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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月14日 

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8418
医者には霊的知識が不可欠 米で医学実習生が相次ぎ自殺
2014.09.14 The Liberty Web

終末治療の研究者で内科医のプラナイ・シンハ氏が、4日付米ニューヨーク・タイムズ紙に「医師の自殺」に関して寄稿している。ニューヨーク市で8月、病医学実習生で2カ月目の学生が自殺する事件が相次いで2件起きたことを受けてのものだ。アメリカで自殺する医者は年間400人にのぼるといい、医学実習生の9.4%が「最近2週間の間に自殺を考えたことがある」と回答したという調査結果もある。

シンハ氏は「彼らの詳しい事情はわからないが、医学実習を始めたばかりの学生が受ける肉体的疲労や精神的疲労、自己不信については理解できる」としている。労働時間の長さに加え、受け持つ患者が増えることで受けるプレッシャーなどにより、同氏も、ひどい疲労と医療ミスの多発を経験したと告白している。また、「初めて死亡証明書にサインするときの悲しさ」については、医者同士で悲しみを共有する必要があると語る。

患者の生命を救うことを志して医者になった人々が、自ら生命を断つというのはあまりに悲しい。しかも、自殺した人の霊は天国に行けず、地上で迷うことになる。医者であっても、死後の魂について知らなければ、患者どころか、自分さえ救えなくなってしまうのだ。

また、成仏できず地上で迷っている霊が、生きている人に取り憑き、自殺に追い込むこともある。死後も魂は生きているということを知らなかった患者の霊が、ストレスや不安を感じている医者に取り憑いている可能性もある。臨終の際、医者が「あなたは死んで、魂はあの世に帰るのだ」という思いを込め、それが亡くなった患者に伝われば、あの世への旅立ちを手助けすることにもなる。

医学界でも、死後の生命を前提と考える動きは始まっている。その一つは臨死体験の研究だ。本誌10月号に掲載した、臨死体験研究の第一人者で医師のレイモンド・ムーディー氏のインタビューによれば、アメリカで臨死体験を認める医者が増えているという。患者の体験を目の当たりにする例がかなり増えている上、医者自身が臨死体験をすることも多くなっているからだ。

医者が死後の生命の存在を認めることは、医者自身を自殺から守ると同時に、多くの患者の死後の幸福にもつながるはずだ。(晴)



http://www.m3.com/iryoIshin/article/250564/
医師500人で作る「何でもランキング」
官僚や弁護士が人気、子どもになってほしい職業◆Vol.16
医師以外なら、「好きな仕事を」は半数近く

2014年9月15日(月) 池田宏之(m3.com編集部)

Q.16 医師以外で子どもになってほしい職業 (単位:人)
1位  国家公務員(官僚など)   77
2位  弁護士           60
3位  自然科学系の研究者     49
4位  地方公務員(警察官除く)  38
5位  薬剤師           33
6位  パイロット         30
7位  国会議員          21
8位  公認会計士         17
9位  会社役員          15
10位  美術家(画家など)     12
11位  裁判官           11
12位  検察官           10
12位  プロスポーツ選手      10
14位  歯科医師          9
14位  保健師,助産師,看護師   9
14位  電子機械系の研究者     9
17位  診療放射線技師や臨床検査技師などの医療技術者  6
17位  作家            6
17位  音楽家           6
20位  教師(大学)        5
20位  獣医師           5
20位  システム情報通信ネットワーク系の研究者  5
20位  俳優、タレント       5
24位  教師(小学校~高校)    4
24位  人文社会科学系の研究者   4
24位  建築土木技術系の研究者   4
27位  地方議会議員        3
28位  弁理士           2
28位  警察官、海上保安官     2
30位  マンションアパート経営者  1
    その他           13
    子どもの選んだもので良い  246
    医師以外にはなってほしくない  14

 Q.16では、「医師以外で子どもになってほしい職業」を、3つまで選んでもらう形式で聞いた(有効回答数、506人)。

 1位は、「国家公務員(官僚など)」で77人。医療は価格が公定価格になっており、2年ごとの診療報酬改定を通じて、医療界は官僚の大きな影響を受けている。厚生労働省以外にも、財務省や外務省など社会的に大きな影響力を持ち、政策決定への関与も大きい上、地位が安定していることも含めて、魅力になったとみられる。一方で、選挙戦に勝ち続けなければいけない「国会議員」は21人で7位だった。

 2位は、「弁護士」で60人。弁護士は、国家資格のうち、医師と並ぶ最難関とされ、人気のある仕事。刑事裁判の被告人を弁護する仕事から、企業の顧問弁護士まで幅広いニーズがある。ただ、法科大学院の設置に伴い、弁護士数は増加傾向にあり、競争の激しさが増している。

 3位は「自然科学系の研究者」で49人。生物以外の分野でも、太陽光エネルギーの活用や石油に替わる燃料の発見などが注目を浴びているほか、宇宙に広く存在するという仮説のある「暗黒物質」の発見など、テーマが多岐にわたっている。好きなテーマと環境が見つかれば、楽しめる仕事だろう。

 4位は、「地方公務員」で38人。地域の距離と近く、街づくりなどの仕事にやりがいがあるとされるほか、安定的な地位も比較的上位に入った要因とみられる。5位は「薬剤師」で33人だった。

 ただ、実際に最も多かったのは「子どもが選んだ職業で良い」で246人、半数近くを占めた。職業の人気ややりがい、安定性などは、社会情勢に影響されやすいことに加え、子ども自身の納得感を重視した結果とみられる。「医師以外になってほしくない」との回答は13人にとどまった。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/9/11/250538/
職員の心に重い負担 自殺や休職、特効薬なく 「東日本大震災3年半」救援者たちの今
共同通信社 2014年9月11日(木)

 岩手、宮城、福島3県の自治体では復興担当の職員や、応援の派遣職員の少なくとも3人が自ら命を絶ち、精神的不調で長期間休む例も出ている。復興事業の本格化で業務量が増大するなど職員の精神面のケアの必要性が高まっているが"特効薬"がないのが現状だ。

 岩手県大槌町では昨年1月、兵庫県宝塚市から派遣された男性=当時(45)=が仮設住宅で命を絶った。休日返上で専門外の用地交渉の業務に当たっていたという。生え抜きの職員でも岩手県山田町でことし4月、課長補佐の男性=当時(59)=が自殺。農地の復旧などを担当し週末も頻繁に出勤していた。関係者は「多くの仕事に忙殺されていたようだ」と話す。

 自治体側は職員に精神面のチェックを定期的に実施。さらに派遣職員の帰省費用や家族が訪問する旅費を支給するなど孤立防止に努める。

 それでも福島県に派遣中の30代男性は「縁のない土地で働くのは通常より難しい。仕事が思うように進まず焦る職員もいる」と明かす。周りも忙しく、相談できずに悩みを深める人もいる。

 2012年度、岩手県の沿岸12市町村で精神的不調で6カ月以上休んだ職員が17人、6カ月未満が42人いた。宮城県沿岸15市町では計200人が1カ月以上休んだ。福島県は集計していない。

 山田町の佐藤信逸(さとう・しんいつ)町長は「定期的に懇親会を開くなど気をつけているが、心のひだまではなかなか分からない」と悩む。宮城県の担当者は「職員も被災して傷つき、業務が増え疲弊している可能性がある」と話す。

 岩手医大病院(盛岡市)の精神科医大塚耕太郎(おおつか・こうたろう)さんは「普段から声を掛け合うなどの環境づくりが大切だ。産業医にも相談してほしい」と助言する。


  1. 2014/09/15(月) 10:41:18|
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9月13日 

http://www.minyu-net.com/news/topic/140913/topic3.html
研修医の募集定員を4人に倍増 南相馬市立総合病院
(2014年9月13日 福島民友トピックス)

 南相馬市立総合病院(金沢幸夫院長)が来年4月採用の臨床研修医の募集定員を、前年の2倍の4人に増やしたことが12日、分かった。金沢院長は「震災、原発事故を契機に全国の医療関係者との交流が生まれている。病院が元気になっていくため、全国から若い医師を募りたい」と話している。
 同病院は2012(平成24)年、基幹型臨床研修病院に指定された。昨年4月に研修医1期生2人、今年4月に2期生2人を採用し、2年連続で定員を満たしている。
 本県の医師不足は震災、原発事故でより深刻化しており、医師不足解消につなげようと福島医大や各病院は研修医確保に力を入れている。医学部生らの臨床研修先を決める「マッチング」(組み合わせ決定)の結果は10月に発表される。
 震災と原発事故による被災地医療を担う同病院は、公立相馬総合病院(相馬市)と共に12年、特例的に基幹型臨床研修病院に指定された。厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会は8月27日、両病院の指定を継続することを決めた。



http://www.minpo.jp/news/detail/2014091318037
産科業務中止へ 済生会病院 来春から婦人科のみに
( 2014/09/13 09:31) 福島民報

 福島市の済生会福島総合病院の産婦人科が来年4月から、出産など産科の業務を中止する。12日までに分かった。常勤医1人が来年3月に定年退職するが、新たな医師の確保が難しいことが要因。
 同病院によると、医師の定年退職に合わせて新たな医師を募集しているが、採用に見通しが立っていないという。この医師は退職後も常勤医として病院に残る予定だが、体力面などを考慮し出産取り扱いの中止を決めた。
 来年4月からは婦人科のみの診療に移る。現在、出産取り扱い中止を知らせる文書を院内に掲示し、理解を求めている。
 今年度は出産予定日が来年3月までの妊婦のみ受け入れる。



http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231537-storytopic-1.html
小児集中治療の患者最多 常に満床、手術延期や転院も
2014年9月13日 琉球新報

