FC2ブログ

Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月30日 

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/238050/?category=research
東北の医学部新設、1校選定に至らず
遠藤座長「文科相発言、議事に影響せず」

2014年7月30日 橋本佳子(m3.com編集長)

 文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)の第4回会議が7月30日に非公開で開催され、会議後、記者会見した遠藤座長は、3校の候補から1校を選定する議論をしたものの、「決定には至らなかった」と説明した。

 その理由として、各委員の選定の視点に相違があるため、3校のうちいずれを推すかが異なる点を挙げた。下村博文文科相が、7月19日の福島県郡山市での講演、および22日の閣議後の記者会見で、最終決定が1~2カ月ずれ込む可能性を示唆したこととの関係を問われた遠藤座長は、「大臣発言があったために、議事の運営を変えたことは一切ない」と否定。遠藤氏は、前回の第3回会議では、早ければ今回の会議で決まる可能性を示唆していたが、その後に何らかの状況の変化があったわけではないとし、「委員の間で、意見の統一が見られなかった」と繰り返した(『7月末にも新設医学部構想選定、文科省構想審査会』を参照)。

 次回会議の予定について、文部科学省高等教育局医学教育課長の袖山禎之氏は、「まだ調整中だが、メドとしては8月下旬に調整できればと考えている」と説明。遠藤座長は、「見通しははっきりしないが、私としては議論を尽くして、委員が納得する形で、できるだけ早く決めたいと思っている」と述べるにとどまり、次回会議で決定できる見通しか否かについては明言を避けた。


 1校選定も「条件付き」の可能性

 第4回会議には、12人の委員中、10人が出席。当初2時間の予定だったが、2時間30分に及んだ。前回までのヒアリングの結果を受け、文科省が論点整理を行い、それを基に議論した。

 遠藤座長は、「各構想について相当突っ込んだ議論を行い、論点は明確になった。どの構想も、よい面と不十分な面があった」としたものの、「不十分な面」の具体的な内容については、個別の構想に関係するため、明らかにはできないとした。「まだ議論の途中なので、最終的には分からないが、1校を選定する際、不十分な点については、何らかの条件が付くという印象」(遠藤座長)。ただ、「1校も選定しない」事態にはならない見通しだ(『東北の医学部新設、「現時点でダメな候補なし」』を参照)。

 第4回会議の議論では、(1)東北地方が抱えている課題の解決に向けて、各構想が適切かどうかという視点、(2)構想実現のための実行可能性――という点から、主に議論が行われた。委員の意見がまとまらなかったのは、例えば、実行可能性として財政上の問題を重視する意見もあれば、東北地方の医療に資するかどうかを重視するなど、委員によって選定する際に重視するポイントが異なるからだという。「これまでは会議の前半にヒアリングを行い、後半に議論をしていた。会議の最初から3つの構想について議論したのは、今回が初めてであり、思いのほか、いろいろな議論があった」(遠藤座長)。

 「今日の議論で、各委員がどんな意見を持っているのかが分かったので、それを踏まえて次回会議で議論を深めていく」と遠藤座長は語る。話し合いで1校に絞ることを目指すが、それが難しい場合には、例えば複数の評価指標を作り、各構想について点数を付け、合計点数で選定するといった選考方法も考え得るという。

 なお、袖山課長は、下村文科相の発言について、「2016年4月の開学であれば、(当初予定していた)27年4月の開学に比べて、若干スケジュールに余裕があるので、拙速に決めるのではなく、議論を尽くしてほしいという趣旨で発言したと理解している」との見解を示した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43402.html
東北医学部新設、結論出ず- 次回審査会は早くて来月下旬
( 2014年07月30日 21:31 )キャリアブレイン

 文部科学省の構想審査会(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)は30日、4回目の会合を開いた。東北地方の医学部新設に応募のあった3陣営から1つに絞るための議論を行ったが、結論は出なかった。前回会合後、遠藤座長はこの日にも選定する意向を示していた。同省の担当者によると、次回会合は早くて来月下旬という。【丸山紀一朗】

※「解説・東北医学部新設、選ばれるのはどこか」はこちらをクリック。

 新設を申請しているのは、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)、東北薬科大(仙台市青葉区)、宮城県。選定時期をめぐっては、15日の前回会合後に遠藤座長が、「あまり時間をいつまで取っても(どうか)と思う」などと述べ、30日の選定に意欲を示したが、下村博文文科相が22日、3陣営の準備の進み具合を見極めるとして、「1、2か月は最終決定が延びるかもしれない」と発言していた。

 30日の会合後、遠藤座長は記者団の取材に応じ、「きょうは結論には至らなかったが、各構想について相当突っ込んだ議論がなされた」と述べた上で、どの構想にもいい面と不十分な面があり、「不十分な点への対応をどのように担保するか。言ってみれば、選定に当たっての条件を付す必要もある」とした。

 また、結論が出なかった理由について、「思いのほか、いろいろな意見が出て、委員間で意見の統一がなされなかった。大臣の発言は無関係だ」と強調した。議論の進み具合を聞かれ、「9合目まで来たかと思ったら、7合目だったということもあり得るので難しい」とも発言。選定時期については、できるだけ速やかに決めたい考えを繰り返し示した。



http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014073000810
東北医学部、決定は来月以降=意見分かれ決まらず-文科省
(2014/07/30-18:46)時事通信

 東北地方に新設する大学医学部について審査する文部科学省の有識者会議は30日、構想の実現可能性などを巡り意見が分かれたとして、決定が来月以降になると発表した。当初は今月末にも応募した3校から1校を選ぶ予定だった。
 座長の遠藤久夫学習院大教授は「できるだけ早く決めたいが、委員の評価が異なり、十分議論することにした」と説明。「それぞれ不十分な点もあり、決定に際し条件を付ける可能性もある」と話した。次回は8月下旬以降になるという。
 医学部新設を申請しているのは福島県郡山市の脳神経疾患研究所、東北薬科大(仙台市)、宮城県の3団体。いずれも2016年春開学を目指している。



http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2014/07/30/001916690
医師不足解消へ「研修会」 へき地医療肌で感じて
7月30日 大分合同新聞朝刊

 医学生がへき地の医療現場で体験学習をする「地域医療研修会」が実施され、学生たちが29日、県内の山村や漁村の医療機関で実習。地域医療の現状を学んだ。県によると、今夏の参加者は過去最高の70人。関係者は「医師不足の解消、地域医療の充実につながってほしい」と期待を込めた。

 研修会は学生たちにへき地医療への関心を高めてもらおうと、県が毎年企画。近年は自治医科大の県出身者と大分大学医学部に地域枠で入学した学生が参加している。地域枠は奨学金を貸与する代わりに卒業後の7~9年間、地域医療に携わってもらおうと、県と大分大が2007年度から設けた制度。09、10両年度に枠が拡大され、研修への参加も昨年より10人増えた。
 70人のうち、1班の25人は28日から、2班の45人は8月18日から、それぞれ2泊3日の日程で県内のへき地診療所やへき地医療拠点病院で診療を見学したり、往診に立ち会ったりする。
 佐伯市米水津の市米水津診療所(伊藤祐司所長)では、大分大学医学部3年の浜野朋恵さんと角沖史野さんが研修していた。伊藤所長や非常勤の伊藤威之医師は外来患者と笑顔で会話を交わし、学生2人に「地域の文化や食習慣、風習などを理解し、患者一人一人とじっくり向き合うことが大切」と伝えた。
 浜野さんは「医師が地域に根付いていることを肌で感じた」。角沖さんは「患者との接し方や検査の仕方などが大学病院とは違い、新鮮に感じた」と話した。
 県医療政策課によると、県内の医師数は人口10万人当たり256・5人と全国平均(226・5人)を上回っている。しかし、医療圏別で見ると医師は東部(別府、杵築、国東各市と姫島村、日出町)と中部(大分、臼杵、津久見、由布各市)に約8割が集中しているため、それ以外の南部、豊肥、西部、北部では全国平均を下回っている。
 高窪修課長は「地方に住んでいても一定の医療サービスが受けられるよう、医師の確保、養成に努めたい」と話した。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237998/?category=report
安達中医協委員、退任であいさつ
「偏りや恣意性がないエビデンスで議論を」

2014年7月30日 橋本佳子(m3.com編集長)

 7月30日の中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)で、この日で委員を退任する安達秀樹氏(京都府医師会副会長)が最後にあいさつし、「偏りや恣意性、過不足がないエビデンス」を基に、議論を行う重要性を訴えた。安達氏に代わり中医協委員に就任するのは、日医常任理事の松本純一氏(『中医協委員、日医推薦は安達氏から松本氏に交代』を参照)。


 安達氏は、民主党政権誕生直後の2009年10月に、嘉山孝正氏(現山形大学学長特別補佐)とともに、中医協委員に就任。中医協委員の任期は最大で3期6年だが、任期途中で交代する。安達氏は、「あの政権交代の混乱の中で、就任した時のことが、相当昔のように感じる。決して短い4年9月ではなかった」と振り返り、中医協委員として「エビデンスベースで、公明正大な議論を行うこと」を常に心がけてきたと説明。「私と同じ時期に就任し、昨年秋に退任された嘉山孝正委員は、業界での立ち位置は相当違うものの、全く同じ考えを持っていることを、お互いに確認しながら、主張してきた」(安達氏)。

 「エビデンスベース」での議論は、大変難しく、面倒であることも事実。「検討事案について出されるエビデンスが、偏りや恣意性がない、そして過不足のないデータでなければ、本当の意味でのエビデンスベースの議論にならない。偏りや恣意性のあるエビデンスで議論をすると、エビデンスベースに名を借りた、政策誘導につながる」。安達氏はこう釘を刺すと同時に、エビデンスを基にした議論が中医協で定着しつつあるとの認識を示した。

 安達氏は、1号、2号、公益側の委員、専門委員、参考人のほか、事務局を務めた厚生労働省職員に感謝の言葉を述べるとともに、エビデンスベースの議論を継続していくよう求め、あいさつを終えた。

 安達氏に対しては、森田会長と厚労省保険局長の唐澤剛氏がそれぞれ労いの言葉を述べた。当初は公益側委員、後に会長として安達氏と中医協に臨んできた森田会長は、「特に基本的な問題について、鋭い指摘があり、司会の立場としては困ったこともあるが、制度の在り方を根本的に見直す意味では大変勉強になった」と安達氏の功績をたたえた。



http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20140730011110001.html
水曜「生きる」【けんこう処方箋】
「家庭医=専門医」の時代に 草場鉄周

朝日新聞 2014年07月30日

●北海道家庭医療学センター理事長・草場鉄周 

 今回は、家庭医療の担い手である家庭医について語る。

 日本の医療には専門医制度があり、脳外科や皮膚科など、各専門領域の学会がそれぞれの専門医の養成を担ってきた。

 家庭医については、日本プライマリ・ケア連合学会が専門医としての家庭医である「家庭医療専門医」を養成してきたが、その数はまだ400人弱で、広く日本のプライマリ・ケアを担っているとは言いがたい。

 これまでは開業医、または中小病院の医師が日本各地でその役割を担ってきたし、現に今もそうである。

 と言うのも、日本ではほとんどの医師が家庭医以外の専門領域を何年か専攻した後に開業し、プライマリ・ケアを提供するのが一般的だった。家庭医療が一つの分野として認識されてこなかったのだ。

 だから、家庭医を専門医として捉える風土は日本にはほとんどなく、「医師なら誰でもそれなりの年数働けばできる医療、誰でも家庭医になれる」という理解が普通だった。

 しかし、社会保障制度が複雑になり、医療の専門分化が進むなかで、家庭医療が果たす役割の広範さ、それを担う質の高い家庭医の養成の必要性が先進諸国で急速に認知された。現在、ほとんどの先進国で制度としての家庭医療が定着し、家庭医も医師の20~50%程度を占め、国民に広く認知されていると言ってよい。

 ところが、日本では「全ての医師が家庭医としての能力を持ち、さらに細かな専門分野を持てばよい」と語る人も少なくない。

 確かにそうなれば、わざわざ医師を選ぶ必要がなく便利だろう。しかし、国民が求める質の高い医療を提供するために、医師には経験と生涯学習が必要だ。

 医師も一人の人間である。家族との時間や余暇を楽しみつつ、仕事に力を注ぐためには、選択と集中が必要だ。家庭医と他の専門医の連携がしっかり担保されていれば、家庭医が最初に患者の健康問題に幅広く対応するのが最も効率が良く、他の専門医の専門性を高めることにも役立つ。

 ここ十年、家庭医という専門医をめざす若手が少しずつ増えてきた。医学生のころから志す者も少なくない。7月現在でまだ387人しかいない家庭医療専門医だが、彼らは3年間の専門研修を受け、専門医の誇りを持って全国でプライマリ・ケアを実践している。

 かくいう私もその一人である。次は、私自身の学びと成長を通して家庭医という選択の実際を語る。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237327/?category=interview
世界の医療の常識を作るコクラン-森臨太郎・コクラン共同計画日本支部長に聞く◆Vol.1
臨床研究を統計学的に統合、100カ国以上に浸透

2014年7月30日 聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

 臨床研究のシステマティック・レビューで世界中に「Evidence-based Medicine」を広めてきたコクラン共同計画が2014年5月に、日本支部を設立した。1992年に英国で始まったコクラン共同計画が、欧米やアジア各国に広がる中、日本には20年以上経過してようやく支部ができたことになる。日本支部設立の狙いや、日本の臨床研究や医療の在り方の影響について、コクラン共同計画日本支部の森臨太郎支部長(国立成育医療研究センター政策科学研究部長)に聞いた(2014年6月24日にインタビュー。4回の連載)。

――コクランについて簡単に教えてください。

 コクラン共同計画は20年と少し経過しましたが、コクランのシステマティック・レビューの作成が一番の役目です。システマティック・レビューを開発したのは、コクラン共同計画と言われていて、システマティック・レビューのゴールデンスタンダードになっています。欧米でメジャーな存在になったのは、「EBM=コクランのシステマティック・レビュー」といったイメージが根付いたことがあります。

 コクランシステマティック・レビューは、簡単に言うと、診療課題に対する臨床研究を網羅的に探し出し、研究の質を評価した上で、統計学的にメタ解析することです。権威者が方針を示すのでなく、「エビデンスに基づいて医療従事者や患者が、情報共有して意思決定していく」という新しい考え方提示して、根付かせたのが功績です。システマティック・レビューを集めたものが、コクラン・ライブラリーになります。


コクラン共同計画日本支部の森臨太郎支部長は、コクランがメーカーからの直接資金を受けない中立性を強調する。
――コクランは、どれくらい広がっているのでしょうか。

 現在、100カ国以上で2万8000人以上の人が、コクラン共同計画に貢献しています。アジアでは、中国とオーストラリアにセンターがあり、香港、タイ、シンガポール、韓国、マレーシアに支部があります。さらに、台湾とインドネシアにも支部設立が計画されています。支部とセンターは、ほとんど差がなく、今後区分がなくなっていく方向です。

――対象は、医療品や医療機器の臨床研究になるのでしょうか。

 医薬品が多かったのは事実ですが、両者に加えて、ケアの方法や医療政策も対象に入ってきましたし、今では「ガイドラインは効果があるのか」といったテーマにも取り組んでいます。

――信用度の低い研究は、解析対象から外れるとの話ですが、どのようなロジックになっているのでしょうか。

 臨床試験の研究デザインなど、多様な側面から、「研究の質」を体系的に評価します。現在得られている知見から、大きく結果が違うからといって、対象から外すことはしません。資金の提供元についても、例えば製薬会社の資金が多く入って、色が強ければ、明示はしますが、あくまで客観的に「研究の質」を評価します。

――極端な結果はうまく“無視”できるのでしょうか。

 はい。一つひとつの研究結果がずれているようでも、世界全体で見ると、そこまでずれは発生しません。「とてつもなく巨大な臨床研究を1回やれば済む」という意見もありますが、結局、研究をした際の条件に左右されます。複数の研究を統計解析して、同じ方向を向いているというのが、大切なエビデンスです。

――アジア人対象、欧米人対象といった、人種なども、解析する上で問題になるのでしょうか。

 人種間で差がある薬は非常にまれで、そのようなエビデンスもごくわずかです、むしろ、国が持つ医療制度だったり、経済的な発展度合いが、臨床試験の背景も研究に影響しますので、人種を評価できるかは疑問です。

――テーマはどのように決まるのですか。

 コクランに参加する研究者がレビューのテーマを決めて、手を挙げます。本部で、テーマが、他に実施中の案件や既存のテーマと重ならないかどうかや、重要性を見極めて、許可していくシステムです。

――運営はボランティアなのでしょうか。

 医薬品医や療機器メーカーからの資金を受け取らない方針になっていて、ほとんどが公的資金です。病院がコクランと契約して受け取るライセンスフィーもありますし、英国、カナダ、オーストラリアといった国では、政府がかなり支援しています。

 レビューの著者は、学術ボランティアの側面もありますが、学術論文として認められるインセンティブもあります。WHOとは、公式提携パートナーになっているので、ボランティアの団体というより、かなり公的な存在になってきていると思います。その意味で、参加者は「公的財産を提供する」といったイメージで参加している部分があると思います。

――欧米で広まったのは、製薬会社の資金のような問題を抱えていたからでしょうか。

 製薬会社の資金や出版バイアスの問題など、不正の歴史は長いです。その中で、信頼できる情報としてみなされた部分があると思います。

――レビューの書き方などで、コクランの弱点はありますか。

 論文は、かなり定型化されていて、決まった項目を淡々と書いていくもので、比較的書きやすいです。一方で、タイトル登録から論文完成までに、長い時間(9カ月から12カ月)がかかります。また、資金が豊富ではないので、分野によってはレビューの完成まで時間がかかったり、タイトル登録しようと思っても、本部の体制が脆弱で受けてもらえないケースがあります。分野の充実は、コクランとしてのこれからの課題だと思います。

――医師には、エビデンス以外にも、経験知があります。患者が持つバックグラウンドも千差万別です。一見すると、「経験知が排除されるのでは」という疑問が浮かびます。

 確かに、若い世代を見ていると「エビデンス原理主義者」のような医師がいるのも事実です。ただコクランとしては、経験知は否定しませんし、エビデンスという意味では、当然ですがペニシリンについての臨床研究はありません。臨床研究は、分からないことに対して実施するものであって、「エビデンスがない」治療を全て排除すれば、医療は成り立ちません。

 実際にレビューを書けば、エビデンスの限界と重要性、付き合う距離感が分かると思いますので、著者の増加に期待しています。コクランの示すエビデンスと逆をいく診療が、医師個人の判断として実施されることを、否定するものではありません。

――コクランのレビューを見て、ご自身の診療の常識が覆されたことはありますか。

 基本的にありません。コクランの提供する情報は、常識的なものが多いです。



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43389
後発品銘柄、医師の6割「薬局に任せる」- 民間調査
( 2014年07月30日 10:00 )キャリアブレイン

 後発医薬品を院外処方する際、銘柄の選定について応需薬局と「話し合いをせず任せる」と回答した診療所の医師は6割に上ることが、民間の調査で分かった。「薬局へ薬剤銘柄の指示をする」は5%にとどまった。【丸山紀一朗】

 また、先発医薬品メーカーからの許諾を得て、先発品と同じ製法や添加物で造られた後発医薬品「オーソライズドジェネリック」(AG品)について、「内容まで知っている」「名称程度は知っている」と答えた薬局薬剤師は96%に上った。しかし、このうち、通常の後発医薬品とは異なるという点を、患者に「全く説明していない」「ほとんど説明していない」が合わせて6割だった。

 一方でAG品は、後発医薬品について不安や不信感を持っている医師の理解を得られやすいと感じている薬局薬剤師が、全体の8割だった。その理由として、「成分も添加物も同じであれば不安材料は減る」「副作用の問題や適応症の有無、安定供給に対して説得力がある」といった点を挙げた回答が多かった。

 調査は今月、開業医と診療所の勤務医205人と薬局薬剤師215人を対象に、経営コンサルティング会社「ネグジット総研」と医薬品市場調査会社「エス・マックス」が共同で実施した。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237997/?category=report
「患者紹介で対価」、今改定以降減ったのか?
「同一建物への訪問診療」への締め付け、影響調査

2014年7月30日 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)は7月30日、2014年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査のうち、「同一建物同一日の訪問診療等の適正化による影響調査」の調査案を、一部修正を前提に了承した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。8月に調査票を送付する予定。

 調査は、医科医療機関、訪問看護、歯科医療機関、薬局、集合住宅の計5区分で実施。医科医療機関の調査対象は、(1)在宅療養支援診療所(1500施設)、(2)在宅療養支援病院(500施設)、(3)在宅時医学総合管理料または特定施設入居時等医学総合管理料の届け出施設(500施設程度、(1)と(2)を除く)。2014年度診療報酬改定で、「同一建物同一日の訪問診療」が大幅に減額され、現場の影響が多いことから、本調査は他の特別調査に先駆けて実施することになっていた(『訪問診療の減額の影響、優先的に調査』を参照)。

 医科医療機関用の調査票は、委員から回収率の低さへの懸念も出るほど、非常に詳細な内容だ。「2014年度改定で、事業者等から、医療機関へ患者を紹介する対価として経済上の利益の提供を求める契約の申し出が減った」「事業者から、患者の紹介を受ける対価として、医療機関が経済上の利益を提供する契約を交わしたことがあるか」なども聞くため、匿名での回答を求める。

 改定の訪問診療への影響に関しては、(1)改定前後の訪問診療の変化(2014年3月と7月の比較。同一建物およびそれ以外の訪問診療件数など)、(2)8月の特定の1日で、「同一居住施設で、最も多くの患者を診察した日」等の訪問患者全員の訪問実績(各戸の訪問前の場所と後の行き先、滞在時間、訪問診療を行っている理由など)、(3)(2)のうち患者4人の実態(要介護度や病名、実施している医療の内容など)――などについて調査する。


 厚労省の調査票案に対しては、細かい点で幾つか疑義が呈せられた。日本医師会副会長の中川俊男氏が、指摘した一つが、(2)の「特定の1日」の期間。厚労省案は「8月18日から8月24日のうち」と限定していたが、医療機関がより回答しやすいよう対象期間を広げるよう要望。

 また患者4人の実態調査は、厚労省案では(2)で回答した「特定の1日」の訪問実績のうち、「同一居住施設」2人、「同一居住施設以外」2人の計4人に関する調査を想定していた。ただし、当該日に「同一居住施設以外」への訪問診療がないことも想定されるため、中川氏は、それ以外の実績も回答できるよう変更すべきとした。調査の趣旨が、「同一居住施設か否かで患者像が異なるか否か」を把握するのが目的であり、訪問診療の日が同一であるか否かは関係ないからだ。さらに、中川氏は、患者4人の実態調査について、「医療機関は重症の患者を選ぶ傾向にある」と指摘、こうした偏りが生じない対応を求めた。

 プライマリ・ケアの在り方、2015年度に結論

 そのほか、7月30日の中医協では、政府が6月24日に閣議決定した、「経済財政運営と改革の基本方針2014」「日本再興戦略」改訂2014、「規制改革実施計画」に関する中医協での検討スケジュールが提示された。

  具体的時期が提示されたものとしては、「DPCデータについて、第三者提供の本格的な運用に向け、今年度より、試験的に運用を開始」など複数の項目が「今年度内」とされたほか、「7対1入院基本料の在り方」は2016年度改定に合わせて検討する。さらに、「プライマリ・ケアを専門に担う複数の医師が連携して24時間の対応を行う取り組みを支援するなど、プライマリ・ケアの提供体制を整える措置を検討」は、2014年度に検討開始、2015年度に結論を出すとしている。



http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/m20140730ddlk22040119000c.html
ドクターヘリ:静岡・神奈川・山梨、協定締結 3県で広域連携 /静岡
毎日新聞 2014年07月30日 地方版

 静岡、神奈川、山梨の3県は29日、ドクターヘリの広域連携で基本協定を締結した。運用範囲は静岡市以東の21市町、神奈川、山梨両県全域。相互支援により県東部地域は、3県のドクターヘリ3機による救急医療体制の充実が図られる。運用開始は8月1日。

 基本協定は、大規模事故などで多数の傷病者が発生し、自県のドクターヘリのみで対応できないほか、重複要請や悪天候、機体の故障などで出動できないケースを想定している。運航経費は出動側の負担としている。

 3県のドクターヘリが待機する基地病院は、順天堂大医学部付属静岡病院(伊豆の国市)、東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)、山梨県立中央病院(甲府市)。

 県は東部、西部地域でドクターヘリ各1機を運用。昨年度の出動は東部758回、西部555回だった。3県は昨年12月にドクターヘリの広域連携で基本合意し、基本協定や運航マニュアルの調整を進めていた。【立上修】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=102660
看護師のやりがい学んだ 高校生20人が介助体験
(2014年7月30日 読売新聞)鳥取

 鳥取県東部の高校生が29日、鳥取市末広温泉町の鳥取生協病院で「一日看護師体験」に参加、車いすの扱いや入院患者の入浴の介助などを学んだ。

 6校の1~3年生約20人が参加、白衣に着替えて、乗る人と押す人に分かれて、車いすで段差を越える練習をした。看護師らから、足が車いすと地面の間に巻き込まれて転倒しないよう、患者の足を足置きに必ず乗せてから前進することなど、アドバイスを受けていた。

 体が不自由で入浴ができない人のために、洗髪なども手伝った。

 看護師を目指しているという県立八頭高2年(16)は「仕事の具体的な内容が分かって、これからの勉強の励みになります」と話していた。

 体験は進路選択に役立ててもらおうと、病院を運営する鳥取医療生活協同組合が主催、春と夏に、県東・中部の高校生を対象に毎年行っている。



http://www.minyu-net.com/news/topic/140730/topic6.html
看護師“目指そうかな” いわきで高校生が「1日看護体験」
(2014年7月30日 福島民友トピックス)

 県と県看護協会は29日、いわき市の病院で看護に興味のある市内の高校生を対象にした1日看護体験を開き、参加者が看護師の業務に理解を深めた。
 総合磐城共立病院では、高校2、3年生計29人が参加。3グループに分かれ、理学療法室、救命救急センター、集中治療室などを見学したほか、技術研修室では疑似採血の練習ができる腕の模型で、本物に近い静脈の感触を自分の腕と比べながら確かめていた。中村美奈さん(勿来3年)と筥崎(はこざき)美緒さん(磐城一3年)は「看護師のイメージをつかむことができ、あらためて病院の役割の大切さを知った」と話した。
 福島労災病院では、高校2、3年生計21人が参加。4病棟で指導を受けながら実際に患者の洗髪、手浴、足浴やベッドメーキングなどの実習を行った。手浴実習をした馬目美結さん(磐城一3年)は「指導の先輩から細かい気遣いを教えてもらった。将来は看護師になりたい」と笑顔で話した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43404.html
在支診利用の約6割、自宅での最期を希望- 民間会社の報告書
( 2014年07月30日 22:24 )キャリアブレイン

 在宅療養支援診療所(在支診)を利用していた高齢者の約6割が、生前に自宅での最期を望んでいたとする報告書をみずほ情報総研が明らかにした。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などを利用する高齢者は、5割以上が介護施設での最期を希望していた。【松村秀士】

 報告書は、厚生労働省の2013年度老人保健健康増進等事業として、みずほ情報総研が、医療機関や介護施設などを対象に実施した長期療養高齢者の看取りの実態調査の結果をまとめたもの。13年10月から11月にかけて調査を行い、2988件の回答を得た。

 それによると、医療機関や介護施設、在支診・在宅療養支援病院(在支病)の従事者に、「最期を迎える場所として利用者はどこを希望していたか」と質問したところ、在支診での回答は「自宅」が57.8%と、約6割を占めた。次いで、「分からない」(23.9%)、「介護施設」(10.0%)、「病院や診療所」(6.9%)の順に多かった。在支病での回答で最多だったのも「自宅」で48.4%。以下は、「分からない」(30.6%)、「病院や診療所」(11.0%)、「介護施設」(6.9%)と続いた。

 有料老人ホームやサ高住などでの回答は、「介護施設」が56.5%で最も多く、以下は「分からない」(32.2%)、「自宅」(4.4%)、「病院や診療所」(3.1%)の順となった。

 介護老人保健施設で最も多かった回答は「分からない」で59.7%。次いで「介護施設」(33.5%)、「自宅」(2.3%)と続いた。

 療養病床を有する医療機関での回答は、「分からない」が62.1%で、「病院や診療所」が31.4%、「自宅」が3.8%。介護療養病床を有する医療機関では、「分からない」が65.6%、「病院や診療所」が24.0%、「介護施設」が3.4%だった。

 みずほ情報総研は「長期療養の高齢者が最期を迎えた場所は、生前に本人が望んでいた所とほぼ一致していた」としている。



http://digital.asahi.com/articles/ASG796TC0G79PTIB00R.html?_requesturl=articles%2FASG796TC0G79PTIB00R.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG796TC0G79PTIB00R
島根)島根大病院、各科の最新治療紹介本を刊行
木脇みのり

朝日新聞デジタル 島根 2014年7月31日03時00分

 島根大学病院が、治療内容や高度医療の取り組みについて分かりやすく紹介する「島根大学医学部附属病院の最新治療がわかる本」を初めて刊行した。

 28診療科のほか、検査部や救命救急センター、栄養治療室など17の診療施設・診療支援施設をそれぞれ紹介。高度医療の項目では、6月に成功したと発表した新生児の心臓手術例、前立腺がんや花粉症などの治療について解説している。

