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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月29日 

http://www.nnn.co.jp/news/150329/20150329051.html
岡山大病院三朝医療センター 外来診療休止へ
2015年3月29日 日本海新聞

 三朝町山田の岡山大学病院三朝医療センターが、来年3月末をめどに外来診療を休止することが28日、分かった。現患者と地域に対する医療確保のため、隣接する鳥取県中部医師会立三朝温泉病院内に、大学側が派遣診療を行う寄付講座を開設するほか、空いた施設の活用などを検討していくとしている。

 同センターは2012年4月から入院機能を廃止し、外来診療のみを継続してきた。医師は現在2人おり、職員は27人。患者は1日当たり約80人が訪れるが、年間1億円以上の赤字が発生しており、大学側には大きな負担となっていた。

 こうした現状を踏まえ、昨年秋から岡山大学病院の槇野博史院長を座長に、県中部医師会の松田隆会長、同町の岩山靖尚副町長ら17人で構成するセンターの在り方に関するワーキンググループで、3度にわたって今後の方向性を協議してきた。

 外来診療の休止に代わる大学側が行う寄付講座は、同センターの機能や医療体制を保持するため、岡山大学病院から医師2人を派遣。現在の患者数は町内が約500人と全体の35%を占めており、通院患者の医療を継続する方針という。

 施設は隣接の岡山大学地球物質科学研究センターとの連携も視野に入れ、地方創生の観点で地域貢献できる取り組みを摸索するとしている。

 県中部医師会の松田会長は「患者さんが困らないことが第一。現在は同センターと三朝温泉病院の医療が一つになることは、効率の面で考えても非常にいいシステムだと思う。時間をかけて患者さんにとって良いように前向きに進めていきたい」と話している。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201503/20150329_13031.html
駅前再開発事業 市医師会が名取市に抗議文
2015年03月29日日曜日 河北新報

 東日本大震災の復興交付金を活用した名取市のJR名取駅東口の市街地再開発事業で、複合施設内に医療機関が入る計画について、名取市医師会(丹野尚昭会長)は計画見直しを求める抗議文を市に提出した。
 市医師会理事会から佐々木一十郎市長宛てに提出された。駅周辺には既に複数の医療機関があり「あえて医療施設を誘致する必然性は全くない」と指摘。「営利の対象として医療を扱うことは許されない」と批判している。
 市幹部は「地権者らでつくる再開発組合が主体の事業。市が誘致するわけではない」と戸惑っている。
 事業は駅東口の約7300平方メートルに4階と11階の複合施設を整備。被災した市図書館や増田公民館を移転集約するほか、商業施設、医療機関などの入居を見込む。2018年1月ごろの完成予定。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201503/20150329_71029.html
<国立大定年教授>輝く業績 情熱なお
2015年03月29日日曜日 河北新報

 東北の国立大で研究や教育に携わってきた教官が31日、定年を迎える。山形大医学部の嘉山孝正教授は大学病院や医学部の改革に取り組んだ。東北大災害科学国際研究所の真野明教授は水害の実態を解明した。2人が研学生活を振り返る。

◎がん治療施設開設に道/山形大学長特別補佐医学部 嘉山孝正教授(65)/脳神経外科学
<かやま・たかまさ>50年神奈川県生まれ。東北大医学部卒。山形大医学部付属病院長、医学部長などを歴任。国立がん研究センター理事長を経て12年から現職。重粒子線がん治療施設設置準備室長を兼任。

 心血を注いできた重粒子線がん治療施設が、退職を迎える年に具体化した。
 東北で初の施設は病巣にピンポイントで放射線を照射する。患者の痛みや副作用が少ないとされる。新年度に着工し、2019年10月の治療開始を目指す。
 「治療装置の開発技術は日本が世界一。クオリティーが高く、省エネルギー、省スペースの山形モデルをつくる」と装置の開発に意欲を燃やす。
 「世界で初めてのことをやれ」と東北大医学部時代、恩師の故鈴木二郎氏から言われ続けた。その教え通り「世界最高の施設ができる。患者の治療はもちろんだが、学生や地域住民の誇りにもなる」と語る。
 医学部長だった04年にがんを診療と研究の柱にすると決め、施設設置計画を策定した。12年に学長特別補佐として大学に戻ってからは整備総額150億円を確保するため、国や自治体、企業、医療機関を回って支援を求めた。
 施設稼働を見据え、東北のがん診療拠点病院など61病院をテレビ会議システムでつなぐネットワークもできた。「10年先を見て今やるべきことをする」。4月以降も特任教授として研究と施設計画をけん引する。

◎豪雨、津波予測基礎築く/東北大災害科学国際研究所 真野明教授(65)/水理学
<まの・あきら>49年弘前市生まれ。東北大大学院工学研究科修了。同大大学院工学研究科災害制御研究センター長などを経て12年から現職。東日本大震災に関する東北支部学術合同調査委員長などを歴任。

 流れる水は千変万化。「一見、捉えどころのない現象のようだが、数式で予測できる。その理論の美しさに魅せられた」と語る。
 豪雨、津波、高潮など水の動きが関係する災害を研究対象にした。メカニズムを解明し、河川の氾濫や洪水の予測モデルを作成。発生確率や危険度を評価して減災技術の基礎を築いたが、それでも「避難に勝る対策はない」と断言する。
 東日本大震災では、長く調査してきた仙台湾沿岸でも多くの犠牲者が出た。「津波到達まで1時間ちょっと。逃げる余裕はあったはずなのに」と悔しがる。
 平野に津波は来ないとの油断があったのか。人工構造物で防ぎきれなかった被害に、土木工学の専門家として自責の念を抱く。
 「研究者一人一人が、分野の境界領域を洞察する力を持たなければならない」と、専門の枠を超えた学際研究の必要性を訴える。
 研究の場は国内にとどまらず、バングラデシュでは地下水のヒ素汚染を分析し、飲み水の安全管理や水資源の確保に寄与した。
 4月以降も大学で研究を続ける。「留学生を指導し、気象災害、水不足といった発展途上国の問題解決に貢献したい」と強調した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/303341?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150329&dcf_doctor=true&mc.l=94342958
医療維新
大学病院と公立病院、急性期削減のターゲット - 土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授に聞く◆Vol.3
保険給付縮小など「負担のつけ回し」避ける

インタビュー 2015年3月29日(日)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療提供体制の改革」においては、入院受療率や入院医療費の地域差に着目されています。先生がメンバーでもある、政府の社会保障制度改革推進本部の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」などで各種データが出ていることから、生じた問題意識でしょうか。
土居丈朗氏によると、自己負担増の改革は、「単なる負担のつけ回し」と受け止められるので、今回の提言には含めなかったという。

 そうですね。

――年齢を調整しても、地域により入院受療率、ひいては入院医療費が異なる現状をどう見ておられますか。

 民間病院も一部は関係しますが、(地域医療構想における)急性期医療の問題は結局、特に高齢者が増えて、若い人が減少する地域における大学病院と公立病院をどうするか、という話がカギなのです。特に公立病院は、パブリックセクターであり、地域医療構想は都道府県が策定するのですから、知事の権限で何とかしてもらいましょう、ということ。医師会などは「知事の権限は、民間病院まで強制的に及ぶのか」と再三けん制していますが、問題となるのは主に公立病院です。

 もっとも、各都道府県は、これまで医療計画などは作ってきましたが、(地域医療構想により)ここまで大々的に「矢面に立つ」のは初めてなので、少し怯えている一面があります。都道府県は、地域医療構想の策定を通じて、1回レッスンした上で、それを改定する形で、2018年度に第7次医療計画の策定に取り組めば、(基礎的財政収支の黒字化目標である)2020年度、そして2025年度に間に合う。

――特に地方では、「○○県立中央病院」「○○市民病院」などが、地域の基幹病院であるケースが多い。

 その通りです。公立病院は、大学病院ほどには、研究に重きを置いていないこともあり、急性期病床が過剰だったら、回復期や慢性期にシフトすればいいと思うのです。あるいは病床が過剰な地域であれば、減らさなくてはいけない。県立病院であれば、開設者と地域医療構想を策定する権限者(知事)は同じなのだから、「自分で考えて、自問自答する」という、うまく責任が閉じた形になっている。

――公立病院が赤字で、一般会計からの繰り入れが多額になれば、知事は自分で自分の首を絞めかねない。

 そうなのです。賢明な知事なら、過剰なところは、引き締めていくでしょう。地域のニーズに応じた改革を行えばいいのです。

――入院受療率の是正は、地域医療構想を通じて進めていけば可能とお考えですか。

 急性期病床が過剰で、かつ大学病院や公立病院がある地域は、地域医療構想でほぼ何とかなると思います。あとは、特に西日本では、慢性期病床をどうするかという問題はありますが。

――先生方の提言の2番目、「後発医薬品の普及」ですが、まだ日本の普及率は低いとみている。

 スウェーデンは、(医療の財源は)税方式で賄っていることもあり、(薬局において最も低価格の後発医薬品への変更が義務付けられるなど)強制したりしているわけです。

――提言では、「調剤医療費の抑制・薬価の適正化」も掲げています。薬価の毎年改定に対しては、製薬企業などからの反対も根強いです。

 これは、提言を裏付ける試算上のこと。2年に一度の薬価改定による下げ幅を計算するのではなく、年率換算した数字を出したという意味です。共同提言では財政収支をいかに改善するかが目的なので、毎年改定しても、2年に一度の改定でも、結局行きつくところは同じ。実は毎年改定すれば、薬剤費を大幅に削減でき、2020年度の財政収支の大きな改善につながるわけではありません。

――医療費の抑制については、他にどんな対策を検討されたのでしょうか。規制改革の議論では、混合診療の解禁、市販薬類似医薬品の保険給付除外などもよく出てくる検討課題です。

 自己負担の在り方もアイデアとしてありましたが、「単なる負担のつけ回し」という話に聞こえないかと思ったのです。例えば、高齢者医療の自己負担を1割から3割に引き上げたり、受診時定額負担を導入すれば、その分、税金の負担は減りますが、結局、医療費の総額は変わらない。自己負担の増加策は、受診抑制につながるとの批判も強く、その結果、他の施策も含めて、「共同提言はダメだ」と言われるのを避けたいという考えもあり、今回は入れませんでした。

――だからこそ、医療提供側の改革にターゲットを当てた。一定の改革を行い、「筋肉質」の体質にした上で、国民の理解を得て、負担増を進めるという流れでしょうか。

 そうです。だから自己負担増関連の改革案は入れませんでした。

――ただ、介護保険については、「要支援1と2、要介護1では全額負担、要介護2~5では1割から2割に自己負担引き上げ」を提言しています。

 計1.1兆円の公費の削減が可能としていますが、「これらは給付効率化でも代替可能」と書いているように、その程度の金額の給付抑制を行う目安として提示しています。提言したいのは、「負担のつけ回し」ではない意味での介護の改革です。例えば、「軽度者への介護給付を、重症化予防に資するものだけに限定する」と言った時に、「何%の給付がそれに該当するか」と聞かれると、なかなかエビデンスがない。例えば、「ざっくり半分」と言っても、「どこからその数字が出てきたのか」「根拠がない」と言われるので、あくまで目安として額を出しました。

 なお、自己負担について言えば、医療保険における「現役並み」所得の高齢者という区分は、政治的妥協の産物にすぎず、全くナンセンス(編集部注:70歳から74歳までの自己負担は、「現役並み」所得者の場合は、2014年度から3割に変更)。「課税対象所得」で比較しているからです。夫婦2人世帯で、現役世代と高齢者世代があるとします。「課税対象所得」に控除された分を加えると、「課税前所得」。公的年金の控除が手厚いために、「課税対象所得」は同じであっても、「課税前所得」は高齢者の方が高い。本来なら、この「課税前所得」が「現役並み」の高齢者について、同等の負担を求めるべきです。介護保険では、私が社会保障審議会介護保険部会で問題視したこともあり、「現役並み」所得の高齢者という概念は介護保険では採用されませんでした(編集部注:2015年8月から、一定所得者以上の自己負担は1割から2割に引き上げ)。今後医療保険でもこの定義を改めるべきです。

――今回の提言は、誰に読んでもらいたいとお考えでしょうか。

 医療者だけでなく、広く国民に読んでもらい、理解、納得してもらいたいという思いが強いです。我々は、「弱者切り捨て」とか、「医療や介護の質を落とす」といった考えは全く持っていません。「医療の質を維持しながらも、改めることができる方法がまだ残っていませんか」ということを、申し上げたかった。

 「絶対に間違っていない」「これ以上、いいアイデアはない」と言いたいわけでもありません。提言の最後に書いてありますが、「これをたたき台にして、いろいろ議論してください」「もっといいアイデアがあれば、出してください」ということです。

 ただし、現時点の政権は、金額すら出そうとしないし、避けたがっている。覚悟のほどが見えない。今、この3月の時点では、逃げています。だから「逃げてはだめだ」というメッセージも送っています。「それは、無理筋だろう。これは削れない」というなら、別の削減策を出すか、消費税増税を認めるかのどちらかでしょう。

  先ほども言いましたが、もし国民の大半の人が「医療は削るな」と言い、消費税率を14~15%に上げることに賛成するなら話は別です。けれども、今の雰囲気では、とてもそういう感じではない。財政収支改善のために増税するのはダメというなら、何かを削って増税幅を小さくする。もちろん、無駄な非社会保障支出は削りますが、それは数兆円が出るかどうか。「増税幅をもっと小さくしろ」という話になるなら、社会保障に手をつけることは避けられません。


  1. 2015/03/30(月) 05:20:52|
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3月28日 

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20150328ddlk28040527000c.html
人事:八鹿病院 管理者が退任 神戸大から4医師採用 /兵庫
毎日新聞 2015年03月28日 地方版

 公立八鹿病院組合(養父市八鹿町)は26日、人事異動(4月1日付)を発表した。

 細川裕平管理者が「一身上の都合」を理由に辞表を提出し、3月31日付で退任する。後任の管理者には、富勝治副管理者が就任する。細川管理者は26日に開かれた組合議会のあいさつで「経営改革に努力したが、十分な結果を出せなかった」と話したという。

 八鹿病院では経営方針を巡り医師らとの間に対立があり、昨年10月には反発する医師らが記者会見を開き、管理者の交代を求めていた。今月末には、外科医4人が退職。他に派遣終了など通常の異動も含め、公立八鹿病院から退職する医師は計8人となる。

 外科には、神戸大の医局から4人の派遣を受ける。他に新規に3人を採用し、内科・総合診療科などに配属する。【柴崎達矢】

 管理者以外で課長級以上の異動は次の通り(兼務は除く。退職は31日付)。

 【部長級】公立八鹿病院総合診療部長(公立八鹿病院救急科部長)倉橋卓男▽公立八鹿病院看護部長(公立八鹿病院副看護部長)山下ふみ代

 【副部長級】公立八鹿病院副看護部長(公立八鹿病院看護師長)植木佳代子

 【課長級】公立八鹿病院看護師長(公立八鹿病院看護科主任)三島啓子▽公立八鹿病院看護師長(公立八鹿病院看護科主任)向井純子▽公立村岡病院看護師長(むらおか訪問看護ステーション看護主任)西村里美▽公立八鹿病院総務課長(養父市より派遣)河辺正人▽公立村岡病院事務長(公立八鹿病院事務部付課長)和田修

 【退職】公立八鹿病院外科部長 菅澤章▽公立八鹿病院乳腺外科部長 水田誠▽公立八鹿病院外科部長(内視鏡外科)木島寿久▽公立八鹿病院呼吸器内科部長 塩田哲広▽公立八鹿病院組合参与 土江克彦▽公立八鹿病院副看護部長 岩本房子▽公立八鹿病院呼吸器内科医長 寺下聡▽公立八鹿病院外科医長 勢馬佳彦▽公立八鹿病院看護師長 小林朗子▽公立八鹿病院看護師長 宮下明美▽公立村岡病院看護師長 西村美鈴

〔但馬版〕



http://www.m3.com/news/general/307340?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150328&dcf_doctor=true&mc.l=94312920
腹腔鏡「だまされた」 群馬大病院の特定機能、取り消し検討
2015年3月28日(土)配信朝日新聞

 群馬大病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者8人が死亡した問題で、厚生労働省の社会保障審議会医療分科会が27日、高度な医療を提供する「特定機能病院」の承認を取り消すかを検討した。未熟にもかかわらず難易度の高い手術を検証せずに繰り返し、死亡事故を止められなかった実態がわかってきた。患者への説明も不十分だった。

 ■「簡単に治る」信じた家族

 「簡単に腹腔鏡でできますよ」。男性医師は昨年1月、60代男性に言った。男性は胆管がんで同時に肝臓を切る手術を受けたが、5月に死亡した。

 手術前日、男性と説明を受けた妻は「1時間くらい難しい話をされ、腹腔鏡でいくように自然に話が流れた」と振り返る。開腹でも難しいが、医師は「患者の負担が少なく回復が早い」と利点を強調した。勧められるまま手術当日、A4判1枚の同意書に署名した。

 手術は13時間かかった。医師は「無事に終わりました。悪いところは全部取りました」とだけ言った。

 翌日から歩く練習を指示され、男性はすぐに退院できると思っていた。だが、胆汁が漏れて感染症にかかり、手術の97日後に出血性ショックで死亡した。医師は「輸血が間に合わなかった」と話し、手術のまずさには触れなかった。

 実際は、手術中に動脈を損傷し、肝不全や縫合不全につながった可能性があることが病院の調査でわかった。しかし、それを病院が妻に伝えたのは、今月1日だった。妻は「不自然な症例が1、2例出た時点で、なぜ病院が気づけなかったのか」と憤る。

 別の60代男性は約3年前、肝細胞がんで手術を受けたが、66日後に多臓器不全で死亡した。一緒に医師の説明を聞いた妻は「『2週間で簡単に治るので腹腔鏡にしましょう』と言われ、同意書にサインした」と話す。ほかの選択肢や危険性についての説明はなかったという。

 男性は手術の後、体内で出血が止まらなかった。妻は病状や退院のめどを数回尋ねたが、男性医師ははっきりとは答えてくれず、別の医師も不機嫌そうに「治す方が先でしょ」と言うだけだったという。

 病院の調査では、この手術でも手術中の操作に何らかの問題があり、早期に再手術をすべきだったと指摘した。妻は「だまされた。分かっていたら群大に行かなかった」と悔やんだ。(上田雅文、井上怜)

 ■技量かなり低い・院内調査も不十分 専門家指摘

 執刀医の技量や資質の問題なのか、閉鎖性など病院全体の構造的な問題なのか。厚労省の審議でも大きな焦点だ。

 「血の海の中で手術しているような状態。技量はかなり低い」。被害対策弁護団に検証を依頼された専門医は、男性医師の手術のビデオを見てそう述べたという。剥離(はくり)や止血の操作も稚拙で、電気メスで肝臓にやけどをさせていた。

 日本肝胆膵(かんたんすい)外科学会の宮崎勝理事長は「どう考えても死亡率が高い」と指摘する。

 亡くなった8人の腹腔鏡手術は保険適用外で高難度。特に3人は胆管も同時に切除し、切り口を小腸と縫合するが、細かい作業が必要で不完全になりやすく、開腹でも難しい。

 ある大学病院の肝胆膵外科医は「腹腔鏡のプロ中のプロしかやってはいけない症例。執刀医の功名心というか、実績作りとしか思えない」と話す。男性医師は昨年4月、日本外科学会で「手技の工夫でおおむね良好な結果と期待される」と発表した。

 病院の対応のまずさも際だつ。男性医師は2010年12月から腹腔鏡手術を始め、最初の1年余で4人死亡したが上層部は昨年6月まで把握できなかった。病院の事故調査委員会の学外委員5人のうち、顧問弁護士を除く医師4人は議事録や執刀医への事情聴取の内容を知らされていなかった。病院側は「報告書案を複数回送り、議論はできている」としている。

 日本医療安全調査機構の木村壮介・中央事務局長は「調査の透明性、信頼性を高めるには外部委員の判断が重要だが、病院内部で実質上決めたもので客観性がない。やっていないと同じと言わざるをえない」と批判する。(田内康介、桜井林太郎)

 ■報告書に疑問の声

 分科会は非公開。厚労省によると、病院の最終事故調査報告書の信頼性を疑問視する声が上がった。

 分科会では、病院が設けた事故調査委員会の学外委員5人のうち3人は9回の会合のうち初回しか呼ばれず、1人は全く参加していなかったことが報告された。分科会の専門家からは「学外委員の意見が十分に反映されなかった懸念がある」との意見が出た。

 病院側は近く、学外委員も参加する会議を改めて開き、報告書の作成過程に問題がなかったかを検証し、厚労省に報告する。

 ◆キーワード

 <群馬大病院の肝臓切除手術問題> 2010~14年、第2外科で腹腔鏡手術を受けた93人のうち8人が手術後100日以内に死亡した。いずれも40代の男性医師が執刀した。今月公表された病院の事故調査委員会の最終報告書では8人全員の診療で「過失があった」と認めた。同じ医師による開腹手術でも10人が死亡しており、病院は調査を進めている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/307446?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150328&dcf_doctor=true&mc.l=94312922
医療維新
群大病院の報告書作成過程に疑問も、医療分科会
東京女子医大とともに引き続き審議の方針

2015年3月28日(土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の社会保障審議会医療分科会(会長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)が3月27日に開催され、特定機能病院の承認を取り消すか否かの議論が進む東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院の2病院について、引き続き並行して審議を行っていくことが確認された。群大病院については、3月に提出された最終報告書の作成過程において、外部委員がほとんど出席していないなどの問題が指摘されていることが報告された。群大病院は早急に外部委員を交えて再度、会議を開くと説明している。

 分科会は非公開で行われ、終了後に厚労省医政局総務課が審議内容を説明した。群大病院の最終報告書を巡っては、検証委員会の外部委員5人のうち、大学の顧問弁護士を除く4人は昨年8月に開かれた初回しか参加していないことが報道により明らかになっている。検証委員会は全部で9回開催されており、一部の委員は最終報告書の内容を承諾していないという報道もある。

 報道で知った厚労省が群大病院に問い合わせたところ、外部委員の出席状況について認めた上で、「納得していない委員がいるかについては明確な答えがなかった」(総務課)。病院側は早急に外部委員を交えた会議を開催すると説明しているという。最終報告書の内容が変わる可能性もあるとして、群大病院からの報告を待った上で次回の審議を行うと判断した。

 東京女子医大については、被害者連絡会が3月25日に厚労省に渡した資料なども提出された。過去にも特定機能病院の承認を取り消され、再承認された経緯があることから、委員の間で、「実効性のある再発防止策を示す資料を求める」ことで意見が一致した。

 両病院に共通する点としては、大学病院としてのガバナンスや内部検証体制、インフォームドコンセントの在り方などを中心に議論がなされ、委員からは厳しい意見が出たという。次回の日程は未定だが、厚労省は月1、2回のペースで並行して審議を行っていくと説明している。


  1. 2015/03/29(日) 05:42:08|
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3月27日 

http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14274639318342
筑西・桜川両市、新中核病院建設 曲折経て初の協議会
7月にも基本構想

2015年3月28日(土) 茨城新聞

新中核病院建設に向けた推進協議会の初会合であいさつする須藤茂筑西市長(中央)=同市二木成新中核病院建設に向けた推進協議会の初会合であいさつする須藤茂筑西市長(中央)=同市二木成
筑西市と桜川市が進める新中核病院建設に向け、具体的な計画を検討する専門家による協議会の初会合が27日、筑西市二木成の県筑西合同庁舎で開かれた。会長に県医療改革担当顧問の山口巌氏を選んだほか、3回目となる7月の会合で新中核病院と桜川市立病院の基本構想をまとめる考え。協議会では新中核病院の建設場所や機能、運営方法などの基本構想・基本計画策定に取り組む。曲折を経た新中核病院問題は、ようやく協議の場が始まり、建設への第一歩を踏み出した。

協議会の名称は、「筑西・桜川地域公立病院等再編整備推進協議会」と決めた。

メンバーは、松村明筑波大付属病院長や落合聖二真壁医師会長ら大学病院関係者、地元医療関係者、県、両市、両市議会など委員18人で構成。副会長には県保健福祉部長を選んだ。