PICUへの入室患者数
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 県内で唯一、県立南部医療センター・こども医療センター(我那覇仁院長)に設置されているPICU(小児集中治療室)の入室患者が年々増え、2013年度は開設以来最も多い年間340人に上った。小児医療の「最後のとりで」といわれ、心疾患のほか外傷や溺水などで救急搬送される患者も受け入れる。患者数の増加とともに、現在6床のベッドは常に満床状態で、手術の延期や予定より早く病棟へ移ってもらう事態も生じている。同センターは県病院事業局に増床を要望している。
 「MRIの結果はどうだった」「総合所見は」。8日午前8時半すぎ、PICU専属の小児集中治療科、小児循環器科、小児心臓血管外科の医師、看護師らがベッドを囲む。病状が報告され、治療方針を話し合う。小児集中治療医は3人配置。主治医と連携しながら、病状を継続して診ることができる体制が利点の一つだ。重症患者を診るため、看護体制は一般病棟に比べ手厚い。
 心筋炎を患い他の県立病院から転院してきた女児は一時、命の危険があったが、治療をへて人工心肺から離脱し、人工呼吸器も外すことができるようになった。「声を掛けると反応が出るようになった」。看護師が女児の体を拭いながらほっとした様子で話す。母親の金城玲菜さん(31)=金武町=は「表情が乏しく目がうつろで本当に厳しいと思ったが、数日前から回復してきた。ここがなかったら命も危なかった」と目頭を押さえながら語る。
 患者数は08年度から10年度まで200人台で推移していたが、11年度以降は300人台を超えている。PICUの認知度の高まりとともに、重症患者も増えているが、死亡率は年々改善。患者の重症度を示す予測死亡率は2008年度2・5%で、実際亡くなった割合は3・3%だった。13年度は、重症患者の増加で予測死亡率は6・02%に上がったものの、死亡率は2・9%と改善している。小児心臓血管外科の長田信洋部長は「症例が増えるほど治療水準が上がる。(幅広い診療科の)医師が集まって症例を検討する体制が整っている」とPICUの強みを語る。
 課題もある。PICUは現在6床で、06年の開院以来変わっていない。常に満床状態のため、PICUから院内の救急科に対して、患者の受け入れが難しいと通知した日が、4月から8月までに20日間生じるなど異例の事態が続いている。小児集中治療科の藤原直樹医師は「県内唯一のPICUの機能が果たせなくなりつつある」と話す。我那覇院長は「重症だが転院をお願いした子どももいた。重症の子どもたちを可能な限り救いたい」と増床の必要性を語った。

<用語>PICU(小児集中治療室)
 新生児を除く0歳児から中学生ぐらいまでの重症の子どもを治療する専用病室。小さな体に合う人工呼吸器やモニター機器、医療器具などを備えている。子どもは大人より病状が急変しやすく、こうした施設で専門医が処置することで生存率が高まると、欧米では1970年代から整備が進められてきた。国内では昨年12月現在で医療施設27カ所に計178床ある。欧米に比べ人口当たりの病床数は少ない。



http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20140913000123
坂出市立病院、残業上限超え/労基署が是正勧告
2014/09/13 09:31 四国新聞

 坂出市立病院(香川県坂出市文京町)が、事前の労使協議を経ずに医師や看護師らに労働基準法で定めた時間外労働の上限(月45時間)を超える残業をさせていたとして、坂出労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが12日分かった。管理職への割増賃金の未払いなども指摘され、病院は勧告に沿った改善策をまとめ、11日に報告書を提出した。

 12日の市議会教育民生委員会で同病院事務局が報告した。病院は毎年、全職員と時間外労働の上限を月45時間以内とする協定を締結し、超過する場合は事前の協議を行うとしている。

 病院によると、5月29日に坂出労基署が立ち入り調査に入り、今月2日に労働基準法違反などで是正勧告を受けた。違反行為は▽労使協議を経ず月45時間を超えて労働者を使用した▽管理職の時間外や深夜労働などに対する割増賃金の未払い―などの8項目。病院は11日、改善策をまとめた報告書を坂出労基署に提出した。



http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014091301001640.html
重い副作用例が千件超と研究者 子宮頸がんワクチン
2014/09/13 20:29 【共同通信】

 国による接種の呼び掛けが中止されている子宮頸がんワクチンで、難病治療研究振興財団の研究チームは13日、厚生労働省に寄せられた約2500件の副作用報告を調べた結果、1112件の重い副作用が出ていたとする独自の分析を発表した。

 厚生労働省に重い副作用として医師から報告が寄せられたのは617件だが、症状を幅広く認定した結果、数が増えたとみられる。

 チームは内科、神経内科など専門医ら約7人で構成。けいれんや歩行障害、記憶障害などの中枢神経系の障害、視力や聴力低下などの感覚器異常、広範囲の体の痛みなどを重い副作用と判定。約45%に当たる1112件が該当したという。



http://apital.asahi.com/article/news/2014091300019.html
症状の3分の1は中枢神経系 子宮頸がんワクチン問題
2014年9月13日 朝日新聞 アピタル

 子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の異変を訴える事例が相次いでいる問題で、東京医科大医学総合研究所長の西岡久寿樹医師らの研究班は13日、国に副作用として報告された約2500人の症例を独自に調べたところ、延べ7676件の症状が確認され、うち3分の1が中枢神経にかかわる症状とみられると発表した。

 研究班が長野市で開かれている日本線維筋痛症学会に関連して記者会見した。複数の症状が出ている女性が多く、最多は中枢神経の症状を含む62種類。ワクチンとの因果関係は不明だが、「脳内で異変が起きている可能性がある」としている。

 研究班のメンバーは西岡医師(リウマチ・膠原(こうげん)病)、横浜市大名誉教授で国際医療福祉大熱海病院長の横田俊平医師(小児科)、東京慈恵会医科大、順天堂大などの神経内科、整形外科、総合診療科の医師、生物統計学の専門家の計7人。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140913_3
2億5450万円返還を請求 医薬品転売で洋野町
(2014/09/13) 岩手日報

 洋野町種市の国保種市病院で元薬剤科長の男性(53)が病院の医薬品を転売し約1億7千万円を横領したとされる問題で、町は12日、男性に被害額2億5450万円を返還請求したことを明らかにした。請求は9日付。

 町は29日までに返還がない場合は督促し、さらに10日以内に支払いに応じなければ年内に損害賠償を求めて提訴する方針。支払いの遅延利息も請求する。

 被害額は転売した薬剤の金額を特定できないため推計となった。8月に業務上横領容疑で男性を告訴した段階で判明した被害額3118万円や、転売で得たとみられる利益などを基に算出した。男性は8月末までに1006万円を支払い、「罪と損害は一生かけて償う」などと、弁済の意思を示しているという。


  1. 2014/09/14(日) 06:09:54|
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9月3日 医学部新設

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140904_13020.html
規模縮小の末夢しぼむ/(下)調整の産物/幻の県立医学部
2014年09月04日木曜日 河北新報

<「60人10年」構想>
 文部科学省への医学部新設構想提出期限を翌日に控えた5月29日、知事村井嘉浩は庁内の政策財政会議を開いた。
 この場で、入学定員を60人とする最終シミュレーションが示された。60人は全国の既存80医学部で最小規模だ。
 村井はうなずいた。60人全員に卒業後、東北の病院などに10年勤めれば返還を免除する修学資金を貸し付ける-。宮城大医学部構想の柱が定まった瞬間だった。
 県幹部は「コンパクトな医学部にする代わり、少数精鋭を色分けせずに育て、東北に定着させる。知事のこだわりの象徴だった」と明かす。

<試算に異論続出>
 かねて、村井は「医師不足解消には東北版の自治医科大が必要だ」と主張してきた。
 自治医科大(栃木県下野市)は出身都道府県に勤める義務年限が9年間で、卒業生の7割が地元に定着する。宮城大の義務年限は手本の自治医科大を1年上回った。
 県立医学部の最大の障壁となったのが、巨額の財政出動だった。県は当初、600床規模の付属病院を整備する場合の初期投資を約500億円と積算。運転資金は約50億円と見積もった。
 県が栗原市などから県立医学部新設を正式要請された5月27日、副知事や財政当局、保健福祉部の限られた県職員が定員100人で試算に着手した。
 メンバーは「県立医学部を目指す知事の意志は固い」と察し、夜を徹し作業に当たった。100人定員は、最初に栗原キャンパス構想を描いた財団法人厚生会仙台厚生病院(仙台市青葉区)の想定に基づいた。
 結果は翌28日夕に村井をはじめ幹部らに諮られたが、異論が相次いだ。
 「100人全員に10年間の義務年限を課すのは財政的に厳しい」「国の参考基準に従うと、付属病院の必要病床は800床に膨らんでしまう」
 そこで、2008年度まで60人(現在90人)だった横浜市立大医学部など先例を検証した。60人で再試算すると、初期投資と運転資金が計約260億円圧縮でき、600床で済んだ。

<「自治体の限界」>
 県は構想申請後、さらに規模を縮小させる「賭け」(村井)に出た。付属病院の病床は、最終的に500床前後を念頭に検討を進めた。
 「負担軽減」と「独創性」の相反するテーマの両立を目指した県。教育や研究で連携する医療機関の確保も水面下で調整を図ったが、国側に伝えなかった。
 その理由を村井は「地方自治体が『選定されたら』の前提で進めている内容を表に出すのは難しい。消極的と言われればそれまでだが、自治体の限界だ」と振り返る。
 県の挑戦は大きな教訓を残し、志半ばで幕を閉じた。(敬称略)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140903_11035.html
医師定着を 仙台市長、薬科大選定で期待感
2014年09月03日水曜日 河北新報

 仙台市の奥山恵美子市長は2日の定例記者会見で、東北への医学部新設先に青葉区の東北薬科大が選定されたことについて、「東北全体に定着して診療活動を行う医師を育ててほしい」と東北の地域医療の充実に期待感を示した。
 奥山市長は「卒業生が着実に地域に定着する手法の実現を望む。国の条件をクリアし、まずは着実に開学に向けて進んでほしい」と強調した。
 太白区あすと長町に11月に移転開業する市立病院をはじめとした市内の医療機関との連携については、「市内にある救急医療、高度先進医療機関との役割分担をどのようにしていくかが、将来的に課題になる。県も交えて話し合っていきたい」と述べた。



http://mainichi.jp/edu/news/20140903ddlk03100094000c.html
東北薬科大:医学部新設 岩手医大の努力尊重を 知事がけん制 /岩手
毎日新聞 2014年09月03日 地方版

 国が仙台市の東北薬科大に医学部新設を認めたことを受け、達増拓也知事は1日の定例記者会見で「医師不足対策として岩手医大医学部は定員を増やし、人材を育ててきた。その成果が(東北薬科大に)引き抜かれてはならない」とけん制した。

