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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月28日 

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03094_01
【座談会】
「地域の住民中心」を叶える医療者像を求めて

川越 正平氏(あおぞら診療所院長/理事長)
澤 憲明氏(英国・スチュアートロード診療所 General Practitioner)
武内 和久氏(厚生労働省社会・援護局 福祉基盤課 福祉人材確保対策室長)
堀田 聰子氏(労働政策研究・研修機構 人材育成部門研究員)
週刊医学界新聞 第3094号 2014年09月29日


 超高齢社会を迎えた今,日本の医療制度をその在り方から見直す機運が高まり,「諸外国の医療システムから学ぼう」という試みが見られている。ただ,その多くは“大枠で”“俯瞰的に”語られており,現場の実践者から湧き出る具体的な疑問を起点とする語り口は少ない。そこで本紙では,千葉県松戸市で開業医として在宅医療に力を入れる川越正平氏と,家庭医療が根付く英国でGeneral Practitioner(GP,MEMO)として従事する澤憲明氏の対談を企画。地域で活躍する2人の対話を連続対談型の連載として掲載し,日英の医療現場の比較から,互いの国の強みと課題まで浮き彫りにしていく(2014年11月より開始予定)。

 本座談会では,連載に先立ち,英国医療制度に精通する武内和久氏と,日本・オランダの地域包括ケアシステムの比較に取り組む堀田聰子氏を交えた,4氏が議論。日英の医療提供体制の違いと本連載の意義を明らかにしていただいた。

「ゲートオープナー」が適切なケアへつなげる英国

川越 現在,医療・財政資源が有限であることを前提に,力点を治療からケアや予防,健康増進へとシフトしようとする動きがあります。これは日本に限らない世界的な潮流であり,多くの国はプライマリ・ケアを基盤とした医療システムを整えることで,その移行を実現しつつあると聞きます。

 そうしたプライマリ・ケアを基盤とする医療システムを持つ国として代表的なのが,英国です。まず,実際に英国でGPとして活躍される澤先生に,英国の医療システムを簡単にご紹介いただきましょう。

澤 英国では国民保健サービス(National Health Service;NHS)が設立された1948年以来,プライマリ・ヘルス基盤のシステムが継承されています。

 国民は地域のファミリークリニックに登録することで,誰でも原則無料でNHSのサービスを利用できます。何か健康問題がある人は皆,基本的にはまずGPのもとへ訪れる。GPは患者を診察し,高次医療や入院が必要と判断した場合は,二次医療に当たる市中の専門外来や病院へと引き継いでいく。このように,患者の問題・状態に応じて一次,二次,三次医療へと順を追って,必要な医療が提供される仕組みになっています。

川越 一次医療と二次医療,さらに高度な医療を提供する三次医療と,個々の役割を明確に区分している点,全ての患者をまずは一次医療で診るシステムを持っている点は,日本と大きく異なる特徴ですね。

澤 英国では健康問題の約9割は,GPを中心とするプライマリ・ケアの領域で対応できているというデータもあります1)。このシステムが余計な検査・投薬の削減,医療費の適正化など,効率的な医療を実現することにも一役買っていると思いますね。

 ただ,日本でこのように説明すると,医療サービスの入り口に立つGPについて,「ただのゲートキーパーだろう」という片面的な考え方に遭遇することもあります。確かに過度の医療化から患者を守るゲートキーパーとしての役目もあるのですが,GPが真に担っているのは適切なときに適切な専門家を紹介する,いわば「ゲートオープナー」の役割です。通常,患者は病気や医療について詳しい知識を持っているわけではないですし,複雑で膨大なケアシステムの中で,自身がどこでどのような医療を受けるべきかを把握しているわけではありません。そうした方々の心身の不調の相談に乗り,ニーズや希望を引き出し,代弁者として適切な専門家に伝え,つなげていく。その役目をGPは果たしているのです。

GPは,多様な相談事に応える伴走者

武内 英国が現在のシステムへと進化したのは決して昔の話ではありません。

 80-90年代,長い待機時間や医師不足,院内感染の問題など種々の理由によって,NHSに対する国民の信頼は失墜していました。しかし,ちょうど私が英国に滞在していた2000年以降,当時のブレア政権が打ち立てた医療改革の10か年計画「The NHS Plan」を基に,医療システムの抜本的改革に取り組んだ。その中で地域の医療ニーズ充足に多額の予算を割き,GPの増員や給与面の是正を図るなど,GPを重用する体制へと舵を切ったのですね。その結果,地域の医療職の育成やインフラの整備が進み,現在のようなプライマリ・ケアを基盤とする医療を効率的・効果的に機能させることが実現できたわけです。

 この発展には目覚ましいものがあって,米,英,仏,独,オランダなど先進11か国を対象に,各国の医療制度を医療の質,アクセス,コスト,健康指標などの面から比較した2014年の国際調査では,英国が総合ランキング1位という結果を得るに至っています2)。

川越 英国同様,プライマリ・ケア先進国に挙げられるオランダの医療に詳しい堀田さんから見て,英国はどのような点が特徴的だと思われますか。

堀田 プライマリ・ケアや家庭医療の概念は,英国・オランダのみならずグローバルなものになっています。そうした中,英国は医療を“公共財”と地域の資産としてとらえ,住民を医療の主体と位置付けていること,つまり「地域の住民中心」の理念を一貫している点が特徴的だと思います。

澤 私自身,「住民中心」は強く意識しているところです。例えば,日常的な病気や健康問題に限らず,医学的な問題“以外”の相談に乗ることもあります。「子どもがジャンクフードばかり食べている」「一人暮らしが孤独で仕方ない」といった相談事についても,地域のヘルスケア,ソーシャルケアの専門家と協力してその人に合ったサポートを提供するのです。

 イングランドの診療所を利用した住民の9割近くが,「家庭医の診察に満足している」と回答したという調査結果3)もあるのですが,こうした個別に密接したケアを担っていることも,高評価の要因かもしれません。

川越 日本では,医師の役割は「医学的な問題に対処する医療を提供すること」ととらえている方が多いと思うのですが,英国のGPはもっと幅広い役割を担っている,と。GP側にも「トータルにサポートする存在=主治医」としての自覚があるのでしょう。

堀田 まさに「ゆりかごから墓場まで」地域住民に伴走することを通じ,個人と家族と地域の暮らしを支える“ハブ”として機能しているわけですね。

プライマリ・ケア型移行の過渡期にある日本

川越 翻って日本の状況を見てみると,医療提供体制は「フリーアクセス」と表現されるとおり,患者側は重症・軽症の程度に関係なく,病院から診療所まで,受診する医療機関を自由に選ぶことができます。高度な医療に患者が自らアクセスできる利点があると言える一方,その弊害も存在します。軽症にもかかわらず,高機能を持つ大病院での受療を希望する患者が少なからず存在し,これは限られた医療資源を適切に機能させる観点からは非効率的です。医療費の増大だけでなく,医療従事者の疲弊にもつながりかねません。

 また,日本は自由開業医制,自由標榜制が敷かれていることも影響し,医師の役割も一次医療と二次医療の峻別が曖昧という特徴があります。病院勤務医が診療所に非常勤勤務して外来を担当していたり,あるいは診療所の医師が病院にも勤務する形で専門外来や手術にかかわっていたり,というのも珍しい光景ではない。当院も在宅医療をメインに行う医療機関でありながら,病院の緩和ケアチーム回診や緩和ケア病棟での合同カンファレンスに定期的に参加する形で,一次的な医療と専門医療,あるいは地域と病院の橋渡しに取り組んでいます。実際,これによって一次から二次,二次から一次のスムーズな移行が実現できていると感じる面はあるのですね。こうした取り組みは,機能分化が曖昧で,病院と診療所の両方で勤務する医師も少なくない日本だからこそできる。ある意味では,その好条件を日本の制度は有しているとも言えるわけです。

武内 現在は日本の医師たちの間でも,他国のようにプライマリ・ケアを重視した医療システムを作ろうという機運は高まってきていますよね。「限られた医療・財政資源の中で,多様化・複雑化した患者の対応に当たっていく必要がある。その前提に立つと,プライマリ・ケアを基盤にした医療のほうが効率的に医療を供給できる」。こうした考えが現場にも広く浸透してきているように感じています。

川越 社会の高齢化とともに,日々の現場で出合うのも単一の症状・疾患ではなく,複雑・多様なケースが増えていますからね。そう考えても,プライマリ・ケアを基盤に据えた形にシフトするほうが,やはり地域の患者さんたちに効率的に良質な医療を提供できるだろうとは思うのです。

 ただ,そこには課題もあります。日本では,プライマリ・ケアを専門に学んできた医師は決して多くないのです。現状,地域を支える医師の大部分は,一定期間,専門医として病院での勤務を経た後に地域で開業し,自己の努力で研鑽を積んできた方々でしょう。一次的な健康問題に対処できる診療能力,緩和ケアや認知症診療,神経難病や重篤な内科疾患の専門的な管理など,幅広い領域についてツギハギながら独学で身につけている方も少なくないものと思われます。個々の医師の力量や対応可能な領域にバラつきがある現状を考えると,受療した患者が受けられる医療の質も標準化されているわけではないと言えます。

 現在,そうした状況を是正し,プライマリ・ケア領域の充実を図ろうという動きも見られていて,「総合診療専門医」の認定制度の議論もそのひとつですよね。日本は今,医療の在り方を考え直す過渡期に差し掛かっているのかもしれません。

■理想の医療者像を,日英の「合わせ鏡」で浮き彫りに

堀田 英国やオランダにしろ,日本にしろ,医療の制度や提供体制は,各国の文化・風土,社会的な価値観と人口構成,資源などに応じて,長い歴史の中で作られ,変容を遂げてきたものです。例えばですが,川越先生が取り組まれている「在宅医療」も日本独自の発展と言えますよね。

澤 確かに英国では往診や訪問診療もGPの仕事で,私も毎日出掛けています。

堀田 オランダもそうです。ですから,オランダで「在宅医療」を説明するのはやっかいで,単純に直訳するだけでは,「なぜ“在宅”で切り分ける必要があるんだ」と言われてしまう。川越先生が日頃おっしゃるような,家庭医療と老年医療,緩和医療の領域にまたがる在宅医療の意義や展開について伝えることが難しいのです。

 こうした状況を踏まえると,各国の医療システムがどのような文脈で育まれ,実態としてどうなっているのかを共有することは,互いの経験から学び合うためにも重要だと考えています。

澤 日本におけるプライマリ・ケアの役割を考えていくに当たっても,プライマリ・ケアが本来持つ専門性や他国の状況から学ぶだけではなく,日本の医療制度,経済状況や国民のニーズ,価値観を考慮する必要がありますね。

堀田 ええ。それに加え,英国やオランダは,プライマリ・ケアの地域をベースにした「水平統合」と,病院などとの「垂直統合」に長い時間をかけて取り組んできた一方,日本では速やかに地域包括ケアシステムを構築し,「病院完結型」から「地域完結型医療」への転換を推進しようとしている。チャレンジングな時期にあるわけです。

 こうした中,澤先生と川越先生のそれぞれの実践に基づく対話は意義深い。お2人の現場視点からの対談は,より深い理解を与え,これからの地域に根差す医療の在り方を考えていくことにつながるのではないかと期待しています。

川越 澤先生と進める今回の対談型の連載では,英国における家庭医の役割や,地域の医療の担い手として多機関・多職種といかに協働しているか,家庭医の質を担保するためのシステムなどについて話を伺っていきます。

 英国と日本を“合わせ鏡”のようにしてみることで,単純な制度上の違いはもちろん,日本の医療の弱みや課題,あるいは伸ばしていくべき強みも見えてくるのではないかと感じています。そうした中では,真に患者に求められる医療者像をも浮き彫りにしていくことができるのかもしれませんね。


MEMO 英国の家庭医療専門医制度
英国では従来,GPは「一般医」としてプライマリ・ケアの専門研修を受けることを必須とされていなかったが,1981年に3年間の「家庭医」としての専門研修が必修化。2007年には,新たな家庭医療後期研修プログラム修了と専門医認定試験(New Membership of Royal College of General Practitioners;nMRCGP)合格が必須となった。なお,家庭医療専門の後期研修プログラムは,2年間の初期研修の後に受けられる。期間は3年間で,診療所・病院での研修を各18か月行う。専門医認定試験は,臨床応用試験(Applied Knowledge Test),臨床技能評価(Clinical Skills Assessment),職場基盤評価(Workplace Based Assessment)に基づいて行われる。

(了)

◆参考文献
1)Health & Social Care Information Centre. Primary Care.
2)Davis K, et al. Mirror, Mirror on the Wall, 2014 Update: How the U.S. Health Care System Compares Internationally. The Commonwealth Fund. 2014
3)Ipsos MORI Social Research Institute. GP Patient Survey-National summary report.


川越正平氏
1991年東京医歯大卒。虎の門病院内科レジデント,同院血液内科医員を経て,99年医師3人のグループ診療の形態で,在宅医療を中心に行う診療所を千葉県松戸市に開設。同診療所は,医学生の診療所実習,初期研修医の地域医療研修,在宅医をめざす医師の開業前研修,自身の専門性を在宅領域で生かしたい専門医の非常勤勤務などを数多く受け入れる形で,地域医療に貢献するとともに教育クリニックとして機能している。近著に『在宅医療バイブル』(日本医事新報社)。

澤憲明氏
英国での高校課程を経て,2007年レスター大(前レスター大/ウォーリック大)医学部卒。初期研修プログラムに従事した後,12年に英国家庭医療専門医教育および認定試験を修了。同年より現職。「これからの日本の医療制度と家庭医療」(社会保険旬報),「プライマリ・ケアで変わる日本の医療」(構想日本)などの論文執筆の他,NHK『視点・論点』,NHKスペシャルシリーズ日本新生『日本の医療は守れるか?――“2025年問題”の衝撃』に出演。

武内和久氏
1994年東大法学部卒業後,厚生省(現・厚労省)に入省。医療・福祉・年金など社会保障政策の企画立案に携わり,大臣官房,政策統括官,医政局を経て,2005-08年在英国日本国大使館に一等書記官として勤務。当時のブレア政権下における英国の医療改革を分析し,09年,竹之下泰志氏との共著『公平・無料・国営を貫く英国の医療改革』(集英社)にまとめた。その後,マッキンゼー・アンド・カンパニーへの出向を経て,13年より現職に復帰。

堀田聰子氏
東大社会科学研究所特任准教授,ユトレヒト大客員教授・オランダ社会文化計画局研究員などを経て2011年より現職。博士(国際公共政策)。専門は人的資源管理・ケア人材政策。社会保障国民会議サービス保障分科会,地域包括ケア研究会委員などを経て,現在,社会保障審議会介護給付費分科会および福祉部会,医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会などにおいて委員を務める。



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20140928-OYTNT50111.html?from=ycont_top_photo
浪江仮設診療所に常勤医
2014年09月29日 読売新聞 福島

 東京電力福島第一原発事故による全町避難が続く浪江町の仮設診療所に、北海道の病院で院長を務めていた峯廻みねまわり攻守よしもり医師(70)が常勤医として10月から勤務する。原発事故後に常勤医が着任するのは同町で初めてで、県地域医療支援センターは「県内の医療従事者が減る中、県外から来てくれるのは珍しい」と話す。医師確保に奔走してきた町は「町民の強い味方になる」と歓迎している。

 峯廻医師は北海道出身。札幌医大を卒業後、道内で内科医として勤務した。今年3月末まで、854床を有し、1000人近くの職員が勤務する札幌西円山病院(札幌市)の病院長を務めた。

 きっかけは、2012年の大型連休中に、東日本大震災で大きな被害を受けた福島、宮城、岩手の各県を夫婦で訪れたことだった。車で沿岸部を見て回り、福島では原発事故で立ち入りが規制されていた警戒区域の検問所まで足を運んだ。目の前の光景に、「言葉にできないほどの衝撃を受けた」という。

 この時、妻の雪枝さん(57)は、「被災地で役に立ちたいと言い出すだろう」と感じていたという。北海道に戻り、震災と原発事故で苦しむ福島県民の役に立ちたいという夫の思いを聞いた雪枝さんは、「この人を支えよう」と一緒に福島に移り住むことを決めた。

 浪江町は二本松市内の仮設住宅と、避難指示区域内にある元の役場庁舎内にそれぞれ仮設診療所を設置しているが、常勤医は震災前から勤務する関根俊二医師だけだ。

 医師確保のため、町健康保険課の紺野則夫課長は、知人のつてをたどって岩手県や神奈川県に出向き、十人前後の医師と面談。仮契約までこぎ着けたこともあったが、家庭の事情などを理由に誰も来てくれなかった。県の紹介で峯廻医師の着任が決まり、来年3月で定年退職する紺野課長は「落ち込んだこともあったが、やっと一安心できる」とほっとした表情を浮かべた。

 峯廻夫妻は今月24日、二本松市にある浪江町仮役場を訪れ、馬場有町長らと懇談した。馬場町長が「体力を消耗してきた関根先生の負担も減る。大変ありがたい」と感謝を伝えると、峯廻医師は「全国の医師が福島に駆けつけてほしい。自分がその先駆けになれたら」と話した。

 「医療で貢献するだけではなく、患者の話に耳を傾け、できるだけ寄り添いたい」。峯廻医師は力強く決意を語った。


  1. 2014/09/29(月) 05:28:00|
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9月27日 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/255124/
医師不足への処方せん
東大マッチ者大幅減少、医科歯科大1位
2014年度臨床研修マッチング、入学定員増の影響は不明確

2014年9月27日(土) 池田宏之(m3.com編集部)
Doctors Community 4件

 2014年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果が9月26日に公表された。全国79の大学病院 本院を「1位希望」として登録した人数でランキングすると、1位東京医科歯科大学、2位東京大学という結果となった。昨年度と1位と2位が入れ替わったものの、2008年度以来、東大と東京医科歯科大は、1位と2位の独占状態が続いている(『東大、医科歯科大の2強続く、臨床研修マッチング』を参照)。ただ、東大は「1位希望人数」が昨年度の110人から78人と大幅に減少。今年相次ぎ顕在化した臨床研究の不正疑惑が影響した可能性がある(『東大が説明会、「不満残るも、ほぼ満足」』を参照)。今回のマッチングは、2015年4月からの臨床研修先を決めるために実施される。

 定員数に対するマッチ者数の割合で、100%を超えたのは久留米大学のみ。昨年も、中間マッチングの段階で100%を超えたのは東邦大学のみだった。

 2009年度の医学部定員は、2008年度に比べ、693人増加しているが、増員幅の大きかった3大学を見ると、必ずしもマッチ者数が増加していない大学もあり、定員増が初期研修先としての大学病院の人気に直結しているかは不明確な状況。定員が20人増加した順天堂大学では、マッチ者数が昨年度より13人増加、同じく20人増えた岩手医科大学では6人の増加となった。12人増えた旭川医科大学は、マッチ者数が5人増加した。ただ、同じく12人増えた名古屋市立大学は、マッチ者数が6人減少していて、結果が分かれた。

 10位以内で大きく順位を上げたのは、5位の長崎大学(昨年12位)、6位の京都府立医科大学(昨年14位)、9位の大阪市立大学(昨年18位)。長崎大学は、2012年まで20位以下にとどまっていたが、近年マッチ率を伸ばしている。京都府立医大は、ディオバン事件の影響などで昨年順位を下げたが、今年はマッチ率も15ポイント以上上がり、人気が戻ってきた。

 定員数に対するマッチング数数の割合が高かった5大学は、久留米大(107.1%)、近畿大学(96.6%)、東京慈恵会医科大学(95.9%)、東邦大学(95.12%)、福岡大学(94.0%)。いずれも、100万人以上の都市に立地する大学。

 逆に低かった5大学は、新潟大学(13.2%)、福島県立医科大学(13.6%)、弘前大学(13.7%)、横浜市立大学、秋田大学(ともに20.0%)。東北地域の人気の低さを伺わせる結果となった。50%を切ったのは、28大学となり、昨年から7大学減少した。

 最終結果の公表は、10月23日の予定。


表1 医師臨床研修マッチングの大学病院(本院)ランキング
医学部を持つ医科大学・医科大学、計79の本院分を集計。「1位希望人数」が多い順にランキング。
同数の場合は、「充足率」が高い順に掲載。2014年順位のカッコ内の矢印は2013年との比較
順位(年別) 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 病院名 募集定員 1位希望人数 定員 充足率(%)
1(↑).____ . 2.___ . 1.___ . 2.___ . 1.___ . 1.___ . 1.__ . 東京医科歯科学 _. 118 _. 104.__ . 88.14%
2(↓).____ . 1.___ . 2.___ . 1.___ . 2.___ . 2.___ . 2.__ . 東京大学    _. 126.__ . 78.__ . 61.90%
3(↑).____ . 6.___ . 7.__ . 16.__ . 12.__ . 12.__ . 20.__ . 筑波大学   .__ . 88.__ . 64.__ . 72.73%
4(→).____ . 4.___ . 4.___ . 9.___ . 6.___ . 9.___ . 3.__ . 京都大学   .__ . 82.__ . 60.__ . 73.17%
5(↑).__ . 12.__ . 24.__ . 31.__ . 51.__ . 22.__ . 50.__ . 長崎大学   .__ . 70.__ . 56.__ . 80.00%
6(↑).__ . 14.___ . 5.___ . 8.____. 4.__ . 44.__ . 20.__ . 京都府立   .__ . 64.__ . 53.__ . 82.81%
6(↓).____ . 3.__ . 10.___ . 7.__ _. 9.__ . 21.__ . 20.__ . 和歌山県立  .__ . 78.__ . 53.__ . 67.95%
8(↑).__ . 11.___ . 8.___ . 9.__ . 14.__ . 18.___ . 7.__ . 北里大学   .__ . 68.__ . 50.__ . 73.53%
9(↑).__ . 18.__ . 14.___ . 5.__ . 17.__ . 10.__ . 15.__ . 大阪市立   .__ . 64.__ . 49.__ . 76.56%
10(↓).__ . 8.___ . 8.___ . 6.___ . 9.___ . 5.__ . 20.__ . 東京慈恵会  .__ . 49.__ . 47.__ . 95.92%
10(↑).__ . 26.__ . 13.__ . 38.___ . 7.__ . 20.__ . 17.__ . 福岡大学   .__ . 50.__ . 47.__ . 94.00%
12(↑).__ . 23.__ . 24.__ . 38.__ . 36.__ . 14.__ . 26.__ . 久留米大学  .__ . 42.__ . 45.__ . 107.14%
12(↓).___ . 8.__ . 11.__ . 23.__ . 3.__ . 17.__ . 19.__ . 杏林大学   .__ . 65.__ . 45.__ . 69.23%
14(↑).__ . 25.__ . 29.__ . 13.__ . 20.__ . 18.__ . 14.__ . 日大板橋病院 .__ . 59.__ . 43.__ . 72.88%
15(↑).__ . 20.___ . 3.___ . 3.___ . 4.___ . 5.___ . 8.__ . 東京女子医大 .__ . 70.__ . 42.__ . 60.00%
15(↑).__ . 18.__ . 19.___ . 4.___ . 9.___ . 5.___ . 9.__ . 九州大学病院 .__ . 79.__ . 42.__ . 53.16%
17(↑).__ . 31.__ . 48.__ . 42.__ . 33.__ . 48.__ . 35.__ . 慶應義塾   .__ . 51.__ . 41.__ . 80.39%
17(↑).__ . 40.__ . 39.__ . 19.__ . 20.___ . 3.___ . 5.__ . 順天堂大学  .__ . 55.__ . 41.__ . 74.55%
17(→).__ . 17.__ . 29.__ . 18.__ . 38.__ . 22.__ . 41.__ . 奈良県立   .__ . 61.__ . 41.__ . 67.21%
20(↑).__ . 28.___ . 6.__ . 22.___ . 7.__ . 24.____ . 4.__ . 兵庫医科大学 .__ . 62.__ . 40.__ . 64.52%
21(↓).__ . 12.__ . 31.__ . 28.__ . 49.__ . 42.__ . 28.__ . 東邦大森病院 .__ . 41.__ . 39.__ . 95.12%
22(↑).__ . 37.__ . 54.__ . 47.__ . 29.__ . 47.__ . 75.__ . 岡山大学   .__ . 48.__ . 38.__ . 79.17%
22(↑).__ . 35.__ . 37.__ . 29.__ . 32.__ . 12.__ . 13.__ . 大阪大学   .__ . 60.__ . 38.__ . 63.33%
24(↑).__ . 53.__ . 42.__ . 65.__ . 62.__ . 63.__ . 78.__ . 富山大学   .__ . 44.__ . 36.__ . 81.82%
24(↓).__ . 20.__ . 19.__ . 26.__ . 19.__ . 28.___ . 9.__ . 自治医科大学 .__ . 58.__ . 36.__ . 62.07%
26(↑).__ . 47.__ . 54.__ . 31.__ . 38.__ . 55.__ . 16.__ . 滋賀医科大学 .__ . 53.__ . 34.__ . 64.15%
26(↓).___ . 5.__ . 16.__ . 13.__ . 14.__ . 14.__ . 35.__ . 大阪医科大学 .__ . 54.__ . 34.__ . 62.96%
26(↓).___ . 8.__ . 16.__ . 35.__ . 59.__ . 32.__ . 32.__ . 佐賀大学   .__ . 59.__ . 34.__ . 57.63%
26(↓).__ . 22.__ . 34.__ . 42.__ . 54.__ . 58.__ . 59.__ . 鹿児島大学  .__ . 64.__ . 34.__ . 53.13%
26(↓).___ . 6.__ . 11.__ . 11.__ . 13.__ . 11.__ . 20.__ . 神戸大学   .__ . 74.__ . 34.__ . 45.95%
31(↑).__ . 53.__ . 19.__ . 19.__ . 45.__ . 30.__ . 72.__ . 昭和大学   .__ . 39.__ . 33.__ . 84.62%
31(↑).__ . 40.__ . 54.__ . 67.__ . 36.__ . 32.__ . 46.__ . 信州大学   .__ . 54.__ . 33.__ . 61.11%
31(→).__ . 31.__ . 28.__ . 23.__ . 33.__ . 51.__ . 17.__ . 北海道大学  .__ . 65.__ . 33.__ . 50.77%
34(↑).__ . 58.__ . 23.__ . 25.__ . 38.__ . 24.__ . 32.__ . 香川大学   .__ . 46.__ . 32.__ . 69.57%
34(↑).__ . 67.__ . 60.__ . 60.__ . 26.__ . 28.__ . 35.__ . 日本医科大学 .__ . 47.__ . 32.__ . 68.09%
34(↓).__ . 31.__ . 37.__ . 49.__ . 71.__ . 58.__ . 67.__ . 金沢医科大学 .__ . 57.__ . 32.__ . 56.14%
34(↑).__ . 37.__ . 39.__ . 38.__ . 30.__ . 65.__ . 35.__ . 愛媛大学   .__ . 58.__ . 32.__ . 55.17%
38(↓).__ . 37.__ . 34.__ . 29.__ . 38.__ . 27.__ . 20.__ . 東海大学院  .__ . 49.__ . 31.__ . 63.27%
38(↓).__ . 15.__ . 24.__ . 16.__ . 14.___ . 4.___ . 5.__ . 聖マリアンナ .__ . 59.__ . 31.__ . 52.54%
40(↑).__ . 43.__ . 58.__ . 49.__ . 38.__ . 53.__ . 54.__ . 帝京大学   .__ . 33.__ . 30.__ . 90.91%
40(↓).__ . 15.__ . 19.__ . 31.__ . 20.__ . 32.__ . 63.__ . 関西医科枚方病院 43.__ . 30.__ . 69.77%
40(↑).__ . 47.__ . 69.__ . 75.__ . 75.__ . 44.__ . 61.__ . 旭川医科大学 .__ . 45.__ . 30.__ . 66.67%
40(↓).__ . 28.__ . 48.__ . 15.__ . 38.__ . 32.___ . 9.__ . 熊本大学   .__ . 67.__ . 30.__ . 44.78%
44(↑).__ . 58.__ . 31.__ . 49.__ . 23.__ . 60.__ . 46.__ . 近畿大学   .__ . 30.__ . 29.__ . 96.67%
45(↑).__ . 51.__ . 44.__ . 44.__ . 55.__ . 24.__ . 28.__ . 札幌医科大学 .__ . 60.__ . 28.__ . 46.67%
45(↑).__ . 65.__ . 51.__ . 57.__ . 45.__ . 42.__ . 28.__ . 大分大学   .__ . 61.__ . 28.__ . 45.90%
47(↑).__ . 63.__ . 57.__ . 44.__ . 70.__ . 69.__ . 41.__ . 山梨大学   .__ . 50.__ . 27.__ . 54.00%
47(→).__ . 47.__ . 65.__ . 53.__ . 66.__ . 48.__ . 40.__ . 千葉大学   .__ . 54.__ . 27.__ . 50.00%
47(↓).__ . 40.__ . 24.__ . 19.__ . 61.__ . 63.__ . 35.__ . 宮崎大学   .__ . 56.__ . 27.__ . 48.21%
47(↓).__ . 35.__ . 31.__ . 41.__ . 52.__ . 32.__ . 50.__ . 獨協医科大学 .__ . 60.__ . 27.__ . 45.00%
51(↓).__ . 23.__ . 60.__ . 44.__ . 23.__ . 31.__ . 28.__ . 東京医科大学 .__ . 46.__ . 25.__ . 54.35%
52(↑).__ . 58.__ . 67.__ . 60.__ . 75.__ . 66.__ . 74.__ . 三重大学   .__ . 34.__ . 24.__ . 70.59%.__ .
52(↓).__ . 43.__ . 39.__ . 57.__ . 35.__ . 54.__ . 12.__ . 藤田保健衛生 .__ . 36.__ . 24.__ . 66.67%
52(↓).__ . 26.__ . 44.__ . 31.__ . 23.__ . 32.__ . 52.__ . 広島大学   .__ . 55.__ . 24.__ . 43.64%
55(↑).__ . 63.__ . 48.__ . 67.__ . 66.__ . 72.__ . 68.__ . 琉球大学   .__ . 35.__ . 23.__ . 65.71%
55(↓).__ . 51.__ . 71.__ . 27.__ . 52.__ . 40.__ . 46.__ . 徳島大学   .__ . 47.__ . 23.__ . 48.94%
55(↑).__ . 67.__ . 66.__ . 57.__ . 59.__ . 67.__ . 49.__ . 島根大学   .__ . 48.__ . 23.__ . 47.92%
55(↓).__ . 28.__ . 18.__ . 35.__ . 30.__ . 32.__ . 32.__ . 川崎医科大学 .__ . 49.__ . 23.__ . 46.94%
55(↓).__ . 46.__ . 15.__ . 11.__ . 17.___ . 5.__ . 41.__ . 金沢大学   .__ . 71.__ . 23.__ . 32.39%
60(↓).__ . 31.__ . 58.__ . 56.__ . 65.__ . 40.__ . 27.__ . 愛知医科大学 .__ . 32.__ . 22.__ . 68.75%
60(↑).__ . 66.__ . 71.__ . 70.__ . 58.__ . 32.__ . 54.__ . 山形大学   .__ . 50.__ . 22.__ . 44.00%
62(↓).__ . 56.__ . 44.__ . 35.__ . 55.__ . 60.__ . 58.__ . 群馬大学   .__ . 59.__ . 21.__ . 35.59%
63(↑).__ . 67.__ . 51.__ . 60.__ . 38.__ . 44.__ . 54.__ . 浜松医科大学 .__ . 47.__ . 18.__ . 38.30%
63(↓).__ . 43.__ . 36.__ . 65.__ . 62.__ . 71.__ . 61.__ . 埼玉医科大学 .__ . 55.__ . 18.__ . 32.73%
65(↓).__ . 53.__ . 64.__ . 54.__ . 26.__ . 60.__ . 54.__ . 名古屋市立  .__ . 36.__ . 17.__ . 47.22%
65(↓).__ . 47.__ . 44.__ . 47.__ . 45.__ . 48.__ . 65.__ . 福井大学   .__ . 46.__ . 17.__ . 36.96%
67(↓).__ . 56.__ . 71.__ . 73.__ . 62.__ . 55.__ . 75.__ . 高知大学   .__ . 49.__ . 16.__ . 32.65%
68(↑).__ . 72.__ . 76.__ . 60.__ . 74.__ . 68.__ . 63.__ . 岐阜大学   .__ . 37.__ . 12.__ . 32.43%
68(↑).__ . 77.__ . 71.__ . 67.__ . 55.__ . 77.__ . 68.__ . 鳥取大学   .__ . 44.__ . 12.__ . 27.27%
70(↓).__ . 61.__ . 42.__ . 49.__ . 26.__ . 14.__ . 41.__ . 横浜市立   .__ . 55.__ . 11.__ . 20.00%
70(↓).__ . 61.__ . 60.__ . 54.__ . 49.__ . 51.__ . 41.__ . 新潟大学   .__ . 83.__ . 11.__ . 13.25%
72(↓).__ . 70.__ . 71.__ . 74.__ . 66.__ . 69.__ . 59.__ . 東北大学   .__ . 38.__ . 10.__ . 26.32%
73(↑).__ . 79.__ . 79.__ . 79.__ . 77.__ . 79.__ . 79.__ . 岩手医科大学 .__ . 15.__ . 9.__ . 60.00%
73(↑).__ . 75.__ . 70.__ . 77.__ . 69.__ . 78.__ . 70.__ . 名古屋大学  .__ . 23.__ . 9.__ . 39.13%
73(↓).__ . 70.__ . 51.__ . 71.__ . 45.__ . 57.__ . 53.__ . 山口大学   .__ . 34.__ . 9.__ . 26.47%
76(↑).__ . 78.__ . 76.__ . 77.__ . 79.__ . 75.__ . 75.__ . 産業医科大学   11.__ . 8.__ . 72.73%
77(↓).__ . 73.__ . 67.__ . 60.__ . 73.__ . 73.__ . 73.__ . 秋田大学   .__ . 35.__ . 7.__ . 20.00%
77(↓).__ . 74.__ . 76.__ . 75.__ . 78.__ . 73.__ . 70.__ . 弘前大学   .__ . 51.__ . 7.__ . 13.73%
79(↓).__ . 75.__ . 63.__ . 71.__ . 71.__ . 75.__ . 65.__ . 福島県立医科 .__ . 44.__ . 6.__ . 13.64%





