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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月26日 医療一般

http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20140226f
消化器内科医、郡部への派遣要請 知事、偏在解消へ秋田大に
(2014/02/26 11:46 更新)秋田魁新聞

 消化器内科の医師が秋田市に集中しているとして、佐竹敬久知事は秋田大医学部に対して郡部への医師派遣を強く要請したことを25日、明らかにした。知事が特定の診療科名を挙げて医師派遣を求めるのは異例。同日開かれた県議会の一般質問で答えた。

 厚生労働省の2012年調査によると、本県の病院や診療所に勤務する消化器内科医は179人。人口10万人当たり16・8人で全国トップだ。ただ、市町村別では秋田市が101人と突出して多く、同市以外は0〜18人と著しい偏在が生じている。

 県内で消化器内科の患者は多いが、中核病院では湯沢市の雄勝中央病院に常勤医がいないほか、秋田市以外の病院の多くは秋田大ではなく他県の大学からの派遣に頼っているという。

 一般質問では小松隆明県議(自民)が偏在の原因について「医師派遣を担う秋田大の消極的な対応にあるのではないか」と指摘。「医学部付属病院のホームページを見ると、消化器内科には多くの医師が名を連ねているが、郡部の病院では医師不足が著しい」と述べた。

 佐竹知事は今月、自ら秋田大幹部に医師派遣を強く要請したことを明らかにし、「大学側も問題意識を持っており、地域医療確保のための医師派遣に一層努力するという回答を得た」と答弁した。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140227/wky14022702130002-n1.htm
医師不足で診療に苦慮 有田市立病院 和歌山
2014.2.27 02:13 産經新聞

 有田市立病院が深刻な医師不足で患者が減少し、平成25年度決算で6年ぶりに赤字の見込みとなることが26日、分かった。退職や異動で内科医と産婦人科医が減少し、十分な対応ができていない現状で、望月良男市長は「非常に困っている」と述べた。

 同病院医務課によると、内科では昨年4月時点で5人だった医師が3人に減少。現在は週3日しか診療できず、入院や外来の患者数が減少した。また産婦人科では医師2人が異動になり、昨年10月以降は常勤医がゼロ。これにより、同市と有田郡内で分娩(ぶんべん)できる医療機関は有田川町内のクリニックだけとなり、公立病院では県立医大付属病院(和歌山市)か国保日高病院(御坊市)まで行くしかないという。

 同課は「4月から毎日診療できるよう、他府県の医大も含めてお願いしているが、深刻な事態」としている。

 市は今年度一般会計3月補正予算案で2億7千万円を市立病院事業会計に繰り出し、赤字圧縮を図る。26年度当初予算案にも、5億7260万円の市立病院繰出金を組み込んだ。

G3注:有田市立病院(一般153床、感染症4床)



http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20140226ddlk28040333000c.html
八鹿病院:小児科一般診察、週4日・水曜休診へ−−4月から /兵庫
毎日新聞 2014年02月26日 地方版 毎日新聞 兵庫

 養父市八鹿町の公立八鹿病院(宮野陽介院長、23診療科、420床)は25日、4月から小児科一般診察を週5日から週4日に減らして運営する、と発表した。小児科の非常勤医師交代に伴う変更で水曜が休診になる。

 八鹿病院によると、小児科一般診察は、昨年7月以降、非常勤医師2人で月曜〜金曜を担っている。4月からは交代する新たな非常勤医師が月曜・木曜、これまでの非常勤医師が火曜・金曜をそれぞれ担当。受付時間も月曜・木曜の午前のみ、現在の8〜11時が9時半〜正午に変更になる。

 また、予約制の発達小児科外来、乳児健診、予防接種の三つのうち、予防接種の一部の曜日が月曜から火曜へ移る。

 一般診察は予約なしで受診できる。ただし、時間外診察や入院の対応は引き続きできない。問い合わせは、八鹿病院(079・662・5555)へ。【浜本年弘】

〔但馬版〕



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=42147
徳洲会の職員採用で3億5千万円支援へ- 指定管理者制度導入で大阪・和泉市
( 2014年02月26日 17:01 )キャリアブレイン

 大阪府和泉市は2014年度の当初予算案に、4月から指定管理者制度を導入する市立病院への支援金として、約3億5800万円を計上した。指定管理者となる医療法人徳洲会(大阪市)への移籍を希望する職員(医師を除く)が、全体の6割にも満たないためで、徳洲会が看護職員を採用する際の支度金に充てられる。市は27日から始まる市議会の定例会に予算案を上程する。【敦賀陽平】

 市によると、医師を除く市立病院の職員数は現在366人。このうち、4月以降も病院に残留する意向を示しているのは看護職員184人、検査技師ら技術職員17人。一方、退職や他の医療機関への転職を望んでいるのは看護職員50人、技術職員10人で、残る105人は、市役所の事務職員への異動を希望しているという。

 指定管理者制度は、地方自治体が議会の議決を得て、公共施設の運営を民間に委ねる制度で、経費節減やサービスの向上を図ることが目的だ。市によると、20-30歳代の子育て世代の看護職員は、夜勤の必要のない事務職員への異動を希望する一方、40歳以上の職員は、減給への懸念から病院を離れる傾向が見られるという。

 今回、市が予算案に盛り込んだ支援金は、14年度に限定したもので、徳洲会が正職員として雇用する看護職員への支度金として活用される。免許取得後の経験年数により、50万円(3年以内)-300万円(31年以上)が支払われ、3年以上の勤務で返済を免除する。

 現時点で160人余りの職員が不足することになるが、市によると、既に看護職員と技術職員合わせて約80人の雇用が確保できる見通しで、不足分は徳洲会の別の病院からの派遣で賄われるという。



http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140226-OYO1T00785.htm?from=main3
和泉市立病院の就業支度金、住民監査請求
(2014年2月26日 読売新聞)

 4月から大阪府和泉市立病院の指定管理者となる医療法人「徳洲会」の就業支度金を、市が全額負担することを決め、新年度当初予算案に3億5800万円を盛り込んだことに対し、市内の男性2人が26日、「支出は不適切」として住民監査請求をした。

 就業支度金は人材確保のためだが、監査請求では「4月以降の病院運営は徳洲会の責任で行うべきだ。就業支度金として支出することは市に損害を与える」などと指摘し、予算案からの削除を求めている。

 同病院では、常勤の看護師と准看護師、放射線技師ら医療技術職員計254人のうち、徳洲会に移籍して4月以降も残るのは106人の見通しで、非常勤の看護師らを常勤としたり、新規採用をしたりして補えるという。市は「十分な人材を確保し、医療水準を維持するために必要な費用」としている。

 就業支度金は、4月以降に病院に勤務する人に徳洲会が50万~300万円を貸し付け、3年以上勤めた場合は返済を免除する。

指定管理者 公の施設の管理・運営を地方自治体から委ねられた企業や団体。民間のノウハウを活用することで、市民サービスの向上や経費の削減につながるという。指定には議会の議決が必要。



http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014022600808
大阪市病院局が源泉徴収漏れ=医師の宿直手当2100万円-国税局
(2014/02/26-18:12)時事通信

 大阪市病院局が大阪国税局の税務調査を受け、2009年4月~11年11月までの約2年半で、三つの市立病院に勤務する医師の宿直手当について、約2100万円の源泉徴収漏れを指摘されていたことが26日、分かった。
 当直手当は原則課税対象で、例外的に一部が非課税となるが、同局担当者が「一律非課税」と誤解していたことが原因。追徴税額は不納付加算税を含む約2300万円で、既に全額納付した。



http://thepage.jp/detail/20140226-00000007-wordleaf
「ノ社問題」で注目 臨床試験の流れは?
2014.2.26 11:00 The Page

ノバルティスファーマによる「臨床試験」への関与が問題となっています。同社が製造・販売する高血圧治療薬・バルサルタンに関連する研究で組織ぐるみのデータ操作をしていたとして厚生労働省は同社を薬事法違反で検察に告発、東京地検特捜部が同社などを家宅捜索する事態に発展しました。

「治験」と「臨床研究」

 そもそも薬の「臨床試験」はヒトを対象に薬の効果を明らかにする研究ですが、臨床試験のうち製薬企業が開発する化合物を薬として承認を受けるために行われる試験を「治験」、これとは別に医師が自主的に行う臨床試験を「臨床研究」と呼びます。

 治験は主にフェーズ1~3までの3つの段階に分けられています。「フェーズ1」は健康な人を対象に化合物の安全性の検討を中心に実施。これで問題なければ「フェーズ2」として少数の患者で有効性、安全性をチェックし、さらに「フェーズ3」でより大規模な患者数で有効性、安全性を調べます。製薬企業は一連の試験データを提出して厚生労働省に製造承認の申請を行い、承認後、薬価が定められ発売されます。