 外来診療や検査予約などの利用方法や、診察を担当する医師の一覧もある。

 井川幹夫病院長は、「島根でも水準の高い医療が提供されていることを県民に知ってほしい。島大病院の得意分野や、横断的な組織が診療を支えていることを理解してもらえれば」と話している。今後も内容を更新して、刊行するという。

 A4判110ページで、税抜き1480円。県内外の主要書店やネット通販アマゾンで販売する。県内の病院や保健所計約950カ所にも寄贈するという。(木脇みのり)



http://mainichi.jp/select/news/20140731k0000m040167000c.html
中医協:委員に日本医師会「3人」枠復活 5年ぶり
毎日新聞 2014年07月31日 02時30分

 田村憲久厚生労働相は30日、厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」(中医協)の新たな委員に、日本医師会(日医)の松本純一常任理事を任命する方針を固めた。民主党政権当時に日医執行部以外から任命された委員の後任となる。2009年に日医執行部が中医協から排除されて以降、5年ぶりに日医執行部の3人枠が復活する。

 30日の中医協で民主党政権当時に任命された安達秀樹・日医社会保険診療報酬検討委員会委員長が任期途中での退任を表明した。田村氏は次回の中医協で、松本氏を委員に任命する。現在、日医執行部の委員は2人おり、松本氏の就任で「日医執行部枠」が3人になる。

 旧自民党政権当時、日医は中医協に3人を執行部から出してきた。しかし、民主党政権で長妻昭厚労相(当時)が日医からの推薦枠をゼロにし、代わりに地方医師会や大学病院の代表3人を任命した。今回退任を表明した安達氏はその一人で、当時は日医の肩書ではなく京都府医師会副会長で選ばれた。【中島和哉】



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140731/chb14073103580004-n1.htm
銚子市立病院運営、現管理者では困難 検討委が市長に答申 千葉
2014.7.31 03:58 産經新聞

 赤字経営が続く銚子市立病院(同市前宿町)の経営形態などを外部有識者が検討する委員会は30日、「現在の指定管理者による運営の継続は困難」として、市が医療公社を設立して運営することが望ましいとする提案を越川信一市長に答申した。

 答申では、指定管理者の医療法人財団「銚子市立病院再生機構」が平成22年4月に運営を担って以来、市が市営の前病院時代より多額の赤字補填(ほてん)をしていると指摘。労働基準監督署から労務管理の是正勧告を受けるなど問題も多く、「経営のノウハウや能力がない」とした。委員の一人は「経営者にふさわしくないと判断した」と批判した。

 医療公社として運営すれば、民営のメリットを生かしながら行政側の統制を効かせられるとしている。今後は軽症患者を診療する初期救急や、国保旭中央病院(旭市)からの患者受け入れなどの後方支援を柱とするという方向性も示した。

 越川市長は「答申を真摯(しんし)に受け止め、市立病院を必ず存続させるという強い意志で方向性を決定したい」と述べた。同機構との指定管理協定は来年3月まで。



http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140729/269411/?n_cid=nbpnbo_top_updt
絶対に受けたくない無駄な医療
無駄な医療を「思い出のマーニー」から考える
患者側の怒りを買う「誘発需要」と情報の非対称性

室井 一辰(医療経済ジャーナリスト)
2014年7月31日(木) 日経ビジネスオンライン

『絶対に受けたくない無駄な医療』の発売に連動した連載前半では、米国医学会の出した「衝撃のリスト」の狙いと背景を説明した。連載後半は、医療経済学の観点も加えて無駄な医療の「病理」を探っていく。まずは、医療という「サービス」を特殊たらしめる最重要課題である情報の非対称性の問題から見ていこう。
第1回 米国医学会が出した「衝撃のリスト」
第2回 ピル処方に内診は必要ない
第3回 米国医学会揺るがす「セルフリファラル問題」
第4回 「 爪水虫の服薬は無駄 」とあえて叫ぶ
第5回 『思い出のマーニー』で考える無駄な医療

 『絶対に受けたくない無駄な医療』を出版してから連載を続けているが、掲載期間を開けてしまったことをまずお詫びしたい。無駄な医療について読者の皆さんの洞察を深めるために、どのようにお伝えすればいいかを考えているうちに長い時間が経ってしまった。

思い出のマーニーが問う「疑念の問題」

 無駄な医療について考えている時に、気分転換にと思って鑑賞したのがスタジオジブリ新作アニメ『思い出のマーニー』だった。監督を務める米林宏昌さんが同じ高校でずっと気になっていたのだ。友人同士や家族観、異性間の愛情の問題をいろいろな方向から問うていく。いい映画だった。

 思い出のマーニーでこんな場面があった。主人公が、「愛情の中に金銭勘定が紛れている」と疑念を抱く場面だ。結果、主人公は心に傷を負う。

 ネタバレを避けるために詳しくは触れないが、私にはこの場面が心に引っ掛かった。強引だと言われるのは百も承知だが、無駄な医療をめぐる問題は突き詰めると、この映画、思い出のマーニーで描かれた「疑念の問題」に近いと思われたからだ。

 この場面で描かれていた心の葛藤を少しだけ書くとこうだ。

 あくまで「善意」だと思っていた他者からの愛情の裏側に「悪意」の影を感じ取って、疑心暗鬼に陥る。その愛情は本当なのかと、分からなくなる。多くある心象描写のごく一部ではあったので、映画全体から見ると大きなところではないかもしれないが、医療の世界でも似たようなことがあるよな、と納得した。

瓦解し始めた医療における性善説

 これまで医療に対しては「赤ひげ先生」の世界観が広く受け入れられてきた。暗黙の了解として、「医師ら医療側は自分たちの立場や利害によらず、患者の利益を考えるものであり、そうあるべきだ」といった見方である。医療の目的は患者の病気を治癒させることであり、命を守ること。あくまでも善意でもって医療行為をなしており、患者の利益に適う医療行為を医療側は行うはずだと信じられてきたわけだ。

 しかし、残念なことに、医療側に悪意があると分かって幻滅する事象が起きている。

 世界的に問題となっているのは、医療側が患者の利益に必ずしも寄り添わず、自らの立場や利益を守ろうとしているとの疑念の方だ。医療の目的に沿わない医療行為は無駄な医療となる。連載の第3回「米国医学会揺るがす『セルフリファラル問題』」で取り上げたのは、まさしくこの問題だった。

 愛情をかけてくれていると思っていたのに、実はその愛情の裏には不純な動機があった――。思い出のマーニーで描かれた場面はあくまでも「個人対個人」の問題だったが、医療における無駄な医療の問題は個人対個人の疑念が積み上がり、社会全体の問題に発展している。医療における性善説が崩れつつあると言ってもいいかもしれない。

「誘発需要」は社会的に損失を与える

 医療経済学の分野では、医師ら医療側が自らの立場や利益を考えて、本来であれば患者に不必要であるはずの医療行為を施す事象を「誘発需要」と呼んでいる。

 東京大学の橋本英樹氏らの編著書 『医療経済学講義』に詳しいが、誘発需要は社会的な損失をもたらすと説明している。この書籍の記述を引用すると、「医師によって誘発された医療サービスは、患者の利益(健康の改善)には貢献しない可能性が高いため、それに伴って発生する医療費は社会的な損失であると言える」。

 これは、一般的なビジネスで言うところの「需要を作る」のとは状況が異なる。通常のビジネスの場合、サービスの専門性にもよるが、サービス提供者と消費者の間の「情報の非対称性」が少ない場合が多いため、サービス提供者が提示した新しい需要のメリットを消費者は即座に理解できる場合が多い。

 ところが、専門性の高い医療には情報の非対称性があるので、同じようにはいかない。患者側から、医師ら医療側の知識や思考などが見えにくいためだ。「不治の病が新薬で完治するようになった」という話ならば分かりやすいかもしれない。より複雑になってくると、患者はもうワケが分からない。

リスク回避で帝王切開が世界的に急増

 第4回で取り上げたように、「爪水虫に飲み薬」では爪水虫でない患者に飲み薬を処方しているという問題がある。また、日本ではピルを処方する際に内診するケースが大半だが、米国内科医学会は今年7月に内診の禁止令を出した(第2回を参照)。これも、専門知識がなければ、医師に言われるがままに内診を受けてしまうだろう。

 問題事例を挙げれば枚挙にいとまはない。『絶対に受けたくない無駄な医療』でも具体的な例をいくつも挙げている。

 1年ほど前、脚の動脈が狭くなったところに、症状がないにもかかわらず、ステントと呼ばれる金属製の筒状の網を挿入する治療でトラブルが発生して問題となった。個々の医療行為は、一人の医師と一人の患者の間で行われており、患者は医師の判断を信じて手術を受ける。ところが、場合によって、医師ら医療側が「患者側には分からないだろう」と弱みに付け込んで、金銭的利益のために過剰な医療を提供している場合がある。結果として、この事例ではある医学会が問題視する事態に発展してしまった。

 このほかにも帝王切開が世界的に増加しているのがよく知られている。帝王切開は出血をはじめリスクと無縁ではないが、通常の膣からの分娩と比べると短時間で安全という見方もあって、訴訟リスク回避のための過剰な医療になっているのではという疑念が浮上している。

 医療側と患者側でなされている不要な医療行為が積み重なって、社会的に大きな負担を生んでいる。

 無駄な医療が本当に生じているのかを検証するのは容易ではない。日本では、医療行為にかかった費用を審査する仕組みが公的に導入されている。医療側が不要な医療を提供するのを防ぐ仕組みは整っていると見ることも可能だ。実際、医療機関が不正に請求したと見られる場合には、差し戻す仕組みが機能している。

現代医療の急所が姿を現す

 さらに、患者側は医療機関を自由に選べる。無駄な医療を提供する医療機関はそっぽを向かれて閑古鳥がなくかもしれない。その状況下で、無駄な医療を提供している余裕はないだろう。だからこそ、誘発需要は医療経済学と呼ぶ学問領域でも難題と見なされ、重要な研究対象となっている。 

 しかし、実際に無駄な医療は医師同士さえも見えにくい形で存在している。だからこそ、この連載で繰り返し紹介してきた米国の「Choosing Wisely」のような無駄な医療撲滅運動が発生するのである。

 実例を積み重ねていく帰納法的な手法で無駄な医療の発生を抑制するだけでなく、社会の構造を分析し、演繹的な手法から無駄な医療の発生する仕組みを解明するアプローチも大切になる。実際に、無駄な医療は生じているのかどうなのか。その因果関係の解明はさらに時間をかけるべき問題だ。

 併せて、医療界の構造的な問題にも目を向けたい。その源流をたどっていくと、現代医療の急所が姿を現す。無駄な医療を生み出す「病理」と言っていいかもしれない。

 次回は、世界的な医学誌にも掲載された日本の医療界の分析を読み解いていく。現代医療の弱点がつまびらかにされており、それこそが無駄な医療を生む元凶と言っていいものと考えられる。さらに掘り下げていこう。


  1. 2014/07/31(木) 05:14:51|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月29日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43382.html
県内病院回り専門医取得、大学が調整役- 三重、医師不足解消へ貢献狙う
( 2014年07月29日 13:41 )キャリアブレイン

 三重大と三重県は、後期研修生の県内での専門医取得を促し、医師不足解消に貢献してもらおうと、県内の複数の病院を回る専門医プログラムを17診療科で用意する。来年度から開始し、県の修学資金を受ける学生らの卒後のキャリア形成を支援するとともに、地域医療にも貢献してもらいたい考えだ。【大島迪子】

 プログラムは、専門医の19の領域のうち、三重大に設置していない形成外科、リハビリテーション科を除く17診療科が対象。各領域の学会が指定する3-4年の研修期間に、1年ずつ、規模の異なる病院を回りながら経験を積む。三重大病院を選ぶことも可能。県と同大でつくる「県地域医療支援センター」が窓口になる。

 三重県は、卒後に県内での10年間の就業を返済免除条件として、毎年50人程度に修学資金(6年間で約770万円)を貸与してきた。県の担当者によると、修学資金を受けた人の中には、専門医取得を理由に県外の病院を選択する人もいるという。来年度以降、修学資金受給者がこのプログラムを利用した場合、返済免除となる就業期間を8年間に短縮する。プログラムは、修学資金を受けていた人のほか、県内で幅広く経験を積みたい若手医師に利用を呼び掛ける。



http://news.mynavi.jp/news/2014/07/29/325/
日本の医療は大丈夫か!?--2013年度の病院の収支、31.4%が「赤字」
御木本千春  [2014/07/29] マイナビニュース

日本能率協会総合研究所はこのほど、「第10回 病院の経営課題等に関する調査」の結果を公開した。それによると、2013年度の収支が赤字(「赤字」+「大幅な赤字」)となった病院は全体の31.4%で、前年度より7.6ポイント増加した。

黒字(「大幅な黒字」+「黒字」)の病院は47.7%で、前年度より11.7ポイント減少した。

0729.jpg
病院の収支状況(出典:日本能率協会総合研究所Webサイト)

DPC(厚生労働省が定めた診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度)医療機関群別に見ると、「DPCI・II群病院」では黒字が64.7%、赤字が17.6%と、他の病院群より収支状況は好調だった。「DPCIII群・準備病院」では黒字が48.7%、赤字が32.3%、「その他の病院」では黒字が44.7%、赤字が32.8%となった。

病院を取り巻く外部環境について聞くと、「診療報酬の改定」「高齢化の進展」「看護師不足」「(エネルギー、資材等)各種コストの高騰」「医師不足」が、前回から引き続き影響を受ける割合が高かった。また、「(医師・看護師以外の)人材不足」「地域貢献に対する要求の高まり」「地域内の機能分担と再編・統合の促進」などで、影響を受ける割合が増加傾向にあった。

BSC(バランススコアカード)の取り組み状況を見ると、「実施中(計画中含む)」は28.0%と、2004年と比べて23ポイント増加した。

同調査は、2013年8月~12月の期間に行われ、379病院から有効回答を得た。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43391.html
1人の来院で「院内トリアージ」請求- 患者84人から、鳥取県立厚生病院
( 2014年07月29日 20:50 )キャリアブレイン

 鳥取県倉吉市の県立厚生病院は29日、休日や夜間などに救急外来を訪れた患者合計84人から、初診料の加算に当たる「院内トリアージ実施料」を不正に請求していたことを明らかにした。来院の患者が1人だけで、トリアージの必要がないケースだったにもかかわらず、診療報酬を請求していたという。同病院では8月中に、患者に文書でお詫びするとともに、返金を行うとしている。【敦賀陽平】

 県病院局によると、6月14日未明、1人で来院した20歳代の男性患者が、医療費の明細書を見て不審に思い、その後、病院側に知らせたことで事態が発覚した。

 男性の指摘を受け、病院側が請求を始めた今年2月から6月までの対象患者3774人を調べたところ、このうち84人から計約10万円を不正に請求していたことが判明した。

 院内トリアージ実施料は、休日や夜間など時間外に救急外来を訪れた患者に対して、専任の医師や看護師が重症度を判定し、治療の優先順位を決める行為(トリアージ)を評価するもの。2010年度の診療報酬改定で小児を対象とした「院内トリアージ加算」として導入され、12年度改定で改称後、成人にも広がった。

 厚生労働省は同年7月に行った診療報酬の解釈通知で、1人の来院時など、待ち時間がない場合は算定できないとする事務連絡を行っていたが、県病院局では「1人の時に算定できないことは知らなかった」としている。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/226860/?category=special
臨床と教育、研究をこなす中堅医師◆Vol.5
米国留学から慈恵医大産婦人科まで

2014年7月29日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 WHOではインターンとして、アフガニスタンの母子保健の研究などに従事していた。国際色豊かな職員で構成する職場は、とても刺激的だった。

 WHOで私はインターンとして、幾つかの仕事をやっていました。その一つが母子保健です。世界には、日本のように母子手帳どころか、出生届、死亡届すらない国がたくさんあるのです。そうした地域では、保健政策の良しあしが分からない。評価ができないのです。


 WHOは関係機関と協力し、このような国々に対し、技術と資金を提供して、様々な政策を実施し、母子保健領域をはじめ、各種の指標がどのように変化するのかを評価しています。私はアフガニスタンを担当し、既に蓄積されていたデータを解析する仕事を行いました。

 どちらかと言えば、インターンの期間が短かったこと、またちょうとパンデミックインフルエンザが流行した時期でもあり、仕事の内容より、WHOという国際機関の組織、仕組みや仕事の進め方に興味を覚えましたね。

 ジュネーブから米国に戻ったのは、2009年8月。以前とは異なり、子どもを保育園に預けるようになりました。子供たちも保育園に慣れて、主人も自分の時間ができ、すごく調子がよくなりました。

 それからの1年間は、授業の合間を縫って、CDCで研究していました。そこでも担当したのが、アフガニスタンの母子保健です。首都のカブールに大きなマタニティーホスピタルがあり、そこでカブールの施設分娩の3分の1くらいをカバーしていた。その病院の周産期医療体制を改善していくプロジェクトにかかわりました。私はカブールから上がってくるデータを分析し、どんな民族、バックグランドの方にどのようなアプローチをするのがいいのかを母子保健の観点から分析していました。


 留学を終えて帰国、産婦人科医に戻るも、臨床から2年間離れたギャップは大きかったようだ。

 留学を終え、2010年6月末に帰国し、7月から慈恵医大でまた常勤医として勤務しました。日本から、そして完全に臨床から2年間離れていたので、仕事の面で勘を取り戻したり、コミュニケーションの面で、日本モードに合わせていくのに、時間がかかりました。

 米国人よりも、日本人の方が、一つひとつの作業を正確に行うのが得意なので、いろいろなことを信頼できる面もあります。例えば、仕事を頼んだ時に、米国では途中で何回もきちんと進んでいるか、ミスがないかを確認しないと、ストップしてしまっていることが多い。一方、日本の場合は、1回言えばきちんとやっていることがほとんどなので、その意味では日本の方がストレスは少ないです。けれども、日本の多くのことは個人の能力や勤勉さに頼っている。米国は、個人の能力がどうであっても上手く回る、システム作りに秀でていると思いました。そのほか、コミュニケーション能力は米国人の方が優れていることが多く、問題を明確化し、成熟したディスカッションを行う環境は米国の方が整っているとも思いました。

 2014年3月までの約3年半は、慈恵医大の婦人科腫瘍のチームで診療を行い、臨床研究にも従事。今の臨床研究をめぐる状況に、永田氏は疑義を呈する。

 臨床、研究のほか、医学生、研修医、レジデントの指導も担当していました。臨床では、婦人科腫瘍チームに加わり、JGOG(NPO法人婦人科悪性腫瘍研究機構)や他の多施設共同臨床試験グループなどで、臨床研究にも従事しました。大規模臨床研究は、私が米国で主に行っていた観察研究を主とした疫学研究とも違い、勉強になり、興味深かったですね。「こうした研究をやってみよう」といったアイデアが出て、皆が協力するという、いい雰囲気がありました。

 ただし、レジデントなどの指導では、「結局、毎回、同じことの繰り返し」と思うことも多々。レジデントが「こんな臨床データを使った研究、やってみたのですけれど、どうですかね」と持ってくる。けれども、「リサーチクエスチョンは何だったのかな」というところから、毎回教えてあげなければいけない。皆、すごく好奇心が強く、やる気があって、優秀なのだけど、臨床研究のトレーニング自体を十分に受けていない状態でスタートして、試行錯誤をしている。こうした状況は、留学する前の、私自身の状況と変わっていませんでした。

 基礎研究分野は人材の層が厚く、医学部の臨床系の講座でも多くは、臨床医としての能力に加えて、基礎研究分野で業績をあげられた先生が教授になられているのではないでしょうか。臨床研究で目覚ましい業績を上げて教授になられた、という先生は少数なのではないかと思います。臨床研究の指導をできる人が少なく、公衆衛生大学院、あるいは医学部の大学院の臨床研究を専門とする講座でトレーニングを受けたり、治験に数多く携わっている人を除けば、多くの医師がきちんとした臨床研究のトレーニングを受けていない。

 毎日山のように発表される学術論文についても、それらにどんな意味、意義があるのかは、臨床研究がどのようなものかが分からないと読み取れないでしょう。研究者としてではなく、臨床医として論文を読み込む力を付けることも必要。まして自身が臨床研究をやるのであれば、きちんとした教育を受けないと難しいと思うのです。

 こうした状況は良くないと思うわけです。基礎医学も重要ですが、臨床研究がそれと同じくらいのレベルの重要性を持った扱いになり、医学部でもっと勉強してもいいと思うのです。


 慈恵医大に戻ってからの勤務医時代は、当直も数多くこなした。どのように仕事と子育てを両立させたのだろうか。

 早朝3時か、4時に起きて、1時間や1時間半程度、論文や研究計画書などを書く時間に当てていました。その後、子供たちを起こして、着替えさせて、ご飯を食べさせて、保育園に連れていき、電車で1時間くらいかけて慈恵医大まで通勤した。外来やオペがある日は朝8時、普通の病棟担当の日であれば朝9時くらいに到着。オペ日は朝から手術、病棟担当日は病棟で回診、オーダー、処置などをこなす。外来日は、朝から夕方までひたすら外来の患者さんを見続けました。午後7時くらいに家に到着してから3時間が勝負。子供たちにご飯を食べさせて、お風呂に入れる。午後10時くらいには一緒に寝て、朝早く起きる日々でした。

 最初の2年半は、普通に当直もこなしていました。主人の職場と自宅がすごく近かったので、子供が熱を出したときには、主人が帰り、私が帰宅すると、また主人が仕事場に戻るといった技も使えたのです。

 何より大変だったのは、主人との当直のスケジュール調整です。主人の当直も相当な数であり、かつ人数が少ない病院だったので、調整をしにくい。私の当直が決まってみると、主人の当直と結構重なっていて、そのスケジュールを変更するのが大変で、それがすごいストレスでした。

 また当直自体も、20代と比べたら、はるかに体力的にもつらい。レジデントや年下の医師とともに、上級医として当直するので、「少なくとも、この夜は、私が何とかしなければいけない」という感覚がありました。慈恵医大のいいところは、診療科の間の壁がなくて、風通しがよく、困ったら、麻酔科や救急部をはじめ、いろいろなスタッフが来てくれる。それでも、やはり当直時の緊張感は相当でした。

 最後の1年間、当直をやらなくてもよくなりましたが、その直前は体調を崩された方があり、一気に私の当直回数が増えたことがありました。私自身も、妊娠したりで当直できない時期があり、皆が助け合っていくのが、医局だと思ったので、がんばりました。しばらくして医師が増え、子育て中ということもあり、当直をしなくても済むようになりました。」



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201407/20140729_71020.html
医学部新設 宮城県、教員確保へ検討委
2014年07月29日火曜日 河北新報

 東北への大学医学部新設に名乗りを挙げている宮城県は28日、文部科学省から宮城大医学部構想が採択された場合のカリキュラム編成と教員確保に向け、外部の医療関係者を中心とする検討委員会を設置することを決めた。村井嘉浩知事が委員長に就き、8月中にも初会合を開く見通し。
 関係者によると、検討委は宮城大をはじめ東北大や県医師会、臨床研究で実績がある大阪大医学部などの関係者10人程度で構成する。
 文科省の構想審査会は30日の第4回会合で設置団体を発表する方針を示したが、下村博文文科相は22日、決定を1~2カ月先延ばしする可能性を示唆した。情勢を踏まえ、県は早急に検討委を始動させ、詰め切れていないカリキュラム編成や教授陣の確保について具体化を急ぐとみられる。
 検討委は村井知事が宮城大医学部の特色として打ち出した総合診療医の育成や、地域の医療現場での臨床実習充実についても議論する。
 栗原キャンパスに整備する付属病院は、300床ある市立栗原中央病院の隣接地に新病棟を建設する。最終的な病床数は既設分を含め500床前後を念頭に、東北大医学部など地元医療機関との連携の在り方を探りながら決める。
 キャンパスは基礎教育に重点を置き、連携する東北大病院や各自治体病院などには、先端機器を駆使した高度医療などでの臨床実習受け入れを求める。
 医学部付属病院の整備に伴い、栗原市内の県立循環器・呼吸器病センターは一般病床150床を廃止する。結核病棟50床はキャンパス内に移す。
 新医学部は2016年4月開学の予定。構想を申請したのは東北薬科大(仙台市)、脳神経疾患研究所(郡山市)、宮城県の3団体。



http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140729_01.html
医療事故調制度/信頼性と透明性が鍵になる
2014年07月29日火曜日 河北新報 社説

 医療死亡事故が起きた場合に原因究明の調査を義務付ける「医療事故調査制度」の創設が、関連法案の成立で決まった。
 来年10月の開始を目指して厚生労働省が今後、運用の詳細を詰め、ガイドライン作りを進める。制度の実効を挙げる上では課題も多い。遺族側の心情に十分配慮しながら、不信を招かない内容に仕上げる必要がある。
 新制度で医療機関は、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」に医療死亡事故の発生を届け出て、院内調査を開始し、結果をセンターと遺族に報告する義務を負う。
 センターは、結果を分析して再発防止に向けた注意喚起や情報提供に努める。遺族が調査結果に納得できない場合は、遺族の申請を受けてセンターが再調査に乗り出すこととした。
 はっきりしていなかった原因究明の仕組みとルールが、第三者機関の役割も含めてある程度明確になった意義は大きい。
 ただ、届け出と調査が必要かどうかの判断が医療機関に任されている点に懸念が残る。
 責任追及を恐れての事故隠しや、意図的に届け出を遅らせて事実関係を曖昧にするケースなどが想定できる。遺族団体などが求めているように、センターが遺族側からの情報提供や内部からの通報を受け付けるルートも検討すべきだ。
 院内調査やセンター調査の信頼性、透明性確保も課題だ。
 院内調査には医師会や大学病院などが支援という形で参加する仕組みにしてあるが、メンバーの選び方次第では身内に甘い調査になりかねない。
 センターにも医療機関寄りの判断を排除する仕組みは必要であり、院内調査と併せて法律家などを調査過程に参加させるといった工夫は欠かせない。
 新制度には警察への通報規定は盛り込まれなかった。医療現場への捜査介入に医療側が反発して制度論議が暗礁に乗り上げた過去の経緯を踏まえ、目的を責任追及よりも再発防止のための原因究明に絞り、調査の枠組み作りを優先させたためだ。
 医師法は警察への「異状死」届け出を義務付けており、新制度による届け出との整合性については、2年以内に検討することになった。責任追及は棚上げできない問題であり、捜査や医療訴訟と調査の関係は今後も議論が必要なテーマになる。
 医療行為による予期しない死亡事故は、年間1300~2000件発生するという。
 専門性の高い医療の事故で患者側は常に弱い立場にある。事故調制度の創設を待たなくても医療機関は積極的に遺族側に情報を開示し、再発防止に努める必要がある。制度の運用はそうした姿勢の延長上にあることを忘れてはならない。
 調査期限の設定、調査費用の負担の在り方、事故情報の共有方法など細部の設計も、制度の有効性を確保する上では焦点になる。厚労省はガイドライン作りに当たり、引き続き被害者団体などの意向を最大限くみ取る努力を続けてほしい。



http://mainichi.jp/life/edu/news/m20140729ddlk32100577000c.html
体験学習:看護師志望の第一中生、病院で−−大田 /島根
毎日新聞 2014年07月29日 地方版 島根

 大田市立病院(大田市大田町)で28日、中学生を対象にした現場体験学習があり、第一中学校の生徒3人が、レントゲン技師や臨床検査技師らが働く現場を訪れた。

 同病院が、地域医療従事者を目指す中学生を育成するために企画した。この日参加したのは、看護師を目指している西村真紀子さん(14)、小原彩奈さん(15)、西村ルイさん(15)=いずれも3年。

 画像診断コーナーでは、血管撮影の説明を聞きながら、血管造影剤やカテーテルの取り扱い方などを学んだ。3人は「普段、見ることのできない画像診断の様子を直接、学ぶことができてよかった。しっかり勉強して看護師になりたい」と話していた。【関谷徳】



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140730/ymn14073002100002-n1.htm
ドクターヘリを広域運用 来月から山梨・神奈川・静岡で
2014.7.30 02:10 産經新聞

 医師が乗り込み、救急患者を基地病院まで搬送する間にも処置が可能なドクターヘリについて、横内正明知事は29日の定例記者会見で、山梨、神奈川、静岡3県のドクターヘリ計3機の広域連携運用を8月1日に開始すると発表した。昨年12月19日の3県知事会議で、救急医療体制の充実に3県ドクターヘリを相互運用する基本合意に達し、事務レベルで運用方法を検討していた。

 広域運用では自県ドクターヘリが救急出動中に、さらに出動要請があるなど自県対応ができない場合、他県ヘリに出動を要請することができる。

 横内知事は「一人でも多くの大切な命を救うことができる」と語った。山梨県内で平成25年度にドクターヘリが出動中にさらに出動要請があったケースは26件。ドクターカーなどを代用した。



http://diamond.jp/articles/-/56812
医療・介護 大転換【第3回】
画期的な「地域包括診療料」の創設
「臓器別医療」から「全人的な医療」へ

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
2014年7月30日 ダイヤモンドオンライン

 本連載では、日本の医療・介護制度が大転換期を迎えていることを紹介してきた。具体的には、医療の役割が「治す医療」から「支える医療」へ、「病院完結型」から「地域完結型」へ、「医療」から「介護」へ、「病院・施設」から「地域・住宅」へといった転換だ。また、そのために欠かせないのが「地域包括ケアシステム」の構築だと述べてきた。