http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/9/26/254822/
「待ち時間長い」家裁事務官が看護師殴った疑い
読売新聞 2014年9月26日(金) 配信 Doctors Community 15件

 病院で看護師を殴ったとして、警視庁愛宕署が東京家裁事務官の男(56)から暴行容疑で任意の事情聴取をしていることが捜査関係者への取材でわかった。

 事務官は事実関係を認めており、同署は同容疑で書類送検する方針。

 捜査関係者によると、事務官は24日午前、東京都港区の東京慈恵会医科大付属病院で、近くを通った女性看護師の顔を殴った疑い。事務官は診察のため病院を訪れており、調べに「待ち時間が長くて腹が立った」と供述している。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/254820/
The Voice
医療は“自治体消滅”を救うか
若者の雇用と高齢者問題への対応を考える

2014年9月26日(金) 河合雅司(ジャーナリスト)


 安倍改造内閣が発足し、安倍晋三首相は「地方創生」を新たな政策の柱に掲げた。

 このまま東京一極集中を許したのでは日本は“破滅”の道を進む。ところが、有識者による「日本創成会議」の分科会が公表した「2040年までに全国の自治体の半数が将来的な『消滅』の危機にさらされる」という推計のインパクトが余程強かったのか、自治体の中には「危機感」を通り越して「諦めムード」が漂っているところも少なくないという。

 「いまさら」との印象もあるが、政府が地方の生き残りに目を向け、頑張る自治体の応援に乗り出すことにしたのは、大きな一歩だといえよう。とはいえ、「地方創生」という言葉のイメージは、受け止める側によって大きな開きがあるようだ。

 「地方の活性化には、公共事業費を増額することだ」といった景気刺激策として捉える人たちが相変わらず少なくない。町おこしイベントの企画構想も相次いでいる。「地方がうまく行かないのは、分権が遅れているからだ」との意見も強い。

 こうした景気刺激も地方分権も重要な視点ではある。だが、もはや日本の人口減少は一過性の景気浮揚や地方分権だけで何とかなるレベルにはない。国家を一から作り直さなければならない段階に突入していることを忘れてはならない。

 地方を「消滅」の危機から救うため、政府内ではさまざまな構想が練られているが、各省とも「コンパクトな街づくりが避けられない」との認識では一致している。全国に拠点となる都市を設け、周辺自治体からの人口を集約することで人口20万~30万人規模の都市圏を維持しようというのだ。すべての自治体や集落が生き残ることは難しい以上、上手に集約し、社会のサイズを縮小していくことが求められる。

 だが、人口20万~30万人を維持しようと思えば、街としての「魅力」が必要となる。しかも若い世代が定住しなければ持続しない。最も重要なのは若者の職場の確保である。

 アイデアは花盛りだ。民間シンクタンクなどからは、農業分野などでの起業、地元企業の海外展開、国際観光都市へのイメージ戦略、大学を中心としたアカデミックな街づくりのアイデアや、ユニークな子育て支援策についての提言がなされている。

 ただ、若者の雇用確保策を考える一方で、激増する高齢者の暮らしも守らなければならないところに、人口減少問題の難しさがある。

 そこで注目を集めるのが「医療」である。医療機関、とりわけ地域の中核をなす病院は多くの雇用を生むからだ。医師や看護師などはもちろん、医薬品や物品の納入業者、患者を送迎するタクシー業者、自動販売機業を含めた飲食業者など関係業種の裾野は広い。医療機関を中心とした街づくりをすれば、若者の雇用創出と高齢者問題を同時に解決できるとの発想だ。

 国土交通省の「国土のグランドデザイン」によれば、三大都市圏を除く500人規模の町には、飲食店、郵便局とともに診療所が必ずと言ってよいほど存在する。どんな暮らしを選ぶにせよ、医療機関が不可欠ということだ。こうした状況に、政府内からは「医療機関がなければ都市生活は成り立たないのだから、発想を逆転させて、地域の拠点病院を中心にコンパクトな街づくりを考えるほうが現実的だ」との声が出ている。

 これに呼応するように、厚労省も医療機関を中心とした街づくり構想を言い始めた。

 厚労省は都道府県を中心として、地域の医療需要の将来予測や疾病構造の変化を踏まえた病床機能の再編を促すほか、レセプト(診療報酬明細書)データの分析によって都道府県ごとに医療費抑制目標値を設定する方針を打ち出している。

 これまでの厚労省の医療制度改革の説明は、どちらかといえば、膨張する医療費の抑制を強調してきた。しかし、最近の厚労省幹部の説明には「医療介護を含めたまちづくり」、「新しいまちづくりを促進する仕組みの構築」といった言葉が目立つ。人口20~30万人レベルで地域において、救急病院など基幹病院を中心とした医療機関ネットワークの構築の必要性をうたう説明資料まで見られる。

 政府内では「『地方創生』の看板を掛けなければ、来年度予算の獲得は難しい」との雰囲気が強まっている。「バスに乗り遅れるな」との側面もあるのだろう。だが、そこには厚労省の焦りも見え隠れする。

 厚労省は病院完結型医療から地域完結型へと医療の在り方の大転換を打ち出し、住み慣れた地域で安心して暮らせるようにすると宣言したものの、高齢者の一人暮らしや高齢夫婦のみの世帯が多く、在宅医療や在宅介護に対する国民の不安や不満は依然強い。

 「地域包括ケアシステム」の整備に力を入れようとしている矢先に、人口激減地域で民間病院の過当競争に伴う倒産が相次いだのでは、「在宅医療」構想は根底から見直しを迫られる。それ以前に、日常の診察にあたる病院が倒産してしまつたのでは、そのまま地域の崩壊に直結しかねない。

 厚労省は、地域医療の在り方について「競争よりも協調」の必要性を掲げてもいる。公立病院を含め、すべての医療機関が自分たちの地域の医療をどうして行くのか理念を共有しなければ、人口減少時代を乗り越えられないとの説明だ。厚労省にしてみれば、「医療費抑制のため」というより「地方創生」という国策の後押しがあったほうが、病院機能再編について医師や地元住民の理解を得やすい。「医療」を中心とした街づくりは、まさに“願ったり叶ったり”というところだろう。

 ただ、政府内の「医療」を中心とした街づくりに関する思惑は一枚岩とは言い難い。本格的な高齢社会を迎え医療提供体制が崩壊することを懸念する厚労省に対し、医療を「成長産業」と見て地域活性化の起爆剤ととらえる声は小さくない。

 高齢者の暮らしを支えるには、医療だけでなく、病院へ通うためのコミュニティバスなど公共交通や高齢者住宅、商業施設といった様々なサービスも整えなければならないとの考え方だ。医療法人改革で「非営利ホールディングカンパニー型法人」の導入を図り、医療周辺ビジネスと出資関係を持ちやすくしようという思惑も政府内にはある。

 地域の拠点となる病院の敷地内や隣接地に、高齢者住宅を整備したり、フィットネスクラブやカルチャーセンター、大型書店、ショッピングモールを建設したりして、巨大な高齢者タウンを造ろうというアイデアも浮上している。

 このあたりになると、もはや地域の医療提供体制をどうしていくかという話とは論点が異なる。急激に人口移動が進めば、医療機関の地域バランスが崩れ、病院機能の再編をむしろ妨げることにもなりかねない。

 若者を惹きつけ、人口規模を維持できなければ医療機関どころか、地域そのものが「消滅」してしまう。とはいえ、地域の医療提供体制を再編なくしては激増する高齢患者に対応はできない。

 両者を同時に実現するのは難しい。何を守り抜き、何を諦めるのか。「医療」を中心とした街づくりに限らず、「地方創生」を成功させられるかどうかは、安倍政権の取捨選択の判断にかかっていると言えそうだ。


※本記事は、2014年9月23日に先見創意の会のホームページで掲載した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/254774/
降圧剤論文問題と研究不正
研究不正対応不備なら間接経費停止も
文科省新GL、データ保存や倫理教育は義務付け

2014年9月26日(金) 池田宏之(m3.com編集部)

 文部科学省は9月25日、来年4月から適用する「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」についての関係団体向けの説明会を都内で開催した(資料は、文科省のホームページ)。研究不正が発生した際の研究機関の責任の明確化などが主な趣旨で、「研究倫理教育責任者の配置」「研究者への倫理教育の実施」「研究データの保存・開示」などを求め、対応を取らない場合は研究機関への間接経費の停止の措置などを講じる。さらに文科省は、確認された不正行為について、一覧化して公開する。説明会は9月29日までに、東京や大阪で開催され、周知徹底を図る。

対象、基盤的経費の研究にも拡大

 ガイドラインは、降圧剤ディオバンを巡る論文不正や、理化学研究所のSTAP細胞の論文に関する不正など、研究活動の不正行為事例が後を絶たないことから、文科省が検討を進めてきて、8月に策定した。基本方針として、従来の不正行為対応が、研究者個人の責任に委ねられていたのに対して、「研究機関が組織を挙げて不正行為の防止に関わる」ことで、不正行為が起こりにくい環境づくりの強化が掲げられている。

 ガイドラインの適用は2015年4月1日からで、対象となるのは、2015年度以降の文科省の予算配分や措置で実施される活動の全て。対象は、従来の競争的資金を活用した研究活動だけでなく、基盤的経費による研究にも拡大する。2014年度以前の研究における不正行為は、対象外。

 研究機関に求められるのは、「責任ある研究体制を確保するための方針、規定の整備」に加え、「研究倫理教育責任者の配置」「研究者への倫理教育の実施」「研究データの保存・開示」が義務付けられる。倫理教育については、日本学術鍵や日本学術振興会とともに、プログラムを作成中。CITIなど既に用いられている倫理教育プログラムの取り扱いについて、文科省は代替が可能であるように運用してくように調整していく意向を示している。倫理教育の対象者については、基本は研究者としながらも、「将来研究者を目指す人材や研究支援人材なども、各研究機関で業務や専門分野の特性を踏まえて、適切に配慮してほしい」としている。

 「データ保存期間」については、現在、日本学術会議が一定の指針作りを進めていて、指針に基づいて、各研究機関で定めるように求めている。ガイドラインは、過去に遡及しないが、2006年に文科省が定めたガイドラインでも、不正行為への疑惑への説明責任は研究者に課されていて、「データの不存在により、証拠を示せない場合は、不正行為と認定されることがある」としている。

内部調査をけん制する規定も

 「不正行為」の中でも、「捏造」「改ざん」「盗用」は「特定不正行為」として定められている。それ以外は、二重投稿、不適切なオーサーシップなどがあるが、それぞれの基準は、文科省が審議を依頼した日本学術会議が2015年3月までに示す予定。「特定不正行為」については、研究機関に、調査手続きや方法に関する規定を定めて公表し、告発者の秘密保持と、告発後の具体的手続きの明確化を求めている。調査に当たっては、内部調査と受け取られないように、「調査委員会に外部有識者を半数以上入れる」ことを求めているほか、再現実験の機会を確保するように求めている。調査結果の公表範囲については、各研究機関の判断に任せることとなっている。

 以上のような体制について、文科省は研究機関をサンプリングし、履行状況を調査する。管理体制に不備がある場合は、「管理条件」を付与した上で一定期間対応を求め、管理条件が履行されなければ、研究機関への「間接経費」などの措置を取る。措置は、担当していた部局に限定せず、機関全体に対する措置となる。文科省は、研究機関に対して、履行状況を一覧化したチェックリストを提示する考えを示している。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/9/26/254860/
グローバル大学37校を選定 国際化進める大学支援
共同通信社 2014年9月26日(金) 配信

 文部科学省は26日、世界レベルの研究を行う大学や、国際化を進める大学を支援するため「スーパーグローバル大学」に国公私立大37校を選定したと発表した。期間は10月1日から2023年度末まで。

 104校が応募し、文科省の有識者委員会が審査した。世界トップレベルの教育や研究を目指す「トップ型」には東京大、東北大、広島大など国私立計13校、新しい取り組みで国際化を先導する「グローバル化牽引(けんいん)型」には金沢大、会津大、立命館大など国公私立計24校が選ばれた。

 選定された37校は今後、各大学の構想に基づいて海外のトップレベルの大学と共同での大学院の創設や、海外の大学との連携などを推進する。

 文科省は教員の人件費など必要経費を支援。支援額は大学によって異なり、「トップ型」が1校あたり年間4億2千万円、「グローバル化牽引型」が1校あたり年間1億7200万円を標準額としている。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/9/27/255122/
調剤費伸び「異様」との声、日病協
池田宏之(m3.com編集部) 2014年9月27日(土) 配信

 日本病院団体協議会は9月26日に代表者会議を開いた。会議の中で、大手調剤薬局の在り方も含めた調剤費の伸びについて、「異様」と指摘する声が出て、中医協で議論するように求める声が出た。終了後に会見した、日病協の加納繁照議長は、日病協としてまとめられるデータがあるならば、提示したい考えを示した。

 8月に厚生労働省が公表した2013年度の医療費の動向によると、2012年度比で、診療費の伸びが医科・歯科を合わせて、1.4%だったのに対し、調剤費は5.9%伸びていた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。この伸び方について、出席者からは「異様に高い」との指摘が出た。原因として挙がったのは、大手調剤薬局の存在。薬剤について、同様の説明をしても、院内調剤では加算できず、院外調剤では加算できる診療報酬がある点などを問題視する声が上がったという。加えて、加納氏は「薬価差益の問題も大きいのでは」と指摘した上で、中医協での議論を求めていく方針でまとまったという。

 また、消費税率8%への引き上げの影響調査では、1075病院のうち、363病院から回答が来ていることを明かした。加納氏は、関心の高さから回収率が上がっているとの認識を示し、データを集計したものの、回答の提出まで至っていない病院が確認されていることを踏まえて、「400を超えるとみられ、多様な分析ができる」と話した。結果の公表は10月以降となる。



http://www.kanaloco.jp/article/78246/cms_id/103729
診療報酬 後絶たぬ不正請求 基準曖昧で審査甘く
2014.09.28 03:00:00【神奈川新聞】カナロコ

 診療報酬をめぐる不正・過大請求が後を絶たない。JA県厚生連伊勢原協同病院(伊勢原市)で疑いが明らかになった「検体検査管理加算」の不正請求も、過去に他の医療機関で発覚している。一方、不正が明るみに出るのはわずかとみられる。医療関係者は、届け出基準の曖昧さや厚生労働省の審査の甘さを指摘する。

 同加算をめぐっては、2005年に滋賀県内の病院、12年には宮城県内の病院でそれぞれ1千万円単位の不正請求が発覚。それぞれ、臨床検査の担当医が手術補助などの業務を受け持っていたり、週1回の外来診療に当たっていたりしていた。県内でも09年、川崎市内の病院で数百万円の不正請求が明らかになっている。

 静岡県内の病院は今年7月、同加算4の請求をめぐり、臨床検査医の「常勤」の基準を満たしていないと厚労省から指摘を受けた。同院によると、6月末で請求資格を取り下げ、13年4月からの本来の資格との差額分の診療報酬を患者の自己負担分を含めて返還する方針だ。

 同院は常勤医に必要な勤務時間について、医療法に基づき「週32時間以上」と解釈。だが厚労省は「週5日40時間」を原則とし、患者1人当たりの診療点数が月400点(4千円)低い同加算2に当たると指摘したという。同院関係者は「医療法に準じるのが当然だと思っていた。同様の解釈をしている病院は多いのではないか」と話した。

 ただ、不正や過大請求が発覚するケースはまれだ。

 同加算など特別な診療行為ごとに算定される特掲診療料を請求できる資格は、施設規模に応じた医療機関の届け出に基づき、厚労省が審査して決定される。ある病院関係者は「審査はほぼスルーと言っていい」と打ち明ける。

 なぜか。「病院の性善説が根底にある」。別の医療関係者が説明する。基準を満たすため、実労働がなくとも名義を使うためだけに医師を在籍させている病院もあるという。「(診療所を除いた)病院だけでも1万軒近くあり、厚労省はチェックを徹底しようにも、手が回らないはず」とみるこの関係者は、「結果的に不正を野放しにしている、と言われても仕方がない」と国を批判した。

 東京医科歯科大の川渕孝一教授(医療経済学)は「日本のチェック体制はアナログで、先進国の中で非常に遅れている。制度設計に明らかな欠陥がある」と指摘する。診療報酬の請求内容を調べる厚労省の指導医療官ら指導・監査担当者が、慢性的に不足しているのが実態という。医療機関から市町村や健康保険組合に請求されるレセプト(診療報酬明細書)は年間十数億枚に上るとされ、「レセプトと院内体制の二重チェックで精いっぱいだ」と強調する。

 不正請求を防げなければ、患者の自己負担が増えるだけでなく、不必要な医療費の増大を招く。川渕教授は抜本的な不正請求対策として、「診療報酬の管理を全面的に電子化してシステム監査に移行し、(医師の配置の把握を容易にするため)専門医の登録制もさらに進めるべきだ」と提言している。



http://moneyzine.jp/article/detail/211948
調剤薬局がグループ化で規模を拡大
調剤薬局の調剤報酬の構造も影響か

加藤 秀行、 サイトウ イサム
2014年09月27日 20:00 MONEYzine

 儲けすぎとの批判もある調剤薬局。規模の拡大で収益が拡大する構造になっており、積極的にM&Aが行われている。
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狭いスプレッド2年連続
 近年、調剤薬局グループが積極的にM&Aを実施し、規模の拡大を進めている。

 矢野経済研究所は9月12日、調剤薬局グループに関する調査結果を発表した。調査は調剤薬局グループ企業を対象に、4月から7月にかけて実施された。今回の調査では、20店舗以上の保険調剤が可能な薬局を保有する薬局開設者を、調剤薬局グループと定義した。

 レポートによると、調剤薬局グループの現状は、2013年9月時点の地方厚生局の保険薬局開設者資料と、矢野経済研究所のデータベースから算出したところ、全国で210グループとなった。また調剤薬局210グループが保有する保険薬局店舗数は1万4,484店で、全国の保険薬局5万5,644店の26.0%を占めた。

 レポートでは、調剤薬局グループの保険薬局店舗数に占める比率は、今後も拡大すると予想している。これは近年、調剤薬局グループが活発にM&Aを実施しているため。M&Aの対象となる保険薬局の多くは、数店舗を展開する個店薬局だったが、今後は大手調剤薬局グループ同士の再編という動きも予想されており、さらなるグループ化が進むとみられている。

 このようにM&Aが加速する背景には、調剤薬局の収益構造も関係しているようだ。

 患者が病院や診療所から発行された処方せんを調剤薬局に持参すると、薬剤師が調剤してくれる。このとき調剤薬局には、厚生労働大臣が定められた「調剤報酬点数表」で算出された調剤報酬が支払われる。この調剤報酬が、調剤薬局の収入となる。

 調剤報酬は、処方せんに基づいて薬を調剤する技術に対して算定される「調剤技術料」と、保険薬局が患者に薬の飲み方を指導したり、薬に関する情報を提供した場合に算定される「薬学管理料」、処方された薬剤の価格によって換算される「薬剤料」、インシュリンの針などが処方された場合に算出される「特定保険医療材料料」の4つに分類される。

 例えば、「調剤技術料」は「調剤基本料」と「調剤料」に分かれており、調剤調剤基本料は、薬局ごとに規模や業務内容等により点数(価格)が決められている。また基本料は処方箋の受付回数に応じて算定される。こうした構造によって、規模拡大のメリットが収益の増大につながっている。

 調剤薬局の好業績ぶりは「調剤バブル」などとも呼ばれ、儲けすぎといった批判の声が上がることもある。ただ今後は人口が減少傾向にあることや医薬分業の伸び率鈍化、店舗数全体の増加にかげりも見え始めている。こうした環境の変化も、大手薬局の規模拡大や再編に影響を与えそうだ。



http://www.minpo.jp/news/detail/2014092718279
【災害心理研究所】ストレス低減に成果を(9月27日)
( 2014/09/27 08:39 カテゴリー:論説 )福島民報

 東京電力福島第一原発事故による心理的な影響で、県内の子どもと保護者(母親)の受けるストレス(心理的な負担)が低くなってきた。福島大の「災害心理研究所」が今月、公表した調査結果で分かった。喜ばしい傾向だが、他県での数値に比べると依然、高いままだ。親子で長期的に抱えたストレスが今後、子どもの成長にどう影響するのか。対処法を導くためにも、同研究所のこれからの活動と研究成果に注目したい。
 被災者に対する心のケアは、東日本大震災から3年半たった今も重視すべき課題だ。心理的な問題から健康を害するなど、日常の暮らしの隅々にまで影響を及ぼしているケースもあるのではないか。復興庁は平成27年度予算の概算要求で、被災者の心のケアに18億円を計上した。今月就いた竹下亘復興相はインタビューに「一人一人に寄り添うのが大事で、心のケアなどソフト事業が重要になる」と述べている。支援体制をさらに充実するべきだ。
 地震や津波などの自然災害で痛手を受けた人に対する心のケアの手法は阪神大震災を機に、ある程度確立されてきたといえる。だが、原子力災害がもたらす心理的な影響については科学的に解明されていないのが現状だ。事故発生から30年近くたつチェルノブイリ原発周辺では、いまだに心の問題を抱えている住民が見られるという。
 原子力災害による心理的な影響の実態を調査して不安やストレスの仕組みを解明し、状況に見合った低減策や支援策を施す必要がある。福島大はこうした目的で今春、同研究所を開設した。それまでも研究チームを組織し、震災直後から、県内の子ども(1歳6カ月児から小学生)と母親を対象に、定期的に調査してきた。震災後に生まれた子どもにも、原発事故が起因するとみられるストレス反応があった。母親の不安やストレスが子育てにも大きく影響している表れだろう。
 同研究所が今回公表したのは、幼稚園児から小学生までと母親対象の4回目の調査結果だ。過去3回に比べてストレスが低減したという結果は母親に安心感を持たせ、子どもにも好影響を与えるのではないか。しかし、同じ調査をした秋田、福井、兵庫の3県の結果と比べ、本県の母子のストレスはかなり高かった。
 同研究所は調査を続け、具体的な低減策を打ち出してほしい。県の「ふくしま心のケアセンター」や福島医大の「災害こころの医学講座」などと連携し、共同で取り組むことも大切だ。(戸井田 淳)



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140927_9
ドクターヘリ広域連携協定を締結へ 10月、北東北3県
(2014/09/27) 岩手日報

 岩手、青森、秋田の北東北3県が試行していたドクターヘリの広域連携運航について、県は26日、10月から正式運航すると発表した。10月1日に広域連携協定を締結する。

 他県へのヘリ要請は、これまで自県のドクターヘリと防災ヘリが対応できない場合のみに限られていた。協定締結により、今後は自県の防災ヘリの利用状況にかかわらず、距離や患者の病状など現場状況に応じ、他県へヘリ要請ができるようになる。

 転院搬送は広域連携の対象外だが、地理要因などを理由とした特定病院間では可能。本県ヘリは、秋田県鹿角市のかづの厚生病院から岩手医大付属病院(盛岡市)への転院搬送に対応することとした。

 ドクターヘリの広域運航は、昨年4月から3県で試験的に実施。円滑な運航ができるかどうかなど調べていた。県によると、試行運航期間中(9月15日まで)の3県の要請件数は計11件。うち本県によるヘリ要請は青森県へ6件、秋田県へ1件の計7件だった。



http://mainichi.jp/area/niigata/news/m20140927ddlk15040046000c.html
医療過誤?:胃ろう管外れ、男性死亡 新潟の病院、29日会見 /新潟
毎日新聞 2014年09月27日 地方版

 新潟市中央区の新潟市民病院で今年8月、胃ろうの手術を受けた70代男性が転院先の民間病院で胃ろうのチューブが抜け、腹膜炎を発症して死亡していたことがわかった。同病院は医療過誤の可能性があったとして、調査を進めている。

 男性は8月22日、民間病院から市民病院に転院。腹壁に穴を開けてチューブを通し胃に栄養を送る胃ろうの手術を受けた。同27日に民間病院に再度転院したが、同31日にチューブが抜けているのが見つかり、市民病院に搬送されたが、同日中に死亡した。死因は腹膜炎と見られる。

 市民病院は、チューブが外れたのは、チューブを体に固定する器具の使用法を誤ったのが原因であった可能性があるとして、既に男性の家族に状況を説明し、謝罪しているという。

 市民病院の担当者は毎日新聞の取材に「現在はコメントできない」としており、29日に記者会見を開いて詳しい事情を説明するとしている。【山本愛】


  1. 2014/09/28(日) 05:52:39|
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9月26日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43855.html
研修医の募集定員、地方比率が過去最高- 来年度、4年ぶり増の1万1222人
( 2014年09月26日 17:11 ) キャリアブレイン

 厚生労働省は26日、来年度の医師の臨床研修の実施体制を公表した。それによると、研修医の募集定員は1万1222人(2014年度は1万703人)で4年ぶりに増加したほか、募集定員に占める地方(大都市部のある東京都と神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県以外の道県)の割合は63.4%(同61.7%)で、04年度の新医師臨床研修制度の導入以降で最高だった。【丸山紀一朗】

 募集定員のうち444人は、一定規模以上の病院が必ず設置することとなっている小児科・産科の研修プログラムの特例定員。同省によると、来年度に臨床研修を開始する研修医を募集する臨床研修病院は900か所(同897か所)、大学病院は118か所(同117か所)だった。また、臨床研修病院の募集定員は6315人(同5876人)、大学病院は4907人(同4827人)で、募集定員に占める大学病院の割合は43.7%(同45.1%)と、4年連続で減少した。

