Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月30日 

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/238050/?category=research
東北の医学部新設、1校選定に至らず
遠藤座長「文科相発言、議事に影響せず」

2014年7月30日 橋本佳子(m3.com編集長)

 文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)の第4回会議が7月30日に非公開で開催され、会議後、記者会見した遠藤座長は、3校の候補から1校を選定する議論をしたものの、「決定には至らなかった」と説明した。

 その理由として、各委員の選定の視点に相違があるため、3校のうちいずれを推すかが異なる点を挙げた。下村博文文科相が、7月19日の福島県郡山市での講演、および22日の閣議後の記者会見で、最終決定が1~2カ月ずれ込む可能性を示唆したこととの関係を問われた遠藤座長は、「大臣発言があったために、議事の運営を変えたことは一切ない」と否定。遠藤氏は、前回の第3回会議では、早ければ今回の会議で決まる可能性を示唆していたが、その後に何らかの状況の変化があったわけではないとし、「委員の間で、意見の統一が見られなかった」と繰り返した(『7月末にも新設医学部構想選定、文科省構想審査会』を参照)。

 次回会議の予定について、文部科学省高等教育局医学教育課長の袖山禎之氏は、「まだ調整中だが、メドとしては8月下旬に調整できればと考えている」と説明。遠藤座長は、「見通しははっきりしないが、私としては議論を尽くして、委員が納得する形で、できるだけ早く決めたいと思っている」と述べるにとどまり、次回会議で決定できる見通しか否かについては明言を避けた。


 1校選定も「条件付き」の可能性

 第4回会議には、12人の委員中、10人が出席。当初2時間の予定だったが、2時間30分に及んだ。前回までのヒアリングの結果を受け、文科省が論点整理を行い、それを基に議論した。

 遠藤座長は、「各構想について相当突っ込んだ議論を行い、論点は明確になった。どの構想も、よい面と不十分な面があった」としたものの、「不十分な面」の具体的な内容については、個別の構想に関係するため、明らかにはできないとした。「まだ議論の途中なので、最終的には分からないが、1校を選定する際、不十分な点については、何らかの条件が付くという印象」(遠藤座長)。ただ、「1校も選定しない」事態にはならない見通しだ(『東北の医学部新設、「現時点でダメな候補なし」』を参照)。

 第4回会議の議論では、(1)東北地方が抱えている課題の解決に向けて、各構想が適切かどうかという視点、(2)構想実現のための実行可能性――という点から、主に議論が行われた。委員の意見がまとまらなかったのは、例えば、実行可能性として財政上の問題を重視する意見もあれば、東北地方の医療に資するかどうかを重視するなど、委員によって選定する際に重視するポイントが異なるからだという。「これまでは会議の前半にヒアリングを行い、後半に議論をしていた。会議の最初から3つの構想について議論したのは、今回が初めてであり、思いのほか、いろいろな議論があった」(遠藤座長)。

 「今日の議論で、各委員がどんな意見を持っているのかが分かったので、それを踏まえて次回会議で議論を深めていく」と遠藤座長は語る。話し合いで1校に絞ることを目指すが、それが難しい場合には、例えば複数の評価指標を作り、各構想について点数を付け、合計点数で選定するといった選考方法も考え得るという。

 なお、袖山課長は、下村文科相の発言について、「2016年4月の開学であれば、(当初予定していた)27年4月の開学に比べて、若干スケジュールに余裕があるので、拙速に決めるのではなく、議論を尽くしてほしいという趣旨で発言したと理解している」との見解を示した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43402.html
東北医学部新設、結論出ず- 次回審査会は早くて来月下旬
( 2014年07月30日 21:31 )キャリアブレイン

 文部科学省の構想審査会(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)は30日、4回目の会合を開いた。東北地方の医学部新設に応募のあった3陣営から1つに絞るための議論を行ったが、結論は出なかった。前回会合後、遠藤座長はこの日にも選定する意向を示していた。同省の担当者によると、次回会合は早くて来月下旬という。【丸山紀一朗】

※「解説・東北医学部新設、選ばれるのはどこか」はこちらをクリック。

 新設を申請しているのは、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)、東北薬科大(仙台市青葉区)、宮城県。選定時期をめぐっては、15日の前回会合後に遠藤座長が、「あまり時間をいつまで取っても(どうか)と思う」などと述べ、30日の選定に意欲を示したが、下村博文文科相が22日、3陣営の準備の進み具合を見極めるとして、「1、2か月は最終決定が延びるかもしれない」と発言していた。

 30日の会合後、遠藤座長は記者団の取材に応じ、「きょうは結論には至らなかったが、各構想について相当突っ込んだ議論がなされた」と述べた上で、どの構想にもいい面と不十分な面があり、「不十分な点への対応をどのように担保するか。言ってみれば、選定に当たっての条件を付す必要もある」とした。

 また、結論が出なかった理由について、「思いのほか、いろいろな意見が出て、委員間で意見の統一がなされなかった。大臣の発言は無関係だ」と強調した。議論の進み具合を聞かれ、「9合目まで来たかと思ったら、7合目だったということもあり得るので難しい」とも発言。選定時期については、できるだけ速やかに決めたい考えを繰り返し示した。



http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014073000810
東北医学部、決定は来月以降=意見分かれ決まらず-文科省
(2014/07/30-18:46)時事通信

 東北地方に新設する大学医学部について審査する文部科学省の有識者会議は30日、構想の実現可能性などを巡り意見が分かれたとして、決定が来月以降になると発表した。当初は今月末にも応募した3校から1校を選ぶ予定だった。
 座長の遠藤久夫学習院大教授は「できるだけ早く決めたいが、委員の評価が異なり、十分議論することにした」と説明。「それぞれ不十分な点もあり、決定に際し条件を付ける可能性もある」と話した。次回は8月下旬以降になるという。
 医学部新設を申請しているのは福島県郡山市の脳神経疾患研究所、東北薬科大(仙台市)、宮城県の3団体。いずれも2016年春開学を目指している。



http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2014/07/30/001916690
医師不足解消へ「研修会」 へき地医療肌で感じて
7月30日 大分合同新聞朝刊

 医学生がへき地の医療現場で体験学習をする「地域医療研修会」が実施され、学生たちが29日、県内の山村や漁村の医療機関で実習。地域医療の現状を学んだ。県によると、今夏の参加者は過去最高の70人。関係者は「医師不足の解消、地域医療の充実につながってほしい」と期待を込めた。

 研修会は学生たちにへき地医療への関心を高めてもらおうと、県が毎年企画。近年は自治医科大の県出身者と大分大学医学部に地域枠で入学した学生が参加している。地域枠は奨学金を貸与する代わりに卒業後の7~9年間、地域医療に携わってもらおうと、県と大分大が2007年度から設けた制度。09、10両年度に枠が拡大され、研修への参加も昨年より10人増えた。
 70人のうち、1班の25人は28日から、2班の45人は8月18日から、それぞれ2泊3日の日程で県内のへき地診療所やへき地医療拠点病院で診療を見学したり、往診に立ち会ったりする。
 佐伯市米水津の市米水津診療所(伊藤祐司所長)では、大分大学医学部3年の浜野朋恵さんと角沖史野さんが研修していた。伊藤所長や非常勤の伊藤威之医師は外来患者と笑顔で会話を交わし、学生2人に「地域の文化や食習慣、風習などを理解し、患者一人一人とじっくり向き合うことが大切」と伝えた。
 浜野さんは「医師が地域に根付いていることを肌で感じた」。角沖さんは「患者との接し方や検査の仕方などが大学病院とは違い、新鮮に感じた」と話した。
 県医療政策課によると、県内の医師数は人口10万人当たり256・5人と全国平均(226・5人)を上回っている。しかし、医療圏別で見ると医師は東部(別府、杵築、国東各市と姫島村、日出町)と中部(大分、臼杵、津久見、由布各市)に約8割が集中しているため、それ以外の南部、豊肥、西部、北部では全国平均を下回っている。
 高窪修課長は「地方に住んでいても一定の医療サービスが受けられるよう、医師の確保、養成に努めたい」と話した。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237998/?category=report
安達中医協委員、退任であいさつ
「偏りや恣意性がないエビデンスで議論を」

2014年7月30日 橋本佳子(m3.com編集長)

 7月30日の中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)で、この日で委員を退任する安達秀樹氏(京都府医師会副会長)が最後にあいさつし、「偏りや恣意性、過不足がないエビデンス」を基に、議論を行う重要性を訴えた。安達氏に代わり中医協委員に就任するのは、日医常任理事の松本純一氏(『中医協委員、日医推薦は安達氏から松本氏に交代』を参照)。


 安達氏は、民主党政権誕生直後の2009年10月に、嘉山孝正氏(現山形大学学長特別補佐)とともに、中医協委員に就任。中医協委員の任期は最大で3期6年だが、任期途中で交代する。安達氏は、「あの政権交代の混乱の中で、就任した時のことが、相当昔のように感じる。決して短い4年9月ではなかった」と振り返り、中医協委員として「エビデンスベースで、公明正大な議論を行うこと」を常に心がけてきたと説明。「私と同じ時期に就任し、昨年秋に退任された嘉山孝正委員は、業界での立ち位置は相当違うものの、全く同じ考えを持っていることを、お互いに確認しながら、主張してきた」(安達氏)。

 「エビデンスベース」での議論は、大変難しく、面倒であることも事実。「検討事案について出されるエビデンスが、偏りや恣意性がない、そして過不足のないデータでなければ、本当の意味でのエビデンスベースの議論にならない。偏りや恣意性のあるエビデンスで議論をすると、エビデンスベースに名を借りた、政策誘導につながる」。安達氏はこう釘を刺すと同時に、エビデンスを基にした議論が中医協で定着しつつあるとの認識を示した。

 安達氏は、1号、2号、公益側の委員、専門委員、参考人のほか、事務局を務めた厚生労働省職員に感謝の言葉を述べるとともに、エビデンスベースの議論を継続していくよう求め、あいさつを終えた。

 安達氏に対しては、森田会長と厚労省保険局長の唐澤剛氏がそれぞれ労いの言葉を述べた。当初は公益側委員、後に会長として安達氏と中医協に臨んできた森田会長は、「特に基本的な問題について、鋭い指摘があり、司会の立場としては困ったこともあるが、制度の在り方を根本的に見直す意味では大変勉強になった」と安達氏の功績をたたえた。



http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20140730011110001.html
水曜「生きる」【けんこう処方箋】
「家庭医=専門医」の時代に 草場鉄周

朝日新聞 2014年07月30日

●北海道家庭医療学センター理事長・草場鉄周 

 今回は、家庭医療の担い手である家庭医について語る。

 日本の医療には専門医制度があり、脳外科や皮膚科など、各専門領域の学会がそれぞれの専門医の養成を担ってきた。

 家庭医については、日本プライマリ・ケア連合学会が専門医としての家庭医である「家庭医療専門医」を養成してきたが、その数はまだ400人弱で、広く日本のプライマリ・ケアを担っているとは言いがたい。

 これまでは開業医、または中小病院の医師が日本各地でその役割を担ってきたし、現に今もそうである。

 と言うのも、日本ではほとんどの医師が家庭医以外の専門領域を何年か専攻した後に開業し、プライマリ・ケアを提供するのが一般的だった。家庭医療が一つの分野として認識されてこなかったのだ。

 だから、家庭医を専門医として捉える風土は日本にはほとんどなく、「医師なら誰でもそれなりの年数働けばできる医療、誰でも家庭医になれる」という理解が普通だった。

 しかし、社会保障制度が複雑になり、医療の専門分化が進むなかで、家庭医療が果たす役割の広範さ、それを担う質の高い家庭医の養成の必要性が先進諸国で急速に認知された。現在、ほとんどの先進国で制度としての家庭医療が定着し、家庭医も医師の20~50%程度を占め、国民に広く認知されていると言ってよい。

 ところが、日本では「全ての医師が家庭医としての能力を持ち、さらに細かな専門分野を持てばよい」と語る人も少なくない。

 確かにそうなれば、わざわざ医師を選ぶ必要がなく便利だろう。しかし、国民が求める質の高い医療を提供するために、医師には経験と生涯学習が必要だ。

 医師も一人の人間である。家族との時間や余暇を楽しみつつ、仕事に力を注ぐためには、選択と集中が必要だ。家庭医と他の専門医の連携がしっかり担保されていれば、家庭医が最初に患者の健康問題に幅広く対応するのが最も効率が良く、他の専門医の専門性を高めることにも役立つ。

 ここ十年、家庭医という専門医をめざす若手が少しずつ増えてきた。医学生のころから志す者も少なくない。7月現在でまだ387人しかいない家庭医療専門医だが、彼らは3年間の専門研修を受け、専門医の誇りを持って全国でプライマリ・ケアを実践している。

 かくいう私もその一人である。次は、私自身の学びと成長を通して家庭医という選択の実際を語る。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237327/?category=interview
世界の医療の常識を作るコクラン-森臨太郎・コクラン共同計画日本支部長に聞く◆Vol.1
臨床研究を統計学的に統合、100カ国以上に浸透

2014年7月30日 聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

 臨床研究のシステマティック・レビューで世界中に「Evidence-based Medicine」を広めてきたコクラン共同計画が2014年5月に、日本支部を設立した。1992年に英国で始まったコクラン共同計画が、欧米やアジア各国に広がる中、日本には20年以上経過してようやく支部ができたことになる。日本支部設立の狙いや、日本の臨床研究や医療の在り方の影響について、コクラン共同計画日本支部の森臨太郎支部長(国立成育医療研究センター政策科学研究部長)に聞いた(2014年6月24日にインタビュー。4回の連載)。

――コクランについて簡単に教えてください。

 コクラン共同計画は20年と少し経過しましたが、コクランのシステマティック・レビューの作成が一番の役目です。システマティック・レビューを開発したのは、コクラン共同計画と言われていて、システマティック・レビューのゴールデンスタンダードになっています。欧米でメジャーな存在になったのは、「EBM=コクランのシステマティック・レビュー」といったイメージが根付いたことがあります。

 コクランシステマティック・レビューは、簡単に言うと、診療課題に対する臨床研究を網羅的に探し出し、研究の質を評価した上で、統計学的にメタ解析することです。権威者が方針を示すのでなく、「エビデンスに基づいて医療従事者や患者が、情報共有して意思決定していく」という新しい考え方提示して、根付かせたのが功績です。システマティック・レビューを集めたものが、コクラン・ライブラリーになります。


コクラン共同計画日本支部の森臨太郎支部長は、コクランがメーカーからの直接資金を受けない中立性を強調する。
――コクランは、どれくらい広がっているのでしょうか。

 現在、100カ国以上で2万8000人以上の人が、コクラン共同計画に貢献しています。アジアでは、中国とオーストラリアにセンターがあり、香港、タイ、シンガポール、韓国、マレーシアに支部があります。さらに、台湾とインドネシアにも支部設立が計画されています。支部とセンターは、ほとんど差がなく、今後区分がなくなっていく方向です。

――対象は、医療品や医療機器の臨床研究になるのでしょうか。

 医薬品が多かったのは事実ですが、両者に加えて、ケアの方法や医療政策も対象に入ってきましたし、今では「ガイドラインは効果があるのか」といったテーマにも取り組んでいます。

――信用度の低い研究は、解析対象から外れるとの話ですが、どのようなロジックになっているのでしょうか。

 臨床試験の研究デザインなど、多様な側面から、「研究の質」を体系的に評価します。現在得られている知見から、大きく結果が違うからといって、対象から外すことはしません。資金の提供元についても、例えば製薬会社の資金が多く入って、色が強ければ、明示はしますが、あくまで客観的に「研究の質」を評価します。

――極端な結果はうまく“無視”できるのでしょうか。

 はい。一つひとつの研究結果がずれているようでも、世界全体で見ると、そこまでずれは発生しません。「とてつもなく巨大な臨床研究を1回やれば済む」という意見もありますが、結局、研究をした際の条件に左右されます。複数の研究を統計解析して、同じ方向を向いているというのが、大切なエビデンスです。

――アジア人対象、欧米人対象といった、人種なども、解析する上で問題になるのでしょうか。

 人種間で差がある薬は非常にまれで、そのようなエビデンスもごくわずかです、むしろ、国が持つ医療制度だったり、経済的な発展度合いが、臨床試験の背景も研究に影響しますので、人種を評価できるかは疑問です。

――テーマはどのように決まるのですか。

 コクランに参加する研究者がレビューのテーマを決めて、手を挙げます。本部で、テーマが、他に実施中の案件や既存のテーマと重ならないかどうかや、重要性を見極めて、許可していくシステムです。

――運営はボランティアなのでしょうか。

 医薬品医や療機器メーカーからの資金を受け取らない方針になっていて、ほとんどが公的資金です。病院がコクランと契約して受け取るライセンスフィーもありますし、英国、カナダ、オーストラリアといった国では、政府がかなり支援しています。

 レビューの著者は、学術ボランティアの側面もありますが、学術論文として認められるインセンティブもあります。WHOとは、公式提携パートナーになっているので、ボランティアの団体というより、かなり公的な存在になってきていると思います。その意味で、参加者は「公的財産を提供する」といったイメージで参加している部分があると思います。

――欧米で広まったのは、製薬会社の資金のような問題を抱えていたからでしょうか。

 製薬会社の資金や出版バイアスの問題など、不正の歴史は長いです。その中で、信頼できる情報としてみなされた部分があると思います。

――レビューの書き方などで、コクランの弱点はありますか。

 論文は、かなり定型化されていて、決まった項目を淡々と書いていくもので、比較的書きやすいです。一方で、タイトル登録から論文完成までに、長い時間(9カ月から12カ月)がかかります。また、資金が豊富ではないので、分野によってはレビューの完成まで時間がかかったり、タイトル登録しようと思っても、本部の体制が脆弱で受けてもらえないケースがあります。分野の充実は、コクランとしてのこれからの課題だと思います。

――医師には、エビデンス以外にも、経験知があります。患者が持つバックグラウンドも千差万別です。一見すると、「経験知が排除されるのでは」という疑問が浮かびます。

 確かに、若い世代を見ていると「エビデンス原理主義者」のような医師がいるのも事実です。ただコクランとしては、経験知は否定しませんし、エビデンスという意味では、当然ですがペニシリンについての臨床研究はありません。臨床研究は、分からないことに対して実施するものであって、「エビデンスがない」治療を全て排除すれば、医療は成り立ちません。

 実際にレビューを書けば、エビデンスの限界と重要性、付き合う距離感が分かると思いますので、著者の増加に期待しています。コクランの示すエビデンスと逆をいく診療が、医師個人の判断として実施されることを、否定するものではありません。

――コクランのレビューを見て、ご自身の診療の常識が覆されたことはありますか。

 基本的にありません。コクランの提供する情報は、常識的なものが多いです。



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43389
後発品銘柄、医師の6割「薬局に任せる」- 民間調査
( 2014年07月30日 10:00 )キャリアブレイン

 後発医薬品を院外処方する際、銘柄の選定について応需薬局と「話し合いをせず任せる」と回答した診療所の医師は6割に上ることが、民間の調査で分かった。「薬局へ薬剤銘柄の指示をする」は5%にとどまった。【丸山紀一朗】

 また、先発医薬品メーカーからの許諾を得て、先発品と同じ製法や添加物で造られた後発医薬品「オーソライズドジェネリック」(AG品)について、「内容まで知っている」「名称程度は知っている」と答えた薬局薬剤師は96%に上った。しかし、このうち、通常の後発医薬品とは異なるという点を、患者に「全く説明していない」「ほとんど説明していない」が合わせて6割だった。

 一方でAG品は、後発医薬品について不安や不信感を持っている医師の理解を得られやすいと感じている薬局薬剤師が、全体の8割だった。その理由として、「成分も添加物も同じであれば不安材料は減る」「副作用の問題や適応症の有無、安定供給に対して説得力がある」といった点を挙げた回答が多かった。

 調査は今月、開業医と診療所の勤務医205人と薬局薬剤師215人を対象に、経営コンサルティング会社「ネグジット総研」と医薬品市場調査会社「エス・マックス」が共同で実施した。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237997/?category=report
「患者紹介で対価」、今改定以降減ったのか?
「同一建物への訪問診療」への締め付け、影響調査

2014年7月30日 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)は7月30日、2014年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査のうち、「同一建物同一日の訪問診療等の適正化による影響調査」の調査案を、一部修正を前提に了承した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。8月に調査票を送付する予定。

 調査は、医科医療機関、訪問看護、歯科医療機関、薬局、集合住宅の計5区分で実施。医科医療機関の調査対象は、(1)在宅療養支援診療所(1500施設)、(2)在宅療養支援病院(500施設)、(3)在宅時医学総合管理料または特定施設入居時等医学総合管理料の届け出施設(500施設程度、(1)と(2)を除く)。2014年度診療報酬改定で、「同一建物同一日の訪問診療」が大幅に減額され、現場の影響が多いことから、本調査は他の特別調査に先駆けて実施することになっていた(『訪問診療の減額の影響、優先的に調査』を参照)。

 医科医療機関用の調査票は、委員から回収率の低さへの懸念も出るほど、非常に詳細な内容だ。「2014年度改定で、事業者等から、医療機関へ患者を紹介する対価として経済上の利益の提供を求める契約の申し出が減った」「事業者から、患者の紹介を受ける対価として、医療機関が経済上の利益を提供する契約を交わしたことがあるか」なども聞くため、匿名での回答を求める。

 改定の訪問診療への影響に関しては、(1)改定前後の訪問診療の変化(2014年3月と7月の比較。同一建物およびそれ以外の訪問診療件数など)、(2)8月の特定の1日で、「同一居住施設で、最も多くの患者を診察した日」等の訪問患者全員の訪問実績(各戸の訪問前の場所と後の行き先、滞在時間、訪問診療を行っている理由など)、(3)(2)のうち患者4人の実態(要介護度や病名、実施している医療の内容など)――などについて調査する。


 厚労省の調査票案に対しては、細かい点で幾つか疑義が呈せられた。日本医師会副会長の中川俊男氏が、指摘した一つが、(2)の「特定の1日」の期間。厚労省案は「8月18日から8月24日のうち」と限定していたが、医療機関がより回答しやすいよう対象期間を広げるよう要望。

 また患者4人の実態調査は、厚労省案では(2)で回答した「特定の1日」の訪問実績のうち、「同一居住施設」2人、「同一居住施設以外」2人の計4人に関する調査を想定していた。ただし、当該日に「同一居住施設以外」への訪問診療がないことも想定されるため、中川氏は、それ以外の実績も回答できるよう変更すべきとした。調査の趣旨が、「同一居住施設か否かで患者像が異なるか否か」を把握するのが目的であり、訪問診療の日が同一であるか否かは関係ないからだ。さらに、中川氏は、患者4人の実態調査について、「医療機関は重症の患者を選ぶ傾向にある」と指摘、こうした偏りが生じない対応を求めた。

 プライマリ・ケアの在り方、2015年度に結論

 そのほか、7月30日の中医協では、政府が6月24日に閣議決定した、「経済財政運営と改革の基本方針2014」「日本再興戦略」改訂2014、「規制改革実施計画」に関する中医協での検討スケジュールが提示された。

  具体的時期が提示されたものとしては、「DPCデータについて、第三者提供の本格的な運用に向け、今年度より、試験的に運用を開始」など複数の項目が「今年度内」とされたほか、「7対1入院基本料の在り方」は2016年度改定に合わせて検討する。さらに、「プライマリ・ケアを専門に担う複数の医師が連携して24時間の対応を行う取り組みを支援するなど、プライマリ・ケアの提供体制を整える措置を検討」は、2014年度に検討開始、2015年度に結論を出すとしている。



http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/m20140730ddlk22040119000c.html
ドクターヘリ:静岡・神奈川・山梨、協定締結 3県で広域連携 /静岡
毎日新聞 2014年07月30日 地方版

 静岡、神奈川、山梨の3県は29日、ドクターヘリの広域連携で基本協定を締結した。運用範囲は静岡市以東の21市町、神奈川、山梨両県全域。相互支援により県東部地域は、3県のドクターヘリ3機による救急医療体制の充実が図られる。運用開始は8月1日。

 基本協定は、大規模事故などで多数の傷病者が発生し、自県のドクターヘリのみで対応できないほか、重複要請や悪天候、機体の故障などで出動できないケースを想定している。運航経費は出動側の負担としている。

 3県のドクターヘリが待機する基地病院は、順天堂大医学部付属静岡病院(伊豆の国市)、東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)、山梨県立中央病院(甲府市)。

 県は東部、西部地域でドクターヘリ各1機を運用。昨年度の出動は東部758回、西部555回だった。3県は昨年12月にドクターヘリの広域連携で基本合意し、基本協定や運航マニュアルの調整を進めていた。【立上修】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=102660
看護師のやりがい学んだ 高校生20人が介助体験
(2014年7月30日 読売新聞)鳥取

 鳥取県東部の高校生が29日、鳥取市末広温泉町の鳥取生協病院で「一日看護師体験」に参加、車いすの扱いや入院患者の入浴の介助などを学んだ。

 6校の1~3年生約20人が参加、白衣に着替えて、乗る人と押す人に分かれて、車いすで段差を越える練習をした。看護師らから、足が車いすと地面の間に巻き込まれて転倒しないよう、患者の足を足置きに必ず乗せてから前進することなど、アドバイスを受けていた。

 体が不自由で入浴ができない人のために、洗髪なども手伝った。

 看護師を目指しているという県立八頭高2年(16)は「仕事の具体的な内容が分かって、これからの勉強の励みになります」と話していた。

 体験は進路選択に役立ててもらおうと、病院を運営する鳥取医療生活協同組合が主催、春と夏に、県東・中部の高校生を対象に毎年行っている。



http://www.minyu-net.com/news/topic/140730/topic6.html
看護師“目指そうかな” いわきで高校生が「1日看護体験」
(2014年7月30日 福島民友トピックス)

 県と県看護協会は29日、いわき市の病院で看護に興味のある市内の高校生を対象にした1日看護体験を開き、参加者が看護師の業務に理解を深めた。
 総合磐城共立病院では、高校2、3年生計29人が参加。3グループに分かれ、理学療法室、救命救急センター、集中治療室などを見学したほか、技術研修室では疑似採血の練習ができる腕の模型で、本物に近い静脈の感触を自分の腕と比べながら確かめていた。中村美奈さん(勿来3年)と筥崎(はこざき)美緒さん(磐城一3年)は「看護師のイメージをつかむことができ、あらためて病院の役割の大切さを知った」と話した。
 福島労災病院では、高校2、3年生計21人が参加。4病棟で指導を受けながら実際に患者の洗髪、手浴、足浴やベッドメーキングなどの実習を行った。手浴実習をした馬目美結さん(磐城一3年)は「指導の先輩から細かい気遣いを教えてもらった。将来は看護師になりたい」と笑顔で話した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43404.html
在支診利用の約6割、自宅での最期を希望- 民間会社の報告書
( 2014年07月30日 22:24 )キャリアブレイン

 在宅療養支援診療所(在支診)を利用していた高齢者の約6割が、生前に自宅での最期を望んでいたとする報告書をみずほ情報総研が明らかにした。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などを利用する高齢者は、5割以上が介護施設での最期を希望していた。【松村秀士】

 報告書は、厚生労働省の2013年度老人保健健康増進等事業として、みずほ情報総研が、医療機関や介護施設などを対象に実施した長期療養高齢者の看取りの実態調査の結果をまとめたもの。13年10月から11月にかけて調査を行い、2988件の回答を得た。

 それによると、医療機関や介護施設、在支診・在宅療養支援病院(在支病)の従事者に、「最期を迎える場所として利用者はどこを希望していたか」と質問したところ、在支診での回答は「自宅」が57.8%と、約6割を占めた。次いで、「分からない」(23.9%)、「介護施設」(10.0%)、「病院や診療所」(6.9%)の順に多かった。在支病での回答で最多だったのも「自宅」で48.4%。以下は、「分からない」(30.6%)、「病院や診療所」(11.0%)、「介護施設」(6.9%)と続いた。

 有料老人ホームやサ高住などでの回答は、「介護施設」が56.5%で最も多く、以下は「分からない」(32.2%)、「自宅」(4.4%)、「病院や診療所」(3.1%)の順となった。

 介護老人保健施設で最も多かった回答は「分からない」で59.7%。次いで「介護施設」(33.5%)、「自宅」(2.3%)と続いた。

 療養病床を有する医療機関での回答は、「分からない」が62.1%で、「病院や診療所」が31.4%、「自宅」が3.8%。介護療養病床を有する医療機関では、「分からない」が65.6%、「病院や診療所」が24.0%、「介護施設」が3.4%だった。

 みずほ情報総研は「長期療養の高齢者が最期を迎えた場所は、生前に本人が望んでいた所とほぼ一致していた」としている。



http://digital.asahi.com/articles/ASG796TC0G79PTIB00R.html?_requesturl=articles%2FASG796TC0G79PTIB00R.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG796TC0G79PTIB00R
島根)島根大病院、各科の最新治療紹介本を刊行
木脇みのり

朝日新聞デジタル 島根 2014年7月31日03時00分

 島根大学病院が、治療内容や高度医療の取り組みについて分かりやすく紹介する「島根大学医学部附属病院の最新治療がわかる本」を初めて刊行した。

 28診療科のほか、検査部や救命救急センター、栄養治療室など17の診療施設・診療支援施設をそれぞれ紹介。高度医療の項目では、6月に成功したと発表した新生児の心臓手術例、前立腺がんや花粉症などの治療について解説している。

 外来診療や検査予約などの利用方法や、診察を担当する医師の一覧もある。

 井川幹夫病院長は、「島根でも水準の高い医療が提供されていることを県民に知ってほしい。島大病院の得意分野や、横断的な組織が診療を支えていることを理解してもらえれば」と話している。今後も内容を更新して、刊行するという。

 A4判110ページで、税抜き1480円。県内外の主要書店やネット通販アマゾンで販売する。県内の病院や保健所計約950カ所にも寄贈するという。(木脇みのり)



http://mainichi.jp/select/news/20140731k0000m040167000c.html
中医協:委員に日本医師会「3人」枠復活 5年ぶり
毎日新聞 2014年07月31日 02時30分

 田村憲久厚生労働相は30日、厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」(中医協)の新たな委員に、日本医師会(日医)の松本純一常任理事を任命する方針を固めた。民主党政権当時に日医執行部以外から任命された委員の後任となる。2009年に日医執行部が中医協から排除されて以降、5年ぶりに日医執行部の3人枠が復活する。

 30日の中医協で民主党政権当時に任命された安達秀樹・日医社会保険診療報酬検討委員会委員長が任期途中での退任を表明した。田村氏は次回の中医協で、松本氏を委員に任命する。現在、日医執行部の委員は2人おり、松本氏の就任で「日医執行部枠」が3人になる。

 旧自民党政権当時、日医は中医協に3人を執行部から出してきた。しかし、民主党政権で長妻昭厚労相(当時)が日医からの推薦枠をゼロにし、代わりに地方医師会や大学病院の代表3人を任命した。今回退任を表明した安達氏はその一人で、当時は日医の肩書ではなく京都府医師会副会長で選ばれた。【中島和哉】



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140731/chb14073103580004-n1.htm
銚子市立病院運営、現管理者では困難 検討委が市長に答申 千葉
2014.7.31 03:58 産經新聞

 赤字経営が続く銚子市立病院(同市前宿町)の経営形態などを外部有識者が検討する委員会は30日、「現在の指定管理者による運営の継続は困難」として、市が医療公社を設立して運営することが望ましいとする提案を越川信一市長に答申した。

 答申では、指定管理者の医療法人財団「銚子市立病院再生機構」が平成22年4月に運営を担って以来、市が市営の前病院時代より多額の赤字補填(ほてん)をしていると指摘。労働基準監督署から労務管理の是正勧告を受けるなど問題も多く、「経営のノウハウや能力がない」とした。委員の一人は「経営者にふさわしくないと判断した」と批判した。

 医療公社として運営すれば、民営のメリットを生かしながら行政側の統制を効かせられるとしている。今後は軽症患者を診療する初期救急や、国保旭中央病院(旭市)からの患者受け入れなどの後方支援を柱とするという方向性も示した。

 越川市長は「答申を真摯(しんし)に受け止め、市立病院を必ず存続させるという強い意志で方向性を決定したい」と述べた。同機構との指定管理協定は来年3月まで。



http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140729/269411/?n_cid=nbpnbo_top_updt
絶対に受けたくない無駄な医療
無駄な医療を「思い出のマーニー」から考える
患者側の怒りを買う「誘発需要」と情報の非対称性

室井 一辰(医療経済ジャーナリスト)
2014年7月31日(木) 日経ビジネスオンライン

『絶対に受けたくない無駄な医療』の発売に連動した連載前半では、米国医学会の出した「衝撃のリスト」の狙いと背景を説明した。連載後半は、医療経済学の観点も加えて無駄な医療の「病理」を探っていく。まずは、医療という「サービス」を特殊たらしめる最重要課題である情報の非対称性の問題から見ていこう。
第1回 米国医学会が出した「衝撃のリスト」
第2回 ピル処方に内診は必要ない
第3回 米国医学会揺るがす「セルフリファラル問題」
第4回 「 爪水虫の服薬は無駄 」とあえて叫ぶ
第5回 『思い出のマーニー』で考える無駄な医療

 『絶対に受けたくない無駄な医療』を出版してから連載を続けているが、掲載期間を開けてしまったことをまずお詫びしたい。無駄な医療について読者の皆さんの洞察を深めるために、どのようにお伝えすればいいかを考えているうちに長い時間が経ってしまった。

思い出のマーニーが問う「疑念の問題」

 無駄な医療について考えている時に、気分転換にと思って鑑賞したのがスタジオジブリ新作アニメ『思い出のマーニー』だった。監督を務める米林宏昌さんが同じ高校でずっと気になっていたのだ。友人同士や家族観、異性間の愛情の問題をいろいろな方向から問うていく。いい映画だった。

 思い出のマーニーでこんな場面があった。主人公が、「愛情の中に金銭勘定が紛れている」と疑念を抱く場面だ。結果、主人公は心に傷を負う。

 ネタバレを避けるために詳しくは触れないが、私にはこの場面が心に引っ掛かった。強引だと言われるのは百も承知だが、無駄な医療をめぐる問題は突き詰めると、この映画、思い出のマーニーで描かれた「疑念の問題」に近いと思われたからだ。

 この場面で描かれていた心の葛藤を少しだけ書くとこうだ。

 あくまで「善意」だと思っていた他者からの愛情の裏側に「悪意」の影を感じ取って、疑心暗鬼に陥る。その愛情は本当なのかと、分からなくなる。多くある心象描写のごく一部ではあったので、映画全体から見ると大きなところではないかもしれないが、医療の世界でも似たようなことがあるよな、と納得した。

瓦解し始めた医療における性善説

 これまで医療に対しては「赤ひげ先生」の世界観が広く受け入れられてきた。暗黙の了解として、「医師ら医療側は自分たちの立場や利害によらず、患者の利益を考えるものであり、そうあるべきだ」といった見方である。医療の目的は患者の病気を治癒させることであり、命を守ること。あくまでも善意でもって医療行為をなしており、患者の利益に適う医療行為を医療側は行うはずだと信じられてきたわけだ。

 しかし、残念なことに、医療側に悪意があると分かって幻滅する事象が起きている。

 世界的に問題となっているのは、医療側が患者の利益に必ずしも寄り添わず、自らの立場や利益を守ろうとしているとの疑念の方だ。医療の目的に沿わない医療行為は無駄な医療となる。連載の第3回「米国医学会揺るがす『セルフリファラル問題』」で取り上げたのは、まさしくこの問題だった。