 一方、臨床研究は、例えばある病気の薬のAとBのどちらがより有効かというような医師の疑問を研究テーマとします。対象の病気にもよりますが、数千人から万単位の患者を登録して行うことも稀ではありません。

 ただ、いずれも複数の医師が参加するため、治験では治験責任医師、臨床研究では主任研究者と呼ばれる代表者が置かれます。また、実施計画書を作成し、実施する医療機関の倫理委員会から実施に当たっての承認を得ることが必要です。

 倫理委員会承認後は治験責任医師あるいは主任研究者のもと事務局、モニタリング・監査担当、データマネージメント担当を配置。参加する医師は計画書に沿って薬を投与し、得られたデータを予め構築されたシステムに入力、データの精査や確認後に集積されたデータにロックをかけ、医師とは別の統計解析専門家などが計画書に沿ってデータの統計解析を行い、責任者の医師に戻されます。それにより論文が執筆されます。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140226-OYT1T00885.htm?from=ylist
大雪で救急車立ち往生、陣痛始まった主婦が…
(2014年2月26日17時33分 読売新聞)

 記録的な大雪が降った山梨県で、15日に男児を出産した女性がいた。

 救急車が雪で進めなくなる中、女性は担架で産婦人科医院に運ばれ、17分後に赤ちゃんが無事誕生した。119番から6時間余。地元住民らが雪かきをして進路を確保し、搬送を手助けした。

 埼玉県吉川市から山梨県笛吹市の実家に里帰りしていた主婦(28)は、大雪が降り続く15日未明に陣痛が始まった。

 午前4時すぎ、同市消防本部に連絡。救急車は数キロの道のりに2時間かかった。実家は、県道から約1キロの山道を進んだ先の、笛吹市境川町寺尾にある。1メートルを超す積雪で救急車が進入できないため、隊員5人が担架を抱えて山道を上り始めた。

 隊員を迎え入れるため、母親(59)ら家族3人が、自宅前の雪を懸命に掘った。隊員は、主婦を乗せた担架を腰のベルトに固定して、山道を下っていった。

 「頑張ろうね」。隊員の大塚宏明さん(30)が陣痛をこらえる主婦に声を掛ける。雪の中を歩いていくのは大変で、大塚さんらは10メートル進んでは休憩を取ることを繰り返した。30分で200メートル進むのがやっとだった。

 見かねた近所の男性が、重機を使って、幹線道路までの残り800メートルを除雪した。大塚さんらは午前8時半、県道に待機していた救急車までたどりつき、主婦を乗せることができた。

 救急車は、主婦のかかりつけで、そこから約8キロの甲府市向町の産婦人科医院に向かって走り出した。しかし、300メートル走行したところで雪にはまり立ち往生。今度は除雪業者が重機で救急車を引っ張って、脱出させた。大塚さんが主婦の陣痛の間隔を計ると、担架で搬送中の5分から1分に縮まり、いつ生まれてもおかしくない状態だった。

 午前9時半、甲府市の国道20号から、目指す医院が見えた。しかし、そこへ向かう生活道路が除雪されておらず、主婦は再び担架に。

 医院で医師(57)が到着を待った。担架は見えているのに、なかなかたどり着かない。やきもきしていると、近所の住民4、5人がスコップで雪をかき、通り道を作ってくれた。

 主婦は午前10時過ぎに到着。間もなく、産声が聞こえた。大塚さんは「除雪してもらえなかったら、間に合わなかった。担架の上で生まれたら、新生児の体温が低下し、危険だった」と胸をなでおろす。

 主婦は夫と相談し、生まれたばかりの次男に冬にちなんで「柊地しゅうじ」と命名。腕に抱き、「担架に乗せられている時、『一番大変なのは妊婦さん。頑張って』と救急隊員から励まされ、心強かった。この子を一生懸命育てなければと改めて思った」と涙ぐんだ。主婦の母親も「多くの人に助けてもらった。お礼を言いたい」と感謝していた。



http://digital.asahi.com/articles/CMTW1402261100007.html?_requesturl=articles/CMTW1402261100007.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_CMTW1402261100007
大雪で搬送影響 男性死亡/16日・皆野
2014年2月26日10時58分 朝日新聞デジタル

 ◇ルート確保に時間 

 大雪の影響で病院への救急搬送に時間がかかり、皆野町の男性(61)が今月16日夜に亡くなっていたことがわかった。搬送先の医師は「治療が早ければ、助かる可能性は高まっていた」としている。災害時の急病人の搬送手段やルート確保などの対策は万全だったのか。検証が求められる。

 秩父消防本部や埼玉医大総合医療センター(川越市)などによると、男性は消化管出血などで、15日に皆野病院(皆野町)に入院。翌16日朝に容体が急変し、輸血が必要な出血性のショック状態となった。同病院は午前10時20分ごろ、ドクターヘリを運航する高度救命救急センターの医療センターに男性の転院搬送を要請した。

 ドクターヘリは通常、要請を受けてから5分以内に飛び立てるが、このときは、皆野病院近くにある金崎ヘリポート(同町)が積雪で使えず、臨時のヘリポートや、救急車が通るルートを確保するための除雪などに時間がかかり、離陸できたのは要請から約2時間後の午後0時25分だった。

 ヘリは同0時40分すぎに秩父市内に設けた臨時ヘリポートに着き、乗ってきた医師らが同病院へと向かった。男性を臨時へリポートまで運び、離陸したのは午後3時25分。男性を医療センターに収容したのは同3時45分で、最初の要請から5時間以上がたっていた。

 男性はショック状態が長かったこともあり、治療を施したものの改善せず、同日深夜に亡くなった。同センターの救命医は「通常であれば、昼までには医療センターに収容できたケース。人間のことだから100%とは言えないが、治療や輸血を早く始められていれば、救命の可能性は高まっていた」と振り返る。

 秩父市が15日の段階で県に対し、除雪のために陸上自衛隊の災害派遣を要請しながら、県の要請が17日になるなど、各方面で対応の遅れが目立った今回の大雪。ここから何を学ぶかが問われる。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42156.html
地域包括ケア構築、「消費増税分を財源に」- 水田・元厚労事務次官
( 2014年02月26日 21:02 )キャリアブレイン

 水田邦雄・元厚生労働事務次官は26日、地域医療福祉の連携に関する交流会であいさつし、地域包括ケアシステムを構築する上で現在、「(社会保障の)政策面で追い風が吹いている」とし、その構築のために消費税の引き上げ分を財源にすべきとの考えを示した。【松村秀士】

 水田・元次官は、政府が進める社会保障・税一体改革で、高度急性期医療は「選択と集中」を行い、地域包括ケアでは住民のニーズをきちんと受け止めて医療・介護の再構築を目指す方策が、「地域包括ケアシステムの構築にとって追い風」と強調。その上で、消費税引き上げによる財源を使って、団塊世代が後期高齢者になる2025年までに地域包括ケアの体制を全国各地に構築する必要があると訴えた。

 また、水田・元次官は、「今後、保険者はサービスで勝負する時代になる」と指摘。社会保障制度改革の全体像を示したプログラム法により、保険料負担の平準化が起こるとし、今後は被保険者が求めるサービスをいかに効率的に提供できるかが重要になるとの考えを示した。

 この日の交流会は地域医療福祉情報連携協議会が主催。参加者らが、高齢化時代における地域の医療・福祉の課題や連携などを話し合った。



http://digital.asahi.com/articles/ASG2N4CVCG2NULFA00S.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG2N4CVCG2NU
医療機器市場を狙え 電機・重工業界が挑戦、政府も支援
2014年2月26日09時06分 朝日新聞デジタル

 電機や重工といった大手製造業が医療分野の事業を強化している。先進国での高齢化の進展や新興国での人口増加で、世界的に市場の拡大が見込めるためだ。いまは欧米メーカーが席巻するが、政府も規制緩和で側面支援をはじめている。

 ■家電にかわる収益源を

 「電力や社会インフラ、半導体などあらゆる分野の技術を生かし、総力をあげて成長させる」。東芝の田中久雄社長は20日、川崎市内で開いたヘルスケア事業の説明会でこう強調した。

 東芝は昨年8月、医療機器を中心とするヘルスケア事業をエネルギー、半導体に次ぐ「3本目の柱」と位置づけた。すでに画像診断装置のCTでは世界3位と大手の一角。半導体技術を応用したカプセル内視鏡づくりにも乗り出し、2012年度に4千億円だった売上高を、17年度に1兆円にしたい考えだ。

 ソニーはレーザー光線をあてて細胞を分析する装置を開発。オリンパスと共同で外科手術用の内視鏡の開発もはじめ、販売を計画中だ。経営再建中のシャープは、たんぱく質の分析装置といった理化学機器や、診療所などで使う初期診断用の機器に力を入れる。

 電機大手が医療機器に力を入れる背景には、収益の柱だった家電が大きな成長を見込めず、新しい収益源が必要だからだ。電機各社でつくる電子情報技術産業協会は、医療機器や健康情報サービスの世界市場が11年の32兆円から、20年には49兆円に膨らむとみる。