 現在、診療に従事する医師は、指定を受けた臨床研修病院や大学病院で、2年以上の臨床研修を受けるよう定められている。同省によると、この制度の導入で研修医の基本的な診療能力の向上がみられる一方、募集定員総数が研修希望者を上回り、研修医が都市部に集中しやすいなどの問題が指摘されている。同省は、10年度から都道府県別の募集定員の上限を設定したほか、医学部入学定員の増加なども考慮し、研修医の地域的な適正配置を誘導している。



http://www.yomiuri.co.jp/local/aomori/news/20140926-OYTNT50460.html?from=ycont_top_txt
来月1日から ドクターヘリ他県出動緩和
2014年09月27日 読売新聞

 県は26日、北東北3県で広域連携しているドクターヘリの運航マニュアルを10月1日に改正し、同日から他県への出動要件を緩和して本格的な運航を始めると発表した。現場の医師の判断で、他県ヘリを出動できるよう見直し、3県は救急医療態勢の強化を図る。


 マニュアルの出動要請できる要件の一つに「他県ヘリの出動が自県ヘリの出動より効果的だと医師が判断したとき」と明記する。対象を急性心筋梗塞や脳卒中、出血性ショックなど、迅速な治療が求められる患者とすることも申し合わせる方針だ。費用負担は当面、出動した側が負担することで合意したものの、出動件数が増加した場合は改めて協議する。秋田、岩手両県には自県よりも青森のヘリの方が到着が早い地域があり、費用増を懸念する本県に配慮した模様だ。

 ヘリの3県広域連携は昨年4月に試行的に始まり、25日現在でヘリの他県への出動件数は11件。内訳を見ると、青森から他県への出動が8件と最も多く、秋田から岩手、岩手から青森、岩手から秋田への出動は各1件だった。試行期間では、自県ヘリが対応できない場合のみ他県への出動要請を認めたが、秋田、岩手で本県との県境に近い地域から「自県ヘリ優先」の原則緩和を求める声が上がった。

 本県は秋田、岩手への出動件数が増えると「県内の出動要請に応じられず、県民の命を守れない恐れがある」(県幹部)と慎重姿勢だったが、秋田、岩手両県側から青森県内での運航に支障は出ないとの試算が示されたため、要件緩和で5月に大筋合意。マニュアル見直しの協議を進めていた。

 県医療薬務課は「試行的な運用で実績や課題を検証し、本格運航に向けて一区切りがついた。救急医療の提供体制を充実させていきたい」としている。



http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/campus/jitsuryoku/20140919-OYT8T50041.html
現場を歩く 医学部1年、臨床実習
往診に同行、患者に接し意欲高める

2014年09月26日 09時00分 読売新聞

 「ちょっと待って」。8月末、新潟県長岡市の高齢者宅。

 ベッドに横たわる女性患者(81)の腕をこわごわ握り、血圧を測ろうとした新潟大学医学部(新潟市)の1年生2人に、日頃往診している開業医の佐伯牧彦医師(55)がやんわり注意した。「楽にしてください、と一声かけて測るんだよ」

 3人の後ろで、同大の赤石隆夫准教授がその模様をつぶさにメモしていた。〈学生の服装OK。胸ポケットに手帳とペン。態度良好。学生に血圧を測らせてくれて感謝。患者と医師の信頼関係のたまもの〉

 今年で15年目となる1年次夏休み中の臨床実習。1年生の全員約120人が県内の約30医療機関に分かれ、2日間、実地で学ぶ。一通り基礎を修めた5年次から臨床実習に取り組む大学が多い中、珍しい試みだ。


 苦労して医学部に入ったのに、講義ばかりでそれらしい授業がない――。実習が始まったのは、学生の不満からだった。教員間でも、医師に向いていない学生には早く自覚させた方がいい、という声が上がっており、追い風となった。

 プログラム責任者の鈴木利哉教授は「患者さんに接することで、学ぶ意欲を高めてほしい」と期待を込める。実習前には、学生同士で何を学びたいかを話し合わせ、事後にはリポート提出や発表も課して、成果の向上を図る。

 身だしなみや態度への注意も怠らない。ジーパン、スニーカー、茶髪は禁止。話を聞く時にはメモを取る……。「接客業」である医師としての基本も身につけさせるためだ。教員が実習先を巡回し、厳しくチェックする。今回も、ジーンズ姿でメモも取らない学生がおり、赤石准教授に叱責されていた。

 学生の多くは将来に向けての手応えを感じているようで、「もっと実習したい」と前向きだ。同大は2、3年次の実習も検討している。


 受け入れ先は、同大卒業生が多く、佐伯医師もその一人だ。「医者はやりがいのある仕事と、後輩に実感させたい」と言う。診察室だけでなく、往診する患者宅にも学生を同行し、血圧の測り方などを教え、患者や家族とのコミュニケーションの取り方を覚えさせるようにしている。

 高齢者宅での実習を終えた1年の畠山琢磨さん(21)は、患者を不安にさせない佐伯医師の配慮を目の当たりにし、「自分の将来像がつかめた気がする」と語った。自身が心臓にペースメーカーをつけ、医療の恩恵を受けてきた。「今度は自分が信頼される医師になりたい」と力を込めた。(編集委員 松本美奈)

見学型が主流

 医学部在学中の臨床実習は、日本では長時間を割かない傾向が強く、見学型が主流だ。しかし、世界保健機関(WHO)の下部組織である世界医学教育連盟等の国際基準では、参加型で、長期の臨床実習を求めている。2010年には医学部卒業者が行う臨床研修について、米国の公的機関が国際基準で認証を受けた大学の卒業者しか23年以降は受け付けないと表明した。日本の医学教育は、現状のままでは米国で研修を受けられないだけでなく、国際的に通用しないとみなされる恐れもあり、対応を迫られている。



http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1409/26/news159.html
日経が公開した「人口減少地図」が考えさせられる 26年後、自治体の半数以上が“消滅の可能性あり”
2040年に「若い女性が半減して人口を保てず消滅するおそれがある」市区町村が、およそ半数にのぼるそう。

[ねとらぼ]  2014年09月26日 20時15分

 日本経済新聞が公式サイトで公開した日本の人口減少地図が興味深いです。「2014~40年における若年女性の増減」「2010~14年の人口の増減」「小学校数」「医療機関数」をそれぞれ市区町村ごとに色分けした4つの地図で、1つのサイトで切り替えながら各自治体の置かれている状況が確認できます。

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地図。若年女性が半数以上減ることを示すオレンジ~紫だらけ!
http://www.nikkei.com/edit/interactive/population2014/map.html#!/z=5/2014%EF%BD%9E40%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%8B%A5%E5%B9%B4%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%A2%97%E6%B8%9B%E7%8E%87%E3%82%92%E7%A4%BA%E3%81%97%E3%81%9F

 ネットで特に話題になっているのが若年女性の減少地図。若年女性とは出産に適した年齢といえる20~39歳の女性のことです。地図では日本のほとんどが、半数以下になることを示すオレンジ色から紫色に染まっています。日本創成会議は、2040年に若年女性が50%以上減る自治体を、女性が生涯に産む子どもの数が増えても人口を保てず消滅するおそれがある「消滅可能性都市」としており、全国のおよそ半数にあたる896の市区町村が該当するそうです。

 「医療機関数」以外の地図では、それぞれ増減率・校数のベスト/ワースト10も公開。若年女性の増減率のワーストの1位は89.9%減るとされる群馬県甘楽郡南北村で、北海道は6つの自治体が10位内に入り、いずれも減少率が84%を超えています。

 地図に対しTwitterでは「これはすごい。(若年女性が)増えてる自治体がほとんど無いんじゃないの?」「今更ながら驚愕する。日本は消滅するぜ、ホント!」と減少率に驚くコメントや、「よくできてると感心している場合ではないな」「過度に心配したり現実を見ないとかいうのではなく、具体のアクションにつなげる一歩にしたいもの」など具体策を求める意見が上がっています。

 地図の数値データは日本創成会議、国立社会保障・人口問題研究所、総務省の資料に、2040年の人口推計は民間組織「日本創成会議」の発表に基づいたもの。日経は地図を元にした「人口病に克つ」特集もデジタル版で公開しています。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/254774/?category=report
日研究不正対応不備なら間接経費停止も
文科省新GL、データ保存や倫理教育は義務付け

2014年9月26日 池田宏之(m3.com編集部)

 文部科学省は9月25日、来年4月から適用する「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」についての関係団体向けの説明会を都内で開催した(資料は、文科省のホームページ)。研究不正が発生した際の研究機関の責任の明確化などが主な趣旨で、「研究倫理教育責任者の配置」「研究者への倫理教育の実施」「研究データの保存・開示」などを求め、対応を取らない場合は研究機関への間接経費の停止の措置などを講じる。さらに文科省は、確認された不正行為について、一覧化して公開する。説明会は9月29日までに、東京や大阪で開催され、周知徹底を図る。

対象、基盤的経費の研究にも拡大

 ガイドラインは、降圧剤ディオバンを巡る論文不正や、理化学研究所のSTAP細胞の論文に関する不正など、研究活動の不正行為事例が後を絶たないことから、文科省が検討を進めてきて、8月に策定した。基本方針として、従来の不正行為対応が、研究者個人の責任に委ねられていたのに対して、「研究機関が組織を挙げて不正行為の防止に関わる」ことで、不正行為が起こりにくい環境づくりの強化が掲げられている。

 ガイドラインの適用は2015年4月1日からで、対象となるのは、2015年度以降の文科省の予算配分や措置で実施される活動の全て。対象は、従来の競争的資金を活用した研究活動だけでなく、基盤的経費による研究にも拡大する。2014年度以前の研究における不正行為は、対象外。

 研究機関に求められるのは、「責任ある研究体制を確保するための方針、規定の整備」に加え、「研究倫理教育責任者の配置」「研究者への倫理教育の実施」「研究データの保存・開示」が義務付けられる。倫理教育については、日本学術鍵や日本学術振興会とともに、プログラムを作成中。CITIなど既に用いられている倫理教育プログラムの取り扱いについて、文科省は代替が可能であるように運用してくように調整していく意向を示している。倫理教育の対象者については、基本は研究者としながらも、「将来研究者を目指す人材や研究支援人材なども、各研究機関で業務や専門分野の特性を踏まえて、適切に配慮してほしい」としている。

 「データ保存期間」については、現在、日本学術会議が一定の指針作りを進めていて、指針に基づいて、各研究機関で定めるように求めている。ガイドラインは、過去に遡及しないが、2006年に文科省が定めたガイドラインでも、不正行為への疑惑への説明責任は研究者に課されていて、「データの不存在により、証拠を示せない場合は、不正行為と認定されることがある」としている。

内部調査をけん制する規定も

 「不正行為」の中でも、「捏造」「改ざん」「盗用」は「特定不正行為」として定められている。それ以外は、二重投稿、不適切なオーサーシップなどがあるが、それぞれの基準は、文科省が審議を依頼した日本学術会議が2015年3月までに示す予定。「特定不正行為」については、研究機関に、調査手続きや方法に関する規定を定めて公表し、告発者の秘密保持と、告発後の具体的手続きの明確化を求めている。調査に当たっては、内部調査と受け取られないように、「調査委員会に外部有識者を半数以上入れる」ことを求めているほか、再現実験の機会を確保するように求めている。調査結果の公表範囲については、各研究機関の判断に任せることとなっている。

 以上のような体制について、文科省は研究機関をサンプリングし、履行状況を調査する。管理体制に不備がある場合は、「管理条件」を付与した上で一定期間対応を求め、管理条件が履行されなければ、研究機関への「間接経費」などの措置を取る。措置は、担当していた部局に限定せず、機関全体に対する措置となる。文科省は、研究機関に対して、履行状況を一覧化したチェックリストを提示する考えを示している。



http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000035422.html
日「診察待ち時間長い」家裁事務官、看護師殴った疑い
(09/26 16:50) テレ朝ニュース

 裁判所の事務官が看護師を殴った疑いです。

 東京家庭裁判所の事務官の男(56)は24日、東京・港区の慈恵医大附属病院で、通り掛かった看護師の女性の顔を平手で殴った疑いが持たれています。警視庁によりますと、男は診察のために病院を訪れていて、任意の事情聴取に対し、暴行を認めたうえで、「待ち時間が長くて腹が立った」と話しているということです。警視庁は、男を暴行の疑いで書類送検する方針です。東京家裁は「捜査中のため、コメントは差し控えたい」としています。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140926-OYT1T50062.html
日医療費「月1000万円超」、最高の336人
2014年09月26日 16時38分 読売新聞

 1か月の医療費が1000万円以上の患者が2013年度(12年11月~13年10月)はのべ336人と、前年度から3割増えて過去最高となったことが、健康保険組合連合会(健保連)の調査で分かった。


 補助人工心臓などの高度な医療技術が普及して、医療費を押し上げている実情が浮き彫りになった。

 調査は、健康保険組合に加入する大企業の社員と家族ら約3000万人が、医療機関を受診した時の診療報酬明細書を分析した。

 その結果、1か月間の医療費が1000万円を超えたことがあったのは、同336人(前年度比82人増)で、5年前の2・5倍になった。病気別では、先天性疾患が同125人(同47人増)、循環器系疾患が同95人(同36人増)と多かった。500万円以上も同5018人(同213人増)で過去最高だった。最高額は、高額な治療薬が必要な血友病患者の6200万円だった。



http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=30009
日病院見舞い 生花持ち込み禁止が波紋 日本花き卸売市場協会調査
(2014/9/26) 日本農業新聞

 感染症の予防などを理由に、見舞い用の生花持ち込みを禁じる病院が各地で相次ぎ、感染症対策を踏まえた花の需要回復が求められていることが、日本花き卸売市場協会のアンケートで分かった。院内で店を開いていた生花店が撤退を余儀なくされたケースもある。花には人の心を癒やす効果もあるといわれているだけに、事態を重く見た花き卸側は、生花店での実態把握や改善策の検討を始めた。

 病院への生花持ち込みに関するアンケートは、全国の124市場を対象に今春実施した。これまでに札幌や東京、阪神、九州などの中核的な市場を含む25市場の仲卸や小売店から558件の回答があった。「病院に生花の持ち込みを拒否された。もしくは購入者からそのような話を聞いたことがあるか」との質問に対しては、回答の6割に上る343件が「ある」と回答。「病院内で花店の経営ができなくなった話を聞いたことがある」との答えは108件に上った。

 花の持ち込みについては地域性も見られた。病院名が確認できるだけでも九州では98病院のうち74病院は持ち込みが可能。一方、関西は112病院のうち、4割に当たる47病院が生花の持ち込みや院内での販売を禁じていた。

 そうした動きに対し、課題解決の取り組みを先導する大阪鶴見花き地方卸売市場の花き卸・なにわ花いちばの大西進社長は「地域ごとに濃淡はあるが、この実態は関西だけの問題ではない」と指摘。打開策として「花の扱いや対応の改善に向けて、話し合える余地がある病院はあるのではないか」と述べ、衛生管理を踏まえた上で「失われた需要の回復」への道を探る。

 各病院で生花持ち込みを禁じる背景には、花や花瓶の水に、感染の原因となる緑膿菌が存在する恐れがあるとされているためだ。需要回復にはこうした衛生面をクリアしながら、生花が持つ患者の心を癒やす効果を訴える新たな手立てや提案が必要となる。

 そこで、同社は協会を通じて各病院の対応や今でも院内で店を開いている生花店の現状などを詳しく調べ、改善策提案のヒントを探りたい考え。具体的な対策が見つかれば「花店にもその気になってもらえる」(大西社長)と需要回復を期待する。

 JA全厚連によると、厚生連病院では生花の持ち込みについて統一したルールはなく、対応は病院によって異なるという。「花による癒やしの効果は確かにあるが、手術直後など体の弱っている人は感染症にかかりやすい。アレルギーを持っている人もいる。病院のルールにのっとってもらえるとありがたい」(経営企画部)と理解を求める。(加藤峻司)
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  1. 2014/09/27(土) 07:50:04|
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9月25日 

http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20140925-OYTNT50323.html
 ドクターヘリ高まる期待 来春栗東に拠点
2014年09月26日 読売新聞 滋賀

 来春、栗東市の済生会県病院に、県内全域と京都府南部をカバーするドクターヘリが配備される。搬送時間が短くなり、ヘリ内から医師の初期診療が受けられるため、重症患者の救命率向上などが期待される。今夏にヘリポートを整備した滋賀医大病院(大津市瀬田月輪町)では治療への効果を改めて確認しており、県内で救急医療体制の再編が進みそうだ。(生田ちひろ)

 国内のドクターヘリは2001年、岡山県倉敷市の川崎医大病院などで初めて就航。現在は36道府県で43機が活躍しており、今年4月には搬送が全国で通算10万回を超えた。1機あたり年2億円の維持費がかかるが、主に道府県が負担して救急医療の中核病院などに配備している。

 県内では、大阪大病院(大阪府吹田市)に大阪府が管理するヘリを依頼しているが、治療効果が分かれる到着までの飛行時間でみると、県北部では30分を超える場所もあった。

 関西広域連合は12年、共同運行するヘリを計4台から16年度までに6台に増やし、うち1台を県全域と京都府南部に充てる計画を策定。昨年11月には、済生会県病院を拠点にすることが決まった。

 新しい配置によって対象全域が30分以内で到着可能になり、年間120件以上の出動を見込む。県内の搬送先は滋賀医大病院(大津市)、長浜赤十字病院(長浜市)、近江八幡市立総合医療センターなど11病院で、京都府内は京都大病院など17病院とし、計28病院。費用は、搬送数に応じて県と府が分担する。

 県健康医療課は「極めて重要な輸送手段であり、県内での配備は意義深い」と強調する。
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 広域連合の計画を受け、滋賀医大病院は今年6月、集中治療室(ICU)や手術室が入る病棟の隣にヘリポートを整備。大阪府のヘリを使い、乳幼児の移植や重症患者を含め4件の受け入れと1件の転院に利用した。最もヘリが効果を発揮したのが、急性肺塞栓症を発症した女性(52)のケースだった。

 滋賀医大病院によると、女性は8月13日午後3時頃、長浜赤十字病院に脳梗塞の治療で入院していたが、リハビリ中に突然、呼吸困難を起こした。CT(コンピューター断層撮影)などで、肺や肺動脈、全身の血液が流れ込む右心房に血の塊を確認すると、大阪府のヘリで医大病院まで約15分で搬送。発症から約1時間40分後に緊急手術が始まり、一命を取り留めた。一刻を争う場合には家族の同意を得る手続きなどを省いて手術する運用も奏功したという。

 滋賀医大病院の松末吉隆院長は「ヘリによって県北部の急患にも対応できるようになる」と自信を示した。

 搬送先の県内11病院はすでに常設のヘリポートを完備。また高島市は、救急車からヘリに患者を受け渡す臨時のヘリポート「ランデブーポイント」を3か所増やして22か所にした。市消防本部は「ヘリの恩恵を最も受ける地域になる」と期待を込める。



http://mainichi.jp/area/aomori/news/20140925ddlk02040064000c.html
 医療過誤:大間病院、骨折見落とし 示談成立 /青森
毎日新聞 2014年09月25日 地方版 青森

 大間病院(大間町)で昨年4月、男性患者の左手の指の骨折を見落としたことで障害が残る医療過誤があったことが24日分かった。同病院を運営する一部事務組合下北医療センターは責任を認め、男性に賠償金940万円を支払う示談が今月成立した。

 大間病院によると、男性は昨年4月29日、船外機のプロペラで左手の甲を切るけがをして来院。縫合などの治療を受けたが、医師がエックス線撮影を行わず、骨折を見落とした。男性は同5月中旬まで、消毒などのために毎日病院に通っていたが、気づかぬままだったという。その後も痛みが続いていたことから、男性が同9月30日に他の病院を受診して骨折が判明。男性の左手は、変形治癒による末梢(まっしょう)神経障害を引き起こし、握力低下などの障害が残ったという。大間病院の佐藤信彦事務長は「ご迷惑をおかけして申し訳ない。再発防止に努めたい」と話した。【石灘早紀】



http://www.minpo.jp/news/detail/2014092518251
 浪江町の常勤医2人体制に 1日から二本松で診察
2014/09/25 08:43 福島民報

 浪江町は町の常勤医として峯廻攻守(みねまわり・よしもり)さん(70)=札幌西円山病院名誉院長=と契約した。10月1日から二本松市と町内の両仮設診療所に勤務し、唯一の常勤医だった関根俊二町国保仮設津島診療所長(72)と2人体制で町民の健康を支える。
 峯廻さんは北海道滝川市出身、滝川高、札幌医科大卒の内科医。平成24年春に本県など東北の津波被災地を巡り、復興に携わりたいと考えた。今年3月末で院長を退き、4月に名誉院長に就任。県地域医療支援センターを通じ町から8月初旬に打診を受け、9月16日に契約した。
 二本松市の安達運動場仮設住宅内にある町国保仮設津島診療所で週3回、町内にある町役場内の仮設診療所で週2回診察に当たる。ほかに町は地域医療機能推進機構などから医師の派遣を受けている。
 峯廻さんは24日、妻雪枝さん(57)とともに市内の町役場二本松事務所を訪れ、馬場有町長に着任を報告した。馬場町長は「町民の味方になる。心強い」と感謝した。峯廻さんは「町民と触れ合い、現状を肌で感じながら医療に当たりたい」と抱負を語った。



http://www.kobe-np.co.jp/news/touban/201409/0007364237.shtml
 検体取り違え事故「安全管理が不十分」 高砂市民病院
2014/9/26 05:30 神戸新聞

 兵庫県の高砂市民病院で5月、乳がんの病理検査の検体を取り違え、良性の女性が乳房の一部を切除する手術を別の病院で受けた問題で、外部調査委員会の調査結果が25日、明らかになった。「検体の取り違えが、いつ、どこで起こったかを確定するのは困難」とした上で「安全管理体制が不十分だったことが判明した」と指摘している。

 市会議会運営委員会で同日、報告された。外部調査委は7月に設置。神戸大医学部付属病院の味木徹夫医療の質・安全管理部長を委員長にオブザーバーを含め5人で構成し、メール会議を含め4回の会合を持ったという。

 報告書では「病理検体作製に関して、検体の取り違え事故当時は1患者1トレーの原則ができていなかった。ダブルチェックも事故発生当時は徹底されていなかった」と記載。ただ、外部調査時点では、同病院の事故審議会を経て改善されていたという。発生原因については「物的証拠がなく、過重勤務の職員はいなかった」と特定に至らなかった経緯を説明している。

 同病院は「提言を十分に受け止め、再発防止に努めたい」と話していた。(小林隆宏)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43841.html
 災害からの「こころの回復」支援体制整備を- 日本学術会議が提言
( 2014年09月25日 11:37 )キャリアブレイン

 災害時の被害を極力抑え、復活する力「レジリエンス」の向上を図ろうと、日本学術会議は、「こころの回復」を支える体制の整備や、公衆衛生システムの改善などを求める提言を発表した。個人ごとの「防災カルテ」による健康状況の把握や、災害時に派遣される専門家が使用する共通のガイドラインが必要としている。【新井哉】

 提言では、東日本大震災の緊急時に、混乱の速やかな収拾とスピードのある対応ができなかったことが、「二次災害を増幅し、災害からの復旧・復興を遅らせた」と指摘。特に被災者の「こころのケア」などについては、「保健と福祉の連携の必要性が指摘されているが、現場レベルでの連携はいまだ不十分」としている。

 こうした災害からの「こころの回復」を支える体制を整備するため、災害時に派遣される精神科医や身体科医師、心理職、精神保健福祉士、保健師などの専門職が共通のガイドラインを使うことを要望。災害が広範囲に及び、精神保健・医療の需給バランスが崩れた場合については、「どのような対象にリソースを集中すべきかの科学的根拠を、疫学調査などから明らかにする必要がある」としている。

 また、原発事故発生に備えて妊婦や子どもの「こころの育ち」を守るための事故対応マニュアルを早期に策定することに加え、母子手帳のデータベースに基づき、妊婦に緊急避難情報を伝達する仕組みを構築することも求めている。

 このほか、地域の公衆衛生の拠点となっている保健所と市町村保健センターの機能を強化する必要性も指摘。これまで行われきたコミュニティ内の乳幼児や高齢者などの住民の健康状況の把握については、「災害対応という観点から見直し、個人ごとの防災カルテという形で具体化する必要がある」としている。



http://sankei.jp.msn.com/life/news/140925/bdy14092511210001-n1.htm
 産婦人科・産科は23年連続の減少
2014.9.25 11:21 産經新聞

 全国7474の一般病院のうち、昨年10月時点で産婦人科や産科を掲げていたのは前年比12施設減の1375施設で、23年連続で減少が続いていることが厚生労働省の平成25年医療施設調査で分かった。

 厚労省の担当者は「訴訟リスクなどが敬遠されたり、少子化で出生数が減ったりしていることが背景にあるのではないか」と分析している。

 調査によると、産婦人科は1203施設、産科は172施設だった。2つを合わせた数は3年から減り続け、11年に2000施設を、20年に1500施設を下回った。

 小児科も前年より22施設減って2680施設となり、20年連続減。

 また、25年病院報告によると、患者1人当たりの入院期間を示す指標の平均在院日数は30.6日で、前年より0.6日短くなった。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140926_13011.html
 看護師が患者暴行「早く死ね」 岩沼
2014年09月26日金曜日 河北新報

 岩沼市の総合南東北病院(松島忠夫院長)で、30代の女性看護師が入院患者に暴行していたことが25日、分かった。現場にいた目撃者によると、看護師は患者に対して「早く死ね」などの暴言も吐いたという。病院は患者の家族らに謝罪し、看護師を停職3日間の懲戒処分にした。
 関係者によると、暴行があったのは6月中旬の未明。70代の男性患者が看護師に病室で顔を殴られ、左頬付近が腫れた。男性は直前に病室を出て廊下を徘徊(はいかい)していて、看護師に病室に連れ戻された。
 同室だった患者は「無理やりベッドに寝かせられたのか、男性は『痛い、痛い』と声を上げていた」と話す。看護師は男性の汚物処理後、寝ている男性の顔を殴り、「早く死ね、じじい」と言って立ち去ったという。
 病院は男性の頬に湿布を貼る治療をした。看護師は聞き取りに対し「男性の体が腹に当たり、とっさに手を上げてしまった」と釈明。暴言はなかったと病院は認識しており、看護師にも確認していないという。
 病院は「理由はどうあれ、あってはならないことで申し訳ない。再発防止のため職員の指導・教育を徹底したい」と話している。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140926/CK2014092602000120.html
 光が丘病院 日大に損害金支払いへ 補正予算案を可決
2014年9月26日 東京新聞

 練馬区議会は二十五日、区内の「練馬光が丘病院」の運営から撤退した日本大学が区に預けていた保証金五十億円を返還するのに伴い、日大に支払う損害金と訴訟費用、計五億九千万円を含む本年度一般会計補正予算案を可決した。区は二十六日にも日大に支払う。
 区は日大が一九九一年に病院の運営を始めた際の保証金を返し、十七日の東京地裁判決で支払いを命じられた遅延損害金五億八千万円と訴訟費用一千万円を支払う。
 地裁判決によると、日大は三十年は継続するとして病院の建物を借り、契約終了時に返還する約束で保証金を預けた。だが、日大は支出超過を理由に二十一年後の二〇一二年に撤退。判決では「賃貸借期間は二十年まで」とする民法を根拠に保証金の返還を命じ、区は控訴を見送った。 (杉戸祐子)



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140926/hyg14092607070007-n1.htm
 入院患者に美の癒やし 西宮の病院敷地内に美術館 兵庫
2014.9.26 07:07 産經新聞

 西宮市甲山町のアガペ甲山病院の敷地内に、「アガペ大鶴美術館」がオープンした。入院患者らに芸術に触れて癒やしを感じてもらうのが目的。象牙でできた日本一大きな宝船や、高さ2メートルもある青銅器など約500点が展示されている。

 病院や教会などを運営するアガペ・グループが創設。「美術に関心があるのに外出できない入院患者のために病院敷地内に美術館を作りたい」と、同グループの大鶴昇理事長(72)が約5年前から構想を練っていたという。

 美術館は4階建てで、外観はスペインのガウディの建築をイメージし、青と緑のタイル張りになっている。入院患者らが車いすなどでも訪れやすいように通路は広めにした。大鶴理事長のコレクションの一部が並んでおり、勝海舟や福沢諭吉の直筆の掛け軸、火縄銃など、さまざまなジャンルの展示になった。

 大鶴理事長は「美術品を直に感じて、心を癒やしてほしい。お見舞いに来た人たちと一緒に訪れたりして、リフレッシュしていただければ」と話している。

 火曜休館。午前10時~午後5時。一般千円、65歳以上、大高生700円、小中学生500円。問い合わせは同館(電)0798・73・5111。


  1. 2014/09/26(金) 08:33:23|
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9月24日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43837.html
消費税対応、「原則課税」を改めて確認- 四病協総合部会
( 2014年09月24日 20:19 )キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は24日、総合部会を開催した。この日は、来年度税制改正で、社会保険診療にかかる消費税を原則課税に見直すよう求めていくことを改めて確認した。部会終了後の記者会見で、日本医療法人協会の加納繁照会長代行が明らかにした。【松村秀士】

 四病協はすでに、来年度税制改正要望を塩崎恭久厚生労働相あてに提出。医療・介護にかかる消費税に関して、社会保険診療報酬や介護報酬の非課税を見直し、消費税制度の在り方に合致する原則課税に改めるべきだとしたほか、患者や利用者の負担への配慮を求めた。

 会見で加納氏は、「四病協は今まで通り課税を要望することは変わらない。(消費税)問題の抜本的な解決として、課税という形で進めていくことを確認した」と述べた。日本医師会が中心となって取りまとめた消費税に関する税制改正要望については、「医療界で一本化できた」と、合意形成が図れたことを強調した。