 県は同学部に定員を増やすよう働きかけ、2007年度の80人から現在は130人となり、奨学金貸付枠も拡充された。達増知事は「定員増で資格を得た医師はこれから現場に出る。我々の努力が無に帰さないよう、(関係機関と)協議しなければならない」と語った。

 医学部新設は東日本大震災からの復興支援で、東北地方の1大学に限り認められた。16年4月の開設予定だ。【浅野孝仁】


  1. 2014/09/04(木) 05:38:53|
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9月2日 医学部新設

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140903_11020.html
宿願、責任、知事動かす/(中)決裂と決断/幻の県立医学部 
2014年09月03日水曜日 河北新報

<福祉大案に反発>

 土壇場で、潮目が変わった。
 県庁にほど近いビルに5月25日、東北福祉大、財団法人厚生会仙台厚生病院(いずれも仙台市青葉区)、栗原市の関係者が急きょ集まった。
 文部科学省への大学医学部新設構想の提出期限を5日後に控え、3者はそれぞれ描く構想の案を突き合わせ、本音をさらけ出した。
 「福祉大の考え方を採り入れない構想は認められない。栗原キャンパスでは患者が集まらず、病院経営が厳しい」
 「約束が違う。福祉大案は国の参考基準を満たしていない。疲弊した地域医療を救いたい」
 福祉大と厚生病院は先に、栗原市内の市立栗原中央病院と県立循環器・呼吸器病センターを再編統合し、付属病院化する計画で合意済みだった。
 しかし、福祉大はセンターは譲り受けずに分院として活用する案を突然提示。自己資金の持ち出しを減らそうとする福祉大の言い分に、厚生病院と栗原市が反発した。
 間を置かず、知事村井嘉浩は連携が破談した事実を知る。その日の夜、緊急協議の出席者から電話で「県北の医療が崩壊する。何とかしてほしい」とすがられた。
 即答を避けつつも、村井は対応を急ぐ必要性を感じた。県内の私大を支援する方針を公言していたが、巨額の公費負担を理由に見送っていた県立医学部に心が傾く。
 厚生病院と栗原市から県立医学部設置を正式要請された27日。県庁を訪れた理事長目黒泰一郎と市長佐藤勇を見送った直後、村井は庁内の幹部会で「県立医学部をやりたい」と腹案を口にした。

<苦しむ地域医療>

 東北と被災地の医師不足解消は、村井の宿願だった。
 2005年の知事就任以来、市町村から寄せられる陳情の半数近くを医師不足関連が占めた。11年の東日本大震災では地域医療の担い手である自治体病院の多くが機能不全に陥った。復旧後も、医師や看護師が集まらない現実を突き付けられた。
 県内では福祉大と厚生病院のほかに、東北薬科大(青葉区)が医学部新設に名乗りを上げた。

<卒業生定着が鍵>

 村井は、薬科大の構想に盛り込まれた奨学金制度に着目した。卒業後の義務年限を5年間とする東北出身者対象の地域枠に対し「卒業生定着は国の構想選定の重要ポイント。5年で本当に定着するか」と疑念を抱いた。
 薬科大が東北大医学部と関係が深い点も憂慮した。薬科大は、研究に軸足を置く東北大出身者をスタッフに多く抱える。
 「安倍晋三首相に医学部新設を直談判し、筋道をつけた自負、責任もある。県立医学部をつくって臨床を重視し、自給自足で地域医療を支える総合医を育てたい」
 決裂からたった4日後の29日。村井は臨時記者会見を開いて決断を表明し、信念を貫いた。(敬称略)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140902_11019.html
村井知事、選定過程に不信感 医学部新設
2014年09月02日火曜日 河北新報

 村井嘉浩知事は1日の定例記者会見で、東北に新設される大学医学部の設置者に決まった東北薬科大(仙台市青葉区)への支援について「学生数や(東北勤務の)義務年限が明確に示されなければ方向性を見いだせない」と明言を避けた。
 文部科学省の構想審査会は薬科大の選定に当たり、運営協議会設置や教員確保策などの七つの条件を課し、地元自治体との連携が不可欠とした。
 薬科大は入学定員120人のうち70人を、東北の病院への一定期間勤務を義務付ける奨学生の対象とする。県は卒業生の地元定着のため基金を設ける方針だが、両者の協議は始まっていない。
 村井知事は「(薬科大の構想では)1人に3000万円を準備する必要がある。修学資金用の基金は運用中に減るリスクもある」と指摘。運営協議会に関しては「東北6県が足並みをそろえなければ意味がない。国が間に入るべきだ」と強調した。
 宮城大医学部を選外とした文科省の構想審査会の選定過程には「大変な不信感を持っている」と述べた。さらに8月29日に文科省高等教育局の吉田大輔局長の訪問を受けたことを明かし、構想提出後に打ち出したカリキュラム編成や教員確保策について「一切評価の対象になっておらず、あぜんとした」と語った。
 県は薬科大の修学資金制度について、公費支出が期待され過ぎているとの懸念を伝えるメールを7月に文科省に送っていた。だが、文科省から薬科大や審査会側に伝えられることはなかったとし、村井知事は「選定手法に納得できる部分はない」と厳しい表情を見せた。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140902_31022.html
達増知事、医師引き抜きに懸念 医学部新設
2014年09月02日火曜日 河北新報

 東北に新設される大学医学部の設置者に東北薬科大(仙台市青葉区)が決まったことに関連し、達増拓也岩手県知事は1日の定例記者会見で「教員として現場の医師が引き抜かれることがないよう訴えていきたい」と述べ、医療現場への影響に懸念を示した。
 達増知事は、2008年以降に岩手医科大(盛岡市)が医学部定員を増やした取り組みに触れ「定員増で入学した学生が再来年、ようやく第一線で活躍する」と強調。県も奨学金制度を創設するなど医師確保に努めてきたことを挙げ「その成果が医師の引き抜きという形で損なわれないようにしてほしい」と語った。
 東北各県などが参加する運営協議会(仮称)の設置が認可の条件とされたことについては「どういう段取りで協議の場が設置されるのか、よく情報収集しながら県の考えを伝えたい」と注視する考えを示した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140902_11020.html
「一極集中を加速」栗原市長が不満表明 医学部新設
2014年09月02日火曜日 河北新報

 栗原市の佐藤勇市長は1日の定例記者会見で、東北への医学部新設先に東北薬科大(仙台市)が選定されたことについて「仙台への医学部設置は一極集中を加速させる」と、地域再生の側面などが考慮されず不満だと表明した。
 佐藤市長は「安倍晋三内閣は地方創生を掲げるが、何を考えているのか。情けないし、腹立たしい。文部科学省の構想審査会では、どう議論されたのか」と強調した。
 審査会の選考過程に関して「絞り込みを7月末から延ばした1カ月の間、県が文科省に追加提出した資料や考え方が各委員に伝わっていない。おかしい」と疑問を呈した。
 「(県が準備不足のまま提出した)当初の構想書の評価が結論になった。8月28日の審査会の前にヒアリングを開き、それぞれの説明を聞くべきだった」と指摘した。
 地域医療の質低下の懸念に対しては「(栗原中央病院の)医師の引き揚げがあれば問題になる。それは絶対にない」と、不安は当たらないとの考えを示した。


  1. 2014/09/03(水) 05:08:12|
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9月1日 医学部新設

http://www.qlifepro.com/news/20140901/medicine-division-the-tohoku-pharmaceutical-university-miyagi-prefecture-and-seek-cooperation-with.html
文部科学省 医学部設置構想審査会、医学部新設、東北薬大を選定―宮城県と連携も求める
2014年09月01日 AM09:54  QLifePro

文部科学省の医学部設置構想審査会は8月28日、東日本大震災からの復興支援策で、東北地方の1校に限って認める医学部新設について、東北薬科大学の医学部構想を選定した。名称を東北医科薬科大に変え、2016年4月の開設を目指す。審査会は選定の条件として、東北各県や大学、関係団体からなる運営協議会を立ち上げて教員の確保や卒業生の地域定着策を協議することなどを求めており、同大学が設置認可を申請する来年3月までに、条件を満たしているかどうかを確認する。その後、大学設置・学校法人審議会の審査を経て、来年夏にも正式認可される見通し。同大学の高柳元明理事長は、「これまでの医療人養成の実績が評価された」と選定の喜びを示すと共に、「課題が山積しているので、今後、どう対応するか考えたい」とコメントした。
■教員確保など七つの条件も

審査会は、昨年12月の「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針」に掲げた趣旨や、▽東北地方の将来の医療ニーズを踏まえた教育の実施▽引き抜きなどで地域医療に支障を来さない教員医師の確保策▽卒業生が東北地方に残り医師不足解消に寄与する▽将来の医師需給に対応した定員調整の仕組み――の四つの留意点を踏まえ、3者の構想を評価した。




http://www.kensetsunews.com/?p=37367
241億投じ新校舎・病棟/17、20年度に供用開始/東北薬科大の医学部新設
[ 2014-09-01]建設通信新聞

 東北薬科大学(仙台市、高柳元明理事長・学長)は、文部科学省による東北地方の大学への新医学部設置構想の採択を受けて、東北医科薬科大学を2016年度に開設する。構想によると設備投資額は241億8000万円で、同市宮城野区にある付属病院周辺に総延べ3万5250㎡の新校舎や新病棟などの施設群を整備する。新校舎は17年度末、新病棟は20年度の供用開始を目指す。
 同大学は、医学部新設に伴い、東北医科薬科大学に名称を変更する。医学部の定員は1学年120人で、6学年あわせて720人の規模となる。メーンの実習施設は、13年4月に開設した付属病院(旧東北厚生年金病院、同市福室1-12-1)を想定。さらに隣接市などにある2病院を譲り受け、分院と無病床診療所を設置する。
 このほか、市内にある仙台医療センターや東北労災病院などとも連携して教育実習を行う。
 施設整備については、付属病院の隣接地1万6986㎡を買収・貸借することで地権者と合意している。
 教育研究棟は9階建て延べ2万2500㎡(免震構造)を想定。工期は15年12月から17年1月まで。解剖学実習室と実験動物センターからなる第2教育研究棟は、2階建て延べ1500㎡。16年度中に供用させる。
 また、付属病院の新病棟は4階建て延べ1万1250㎡(免震構造)を想定。ベッド数は150床となる。16年度早期に着工し、20年度末の完成を目指す。
 文科省は昨年、東日本大震災の復興支援と医師不足解消のため、特例で1校に限り医学部の新設を認める方針を決定した。
 東北薬科大のほか、公立の宮城大(宮城県大和町)への医学部設置構想を掲げる宮城県、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)の3者が名乗りを上げ、同省の有識者会議で検討を進めてきた。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/247349/?category=report
医学部新設の選定手法、村井知事が批判
「文科省に落ち度あり、納得できず」