 病気や検査方法に応じて多様な商品が求められるうえ、電機業界にとっては家電や半導体製造で培った技術を応用しやすい利点がある。ソニーの細胞分析装置は、ブルーレイディスクの映像信号を読み取る技術を応用したという。

 熱い視線を送るのは電機業界だけではない。

 三菱重工業は10年、呼吸などで患部の位置がエックス線を照射している点から動くと自動で追いかける、がん治療装置の国内販売の承認を得た。正常な細胞への悪影響を抑えられる。「患者の負担を減らせる装置は特に市場拡大が見込める」(平井悦郎先端機器事業推進部長)とし、5年後に年20件の受注を目指す。

 旭化成は12年、電気ショックで心拍を再開させる除細動器のトップ企業、米ゾール・メディカルを買収した。今春に着用型の除細動器「ライフベスト」の国内販売を始める。(内山修、大和田武士)

 ■規制緩和で状況打開へ

 ただ、各社が思惑通りに稼げるかは不透明だ。欧米メーカーがすでに世界の医療機器市場を席巻しているからだ。みずほ銀行の調べ(2012年)では、医療機器売上高の首位は米ジョンソン&ジョンソンの246億ドル(約2兆5千億円)。日本企業のトップはオリンパスの16位で、44億ドル(約4490億円)にすぎない。

 背景には日本の規制の厳しさがあるといわれてきた。医療機器を売るにはそれぞれの国の承認が必要だ。だが、日本は医療機関での臨床試験の環境が十分に整っていない。加えて医薬品と同等レベルの厳しい試験が求められてきたため、欧米より承認が、1年数カ月ほど遅れてきた。

 国内メーカーにとってはこれが研究開発の足かせになっている。海外メーカー品の輸入も多く、輸出よりも輸入が上回る輸入超過の状態が続く。12年には超過額が約7千億円に上った。

 こうした状況を打破しようと、政府は昨年6月に策定した成長戦略で「医療機器などの開発を加速させる規制・制度改革」を盛り込んだ。承認審査の迅速化を目指し、すでに関連法令を順次整備している。産学官と医療機関の連携を強め、革新的な製品を世界に先駆けて承認できる環境をつくりたい考えだ。

 みずほ銀行産業調査部の青木謙治調査役は「国内の医療機器の開発環境は世界標準になりつつある。このチャンスを生かせるかは、日本企業の戦略にかかっている」と話す。(松浦祐子)



http://www.oita-press.co.jp/worldSociety/2014/02/2014022601002392.html
転院させず死亡、賠償命じる判決
[2014年02月26日 21:53] 大分合同新聞

 腸閉塞のため71歳で死亡した東京の女性の遺族が「繰り返し腹痛を訴えたのに適切に対応しなかった」として、最初に受診した有床診療所などに6700万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、大規模病院に転送しなかったミスを認め、診療所に1100万円の支払いを命じた。
 判決によると女性は09年2月1日、未明から3回にわたり東京・世田谷の小林外科胃腸科で診察を受けたが、医師は鎮痛剤注射などをして帰宅させた。家族が夜になって大学病院に連れて行き、翌朝死亡した。
 森冨義明裁判長は「診療所医師は鎮痛剤が効かないと分かった時点で転送するべきだった」と述べた。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140227/hrs14022702120003-n1.htm
安佐市民病院「移転」否決 市長「少し時間かけ検討」 広島
2014.2.27 02:11 産經新聞 広島

 広島市立安佐市民病院(安佐北区可部南)の移転、建て替えの関連予算案が市議会の本会議で否決されたことで、同市の松井一実市長は26日、「少し時間をかけて検討したい」と述べ、平成32年1月としていた移転による病院の完成時期がずれる可能性があることを示唆した。

                   ◇

 同案は採決で賛否同数となり、議長裁決によって否決された。松井市長は「やってきたことに一定の評価は得ている」と強調。「議会の状況や地元対応も含め、(まちづくりのイメージ、病院機能の提示など)足りなかったのはどこかも考え、検討する。時間をかければ、完了時期が遅くなることもある」と述べた。

 松井市長は国土交通省が25日にJR可部線の電化延伸と移転地の隣接地に新駅設置を許可したことにふれ、「エリアの土地の整備、(移転地近くの)堤防も間違いなく進む」とし、病院建設を含めたまちづくりの意義をアピールした。

 一方、市議会では同案への賛否をめぐり、松井市長を初当選時から支えてきた最大会派・自民党保守クラブ(21人)が分裂。移転賛成の議員らが別の保守系会派とともに新会派・自由民主党(11人)を結成した。


  1. 2014/02/27(木) 05:40:24|
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2月25日 医療一般

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140225-OYT1T00324.htm?from=ylist
医師不在で准看護師が注射、事務員が薬渡す
(2014年2月25日12時10分 読売新聞)

 医師の診察なしに注射や投薬をし、不正に診療報酬を請求したとして、四国厚生支局愛媛事務所は24日、松山市木屋町、皮膚科・泌尿器科「久保クリニック」の保険医療機関の指定を取り消すと発表した。

 取り消し処分は25日付。

 発表では、同クリニックは2012年4~9月のうち4日間、医師が不在だったにもかかわらず、准看護師が薬の塗布や注射をし、事務員が薬を渡すなどの医療行為を患者29人に対して行い、11万7923円の診療報酬を不正に請求した。医療行為で診療報酬を請求するには、医師の診察が必要となる。また、薬剤情報の提供料や、ビタミン剤を処方した際の薬剤料など47人分の3万9939円を請求していたのに、カルテには記載していない不正もあった。いずれも愛媛事務所が監査をして発覚した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42140.html
不正請求で高松の病院が指定取り消しへ- 四国厚生支局
( 2014年02月25日 19:17 )キャリアブレイン

 約4900万円の診療報酬を不正に請求したなどとして、厚生労働省の四国厚生支局は、医療法人社団ジーアンドケー(河野研一理事長)が高松市内で経営する五番丁病院(一般30床、医療療養24床)について、保険医療機関の指定を取り消すと発表した。取り消しは5月1日付。【敦賀陽平】

 同支局によると、同病院は2009年1月から12年2月までの間、一般病棟15対1入院基本料で、2人以上の夜勤体制など看護職員の要件を満たしていなかったほか、療養病棟入院基本料(20対1)では、看護職員1人当たりの月平均夜勤時間を72時間以内とする基準を超えていた。また、算定外の患者に対する診療報酬の請求もあったという。

 同病院はキャリアブレインの取材に対し、「患者の対応が一番大事なので、そこをきちんとやっていきたい」としている。



http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020140225cbaz.html
厚労省、医師向け模擬訓練機器開発に年間3千万円の研究委託費交付
掲載日 2014年02月25日 日刊工業新聞

 厚生労働省は医師ら医療従事者の技能を高めるため2014年度から取り組む訓練機器の開発事業で、実施機関に対する研究委託費として、1件当たり年間最大3000万円程度の研究費を交付する。研究期間は原則1年間とし、最長3年間まで事業を任せる。厚生労働科学研究費補助金事業の一環として28日まで応募を受け付け、2課題程度を採択する予定。
 医療機器や医療技術の高度化で、医師らの技能向上が急務となっていることを踏まえ、訓練機器や手術を模したシミュレーターの開発に向けた経費を14年度予算に盛り込んだ。国産医療機器・技術の海外展開を教育研修面で後押しする狙いもある。初年度は大学などの委託先1件につき事務経費や特許関連費用などの間接費を含めて1000万―3000万円の研究委託費を交付する。
 心臓バイパス手術などで人工心肺を使わずに血管をつなぐ「オフポンプ手術」やカテーテルを用いる外科治療を模擬的に再現する機器などの開発を想定。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=93550
山形大医学部にも「地域枠」
(2014年2月25日 読売新聞)

 山形大医学部(山形市)は24日、2015年度入試から山形県内出身者を対象とした「地域枠」を創設すると発表した。

 医学科の6人前後で、卒業後に県内の公的医療機関で一定期間働くことなどが条件。同大はこれまで、入試の公平性や透明性を確保するため、旧帝大を除く国立大で唯一、地域枠を設けていなかった。

 受験資格は、県内高校の出身者か、保護者の県内在住期間が出願時までに3年以上の者で、卒業後は同大付属病院や県内の公的医療機関で働くことが要件。具体的な勤務期間などは6月に発表予定の募集要項に明記される。

 医学科の定員は現在125人で、入学者に占める県内高校卒業生の割合は、13年度までの10年間で15・5%。最高は04年度の24・0%、最低は12年度の8・8%だった。

 嘉山孝正・同大学長特別補佐は同日の記者会見で、救急医療が必要な患者を受け入れる急性期病床が15年度末までに、全国で約9万床削減される方向となり、県内でも若い医師の必要性が一層高まるとの認識を示した。そのうえで「余裕を持って県民の健康を守るため、地域枠を設定した。国が高齢化社会に向けて大きくかじを切ったことに対応していきたい」と述べた。