 愛情をかけてくれていると思っていたのに、実はその愛情の裏には不純な動機があった――。思い出のマーニーで描かれた場面はあくまでも「個人対個人」の問題だったが、医療における無駄な医療の問題は個人対個人の疑念が積み上がり、社会全体の問題に発展している。医療における性善説が崩れつつあると言ってもいいかもしれない。

「誘発需要」は社会的に損失を与える

 医療経済学の分野では、医師ら医療側が自らの立場や利益を考えて、本来であれば患者に不必要であるはずの医療行為を施す事象を「誘発需要」と呼んでいる。

 東京大学の橋本英樹氏らの編著書 『医療経済学講義』に詳しいが、誘発需要は社会的な損失をもたらすと説明している。この書籍の記述を引用すると、「医師によって誘発された医療サービスは、患者の利益(健康の改善)には貢献しない可能性が高いため、それに伴って発生する医療費は社会的な損失であると言える」。

 これは、一般的なビジネスで言うところの「需要を作る」のとは状況が異なる。通常のビジネスの場合、サービスの専門性にもよるが、サービス提供者と消費者の間の「情報の非対称性」が少ない場合が多いため、サービス提供者が提示した新しい需要のメリットを消費者は即座に理解できる場合が多い。

 ところが、専門性の高い医療には情報の非対称性があるので、同じようにはいかない。患者側から、医師ら医療側の知識や思考などが見えにくいためだ。「不治の病が新薬で完治するようになった」という話ならば分かりやすいかもしれない。より複雑になってくると、患者はもうワケが分からない。

リスク回避で帝王切開が世界的に急増

 第4回で取り上げたように、「爪水虫に飲み薬」では爪水虫でない患者に飲み薬を処方しているという問題がある。また、日本ではピルを処方する際に内診するケースが大半だが、米国内科医学会は今年7月に内診の禁止令を出した(第2回を参照)。これも、専門知識がなければ、医師に言われるがままに内診を受けてしまうだろう。

 問題事例を挙げれば枚挙にいとまはない。『絶対に受けたくない無駄な医療』でも具体的な例をいくつも挙げている。

 1年ほど前、脚の動脈が狭くなったところに、症状がないにもかかわらず、ステントと呼ばれる金属製の筒状の網を挿入する治療でトラブルが発生して問題となった。個々の医療行為は、一人の医師と一人の患者の間で行われており、患者は医師の判断を信じて手術を受ける。ところが、場合によって、医師ら医療側が「患者側には分からないだろう」と弱みに付け込んで、金銭的利益のために過剰な医療を提供している場合がある。結果として、この事例ではある医学会が問題視する事態に発展してしまった。

 このほかにも帝王切開が世界的に増加しているのがよく知られている。帝王切開は出血をはじめリスクと無縁ではないが、通常の膣からの分娩と比べると短時間で安全という見方もあって、訴訟リスク回避のための過剰な医療になっているのではという疑念が浮上している。

 医療側と患者側でなされている不要な医療行為が積み重なって、社会的に大きな負担を生んでいる。

 無駄な医療が本当に生じているのかを検証するのは容易ではない。日本では、医療行為にかかった費用を審査する仕組みが公的に導入されている。医療側が不要な医療を提供するのを防ぐ仕組みは整っていると見ることも可能だ。実際、医療機関が不正に請求したと見られる場合には、差し戻す仕組みが機能している。

現代医療の急所が姿を現す

 さらに、患者側は医療機関を自由に選べる。無駄な医療を提供する医療機関はそっぽを向かれて閑古鳥がなくかもしれない。その状況下で、無駄な医療を提供している余裕はないだろう。だからこそ、誘発需要は医療経済学と呼ぶ学問領域でも難題と見なされ、重要な研究対象となっている。 

 しかし、実際に無駄な医療は医師同士さえも見えにくい形で存在している。だからこそ、この連載で繰り返し紹介してきた米国の「Choosing Wisely」のような無駄な医療撲滅運動が発生するのである。

 実例を積み重ねていく帰納法的な手法で無駄な医療の発生を抑制するだけでなく、社会の構造を分析し、演繹的な手法から無駄な医療の発生する仕組みを解明するアプローチも大切になる。実際に、無駄な医療は生じているのかどうなのか。その因果関係の解明はさらに時間をかけるべき問題だ。

 併せて、医療界の構造的な問題にも目を向けたい。その源流をたどっていくと、現代医療の急所が姿を現す。無駄な医療を生み出す「病理」と言っていいかもしれない。

 次回は、世界的な医学誌にも掲載された日本の医療界の分析を読み解いていく。現代医療の弱点がつまびらかにされており、それこそが無駄な医療を生む元凶と言っていいものと考えられる。さらに掘り下げていこう。


  1. 2014/07/31(木) 05:14:51|
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7月29日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43382.html
県内病院回り専門医取得、大学が調整役- 三重、医師不足解消へ貢献狙う
( 2014年07月29日 13:41 )キャリアブレイン

 三重大と三重県は、後期研修生の県内での専門医取得を促し、医師不足解消に貢献してもらおうと、県内の複数の病院を回る専門医プログラムを17診療科で用意する。来年度から開始し、県の修学資金を受ける学生らの卒後のキャリア形成を支援するとともに、地域医療にも貢献してもらいたい考えだ。【大島迪子】

 プログラムは、専門医の19の領域のうち、三重大に設置していない形成外科、リハビリテーション科を除く17診療科が対象。各領域の学会が指定する3-4年の研修期間に、1年ずつ、規模の異なる病院を回りながら経験を積む。三重大病院を選ぶことも可能。県と同大でつくる「県地域医療支援センター」が窓口になる。

 三重県は、卒後に県内での10年間の就業を返済免除条件として、毎年50人程度に修学資金(6年間で約770万円)を貸与してきた。県の担当者によると、修学資金を受けた人の中には、専門医取得を理由に県外の病院を選択する人もいるという。来年度以降、修学資金受給者がこのプログラムを利用した場合、返済免除となる就業期間を8年間に短縮する。プログラムは、修学資金を受けていた人のほか、県内で幅広く経験を積みたい若手医師に利用を呼び掛ける。



http://news.mynavi.jp/news/2014/07/29/325/
日本の医療は大丈夫か!?--2013年度の病院の収支、31.4%が「赤字」
御木本千春  [2014/07/29] マイナビニュース

日本能率協会総合研究所はこのほど、「第10回 病院の経営課題等に関する調査」の結果を公開した。それによると、2013年度の収支が赤字(「赤字」+「大幅な赤字」)となった病院は全体の31.4%で、前年度より7.6ポイント増加した。

黒字(「大幅な黒字」+「黒字」)の病院は47.7%で、前年度より11.7ポイント減少した。

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病院の収支状況(出典:日本能率協会総合研究所Webサイト)

DPC(厚生労働省が定めた診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度)医療機関群別に見ると、「DPCI・II群病院」では黒字が64.7%、赤字が17.6%と、他の病院群より収支状況は好調だった。「DPCIII群・準備病院」では黒字が48.7%、赤字が32.3%、「その他の病院」では黒字が44.7%、赤字が32.8%となった。

病院を取り巻く外部環境について聞くと、「診療報酬の改定」「高齢化の進展」「看護師不足」「(エネルギー、資材等)各種コストの高騰」「医師不足」が、前回から引き続き影響を受ける割合が高かった。また、「(医師・看護師以外の)人材不足」「地域貢献に対する要求の高まり」「地域内の機能分担と再編・統合の促進」などで、影響を受ける割合が増加傾向にあった。

BSC(バランススコアカード)の取り組み状況を見ると、「実施中(計画中含む)」は28.0%と、2004年と比べて23ポイント増加した。

同調査は、2013年8月~12月の期間に行われ、379病院から有効回答を得た。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43391.html
1人の来院で「院内トリアージ」請求- 患者84人から、鳥取県立厚生病院
( 2014年07月29日 20:50 )キャリアブレイン

 鳥取県倉吉市の県立厚生病院は29日、休日や夜間などに救急外来を訪れた患者合計84人から、初診料の加算に当たる「院内トリアージ実施料」を不正に請求していたことを明らかにした。来院の患者が1人だけで、トリアージの必要がないケースだったにもかかわらず、診療報酬を請求していたという。同病院では8月中に、患者に文書でお詫びするとともに、返金を行うとしている。【敦賀陽平】

 県病院局によると、6月14日未明、1人で来院した20歳代の男性患者が、医療費の明細書を見て不審に思い、その後、病院側に知らせたことで事態が発覚した。

 男性の指摘を受け、病院側が請求を始めた今年2月から6月までの対象患者3774人を調べたところ、このうち84人から計約10万円を不正に請求していたことが判明した。

 院内トリアージ実施料は、休日や夜間など時間外に救急外来を訪れた患者に対して、専任の医師や看護師が重症度を判定し、治療の優先順位を決める行為(トリアージ)を評価するもの。2010年度の診療報酬改定で小児を対象とした「院内トリアージ加算」として導入され、12年度改定で改称後、成人にも広がった。

 厚生労働省は同年7月に行った診療報酬の解釈通知で、1人の来院時など、待ち時間がない場合は算定できないとする事務連絡を行っていたが、県病院局では「1人の時に算定できないことは知らなかった」としている。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/226860/?category=special
臨床と教育、研究をこなす中堅医師◆Vol.5
米国留学から慈恵医大産婦人科まで

2014年7月29日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 WHOではインターンとして、アフガニスタンの母子保健の研究などに従事していた。国際色豊かな職員で構成する職場は、とても刺激的だった。

 WHOで私はインターンとして、幾つかの仕事をやっていました。その一つが母子保健です。世界には、日本のように母子手帳どころか、出生届、死亡届すらない国がたくさんあるのです。そうした地域では、保健政策の良しあしが分からない。評価ができないのです。


 WHOは関係機関と協力し、このような国々に対し、技術と資金を提供して、様々な政策を実施し、母子保健領域をはじめ、各種の指標がどのように変化するのかを評価しています。私はアフガニスタンを担当し、既に蓄積されていたデータを解析する仕事を行いました。

 どちらかと言えば、インターンの期間が短かったこと、またちょうとパンデミックインフルエンザが流行した時期でもあり、仕事の内容より、WHOという国際機関の組織、仕組みや仕事の進め方に興味を覚えましたね。

 ジュネーブから米国に戻ったのは、2009年8月。以前とは異なり、子どもを保育園に預けるようになりました。子供たちも保育園に慣れて、主人も自分の時間ができ、すごく調子がよくなりました。

 それからの1年間は、授業の合間を縫って、CDCで研究していました。そこでも担当したのが、アフガニスタンの母子保健です。首都のカブールに大きなマタニティーホスピタルがあり、そこでカブールの施設分娩の3分の1くらいをカバーしていた。その病院の周産期医療体制を改善していくプロジェクトにかかわりました。私はカブールから上がってくるデータを分析し、どんな民族、バックグランドの方にどのようなアプローチをするのがいいのかを母子保健の観点から分析していました。


 留学を終えて帰国、産婦人科医に戻るも、臨床から2年間離れたギャップは大きかったようだ。

 留学を終え、2010年6月末に帰国し、7月から慈恵医大でまた常勤医として勤務しました。日本から、そして完全に臨床から2年間離れていたので、仕事の面で勘を取り戻したり、コミュニケーションの面で、日本モードに合わせていくのに、時間がかかりました。

 米国人よりも、日本人の方が、一つひとつの作業を正確に行うのが得意なので、いろいろなことを信頼できる面もあります。例えば、仕事を頼んだ時に、米国では途中で何回もきちんと進んでいるか、ミスがないかを確認しないと、ストップしてしまっていることが多い。一方、日本の場合は、1回言えばきちんとやっていることがほとんどなので、その意味では日本の方がストレスは少ないです。けれども、日本の多くのことは個人の能力や勤勉さに頼っている。米国は、個人の能力がどうであっても上手く回る、システム作りに秀でていると思いました。そのほか、コミュニケーション能力は米国人の方が優れていることが多く、問題を明確化し、成熟したディスカッションを行う環境は米国の方が整っているとも思いました。

 2014年3月までの約3年半は、慈恵医大の婦人科腫瘍のチームで診療を行い、臨床研究にも従事。今の臨床研究をめぐる状況に、永田氏は疑義を呈する。

 臨床、研究のほか、医学生、研修医、レジデントの指導も担当していました。臨床では、婦人科腫瘍チームに加わり、JGOG(NPO法人婦人科悪性腫瘍研究機構)や他の多施設共同臨床試験グループなどで、臨床研究にも従事しました。大規模臨床研究は、私が米国で主に行っていた観察研究を主とした疫学研究とも違い、勉強になり、興味深かったですね。「こうした研究をやってみよう」といったアイデアが出て、皆が協力するという、いい雰囲気がありました。

 ただし、レジデントなどの指導では、「結局、毎回、同じことの繰り返し」と思うことも多々。レジデントが「こんな臨床データを使った研究、やってみたのですけれど、どうですかね」と持ってくる。けれども、「リサーチクエスチョンは何だったのかな」というところから、毎回教えてあげなければいけない。皆、すごく好奇心が強く、やる気があって、優秀なのだけど、臨床研究のトレーニング自体を十分に受けていない状態でスタートして、試行錯誤をしている。こうした状況は、留学する前の、私自身の状況と変わっていませんでした。

 基礎研究分野は人材の層が厚く、医学部の臨床系の講座でも多くは、臨床医としての能力に加えて、基礎研究分野で業績をあげられた先生が教授になられているのではないでしょうか。臨床研究で目覚ましい業績を上げて教授になられた、という先生は少数なのではないかと思います。臨床研究の指導をできる人が少なく、公衆衛生大学院、あるいは医学部の大学院の臨床研究を専門とする講座でトレーニングを受けたり、治験に数多く携わっている人を除けば、多くの医師がきちんとした臨床研究のトレーニングを受けていない。

 毎日山のように発表される学術論文についても、それらにどんな意味、意義があるのかは、臨床研究がどのようなものかが分からないと読み取れないでしょう。研究者としてではなく、臨床医として論文を読み込む力を付けることも必要。まして自身が臨床研究をやるのであれば、きちんとした教育を受けないと難しいと思うのです。

 こうした状況は良くないと思うわけです。基礎医学も重要ですが、臨床研究がそれと同じくらいのレベルの重要性を持った扱いになり、医学部でもっと勉強してもいいと思うのです。


 慈恵医大に戻ってからの勤務医時代は、当直も数多くこなした。どのように仕事と子育てを両立させたのだろうか。

 早朝3時か、4時に起きて、1時間や1時間半程度、論文や研究計画書などを書く時間に当てていました。その後、子供たちを起こして、着替えさせて、ご飯を食べさせて、保育園に連れていき、電車で1時間くらいかけて慈恵医大まで通勤した。外来やオペがある日は朝8時、普通の病棟担当の日であれば朝9時くらいに到着。オペ日は朝から手術、病棟担当日は病棟で回診、オーダー、処置などをこなす。外来日は、朝から夕方までひたすら外来の患者さんを見続けました。午後7時くらいに家に到着してから3時間が勝負。子供たちにご飯を食べさせて、お風呂に入れる。午後10時くらいには一緒に寝て、朝早く起きる日々でした。

 最初の2年半は、普通に当直もこなしていました。主人の職場と自宅がすごく近かったので、子供が熱を出したときには、主人が帰り、私が帰宅すると、また主人が仕事場に戻るといった技も使えたのです。

 何より大変だったのは、主人との当直のスケジュール調整です。主人の当直も相当な数であり、かつ人数が少ない病院だったので、調整をしにくい。私の当直が決まってみると、主人の当直と結構重なっていて、そのスケジュールを変更するのが大変で、それがすごいストレスでした。

 また当直自体も、20代と比べたら、はるかに体力的にもつらい。レジデントや年下の医師とともに、上級医として当直するので、「少なくとも、この夜は、私が何とかしなければいけない」という感覚がありました。慈恵医大のいいところは、診療科の間の壁がなくて、風通しがよく、困ったら、麻酔科や救急部をはじめ、いろいろなスタッフが来てくれる。それでも、やはり当直時の緊張感は相当でした。

 最後の1年間、当直をやらなくてもよくなりましたが、その直前は体調を崩された方があり、一気に私の当直回数が増えたことがありました。私自身も、妊娠したりで当直できない時期があり、皆が助け合っていくのが、医局だと思ったので、がんばりました。しばらくして医師が増え、子育て中ということもあり、当直をしなくても済むようになりました。」



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201407/20140729_71020.html
医学部新設 宮城県、教員確保へ検討委
2014年07月29日火曜日 河北新報

 東北への大学医学部新設に名乗りを挙げている宮城県は28日、文部科学省から宮城大医学部構想が採択された場合のカリキュラム編成と教員確保に向け、外部の医療関係者を中心とする検討委員会を設置することを決めた。村井嘉浩知事が委員長に就き、8月中にも初会合を開く見通し。
 関係者によると、検討委は宮城大をはじめ東北大や県医師会、臨床研究で実績がある大阪大医学部などの関係者10人程度で構成する。
 文科省の構想審査会は30日の第4回会合で設置団体を発表する方針を示したが、下村博文文科相は22日、決定を1~2カ月先延ばしする可能性を示唆した。情勢を踏まえ、県は早急に検討委を始動させ、詰め切れていないカリキュラム編成や教授陣の確保について具体化を急ぐとみられる。
 検討委は村井知事が宮城大医学部の特色として打ち出した総合診療医の育成や、地域の医療現場での臨床実習充実についても議論する。
 栗原キャンパスに整備する付属病院は、300床ある市立栗原中央病院の隣接地に新病棟を建設する。最終的な病床数は既設分を含め500床前後を念頭に、東北大医学部など地元医療機関との連携の在り方を探りながら決める。
 キャンパスは基礎教育に重点を置き、連携する東北大病院や各自治体病院などには、先端機器を駆使した高度医療などでの臨床実習受け入れを求める。
 医学部付属病院の整備に伴い、栗原市内の県立循環器・呼吸器病センターは一般病床150床を廃止する。結核病棟50床はキャンパス内に移す。
 新医学部は2016年4月開学の予定。構想を申請したのは東北薬科大(仙台市)、脳神経疾患研究所(郡山市)、宮城県の3団体。



http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140729_01.html
医療事故調制度/信頼性と透明性が鍵になる
2014年07月29日火曜日 河北新報 社説

 医療死亡事故が起きた場合に原因究明の調査を義務付ける「医療事故調査制度」の創設が、関連法案の成立で決まった。
 来年10月の開始を目指して厚生労働省が今後、運用の詳細を詰め、ガイドライン作りを進める。制度の実効を挙げる上では課題も多い。遺族側の心情に十分配慮しながら、不信を招かない内容に仕上げる必要がある。
 新制度で医療機関は、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」に医療死亡事故の発生を届け出て、院内調査を開始し、結果をセンターと遺族に報告する義務を負う。
 センターは、結果を分析して再発防止に向けた注意喚起や情報提供に努める。遺族が調査結果に納得できない場合は、遺族の申請を受けてセンターが再調査に乗り出すこととした。
 はっきりしていなかった原因究明の仕組みとルールが、第三者機関の役割も含めてある程度明確になった意義は大きい。
 ただ、届け出と調査が必要かどうかの判断が医療機関に任されている点に懸念が残る。
 責任追及を恐れての事故隠しや、意図的に届け出を遅らせて事実関係を曖昧にするケースなどが想定できる。遺族団体などが求めているように、センターが遺族側からの情報提供や内部からの通報を受け付けるルートも検討すべきだ。
 院内調査やセンター調査の信頼性、透明性確保も課題だ。
 院内調査には医師会や大学病院などが支援という形で参加する仕組みにしてあるが、メンバーの選び方次第では身内に甘い調査になりかねない。
 センターにも医療機関寄りの判断を排除する仕組みは必要であり、院内調査と併せて法律家などを調査過程に参加させるといった工夫は欠かせない。
 新制度には警察への通報規定は盛り込まれなかった。医療現場への捜査介入に医療側が反発して制度論議が暗礁に乗り上げた過去の経緯を踏まえ、目的を責任追及よりも再発防止のための原因究明に絞り、調査の枠組み作りを優先させたためだ。
 医師法は警察への「異状死」届け出を義務付けており、新制度による届け出との整合性については、2年以内に検討することになった。責任追及は棚上げできない問題であり、捜査や医療訴訟と調査の関係は今後も議論が必要なテーマになる。
 医療行為による予期しない死亡事故は、年間1300~2000件発生するという。
 専門性の高い医療の事故で患者側は常に弱い立場にある。事故調制度の創設を待たなくても医療機関は積極的に遺族側に情報を開示し、再発防止に努める必要がある。制度の運用はそうした姿勢の延長上にあることを忘れてはならない。
 調査期限の設定、調査費用の負担の在り方、事故情報の共有方法など細部の設計も、制度の有効性を確保する上では焦点になる。厚労省はガイドライン作りに当たり、引き続き被害者団体などの意向を最大限くみ取る努力を続けてほしい。



http://mainichi.jp/life/edu/news/m20140729ddlk32100577000c.html
体験学習:看護師志望の第一中生、病院で−−大田 /島根
毎日新聞 2014年07月29日 地方版 島根

 大田市立病院(大田市大田町)で28日、中学生を対象にした現場体験学習があり、第一中学校の生徒3人が、レントゲン技師や臨床検査技師らが働く現場を訪れた。

 同病院が、地域医療従事者を目指す中学生を育成するために企画した。この日参加したのは、看護師を目指している西村真紀子さん(14)、小原彩奈さん(15)、西村ルイさん(15)=いずれも3年。

 画像診断コーナーでは、血管撮影の説明を聞きながら、血管造影剤やカテーテルの取り扱い方などを学んだ。3人は「普段、見ることのできない画像診断の様子を直接、学ぶことができてよかった。しっかり勉強して看護師になりたい」と話していた。【関谷徳】



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140730/ymn14073002100002-n1.htm
ドクターヘリを広域運用 来月から山梨・神奈川・静岡で
2014.7.30 02:10 産經新聞

 医師が乗り込み、救急患者を基地病院まで搬送する間にも処置が可能なドクターヘリについて、横内正明知事は29日の定例記者会見で、山梨、神奈川、静岡3県のドクターヘリ計3機の広域連携運用を8月1日に開始すると発表した。昨年12月19日の3県知事会議で、救急医療体制の充実に3県ドクターヘリを相互運用する基本合意に達し、事務レベルで運用方法を検討していた。

 広域運用では自県ドクターヘリが救急出動中に、さらに出動要請があるなど自県対応ができない場合、他県ヘリに出動を要請することができる。

 横内知事は「一人でも多くの大切な命を救うことができる」と語った。山梨県内で平成25年度にドクターヘリが出動中にさらに出動要請があったケースは26件。ドクターカーなどを代用した。



http://diamond.jp/articles/-/56812
医療・介護 大転換【第3回】
画期的な「地域包括診療料」の創設
「臓器別医療」から「全人的な医療」へ

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
2014年7月30日 ダイヤモンドオンライン

 本連載では、日本の医療・介護制度が大転換期を迎えていることを紹介してきた。具体的には、医療の役割が「治す医療」から「支える医療」へ、「病院完結型」から「地域完結型」へ、「医療」から「介護」へ、「病院・施設」から「地域・住宅」へといった転換だ。また、そのために欠かせないのが「地域包括ケアシステム」の構築だと述べてきた。

 さて、医療の現場は、3つに分けられる。入院医療と外来医療、それに在宅医療(訪問診療)である。前回は入院医療の改革を論じたが、今回は外来医療に目を向けたい。

「地域包括診療料」が新設
介護保険、健康・服薬管理も診療内容に

 入院医療では、新たに介護保険の新戦略、地域包括ケアを導入したが、外来医療でも地域包括ケアの考え方が加わった。

 それが、「地域包括診療料」である。これまでの診療報酬の体系から大きく逸脱した新たな改革の象徴となる画期的な制度である。一体、何が画期的なのか。

 従来の医療行為とは違う“新たな診療内容”を算定条件に加えた。その診療内容というのが、「介護保険に係る対応」、「療養上の指導」、「服薬管理」、「健康管理」、そして「在宅医療の提供及び当該患者に対し24時間の対応」等である。

「介護保険に係る対応」を挙げたのは、医療従事者に介護保険を理解するだけでなく、その制度に入り込むことを求めたからだ。「退院すればもう関係ない。後は介護関係者にお任せ」という現行の医療関係者では、この報酬を得られない。外来受診に来た患者に介護保険サービスについて聞かれたら応えねばならない。

「健康管理」も新しい考えだ。「どう、元気?」「体調に変化はない?」と会話しながら、健康状態を判断する。病気を「治す」だけでなく、日々の暮らしを順調に送っているかを判断してアドバイスするのは「支える」医療である。暮らしを支えるために必要なのが健康管理。介護関係者の仕事は、暮らしを支えることだから、医療もその世界に係るよう要請した。「治す」ことが医療行為であり、だから報酬を得られる――という旧来思想の否定につながる。画期的な内容である。

「服薬管理」も初めての内容だ。「患者が服用しているすべての薬を把握せよ」ということになる。すなわち、患者がほかの治療で通っている医療機関から出ている薬を含めて、全部の薬をきちんと管理することを指す。

 一見すると、院内処方を奨励しているようで医薬分業に反すると批判されかねない。だが、厚労省は「他の医師が出している薬を把握するのは難しいことではない。患者がもらう薬を分かっている薬剤師と連携すればできること」と、反論している。

骨折入院で認知症が進行するような
「臓器別医療」を否定、「全人的な医療」へ

 こうした算定条件を設けたのは、いずれも「複数の慢性疾患を有する患者」を対象に「継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価を行う」ためだと厚労省はその意図を記す。この一文は、厚労省の医療政策の方向転換を示す素晴らしいものだ。社会保障制度改革国民会議の提案を引き継いだ考え方といえよう。

 現行の医療は臓器別に分かれて専門性を強調している。それでは「複数の慢性疾患を有する患者」、即ち要介護高齢者に対応できない。なぜなら、あらゆる臓器が劣化しつつある要介護高齢者には、全人的医療が必要だからだ。

 こんな事例がよく聞かれる。歩行器を押して外出した軽度の認知症の高齢者が商店街の段差で転倒し、大腿部頸部骨折で入院。人工骨の手術を受け、リハビリに励んで1ヵ月弱で退院してきたが、家族は認知症の急激な進展にビックリした。相部屋の入院で生活が一変したため、認知症があっという間に進んだのだ。

 手術をした担当の整形外科医には、認知症の知識はほとんどなかった。ひたすら大腿骨の異常を治し、歩けるようにリハビリ指導にあたった。狭い4人部屋で蛍光灯と白壁に囲まれた生活感のない病室が認知症に悪影響を及ぼすかどうかは、治療の範囲外。全く無頓着であった。臓器別医療のこうした弊害はよくあることだ。

 厚労省はこのような実態を踏まえて、「全人的な医療」を掲げ、臓器別医療からの離脱を促し始めたのである。患者を高齢者に多い疾病を複数持つケースに限定し、より要介護高齢者に絞ったのも、全人的医療を目指そうという意思の表れだ。その疾病は、認知症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症の4つで、うち2つ以上を持つ患者としている。

 この地域包括診療料は、患者を月1回以上診れば診療回数に関係なく一定の1万5030円とした。包括方式である。介護保険の小規模多機能型居宅介護や24時間の訪問介護看護などで導入された方式だ。だが、医療保険の外来診療は、診療ごとに報酬が得られる出来高方式しかなかった。そこは初めての包括方式の登場。当然、従来方式に固執する日本医師会が猛反発した。そこで妥協案が生まれる。

 診療内容は「地域包括診療料」と全く同じ「地域包括診療加算」を別に設けた。こちらは包括方式ではなく、出来高制で、1回の診療が200円の報酬という制度だ。既存の受益者、業界団体の賛意を得られないと改革が進まない日本社会でよくあることがここでも起きたようだ。

対象の医療機関は「在宅療養支援診療所」
常勤医師3人以上という厳しい条件も

 次に、ではどのような医療機関がこの新しい診療内容を担うのか。ここにも介護保険を見据えた発想が貫かれている。

 対象になるのは、診療所の中で在宅療養支援診療所の指定を得ているところである、病院も在宅療養支援病院(200床以下)に限定した。つまり、在宅医療へのシフトを想定して訪問診療に熱心な在宅療養支援診療所を主役にし、大病院を外した。

 ただ、その在宅療養支援診療所のなかでも、常勤医師が3人以上という厳しい条件を付けた。在宅療養支援診療所の多くは、常勤医師1人で他に複数の非常勤医師の協力を仰いで24時間対応の診療活動を行っているのが現状。3人の常勤医を確保するのは相当の組織力が必要だ。「一国一城の主」という意識が強い医師が3人集まるのはそう容易いことではない。この条件満たして名乗りを上げる診療所は全国でわずか300前後と言われている。これでは折角の大改革の先陣となるか疑問だ。

「主治医」を広めたい厚労省
「かかりつけ医」を推す日本医師会の対立

 もう1つ、厚労省の変革への思いがこの制度に込められている。新しい地域包括診療の担い手を「主治医」と呼び、「主治医機能の評価」と謳う。日本医師会の唱える「かかりつけ医」を無視した。「かかりつけ医は病気の数ほどいる」という日本医師会の考え方に対抗したと言えよう。

 実は、かかりつけ医は日本医師会が作った独自の用語である。なぜ、それが生まれたのかの経緯を振り返ると、医療制度をめぐる壮烈な「戦い」にぶち当たる。

 40年ほど前のこと。厚労省(当時の厚生省)は、健康管理を含む全人的な医療を手掛ける医師として「家庭医」の制度化を目論んだ。家庭医は現在のイギリスを始めオランダやオーストラリアなど先進諸国で定着している制度だ。現地ではGP(General Practitioner)と呼ぶ一次医療。内科だけでなく外科や精神科、皮膚科、産婦人科など歯科を除くあらゆる疾病の診療を行う専門医である。

 GPの国家試験を経て独立開業するが、最近では3~5人の医師で一つの診療所を構えるようになった。病床を持たないので、もし、手術が必要な患者であれば二次医療の専門病院に送る。そこでも対応が難しいと大学病院などの三次医療で診る。イギリスやオランダでは患者の95%前後が一次医療のGPで診療を済ませており、とても効率的なシステムと言えるだろう。

 そして厚労省は、この家庭医を日本に持ち込もうとした。1987年4月、厚生省が設けた「家庭医に関する懇談会」が、住民に身近な地域密着の家庭医を計画的に育成すべきだ、という報告書を2年がかりの議論の成果としてまとめた。そこで示された家庭医は、①よくある病気やけがを初期治療(プライマリケア)し ②健康相談・指導に応じ ③患者の家庭環境を熟知して全人的に接し ④いつでも連絡がとれる―――とした。

 先の地域包括診療料で示された診療内容とほとんど変わらない。

 報告書では、その育成のために大学教育の中にきちんと位置付け、研修でも多くの異なる診療科目を学ぶように、と提言した。併せて、国民にも大病院偏重の考え方を改めて近所の開業医にかかるよう呼びかけ、大改革に乗り出そうとした。

 ところが、日本医師会はこの家庭医の制度化を「医療費抑制のための方便に過ぎない」「開業医の選別につながる」と強く反対し続けた。紆余曲折を経て遂に、制度化は葬られてしまう。その「抗争」の中で、日本医師会が家庭医に対抗して打ち出したのが「かかりつけ医」であった。

 欧州のような特別な基準や研修はなく、単なる行きつけの医師をかかりつけ医に仕立ててしまった。力負けした厚労省内では、以来、家庭医という用語そのものを遠ざけ捨て去った。暫くタブー視されてきた。

 今では、「家庭医なんて言葉を省内の文書で見かけたこともない。かかりつけ医としか言わないですよ」と、厚労省内の課長職のキャリア官僚が打ち明ける。40年の間にタブー視どころか、全く疑問も抱かずにかかりつけ医を使うようになった。 

 日本医師会と英国の家庭医の見解の違いを見せつけたテレビ放映が最近あった。5月31日に放映されたNHKスペシャル「日本の医療は守れるか?」である。スタジオに関係者や一般人を30人ほど集めて、「いつでもどんな時でも病院を利用できる日本のシステム」を問う好企画だ。

 医師の代表として、最前列に日本医師会の横倉義武会長と英国で家庭医を始めた澤憲明さんが並んだ。短期間の来日中だった澤さんを引っ張り出して、家庭医の実情を引き出すNHKの見事な「企み」とみていい。医師会長という日本の医療のトップと、高々34歳の、しかも日本で活動していない青年医師を対等に配置した。

 そこで、澤さんは「私は家族の間のトラブルも相談に乗ります。(うつ病など)精神的な疾病につながっているかもしれませんから。病気の治療だけが仕事ではありません。私の診療所に登録されている地域住民のために、常に患者に寄り添うように心がけています」と、予防や健康まで深く立ち入ると内情を明かした。

 司会者から「どうですか横倉さん」と医師会長に話を振ると、横倉会長は、困ったような表情で「(日本には)今まで築いてきた長い歴史があるので、急な転換は難しい」と、曖昧に言葉を濁した。

 このやり取りを観ていた視聴者には「医師会は家庭医制度に前向きじゃないな」と受けとめたに違いない。

第3の用語「総合診療医」の登場
NHKがもたらした新たな混乱

 この消えた家庭医が、本格的な高齢時代を迎えて今、水面下から再び浮上してきた。同省が多くの医療学会が認定する専門医が乱立している状況を整理するために設けた「専門医のあり方に関する検討会」が2012年12月、新たな専門医として「総合診療専門医」を登場させたのだ。外科専門医や皮膚科専門医など18の専門医のほかに、19番目に現れた。

 この新顔が、家庭医そのものだから面白い。「本格的な家庭医がやっと舞台に上る」と在宅医療関係者の間では評価する声が多い。

 家庭医とも、かかりつけ医とも距離を置く、第3の用語。だが困った問題を抱えている。

 というのは、病院の中には既に総合診療医がいることだ。NHKテレビが2010年から放映中の医療情報番組はその名も「総合診療医ドクターG」。

 毎回3人の若い医師が出演し、複雑な症状の寸劇を見て正しい病名を競いながら推理するユニークな番組だ。登場する医師はいずれも大手病院の勤務医であり、街中の家庭医ではない。視聴者は番組名からも「総合診療医は病院医」と思い込んでしまう。

 新しい総合診療医の制度では、専門医研修を3年間加えたため、2017年度から順調にスタートしても世の中にお目見えするのは3年後の2020年になってしまう。しかも、日本医師会は「かかりつけ医こそが総合医」と相変わらず繰り返し主張しており、用語は混乱状態に陥っているといえそうだ。

 そうした経緯を背負いながら敢えて今回、厚労省はかかりつけ医でなく、前出の「主治医」を前面に押し出してきた。家庭医とも言わない。複数の医師に診察を受けている高齢者が多い中で、最も中心となっている医師を主治医と呼んでいる。従って、介護保険で要介護度認定の判定会議に医師からの意見書が欠かせないが、それは「主治医意見書」とされている。 

 主治医を前面に掲げたのは、日本医師会への「抵抗」とも受けとられかねないが、介護保険制度の中では、主治医は定着した用語である。

 全体として、介護保険制度に医療側を引きつけようという意図が明白な診療報酬の改定だけに、主治医もその一環として見ていいだろう。だが、国民に分かりやすい、まして要介護高齢者を対象とするのであるから、主治医や総合診療医ではなく、家庭医という国際的に通用する言葉が最も適切だと思われる。厚労省の医療側へのさらなる斬りこみに期待したい。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140729-OYT1T50134.html
小児科医の確保巡り、市と対立…病院新設を辞退
2014年07月29日 21時51分 読売新聞

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)への統合で2016年3月末に廃止予定となっている大阪市立住吉市民病院(同市住之江区)の跡地について、新病院の開設が内定していた医療法人が辞退の意思を市側に伝えたことが分かった。