2014年9月1日 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北地方への医学部新設に名乗りを上げていた宮城県の村井嘉浩知事は8月29日と9月1日の記者会見で、候補に決まった東北薬科大学にはエールを送り、県民の理解が得られる範囲で支援をしていくと語った一方、宮城県が選定されなかった点について、「81番目の医学部を作るなら、既存医学部の定員増でいい。そうではない新たな医学部の新設を目指していた。しかし、宮城県が掲げた将来性よりも、実現可能性が評価された。それが分かっていれば、最初から手を上げなかった」と述べ、無念さをにじませた。

 文部科学省の構想審査会は8月28日、東北地方に医学部を1カ所新設する候補として、東北薬科大学を選定した(『東北薬科大、医学部新設の“第一関門突破”』を参照)。

 村井知事は、文科省高等教育局長の吉田大輔氏が8月29日に宮城県を訪れ、東北薬科大学の選定経緯を説明したことを明かし、「正直言って、大変驚く部分があった。文科省の落ち度であり、国には責任を取ってもらう必要があると考えている」と述べ、文科省の構想審査会での選定手法を問題視した。宮城県は構想審査会で「準備不足」を指摘されたが、大規模事業評価を行ったり、8月23日には「宮城大医学部教育課程・教員等採用検討委員会」を発足させるなど、構想選定の直前まで準備を進めていたが、これらが選定の際に考慮されなかったことなどが理由だ(『「宮城大学医学部」、総事業費は979億』を参照)。

 さらに、村井知事は、今回の医学部新設は「国策」であるとし、国が全面に立ち、新設の準備や財政面の支援をしていく必要性を繰り返し強調。構想審査会は今後、関係者の協議の場として「運営協議会」の発足を求めており、同協議会も国が責任を持って主導すべきだとした。「選定手法については、私どもとしては納得できる部分はない。しかし、東北薬科大学には何の責任もないので、薬科大学の医学部が機能をするように、我々としても検討し、支援できる部分は支援していく」(村井知事)。

 「運営協議会」には、東北の各大学医学部・医科大学の参加も想定される。東北大学医学部長の大内憲明氏は、「かねてから全国医学部長病院長会議とともに、医学部新設には慎重な対応を要望している」と前置きしつつ、「東北6県全体の医師偏在解消につなげる枠組みを確立するため、教育面や卒後の医師確保における役割分担・連携体制の構築などを検討していくことになると考えている」とコメント。さらに構想審査会が東北薬科大学の選定に当たって付した「7つの条件」の随所において「東北大学」に言及していることから、「新設される医学部には、100年以上にわたり東北地方の地域医療を担ってきた東北大学との連携が不可欠と主張してきた。私どもの努力は無駄ではなかった」と評価した(『東北大・福島県立医大、岩手医大とスタンスに差』を参照)。

 岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏も、ほぼ同様のスタンスで、「全国医学部長病院長会議として、医学部新設に反対しているスタンスには変わりはない」と強調。「運営協議会には、私としては参加する方向で考えているが、最終的には全国医学部長病院長会議で対応方針を決定する」とした。

 大内氏、小川氏ともに、注目したのは、構想審査会が「国においては、これらの条件(7つの条件)について適切に対応できていると認められるまでは、設置認可が行われないようにすることを求める」と強調している点。小川氏は、「これは非常に厳しい言い方。まだ医学部新設が決定したわけではなく、構想審査会が候補を決めた段階にすぎない」と述べ、国が昨年12月に示した医学部新設の4つの留意点と、7つの条件を満たしているかを十分に検証することが必要だとした。

 そもそも今回の医学部新設は、村井知事らが、安倍首相に働きかけてきたことが直接のきっかけ(『医学部新設、安倍総理の理解で実現 - 村井嘉浩宮城県知事に聞く』を参照)。最終的には宮城県が自ら新設に乗り出すことになったものの、選定されず、東北の大学も医学部新設には慎重姿勢を崩していない。東北薬科大学の医学部新設は、「第一関門突破」の段階で、今後超えるべきハードルは多々ある。

 「文科省で止まった2つのメール」

 村井知事が、吉田高等教育局長と面談したのは、8月29日。「正直言って、大変驚く部分があった」のは、主に二つの理由からだ。

 一つは、構想審査会の審査は、5月30日の応募時の書類をベースに進められた点。「その後、7月中旬までに2回質問書が来て、それに対する回答書を出した。その後、我々はカリキュラムや教員採用のための検討委員会を設置し、大規模事業評価など、さまざまな準備を進めた。これらの資料も全て文科省に提出した。しかし、あくまでも最初の申請書とその後の2回の回答書をベースに審査され、それ以外は一切評価されなかった。つまり我々が5月30日以降、やっていたことは審査の対象外だったことをはっきり言われた」(村井知事)。

 もう一つは、宮城県は東北薬科大学が選定された場合でも、支援する方針だったため、薬科大学に決まった場合のハードルについて、7月21日と22日の2日間にわたり、文科省にメールを送ったものの、構想審査会に諮られることはなかった点だ。「東北薬科大学に確認をして、回答を得て、それを構想審査会に諮るように依頼した。また制度上問題があると思われる点については、他の省庁に確認を取るようお願いした。しかし、残念ながらそれはどこかで止まっていたようで、薬科大学に確認されることもなかった」と村井知事は語気を強めた。

 「東北薬科大学のハードルは財政面」と村井知事

 「できれば宮城県にもう一つ医学部を作ってほしいと、安倍総理にかけあって、実現をした。東北薬科大学に決まったことは心からお祝いを申し上げる」と語る村井知事は、今後は医学部支援をする側に回る。

 その際、「文科省で止まった2つのメール」のしこりは残る。メールの具体的内容は明かさなかったものの、県としては東北薬科大学を支援する際のスキームは伝えているとの認識で、「スキームを国に投げた後に選定されたので、それがベースになると思う。それで医学部ができるかどうかを検討してほしい。不足するのであれば、医学部新設は国策なので、国が何らかの財源措置をしてもいい」と村井知事は、国の支援の重要性を強調した。

 東北薬科大学にとっての一番のハードルは「財政面」と村井知事は見る。今後、支援の在り方については、宮城県は東北薬科大学と直接話し合いするのではなく、国に間に入ってもらい、検討を進めるという。「あくまでもプレーヤーである東北薬科大学が、主導的に学生の数や卒業後の義務年限を考えていかなければ、我々としては具体的な支援の方法を見いだせない。大変だと思うが、ぜひ薬科大学にはがんばっていただきたい」(村井知事)。

 なお、文科省の構想審査会での選定結果は、27日夜からメディア報道が始まった。この点についても村井知事は問題視し、27日に下村博文文科相に抗議のメールを送ったという。村井知事は「構想審査会の前日に、結果が決まっているのは誰が考えてもおかしい。それに対して抗議をし、大臣から28日の昼頃に、『情報が事前にもれたことは大変申し訳ない』とお詫びの電話をもらった」と説明した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140902_11017.html
「勝てる」巻き返し誓う/(上)誤算/幻の県立医学部 ** 
2014年09月02日火曜日 河北新報

<6月中旬に面会>
 大阪大医学部出身の名だたる顔触れが庁議室にそろう。8月23日、知事村井嘉浩は「宮城大医学部教育課程・教員等採用検討委員会」(10人)の初会合を県庁で開いた。
 マスコミに公開した冒頭のあいさつで、村井は東北大医学部関係ら地元の委員に対し、大阪大の4人を紹介。特に門田守人に関しては「医学部長就任を前提に話を進めている」と明らかにした。
 村井は6月中旬、知人の紹介で、がん研有明病院長の門田と東京都内で面会している。「全国81番目ではなく、1番目の医学部をつくりたい」との打診に、門田は共鳴し、医学部長を内諾した。
 門田を初披露した検討委は、文部科学省設置の構想審査会の第5回会合を5日後に控えていた。医学部長人事は村井にとって「県立医学部」実現に向けた文科省への最後のアピールだった。

<情勢にがくぜん>
 構想は最終的に受け入れられず、審査会は県でも郡山市の研究所でもなく、東北薬科大(仙台市青葉区)の構想を選定するが、村井は終始、劣勢挽回に必死だった。
 審査会は6月16日に会合を開始し、当初は7月30日の第4回で新設先を絞り込む方向だった。
 村井は水面下で情勢を確認し、がくぜんとする。県の構想は準備不足とみなされていた。「(先行した)薬科大に決まるかもしれない。そう考えると怖い」と周囲に漏らした。
 対抗策として村井は門田らとの事前協議を踏まえ、弱点とみた教員確保策やカリキュラム編成の準備作業を急いだ。7月4日の審査会第2回会合では、ヒアリングに応じ「付属病院は教育と診療に必要最小限の設備とし、かつてない『地域完結型』の医学部を目指す」と構想の一部見直しに言及した。

<延期でアクセル>
 審査会が同30日の選定の先送りを表明すると、アクセルを強く踏み込んだ。県幹部は「構想の熟度を高められる」と歓迎。村井は「勝てる」と巻き返しを誓った。県はその後1カ月間、宮城大医学部構想が選定されるのを前提に、検討委や大規模事業評価などを実施し、文科省に報告した。
 だが、文科省からの応答は一切なく、審査会からの質問も途絶えた。
 そして迎えた8月28日、審査会は第5回会合で東北薬科大の構想を選定。「東北への医学部新設に関する国の基本方針は、特別な大学をつくることを目的とはしていない」と断じた。
 審査会は構想段階での実現可能性を評価の軸に据えていた。出遅れた宮城大医学部構想を「具体性に欠ける」と退けた。
 村井は「従来と同じような医学部をつくるだけなら入学定員増でまかなえる。審査会は固定観念にこだわった」と嘆く。(敬称略)


 東北への大学医学部新設で、県が掲げた宮城大医学部構想は選外となった。県は新設を目指す県内の私大を側面支援する立場から一転、土壇場で県立医学部の設置に名乗りを上げた。村井嘉浩知事の決断前夜から、選外が正式に決まるまでの舞台裏を追った。(県政取材班)


  1. 2014/09/02(火) 08:26:04|
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Google Newsでみる医師不足 2014年8月31日

Google Newsでみる医師不足 2014年8月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース  7,620
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 13,200

First 5 in Google in English 


Comment: Women not to blame for doctor shortage

Times Colonist-2014/08/30 (カナダ・ブリティッシュコロンビア)
The number of female family doctors in Canada has been increasing steadily since the late 1950s, and women have outnumbered men in Canadian medical schools since 1999. Importantly, the proportion of female medical students choosing to specialize in family medicine has also been increasing over that same period.


