退する面があったため、残念だと思った」と述べた。検討部会では、報告書について「遺族に開示しなければならない」となっていたが、2015年3月に取りまとめを行った「医療事故調査制度の施行に係る検討会」では、遺族への説明について「口頭または書面、もしくはその双方で」となったからだ。

 報告書について「当然手渡すべき」「匿名性を配慮した上で手渡すべき」とした回答が73.9%に上るという日病の「医療の安全確保推進委員会」アンケートにも言及し、山口氏は、「遺族の理解が深まれば、訴訟が増えるというが、むしろ逆ではないか。透明性を担保することで、患者の医療者への理解は深まる。開示しなければ、医療への不信感が逆に高まり、また医療不信の時代に戻ってしまうのではないか」と指摘した。

 さらに山口氏は、「今後、問題になってくるのが、遺族からの第三者機関への調査依頼」と指摘。「なぜ報告の対象にならないのか、と遺族が疑問を感じた時に、どこが受け皿になるのか。(来年)6月の見直しで、この点が出てくることが必要」(山口氏)。



http://www.m3.com/news/general/341243?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150720&dcf_doctor=true&mc.l=112797387
救える命 見つけに行く
第1部 医師(4)日本初がん集団検診 黒川利雄 (1897~1988)

2015年7月20日(月)配信 読売新聞

 半世紀以上も前のことなのに、栗原市の石川司之もりゆき(82)はその時のショックをはっきりと覚えている。1961年、勤め先の近くに来た検診車で受けた集団検診で、早期の胃がんが見つかった時のことだ。

 死に直結する病気と考えられていた時代。27歳だった石川は激しく動揺した。「もうダメだ」。しかし、4か月後の手術で胃の3分の2を切除し、助かった。

 がんを克服した人たちでつくる「みやぎよろこびの会」の会長を務める石川は今、「検診でがんが早く見つかれば、必ず助かる」と力説して回る。その礎を築いた医師が、東北大病院の黒川利雄だった。

 北海道の炭鉱労働者の家に生まれた黒川は、姉を結核で亡くし、母も同じ病に苦しんだことから医師を志した。東北帝国大(当時)医学部を卒業後、大学病院の内科医になったが、大正の当時、胃がんの検査は触って確認するだけ。しこりがなければがんと分からず、しこりがあれば末期であることを意味していた。

 転機となったのは、助教授時代の2年間の欧州留学だった。胃がんのX線検査を学び、帰国後に早期発見の研究を本格的に開始。東北大の学長で県対がん協会長だった60年、X線装置を積んだ検診車を完成させ、国内初となる胃がんの集団検診を始めた。

 「患者が来るのを待つのではなく、こちらから出向けばもっと命を救うことができる。先生はそう考えていた」。弟子の一人で、県対がん協会長の久道茂(76)は語る。

 ただ、当初は撮影機器の性能が十分ではなく、早期がんが見つかるのは1割程度だった。長男の雄二(75)は「健康なのに無理やり検査を受けさせている。金もうけのためだ。そんな批判も多かった」と振り返る。

 今や時代は様変わりだ。検診車は各地で導入され、早期にがんを見つける精度も格段に高まった。胃に限らず、様々な部位のがんの集団検診が全国で行われている。

 県対がん協会による胃がんの集団検診を受けたのは昨年10月、延べ800万人に達した。がんが見つかったのは約1万5000人で、このうち6割以上が早期。節目の受診者となった塩釜市の桜井勝江(54)は式典で初めて、黒川の名を教わった。「毎年検診を受けているけど、それが宮城で始まったことだったなんて」と驚いた。

 まかれた種が花を開かせた一方で、黒川を知る人は少なくなった。「がん検診は今や常識ですからね。でも、そういう時代になったことを父も喜んでいるのではないでしょうか」と雄二は語る。

 「がん集団検診発祥の地」。仙台市青葉区上杉にある協会近くの所有地には、黒川の功績をたたえる石碑が立つ。「山上に山あり 山また山」。がん撲滅に挑み続けた黒川の座右の銘が刻まれている。(敬称略)


  1. 2015/07/21(火) 06:25:26|
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7月19日 

http://mrkun.m3.com/mrq/logincampaign/0000378404/36226/mx_login/viewDetail.htm
「医学教育の密室性を排除」◆慈恵医大Vol.2
講座制と教育を分離、実習は74単位に増加

2015年7月19日(日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京慈恵会医科大学が、医学教育の外部評価で高い評価を受けた一つが、「統合カリキュラム」だ。その歴史は古く1996年度にさかのぼり、同年にそれまで行っていた講座別の教育を全廃、「統合カリキュラム」を導入、学生試験の在り方も刷新した。

 その狙いについて、慈恵医大教育センター長の福島統氏は、「講座制と教育の分離であり、『私が教え、私が試験を行い、私が採点し、私が合否を決める』という教育の密室性を排除するのが目的だった」と説明する。

 1995年度までは、2年間の教養教育の後、4年間の専門教育、つまり内科学、外科学、解剖学、生理学、生化学、病理学などに関する教育を講座別に行っていた。例えば、解剖学でも、第1講座は肉眼解剖学と神経解剖学など、第2講座は組織学と発生学などをそれぞれ教え、両者の間で教育内容の調整などはしていなかった。その上、教育目標や評価も、各講座が独自に決定しており、「各科目の教育の総和が、『病気を診ずして病人を診よ』という慈恵医大のスクール・ミッション(教育目標)にはなっていなかった」(福島氏)。

 それを抜本的に変えて、導入したのが、「統合カリキュラム」だ。

 「コース・ユニット制」で責任の所在も明確に
 「統合カリキュラム」は、「コース・ユニット制」を採る。「コース」は、医学総論IからVI、総合教育、生命基礎科学、外国語IからIV、医療情報・EBM I~IV、社会医学など、大きな単位ごとに設定される。各コースの下に、「ユニット」という教育単位を設定した。例えば、1年次で学ぶ「生命基礎科学」コースには、生物学、物理学、化学のユニットを、2年次の後期の臓器別正常構造・機能を学ぶ目的の「基礎医科学II」コースには、循環器系、呼吸器系、神経系、生殖器系などのユニットを、それぞれ配置している。3年次の「臨床基礎医学」コースでは、免疫学、感染症、病理学など、基礎医学の中でも臨床に近いものを統合している(詳細は、慈恵医大のホームページを参照)。

 この「コース・ユニット制」の特徴は、教育の責任の所在が明確である点。教学委員会が、各コースの責任者をまず決め、教授会の承認を得る。コース責任者が、ユニット責任者を指名する。ユニット責任者が教育計画を立て、それを教える教員については、所属する講座以外から、場合によっては学外からも指名することができる。各ユニットの教育計画を総括する立場にあるのが、コース責任者だ。コースとユニットの責任者になれるのは、講師以上。その権限は大きいため、任期は1年、ただし再任は可能。

 慈恵医大では、コース責任者の講義・実習依頼は、業務命令としている。福島氏自身、解剖学講座の講師時代に、「運動系」のユニット責任者になったことがあった。当時の整形外科の主任教授に、「関節障害」の講義を依頼したこともあったという。

 過去問題、学生に全て公開
 さらにカリキュラムの見直しの際、評価の在り方も見直した。「試験実施者と、その結果を評価する人を分離した。この思想は、(臨床実習に入る前に各大学が実施する)共用試験につながったと考えている」(福島氏)。試験問題は、まず教育を担当した教員が作成する。それを試験委員会が確認した上で、学生に出題する。試験を実施後、正答率が低かったりするなどの問題は削除などの対応を取る。試験問題についてはデータベース化しており、出題後、作成教員名、学生の回答パターンと模範解答などを「試験問題サーバ」に蓄積し、学生に公開している。問題ある出題をした教員には問い合わせを行うこともある。

 「自分のカリキュラム、学生が作る」
 慈恵医大の実習面での特徴の一つが、「プライマリケア・選択学外臨床実習」。ユニークなのは、「学生が自分で自分のカリキュラムを作る」という点だ。

 学生は、いつでも、どんな期間でも、ユニット責任者が許可すれば実習することが可能。ただし、正規のカリキュラムがある時は実習に行くことができず、土日曜日や夏休みなどを利用する。1日単位で認定し、5日の実習を行った場合に1単位としてカウントする。

 実習先は、他の地域の中核病院や診療所、保健所、離島へき地の診療所、児童養護施設、障害者福祉施設など、極めて多岐にわたる。海外での実習も可能。「医療の場は多様。学生が、自ら学ぶ『場』を選び、学ぶ機会を提供するのが、プライマリケア・選択学外臨床実習。実習先も、学生自身に交渉してもらい、ユニット責任者が実習場所として適当と判断した場合に実習が可能になる」(福島氏)。実習後は、レポート提出を求め、単位を認定する。これとは別に、慈恵医大の姉妹校である、英国のキングス大学には、慈恵医大が補助を出して、毎年3人が実習に行く。

 臨床実習、62単位から74単位に増加
 もっとも、外部評価では、診療参加型の実習の少なさが指摘された。この点については既に2015年度から見直しを進めている。

 2014年度までの実習は、計62単位。医学部1年次は福祉体験実習、2年次は重症心身障害児療育体験実習と地域子育て支援体験実習、3年次は在宅ケア実習と高齢者医療体験実習を行い、計6単位。5年次の41週間、6年次の15週間、合計56週間(単位)が臨床実習だったが、5年次の実習は必ずしも参加型ではなかった。臨床実習は、6年間で計62単位。これ以外に、4年次で看護業務実習を実施していた。

 2015年度からは、4年次以降の在り方を見直し、臨床実習は6年間で計74単位まで増やす。4年次の1年間実施していた臨床講義を4月から6月の3カ月に短縮し、9月から「全科見学型臨床実習」(28週間)に入り、大学での教育を組み合わせながら進め、診療の現場で求められる知識・技能・態度を、実体験を踏まえながら、習得していく。基本的には本院で実施する。その後、6年次の7月まで、1診療科当たり4週間、計10診療科、40週間の参加型臨床実習を行う。実習の場は、分院のほか、関連病院まで広げる方針だ。同実習を終えた時点で、臨床能力が目標に達しているかを評価するため、卒業時OSCEを実施する。

プライマリケア・選択学外臨床実習のレポート
 (3年生が、2年生の時に実習した「児童館」に、再び行った際のレポート)
 今回の実習では、2年生の時、子育て支援体験実習でお世話になった○○児童館で実習させていただいた。個人的な目標としては大きく2つ。前回行ったときに、家庭の事情を抱えている子について、もう少し注意深く観察し、関わること、もう一つは1年半経って子どもたちがどんな変化をしているか見るということである。
 (中略)今回の私のように、一度きりではなく、長いスパンで子どもたちを見ていくというのは、その趣旨に当てはめても実りの多いものだと考えた。
 実は正規の実習期間が終わってからも、秩父への遠足の引率、秋の縁日でのお店屋さん・料理の手伝い、夏の児童館のサマーキャンプで博士に扮しての節電や科学のワークショップ開催など、様々な場面で児童館に呼んでいただき、参加していた。その中で、もちろん勉強以前の問題として、ボランティアとして仕事をしたり、次々と寄ってくる子どもたちの遊び相手をした。今回はその中で培った先生方、子どもたちとの信頼関係があったからこそ、受け入れていただいたと考えている。
 以前、先生が医学部の実習は全部「貢献実習」だということをおっしゃっていたが、最近やっと貢献しながら勉強するということは、どういうことなのか分かってきた。正に今回の実習のようなものが、貢献学習な野だと思う。レポートでは、今回の実習で出会った3つの疾患について、調べたものをまとめ考察を加えようと思う。
 まず1つ目「場面緘黙症」について。この子は去年、児童館を訪れたときに私自身気づいていなかった。(中略)実習初日に、児童館で行われる祭りの準備を一緒にしていた子が、長時間何もしゃべらずに、一人で黙々と作業をしていたことに気付いたのが、その子との出会いであった。(中略)
 2つ目に「アスペルガー症候群」について。(中略)
 最後の「パニック障害」の子について書く。(中略)
 上記のような子どもたちを通じて今回学んだことは、第一に障害を持つ子にはきめ細かいサポートが必要だということである。サポートの第一段階はその障害について知る、勉強することだと思う。(中略)
 人は人のかかわりの中で成長するものである。子どもたちと接して私が勉強させてもらったし、医学生として成長もできた。願わくば子どもたちも私とのかかわりの中で何かを感じ、楽しいだけでなく少しでも成長してくれたら良いと思う。
プライマリケア・選択学外臨床実習のレポート
 (4年生が、地域のリハビリテーション病院で4日間実習した際のレポート)
 今までチーム医療というものの重要性については講義を受けてきたものの、実際の医療機関でのチーム医療というものについて疑問を持っていました。○○病院でのシステムはまさに様々な業種がチームの医療を行っていました。○○病院は教育機関ではないことを感じました。今までの実習では教えてもらえることが当たり前でえしたが、○○病院は多忙で、私の相手をしている暇などありませんでした。
 初日は誰にも相手にされない「放置状態」で、何もできずに、見学に来たことを後悔したくらいでした。しかし、後半は自分から患者さんやスタッフの方に質問したり、患者さんと手を握り話をしたりと、とても有意義に過ごすことができました。今まで、自分が上げ膳下え膳の温室環境にいたんだということを痛感させられました。今回は医師にも、コメディカルにも両方につかせていただいて、両方の目線を体感しました。
 改めて、患者さんがよくなっていくことの喜びを感じられました。



http://www.m3.com/news/iryoishin/341241
「事故の報告対象」「報告書」に質問集中
日病医療事故調査制度シンポ、遅れる準備

2015年7月19日(日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 7月18日に都内で開催された日本病院会主催のシンポジウム「医療事故調査制度の施行に向けて~制度の理解と具体的運用~」の質疑応答では、医療事故制度の入口となる、医療事故調査・支援センターに届け出るべき医療事故の対象と、院内調査の実施報告や報告書の取りまとめについて質問が集中した(シンポジストの講演内容は、を参照)。


 名古屋大学医学部附属病院の副院長で、医療の質・安全管理部教授の長尾能雅氏は、「ばらつきを許した形で制度はスタートする。解釈に幅を持たせ、小さく生む制度」と述べ、医療界への信頼があってこそ成り立つ制度であるとした。それでも、フロアからは、「『私はこう考える』という発表が多かった。10月に制度がスタートするが、講師の意見も違うのではないか、と判断した。もう少しまとめることができないのか」との意見も出た。

 10月の制度開始まで2カ月強と迫っているにもかかわらず、いまだ制度への理解が深まらず、医療現場での準備が進みにくい現状が、シンポジウムから浮き彫りになった。

 シンポジウムでの主な質疑応答は、以下の通り。司会は、日病副会長の末永裕之氏が務め、長尾氏のほか、北海道大学病院医療安全管理部部長・診療教授の南須原康行氏、日病医療の安全確保推進委員会委員長の木村壮介氏の3氏が回答した(質問および回答ともに、全文ではなく、主要点を要約。類似の質問への回答は、まとめて掲載)。


◆報告対象になる医療事故の判断について
Q:患者がベッドから転落し、その後、急性硬膜下血腫で死亡した場合、「予期した死亡」と言えるか。

A(長尾氏):まず転倒転落は医療の範囲なのか、という議論がある。単なる転倒転落で患者が死亡することはあり得るが、それだけで医療に関連したとは言えない。ただ、入院時に、患者の転倒のしやすさなどをアセスメントして、それに応じた介入をする。これは医療行為。これが全く行われていない、あるいは不十分だった場合は、院長は予期していないことになるので、そのことにより死亡したのであれば、報告の対象になり得るのではないか。

Q:「予期しない」の予期の時期はいつか。当該医療行為の開始前になるのか。

A(長尾氏):患者の死亡直後で、主治医団は、「これは予期していなかった」と思い、遺族に説明していなかったが、よく考えると、予期される最悪の合併症だったということがある。診療録を見てみると、「1%の確率で死亡するかもしれない」などと書いてあったりする。(医療事事故調査・支援センターに報告するか否かを判断する院内の)合議体で資料として出し、議論する。それでも1回調査すべきとなれば、報告対象になる。あるいは「主治医団が予期していなくても、医学的には予期されることであり、冷静に考えると説明が付く」となれば、報告はしない。
 二つの事例を紹介する。いずれも合議体開催し、院長が判断した。一つは、血管外科で大動脈の処置中に、出血が止まらなくなった事例。そのまま「テーブルデス」に近い形で患者は死亡した。主治医団は、予期していなかったという。痛恨の思いがあったのだろう。遺族も予期はしていなかった。ただし、合議体で議論し、医学的にはあり得ることになったが、処置から死亡まであまりにも短いので、手技的に問題はなかったのかなどを検証するために調査を実施した。
 もう一つは、呼吸器外科で、気管支をつなぐ処置をした事例。1週間後に、出血を来して、そのまま死亡した。主治医団は予期できたと言っていた。説明文書を見たら、かなりの頻度で、こうしたことが起こり得ると書いてあった。事前に説明もしてあり、遺族側にも疑義がなかったということで、予期し得たということで、調査はしなかった。

A(木村氏):モデル事業においては、手術から合併症等の発症まで1週間以内が約8割、死亡までは1カ月以内が約9割。日病の会員アンケート(2014年10月)では、「合併症であっても、経過等から事故扱いとする選択も必要」との回答が73.5%だった。いくら合併症について説明していても、通常より早い時期に死亡した場合は、事故と考えて調査に踏み切っているのが現状なので、「期間」も重要。

Q:説明同意書の記載内容は、全て予期できる内容と言っていいのか。

A(南須原氏):結果的には、書いていればいいことになるが、単に書けばいいわけではなく、患者側に説明し、納得できる時間も必要。

A(長尾氏):胃カメラをやっていて、顎が外れた事故がある。その時の患者への説明文書には書いていなかったが、教科書には書いてある。この事故を踏まえ、名大病院では、インフォームド・コンセント委員会で、説明文書に顎が外れることを追記する作業を実施した。病院として押さえなければならない説明内容について、説明文書のひな型を見直す必要がある。名大病院にはインフォームド・コンセントに関する文書があり、今年4月からその確認を進めている。

Q:原因が明らかな医療過誤、例えば麻酔薬の10倍投与は報告すべき医療事故になるのか。「説明文書に死亡率0.01%などと書くのはダメ」とされるが、どのような記録になっていればいいのか。

A(南須原氏): 10倍投与は報告対象だろう。また手術の際、死亡率の書き方は難しいが、想定された死亡原因があり、説明文書に書いてあり、それが原因で死亡した場合には予期されたと言っていいのではないか。ただ、(死亡原因も書かずに)漠然と「死亡率0.01%」と書く場合は、予期されたと言いにくいのではないか。

A(長尾氏):本来なら具体的な説明があればいいが、(患者への)説明文書に書かれており、渡されていれば、最低限の説明責任は果たしていて、医学的に予期されていたことなのだろうと解釈している。
 もっとも、説明文書に書かれていても、調査しなければいけない事例もある。例えば、甲状腺の術後に、出血が止まらなくなり、気道狭窄で死亡した。これは何度も起きている事例。事前に説明もしているが、また起きたことは、今の改善案では完全に再発防止できないことになるので、この辺りを検証しないと、「対社会的にも、対患者的にも説明ができない」という判断になる。それで調査を行った。

Q:(誤薬など頻発する類型のエラーなどは)過誤過失であっても報告しなくていいという解釈には、現場では違和感を覚える。

A(南須原氏):法律には、過失という言葉はなく、過失の有無は報告とは関係がない。過失があったら、報告しなくていいとはならない。

A(長尾氏):過誤か過失かは、事故直後には分からない。調べてみて、明らかになる事実は多々ある。過量投与によって死亡していた場合、その過量投与については、予期していなかったことになるだろう。合意体を開催して、検証して、院長が再発防止すべきと判断したら報告対象になり、調査委員会が立ち上がる。

Q:管理者が報告しなくていいと判断しても、遺族が納得しなかった場合の対応は。

A(南須原氏):報告するか否かの判断には、遺族の希望は入らないが、現実にはそうはいかないかもしれない。やはり遺族と話し合った上で、それでも毅然として報告しない、あるいは報告して第三者の判断を仰ぐという考えはあると思う。

A(長尾氏):遺族の疑義が、最後まで拭えない場合はあり得る。院内の合議体で、当事者の意見を聞いて、病院で判断した内容が妥当となる場合もあれば、遺族と主治医団の説明が違い、白紙に戻して議論し、その結果、報告する場合もあり得る。

◆院内調査の進め方について
Q:院内事故調査会について、当事者が医師の場合も委員に入れないのか。

A(木村氏):執刀医は、事故の調査委員会には入らない方がいい。他の委員への影響もある上、本人がストレスを感じながら加わることは問題。ただし、本人へのヒアリングと、報告書をまとめた時点で一度確認してもらうことは必要。

A(長尾氏):悩ましいのは、院長や安全管理者が当事者だった場合。調査委員会のメンバーとして入るのは、適切ではないと思うので、事前に誰を代行にするかなど、事前にシミュレーションをしておくことが必要。

Q:院長が、院内事故調査委員会に入るのは不適切という理由が分からない。委員長になるのは不適切と思うが、委員であれば問題はないのではないか。第三者が委員会に入れば、中立性は保たれるのではないか。

