Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月30日 

http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=45330
消費税率8%引上げで、持ち出しは78億円- 私立医科大協会が28大学分を推計
2015年03月27日 17時51分 キャリアブレイン

 日本私立医科大学協会はこのほど、消費税率引き上げによる影響についての調査結果を公表した。28私大の本院・分院の持ち出しの総額は2014年度で約78億円(設備関係費を含む)に上ると見込んでいる。日本病院団体協議会・代表者会議後の定例記者会見で明らかにした。【大戸豊】

 調査では、消費税率が8%に引き上げられる前の13年度の実績を基に、税率引き上げによる経費増と診療報酬による補填分を推計し、補填率などを計算している。対象は私立医科大附属病院29病院で、有効回答は28病院。調査は昨年4月に引き上げられた3%相当分だけを対象にしており、これまでの5%分は対象外。

 消費税が8%に引き上げられるのに合わせ、14年度診療報酬改定では、消費税の増税分が初診料や入院基本料部分に加点された。この診療報酬による補填率の割合は、設備関係費を含む場合、平均値は47.6%、設備関係費を含まない場合は平均値71.1%だった。
 また、消費税増税による持ち出し(本院・分院の総額)は、設備関係費を含む場合は77億9400万円、設備関係費を含まない場合は28億7900万円と推計された=表=。



http://www.m3.com/news/iryoishin/303341?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150329&dcf_doctor=true&mc.l=94342958
医療維新
大学病院と公立病院、急性期削減のターゲット - 土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授に聞く◆Vol.3
保険給付縮小など「負担のつけ回し」避ける

2015年3月29日(日)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療提供体制の改革」においては、入院受療率や入院医療費の地域差に着目されています。先生がメンバーでもある、政府の社会保障制度改革推進本部の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」などで各種データが出ていることから、生じた問題意識でしょうか。


土居丈朗氏によると、自己負担増の改革は、「単なる負担のつけ回し」と受け止められるので、今回の提言には含めなかったという。
 そうですね。

――年齢を調整しても、地域により入院受療率、ひいては入院医療費が異なる現状をどう見ておられますか。

 民間病院も一部は関係しますが、(地域医療構想における)急性期医療の問題は結局、特に高齢者が増えて、若い人が減少する地域における大学病院と公立病院をどうするか、という話がカギなのです。特に公立病院は、パブリックセクターであり、地域医療構想は都道府県が策定するのですから、知事の権限で何とかしてもらいましょう、ということ。医師会などは「知事の権限は、民間病院まで強制的に及ぶのか」と再三けん制していますが、問題となるのは主に公立病院です。

 もっとも、各都道府県は、これまで医療計画などは作ってきましたが、(地域医療構想により)ここまで大々的に「矢面に立つ」のは初めてなので、少し怯えている一面があります。都道府県は、地域医療構想の策定を通じて、1回レッスンした上で、それを改定する形で、2018年度に第7次医療計画の策定に取り組めば、(基礎的財政収支の黒字化目標である)2020年度、そして2025年度に間に合う。

――特に地方では、「○○県立中央病院」「○○市民病院」などが、地域の基幹病院であるケースが多い。

 その通りです。公立病院は、大学病院ほどには、研究に重きを置いていないこともあり、急性期病床が過剰だったら、回復期や慢性期にシフトすればいいと思うのです。あるいは病床が過剰な地域であれば、減らさなくてはいけない。県立病院であれば、開設者と地域医療構想を策定する権限者(知事)は同じなのだから、「自分で考えて、自問自答する」という、うまく責任が閉じた形になっている。

――公立病院が赤字で、一般会計からの繰り入れが多額になれば、知事は自分で自分の首を絞めかねない。

 そうなのです。賢明な知事なら、過剰なところは、引き締めていくでしょう。地域のニーズに応じた改革を行えばいいのです。

――入院受療率の是正は、地域医療構想を通じて進めていけば可能とお考えですか。

 急性期病床が過剰で、かつ大学病院や公立病院がある地域は、地域医療構想でほぼ何とかなると思います。あとは、特に西日本では、慢性期病床をどうするかという問題はありますが。

――先生方の提言の2番目、「後発医薬品の普及」ですが、まだ日本の普及率は低いとみている。

 スウェーデンは、(医療の財源は)税方式で賄っていることもあり、(薬局において最も低価格の後発医薬品への変更が義務付けられるなど)強制したりしているわけです。

――提言では、「調剤医療費の抑制・薬価の適正化」も掲げています。薬価の毎年改定に対しては、製薬企業などからの反対も根強いです。

 これは、提言を裏付ける試算上のこと。2年に一度の薬価改定による下げ幅を計算するのではなく、年率換算した数字を出したという意味です。共同提言では財政収支をいかに改善するかが目的なので、毎年改定しても、2年に一度の改定でも、結局行きつくところは同じ。実は毎年改定すれば、薬剤費を大幅に削減でき、2020年度の財政収支の大きな改善につながるわけではありません。

――医療費の抑制については、他にどんな対策を検討されたのでしょうか。規制改革の議論では、混合診療の解禁、市販薬類似医薬品の保険給付除外などもよく出てくる検討課題です。

 自己負担の在り方もアイデアとしてありましたが、「単なる負担のつけ回し」という話に聞こえないかと思ったのです。例えば、高齢者医療の自己負担を1割から3割に引き上げたり、受診時定額負担を導入すれば、その分、税金の負担は減りますが、結局、医療費の総額は変わらない。自己負担の増加策は、受診抑制につながるとの批判も強く、その結果、他の施策も含めて、「共同提言はダメだ」と言われるのを避けたいという考えもあり、今回は入れませんでした。

――だからこそ、医療提供側の改革にターゲットを当てた。一定の改革を行い、「筋肉質」の体質にした上で、国民の理解を得て、負担増を進めるという流れでしょうか。

 そうです。だから自己負担増関連の改革案は入れませんでした。

――ただ、介護保険については、「要支援1と2、要介護1では全額負担、要介護2~5では1割から2割に自己負担引き上げ」を提言しています。

 計1.1兆円の公費の削減が可能としていますが、「これらは給付効率化でも代替可能」と書いているように、その程度の金額の給付抑制を行う目安として提示しています。提言したいのは、「負担のつけ回し」ではない意味での介護の改革です。例えば、「軽度者への介護給付を、重症化予防に資するものだけに限定する」と言った時に、「何%の給付がそれに該当するか」と聞かれると、なかなかエビデンスがない。例えば、「ざっくり半分」と言っても、「どこからその数字が出てきたのか」「根拠がない」と言われるので、あくまで目安として額を出しました。

 なお、自己負担について言えば、医療保険における「現役並み」所得の高齢者という区分は、政治的妥協の産物にすぎず、全くナンセンス(編集部注:70歳から74歳までの自己負担は、「現役並み」所得者の場合は、2014年度から3割に変更)。「課税対象所得」で比較しているからです。夫婦2人世帯で、現役世代と高齢者世代があるとします。「課税対象所得」に控除された分を加えると、「課税前所得」。公的年金の控除が手厚いために、「課税対象所得」は同じであっても、「課税前所得」は高齢者の方が高い。本来なら、この「課税前所得」が「現役並み」の高齢者について、同等の負担を求めるべきです。介護保険では、私が社会保障審議会介護保険部会で問題視したこともあり、「現役並み」所得の高齢者という概念は介護保険では採用されませんでした(編集部注:2015年8月から、一定所得者以上の自己負担は1割から2割に引き上げ)。今後医療保険でもこの定義を改めるべきです。

――今回の提言は、誰に読んでもらいたいとお考えでしょうか。

 医療者だけでなく、広く国民に読んでもらい、理解、納得してもらいたいという思いが強いです。我々は、「弱者切り捨て」とか、「医療や介護の質を落とす」といった考えは全く持っていません。「医療の質を維持しながらも、改めることができる方法がまだ残っていませんか」ということを、申し上げたかった。

 「絶対に間違っていない」「これ以上、いいアイデアはない」と言いたいわけでもありません。提言の最後に書いてありますが、「これをたたき台にして、いろいろ議論してください」「もっといいアイデアがあれば、出してください」ということです。

 ただし、現時点の政権は、金額すら出そうとしないし、避けたがっている。覚悟のほどが見えない。今、この3月の時点では、逃げています。だから「逃げてはだめだ」というメッセージも送っています。「それは、無理筋だろう。これは削れない」というなら、別の削減策を出すか、消費税増税を認めるかのどちらかでしょう。

  先ほども言いましたが、もし国民の大半の人が「医療は削るな」と言い、消費税率を14~15%に上げることに賛成するなら話は別です。けれども、今の雰囲気では、とてもそういう感じではない。財政収支改善のために増税するのはダメというなら、何かを削って増税幅を小さくする。もちろん、無駄な非社会保障支出は削りますが、それは数兆円が出るかどうか。「増税幅をもっと小さくしろ」という話になるなら、社会保障に手をつけることは避けられません。



https://www.m3.com/news/iryoishin/307855?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150330&dcf_doctor=true&mc.l=94368837
医療維新
シリーズ: 日医代議員会
「過剰病床、削減の仕組みにあらず」
中川副会長、地域の実情に合った地域医療構想を強調

2015年3月30日(月)配信橋本佳子(m3.com編集長)
地域医療構想について答弁する、日医副会長の中川俊男氏。
 日本医師会は3月29日、第134回臨時代議員会を開催、副会長の中川俊男氏は、4月から開始する地域医療構想について「不足している病床機能を手当てする仕組みであり、過剰な病床を削減する仕組みではない」と強調、地域医療構想の達成目標を2025年でなく2030年に延ばす措置もあるなど、病床が強制的に削減される事態は生じないことに理解を求めた。

 地域医療構想をめぐっては、「慢性期」機能に当たる療養病床の入院受療率の地域格差を是正する方針が打ち出され、療養病床の削減を危惧する声は根強い。中川副会長は「ある構想区域において、既存の慢性期機能の病床数が、必要病床数よりも上回っている場合、それを理由に、県の要請や指示・命令によって、病床機能の転換や削減を強制されることはない」と説明。地域医療構想の4つの病床機能のうち、「慢性期」については「在宅医療等と一体的に推計する」と記されている。中川副会長は、「在宅医療ありき」ではなく、構想区域によっては療養病床が、反対に別の構想区域では在宅医療等が、それぞれ「慢性期」の主体になる地域医療構想があり得るとした。

 それでもなお、三重県代議員の青木重孝氏からは、「楽観にすぎると思う」という手厳しい指摘も出た。小泉政権下の社会保障費の伸びの年2200億円抑制、37万床の精神科病床の削減に続く施策が、地域医療構想であるとし、今後の診療報酬改定でさまざまな施策が打ち出され、地域医療構想が定める4つの病床機能への誘導が図られるとの見通しを語った。「この点を分かった上で、どう手を打つかを考えるのは日医の役割」(青木氏)。青木氏以外からも、「地域医療構想は、病床機能再編の強力なツール」との危機感が伺える発言が相次いだ。

 これに対し、中川副会長は、地域医療構想は、各病床機能の目標に向けて「じっくり、ゆっくり、自主的に収斂させていく」ものであり、「あくまで医療法に基づく仕組みとして作った」と強調、その上で、中央社会保険医療協議会の委員も務める立場から、次のように語った。「診療報酬と地域医療構想をリンクさせると、その時点で大幅な医療費削減をもくろむ病床削減の仕組みに変質し得る。全力で診療報酬とリンクすることがないよう主張していく。ただ、政府は2020年のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化に向けて、大幅な公費削減を主張しており、診療報酬自体の削減を求める動きが出てくる。この点については別途、中医協で戦っていく決意だ。楽観すぎるとは思っていない」。

 地域医療構想については、原則2次医療圏単位となっている構想区域が実態に合わないとの指摘も出た。中川副会長は、「東京都全域での構想区域の設定も十分に可能」と答弁し、各地域の実情にあった医療提供体制の構築を目指し、地域医療構想も地域に応じて柔軟に策定していくべきとの考えを示した。地域医療構想を実現するための「地域医療構想調整会議」についても、柔軟な運用が可能で、複数の構想区域や都道府県で合同開催する方法もあり得るとした。厚生労働省が示す地域医療構想策定ガイドラインは「参考」にすぎないとし、「地域医療構想は、47都道府県あれば47通りあり、さらに県内でも構想区域ごとに色々な特色があり得る」(中川副会長)。

 ブロック代表、2人が地域医療構想で質問
 地域医療構想についてブロック代表質問をしたのは、福井県代議員の池端幸彦と、東京都代議員の猪口正孝氏。

 池端氏が問題視したのは、慢性期の医療必要量の推計方法。地域医療構想は、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つの機能別に、2025年の医療必要量を推計する。「慢性期」については、療養病床の入院受療率の地域差が大きいことから、最低でも今の全国最大値が全国中央値レベルまで縮小させる方針(『地域医療構想策定ガイドライン、了承』を参照)。池端氏は地域差の理由を明らかにしないまま、地域差の縮小を進めれば、「地域によっては大きな混乱が生じる」と指摘、「慢性期」の医療資源投入量などの分析を行った上で、必要量を計算することが必要だとした。

 猪口氏は、大都市圏、特に東京都では、交通網の発達から患者が2次医療圏を超えて受診する場合が多いことから、この問題を解決する一案として、「地域医療構想の構想区域を、2次医療圏単位ではなく、全都とする」ことを提案した。地域医療構想と医療計画の整合性を図るためにも、まず初めに都道府県レベルのグランドデザイン、つまり地域医療構想の上位概念である医療計画を策定し、その上で地域医療構想を作る必要性を指摘した。

 福井、「療養病床、2800床から1500床に減少」
 中川副会長は、池端氏の質問に対しては、「地域医療構想については3つの重要な点がある」と説明。(1)2025年に向けて各構想区域における4つの病床機能ごとに医療需要を推計し、構想区域内で不足している病床機能を手当てするための仕組みであり、医療機関自体が必要病床数を参考に自主的に収斂させていく、(2)地域医療構想策定ガイドラインは、あくまで都道府県の取り組みを支援するものであり、構想は地域の実情に応じて策定する、(3)構想策定の主体となる都道府県医療審議会では都道府県医師会が、地域医療構想調整会議では都道府県と郡市区の医師会が、それぞれ主導的役割を果たす――だ。

 その上で、中川副会長は、療養病床の65歳以上人口1000人当たり病床数は、全国平均10.7床に対して、最大が高知県の29.2床、最小の宮城県が5.8床と大きな開きがあるものの、この地域差は医療機関へのアクセス、入院に対する地域の考え方なども大きく影響しているとした。療養病床については、入院受療率が高く、高齢者の単身世帯が全国平均よりも大きい構想区域では、地域医療構想の達成目標を2030年に延ばす措置もあると説明するなど、療養病床が急減かつ強制的に削減される事態は生じないことに理解を求めた。

 現行法では、介護療養病床については2018年3月31日での廃止が予定されている。「今後、医療や介護が必要な高齢者は増加する。介護保険制度で長期療養が必要な人を受け入れる施設として、医療機関を残すべき」と中川副会長は述べ、介護療養病床を存続させる必要性を指摘。

 池端氏の質問に対しては、関連で同じ福井県の代議員、奥村雄外氏も質問。福井県は、「慢性期」の病床機能は現在2800床だが、2025年の目標として1500床という数字を出しているという。1300床の削減が求められる可能性について、奥村氏は危機感を呈した。中川副会長は、地域医療構想を策定する場は、都道府県医療審議会であり、医師会が参画し、意見を言うべきと促した。

 「調整会議、議長は医師会代表がふさわしい」
 中川副会長は、猪口氏の質問に対しては、地域医療構想の構想区域を設定する際には、(1)2次医療圏を原則とするが、患者の受療動向、将来の疾病構造の変化、人口規模などを勘案、(2)現行の2次医療圏と異なる構想区域を設定することも可能、(3)最終的に2次医療圏と構想区域とを整合性を持って運用する――の3点が重要になると説明した。「2018年の第7次医療計画、さらに2025年以降を見据えて、まずはあるべき地域医療構想区域を設定する。その上で、2次医療圏をその構想区域に合わせていくという手順になる」(中川副会長)。

 さらに厚労省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」において、同省から、「ガイドライン自体も、地方の自主性を生かせるようにする」との確認を得ているとした。既に医療計画に定める5疾病・5事業については、2次医療圏と異なる区域を設定している県もある上、今の2次医療圏の対象人口は、200万人を超える圏域がある一方、3万人に満たない圏域もあり、構想区域の全てに4つの病床機能、特に「高度急性期」の機能を持つ必要がないなど、地域の実情を勘案する必要性を重ねて強調。

 構想区域ごとに設定し、地域医療構想の実現に向けて関係者が協議する場である「地域医療構想調整会議」については、地域医療構想の策定後ではなく、策定段階から設置するほか、広域的な病床の機能分化・連携が求められる場合には、複数の構想区域や、複数の都道府県で調整会議を合同開催したり、反対に地域や参加者を限定した形での開催も可能と説明。

 関連で質問した広島県代議員の檜谷義美氏は、やはり今の2次医療圏単位で議論が進むことを懸念し、地域医療構想策定のプロセスを改めて質した。中川副会長は、「主たる土俵は、都道府県の医療審議会であり、そこで構想区域の設定なども行う」と繰り返し説明、医療審議会や調整会議に、都道府県や郡市区の医師会が入ることにより、構想区域の設定も柔軟になるとした。

 宮城県代議員の橋本省氏は、「地域医療構想調整会議」の議長について質問。中川副会長は、議長候補として、都道府県の関係機関と医師会の代表が並列に書かれると説明し、「病院代表は当事者すぎるので、医師会代表がふさわしい」と述べた。



http://www.m3.com/news/general/307877?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150330&mc.l=94368858
学外委員ら集め再協議へ 腹腔鏡8人死亡の群大病院
2015年3月30日(月)配信 共同通信社

 群馬大病院で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、同病院が既に最終報告書をまとめた事故調査委員会の学外委員を含むメンバーを来週集め、あらためて会合を開くことが27日、関係者や厚生労働省への取材で分かった。

 調査委の会合は9回開かれたが、複数の学外委員は「初回しか出席を求められなかった」と証言。厚労省によると、病院側は同省に、学外委員のうち1人は1回も出席していないと説明したという。事故調査が不十分との批判があり、病院は来週の会合で調査手法や最終報告書が妥当だったかどうか協議を求める。

 調査委は学外委員5人を含む12人で構成。死亡した患者8人の「全ての事例で過失があった」とする最終報告書を3日に公表した。しかし学外委員は一部の会合にしか呼ばず、執刀医や診療科長の聞き取り調査結果も見せていなかったことが公表後に判明した。

 この日開かれた厚労省の社会保障審議会医療分科会では、委員から「最終報告書に学外委員の意見が十分に反映されていない懸念がある」との意見が出されたという。

 一方、遺族の依頼を受けた被害対策弁護団は最終報告書に「なぜ死亡が続くのを止められなかったのか、執刀医の判断過程が明らかにされていない」と反発。医師らへのさらなる聞き取りなど再調査を求めたほか、告訴も検討している。

 同病院では、2010~14年に第2外科の同じ医師が執刀した腹腔鏡手術で8人が死亡。この医師による開腹手術でも過去5年間に10人が死亡したことが判明した。



http://mainichi.jp/select/news/20150331k0000m040135000c.html
千葉県がんセンター:原因究明に取り組まず…第三者委結論
毎日新聞 2015年03月30日 22時21分

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)の腹腔鏡(ふくくうきょう)手術問題を巡り、県の第三者検証委員会が30日に公表した報告書案は死亡事例が11人と相次いだ理由を「担当医師の見解を尊重し、原因究明や再発防止に向けた取り組みを行わなかったため」と結論づけた。県についても「問題の重大性を考慮すれば、センターを厳しくチェックする必要があった」と批判した。

 検証対象は2008年6月〜14年2月に同手術を受けた後に死亡した11例。うち8例を執刀した消化器外科の50代の男性医師に対し、報告書案は「片手での盲目的操作などが見受けられ、手術を安全に行う配慮が十分でなかった」などと批判した。この医師のほか、胃の全摘出で約5カ月後に死亡した男性(58)を担当した医師のように「腹腔鏡手術を行うには技量不足」と技術自体を問題視されたケースもあった。

 保険適用外となる高難度の7例全てが院内倫理審査委員会に諮られておらず、腹腔鏡手術の実施を知らされていない患者家族もいた。検証委の依頼で各事例を分析した日本外科学会のヒアリングに対し、同科医師の一人は「倫理審査委がルーズと感じた」と説明したという。こうした体質について「不都合な情報を表に出したくない意識の表れ」とし、早期の安全管理体制の確立を求めた。またセンターに「患者の立場で医療の質を保証する重要性を自覚すべきだ」と信頼回復を迫った。【岡崎大輔】

 ◇「先駆者」止められず

 腹腔鏡手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題は昨年4月、週刊誌の報道で表面化。県は3人の患者が死亡していたことを発表し、センターと五つの県立病院に、腹腔鏡手術のうち保険適用外となる手術は原則実施しないよう通知した。

 県は同6月、手術の評価や院内の意思決定手続きなどを検証する第三者検証委員会を設置。その後、調査によって検証対象の死亡事例は11例に膨らんだ。

 患者の体への負担が少ない内視鏡での腹腔鏡手術は高度な技術が必要とされるが、11例のうち8例を執刀した50代の男性医師は「パイオニア」とも言われる存在。問題発覚後の昨年5月から手術参加をやめたが約3カ月後に助手として復帰し、14例の手術に参加した。患者の要望で1例の開腹手術を実施したこともあったという。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85035700Q5A330C1CC0000/
司法解剖、足りぬ医師 青森で一時休止に
2015/3/30 14:03日本経済新聞 電子版

 犯罪の疑いのある遺体を調べる司法解剖を担う法医不足が深刻化している。青森県では、ただ1人の担当医師が3月末で退任し、一時解剖ができなくなる事態に。政府は、明らかな病死などを除く「異状死」の死因究明を推進するが、解剖率は低迷したままだ。関係者は人材育成とともに、解剖を手伝う補助員の増員などによる法医の負担軽減を求めている。

 「捜査に遅れが出かねない」。殺人事件などの捜査にあたる青森県警捜査1課の幹部は懸念する。県内の司法解剖を一手に引き受けてきた弘前大大学院の女性准教授が3月末で退任。埼玉医科大から男性教授が着任する5月まで、空白期間が生じる。

 県警はこの間、岩手医科大と秋田大に司法解剖を依頼するが、遺体搬送には片道約2時間半~約3時間半かかるという。幹部は「遺体を返すまでの時間も余計にかかり、遺族の精神的な負担も増えかねない」とも話す。

 弘前大では2010年度にも当時在籍した男性教授が体調を崩し、約1年間司法解剖を休止。女性准教授も研究や講義と並行して年間200件超の解剖をこなしてきた。同大学医学研究科の男性事務長は「1人では負担が大きすぎる。志望者は少なく、人材育成は簡単ではない」と話す。

 司法解剖などで死因を調べる法医の不足は全国的な問題だ。日本法医学会によると、約20県で司法解剖の担当医が1人しかいない。

 政府は犯罪死の見逃しなどを防ぐため、異状死した遺体の解剖率を20%まで引き上げる目標を掲げる。文部科学省は東北大や千葉大、長崎大など5大学に死因究明のための教育・研究費用を積み増すなど、法医の育成を強化している。

 警察庁によると、14年に全国の警察が扱った異状死の遺体約16万6千体(東日本大震災と交通事故関係を除く)に対し、解剖率は11.7%にとどまる。全国の国公私立大で司法解剖にあたる法医は14年度で153人と5年間で11人しか増えていない。

 常勤・非常勤合わせて約60人の医師が所属する東京都監察医務院の男性事務長も「人繰りはぎりぎりだ。高齢者の増加などに伴い、扱う遺体は増える傾向にあり、今後は人員の拡充が必要になる」と指摘する。

 都市部も含めて法医を志望する人が少ないのは、待遇に比べて仕事の負担が重く、研究に充てる時間も確保しづらいことが原因とされる。

 日本法医学会庶務委員長で和歌山県立医科大の近藤稔和教授(47)は「法医が減ると1人当たりの負担が増す。それを敬遠して、志望者が減るという悪循環になっている」とした上で「解剖の質を落とさないためにも、毒物の鑑定など、関連する作業を手伝う補助員の増員や設備の充実による負担軽減も必要だ」と話している。



http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-03-30/2015033004_04_1.html
医療崩壊招く統廃合
吉良氏「公立病院支援こそ」

2015年3月30日(月) しんぶん赤旗

 日本共産党の吉良よし子参院議員は、26日の総務委員会で、今月中に策定される「新・公立病院改革ガイドライン」にかかわって、病床削減や統廃合を伴う再編はやめるべきだとただしました。

 吉良氏は、4月から公立病院の運営費にかかわる地方交付税の算定が、病床数から稼働病床数に変更されることにふれ、「病床を稼働できないのは、医師や看護師が足りないからだ。職員不足を放置したままで算定を変えれば、職員不足やむなし、未稼働の病床は削減だということになる。これではいざというとき、地域住民の命と健康を守るという一番大事な仕事ができなくなる」と強く批判しました。

 また吉良氏は、自治体病院の統廃合を伴う再編・ネットワーク化の問題点として、郡部を中心に医療の縮小や医療崩壊につながっているとの指摘があると紹介しました。高市早苗総務相は「公立病院の再編で、結果的に周辺地域で必要な医療が提供されないとしたら、重要な視点」と述べました。

 さらに吉良氏は、自治体病院が地域で果たしている役割を発揮してもらうため、医師・看護師の確保と勤務実態解決にむけた病院が必要とする運営費確保へ政府が支援していくことが必要だと主張しました。



http://www.m3.com/news/iryoishin/308025
医療維新
シリーズ: 日医代議員会
研修医の年会費無料化、新年度から
日医が組織率低下対策、「勤務医会費高すぎる」との指摘も

2015年3月30日(月)配信池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の笠井英夫常任理事は、3月29日に開かれた第134回臨時代議員会で、2015年度から、初期研修医について、日本医師会の年会費を無料にする方針を示した。日医の組織率低下の歯止めの1つとしたい考え。埼玉県の代議員、金沢和俊氏の質問に答えた。ただ、日医の加入のためには、群市区医師会、都道府県医師会へ入会が必須になる中で、フロアからは「勤務医の会費減免を検討している」「勤務医の会費が高すぎる」など、研修医以外にも対策を取る必要性を指摘する声が出た。