 市は事業者を再公募する方針。

 辞退を申し入れたのは、堺市内で病院を経営する医療法人。16年4月、4階建て、病床数100の新病院を開設し、夜間や休日の小児救急も行うとしていた。

 辞退に至った要因は、事業者決定の過程で細かな条件を詰め切れていなかったことだ。公募条件では、新病院は現行と同等のサービスを維持するため、小児科医5人の確保を目指すことになっていた。しかし、確保時期について、「開業時点での人数確保は譲れない」とする市と、「開業後に段階的に目標達成する計画」とする事業者の主張が対立し、溝が埋まらなかったという。

 府市は、約2キロ離れた総合医療センターの敷地内に小児・周産期医療機関「住吉母子医療センター(仮称)」を16年度に開設予定。しかし、市議会は新病院のめどが立つまで関連予算を認めない考えで、計画に遅れが出る可能性がある。



http://resemom.jp/article/2014/07/29/19688.html
東京大学、推薦入試の各学部詳細情報を追加…提出書類や面接方法など
2014年7月29日(火) 19時25分 リセマム

 東京大学は7月28日、平成28年度から開始する推薦入試について、今年1月に発表した「各学部の推薦要件・面接方法等の概要」に注釈を追加し公表した。学部が求める書類の詳細や面接形式などの詳細が紹介されている。

 概要によると、法学部では、提出論文について、テーマは法学や政治学に限らず、何らかの意味で社会に関わるもので、論文の分量の目安は、図表部分を除いて6,000字以上と案内。また、グループディスカッションでは、その場で与えられたテーマについて、少人数のグループで議論。論理的思考力、発想力、コミュニケーション能力などを審査するという。個別面接では、提出書類に関連する質問などを通して、法や政治に対する関心と、それを学ぶ能力とを確認する。

 経済学部では、推薦要件として、英語、数学、地理歴史・公民のうちいずれかの2教科において高校内で上位10%に入る成績をおさめていることを追加。また面接については、所要時間を30分から1時間程度とし、面接時に課題遂行能力を試すための課題を課す場合があるとした。

 文学部は、学部が求める書類などについて「在学中に執筆した論文・発表資料または総合的な学習の時間による成果」および「課外活動、ボランティアなどの社会貢献活動での成果を示す資料」を特に重視するとした。また、面接は志願者が提出した論文や「志願理由書」に基づいて行うとした。

 医学部医学科は、面接審査について、事前にポスターを作成し、それを使って高校等在籍中に行った主に自然科学に関連した活動と大学入学後の抱負について説明してもらうとした。

 そのほか、各学部の推薦要件・面接方法等の概要の詳細は、東京大学ホームページで確認できる。
《水野こずえ》



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140730/chb14073002150004-n1.htm
銚子市立病院が禁煙外来を一時休止 敷地内で日常的に職員喫煙 千葉
2014.7.30 02:15 産經新聞

 銚子市立病院(同市前宿町)は、禁煙外来を開設しているにもかかわらず、職員が敷地内で日常的に喫煙していたとして、同外来の診療報酬を自主返還するとともに、9月中旬で同外来の診療を一時的に取りやめる方針を決めた。

 6月の市議会全員協議会で指摘され、病院のボイラー室近くにたばこの吸い殻入れが設けられていたことが発覚。撤去するとともに、全職員226人を対象に実態を調査した結果、回答した195人のうち37人が敷地内で喫煙していたことを認めた。

 この結果を受け、病院を運営する指定管理者の銚子市立病院再生機構は、吸い殻入れの設置が確認された平成24年度から、撤去した今年6月2日までの診療報酬と薬代の計約280万円を自主返還することを決めた。理事長と病院長、事務長が個人負担する。さらに病院側は、この3者が管理監督責任を果たせなかったとして、減給10%(1カ月)の処分とした。

 禁煙外来は、現在受診している患者の治療が終わる9月中旬で診療を一時的に取りやめる。林建男院長は「職員の教育など万全の態勢を整えてから再開したい」としている。



http://mainichi.jp/area/chiba/news/20140729ddlk12040159000c.html
銚子市立病院:診療報酬を自主返還 禁煙外来基準に反し、職員ら敷地で喫煙 /千葉
毎日新聞 2014年07月29日 地方版

 内科の禁煙外来(ニコチン依存症の診療)があるのに、施設基準に違反して病院職員らが敷地内で喫煙していたとして、銚子市立病院(林建男院長)は29日、同外来の加算で得た診療報酬(禁煙指導管理料や薬価代)約280万円を自主返還すると発表した。

 院長と理事長、事務長3人が個人負担する。併せて、管理監督責任から3人を減給1カ月(10%)とした。

 病院や市によると、禁煙外来は2010年8月開設された。一方で、病棟地下ボイラー室前の屋外に灰皿が置かれ、職員らが常習的に喫煙していたという。6月の市議会で「違反行為だ」と指摘された。

 病院と市が、医師と職員計226人への無記名アンケートを実施、37人が「敷地内で喫煙した」と回答した。そのため、病院は(1)事務責任者が灰皿を認識した12年度以降の診療報酬(83人187件)を自主返還する(2)職員にルール順守を再教育する−−を決めた。

 診療報酬の返還は、国保・社保の機関とともに、患者負担分についても「おわびと説明」の文書を個人に郵送し対応する。林院長は「病院再建中で市に赤字補てんしてもらっており、我々個人の負担とした。信頼回復に努める」と述べた。【武田良敬】



http://www.ryoutan.co.jp/news/2014/07/29/008075.html
可愛い赤ちゃんに笑顔 市民病院で高校生が看護体験
両丹日日新聞2014年7月29日

 福知山市厚中問屋町の市民病院でこのほど、高校生を対象にした「ふれあい看護体験」が開かれた。福知山、京都共栄学園、綾部の各高校から合わせて18人が参加し、各病棟で看護の大切さを体感した。
 患者とのふれあいなどを通して、相手を思いやる気持ちを育み、看護師の仕事に関心を持ってもらおうと、府と府看護協会が毎年実施している。

 今回は生徒のほか、一日日直長体験として福知山高校の教諭1人が参加した。生徒たちは看護衣に身を包み、産婦人科や外科、内科など各病棟に分かれて、患者の血圧測定や足浴などを体験した。

 産婦人科小児科病棟では、5人の生徒が新生児の沐浴を見学。助産師から「赤ちゃんは裸が嫌いだから、体にタオルをかけて入浴させてあげています」などと、ポイントを教わった。

 このあと生後4、5日ほどの新生児を抱っこ。両腕でしっかり抱き、どの生徒も赤ちゃんの可愛さに、思わず顔をほころばせていた。

 看護師を目指す京都共栄学園高校3年の丸岡来柚季さんは「初めて赤ちゃんを抱いたので、少し緊張したけど、とても良い経験になりました」と喜んでいた。


  1. 2014/07/30(水) 06:04:49|
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7月28日 

http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43372
高度医療人材養成プログラム、26件選定- 文科省が結果公表
( 2014年07月28日 19:33 )キャリアブレイン

 文部科学省は28日、科学的根拠に基づいた医療提供を担う医師や看護師、薬剤師らを育成する「課題解決型高度医療人材養成プログラム」に選定した事業26件を公表した。申請のあった計235件の中から、医師・歯科医師の14件、看護師・薬剤師など12件を選んだ。同事業は今年度が初めてで、年間計10億円の補助金を最大5年間交付する。【丸山紀一朗】

 医療の質向上や健康長寿社会の実現に向け、高度で専門的な知識を持った医師らの教育が急務となっているため、同省は人材育成を推進する特色ある教育プログラム・コースを構築して全国に普及させることが必要と判断。医療関係職種の養成課程を設置している国公私立大学を対象に、先月まで人材養成プログラムの公募を行い、専門家・有識者から成る委員会で審査した。

 66件と最も申請数の多かった看護師の養成では、▽群馬大の「群馬一丸で育てる地域完結型看護リーダー」▽山形県立保健医療大の「山形発・地元ナース養成プログラム」▽東邦大の「都市部の超高齢社会に挑む看護師養成事業」-など計5件を選んだ。また、次に申請数の多かった薬剤師の養成では、阪大の「地域チーム医療を担う薬剤師養成プログラム」など計2件を選定。

 医師や歯科医師を対象とした人材育成のうち、医療の質管理領域(医療安全・感染制御)では、東京医科歯科大の「PDCA医療クオリティマネージャー養成」など計2件、災害医療領域では新潟大の「発災-復興まで支援する災害医療人材の養成」など計2件を選んだ。同省は、来月中旬に、選定事業の概要や選定大学の申請書などを公表するとしている。



http://resemom.jp/article/2014/07/28/19652.html
【夏休み】東京医科大学「医師を目指す中高生と保護者のための講演会」8/8
2014年7月28日(月) 11時30分 リセマム

 東京医科大学医師・学生・研究者支援センターは、医師や医学部に興味のある学生やその保護者、教員を対象に「医師を目指す中高生と保護者のための講演会」を8月8日に開催する。参加費は無料で、事前申込みのほか当日参加も可能。

 同センターは主に、医師・学生・研究者のキャリア・アップ支援や働きやすい職場環境の整備など就業継続・復職支援を目的として設立され、「ワーク・ライフ・バランスをめざして」をテーマにサポートを続けている。特に女性医師や研究者の出産・育児を機に離職が増加する傾向を受け、継続して働ける環境づくりや、復職するためのサポートに力を入れている。

 講演会では、医学部の授業の内容や、医師の仕事、医師になるにはどうすればいいのかなど、素朴な疑問に応える内容のほか、北海道大学大学院医学研究科医学教育推進センター専任教授で東京医科大学総合診療科兼任教授・大滝純司氏が「総合診療医はどのように養成されるか」を特別講演する。

 続いて、東京医科大学神経生理学分野主任教授・林由起子氏が「基礎医学と臨床医学とその間」について講演する。申込方法は必要事項を入力、記入の上、メール、またはFAXとなっており、当日参加も可能。

◆医師を目指す中高生と保護者のための講演会
日時:8月8日(金)17:00~18:30(開場16:30)
場所:東京医科大学病院6F 臨床講堂
対象:医師や医学部に興味のある学生やその保護者、教員
参加費:無料
申込方法:必要事項を入力、記入の上、メール、またはFAXで申し込む
《田邊良恵》



http://www.sankeibiz.jp/business/news/140728/prl1407281008011-n1.htm
熊本県内の6医療機関、遠隔医療診断支援システム「XMIX」の運用を開始~脳卒中の急性期医療体制を強化~
2014.7.28 10:08 Sankei Buz

 熊本県では、国の平成24年度補正予算において、地域の医師確保、地域医療連携など、地域の医療課題の解決を図るため、平成25年度に熊本県地域医療再生計画(平成25年度策定版)を策定し、その一つとして、県内の脳卒中急性期医療体制の強化を図ることとしております。

 このたび、熊本県地域医療再生計画(平成25年度策定版)を活用し、熊本大学医学部附属病院(熊本県熊本市、病院長:谷原 秀信)、及び有限会社TRIART(福岡県飯塚市、代表取締役:今津 研太郎)が共同開発した遠隔医療診断支援システム「XMIX」(読み方:エクスミクス)を熊本県内の6医療機関に導入し、脳卒中患者の救急対応等を行うため、平成26年7月18日(金)から運用を開始しましたことをお知らせします。

 この遠隔医療診断支援システム「XMIX」は、平成24年6月から熊本大学医学部附属病院と阿蘇医療センター(旧名:阿蘇市国民健康保険阿蘇中央病院)において試用を開始していた遠隔医療診断支援システムで、専門医が勤務していない時間帯に救急搬送された脳卒中患者の状態を、離れた場所に居る専門医等に連絡を取ると共に、同時に脳卒中患者の画像情報をiPhoneやiPadで閲覧できるシステムとなっており、これにより必要な助言を専門医から得ながら、脳卒中患者を受け入れた医療機関で治療ができるという画期的なシステムです。とくに迅速な診断と治療が必要となる脳卒中患者を救うシステムとして実績を上げてきました。

 このたび、熊本県では熊本県内の6医療機関に遠隔医療診断支援システム「XMIX」を拡大展開し、一人でも多くの脳卒中患者の命を救うべく、活用していくこととなりました。導入医療機関は以下のとおりです。また今後、他の医療機関への展開も図ってまいります。

●導入医療機関(五十音順)
 ・阿蘇医療センター
 ・熊本医療センター
 ・熊本再春荘病院
 ・熊本大学医学部附属病院
 ・水俣市立総合医療センター
 ・山鹿中央病院

■システムの概要
 「XMIX」は、iPadやiPhoneなどのiOS端末と専用のサーバシステムで構成されており、これらをApple社のFaceTimeと専用開発した放射線画像情報ビューアで情報共有を行います。これにより離れた場所に居る専門医等からの助言を可能にしております。また、各通信経路は独自の技術で強固なセキュリティを確保しております。

図:搬入から搬送(もしくは治療)までの流れ
http://www.atpress.ne.jp/releases/49174/img_49174_1.png

図:本システムの構成図
http://www.atpress.ne.jp/releases/49174/img_49174_2.png

図:本システムの画面イメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/49174/img_49174_3.png

■システムの特徴
 「XMIX」は、機能を厳選することで、各医療機関で利用している既存の医療情報システムを改修せずに導入できるものとなっています。これまで遠隔医療システムでは、院内のシステムへの接続に関する開発費用や運用体制などの問題により導入は大病院に限られてきましたが、「XMIX」は専門医が不在の中小医療機関でも導入しやすいシステムとして設計されています。

図:従来のシステムとの比較
http://www.atpress.ne.jp/releases/49174/img_49174_4.png

■セキュリティについて
 「XMIX」では、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.2版(平成25年10月)」を満たすセキュリティレベルを有限会社TRIARTのXCOA(クロスコア)の技術を応用して実現しております。この技術を利用することにより、通信経路の暗号化と分割通信ならびに通信内容の暗号化、端末内における時限性のキャッシュ、認証システムを実現しております。これによりiOS端末の紛失や盗難により、関係者以外の手に渡ったとしても情報を閲覧することは不可能です。また、端末をハッキングしても情報を盗み出すことはできません。

図:セキュリティについて
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医療ビッグデータは東北から全国へ「東北医療情報ハイウェイ計画」
2014/07/28
本間康裕=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧)

 日本の医療は東北から変わる──そう思わせてくれる計画が、東北地方の中心地宮城県で進んでいる。東日本大震災で大きな痛手を受けた宮城だが、それを逆転の発想で好機ととらえて、一から医療基盤を構築して医療ビッグデータを集め、様々な用途に活用しようとしている。

地域医療連携やゲノムなど5つの医療情報基盤を整備

 「東北医療情報ハイウェイ計画」というこの構想は、現在構築中の5つの社会情報基盤を利用して医療情報を集積。医療ビッグデータとして活用することで、地域医療連携と最先端研究のベースを作る目的がある。東北大学大学院医学系研究科教授の中谷純氏が、2014年6月5~7日に岡山県岡山市で開催された「第18回日本医療情報学会春季学術大会」(主催:日本医療情報学会)の特別講演で、詳細に解説した(写真1)。

 中谷氏は「震災前よりもよい社会にすることを目指して、構築を進めている。東北だけでなく、未来永劫にわたる国家の重要な研究基盤を構成すると考えている」と、その意気込みを語る。

 5つの情報基盤は以下の通り。

(1)医師会を中心とした地域医療連携基盤である「みやぎ医療福祉情報連携基盤」
(2)東北大学病院の医療情報ネットワーク「東北大学病院情報基盤」
(3)東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の研究用情報基盤「東北メディカル・メガバンク情報基盤」
(4)東北大学医学部の研究用情報基盤「次世代統合医学研究情報基盤」
(5)基礎研究を臨床現場に橋渡しする「臨床試験中核病院TR(トランスレーショナルリサーチ)医療情報基盤」

 このうち(1)には地域の医療・介護連携による臨床情報、(2)には病院内だけでなく東北地方全域の臨床情報、(3)には前向きコホートとゲノムの情報が集まる。ちなみにコホートとは、同じ属性もしくは同じ外的条件におかれた集団を、前向きコホートとはそうした集団を長期にわたって追跡する調査研究を意味する。ゲノムとは、gene(遺伝子)に集合をあらわす“ome”を接尾辞として組み合わせた言葉で、遺伝子データ全体を意味する。この2種類のデータを分析・活用すると、遺伝要因や環境要因が複雑に影響し合って、その結果生じる疾病の原因解明や予防・治療の方法確立に役立つ。

 情報基盤としては、(1)(2)は多種多様なデータを連携させ、研究に生かすことで地域医療体制を充実させようとするもの。どちらのデータも、匿名化などの処置を施したのち、一定のガバナンスのもとで研究機関に渡される。(3)は、長期にわたって蓄積した住民の健康情報に、ゲノムデータなどを組み合わせてビッグデータ解析・研究する。(4)は大学内の研究室の情報基盤だ。これらの研究成果は、臨床試験を実施したうえで、(5)の還元パイプラインを通じて東北大病院や地域の病院などの診療現場に還元される。こうした一連の情報循環の仕組みが、東北医療情報ハイウェイである。

MMWINに医療・福祉にかかわるあらゆる職種が参加

 中谷氏は、それぞれの情報基盤について説明した。まず(1)は、みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会(MMWIN:Miyagi Medical and Welfare Information Network)が運営母体となっており、ここには医師会や歯科医師会、介護福祉協会、看護協会、薬剤師会、検査技士会など、医療・福祉にかかわるあらゆる職種、すべての地方からメンバーが参加している。

 中谷氏は「震災の経験から強く思ったのは、紙のカルテがなくなると診察ができないこと、平時に使えないシステムは災害時にも役に立たないこと。また、宮城地区の医療資源の不足と、患者だけでなく医療従事者の高齢化も感じた」と語り、普段の診療や介護などの活動でも役立つ、医療者と患者を支援する地域医療福祉情報連携基盤の確立を目指していると説明した。

 この連携基盤は、県域レベル、地域医療圏レベル、日常生活圏レベルの3階層モデルで構築する。基本コンセプトは、日常生活圏レベルでは医療と介護のシームレスな連携を、地域医療圏レベルでは地域中核病院を中心とした病診(病院と診療所)連携を、県域レベルでは県の基幹病院を中心とした病病(病院間)連携を支援し、職種を超えた情報共有による地域包括連携を実現することとしている(写真2)。2012年度に開始した石巻・気仙沼医療圏で97施設、13年度に運用を開始した仙台医療圏では206施設が参加。合計303カ所の施設で、106万人の患者をバックアップしている(写真3)。2014年度末までには県内全域をカバーする計画だという。

写真2●MMWINの概要
職種を超えた情報共有による地域包括連携を実現する
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写真3●今年度内に宮城県内全域をカバーする予定
[画像のクリックで拡大表示] http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/071400003/?SS=imgview&FD=1155106158&ST=bigdata

 連携を進めるために、HL7、SS-MIX2、GSVMLなど可能な限り標準化された規格を採用。情報ネットワークを通じて、病院・クリニック・在宅での診療、調剤、介護、健康(血圧や脈拍数など)に関する情報が、随時やり取りされる。

写真4●MMWINのシステム構成の一覧
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 MMWINに加盟した施設は、11種類のサブシステムから利用する機能をオーダーメイドで選択できる(写真4)。まず情報基盤は、医療・介護・健康情報を相互に共有するネットワークで、ブラウザーで閲覧できる。プライベートクラウド方式で構築。3カ所のデータセンターにブレードサーバーを設置してVMwareで仮想化し、各施設との間はIP-VPN、インターネットVPN(+IP-SEC)で接続している。1カ月単位のカレンダー形式と、任意の時間間隔を設定できる時系列形式の2方式で表示できる。

 このほかの調剤情報ステムは、薬局の調剤データを共有するシステムで、重複処方や禁忌処方、危険な相互作用などを薬局でチェックできる。ASP型総合診療支援システムは、診療所向けのシステムで、診療録の電子化機能、データセンターへのバックアップ機能、会計システム・検査システムとの連携機能を持つ。利用施設側に必要な標準的な設備は、NAS、スキャナー、ルーター、ハブなどで、VPN回線でMMWINのデータセンターと接続。診療情報を書き込むソリューションはデータセンターに置かれており、記録したデータもデータセンターに記録される。この二つは、順調に利用者が増えており、調剤情報システムの登録患者数は18万人、ASP型支援システムの登録患者数は3万人を超えた。

写真5●遠隔カンファレンスシステムの活用例
南三陸診療所と志津川病院(いずれも宮城県)の間で活用。院長が会議のために片道2時間かけて移動していたが、不要になった
[画像のクリックで拡大表示]http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/071400003/?SS=imgview&FD=1156953200&ST=bigdata

 遠隔カンファレンスシステムも整備し、専門医との相談、セカンドオピニオンの取得、CTやMRIなどの医療用画像の遠隔診断などに利用されている(写真5)。「離れたところにある診療所まで足を運ばなくても、カンファレンスシステムで十分に会議や相談が可能。移動時間を他の仕事に振り分けられるし、迅速な情報共有が可能になった」(中谷氏)。

 このほか介護支援システム、在宅診療・訪問看護支援システム、血圧や歩数データを管理する遠隔健康管理システム、遠隔地の専門医のアドバイスを受けられるカンファレンスシステムなどがある。加えて、この連携基盤のデータを、標準規格のSS-MIX2で外部のデータセンターに複製して保管するバックアップシステムも用意している。災害時などに普段利用している端末が利用できなくなっても、バックアップデータにアクセスすることで、診療が可能になる。

 日本の医療は東北から変わる──そう思わせてくれる計画が、東北地方の中心地宮城県で進んでいる。東日本大震災で大きな痛手を受けた宮城だが、それを逆転の発想で好機ととらえて、一から医療基盤を構築して医療ビッグデータを集め、様々な用途に活用しようとしている。

地域医療連携やゲノムなど5つの医療情報基盤を整備

 「東北医療情報ハイウェイ計画」というこの構想は、現在構築中の5つの社会情報基盤を利用して医療情報を集積。医療ビッグデータとして活用することで、地域医療連携と最先端研究のベースを作る目的がある。東北大学大学院医学系研究科教授の中谷純氏が、2014年6月5~7日に岡山県岡山市で開催された「第18回日本医療情報学会春季学術大会」(主催:日本医療情報学会)の特別講演で、詳細に解説した(写真1)。

 中谷氏は「震災前よりもよい社会にすることを目指して、構築を進めている。東北だけでなく、未来永劫にわたる国家の重要な研究基盤を構成すると考えている」と、その意気込みを語る。

 5つの情報基盤は以下の通り。

(1)医師会を中心とした地域医療連携基盤である「みやぎ医療福祉情報連携基盤」
(2)東北大学病院の医療情報ネットワーク「東北大学病院情報基盤」
(3)東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の研究用情報基盤「東北メディカル・メガバンク情報基盤」
(4)東北大学医学部の研究用情報基盤「次世代統合医学研究情報基盤」
(5)基礎研究を臨床現場に橋渡しする「臨床試験中核病院TR(トランスレーショナルリサーチ)医療情報基盤」

地域住民の健康情報を集めてビッグデータ解析するToMMo

 (2)の東北大学病院情報基盤は、2014年3月末に電子カルテへ移行したが、しばらくは紙のカルテを併用する。今後は、患者個人個人の生涯電子カルテ(PHR)の実現を視野に入れて、(1)の医療福祉情報連携基盤や(3)東北メディカル・メガバンク情報基盤、(4)医学部の研究用情報基盤「次世代統合医学研究情報基盤」との連携を進めていくという。

 中谷氏は「病院内だけでなく、すべての医療圏を細部まで見渡せる広域電子カルテを構築する」としている。また、オミックス情報を扱えるオミックス電子カルテ、臨床試験電子カルテ機能を備える次世代統合臨床情報基盤も構築を進めるという。ちなみに、オミックスとは、ゲノムをはじめとする網羅的な分子情報をまとめたもので、疾患の予防や診断・治療・予後の質向上を目指すために必要な情報である。

 (3)の東北メディカル・メガバンク情報基盤(ToMMo)は、試料(検体)とデータからなるバイオバンク情報に、前向きコホートと全ゲノムシーケンスを組み合わせた解析研究を行う情報基盤。それを支えるICT基盤は3つあり、それぞれ相互に連携する。

 健診・コホート情報基盤で健康管理とコホートデータを収集(対象は宮城県と岩手県で15万人)、メディカル・メガバンク解析保存情報基盤で解析されたうえでデータ保存され、これを、バイオバンク公開情報基盤を通じて公開していく。「ここで扱われる情報は参加者の同意を得たもので、さらに追跡情報としてMMWINの協力を得て次世代生命医療情報研究基盤を構成する」(中谷氏)と説明した。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/clinic/saiken/201407/537631.html
崖っぷち医院 ただいま経営立て直し中!
古参スタッフが患者を勝手に断っていた!

2014/7/29 日経メディカル

 患者アンケートの実施期間は回答を200~300人分回収できるまで、とした。業者が行っているアンケートの回収率はそれほど高くないケースもあるようだが、今回はアドバイス通り、院長である私が手渡したこともあり、85%程度の回収率となった。

 待合室の様子を見ていると、記載しないで帰ってしまうのは、もう来ることはなさそうな結膜炎などの急性疾患の若い初診患者さんや、急いでいるために記入する時間が取れない患者さんたちであり、何度も受診している方はかなり書き込んでいる。結構意外だったのが、小さな飴やキャラメル1つでも、大人の患者さんがとても喜んでくれることだった。

 フリーコメントを記載している人が多いので、クレームでもあるのかと恐る恐る読んでみると、院長の私に対する感謝の言葉や褒めてくれる内容が多く、これは匿名である分、余計にありがたく受け止めた。開業医としての醍醐味はこういうところにあるのかもと思いつつ、集まってくる用紙を見ているうちに、「あれ?」と思うコメントが目につき始めた。

「先生も早く帰りたいでしょ?」と逆ギレ
 「受付で『学校健診で視力の紙をもらったので受診しました』と伝えたところ、『もう今日は無理です』と言われました。何時までに入ればよいのでしょうか? せめて視力検査だけでも予約を取ってもらえるとありがたいです」

「『子ども2人を連れて行きます』と電話で話したところ、『2人の視力検査なら診療時間が終了する1時間前までに来て』と言われました。1人ずつなら、もう少し遅い時間でも大丈夫ですか?」

 予約制ではないので、診療時間内に受診された方は診療するようにしているが、春に行われる学校健診後、「視力のお知らせ」を持ってくる子どもたちはどうしても同じ日に集中しがちで、診察終了が遅くなってしまうときがある。

 しかし、「2人なら終了1時間前までの受付」というのは、私が決めたことではない。思い起こしてみると、受付がにぎやかで「何人か患者さんが来ているな」と思ったのに、結局診察室に入ってこなかったことが何度かあり、どうも終了間際の受診で断られている患者さんがいるようだった。

 断っているのは古参スタッフだと見当をつけ、ミーティング時に「診療時間内に受診した人は全員受け付けしてください。当日に検査ができないなどの判断は私が行います」と言ったところ、その古参スタッフが「何人も視力検査の子どもが来てしまったらどうするんですか? 先生だって早く帰りたいでしょう?」とキレたように発言し、やはりこの人だったのかと思った。

 「受診の原因となった症状の他に相談したいこと」という設問に対しては、「目の疲れ」「視力低下」を挙げる人が多かった。そこで、「視力検査時にメガネをかけている人は、メガネが合っているかのチェックが大事」とスタッフに伝えたが、これは本来当たり前のことである。

 診察室に入ってきた患者さんはメガネをかけているのに、カルテにメガネに関するデータがない、ということが時々あり、誰が検査したのかをチェックしてみると、この古参スタッフだけが測っていないことが分かった。これも注意したところ大変に不服そうであった。逆に若いスタッフからは、「老眼年齢の人は近見視力も測りましょう」と提案があり、これは患者さんに好評な上、老眼鏡処方をお勧めすることにもつながった。

 その後アンケートは数回行ったが、この古参スタッフに対してだけ患者さんからのクレームが寄せられた。アンケートでたびたび自分の仕事にクレームがつき、居心地が悪くなったのか、この職員は自ら辞めていった。アンケートはスタッフ教育などの労務管理にも役立つのだなと思った次第である。

Dr.裴のコメント
【患者の声を無視すれば未来はない】

 今回、アンケートを最初に実施した理由は大きく2つあった。1点目は「現状のデジタル化」だ。経営を改善する際に、現状を把握しておかなければならない。その際に肝心なのが、数値化された目標管理だ。「クリニックの評価が『まあまあ』から『そこそこ』に上がりました」と聞いてもぴんとこない。「とにかく患者満足度を上げろ」とスタッフに発破をかけても、賛同は得られない。例えば「現状では患者満足度が3.8点だから、これを4.0点まで引き上げましょう」だと、非常にクリアになる。スタッフにも「患者満足度を0.2ポイント上げよう」だと、手が届きそうな気がしてくる。数値化することを嫌がる経営者は多いが、やはりデジタルな管理をした方が、達成感もスタッフの納得度も格段に違う。

 アンケートを実施した理由のもう1つは、「経営者自身の問題意識を高めること」だ。コンサルタントを頼ってくる医療機関経営者の中には、売上アップにしか興味がなく、改革は外部業者に頼りっきりになるケースが少なくない。アンケートを実施して生の声を聞くことで、危機感を感じるとともに当事者意識が芽生えてくる。「自分が何とかしなければ」と経営者が感じられれば、経営改革は成功したも同然だ。

 今回のケースでは、経営者が「当初から当事者意識が高かった」ことと「患者目線で改革した」ことが特徴だ。医師自身がアンケート項目を考えていたし、迷った時には受付や待合室に行って患者目線で考えるよう努力していた。こういった姿勢を最大限支援できるかどうかが、コンサルタントの腕の見せ所でもある。

メディファーム(株)代表取締役 裴 英洙



http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20140728-OYTNT50292.html
大隅4市5町保健医療推進協議会設立 分娩施設維持・確保へ協力
2014年07月29日 読売新聞

 大隅4市5町保健医療推進協議会の設立総会が28日、鹿屋市役所で開かれた。各市町の首長や議長、医療機関の関係者ら約40人が出席し、大隅地域での分娩ぶんべん施設の維持・確保に向け、協力して取り組むことを確認した。来年2月までに対策をまとめる。


 協議会によると、大隅地域で分娩ができるのは、県民健康プラザ鹿屋医療センターと、開業の産科診療所3施設のみ。三つの診療所の分娩取り扱い件数は1年間で計1200件を超え、1診療所あたりの件数は全国や県の平均値を大きく上回っているという。

 各市町は産科医の確保に向け、様々な取り組みを行っている。しかし、結果に結びついておらず、連携を深めることにした。

 総会で、協議会長の中西茂・鹿屋市長は「大隅地域で安心して子どもを産み育てることのできる産科医療体制の維持・確保は待ったなしの状況。現状・課題について共通認識を持ち、協力して対策にあたろう」と呼びかけた。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140729/myg14072902130001-n1.htm
石巻市立病院の再建費、2倍の137億円 労務・資材が高騰 宮城
2014.7.29 02:13 産經新聞

 東日本大震災で被災した石巻市立病院の再建費が当初予定よりも約2倍になった。津波で被災した同病院は平成23年に立てた計画で、再建費用を約70億円と試算。しかし、今年改めて計算したところ、2倍近い約137億円に上ることが分かった。復興工事の本格化とともに、資機材不足などが影響している。(木下慧人)

                   ◇

 石巻市議会は7日、市立病院再建の予算案を可決した。137億円のうち70億円は県からの補助金が交付されるが、不足分の67億円については国などへの支援を求める方針だ。既に石巻市の亀山紘市長と同市議は先月30日、県庁を訪れ、村井嘉浩知事に財政支援を要請。国の財政支援などが得られない場合は、市立病院の規模縮小を検討することなどを求める付帯決議案も可決しているため、国からの支援が不可欠な状況となっている。村井知事もこうした市の現状に理解を示し、当初の試算を超える部分について国の財政支援を求めるという。

 ここまで建設費が増大した背景には、労務や資材単価の高騰がある。例えば、県が公表している公共工事の工事費の積算に用いられる労務単価を見ると、普通作業員は1日当たり24年に1万1800円だったものが、今年は1万6100円。4千3百円も増加するなど、他の職種も軒並み賃金が上がっている。資材高騰の影響もあり、市担当者は「多少増えることは想定したが、ここまでとは誰も考えていなかった」と頭を抱える。

 当初の「70億円」という数字は23年10月の計算。市病院局が全国283カ所の病院建設費などを調べて算出した。県にもこの金額を基に補助金の交付を申請したが、復興需要の高まりで予想外の上方修正を強いられた。

 新病院の計画では7階建て、延べ床面積約2万4千平方メートル、病床は180床を誇り、地域医療の中核を担う存在となる。JR石巻駅前にある駐車場に建てられる予定で、28年7月に開院する見込みだ。

 市立病院病院管理課によると、市内では牡鹿病院と総合運動公園に仮設で設置した開成仮診療所で診療にあたっているが、石巻赤十字病院へ患者が集中している。担当者は「日赤病院のベッド稼働率は9割を超えている。一般的に7割を超えると『忙しい』といわれる中で、かなり高い数値」と説明する。負担軽減のためにも開院の遅れは許されない。同市の仮設住宅の女性(62)も「いつお世話になるか分からないから、開院が遅れたら困る」と不安をのぞかせる。

 気仙沼市でも老朽化した市立病院の建て直し計画を進めているが、厳しい状況に変わりない。入札が不調に終わり、当初予定していた約210億円の予算を246億円に増額した。こちらも国や県へ建設に向けて補助金の支援を求めるという。

 一方、仙台市立病院では資機材の高騰を大きく受けることはなかった。当初予定では総工費約161億円だったが、最終的に増加したのは10億円弱。およそ6%増で済んだ。同病院経営管理課によると「契約時期が早かったので、影響が少なかったのでは」と話す。同病院は23年12月に契約。復興需要が高まっていたとはいえ、ここ数年の高まりの影響を受けずに済んだ形だ。すでに建物は完成し、11月に開院する予定だ。

  1. 2014/07/29(火) 06:09:46|
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7月27日 

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140727/plc14072718000008-n1.htm
「名より実」の日本医師会 混合診療拡大の“抵抗勢力”は本当に翻意したのか
2014.7.27 18:00  産經新聞

 保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」が平成28年度にも拡大される。政府の新たな成長戦略に新制度「患者申出療養(仮称)」として盛り込まれた。制度新設に向けた議論では、当初は「安全性、有効性が定まらない治療が拡大する可能性がある」と反発していた日本医師会(日医)が、土壇場になって容認へと“翻意”した。日医の狙いはどこにあるのか-。

 「困難な病気と闘う患者が、費用を軽減しながら先進医療を受けたがっているということを、しっかりと受け止めなければならない」

 安倍晋三首相は6月10日、視察先の都内の病院で、「患者申出療養」を導入する方針を正式に表明した。

 新制度のもとでは、国内で実績のない治療や未承認薬投与を患者が希望する場合は、医療機関が国に実施計画を提出し、専門家による合議機関が安全性や有効性が審査する。審査の期間は原則6週間以内で、現状の3~6カ月から大幅に短縮されることになる。

 混合診療拡大案は今年3月に政府の規制改革会議の提案という形で浮上したが、日医は、安全性確認の仕組みの不明確さや国民皆保険制度を揺るがすおそれがあることを理由に「到底容認できない」と強硬に反発した。