 さて、医療の現場は、3つに分けられる。入院医療と外来医療、それに在宅医療(訪問診療)である。前回は入院医療の改革を論じたが、今回は外来医療に目を向けたい。

「地域包括診療料」が新設
介護保険、健康・服薬管理も診療内容に

 入院医療では、新たに介護保険の新戦略、地域包括ケアを導入したが、外来医療でも地域包括ケアの考え方が加わった。

 それが、「地域包括診療料」である。これまでの診療報酬の体系から大きく逸脱した新たな改革の象徴となる画期的な制度である。一体、何が画期的なのか。

 従来の医療行為とは違う“新たな診療内容”を算定条件に加えた。その診療内容というのが、「介護保険に係る対応」、「療養上の指導」、「服薬管理」、「健康管理」、そして「在宅医療の提供及び当該患者に対し24時間の対応」等である。

「介護保険に係る対応」を挙げたのは、医療従事者に介護保険を理解するだけでなく、その制度に入り込むことを求めたからだ。「退院すればもう関係ない。後は介護関係者にお任せ」という現行の医療関係者では、この報酬を得られない。外来受診に来た患者に介護保険サービスについて聞かれたら応えねばならない。

「健康管理」も新しい考えだ。「どう、元気?」「体調に変化はない?」と会話しながら、健康状態を判断する。病気を「治す」だけでなく、日々の暮らしを順調に送っているかを判断してアドバイスするのは「支える」医療である。暮らしを支えるために必要なのが健康管理。介護関係者の仕事は、暮らしを支えることだから、医療もその世界に係るよう要請した。「治す」ことが医療行為であり、だから報酬を得られる――という旧来思想の否定につながる。画期的な内容である。

「服薬管理」も初めての内容だ。「患者が服用しているすべての薬を把握せよ」ということになる。すなわち、患者がほかの治療で通っている医療機関から出ている薬を含めて、全部の薬をきちんと管理することを指す。

 一見すると、院内処方を奨励しているようで医薬分業に反すると批判されかねない。だが、厚労省は「他の医師が出している薬を把握するのは難しいことではない。患者がもらう薬を分かっている薬剤師と連携すればできること」と、反論している。

骨折入院で認知症が進行するような
「臓器別医療」を否定、「全人的な医療」へ

 こうした算定条件を設けたのは、いずれも「複数の慢性疾患を有する患者」を対象に「継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価を行う」ためだと厚労省はその意図を記す。この一文は、厚労省の医療政策の方向転換を示す素晴らしいものだ。社会保障制度改革国民会議の提案を引き継いだ考え方といえよう。

 現行の医療は臓器別に分かれて専門性を強調している。それでは「複数の慢性疾患を有する患者」、即ち要介護高齢者に対応できない。なぜなら、あらゆる臓器が劣化しつつある要介護高齢者には、全人的医療が必要だからだ。

 こんな事例がよく聞かれる。歩行器を押して外出した軽度の認知症の高齢者が商店街の段差で転倒し、大腿部頸部骨折で入院。人工骨の手術を受け、リハビリに励んで1ヵ月弱で退院してきたが、家族は認知症の急激な進展にビックリした。相部屋の入院で生活が一変したため、認知症があっという間に進んだのだ。

 手術をした担当の整形外科医には、認知症の知識はほとんどなかった。ひたすら大腿骨の異常を治し、歩けるようにリハビリ指導にあたった。狭い4人部屋で蛍光灯と白壁に囲まれた生活感のない病室が認知症に悪影響を及ぼすかどうかは、治療の範囲外。全く無頓着であった。臓器別医療のこうした弊害はよくあることだ。

 厚労省はこのような実態を踏まえて、「全人的な医療」を掲げ、臓器別医療からの離脱を促し始めたのである。患者を高齢者に多い疾病を複数持つケースに限定し、より要介護高齢者に絞ったのも、全人的医療を目指そうという意思の表れだ。その疾病は、認知症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症の4つで、うち2つ以上を持つ患者としている。

 この地域包括診療料は、患者を月1回以上診れば診療回数に関係なく一定の1万5030円とした。包括方式である。介護保険の小規模多機能型居宅介護や24時間の訪問介護看護などで導入された方式だ。だが、医療保険の外来診療は、診療ごとに報酬が得られる出来高方式しかなかった。そこは初めての包括方式の登場。当然、従来方式に固執する日本医師会が猛反発した。そこで妥協案が生まれる。

 診療内容は「地域包括診療料」と全く同じ「地域包括診療加算」を別に設けた。こちらは包括方式ではなく、出来高制で、1回の診療が200円の報酬という制度だ。既存の受益者、業界団体の賛意を得られないと改革が進まない日本社会でよくあることがここでも起きたようだ。

対象の医療機関は「在宅療養支援診療所」
常勤医師3人以上という厳しい条件も

 次に、ではどのような医療機関がこの新しい診療内容を担うのか。ここにも介護保険を見据えた発想が貫かれている。

 対象になるのは、診療所の中で在宅療養支援診療所の指定を得ているところである、病院も在宅療養支援病院(200床以下)に限定した。つまり、在宅医療へのシフトを想定して訪問診療に熱心な在宅療養支援診療所を主役にし、大病院を外した。

 ただ、その在宅療養支援診療所のなかでも、常勤医師が3人以上という厳しい条件を付けた。在宅療養支援診療所の多くは、常勤医師1人で他に複数の非常勤医師の協力を仰いで24時間対応の診療活動を行っているのが現状。3人の常勤医を確保するのは相当の組織力が必要だ。「一国一城の主」という意識が強い医師が3人集まるのはそう容易いことではない。この条件満たして名乗りを上げる診療所は全国でわずか300前後と言われている。これでは折角の大改革の先陣となるか疑問だ。

「主治医」を広めたい厚労省
「かかりつけ医」を推す日本医師会の対立

 もう1つ、厚労省の変革への思いがこの制度に込められている。新しい地域包括診療の担い手を「主治医」と呼び、「主治医機能の評価」と謳う。日本医師会の唱える「かかりつけ医」を無視した。「かかりつけ医は病気の数ほどいる」という日本医師会の考え方に対抗したと言えよう。

 実は、かかりつけ医は日本医師会が作った独自の用語である。なぜ、それが生まれたのかの経緯を振り返ると、医療制度をめぐる壮烈な「戦い」にぶち当たる。

 40年ほど前のこと。厚労省(当時の厚生省)は、健康管理を含む全人的な医療を手掛ける医師として「家庭医」の制度化を目論んだ。家庭医は現在のイギリスを始めオランダやオーストラリアなど先進諸国で定着している制度だ。現地ではGP(General Practitioner)と呼ぶ一次医療。内科だけでなく外科や精神科、皮膚科、産婦人科など歯科を除くあらゆる疾病の診療を行う専門医である。

 GPの国家試験を経て独立開業するが、最近では3~5人の医師で一つの診療所を構えるようになった。病床を持たないので、もし、手術が必要な患者であれば二次医療の専門病院に送る。そこでも対応が難しいと大学病院などの三次医療で診る。イギリスやオランダでは患者の95%前後が一次医療のGPで診療を済ませており、とても効率的なシステムと言えるだろう。

 そして厚労省は、この家庭医を日本に持ち込もうとした。1987年4月、厚生省が設けた「家庭医に関する懇談会」が、住民に身近な地域密着の家庭医を計画的に育成すべきだ、という報告書を2年がかりの議論の成果としてまとめた。そこで示された家庭医は、①よくある病気やけがを初期治療(プライマリケア)し ②健康相談・指導に応じ ③患者の家庭環境を熟知して全人的に接し ④いつでも連絡がとれる―――とした。

 先の地域包括診療料で示された診療内容とほとんど変わらない。

 報告書では、その育成のために大学教育の中にきちんと位置付け、研修でも多くの異なる診療科目を学ぶように、と提言した。併せて、国民にも大病院偏重の考え方を改めて近所の開業医にかかるよう呼びかけ、大改革に乗り出そうとした。

 ところが、日本医師会はこの家庭医の制度化を「医療費抑制のための方便に過ぎない」「開業医の選別につながる」と強く反対し続けた。紆余曲折を経て遂に、制度化は葬られてしまう。その「抗争」の中で、日本医師会が家庭医に対抗して打ち出したのが「かかりつけ医」であった。

 欧州のような特別な基準や研修はなく、単なる行きつけの医師をかかりつけ医に仕立ててしまった。力負けした厚労省内では、以来、家庭医という用語そのものを遠ざけ捨て去った。暫くタブー視されてきた。

 今では、「家庭医なんて言葉を省内の文書で見かけたこともない。かかりつけ医としか言わないですよ」と、厚労省内の課長職のキャリア官僚が打ち明ける。40年の間にタブー視どころか、全く疑問も抱かずにかかりつけ医を使うようになった。 

 日本医師会と英国の家庭医の見解の違いを見せつけたテレビ放映が最近あった。5月31日に放映されたNHKスペシャル「日本の医療は守れるか?」である。スタジオに関係者や一般人を30人ほど集めて、「いつでもどんな時でも病院を利用できる日本のシステム」を問う好企画だ。

 医師の代表として、最前列に日本医師会の横倉義武会長と英国で家庭医を始めた澤憲明さんが並んだ。短期間の来日中だった澤さんを引っ張り出して、家庭医の実情を引き出すNHKの見事な「企み」とみていい。医師会長という日本の医療のトップと、高々34歳の、しかも日本で活動していない青年医師を対等に配置した。

 そこで、澤さんは「私は家族の間のトラブルも相談に乗ります。(うつ病など)精神的な疾病につながっているかもしれませんから。病気の治療だけが仕事ではありません。私の診療所に登録されている地域住民のために、常に患者に寄り添うように心がけています」と、予防や健康まで深く立ち入ると内情を明かした。

 司会者から「どうですか横倉さん」と医師会長に話を振ると、横倉会長は、困ったような表情で「(日本には)今まで築いてきた長い歴史があるので、急な転換は難しい」と、曖昧に言葉を濁した。

 このやり取りを観ていた視聴者には「医師会は家庭医制度に前向きじゃないな」と受けとめたに違いない。

第3の用語「総合診療医」の登場
NHKがもたらした新たな混乱

 この消えた家庭医が、本格的な高齢時代を迎えて今、水面下から再び浮上してきた。同省が多くの医療学会が認定する専門医が乱立している状況を整理するために設けた「専門医のあり方に関する検討会」が2012年12月、新たな専門医として「総合診療専門医」を登場させたのだ。外科専門医や皮膚科専門医など18の専門医のほかに、19番目に現れた。

 この新顔が、家庭医そのものだから面白い。「本格的な家庭医がやっと舞台に上る」と在宅医療関係者の間では評価する声が多い。

 家庭医とも、かかりつけ医とも距離を置く、第3の用語。だが困った問題を抱えている。

 というのは、病院の中には既に総合診療医がいることだ。NHKテレビが2010年から放映中の医療情報番組はその名も「総合診療医ドクターG」。

 毎回3人の若い医師が出演し、複雑な症状の寸劇を見て正しい病名を競いながら推理するユニークな番組だ。登場する医師はいずれも大手病院の勤務医であり、街中の家庭医ではない。視聴者は番組名からも「総合診療医は病院医」と思い込んでしまう。

 新しい総合診療医の制度では、専門医研修を3年間加えたため、2017年度から順調にスタートしても世の中にお目見えするのは3年後の2020年になってしまう。しかも、日本医師会は「かかりつけ医こそが総合医」と相変わらず繰り返し主張しており、用語は混乱状態に陥っているといえそうだ。

 そうした経緯を背負いながら敢えて今回、厚労省はかかりつけ医でなく、前出の「主治医」を前面に押し出してきた。家庭医とも言わない。複数の医師に診察を受けている高齢者が多い中で、最も中心となっている医師を主治医と呼んでいる。従って、介護保険で要介護度認定の判定会議に医師からの意見書が欠かせないが、それは「主治医意見書」とされている。 

 主治医を前面に掲げたのは、日本医師会への「抵抗」とも受けとられかねないが、介護保険制度の中では、主治医は定着した用語である。

 全体として、介護保険制度に医療側を引きつけようという意図が明白な診療報酬の改定だけに、主治医もその一環として見ていいだろう。だが、国民に分かりやすい、まして要介護高齢者を対象とするのであるから、主治医や総合診療医ではなく、家庭医という国際的に通用する言葉が最も適切だと思われる。厚労省の医療側へのさらなる斬りこみに期待したい。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140729-OYT1T50134.html
小児科医の確保巡り、市と対立…病院新設を辞退
2014年07月29日 21時51分 読売新聞

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)への統合で2016年3月末に廃止予定となっている大阪市立住吉市民病院(同市住之江区)の跡地について、新病院の開設が内定していた医療法人が辞退の意思を市側に伝えたことが分かった。


 市は事業者を再公募する方針。

 辞退を申し入れたのは、堺市内で病院を経営する医療法人。16年4月、4階建て、病床数100の新病院を開設し、夜間や休日の小児救急も行うとしていた。

 辞退に至った要因は、事業者決定の過程で細かな条件を詰め切れていなかったことだ。公募条件では、新病院は現行と同等のサービスを維持するため、小児科医5人の確保を目指すことになっていた。しかし、確保時期について、「開業時点での人数確保は譲れない」とする市と、「開業後に段階的に目標達成する計画」とする事業者の主張が対立し、溝が埋まらなかったという。

 府市は、約2キロ離れた総合医療センターの敷地内に小児・周産期医療機関「住吉母子医療センター(仮称)」を16年度に開設予定。しかし、市議会は新病院のめどが立つまで関連予算を認めない考えで、計画に遅れが出る可能性がある。



http://resemom.jp/article/2014/07/29/19688.html
東京大学、推薦入試の各学部詳細情報を追加…提出書類や面接方法など
2014年7月29日(火) 19時25分 リセマム

 東京大学は7月28日、平成28年度から開始する推薦入試について、今年1月に発表した「各学部の推薦要件・面接方法等の概要」に注釈を追加し公表した。学部が求める書類の詳細や面接形式などの詳細が紹介されている。

 概要によると、法学部では、提出論文について、テーマは法学や政治学に限らず、何らかの意味で社会に関わるもので、論文の分量の目安は、図表部分を除いて6,000字以上と案内。また、グループディスカッションでは、その場で与えられたテーマについて、少人数のグループで議論。論理的思考力、発想力、コミュニケーション能力などを審査するという。個別面接では、提出書類に関連する質問などを通して、法や政治に対する関心と、それを学ぶ能力とを確認する。

 経済学部では、推薦要件として、英語、数学、地理歴史・公民のうちいずれかの2教科において高校内で上位10%に入る成績をおさめていることを追加。また面接については、所要時間を30分から1時間程度とし、面接時に課題遂行能力を試すための課題を課す場合があるとした。

 文学部は、学部が求める書類などについて「在学中に執筆した論文・発表資料または総合的な学習の時間による成果」および「課外活動、ボランティアなどの社会貢献活動での成果を示す資料」を特に重視するとした。また、面接は志願者が提出した論文や「志願理由書」に基づいて行うとした。

 医学部医学科は、面接審査について、事前にポスターを作成し、それを使って高校等在籍中に行った主に自然科学に関連した活動と大学入学後の抱負について説明してもらうとした。

 そのほか、各学部の推薦要件・面接方法等の概要の詳細は、東京大学ホームページで確認できる。
《水野こずえ》



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140730/chb14073002150004-n1.htm
銚子市立病院が禁煙外来を一時休止 敷地内で日常的に職員喫煙 千葉
2014.7.30 02:15 産經新聞

 銚子市立病院(同市前宿町)は、禁煙外来を開設しているにもかかわらず、職員が敷地内で日常的に喫煙していたとして、同外来の診療報酬を自主返還するとともに、9月中旬で同外来の診療を一時的に取りやめる方針を決めた。

 6月の市議会全員協議会で指摘され、病院のボイラー室近くにたばこの吸い殻入れが設けられていたことが発覚。撤去するとともに、全職員226人を対象に実態を調査した結果、回答した195人のうち37人が敷地内で喫煙していたことを認めた。

 この結果を受け、病院を運営する指定管理者の銚子市立病院再生機構は、吸い殻入れの設置が確認された平成24年度から、撤去した今年6月2日までの診療報酬と薬代の計約280万円を自主返還することを決めた。理事長と病院長、事務長が個人負担する。さらに病院側は、この3者が管理監督責任を果たせなかったとして、減給10%(1カ月)の処分とした。

 禁煙外来は、現在受診している患者の治療が終わる9月中旬で診療を一時的に取りやめる。林建男院長は「職員の教育など万全の態勢を整えてから再開したい」としている。



http://mainichi.jp/area/chiba/news/20140729ddlk12040159000c.html
銚子市立病院:診療報酬を自主返還 禁煙外来基準に反し、職員ら敷地で喫煙 /千葉
毎日新聞 2014年07月29日 地方版

 内科の禁煙外来(ニコチン依存症の診療)があるのに、施設基準に違反して病院職員らが敷地内で喫煙していたとして、銚子市立病院(林建男院長)は29日、同外来の加算で得た診療報酬(禁煙指導管理料や薬価代)約280万円を自主返還すると発表した。

 院長と理事長、事務長3人が個人負担する。併せて、管理監督責任から3人を減給1カ月(10%)とした。

 病院や市によると、禁煙外来は2010年8月開設された。一方で、病棟地下ボイラー室前の屋外に灰皿が置かれ、職員らが常習的に喫煙していたという。6月の市議会で「違反行為だ」と指摘された。

 病院と市が、医師と職員計226人への無記名アンケートを実施、37人が「敷地内で喫煙した」と回答した。そのため、病院は(1)事務責任者が灰皿を認識した12年度以降の診療報酬(83人187件)を自主返還する(2)職員にルール順守を再教育する−−を決めた。

 診療報酬の返還は、国保・社保の機関とともに、患者負担分についても「おわびと説明」の文書を個人に郵送し対応する。林院長は「病院再建中で市に赤字補てんしてもらっており、我々個人の負担とした。信頼回復に努める」と述べた。【武田良敬】



http://www.ryoutan.co.jp/news/2014/07/29/008075.html
可愛い赤ちゃんに笑顔 市民病院で高校生が看護体験
両丹日日新聞2014年7月29日

 福知山市厚中問屋町の市民病院でこのほど、高校生を対象にした「ふれあい看護体験」が開かれた。福知山、京都共栄学園、綾部の各高校から合わせて18人が参加し、各病棟で看護の大切さを体感した。
 患者とのふれあいなどを通して、相手を思いやる気持ちを育み、看護師の仕事に関心を持ってもらおうと、府と府看護協会が毎年実施している。

 今回は生徒のほか、一日日直長体験として福知山高校の教諭1人が参加した。生徒たちは看護衣に身を包み、産婦人科や外科、内科など各病棟に分かれて、患者の血圧測定や足浴などを体験した。

 産婦人科小児科病棟では、5人の生徒が新生児の沐浴を見学。助産師から「赤ちゃんは裸が嫌いだから、体にタオルをかけて入浴させてあげています」などと、ポイントを教わった。

 このあと生後4、5日ほどの新生児を抱っこ。両腕でしっかり抱き、どの生徒も赤ちゃんの可愛さに、思わず顔をほころばせていた。

 看護師を目指す京都共栄学園高校3年の丸岡来柚季さんは「初めて赤ちゃんを抱いたので、少し緊張したけど、とても良い経験になりました」と喜んでいた。


  1. 2014/07/30(水) 06:04:49|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月23日 

http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43341
医療情報の漏えい、厳罰などで流出防止を- 日医
( 2014年07月23日 21:01 )キャリアブレイン

 日本医師会(日医)の石川広己常任理事は23日の記者会見で、政府が先月示した個人情報保護法改正などの方向性に対して、医療分野の個人情報を保護する上では不十分だとの認識を示した。医療情報が機微性の高い情報に含まれると明示されていない点などを問題視。医療情報などが漏えいされた場合に、他の個人情報よりも厳しい罰則を設けたりすることで、情報の流出を防ぐべきだと指摘した。【佐藤貴彦】

 政府のIT総合戦略本部が先月24日に決定した「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」で、今後の個人情報保護関係法令の改正の内容について、政府としての方向性が示されている。同大綱をめぐっては、今月24日までパブリックコメントが実施されており、日医は22日に意見を提出したという。

 同大綱では、情報通信技術の進展などに機敏に対応できるよう、法律で大枠を定めた上で、政省令や規則、ガイドラインなどで具体的なルールを定める方針を表明した。さらに、データの匿名性を高めるための加工方法などのルールは、民間団体が策定。現在は、特定個人情報の取り扱いに関する監視などを担当している「特定個人情報保護委員会」を改組して第三者機関を設置し、民間団体が策定したルールを認定する業務などを担わせることで、ルールの実効性を確保するとした。

 また、個人情報を加工して匿名性を高めたデータから、特定の個人を識別することを禁止するといった措置を講じる代わりに、匿名性の高いデータの第三者提供などを本人の同意を得ずに行えるようにする考えも提示。一方、人種や信条、前科などは、機微情報として、取り扱いをより慎重にする方向で検討するなどとした。

 こうした仕組みの実現に必要な法改正のため、来年1月以降できるだけ早く、法案を国会に提出する見通しも示した。

 同大綱について、石川常任理事は、民間団体が策定し、運用されるルールの中に、第三者機関の認定を受けたものとそうでないものとが混在することを問題視。パブリックコメントを通じ、民間団体が策定するルールは、第三者機関の認定を必ず受ける仕組みにするよう求めたと説明した。

 日医が提出した意見ではそのほか、▽機微情報の中に、医療情報を明記すべき▽親族や子孫に影響を及ぼす遺伝情報については、個別法などで考えるべき▽第三者機関には、医療関係者を配備すべき▽医療情報などを漏えいした場合の罰則を、その他の情報の場合よりも厳しくすべき▽善意・悪意・過失の有無にかかわらず、漏えいしたデータを削除させる権限を法定化すべき-などとも指摘。改正法案の提出時期についても、十分な議論がなく拙速だと断じたという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43335.html
処方薬を家族に譲渡が4割- 民間調査
( 2014年07月23日 20:56 )キャリアブレイン

 医療機関で処方された医薬品を、同じような症状の家族に譲ってはいけないことを9割近くの人が知りながら、全体の4割は譲渡した経験があることが、製薬企業などでつくる「くすりの適正使用協議会」のインターネット調査で分かった。これらの調査結果を受け、同協議会は23日、一般の人々に最低限知ってほしいという「くすりの知識10か条」をまとめた。【丸山紀一朗】

 調査は今年6月、全国の20歳以上の男女900人を対象に実施。調査結果によると、医療用医薬品を譲渡してはいけないことについて、「知らない」は13%だった一方、「知っており、その理由も説明できる」と答えたのは50%、「知ってはいたが、理由までは説明できない」は37%だった。譲渡について、「よくする」「ときどきする」「一度はしたことがある」が合計で41%だった。同協議会は、譲渡してはいけない理由について、同じような症状でも同じ原因とは限らず、同じ薬でいい効果があるか定かでないためと説明している。
0723_20140724053415ec7.jpg

 また、錠剤やカプセル剤などの内服薬を、お茶やコーヒー、酒などで飲むと、それに含まれる成分と薬が反応し、効果が弱まったり強まったりすることがあるため、水以外の飲み物で飲んではいけない。調査によると、これについて「知らない」は17%だった一方、「知っており、その理由も説明できる」「知ってはいたが、理由までは説明できない」が合計で83%だった。内服薬を水以外で飲んだ経験があると答えたのは全体の57%と、半数以上に上った。

 このほか、「ジェネリック医薬品とOTC医薬品は同じである」との設問に対し、自身の考えに当てはまるものを答えてもらったところ、18%が「正しい」、61%が「分からない」と回答。8割が、ジェネリック医薬品とOTC医薬品の違いを理解していないことが分かった。また、「第一類医薬品より第三類医薬品の方が副作用などに注意する必要がある」との設問に対し、30%が「正しい」、51%が「分からない」と答え、8割が一般用医薬品のリスク区分を理解していないことも明らかになった。

 これらの調査結果を受け、同協議会では医薬品の適正使用を促すため、「くすりの知識10か条」を作成した。その中には、「医療用医薬品は、自分の判断で止めたり量を減らしたりせず、また、そのくすりをほかの人に使ってはいけません」「くすりは、決められた使用方法がそれぞれ異なり、医師・薬剤師の指示などに従って正しく使用しましょう」「『サプリメント』や『トクホ』は食品であり、くすりではありません」などといった注意事項を盛り込んだ。



http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20140723org00m040008000c.html
Listening:<バルサルタン>臨床試験疑惑 
ノ社元社員を追起訴 東京地検、捜査終結へ

2014年07月23日 毎日新聞

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、東京地検特捜部は22日、京都府立医大の研究チームが2012年に発表した論文の臨床データを改ざんしたとして再逮捕されていた製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋(しらはし)伸雄容疑者(63)と、法人としてのノ社を薬事法違反(虚偽広告)で追起訴した。これで一連の捜査を実質的に終えるとみられる。(3面にクローズアップ、社会面に関連記事)

 白橋被告は、同大が11年に発表した論文のデータを改ざんしたとする同法違反でも既に起訴されている。関係者によると、白橋被告は2件とも起訴内容を否認しているとみられるが、特捜部はいずれも、白橋被告が独断で改ざんしたと判断した模様だ。

 バルサルタンの臨床試験は、東京慈恵会医大▽千葉大▽滋賀医大▽名古屋大の4大学も実施。07年以降、各大学で論文が発表された。

 厚生労働省の告発を受けた特捜部は、今年2月以降、5大学すべてを家宅捜索しカルテなどを押収し、研究に関わった医師らから事情を聴いた。府立医大以外の一部大学でも臨床研究データの改変が確認されたが、虚偽広告の公訴時効(3年)を経過している例が多く、時効成立前のケースも明確な改ざんとは言い切れないと判断したとみられる。【山下俊輔、近松仁太郎】



http://mainichi.jp/select/news/20140723k0000m040166000c.html
バルサルタン:奨学寄付金の公開進まず 使途チェックなし
毎日新聞 2014年07月23日 07時15分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の一連の臨床試験が疑惑視されるきっかけは、製薬会社ノバルティスファーマから研究者側に渡った億単位の「奨学寄付金」が隠されていたことだった。だが、大学側の奨学寄付金に関する情報公開は進んでいない。専門家は「このままでは事件の教訓が生かされず、疑惑の構図が繰り返されるだけだ」と危機感を募らせる。

 「なかば観光目的で海外の学会に行ったり、私用のノートパソコンを買ったりするのに奨学寄付金を使っている。『俺には薬を選ぶ権利があるんだぞ』と出入りの製薬会社員にアピールしながら金を出させる。どこからいくらもらったかは公にしたくない」(ある大学医学部の医師)

 別の研究者は「使途は報告するが詳細にチェックされず、使い勝手がいい」と言う。

 バルサルタン事件では、ノ社と臨床試験をした5大学が、計11億円余に上った奨学寄付金の額をなかなか明らかにしようとせず、不信感を高めた。各大学は「関係書類の保存期間が決まっており、それ以前分は分からない」などと釈明するばかりで、全体像の把握はノ社頼みとなった。

 また、各国立大や公的研究機関には「研究者が財団などから直接もらった研究助成も、不正を防ぐために研究者から大学などに寄付させる」(文部科学省)との規則があるのに、寄付されないケースも後を絶たない。会計検査院の2010〜12年度の報告書ではこうした研究助成が計6億3404万円に上った。このうち7505万円が使われずに研究者の手元に残っていた。

 一方、情報公開を進める大学もある。和歌山県立医大は、教授が病院から受け取った資金を大学に納めていなかったと批判を浴び、12年度から奨学寄付金に関する情報をホームページで公開している。企画研究課長は「時代の流れだ」と話す。

 だが、こうした取り組みはまだ少ない。国立大病院長会議は先月、企業などからの資金の公表に関する指針をまとめたが、奨学寄付金については診療科ごとの件数と総額にとどめ、「企業に迷惑がかかるから」と寄付元は明かさないという。

 東京大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)は「徹底した情報公開で資金を透明化しなければ、失われた信頼回復は望めない。透明化することで寄付が減っても仕方がない。質が悪い研究が淘汰(とうた)されるだけだ」と指摘する。【河内敏康、八田浩輔】

 ◇奨学寄付金

 企業や個人が大学などを通じて研究者に提供する寄付金で、寄付側に税の優遇がある。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上った。国が1963年、国立大向けに受け入れ規定を示して管理を指導してきた。



http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20140723ddlk06040163000c.html
消費増税:負担要求 市議会厚生委で再発防止策説明−−山形市立病院済生館 /山形
毎日新聞 2014年07月23日 地方版

 山形市立病院済生館の事務局は市議会厚生委員会で、公正取引委員会から勧告を受けた問題について再発防止策を説明した。

 主な内容は▽外部からの意見、クレームは事務局長が最初に対応する▽国などの通知は病院事業管理者、事務局長が順守徹底を確認する−−など。

 18日は弁護士を招き、消費税転嫁対策特別措置法に関する職員向け研修会を開いた。【鈴木健太】

市議会厚生委で

再発防止策説明

山形市立病院済生館

 山形市立病院済生館の事務局は市議会厚生委員会で、公正取引委員会から勧告を受けた問題について再発防止策を説明した。

 主な内容は▽外部からの意見、クレームは事務局長が最初に対応する▽国などの通知は病院事業管理者、事務局長が順守徹底を確認する−−など。

 18日は弁護士を招き、消費税転嫁対策特別措置法に関する職員向け研修会を開いた。【鈴木健太】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43338.html
税制改正で消費税「原則課税」を要望へ- 四病協総合部会で確認
( 2014年07月23日 21:04 )キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は23日の総合部会で、来年度税制改正要望を通じ、社会保険診療への消費税の扱いについて、10%に引き上げられた場合には、原則課税にするよう求めていくことを確認した。税制改正要望には、8%引き上げ時の診療報酬による補てんでは不十分であることを示すデータも盛り込む方針だ。四病協は、8月下旬に開催する次回の総合部会で、税制改正要望を正式決定する。【君塚靖】