 日医は、初期研修医について年会費6000円を徴収してきたが、2015年度から無料化する方針。勤務医会員は2万8000円、医療機関経営者は6万円(いずれも医療賠償責任保険の保険料を除く)。一方で、組織率は低下傾向にある。2014年12月末の会員数は16万6121人と過去最高を記録したが、医師数の増加に伴い、組織率は約55%まで低下し、横倉義武会長が危機感を示すに至っている(『組織率低下に危機感、日医・横倉会長』を参照)。初期研修医の会員は、2219人。

 金沢氏は、「この組織率ではプロフェッションの団体とは言えないのでは」と問題視。地域医療構想の策定や医療事故調査制度が始まることに加えて、医師会の担う社会的活動、行政活動の重要性を訴え、「(政治力の発揮だけでなく)国民医療を守り、安全・安心な医療提供体制を築くためにも(組織率向上が)最重要課題では」と聞いた。

 笠井常任理事は、会内の組織強化委員会でまとめた中間提言に基づいて、初期研修医について会員の年会費を無料化する方針を示し、「広く門戸を開くメッセージになる」と述べ、医師会のさまざまな活動に対する理解が深まることで、医師会の組織率が上がることに期待を示した。笠井氏は今後、無料化について、都道府県医師会や群市区等医師会にも依頼する考えを示し、「(組織率の向上は)医師の権益を守るのではない」と話した。後期研修医の無料化については、「宿題」と述べるにとどまった。

 金沢氏は埼玉県医師会や県内の群市区医師会において、研修医の入会金や年会費を無料化する流れがあることを紹介した上で、「その後は、既存の勤務医の会費軽減を進めて行くつもり」と述べ、金銭的インセンティブによる誘導で組織率を強化したい考えを示した。新潟県の代議員も、研修医の会費無料化の取り組みを紹介した。山口県の代議員は、「自身も勤務医だが、同僚に入ってもらうには会費が高すぎる。他の学会のように1万円くらいにならないか」と訴えた。

 大学医師会の実態を聞いた質問に対しては、今村聡副会長が答弁。「現在64の大学にあると理解している。大学医師会から意見交換したいという申し出もあり、活動内容を調査する必要がある」と述べ、大学医師会も視野に入れて、組織強化に取り組む考えを示した。

  

http://www.m3.com/news/iryoishin/308020
医療維新
シリーズ: 日医代議員会
院内調査報告書の交付「努力義務」、松原日医副会長
支援団体、刑事訴追など事故調関連の質問多々

2015年3月30日(月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の松原謙二氏は、3月29日の第134回臨時代議員会で、10月から開始する医療事故調査制度について、院内調査の報告書は、合理的な理由がある場合以外は、努力義務として患者遺族に渡すべきという考えを表明した。「合理的な理由」としては、内部で意見が食い違い、調査が結論に至らない場合などを挙げた。


医療事故調査制度について説明する、日医副会長の松原謙二氏。
 院内調査の報告書をめぐっては、省令・通知案を議論していた厚労省の検討会で、最後まで意見が分かれた点であり、最終的には、「口頭または書面、もしくはその双方の適切な方法により行う」「調査の目的・結果について、遺族が希望する方法で説明するよう努めなければならない」との表現に落ち着いた(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。厚労省検討会の委員でもある松原副会長の発言は、これらの表現を「報告書を渡す努力義務」と解釈したものだ。努力義務と解釈すべきかどうかは、通知案では必ずしも明確ではなく、厚労省は今後、現場の混乱を招かないためにも明示することが必要だろう。

 そのほか、29日の代議員会では、医療事故調査制度に関しては、幾つかの質問が出た。支援団体の在り方について、日医常任理事の今村定臣氏は、都道府県医師会に指定を受けるように要請し、地域に複数の支援団体がある場合には、医師会が主導的役割を果たし、例えば、「○○県医療事故調査等支援団体連絡協議会」を設置し、相互に連携できる体制を構築すべきとした。また支援団体の費用については、国に対し、補助を求めていくことも説明。

 異状死体の届け出を定める医師法21条、業務上過失致死罪を定める刑法211条との関係を質問したのは、静岡県代議員の紀平幸一氏。紀平氏は、第三者機関である医療事故調査・支援センターは、「民間の調査機関と同じ扱い」であるとし、「患者が訴えるとすぐ警察がそのまま介入する。(2008年に厚労省がまとめた)前の大綱案は、まずは第三者機関に届け出る仕組みであり、警察に訴えられても、一応任せていた。そこで、問題があったら、(警察が)対処するという案だった。今回の制度は、警察の介入を招いてしまう」と質問。兵庫県代議員の西田芳矢氏も、医師法21条と刑法211条について質した。

 これに対し、今村常任理事は、「今回の制度には、司法へのアクセスをリジェクトする仕組みは設けられていない」と説明。まずは新制度を機能させ、国民の信頼を得ることが必要とし、同時に医療事故調査は法律公布の2年以内に見直すことになっているため、その際の議論の俎上に載り得るとした。

 松原副会長も、「我々の医療は、患者からの信頼がなければ絶対的にできない。その信頼を失わないように、そして現場が混乱しないように、きちんと制度を動かすために、幾つかの仕掛けを作っている」と説明、省令・通知等がまとまれば、各地に説明に赴くとした。

 「予期せぬ死亡」、手続き論で整理
 医療事故調査制度について、個人質問したのは、和歌山県代議員の山田和毅氏と、岡山県代議員の清水信義氏。山田氏は、小規模の病院や診療所では、事故直後は管理者も錯綜することもあり、院内調査には困難を伴うことから、最初から支援団体のメンバーを加えて行う「拡大院内事故調査」の義務付けを提言。また、第三者機関に報告する医療事故の定義のうち、「予期しない死亡」の解釈が一番迷うとし、日医が各医師会から質問を募り、Q&A形式で解説するほか、説明会などの開催を求めた。

 清水氏は、「第三者機関についてはほぼ役割が決まったが、支援団体に関しては、ほとんど何も議論されていない」と指摘。各都道府県に設置が想定される支援団体には、都道府県医師会が主導的役割を果たすとし、その設立に関する日医の役割や、支援団体の運営経費について質問。

 両氏のほか、関連で出た質問に対する松原副会長と、日医常任理事の今村定臣氏の主な回答は、以下の通り。

◆医療事故の定義について

松原副会長:今回の制度については、幾つかの大きな問題があった。まずどのようなものを対象にするかだ。厚労省は、ネガティブリストとポジティブリストを作ることも検討していたが、「これは報告すべきかどうか」など、どこかに聞かないと分からず、これでは現場が混乱する。厚労省の法令(担当)と議論し、手続き論で対応することにした(編集部注:(1)患者等に対し、医療の提供前に、死亡または死産が予期されることを説明、(2)医療の提供前に、死亡または死産が予期されることをカルテ等に記載、(3)管理者が、当該医療者への聴取等で、提供前に死亡または死産が予期されていると認めた――という3項目の「いずれにも該当しない」場合が、「予期しない死亡」と定義。『事故調査、「個人の責任を追及せず」』を参照)。

◆院内調査の報告書の取り扱いについて

松原副会長:確かに勤務医の中には、院内の報告書が十分にできていなくて、冤罪を受けた気の毒な先生方が何人かおり、その先生方の意見を聞いた。さらに患者からの信頼を受けなければ何も意味がないので、そのところを調整し、(院内調査の)報告書が出た時には、努力義務としてなるべく出す(遺族に渡す)。ただし、例えば、内部で意見が食い違っていて、結論に至っていないものを説明すると大変なことになるので、幾つか合理的な理由がある場合には、それを義務としないということで、最終的な決着を付けた。

◆支援団体について

今村常任理事:中央に医療事故調査・支援センターが配置されるが、その業務の一部を委託される機関として支援団体が、厚労大臣に指定されることになっている。支援団体は、法文上は、新たに組織が設立されるのではなく、医師会や病院団体など、既存の機関や組織が指定されると理解している。各都道府県医師会は、支援団体の指定を受けてもらいたい。

また各地において、医師会以外にも、病院団体、大学なども指定を受ける可能性が考えられる。これらのさまざまな支援団体がそれぞれ単独に動き出すことなく、連携を保ちながら、有効に機能していくためには、地域の核としての都道府県医師会の役割が大変重要になると認識している。医療事故が発生し、調査などの支援が必要な場合には、各支援団体がどのように対応するかなどについて、医師会を中心として、さまざまな支援団体が日ごろから十分に打ち合わせをして、問題点を洗い出し、解決する協議の場を設けることが重要。例えば、「○○県医療事故調査等支援団体連絡協議会」といった会議を定期的に開催し、日ごろから「顔が見える関係」を築くことが有効であると考えている。
 医師会の支援団体としての運営経費に関する懸念は十分理解している。今回の法律成立の際の付帯決議の中でも、「制度運営に要する費用の公的費用補助等も含め確保」とうたわれている。国は、第三者機関である医療事故調査・支援センターには、5億3900万円の財政的に補助を行う予定としているが、支援団体もセンター業務の一部を委託されることになるので、相応の財政補助を国に対して働きかけるなど、日医としてもできる限りの取り組みをしていく。

 なお、院内調査にかかる費用、例えば解剖、Ai、外部委員に対する謝金など、本来医療機関が負担すべきとされる出費については、各医療機関の経済的な負担を軽減する仕組みを作るため、損保会社と協議をしている。損保会社は、金融庁との調整に入っている。1件当たりの調査費用は、恐らく数百万円と考えられるため、損保会社との調整の中では、上限500万円程度で考えている。数カ月のうちに、(各医師会に対し)連絡できると思う。

◆医師法21条、刑法211条について

今村常任理事:この制度自体が、医師の自主的な取り組みを中心的に考えられているので、医療提供側は心して、この制度の運用に取り組まなければいけない。刑事事件化する例があれば、それに対しても、真摯に対応をすることが求められる。(医療事故調査制度に関する医療法は)法律公布後2年以内に見直すことになっている。その期限は、来年の6月であり、法施行のわずか9カ月後だ。医師法21条あるいは刑法211条の問題は、直ちにこの制度の運用にかかる問題として浮上してくると考えている。医師法21条、刑法211条は、本制度と直接関係するものではないが、明らかにこれらの問題は、制度の延長線上に浮かび上がってくる。私どもとしても、直ちに検討していくことになるだろう。

 なお、この仕組みの中で、司法へのアクセスをリジェクトする仕組みは設けられていない。患者や遺族はいつでも司法に訴えることができる。この制度が本当に機能し、国民の信頼が得ることになれば、恐らく司法としても、この制度を尊重して、ここ(医療事故調査制度)での結論がそのまま見解になろうかと思う。そのためにも制度をうまく作り上げていくことが必要。


  1. 2015/03/31(火) 06:08:29|
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3月29日 

http://www.nnn.co.jp/news/150329/20150329051.html
岡山大病院三朝医療センター 外来診療休止へ
2015年3月29日 日本海新聞

 三朝町山田の岡山大学病院三朝医療センターが、来年3月末をめどに外来診療を休止することが28日、分かった。現患者と地域に対する医療確保のため、隣接する鳥取県中部医師会立三朝温泉病院内に、大学側が派遣診療を行う寄付講座を開設するほか、空いた施設の活用などを検討していくとしている。

 同センターは2012年4月から入院機能を廃止し、外来診療のみを継続してきた。医師は現在2人おり、職員は27人。患者は1日当たり約80人が訪れるが、年間1億円以上の赤字が発生しており、大学側には大きな負担となっていた。

 こうした現状を踏まえ、昨年秋から岡山大学病院の槇野博史院長を座長に、県中部医師会の松田隆会長、同町の岩山靖尚副町長ら17人で構成するセンターの在り方に関するワーキンググループで、3度にわたって今後の方向性を協議してきた。

 外来診療の休止に代わる大学側が行う寄付講座は、同センターの機能や医療体制を保持するため、岡山大学病院から医師2人を派遣。現在の患者数は町内が約500人と全体の35%を占めており、通院患者の医療を継続する方針という。

 施設は隣接の岡山大学地球物質科学研究センターとの連携も視野に入れ、地方創生の観点で地域貢献できる取り組みを摸索するとしている。

 県中部医師会の松田会長は「患者さんが困らないことが第一。現在は同センターと三朝温泉病院の医療が一つになることは、効率の面で考えても非常にいいシステムだと思う。時間をかけて患者さんにとって良いように前向きに進めていきたい」と話している。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201503/20150329_13031.html
駅前再開発事業 市医師会が名取市に抗議文
2015年03月29日日曜日 河北新報

 東日本大震災の復興交付金を活用した名取市のJR名取駅東口の市街地再開発事業で、複合施設内に医療機関が入る計画について、名取市医師会(丹野尚昭会長)は計画見直しを求める抗議文を市に提出した。
 市医師会理事会から佐々木一十郎市長宛てに提出された。駅周辺には既に複数の医療機関があり「あえて医療施設を誘致する必然性は全くない」と指摘。「営利の対象として医療を扱うことは許されない」と批判している。
 市幹部は「地権者らでつくる再開発組合が主体の事業。市が誘致するわけではない」と戸惑っている。
 事業は駅東口の約7300平方メートルに4階と11階の複合施設を整備。被災した市図書館や増田公民館を移転集約するほか、商業施設、医療機関などの入居を見込む。2018年1月ごろの完成予定。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201503/20150329_71029.html
<国立大定年教授>輝く業績 情熱なお
2015年03月29日日曜日 河北新報

 東北の国立大で研究や教育に携わってきた教官が31日、定年を迎える。山形大医学部の嘉山孝正教授は大学病院や医学部の改革に取り組んだ。東北大災害科学国際研究所の真野明教授は水害の実態を解明した。2人が研学生活を振り返る。

◎がん治療施設開設に道/山形大学長特別補佐医学部 嘉山孝正教授(65)/脳神経外科学
<かやま・たかまさ>50年神奈川県生まれ。東北大医学部卒。山形大医学部付属病院長、医学部長などを歴任。国立がん研究センター理事長を経て12年から現職。重粒子線がん治療施設設置準備室長を兼任。

 心血を注いできた重粒子線がん治療施設が、退職を迎える年に具体化した。
 東北で初の施設は病巣にピンポイントで放射線を照射する。患者の痛みや副作用が少ないとされる。新年度に着工し、2019年10月の治療開始を目指す。
 「治療装置の開発技術は日本が世界一。クオリティーが高く、省エネルギー、省スペースの山形モデルをつくる」と装置の開発に意欲を燃やす。
 「世界で初めてのことをやれ」と東北大医学部時代、恩師の故鈴木二郎氏から言われ続けた。その教え通り「世界最高の施設ができる。患者の治療はもちろんだが、学生や地域住民の誇りにもなる」と語る。
 医学部長だった04年にがんを診療と研究の柱にすると決め、施設設置計画を策定した。12年に学長特別補佐として大学に戻ってからは整備総額150億円を確保するため、国や自治体、企業、医療機関を回って支援を求めた。
 施設稼働を見据え、東北のがん診療拠点病院など61病院をテレビ会議システムでつなぐネットワークもできた。「10年先を見て今やるべきことをする」。4月以降も特任教授として研究と施設計画をけん引する。

◎豪雨、津波予測基礎築く/東北大災害科学国際研究所 真野明教授(65)/水理学
<まの・あきら>49年弘前市生まれ。東北大大学院工学研究科修了。同大大学院工学研究科災害制御研究センター長などを経て12年から現職。東日本大震災に関する東北支部学術合同調査委員長などを歴任。

 流れる水は千変万化。「一見、捉えどころのない現象のようだが、数式で予測できる。その理論の美しさに魅せられた」と語る。
 豪雨、津波、高潮など水の動きが関係する災害を研究対象にした。メカニズムを解明し、河川の氾濫や洪水の予測モデルを作成。発生確率や危険度を評価して減災技術の基礎を築いたが、それでも「避難に勝る対策はない」と断言する。
 東日本大震災では、長く調査してきた仙台湾沿岸でも多くの犠牲者が出た。「津波到達まで1時間ちょっと。逃げる余裕はあったはずなのに」と悔しがる。
 平野に津波は来ないとの油断があったのか。人工構造物で防ぎきれなかった被害に、土木工学の専門家として自責の念を抱く。
 「研究者一人一人が、分野の境界領域を洞察する力を持たなければならない」と、専門の枠を超えた学際研究の必要性を訴える。
 研究の場は国内にとどまらず、バングラデシュでは地下水のヒ素汚染を分析し、飲み水の安全管理や水資源の確保に寄与した。
 4月以降も大学で研究を続ける。「留学生を指導し、気象災害、水不足といった発展途上国の問題解決に貢献したい」と強調した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/303341?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150329&dcf_doctor=true&mc.l=94342958
医療維新
大学病院と公立病院、急性期削減のターゲット - 土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授に聞く◆Vol.3
保険給付縮小など「負担のつけ回し」避ける

インタビュー 2015年3月29日(日)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療提供体制の改革」においては、入院受療率や入院医療費の地域差に着目されています。先生がメンバーでもある、政府の社会保障制度改革推進本部の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」などで各種データが出ていることから、生じた問題意識でしょうか。
土居丈朗氏によると、自己負担増の改革は、「単なる負担のつけ回し」と受け止められるので、今回の提言には含めなかったという。

 そうですね。

――年齢を調整しても、地域により入院受療率、ひいては入院医療費が異なる現状をどう見ておられますか。

 民間病院も一部は関係しますが、(地域医療構想における)急性期医療の問題は結局、特に高齢者が増えて、若い人が減少する地域における大学病院と公立病院をどうするか、という話がカギなのです。特に公立病院は、パブリックセクターであり、地域医療構想は都道府県が策定するのですから、知事の権限で何とかしてもらいましょう、ということ。医師会などは「知事の権限は、民間病院まで強制的に及ぶのか」と再三けん制していますが、問題となるのは主に公立病院です。

 もっとも、各都道府県は、これまで医療計画などは作ってきましたが、(地域医療構想により)ここまで大々的に「矢面に立つ」のは初めてなので、少し怯えている一面があります。都道府県は、地域医療構想の策定を通じて、1回レッスンした上で、それを改定する形で、2018年度に第7次医療計画の策定に取り組めば、(基礎的財政収支の黒字化目標である)2020年度、そして2025年度に間に合う。

――特に地方では、「○○県立中央病院」「○○市民病院」などが、地域の基幹病院であるケースが多い。

 その通りです。公立病院は、大学病院ほどには、研究に重きを置いていないこともあり、急性期病床が過剰だったら、回復期や慢性期にシフトすればいいと思うのです。あるいは病床が過剰な地域であれば、減らさなくてはいけない。県立病院であれば、開設者と地域医療構想を策定する権限者(知事)は同じなのだから、「自分で考えて、自問自答する」という、うまく責任が閉じた形になっている。

――公立病院が赤字で、一般会計からの繰り入れが多額になれば、知事は自分で自分の首を絞めかねない。

 そうなのです。賢明な知事なら、過剰なところは、引き締めていくでしょう。地域のニーズに応じた改革を行えばいいのです。

――入院受療率の是正は、地域医療構想を通じて進めていけば可能とお考えですか。

 急性期病床が過剰で、かつ大学病院や公立病院がある地域は、地域医療構想でほぼ何とかなると思います。あとは、特に西日本では、慢性期病床をどうするかという問題はありますが。

――先生方の提言の2番目、「後発医薬品の普及」ですが、まだ日本の普及率は低いとみている。

 スウェーデンは、(医療の財源は)税方式で賄っていることもあり、(薬局において最も低価格の後発医薬品への変更が義務付けられるなど)強制したりしているわけです。

――提言では、「調剤医療費の抑制・薬価の適正化」も掲げています。薬価の毎年改定に対しては、製薬企業などからの反対も根強いです。

 これは、提言を裏付ける試算上のこと。2年に一度の薬価改定による下げ幅を計算するのではなく、年率換算した数字を出したという意味です。共同提言では財政収支をいかに改善するかが目的なので、毎年改定しても、2年に一度の改定でも、結局行きつくところは同じ。実は毎年改定すれば、薬剤費を大幅に削減でき、2020年度の財政収支の大きな改善につながるわけではありません。

――医療費の抑制については、他にどんな対策を検討されたのでしょうか。規制改革の議論では、混合診療の解禁、市販薬類似医薬品の保険給付除外などもよく出てくる検討課題です。

 自己負担の在り方もアイデアとしてありましたが、「単なる負担のつけ回し」という話に聞こえないかと思ったのです。例えば、高齢者医療の自己負担を1割から3割に引き上げたり、受診時定額負担を導入すれば、その分、税金の負担は減りますが、結局、医療費の総額は変わらない。自己負担の増加策は、受診抑制につながるとの批判も強く、その結果、他の施策も含めて、「共同提言はダメだ」と言われるのを避けたいという考えもあり、今回は入れませんでした。

――だからこそ、医療提供側の改革にターゲットを当てた。一定の改革を行い、「筋肉質」の体質にした上で、国民の理解を得て、負担増を進めるという流れでしょうか。

 そうです。だから自己負担増関連の改革案は入れませんでした。

――ただ、介護保険については、「要支援1と2、要介護1では全額負担、要介護2~5では1割から2割に自己負担引き上げ」を提言しています。

 計1.1兆円の公費の削減が可能としていますが、「これらは給付効率化でも代替可能」と書いているように、その程度の金額の給付抑制を行う目安として提示しています。提言したいのは、「負担のつけ回し」ではない意味での介護の改革です。例えば、「軽度者への介護給付を、重症化予防に資するものだけに限定する」と言った時に、「何%の給付がそれに該当するか」と聞かれると、なかなかエビデンスがない。例えば、「ざっくり半分」と言っても、「どこからその数字が出てきたのか」「根拠がない」と言われるので、あくまで目安として額を出しました。

 なお、自己負担について言えば、医療保険における「現役並み」所得の高齢者という区分は、政治的妥協の産物にすぎず、全くナンセンス(編集部注:70歳から74歳までの自己負担は、「現役並み」所得者の場合は、2014年度から3割に変更)。「課税対象所得」で比較しているからです。夫婦2人世帯で、現役世代と高齢者世代があるとします。「課税対象所得」に控除された分を加えると、「課税前所得」。公的年金の控除が手厚いために、「課税対象所得」は同じであっても、「課税前所得」は高齢者の方が高い。本来なら、この「課税前所得」が「現役並み」の高齢者について、同等の負担を求めるべきです。介護保険では、私が社会保障審議会介護保険部会で問題視したこともあり、「現役並み」所得の高齢者という概念は介護保険では採用されませんでした(編集部注:2015年8月から、一定所得者以上の自己負担は1割から2割に引き上げ)。今後医療保険でもこの定義を改めるべきです。

――今回の提言は、誰に読んでもらいたいとお考えでしょうか。

 医療者だけでなく、広く国民に読んでもらい、理解、納得してもらいたいという思いが強いです。我々は、「弱者切り捨て」とか、「医療や介護の質を落とす」といった考えは全く持っていません。「医療の質を維持しながらも、改めることができる方法がまだ残っていませんか」ということを、申し上げたかった。

 「絶対に間違っていない」「これ以上、いいアイデアはない」と言いたいわけでもありません。提言の最後に書いてありますが、「これをたたき台にして、いろいろ議論してください」「もっといいアイデアがあれば、出してください」ということです。

 ただし、現時点の政権は、金額すら出そうとしないし、避けたがっている。覚悟のほどが見えない。今、この3月の時点では、逃げています。だから「逃げてはだめだ」というメッセージも送っています。「それは、無理筋だろう。これは削れない」というなら、別の削減策を出すか、消費税増税を認めるかのどちらかでしょう。

  先ほども言いましたが、もし国民の大半の人が「医療は削るな」と言い、消費税率を14~15%に上げることに賛成するなら話は別です。けれども、今の雰囲気では、とてもそういう感じではない。財政収支改善のために増税するのはダメというなら、何かを削って増税幅を小さくする。もちろん、無駄な非社会保障支出は削りますが、それは数兆円が出るかどうか。「増税幅をもっと小さくしろ」という話になるなら、社会保障に手をつけることは避けられません。


  1. 2015/03/30(月) 05:20:52|
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3月28日 

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20150328ddlk28040527000c.html
人事:八鹿病院 管理者が退任 神戸大から4医師採用 /兵庫
毎日新聞 2015年03月28日 地方版

 公立八鹿病院組合(養父市八鹿町)は26日、人事異動(4月1日付)を発表した。

 細川裕平管理者が「一身上の都合」を理由に辞表を提出し、3月31日付で退任する。後任の管理者には、富勝治副管理者が就任する。細川管理者は26日に開かれた組合議会のあいさつで「経営改革に努力したが、十分な結果を出せなかった」と話したという。

 八鹿病院では経営方針を巡り医師らとの間に対立があり、昨年10月には反発する医師らが記者会見を開き、管理者の交代を求めていた。今月末には、外科医4人が退職。他に派遣終了など通常の異動も含め、公立八鹿病院から退職する医師は計8人となる。

 外科には、神戸大の医局から4人の派遣を受ける。他に新規に3人を採用し、内科・総合診療科などに配属する。【柴崎達矢】

 管理者以外で課長級以上の異動は次の通り(兼務は除く。退職は31日付)。

 【部長級】公立八鹿病院総合診療部長(公立八鹿病院救急科部長)倉橋卓男▽公立八鹿病院看護部長(公立八鹿病院副看護部長)山下ふみ代

 【副部長級】公立八鹿病院副看護部長(公立八鹿病院看護師長)植木佳代子

 【課長級】公立八鹿病院看護師長(公立八鹿病院看護科主任)三島啓子▽公立八鹿病院看護師長(公立八鹿病院看護科主任)向井純子▽公立村岡病院看護師長(むらおか訪問看護ステーション看護主任)西村里美▽公立八鹿病院総務課長(養父市より派遣)河辺正人▽公立村岡病院事務長(公立八鹿病院事務部付課長)和田修

 【退職】公立八鹿病院外科部長 菅澤章▽公立八鹿病院乳腺外科部長 水田誠▽公立八鹿病院外科部長(内視鏡外科)木島寿久▽公立八鹿病院呼吸器内科部長 塩田哲広▽公立八鹿病院組合参与 土江克彦▽公立八鹿病院副看護部長 岩本房子▽公立八鹿病院呼吸器内科医長 寺下聡▽公立八鹿病院外科医長 勢馬佳彦▽公立八鹿病院看護師長 小林朗子▽公立八鹿病院看護師長 宮下明美▽公立村岡病院看護師長 西村美鈴

〔但馬版〕



http://www.m3.com/news/general/307340?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150328&dcf_doctor=true&mc.l=94312920
腹腔鏡「だまされた」 群馬大病院の特定機能、取り消し検討
2015年3月28日(土)配信朝日新聞