協議会冒頭であいさつした須藤茂筑西市長は「筑西、桜川両市が協議し、ようやくこの場にたどり着いた。地域に根差した病院整備を図っていきたい」とし、大塚秀喜桜川市長も「時間がかかり大変心配をかけた。市民に信頼される病院づくりを目指したい」と述べた。

山口会長は「2009年にスタートしたこの地域での公立病院再編統合構想が建設場所などをめぐり、長年合意に達していなかったが、基本的な枠組みが合意され、この協議会で本格的な協議・検討を進めていきたい」と抱負を述べた。

委員からは両市の医療体制の現状などが報告され、意見交換した。今後のスケジュールとしては5月27日に2回会合を開き、病院の規模や建設場所、経営形態について議論する。(大高茂樹)



http://www.m3.com/news/iryoishin/307446
医療維新
群大病院の報告書作成過程に疑問も、医療分科会
東京女子医大とともに引き続き審議の方針

2015年3月28日(土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の社会保障審議会医療分科会(会長:楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)が3月27日に開催され、特定機能病院の承認を取り消すか否かの議論が進む東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院の2病院について、引き続き並行して審議を行っていくことが確認された。群大病院については、3月に提出された最終報告書の作成過程において、外部委員がほとんど出席していないなどの問題が指摘されていることが報告された。群大病院は早急に外部委員を交えて再度、会議を開くと説明している。

 分科会は非公開で行われ、終了後に厚労省医政局総務課が審議内容を説明した。群大病院の最終報告書を巡っては、検証委員会の外部委員5人のうち、大学の顧問弁護士を除く4人は昨年8月に開かれた初回しか参加していないことが報道により明らかになっている。検証委員会は全部で9回開催されており、一部の委員は最終報告書の内容を承諾していないという報道もある。

 報道で知った厚労省が群大病院に問い合わせたところ、外部委員の出席状況について認めた上で、「納得していない委員がいるかについては明確な答えがなかった」(総務課)。病院側は早急に外部委員を交えた会議を開催すると説明しているという。最終報告書の内容が変わる可能性もあるとして、群大病院からの報告を待った上で次回の審議を行うと判断した。

 東京女子医大については、被害者連絡会が3月25日に厚労省に渡した資料なども提出された。過去にも特定機能病院の承認を取り消され、再承認された経緯があることから、委員の間で、「実効性のある再発防止策を示す資料を求める」ことで意見が一致した。

 両病院に共通する点としては、大学病院としてのガバナンスや内部検証体制、インフォームドコンセントの在り方などを中心に議論がなされ、委員からは厳しい意見が出たという。次回の日程は未定だが、厚労省は月1、2回のペースで並行して審議を行っていくと説明している。



http://www.m3.com/news/general/307111
治療実施後3日で死亡 がんセンターが調査へ
2015年3月27日(金)配信共同通信社

 千葉県がんセンターは、入院していた肝臓がんの男性患者(65)が、血管内を通したカテーテルによる抗がん剤などの投与を受けてから3日後に、大量出血や肝不全などを起こして死亡したと26日、明らかにした。

 センターは外部有識者も交えて事故調査委員会を設置し、カテーテルが血管を傷つけるなどのミスがなかったか調べる。センターによると、担当した50代の男性医師は、腹腔(ふくくう)鏡下手術で複数の患者が死亡した問題で県の第三者委員会の調査を受けている。

 カテーテルによる治療は16日に実施され、脚の付け根の血管から患部へと管を通し、抗がん剤などを投与していた。男性は19日未明から容体が急変し、同日夜に死亡した。2009年以降、男性医師からこの治療を3カ月~1年おきに受けており、治療方法も学会のガイドラインに沿って決めたという。

 男性医師は患者の家族に、投与した抗がん剤の種類を間違えて伝えていたことも判明。センターは患者側への対応に問題がなかったかも合わせて調べる。



http://www.m3.com/news/general/307170
横浜市の勝訴確定 児相の男児アレルギー死で
2015年3月27日(金)配信共同通信社

 横浜市の児童相談所が3歳の男児にアレルギー物質を含む食事を与えて死亡させたとして、両親が市などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(千葉勝美(ちば・かつみ)裁判長)は27日までに両親側の上告を退ける決定をし、原告敗訴が確定した。決定は25日付。

 二審東京高裁判決によると、男児は2006年、東京都内の病院に病気で入院し、病院側が「両親が栄養を与えない虐待の疑いがある」と児相に通報。一時保護した児相は男児に卵を含んだちくわを誤って食べさせ、食事から約7時間後に亡くなった。

 一審横浜地裁は、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックが死因だとし、市の過失を認め約5千万円の支払いを命令。しかし二審東京高裁は「食事から数時間は発症がなかった」と、死亡との因果関係を否定し請求を棄却した。



http://www.m3.com/news/general/307158
双葉地方町村会:2次救急病院整備を 県と国に要望へ /福島
2015年3月27日(金)配信毎日新聞社

双葉地方町村会:2次救急病院整備を 県と国に要望へ /福島

 双葉郡8町村でつくる双葉地方町村会(会長・渡辺利綱大熊町長)は26日、郡山市で会合を開き、入院や手術に応じる2次救急の病院を郡内に作るよう、県と国に来月にも要望することを決めた。

 この日の会合で、町村会の中に設けた医療体制検討委員会が報告書を提出し、了承された。それによると、震災前には郡内に3病院あった2次救急の病院は震災後なくなった。郡内の医療機関は広野町と川内村に診療所などが計4カ所しかなく、昨年は救急搬送先の77%が郡外だった。

 このため、報告書は5年以上先の中長期的な課題として「救急搬送に十分対応できる医療機関が郡内に整備されておらず、設置が必要」と結論づけた。

 また、町村会は医師や看護師などの医療従事者を増やすため、医療を志す双葉郡出身の学生に修学資金を貸与する制度を検討する。震災後に休校している双葉町の公立双葉准看護学院の再開に向けても調整を進める。

 一方、短期的な課題だった診療所の設置は進みつつある。町村会は昨年8月、県がいわき市に建設する二つの災害公営住宅(復興住宅)内に郡立診療所を設置すると決定。県も町村会の要望を受けて、楢葉町に県立診療所を設置することを決めており、来年2月の開所を目指している。【岡田英】



http://www.m3.com/news/general/307110
腹腔鏡、10例で問題指摘 抗がん治療でも死亡判明
2015年3月27日(金)配信共同通信社

 千葉県がんセンターの消化器外科で2008~14年に腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた複数の患者が死亡した問題で、県の第三者委員会が医学的な調査を依頼した日本外科学会の調査書に、11例中10例で手術を実施するかの判断や術中の対応などに問題があったと指摘されていることが26日、関係者への取材で分かった。

 またセンターは、カテーテルを通して抗がん剤などの投与を受けた肝臓がんの男性患者(65)が、3日後に大量出血や肝不全などを起こして死亡したことを26日、明らかにした。16日に治療が実施されたが、19日未明から容体が急変し、同日夜に死亡した。

 センターによると、腹腔鏡下手術11例のうち8例を担当した50代の男性医師が治療していた。センターは外部有識者を含む事故調査委員会を設置し、カテーテルが血管を傷つけるなどのミスがなかったか調べる。

 関係者によると、11例の調査対象は、手術当日から約9カ月後の間に死亡した50~80代の男女11人。調査書では11年2月に肝臓の部分切除手術を受け、4日後に死亡した男性=当時(59)=で、体が手術に耐えられるのか入念な検査と予測をすべきだったと分析。

 12年9月に膵臓(すいぞう)の手術を受け、当日亡くなった女性=当時(76)=では、大量出血時でも腹腔鏡下での手術にこだわった疑いがあると指摘した。

 第三者委員会の調査では、センターは遺族と示談した例や、過去に設置された事故調査委員会で問題点が指摘された例があっても、満足な改善措置を取らなかったことも分かった。

 男性医師は外科学会から「腹腔鏡下手術のベテランで実績がある」と評価されているが、開腹手術など他の選択肢もあることを患者側に十分に説明していなかったことも、遺族への聞き取り調査で判明しているという。

 第三者委員会は調査書などを基に、近く最終報告書をまとめる。関係者によると、難易度の高い手術を続けるかなど、再発防止策の検討が不十分だったセンターの管理体制を厳しく指摘する内容になる見込み。



http://mainichi.jp/select/news/m20150328k0000m040101000c.html
群馬大病院:調査委の外部委員、会合出席せず
毎日新聞 2015年03月27日 20時50分

 群馬大医学部付属病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術を受けた患者8人が死亡した医療事故で、事故を調べた同病院の調査委員会の外部委員が、ほとんど会合に出席していなかったことが27日、分かった。

 厚生労働省から同省の社会保障審議会医療分科会に報告された。分科会の委員らは「外部委員の意見が報告書に反映していない懸念がある」と指摘。病院は近く外部委員も交えて報告書の内容を議論する会議を開き、結果を同省に報告する。

 同省によると、調査委員会には病院の顧問弁護士を含む外部委員5人が参加。会議は9回開催され、複数回出席したのは顧問弁護士だけ。3人は初回の会合しか出席せず、2回目に追加で選任された1人は一度も出席しなかったという。【桐野耕一】



http://mainichi.jp/shimen/news/20150327dde041040046000c.html
東大論文不正:東大、博士号3人取り消し 「結論に影響」
毎日新聞 2015年03月27日 東京夕刊

 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、東大は27日、不正論文が作成された当時の研究所の大学院生ら3人の博士号を取り消したと発表した。決定は今月23日付。

 東大によると、3人には、2005年と07年にそれぞれ農学博士号を授与していた。この問題を巡り、当時特任講師だった北川浩史・元群馬大教授が、徳島大から既に医学博士号を取り消されており、博士号の取り消しは計4人となった。

 東大は昨年12月、加藤氏のグループによる論文33本でデータの捏造(ねつぞう)や改ざんの不正行為があったとする最終調査報告書を発表、加藤氏ら11人が不正行為をしたと認定した。加藤氏ら教員6人はいずれも退職していたが、「懲戒処分相当の可能性がある」との見解を示した。東大はその後、東大で博士号を得た6人について、博士号取り消しに当たるかを審議していた。

 東大によると、大学から博士号を取り消されたのは、当時大学院生だった藤木亮次元助教ら3人で、「捏造や改ざんをしたと認定された図が博士論文の結論に重要な影響を与える」と判断し、取り消しを決めた。3人の現職などは「個人情報にあたる」として公表しなかった。残り3人は「不正の程度が軽く、論文の結論に影響しない」などとして取り消さないという。東大の相原博昭副学長は記者会見で「研究倫理の周知徹底に全学を挙げて取り組みたい」と述べた。【河内敏康】


  1. 2015/03/28(土) 11:02:58|
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3月26日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/306785
医療維新
外国医師診療拡大「問題ありすぎ」、日医・横倉会長
地方創生特区の秋田県仙北市でアイデア

レポート 2015年3月26日(木)配信池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は3月25日の会見で、政府の国家戦略特区諮問会議が3月19日に決定した「地方創生特区」の中で検討されている臨床修練制度の要件緩和などによる外国医師の診療拡大の検討について、「(医療安全の観点から)問題がありすぎる」として、反対する考えを示した。横倉氏は、特区の枠組みの中で、外国医師の診療拡大が検討されている点について、「経済活性のために、地域限定で医療本体の規制を解除することは賛成できるものでない」との考えも示した。


日医の横倉義武会長は、発展途上国の医療水準の向上などが目的の臨床修練制度が、医師不足対策に活用されることを疑問視した。
 新しく「地方創生特区」に指定された秋田県仙北市の区域方針では、「外国人医師の診療所における診察」の項目が盛り込まれている(資料は、内閣府のホームページ)。内容としては、(1)現在、外国人医師向けに実施されている「臨床修練制度」で、受け入れ可能な診療所の範囲を「臨床修練病院の指定を受けた病院との間で緊密な連携体制が確保された診療所」としている要件について、指導医の確保などを前提に、臨床修練病院との連携の条件をなくして「単独の診療所」でできるようにする、(2)臨床修練を行った外国医師について、特区において二国間協定に基づく実地試験を省略する――の2つ。

 (1)については、横倉氏は、国が「適切な指導医を確保すれば良い」との関係を示していることについて、同制度における指導医の指導状況を、地元の医師会などがチェックする仕組みの必要性などに言及した上で、「秋田県医師会や地元医師会は困っており、日医も同じ思い」「単独診療所で、1指導医がいるだけで良いというのは、安全上の問題がありすぎる」と指摘した。仙北市の案は、医師不足が発端になっている点については、「外国から医師を招くのでなく、(日本の)医療界で対応する問題だと思う」と話し、発展途上国の医療水準の向上などが目的となっている臨床修練制度が、医師不足対策のために拡大されることを疑問視した。さらに、現行の制度における指導医については、専門医の取得や大学における指導経験を念頭に「資格要件を明確にすべき」と話した。

 (2)について、横倉氏は、医師免許の互換制度において、相手がフランス、英国、米国、シンガポールの4カ国のみで、相互主義による二国間協定に基づいている点を指摘し、医師の質担保や、外国医師の受け入れに当たって片務的で不平等な関係にならないように、慎重な対応を求めた。

 1月の時点において、国家戦略特区諮問会議で出ていた「二国間協定による外国人医師が、日本の保険が適用できる外国人を診療した場合の保険適用」のアイデアがなくなったことについて、横倉氏は歓迎する意向を示した。

 

http://www.sankei.com/life/news/150326/lif1503260003-n1.html
医学教育の国際化考える 東京医科歯科大でシンポ
2015.3.26 07:00【産経Health】

 医学教育の国際化をいかに推進するかをテーマにした国際シンポジウム「医療系グローバル人材育成における大学の役割と取り組み」が21日、東京都文京区の東京医科歯科大学で開かれた。

 シンポでは、日本の医療水準は高いのに、国際的に生命科学分野の論文数で遅れ、医薬品・医療機器分野で輸入超過となり、さらに国際機関での活躍も見劣りする-との課題が提起された。これを受けて東京医科歯科大学グローバルキャリア支援室長の高田和生教授は選抜した学生を対象にすべて英語で授業を行う「HSLP」という制度をすでに始めていることを紹介し、「世界の保健医療分野で貢献できる人材を養成したい」と語った。

 新潟大学大学院の斎藤昭彦教授はこの2年で米国医師国家試験に計8人合格した実績を示し、「米国で働く選択肢が開ければ国際化につながる」と述べた。

 ソウル大学の金漢錫教授は韓国の英語教育は初等教育から熱心なため、大学進学後に「英語がストレスになる人は少ない」と指摘。「世界保健機関(WHO)事務局長に韓国人がかつて就任したように、韓国は国際舞台で活躍することを目指している」と語った。

 タイの参加者からは東南アジア諸国連合(ASEAN)で医療制度の垣根を取り除き、医師が各国で働ける構想が進められており、そのためにも「医学教育の国際化が重要になっている」ことが紹介された。

 パネルディスカションは東京医科歯科大学の田中雄二郎理事が司会を務め、早稲田大学の内田勝一学長代理らが参加した。



http://www.nnn.co.jp/news/150326/20150326003.html
患者に笑顔広がる ホスピタルアートお目見え
2015年3月26日 日本海新聞

 鳥取医療センター(鳥取市三津)の重症心身障がい児者病棟に「ホスピタルアート」がお目見えした。壁や天井に動物や乗り物の絵が大胆な大きさと温かみある配色で描かれ、見る人を包み込むよう。関係者は、患者の癒やしにつながることを期待している。

 機能が優先され、ぬくもりが欠けがちな医療機関の造りに芸術作品を取り入れることで、患者の心に癒やしを届けるのがホスピタルアート。欧米では広く浸透している。

 「改築記念にずっと残るものをつくりたかった」と話すのは下田光太郎院長(65)。センターは、旧病棟の老朽化に伴い2012年4月に病棟を新築。3病棟160床あり、県内はもとより島根、兵庫、京都など近隣府県の3歳から60代までの患者が入院している。長期入院者もいて、病棟は生活の場となっている。

 新築後、入院患者の保護者会による寄付金の使途について考える委員会を看護師らが設置。物品購入や彫刻などの案も出たが、「特に子どもたちの視覚に訴えるものを」と、院長提案で壁画制作が決まった。

 エレベーターホールと渡り廊下にはキリンやクジラなどの動物や列車、パトカー、飛行機などの乗り物が花柄を交えて描かれた。24日に関係者にお披露目され、保護者会長の松本泰子さん(61)は「生きる喜びを患者のみんなが感じてくれそう。保護者も幸せ」と感無量の表情。早速、廊下を通った患者の子どもや看護師に笑顔が広がった。

 作者は行動美術協会員で鳥取市内在住の画家、細川佳成さん(54)。「生きる喜びというテーマを頂き、動物や花の躍動感を描いたが、私自身すごく楽しかった」と話す。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2015/M48130201/
シリーズ 少子化最前線-産科医療の今 ④
「女性医師支援」で見えてきた課題と今後の展望

木戸 道子 氏
[2015年3月26日(VOL.48 NO.13) p.20] MT Pro / Medical Tribune


 産婦人科に占める女性医師増加の背景には「女性特有の悩みを相談しやすい」というニーズの高まりがある。一方,当直を挟んだ長時間連続勤務などの激務は改善されないままで,産科を専攻した女性医師の半数が働き盛りの時期に育児などを理由に分娩取り扱いを離れ,医療体制の維持に影響が出かねない状況だ。女性医師がやる気を持ちながらも診療の第一線を退くことのないよう,産婦人科では妊娠・育児中の勤務緩和や院内保育所の設置状況などを他科に先駆けて調査・提言してきた。そのような中,支援の在り方に新たな課題も見えている。産科の「女性医師問題」とその解決策とは。日本赤十字医療センター(東京都)第二産婦人科部長で日本産婦人科医会勤務医委員会の委員長を務める木戸道子氏に聞いた。

意外と気付かない“マミートラック”のリスク

 日本産婦人科医会の調査によると,分娩取り扱い施設に勤務する常勤医の4割は女性で,その半数は妊娠中,または小学生以下の子を育児中だ。さらに,小学生以下の子を育児中の女性の64.9%,中学生以上の子を育児中の女性の40.7%が当直緩和(免除を含む)を受けている。

 子供が小さい間は職場の勤務緩和を利用,または非常勤やパートで仕事を続け,育児に手がかからなくなったら本格的に復帰すればよい…。しかし「これは“マミートラック”に入り込む恐れがあり,支援する側もされる側も意外とそのリスクに気付かない」と木戸氏。マミートラックとは,子供を持つ女性の働き方の1つで,仕事と育児の両立はなんとかできるものの,昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースを指す。「勤務緩和は大変な時期にはありがたいが,いつまでも緩和のままでは支援する側も負担である上,本人のキャリアアップにもつながらない」と話す。

常勤医の3分の2が女性,集約化による交代勤務制で働きやすく

「女性医師問題」を改善するには,「勤務緩和よりも誰もが無理なく働けるシステムが鍵。その1つが交代勤務制」と木戸氏。同制度の長所は「オンオフをはっきりでき,ワークライフバランスの向上だけでなく,長時間連続勤務をしないことで医療安全につながること」。「育児中の女性医師への支援」としてではなく,あくまで患者の安全のために医師の性別にかかわらず必要なことと強調する。

 同氏が勤務する日赤医療センターは母体救命の受け入れを含め年間分娩数3,200件以上の日本有数の施設。研修医にも人気の病院だ。約30人の産婦人科医のうち,女性は3分の2,その3分の1が妊娠あるいは育児中だが,夜間休日の勤務も免除なく担当している。時には「女性医師が多いと勤務のやりくりに困る」ともいわれる現在の医療界では異例の体制だが,医師数の多い施設だからこそ可能な側面がある。

育児と当直の両立,交代制だと「意外とできる」

 例えば医局員が出産後に復帰した場合,日中のみの勤務から開始し,そのうち「月1回からでいいので,休日の日勤をやってみて」と声をかける。最初は「子供がいるので…」と迷っていても,一度体験すれば「“意外とできる”と自信につながる」と木戸氏。また「家族の援助などを受けながら頑張っている姿を見て,周囲も応援する気持ちが湧き,不公平感もなくなるようだ」と話す。交代勤務制であれば長時間連続勤務ではないため,当直入り明けの日中がフリーとなり,家族と過ごす時間や自己研さんに充てることも可能だ。

仕事と育児への向き合い方は異なる「1人で抱え込まない」

 自身も3人の子供を育てながら産科医を続けてきた。常勤を辞めようと思ったことも一度や二度ではない。それでも「産科の仕事は,健やかにこの世に産まれる新しい命を見守るかけがえのない仕事。大出血など時には怖い思いをすることもあるが,自分なりに考え,対応した経験が積み重なって力が付いていく」。

 一方,子育てで実感したのは「親業はエンドレスで,“何歳から手が離れる”ということはない。でも,育児は自分だけで抱え込む必要もない」と木戸氏。人により事情は異なるので周囲が自分の価値観を押し付けないこと,本人も「両立は無理」と退職や転職を決める前に周囲に相談することが大事,と話す。

育児中でも管理職目指すには

 職種にかかわらず女性が育児などを経ても仕事を辞めずに続けるだけでなく,キャリアアップし指導的立場・管理職として組織の運営に加わることが社会で求められるようになっている,と木戸氏。「既に民間企業では,商品開発や営業に女性が加わり成長を遂げている。医学・医療においても女性の視点でこれまでにない発想やアプローチにより学問の発展も期待できるのではないか」との考えを示す。

 キャリアアップを目指すには,院内外の会議や委員会などの管理業務を担当することで視野や人脈,経験の充実に役立つと話す。「“家に帰らないと”と時間に拘束されていると,こうした場に参加できないままで役割も回ってこない」(同氏)。会議に出れば,組織の意思決定の仕組みも体験できる。“この人なら頼める”と信頼関係の構築にもつながる,とそのメリットは少なくないと説明する。

使いやすい保育サービスの普及が望まれる

 とはいえ,会議は夕方など勤務時間外に開かれることも多い。育児中は,保育園の迎えなど帰宅時間がやはり気になる。「まず委員を引き受ける前提で,やりくりを考えるのがこつ」と木戸氏。時にはファミリーサポートやベビーシッターを上手に利用する方法もあると話す。

 医師,家庭人として限られた時間をやりくりするための保育サービス活用の意義は,自分自身のワークライフバランスの向上だけにとどまらない。「比較的,経済的に余裕のある医師が先行して各種保育サービスを利用し,どうすれば使い勝手が良くなるのか,どんどん意見やアイデアを出していくべき。そうしてサービスが充実すれば,より多くの人が利用できるようになり,さらに改善が進んでコストも下がっていくかもしれない。子供にとって,母親がずっと側にいるのが一番幸福とは限らない。保育士やシッター,異年齢の子供と接することで成長にプラスになる面もある」と話す。

「ピンチをチャンスに」

 木戸氏のモットーは「ピンチをチャンスに」。「○○だから,できない」と殻に閉じこもるのではなく,「だったらどうすればいいのか」とポジティブに考えてやってきた。今の職場に交代勤務制が導入される前は月8回の当直を挟んだ連続勤務もいとわず,出産,育児や家事をこなした,と振り返る。3人の子供のベビーシッター代が月給を超えた時期もあった。「こんな鉄人レースのような生活なしに成り立たないような制度自体がおかしい」。幸い家族も職場も“出産しても仕事を続けて当然”と理解があった。「たまたま周囲の理解に恵まれて仕事を続けられたのはありがたいこと。でも,もっと多くの人がライフイベントにかかわらず楽しく仕事を続け,ひいてはキャリアアップを目指せる環境づくりも大切」と勤務医の待遇改善に奔走してきた。

「当院の交代勤務制は分娩数も医師の数も多いから可能との声も聞く。でも“この病院は人数がいないから交代勤務制ができない”ではなく,地域に人員が多く症例の豊富な施設を1つつくれば,地域での救急受け入れ能力が向上する。さらにいったん現場を離れた医師の再研修の場となりうる。そこで再研修後を受けることで安心して現場に復帰できる,というさまざまなメリットがあるはず」と話す。