 日医に加え、難病患者団体なども次々と反対を表明、厚生労働省も慎重姿勢を示し、調整は難航した。議論の末、田村憲久厚労相と稲田朋美行政改革担当相の6月6日の会談で新制度の大枠についての合意にこぎつけ、首相による10日の正式表明に至った。その直後の13日、日医は日本歯科医師会などと共同で記者会見を開き、新制度を容認する考えを示した。

 こうした外形的な経過からは、日医が官邸に「屈した」ようにも見えるが、実情は異なる。

 規制改革会議の当初案は患者と医師の合意があれば混合診療を幅広く認めるものだった。しかし、最終的な落としどころとなった「患者申出療養」は、専門家の合議機関が安全性を認めない限り混合診療の対象にはしないことが盛り込まれるなど、内容としては大きく後退した。日医など混合診療拡大慎重派への配慮の結果だ。

 そもそも、現在でも混合診療を限定的に認める「保険外併用療養費」という制度がある。審査期間の大幅短縮などの変更点はあるとはいえ、新制度は「大枠では現行制度の範囲内」(厚労省幹部)にとどまる仕組みに過ぎない。

 結局のところ、日医は「名より実」を取ることに成功したというわけだが、これは日医の横倉義武会長の政治判断が奏功した結果にほかならない。

 横倉氏は安倍首相にも近く、政府・自民党との関係を重視する立場を掲げる。平成24年の会長選では、当時野党だった自民党との関係改善を主張、親民主党路線の現職を破り初当選した。今年6月には無投票で再選され、2期目にあたっての記者会見では「政権と敵対するということはありえない」「政権に対して、必要なことは必要だと持続的に訴えていく、そして理解を求めていくということを積み重ねる」と言い切った。

 政権と敵対して抵抗勢力のレッテルを貼られるより、政権に食い込んで「実」を取るべきだ-。横倉氏の言葉の行間にはそんな姿勢がにじむ。

 患者申出療養の導入に向け、政府は来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)などでこれから具体的な制度設計が進むことになるが、日医に近い委員の主張によって、新制度がさらに「有名無実」化される可能性は高い。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237164/?category=report
医療維新 
日医の女性医師活用、「いずれも未達」
横倉会長「委員会の女性比率、1割超目指す」

2014年7月27日 橋本佳子(m3.com編集長)

 「日本医師会の男女共同参画の10年の歩み」と日本医師会は7月26日、「医療界における男女共同参画のさらなる推進に向けて~10年で医療界における男女共同参画は進んだのか~」をテーマに、「第10回男女共同参画フォーラム」を日医会館内で開催した。

 前日医男女共同参画委員会副委員長の長柄光子氏は、「方針決定過程における女性医師の参画の拡大を目指してきたが、日医役員と会内委員会委員における女性医師割合の目標は、いずれも未達」と手厳しく指摘、『2020年30%』の実現に向けて、「日医執行部へのさらなる働きかけと、女性医師の積極的な医師会活動参加を呼び掛けていきたい」と語った。『2020年30%』とは、2020年までに日医役員等における女性医師の割合を30%にするという意味だ。

 同委員会では2011年3月、「女性一割運動」、つまり女性医師割合について「2012年度までに、会内委員会委員では1割、2014年度までに日医役員の場合は1割」という目標を打ち出した。しかし、実際には2013年度の会内委員会委員の女性医師は9.5%であり、現執行部の女性役員は32人中、2人にとどまる。6月の役員選挙で当選し、2期目に入った日医会長の横倉義武氏は、現在、会内委員会の委員選考を進めていると説明、「1割超を目指す」との方針を示した。

 横倉会長は、男女共同参画の実現に向け、日医として(1)法律の整備、(2)就業継続支援・再研修支援、(3)出産・育児支援、(4)意識改革(若い女性医師、男女医学生、病院管理者や病院長への働きかけ・啓発、(5)指導的立場、意思決定機関への女性の参画についての積極的な取り組み――という主の5つの柱で進めていることを紹介。(1)から(3)は着実に進んでいる現状を踏まえ、特に重要なのは、(4)と(5)であるとした。

 「地域で医療を行う郡市区等医師会の約半数に、女性役員がいない。また日医代議員における女性医師の割合も2.5%と低い」などと現状を問題視。日医の役員は、代議員による間接選挙で決まるため、代議員自体が変わらないことには、日医役員の男女割合や方針決定過程なども、変わりにくい構造がある。さらに、横倉会長は、日医の組織率向上のためにも、女性医師の医師会加入や役員への登用が重要だとし、「男女共同参画が可能な日医に変わっていかなければならない」と意気込みを語った。

 前男女共同参画委員会委員の津田喬子氏も、「男性優位の医療界では、政策等の決定場面で男女共同参画が進んでいるとは言えない」と批判、そもそも「男女共同参画」という言葉自体に問題があるとした。英語は、「gender equality」であるため、「本来であれば、『男女平等参画』と訳すべき。しかし、歴史的経緯で『男女共同参画』となったのだろう。『2020年30%』も通過点にすぎず、これでは役員等の70%は男性が占める男性優位社会。次のステップは50%」と語り、その実現には、男性だけでなく、女性にも覚悟が求められるとした。

 男女共同参画が進まない理由として、「岩盤規制を直さないと、社会は変わらない」と述べるなど、ユニークな発言を展開したのは、東京大学名誉教授で、政策研究大学院大学教授の黒川清氏。「岩盤規制」とは男性の意識だ。「自信がない男たちが作り、自分たちの組織を守っているのが、今の日本の社会。『ダメな男と、がんばる女性』のせめぎ合いが続いているのが日本。その結果、優秀な才能を持つ人は海外に流出してしまい、日本には自信がない男性ばかりが残る」。黒川氏はこう皮肉交じりに述べ、国会議員でも女性が少ないなど、日本はジェンダーエンパワーメント指数が世界各国の中でも低い現状を指摘、米ハーバード大学学長が女性であることなどを引用し、「世界から見られているところに、発信することが大事」とし、東大総長などで女性を登用するなど、思い切った取り組みが必要だとした。

 フォーラムは最後に、「宣言」を採択して締めくくった。「育児支援の整備、勤務形態の多様化、復職支援など、目に見える形で一歩一歩、成果が具現化されてきた一方、意思決定の中枢部への女性医師の参画は、その目標達成には、いまだ程遠い」と現状を分析し、「男女共同参画の範疇を超えて、男女平等参画のもと、国家レベルで国民の医療に大きく貢献できる段階へと進化させていくことを決意する」という内容だ。


 日医の代議員、女性は2.5%にすぎず

 「男女共同参画フォーラム」は2004年7月に、「日本の医療を守るためには、日医が力を持ち続けることは今後ますます重要な事項。そのために日医の組織率の低下を防ぐことは、最重要課題」という趣意書の下にスタート。以降、年1回全国各地域でフォーラムを開催するほか、日医男女共同参画委員会などで、その実現に向け検討を重ねてきた。

 日医男女共同参画委員会では、今年2月の答申で、今後の課題として、(1)男女共同参画の視点に立った意識の改革、(2)雇用に関する男女の機会均等と待遇の確保、(3)方針決定過程における女性医師の参画の拡大――という3つの柱を打ち出した。(3)を掲げているのは、出産・育児を抱える女性医師の支援、ひいては男女を問わず、医師の勤務環境やキャリア形成支援などの実現は、方針決定の場に、女性医師が参画しない限り、容易には進まないと考えたからだ。

 26日のフォーラムは、午前と午後の2部。午前の部は、横倉会長の基調講演、日医男女共同参画委員会と女性医師支援センターの活動報告に続き、津田氏と黒川氏のほか、自治医科大学学長の永井良三氏の3インによる座談会が行われた。午後の部は、シンポジウムと総合討論で、前内閣府男女共同参画局長の佐村知子氏、前文部科学省文部科学審議官の坂東久美子氏、前厚生労働省医政局医事課医師臨床研修専門官(現山口県健康福祉部健康増進課長の國光文乃氏、日医常任理事の小森貴氏、前日医男女共同参画委員会委員長の小笠原真澄氏という、5人が参加した。

 フォーラム全体を通じて、各演者からは、医療界では役職等に就く女性医師が少なく、方針決定過程での女性医師の参画が進んでいない現状が、さまざまなデータから示された。以下はその一部だ。

【医師会・学会等における女性医師の割合】
・日医の役員   2002/2003年度:6.3% → 2014/2015年度:6.3%
・日医の会内委員会  2004/2005年度:4.9% → 2012/2013年度:9.5%
・日医代議員   2002/2003年度:0.2% → 2014/2015年度:2.5%
・都道府県医師会役員  2002/2003年度:1.8% → 2014/2015年度:5.5%
・日本循環器学会学術集会の一般演題の座長 (以前は約3%が続く)2013年:8.0% → 2014年:10.8%
・医学部教員   2013年:13.0%(講師以上の教員、近年増加傾向。医学科以外にも、看護学科なども含む)
・医学会の役員  会長(理事長):0%、副会長(副理事長):0%、理事:2.9%、評議員(代議員):5.3%(2014年2月に調査実施、102学会が回答。医師の役員等のうち、女性医師の割合)
・病院の管理者   全病院:7.0% → 10.3%、大学病院:4.0 → 6.4%、一般病院:7.9% → 11.4%(2013年8月に調査実施、大学病院47施設、一般病院337施設が回答。10年前と現在の管理者に占める女性医師の割合)


 医学部入学生、なぜ女性3割強で横ばい?

 女性医師をめぐるデータで話題になった一つが、医学部医学科に占める女性の割合。約50年前は約10%だったが、その後、着実に増加、1990年代初頭に30%を超えた。しかし、それ以降、30~35%の間にとどまっている。2014年の場合は33.6%だ。入試の合格判定に、何らかの“操作”が行われているのでは、との疑義が呈せられた。

 これに対し、坂東氏は、「以前は、理系の女性というと、圧倒的に医学部だったが、最近はばらけてきている。これはいいことではないか」と述べ、適正な合否判定が行われているとの認識を示した。同時に、厳しい勤務環境を変えないと、女性が進学しにくい現状もあるとした。

 小森氏は、「女性の医学部入学を作為的に抑えているのではないか、という声がある。日医の生涯教育担当理事として知り得る限りは、推薦枠については何らかの考慮をしているかもしれないが、一般入試でテストを受け入ってくる場合には、明確にないと言いきっていい」とコメント。「医師国家試験の合格者も、初期研修医の予算に合わせているとの噂があるが、それもない。万が一こうしたことがあれば、日医として追及していく」(小森氏)。

 「医学部長、病院長に女性を」

 男女共同参画を進めるための方策としては、黒川氏は、思い切った女性の登用を提言したものの、永井氏は、「一朝一夕で変わるわけではない」とし、さまざまな組織の長に働きかけたり、「女性枠を作るほか、女性の側も相応のポジションに就くための力を蓄えることが求められるとした。

 永井氏は、自身が所属する日本循環同学会理事で、大阪府医師会の理事も務める上田真喜子氏(大阪市立大学病理病態学教授)がセンター長の「大阪市女性医師ネットワークセンター」の取り組みを紹介。男女共同参画には、学会や医師会が連携した取り組みも必要だとした。

 津田氏も、理事における女性枠を作るほか、医学部長、病院長というトップの立場で女性を活用する重要性を強調した。「この立場の方々の発言は、次の世代の大きな励みになる」と語る津田氏は、一方で女性医師に対しても、「オファーが来たときにぜひ受けてもらいたい」とエールを送った。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO74827560X20C14A7CR8000/
精神科病床、日本が突出 OECD平均の4倍
2014/7/28 0:30 日本経済新聞

 先進34カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)は27日までに、各国の精神医療に関する報告書をまとめ、日本の精神科病床数はOECD平均の4倍で「脱施設化」が遅れていると指摘した。

 報告書によると、2011年前後のデータに基づく人口10万人当たり精神科病床数は、OECD平均で68床。それに対し日本は269床と突出しており、加盟国中で最も多い。

 多くの病床が長期入院者で占められていることにも触れて「患者の地域生活を支える人的資源や住居が不足している」と指摘。精神障害者に対する社会の認識を変える必要があるとした。

 年間の自殺率も、OECD平均の10万人当たり12.4人と比べて日本は20.9人と高く、「要注意」と警告。地域医療を担う全ての専門職に精神分野での能力を向上させるよう検討を求めた。

 報告書は、厚生労働省が今月決めた精神科病棟の居住施設への転換容認には触れていないが、エミリー・ヒューレット担当分析官は「どんな変更であれ、患者の意思が何より大事だ。病床削減は多くの国が苦労してきたが、長期入院の患者であっても支援態勢があれば、自立して地域で暮らせる可能性がある」と指摘している。〔共同〕



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=102486&cx_text=09&from=ytop_os_txt1
精神疾患名 どう変わる?…「障害」避け「症」に置き換え

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 米国精神医学会が作成し、世界で広く用いられる精神疾患の診断基準「DSM◎」が昨年改定されたことを受け、日本精神神経学会は今年5月、改定に対応した日本語病名を発表しました。「アルコール依存症」などの病名がなくなるなど、多くの変更がありました。

米基準改定受け

 ――これまでよく使われてきた病名をなぜ変更するのですか。

 「精神疾患の病名は過去にも変更されています。2002年には『精神分裂病』が『統合失調症』に変わりました。以前の病名に患者を蔑視するニュアンスがあり、患者や家族から改名の要望が強く上がっていたためで、日本精神神経学会が新病名を決めました。国などはこの変更を受けて、公的文書をすぐに改め、新病名が社会に広まりました」

 「しかし、今回の変更は経緯が異なります。国内の患者や家族の声を受けた変更というよりも、米国の診断基準の改定に合わせた変更だからです。日本語での病名は、同学会など精神疾患の関連学会が訳し方を決めました」

消える「依存」

 ――最も大きな変更があった病気は何ですか。

 「コミュニケーションや対人関係の問題が表れる『発達障害』は、名称や分類が大きく変わりました。以前のDSMには『広汎性発達障害』という病名があり、症状の程度や出方によって『自閉性障害』『アスペルガー障害』『特定不能の広汎性発達障害』などに細分化していました。米国の改定版ではこうした細分化を行わず、『自閉スペクトラム症』で一括しました。細分化するよりも、一続きの病気として捉えるほうが実態に近いとの判断があったためです」

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 「『アルコール依存』など、依存症を表す英語『dependence』が消えたことも注目されます。しかし、依存症という言葉は日常的に使われており、『インターネット依存症』などの言葉も新たに生まれているので、戸惑いの声が上がっています」

過剰診断の懸念も

 ――日本の学会が日本語訳を作る際に病名を変更したものもあるそうですね。

 「例えば、『不安障害』の英語病名には変更はありませんが、日本語訳は『不安症』になりました。同様に『パニック障害』が『パニック症』、『強迫性障害』が『強迫症』と変わりました。同学会副理事長の神庭重信さんは、『障害と付くと治らない病気というイメージが強まるため、診断時に衝撃を受ける人も少なくない。個々の病気の実情を考慮しながら、必要と判断したものは可能な限り、症に置き換えた』としています」

 「一方で懸念もあります。不安感や強迫的な思いは誰でも抱くので、それだけで病気とは言えません。これが過剰になり、社会生活に支障が出た状態が精神疾患です。病名から障害をなくすと『自然に生じる不安感などまで病気と過剰診断されるのではないか』と心配する声が上がっています。神庭さんは『安易な診断をしないように、医師に求めていく』と説明しています」

 ――今後は新病名を使わなければならないのですか。

 「以前の病名でも問題はありません。医療機関などでの公的文書で使われる標準的な病名は、世界保健機関の分類に基づいて決められており、今回の変更がすぐに反映されるわけではありません」

 「しかし、世界保健機関の分類は3年後に改定が予定され、精神疾患についてはDSMとすり合わせが行われます。そのため今回の日本語病名の多くが、標準的な病名として採用される可能性が高いと考えられます。新病名に疑問があれば、関連学会などに意見を伝えたほうがよいでしょう。神庭さんは『再検討を求める声があれば、きちんと対応したい』と話しています」(佐藤光展)

 ◎DSM=Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

(2014年7月27日 読売新聞)



http://mainichi.jp/select/news/20140727k0000m040103000c.html
被災42市町村:震災理由に106人退職 心身の疲弊深刻
毎日新聞 2014年07月27日 08時00分(最終更新 07月27日 10時45分)

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の沿岸部や避難区域となった自治体で、少なくとも106人の職員が震災を理由に早期退職したとみられることが分かった。原発事故などに伴う職員自身の移住が理由の3割だった一方、「住民対応の疲れ」や「業務増による過労」「心の病気」なども目立った。震災から3年を超え、被災した不自由な環境で復興業務に当たる職員の疲労や精神的な負担が深刻化している現状が浮き彫りになり、専門家は早急なケアの必要性を指摘する。

 毎日新聞は5〜7月、42市町村(岩手12、宮城15、福島15)にアンケート調査した。2011年3月11日〜14年3月の早期退職者は1843人で、このうち震災や原発事故が理由とみられる退職者数は12市町村で106人に上った。退職理由を「特定できない」と回答した自治体もあり、さらに多くの職員が震災をきっかけに退職を余儀なくされた可能性がある。

 自治体別では、福島県双葉町21人▽大熊町17人▽いわき市15人▽浪江町14人−−の順で、福島県で全体の8割超の91人を占めた。退職理由を複数選択で尋ねたところ、3県では「震災・原発事故による移住」が35人だった。「業務増による過労」が19人、「被災した住民の対応の疲れ」が9人、「心の病気」が8人。その他は「被災した自宅の整理」「家族などの避難」「業務対応の変化」などだった。

 労働環境への懸念を尋ねたところ、「多くの職員が住宅再建を果たせていない」(岩手県大槌町)、「復興のさなかで最も力を傾注すべき時だが、職員は震災直後から走り続けている」(宮城県石巻市)、「避難先から通勤する数十人の職員の疲労を懸念」(福島県川内村)などの声が上がった。

 福島県で自治体職員のストレス調査を続ける同県立医科大の前田正治教授(災害精神医学)は「被災地、特に福島の避難自治体の職員の疲弊は深刻だ。仕事量の増加に加え、住民の不満や不安が支援をしている職員に向けられることもある。仕事への士気が下がり、退職につながっていくのではないか。市町村内部だけではなく外部の組織が介入し、心をケアする仕組み作りが急務だ」と強調する。

【まとめ・喜浦遊、小林洋子】


  1. 2014/07/28(月) 05:41:31|
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7月26日 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG25020_V20C14A7CR0000/?n_cid=TPRN0009
「自分専用サイト」で健康に 旭川医大、無料サービス
2014/7/26 12:28 日本経済新聞

 自宅で測定した体重や血圧、血糖値などのデータをインターネット上に保存して管理、医師に見てもらい電話やメールでアドバイスを受けることができるサービスを、旭川医科大学(北海道旭川市)が無料で提供している。利用登録者は周辺地域を中心に約3500人。医師不足が深刻な過疎地で、住民の健康管理に役立っている。

 サービスは「ウェルネットリンク」。2009年の開始以降、利用者が増えている。会員登録すると自分専用サイトが与えられ、測定データをパソコンやスマートフォンから入力できる。開示するデータの範囲を自分で決め、医師からアドバイスを受けられる。

 北海道留萌市の自営業の男性(86)は午前7時半に起床し、血圧と体温を測り、体重や体脂肪率が分かる体組成計に乗るのが日課になっている。糖尿病を患い、専用機器で血糖値も測る。

 データは自宅のパソコンから入力できるが、入力作業が苦手な男性は月に1度、近所の健康サポート施設にデータを持参し、職員に入力してもらっている。

 「血糖値 10月28日 180 12月14日 135 12月28日 205」

 男性がパソコンで専用サイトにアクセスし、IDとパスワードを入れると、過去2年分のデータや飲んでいる薬の一覧が表示された。「数値が上がってきたなと分かるんです」

 同じころ、同システムを利用する留萌市立病院の笹川裕院長は男性の専用サイトを見ていた。「血糖値が高いですね。最近の食事はどうですか」。定期的に男性の数値を確認し、メールや電話で個別にアドバイスする。

 留萌市立病院には100キロ以上離れた地域から患者が通う。離島もあり、冬は雪のため通院が大変だ。笹川院長は「こんな条件でも、住民の健康管理が継続的にできる」と利点を説明する。

 旭川医大は、遠隔地で撮影した眼底の画像を送ってもらい、専門医がアドバイスする。石子智士特任教授は「大学病院にわざわざ来なくても近所で検査でき、緑内障などの早期発見につながる」と手応えを感じる。

 同システムには、健康のデータだけでなく、医師が診察した際のカルテも登録可能だ。旭川医大は「他の病院と情報の共有化を進め、将来的にはどの病院でも適切な医療を受けられるようにしたい」としている。〔共同〕



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=102445
C型肝炎薬で15人副作用死…「田辺三菱」製
(2014年7月26日 読売新聞)

対象外患者に処方

 2011年に発売されたC型肝炎治療薬「テラビック」(一般名・テラプレビル)を服用した患者の4人に1人に全身の皮膚炎や肝不全などの重い副作用が起き、15人が死亡していたことが、製造販売元の田辺三菱製薬(大阪市中央区)などへの取材でわかった。

 発売前の臨床試験(治験)中から副作用の危険性が指摘され、重い肝硬変や肝臓がん患者は処方の対象外となっていた。しかし死亡例の多くで医師の判断で対象外の患者に投与されていた。

 同社によると、テラビックは11年11月の発売以降、昨年9月までの約2年間に1万1135人が服用、23%の2588人に重い副作用症状が出た。うち13人が肝不全や皮膚炎、腎障害などで死亡、さらに今年2月までに2人が亡くなった。いずれも薬の服用との因果関係が疑われた。

 テラビックは、治験中に重い副作用が頻発したため、厚生労働省は市販にあたり、同社に第三者委員会の設置を指示。同委による分析で対象外の患者への使用が判明した。

 同委の報告書によると、ある高齢女性は、過去に肝硬変と診断されていたが、医師が処方を開始。食欲減退などの症状が出たが、同じ治療を約3か月間継続。肝炎ウイルスは検出されなくなったものの、急性肝不全で死亡した。

 60歳代の男性患者は服用開始直後に皮膚の発疹などが現れ、いったん治った。ところが50日目に再発した後は悪化の一途をたどり、全身の皮膚がただれて亡くなった。同委は、副作用の兆候を見逃した疑いがある例と判断した。

 この薬は皮膚の状態を注意深く観察すれば、副作用の悪化が防げることが治験で判明。厚労省は処方可能な医療機関を肝臓病と皮膚病の専門医がそろう約800施設に限っていた。

 同社によると、死亡例以外でも、服用した人に副作用の兆候である皮膚の症状が現れたのに、専門医が重症化を防ぐ措置を十分に行わなかった例も目立ったという。薬の副作用に詳しい「医薬品・治療研究会」代表の別府宏圀医師(75)は「専門医に限る対策が根本的な副作用対策にならないことは、過去の副作用被害でも明らかだ。今回の問題点を検討し、警鐘とすべきだ」と話している。

 テラビック 肝炎ウイルスの増殖を抑える飲み薬(1日3回)で、免疫を活性化させる治療薬の注射(週1回)と、抗ウイルスの飲み薬(1日2回)と併用する。昨年12月、副作用が少ない新たな治療薬が発売され、テラビックの使用量は減少傾向にある。



http://www.asahi.com/articles/ASG7V33DQG7VULBJ002.html
C型肝炎治療薬副作用で15人死亡 対象外患者に投与も
2014年7月26日14時19分 朝日新聞デジタル

 田辺三菱製薬(大阪市)が製造販売するC型肝炎治療薬「テラビック」(一般名・テラプレビル)を服用した患者15人が副作用とみられる肝不全などで死亡していたことが、厚生労働省や同社への取材でわかった。肝硬変の患者らへの投与は対象外とされていたが、医師が対象外の患者に投与して死亡している事例が含まれていたという。

 「テラビック」は2011年9月に承認され、同11月に発売。発売前の治験段階で約9割に貧血、約4割に発疹などの皮膚障害がみられ、当初から重い副作用が課題になっていた。承認条件として、厚労省は同社に調査を義務づけ、第三者委員会の設置を指示した。

 調査では、11年11月~13年9月、1万1135人が服用し、約2割に当たる2588人に重い副作用が出た。ヘモグロビン減少などの血液障害や皮膚障害、腎障害など重篤な副作用が報告されていた。因果関係が否定できない死亡例も、今年5月時点で15例あった。

 厚労省などによると、この薬の対象外となっている肝硬変などの患者に対して、投与されていたという。また、患者に皮膚の異変が出る副作用の兆候が出ていたが、症状が悪化して死亡した例もあったという。

 テラビックは肝炎ウイルスが増えるのを抑える飲み薬。ほかの抗ウイルス薬などと併用して治療に使われる。

 田辺三菱製薬の広報担当者は「引き続き、適正使用情報の提供に努める」とコメントした。

     ◇

 〈テラビック〉 C型肝炎ウイルスの増殖を抑える錠剤。インターフェロン、リバビリンという他の治療薬が効かなかったり、症状が再発したりした患者に用いられる。皮膚がただれるなどの副作用が起きやすく、添付文書では、十分な治療経験がある医師が処方するよう求めている。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/236960/
医療介護の総合確保方針、9月上旬に告示
厚労省が第1回会議、「基金」交付決定は11月

2014年7月26日(土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療介護総合確保促進会議」の第1回会議が7月25日、開催された。同会議は、先の通常国会で成立した、医療介護総合確保促進法に根拠を持つ。(1)医療と介護の連携を図りながら、提供体制の構築を進めるための「総合確保方針」の作成、(2)同法で定める「新たな財政支援制度(基金)」の使途や配分等の検証――の二つが主な役割だ(資料は、厚労省のホームページに掲載)。座長には、慶応義塾大学名誉教授の田中滋氏、座長代理には、国立社会保障・人口問題研究所所長で、中医協会長でもある森田朗氏が、それぞれ選任された。

 基金は、医療・介護サービスの提供体制の改革のために、2014年度からスタートした新事業(『904億円基金、「1点集中」から「地域の底上げ」』を参照)。2014年度の予算は904億円で、医療が対象、2015年度からは医療と介護の事業が対象となる。

 今後2回の会議を経て、「9月上旬を目途に、総合確保方針を決定するのが、最初のミッション」(厚労省保険局医療介護連携政策課長の渡辺由美子氏)。総合確保方針は、医療計画と介護計画の整合性を図るとともに、基金の交付方針を決めるという、二つが柱。具体的には、(1)地域における医療および介護の総合的な確保の意義および基本的な方向(意義、基本的な方向、国・都道府県・市町村等の役割など)、(2)「医療計画基本方針」および「介護保険事業計画基本方針」の基本となるべき事項、「医療計画」および「介護保険事業計画」の整合性の確保に関する事項、(3)「都道府県計画」および「市町村計画」の策定・整合性の確保に関する基本的な事項(基本的な事項、基金に関する具体的事項)、(4)基金に関する基本的事項――などを盛り込む予定。

 総合確保方針を基に、各都道府県は、「都道府県計画」を策定し、それを基に、医療介護の総合的な確保に必要な事業に対し、「基金」の交付先を検討する。今年10月に基金の交付先を内示、11月には決定、12月以降、医療介護総合確保促進会議が基金の交付状況の検証などを行うケジュールが予定されている。

 医療介護総合確保促進会議は、何らかの結論を出し、終了するのではなく、常設の会議体。運営に当たっては、厚労省の担当部局も連携。保険局が事務を担当するが、医政局、老健局も参加する。25日の会議では、3局長、3局の担当審議官、担当課長などの幹部が勢ぞろいした。同会議の構成員も、医療・介護関係団体、保険者、地方公共団体の代表者のほか、学識経験者、国民の立場など多岐にわたり、計28人にも及ぶ。会議のスタートに先立ち、厚労省はこの7月、医療と介護の連携審議官のポストと、保険局に医療介護連携政策課を新設した。

 もっとも、このように議論の体制は充実させたものの、総合確保方針が、どこまで医療と介護の総合確保・連携に資するかは、現段階では微妙だ。「まず総合確保方針を定め、医療計画基本方針や介護保険事業計画基本方針を定めるのが、本来の姿」(渡辺課長)だが、既に両方針に基づき、医療計画と介護保険事業計画が進んでおり、両計画の同時改定が実施されるのは、2018年度になるからだ。また基金については、予算の執行スケジュールもあり、前倒しで交付の準備が進められ、今年3月には都道府県への説明会を開催している。今年度は取り急ぎ総合確保方針を策定するものの、2018年度を見据えた同方針の改定こそが、カギとなるだろう。


 「医療は県、介護は市町村」、整合性が必要

 25日の会議は、フリーディスカッションの形で展開され、構成員全員がそれぞれの立場から意見を述べた。「総合確保方針」に盛り込むべき事項が議論の目的だったが、それ以外にも多岐にわたる意見が出た。

 複数の構成員から上がったのは、医療計画や介護保険事業計画で策定主体や圏域が異なる問題や、基金の使途に関する意見、エビデンスに基づく各種計画策定と実行の重要性などだ。

 日本医師会副会長の今村聡氏は、医療計画は都道府県、介護保険事業計画は市町村、介護保険事業支援計画は都道府県がそれぞれ策定するため、これらの計画の一体的な運用は重要だとしたものの、「横串を刺すのであれば、この点について整合性を取ってもらいたい」と求めた。医療計画は2次医療圏単位、介護保険事業計画は市町村単位という相違もある。今村氏はさらに、各地域の医師会も積極的に関与するよう働きかけていくため、「都道府県が総合確保方針を基に計画を策定する際には、現場の関係者の意見を聞くプロセスを大事にしてもらいたい」と要請した。

 高松市長の大西秀人氏からも、今村氏と同様の視点から、「計画策定等に当たっては、医療と介護の連携における都道府県と市町村の役割分担を明記してほしい」との声が上がった。

 渡辺課長は、「確かにこれまでは、医療は都道府県、介護は市町村になっていた」と認めた上で、「医療では今後、地域医療構想(ビジョン)を策定し、病床機能分化を進める先には介護の存在が必要。一方で地域包括ケアシステムの先には、医療の存在が必要であり、たすきがけ、クロスで考えていくのが、医療介護総合確保促進会議」と述べ、現場の方が連携が進んでいる場合もある現状を踏まえ、総合確保方針の議論を進めていくと回答。

 森田氏からは、中医協会長の立場で、2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定を担当した経験を踏まえ、次のような意見も出た。「両方のシステムのすり合わせを議論した。かなり改善されたが、完全にスムーズな連携ができるようになったかと言うと、そうではない。医療と介護のそれぞれの保険システムの哲学が違い、プロバイダーの考えも一体化することができなかったからだ。やはり利用者の視点、それを貫く哲学、基本的な方針を策定してもらいたい」。

 基金は診療報酬の補完

 学習院大学経済学部教授で、前中医協会長の遠藤久夫氏は、自らの経験を踏まえ、次のような見解を述べた。「診療報酬は、全国一律が基本であり、インパクトのある施策。医療行為の対価であると同時に、提供体制の整備にも影響する。インパクトがある分、副作用が大きい上、医療行為を伴う部分以外の、人材育成やITの整備などは、間接的にしか評価していない。また自己負担を伴うので、(政策誘導するために)インセンティブを設けても、患者側からみれば負担が増えることになる。したがって、『基金は、診療報酬の補完政策』という視点が重要。診療報酬と基金のそれぞれの特徴を考えていく必要がある。また、基金の財源は公費であり、その配分に当たって地域特性を追求することと、配分の公平性の担保は相反するので、国が一定の責任を持つことが重要」。

 中医協会長の森田氏も、人口減少が医療提供体制に大きな影響を与えるとし、「人口減少地域で、提供体制を維持するためには、今の診療報酬で維持することが難しく、そこで基金が果たす役割は大きいと考える。その際、どんなニーズがあるのかを正確に把握しないと、無駄が生じる。そのためには、ITを使った形できちんと情報を集め、それに基づき、公正性、透明性を確保して基金を配分することが必要」とコメント。

 中医協の委員を務める、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「言い方は不遜かもしれないが、介護の施設が充実していないと、医療保険に若干のしわ寄せが来るのではないか」と述べ、具体例として療養病床あるいは維持期のリハビリテーションを挙げ、介護サービスの充実に基金が必要だとした。基金は、今年度は医療が対象だが、来年度からは介護も対象になるため、「今の医療費と介護費の額などを考えながら、両者のバランスを考えもらいたい」としたほか、医療については今後進む病床の機能分化にも活用できるよう求めた。

 そのほか、基金については、公的と民間のバランスを考えた配分、施設整備だけでなく人材確保・養成のための活用などの意見があった。

 データに基づく計画策定、検証必要

 データに基づく各種計画の策定の重要性を指摘したのが、日本病院会副会長の相澤孝夫氏。「どんな圏域で計画を作るかだが、場合によっては都道府県や、市町村を超えたり、あるいはより小さい範圏域になる場合もあるだろう。適切な圏域をまず設定することが必要であり、地域におけるサービスの量、質、人材などに関する、現状と将来のデータを集め、それに基き、十分な討議をする仕組みを作ることが必要」(相澤氏)。

 奈良県知事の荒井正吾氏は、地域包括ケアシステムを構築するため、パフォーマンス指標やプロセス指標を明確化し、PDCAサイクルを回すべきと指摘。さらに、各種計画がうまくいくか否かについては地域差があるとし、「地域差を解消するためには、差異分析を行うことが必要。そのためにICTを活用すべき」と提案した。

 白川氏も、「従来の医療計画は、(計画期間の)5年が経ち、どのようにアウトカムが変化したかという視点が少し欠けていた。介護保険事業計画との整合性を図るためにも、評価項目を明確にして、評価を確実に実施する仕組みしてもらいたい」と述べ、計画を策定するだけでなく、その評価が重要だとした。



http://www.chibanippo.co.jp/news/national/205700
死亡患者ほかにも複数 第三者検証委、初会合で病院局報告 千葉県がんセンター腹腔鏡下手術問題
2014年07月26日 10:08 千葉日報

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた患者が術後短期間に死亡するケースが相次いだ問題で、これまでに明らかになっている9人以外にも同様に死亡した患者が複数いたことが25日、分かった。同日、千葉市内のホテルで開かれた千葉県の第三者検証委員会初会合で県病院局が明らかにした。検証委は9人の事例の医学的な調査とともに、今回新たに判明した事例を検証の対象にすべきかの検討を日本外科学会に依頼する。

 原因究明などを行う検証委は医療や法律の専門家、患者団体の代表ら7人で構成。県病院局の矢島鉄也局長は「調査には中立と客観性の確保が重要。厳正な検証をお願いしたい」とあいさつした。委員の互選で多田羅浩三・日本公衆衛生協会長を検証委の会長に選出した。

 会議は個人情報を扱うため、冒頭以外は非公開で開催。会議後、多田羅会長が会見して内容を公表した。多田羅会長によると、県病院局が9人の事例について詳細を解説。さらに、同手術後、一定の期間内に死亡した患者がほかにも複数いたことを説明した。多田羅会長は「数字が一人歩きしては困る」と具体的な人数などへの言及は避けた。検証委は近く医学的な調査、検討を同学会に依頼し、年内にも基本的な報告を出すように要望する。

 検証委は、患者への説明を含めセンター内での手術決定のプロセスや体制などを具体的な資料をもとに確認。同学会の報告を踏まえながら、本年度内をめどに再発防止策などを盛り込んだ報告書のとりまとめを目指す。

 多田羅会長は「医療の信頼に関わる重要な調査検証になり、責任を感じている。実態を厳しく調べて、再発防止の取り組みを進めたい」と話した。



http://mainichi.jp/select/news/m20140726k0000m040105000c.html
降圧剤問題:奨学寄付、企業名公開を…国立大病院側に要請
毎日新聞 2014年07月26日 07時10分