 群馬大病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者8人が死亡した問題で、厚生労働省の社会保障審議会医療分科会が27日、高度な医療を提供する「特定機能病院」の承認を取り消すかを検討した。未熟にもかかわらず難易度の高い手術を検証せずに繰り返し、死亡事故を止められなかった実態がわかってきた。患者への説明も不十分だった。

 ■「簡単に治る」信じた家族

 「簡単に腹腔鏡でできますよ」。男性医師は昨年1月、60代男性に言った。男性は胆管がんで同時に肝臓を切る手術を受けたが、5月に死亡した。

 手術前日、男性と説明を受けた妻は「1時間くらい難しい話をされ、腹腔鏡でいくように自然に話が流れた」と振り返る。開腹でも難しいが、医師は「患者の負担が少なく回復が早い」と利点を強調した。勧められるまま手術当日、A4判1枚の同意書に署名した。

 手術は13時間かかった。医師は「無事に終わりました。悪いところは全部取りました」とだけ言った。

 翌日から歩く練習を指示され、男性はすぐに退院できると思っていた。だが、胆汁が漏れて感染症にかかり、手術の97日後に出血性ショックで死亡した。医師は「輸血が間に合わなかった」と話し、手術のまずさには触れなかった。

 実際は、手術中に動脈を損傷し、肝不全や縫合不全につながった可能性があることが病院の調査でわかった。しかし、それを病院が妻に伝えたのは、今月1日だった。妻は「不自然な症例が1、2例出た時点で、なぜ病院が気づけなかったのか」と憤る。

 別の60代男性は約3年前、肝細胞がんで手術を受けたが、66日後に多臓器不全で死亡した。一緒に医師の説明を聞いた妻は「『2週間で簡単に治るので腹腔鏡にしましょう』と言われ、同意書にサインした」と話す。ほかの選択肢や危険性についての説明はなかったという。

 男性は手術の後、体内で出血が止まらなかった。妻は病状や退院のめどを数回尋ねたが、男性医師ははっきりとは答えてくれず、別の医師も不機嫌そうに「治す方が先でしょ」と言うだけだったという。

 病院の調査では、この手術でも手術中の操作に何らかの問題があり、早期に再手術をすべきだったと指摘した。妻は「だまされた。分かっていたら群大に行かなかった」と悔やんだ。(上田雅文、井上怜)

 ■技量かなり低い・院内調査も不十分 専門家指摘

 執刀医の技量や資質の問題なのか、閉鎖性など病院全体の構造的な問題なのか。厚労省の審議でも大きな焦点だ。

 「血の海の中で手術しているような状態。技量はかなり低い」。被害対策弁護団に検証を依頼された専門医は、男性医師の手術のビデオを見てそう述べたという。剥離(はくり)や止血の操作も稚拙で、電気メスで肝臓にやけどをさせていた。

 日本肝胆膵(かんたんすい)外科学会の宮崎勝理事長は「どう考えても死亡率が高い」と指摘する。

 亡くなった8人の腹腔鏡手術は保険適用外で高難度。特に3人は胆管も同時に切除し、切り口を小腸と縫合するが、細かい作業が必要で不完全になりやすく、開腹でも難しい。

 ある大学病院の肝胆膵外科医は「腹腔鏡のプロ中のプロしかやってはいけない症例。執刀医の功名心というか、実績作りとしか思えない」と話す。男性医師は昨年4月、日本外科学会で「手技の工夫でおおむね良好な結果と期待される」と発表した。

 病院の対応のまずさも際だつ。男性医師は2010年12月から腹腔鏡手術を始め、最初の1年余で4人死亡したが上層部は昨年6月まで把握できなかった。病院の事故調査委員会の学外委員5人のうち、顧問弁護士を除く医師4人は議事録や執刀医への事情聴取の内容を知らされていなかった。病院側は「報告書案を複数回送り、議論はできている」としている。

 日本医療安全調査機構の木村壮介・中央事務局長は「調査の透明性、信頼性を高めるには外部委員の判断が重要だが、病院内部で実質上決めたもので客観性がない。やっていないと同じと言わざるをえない」と批判する。(田内康介、桜井林太郎)

 ■報告書に疑問の声

 分科会は非公開。厚労省によると、病院の最終事故調査報告書の信頼性を疑問視する声が上がった。

 分科会では、病院が設けた事故調査委員会の学外委員5人のうち3人は9回の会合のうち初回しか呼ばれず、1人は全く参加していなかったことが報告された。分科会の専門家からは「学外委員の意見が十分に反映されなかった懸念がある」との意見が出た。

 病院側は近く、学外委員も参加する会議を改めて開き、報告書の作成過程に問題がなかったかを検証し、厚労省に報告する。

 ◆キーワード

 <群馬大病院の肝臓切除手術問題> 2010~14年、第2外科で腹腔鏡手術を受けた93人のうち8人が手術後100日以内に死亡した。いずれも40代の男性医師が執刀した。今月公表された病院の事故調査委員会の最終報告書では8人全員の診療で「過失があった」と認めた。同じ医師による開腹手術でも10人が死亡しており、病院は調査を進めている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/307446?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150328&dcf_doctor=true&mc.l=94312922
医療維新
群大病院の報告書作成過程に疑問も、医療分科会
東京女子医大とともに引き続き審議の方針

2015年3月28日(土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の社会保障審議会医療分科会(会長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)が3月27日に開催され、特定機能病院の承認を取り消すか否かの議論が進む東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院の2病院について、引き続き並行して審議を行っていくことが確認された。群大病院については、3月に提出された最終報告書の作成過程において、外部委員がほとんど出席していないなどの問題が指摘されていることが報告された。群大病院は早急に外部委員を交えて再度、会議を開くと説明している。

 分科会は非公開で行われ、終了後に厚労省医政局総務課が審議内容を説明した。群大病院の最終報告書を巡っては、検証委員会の外部委員5人のうち、大学の顧問弁護士を除く4人は昨年8月に開かれた初回しか参加していないことが報道により明らかになっている。検証委員会は全部で9回開催されており、一部の委員は最終報告書の内容を承諾していないという報道もある。

 報道で知った厚労省が群大病院に問い合わせたところ、外部委員の出席状況について認めた上で、「納得していない委員がいるかについては明確な答えがなかった」(総務課)。病院側は早急に外部委員を交えた会議を開催すると説明しているという。最終報告書の内容が変わる可能性もあるとして、群大病院からの報告を待った上で次回の審議を行うと判断した。

 東京女子医大については、被害者連絡会が3月25日に厚労省に渡した資料なども提出された。過去にも特定機能病院の承認を取り消され、再承認された経緯があることから、委員の間で、「実効性のある再発防止策を示す資料を求める」ことで意見が一致した。

 両病院に共通する点としては、大学病院としてのガバナンスや内部検証体制、インフォームドコンセントの在り方などを中心に議論がなされ、委員からは厳しい意見が出たという。次回の日程は未定だが、厚労省は月1、2回のペースで並行して審議を行っていくと説明している。


  1. 2015/03/29(日) 05:42:08|
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3月27日 

http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14274639318342
筑西・桜川両市、新中核病院建設 曲折経て初の協議会
7月にも基本構想

2015年3月28日(土) 茨城新聞

新中核病院建設に向けた推進協議会の初会合であいさつする須藤茂筑西市長(中央)=同市二木成新中核病院建設に向けた推進協議会の初会合であいさつする須藤茂筑西市長(中央)=同市二木成
筑西市と桜川市が進める新中核病院建設に向け、具体的な計画を検討する専門家による協議会の初会合が27日、筑西市二木成の県筑西合同庁舎で開かれた。会長に県医療改革担当顧問の山口巌氏を選んだほか、3回目となる7月の会合で新中核病院と桜川市立病院の基本構想をまとめる考え。協議会では新中核病院の建設場所や機能、運営方法などの基本構想・基本計画策定に取り組む。曲折を経た新中核病院問題は、ようやく協議の場が始まり、建設への第一歩を踏み出した。

協議会の名称は、「筑西・桜川地域公立病院等再編整備推進協議会」と決めた。

メンバーは、松村明筑波大付属病院長や落合聖二真壁医師会長ら大学病院関係者、地元医療関係者、県、両市、両市議会など委員18人で構成。副会長には県保健福祉部長を選んだ。

協議会冒頭であいさつした須藤茂筑西市長は「筑西、桜川両市が協議し、ようやくこの場にたどり着いた。地域に根差した病院整備を図っていきたい」とし、大塚秀喜桜川市長も「時間がかかり大変心配をかけた。市民に信頼される病院づくりを目指したい」と述べた。

山口会長は「2009年にスタートしたこの地域での公立病院再編統合構想が建設場所などをめぐり、長年合意に達していなかったが、基本的な枠組みが合意され、この協議会で本格的な協議・検討を進めていきたい」と抱負を述べた。

委員からは両市の医療体制の現状などが報告され、意見交換した。今後のスケジュールとしては5月27日に2回会合を開き、病院の規模や建設場所、経営形態について議論する。(大高茂樹)



http://www.m3.com/news/iryoishin/307446
医療維新
群大病院の報告書作成過程に疑問も、医療分科会
東京女子医大とともに引き続き審議の方針

2015年3月28日(土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の社会保障審議会医療分科会(会長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)が3月27日に開催され、特定機能病院の承認を取り消すか否かの議論が進む東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院の2病院について、引き続き並行して審議を行っていくことが確認された。群大病院については、3月に提出された最終報告書の作成過程において、外部委員がほとんど出席していないなどの問題が指摘されていることが報告された。群大病院は早急に外部委員を交えて再度、会議を開くと説明している。

 分科会は非公開で行われ、終了後に厚労省医政局総務課が審議内容を説明した。群大病院の最終報告書を巡っては、検証委員会の外部委員5人のうち、大学の顧問弁護士を除く4人は昨年8月に開かれた初回しか参加していないことが報道により明らかになっている。検証委員会は全部で9回開催されており、一部の委員は最終報告書の内容を承諾していないという報道もある。

 報道で知った厚労省が群大病院に問い合わせたところ、外部委員の出席状況について認めた上で、「納得していない委員がいるかについては明確な答えがなかった」(総務課)。病院側は早急に外部委員を交えた会議を開催すると説明しているという。最終報告書の内容が変わる可能性もあるとして、群大病院からの報告を待った上で次回の審議を行うと判断した。

 東京女子医大については、被害者連絡会が3月25日に厚労省に渡した資料なども提出された。過去にも特定機能病院の承認を取り消され、再承認された経緯があることから、委員の間で、「実効性のある再発防止策を示す資料を求める」ことで意見が一致した。

 両病院に共通する点としては、大学病院としてのガバナンスや内部検証体制、インフォームドコンセントの在り方などを中心に議論がなされ、委員からは厳しい意見が出たという。次回の日程は未定だが、厚労省は月1、2回のペースで並行して審議を行っていくと説明している。



http://www.m3.com/news/general/307111
治療実施後3日で死亡 がんセンターが調査へ
2015年3月27日(金)配信共同通信社

 千葉県がんセンターは、入院していた肝臓がんの男性患者(65)が、血管内を通したカテーテルによる抗がん剤などの投与を受けてから3日後に、大量出血や肝不全などを起こして死亡したと26日、明らかにした。

 センターは外部有識者も交えて事故調査委員会を設置し、カテーテルが血管を傷つけるなどのミスがなかったか調べる。センターによると、担当した50代の男性医師は、腹腔(ふくくう)鏡下手術で複数の患者が死亡した問題で県の第三者委員会の調査を受けている。

 カテーテルによる治療は16日に実施され、脚の付け根の血管から患部へと管を通し、抗がん剤などを投与していた。男性は19日未明から容体が急変し、同日夜に死亡した。2009年以降、男性医師からこの治療を3カ月~1年おきに受けており、治療方法も学会のガイドラインに沿って決めたという。

 男性医師は患者の家族に、投与した抗がん剤の種類を間違えて伝えていたことも判明。センターは患者側への対応に問題がなかったかも合わせて調べる。



http://www.m3.com/news/general/307170
横浜市の勝訴確定 児相の男児アレルギー死で
2015年3月27日(金)配信共同通信社

 横浜市の児童相談所が3歳の男児にアレルギー物質を含む食事を与えて死亡させたとして、両親が市などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(千葉勝美(ちば・かつみ)裁判長)は27日までに両親側の上告を退ける決定をし、原告敗訴が確定した。決定は25日付。

 二審東京高裁判決によると、男児は2006年、東京都内の病院に病気で入院し、病院側が「両親が栄養を与えない虐待の疑いがある」と児相に通報。一時保護した児相は男児に卵を含んだちくわを誤って食べさせ、食事から約7時間後に亡くなった。

 一審横浜地裁は、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックが死因だとし、市の過失を認め約5千万円の支払いを命令。しかし二審東京高裁は「食事から数時間は発症がなかった」と、死亡との因果関係を否定し請求を棄却した。



http://www.m3.com/news/general/307158
双葉地方町村会:2次救急病院整備を 県と国に要望へ /福島
2015年3月27日(金)配信毎日新聞社

双葉地方町村会:2次救急病院整備を 県と国に要望へ /福島

 双葉郡8町村でつくる双葉地方町村会(会長・渡辺利綱大熊町長)は26日、郡山市で会合を開き、入院や手術に応じる2次救急の病院を郡内に作るよう、県と国に来月にも要望することを決めた。

 この日の会合で、町村会の中に設けた医療体制検討委員会が報告書を提出し、了承された。それによると、震災前には郡内に3病院あった2次救急の病院は震災後なくなった。郡内の医療機関は広野町と川内村に診療所などが計4カ所しかなく、昨年は救急搬送先の77%が郡外だった。

 このため、報告書は5年以上先の中長期的な課題として「救急搬送に十分対応できる医療機関が郡内に整備されておらず、設置が必要」と結論づけた。

 また、町村会は医師や看護師などの医療従事者を増やすため、医療を志す双葉郡出身の学生に修学資金を貸与する制度を検討する。震災後に休校している双葉町の公立双葉准看護学院の再開に向けても調整を進める。

 一方、短期的な課題だった診療所の設置は進みつつある。町村会は昨年8月、県がいわき市に建設する二つの災害公営住宅(復興住宅)内に郡立診療所を設置すると決定。県も町村会の要望を受けて、楢葉町に県立診療所を設置することを決めており、来年2月の開所を目指している。【岡田英】



http://www.m3.com/news/general/307110
腹腔鏡、10例で問題指摘 抗がん治療でも死亡判明
2015年3月27日(金)配信共同通信社

 千葉県がんセンターの消化器外科で2008~14年に腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた複数の患者が死亡した問題で、県の第三者委員会が医学的な調査を依頼した日本外科学会の調査書に、11例中10例で手術を実施するかの判断や術中の対応などに問題があったと指摘されていることが26日、関係者への取材で分かった。

 またセンターは、カテーテルを通して抗がん剤などの投与を受けた肝臓がんの男性患者(65)が、3日後に大量出血や肝不全などを起こして死亡したことを26日、明らかにした。16日に治療が実施されたが、19日未明から容体が急変し、同日夜に死亡した。

 センターによると、腹腔鏡下手術11例のうち8例を担当した50代の男性医師が治療していた。センターは外部有識者を含む事故調査委員会を設置し、カテーテルが血管を傷つけるなどのミスがなかったか調べる。

 関係者によると、11例の調査対象は、手術当日から約9カ月後の間に死亡した50~80代の男女11人。調査書では11年2月に肝臓の部分切除手術を受け、4日後に死亡した男性=当時(59)=で、体が手術に耐えられるのか入念な検査と予測をすべきだったと分析。

 12年9月に膵臓(すいぞう)の手術を受け、当日亡くなった女性=当時(76)=では、大量出血時でも腹腔鏡下での手術にこだわった疑いがあると指摘した。

 第三者委員会の調査では、センターは遺族と示談した例や、過去に設置された事故調査委員会で問題点が指摘された例があっても、満足な改善措置を取らなかったことも分かった。

 男性医師は外科学会から「腹腔鏡下手術のベテランで実績がある」と評価されているが、開腹手術など他の選択肢もあることを患者側に十分に説明していなかったことも、遺族への聞き取り調査で判明しているという。

 第三者委員会は調査書などを基に、近く最終報告書をまとめる。関係者によると、難易度の高い手術を続けるかなど、再発防止策の検討が不十分だったセンターの管理体制を厳しく指摘する内容になる見込み。



http://mainichi.jp/select/news/m20150328k0000m040101000c.html
群馬大病院:調査委の外部委員、会合出席せず
毎日新聞 2015年03月27日 20時50分

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術を受けた患者8人が死亡した医療事故で、事故を調べた同病院の調査委員会の外部委員が、ほとんど会合に出席していなかったことが27日、分かった。

 厚生労働省から同省の社会保障審議会医療分科会に報告された。分科会の委員らは「外部委員の意見が報告書に反映していない懸念がある」と指摘。病院は近く外部委員も交えて報告書の内容を議論する会議を開き、結果を同省に報告する。

 同省によると、調査委員会には病院の顧問弁護士を含む外部委員5人が参加。会議は9回開催され、複数回出席したのは顧問弁護士だけ。3人は初回の会合しか出席せず、2回目に追加で選任された1人は一度も出席しなかったという。【桐野耕一】



http://mainichi.jp/shimen/news/20150327dde041040046000c.html
東大論文不正:東大、博士号3人取り消し 「結論に影響」
毎日新聞 2015年03月27日 東京夕刊

 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、東大は27日、不正論文が作成された当時の研究所の大学院生ら3人の博士号を取り消したと発表した。決定は今月23日付。

 東大によると、3人には、2005年と07年にそれぞれ農学博士号を授与していた。この問題を巡り、当時特任講師だった北川浩史・元群馬大教授が、徳島大から既に医学博士号を取り消されており、博士号の取り消しは計4人となった。

 東大は昨年12月、加藤氏のグループによる論文33本でデータの捏造(ねつぞう)や改ざんの不正行為があったとする最終調査報告書を発表、加藤氏ら11人が不正行為をしたと認定した。加藤氏ら教員6人はいずれも退職していたが、「懲戒処分相当の可能性がある」との見解を示した。東大はその後、東大で博士号を得た6人について、博士号取り消しに当たるかを審議していた。

 東大によると、大学から博士号を取り消されたのは、当時大学院生だった藤木亮次元助教ら3人で、「捏造や改ざんをしたと認定された図が博士論文の結論に重要な影響を与える」と判断し、取り消しを決めた。3人の現職などは「個人情報にあたる」として公表しなかった。残り3人は「不正の程度が軽く、論文の結論に影響しない」などとして取り消さないという。東大の相原博昭副学長は記者会見で「研究倫理の周知徹底に全学を挙げて取り組みたい」と述べた。【河内敏康】


  1. 2015/03/28(土) 11:02:58|
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3月26日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/306785
医療維新
外国医師診療拡大「問題ありすぎ」、日医・横倉会長
地方創生特区の秋田県仙北市でアイデア

レポート 2015年3月26日(木)配信池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は3月25日の会見で、政府の国家戦略特区諮問会議が3月19日に決定した「地方創生特区」の中で検討されている臨床修練制度の要件緩和などによる外国医師の診療拡大の検討について、「(医療安全の観点から)問題がありすぎる」として、反対する考えを示した。横倉氏は、特区の枠組みの中で、外国医師の診療拡大が検討されている点について、「経済活性のために、地域限定で医療本体の規制を解除することは賛成できるものでない」との考えも示した。


日医の横倉義武会長は、発展途上国の医療水準の向上などが目的の臨床修練制度が、医師不足対策に活用されることを疑問視した。
 新しく「地方創生特区」に指定された秋田県仙北市の区域方針では、「外国人医師の診療所における診察」の項目が盛り込まれている(資料は、内閣府のホームページ)。内容としては、(1)現在、外国人医師向けに実施されている「臨床修練制度」で、受け入れ可能な診療所の範囲を「臨床修練病院の指定を受けた病院との間で緊密な連携体制が確保された診療所」としている要件について、指導医の確保などを前提に、臨床修練病院との連携の条件をなくして「単独の診療所」でできるようにする、(2)臨床修練を行った外国医師について、特区において二国間協定に基づく実地試験を省略する――の2つ。

 (1)については、横倉氏は、国が「適切な指導医を確保すれば良い」との関係を示していることについて、同制度における指導医の指導状況を、地元の医師会などがチェックする仕組みの必要性などに言及した上で、「秋田県医師会や地元医師会は困っており、日医も同じ思い」「単独診療所で、1指導医がいるだけで良いというのは、安全上の問題がありすぎる」と指摘した。仙北市の案は、医師不足が発端になっている点については、「外国から医師を招くのでなく、(日本の)医療界で対応する問題だと思う」と話し、発展途上国の医療水準の向上などが目的となっている臨床修練制度が、医師不足対策のために拡大されることを疑問視した。さらに、現行の制度における指導医については、専門医の取得や大学における指導経験を念頭に「資格要件を明確にすべき」と話した。

 (2)について、横倉氏は、医師免許の互換制度において、相手がフランス、英国、米国、シンガポールの4カ国のみで、相互主義による二国間協定に基づいている点を指摘し、医師の質担保や、外国医師の受け入れに当たって片務的で不平等な関係にならないように、慎重な対応を求めた。

 1月の時点において、国家戦略特区諮問会議で出ていた「二国間協定による外国人医師が、日本の保険が適用できる外国人を診療した場合の保険適用」のアイデアがなくなったことについて、横倉氏は歓迎する意向を示した。

 

http://www.sankei.com/life/news/150326/lif1503260003-n1.html
医学教育の国際化考える 東京医科歯科大でシンポ
2015.3.26 07:00【産経Health】

 医学教育の国際化をいかに推進するかをテーマにした国際シンポジウム「医療系グローバル人材育成における大学の役割と取り組み」が21日、東京都文京区の東京医科歯科大学で開かれた。

 シンポでは、日本の医療水準は高いのに、国際的に生命科学分野の論文数で遅れ、医薬品・医療機器分野で輸入超過となり、さらに国際機関での活躍も見劣りする-との課題が提起された。これを受けて東京医科歯科大学グローバルキャリア支援室長の高田和生教授は選抜した学生を対象にすべて英語で授業を行う「HSLP」という制度をすでに始めていることを紹介し、「世界の保健医療分野で貢献できる人材を養成したい」と語った。

 新潟大学大学院の斎藤昭彦教授はこの2年で米国医師国家試験に計8人合格した実績を示し、「米国で働く選択肢が開ければ国際化につながる」と述べた。

 ソウル大学の金漢錫教授は韓国の英語教育は初等教育から熱心なため、大学進学後に「英語がストレスになる人は少ない」と指摘。「世界保健機関(WHO)事務局長に韓国人がかつて就任したように、韓国は国際舞台で活躍することを目指している」と語った。

 タイの参加者からは東南アジア諸国連合(ASEAN)で医療制度の垣根を取り除き、医師が各国で働ける構想が進められており、そのためにも「医学教育の国際化が重要になっている」ことが紹介された。

 パネルディスカションは東京医科歯科大学の田中雄二郎理事が司会を務め、早稲田大学の内田勝一学長代理らが参加した。



http://www.nnn.co.jp/news/150326/20150326003.html
患者に笑顔広がる ホスピタルアートお目見え
2015年3月26日 日本海新聞

 鳥取医療センター(鳥取市三津)の重症心身障がい児者病棟に「ホスピタルアート」がお目見えした。壁や天井に動物や乗り物の絵が大胆な大きさと温かみある配色で描かれ、見る人を包み込むよう。関係者は、患者の癒やしにつながることを期待している。

 機能が優先され、ぬくもりが欠けがちな医療機関の造りに芸術作品を取り入れることで、患者の心に癒やしを届けるのがホスピタルアート。欧米では広く浸透している。

 「改築記念にずっと残るものをつくりたかった」と話すのは下田光太郎院長(65)。センターは、旧病棟の老朽化に伴い2012年4月に病棟を新築。3病棟160床あり、県内はもとより島根、兵庫、京都など近隣府県の3歳から60代までの患者が入院している。長期入院者もいて、病棟は生活の場となっている。

 新築後、入院患者の保護者会による寄付金の使途について考える委員会を看護師らが設置。物品購入や彫刻などの案も出たが、「特に子どもたちの視覚に訴えるものを」と、院長提案で壁画制作が決まった。

 エレベーターホールと渡り廊下にはキリンやクジラなどの動物や列車、パトカー、飛行機などの乗り物が花柄を交えて描かれた。24日に関係者にお披露目され、保護者会長の松本泰子さん(61)は「生きる喜びを患者のみんなが感じてくれそう。保護者も幸せ」と感無量の表情。早速、廊下を通った患者の子どもや看護師に笑顔が広がった。

 作者は行動美術協会員で鳥取市内在住の画家、細川佳成さん(54)。「生きる喜びというテーマを頂き、動物や花の躍動感を描いたが、私自身すごく楽しかった」と話す。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2015/M48130201/
シリーズ 少子化最前線-産科医療の今 ④
「女性医師支援」で見えてきた課題と今後の展望

木戸 道子 氏
[2015年3月26日(VOL.48 NO.13) p.20] MT Pro / Medical Tribune


 産婦人科に占める女性医師増加の背景には「女性特有の悩みを相談しやすい」というニーズの高まりがある。一方,当直を挟んだ長時間連続勤務などの激務は改善されないままで,産科を専攻した女性医師の半数が働き盛りの時期に育児などを理由に分娩取り扱いを離れ,医療体制の維持に影響が出かねない状況だ。女性医師がやる気を持ちながらも診療の第一線を退くことのないよう,産婦人科では妊娠・育児中の勤務緩和や院内保育所の設置状況などを他科に先駆けて調査・提言してきた。そのような中,支援の在り方に新たな課題も見えている。産科の「女性医師問題」とその解決策とは。日本赤十字医療センター(東京都)第二産婦人科部長で日本産婦人科医会勤務医委員会の委員長を務める木戸道子氏に聞いた。

意外と気付かない“マミートラック”のリスク

 日本産婦人科医会の調査によると,分娩取り扱い施設に勤務する常勤医の4割は女性で,その半数は妊娠中,または小学生以下の子を育児中だ。さらに,小学生以下の子を育児中の女性の64.9%,中学生以上の子を育児中の女性の40.7%が当直緩和(免除を含む)を受けている。