 総合部会の模様は、日本精神科病院協会の河崎建人副会長が、部会終了後の記者会見で明らかにした。この日の議論は、社会保険診療への消費税に集中した。10%時の対応については、原則課税にする案のほかに、非課税のままで還付を求める案などが浮上し、医療界での一本化が難しい情勢になっている。そこで、改めて四病協として、原則課税とし、税制改正要望に明記することを確認した。

 四病協は現在、8%引き上げ時に実施した基本診療料を中心とした診療報酬の上乗せ措置が、医療機関の負担軽減にどの程度、つながっているかを「補てん率」として調査している。税制改正要望の中で具体的な数値を示すことで、消費税が非課税のままでは、経営が立ち行かなくなる恐れがあることを訴えていく考えだ。


  1. 2014/07/24(木) 05:35:10|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月22日 

http://digital.asahi.com/articles/ASG7Q4FGRG7QUBNB001.html?_requesturl=articles%2FASG7Q4FGRG7QUBNB001.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7Q4FGRG7QUBNB001
青森)医学科のAO募集を5増 弘大、入試要項を発表
2014年7月23日03時00分 朝日新聞デジタル 青森

 弘前大学は22日、2015年度の入学者選抜要項を発表した。募集人員は今年度と同様、5学部で計1382人。

 医学部医学科の一般入試の募集人員(前期日程)は、今年度比5減の65人。減らした分をAO入試募集人員に加え、AOは同5増の47人となる。弘大の実績では、AO入試で入学した生徒は試験の成績が良く、医師として必要なコミュニケーション能力が高い傾向があるといい、優秀な学生の確保が狙いだ。

 医学科の一般入試募集人員のうち、県定着枠は今年度比5減の15人、AO入試募集人員のうち、県出身者枠は3増の30人。

 人文学部では、15年度から推薦入試にセンター試験の受験が必要となる。



http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1407/22/news038.html
連載 窪田順生の時事日想:
東大の教授が、「医療詐欺」なる本で医療界を告発した理由

2014年07月22日 08時00分 更新 ,誠STYLE

救急車のたらい回し、医師不足問題、製薬会社の不祥事――。こうした問題は、国家による「医療」コントロールが限界にきているからなのか。医療界の現実について、東大医科学研究所の教授が赤裸々に綴った本が出た。
[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


 新潟の「医療過疎」を取材していた時、高齢化率4割というとある無医村で、興味深い話を耳にした。

 無医村を解消しようと、インターネットで常勤医の募集をしたところ、東京の若い勤務医から応募があった。僻地医療に対する志もある。おまけに、「田舎暮らし」を望んでいるということで、話はトントン拍子にまとまり、東京の病院を辞め村へ移住してもらうことになった。

 無論、村の高齢者たちからは喜びの声があがったが、ほどなくそれは失望の声へと変わってしまう。村の元気なご老人たちに対して、若き医師が行なった「診察」が問題だったのだ。

 「今のまま、おいしいものを食べて、よく寝て、たまに歩くなどの運動をしてください」

 これのいったい何が問題なのか。実際に高齢者たちから「不満」を告げられた隣町の医師が教えてくれた。

 「この村に限らず、高齢者にとっての“医療”というのは、少しでも身体に異変があったらすぐに薬を処方してくれること。薬を欲しがる患者に対して彼は『飲む必要がない薬を飲むと、お身体に負担がかかります』と一生懸命諭しましたが、しばらくして “あの若い医師は薬に頼らない自然治療をすすめている”なんて噂もまわって問題になってしまったのです」

 高齢者医療の現実を思い知らされたこの若き医師はほどなく村を去ったという。

供給者側の論理

『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(著・上昌広氏/講談社)
 この話を聞いて、「ああ、この国の医療ユーザーには骨の髄まで“供給者側の論理”が刷り込まれているんだなあ」ということをつくづく感じた。

 以前、このコラムでも触れたが、「降圧剤」なんかも分かりやすい(関連記事)。降圧剤の添付文書には、脳梗塞のリスクが高いので、高齢者には「慎重投与」と明記されている。しかし、70歳以上の約半数が服用している(厚労省「国民健康・栄養調査報告」)。「大胆投与」に書き換えたほうがいいくらい気前のいい飲ませっぷりだ。

 ちょっと考えれば、薬を出せば保険点数が稼げる医師と製薬会社から「供給者側の論理」を押し付けられていることが明白だが、そういうサディスティックな仕打ちも患者側は手を合わせてありがたがる。

 そんな歪(ひず)んだ医療の現実について、分かりやすく解説されているのが、東京大学医科学研究所特任教授である上昌広さんの新刊『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社)である。

 ずいぶんショッキングなタイトルだと思うだろうが、これはなにも先端医療を掲げる医師や、新薬を売り出す製薬会社があくどいとか批判をする本ではない。救急車のたらい回し、医師不足問題、ドラックラグ(新薬承認の遅延)、製薬会社の不祥事など一見するとバラバラの問題のように見えるが、すべてたどっていくと日本の医療が抱える構造的問題につきあたることを指摘しているのだ。

 その代表が、「中医協」(中央社会医療協議会)である。

新薬を開発するのがバカらしくなる

 中医協とは、日本の医療行為にまつわる価格を決定している厚労大臣の諮問機関のことだが、こういう制度は他の先進国にはない。この日本独自の医療システムにこそ歪みの根っこはあると上氏は指摘する。

 国家が価格を決めるので、製薬会社からどんなに素晴らしい薬をつくっても、すぐに価格が下がる。営利企業からすれば、リスクをとって新薬を開発するのはバカらしくなる。これで開発力が高くなるわけがない。事実、日本の新薬開発力は韓国に劣っている。

 新薬を出さずにもうけようとするので、「マーケティング」に力が入る。医師にカネを渡して臨床論文をちょいちょいっといじったり、飲ませなくていい薬をじゃんじゃん飲ませたり、という問題は現れるべくして現れたというわけだ。

 国が「価格統制」という絶対的な力を持つ。それに従う形で供給者(企業・医師)が食べていこうとする。癒着や口利きがまん延し、価格統制権に近いところがおいしい思いをして、水が高いところから低いところに流れるように一般ユーザー(患者)が一番わりを食う。

 この構造を理解するのには、「電力」がいい。日本の電気料金は薬価と同様、電力会社という国策企業が総括原価方式というコストダウン意識ゼロのシステムで決められている。だから、再稼働だなんだというの話も、ユーザーの論理は関係ない。すべては「原子力ムラ」という供給者サイドの論理によって粛々とすすめられていく。医療界の構造的な癒着を、上氏が「医療ムラ」と呼ぶ所以だ。

 原子力ムラを解体するにはこの「価格統制権」を奪う、つまり「電力の自由化」をすすめるべきという意見があったが、いつの間にやらうやむやにされた。

 これと同じく、「医療ムラ」の解体には、「中医協」の力の根源、つまり価格統制権を奪うしかない。その第一歩となるかもしれないが、安倍政権が成長戦略で掲げた「混合診療」の解禁である。

「医療」は誰のためにあるのか?

 混合診療とは、公的医療保険とまかなう治療と、専門性が高い自由診療を組み合わせるというもの。上氏によれば、混合診療が導入されると、医師間の競争が促進されるので、患者側が享受できるメリットも多いという。

 それを示すのが、「不妊治療」だ。これは保険が適用されない自由診療ではあるが、医師らの競争によっては今や日本の不妊治療技術は世界トップレベルに成長しているという。

 ただ、「供給者」代表である日本医師会はこの「混合診療」に猛烈に反対している。「安全性や有効性の疑わしい治療が横行する」といかにも患者目線を装っているが、上氏のいう「競走」を拒んでいるかのようにも見えないか。そういえば、東北に医学部を新設するという話がもちあがった時、東北の人々が復興にもなるし、医師偏在解消になるからつくってくれと声をあげた時も、医師会は「医師が余るからとんでもない」と反対していた。

 「医療」というものは誰のためにあるのか。なぜ上氏は、東大医科学研究所という医学界の中心部から、厚労省や多くの医師を敵にまわしながらも「詐欺」というショッキングな言葉を用いてまで問題提議をしたのか。

 それらの疑問はすべてこの本のなかにある。「お医者さんの言うことは絶対だ」なんて思い込んでいる人にこそ読んでいただきたい。



http://mainichi.jp/select/news/20140723k0000m040058000c.html
バルサルタン:捜査終結へ ノバルティス社元社員ら追起訴
毎日新聞 2014年07月22日 20時14分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、東京地検特捜部は22日、京都府立医大の研究チームが2012年に発表した論文の臨床データを改ざんしたとして再逮捕されていた製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)と、法人としてのノ社を薬事法違反(虚偽広告)で追起訴した。これで一連の捜査を実質的に終えるとみられる。

 白橋被告は、同大が11年に発表した論文のデータを改ざんしたとする同法違反でも既に起訴されている。関係者によると、白橋被告は2件とも起訴内容を否認しているとみられるが、特捜部はいずれも、白橋被告が独断で改ざんしたと判断した模様だ。

 バルサルタンの臨床試験は、府立医大のほか、東京慈恵会医大▽千葉大▽滋賀医大▽名古屋大の4大学も実施。07年以降、各大学で試験結果に関する論文が発表された。

 厚生労働省の告発を受けた特捜部は、今年2月以降、5大学すべてを家宅捜索しカルテなどを押収し、研究に関わった医師らから事情を聴いた。府立医大以外の一部大学でも臨床研究データの改変が確認されたが、虚偽広告の公訴時効(3年)を経過している例が多く、時効成立前のケースも虚偽広告に問えるほど明確な改ざんとは言い切れないと判断したとみられる。

 起訴状によると白橋被告は、府立医大が冠動脈疾患の患者についてバルサルタンとそれ以外の降圧剤の効果を比較した研究で、11年8〜10月ごろ、脳卒中などの発生数がバルサルタンに有利になるよう臨床データを操作した図表を研究チームに提供したとされる。研究チームはそれを基に論文を執筆・投稿。論文は12年に出版社のホームページに掲載され、不特定多数が閲覧可能となった。

 ノ社は「元社員ならびに会社が再び起訴されたことを大変重く受け止める。改めておわび申し上げます」とのコメントを発表した。

【山下俊輔、近松仁太郎】



http://mainichi.jp/shimen/news/20140723ddm041040225000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 捜査終結へ 奨学寄付金、公開進まず 研究者「使途チェックなし」
毎日新聞 2014年07月23日 東京朝刊

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の一連の臨床試験が疑惑視されるきっかけは、製薬会社ノバルティスファーマから研究者側に渡った億単位の「奨学寄付金」が伏せられていたことだった。だが、大学側の奨学寄付金に関する情報公開は進んでいない。専門家は「このままでは事件の教訓が生かされず、疑惑の構図が繰り返されるだけだ」と危機感を募らせる。【河内敏康、八田浩輔】

 「なかば観光目的で海外の学会に行ったり、私用のノートパソコンを買ったりするのに奨学寄付金を使っている。『俺には薬を選ぶ権利があるんだぞ』と出入りの製薬会社員にアピールしながら金を出させる。どこからいくらもらったかは公にしたくない」(ある大学医学部の医師)

 別の研究者は「使途は報告するが、詳細にチェックされず、使い勝手がいい」と言う。

 バルサルタン事件では、ノ社と臨床試験をした5大学が、計11億円余に上った奨学寄付金の額をなかなか明らかにしようとせず、不信感を高めた。各大学は「関係書類の保存期間が決まっており、それ以前分は分からない」などと釈明するばかりで、全体像の把握はノ社頼みとなった。

 また、各国立大や公的研究機関には「研究者が財団などから直接もらった研究助成も、不正を防ぐために研究者から大学などに寄付させる」(文部科学省)との規則があるのに、寄付されないケースも後を絶たない。会計検査院の2010〜12年度の報告書ではこうした研究助成が計6億3404万円に上った。このうち7505万円が使われずに研究者の手元に残っていた。

 一方、情報公開を進める大学もある。和歌山県立医大は、教授が病院から受け取った資金を大学に納めていなかったと批判を浴び、12年度から奨学寄付金に関する情報をホームページで公開している。企画研究課長は「時代の流れだ」と話す。

 だが、こうした取り組みはまだ少ない。国立大病院長会議は先月、企業などからの資金の公表に関する指針をまとめたが、奨学寄付金については診療科ごとの件数と総額にとどめ、「企業に迷惑がかかるから」と寄付元は明かさないという。

 東京大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)は「徹底した情報公開で資金を透明化しなければ、失われた信頼回復は望めない。透明化することで寄付が減っても仕方がない。質が悪い研究が淘汰(とうた)されるだけだ」と指摘する。

==============

 ■ことば

 ◇奨学寄付金

 企業や個人が大学などを通じて研究者に提供する寄付金で、寄付側に税の優遇がある。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上った。国が1963年、国立大向けに受け入れ規定を示して管理を指導してきた。



http://diamond.jp/articles/-/56456
医療・介護 大転換【第2回】
高飛車な医者と介護スタッフは連携できるのか
“在宅復帰”に誘導する「地域包括ケア」導入の課題

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
2014年7月23日 ダイヤモンドオンライン

 連載第1回では日本の医療・介護制度が大転換期を迎えていること、具体的には医療の役割を「治す医療」から「支える医療」に、「病院完結型」から「地域完結型」へ、「医療から介護」へ、「病院・施設から地域・在宅」への転換を目指し、それを実現するためには、「地域包括ケアシステム」の構築が欠かせないということを述べた。

 そこでこれから数回にわたり、入院、外来医療、そして在宅医療の3種類の変化を順番に分け入って論じたい。まず今回は入院医療の変化について説明していく。

診療報酬を動かすことで
医療機関の方向を誘導

 日本の医療制度の見直しは、事実上、2年に1度の診療報酬改定によってなされる。診療報酬とは病院や診療所など医療機関に医療保険の団体から支払われる料金で、厚労省が決めている。したがって、より高い報酬が設定される分野に力を入れるように医療機関は動くので、医療の仕組みはこの報酬体系で変わっていく。

 日本の医療提供者は公立の医療施設がわずか14%、病床数で22%と少ない。欧州では公立施設が大半なので政府が改革を強制できる。一方、日本では独立の医療法人が多く、国が制度改革を試みても、なかなか進展しない。そこで、「ニンジンをぶら下げて馬を走らせるように」、診療報酬を上下させることで誘導してきた経緯がある。

 今回の診療報酬改定も同様だが、新たな要素が加わった。昨年8月に首相に提出された社会保障制度改革国民会議(慶應義塾長・清家篤議長)の報告書である。団塊世代が75歳以上になり医療・介護の需要が増える2025年を見据えて、それまでになすべき改革プランを示したのだ。

 このため4月の診療報酬改定は、近来になく相当に思い切った内容になっている。いわば、報告書のお墨付きを得て、日本医師会など関連団体の雑音や抵抗を突破できたと言えるだろう。

看護師1人で7人の患者をみる
高度急性期病院のベッド数が半減

 日本の病院は、患者に対する看護師の配置人数によって5種類に分けられている。患者と看護師の比率は7対1から15対1まであり、配置人数によって入院基本料も異なる。それを今回、4種類に統合し、病院の機能をきちんと分けることにした。

 看護師配置が最も手厚い7対1の病院は高度急性期病院と言われ、疾患への対応に専門職が多数かかわるもので8年前に配置を増やした。全国で約36万床もある。にもかかわらず、そこで救急患者のたらい回しが起きて問題になるように、きちんと機能しているとはいえない。

 そこで今回、高度急性期病院の存在条件を厳しくし、2025年までにその数を半分の18万床までに削減することにした。高齢者が増え、来院者に高齢者が増える状況に合わせて、急性期病院を減らして慢性期病院の比重を高めようという狙いだ。

「かなり重度になっても地域でできるだけ長く暮らし続けよう」という介護保険の「地域包括ケアシステム」の考え方は、高齢化が進む先進各国の共通用語。その趣旨に沿って、医療保険にも適用することにした。元々、介護や保健、生活支援、住まいとともに地域包括ケアの5つの要素の中に医療も入っており医療連携は重要なテーマであった。

07221.jpg

 病院で長く滞在するのではなく、できるだけ早く自宅や地域のケア付き住宅に戻って暮らす、という地域包括ケアの原則を前面に押し出して、医療を巻き込もうという戦略だ。まさに、報告書で謳われた「治す」医療から「支える」医療への転換だ。

 だが、医療側には「介護保険とは別」という特権意識が強く、例えば、ケアマネジャーが医療機関と接触するのが難しいなど、医療のハードルが高いのが現実だ。

病院と在宅を行ったり来たりはダメ
亜急性期病院は「地域包括ケア病棟」へ

 今回の改定で、従来の亜急性期病院(急性期と慢性期の間に位置する)をこの9月30日に廃して「地域包括ケア病棟」に変えることにした。この名称変更は画期的である。「地域包括ケア」という「錦の御旗」を掲げて医療側に介護保険システムのくさびを打ち込んだわけだ。

 名称変更に日本医師会が相当抵抗したと言われるが、先の報告書は政府の基本方針となりつつある中で、真っ向から異論を唱えることはできなかったようだ。

 地域包括ケア病棟は、①急性期病棟を退院しても在宅復帰が難しい患者の受け入れ、②在宅の緊急患者の24時間受け入れ、③長期療養病棟からの受け入れなどで病院から在宅への橋渡しの役目を担う。

07222.jpg

07223.jpg

 文字通り、地域包括ケアを推進していく際に医療側の中核となる位置付けだ。診療報酬の一項目である入院料を従来の亜急性期病棟よりも高額にして誘導を図っているが、在宅復帰率70%以上というかなり高いハードルも課している。高額の診療報酬を得たいなら、在宅復帰に力を入れて、という厚労省からのメッセージともいえよう。

 この在宅復帰率の導入も今回の改定の目玉である。従来は、専門職の配置や単なる退院率で報酬を位置づけていたが、退院先を在宅と明示した。在宅復帰率を高度急性期と急性期病院には75%以上、長期療養病棟は50%以上とした。

 長期療養病棟で在宅復帰に力を入れれば新しく加算を付けることにしたのも、奨励策の一環だ。在宅復帰機能評価加算で1日につき10点、100円である。加算の算定用件は、1ヵ月以上の入院患者が退院して在宅に復帰した比率が50%以上であることと退院患者の在宅生活が1ヵ月以上であることだ。

 つまり、退院してもすぐ入院してしまう現状を変えようという内容である。「病院と在宅を行ったり来たりはダメ」と厚労省は説明する。

“第2の自宅”への帰宅も含めた
在宅への早期復帰こそ最大の目的

 ここで言われる在宅とは、必ずしも自宅ではない。自宅での家族ケアを強制するのは介護保険の創立の精神に反する。「介護の社会化」が介護保険制度の重要な目的であるからだ。家族介護からの解放をアピールしたことで世論が受け入れ、強制徴収に近い保険料を納めることに納得した。

 家族に余裕があれば自宅復帰の可能性が高いが、一人暮らしや老々介護では難しい。では、自宅でない在宅とは何か。

 それに該当するのは、住宅系施設と言われる認知症グループホームであり、有料老人ホームで介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けた介護付き有料老人ホーム、あるいは外部から在宅ケアサービスを入れる住宅型有料老人ホームなどだ。

 さらに、2011年10月から新しいケア付き住宅として制度化された「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」が挙げられる。

 いずれも個室を備えて、プライバシーが確保された「第2の自宅」である。こうした「在宅」への早期の復帰を促すのが地域包括ケアの目的であり、病院もその趣旨を弁(わきま)えねばならない時代ということだ。
07224.jpg

医師の“上から目線”に悩む介護スタッフ
両者が連携できる日は来るか

 確かに、その通りである。だが、遅きに失した感が強い。介護保険制度が始まってもう15年目に入った。医療連携が当初から謳われていたが、現場ではほとんど実現していない。

 介護事業者やそのスタッフから「医師を始め医療側の高飛車な態度に悩まされる」「複数の事業者が集まって、要介護者と家族の考えを汲み取るケア会議にも医師はなかなか出席してくれない」と不愉快な思いを味わったという声がよく聞こえてくる。医療側の「上から目線」が強く、「連携」とは程遠い。

 厚労省では、介護保険は老健局が担当し、医療は保険局と医政局が担当。相互の人事交流はあまりない。一方で、老健局と国土交通省との人事交流は活発。「住まい」重視の姿勢がサ高住という欧州並みのケア付き住宅を誕生させ、両省の共同所管となっているのとは大違いだ。

 今回の大きな改革を担当したのは保険局の医療課長。直前まで老健局の老人保健課長だった。「介護保険の世界を理解し掌握している」という自負が、医療制度に切り込む意欲をかきたてたようだ。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/226859/?category=special
医師の夫、2年間の育児休業取得◆Vol.4
常勤復帰から米国留学まで

2014年7月23日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2007年末には、第二子を妊娠した。それでも育児休暇から復帰1年後の2008年4月からは、慈恵医大の産婦人科のフルタイムの常勤医となった。

 実は、以前から米国の公衆衛生大学院に留学したいと考えており、第一子の妊娠中に、受験勉強もしていました。2007年には合格したものの、子どものことなどを考え、延期して、2008年8月から留学することが決まっていました。

 だから、「子どもを産むなら、ここで一気に生まないと」と思い、臨床はできる範囲で続けつつ、立て続けに妊娠をしたのです。

 2008年4月、妊娠15週くらいで、かつ1歳半の子供を育てながらフルタイムの常勤医に戻りました。ちょうど重症の患者さんを一番診る学年だったので、外来のほか重症の母体搬送を一手に引き受け、レジデントの指導などもしていました。つわりはひどかったけれども、第一子の時よりは楽だったので、結構楽しく仕事をしていましたね。

 子ども2人をご主人に預け、2008年8月に単身で渡米。約1カ月後にご主人が子どもを連れて渡米した。医師であるご主人は、2年間の育児休業を取得したのだった。

 私は次女を生んだ10日後に渡米しているのです。主人と子どもたちを日本に残して。授業がすぐに始まったので、授業に出つつ、家具などを買い、家族で住めるよう住まいを整えていました。

 主人には、かなり前から「留学したいな」と根回しはしていました。「家事は男がするものではない」という考え方もなく、フェアな人で、私が仕事をするのをサポートするのも、家のことをするのも、自分の責任だと思うタイプの人だったので、助かりました。

 とはいえ、「主人と子供をどうするか」は大きな悩みでした。主人が日本に残って子どもを見る、子供を連れて私だけ行くなどの選択肢がありましたが、留学前までは、第一子の育児や家事は全て私がやっており、今度は主人の番ということで、主人が育児休暇を取ることになったわけです。

 主人は産業医大卒だったので、労災病院などでの勤務の義務年限がありました。正当な理由なく義務年限中に就労しなくなると、給付された学費などの一括返還を求められるのです。主人が産業医学振興財団に電話すると、「男性で、育児を理由に義務年限を中断した例はない」と、にべもない答え。しかし、育児休業を取らなければいけない女性医師が絶対にいるはずです。そこで、女性である私がまず一般論として産業医学産業財団に問い合わせると、「もちろん、取得できます」との答え。「それって、当然男性も取れるのですよね」という感じで話を進め、無事、主人は育児休業を取得できました。主人が勤めていた病院の上司もすごく理解がある方で、通常女性が取得するのと同じく、給料の何割かが保障された形で、育児休業が取得できたのです。

07225.jpg
今年4月の第66回日本産科婦人科学会学術講演会で、理事長推薦企画で自らのキャリアを講演した際、公衆衛生への考えを語った(『「ギネジョの底力、ギネメンの胆力」』を参照、資料提供:永田知映氏)

 公衆衛生を学ぶため選んだ留学先は、米国のエモリー大学だ。

 語学は好きで、一度は留学したいと考えていました。公衆衛生を選んだのは、臨床医として解決できないことも、公衆衛生的な視点で解決できることがあると実感したからです。例えば救命救急センターに勤務をしていた時、交通事故による重症外傷患者さんが多く搬送されていたのですが、シートベルト着用を義務付けたり、飲酒運転の取り締まりをするなど、法制度や条例を作ったり、社会の常識を変えることで、発生数も受傷の程度も劇的に変わるのです。目の前の患者さんを診ることがものすごく好きでしたし、患者さんと心が通っているという感覚も好きだった。臨床にやりがいを感じていたのですが、別のアプローチを試してみたいという思いがずっとありました。

 公衆衛生を選んだのは、臨床研究の手法をきちんと学びたいという理由もあります。私自身もそれまで、卵巣癌あるいは早産の症例についての臨床研究をしていました。しかし、きちんと統計解析を学んだわけではないので、自分で行っている方法が間違っているのではないか、という不安が常にありました。統計学、疫学を勉強したい。より良い研究をして、社会のシステムを変えることができれば、という思いを、臨床をしながら抱いていたわけです。

 公衆衛生の分野では、ジョンズ・ホプキンス大学やハーバード大学が有名ですが、エモリー大学もトップ大学の一つです。CDC(米疾病予防管理センター)の隣にあるので、CDCとの結びつきが強く、エモリー大学の学生がCDCで実習したり、CDCの職員が教官として、エモリー大学に教えに来ていました。

 勉強は充実していたが、一方で“専業主夫”のご主人がうつ状態になってしまった。転機になったのがWHO(世界保健機関)でのインターンだった。

 エモリー大学では2年間、様々な講義を受けました。1年目が終わった後の夏休みにはWHO(世界保健機関)にインターンに行き、2年目は授業の傍ら、大学の隣にあるCDC(米疾病予防管理センター)で研究していました。

 朝から夕方まで授業があり、宿題も結構たくさん出て、本当によく勉強しましたね。一方、家事ですが、私も手伝いましたが、主人が本当によくやってくれました。料理を作り、洗濯をして、なるべく子どもたちを散歩に連れていくなど、ものすごく手をかけていたのです。手作りのおもちゃを作ったりもしていました。

 主人は、最初の3、4カ月は楽しかったようですが、保育園には預けていなかったので、24時間子供と一緒。主人は救急医なので、もともと体力はあったのですが、次第に心身ともに疲れるようになってしまった。米国では仕事をしていなかったので、社会との交流がないこともストレスだったようです。うつ状態になってしまったので、私が大学の昼休みに家に帰ってきて、主人が気分転換できるようにしました。

 WHOの本部に行ったのは、2008年5月のことです。インターンは2-3カ月の予定だったので、最初は一人で行こうかとも思っていたのですが、とても置いていける状態ではなく、家族4人でジュネーブに行ったのです。

 ジュネーブはすごくきれいで、風光明媚な街。1時間半くらいバスで行くだけで、雄大なアルプスの景色が臨める。アトランタとジュネーブでは、街の規模も構造も、治安も違います。車で移動する生活から、歩く生活になり、街のいたるところに素敵な公園があったり、ウインドーショッピングをしたり、カフェでお茶をしたり……。私も歩く生活になり、体重が一気に4kgくらい減りました(笑)。

 エモリー大学の入学式で講演された先生のテーマが、「街の構造が健康に与える影響」でした。街の構造は、人間の健康と関係があります。車社会か、徒歩で移動するかにより、運動量は全然違います。また、街を歩き、道で人と接することで精神状態が変わる。そうした都市構造を研究されている先生の講演だったのですが、ジュネーブで実感しました。ジュネーブの生活の中で、主人も次第によくなってきました。

 ジュネーブで住んでいたのは、各国の大使を歴任された、とある国の要人の未亡人の家。ジュネーブの賃貸物件の家賃はとても高いのです。彼女は幾つも家を持っていて、「夏の間は旅行に出ていていないから、使っていいわよ」と言われ、お借りしたのですが、「やっぱり旅行には行かなくなった」とのことで、夏の間一緒に住むことになったのです。広い家なので、何の問題もなかったのですが。

 5カ国を話すこのマダムに、すごく感銘を受けましたね。ある時、私が主人の状態もあり、「ちょっと疲れたな」といった表情で洗濯をしていると、「どうしたの?」と声をかけてくれたのです。いろいろと事情をお話したら、「分かるわ。女って大変よね。でもね、知映(永田氏のファーストネーム)、あなたはプロフェッショナルなのだから、明日、仕事に行くときは、しわのないスーツを着て、赤い口紅を塗って、120%の笑顔で行きなさい」と言われたのです。はっとしました。マダムの言葉には、すごく説得力がある。

 マダムの家には、お手伝いさんのような人もいました。私はそれまで、お手伝いさんに依頼することに関して、罪悪感というか、一部のお金持ちがすることだというイメージを持っていました。マダムは自分でも料理や洗濯などはやっていましたが、窓拭きなどは気軽にお手伝いさんにお願いする。と思えば、そのお手伝いさんと、カフェでお茶をしている。

 マダムのそうした姿勢を見ていると、日本人の「へりくだる」という意識を見直さなければならないと思うようになりました。

 私たちが医師になり研修を受けた、2000年代前半から半ばまでの時代は、患者の権利が強調されるようになり、医師がへりくだるような時代、「医師は少しも偉くない、と思わなくてはいけない」という風潮がありました。しかし、別にへりくだる必要はなく、「医師はプロフェショナルであり、患者のパートナーである」という認識に、ようやく最近近づいてきているのかと思います。日本の社会には、いったん極端なところまで振り切れる面があり、「医師は偉い」から、「患者さまは神様」とまで振り切れて、揺り戻して対等という関係に落ち着く。