 県は医師確保策の一つとして同大医学部と連携し、県内の公立病院などに一定期間勤務することを条件に、返還を免除する奨学金制度を設けている。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140225-OYT1T00197.htm
看護師ら197人中、残るのが89人だけの病院
(2014年2月25日13時33分 読売新聞)

 医療法人「徳洲会」が4月から指定管理者となる大阪府和泉市立病院で、看護師らの半数以上が、市事務職員への職種変更や退職を希望していることがわかった。

 病院に残ると給与が下がることが主な理由とみられる。

 人員確保を目指し、徳洲会は病院で引き続き勤務する看護師らを対象に、一定条件を満たせば返済の必要がない就業支度金制度を設けたが、費用は市が全額を負担するため、市議からは「税金投入はおかしい」との声も出ている。

 市によると、常勤の看護師と准看護師計197人のうち徳洲会へ移籍して病院に残るのは89人。74人が職種変更を希望し、34人が退職を希望した。放射線技師など医療技術職員は57人中病院に残るのが17人で、職種変更希望者が30人、退職希望者が10人いるという。



http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014022501001635.html
病院側7600万円支払いで和解 医療ミスで女児の腕切断
2014/02/25 10:20 【共同通信】

 青森市の女児(6)が右腕を切断することになったのは、青森県立中央病院(青森市)の医療ミスが原因として、女児と両親が病院を管理する県に約9400万円の損害賠償を求めた訴訟は、25日までに青森地裁(浦野真美子裁判長)で和解が成立した。病院側が7600万円を支払う。1月17日付。

 訴状などによると、2008年1月に未熟児として生まれた女児は、中央病院に入院していた同2月、右腕にカテーテルを挿入する処置を受けた際、誤って動脈を傷つけられ、動脈閉塞を発症。その後の処置も不十分で右腕が壊死し、切断されたとしていた。

 女児側が13年1月に提訴していた。



http://www.caremanagement.jp/?action_news_detail=true&storyid=11783&view=all
<診療報酬改定>初診・再診料値上がり!「主治医」制で在宅医療強化も
2014/02/25 09:00 配信 ケアマネジメントオンライン

 厚生労働大臣の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は、2014年度の診療報酬改定案を12日、田村厚労大臣に答申した。

 診療報酬とは全国一律の公定価格で、医師の医療サービスの料金や薬の値段の基準となる。現在、医療費のおよそ半分が75歳以上の高齢者医療に費やされており、団塊の世代が75歳以上になる2025年度には、さらにその額が膨らむことが予想されることから、その抑制策が焦点だった。

 今回の主な改定のなかでは、まず初めて受診する際の初診料、そして2度目以降の再診料が上がった。
初診料はこれまでの2,700円から120円引き上げられ2,820円に、再診料は現行の690円から30円引き上げ720円になる。入院基本料や調剤薬局が取る調剤基本料も同様に引き上げられる。

 また、地域包括ケアシステムの完成に向けて不必要な入院を減らし、在宅医療の充実を促すため、地域のかかりつけ医などのクリニックの医師が高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療および健康管理を行なう「主治医」制度を新設し、月に1万5,030円を配分する。さらに24時間対応する訪問看護の拠点には、1万2,400円を配分する。

 一方で、大学病院など総合病院での軽度者の外来受診を減らすため、紹介状を持たない受診が多い病院には報酬を減らすなどのペナルティーを科す方針だ。



http://www.at-s.com/news/detail/947795500.html
非課税検査に消費税 浜松医大、課税分を返還
(2014/2/25 14:10)静岡新聞

 浜松医科大(浜松市東区)は25日、付属病院で実施した産科婦人科の診察で、本来は非課税扱いにすべき助産関連の検査などに対して消費税を課税するミスがあったと発表した。対象期間は2008年7月1日〜13年7月18日で、患者3864人に計約120万円を返還する。
 同病院によると、昨年7月に実施した未収債権の確認作業中に判明した。対象者への通知や公表が遅れたことについて、担当者は「返還対象者の特定や金額の確定、返還方法の検討に時間が掛かったため」と説明している。
 対象者には2月28日以降、個別に文書を郵送する。問い合わせは同病院の会計窓口6番<電053(435)2605>へ。



http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20140225ddlk17040696000c.html
加賀市新病院計画:山中には診療所を 検証委、統合や立地「妥当」 /石川
毎日新聞 2014年02月25日 地方版 石川

 加賀市民病院と山中温泉医療センターの加賀市立2病院を統合する市の新病院計画について、計画の検証委員会(委員長=北川正恭・元三重県知事)は24日、統合の必要性や建設地などを妥当とする答申の素案を市側に提示した。ただ拠点病院が消える山中地区については「外来機能は残し、19病床を置くことを検討すべきだ」と勧告している。

 継続を容認する理由は「建設中止のコスト」で、計画先送りの悪影響として▽失望する医師の退職リスク▽建築費など約35億円の負担増−−などを挙げた。また統合ではなく加賀市民病院の建て替えという選択は、「改築に多額のコストがかかる」と指摘。一方、山中地区については「混乱を防ぐため一定の病床が必要」とし、医療センターを診療所として残すよう検討を求めた。

 「JR加賀温泉駅南側」という新病院の立地については「金沢からの特急通勤が可能。医師招へいに利点がある」などと理解を示した。新病院は2016年4月開業を想定。検証委は素案を一部修正し、3月2日に宮元陸市長に答申する予定。【中津川甫】



http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2014022511
いわきに複数の共同診療所開設で合意 
2014年02月25日 17時26分 配信 KFB福島放送

双葉地方町村長会議は24日、福島市の県自治会館で開かれ、同会と県、双葉郡医師会が、同郡の今後の医療体制について協議した。
東京電力福島第一原発事故に伴い、いわき市に避難している住民向けに、市内の複数箇所に各町村が共同で診療所を開設し同医師会に運営を委託することで合意した。
県は郡内に公的医療機関を早期に開設し、郡内への住民帰還・定住を加速させる。
いわき市内の診療所設置を支援するほか、福島医大に医師派遣を求める。
避難住民の保健・医療・福祉の充実強化に向けて、県と町村は、国に対して必要な財政的、人的支援を要請していく。
会議には、双葉郡町村長会長の渡辺利綱大熊町長をはじめとする8町村の首長と菅野裕之県保健福祉部長、堀川章仁双葉郡医師会長ら約25人が出席した。
終了後、記者会見した渡辺町長は「方向性は合意できた。
今後は、郡内での医療機関の設置場所選定などを進めていきたい」と語った。



http://mainichi.jp/area/shimane/news/20140225ddlk32040651000c.html
損賠訴訟:「出産時医療ミス」 原告の訴え棄却−−松江地裁判決 /島根
毎日新聞 2014年02月25日 地方版 島根

 出産時の医療ミスで新生児が脳性マヒの障害を負ったなどとして県内の女性とその家族が島根大医学部付属病院を相手取り、約1億円の損害賠償を求めていた訴訟で、松江地裁(河村浩裁判長)は24日、原告の訴えを棄却する判決を言い渡した。

 原告側は2006年の女性の出産で、医師らの帝王切開の判断が遅れたため、新生児が脳性マヒの障害などを負ったと主張。これに対し河村裁判長は、原告の主張する時点で「帝王切開に切り替えるべき義務は認めがたい」と請求を退けた。【長宗拓弥】



http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1402250006/
藤沢市民病院訴訟 市と和解成立、遺族へ400万円/神奈川
2014年2月25日 カナロコ 神奈川新聞

 藤沢市民病院(同市藤沢2丁目)は24日、2009年6月に発生した女性患者=当時(67)=の死亡について遺族から提起されていた損害賠償請求について市が遺族側へ400万円を支払うことで和解が成立した、と発表した。

 同病院によると、09年6月、入院中の女性患者が食事中に容体が急変し亡くなった。遺族は12年2月、「死因は食べ物を誤って、喉に詰まらせたことによる窒息死で、病院がこれを回避する診療上の注意義務を怠った」として、損害金約3620万円を求める訴えを東京地裁に起こしていた。

 同病院は「今後このような事故が発生しないよう努力していく」としている。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140226/hrs14022602270004-n1.htm
安佐市民病院の移転問題 広島市議会本会議も否決
2014.2.26 02:26 産經新聞

 広島市立安佐市民病院(安佐北区可部南)の移転、建て替えをめぐり、広島市議会は25日開かれた本会議で、市提出の2千万円の関連予算案を否決した。

                   ◇

 この問題をめぐって、市は地元説明会を2回開催したが、住民の意見は分かれたまま。前日の市議会厚生委員会では関連予算案を否決し、松井一実市長が異例の会見を行い「非常に不本意で残念」と述べていた。