A(長尾氏): 事故直後に、報告対象か否かを検討する合議体には、院長は入る。ここは決定機関であり、検証機関ではない。その上で、調査を行う場合、法律上は禁止していないが、第三者性を保った調査の在り方を考える場合、委員会には院長は入らない方がいい。院長は、調査の結果を受ける側。つまり調査委員会は、院長と遺族という二者に対して、報告書をまとめると言う体制を作りたい。結果を待つ側の人が、報告書の作成過程に入ったり、報告書を書いたりするのは、やはり理解が得られにくいのではないか。もっとも、考え方やリソースの違いもあり、院長が入らざるを得ない場合もある。

Q:職員が証言拒否をした場合に、どのように対応すればいいか。

A(長尾氏):どのくらい権利で守られているか、私も分からないが、突き詰めれば、黙秘権はあるだろう。ただ、この制度は、事実を共有して、原因を探る、再発防止につなげることが目的。当事者たちが証言しないことは前提とはなっていない。当事者の黙秘の下で行われる調査が、成立するのかということだ。
 例えば、(プロポフォール投与事故の)東京女子医科大学の調査に関わったが、確かにヒアリングの過程で、「それは覚えていない」「記憶にない」「答えられない」と回答した人もいた(『「死因は禁忌薬の使用」、女子医大第三者委』を参照)。それに対して、調査委員長は厳しい感触を持った。調査の意図を理解できていないのではないか、ということになった。
 これは長く残る課題だが、(自身が主導した調査で)少なくとも私自身は、当事者に「言いたくはない」と言われたことがない。当事者にとっても調査する意義があるのであり、調査の目的と意義の共有が甘いと、証言拒否ということになるのではないか。

Q:報告書が、裁判の証拠に使われる可能性があれば、聴取の前に当事者に伝えなければいけない。それをやると、きちんとした情報が出ない可能性がある。

A(長尾氏):名大病院の場合には、規約で、報告書をそのまま遺族に渡すことが前提になっている。各医療者へのヒアリング内容そのものは、内部資料なので、外に出ることはない。このことを理解して調査への協力を得ている。(個別のヒアリングではなく)調査委員会の場での発言を希望する人もいる。この場合も議事には残るが、外部に出ることはないという前提でやる。
 遺族が報告書をどう利用するかについては、任せるしかない。私たちはそれを前提に報告書を作成するので、決して個人の非を書き連ねる報告書にはしない。個人であってもチームの一員として医療をやっているのであり、その前提で事故の背景にある要因を探る。
 病院の管理者は、報告書を基に、遺族に謝罪、賠償するのか、あるいはやむを得ない事故だったかなどを判断して、説明する。そのことが適切に行われていれば、患者側が事実が分からないなどとし、弁護士に相談する頻度は減るだろう。恣意的ではなく、事実を丁寧に書き起こした報告書であれば、どこに出されてもやむを得ない。一方、事実経緯が曖昧で、分析もあまりせず、何が言いたいのかが分からない報告書であれば、恐らく遺族の怒りを買い、裁判になるのだろう。どんな報告書を作成するかにかかっている。

A(南須原氏):北大も同じ。内部資料は公表しないが、調査は外部委員を入れて行い、報告書は裁判などに使われることを前提で書く。事実は事実としてしっかり書く。裁判になるかどうかは、報告書の有無にかかわらないのではないか。 分析の結果、病院の非を明らかに認めた報告書であれば、説明した時点で遺族は納得し、損賠賠償になる。報告書が訴訟に使われることは、一定の確率で起きると思うが、長尾先生と同様に、正直に出すことでトラブルを回避する可能性が高いと考えている。

Q:報告書の書き方について。モデル事業では、断言的ではない書き方をしていた。

A(木村氏):モデル事業では、報告書の作成段階では、法律家にも入ってもらって、表現に留意し、個人の責任追及ではなく、根本的な原因は何かを書くようにした。モデル事業の234事例中、民事訴訟になったのは6事例。直近の102例では、遺族が報告書を理解したのは約9割だが、残りが裁判になったわけではない。報告書を渡し、納得しないから裁判になるわけではなく、裁判になる要因はいろいろある。
 なお、モデル事業では、報告書の責任は委員会にあり、個々の委員ではない。関わった委員個人に責任が及ぶことがないようにすることが大事。(報告書についての説明を終えた後、裁判などで)委員個人に報告書についての説明を求められても、対応はしていなかった。報告書が全てであり最終的なもの。

◆医師法21条について
Q:異状死体の警察への届出が一番頭を悩ませること。医療事故調査・支援センターに報告すれば、警察に届出なくてもいいという話になるのか。

A(木村氏):(医療事故調査制度は)医師法21条とは全く別なところで議論されたので、(異状死体の届出は)そのまま残っている。異状死体と判断した場合には、届出なければいけないが、医療側がきちと調査をしているのであれば、現実には司法が出てこないという状態になっている。この制度がきちんと施行されて、社会に認められれば、さらにそうした可能性は高くなっていくだろう。
 また(医療事故調査制度を定めた改正医療法の施行から)2年後の見直しでは、21条についても検討することになっている。自民党のワーキング・グループの主なテーマになっているのではないか。

A(長尾氏):外表異状説は正確な解釈ではない。外表に異状がない過失等が起きた時に、警察に届け出なくていいのかについて、司法の専門家に聞いたところ、過去に裁判例がないという。「もし届出でいなかったら、今の法体系では、ペナルティが下るだろうというのが大方の司法家の見方だ」と言われた。もっとも、最近の愛知県の事情では、警察に届け出ても、電話で「事件性がない。検証するなら、その結果を教えてほしい。それを待つ」などのやり取りをする。検証の場がシフトしつつあるのではないか。警察が入ってくるのが好ましくないと考えるならば、この制度のアウトカムが重要になってくるだろう。

末永氏:これは、微妙な問題。(2012年10月に厚生労働省医政局医事課長による、同省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」における発言で)外表異状説が出たおかげで、多くの病院長はほっとしているのが現状ではないか。ただ、これで(外表に異状ななければ)全ての症例を届け出なくていい、ということにはならないという判断でいいのか。



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模擬「地域医療構想調整会議」開催
週刊医学界新聞  第3134号 2015年07月20日

池田琢哉氏 2015年5月24日,鹿児島県医師会館(鹿児島市)において,模擬「地域医療構想調整会議」が行われた(弊社発行雑誌『病院』主催)。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて,あるべき医療提供体制を実現するための地域医療構想の策定が,各地域でまさに進行中である。2015年3月に厚労省が発表した「地域医療構想策定ガイドライン」の中で,地域医療構想調整会議(協議の場)を設けることが求められているが,これをどのように行うべきか,対応に苦慮する関係者も多いことが予想される。
 そこで,この会議の実際を具体的にイメージすることを狙いとして,模擬調整会議の試みが行われた。モデル地区として鹿児島県姶良・伊佐地区を取り上げ,司会の池田琢哉氏(鹿児島県医師会会長)をはじめ郡市医師会会長,病院代表,県担当者などの関係者が協議。各担当者がそれぞれどのような役割を担うべきかが示された。また学識経験者として厚労省「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」委員である松田晋哉氏(産業医大公衆衛生学)が医療提供体制の現状に関するデータ分析を行い,地域の諸課題を指摘した。

*この模擬調整会議の全文は,『病院』74巻8号(2015年8月号・特集「地域医療構想策定ガイドラインをどう読み解くか」)に掲載される。



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【寄稿】
“世界標準”の研究倫理教育を研究者に

週刊医学界新聞  第3134号 2015年07月20日

市川 家國(信州大学特任教授・倫理学・小児科学・内科学/CITI Japanプロジェクト副事業統括)

 近年,日本での研究上の不正問題が明るみに出るようになった。言うまでもなく,研究の不正がもたらす損害は大きい。不正によって確立してしまった研究結果が覆るまでにも,多額の研究資金,何人もの研究者の時間が費やされてしまうのだ。こうした不正行為の取り締まりのために,米国ではいち早く監視機関を設置している。ただ,“取り締まり”による効果も限定的だ。より強固な土台を作るためには,全ての研究者が倫理的認識を共有し,一人ひとりが科学を支える一員として,互いの研究行為を評価・批判する責任感を持つ必要がある。

 文科省は2014年8月,「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」1)を発表した。その中で,大学の各研究機関の部局ごとに「研究倫理教育責任者」を設置し,組織を挙げた定期的な研究倫理教育を義務付けている。研究者も倫理教育を受けるべきという機運が生まれている今こそ,こうした仕組みを構築する大事なタイミングであろう。ただ,これまでの日本では,研究者の行動規範に関する教育カリキュラムや,研究者の育成過程で体系的に学ぶ機会を組織的に設ける研究機関・施設は限られていた。全ての組織で一定のレベルに達した教育をすぐに開始するというのは,おそらく容易でない。

 2012年より,文科省大学間連携共同教育推進事業「研究者育成の為の行動規範教育の標準化と教育システムの全国展開」(CITI Japanプロジェクト)が進んでおり2),同事業では米国の倫理教育で広く使用されているe-ラーニング教材「CITI Program」を日本版にアレンジした教材の導入が掲げられてきた。本稿では,「CITI Program」を紹介するとともに,今,なぜ同プログラムが有用であるかについて述べたい。

上質・効率的な倫理学習ツールとしてのCITI Program

 米国国立衛生研究所・米国国立科学財団は,大学院生や若手研究者に対しては研究者の行動規範教育を,さらに臨床研究(人を対象とした研究)を行う者には被験者(実験参加者)保護教育を義務付けている。こうした事実からも,米国では研究者の倫理教育の重要性が認知されていることが垣間見えよう。

 上質で効率的な倫理学習の機会をいかに臨床研究者に提供するかは,長らく米国においても課題である。この課題に挑むべく,2000年4月,ボストン小児病院といった施設を含む10の大学病院などから集まったボランティアにより結成されたのが,Collaborative Institutional Training Initiative (CITI)であった。このCITIが手掛けたのが,行動規範教育のカリキュラム構築,そしてe-ラーニング教材の作成と配信だ。ネットを通じて学習するシステムを用いて,研究者に必要な倫理教育を開始したのである。CITIの教材は,「各施設に専門家の講師を設ける必要がなく,質が一定に保てる」「時間や場所を選ばない」といった簡便さが歓迎され,世に広く受け入れられることとなった。今や利用者数は世界で700万人を超え,米国内では政府機関・大学病院を含む大多数の施設で採用されるに至っている。

 現在,日本に合う形でCITI教材を構築・普及させようと動いているのが,先述の「CITI Japanプロジェクト」で,私も携わっている。かつて米国で「CITI Program」の教材づくりのプロジェクトにかかわっていた経験を持ち,私自身,CITIの教材で倫理教育を受けて感銘を受けた研究者の一人であるという背景が,その理由にあたる。

 過去の話だ。私が非常勤の研究者として所属していたヴァンダービルト大は,全米でも最初に教育学部を発足させた施設であった。教育に注力してきた歴史的経緯もあるのか,同大ではいち早くCITIの教材を導入し,私も早々に学習させられることになった。“させられる”としたのは,当時,「ただでさえ時間に追われている研究者から,なぜさらに貴重な時間を奪うようなことをするのか」という不満もあったからだ。が,実際に教材を30分ほどで学習した後,クイズ形式の設問を解くという過程をたどると,少し賢くなっている自分に気付いた。その内容は,研究者の身につけておくべき知識,倫理観だったのである。当初の不満は,「こうした教育は全ての研究者が受けるべきだ」という確信に塗り替えられていた。見事,感服させられた私は教材の作者にお礼を述べたいと思い,電話を手に取った。その電話口で作者に根掘り葉掘り話を聞いたことがCITIの教材づくりにリクルートされるきっかけとなったようで,現在の活動にまでつながっているというわけだ。

国を越えた活動が必要だからこそ,世界標準の教材を

 さて,話を戻そう。なぜ倫理教育を通し,研究者が行動規範を身につけるべきかは冒頭で述べたとおりだ。では,なぜCITI教材が薦められるか,である。それは研究者の行動規範もまた,世界標準を満たす必要があるからだと言えよう。研究者は国境を越えた活動が必要になる。いち研究者の行動規範は,共同研究や就職,留学といった場面で求められるだろうし,または自身の研究成果を論文にまとめ,世に問うときにだって求められる。一流の生命科学系の学術誌に投稿する場合,各共著者の利益相反や論文作成における役割を記載する。臨床研究となれば倫理審査委員会での承認の有無を問われ,動物実験の場合にはどのような倫理規範に準拠したかも尋ねられる。こうした世界で一般的となっている行動規範を学んでおく必要が研究者にはあり,その点では世界で広く使われているCITIが有用であると考えられるのである。

 中には,「必ずしも米国で使われている教材が,日本にも適切であるとは限らない」という声もあるだろう。その指摘は正しい。確かにCITI教材は,個人情報の取り扱いをはじめ,米国特有の事情に沿った内容が充実している。したがって,CITI導入に際しては,世界標準のレベルを保ちながらも,教材内の個々の項目・内容は,国の文化・状況を踏まえて濃淡をつけ直す必要がある。つまり,CITIの骨組みに日本の法律や文化,思想に沿った肉付けを行う,「日本化」が求められるのである(実はここにCITIそのものを使う以上の利用価値があって,研究者と倫理の専門家を交えて日本に合う教材を作っていく過程で,日本全体の研究倫理リテラシーの底上げも図られるだろうという期待もあるのだが)。無論,世界標準の質を担保するために,CITI側の査読を設ける必要はあり,事実,CITI Japanも査読を受けた上で教材化している。

「特定不正行為」をはじめ,具体的なケースを交えて解説

 ここでCITI Japanの教材の中身について少し紹介したい。まず,われわれがつくる教材の特徴は下記のとおりだ。

 ● グローバルな見地に立つ教材
 ● 研究機関の大小や地域性に左右されないアクセスの良さ
 ● 全国的な意見集約の産物
 ● 若手から熟練研究者を対象
 ● 幅広い課題をカバー
 ● 外国人留学生・研究者も対象
 ● 習熟を担保するシステム

 具体的な内容としては,例えば「人を対象とした研究:基礎編」という領域であれば,生命倫理学の歴史と原則,研究における個人にかかわる情報の取り扱いなどの13単元がある,という具合だ。

 また,「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」で「特定不正行為」と定義された,捏造・改ざん・他者の研究成果等の盗用(Fabrication,Falsification,Plagiarism;FFP)であれば,具体例や発生する背景,規制などについて解説している。もちろん,昨今の論文不正問題によって着目されるようになったテーマだけではない。科学の進歩に反する行為はFFP以外にもあり,それが「不適切な行為」(Questionable Research Practice;QRP)と言われるものだろう。極めて手ぬるい査読のみの商業誌に発表した自身のデータを根拠に,製薬企業の広告塔の役割を果たすこと。自分の学説に不利なデータを破棄することや,他の研究者が再現実験をする上で必要な情報や材料を提供しないこと――。以上のように,ケースが多岐にわたる「不適切な行為」というテーマも取り扱っている。なお,いずれも1単元につき30分前後で学習し,設問に答え,一定の正解率に達することで「修了」となる。ウェブサイト上に教材の一覧や2),過去にアップしたCITIの教材もあるので参考にされたい3)。



 研究倫理学習の義務化を受け,現在,日本の教育・研究機関でのCITIの利用者は増えており,また,同関係者からも注目されるようになったことを感じている。小規模分散型であり,また倫理教育を担える教育者のリソースが少ない日本の教育・研究機関では,e-ラーニングという教育手段が適しているということなのかもしれない。

 研究倫理教育で扱うべき内容は広範にわたるものであり,科学が進歩する限りは新たな倫理問題も生じ得る。研究倫理教育に求められる内容は質を担保しつつも,アップデートし続けていかねばならないのだ。こうした中で,いかに上質で効率のよい倫理学習の機会を研究者たちに提供するかは,常に検討されるべきことだろう。米国の発達した倫理教育方法の技術を利用しながらも,日本に合った教育内容を検討し,提供していきたいと考えている。

◆参考文献・URL
1)文科省.「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」の決定について.2014.
2)CITI Japanプロジェクトウェブサイト.
3)CITI Japanプログラムウェブサイト.


いちかわ・いえくに氏
1972年慶大医学部卒。北里大病院小児科を経て,75年に渡米。カリフォルニア大内科学研究員,ハーバード大小児科学准教授,ヴァンダービルト大小児科学・内科学・生命倫理学教授などを経て,98年に東海大小児科学・生命倫理学教授。2012年より現職。



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クロストーク 日英地域医療
■第8回 住民本位の地域医療を促進する取り組み

週刊医学界新聞   第3134号 2015年07月20日

川越正平(あおぞら診療所院長/理事長)
澤 憲明(英国・スチュアートロード診療所General Practitioner)
企画協力:労働政策研究・研修機構 堀田聰子

(前回からつづく)

日本在宅医と英国家庭医──異なる国,異なるかたちで地域の医療に身を投じる2人。現場視点で互いの国の医療を見つめ直し,“地域に根差す医療の在り方”を,対話[クロストーク]で浮き彫りにしていきます。

川越 前回(3129号)では,GPと地域の多職種との連携について話を伺いました。医療の質向上に向けた取り組みを考えたとき,英国では地域住民の役割も大きな意味を持つようです。今回はこの点について伺います。

診療所の医療サービスを住民と議論する

澤 近年の英国では,住民参加型の医療サービスが重視されています。それを実現させる1つの手段としてNHSが定めたのが,診療所スタッフと登録住民とで議論を行う「Patient Participation Group Meeting(PPGM)」の実施です。各診療所は,PPGMを通して地域住民のニーズを把握し,提供するサービスに反映させていく。いわば,住民から診療所へと“ボトムアップ”でよりよい医療を構築することが目指されているわけです。

川越 地域の診療所と住民とが膝を突き合わせて話し合う場があるのですか。そうした機会はどのぐらいの頻度で設けられ,どのようなテーマについて話し合われているのでしょう。

澤 3か月に1回のペースで,平日午後の外来を終えた夕方に約1時間開催しています。テーマは毎回変わりますが,基本的に「診療所の登録住民からの要望」によって決められたものです。

 私の診療所の例を出すと,過去,外来診療時間の延長を登録住民の方々と話し合ったことがあります。以前は平日午前8時-午後6時半のみが外来の受付時間だったのですが,住民からの「Extended hours(追加の診療時間)」を求める声が上がったのですね。ちょうどそのとき,「診療時間を延ばすと診療所に追加報酬が入る」という政策上のサポートもあって,住民との話し合いの末,土曜日の午前中にも外来を受け付けるように変更しました。

川越 診療所の提供するサービスのスタイルが登録住民のニーズによって変わるとなれば,同地域でも診療所ごとに違いが生まれそうです。

澤 そうなんです。実はExtended hoursの議論が行われた際,同地域の他の診療所が採用していた「平日の外来診療時間を午後8時までに変更する」という案も考えられました。しかし,私たちの診療所に通う住民の間ではそのニーズが低く,結果的に週末に新たな時間を設けたという経緯があります。こうした例はいくつもあり,同じ地域の診療所であっても,提供するサービスのありようは登録住民のニーズによって変わっていく仕組みです。

川越 その話し合いの場にはGPが立ち会うこともあるのですか。

澤 はい。診療所開業の責任者の立場であるGP(「GP Partner」と呼ばれる)は必ず参加し,医学的な質問はもちろん,責任者として診療所マネジメント全般に関する質問などに応じます。GP以外に参加するのは,「Practice Manager」という立場のスタッフと事務スタッフです。Practice Managerは診療所の経営や運営に詳しいアドバイザーで,その種の質問や議論においてGPをサポートします。一方の事務スタッフは,受付などの事務作業にかかわるような住民の声に応えたり,議事録を作成したりしています。

川越 澤先生の診療所の登録住民は約8500人というお話を第1回(第3100号)で伺いましたが,実際に話し合いに出席する住民数はどのぐらいですか。

澤 参加する住民は10-20人ほどですね。地域のニーズがきちんと反映されるよう,参加者のバランスには注意しているところです。また,こうした場以外にも,「GP Patient Survey」という登録住民アンケートを年に1回行い,患者・家族からの要望やフィードバックも常時受け入れるなどの取り組みも行っています。

川越 なるほど。「地域住民との対話を通し,地域の医療の在り方を考えていく」。この部分だけを取り出して考えると,岩手県一関市にある一関市国保藤沢病院の実践が思い起こされます。同院では,公民館などの地域の現場に出て住民との議論の場を持ったり,研修医の研修成果報告会には住民にも参加してもらったりといった取り組みを行っています1)。澤先生のおっしゃる「住民本位」の取り組みと通底するものが,日本の先行事例にもあるのではないかと感じますね。

地域医療政策を担う組織に住民代表が参加

澤 また,イングランドでは“ボトムアップ型”の政策をさらに推進するべく,2013年4月から新たな取り組みも試みられています。イングランド内の診療所は,必ず「Clinical Commissioning Group(CCG)」と呼ばれる組織の傘下に入ることになったんです。

 CCGは,地域に合う医療サービスを検討し,適切な医療機関に委託する組織です。一次医療の診療所を管轄するほか,病院,専門医療などの二次医療,メンタルヘルス,訪問看護などのコミュニティサービス,リハビリなどのヘルスケアに関して,政策決定や予算配分の調整を行う「地域医療マネジャー」の役割を担っています(註1)2)。