 同氏も医師・家庭人としてだけでなく,学会活動など仕事はたくさんある。そのための時間のやりくりは確かに大変だ。「家庭がおろそかになると子供がきちんと育たない,と言われないよう子供と向き合う時間をつくるよう努めてきた。夜間や休日にも親が不在がちで,子供なりに当時はさまざまな思いがあったかもしれないが,今では社会人の先輩としてとても尊敬してくれている」。子育ても仕事も「楽しそうにやっている背中を見せる」ことが肝心と話す。

 これからも,自分にできることはささやかかもしれないが,いろいろな立場の女性医師の経験を集め,そのノウハウや失敗を若い人になんとか伝えていきたい,と同氏。「“この先には,こんな落とし穴があるから気を付けた方がいいよ”“今はしんどいけど,もう少しすると違った景色が見えるよ”と駅伝コーチのように一緒に走っていきたい」と笑った。

Column
産科医のワークライフバランス改善にさまざまな試み

 日本産婦人科医会は2009年に女性医師支援情報サイトを開設。出産・育児の話題以外にも,家族の介護や職場の人付き合いなどに関する事例紹介やアドバイスを掲載している。
 現在,「ワークライフバランスやキャリアアップに関するさらに広いテーマを紹介するため,改訂準備中」(木戸氏)とのことだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=115097
腹腔鏡の波紋(中)…診療報酬「適用外」も請求
(2015年3月26日 読売新聞)

高難度手術倫理、審査受けず

 関東地方の病院で2013年に、肝臓の右半分に当たる「右葉」を切除する手術が行われた。患者は女性で、手術には腹腔鏡が使われた。

 大きな出血を起こす心配があった腫瘍は切除され、患者は無事退院。しかしこの手術には問題があった。保険が利かない「適用外」であるにもかかわらず、保険請求されていたのだ。不正請求に当たる疑いがある。

 腹腔鏡を使った肝臓手術では現在、二つの方法しか認められていない。肝臓の左3分の1に当たる外側区域の切除と、腫瘍をくりぬくように切り取る「部分切除」だ。

 これら以外は全て適用外で、100万円以上かかる治療費は患者が全額支払う自由診療か、病院が研究費などから賄うのが本来の姿だ。しかし、適用外の手術でも多くが保険請求されているとみられる。

 冒頭の関東地方の病院幹部は「右葉切除だが『部分切除』で請求した。適用外の腹腔鏡について他の病院に尋ねたが、どこも国から不正請求と指摘された所はなく、請求しても問題ないと判断した」と話す。

 読売新聞が、適用外の腹腔鏡手術について学会発表している28病院に質問したところ、関東地方の同病院を含む4病院が「保険請求した」と答えた(1病院は自由診療、23病院は無回答)。

 適用外の腹腔鏡手術は保険適用に比べ死亡率が高く、安全性や有効性が確認されていない。公の議論がないまま、病院側の判断で保険請求され、支払いが認められれば、なし崩し的に適用外の手術が広がることになる。

 患者が相次いで死亡した群馬大病院では、10年12月~14年6月の間に、58人に適用外の腹腔鏡手術が行われ、そのうち35人の手術が保険請求された。

 ある大学病院の病院長は「適用外でも保険適用の手術として会計上処理されていれば、難易度が高くない手術として倫理審査も受けずに済む。どうしても院内のチェックは甘くなる」と指摘する。

 同じ構図は、膵臓の腹腔鏡手術を受けた患者が相次いで死亡していることが昨年4月に発覚した千葉県がんセンター(千葉市中央区)でもみられた。同センターは、13年に行った適用外で高難度の腹腔鏡手術を通常の開腹手術として請求していた。同センターは健康保険法に基づく国の調査を受けている。

 群馬大病院に対しても厚生労働省は調査を行う方針だ。他の病院の適用外手術の保険請求に対しては「病院側から出ている保険請求内容と、院内の手術記録を突き合わせてみないと不正かどうかわからない。群馬大病院の調査結果を見て判断したい」と対応を検討している。

 日本肝胆膵外科学会などの調査によると、この分野の適用外の腹腔鏡手術は年間約400件。保険の「不正請求」についても実態解明が急務だ。



http://apital.asahi.com/article/news/2015032600006.html
事故調査、医師「納得できず」 東京女子医大病院
2015年3月26日(朝日新聞 2015年3月26日掲載

 東京女子医大病院で医療事故にあった患者や家族らによる被害者連絡会は25日、厚生労働省に資料を提出し、同病院の特定機能病院の承認取り消しを改めて求めた。資料には、担当医らが遺族に「外部調査委員会の調査結果に納得していない」と話したことを示す文書もあった。文書は、原則禁じられている麻酔薬プロポフォールの投与後に死亡し、病院の外部調査委員会で「悪影響を及ぼした可能性は否定できない」とされた子どもの家族に、担当医らが1月に説明したのを書き起こしたもの。それによると、担当医らは「他の病院でも使用しているのに、(なぜ)女子医大だけが問題にされるのかわからない」と話したという。



http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_11498.html
社説
研究不正対策

2015年3月26日 宮崎日日新聞

学会は自主的に取り組んで

 科学や医療の分野で研究上の不正や疑惑が相次いだことを受け、政府が規制強化に乗り出している。不正行為への対応の基本を定めた文部科学省のガイドラインが4月から適用され、厚生労働省も不正防止のための法案づくりを進めている。しかし大学や研究機関は研究活動を萎縮させないためにも、より公正で透明性のある規制の仕組みをつくる必要がある。

■証拠の優越あいまい■

 最近の不正行為の中でもSTAP細胞よりも事態が深刻とみられるのは、東京大分子細胞生物学研究所で起きた論文不正だ。東大の調査では、33本の論文に捏造(ねつぞう)や改ざんが確認され、元教授ら11人が不正に関与していた。

 ガイドラインはこうした不正行為を防ぐための取り組みや疑惑が生じた際の対応について基本的な考え方を示し、それに沿った規定作成など体制整備を大学や研究機関に求めている。問題があれば指導し、改善しなければ研究費の配分を止める措置も取る。

 ただ、ガイドラインには十分に議論してつくったと思えない部分がある。まず証明責任を、告発された側の研究者に負わせている点だ。証明できなければ不正と認定するとしている。

 しかし訴訟では証明責任は原則として告発した側にある。行政機関が処分する場合は機関の側に証明責任があるというのが一般原則で、米国の研究不正の規定もそうなっている。特殊なルールを採用するのなら、議論を深め、社会的な合意を得るべきだ。

 またガイドラインは、不正かどうかは大学や研究機関の設ける調査委員会が「総合的に判断する」としている。米国やフランスでは「証拠の優越」による判定が原則だ。双方が証拠を出し合い、どちらに分があるかを判断する。日本の民事裁判の原則でもある。ガイドラインはそうした原則を示しておらず、あいまいな判断がまかり通る可能性がある。

■背景に自浄作用衰え■

 不正の有無を調べる方法として、疑いをもたれた側が再実験をすることを盛り込んだのも疑問だ。実験で結果が再現できるかどうかと不正の有無は別の話だ。どんな調査をするかは状況に応じて考えればいい。

 公正さの面でも十分とは言えない。欧州の科学アカデミーは疑われた側が告発内容を把握できるようにしたり証人を立てることを認めたりするよう提言している。参考にしてはどうか。

 ガイドラインは不正行為の背景に科学界の自浄作用の衰えがあると指摘する。本当なら日本の科学の存立自体が危うい。学会はぜひ自主的に取り組んでほしい。

 過酷すぎる競争が不正の温床になっているという指摘もある。博士を増やしたものの、安定した職になかなか就けない現状を考えれば、政府はもっと根本的な、不正の起こりにくい環境づくりに取り組むべきだ。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/158718
地域枠医師、巣立ち 第1期の鹿大卒女性2人 [鹿児島県]
2015年03月27日(最終更新 2015年03月27日 01時26分)西日本新聞

 鹿児島県が離島やへき地などの医師不足を解消するため鹿児島大医学部の学生を対象に導入した奨学金制度第1期生の女性2人が、地域枠医師として4月1日から勤務する。2人は26日、県庁で伊藤祐一郎知事から勤務先決定の通知書を受け取り「地域のために頑張りたい」と決意を語った。
 奨学金制度は2006年度に創設された。入学金や授業料、生活資金、図書購入費など6年間で最大940万円を学生に貸し付ける。学生は卒業後、計3年の臨床・実務研修を経た上、離島やへき地で最長6年勤務すれば返還を免除される。
 勤務先が決まった2人のうち、鹿児島市の新村尚子さん(28)は肝付町立病院に配属される。奨学金制度の利用は予備校の講師に勧められたといい、「地域に医療が届いていない現状を知り、自分を必要としてくれる所に行きたいと思った」と振り返る。専門は循環器内科だが、肝付町では岸良診療所への出張も週に2回あり、総合診療を要求される。「患者さんを少しでも元気づけられる医師になりたい」と力を込めた。
 県によると、12年の県内の医師数は4227人。人口10万人当たりの数は全国平均より12・3人多いが、鹿児島医療圏(鹿児島市・郡、日置市、いちき串木野市)に集中しており、最も少ない曽於医療圏(曽於市・郡、志布志市)とは3・5倍もの格差がある。
 奨学金の貸与者は現在116人。県は地域枠医師を今後10年間で137人に増やす予定で、医療の地域間格差の解消に努めていくという。
=2015/03/27付朝刊=



http://mainichi.jp/select/news/20150327k0000m040105000c.html
千葉県がんセンター:50代医師執刀で死亡相次ぐ
毎日新聞 2015年03月26日 21時51分(最終更新 03月26日 22時37分)

 千葉県がんセンター(千葉市)は26日、肝細胞がんの治療を受けていた県内在住の男性(65)が抗がん剤投与後に容体が急変し、死亡したと発表した。投与したのは消化器外科の50代の男性医師で、同センターで腹腔(ふくくう)鏡手術を受けたがん患者が相次いで死亡した問題では大半の事例を執刀していた。センターは医療ミスの可能性もあるとみて外部有識者を含む院内事故調査委員会を設置した。

 死亡した男性は2009年、他病院からの紹介で治療を開始。カテーテルを通して抗がん剤を投与し、がん細胞を壊死(えし)させる治療を約5年半受けていた。計12回目となる今月16日の投与後の同19日に容体が急変して死亡した。死因は肝細胞がんの破裂による出血で、センターは「(破裂が)自然経過によるものか、治療によるものか検証したい」としている。

 投薬した医師は、腹腔鏡手術を巡る問題で県の第三者検証委員会が検証対象としている腹腔鏡手術による死亡11例のうち8例の執刀医だった。同問題が発覚した昨年5月から手術への中心的な参加を禁じられていたが、投薬治療の担当は続けていた。センターは今回の事案を受け、この医師に全ての診療行為を控えるよう指示した。【岡崎大輔、円谷美晶】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032602000153.html?ref=rank
千葉県がんセンター 腹腔鏡手術複数に「問題」
2015年3月26日 朝刊 東京新聞

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で、腹腔(ふくくう)鏡を使って膵(すい)臓や肝臓などの手術を受けた患者十一人が死亡した問題で、医学的な調査・検証を行った日本外科学会が、手術方法の選択に誤りがあったことや執刀医の技術水準が手術を担うレベルに達していなかったなど、複数の事例を問題視していることが関係者への本紙の取材で分かった。十一症例のうち、手術の技量や前後の措置を含め「問題ない」と判断した事例は二例にとどまる。
 同学会に調査を依頼した県の第三者検証委員会(会長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会会長)は、こうした検証結果などをもとに二十六日にも最終報告書をまとめる。
 検証対象となっているのは、二〇〇八年六月~一四年二月に腹腔鏡下手術を受け死亡した事例。男女十一人のうち八人の手術を一人のベテラン男性医師が執刀、残り三人をそれぞれ別の三人の医師が担当した。
 一三年一月にベテラン医師が実施した肝門部胆管がんの男性=当時(74)=の手術について、「開腹手術でも難しい手術で腹腔鏡下で行ったことが最大の問題点」「挑戦的な選択だった」とそれぞれ批判した。
 さらに腫瘍が転移していない部分まで肝臓を切除したことなどが死亡につながったと判断。初めて行う手法を伴った手術にもかかわらず、倫理委員会で検討した記録がなく、「患者や家族への説明や、同意を得る過程も適切ではなかった」と結論づけた。
 同学会は、ベテラン医師について、腹腔鏡下手術の経験が豊富で「実績があり日本をリードする医師だった」と評価する。しかし一二年九月、手術中の出血による心筋虚血で亡くなった膵がんの女性=当時(76)=の場合は、大量出血時にしばらく腹腔鏡下で止血を試みており「腹腔鏡下での止血に固執したきらいがある」などと指摘した。
 〇八年十一月の胃がんの男性=当時(58)=の手術を担当した別の医師については、手術記録から「盲目的な手術操作が目立ち、手術を安全に実施できる水準に至っていなかった」と技量不足を指摘。
 一一年八月、さらに別の医師が執刀した肝細胞がんの男性=当時(72)=の手術では「胆のう管と他の管を誤認して切り離した」ため死因の肝不全につながったと分析した。
 県がんセンターを所管する県病院局は「第三者検証委員会の調査が最終段階に入っており、コメントは差し控えたい」としている。
◆「選択は誤り」「家族へ説明足りず」「技量不足」
 日本外科学会による千葉県がんセンターで行われた腹腔鏡下手術の事例検証からは、病院内の倫理委員会の審査を経ずに保険適用外の高難度の手術に踏み切るなど、患者八人が死亡した群馬大病院と類似点が浮かび上がる。
 一般的に保険適用外の腹腔鏡下の手術は難易度が高く、日本肝胆膵(すい)外科学会が二十三日に発表した調査でも、肝臓切除手術の死亡率は保険適用外の手術で保険適用の手術と比べ五・四倍高く、膵臓切除の場合は一〇・八倍に上った。
 千葉県がんセンターの場合も十一の症例中、保険適用外の手術は八例を占めた。このうち少なくとも五例で倫理委員会の審査を経ていなかった。一〇年七月に胆管がんの手術を受けた男性=当時(82)=のケースは、手術や術後の管理には問題がなかったものの、日本外科学会の検証結果は「倫理委員会の審査が行われないままに実施されたことに問題があった」と明確に指摘している。
 こうした危険度の高い手術だったにもかかわらず、倫理委員会の事前承認だけでなく、患者や家族に対しても、手術方法のメリットやデメリット、発症しうる合併症について説明をしたかどうか、すべての事例で十分な記録を残していなかったことも明らかになった。
 日本肝胆膵外科学会理事長の宮崎勝・千葉大教授は、同センターの死亡事例十一件のうち、保険適用外が八件に上ることについて「難しい症例に挑戦し過ぎたのかどうか、センターは調査で明らかにする責任がある」と指摘。
 センターを所管する県は第三者委員会の報告を受けた後、センターの過失の有無を含めて対応を協議する。
 <千葉県がんセンターの患者死亡問題> 昨年4月、腹腔鏡を使った手術で患者が相次いで死亡していたことが発覚。県は同6月に原因究明と再発防止を目的とする第三者検証委員会を設置。これまで8回開催され、死亡した11人の事例について、医療の専門的見地からの調査・検証を日本外科学会に委ねた。同センターは日本肝胆膵外科学会により、高度な手術例が多い「修練施設」として「A認定」されている。体に数カ所の穴を開け、カメラ(腹腔鏡)や操作器具を挿入して行う手術は開腹手術に比べて体の負担が少ないのが利点だが、高度な技術が必要とされる。


  1. 2015/03/27(金) 05:39:02|
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3月24日 

http://mainichi.jp/select/news/20150325k0000m040100000c.html
矯正医官:慢性的な人手不足解消へ 特例法案が閣議決定
毎日新聞 2015年03月24日 19時50分

 慢性的な人手不足に悩む刑務所や少年院などの常勤医(矯正医官)の確保を図る特例法案が24日、閣議決定された。勤務時間内の兼業をしやすくすることやフレックスタイム制導入などが柱。人手不足の背景には民間との給与格差のほか、特殊な勤務環境がある。

 知的障害や情緒面に問題のある非行少年が入る三重県伊勢市の宮川医療少年院。牛山智也・医務課長(42)はかつて総合病院の脳外科医だったが、大病を患うなどして2008年に転職。「あったのは聴診器と心電図、血圧計くらい。何もできないと思った」。着任当時をそう振り返る。今は少年たちに頼られ、成長に喜びも感じる。だが医師としては内科的な診察が中心。週5日勤務で外部医療機関での研修もままならず「スキルがさびついている」と明かす。

 愛知県内の少年院に来月異動するが、宮川など2施設との掛け持ちになる。転職前後で年収が数百万円下がった。「世間の医師の心をつかむにはお金は無視できない」と言う。

 「頭が痛い」「薬がほしい」−−。犯罪性の進んだ男性受刑者約2200人を収容する府中刑務所(東京都府中市)では、生活習慣病や感染症、薬物依存症の患者が多く、診察は1日平均100回を超える。高齢者が2割を占め、介護が必要な受刑者も増えている。一方で刑務作業から逃げたいがために不調を訴えるケースも。60代男性医師は「本当の病気が潜んでいることもあるので油断できない」と気を引き締める。

 「一般病院とは違う独特のストレスを感じる」。結婚後に一線を退き、知人の誘いで2年前に矯正医官として現場復帰した40代女性医師はそう明かす。粗暴な言動や執拗(しつよう)な訴えをする受刑者もおり、非常ベルが鳴らない日はまずない。医師が受刑者に名前を明かすこともなく、「患者」との信頼関係構築は困難だ。

 同刑務所の医務部長は「職務遂行の支えは『治安を守る最後のとりで』という誇り。社会的に認知され、労働条件が改善すれば希望者は増えるはず。災害医療などと並び矯正医療は特殊な領域なので養成機関も必要だ」と話す。【和田武士】



http://mainichi.jp/select/news/20150324k0000e040206000c.html
矯正医官:勤務要件緩和…人員確保狙う 特例法案閣議決定
毎日新聞 2015年03月24日 12時02分(最終更新 03月24日 12時31分)

 政府は24日、慢性的に不足している刑務所や少年院などの常勤医(矯正医官)を確保するための特例法案を閣議決定した。一般職の国家公務員である矯正医官は勤務時間内の兼業が原則認められないなど制約が多いため、勤務要件を緩和して医官不足解消を図る。今年夏ごろの施行を目指す。

 医官不足の背景にあるのは民間医師との給与格差だ。2012年のデータによると、給与月額の平均は、50歳の矯正医官が約78万円であるのに対し、41歳の民間医療機関の一般医師は約101万円と開きがある。しかし矯正医官は国家公務員法で「首相と法相の許可」がなければ兼業できないと定められている。医療設備が不十分で対応できる症例も限られている。

 特例法案では、「法相の承認」だけで兼業ができるようハードルを下げる。また、フレックスタイム制を導入し、技術向上・維持のための外部医療機関での研修を受けやすくする。【和田武士】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H1N_U5A320C1CR0000/
刑務所医師の兼業可能に 人手不足解消へ特例法案
2015/3/24 12:47 日本経済新聞

 政府は24日の閣議で、刑務所や少年院で働く国家公務員の常勤医師の人手不足解消を目指し、民間病院での兼業を可能とすることを柱とした矯正医官兼業・勤務時間特例法案を決定した。今国会での法案成立を目指す。

 法務省によると、刑務所などの常勤医師の数は1月時点で、定員327人のうち、75人が欠員で252人にとどまっている。常勤医師がいない施設もあり、近隣の医療機関に受刑者を搬送して対応する深刻な状況だ。

 特例法案は、法相の承認を得れば、正規の勤務時間内でも民間病院での兼業を認める。その分の給与は減額される。医療技術の維持や向上のため、外部の病院で症例研究などを行うことを勤務として認め、そのために始業や終業の時刻を自ら決めるフレックスタイム制を導入する。〔共同〕



http://mainichi.jp/select/news/20150324k0000m040153000c.html
司法解剖:担い手の教授が異動…鳥取県でできない!
毎日新聞 2015年03月24日 07時00分(最終更新 03月24日 11時14分)

 犯罪の疑いがある遺体の解剖を鳥取県内で唯一担ってきた鳥取大医学部法医学分野(同県米子市)の男性教授が4月から県外の大学に転出し、県内で司法解剖などができなくなる。早期補充は困難なため、県警は当面、同県西端の米子市から更に約50キロ西の島根大医学部(島根県出雲市)に委嘱する方針。同様の事態が青森県でも起きるなど、解剖医の不足は全国的な課題となっており、人材育成と確保の取り組みが迫られている。

 鳥取大によると、教授は2013年4月に着任し、先月下旬に退任の意向を大学に伝えた。法医学分野にはもう1人教員がいるが、医師免許がないため解剖はできない。

 今年度、鳥取県警が鳥取大に依頼した司法解剖や、犯罪性が不明な場合でも遺族の承諾なしに行える「新法解剖」などは計66件(20日現在)。大学は後任を公募する予定だが、募集開始は4月以降になり、空白期間が生じるのは確実だ。このため県警は、過去に教授の不在時などに対応を依頼してきた島根大に相談した。同大学が受け入れを受諾しても、遺体の搬送には県境から車で1時間程度かかるという。

 日本法医学会関係者によると、47都道府県のうち半数近くは解剖を担う医師が1人しかおらず、関係者は頭を悩ませている。

 青森県では、弘前大法医学講座の男性教授が昨年6月末に県外の大学へ転任してから女性准教授が担当してきた。しかし、女性准教授も4月から他大学へ転出することになり、今月16日から解剖をできなくなっている。後任の着任は早くても5月のため、青森県警は少なくとも1カ月半の間、隣県にある秋田大や岩手医科大に委嘱する。弘前大では09年11月から1年余り、担当教授の過労が原因で解剖を休止したことがあるという。

 日本法医学会理事長の池田典昭・九州大大学院教授は「大学に法医学者のポストが少ないのが人員不足の最大の要因だ。各大学が解剖の重要性を理解し、ポストを増やすなど対応をしてほしい」と指摘している。【川瀬慎一朗】



http://www.sankei.com/region/news/150324/rgn1503240034-n1.html
産科医不足問題 医師と連携、助産所活用 長野知事に助産師会、行政サポート要請
2015.3.24 07:03 産経ニュース

 大町市立大町総合病院の分娩休止問題が慢性的に産科医が不足している県内各所に波紋を広げている中、分娩を取り扱えるはずの助産師が十分な能力を発揮できない状況にあることが、23日に県庁で行われた県助産師会(池上道子会長)と阿部守一知事との懇談会で浮き彫りになった。この中で、助産師会側は医療法で義務付けられている嘱託医との連携について、医師側の十分な協力を得られないため、分娩を扱える助産所を開設することが困難になっている状況などを指摘し、行政側のサポートを求めた。

 ◆要望に応えられず

 懇談会は産科医不足などによって県内各地で生じている“お産の危機”を受けて初めて開催された。阿部知事が「今後30年間で50万人近い人口が減ると見込まれる中で、出産期前後の若い世代をどうサポートしていくかが、県の将来を左右する」と課題を投げかけたのに対し、池上会長は「助産所を開業するのにあたって一番の問題は医療機関との連携」と指摘した。

 平成19年の医療法改正で、助産所を開設するには産科医か産婦人科医である嘱託医を定めることが義務付けられた。懇談会の席上、同会の保谷ハルエ顧問は「(分娩を扱える)助産所を開業するには嘱託医の協力が必要だが、医師に嘱託医をお願いしてもほとんど受けていただけない」と現状を訴えた。池上会長によると、県内で分娩を扱っている助産所は15カ所だが、助産所を新たに開業したくても産科医不足によってできない状況にあるという。

 医療法の改正は、突然の大量出血などの緊急事態に備えて、安心なお産を確保する目的で行われた。ただ、「慢性的な産科医不足の中で、多くの医師が嘱託医を依頼されても手いっぱいだったり、緊急時に対応しきれない状況があったりする」(塚田昌大県保健・疾病対策課長)ことから、助産師側の要望に応えられていないのが実情だ。

 ◆正常分娩は助産師

 助産師会は「医師からすれば助産師の能力に対する心配があると思う」(保谷顧問)として、助産師会などが臨床能力や技術を認定する制度の整備に向けて準備を進めている。「正常な分娩は助産師が行い、異常分娩は医師が行うという形にしないと、医師の負担が非常に大きくなってしまうし、医師不足の中で疲弊していくだけ。正常な分娩を助産師が担えるようにしていきたい」と強調する。

 こうした助産師会側からの問題提起に、阿部知事は「地域で子供を産めない状況は何とかしなくてはならない。正常な分娩は助産所でできるような環境をつくることが大事。どうあるべきかを一緒に具体化できるようにしたい」と応じた。

 ◆産後ケアに空白も

 一方、懇談会では出産後の退院時から新生児の1カ月健診までの間、産後ケアに空白が生じている点も指摘された。この点について、池上会長は「退院した直後から約1カ月が、母乳などで一番大変な時期。産科医院は出産から5日程度で退院させているが、母乳の指導などを十分に行う時間がない。そうした部分を助産師が指導できればいい」と提案した。

 母子保健サービスは、県から市町村に移管されて19年ほどがたつが、市町村によって濃淡があるのが実情。県は4月から「信州母子保健推進センター」を設けて、市町村と協働した子育て支援のあり方を構築していく考えだ。これに関連し、阿部知事は「県と市町村が一緒に分娩や周産期の対応について計画し、助産師を上手に活用できるプランのようなものを作ることはできないか」と担当部署に指示した。



http://www.mededge.jp/a/canc/10648
がんの不要な検査や治療、「患者の要求」によるものはまれ
受ける側はほぼ適切なリクエストを出している

2015年3月24日 9:00 PM   Medエッジ

 不要な検査や治療はどこから生まれるのか。

 少なくとも検査や治療を受ける側から要求が出ているケースはまれであるようだ。
がんの人の来院5000件以上を調査
 米国、フィラデルフィアのペンシルバニア大学を中心とする研究グループが、がん専門誌、ジャマ(JAMA)オンコロジー誌オンライン版で2015年2月12日に報告した。

 「本来ならば不要な検査な治療を患者が要求するがために医療費が増加してしまう」。医師の側から批判の声が上がることもあるようだ。

 本当に正しいのだろうか?