■消費増税影響調査、来月末めどに結果取りまとめへ

 加納氏はまた、消費税8%引き上げ時に実施した基本診療料を中心とした診療報酬の上乗せ措置が、医療機関の負担軽減にどの程度つながっているかを「補てん率」として把握する消費増税影響調査の結果について、10月末をめどに取りまとめる考えを示した。非営利ホールディングカンパニー型法人に関しては、今後、四病協で意見集約していく方針だ。



http://www.topics.or.jp/localNews/news/2014/09/2014_14115324497056.html
心臓マッサージ、高校生ら真剣 徳大で講習会
2014/9/24 14:00  徳島新聞

心臓マッサージ、高校生ら真剣 徳大で講習会 災害や急病などの緊急事態に居合わせた際の対処法を学ぶ県医師会の救急講習会が23日、徳島市蔵本町3の徳島大蔵本キャンパスであった。親子連れや高校生ら120人が参加し、心肺蘇生法などを学んだ。

 救急医療に携わる医師や徳島市西消防署の救急救命士が、人形を使って心臓マッサージや自動体外式除細動器(AED)の使い方を指導。参加者は「5センチ以上の深さになるよう圧迫して」「AEDの音声案内に従って落ち着いて対応しましょう」などと助言を受けながら、真剣な表情で取り組んでいた。

 徳島ライフセービングクラブの源純夏代表による水辺の事故を防ぐための講話や、熱中症の予防と応急処置についての説明もあった。

 鳴門渦潮高3年の上元希美さん(18)は「もしもの時には、今回学んだことを生かして適切に対応したい」と話した。



http://news.ameba.jp/20140924-532/
日立、電子カルテから病態や病気の情報を高精度に抽出する技術を開発
2014年09月24日 19時20分 日刊アメーバニュース
提供:インターネットコム

Hitachi India(日立インド)と日立は、インド情報技術大学ハイデラバード校(IIIT-H)と共同で、電子カルテから病態や病気の部位などの指定された情報を高精度で抽出する技術を開発した。この技術を応用することで、医師などが自由形式で記入した文章や既定の書式に記入された検査数値など、さまざまな形式が混在する電子カルテの分析ができる。

今回、開発した技術の大きな特徴は、判定規則を自動構築する機械学習技術と文脈考慮による後処理技術。

対象情報の抽出精度を向上させるため、あらかじめ用意した学習データに基づき、電子カルテに記入された情報から、答えを判定する規則を自動構築する機械学習手法を導入した。文中の情報に加え、電子カルテの章や節タイトルなどの文書構造に関するテキスト情報も考慮することで、精度を向上させた。

さらに、機械学習手法で抽出された情報の精度をさらに高めるため、2つの後処理技術を追加した。最初の処理では、抽出された語句の前後の文脈を考慮することで、より正確な情報に変換する。次の処理では、心電図検査所見や放射線検査所見など、電子カルテの種類を判別し、その種類に適した医療用辞書を用いて、曖昧な単語の意味を決定する。これらの後処理の導入により、機械学習手法だけでは60%だった病気部位の抽出精度を、74%まで向上させた。



http://www.fuji-news.net/data/report/society/201409/0000003382.html
富士市立中央病院 麻酔科と精神神経科 常勤医師を確保
(2014-09-24 16:00)  富士ニュース

医師確保に取り組む富士市立中央病院(520床)は、来年1月以降、常勤医師が不在となっている麻酔科と精神神経科にそれぞれ1人の常勤医師が配置される見込みであることを明らかにした。

合わせて、平成27年度から臨床研修医の受け入れを強化する。

同院では平成25年度、消化器内科6人、神経内科1人の医師常勤により、診療体制を充実。休止していた別館3階病棟を再開させ、18年11月以来の病棟休止を解消させていた。

これにより、25年度の医師数(非常勤を含む)は前年度比9人増の80人を確保。本年度は、代謝一般内科における2人増、呼吸器内科の1人増などにより83人体制となった。

麻酔科医師は1月ごろ、精神神経科医師は4月からの配置を予定している。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140924_8
本県医師育成、沖縄の病院から支援 大船渡で講座
(2014/09/24) 岩手日報

 沖縄県うるま市の同県立中部病院(松本広嗣(ひろつぐ)院長)医師による本県の研修医への感染症内科講座は23日、大船渡市大船渡町の県立大船渡病院で開かれた。北上市出身の高橋宗康(しゅうこう)・県立高田病院医師(36)が東日本大震災前まで中部病院に勤務していた縁で被災地支援として始まり、3年目。感染症の診断と治療では国内有数とされる病院医師の実践的な指導が、本県の医療人材育成の力となっている。

 県立大船渡、胆沢、釜石病院の研修医と大船渡病院の看護師、臨床検査技師ら計31人が参加。中部病院感染症内科の椎木創一(しいきそういち)医師(40)が指導した。

 研修医が休日に救急搬送され、胆管炎と診断した人など三つの実際の症例を研究。椎木医師が「感染症は全身を診ることが大事」「搬送時だけでなく、普段の血圧はどうか」など診察の注意点や、細菌ごとに効果的な薬などについて指導した。

 高橋医師は「大学では病名があって特徴を学ぶが、臨床では症状から病名を探る。岩手では感染症を専門に学ぶ場がなく、研修医時代に指導を受けることで医師の底上げにつながればいい」と願う。大船渡病院の田山由加(ゆか)総務係長は「震災後の全国の医療機関からの一時的な支援が終了したが、医師のネットワークを通じ貢献し続けてもらいありがたい」と感謝する。



http://www.47news.jp/feature/medical/2014/09/post-1168.html
待ったなしの医療費適正化
伸び著しい高額療養費

2014.09.24 47ニュース

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 国民医療費の増加が大きな社会問題となっている。とりわけ高額療養費の伸びが著しく、医療費の適正化が待ったなしの状態になってきたようだ。医療関係者の間ではこのままでは高額療養費制度が破綻してしまう、と心配の声も上がっている。
 ▽10年間で倍以上に
 日本では国民皆保険制度によって、通常、医療費の7割を医療保健が負担、残りの3割を患者が負担している。しかし、自己負担額が月当たりおよそ8万円を超える高額医療の場合は、後から自己負担分を公的に扶助する仕組みがある。これが高額療養費制度だ。
 この高額療養費がジワジワ増えているというのだ。厚生労働省のデータによると、2000年に入ってから高額療養費は増え出し、国民医療費の伸びを大きく上回っている。平成10年度を100とすると、平成20年度には国民医療費が117.7だったのに、高額療養費は215に達し、この10年間で倍以上に増えている勘定だ。
 ▽恩恵もたらしたバイオ薬品
 高額療養費の増加の要因は、高齢化に伴いがんなど医療費がかさむ疾病が増えたことがある。さらに医療技術が進歩し、分子標的薬やバイオ医薬品の登場も大きく関係している。
 バイオ医薬品は、遺伝子技術を用いて細胞工場で作られる高分子医薬品で、がんやリュウマチなど難病の治療に大きな恩恵をもたらしたが、高額なため、高額療養費を押し上げる原因の一つになっていた。
 このままの状態が続けば、高額療養費の一層の増加は避けられないだろう。しかし、ある医療関係者は、バイオ医薬品の特許が切れた後に出てくるバイオ後続品(バイオシミラー)の活用に期待を掛ける。1990年代の後半から開発されたバイオ医薬品ももうすぐ特許切れを迎えるのだ。
 ▽バイオシミラーが次々登場
 既にバイオシミラーとして成長ホルモンや赤血球の増殖因子、白血球の増殖因子が市場に出ている。抗リウマチ薬のバイオシミラーの登場も間近で、やがて、抗がん剤領域のバイオシミラーも登場するのは確実だ。
 「バイオシミラーの価格は、バイオ医薬品の7割以下に抑えられている。バイオシミラーをもっと使えるようになれば医療費を抑制できるのではないか。また、高額になる医療そのものが治療として適切かどうかを検討する制度も必要になるかもしれない」と、医療関係者は指摘している。
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  1. 2014/09/25(木) 05:50:54|
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9月22日 

http://mainichi.jp/select/news/20140923k0000m040069000c.html
病院運営保証金:練馬区は控訴断念 日大に50億円返還へ
毎日新聞 2014年09月22日 20時53分

 東京都練馬区の練馬光が丘病院を巡り、運営から撤退した日本大に区が預かっていた保証金50億円を返すよう命じた東京地裁判決について、区は22日、控訴せず、遅延損害金約5億7000万円と合わせて全額を一括払いすることを明らかにした。前川燿男(あきお)区長は「控訴審で判決を覆すのは難しいと判断した。財政負担を伴う結果となり、区民におわびする」と述べた。

 病院は1986年に区医師会立病院として発足したが、財政悪化で90年に医師会が経営を断念。代わりに日大が91年、「30年間運営を続ける」という前提で土地建物を借りる基本協定を区と結び、既存施設や医療機器を使って開院したが、赤字を理由に21年後の2012年に撤退した。

 判決は、賃貸借期間を20年までとする民法の規定を適用し、「協定が解消された以上、日大が保証金の返還を求めることに問題はない」と判断した。【近藤浩之】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=105454
産科医不足 9県「危機的」…学会初調査、福島など若手少なく
(2014年9月22日 読売新聞)

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 当直回数が多く、成り手が不足している産科医について、都道府県間で最大2倍程度、産科医数に格差が生じていることが日本産科婦人科学会などの初の大規模調査で分かった。

 福島、千葉など9県では、35歳未満の若手医師の割合も低く、将来的な見通しも立たない危機的状況にあると報告されている。

 全国9702人の産科医の年齢(今年3月末時点)や、昨年の出産件数などを調べた。人口10万人当たりの産科医数は、茨城が4・8人で最も少なく、最も多い東京と沖縄の11・1人と倍以上の開きがあった。

 また調査では、35歳未満の割合、産科医1人当たりの出産件数など6項目で全体的な状況を見た。福島、千葉、岐阜、和歌山、広島、山口、香川、熊本、大分の9県は6項目全てが全国平均よりも悪く、「今後も早急な改善が難しいと推測される」とされた。

 中でも福島は、産科医が人口10万人当たり5人(全国平均7・6人)と2番目に少なく、平均年齢は51・5歳(同46歳)と最も高齢で深刻さが際だった。東日本大震災や原発事故も影響しており、同学会は昨年5月から全国の産科医を同県内の病院に派遣している。

 調査をまとめた日本医大多摩永山病院の中井章人副院長は「国や各自治体に今回のデータを示し、各地域の対策を話し合いたい」と話している。



http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20140922/news20140922174.html
研修医能力試験 愛媛大学が初実施
2014年09月22日(月) 愛媛新聞

 研修医の診療技術向上やベテラン医師の指導ノウハウ共有を目指す「OSCE(客観的臨床能力試験)」が21日、愛媛県東温市志津川の愛媛大医学部付属病院であった。医師不足・偏在が懸念される中、愛媛全体で医師を育てる環境を整え医師定着につなげる狙いもあり、付属病院総合臨床研修センターが初めて実施した。
 センターによると、OSCEは医学生ら向けが一般的だが、研修医対象は全国でも珍しい。21日は松山、宇和島、東温3市の6病院に勤務する研修医10人と、各病院で指導を担うベテラン医師や看護師らに加え、研修医OSCEに取り組む岩手県の医師も参加した。
 研修医は模擬患者相手の診察や、容体が急変した患者への対応、看護師や薬剤師らとの連携などを問う課題に取り組んだ。実技後、評価役のベテラン医師が措置の意図を尋ね、注意点なども指摘。患者や家族に配慮するコミュニケーション能力も評価した。




http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/253598/?category=report
「放っておけば、共倒れ」、武田厚労省審議官
全日病学会シンポ、病床機能報告制度をめぐり議論

2014年9月22日 橋本佳子(m3.com編集長)

 福岡市で開かれた第56回全日本病院学会の9月20日のシンポジウム、「病床機能報告制度から病院の明日を探る」で、厚生労働省大臣官房審議官の武田俊彦氏が講演、この10月から開始する病床機能報告制度、来年4月から策定が開始する地域医療構想(ビジョン)について、「医療計画は規制色が強い制度だったが、今回の制度は関係者が集まり、自主的に考えてもらうスキーム」と理解を求めた。その上で、日本全体では高齢社会であっても、既に高齢者人口が減少している地域があり、地域の実情に合わせた医療提供体制の構築には地域医療構想とその実行が必要となり、何らかの対策を講じず、放っておけば地域の医療機関が「共倒れになる」との危機感を呈した。

 地域医療構想では、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの病床区分の現状を把握し、将来推計を行う。その結果、厚労省が示した基準で全国一律の病床整備になっていくとの懸念も医療現場にはある。この点について、武田審議官は、病床機能報告制度に関しては「各病院の思い」を報告するよう促し、地域医療構想の実現に向けて、「関係者が集まり、競争ではなく協調という視点から議論してほしい」と述べ、決して全国一律ではなく、地域の実情に応じた提供体制を構築する重要性を強調した。

 地域医療構想の策定や実行に当たっては、将来推計をしたり、現状と将来推計にギャップがある場合、病床機能の移行を促すなど、さまざまな場面で判断が求められる。関係者による「協議の場」がその主たる役割を担うが、座長を務めた全日本病院協会副会長の神野正博氏は、「各病院の思いは思いだが、ある程度、参酌標準的な数字を持ってジャッジしていくことになるのか」と質問。

 これに対し、武田審議官は、「各地域において、現状と将来的なニーズの推計にギャップがある場合に、どうするかについては、地域で考えてもらう。ジャッジはしない」と回答。とはいえ、「議論して、何もしない方がいいとなれば、医療費が高止まりをし、地域住民にとっては決して質の高い医療が提供されず、保険料負担も高止まりをし、それぞれが衰退していく懸念もあるのではないか」とも述べ、地域医療構想の策定とその実行は、病院経営から見ても必然であると示唆した。なお、将来推計に当たっては、内閣官房の社会保障制度改革推進本部の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」で、都道府県別の医療費水準を推計する作業を進めており、その結果が反映される可能性もあるとした。

 さらに、武田審議官は、「非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)」についても言及。地域医療構想、その実現のために新設された「新たな財政支援制度(基金)」の双方に関係するとした。地域医療構想との関係について、武田審議官は「病院同士が話し合っても結論が出ない場合の意思決定の仕組みとして、非営利ホールディングカンパニーのような制度を用意し、使いたい人は使えるようにしてはどうか」と説明。また従来の地域医療再生基金については、公的医療機関を中心に配分されているとの指摘があったが、「行政的には、持ち分の定めがある民間への補助は、やはりやりにくい」と述べ、非営利ホールディングカンパニーなどの形で地域の医療機関がまとまれば補助しやすくなるとした。

 もっとも、武田審議官が各地域の現場重視の施策を協調しても、シンポジストからは懐疑的な声が絶えなかった。シンポジウムには、慶應義塾大学医療政策・管理教室教授の池上直己氏、公益社団法人星総合病院理事長の星北斗氏、全日本病院協会副会長の猪口雄二氏が出席。

 星氏は、1985年に医療計画が導入された際、結局は全国一律の考え方が導入された上、「駆け込み増床」が生じた経緯に触れ、「これとやり方は一緒なのだろう。制度設計としては、地域別に進めると言っても、結局は誰が決めなければいけないとなれば、制度の基準が示され、それに従っていくことになるのではないか」と指摘。関係者による「協議の場」のほか、都道府県医療審議会などが機能することも、星氏の病院のある福島県では、現実問題としてあまり期待できないとし、意見調整の難しさをにじませた。

 池上氏は、四つの病床区分の定義が不明確である上、病院はお互いに補完的ではなく、競争的な関係にあるため、連携体制の構築も困難であるとし、都道府県の対応能力にも問題があることなどから、病床機能報告制度や地域医療構想の実効性そのものに疑問を投げかけた。また全国一律の診療報酬と、各地域の独自性を原則とする地域医療構想との間には不整合があること、大都市圏では医療圏と生活圏が一致しないことから、「圏域」の設定で混乱が生じることなど、さまざまな視点から、地域医療構想をはじめとする制度改革に疑問を呈した。

 武田審議官は、病床機能報告制度は、現実の病院経営と絡む問題であり、非常に難しい議論であることは認め、制度と現場の経営者の考えにかい離があるようでは制度は機能しないとし、「病院が倒れるような制度ではいけない」という視点は忘れないとし、理解を求めた。

 「夕張モデルから何を学ぶか」

 武田審議官は講演でまず、病床機能報告制度と地域医療構想という施策が出てきた背景について、高齢化の状況や地域包括ケアシステム構築の進捗が、地域によって違いがある点を挙げた。

 「医療需要の見通しは、単純ではない」と指摘し、「大きく3つの減少段階」を経て、人口減少に至るという推計を提示。第一段階は2010年から2040年までで、「高齢者人口増加、生産・年少人口減少」、第二段階は2060年までで「高齢者人口維持・微減、生産・年少人口減少」、第三段階は2060年以降で「高齢者人口減少、生産・年少人口減少」――だ。「これらの段階にいつ入るかは、地域ごとに時差がある。医療需要ピークが既に過ぎている地域もある」(武田審議官)。

 地域包括ケアシステムに関する指標の一つに、在宅看取り率がある。ここで言う「在宅」とは、病院以外で施設での看取りも含まれる。市町村ごとに状況が異なり、長野県は高いものの、九州や四国の各県、北海道などでは低い。

 これらの現状を説明した上で、武田審議官は、「市町村にとっての医療改革・地域包括ケア 夕張モデルから何を学ぶか」と提起。夕張市立総合病院(171床)は2007年、夕張市の財政破たんにより、公設民営の有床診療所(19床)と介護老人保健施設に転換した。

 「夕張市は、かつては人口が10万人を超えていたが、今は1万人強。将来推計では、2040年には4000人なるという数字も出ている。診療所への転換は、財政破たんが起きるまで、自治体が決断できなかったわけだが、人口減少がサービスの縮小をもたらすのは必然」。武田審議官はこう述べ、人口減少が進み、各医療機関が「共倒れ」になる前に、「競争から協調に転換し、医療・介護の連携の確保、街づくり・雇用確保も含めたと取り組みが求められているのではないか」と問いかけた。

 さらに武田審議官は、今後のスケジュールとして、病床機能報告制度で各病院の「各病院の思い」を報告してもらうのが第一ステップ、各病院のデータを集め、地域の実態を正確に把握するのが第二ステップ、それを踏まえ、地域に必要な機能、病床を考えていくことが第三ステップになると説明。「急性期に残る、残らないなどの議論ではなく、地域に必要な機能は何かを考えてもらいたい」と述べるとともに、「一定程度の急性期が残るような形でぜひ考えていただきたい。急性期の機能の絞り込みの場合、大病院が急性期病床を減らしていく必要はどうしても出てくると思うが、それにより、今後激増する高齢者救急、在宅医療をバックアップする病院が減っていいということではない。この点も含めて、最適配置を考えてもらいたい」とし、地域の協議だけではなかなか進まない場合には、「非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)」などの活用が考えられるとした。

 軽度急性期は「急性期」

 シンポジウムでは、病床機能報告制度をめぐって、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの病床区分の解釈についての議論も出た。特に問題になったのが、「急性期」の定義だ。厚労省の関係資料には、「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能」との一行があるのみ。

 武田審議官は、病床機能報告制度の検討の経緯から、「軽度急性期も、高度急性期も、急性期に入る」と回答。社会保障・税一体改革の議論が始まった当初、病床区分は「高度急性期、一般急性期、亜急性期、長期療養」となっていた。その後、さまざまな議論があり、昨年8月には、日本医師会と四病院団体協議会の合同提言があり、これを踏まえ、今回の病床区分を作成したと説明。

 この議論に関連して、猪口氏は、2014年度診療報酬改定で新設された地域包括ケア病棟で、急性期を診ることができるように位置づける必要性を指摘。同病棟の役割の一つに、在宅療養時の急性増悪時の対応があり、「救急・在宅等支援病床初期加算」(150点)を14日まで算定できる。急性増悪時の対応は、「急性期」だが、この点数では対応が難しい場合も多く、結果的に地域包括ケア病棟の役割は回復期になってしまう、というのが猪口氏の懸念だ。「ある程度の急性期をきちんと診ることができ、本当に地域に密着して在宅医療を支援していく形を作っていかなければいけない」と猪口氏は述べるとともに、病床区分と診療報酬を一致させる必要性を指摘した。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014092202000126.html
東京消防庁 不要不急の搬送増加 昨年 救急出動過去最多に
2014年9月22日 朝刊 東京新聞

 東京都内で不要不急の救急要請が増え続けている。東京消防庁管内(稲城市と島しょ部を除く)で二〇一三年、救急隊が搬送した人数が過去最多に達した。真に必要な時に救急車を使えるようにと東京消防庁は、医療機関から別の医療機関に患者を運ぶ「転院搬送」の際に、民間の救急車などを利用してもらうよう、都内の全医療機関に協力を求めた。転院搬送の中でも、特に緊急性の低い要請にメスを入れ、適正利用を進めたい考えだ。 (唐沢裕亮)
 一三年に救急隊が搬送した人数は六十五万五千九百二十五人で、救急出動の約七十五万件とともに過去最多。一日平均の出動件数は二千五十二件で、四十二秒に一回の割合で出動する計算だ。
 出動が増えると、現場から遠い消防署などにある車両が出ることになり、到着時間も遅れる。二〇〇九年は平均六分十八秒だったが、一三年は七分五十四秒かかり、約25%も遅くなっている。到着が遅れれば、患者の命にかかわることも起こり得る。
 搬送人数のうち、転院搬送は四万千七百二十八人。全体の6・4%だが、年々増えているのが現状だ。一三年の転院搬送者数の約一割は、比較的緊急性が低いとされる軽症者だった。
 転院搬送の中には、一部の病院関係者や患者の安易な要請も目につくという。外部の医療機関で検査を終えた患者を入院先の病院に戻すためだけだったり、受け入れ先医療機関の検査予約時間に間に合わないとの理由から頼むなど、不急と判断される搬送も目立つという。
 東京消防庁は、都内の全医療機関に文書を送り、民間救急車の利用などにより転院搬送を減らす努力を求めた。担当者は「一般の人が自分の症状から救急搬送の必要性を判断するのは難しいが、転院搬送の場合は病院で診察を受けた患者。医師もおり緊急性の有無は判断しやすい」と話す。
◆転院時、民間の救急車利用を
 東京消防庁は、転院搬送などで緊急性が低い場合は民間救急車を利用するよう医療機関に呼び掛ける。ただ、費用は患者負担で一回数万円と高額の場合もあり、利用は進んでいない。
 民間救急車の運営事業者の多くは、乗務員に応急措置講習などを受けさせている。費用は走行距離と時間で決まることが多い。
 転院時に民間救急車を利用したという豊島区の無職男性(65)は「近くの病院だから数千円で済んだが、離れた病院に行くことになったら経済的な負担は大きい。とはいえ他に選択肢もなかった」と振り返る。
 医療機関が所有して転院搬送などに使う「病院救急車」もあり、都内では少なくとも六十四台あるとされる。一部地域では複数の医療機関による共同利用が始まっているが、普及はこれから。ある病院幹部は「ネットワークが広がれば、不要な救急要請の歯止めにつながる」と話す。
 救急車の適正利用に対する一般の理解を深めることも課題だ。東京消防庁は二〇〇七年から、救急車を呼ぶ際の相談に乗る電話サービスを始めているが、都民の認知度は四割前後にとどまっている。



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/local/yamaguchi/20140922-OYS1T50032.html
特集 地域医療
山口
急患たらい回し防げ 4病院拒否で64歳死亡

2014年09月22日 読売新聞

 宇部・山陽小野田消防局管内で4月、64歳の男性が四つの病院に受け入れを拒否された後、亡くなった。救急患者の“たらい回し”をなくす対策が進む一方、こうした悲劇が起きた背景を探った。

 男性の関係者や小野田消防署によると、4月15日午前6時頃、山陽小野田市で、通勤中に具合が悪くなった男性がコンビニ店の駐車場に車を止めて119番。救急車が約15分後に到着し、現場で約20分間の応急処置を受けた。

 救急隊員らは車内から電話で病院に受け入れを求めたが、宇部市と山陽小野田市の計4病院に拒否された。同7時頃、宇部市の病院に運ばれたが、間もなく急性心不全で亡くなった。

 4病院の受け入れ拒否の理由は「(他の)患者処置中」だった。男性の遺族は「早く搬送されていたら……。患者を受け入れられないのなら救急病院の看板を掲げないで」と憤る。

 県などによると、手術や入院が必要な重症患者を受け入れる「二次救急病院」は、県内12の消防局・消防本部管内で宇部・山陽小野田消防局管内が最多の8。この8病院を含む計9病院には、宇部、美祢、山陽小野田の3市が行う広域救急医療事業運営費の負担金として年計約2900万円が助成されている。

 しかし、2012年に重症患者を搬送した県内4783件のうち、医療機関に4回以上の受け入れ照会を行ったのは、同消防局管内が県全体(62件)の3分の1の20件を占めた。

 山陽小野田市の二次救急病院関係者は「当直医は入院患者の診療に支障のない範囲で、善意で救急患者の対応をしている。24時間、365日の救急患者受け入れは困難」と語る。

 宇部市で5月に開かれた二次救急病院と市との会議では、市内6病院の院長らが救急医療体制の現状と課題について説明。▽非常勤医師が増え、専門外の診療を断るケースが増えた▽医師らが疲弊して辞める「病院崩壊」が怖い――などの現状が報告された。

 ◆専門外対応可能な医師養成 山口大付属病院

 日本救急医学会が認定した救急部門で臨床経験豊富な専従医「救急科専門医」は県内に39人(1月現在)しかおらず、救急現場では内科医や外科医が担当している。こうした状況を受け、山口大医学部付属病院は、専門以外の急患にも対応できる「総合内科専門医」養成を始めた。

 呼吸困難などの急患を想定した5月の講習には、内科医6人が受講。先進救急医療センター長の鶴田良介教授は「重症事例にはチーム医療が大事。彼らが救急現場に出た時の役に立てば」と語った。

 全国ではこの他、〈1〉重症患者の救急搬送に支障を来している軽症患者搬送を減らす「大人の救急電話相談」(埼玉県)、〈2〉県や大学病院が救急病院や消防機関と連携し、搬送先を調整(岐阜県)――などの取り組みが進められているという。

 宇部・山陽小野田消防局管内では、年間の軽症患者の搬送数は全体の約4割を占める。重症患者の“たらい回し”を防ぐため、市民への啓発や、国、自治体、消防、医療機関との連携強化が求められている。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140923ddm041040109000c.html
練馬光が丘病院:日大保証金訴訟 東京・練馬区控訴せず
毎日新聞 2014年09月23日 東京朝刊

 東京都練馬区の練馬光が丘病院を巡り、運営から撤退した日本大に区が預かっていた保証金50億円を返すよう命じた東京地裁判決について、区は22日、控訴せず、遅延損害金約5億7000万円と合わせて全額を一括払いすることを明らかにした。

 前川燿男(あきお)区長は「控訴審で判決を覆すのは難しいと判断した。財政負担を伴う結果となり、区民におわびする」と述べた。

 病院は1986年に区医師会立病院として発足したが、財政悪化で90年に医師会が経営を断念。代わりに日大が91年、「30年間運営を続ける」という前提で土地建物を借りる基本協定を区と結び、既存施設や医療機器を使って開院したが、赤字を理由に21年後の2012年に撤退した。



http://www.yakuji.co.jp/entry38906.html
【厚労省】地域医療構想の指針作り、来年1月に取りまとめ
2014年9月22日 (月)  薬事日報

厚労省検討会が議論開始

 厚生労働省の検討会は18日、来年度から都道府県が地域医療構想を策定するためのガイドライン作りに着手した。団塊世代が75歳以上を迎える2025年の医療需要、目指すべき医療提供体制を実現するための施策を盛り込み、医療機能の分化を進め、次期医療計画に反映させる。来年1月をメドにガイドラインを取りまとめ、都道府県の地域医療構想作りに生かす。
 医療介護総合確保推進法案では、効率的な医療提供体制と地域包括ケアシステムを構築するため、来年度から都道府県は、地域医療構想を策定し、医療計画に位置づけることとしている。
 この日の検討会では、地域医療構想を作るためのガイドラインに盛り込む事項として、あるべき将来の医療提供体制の姿から議論をスタートさせた。



http://www.cabrain.net/news/article/43826.html
小児の死亡、防げる可能性高い症例も- 東京都検討部会の検証で判明
( 2014年09月22日 10:50 )キャリアブレイン

 東京都内で1年間に発生した0歳から4歳までの小児の死亡症例で詳細な情報を得られた257例のうち、11例について死亡を防げる可能性が高いと判断していたことが、19日までに分かった。都小児医療協議会の「小児の死因調査に関する検討部会」などの調査で明らかになったもので、死因は溺水と窒息が多く、予防策として「保護者への啓発活動が有用」とする意見が多く出たという。【新井哉】

 調査は、2011年の1年間に都内で発生した0―4歳までの全死亡症例(産科死亡例は除く)を対象に、12年4月から調査を実施。都内の全病院約640施設と、小児科を標榜する10床以上の病床を持つ診療所58施設に調査票を送付して症例の登録を依頼し、286例の登録を得た。

 このうち詳細な情報を把握できた257例について、小児科医5人が症例のスクリーニングを実施。10の死因カテゴリーから選定した結果、「染色体異常、遺伝子異常、先天異常」が全体の半数近くを占める127例となった。このほか、「周産期/新生児のイベント(超未熟児、重症仮死など)」が49例、「突然の予期しない・説明できない死亡(SIDSなど)」が32例、「悪性腫瘍」が11例、「外傷、その他の外因死(溺水、窒息)」が10例それぞれあった。

 また、予防の可能性を分類したところ、「予防が不可能」が179例で全体の6割超を占めた一方、「予防が可能か不明」は68例、「予防の可能性が高い」も16例あったという。

 この結果を基に検討部会で、スクリーニングで死亡を防げる可能性が高いとされた16例のうち、虐待の可能性のある4例を除く12例を検証。予防可能性の程度や予防策などを議論した結果、11例を「予防可能性が高い」と判断した。死因は溺水と窒息が多かったが、一度医療機関を受診した後、急変して死亡した例もあったことから、「外来での丁寧な説明が必要」とする意見も出たという。



http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20140922-OYTNT50094.html
術後に後遺障害3000万円支払いへ 鹿児島市立病院
2014年09月23日 読売新聞