川越 以前,似た機能を持つ「Primary Care Trust(PCT)」という組織を聞いたことがあるのですが。

澤 CCGは,PCTの後継に当たる組織と言えます。PCT時代は,多額の資金が注ぎ込まれていたにもかかわらず,地域のニーズに合わないトップダウンの政策決定を繰り返していたという批判がありました。それで組織改編されたCCGには,地域の医療ニーズを最も的確に把握するGPを運営委員会メンバーに配置し,GPに責任と権限を与えることで,地域医療サービスの質と効率をさらに高めようと設計されています2)。

川越 地域の医療ニーズはGPこそが把握している,と。

澤 その上で,委員会には数人の一般住民代表も入っていて,他の運営委員であるGPや病院医師,看護師と同じテーブルに座り,地域の医療政策に関する議論を行っているんです。数か月ごとに開催されるこの会議は,誰でも傍聴可能で,透明性が担保されたものになっています(註2)。

医療提供体制と国民の意識の違い

川越 PPGMとCCGについては,個々の取り組みに学ぶ点はある一方,それらの実践を支える制度の成り立ちにあらためて大きな違いを感じました。NHSという“ナショナルサービス”として医療が行われているからこそ,実践できるようにも感じるのです。

 日本も公的医療機関や公に準じる医療機関は存在するのですが,私的医療機関のほうが圧倒的に多数を占めます。各医療機関も地域の実情を踏まえて方針を決めるとは思いますが,どのような医療を展開するかを最終的に決断するのは,多くの場合,組織の責任ある立場の方でしょう。決定プロセスに地域住民が参加するという形は,公的医療機関の一部や生協などの住民組織立の医療機関に限られると思います。

澤 公的な色合いが強い英国と,日本の事情は大きく異なるわけですね。

川越 また,お話を伺って感じたのは,そもそも国民一人ひとりの医療に対する意識そのものが大きく異なるのではないか,ということです。日本の多くの国民にとって,医療機関は「疾病・けがが生じたときに受診する場所」でしょう。もし日本で地域住民が主体的に医療機関に対し,地域で果たすべき役割についてまで議論するとなれば,それは「先進的な取り組み」と語られると思うのです。

 英国では「シティズンシップ教育」3)が推進されていると聞きますが,こうした取り組みが「医療を含め,社会は国民が形作る」という意識や考え方を養うように意図され,浸透しているのだとしたら,日本が一朝一夕に真似できるようなものではなさそうです。

澤 確かに,英国では「医療は私たちのもの」といった公共精神が強いと感じます。OECD Health Statistics 2014を見ると,総医療費に占める公的支出の割合は英国84%,日本82%と両国共に高水準ですが4),その一方で国民の認識という点では大きな異なりがあるのかもしれないということですね。

川越 そうした意識の違いを踏まえても英国の実践をそのまま輸入するのは難しい。取り組みからはエッセンスを取り出し,日本に合う形に落とし込む必要があるのでしょう。

(つづく)

註1:1つのCCG当たり,平均約25万人の住民を担当する。澤氏の地域のCCGは約35万人の住民を担当し,約40の診療所を管轄。なお,CCGは本文に挙げた機能以外にも「処方薬剤の外部監査機能」を持つなど,地域の医療サービスを管理する機関として幅広い役割を持つ。
註2:CCG運営委員会に加わるGPは,地域のGPで立候補した者から,GP間の投票により選出される。また,CCGとGPの利益相反を管理するために,澤氏の地域では,住民代表,病院医師・看護師,Cheif Finance Officer,Accountable Officerなど,GP以外からなる別の委員会がCCG内に設置されている。

◆参考文献・URL
1)佐藤元美.住民との対話でつくる地域医療.週刊医学界新聞第3021号(2013年4月1日).
2)NHS.Clinical commissioning group governing body members:Role outlines, attributes and skills.
 http://www.england.nhs.uk/wp-content/uploads/2012/04/ccg-mem-roles.pdf
3)経産省.シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会報告書.2006.
 http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2012/10/hokokusho.pdf
4)OECD Health Statistics 2014.


  1. 2015/07/20(月) 06:48:35|
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7月18日 

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20150718_2
被災地医療、志半ば逝く 県立高田病院前副院長
(2015/07/18) 岩手日報


 東日本大震災時に妻の行方が分からないまま、不眠不休で患者や被災者の診療を続けた県立高田病院の前副院長、佐藤敏通さん(61)が亡くなった。「医師として人の力になりたい」。本県の地域医療に力を尽くし、震災後は大切な存在を失った悲しみや、被災地を離れた自責の念と闘いながら、県外で患者と向き合い続けた。最期まで使命感と信念を貫き、医師としての人生を生き抜いた。

 佐藤さんは震災時、高田病院4階の病室にいた。流れ込んだ濁流に巻き込まれながら、助け出した患者と屋上に避難。当時院長だった石木幹人さん(68)=同病院名誉院長=らと目の前の命を救うことに力を注いだ。

 石木さんは「佐藤先生が水に漬かりながら手動で人工呼吸を続けた。そのおかげで助かった命があった」と振り返る。

 長男で東京都中野区のフォトジャーナリスト慧(けい)さん(32)は「父は本当に多くの人に支えられ、救われた。感謝しかありません」と語り、父敏通さんにこう言葉を贈った。「最期まで医師であり続け、常に人のことを案じていた父を誇らしく思う」



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46243.html
神奈川県、県立汐見台病院を康心会に移譲へ- 8月に基本協定を締結
2015年07月18日 15時00分 キャリアブレイン

 神奈川県は17日、県立汐見台病院(横浜市磯子区、225床)について、湘南東部総合病院などを運営する医療法人社団康心会に譲渡することを決めたと発表した。8月に移譲先との基本協定を締結し、来年4月から康心会による運営を始める予定。【新井哉】

 1979年に県立病院として発足した同病院は、県の医師会に運営が委託されており、2017年度末まで医師会が指定管理者となっている。ただ、高度な医療機能を持たず、県側が指定管理者の医師会に年間約7億3000万円の政策医療交付金を出していることなどに批判が出ていた。

 こうした状況を受け、県は同病院を移譲することを決め、今年4月に移譲先の事業者の募集を開始。現在の病床数や診療科の維持に加え、在宅療養患者の入院の受け入れに協力することなどを移譲の条件に挙げていた。

 応募のあった4事業者の提案について、選定委員会が審査を行い、「県内の複数の医療系大学とつながりがあり、医師・看護師の確保が確実に見込める」などの理由で康心会を候補者に選定。この結果を踏まえ、県は「移譲後も移譲の条件が確実に実施できる」として康心会を移譲先に決めたという。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015071802000251.html
子ども4%に禁忌鎮静剤 集中治療で人工呼吸中
2015年7月18日 夕刊 東京新聞

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 小児集中治療室(PICU)を持つ国内二十三の医療機関で二〇一三年に人工呼吸器を付けて治療を受けた子どもの4%超に当たる約百九十人に対し、禁忌とされる鎮静剤プロポフォールが投与されていたことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。
 プロポフォールは添付文書の禁忌事項で、集中治療下で人工呼吸中の子どもへの使用禁止が明示されている。ただ、実際には医師の判断で使うこともあり、昨年二月、東京女子医大病院で投与された二歳男児が死亡する事故が発生。事態を重く見た研究班が同十二月、PICUのある全国二十九施設の一三年のプロポフォール使用状況を調べた。
 有効回答があった二十三施設で、PICUに入室し人工呼吸器が必要だった十六歳未満の子どもは計四千二百八十三人。うち七施設で計百八十九人にプロポフォールを使用していた。この中の三施設では計八人に対し、海外の文献などに基づき医師の間で使用の目安とされ、重い副作用を招く恐れがある四十八時間を超えて使用。うち七人への使用は七十二時間を超え、一人は一週間以上だった。
 投与理由は「手術中に使用していたので継続した」「他の薬剤による副作用のため」「他の薬剤の効果が薄れてきたため」が目立った。
 研究代表者で日本集中治療医学会の氏家良人(うじけよしひと)理事長は「使用は限定的だと確認された」とする一方、「医師は禁忌であることを再認識し保護者への説明を尽くし同意を得ることを原則としなければならない」と指摘。報告書に(1)複数の医師やスタッフによる使用可否の判断(2)投与時間は四十八時間以内(3)心電図や血圧、肝機能の測定など経過観察-を徹底するよう明記した。
 研究班は「今回は、女子医大病院の問題発覚前の一三年が対象期間だったが現在はさらに使用が減っている可能性がある」としている。
<プロポフォール> 手術時の全身麻酔や術後管理時の鎮静に使われる。効果が出るのが速く、投与をやめるとすぐに目が覚める特長があるとされる。海外で子どもの死亡例が報告されたのを受け、添付文書では集中治療室で人工呼吸器を付けた子どもへの投与を禁忌としている。まれに起きる循環不全などの特有の重い副作用症状は「プロポフォール注入症候群」と呼ばれる。発症のメカニズムはよく解明されていないが、長期、大量の投与はリスクが高いとされる。



http://www.m3.com/news/general/341057?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150718&dcf_doctor=true&mc.l=112731418
浜への愛 生き続ける
 へき地医療18年 富永忠弘(1927~2013)

2015年7月18日(土)配信 読売新聞


 石巻市・牡鹿半島の寄磯浜。人口約350人の小さな漁村には、今も読み継がれている冊子がある。「一病息災 浜でも里でも」。寄磯診療所の所長だった富永忠弘が、旧牡鹿町の広報に寄せたコラム集だ。

 「一家に1冊。気になることがあれば、パラパラめくるんだ」。漁師で地元区長の渡辺洋悦(63)は語る。

 「歩け歩けの生活習慣を」「水分はたくさんとろう」。冊子には、当たり前の病気の予防法が並ぶ。だがそれは、富永が医者人生最後の18年で、医療過疎地の人びとに伝えたいことだった。

 東北大病院で内科医として勤務し、同大教授や仙台オープン病院の院長を務めた富永は67歳だった1995年、医師の募集に応じて診療所にやって来た。「そんな偉い先生が何で寄磯にって、みんな驚いた」と渡辺は振り返る。

 富永は直前に膀胱ぼうこうがんが見つかり、余命1年と宣告されていた。妻の洋子(82)は「絶対にやめてください」と懇願したが、「へき地医療は若い頃からの夢」と曲げなかった。石巻の開業医の家に生まれ、都市部の大病院に勤めるなか、医療格差の現実を思い知らされていったという。

 日曜の夕方、仙台市の自宅から車で寄磯に向かう。自炊しながら木曜の昼まで診療し、仙台に戻る。寄磯では畑を耕し、野菜を患者らに配った。がんは手術し、再発することはなかった。

 「薬や注射に頼り過ぎちゃダメだよ」。看護師として支えた佐々木美智子(58)は、口癖のように患者を諭していた富永の声が印象深い。「運動や食生活の改善で健康に暮らせるようにすることが、医療のあるべき姿だと先生は考えていた」と話す。

 渡辺の母・あい子(83)も富永の教えを聞いた1人だ。高血圧で診療所に通った。「体を動かすことが秘訣ひけつ」と言われ、なるべく歩くようにすると、血圧が下がった。「先生のおかげだべな」

 震災で海沿いの診療所は跡形もなく流された。80歳を超えていた富永は、仙台の自宅で「寄磯が心配だ」と何度も口にした。周囲の反対をよそに、診療所の跡地を訪れたのは約1か月後。同行した長男の剛(58)は、杖つえを手にカルテの残骸を拾い集めた父の姿が忘れられない。「寄磯を心から大切に思っていたんだ」と感じ入った。

 診療所は2011年秋、高台に建てたプレハブで再開された。富永も一線に戻ったが、体調を崩して13年4月から休み、帰らぬ人となった。

 「診察が終わったらみんなとたばこ。俺の親父おやじとよく酒も飲んでた。もっと長生きしてほしかったな」と渡辺。あの時、反対した洋子も、今は夫の思いが分かる気がする。「仕事と寄磯の人たちが大好きだった。みなさんに支えられて、いい人生を送らせてもらえたと思う」(敬称略)



https://www.m3.com/news/iryoishin/340750?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150718&dcf_doctor=true&mc.l=112731417
シリーズ: 後発品、地域別報酬…変わる制度どう見るか?
地域の医療費格差、実感なしが7割超◆Vol.6
審査方法、検査回数などの原因指摘も

2015年7月18日(土)配信 池田宏之(m3.com編集部)

Q.7 地域ごとの医療費格差を感じるか
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 Q7では、地域ごとの医療費格差を感じるかを聞いた。政府は、都道府県ごとに入院医療費の格差があることから、6月に出した「骨太の方針」で、格差を是正していく考えを示している。

 回答で最多だったのは、勤務医、開業医ともに「あまり感じない」。「感じない」を含めると、勤務医では77.0%、開業医では71.0%が、格差について意識していない状況となった。地域ごとの医療費格差について、日本医師会は、調剤薬局や院外処方の進み具合などを一因として指摘している。今後、実際の格差が、是正可能かどうかは、実態の精査が必要となりそうだ。

 医療費格差の原因の自由記述の主な回答は以下の通り。

【制度】
・検査回数や投薬制限などが異なる。原因は診療報酬体系。
・西日本は病床が多すぎる。医療費の西高東低傾向はこのため。不要な病床削減は西日本を重点的に行うべき。特に四国!
・審査会の診査方法に地域差があるため、処方量にも差が出ている。
・高齢者や合併症の問題による格差。
・疾患の重症度、加算率が違う。
・保険外診療部分。
・社会的長期入院、院外処方、調剤薬局。
・子どもの医療費無料というのはちょっと気になる。


【医師、医療者】
・医者が少ないところ、過剰なところがある。
・専門医の不均等分布。
・病院数。
・都市部では専門性の高い大病院が多く検査や治療費が高くなるが、それ以外ではかかりつけ医を兼ねた病院が多く医療費は低くなる。
・へき地では診療科を超えた処方があるため1人当たりの単価が上がる。
・都心の病院は差額ベッド代で黒字化していると感じている。


【患者】
・患者の収入。
・患者の受療行動、ドクターショッピングなど。
・高齢者、独居人、生活保護者の増加。
・住民の医療に対するニーズの差。
・病院や医院の待合室が高齢者の憩いの場になっている。接骨院等で健康保険を使うこと自体、非常識も甚だしい。毎日の物理療法などは自費への変更にすべし。


【医療以外の地域差】
・例えば冬の北海道。まだ体力が整わないうちに、退院させても、簡単に肺炎を起こし戻ってくることがある。どうしても入院期間が長くなる。
・地方では所得が低く、最先端医療を提供できる環境があるのに、自己負担分が払えないために、安価な治療選択をせざるを得ない場合が多い。
・人件費が違う。
・いわゆる地方では医療従事者そのものが少なく固定されており、新しい情報が入らない。
・地方は後発薬も種類が少ない。
・地域の広さの違い。
・患者数による経済的な格差があるため、総人口(患者)が少ない地域(病院)は1人の患者から売り上げを多くしなければならない必要がある。
・不動産価格。
・自治体の経済状態の初期格差。


  1. 2015/07/19(日) 06:15:01|
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7月17日 

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0157673.html
ドクターヘリ、北海道内の空白地解消 十勝5町にも運航
07/17 07:00、07/17 15:58 更新 北海道新聞

 【旭川】道北ドクターヘリ運航調整委員会(委員長・山下裕久旭川市医師会長)は16日、旭川市内で開いた会合で、十勝管内の上士幌、新得、鹿追、清水、芽室の5町への運航範囲拡大を了承した。本年度内にも正式に運航を開始する見通しで、道内のドクターヘリ空白地域が解消される。

 道内では道央(拠点・札幌)、道北(旭川)、道東(釧路)、道南(函館)の計4機のドクターヘリが運航している。十勝管内が唯一の空白地帯で、十勝町村会などの要請を受け、道東ドクターヘリ運航調整委員会が8日、十勝管内14市町村への運行範囲拡大を決め、残りは5町となっていた。



http://mainichi.jp/area/tottori/news/20150717ddlk31040518000c.html
ドクターヘリ:県、導入へ 鳥取大病院を基地に 初期費用3億円見込み 検討委基本合意 /鳥取
毎日新聞 2015年07月17日 地方版

 第1回県救急医療体制高度化検討委員会(会長、魚谷純・県医師会長)が15日、米子市内であり、県単独でドクターヘリを導入し、基地病院を鳥取大医学部付属病院(米子市)とすることで基本合意した。9月までに3回開き、県への報告書をまとめる。導入時期は2017年度以降となる見通し。【小松原弘人、真下信幸】

 全国では37府県で45機のドクターヘリが活動している。県内では東部、中部が関西広域連合が事業主体の公立豊岡病院(兵庫県豊岡市)、西部は島根県の県立中央病院(出雲市)のドクターヘリが対応。昨年度の鳥取県内への出動実績は公立豊岡病院が66件で出動先はほとんどが東部地区、島根県立中央病院は9件でほとんどが県西部だった。鳥取大医学部付属病院に昨年7月にヘリポートが完成し、県独自の導入に弾みがついていた。

 委員会では県内3消防局が「公立豊岡病院に出動要請しても出払っていることがある」「日南町の交通事故では鳥取大付属病院のドクターカーに1時間以上かけて来てもらった」などと現状を紹介。同病院の本間正人・救命救急センター長は「10分、20分で(患者の)運命が決まる」とドクターヘリの必要性を強調し、清水英治病院長は基地病院になった場合について「医師数、看護師数とも対応できる」と説明した。

 一方で森安保・伯耆町長は「導入した場合の救命効果はどれくらいか」と、見通しを算出するよう要望した。

 県によると、ドクターヘリは鳥取大医学部付属病院を基地病院として半径約70キロの範囲に出動した場合、需要は県内と島根、岡山、広島の3県を合わせて年間350〜400件の見込み。国の補助がない初期導入経費は格納庫・給油設備、搭載機器などで約2億9000万円、ランニングコストは国補助を除いた県負担分が約1億5000万円と試算している。

 平井伸治知事は16日の定例記者会見で「今後、専門家の意見を聞き、県としての考え方をまとめ、県民の判断を仰ぐことになる。初期費用で約3億円かかるなど負担が伴うもの。不足がちな国の補助制度などの課題をどう考え、導入に向けて検討するかが今後のポイントだ」と述べた。



http://apital.asahi.com/article/news/2015071700007.html
千葉県がんセンター、第三者委提言受け改善策 事前審査委を設置など
2015年7月17日 朝日新聞

 県がんセンターで腹腔(ふくくう)鏡手術や抗がん剤治療を受けた患者が死亡した問題で、県の第三者検証委員会(多田羅浩三会長)は15日、報告書を県に提出した。同センターはこれまでの提言を受け、保険適用外の治療を事前審査する委員会を設置するなどの改善状況を発表した。

 報告に先立って14日にあった検証委では、3月に肝細胞がんの60代男性が抗がん剤治療の3日後に死亡した問題について、院内の事故調査委員会(委員長=佐野圭二・帝京大医学部教授)が調査結果を説明。治療は腹腔鏡手術の死亡事例の多くを執刀した消化器外科の医師が担当。多田羅会長によると、治療に医学的な問題はないという報告を受けたという。

 ただ、事故調は15日、遺族の許可が得られなかったため男性患者への治療の評価は公表しないことを記者会見で説明。昨年度中に同じ医師が行った同様の抗がん剤治療6件は、いずれも「医学的には問題はない」としたが、患者への説明などが不十分だったとした。

 センターによると、遺族は患者や家族への説明、容体急変時の対応などに納得できない点があるとして公表を拒んだという。

 一方、センターは同日、これまでの提言を受けて進めている改善策を発表した。死亡例が事前に倫理審査委員会に諮られず、患者、家族への説明が不十分だったことから、保険適用外の治療などを事前に審査する新たな委員会を設置、患者らへの説明や同意事項のマニュアルを作成した。

 さらに腹腔鏡手術は全例、映像で記録。主治医以外の医師の判断を求める「セカンドオピニオン・センター」を8月に設置するという。

 永田松夫病院長は「改革への取り組みを現場まで浸透させていくことが大事だ」と話した。

 (土肥修一)
(朝日新聞 2015年7月16日掲載)



http://www.med.or.jp/nichinews/n270720b.html
「次期診療報酬改定」「医療事故調」等,直近の課題に対する質問に理事者側が回答
日医ニュース 第1293号(平成27年7月20日)

 当日は,横倉会長のあいさつの後,6月24日開催の日本医学会臨時評議員会で6選された久史麿日本医学会長が,「今後も日医を支えていきたい」とあいさつ.その後,中川俊男副会長が「平成26年度日本医師会事業報告」を行った.
 引き続き行われた「第1号議案 平成26年度日本医師会決算の件」「第2号議案 平成27年度日本医師会会費賦課徴収一部変更の件」「第3号議案 平成28年度日本医師会会費賦課徴収の件」の審議では,今村聡副会長が3議案の提案理由をそれぞれ説明.「第2号議案」については,「医療事故調査制度が本年10月から開始されるに当たって,会費賦課徴収額の全体を見直すことなく,院内事故調査の費用を賄うための保険を創設するためのものである」とした.また,橋本省財務委員会委員長からは,5月8日開催の財務委員会における3議案の審議結果が報告され,3議案は賛成多数で承認された.
 その後の代表質問,個人質問に対する理事者側の回答の概要は以下のとおりである.
※会長あいさつの全文等,今回の定例代議員会の詳細は『日医雑誌』第144巻第5号8月号別冊をご参照下さい.