 研究グループは、がんの人の来院5000件以上を対象に調査を行った。
受ける側の要求は8.7%のみ「不要」はわずか
 その結果、5050人のうち医師に治療をリクエストした人は440人(8.7%)で、医師はそのうち365件について「適切」と見なして要求に応えていた。

 一方、50件の要求は臨床的に不適切な検査または治療と見なされ、実際に実施されたのは7件のみ(0.14%)だった。

 検査についてのリクエストのうち約半数(49.1%)は画像検査。1割強(13.6%)ががんマーカーなどの臨床検査、このほか遺伝子検査または抗がん剤の感受性試験が続いていた(5.2%)。

 治療についてのリクエストとしては、鎮痛薬や睡眠補助薬などの緩和治療は意外と多く(15.5%)、抗がん剤のリクエストは3.6%のみ。陽子ビーム療法のリクエストは1%未満だった。

 不要な検査や治療が生じているとすれば、ほかのところから。そういう予想が立つようだ。
文献情報
Gogineni K et al.Patient Demands and Requests for Cancer Tests and Treatments.JAMA Oncol. 2015 Feb 12 [Epub ahead of print]
Patient Demands and Requests for Cancer Tests and Treatments
http://www.uphs.upenn.edu/news/News_Releases/2015/02/emanuel/



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45297.html
職員の健康管理、法令不適合の病院が約1割- 12年度立入検査、厚労省
2015年03月24日 19時44分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、都道府県などが2012年度に実施した病院の立入検査の結果を発表した。調査項目のうち、法令に適合していない施設が最も多かったのは「職員の健康管理」で、調査対象の9.5%が不適合だった。【佐藤貴彦】


 病院の立入検査は、医師などの員数や構造設備が法令の基準を満たし、適正な管理が行われているかをチェックするもの。12年度は全国の病院8567施設のうち8124施設(94.8%)で検査が実施された。

 調査項目のうち、不適合な施設が最も多かったのは「職員の健康管理」で、同項目の検査を受けた8067施設のうち、768施設が不適合だった。同項目では、労働安全衛生法で労働者の健康の確保が事業者の責務とされていることなどから、職員の定期的な健診の受診など、適切な健康管理体制が確立されているかどうかをチェックしている。

■医師員数に施設・地域ごとの差

 次に不適合な施設が多かったのは医師の員数で、8122施設中516施設(6.4%)が、厚労省令で定められた標準数を満たさなかった。その一方で、2926施設(36.0%)は、医師の員数が標準数の150%以上と、施設ごとに差が見られた。

 医師の員数の状況を地域ごとに比べると、不適合の施設の割合が最も高いのは「北海道 東北」(13.9%)で、以下は「北陸 甲信越」(9.6%)、「四国」(9.1%)、「中国」(6.3%)などの順だった。一方、150%以上の施設の割合は、「近畿」(45.7%)や「東海」(45.3%)、「関東」(43.1%)などで多かった。

 看護師・准看護師の員数は8124施設中8043施設(99.0%)、薬剤師の員数は8124施設中7770施設(95.6%)が、それぞれ省令が定める基準をクリアしていた。病院が満たすべき看護師や薬剤師の員数は、省令の基準に従って都道府県が条例で定めることになっている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114978&from=osusume
腹腔鏡難手術、1割死亡…学会調査
(2015年3月24日 読売新聞)

 群馬大学病院(前橋市)で、腹腔鏡を使う肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題を受け、日本肝胆膵外科学会が23日に発表した腹腔鏡手術の実態調査結果で、胆管切除を伴う保険適用外の肝臓手術は死亡率が10%近くに上ることがわかった。

 群馬大病院ではこの手術で3人が死亡しており、同学会は腹腔鏡手術の適応を慎重に検討するように注意喚起を行う方針だ。

 調査は昨年11月~今年1月、一定の手術実績があると同学会が認めた「修練施設」212病院を対象に、肝臓、胆道、膵臓の腹腔鏡手術の実施状況を尋ね、207病院から回答を得た。

 それによると、2011~14年に、肝臓の腹腔鏡手術は計8545人に行われ、このうち1587人が高難度とされる保険適用外だった。保険適用外手術の死亡率(術後3か月以内の死亡)は1・45%。手術方法別で見ると、胆管切除を伴う肝臓手術の死亡率が9・76%と突出して高かった。

 多数の肝臓手術を行っているがん研有明病院(東京都江東区)の斎浦明夫・肝胆膵担当部長は「胆管切除を伴う肝臓手術は、一般的な肝臓がんの手術より格段に難しい。がんを取り切り、再発をさせないように腹腔鏡手術でできるか確認されておらず、患者に対しリスクなどを正しく説明されたか疑問がある」と話す。

 また保険適用外の高難度手術を行うに当たり、無回答を除く176診療科のうち97診療科(55%)は院内の倫理委員会で審査を受けていなかった。同学会は今後、必要となる倫理審査の申請について会員の医師に徹底を呼びかけていく予定だ。



http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20150324ddlk28040470000c.html
病院統合再編:検討委が初会合 姫路 /兵庫
毎日新聞 2015年03月24日 地方版

 県立姫路循環器病センター(姫路市西庄)と社会医療法人・製鉄記念広畑病院(姫路市広畑区夢前町)の統合再編方針を受けた検討委員会の初会合が23日、姫路市で開かれた。

 統合再編に伴い、県は中播磨・西播磨医療圏域の中核となる新病院を姫路に建設する意向。2021年度の開院を目指している。

 検討委は両病院長や姫路市医監、姫路市医師会長ら14人で構成。圏域の医療需要や両病院の診療機能・体制を勘案し、新病院の設備や建設候補地を提案する。隔月開催し、年内にも報告書をまとめる。【岸川弘明】

〔播磨・姫路版〕



http://www.m3.com/news/iryoishin/306137
医療維新  医師調査
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
不正論文から100以上引用、「学術進展に影響大」
熊大院・光山教授ら執筆者の実名公開

レポート 2015年3月24日(火)配信成相通子(m3.com編集部)

 熊本大大学院生命科学研究部の光山勝慶教授が、熊本大と大阪市立大の所属時に発表した論文9本に、存在しないデータを作成するなどのねつ造、改ざんの不正があったとする調査結果を3月20日、両大学が公表した。光山氏が関わった281本のうち9本について、責任著者の光山氏と各論文の筆頭著者7人が不正行為に関わったと認定。うち1本の論文は100以上の引用数があり、調査報告書は「当該分野の学術の進展への影響は大きい」としている(資料は、大阪市立大学のホームページに掲載)。

 100以上の引用があったのは、現熊本大大学院生命科学研究部の助教で、当時大阪市立大大学院医学研究科の大学院生だった男性が筆頭著者、光山氏が責任著者を務めていた論文で、2003年にCirculation Researchに掲載された。
 ◆対象論文
・タイトル:Apoptosis signal-regulating kinase 1 plays a pivotal role in angiotensin II-induced cardiac hypertrophy and remodeling.
・著者:Izumiya Y, Kim S, Izumi Y, Yoshida K, Yoshiyama M, Matsuzawa A, Ichijo H, Iwao H.
・掲載誌:Circ Res. 2003 Oct 31;93(9):874-83.
 両大学は、2013年5月、外部から不正の疑いがあるとの指摘を受け、合同で調査を開始。2014年6月に報告書を策定したが、その後、光山氏が熊本大に着任した後の論文で新たな不正の疑いが浮上し、再度調査し結果報告書を取りまとめた。1998年から2012年に発表された9本の論文は、(1)存在しないデータ、研究結果等を作成する『捏造』、(2)研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工する『改ざん』、のいずれかもしくは両方に該当した。掲載雑誌に訂正や取り下げなどを勧告するほか、公的研究費との関連についても調査するとしている。

 両大学は不正が認定された9本について、論文名のほか、各筆頭著者7人の実名もホームページに掲載した。熊本大附属病院循環器内科助教や、大阪市立大大学院医学研究科分子病態薬理学准教授、民間病院勤務などの現在の肩書と、論文執筆時の所属も明記している。調査報告書は7人について、「筆頭著者としての論文作成における基本的な注意が著しく欠けている」と指摘。「生データが存在しない、または生データが存在するにも関わらず、他の画像を流用したことについて合理的な説明がない」として、過失と主張するには十分な反証がなされず、「安易な論文作成を行ったことに、重大な責任がある」と批判している。

 光山氏については、不正行為に直接関与した1本以外は、責任著者として「当然行うべきチェックや指導を適切に行っていなかった」と指摘。結果として筆頭著者による不適切な論文作成につながったと判断した。

 再発防止策として、熊本大は、剽窃ソフトの導入や、研究者行動規範の研修プログラムの整備を行うほか、大阪市立大は、不正行為を行った場合の原則氏名公表など処分の厳格化、実験データの長期保存などデータ管理システムの構築と導入の検討を掲げている。そのほか、「論文作成に当たって、事前に共著者全ての同意を書面で得るとともに、原稿のコメントを得て、画像の間違いなどをチェックする」といった手順の周知徹底をする。



http://www.m3.com/news/iryoishin/306133
医療維新  医師調査
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
岐阜大医学部講師、研究不正で停職6カ月
「留学先で成果求められ…」、米国大学からの指摘で発覚

レポート 2015年3月24日(火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 岐阜大学は3月20日、論文に画像データの改ざんなどの不正があったとして、医学部附属病院の40歳代の男性講師を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は19日付け。岐阜大学は「個人の特定につながる情報は開示できない」として論文のテーマや科学雑誌の名前を公表していない。

 岐阜大学学術国際部研究支援課によると、不正が確認されたのは2004年から2010年に海外の科学雑誌に発表した4論文。遺伝子の働きに関する実験で、きれいに映った別の実験の画像を使い回したり、画像の修整や合成をしたりするなどの不正が計12カ所あった。論文は不正発覚後、いずれも取り下げられている。

 男性講師は2002年から2年間、米国の大学に留学していた。2012年8月に所属していた米国の大学から指摘があり、岐阜大医学部内に学外のメンバーも含んだ調査委員会を設置。男性講師がこれまでに書いた136の論文を調査した。

 調査委員会の調査の結果、不正は対照実験の説明で使われた画像で行われており、別の実験で撮影した画像を使いまわしなどが確認された。主実験では再現性が確認されており、論文の結論は変わらないという。

 米国の大学でも調査委員会が設置されており、岐阜大は両大学の調査報告書を踏まえて処分を決定したと説明している。講師は不正を認めており、「留学先の研究室から成果を求められ、時間に追われて改ざんしてしまった。扱う検体の量が膨大だった」と説明しているという。

 岐阜大は大学学長名で「研究倫理に触れる不正行為を行ったことは、学術研究の信頼性を損なうなど研究活動の根幹にかかわる問題であり誠に遺憾」とするコメントを公表。研究倫理や研究ノートの整備・保存等の教育を強化するとしている。



http://www.m3.com/news/iryoishin/306027
医療維新
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
群大の腹腔鏡術死亡率の高さ、全国の17.6倍
日本肝胆膵外科学会、修練施設認定取り消しへ

レポート 2015年3月24日(火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本肝胆膵外科学会(理事長:宮崎勝・千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学教授)は3月23日、「肝胆膵外科高度技能専門医修練施設腹腔鏡手術緊急実態調査」の結果を公表した。肝臓を切除する腹腔鏡手術の全国207施設の死亡率は、2011年から2014年までの4年間で0.49%。同期間に93人のうち8人(8.6%)が術後100日以内 に死亡した群馬大学医学部附属病院は、全国平均の17.6倍となり、改めて死亡率の高さが浮き彫りになった。学会は群大病院に対して、高難度外科手術を実施する十分な教育ができる修練施設としての認定を取り消すことを決めた。腹腔鏡手術のリスクを巡っては日本外科学科、日本消化器外科学会も1月に同様の調査を発表している(『腹腔鏡手術リスク、開腹より高いとは言えず』を参照)。

 調査結果によると、腹腔鏡下肝切除手術は2011年の1425件から毎年増加し、2014年は2670件にほぼ倍増している。一方で、術後90日以内の手術に起因する死亡率は2011年の0.98%から低下傾向にあり、2014年は0.34%だった。術式別にみると、部分切除、外側区域切除、亜区域切除、区域切除、葉切除以上が0.08%から1.56%に留まっているのに対して、胆管切除を伴う肝葉切除では9.76%に達した。同学会は「現時点でこのような術式を要する肝切除においては、腹腔鏡術の適応には極めて慎重であるべきと考えられた」と総括した。

 腹腔鏡下膵臓切除手術も増加傾向にあり、2011年の372件から2014年は815件に倍増。手術に起因する術後90日以内の死亡率は2011年はゼロ、2012年は0.30%、13年は0.47%、2014年は0.37%だった。

 保険適応の有無でみると、肝臓では保険適応内の死亡率0.27%に対し、適応外では1.45%と5倍以上となっていた。膵臓でも保険適応内では0.10%に対し、適応外では1.08%と10倍以上となっていた。難易度が高い手術が、保険適応外になることが多いためと見られる。

 また、保険適応外かつ学会が認定する高難度肝胆膵外科手術を腹腔鏡術で行う際に、院内倫理委員会の承認を受けているかについては、(1)全て受けているが19%、(2)一部受けているが17%、(3)全く受けていないが44%、(4)無回答が21%――だった。同学会は各施設に倫理審査を踏まえて慎重に判断するよう注意喚起していくとしている。

 日本肝胆膵外科学会は高度技能指導医、もしくは高度技能専門医が1人以上常勤し、年間に高難度肝胆膵外科手術を50例以上行っている施設を修練施設A、30例以上行っている施設を修練施設Bと認定している。腹腔鏡手術による患者死亡問題が起きた群大病院、千葉県がんセンターはともにA施設に認定されていたが、群大病院については死亡率が極めて高いことから認定を取すことを決めた。

 調査期間は2014年11月から2015年1月まで。全国の学会認定修練施設214病院を対象に実施し、207病院(96.7%)から回答があった。調査対象は2011年1月から2014年12月までの4年間の実績とした。対象に群大病院も含まれており、肝臓切除手術の死亡率を引き上げた可能性があるとしている。



http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20150324-OYTNT50437.html
「医の原点常に…」…群大学長が問題に言及
2015年03月25日 読売新聞

 群馬大の学位記授与式が24日、ALSOKぐんまアリーナ(前橋市関根町)で開かれ、各学部や大学院の計1688人が巣立った。式典で高田邦昭学長は、同大病院で肝臓手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題に触れ、医学部医学科などの卒業生らに、「医の原点を常に思い起こし、医師としての職責を果たしてほしい」と語った。


  1. 2015/03/25(水) 06:08:11|
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3月22日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/304589
医療維新
緊急手術手当1000円の現場も、外保連会見
2016年度改定に向け、基準見直しなど求める考え

レポート 2015年3月22日(日)配信池田宏之(m3.com編集部)

 外科系学会社会保険委員会連合は3月17日に記者会見を開き、関連学会が2014年度診療報酬改定による影響について発表した。休日・時間外・深夜加算の施設基準を守ることが難しく新設された加算が算定できなかったり、緊急手術の手当が1000円となっている現場があることが紹介された。帝王切開手術でも、外保連試案による手術時間の短縮に伴い、診療報酬引き下げに対する不満などが出ていて、出席者は、2016年度改定に向けて、手術時間など以外に、新たな基準を作りたい考えを示した。

施設基準守ると対応できない患者

 日本胸部外科学会診療問題委員長の荒井裕国氏(東京医科歯科大学心臓血管外科)は、2014年度改定で点数が引き上げられた、手術などの休日・時間外・深夜加算についての調査結果を示した。調査時期は2014年9月で、胸部外科医3領域を持つ1499施設に対して実施し、62%に当たる931施設(大学病院165、一般病院771)から回答を得た。

 加算の施設基準として、予定手術前の当直免除の導入を求めているのに加え、「交代勤務制」「チーム制」「時間外・休日・深夜・1000点以上の処置をする医師への手当て支給」のいずれかを導入するように求めるなどの施設基準が設定されている。

 その結果、全施設のうち加算を算定しているのは73.6%で、「取れるがいまだ取っていない」が9.5%、「取れる状況でない」が16.5%となった。特に大学病院では、「取れるが、いまだ取っていない」の割合が19%、心臓外科領域に限定すると、26%に上った。荒井氏は、「人員不足で、かつスペシャリストの多く領域においては、予定手術の前日の当直を免除すると、対応できない患者が出てくる」として、予定外の患者に対応しないと、救命できない実態が、加算を妨げているとの認識を示した。アンケートの回答では、施設基準における、「診療科全体で年12回の当直免除となっているのを、回数を増やすか、医師当たりの回数に変えてほしい」との声や「執刀医と第一助手となっている対象から、第一助手を外してほしい」との声があったことを紹介した。

 さらに、「緊急手術の手当ての支給」の要件にも言及。荒井氏は、公的病院では自治体の条例改正や必要なことに加え、施設基準の中で、手当額の基準がない点を指摘。東京大学は1回当たり3万円を支給しているものの、国立病院機構は1000円と決定している実態があり、「ファストフード点のアルバイト程度なのか。施設基準が形骸化し、医師のインセンティブ向上につながらない」と指摘した。

 総括として、少ない医師数で地域医療を支えている地方の第一線病院の制約の難しさ指摘し、2016年度改定に向けて、手当配分の適正化や、例外規定の設定など、現実的な視点での施設基準の見直しをするように求めた。


「手術時間短いと、減点」に不満

 日本産科婦人科学会の関博之氏(埼玉医科大学)は、帝王切開手術について紹介。帝王切開手術は、(1)手術の技術料、(2)医療従事者の人数、(3)手術時間の観点――から評価する中で、手術時間が短縮した外保連試案に基づいて、2014年度改定で2万2160点から2万140点に減点となった。予定帝王切開と、緊急帝王切開を比較した場合、予定の場合、60分未満での終了が39.3%だったのに対し、緊急の場合は57.3%となった。関氏は、「帝王切開、特に緊急帝王切開術では、迅速に手術を終了することは、母児にとって有益」とした上で、手術時間の短縮が、診療報酬の引き下げにつながった点に不満を示した。

 さらに、緊急帝王切開では、医師2人が手術開始まで2時間かけて準備している実態や、子宮に関連する手術でも、妊婦の方が非妊婦に比べて出血量が多くなることなどを踏まえて、「私見だが、新評価軸が必要ではないか」と投げかけた。関氏は、新しい評価軸については、「国民が理解できる形にしたい」とした。

 次期の外保連会長となる岩中督氏(東京大学小児外科教授)は、2016年度改定に向けた動きについて、外保連として考え方や要求を今年秋から暮れに向けてまとめる考えを示した上で、施設要件について「厚労省も批判の対象になっていることを理解している」と指摘し、見直しに期待を示した。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=43730
高齢化と後継者不足深刻
田原の開業医/「打つ手がない…」 現場に漂う危機感/奨学金増額など市対策

2015/03/23 東日新聞(東三河)

 田原市で開業医(診療所)の高齢化と後継者不足が深刻化しており、関係者は「10年後にも医療崩壊を招きかねない」と危機感を抱いている。田原市は奨学金制度を設けるなどの対策を講じている。

 2014年3月31日現在、市内開業医の院長の平均年齢は65・3歳で、全国平均より約5歳高い。

 10年前の開業医は31人で、09年に新規・継承開業する医師が2人いたものの、最近は減少傾向。院長29人のうち76~90歳が7人を占め、10年先を不安視する声が上がっている。

 インフルエンザが猛威をふるう時期になると、内科・小児科には大勢の患者が詰めかけ、ほぼパンク状態。

 市内の内科医は「開業医に定年はないが、いつまで診療を続けられるか、わからない。若い医師の不足は想像以上に深刻。現場では打つ手がない」と危機感をあらわにした。

 地方が医師不足に陥るきっかけとなったのは、04年度の医師臨床研修制度の変更によるところが大きい。それまで大学の医局に所属する研修医は、大学の付属病院で研修を受けた後、地方の病院へ勤務医として派遣され、経験を積んでから、その地で開業医となった。

 制度変更後は、研修医が自分で好きな病院を選べるようになったため、都会を希望する者が増え、地方に医師が来なくなったという。

 田原市にとっては、公的・救急病院としての役割を果たす厚生連渥美病院(田原市神戸町)で医療従事者を確保することが最優先課題。田原市は15年度、医師の業務負担を減らすための高度医療機器の整備支援制度や、同院への勤務希望者に対する奨学金を増額するなどして対策強化に乗り出している。

 ただ、奨学金は10年度に始まったばかりで、利用者は計7人。対策が実を結ぶのは、もう少し先になりそうだ。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03118_04
第7回日本医療教授システム学会開催
週刊医学界新聞   第3118号 2015年03月23日

 第7回日本医療教授システム学会が2015年3月5-6日,鈴木克明会長(熊本大大学院)のもと,「できる医療者に育つ/育てるしくみ――実践成果の見える化と共有」をテーマに開催された(会場=東京都文京区・東大本郷キャンパス)。本紙では,インストラクショナル・デザイン(以下,ID)の理論を基に医療教育への提言を行った会長講演と,IDにおいて特に重要な「目標を明確にする」とはどういうことかを参加者が体験するセッションの模様を報告する。

◆効率的・効果的・魅力的な研修づくりを

 「できる医療者とは現場で仕事ができるだけではなく,現場を変革できる人。変革の実現には,今の現場をどのようにしたいかを描くことが必要だ」。こう語った鈴木氏は,現場を変革するためには実践の成果を説得力のある形で示す必要があり,成果を示すには,目標を明確にすることが必要だと強調した。