Dire Predictions About Doctor Shortage Post-Obamacare Haven't Panned Out 
Huffington Post (blog)-2014/08/12 (米国)
"Doctor shortage, increased demand could crash health care system," A CNN report warned last October. A few months earlier, a Forbes headline predicted that, "Thanks to Obamacare, a 20,000 Doctor Shortage Is Set to Quintuple." "America is suffering from a doctor shortage," wrote Forbes blogger Sally Pipes, president of the Koch brothers-funded Pacific Research Institute, a think tank advocating "personal responsibility" and "free-market policy solutions." "An influx of millions of new patients into the healthcare system will only exacerbate that shortage -- driving up the demand for care without doing anything about its supply."


LETTERS: Teamwork will solve doctor shortage

Las Vegas Review-Journal-2014/08/27(米国・ネバダ州)
In response to Glenn Cook’s Aug. 10 column about the inadequacies of Nevada’s programs to train new primary care and specialty physicians, we agree with his overall conclusion, but would suggest that the reasons behind this problem were poorly described (“To get doctors, improve residencies,” Aug. 10 Review-Journal). Nevada is inadequate in the three basic factors that drive quality in graduate medical education (GME) programs: hospital support, the breadth of specialty and sub-specialty training opportunities, and funding.


Triaging New York's doctor shortage
Crain's New York Business-2014/08/16 (米国・ニューヨーク州)
Biomedical research and the physician shortage, which is a very big one. The whole country has a shortage. We [in New York] train over 11% of the [country's] physicians. Students train here, but many don't stay. High school, where your family is, is a very large predictor of where [a doctor will] eventually end up.


Survey to address Richmond's doctor shortage

Richmond News-2014/08/22(米国・バージニア州)
Dr. Jack Kliman fears for the health of his patients after he retires, given the ever-worsening shortage of family doctors in Richmond. “We estimate that in Richmond about 6,000 people do not have their own family doctor,” said Kliman, who has spent the past 30 years treating patients in the community. “And it’s likely only going to get worse.”


(他に10位以内のニュースは、ワシントン州、ケンタッキー州、アラスカ州、ペンシルバニア州、カナダ・オンタリオ州 などからも)


  1. 2014/09/01(月) 05:49:10|
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8月31日 

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140831/trd14083113060013-n1.htm
70歳以上の外来医療費 上限引き上げへ 厚労省検討
2014.8.31 13:06  産經新聞

 厚生労働省が、医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度について、70歳以上の外来医療費の上限を引き上げる方向で検討に入ったことが30日、分かった。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で近く議論を始める。

 現在、70歳以上の外来医療費の毎月の負担上限額は、年収370万円以上の場合は4万4400円、370万円未満は1万2千円、住民税非課税の低所得者は8千円となっている。70歳未満(上限額3万5400~15万円)に比べると大幅に優遇されており、増え続ける医療費を抑制するためには、高齢者にも支払い能力に応じた負担を求めるべきだと判断した。

 上げ幅は、入院を含めた上限額に近づける案が有力だ。同額まで引き上げた場合、年収370万円以上の人は8万100円、370万円未満の人は4万4400円まで上限額が上がることになる。低所得者に関しては、現行の8千円が据え置かれる公算が大きい。

 ただ、引き上げに対する高齢者の反発は必至で、統一地方選を来春に控えた与党内にも、「世論の地ならしが必要」(自民党幹部)との慎重論がある。

 高額療養費制度 年齢や所得に応じて医療費負担の上限を定めた制度。医療機関や薬局で支払った額が毎月の上限額を超えると、差額が支給される。?歳未満に関しては、年収770万円以上の人の上限を引き上げるなどの制度改正が平成?年に行われる。



http://news.livedoor.com/article/detail/9201798/
患者にカルテを見せることで医師との両者にもたらされたメリットとは?
GIGAZINE(ギガジン)  2014年08月31日08時00分
By Sean Lamb

病院や診療所で診察を受けるとき、医師は患者から症状を聞きながらカルテにメモをとるのが通例です。通常、医師と患者がカルテを一緒に見るということはなかなかありませんが、1人のアメリカ人医師が患者とカルテを共有したところ、予期していなかった利点が生まれました。

When Patients Read What Their Doctors Write : Shots - Health News : NPR

http://www.npr.org/blogs/health/2014/08/14/340351393/when-patients-read-what-their-doctors-write

ジョージ・ワシントン大学緊急医療センターのLeana Wen医師は、ある日患者に問診を行いながらいつもと同じようにキーボードを打ちながらメモとっていました。すると患者が「何を書いているか、見せてもらってもいいですか?」と聞いてきたのです。Wen医師にとって「何を書いてあるか見せて欲しい」と聞かれたことは初めてのことだったので一瞬戸惑ったものの、「カルテを見せてはいけない理由はないはず」と思い、患者にPCのディスプレイを見せながら、書かれていることを説明しました。

Wen医師が説明していると、患者は「痛みを感じ始めたのは先週ではなく、3週間前からです」とカルテに書かれている間違いを指摘。また、カルテには過去の診療記録として「アルコール乱用」と記載されていたのですが、それを見た患者はストレスにより数カ月前に過剰飲酒を再開していたことをWen医師に明かしました。

カルテを見せながら問診を行うことで、患者の病状がアルコールの過剰摂取による膵臓(すいぞう)炎ではないかという疑いが強まり、早期に検査を行った結果、その後の治療の役に立ったとのこと。Wen医師は学生時代、カルテが複数の医療機関で共有してコミュニケーションをスムーズにするための道具である、と教えられていたため、患者と共有することでメリットがあるなど考えたこともありませんでした。

1966年にHealth Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA:医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)が制定される前、アメリカでは患者がカルテを閲覧できるのは患者が医療機関に対して訴訟を起こした場合のみだったそうです。HIPAAは患者にカルテを閲覧する権利を与える条項が含まれている法律で、制定により患者は以前より簡単にカルテを閲覧できるようになりましたが、それでもなお、カルテを閲覧するには手間のかかる手続きを経る必要がありました。

ところが、2010年に内科医のTom Delbanco医師と看護師であり研究員でもあるJan Walker氏の2人が「OpenNotes」という、医師が患者とカルテを共有する実験をスタート。その時に立てられた仮説はカルテを患者と共有することで、患者と連動した治療を行うことができるというもの。

両者が始めた実験に対して、「患者がカルテを間違えて理解してしまう」「患者が訴訟を起こしやすくなる」といったことを恐れた他の医師から大きな反対を受けましたが、実験後には参加した患者の約80%が病状について深く理解でき、健康管理に関する意識が高まったと回答し、約66%が指示通りに処方箋を服用したという結果が得られました。そして、99%の患者が今後も医師とカルテを共有したいと希望したのです。実験に参加した医師の中には「カルテを患者に読んでもらうことで、以前より強固な信頼関係を築けた」という意見も聞かれました。

OpenNotesは実験にとどまらず、アメリカ中の病院や診療所に広まり、2014年には財団法人から資金援助を受けるほど大きな運動を起こすことになります。ただし、OpenNotesに反対の姿勢を見せ続ける医師たちがいるのも事実です。精神科医や心療内科医といった医師は、患者にカルテの全てを見せるべきか、ためらっているとのこと。また、患者がカルテを複製したり、カルテの情報をSNSで公開したりする可能性を危惧する声も聞かれます。

では、日本で患者がカルテを閲覧できるかというと、カルテは個人情報として、個人情報の保護に関する法律の第一節「個人情報取扱事業者の義務」の第25条で、下記のように定められています。

第二十五条 個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの開示(当該本人が識別される保有個人データが存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。)を求められたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。ただし、開示することにより次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。

一 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合

二 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合

三 他の法令に違反することとなる場合

また、平成17年4月に施行された個人情報保護法の定めにより、医療機関は個人情報取扱事業者に位置づけられています。

医の倫理の基礎知識|医師のみなさまへ|医師のみなさまへ|公益社団法人日本医師会

http://www.med.or.jp/doctor/member/kiso/d1.html

つまり、個人情報取扱事業者として認められている医師は、上記の3つの項目に当てはまらない限りにおいて、患者から求められた場合にはカルテを開示しなければならない義務があります。実際に日本でも多くの病院が患者にカルテを開示しており、患者が診療中にカルテを見せて欲しいとお願いしても何の問題もない、というわけです。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03090_02
【寄稿】
医学教育認証評価の現状と展望
――東大医学部での状況を含めて

大西 弘高(東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター)
週刊医学界新聞 第3090号 2014年09月01日

未整備だった日本の医学教育認証評価

 近年,医学教育認証評価の動きが話題になることが非常に増えてきた。本稿では,その歴史,背景,現状などについて簡単にまとめてみたい。

 私が認証評価(accreditation)という用語を初めて耳にしたのは,2001年,医学教育を学びに米国に留学していたときのことだった。指導教員に,「行動科学カリキュラムってどういうものですか」と尋ねたとき,「今はLCME(Liaison Committee for Medical Education)の認証評価の準備で忙しい時期だけど,誰と誰に尋ねれば……」と認証評価担当者を教えてくれた。マレーシアにいたときも認証評価の話題が時折出ており,医学教育の質保証について度々議論されていた。当時,認証評価が医学教育の質保証に不可欠なシステムであることは理解できたが,それがどの程度大変なことなのかは実感が沸かなかった。