代表質問1 院内処方,院外処方の診療報酬の適正化について

「次期診療報酬改定」「医療事故調」等,直近の課題に対する質問に理事者側が回答(写真) 馬場惠介代議員(九州ブロック)からの院内処方,院外処方の診療報酬の適正化についての質問には,中川副会長が医薬分業の問題点として,院外の薬局への移動は,特に高齢者にとって大きな負担となっていること,院外処方は患者の自己負担が院内処方の3~4倍以上になるケースがあることを説明.その上で,「院内処方と院外処方の報酬の不合理な格差は是正すべき」と主張した.
 また,塩崎恭久厚生労働大臣が経済財政諮問会議で「調剤報酬を抜本的に見直す」と述べたことにも言及.「調剤報酬への過度な財源配分を見直し,行き過ぎた医薬分業を押し戻すべき」との考えを示した.
 更に,厚労省の「かかりつけ薬局」を推進するとの方針については,「患者が信頼できる『かかりつけ薬剤師のいる薬局』の整備が急務である.大手チェーン薬局にも,地域包括ケアシステムを共に構築していく多職種の一員としての自覚を持って欲しい」と述べ,今後も中医協を中心に,調剤報酬のあり方についても検討していきたいとした.

代表質問2 平均在院日数について

 藤原秀俊代議員(北海道ブロック)の平均在院日数に関する質問には,中川副会長が,「平均在院日数の短縮は限界を超えていると認識しており,これ以上の短縮化は容認できないことを一貫して主張してきた.今後もその方針は変わらない」と強調.平均在院日数の短縮化を入院医療の指標とすることについては,(1)過度に短い入院期間は,医療機関の退院へ向けた調整機能が働きにくく,患者の精神的,身体的な負担となる(2)短期間で退院する多くの受け持ち患者の退院時サマリーの記入等に追われ,勤務医が疲弊する─などの問題点を挙げるとともに,「短い期間で退院させられる患者や家族の中には『追い出された』という思いを持つ方も少なくない」と,無理な短縮化に懸念を示した.
 更に,同副会長は,「これからも医療の本質をゆがめる平均在院日数の短縮化を始めとする指標の導入は受け入れない.患者と家族が安心して入院治療を受け,納得して退院できる医療提供体制の構築を目指していく」との決意を示し,理解を求めた.

代表質問3 次期診療報酬改定と消費税問題について

 利根川洋二代議員(関東甲信越ブロック)からの次期診療報酬改定と消費税問題に関する質問には,今村副会長が控除対象外消費税問題について,以下のとおり回答した〔次期診療報酬改定の見通しと同改定における薬価改定財源の扱いに関する回答については,代表質問(7)を参照〕.
 消費税問題の解決に向けた取り組みに関しては,日医が主催し,財務省主税局,厚労省保険局・医政局,三師会,四病協がそれぞれ委員として参加する「医療機関等の消費税問題に関する検討会」を会内に設置し,課税取引への転換の際に必要となる「見える化」の作業を進めていることを報告.
 その上で,「従前の診療報酬への上乗せ方式には無理があり,既に限界であることは,関係者間の共通の理解である.軽減税率は,抜本的解決への有力な選択肢であるが,単一税率の場合よりも事務負担が増えるため,医療機関等の事務負担軽減への配慮が課題となる」とした.
 更に,軽減税率を導入した場合の懸念として,社会保険診療が課税取引に転換することになり,いわゆる「補てん分の引きはがし」が起こることを挙げ,「この問題については医療界全体でしっかりと理解して取り組んでいく必要がある」と述べた.

代表質問4 臨床研修医に対する保険診療教育の充実を

 佐藤和宏代議員(東北ブロック)からの「臨床研修医に対する保険診療教育の充実を図るべき」との指摘に対しては,横倉会長が賛意を示した上で,「厚労省から日医が委託を受けて,保険診療に関する講義を行い,修了後に正式な保険医登録を可能とする案も,研修医の期間に保険診療が行えなくなる問題と併せて検討していきたい」と回答.更に,「研修医も保険医である以上,保険診療を学ぶことは“義務”であると考えており,2013年に『医師養成についての日本医師会の提案(第3版)』を取りまとめ,医学部1~4年は,社会保障制度や医療政策及び医療経済等について,5~6年生は診療参加型臨床実習において保険診療の重要性を含め,患者の生活に寄り添った医療・介護を学習することを提案している」と説明した.
 その上で,同会長は,「医療倫理に基づく保険診療教育は医師会にしかできない」と強調し,佐藤代議員からの「保険診療教育に関する3つの調査の実施」の提案についても,前向きに検討していく考えを示した.

代表質問5 「女性医師支援センター」について

 「女性医師支援センター」に関する豊田秀三代議員(中国四国ブロック)からの質問((1)資金面(2)コーディネーターの職務と育成(3)組織のあり方(4)事業の継続性)には,今村副会長が回答した.
 同副会長は,「女性医師支援センター」は厚労省からの委託を受けて実施している事業であり,厚労省が定める実施要綱に基づき,「女性医師バンク事業」「再講習会事業」を実施していることを説明した上で,(1)について,厚労省からの委託費をその活動の財源としているが,現在のところ,資金不足にはなっていないとした.
 (2)については,就業斡旋(あっせん)が主な業務であるが,広報活動にも参加頂いているとした他,昨年度にはコーディネーターの交替を一部実施するなど,その育成にも努めていることを報告した.
 (3)と(4)については,「日医が事業の中止,継続,内容変更を決定できるものではない」とした上で,「本事業は日医として重要な事業で,組織強化の面からも欠くことができない事業の1つである.万一,厚労省が本事業の廃止を決定するような場合は,日医が独自に取り組むことも検討したい」とした.

代表質問6 「在宅医療の問題点」について

 「在宅医療の問題点」に関する越智眞一代議員(近畿ブロック)からの質問には,松原謙二副会長が回答した.
 同副会長は,在宅患者訪問診療料の現在に至る経緯について,「中医協において,他の検証調査に先んじて影響調査が実施され,審議の結果,次回改定に向けて更に検討を進めることになった」と説明.「中医協では,既に次期改定に向けた本格的な議論が進められており,昨年度実施した検証の調査結果から,高齢者向け住まい等における在宅医療のあり方として,具体的な論点が示されており,在宅医療を行う医療機関は,居宅等を中心に診療する医療機関と,高齢者向け集合住宅を中心に診療する医療機関に分化しつつあるので,引き続き,是正すべきところはしっかり改善していきたい」と述べた.
 更に,「駐車禁止地区除外許可証を現行の緊急往診のみではなく,定期的な在宅医療についても対応させるべき」との指摘に対しては,「日医から警察庁に要望する方向で厚労省などと相談していく」と説明し,理解を求めた.

代表質問7 次期診療報酬改定の財源について

 次期診療報酬改定の財源に関して,(1)経済財政諮問会議等からの医療費抑制への対抗策(2)薬価の引き下げ並びに消費税率の引き上げ財源の使い道に対する日医の見解を問う徳永宏司代議員(中部ブロック)の質問には,横倉会長が回答した.
 (1)については,「医療費にあらかじめキャップをはめてしまうことの危険性を政府与党に対して説明している」と述べるとともに,年末の予算編成に向けて,政府に対して財源確保を強力に求めていくと言明.
 (2)の薬価改定財源については,「医薬分業」の推進とも密接に関連することを踏まえつつ,財源が厳しい中で,その財源等を活用し,技術を充実させることにより,医療の安全・安心を図ることが必要との考えを示した.更に消費税率の引き上げ財源については,診療報酬改定に配分するのが望ましいとする一方,「国の借金が1,000兆円を超え,労働力も減少するという極めて厳しい局面の中で,国民の理解を得て有効に消費税財源を活用し,国民皆保険を堅持しながら国民の健康を守っていくことを,皆で知恵を絞って考えなくてはならない」とした.

代表質問8 法医・病理に携わる医師の育成及び待遇改善について

 法医・病理に携わる医師の育成及び待遇改善について,具体的な長期施策を講じるよう,日医から国に対して提言すべきとの尾治夫代議員(東京ブロック)からの要望には,松原副会長が,より抜本的に事態の改善を図るためには,日医が中心となって医療界全体が社会に訴えていくような姿勢と取り組みが必要だと指摘.その際には,例えば,臨床と法医学・病理学の融合,あるいは交流の促進といった取り組みを進めることによって,相互に行き来しやすいキャリアパスを医療界,医学会全体として構築するなど,柔軟な発想が求められるとした.
 また,国に対しては,「死因究明に関する検討会」を新設することを求め,その議論の中で,死因究明体制の充実,特に人材の育成と確保の重要性を強調するなど,より積極的かつ具体的な提言をしていきたいと述べた.

個人質問1 医療番号制度に対する日医の見解を問う

 医療番号制度に対する日医の見解を問う橋本省代議員(宮城県)からの質問に対しては,石川広己常任理事が,(1)「マイナンバーを医療分野で用いるべきではなく,医療分野専用の番号または符号(医療等ID)を創設すること」を強く主張し,その考えは政府の成長戦略にも十分反映されていること(2)「医師資格証」による医師認証と,医療等IDによる患者の本人確認を組み合わせ,よりセキュリティを高める運用形態の検討も始めていること─などを説明.
 電子カルテの普及については,医療機関・医療情報の電子化を考える前に,各都道府県で様式が異なる地域公費の問題等,山積する課題を解決すべきであるとし,電子カルテ化が,強制的に押し進められぬよう注視していくとするとともに,「各地域・医療機関の特性や,国民感情を無視したICT政策の推進は,地域医療に混乱をもたらすだけでなく,医師・患者間の信頼関係を崩壊させることにもつながる.今後も現場の意見を十分に取り入れて提言を行っていきたい」とした.

個人質問2 診療報酬の改定について

 松山正春代議員(岡山県)からの診療報酬の改定に関する質問については,松本純一常任理事が回答した.
 同常任理事は,診療報酬改定に際しては,会内の「社会保険診療報酬検討委員会」でまとめられた「前回改定の評価」及び「次回改定に対する要望」に基づいて対応しており,エビデンスを添付する重要性も認識していることを強調.その上で,「初診料・再診料などの基本診療料が根拠もなく減額されることはあってはならない.前回改定で増点されたのは,あくまでも消費税率引き上げ分であり,純粋なプラスではない」とした.
 かかりつけ医の報酬である地域包括診療料・地域包括診療加算については,塩崎恭久厚労大臣が経済財政諮問会議で,「次回平成28年度改定で更なる評価を検討し,先行事例を収集し横展開する」との見解を示しているとし,大病院から診療所,中小病院への外来患者の誘導策が設けられるなど,外来の機能分化が推進される中,かかりつけ医機能を強化し,次期改定で更なる評価を求めていくと述べた.

個人質問3 医療事故調査制度について

個人質問4 医療事故調査制度「支援団体」としての都道府県医師会の役割について

「次期診療報酬改定」「医療事故調」等,直近の課題に対する質問に理事者側が回答(写真) 今眞人代議員(北海道),西田芳矢代議員(兵庫県)からの医療事故調査制度に関する質問には,今村定臣常任理事が一括回答した.
 まず,西田代議員からの同制度に対する「国民目線での検証システム」を設置すべきとの指摘には,まさにそのとおりであり,厚労省内に検証委員会を設置して,制度運営をチェックすることも一案との考えを示した.また,支援団体の支援内容の目安については,日医の「医療安全対策委員会」で原案を練って頂くのが適切とした他,解剖及びAiについての大学病院などとの調整に関しても,同委員会に検討を要請するとした.
 支援団体の運営経費については,第三者機関である「医療事故調査等支援センター」から業務委託を受ける部分は,一定の金額が支払われるよう厚労省と協議中であることを報告.遺族への報告書の様式についても,検討中であるとした.更に,都道府県医師会が支援団体として医療事故の定義に関する相談を受けた際に,対応に苦慮することのないよう,ある程度統一的な対応基準を設ける意向を示した.
 続いて,今代議員からの,同制度とWHOドラフトガイドラインとの関係についての質問には,厚労省の「同ガイドラインと整合的である」との解説を紹介した上で,同制度の見直しの際には,再度,検証することも重要とした.また,調査報告書については,当事者の過失や責任の判断材料とならない,純粋に医療安全対策に資する報告書を作成するよう,関係者に啓発や研修などを重ねていくことが重要だと指摘.支援団体の設置,運営に関わる,財政的,物理的,人員確保等の問題については,日医として,地域の医師会や各会員の負担が軽くなるよう,あらゆる方策を検討し,取り組んでいく考えを示した.
 更に,現在,日医として医療対話推進者を養成しているが,事故調査の専門医や,支援団体の前面に立って調査全般をコーディネートする医師会役員の研修などの取り組みも急ぎ実施したいとした.

個人質問5 健康寿命の延伸に対する日医の具体的な取り組みについて

 徳永剛代議員(佐賀県)からの「健康寿命の延伸に対する日医の具体的な取り組み」についての質問に,羽鳥裕常任理事は,日医としては生涯保健事業の体系化を目指し,その環境整備として健診データの標準化を進めていく意向を示した.その上で,具体策としては,まず禁煙の推進を挙げ,日医としても,2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目途に,受動喫煙防止の法制化を強力に支援していくとした.
 また,かかりつけ医からの受診勧奨などによるがん検診受診率の向上,平成24年度で平均46.2%にとどまっている特定健診の受診率の引き上げ,特定健診項目の見直し等も政府に強く働き掛けていくとした.
 更に,慢性疾患の治療中断の減少も極めて重要な課題との認識を示すとともに,日医の中でも「糖尿病対策推進会議」等を通して関連学会と連携していることを紹介.「今後も,エビデンスに基づくさまざまな施策の推進によって健康寿命の延伸へつなげていく」と述べた.

個人質問6 外国人観光客2,000万人時代を迎えてメディカルツーリズムに対する日医の考えを改めて伺いたい

 福田健代議員(栃木県)からの「外国人観光客2,000万人時代を迎えてメディカルツーリズムに対する日医の考えを改めて伺いたい」という質問には,石井正三常任理事が,従来の商業主義的なメディカルツーリズムは,日本の医の倫理とはなじまず,これまでの日医の基本的な考え方は変わらないとする一方,国際化の中で,国籍や宗教などによって医療にアクセスする機会を奪うことはあってはならないとした.
 また,国際貢献について考えるならば,日本医療研究開発機構(AMED)の活用等により,日本の優れた医療技術の更なる進歩と普及を進めることなどが大切だとの考えを示した.
 更に,「観光立国」を目指す国の方針の下,マスギャザリングメディシン(集団災害医療)への対応の必要性にも触れた上で,医療現場では,外国人・日本人の隔てなく,医療倫理に裏打ちされた真摯(しんし)な対応ができる体制づくりや制度整備が重要という,日医の変わらぬ方針を示した.

個人質問7 外国人患者受入医療機関に対する支援体制の構築について

 近藤邦夫代議員(石川県)からの「外国人患者受入医療機関に対する支援体制の構築」についての質問には,笠井夫常任理事が回答した.
 国の「観光立国」政策には,日医としても賛同するとしつつ,訪日外国人旅行者数が2,000万人に達した時,観光庁の統計によれば,単純計算で年間約80万人の患者が発生し,その多くは日本語でのコミュニケーションが困難で,昨年の訪日外国人のうち,非英語圏の人が大半を占めている現状を指摘.厚労省,消防庁などの中央省庁や地方自治体で対応を取りつつあるものの,医療情報サービスへの取り組みには地域差があり,更なる努力が必要とした.
 その上で,日医としても,外国人患者,医療機関に対する多言語の医療情報サービスの充実に,医師会間,更に行政や関係団体等との密接な連携を生かしながら,協力体制づくりを進めることが必要と考えており,テレビ電話や通訳ソフトなどICTの進歩も踏まえながら取り組んでいくとした.

個人質問8 総合診療専門医の養成,新制度下での女性医師への対応について

 鹿島直子代議員(鹿児島県)は,総合診療専門医の進捗状況や新制度下での女性医師等に関する日医の対応について質問した.
 小森貴常任理事は,総合診療専門医の養成について,日本専門医機構『専門医の在り方に関する検討会報告書』等の作成に関与し,実質的に地域医師会の協力がなければ,成りたたない記載となっていることを説明.
 更に,専門医制度改革が行われているこの時にこそ,日医生涯教育制度の改革を行うべきとの考えを示し,「専門医の認定・更新に関わる研修」や「診療報酬算定の要件に必要な,研修参加証明」の一元的な管理を,来年春に開始できるよう,検討を始めているとした.
 また,女性医師問題や地域偏在に関しては,「出産・育児・介護等と専門医の取得・更新との両立」「キャリア形成への配慮」について,日医からの要請により,女性の視点からの制度設計になるように,日本専門医機構でも女性の理事を中心に議論を行っているとした.

個人質問9 新興・再興感染症等に関する日医の対応について

 角田徹代議員(東京都)は,エボラ出血熱,デング熱などの再興感染症や新型インフルエンザ,MERS(中東呼吸器症候群)などの新興感染症などへの日医の対応について質問.
 道永麻里常任理事は,日医が平成9年に感染症危機管理対策室を設置し,迅速な情報提供に努めてきたこと,平成21年のインフルエンザA/H1N1の混乱を受け,各都道府県医師会と緊急連絡網を設定し,昼夜を問わず連絡を受けられる体制や感染症関係通知文書のメール配信を行っていることなどを報告.
 これらの感染症の国内発生時には,24時間体制で対応や情報提供をする必要があるとの認識を示す一方,常時24時間体制の維持には,体制の確保など課題もあり,今後検討していくとした.
 BSL-4施設の稼働については,「本年3月に早期稼働を求める声明を公表したこと」「5月に開催された『自由民主党・国際保健医療戦略特命委員会』においても要請を行ったこと」などを説明し,今後も政府への働き掛けを継続する意向を示した.

個人質問10 セルフメディケーション推進における医療営利化への懸念について

 濱本史明代議員(山口県)からの,セルフメディケーション推進における医療営利化への懸念に対しては,鈴木邦彦常任理事が回答した.
 同常任理事は,「健康寿命の延伸」の名の下に,スイッチOTCの促進等,営利企業に新たな市場を提供するための動きが活発であり,日医として細心の注意を払いながら対応していると報告.商品販売中心のドラッグストアが,かかりつけ薬剤師のいる薬局の機能を担保したとしても,真に地域住民の健康に頁献できるか疑問であるとした.
 また,安易に医薬品を用いるようなセルフメディケーションではなく,セルフケアの推進が重要であり,真の健康情報拠点は,かかりつけ医機能を持つ医療機関であると説明.日医としては,この考えを横倉会長が参画する経済産業省の「次世代へルスケア産業協議会」や,羽鳥常任理事が参加している厚労省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」等の場において,積極的に主張し,理解を求めていく考えを示した.

個人質問11 「かかりつけ医」と「総合診療専門医」の位置づけについて

 「かかりつけ医」と「総合診療専門医」に関する日医のビジョンを問う小野晋司代議員(京都府)の質問には,釜萢敏常任理事が回答した.
 まず,同常任理事は,総合診療専門医はあくまで学問的基盤を持つ専門医の1つとして位置づけることが重要とする一方,多くの医師が,専門性,診療の領域,診療の場を越え,患者と地域に寄り添う「かかりつけ医」として診療に当たっており,その役割が患者の多様なニーズに合致して,日本の医療制度を支える大きな柱になっているとの見解を示した.
 また,福岡・鹿児島両県医師会の「認定かかりつけ医制度」に触れ,かかりつけ医機能の強化こそが,今後の超高齢社会を支える重要な視点であり,新たな研修の機会を提供すべく検討していることを明らかにした.
 最後に同常任理事は,「かかりつけ医は,専門医制度全てを包含した幅広い概念であり,国民の健康を守り,かかりつけ医機能をより強固なものにするため,全力を尽くしていく」と述べ,理解を求めた.