 私にとって、家事も同じでした。「家のことは全てやらなければいけない」と思っていたのですが、「あなたたちは高い教育を受けて、優れた技術を身に付けているわけだから、それを社会に還元しなければいけない。どうしても自分で家事をやりたいのであれば、やってもいいけれど、それを補ってくれる人を、うまくアレンジするのも一つの能力」とマダムは教えてくれたのです。プロフェッショナルとしての意識とか、いい意味での力の抜き方などもマダムから学びましたね。

 様々な意味で、ジュネーブはすごく大きな転機でした。WHOの職員は多国籍で、東南アジアの某国などは女性の官僚がすごく多く、ご主人を引き連れて、国際機関の職員として赴任されている方々もいました。皆さん、多様な働き方をしています。



http://blogos.com/article/91020/
先見創意の会
患者による違法行為への対応 - 平岡敦

2014年07月22日 09:00 BLOGOS

1.増加する患者による違法行為
  患者による院内での違法行為が増えている。どこの病院でも多かれ少なかれ次のような患者の対応に苦慮した経験があるであろう。
 (1)待合室で職員を捕まえて「待ち時間が長い」等のクレームを付け,大声で怒鳴ったり,謝罪を強要したりする。
 (2)患者の望んでいる病名・症状の診断書を書けと強要する。
 (3)診療内容や対応に対する不満を理由に,医療従事者に対して暴言を吐いたり,暴行を振るったりする。
 (4)インターネットで病院の悪口を書く。

2.対応方法総論:病院の限界を理解してもらう
 病院に落ち度がある場合もあろうが,それを理由に患者が違法行為を働いていいことにはならない。病院に落ち度があれば,穏当な態度でクレームを述べ,責任者からの謝罪を求めたり,損害賠償を請求したりするのが,法治国家である日本で許される患者の対応である。しかし,患者も感情的になっていることが多く,現実には行き過ぎた違法行為となってしまうケースが生ずる。そのような場合に,どのように対応すれば良いのか。

 難しいことであるが,まずは患者に冷静になってもらうことが必要である。そのためには,患者の病院に対する過度の期待を払拭する必要がある。患者は病院に対して遠慮と同時に過度の期待を有していることが多い。医療従事者は専門職である。患者は医療従事者のことを「先生」と呼ぶなど,一定の敬意をもって接しており,そこには他のサービス業では見られない上下関係が存在している。加えて,保険診療の場合,サービス提供者と受領者の間で直接やり取りされる金銭が低額に抑えられているという特殊性がある。これが本来,準委任契約であるという医療契約の本質を曖昧にしている。このような上下関係や対価関係の希薄さなどの医療契約の特質が,患者の医療従事者に対する従属とその裏腹の過度な期待を生んでいる。そして,その過度の期待が裏切られたときに,患者の対応は冷静さを欠き,峻烈なものになりがちである。

 したがって,感情的になる患者に対しては,病院も対価関係を基礎にサービスを提供しており,常識的な範囲を超える過度のサービスや結果を提供できるものではないことを理解してもらう必要がある。病院もその持てる施設と人材の範囲内で,医学的な限界の中で,提供可能なサービスを提供しているに過ぎず,万能の存在ではないことを分かっていただく必要がある。

3.法的対応
 それでも患者が冷静になれず,不幸にして患者の行為が限度を超えてしまった場合,法的な対応を考えざるを得なくなる。法的な対応と言うと究極的には「訴える」ということになる。法治国家ではそれがあるべき対応である。しかし,いきなり司法機関を利用することは,いたずらに患者の感情を刺激し,話し合いによる解決を阻害する恐れもある。そこで,訴える前にまず考えるのは,司法機関を利用せず,当事者間で和解をすることである。その第一歩として,まず書面で以下のような事実を告げることが通常である。

 (1)患者の行為を特定し,病院としての事実関係に対する認識を明らかにする。 ※往々にして患者の認識とズレがある。
 (2)病院が,患者の行為を違法行為であると考えていることを告げる。
 (3)今後,そのような行為をしないように求める。
 (4)場合によっては,今後,患者の診療を行うことはできないことを通告する。
 (5)病院に損害が発生していて,看過できない金額である場合は,金額を明示し,賠償を求める。
 (6)病院の要望に応じてもらえない場合には法的措置を執ることを予告する。

 上記の通知を院長や理事長名(病院名義)で出すのか,代理人弁護士名で出すのかも悩みどころである。書面作成を弁護士に委任しても,提出する書面の名義は病院名義で出すということも考えられる。弁護士名義の通知が来ることのインパクトが大きいからである。本来,紛争状態が生じているのであるから,法律専門家である弁護士を代理人にすることは合理的な行為であり,弁護士を代理人にすること自体について,なんら感情的になる必要はないはずであるが,現実はそうではない。人によっては「喧嘩を売られた」と考えてしまう患者もいる。逆に,弁護士名の文書が来ることで,病院の本気度が伝わり,患者を翻意させるという効果もある。どちらに転ぶかはやってみないと分からないところもあり,確実なことは言えない。

4.民事的対応
 通知を送ることで,患者が違法行為を止めたり,損害賠償を行ったりするなど,病院の要望が受け入れられれば問題はない。しかし,不幸にも患者が病院の要望を聞かず,違法行為を続けたり,損害賠償に応じなかったりした場合,裁判所の力を借りて,病院の要望を実現することになる。

 裁判所の力を借りるには,2つの方向性がある。1つは,民事的対応であり,もう1つは刑事的対応である。このうち,まず優先されるべきは民事的対応であろう。なぜなら,刑事的対応とは,究極的には,患者の生命や自由を奪って制裁を加えることを希望するということであり,できるだけ謙抑的に用いるべきだからである。軽微な違法行為でも,前科があったりすると,それだけで実刑判決を受ける可能性は充分にある。刑事的対応とは,そのような性質を有するということを,充分に考慮すべきである。

 民事的対応という場合,原則は,裁判所に対して,違法行為の差止や損害賠償を求める通常訴訟を提起することになる。一般的に「訴える」というやつである。しかし,通常訴訟は,短くても1年近い時間が掛かるので,緊急に違法行為の差止を求める必要があるケースには向かない。

 そのような場合,違法行為差止の仮処分を求める申立を行うことになる。仮処分であれば,通常1回の審尋で裁判所の判断が下される。このように簡易で迅速な判断が出る代わりに,判断に誤りがある場合に備えて,裁判所に対して担保を提供する必要がある。担保の額は違法性の確実さや被害の程度などによって異なるので,一律に何万円ということはできない。担保は,違法行為があったことが通常訴訟で確認されたり,患者と和解が成立して患者が認めたりすることで,返還してもらえる。

 仮処分で損害賠償を求めることは困難なので,損害賠償を求める場合は,時間は掛かるが通常訴訟によることになる。通常訴訟で勝訴判決を得たら,患者に対して判決に従って支払うように求めることになる。しかし,実際には判決を得ても任意には支払わないこともある。そのような場合には,判決にもとづく強制執行を裁判所に対して求めることになる。強制執行の中で最も実効性が高いのは不動産の差押えであるが,一般的に患者がどのような不動産を有しているかは分からない。したがって,通常最も効果のある方法は患者の勤務先に対する給与の差押えである。

5.刑事的対応
 患者による暴行で医療従事者が怪我をしたり,患者の行為が執拗で恐怖を感じたり,業務に対する支障が著しいような場合,刑事的対応もやむを得ない。刑事処分を求める場合,加害者である患者がまさに犯行を行っている最中に,最寄りの警察署や交番に電話して警察官の臨場を求めるケースと,犯行が終了した後に警察や検察官に告訴を行うケースの2種類が考えられる。

 前者の場合,ほぼすべてのケースで警察官が現場に急行してくれることになる。しかし,すべてのケースで現行犯逮捕となるわけではない。犯罪の成否及びその処理には,いくつかの段階が考えられる。まず,刑事理論的に犯罪成立とは言えない段階。この段階では警察官が臨場しても,何もできない。具体的に犯罪成立と言えるか否かは,専門的な判断であり,個別の犯罪類型によって異なるので,一言では言えない。次に,犯罪成立とは言えるが,被害の程度が軽微であったり,犯人にも情状酌量の余地があったりして,犯罪として立件するのが適当ではない段階。この段階では,臨場した警察官が双方から事情を聞いた上で,加害者に説諭をして終わりということもある。しかし,警察官に説諭されるだけでも,その抑止・牽制効果は大きい。最後の段階は,犯罪として成立し,かつ,起訴を目指して捜査をする必要性がある段階である。この場合,逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがあると判断されれば,逮捕勾留されることもある。患者の行為がどの段階に当たるのか,また身柄拘束の必要性があるのかは,臨場した警察官の判断となるので,呼んでみなければ分からない。

 後者(後日に告訴)の場合,弁護士など専門家に相談して,患者の行為が犯罪に該当するか判断した上で,該当するのであれば,告訴状を作成し,所轄の警察署又は検察庁に提出することになる。しかし,犯罪の成否,成立するとして捜査するか否かの判断が捜査機関に委ねられていることは同様で,告訴したから必ず捜査してくれるというわけではない。犯罪が成立しないと判断されれば,何もしてくれない。犯罪が成立しても捜査するまではちょっとという場合は,犯人である患者に対して呼び出すか電話をした上で説諭してくれるくらいのことは期待できるかもしれない。

6.最後に
 患者の違法行為に接して冷静でいられる人は少ない。患者も感情的だが,それに接する医療従事者も感情的にならざるを得ない。そのような場合には単独で物事を判断せず,複数人で多角的に物事を捉えて上で,可能ならば専門家の意見も聴いた上で判断をすべきである。また,予め対応方法を検討し,最寄りの警察署や交番の電話番号を確認したり,相談できる弁護士を確保したりしておくことが肝要である。

--- 平岡敦(弁護士)


  1. 2014/07/23(水) 06:11:56|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月21日 

http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/235398/?category=report
日医、東北医学部容認の考え
横倉会長日本記者クラブで講演

2014年7月21日 池田宏之(m3.com編集部)

 2期目をスタートさせた日本医師会の横倉義武会長は7月19日、日本記者クラブで講演した。東日本大震災からの復興のシンボルとして検討されている東北地方の医学部新設について容認する考えを示したほか、政府が創設に向けて検討を進める「患者申出療養制度」について、「(安倍政権とは)方向性は違っていないと思う」と述べた。

対応課題が山積

 横倉氏は、「日本医師会の直面する課題」と題して講演し、「組織を強くする」「地域医療を支える」「将来の医療を考える」の3つのキーワードを中心に、かかりつけ医の重要性や地域の医師会が関与した上での地域包括ケア体制の構築の重要性を訴えた(『横倉日医会長、「三つの方針」で2期目始動』を参照)。

 医学部新設については、国家戦略特区における医学部新設は、教員確保による医師の引き抜きや、将来、医師が過剰になった場合に医師養成数を見直す難しさの観点から、反対を明言した。ただ、東北地方における医学部新設については、「東北は従来から医師不足が厳しい上、震災の被害も激しく、『復興のシンボル的な医学部』は理解できる」と述べて、容認する考えを示した。

 複数の医療法人を一括経営できる新たな医療法人制度については、日医としての考え方を示した(『政府提案の新法人、「全く容認できず」、中川副会長』を参照)。横倉氏は、「非営利原則の堅持」と「地域に密着した医療の提供」の2つを厳守するように求め、「医療に営利を持ち込むと、医療費が膨らむ懸念がある」と述べた。

 他にも、医療機関の消費税負担の問題の解決を訴え、地域医療ビジョン策定前の都道府県の医療費目標設定については改めて反対の意思を示し、安倍政権化で進む医療制度の改革への対応課題が山積していることを伺わせた。

「70歳で引退のつもりだった」

 質疑応答の中でも、医療政策についての日医の見解を問う質問が相次いだ。患者の申し出により保険外の治療が利用できる「患者申出療養制度」については、それ以前に検討されていた、「選択療養制度」とは異なり、「安全性・有効性」と「保険収載への道」が確保されたことから、容認する考えを示した。「実施医療機関が診療所レベルまで広がる」との見方がある点について聞かれた横倉氏は、あくまで大規模医療機関での実施からスタートすることを前提とした上で、「安全性・有効性が確認されたものを、高い能力の開業医が、大規模医療機関と連携して、将来的にやっていくのはあり得る。(日医と政権との)方向性は違っていないと思う」と説明した。

 臨床研修制度については、総合的な診療能力が習得できるようになった点は評価した上で、「大学病院の地域への医師派遣」「基礎医学の研究の減少」の2つの側面で悪影響が出ている点を指摘し、対策を考える必要性に言及した。

 さらに、日本の人口の高齢化と同様に、医師の高齢化も進んでいる現状について聞かれた横倉氏は、自身が数日で70歳を迎えることに言及し、「若い時は、70歳で全て辞めるつもりだった」と告白。その上で、健康寿命が延びていることから、「医療への手助けができないかと思い、医師会をやっている」と答えた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49268/Default.aspx
メドピア医師調査 論文生データの保管 約3割は「10年以上」
公開日時 2014/07/22 03:51 ミクスOnline

医師専用サイト「MedPeer」を運営するメドピアは、研究論文を巡る不祥事を受けて、保管に苦労する生データをどの程度保管しているかについて会員医師を対象に調査し、このほど、3847人から得られた回答概要を発表した。「10年以上」との回答が最も多く33.9%、次いで「5~10年未満」の25.6%で、約6割が5年以上保管していた。

「10年以上」の医師は、ハードディスクやUSBメモリに保管しているケースが散見され、「基本的に破棄しない」「苦労の跡。捨てるに捨てられず」とのコメントもあった。大学や研究室に預けているいる人もいるが、大学を離れたり、パソコンの買い替えを機に廃棄している例もあった。

「5~10年未満」の医師では、経験から5年以上たつとデータの価値や問い合わせがなくなることや、論文の引用はほぼ10年以内だとして10年で区切っているとのコメントが寄せられた。5年未満の医師も保管期間は短くてもよいとの経験に基づくコメントがみられた。


  1. 2014/07/22(火) 06:26:11|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月20日 

http://www.47news.jp/news/2014/07/post_20140720164600.html
訪問診療撤退155施設 報酬下げ影響、団体調査
2014/07/20 16:45 【共同通信】

 医療機関に支払われる診療報酬が4月に改定され、有料老人ホームなど高齢者施設への訪問診療の報酬が大幅に減額された影響で、全国の少なくとも155施設で医療機関が撤退したり交代したりしたことが、20日までに全国特定施設事業者協議会など業界団体の調査で分かった。

 改定で報酬は最大約4分の3カット。施設で一度に大勢の患者を診察する医師の「荒稼ぎ」を防ぐ狙いだったが、現場からの反発が強まっており、厚生労働省も来月以降、影響を調べる予定だ。

 今回の調査は5~6月に、有料老人ホームや認知症グループホームなどの事業者でつくる計4団体が共同実施。1764施設から回答を得た。



http://www.miyakomainichi.com/2014/07/64992/
ドクターの仕事体験/医師目指す児童生徒
2014年7月20日(日) 9:09 | 宮古毎日新聞

徳洲会病院でセミナー

 宮古島徳洲会病院(酒井英二院長)で19日、第5回宮古島ジュニアドクター体験セミナーが行われた。将来医師を志す小学生と中学生11人が参加し、手術や内視鏡、救急の3部門の医療行為を模擬体験した。


 参加した生徒たちは実際の医療の現場に興味津々の様子で担当医師の説明に聞き入り、指導を受けながらメスの握り方や内視鏡の操作方法などを学んだ。

 内視鏡の模擬体験では、実際の診察の時に使用するプラスチックエプロンと手袋を装着し、実際の胃カメラを人体模型に入れて体の内部での動きなどを確認したほか、胃カメラが発見したポリープや胃かいようなどを撮影した。

 川満太樹君(北中2年)は「胃カメラの操作は難しかったが、操作しながらいろいろな病気を発見できたので楽しかった。将来は医師を目指しているのできょうは良い体験ができたと思う」と感想を述べた。

 同セミナーは、地域の医療を支える人材を地元から育てることを目的に、毎年実施し今回で5回目。



http://www.kanaloco.jp/article/74947/cms_id/92441
医療の仕事を児童ら体験 横浜・国際親善総合病院でセミナー
2014.07.21 03:00:00 カナロコ【神奈川新聞】

 小学生が医師や看護師の仕事を体験するキッズセミナーが20日、横浜市泉区の国際親善総合病院(村井勝病院長)で開かれた。参加した4~6年生約50人は真剣な表情で、腹腔(ふくくう)鏡手術で使うマジックハンド(鉗子(かんし))や電気メスの扱いに挑戦した。

 同病院(実行委員長・亀山哲章外科部長)が毎年夏休みに開催しており、今年で5回目。白衣に着替えた子どもたちは医師の説明を受けた後、電気メスで鶏肉を切ったり、マジックハンドでビーズをつまんだりと、実際の医療現場で使われている器具を体験。またラジオ波でがん細胞を壊死(えし)させる「ラジオ波電極針」を豚の肝臓に刺して焼くなど、最新の医療技術を学んだ。

 自動体外式除細動器(AED)を使った救急救命法のほか、臨床検査技師から顕微鏡の使い方、助産師からは新生児の体の洗い方などの指導も受けた。

 村井病院長は「医師や看護師の役割について少しでも理解してもらえたら」と話していた。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140721/kyt14072102020001-n1.htm
医療現場に患者の視点を 京都大で国際シンポ
2014.7.21 02:02 産經新聞

 医療の現場に患者の視点を反映させる取り組みを進めようと、京都大で20日、「病いの語りが医療を変える~患者体験学の創生」と題した国際シンポジウムを開催。国内外の研究などが紹介され、集まった約100人の医師や研究者が熱心に耳を傾けた。

 「患者体験学」とは、病気や医療で患者が感じたことを体系的に研究する新しい学問。英国や日本などでは、患者の体験談をデータベース化し、分析する取り組みが進んでいる。

 この日は、患者体験学の第一人者である英国のアンドリュー・ヘルクスハイマー医師らが講演。続いて、英国や日本などでの取り組みが紹介された。このシンポを企画した京都大大学院医学研究科の中山健夫教授(健康情報学)は、「いかに患者主体の医療を実現するかという問題は、世界的に重視されるようになっている。医師や患者、行政機関などが一緒になって議論を進めたい」と話している。


  1. 2014/07/21(月) 05:51:03|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月13日 

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/550939.html
夢は医師、手術模擬体験 札幌の病院で中学生、緊張しながらメス
(07/13 16:00) 北海道新聞

 医師の仕事を模擬体験を通して知る「ブラック・ジャックセミナー」が12日、札幌市手稲区の手稲渓仁会病院で行われた。手稲区内の中学生28人が参加し、最先端の超音波メスなどを使って、人体に見立てた肉を切除するなどの手術体験に挑戦した。

 医療現場で外科医などの不足が課題となっている中、中学生のうちに医療職への関心を持ってもらうのが狙い。手稲区内の中学校を通じて募集した。

 手術着を身につけた中学生たちは、緊張した面持ちで手術室へ。外科医の指導を受けながら、手術台のマネキンの上に置かれた鶏肉にメスを当て、がんの患部に見立てて青色に染色された部分を取り除く処置などに取り組んだ。

 稲積中3年の池田純大(よしき)君(15)は「弟が小さいころに長期間入院したことがあり、そのとき以来、医師の姿にあこがれてきた。将来は小児科医になりたいので、わくわくしました」と話していた。(細川伸哉)



http://www.zaikei.co.jp/article/20140713/204010.html
“念のため受診”や“はしご受診”を防げ 厚労省で議論始まる
2014年7月13日 10:52 財経新聞

 “念のため受診”や“はしご受診”を防止するために、紹介状がない患者が大病院を受診する際の初診料・再診料を設定するための議論が厚生労働省で始まった。軽症患者が不必要に大病院を受診することで、無駄な医療費がかさみ国民の税負担がますます増えたり、医師の負担が増加することで日本の医療システムそのものが崩壊の危機にさらされることを回避することが目的だ。

 日本では医療のフリーアクセスが重視されており、患者は自分の意志で受診する病院を選ぶことができる。しかし本来ならば、体調不良を感じたなら、まずは自分の日頃の体調を知ってくれている“かかりつけ医“を受診し、その上で、かかりつけ医が必要と判断したならば、紹介状を書いてもらい、大病院を受診するのが効率的だ。紹介状をもらうことで同じ検査をする手間を省いたり、必要がないのに大病院を受診して、何時間も待合室で待ちぼうけということもなくなるだろう。

 現在でも200床以上の大病院を紹介状なしに受診する場合、病院が独自に追加の初診料や再診料を設定し、患者に請求することは可能だ。しかしこの仕組みを活用して患者から初診料の追加負担を徴収している病院は1204施設に留まり、200床以上の病院数からみれば半数弱に過ぎない。

 患者からすれば、近隣のクリニックを受診するのも少し足をのばして大病院を受診するのも、費用面からみて大差ないため、安易な“念のため受診”や“はしご受診”が増加する。

 東京都が2012年に行った調査によれば、紹介状がなく同じ症状で複数の医療機関にかかったことのある、いわゆる“はしご受診”の経験者は27%、経験したことがないがしようと思った人(4%)も含めると、3割が自身の判断ではしご受診している。

 その理由は、「症状が改善しない、または治らなかった」が最多で56%だが、「念のため、他の医療機関も受診した」30.7%、「診断や治療に納得いかなかった」29.7%と、念のため受診も多いことがわかる。

 例えば風邪や肩こり、腰痛といった軽微な症状で安易に大病院を受診する人が増えることは、大きな弊害につながる。今年5月には九州大学の飯原弘二氏らの研究チームが脳卒中専門医の4割が長時間労働などによって“燃え尽き症候群“となっており、深刻な医療事故につながる危険があることを警告しているが、勤務医の過労問題は日本の大病院のどの診療科でも同様だ。

 大病院に軽症患者が集中すれば、本当に重症な患者が必要な治療を受けられない可能性が出てくる。そもそも医師の疲弊が度を超えれば、日本の医療そのものが危うくすらなりうる。

 軽症者の大病院受診、不要な救急車のコール、安易な休日夜間の受診――これらはすべて、我が国の医療制度を崩壊の危機に誘い込む。救急車は別として、夜間の受診は国の定めによって上乗せ料金が発生していることを、患者は知っているのだろうか。今回の議論で初診料が設定されることになったなら、まずはそのことを十分に患者に周知することが重要だろう。(編集担当:横井楓)



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140713/k10015975511000.html
病院内の携帯電話使用 指針見直しへ
7月13日 13時09分 NHK ニュース

病院内の携帯電話使用 指針見直しへ
携帯電話の電波の影響を調べている総務省や携帯電話会社などの協議会は、現在、原則禁止している病院内での携帯電話の使用を、場所によっては認めるとする指針の見直し案をまとめました。

総務省や携帯電話会社などで作る協議会では、病院内で携帯電話を使用すると電波が人工呼吸器や輸液ポンプといった医療用の機器の誤作動を引き起こすおそれがあるとして、原則として禁止する指針を定めています。
しかし、最近の医療用の機器は電波の影響を受けにくいものが増えてきたうえ、携帯電話が発する電波も以前より弱くなっていることから、多くの病院では携帯電話の使用を認め始めています。
このため協議会では、病院内での携帯電話の使用に関する指針を見直すことにし、素案を公表しました。
この案では、病院の食堂や待合室といった共用スペースでは、医療機器を使用している患者から1メートル程度離れれば携帯電話の使用を認めるとしています。
また病室では、周囲に患者が居ない場合通話を可能とし、患者が居てもメールのやり取りを認めることにしています。
一方、手術室や検査室などでは使用を禁止し、従来どおり電源を切るよう求めています。
協議会ではこの案をホームページ上に公開して広く意見を受け付けたうえで、早ければ来月中にも指針として取りまとめ、全国の医療機関に周知したいとしています。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071302000133.html
産学癒着 根深い病 ノバルティス社事件
2014年7月13日 朝刊 東京新聞

 降圧剤ディオバンをめぐる臨床研究のデータ改ざん事件で、薬事法違反罪(誇大広告)で元社員とともに起訴された製薬会社ノバルティスファーマは、薬事業界に影響力のある日本高血圧学会の役員らに多額の講演料などを提供し、役員らも期待に応えるようにディオバンのPRを繰り返した。その後、東京地検特捜部の捜査で効能が偽りだったことが判明。産学もたれあいの構図の下、安易にノ社の販売戦略に加担した学会の責任が問われている。 (中山岳、加藤益丈)
 「教授十五万円、准教授十万円、講師七万円と、社内でランク付けしていた」。ノ社の営業担当だった元社員は、医師を集めて開くディオバンに関する講演会で、講師役を務める日本高血圧学会員らに支払っていた謝礼の相場を明かす。
 ノ社は二〇〇〇年にディオバンの販売を開始。〇七年以降、五大学が相次いで効能に関する論文を発表した。講演会はホテルなどで開かれ、「ディオバンには降圧効果だけでなく、脳卒中を抑える効果がある」とした京都府立医大や東京慈恵医大などの論文の意義を、学会役員らが説明した。元社員は「ディオバンは良いと言ってくれる先生には、講演を三十~四十回頼んだ」と振り返る。
 別大学の研究者が一二年、東京慈恵医大の論文に疑問を投げかける論文を発表した際は、ノ社が医療専門誌に出した座談会形式の反論広告に学会員計四人が登場。「疑念は払拭(ふっしょく)された」などとノ社を援護する議論を展開した。
 本紙が入手した資料によると、座談会で司会を務めた学会役員の大学研究室には〇七~一一年度、ノ社を含めディオバンと同種類の降圧剤「ARB」を製造する製薬会社計七社から、総額約一億七千万円の寄付があり、うち三千万円余りがノ社だった。大学と学会事務局は取材に対し、いずれも捜査中であることを理由に「コメントは控える」と回答した。
 学会に所属するある研究者は「製薬会社に都合の良い研究や発言をする先生にはお金が集まる」と批判している。
 今月一日、誇大広告の罪で起訴、再逮捕されたノ社の元社員白橋伸雄容疑者(63)は、京都府立医大の臨床研究でデータ改ざんをした疑いが持たれている。東京地検特捜部が同大の論文通りの効能があるかカルテから解析し直したところ、脳卒中の抑制効果は確認できなかった。白橋容疑者は東京慈恵医大の臨床研究にも参加しており、大学側はデータが改ざんされた可能性を認めている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49247/Default.aspx
協和キリン ネスプ臨床研究問題で社外調査委「公競規違反の可能性強い」 営業本部長辞任へ
公開日時 2014/07/14 03:52 ミクスOnline

協和発酵キリンは7月11日、腎性貧血治療薬・ネスプ(一般名:ダルベポエチンアルファ)の医師主導臨床研究をめぐり、同社MRらの不適切な関与が指摘された問題で、労務提供や奨学寄附金の提供について「公正競争規約(公競規)第3条に違反する景品類の提供にあたる疑いが強い」とした社外調査委員会の最終報告をホームページ上で発表した。一方で、薬事法や個人情報保護法違反はなかったとした。この問題をめぐり、問題を認識しながらも約7か月間営業本部以外の経営陣と情報共有しなかったことが指摘された取締役常務執行役員の西野文博営業本部長が7月31日付で辞任するほか、研究にかかわった7名の社員が処分を受けた。

研究は、徳洲会札幌東徳洲会病院で、血液浄化センター長兼腎臓内科部長が実施した「維持血液透析患者における持続型赤血球造血刺激因子製剤(ESA)による腎性貧血改善効果とhepcidin isoformに関する臨床的検討」。同研究については、被験者数などのプロトコル違反が明るみとなり、同院が緊急専門倫理委員会を設置し、調査する中で、協和発酵キリンの同研究への不適切な関与が判明した。調査では、院内倫理委員会(IRB)で臨床研究実施の承認が下りる前に患者の同意取得、検体採取がなされていたことも明らかになっている。

調査は、担当MR、学術担当、札幌支店腎専任営業所長、札幌支店長、札幌支店渉外倫理室マネージャー、本社渉外倫理室長、営業本部営業統括部長、取締役・営業本部長など10名のメール記録などを調査したほか、代表取締役社長を含めた幹部から合計34回のヒアリングを行った。


◎販促目的の臨床研究支援 公競規違反誘発の構造的原因に

同問題が起きた背景として報告書では、①ESA市場における熾烈な競争環境と、小規模臨床研究を利用した営業戦略②社内ルールの不明確さ、建て前的運用など法令遵守体制の脆弱性③臨床研究への関与に関する社会規範の不明確性及び製薬・医療界の慣行―があったと指摘した。

医師への臨床研究の提案は、ネスプ発売当時から販促の一貫に位置づけられており、「医師の研究ニーズを刺激するような情報提供と積極的な資金的・労務的サポートを通じて医師側の研究負担を軽減することにより、切り替え研究の採用を働きかけていた」とした。2014年初頭に策定された販売戦略でも学会での1000症例程度の切替え研究の発表が目標とされ、14年4月時点で進行中の74件の臨床研究のうち、「切替えを促進する内容が相当数あった」。

報告書では、こうした販促目的での臨床研究支援が「本質において処方誘因性を強く帯びていることから、公競規違反を誘発する構造的な危険性があると指摘せざるを得ない」とした。