 この日は午前10時から本会議の予定だったが、保守系最大会派の分裂や投票方法などをめぐって紛糾し、開会は午後4時半すぎにずれ込んだ。

 本会議では賛成、反対の議員計6人がそれぞれの立場から意見を述べた後、記名投票で採決。賛成25、反対25で1人は投票せず議場を出た。議長裁決により否決した。



http://www.asahi.com/articles/ASG2T5GTLG2TPITB00R.html
広島)安佐市民病院建て替え問題、本会議も移転否決
2014年2月26日03時00分 朝日新聞デジタル 広島

 広島市議会(議員数52人)の2月定例会は25日、本会議を開き、市立安佐市民病院の移転新築に関連する病院事業会計の補正予算案を否決した。議長と退席した1人を除く50人で採決。賛成25反対25の同数となったため、議長が否決と決めた。議会の賛否は真っ二つに割れ、最大会派の自民党・保守クラブ(保守クラブ)は分裂。松井一実市長もダメージを負い、双方に爪痕を残した。

 本会議は約7時間遅れの午後5時前に開会した。採決に先立ち、各会派が意見を述べた。

 移転を支持し、保守クラブを離脱した山路英男議員は「現地建て替えの困難さは広島市民病院や日赤病院の例で明らか。移転は必ず安佐北区に変革をもたらす」と主張した。

 一方、移転に反対し、現地建て替えを訴える保守クラブの八軒幹夫議員は「住民の生活に大きな影響を与える公共施設の建て替えは原則、現地ですべきだ。移転後の活性化策も具体性を欠く」と批判した。

 採決は記名投票で行われ、議員一人ひとりが壇上で票を投じた。各会派の移転への賛否は、保守クラブ(賛成2、反対10)▽自民党(賛成11)▽市政改革ネット(賛成2、反対6、退席1)▽市民連合(賛成2、反対6)▽公明党(賛成8)▽共産党(反対3)で、賛否が同数に。碓井法明議長(保守クラブ)が否決と裁決すると、反対派から「よし」という声が上がった。松井市長はうつむいたまま動かなかった。

 ■最大会派、保守ク分裂

 市民病院建て替えをめぐる議論への関心は高く、開会予定時刻の午前10時に、議会の傍聴席は病院周辺の住民らが多数集まった。

 だが、最大会派・保守クラブ(21人)は会派内の協議がまとまらず、控室の扉には「党議中」のプレートが下がったままだった。

 保守クラブは2011年の市長選で新顔だった松井市長を支援したが、幹部は移転反対の方針を固めていた。だが「市長提案を否決することになる」と主張する議員らも譲らなかった。約3時間の協議の末、移転賛成派の8人が会派を離脱し、保守クラブは分裂。8人は自民系の爽志会(そうしかい、3人)と組んで新会派の自民党を結成した。

 新会派の山田春男幹事長は「(保守クラブは)基本的に市長を支える会派だったはずだ。スタンスが変わりつつあり、我々とは明らかな違いがある」と批判。保守クラブの谷口修幹事長は「会派がまとまるよう努力は重ねたが残念。与党といえ、議会は是々非々で判断すべきだ」と話した。

 市政改革ネットと市民連合も賛否が分かれ、個々の議員に判断をゆだねる自主投票とした。来年は市長選が予定されており、最大会派の分裂は選挙戦に影響を及ぼす可能性もある。

 ■「完全否定ではない」

 否決後、松井市長は報道陣に「ギリギリのところまで行ったのに本当に残念」と落胆した表情で語った。

 24日に反対派議員らについて「説明を理解していない」と述べたが、この日も「今回の反対討論でそのことが確認できた」と発言。賛否同数の結果について「完全に否定されたわけではない」と強気な姿勢も見せた。ただ、今後について今回の議論を精査したうえで「移転案再提出の有無や時期などを慎重に判断したい」と述べるにとどめた。会派分裂の議会運営への影響について「テーマ次第だと思う」と応じた。(中崎太郎、清水謙司、伊藤賢)

     ◇

 〈安佐市民病院建て替え問題〉 1980年建設の広島市立安佐市民病院(577床)(安佐北区可部南2丁目)は耐震性に問題があると指摘されてきた。敷地が狭いため、当初、現地建て替えは工事に7年かかるとされ、市は広い敷地への移転新築案を検討した。

 しかし、現在の敷地近くの民有地を取得すれば工期が4年で済むことがわかり、近隣住民らの移転への反対は強まった。市は昨年、住民説明会で現地建て替えと移転新築の2案を説明。今月6日、松井一実市長は「地域の活性化の観点から決断した」と、荒下地区(同区亀山南1丁目)への移転方針を表明した。移転新築計画に必要な費用をあらかじめ計上しておく「債務負担行為」(上限2千万円)を病院事業会計の2月補正予算案に盛り込み、市議会2月定例会に提出した。


  1. 2014/02/26(水) 05:35:24|
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2月24日 医療一般

http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201402/0006732188.shtml
兵庫県内の医師不足緩和へ 神戸大が教育研修拠点開設
2014/2/24 10:00 神戸新聞

 神戸大医学部(神戸市中央区)は4月、兵庫県内の医師や看護師らの教育、研修を担う「地域医療活性化センター」を、医学部に近い同市兵庫区荒田町2に開設する。県の支援を受けた取り組みで、医療技術の訓練や復職支援などにより、県内に定着する医師を増やし、医師不足を緩和したいという。(金井恒幸)

 県によると、県内の医師数は2010年末現在、人口10万人当たり226・2人で、全国平均の230・4人を上回っているのは神戸、阪神南の2地域だけ。地域としては都市部以外の公立病院などで、診療科では救急や産科、小児科などでそれぞれ医師不足が目立つという。

 医師の確保策として、神戸大や自治医大など5大学は、卒業後に県内のへき地などで働く意思のある学生を対象とした計20人程度の医学部定員を確保。県も若手医師を県職員として採用し、地域の医療機関で働きながら、専門医療を学んでもらう制度を導入している。だが、12、13年度の採用制度による実績は募集計20人に対し、計2人にとどまるなど低迷している。

 県は技術向上の場を設けて若手医師を定着させようと、11年に同センター整備を盛り込んだ地域医療再生計画を厚生労働省に提出。12年度に着工し、地域医療再生基金のうち約8億円を同センターの整備に充てた。総事業費は約9億5千万円。

 センターは鉄筋コンクリート造り地上3階、地下1階建ての延べ約3千平方メートル。県有地を無償で借りた。ブタを使った手術のほか、内視鏡治療、病理診断などが訓練できる施設を備える。模擬病室もあり、人形を使った注射や挿管などを指導員がマジックミラー越しにチェックできる。

 医師や看護師の復職支援に関する訓練や相談にも対応。電子カルテの扱い方など医療事務関係の分野を指導し、早期の復帰につなげたいという。

 さまざまな大学の出身者や医療機関の医師らが情報交換できる交流の場も目指す。進路について、希望や適性に応じたきめ細かな相談に応じ、県内への定着を促す。医学部生から研修医、一般の医師ら対象は幅広い。

 このほか、放射線診断の画像を読み取る専門医の不足を補うため、県内の医療機関から画像を受け取りセンター内で診断する仕組みを設け、地域医療を支援する。

 センター長に就任予定の神戸大の杉村和朗学長補佐は「センターを医師の希望に沿った技術向上や進路の相談拠点とし、兵庫を好きになって定着する医師を増やしたい」と話す。



http://blogos.com/article/80975/
グローバルヘルスが日本を強くする――日本人の多くがまだ気がついていない国家戦略
- 渋谷健司
SYNODOS 2014年02月24日 07:30 The BLOGOS

グローバルヘルスを国家成長・国家安全保障戦略の中心に

 保健医療は、各国の歴史や社会経済状態、法制度に密接に関わる極めてローカルなものである。しかし、あらゆるセクターがグローバル化する中で、保健医療もそれと無関係ではいられなくなっている。つまり、パンデミック・インフルエンザ等の病気だけではなく、医師も患者も国境を超えて移動する時代になった。

保健医療のグローバル化は世界の潮流だ。

 Koplanら[*1]によると、「グローバルヘルス」とは、医療に国境がなくなったグローバル化の一つの形態で、従来のように先進国が発展途上国を援助するのではなく、両者に共通する地球規模の保健医療の課題を、さまざまなセクターが一緒に解決していく分野だ。

 それは、極めて学際的で、イノベーションを重視し、社会医学に限らず、基礎研究、臨床医学、そして、薬や機器の供給も含まれる。パンデミックなどの感染症、生活習慣病の蔓延、高齢化、皆保険制度、医療人材不足、医薬品開発などの問題は、発展途上国も含めた国内外共通の課題である。

 2000年代半ばから米国を中心にグローバルヘルスという言葉が使われ出し、瞬く間に世界中に広まった。元ビル&メリンダ・ゲイツ財団グローバルヘルス部門総裁(現武田薬品工業取締役)のタチ山田氏は、「グローバルヘルスは医療の将来」と言い切った。