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46226.html
中医協、費用対効果の分析方法を議論へ- ◎26日までの医療・介護の予定
2015年07月17日 20時07分 キャリアブレイン

 この記事では、今後行われる医療・介護関連の主な予定を紹介し、当サイトでの記事配信の予定をお伝えします。
 7月26日までの主な予定は以下の通りです。

 22日に開かれる中央社会保険医療協議会(中医協)の費用対効果評価専門部会では、分析方法などの議論が行われます。

【7月20日(月)】 なし

【7月21日(火)】 なし

【7月22日(水)】 ★中医協 (厚労省) 過去記事
・国立研究開発法人審議会高度専門医療研究評価部会 (厚労省)

【7月23日(木)】 なし

【7月24日(金)】 なし

【7月25日(土)】 なし

【7月26日(日)】 なし

※★印の付いている予定については記事を配信する予定です。予定は変更になる場合があります。
※かっこ内は主催者などを表します。
※予定は主催者の公式サイトで公開されている情報と取材を基にまとめています。
※それぞれの予定に関連する過去の記事をリンクしていますので、これまでの経緯などを知りたい方はご活用ください。



http://www.m3.com/news/iryoishin/340079
“2023年問題”にいち早く対応◆慈恵医大Vol.1
医学教育の外部評価、文科省GPで受審

2015年7月17日(金)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 医師養成の原点は、医学教育にあり……。その医学教育が、人口の高齢化に伴う医療ニーズの変化、再生医療をはじめとする医学研究の進展、医学教育の国際的認証評価の動きなど、国内外の情勢変化を受け、改革を進めつつある。
 m3.com編集部では今夏、先に実施した「医学部長アンケート」の回答大学・医科大学を中心に、さまざまな改革に取り組む現場の動きをリポートする。
 初回に紹介するのは、東京慈恵会医科大学。全国の医学部・医科大学は、2023年までに国際的な認証評価の受審が求められている。トライアル評価を2014年に受けた同大学は、約20年前から「医局講座制と教育の分離」を進めるなど、医学教育で先駆的な取り組みを行ってきた(計3回の連載)。

 大学医学部の2023年問題……。それは、医学教育にとっての“黒船”と言っていい。その“黒船”襲来にいち早く対応した大学の一つが、東京慈恵会医科大学だ。2014年6月に、「医学教育分野別評価基準日本版」に基づく外部評価を受審した。


 米国で医業を行う資格を審査するECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)は2010年9月、米国以外の医学部出身者に対して、「2023年以降は、ECFMGへの申請は、国際的な認証評価を受けている医学部の出身者に限る」という宣言を打ち出した。これを受け、日本の大学医学部・医科大学は、WFME(世界医学教育連盟)の基準に準拠した認証評価を行うための準備を進め、今秋にも「日本医学教育評価機構」(JACME;Japan Accreditation Council for Medical Education)を発足、認証評価に向けた動きを本格化させる(『「JACME」、全80大学が参加し今秋発足』を参照)。

 それに先立ち、慈恵医大を含む6大学は、文部科学省大学改革推進委託事業(GP)として採択された「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」事業などにより、認証評価のトライアルを実施、その一環で慈恵医大も受審した。認証評価は、自己点検評価と、第三者による外部評価から成る。同大学教育センター長の福島統氏は、「135年の歴史を刻む慈恵医大の責任として、医学教育の先進校であることが求められ、いち早く評価を受けることが必要だと考えていた。外部評価を受ける意義は大きく、医学教育への取り組みを振り返る好機になる」と、そのメリットを語る。

 慈恵医大は、医学教育に関する学内外への情報公開に積極的に取り組んでおり、「自己点検評価報告書」と「外部評価報告書」ともに、全文をホームページ上で掲載している。

 外部評価の結果は、36項目中、「○○しなければならない」という視点からの「基本的水準」は、「適合」22項目、「部分適合」12項目、「不適合」0項目だった。「○○するべきである」という「質的向上のための水準」は、「適合」24項目、「部分適合」10項目、「不適合」0項目。いずれも残る2項目は、認証評価のトライアル中であるため、評価基準自体が不明瞭であるなどの理由から「評価せず」とされた。特に高い評価を受けたのが、教育プログラム、教員、教育資源などの領域だ。

 計6大学で認証評価に関するGP実施

 GPの「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」事業は2012年度から5カ年計画で、東京医科歯科大学が事業推進責任校、慈恵医大のほか、東京大学、千葉大学、新潟大学、東京女子医科大学の5校が連携校になり、計6大学で進めている(詳しくは、同GPのホームページを参照)。

 慈恵医大が外部評価を受けたのは、2014年6月。それに先立ち、教育活動に関するデータ収集を行い、“見える化”を進め、自大学の教員による自己点検評価を行った上で、外部評価を受けた。福島氏は、「外部評価は、決して合否を判定するものではない。私たちの思想、教育のあるがままの姿を見てもらい、良い点があればそれを伸ばし、自分たちでは見えていない欠点、問題点があればそれを指摘してもらい、改善していくのが目的」と話す。

 明確な精神「病気を診ずして病人を診よ」
 外部評価の評価基準は、9つの領域から成る。うち(9)は、総括的な意味合いなので、実質的な評価視点は8領域。「慈恵医大のトップは学長だが、伝統的にナンバー2は教学委員会の委員長、ナンバー3が病院長となっている。教学委員会は、学内でプライオリティーが高く、卒前教育を全て束ねることになっている」(福島氏)。教学委員会には、約40人の主任教授のうち、約11人が所属する。認証評価への対応は、教学委員会が主導し、同委員会の委員が、各領域の責任者を務めた。

医学教育分野別評価基準日本版(2013年7月版)の評価領域

(1)使命と教育成果(使命、使命の策定への参画、大学の自律性および学部の自由度、教育成果)
(2)教育プログラム(カリキュラムモデルと教育方法、科学的方法、基礎医学、行動科学と社会医学および医療倫理学、臨床倫理学と技能、カリキュラム構造・構成と教育期間、プログラム管理、臨床実践と医療制度の連携)
(3)学生評価(評価方法、評価と学習との関連)
(4)学生(入学方針と入学選抜、学生の受入、学生のカウンセリングと支援、学生の教育への参画)
(5)教員(募集と選抜方針、教員の活動と能力開発に関する方針)
(6)教育資源(施設・設備、臨床トレーニングの資源、情報通信技術、医学研究と学識、教育の専門的立場、教育の交流)
(7)プログラム評価(プログラムのモニタと評価、教員と学生からのフィードバック、学生と卒業生の実績・成績、教育の協働者の関与)
(8)統轄および管理運営(統轄、教学のリーダーシップ、教育予算と資源配分、事務職と運営、保健医療部門との交流)
(9)継続的改良
 教務委員会の委員が分担して、各項目についての自己点検評価を行った。外部評価に当たっては、(1)の「使命と教育成果」、(2)の「教育プログラム」、(7)の「プログラム評価」――が特に重視されたという。

 まず(1)について。慈恵医大の建学の精神は、「病気を診ずして病人を診よ」で、院内のさまざまな場所に掲出されている。その精神はこれまでさまざまな形で具現化してきたが、2013年には、「5つの到達目標」を定め、それを踏まえ「医学科達成指針」を新たに策定している。

医学部の5つの到達目標

・医学を学び、また研究する際の基本的な考え方を身につけ、自律的に実践する
・自己の人間性を高め、倫理的・科学的判断能力を磨く
・医学の基本的知識を習得する
・医学の基本的技術を習得する
・医師としての適切な態度と行動を身につける
 (2)の「教育プログラム」で高い評価を受けたのは、講座ごとの授業を廃止して、「統合カリキュラム」を採用している点だ(詳細は、「慈恵医大Vol.2 」「慈恵医大Vol.3 」を参照)。講座と教育を分離するという考えから、1996年に大改訂を行い、今に至っている。

 一方、改善が必要とされたのが、臨床実習。参加型の臨床実習が少ないとの指摘だった。評価時点の2014年度の6年間の実習時間は計62単位だったが、既に改善計画を立てており、2015年度から新しいカリキュラムをスタートさせた(詳細は、「慈恵医大Vol.2」を参照)。大きな変更点は、臨床実習の前倒し。今まで医学部5年次の4月から実施していたが、4年次の9月から開始し、5年次の7月まで模擬参加型の臨床実習を行う。その後、5年次の9月から、診療参加型の臨床実習に入る。6年間の実習時間は計74単位に上る。

 評価に先立ち「教育IR部門」を設置

 外部評価に先立ち、慈恵医大では2013年に、教育センター内に「教育IR部門」を設置した。自己点検評価は、データ、エビデンスに基づいて実施することが求められるからだ。IRとは、「Institutionnal Reserch」の略で、高等教育機関が、機関の意思決定を支援するために行うリサーチを意味する。慈恵医大では、特に教育活動の現状に関するデータを収集・整理して分析、教育の改善に役立てている。

 「教育IR部門」で収集しているデータは幅広く、教育カリキュラムの内容から、学生の口頭試験や筆記試験、各種委員会の運営状況まで多岐にわたる。これらのデータが、自己点検評価の際に役立った。「慈恵医大では、1996年に統合カリキュラムを導入した時代から、各種データを一元的に管理していた。例えば、成績データについては、一般的な大学では、各講座の中に埋もれているが、慈恵医大では、どの教員がどんな試験を誰が出したのか、その成績などは、全て学事課が持っていたため、データは収集しやすかった。学生のポートフォリオも、データベース化しているため、どんな授業や指導を受け、各学生の能力がどのように育っているかを、年次を追ってフォローできる」(福島氏)。

 慈恵医大では今後、「教育IR部門」を充実させる方針だ。追加を検討している一つが、入試データ。「入試データをどう活用するかが課題。筆記試験と入学後の学力は、関係ないと思う」と福島氏。欲しいのは、「こんな学生は医師としての適性に欠ける」ことが分かるデータと言うが、その際に必要なのは質的データと思われ、その収集方法については模索中だ。

 外部評価は4日間、6人体制が基本

 慈恵医大が受けた外部評価は、2014年6月3日から6月6日までの4日間。「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立」のGPのメンバーが持ち回りで評価を実施しているため、慈恵医大の外部評価の際、福島氏自身は評価される立場としても参加しなかった。

 外部評価の一般的な流れは次の通り。評価者は慈恵医大の場合は10人だったが、2015年度の評価は6人体制での実施を予定している。

 まず月曜日の夕方にホテル等に入り、翌日の予定などを確認。火曜日から木曜日までは朝から夕方まで受審大学に赴き、評価項目ごとに検証を進める。受審大学がまず説明し、それを基に、質疑応答などを重ね、確認していく。夜は当日の振り返りとともに、翌日の予定などについて打ち合わせる。それを木曜日まで繰り返す。その間、若手医師や医学生などに、評価者が直接インタビューする機会もある。木曜日の夜は金曜日の講評に備え、評価結果を整理。金曜日の午前中に受審大学にフィードバックする。その後、評価者それぞれがレポートを書き、責任者が取りとめた後、評価者が集まる委員会でのレビューを経た後、受審大学に送付する。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03I3W_X10C15A7TJC000/
エムスリー、診療所の事業継承支援 会員医師から後継者紹介
2015/7/17 23:43 日本経済新聞

 医師向けサイトを手掛けるエムスリーは診療所の事業承継を支援するサービスを始めた。譲渡を希望する診療所の事業価値を算定し、エムスリーの会員医師の中で譲渡先を探す。国内には約30万人の医師がおり、うち約2割が70歳を超えている。後継者が見つからずに診療所をたたむ医師が増えるとみて取り組む。

 事業規模の小さい診療所ではこれまで、第三者への譲渡があまり進まなかった。譲渡しようとしても十分な価格が付かなかったり、それまでの医師とは専門が異なる医師が継ぐことになったりする例もあった。

 エムスリーは日本の医師約30万人のうち、25万人の登録会員を持つ。転職や開業などに興味を持つ医師に案件を紹介する。新規開業を望む医師にとっても、既存の診療所を引き継ぐことで新たに患者を集める手間を省けるメリットがある。まず東京都や千葉県など首都圏を中心にサービスを提供し、順次、対象地域を広げる。年100件の成約を目指す。



http://www.yomiuri.co.jp/adv/economy/release/detail/00135099.html
メドピア株式会社
【医師アンケート調査】「患者さんからセカンドオピニオンを求められたら? 」ー約8割の医師は「不快に感じない」、「患者との信頼関係に影響はない」と回答

2015年7月16日 読売新聞

医師の3人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象にがん以外の病気での「セカンドオピニオン」についてのアンケートを実施しました。以下、結果をご報告します。

【Q1】がん以外の病気において、患者さんから「他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい」と言われたことはありますか?また、その際にどう感じますか?

―「セカンドオピニオンを求められたことがある」医師は約6割
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[画像1: http://prtimes.jp/i/10134/41/resize/d10134-41-139767-0.jpg ]

―8割以上の医師は、セカンドオピニオンを求められても「不快に感じない」
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[画像2: http://prtimes.jp/i/10134/41/resize/d10134-41-312013-1.jpg ]


セカンドオピニオンを要望された経験の有無に関わらず、8割以上の医師は、セカンドオピニオンを求められても「不快に感じない」と回答した。「セカンドオピニオンは患者の当然の権利だと思う」、「本人が納得することが重要」というコメントが目立つ。また、「こちらから患者に勧めることもある」「むしろ他の医師の意見を知りたい」という意見も多かった。
「不快に感じる」と回答した医師はわずか1~2割であった。「信頼されていないと感じる」というコメントが多かった一方、「患者側の言い方にもよる」「紹介状を書く手間がかかる」といった意見も見られた。



■回答コメント(一部を抜粋)

「言われたことがあるが、不快に感じない」  2,069件
・特に不快には感じません。むしろセカンドオピニオンを受けて納得いただければと思います。(30代、精神科)
・患者さんの権利と思います。(50代、一般内科)
・自分の診療・治療に自信を持っているので不快に感じず、他医へ紹介できる。(40代、泌尿器科)
・あまり気にしないが、相手が自分を信頼していない上で言われた場合には、不快に思うかもしれない。(40代、リハビリテーション科)
・他の先生の意見も聞いて納得した上で治療を受けてもらいたい。(50代、循環器内科)
・時代の流れとして当然だと思います。喜んで他院を紹介します。(40代、一般外科)
・本当の意味におけるセカンドオピニオンであれば、不快に思わずに協力するべきであるが、ほとんどの患者がドクターショッピングをセカンドオピニオンだと勘違いしているところに問題がある。(50代、整形外科・スポーツ医学)
・すすめることも多々あります。トラブルになることのほうが嫌です。(30代、脳神経外科)
・患者が医者を選ぶ時代でしょう。(50代、整形外科・スポーツ医学)

「言われたことがあり、不快に感じる」  298件
・もちろん患者さんの気持ちを考えれば当然の権利と主張だとは思うが、自分が治療できる疾患であっても言われると、多少は不甲斐なく感じる。(30代、脳神経外科)
・やはり一生懸命やっているのにという思いはあるけれど、自分も同じ患者の立場であったら、そうするかもしれない。(30代、一般内科)
・わかる範囲で答えますが、別にかかっている主治医にききにくいからと質問するのではなく、病気や治療法については主治医にきちんときいてほしいです。外来の時間がかかってしまいます。(50代、一般内科)
・不安をぶつけるだけ、そういうセカンドを求められると主治医に聞きなさいと言いたい。でも一生懸命話しはする。(50代、一般外科)
・セカンドオピニオンの後に、また戻ってくる患者さんもいますが、多くは他での治療を希望されているのでそれまでの苦労を思うと疲労感があります。(50代、循環器内科)

「言われたことはなく、言われても不快に感じないだろう」  1,332件
・セカンドオピニオンを求めるのは患者の権利なので、別に何とも思わない。むしろ、自分以外の医者の意見は勉強になることが多い。(50代、呼吸器内科)
・当然の権利であり、そのように患者側も勉強することでより良い選択が出来るものと考えている。(50代、呼吸器外科)
・自分が患者なら、他の医師の意見も聞きたいでしょう。(50代、精神科)
・納得してもらえない時にこちらからすすめることもあります。(30代、皮膚科)
・医師ですら他科の領域になると門外漢であるし、一般人ならなおさら多くの意見を聞きたいだろうとは思う。(30代、病理)
・インターネット上の情報が氾濫している時代ですので、様々な情報に患者さん側も触れています。あまりに荒唐無稽なことであれば止めるかもしれませんが、基本的には本人の選択だと思います。(30代、総合診療)
・より客観的で多角的な診療が可能となるかもしれないので、個人的にはあまり否定的には思っていないです。ただ、自分の診療について不満な点があるかもしれないので、その点は確認できたらと思います。(40代、一般内科)
・言われ方にもよるとは思いますが、患者の立場になれば当然の要望なので。(40代、一般内科)

「言われたことがないが、言われたら不快に感じるだろう」  253件
・これまでの診療内容を否定された気分になる。(40代、小児科)
・患者側の言い方にもよるとは思います。(40代、脳神経外科)
・ちょっと不快に思うのが人情ですが、受け入れて次に生かします。(40代、産婦人科)
・患者さんとの信頼関係より、セカンドオピニオンを受ける医療機関への紹介状の作成に時間を取られることが不快に思います。(50代、眼科)
・患者家族の立場にたてば気持ちは十分理解できますが、言われれば自分が完全には信頼されていないことを実感するでしょう。(30代、救急医療科)


【Q2】患者さんから「セカンドオピニオンを求めたい」と告げられた場合、その後の患者さんとの信頼関係に影響があると思いますか?

―悪い影響があると思う医師は、1割のみ。

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[画像3: http://prtimes.jp/i/10134/41/resize/d10134-41-425170-2.jpg ]


患者さんとの信頼関係に「影響はない」という回答が約8割を占めた。セカンドオピニオンは、「患者の権利」であり、「患者の納得が重要」であるため、求められれば対応するのが当然であるという考えが多いようだ。「求める患者の気持ちも分かる」、「自分であったら求める」という声も多い。
「悪い影響があると思う」は約1割のみであった。「やはり本心では信用されていないと感じる」という声が多かった。また、「良い影響があると思う」と回答した医師も約1割いた。「信頼関係があるからこそ求められる」「患者の希望に応えることで信頼関係が深まる」という声があった。


■回答コメント(一部を抜粋)

「影響はない」  3,089件
・特にないと思います。今の時代、セカンドオピニオンは増えているので。(30代、神経内科)
・いろんな意見を聞きたいと思うので気になりません。むしろ知らないうちにセカンドオピニオンに行かれていた方が残念です。(30代、救急医療科)
・ご本人が納得されることが最も大切。(40代、一般内科)
・医師の立場では特に気になることはありませんが、セカンドオピニオンのために診察をした他の医師の意見は教えて欲しいと思っています。(40代、一般内科)
・自分の診療内容に自信を持っているのであればセカンドオピニオン後にも信頼関係には影響しないと思います。(50代、一般内科)
・信頼関係が保てていても、治療法の説明の仕方や選択肢は医師によっても色々あるので別の意見を聞きたいという心情はごく当たり前と思う。比較して戻ってこられることもあるとおもうので、特に信頼関係の問題だけではないと思う。(30代、呼吸器内科)
・患者さんの当然の権利であり自分が患者になったら不利益なく行使したいと思う。(50代、消化器内科)

「悪い影響があると思う」  416件
・影響しないようにしたいが、本音でいれば他院に通院して頂きたい。(40代、泌尿器科)
・当たり前すぎる場合は悪い影響あり。ドクターショッピング系や有名教授受診希望の患者など。(60代、一般内科)
・セカンドオピニオンを求める場合多くは治療困難な場合が多く、医師の考え・意見はそれぞれです。別にセカンドオピニオンを受診すると、患者も申し訳なく思うのか、再来しなくなるケースが多いです。(40代、一般内科)
・患者さんの気持ちは分かりますし、自分も反省しなくてはいけない点があると思いますが、不快感はずっと残るでしょう。(50代、消化器外科)
・専門外であれば、問題はないが、十分な説明を何度も繰り返して行ったあとでのセカンドオピニオンは信頼されていないと感じてしまう。(50代、リウマチ科)

「良い影響があると思う」  408件
・むしろ信用されているケースもあると思います。患者は主治医にセカンドオピニオンを頼みづらいと思うだろうけど、それでも言ってくれるのは信頼されている証拠ともとれます。(30代、循環器内科)
・適切な専門家に紹介をしてセカンドオピニオンが得られれば信頼関係が強化されると思う。(60代、消化器内科)
・患者の不安に親切にこたえてあげられたら、より一層信頼関係が増すと思う。(60代、整形外科・スポーツ医学)
・むしろ勧めることが多いかもしれません。セカンドオピニオンを受けた後、大多数は帰ってきますので、面倒でも信頼関係を悪くすることはないでしょう。(60代、一般内科)
・今までのケースではセカンドオピニオン目的で他の医療機関を受診された後、より自分への信頼感が強くなり治療しやすくなることが多かったです。(40代、眼科)


■調査概要
調査期間:2015年2月19日(木) ~ 2015年2月25日(水)
有効回答:【Q1】3,952人/【Q2】3,913人(回答者はすべて、MedPeerに会員登録をする医師)
設問:医師専用コミュニティサイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、MedPeer事務局(運営:メドピア株式会社)より、以下の質問を投げかけました。

【Q1】調査フォーム(設問文 抜粋)
===================================================
皆さまが普段診療されている「がん以外」の病気で、患者さんから「他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい」と言われたことはありますか。また、そのようなときに、皆さまはどのように感じますか(不快に感じますか)?下記の選択肢の中からそのような場面でのご気分に近いと思われるものをお選びください。

1. 言われたことがあり、不快に感じる
2. 言われたことがあるが、不快に感じない
3. 言われたことはないが、言われたら不快に感じるだろう
4. 言われたことはなく、言われても不快に感じないだろう
===================================================

【Q2】調査フォーム(設問文 抜粋)
===================================================
がん以外の一般的な病気の診療で、患者さんから「セカンドオピニオンを求めたい」と告げられた場合、その後の患者さんとの信頼関係に影響があると思いますか? 下記の選択肢の中から皆さまのお考えに近いものをお選びください。

1. 患者との信頼関係に悪い影響があると思う
2. 患者との信頼関係に良い影響があると思う
3. 患者との信頼関係に影響はない
===================================================

■記事引用時のお願い
・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、https://medpeer.jpへのリンクをお願い致します。

↓↓過去のMedPeer医師アンケート調査結果はこちらから
https://medpeer.co.jp/press/?cat=2

【メドピア株式会社について】
・社名:メドピア株式会社(https://medpeer.co.jp)
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。