 2008年,西太平洋地区医学教育会議(AMEWPR)に出席したとき,主要な議題は域内医師移動自由化に向けた認証評価であった。2003年に出た世界医学教育連盟(World Federation for Medical Education;WFME)のグローバルスタンダードは知っていたが,2001年にWHO西太平洋地域卒前医学教育質保証ガイドラインが出ていたことはその場で初めて知った。

 日本では,2004年に機関別,すなわち大学単位での認証評価が学校教育法で定められた。ただ,医学教育については,当時すでに韓国,マレーシア,タイなど多くの周辺国がシステムを構築していたにもかかわらず,日本では未整備なままであった。

“黒船”=ECFMGアナウンスメント

 2010年9月,ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)がアナウンスメントを出したというニュースが伝わってきた。ECFMGは米国での臨床研修を希望する海外医学部卒業者に許可を出す組織だが,アナウンスメントの内容は「2023年以降は,LCMEやWFMEと同等の基準を用いた認証評価を受けた医学部の卒業生のみが申請できる」というものであった。

 一時は「米国への臨床研修の意義はかなり低下した」とか,「日本から米国への臨床研修者はかなり減っている(ので認証評価のことは無視してもよいのではないか)」というような反応もあった。しかし,徐々にさまざまな情報や背景が理解されていき,「全国医学部長病院長会議や日本医学教育学会を中心に医学教育分野での認証評価システムを構築すべきだろう」という議論が進んだ。

個別の認証評価が不十分な日本

 医学部の評価は,1910年に米国で出されたフレクスナー報告に原形があると言われる。20世紀に入って質の悪い医学校が増えたため,フレクスナー報告に基づく教育改革が断行され,多くの医学校が廃止に追い込まれた。米国では,1942年に医学教育に関する認証評価システムが構築され,現在もLCMEによる認証評価が医学教育の質管理,質保証に大きな役割を果たしている。

 わが国では,認証評価と関係なしに入学定員が減ったことがある。第二次世界大戦終了直前に医学専門学校が急増し,入学者定員が1万人を超えたが,終戦後,GHQによる改革で医学校は85校から45校に,入学定員は2800人に減らされたのである。その後,医学教育の管理は,1948年の医学教育基準,1956年の大学設置基準などにもとづき,当時の文部省が厳しく行ってきた。その後,学生運動の時代などをくぐり抜け,高等教育機関もオートノミーを重視する流れが生まれた。また,1991年の大学設置基準大綱化により,各大学が学部教育を自由に編成できるようになったと同時に,自己点検・評価を行い,改善を怠らないことが努力義務規定となった。

 前述のように,2004年には学校教育法に基づくわが国の認証評価制度が開始され,全ての高等教育機関は,定期的に認証を受けた評価機関による評価を受けることとなった。各大学は,基準に沿った自己点検・評価を行い,外部評価委員の質疑や現地査察を受け入れる。カリキュラムだけでなく,教員,評価システム,経営などの観点に関しても評価を受け,評価が低い場合には,次回の認証評価までの期間を短くしたり,学生受け入れ停止を命じたりする。

 このような大学全体を対象とした「機関別認証評価」はすでに制度として根づきつつある。一方,「分野別認証評価」は専門職大学院に限って法制化されているため,医療系の中で助産領域や公衆衛生大学院などが行っている程度である。

国内6大学連携の認証評価トライアルがスタート

 2010年のECFMGアナウンスメントにより,「臨床実習が72週以上必要になるのでは」という情報が駆け巡った。これは,米国のある州の規準でしかなく,このような量的規準は現状検討もされていない。ただ,この「72週問題」は認証評価に対する危機感を大いに高めた。

 そのころから,全国医学部長病院長会議,日本医学教育学会,文科省はそれぞれ高い関心を持って取り組みを始めた。結果,東医歯大の奈良信雄氏を中心に,東女医大,新潟大,慈恵医大,千葉大,東大の6大学連携による文科省GP事業が始められることになった。東女医大は2012年にAMEWPRのメンバーらによる国際外部評価を受けた。また,東医歯大,新潟大,慈恵医大,千葉大が2013-14年にGP事業における認証評価トライアルを行い,現在結果が出るのを待っているところである。

 WFMEグローバルスタンダードに準拠した医学教育分野別評価基準日本版はほぼ固まりつつあるが,今後,日本医学教育認証評価評議会(JACME)の設立,WFMEによるJACMEの承認,医学教育分野別認証評価の法制化といった課題が残るだろう。これら6大学の医学部が現在内部点検評価,外部評価の受審といった認証評価のトライアルを行っており,制度化の基盤づくりが進んでいる。

医学教育の課題に,あらためて正面から向き合う機会

 東大も6大学連携事業の一翼を担うため,2015年2月に認証評価トライアルを受審することとなった。2014年初頭に医学部長が受審を決断し,3月には準備委員会,5月には8つの領域のワーキンググループの組織が固まった。Area 1からArea 8/9の8つの領域のワーキンググループには,医学系研究科の教授全員と,これまで教育に関与してきた教員に委員になっていただいた(図)。私は,この中で幹事代表という立場におり,委員長と全てのAreaの先生方,事務局との連絡などを行っている。

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図 東大医学部・国際基準に基づく医学教育認証評価準備委員会組織図
 医学教育分野別評価基準日本版を概観すると,重要なポイントは,(1)アウトカム(教育成果)基盤型教育,(2)臨床教育の実質化,(3)学習者評価とアウトカムの連動,(4)学生の声を取り入れた医学部運営,(5)教員やプログラムの評価システム(Institutional Research: IR),(6)ガバナンスを持った医学部管理運営,といったところであろう。医学教育関係者にとっては,従来から議論されてきた内容ではあるが,あらためて東大医学部においてこれらの課題に正面から向き合うこととなっている。

 準備委員会や各ワーキンググループにおいて自己点検評価を進める中で,少しでも改革を進めたいという気運が高まっていると感じる。認証評価は,“黒船”によって一気に制度化にまで進もうとしているわけだが,個人的にはこの波を一時的なものに終わらせるのではなく,ぜひ長期的展望に立って改革を進めたい。そのためには,今回の認証評価を乗り切るだけでなく,今回の自己点検評価で今後の方針等を記載する際,数年後の第2回認証評価受審に向けてしっかり考えておくことが必要だろう。学部全体で意見の集約を図るため,今年だけで4回のFaculty Development(FD)ワークショップを行う予定である。この認証評価をよい機会ととらえ,東大医学部における医学部改革が,ぜひ全国の医学部にも注目してもらえるようにしていきたい。


大西弘高氏
1992年奈良医大卒。同年天理よろづ相談所病院,97年佐賀医大附属病院総合診療部を経て,2000-02年イリノイ大医学教育部にて医療者教育学修士課程修了。03年からは国際医学大(マレーシア)医学教育研究室で自大学のカリキュラム評価・教員評価の取りまとめ,アウトカム基盤型教育の導入に従事。05年より現職。専門は総合診療,医学教育。日本医学教育学会,日本プライマリ・ケア連合学会,日本医療教授システム学会にて理事を務める。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03090_01
医学教育から新たな可能性を発信
第46回日本医学教育学会大会開催

週刊医学界新聞 第3090号 2014年09月01日

 第46回日本医学教育学会が,7月18-19日,岡村吉隆大会長(和歌山医大)のもと,和歌山医大紀三井寺キャンパス(和歌山市)で開催された。和歌山にゆかりのある江戸時代の外科医・華岡青洲の言葉にちなみ,主題には「活物窮理――医学教育の本質を求めて」が掲げられた。本紙では学際的な視点から医学教育の広がりを検討するパネルディスカッションと,医学教育の利益相反(COI)について議論されたパネルディスカッションの模様を報告する。

文化人類学・社会学の視点から医学教育を学ぶ意義とは

 医療の対象となる人間には,それぞれ多様な営みがあり,その理解には当事者の視点に立つことが求められる。準備教育・行動科学教育委員会企画「医学生のうちに学んでおきたい社会科学の質的アプローチ」(座長=東海大・和泉俊一郎氏,神戸市看護大・樫田美雄氏)では,医学教育における質的アプローチの有効性について検討された。
 文化人類学を専門とし,18年にわたり医学教育に携わっている星野晋氏(山口大)は,超高齢社会を迎えた現在,クリティカル・パスや地域包括ケアなどの新たな方策が提起されているものの,これらは未だ課題が山積みである現状を説明。その要因として専門職間と,専門職-生活者間,二つの文化摩擦があると指摘した。医療者は疾患を見るだけでなく,患者家族など当事者が何に困っているかを見る「事例性」の視点,すなわちProblem Basedで課題および支援を組み立て,なおかつ他職種との共通理解が必要との見解を示した。そのために人類学や社会学が培ってきた質的アプローチを用いたケースレポートの作成が有効であり,そのノウハウを医学教育で学ぶことは,将来の臨床経験においても生きてくると述べた。

 医学教育におけるエスノグラフィーの可能性について解説したのは飯田淳子氏(川崎医療福祉大)。エスノグラフィーとは,参与観察やインタビューによって得た質的データに基づき,記述・考察をする文化人類学の研究手法である。専門知識を深く学ぶ前の医学部低学年時に質的アプローチを学ぶことは,患者・家族・他職種といった他者理解を深め,地域・生活全体を把握する包括的視点の習得にもつながる。また,他者と直接かかわることで得られる自己省察が,高学年での臨床と結びつけた応用や後のキャリアを考える際にも生かされるなど,多様な意義を持つと語った。

 社会学の立場から発言したのは長谷正人氏(早大)。患者にはそれぞれ個別性があり一般化できないが,普遍的なこととして症例研究を共有できるのは,量的ではない,質的なアプローチの存在があるとし,医師-患者関係の理解を深める質的アプローチとして,グレゴリー・ベイトソンのコミュニケーション論的学習理論を紹介した。この学習理論は三つの段階に分けられる。医療の現場に援用すると,疾患のみに着目して患者の治療方法を考えるのが「学習I」,医師-患者関係のコミュニケーションに配慮して治療するのが「学習II」,さらに患者の暮らす社会の常識や生活習慣といった背景を踏まえて治療自体の意味を問い直すのが「学習III」であると位置付けた。氏は,「学習III」の見地から,患者の自律的な自己治癒力を奪ってしまう近代医療を批判したイヴァン・イリイチに対し,人間は本来他律的であることに喜びを感じる存在と説明。したがって医療においても「治す/治る」ことのなかに他律的な喜びを見いだすことがコミュニケーション論に期待される質的アプローチの視点であると示唆した。