 子供が小さい間は職場の勤務緩和を利用,または非常勤やパートで仕事を続け,育児に手がかからなくなったら本格的に復帰すればよい…。しかし「これは“マミートラック”に入り込む恐れがあり,支援する側もされる側も意外とそのリスクに気付かない」と木戸氏。マミートラックとは,子供を持つ女性の働き方の1つで,仕事と育児の両立はなんとかできるものの,昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースを指す。「勤務緩和は大変な時期にはありがたいが,いつまでも緩和のままでは支援する側も負担である上,本人のキャリアアップにもつながらない」と話す。

常勤医の3分の2が女性,集約化による交代勤務制で働きやすく

「女性医師問題」を改善するには,「勤務緩和よりも誰もが無理なく働けるシステムが鍵。その1つが交代勤務制」と木戸氏。同制度の長所は「オンオフをはっきりでき,ワークライフバランスの向上だけでなく,長時間連続勤務をしないことで医療安全につながること」。「育児中の女性医師への支援」としてではなく,あくまで患者の安全のために医師の性別にかかわらず必要なことと強調する。

 同氏が勤務する日赤医療センターは母体救命の受け入れを含め年間分娩数3,200件以上の日本有数の施設。研修医にも人気の病院だ。約30人の産婦人科医のうち,女性は3分の2,その3分の1が妊娠あるいは育児中だが,夜間休日の勤務も免除なく担当している。時には「女性医師が多いと勤務のやりくりに困る」ともいわれる現在の医療界では異例の体制だが,医師数の多い施設だからこそ可能な側面がある。

育児と当直の両立,交代制だと「意外とできる」

 例えば医局員が出産後に復帰した場合,日中のみの勤務から開始し,そのうち「月1回からでいいので,休日の日勤をやってみて」と声をかける。最初は「子供がいるので…」と迷っていても,一度体験すれば「“意外とできる”と自信につながる」と木戸氏。また「家族の援助などを受けながら頑張っている姿を見て,周囲も応援する気持ちが湧き,不公平感もなくなるようだ」と話す。交代勤務制であれば長時間連続勤務ではないため,当直入り明けの日中がフリーとなり,家族と過ごす時間や自己研さんに充てることも可能だ。

仕事と育児への向き合い方は異なる「1人で抱え込まない」

 自身も3人の子供を育てながら産科医を続けてきた。常勤を辞めようと思ったことも一度や二度ではない。それでも「産科の仕事は,健やかにこの世に産まれる新しい命を見守るかけがえのない仕事。大出血など時には怖い思いをすることもあるが,自分なりに考え,対応した経験が積み重なって力が付いていく」。

 一方,子育てで実感したのは「親業はエンドレスで,“何歳から手が離れる”ということはない。でも,育児は自分だけで抱え込む必要もない」と木戸氏。人により事情は異なるので周囲が自分の価値観を押し付けないこと,本人も「両立は無理」と退職や転職を決める前に周囲に相談することが大事,と話す。

育児中でも管理職目指すには

 職種にかかわらず女性が育児などを経ても仕事を辞めずに続けるだけでなく,キャリアアップし指導的立場・管理職として組織の運営に加わることが社会で求められるようになっている,と木戸氏。「既に民間企業では,商品開発や営業に女性が加わり成長を遂げている。医学・医療においても女性の視点でこれまでにない発想やアプローチにより学問の発展も期待できるのではないか」との考えを示す。

 キャリアアップを目指すには,院内外の会議や委員会などの管理業務を担当することで視野や人脈,経験の充実に役立つと話す。「“家に帰らないと”と時間に拘束されていると,こうした場に参加できないままで役割も回ってこない」(同氏)。会議に出れば,組織の意思決定の仕組みも体験できる。“この人なら頼める”と信頼関係の構築にもつながる,とそのメリットは少なくないと説明する。

使いやすい保育サービスの普及が望まれる

 とはいえ,会議は夕方など勤務時間外に開かれることも多い。育児中は,保育園の迎えなど帰宅時間がやはり気になる。「まず委員を引き受ける前提で,やりくりを考えるのがこつ」と木戸氏。時にはファミリーサポートやベビーシッターを上手に利用する方法もあると話す。

 医師,家庭人として限られた時間をやりくりするための保育サービス活用の意義は,自分自身のワークライフバランスの向上だけにとどまらない。「比較的,経済的に余裕のある医師が先行して各種保育サービスを利用し,どうすれば使い勝手が良くなるのか,どんどん意見やアイデアを出していくべき。そうしてサービスが充実すれば,より多くの人が利用できるようになり,さらに改善が進んでコストも下がっていくかもしれない。子供にとって,母親がずっと側にいるのが一番幸福とは限らない。保育士やシッター,異年齢の子供と接することで成長にプラスになる面もある」と話す。

「ピンチをチャンスに」

 木戸氏のモットーは「ピンチをチャンスに」。「○○だから,できない」と殻に閉じこもるのではなく,「だったらどうすればいいのか」とポジティブに考えてやってきた。今の職場に交代勤務制が導入される前は月8回の当直を挟んだ連続勤務もいとわず,出産,育児や家事をこなした,と振り返る。3人の子供のベビーシッター代が月給を超えた時期もあった。「こんな鉄人レースのような生活なしに成り立たないような制度自体がおかしい」。幸い家族も職場も“出産しても仕事を続けて当然”と理解があった。「たまたま周囲の理解に恵まれて仕事を続けられたのはありがたいこと。でも,もっと多くの人がライフイベントにかかわらず楽しく仕事を続け,ひいてはキャリアアップを目指せる環境づくりも大切」と勤務医の待遇改善に奔走してきた。

「当院の交代勤務制は分娩数も医師の数も多いから可能との声も聞く。でも“この病院は人数がいないから交代勤務制ができない”ではなく,地域に人員が多く症例の豊富な施設を1つつくれば,地域での救急受け入れ能力が向上する。さらにいったん現場を離れた医師の再研修の場となりうる。そこで再研修後を受けることで安心して現場に復帰できる,というさまざまなメリットがあるはず」と話す。

 同氏も医師・家庭人としてだけでなく,学会活動など仕事はたくさんある。そのための時間のやりくりは確かに大変だ。「家庭がおろそかになると子供がきちんと育たない,と言われないよう子供と向き合う時間をつくるよう努めてきた。夜間や休日にも親が不在がちで,子供なりに当時はさまざまな思いがあったかもしれないが,今では社会人の先輩としてとても尊敬してくれている」。子育ても仕事も「楽しそうにやっている背中を見せる」ことが肝心と話す。

 これからも,自分にできることはささやかかもしれないが,いろいろな立場の女性医師の経験を集め,そのノウハウや失敗を若い人になんとか伝えていきたい,と同氏。「“この先には,こんな落とし穴があるから気を付けた方がいいよ”“今はしんどいけど,もう少しすると違った景色が見えるよ”と駅伝コーチのように一緒に走っていきたい」と笑った。

Column
産科医のワークライフバランス改善にさまざまな試み

 日本産婦人科医会は2009年に女性医師支援情報サイトを開設。出産・育児の話題以外にも,家族の介護や職場の人付き合いなどに関する事例紹介やアドバイスを掲載している。
 現在,「ワークライフバランスやキャリアアップに関するさらに広いテーマを紹介するため,改訂準備中」(木戸氏)とのことだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=115097
腹腔鏡の波紋(中)…診療報酬「適用外」も請求
(2015年3月26日 読売新聞)

高難度手術倫理、審査受けず

 関東地方の病院で2013年に、肝臓の右半分に当たる「右葉」を切除する手術が行われた。患者は女性で、手術には腹腔鏡が使われた。

 大きな出血を起こす心配があった腫瘍は切除され、患者は無事退院。しかしこの手術には問題があった。保険が利かない「適用外」であるにもかかわらず、保険請求されていたのだ。不正請求に当たる疑いがある。

 腹腔鏡を使った肝臓手術では現在、二つの方法しか認められていない。肝臓の左3分の1に当たる外側区域の切除と、腫瘍をくりぬくように切り取る「部分切除」だ。

 これら以外は全て適用外で、100万円以上かかる治療費は患者が全額支払う自由診療か、病院が研究費などから賄うのが本来の姿だ。しかし、適用外の手術でも多くが保険請求されているとみられる。

 冒頭の関東地方の病院幹部は「右葉切除だが『部分切除』で請求した。適用外の腹腔鏡について他の病院に尋ねたが、どこも国から不正請求と指摘された所はなく、請求しても問題ないと判断した」と話す。

 読売新聞が、適用外の腹腔鏡手術について学会発表している28病院に質問したところ、関東地方の同病院を含む4病院が「保険請求した」と答えた(1病院は自由診療、23病院は無回答)。

 適用外の腹腔鏡手術は保険適用に比べ死亡率が高く、安全性や有効性が確認されていない。公の議論がないまま、病院側の判断で保険請求され、支払いが認められれば、なし崩し的に適用外の手術が広がることになる。

 患者が相次いで死亡した群馬大病院では、10年12月~14年6月の間に、58人に適用外の腹腔鏡手術が行われ、そのうち35人の手術が保険請求された。

 ある大学病院の病院長は「適用外でも保険適用の手術として会計上処理されていれば、難易度が高くない手術として倫理審査も受けずに済む。どうしても院内のチェックは甘くなる」と指摘する。

 同じ構図は、膵臓の腹腔鏡手術を受けた患者が相次いで死亡していることが昨年4月に発覚した千葉県がんセンター(千葉市中央区)でもみられた。同センターは、13年に行った適用外で高難度の腹腔鏡手術を通常の開腹手術として請求していた。同センターは健康保険法に基づく国の調査を受けている。

 群馬大病院に対しても厚生労働省は調査を行う方針だ。他の病院の適用外手術の保険請求に対しては「病院側から出ている保険請求内容と、院内の手術記録を突き合わせてみないと不正かどうかわからない。群馬大病院の調査結果を見て判断したい」と対応を検討している。

 日本肝胆膵外科学会などの調査によると、この分野の適用外の腹腔鏡手術は年間約400件。保険の「不正請求」についても実態解明が急務だ。



http://apital.asahi.com/article/news/2015032600006.html
事故調査、医師「納得できず」 東京女子医大病院
2015年3月26日(朝日新聞 2015年3月26日掲載

 東京女子医大病院で医療事故にあった患者や家族らによる被害者連絡会は25日、厚生労働省に資料を提出し、同病院の特定機能病院の承認取り消しを改めて求めた。資料には、担当医らが遺族に「外部調査委員会の調査結果に納得していない」と話したことを示す文書もあった。文書は、原則禁じられている麻酔薬プロポフォールの投与後に死亡し、病院の外部調査委員会で「悪影響を及ぼした可能性は否定できない」とされた子どもの家族に、担当医らが1月に説明したのを書き起こしたもの。それによると、担当医らは「他の病院でも使用しているのに、(なぜ)女子医大だけが問題にされるのかわからない」と話したという。



http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_11498.html
社説
研究不正対策

2015年3月26日 宮崎日日新聞

学会は自主的に取り組んで

 科学や医療の分野で研究上の不正や疑惑が相次いだことを受け、政府が規制強化に乗り出している。不正行為への対応の基本を定めた文部科学省のガイドラインが4月から適用され、厚生労働省も不正防止のための法案づくりを進めている。しかし大学や研究機関は研究活動を萎縮させないためにも、より公正で透明性のある規制の仕組みをつくる必要がある。

■証拠の優越あいまい■

 最近の不正行為の中でもSTAP細胞よりも事態が深刻とみられるのは、東京大分子細胞生物学研究所で起きた論文不正だ。東大の調査では、33本の論文に捏造(ねつぞう)や改ざんが確認され、元教授ら11人が不正に関与していた。

 ガイドラインはこうした不正行為を防ぐための取り組みや疑惑が生じた際の対応について基本的な考え方を示し、それに沿った規定作成など体制整備を大学や研究機関に求めている。問題があれば指導し、改善しなければ研究費の配分を止める措置も取る。

 ただ、ガイドラインには十分に議論してつくったと思えない部分がある。まず証明責任を、告発された側の研究者に負わせている点だ。証明できなければ不正と認定するとしている。

 しかし訴訟では証明責任は原則として告発した側にある。行政機関が処分する場合は機関の側に証明責任があるというのが一般原則で、米国の研究不正の規定もそうなっている。特殊なルールを採用するのなら、議論を深め、社会的な合意を得るべきだ。

 またガイドラインは、不正かどうかは大学や研究機関の設ける調査委員会が「総合的に判断する」としている。米国やフランスでは「証拠の優越」による判定が原則だ。双方が証拠を出し合い、どちらに分があるかを判断する。日本の民事裁判の原則でもある。ガイドラインはそうした原則を示しておらず、あいまいな判断がまかり通る可能性がある。

■背景に自浄作用衰え■

 不正の有無を調べる方法として、疑いをもたれた側が再実験をすることを盛り込んだのも疑問だ。実験で結果が再現できるかどうかと不正の有無は別の話だ。どんな調査をするかは状況に応じて考えればいい。

 公正さの面でも十分とは言えない。欧州の科学アカデミーは疑われた側が告発内容を把握できるようにしたり証人を立てることを認めたりするよう提言している。参考にしてはどうか。

 ガイドラインは不正行為の背景に科学界の自浄作用の衰えがあると指摘する。本当なら日本の科学の存立自体が危うい。学会はぜひ自主的に取り組んでほしい。

 過酷すぎる競争が不正の温床になっているという指摘もある。博士を増やしたものの、安定した職になかなか就けない現状を考えれば、政府はもっと根本的な、不正の起こりにくい環境づくりに取り組むべきだ。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/158718
地域枠医師、巣立ち 第1期の鹿大卒女性2人 [鹿児島県]
2015年03月27日(最終更新 2015年03月27日 01時26分)西日本新聞

 鹿児島県が離島やへき地などの医師不足を解消するため鹿児島大医学部の学生を対象に導入した奨学金制度第1期生の女性2人が、地域枠医師として4月1日から勤務する。2人は26日、県庁で伊藤祐一郎知事から勤務先決定の通知書を受け取り「地域のために頑張りたい」と決意を語った。
 奨学金制度は2006年度に創設された。入学金や授業料、生活資金、図書購入費など6年間で最大940万円を学生に貸し付ける。学生は卒業後、計3年の臨床・実務研修を経た上、離島やへき地で最長6年勤務すれば返還を免除される。
 勤務先が決まった2人のうち、鹿児島市の新村尚子さん(28)は肝付町立病院に配属される。奨学金制度の利用は予備校の講師に勧められたといい、「地域に医療が届いていない現状を知り、自分を必要としてくれる所に行きたいと思った」と振り返る。専門は循環器内科だが、肝付町では岸良診療所への出張も週に2回あり、総合診療を要求される。「患者さんを少しでも元気づけられる医師になりたい」と力を込めた。
 県によると、12年の県内の医師数は4227人。人口10万人当たりの数は全国平均より12・3人多いが、鹿児島医療圏(鹿児島市・郡、日置市、いちき串木野市)に集中しており、最も少ない曽於医療圏(曽於市・郡、志布志市)とは3・5倍もの格差がある。
 奨学金の貸与者は現在116人。県は地域枠医師を今後10年間で137人に増やす予定で、医療の地域間格差の解消に努めていくという。
=2015/03/27付朝刊=



http://mainichi.jp/select/news/20150327k0000m040105000c.html
千葉県がんセンター:50代医師執刀で死亡相次ぐ
毎日新聞 2015年03月26日 21時51分(最終更新 03月26日 22時37分)

 千葉県がんセンター(千葉市)は26日、肝細胞がんの治療を受けていた県内在住の男性(65)が抗がん剤投与後に容体が急変し、死亡したと発表した。投与したのは消化器外科の50代の男性医師で、同センターで腹腔(ふくくう)鏡手術を受けたがん患者が相次いで死亡した問題では大半の事例を執刀していた。センターは医療ミスの可能性もあるとみて外部有識者を含む院内事故調査委員会を設置した。

 死亡した男性は2009年、他病院からの紹介で治療を開始。カテーテルを通して抗がん剤を投与し、がん細胞を壊死(えし)させる治療を約5年半受けていた。計12回目となる今月16日の投与後の同19日に容体が急変して死亡した。死因は肝細胞がんの破裂による出血で、センターは「(破裂が)自然経過によるものか、治療によるものか検証したい」としている。

 投薬した医師は、腹腔鏡手術を巡る問題で県の第三者検証委員会が検証対象としている腹腔鏡手術による死亡11例のうち8例の執刀医だった。同問題が発覚した昨年5月から手術への中心的な参加を禁じられていたが、投薬治療の担当は続けていた。センターは今回の事案を受け、この医師に全ての診療行為を控えるよう指示した。【岡崎大輔、円谷美晶】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032602000153.html?ref=rank
千葉県がんセンター 腹腔鏡手術複数に「問題」
2015年3月26日 朝刊 東京新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で、腹腔(ふくくう)鏡を使って膵(すい)臓や肝臓などの手術を受けた患者十一人が死亡した問題で、医学的な調査・検証を行った日本外科学会が、手術方法の選択に誤りがあったことや執刀医の技術水準が手術を担うレベルに達していなかったなど、複数の事例を問題視していることが関係者への本紙の取材で分かった。十一症例のうち、手術の技量や前後の措置を含め「問題ない」と判断した事例は二例にとどまる。
 同学会に調査を依頼した県の第三者検証委員会(会長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会会長)は、こうした検証結果などをもとに二十六日にも最終報告書をまとめる。
 検証対象となっているのは、二〇〇八年六月~一四年二月に腹腔鏡下手術を受け死亡した事例。男女十一人のうち八人の手術を一人のベテラン男性医師が執刀、残り三人をそれぞれ別の三人の医師が担当した。
 一三年一月にベテラン医師が実施した肝門部胆管がんの男性=当時(74)=の手術について、「開腹手術でも難しい手術で腹腔鏡下で行ったことが最大の問題点」「挑戦的な選択だった」とそれぞれ批判した。
 さらに腫瘍が転移していない部分まで肝臓を切除したことなどが死亡につながったと判断。初めて行う手法を伴った手術にもかかわらず、倫理委員会で検討した記録がなく、「患者や家族への説明や、同意を得る過程も適切ではなかった」と結論づけた。
 同学会は、ベテラン医師について、腹腔鏡下手術の経験が豊富で「実績があり日本をリードする医師だった」と評価する。しかし一二年九月、手術中の出血による心筋虚血で亡くなった膵がんの女性=当時(76)=の場合は、大量出血時にしばらく腹腔鏡下で止血を試みており「腹腔鏡下での止血に固執したきらいがある」などと指摘した。
 〇八年十一月の胃がんの男性=当時(58)=の手術を担当した別の医師については、手術記録から「盲目的な手術操作が目立ち、手術を安全に実施できる水準に至っていなかった」と技量不足を指摘。
 一一年八月、さらに別の医師が執刀した肝細胞がんの男性=当時(72)=の手術では「胆のう管と他の管を誤認して切り離した」ため死因の肝不全につながったと分析した。
 県がんセンターを所管する県病院局は「第三者検証委員会の調査が最終段階に入っており、コメントは差し控えたい」としている。
◆「選択は誤り」「家族へ説明足りず」「技量不足」
 日本外科学会による千葉県がんセンターで行われた腹腔鏡下手術の事例検証からは、病院内の倫理委員会の審査を経ずに保険適用外の高難度の手術に踏み切るなど、患者八人が死亡した群馬大病院と類似点が浮かび上がる。
 一般的に保険適用外の腹腔鏡下の手術は難易度が高く、日本肝胆膵(すい)外科学会が二十三日に発表した調査でも、肝臓切除手術の死亡率は保険適用外の手術で保険適用の手術と比べ五・四倍高く、膵臓切除の場合は一〇・八倍に上った。
 千葉県がんセンターの場合も十一の症例中、保険適用外の手術は八例を占めた。このうち少なくとも五例で倫理委員会の審査を経ていなかった。一〇年七月に胆管がんの手術を受けた男性=当時(82)=のケースは、手術や術後の管理には問題がなかったものの、日本外科学会の検証結果は「倫理委員会の審査が行われないままに実施されたことに問題があった」と明確に指摘している。
 こうした危険度の高い手術だったにもかかわらず、倫理委員会の事前承認だけでなく、患者や家族に対しても、手術方法のメリットやデメリット、発症しうる合併症について説明をしたかどうか、すべての事例で十分な記録を残していなかったことも明らかになった。
 日本肝胆膵外科学会理事長の宮崎勝・千葉大教授は、同センターの死亡事例十一件のうち、保険適用外が八件に上ることについて「難しい症例に挑戦し過ぎたのかどうか、センターは調査で明らかにする責任がある」と指摘。
 センターを所管する県は第三者委員会の報告を受けた後、センターの過失の有無を含めて対応を協議する。
 <千葉県がんセンターの患者死亡問題> 昨年4月、腹腔鏡を使った手術で患者が相次いで死亡していたことが発覚。県は同6月に原因究明と再発防止を目的とする第三者検証委員会を設置。これまで8回開催され、死亡した11人の事例について、医療の専門的見地からの調査・検証を日本外科学会に委ねた。同センターは日本肝胆膵外科学会により、高度な手術例が多い「修練施設」として「A認定」されている。体に数カ所の穴を開け、カメラ(腹腔鏡)や操作器具を挿入して行う手術は開腹手術に比べて体の負担が少ないのが利点だが、高度な技術が必要とされる。


  1. 2015/03/27(金) 05:39:02|
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3月25日 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240875-storytopic-5.html
「コンビニ受診 抑制を」 北部の医療で初回シンポ
2015年3月25日  琉球新報

 【名護】北部地域の医療機関と住民の関わり方を考えようと「地域で医療を守る・医療を育てる」第1回シンポジウムが7日、名護市の北部会館で開かれた。外来診療をしていない夜間や休日に軽症患者が救急外来を受診する「コンビニ受診」の抑制をめぐり、かかりつけ医を持つ重要性など市民の協力態勢について意見が交わされた。
 シンポジウムは北部地域の安全・安心な定住条件整備事業の一環として実施した。北部広域市町村圏事務組合が窓口となる定住条件整備推進委員会が主催した。
 討論会には名桜大の金城やす子副学長、北部地区医師会病院の笹倉渉医師、県立北部病院の上原正樹医師、名護市各種団体女性ネットワーク協議会の大城美智子事務局長、北部広域市町村圏事務組合の比嘉克雄事務局長が出席。名桜大の大城真理子准教授が進行役を務めた。
 比嘉事務局長は北部の医療現場の状況として、人口10万人に対する医師数は183・9人で、県平均235・2人、全国平均230・4人を下回っている点などを説明した。
 北部地域に勤務する医師への調査から、(1)救急対応などの勤務負荷が高い(2)専門の資格が取りにくい―などを要因に「5人に1人が家族に反対されながら働いており、4人に1人が他地域で働きたいと感じている」と北部地域での医師不足の課題点を述べた。
 他のパネリストからは、患者の適切な行動が安定した地域の医療体制づくりにつながる点が強調され、医療現場の勤務負荷を招く「コンビニ受診」の制限を促す声があった。また、勤務に負担感はあるが北部地域の医師はやりがいを持ち、業務に当たっている点などの報告もあった。
 シンポジウムに先立ち、名護市各種団体女性代表ネットワーク協議会の岸本能子会長が、静岡県の藤枝市立総合病院での視察について報告。病院や保健所、市民らの協力などでコンビニ受診の抑制に成功している事例を紹介した。



http://www.sankei.com/region/news/150325/rgn1503250002-n1.html
宮崎大、来月から市立病院運営
2015.3.25 07:00 産経ニュース

 宮崎大は、4月から宮崎市立病院の運営に乗り出す。医師確保と経営の安定を目指す市と、臨床現場の教育充実や大学病院の混雑緩和を狙う大学の思惑が一致した。医療政策の専門家は、公立病院経営のモデルになる可能性があるとみている。

 対象は、市立田野病院と併設の介護老人保健施設。公共施設の管理を企業や団体が代行する「指定管理者」となって、20年間にわたり請け負う。文部科学省によると、国立大学法人が指定管理者として公立病院を運営するのは全国初。市は20年間で総額約191億円を上限に、人件費や管理費を宮崎大に払う。

 田野病院は昭和23年に診療所として出発、地域の医療や介護サービスを担ってきた。ただ、近年は医師や看護師の不足が悪循環を招き、高齢化に対応した在宅医療やリハビリが困難に。直近の常勤医は3人だけで、手術も年20~30件。平成25年度は約1億8800万円の赤字を出し、市の担当者は「負の連鎖だ。地域が必要とするサービスを提供できていない」と指摘する。

 市は昨年、県内外から管理者を募り、審査で宮崎大が選ばれた。宮崎大病院は外来患者が急増しパンク寸前で、吉原博幸病院長は「想定を超えて患者が増え、医師はかなり疲弊している」と訴える。

 そこで、場所が近い田野病院とすみ分けることで大学側の混雑を緩和する作戦だ。研修医や学生にとっては、医療や介護を現場で学ぶ貴重な機会で、文科省担当者は「地域の包括的な医療を学ぶのに有効」と説明する。

 27年度中に外科、整形外科、内科などで、大学病院との兼務を含め計8人の医師が働く体制を整える。病院長には、経験豊富な医師が就任する。

 手術は年約200件に増やし、病床の利用率も25年度の85・4%から90%以上に引き上げるのが目標だ。29年度には黒字転換を目指す。地元住民らが加わる協議会も設け、要望を反映できる仕組みをつくる。

 総務省によると、全国約900の公立病院のうち、25年度は約半数が赤字。大学との協力は再建の一つの鍵になるとみられ、高知大も20年7月、診療所では国立大学法人として初めて高知市の山間部にある「土佐山へき地診療所」の指定管理者になった。「高度先進医療とは別に、学生に地域をみるという視点を強く意識してもらうため」(高知大)という。

 民間シンクタンク「日本医療政策機構」の宮田俊男エグゼクティブディレクターは「社会保障費の財源確保は難しく、病院も効率的な経営が必要だ。地元の意向をくみながら効率と医療水準の確保を達成できるか、大学との連携を注目したい」と語った。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO84865690W5A320C1MM8000/
市町村、患者情報を地域で共有 在宅医療を推進
2015/3/26 1:40日本経済新聞 電子版

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 厚生労働省は4月から、病状や服薬歴など病院が管理している患者の情報を、地域の看護師や介護士らが共有する仕組みをつくる。全国の市町村にシステム整備を義務付ける。末期がんや寝たきりの患者が看護師や介護士らのケアを受けながら、自宅で安心して療養できるようにする狙い。


 医師や介護関係者らが参加する協議会で市町村ごとに具体的なシステムや運用ルールをつくる。介護保険法の関係省令を改正し、2015年度から開始。18年度までに全市町村での整備を終える考え。厚労省はシステム整備を財政支援する。