 文部科学省大学病院支援室は25日、企業から奨学寄付金を提供されている国立大の付属病院に対し、提供元の企業名の情報公開を徹底するよう要請した。45病院が加盟する国立大病院長会議の担当者は取材に対し「要請を重く受け止め、前向きに検討する」と話した。

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡るデータ改ざん事件では、製薬会社ノバルティスファーマが臨床試験をした5大学に計11億円超を提供。ところが論文に寄付金を受領したことや額の記載がなかったり、問題表面化後も大学側が情報をなかなか明らかにしなかったりして、社会の不信感を高めた。

 この日の閣議後の記者会見で、下村博文文科相は「大学が奨学寄付金を適切に情報公開することは、社会的信頼を保持するための重要な手段」と指摘。その上で「企業との関係について社会的信頼を損なわないよう、企業名を含めた一層の情報公開が必要だ」と述べた。

 国立大病院長会議は6月、企業から研究者に提供された講師謝礼や受託研究費などの資金の公表に関する指針をまとめた。しかし奨学寄付金については、公表するのは診療科ごとの件数と総額にとどめ、寄付元は企業への配慮から控えることにしていた。

 奨学寄付金は、企業や個人が大学などを通じて研究者側に提供する寄付金。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上る。【河内敏康】


  1. 2014/07/27(日) 06:14:58|
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7月25日 

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/232737/?category=special
専門医の更新、移行など課題は多々◆Vol.3
総合診療専門医をめぐる誤解で混乱も

2014年7月25日 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――日本専門医機構の組織委員会で吉村博邦・北里大学名誉教授が中心となりまとめた中間報告では、新規に総合診療専門医を目指す医師対象の3年間のプログラムは固まっていますが、それ以外の点では残された課題があります。その一つが、19の基本領域において、二つの専門医を取得する、いわゆるダブルボードを認めるかという点です。

池田 ダブルボードのほか、他の領域の専門医からの移行の問題もあります。

 ダブルボードについて言えば、例えば、小児科の専門医も、本来は「地域を診る能力」を持たなければいけません。小児科専門医が、総合診療専門医として地域に貢献でき、総合診療専門医としての能力が担保されれば、個人の意見としては、私はダブルボードを認めてもいいと思います。ただし、それぞれに必要な診療能力を備えていることが必要です。

 また移行の問題ですが、例えば、何十年もある領域の専門医として大学病院で活躍されてきた方が、開業され地域医療を担う場合、すぐに総合診療専門医を取得できるわけではないですが、他の診療領域での初期対応や「地域を診る」という視点については、少し勉強してもらってから、総合診療専門医になった方がいいという話に当然なります。

日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉氏は、総合診療専門医の養成は、数よりも、まず質を担保する重要性を強調する(写真はいずれも:的野弘路)。

 一方で、総合診療専門医の資格を取得していても、「キャリアを変えたい」と考え、他の領域の専門医を目指す場合もあり得ます。

丸山 池田先生のおっしゃる通りだと思います。ただ、現状の問題は、まだ議論もされていない「見えないお饅頭」、つまりインセンティブが、総合診療専門医に付くような誤解が、混乱を招いている点にあると思います。言い方を変えますと、「総合診療専門医を取得しないと、地域で診療できない」という誤認です。現状ではそのような議論は1回もしていません。これは国民的な議論がないと容易にはまとまらない問題であり、まだ先の議論だと思っています。先ほども少し触れましたが、日本医師会の言われる「かかりつけ医」と総合診療専門医がジョイントして、一緒に現場で働く期間が相当あると思うのです。

 池田先生は非常に高邁な視点で将来像をお考えになっているのでしょうが、過渡期には難しい問題も出てきます。今、進めているのは、総合診療専門医を19番目の基本領域の専門医として確立する話です。社会制度の改革の話をしているわけではありません。この辺りの誤解もあります。まず専門医制度の確立が先決です。

 私どもとしては、養成数を早急に増やすべきではないと考えています。「家庭医療のマインドを持った総合診療専門医の養成」という方針を掲げ、数よりも質を担保していくことが大事だと思っているからです。そうではなく、総合診療専門医になるメリット、デメリットの議論をするから、混乱を招いているのです。

「かかりつけ医が全て総合診療専門医になる、といった誤解があり、混乱を招いている」と指摘する、日本医師会副会長の今村聡氏。

今村 「地域で活躍している、かかりつけ医が、総合診療専門医にならなければいけない」という議論は、もちろんありません。総合診療専門医の質はとても大事です。いつも池田先生が言われていることですが、国民、あるいは患者目線で考えた時に、例えば、麻酔科、あるいは麻酔科標榜医が定着するまでに、どれだけ時間がかかったかということです。総合診療専門医に対する国民の理解が、急に深まるとはとても思えないのです。

 私自身のことを考えても、総合診療専門医を取得しなくても、今来てくださっている患者さんは今後も来てくださるでしょうし、より質が高い医療を提供するために、「総合診療専門医とは、どのようなものなのか」などを考え、自分なりに研修することはあるにしても、やはり総合診療専門医の取得は相当ハードルが高い。

 ところが、ある日、突然、かかりつけ医が全て総合診療専門医になるという誤解があるので、混乱しているのだと私も思います。

丸山 その通りです。移行の問題にしても、それぞれの専門医の要件を曖昧にしたまま、認めるのはあり得ないと考えています。移行の際に「不足している」部分は、総合診療専門医も研修する。一方で、他の領域の専門医が総合診療専門医に移行する際も、同様に不足部分は研修するということです。ただ、恐らく2020年度以降は、論理的には可能でも、実際にはダブルボードは難しいのではないでしょうか。

 さらに言えば、新専門医制度の下、2020年度以降に専門医を取得する医師と、それ以前に取得した医師との間には、明確な線引きがあっていいと思います。

池田 ダブルボードはなぜ難しいかと言うと、新規の認定や更新はそう簡単にはできないと思われるからです。「ダブルボードを取得してはいけない」というルールはありません。努力して取得するのは構いません。ただ、総合診療専門医は、他の領域の専門医よりは、大変な努力をしないと取得できないという制度にしないと、総合診療専門医がリスペクトされるようにならない。一方で、総合診療専門医でも、簡単に他の領域の専門医が取得できるわけではない。

 諸外国の例を見ると、総合診療専門医は、他の領域の専門医よりも低く見られる傾向が現実問題としてあります。私はそうではなく、「大変な思いをして取得する専門医である。ステータスとしてはむしろ他の領域よりは上」というくらいの専門医になってほしいと思うのです。

丸山 池田先生と同じ思いです。

――総合診療専門医について、もう1点、各論をお聞きします。サブスペシャリティの問題、つまり循環器や消化器、呼吸器などの専門医は、今は内科のサブスペシャリティですが、総合診療専門医のサブスペシャリティにもなり得るのでしょうか。

日本専門医機構理事長の池田康夫氏は、ダブルボードやサブスペシャリティなど、専門医制度の改革に向けて、議論すべき点は多々あると説明。

池田 サブスペシャリティの問題は、各専門医の医師像をクリアにすれば解決できます。その医師像に到達するためには、どんなトレーニングが必要かを明確にする。サブスペシャリティの専門医を取得したいと考えれば、例えば、総合診療専門医は、不足している部分を追加して研修すればいい。内科専門医にしても同様です。このような制度設計にすれば、若い先生にとっても、分かりやすい制度になると思います。

丸山 池田先生の考えに同感です。原理原則を通す。それがフェアな制度です。

――基本領域と、サブスペシャリティが一対一対応ではなく、要件を満たせば、サブスペシャリティを取得できる。これは総合診療専門医に限らず、他の領域の専門医でも同じ。

池田 その通りです。

丸山 総合診療専門医でも、サブスペシャリティを取得し、かつその道で生きていくことも可能なのです。「一度、こちらの道を選んだら、ずっと同じ道」などといった、硬直化した制度にしない方がいい。

池田 キャリア形成には、いろいろな道があって当然です。どのような道もある、しかしその時に、きちんとしたトレーニングを受け、それぞれの医師像を満足する必要がある。この点を共通認識にしておく必要があります。

――では、専門医の更新の問題はいかがでしょうか。

池田 まず、今回の専門医制度改革は、「これからの日本の医療を担う若い医師をどう育てていくか」が一番のポイントです。今活躍されている医師をどうするかという問題と、どのような医師を養成していくかという問題を切り分けないと、議論が混乱します。

 その上でお話ししますが、専門医の更新の問題は非常に重要です。日本の専門医の更新は、「学会に行って、ハンコをもらって…」と批判を浴びている面があるのも事実です。学会に出席するのも、一つの方法ですが、それだけで完了できるわけではありません。今後は、診療実績と、医学・医療の進歩のキャッチアップ、これら2本を柱にし、日本医師会の生涯教育制度なども取り入れながら、専門医の更新制度を確立していくことが必要だと思います。米国の専門医制度も、最初は更新制度がなく、いったん取得したらそのままだったのです。更新制度を導入したのは、比較的最近のことです。

――今の更新制度の話は、総合診療専門医に限らず、全ての専門医に当てはまることです。

池田 もちろんです。全ての領域で重要であり、診療実績も、例えば5年の更新期間に、どの程度の症例を経験したかが問われます。総合診療専門医の場合は、フィールドは大学ではなく、地域にありますから、地域での診療が実績になってきます。

――専門医の更新の議論はいつごろ実施するのでしょうか。

池田 各領域に共通する専門医の更新基準を早く作らなければいけません。その更新基準に合致する形で、各領域が更新の基準を作っていく。更新を少し前倒しにするという議論を始めようと思っています。

――「前倒し」というのは。

池田 2017年度から新制度に基づく後期研修が開始し、新専門医が誕生するのは2020年度です。「2017年度以降でないと、新制度に基づく更新を始めるべきではない」との意見ありますが、2017年度から研修を開始するにしても、指導する人が必要です。

――前倒しして、新たな基準で専門医を更新した人が、指導に当たる。

池田 その通りです。したがって、今年度中に更新基準を決める予定です。



http://www.news-kushiro.jp/news/20140725/201407252.html
地域医療再建に尽力 手塚所長退任/羅臼
2014年07月25日 釧路新聞

  羅臼町「知床らうす国民健康保険診療所」の手塚誠所長(69)が今月末で退任する。町内唯一の医療機関「町国民健康保険診療所」(当時)が、休診寸前に追い込まれるなど危機的状況の中、所長として2010年7月に着任し、崩壊しかけた地域医療の再建に尽力してきた。退任が惜しまれる一方で、それ以上に功労者への感謝の言葉が関係者から上がっている。     



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/236608/?category=report
10月開始へ、病床機能情報報告の方針決定
厚労省検討会、「議論の整理」で終了

2014年7月25日 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)は7月24日の第12回会議で、今年10月からスタートする病床機能報告制度について、「議論の整理」を取りまとめた。同制度は、今通常国会で成立した医療介護総合確保推進法で制度化されたもので、「議論の整理」を踏まえ今後、政省令、通知、報告する際のマニュアルが発出される予定。

 病床機能報告制度は、医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの病床機能に区分)について、各医療機関の自主的な判断で報告する仕組み。病床機能別に、構造設備・人員配置などについても報告を求める。各都道府県による地域医療構想(地域医療ビジョン)の策定、地域医療構想の実現に向けた関係者の議論の場として都道府県が設置する「協議の場」での活用、患者・住民への公表――という三つの場面で情報を活用することが、同制度の主たる目的だ。

 2014年度の場合、医療機関は、7月1日時点での現状と「今後の方向」などを、10月1日から10月末までに都道府県に報告することが求められる。「今後の方向」は、「6年先の予定」が基本だが、来年や2年後など比較的短期の変更予定がある場合には併せて報告するほか、社会保障・税一体改革がターゲットとする2025年度時点の予定も任意で報告することができる。

 本検討会の議論は、24日で終了し、厚労省が今後策定する「地域医療構想策定のためのガイドライン」に関する検討会に議論を引き継ぐ。新たな検討会は9月にも発足の見通し。患者・住民への公表の在り方も、同検討会で議論する。各医療機関の報告とガイドラインを基に、2015年度から都道府県は地域医療構想を策定する。

 「病棟別報告」は次期改定以降

 病床機能報告制度において、医療機関は、病棟単位で高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つのいずれの病床機能に該当するかを報告することが求められる。当初は定性的な基準を基に、医療機関が自主的な判断に基づき報告、将来的には定量的な指標の導入が検討される予定だ。報告は毎年1回行う。

 さらに、病床機能別に、その医療内容を明確にするため、具体的な項目の報告も求められる。(1)構造設備・人員配置等に関する項目、(2)具体的な医療内容に関する項目――二つに分かれ、(1)については各医療機関が国のサーバにオンラインで提出、(2)ではレセプトデータを活用する。本来は、医療機能は病棟単位のため、(2)のデータも病棟単位の報告が求められるが、現在のレセプトには「病棟コード」がない。次期改定以降から病棟単位の報告に移行予定であり、2015年10月に消費増税対応のための診療報酬改定が実施されれば、それ以降から病棟単位に変わる可能性もある。

 (1)の「構造設備・人員配置等に関する項目」は、許可・稼働病床数、看護師などのスタッフ数、算定する入院基本料、CTやMRIなど高度医療機器の保有状況、入院患者の状況など。

 (2)の「具体的な医療内容に関する項目」は、手術関連(総数、全身麻酔手術件数、胸腔鏡下・腹腔鏡下手術件数)のほか、がん・脳卒中・心筋梗塞等の治療、重症患者への対応、救急医療の実施、急性期後の支援・在宅復帰への支援、全身管理、リハビリテーションなど、多岐にわたる領域について幅広い情報を集める。2014年度に用いるレセプトデータは今年7月審査分。ただ、データの正確性や季節変動なども踏まえて、通年または複数月分のデータ活用が検討される見込み。

「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」は、議論を終え、厚労省が今後策定する「地域医療構想策定のためのガイドライン」に関する検討会に議論を引き継ぐ。

 「特定機能病院イコール高度急性期」にあらず

 24日の会議では、「議論の整理」に向け、積み残した課題が議題になった。

 その一つが、4つの医療機能のうち、「高度急性期機能」の具体例。「高度急性期機能」は「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能」、「急性期機能」は「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能」と、それぞれ定性的に定義されている。両者の相違が「診療密度が特に高い」の有無のみであるため、違いが分かりにくいとの指摘があり、例示が求められていた。

 厚労省は、(1)特定機能病院において、急性期の患者に対して診療密度が特に高い医療を提供する病棟、(2)救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集中治療室、総合周産期集中治療室であって、急性期の患者に対して診療密度が特に高い医療を提供する病棟――の2つを提示。

 この解釈を質したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。厚労省医政局総務課は、「あくまで例示。ここにないものを報告していけないわけではなく、医療機関の側で判断してもらう。その際の一つの目安として示した」とし、(1)については、「特定機能病院イコール高度急性期ではない。合併症が多いなど複雑な患者が入院し、診療密度が高い病棟が、高度急性期に該当する」と説明。

 それでも、中川氏は、(1)や(2)の表現では、それ以外の病棟が「高度急性期に該当しない」と解釈されることを懸念し、「診療密度が特に高い医療、という表現で十分ではないか」と指摘。他の構成員からも限定的に解釈される懸念が呈せられた。ただし、「定性的な定義のみでは分かりにくい」との指摘は、本検討会で出た意見のため、(1)は削除し、(2)については、あくまで例示であることが分かる表現に変えることで合意を得た。

 中川氏からは、「医療機能は、医療機関が自主的に判断して報告する。レセプトから集めたデータと照らし合わせ、『協議の場』で、結果として『これは急性期ではない』などとなることもあるだろう。急性期などの定義は、地域により異なっていいのではないか」との発言もあった。これは、地域の医療提供体制に応じて、報告制度を運用し、病床の機能分化を進める必要性を指摘する意見だ。厚労省医政局総務課長の土生栄二氏は、「定性的な基準でスタートするので、当然バラツキが出てくる」と認めつつ、各地域や医療機関のデータ等を踏まえ、「定量的な基準」を作成していくことが、将来の重要課題であるとした。

 「患者・住民への公表方法」は今後の検討課題

 そのほか、医療機能の「今後の方向」について、いつの時点を念頭に報告するという点も議題になった。厚労省は、以前の議論を踏まえ、「6年先の予定とし、来年や2年後など比較的短期の変更予定がある場合には報告するほか、2025年度時点の予定も任意で報告することができる」という案を提示、異論は出なかった。以前の議論では、「6年先でも見通せない」など、将来のことは不明とする報告が想定されるという意見があった。厚労省医政局総務課は、医療計画が6年を1期としており、診療報酬改定は2年に1回実施されることなどを踏まえて、「6年先」としたと説明。「比較的短期の変更予定がある場合にも報告してもらうほか、予定が変わった場合には変更の報告を求める」(同課)。

 医療機関から報告する情報に関する「患者・住民への公表」の在り方について、厚労省は「都道府県は、医療機関から報告された情報をそのままの形ではなく、分かりやすく加工し、患者や住民に公表する」と提示。報告情報には、手術件数をはじめ、さまざまな実績情報が含まれることから、中川氏が「分かりやすい、とはどのような意味か。ランキングになるのは、よくない。『手術数が多い方がいい』といった評価にならないように検討してもらいたい」と釘を刺す場面もあった。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201407/537673.html
機能の「今後の方向」は6年先を報告
10月実施の病床機能報告制度の詳細固まる

2014/7/24 庄子育子=日経ヘルスケア

 厚生労働省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」の最終会合が7月24日に開かれ、今年10月から始まる病床機能報告制度の詳細が固まった。同制度は、各病院・有床診療所が有する病床の機能の「現状」と「今後の方向」を、病棟単位で都道府県に報告させるというもの。報告を受けた都道府県は、それらの情報を基に地域の医療需要を勘案しながら、その地域にふさわしい機能別の必要病床数や将来展望をまとめた「地域医療構想(ビジョン)」を策定し、医療計画に反映させる。制度を規定する改正医療法自体は、先の通常国会で成立した。

 検討会では2012年11月から、具体的な報告事項の中味に関する議論を進めてきた。今年3月までに、報告を求める医療機能の種別としては、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4種類とすること、さらには、病棟機能の種別の届け出に合わせて、既存のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の枠組みを活用して、医療行為の中味が明らかになるよう、各種実績データの提出を求めることが既に確定していた。

 最終合意に至っていなかったのは、医療機関が都道府県に報告する病床機能の「今後の方向」を、いつの時点とするかについて。厚労省は前回の会合で、「2025年度時点」か「6年先の時点」とする2案を提示していた。前者は、地域医療ビジョンが2025年度時点の各医療機能の必要病床数を定めることになっている点を、後者は医療計画の計画期間が6年間に変更される点を考慮したもの。

 協議の結果、2025年度時点とする案では不確実性が高まる恐れがあるため、「6年先の時点」で決着した。ただし、医療機関によっては比較的短期で今後の予定を立てているケースもあることから、6年より以前に医療機能の変更の予定がある場合は、その時期も合わせて報告することになった。なお、2025年度時点の医療機能の予定も別途、参考情報として任意で報告できるようにする。

 報告制度の詳細が固まったことで厚労省は今後、関連通知を発出するともに、10月の制度施行までに、医療機関向けの報告マニュアルを作成する予定だ。



http://mainichi.jp/select/news/20140725k0000e040247000c.html
架空診療:生活保護大歓迎…受給者の医療費無料で不正
毎日新聞 2014年07月25日 16時00分

 生活保護受給者は大歓迎−−。診療報酬詐欺事件の舞台となった大阪市西成区では、受給者を巡る不透明な診療報酬請求が後を絶たない。受給者を囲い込もうと、熱心に勧誘する医療機関も少なくない。大阪市は対策を強化するが、不正を一掃するための道は険しい。【津久井達、遠藤浩二、藤顕一郎】

 大阪府警は今月9日、受給者の架空診療などで診療報酬を詐取したとして、西成区の医療法人元理事長の医師、小松明寿容疑者(60)を詐欺の疑いで逮捕した。捜査関係者によると、「受給者は医療費が無料だから診療所に集まってくれる」と供述している。

 小松容疑者は1997年に西成区内で診療所を開いたが、思うようにもうからなかったため、医療費が全額公費負担される生活保護受給者に目を付けた。

 2005年、受給者が多いあいりん地区に新たな診療所を開いた。その後、二つの診療所で架空診療などを繰り返し、約3400万円の診療報酬を不正受給したとされている。

 腰痛で通院していた受給者の男性(55)によると、あいりん地区の診療所の待合室には毎日、同じ受給者数人が顔をそろえ、「また点滴を打たれた」などと首をかしげていた。

 「西成区で受給者の患者を囲い込むのは珍しくない」。西成区内の医院の医師が取材に漏らした。

 「うちに来てよ」。あいりん地区の公的医療施設の前では、ある医療法人の関係者が受給者に次々と声をかけていた。応じた人はマイクロバスで西成区内の診療所に運ばれた。

 この法人が経営する診療所には、ニシキゴイが泳ぐ庭園や最新の医療設備を備えたリハビリルームがあった。通院していた受給者の男性(71)は「無料でジュースが飲める自動販売機もあった。居心地が良くて毎日通った」と打ち明けた。

 最近は、あからさまな勧誘活動を控えるようになったという。

 「生活保護 大歓迎」。軒先にこんなのぼりを立て、冬には使い捨てカイロなどを無償で配り、受給者を誘い込む診療所もあった。

 西成区のある病院経営者によると、行政の目が厳しくなり、目立った勧誘活動は減る傾向にあるが、受給者頼みの医療機関は多い。この病院も全患者の大半が受給者という。

 経営者は言った。「受給者は言う通りの治療を簡単にさせてくれる。受給者なしでは経営は成り立たない」

 ◇2億4500万円の診療報酬の返還請求…氷山の一角

 全国の自治体で最多の約15万人の生活保護受給者を抱える大阪市。2012〜13年度、不正が疑われた市内48の医療機関に計2億4500万円の診療報酬の返還を求めたが、氷山の一角とされる。

 不正の手口で多いのは(1)不要な治療や投薬をする過剰診療(2)実際にはしていない治療行為の費用を請求する架空診療−−など。医療費負担が免除されている受給者は病院の窓口で金を払う必要がなく、医療機関側に悪用されやすい存在だ。

 特に西成区は、人口の4人に1人に当たる約2万7000人が受給者で、不正が最も多いとされる。西成区は12年8月、一つの疾患の通院先を原則1カ所にしてもらう制度を導入した。受給者が複数の病院をはしごして、過剰診療を疑われるケースが多いからだ。

 大阪市内の生活保護費の総額は年約3000億円。市と国が負担しているが、医療費はうち4割を超える。市は診療報酬明細書(レセプト)の電子化を進めるなど点検を強化しているが、追いついていないのが実情だ。

 市の担当者は「医師に過剰診療を指摘しても『素人に何が分かる』と反論される。不正の証拠をつかむのは難しい」と漏らした。



http://blogos.com/article/91196/
かかりつけ医制度への疑問
川北英隆
2014年07月25日 07:53  BLOGOS

大病院にいきなり行くのを止めさせようというので、厚労省は「かかりつけ医制度」を推進する方針だとか。その一環として、大病院の初診料を大幅にアップするそうだ。しかし、疑問がある。

わが家は近くの診療所(個人の開業医)と大病院を使い分けている。京都という街は非常に便利で、大病院が近い。かかりつけの診療所も、わが家の場合、歩いて2分というところか。ちなみに歯医者は向かいにある。しかも、診療所の信頼度も悪くない。だから使い分けができると思っている。

前に住んでいた国分寺(最寄り駅は国立)周辺にはまともな診療所がなかった。風邪で行くと、「熱がもっと出るまで直らない」と言いながら薬を出してくれたらしく、家内があきれていた。ある新しい診療所は、購入した設備の稼働率を上げるためにか、軽い病気なので必要がないにもかかわらず、あれやこれや検査しまくるらしかった。

僕の体験でも、会社の健康管理所をはじめとして、効かない薬しか出してくれなかった。ある時など、健康管理所に40肩(正確には50肩)で行くと、レントゲンを撮ってくれた。そのすぐ後、「変な影が写っていた」というので、撮り直しになった。確かに棒のようなものが写っていた。「何やこれ、誰もそんな棒なんか持ってへんで」というところだ。要するにヤブかジャングルか、そんな医者しかいなかった。一般の市民と大差ないやんというところだ。

その点、今行っている診療所は初期の風邪にちゃんと効く薬を出してくれる。症状に応じて出してくれる薬も微妙に異なっている。この事例から言うと、かかりつけ医制度を確立したいのなら、ちゃんとした医者を育てないといけない。医者になった後の定期的な研修も重要だろう。ついでに言うと、老人の医者に診てもらいたいとは、余程信頼関係がないかぎり、思わない。

また、かかりつけの医者がいたとしても、「この症状は普通と違う」と感じた時には、いきなり大病院に行きたいと思う。レントゲン等の設備が普通の診療所には完備していない。診療所がカバーしている範囲外の病気について、それが明らかなのに、紹介状がないと非常に高い初診料が必要と言われると困るのではないか(ゼニがかかったとしても、大病院に行くが)。それに、どうせ大病院を紹介してもらうことになると思いながら、一度診療所に行くのは無駄足である。(制度を考えた役人とは違い)こっちは病気なわけだし、趣味で病院回りするわけでない。

ある医者のブログを読むと、大病院にもヤブがいるので、かかりつけ医に適切な大病院の医者を紹介してもらうのが望ましいと書いてあった。しかしこれは、かかりつけ医の質が高いことを前提にした議論である。そこが怪しいから、いきなり大病院に行って一発勝負する方がいいのではと思ってしまう。

脅かしておくと、家内の友人は乳がんのため、60歳で亡くなった。それは診療所が発見してくれなかったからである。「最初から大きな病院に行くべきやったんや」と、今でも家内は友人のために悔やんでいる。



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20140724-OYS1T50047.html
勤務先の病院に放火 救急車など4台全焼させる
2014年07月24日 読売新聞

 宮崎県警は24日、勤務先の病院の車庫に放火し救急車などを焼いたとして、同県小林市南西方、元同市立病院事務職員、木場野雄大被告(22)(現住建造物等放火罪などで起訴)を非現住建造物等放火容疑で再逮捕した。

 発表では、木場野被告は3月20日午後11時20分頃、同病院敷地内の車庫に火を付け、救急車など公用車4台を全焼させたほか、壁など車庫の一部約65平方メートルを燃やした疑い。県警は認否を明らかにしていない。木場野被告は病院の職員宅に放火したなどとして5月に逮捕・起訴され、懲戒免職となった。県警は、職場への不満から犯行に及んだ可能性があると見て調べている。



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43367
日病協、消費税影響調査を千病院に実施へ- 9月中に結果を集計
( 2014年07月25日 20:22 )キャリアブレイン

 11の病院団体で構成する日本病院団体協議会(日病協、加納繁照議長)は25日に代表者会議を開き、消費税率8%への引き上げの影響を把握する調査を、構成団体の約1000病院に実施することを決めた。8月中に実施し、9月中に結果を集計する予定だ。代表者会議後の記者会見で加納議長は、「しっかりとしたデータを出していく」と意欲を示した。【松村秀士】

 消費税の影響調査をめぐっては、11団体のうち全日本病院協会(全日病)など4団体で構成する四病院団体協議会(四病協)の「医業経営・税制委員会」が調査票のフォーマットを作成中で、8月上旬の同委員会で調査票を固める方針。日病協は、四病協の調査票を用いる。具体的には、急性期や慢性期といった病床機能ごとや、ケアミックス病院、精神科病院など病院種別に分け、その中から抽出した約1000病院に調査票を送る。

 会見で加納議長は、「調査対象となるのは、公立・私立病院、医療法人、さらには急性期・慢性期病床、ケアミックス病院などさまざまなので、よいデータが出てくると考えている」と述べた。同席した全日病の猪口雄二副会長も「消費税の増税分が、診療報酬でどのくらい補てんされているかをデータとして示したい。50%の回収率を目指す」と意欲を見せた。

■患者申出療養について厚労省が説明

 加納議長は、政府の規制改革会議が提案した「患者申出療養」(仮称)について、代表者会議で厚生労働省から説明があったことを明らかにした。この日は、説明を受けるにとどめ、患者申出療養に関する意見集約は行わなかった。



http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014072602000001.html
10割負担で通院受診も 老健医師が対応できぬ診療
2014年7月26日 中日新聞

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 介護老人保健施設(老健)に入所していた夫を遠方の病院に通院させようとしたら、老健から「医療費が十割負担になる」と言われたという声が本紙生活部に届いた。医療法人が運営している老健は、専門的な治療や検査を除いて、そこにいる医師が診療をするのが基本。ただ、現場からは「実際には老健の医師にはできない内容もあり、保険制度から漏れることがある」と問題視する声も上がっている。
 愛知県の女性(75)は、六年ほど前から夫(77)が認知症になった。ショートステイとデイサービスを利用していたが、最近になって自宅での介護に限界を感じるようになった。近隣の高齢者施設を五つほど回って検討し、五月から老健に入所させることにした。
 夫は五年前にがんの手術をしており、術後検診で大学病院に通院していた。五年で終わるはずが、不調が見つかり、通院が延びた。この老健の常勤医師は、整形外科医。「がんの術後検診はお願いできない」と女性は話す。入所後も大学病院に通院させようとしたところ、施設側は「いったん自宅に帰って一泊してからでないと、医療保険が使えず十割負担になる」と説明したという。
 通常の自己負担率にするには、いったん退所手続きをし、通院後にあらためて入所手続きをする必要があると言われた。女性は入所を決める際、そのような事情は知らなかった。「連れ帰って家で泊まって、家から病院に連れて行くのはとても大変」と訴える。
 厚生労働省保険局医療課によると、老健では介護保険からの給付が基本になっている。老健設置の基準の中に、医師や看護師の人数もある。投薬や血液検査などは、老健の医師で診られる内容とされ、費用は介護報酬の中に含まれる。
 エックス線診断や超音波検査など高度な内容については、医療保険から給付される仕組みという。厚労省で、施設外の医療機関で受診しても医療保険が適用できる内容を細かく定めている。それに従い、どちらで給付するかを老健の医師が判断する。
 同課担当者は「介護保険か医療保険かどちらかで賄えるので、利用者の十割負担になることはないはず」という。
 ただ、ある老健を運営する医療法人の関係者は「国が老健の医師で診られるとしている検査や処置でも、実際には専門外で、できないこともある。そういう場合、老健もしくは利用者の十割負担で、施設外の医療機関で受診しているのが現状」と話す。利用者側としても、専門でない老健の医師に診てもらうことに不安もある。
 この関係者は「医療保険適用の範囲は制限が非常に厳しい。医療と介護の連携を進めるためにも、より広く適用できるようにしてもらいたい」と話している。
 (田辺利奈)
 <介護老人保健施設> 要介護高齢者が入所し、リハビリなどのサービスを受けて在宅復帰を目指すための施設。介護保険の枠の中で利用できる。医師が常勤し、簡単な医療行為が受けられる。その際、介護報酬の中から医療の分も賄われる。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140726/chb14072603560002-n1.htm
千葉県がんセンターの第三者委員会初会合
2014.7.26 03:56 産經新聞 千葉

 県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔(ふくくう)鏡下手術を受けた患者が術後短期間に相次いで死亡した問題で、医療事故の発生原因などの調査と検証を行う第三者委員会の初会合が25日、千葉市中央区のホテルで開かれた。

 会合で第三者委は、医師で財団法人「日本公衆衛生協会」会長の多田羅浩三氏を会長に選出。これまで明らかになっている9例の死亡例についての技術的な検証や、術後の一定期間内に患者が死亡した複数の別のケースについての検証を、日本外科学会に依頼した。

 年内に同学会からの報告を受け、年度内に最終報告をまとめる方針。会合終了後、多田羅会長は「実態を厳しく把握して、再発防止の取り組みを進めたい」と話した。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140726ddm005010156000c.html
後期高齢者医療制度:厚労相「熟年に」 改名問題が再燃
毎日新聞 2014年07月26日 東京朝刊

 「後期高齢者医療制度」の呼称がまた変わる?−−田村憲久厚生労働相は25日の閣議後の記者会見で、75歳以上の人を指す「後期高齢者」との呼び名を、「熟年高齢者」など別の名称へ変えることに意欲を見せた。

 2008年4月に始まった後期医療制度は「後期」の名称が「人生の末期を思わせる」と不評を買い、当時の福田康夫首相は制度発足当日、「長寿医療制度」と呼び変えるよう指示した。しかし、「長寿」はあくまで通称。法律上の名前は変えておらず、野党から「看板の掛け替えだ」と批判を浴びた。

 その後、後期医療制度自体は定着したが、名称には依然、批判がついて回っている。そこで田村氏が甘利明税と社会保障の一体改革担当相と協議した際に前期高齢者(65〜74歳)を「若年高齢者」と呼ぶ案を伝え、甘利氏が「では75歳以上は熟年高齢者ですね」と応じたという。田村氏は25日の会見で、75歳以上を「壮年高齢者」と呼ぶ案も披露した。ただ、法改正は困難で、実現しても通称の変更となりそうだ。【佐藤丈一】



http://mainichi.jp/shimen/news/20140726ddm012040055000c.html
奨学寄付金:企業公開を 降圧剤問題で国立大病院側に要請−−文科省
毎日新聞 2014年07月26日 東京朝刊

 文部科学省大学病院支援室は25日、企業から奨学寄付金を提供されている国立大の付属病院に対し、提供元の企業名の情報公開を徹底するよう要請した。45病院が加盟する国立大病院長会議の担当者は取材に対し「要請を重く受け止め、前向きに検討する」と話した。

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡るデータ改ざん事件では、製薬会社ノバルティスファーマが臨床試験をした5大学に計11億円超を提供。ところが論文に寄付金を受領したことや額の記載がなかったり、問題表面化後も大学側が情報をなかなか明らかにしなかったりして、社会の不信感を高めた。この日の閣議後の記者会見で、下村博文文科相は「大学が奨学寄付金を適切に情報公開することは、社会的信頼を保持するための重要な手段」と指摘。その上で「企業との関係について社会的信頼を損なわないよう、企業名を含めた一層の情報公開が必要だ」と述べた。

 国立大病院長会議は6月、企業から研究者に提供された講師謝礼や受託研究費などの資金の公表に関する指針をまとめた。しかし奨学寄付金については、公表するのは診療科ごとの件数と総額にとどめ、寄付元は企業への配慮から控えることにしていた。

 奨学寄付金は、企業や個人が大学などを通じて研究者側に提供する寄付金。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上る。【河内敏康】


  1. 2014/07/26(土) 05:56:58|
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7月24日 

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO74590920S4A720C1L31000/
長野県上伊那の自治体、医師不足対策に開業資金
2014/7/23 23:30日本経済新聞 電子版

 長野県の上伊那地域の自治体が産科医など医師不足に対応するため開業資金を補助する制度を相次ぎ設けた。伊那市は7月から市内で産科を開業する医療機関に最大2000万円を補助する。飯島町も開業医や事業を拡大する医療法人に最大1500万円の補助金を支給する仕組みをつくった。上伊那は県内でも医師が特に不足しており、全国的にも珍しい支援策で開業医誘致につなげる。

 伊那市は市内で保育器や検診台など、分娩手術に必要な施設を備えた医療機関を開業した場合に施設工事費や医療機器などの購入費の20%を補助する。施設開業には1億円前後かかることが多いことを考慮し、上限を2000万円に設定した。

 市内には総合病院の伊那中央病院と分娩に対応できる助産所が3カ所あるが、「特に帝王切開が必要な出産や、低体重児の出産に対応しきれていない」(健康推進課)ことから、産科医の誘致に乗り出す。補助金を受けるには、10年以上の分娩継続が条件となる。