 その流れをうけ、いまや世界の主な大学にはグローバルヘルスを標榜する教室が存在する。

 最近、ハーバード大学学長から直接聞いた話だが、ハーバード大学の学部生の選ぶ最も人気のある科目は経済学とコンピューターサイエンスだが、2番目に人気のある科目がグローバルヘルスになったという。

 米国シアトルにある名門ワシントン大学医学部でも、グローバルヘルス専攻は2番目に大きい教室である。グローバルヘルスを希望して医学部に入る学生も多い。米国のトップスクールの学生は、本気で世界を変えたいと思っている。そして、その対象に保健医療が選ばれるようになっているのは特筆すべきことだろう。

 なぜここまでグローバルヘルスが大きなブームになっているのだろうか。それは、保健医療が国際開発、そして、国家成長戦略および外交安全保障戦略の重要な課題として認知されたからである。

 グローバルヘルス興隆の始まりは2000年に遡る。当時の国連事務総長コフィ・アナンが提唱し、国連加盟189カ国が合意したミレニアム開発目標(MDGs)というものがある。MDGsは2015年までに国連加盟各国が達成すべき開発目標であるが、8つの目標のうち実に3つが保健医療関連であり、このMDGsによって保健医療は開発の主なアジェンダとなった。

 MDGsの礎を築いたのは、コロンビア大学のJeffery Sachsだ。それまでの世界の開発分野では、「貧困があって病気になる。だから、まず経済開発を優先すべきだ」という発想だった。しかし、Sachsら[*2]は、アフリカのマラリア等の事例を示し、「病気があるから貧困になる、だから、健康に投資しなければならない」と訴えた。つまり、「健康への投資」によって経済成長も促すことを示した。グローバルヘルスへの期待が急速に増えたのはそれからだ。

 さらに、欧米諸国では、保健医療が開発や国家成長の重要戦略であるのみならず、外交安全保障戦略の主な対象となっていることを忘れてはならない。発展途上国の感染症対策は、先進国の自国民を健康の脅威から守ることでもある。それを明確に示しているのは、ヒラリー・クリントン元国務長官のジョンズ・ホプキンス大高等国際関係大学院(SAIS)でのスピーチ[*3]だ。

 彼女は、「グローバルヘルスは、破綻国家を救済し、社会経済開発の手段として有能な同盟国を支援し、国家安全保障として米国民を守るためにある。そして、(ブッシュ政権で傷ついた)民間外交手段として有効であり、何よりも、米国民の思いやりの表れである」と言っている。

 それを裏付けるように、米戦略国際問題研究所(CSIS)や英王立国際問題研究所(チャタムハウス)といった著名な外交政策シンクタンクにおいても、グローバルヘルスに関する部門が近年設立され、活発に政策提言を行っている。

 このように、近年のグローバルヘルスの興隆の背景には、保健医療が従来の保健セクターを超えて、国家戦略、さらには、外交安全保障戦略としての地位を確立したことがある。つまり、グローバルヘルスは、いま、政治・外交・経済・貿易・ビジネスにおけるイノベーションの最前線なのである。

[*1] http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)60332-9/fulltext
[*2] http://www.who.int/macrohealth/en/
[*3] http://link.brightcove.com/services/player/bcpid1705667530?bctid=586427366001


変わる国際協力のあり方

 グローバルヘルスでは、いま、何が大きな課題となっているのだろうか。一昨年度、私は、世界の500人以上の研究者との国際共同研究「2010年の世界の疾病負担研究(GBD 2010)」の分析結果を英国ランセット誌およびウェブサイトに発表[*4]した。

 今回の私達の分析によると、世界の保健状態は20年前よりも明らかに改善している。かつては1000万人以上の5歳未満児の死亡が世界の疾病負担への最大の要因であったが、現在では、その大半が筋骨格系疾患や精神疾患、傷害などによるものとなった(表)。このような負担は、人々が長生きするにつれて増えている。世界的な高齢化(現在世界の平均寿命は約70歳)と疾病構造の変化により、グローバルヘルスのアジェンダは、感染症から生活習慣病や高齢化に関連した疾病対策へと着実に変化している。

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表:世界全体、先進国および発展途上国における疾病による負担 (出典: http://www.healthmetricsandevaluation.org/gbd/visualizations)

 しかし、特徴的なことは、Hans Rosling(カロリンスカ研究所国際保健学教授)が強調するように、発展途上国は感染症中心、先進国は生活習慣病というステレオタイプな分類は当てはまらなくなっている[*5]ことだ。多くの途上国では、健康状態の改善は経済状態の改善よりも遥かに早く、感染症と生活習慣病の両者から社会経済的にも大きな負担を強いられ始めている。

 例えば、ベトナムの現在の健康状態は米国の1980年代と同じ状況だが、経済は米国の1880年と同じレベルだ。それに対応するには、これまでのような一過性に資金援助やプロジェクトによる技術協力を提供するだけでは解決にはならない。

 さらには、先進国ドナーの財政危機が追い討ちをかけ、これまで順調に伸びてきたグローバルヘルスへの資金の流入に陰りが見えはじめている。現在では選択と集中(効率化)が提唱され、新たな資金源として新興国、ワクチン債や国際連帯税、政府と民間のマッチングファンド、あるいは、民間資金の活用等が議論されている。

 しかし、保健医療のための主な財源は、最貧国を除いて実は発展途上国内にある。世界の保健医療は、世界全体の総生産の約10%を占めている。そのうちの10%、約70兆円が途上国での医療費である。先進国からの保健医療分野の開発援助は約3兆円だ[*6]。

 今後求められていることは、資金供与やプロジェクト形成のみではなく、保健医療制度の設計や戦略を発展途上国と一緒に作ることだ。2005年に開催された世界保健機関(WHO)の第58回総会では、財政的に持続可能な皆保険制度の構築に向け努力することを加盟国に求める決議[*7]が採択された。実際、過去10年間でガーナやルワンダといった低所得国においても、低コストで国民皆保険を実現するための保険制度が導入されはじめている。

 世界を見渡せば、我が国ではその持続可能性が課題になっている皆保険制度の構築は、いま最もホットなグローバルヘルスのアジェンダなのである。

 こうした制度設計は、もちろん保健医療関係者だけではできない。国連、特にWHOの財政的、政策的求心力の低下に伴い、官民連携型の国際機関やビル&メリンダ・ゲイツ財団(ゲイツ財団)などの財団、NPO、そして、製薬企業などの民間セクターの存在感が増している。

 それに従って、活動の中心が個別のプロジェクトから多国間連携を軸とする大規模なプログラム、そしてアジェンダ設定・ルール作りへと変化している。WHOが世界の厚労省であることを考えれば、グローバルヘルスで起こっているこうした動きは、日本国内での動向を先取りしていると言えるかもしれない。

 さらに、成果主義も最近のグローバルヘルスの大きな特徴だ。これまでのように、この活動に日本は●●円貢献したというのではなく、これくらいの資金をもとに、これだけの命を救ったという成果が非常に重視されるようになってきている。保健関連MDGsも、プロセスではなく保健アウトカムをメインとした指標であることが、開発における成果主義の潮流に拍車をかけた。

 実は、グローバルヘルスでは日本から大きな成果が出ている。例えば、エイズ対策だ。1990年半ばにエイズウイルスの増殖を阻害する薬が市販されたが、当初は高額で世界のエイズが集中するサハラ砂漠以南のアフリカでは入手不可能であった。2000年のG8九州・沖縄サミットで日本が音頭をとって設立された官民連携型国際機関のエイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)等の支援により、相当安く手に入るようになった。いまでは、3500万の感染者のうち約1000万人が抗エイズウイルス薬を使っており[*8]、そのうちの半分は発展途上国自らの支払いによって賄われている。

 最近では、ポリオ、つまり小児麻痺の根絶も視野に入ってきた。もし世界からポリオを根絶することができれば、1980年に世界から撲滅された天然痘に続いて2番目となる。ポリオ根絶でも実は日本は大変貢献している[*9]。ポリオの発症例は過去20年間で99%も減少したが、現在一番ワクチン接種が難しいと言われているのが、ナイジェリア、そして、パキスタンやアフガニスタン国境あたりの紛争地域だ。

 根絶のためには、この地域のすべての子どもたちにワクチンをうたなければならない。そこで大事なのは、その地域の人々からの絶対的信頼だ。こうした地域では、日本の信用度がとても高い。だからこそ、2011年には、日本は、ゲイツ財団と連携し、パキスタンのポリオ対策にかかる革新的円借款パートナーシップを実施した。

 予防接種の目標が達成されれば、ゲイツ財団がパキスタン政府に替わって債務を日本に返済する仕組みである。この場合パキスタン政府にポリオ感染を根絶する経済的なインセンティブが生まれる。成功への強力なインセンティブを組み込んだ画期的な方法だ。