 氏は,授業設計理論の父として著名なガニエの9教授事象,メリルのID第一原理(5つ星の条件)を踏まえ,多くの研修の問題点は講義形式で研修を行っていることだと指摘した。研修の目標を決定するためには,研修を受ける学習者の学習の到達レベルをまず知る必要がある。学習は事前に学習者自らに行わせ,テストで習熟度を確認,その結果を基に有意味記憶になるよう工夫した教育を行う方法が有効だと解説した。有意味記憶になる教育とは何か。それは,現在の知識と結び付けられる教育であるとし,ARCSモデルを挙げて説明した。ARCSモデルとは教育工学者ケラーが提案したモデルで,学習者の学習意欲を「Attention(注意);おもしろそう」「Relevance(関連性);やりがいがありそう」「Confidence(自信);やればできそう」「Satisfaction(満足感);やってよかった」の4つの軸に整理したもの。研修が業務にどのように役に立つのかを示すことで自分自身の問題として意識され,魅力的な研修となるのだという。
 さらに,ARCSモデルは学習を支援する際に教育者が生かすだけでなく,学習者自身にも教え,自ら学習意欲のコントロールも行えるようにすることが重要だと提言。学習者を,教育・研修がなくても自らで学び続ける「学び手」として一人前にしていく必要があると締めくくった。

 「研修効果の見える研修目標の立案」を目標に開催された教育企画「新人看護職員研修を担当する方のためのワークショップ――新人看護職員研修をリ・デザインする」(ファシリテーター=済生会横浜市東部病院・山田紀昭氏,紙谷あゆ美氏,独協医大越谷病院・石井恵利佳氏)は,ワークショップそのものがIDのモデルを利用して設計された。

 グループワークを中心に行われた本企画では,参加者は事前に新人看護職員研修ガイドラインを読んだ上で,自施設の新人看護職員研修の現状と目標を持ち寄った。当日はファシリテーターから提示された研修事例の課題に個々に検討を加えた上で,客観的評価が難しいと考えられる学習目標についてグループ内で互いに指摘し合い,ファシリテーターも交えてブラッシュアップを図った。参加者からは「目標行動・評価条件・合格基準を明確にしないと効果がない研修になってしまうことに気付いた」という声が挙がるなど,効果的な目標の立案方法が共有された。


  1. 2015/03/23(月) 05:23:21|
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3月21日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/304213
医療維新
シリーズ: ここがおかしい!ここが問題!医療界
委縮診療、「週1回以上」が半数超◆Vol.16
外来包括制「有用でない」が半数超

医師調査 2015年3月21日(土)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q12 診療報酬の算定ルールがあることなどによる「委縮診療」の頻度
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 Q12では、診療所の医師に対して、診療報酬の算定ルールがあることなどから「委縮診療」がどの程度の頻度で起きているかを聞いた(回答者256人)。

 「ほぼ毎日」が30.9%、「1週間に数回」が13.7%、「1週間に1回程度」が7.8%となり、半数以上が、1週間に1回以上、委縮診療を実感している結果となった。「ほぼ皆無」は14.8%にとどまり、「1年に1回」以上、委縮診療を実感している医師は8割を超えた。

Q13B 外来における診療報酬の包括制拡大への考え方
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 Q13Bでは、「理不尽なレセプト査定」や「萎縮診療」を避けるために、慢性期疾患などで一部導入されている外来における診療報酬の包括制拡大についての考え方について聞いた。

 最も多かったのは「有用ではない」で、56.6%となり、半数を超えた。対して、「有用」との回答は、急性期疾患に限定、慢性期疾患に限定の回答も含めて、合計39.1%。入院医療について進められてきた包括制だが、過少診療や、重症患者敬遠など、国民の健康への影響を指摘する声がある。一方で、成功報酬の設定によるモチベーションの上昇、診療報酬請求の手続きの簡素化や、加算の考慮の手間が省けるなど、医師にメリットがある可能性もある。

 医療費削減の流れがある中、外来における包括制拡大については、医療費抑制の観点から、1つの手段として提案される可能性があり、今後の議論が注目される。ただ、包括制は、必ずしも医療費の削減につながるエビデンスがあるわけではない。



http://mainichi.jp/edu/news/20150321ddlk01100230000c.html
大学入試:道内高出身の合格者 北大、過去最低4割弱 札幌医大、7割を突破 /北海道
毎日新聞 2015年03月21日 地方版

 ◇地域医療を担う人材VS全国から優秀な学生

 道内の国公立大の2次試験・後期日程の合格発表が20日から始まり、入試シーズンは最終盤を迎えた。今春の入試では、北海道大で合格者に占める道内の高校出身者の割合が過去最低の4割弱にとどまった一方、札幌医大では7割を突破。全国から優秀な学生を集めようとする北大と、地域医療を支える地元の学生がほしいとする札幌医大の志向の違いが際立った。

 今春の北大の合格者2643人のうち、道内勢は38・0%にあたる1005人。現在の入試制度が始まった1990年度入試以降、過去最低を更新した。前期日程の過去10年分の推移をみると、2008年度に道内勢は56・1%を占めていたが、年々低下傾向にあり、今春は41・3%にとどまった。

 道外勢が増えた背景は2011年度から導入された総合入試だ。総合入試は前期だけにあり、文・理系の大枠で募集し、2年進学時に学部が決まる入試制度。募集人員は全体の約45%を占めるが、今春は道内勢が理系で33・5%、文系で21・7%と、全体の平均を押し下げた。

 北大は07年度から東京で入学相談会を開催。現在では大阪や名古屋などでも積極的にPRしており、道外からの志願者確保に力を入れた結果が実を結んでいる。

 北大の高校別合格者で上位に入る札幌東高校の橋浦秀明進路指導部長(46)は総合入試について「文系は道外の難関私大と同じ試験科目での受験が可能で難易度が高い。理系は入学後に頑張れば希望する学部に入れることが道外の受験生に人気となっている」と話す。

 一方、札幌医大では今春、医学科の合格者75人のうち、道内勢が53人を占めた。今春から大学入試センター試験の配点を2次試験と同じ700点に引き上げた。2次で挽回を狙う道外の受験生が敬遠し、道内勢が有利になったと、同大は分析している。

 12年度に道内勢は44・0%にとどまっていたが、卒業後7年間、道内の医療機関に従事することが条件の「北海道医療枠」が13年度に設けられて以来、道内比率が伸び続けている。

 大手予備校・河合塾札幌校の浅田鋼(つよし)校舎長(49)は「札幌医大は地域医療を担う人材育成が基本。北海道医療枠に続く今春の配点の見直しは道内の優秀な人材を集めたいというメッセージと受け止められたようだ」と指摘している。【千々部一好】



http://www.m3.com/news/iryoishin/305272
医療維新
シリーズ: 混迷する”医療事故調”の行方
「支援団体は医師会の役割」、総力を結集
日医・医学会、医療事故調査制度検討会の取りまとめ受け会見

レポート 2015年3月21日(土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は3月20日、日本医学会会長の高久史麿氏と共同で記者会見し、10月から始まる医療事故調査制度について、真に医療の安全と質の向上に資する制度として機能させるよう、全国の都道府県および郡市区の医師会、日本医学会や各学会、病院団体などと連携協力していくという見解を発表した。高久氏も、「医学会としても、日医の見解を全面的に支援する」と述べ、医療界を挙げて取り組む姿勢を見せた。


 医療事故調査制度は、各医療機関の院内調査を基本とするが、中小の病医院では自力での実施が難しいことも想定される。横倉会長は、各地域に設置される「支援団体」として、全国の都道府県医師会の役割が非常に重要になるとし、全ての医師会の総力を結集して活動を進めていく方針も説明。日医の医療安全対策委員会で医師会が果たす役割について現在検討を進めており、近く中間的な報告を公表する予定だ。

 さらに事故調査に当たる医療機関の経済的負担を軽減するため、日医の会員である医師、医療機関についてはなるべく費用負担がかからないよう、調査費用に関する民間保険を創設するため、損保会社と検討しているという。

 高久会長は、医学会としては、調査に当たって必要となる病理解剖や専門的な知識を持つ医師の紹介などについて、「学会を通じて全面的に協力していく」と表明。同時に、日本医療安全調査機構の代表理事も務める立場から、「支援団体と、今までやってきた機構が協力して運営をしていきたいと考えている」とコメント。ただ、医療事故調査制度は、中央組織の第三者機関として、厚生労働省が「医療事故調査・支援センター」を指定することになっているが、「センターになるよう、手を上げるか」との質問には、「今まで10年間の実績があるので、協力はいくらでもするというスタンス。もちろん(センターとして)決まればやるが、この決定は国で行うこと」と曖昧な回答にとどめた。

 日医、センターへの財政支援も想定
 共同会見は、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」が3月20日、「取りまとめ」を公表したのを受けたもの(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。

 現時点で、「医療事故調査・支援センター」の有力な候補と言えるのが、日本医療安全調査機構と日本医療機能評価機構だ。横倉会長は、日医は両機構と密接な関係にあり、話し合いをしているとし、「お互いによく連携を取りながら、財政的な支援が必要であれば、当然、やることになる」と述べ、日医は、両機構に負担金あるいは会費の形で支援しており、センターに関する費用負担も想定しているとした。

 高久会長は、仮に日本医療安全調査機構がセンターになった場合、日本医療機能評価機構と協力していくほか、現在の「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」は全国12カ所の実施にとどまることから、各都道府県の医師会が支援団体としての役割を果たすよう期待を込めた。

 なお、日医は、医師賠償責任保険を運営しており、医療事故等が起きた場合の紛争解決や賠償金の支払いなどを行っている。都道府県医師会等の医事紛争委員会が窓口となるが、「支援団体」となった場合の各医師会における運営について、日医副会長の松原謙二氏は、「全く別なものとして運営する。そうしなければ、外から見て信頼が得られない」と説明、組織上だけでなく、物理的にも別の部屋にするなどの形で切り分けて運用するよう、都道府県医師会に依頼しているとした。



http://www.sankei.com/affairs/news/150321/afr1503210012-n1.html
医療事故調査制度 問われる医療機関の自浄能力
2015.3.21 13:30 産経ニュース

 医療の安全と質の向上を図り、医療への信頼を高める。こうした制度の目的とは裏腹に、検討会では遺族側と一部医療機関側で相互不信が顕著に表れた。互いに一定の譲歩はしたが、最後まで建設的な議論に至らず、運用指針は“玉虫色”で決着した。

 遺族側に立つ委員は、原因究明や再発防止を盛り込んだ調査報告書の提供を受け、医療機関と事実を共有する仕組みを、制度に求めた。「遺族の納得」の積み重ねが、医療安全につながるとの主張だ。

 これに対し、一部医療機関側の委員は、再発防止や報告書提供が義務付けられれば裁判に使われ、責任追及の手段になると主張。裁判は医療安全につながらないと譲らなかった。両者の溝は、繰り返されてきた医療事故をめぐるトラブルや訴訟の縮図ともいえる。

 指針では、制度の入り口にあたる報告すべき「予期せぬ死亡」の定義や、調査報告書の遺族への提出は、医療機関側の裁量に委ねるものとなった。

 例えば遺族が医療事故の疑いを持っても、医療機関が「(医療行為前に)死亡を予期していた」と判断すれば、報告が行われない可能性が残る。腹腔(ふくくう)鏡手術後の患者が相次いで死亡した群馬大学病院のようなケースが制度運用後に発生したとしても、報告が行われるか、再発を防げるかは不透明だ。

 制度の主体となるのが医療機関である以上、問われるのは結局、医療機関の自浄能力になる。遺族が納得しなければ第三者機関に再調査を依頼したり、裁判に「事実」を求めたりすることになるが、制度の趣旨にのっとり、医療機関が調査・説明を尽くせば、刑事告訴や訴訟に発展する例は限定されるとみられる。

 制度は医療安全を担保する最低限の枠組みにすぎない。医療機関が遺族や国民との信頼関係を深める契機とすることが求められる。(伊藤弘一郎、道丸摩耶)



http://www.m3.com/news/iryoishin/305279
医療維新
シリーズ: 医学教育を考える
医学生、学力低下は確認されず
全国医学部長病院長会議アンケート

レポート 2015年3月22日(日)配信成相通子(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議は3月19日、定例記者会見で2014年度の「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査結果」を公表した。医学部の入学定員が増加に転じた2008年ごろから、1年生や2年生の留年者数と休学者数が増加しているものの、4年生で受ける共用試験CBTの得点推移は横ばいで、会見した同会議の福島統氏(東京慈恵会医科大学教育センター長)は「低学年で学習に問題が生じた学生も、医学部中学年には、少なくとも十分な知識レベル、技能レベルの学習を行えている」と指摘、必ずしも定員増で全体の学力低下は起きていないとの見解を示した。

 福島氏は、一方で、「教育現場の努力で、学習困難を抱えていた学生も含め、ここまで引き上げている。しかし、現場のリソースは限界に近い」と強調、初年次教育や入学試験改革の重要性を指摘、これ以上の定員増には否定的な見解を示した。


136人に1人が医学生に、留年・休学は増加

 アンケートは、教育現場で問題視され始めた「医学生の学力低下」の実態調査を目的に、2011年から開始(『医学生の学力低下が顕著、医学部定員増を機に』、『医学生の学力低下、定員増と「ゆとり」原因か』など参照)。今回は、全国の80大学医学部・医科大学を対象に、昨年実施し、2013年4月から2014年4月の在籍学生について調べた。

 入学定員数は、定員増前の2007年度(7652人)から、2014年度は9061人、2015年度は9134人と8年前の2割増になった。減少傾向の18歳人口を入学定員数と比較すると、1966年は18歳人口のうち約700人に1人が入学していたが、2013年は136人に1人が入学する計算になり、「門戸は昔よりかなり広がっている」(福島氏)。

 問題となった留年者数の増加は、経年データがある53大学が対象。1年生の定員増前の留年数は平均132人だったが、年々増加。2012年度の237人がピークで、2013年度は210人。2年生も定員増前の299人から466人になった。定員増による母数増を考慮し、補正した留年増加率でも、1年生で定年増前と比較して2013年度は129%と劇的に増加。2年生も2013年度で132%となった。3年生から5年生では、定員増前から顕著な増加はなかった。

 同様に休学者数を比較すると、全国で実数は60人~80人と少ないものの、1年生で定員増前の平均(36人)と比べて2013年度は163%、2年生は120%、3年生も120%と増加していた。4年生と5年生はほぼ横ばいだった。

 福島氏は、入学したばかりの1年生と、学習の情報量が爆発的に増える2年生で留年する学生が多いことについて「勉強方法などのスタディー・スキルに問題があるかもしれない」と指摘。「税金を使っている教育で留年が多いのは問題。これまでは、能力が高い学生を相手にしているのだからと考慮していなかったスタディー・スキル教育の再考が必要だ」と訴えた。

試験の結果は高いレベルを維持

 一方で、4年生を対象とし、難易度調整が行われている共用試験CBTは2008年度から平均約77点のほぼ横ばいで、共用試験OSCEも約86点で横ばい。相対的で評価はしにくいが、医師国家試験の合格率も2005年から90%前後のままで、「学力低下が起こっているとは言えず、定員増でも高いレベルで維持されている」(福島氏)。低学年で留年・休学者が増加するなど学習問題が起こっても、「医学部中学年には、少なくとも知識レベル、技能レベルの学習を十分行えており、卒業時の知識レベルも十分担保されているだろう」と福島氏は分析した。

 アンケートの自由記載から低学年の学習問題の原因を分析すると、(1)精神的な問題、(2)自分の適性と医学部での教育の間に齟齬、 (3)部活動など他の興味の対象に時間を取られている、(4)高校までの学習と落差があり、学び方が身についていない、 (5)高校までの学習に不十分な点がある、など5つのケースの分類できるという。

 福島氏は「大学がかなり頑張っていることを強調したい。CBT共用試験のデータはかなり信頼性が高いと思う」とした上で、「学力低下の定義は難しい。学力にはいろいろあるが、試験で測るのは覚えた知識だけ。入学試験の改革も必要だ」と指摘。今後も高いレベルを維持するために入試改革と、初年次のスタディー・スキル教育や能動的学習の導入などの学部教育の改善を検討課題として挙げた。

 同会議顧問の別所正美氏(埼玉医科大学学長)は、「定員増の影響と断定はできないが、CBTの結果は良くても、実際の教育現場では教員も学生もかなり苦労している」と実情を訴えた。


  1. 2015/03/22(日) 05:34:32|
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3月20日 

http://www.m3.com/news/iryoishin/301605
医療維新
“今まで通りの医師”では良くない - 釜萢敏・日本医師会常任理事に聞く◆Vol.2
6年制薬剤師、歯科医師の現場広がる

インタビュー 2015年3月20日(金)配信聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――2025年に向けて、医療提供体制は変わっていきますが、医師の役割は変わらざるを得ないという考えです。

 そうです。今まで通りで良い、というわけではありません。それぞれの立場で、地域全体の中で担っている役割を自覚して、全体を考えながら役割を果たしていくことが重要です。

――チーム医療提供に当たって、医師の絶対数は十分と考えますか。

 まず医師数の議論より先に、地域偏在と診療科偏在が問題で、改善に向けて早急に取り組む必要があります。2つの偏在については、2004年に始まった臨床研修制度で目立つようになりました。当初自然に解消するといった見通しもありましたが、うまくいっていません。医師の偏在、診療科の偏在の背景を分析して、国を挙げて対策しないといけません。医師養成数については、地域枠を中心にすでに年間1500名以上増えていますので、今後の経緯を見る必要があります。医師養成に税金がかかっていることも考慮する必要があります。

――医師の偏在については、専門性を追求できる診療科に人気が集まっているのも一因と考えられます。チーム医療を提供するための地域包括ケアシステムの整備の問題は関連しているのでしょうか。

 関連があると思います。職業選択の自由があり、やりたい分野を目指すのを止めることはできませんが、これまで、特定の専門領域をしっかりやった人が、その後地域に出て、より広い領域を担当する流れがありました。医療制度は、医師のためにあるのでなく、国民の役に立つ制度でないといけませんので、今後専門性の追求と地域に必要な医療ニーズとの調和が求められます。


――チーム医療で歯科医師や薬剤師には、どのような役割を期待しますか。

 医師に歯の治療や薬剤師の本来業務はできませんので、それぞれの職種が本来の職域をしっかり取り組んでもらいとともに、先進的な事例を拡大していくやり方になるでしょう。歯科医師にもぜひ地域に出てもらい、歯科口腔ケア対応などを積極的に実施し、患者の生活能力を高めるために力を尽くしてもらいたいです。

――薬剤師には、具体的にどのような役割を期待しますか。

 薬剤師は、6年制の卒業生が現場に出てきていますので、病院や地域で服薬指導や薬歴管理などの役割を果たしてもらうのが大事でしょう。政府では、(薬剤師が地域患者の健康相談を実施する)「健康ナビステーション」の施策に予算がついていますし、その施策の中でセルフメディケーションを進める方針が出ています。自己採血検査の安全性の確保などについては、医師会と薬剤師会で連携していくつもりですが、チェーン展開しているような大手のドラッグストアは、連携しづらいのも現実です。

――6年制の薬剤師が出て、現場は変わりましたか。

 病院において、6年間で知識を深めた薬剤師の役割は大きくなりますし、少しずつ変わってきていると思います。私の地元の群馬県でも、病院の薬剤部が、どんどん病棟に出てきています。薬を配る役目を、看護師でなく薬剤師が担うようになれば、薬剤師本来の役割を果たせます。また、看護師は別の業務に専念できるようになります。

 癌の化学療法など専門性の高い分野でも、薬剤師から、薬の相互作用や副反応の詳細について適切な指摘をもらえればと期待しています。

――看護師の特定行為の研修が2015年10月に始まります。既に看護師だけでなく、准看護師や認定

 看護師などがいて、現場が混乱することはないのですか。

私の経験からいえば、認定看護師の制度ができた時、認定看護師が病院の中で「あなたは偉い人」といった特別な見方をされて、人間関係の構築が難しかった経験があります。ただ、否定的に捉えずに、優れた部分を共有できるように、看護部長や師長のマネジメントも大事だと思います。
 准看護師については、看護師不足の解消への期待があります。15年くらい前のカリキュラムの改正をきっかけに、准看護師の養成数が減ってきていますが、准看護師の養成数の減少がなければ、看護師不足が深刻にならなかった可能性があります。そもそも地域への定着率が高いのは准看護師ですから、養成所の補助金の優先順位の低下などの政策は、大いに改める余地があると思います。また、准看護師が、看護師2年課程の通信制に入学するための経験年数は、現状は10年になっていますが、「5年程度で良い」とする意見もありますので、准看護師のキャリア形成と併せて、検討していくべきと思います。



http://www.m3.com/news/iryoishin/304931
医療維新
順天堂大、さいたま市に800床の附属病院新設
2020年度予定、「医療過疎地域」への医師派遣機能も担う

レポート 2015年3月20日(金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 3月19日に開催された埼玉県医療審議会で、埼玉県さいたま市に2020年度開院予定で順天堂大学医学部附属病院を設置する計画が採択された。県の病院公募に同大学が応募していたもので、病床数は800床で、大学院と看護学部も併設する。医療過疎地域の県北部への医師派遣機能も期待されている。病院新設に伴い、「さいたま医療圏」の基準病床数を374床加算することも決まった。

 審議会は「構想段階の話であり、外部に公開することは適当でない」として非公開で行われた。県医療整備課によると、新病院の建設予定地は県東部に位置し、さいたま市緑、岩槻両区にまたがる埼玉高速鉄道・浦和美園駅から北へ1キロ程度の約7.3ヘクタール。現在はUR(都市再生機構)が整備を進めており、さいたま市が購入して、無償で大学側に貸与する方向で検討が進められている。

 病院建設費は「1床当たり5000万円」(県医療整備課)と言われており、 800床の同病院では概算で400億円。大学院の費用も含めると、さらに建設費がかさむことが見込まれる。行政の補助の在り方については、「現段階では未定」としているが、他県の病院整備では建設費用の半分程度を行政が負担した事例があることから、同様の補助も想定される。2018年3月までに着工し、2020年度の開院を目指す。

 医師、看護師を含む全スタッフは1400人規模となるが、大学側は「自前で養成した医師や、看護系学部を設置することで、地域に影響が出ないように配慮したい」と説明しているという。卒業後に埼玉県内で勤務することを条件とした地域枠(奨学金制度)を、順天堂大学医学部に設けることも計画されている。

 厚生労働省の調査では、埼玉県は人口10万人当たりの一般病床数は489床、医師数は148人でいずれも全国最低。特に県北部は「医療過疎地域」と呼ばれるなど、医師不足が深刻化している。医療整備課は「必要とする人材を派遣できるよう、大学側としっかり協議していくことになる」と説明している。

 県は長年、医学部新設を希望していたが、2013年に総合病院を誘致する方向に転換。2014年には病院整備計画を公募した。公募の条件には、(1)大学附属病院の整備である、(2)医学系大学院を併設する計画である、(3)県内の医師確保困難地域への医師派遣に積極的に協力する、(4)2018年3月までに着工する――の4点を挙げていた。

 順天堂大学と、看護単科大学の日本保健医療大学が応募したが、県内に順天堂大学越谷病院(越谷市)があることもあり、当初から水面下では順天堂大学と交渉が行われていた。建設予定地も、県が県有地で候補を示したが、大学側の希望で計画の場所に落ち着いたという。

 地域医療機関への影響について、審議会は「高齢化により医療需要の急増が見込まれており、影響はそれほど大きくないと思われる」と説明している。



http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/health/946268.html
岐阜大、医師を停職処分 4論文のデータ改ざん
(2015年3月20日午後8時29分) 福井新聞

 岐阜大は20日、医学部付属病院の40代の男性医師が発表した論文4本に画像データの改ざんを確認したと明らかにした。論文は既に取り下げられ、岐阜大は19日付で医師を停職6カ月の懲戒処分とした。
 岐阜大によると、医師は2002年7月~04年6月、細胞内の遺伝子の発現方法を解析するため、米国の大学に留学。04~10年に海外の科学誌に発表した研究成果を示す4本の論文で、遺伝子の動きを示す画像データ1枚を切り貼りし、計12枚の画像を改ざんしていた。
 岐阜大の調査の結果、研究成果の内容に影響はなかったという。論文の詳しい内容は明らかにしていない。



http://www.m3.com/news/iryoishin/305060
医療維新
シリーズ: 混迷する”医療事故調”の行方
「医療界の自発的な取り組みへの信頼が基本」
山本座長、医療事故調査制度検討会の取りまとめ受け会見