 共有する情報の範囲は今後詰めるが、診察記録や服薬・検査の記録、入院中の様子などが対象になる見込み。患者の自宅を訪問して治療やケアにあたる診療所の医師や介護士、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)らが知っておいたほうがよい情報を伝える。

 末期がん患者や寝たきりの高齢者などは最期を自宅で過ごしたいと希望する人が多いが、実際には病院で亡くなる人が多い。在宅医療は緊急時の対応など患者や家族が安心できる体制が不十分なためだ。

 このため訪問看護師や訪問介護士、地域の診療所の医師ら在宅療養を支える関係者が患者情報を共有することで連携を深める。投薬歴などを把握しておけば容体の急変や病気にも気づきやすく、在宅でもきめ細かい対応が可能になる。患者や家族は今よりも安心して自宅で療養できる。

 今も病院から診療所に情報提供する取り組みはあるが、介護士らへの提供は患者のプライバシー保護などを理由に慎重な病院が多い。介護士が患者の状況を把握できずに介護サービスを始めるのに時間がかかり、病状が悪化することもあった。

 今回の情報共有は本人の同意を得るなど個人情報の保護を前提とする。例えば患者にがんを告知していない場合は介護士らにかん口令を敷く。患者情報が漏れないように関係者に誓約書を書いてもらうことも検討する。

 自宅で療養する人が増えれば入院患者が減り、入院医療費の抑制にもつながる。政府の長期推計では在宅医療を受ける患者は1日あたり約23万人から25年度には29万人に増える。一方、入院患者は1日あたり約133万人から129万人に減る見込みだ。



http://diamond.jp/articles/-/69070
知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴【第92回】
病院ビルのテナントに薬局が入ったら便利?
医薬分業に水をさす規制改革会議

早川幸子 [フリーライター]
2015年3月26日 ダイヤモンドオンライン

 3月12日、規制改革会議で「医薬分業における規制の見直し」と題する市民公開のディスカッションが行われた。

「医薬分業」は、「医師は診療」「薬剤師は調剤」と役割を明確にして、それぞれが専門分野で力を発揮して医療の質を上げ、国の医療費を削減するために取り入れられた仕組みだ。

 今回、規制改革会議は、この医薬分業に設けられている規制が形骸化しているほか、コストに見合ったサービスを国民が実感していないと主張。患者の利便性を高めるために、6月の答申に規制廃止を盛り込む予定だという。

 形骸化している規制とは、医療機関と薬局は相互の独立性を高めるため、建物構造上も直接行き来できるような一体的な構造になっていてはいけない、というものだ。

 だが、会議側の提案は、国民の健康を守る上で正しい提案なのか。そして、超高齢化社会となった日本の医療体制にどのような影響を及ぼすのか。長期的な視点から考えてみたい。

医薬分業はGHQの勧告でスタート
1974年以降に医療費抑制策として加速

 日本で医薬分業法が可決したのは、戦後まもない1951年(昭和26年)。民主化の一環としてGHQが行った勧告に従って成立したが、その後、修正が繰り返され、施行されるまでに5年の月日を要した、いわくつきの法律だ。

 GHQの報告書では、「医師法第22条の規定を、医師は患者からの求めに応じて、薬ではなく処方箋を特別料金を請求することなく与え、かくして人々に調剤者の自由選択を保証するように修正すべき」と勧告している(『医薬分業の歴史―証言で綴る日本の医薬分業史』〔薬事日報社〕)。

 だが、利害の対立によって分業の強制は見送られ、医師がほぼ自由に調剤投薬できる骨抜きの内容となって成立。1956年(昭和31年)に施行されたあとも、実際にはほとんど分業が進むことはなかった。

 医薬分業が、再び、医療制度改革の表舞台に立つのは高度経済成長期だ。1960年代以降、薬剤費が国民医療費の4割を超えるようになり、逼迫する医療保険財政を改善するために、国の施策として推進されるようになる。

 健康保険を利用する処方薬は、ひとつひとつ国が「薬価」を決めているが、当時の医療機関は、医薬品メーカーから薬価より大幅に安い価格で薬を仕入れるのが当たり前となっていた。

 薬価と仕入れ値との差によって生まれる「薬価差益」が、医療機関の収入に大きな影響を与えていたため、必要のない薬まで過剰投与して利益を上げていると疑われるケースが散見されるようになる。「薬漬け医療」という言葉が聞かれるようになるのもこの頃だ。

 そこで、国は医薬品メーカーが卸す実勢価格を調査し、それに近づくように薬価を引き下げ、薬では医療機関が利益を出せない仕組みに変更。年々、薬価は引き下げられ、今では薬価差益はほとんどなくなっている。

 そして、1974年(昭和49年)、医療機関を調剤から引き離す施策が断行される。まず2月に、それまで6点(60円)だった処方せん料を10点(100円)に、同じ年の9月に50点(500円)への引き上げを実施。つまり、医療機関が自前で薬を出すより、処方せんを書いて薬局に回すほうが利益が高くなるようにして、診療報酬での誘導を図ったのだ。

 薬の在庫は医療機関の資産とみなされ、資産課税の対象になる。薬価差益で稼げればいいが、その旨味が減った今、医療機関も薬の在庫は抱えたくない。在庫を減らせれば税制上のメリットだけではなく、薬の管理にかかるコストを削減できて、たくさんの薬剤師を抱える必要もなくなる。

 処方せん料の引き上げを機に医薬分業は徐々に広まり、2013年度は67%まで上昇。国民医療費に占める薬剤費は2割程度まで減少しており、医薬分業は医療費削減に一応の効果を発揮したといえるだろう。

過剰投与など健康被害防止目的の
薬剤師によるチェックが本来の意義

 70年代以降、日本では医療費削減を目的に医薬分業が推進されてきたことは否めない。しかし、医薬分業の真の目的は、患者の健康を守ることにある。

 薬は、正しく使えば病気やケガの回復を助けてくれるが、用量を間違えたり、飲み合わせが悪かったりすると、効果が薄れたり、相互作用が起きたりして、思わぬ健康被害を受けることがある。

 とくに高齢になると、「心臓病で内科に通いながら、腰痛で整形外科にも通って、時には歯医者にもかかる」など、複数の病院や診療所から薬を処方されるケースも多い。そうしたとき、かかりつけの薬局を決めて一括管理してもらえば、それぞれの医療機関で出された処方せんの内容を薬剤師がチェックしてくれて、重複投与や相互作用よる健康被害を未然に防ぐことができる。

 そもそも医師が処方した薬が間違っていることもあるため、患者にとって本当に有効で安全な薬なのかを、薬剤師の目でチェックできるのも医薬分業のメリットだ。

 ただし、医療機関と薬局が馴れ合っていたり、力関係に問題があったりすると、忌憚なく医師の処方に薬剤師が意見できない可能性もある。両者はお互いに独立した関係であることが求められるため、医療機関と薬局が一体的な構造となって、一体的な経営を行うことが禁止されているのだ。

 規制改革会議は、この建物構造上に設けられた要件が形骸化しており、患者の利便性を損なっていると主張。委員の多くから、「規制を撤廃して、医療機関の中に薬局をつくることを認めるべき」との意見が相次いだのだ。

 現在、薬局と医療機関が公道を通らず、専用の通路で行き来できるような建物構造は禁止されている。そのため、実際には診療所のすぐ横に薬局を作ったのに、フェンスを立てて、わざわざ公道を通らないと薬局に行かれない作りになっていることがある。

 また、大病院の前には、そこで出される処方せんをあてにした門前薬局がひしめいている。そうした薬局では、医師の処方せん通りに薬を揃えて患者に渡すだけで、ろくな服薬指導が行われていないこともある。すべての薬剤師が、その職能を発揮し、医療の質の向上に貢献しているとは言いがたい状況だ。

 一方で、同じ薬を出してもらうにも、院内処方より院外処方のほうが患者負担は重い。たとえば、投薬にかかる患者の自己負担は、薬の内容が同じでも、院内処方は420円、院外処方は1840円と4倍近い開きがある(規制改革会議公開ディスカッション資料より=PDF)。

 医薬分業のメリットを十分に感じられないなか、医療費に差が出る今の仕組みに国民が疑問を抱くのは当然のことで、規制改革会議の指摘は一理ある。

 たしかに、フェンスを隔てて建物を構造上分離させるような無駄な規制は意味がないように思う。しかし、患者の利便性を追求して、病院内に薬局を作れるようにすれば、医薬分業の問題点は解決されるのだろうか。

高齢者に遠くの病院内薬局よりも
在宅対応もする近所の薬局が必要では

 前述したように、複数の医療機関から処方された薬を、薬剤師がチェックすることで薬による健康被害を防ぐのが医薬分業の目的で、国民の健康を守る上では必要な仕組みだ。

 だが、病院内に薬局が作られるようになれば、今以上に薬局の独立性が保たれなくなることは想像に難くない。疑問のある処方でも、医療機関への遠慮から薬剤師が口を閉ざすことにはならないだろうか。

 また、受診した病院にある薬局で、その都度、薬を受け取る患者が増えれば、かかりつけ薬局によるチェックは難しくなり、ますます医薬分業が絵に描いた餅になるだろう。

 さらに問題なのは、日本が超高齢化社会を迎えているという現実だ。

 団塊の世代が75歳以上になる2025年は、あと10年後に迫っている。そのとき、医療機関のなかに調剤薬局があっても、肝心の病院や診療所に自力で行かれない高齢者は多くなっているはずだ。

 高齢になって体の自由が利かなくなったとき、本当に頼れるのは、病院まで行かないと調剤してもらえない薬局ではなく、必要な薬を自宅まで届け、そこで残薬や服薬状況を確認してくれる、在宅対応の薬剤師ではないだろうか。

 そのために、厚生労働省では、高齢になっても住みなれた地域で医療を受けながら暮らしていけるように在宅医療を推進し、それに伴い、在宅でも投薬業務を担ってくれる薬局を増やすことに力を入れてきたのだ。

 医療機関のなかに調剤薬局をつくるという規制改革会議の発想は、一時的に患者の利便性を向上させるかもしれない。しかし、これまで医療に携わる人たちが苦労して作り上げてきた医療体制を無視した思いつきで、長期的視点に立つと超高齢化社会迎えた日本が抱えた問題を解決するものとはいいがたい。

 真に国民の健康と幸福を考えるなら、提案すべきは、一時期の利便性の追求ではなく、かかりつけ薬局を持つことを促す仕組み作りではないだろうか。

 薬剤師を中心として医薬分業の意義を患者に啓蒙し、それぞれの患者がかかりつけ薬局で薬を一括管理する仕組みが構築されれば、過剰投与や飲み残しの薬が減り、結果的に薬剤費の削減にも貢献できる。

 そのためには、毎回、同じ薬局を利用する患者の医療費を割安にするなど、かかりつけ薬局を利用することが患者のインセンティブになるような仕組みを導入することも検討すべきだろう。

 目先の利便性だけ求めて病院内の薬局ばかり増やしても、この日本に横たわる高齢化の問題解決には程遠い。

 在宅療養を支援する薬局の整備を怠れば、そのツケを払うのは未来の国民だ。調剤薬局の規制撤廃には、慎重な議論が必要だ。



http://www.m3.com/news/iryoishin/306463
医療維新
二次救急減少、患者調整求める意見、厚労省研究会
救命救急士の処置行為の拡大も議論

レポート 2015年3月25日(水)配信池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省は3月24日、救命救急士の業務拡大やドクターヘリの運用について検討する「救急・災害の課題に対する研究会」を開き、昭和大学病院院長の有賀徹氏を座長に選んだ(資料は、厚労省のホームページ)。軽症者などが増える一方、二次救急医療機関が減少しているため搬送を調整する必要性を指摘する声や、救命救急士の処置行為の拡大に伴い、指示する医師の負担を考慮するように求める声などが出た。研究会は今後、検討課題の必要に応じて、年1回以上開催し、救急医療や災害医療行政についての意見を集めて、検討に役立てる方針。

伸びる救急隊現着時間

 救急医療については、2013年に現場到着まで所要時間の全国平均が8.5分、医療機関への収容時間の全国平均は39.3分となっていることや、二次救急を請け負う医療機関は、2012年に3269施設、2013年に2904施設、2014年2836施設と減少傾向にあることが指摘された。

 二次救急医療機関の減少の原因について聞かれた、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「高齢化などで人材の確保が難しくなっているとの話を聞く」とした。救急について科研費による調査をしている東京医科大学救急・災害医学分野准教授の織田順氏は、二次救急医療機関の中で、救急車の受入台数が365台以下の医療機関が1000施設以上あった点に触れ、「今まで取っていなかったところが外れている印象。救急車を良く受け入れている医療機関は減っていないのでは」と話し、実数の減少より影響が少ない可能性を指摘した。有賀氏は、救急搬送の人員について、最近10年間で、高齢者における軽症者が78%増加、中等症が52%増えている点を踏まえて、救急搬送のアレンジの方法について議論する必要性を指摘した。


「やらない選択の教育の必要」

 救命救急処置については、救命救急士の処置範囲について、気管チューブを用いた気管挿管、エピペンの仕様、心停止前の輸液などと拡大してきた経緯などが紹介された。2014年度の10月から11月に救命救急士を対象に実施したアンケートにおいて、「現着から接触・車内収容までの延伸要因の実感」を聞いた質問で、約4割が、「救命救急士の業務拡大に伴う現場の処置時間の増加」を選択した結果が示された。

 処置行為の拡大行為のきっかけが、厚労省検討会の議論や、国会での要望など、統一されていないことから、救命救急東京研修所教授の田辺晴山氏は、「何らかの一貫性のある追加方法が検討できないか」として、厚労省の地域医療計画課の担当者も同意した。

 実際の項目追加については、織田氏は、一貫性のあるシステムを作った際でも、検討する追加処置が際限なく増える可能性を指摘して、検討に入る前の基準作りの必要性を指摘。国立病院機構大阪医療センター救命救急センターの梶野健太郎氏が、医学的観点から予後の改善に資する項目については、積極的に追加していくべきとの考えを示した。札幌市消防局警防部救急課長の菩提寺浩氏は、救急救命士の教育の必要性を指摘した上で、「やらない(選択をできる)教育も必要」と述べ、行為ができるようになった救命救急士が状況判断しないまま実施して、搬送などに影響し、予後が悪化する可能性を指摘した。

 広島国際大学保健医療学部医療技術学科教授の安田康晴氏は、責任の所在が不明な中で、気管挿管を誤った救命救急士3人が業務停止になった事例を挙げて、処置行為拡大に消極的意見がある点を指摘。さらに、メディカルコントロール体制の中で、医師から救命救急士への指示を伴うことから「医師の負担も考えないといけない」と話した。

ドクターヘリについては、東日本大震災や2014年の広島県における土砂災害の運用実例が紹介された上で、災害時に都道府県を超えたドクターヘリの参集のための規定整備や、指揮命令系統の明確化を求める声が出た。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=115044
腹腔鏡の波紋(上)…実験的手術「他病院でも」
(2015年3月25日 読売新聞)

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 群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡を使う肝臓手術を受けた8人が死亡した問題で、保険適用外の高難度手術が倫理審査もなしに行われていた事実が明るみに出た。それをきっかけに、学会の調査などから全国の病院で同様の問題があることが判明。安全性が確認されていない新しい手術が、なし崩し的に広がる現状と背景を追った。

「患者に説明」徹底されず

 「先生、そんなことやっていいんですか」

 国内で開かれた外科系学会で、腹腔鏡手術に積極的に取り組む男性医師が発表している途中、進行役の別の医師が、そう尋ねた。非常に難易度が高い手術だったため、思わず出た質問のように聞こえた。居合わせたある外科医は、2、3年前のその情景が今も印象に残っている。

 男性医師が発表したのは、進行がんに対し、膵頭十二指腸切除という手術方法で治療を試みたケース。開腹でも難しく、腹腔鏡手術としては保険適用外だ。

 この外科医は「学会では多くの適用外手術が発表されているが、中には難しすぎる手術をやろうとする医師も目につく」と話す。


 日本肝胆膵外科学会が23日に発表した腹腔鏡手術の実態調査によると、保険適用外手術の実施件数は、過去4年間で、肝臓が1587人、膵臓が651人に上っていた。しかし、この調査では、回答した病院診療科の55%が、群馬大と同様、病院の倫理委員会から承認を受けないまま、本来は臨床研究として行うべき試験段階の手術をしていたこともわかった。

 同学会理事長の宮崎勝・千葉大教授は「保険適用外の腹腔鏡手術は慎重にすべきだ。まして半分が倫理審査も通していないとなると、手術前の検証が十分だったのか疑問だ」と懸念を示した。

 保険適用されるということは、一定の安全性や有効性が確認され、全国の病院で幅広く行われても問題ない標準診療として「お墨付き」を得たことを意味する。肝臓や膵臓の腹腔鏡手術は、比較的難易度が低い切除方法に限り保険診療となっているが、それ以外は標準とするには時期尚早とみなされ適用外のままだ。

 「保険適用外の腹腔鏡手術は多くの病院で前から行われていたが、普通は倫理審査まで受けないし、患者にも説明しない。ほかの病院でもやっているので問題ないという感覚だ」と、東京都内の病院で腹腔鏡手術を行う消化器外科医は話す。群馬大の問題が注目され、現場も慎重な空気に変わったという。しかし、それまでは、「多くの外科医が、同様の感覚だったのではないか」と明かす。


 同学会の調査では、適用外手術はリスクが高いこともわかった。保険適用の手術に比べ適用外の手術は、死亡率が肝臓手術で5・4倍、膵臓手術で10・8倍の高リスク。患者にこうした危険性も含め十分な説明がされたのか不透明な面もある。

 群馬大の死亡者の遺族も多くが「リスクが高い保険適用外の手術とは聞いていない」と口をそろえる。

 2011年、肝臓がん治療のため手術を受けた男性の遺族は「高齢なので体に負担が少ないほうがいい」と腹腔鏡手術を提案された。行われた手術は、肝臓のほか、胆管も切除し、腸とつなぐ難しい方法。保険適用外の手術だと知ったのは最近になってのことだ。

 遺族は「最終的には思ったより多く切ったと言われたが、通常の保険診療だとばかり思っていた」と語る。

 人より早く新しい技術に挑戦し、実績を上げたいという外科医は多い。倫理審査は法的義務でもないだけに、無理な試みを抑止しきれない側面もある。

 医療倫理に詳しい東京財団の●島(ぬでしま、●は「木」へんに「勝」の旧字)次郎研究員は「実験的な医療だと患者に告げず行うのは現代の医療では許されない。その点が現場で徹底されていないなら問題だ」と指摘する。



http://www.sankei.com/region/news/150325/rgn1503250019-n1.html
患者の救命率向上へ 埼玉県が群馬県とドクターヘリ連携
2015.3.25 07:08 産経ニュース

 県は25日から、医師や看護師が同乗し救急現場に向かう「ドクターヘリ」の広域連携を群馬県と開始する。対象地域は県境の埼玉県北・西部と群馬県南部で、自県のヘリ出動中に別の要請があった場合に相手県のヘリが応援に入り、患者の救命率向上を図る。

 重複要請のほか多数の傷病者が発生し、自県のヘリだけでは対応できない場合に要請。駐機する基地病院の埼玉医科大総合医療センター(川越市)と前橋赤十字病院(前橋市)から、半径約50キロ圏内で出動する。

 埼玉県側は秩父▽本庄▽毛呂山▽羽生-など27市町村、群馬県側は館林市や伊勢崎市など13市町村が対象。応援に入った場合、50キロ圏内には約15分で到達が可能で、救急医療用の機器を搭載したヘリに同乗する医師や看護師が機内で患者を処置し、基地病院などに搬送する。

 県ドクターヘリの出動件数は平成25年度が361回で、19年10月の運用開始以降、増加傾向にあり計2千回を超えた。うち半数以上は連携可能な範囲だった。23~25年度の重複要請件数は13、14回で、26年度は25回(2月末時点)に上り、連携範囲内は11回となっている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/305789
医療維新
医療安全の推進、患者の“犠牲”伴う - 橋本岳・厚労大臣政務官に聞く◆Vol.2
10月の制度開始に向け最大限の努力

インタビュー 2015年3月25日(水)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――各医療機関、支援団体、医療事故調査・支援センターが調査に関わると、相当の費用がかかります。しかし、厚労省のセンターへの予算は、昨年の概算要求の10.5億円から、5.4億円に半減しました。この辺りの手当ては。

 その点は、正直言ってやってみなければ分からない面があります。当然ながら、一定の積算をして、予算を要求していますが、制度を始めてみて積算が正しかったのかをウォッチしていくことが大事だと思います。追加的に必要になってきた場合などは、検討する準備をしておかなければいけないでしょう。

――医療機関の費用はいかがでしょうか。診療報酬では「医療安全対策加算」がありますが、これは入院料に対する加算です。

 私自身、さまざまな場で医療事故調査制度の話をする機会がありますが、医療者から一番多く受けるのは、費用に関する質問です。今回は(入院施設を持たない)診療所までも対象となるので、加算ではなく、基本料に含まれているというのが、一つの立て付けだと思います。


――何らかの形で、別途手当を付けることは、あまり考えていない。

 例えば、不幸にして事故が起きてしまった場合、誠実にいろいろな取り組みをすると、当然、さまざまなコストが発生するわけです。その負担を医療機関に今のままで負わせて大丈夫か、という点は多くの方が懸念されています。現状のままでいいかについては、検討課題として持っておかなければいけないと思います。

――日本医師会が、医療機関における事故調査の費用をカバーする保険を検討されているとのことです(『「支援団体は医師会の役割」、総力を結集』を参照)。

 それもアイデアかもしれません。

――各論ですが今、日本医療機能評価機構で、医療事故やヒヤリ・ハット事例の収集、分析を実施しています。10月から新制度が始まれば、「事故報告が二度手間になる」とのイメージもあります。この辺りは、今後、整理統合する方向性が考え得るのでしょうか。

 「一本化」とまで言うかは別として、二つの制度が並び立っている状況がいいのか、あるいは二つの制度があっても例えばフォーマットを統一するなど、うまく連携できれば、「二度手間」にならずに済むのかなど、運用的な合理化も含めて、一つの宿題だと思います。

 ただ二つの制度は、報告を求める医療機関の対象が違っているほか、収集事例も死亡事例以外も含めるか否かなど、両制度に違いがあります。それぞれの良さ、あるいは欠点があるのかもしれません。二度手間という点も考慮しつつ、それぞれ持っている機能を生かすことも考えなければいけないと思います。

――検討会の「取りまとめ」が出たばかりで恐縮ですが、医療事故調査制度についてはその在り方を検討し、法律の公布(2014年6月25日)から2年以内に、必要な措置を講じることになっています。今お考えになっている今後の検討課題は何でしょうか。またいつ頃からその検討を始める予定でしょうか。

 厚生労働省としては、10月1日の制度開始に向け、最大限の努力をしなければいけません。制度の形が見えないと、見直すべき点も分かりにくい。その意味でも10月1日までは、スタートに向けて努力します。

――実際に制度を動かしてみないと、議論はしにくい。

 議論はしにくいと思います。具体的な話が今あるわけではありませんが、自民党などで検討を始められることについては、私たちは制限するものではありませんが、厚労省としては10月に向けて準備をしていきます。

――(異状死体の届け出を定めた)医師法21条の問題についてお聞きしたいのですが、今後の議論の対象になるのでしょうか。あるいは都立広尾病院事件の最高裁判決に基づく解釈で結論が出ているとお考えでしょうか。

 今回の制度は、医療安全の向上が目的であり、医師法21条を代替するものではありません。ただし、医療界が費用の負担もして、事故調査を必ず行う。それを動かしていき、何例も積み重ねていき、世間や患者ご遺族からの見え方が、制度の前後で変わるくらいに、この制度が機能してほしいと思っています。「それを見てから議論していただきたい」というのが、これから制度を立ち上げる立場としての思いです。

 法律は法律であり、また(最高裁判決が示した「外表異状説」という)解釈は違うという、法律家の説も読んだことがあります。ただ、いずれにしても問題は、(医療事故に対して)刑事処分が必要なのかということ。これは、警察、検察、司法の方々が判断される問題ですが、医療界の方々がどれだけきちんと身を律しているかということも影響がないとは言えません。(2008年8月の福島地裁の)県立大野病院事件の判決前と、判決後で立件件数が減少している事実もあるわけです。

 今、必要なのは、「医療界として、起きてしまった事故を、次に起こさないようにする努力をしています」「遺族への説明もきちんとやっています」などを当たり前の取り組みにすることです。それができるようになった上で、医師法21条などをどう考えるのか、という議論が必要ならば、やっていただければ、というのが個人的な思いです。理想論すぎるかもしれず、また「2年以内」という話は難しいかもしれません。

――2年以内の見直しに、その辺りまで入るかどうか、何が検討課題になるかは、ある意味白紙。

 もちろん、法案を自民党内で議論していた際に、医師法21条や業務上過失致死罪の問題も入るか入らないか、という議論もありました。ただし、今はこの制度を動かすことが第一です。
――最後に、今回の制度では現場の取り組みが重要になってきますので、医療機関、医療者へのメッセージがあれば、改めてお願いします。

 今回、こうした制度を作りましたが、「作ったけれど、全く必要がなかった」と言われる状態がベストなわけです。もちろん、なかなかそれは難しいと思うので、理想論だとは思います。

 これは一議員的な発言になりますが、「がんばって、医療をしたけれども、結果が結び付かなかった、残念な結果になってしまった」という事態は起こり得ます。その時に、ご遺族は、やりきれない思いをされるでしょう。同時に、真剣にやっておられれば、当然医療者も同じように残念な思いをされると思います。場合によっては、県立大野病院事件のように、医師が逮捕されることもある。一生懸命努力をした方が報われない、場合によっては罰を受けてしまう状況は防ぎたいという気持ちはあります。今回の医療事故調査制度は、懲罰などとは関係ないのですが、間接的にでも、こうした状況の防止につながればと思ってはいます。

 もっとも、昨今の大きな病院における医療事故報道などを見るにつけ、調査どころではなく、「本当に一生懸命にやっているのか」と思ってしまう例があるのは、非常に残念です。

――その一方で、本当にがんばっておられる方がいるから、より残念に思う。

 その通りです。ただし、患者、ご遺族のご主張をお聞きしたり、ご著書を読んだりしていると、「やはりこれはひどい」と思うケースもあるわけです。こうしたことはなくしていかないと、医療界そのものが変わっていきません。