 ワクチンを拒否した地域外では、パキスタンのポリオ発症数は1年間で4割以上減少している。日本政府とゲイツ財団はこの革新的な手法を、ポリオ常在国であるナイジェリアにも適用する予定だ。多くの日本人は知らないが、日本はグローバルヘルスでは、すでに大きな存在感を世界に見せているのだ。

[*4] http://www.thelancet.com/themed/global-burden-of-disease
[*5] http://edition.cnn.com/2013/12/10/opinion/gapminder-hans-rosling/
[*6] http://www.healthmetricsandevaluation.org/publications/policy-report/financing-global-health-2011-continued-growth-mdg-deadline-approaches
[*7] http://www.who.int/health_financing/documents/cov-wharesolution5833/en/index.html
[*8] http://www.unaids.org/en/media/unaids/contentassets/documents/epidemiology/2013/gr2013/UNAIDS_Global_Report_2013_en.pdf
[*9] http://1action-polio.jp/

グローバルヘルスが日本を救う3つの理由

 先日、北京で開催された中国の保健医療戦略に関する会議に招かれた。中国が脳卒中やPM2.5による大気汚染による健康被害に悩む様子は、多くの人が忘れてしまっていると思うのだが、1960~70年代の日本の状況と良く似ている。中国の参加者からは、「日本の経験や制度から学びたい」という真摯な意見を幾度となく聞いた。

 他国から学ぶことによって、健康被害を減らしてゆく、そこに新しい希望が見える。世界中、それぞれの国で、それぞれの状況下においての健康についての課題を抱えている。例えば、日中には安全保障上の大きな問題があるが、保健医療ではそうした課題を越えて協力できる。

 世界の多くの国では、大気汚染以外にも、高齢化社会を迎えての生活習慣病対策や医療保険制度構築を模索している。この点でも、日本は、1961年に国民皆保険を達成し、低医療費で高い保健アウトカムと公平性を維持してきた経験を持っている[*10]。しかし、現在の日本も、新しい課題に直面している。高度成長期に機能していた国民皆保険制度も経済状況や人口構成の変化のために持ちこたえられないという課題がある[*11]。

 閉塞感に覆われた国内状況だが、世界の我が国に対する信頼と期待はいまだに高い。英ランセット誌のリチャード・ホートン編集長[*12]は、「日本の医療制度は日本国民のみならず、世界の人々の健康のバロメーターであるという点でも、きわめて重要である」「日本は大変なソフトパワーを持っている。世界における確固たる地位を確保する努力と国内での政策を改善する力を発揮しようとしている」と述べている。

 私は、日本がグローバルヘルスにコミットすることで、逆に、日本が直面している課題を解くことができるのではないだろうか、と考えている。その理由は3つある。まず、日本が過去50年間に達成してきた「安価で良い保健アウトカムを国民が享受することを達成する」ことが、現在の世界の多くの国での保健医療の中心課題となっていること。戦後の混乱から復興し、平均寿命世界一を達成した知見は、成長著しいアジアやアフリカの国ではいままさに使えるはずだ。その点で世界は、いま日本を必要としている。

 それとは逆に、日本が抱える、または今後大きく問題になるであろう、さまざまな保健医療の課題に対するさまざまな試みが、世界中で試行錯誤されている。実は、日本のいまの問題の解決の糸口が、発展途上国で起こるイノベーションに多く隠されている。限界まで必要に迫られた場所で起こる課題解決策が、いわゆるリバース・イノベーションや規制緩和の形で日本にも応用できる可能性が高い。

 さらに、こうした「スマート」な双方向の国際協力が、我が国のソフトパワー、つまり、イノベーションを起こす力や国外での競争力強化による経済成長、さらには、外交安全保障に寄与する。つまり、国際協力の最も大切な要素である、国益に直結する可能性がある。

 しかし、我が国はグローバルヘルスにおけるそのポテンシャルを生かしきれていない。2000年にMDGsが宣言されて以降、世界的には保健関連ODA予算は急増したのに対し、OECD加盟国のうち我が国のみが縮小している。また、日本の保健医療分野に対するODAは、ODA全体の僅か2%であり、これはOECD諸国平均の15%と比べて極めて低い[*13]。未だに「健康への投資」という戦略的発想が無いのだ。

 さらに根本的な課題は、我が国の医療のグローバル化は、国内医療環境の裏返しでもある。例えば、我が国では新薬開発がなかなか進まない。創薬の市場は、各国の関連産業が他国市場も視野に入れてグローバルな競争を行っており、他の産業セクターと同様に、グローバルな競争の中では、先行して革新的な製品を開発した企業が多くの収益を得る。

 日本の創薬の課題は、創薬プロセスの一部に研究資金をつぎ込めば解決するものでは決してなく、実は根本的には構造的な問題である。なぜなら、創薬がなくとも成り立つ市場が我が国にはあるからだ。

 競争原理の働かないジェネリック薬や長期収載品の薬価の決定の仕組み、そして、海外のジェネリック薬を日本で販売しようとする際の障壁(例:国内での日本人を被験者とした治験が必要)という2つの規制により、日本の製薬産業は、無理して革新的創薬にチャレンジせずとも、ジェネリック薬や長期収載品の販売により生き残ることが可能になっている。こうした独自の市場は、20年前の国内金融市場にとても良く似ている。多数の銀行が乱立し、護送船団方式で世界から隔離されながら生き残ってきたが、結局、そのツケは国民が支払った。

 グローバルヘルスにコミットするということは、実は、国内の医療改革や規制緩和とも表裏一体なのだ。こうした状況の中で、安倍政権で健康・医療戦略が策定されたことは特筆すべきことである。医学研究の司令塔である日本版NIHの設立や官民一体で医療サービスや医療機器の海外展開を推進するMEJがその中心となる。

 しかし、既存のシステムのままで、保健医療による成長が期待できるかは疑問だ。なぜならば、国家成長戦略および外交安全保障戦略としての保健医療像が見えてこないからだ。競争力をつけるためには競争をするしかない。早急なシステム設計の改変が必要である。そして、それは、国境を越えた多様な人材と公正な評価に基づく競争をもたらすものであることが条件だ。

 保健医療は、日本に大きな比較優位がある分野であり、日本がリーダーシップがとることのできる数少ない分野である。それは、世界の成長セクターの一つでもある。また、保健医療は、政治や宗教などにも左右されにくい。

 日本は、いままでの知見を活用し、世界の人々の健康を守ることに貢献できる。それは同時に日本の直面する問題の解決を模索に役立つはずだ。疲弊する地方の医療問題も、グローバル規模で日本の立ち位置を考えれば、解決できる策がでてくる可能性がある。先進国と発展途上国間での双方向の連携及び経験と知識の共有をしながら、新しい保健医療のあり方を考えることが必要だ。

 保健医療は、コストでも施しでもない。それは、将来への投資である。Dean Jamison やLarry Summersらの最近の研究[*14]でも、保健医療への投資は大きな経済的リターンをもたらすことが示されている。いまこそ、発想の転換をする時期ではないだろうか。

 日本は、今後増えていく地球規模の課題を解決するイノベーションを世界との連携の中で追求し、世界の人々の健康を守ることに貢献し、国家としての健全なリーダーシップを確立する。そして、国益も信頼も勝ち取る。それができるのが、グローバルヘルス分野なのだ。

[*10] http://download.thelancet.com/flatcontentassets/series/japan/series5.pdf
[*11] http://download.thelancet.com/flatcontentassets/series/japan/series6a.pdf
[*12] http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)61392-X/fulltext
[*13] http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)61048-9/fulltext
[*14] http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(13)62105-4/fulltext

渋谷健司(しぶや・けんじ) 国際保健政策学
 東京大学大学院医学系研究科。国際保健政策教室教授。1991年、東京大学医学部医学科卒、同年に医師免許取得後、帝京大学付属市原病院麻酔科医員(研修医)として勤務。1993年、東京大学医学部付属病院医師(産婦人科)を経て、米国ハーバード大学リサーチ・フェロー。1999年に同大学より公衆衛生学博士号取得。同年、帝京大学医学部産婦人科助手、2000年衛生学公衆衛生学講師。2001年に世界保健機関(WHO)シニア・サイエンティスト(保健政策のエビデンスのための世界プログラム)就任。2004年にWHOコーディネーター(評価・保健情報システム/保健統計・エビデンス)を経て、現職。専門分野は死亡・死因分析、疾病の負担分析、リスクファクター分析、費用効果分析、保健システムパフォーマンス分析、保健外交など。現在、Global Burden of Disease 2010研究コアメンバー、GBD科学評議会、WHO保健統計専門家委員やランセット特別号の組織委員を務める。



http://apital.asahi.com/article/news/2014022500001.html
救急受け入れに新補助金 1件1~4万円 茨木市
2014年2月25日  朝日新聞 asahi apital

 茨木市は24日、市内の病院により多くの救急患者を受け入れてもらえるよう、新たな補助金制度を始めると発表した。1件受け入れるごとに1万円を払い、過去2年の平均件数を上回った分については1件4万4千円を払う。市内7病院が対象で、新年度予算に1億4300万円を盛る。

 同市消防本部の昨年の救急搬送件数は約1万1600件。うち6割は高槻市など市外病院への搬送で、茨木市内の病院の受け入れ率は4割を切る状態が続いている。医師不足などが原因で要請に応じられないケースが相次いでいるからだという。市は新制度を14、15年度と2年間続け、搬送件数の5割を市内病院で受け入れることを目標とする。(釆沢嘉高)



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/kigawa/201402/535148.html
コラム: 木川英の「救急クリニック24時」
救急過疎地の「救世主」、果たしてその実態は?