レポート 2015年3月20日(金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」が3月20日、「取りまとめ」を公表したのを受け、座長を務めた、一橋大学大学院法学研究科教授の山本和彦氏は、同省内で会見した。「取りまとめ」に至る苦労の一端を吐露するとともに、「院内調査を重視し、他方では、医療事故調査・支援センターによる仕組みも設けられている。こうした制度ができたことは、非常に大きな前進だと思う」と述べ、10月からスタートする本制度は、医療界の自発的な取り組みに信頼を置いてこそ成り立つものであるとし、医療界への期待を込めた(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。


 本検討会は、医療事故調査制度の省令や通知事項を検討するため、2014年11月に発足。「さまざまな立場の方に入ってもらい、さまざまな意見の相違があり、取りまとめが本当にできるのかと思ったこともあった。しかし、医療安全の確保と再発防止という、大局的な目的に向かって、できるだけいい制度を作ろうということで、構成員の意見がおおむね合意した」(山本座長)。

 検討会は、2月25日の第6回会議でも、院内調査の報告書を遺族に交付するか否かで意見の対立が見られ、議論は収束しなかった。その後、山本座長と厚労省が修正案を作成し、調整に当たり、院内調査の結果の遺族への説明は、「口頭または書面、もしくはその双方の適切な方法により行う」という表現で落ち着いた。「おおむね合意が得られた」と山本座長が語るように、全ての構成員が100%合意し、「取りまとめ」に至ったわけではない。「検討会で、一部の医療界の委員と遺族側の委員の意見に溝があることが露呈した。どうしたら、埋めていけるのか」との記者からの質問に、山本座長は次のように回答した。

 「今後の運用のカギは、院内調査がどのように行われ、それに遺族が十分に納得することになるのか、あるいはそうはならずに、相互の信頼関係が必ずしも形成されず、紛争になることが増えるのか、それにより制度の在り方が変わってくる。その意味では各医療機関が、支援組織を含めて、真摯に対応していくのか否かは、一つの大きなポイントだと思う。一定の例外的な事象はあるかもしれないが、全体としてはそうした方向に進んでいけば、今後の運用の中で溝が埋まるだろうと期待している。それは十分に可能ではないのか」

 同席した厚生労働大臣政務官の橋本岳氏は、検討会の議論を振り返り、「構成員が立場の違いを超えて、合意に至ったことは本当にありがたいことだと思っている」と述べ、10月の施行に向けて、厚労省としても医療事故調査・支援センターの指定、支援団体の告示と体制整備、医療機関や国民への普及啓発などの準備を進めていくとした。


 「論点になったのは三つ」と山本座長

 山本座長は、「取りまとめ」の中でも、「論点になったのは三つ」と説明。(1)医療機関が、医療事故調査・支援センターに報告する医療事故の定義、(2)院内調査結果の遺族への説明方法、(3)センターが行った調査の医療機関と遺族への報告――だ。

 (1)の「医療事故の定義」は、「医療従事者が提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産で、管理者が予期しなかったもの」だが、特に「予期しなかったもの」が議論になったと、山本座長は説明。救急患者など、事前に患者側に予期していることを説明するのが難しい場合が想定されているため、「何がこれに該当するのか、もう少し明確に書いてもらいたいとの意見があったが、医療の現場を考えると難しいとされた」と山本座長は述べ、「乱用的な事例があれば、紛争状態にならざるを得ない。それは医療機関が望むところではないと思う。医療機関への信頼が前提になっているため、運用を見守っていきたい。おかしな事態が生じれば新たに考える必要が生じるかもしれない」との考えを示した。

 (2)の説明方法については、「調査の目的・結果について、遺族が希望する方法で説明するよう努めなければならない」とされた。「議論の中では、遺族が望むのであれば、報告書を原則渡してほしい、という遺族側の希望があり、他方で必ずしも報告書を渡すことには合意できないという、医療者の一部の意見があった。義務ではないものの、遺族の希望になるべく沿う形で説明するよう努めることで取りまとめに至った」(山本座長)。

 (3)についても、山本座長は、「再発防止策を報告書に記載するかについて、さまざまな意見があった」と述べ、「最終的には記載することになったが、個人の責任追及にならないように注意し、当該医療機関の状況および管理者の意見を踏まえた上で記載する、という注記を加えることで合意を得た」と説明。

 山本座長は、特に(2)と(3)の点を踏まえ、「どのような制度になったのか」との質問に次のように語った。

 「私はこの制度の法律を作る段階から関与していた。(医療事故調査・支援)センターを作ることになったわけだが、その前に院内で事故調査を各医療機関が行う。医療機関のそれぞれの取り組みを非常に重視した制度になっている。医療界が医療の安全、再発防止について積極的に取り組んでいくという機運が、法律を作る前の段階から高まっていた。そこに取り組んでいくという強い考え方がこの制度を支えていると考えている。

 遺族への説明の仕方、センターの報告書に再発防止策を記載するかどうかという点だが、最終的な目標である医療の安全や再発防止を目指すべきことについては、構成員のコンセンサスがあったが、そこに至る道筋に若干の考え方の違いがあったというのが、私の認識だった。

 最終的にでき上がった取りまとめは、医療界の自発的な取り組みに信頼を置いている。こうした形でやっていただければ、恐らくは落ち着くべきところに、落ち着いて行くだろうという認識。遺族への説明についても、文書を渡すことは義務付けていないが、遺族が希望する方法で説明することになれば、各医療機関が個別の事案に応じて、おのずから適切な方法を考えるだろうという認識を前提にしている。また再発防止策についても、医療機関の状況や管理者の意見を踏まえながら、センターが適切なものを作っていくことになる。私としては、医療界の自発的取り組みに一定の信頼を置きながら、この制度を作った。それに応えるように、医療界としては動いていただけるだろうと考えている」



http://mainichi.jp/select/news/20150321k0000m040103000c.html
熊本大大学院:教授研究グループ論文9本に画像流用など
毎日新聞 2015年03月20日 21時12分

 熊本大と大阪市立大は20日、熊本大大学院生命科学研究部の光山勝慶教授(58)の研究グループが発表した心臓疾患の仕組みなどに関する論文9本に、画像流用などの捏造(ねつぞう)行為があったと発表した。

 光山教授が大阪市立大大学院医学研究科准教授などを務めていた1998〜2004年の7本と、04年に熊本大大学院に赴任してからの2本で、光山教授は大学院生らが書いた論文を責任著者として指導、チェックする立場だった。

 13年5月に外部から指摘があり、両大が調査したところ、マウスの心臓組織写真を加工したり、同一画像を複数回使用するなどの不正が見つかった。光山教授は「ケアレスミスだった」と意図的な不正を否定したが、両大は「合理的な説明が不十分」として不正と認定。熊本大は教授の処分を検討している。

 9本のうち2本には当時、大阪市立大大学院医学研究科の助手だった山中伸弥・京都大iPS細胞研究所教授が共著者として関わっていたが、両大は不正への関与はなかったと判断した。山中教授は「今回の事案に直接関与した事実はない」とのコメントを出した。【取違剛】



http://getnews.jp/archives/875043
大阪医科大と薬科大が合併=18年4月スタート目指す[時事]
DATE:2015.03.20 16:07 ガジェット通信

 私立の大阪医科大(大阪府高槻市)と大阪薬科大(同)が20日、合併することで合意したと発表した。今夏までに文部科学省に認可申請し、2018年4月に「大阪医科薬科大学」としてスタートすることを目指す。

 両大学はそれぞれ医学と薬学の単科大学で、少子化対策として、数年前から合併を前提に話し合いを進めてきたという。 

[時事通信社]


  1. 2015/03/21(土) 05:29:21|
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3月18日 

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=114790
法医解剖、地方の人手不足がさらに深刻
(2015年3月18日 読売新聞)

警察庁目標に遠く、若手育成が課題

 秋田県警が2014年に扱った明らかな病死や交通事故死などを除く「異状死」の遺体1564体のうち、法医解剖に回ったのは199体。すべて秋田大学の医師2人でこなしている。解剖率12・7%は全国平均を上回っているものの、警察庁が掲げる目標には遠い。4月からは、法医がいなくなる青森県の分も一部代行することになっており、人手不足はますます深刻だ。

 警察庁のまとめでは、14年に全国の警察が扱った異状死の遺体16万6353体のうち、解剖されたのは1万9392体で、平均の解剖率は11・7%。近年は犯罪の多様化で自殺か他殺かの判別が難しいケースが増え、解剖の必要性が高まっていることもあり、同庁の有識者研究会は11年4月の段階で全国平均を20%にする方針を打ち出している。

 東京23区や大阪市などには、専従の法医が解剖する「監察医制度」があるが、秋田県など制度のない地域では、大学の法医学講座の教授らが授業を持ちながら行う。法医は全国に154人(2013年度)しかおらず、東北6県では各県に1~4人。日本法医学会庶務委員長で和歌山県立医科大の近藤稔和教授は「外国の事例などを考えると、法医1人が行う解剖は年間50件くらいが理想」だが、遺体が見つかればすぐに対応しなければならない。

 青森県では、弘前大の准教授が今月末で退職するため法医が不在になり、後任が決まるまで解剖が必要な遺体は秋田大や岩手医科大で代行することになっている。青森県では09年11月~11年3月にも法医不在となり、秋田大ではこの間、約100件を代行した。

 一方、警察庁は犯罪死の見逃しを防ぐため、09年から法医学の専門教育を受けた検視官(警察官)を増員しており、遺体発見現場に立ち会う(臨場)機会も増えた。警察庁によると、増員前の08年に全国平均14・1%だった臨場率は14年には72・3%に上昇。秋田県警でも13年に検視官が4人から6人に増員され、10年の22・1%から14年は74・4%に急上昇した。

 ただ、検視官は主に遺体の外見や体温を観察して犯罪死かどうかを判断するため、例えば、薬物や毒物が投与されていたとしても外見に異常がなければ見落とすこともあり、解剖しなければ死因が判明しないケースがあるのも事実だ。

 秋田大の美作みまさか宗太郎教授は「解剖で死因がわかることで、事件や事故の予防策を示せる。勤務状況を改善して、人を救うだけでない医学の重要性を若い医師や医師を目指す人に伝えないと法医がいなくなる」と危機感を募らせている。

<法医解剖> 犯罪の疑いがある遺体の死因などを調べる司法解剖と、行き倒れなど犯罪性なしと判断された遺体について、伝染病予防といった公衆衛生上の目的、身元確認のために行う行政解剖がある。2013年に施行された死因・身元調査法で、死因の究明が特に必要な場合は「新法解剖」も可能になった。いずれも遺族の承諾は不要。行政解剖は東京、大阪など監察医制度のある地域で行われ、秋田県など制度のない地域で同様の解剖をする場合は遺族の承諾が必要(承諾解剖)。



http://www.sankei.com/affairs/news/150318/afr1503180042-n1.html
青森県で司法解剖一時休止 担当者が退任、後任着任は5月以降 
2015.3.18 19:11 産経ニュース

 青森県内でただ一人、司法解剖を担当してきた准教授が今月末で退任する弘前大学大学院(同県弘前市)が18日、医学研究科の教授会を開き、後任に埼玉医科大に勤める高橋識志氏(37)を充てる人事を内定した。着任は5月以降の見通しで、青森での司法解剖は一時、休止。捜査への影響が懸念される。

 退任するのは、法医学講座の阪本奈美子准教授(46)。昨年7月以降、1人で司法解剖を担ってきた。「負担は相当だった。大学側に昨春、転出の意向を伝えていた」と話す。

 弘前大は昨年12月に後任を募集したが応募がなく、他大学へ直接、働き掛けて後任を見つけた。弘前大の担当者は「今後は補助員の雇用も含めサポート体制を整えたい」と話す。

 青森県警は当面、秋田大や岩手医科大に司法解剖を依頼する方針。県警幹部は「捜査に支障がないよう努める」としている。



http://www.sankei.com/life/news/150318/lif1503180028-n1.html
医師試験8258人合格 合格率トップは浜松医大、自治医大、順天堂大医学部の3校
2015.3.18 19:18 産經新聞

 厚生労働省は18日、2月に実施した医師国家試験に8258人が合格したと発表した。9057人が受験し、合格率は昨年より0.6ポイント高い91.2%だった。

 女性の合格者は2603人で、31.5%を占めた。男女別の合格率は男性90.6%、女性92.6%だった。最高齢の合格者は60歳の男性。

 大学別の合格率は、浜松医大と自治医大、順天堂大医学部がいずれも99.1%で同率トップ。次いで千葉大医学部(99.0%)、横浜市立大医学部(97.6%)だった。



http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block00
第109回医師国家試験合格状況
テコム

第109回医師国家試験合格率

  第109回医師国家試験の合格率は 91.2 % でした。

第109回医師国家試験合格基準

  一般問題を1問1点,臨床実地問題を1問3点としたとき,

  [1]必修問題については,160点以上/200点
    但し,必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては,
    必修問題の得点について総点数の80%以上とする。
  [2]必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については,
    一般問題は,129点以上/200点
    臨床実地問題は,405点以上/600点
  [3]禁忌肢問題選択数は,3問以下

  採点除外等の取扱いとした問題が3問あります。

第109回医師国家試験合格状況

  学校別合格者状況(15/03/18 15:40掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block01

  回数別合格状況(15/03/18 15:30掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block02

  男女別合格者数等の推移(15/03/18 15:30掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block03

  卒業年次別受験者数・合格者数・合格率(15/03/18 15:30掲載)
  http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/109.asp#block04



http://www.m3.com/news/iryoishin/304274
医療維新
勤務医の過労自殺、上司の個人責任認めず
公立八鹿病院の控訴審、病院側が1億支払い

レポート 2015年3月18日(水)配信成相通子(m3.com編集部)

 公立八鹿病院(兵庫県養父市)に勤務していた整形外科医が長時間労働とパワーハラスメントで過労自殺したとして、整形外科医(当時34歳)の両親が、病院を運営する公立八鹿病院組合と上司の医師2人に対し計約1億7700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3月18日、広島高裁松江支部であった。塚本伊平裁判長は、長時間労働とパワハラを認定した上で、「亡くなった医師を含む職員は地方公務員で、(上司の業務も)公権力の行使に該当する」と指摘、病院組合と上司医師2人が連帯責任で約8000万円の損害賠償を支払うよう命じた一審判決(鳥取地裁)を変更し、上司の個人責任は認めなかった。

 また、損害賠償の金額は一審の約8000万円から約1億円に増額。病院組合に対して支払いを命じた。一審判決では、過労自殺したのが医師で、「一般人よりうつ病に対する知識があったのに、発症可能性を軽減する行動を自ら取っていなかった」として過失相殺を認め、賠償金額が減額されていた。控訴審では、過失相殺を認めなかった。

 控訴審判決によると、整形外科医は2005年4月に医師免許を取得。2007年4月に鳥取大学医学部整形外科教室に入局、同大整形外科で約半年の勤務後、同年10月に公立八鹿病院整形外科で勤務を始め、うつ病を発症。同年12月に病院宿舎で自殺した。月170時間以上の長時間労働の上、患者の前で頭を叩かれる暴行や、「田舎の病院だと思ってなめとるのか」「仕事ぶりが給料分に相当していない。両親に連絡する」といった叱責などのパワハラを受けていた。

 一審判決では、月170時間に及んだ時間外労働と、上司のパワーハラスメントを認定(『「過労自殺、上司のパワハラ認定」の訳 - 岩城穣・弁護士に聞く』を参照)した上で、病院の管理責任だけでなく、上司医師の個人責任を認めた。公立八鹿病院組合が運営する公立八鹿病院は、国家賠償法の対象となり、地方公務員だった当時の上司2人の個人責任は問えないのが原則だが、一審判決は「民営病院と異なる点はない」として民法の不法行為責任を認定。上司2人にも損害賠償の支払いを命じた。

 地方公務員災害補償基金(地公災基金)は2010年8月に同事案を公務労災と認定、約6278万円の遺族補償を支給した。自殺した医師の遺族の両親は、過重労働と上司のパワハラが自殺の原因だとして、病院と上司2人に対し慰謝料など約1億7700万円の損害賠償を求め、2010年12月に提訴。2014年5月26日の鳥取地裁判決(上杉英司裁判長)は、病院と上司2人の連帯責任を認め、約8000万円の支払いを命じた。

 一審判決(2014年5月)の8000万円の損害賠償の根拠は、過労自殺したのが医師で、一般の人と比べてうつ病やうつ病に対する対応の知識があったことなどで、過失相殺で2割を減額。さらに地公災基金の遺族補償を差し引いた。鳥取地裁の一審判決に対し、病院側は事実認定などについて広島高裁松江支部に控訴。遺族側も過失相殺の認定と損害賠償金額などをめぐって控訴した。

表 事案の概要
 2005年4月 医師免許取得、鳥取大学医学部付属病院臨床センターで研修医として勤務。
 2007年4月 同大学医学部整形外科教室に入局。同大整形外科で勤務。
 2007年10月 同大より公立八鹿病院に派遣される。同病院で勤務開始。
 2007年12月 うつ病を発症。自宅の病院宿舎で自殺。
 2008年2月 同病院が外部委員を含む調査委員会を設置。
 2008年6月 同調査委員会が「医師死亡事故に関する調査報告書」を作成。
 2008年11月 遺族が地公災基金に対し、公務災害の認定を請求。
 2010年8月 地公災基金が自殺を公務災害と認定。
 2010年12月 遺族が病院組合と上司医師2人を相手取り約1億7700万円の損害賠償を求め、鳥取地裁に提訴。
 2011年1月~2月 地公災基金が約6278万円の遺族補償を支給。
 2014年5月 鳥取地裁が病院組合と上司医師2人に対し連帯責任で約8000万円の支払いを命じる。
 2014年6月 病院側、遺族ともに鳥取地裁の一審判決について控訴。
 2015年3月 広島高裁松江支部で控訴審判決。



http://www.m3.com/news/iryoishin/304212
医療維新
シリーズ: ここがおかしい!ここが問題!医療界
理不尽なレセ審査、7割が経験、過去1年◆Vol.15
再審査で認められるのは3人に1人程度

医師調査 2015年3月18日(水)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q11 過去1年間で「理不尽なレセプト査定」の経験
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 診療所医師に対して、Q11以降で、レセプトの査定について聞いた(回答者256人)。Q11では、過去1年間で「理不尽なレセプト査定」(診療上の必要性があっても算定が認められない査定など)を経験したかを聞いた。

 結果、「経験した」が71.9%。「経験していない」と比較すると3倍以上となった。背景には、医学的必要性があるにも関わらず査定で問題となるケースや、同じ内容でも地域ごとに、査定内容が異なる事情などがあるとみられる。

「理不尽なレセプト査定」を受けた分野
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 前問で、「理不尽なレセプト査定を受けた」と回答した会員に対して、査定を受けた分野を複数選択が可能な方式で聞いた。最も多かったのは「投薬・注射」で49.6%。次いで「検査」で36.3%となった。適応の問題などが、病名からさかのぼって考えやすいだけに、査定が集中しがちになっているとみられる。

「理不尽なレセプト査定」への対応
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 理不尽なレセプト査定について、実際にどのような対応をしたかを聞いた質問では、最も多かったのは「再審査請求したが、認められなかった」が48.9%で約半数となった。「再審査請求して認められた」は23.9%。「理不尽な査定」と感じた場合、約7割の医師が再審査を請求するものの、実際に認められるのは、3人に1人程度という傾向となった。

 4.9%の「その他」では、再審査請求中の医師が多かったが、「再審を出しても認められることが少なく、ほとんどあきらめて再審は出さなくなった」との声もあった。

 

http://www.m3.com/news/iryoishin/304328
医療維新
シリーズ: 地域医療構想
機能別病床数の推計法が決まる、政府・専門調査会
療養病床の入院受療率は幅を持って目標設定

レポート 2015年3月18日(水)配信高橋直純(m3.com編集部)

 政府の社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下で、医療に関するデータ分析手法などを検討する「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」(会長:永井良三・自治医科大学学長)が3月17日に開催され、医療機能別病床数の推計方法が示された。2015年度から各都道府県で策定が始まる地域医療構想において、基礎的なデータとなる医療機能別病床数の必要量を算出するために使われる。

 病床数の推計に当たってはDCPデータと1年分のNDBのレセプトデータを活用し、人口の伸びを性・年齢階級別に反映させた。(1)病床の機能別分類、(2)高度急性期、急性期、回復期の医療需要、(3)慢性期および在宅医療の医療需要――を算出した上で、現状の病床稼働率で割り戻して、医療機能別の病床数の必要量を推計するとしている。

 病床数の機能別分類の境界点は「高度急性期」と「急性期」の区分は3000点、「急性期」と「回復期」の区分は600点、「回復期」と「在宅医療等」の区分は225点とすることが示された。退院調整等を行う期間も考慮し、175点以上で入院している人も回復期には含まれる。

 都道府県ごとにばらつきの大きい療養病床の入院受療率については、パターンA(全国最小レベル(県単位)まで入院受療率を低下する)とパターンB(全国最大レベル(同)の入院受療率を全国中央値レベル(同)にまで低下させる割合を用いて、2次医療圏ごとに全国最小との差を等比的に低下する)の2パターンを設け、その範囲内で目標を定めるとした。

 また、(1)2次医療圏の減少率がパターンBによる療養病床の減少率の全国中央値より大きい、(2)高齢者単身世帯割合が全国平均よりも大きい、という条件を満たす、――2次医療圏に限り、目標達成年次を2025年から2030年に遅らせることができるとする配慮も盛り込まれた(パターンC)。

 現在、厚生労働省の地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会で、2015年度より各都道府県が策定するためのガイドライン作りが進められているが、専門調査会は検討会と連携しながら推計方法を作成した。都道府県は専門調査会が示した推計方法を使って、2次医療圏ごとの病床数を盛り込んだ地域医療構想を策定することになる。

 一方で、専門調査会も1、2カ月以内をめどに、全国と都道府県ごとの病床数を算出するとしている。推計に使われる数値や算定式は同じだが、人口の流出入や療養病床の入院受療率の目標の置き方などで変わってくるため、内閣官房社会保障改革担当室は「各都道府県は専門調査会の数値を参考に使ってほしい」としている。

 専門調査会は、推計病床数の算出が終わったのち、第1次報告を出す方針。永井会長は会議後の記者会見で、「専門調査会は病床数、医療費適正化目標を考える場。第1次報告はベッド数の話で、終わったら医療費の議論に入っていく。最後は介護の話になる」と説明した。医療費については、外来や精神病棟の病床数などの検討も必要となるため時間がかかるとしているが、「少なくとも厚労省が進める医療費適正化計画の見直しに際して、専門調査会としてデータを使ってもらえるようにしたい」(内閣官房)としている。

 調査会は非公開で行われ、社会保障・税一体改革担当大臣の甘利明氏のあいさつのみが公開された。甘利氏は「医療情報の客観的なデータを活用した推計法。各都道府県は推計法で算定した病床数を盛り込んだ地域医療構想を策定し、その実現に向けてしっかりと取り組んでもらいたい。どの地域の患者も適切な医療を受けるとともに地域差の是正を含めた医療費の適正化を目指すことを期待している」と話した。



http://www.m3.com/news/iryoishin/304360
医療維新
シリーズ: 地域医療構想
地域医療構想策定ガイドライン、了承
3月中に省令・通知、4月から策定開始

レポート 2015年3月18日(水)配信橋本佳子(m3.com編集部)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)は、3月18日の第9回会議で、この4月からスタートする地域医療構想の策定ガイドライン案を、一部の文言等の修正の上、了承した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。厚労省は3月中に、地域医療構想策定ガイドラインなど、構想策定に必要な関係省令と通知を出す予定。この4月から、2025年の医療提供体制の構築に向けた地域医療構想の策定が各都道府県でスタートする。


 会議後に会見した厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「今夏くらいまでには、医療需要の推計ができる環境が整う。構想の策定時期は、都道府県によって相違があり、来年度(2015年度)から再来年度(2016年度)にかけて策定することになるだろう」と説明。地域医療構想は医療計画の一部であり、2018年度に第7次医療計画の策定時期を迎えるため、その議論の本格化に先立ち、構想策定を進めることになる。