――一部にそうした事例があると、医療界全体の信頼が失われることになる。

 先ほども言いましたが、今回の制度は医療安全を追求する制度ですが、その際には患者の犠牲を伴うということを、医療界も、当然ながら厚労省も忘れてはいけません。その重みを受け止めながら、きちんと次に生かす取り組みを進めるのが、今回の制度です。この点を感じていただけるだろうという、ある種の信頼に基づく制度であることを、汲んでいただきたいと思います。


  1. 2015/03/26(木) 05:50:56|
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3月24日 

http://mainichi.jp/select/news/20150325k0000m040100000c.html
矯正医官:慢性的な人手不足解消へ 特例法案が閣議決定
毎日新聞 2015年03月24日 19時50分

 慢性的な人手不足に悩む刑務所や少年院などの常勤医(矯正医官)の確保を図る特例法案が24日、閣議決定された。勤務時間内の兼業をしやすくすることやフレックスタイム制導入などが柱。人手不足の背景には民間との給与格差のほか、特殊な勤務環境がある。

 知的障害や情緒面に問題のある非行少年が入る三重県伊勢市の宮川医療少年院。牛山智也・医務課長(42)はかつて総合病院の脳外科医だったが、大病を患うなどして2008年に転職。「あったのは聴診器と心電図、血圧計くらい。何もできないと思った」。着任当時をそう振り返る。今は少年たちに頼られ、成長に喜びも感じる。だが医師としては内科的な診察が中心。週5日勤務で外部医療機関での研修もままならず「スキルがさびついている」と明かす。

 愛知県内の少年院に来月異動するが、宮川など2施設との掛け持ちになる。転職前後で年収が数百万円下がった。「世間の医師の心をつかむにはお金は無視できない」と言う。

 「頭が痛い」「薬がほしい」−−。犯罪性の進んだ男性受刑者約2200人を収容する府中刑務所(東京都府中市)では、生活習慣病や感染症、薬物依存症の患者が多く、診察は1日平均100回を超える。高齢者が2割を占め、介護が必要な受刑者も増えている。一方で刑務作業から逃げたいがために不調を訴えるケースも。60代男性医師は「本当の病気が潜んでいることもあるので油断できない」と気を引き締める。

 「一般病院とは違う独特のストレスを感じる」。結婚後に一線を退き、知人の誘いで2年前に矯正医官として現場復帰した40代女性医師はそう明かす。粗暴な言動や執拗(しつよう)な訴えをする受刑者もおり、非常ベルが鳴らない日はまずない。医師が受刑者に名前を明かすこともなく、「患者」との信頼関係構築は困難だ。

 同刑務所の医務部長は「職務遂行の支えは『治安を守る最後のとりで』という誇り。社会的に認知され、労働条件が改善すれば希望者は増えるはず。災害医療などと並び矯正医療は特殊な領域なので養成機関も必要だ」と話す。【和田武士】



http://mainichi.jp/select/news/20150324k0000e040206000c.html
矯正医官:勤務要件緩和…人員確保狙う 特例法案閣議決定
毎日新聞 2015年03月24日 12時02分(最終更新 03月24日 12時31分)

 政府は24日、慢性的に不足している刑務所や少年院などの常勤医(矯正医官)を確保するための特例法案を閣議決定した。一般職の国家公務員である矯正医官は勤務時間内の兼業が原則認められないなど制約が多いため、勤務要件を緩和して医官不足解消を図る。今年夏ごろの施行を目指す。

 医官不足の背景にあるのは民間医師との給与格差だ。2012年のデータによると、給与月額の平均は、50歳の矯正医官が約78万円であるのに対し、41歳の民間医療機関の一般医師は約101万円と開きがある。しかし矯正医官は国家公務員法で「首相と法相の許可」がなければ兼業できないと定められている。医療設備が不十分で対応できる症例も限られている。

 特例法案では、「法相の承認」だけで兼業ができるようハードルを下げる。また、フレックスタイム制を導入し、技術向上・維持のための外部医療機関での研修を受けやすくする。【和田武士】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H1N_U5A320C1CR0000/
刑務所医師の兼業可能に 人手不足解消へ特例法案
2015/3/24 12:47 日本経済新聞

 政府は24日の閣議で、刑務所や少年院で働く国家公務員の常勤医師の人手不足解消を目指し、民間病院での兼業を可能とすることを柱とした矯正医官兼業・勤務時間特例法案を決定した。今国会での法案成立を目指す。

 法務省によると、刑務所などの常勤医師の数は1月時点で、定員327人のうち、75人が欠員で252人にとどまっている。常勤医師がいない施設もあり、近隣の医療機関に受刑者を搬送して対応する深刻な状況だ。

 特例法案は、法相の承認を得れば、正規の勤務時間内でも民間病院での兼業を認める。その分の給与は減額される。医療技術の維持や向上のため、外部の病院で症例研究などを行うことを勤務として認め、そのために始業や終業の時刻を自ら決めるフレックスタイム制を導入する。〔共同〕



http://mainichi.jp/select/news/20150324k0000m040153000c.html
司法解剖:担い手の教授が異動…鳥取県でできない!
毎日新聞 2015年03月24日 07時00分(最終更新 03月24日 11時14分)

 犯罪の疑いがある遺体の解剖を鳥取県内で唯一担ってきた鳥取大医学部法医学分野(同県米子市)の男性教授が4月から県外の大学に転出し、県内で司法解剖などができなくなる。早期補充は困難なため、県警は当面、同県西端の米子市から更に約50キロ西の島根大医学部(島根県出雲市)に委嘱する方針。同様の事態が青森県でも起きるなど、解剖医の不足は全国的な課題となっており、人材育成と確保の取り組みが迫られている。

 鳥取大によると、教授は2013年4月に着任し、先月下旬に退任の意向を大学に伝えた。法医学分野にはもう1人教員がいるが、医師免許がないため解剖はできない。

 今年度、鳥取県警が鳥取大に依頼した司法解剖や、犯罪性が不明な場合でも遺族の承諾なしに行える「新法解剖」などは計66件(20日現在)。大学は後任を公募する予定だが、募集開始は4月以降になり、空白期間が生じるのは確実だ。このため県警は、過去に教授の不在時などに対応を依頼してきた島根大に相談した。同大学が受け入れを受諾しても、遺体の搬送には県境から車で1時間程度かかるという。

 日本法医学会関係者によると、47都道府県のうち半数近くは解剖を担う医師が1人しかおらず、関係者は頭を悩ませている。

 青森県では、弘前大法医学講座の男性教授が昨年6月末に県外の大学へ転任してから女性准教授が担当してきた。しかし、女性准教授も4月から他大学へ転出することになり、今月16日から解剖をできなくなっている。後任の着任は早くても5月のため、青森県警は少なくとも1カ月半の間、隣県にある秋田大や岩手医科大に委嘱する。弘前大では09年11月から1年余り、担当教授の過労が原因で解剖を休止したことがあるという。

 日本法医学会理事長の池田典昭・九州大大学院教授は「大学に法医学者のポストが少ないのが人員不足の最大の要因だ。各大学が解剖の重要性を理解し、ポストを増やすなど対応をしてほしい」と指摘している。【川瀬慎一朗】



http://www.sankei.com/region/news/150324/rgn1503240034-n1.html
産科医不足問題 医師と連携、助産所活用 長野知事に助産師会、行政サポート要請
2015.3.24 07:03 産経ニュース

 大町市立大町総合病院の分娩休止問題が慢性的に産科医が不足している県内各所に波紋を広げている中、分娩を取り扱えるはずの助産師が十分な能力を発揮できない状況にあることが、23日に県庁で行われた県助産師会(池上道子会長)と阿部守一知事との懇談会で浮き彫りになった。この中で、助産師会側は医療法で義務付けられている嘱託医との連携について、医師側の十分な協力を得られないため、分娩を扱える助産所を開設することが困難になっている状況などを指摘し、行政側のサポートを求めた。

 ◆要望に応えられず

 懇談会は産科医不足などによって県内各地で生じている“お産の危機”を受けて初めて開催された。阿部知事が「今後30年間で50万人近い人口が減ると見込まれる中で、出産期前後の若い世代をどうサポートしていくかが、県の将来を左右する」と課題を投げかけたのに対し、池上会長は「助産所を開業するのにあたって一番の問題は医療機関との連携」と指摘した。

 平成19年の医療法改正で、助産所を開設するには産科医か産婦人科医である嘱託医を定めることが義務付けられた。懇談会の席上、同会の保谷ハルエ顧問は「(分娩を扱える)助産所を開業するには嘱託医の協力が必要だが、医師に嘱託医をお願いしてもほとんど受けていただけない」と現状を訴えた。池上会長によると、県内で分娩を扱っている助産所は15カ所だが、助産所を新たに開業したくても産科医不足によってできない状況にあるという。

 医療法の改正は、突然の大量出血などの緊急事態に備えて、安心なお産を確保する目的で行われた。ただ、「慢性的な産科医不足の中で、多くの医師が嘱託医を依頼されても手いっぱいだったり、緊急時に対応しきれない状況があったりする」(塚田昌大県保健・疾病対策課長)ことから、助産師側の要望に応えられていないのが実情だ。

 ◆正常分娩は助産師

 助産師会は「医師からすれば助産師の能力に対する心配があると思う」(保谷顧問)として、助産師会などが臨床能力や技術を認定する制度の整備に向けて準備を進めている。「正常な分娩は助産師が行い、異常分娩は医師が行うという形にしないと、医師の負担が非常に大きくなってしまうし、医師不足の中で疲弊していくだけ。正常な分娩を助産師が担えるようにしていきたい」と強調する。

 こうした助産師会側からの問題提起に、阿部知事は「地域で子供を産めない状況は何とかしなくてはならない。正常な分娩は助産所でできるような環境をつくることが大事。どうあるべきかを一緒に具体化できるようにしたい」と応じた。

 ◆産後ケアに空白も

 一方、懇談会では出産後の退院時から新生児の1カ月健診までの間、産後ケアに空白が生じている点も指摘された。この点について、池上会長は「退院した直後から約1カ月が、母乳などで一番大変な時期。産科医院は出産から5日程度で退院させているが、母乳の指導などを十分に行う時間がない。そうした部分を助産師が指導できればいい」と提案した。

 母子保健サービスは、県から市町村に移管されて19年ほどがたつが、市町村によって濃淡があるのが実情。県は4月から「信州母子保健推進センター」を設けて、市町村と協働した子育て支援のあり方を構築していく考えだ。これに関連し、阿部知事は「県と市町村が一緒に分娩や周産期の対応について計画し、助産師を上手に活用できるプランのようなものを作ることはできないか」と担当部署に指示した。



http://www.mededge.jp/a/canc/10648
がんの不要な検査や治療、「患者の要求」によるものはまれ
受ける側はほぼ適切なリクエストを出している

2015年3月24日 9:00 PM   Medエッジ

 不要な検査や治療はどこから生まれるのか。

 少なくとも検査や治療を受ける側から要求が出ているケースはまれであるようだ。
がんの人の来院5000件以上を調査
 米国、フィラデルフィアのペンシルバニア大学を中心とする研究グループが、がん専門誌、ジャマ(JAMA)オンコロジー誌オンライン版で2015年2月12日に報告した。

 「本来ならば不要な検査な治療を患者が要求するがために医療費が増加してしまう」。医師の側から批判の声が上がることもあるようだ。

 本当に正しいのだろうか?

 研究グループは、がんの人の来院5000件以上を対象に調査を行った。
受ける側の要求は8.7%のみ「不要」はわずか
 その結果、5050人のうち医師に治療をリクエストした人は440人(8.7%)で、医師はそのうち365件について「適切」と見なして要求に応えていた。

 一方、50件の要求は臨床的に不適切な検査または治療と見なされ、実際に実施されたのは7件のみ(0.14%)だった。

 検査についてのリクエストのうち約半数(49.1%)は画像検査。1割強(13.6%)ががんマーカーなどの臨床検査、このほか遺伝子検査または抗がん剤の感受性試験が続いていた(5.2%)。

 治療についてのリクエストとしては、鎮痛薬や睡眠補助薬などの緩和治療は意外と多く(15.5%)、抗がん剤のリクエストは3.6%のみ。陽子ビーム療法のリクエストは1%未満だった。

 不要な検査や治療が生じているとすれば、ほかのところから。そういう予想が立つようだ。
文献情報
Gogineni K et al.Patient Demands and Requests for Cancer Tests and Treatments.JAMA Oncol. 2015 Feb 12 [Epub ahead of print]
Patient Demands and Requests for Cancer Tests and Treatments
http://www.uphs.upenn.edu/news/News_Releases/2015/02/emanuel/



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45297.html
職員の健康管理、法令不適合の病院が約1割- 12年度立入検査、厚労省
2015年03月24日 19時44分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、都道府県などが2012年度に実施した病院の立入検査の結果を発表した。調査項目のうち、法令に適合していない施設が最も多かったのは「職員の健康管理」で、調査対象の9.5%が不適合だった。【佐藤貴彦】


 病院の立入検査は、医師などの員数や構造設備が法令の基準を満たし、適正な管理が行われているかをチェックするもの。12年度は全国の病院8567施設のうち8124施設(94.8%)で検査が実施された。

 調査項目のうち、不適合な施設が最も多かったのは「職員の健康管理」で、同項目の検査を受けた8067施設のうち、768施設が不適合だった。同項目では、労働安全衛生法で労働者の健康の確保が事業者の責務とされていることなどから、職員の定期的な健診の受診など、適切な健康管理体制が確立されているかどうかをチェックしている。

■医師員数に施設・地域ごとの差

 次に不適合な施設が多かったのは医師の員数で、8122施設中516施設(6.4%)が、厚労省令で定められた標準数を満たさなかった。その一方で、2926施設(36.0%)は、医師の員数が標準数の150%以上と、施設ごとに差が見られた。

 医師の員数の状況を地域ごとに比べると、不適合の施設の割合が最も高いのは「北海道 東北」(13.9%)で、以下は「北陸 甲信越」(9.6%)、「四国」(9.1%)、「中国」(6.3%)などの順だった。一方、150%以上の施設の割合は、「近畿」(45.7%)や「東海」(45.3%)、「関東」(43.1%)などで多かった。

 看護師・准看護師の員数は8124施設中8043施設(99.0%)、薬剤師の員数は8124施設中7770施設(95.6%)が、それぞれ省令が定める基準をクリアしていた。病院が満たすべき看護師や薬剤師の員数は、省令の基準に従って都道府県が条例で定めることになっている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114978&from=osusume
腹腔鏡難手術、1割死亡…学会調査
(2015年3月24日 読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で、腹腔鏡を使う肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題を受け、日本肝胆膵外科学会が23日に発表した腹腔鏡手術の実態調査結果で、胆管切除を伴う保険適用外の肝臓手術は死亡率が10%近くに上ることがわかった。

 群馬大病院ではこの手術で3人が死亡しており、同学会は腹腔鏡手術の適応を慎重に検討するように注意喚起を行う方針だ。

 調査は昨年11月~今年1月、一定の手術実績があると同学会が認めた「修練施設」212病院を対象に、肝臓、胆道、膵臓の腹腔鏡手術の実施状況を尋ね、207病院から回答を得た。

 それによると、2011~14年に、肝臓の腹腔鏡手術は計8545人に行われ、このうち1587人が高難度とされる保険適用外だった。保険適用外手術の死亡率(術後3か月以内の死亡)は1・45%。手術方法別で見ると、胆管切除を伴う肝臓手術の死亡率が9・76%と突出して高かった。

 多数の肝臓手術を行っているがん研有明病院(東京都江東区)の斎浦明夫・肝胆膵担当部長は「胆管切除を伴う肝臓手術は、一般的な肝臓がんの手術より格段に難しい。がんを取り切り、再発をさせないように腹腔鏡手術でできるか確認されておらず、患者に対しリスクなどを正しく説明されたか疑問がある」と話す。

 また保険適用外の高難度手術を行うに当たり、無回答を除く176診療科のうち97診療科(55%)は院内の倫理委員会で審査を受けていなかった。同学会は今後、必要となる倫理審査の申請について会員の医師に徹底を呼びかけていく予定だ。



http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20150324ddlk28040470000c.html
病院統合再編:検討委が初会合 姫路 /兵庫
毎日新聞 2015年03月24日 地方版

 県立姫路循環器病センター(姫路市西庄)と社会医療法人・製鉄記念広畑病院(姫路市広畑区夢前町)の統合再編方針を受けた検討委員会の初会合が23日、姫路市で開かれた。

 統合再編に伴い、県は中播磨・西播磨医療圏域の中核となる新病院を姫路に建設する意向。2021年度の開院を目指している。

 検討委は両病院長や姫路市医監、姫路市医師会長ら14人で構成。圏域の医療需要や両病院の診療機能・体制を勘案し、新病院の設備や建設候補地を提案する。隔月開催し、年内にも報告書をまとめる。【岸川弘明】

〔播磨・姫路版〕



http://www.m3.com/news/iryoishin/306137
医療維新  医師調査
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
不正論文から100以上引用、「学術進展に影響大」
熊大院・光山教授ら執筆者の実名公開

レポート 2015年3月24日(火)配信成相通子(m3.com編集部)

 熊本大大学院生命科学研究部の光山勝慶教授が、熊本大と大阪市立大の所属時に発表した論文9本に、存在しないデータを作成するなどのねつ造、改ざんの不正があったとする調査結果を3月20日、両大学が公表した。光山氏が関わった281本のうち9本について、責任著者の光山氏と各論文の筆頭著者7人が不正行為に関わったと認定。うち1本の論文は100以上の引用数があり、調査報告書は「当該分野の学術の進展への影響は大きい」としている(資料は、大阪市立大学のホームページに掲載)。

 100以上の引用があったのは、現熊本大大学院生命科学研究部の助教で、当時大阪市立大大学院医学研究科の大学院生だった男性が筆頭著者、光山氏が責任著者を務めていた論文で、2003年にCirculation Researchに掲載された。
 ◆対象論文
・タイトル:Apoptosis signal-regulating kinase 1 plays a pivotal role in angiotensin II-induced cardiac hypertrophy and remodeling.
・著者:Izumiya Y, Kim S, Izumi Y, Yoshida K, Yoshiyama M, Matsuzawa A, Ichijo H, Iwao H.
・掲載誌:Circ Res. 2003 Oct 31;93(9):874-83.
 両大学は、2013年5月、外部から不正の疑いがあるとの指摘を受け、合同で調査を開始。2014年6月に報告書を策定したが、その後、光山氏が熊本大に着任した後の論文で新たな不正の疑いが浮上し、再度調査し結果報告書を取りまとめた。1998年から2012年に発表された9本の論文は、(1)存在しないデータ、研究結果等を作成する『捏造』、(2)研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工する『改ざん』、のいずれかもしくは両方に該当した。掲載雑誌に訂正や取り下げなどを勧告するほか、公的研究費との関連についても調査するとしている。

 両大学は不正が認定された9本について、論文名のほか、各筆頭著者7人の実名もホームページに掲載した。熊本大附属病院循環器内科助教や、大阪市立大大学院医学研究科分子病態薬理学准教授、民間病院勤務などの現在の肩書と、論文執筆時の所属も明記している。調査報告書は7人について、「筆頭著者としての論文作成における基本的な注意が著しく欠けている」と指摘。「生データが存在しない、または生データが存在するにも関わらず、他の画像を流用したことについて合理的な説明がない」として、過失と主張するには十分な反証がなされず、「安易な論文作成を行ったことに、重大な責任がある」と批判している。

 光山氏については、不正行為に直接関与した1本以外は、責任著者として「当然行うべきチェックや指導を適切に行っていなかった」と指摘。結果として筆頭著者による不適切な論文作成につながったと判断した。

 再発防止策として、熊本大は、剽窃ソフトの導入や、研究者行動規範の研修プログラムの整備を行うほか、大阪市立大は、不正行為を行った場合の原則氏名公表など処分の厳格化、実験データの長期保存などデータ管理システムの構築と導入の検討を掲げている。そのほか、「論文作成に当たって、事前に共著者全ての同意を書面で得るとともに、原稿のコメントを得て、画像の間違いなどをチェックする」といった手順の周知徹底をする。



http://www.m3.com/news/iryoishin/306133
医療維新  医師調査
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
岐阜大医学部講師、研究不正で停職6カ月
「留学先で成果求められ…」、米国大学からの指摘で発覚

レポート 2015年3月24日(火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 岐阜大学は3月20日、論文に画像データの改ざんなどの不正があったとして、医学部附属病院の40歳代の男性講師を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は19日付け。岐阜大学は「個人の特定につながる情報は開示できない」として論文のテーマや科学雑誌の名前を公表していない。

 岐阜大学学術国際部研究支援課によると、不正が確認されたのは2004年から2010年に海外の科学雑誌に発表した4論文。遺伝子の働きに関する実験で、きれいに映った別の実験の画像を使い回したり、画像の修整や合成をしたりするなどの不正が計12カ所あった。論文は不正発覚後、いずれも取り下げられている。

 男性講師は2002年から2年間、米国の大学に留学していた。2012年8月に所属していた米国の大学から指摘があり、岐阜大医学部内に学外のメンバーも含んだ調査委員会を設置。男性講師がこれまでに書いた136の論文を調査した。

 調査委員会の調査の結果、不正は対照実験の説明で使われた画像で行われており、別の実験で撮影した画像を使いまわしなどが確認された。主実験では再現性が確認されており、論文の結論は変わらないという。

 米国の大学でも調査委員会が設置されており、岐阜大は両大学の調査報告書を踏まえて処分を決定したと説明している。講師は不正を認めており、「留学先の研究室から成果を求められ、時間に追われて改ざんしてしまった。扱う検体の量が膨大だった」と説明しているという。

 岐阜大は大学学長名で「研究倫理に触れる不正行為を行ったことは、学術研究の信頼性を損なうなど研究活動の根幹にかかわる問題であり誠に遺憾」とするコメントを公表。研究倫理や研究ノートの整備・保存等の教育を強化するとしている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/306027
医療維新
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
群大の腹腔鏡術死亡率の高さ、全国の17.6倍
日本肝胆膵外科学会、修練施設認定取り消しへ

レポート 2015年3月24日(火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本肝胆膵外科学会(理事長:宮崎勝・千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学教授)は3月23日、「肝胆膵外科高度技能専門医修練施設腹腔鏡手術緊急実態調査」の結果を公表した。肝臓を切除する腹腔鏡手術の全国207施設の死亡率は、2011年から2014年までの4年間で0.49%。同期間に93人のうち8人(8.6%)が術後100日以内 に死亡した群馬大学医学部附属病院は、全国平均の17.6倍となり、改めて死亡率の高さが浮き彫りになった。学会は群大病院に対して、高難度外科手術を実施する十分な教育ができる修練施設としての認定を取り消すことを決めた。腹腔鏡手術のリスクを巡っては日本外科学科、日本消化器外科学会も1月に同様の調査を発表している(『腹腔鏡手術リスク、開腹より高いとは言えず』を参照)。

 調査結果によると、腹腔鏡下肝切除手術は2011年の1425件から毎年増加し、2014年は2670件にほぼ倍増している。一方で、術後90日以内の手術に起因する死亡率は2011年の0.98%から低下傾向にあり、2014年は0.34%だった。術式別にみると、部分切除、外側区域切除、亜区域切除、区域切除、葉切除以上が0.08%から1.56%に留まっているのに対して、胆管切除を伴う肝葉切除では9.76%に達した。同学会は「現時点でこのような術式を要する肝切除においては、腹腔鏡術の適応には極めて慎重であるべきと考えられた」と総括した。

 腹腔鏡下膵臓切除手術も増加傾向にあり、2011年の372件から2014年は815件に倍増。手術に起因する術後90日以内の死亡率は2011年はゼロ、2012年は0.30%、13年は0.47%、2014年は0.37%だった。

 保険適応の有無でみると、肝臓では保険適応内の死亡率0.27%に対し、適応外では1.45%と5倍以上となっていた。膵臓でも保険適応内では0.10%に対し、適応外では1.08%と10倍以上となっていた。難易度が高い手術が、保険適応外になることが多いためと見られる。

 また、保険適応外かつ学会が認定する高難度肝胆膵外科手術を腹腔鏡術で行う際に、院内倫理委員会の承認を受けているかについては、(1)全て受けているが19%、(2)一部受けているが17%、(3)全く受けていないが44%、(4)無回答が21%――だった。同学会は各施設に倫理審査を踏まえて慎重に判断するよう注意喚起していくとしている。

 日本肝胆膵外科学会は高度技能指導医、もしくは高度技能専門医が1人以上常勤し、年間に高難度肝胆膵外科手術を50例以上行っている施設を修練施設A、30例以上行っている施設を修練施設Bと認定している。腹腔鏡手術による患者死亡問題が起きた群大病院、千葉県がんセンターはともにA施設に認定されていたが、群大病院については死亡率が極めて高いことから認定を取すことを決めた。

 調査期間は2014年11月から2015年1月まで。全国の学会認定修練施設214病院を対象に実施し、207病院(96.7%)から回答があった。調査対象は2011年1月から2014年12月までの4年間の実績とした。対象に群大病院も含まれており、肝臓切除手術の死亡率を引き上げた可能性があるとしている。



http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20150324-OYTNT50437.html
「医の原点常に…」…群大学長が問題に言及
2015年03月25日 読売新聞

 群馬大の学位記授与式が24日、ALSOKぐんまアリーナ(前橋市関根町)で開かれ、各学部や大学院の計1688人が巣立った。式典で高田邦昭学長は、同大病院で肝臓手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題に触れ、医学部医学科などの卒業生らに、「医の原点を常に思い起こし、医師としての職責を果たしてほしい」と語った。


  1. 2015/03/25(水) 06:08:11|
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3月23日 

http://resemom.jp/article/2015/03/23/23649.html
東北地方の新設医学部「東北医科薬科大」の認可条件を通過
2015年3月23日(月) 14時45分 リセマム

 東北地方における医学部設置に係る構想審査会は、「東北医科薬科大学」が「選定にあたっての条件」を適切に対応するための取組みがなされていると判断した。今後、同審査会が対応を確認していくが、並行して認可申請が可能になった。

 医学部の新設は、昭和57年、平成9年の閣議決定で約40年間抑制してきた。しかし、震災からの復興や東北地方の医師不足、原子力事故からの再生などの要請から「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針(復興庁、文部科学省、厚生労働省決定)」を定め、特例として東北地方に1校限り、医学部の新設を可能とした。応募は東北医科薬科大学(応募主体は東北薬科大学)など3校あり、平成26年9月に同大学が選定された。