 鹿児島市立病院は、頭部の手術後に後遺障害が出たとして病院に損害賠償を求めた70歳代男性に対し、損害賠償金3000万円を支払う方針を決めた。

 病院によると、男性は市内に住んでいた2008年4月、同病院で脳動脈瘤の手術を受け、その後、日時や場所が分からなくなる見当識障害が起きた。「術中に医療機器が動き、出血が増量したため」と主張している。

 病院側は「何らかの事情で医師の体が医療機器に触れたとしても不可抗力で、後遺障害との間に明らかな因果関係があるとは言えないが、影響を与えたことは否定できない」と判断。男性側の弁護士と賠償額について協議し、おおむね合意を得たという。



http://mainichi.jp/area/ehime/news/20140922ddlk38040375000c.html
臨床能力試験:細やかな医療、県あげて 患者や家族とコミュニケーション 若手研修医、愛媛大付属病院で /愛媛
毎日新聞 2014年09月22日 地方版

 患者や家族と細やかにコミュニケーションを図りながら的確に診療する能力を育てるための「客観的臨床能力試験大会」が21日、東温市志津川の愛媛大学医学部付属病院であった。県内の若手研修医10人が参加し、人形を患者に見立てた試験などに臨んだ。

 通常は医学部生を対象にしているが、この日は26歳前後の研修医を集めた。病院や組織の枠を超え、県内で統一した基準で評価を与え、指導する側の医師もチェックし合うことを目的にした全国でも珍しい取り組みという。

 指導のため県内外から集まった医師約20人が見守る中、研修医は患者役の人形やベテラン医師に「安心してくださいね」「救急処置をしますね」などと声をかけながら診療に当たり、看護師らに必要な指示を与えた。指導役の医師からは「適切な対応だが応援を要請してもよかった」などと助言を受けた。

 研修に参加した同病院の寒川尚登医師(29)は「救急対応などで自分が果たす役割がよく分かった」と話し、スキルアップを目指していた。【黒川優】



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/253436/?category=report
医療費適正化、11月下旬に取りまとめ
社保審医療保険部会開催、議論二巡目開始

2014年9月22日 池田宏之(m3.com編集部)

 社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)は9月19日、医療保険制度改革に関する二巡目の議論を始めた(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。今後、国保や患者負担、療養範囲の適正化、医療費適正化などについて話し合い、11月下旬をめどに取りまとめをする方針。

 厚労省が提示した、主な論点案では、国保では「財政構造問題」「国保の保険料負担の水準」「都道府県と市町村の役割分担」、患者負担では、「後期高齢者支援金の全面報酬割導入」「国民健康保険組合への国庫補助」などがテーマ。療養範囲の適正化では、「紹介状なしの大病院受診の患者負担」、医療費適正化、保険者機能発揮では、「後発医薬品の使用促進」などが含まれている。これらの論点については既に、一巡目の議論を終え、論点を整理している(『医療保険制度改革、一巡目の議論終了』を参照)。

 二巡目の議論では、各委員が自ら重要と考える論点について、発言した。医療費適正化計画に疑問を呈したのは、日本経済団体連合会社会保障委員会医療改革部会長の望月篤氏。現状の医療費適正化計画について、十分な実効性が担保されていないとの考えを示して、医療保険部会で検討するように求めた。

 全国後期高齢社医療広域連合会協議会会長の横尾俊彦氏は、医療費が増加し続ける中で、予防の重要性を強調。日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、紹介なしの大病院受診における自己負担の増大について、単なる負担増制度を決めるだけでなく、患者の受診行動を変えるような広報活動を充実させるように求めた。日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏が求めたのは、医療用医薬品以外の活用。ジェネリックだけでなく、一般用医薬品の活用も検討するように求めた。

 医師以外の職種について、役割強化を訴える声もでた。日本看護協会副会長の菊池令子氏は、訪問看護の重要性を強調。日本歯科医師会副会長の堀憲郎氏は、口腔ケアの重要性を訴え、横尾氏も「肺炎などは口腔ケアの徹底で防げる可能性がある」と指摘した。

 国保は、現状の案では、運営主体は都道府県としつつ、保険料の徴収は市町村が担当する方針。厚労省の担当者は、市町村国保の収納率が、最近3年間で少しずつ改善している点に触れて、「財政支援も検討するが、収納対策の強化もお願いしたい」と述べた。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、短時間労働の労働者も国保の被保険者とするという適用拡大の議論の必要性を指摘。厚労省側も必要性を認め、今後検討することとなった。 


  1. 2014/09/23(火) 09:01:05|
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9月21日 

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/253275/?category=report
「高齢社会は患者減少社会」、樋口慶應大教授
全日病学会シンポ、「突きつけられた喫緊の課題」

2014年9月21日 橋本佳子(m3.com編集長)

 「2010年以降、高齢者数が減少している自治体が全体の2割を超えている。2040年にかけて、約半数の自治体において高齢者が減少する見込みだ。それ以上に若い人が減っているので、高齢化率としては増加するものの、高齢者数の減少に伴い、医療ニーズ、患者数が減少していくことを考えなければいけない」

 福岡市で開かれた第56回全日本病院学会の9月20日のシンポジウム、「病院医療をプライマリ・ケア現場から考える―突きつけられた喫緊の課題から―」で、慶應義塾大学商学部教授の樋口美雄氏はこう述べ、地域によって高齢者の数や率は異なることから、医療の在り方も含め、地域の実情を踏まえた対策を考えていく必要性を強調した。また医療ニーズは日本全体では増加基調にあるものの、地方では既に減少に転じている地域もあり、特に介護ではその影響が出始めているという。

 樋口氏は、民間有識者で組織する「日本創成会議」人口減少問題検討分科会のメンバー。同会議は今年5月、2010年から2040年までの間における「消滅可能性都市」は全自治体の約半数に上るという、ショッキングな推計を公表している。「地域によって、少子高齢化と言っても、全く違った動きをしている。各地域の問題として考えないと、さまざまな問題が解決できないと思う。また人口問題は短期的ではなく、長期的に考えていくことが必要」(樋口氏)。

 人口動態と医療ニーズは関係するものの、樋口氏は、医療の場合、他のサービスと違い、「供給が需要を作るという側面がある」とも指摘。「これは悪い面だけではなく、丁寧なサービスをやっているなどの見方も可能だが、この辺りを医療保険制度としてどう考えていくかが課題」との考えを示した。

 シンポジウムの座長を務めた、全日本病院協会常任理事の丸山泉氏は、樋口氏の講演を受けて、高齢社会は、患者不足だけでなく働き手不足も招くとし、医療保険制度の場合には財源不足という問題も抱えるため、「非常に大変な局面に来ている。我々自身が先手を打って変容していかないと、全体が危機的な状況になるのではないか」と問題提起。その上で、丸山氏は、今後の医療界のキーワードとして、「細分化から統合」「業態の変化」「ダウンサイジング」などを挙げた。

 この問いかけに対し、樋口氏は、働き手不足については、「若い人だけに頼った人材確保は難しいだろう。また、看護師の資格を持っていても、働いていない人もいる」などとし、夜勤がない施設では看護師の募集も比較的容易であることなどから、「いかに働きやすい環境を作っていくかが重要」と指摘。さらに、医療職の派遣は労働者派遣法で禁止されているが、麻酔科医では人材紹介会社を作り、派遣に近い形で仕事をするケースもあるとした。「派遣ではチーム医療ができないとの指摘があるが、大学から週1回、関連病院に行く医師もいる」などと樋口氏は述べ、ともすれば他の業界では通用しない議論が医療界では行われているとし、不足している貴重な人材を有効に活用できる仕組みを考える必要性を指摘した。

 シンポジウムには樋口氏のほか、厚生労働省社会援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室室長の武内和久氏、浜松医科大学地域家庭医療学講座特任教授の井上真智子氏が出席、東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携部門特任研究員の児玉有子氏が特別発言した。

 丸山氏の問題提起に、武内氏は、「労働力は、頭数、能力、生産性を掛け合わせた数で決まる」と回答。介護分野については、中高年層、子育てを終えた女性、若い人などと裾野を広げるほか、能力に関しては、介護の専門性の向上やキャリアパスの構築などを通じて高める必要性を指摘。生産性については、ICTやロボットの活用で向上させていくことが考えられるとした。

 丸山氏が、「細分化から統合」「業態の変化」の必要性を提案したのは、「医療行為の数が、労働力の必要量として反映される。医療行為の整理を始めないと、マンパワーが間に合わなくなるのではないか」との問題意識からだ。

 静岡県森町にある森町家庭医療クリニックの勤務医でもある井上氏は、現行の診療報酬が、個々の医療行為の対価であるため、医療行為を減らそうという動きにはなりにくい現状を指摘しつつ、「プライマリ・ケアでは、複数の疾患を持つ患者を総合的に診るため、患者が複数の診療所を受診する負担や、医療行為の総量を減らし、質が高い医療を行うことは可能」とコメント。さらに、「これだけのマンパワー不足であれば、患者にどんな医療が必要なのか、それを考える指針のようなものが必要ではないか」との考えも示した。

 丸山氏は、「専門性の細分化が進むと、隙間ができて、システムが回りにくくなる」とも指摘。看護師と介護士の間にも隙間が生じ得るとの問いかけに、児玉氏は「看護師と介護士が共同して、役割分担をしていくことが必要」と答えた。

  今は東京圏、一極集中の時代

 シンポジウムの議論の前提となった人口動態について、樋口氏は「人口は、自然増減と社会増減で決まる」と述べ、幾つかの興味深いデータを提示して紹介した。自然増減とは出生率、社会増減とは地域間の人口移動だ。

 出生率の変動は全国一律ではない。例えば、北海道の出生率は、1960年代は47都道府県の中でも上位だったが、最近では東京都に次いで、下から2番目。安定した雇用がないなどの社会情勢が反映した結果と樋口氏は見る。

 戦後の日本では、これまで3期にわたり、人口移動があったという。第一期は1960年代の高度成長期、第二期は1980年代の安定成長・バルブ経済期、第三期は2000年代以降だ。2000年代以降の特徴は、大阪圏や名古屋圏ではなく、東京圏への一極集中だ。

 2006年と2012年の比較で見ても、都市部への集中が進行していることが分かる。2006年の場合、20~29歳は、「地方から都市」よりも、「都市から地方」の人口移動が多いが、2012年には両者が逆転している。「2006年の時点では、東京の大学に進学しても、卒業後に地元に戻る人が多かったが、2012年には地方大学の卒業者が、就職のために東京に来ている。わずか6年で変わってきた」(樋口氏)。

 今のまま人口移動が続くと仮定した上で推計したのが、2040年までの「消滅可能性都市」だ。人口移動は、経済雇用情勢と深く関係している。

 今後の人口動態は、2040年、2060年、2060年の三段階に分けて考える必要があるとした。国立社会保障人口問題研究所の2012年1月時点での推計では、日本全体では、2040年までは65歳以上人口は増加、2060年まではほぼ横ばい・微減、2060年以降は65歳以上人口も減少すると見込む。ただし、既に2060年の第三段階に入っている地域がある。地域別に対策を考えることが必要なのはこのためだ。地方では医療介護が重要な雇用の場だったが、最近では東京で働く医療介護職を、地方で採用する例もあるとした。

 もっとも、大都市部への人口移動は、世界的に見れば、必然的な動きではないという。2003年以降、最近までのトレンドを見ると、日本と同様に大都市部への集中が進行しているのはドイツ。一方で、スペイン、イングランド、米国では、大都市の人口は減る一方、中都市、大都市近郊の小都市、地方小都市の人口は増加している。樋口氏は「やり方次第で、地方の人口を増やすことは可能。働きがいのある安定した雇用の場を、いかに地方に作っていくかがカギ」と述べ、講演を締めくくった。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/253264/?category=report
「全国でかかりつけ医中心の体制構築」、横倉日医会長
全日病学会で特別講演、「地域医療の再興に向けて」

2014年9月21日 橋本佳子(m3.com編集長)

 9月20日に福岡市で開催された第56回全日本病院学会で、日本医師会会長の横倉義武氏は、「地域医療の再興に向けて」と題して、特別講演した。

 横倉会長は、今後の地域包括ケアシステムの構築に当たって、かかりつけ医の役割が重要性を増すとし、「かかりつけ医を中心とした医療・介護の切れ目のない提供体制を、2025年までに全国の全ての地域で作り上げることを目指す」との意気込みを語った。


日医会長の横倉義武氏は、約40分にわたり、「地域医療の再興に向けて」をテーマに講演。
 その際、都道府県医師会や郡市区医師会の役割が重要になると強調。行政との連携、医師会共同利用施設の運営、医師の生涯教育、多職種連携、ICTの活用、検診、予防活動、看護職の養成など、さまざまな場面で医師会がかかわっていくことになるとした。地域包括ケアシステムの構築には、地域による温度差があるため、先進的な事例を紹介し、それを各地域に合う形で取り入れ、地域に応じた体制を構築していく重要性を強調。各医師会が先導的な立場に立ち、行政など関係者と連携しながら、取り組んでいくとした。

 この10月から病床機能報告制度、来年4月から地域医療構想(ビジョン)の策定がそれぞれ始まる。地域医療構想の策定に当たっては、各都道府県医師会なども参画することになる。日医では、各医師会が独自に地域の医療・介護政策を立案するための支援ツールとして、JMAP(Japan Medical Analysis Platform)を構築したことも紹介。これは、都道府県別、2次医療圏別の人口、医療需要および医療資源情報などを把握できる仕組みだ。

 さらに、横倉会長は、「人口約500人当たりにあるのは、郵便局と診療所。人口約2万人当たりでは中小病院がある」という身近さを生かし、「医療機関を中心とした街づくり」という視点で取り組んでいくことも必要だとした。

 「2025年に向けて、2018年と2024年の2回、診療報酬と介護報酬の同時改定がある。特に2018年の同時改定が今後の方向性を相当程度決めていくことになる。地域医療が崩壊しないよう対応していく」と横倉会長は述べ、講演を締めくくった。


 「日本医師会綱領」が活動の基本

 講演で横倉会長はまず、2012年会長就任以来、「地域医療の再興」を目標として掲げ、取り組んできたとし、2期目に入る今年6月には、「地域医療を支える」「将来の医療を考える」「組織を強くする」の3つの方針を掲げたことを紹介した( 『横倉日医会長、「三つの方針」で2期目始動』を参照)。

 医療が重要な時期にあり、さまざまな制度改革が進む中、医師全体ができるだけ同じ方向でものを考えていく必要性を強調、昨年6月から約1年かけて検討し、「国民の生涯にわたる健康で文化的な明るい生活を支える」など、4項目から成る「日本医師会綱領」を作成したことも説明(『日医綱領を策定、「誠実な実行」を国民に約束』を参照)。横倉会長は、マスコミでは、日医の診療報酬改定への対応に注目が集まりがちな現状があると指摘し、「我々の組織が本来、担っている役割を示したのがこの綱領」と訴えた。

 講演では、2014年度の診療報酬改定や、相次ぐ制度改革にも話が及んだ。2014年度改定について、横倉氏は、「薬価改定財源を、診療報酬本体財源に充てなかったことで、非常に強い批判を受けた。しかし、政府は、患者の負担をはじめ、さまざまな負担を買い上げる時期ではないと言い、当初は5%のマイナス改定を言ってきた」と明かし、その後の交渉の結果、全体では0.1%引き上げ、消費増税対応分は1.36%になったと説明。

 2025年の医療提供体制の構築に向け、多数の政府の審議会や検討会が開催され、日医の役員が出席している。日医役員の発言を統一するため、(1)国民の安全な医療に資する政策か、(2)公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策か――という二つを常に判断基準する姿勢を強調した。

 国の財政が厳しい中、医療費に対しても厳しい目が向けられる現状については、「私たちが望むのは、国民にとって必要とする医療が過不足なく受けられる医療か、ということ。(医療費抑制の議論に)初めからノーと言っていては始まらない。一度聞いて、二つの判断基準に基づき、しっかりとした対案を作っていくことが必要」と述べ、横倉氏は理解を求めた。

 政府対応への具体例として挙げた一つが、「患者申出療養(仮称)」だ。政府の規制改革会議は当初、「選択療養(仮称)」など、混合診療の色合いが強い議論が展開されたものの、日医があくまで現行の「保険外併用療養」の拡大で検討すべきと主張し、「患者申出制度(仮称)」に落ち着いた経緯を説明。「患者申出療養(仮称)」に関する2014年6月27日の政府答弁書でも、(1)「保険外併用療養」の考え方を変更するものではない、(2)実施前や実施後に、安全性と有効性などを確認、(3)保険外併用療養の先進医療の同様の仕組みである――などの点を確認しているとした。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03093_05
【視点】
在宅療養支援のこれから

宇都宮 宏子(在宅ケア移行支援研究所宇都宮宏子オフィス)
週刊医学界新聞 第3093号 2014年09月22日

 2002年,介護保険制度が始まって2年が過ぎたとき,「病院から生活の場に患者さんが帰るためには,看護マネジメントが必要だ」という強い思い(中身はざっくりしてたけど)で,大好きな在宅の現場から大学病院に戻る決心をした。そして大学病院のナースたちと奮闘しながら構築してきた「退院支援・退院調整の3段階」((1)スクリーニングとアセスメント,(2)受容支援と自立支援,(3)サービス調整)をもとに取り組み,診療報酬にも反映させることができた。

 ただ,ここにきて気になることがある。退院支援の目的も連携の意味も教育されないまま,診療報酬の評価を追うかのような在宅療養支援になってしまっている病院が散見されるのだ。

 「国が在宅医療を推進するから」「診療報酬の評価が付いたから」退院支援をすべきなのだろうか? もともと暮らしていた場所に戻るのは,本来当たり前のことである。それにもかかわらず,入院によって生活が遮断され,生活の場に戻れなくなってしまう。こうした事実に気付いているのは,ほかでもない,病院で働く看護師自身のはずだ。

 最近の在宅ケア移行支援研修において,私が特に意識して伝えていることが2つある。

1)後追いの退院調整から,外来患者への在宅療養支援へ。
2)長期入院患者の収容先探しをやめて,『地域居住の継続』のために何が必要かを考えよう。

 患者がどのような状態で「暮らしの場」に戻っていくのかを,医療提供の前から医師・看護師を中心にした医療チームで共有できていないことが,「生活の場に帰せない状況」をつくってきた。後追いの退院調整から,治療開始と同時に進める退院支援に移行する必要がある。

 そして,次に見えてきたことが,「外来通院時からの在宅療養支援」の重要性だ。私は外来での「在宅療養支援」には2つの形があると考えている。1つは,計画入院(予定入院)患者への退院支援を,外来から始める活動だ。「入退院センターナース」といった形で,入院申し込み時点で,治療計画の説明,退院時の状態像の共有,在宅療養に関する情報収集,退院支援の必要性の判断を看護師が行う。入院までにできる準備を始め,入院早期から退院調整が動く。看護師による説明・面談の成果として,患者が治療に主体的に向き合うことにもつながる。これらは既に多くの医療機関が実践し始めている。

 もう1つは,私自身が前職で取り組んでいた「地域居住継続のための支援」「在宅療養継続(入院回避)のための相談・調整」だ。がん患者や難病患者の病態予測に基づいて,「今の暮らし」を継続するための在宅医療・ケアの体制を整える。これは地域包括ケアシステムの根幹でもある。

 私の講演や研修に来た看護師が,老いも若きも(失礼),「心が大きく揺さぶられた」「目からうろこが落ちた」「病院で亡くなったたくさんの患者の顔が思い出されて涙が止まらなかった」と声を掛けてくれる。

 病院から在宅(生活の場)への移行支援をどのように進めていくことが,患者さん,地域に暮らす方にとっての幸せにつながるのか。多くの看護師が考え,動き始めている。めざすのは退院ではなく,患者さんの望む暮らしにつなぐこと,患者さん自身が生活の再構築に前向きになり,それを支えること。それは,看護そのものである。

宇都宮宏子
京大医療技術短大(現・京大医学部保健学科)卒。急性期病院や訪問看護ステーションを経て,2002年より京大病院にて退院調整看護師として活動。12年に起業。全国各地で在宅ケア移行支援に携わる。著書に『退院支援実践ナビ』(医学書院,編著)など。



http://digital.asahi.com/articles/ASG9P4S71G9PONFB009.html?_requesturl=articles%2FASG9P4S71G9PONFB009.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9P4S71G9PONFB009
三重)小中学生が「お医者さん」体験 手術器具に見入る
2014年9月22日03時00分 朝日新聞デジタル

 津市船頭町の津生協病院付属診療所で21日、小中学生約20人が「お医者さん」の仕事を体験した。

 みえ医療福祉生活協同組合が開く「わくわく健康フェスタ」のイベントの一つ。数人のグループに分かれて、医師に教わりながら人体模型を組み立てて臓器の役割を学んだり、包帯を巻いたりした。

 外科医の小坂聡哉さん(45)は、手術器具の使い方をクイズ形式で学ぶ映像を見せて説明した。また実際の手術器具を子どもに触らせて「これで血が出ている血管を挟んで止める」「お医者さんが手を出しただけで、看護師さんは次にどの道具を使うのか分かる」などと話すと、子どもが熱心に見入っていた。

 津市立橋南中学2年の上條奈桜さんは「手術の現場は(やり方が)計算しつくされていて、すごい」と感心していた。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/253269/?category=report
「5施策で医療計画の実効性向上」、佐々木厚労省室長
全日病学会で特別講演、「動き出した改正医療法」

2014年9月21日 橋本佳子(m3.com編集長)

 「医療計画において、病床数等を正確に推計するために、各病院・有床診療所ごとに報告を求め、それを基に中長期将来推計であるビジョンを定め、その実効性を高めるために、二次医療圏ごとに医療現場の人等からなる協議の場を設けて議論してもらい、必要な手段には基金を遣いつつ、非合理な判断をした場合には知事が権限を行使する」

 9月20日、福岡市で開催された第56回全日本病院学会で特別講演した、厚労省医政局地域医療計画課の医師確保等地域医療対策室長を務める佐々木昌弘氏は、この6月の通常国会で成立した改正医療法の目的の一つに、「医療計画の実効性が高める」ことがあり、このようなストーリーにまとめることができると説明した。実効性を高めるため、病床機能報告制度、地域医療構想(ビジョン)、協議の場、新たな財政支援制度(基金)、知事の権限強化――という5つの施策が始動するが、これらは個別施策ではなく、一連の流れで捉える必要があるという趣旨だ。


 佐々木氏の講演テーマは、「動き出した改正医療法」。そのテーマ通り、今年6月の通常国会で成立した改正医療法を含む、医療介護総合確保推進法の具体化に向けた検討が開始した上、一部の施策が動き始めた現状を紹介した。

 医療介護総合確保推進法は、19の個別法から成るが、「柱となる法律は3つ」(佐々木氏)。「新たな財政支援制度(基金)」の根拠法である医療介護総合確保促進法、医療法、介護保険法だ。

 佐々木氏は、新たな財政支援制度(基金)の交付、地域医療構想の策定のほか、来年には介護報酬改定、2018年度には診療報酬と介護報酬の同時改定、第7次医療計画策定があるなど、さまざまな制度改正が今後相次ぎ、それに向けた議論が同時並行的に動き出している現状を説明した。

 その流れの中で、社会保障の充実に充てられる消費増税の有無が今年末にも決まることが注目点とした。さらに、今のサイクルで行けば2018年度から第三期医療費適正化計画が改定されるため、同計画を含めた、健康保険法をはじめとする医療保険関係の改正法案が来年の通常国会に提出される予定だという。

  医療法には三つの役割

 佐々木氏は、まず医療法の歴史を振り返り、「3つの役割がある」と説明。第一は、「1948年の制定当時の考え方で、「衛生ルール」だ。第二は、「量的調整(ボリュームコントロール)」という役割で、1985年の第1次医療法改正では、医療計画が策定され、病床規制という概念が入った。第三は、「受診の流れ・役割分担」という役割で、2006年改正では「4疾病5事業」が規定され、2013年度からは「5疾病5事業+在宅」になった。

 これらに続く医療法改正を含む、医療介護総合確保推進法は、(1)医療計画の実効性を高める、(2)医療の現場を変える(医療事故調査制度の創設、医師・看護師確保と勤務環境改善、医療法人制度など)、(3)介護保険を持続可能なものにする(特養の入所、地域支援事業、自己負担、保険料軽減など)――の三つが目的だという。

 中でも、(1)が、医療法改正のメーン。病床機能報告制度、地域医療構想(ビジョン)、協議の場、新たな財政支援制度(基金)、知事の権限強化――という5つのツールとなる。「(病床機能の分化に向けて)いきなり知事の権限が行使されるわけではない。それぞれが切り出して語られることが多いので、どんなストーリーかを説明する」として佐々木氏が紹介したのが、冒頭のストーリーだ。

 病床機能報告制度は、この10月からスタートする。その公表のあり方や、地域医療構想策定のガイドライン作成の議論は、9月18日から開始した(『地域医療構想ガイドライン、1月策定へ』を参照)。佐々木氏は、来年1月までにガイドラインを作成し、2カ月の周知期間を経て、4月から地域医療構想の策定が始まるというスケジュールを説明した。

 基金、「地域の全体最適を図るのが目的」

 新たな財政支援制度(基金)の予算は、2014年度は904億円。同基金について、佐々木氏は、2009年度の補正予算から始まった、地域医療再生基金との比較で説明。都道府県ごとに基金を設置し、複数年度にわたり使うことが可能な点では一致しているものの、地域医療構想の実現が目的であり、都道府県負担が必須である点などの相違があるとした。基金の使い方などを定めた総合確保方針は、9月12日に告示されている(『医療介護の総合確保方針、了承・告示へ』を参照)。

 個々の病院が一生懸命にやっていても、地域全体で見ると全体最適につながらない場合もあることから、地域医療構想の実現に向けた基金の使い方を求めていくし、今年度はその基盤整備として、地域包括ケアシステムの底上げに資する使い方を求めるとした。「目の前にある医療崩壊を解決するものではなく、将来の提供体制を構築していくことが目的。したがって、地域医療再生基金よりも、新たな財政支援制度(基金)の難易度は高い」(佐々木氏)。従来の多くの補助金が全国一律の交付要綱であるのに対し、各地域の特性を踏まえて基金の使途が決まる点を、佐々木氏は強調した。

 なお、地域医療構想の達成に向けて、設置されるのが、地域の関係者による「協議の場」だ。法律上では、地域医療構想の策定自体に「協議の場」がかかわることは想定されていないが、9月18日の厚労省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」で、日本医師会副会長の中川俊男氏が、「協議の場」を前倒して、構想策定段階から関わる仕組みを提案した。佐々木氏は、協議の場が、地域医療構想の達成に重要な役割を担うとし、「ぜひそれ(前倒しの設置)はお願いしたいという立場」と説明した。


  1. 2014/09/22(月) 05:32:38|
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9月20日 

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140920-OYT1T50035.html
産科医不足、福島など9県で「危機的状況」
2014年09月20日 19時41分 読売新聞

 当直回数が多く、成り手が不足している産科医について、都道府県間で最大2倍程度、産科医数に格差が生じていることが日本産科婦人科学会などの初の大規模調査で分かった。


 福島、千葉など9県では、35歳未満の若手医師の割合も低く、将来的な見通しも立たない危機的状況にあると報告されている。

 全国9702人の産科医の年齢(今年3月末時点)や、昨年の出産件数などを調べた。人口10万人当たりの産科医数は、茨城が4・8人で最も少なく、最も多い東京と沖縄の11・1人と倍以上の開きがあった。

 また調査では、35歳未満の割合、産科医1人当たりの出産件数など6項目で全体的な状況を見た。福島、千葉、岐阜、和歌山、広島、山口、香川、熊本、大分の9県は6項目全てが全国平均よりも悪く、「今後も早急な改善が難しいと推測される」とされた。

 中でも福島は、産科医が人口10万人当たり5人(全国平均7・6人)と2番目に少なく、平均年齢は51・5歳(同46歳)と最も高齢で深刻さが際だった。東日本大震災や原発事故も影響しており、同学会は昨年5月から全国の産科医を同県内の病院に派遣している。

 調査をまとめた日本医大多摩永山病院の中井章人副院長は「国や各自治体に今回のデータを示し、各地域の対策を話し合いたい」と話している。



http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140920000131
大半回収不能か/旧麻田病院、診療報酬不正受給
2014/09/20 09:45 四国新聞

国民健康保険分の返還請求額
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窓口負担を除いた医療保険の財源
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 麻田総合病院(香川県丸亀市津森町)の診療報酬不正受給をめぐり、県内の市町が国民健康保険や後期高齢者医療制度から支払った診療報酬のうち、不正受給分の返還を求めていることが19日分かった。関係者によると、県内自治体による返還請求額は国保と後期高齢者分だけで16億円程度に上る見通し。しかし、債務者で旧経営母体の「エム・アイ・ユー」は8月末から破産手続きに入るなど、自治体が全額を回収するのは極めて難しい状況となっている。

 診療報酬の不正受給が発覚し、保険医療機関指定を取り消された病院が破産や閉鎖に追い込まれ、返還が焦げ付くケースは全国でみられるが、厚生労働省によると、今回のような多額の債権を自治体が回収できなくなる事態は異例という。

 県と各市町、県後期高齢者医療広域連合(高松市)の試算によると、エム・アイ・ユーに対する返還請求額は、国民健康保険分が約2億9061万円、後期高齢者医療分が約13億円。

 これ以外にも、生活保護受給者や特定疾患の医療費などがあるため、総額はさらに膨らむ見通しだ。同病院のある丸亀市の返還請求額は、国保分だけで1億8484万円に上る。

 ただ、不正受給の発覚を受け、国保や後期高齢者医療の審査・支払機関である「県国民健康保険団体連合会」(国保連)では、今年2、3月分の診療報酬約3億5千万円の支払いを止めているため、この確保分は回収できる見通し。