 厚労省医政局長の二川一男氏は、検討会の最後に、「この4月からガイドラインに基づき、地域医療構想の策定が始まる。これは、地域の医療提供体制の在るべき姿を示す重要な課題。(各構想区域に設置する、関係者の協議の場である)地域医療構想調整会議も、構想ができてからではなく、早期に設置をして、議論を行うことが適当であるとされている。(各区域で設置して)より良い地域医療構想を策定してもらいたい」とあいさつ。本検討会は、病床機能報告制度や地域医療構想の実現状況を検証したり、ガイドラインの見直しなどのため、今後も継続する予定。

 「地域医療構想は医療費抑制のツール」にあらず
「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」は2014年9月に設置され、(1)高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つの病床機能ごとの、2025年の医療需要と必要病床数の推計、(2)地域医療構想の実現に向けた方策、(3)2014年10月からスタートした病床機能報告制度の公表の仕方――について議論してきた。これらを取りまとめた内容が、地域医療構想策定ガイドラインとなる。
 一番のポイントは、構想区域(原則、2次医療圏)ごとに行う、(1)の推計。従来、高度急性期や急性期などの病床機能は、入院日数を指標にイメージされることが多かった。これに対し、今回はレセプトデータ等から得られる「医療資源投入量」に着目、その投入量に応じて病床機能を区分したのが特徴だ。北波課長は会議の会見で、「344の2次医療圏における人口構成は、今後、10年で変わってくる。それに伴う医療需要の変化に見合った地域の医療提供体制を構築するのが、(地域医療構想の)狙い」と説明。

 ただし、北波課長は、「医療費をいくら投入するかは別のフェーズ」とし、医療費抑制の論議とは切り離して、2025年の医療需要などを検討したと説明。地域医療構想の策定が、急性期病床等の削減、ひいては医療費の抑制につながると見る向きもあるが、北波課長は、医療費は診療報酬の設定次第で左右されることもあり、「今回の検討会の結論をもって、医療費の抑制につながるとは言えない」とした。地域医療構想の実現に向けて、2014年度から地域医療介護総合確保基金という、診療報酬とは別のスキームが創設されていることからも、医療費抑制の論議とは次元が異なるという。

 第9回会議でも、日本医師会副会長の中川俊男氏が、本ガイドライン案について、「全国の関係者の納得にかなり近い。(検討会の議論の)当初は、2025年に向けて病床削減が進められ、大変だとの声があったが、今は地域医療構想は、地域に不足している病床を手当てする仕組みという理解になっている」と発言しており、「地域医療構想は医療費抑制のツール」とは今のところ言えない。また中川氏は「各医療機関が、自らの構想区域の医療資源を把握しながら、行く末を考えることができる画期的なものになる」と評価する発言もしている。


 境界点は「3000点」「600点」「225点」
 地域医療構想策定ガイドライン案は、前回の第8回会議でほぼ固まっていた(『「高度急性期」「急性期」、3000点で区分』を参照)。第8回会議の案からの主な追加点は二つ。

 一つは、病床の機能別分類の境界となる点数が明示された点だ。「高度急性期」と「急性期」は3000点、「急性期」と「回復期」は600点。「回復期」と「慢性期」は225点だが、さらに在宅復帰に向けて退院調整等を行う期間の医療需要を見込み、175点で推計する。いずれも患者1人1日当たりの出来高換算した診療報酬の点数だ(入院基本料相当とリハビリテーション料の一部を除く)。

 注意したいのは、これらの境界点は、構想区域全体で、マクロな視点で医療需要を推計するための点数であるという点だ。境界点が、個別の医療機関が、自らの病床機能を選択する基準に直ちになるものではない。

 入院受療率の削減に配慮
 もう一つは、療養病床の入院受療率の目標について特例が設けられた点。

 療養病床は、主に「慢性期」の機能を担っているが、その入院受療率は地域による差が大きい。在宅医療への移行を見込み、入院受療率の地域差を解消することも、地域医療構想の狙いの一つ。都道府県は、「パターンA」(全ての構想区域が、全国最小値まで入院受療率が低下)から、「パターンB」(構想区域ごとに、入院受療率と全国最小値との差を一定割合解消させるが、その割合は全国最大値が全国中央値にまで低下する割合を一律に用いる)の範囲内で定める。

 しかし、より緩やかな「パターンB」であっても、退院患者の受け皿整備の遅れなどから達成が難しい都道府県があることが想定されるため、一部の構想区域では「目標の達成年次を2025年ではなく、2030年とすることができる」というルールが追加された。対象となるのは、(1)「パターンB」で入院受療率の目標を定めた場合における当該構想区域の慢性期病床の減少率が全国中央値よりも大きい、(2)当該構想区域の高齢者単身世帯割合が全国平均よりも大きい――という条件をいずれも満たす構想区域だ。2025年の目標は、2030年の目標から逆算して設定する。

 さらに、いったん入院受療率の目標を定めた場合でも、その達成が、在宅医療の充実が大幅に遅れるなど「特別な事情により著しく困難」と厚生労働大臣が判断した場合には、目標を変更できるルールも追加された。

 北波課長は会議後の会見で、療養病床の入院受療率の格差が、最も高い高知県と低い長野県では約5倍の差があることから、大幅な低下を迫られる県などから配慮を求める声が上がったとし、「(入院受療率の低下という)原理原則は変えないが、一定の緩和はできないかということで、配慮をすることにした」と説明。

 日医の中川氏は、地域医療構想は地域の実情に応じて策定していくのが基本であると念を押し、在宅医療の整備が非常に遅れる場合などに、入院受療率の目標の見直しが可能な仕組みになっていることを評価。また、慢性期医療を担う機能として、療養病床と在宅医療のどちらが優位の構想を策定するかは、各地域の判断に委ねられるべきとした。

 ただし、連合総合政策局長の花井圭子氏からは、地域医療構想は2025年をターゲットにしているにもかかわらず、「2030年」という時期が出てきたことについて疑義も呈せられた。目標変更できるルールも厳密に対応すべきとした。北波氏は、「基本的には、地域医療構想に記載する必要病床数は2025年の値。ただし、その設定方法の考え方において、バリエーションがあるということ。目標としての考え方は同じであっても、少し到達年次を調整することによって地域の事情に配慮したい」と説明し、理解を求めた。2025年は10年後であり、さらに10年延ばすのは長いことから、15年後に当たる「2030年」を選んだという。

 「協議の場」、病院代表も議長候補に
 第9回会議で議論になった一つが、地域医療構想の実現に向け、関係者の協議の場として、各構想区域に設置される地域医療構想調整会議の議長の在り方だ。ガイドライン案では、「都道府県の関係機関、医師会の代表」となっている。これに対し、日本医療法人協会会長代行の加納繁照氏は、「(病床機能の在り方を議論する場であるため)当事者である病院団体の代表をぜひとも入れてもらいたい」と求めた。他の病院団体の構成員からも同様の意見が出た。

 これに対し、中川氏は、「議長は、あえて病院団体を含めずに、医師会としている。病院団体とすると、当事者すぎる。行司役である議長には、医師会の代表、あるいは行政が適任ではないか」と述べ、都道府県の医療審議会でも「診療に関する学識経験者」として医師会が入ってきた経緯も紹介。

 そのほか、日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、「慢性期については、当初から見ると、ある程度評価してもらってありがたい」と発言をした上で、いまだになお、「回復期」のイメージが分からないと指摘した。「ポストアキュートも含むのか、回復期リハビリ病棟だけなのか」などと問いかけ、4年前の社会保障・税一体改革の議論で出ていた病床機能と、今回の議論との整合性を質した。

 北波課長は、「一体改革の議論と、今回の病床機能報告制度は直接的には関係なく、別の議論」とし、回復期は、同制度において、「急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリを提供する機能」と定義されていると説明。2014年度診療報酬改定で新設された「地域包括ケア病棟」はどこに入るのか、との武久氏の質問に、北波課長は、「今回の医療需要は、どんな病期にあるかを見て決めている。地域包括ケア病棟でどんな患者を診ているかにもよるので、今、この点について答えられない」と答えた。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1503/1503047.html
「加算とれる状況ではない」が4分の3―新「休日・時間外・深夜加算」
日本胸部外科学会調査

[2015年3月18日] MT Pro / Medical Tribune

 2014年度の診療報酬改定で,「医療従事者の負担軽減」への取り組みの1つとして,手術および一部処置の「休日・時間外・深夜加算」の見直しが図られた。施設基準を満たし,届け出を行った施設ではこれまでの2倍,すなわち休日,深夜で160%,時間外で80%の加算(以下,新加算)となる。外科医の労働環境改善と手術の安全性向上に結び付く改定と評価する意見がある一方,施設基準が厳し過ぎるとの声も聞かれる。日本胸部外科学会が胸部外科3領域の施設を対象に行ったアンケートでは,「加算がとれる状況ではない」と回答した施設が約4分の3を占めた。特に「予定手術前の当直免除」という施設基準の達成が難しいようだ。昨日(3月17日)東京で開かれた外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の記者懇談会で,日本胸部外科学会診療問題委員長の荒井裕国氏(東京医科歯科大学心臓血管外科教授)が報告した(関連記事)。

予定手術前の当直免除などが条件

 新加算を得るには,少なくとも次の(1)~(3)を全て満たしていなければならない。

(1)予定手術前の当直(緊急呼び出し当番含む)の免除を実施(術者,第1助手のみ対象)

(2)①交代勤務制(常勤の医師3人以上,夜勤の翌日の日勤は休日,日勤と夜勤を連続させる場合は休憩を置く)②チーム制(医師5人ごとに1人の緊急呼び出し当番を置き,休日・時間外・深夜の対応を一元化し,緊急呼び出し当番の翌日は休日)③時間外・休日・深夜の手術や1,000点以上の処置の実施に関わる医師(術者または第1助手)の手当支給−という3制度のいずれかを実施(診療科ごとに異なってもよい)

(3)採血,静脈注射および留置針によるルート確保を原則として医師以外が実施(新生児除く)

 なお,(1)の予定手術前の当直などの免除は,年間12日までは実施していなくてもよいとされた。つまり,当直などの日数は年間12日以内と規定されたわけだが,これは診療科単位ではなく,新加算の届け出を行った診療科全体の合計であることに注意する必要がある。

70%が施設基準「緩和してほしい」

 こうした新加算の施設基準に,外科施設はどこまで対応できているのか-。日本胸部外科学会は2014年9月に,新加算に関するアンケートを実施した。全国の胸部外科3領域(心臓血管外科,呼吸器外科,食道外科)1,499施設に調査票を送付。931施設(62%)から得られた回答を分析した。

 荒井氏によると,質問は主に3つ。まず,加算の状況を聞いたところ,胸部外科3領域の全施設で「加算がとれている」施設はわずか17%。74%は「加算がとれる状況ではない」と回答した。大学病院と一般病院に分けて見ると,一般病院の回答は3領域全施設の回答とほぼ同等。大学病院では「加算がとれる状況ではない」施設が66%とやや減ったが,「加算がとれている」はやはり14%と少なかった。「加算がとれる状況にあるがいまだとっていない」大学病院は19%とやや多かった(図1上)。増収は見込めても,各専門領域の手術レベルを維持できないという大学病院が少なくないようだ。

 次に,施設基準に対する印象を聞くと,3領域の全施設で「妥当」は27%。70%が「緩和してほしい」と回答した。「緩和してほしい」とした施設の割合は,大学病院では63%とやや減ったが,一般病院では72%とわずかながら増えた(図1下)。
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 さらに,「加算がとれる状況ではない」と回答した施設に,施設基準を満たさない項目を聞いた。「予定手術前の当直免除」「交代勤務制」「チーム制」を掲げた施設はいずれも約80%に上った。「緊急手術手当の支給」は50%台(図2)。手当支給により上記(2)の項目をなんとかクリアしている施設が多いことがうかがえる。領域別では,食道外科施設において「予定手術前の当直免除」がネックとなっている大学病院が96%にも及び,スタッフの確保がより厳しい状況にあることが推察された。
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国立病院の支給手当は1,000円

 施設基準に対する要望についても聞くと,「予定手術前の当直免除」に関しては,「診療科全体での年12回の免除を,回数を増やすか,医師当たりにしてほしい」「対象から第1助手を外して術者のみにしてほしい」などの意見が見られた。

 交代勤務制やチーム制に関しては,「人員不足のため,夜勤・緊急呼び出しの翌日を完全に休日にすることは,手術だけでなく外来業務などにも支障が生じるために実施できない」という反応が多かった。その対応策として,夜勤・緊急呼び出しの翌日は「外来業務なら認める」「術者および第1助手以外であれば手術参加を認める」「休みは半日でも可とする」などの代案が示された。

 手当支給に関しては,支給額の基準がないため,施設によって大幅な差が生じている。東京大学病院は3万円だが,国立病院では現在1,000円。手当の多寡は,施設基準要件には関係しないことから,わずかな手当であっても基準をクリアできてしまう。「施設基準が形骸化し,必ずしも医師のインセンティブ向上につながらない可能性がある」など,問題を指摘する声が目立った。手当支給の対象が術者,第1助手に限られている点を疑問視する意見も聞かれた。

加算額の何%支給と規定できれば

 アンケート結果を踏まえ,荒井氏は「今回の加算基準は,医師数が多く,重症例の少ない診療科にとっては有利だが,少ない医師数で地域医療を支えている地方の第一線病院では,主にマンパワーの制約から導入が厳しく,特に胸部外科領域で影響が強く出ており,約7割の施設が施設基準の緩和を要望している」と指摘する。一方で「現状の容認に基づく施設基準の緩和は,病院の増収はもたらすが,現場の労働環境の悪化を招きかねない」とも。2016年度の改定に向け「細目の精緻化,手当配分の適正化,例外規定の設定など,より現実的な視点で施設基準の見直しが必要」と訴えた。

 具体的には「当直などの日数が年間12日以内という規定をせめて診療科単位にする,夜勤・緊急呼び出しの翌日は完全休日としている点を外来業務は認める,あるいは午前中勤務で午後休みにするなど,施設基準細目の修正を求めていきたい」。手当に関しては「加算の何%を支給するなど,一定のガイドラインを厚労省でつくってもらえたら」とした。

 外科医の過重労働は改善しなければならない。しかし,人員不足の現状の中で,加算をとれずに取り残されてしまう可能性も考えなければならない。特に地方の一般病院などでは難しい判断に迫られそうだ。

(高橋 義彦)



http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001.html
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書をとりまとめました
経済産業省

本件の概要

経済産業省は、今年1月から「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」を開催し、このたび報告書をとりまとめました。
当報告書では、高齢化や人口減少が更に進行する2040年まで見据えた将来の医療需要を地域ごとに推計した上で、現状の医療提供体制と併せ考えることにより、地域ごとの医療の需給ギャップを可視化し、それを基とした医療保険者や企業による地域医療のあり方への提言の方策を整理しています。

1.背景

今後、我が国の人口動態の変化に伴い、医療の需給ギャップが拡大していく見通しの中で、地域医療体制の検討が重要な課題となっています。
こうした中、医療介護総合確保推進法が制定され、平成27年4月より、都道府県が地域医療構想等を策定するにあたり、健康保険組合等で構成される保険者協議会の意見を聴くことが義務づけられました。
そのため、医療保険者としても、こうした地域医療の意思決定プロセスに貢献することが求められています。また、企業としても、従業員等の健康維持や社会保険料負担のあり方は重要な課題となっており、主体的に取り組む必要が認識されています。

2.報告書の要旨

報告書では、高齢化や人口減少が更に進行する2040年まで見据えた医療需要の推計や現状の医療提供体制に関する考え方を整理した上で、医療保険者と企業が連携して行う、医療提供体制及び医療需要の適正化についての提言の方策について検討を行っています。
医療保険者と企業が将来の地域医療への貢献に向けて、自らの保有するデータ等の根拠に基づき、地域医療の将来の姿を構想し、都道府県や他の医療保険者と認識を共有した上で、その実現に向けて具体的な方策の提言を行うなど、主体的な取り組みを行っていくことが期待されます。

担当   経済産業政策局産業構造課

公表日  平成27年3月18日(水)

発表資料
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書をとりまとめました(PDF形式:108KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書(PDF形式:2,257KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(全国-群馬県)(PDF形式:1,952KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(埼玉県-三重県)(PDF形式:2,393KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(滋賀県-高知県)(PDF形式:2,171KB)PDFファイル
「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」~医療需要の将来推計と提供体制~(PDF形式:1,320KB)PDFファイル



http://news.livedoor.com/article/detail/9901070/
なぜ、生活保護者の医療費は2.6倍なのか
2015年3月18日 9時15分 プレジデントオンライン

1人当たり年79万円の医療費!
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■軽い風邪でも診察を受ける
1兆6759億円。

これは、2012年度のわが国の生活保護費のうち医療扶助として支出された金額である。人口約620万の千葉県の総予算が約1兆7000億円で、それに匹敵する額が生活保護受給者の医療費に使われている。

わが国で生活保護を受けている実人員は月平均で約213万人。その中の8割が医療扶助を受けており、その費用は、生活保護費全体の46.5%を占めている。

医療扶助は、福祉事務所から発行される医療券を持参して医療機関に行けば、自己負担なしで受診できる制度で、いわば「タダ」で医者に診てもらうことができる制度である。

ある薬局関係者は、「軽い風邪のときは、市販の風邪薬を飲む人が多いと思いますが、生活保護の人は薬局で市販薬を買うと自腹(生活扶助費から支出)ですが、病院に行けばタダ(医療扶助)で風邪薬をもらえるんですよ」と語る。

生活保護受給者1人当たりの医療費(年間約79万円)は、一般国民(約30万円)と比較して2.6倍超と高い。もともと生活保護は病気や高齢などで働くことができない人も対象にしているため、医療費が高くなるのは当然といえるが、人間の心理として「無料」ならば少し調子が悪いだけでも「病院に行こう」と思うのが自然である。

逆に、生活保護受給者の生活水準に達していない多くの国民年金生活者が、病気なのにお金がかかる病院へは行けない実態は深刻さを増している。

そうした中、厚生労働省は医療扶助の適正化を進めようと各種の取り組みを進めている。

その1つが、ジェネリック(後発医薬品)の使用促進。生活保護法改正により13年度からジェネリックの使用が原則化された。14年の数値では、医療全体でのジェネリックの数量シェアが54.5%であるのに対して、医療扶助が61%であり、生活保護での活用が示されている。

ただ、現場の実態としては、まだまだ課題が残されているようである。東京都板橋区の板橋福祉事務所の話によると、ジェネリックそのものを知らない人が多く、その説明に努めているとのこと。同福祉事務所援護係長の野島浩司氏は、「精神疾患の方で手もとにいっぱい薬がないと安心できないという方もいます」と現場の一端を明かす。

ほかにも、複数の病院を受診して薬をもらう「重複受診」や「重複処方」、必要以上に病院へ通う「頻回受診」などの問題もある。中には、向精神薬を複数の病院から入手して転売するといった悪質な事例も見られた。

こうした問題を発見して解決するために、電子レセプトによる点検の強化もなされている。レセプトとは、医療機関が診療の報酬を国民健康保険や社会保険の保険者へ請求する明細書のことであるが、生活保護では福祉事務所に送る明細書のことを指す。

かつては紙のレセプトを職員が手作業で点検して問題がないか確認していたが、11年度より全国の自治体で電子化が図られ、専用ソフトで効率的に点検ができるようになった。今では、電子レセプトにより転売などの悪質な事例はほぼなくなったという。

また、精神科で睡眠薬をもらった受給者が、ほかに眼科や整形外科などに通院し、そこでも睡眠薬をもらってしまうといった悪意のない重複処方も簡単に発見できるようになったという。

医療扶助の適正化は、ともすると必要な医療すら抑制される恐れがある。生活保護制度本来の目的である「受給者の自立」のためにも、健康を回復させ生活保護費を減らすことにつなげたいところだ。

14年9月より厚労省は、「生活保護受給者の健康管理の在り方に関する研究会」を立ち上げ、具体的な検討を進めている。15年4月には各自治体に通知を出す予定だ。

生活保護から自立した生活に戻ることができるのは、受給後半年ぐらいまでの人が多い。病気などで受給せざるをえない人は、早期に健康を回復させることが重要である。受給者の健康回復や増進は、生活保護を考えるうえで忘れてはならない視点といえよう。

(ジャーナリスト 高沢一基 図版作成=ライヴアート)



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/156800
論文不正行為なし ネット指摘の7本、九大が結論
2015年03月18日(最終更新 2015年03月19日 01時27分)=西日本新聞朝刊=

 九州大の研究者3人の論文7本がインターネット上で不正を指摘された問題で、九大は18日、学内で調査した結果、「故意ではない作図ミスなどの誤りがあった」とし、不正行為はなかったと結論づけた。
 論文の責任著者は生体防御医学研究所の教授2人と医学研究院の教授1人で、1999~2007年に発表された。調査では、関係者へのヒアリング、実験データの確認、再現実験を実施。その結果、7本のうち4本と、新たに関連の論文1本に誤記や画像の取り違えなどがあった。他の3本は実験データが処分されていたが、実験ノートの確認や再現実験により、科学的な正当性が確認できたとしている。
 ネット上では、東京大、大阪大などの研究者の科学論文84本について、不正があると指摘されていた。



http://mainichi.jp/select/news/20150319k0000m040025000c.html
九州大:論文5本に画像取り違えミス「不正行為なかった」
毎日新聞 2015年03月18日 19時08分

 国内の複数の研究者が発表した科学論文約80本に画像の切り張りなど不正の疑いが指摘された問題で、九州大は18日、九大関連の論文8本のうち5本で画像の取り違えなどのミスがあったが「不正行為はなかった」との調査結果を発表した。

 調査対象は、生体防御医学研究所の教授2人と大学院医学研究院の教授1人の論文計8本。8本中5本については、画像の取り違えや臓器名の誤記などの作図ミスがあった。しかし、故意ではなく、実験結果は科学的に正しかったと結論づけた。既に科学誌に正しい図の掲載を依頼したという。

 残る3本については研究所の移転で元データが処分されたものもあったが、実験ノートや第三者の検証によって正しさを証明したという。【川上珠実】



http://mainichi.jp/shimen/news/20150319ddm005010087000c.html
地域医療構想:策定へ 都道府県、医療費格差是正図る
毎日新聞 2015年03月19日 東京朝刊

 各都道府県は4月、高齢化が進む2025年の医療需要を把握して効率的な医療を提供するため、「地域医療構想」の策定に着手する。軽症患者が医療費がかさむ重症向けベッドに入院するケースの解消や、在宅医療の推進、医療費の都道府県格差是正などを図る。

 今国会に提出された医療保険制度改革関連法案は、18年度から都道府県が国民健康保険の運営主体(現在は市町村)になると定めている。

 都道府県は4月以降、高齢化率や患者の傾向を踏まえ、25年時点で必要になる入院ベッド数などを絞り込む。25年には団塊の世代が全員75歳以上になり、その時点の想定より現状のベッド数が過剰なら削減を促す。

 1人当たりの医療費(12年度)は都道府県格差が大きい。最高の高知(62・5万円)は最低の千葉(40・1万円)の1・6倍。1人当たり医療費が高い地域は人口10万人当たりの入院ベッド数も多い傾向にあり、最多の高知は最少の神奈川の3倍だ。
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 そこで厚生労働省は18日、都道府県による構想策定の指針をまとめた。療養病床(高齢者向けの長期入院施設)に入院している人の割合(入院率)を設定する際、「13年時点の最も低い県」に合わせることなどを求めた。

 都道府県は、医療機関からどういう症状の患者向けにベッドを整備するか報告を受け、病状に応じてベッドを再編する。数が過剰な場合は病院に削減を要請するなど強い権限を持つようになる。

 現在約39兆円の医療費は、25年には約54兆円に膨らむと想定されており、厚労省は在宅を中心に医療と介護、福祉を一体化した地域包括ケアシステムを進める。ただ、重症患者向けのベッド数を減らし、患者を軽症向けのベッドや在宅に誘導する方針は道半ば。「ベッド削減ありき」で進めれば、行き場を失う患者が相次ぐ可能性がある。【中島和哉】