 飯島町は町内で医療機関を開業した医師または医療法人に、土地・建物と、医療機器など償却資産の購入費用の20%を1500万円を上限に補助する。購入に必要な資金を金融機関から借り入れた場合、開業後1年が経過すると、その後5年間1%の利子補給も行う。

 賃借して開業する場合は、土地・建物、医療機器などの償却資産それぞれについて3年にわたり賃借料の20%を補助する。いずれも10年以上の診療継続見込みが条件となる。

 すでに市内にある医療機関が規模を拡大する場合も支援対象。第1号は移転してケアセンターを設ける計画の市内の医療機関になる見通しという。

 県や厚生労働省の調査によると、2012年末の人口10万人当たりの医師数で上伊那地域は134.7人と、県内平均(211.4人)や全国平均(226.5人)を大幅に下回る。県内10地域では木曽地域(119.6人)に次いで低い。

 伊那市の中核病院である伊那中央病院は、08年から産科医不足で里帰り出産を断っている。飯島町では過去4年間で医療機関が2カ所減り4カ所になった。現役医師の高齢化も進み、飯島町では4カ所の医療機関のうち「3カ所の開業医は60~80歳代」(健康福祉課)だ。両市町とも制度充実で、開業医を呼び込みやすい環境を整える。

 伊那中央病院は「地域の産科医療充実につながるなら悪い話ではない」と期待を示している。



http://www.minpo.jp/news/detail/2014072417038
【総合診療医講座】白河を育成の拠点に(7月24日)
( 2014/07/24 08:50 カテゴリー:論説 )福島民報

 患者を幅広く診ることができる「総合診療医」を育成する講座が来年4月、白河市の白河厚生総合病院で始まる。JA福島厚生連からの寄付を受ける福島医大が寄付講座「白河総合診療アカデミー」を開設する。地域医療の充実と住民の健康管理に大きな役割を果たすものと期待したい。
 これまでの医療は臓器別に細分化されてきた。内科なら循環器、消化器、呼吸器、腎臓…などに分かれて臓器別の専門医が養成されてきた。
 ところが、高齢化時代を迎えて複数の病気を抱える患者が多くなり、臓器別による縦割り診療では十分に対応できないケースも目立ってきた。一人で幅広い領域の病気に取り組む総合診療医の在り方が欧米に比べて遅れ、育成が急務となっていた。
 NHK総合テレビの「総合診療医ドクターG」を見ると、総合診療医の重要性が分かる。発熱、痛み、しびれ、せきなど、さまざまな症状がある患者について研修医が患者の話や診察だけから病名を考えさせられる。これに対して総合診療医といわれるベテラン医師が正しい病名を明かし、その根拠を示す番組だ。
 複数の症状があっても診療科をたらい回しせず、診断能力が高い一人の医師がきちんと対応すれば、患者は安心できる。「白河総合診療アカデミー」は、2年間の前期研修を終えて専門分野に入る後期研修医2人を受け入れる。軌道に乗れば数を増やす。
 講座主任の福原俊一福島医大副学長のほか総合診療医として経験が豊かな教員4人を県外から招き、研修医の指導に当たる。医師にとって魅力的なプログラムを設けて全国から研修医を集め、不足している県南地方の医師の確保につなげる。同時に総合診療医を教える指導医も育てる。
 この寄付講座は5年間だが、継続する方向だ。長く続けてほしい。この講座では、臨床研究も研修医に教える予定である。臨床研究は「研究のための研究」ではなく、日常の診療が患者にとって本当に良いことなのかを科学的に裏打ちする研究を意味する。日本では遅れていた領域であり、福島発の臨床研究の成果を発信してほしい。
 福原副学長は総合診療のイメージを「イチロー型」と表現する。守備範囲が広い大リーガーのイチロー選手に例えたもので、患者全体を幅広く診る総合診療医は、訪れる患者の7割程度の問題を解決することが可能だという。病気の予防から発症、みとりまで継続的に患者に関わってくれる医師が身近にいれば住民は心強い。(佐藤 晴雄)



http://mainichi.jp/auth/guide.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Flife%2Fedu%2Fnews%2F20140724ddlk08040102000c.html
筑波大:取手医師会病院に研修医教育の拠点 /茨城
毎日新聞 2014年07月24日 地方版

 筑波大は、取手市野々井の取手北相馬保健医療センター医師会病院(鈴木武樹病院長)に、筑波大付属病院の「取手地域臨床教育ステーション」を開設した。同市医師会の寄付講座「県南地域医療教育学」開設に伴うもので、県南での研修医の教育拠点とすると共に、筑波大と市医師会とが連携して地域医療を充実させる。

 現在は篠田雄一准教授(リハビリテーション医学)を配置。さらに全国公募するなどして、常勤の3人体制とする。

 開設式で市医師会の真壁文敏会長は「医師不足地域における教育指導体制を充実させたい」とあいさつ。筑波大付属病院の松村明院長は「医師会と国立大付属病院による開設は全国初。地域医療支援病院の全国モデルを目指す」と語った。【安味伸一】



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2014/M47300101/
今週の話題
改正道路交通法で変わるてんかん診療

大槻 泰介 氏
国立精神・神経医療研究センター てんかんセンターセンター長
[2014年7月24,31日(VOL.47 NO.30,31) p.10] MT Pro / Medical Tribune

 今年(2014年)6月,自動車の運転免許を取得する人や更新する人に,てんかんなどの病状申告を義務付け,偽って申告した場合の罰則を定めた改正道路交通法が,5月には発作などの持病が原因で起こった致傷事故の罰則を強化する自動車運転死傷行為処罰法が施行された。その狙いは,自動車運転に支障を来す発作などの症状がある人の運転を抑制することにある。ちなみに,てんかん患者の自動車運転は,一定の条件を満たせば許可されており,一般の運転者となんら変わらない。では罰則強化で患者による事故は防げるのか—。こう訴え続けてきた国立精神・神経医療研究センターてんかんセンターセンター長の大槻泰介氏に,法改正を契機に変わるてんかん診療の在り方を展望してもらった。

医師法に違反しない任意の届け出制度も

 てんかん患者の運転免許の取得や更新は,発作が①再発する恐れがない②再発しても意識障害や運動障害を伴わない③再発が睡眠中に限られる—ものであれば許可されており,病状の申告は任意であった。

 しかし今年6月,免許を取得・更新する全ての人に,意識や運動障害などの病状に関する「質問票」の提出を義務付け,申告内容を偽った場合は,1年以下の懲役または30万円以下の罰金を科す改正道路交通法が施行された。さらに今年5月には,症状が原因で人を負傷させた場合は最高12年以下,死亡させた場合は最高15年以下の懲役に処せられる自動車運転死傷行為処罰法が施行された。

 また,交通事故を起こす危険性の高い患者を医師が国家公安委員会に届け出ても,医師法の守秘義務に違反しないとする任意の届け出制度が設けられた。そのため日本医師会は,医療現場で混乱が起きないよう,日本てんかん学会や日本精神神経学会,日本糖尿病学会など運転者の持病に関わる9学会へのヒアリングを踏まえ,医師による届け出の手順を示すガイドライン(手引き)を間もなく発行する(2014年7月11日現在)。

生活や就労を支援する仕組みづくりが必要

 罰則強化のきっかけとなったのが,2011年に栃木県鹿沼市で起きたクレーン車運転事故だ。てんかん発作による負傷事故を繰り返し起こし,医師にも症状があることを隠していた男がクレーン車を運転中に再び発作を起こし,児童6人が犠牲になった。

 大槻氏は,同事故は痛ましく重大であるとし,運転してはいけない患者が運転していたことを問題視した上で,法改正までのプロセスに疑問が残ることを指摘した。

 てんかんは,薬物療法や外科的治療によって高い割合でコントロールできる疾患であり,前述の条件を満たせば一般の運転者となんら変わりなく運転ができる。

 では,なぜてんかん発作が起きたのか,なぜ症状を隠してまで運転していたのか。

 公共の交通機関が十分整備されていない地方では,運転免許がなければ日常生活や社会生活に支障が生じる。そのため免許停止による生活の破綻を恐れ,医師に症状を偽る患者の存在も否めない。さらに,医師による任意の申告制度は,患者を医療から遠ざけてしまう可能性がある。

 したがって,てんかん患者が正直に申告したり,医師に症状を話したりすることで免許が一時的に停止される間の受け皿として,生活や就労を支援する仕組みが必要だ。

 同氏が「罰則を厳しくしただけで患者による運転事故が本当に減るのか」 「全ての責任は患者だけが負うものなのか」 「病気を原因とする事故を減らすには医療の充実が不可欠ではないのか」と訴え続けてきたゆえんである。

 しかし,てんかんイコール危険な疾患というイメージが独り歩きした結果,罰則強化が先行し,医療や支援に対する課題が取り残された格好となった。

てんかんの医療資源は少なくない

 その一方で大槻氏は,今回の法改正が,てんかん診療の質を向上させる契機にもなると肯定的に捉え直す。診断は運転の可否にも関わるため,初発患者では多様な症状を呈するてんかんと他疾患を鑑別するなどの正確な診断が望まれる。また,既にてんかんと診断され,発作がある患者であれば適切にコントロールしてほしいという願いが強い。

「つまり,質の高い医療やより良い医療がますます求められることになる」(同氏)

 しかし,わが国では成人のてんかんを専門とする医師が少なく「そもそも全国80の大学医学部医学科のうち,実際にてんかん学の教育を行っている教育機関は少ないのではないか」と同氏は指摘する。

 また,厚労科研「てんかんの有病率等に関する疫学研究及び診療実態分析と治療体制整備に関する疫学研究」(研究代表者=同氏)で行った調査によると,プライマリケア医に対する行政からの情報発信がほとんどなく,てんかんの基礎知識を体系的に学べる教育や研修の機会も極めて不十分であることが分かった。

 そこで,これまで分かりにくかったわが国のてんかん医療へのアクセスポイントを明らかにするため,診療科横断的な連携が必要と考えた同氏らは,てんかん診療ネットワーク(ECN-Japan)を2012年に立ち上げ,その把握に取り組んだ。

 てんかん診療を行う二次診療以上の全国の登録施設において,成人の患者を主に診ているのは,神経内科,脳外科,精神科のいずれも神経関係専門医であるという実態が初めて浮かび上がった。また,問診・脳波およびMRI検査に基づくてんかんの診断や抗てんかん薬の調整ができる二次診療施設は全国で664施設,発作ビデオ脳波モニタリングによる診断や外科治療が行える三次診療施設は136施設に上り,てんかんの医療資源は決して少なくないことも把握された。

 しかし現状では,二次診療施設と三次診療施設の診療連携は不十分であり,てんかん診療の基準もばらつきがあることから,今後どう整備していくかが課題となっている。

 そこで同氏らは,ECN-Japanにおいて地域診療連携モデルを提唱している(図)。初発診断や発作再発例は二次診療施設が担当し,発作モニタリングを要する難治例やMRI病変を伴う外科治療例は三次診療施設で対応する。それにより発作がコントロールされたら患者を一次診療施設に戻すという循環型モデルになっている。

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図表
 また,てんかん患者の社会生活を支援するべく,行政との連携を同モデルに組み入れたことも大きな特徴だ。その相互連携が進めば,てんかん患者が抱える自動車運転,就学や就労などのさまざまな問題を解決する糸口になる。

てんかんは向き合う診療領域に

 近年,高齢者におけるてんかんが増加しており,大槻氏は改正道路交通法と相まって「てんかん患者を診ることがなかった医師も,今後はてんかん診療に向き合わざるをえないのではないか」と話す。

 てんかんの発作症状は,「全身痙攣発作」だけでなく,ぼーっとして反応がなくなる「意識減損発作」や手足の突然の筋収縮を示す「ミオクロニー発作」など多彩である。一次診療施設においててんかんを疑う上で重要なのは,小児から高齢者まで年齢にかかわらず患者が「意識や記憶を失うことがある」と訴えるケースだ。その場合は初期診断に向け,てんかんの専門診断ができる二次診療施設を紹介する必要がある。

 てんかん治療においては,副作用の少ない新規の抗てんかん薬が登場し,また外科治療の成績が向上したことから,根治が可能な症例も増えている。したがって,発作が止まらない患者にはてんかんの専門診療を受けさせることが欠かせない。

 これまで日常診療ではなじみが薄かったてんかんだが,今回の改正道路交通法などがプラスに作用するなら「今後は正面から向き合っていく診療領域になっていく」との展望を同氏は示した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43350.html
使用済み注射針で乳児5人にBCG予防接種- 千葉県東金市、医師に廃棄場所伝えず
( 2014年07月24日 16:00 )キャリアブレイン

 千葉県東金市が実施した結核を予防するBCG予防接種で、1歳未満の乳児5人に使用済みの注射針を使っていたことが24日までに分かった。市非常勤職員の看護師が使用済みの注射針の廃棄場所を、医師に伝えなかったため、未使用の注射針を置くトレーに戻し、交代した別の医師が気付かずに再使用したという。市は「感染性廃棄物を入れる容器にバイオハザードマークを付けていなかった。今後、廃棄方法などを見直し、誤接種の防止に努める」としている。【新井哉】

 市によると、今月17日に市保健福祉センターで実施したBCG予防接種で、16人の対象者のうち、最初に担当した医師が5人に接種。この時に使った注射針を、廃棄物を入れる容器に捨てず、近くにあったトレーに置いた。交代した医師がトレーにあった注射針を未使用品と思い込んで再使用。全員の接種終了後、未使用の注射針が5本残っていたため、誤接種が判明した。

 市の担当者は「看護師が接種を行う医師に対し、使用済みの注射針を捨てる場所を伝えなかったことが誤接種の一因」と説明。感染性廃棄物の使用済みの注射針などは、バイオハザードマークが付いた容器に捨てるなどの厳重な管理が求められているが、市が用意した容器には、こうしたマークが付けられておらず、医師もすぐ近くにあった容器に気付かなかったという。

 使用済みの注射針が使われた5人を特定できなかったため、市は誤接種が疑われる11人の保護者らに、経緯を説明して謝罪した。今後、11人の経過観察や血液検査を行う予定。市は「最初に担当した医師が接種した5人に血液検査を行ったが、異常はなかった」とし、誤接種者の血液感染のリスクは、ほとんどないとの認識を示している。

 市は誤接種を防ぐため、▽予防接種マニュアルの拡充▽担当する医師に対する事前説明の徹底▽感染性廃棄物の取り扱い方法の見直し―などに取り組む方針。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/236422/?category=report
研究者にGCP研修要求、臨床研究でノバ社
実施研究者の実質的公開も

2014年7月24日 池田宏之(m3.com編集部)

 ノバルティス社は、医師主導臨床研究(IIT)に関するグローバルガイドラインを新たに策定し、7月24日、日本語版を公開した(資料は、同社のホームページに掲載)。契約締結や資金透明化以外にも、「GCP研修を受けていない研究者と契約しない」「実施研究機関と研究者の実質的公開」などの詳細な方針を示している。

 ガイドラインでは、IITのサポートについて「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)に記載されている高い倫理的、科学的基準を満たさないと判断した研究施設はサポートしない」と明言。具体的には、IITの実施契約に当たり、学術団体や主任研究者について、(1)GCPの研修を受けた過去3年以内の記録、(2)臨床または非臨床研究を実施した過去3年以内の記録 、(3)医師免許と、優良な医師であることを示す記録――の3つの提出を求める。また、「研究者自身が臨床研究の実施責任者となった臨床研究や、ノバルティス社またはそのほか信頼できる組織が実施責任者となった臨床研究に参加した経験がない研究者とはIITを契約しない」とも明記している。

  資金提供に当たっては、(1)サポートするIITの種類、(2)実施エリアおよび施設の場所、(3)支援するIITの研究機関および研究者――の情報について、「科学コミュニティがアクセスできるようにする」として、実質的に公表する方針。

 IITの研究テーマは、科学的課題解決に向けられたものに限定した上で、試験デザインや報告については、「研究者が全面的に責任を負う」と記載。契約の締結や資金透明化についても、営業およびマーケティング部門のIITへの関与について、「いかなる状況においても許可しない」「資金および薬剤等の価値のあるものの提供に関する会計面の透明性を保つ」としている。



http://apital.asahi.com/article/serial/2014072300009.html
《最期を家で 過疎地の挑戦・上》 現実引き受ける覚悟 患者の生活に合ったケアを
朝日新聞 (本紙記事より) 2014年7月23日

【南宏美】 病院で死ぬことが当たり前になって久しい日本。だが、多くの人は家での最期を望んできた。医療や介護の需要が急増する2025年以降に向け、自宅や地域でのみとりが課題となっている。どうすれば一人ひとりが願う最期を迎えられるのか。住民に寄り添い、模索してきた医師が北広島町にいる。


 5月下旬の午後、緑の濃い山あいの道を1台の乗用車が走っていく。すれ違う車はほとんどない。

 運転するのは医師の東條環樹(たまき)さん(41)。診療所を出てから約20分後、1軒の家に着くと、認知症の女性が介護施設のスタッフと一緒に玄関先で待っていた。土間で聴診器をあて、体の状態や表情をみる。「元気そうですね。今日はお薬、出さんでいいですね」

 北広島町の西部、島根県境と接する旧芸北町には約2500人が暮らす。高齢化率は43%。過疎地域に指定されている。

 2カ所の診療所に医師が1人ずついるが、入院できる医療機関はない。東條さんは中心部に近い北広島町雄鹿原診療所で働く。近くにはスキー場があり、冬には1メートルを超える積雪も珍しくない。

 脳梗塞(こうそく)の後遺症や認知症がある患者、全身が弱ってきた高齢者、最期のときが近づいた人たち。入院は望まないけれど、診療所には通えない。外来や学校医などの仕事をしながら、約30人を診て回る。

*                *

 東條さんは東広島市で育った。もともとは医師を志していたというより、田舎で働きたくて自治医大(栃木県)に入った。学費を免除する代わりに一定期間、へき地での勤務を義務づける大学だ。

 卒業後2年間、研修医として勤務した後、三次市の病院で消化器内科を担当した。「家に帰りたい」というがん患者が何人もいたが、どうすれば願いをかなえられるかわからなかった。日々の診療に追われ、何もできなかった。

 2001年春、医師5年目で旧芸北町の診療所に赴任した。ここでも住み慣れた地域や家族のもとを離れ、病院で亡くなる人が多い現実を知った。「本気で在宅の終末期ケアに取り組みたい」。県立広島病院(広島市南区)で1年間、呼吸器内科や緩和ケアなど、必要な経験を積んだ。

 04年に診療所に戻ると、在宅ケアでも、24時間の点滴や酸素療法など、患者が入院中に受けていたのと同じ治療をやろうとした。だが、うまくいかなかった。家族は看病に疲れ、そんな家族を見て、「病院に戻りたい」という患者もいた。

 「病院と同じではなく、家にいる患者さんの生活に合ったケアが必要」。そう気づくのに1年余りかかった。

*                *

 今年3月、島根県の病院にいたがん患者の男性(76)が旧芸北町の自宅に戻ってきた。1週間後、ひどい下痢が続き、検査や点滴などの対応が遅れれば命を落とす可能性があった。「再入院か、在宅を続けるか」。東條さんは迷った。状況や危険性を正直に伝えると、夫婦は「家にいたい」と望んだ。

 男性は今、食欲が戻り、家の中では自分で動けるほど回復した。孫たちに毎日会い、妻(72)の運転でドライブによく出かける。

 東條さんは「QOL(生活の質)を上げることで、生きる気力がわく人がいる一方、そのために医療を控えると、寿命を縮めることもある」と言う。しかし、その現実を引き受ける覚悟を持つことで、在宅医療に対する自分の姿勢は変わってきたように思う。

 病状や見通しを説明し、患者と家族が何を大事にしたいかを丁寧に聞きとる。「何があっても最期まで診る」と伝えて実行する。覚悟は行動に表れていった。

 赴任前、旧芸北町で自宅で亡くなる人は数パーセントだったが、ここ数年は20~30%。「最期を家で」という光景が戻りつつある。

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 東條さんを中心とした旧芸北町での取り組みを2回にわたって報告します。

◆キーワード

最期の場所 国の調査によると、1951年には83%が自宅で、12%が病院や診療所で亡くなっていた。その後、「病院・診療所」でのみとりが増え続け、76年に「自宅」を上回った。2006年以降、「病院・診療所」の死亡者は微減し、「自宅」はほぼ横ばいが続いている。12年には「病院・診療所」が79%、「自宅」が13%、「老人ホーム」が5%だった。
 08年の国の調査によると、「最期まで自宅」「自宅を基本に状況に応じて医療機関などに入院」を含めた「自宅派」は63%。一方で66%が「実現は困難」と考えている。理由は「家族に負担がかかる」「急変したときの対応に不安」などだった。
(朝日新聞・広島県版 2014年7月22日掲載)



http://apital.asahi.com/article/serial/2014072300010.html
《最期を家で 過疎地の挑戦・下》 寄り添う、その日まで 悔いなく穏やかに
朝日新聞 (本紙記事より) 2014年7月24日

 「(母が)ポータブルでオシッコをしました。ありがとうございます」

 6月の夕方、北広島町の旧芸北町にある雄鹿原診療所の医師、東條環樹さん(41)の携帯電話にメールが届いた。旧芸北町の実家で母親(85)の介護を始めた男性(65)からだった。

 母親は、5日前までいた施設では、うまく排尿できないから、と膀胱(ぼうこう)に管が入れられていた。老廃物を体の外に出すため必要だが、管や尿をためる袋が物に引っかかって出血したり、感染症を起こしたりするリスクがある。

 担当医は「抜ける状態にない」と判断していたが、東條さんは在宅で介護をするには、「管を抜かなければ本人も家族も負担が大きい」と判断。帰宅から4日後に抜いた。ほぼ寝たきりの母親は尿意で起き上がり、ベッドのそばの簡易トイレに座れるようになった。

 それがうれしくて、男性は思わずメールをした。

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 東條さんが5月から担当する男性(91)には軽い認知症がある。妻(87)にも認知症があり、どうすれば2人が自宅で安心して暮らせるか。5月末、長男と長女夫妻のほか、東條さんと訪問介護や訪問看護、デイサービスの担当者らスタッフ7人が初めて集まった。

 医療や介護の専門家と家族が集まり、話し合うのは、チームとして最大の成果を目指すためだ。

 「みんなの目標は一つ。お二人が元気に暮らすのを応援したいんです」

 ケアマネジャーの中束奈津紀さん(36)が会議を進める。2人が自宅で入浴する時間帯はスタッフの誰かが見守る。集団の活動を好まない男性がデイサービスに慣れるように工夫する。「ご飯をつくりたい」という妻のために、ヘルパーも一緒に台所に立つ。介護保険のサービスの範囲内で、それまでの2人の暮らしを大切にするケアの方針を決めていった。

 1時間半余りの会議で、東條さんが口を開いたのはわずか数分。男性が町外の開業医から処方され、のめずにいた14種類、1日25個の薬を段階的にゼロにし、体の状態を見て必要な薬だけを改めて処方したい。それだけを提案し、家族が了承した。

 「医師が話しすぎると、患者さんや家族は『先生の言うとおりで』となりやすい」と中束さん。東條さんも自覚している。

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 東條さんは特養でのみとりも在宅と同じと考えている。在宅介護が難しく、地元の特別養護老人ホーム(特養)で長く生活したり、在宅ケアを受けながら数日から数週間単位で利用したりする人は特養で最期を迎える可能性がある。

 家でも施設でも、いざという時に家族が慌てず悔いを残さないようにしたい。「そばにいる人に心の準備ができていれば、穏やかな最期が迎えられる」

 例えば、血圧が下がったり、深くゆっくり呼吸したりするようになると、最期が近い。体調が良さそうなのに、突然亡くなることもある。東條さんは起きうることや対処法を家族や施設のスタッフに繰り返し伝えておく。

 自らも日々の予定は余裕を持たせて組み、常に備えている。連絡があれば自宅や施設にできるだけ早く行きたい。診療日でなくても、状態が不安定な患者の様子を見に立ち寄りたい。

 それが患者や家族らの不安を和らげていく。

 小西友義さん(72)は2年前、自宅で98歳の母親をみとった。亡くなる少し前に東條さんから説明を聞いていた。「いよいよだとわかり、慌てなくてすんだ」と振り返る。「だから、最期まで母のしたいように過ごさせてあげられた。満足している」

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 旧芸北町の高齢化率は今、43%。今後、都市部でも高齢化率は上昇し、多死社会を迎える。

 いち早くそれが現実になった旧芸北町で学んだことを生かしてもらえたら。そんな思いで、東條さんは医療者や住民、学生向けに今年は約30回、講演に立つ。

(南宏美)


◆取材を終えて

 3月の夜、東條さんが県内の総合病院で講演した。いつものように過疎地の終末期医療の実情と生活に合ったケアの重要性を話したら、参加者からこんな質問が出た。
 「勤務医は何をしたらいいでしょうか」
 私は驚いた。病院の医師は在宅ケアをよく知らない人が多いと感じていた。でも、質問者に「知りたい」「他の参加者にも知ってほしい」という姿勢を感じた。病院の医師が変わろうとすること。それが次の一歩につながる。
(朝日新聞・広島県版 2014年7月23日掲載)



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43346
携帯使用の指針案で医療機関の負担を懸念- 日医
( 2014年07月24日 12:25 )キャリアブレイン

 日本医師会の石川広己常任理事は23日の記者会見で、総務省や携帯電話関連会社などでつくる電波環境協議会が取りまとめた「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針案」について見解を述べた。携帯電話端末による電磁波の影響をなくすために担当者を配置すべきなどとしていることに対して、医療機関に過度の負担が生じないよう、指針の周知・運営の際には十分注意すべきだとの考えを示した。【松村秀士】

 指針案では、病室などでの携帯電話の使用は問題ないとした上で、▽医療機関での携帯電話の使用に関する適切なルールづくり▽電磁波で医療用電気機器の動作に影響が生じる恐れがあるため、携帯電話端末を医療用電気機器の上に置かない▽電磁波による他の機器への影響を防ぐため、良好な院内環境を図るための担当者の配置―などが必要だとしている。指針案をめぐっては、今月22日までパブリックコメントが実施され、日医は同日に意見書を提出した。

 意見書によると、「指針の内容は最大限、遵守されるべき」としながらも、電磁波の影響をなくすための担当者の配置に関して、現実的にその体制を構築できる医療機関は限られていると指摘。医療機関に負担が生じないような対応が必要だとした。

 また、厚生労働省から関連する通知などが出た場合、医療界から広く意見を集めて対応すべきとした。一方、医療用の電気機器メーカーには、電磁波の影響といったリスク情報の提供や適切な注意喚起、電磁波の影響が少ない安全な機器の開発を求めた。

 会見で石川常任理事は、「携帯電話や無線通信器は日進月歩で変わっていくことが予想される。指針を柔軟にアップデートしていけるような体制を構築していかなければならない」と述べた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43358.html
医療分野の番号制度の利用場面を紹介- 厚労省研究会、諸外国のID活用も比較
( 2014年07月24日 20:59 )キャリアブレイン

 厚生労働省は24日、3回目となる「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」(会長=金子郁容・慶大政策・メディア研究科教授)を開催した。今回は番号の具体的な利用場面や諸外国における医療IDの活用状況などが報告された。【大戸豊】

 研究会では、調査を担当した日本電気が、想定される利用場面や課題を紹介した。
 医療機関の窓口業務では、被保険者証の資格が有効かどうかの確認がその場でできないため、審査支払機関に診療報酬を請求し、返戻されて初めて資格不備が明らかになることがある。番号制度を活用し、オンラインで保険資格の有効性が確認できれば、資格不備による返戻を削減できる可能性があるという。
 地域医療情報連携では、それぞれの医療機関が個別に管理している患者番号などを名寄せする必要があるが、現在は手作業のため負担も大きい。番号制度を用いて複数の医療機関に散在している情報をひも付けすることで、名寄せ作業を簡略化でき、情報も的確に管理できる可能性があるという。
 前向きコホート研究を行う場合、調査対象者の氏名や住所が変わり、登録データの突合が困難となって、調査対象から外さなければならないこともある。番号制度を利用して、登録データの識別が可能になれば、調査対象の属性が変化しても、突合が比較的容易になり、研究精度も維持できる可能性があるという。
 このほか、がん患者届出票の重複を確認する照合作業は、ユニークな識別子が存在しないため、番号を利用すれば作業の効率化につながるという指摘もあった。
 その一方、番号制度を活用するには、新たなシステムの構築・運営が必要だったり、医療機関に端末を設置したりするなどコストの問題があるほか、マイナンバー法との関係において規制や罰則を考える必要もあることが挙げられた。
 委員からは、番号を使えば作業効率が上がるといった点だけを主張するのではなく、ユニークな番号がなければ、本当に実現できないことなのかもう一度検討すべきといった意見のほか、番号制度の導入・運営にかかるコストと得られる効果を比較しながら議論を進めてはどうかといった提案もあった。

 研究会ではまた、医療分野におけるID(番号)制度について、英国、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、フランス、韓国の6か国の状況を日立コンサルティングが報告した。
 英独仏が医療分野に独自のIDを持つ一方で、スウェーデン、デンマーク、韓国では、国民IDを医療分野にも用いていた。ただし、国民IDを医療にも利用しているデンマークや韓国においても、医療情報と他の情報とを連携させることは限定的だという。
 また、英国、スウェーデン、デンマークでは、患者IDによる地域医療連携を推進しているほか、ドイツを除く5か国では、EHR(電子健康記録)において患者IDを活用しているという。

 次回の研究会は9月30日に開催される予定だ。



http://getnews.jp/archives/629391
何度見ても衝撃的な日本のお家芸の論文数カーブ(国大協報告書草案18)(鈴鹿医療科学大学学長 豊田長康)
2014.07.24 18:00  ガジェット通信

今回は豊田長康さんのブログ『ある医療系大学長のつぼやき』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/629391をごらんください。

何度見ても衝撃的な日本のお家芸の論文数カーブ(国大協報告書草案18)(鈴鹿医療科学大学学長 豊田長康)

今回は、各学術分野別の論文数の推移を、論文絶対数および人口当り論文数で列挙していきます。日本の「強み」「弱み」を知ることが目的だったのですが、前回のブログで、日本はすべての学術分野で弱くなっており、すでに効果的な「選択と集中」ができるような状況にはないことをお話ししましたが、今回の検討でも、同じ感想を持ちました。

特に、日本のお家芸と言われた「物理・化学・物質科学」分野の論文数が、2004年の国立大学法人化を契機に、明確に減少しているカーブは、何度見ても衝撃的です。もう、そんなカーブを見せられても慣れっこになって、何も感じない人もいるかもしれませんが・・・。

そして、韓国、台湾、中国などの新興国が、日本が過去に優位性を保っていた産業競争力を凌駕したことについて、技術の流出や経営戦略の失敗が原因であると言われていますが、今回の分析結果から、彼らは一朝一夕に日本を抜き去ったのではなく、大学の研究力を高めてその分野の学術論文数を増やすという正攻法でもって、日本を抜き去ったことがわかります。

日本人はもっと謙虚になるべきだと思いました。

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3)日本と海外の分野別論文数の推移
日本および海外諸国における、各学術分野別の論文数(絶対数および人口当り)の推移を図85~図102に示した。なお、論文数は3年移動平均値で示してあり、例えば2000年の論文数とは、1999年~2001年の平均値である。

情報・エンジニアリング以外の分野では2000年~2012年の推移を示したが、情報分野(computer science)の論文数がトムソン・ロイター側の学術雑誌の分類変更によると考えられる階段状の減少が2006年から2007年にかけて見られるので、情報・エンジニアリング分野の論文数については、2008年以降の3年移動平均値で示した。

臨床医学分野については、論文絶対数(図85)では米国の強さが目立つ。日本は5位につけており、緩徐な増加傾向を示している。しかし、人口当り論文数(図86)では、日本は先進国中最低となっており、また、台湾や韓国よりも少ない。

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薬・バイオ分野(図87、図88)についても臨床医学と同様の傾向である。

情報・エンジニアリング分野では、論文絶対数(図89)では中国の躍進が目覚ましく、アメリカをすでに追い越している。日本の順位は7位であり、人口が5千万人しかいない韓国に、すでに絶対数で追い抜かれている。なお、情報分野(computer science)だけに限ると、日本は11位であり、韓国はもちろん、人口が2300万人しかいない台湾にも追い抜かれている。

情報・エンジニアリング分野の人口当りの論文数では、台湾の健闘ぶりが目立つが、日本は、他の多くの国とは一線を画す形で低い値である。

物理・化学・物質科学分野では、論文絶対数は中国の躍進が目覚ましく、すでに米国を上回っている。日本は、この分野では過去に強みをもっていたが、2004年以降明確に論文数が減少し、現在4位となっている。人口当り論文数でも、2004年以降その順位を大幅に下げている。ただし、米国はこの分野は比較的弱い部分であり、日本よりも低い順位となっている。

何度見ても衝撃的な日本のお家芸の論文数カーブ(国大協報告書草案18)(鈴鹿医療科学大学学長 豊田長康)

農林水環境分野では、論文絶対数では米国が1位、中国が2位であり、日本は8位となっている。人口当り論文数ではニュージーランドが健闘し、日本は先進国中最下位である。

地球・宇宙分野では論文絶対数では米国が1位、中国が2位、日本は8位、人口当り論文数では日本は、最下位ではなく韓国よりも上の順位となっている。

数学分野では、論文絶対数では中国が米国に追いつき、追い越している。日本は7位である。人口当り論文数では、日本は他の諸国よりも一線を画して低い値であり、韓国にも引き離されている。

社会科学分野では、論文絶対数については、米国、イギリスが多く、中国は8位にとどまっている。日本は15位であり、人口が2300万人の台湾よりも少ない。人口当り論文数では、日本は韓国よりも少なくなっている。

複合分野では、日本も海外諸国と同様に増加傾向にあるが、論文絶対数では5位、人口当り論文数では、韓国よりも上回っているが、低い順位である。

図103、図104に、日本および全世界の各学術分野別の論文数の推移を示した。日本の場合、メジャーな存在であった「物理・化学・物質科学」の論文数が2004年以降、顕著に減少していることがわかる。また、薬・バイオについても、減少しつつある。一方臨床医学については、最近やや増加傾向にある。

他の分野については、情報・エンジニアリングについては停滞~減少傾向、それ以外の分野については増加傾向にあるものの、図104に示す海外の論文数の増加率に比較してわずかであり、その差は拡大し続けている。

<含意>
各学術分野の論文数の推移を日本と海外諸国で比較検討したが、いずれの分野においても、日本の凋落ぶりが目立つ。特に、日本の「強み」であった「物理・化学・物質科学」の論文数が2004年という国立大学が法人化された年に一致して明確に減少に転じているカーブは、衝撃的である。

他の分野においても、停滞~減少している分野が多く、また、多少増加傾向にある分野もあるが、海外諸国の増加率に比較すると微々たるものであり、海外と日本との差は広がる一方である。

過去に日本が優位性を保っていた産業競争力が、韓国、台湾、中国などの新興国に追い抜かれていることについて、日本の技術の流出や、経営戦略の失敗などがその理由として挙げられているが、学術分野別の論文数の推移をみると、新興国は一朝一夕に日本を凌駕したのではなく、大学の研究力を高めるという正攻法によって、日本を抜き去ったことがわかる。例えば、韓国や台湾という、日本よりもはるかに人口の少ない国における情報・エンジニアリング分野の学術論文数は、絶対数で日本と同等もしくは多いわけであるから、日本のこの分野の関連産業が両国に負けることは当然であると思われる。

「選択と集中」(重点化)よりも、日本の研究力、あるいはイノベーション力の”底力”を高める抜本的な対策を今すぐに取らない限り、日本は二度と再起できない国家になってしまう可能性がある。