 国民健康保険や後期高齢者医療制度では、保険料や本人の窓口負担分を除く公費負担分の大半を国・県からの負担金や交付金で賄っているため、回収した不正受給分の相当額は国・県に返す必要がある。返せなかった分は今後の負担金や交付金からカットされるため、積立金や市町の一般財源からの持ち出しで補填(ほてん)しなければならず、市町財政への影響が懸念される。



http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140920000132
自治体財政へ影響必至/不正のツケ市民に
2014/09/20 09:46 四国新聞

 麻田総合病院による診療報酬の不正受給問題は、香川県内自治体が支払いを求める返還金の大半が「不良債権化」する事態に発展しそうだ。関係者によると、破産した旧経営母体からまとまった額の資産分配を期待できる状況にはなく、回収作業は難航。一医療機関による不正のツケを市民が負わされる恐れが出ており、各市町は「最後まで回収へ向け努力はする」としながらも、国保や一般財政に影響が出ないような手立てを国に求める声も上がる。

 ■多額の債権
 同病院の不正受給は、四国厚生支局が実施した調査で発覚。2008年4月から12年1月にわたり、看護師の数を水増しして届け出るなどし、本来の額より多い診療報酬を受け取ったとされる。

 厚生労働省のデータによると、12年度の保険医療機関の指定取り消し件数は31件(前年度比11件増)で、大半が診療報酬の不正受給によるもの。ただ、今回のように十数億円もの多額の債権を自治体が回収できない事態は異例で、多くの患者がいる中核病院の指定取り消しが及ぼす影響の大きさを示した形だ。

 市町村には医療機関の不正をチェックする実質的な権限はなく、県内の市町や有識者からは、国や県に対して調査の強化を要請したり、負担金・交付金の返還に一定の配慮を求めたりする声が相次いでいる。

 ■納得いかず
 県内の各市町で構成する「県後期高齢者医療広域連合」(高松市)の担当者は「正直困っている。回収できなかった分は欠損処理せざるを得ない。広域連合の積立金などで対応することになるだろうが、将来的にみれば被保険者が負担をかぶる形になってしまう」と頭を抱える。

 国の負担金・交付金分が回収できなかった場合、今後の負担金や交付金から相当分がカットされることについても不満が出ており、丸亀市は「制度的に仕方がないのかもしれないが、(カット幅は)せめて病院から回収できた金額に見合った程度にしてほしいと申し入れたい」とする。

 善通寺市も「市町の被保険者だけに負担を回すのは納得がいかない。国として、その後の国保などの財政運営に支障が出ないような手立てを講じてもらいたい」と声を上げる。

 ■監視強化を
 厚生労働省国民健康保険課は「診療報酬の不正受給では、制度上、市町村に対して不正受給分の全額返還を求めており、個別の事情を斟酌(しんしゃく)するのは難しい」との見解だ。ただ、香川大大学院地域マネジメント研究科の村山卓教授(自治体財政政策)は「もし国の監督に問題があるとしたら、市町に全額返還を求めるのは厳しい話だ。事情を十分考慮する必要はあるのではないか」としている。

 今後の対策について、四国厚生支局は「調査の間隔をもっと詰められるよう努めたい」と話す。診療報酬の不正受給問題が地域医療にとどまらず、自治体の財政に影響を及ぼす恐れが明らかになった今回の事態。国、県は連携を深め、医療機関への監視態勢を強化する必要がある。


  1. 2014/09/21(日) 08:28:15|
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9月18日 

http://www.med.or.jp/nichinews/n260920e.html
文部科学省
「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」の選定結果を受けて日医の見解を公表

日医ニュース 第1273号(平成26年9月20日)

 文部科学省「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」での審議の結果により,「東北医科薬科大学」(応募主体:学校法人東北薬科大学)が八月二十八日に選定された.
 これを受けて,日医では同日,見解を公表した(全文は日医ホームページ「プレスリリース」参照  http://www.med.or.jp/teireikaiken/).
 その中では,構想審査会の決定は尊重するとしながらも,今回の構想選定に際して付けられた「選定後速やかに,宮城県をはじめとする東北各県・各大学,関連教育病院,地元医療関係者等の協力の下で,運営協議会(仮)を立ち上げ,自治医科大学等の先行事例も参考に,教員等の確保や地域定着策をはじめとした,構想の実現・充実のために必要な協議を開始すること」等,七条件について,適切に対応ができていると認められるまで,国は設置認可を行わないようにすることが要求されていることに注意を払う必要を示した.
 更に,「東北地方における医学部設置に関する基本方針(復興庁・文科省・厚生労働省)」の中に示された四条件((1)震災後の東北地方の地域医療ニーズに対応した教育等を行うこと (2)教員や医師,看護師の確保に際し引き抜き等で地域医療に支障を来さないような方策を講じること (3)大学と地方公共団体が連携し,卒業生が東北地方に残り地域の医師不足の解消に寄与する方策を講じること (4)将来の医師需給等に対応して定員を調整する仕組みを講じること)については,厳守されるよう注視していく考えを改めて示した.
 なお,今回選定された「東北医科薬科大学」については,直ちに医学部新設が決定するわけではなく,開学に向けては,通常の医学部設置認可申請手続きが必要であり,今後は,大学設置基準等を始めとした法令上の基準にのっとって,当該法令への適合性を審査することになる.



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43810.html
医師引き抜きしない具体策、協議会で議論を- 医学部長病院長会議が要望、東北の新設で
( 2014年09月18日 21:33 )キャリアブレイン

 東北地方の医学部新設で文部科学省の構想審査会が東北薬科大(仙台市青葉区)を選定したことを受け、全国医学部長病院長会議は18日の記者会見で、医師などを地域の医療機関や大学から引き抜かないよう求め、引き抜きをせずに教員を確保するための具体策を、同大が設置する運営協議会(仮称)で議論すべきとの考えを示した。【丸山紀一朗】

 運営協議会の設置は、構想審査会が同大に対して求めた7つの選定条件の1つ。今後、東北各県・各大学や関連教育病院、地元医療関係者などの協力の下に立ち上げて、医師定着策などの協議を開始することとした。選定条件はこのほか、▽東北大などと役割分担し、東北の医師偏在を解消する枠組みを確立する▽総合診療医の養成に取り組む▽卒業生の東北への定着を促す修学資金の仕組みを構築する-など。

 全国医学部長病院長会議は会見で、「7条件がすべてクリアされることの検証が必要」などとするコメントを発表した。運営協議会での今後の議論の行方に「大いに注目したい」とした上で、医師などの引き抜きについては、「個々の大学や地域の医療・医学教育に支障のないことの担保が極めて重要」と指摘。具体的には、正式な設置認可の過程で同大が教員候補者リストを提出する際に、現在所属している医療機関や大学の長の推薦書の提出も求める案を示した。

 これについて、荒川哲男会長(大阪市立大医学部長)は、「単に医師個人の意思で現在の所属施設から出て行くことになると、新たに受け入れる側も将来困ることが起こる可能性がある」と述べ、推薦書を「温かく送り出されている証拠」と見ることで、引き抜きに一定の歯止めを掛けることができるとの認識を示した。

 コメントではこのほか、「東北においても医学部新設に関して反対であることは変わりない」とし、改めて医学部新設に反対する姿勢を強調。また、今後、東北薬科大が正式な設置認可を得られた場合にも、「国家戦略特区における医学部新設とは連動しないという認識である」とし、医学部のさらなる新設が進まないようけん制した。



http://www.med.or.jp/nichinews/n260920l.html
勤務医のひろば
医師不足,無い物ねだり

いわき市立総合磐城共立病院院長 新谷史明
日医ニュース 第1273号(平成26年9月20日)

 当院は福島県の地方中核市いわき市の市立病院,臨床研修指定病院であるが,ここ数年常勤医のいない診療科が四分の一を占める.
 新医師臨床研修制度が始まった当初は十一名,十四名,十三名とマッチングは順調に推移,総医師数も百四十名を超えた.平成十九年に関連大学医局の内科医師引き上げがあり,研修医の応募が激減した.震災の年は研修医十三名が着任したが,翌年は原発事故の影響か,ゼロ.今年は医科八名,歯科一名の研修医が着任,医師数は百十四名まで回復,一息ついたところである.
 市の消防統計によると,昨年度救急車の問い合わせ回数が十回を超える事例が一・九%に急増した.市内の病院勤務医がこの十年で百名ほど減少,震災を契機に開業医数よりも勤務医数が少なくなり,病院勤務医にかかる救急医療の負担が一挙に大きくなったためだ.
 いわき市の人口十万対医師数は百六十二人と元来医師数が少ないのに,二次救急を担う病院勤務医が激減しているのである.
 医師数の分布は西高東低が明らかである.東日本の医師養成数は西日本と比べて少なく,東北の地方都市の医師不足の原因は新医師臨床研修制度だけではあるまい.
 それだけに,医師不足に対する即効性のある手立てはない.大学に医師派遣を要請しても,所詮(しょせん),無い物ねだり,自前で研修医を集め,育てるしか手はない.
 東北人の気性故か自己PRが不足していたことを反省し,病院見学の学生には時間の許す限り,院長が直接顔を合わせて話をするよう心掛けた.また,Facebookに当院のページを開設,当院における臨床研修の魅力,地域医療と地域の魅力を医学部学生,若手医師に地道にアピールすることにした.アクセス数は順調に伸びているが,その効果が現れるのはいつの日か,“無い物ねだり”より“自己アピール”と言い聞かせている毎日である.



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43801.html
300-399床病院、6割が診療制限- 愛知県が医師不足の影響調査
( 2014年09月18日 13:00 )キャリアブレイン

 愛知県内の病院の2割が医師不足を理由とした診療制限をしており、そのうち300-399床の病院では6割が制限していることが、県の調査で分かった。県は2007年度から毎年調査を実施しているが、診療制限をする病院の割合はほとんど改善していない。【大島迪子】

 調査は、全病院にあたる322病院を対象に実施し、すべての病院が回答。ことし6月末時点で、医師不足により診療時間の縮小や内視鏡などの検査の制限、入院診療の休止、時間外救急患者の受け入れ制限などを行っているかどうかを聞いた。
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 322病院のうち診療制限を実施しているのは66病院(20.5%)で、昨年度の21.8%よりやや改善した。規模別にみると、300-399床では20病院中12病院(60.0%)、400-499床(18病院中6病院、33.3%)、200-299床(42病院中11病院、26.2%)、500床以上(31病院中7病院、22.6%)と続いた。
 診療科別にみると、産婦人科を標榜する全65病院のうち20.0%にあたる13病院で制限しており、精神科(103病院中14病院、13.6%)、内科(278病院中29病院、10.4%)の順に多かった。二次救急医療機関95病院では、38.9%にあたる37病院で診療制限を実施していた。

 診療制限の内容のうち、特に影響の大きいものの状況を聞いたところ、「時間外救急患者の受け入れ制限」23病院、「診療科の全面休止」が18病院、「入院診療の休止」16病院、「分娩休止」9病院の順で多かった。この4つのいずれかを行っている病院の数は、07年度から13年度まで増え続けており、14年度は1病院減って44病院だった。

 愛知県は、大学の医学部を介した医師不足病院への医師の派遣に対し、派遣する側の病院への損失補てんとして補助するなど対策をしており、調査結果を生かすことにしている。



http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20140918-OYTNT50373.html
石巻市立病院職員 62人不足…16年開業予定
2014年09月19日 読売新聞

 2016年7月開院予定の石巻市立病院の医療職員について、市は18日の市議会定例会一般質問で、確保目標の159人に対し、現状で62人が不足していると明らかにした。


 市病院局によると、確保目標は医師20人、看護師108人、薬剤師や臨床検査技師などの専門職31人。現在は医師8人、看護師75人、薬剤師ら14人の確保にとどまっており、市は16年4月までに採用するとしている。看護師や薬剤師の人件費は県の地域医療再生基金から支払われるが、医師分は市が負担する。

 同病院には、東北薬科大が新設する医学部の地域医療教育拠点が置かれる予定。市病院局は「備品などの整備は必要だが、病院建設への影響はない」と答弁した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49524/Default.aspx
製薬協 COI開示をウェブ閲覧方式に統一
公開日時 2014/09/19 03:52 ミクスオンライン

日本製薬工業協会は9月18日の理事会で、利益相反(COI)をめぐり、医師への原稿執筆料など資金提供の公開の方法について、これまで一部企業で実施されてきた来社閲覧方式を廃止し、ウエブ閲覧方式に統一することで合意した。理事会後の記者会見では、会長声明(多田正世会長・大日本住友製薬社長)が発表され、「再度問題意識の共有を図り、この問題に関する今後の改善に向けての我々の決意を改めて表明する」と決意を表した。

会長声明では、臨床研究不正などを受け、「社会の不信感や懸念を払しょくし、その信頼回復に全力で取り組むことが、課せられた喫緊かつ最優先の課題と強く認識している」とした。その上で、製薬協が策定した透明性ガイドラインの趣旨に沿って、「可能な限り改善の努力を積み重ねていく必要がある」との認識を示した。

そのひとつとして、現状各製薬企業でバラバラだった情報公開の内容やアクセスの方式などについても“社会の納得性の高いもの”とすることが必要と判断。ウエブ閲覧方式への統一を図ることとなった。

ただ、現状ではウエブでの公開方法の統一化はせず、運用は各製薬企業に任されることとなる。また、今年度についてはすでにCOIの開示方法について、各製薬企業と医師との間で合意に達していることから、数社では来社閲覧方式で実施されるとの見方も示した。

◎田中常務理事「情報提供と労務提供、プロモーションの線引きは残る課題」
医師とのCOI、特に臨床研究をめぐっては、MRだけでなく、メディカル部門をいかに営業部門と分離するかも議論となるところ。製薬協では、製薬協コード・オブ・プラクティスの研修を実施するなど、コンプライアンス向上の取り組みを進めてきた経緯がある。田中 徳雄常務理事は、「コード・オブ・プラクティスは、メディカル、開発製薬企業全員にかかわるコード」と説明。COIの問題は、「製薬企業全員にかかわる問題だ」との認識を示し、今後MR以外のメディカルなどの職種にもコード・オブ・プラクティスの浸透を進める考えを改めて示した。その上で、「情報提供なのか労務提供なのか、情報提供なのかプロモーションなのか、この辺の線引きについてはまだ課題としては残っていると認識している」と述べ、依然としてCOIをめぐる課題が残存するとの認識も示した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/252463/
地域医療構想ガイドライン、1月策定へ
厚労省検討会が発足、2025年を見据え検討

2014年9月18日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」の第1回会議が9月18日に開催され、2015年4月からの各都道府県における地域医療構想(地域医療ビジョン)策定開始に備え、2015年1月をめどに取りまとめる方針が示された(資料は、厚労省のホームページに掲載)。座長には、学習院大学経済学部長の遠藤久夫氏、座長代理には、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏がそれぞれ選任された。

 先の通常国会で成立した、医療介護総合確保推進法では、各都道府県が、将来の医療提供体制に関する構想(地域医療構想)を策定することが盛り込まれた。この10月からは、病床機能報告制度がスタートする(『10月開始へ、病床機能情報報告の方針決定』を参照)。報告制度で得た情報なども踏まえ、地域医療構想を策定する際のガイドラインを作成するのが、本検討会の目的だ。

 9月12日には、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本方針」が告示されており、今年度予算で904億円に上る「新たな財政支援制度(基金)」も、交付決定に向けた作業が始まっている(『医療介護の総合確保方針、了承・告示へ』を参照)。2025年の医療提供体制構築に向けた動きが、本検討会の開始でさらに具体化することになる。

 厚労省医政局地域医療計画課の医師確保等地域医療対策室長を務める佐々木昌弘氏は、「2025年の各構想区域の医療提供体制を住民が想像できるよう、さまざまな関係者が集まって、地域医療構想を策定できるレベルにしてもらいたい」と述べ、医療関係者だけではなく、一般市民が理解できる形でガイドラインをまとめる方針を示した。1月の取りまとめを目途としているのは、4月からの策定に備え、2、3月は関係者への周知期間を確保するためだ。

 検討会の議論の柱は、三つ。(1)地域医療構想策定ガイドラインに盛り込む事項、(2)策定した地域医療構想の達成の推進のための「協議の場」の設置・運営に係る方針、(3)病床機能報告制度において報告される情報の公表のあり方――だ。中でもメーンになるのが(1)で、「あるべき将来の医療提供体制の姿」「2025年の医療需要の推計方法」「2025年の各医療機能の必要量の推計方法」「あるべき将来の医療提供体制を実現するための施策等」など、論点は多岐にわたる。

 第1回会議では、今後の議論の進め方や総論的な意見交換のほか、今年3月に、高度急性期と一般急性期や回復期などを担う2つの病院に機能分化させた、佐久総合病院へのヒアリングが行われた。

 全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏からは、自治体病院は僻地など過疎地域にも多く、医療の在り方は地域の将来構想なくして語れないことから、「『地域ビジョンがなく、なぜ地域医療ビジョン(地域医療構想)があるのか』という、悲鳴に近い声も自治体病院の長からは出ている」との発言も出た。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「街づくりの視点は、ガイドラインの議論の中で不可欠」と答え、ガイドライン、ひいては地域医療構想の奥深さを示唆した。

 「協議の場、前倒して設置を」、中川日医副会長

 特に議論になったのは、ガイドラインの位置づけや、地域医療構想の策定方法などだ。日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、(1)地域医療構想が想定する「あるべき将来」の時期、(2)都道府県が地域医療構想を作成する際、ガイドラインを無視した場合の対応――について質問。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、(1)について、「まずは2025年の医療提供体制がどうなるのか、そこに至る道筋はどのようなものかを議論してもらいたい」と回答。(2)に関し、「ガイドラインができれば、都道府県に周知徹底する。地域医療構想を立てやすくするためのものが、ガイドラインであり、ガイドラインに従ってもらいたい」と答えた。

 これに対し、「ガイドラインは、従ってもらうものではない」と強く異議を唱えたのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。「ガイドラインは、あくまで参考にするもの。47の都道府県があれば、47通りの地域医療構想がある。地域の実情を反映しながら、地域医療構想を策定していくことを、これまで何度も確認してきた」(中川氏)。国が示したガイドラインに縛られ、硬直的な地域医療構想になる懸念からの発言と見られる。

 さらに中川氏は、より地域の実情を反映した地域医療構想を策定するために、関係者による「協議の場」を構想の策定前から設置する必要性を指摘した。「地域医療構想の策定後に、構想区域ごとに協議の場を設定して、(構想実現に向け)協議するというのは難しい。協議の場の前倒しの設置を提案したい」と中川氏は述べ、地域医療構想は医療計画の一部であることから、都道府県医療審議会と「協議の場」が連携しながら、地域医療構想を策定するのが望ましいとした。

 日本病院会副会長の相澤孝夫氏は、地域医療構想の策定に当たって、2015年時点の医療需要などを推計する必要があることから、「そのためのデータがそろっているのか」と質問。北波課長は、「現在あるデータをいかに活用して、どんな推計ができるかをまさに議論してもらいたい」と述べ、次回以降の会議でデータを出して検討していくとした。

 「あるべき将来の医療提供体制」の視点を整理

 各論では、前述の(1)の「地域医療構想策定ガイドラインに盛り込む事項」のうち、「あるべき将来の医療提供体制の姿」について議論した。

 厚労省は、その基本的視点として、(1)病床の機能分化・連携の推進、患者の状態に応じた質が高く効率的な医療提供体制の構築、(2)地域包括ケアシステムを支える病床の整備や在宅医療の充実、(3)医療と介護サービスが一体的に提供される体制の構築、(4)病床の機能に応じた医療人材の確保、(5)人口動態や医療・介護需要のピークや程度が異なることや、医療・介護資源の現状に差があることを踏まえた、地域にふさわしい医療提供体制の構築、(6)国民(患者)が医療を適切に受けられるような医療機関に関する十分な情報の提供――の6点を挙げた。

 これらは支持されたものの、在宅医療を支えるための後方支援の病院機能、重症化予防のほか、街づくりなどの視点の追加を求める意見が出た。

 稲城市福祉部長の石田光広氏は、保険者の立場から、「医療依存度が高い高齢者が、在宅で生活するようになることが想定されている。地域の高齢者を支える診療所、それを後方から支援する病院の役割が重要であり、これらを地域で速やかに増やすことが重要」と指摘。相澤氏も、在宅支援の病院機能の必要性を訴えたほか、高齢者医療だけでなく、小児医療や難病医療なども地域医療構想に含めるべきとした。

 日本看護協会常任理事の斎藤訓子氏の代理として出席した、同協会副会長の菊池令子氏は、「例えば、糖尿病患者が人工透析に至らないようにするなど、重症化予防の視点は重要」と指摘。さらに街づくりの視点について「医療や介護が必要になっても、地域で生活するためには、住環境の整備が必要。認知症患者が地域で生活できるようにするためには、住民の理解なども求められる。街づくりの一環としての視点を入れてはどうか」と提案した。

 慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、「与えられた財源を有効に活用するためにも、病床機能分化の推進が必要。地域差の要因を分析して、それを地域医療構想に反映していくことも求められる」と述べ、効率化という視点も必要だとした。

 佐久総合、「協議の場」の先駆け

 佐久総合病院の事例は、診療部長の北澤彰浩氏が紹介した。従来は、821床の佐久総合病院で、予防、急性期医療から、在宅医療まで幅広く手掛けていたが、今年3月に、高度急性期医療を担う「佐久医療センター」(450床)を分離し、佐久総合病院(本院、351床)は一般急性期や回復期などを担う場とした。

 佐久総合病院が取り上げられた理由の一つは、地域の関係者と協議をしながら、機能分化を進めたことだ。2つの病院は、直線距離で約6km離れている。10数年前から、「協議の場」を先取りしたような形で、行政、地元医師会、地域の病院と議論を重ね、どの機能を佐久医療センターに移転するかなどを検討した。地域住民への説明会も、計100回近くに上ったほか、最終的には佐久市のほぼ全戸を病院職員が個別訪問して、病院の機能分化について説明した。

 2つの病院に分けたことで、設備機器が二重投資になる部分もあり、「収益的には今は少し厳しい状況になっている」(北澤氏)。一方で、機能分化に当たり、地域の病院と議論を重ねてきたことから、医療連携は機能分化前よりも、スムーズになっているという。



http://www.med.or.jp/nichinews/n260920a.html
中川副会長に聞く
「地域医療構想(ビジョン)」の策定のため病床機能報告制度に協力を

日医ニュース 第1273号(平成26年9月20日)

 十月一日から病床機能報告制度が開始されるに当たって,今号では中川俊男副会長に,制度創設までの経緯や仕組み等について説明してもらった.

Q 制度の目的は何ですか?

中川副会長に聞く/「地域医療構想(ビジョン)」の策定のため病床機能報告制度に協力を(写真)A 二〇二五年には,全ての団塊世代の方々が七十五歳以上となり,これまで以上に,医療機能の分化・連携等を進めることが重要となります.
 その一環として,地域医師会も参加し,それぞれの地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための「地域医療構想(ビジョン)」を策定することになりました.そのために,まずは自地域の現状をきちんと把握・分析することが前提となるということで,病床機能報告制度が創設されることになったのです.

Q 制度ができるまでの経緯を教えて下さい

A 厚生労働省は,病床の機能分化策として,二〇一一年十一月に「急性期病床群(仮称)」制度(認定制,その後登録制)を社会保障審議会医療部会に提案しました.しかし,制度導入による影響等への懸念が示され,作業部会を設けて検討を進めることになりました.そして,厚労省の提案は取り下げられ,二〇一二年六月に「各医療機関が,その有する病床において担っている医療機能を自主的に選択し,その医療機能について,都道府県に報告する仕組みを設けること」,更に,これにより地域の現状を把握した上で,「今後のその地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための『地域医療のビジョン』を地域ごとに策定すること」で決着し,「病床機能報告制度」の導入が決まりました.
 この議論の中で,日本医師会は,「急性期病床群(仮称)」制度は,要件を満たせない医療機関が急性期医療から撤退せざるを得ず,特に地方では医療確保が難しくなるとして強く反対し,対案を示しました.結果として,病床機能報告制度は,この対案を大幅に取り込む形で制度化されることになったのです.
 なお,このような検討経緯から,病床機能報告制度はあくまでも自主的な報告制度にとどめるべきと考えており,今後も認定制度,登録制度に変容しないよう注視していく方針です.

Q 制度はどのような仕組みなのですか?

A 病院は病棟単位(一部,病院単位の項目あり)で,有床診療所は施設単位で,一般病床及び療養病床については表に掲げる四区分のいずれかを選択し,その担っている機能の「現状」と「今後の方向」を都道府県に報告することになります(この四区分は,二〇一三年八月の日医と四病院団体協議会との合同提言「医療提供体制のあり方」での提案に基づくものです).
 なお,例えば「『急性期機能』の病棟の入院患者は,全て急性期でなければならないのか?」と不安に思われるかも知れませんが,そのようなことはありません.実際にはさまざまな病期の患者さんが入院しているのは当然であり,その病棟の患者さんが全て急性期である必要はありません.これは,厚労省も認めています.


医療機能の名称______医療機能の内容

高度急性期機能
______◎急性期の患者に対し,状態の早期安定化に向けて,診療密度が特に高い医療を提供する機能

急性期機能
______◎急性期の患者に対し,状態の早期安定化に向けて,医療を提供する機能

回復期機能
______◎急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能
______◎特に,急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対し,ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)

慢性期機能
______◎長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能
______◎長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む),筋ジストロフィー患者または難病患者等を入院させる機能

出典:病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会「議論の整理」(平成26年7月24日)資料より

Q 具体的には何を報告すればよいのですか?

A 報告するのは,大きく分けて,「構造設備・人員配置等に関する項目」と「具体的な医療の内容に関する項目」です.厚労省「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」での検討により,前者は,病床数,医療従事者数,主とする診療科,算定する入院基本料・特定入院料,高額医療機器の保有状況,退院調整部門の設置・勤務人数,入院患者数や入棟前・退棟先の場所別患者数等になりました.
 また,特に有床診療所は,小規模かつ多様な役割を担っているため,報告必須項目を病院よりも少なくする一方で,日医が提唱した有床診療所の五つの機能を選択できる項目を設けています.
 後者の「具体的な医療の内容に関する項目」は,手術件数,がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療の実施状況,重症患者への対応,救急医療の実施,急性期後・在宅復帰の支援,全身管理,リハビリテーション,長期療養患者・重度障害者等の受け入れ等になります.〔報告項目は,厚労省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)に掲載〕
 報告は,七月一日現在の状況を十月一日から十一月十四日(本年度のみ.次年度以降は十月末日)までに行うことになります.

Q 報告事項の「今後の方向」とは何ですか?

A 病院・有床診療所は,病床機能の「今後の方向」についても四区分のいずれかを選択することになります.これにより,都道府県は各医療機関の機能転換の予定を把握でき,また地域医療ビジョンの推進のための「協議の場」においても,地域医師会や医療機関等の参加者が共通認識を持って協議を行うことができるようになります.
 「今後の方向」は「六年先」の時点の機能を指します.もちろん,「今後の方向」は診療報酬改定や制度改正等によっても影響されますので,翌年や二年後といった短期の変更予定がある場合も報告事項(任意)となりますし,二〇二五年度時点についても,参考情報として任意で報告することができます.
 また,毎年報告するのですから,その時点で六年後の方向が変更されるのは不自然なことではありません.

Q どうやって報告するのですか?

A 先ほど,医療機関から都道府県に報告すると述べましたが,実際には,「構造設備・人員配置等に関する項目」では,医療機関から直接全国共通サーバに送付して頂き(厚労省ホームページ上の専用ページやCD─R等により報告する方法の場合),そこで整理を行い,都道府県にデータを提供する仕組みになっています.
 また,「具体的な医療の内容に関する項目」の報告では,病院・有床診療所の経済的・人的負担を軽減しつつ,病棟単位で医療の内容を把握できるよう既存の電子レセプトによる診療報酬請求の仕組みを活用します(図参照).

中川副会長に聞く/「地域医療構想(ビジョン)」の策定のため病床機能報告制度に協力を(図)
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Q レセプトを活用するとは?

A 医療機関の経済的・人的負担を軽減するため,「具体的な医療の内容に関する項目」は,レセプトに記載される診療報酬の診療行為から,病床機能報告制度で必要な項目を集計することとなりました.
 その際,病棟単位で医療の内容を集計するために,病院は,レセプト作成時に,九桁の病棟コードを付記して請求を行うことになります(有床診療所では付記は不要).そして,病棟コードが付記されたレセプトデータは,既存のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の枠組みで厚労省において集計作業が行われます.また,NDBのサーバーへのレセプトデータの格納をもって,病院・有床診療所から都道府県に報告したものとして取り扱われます.なお,制度開始初年度では七月審査分が集計対象となります.
 病棟コードをレセプトに付記した請求に関しては,病院や医療保険者等でシステム改修が必要になりますが,負担軽減のため,次の診療報酬改定に伴う改修に合わせることになっており,それまでは病院単位での報告となります.
 また,特にレセプトデータについては,「指導監査等に流用されるのではないか」「当院の状況が丸裸にされるのではないか」といったご懸念もあると思いますが,その点に関しては日医から,「病床機能報告制度により報告されたデータは目的外使用を禁止し,あくまでも地域医療ビジョンの策定等のためにのみ利用されるべき」と要求しました.
 その結果,報告された情報は医療法上,地域医療ビジョンの策定のためにのみ利用されることが確認され,厚労省より医療保険者や審査支払機関に目的外使用や二次利用の禁止を周知することになりました.

Q 地域医療ビジョンとはどういうものなのですか?