 構想審査会では、東日本大震災からの復興に資して医学部が新設される使命を踏まえ、東北医科薬科大学へは同会が示した医学部運営や医療機関との連携など7つの条件の取組みがなされているか検証していた。今回、確認した結果、一定の取組みがなされていると判断し、引き続き適切に対応されているか確認しつつ、並行して設置認可申請を行っても差し支えないとした。

 今後の対応が必要な事項として、東北6県の医師偏在の解消のために既存の医学部や県当局と連携協力し、各県の実状を踏まえた解消方策を講ずる。教員や医師、看護師等の確保には、採用地域や採用機関等のバランスを配慮し、地域医療に支障をきたさないように対応する。そのほか、奨学金を受ける学生にとって魅力ある修学資金制度としての研究や調整を行い、持続可能で地域偏在の解消に役立つ制度とすることなどを挙げている。
《田中志実》



http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1356114.htm
東北地方における医学部設置に係る構想審査会「選定に当たっての条件」の検証結果(平成27年3月17日)
平成27年3月17日 文部科学省
東北地方における医学部設置に係る構想審査会

  本審査会においては、構想審査の結果、「東北医科薬科大学」(応募主体:学校法人東北薬科大学)の構想を選定することが適切と判断したが、その際、「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針」(平成25年12月17日復興庁・文部科学省・厚生労働省決定)に掲げる留意点に、より適切に対応していることを明確にするため、7つの条件を着実に実施することを選定に当たっての条件とした。
  今回、東北薬科大学における7つの条件への対応状況について、本審査会として確認を行った結果を報告する。

一、確認結果
  本審査会としては、確認の結果、東北医科薬科大学医学部教育運営協議会からの報告も踏まえ、東北薬科大学が本審査会から示した7つの条件について、一定の取組がなされたものと判断する。
  ただし、以下の事項については、基本方針に掲げる留意点を踏まえ、適切に対応されることが必要であり、本審査会において引き続き対応を確認しつつ、並行して設置認可申請を行って差し支えないものとする。

二、今後の対応が必要な事項
  東北薬科大学においては、東日本大震災からの復興に資する医学部を新設するという使命を十分に踏まえ、東北の復興に目途が立つまで、以下の事項に適切に取り組むことが必要である。

(1)  東北6県全体の医師偏在の解消のため、教育運営協議会の活用等により、前向きな姿勢で、既存の医学部や県当局等と密接に連携協力し、各県の実状を踏まえた医師偏在の解消方策を講ずること。

(2)  既存の医学部や県当局等と連携し、開学後早い時期までに各県に地域サテライトを整備し、ネットワーク病院を活用することなどにより、地域医療への理解を深める教育を充実し続けること。また、初年次から十分な時間をかけて、地域立脚型のカリキュラムを構築するとともに、開学前から教員に新設医学部の目的、特徴を共有し、目指す教育の方向性を統一する努力を行うことにより、卒業生の地域定着を促すこと。

(3)  教員や医師、看護師等の確保について、採用地域や採用機関等のバランスに十分配慮しつつ、地域医療に支障を来さないよう、引き続き適切に対応すること。その際、問題があると懸念される事例が生じた場合には速やかに関係機関と連携を図り、広く全国に積極的に人材を求め対応を行うこと。

(4)  修学資金制度について、他の事例の研究を行い、宮城県をはじめとする東北各県と十分な調整を行い、奨学金を受ける学生にとっても魅力がある制度としつつ、持続可能かつ地域偏在の解消に資する制度とすること。また、奨学金を受けない学生も含め、卒後研修について各県との連携を深め、卒業生が東北地方に定着し、医師偏在の解消に寄与するための適切な方策を講ずること。

(5)  将来の医師需給等に対応して定員調整の要請があった場合には適切に対応すること。

(6)  教育運営協議会を開学までの間も継続して開催し、議論が十分に尽くされていない点について検討を行うこと。開学後も東北医科薬科大学が使命を十分に果たしているかについて確認しつつ、新たに生じる課題も共有して議論を行えるよう、協議を行う場として毎年開催すること。

三、その他
  今回、東北薬科大学においては、本審査会から示した条件を踏まえ、宮城県をはじめとする東北地方の各地方公共団体、各大学、関係団体等の協力を得て、教育運営協議会を立ち上げた。このような形で、東北地方の関係者が一堂に集まって、医師養成や地域定着策など、地域医療に関しての議論を行う場が設けられたことは非常に画期的であり、精力的に議論を重ねられている教育運営協議会の委員各位に深く敬意を表する。
  東北薬科大学には、こうした枠組みを効果的に活用し、構想に掲げられた理想の実現のため、不断の努力を求めるとともに、東北地方の各地方公共団体、各大学、関係団体等においては、東北薬科大学と可能な限り相互に協力し、東北地方の震災からの復興、将来に向けた地域医療の振興のために、心を一つにして向かっていくことを期待する。

以上



http://www.m3.com/news/iryoishin/304214
医療維新
シリーズ: ここがおかしい!ここが問題!医療界
レセ査定理由の公開求める声が7割弱◆Vol.17
査定員や地域による差の指摘も、理不尽な審査への対応策

2015年3月23日(月)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q14 レセプト請求・査定をめぐる諸問題を解消するために、有用な方法
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 Q14 では、診療所の医師に対して、「理不尽なレセプト査定」や「萎縮診療」をはじめ、レセプト請求・査定をめぐる諸問題を解消するために、有用な方法を複数選択可能な方式で聞いた(回答数:256人)。

 最も多かったのは、「査定理由の明確化、査定情報の公開」で68.4%。査定においては、返戻の理由が明確でないことが、医師の不満として大きいことが伺える。ただ、制度設計として、都道府県ごとの地域差が大きいことや、審査主体が2つあるなど、さまざまな“差”があるのが実態で、理由の明確化や公開へ向けた動きが出てくるかは不透明だ。「査定員による差、地域差の解消」との回答も52.7%で半数を超え、「国保と支払基金の差の解消」も38.3%となった。

 医師の自殺などが問題となってきた「個別指導の在り方の見直し」は29.3%となった。「有用な方法はない」は9.4%。

 6.6%の「その他」では、以下のような回答が寄せられた。

・医学知識、臨床経験が豊富、向学心の強い人が審査する。
・審査委員の名前の公表。
・医師以外は審査してはいけないようにする。
・査定結果を患者に公表、説明する義務を負うようにする。
・間違った査定に対する支払い側への罰則規定。
・定期的に(毎月)行う必要はない。年に何回か不定期にしてほしい。
・総合診療や心理療法など検査や投薬の割合が少なく労力が大きい業務への評価見直し。
・患者から取れるだけとれ主義や、金もうけ主義的なあいまいな手術適応を摘発すべき。
・学会で提唱した検査等は査定しない。
・レセプトの査定は全面的にやめる。
・医療費の予算をもっと増やす。



http://www.m3.com/news/iryoishin/303340
医療維新
“筋肉質”の医療提供体制を目指せ - 土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授に聞く◆Vol.2
入院の次は外来改革、ニーズに合った体制に

2015年3月23日(月)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――今、お伺いした中で、基本的なことを確認させていただきたいのですが、提言では「非社会保障支出の対GDP比は、OECD諸国と比較して、最低水準」としていますが、一方で、社会保障支出の対GDP比も、日本の場合、決して高くはありません。

 結局、収入不足で支出が増やせないということです。本当はもっと税金を支払ってもらえれば増やせたのに、それを拒み続けて、今日まで来たということです。しかも、他の国と比べて国債を低金利で発行できたことに、コスト意識が希薄になった政治が胡坐をかいていた。負担増を少しずつ求めてくればよかったのですが、それを拒んで、あるいは避けて今日に至ってしまった。

 スウェーデンが、典型的だと思うのです。増税もするけれど、社会保障の給付も増やす。これらをセットでやっていた。日本は結局、増税に応じないから、「社会保障費ももっと増やしたらいい」と言いながら、増やせない。機械的な計算で言えば、社会保障費を一切削らず、消費税率を14%まで上げれば、2020年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を達成して、かつお釣りが来るのです。ただし、これは3.5%前後という高めの経済成長が前提であり、そこまで経済成長しなければ15%まで上げないと無理ですが。


土居丈朗氏は、「筋肉質の医療提供体制に変えれば、消費増税への国民の理解が得られる」と見る。
――負担と給付について、どんな在り方を選択するかは国民に問うべき課題。

 そうです。社会保障の給付の在り方は今のままという前提で、消費税率を14、15%に上げる理解が得られれば、それでもいいのかもしれません。

 もっとも、消費税率の14、15%への引き上げを了承する国民が仮に大多数だったとしても、私はそれをおいそれとは認めないと思います。過剰なベッドや頻回受診は放置したままでいいのか、過剰投薬の話はどうするのか、ジェネリックは推進しなくていいのかなどの問題を抱えたまま、2025年に向かっていいのですか、ということです。これらの点については、見直しが必要です。

 有り体に言えば、「筋肉質の医療提供体制」に変える。「節約的な医療費で、こんな少ない負担で、より良い医療を実現しているのに、増税もせず、医療費をさらに削るのは無理」という状態になれば、「もはや増税しか手段はない」との合意が得られるでしょう。「世界に冠たる医療制度」であっても、もうひと頑張りできる余地があり、そこをクリアできれば、あとは消費税をアップすればいい。

――今、お伺いした認識は、6人ともほぼ一致していた。

 もちろん、そうです。

――そのような議論をしていた時に、2014年11月に消費税率引き上げの延期が決まった。

 はい。

――医療の削減策としては、(1)医療提供体制の改革(入院受療率の高い地域の引き下げ)、(2)後発医薬品の普及、(3)調剤医療費の抑制・薬価の適正化を掲げています。この辺りは、メンバーの一致した意見だったのでしょうか。

 これらは、かねてから問題意識として共有していた点です。まず「今の医療で改革しなければいけない、大所はどこか」を考えた。一番は、医療提供体制の見直しでしょう。けれども、医薬分業が割高であるなど、薬価、調剤薬局の問題も、結構無視できない問題であるとの意見も出ていた。その後、薬歴の未記載問題がニュースになった。医薬分業の話は、規制改革会議でも取り上げるとのこと。きちんと襟を正していただければ、「薬局は、つぶれてもいい」とは全く思っていません。しかし、医療を維持し、国民の健康を促進するというより、むしろ薬局の経営を維持するために割高な医療費がつぎ込まれているのではないか、という疑念は晴らしていただきたい。

 医療提供体制の改革ですが、特に、井伊先生(井伊雅子・一橋大学国際・公共政策大学院教授)は、大病院中心の入院偏重の医療提供体制に問題意識を持っておられた。患者の側にも、ちょっとした風邪でも大病院に行ってしまうなどの問題があります。大病院は、重度な患者を扱うことを専門とする病院なので、風邪くらいだったら、かかりつけ医に診てもらってくださいということ。

 井伊先生は、オランダをはじめ、プライマリ・ケア医が発達している国の制度をよくご存知です。そうした仕組みを日本でも取り入れる必要があるとお考えです。今、総合診療専門医を養成する動きがありますが、そう簡単に2020年度までに大きく制度が変わるわけではありません。

 他の5人も、目指すべきベクトルの向きは一緒ですが、「地道な努力は必要で、今から着手しないとダメなことは分かっているけれど、5年では無理だろう」と考えた人もいた。では、「どこまでできるか」となった時に、私が媒介になると思ったのは「地域医療構想」の策定。ご承知の通り、厚労省医政局の検討会は、入院の話しかしませんでした。本当は外来の話もしたかったけれど、時間切れ。病床再編、4機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期病床)の医療需要の推計の議論に時間がかかった。外来については、(2018年度から始まる)第7次医療計画で、よりきめ細かく検討することになると思うのです。

 その議論を私はつぶさに見ていたからこそ、井伊先生の発想が非常にヒントになったわけです。つまり、入院の話が終わったら、次は必ず外来の話が来る。

 私は、「外来をばっさり切れ」と言いたいわけでは、全くありません。ただ、既に高齢化が先んじで進み、外来患者数がピークアウトしている地域の外来の体制は、いったいどうするのかといった問題はあります。

 従来は、誰かが改革を拒んでいたわけではないと思っています。事実あるいはデータを示すことができなかったために、問題を認識できず、「お医者さんがいなくなったら、大変だ」「補助金をつけてでも、(大病院を)維持しろ」などと、有権者が杞憂も含めて、政治家に訴え、思考停止的に「医療には手をつけるな」と錯覚させているところがあり、やるべき改革が進んでいなかった。

 (地域医療構想における医療需要の)推計は各都道府県でやることになりますから、住民や患者も、如実に現実が分かるようになると思うのです。赤裸々に数字を基に「実は、これが地域の現状です」と提示する。やはり各地で医療提供体制を実態に合わせていく必要があります。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114947
高齢者が長期入院「療養病床」、患者を削減へ
(2015年3月23日 読売新聞)

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 団塊世代が全員75歳以上になる2025年に向け、在宅重視の医療体制づくりを進める厚生労働省は、寝たきりの高齢者らが長期に療養している「療養病床」の入院患者を減らす方針を固めた。

 入院患者の割合が全国最多の県を全国標準レベルに減らすなど、地域ごとに具体的な削減目標を設定する。

 厚労省のまとめでは、人口10万人当たりの療養病床の入院患者数(11年)が最も多いのは、高知県の614人で、山口、熊本、鹿児島県と続き、西日本で多い傾向がある。最も少ないのは長野県の122人で、高知県はその約5倍になる。

 入院患者の多い県は、療養病床の数自体が多い。病院が経営上の理由から、既存のベッドを入院患者で埋めようとしているとの指摘もある。多い県は1人当たりの医療費も高額化する傾向があり、厚労省は是正に乗り出すことを決めた。

 具体的には、2025年をめどとし、全国最多の高知県は、全国中央値に当たる鳥取県(人口10万人当たり213人)程度まで6割以上減らすことを目標とする。高知以外の都道府県も、全国最少の長野県との差を一定の割合で縮めるよう具体的な削減目標を割り当てられる。

 療養病床は全国に34万床あるが、過剰となる療養病床は今後、リハビリ病院や介護施設などへの転換が求められる見通し。同時に充実した在宅医療や介護体制の整備も課題となる。



http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20150323/440194/?rt=nocnt
FDAの安全性通信発表を受け厚労省も医療機関に注意喚起
十二指腸内視鏡に多剤耐性菌の伝播リスク

2015/3/21 三和 護=日経メディカル

 厚生労働省は3月20日、十二指腸内視鏡による多剤耐性菌の伝播リスクに関して、医療機関に対し5つの留意点を提示し注意喚起を行った。米食品医薬品局(FDA)が安全性通信(Safety Communication)を発表したのを機に、国内での感染リスクについて検討していた。

 FDAは2月19日に、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)に使用する十二指腸内視鏡に効果的な洗浄ができない可能性があるとする安全情報を発表した。ERCPを受けた患者に多剤耐性菌感染例が確認され、感染と再処理された十二指腸内視鏡の使用との関連が否定できない事例があったためだ。FDAによると、2013年1月から2014年12月までに、再生処理された十二指腸内視鏡を介した可能性のある感染例は約135例となっている。

 厚労省は、(1)わが国で流通している十二指腸内視鏡は、鉗子起上装置のある先端部のキャップが取外しできる構造であり、取外しができない米国の十二指腸内視鏡に比べ洗浄に有利な構造である、(2)腸内細菌科細菌のカルバペネム耐性率は米国の11%程度に対してわが国は1%以下である、の2点を指摘し多剤耐性菌による感染リスクは日米で異なるとの認識を示した。しかし、だからといって「わが国での感染リスクが十分に小さいと確認されたわけではない」と、注意喚起を行った理由を述べている。

 その上で、医療機関に対して以下の5つの留意点を示した。

(1)ERCPなどの十二指腸内視鏡を用いた施術が必要な国内の患者に対し、施術を直ちに中止する必要はない。
(2)十二指腸内視鏡を用いた検査または処置に当たっては、その目的とそれによってもたらされる可能性のあるリスクについて、患者に対してあらかじめ説明する。
(3)感染リスクを最小化するために、十二指腸内視鏡の洗浄及び滅菌または消毒に関して関連学会が策定するガイド及び添付文書・取扱説明書において製造販売業者が定める方法を遵守する。
(4)鉗子起上装置のある先端部は複雑な構造であるため、先端部のキャップを取り外し、専用のブラシを用いて丁寧に洗浄を行う。
(5)十二指腸鏡を用いた検査を介したカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)などの多剤耐性菌の伝播が確認または疑われた場合は、管轄する保健所に速やかに報告する。併せて、医薬関係者による副作用等報告を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出する。


■参考情報
・Design of Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography (ERCP) Duodenoscopes May Impede Effective Cleaning: FDA Safety Communication ( http://www.fda.gov/MedicalDevices/Safety/AlertsandNotices/ucm434871.htm )



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150323-OYT1T50082.html
在宅復帰を進める「ケア病棟」、1割の病院に
2015年03月23日 18時10分

 入院患者の在宅復帰を進めるため昨年の診療報酬改定で新たに導入された「地域包括ケア病棟」を、全体の1割に当たる900超の病院が設けたことが厚生労働省の調査で分かった。


 重症者向けの急性期病棟からの転換が進んだとみられる。

 地域包括ケア病棟は、専従の理学療法士や作業療法士などを1人以上、在宅復帰後の介護サービスの調整を担う社会福祉士らを1人以上置く。

 敗血症など重い病気の治療や手術を受けた後、早期に在宅療養へ移れるよう、リハビリを含めた患者のケアと地域の介護施設などとの連携づくりを病棟内で並行して行う。

 厚労省は昨年10月時点の全国にある病棟の役割を調査。その結果、全病院の10%に相当する921病院が同ケア病棟を設け、ベッド数は計2万4000床に上った。地域別では、島根、鳥取、大分、岡山県が20%前後と高率。山梨が0、千葉、三重県で5%以下とばらつきが目立った。



http://www.m3.com/news/general/305742?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150323&dcf_doctor=true&mc.l=93351518
高難度腹腔鏡、死亡率5倍 半数以上が倫理委承認得ず 群馬大、全国平均の17倍
2015年3月23日(月)配信共同通信社

 群馬大病院での腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓切除手術による患者死亡問題を受け、日本肝胆膵外科学会は23日、手術実績の多い全国約200施設を対象に、腹腔鏡を使った肝臓切除手術の実績調査結果を公表。難易度の高い保険適用外の手術を受けた患者の1・45%が90日以内に死亡し、保険適用の手術に比べ死亡率が約5倍高いことが分かった。高難度の腹腔鏡手術では、開腹手術を選んだ方が、死亡率が低くなる可能性がある。

 保険適用外の手術をしている施設のうち55%が倫理委員会の承認を受けていないことも判明、術式ごとに倫理審査を受けた上で慎重に実施の可否を判断するよう注意を呼び掛けた。

 群馬大病院では同手術の死亡率が8・60%で、全国平均の0・49%の17・6倍と極めて高く、同学会は学会が認定する訓練施設から群馬大病院を外すことを決めた。

 調査は学会が訓練施設と定めた212施設を対象に1月に報告を求め、207施設から回答を得た。学会理事長を務める千葉大の宮崎勝(みやざき・まさる)教授らが、2011~14年に実施した肝臓、膵臓(すいぞう)などの腹腔鏡手術の症例数や術式別の死亡率などを集計。

 その結果、腹腔鏡下の肝臓切除手術の死亡率は全体で0・49%だった。難易度の高い保険適用外の手術では1・45%で、保険適用の手術の0・27%と比べ5・4倍高かった。特に難易度が高いとされる胆管切除を伴う肝臓切除手術では41人中4人が死亡し、死亡率が9・76%となった。腹腔鏡を使わない開腹手術での死亡率は3~5%とされる。調査結果には群馬大病院の回答も含まれており、胆管切除を伴う肝臓切除手術の死亡率を引き上げた可能性がある。

 膵臓切除手術では、全体の死亡率は0・33%で、保険適用内外で、10・8倍の差があった。

 保険適用外手術をする際の倫理委員会による審査については、無回答を除く176施設中、97施設(55%)が実施していなかった。

 ※群馬大病院の患者死亡問題

 2010~14年に第2外科で腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓切除手術を受けた患者8人が、術後4カ月以内に死亡していたことが昨年11月に発覚。40代の同一の医師が執刀し、病院は今月「8例すべてで過失があった」との検証結果を公表した。この医師が執刀した開腹手術でも過去5年間に10人が死亡し、うち1人の診断書に虚偽の病名を記載していたことが判明した。厚生労働省は診療報酬の優遇のある特定機能病院の承認を取り消すかどうか審議会で検討している。



http://www.m3.com/news/general/305667?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150323&dcf_doctor=true&mc.l=93351523
大阪医大と大阪薬大が合併 来年4月、新法人に
2015年3月23日(月)配信 共同通信社

 大阪医科大と大阪薬科大(いずれも大阪府高槻市)は20日、それぞれを経営する学校法人が合併契約を結んだと発表した。2016年4月に統合して新法人「大阪医科薬科大学」となる。契約は19日付。

 大阪医大によると、法人統合後、各大学はしばらくはそのまま残るが、いずれ統一を目指す。医薬系の単科大学同士の合併は戦後、全国で初めてとしている。大阪医大が存続法人となり、薬科大が解散する吸収合併。

 人口減少に備え、両大学は07年から連携について協議。11年11月に法人合併基本合意書を取り交わしていた。

 大阪医大の学生数は約千人、大阪薬大は約2千人。大阪医大の担当者は「18歳人口が急激に減っていく中で、単科大学が生き残ることは難しい。私学として、レベルの高い医療系の総合大学を目指したい」と話した。



http://www.m3.com/news/general/305690?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150323&dcf_doctor=true&mc.l=93351519
論文のデータ改ざん 岐阜大、医師を停職処分
2015年3月23日(月)配信共同通信社

 岐阜大は20日、医学部付属病院の40代の男性医師が発表した論文4本に画像データの改ざんを確認したと明らかにした。論文は既に取り下げられ、岐阜大は19日付で医師を停職6カ月の懲戒処分とした。

 岐阜大によると、医師は2002年7月~04年6月、細胞内の遺伝子の発現方法を解析するため、米国の大学に留学。04~10年に海外の科学誌に発表した研究成果を示す4本の論文で、遺伝子の動きを示す画像データ1枚を切り貼りし、計12枚の画像を改ざんしていた。

 岐阜大の調査の結果、研究成果の内容に影響はなかったという。論文の詳しい内容は明らかにしていない。

 医師は聞き取りに不正を認め「大量の実験を抱えており、成果を出さなければというプレッシャーもあった。作業を効率化したかった」との趣旨の説明をしている。

 12年8月、留学先から岐阜大の研究室に「論文の写真の取り扱い方がおかしい」と情報が寄せられ、調査していた。

 岐阜大の森脇久隆(もりわき・ひさたか)学長は「研究倫理に触れる不正を行ったことは誠に遺憾。各研究者に対して高い倫理性を求め、信頼回復に努める」とのコメントを出した。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201503/541278.html
追い詰められる公立病院、新ガイドラインが拍車
2015/3/24 千田敏之=医療局編集委員  日経メディカル

 三重県の桑名市民病院と医療法人和心会平田循環器病院・医療法人山本総合病院の統合、山形県立日本海病院と酒田市立酒田病院の統合、岩手県立釜石病院と釜石市立市民病院の統合、静岡県の掛川市立病院と袋井市立袋井市民病院の統合、兵庫県の加古川市民病院と株式会社神戸製鋼所・神鋼加古川病院の統合……。

 いずれもここ8年以内に行われた病院統合だ。公立病院同士のみならず、民間病院も公立病院の統合相手になっている点が目を引く。今後、全国でこのような病院統合が、今まで以上に活発化するだろう。3月末にも総務省から公表される、新しい「公立病院改革ガイドライン」が、その起爆剤の役割を果たすからだ。全国に850近くある公立病院の数は、10年以内に3分の2近くにまで減るかもしれない。

“飴と鞭”の政策で病院統合進める

 総務省が「公立病院改革ガイドライン」を初めて公表(総務省自治財政局長通知として発出)したのは2007年12月。ゆえに7年ぶりの見直しということになる。前回のガイドラインは2007年5月に開かれた経済財政諮問会議で菅総務大臣(当時)が、公立病院改革に取り組むことを表明したことがきっかけだ。背景には、医師不足や経営悪化に悩む公立病院の急増があった。2007年6月には夕張市の財政破綻を受けて地方財政健全化法が成立、同じく6月に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007」には、各自治体に総務省がガイドラインを示し、改革プラン策定を促す旨が明記され、12月のガイドライン公表に至った。

 このガイドラインでは、公立病院に対し、経営効率化と持続可能な病院経営を目指すことを求め、病院を開設する地方公共団体に対して改革プランの策定を要請した。プラン策定に当たっては、「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態」の3つの視点に立った改革を一体的に進めるように求めた。

 最も重視されたのは「再編・ネットワーク化」、つまり病院統合だ。近接する市町村がそれぞれ病院を持っている場合は、その統合や機能分化を強く強く求めた。当然のことながら、再編に対しては相応の財政措置も取られた。文字通りの「飴と鞭」の政策だ。特に、経営主体の統合や、病床削減をするケースについては、手厚い交付税措置が行われることになったため、苦境に陥っていた公立病院は「改革」の名の下、冒頭のような統合への道を選択していった。

 総務省が2014年3月末日時点の公立病院改革の実施状況を調査した結果によれば、2013年度までに策定された再編・ネットワーク化に係る計画に基づいて、病院の統合再編に取り組んでいる事例は65ケース、162病院に上った。

統廃合には今まで以上に手厚い措置

 まもなく公表される“新”ガイドラインも2013年11月の経済財政諮問会議がきっかけだ。総務省の2007年のガイドラインに基づく現在の改革プランが最終年度を迎えていること踏まえ、民間議員が新ガイドラインの策定を提言、新藤大臣(当時)が策定する方針を表明した。これを踏まえ、2014年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」では、「公立病院改革プラン(5か年計画)に基づく取組の成果を総務省・厚生労働省が 連携して評価した上で、地域医療構想の策定に合わせ、今年度中に、新たな公立病院改革ガイドラインを策定する」と明記された。

 では新しいガイドラインの内容はいったいどうなるか──。一部報道によれば、公立病院の統廃合を進めるため、新設や建て替えに対する財政支援の仕組みが大幅に見直される方向だ。現在は費用の30%が地方交付税で手当てされているが、統廃合などに伴う新築や建て替えには10ポイント上乗せされた40%が手当てされる見込みだ。逆に通常の改修や立て替えに対しては5ポイント減の25%の交付税措置となる見込み。