COIの議論の広がりを期して

 臨床研究における医師と製薬会社との不適切な関係に対し,社会の厳しい視線が集まっているが,COIは臨床研究だけの問題にとどまらない。COI委員会企画「教育のCOI:あなたの影響力の方向性は間違っていませんか?」(座長=東大・大西弘高氏,留萌市立病院・宮田靖志氏)では,医学教育におけるCOIが議論された。

 初めに登壇した大西氏は,日本医学教育学会の取り組みを紹介。19ある社会医学系学会の中で最も早く研究倫理COI委員会を設置して指針策定を行い,年次大会では発表者がCOI状態を自己申告するなどの体制を整えていると説明した。その上で,「医学教育学会の活動において研究のCOIは重要だが,今後教育の場面でも問題となり得るのではないか」と提起した。例として年次大会のランチョンセミナーや製薬会社MRによる食事つき勉強会,シミュレータ企業による便宜供与などを示し,(1) 教育者が学習者を教育する際に問題となるもの,(2) 医学教育に関与する企業が学習者に直接影響を及ぼすもの,(3) 医学教育に関与する企業が教育者に影響を及ぼすとともに,教育的に問題となるものの3点に要約。医学領域の教育活動に関連したCOI問題の対策は不十分との認識を示し,議論の活性化を促した。

 日常臨床で遭遇するCOIを,自院での検討事例から報告したのは高屋敷明由美氏(筑波大病院)。氏が所属する総合診療科では,製薬会社MRによる薬剤説明会が弁当・資料の無料提供で実施されていたが,スタッフミーティングでCOIの問題が提起され,是非を検討することになったという。「薬の情報を得られる」「批判的吟味の実践ができる」などのメリットがある一方,「偏った薬剤情報を聞く」「処方行動に影響を受ける」といったデメリットから,MRによる説明は朝の5分間に限定,薬の資料以外,飲食物の提供は一切なしとした。賛否はあったものの,「製薬会社からギフトを受け取る姿を学生・研修医に見られたくない」という共通認識が確認された。プロフェッショナリズムの観点からも「学生・研修医に対する影響を認識し,行動を顧みて教育に当たる必要がある」と訴えた。

 COI教育の現状と課題から,新たな論点を提起したのは宮田氏。COIについて,「中立的な立場で第三者のために業務を遂行すべき立場の者が,自分や関係他者の利益を優先するためにその中立性を損なうこと」と概説した上で,医師と製薬企業の関係は,臨床研究だけでなく,一般臨床医から医学生に至るまで同様に問題になり得ると述べた。特に,医学生と製薬企業との関係はあまり議論されてこなかったことに注目。実際,臨床実習開始前に比べ,医学生が製薬企業からギフトを供与される機会が格段に増えることがわかっており,製薬企業と関係する機会が増えると,「ギフトを受け取ることは問題ない」と認識するようになるという[PMID:20730093]。さらに,「製薬企業からの働き掛けに自分は影響されない」と思う割合は61%に上り,「自分だけは大丈夫」と心理的防衛機構が働いて製薬企業とのかかわりを合理化してしまうという調査結果も示した[PMID:17356984,11347622]。ただ,COIの評価を前に,個々人の決断・動機・妥当性には複雑な要素が絡み合い,これらの調査には莫大な労力が必要なことから,検証実施は現実的ではない。氏は,COIを教育するには,まず具体的なポリシーを策定することが望まれると主張。オープンな場で対話を重ね,皆でポリシーを作り上げていくことが必要だと参加者に呼び掛けた。

[PMID:20730093]Saito S1, Mukohara K, Bito S. Japanese practicing physicians' relationships with pharmaceutical representatives: a national survey. PLoS One. 2010 Aug 13;5(8):e12193. doi: 10.1371/journal.pone.0012193.
[PMID:17356984]Chimonas S1, Brennan TA, Rothman DJ. Physicians and drug representatives: exploring the dynamics of the relationship. J Gen Intern Med. 2007 Feb;22(2):184-90.
[PMID:11347622]Steinman MA1, Shlipak MG, McPhee SJ. Of principles and pens: attitudes and practices of medicine housestaff toward pharmaceutical industry promotions. Am J Med. 2001 May;110(7):551-7.



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49456/Default.aspx
協和キリン 臨床研究不祥事受け営業活動・組織のあり方検討 寄附金決済はCSR推進部
公開日時 2014/09/01 03:50 ミクスオンライン

協和発酵キリンは8月29日、腎性貧血治療薬ネスプの医師主導臨床研究に同社MRらが不適切らに関与した問題を受け、渉外倫理室を統合する形で新しいCSR推進部を10月1日付で発足させ、コンプライアンス体制を強化すると発表した。この中で、問題発覚後に設置された「営業活動改革チーム」の責任者として、同部を管掌する代表取締役・副社長執行役員の河合弘行氏を充て、一連の問題を受けての今後の営業活動、組織のあり方を検討していくことになった。

検討の背景について当社は、同問題の社外調査委員会報告書で「社会規範の変化に対する感度不足」を指摘されたことを挙げ、今の社会規範に対応した営業活動・組織を継続的に検討、今後具体化し、随時実行に移していく。チームは、営業組織から中立的な総務部や渉外部、CSR推進部からなり、河合氏は同チームの責任者として営業本部を管掌する。

新しいCSR推進部は、コンプライアンスの徹底・強化に取り組むとともに、大学等への寄付金の審査、決済を行うほか、臨床研究のに関するポリシーなどを近く制定、公開する。CSR本部長には執行役員で研究開発本部研究開発企画部長の中西聡が異動する。



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41598
明日の医療
製薬会社が医師に払う謝礼金額、お教えします
「過度な接待」はいまも行われているのか?

2014.09.01(月) 多田 智裕 JB Press

8月18日から、製薬企業が医師らに支払った講師謝金・原稿執筆料などの個人別金額の情報公開が始まりました(「『企業活動と医療機関等の透明性ガイドライン』に基づく公開情報」)。

 ファイザー製薬が公開した情報では、2012年から1年間で6000名の医師に支払われた医学研究会の講演報酬などは10億円だったとのことです。

 ただし、10億円と書くと大きな金額のようですが、医師1人当たりに換算すると年間16万円、月1万3000円ほどです。

 そもそも、この金額公表の目的は、“臨床試験の公平性の担保”です。「製薬会社は研究に必要な資金援助しか行っていないし、医師や医療機関側もそれ以外は受けていない」という証明のために公開されるものです。

 医師個人ごとの金額公開が不要とまでは言いませんが、まず、プライバシーの観点から私は若干違和感を感じます。また、研究や講演を頑張った医師が「年間500万を受け取った」とわざわざ報道されるのは、公開制度の本来の趣旨を理解した報道とはとても思えないのです。

2011年以降、高級飲食の接待は廃止されている

 製薬会社の団体である日本製薬工業協会が「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を2011年に制定してから、医師が製薬会社の医薬情報担当者(MR)から高級飲食の接待を受けることは一切なくなりました。

 一部の医師は、接待がなくなって残念に思っているかもしれません。けれども私を含めた大部分の医師は、接待ではなく、しっかりとした医薬品の臨床データを求めています。そのデータを基に、今提案できるベストの薬を患者さんに処方したいと思っているのです。

 ですので、接待がなくなってMRさんと一緒に会食する機会がなくなり、情報をやり取りするだけの間柄になってしまう寂しさはあるものの、仕事の効率としては良くなったと思っていました。

 2011年以降、製薬会社は、医学に関する研究会・講演会の開催後援のためにしか費用を支出していません。今回公表された「10億円」という金額は、この研究会・講演会の協賛金として医師に支払われた講演料や原稿料の金額なのです。

個人の収入公開は本当の収入を反映しない

 以前、日本ではいわゆる長者番付という高額納税者のリストが公開されていました。しかし、公開されたリストを基に寄付金の要請が殺到したり、また犯罪のターゲットなどにされてしまうというデメリットが多かったため、2006年以降公開は中止されています。

 そもそも納税額は、実際の収入を必ずしも反映していません。会社を設立している人は、所得を個人の収入ではなく会社の収入として付け替えられるため、ランキングそのものの意味がなくなってしまっていたのです。

 実際、私がいただいている諸々の講演料や原稿料も、すべて私の診療所の経営の足しにするため、診療所の法人宛で受け取っています。ですから、私個人の名前が今後公開されるリストに載ることはありません。

医師の1回の講演料の相場は?

 実際のところ、製薬会社後援の研究会で医師1人に支払われる講演料の相場は3万~10万円です。全国規模の研究会でメインの講演を行う場合には10万円を超えることもあるかもしれませんが、通常の20分程度の発表だと3~5万円、1時間程度のメイン講演を行う場合でも10万円がおおむねの相場です。

 一部に、年間500万円近くの講師謝金・講演料を得ている医師がいると報じられていますが、これは毎週1回以上研究会・講演会の依頼を受けない限り達成できない数字です。おそらく休む暇もなく飛び回っていることでしょう。製薬会社から過度に不当な利益を得たというわけではなく、それだけ頑張って仕事をしたと解釈すべきだと思います。

 また、薬剤の発売後実態調査や、薬剤の副作用情報収集などの場合に、製薬会社から医療機関に手数料が支払われることもしばしばあります。こちらは、発売後調査で1つの症例あたり2万円、副作用情報で1つの症例あたり1万円が相場です。とはいえ、いずれも年間で多くても数件しか発生しません。書類作成とやり取りの手間ひまを考えると、利益供与にあたるほどの仕事ではないと思われます。

 その他、臨床試験や治験の際には、ポイント制(期間や検査回数の多さなどの細かなポイントの合計)で医療機関への支払い金額が決まります。臨床試験や治験は期間が数年間にわたることもしばしばあり、1つの症例あたり30万円を超えることもあります。ただし、この金額が医師個人に直接支払われることはありません。