公競規に抵触する可能性としては、労務提供と奨学寄附金の提供について言及。労務提供については、▽MRがプロトコルの主要部分を作成、データの整理・集約をサポートした▽学術担当がデータ解析の一部を担っていた――ことから、「組織的かつ継続的な労務提供が行われていた実態が見受けられる」と指摘。さらに医師がパソコンを扱えず、MRが頻繁に資料作成を行っていることや、これら業務について研究開始当初から労務提供が想定されていたことなどから、「軽微な労務提供であったと見るのは相当ではない」とした。

奨学寄附金については、同院付属臨床研究センターに2012年12月に50万円が提供されているが、使途をMRと医師の間で事前に取り決め、臨床研究センターも把握していたことなどから、「実質的には医師の自主研究に対し、その費用を賄うものとして提供された」と指摘。同研究が薬剤の切り替えを前提とされたネスプの販促手段であったことや、医師に処方の決定権があったことなどから、「従前のESAがネスプに切り替えられる可能性が相当高かったと認められる」とした。

医師側にとってもこれらの資金的・労務的支援を当初から期待していた可能性が高く、「これらの存在がネスプへの切り替えを前提とする臨床研究の実施に当たって重要な判断材料となった可能性が高い」とした。その上で、「製薬企業の業界における“正常な商習慣に照らして適当と認められる範囲”を超えたものと評価すべきと考えられ、公競規第3条に違反する景品類の提供にあたる疑いが強い」とした。なお、同社は、公取協に7月10日にこの報告を行っている。

報告書では、これらの労務提供などの問題について、同社社内ルールに定められた建て前と実態に大きなかい離があったことも指摘した。社内ルールでは、奨学寄附金の使途を限定する“紐付き寄付金”の禁止やデータ解析が禁止されていた一方で、「営業現場では一定の労務提供は書面などの正式な記録に残さない形で事実上容認されていた」とした。実際、問題となったMRは「“軽微なものは他のMRもやっている”、“みんなやっているから問題とならないだろう”という安易な横並び意識に加え、“(ルール遵守よりも)上手くやれ”という社内の雰囲気があったと述べている」。


◎薬事法、個人情報保護法違反は認められず

薬事法の誇大広告については、①合計30症例117検体のヘプシジン値等の測定が行われたが、いずれも完遂されなかった②担当MRや学術担当が取得・解析したデータが改ざんした事実や改ざんを疑わせる事実が認められなかった―とした。その上で、論文の公表や広告資材等にも利用されなかったことなどから薬事法違反には当たらないとした。副作用の報告義務については、研究中に重篤な有害事象は11例21件認められたが、MRは病院側から連絡を受けておらず、認識もしていなかったと供述していることなどから、「有害事象を認識していたとはいえず、薬事法上の報告義務を負っていたとは認められない」とした。

MRが患者氏名、IDが記載された資料を入手していたことから、個人情報保護法違反も懸念されたが、MR自らは患者を特定できない形での測定結果を受領する予定だったことなどから、17条に規定された“偽りその他の不正の手段”には該当せず、違反しないとした。ただし、MRと学術担当が情報共有していた実態を問題視。「道義的非難のレベルは相当厳しくあってしかるべき」とした。一方で、MRに患者の同意を得ずに情報提供を行った医師については、個人情報保護法違反に該当することも明記された。


◎西野営業本部長 取引先との悪化懸念で社内情報共有せず

同問題では、西野営業本部長ら経営陣の責任も問われた。調査報告では、西野営業本部長が2013年8月から14年4月までの約7か月間、営業本部以外の経営陣に情報共有せず、対応の遅れを招いたことが問題視された。西野営業本部長は、13年8月に病院側が共同臨床研究について調査を開始、9月中旬に外部機関による監査が開始されることを認識。さらに、遅くとも同年12月20日以降は厚労省に同問題が報告される可能性があることを認識していた。同氏は、この問題を社内共有化し、病院側よりも先に厚労省へ問題を報告することで病院側に迷惑がかかり、結果として取引先である同院との関係が悪化することを懸念。事態の推移を見守る受け身の対応をとったとした。

ただ、事態が問題視された13年後半から14年4月は医師主導臨床研究が社会問題化していた時期であったことから、「過渡期にある業界の危機意識が十分社内に浸透していたとはいえず、結果として会社としての対応の遅れの一因になったものと認められる」と指摘した。その上で、社内の情報共有を怠った西野営業本部長の対応は「適切性を欠いたものといわざるを得ない」とした。

西野営業本部長は同社が問題を把握し、対策本部を立ち上げた4月下旬に辞意を表明しており、一身上の都合により退職する。


◎プロモーション活動の在り方見直しへ

同社は、この問題を踏まえ、▽奨学寄附金の管理体制の整備、▽コンプライアンス遵守を監視する渉外倫理室を社長直轄の体制とする、▽MR活動を文献紹介による情報提供とする―などの対策をすでに実施。今後は、▽透明性の高い奨学寄附金の審査プロセスの構築、▽社内ルールの見直し・周知徹底、▽渉外倫理室、CSR推進部によるチェック機構を医師主導臨床研究だけでなく原稿執筆料や講演料まで拡大・強化、管理体制の整備、▽マーケティング部門も含めたプロモーション活動の見直し――を行うとしており、8月に予定される取締役会で付議される予定という。



http://biz-journal.jp/2014/07/post_5390.html
室井一辰『気になる医療の“裏”話』(7月14日)
「無駄な医療撲滅運動」の衝撃 医療費抑制も期待、現在の医療行為を否定する内容も

文=室井一辰/医療ジャーナリスト
Business Journal 2014.07.14

 筆者は6月、『絶対に受けたくない無駄な医療』(日経BP社)という書籍を上梓した。2014年現在でも進行中の、米国の医学界による「無駄な医療撲滅キャンペーン」の動きを、日本で初めてまとめた。その内容は本書出版まではほとんど日本では知られていなかったが、日本にとっても無視できない動きだと考えている。米国流を礼賛する意図はないが、米国の“良いとこどり”は賢明な選択だ。
 6月にスタートした出版連動連載の記事『米国医学会が出した「衝撃のリスト」』(日経ビジネスオンライン)が同サイト週間アクセス数トップとなり、人々の医療への関心の高さををあらためて認識する一方、フェイスブックのシェアが10日間で1万7000件まで広がり、ネット上での記事拡散範囲も医療界から学界、行政、経済界など幅広く、関心の幅の広さも興味深い。
 そこで今回は、米国で始まった無駄な医療撲滅運動をめぐる裏話を紹介しつつ、手加減のない米国流キャンペーンの背景に何があるのかを探ってみたい。日本の医療政策、医療事業を考える上でも参考になるはずだ。

●「無駄な医療」をおよそ250項目列挙
 前出の「衝撃のリスト」が強い関心を集めた理由は、世界的地位のある米国医学会が無駄な医療を認定しているため、信憑性を伴っているからだ。世界の医師が模範とする医学会が団結して公表しているという点が重要だ。米国の医師約60万人のうち8割に当たる約50万人が、所属学会を通してこの「無駄な医療撲滅運動」に参加している。この運動は、「Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー)」と呼ばれており、興味深い動きであるにもかかわらず、日本でほとんど知られていなかったのは、英語や専門性の壁のほかに、日本で公然と行われている医療行為を無駄だと示している事例もあるため、進んで紹介しようという人がおらず、既得権の壁のようなものもあったのではないか。
 
 米国内科専門医認定機構財団(ABIM財団)という非営利組織が中心となり、米国に複数存在する医学会に呼びかけ、無駄な医療を挙げている。13年の段階で参加する医学会は71団体を数え、50学会が約250項目を挙げるところまで拡大した。その内容はインターネット上で無料で全項目公開している点が重要だ。誰もが簡単に無駄な医療の中身を見られるようになっている。
 「ピルをもらうのに膣内診は不要」
 「じんましんができても検査をするな」
 「中耳炎で抗菌薬を飲むな」
 「超高齢者にコレステロールは無用だから使うな」
など、日本では一般的に行われているような医療行為についても、不要だと認定されているものもある。
 筆者がこの米国医学会の動きを知ったのは、13年夏頃、米国不整脈学会が無駄な医療を数え上げていることを知ったのがきっかけだったが、当初は「衝撃のリスト」の持つ価値に気づかなかった。日本にとっても実はかなりのインパクトのある内容を、淡々と落ち着いた文面で発表していたためだ。例えば、前出の「超高齢者にコレステロールを使うな」「じんましんで検査するな」というような内容は、日本で多くの医療機関が手掛けている医療行為を否定する内容になる。そのため、その内容の重要さに時間をかけて気が付き、日本では間違いなく賛否を呼ぶ内容だと想像できたので、和訳して世に問うてみようと思ったのが冒頭の自著出版のきっかけとなった。

●日本の医療界にとっても有益
「衝撃のリスト」が良いのは手加減がないところだ。日本でも患者向けに医療行為を説明するものはあるが、わかりやすく解説しようとするあまり、内容が平易すぎて専門性の低い内容に陥りがちだ。病気の当事者に近づけば近づくほど、細部を知りたくなるものだ。「衝撃のリスト」を見ていくと、前述のような比較的、理解しやすい項目だけではなく、次のように専門性の高い項目も並んでいる。
 「コルポスコピーは、子宮頸がんの経験がある場合も安易にしない」
 「糖尿病では、スライディングスケール法を用いて血糖値を管理しない」 
 「抗核抗体の関連検査は安易にしない」
 「ぜんそくの診断ではスパイロメトリーを使って」
 「アレルギー検査に非特異的IgE検査、IgG検査は避ける」
 「『いきなり手術』はご法度」
 これらはすべて病気の当事者にとっては切実な問題になっており、無駄な医療行為の項目はまだまだ拡大中である。
繰り返しになるが、米国の「衝撃のリスト」は、日本の患者にとっては診断、治療、予防の選択肢を考える上で非常に役に立つ。さらに、健康保険関係の団体などにとっても、保険料をかける価値のある医療を検討したり、国や地方自治体が医療政策を考える上でも重要になってくる。
 
●背景に医療費高騰という問題
 では、米国医療界はどのような動機で、このようなリストを作成・発表しているのだろうか。
 まず、大きなきっかけとなったのがオバマケアだ。従来、米国では約5000万人もの無保険者がおり、医療機関での診療を容易に受けられない状態にあった。オバマケアは、こうした状況を大きく転換して、日本のような国民皆保険を実現しようとする動きだ。しかしこれは、低所得層の医療利用が進む半面で、日本をはるかにしのぐ総額約300兆円に医療費が増大する可能性があるため、米国は医療費の抑制にも動く必要に迫られている。医療提供者にしてみれば、医療費抑制の動きの中で、本当に必要な医療行為にまでカネが回ってこなくなるのは避けたい。そこで、無駄な医療行為に流れるカネの流れを断ち、必要な医療行為にカネを回しやすくする環境をつくりたいという意図があると考えられる。
 このほかには、米国で進行する「self-referral(セルフリファラル)」という問題への批判に応えようとする意図があると思われる。「医療界が自分だけの尺度で医療行為の意義を判断して実施するのはまかりならない」という批判だ。ある検査を行う際、医療を施す側のみの判断で検査を増やすと、本来は無意味な検査が実施され、「やりすぎ」になる恐れがある。米国では、医療界に対して、医療界の外の尺度も踏まえて、医療行為の価値を判断するように求める動きが広がっているのだ。これにより、米国の医療界には自らが推進しようとする医療行為について「なぜ必要なのか」を説明する責任が生じるようになっている。
 以上みてきた動きは、日本の医療界にとっても決して無関係ではない。米国同様に日本の医療界の内側からも、無駄な医療撲滅運動が出てくる素地はある。ちなみに、すでに欧州など米国外にも同様の動きが広がっており、日本国内の今後の動きが注目される。
(文=室井一辰/医療ジャーナリスト)

Choosing Wisely www.choosingwisely.org/



http://diamond.jp/articles/-/56030
「何のために働くのか」を
毎日、実感できる職場が目指す夢とは?

――祐ホームクリニック 武藤真祐氏(後編)
ダイヤモンド オンライン 2014年7月14日

高齢化が進む中、病院や介護施設ではなく「自宅で最期を迎えたい」と考える人が増えている。そのために不可欠なのが、在宅医療。往診してくれる医師や看護師、ケアマネジャーが連携し、24時間365日、相談できる体制をつくること。これを実現するため、東京と宮城県・石巻で在宅医療を手がける医師の物語。一見、相矛盾する要素を兼ね備え、圧倒的な価値を生み出す“バリュークリエイター”の実像と戦略思考に迫る連載第4回後編。

※この記事は、GLOBIS.JP掲載「大学病院、戦略コンサルタントを経て、高齢者の笑顔を選んだ医師 後編―武藤真祐氏(バリュークリエイターたちの戦略論)」の転載です。

エリート医師は、戦略コンサルタントを経てなぜ、激務の在宅医療を選んだのか? ――祐ホームクリニック 武藤真祐氏(前編)を読む

 すでに高齢化社会となった日本で、ニーズが高まる在宅医療。住み慣れた家で家族と一緒に暮らしながら、信頼できる医師や看護師にみてもらいたい。高齢の患者が持つ「当たり前の希望」をかなえるべく、4年前、東京に「祐ホームクリニック」を開設し地域で在宅医療を始めた武藤真祐(むとうしんすけ)。3年前、震災被害に遭った宮城県石巻市にも在宅医療の拠点を作った。

 患者や家族のことを第一に考える――。医療従事者なら誰もが考える理想を事業として実現し、日々の業務として実行していく。これを可能にしたのは武藤が言う「大変なことをやってくれる周りの人たち」。「僕も調整や働きかけはしますが、主体的に動いて不可能と思われることも実現してしまう」。一例は、事務局長の園田愛だ。

驚異的な実行力で支える
右腕の存在


 2011年9月、在宅療養を支援するための診療所、祐ホームクリニック石巻が開設した。東京で培った在宅医療のノウハウを生かして医療を提供している。震災から半年弱経っても、高齢化が進んだ土地には、孤立し、必要最低限の生活も難しい中、じっと耐える人々がいた。彼・彼女達を助けたい。その一心で先頭に立って動いたのが、園田だった。全く土地勘のない中で、準備期間に通常1年かかると言われる中2ヶ月で、建物を立て、スタッフを集め、行政と交渉し、地域と深く関わりながら診療所の立ち上げにこぎつけた。

 行動力、実行力、「お年寄りは、もっと優しくされていい」と願う情熱を兼ね備えた園田は、自身が社会起業家として一国一城の主になってもおかしくない。大学では経営学を専攻し、卒業論文では高齢化社会を扱った。就職先は医療関連のコンサルティング会社。そんな園田が武藤と深く関わったのは、2007年。武藤と構想して立ち上げたNPOヘルスケアリーダーシップ研究会の活動を通じてのことだった。2年後の2009年夏「会社を辞めて独立しようと思っている」と打ち明けた園田に、武藤は笑顔で言った。「いいね。僕が最初のクライアントになるよ」。じっくり話をするうちに、園田は「自分が考えていたのは武藤さんの構想の一部分だと気づき、武藤さんの事業を手伝うことにしました」。

何のために働くのか、毎日、実感できる

 その時から5年弱。今も一緒に走り続ける最大の理由を、園田はシンプルな言葉で表現する。「自分たちの仕事の意義を、毎日のように感じられるからかもしれません」。例えば祐ホームクリニックは、在宅で看取りまで支援する。住み慣れた家で愛する家族に囲まれ、患者が天寿を全うすると「そのお部屋はとても満ち足りた空気で満たされます」。それは現場にいる医師・看護師・介護関係者はもちろん、クリニックでオペレーションを担当する事務スタッフにも伝わってくる。関係者全員が、自分たちが何のために努力しているのか、毎日のように感じることができる。

 患者と家族に対する提供価値を最優先すると、組織のありようも既存の医療機関とは変わってくる。例えば緊急時。患者の家族から電話を受けた事務スタッフは医師に素早く指示を出す。「先生、○○さんのところへ行ってください」。ピラミッド型の病院組織において、普通なら事務スタッフは医師に「お伺いを立てる」。でも、武藤は言う。「最前線の情報を持っている人が指示を出してくれないと、医師は動けない。遠慮なく指示してください」。


 患者第一を実践するための権限委譲は細部に渡っている。例えばクリニックのウェブサイトには「在宅医療にかかる費用」について分かりやすい説明がある。そこには例として「月2回訪問した場合」の自己負担額合計を6840円と記してある。また、「一ヶ月あたりの医療費負担は概ね12,000円程度(+介護保険分580円程度)です。 これ以上かかった場合には手続きにより返還してもらうことができます」という記載もある。在宅医療はまだ、新しい形態ゆえ、全てが保険外診療で非常に高くつくのではないか、と不安を持つ人が多いことに充分配慮した分かりやすく親切な記載だ。このように利用者の立場を考慮した文面を考えているのも、クリニックのスタッフだ。

すごいのは
「経歴がピカピカだから」ではない


「経歴がピカピカだから『武藤さんってすごいね』という方もいますが、今の武藤さんのすごさは、そこから来ているのではないのではないかと思います」と園田は言う。「仕事の一番大変な部分を厭わずに引き受けながら、自分の力を過信せず、うまく人の力を借りられることが、武藤さんのすごいところ」。クリニックを立ち上げた当初、武藤は自ら24時間365日働いて、何でも自分でやった。だから今も、やろうと思えば大抵のことはできる。今はそんな武藤を見て「私がやります」というスタッフに恵まれている。クリニックは外科、癌の専門医、精神科医、麻酔専門医など、武藤の専門である循環器内科以外の専門を持つ医師の協力で成り立っている。うまくいく理由について「(人の力を借りられるのは)根底に、他人への信頼や尊重があるから」と園田はみる。

 在宅医療の課題として挙げられる要素の多くは、異なる専門家同士の「連携」だが、祐ホームクリニックでは、その大半をクリアしている。同クリニックの医師は、以前から、自分が手術を担当した患者の自宅を訪問し、善意で様子を見に行っていた。クリニックでは、「たとえ、診療報酬の点数にはならなくても、患者さんのためになることは積極的にやっていく雰囲気」(園田)であり、患者や家族の求めに応じて、実行している。一般的に、医療は、ニーズと可能なサービスにずれが大きいとされるが、こういう話を聞いていると「規制を超えてニーズに合ったサービスが構築されていくではないか」と思えてくる。

 東京で在宅医療を始めた翌2011年5月、武藤は一般社団法人高齢者先進国モデル構想会議を作った。2カ月前に起きた東日本大震災を高齢社会の縮図と捉え、超高齢化社会の課題が被災地で一気に凝縮して現れている状況に危機感を覚え、震災の翌月、4月に被災地支援チームを編成し、支援活動を始めた。それが、石巻での在宅医療支援につながっている。

石巻には日本の未来が
凝縮されている


 石巻で在宅医療を始めた時「ここは日本の未来の縮図だ」と武藤は思った。震災により、高齢化が進むこの街で高齢者が幸せに暮らすこと。それは厳しいとか、難しいと表現されるが、武藤と一緒に働く人々からすれば「越えるべき壁のひとつ」にすぎないのだろう。

 高齢先進国モデル構想会議は、次のような目的を掲げている。

「私たちは、人の尊厳ある人生の全うを支え、豊かな老いを実現できる社会システムの構築に取り組みます。それにより、人々が希望ある未来を思い描き、安心して年を重ねることができる社会づくり、そして次世代によりよい社会を残そうとする社会潮流の創造を目指します」。

 そのために、高齢者をコミュニティで支える包括的なサービスモデルの構築を目指し、研究、啓発、広報や実証実験を行っている。

彼の夢はいつの間にか
「みんなの夢」になっている

 誰もが分かる名声がほしければ東大に残ればよかった。50歳になる頃には教授になっていただろう。お金が欲しければマッキンゼーに残ればよかった。製薬会社向けのアドバイジングで年収数千万円になっただろう。望めば偉くなることもお金持ちになることもできる稀有で高い能力を持つ武藤が選んだのは、全く別なものだった。それは「日本社会を変える」というより大きな夢であり、具体的には人生の最後を幸せに過ごせる社会だった。それは、6歳の時、野口英世に憧れて医師を志した武藤にとって、実は夢への近道に見えている。

 園田は言う。「武藤さんの夢は、いつの間にか、私たちみんなの夢になっている」。そこに見えているのは、誰にでも分かりやすい幸せだ。「誰もが人生の最後まで希望を持てる社会」「お年寄りが大事にされ、笑顔で暮らせる社会」。高齢化先進国、日本の行方を世界が見守る。武藤はその最も先端を走る。その舞台は最新鋭の実験機器を備えた研究室ではない。彼と言葉を交わすことで、笑顔を取り戻す高齢者とその家族の家を訪ねながら、文字通り走っている。


  1. 2014/07/14(月) 06:24:36|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月12日 

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140712/201407120907_22884.shtml
医学生ら訓練奮闘 岐阜大病院、大規模災害を想定
2014年07月12日09:07 岐阜新聞

 岐阜市柳戸、岐阜大学病院で11日、大規模災害への対応能力を高める多数傷病者受け入れ訓練があり、医学生が他職種と連携しながら治療の優先順位を判定するトリアージや応急処置、病棟との交渉などを繰り広げた。

◆傷病者受け入れを指揮

 災害・救急医療を学ぶ実習で、医学部医学科の4年生100人が医師役、患者役を担った。訓練には現役の看護師や事務職員、助言役の医師を含め総勢200人が参加した。

 大型バスが絡む多重の交通事故が発生したとの想定で、痛々しい傷口や流血などのメークを施した傷病者役60人が病院の玄関から次々と運ばれた。

 傷病者の中には妊婦役もおり、医学生は重傷度や緊急度に応じてグループ分け。指揮統括も医学生が担当し、無線機を使って頭や胸のコンピューター断層撮影(CT)などの検査室や収容先の病棟の空き具合を確認して対応を指示。処置の済んだ患者を搬出していった。

 トリアージエリアのリーダーを務めた4年小木曽美紀さん(22)は「事務職員の協力も得て滞りなくさばけた。全体を見渡してチームを引っ張る医師の役割の大きさがよく分かった」と収穫を語った。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=101272
基礎からわかる混合診療(2)素早く承認 実施病院拡充
(2014年7月12日 読売新聞)

Q 新制度 特徴は

 新設される「患者申出療養制度」(仮称)は、患者本人が国内では未承認の治療など、混合診療として受けたい保険外診療を医療機関に申し出ることから始まる。医師が効果が期待できると判断したうえで、治療の内容や安全性・有効性を十分説明し、患者が最終的に納得すれば、国などに承認を求める流れとなる。

 現行の「評価療養」では、混合診療を受けるためには、患者の年齢や既往症の有無などの条件を満たす必要がある。受けられる医療機関も限定されており、「患者のニーズに応えられていない」との指摘があった。

 新制度は、治療内容次第で、身近な医療機関でも混合診療を受けられる。現行では半年程度かかっていた治療の承認までの期間も、原則2~6週間と大幅に短縮する。

 新制度では、国内で前例がない先進的な治療の実施は「臨床研究中核病院」に限る。副作用の大きい抗がん剤の複数投与や、開腹して薬を投与する治療など難易度の高いものを想定している。中核病院からの申請を受けた国の専門家会議が、原則6週間で承認するかどうかを審査する。中核病院は、京大病院、慶大病院など全国15施設で、国は今後、中核病院を追加していく考えだ。

 一方、飲み薬による抗がん剤投与や、国内未承認の眼内レンズを挿入する白内障の手術など、すでに実施例があるリスクの低い治療は、その治療に詳しい医師がおり、医療環境が整っていれば、実施する医療機関は問わない。治療内容によっては、診療所も含め全国1000程度の医療機関で受けられる可能性もある。承認までの審査も、低リスクの治療を行った実績がある中核病院が行い、約2週間で結論を出すことになる。

 新制度のもと、保険外診療の治療実績が積み重なり、安全性や有効性が確認されれば、保険適用が早まることもありそうだ。
0712_20140713064915960.jpg



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140712/szk14071202150001-n1.htm
震災発生直後の即戦力へ DMAT看護師が中学生を指導 静岡
2014.7.12 02:15 産經新聞

 災害発生時に地域の中学生たちに活躍してもらおうと、藤枝市立総合病院の看護師らが9、11日の2日間、同市立藤枝中学校(同市音羽町)で担架を使った搬送方法などを3年生ら約200人に指導した。

 同校は災害発生時の避難所として指定されており、けがの治療を行う救護所の藤枝小学校までは約2キロの道のり。地震の影響で車が使えなくなった状況を想定し、人数を変えながら担架でけが人を運ぶ訓練を実施した。災害派遣医療チーム(DMAT)の一員で救急看護認定看護師の実石光歩(みつほ)さん(43)は「人数が足りないときは頭の方を支える人数を多くして」などと指導。3年6組の大井祐里さん(15)は「想像していたよりも重かった」と苦戦していた。

 同市では、昨年から「震災発生直後の即戦力」として地域の学校に通う中学生に防災教育を実施。実石さんは「日中は親が仕事などで外に出ており、体力のある中学生が地域の自助の要になる」と話していた。



http://www.chibanippo.co.jp/news/national/203258
順天堂大浦安病院 11人が集団食中毒 千葉県、職員食堂を営業停止に
2014年07月12日 13:39 千葉日報

 千葉県は11日、浦安市富岡の順天堂大学浦安病院の職員専用食堂で食事をした19~53歳の職員男女計11人が下痢や発熱などの症状を訴え、このうち4人から食中毒の原因となるサルモネラ菌が検出されたと発表した。県は同食堂の食事が原因の食中毒と断定し、13日まで3日間の営業停止処分とした。入院患者はなく、全員快方に向かっている。

 県衛生指導課によると、同病院から8日、「職員食堂で食事をした職員が体調不良を訴え、患者の便からサルモネラ菌が検出された」と市川保健所に連絡があった。同保健所が調査したところ30日に同食堂でオムライスを食べた11人が発症し、8人が医療機関を受診していたことが判明した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/232677/
スペシャル座談会◆総合診療専門医
総合診療専門医、今まさに創設へ◆Vol.1
国民・医師から尊敬される存在目指す

2014年7月11日(金) 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 この5月に、日本専門医機構が発足、専門医制度改革が本格化した。その柱は二つ。第一は、同機構が、第三者機関として専門医の評価・認定などを行うこと、第二は、総合診療専門医を19番目の基本領域の専門医として位置付けることだ(『最大の成果は「総合診療医」の創設 - 高久史麿・日本医学会会長に聞く』を参照)。高齢社会を迎え、日常遭遇する疾患や障害に対して、継続医療を全人的に提供する役割などを担う、総合診療専門医への注目度は高い。
 総合診療専門医が制度化された背景や担うべき役割、取得・更新の条件など、総合診療専門医をめぐる多岐にわたる話題について、日本専門医機構理事長の池田康夫氏、日本医師会副会長の今村聡氏、日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉氏の3人のキーパーソンに語っていただいた(2014年6月11日に座談会を実施。計5回の連載。写真:的野弘路)。

――まずそもそも今なぜ総合診療専門医が必要なのか。その辺りのお考えからお教えください。

池田 総合診療専門医を養成する必要性については、厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」でも、ほとんどの先生方が支持されていました。ただし、その医師像を明確にしないと、必要性については皆さんに理解してもらうことが難しいと思います。

 日本医師会は、地域に密着した医療を行う「かかりつけ医」という考え方をお持ちです。また大学病院などには「総合診療科」が創設されています。こうした状況がある中、厚労省の検討会でも、「総合診療専門医は、どんな医師なのか、何をやる医師なのか」を相当議論しました。

 検討会の報告書でまとめた通り、総合診療専門医の役割は、日常診療で遭遇する疾患に適切な初期対応を行うこと。また全人的な継続医療、さらには地域を診る役割も担います。ここで言う「地域」とは、過疎地に限らず、都市部にもあります。

 しかし、現状では総合診療専門医の役割を担う医師の数は少ない。「卒業したら、領域別の専門医を取得したい」という若手医師が8、9割でしょう。今の若い医師は、昔の医学博士志向に代わり、専門医志向です。医療の専門分化が進んでいることは明らかで、それは患者さんのニーズから言っても同様です。以前、ある講演をした際、患者さんに「専門医って、どんな医師だと思いますか」と聞いたところ、「スーパードクター」という答えが多かったのですが、「疾患ごと、病気ごとに専門医があったら、いいですね」との考えを持つ人も数多くいました。

 内科は臓器を超えて全人的に患者さんを診る必要があると思いますが、その内科ですら専門分化が進んでいます。「内科医でありながら、お腹を診ない」循環器専門医、あるいは「心音を聴かない」消化器専門医などが増えている状況です。

 超高齢社会を迎える日本の医療の現状を考えると、「総合的に、初期対応や全人的な医療を担うことができ、かつ地域を診ることができる医師」を、しっかりとした教育体制の下で育成し、各領域の専門医と役割分担をする体制を構築していくことが必要なのです。

丸山 今議論されている総合診療専門医は、我々の日本プライマリ・ケア連合学会が育成している家庭医療専門医に非常に近い考え方になりつつあり、池田先生がおっしゃったことは、私の考えとおおよそ一致しています。

 ただし、少し異なる点があるので、お話させていただきます。私は今の総合診療専門医をめぐる議論は、「日本のプライマリ・ケアの強化というコンテクストの入り口である」と捉えています。初期対応などができる医師として、総合診療専門医を養成するのではなく、患者中心の医療の方法論の確立が目的だと考えています。

 その背景には、人口構成、社会構造や疾病構造の変化、これらに対応するための地域包括ケアの推進など、様々な日本の喫緊の課題があります。医療が極めて高度に細分化していく中で、領域別の専門医がそれに対応し、より専門性を強化していくために、車輪の両輪のように、プライマリ・ケアの強化という意味で総合診療専門医が存在する。