A 病床機能報告制度により病院・有床診療所から報告された情報は,地域医療ビジョンへつながります.地域医療ビジョンは,病床機能報告制度からの情報に加え,地域の医療や人口等に関する統計を活用し,医師会等も参画して,主に「二〇二五年の医療需要 入院・外来別,疾患別患者数等」「二〇二五年に目指すべき医療提供体制(構想区域ごとの医療機能別の必要量)」「目指すべき医療提供体制を実現するための施策(医療機能の分化・連携を進めるための施設整備,医療従事者の確保・養成等)」を「構想区域」ごとに示すものです.
 病床機能報告制度は,この地域医療ビジョンを策定し,それぞれの地域の実情に応じて過不足ない医療提供体制を適切に構築するために必要な制度です.会員の先生方におかれましては,ぜひとも本制度へのご理解とご協力をお願いいたします.

今回のインタビューのポイント

・病床機能報告制度はあくまでも自主的な報告制度にとどめるべきと考えており,今後も認定制度,登録制度に変容しないよう注視していく.

・病床機能報告制度により報告されたデータは,あくまでも地域医療ビジョンの策定等のためにのみ利用されるべきものである.

・病床機能報告制度は,「地域医療構想(ビジョン)」を策定し,それぞれの地域の実情に応じて過不足ない医療提供体制を適切に構築するために必要な制度であり,ぜひとも本制度へのご理解とご協力をお願いしたい.



http://www.m3.com/iryoIshin/article/252297/
東京女子医大事件
「女子医大、重大な危機にある」
第三者評価委員会、内部統制の改革提言

2014年9月18日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京女子医科大学は9月12日、同大の「内部統制に係る第三者評価委員会」がまとめた報告書を公表した(資料は、同大のホームページに掲載)。

 女子医大の現状について、「重大な危機にある。本院における医療事故や前学長・前医学部長等による独自の記者会見等が立て続けに起きた結果、本大学および本院を含めた本法人全体に対する社会からの信頼が失われていると言っても過言ではない」と厳しい認識を示しており、理事会の理事に病院経営の専門家を入れるほか、情報発信体制や広報体制の確立などを通じたガバナンスの強化を提言。「本大学医学部においては、古い医局・講座制が保持され、その頂点に立つ主任教授に権限が集中」と指摘、主任教授会については病院長選考の権限を外すなど、その役割の見直しを求めている点が注目される。

 報告書を受け取った女子医大では、「本学は第三者評価委員会の報告書内容を真摯に受け止め、改善に向けてのアクションプランを迅速に策定し、役員教職員で共有の上、実行に移していく。今後、アクションプラン、そして計画の取り組み状況については、随時情報を公開していく」とのコメントを発表。

 今回、第三者評価委員会を設置したのは、大学のガバナンスを問題視する声が内部から起こり、プロポフォール投与事故を機に顕在化、学長の笠貫宏氏、医学部長の高桑雄一氏が解任される事態に至ったのがきっかけだ(『女子医大、学長に続き医学部長も解任』などを参照)。

 女子医大では、混乱を収め、大学管理運営を改善するため、7月25日に、日本医学会会長の高久史麿氏を委員長とする第三者評価委員会を設置、検討を進めていた。同委員会の委員は、高久氏のほか、三菱商事株式会社顧問の古川洽次氏、昭和女子大学理事長・学長の坂東眞理子氏、杏林大学学長の跡見裕氏、弁護士の柏木俊彦氏の計5人。

 主任教授の選考も見直しを

 報告書ではまず、学校法人の理事会・評議員会について、現在の理事12人のうち、医師が10人であり、経営管理部門担当の理事も、取引銀行出身であり、病院経営の専門家ではないことから、病院経営の知見のある有識者を入れるべきと提言。また理事会と現場の双方向の情報共有を進める必要性から、医学部長あるいは看護部長を「職責理事」として任免すべきなどとしている。

 また笠貫氏や高桑氏が今年6、7月に独自に記者会見を開いたことについて、「学校法人の対応が不十分だったことなどから、今回の混乱が生じている」と問題視(『「パンドラの箱を開けた」、女子医大学長』などを参照)。理事会・理事長からの情報発信力を強化したり、記者会見を開く際の窓口は広報に一本化するなど広報体制の必要性も指摘している。

 今回の学長と医学部長の解任に当たって、笠貫氏と高桑氏はその手続きの在り方を問題視している(『医学部長の解任、納得できず - 高桑雄一・女子医大教授に聞く』などを参照)。この点について、報告書では、「解任手順が明確ではない」ことから、解任規定の再整備を提言している。

 報告書は、主任教授の選考方法にも言及。医学教育学、放射線腫瘍学、救急医学の3講座の主任教授が現在、不在になっている。一定数以上の白票があると教授選が不成立になる仕組みが一因であるとし、その見直しも必要だとしている。

 さらに、女子医大出身者の主任教授数が年々減少傾向にあることから、学生・卒業生のモチベーション低下につながる懸念を指摘、研究業績偏重を改め、リーダーシップや大学・社会への貢献の意欲と実績なども加味した選考基準にし、女性主任教授数の数値目標を設定するなど、「ポジティブアクション」計画の策定も求めた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140918/CK2014091802000146.html
【東京】
練馬光が丘病院訴訟敗訴 区の再建手法疑問

2014年9月18日 東京新聞

 練馬区の「練馬光が丘病院」の運営から撤退した日本大学が、保証金として区に差し入れた五十億円の返還を求めた訴訟は十七日、区の敗訴となった。病院はもともと区医師会が開設したが、巨額の債務で運営を断念し、区が救済した経緯がある。自治体財政の専門家は、区の病院再建の手法にも疑問を呈した。 

 光が丘病院は一九八六年に区医師会が開設したが累積負債が九十三億円に達し、運営を断念。区が建物を買い取るなどして救済し、九一年四月から日大が運営を引き継いだ。この時▽区が大学に建物を貸し付ける▽大学は区に保証金五十億円を差し入れる▽保証金は契約期間満了時に返還▽貸借期間は三十年間-などを定めた。

 だが、日大は支出超過を理由に、運営開始から二十年となる二〇一一年三月末の運営終了を申し入れ、「賃借期間は二十年まで」とする民法六〇四条を根拠に貸借期間は終わると主張。区は反発したが、日大は翌年撤退し、同年四月に地域医療振興協会が引き継いだ。

 区は現在、五十億円を区の貯金にあたる財政調整基金に組み込んでいる。判決が確定すれば遅延損害金約五億八千万円(区の試算、今年九月末時点)も支払うことになる。

 地方自治と財政に詳しい安達智則・都留文科大講師は「区医師会による運営が行き詰まった時点で、区は大病院ありきの方針を見直し、区民生活に密着した地域医療態勢を整えるべきだった」と指摘。主に地域医療の担い手である区医師会が総合病院を運営していたことも疑問視した。

その上で「地域医療は大病院を誘致すれば良いわけではない。区は地元の実情に合った医療行政に主体的に取り組むべきだ」と提言している。 (杉戸祐子)



http://www.m3.com/iryoIshin/article/243328/
改めて問う専門医制度改革の意義
医師へのインセティブ、将来は必要◆Vol.6
国民や医師自身の理解が制度設計のカギ

2014年9月19日(金) 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――専門医制度の改革に当たっては、国民の理解を得て進めることが重要です。難しい問題だと思いますが。

嘉山 専門医とは「安心して任せることができる医師」であることを、アピールすればいい。今までは腎臓しか診ることができない専門医もいましたが、本来は患者のトリアージができ、適切な医師に紹介し、自分の専門分野については標準的治療ができなければいけません。つまり「first aid」、「今この瞬間に、その患者さんにとって必要なことを教えてくれる医師」、それが専門医です。


池田 国民や患者さんに対しては、新しい情報提供の仕組みを考えていかなければならないと思います。その一つとして、「今、日本専門医機構で、どんな議論をしているのか」について、定期的にメディアなどに発表することを考えています。

 また、前身の日本専門制評価・認定機構の時代も、機構の開催で市民公開講座をやっており、各領域から寄せられた専門医に関する情報を集めて、お話はしていました。しかし、限られた人にしか伝わらず、なかなか国民に広く理解されるようにはなりません。今後は、さまざまな形で、各診療領域で専門医としての医師像を理解してもらう仕掛けを作ってきたいと考えています。さらに、各学会では、市民公開講座を既にやっています。その多くは、病気に関する説明や最新の治療法の紹介が主なので、それだけでなく、日本専門医機構と学会がタイアップしながら、専門医に関する啓発をしていきたいと考えています。

――日本専門医機構では、専門医に関するデータベースの構築を予定しています。専門医の理解を深めるツールとして活用できるのでしょうか。あくまで内部のデータベースなのでしょうか。

池田 日本専門医機構には、あまりお金がありません。現時点では、各診療領域の専門医数、専門医の分布のほか、現在研修中の医師の研修施設や研修内容などが分かるデータベースを構築する予定です。

國土 学会レベルでは、どの地域にどんな専門医がいるかについては、既に公開しています。

池田 広告が可能な専門医については、専門医の公開が条件になっているからです。それらをまとめた形で、データベースとして構築できればと考えています。将来的には、外科系専門医であれば、NCD(National Clinical Database)のようなデータベースを構築し、クリニカルアウトカムまで、専門医制度と連動させる仕組みを作ることが理想だと思うのです。ただ、そこまでいきなり踏み込むことはできないので、全体像を把握できるデータベースの構築から始める予定です。

國土 ぜひNCDと一緒にやりましょう。現場の医師にとって、二つのデータベースに入力するのは手間であり、ぜひ統合してもらいたいと思います。

池田 外科系専門医は、日本外科学会が中心となり作ったNCDという貴重なデータベースに倣って、クリニカルアウトカムと連動したシステムを作る方向にもっていければ理想的と考えています。

國土 外科医自身が思うのは、専門医の手術成績を基に、ドクターフィーを付けてほしいということです。NCDは、その客観的なデータになるわけです。国民に不安を与えずにいかに公開するかは課題ですが、例えば、「○年目と、○年目の専門医では、これだけ成績が違う」「専門医10年目の医師は、手術成績が優れている」などが分かれば、それを基にドクターフィーを付けることを、将来的には考えてほしいと思います。

――ドクターフィーという形でインセンティブを付けることについて、どうお考えですか。

嘉山 それはなかなか難しい問題です。武見(太郎)先生が、「2種類の医師を作るな」と言われたのは、当時はいいセンスだったと思うのです。ただし、専門医制度をここまできちんと確立する以上は、インセンティブがなければ、医師が納得する制度になりにくいでしょう。しかし一方、この議論が進みすぎると、医師の診療科の偏在なども起きかねません。医師は、金銭面だけではなく、やりがい、その診療科の面白さや大変さ、訴訟リスク、さらには国民の評価などを総合的に考えて、診療科を選択します。インセンティブを付ける場合には、これらを総合的に考える必要があります。

 その意味で、専門医制度の改革は、国民の理解を得て進めないと、いい方向に向かいません。国民が、あるいは医師の間でも、「この専門医は本当に大変だ」という合意を得た上で、インセンティブを付けるのが理想的な形だと思います。「初めからインセティブありき」では、専門医制度が歪む懸念があります。

國土 その通りで、だからこそ、我々は今はインセティブの議論を持ち出さないようにしています。

池田 インセンティブの議論は当然頭に入れつつも、現時点ではすぐには持ち出さない。ある時期になって、専門医制度が確立し、国民の側から、「これだけの医療をやっているのであれば、専門医に当然インセティブを付けるべき」という議論がわき起こることを期待していますし、その時にはインセンティブを付けるように強く働きかけます。

嘉山 m3.comは医療人だけが見るサイトですが、国民と一緒に専門医制度を育てる立場で、この問題を取り上げてもらいたいですね。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49525/Default.aspx
製薬協 武田薬品の副会長職停止処分を半年間延長 CASE-J問題受け
公開日時 2014/09/19 03:50 キャリアブレイン

日本製薬工業協会(製薬協)は9月18日の理事会で、不適切なプロモーションが指摘されたARB・ブロプレスの臨床研究“CASE-J”をめぐる問題を受け、製薬協の副会長としての活動停止を半年間延長することが了承された。武田薬品は、4月3日から副会長職としての活動を半年間停止されており、期限が満了する10月2日から暫定的にさらに6か月間延長される。今回の処分を受け、武田薬品は通算1年間の副会長としての活動停止処分を受けることになる。

武田薬品は当初、CASE-Jをめぐり、不適切なプロモーションがあったことは認めたものの、臨床研究へのかかわりを否定していた。これに対し、6月に公表された第三者機関の調査報告では、臨床研究への組織的関与が指摘された。製薬協の川原章専務理事は、「当初と話が違うのではないかということ」と話し、4月時点で受けた報告との食い違いあったことを問題視、今回の追加処分につながったとした。

武田薬品は同日、「今回の決定を真摯に受け止めるとともに、患者および医療関係者をはじめとするステークホルダーに多大なご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げる」とのコメントを発表した。

◎協和発酵キリンに厳重注意 臨床研究でMRらが労務提供

徳洲会札幌東徳洲会病院で実施された腎性貧血治療薬・ネスプの臨床研究で、MRらの労務提供など不適切関与が指摘された協和発酵キリンには、「厳重注意」の処分が下された。



http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140918/prl14091814100100-n1.htm
「事前指示書(指定書)の導入・利用状況」について、 約75%の医師は「事前指示書を導入していない」と回答
2014.9.18 14:10 産経新聞

メドピア株式会社
-MedPeer会員医師へのアンケート調査-

医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「事前指示書(指定書)の導入・利用状況」についてのアンケートを実施し、以下のとおり結果を取りまとめました。

※事前指示書(指定書):患者が自身で意志決定や表明ができない状態になったときに備えて、患者自身が今後の治療方法についての希望を記入しておく文書。

医師専門サイトMedPeer調査結果:「事前指示書(指定書)の導入・利用状況」について(総回答:3,407 人)

<総合結果>
サマリー:
医師専門サイトMedPeer(メドピア)に登録する医師(7万人以上)を対象に「皆さんの勤務先では、事前指示書を導入・活用されていますか」という質問をしたところ、3,407 件の回答が寄せられた。

■事前指示書を「導入していない」と回答したのは、全体の74.8%、「導入している」は14.4%となった。「【導入していない】施設として、体制を整える予定がない」と答えたのは、67.5%。「対象となる患者さんがいない」「入院時に高齢で意思表示ができない患者が多い」といった回答が多い。「家族に確認している」「個別に口頭で確認しカルテに記載している」といった対応がとられる場合もある。
■「【導入している】入院時に指示書の規定対象となる患者さん全てに作成」は7.4%。「現場の混乱を防ぐためにも必須」「無いと非常に不便」といった意見がみられた。
■「導入を検討中」という回答は7.3%だが、事前指示書の運用に関しては、「状況に応じて希望が変化することがある」「遠方の親戚などがひっくり返す場合もある」とった問題点も挙げられている。

(回答一部を抜粋)
「【導入していない】施設として、体制を整える予定がない」2,299件
・そのような対象となる患者さんは診ていません。(50代、循環器内科)
・リビングウィルのようなものになっていくと思いますが、終末期も複雑なパターンの病態があります。そのすべてを考慮されているものとは思いません。不必要な延命は不要と考えますが、安易な延命(救命)処置不要論は危険だと思います。(50代、老年内科)
・全く対応していまがせん。世間で広く認知されてからでしょう。(50代、一般内科)
・有れば良いと思いますが、誰がいつ説明するのか、変更や撤回の自由と確実性を担保できるかなどの問題が解決されてからでしょう。(50代、脳神経外科)
・高齢の認知症、意識障害患者ばかり入院しています。全員に終末期延命治療が問題となるため、挿管、昇圧剤など家族に対する同意書はありますが、ほとんど機能していません。希望しないと同意があっても、他の方法も模索せずに、独自の倫理観?で院内救急として8割程度に挿管してしまう先生がいるため、病院として統一できないからです。(50代、一般内科)
・今後必要となってゆくと思いますが、あくまで患者様の意思決定が困難となった場合が大切なのでは。軽微な感染症でもDNR、麻痺が経度の脳梗塞でもDNRというのはいかがなものかと。統一化はむつかしいと思います。(30代、血液内科)
・指示書作成の提案もしにくいですね。死期が迫っていると捉えられると、関係もギクシャクしそうです。(40代、循環器外科)
・導入してもらえればありがたいですが、法的な根拠もほしいところ。(50代、一般内科)
・時間をかけて作っても、その場その場で異なる意見が出るので、意味がないと思う。蘇生しないと決めていても、急な窒息の際は蘇生するし、家族が希望されればせざるをえない。(50代、麻酔科)
・どの時点で希望が変わるか分かりません。その時の選択が、今の選択とは限りませんし。法的な根拠のある遺言書のようなものとは性質が異なると思います。(40代、一般外科)
・事前指示書の効力がどの程度のものかわからないのに導入しても意味がないと思われます。事前指示書の通りにしたからといって遺族が納得するとは限りません。(40代、呼吸器内科)

「【導入している】入院時に指示書の規定対象となる患者さん全てに作成」254件
・緩和ケア病棟ではきちんとしとかないとトラブルのもとなので全患者で作成しています。(40代、緩和医療)
・高齢者が多いので基本的にとるようにしています。説明の仕方に気を使いますが。(50代、一般内科)
・ルーチンで作成すれば、いちいち指示出さなくてもよくなるので便利です。(50代、救急医療科)
・認知症のある人を対象とする場合、家族の意向を聴くことになるが、本当に本人の意志かどうか不明である点が問題である。(60代、一般内科)
・ほぼ全ての患者さんに使用しており、無いと非常に不便。電子カルテで簡単に展開出来る。(30代、消化器内科)
・入院時に一応全員に聞きます。その時に判断できない場合も含めて文書で記録をとっておきます。(50代、一般内科)
・療養病棟を担当していますので高齢者が多く、以前から導入しています。強制はしていませんが、最近は特に抵抗もなく受け止められています。(70代、一般内科)
・緊急時対応の説明時、指示書作成、署名をもらっています。ただし、時々もらえない患者様もいます。(50代、一般内科)
・高カロリー輸液、輸血、透析、胸骨圧迫、人工呼吸器管理、胃瘻、経管栄養、などなど事細かに希望するか、否か考えていただいてます。(40代、一般内科)

「【導入していない】導入を検討している(導入の準備をしている)」249件
・トラブルは避けるようにしたいので、手間がふえるが、導入を考えている。(50代、一般内科)
・透析の継続を希望するかどうかも含めて検討中です。(40代、腎臓内科・透析)
・なかなか導入されないので、各自で説明し、カルテ記載になっています。(30代、精神科)
・書類にはまだしていませんが、口頭での意思確認をカルテに記載しています。(60代、一般内科)
・延命処置をしないでほしいと言ってくる患者もいます。家族と一緒に正式に言うことはないので、出来るだけのことはさせて下さいとその都度、お答えしています。その制度は導入を考えないといけないと思っていますが、家族同伴で相当な時間がかかると思いますし、また、病状の変化で気持ちも変わると思っております。(50代、一般内科)
・委員会を立ち上げて 導入に向かって進んでいる。(60代、リハビリテーション科)
・外来患者さんに、広くリヴィングウイルに関する冊子をお配りして、導入の準備をしています。(40代、一般内科)
・在宅でみている患者については導入しております。外来に来る人は特にしておりません。(40代、泌尿器科)

「【導入している】主治医の判断で作成を患者さんに依頼する」237件
・急変時に蘇生(気管内挿管、人工呼吸器装着など)をするかどうかの文章を作成します。(50代、麻酔科)
・高齢の悪性疾患患者が多いので、基本は急変のあり得る患者には説明します。(30代、血液内科)
・入所時にこちらの判断で作成しております。これで揉めることが激減しました。(50代、一般内科)
・疾患により、患者さんの人生観等々により、導入しています。(50代、精神科)
・病態により医療の方向性が変わる際に説明し、家族の意向を確認しています。(40代、泌尿器科)
・ひな形はありますが主治医の判断で書き加えたり、訂正したりしています。(50代、一般内科)
・対象症例では頂いています。一般の患者では異常経過で急変した場合はなんとしても救命しなければならない。(60代、消化器外科)
・実際は入院時に判断能力に問題がある患者さんが多いので、家族に依頼することが多いです。(40代、精神科)
・老人施設なので、基本的に臨終に近い状態になった時の蘇生の必要性の有無と積極的加療の有無を問い、合意したことを記録に残しています。(60代、一般内科)

「その他」368件
・書面としてはありませんが、可能性のある患者に関しては確認してカルテ記載しています。(40代、循環器内科)
・当院の患者層の特性のため、事前指示書にはなりにくい。可能な患者にはとっているが、多くは家族からの同意書になる。(50代、精神科)
・決まってはいないのですが、癌患者さん、しかも進行状態にある方では、可能な限り、徐々にICをして、希望を聞くようにはしています。(40代、泌尿器科)
・入院の患者さんはいませんので指示書はありません。予診票に「病気が重症になった時に相談したい家族の名前と連絡先」を書いてもらうようにしていますが、書いてもらいたい単身者に限って書いてくれていません。(50代、耳鼻咽喉科)

■期間:2014年8月29日(金) ~ 2014年9月4日(木)
■有効回答:3,407 人(回答者はすべて、医師専門サイトMedPeerに会員登録をする医師)
■設問:医師専用サイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。

(設問文 抜粋)
事前指示書(指定書)とは、患者さんが意志決定や表明ができない状態になったときに備えて、患者さん自身が今後の治療方法について、希望を記入しておくものです。
終末期となった高齢の患者さんなど、患者さんご本人の意向を確認するのが難しい場合、ご家族の間で意見が分かれたり、治療の選択に迷うことがしばしばあります。そんな時に事前指示書があると、患者さんの意向を尊重できるため、今後の治療方針の基軸となります。
最近は、事前指示書を導入している病院も増えているようですが、作成の時期や説明にかかる時間など、実際の運用には難しいところもあるように感じます。
そこで質問です、皆さんの勤務先では、この事前指示書を導入・活用されていますか。
以下の選択肢から、皆さまの勤務先のご状況に近いものをご選択いただき、コメント欄に、施設規定の指示書フォーマットの有無や状況の詳細についてご入力ください。

1.【導入している】入院時に指示書の規定対象となる患者さん全てに作成
2.【導入している】主治医の判断で作成を患者さんに依頼する
3.【導入していない】導入を検討している(導入の準備をしている)
4.【導入していない】施設として、体制を整える予定がない
5. その他

メドピア株式会社について
・社名 :メドピア株式会社(https://medpeer.co.jp)
・代表者 :代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立 :2004年12月
・運営サービス :医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)

メドピア株式会社が運営する「MedPeer」は、医師専用の会員制サイトです(URL: https://medpeer.jp)。
主なコンテンツには、「薬剤評価掲示板(薬剤のクチコミ共有)」、「Meet the Experts(エキスパート医師への直接相談)」、「インタラクティブ・ケース・カンファレンス(オンライン症例検討会)」、「ディスカッション(掲示板)」、「ホスピタル・レポート(勤務先・研修先の病院評価)」などがあり、”臨床の決め手がみつかるサイト”として、現在7万人以上の医師(日本の医師の約4人に1人)が利用しています。

  1. 2014/09/19(金) 07:21:41|
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9月16日 

http://time.com/3379349/overdiagnosis-and-overtreatment/?xid=newsletter-brief
HEALTH HEALTH CARE
The Global Problem With Overdiagnosis and Overtreatment

Alexandra Sifferlin @acsifferlin
Sept. 15, 2014 TIME

Two new studies make a case against too much medicine

It’s a public health conundrum: Current screening guidelines lead to an overdiagnosis of diseases like cancer, which results in overtreatment for ailments that might never seriously impact a person’s health.

We’ve heard the overdiagnosis argument in the U.S. before, especially surrounding breast cancer; in 2009, the United States Preventive Services Task Force recommended against annual breast cancer screening starting at age 40 and instead advised women get mammograms starting at age 50.

Now, two new studies published Monday in the medical journal BMJ highlight the global problem with overtreatment in both breast cancer and heart disease.

In a new analysis report (*), a team of researchers conclude that hypertension is being overtreated in people with mild cases of the disease. The researchers write that about 40% of adults worldwide have hypertension, and more than half of those people have mild cases of the disease (meaning they’re low risk and don’t have existing cardiovascular disease). But more than half of people with mild hypertension are being treated with blood pressure-lowering drugs–even though the research on whether this reduces cardiovascular-related disease and death is not established. The researchers argue that the practice is unnecessary and costs $32 billion each year in the U.S. alone.
(*: Martin SA, et al. Too much medicine. Mild hypertension in people at low risk. BMJ 2014; 349: g5432)

Instead of recommending lifestyle modifications proven to work, like cutting back on alcohol and exercising more, many doctors opt for drugs because they want to do something right away without having to rely on the often-unhealthy environment beyond their office walls, says study author Vikas Saini, president of the Lown Institute. “[Doctors] need the confidence that we have systems in place that encourage a healthy lifestyle,” he says.

“Most doctors feel a little under siege; they see blood pressure rising and weight going up and they want to do something, but they know they have huge headwinds,” says Saini. “Prescribing a pill is the path of least resistance, but it’s a lot of money.” According to the researchers, the clinical treatment for mild hypertension needs to shift away from a heavy emphasis on drugs.

The second study adds to a growing body of research that supports later initiation into breast cancer screenings. The study authors argue that screening older women over age 70 for breast cancer doesn’t offer enough benefit to be worth it.

In 1998, the upper age limit for breast cancer screening in the Netherlands was extended from age 69 to age 75. The researchers wanted to see if the change actually resulted in fewer late-stage cancers among 70 to 75 year olds, so they looked at about 25,500 new breast cancer patients in a Dutch cancer registry between 1995 to 2011. What they found was that early-stage breast cancer in women 70 to 75 rose sharply after the screening recommendations changed, and while the number of new cases of advanced-stage breast cancer fell significantly, the absolute decrease of those cases was small. For every advanced-stage cancer detected by screening among women over age 70, about 20 “extra” cases were also diagnosed, the researchers concluded.

“Those numbers need to be told to women,” says study author Gerrit Jan Liefers, a surgical oncologist at Leiden University Medical Centre. “We are not voting against screening, but you should individualize your screening to women. To use it as a population-wide tool is wrong. You end up screening women who would never be affected by the cancer.”

The message both studies send to doctors is that physicians need to consider each patient individually and inform men and women of their options.

The two studies are part of the 2014 Preventing Overdiagnosis Conference (http://www.preventingoverdiagnosis.net/?p=315) in Oxford. BMJ has also launched a “Too Much Medicine” campaign you can follow here(http://www.bmj.com/too-much-medicine).