【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp

  1. 2015/07/18(土) 06:59:10|
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7月16日 

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20150716-OYO1T50025.html?from=oycont_top_txt
ガーゼ29年放置の訴訟で和解、神戸の市立病院
2015年07月16日 読売新聞

 神戸市長田区の市立医療センター西市民病院で手術を受けた40歳代の男性患者が、29年間にわたって医師が取り忘れたガーゼが体内に残って腫瘍ができ、摘出手術で後遺症が生じたとして、運営する「神戸市民病院機構」(中央区)に1900万円の損害賠償を求めた訴訟が神戸地裁であり、同機構が800万円を支払う条件で和解した。9日付。


 訴状では、男性は1983年12月、市立西市民病院(当時)で腎臓手術を受けた際、腹部にガーゼが残った。2009年9~10月、腹痛で同病院などを受診し、ガーゼを覆うように腫瘍があるのが見つかった。12年11月に、ガーゼの除去と腫瘍摘出の手術を受けたが、腫瘍に癒着した神経の一部も取り除いたため、左足にしびれや痛みが残り、通院している。

 男性は、ガーゼを忘れた執刀医の注意義務違反は明らかだと主張。同機構は「83年の手術記録が残っていないためミスの証拠はなく、摘出による後遺症の可能性も説明した」などと反論していた。和解について、同機構は「早期解決を図るために応じた」としている。



http://mainichi.jp/area/chiba/news/20150716ddlk12040041000c.html
県がんセンター:抗がん剤投与死亡 事故調「医学的問題なし」と結論 遺族、納得せず /千葉
毎日新聞 2015年07月16日 地方版

 県がんセンター(千葉市中央区)で3月、カテーテルによる抗がん剤投与を受けた60代の男性患者が死亡した問題で、センターの事故調査委員会が「医学的に問題はなかった」と結論付けたことが15日、明らかになった。事故調は「遺族の意向」を理由に調査結果を公表していないが、がんセンターの山口武人副病院長は「一部納得できないと遺族に言われた」と認めた。またこの日、2008年以降、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題を調べてきた県の第三者検証委員会は最終報告書を県に提出した。【野島康祐、金森崇之】

 患者が死亡した抗がん剤投与も、問題の腹腔鏡手術11例中8例を執刀した消化器外科の50代男性医師が担当した。事故調は記者会見して手術の調査結果を公表したが、抗がん剤投与の死亡例の経緯は「遺族の意向で公表できない」と説明した。

 一方、この医師が患者8人の死亡を受け病院長から手術しないよう命じられたが、その3カ月後の昨年8月から今年3月までに「人手不足」などを理由に、手術を担当していたことを明らかにした。執刀1件、助手14件を担当し、合併症を起こした患者が3人いた。事故調の佐野圭二委員長は「手術再開が密室で判断された。安全管理の観点から、もっと開かれた場所で透明性のある判断が必要だった」と批判した。

 第三者委の多田羅浩三会長も記者会見して最終報告書を公表した。第三者委は3月、腹腔鏡手術後の死亡が相次いだ問題で「担当医師の見解を尊重し、原因究明や再発防止に向けた取り組みを行わなかったため」と結論付けた最終報告案を公表した。今回は、抗がん剤投与の問題をどう評価するかが焦点だったが、遺族感情への考慮を理由に報告書には盛り込まず、「医学的に問題がないと第三者委は報告を受けている」と説明するにとどめた。

 この医師は現在、手術など対人的な仕事には一切就いておらず、第三者委の調べに対し文書で「真摯(しんし)に受け止め、反省しなければならないと考えております」と回答したという。
 ◇先端医療に事前審査 がんセンターが防止策

 県の第三者委などの指摘を受け、県がんセンターは15日、新たな先端医療を実施する際は、新設する「未実証医療審査委員会」の事前審査を受けるなど、82項目の再発防止策を発表した。今年度中に実施状況を第三者委に報告する。

 問題となった一部の腹腔(ふくくう)鏡手術など保険適用外の先端医療は、医師の裁量に任されることが多かったため、厳格化が必要と判断した。また、組織内のチェック機能が働いていなかったことを受け、医師が行う臨床研究の実施状況を院内の倫理審査委員会に報告することを義務づけたほか、医療事故の再発防止策を検討する医療安全管理委員会の権限も強化する。事故が起きた場合などは両委員会を開催し、研究や手術の中止を勧告できるようにした。

 また不十分だと指摘されたインフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)を充実させるほか、患者が主治医以外の意見を聞けるように、他病院の医師らを紹介する「セカンドオピニオン・センター」も設置する。



http://apital.asahi.com/article/news/2015071600014.html
電子カルテ閲覧、職務ごとに制限 大崎市民病院
2015年7月16日 朝日新聞

 大崎市民病院の入院患者の電子カルテを職員らが不正に閲覧していた問題で、同院は15日、再発防止策を明らかにした。職員らの職務内容に応じて閲覧範囲を制限し、院内に病院事業副管理者をトップとする「不祥事防止対策委員会」を設ける。

 阿部健雄・事業管理者らが記者会見して発表した。

 閲覧を制限するのは、医師と看護師を除いた職員と業務の委託先企業の社員。制限範囲は8月末までに決める。これまで職員と社員の全員がパソコンでカルテを見ることができた。

 職員と社員を対象に、不正閲覧が常態化していたかどうかを調べるアンケートもする。コンプライアンス(法令や社会規範の順守)の認識度合いも尋ね、8月中に結果をまとめる。

 阿部氏は責任をとり、8月分の給料を3割返す。

(朝日新聞 2015年7月16日掲載)



http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20150716ddlk40040358000c.html
酒気帯び運転:医師を懲戒免職 北九州市病院局 /福岡
毎日新聞 2015年07月16日 地方版

 北九州市病院局は15日、市立八幡病院整形外科主任部長の鈴木暢彦(まさひこ)医師(54)が酒気帯び運転で物損事故を起こしたとして、懲戒免職処分にしたと発表した。

 病院局によると、鈴木医師は6月15日午後10時20分ごろ、酒を飲んだ状態で自家用車を運転し、八幡西区の国道200号引野口交差点でガードレールに車をぶつけたとしている。さらに約2キロ車を運転したが、破損が激しく動かせなくなって道路脇に止めていたところ、八幡西署員が飲酒運転を見つけ、呼気1リットル当たり0・4ミリグラムのアルコールを検知した。

 鈴木医師は、4月1日付で採用され、この日は午後7時から同9時ごろにかけ、八幡東区のホテルで開かれた医局の歓迎会に出席、ビールや日本酒、ワインを飲んでいったん徒歩で自宅に戻った。さらに焼酎の水割り3、4杯飲んだ後で車を運転し、自宅から約6キロ離れた引野口交差点で事故を起こしたという。

 病院局は上司の病院長と整形外科担当副院長を文書訓告とした。【祝部幹雄】

〔北九州版〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/340072
後発品「患者が拒否」「先発品以外データなし」◆Vol.4
後発品を巡るトラブル、副作用やメーカーの対応に疑問

2015年7月16日(木)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 Q.5で、後発医薬品の使用中に、効能効果に疑問を感じた場合の対応を聞いたほか、後発医薬品を巡るトラブルについて、任意で具体的な記述をしてもらった(『後発品「疑問あれば、処方止め」が最多◆Vol.3』を参照)。主な回答を紹介する。

【副作用】
・後発品に変更した途端に薬疹が出た。
・強力ネオミノファーゲンシーの後発品で、肝機能悪化を認めたので、即中断した。
・睡眠薬を後発品に変更したところ、頭痛の訴えがあった。
・薬局より「ジェネリックに変更しても良いか」という問い合わせがあり、成分は同じということであったため変更したところ、副作用が出た。
・何が夾雑物として利用されているかによって、同じ薬剤でも後発医薬品で副作用が出たり、逆なことも起こり得る。
・湿布剤の後発品がかぶれやすいとの訴えが多数ある。
・子宮収縮抑制剤では、効果、副作用の出方が先発品とそれぞれの後発品が違う。
・抗不整脈剤の後発薬変更による薬剤誘発性不整脈発作があった。

【副作用以外の効果】
・1剤内服中の患者が後発品に変えると、「便から少し溶けて小さくなっているものの、薬であると分かるものが一緒に混じっていた」と相談があった。
・遅効性薬剤では効果が一定しないと感じている。
・睡眠薬を後発品に変更したら、眠れないとクレームが来た。
・ジェネリックに変えたら、血中リチウム濃度が不安定になり、再発したことがある(先発品に戻したら、その後は再発がない)。
・鎮痛剤をジェネリック製剤に変えたら鎮痛効果が弱いと言われることが多い。
・感染症の後発医薬品で吐き出す子が増えている。
・後発品の貼付剤は、はがれやすくクレームが来ることがある。
・後発品で明らかに効果の低いものがあり、同僚(他施設)に確認、同様の見解で使用を控えたことがある。
・適応が違うことがある。
・先発で処方したが、薬局で後発に変更、次の診察時、薬が変わり調子が悪くなったとの訴えはよくある。

【メーカーの対応】
・吸湿性の経口剤が以前に色が変わったことがあったので、メーカーに問い合わせたら、「瓶ごとに色は異なる」と言われ、採用をやめた。
・後発品専門の卸と取引があったが、突然会社がつぶれて連絡つかず、薬品も購入できなくなった。
・抗凝固剤の後発品でデータ提供を依頼したが、メーカーは後発品のデータのしか持ってこず、「これしかない」と居直ったため、出入り禁止にした。
・感染症治療薬の後発品内服で全身に発赤が出て、休薬するときれいに治ったため、薬の副作用であると考え発売元に連絡したが、「そうですか」との返事のみで、後は訪問にも電話もなく音沙汰がなかった。
・使用期限を消した状態で流通している。卸からの仕入れで、大量に購入すると7割引き、8割引きがあり、当然使用期限が切れている。
・後発品は品質も劣悪であるが、会社の態度も劣悪である。

【患者への対応】
・ある抗がん剤を後発医薬品へ変更したが、その有効性が疑問視され、急遽先発品に戻したものの、その間に治療を受けた患者への説明、責任等々に困った。
・患者が後発品を拒否した。
・患者から効果が悪い、皮疹などの副作用が出る、など訴えがあった場合、先発薬に戻している。特に報告や問い合わせは行っていない。
・溶け方の違いにも敏感な患者、先発でないと効かない患者がいる。不安を持たれたら、まず元に戻している。
・糖尿病、高血圧コントロール悪化症例あり。消化器病薬で効果不十分となり、いずれも先発薬に戻し以前の状態へ改善。
・鎮痛剤、眠剤、降圧薬で効きが悪くなり、患者から先発薬の処方に戻してほしいとの希望が時々ある。

【その他】
・調剤薬局で成分名だけ書くと適応症がない薬剤を出され、こちらがペナルティを受けた。
・通常の保険診療患者がジェネリックを選び、生活保護患者が正規品を選択する、という矛盾。差別するつもりは全くありませんが、矛盾を強く感じる。
・それより新規合成薬が高すぎる。
・ジェネリックでも信用できそうなメーカーしか使っていない。
・先日某ジェネリック医薬品メーカーの点滴用抗生剤の紹介に来た時に、「この製剤材料国はどこですか」と質問したところ、韓国製品であるとの返事でしたので購入はしなかった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/339753
「保険者よ、柔整師になめられるな」、約80の保険者勉強会
医師も参加、「柔整施術は捻挫と打撲がほとんど」

2015年7月14日(火)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 柔道整復師の施術などの療養費の適正化に向けて、国内の約80の保険者や医師が集まって、7月11日に大阪市内で、「第1回療養費適正化勉強会」を開催した。保険者間の連携がないことや、公的医療保険の保険者の場合、異動などでノウハウが蓄積されないことから、保険者が集まって、事例共有や医学的知識を学んで、適正化に向けて動くことが狙い。参加者からは、後期高齢者医療広域連合について、柔道整復師から、「(審査が甘く)広域連合はドル箱」などと言われた経験が紹介され、不正請求の摘発や報道発表などを活用して「なめられない保険者に」との声が出た。参加した医師は、適正な支給に向けて、柔整師の施術は、応急手当を除くと、「捻挫と打撲」に限定される点などが紹介された。


大阪市内で開かれた勉強会には全国から参加者が集まり、満席となった。
北海道や宮崎県の保険者も参加


 企画したのは、和歌山県海南市保険年金課の宇尾祟俊氏。柔整療養費については、多部位、長期、頻回の請求、不正と疑われる請求が目立つ傾向にあり、財務省の財政制度分科会も適正化を求めるなど、社会的な問題になっている(『財務省、「マイナス改定必要」の考え示す』を参照)。ただ、保険者において、審査のノウハウが共有されないことや、政治的な働きかけがあり適正化が進まない状況にある。

 今回の勉強会は、保険者が、他の保険者や医師と連携して、事例や医学的知識を共有することが目的。関西圏を中心に、北は北海道、南は宮崎県から参加者があったほか、従業員が1万人を超える民間企業の健保も含めて、約80の保険者が参加した。

 宇尾氏は、「療養費適正化に向けて保険者にできること」と題して講演。異動を繰り返す公共における保険者についてはノウハウがたまらないなどの事情があり、「和歌山県後期高齢者医療広域連合に所属していた際、ある柔整師の団体から『広域連合はドル箱』と言われた」との事例を紹介して、適正でない請求が多くある点を指摘し「なめられない保険者にならないといけない」と述べた。その上で、医学知識や、実際の規程を調べる習慣を付けた上で、「不正請求の摘発と報道発表もしていく必要がある」と指摘した。 

 行政が運営する公的な保険者の問題点として、支出を抑えようとするモチベーションがある民間保険者と比較して、「国民福祉の向上」を名目に適正化につながりづらい点を指摘した上で、「市町村国保や、後期高齢者広域連合は行政の一部という意識が抜けにくい。保険者の対応がばらばら」と発言。

 さらに、保険者機能として、支給の可否判断ができる点に言及し、「(学ばないまま)垂れ流して(支給する)のは単なる怠慢」と述べ、慣例にとらわれず、請求を点検した上で、不適当な支出をしないように求めた。さらに、公的保険者は、民間事業者に審査を委託しているケースもあるが、宇尾氏は、「民間の点検業者の知識は不足している」として、安易な委託で、審査を終わらせないように求めた。

 宇尾氏は、保健者以外にも、厚生労働省や被保険者の問題点も指摘。柔整においては、厚労省が「多部位」「長期」「頻回」など明確な定義をしていない背景があり、適正化するためのスクリーニングの基準もない実情がある中で、療養費を請求する側の拡大解釈が横行している側面があることを指摘して、保険者に医学や制度の知識を学ぶように求めた。被保険者については、行政の広報よりも、新聞などのマスメディアの方が影響が大きい点にも言及した。

 宇尾氏は具体的な作業として、申請書を一枚ずつめくるところから始めるように求めて、「負傷部位の確認、接骨院など機関ごとの傾向など、素人目線でおかしいと思うところを(施術者に)問い合わせれば、プレッシャーになる。不正請求ならば、詐欺罪に問われるもので、刑事告訴も1つの手段になる」とした。具体的に、広告規制や医科レセプトとの突合などの取り組みが始まっている例などを挙げ、「正解は1つではない。それぞれの立場でできることを考えてほしい」と呼び掛けた。

「突き指で受診」、41%が骨折

 保険者向けに、柔整師の施術と関連する医学的知識を、参加者に解説したのは、大阪臨床整形外科医会理事の宮田重樹氏。冒頭で、柔整師の施術が認められているのは、「捻挫、打撲、骨折、脱臼のみ」とした上で、応急手当を除くと、「捻挫と打撲」に限定される点を指摘。「単なる肩こり、筋肉疲労に対する施術は、療養費の支給対象外」と強調した。さらに、柔整師が、「原因のはっきりしない痛みは、亜急性の外力による損傷」と主張する「亜急性」についても、「あり得ない」と述べた。

 負傷の実態についても解説。不正請求が疑われる事例では、「負傷個所3カ部位以上」というケースが少なくないが、日本臨床整形外科学会の調べによると平均負傷個所は1.22部位となっている点を指摘。さらに捻挫打撲の治療期間については、大阪臨床整形外科学会理事の骨折を除いた1113例で、「平均通院期間は6.2日、平均通院日数は1.9日」とするデータを示した。ともに、多部位、長期、頻回の日数について、実態が伴わない可能性を示した。

 医学的な判断を伴わない施術が悪影響を及ぼす可能性にも言及。筋内圧が何らかの原因で上昇して、循環器障害を引き起こし、筋壊死などにつながる「急性コンパーメント症候群」を紹介。加えて、大阪臨床整形外科学会で2014年10月と11月に突き指で外来受診した患者のうち、41%が骨折していた点を紹介して、医学的知識を伴わない施術が、治癒の遅れや、重症化につながる点を懸念した。

 さらに、医療機関で治療継続中に、柔整師が施術をしても、療養費の支給対象外となることや、按摩、鍼灸でも、「医療保険との併用は認められていない」と紹介。適正な支給申請かを判断する上で参考となる知識を紹介した上で、「定義を理解して、被保険者に伝えてほしい」と呼びかけた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/340160
「医療ID複数所持の検討を」日医委員会
中間取りまとめ、知られたくない病歴に対応

2015年7月15日(水)配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の「医療分野等ID導入に関する検討委員会」は7月、政府で検討が進んでいるマイナンバーとは別にした上で、複数ID付与の検討を盛り込んだ、中間取りまとめをした(資料は、日医のホームページに掲載)。日医常任理事の石川広己 氏が7月15日の会見で、内容を説明し、複数IDが持てるようにする理由について、「(1つのIDだと)知られたくない過去の病歴などが分かってしまう」と指摘し、個人が知られたくない病歴の開示範囲をコントロールできる必要性に言及した。


日医常任理事の石川広己氏は、医療IDへの考え方を披露した。
 政府では住民票を有する一人ひとりに1つの番号を付与して、社会保障や税などで効率的な管理を目指す方針で、制度の検討を進めている。中間取りまとめでは、医療情報が、ナショナルデータベースに登録されるような個人情報保護制度の対象外のものから、実際の病歴、服薬の履歴などの個人情報保護制度内のものまで幅広いため、マイナンバーで管理された場合、「突合リスクが高まる」と指摘し、マイナンバーと別の制度とするように求めている。

 その上で、一人に対して目的別に複数の医療等ID付与できる仕組みを求めているのに加え、本人が情報にアクセス可能な制度で「本人が知られたくなかったり、思い出したくない場合、それまでの情報との名寄せや検索ができない仕組の担保」を求めている。さらに、複数医療等IDが付与された場合、ID間で突合可能な仕組みの検討も盛り込まれた。ただ、個人情報保護制度の対象外の情報については、従来通り活用できる仕組みとしたい考え。


  1. 2015/07/17(金) 05:51:54|
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7月15日 

http://zuuonline.com/archives/72545
世界的な医師不足を解消するアプリ「Curely」とは?
2015/07/15 in ZUU TOPICS, ビジネストレンド

 2008年に米国シリコンバレーで創設された教育機関シンギュラリティ・ユニバーシティ(SU)は、人工知能研究の世界的権威レイモンド・カーツワイル氏と有人宇宙飛行コンテストで知られるXプライズ財団のピーター・ディアマンディス氏が共同創設した超未来志向の大学であり、ヘルスケアスタートアップの人材供給源にもなっている。

 2015年7月7日、シンギュラリティ・ユニバーシティ卒業生が創設したキュアリー社が、世界的な医師不足に対応するモバイル遠隔医療アプリケーションサービス「Curely」を発表した。iOS、Androidそれぞれに対応したアプリケーションがダウンロード可能だ。
 「Curely」は、離島・へき地といった対面診療が困難な地域や、医師不足が深刻な新興国市場を想定したもの。狭い帯域幅に対応したメッセージングプラットフォームを採用し、第3世代(3G)通信ネットワークが整備されていない環境でも利用できるようになっている。サービスの特徴を整理すると、下記の3点になる。

・国境を越えたクラウドソーシング:インターネット情報に頼って自己診断せざるを得ない消費者に対して、世界中の専門医師がオンラインで対応する。
・ダイナミックプライシング:クラウドソーシングに参加する医師が自分の空いている時間帯や料金を提示し、マーケットプレイスモデルで価格が決まる。
・オープンなコミュニケーション:やりとりの際には匿名性を維持し、消費者が率直な気持ちでコミュニケーションできるようにする。