 こうした仕組みを作るためには、総合診療専門医が、リスペクト(尊敬)される存在にならなければいけない。一つの専門領域として、総合診療専門医として位置づけるのは、そのためです。日本の国民に総合診療専門医の重要性を認識してもらうと同時に、医師の間でも、プライマリ・ケアの強化というコンテクストを理解してもらう必要があります。

 一方、日本の今のプライマリ・ケアは、日本医師会の会員を中心とした先生方が担っていることも忘れてはいけません。日本医師会が言う「かかりつけ医」は、「患者が選んだ」という意味で、非常に尊い言葉だと思うのです。選ばれるに足る医師像、患者が満足できる医師像を確立しなければいけない。そのためにも、総合診療専門医が、各地域でかかりつけ医の先生方とともに、「日本のプライマリ・ケアの強化というコンテクスト」という明確な方向性を共通することが必要でしょう。

――医師の間で、よく出てくる疑問ですが、既に地域で活躍されている先生方と、今後新たに養成される総合診療専門医が、両輪で取り組んでいくイメージでしょうか。

丸山 今日の今のこの瞬間に、誰が日本のプライマリ・ケアを支えているかを直視すべきということです。一方で、きちんとした教育体制を確立し、総合診療専門医を養成していくには時間がかかります。こうした現実を踏まえ、かかりつけ医と、今後新たに誕生する総合診療専門医がお互いにリスペクトして進めていく必要があります。これは、他の専門医からの総合診療専門医への移行とは、別の問題です。

池田 私は原理主義者ではないので、現実の医療に混乱を来さず、うまく回るようにしながら、新しい制度設計を考えていくことが必要だと考えています。その意味で、今回の専門医制度改革では、日本医師会が、横倉会長と今村副会長の下で、非常に協力的に議論に参加されている意義は大きいのです。それに加えて、日本医学会連合、各学会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会なども含め、「オールジャパンでやろう」という非常にいい雰囲気があり、私はそれを大事に進めていきたいと思います。

 ただ、とかく日本の場合は、現実論が主流になると、新しい制度設計の理念が、少し歪められる傾向があるので、この点だけは気をつけたいと思います。

今村 理念的なお話は、まさしく池田先生と丸山先生が言われたことだと理解しています。日本医師会副会長という立場ではなく、個人的なお話をさせていただければ、私自身、特別なキャリアパスを歩んできました。麻酔科の指導医として、大学病院で長い間働き、その後、診療所を開業し、今は患者さんから「かかりつけ医」として選ばれて、内科の診療をしている日々です。

 都市部か地方かなど、地域によって様々な医療の在り方がありますが、各分野の専門性を持った医師が地域で開業していく中で、「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」という形で、患者さんからいろいろ学びながら、広い診療能力を身につけていくケースが多いのだと思います。非常に立派な先生方がたくさんいらっしゃるのが現実です。

 ただし、その研さんは、個々の先生方に任されています。患者さんから見ると、総合的な診療能力の質がどのように担保されているのか、どのような診療をしているのかなどが、分からないという事実もあります。さらに医療の在り方は地域によって異なり、都市部では専門医の先生方が連携し合いながら診療しているケースもあります。

 このような様々な事情がある中で、地域住民を支えていくための医師の在り方が議論されたわけです。私は当初、今後の高齢社会で、様々な疾病に罹患している高齢者を総合的に診るという「総合的な診療能力」と、介護や福祉、学校保健などにも携わる「地域を診る能力」、これら両方を持っているのが、かかりつけ医だと思っていました。このうち「総合的な診療能力」を主に持つのが、総合診療専門医であるとの理解でした。

 今回の厚労省の検討会では、総合診療専門医にも、「地域を診る能力」が求められています。言葉遊びをしていても仕方がないので、それが定義、皆さんの共通理解になるのであれば、それでいいと思っています。

 ただ、その際、丸山先生も言われたように、「新たに総合診療専門医をいかに養成するか」という議論と、今、地域で診療されている先生方の研修の在り方は、別の議論をしないと混乱します。この辺りは今後の課題です。

池田 「総合的な診療能力」と「地域を診る能力」は別の能力ですが、これら二つを併せ持っている方が、現実として、どこにいるかと言えば、それは地域です。地域で活躍されて、地域医療を担っている医師は全国津々浦々にたくさんおられます。

 これらの先生方は、今創設しようとしている総合診療専門医としての医師像をある程度、既に具現しておられ、それらの先生方に触発されて、「地域で診療をやりたい」と思っている若手医師が今、増えています。総合診療専門医を基本領域の専門医として位置付けるのは、こうした若手医師のために、しっかりとしたステータス、先ほど丸山先生が言われたように、「リスペクトされる」医師とする狙いがあります。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/7/11/232727/
医療情報の標準化推進を - 残薬、重複投薬解消に効果
薬事日報 2014年7月11日(金) 配信 Doctors Community 1件

JUMPが政策提言

 日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)は9日、都内で記者会見し、医療等情報の利活用強化に向けた提言を公表した。標準化の実質的な推進やマイナンバー導入、プライバシー保護法制の確立を課題に挙げ、抜本的な改革を要求。これにより、高齢者の薬の飲み残しによる400億円程度の残薬削減や約1400万件の重複投薬適正化、約1000億円程度の新薬開発コスト削減等が見込まれると効果を試算した。

--------------------------------------------------------------------------------

 提言では、わが国の医療分野への情報機器導入は世界トップレベルにあり、医療・介護等情報の電子化が進んでいるとしながらも、「情報の利活用が極めて不十分」と指摘。それぞれのデータベースを連結するための識別子が存在しない現状では(利活用は)不可能」とし、患者へのサービス提供や創薬に生かすための電子化に向け、抜本的な改革が必要との認識を示した。

 その上で、医療機関の情報システムの更新時に適切な誘導策を取ることで、施設を超えて情報を活用できるよう標準化を実質的に推進させると共に、医療分野に適用する連携用符号を含むマイナンバーの導入、番号を名寄せできないようにするプライバシー保護法制の確立を提言した。これらの課題を解決することにより、医療安全対策や正確なニーズに対応した創薬等が実現できるとした。

 具体的には、これまで各データベースに様々な形で蓄積されてきたデータを突合し、処方箋の電子化や電子お薬手帳等を利活用することにより、75歳以上の高齢者の薬の飲み残しが改善され、年間400億円程度の残薬削減につながるとした。

 院外処方の約3%、年間約1400万件以上に相当する重複投薬による過量投与、相互作用の防止が期待できるほか、広く薬剤の使用実態や副作用の発生状況が把握できるようになることで、副作用リスクの監視や評価が高度化され、安全な処方につながるとした。

 新薬開発の成功確率の向上、治験効率化への活用も提言し、大規模データベースの活用によって年間1000億円程度の削減が見込まれるとした。

 医療トレーサビリティの確立による患者の安全・安心の確保も期待できるとし、臨床現場で「何を」「誰が」「誰に」「どうする・どうした」を照合するシステムにより、医薬品等のモノのみならず、医療従事者等のヒトも含めてデータ管理し、医薬品等の取り違えの未然防止を実現できるとした。

 医療機関、調剤薬局、製薬企業や医薬品卸においても、トレーサビリティ管理が実施されることで、医薬品の副作用が発生した場合の発見、特定、追跡が容易となり、迅速な回収や緊急対応が可能になると指摘。医療関係者等が協力し、臨床現場での処方や消耗材料の交換等を記録・保存したデータを共同利用できる「医療トレーサビリティ情報管理プラットフォーム」(仮称)の早期構築を提言した。

 同協議会の山本隆一政策提言・広報部会長(東京大学特任准教授)は、政策提言の実現に向け、「癌や認知症等の重要な疾患に関して、十分なデータを集めるために標準化すべき項目を限定することが最も大切」と道筋を示し、「比較的少ないコストで標準化できる状態を作った上で、それを実際の診療現場に導入するため、医療機関にインセンティブを与えて進める必要がある」と提言した。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/7/11/232682/
皆保険への国民理解に疑問、医学会総会プレイベント
池田宏之(m3.com編集部)
2014年7月11日(金) 配信

 2015年に京都を中心に関西で開催される第29回日本医学会総会のプレイベントとなる日本医学会特別シンポジウムが7月10日、大阪市内で開かれた。総合討論の中では、国民皆保険の重要性の国民の理解の低さが指摘され、「5年間くらい皆保険を止めてはどうかとも考える」と危機感を込めた発言のほか、フリーアクセス制限も議論すべきとの提案も出た。医療における費用対効果を検討する重要性や、安倍晋三政権が介護など社会保障サービスの担い手として期待する移民政策を疑問視する声もあった。

皆保険「空気のような存在」

 特別シンポジウムは、医療制度の現状と今後の対策について、6人が講演。国際医療福祉大学の矢崎義雄総長が内科学の立場から、大阪大学大学院医学研究科の澤芳樹教授が外科学の立場から、京都大学大学院医学研究科の湊長博氏が基礎医学の立場から、東北大学大学院医学系研究科の辻一郎教授が社会医学の立場から、元厚生労働省官僚で、政策研究大学院大学の島崎謙治教授は、政策学の立場から、NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」の山口育子理事長が患者の立場から超高齢社会を乗り越える方法などについて、それぞれ講演、その後、総合討論という形で行われた。

 総合討論で議論となった1点目は、国民皆保険についての国民側の理解不足。島崎氏は、「高福祉高負担」のイメージで知られるスウェーデンの実態を紹介。スウェーデンは、現在、グローバル化の中で、経済持続性の維持に力を入れ、減税が選挙戦の争点となっている。高齢者福祉の充実は止まり、若者の失業率が高くなり、「EU(欧州連合)の米国」と呼ばれるまでになり、「理想的」な社会保障像が崩れていて、日本における皆保険について「日本人にとって空気、水のような存在でありがたみが認識できていない」と問題を投げかけた。

 矢崎氏は、「5年間くらい皆保険を止めてはどうかとも考える」と危機感を示した上で、「医師会などでなく、国民から皆保険の重要性を訴えるようにしてもらいたい」と、国民の理解の広がりに期待を示した。

 山口氏は、患者側の皆保険への理解の低さに同調。医療機関の機能分化が進む中で、患者から退院を求めると「追い出される」などとの声がある点から、「(皆保険を理解するための)必要な情報を国民が理解していない」と述べた。


日本医学会特別シンポジウムの演者からは、国民皆保険について、フリーアクセスの面などからの言及もあった。

費用対効果、「医療者委縮しないように」

 皆保険を維持するためにフリーアクセス制限の必要性を強調する声も。医学会総会の会頭を務める井村裕夫氏(先端医療振興財団理事長)は、「大学病院を受診する必要のない人が行っており、フリーアクセスをどうするかが問題」と述べた。矢崎氏は、皆保険について、「質」「アクセス」「コスト」の3つの側面がある点に触れ、日本の財政の行き詰まりから、「色々な面で、フリーアクセスを制約せざるを得なくなるのでは」との見方を示した。

 皆保険維持に向けて、医療の在り方の変革を求める意見として、山口氏は、患者や家族が、医師以外の医療資格への理解が不十分な現状を紹介し、他の医療資格による対応で、患者や家族の満足度が上がる可能性を示唆。総会副会頭の平野俊夫氏(大阪大学総長)は、超高齢社会の中で、疾病を抱えながら生きる患者が増える点を踏まえ、「患者も(完治でなく)疾病で付き合うように、意識を切り替えてほしい」とした。

 医療のコストをめぐる意見も多かった。医療の高度化に伴う、医療費の増大については、澤氏は、患者を救うために「移植」「人工心臓」「再生医療」などの選択肢を残す重要性を指摘した上で、臨床試験などを重ねながら、効果などを検証していく考えを示した。

 井村氏は、再生医療などコストの高い医療技術については、「コストダウンの道などを探りながら、費用対効果を考えて行かないといけない」と指摘。辻氏は、費用対効果の必要性を認めながらも「(コストダウン圧力による)医療者の委縮が怖い」として、医療現場で必要な医療が実施されない事態を招かないように配慮するように求めた。矢崎氏は、日本の医療品や医薬品における貿易で、輸入超過が拡大し続けている点について「差を縮めないといけない」として、貿易赤字の縮小で、海外依存を弱める必要性を強調した。

移民推進政策に警鐘

 その他、社会保障政策全般についての意見も出た。島崎氏は、介護の担い手などを期待して、安倍政権が進める移民の受け入れ政策について、一定の必要性を認めたものの、移民が賃金などのインセンティブで移住先を選んでいる点を指摘し「外国人は日本の都合で来るわけではない。外国人に頼りきる政策は適切でない」と警鐘を鳴らした。

 辻氏は、身よりのないニートや介護を原因とした離職者の増加によって、将来的に日本の社会保障が行き詰まる可能性を指摘して「(彼らを支援する)インフラを整備すれば成長できるようになる」と述べた。

 辻氏は、デンマークの公衆衛生の研究チームの実態も紹介した。全員が10時から16時までの勤務で、Lancet誌やNew England Journal of Medicine誌などのトップジャーナルに毎年論文が掲載できる理由について、癌や処方についての国レベルのデータベースが完璧に構築されている点に触れ、「日本の疫学研究は基盤がなくデータをゼロから集めるなどして、うまくいかない。生産性を高める情報インフラも考えないといけない」と述べた。


  1. 2014/07/13(日) 06:50:03|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月9日 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/232104/
降圧剤論文問題と研究不正
商業的資金提供ゼロの方針、ノバルティス社
研究者とは契約締結、世界共通指針

2014年7月9日(水) 池田宏之(m3.com編集部)

 スイス・ノバルティスファーマ社は7月8日、世界共通で適用する医師主導臨床研究の新たなガイドラインを公表した(資料は、ノバルティス社のホームページに掲載)。新しいガイドラインでは、資金提供を実施する際の透明性確保を強調した上で、医師主導臨床研究に対して、商業的な資金提供や影響を一切認めない方針を打ち出している。研究結果などを公表する研究者との間には、契約を締結する。

 日本のノバルティスファーマ社の降圧剤「ディオバン」の医師主導臨床研究に関連して、ノバルティス社の元社員がデータを改ざんした薬事法違反の容疑で逮捕される事態になったことなどへの対応とみられる。

 新ガイドラインでは、医学研究の重要性を認めた上で、倫理やガバナンス、透明性の確保をうたっている。その上で、「医師主導臨床研究のいかなる側面でも、商標的な資金提供、関与、影響を認めない」方針を打ち出している。商業から離れて資金や薬剤を提供する場合は、「明文化された合意」に基づき、研究者に提供するとされている。

 スイス・ノバルティス社のデビッド・エプスタイン社長は、独立した医師主導臨床研究が新薬開発や未知の医学的なニーズの発見につながる重要性を強調した上で、「新しいガイドラインは、(医師主導臨床研究の結果が)患者に本当の違いをもたらすことにつながる」とコメントしている。



http://www.asahi.com/articles/ASG794D9XG79PTIL01G.html
診療報酬詐取容疑で医師逮捕 生活保護受給者の名前使う
2014年7月9日15時19分 朝日新聞デジタル

 生活保護受給者を診察したと偽って診療報酬をだまし取ったとして、大阪府警は9日、医師の小松明寿(あきとし)容疑者(60)=兵庫県篠山市=を詐欺容疑で逮捕した。

 捜査2課によると、小松容疑者は、かつて大阪市西成区で診療所とクリニックを運営。クリニックで診察した生活保護受給者を、診療所でも診察したように偽ったという。逮捕容疑は2011年4~5月、うその診療報酬明細書を提出し、13万円をだまし取ったというもの。府警は、不正に受給した診療報酬は3400万円にのぼるとみている。



http://www.minpo.jp/news/detail/2014070916758
総合医育成に期待 来春開設「白河アカデミー」
( 2014/07/09 08:38 カテゴリー:主要 )福島民報

 福島医大が、JA福島厚生連の寄付を受けて白河市のJA福島厚生連白河厚生総合病院に来年4月に開設する寄付講座「白河総合診療アカデミー」は、複数の診療科目に幅広く対応する「総合診療医」の育成を通じ、県民の健康寿命の延伸を目指す。関係者が8日、県庁で記者会見し、講座の概要を発表した。
 講座の研究テーマは「総合診療領域の臨床研究」と「地域住民の疾病発生予防や健康寿命の延伸に資する研究」。診断能力が高い総合診療医が、病気の予防から発症、みとりまで継続的に患者と関わることで、日常的に介護を必要としない「健康寿命」を伸ばす。さらに、本県での研究成果を高齢化社会が進む日本全体で役立てる。
 初年度は後期研修医2人を受け入れる。講座主任の福原俊一福島医大副学長をはじめ、総合診療医としての経験豊富な全5人の教員が研修医の指導に当たる。医師にとって魅力的な研修プログラムを構築し、本県への医師確保につなげる。福島医大臨床研究イノベーションセンターや京都大、米国のジョンホプキンス大学院、ハーバード医大と連携し、指導医自身のスキルアップも図る。
 会見で福島医大の福島哲仁理事兼副学長は「医師の定着率の増加や地域医療の充実に貢献していきたい」と抱負を語った。福原副学長と永瀬隆雄JA福島厚生連理事長、前原和平白河厚生総合病院長が同席した。
 県南地区の人口10万人当たりの医師数は132人で、全国平均の226人の約6割。県内では相双、南会津地区に次いで少ない。



http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/550296.html
病院運営めぐる町、町議会との対立が背景に 
士幌町国保病院長の懲戒免職

(07/10 08:40)北海道新聞

【士幌】町が6月下旬、同町国保病院の当時の男性院長(61)を、女性職員に対するセクハラや外部へ文書を独断で出した行為が地方公務員法違反として懲戒免職にした問題は、長年赤字が続く病院運営のあり方をめぐり、元院長と町、町議会が対立したことが背景にある。元院長は処分に納得しておらず、行政不服審査法に基づき町に審査請求をする方針。問題の決着には、なお時間がかかりそうだ。

 国保病院は赤字経営が続き、過去8年は毎年度3億円以上を一般会計から繰り入れている。町は収支改善などを図る目的で2013年夏に「医療・保健・福祉に関するアンケート」を実施。国保病院のサービス、課題などを聞き取り、町民457人から回答を得た。

 サービスは「もう少し改善が必要」が38%で最も多く「まあまあ」23%、「おおむね評価する」15%と続いた。課題では「待ち時間が長い」34%、「医師の対応が悪い」16%などだった。アンケートと前後して町議会産業厚生常任委員会も病院を調査した。

 対立が表面化したのは、3月の町議会予算審査特別委。議事録によると、町議が「アンケートで待ち時間が長いと指摘されている」とただしたのに対し、元院長は「(病院で)何度か調べたが、待ち時間が長い事実はない」と反論。別の議員は「院長の認識がないことが(町民の)病院への不信感を抱かせている」と指摘するなど、激しいやりとりは約2時間に及んだ。

 この後、町は水面下で元院長に《1》13年6月と14年1月の議会産業厚生常任委の調査要求を拒否した上、議事運営を誹謗(ひぼう)中傷する文書を委員長や議長に送付《2》14年3月、送別会で女性職員に、チークダンスを強いてほおにキスするセクシュアルハラスメントを行った―などとして、辞職を促した。元院長が拒否したため6月23日、懲戒解雇した。

 小林康雄町長は「これらの行為は地方公務員法(職務上の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止)に違反する」と強調。セクハラ行為に関しては人事院の懲戒処分指針に従い、「管理監督など職責が重く公務に影響が大きい場合は『停職や減給』より重い処分に当たる」と判断したという。

 これに対し、元院長は代理人を通じ「常任委の調査自体を拒否したのではない。目的と内容が不明瞭なため、事前に質問内容の説明を求めたもので誹謗中傷には当たらない」と反論する。セクハラについては、キスの事実を認めた上で「女性に不快な思いをさせる言動はない」と主張。「懲戒免職は元院長の排除という恣意(しい)的な目的による違法な処分だ」と対決姿勢を鮮明にしている。(山本孝人、加藤千茜)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/226856/?category=special
ESSやバレーボール、「アクティブ」な日々◆Vol.1
医学生から初期研修医時代まで

2014年7月10日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 医局の弱体化、臨床研修マッチングの導入、さらには若手医師の意識の変化に伴い、医師のキャリアの多様化、人材の流動化が進む時代。若手医師や医学生が自らの進路を決める際の貴重なヒントになるのが、先輩医師たちの「医歴」だ。その第一陣として今夏、ご登場いただくのが40歳前後の中堅医師たち。若手医師や医学生にとっては、直接指導を受けることが多い世代でもある。
 トップバッターは、国立成育医療研究センター臨床研究教育部臨床研究教育室の室長代理を務める、永田知映氏。産婦人科医で、2人の出産・育児を経験、米国留学などを経て、この春から同センターで臨床研究の教育に従事している。計6回の連載でお届けする。

 永田氏が、「医師になりたい」と考えるようになったのは、小学校の中学年か高学年の頃だという。

 子供ですから、「小説家や政治家になりたい」などとも考えていました。最終的に決断したのは、高校生になって、理系か文系かを選択した時です。母親が胃癌で、私が6歳の時に亡くなったことがそのバックグラウンドとしてありました。


永田知映(ながたちえ)氏 2001年大分医科大学(現大分大学)卒業、九州大学産婦人科入局、2004年に東京慈恵会医科大学産婦人科に入局。米国エモリー大学留学などを経て、2014年4月から、国立成育医療研究センター臨床研究教育部臨床研究教育室の室長代理を務める。

 30年以上も前のことなので、本人には告知をせず、家族は最後まで隠し通していた。けれども、本人はうすうす気づいていて、娘である私のことを心配していたけれども、誰かに相談することはできず、十分なターミナルケアも受けず、亡くなっていった。医師になってから振り返ると、かなり進行した状態で見つかっていて、治療のしようもなくて、そのまま亡くなったという感じなのです。ただ、子ども心に、「どうなの、母の死に方は?」という思いがありました。

 高校生の時に読んだ一冊が、エリザベス・キューブラー・ロスの『死ぬ瞬間』。「そうだよ、こういうことが母には必要だったんだ」とすごく打たれるものがありました。私は理系の科目があまり得意ではなかったので、自分が研究で大発見するようなイメージはありませんでしたが、医学の考え方を変えることによって、患者さんの状況が劇的に改善するポイントがいくつかあると、高校生の頃に思ったのです。

 大学時代は、ESS (English Speaking Society) やIFMSA(国際医学生連盟)に所属し活動、夏休みになると海外に出かけるほか、微生物学教室で研究もするなど、非常にアクティブな学生生活を送った。

 私は佐賀県の出身で、隣県の大分医科大学(現大分大学)に入学しました。「あれも面白そう、これも面白そう」と思って、5つのサークルを掛け持ちしていました。結局、主に活動していたのは、もともとスポーツが好きだったのでバレーボール部、それからESSです。

 大分医大のESSは、ちょうどIFMSAの活動も始めた時期でした。医学部1年生の時に、GA(General Assembly)、つまり総会がスペインのバルセロナで開催され、「行く?」と誘われて、何をするのかがよく分からなかったけれども、行ってみた。それ以降、私はSCOPH(公衆衛生に関する委員会)の担当となり、国立国際医療研究センターの国際医療協力局の先生に講演に来ていただいたり、ワークショップを主催したり、海外でボランティアをする医学生のコーディネーターをやったりなどしていました。

 私自身、ちょっと変わった学生だったと思うのです。IFMSAの活動もあって、夏休みに入るとすぐに海外に出かけていました。バックパーカーとして旅行したり、インドのマザーテレサの「マザーハウス」に行ってボランティアしたり。ただ、学生でお金がないので、いかに安く海外に行くかが重要でした。夏休みの時期は、航空券が高くなるじゃないですか。本試験で落ち、再試験にひっかかると、夏休みに入ってしまう。勉強をしない学生でしたが、本試験でクリアできるよう、試験前だけは必死に勉強しました。一夜漬けは得意でしたから(笑)。

 5年生の時に、ギリシアのクレタ島にあるイラクリオン大学で、IFMSAのプログラムで1カ月半くらい実習をしたこともあります。外科と救急の実習をしていたのですが、交通事故がとても多かったのが記憶に残っています。現地の医師の説明では、サマーバケーションで世界各地から観光客が来て、結構アルコールを飲んだ後でも運転しており、ヘルメットを付ける習慣も定着していないということでした。交通事故自体が年々減っている日本とは状況が違った。クレタ島での経験は、公衆衛生的な視点を持つきっかけにもなりました。

 微生物学教室に1年間置いてもらって、研究生活も経験しました。4年生の時です。医学生が少人数のグループになり、基礎系の講座で研究に触れるという機会があって、その時に「本格的に研究をしてみたいです!」と直談判したのです。夕方から研究室に行って、夜中3時くらいまで研究した時期もありました。劇症化したB型肝炎ウイルスの遺伝子変異について研究していました。

 ただ、最終的には「基礎は自分に向いていないな」と思った。成果が出るまで、コツコツと研究を続ける、ものすごく大変な世界。私の場合、わずか1年間でしたが、がんばっていても、なかなか先が見えない。ただ、この時期に基礎研究を少し経験してさせてもらって、よかったと思います。

 永田氏が卒業したのは2001年3月。当時はまだ臨床研修が必修化されていなかった。九州大学産婦人科に入局、非常にハードな研修医生活を送った。

 何を専門にするかは、悩みに悩みました。「人の命に直接かかわる科に行きたい」という思いはすごくありました。最終的に産婦人科を選んだのは、社会的な側面を考慮することが大事な科であり、かつ緊急の対応が必要な場合がある。患者さんと深いコミュニケーションが取れ、人生を通した付き合いができる。いろいろな側面がある診療科だと思ったからです。

 九州大学産婦人科に入局し、1年目は北九州市立医療センターで、2年目は九州大学病院で研修しました。産婦人科で計1年、残りは外科、救急と麻酔科の研修でした。初期研修医時代は、とても忙しかったけれど、楽しかったですね。

 1年目の研修先では、月10回くらい当直をし、それ以外の日も、「1年目の研修医は、全ての分娩に立ち会う」ということで、夜中も電話で呼び出される日々。周産期母子医療センターだったので、もちろん他に当直の産婦人科医が2人いて、私が行かないと困るというわけではなく、むしろ私の勉強のために呼んでくれていたのだと思います。オペの助手も基本的には私の仕事。産婦人科では年間550件くらいオペがあったのですが、記録を見てみると、うち300件くらいのオペに私が入ってしました。

 2年目の研修先では、午前7時くらいに病院に行って、午後11時くらいまで仕事をして、それからご飯を食べに行き、午前1時くらいに戻ってきて、何か雑用をして、仮眠をして、気づいたら、朝だった……。皆がそんな生活だったので、あまり問題とは思わなかった。

 完全な主治医制で、土日曜日も病院に行くのが普通だったので、病棟を見て、午後2時ころまでは病院にいましたね。今はどうなっているかは分かりませんが、当時は、「医師は365日、24時間医師である。それを刷り込むのが、入局して研修をする第一の目的である」という状況でした。



http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20140710ddlk13040144000c.html
毎日メディアカフェ:ゆがんだ産学連携 バルサルタン臨床試験疑惑、八田記者が報告 /東京
毎日新聞 2014年07月10日 地方版〔都内版〕

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑の取材を続ける毎日新聞記者による緊急報告会が9日、千代田区一ツ橋1の毎日新聞社内「毎日メディアカフェ」で開かれた。学生や医師ら約30人が参加した。

 科学環境部の八田浩輔記者が、1年以上に及ぶ一連の取材の経緯を報告した。これまでの取材で浮かび上がった医師らと製薬会社の癒着や、報道を機に本格化した国や業界の再発防止の動きなどを説明。「背景にはゆがんだ産学連携がある。今後も似たような問題が明らかになるのではないか」と話した。

 参加者からは「薬の売り上げ目的の臨床試験が横行していることも問題だ」「(外部の力を借りずに)学界が不正を発見してきちんと対処するにはどうしたらよいのか」などの声が上がった。

 毎日新聞は昨年3月、バルサルタンの効果を調べた京都府立医大の臨床試験に販売元のノバルティスファーマの社員が関与し、ノ社から大学側に1億円以上の奨学寄付金が渡っていたことを特報。その後、複数の大学のバルサルタンの臨床試験でデータ操作されていたことが明らかになった。ノ社と同社の元社員が薬事法違反の罪で起訴される事態に発展している。

 ◇津波犠牲大川小、あすの夜報告会

 毎日メディアカフェでは11日午後6時半、報告会「大川小学校の真相解明はどこまで進んだのか〜見えてきた検証委員会の課題」を開催する。

 東日本大震災の津波で児童と教職員84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の問題を取材してきたジャーナリストの池上正樹さん、フォトジャーナリストの加藤順子さんが報告する。入場無料。申し込みはhttps://mainichimediacafe.jp/eventcal/


  1. 2014/07/10(木) 09:45:09|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月8日 

http://mainichi.jp/life/edu/news/20140708ddlk04100043000c.html
医学部新設:病床数縮小を提案 文科省に知事、学外で臨床研修も /宮城
毎日新聞 2014年07月08日 地方版

 村井嘉浩知事は7日の記者会見で、国に新設構想を申請した県立大医学部について、600床としていた大学付属病院の病床数の縮小を文部科学省に提案したことを明らかにした。代わりに、東北地方の自治体病院や民間診療所などに学生を派遣し、臨床研修などを行うとしている。