 さらに、10例以上の数百万円以上に及ぶ契約の場合は、定期的に製薬会社の内部監査が入ります。また、数年に1度は「PMDA」(医薬品医療機器総合機構=厚生省の外部機関)の監査も入ります。

「医師への過度な接待」はすでになくなった

 繰り返しになりますが、これから公開されていく製薬会社の医師への支払い情報は「製薬会社は適正な謝礼しか支払っていません」ということを証明するためのものです。

 今回述べたように、製薬会社から医師への飲食のみの接待は2011年以降一切行われていません。研究会や講演会の開催に伴うお弁当・飲食は、製薬会社より提供されていますが、これも華美でない金額内(3000~5000円程度)とガイドラインで定められており、その範囲内のものです。

 「医師への過度な接待をなくす」という目的は、2011年にガイドラインが設定施行された時点でほぼ達成されていると私は考えます。

 データ公開そのものは悪いことではありませんが、肝心なのは公開情報を解釈する能力です。高額な収入を得た医師がいるとすれば、それは余暇を惜しんで努力して稼いだ結果であり、それだけ意義のある講演や研究をしたということなのです。マスコミにはぜひそのことを理解してほしいと私は思うのでした。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49462/Default.aspx
ノバルティス 2500例の因果関係の否定できない重篤な有害事象で報告遅延 
公開日時 2014/09/01 03:50 ミクスオンライン

ノバルティスファーマは、MRなどが自社製品に関連する有害事象を把握しながらも約1万例で報告遅延が起きていた問題で8月29日、因果関係の否定できない重篤な有害事象が2579例あったと発表した。因果関係など評価中の6118例と併せた8697例を医薬品医療機器総合機構(PMDA)、厚労省に報告したという。同日付で、厚労大臣に改善計画書を提出した。副作用報告の遅延をめぐっては、7月31日付で、厚労省から薬事法に基づく業務改善命令を出されており、8月末までに改善計画書の提出とともに副作用報告遅延をめぐる社内調査結果の報告が求められていた。


薬事法違反があったのは、慢性骨髄性白血病治療薬・グリベック(一般名:イマチニブ)、タシグナ(ニロチニブ)をめぐり実施された、▽慢性骨髄性白血病治療薬に関するQOLアンケート調査(KIZUKIプロジェクト)、▽東京医科大医学部附属病院に事務局を置くTokyo STI study Group (TSSG) が実施した1研究―。報告義務のある副作用を把握していたにもかかわらず、定められた期限内に報告していなかったほか、複数のMRが副作用情報を同社の安全管理統括部門に伝えていなかった。業務改善命令では、▽社内の全MRから安全管理統括部門に確実に報告される体制をとり、そのための教育訓練を実施すること、▽知りえたすべての有害事象などの収集情報についてもMRが安全管理統括部門に報告すべき対象であることを明確にすること―などが求められていた。

◎有害事象報告義務達成状況 人事評価項目の指標に


改善計画書では原因として、▽有害事象に関するトレーニングを受けていたにも関わらず、MR が知り得た全ての有害事象を報告することの重要性を十分に認識していなかった、▽営業所長および営業部長を含む営業部門の管理者の監視が十分ではなかった―ことを挙げた。その上でこの傾向が「がん領域で顕著にみられた」とした。また、安全管理統括部門への有害事象を報告していないケースを検出する上で、効果的なシステム、プロセスも存在しなかったとした。

その上で、業務改善として命じられた「社内の全MRから安全管理統括部門に確実に報告される体制をとり、そのための教育訓練を実施すること」としては、▽再発防止のための体制整備、▽是正措置としての教育研修――を明記した。

体制整備では、▽GVP 上の安全管理実施責任者である治療領域別の営業部長に対し、8月22日付で厳重注意を発令し、再発防止に向けた社員への教育などの対策に万全を期すよう指示、▽MR の人事評価項目に有害事象の報告義務達成状況を指標として加え、今年下期(7 ~12 月)の評価から適用、▽営業部門における業務報告システムの改善、▽スイス本社の監査部門による体制についての監査、営業本部以外の部署による第三者による点検、▽本社・安全管理統括部門、薬事・品質保証部門がコンプライアンス部門と協調し、各営業所を来年から順次訪問し、MRと直接対話する――を挙げた。


教育研修では、医師主導臨床研究に関する社内ルールの徹底と社内風土の改善を目的に集合研修として実施された特別研修の中で再度研修するなどして周知を図ってきたとした。
社内調査実施後の4 月以降の有害事象の安全管理統括部門への報告症例数が約 40%増加したことも報告し、研修の成果が上がっているとした。

今後は、7月~来年1月までの6か月間を1クールとしたビデオ配信による有害事象の月例教育プログラムも実施する。7月、8月は安全管理統括部門へ報告すべき情報の詳細など有害事象報告の基本を学ぶ。9~12月は、講演会の資料やアンケート調査結果などの具体的な情報源を想定するなど、具体事例を交えた研修を行い、さらなる意識の浸透を図る。また、10 月にはグローバルで共通の教育プログラムを e-learning にて社員全員に受講させ、テストによる理解度チェックを行い、合格者をシステム内で管理するとした。

「知りえたすべての有害事象などの収集情報についてもMRが安全管理統括部門に報告すべき対象であることを明確にすること」については、安全性情報収集の手順を示したGVP に関する業務手順書の中に、情報ソースによらず、知りえたすべての有害事象が報告対象となることを明記した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49452/Default.aspx
武田薬品 インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾン 膀胱がんリスクの増加認められず
公開日時 2014/09/01 03:51 ミクスオンライン

武田薬品は8月29日、インスリン抵抗性改善薬アクトス錠などピオグリタゾン含有製剤に関する10年にわたる疫学研究結果で、同製剤投与による膀胱がん発生リスクの有意な増加は認められなかったと発表した。このデータは同日(米国時間28日)、日本の厚生労働省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)、FDA、EMAなど各国の規制当局に提出した。厚労省は、まずPMDAでデータを評価し、その結果を踏まえ対応を検討する。

日本における臨床現場への情報提供について同社は、解析結果が文献化されていないことから積極的に行っておらず「質問が出た場合に事実関係を答えるにとどめている」としている。

この疫学研究は、同社がペンシルベニア大学に委託して行ったもので、同大とKaiser Permanente医療保険グループ(KPNC)の研究部門により実施された。5年間の中間解析では、同製剤を2年以上使用した患者において膀胱がんの有意なリスク増加を指摘。日本では添付文書に膀胱がんの発生リスクの増加のおそれが明記されるに至った。

今回の発表されたのは、その疫学研究の10年間の最終解析で、発表によると、主要解析では、同製剤の投与と膀胱がん発生リスクとの間には関連性は認められなかった。膀胱がん発生リスクとピオグリタゾンの投与期間、累積投与量あるいはピオグリタゾン投与開始からの期間との間のいずれにおいても関連性は認められなかったという。詳細なデータはまだ開示されておらず、研究チームが2014年中に論文投稿する予定という。

このデータ提出を受け、厚労省医薬食品局安全対策課の上野清美安全推進室長は、本誌に「まずPMDAで内容が評価されることになる。その評価を受け(厚労省として)、どのような対応が必要になるか考えていくことになる」と話した。検討にどの程度かかるかは不明で、その間は添付文書に従って薬剤を使用することになる。

添付文書では「重要な基本的な注意」に、▽膀胱がんの既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断▽患者又はその家族に膀胱がん発症のリスクを十分に説明してから投与▽投与中は定期的な尿検査等を実施--することなどと記述されている。

  1. 2014/09/01(月) 05:48:19|
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8月31日 医学部新設

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140831_11014.html
医学部新設 東北薬科大、認可へ7条件
2014年08月31日日曜日 河北新報

医学部設置者に選定された東北薬科大のキャンパス。認可申請までにはクリアすべき課題は少なくない=仙台市青葉区
 東北に新設される大学医学部の設置者に決まった東北薬科大(仙台市青葉区)は、来年3月の設置認可申請に向け、近く準備に着手する。文部科学省の新医学部構想審査会は、認可の条件として7項目を示し、大学に確実な履行を迫った。申請期限まで7カ月の間に大学側は膨大な作業をこなすことになる。

<注文びっしり>
 審査会が求めたのは(1)運営協議会(仮称)の設置(2)医師の偏在解消の枠組み確立(3)総合診療医養成の体制整備(4)地域医療に支障を来さない教員医師ら確保策の具体化(5)実効性の高い東北への卒業生定着策の策定(6)120人とした入学定員の見直し(7)その他、審査会意見の可能な限りの反映-の7条件。
 実際の書面には「自治医大などの先行事例を参考に」「仙台への医師の集中とならないように」「卓越した指導力を有する教員・指導医を確保」「滞在型の教育ができる体制や環境を整備」など詳細な注文がびっしりと並んだ。
 これらは単なる努力目標ではない。審査会は「着実に実施することが選定の条件。適切に対応したと認められるまでは、国に設置認可しないよう求める」とくぎを刺した。

<引き抜き警戒>
 選定と同時に一気に引き上げられた開学のハードル。東北薬科大の堀田徹事務局長は「カリキュラムの作成など、もともと見込んでいた作業だけでも手いっぱい。選定条件のクリアという宿題も加わり、二重三重の負担感だ」と嘆息する。
 例えば、運営協議会の構成団体として審査会は、宮城県をはじめとする東北の各県、各大学、関連教育病院、地元医療関係者などを具体的に列記。その上で速やかな設置を求めた。
 東北への医学部新設をめぐって東北各県や医療関係者は、地元医師の引き抜きを警戒するなど、必ずしも歓迎しているとは言い難いのが実情。一私大の協力要請に好意的な反応がどれだけあるかは未知数だ。

<選定遅れ痛手>
 審査会の選定作業は当初の予定から約1カ月延びた。東北薬科大の関係者からは「認可申請の期限まで残された時間を考えると、選定が遅れたのも大きな痛手」と審査会への恨み節も漏れる。
 認可申請の作業は今後、医学部設置準備委員会から移行する医学部設置準備室が担う。選定条件をクリアすることに特化したワーキンググループの設置なども検討していくという。
 「選定されて喜んだのは当日のみ。後は作業が間に合うかどうかの不安だけ」と堀田事務局長。大学を挙げ、週明けから作業を加速させる考えだ。


  1. 2014/09/01(月) 05:45:06|
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