 キュアリー社のシードラウンドに関しては、ベンチャーキャピタルのエクスポネンシャルパートナーズが主導して200万米ドルを調達している。
シンギュラリティ卒業生の多国間・異業種間連携ネットワークが強み
 キュアリー社を立ち上げたのは、医師のクリスチャン・アサド氏とポール・リー氏、メディア起業家のジョシュア・ホン氏を中心とするシンギュラリティ卒業生チームだ。
 アサド氏は循環器専門医で、グーグルグラス(Google Glass)を利用した仮想現実(AR)技術の臨床医療研究(CPRGLASS)に関わり、シンギュラリティ・ユニバーシティのプログラムで教鞭をとった経験もある。科学と技術とポップカルチャーを組み合わせたシンプルなプラットフォームづくりが、彼の真骨頂だ。
 リー氏は、英国オックスフォード大学で分子生物学を専攻し、韓国のカトリック大学校で医学を学び、公衆衛生実務を経てシンギュラリティ・ユニバーシティに進んだ経歴を持つ。キュアリー社以外に、獣医向けモバイルアプリケーションサービス「Kuddly」の共同創設者でもある。
 ホン氏は、パデュー大学でインダストリアル・エンジニアリングを専攻し、シカゴ大学でMBAを取得した後、シンギュラリティ・ユニバーシティで学んでいる。アーサーアンダーセン社のコンサルティング業務、ドイツ銀行の投資銀行業務を経て、オンラインロールプレイングゲームのK2ネットワーク社(現リローディッドゲームス社)を立ち上げた経験を有するユニークな起業家だ。
日本発ヘルスケアスタートアップの鍵は「民」の役割
 日本では、文部科学省や主要国公私立大学が中心となり、若い世代の「内向き志向」を克服した上で、国際的な産業競争力の向上し国と国の絆を強化する基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材の育成を図っている。大学教育のグローバル化のため体制整備を推進する「スーパーグローバル大学等事業」を展開してきたのもその一環だ。
 だが、伝統的な大学組織や教育カリキュラムの延長線上では、シンギュラリティ・ユニバーシティのように、多国間・異業種間連携ネットワーク構築の機会を継続的に提供することは難しい。まして、他学部との接点がもともと少ない医療系学部・研究科で学ぶ日本の学生や卒業生にとって、スタートアップに向けた人脈づくりは大きな課題となっている。
 積極的な橋渡し役として「民」が動くことが、政府の掲げる健康・医療の成長戦略推進に不可欠だろう。
笹原英司(NPO法人ヘルスケアクラウド研究会・理事)
宮崎県出身、千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(医薬学博士)。デジタルマーケティング全般(B2B・B2C)および健康医療、介護福祉、ライフサイエンス業界のガバナンス・リスク管理関連調査研究・コンサルティング実績を有し、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所などで、Health-Techスタートアップに対するメンタリング活動を行っている



http://www.sankei.com/life/news/150715/lif1507150022-n1.html
抗がん剤死亡、医療過誤は否定 千葉県がんセンター
2015.7.15 10:11 産経ニュース

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で、肝臓がんの男性が抗がん剤などを投与された3日後に死亡した問題で、同センター内に設置された事故調査委員会は15日、会見を開いて調査結果を公表した。遺族から了承を得られなかったとして詳しい経緯などは非公表としたが、関係者によると、調査結果では「医学的に問題はなかった」として、医療過誤の可能性は否定した。

 治療は3月16日、50代の男性医師が脚の付け根の血管から患部へ管を通し、抗がん剤などを投与。患者の男性は同19日未明に容体が急変し、同夜死亡した。

 同センターをめぐっては、平成20~26年に腹腔鏡下手術を受けた50~80代の男女11人が、手術後約9カ月の間に死亡していたことが発覚。3月の医療に関わった男性医師はこのうち8例を担当していた。この件を含めて調査してきた第三者検証委員会も15日に最終報告書を公表し、医療の選択方法やチーム医療体制に問題があったことなどを指摘した。

 会見で同センターは、医療ミスの原因を分析するチームの拡充や、新規・高度な医療を導入する際に開催する審査委員会の新設などで再発防止に取り組むとした。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0715/ym_150715_1999677452.html
千葉県がんセンターが改革策…患者死亡受け
読売新聞7月15日(水)18時32分

 千葉県がんセンター(千葉市)で腹腔鏡ふくくうきょう手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、同センターは15日、再発防止に向けた改革策を発表した。
 保険適用外の医療技術を用いる妥当性などを審査する「未実証医療審査委員会」を新設したほか、主治医を介さずに別の医師の意見を聞くための「セカンドオピニオンセンター」の開設などを盛り込んだ。
 同がんセンターでは2008年6月〜14年2月に手術を受けた男女計11人が、手術当日から約9か月後までに死亡した。このうち少なくとも7人は、保険適用外の高難度手術だった。
 そのため、新たに高度な技術を要する治療を行う場合、7月1日に新設した同委に諮ることをルール化した。同委は副病院長をトップに各診療科の医師らで構成され、妥当性審査のほか、患者の危険性に対する配慮、同意の取り付け方などを審査する。
 セカンドオピニオンセンターは8月1日に設置する予定で、別の医師の意見を求める患者に、院内外の医師を紹介したり、必要書類の準備を支援したりする。



http://jp.wsj.com/articles/JJ12693326592348684018320179334322776451777
同意説明、委員会で審査=腹腔鏡死で最終報告—千葉県がんセンター
2015 年 7 月 15 日 17:30 JST 更新[時事通信社]

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で2008年以降、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、県の第三者検証委員会(会長・多田羅浩三日本公衆衛生協会会長)は15日、最終報告書を公表した。患者に対するインフォームドコンセント(十分な説明と同意)が不十分だったと指摘しており、同センターは医師の説明などを審査する委員会を新設したと発表した。

 報告書は検証対象の手術11例中、1件を除いてインフォームドコンセントなどで不十分な点があったと結論付けた。同センターは改革案として82点を列挙。インフォームドコンセントがマニュアル通り行われているか審査する委員会の新設や、腹腔鏡手術を録画して後で検証できるようにすることなどを盛り込んだ。 



http://apital.asahi.com/article/news/2015071500017.html
聖マリ医大、入院患者4割減 川崎市立ち入り検査終了
(朝日新聞 2015年7月15日掲載)

 聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)の医師23人が不正に取得するなどした精神保健指定医の資格を取り消された問題で、川崎市は14日、2日間の立ち入り検査を終えた。今春の問題発覚後、病院は診療を制限しており患者数が大幅に減った現状が確認された。

 市によると、1月と6月の1日の平均患者数を比べたところ、入院で約4割、外来で約2割減っていた。今夏中に常勤と非常勤の医師計9人を補充するが、大学は今後、資格を取り消された医師の学内処分も予定している。地域の医療態勢維持に向け、市は「これ以上、病院の機能が落ちないよう求めた」と説明した。

 カルテなどに大きな問題はなく、不正取得は組織ぐるみではなかったと判断。ただ、人権や順法意識の徹底を求めたという。現時点では市としての処分や補助金カットなどは行わないとした。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150715/CK2015071502000183.html
【神奈川】
医療体制再生は一定の時間必要 聖マリ病院検査で川崎市

2015年7月15日 東京新聞

 聖マリアンナ医大病院(川崎市宮前区)の医師が精神保健指定医の資格を不正取得した問題で、同病院を立ち入り検査した川崎市の坂元昇医務監らが十四日、病院内で記者会見し、法令上の新たな問題は見つからなかったが、病院側が不正取得した医師を今後処分することなどで医療機能のさらなる低下を招かないよう要請したことを明らかにした。
 検査は十三、十四の両日、実施した。今回の問題が影響したとみられ、六月は一月に比べて精神神経科の外来の患者数は約二割減るなどした。厚生労働省が不正取得した資格を取り消したことなどを受け、病院側は医療体制を整えるため七月に医師七人を非常勤採用し、八月からは二人を常勤で雇用する。しかし坂元氏は、医師の処分などを考慮すると、問題が発覚する以前の体制に戻すには「一定の時間がかかる」との見方を示した。
 今回の問題について坂元氏は「精神保健の法の精神、患者の人権をどう守るかの配慮に欠けることから起きた」と指摘。病院側と市が同法について一緒に勉強する機会を設けるという。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H8K_U5A710C1000000/
聖マリアンナ医大病院、指定医不正問題発覚後に患者2~3割減
2015/7/14 23:08 日本経済新聞

 川崎市は14日、精神保健指定医資格の不正取得があった聖マリアンナ医大病院(同市)に13日から実施した定期検査について記者会見した。市の坂元昇医務監が、神経精神科の患者数は問題発覚後、外来で約2割、入院で約3割減っていると説明。「病院の機能低下は避けられていない」と述べた。

 坂元医務監らによると、発覚前の今年1月は、同科の外来患者が1日平均129人、入院患者が同36人だったが、先月の時点でそれぞれ108人、21人に落ち込んだ。坂元医務監は「(処分で)医師の数が減り、指定医も減ったことが原因」と分析した。

 不正取得が組織ぐるみだったかどうかについては「同じ症例を何人もコピーして国に送り、不正が発覚した。組織ぐるみであれば、もっとばれないようにしたはず」との認識を示した。

 不正取得問題で厚生労働省は、病院の退職者を含む医師23人の指定医資格を取り消した。病院の指定医は2人に減り、今月に入って関連先に出向するなどしていた指定医7人を復帰させた。〔共同〕



http://www.asahi.com/articles/ASH7H3C9GH7HOIPE007.html?iref=comtop_6_05
中京病院部長を再逮捕 長野でも診療所不正開設の疑い
2015年7月15日15時12分 朝日新聞

 愛知県岡崎市で診療所が不正に開設され、医師不在のまま美容医療をしていたとされる事件で、愛知県警は15日、独立行政法人地域医療機能推進機構「中京病院」(名古屋市)の形成外科部長、浅井真太郎容疑者(50)=医療法違反罪で起訴=が、長野県松本市でも同様に診療所の不正開設に関わった疑いが強まり、医療法違反の疑いで再逮捕した。

 県警は同日、新たに松本市の診療所の経営者、植野令子容疑者(56)を同法違反容疑で逮捕した。

 2人の逮捕容疑は、植野容疑者に医師免許がないにもかかわらず、2012年夏ごろから同年末までと、13年1月~14年9月の計2回にわたり、長野県の許可を得ずに、美容クリニックを不正に開設したというもの。



http://apital.asahi.com/article/news/2015071500010.html
飯塚病院、素早く初診 総合診療科、待ち時間半減
2015年7月15日

 初診の外来患者の待ち時間を半分に短縮したとして、飯塚市の飯塚病院総合診療科の医師江本賢さん(35)が、京都市で5月に開かれたアメリカ内科学会日本支部の年次総会で、臨床研究奨励賞を受賞した。

 総合診療科は1日の平均外来患者数は65人で、うち初診は18人。医師4~5人で対応しているが、昨年6月の初診の平均待ち時間は1時間8分だった。これに対し、予約がある再診患者は17分だった。

 昨年4月、江本さんをリーダーに、業務の無駄をなくす院内の改善推進本部のメンバー、看護師ら数人とチームを立ち上げ、初診の待ち時間の短縮をテーマに検討を重ねた。その結果、待ち時間を平均30~40分に短縮。今年4月は平均24分だった。

 改善点は細かい。これまで紹介状や問診票などを収めた患者のファイルは、医師が診察室から出て総合診療科の受付まで取りに行っていたが、ファイルを患者に持たせるように改めた。患者がファイルを持って来るため、診察前の医師の無駄な動きが省けた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46206.html
大阪医科大、地域の要請で民間病院譲り受け- 経営悪化の病院を再生、今月から運営開始
2015年07月15日 14時00分 キャリアブレイン

 大阪医科大(大阪府高槻市)は、社会医療法人信愛会や地域などの要請を受け、新生病院(同市、214床)を譲り受け、今月1日から同大三島南病院としての運営をスタートさせた。今後、病棟や外来の改修を順次行い、地域の病院としてケアミックス型病院を目指す考えだ。【坂本朝子】

 同大は、経営状態が悪化していた新生病院の経営を立て直すため、半年ほど前に、同院を経営する信愛会から移譲の打診を受けたという。地域から同院の存続を求める声もあり、行政や医師会の理解も得られたことから、譲り受けを決定した。

 同大附属病院(901床)と三島南病院は車で20分ほどの距離。今後、近隣の医療機関も含め、医療連携を図っていくのをはじめ、回復期リハビリテーション病棟や医療療養病棟があることから、大学附属の病院として回復期や慢性期の患者の治療やケアを学ぶ教育の場としても活用していく方針だ。

 担当者によると、今後、病院の機能はそのまま維持した上で、病棟や外来の改修を順次実施していき、老朽化した建物の整備を図っていく予定だという。



http://www.chibanippo.co.jp/news/national/267365
無資格医が措置診察 千葉県、未確認を陳謝
2015年07月15日 11:56 千葉日報

 千葉県は14日、精神保健指定医の資格がない男性医師に患者2人の措置診察を命じていたと発表した。診察の結果、2人は措置入院となった。別の指定医による再検証で診察結果は妥当と判定されたが、県は連絡がついた1人に謝罪した。

 県障害福祉課によると、精神障害者による犯罪などがあった場合、県は県精神神経科診療所協会から提供された医師名簿に基づき指定医2人に診察を命令する。だが、男性医師は指定医の研修を受けず失効していたことが判明した。

 同課は「資格の有無を確認せずに患者に多大な迷惑をかけた。再発防止に努める」と陳謝。名簿に記載された他の医師347人はすべて資格があることを確認したという。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO89161120Q5A710C1TZT001/
医療費抑制、実現性に課題 病床20万削減の政府目標
病院側反発、「枠」は既得権

2015/7/12付 日本経済新聞

 「全国の病院のベッド数を20万人分減らす」。政府が6月にまとめたベッド(病床)数の削減目標が医療現場に波紋を広げている。高齢化への対応や医療費抑制を目的に、軽症の患者は病院から自宅や介護施設に移ってもらうことを目指す。ただ現場の医療関係者らからは反発の声が強い。実現可能性はあるのか。

 病院や診療所のベッドは2013年時点で全国に135万床。ここ20年ほどは緩やかな減少傾向が続いている。

 これをさらに減らそうというのが、6月に内閣官房の専門調査会(会長・永井良三自治医科大学長)がまとめた報告だ。報告書によると、今の制度のままだと団塊の世代が75歳以上になる25年には152万床が必要になる。この結果、医師の数など十分な医療体制が提供できなくなる恐れがある。医療費も膨らむ。

■九州四国は3割減
 このため病院の役割を見直し、手厚い医療を必要としていない30万~34万人については自宅や介護施設での治療に切り替える。必要なベッド数は115万~119万床となり、13年よりも1割以上少なくなる。

 削減目標を地域別に見ると、41道府県でベッドが減る。特にベッド数が多い四国・九州では3割以上減るところが目立つ。逆に増えるのは高齢者が急増すると見込まれる東京都と千葉県、埼玉県、神奈川県と、大阪府、沖縄県の6都府県。今後、政府は目標実現に向けた計画策定を都道府県に求める。

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 ベッド数の削減は医療費抑制のカギを握ると考えられている。自治体ごとに人口あたりのベッド数と1人当たりの入院医療費を調べると、ベッドが多い都道府県ほど医療費が多くなる傾向がある。「病院がベッドを埋めて収益をあげようとし、不必要な入院が増えやすくなる」(日本総合研究所の西沢和彦上席主任研究員)ことなどが理由とされる。

 ベッド数が減少した分の患者の受け皿は自宅や高齢者住宅、介護施設などが担う。そのためには、ベッドの機能をより明確にしたうえで「切れ目の無い医療・介護を提供する」(目標をまとめた甘利明経済財政・再生相)ことが必要だ。

 具体的には、重症患者を集中的に治療する高度急性期や急性期のベッドを減らす。急性期のベッドは医療費が膨らみがちだが、実際には回復した患者が入院し続けるケースもある。今回の目標では高度急性期と急性期を現在の3分の2程度にする一方、リハビリや自宅復帰を目指す回復期を3倍に増やすこととした。

 ただ、政府の思惑通りに削減が進むかは不透明だ。国はベッドの増設などを制限する権限はあるものの、すでにあるベッドの削減を強制することはできない。特に日本ではベッド数の8割は民間病院が占める。各病院の経営に直結するだけに、削減は容易ではないとの見方が多い。

 北陸地方の中堅病院の医師は「ベッドを減らす動機がない」と指摘する。この病院は看護師不足で現在も約50床が稼働していないが、「いったん枠を減らすと、もう一度増やせる保証がない」(同)。すでに枠を持っている病院にとっては既得権益といえる。

■懸念は患者側にも

 日本医師会も目標が発表された直後、「こんな数字は納得できない」(横倉義武会長)と反発する声明を出した。

 懸念は患者側にもある。構想は、症状の改善に応じて患者が病院を移ることが前提だ。日本では「大病院信仰」が強く、治療の途中で退院を促されることに不安を持つ患者も少なくない。同じ医師にずっと診てもらえないことに対する不満も出そうだ。患者の意識改革や受け皿となる施設の拡充は欠かせない。

 高橋泰・国際医療福祉大教授は、ベッド数を削減するための方法として、供給が多すぎる地域のベッドについて、返上した病院に補助金を支払う仕組みを提言する。高橋教授の試算では、1床あたり500万円を支払っても医療費の削減効果により3~4年で元が取れるという。高橋教授は「限られた財源で地域に必要な病院を維持するにはベッド数の削減が欠かせない」と話す。

◇            ◇

■人口あたりベッド数 日本、先進国で最多

 日本の医療機関のベッド数は、先進国の中でも突出して多い。

 経済協力開発機構(OECD)によると、日本は人口1000人当たり14床。2位の韓国(9床)、3位のドイツ(8床)を引き離す。このほかの先進国はフランス(6床)、米国(3床)、英国(3床)などいずれも少ない。

 日本では国が1973年から10年間、高齢者の医療費を無料にした。自己負担がなくなったため医師も患者も気軽に入院を決めるようになり、ベッド数が急増する要因になった。

 日本の医療費は年間約40兆円で、国の負担だけでも10兆円を超える。今後高齢化が進むと、支出はますます増えるのは確実で、抑制が急務になっている。

(山崎純)

[日本経済新聞朝刊2015年7月12日付]



http://www.caretomo.com/carenews/4967
療養病床の在り方を議論 厚労省検討会
2015-07-15 21:00 けあニュース


今後の療養病床について議論
厚生労働省は7月10日、今後の医療・介護サービス提供体制について、療養病床の在り方や改革の選択肢の整理を行うため、「療養病床の在り方に関する検討会」の初会合を開いた。


転換が進まない療養病床
同検討会では、介護療養病床を含む療養病床の今後の在り方や、慢性期の医療・介護ニーズに対応するためのサービス提供体制の在り方について議論された。

介護療養病床とは、長期に亘り療養を必要とする要介護者に対して、医学的管理、介護を行う「介護療養型医療施設」として位置づけられるものだ。2011年までに廃止し、老健施設等への転換が促されたが、転換が進まず、廃止期限を2017年度末まで延長している。

療養病床の廃止まであとわずか
検討会では、人員体制や施設・設備の在り方、療養病床の制度上の位置づけ等が検討される。高齢者社会に突入し、ますます増加する重篤な患者や認知症患者、看取りが必要な患者のような慢性期の医療・介護ニーズにどう対応していくか、今年中にも取りまとめられる。


▼外部リンク

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/

療養病床の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/



http://www.qlifepro.com/news/20150715/inquiries-with-no-confirmation-on-pharmacists-patient-guidance.html
半田市立半田病院、疑義照会不要で確認書-薬局薬剤師の患者指導充実へ
2015年07月15日 AM11:00  QLifePro 薬事日報

愛知県にある半田市立半田病院は、事前に取り決めた7項目について院外処方箋調剤時の疑義照会を不要にする確認書を地域の薬剤師会と交わし、昨年9月から運用している。薬局での患者の待ち時間短縮、処方医の負担軽減が目的の一つだ。現在のところ疑義照会件数に大きな変化はないものの、形式的な疑義照会を減らすことによって浮いた時間を、薬局薬剤師の患者指導や薬歴記載の充実に振り向けてほしいとしている。
知多薬剤師会、美浜南知多薬剤師会と確認書を交わした
疑義照会を不要としたのは、[1]成分名が同一の銘柄変更[2]剤形の変更[3]別規格製剤がある場合の調製規格の変更[4]服薬管理等の面から必要と判断して実施する保険請求を伴わない半割、粉砕、混合等の調製[5]同様の一包化調製[6]貼付剤や軟膏類の包装、規格の変更(クリーム5g4本を10g2本に変更など)[7]残薬の調整での処方日数の短縮――の7項目。

いずれも疑義照会を受けた場合に処方医がほぼ間違いなく合意する項目だ。これら7項目については、患者の声を十分に聞いて同意を得た薬局薬剤師の判断に委ね、形式的な疑義照会の手間を省いて、事後にFAXで変更内容の報告を求める形にした。

取り組むきっかけになったのは京都大学病院の事例だ。同院は13年10月から、合意書を交わした薬局を対象に、疑義照会の一部を不要とする運用を開始した。この仕組みは、薬局での待ち時間短縮、処方医の負担軽減、薬局薬剤師の患者指導の充実に役立つとして、半田病院薬剤科と地域の薬剤師会が協議を重ね、7項目については「包括的に薬剤師法第23条第2項に規定する医師の同意がなされたとして、個別の処方医への同意の確認を不要とする」と定めた確認書を策定した。

同院と知多薬剤師会、美浜南知多薬剤師会がそれぞれ確認書を交わし、昨年9月から運用を開始した。各会の会員薬局計90軒に確認書の記載事項が適応されている。

運用開始から約10カ月が経過した。開始前5カ月間の疑義照会件数は662件(院外処方箋発行枚数の1・2%)だったのに対し、開始後今年2月まで5カ月間の件数は616件(1・13%)だった。減少傾向は認められるものの、現在のところ疑義照会件数に大きな変化はない。