 村井知事は「これからの医学部は地域全体で学生を育てるべきだ。総合診療医を育てないといけない。600床では大赤字になる。医師も学生も(大学の)外に出れば、医師不足解消にもつながる」として、学生が地域医療の現場を訪れることの意義を強調した。

 方針変更は今月4日に行われた国のヒアリングでも説明したが、既存の医大は全て600床以上の病院を備えており、「(方針変更で)手応えは不透明になったが、県が目指す理想の姿を追求すべきだ。これは賭け。文科省が認めてくれるかどうか懐の深さを見たい」としている。

 医学部新設を巡っては当初、栗原市と東北福祉大などが計画を策定したが、福祉大側が病床数を減らす案を示したなどとして同市が難色を示し、県に医学部設置を求めた経緯がある。村井知事によると、県の縮小案は同市の佐藤勇市長も了承しているという。【金森崇之】



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=43219
病床数減も、宮城県知事「これは賭け」- 医学部新設、附属病院の計画見直し示唆
( 2014年07月08日 21:21 ) キャリアブレイン

はてなブックマークに追加
 東北地方の医学部新設で、宮城県は600床で申請していた附属病院の病床数を減らす可能性が出てきた。村井嘉浩知事が7日の記者会見で、4日に開かれた文部科学省の構想審査会で見直しの方針を説明したことを明らかにした。連携する東北の自治体病院などで臨床実習などを行うことで、附属病院の病床数を最低限に抑えつつ、県の財政負担を抑える狙いがある。村井知事は、病床数見直しの目的はあくまで学生の地域医療への関心を高めることだとした上で、「これは賭けだが、文科省の懐の深さを見てみたい」と力を込めた。【丸山紀一朗】

 5月30日に同省に提出した申請書で県は、宮城大医学部医学科(仮称)の附属病院として、県北部の栗原市立栗原中央病院(300床)の委譲を受けるほか、同市内にある県立循環器・呼吸器病センター(150床)を再編統合し、二次医療圏の病床残と合わせて600床を確保するとしていた。入学定員60人、収容定員360人。同省は構想の応募要領で、参考基準として、入学定員60人までであれば附属病院の病床数は600床が必要としていた。

 村井知事は7日の会見で、病床数減を考えた経緯について、同省への申請後に宮城大の関係者などと議論し、地域医療を担う総合診療医を育成するには、これまでの医学部のように一つのキャンパスに各診療科の専門医を集めて行うのは難しいと判断したと説明。実際に東北の地域医療を支えている医療機関を活用することで、新しい教育システムを構築できると考えたという。

 さらに、村井知事は、「最初からフルスペックの附属病院をつくり、学生や教員を外に出られなくするのではなく、東北という地域全体で教育する医学部をつくりたい」「もちろん1校に選定されるのが最優先だが、それに拘泥するあまり、県として目指すべき理想の姿や魂を失いたくないと考えた」と主張した。

 附属病院の具体的な病床数について、村井知事は明らかにしなかった。ただし、「文科省は60人を教育するのに600床が必要としているので、仮に(栗原中央病院の)300床を考えると、残り300床分の教育を、付近の医療機関に協力してもらえるか詰めなければならない」とも発言し、下限として300床を想定していることを示唆。その上で、近隣の医療機関との協議の結果、協力を取り付けられた病床数を差し引いた病床数で附属病院をつくりたいと、同審査会で主張していくと述べた。



http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140709_01.html
社説
医学部新設/「東北の大義」に立ち返ろう

2014年07月09日水曜日 河北新報

 東北への医学部新設に向けて、文部科学省の構想審査が始まっている。
 ふるいにかけるとなれば、名乗りを上げている3者はもちろんのこと、どうしても勝ち負けに目が向きがちだ。いま一度、なぜ東北、なぜ医学部、という大本に立ち返り、新設の意義を確かめたい。
 東北における深刻な医師不足は、もはや言わずもがなだ。東大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)は、戊辰戦争にさかのぼって原因を論じている。
 西日本の医師養成機関は、多くが藩制時代の藩校を前身として明治時代に誕生した。それとは対照的なのが会津藩だ。医学校を併設していた藩校の日新館は戊辰戦争で焼失。福島県への医学部開設は、大きく遅れて1944年の県立女子医学専門学校(現県立医大)設立まで待たねばならなかった。
 戊辰戦争の戦後処理は、高等教育機関を全国に配置する際の不平等となって現れた。これが西高東低と言われる医師偏在の源流、と上教授は主張する。
 高等教育機関のありなしは、地域の中高生の学力とも相関する。官軍、賊軍の峻別(しゅんべつ)が教育格差を生み、教育格差が人材格差、ひいては地域格差を拡大させてきた。
 高等教育機関の最上位に位置付けられる医学部の新設は、近代日本が内に抱え続けた格差に対する東北からの異議申し立てにほかならない。
 残念なのは、新医学部に東北域内からも疑念や不安が示されていることだ。
 医師の養成には最低でも10年を要するとされる。新医学部の開設が2016年度であれば、人材が地域社会へ還元されるのは27年度以降となる。
 一方、医師数の充足を求める声に応えて既存医学部は、軒並み入学定員の上乗せを図ってきた。本年度の臨時定員増は、全国79校の合算で計900人。日本医師会は「医師不足は早晩解消される。むしろ数年後には医師の供給過剰が問題になる」と指摘する。
 にわかには信じがたい話だが、仮に医師過剰時代が到来しても、医療サービスを受ける側は誰も困らない。供給調整がどうしても必要ならば、医学部新設に合わせて既存医学部の定員を元に戻せばいい。無理を重ねて入学定員を増やしてきた既存医学部の負担も減るだろう。
 1県1医学部という現状で東北各県の自治体病院は、それぞれの医学部を頂点とするピラミッドにいや応なく組み込まれてきた。医学部や医局のさじ加減一つで診療科が休廃止に追い込まれていった例は、枚挙にいとまがない。
 新医学部は、どこが設置者に選定されるにせよ「東北の自治医大」という性格を帯びる。旧弊を打破し、医学部と自治体の関係を見直す一歩ともしたい。
 医療の自治を足掛かりに、6県の結束を高める効果も期待できよう。東北百年の計に立って新医学部を育てていきたい。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/229810/?category=research
「消費税と給与」調査の自由意見
2014年7月8日 池田宏之(m3.com編集部)

 Q19では、「自身の給与や診療報酬の決定に当たり、勤務先および政府に要望したいこと」をはじめ、自由意見を任意で書いてもらった。以下、主な意見を紹介する。

【消費税関連(勤務医)】
・消費税増税分が、病院の収入を増加させるようになってほしい。
・医療費が非課税なら医療機関が購入する医療関連製品は非課税とすべき。
・病院が消費税を被る事態になっている。薬や機材を買う時には消費税を払っているのに、患者からの診療報酬には消費税を被せられないのは不公平だ。
・以前から言われていることだが、無駄を削らずに消費税を漫然と上げても仕方がない。弱者救済をかかげて、中金持ちの負担ばかり増やすのはおかしい。中金持ちはそれに応じた仕事量をこなして納税して社会に還元しており、弱者は働かず社会から恩恵を受けるのみで、社会に還元することがない。
・所得税をなくして消費税中心にすべき。
・医師に限らず、給与と消費税のバランス問題について具体的な方策を提示・実行してほしい。
・トリクルダウンが行き渡らないうちに、コロコロ税率を変更するのは異常だと思う。
・消費税の最終納税者は患者と明確に決めてほしい。
・消費税アップしたら同時に国庫支出を減らして。特に議員や国家官僚の給与を減らすべき。


【消費税関連(開業医)】
・仕方ないと思うが、せめて薬剤消費税分は患者負担にしてほしい。
・医療費には消費税はかけない。消費ではないから。
・医療費も消費税の対象にして欲しい。税率は軽減税率。医療機関への納入品も軽減税率。
・損税の解消。それでつぶれる病院は仕方がない。


【診療報酬(勤務医)】
・診療報酬を決定する際、財務省のように医師を目の敵のように言われるのは心外であり医師全体に対する名誉棄損のように感じる。
・糸、ポート、手術ドレープなどの手術に使用する医療材料は、病院の持ち出しではなく患者負担にしてほしい。
・医療は、生産業等と異なり、リスク回避や、質の向上には、ある程度、金銭的な余裕のある状態が必要と思われ、これを考慮した施策が望まれる。
・ドクターズフィーを加算してほしい。
・好景気が反映されず、この業種は相対的に不景気である。
・意味のない医療行為、やみくもな胃瘻増設などについて、適応を決めてほしい。
・保険料の徴収(入口)で収入による差異があるので、病院の自己負担(出口)での負担は差異を設けないでほしい。全ての人を一割負担に。


【診療報酬(開業医)】
・食事介助、入浴、など生活にかかるホテルフィーの評価。
・自由主義経済であるならば、薬価は企業が決めるべきである
・経費をもっと認めてほしい。従業員の給与を上げたい。
・医療機器が高価なのでそれに見合う診療報酬を望む。
・医師の技術料の部分を上げてほしい。
・消費増税で従業員の年棒をあげる予定だが、経費なのでさほど影響はないと思う。


【給与決定(勤務医)】
・ほかの病院の赤字を埋めるために、当院の職員のボーナスをカットするのはナンセンス。
・専門医制度の見直しに伴い、資格を尊重する支払いをお願いしたい。
・貢献度に応じて、給料を決めてもらいたい。
・学会や書籍などレベル向上のための経費は惜しまず使えるようにしてほしい。
・当直料を上げてほしい。
・学生教育に費やされる時間に対する評価がなく、必要な資源(PCなど)や資料が一切自己負担である。講師等上級医の条件として専門性を要求する一方で、その専門性を維持するための費用負担に対する補助が全くないなどを見直してほしい。
・病院の搾取分を営業成績などに少し反映させてほしいと思う。勤務時から20年勤務を続けても給与のアップなどはなく、仕事は緩やかに増え、煩雑になってきているから。


【医療行政(勤務医)】
・勤務先には給与増および業務軽減を切に望みますが、行政側に対しては何を望んでも無駄だと諦めています。
・を大事にして。
・未来に借金を残さない。破綻している政府から甘い汁を吸おうとしている官僚がいないことを願う。
・立ち去り型サボタージュをするつもり。バカバカしくてやってられるか!
・国民皆保険が成り立たなくなることは明らかことや、勤務医がリスクのみ負わされ、長時間働いていても、休みのきちんとある大企業の人間より、安い給料である現実を、政府やマスコミは明確に、国民に知らせるべき。
・病院がいくつか潰れないと役人には分からないと思う。
・結局、官僚に逆らってはいけない。
・とにかく先医療費が安すぎることが問題。患者のフリーアクセスが過度だとも思う。


【医療行政(開業医)】
・保険請求が下がったり、平均以下なら、お金がほしい。奨励金でも、補償金でも、名前は何でもいいですから。
・医療における不正行為を各科の医師たちから詳しく聞き、厚生省等が対応すべき。


【その他(勤務医)】
・急性期医療を支えている医師ほど給与が安い。恐らく、数年のうちに急性期医療を辞め、高報酬の療養型病院へ就職すると思う。
・卒後5-10年目に当たり、大学院入学前後に非常勤で大学病院で働く若い先生達がアルバイトをすることが、今後ますます、世間の厳しい目に晒される可能性が高いと思う。医学の研究を充実させるためには若くて優秀な人材にとって大学が魅力ある職場である必要もあると思う。一般病院並とはいいませんが、せめて今の倍くらいの給料を払ってあげて。
・過重労働の常態化を看過しないでほしい。



http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1407/08/news01.html
患者の状態を常にiOSデバイスで確認
電子臨床観察システムで死亡率低下を目指す英国病院の挑戦
英国のHull and East Yorkshire病院NHSトラストは電子観察テクノロジーを導入し、臨床医がモバイルデバイスを使って患者の臨床観察を行えるようにしている。

[Caroline Baldwin,Computer Weekly]  2014年07月08日 08時00分 UPDATE

 Hull and East Yorkshire(HEY)病院NHSトラスト(訳注)はiOSデバイスと英Nervecentre Softwareのテクノロジーを利用して、ベッドサイドで患者の観察経過を記録している。

訳注:NHS(National Health Service)は、少額の自己負担あるいは無料で医療を受けることができる英国の国営医療サービス。サッチャー政権時に、医療機関は独立公営企業であるNHSトラストに再編された。

 脈拍、血圧、体温などの臨床観察記録は1日中一定の間隔で行われ、医師や看護師はそこから早期警戒スコアを算出する。この早期警戒スコアにより、患者の容体が悪化しそうな時期を判断できる。

 以前、HEYトラストは全ての観察経過を紙に記録し、患者のベッドサイドでカルテに統計を記入していた。テクノロジーを利用して記録すれば観察経過をソフトウェアで収集できるため、紙を使うよりもリスクが減り効率が上がる。

 「症状が悪く容体が悪化している患者を見つけ出し、臨床スタッフがタイムリーかつ効果的に対応できるよう、より優秀で効率的な方法が必要だった」と話すのは、HEYトラストで看護師長を務めるスティーブ・ジェソップ氏だ。

 臨床医が電子システムを使用すれば、ベッドサイドでハンドヘルドデバイスに観察経過を記録できる。その後、システムで早期警戒スコアが算出され電子的に保存される。また、臨床スタッフが離れた場所から観察経過を確認できる。さらに、患者の健康状態についての警告をスタッフに自動的に伝えることができる。

ペーパーレス構想

 ジェソップ氏によると、このシステムは、2016年または2017年までにペーパーレス環境を実現するというHEYトラストの目標の実現に貢献している。

 またトラストは、電子デジタル記録全体を米CSCの「Lorenzo」システムへ置き換える途上にある。「これによって臨床情報システムが全面的に変わる。また、これはNervecentre Softwareのテクノロジーとリンクする要素の1つでもある」

 Electronic Clinical Observation System(e-COBS:電子臨床観察システム)ソフトウェアは、iOS、米GoogleのAndroid、米MicrosoftのWindowsデバイスのアプリケーションから使用できる。

 同氏によると、ユーザビリティが高く、画面上で情報が把握しやすいのでAppleのデバイスが選ばれたという。「IT部門も、AndroidではなくiOSのデバイスを好むだろう」

 ベッドが30床あるHEYトラストには10台のデバイスがある。5台は看護師が使い、残りはドッキングステーションで充電する。

 「デバイスにはサインインとサインアウトが必要で、使用後はドッキングステーションに戻される。デバイスを使う必要がある看護師はそれをポケットに入れておく」

 HEYトラストはAppleのデバイスを好んでいて、iPod Touchとバーコードスキャナの併用を検討中だ。また、カルテや情報を見るために病室でiPadを使用することも考えている。

情報セキュリティ

 患者データのセキュリティを確保するため、ハンドヘルドデバイスに保存されている情報には、HEYトラストのデバイスやコンピュータからしかアクセスできない。

 コンシューマーデバイスの使用について、HEYトラストはセキュリティの問題を懸念していないとジェソップ氏は言う。というのも、それらのデバイスを他の目的には使用しないからだ。

 「どの組織でも共通の問題は、情報を紙に記録していることだ」と同氏は語る。

続きはComputer Weekly日本語版 7月2日号にて

本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
Computer Weekly日本語版 7月2日号:クラウドの専門家による4つの警告



http://news.ameba.jp/20140708-55/
大学教授傲慢医師 診察の際に患者を見ずに看護師通じて会話
2014年07月08日 07時00分 提供:NEWSポストセブン

 世の中には困った医師が時々いるが、そんな医者にあたってしまったら、治る病気も治らない。大学教授のドクターに診察してもらえると安心して診察室に入った際の驚愕エピソードを40才・アルバイトの女性が語った。
 
 * * *
 微熱が続いたので、心配になって市民病院へ。たまたま週に1回の、某大学の教授の診察日で「ラッキー!」と一瞬、思ったのですが…。教授は、私が目の前にいるのに私のほうは見ないで、体ごと隣りに座っている看護師のほうに向いています。

「それで、この人はいつから、何度の熱があると言っているの?」と看護師に聞く。看護師が私に「○○さん。いつから、何度の熱があるんですか?」と聞く。「5日前から36度8分から37度2分までの間を行ったり来たりです」と私が答えると、同じことをそこにいる教授に話す。

 とうとう診察室にいる間、教授は一度も私とは話さず、名前も呼ばず「この人」で通されました。大学の教授って、そんなにエライんですか?

※女性セブン2014年7月17日



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/231660/?category=report
「紹介なし自己負担」に3案、医療保険部会
出産一時金は42万円に据え置きで決着

2014年7月8日 池田宏之(m3.com編集部)

 社会保障審議会医療保険部会が7月7日に開催され、引き続き療養範囲の適正化がテーマとなり、紹介状なしの大病院受診の患者負担の在り方や、国民健康保険に対する国庫補助などについて議論があった(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。

大病院における患者負担については、厚労省が3案を示して、導入については概ね意見が一致したが、細部では、患者負担の考え方で、「初再診療のみ」から「1万円」と幅広く、政策の効果を疑問視する声も出た。「所得の高い国保に対する国庫補助の廃止」では、医師の委員が反対したが、多くの委員が廃止を求め、医師の負担増につながる可能性が出ている。「出産育児一時金」については、算出根拠を疑問視する声が根強かったが、2015年1月以降も、現行の42万円で据え置かれることなった。


社会保障審議会医療保険部会では、予定された時間を30分を超えて続いたが、議題が多く、十分な議論とは言い難い状況だった。
「お金では、流れ変わらないのでは」

 議論の1点目は、紹介状なしでの大病院を受診する場合の患者負担の在り方。紹介状なしの負担は、2013年の社会保障制度改革国民会議の報告書で「一定の定額の自己負担を求めるような仕組みを検討すべき」と提言されている。厚労省は、200床以上の病院において、外来患者総数に占める「紹介状なしの患者」の割合が、6割から8割程度となっているデータを提示して「紹介なしの患者割合が高い水準にある」と問題提議した。その上で、厚労省が示したのは、(1)初再診料相当分を定額負担として求める(初再診料を10割患者負担とする)、(2)(1)に加え、保険給付分にかかる定額負担を増やす、(3)保険給付にかかる定率の一部負担金に上乗せする形で、別途、定額負担を求める――の3案だ。

 大病院の受診抑制という方針では一致したが、政策自体の効果について、委員から質問が出た。全国後期高齢者医療広域連合協議会会長の横尾俊彦氏は、実際に地域の開業医にかかるべき患者が多いかどうかを判断するデータの存在を聞いたが、診療内容を調べたデータがないことが判明し、施策効果を試算するように求めた。健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、金銭的なインセンティブのみによる誘導について「お金だけで流れを変えるのは難しい気がする」と述べ、施策と合わせて国民の意識を変えて行く重要性にも言及した。

 日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、大病院が外来機能を切り分けて外に出す可能性について言及し、「巨大な診療所ができるようになってはいけない」と指摘し、かかりつけ医の重要性を強調した。NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長の樋口恵子氏は、そもそも身近なかかりつけ医の存在が把握できないことから、情報提供をして、国民がかかりつけ医を見つけやすくするように求めた。

 金額について、白川氏は、紹介状の作成料と、国民会議で指摘された金額などを合わせて2500円から1万円程度が適切との考えを示した。全国健康保険協会理事長の小林剛氏は、厚労省の示した(3)のアイデアについて、医療費の増大につながることから「(1)と(2)は評価できる」と指摘した。

 対象となる病院についての意見も出た。鈴木氏は「大学病院をはじめとする特定機能病院」としたが、日本経済団体連合会社会保障委員会医療改革部会長の望月篤氏は「200床以上」とした上で、病床規模ごとに(1)と(2)に分け、病床規模が大きくなるほど、自己負担の増える仕組みを提案して、負担する患者の数を多くしたい考えを示した。

 再診においても、定額負担を求める方向で概ね同意を得たが、慎重な対応を求める声もあった。白川氏は現状では再診について選定療養費を取っている病院数が少ないことから、「適用が限定されているのではないか」と制度運用の難しさに言及し、公平感が損なわれないように求めた。新しい負担と、高額療養費の関係についても慎重な対応を求める声が出るなどが出た。

医師国保への補助「廃止」の声多く

 国民健康保険組合に対する国庫補助の議論では、医師らが加入する安定した組合に対して厳しい見方が出た。国民会議の報告書では「所得の高い国民健康保険組合に対する定率補助について、廃止に向けた取り組みを進める必要がある」とされている。鈴木氏は「公費負担が増えると、解散する組合が出る。結果として、補助率の高い国保に移り、公費負担が増える」として、廃止しないように求めた。

 これに対して、他の委員の意見は、「廃止」の声が相次いだ。白川氏は、国保については「それぞれの保険料で運営するのが筋」と指摘し、補助が定率である点を疑問視。東京大学院経済学研究科教授の岩本康志氏も、「原則廃止」に同調し、実際の国保への財政影響を見極めた上で、判断する考えを示した。他にも医師以外の委員からは廃止を求める声が相次ぎ、今後、医師の負担が増える可能性も出てきた。

事業主負担、日医と健保、異見

 入院時食事療養費、生活療養費についても議論があった。厚労省は、一般病床の入院者や療養病床に入院する65歳未満の患者から取る「入院時食事療養費」について、現状では食材費相当分のみしか負担を求めていないのに対し、「調理費相当分も負担を求めるようにするか」と問題提起した。鈴木氏は、「入院中の食事は治療の一環」と指摘し、負担の増大に否定的な考えを示し、むしろ重度な疾病で在宅療養中の患者への支援を拡充すべきとの考えを示した。樋口氏は65歳以上の患者が対象となる「入院時生活療養費」の方が、食事療養費よりも負担が高い点に疑問を示したほか、負担増となった場合、低所得者への配慮を求める声も上がった。

 国民健康保険の保険料の賦課限度額と被用者保険の標準報酬月額の上限については、実際の政策効果を検証するように求める声が出た。議論の中で、鈴木氏は、日本の医療費が安いことを根拠に「事業主に医療費を負担してほしい」と述べた上で、健保が独自に出す「付加給付」の実態を明らかにするように求めた。対して白川氏は、ドイツやフランスと比べて、日本の事業主負担の比率が低いのは「(事業主負担は)給与の一部という考え方で、事業主負担の割合の違いは考え方の違い」と述べて反論した。

分娩費用、産科医療を疑う声

 持ち越しとなっていた、「出産育児一時金」の金額についても議論があった。厚労省側は、「42万円据え置き」の案を提示したが、保険者らが反発。白川氏は、一時金に含まれる産科医療補償制度の掛け金が3万円から1万6000円に減額される点を指摘し「納得できない」とした。岩本氏は、物価上昇がないか中、分娩費用が上昇していることを指摘し、小林氏も「産科は価格を自由に設定している」として、医療機関の利益になっているとの見方を示した。その他の委員からも、慎重な議論や、ルール作りを求める声などが出た。

 ただ、出産育児一時金については、7日の議論で決める方針で、座長の遠藤久夫氏は、厚労省側の提案を受け入れる代わりに「価格を決める際のルール作り」などを求めることを、付帯意見に盛り込むことで同意を取り付けた。



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20140709/CK2014070902000010.html
三重】
【隣県へドクターヘリの相互応援を 紀伊半島知事会議

2014年7月9日 中日新聞 三重

 三重、和歌山、奈良の三県知事による紀伊半島知事会議が八日、和歌山県那智勝浦町の熊野那智大社であり、県境を越えた救急医療体制の構築や三重、和歌山両県がドクターヘリの相互応援の検討を進めることで合意した。
 和歌山は二〇〇三年、三重は一二年にドクターヘリを導入し、奈良県も導入を検討中。ただ、三重のヘリはこれまで県内運航のみを想定しており、隣県に出動する広域連携には対応していない。
 鈴木英敬知事がヘリの相互応援を提案し、和歌山県の仁坂吉伸知事が「まずは三重と相互応援協定をつくりたい」と応じた。奈良県の荒井正吾知事も、着地可能な病院が整備される二年半後にヘリを導入した上で三県での広域連携に協力する考えを示した。
 同様の相互応援は福島、山形、新潟各県などが導入しており、出動要請が重なるなどして県単独での対応が難しい場合、他県に応援出動を求める。
 三県知事はこのほか、近畿自動車道紀勢線をはじめとする幹線道路の整備推進と事業費の確保を国に要望することで一致。紀伊半島水害に伴う熊野川の濁水、治水対策を求めることも確認した。
 鈴木知事は世界遺産登録から七日に十周年を迎えた熊野古道に関しての意見交換で、語り部や保存会員の高齢化などの課題を指摘。県が始めた「熊野古道サポーターズクラブ」による支援の広がりを通じて「十年、二十年と続く保全をしっかりやりたい」と意気込んだ。
 リニア中央新幹線の三重・奈良ルートの早期整備に関しては「名古屋・大阪間の中間駅の場所は便益が紀伊半島全体に広がるような、交通の結節性の高い位置にすべきだ」と強調した。
(相馬敬)



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20140708122386.html
県立吉田病院、出産受け付け休止
常勤医1人に 再開のめど立たず

【社会】 2014/07/08 08:53 新潟日報

 燕市の県立吉田病院の産婦人科が4月から出産の受け付けを休止し、再開のめどが立っていないことが7日、分かった。3月末に産婦人科の常勤医2人のうち1人が退職したため。2013年度まで吉田病院では年間50人前後が出産しており、県は不便をかけているとして医師の確保を急いでいるが、難航している。

 本県は適齢期の女性人口に対する産科医数が少ない。県立病院の出産受け付け休止は3カ所目と、医師不足が年々深刻になっている。

 県によると、昨秋常勤医1人が退職することが分かり、後任を探したが見つからなかった。常勤医1人では出産の対応が難しく、4月から婦人科の診察を中心にしている。7日の県議会厚生環境委員会で、県病院局が報告した。

 県の集計では、吉田病院の出産取扱件数は11年度が55件、12年度が54件、13年度が41件だった。燕市内で出産に対応できる産婦人科は診療所2カ所となった。吉田病院は「4月から出産を希望する患者には、他の医療機関に行くようお願いしている」(藤田桂輔事務長)という。

 藤田事務長は「県病院局と一緒に医師を確保し、早く再開させたい」とする。ただ、県病院局業務課の三林康弘課長は「新潟大や県外の大学病院を通じて医師の確保に努めているが、産科医が少なく、厳しいのが現状だ」と話す。

 県などのまとめで、12年末時点の県内の産婦人科、産科の医師は156人。15~49歳の女性10万人に対して35・3人と全国平均の40・7人を下回り、全国43位だ。燕市を含む県央医療圏は25・2人で、県内7医療圏で最も少ない。

 県によると、県立病院では加茂が04年、坂町(村上市)が07年に出産受け付けを休止した。地元から再開の要望があるものの、常勤医を確保できていない。

 15の県立病院で産婦人科は吉田、加茂、坂町を含め8病院にあるが、うち出産を受け付けるのは新発田、中央(上越市)など5病院にとどまっている。



http://www.chibanippo.co.jp/news/national/202456
医師が強制わいせつ 停職6月、依願退職 千葉県病院局
2014年07月8日 15:59 千葉日報

 千葉県病院局は7日、同僚女性に対する強制わいせつ容疑で逮捕された県立病院医長の医師男性(33)を停職6月、知人男性を殴り傷害罪で起訴された同局の主査男性(45)を停職1月の懲戒処分にしたと発表した。医師男性は同日付で依願退職した。

 同局によると、医師男性は4月2日午前1時半ごろ、千葉市内で行われた職場の送別会後、自宅前まで車で送ってくれた同僚女性に車内で抱きつき、胸を触るなどのわいせつ行為をした。

 翌3日に職場からの連絡で発覚。5月23日に女性が千葉中央署に被害届を出し、6月9日に逮捕され、同16日に示談が成立し釈放された。医師男性は「酒の酔いに任せた」と話しているという。医師男性は昨年度から非常勤で同病院に勤務。本年度から正規職員になったばかりだった。

◆主査男性は傷害で1月
 一方、主査男性は1月18日午後1時45分ごろ、いすみ市内の飲食店で知人男性の顔面を手拳で2回殴り、首に10日の軽傷を負わせた。

 6月5日に千葉一宮区検が傷害罪で略式起訴、同11日に千葉一宮簡裁が罰金20万円の略式命令を出した。主査男性は同20日に納付した。主査男性は、家族から借りた金を知人男性が返さないことに激高し殴ったという。

 県病院局は県庁内の内規を理由に職員の職種や名前などを公表していない



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20140708-OYS1T50055.html
小児禁止鎮静剤 鹿児島市立病院が9人に投与
2014年07月08日 読売新聞 九州

 鹿児島市立病院は8日、人工呼吸中の小児患者への投与が禁止されている鎮静剤「プロポフォール」を2010~13年、重篤の小児患者9人に投与していたことを明らかにした。9人のうち3人は投与後に死亡した。いずれも搬送された時点で脳や全身に致命的な損傷を受けており、同病院は、投与と死亡との因果関係はないとしている。

 プロポフォールは劇薬で、全身麻酔などに使われる。同病院によると、9人は7~14歳で、交通事故での頭部外傷や感電による全身やけどなどで搬送されてきた。「患者の術後の覚醒が早い」などと判断し、集中治療中に5時間半~2週間程度使用した。亡くなったのは9歳の2人と14歳で、いずれも搬送時から重篤な状況だったという。

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月、首の腫瘍の手術を受けた男児が人工呼吸中に大量に投与されて死亡したことなどを受け、院内調査を行って判明した。調査の結果、人工呼吸中の小児患者への投与が禁止されていることを把握せずに使用したケースもあったという。


  1. 2014/07/09(水) 08:10:25|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
次のページ