 また、公立病院に対する交付税の拠出額自体は現状レベルを維持する方向のため、相対的に従来の運営費に係る交付税措置額は減額される公算が大。従来病床当たりの単価(2014年度は1床当たり70万7000円)で交付税措置の額が決まっていたが、この病床数の算定基礎が許可病床数から稼働病床数へと見直すことも検討されている模様だ。もしそうなると、病床稼働率が低い公立病院は交付税の額も激減する。近隣の病院との統合か診療所化しか生き残る道はなくなるだろう。

都道府県の権限は強大に

 加えて、今回の改革の最大のポイントとなりそうなのが都道府県の権限、役割の強化だ。“新”ガイドラインは、厚生労働省から提出され2014年6月に成立した医療介護総合確保促進法に規定された「地域医療構想」とも連関させながら、再編を推進していくツールになる。地方交付税についても、「地域医療構想」の実現を見込んでの措置が優先されることになるだろう。

 「地域医療構想」、公立病院改革と並行して国民健康保険の保険者を市町村から都道府県に移行する国保改革も実施される。医療提供体制と医療保険の両面の責任を負うことになった都道府県は、これまでにない強大な権限を持って、不採算の公立病院に大なたを振るうに違いない。
 


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032302000235.html
高死亡率の手術方式も 半数超、倫理委承認得ず 腹腔鏡で調査
2015年3月23日 夕刊 東京新聞 

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 群馬大病院での腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓切除手術による患者死亡問題を受け、日本肝胆膵(すい)外科学会は二十三日、手術実績の多い全国約二百施設を対象に、腹腔鏡を使った肝臓切除手術の実績調査結果を公表。難易度の高い保険適用外の手術を受けた患者の1・45%が九十日以内に死亡し、保険適用の手術に比べ死亡率が約五倍高いことが分かった。高難度の腹腔鏡手術では、開腹手術を選んだ方が、死亡率が低くなる可能性がある。保険適用外の手術をしている施設のうち55%が倫理委員会の承認を受けていないことも判明、術式ごとに倫理審査を受けた上で慎重に実施の可否を判断するよう注意を呼び掛けた。
 群馬大病院では同手術の死亡率が8・60%で、全国平均の0・49%の一七・六倍と極めて高く、同学会は学会が認定する訓練施設から群馬大病院を外すことを決めた。
 調査は学会が訓練施設と定めた二百十二施設を対象に一月に報告を求め、二百七施設から回答を得た。学会理事長を務める千葉大の宮崎勝教授らが、二〇一一~一四年に実施した肝臓、膵臓などの腹腔鏡手術の症例数や術式別の死亡率などを集計。
 その結果、腹腔鏡下の肝臓切除手術の死亡率は全体で0・49%だった。難易度の高い保険適用外の手術では1・45%で、保険適用の手術の0・27%と比べ五・四倍高かった。特に難易度が高いとされる胆管切除を伴う肝臓切除手術では四十一人中四人が死亡し、死亡率が9・76%となった。腹腔鏡を使わない開腹手術での死亡率は3~5%とされる。


  1. 2015/03/24(火) 05:40:00|
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3月22日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/304589
医療維新
緊急手術手当1000円の現場も、外保連会見
2016年度改定に向け、基準見直しなど求める考え

レポート 2015年3月22日(日)配信池田宏之(m3.com編集部)

 外科系学会社会保険委員会連合は3月17日に記者会見を開き、関連学会が2014年度診療報酬改定による影響について発表した。休日・時間外・深夜加算の施設基準を守ることが難しく新設された加算が算定できなかったり、緊急手術の手当が1000円となっている現場があることが紹介された。帝王切開手術でも、外保連試案による手術時間の短縮に伴い、診療報酬引き下げに対する不満などが出ていて、出席者は、2016年度改定に向けて、手術時間など以外に、新たな基準を作りたい考えを示した。

施設基準守ると対応できない患者

 日本胸部外科学会診療問題委員長の荒井裕国氏(東京医科歯科大学心臓血管外科)は、2014年度改定で点数が引き上げられた、手術などの休日・時間外・深夜加算についての調査結果を示した。調査時期は2014年9月で、胸部外科医3領域を持つ1499施設に対して実施し、62%に当たる931施設(大学病院165、一般病院771)から回答を得た。

 加算の施設基準として、予定手術前の当直免除の導入を求めているのに加え、「交代勤務制」「チーム制」「時間外・休日・深夜・1000点以上の処置をする医師への手当て支給」のいずれかを導入するように求めるなどの施設基準が設定されている。

 その結果、全施設のうち加算を算定しているのは73.6%で、「取れるがいまだ取っていない」が9.5%、「取れる状況でない」が16.5%となった。特に大学病院では、「取れるが、いまだ取っていない」の割合が19%、心臓外科領域に限定すると、26%に上った。荒井氏は、「人員不足で、かつスペシャリストの多く領域においては、予定手術の前日の当直を免除すると、対応できない患者が出てくる」として、予定外の患者に対応しないと、救命できない実態が、加算を妨げているとの認識を示した。アンケートの回答では、施設基準における、「診療科全体で年12回の当直免除となっているのを、回数を増やすか、医師当たりの回数に変えてほしい」との声や「執刀医と第一助手となっている対象から、第一助手を外してほしい」との声があったことを紹介した。

 さらに、「緊急手術の手当ての支給」の要件にも言及。荒井氏は、公的病院では自治体の条例改正や必要なことに加え、施設基準の中で、手当額の基準がない点を指摘。東京大学は1回当たり3万円を支給しているものの、国立病院機構は1000円と決定している実態があり、「ファストフード点のアルバイト程度なのか。施設基準が形骸化し、医師のインセンティブ向上につながらない」と指摘した。

 総括として、少ない医師数で地域医療を支えている地方の第一線病院の制約の難しさ指摘し、2016年度改定に向けて、手当配分の適正化や、例外規定の設定など、現実的な視点での施設基準の見直しをするように求めた。


「手術時間短いと、減点」に不満

 日本産科婦人科学会の関博之氏(埼玉医科大学)は、帝王切開手術について紹介。帝王切開手術は、(1)手術の技術料、(2)医療従事者の人数、(3)手術時間の観点――から評価する中で、手術時間が短縮した外保連試案に基づいて、2014年度改定で2万2160点から2万140点に減点となった。予定帝王切開と、緊急帝王切開を比較した場合、予定の場合、60分未満での終了が39.3%だったのに対し、緊急の場合は57.3%となった。関氏は、「帝王切開、特に緊急帝王切開術では、迅速に手術を終了することは、母児にとって有益」とした上で、手術時間の短縮が、診療報酬の引き下げにつながった点に不満を示した。

 さらに、緊急帝王切開では、医師2人が手術開始まで2時間かけて準備している実態や、子宮に関連する手術でも、妊婦の方が非妊婦に比べて出血量が多くなることなどを踏まえて、「私見だが、新評価軸が必要ではないか」と投げかけた。関氏は、新しい評価軸については、「国民が理解できる形にしたい」とした。

 次期の外保連会長となる岩中督氏(東京大学小児外科教授)は、2016年度改定に向けた動きについて、外保連として考え方や要求を今年秋から暮れに向けてまとめる考えを示した上で、施設要件について「厚労省も批判の対象になっていることを理解している」と指摘し、見直しに期待を示した。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=43730
高齢化と後継者不足深刻
田原の開業医/「打つ手がない…」 現場に漂う危機感/奨学金増額など市対策

2015/03/23 東日新聞(東三河)

 田原市で開業医(診療所)の高齢化と後継者不足が深刻化しており、関係者は「10年後にも医療崩壊を招きかねない」と危機感を抱いている。田原市は奨学金制度を設けるなどの対策を講じている。

 2014年3月31日現在、市内開業医の院長の平均年齢は65・3歳で、全国平均より約5歳高い。

 10年前の開業医は31人で、09年に新規・継承開業する医師が2人いたものの、最近は減少傾向。院長29人のうち76~90歳が7人を占め、10年先を不安視する声が上がっている。

 インフルエンザが猛威をふるう時期になると、内科・小児科には大勢の患者が詰めかけ、ほぼパンク状態。

 市内の内科医は「開業医に定年はないが、いつまで診療を続けられるか、わからない。若い医師の不足は想像以上に深刻。現場では打つ手がない」と危機感をあらわにした。

 地方が医師不足に陥るきっかけとなったのは、04年度の医師臨床研修制度の変更によるところが大きい。それまで大学の医局に所属する研修医は、大学の付属病院で研修を受けた後、地方の病院へ勤務医として派遣され、経験を積んでから、その地で開業医となった。

 制度変更後は、研修医が自分で好きな病院を選べるようになったため、都会を希望する者が増え、地方に医師が来なくなったという。

 田原市にとっては、公的・救急病院としての役割を果たす厚生連渥美病院(田原市神戸町)で医療従事者を確保することが最優先課題。田原市は15年度、医師の業務負担を減らすための高度医療機器の整備支援制度や、同院への勤務希望者に対する奨学金を増額するなどして対策強化に乗り出している。

 ただ、奨学金は10年度に始まったばかりで、利用者は計7人。対策が実を結ぶのは、もう少し先になりそうだ。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03118_04
第7回日本医療教授システム学会開催
週刊医学界新聞   第3118号 2015年03月23日

 第7回日本医療教授システム学会が2015年3月5-6日,鈴木克明会長(熊本大大学院)のもと,「できる医療者に育つ/育てるしくみ――実践成果の見える化と共有」をテーマに開催された(会場=東京都文京区・東大本郷キャンパス)。本紙では,インストラクショナル・デザイン(以下,ID)の理論を基に医療教育への提言を行った会長講演と,IDにおいて特に重要な「目標を明確にする」とはどういうことかを参加者が体験するセッションの模様を報告する。

◆効率的・効果的・魅力的な研修づくりを

 「できる医療者とは現場で仕事ができるだけではなく,現場を変革できる人。変革の実現には,今の現場をどのようにしたいかを描くことが必要だ」。こう語った鈴木氏は,現場を変革するためには実践の成果を説得力のある形で示す必要があり,成果を示すには,目標を明確にすることが必要だと強調した。


 氏は,授業設計理論の父として著名なガニエの9教授事象,メリルのID第一原理(5つ星の条件)を踏まえ,多くの研修の問題点は講義形式で研修を行っていることだと指摘した。研修の目標を決定するためには,研修を受ける学習者の学習の到達レベルをまず知る必要がある。学習は事前に学習者自らに行わせ,テストで習熟度を確認,その結果を基に有意味記憶になるよう工夫した教育を行う方法が有効だと解説した。有意味記憶になる教育とは何か。それは,現在の知識と結び付けられる教育であるとし,ARCSモデルを挙げて説明した。ARCSモデルとは教育工学者ケラーが提案したモデルで,学習者の学習意欲を「Attention(注意);おもしろそう」「Relevance(関連性);やりがいがありそう」「Confidence(自信);やればできそう」「Satisfaction(満足感);やってよかった」の4つの軸に整理したもの。研修が業務にどのように役に立つのかを示すことで自分自身の問題として意識され,魅力的な研修となるのだという。
 さらに,ARCSモデルは学習を支援する際に教育者が生かすだけでなく,学習者自身にも教え,自ら学習意欲のコントロールも行えるようにすることが重要だと提言。学習者を,教育・研修がなくても自らで学び続ける「学び手」として一人前にしていく必要があると締めくくった。

 「研修効果の見える研修目標の立案」を目標に開催された教育企画「新人看護職員研修を担当する方のためのワークショップ――新人看護職員研修をリ・デザインする」(ファシリテーター=済生会横浜市東部病院・山田紀昭氏,紙谷あゆ美氏,独協医大越谷病院・石井恵利佳氏)は,ワークショップそのものがIDのモデルを利用して設計された。

 グループワークを中心に行われた本企画では,参加者は事前に新人看護職員研修ガイドラインを読んだ上で,自施設の新人看護職員研修の現状と目標を持ち寄った。当日はファシリテーターから提示された研修事例の課題に個々に検討を加えた上で,客観的評価が難しいと考えられる学習目標についてグループ内で互いに指摘し合い,ファシリテーターも交えてブラッシュアップを図った。参加者からは「目標行動・評価条件・合格基準を明確にしないと効果がない研修になってしまうことに気付いた」という声が挙がるなど,効果的な目標の立案方法が共有された。


  1. 2015/03/23(月) 05:23:21|
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3月21日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/304213
医療維新
シリーズ: ここがおかしい!ここが問題!医療界
委縮診療、「週1回以上」が半数超◆Vol.16
外来包括制「有用でない」が半数超

医師調査 2015年3月21日(土)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q12 診療報酬の算定ルールがあることなどによる「委縮診療」の頻度
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 Q12では、診療所の医師に対して、診療報酬の算定ルールがあることなどから「委縮診療」がどの程度の頻度で起きているかを聞いた(回答者256人)。

 「ほぼ毎日」が30.9%、「1週間に数回」が13.7%、「1週間に1回程度」が7.8%となり、半数以上が、1週間に1回以上、委縮診療を実感している結果となった。「ほぼ皆無」は14.8%にとどまり、「1年に1回」以上、委縮診療を実感している医師は8割を超えた。

Q13B 外来における診療報酬の包括制拡大への考え方
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 Q13Bでは、「理不尽なレセプト査定」や「萎縮診療」を避けるために、慢性期疾患などで一部導入されている外来における診療報酬の包括制拡大についての考え方について聞いた。

 最も多かったのは「有用ではない」で、56.6%となり、半数を超えた。対して、「有用」との回答は、急性期疾患に限定、慢性期疾患に限定の回答も含めて、合計39.1%。入院医療について進められてきた包括制だが、過少診療や、重症患者敬遠など、国民の健康への影響を指摘する声がある。一方で、成功報酬の設定によるモチベーションの上昇、診療報酬請求の手続きの簡素化や、加算の考慮の手間が省けるなど、医師にメリットがある可能性もある。

 医療費削減の流れがある中、外来における包括制拡大については、医療費抑制の観点から、1つの手段として提案される可能性があり、今後の議論が注目される。ただ、包括制は、必ずしも医療費の削減につながるエビデンスがあるわけではない。



http://mainichi.jp/edu/news/20150321ddlk01100230000c.html
大学入試:道内高出身の合格者 北大、過去最低4割弱 札幌医大、7割を突破 /北海道
毎日新聞 2015年03月21日 地方版

 ◇地域医療を担う人材VS全国から優秀な学生

 道内の国公立大の2次試験・後期日程の合格発表が20日から始まり、入試シーズンは最終盤を迎えた。今春の入試では、北海道大で合格者に占める道内の高校出身者の割合が過去最低の4割弱にとどまった一方、札幌医大では7割を突破。全国から優秀な学生を集めようとする北大と、地域医療を支える地元の学生がほしいとする札幌医大の志向の違いが際立った。

 今春の北大の合格者2643人のうち、道内勢は38・0%にあたる1005人。現在の入試制度が始まった1990年度入試以降、過去最低を更新した。前期日程の過去10年分の推移をみると、2008年度に道内勢は56・1%を占めていたが、年々低下傾向にあり、今春は41・3%にとどまった。

 道外勢が増えた背景は2011年度から導入された総合入試だ。総合入試は前期だけにあり、文・理系の大枠で募集し、2年進学時に学部が決まる入試制度。募集人員は全体の約45%を占めるが、今春は道内勢が理系で33・5%、文系で21・7%と、全体の平均を押し下げた。

 北大は07年度から東京で入学相談会を開催。現在では大阪や名古屋などでも積極的にPRしており、道外からの志願者確保に力を入れた結果が実を結んでいる。

 北大の高校別合格者で上位に入る札幌東高校の橋浦秀明進路指導部長(46)は総合入試について「文系は道外の難関私大と同じ試験科目での受験が可能で難易度が高い。理系は入学後に頑張れば希望する学部に入れることが道外の受験生に人気となっている」と話す。

 一方、札幌医大では今春、医学科の合格者75人のうち、道内勢が53人を占めた。今春から大学入試センター試験の配点を2次試験と同じ700点に引き上げた。2次で挽回を狙う道外の受験生が敬遠し、道内勢が有利になったと、同大は分析している。

 12年度に道内勢は44・0%にとどまっていたが、卒業後7年間、道内の医療機関に従事することが条件の「北海道医療枠」が13年度に設けられて以来、道内比率が伸び続けている。

 大手予備校・河合塾札幌校の浅田鋼(つよし)校舎長(49)は「札幌医大は地域医療を担う人材育成が基本。北海道医療枠に続く今春の配点の見直しは道内の優秀な人材を集めたいというメッセージと受け止められたようだ」と指摘している。【千々部一好】



http://www.m3.com/news/iryoishin/305272
医療維新
シリーズ: 混迷する”医療事故調”の行方
「支援団体は医師会の役割」、総力を結集
日医・医学会、医療事故調査制度検討会の取りまとめ受け会見

レポート 2015年3月21日(土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は3月20日、日本医学会会長の高久史麿氏と共同で記者会見し、10月から始まる医療事故調査制度について、真に医療の安全と質の向上に資する制度として機能させるよう、全国の都道府県および郡市区の医師会、日本医学会や各学会、病院団体などと連携協力していくという見解を発表した。高久氏も、「医学会としても、日医の見解を全面的に支援する」と述べ、医療界を挙げて取り組む姿勢を見せた。


 医療事故調査制度は、各医療機関の院内調査を基本とするが、中小の病医院では自力での実施が難しいことも想定される。横倉会長は、各地域に設置される「支援団体」として、全国の都道府県医師会の役割が非常に重要になるとし、全ての医師会の総力を結集して活動を進めていく方針も説明。日医の医療安全対策委員会で医師会が果たす役割について現在検討を進めており、近く中間的な報告を公表する予定だ。

 さらに事故調査に当たる医療機関の経済的負担を軽減するため、日医の会員である医師、医療機関についてはなるべく費用負担がかからないよう、調査費用に関する民間保険を創設するため、損保会社と検討しているという。

 高久会長は、医学会としては、調査に当たって必要となる病理解剖や専門的な知識を持つ医師の紹介などについて、「学会を通じて全面的に協力していく」と表明。同時に、日本医療安全調査機構の代表理事も務める立場から、「支援団体と、今までやってきた機構が協力して運営をしていきたいと考えている」とコメント。ただ、医療事故調査制度は、中央組織の第三者機関として、厚生労働省が「医療事故調査・支援センター」を指定することになっているが、「センターになるよう、手を上げるか」との質問には、「今まで10年間の実績があるので、協力はいくらでもするというスタンス。もちろん(センターとして)決まればやるが、この決定は国で行うこと」と曖昧な回答にとどめた。

 日医、センターへの財政支援も想定
 共同会見は、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」が3月20日、「取りまとめ」を公表したのを受けたもの(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。

 現時点で、「医療事故調査・支援センター」の有力な候補と言えるのが、日本医療安全調査機構と日本医療機能評価機構だ。横倉会長は、日医は両機構と密接な関係にあり、話し合いをしているとし、「お互いによく連携を取りながら、財政的な支援が必要であれば、当然、やることになる」と述べ、日医は、両機構に負担金あるいは会費の形で支援しており、センターに関する費用負担も想定しているとした。

 高久会長は、仮に日本医療安全調査機構がセンターになった場合、日本医療機能評価機構と協力していくほか、現在の「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」は全国12カ所の実施にとどまることから、各都道府県の医師会が支援団体としての役割を果たすよう期待を込めた。

 なお、日医は、医師賠償責任保険を運営しており、医療事故等が起きた場合の紛争解決や賠償金の支払いなどを行っている。都道府県医師会等の医事紛争委員会が窓口となるが、「支援団体」となった場合の各医師会における運営について、日医副会長の松原謙二氏は、「全く別なものとして運営する。そうしなければ、外から見て信頼が得られない」と説明、組織上だけでなく、物理的にも別の部屋にするなどの形で切り分けて運用するよう、都道府県医師会に依頼しているとした。



http://www.sankei.com/affairs/news/150321/afr1503210012-n1.html
医療事故調査制度 問われる医療機関の自浄能力
2015.3.21 13:30 産経ニュース

 医療の安全と質の向上を図り、医療への信頼を高める。こうした制度の目的とは裏腹に、検討会では遺族側と一部医療機関側で相互不信が顕著に表れた。互いに一定の譲歩はしたが、最後まで建設的な議論に至らず、運用指針は“玉虫色”で決着した。

 遺族側に立つ委員は、原因究明や再発防止を盛り込んだ調査報告書の提供を受け、医療機関と事実を共有する仕組みを、制度に求めた。「遺族の納得」の積み重ねが、医療安全につながるとの主張だ。

 これに対し、一部医療機関側の委員は、再発防止や報告書提供が義務付けられれば裁判に使われ、責任追及の手段になると主張。裁判は医療安全につながらないと譲らなかった。両者の溝は、繰り返されてきた医療事故をめぐるトラブルや訴訟の縮図ともいえる。

 指針では、制度の入り口にあたる報告すべき「予期せぬ死亡」の定義や、調査報告書の遺族への提出は、医療機関側の裁量に委ねるものとなった。

 例えば遺族が医療事故の疑いを持っても、医療機関が「(医療行為前に)死亡を予期していた」と判断すれば、報告が行われない可能性が残る。腹腔(ふくくう)鏡手術後の患者が相次いで死亡した群馬大学病院のようなケースが制度運用後に発生したとしても、報告が行われるか、再発を防げるかは不透明だ。

 制度の主体となるのが医療機関である以上、問われるのは結局、医療機関の自浄能力になる。遺族が納得しなければ第三者機関に再調査を依頼したり、裁判に「事実」を求めたりすることになるが、制度の趣旨にのっとり、医療機関が調査・説明を尽くせば、刑事告訴や訴訟に発展する例は限定されるとみられる。

 制度は医療安全を担保する最低限の枠組みにすぎない。医療機関が遺族や国民との信頼関係を深める契機とすることが求められる。(伊藤弘一郎、道丸摩耶)



http://www.m3.com/news/iryoishin/305279
医療維新
シリーズ: 医学教育を考える
医学生、学力低下は確認されず
全国医学部長病院長会議アンケート

レポート 2015年3月22日(日)配信成相通子(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議は3月19日、定例記者会見で2014年度の「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査結果」を公表した。医学部の入学定員が増加に転じた2008年ごろから、1年生や2年生の留年者数と休学者数が増加しているものの、4年生で受ける共用試験CBTの得点推移は横ばいで、会見した同会議の福島統氏(東京慈恵会医科大学教育センター長)は「低学年で学習に問題が生じた学生も、医学部中学年には、少なくとも十分な知識レベル、技能レベルの学習を行えている」と指摘、必ずしも定員増で全体の学力低下は起きていないとの見解を示した。

 福島氏は、一方で、「教育現場の努力で、学習困難を抱えていた学生も含め、ここまで引き上げている。しかし、現場のリソースは限界に近い」と強調、初年次教育や入学試験改革の重要性を指摘、これ以上の定員増には否定的な見解を示した。


136人に1人が医学生に、留年・休学は増加

 アンケートは、教育現場で問題視され始めた「医学生の学力低下」の実態調査を目的に、2011年から開始(『医学生の学力低下が顕著、医学部定員増を機に』、『医学生の学力低下、定員増と「ゆとり」原因か』など参照)。今回は、全国の80大学医学部・医科大学を対象に、昨年実施し、2013年4月から2014年4月の在籍学生について調べた。

 入学定員数は、定員増前の2007年度(7652人)から、2014年度は9061人、2015年度は9134人と8年前の2割増になった。減少傾向の18歳人口を入学定員数と比較すると、1966年は18歳人口のうち約700人に1人が入学していたが、2013年は136人に1人が入学する計算になり、「門戸は昔よりかなり広がっている」(福島氏)。

 問題となった留年者数の増加は、経年データがある53大学が対象。1年生の定員増前の留年数は平均132人だったが、年々増加。2012年度の237人がピークで、2013年度は210人。2年生も定員増前の299人から466人になった。定員増による母数増を考慮し、補正した留年増加率でも、1年生で定年増前と比較して2013年度は129%と劇的に増加。2年生も2013年度で132%となった。3年生から5年生では、定員増前から顕著な増加はなかった。

 同様に休学者数を比較すると、全国で実数は60人~80人と少ないものの、1年生で定員増前の平均(36人)と比べて2013年度は163%、2年生は120%、3年生も120%と増加していた。4年生と5年生はほぼ横ばいだった。

 福島氏は、入学したばかりの1年生と、学習の情報量が爆発的に増える2年生で留年する学生が多いことについて「勉強方法などのスタディー・スキルに問題があるかもしれない」と指摘。「税金を使っている教育で留年が多いのは問題。これまでは、能力が高い学生を相手にしているのだからと考慮していなかったスタディー・スキル教育の再考が必要だ」と訴えた。

試験の結果は高いレベルを維持

 一方で、4年生を対象とし、難易度調整が行われている共用試験CBTは2008年度から平均約77点のほぼ横ばいで、共用試験OSCEも約86点で横ばい。相対的で評価はしにくいが、医師国家試験の合格率も2005年から90%前後のままで、「学力低下が起こっているとは言えず、定員増でも高いレベルで維持されている」(福島氏)。低学年で留年・休学者が増加するなど学習問題が起こっても、「医学部中学年には、少なくとも知識レベル、技能レベルの学習を十分行えており、卒業時の知識レベルも十分担保されているだろう」と福島氏は分析した。

 アンケートの自由記載から低学年の学習問題の原因を分析すると、(1)精神的な問題、(2)自分の適性と医学部での教育の間に齟齬、 (3)部活動など他の興味の対象に時間を取られている、(4)高校までの学習と落差があり、学び方が身についていない、 (5)高校までの学習に不十分な点がある、など5つのケースの分類できるという。

 福島氏は「大学がかなり頑張っていることを強調したい。CBT共用試験のデータはかなり信頼性が高いと思う」とした上で、「学力低下の定義は難しい。学力にはいろいろあるが、試験で測るのは覚えた知識だけ。入学試験の改革も必要だ」と指摘。今後も高いレベルを維持するために入試改革と、初年次のスタディー・スキル教育や能動的学習の導入などの学部教育の改善を検討課題として挙げた。

 同会議顧問の別所正美氏(埼玉医科大学学長)は、「定員増の影響と断定はできないが、CBTの結果は良くても、実際の教育現場では教員も学生もかなり苦労している」と実情を訴えた。


  1. 2015/03/22(日) 05:34:32|
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