ただ、「残薬の調整での処方日数の短縮」に関する疑義照会件数は、開始前は102件だったが、開始後は51件に減少し、効果が認められた。さらに、事後報告を含めると開始後は合計で221件に増えていた。「これまでは次回外来受診時に調整するよう伝えていた場合でも、病院に問い合わせて患者さんを待たせることがなくなったため、薬局薬剤師が残薬調整に積極的に関わるようになったのではないか」と同院薬剤科の横田学氏は語る。

同院薬剤科は今後、薬局薬剤師の在宅医療への参加を後押しする勉強会や講習会を開いたり、退院時カンファレンスへの参加を呼びかけたりして、薬薬連携を推進したい考えだ。



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20150715-OYTNT50383.html
難度高い手術、事前審査…県がんセンター改革策
2015年07月16日 読売新聞

 県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔鏡ふくくうきょう手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、同センターは15日、改革策を発表した。保険適用外の高難度手術などを事前審査する「未実証医療審査委員会」の創設など組織やルールづくりを柱に据え、記者会見した永田松夫病院長は「改革の継続、見直しを行い、現場に浸透させる努力をしなければならない」と強調した。


 また、3月に報告書を公表した第三者検証委は同日、死亡11例中の8例を執刀した男性医師への聴取結果を公表した。医師は「私の見解と異なる部分もある。しかし、真摯しんしに受け止め、反省しなければならない」と述べている。

 同センターでは2008年6月~14年2月に手術を受けた計11人が手術当日から約9か月後までに死亡したことを受け、14年11月から、病院長がトップの改革本部が対策を練ってきた。死亡事例はいずれも倫理審査委員会に諮られていなかったため、同委に諮るべき手術の範囲を明確化した。手術の手法選択で迷うような「グレーゾーン」の事例は、医師が未実証医療審査委に相談する仕組みとした。同センターは「従来は個々の医師に委ねられていたが、他者が審査する全国的にも新しい取り組み」とする。院内の医療安全管理委員会の権限も強化し、手術の中止勧告も出せるようにした。

 また、腹腔鏡手術全件の映像記録を最低3か月保存。インフォームドコンセント(説明と同意)に関するマニュアルも整備し、手術前に、合併症や死亡の危険性を説明することを明記した。



http://www.sankei.com/region/news/150716/rgn1507160044-n1.html
千葉県がんセンター、風通しの良い病院「浸透を」 検証委報告を受け
2015.7.16 07:04 産経ニュース


 県がんセンター(千葉市中央区)で、腹腔鏡下手術を受けた患者11人が手術後約9カ月の間に相次いで死亡した問題は、15日に第三者検証委員会の最終報告書が提出されて一連の調査が完結した。このうち8例を担当した男性医師が、抗がん剤を投与した3日後に患者が死亡したケースも含め、医療の選択方法やチーム医療体制に問題があったことなどを指摘された同センターは、同日の会見で引き続き再発防止に取り組む意向を示した。

 同センターでは、患者に必要な説明をしたか点検するシートを作成。医療ミスの原因を分析するチームを拡充するなどの改善にすでに着手している。

 主治医以外の医師に意見を聞く「セカンドオピニオン・センター」も8月に新設する予定だといい、風通しの良い病院作りを目指すとしている。会見で同センターの永田松夫病院長らは「継続的に改善を行い、現場まで浸透させる」と述べた。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201507/20150716_13019.html
<カルテ不正閲覧>病院管理者が給与一部返納
2015年07月16日木曜日 河北新報

 父親から家庭内暴力を受け大崎市民病院(大崎市)に保護入院した姉妹の電子カルテが病院職員らに不正閲覧された問題で、市の阿部健雄病院事業管理者は15日、同病院で記者会見し、職員管理上の責任を取って自身の給与の一部を自主返納すると発表した。
 返納するのは8月の給与1カ月分の30%。阿部管理者は「病院トップとして責任を明らかにし、職員の意識改革を促したい」と述べた。また、職員が患者の個人情報に不必要に触れるのを防ぐため、電子カルテを閲覧する際、職務権限に応じたアクセス制限を設けるシステムの見直しをすることを明らかにした。
 同病院はこれまで、不正閲覧は職員個々のモラルに起因するとし、システムの見直しについては消極的だった。検討中のアクセス制限についても、業務上の必要性から、医者と看護師は除外するという。


  1. 2015/07/16(木) 09:51:48|
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7月14日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46196.html
聖マリに立入検査、「組織ぐるみではない」- 川崎市、精神保健指定医の不正取得で
2015年07月14日 21時45分 キャリアブレイン

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市宮前区)に勤務・在籍経験がある精神保健指定医23人が、指定医の不正取得にかかわったとして資格を取り消された問題をめぐり、川崎市は13、14の両日、同病院に立入検査などを実施した。検査終了後、市は「組織ぐるみではなかった」との判断を示した上で、診療体制を縮小している神経精神科の機能を早期に回復するよう病院側に求めたことを明かした。【丸山紀一朗】

 厚生労働省は4月と6月、資格の取得申請に必要なレポートに、診療に十分かかわっていない症例を記載するなどした指定医と、その指導を担当しながら、十分な確認をせずに署名した指定医ら計23人の資格を取り消した。その全員に同病院での勤務・在籍経験があった。

 これを受けて同市は、医療法に基づく立入検査と、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)に基づく実地指導を実施。検査時期を通常より前倒ししたほか、200人以上のカルテを確認するなど、指定医不正取得にかかわる事項を重点的に調べたという。

 市健康福祉局の坂元昇・医務監は記者団の取材に、医療法に基づく立入検査では指摘事項はなかったと述べた。一方で、精神保健福祉法に基づく実地指導の結果、今回の問題が起きた背景には、同法の理念や精神疾患患者の人権に対する病院側の理解不足があるとし、これらについて市と病院とが共同で勉強する機会を設けるとした。

 坂元医務監はまた、「世間一般から見ると、組織ぐるみではないのかという疑義があるかと思うが、今回調べたところ組織ぐるみではないと断言できる」と説明。組織的に悪意を持った不正であれば問題は発覚していなかったとの認識を示したほか、当初の20人に加えて病院が設置した調査委員会が自ら新たに3人の不正を明らかにした点などを根拠に挙げた。

■病院による医師処分でさらなる診療機能ダウンを懸念

 神経精神科の診療体制について坂元医務監は、指定医を取り消された医師の診療を限定した影響などで、6月時点の外来患者数は今年1月時点と比べて約2割減り、入院患者数は約4割減ったと説明。病院側は外来機能強化のため、今月1日付で7人の非常勤医師を採用したほか、さらに入院機能の回復も図るため来月、常勤医師2人を採用する予定だという。

 また坂元医務監は、病院側が今後、独自の医師処分を検討しているとし、「その処分次第ではさらなる医療機能の低下も想定されるので、そうならないように例えばさらに医師を採用するようお願いした」と述べた。今回の検査などの結果は今後、国に報告される。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46202.html
医師数、地域包括ケア病棟算定病院で不足- 地域や診療科偏在の傾向変わらず、日医総研
2015年07月14日 19時19分 キャリアブレイン

 日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は、全国の病院を対象に「必要医師数」(現在の医師数に追加して必要な医師数)を調査した結果をホームページ上で公表した。病院が保有する病棟機能別の比較分析では、1つの病院で急性期、回復期、慢性期の3つの機能を持つ病院で最も医師を必要としており、「地域包括ケア病棟入院料を算定しているような病院で医師不足となっている」と指摘。また、地域や診療科による偏在は、これまでの先行調査と同様の傾向が見られたという。【坂本朝子】

 同調査は、地域別・診療科別に必要医師数の実態を把握し、医師の確保や偏在を解消する対策を検討するのが目的。全国8642病院を対象に、郵送で調査票を送付。6月2日までに4319病院から有効回答を得た。

 調査の結果、医師を必要としている病院と必要としていない病院が共に50.0%で、実際に求人中の病院は37.0%、求人をしていない病院は63.0%だった。

 地域別では、福井県(必要求人医師数倍率1.15)、秋田県(1.14)、静岡県(1.12)などで医師が不足しているとみられる。一方で、東京都(23区のみ)では医師を必要としている病院が3割強にとどまり、ほかの地域と比べて医師が充足していることが示唆された。

 診療科別では、リハビリテーション科(1.14)、救急科(1.10)などで、また総合診療科などの全科を見る診療科(1.09)で医師不足の傾向が見られた。

 病院が保有する病棟機能別では、急性期と回復期と慢性期(1.14)、急性期と慢性期(同)、回復期と慢性期(1.11)、急性期と回復期(1.10)、高度急性期と回復期(同)、高度急性期と急性期と回復期(同)など、複数の機能の病棟を併せ持つ病院で医師を必要としている傾向が強かった。

 そのほか、中小民間病院では医師不足とそうではない病院に二分している傾向や、二次救急医療機関の特に救急科で医師が不足している傾向などが見られた。

 また、医師を採用する方法(複数回答)としては、大学の医局などへの依頼が75.1%を占め、次いで民間職業紹介事業者46.9%、直接採用44.2%の順だった。新医師臨床研修制度の導入で研修医の大学病院離れが進み、大学病院で医師不足に陥っているとされるが、依然として大学病院の医師派遣機能に期待している病院が多い実情が浮き彫りになった。



http://mainichi.jp/area/okayama/news/20150714ddlk33010553000c.html
高梁市:医師不足解消へ奨学金 募集始める /岡山
毎日新聞 2015年07月14日 地方版

 医師不足に悩む高梁市は、将来的に市内で医師として働く意思がある医学生を対象にした奨学金制度を創設し、13日、希望者の募集を始めた。全国の医学生が対象で、締め切りは27日。

 貸付期間は在学中の6年間を限度とし、金額は無利子の月20万円以内。返還猶予期間は最大9年間だが、貸付期間の1・5倍の期間、市内で医師として勤務すると、返還が全額免除される。今年度は費用として480万円を計上。上限に達しない場合は12月まで受け付ける。

 同市では、条件は異なるが看護師と介護福祉士に関する奨学金制度も設けている。問い合わせは市保険課(0866・21・0258)。【山本麻美子】



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150714-OYT1T50122.html
遺族「反省しているのか」…誤投与の医師に有罪
2015年07月14日 20時19分 読売新聞

 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で昨年4月、造影剤を誤投与して患者を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた整形外科医の飯高いいだか世子としこ被告(30)に対し、東京地裁は14日、禁錮1年、執行猶予3年(求刑・禁錮1年)の判決を言い渡した。

 大野勝則裁判長は、「初歩的な過失で責任は重いが、被害者や遺族に謝罪している」と述べた。

 判決では、飯高被告は同病院の研修医だった昨年4月16日、足の痛みで検査入院した女性(当時78歳)の脊髄の造影検査を行った際、重い副作用の恐れから脊髄への投与が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を誤って注射し、女性を急性呼吸不全で死亡させた。

 判決後の記者会見で女性の長男(52)は「本当に反省しているのか疑問。病院は事故の責任をとって安全管理体制を構築してほしい」と話した。



http://www.asahi.com/articles/ASH7G5S0SH7GUTIL04B.html
造影剤誤注入で患者死亡、医師に有罪判決「初歩的ミス」
2015年7月14日20時16分 朝日新聞

 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で昨年4月、女性患者(当時78)の脊髄(せきずい)に誤った造影剤を注入して死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われた女性医師(30)の判決が14日、東京地裁であった。大野勝則裁判長は「ミスはごく初歩的であり、過失は重い」として禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年)を言い渡した。

 判決は、造影剤の箱などには「脊髄造影禁止」と目立つように朱書きされていたと指摘し、「ほんの少し注意を払えば使用してはならないと容易に気づけた」と批判。一方で、「反省し謝罪を重ねている」とした。判決後、患者の次男(50)が記者会見し、「医師の教育が不十分であり、病院の過失も非常に大きい。刑事事件で医師しか裁けないのは限界を感じる」と述べた。

 判決によると、女性医師は昨年4月16日、脊髄造影検査をする際に、患者に脊髄への使用が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を誤って注入し、患者を死亡させた。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201507/20150714_63019.html
違法指導で移転、補助金減 病院が福島県提訴
2015年07月14日火曜日 河北新報

 東京電力福島第1原発事故で南相馬市から福島県新地町に移転した渡辺病院が13日までに、違法な行政指導で補助金を一部しか受け取れなかったとして、福島県に約7億3000万円の損害賠償を求める訴えを福島地裁に起こした。
 訴状によると、渡辺病院は福島第1原発から約26キロにあり、事故で緊急時避難準備区域に指定され、経営継続が困難になった。県と協議し新地町への移転計画を進め、2012年7月、県議会で関連予算が承認された。
 その後、公立相馬総合病院管理者でもある立谷秀清相馬市長が、医師の引き抜きを懸念した意見書を県に提出。県は「地元病院の理解を得るのが補助金交付の条件」と渡辺病院に通告した。
 渡辺病院は12年9月、開設許可を得て着工したが、県は補助金申請を受け付けず「翌年度に繰り越して申請可能」との説明も覆した。その上で交付可能額20億円の一部の約5億6000万円しか助成しなかった。
 県は「訴状は届いており、対応を検討している」と述べるにとどめた。



http://news.mynavi.jp/news/2015/07/14/618/
」地域医療基金、都が最高59億円 - 15年度配分計画
[2015/07/14] 共同通信

 地域の医療充実のため、都道府県ごとに設置されている基金の2015年度の配分計画が14日、判明した。予算額約904億円を2回に分け、3分の2に相当する610億8千万円の配分額を厚生労働省が今週中に都道府県に内示し、8月中に交付する。1回目の最高額は東京都の59億5千万円。

 基金は、団塊の世代が全員75歳以上となる25年の地域医療の将来像を示す「地域医療構想」を実現するため、都道府県が病院ベッドの機能再編や在宅医療の推進など医療提供体制の見直しに使う。配分額の残る3分の1は、地域医療構想の取り組み状況に合わせて年度内に交付する方針だ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23HB3_Q5A710C1SHA000/
名医を疑え 能力どう評価、患者も目磨く
揺らぐ信頼(4)

2015/7/15 2:00日本経済新聞 電子版

 その医師は「名医」と呼ばれるにふさわしい経歴と実績を誇っていた。

 難しい手術で積極的に腹腔(ふくくう)鏡を使い、200件以上の手術を手掛けた。専門分野の著作があり、ニュース番組でも取り上げられた。同じ分野の外科医は「学会ではスター的な存在だった」という。

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 2008年から14年にかけ、腹腔鏡手術を受けた患者11人が短期間で死亡した千葉県がんセンター(千葉市)。このうち8人は、この医師が執刀医だった。

 手術の多くは難易度が高い保険適用外で、倫理審査委員会の承認も得ていなかった。「手技への自信から腹腔鏡下での止血にこだわった」「専門分野への介入の困難さが、病院としての対応が遅れた原因」。県の第三者検証委員会による報告書からは、本人の過信や周囲がモノを言えない雰囲気が浮かぶ。元同僚は「名声が高く、病院も止めることができなかったのではないか」と話す。

 患者や家族にとって、どこで、どんな治療を受けるかは最大の関心事だ。信頼度の物差しは従来、症例数とされてきた。ただ後を絶たない医療事故には、豊富な経験と技術を持つ「名医」が関わるケースも目立つ。

 卵巣がんの患者団体「スマイリー」(東京都三鷹市)には、医師の対応に不信感を抱いた会員の相談が舞い込む。科学的根拠に基づき考えられる最良の治療を「標準治療」と呼ぶが、「標準治療が実施できていない病院も少なくない」(片木美穂代表)。「私の感触ではこの方法が効く」と強引に別の治療を進めたり、「その製薬会社は嫌い」との理由で古い薬を処方したりするベテラン医師もいる。

 生命倫理に詳しい京都大病院の佐藤恵子・特任准教授は「豊富な専門知識を持つ医師に対し、専門外の医師は声を上げにくい」という。千葉県がんセンターでは、医師や看護師らが対等な立場で情報を共有する「チーム医療」も機能していなかった。腹腔鏡手術に詳しく、技術認定医の資格を持つ関西労災病院(兵庫県尼崎市)の加藤健志・下部消化器外科部長は「経験豊富な医師にもチームとして監視の目を光らせる体制が必要」と話す。

 医師の能力を見極め、評価するにはどうすべきか。

 国立病院機構は10年から、グループ143の病院から診療情報を集め、87の指標を公表する。患者数や死亡率など変動しやすい結果でなく、診療の過程を重視する。自己流の手法にこだわる医師も多いが、岡田千春・病院支援部長は「他病院のデータとの違いを知ることで標準治療の質を底上げしたい」と話す。

 患者と医療者の交流を手掛ける民間企業「患医ねっと」(東京都文京区)は4年前から毎月、患者と医師の関係などを話すサロンを開く。延べ600人近くが参加した。鈴木信行代表は「患者が医療に深くかかわってこそ質の高い医療につながる」と信じる。

 名ばかりの名医ではなく、本当に良い医者を育てるためには、患者側の目を磨くことも欠かせない。



http://toyokeizai.net/articles/-/76963
調剤薬局が「儲かりすぎ」と批判される理由
医薬分業の"費用対効果"はどこにあるのか

平松 さわみ :週刊東洋経済編集部 記者
2015年07月15日 東洋経済

薬局でお薬手帳を断ると、20円支払いが安くなる――。こんな話を聞いたことはないだろうか。

カラクリはこうだ。薬剤師の調剤に対して支払われる調剤報酬のうち、薬歴の確認などに対しては「薬学管理料」という項目がある。現行制度では、お薬手帳の記載を含めたすべての指導を行えば、ここで41点がもらえるが、患者がお薬手帳を持参しなかったり配布を拒否したりして、お薬手帳への記載ができなかった場合は34点に減額される。

報酬は1点=10円として計算されるので、お薬手帳を含めた指導をすれば410円が薬局に入る。お薬手帳なしの場合は340円。その差額70円のうち、自己負担分が3割ならば、患者の支払いは20円安くなるというわけだ。

20円おトクになるなら、お薬手帳を断ったほうがいいのだろうか。医薬情報研究所エス・アイ・シーの堀美智子取締役は「とても低次元の議論」と一蹴する。「何をもって“おトク”といえるのか。20円を節約したばかりに薬剤師の指導が不十分になり、副作用などに苦しむかもしれない」(堀氏)。

薬剤師の指導にメリットを見いだせない利用者

とはいえ利用者は、薬剤師の指導に対するメリットを実感しにくいのかもしれない。「とにかく薬を早くもらって帰りたい」「医者に病状を説明したのだから、薬局でもう一度同じことを説明するのは面倒だ」という利用者は少なくない。こうした利用者にとっては、薬剤師の指導に対して20円の対価を支払う意義を見出せていないのだろう。

薬局には上述の薬学管理料や薬剤費(薬の代金)以外に、調剤基本料というものも付けられている。調剤基本料は原則41点だが、特定の医療機関の比率が高いなどの場合には25点に減算されることもある。


また、薬局のサービス体制に関する加算にはさまざまな要件がある。十分な数の医薬品を備蓄しているか、医療用麻薬の取り扱いがあるかなどだ。自局やほかの薬局と連携して24時間対応や在宅対応ができることも必要になる。

ほかにも後発医薬品調剤体制加算があり、ジェネリック医薬品(後発品)の調剤数量が一定数量を超えると加算される。ジェネリック医薬品の普及を後押しする形だ。

「かかりつけ薬局」の仕組みはうまく機能するか

これほど調剤報酬が付けられてきた経緯は、国が主導で「医薬分業」を進めてきたからだ。かつては病院内で薬をもらうのが一般的だったが、一部の医療機関で薬価差益を得るために薬を多く出す“薬漬け医療”が社会問題化した。

国は1970年代から薬価改定により差益を切り下げる一方で、院外の薬局には調剤報酬を手厚く加算して、利益誘導による医薬分業を図った。診察をする医師と薬を処方する薬剤師の間で役割分担をして処方する薬をダブルチェックし、医療の安全性を担保するとともに、医療費を抑制することが期待された。

こうした国策もあり、薬局業界は今や7兆円産業に成長した。ただ、医療機関から処方箋を応需するという性質上、薬局独自のビジネスモデルやサービスが、外からは見えにくい側面もある。それなのに、院外薬局で薬をもらう場合は、院内でもらう場合と比べて利用者の費用負担が大きいのが一般的だ。これが、薬局の「儲かりすぎ」批判につながることもあった。

2015年3月にはこうした薬局の“費用対効果”が、ついに政府の規制改革会議の俎上に載せられた。「薬局に調剤報酬がこれほど付いているのに、利用者に実感がないのは問題がある。そもそもこれまで医薬分業の政策効果について、きちんと議論されたことがなかった」(規制改革会議委員で日本総合研究所副理事長の翁百合氏)。

厚生労働省などは、利用者が実感できる薬局の機能を強化するため「かかりつけ薬局」の仕組み作りを進めている。利用者が自分の利用する薬局を決めることで、複数の医療機関でもらった薬の飲み合わせをチェックしたり、薬歴を管理したりすることが可能になる。24時間対応や在宅対応も進められている。ただ、薬局の機能が強化されるにしたがって、優秀な薬剤師に恵まれた薬局とそうでない薬局の間で大きな差が生まれそうだ。

「医薬分業」は本来、医療の安全性を担保する仕組み。これを順守しつつ、利用者のニーズや国からの医療費抑制の圧力にも応じていかなければならない。薬局業界は、きわめて重要な局面に差し掛かっている。


  1. 2015/07/15(水) 05:34:34|
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