  1. 2015/03/19(木) 05:56:43|
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3月6日 

http://www.huffingtonpost.jp/yusuke-tanoue/hospital-in-the-disaster-area_b_6806152.html
ブログ ハフポスト
震災後、本吉病院で当直して

田上佑輔
やまと在宅診療所院長・coFFee doctors編集長
投稿日: 2015年03月06日 18時37分 JST 更新: 2015年03月06日 18時37分 JST ハフィントンポスト

今は宮城県気仙沼本吉から車で30分程度の登米市佐沼で診療所を開業しているが、震災後本吉病院にも少し関わった。当直に行った際のメモと共に改めて。

2011年9月10、11日、宮城県気仙沼本吉町、気仙沼市立病院にて医療支援病院日当直をやってきました。

本吉病院は、気仙沼で津波に飲み込まれ、その後、院長先生が突然辞職した病院で有名だと思いますが、それからの半年を踏まえここに記録を残します。今はすでに掃除されある程度キレイになりましたが震災前、2階建の病院は、1階は外来で、2階は寝たきりの慢性患者が入院していました。

3月11日地震とともに、病院全体が大きく揺れ40分後に、津波が来ました。"ここまで来ないと思っていた"病院に所属する看護師は全部で16人、それぞれが地震後、家族の安否を確認しすぐに病院に向おうとしたそうです。道路は崩れ、車は流され歩いて辿りついた方もいます。私が看護師さんに当時を振り返ってもらい"なぜ、そのような状況で家族から離れ病院に行ったの?"と聞くと"その時の勤務の同僚が帰れないだろうと心配になり、入院患者が気になった、震災時には病院に集まることになっている"と当たり前のように話されました。病院に行けない看護師たちの中には献身的に避難所で医療活動をした人もいます。病院にたどり着いた所で、当日勤務の未だ自宅に帰っていない看護師さんと交代。1階は津波が押し寄せ、カルテから全てが水に浸かり、ライフラインは休止、ナースコールもないため入院患者のベットの下で看護師達は寒い中、ダウンに包まり床の上で夜を過ごす。点滴も経管栄養も残り僅か、先行きの見えない状況で患者には半量にして投与"少しの間、我慢してね"看護師さん達の食事さえもほとんど無かったそうです。"もう限界だ"と思った震災3日後、物資を持って医療支援チームが病院に到着しました。"田舎の小さな病院で全てに見放されたと思っていたが、本当に感謝した"。幸い一人も亡くならずに10日後に全ての入院患者が内陸の病院に転院していきました。院長先生がいなくなったのも患者が転院し終わったころでした。ネット、ニュースでは院長先生が病院を見捨てていったと散々書かれていましたが、実際は話を聞くと心苦しくなります。

院長先生は10年以上本吉病院に勤めていました。出身は関西の方で、不幸なことに阪神大震災、その後北海道に赴任してそこでも震災を経験され、今回になったそうです。地震後に自宅に荷物を取りに帰った奥さんを止めに戻った所で、津波に飲まれ、首まで水に漬り命からがら病院の2階に避難。その後も不眠、不休にて病院を守り入院患者がいなくなった所で、心配した家族から『もう関西に戻って来てほしい』と言われ、ある朝辞表だけ残していなくなったとのことでした。院長先生は、居なくなる意味を理解して、誰にも何も言えず居なくなったのではないかと思います、挨拶くらいしていけばいいとは言えますが、それは誰にも責められないのではないでしょうか。

その後、急性期医療支援が全国から集まり、地元の病院として、被災された患者達の医療を支えてきました。半年経つと医療支援の数も減ってきたそうです。日直していた9月11日14時46分、町全体にサイレンの音がなり、黙祷。私たちは、医師として被災地、東北の病院で自分ができる支援をしていこうと思っています。

登米市で在宅診療所を始め、地域との関わりもますます深くなった。復興、震災後すぐに集まってきた時以上にこれからは、地方地域を支える医師や様々な仲間が必要だ。関わり方は各々でいい。今の時代だからこそITを使ってアイディアを残してくれてもいい。短期間でも長期的に関わりを持っていくことが、これからの地方には必要だ。






http://www.sankei.com/region/news/150307/rgn1503070055-n1.html
群大病院8人死亡 「執刀医は相当下手」専門医示唆 腹腔鏡に精通せず?
2015.3.7 07:06 産経ニュース

 「執刀医は相当下手」「血の海の中で手術をしているような状態」-。群馬大病院で肝臓の腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題で、都内の腹腔鏡手術専門医は、8人の手術を執刀した医師の技量をこう評価したという。病院の最終報告書に対し6日に不満を示した弁護団が明らかにした。弁護団に調査を依頼した2遺族は刑事告訴も辞さない構えで、「実験台にされたのではないか」との疑念の声まで上がっている。

 弁護団によると、専門医は都内の大学病院に勤務し、執刀医と同じ消化器外科を担当。今回の弁護団の調査に協力し、執刀医の手術時の映像を見た上で、「術野が出血で汚染されており、止血操作も悪い。手技はかなり稚拙」と話し、執刀医が腹腔鏡の手技に精通していない可能性を示唆したという。

 また、肝臓が手術に耐えられるかなどを調べる術前評価の一つ、肝臓の容量計算が死亡事例全てで行われていなかった点について、「医師100人に聞けば100人、(容量計算を)しないことはあり得ないと答える」と話した。

 弁護団に調査を依頼した2遺族のうちの1人の事例では、手術の同意書に「腹腔鏡」の記載すらなく、遺族らは執刀医から「今手術をしないと後はないよ、死んでしまうよ」「すごく簡単な手術だから大丈夫」などと説明を受けたという。

 弁護団は、腹腔鏡手術後に8人が死亡した問題について病院が最終報告書を出した点を「拙速で不適切」と批判。遺族らは「群大だということで先生を信じていた。今回のような思いはしたくなかった」「執刀医の言葉があまりにもなさ過ぎる」と怒りのコメントを出している。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015030702000139.html
「悪質、調査も不十分」 群馬大病院 遺族が告訴検討へ
2015年3月7日  東京新聞

 群馬大病院で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者八人が死亡した問題で、うち二遺族の依頼を受けた被害対策弁護団が六日、前橋市内で記者会見し「医師の刑事、行政処分も考慮すべき重大かつ悪質な医療過誤で、病院の最終報告は不十分」と不満を表明した。遺族と弁護団は医師の告訴や告発を今後検討するとしている。時期などは現時点では未定という。
 弁護団によると、依頼したのは八十代の男性患者と七十代の女性患者の遺族。執刀医は手術前、女性患者と家族に「すごく簡単な手術だから大丈夫」と説明、同意書には「腹腔鏡手術」という記載はなかった。女性は術後約一カ月で死亡。遺族は弁護団を通じ「信頼して命を預けた。同じような犠牲者が出ないようにしてほしい」とコメントした。
 八人の手術は第二外科の同一医師が執刀。弁護団は、執刀医が術前に必要な検査をしなかったのは「違法性が極めて高い行為」とした。カルテへの診療記録の記入もほとんどなく「医師法違反や業務上過失致死罪も考えられる」と指摘した。
 開腹手術後に死亡した患者一人の病気が当初の診断の胆管細胞がんではなく、良性のできものと判明したのに、執刀医が生命保険の診断書にがんと記載したのは「虚偽有印公文書作成罪に該当しうる」と述べた。
 弁護団は開示されたカルテなどから独自の調査を進めており、手術を録画した映像を外部の専門医に見せたところ、止血やはく離の操作に問題があり「(執刀医の)手技はかなり稚拙」との評価だったという。



http://apital.asahi.com/article/shinsai/2015022400038.html
読者参加企画「わたしも言いたい!」
被災地からのメッセージ
循環型診療体制、構築へ

仙台市 東北大学病院教授  石井正さん【震災4年】 
2015年3月 7日 朝日新聞

「災害医療といっても実際はへき地医療に切り替わっている」(石巻赤十字病院の石井正医師(当時、現在は東北大教授)、2011年8月30日付「医師不足、現実あらわ 津波で医療施設が流れた沿岸部」)

東日本大震災で多数の死傷者を出した宮城県石巻市。そこで災害医療コーディネーターとして、各地から集まる医療従事者も含めて医療救護活動を調整したのが、石巻赤十字病院の石井正医師だった。2013年1月、東北大学病院が総合地域医療教育支援部を立ち上げた際、担当教授として迎えられた。被災地の医療機関へ医師らをローテーションで送り出す取り組みや、総合診療医の育成といったキャリア支援などを担う。石井教授に、今とこれからについて寄稿してもらいました。
アピタル編集部

■宮城県仙台市
 東北大学病院総合地域医療教育支援部教授
 石井正さんからのメッセージ

いしい・ただし

東北大学病院総合地域医療教育支援部教授(消化器外科、災害医療)。宮城県災害医療コーディネーター。石巻赤十字病院病院長特別補佐。日本DMAT・統括DMAT。東北大学医学部卒。2002年から、石巻赤十字病院第一外科部長。2012年10月から東北大病院教授。

東日本大震災が発災してから、もうすぐ4年が過ぎようとしている。当時、震災の最大の被災地となった石巻市の石巻赤十字病院の外科医者だった自分は、たまたま宮城県災害医療コーディネーターでもあったため、成り行きで石巻の医療救護活動の統括をすることになった。長く続いた救護活動がようやく一段落したと思った2012年秋、思いがけない展開が自分を待ち受けていた。

ご存知の通り東北大学は、いわゆる「旧帝国大学」である。「旧帝国大学医学部」と聞くと、日本の医療を主導し、最先端の研究や医療を重点的に行っている大学医学部、というイメージが一般的だと思う。

翻って東北大学はというと、最先端の研究や医療を行っているのは確かにその通りなのだが、それに加えて7旧帝国大学中唯一の1県1医学部(医大)という歴史的背景のもと、100年の長きにわたり東北地区の「地域に寄り添う医療」も提供し続けていることは、意外と知られていない。東北大学関連医療施設は公的病院を中心に121施設に及び、これらの施設と今でも定期的な人事交流を行っている。このDNAは、東日本大震災時においてもいかんなく発揮された。「絶対に最前線の病院を疲弊させるな」との合言葉のもと、東北大学病院では全診療科が連携して被災沿岸部病院からのあらゆる傷病の搬送患者を、空きベッドがある限り受け入れたのである。

その東北大学が、震災後の新たな地域医療体制つくりのため、東北大学医学部グループ(医学部、東北大学病院、大学院医学系研究科、東北メディカル・メガバンク機構)の所掌する地域医療充実・支援のための施策を統括し、診療科の垣根を超えた被災地への医療支援や地域医療体制整備、地域医療人材育成を行うための組織として東北大学病院内に「地域医療復興センター」を新たに設置した。並行して同センターに必要なさまざまな実務の調整を担う部署として総合地域医療教育支援部も設置することになり、大学を離れて15年もたつ自分に、同部が任せられることになった。待ち受けていた「思いがけない展開」とは、まさにこのことであった。災害対応時に培った、地域医療機関、行政、医師会、などの関係機関との太いパイプ、災害対応体制の構築経験、他組織とのさまざまな調整経験などが見込まれたのかもしれないが、その責任は大変重い。

同センターの主な取り組みについて簡単に紹介する。短期的対応としては、現在東北メディカル・メガバンク機構と連携して実施している地域医療支援(2014年度:13診療科・のべ43名が支援)や、宮城県内の急患センター(4カ所)及び夜間救急外来(3カ所)への各診療科からの医師派遣の調整を行っている。

恒常的な医療提供体制の構想は、まず自治体と協議しながら地域の拠点病院へ、一定期間知事の指定する医療機関への勤務が義務付けられている修学資金受給者を重点的に配置(これにより修学資金受給者の専門医取得等のキャリア形成が可能になる)し、これにより、高次救急に必要なマンパワーを確保する。同時に修学資金受給者には各拠点病院の診療圏内の中小医療施設へも一定期間勤務してもらうような循環型診療体制を敷き、これにより当該診療圏の地域医療を担保する地域医療モデルの構築を図ることを検討している。しかしながら、循環型医師支援システムのみでは中小の医療施設の運営は困難であるため、一方で地域に根ざすこれらの施設の長となりうる総合診療医も育成していきたい。これについては、2013年度より、大学病院と地域病院との緊密な連携に基づいた新たな総合診療医の教育体制を構築する文部科学省補助金事業「コンダクター型総合診療医の養成」プログラムを立ち上げた。

これらの取り組みについて、災害対応時と同様に、まず現場に足を運び、いろいろなデータを取り、調べたうえで、本学や関係組織の立ち位置を正確に把握し、同時にその立場を鑑みながら、机上論ではない、あくまで実状に即した実効性のある体制つくりを進めていこうと考えている。

(寄稿)



http://www.m3.com/news/iryoishin/299882
医療維新
シリーズ: ここがおかしい!ここが問題!医療界
医学生の質担保、医学部教育への期待が多数◆Vol.10
「質は下がっていない」「研修体制の整備重要」との声も

医師調査 2015年3月7日(土)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q11 医師の質を担保するのに効果的な手段
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 Q11では、医学部の入学定員増などで、医学生の質の低下を指摘する声がある中で、病院医師限定で、「医師の質を担保するのに効果的な手段」について、複数選択可能な方式で聞いた(回答数:246人)。

 最も多かったのは「医学部教育の質を向上する」で45.1%となり、唯一4割を超えた。次いで多かったのは、「医学部卒業のハードルを上げる」で33.3%。医学の基礎を教えるのは大学である以上、最初の大学教育の中である程度の質の担保を期待する声が根強いことが伺える。

 3番目に多かったのは「医学部入試の選考方法を変更する」が29.7%。「医学部入学定員を絞る」は27.2%。医学部の入学定員増加が続いてきた一方、少子化が進んでいて、同じ世代の中で、「医学部への入学が簡単になったのでは」「十分な診断能力が身に付く能力があるのか疑問」と指摘する声がある。ただ、医学部の入学定員は、文部科学省の認可が必要であるなど、自主的な削減などは難しい事情がある。「国家試験のハードルを上げる」は27.2%。

 医師免許取得までの過程を重視する回答が上位に来る中、医師になってから何らかの制約を課す方法は、相対的に回答が少なかった。「認定医、専門医の取得を必須にする」は6.5%、「医師免許更新制の導入する」が12.2%などとなった。

 8.9%の回答が集まった「その他」において、寄せられた主な意見は以下の通り。

・医学生の質が低下している実感はない。基本的に現状でも良い。
・外部からの型ではなく、学生が夢を持てるようにする。
・当直料を下げ、正式に属している場所でちゃんと給料を払う。
・現行の臨床研修制度の廃止、内科系・外科系の大枠での臨床研修制度の実施。
・5年に1 度、研修病院で再度短期研修。
・専門医の診察の医療報酬を上げ、モチベーションを上げる。
・医学部生ではなく研修医の教育体制を整える。



http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=334354&nwIW=1&nwVt=knd
高知県内の救急で医師らの9割が泥酔患者を「かなり負担」
2015年03月06日14時33分 高知新聞

 泥酔患者の対応に追われ、救急医療の現場が困っている――。高知県内で酒害問題を啓発するNPO法人「AKKこうち」がこのほど、そんなアンケート結果をまとめた。今後は現状改善に向けて、救急医療の現場と精神科や断酒会などが連携できるネットワークづくりを目指す。 

 救急現場と泥酔患者の関係は、2012年ごろから全国的に注目され始めた。転倒するなどして負傷しているにもかかわらず、大声で騒いで診療を拒否したり、医師に殴りかかったり。一刻を争う他の重症患者の治療の妨げになるケースもあるという。

 こうしたトラブルを減らし、酒の飲み方に問題のある人にはアルコール依存症の治療も受けてもらおうと、三重県四日市市では対応策をまとめたマニュアルを作成。警察と連携するほか、精神科医師やソーシャルワーカーなどと協力し、患者をサポートしている。東京都や岡山県、山口県でも研究会ができるなどしている。

 AKKこうちは、高知県でも同様のネットワークをつくれないかと模索。まずは現状を把握しようと昨年9~12月、高知医療センターと高知赤十字病院、近森病院を対象にアンケートを実施した。

 医師と看護師の計106人から回答があり、「飲酒患者の存在が救急医療に負担を掛けていると感じるか」との質問では、9割近い95人が「非常に感じる」、または「かなり感じる」と答えた。

 困った経験としては「病歴聴取が困難」「大声を上げられた」「検査の指示に従わなかった」などが多く、自由記述欄には「飲酒患者の対応に手を取られ、重症患者が来た時にすぐに対応できない」「警察を呼んでも『病院で何とかして』と言われる」「アルコール関連の救急要請は拒否する病院が多い」などの意見があった。

 5日夜、AKKこうちは高知市内で報告会を開催。メンバーの精神保健福祉士の男性は「救急医療の現場はかなり疲弊している。飲酒者に対する嫌悪感も思った以上に強い」と指摘した。

 アンケートへの回答には「病院だけの対応では無理。行政や警察がもっと対策を打ってほしい」との要望もあり、AKKこうちは根本的な対策が必要とみている。

 AKKこうち代表で内科医の二神啓通さん(52)は「救急医療現場は、まだ治療に至っていない依存症の人を見つけ、精神科での治療を促すチャンスの場でもある。いろんな人の知恵や力を借り、高知方式のネットワークをつくりたい」と話している。



http://www.m3.com/news/iryoishin/300790
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「医療費は財政改革の本丸」、経済財政諮問会議委員
日医、2014年度医療政策シンポジウム

レポート 2015年3月6日(金)配信池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会は3月5日、「少子高齢化時代を乗り切れるか~医療・介護の挑戦~」をテーマに、2014年度の医療政策シンポジウムを開催した。政府の医療政策などに大きな影響を及ぼしている経済財政諮問会議の民間議員を務める経済学者が「(医療を含む)社会保障費は、財政改革の本丸」「医療の質を落とさないまま改革が進められるのか」と述べ、財政の観点からの医療費抑制やサービスの質保証の圧力が続くことを伺わせた。一方で別の経済学者は、社会保障制度の設立にさかのぼって、小さな政府志向の中で社会保障費を抑制することに異を唱え、「医療費抑制は結果であっても目的ではない」と訴えた。

「費用」「質」「アクセス」が犠牲に

 社会保障費抑制の必要性を訴えたのは、東京大学経済学研究科教授で、「薬価の毎年改定」のアイデアなどを示している経済財政諮問会議のメンバーでもある伊藤元重氏(国際経済学)。「財政から見た日本の医療」と題して講演した。

 伊藤氏は講演の冒頭で、医療や介護などの社会保障費について、「日本の財政運営の本丸になりつつある」と指摘。医療が医療提供体制の構築などの内部の議論だけでなく、国家財政を検討する際の、最優先事項となっているとの認識を示した。

 政府が現状において最も力を入れている目標として、伊藤氏は2020年をめどとしたプライマリーバランスの黒字化をあげ、「(2020年に向けて)歳入歳出の改革や、社会保障の改革を議論しないといけない」と指摘。医療や介護などの社会保障制度改革は、2025年を目指して進められているが、「2025年を目指して日本の医療改革をしていては、(政府が力を入れるプライマリーバランス黒字化達成する時期の)2020年に間に合わない」と述べた。今後、財政問題と社会保障費を分けて考えることは難しくなり、財政サイドからは2025年を待たずに、断続的に抑制圧力が続くことを伺わせた。日本医師会は、急速な変化を避けたい考えだが、政府の視点が財政再建に向いている中、厳しい現状に直面する可能性がある。

 伊藤氏は、制度改革において、長期目標だけでなく2、3年で達成できる短期目標を持つ重要性にも言及。医療制度改革の中では検討されるべき事項の具体例として、「薬価制度」「後発医薬品」「診療報酬」などを挙げた。薬価などは伊藤氏が民間議員を務める経済財政諮問会議でたびたび言及されてきたが、今後も2020年に向けて、何らか改革を迫られることになる流れ。

 さらに、伊藤氏は、「トレードオフ」の考え方の重要性も強調した。医療における改革の「トリレンマ」として、「費用」「質」「アクセス」の3つを挙げて、「全て良くするのは難しい。多くの問題はどこかを犠牲にしないといけない」と話した。さらに個人の体験として大学病院において患者があふれている点を指摘して、「アクセスと質のトレードオフは興味深い。近くの医療機関で見てもらえば良いのでは思うことがある」と話した。


「秩序に逆らうイノベーター必要」

 伊藤氏は「イノベーション」も強調し、上から命令する改革でなく、現場の取り組みが重要になるとの認識を示した。その中で、テーマパークを例に「同じことを続けていては世の中の変化についていけない」「秩序に逆らうイノベーター、嫌われ者が必要」と指摘。医療についても、現場からのイノベーションに期待を示した上で、「現状のサービスを守りながら、改革するのが大事」とした上で、全国一律の急な変化でなく、地域限定で取り組む国家戦略特区にも言及した。現在、特区では、外国人医師の診療解禁や医学部新設などが検討されているが、医療界の反対があっても、「秩序に逆らうイノベーター」への期待から、特区の規制改革が進む可能性を伺わせた。

 株式会社による医療法人の経営にも言及し、「全ての医療機関が株式会社の運営になるわけではない。だめなら、自然に淘汰される」と話し、多様な選択が可能となる制度のメリットを述べた。

 今後の流れとしては、(1)1000兆円を超える国の債務、(2)国債発行などで毎年膨らんでいる国家予算の赤字、(3)伸び続ける社会保障費――の3つに対応するために、財政改革が進んでいくと見通した。現状の政府や政府の意思決定に近い会議体では、医療について「岩盤規制」「医療費が財政のお荷物」と見ている点である程度共通していて、医療界の外からの医療制度改革圧力は、当面収まらないと見られる。

「医療費抑制、目的でない」

 社会保障制度について、費用の抑制とは違った観点から講演したのは、地方財政審議会会長で東京大学名誉教授の経済学者の神野直彦氏。神野氏は、前提として、生活の場で構成員が分かち合う「社会システム」と、生産の場とで、利害損得で動く「経済システム」を統合するために、国家などの「政治システム」が存在しているとの考え方を示した。

 社会保障の誕生は、19世紀後半のドイツ帝国にさかのぼるとされる。神野氏は、ドイツ帝国の宰相であったビスマルクの下で、疾病や労災、障害者向けの保険ができた歴史に触れた上で、「社会保障は、(生活の場である社会を圧迫した)市場拡大戦略を転換し、市場を抑制して、社会(の機能)を拡大する方針から生まれた」と指摘した。日本の初代首相の伊藤博文氏が学んだのもドイツ帝国の社会保障とされる中で、「石油ショック以降、日本では、政府を小さくして市場を拡大する路線になったが、(市場拡大戦略の失敗から、社会保障が生まれた以上)政府を小さくすれば、また社会問題が出てくる」として、小さな政府を目指して、社会保障分野を市場原理に任せる方針に異を唱えた。

 さらに神野氏は、高福祉国家として知られるスウェーデンの医療、教育、福祉などの社会保障を支える「オムソーリ」(悲しみの「分かち合い」)の概念を紹介した。オムソーリの前提には、「社会の構成員が互いに誰もが不幸にならないように願う」という「仲間意識」があると指摘。近年の社会保障の動揺の原因について、経済成長の鈍化や人口構造の変化が指摘されることが多い中で、「そもそも分かち合うという仲間意識を喪失したことではないか」と持論を展開した。

 今後の社会保障の在り方については、従来、家庭の中の労働力に頼ってきた介護などの担い手が女性の社会進出などで消えていることを踏まえて、現金給付型から、育児や介護などのサービス給付による参加保障へのシフト転換の必要性を指摘。「社会的セーフティネットを(落ちる人を再び社会へ参画できるところまで押し返す)社会的トランポリンにすべき」として社会保障の強化を訴えた。 最後に、神野氏は、医療に市場原理がなじまないとの認識を示した上で、「医療制度改革の目的は、悲しみを分かち合う制度を作りだすことであり、医療費抑制は結果であっても目的ではない」と述べ、財政の観点から医療費削減ありきの社会保障改革に疑問を呈した。


  1. 2015/03/07(土) 09:51:52|
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