執筆: この記事は豊田長康さんのブログ『ある医療系大学長のつぼやき』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年07月24日時点のものです。



http://mainichi.jp/opinion/news/20140725k0000m070148000c.html
社説:バルサルタン 事件教訓に制度見直せ
毎日新聞 2014年07月25日 02時33分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る事件で、東京地検の捜査が終結する見通しになった。薬事法違反(虚偽広告)での起訴は製薬会社ノバルティスファーマの元社員1人と法人としてのノバルティスにとどまり、元社員は否認しているとみられるが、事件は医師と製薬会社のもたれあいを浮き彫りにした。政府や医学界、製薬業界はこれを教訓に、法制度見直しなど再発防止対策に取り組むべきだ。

 バルサルタンの臨床試験は、他の降圧剤よりも脳卒中予防効果などが高いかどうかを検証するもので、京都府立医大をはじめとした国内5大学で実施された。いずれもバルサルタンに有利な結果が出た。

 地検は5大学すべてを対象に試験データの改ざんの有無を捜査したという。起訴対象の論文が府立医大のものに限られたのは、時効の壁に加え、データの改ざん行為そのものを処罰する法律がなかったことが大きいようだ。ノバルティスの上層部や医師が関与していたかどうかを解明するに至らなかったことは残念だ。

 それでも、累計1兆3000億円に上るバルサルタンの売り上げを支えた論文について、捜査は不正なものだったと認定した。

 厚生労働省は中央社会保険医療協議会に国の保険財政に与えた影響の算定を求めている。不正利益分は国に返還されるべきだが、法的根拠はない。虚偽広告で企業に科せられる罰金は200万円以下だ。同省はノバルティスの行政処分を検討しており、業務停止など厳しい処分が求められる。今後、不正利益の返還制度も整備すべきだ。

 米国には製薬会社の不正に対する厳しい制裁制度があり、30億ドルの罰金・賠償金が科せられた例もある。

 降圧剤の臨床試験を巡っては、武田薬品工業が、自社の降圧剤の宣伝に臨床試験の論文とは異なるグラフを使っていたことが発覚。外部法律事務所の調査で、京都大などが主導した試験の企画段階から武田が全面的に関与し、有利な結果を導こうとしていたことが判明している。

 臨床試験の結果を製薬会社が宣伝に使うことに対する規制も必要だ。海外では、医療者向けの広告を規制当局が事前審査している国もある。

 降圧剤の臨床試験では、ノバルティスや武田から大学側に多額の奨学寄付金が提供されていた。こうした金の流れの透明性確保も欠かせない。日本製薬工業協会に加盟する製薬会社が医師や医療機関に提供した資金の総額は2012年度で約4800億円。各社は昨年度から資金提供の公開を始めたが、業界の自主的取り組みに過ぎない。法制化し、透明性の向上につなげたい。



http://apital.asahi.com/article/news/2014072400005.html
放射線で7人健康被害 東海大病院、治療で誤照射
2014年7月24日 朝日新聞アピタル

 東海大病院(神奈川県伊勢原市)で子宮頸(けい)がんなどの放射線治療の際に、がん以外の場所に放射線を誤照射していた問題で、原因究明を進めていた学外の合同調査委員会は、誤照射を受けた患者100人のうち7人に健康被害があったとする報告書をまとめた。同病院が24日、発表した。

 報告書によると、誤照射があったのは2007年7月~昨年11月に子宮頸がんや子宮体がんの治療を受けた30~80代の女性100人。このうち7人が、誤照射の影響とみられる皮膚壊死(潰瘍〈かいよう〉)や尿道狭窄(きょうさく)を発症した。5人は治癒し、2人が治療中という。

 問題となったのは、放射性物質を体内に入れる「小線源治療」。細い管を子宮内などに入れ、ワイヤで放射性物質(線源)を管の先端に移動させるが、機器の設定を誤ったため、位置が約3センチずれていた。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/236271/?category=report
研究者への罰則導入求める案も、厚労省臨床研究検討会
多様な意見表出、取りまとめ難航の様相

2014年7月24日 池田宏之(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤「ディオバン」の論文不正事件受けて、臨床研究の透明性確保に関する法制度などの新しいルールを検討する厚生労働省の「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習大学経済学部教授)の第4回が、7月23日に開かれた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 取りまとめに向けた議論が始まったが、各委員の考え方は様々。奇しくも、ディオバン事件は、「元社員の単独犯」との見方で捜査が終結する方針が報道される中、研究者などへの罰則規定の導入や、製薬会社の倫理感を議論の対象とするように求める意見も出て、簡単には結論がまとまらない様相を呈した。医療機器メーカーの臨床研究についてのヒアリングもあり、研究者が自費で医療機器を購入している実態を訴えた。

組織強化で防止「幻想」

 厚労省の事務局担当者は、取りまとめに向けて「研究機関において考えられる主な対応と対象となる研究」の図を示した。事務局案では、対応については「行政当局の届出」「モニタリング監査」「問題発生時の立ち入り検査・改善命令」「データベースへの計画概要、結果の登録」など9つに分けている。新ルールの対象となる研究では、「介入・侵襲を伴う臨床研究」「被験者の多い臨床研究」「製薬企業などの広告などに用いられる臨床研究」などの考え方を示した。

 議論となった1点目は、倫理審査委員会の在り方。NPO法人ささえあい医療人権センター COML理事長の山口育子氏は、医療機関ごとに倫理審査委員会を持っている現状について、「病院のOBが“民間人代用”として入っているようなケースがある。今の倫理審査委員会の在り方では、(再発防止は)難しい」と指摘した上で、倫理審査機能が強化されない場合、研究計画などをチェックする外部組織を作るように求めた。国立病院機構大阪医療センター院長の楠岡英雄氏は、再発防止に向けて、研究内容そのものをチェックすることを想定し「どこでやるのか考えないといけない」とした。楠岡氏は、リスクの高い再生医療においては、審査能力を事前に国に承認された第三者性を担保した外部委員会が審査する仕組みとなっている点にも言及した。

 がん研究会メディカルディレクター・名誉院長の武藤徹一郎氏は、審査機能強化の効果を一定程度認めながらも、今回のディオバン事件では、製薬企業の社員が研究者に持ちかけた上でのデータ捏造事件であったと考えられる点を踏まえて、「『やったら損』になるようにしないといいけない。罰が必要」と指摘。現状の組織強化による再発防止について「幻想」と切り捨てた。楠岡氏も「データの操作防止は、プロセス管理では基本的に無理ではないか」との考え方を述べた。

COI項目ない厚労省案

 厚労省の論点整理のやり方自体に疑問の声も出た。東京大学法学政治学研究科の山本隆司氏は、多くの項目が羅列した上での議論に疑問を呈し、「被験者保護についての考え方は、多くの委員で一致する可能性が高いが、モニタリングの方法や記録の保存については、研究の在り方などで意見が割れる可能性がある」旨を指摘して、集中的に議論するポイントをある程度絞り込むことを提案した。

 東京大学医科学研究所の武藤香織氏も、厚労省と文部科学省による「疫学研究に関する倫理指針」と「臨床研究に関する倫理指針」の合同の見直し案も踏まえて、独自の規制強化が検討しやすい「行政当局への届け出」と「問題発生時の立ち入り検査・改善命令等」を中心に、議論を進めていくように提案した(『臨床研究「データ5年保存」「監査義務付け」、新指針』を参照)。

 武藤氏は、対応についての項目では、「利益相反(COI)管理」が盛り込まれていない点も指摘。事務局側は、「対応の項目にそれぞれ適宜盛り込むことになる」と回答したが、そもそもディオバン事件の発端がCOI管理だったことを考慮すると、厚労省側の認識不足がうかがえた。

「企業活動も検討対象に」

 対象となる臨床研究の範囲の議論では、厚労省案の中に「被験者数で対象研究を決める」との提案があった点について、兵庫医科大学医学部准教授の大門貴志氏は、臨床研究のデザインから、被験者数が決まることから、「被験者数で分類は適切でない」と述べた。

 「広告に利用される研究を対象とする」との考え方については、弁護士で医師の児玉安司氏は、「出版バイアスの問題」に言及し、「製薬会社はネガティブな試験結果も提示する責任を持っているのではないか」として、公表されづらい試験結果も考慮するように求めた。

 児玉氏は、そもそもの検討会の存在意義についても指摘。今回の事案において健康被害が確認されなかった点を指摘して、「規制を検討する項目の切り出し方が難しい」と述べた。さらに現状の検討状況についても、倫理審査委員会と患者の同意が話の中心になっている点に疑問を呈して、「倫理審査委員会の届かないところに、企業活動がある。そこに問題があるとの意識が必要」と指摘した。

実施しにくい医療機器研究

 医療機器における臨床試験についてのヒアリングもあった。東北大学病院副院長で東北大学臨床研究推進センターの青木正志氏は、医薬品と比較した場合の医療機器の治験について(1)評価期間が長い、(2)症例数が集めにくい、(3)機器が高価――などの問題を挙げた。医療機器の治験の場合、医療機関や医療機器メーカーに知識や経験が少なく、医療機器メーカーの理解が得られず、治験機器が、企業からの有償提供になるケースにも言及して、「(医薬品を想定した)モニタリング・監査の想定レベルを明らかにしてほしい」「有償提供後に医療機器メーカーが承認申請を行わずに逃げられる仕組みを改善してほしい」と訴え、医療機器治験を集中的に実施するアカデミック臨床研究機関(ARO)の設立を検討するように求めた。

 児玉氏は、医療機器がコンタクトレンズから画像診断の機器まではレンジが広いため、「開発インセンティブが違うのでは」と質問。青木氏は、「医薬品はある程度流れが決まっているが、医療機器は、知的財産のノウハウも違う。専門家がいないと研究がだめになると思う」と述べた。

 医療機器メーカー側からは、日本医療機器産業連合会の産業政策会議長の三沢裕氏がヒアリングに臨んだ。三沢氏は、医療機器の治験について、9割以上が既存製品の改良・改善となっている点や医療機器の詳細情報は、機器の設計・製造をする企業が有している点を指摘。医薬品を想定してメーカーを臨床の現場に立ち入れなくするなどの臨床研究への関与の過度な規制に警戒感を示し、「一律の規制でなく、目的などにより柔軟な規制であるべき」と主張した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49285/Default.aspx
ノバルティス 医師主導臨床研究でGL策定 全プロセスでマーケ、営業の関与を禁止
公開日時 2014/07/25 03:52  ミクスOnline

ノバルティスファーマは7月24日、医師主導臨床研究(IIT)について新たに策定したグローバルガイドライン(GL)をホームページ上で公表した。マーケティングおよび営業部門の資金提供や関与、研究者の選定などへの影響力の行使を禁じることを改めて強く打ち出した。IITの実施に際し、同社ではすでに奨学寄附金による実施から、書面で契約内容を明確にした“契約型”へと全面的な切り替えが進められており、同GLを適用する方針。今後はプロモーション資材でも、原則同GLに基づいて実施された契約型の医師主導臨床研究のみ引用する。本格的な運用は8月末の予定。


GLでは、同社のマーケティング、営業部門などコマーシャル部門について、「いかなる状況においても、IITのデザイン、レビューと承認、実施、IITを実施する研究者/学会などの学術団体への資金、薬剤等の価値のあるものの提供において関与を許可しない」、「研究者の選定や支援するIITの選定に影響を及ぼさず、IITの計画および実施のすべての側面において関与しないこと」とし、すべてのプロセスでの関与を禁止した。


◎メディカルが資金提供を主導、管理

メディカル本部担当者については、販売促進を目的としない“患者の治療および医療の向上を目的とした科学的コミュニケーションの一環”として、IITへの支援が考慮できるとした。テーマなどについては、「個々のIITに対する要望を一方的に行ってはいけない。メディカル担当者との面談あるいは科学的な話し合いを受けて、研究者により自主的に導かれ提案される要望は認められる」とした。


IITの実施に際し、メディカル本部担当者は、研究者が作成したコンセプトシートの提出を受け、研究の評価を開始する役割を担うとともに、資金提供についても「財務の監視のもとでノバルティスのメディカル本部が主導し、管理する」とした。資金提供に際しては、「患者の登録や最終試験報告書の作成など、所定のマイルストーンにリンクさせ、これらのマイルストーンが達成された場合にのみ支払われる」とした。


IITの進捗状況や結果については、「少なくとも定期的な進捗状況の提出、最終試験報告書、安全性情報を含め、研究者が収集、解析し、ノバルティスに適宜報告する」とした。特に安全性情報については、「ノバルティスおよび各国の規制要件にしたがって報告する必要があるという契約条項を伝え、かつ遵守する」ことも研究者側に求めた。


ただ、試験デザインやデータ解析、報告などについての責任は、研究者が全面的に負うことも強調。メディカル本部も「IITの範囲、目的、デザイン、実施に関する指示を出してはならない」とし、「投与量や投与スケジュールに関して被験者の安全を守り、併用試験における承認薬または新薬との相互作用を考慮する目的でコメントすることができる」とした。


◎臨床研究サポートの意義も強調

IITの定義についてGLでは「独立した研究者/学会などの学術団体主導で計画され、実施される研究。ノバルティスが参画していない臨床または非臨床研究であり、実施責任者がノバルティスに対して資金や薬剤、またはその両方の提供を要求する」とした。その上で、これら研究での資金、薬剤の提供では、両者の合意に基づき書面を交わすことで、透明性を担保することの重要性を強調した。


同社のかかわり方については、「全世界の患者へ核心的治療を提供する一環として、ノバルティスは倫理的な臨床研究をサポートする必要性があると確信している」と明記。抗がん剤・アフィニトール(一般名:エベロリムス)の結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星状細胞腫の適応拡大など、医師主導臨床研究が適応拡大、アンメットメディカルニーズの解消につながった例を挙げた。

その上で、倫理、ガバナンス、透明性の原則を満たす倫理的な臨床研究を今後も支援する姿勢を示した。具体的には、▽明確にすべき科学的課題が適切、▽倫理的および研究デザインの頑健性、▽透明性の確保、適切な時期での結果公表―を求めた。GCPに記載されている高い倫理的、科学的基準を満たさない研究施設はサポートしないことも明記。この基準を満たさないい施設については、教育などの支援を検討するとした。同GLは7月8日、スイス本社から発表されており、全世界で適用される。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/7/24/236277/?portalId=mailmag&mmp=MD140724&dcf_doctor=true&mc.l=52815216
9カ月で稼働わずか1回 運用難航する医療ヘリ
共同通信社 2014年7月24日(木) 配信

 東日本大震災後、医師不足に悩む三陸沿岸の医療態勢を支援しようと宮城県気仙沼市で始まった医療用ヘリコプターの活動実績が、壁にぶち当たっている。昨年10月の本格運用から約9カ月間で患者の救急搬送はわずか1回。ヘリ活用の意識が地域で浸透していないことが背景にあり「もっと被災地の役に立ちたい」と関係者の焦りが募る。

 運航するのは気仙沼市のNPO法人「オールラウンドヘリコプター」。操縦士や救急救命士らが、医療機関の要請に応じて患者や医薬品をすぐに運べるよう、市内の格納庫に毎日待機している。

 しかし患者搬送での出動は昨年12月16日、急病で倒れた男性を近くの石巻市に搬送した1回のみ。チリ地震が発生した今年4月には津波警戒で海面監視に当たるなど防災面での活動もあるが、本領発揮にはほど遠い。

 「ヘリを積極的に使おうという意識が医師側に足りない」と指摘するのは、宮城県災害医療コーディネーターを務める気仙沼市立病院の成田徳雄(なりた・のりお)医師(53)。気仙沼周辺から仙台市まで救急車で往復6時間もかかるため、医師が搬送をためらうことも多いといい「付き添いを終えた医師が気仙沼に戻るときにヘリを使うだけでも医師不足の地域には助かる」と積極的な活用を呼び掛ける。

 三陸沿岸の女川町にある離島では、病人が出ると約30分かけて漁船で運んでいる。島で暮らす酒井実(さかい・みのる)さん(72)は「波が静かなときばかりではない。ヘリが来てくれるのは心強い」と期待する。

 「いつでも出動できる状態なので、利用してもらえないのは残念」とNPO法人。石巻市などの4医療機関と締結済みの患者や医師の搬送に関する協定を、今後はさらに拡大する考えだ。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/07/24/236382/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140724&mc.l=52815112
高校生が模擬手術体験 青森県八戸市民病院
東奥日報 2014年7月24日(木) 配信

 高校生を対象にした外科手術体験セミナーが19日、八戸市民病院で開かれた。同市や三沢市の高校に通う1、2年生56人が参加。最新鋭の機器に触れ、第一線で働く医師と交流しながら医療の仕事に理解を深めた。

 医師を志す高校生を増やそうと、弘前大医学部付属病院消化器外科が2009年から県内や秋田県で開催。八戸市でのセミナーは5年ぶりで、県内外の病院に勤務する医師や医学生ら約50人が、スタッフとして高校生をサポートした。

 青い手術着と帽子、マスクを身に着けた生徒たちは七つのコーナーを順に回り、超音波メスや医療顕微鏡を使った模擬手術、胆のう摘出手術のシミュレーターなどを体験。

 このうち手術台、無影灯、心電図モニターが並ぶ手術室を再現したコーナーでは、人形の腹部に置いた豚の生レバーを肝臓に見立て、腫瘍を切除する模擬手術に取り組んだ。生徒たちは緊張の面持ちで電気メスを操作し、レバーの切除に成功するとほっとした表情を見せた。

 八戸聖ウルスラ学院高2年の吉田早希さんは「本物の医療機器に触れることができて興奮した。医師を目指そうという気持ちが強くなった」と笑顔で話した。



  1. 2014/07/25(金) 05:43:36|
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7月23日 

http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43341
医療情報の漏えい、厳罰などで流出防止を- 日医
( 2014年07月23日 21:01 )キャリアブレイン

 日本医師会(日医)の石川広己常任理事は23日の記者会見で、政府が先月示した個人情報保護法改正などの方向性に対して、医療分野の個人情報を保護する上では不十分だとの認識を示した。医療情報が機微性の高い情報に含まれると明示されていない点などを問題視。医療情報などが漏えいされた場合に、他の個人情報よりも厳しい罰則を設けたりすることで、情報の流出を防ぐべきだと指摘した。【佐藤貴彦】

 政府のIT総合戦略本部が先月24日に決定した「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」で、今後の個人情報保護関係法令の改正の内容について、政府としての方向性が示されている。同大綱をめぐっては、今月24日までパブリックコメントが実施されており、日医は22日に意見を提出したという。

 同大綱では、情報通信技術の進展などに機敏に対応できるよう、法律で大枠を定めた上で、政省令や規則、ガイドラインなどで具体的なルールを定める方針を表明した。さらに、データの匿名性を高めるための加工方法などのルールは、民間団体が策定。現在は、特定個人情報の取り扱いに関する監視などを担当している「特定個人情報保護委員会」を改組して第三者機関を設置し、民間団体が策定したルールを認定する業務などを担わせることで、ルールの実効性を確保するとした。

 また、個人情報を加工して匿名性を高めたデータから、特定の個人を識別することを禁止するといった措置を講じる代わりに、匿名性の高いデータの第三者提供などを本人の同意を得ずに行えるようにする考えも提示。一方、人種や信条、前科などは、機微情報として、取り扱いをより慎重にする方向で検討するなどとした。

 こうした仕組みの実現に必要な法改正のため、来年1月以降できるだけ早く、法案を国会に提出する見通しも示した。

 同大綱について、石川常任理事は、民間団体が策定し、運用されるルールの中に、第三者機関の認定を受けたものとそうでないものとが混在することを問題視。パブリックコメントを通じ、民間団体が策定するルールは、第三者機関の認定を必ず受ける仕組みにするよう求めたと説明した。

 日医が提出した意見ではそのほか、▽機微情報の中に、医療情報を明記すべき▽親族や子孫に影響を及ぼす遺伝情報については、個別法などで考えるべき▽第三者機関には、医療関係者を配備すべき▽医療情報などを漏えいした場合の罰則を、その他の情報の場合よりも厳しくすべき▽善意・悪意・過失の有無にかかわらず、漏えいしたデータを削除させる権限を法定化すべき-などとも指摘。改正法案の提出時期についても、十分な議論がなく拙速だと断じたという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43335.html
処方薬を家族に譲渡が4割- 民間調査
( 2014年07月23日 20:56 )キャリアブレイン

 医療機関で処方された医薬品を、同じような症状の家族に譲ってはいけないことを9割近くの人が知りながら、全体の4割は譲渡した経験があることが、製薬企業などでつくる「くすりの適正使用協議会」のインターネット調査で分かった。これらの調査結果を受け、同協議会は23日、一般の人々に最低限知ってほしいという「くすりの知識10か条」をまとめた。【丸山紀一朗】

 調査は今年6月、全国の20歳以上の男女900人を対象に実施。調査結果によると、医療用医薬品を譲渡してはいけないことについて、「知らない」は13%だった一方、「知っており、その理由も説明できる」と答えたのは50%、「知ってはいたが、理由までは説明できない」は37%だった。譲渡について、「よくする」「ときどきする」「一度はしたことがある」が合計で41%だった。同協議会は、譲渡してはいけない理由について、同じような症状でも同じ原因とは限らず、同じ薬でいい効果があるか定かでないためと説明している。
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 また、錠剤やカプセル剤などの内服薬を、お茶やコーヒー、酒などで飲むと、それに含まれる成分と薬が反応し、効果が弱まったり強まったりすることがあるため、水以外の飲み物で飲んではいけない。調査によると、これについて「知らない」は17%だった一方、「知っており、その理由も説明できる」「知ってはいたが、理由までは説明できない」が合計で83%だった。内服薬を水以外で飲んだ経験があると答えたのは全体の57%と、半数以上に上った。

 このほか、「ジェネリック医薬品とOTC医薬品は同じである」との設問に対し、自身の考えに当てはまるものを答えてもらったところ、18%が「正しい」、61%が「分からない」と回答。8割が、ジェネリック医薬品とOTC医薬品の違いを理解していないことが分かった。また、「第一類医薬品より第三類医薬品の方が副作用などに注意する必要がある」との設問に対し、30%が「正しい」、51%が「分からない」と答え、8割が一般用医薬品のリスク区分を理解していないことも明らかになった。

 これらの調査結果を受け、同協議会では医薬品の適正使用を促すため、「くすりの知識10か条」を作成した。その中には、「医療用医薬品は、自分の判断で止めたり量を減らしたりせず、また、そのくすりをほかの人に使ってはいけません」「くすりは、決められた使用方法がそれぞれ異なり、医師・薬剤師の指示などに従って正しく使用しましょう」「『サプリメント』や『トクホ』は食品であり、くすりではありません」などといった注意事項を盛り込んだ。



http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20140723org00m040008000c.html
Listening:<バルサルタン>臨床試験疑惑 
ノ社元社員を追起訴 東京地検、捜査終結へ

2014年07月23日 毎日新聞

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、東京地検特捜部は22日、京都府立医大の研究チームが2012年に発表した論文の臨床データを改ざんしたとして再逮捕されていた製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋(しらはし)伸雄容疑者(63)と、法人としてのノ社を薬事法違反(虚偽広告)で追起訴した。これで一連の捜査を実質的に終えるとみられる。(3面にクローズアップ、社会面に関連記事)

 白橋被告は、同大が11年に発表した論文のデータを改ざんしたとする同法違反でも既に起訴されている。関係者によると、白橋被告は2件とも起訴内容を否認しているとみられるが、特捜部はいずれも、白橋被告が独断で改ざんしたと判断した模様だ。

 バルサルタンの臨床試験は、東京慈恵会医大▽千葉大▽滋賀医大▽名古屋大の4大学も実施。07年以降、各大学で論文が発表された。

 厚生労働省の告発を受けた特捜部は、今年2月以降、5大学すべてを家宅捜索しカルテなどを押収し、研究に関わった医師らから事情を聴いた。府立医大以外の一部大学でも臨床研究データの改変が確認されたが、虚偽広告の公訴時効(3年)を経過している例が多く、時効成立前のケースも明確な改ざんとは言い切れないと判断したとみられる。【山下俊輔、近松仁太郎】



http://mainichi.jp/select/news/20140723k0000m040166000c.html
バルサルタン:奨学寄付金の公開進まず 使途チェックなし
毎日新聞 2014年07月23日 07時15分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の一連の臨床試験が疑惑視されるきっかけは、製薬会社ノバルティスファーマから研究者側に渡った億単位の「奨学寄付金」が隠されていたことだった。だが、大学側の奨学寄付金に関する情報公開は進んでいない。専門家は「このままでは事件の教訓が生かされず、疑惑の構図が繰り返されるだけだ」と危機感を募らせる。

 「なかば観光目的で海外の学会に行ったり、私用のノートパソコンを買ったりするのに奨学寄付金を使っている。『俺には薬を選ぶ権利があるんだぞ』と出入りの製薬会社員にアピールしながら金を出させる。どこからいくらもらったかは公にしたくない」(ある大学医学部の医師)

 別の研究者は「使途は報告するが詳細にチェックされず、使い勝手がいい」と言う。

 バルサルタン事件では、ノ社と臨床試験をした5大学が、計11億円余に上った奨学寄付金の額をなかなか明らかにしようとせず、不信感を高めた。各大学は「関係書類の保存期間が決まっており、それ以前分は分からない」などと釈明するばかりで、全体像の把握はノ社頼みとなった。

 また、各国立大や公的研究機関には「研究者が財団などから直接もらった研究助成も、不正を防ぐために研究者から大学などに寄付させる」(文部科学省)との規則があるのに、寄付されないケースも後を絶たない。会計検査院の2010〜12年度の報告書ではこうした研究助成が計6億3404万円に上った。このうち7505万円が使われずに研究者の手元に残っていた。

 一方、情報公開を進める大学もある。和歌山県立医大は、教授が病院から受け取った資金を大学に納めていなかったと批判を浴び、12年度から奨学寄付金に関する情報をホームページで公開している。企画研究課長は「時代の流れだ」と話す。

 だが、こうした取り組みはまだ少ない。国立大病院長会議は先月、企業などからの資金の公表に関する指針をまとめたが、奨学寄付金については診療科ごとの件数と総額にとどめ、「企業に迷惑がかかるから」と寄付元は明かさないという。

 東京大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)は「徹底した情報公開で資金を透明化しなければ、失われた信頼回復は望めない。透明化することで寄付が減っても仕方がない。質が悪い研究が淘汰(とうた)されるだけだ」と指摘する。【河内敏康、八田浩輔】

 ◇奨学寄付金

 企業や個人が大学などを通じて研究者に提供する寄付金で、寄付側に税の優遇がある。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上った。国が1963年、国立大向けに受け入れ規定を示して管理を指導してきた。



http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20140723ddlk06040163000c.html
消費増税:負担要求 市議会厚生委で再発防止策説明−−山形市立病院済生館 /山形
毎日新聞 2014年07月23日 地方版

 山形市立病院済生館の事務局は市議会厚生委員会で、公正取引委員会から勧告を受けた問題について再発防止策を説明した。

 主な内容は▽外部からの意見、クレームは事務局長が最初に対応する▽国などの通知は病院事業管理者、事務局長が順守徹底を確認する−−など。

 18日は弁護士を招き、消費税転嫁対策特別措置法に関する職員向け研修会を開いた。【鈴木健太】

市議会厚生委で

再発防止策説明

山形市立病院済生館

 山形市立病院済生館の事務局は市議会厚生委員会で、公正取引委員会から勧告を受けた問題について再発防止策を説明した。

 主な内容は▽外部からの意見、クレームは事務局長が最初に対応する▽国などの通知は病院事業管理者、事務局長が順守徹底を確認する−−など。

 18日は弁護士を招き、消費税転嫁対策特別措置法に関する職員向け研修会を開いた。【鈴木健太】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43338.html
税制改正で消費税「原則課税」を要望へ- 四病協総合部会で確認
( 2014年07月23日 21:04 )キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は23日の総合部会で、来年度税制改正要望を通じ、社会保険診療への消費税の扱いについて、10%に引き上げられた場合には、原則課税にするよう求めていくことを確認した。税制改正要望には、8%引き上げ時の診療報酬による補てんでは不十分であることを示すデータも盛り込む方針だ。四病協は、8月下旬に開催する次回の総合部会で、税制改正要望を正式決定する。【君塚靖】

 総合部会の模様は、日本精神科病院協会の河崎建人副会長が、部会終了後の記者会見で明らかにした。この日の議論は、社会保険診療への消費税に集中した。10%時の対応については、原則課税にする案のほかに、非課税のままで還付を求める案などが浮上し、医療界での一本化が難しい情勢になっている。そこで、改めて四病協として、原則課税とし、税制改正要望に明記することを確認した。

 四病協は現在、8%引き上げ時に実施した基本診療料を中心とした診療報酬の上乗せ措置が、医療機関の負担軽減にどの程度、つながっているかを「補てん率」として調査している。税制改正要望の中で具体的な数値を示すことで、消費税が非課税のままでは、経営が立ち行かなくなる恐れがあることを訴えていく考えだ。


  1. 2014/07/24(木) 05:35:10|
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7月22日 

http://digital.asahi.com/articles/ASG7Q4FGRG7QUBNB001.html?_requesturl=articles%2FASG7Q4FGRG7QUBNB001.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7Q4FGRG7QUBNB001
青森)医学科のAO募集を5増 弘大、入試要項を発表
2014年7月23日03時00分 朝日新聞デジタル 青森

 弘前大学は22日、2015年度の入学者選抜要項を発表した。募集人員は今年度と同様、5学部で計1382人。

 医学部医学科の一般入試の募集人員(前期日程)は、今年度比5減の65人。減らした分をAO入試募集人員に加え、AOは同5増の47人となる。弘大の実績では、AO入試で入学した生徒は試験の成績が良く、医師として必要なコミュニケーション能力が高い傾向があるといい、優秀な学生の確保が狙いだ。

 医学科の一般入試募集人員のうち、県定着枠は今年度比5減の15人、AO入試募集人員のうち、県出身者枠は3増の30人。

 人文学部では、15年度から推薦入試にセンター試験の受験が必要となる。



http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1407/22/news038.html
連載 窪田順生の時事日想:
東大の教授が、「医療詐欺」なる本で医療界を告発した理由

2014年07月22日 08時00分 更新 ,誠STYLE

救急車のたらい回し、医師不足問題、製薬会社の不祥事――。こうした問題は、国家による「医療」コントロールが限界にきているからなのか。医療界の現実について、東大医科学研究所の教授が赤裸々に綴った本が出た。
[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


 新潟の「医療過疎」を取材していた時、高齢化率4割というとある無医村で、興味深い話を耳にした。

 無医村を解消しようと、インターネットで常勤医の募集をしたところ、東京の若い勤務医から応募があった。僻地医療に対する志もある。おまけに、「田舎暮らし」を望んでいるということで、話はトントン拍子にまとまり、東京の病院を辞め村へ移住してもらうことになった。

 無論、村の高齢者たちからは喜びの声があがったが、ほどなくそれは失望の声へと変わってしまう。村の元気なご老人たちに対して、若き医師が行なった「診察」が問題だったのだ。

 「今のまま、おいしいものを食べて、よく寝て、たまに歩くなどの運動をしてください」

 これのいったい何が問題なのか。実際に高齢者たちから「不満」を告げられた隣町の医師が教えてくれた。

 「この村に限らず、高齢者にとっての“医療”というのは、少しでも身体に異変があったらすぐに薬を処方してくれること。薬を欲しがる患者に対して彼は『飲む必要がない薬を飲むと、お身体に負担がかかります』と一生懸命諭しましたが、しばらくして “あの若い医師は薬に頼らない自然治療をすすめている”なんて噂もまわって問題になってしまったのです」

 高齢者医療の現実を思い知らされたこの若き医師はほどなく村を去ったという。

供給者側の論理

『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(著・上昌広氏/講談社)
 この話を聞いて、「ああ、この国の医療ユーザーには骨の髄まで“供給者側の論理”が刷り込まれているんだなあ」ということをつくづく感じた。

 以前、このコラムでも触れたが、「降圧剤」なんかも分かりやすい(関連記事)。降圧剤の添付文書には、脳梗塞のリスクが高いので、高齢者には「慎重投与」と明記されている。しかし、70歳以上の約半数が服用している(厚労省「国民健康・栄養調査報告」)。「大胆投与」に書き換えたほうがいいくらい気前のいい飲ませっぷりだ。

 ちょっと考えれば、薬を出せば保険点数が稼げる医師と製薬会社から「供給者側の論理」を押し付けられていることが明白だが、そういうサディスティックな仕打ちも患者側は手を合わせてありがたがる。

 そんな歪(ひず)んだ医療の現実について、分かりやすく解説されているのが、東京大学医科学研究所特任教授である上昌広さんの新刊『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社)である。

 ずいぶんショッキングなタイトルだと思うだろうが、これはなにも先端医療を掲げる医師や、新薬を売り出す製薬会社があくどいとか批判をする本ではない。救急車のたらい回し、医師不足問題、ドラックラグ(新薬承認の遅延)、製薬会社の不祥事など一見するとバラバラの問題のように見えるが、すべてたどっていくと日本の医療が抱える構造的問題につきあたることを指摘しているのだ。

 その代表が、「中医協」(中央社会医療協議会)である。

新薬を開発するのがバカらしくなる

 中医協とは、日本の医療行為にまつわる価格を決定している厚労大臣の諮問機関のことだが、こういう制度は他の先進国にはない。この日本独自の医療システムにこそ歪みの根っこはあると上氏は指摘する。

 国家が価格を決めるので、製薬会社からどんなに素晴らしい薬をつくっても、すぐに価格が下がる。営利企業からすれば、リスクをとって新薬を開発するのはバカらしくなる。これで開発力が高くなるわけがない。事実、日本の新薬開発力は韓国に劣っている。

 新薬を出さずにもうけようとするので、「マーケティング」に力が入る。医師にカネを渡して臨床論文をちょいちょいっといじったり、飲ませなくていい薬をじゃんじゃん飲ませたり、という問題は現れるべくして現れたというわけだ。

 国が「価格統制」という絶対的な力を持つ。それに従う形で供給者(企業・医師)が食べていこうとする。癒着や口利きがまん延し、価格統制権に近いところがおいしい思いをして、水が高いところから低いところに流れるように一般ユーザー(患者)が一番わりを食う。

 この構造を理解するのには、「電力」がいい。日本の電気料金は薬価と同様、電力会社という国策企業が総括原価方式というコストダウン意識ゼロのシステムで決められている。だから、再稼働だなんだというの話も、ユーザーの論理は関係ない。すべては「原子力ムラ」という供給者サイドの論理によって粛々とすすめられていく。医療界の構造的な癒着を、上氏が「医療ムラ」と呼ぶ所以だ。

 原子力ムラを解体するにはこの「価格統制権」を奪う、つまり「電力の自由化」をすすめるべきという意見があったが、いつの間にやらうやむやにされた。

 これと同じく、「医療ムラ」の解体には、「中医協」の力の根源、つまり価格統制権を奪うしかない。その第一歩となるかもしれないが、安倍政権が成長戦略で掲げた「混合診療」の解禁である。

「医療」は誰のためにあるのか?