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140916-OYT1T50012.html
病院移転に住民反発、説明会1時間で全員退席
2014年09月16日 10時34分 読売新聞

 千葉県の柏市立柏病院(同市布施)の建て替え候補地を巡る問題で、秋山浩保市長は14日、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅に近い北部中央地区(同市正連寺)に新病院を建設する方針を明らかにした。

 移転に反対する現在地の周辺住民に向けた説明会で表明した。

 新病院は小児2次救急の強化を目指す構想で、近年開発が進み、他の医療機関も集まる同地区への移転が、小児科医の確保や収益性の向上などに有利と判断。現病院が地域で果たしてきた1次医療機能も重視し、移転後の現在地に分院を設けることなども提案した。

 市の整備基本方針では、東葛地域で小児科医が不足しているため、新病院は小児医療の拠点施設を目指している。現在の200床に加え最大40床の小児病棟を新設し、24時間365日対応の小児2次救急を行う計画で、現在3人の常勤小児科医を10人程度まで増やす必要があるとしている。

 北部中央地区は柏の葉キャンパス駅から約800メートルの県の区画整理事業地。候補地を検討した市の審議会では「まちの魅力が医師の確保につながる」との期待も出ていた。移転の場合、事業費は約130億6000万円が見込まれている。

 説明会には住民ら約100人が参加したが、「市役所の一部で決めていいのか」「移転は聞き入れられない」などと反発。開始から1時間で全員が退席した。

 説明会後、秋山市長は「東葛という医療圏の中で、専門性の高い特徴のある病院が求められている。新しい地域に新しい病院を作る方が、収益も上がり構想の実現性が高いと考えた。住民の皆さんと今後も話し合いたい」と話した。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=105180
市立柏病院、北部中央地区に…千葉
(2014年9月16日 読売新聞)

 千葉・柏市立柏病院(同市布施)の建て替え候補地を巡る問題で、秋山浩保市長は14日、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅に近い北部中央地区(同市正連寺)に新病院を建設する方針を明らかにした。移転に反対する現在地の周辺住民に向けた説明会で表明した。

 新病院は小児2次救急の強化を目指す構想で、近年開発が進み、他の医療機関も集まる同地区への移転が、小児科医の確保や収益性の向上などに有利と判断。現病院が地域で果たしてきた1次医療機能も重視し、移転後の現在地に分院を設けることなども提案した。

 市の整備基本方針では、東葛地域で小児科医が不足しているため、新病院は小児医療の拠点施設を目指している。現在の200床に加え最大40床の小児病棟を新設し、24時間365日対応の小児2次救急を行う計画で、現在3人の常勤小児科医を10人程度まで増やす必要があるとしている。

 北部中央地区は柏の葉キャンパス駅から約800メートルの県の区画整理事業地。候補地を検討した市の審議会では「まちの魅力が医師の確保につながる」との期待も出ていた。移転の場合、事業費は約130億6000万円が見込まれている。

 説明会には住民ら約100人が参加したが、「市役所の一部で決めていいのか」「移転は聞き入れられない」などと反発。開始から1時間で全員が退席した。

 説明会後、秋山市長は「東葛という医療圏の中で、専門性の高い特徴のある病院が求められている。新しい地域に新しい病院を作る方が、収益も上がり構想の実現性が高いと考えた。住民の皆さんと今後も話し合いたい」と話した。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201409/0007334693.shtml
患者や遺族に解決金687万円 兵庫県立淡路医療センター
2014/9/16 10:39 神戸新聞

 兵庫県病院局は16日、洲本市の県立淡路医療センター(旧淡路病院)であった医療事故2件について、計約687万円を支払って和解する、と発表した。22日開会の県議会定例会に議案を提出する。

 同局によると、1件は2012年3月の手術中に発生。医師が30代女性の子宮の腫瘍を切除した後、レーザー器具の先端が布に触れて燃え広がり、女性の太ももなどにやけどを負わせたという。同局は器具の使用を誤ったとして女性に賠償金約387万円を支払う。

 もう1件は13年11月、心不全で入院していた70代男性の心静止を示すアラームが鳴っていたにもかかわらず、看護師が1時間以上気付かず、その約3時間後に死亡した。死亡との因果関係は不明だが、容体急変の発見が遅れた過失があるとし、遺族に賠償金300万円を支払う。

 岡本周治県病院事業副管理者は「大変申し訳ない。医療安全対策の取り組みを進め、再発防止に努める」とコメントした。(岡西篤志)



http://www.cabrain.net/news/article/43779.html
過度な規制緩和や医学部新設に反対- 近医連が決議
( 2014年09月16日 11:17 )キャリアブレイン

 近畿医師会連合(近医連)は14日に定時委員総会を開き、国家戦略特区における過度な規制緩和や医学部の新設などに反対するとする決議案を採択した。決議では、医学部の新設に関して、「地域からの指導医引きはがしによる地域医療の弱体化を招く可能性が高い」として、強く反対する姿勢を示した。【敦賀陽平】

 決議は、▽国家戦略特区における過度な規制緩和、医学部新設に反対▽国民の生命・健康を損ない、混合診療拡大につながる患者申出療養制度の導入に反対▽地域の実情に応じた医療提供体制の再編▽国民皆保険制度を形骸化させるTPP条約批准に反対▽控除対象外消費税問題に関する診療報酬への上乗せ対応についての速やかな結果検証とその抜本的解決▽公的医療保険による国民皆保険制度の堅持-の6項目。

 政府が検討を進める「患者申出療養制度」(仮称)に関しては、「形を変えた混合診療拡大策に他ならない」として、導入に反対する意向を示した。

 また、先の通常国会で成立した「医療・介護総合確保推進法」については、「医療提供体制を行政主導にて全国一律の再編へと導く政策が盛り込まれている」として、地域の状況に応じた政策の推進を要望した。



http://diamond.jp/articles/-/59160
医療・介護 大転換
認知症800万人の衝撃 【第9回】
欧米に遅れた日本の認知症ケアの現実

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
2014年9月17日 ダイヤモンドオンライン

高齢者の4人に1人は認知症

 これまでこの連載では、医療と介護の制度改革を論じてきた。その医療と介護のサービスの主な対象が高齢者となったのは日本だけではない。OECD各国も同様で、これらの国に共通するのは最大の課題が認知症ケアということだ。

 アルツハイマー病を始め多くの病から発症する認知症には、根治薬がなくケアのあり方が焦点になっている。そのケア手法で、「病院モデル」から「生活モデル」への転換を進めてきた欧米諸国。だが一方、日本の認知症ケアは最先端を行く「生活モデル」と最も遅れた「病院モデル」を共に抱えており、先進諸国の中では特異な状況だ。

 病気の治療を最優先し部屋の環境や食事、入浴などが二の次になるのが「病院モデル」。だが、認知症は症状を遅らせることはあっても完全な治療はできない。そこで、日々の日常生活を充実させようというのが「生活モデル」。QOL(生活の質)を重視する考えは、障害や疾病を複数抱えがちな高齢者への一般的な処遇法としても広がりつつある。

 認知症が国民的な関心事となったのは、昨年6月に厚労省が発表した衝撃的な人数だ。2012年時点で462万人に上り、前年に発表した305万人より実際は160万人近くも多いことが判明した。茨城県つくば市や愛知県大府市など10市町で、4年間に計9000人の高齢者を追跡調査した結果による。認知症有病率が15%となり、全国の高齢者3080万人に照らし合わせると462万人となる。

 一方、正常でもなく認知症でもない、予備軍的な中間状態の軽度認知障害(MCI)の高齢者が約400万人いることも推計された。合わせると862万人となり、「認知症800万人時代」「高齢者の4人に1人は認知症」とその後のマスコミが使い出し、一躍、認知症の議論が盛んになった。

 今回の改革では、認知症への踏み込んだ新サービスはない。改革の土台となり、道筋を示したのは昨年8月に提言された社会保障制度改革国民会議の報告書である。その報告書では、残念ながら認知症についての記述はほんの少しで、国際的な危機感とはかなり乖離している。

 報告書では、「今後、認知症高齢者の数が増大するとともに、高齢の単身世帯や夫婦のみ世帯が増加していくことを踏まえれば、地域で暮らしていくために必要な様々な生活支援サービスや住まいが、家族介護者を支援しつつ、本人の意向と生活実感に合わせて切れ目なく継続的に提供されることも必要であり、地域ごとの医療・介護・予防・生活支援・住まいの継続的で包括的なネットワーク、すなわち地域包括ケアシステムづくりを推進していくことも求められている」とある。読みにくい長文の結語として、「医療・介護・予防・生活支援・住まい」の連携、即ち地域包括ケアの確立こそが重要な対策になるとする。

 その具体的な介護保険のサービスとして「24時時間の随時対応サービスや小規模多機能型サービスの普及を図る」という。前者は2013年から、後者は2006年からそれぞれ導入されている。とりたてて新しい提言ではない。

 実は、日本の認知症ケアは介護保険が始まって以来のわずか15年間で長足の進展を遂げた。BPSD(徘徊や不潔行為、帰宅願望など以前は「迷惑行為」「問題行動」と呼ばれていたが、今はその症状から「行動・心理症状」という)と言われる周囲に及ぼすあらゆる「迷惑行為」「問題行動」にはすべて原因があり、丁寧なケアで改善できることが分かってきた。認知症の人の心情を推測してその原因を理解することの重要性も浸透しつつある。

何が嬉しいことか、苦痛か
若い頃からの「生活歴」の把握が重要

 ではどのように対処すればいいのか。認知症ケアとは何なのか。

 できるだけその人にとって嬉しい、楽しい、心地よい状態や行為を引きだす対応法が最善と言われる。家族の一員としてのかつての暮らしそのものの再生を目指す。つまり日常生活の延長こそが認知症ケアに重なる。「病院モデル」でなく「生活モデル」こそ、認知症ケアの要諦と言われるのはこのためだ。習得してきた知識は失われつつあるが、生活感情は維持されているからだ。

 高齢女性であれば、自身が調理した料理を家族皆が「美味しい」「楽しい」と思ってもらえることが、家族内での役割の確立であり、社会的な「仕事」に通じる。他の人に役立っていることの実感こそが、あらゆる人々の生きがいである。それが「食」を通じて成されてきたのが、日本の多くの高齢女性であった。認知症を発症しても変わらない。

 そのためには、何が嬉しいことなのか、何が苦痛であったのかという生活歴を若いときに遡って介護者が把握することが重要である。認知症ケアの前提と言ってもいいだろう。小学校時代の運動会や結婚式、新婚旅行、家族旅行など人生の節目の体験は認知症で記憶障害になってもよく覚えている。「まだ朝食を摂ってない」と朝食後にすぐ言い出す認知症の人は多い。記憶障害は直近の出来事は忘れるが、若いときの印象的体験は良く覚えていることが多い。

 例えば、若いときにケーキ作りが得意であったとか、チャイムやサイレンの音は戦時中の空襲警報を思い出すので苦痛に感じるなどだ。そのためには本人や家族などから昔話を聞き取らねばならない。1980年代から認知症ケアに本腰を入れてきたスウェーデンやデンマークの北欧諸国に視察研修に行くと、必ずとって言っていいほど「生活歴をきちんと把握していますか」と訊かれる。

認知症ケアの先駆者「宅老所」とは

 こうした認知症ケアの「極意」を認知症の人と日々暮らしを共にする中で自然に獲得し、実際に活かしているのが「宅老所」である。日本特有のケアスタイルを紡ぎ出し、「生活モデル」の先駆者となった。介護保険が始まる前から佐賀、長野、栃木、岡山、広島などの各県で広がっていた。

 普通の民家を改修して認知症高齢者を積極的に受け入れ、スタッフと一緒に買い物や掃除など、どこの家でもあるような家事を行う。利用者は昼食作りを手伝い、食器の後片づけにキッチンに入り、入浴もできる。夕方になれば自宅まで送っていくので、その後介護保険で制度化された「通所介護(デイサービス)」に近い支援活動である。

 自宅から通って来るとき、夕方に帰宅する時、あるいは家族が一時的に自宅から離れる時などに、スタッフが自宅を訪問して介護にあたる宅老所もある。介護保険制度では「訪問介護」に位置づけられる。

 宅老所の主宰者たちはいろいろの職種に及ぶ。看護師や薬剤師など医療関係者のほか、福祉用具や医療器材のメーカー出身者、学校の教師、さらに外食や専業主婦など実に様々だ。団塊世代の女性が多数派で、共通の思いがある。

「家族介護だけでは自宅生活が難しい人たちの手助けをしたい。大きな病院や施設で管理された生活は嫌という人の願いをかなえてあげたい」

 要介護度が進むと、日中だけの支援では追い付かない。夜中に起きだしてトイレに行ったり、探し物をする老人に家族介護の限界が見えてくる。「2、3日でいいから泊めてほしい」と訴える家族。「昼間に過ごした部屋で寝られるなら気持ちが落ち着く」と本人も望む。そこで、自主事業としての「ショートステイ(泊まり)」が始まる。

 さらに、重度化すると、もう自宅には帰れない。ずっと泊まっていく、泊まりが3ヵ月、半年、1年と長引き、最期まで暮らし続けることになる。実質的には「住まい」として活用される。

 こうして宅老所は4つのサービス、「通所介護、訪問介護、ショートステイ、住まい」の機能を併せ持つ独特のケアスタイルを確立させた。宅老所の普及に取り組んできたNPO法人「コミュニティライフ・サポート・センター(CLC)」(池田昌弘理事長)は、宅老所の定義として「小規模、多機能、地域密着」を掲げた。

 その3要素の中で根幹を成すのが「多機能」である。多機能とは、「通って、泊まって、来てくれて、住まいもある」という4サービスを指す。「小規模」とは普通の民家の活用であり、「地域密着」とは同じ地域内の住民が対象ということ。

 この宅老所運動のスローガンを、厚労省がその後相次いで制度化する。まず、「住まい」の機能だけ取り出したのが認知症グループホームである。「認知症ケアの切り札」と謳って、厚労省が2000年4月の介護保険制度のスタートと同時に導入した。

 グループホームとは、9人以下の認知症の入居者に4畳半以上の個室を設け、トイレやキッチン、リビングルームを共用とする「疑似家族」的なケアスタイルである。1990年代からスウェーデンでも同様のスタイルが始まり、その成果が知られるようになったことも、介護保険のメニューに加わった要因であった。

 その2年後には、新設の特別養護老人ホーム(特養)は、全室個室とし10人単位のユニット構成という基準を設けた。ユニットごとに、トイレやキッチン、リビングルームを設け、ユニット内で生活が完結できるグループホームと同じ作りだ。定員100人の特養では、10人単位で10ユニットを設けねばならない。グループホームの集合体とし、従来の4人部屋、大食堂等の集団管理を否定した。新型特養、あるいは個室ユニット型特養と言われる。

 グループホームと共に、集団ケアから個別ケアへの転換を目指し、同時に伝統的な「病院モデル」から暮らしそのものの「生活モデル」への転換を促すことになった。

 次いで、2006年度には「通所介護、ショートステイ、訪問介護」を単独の事業として括った新サービス「小規模多機能型居宅介護」を介護保険に取り入れる。この「小規模多機能型」や認知症デイサービスなどは都道府県が事業者指定するのではなく、「地域密着サービス」として市町村にその権限を移した。

 こうして、宅老所が打ち出していた認知症ケアの3要素を厚労省が全面的に取り込んだ。宅老所が実践していた認知症ケアの良さを理解し、政策に反映させたと見ていいだろう。草の根の住民活動が評価された。それほどのインパクトが宅老所にはある。

「住まい」の機能は切り捨て
特養待機者数増大など新たな問題も

 だが、宅老所の4つの機能を丸ごと受け入れるサービスはない。小規模多機能型の3機能から「住まい」が欠けてしまった。なぜ「住まい」だけが切り離されたのか。厚労省の答えは理解し難い。「住まいを含めると、それだけを目的にされてしまう」。つまり、「住まい」だけに特化したグループホームの絶対数が不足していることを知りつつ、そのうえでの新サービスの新設なのだ。

 グループホームが足りないのは、06年度から管轄を都道府県から市町村に移したため、介護保険料を増やしたくない市町村が新設を抑制し始めたからだ。介護保険のスタート時から順調に広がっていたのに、急に開業数が減少し、現在は入居者数が18万人と低迷している。

 最期まで暮らし続けるために必要な「住まい」が不足しているのを承知しながら、切り捨ててしまった。小規模多機能を在宅サービスの柱と位置付けたのはいいが、多大な需要に応える方策を採らなかった。不可解としか言いようがない。

 そのために、特養入所の待機者数が増大したり、「お泊りデイサービス」がじわじわと広がり出すなど制度内で解決できない新事態の出現を招いた。「お泊りデイサービス」については重大事なので今後の連載で触れていきたい。

 それでも、こうした一連の認知症ケアを目的にした在宅サービスが登場し、宅老所に近い「寄り添うケア」を実現させた意義は大きい。入居者と一緒に調理したり、買い物に出向くなど「食」に拘りながらの素晴らしいケアは北欧諸国にも見られない。こうした前向きな「生活モデル」の認知症ケアがある一方で、従来の「病院モデル」を抱えた前時代的な病院でのケアがまだ残っている。

なぜ日本では精神科病院に
多くの認知症高齢者が入院しているのか

 それは精神科病院に入院している認知症高齢者がなんと5万3000人もいることだ。欧米諸国では見られない膨大な人数だ。その事実を2003年1月29日に東京で開かれた国際会議で各国から突き付けられた。

「認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウム」である。英、仏、オランダ、デンマーク、豪州の5ヵ国から招かれた認知症の政策担当者や支援団体の代表が、この数年の認知症施策の実態を誇らしげに報告した。

 フランス代表が「アルツハイマー病患者のほとんどは在宅で暮らしています。精神科病院にいるアルツハイマー患者は1000人未満です。といっても、入院期間はわずか2ヵ月程度と短い」と述べ、豪州代表も「精神科病院に入院する人は非常に少なくなってきた」と発言した。

 シンポジウムで各国が強調した認知症ケアの基本は「脱病院」と「脱抗精神病薬」。「認知症は精神疾患ではない。(BPSDなどの)暴力行為はケアが不適切だから起こること。精神科病院での長期入院は止めることにした」と口をそろえた。数字を挙げて、その成果に胸を張った。

 一方、ホスト国の日本の原勝則・厚労省老健局長は、「精神科病院で治療を終えても退院できない人が多い」と触れただけ。精神科病院にいる認知症者は年々増えており、欧米諸国とは雲泥の差である。

 なぜ、日本だけが精神科病院に多くの認知症高齢者が入院しているのか。認知症ケアの最も遅れたところを底上げする方策はないのか。引き続き次回も、認知症をテーマにして、この問題を掘り下げていきたい。



http://www.zaikei.co.jp/article/20140917/214007.html
医療費が過去最高を更新 毎年約1兆円ずつ増
2014年9月17日 00:19 財経新聞
記事提供元:エコノミックニュース

厚生労働省は2013年度の医療費が最高を更新したことを発表した。概算値で算出した医療費は約39.3兆円にのぼる。前年と比較して2.2%増となり、過去11年連続で年1兆円ずつ増加し続けている。
厚生労働省は2013年度の医療費が最高を更新したことを発表した。概算値で算出した医療費は約39.3兆円にのぼる。前年と比較して2.2%増となり、過去11年連続で年1兆円ずつ増加し続けている。

 8月26日に厚生労働省は2013年度の医療費が最高を更新し、約39.3兆円にのぼったことを発表した。前年と比較して2.2%増の約8,500億円が増えたことになり、過去11年連続で増加し続ける結果となった。発表された医療費は、診療報酬を元に集計された速報値となる。これは国民医療費の98%に相当する概算医療費であり、全額自己負担の医療費や労災を除外して算出されている。

 高齢化に伴い医療費は年々膨らみ続けており、07年で33.4兆円、08年34.1兆円、09年35.3兆円、10年36.6兆円、11年37.8兆円、12年38.4兆円となっている。1年ごとに約1兆円ずつ増加しており、このままでは40兆円を超える日もそう遠くはないだろう。

 診療種類別で見ると、診療費が81.8%の32.1兆円、調剤が17.9%で7兆円となっている。診療費のうち医科の入院でかかった費用は40.2%の15.8兆円、医科の入院外は34.7%の13.6兆円、歯科は6.9%の2.7兆円となる。

 1人当たりの医療費は2.4%増の30万8千円となるが、年齢別にみると75歳未満が20万7千円である一方、75歳以上では92万7千円と4倍以上も差が出ている。厚生労働省は12年度の都道府県別医療費についても発表を行っており、1人当たりの医療費が最も多かったのは高知県で62.5万円だった。続いて山口県61.6万円、大分県60.0万円、広島県59.8万円、佐賀県59.6万円となり、東京都や埼玉県、千葉県など関東は40万円台と低い。

 地域によって医療費に差が生じていることに対し、国は都道府県ごとに目標値を定めて医療費の抑制を図っていく方針だ。必要のない入院や診療、投薬などはできるだけ控え、医療費の削減を促進していきたい考えだが、医療の充実を求める視点から反発の声は大きい。目標値に合わせた医療では、個々のケースに見合った医療を受けることができなくなる恐れも出てくるためだ。

 高齢化社会が進むにつれ、医療の自己負担増は避けられない問題として浮上している。今年4月には高齢者に対する特例措置が見直され、70歳になる人はこれまでの1割負担から2割負担へと変更になった。先行きに不安がたちこめる医療費問題だが、医療の質を守っていくことも重要な課題となるだろう。(編集担当:久保田雄城)



http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0RH3F420140916
武田、新組織体制へ がんとワクチンで事業部門を設置
2014年 09月 16日 23:08 JST ロイター

[東京 16日 ロイター] - 武田薬品工業 は16日、グローバル化に対応するための新たな組織体制を発表した。新体制では、オンコロジー(がん)とワクチンの製造・販売の事業部門を設置。研究開発は4つの疾患領域に再編成し、開発力を高める。新体制への完全な移行は2015年4月1日を予定している。

販売体制は、日本の医療用医薬品、米国、欧州・カナダ、新興国、日本の一般用医薬品の5つのユニットに再編成した。新興国については、北アジア販売組織とエマージングマーケット販売組織を統合し、拠点をシンガポールに置く。がんとワクチンに関しては「Specialty Business Unit」とし、事業部門とした。

研究開発については、従来6つの領域を重点領域と位置付けてきたが、「中枢神経系疾患」、「代謝性・循環器系疾患」、「消化器系疾患」、「オンコロジー」の4つに再編成する。現在の免疫疾患は中枢神経系へ、呼吸器系は代謝性・循環器系に統合した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43780.html
患者の緊急度判定、「救急医療に不可欠」- 院内トリアージ不正請求で学会が見解
( 2014年09月16日 12:57 )キャリアブレイン

 院内トリアージの不正請求が相次いでいることを受け、日本臨床救急医学会は、緊急度判定の意義などに関する見解を発表した。初診料の加算に当たる「院内トリアージ実施料」の不正請求については「診療報酬算定における過誤」とする一方、請求が認められない外来待ちが1人のケースで緊急度を判定したことは「救急医療において必要不可欠なプロセス」と説明。対応する患者の数にかかわらず緊急度判定を行う必要性を挙げている。【新井哉】

【トリアージ・救急医療の関連記事】
東京のドクターカー協議会、統一基準策定へ(2014/09/01)
災害に強い病院目指せ!“実戦”の教訓伝授(2014/08/21)

 院内トリアージ実施料をめぐっては、鳥取県倉吉市の県立厚生病院や米子市の山陰労災病院で、時間外に救急外来を訪れた初診患者に院内トリアージ実施料を不正請求していたことが明らかになっている。

 医療機関の救命救急部門を中心に導入が進んでいる緊急度判定支援システム「JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)」の普及を図ってきた日本臨床救急医学会は、見解で「緊急度判定を実施したこと自体が不適切であったのではない」とし、今回の不正請求は、あくまでも診療報酬算定における過誤との認識を示した。

 緊急度判定を行う目的について、見解では「緊急度が高い状況であるかどうかを判断し、該当するなら診療をただちに開始して重症化を防ぐことにある」と説明。「対象者が1人であっても、該当患者の診療を最優先とする迅速な対応の必要性を判断する上で、その臨床的意義は変わらない」としている。



http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2014&d=0916&f=business_0916_032.shtml
【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】65歳以上の方の検診や新たな薬剤追加は慎重に!
2014/09/16(火) 12:20  サーチナ

  総務省が敬老の日に合わせて、65歳以上高齢者が3296万人で、総人口の4人に1人(25.9%)と公表しました。あと10年で3人に1人が65歳以上になるとも指摘されています。65歳以上の高齢者の10%が認知症との推計もあり、我が国の未来像に対して大変な危機感を覚えます。

  医療の現場でも、増加する単身高齢者への対応など、ご高齢の方々への医療が深刻な問題です。私自身の日々の外来でも、ご高齢の方に対する医療行為に常に悩んでいるのが現状です。例えば、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)は胃癌や胃潰瘍を引き起こすことが解っています。胃内視鏡検査でピロリ菌が存在していれば、ピロリ菌除菌が推奨されています。しかし、75歳以上の高齢者で萎縮性胃炎が進展している人へのピロリ菌の除菌が、胃癌発生を減少させるかは不明です。除菌療法には薬疹などの副作用があり、除菌療法は各人の「元気さや活動度」をみて除菌するのかを決定しています。

 米国では2013年老年医学会が、「必要性を考慮すべき項目」を発表して医師に過剰診断・治療を戒めています。

 (1)認知症への効果や副作用(食欲低下、下痢など)の定期的評価を行うことなく、認知症治療薬を投与してはならない
 (2)期待余命や検査リスク、過剰診断や過剰治療を考慮することなく、乳癌、大腸癌、前立腺癌検診を行ってはならない
 (3)高齢者の食欲不振や癌末期では食欲増進薬や高カロリー輸液は実施してはならない
 (4)処方全体を見直すことなく、新たな薬剤を処方してはならない
 (5)入院中にせん妄を呈した高齢者に対して、行動抑制を目的とした身体拘束をおこなわない。

  以上の(2)、(4)は私たち日本人にも大いに参考になる項目です。65歳以上の高齢者の方は、漫然とした検診や新薬剤追加には常に慎重に考慮し対処して下さい。(自衛隊中央病院消化器内科部長)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/248388/?category=interview
安倍総理の「生涯忘れられない言葉」 - 安達秀樹・京都府医師会副会長に聞く◆Vol.3
日医は政権に軽んじられたままなのか

2014年9月17日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 ――2012年12月の衆議院議員選挙で、民主党政権から自民党政権に交代しました。

 まず(2012年12月の)衆議院選挙で勝ち、次の年の夏には、参議院選挙で圧勝した。衆参のねじれもなくなった。その中で、女性登用という事情もあるけれど、村木事務次官が誕生したことは大きい。あれで、厚労省は震え上がったと思う。その後、出てくる厚労省の医療政策は、「政権の顔色をうかがっているな」と思うようになった。「どこに気がねして、この案を出すのだろう」と見るようになりましたね。

 しかも、今年7月の厚労省人事で、医政局長と保険局長は、2人とも法系のキャリアになった。これは今までにないこと。


安達秀樹氏は、2014年度診療報酬の改定率とその決定のプロセスに対し、「ここまで日医はなめられているのか」と思ったという(『「非常に強い憤り」、改定率で安達氏、中川氏が抗議』を参照)。
――舛添厚労大臣の時代に、医政局長が法系、保険局長が医系と、交代したことはありましたが、2人とも法系になったことは初めてです。

 内閣人事局による人事ですが、この人事により厚労省はますます首相官邸の方を見るようになったのでは。

――自民党政権になり、中医協の議論のプロセスに変化はあったのでしょうか。

 自民党は、中医協を重視していないでしょう。先ほどは「エビデンスベース」の観点からお話しましたが、全体的な評価としては、僕が中医協委員として経験した3回の診療報酬改定のうち、一番印象に残っているのは今回の改定です。

 それは直近の改定という理由ではなく、一つは、自民党政権に戻ったこと。ものすごく強大な権力を持った内閣の下での改定だったという事情があります。もう一つは、消費税率引き上げへ対応を含んだ改定だったこと。

 僕にとって生涯、忘れられない言葉があります。(2013年の)12月20日に2014年度改定の改定率が決まりましたが、安倍総理が記者団の改定率に関する質問に、「消費税を上げて、国民の皆さんに負担増をお願いする時に、さらなる負担増は厳に慎まなければいけない」と答えた。僕はこの言葉を聞いて、「ふざけているのか」「我々医師は、日本国民ではないのか」と率直に思った。診療報酬は非課税のため、医療機関の経営に必要な物品を購入すると、その消費税は損税となる。「さらなる負担増を慎む」ことの対象は、医師以外の国民のことであり、「損税分は、医療機関が負担しろ」と言っているに等しい。それが現実になった。

――2014年度改定率は、全体ではプラス0.1%ですが、消費税率引き上げ対応分の1.36%を差し引くと、1.26%のマイナス改定になった。

 改定の議論の中で、「消費税の対応は、消費税の中で行うべき」とずっと言い続けてきた。仮に医療費の中で、対応するにしても、その議論と本来の改定の議論は別にすべき、と主張してきた。けれども、見事に一緒にされた。薬価引き下げ分を診療報酬本体の改定財源にせずに、消費税対応に充てたために、マイナス改定になった。1.36%という数字が妥当だったかという検証も、今後必要。

 では、なぜ僕が絶対に忘れられないのか。それは安倍総理に対する怒りもそうですが、「ここまで、日本医師会はなめられているのか」「それでも日医は黙っているのか」と思ったからです。

――そもそも消費税率の引き上げは、医療を含む社会保障の充実が目的であるはず。

 その点については後で触れますが、2012年末の衆院選挙で自民党が勝っても、衆参のねじれがあったので、「おとなしくしていよう」と自民党の長老たちは言っていた。しかし、それは2013年の参院選挙で自民党が圧勝するまでの話。それまではアベノミクスで止まっていたけれど、参院選挙で勝ったら、安倍総理は、「集団的自衛権」「憲法改正」を言い出した。消費税率も上がるとなると、内閣支持率は落ちることが想定された。

 それを回避するために、「菅官房長官が描いた」と巷間伝えられている戦略が、小泉政権の手法そのもの。抵抗勢力を作り、抵抗勢力をたたくことで、内閣支持率を維持しようと考えた。その抵抗勢力の候補が、農協と日医だった。

 横倉(義武)会長は、政府や内閣と交渉する際に、幾つかの問題を抱えていた。一つは会長自身のこと。(横倉会長の地元である福岡県には)麻生副総理がいて、横倉会長は長い間、その対抗馬であった古賀さん(長年自民党議員を務めた古賀誠氏)の後援会長を務めていた。また民主党政権時代には、民主党支持者が日医会長が当選した経緯もある。

 こうした点を突かれることはあるけれど、少なくとも「日医を抵抗勢力にしよう」という動きが水面下で画策されている話が聞こえ、会うたびに非常に厳しいことを言われる中で、結局、横倉会長が取った方法は、「恭順の意を表する」ことだった。

 その結果が、安倍総理の「国民にさらなる負担を強いることは厳に慎まなければいけない」という言葉です。

 もちろん、抵抗すれば、「抵抗勢力」として扱われて、もっと大きなマイナス改定を受けたかもしれない。僕が(今年6月29日の)日医代議員会で聞いたのも、このことです(『「政権と対峙すれば、議論からも排除」』を参照)。僕が言いたかったのは、ある一線を越えたら、たとえ一時的にマイナス改定という扱いを受けたとしても、日医として反対しなければならないことは、反対すべきだということ。

 薬価引き下げ財源を、本体改定財源に充てることは、1972年の中医協で建議され、1997年の健康保険法等改正時の国会論議で、当時の橋本総理も、一議員だった安倍氏自身も認めている。薬価引き下げ分を本体改定に充当する論理的正当性はある。にもかかわらず、消費税対応に使われた。「国民にさらなる負担を強いることは厳に慎まなければいけない」とまで安倍総理に言われて、日医が何も言わずに恭順の意を表し続ける必要があったのか。これだけが唯一取れる方法だったのか。本当に横倉会長が取った方法は正しかったのか。

――昨年の12月20日に、「一線を越えるべきだった」とお考えですか。

 昨年の夏頃から、財務省の財政制度等審議会は、「薬価改定財源を、本体改定財源に充てるのはフィクションだ」と言い始めていた。安倍総理の発言に至る前のところで、日医は「その点だけは譲れない」と言うべきだった。

 最終的に結果が変わらなかったとしても、日医が言っていれば、少なくとも安倍総理の言葉は違っていたはず。「国民の皆さん、さらなる負担を強いることは厳に慎まなければいけないという立場から、医療機関のみなさんにはご苦労をかけるけれども、ご理解いただきたい」となっていたはず。この言葉の違いは大きい。だから、安倍総理の発言を聞いた時、「横倉会長は、『譲れない』とは、言わなかったのだな」と思った。

――それに対して、日医は、記者会見や中医協で、けん制する発言をしました。

 それは、「ごまめの歯ぎしり」でしょう。僕はいろいろ批判もしていますけれど、それなりに横倉会長を評価していますし、大変だとは思います。ただし、冷静に見て今改定への対応が正しかったのか。

 恭順の意を表してきた結果は、もうすぐ問われます。来年10月には、消費税率10%への引き上げが予定されており、その翌年4月には、また診療報酬改定がある。薬価改定財源を本体改定財源に充てないということが、常態化したら、横倉執行部は終わると僕は思う。


  1. 2014/09/17(水) 06:25:50|
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