 混合診療とは、公的医療保険とまかなう治療と、専門性が高い自由診療を組み合わせるというもの。上氏によれば、混合診療が導入されると、医師間の競争が促進されるので、患者側が享受できるメリットも多いという。

 それを示すのが、「不妊治療」だ。これは保険が適用されない自由診療ではあるが、医師らの競争によっては今や日本の不妊治療技術は世界トップレベルに成長しているという。

 ただ、「供給者」代表である日本医師会はこの「混合診療」に猛烈に反対している。「安全性や有効性の疑わしい治療が横行する」といかにも患者目線を装っているが、上氏のいう「競走」を拒んでいるかのようにも見えないか。そういえば、東北に医学部を新設するという話がもちあがった時、東北の人々が復興にもなるし、医師偏在解消になるからつくってくれと声をあげた時も、医師会は「医師が余るからとんでもない」と反対していた。

 「医療」というものは誰のためにあるのか。なぜ上氏は、東大医科学研究所という医学界の中心部から、厚労省や多くの医師を敵にまわしながらも「詐欺」というショッキングな言葉を用いてまで問題提議をしたのか。

 それらの疑問はすべてこの本のなかにある。「お医者さんの言うことは絶対だ」なんて思い込んでいる人にこそ読んでいただきたい。



http://mainichi.jp/select/news/20140723k0000m040058000c.html
バルサルタン:捜査終結へ ノバルティス社元社員ら追起訴
毎日新聞 2014年07月22日 20時14分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、東京地検特捜部は22日、京都府立医大の研究チームが2012年に発表した論文の臨床データを改ざんしたとして再逮捕されていた製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)と、法人としてのノ社を薬事法違反(虚偽広告)で追起訴した。これで一連の捜査を実質的に終えるとみられる。

 白橋被告は、同大が11年に発表した論文のデータを改ざんしたとする同法違反でも既に起訴されている。関係者によると、白橋被告は2件とも起訴内容を否認しているとみられるが、特捜部はいずれも、白橋被告が独断で改ざんしたと判断した模様だ。

 バルサルタンの臨床試験は、府立医大のほか、東京慈恵会医大▽千葉大▽滋賀医大▽名古屋大の4大学も実施。07年以降、各大学で試験結果に関する論文が発表された。

 厚生労働省の告発を受けた特捜部は、今年2月以降、5大学すべてを家宅捜索しカルテなどを押収し、研究に関わった医師らから事情を聴いた。府立医大以外の一部大学でも臨床研究データの改変が確認されたが、虚偽広告の公訴時効(3年)を経過している例が多く、時効成立前のケースも虚偽広告に問えるほど明確な改ざんとは言い切れないと判断したとみられる。

 起訴状によると白橋被告は、府立医大が冠動脈疾患の患者についてバルサルタンとそれ以外の降圧剤の効果を比較した研究で、11年8〜10月ごろ、脳卒中などの発生数がバルサルタンに有利になるよう臨床データを操作した図表を研究チームに提供したとされる。研究チームはそれを基に論文を執筆・投稿。論文は12年に出版社のホームページに掲載され、不特定多数が閲覧可能となった。

 ノ社は「元社員ならびに会社が再び起訴されたことを大変重く受け止める。改めておわび申し上げます」とのコメントを発表した。

【山下俊輔、近松仁太郎】



http://mainichi.jp/shimen/news/20140723ddm041040225000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 捜査終結へ 奨学寄付金、公開進まず 研究者「使途チェックなし」
毎日新聞 2014年07月23日 東京朝刊

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の一連の臨床試験が疑惑視されるきっかけは、製薬会社ノバルティスファーマから研究者側に渡った億単位の「奨学寄付金」が伏せられていたことだった。だが、大学側の奨学寄付金に関する情報公開は進んでいない。専門家は「このままでは事件の教訓が生かされず、疑惑の構図が繰り返されるだけだ」と危機感を募らせる。【河内敏康、八田浩輔】

 「なかば観光目的で海外の学会に行ったり、私用のノートパソコンを買ったりするのに奨学寄付金を使っている。『俺には薬を選ぶ権利があるんだぞ』と出入りの製薬会社員にアピールしながら金を出させる。どこからいくらもらったかは公にしたくない」(ある大学医学部の医師)

 別の研究者は「使途は報告するが、詳細にチェックされず、使い勝手がいい」と言う。

 バルサルタン事件では、ノ社と臨床試験をした5大学が、計11億円余に上った奨学寄付金の額をなかなか明らかにしようとせず、不信感を高めた。各大学は「関係書類の保存期間が決まっており、それ以前分は分からない」などと釈明するばかりで、全体像の把握はノ社頼みとなった。

 また、各国立大や公的研究機関には「研究者が財団などから直接もらった研究助成も、不正を防ぐために研究者から大学などに寄付させる」(文部科学省)との規則があるのに、寄付されないケースも後を絶たない。会計検査院の2010〜12年度の報告書ではこうした研究助成が計6億3404万円に上った。このうち7505万円が使われずに研究者の手元に残っていた。

 一方、情報公開を進める大学もある。和歌山県立医大は、教授が病院から受け取った資金を大学に納めていなかったと批判を浴び、12年度から奨学寄付金に関する情報をホームページで公開している。企画研究課長は「時代の流れだ」と話す。

 だが、こうした取り組みはまだ少ない。国立大病院長会議は先月、企業などからの資金の公表に関する指針をまとめたが、奨学寄付金については診療科ごとの件数と総額にとどめ、「企業に迷惑がかかるから」と寄付元は明かさないという。

 東京大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)は「徹底した情報公開で資金を透明化しなければ、失われた信頼回復は望めない。透明化することで寄付が減っても仕方がない。質が悪い研究が淘汰(とうた)されるだけだ」と指摘する。

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 ■ことば

 ◇奨学寄付金

 企業や個人が大学などを通じて研究者に提供する寄付金で、寄付側に税の優遇がある。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上った。国が1963年、国立大向けに受け入れ規定を示して管理を指導してきた。



http://diamond.jp/articles/-/56456
医療・介護 大転換【第2回】
高飛車な医者と介護スタッフは連携できるのか
“在宅復帰”に誘導する「地域包括ケア」導入の課題

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
2014年7月23日 ダイヤモンドオンライン

 連載第1回では日本の医療・介護制度が大転換期を迎えていること、具体的には医療の役割を「治す医療」から「支える医療」に、「病院完結型」から「地域完結型」へ、「医療から介護」へ、「病院・施設から地域・在宅」への転換を目指し、それを実現するためには、「地域包括ケアシステム」の構築が欠かせないということを述べた。

 そこでこれから数回にわたり、入院、外来医療、そして在宅医療の3種類の変化を順番に分け入って論じたい。まず今回は入院医療の変化について説明していく。

診療報酬を動かすことで
医療機関の方向を誘導

 日本の医療制度の見直しは、事実上、2年に1度の診療報酬改定によってなされる。診療報酬とは病院や診療所など医療機関に医療保険の団体から支払われる料金で、厚労省が決めている。したがって、より高い報酬が設定される分野に力を入れるように医療機関は動くので、医療の仕組みはこの報酬体系で変わっていく。

 日本の医療提供者は公立の医療施設がわずか14%、病床数で22%と少ない。欧州では公立施設が大半なので政府が改革を強制できる。一方、日本では独立の医療法人が多く、国が制度改革を試みても、なかなか進展しない。そこで、「ニンジンをぶら下げて馬を走らせるように」、診療報酬を上下させることで誘導してきた経緯がある。

 今回の診療報酬改定も同様だが、新たな要素が加わった。昨年8月に首相に提出された社会保障制度改革国民会議(慶應義塾長・清家篤議長)の報告書である。団塊世代が75歳以上になり医療・介護の需要が増える2025年を見据えて、それまでになすべき改革プランを示したのだ。

 このため4月の診療報酬改定は、近来になく相当に思い切った内容になっている。いわば、報告書のお墨付きを得て、日本医師会など関連団体の雑音や抵抗を突破できたと言えるだろう。

看護師1人で7人の患者をみる
高度急性期病院のベッド数が半減

 日本の病院は、患者に対する看護師の配置人数によって5種類に分けられている。患者と看護師の比率は7対1から15対1まであり、配置人数によって入院基本料も異なる。それを今回、4種類に統合し、病院の機能をきちんと分けることにした。

 看護師配置が最も手厚い7対1の病院は高度急性期病院と言われ、疾患への対応に専門職が多数かかわるもので8年前に配置を増やした。全国で約36万床もある。にもかかわらず、そこで救急患者のたらい回しが起きて問題になるように、きちんと機能しているとはいえない。

 そこで今回、高度急性期病院の存在条件を厳しくし、2025年までにその数を半分の18万床までに削減することにした。高齢者が増え、来院者に高齢者が増える状況に合わせて、急性期病院を減らして慢性期病院の比重を高めようという狙いだ。

「かなり重度になっても地域でできるだけ長く暮らし続けよう」という介護保険の「地域包括ケアシステム」の考え方は、高齢化が進む先進各国の共通用語。その趣旨に沿って、医療保険にも適用することにした。元々、介護や保健、生活支援、住まいとともに地域包括ケアの5つの要素の中に医療も入っており医療連携は重要なテーマであった。

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 病院で長く滞在するのではなく、できるだけ早く自宅や地域のケア付き住宅に戻って暮らす、という地域包括ケアの原則を前面に押し出して、医療を巻き込もうという戦略だ。まさに、報告書で謳われた「治す」医療から「支える」医療への転換だ。

 だが、医療側には「介護保険とは別」という特権意識が強く、例えば、ケアマネジャーが医療機関と接触するのが難しいなど、医療のハードルが高いのが現実だ。

病院と在宅を行ったり来たりはダメ
亜急性期病院は「地域包括ケア病棟」へ

 今回の改定で、従来の亜急性期病院(急性期と慢性期の間に位置する)をこの9月30日に廃して「地域包括ケア病棟」に変えることにした。この名称変更は画期的である。「地域包括ケア」という「錦の御旗」を掲げて医療側に介護保険システムのくさびを打ち込んだわけだ。

 名称変更に日本医師会が相当抵抗したと言われるが、先の報告書は政府の基本方針となりつつある中で、真っ向から異論を唱えることはできなかったようだ。

 地域包括ケア病棟は、①急性期病棟を退院しても在宅復帰が難しい患者の受け入れ、②在宅の緊急患者の24時間受け入れ、③長期療養病棟からの受け入れなどで病院から在宅への橋渡しの役目を担う。

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 文字通り、地域包括ケアを推進していく際に医療側の中核となる位置付けだ。診療報酬の一項目である入院料を従来の亜急性期病棟よりも高額にして誘導を図っているが、在宅復帰率70%以上というかなり高いハードルも課している。高額の診療報酬を得たいなら、在宅復帰に力を入れて、という厚労省からのメッセージともいえよう。

 この在宅復帰率の導入も今回の改定の目玉である。従来は、専門職の配置や単なる退院率で報酬を位置づけていたが、退院先を在宅と明示した。在宅復帰率を高度急性期と急性期病院には75%以上、長期療養病棟は50%以上とした。

 長期療養病棟で在宅復帰に力を入れれば新しく加算を付けることにしたのも、奨励策の一環だ。在宅復帰機能評価加算で1日につき10点、100円である。加算の算定用件は、1ヵ月以上の入院患者が退院して在宅に復帰した比率が50%以上であることと退院患者の在宅生活が1ヵ月以上であることだ。

 つまり、退院してもすぐ入院してしまう現状を変えようという内容である。「病院と在宅を行ったり来たりはダメ」と厚労省は説明する。

“第2の自宅”への帰宅も含めた
在宅への早期復帰こそ最大の目的

 ここで言われる在宅とは、必ずしも自宅ではない。自宅での家族ケアを強制するのは介護保険の創立の精神に反する。「介護の社会化」が介護保険制度の重要な目的であるからだ。家族介護からの解放をアピールしたことで世論が受け入れ、強制徴収に近い保険料を納めることに納得した。

 家族に余裕があれば自宅復帰の可能性が高いが、一人暮らしや老々介護では難しい。では、自宅でない在宅とは何か。

 それに該当するのは、住宅系施設と言われる認知症グループホームであり、有料老人ホームで介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けた介護付き有料老人ホーム、あるいは外部から在宅ケアサービスを入れる住宅型有料老人ホームなどだ。

 さらに、2011年10月から新しいケア付き住宅として制度化された「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」が挙げられる。

 いずれも個室を備えて、プライバシーが確保された「第2の自宅」である。こうした「在宅」への早期の復帰を促すのが地域包括ケアの目的であり、病院もその趣旨を弁(わきま)えねばならない時代ということだ。
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医師の“上から目線”に悩む介護スタッフ
両者が連携できる日は来るか

 確かに、その通りである。だが、遅きに失した感が強い。介護保険制度が始まってもう15年目に入った。医療連携が当初から謳われていたが、現場ではほとんど実現していない。

 介護事業者やそのスタッフから「医師を始め医療側の高飛車な態度に悩まされる」「複数の事業者が集まって、要介護者と家族の考えを汲み取るケア会議にも医師はなかなか出席してくれない」と不愉快な思いを味わったという声がよく聞こえてくる。医療側の「上から目線」が強く、「連携」とは程遠い。

 厚労省では、介護保険は老健局が担当し、医療は保険局と医政局が担当。相互の人事交流はあまりない。一方で、老健局と国土交通省との人事交流は活発。「住まい」重視の姿勢がサ高住という欧州並みのケア付き住宅を誕生させ、両省の共同所管となっているのとは大違いだ。

 今回の大きな改革を担当したのは保険局の医療課長。直前まで老健局の老人保健課長だった。「介護保険の世界を理解し掌握している」という自負が、医療制度に切り込む意欲をかきたてたようだ。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/226859/?category=special
医師の夫、2年間の育児休業取得◆Vol.4
常勤復帰から米国留学まで

2014年7月23日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2007年末には、第二子を妊娠した。それでも育児休暇から復帰1年後の2008年4月からは、慈恵医大の産婦人科のフルタイムの常勤医となった。

 実は、以前から米国の公衆衛生大学院に留学したいと考えており、第一子の妊娠中に、受験勉強もしていました。2007年には合格したものの、子どものことなどを考え、延期して、2008年8月から留学することが決まっていました。

 だから、「子どもを産むなら、ここで一気に生まないと」と思い、臨床はできる範囲で続けつつ、立て続けに妊娠をしたのです。

 2008年4月、妊娠15週くらいで、かつ1歳半の子供を育てながらフルタイムの常勤医に戻りました。ちょうど重症の患者さんを一番診る学年だったので、外来のほか重症の母体搬送を一手に引き受け、レジデントの指導などもしていました。つわりはひどかったけれども、第一子の時よりは楽だったので、結構楽しく仕事をしていましたね。

 子ども2人をご主人に預け、2008年8月に単身で渡米。約1カ月後にご主人が子どもを連れて渡米した。医師であるご主人は、2年間の育児休業を取得したのだった。

 私は次女を生んだ10日後に渡米しているのです。主人と子どもたちを日本に残して。授業がすぐに始まったので、授業に出つつ、家具などを買い、家族で住めるよう住まいを整えていました。

 主人には、かなり前から「留学したいな」と根回しはしていました。「家事は男がするものではない」という考え方もなく、フェアな人で、私が仕事をするのをサポートするのも、家のことをするのも、自分の責任だと思うタイプの人だったので、助かりました。

 とはいえ、「主人と子供をどうするか」は大きな悩みでした。主人が日本に残って子どもを見る、子供を連れて私だけ行くなどの選択肢がありましたが、留学前までは、第一子の育児や家事は全て私がやっており、今度は主人の番ということで、主人が育児休暇を取ることになったわけです。

 主人は産業医大卒だったので、労災病院などでの勤務の義務年限がありました。正当な理由なく義務年限中に就労しなくなると、給付された学費などの一括返還を求められるのです。主人が産業医学振興財団に電話すると、「男性で、育児を理由に義務年限を中断した例はない」と、にべもない答え。しかし、育児休業を取らなければいけない女性医師が絶対にいるはずです。そこで、女性である私がまず一般論として産業医学産業財団に問い合わせると、「もちろん、取得できます」との答え。「それって、当然男性も取れるのですよね」という感じで話を進め、無事、主人は育児休業を取得できました。主人が勤めていた病院の上司もすごく理解がある方で、通常女性が取得するのと同じく、給料の何割かが保障された形で、育児休業が取得できたのです。

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今年4月の第66回日本産科婦人科学会学術講演会で、理事長推薦企画で自らのキャリアを講演した際、公衆衛生への考えを語った(『「ギネジョの底力、ギネメンの胆力」』を参照、資料提供:永田知映氏)

 公衆衛生を学ぶため選んだ留学先は、米国のエモリー大学だ。

 語学は好きで、一度は留学したいと考えていました。公衆衛生を選んだのは、臨床医として解決できないことも、公衆衛生的な視点で解決できることがあると実感したからです。例えば救命救急センターに勤務をしていた時、交通事故による重症外傷患者さんが多く搬送されていたのですが、シートベルト着用を義務付けたり、飲酒運転の取り締まりをするなど、法制度や条例を作ったり、社会の常識を変えることで、発生数も受傷の程度も劇的に変わるのです。目の前の患者さんを診ることがものすごく好きでしたし、患者さんと心が通っているという感覚も好きだった。臨床にやりがいを感じていたのですが、別のアプローチを試してみたいという思いがずっとありました。

 公衆衛生を選んだのは、臨床研究の手法をきちんと学びたいという理由もあります。私自身もそれまで、卵巣癌あるいは早産の症例についての臨床研究をしていました。しかし、きちんと統計解析を学んだわけではないので、自分で行っている方法が間違っているのではないか、という不安が常にありました。統計学、疫学を勉強したい。より良い研究をして、社会のシステムを変えることができれば、という思いを、臨床をしながら抱いていたわけです。

 公衆衛生の分野では、ジョンズ・ホプキンス大学やハーバード大学が有名ですが、エモリー大学もトップ大学の一つです。CDC(米疾病予防管理センター)の隣にあるので、CDCとの結びつきが強く、エモリー大学の学生がCDCで実習したり、CDCの職員が教官として、エモリー大学に教えに来ていました。

 勉強は充実していたが、一方で“専業主夫”のご主人がうつ状態になってしまった。転機になったのがWHO(世界保健機関)でのインターンだった。

 エモリー大学では2年間、様々な講義を受けました。1年目が終わった後の夏休みにはWHO(世界保健機関)にインターンに行き、2年目は授業の傍ら、大学の隣にあるCDC(米疾病予防管理センター)で研究していました。

 朝から夕方まで授業があり、宿題も結構たくさん出て、本当によく勉強しましたね。一方、家事ですが、私も手伝いましたが、主人が本当によくやってくれました。料理を作り、洗濯をして、なるべく子どもたちを散歩に連れていくなど、ものすごく手をかけていたのです。手作りのおもちゃを作ったりもしていました。

 主人は、最初の3、4カ月は楽しかったようですが、保育園には預けていなかったので、24時間子供と一緒。主人は救急医なので、もともと体力はあったのですが、次第に心身ともに疲れるようになってしまった。米国では仕事をしていなかったので、社会との交流がないこともストレスだったようです。うつ状態になってしまったので、私が大学の昼休みに家に帰ってきて、主人が気分転換できるようにしました。

 WHOの本部に行ったのは、2008年5月のことです。インターンは2-3カ月の予定だったので、最初は一人で行こうかとも思っていたのですが、とても置いていける状態ではなく、家族4人でジュネーブに行ったのです。

 ジュネーブはすごくきれいで、風光明媚な街。1時間半くらいバスで行くだけで、雄大なアルプスの景色が臨める。アトランタとジュネーブでは、街の規模も構造も、治安も違います。車で移動する生活から、歩く生活になり、街のいたるところに素敵な公園があったり、ウインドーショッピングをしたり、カフェでお茶をしたり……。私も歩く生活になり、体重が一気に4kgくらい減りました(笑)。

 エモリー大学の入学式で講演された先生のテーマが、「街の構造が健康に与える影響」でした。街の構造は、人間の健康と関係があります。車社会か、徒歩で移動するかにより、運動量は全然違います。また、街を歩き、道で人と接することで精神状態が変わる。そうした都市構造を研究されている先生の講演だったのですが、ジュネーブで実感しました。ジュネーブの生活の中で、主人も次第によくなってきました。

 ジュネーブで住んでいたのは、各国の大使を歴任された、とある国の要人の未亡人の家。ジュネーブの賃貸物件の家賃はとても高いのです。彼女は幾つも家を持っていて、「夏の間は旅行に出ていていないから、使っていいわよ」と言われ、お借りしたのですが、「やっぱり旅行には行かなくなった」とのことで、夏の間一緒に住むことになったのです。広い家なので、何の問題もなかったのですが。

 5カ国を話すこのマダムに、すごく感銘を受けましたね。ある時、私が主人の状態もあり、「ちょっと疲れたな」といった表情で洗濯をしていると、「どうしたの?」と声をかけてくれたのです。いろいろと事情をお話したら、「分かるわ。女って大変よね。でもね、知映(永田氏のファーストネーム)、あなたはプロフェッショナルなのだから、明日、仕事に行くときは、しわのないスーツを着て、赤い口紅を塗って、120%の笑顔で行きなさい」と言われたのです。はっとしました。マダムの言葉には、すごく説得力がある。

 マダムの家には、お手伝いさんのような人もいました。私はそれまで、お手伝いさんに依頼することに関して、罪悪感というか、一部のお金持ちがすることだというイメージを持っていました。マダムは自分でも料理や洗濯などはやっていましたが、窓拭きなどは気軽にお手伝いさんにお願いする。と思えば、そのお手伝いさんと、カフェでお茶をしている。

 マダムのそうした姿勢を見ていると、日本人の「へりくだる」という意識を見直さなければならないと思うようになりました。

 私たちが医師になり研修を受けた、2000年代前半から半ばまでの時代は、患者の権利が強調されるようになり、医師がへりくだるような時代、「医師は少しも偉くない、と思わなくてはいけない」という風潮がありました。しかし、別にへりくだる必要はなく、「医師はプロフェショナルであり、患者のパートナーである」という認識に、ようやく最近近づいてきているのかと思います。日本の社会には、いったん極端なところまで振り切れる面があり、「医師は偉い」から、「患者さまは神様」とまで振り切れて、揺り戻して対等という関係に落ち着く。

 私にとって、家事も同じでした。「家のことは全てやらなければいけない」と思っていたのですが、「あなたたちは高い教育を受けて、優れた技術を身に付けているわけだから、それを社会に還元しなければいけない。どうしても自分で家事をやりたいのであれば、やってもいいけれど、それを補ってくれる人を、うまくアレンジするのも一つの能力」とマダムは教えてくれたのです。プロフェッショナルとしての意識とか、いい意味での力の抜き方などもマダムから学びましたね。

 様々な意味で、ジュネーブはすごく大きな転機でした。WHOの職員は多国籍で、東南アジアの某国などは女性の官僚がすごく多く、ご主人を引き連れて、国際機関の職員として赴任されている方々もいました。皆さん、多様な働き方をしています。



http://blogos.com/article/91020/
先見創意の会
患者による違法行為への対応 - 平岡敦

2014年07月22日 09:00 BLOGOS

1.増加する患者による違法行為
  患者による院内での違法行為が増えている。どこの病院でも多かれ少なかれ次のような患者の対応に苦慮した経験があるであろう。
 (1)待合室で職員を捕まえて「待ち時間が長い」等のクレームを付け,大声で怒鳴ったり,謝罪を強要したりする。
 (2)患者の望んでいる病名・症状の診断書を書けと強要する。
 (3)診療内容や対応に対する不満を理由に,医療従事者に対して暴言を吐いたり,暴行を振るったりする。
 (4)インターネットで病院の悪口を書く。

2.対応方法総論:病院の限界を理解してもらう
 病院に落ち度がある場合もあろうが,それを理由に患者が違法行為を働いていいことにはならない。病院に落ち度があれば,穏当な態度でクレームを述べ,責任者からの謝罪を求めたり,損害賠償を請求したりするのが,法治国家である日本で許される患者の対応である。しかし,患者も感情的になっていることが多く,現実には行き過ぎた違法行為となってしまうケースが生ずる。そのような場合に,どのように対応すれば良いのか。

 難しいことであるが,まずは患者に冷静になってもらうことが必要である。そのためには,患者の病院に対する過度の期待を払拭する必要がある。患者は病院に対して遠慮と同時に過度の期待を有していることが多い。医療従事者は専門職である。患者は医療従事者のことを「先生」と呼ぶなど,一定の敬意をもって接しており,そこには他のサービス業では見られない上下関係が存在している。加えて,保険診療の場合,サービス提供者と受領者の間で直接やり取りされる金銭が低額に抑えられているという特殊性がある。これが本来,準委任契約であるという医療契約の本質を曖昧にしている。このような上下関係や対価関係の希薄さなどの医療契約の特質が,患者の医療従事者に対する従属とその裏腹の過度な期待を生んでいる。そして,その過度の期待が裏切られたときに,患者の対応は冷静さを欠き,峻烈なものになりがちである。

 したがって,感情的になる患者に対しては,病院も対価関係を基礎にサービスを提供しており,常識的な範囲を超える過度のサービスや結果を提供できるものではないことを理解してもらう必要がある。病院もその持てる施設と人材の範囲内で,医学的な限界の中で,提供可能なサービスを提供しているに過ぎず,万能の存在ではないことを分かっていただく必要がある。

3.法的対応
 それでも患者が冷静になれず,不幸にして患者の行為が限度を超えてしまった場合,法的な対応を考えざるを得なくなる。法的な対応と言うと究極的には「訴える」ということになる。法治国家ではそれがあるべき対応である。しかし,いきなり司法機関を利用することは,いたずらに患者の感情を刺激し,話し合いによる解決を阻害する恐れもある。そこで,訴える前にまず考えるのは,司法機関を利用せず,当事者間で和解をすることである。その第一歩として,まず書面で以下のような事実を告げることが通常である。

 (1)患者の行為を特定し,病院としての事実関係に対する認識を明らかにする。 ※往々にして患者の認識とズレがある。
 (2)病院が,患者の行為を違法行為であると考えていることを告げる。
 (3)今後,そのような行為をしないように求める。
 (4)場合によっては,今後,患者の診療を行うことはできないことを通告する。
 (5)病院に損害が発生していて,看過できない金額である場合は,金額を明示し,賠償を求める。
 (6)病院の要望に応じてもらえない場合には法的措置を執ることを予告する。

 上記の通知を院長や理事長名(病院名義)で出すのか,代理人弁護士名で出すのかも悩みどころである。書面作成を弁護士に委任しても,提出する書面の名義は病院名義で出すということも考えられる。弁護士名義の通知が来ることのインパクトが大きいからである。本来,紛争状態が生じているのであるから,法律専門家である弁護士を代理人にすることは合理的な行為であり,弁護士を代理人にすること自体について,なんら感情的になる必要はないはずであるが,現実はそうではない。人によっては「喧嘩を売られた」と考えてしまう患者もいる。逆に,弁護士名の文書が来ることで,病院の本気度が伝わり,患者を翻意させるという効果もある。どちらに転ぶかはやってみないと分からないところもあり,確実なことは言えない。

4.民事的対応
 通知を送ることで,患者が違法行為を止めたり,損害賠償を行ったりするなど,病院の要望が受け入れられれば問題はない。しかし,不幸にも患者が病院の要望を聞かず,違法行為を続けたり,損害賠償に応じなかったりした場合,裁判所の力を借りて,病院の要望を実現することになる。

 裁判所の力を借りるには,2つの方向性がある。1つは,民事的対応であり,もう1つは刑事的対応である。このうち,まず優先されるべきは民事的対応であろう。なぜなら,刑事的対応とは,究極的には,患者の生命や自由を奪って制裁を加えることを希望するということであり,できるだけ謙抑的に用いるべきだからである。軽微な違法行為でも,前科があったりすると,それだけで実刑判決を受ける可能性は充分にある。刑事的対応とは,そのような性質を有するということを,充分に考慮すべきである。

 民事的対応という場合,原則は,裁判所に対して,違法行為の差止や損害賠償を求める通常訴訟を提起することになる。一般的に「訴える」というやつである。しかし,通常訴訟は,短くても1年近い時間が掛かるので,緊急に違法行為の差止を求める必要があるケースには向かない。

 そのような場合,違法行為差止の仮処分を求める申立を行うことになる。仮処分であれば,通常1回の審尋で裁判所の判断が下される。このように簡易で迅速な判断が出る代わりに,判断に誤りがある場合に備えて,裁判所に対して担保を提供する必要がある。担保の額は違法性の確実さや被害の程度などによって異なるので,一律に何万円ということはできない。担保は,違法行為があったことが通常訴訟で確認されたり,患者と和解が成立して患者が認めたりすることで,返還してもらえる。

 仮処分で損害賠償を求めることは困難なので,損害賠償を求める場合は,時間は掛かるが通常訴訟によることになる。通常訴訟で勝訴判決を得たら,患者に対して判決に従って支払うように求めることになる。しかし,実際には判決を得ても任意には支払わないこともある。そのような場合には,判決にもとづく強制執行を裁判所に対して求めることになる。強制執行の中で最も実効性が高いのは不動産の差押えであるが,一般的に患者がどのような不動産を有しているかは分からない。したがって,通常最も効果のある方法は患者の勤務先に対する給与の差押えである。

5.刑事的対応
 患者による暴行で医療従事者が怪我をしたり,患者の行為が執拗で恐怖を感じたり,業務に対する支障が著しいような場合,刑事的対応もやむを得ない。刑事処分を求める場合,加害者である患者がまさに犯行を行っている最中に,最寄りの警察署や交番に電話して警察官の臨場を求めるケースと,犯行が終了した後に警察や検察官に告訴を行うケースの2種類が考えられる。

 前者の場合,ほぼすべてのケースで警察官が現場に急行してくれることになる。しかし,すべてのケースで現行犯逮捕となるわけではない。犯罪の成否及びその処理には,いくつかの段階が考えられる。まず,刑事理論的に犯罪成立とは言えない段階。この段階では警察官が臨場しても,何もできない。具体的に犯罪成立と言えるか否かは,専門的な判断であり,個別の犯罪類型によって異なるので,一言では言えない。次に,犯罪成立とは言えるが,被害の程度が軽微であったり,犯人にも情状酌量の余地があったりして,犯罪として立件するのが適当ではない段階。この段階では,臨場した警察官が双方から事情を聞いた上で,加害者に説諭をして終わりということもある。しかし,警察官に説諭されるだけでも,その抑止・牽制効果は大きい。最後の段階は,犯罪として成立し,かつ,起訴を目指して捜査をする必要性がある段階である。この場合,逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがあると判断されれば,逮捕勾留されることもある。患者の行為がどの段階に当たるのか,また身柄拘束の必要性があるのかは,臨場した警察官の判断となるので,呼んでみなければ分からない。

 後者(後日に告訴)の場合,弁護士など専門家に相談して,患者の行為が犯罪に該当するか判断した上で,該当するのであれば,告訴状を作成し,所轄の警察署又は検察庁に提出することになる。しかし,犯罪の成否,成立するとして捜査するか否かの判断が捜査機関に委ねられていることは同様で,告訴したから必ず捜査してくれるというわけではない。犯罪が成立しないと判断されれば,何もしてくれない。犯罪が成立しても捜査するまではちょっとという場合は,犯人である患者に対して呼び出すか電話をした上で説諭してくれるくらいのことは期待できるかもしれない。

6.最後に
 患者の違法行為に接して冷静でいられる人は少ない。患者も感情的だが,それに接する医療従事者も感情的にならざるを得ない。そのような場合には単独で物事を判断せず,複数人で多角的に物事を捉えて上で,可能ならば専門家の意見も聴いた上で判断をすべきである。また,予め対応方法を検討し,最寄りの警察署や交番の電話番号を確認したり,相談できる弁護士を確保したりしておくことが肝要である。

--- 平岡敦(弁護士)


  1. 2014/07/23(水) 06:11:56|
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7月21日 

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/235398/?category=report
日医、東北医学部容認の考え
横倉会長日本記者クラブで講演

2014年7月21日 池田宏之(m3.com編集部)

 2期目をスタートさせた日本医師会の横倉義武会長は7月19日、日本記者クラブで講演した。東日本大震災からの復興のシンボルとして検討されている東北地方の医学部新設について容認する考えを示したほか、政府が創設に向けて検討を進める「患者申出療養制度」について、「(安倍政権とは)方向性は違っていないと思う」と述べた。

対応課題が山積

 横倉氏は、「日本医師会の直面する課題」と題して講演し、「組織を強くする」「地域医療を支える」「将来の医療を考える」の3つのキーワードを中心に、かかりつけ医の重要性や地域の医師会が関与した上での地域包括ケア体制の構築の重要性を訴えた(『横倉日医会長、「三つの方針」で2期目始動』を参照)。

 医学部新設については、国家戦略特区における医学部新設は、教員確保による医師の引き抜きや、将来、医師が過剰になった場合に医師養成数を見直す難しさの観点から、反対を明言した。ただ、東北地方における医学部新設については、「東北は従来から医師不足が厳しい上、震災の被害も激しく、『復興のシンボル的な医学部』は理解できる」と述べて、容認する考えを示した。

 複数の医療法人を一括経営できる新たな医療法人制度については、日医としての考え方を示した(『政府提案の新法人、「全く容認できず」、中川副会長』を参照)。横倉氏は、「非営利原則の堅持」と「地域に密着した医療の提供」の2つを厳守するように求め、「医療に営利を持ち込むと、医療費が膨らむ懸念がある」と述べた。

 他にも、医療機関の消費税負担の問題の解決を訴え、地域医療ビジョン策定前の都道府県の医療費目標設定については改めて反対の意思を示し、安倍政権化で進む医療制度の改革への対応課題が山積していることを伺わせた。

「70歳で引退のつもりだった」

 質疑応答の中でも、医療政策についての日医の見解を問う質問が相次いだ。患者の申し出により保険外の治療が利用できる「患者申出療養制度」については、それ以前に検討されていた、「選択療養制度」とは異なり、「安全性・有効性」と「保険収載への道」が確保されたことから、容認する考えを示した。「実施医療機関が診療所レベルまで広がる」との見方がある点について聞かれた横倉氏は、あくまで大規模医療機関での実施からスタートすることを前提とした上で、「安全性・有効性が確認されたものを、高い能力の開業医が、大規模医療機関と連携して、将来的にやっていくのはあり得る。(日医と政権との)方向性は違っていないと思う」と説明した。

 臨床研修制度については、総合的な診療能力が習得できるようになった点は評価した上で、「大学病院の地域への医師派遣」「基礎医学の研究の減少」の2つの側面で悪影響が出ている点を指摘し、対策を考える必要性に言及した。

 さらに、日本の人口の高齢化と同様に、医師の高齢化も進んでいる現状について聞かれた横倉氏は、自身が数日で70歳を迎えることに言及し、「若い時は、70歳で全て辞めるつもりだった」と告白。その上で、健康寿命が延びていることから、「医療への手助けができないかと思い、医師会をやっている」と答えた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49268/Default.aspx
メドピア医師調査 論文生データの保管 約3割は「10年以上」
公開日時 2014/07/22 03:51 ミクスOnline

医師専用サイト「MedPeer」を運営するメドピアは、研究論文を巡る不祥事を受けて、保管に苦労する生データをどの程度保管しているかについて会員医師を対象に調査し、このほど、3847人から得られた回答概要を発表した。「10年以上」との回答が最も多く33.9%、次いで「5~10年未満」の25.6%で、約6割が5年以上保管していた。

「10年以上」の医師は、ハードディスクやUSBメモリに保管しているケースが散見され、「基本的に破棄しない」「苦労の跡。捨てるに捨てられず」とのコメントもあった。大学や研究室に預けているいる人もいるが、大学を離れたり、パソコンの買い替えを機に廃棄している例もあった。

「5~10年未満」の医師では、経験から5年以上たつとデータの価値や問い合わせがなくなることや、論文の引用はほぼ10年以内だとして10年で区切っているとのコメントが寄せられた。5年未満の医師も保管期間は短くてもよいとの経験に基づくコメントがみられた。


  1. 2014/07/22(火) 06:26:11|
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