木川英 (川越救急クリニック副院長 / 2005年東海大学医学部卒)
2014/2/25 日経メディカル/ nikkei BPnet

毎日16時から翌朝まで運営する破天荒なクリニック

 「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われた埼玉県川越市に2010年7月、全国初となる救急科に特化した診療所として開業した「川越救急クリニック」に勤務しております木川英(きがわ あきら)と申します。

 川越救急クリニック(以下「救クリ」と略)は、院長と私、3人の看護師と2人の事務員、数人のパート職員で毎日16時から翌朝まで運営している破天荒なクリニックです。

 テレビ、新聞、雑誌などのマスコミ関係者のウケは良く、メディアで度々紹介されることで一般の方々には認知され始めて賞賛されてはいますが、医療界では何のインパクトも示せていません。それどころか、異端児扱い、煙たがられている存在に甘んじている状況です。

 このたび、権威ある日経メディカルに声を掛けていただき、この状況を打破すべく、救クリの取り組みを書くことを通じて医療界に切り込んでいく所存でブログを始めさせていただくことになりました(さらに批判の対象となるかもしれませんが・・・)。

  医師臨床研修制度が開始されて間もない2005年、東海大学医学部を卒業しました。在学中は、これから訪れる超高齢社会、入院医療費の削減、療養型病床の減少を予測して、世間に溢れる介護難民の手助けができる在宅医療に魅力を感じていました。

 しかし、在宅で診ている患者が急変した時に、「これは最期だから、このまま看取ろう」とか「これは救命救急センターに搬送すれば助かってまた在宅に復帰できる」という判断ができなければ、在宅医療はできないと考え、若い頃は救急医療に携わろうとの思いで、地元湘南の茅ケ崎徳洲会総合病院(現:湘南藤沢徳洲会病院)に初期研修医として入職しました。

 徳洲会での研修は、過酷そのものでしたが、ここで過ごした日々が医師である自分の基礎を形成してくれたことは間違いありません。ただ、月に10回以上の当直、40~50人/日の入院患者を担当するのはもう無理です(苦笑)。

 2008年、 東北の地で救急医療に革命を起こそうとしていた今明秀先生が率いる、青森県の八戸市立市民病院救命救急センターに異動しました。「劇的救命」「ニューブランド八戸」を合言葉に救命医が集結し、年々事業を拡大していきました。ドクターヘリ、ドクターカーを導入し、医師不足にあえぐ青森県において救急医が溢れるという日本屈指の救命救急センターに成長しました。そのような歴史の過渡期にこの地で過ごせたことは幸せでした。そして革命的な出来事が起きる日々は本当にエキサイティングでした。

 そのような日々の中で、救急医療における自分の立ち位置を踏まえ、一端の救急医として自分も何か革命に加担できる部分があるのではないか、と考えるようになりました。2010年10月に出た日経メディカルの記事(REPORT◎救急専門の診療所を開業 元大学麻酔医、2次救急の新しい形態を追求)で救クリの存在を知り、2011年9月に見学に行ったところ、上原淳院長にその場で診療を手伝ってくれと請われ、実際に診療する羽目になりました(笑)。


 上原院長が他の常勤医を必要としていたかどうか分かりませんでしたが、ぜひ雇ってもらおうと連絡したところ「早く来て、待っています」とのお返事。もう少し八戸ですべきことがあったので、2年の時を経て、2013年8月に赴任しました。

 埼玉県はご存じの通り、「人口10万対医師数」が135.5人と全国最下位です。これは全国的な問題ですが、昼夜問わず救急患者は年々増え続け、現場の医療従事者は疲弊しきっています。そして、同県は救急隊現場滞在時間が全国ワースト5に入るくらい救急医療が崩壊しかけています。このような現状の中で、救クリは獅子奮迅、孤軍奮闘しており、まさに革命を起こそうとしている最中、私は合流したのでした。

 こうして、私の「救急クリニック24時」は始まりました・・・。

 救クリの救世主的なところは、マスコミの報道で散々いわれておりますので、逆に救クリが抱えている問題点、周辺地域医療の問題、救急搬送の問題、患者側の問題、など様々な切り口でお伝えできればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20140224-OYT8T01273.htm
山大医学部に「地域枠」
(2014年2月25日 読売新聞)山形

 山形大医学部(山形市)は24日、2015年度入試から県内出身者を対象とした「地域枠」を創設すると発表した。医学科の6人前後で、卒業後に県内の公的医療機関で一定期間働くことなどが条件。同大はこれまで、入試の公平性や透明性を確保するため、旧帝大を除く国立大で唯一、地域枠を設けていなかった。

 受験資格は、県内高校の出身者か、保護者の県内在住期間が出願時までに3年以上の者で、卒業後は同大付属病院や県内の公的医療機関で働くことが要件。具体的な勤務期間などは6月に発表予定の募集要項に明記される。

 医学科の定員は現在125人で、入学者に占める県内高校卒業生の割合は、13年度までの10年間で15・5%。最高は04年度の24・0%、最低は12年度の8・8%だった。

 嘉山孝正・同大学長特別補佐は同日の記者会見で、救急医療が必要な患者を受け入れる急性期病床が15年度末までに、全国で約9万床削減される方向となり、県内でも若い医師の必要性が一層高まるとの認識を示した。そのうえで「余裕を持って県民の健康を守るため、地域枠を設定した。国が高齢化社会に向けて大きくかじを切ったことに対応していきたい」と述べた。

 県は医師確保策の一つとして同大医学部と連携し、県内の公立病院などに一定期間勤務することを条件に、返還を免除する奨学金制度を設けている。



http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140214/334180/?bpnet
増大する医療費、技術でいかに抑えるか
身体に触れずに生体情報を計測、医療を変えるICT

梅田智広=奈良女子大学 社会連携センター 特任准教授
2014/02/24 00:00 nikkei BPnet

 医療費の増大は、日本をはじめ、少子高齢化が進む先進国で共通の社会的課題だ。日本では、都市部を中心に一人暮らしの高齢者が孤立死する問題も深刻化している。

 こうした課題を解決する手段として大きな関心を集める技術分野が、ICT(情報通信技術)を用いた健康管理サービスや高齢者の在宅見守りサービスである。ICTと医療を融合して病気になる前の段階で未然に防ぐ予防医療や、高齢者にほとんど意識させることなく遠隔地から様子を把握する環境を実現する。

 市場を起点にしたロードマップを体系的にまとめた技術予測レポート「テクノロジー・ロードマップ 2014-2023」の著者の一人で、予防医療のトレンドに詳しい奈良女子大学 社会連携センター 特任准教授の梅田智広氏は、なるべく利用者が意識せずに継続利用でき、費用対効果の高いサービスを提供する環境づくりが肝要と見る。(日経BP未来研究所)
健康年齢を向上させる大きな役割

 ICTを駆使した健康管理サービスと、高齢者の在宅見守りサービスは、超高齢社会に向かう社会の課題を解決するカギになる。いずれも自立して生活できる健康年齢を向上させる上で大きな役割を果たすからだ。

 これらのサービスは、センサー技術や生活支援基盤システムなどを軸に今後、次第に融合していく。この数年で利用者を増やしているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などと連携しながら、数年で社会に定着していくだろう。

 健康管理向けのソフトウエアやインターネット関連サービスなどの市場規模は、2015年に日本国内で約900億円と見込まれている。高齢者向けの緊急通報や見守り・安否確認サービスの市場規模は、独居高齢世帯の増加と高齢者住宅の戸数増が市場成長をけん引し、2020年に約130億円に成長する見通しだ。

 こうした期待が高まる背景には、増え続ける医療費の問題がある。平均寿命の伸長と高齢化に伴い日本の医療費は年々増加し、2012年度には38兆円に達した。その38%は国や地方自治体が負担しており、財政を圧迫している。国民一人当たりの医療費は、この約60年間で実に110倍となった。

 病院での長期入院患者は増加しており、その費用は医療費の40%を占めている。臨床ベッド数は都市部を中心に足りない状況にある。厚生労働省は入院期間の短縮と在宅医療の促進に向けて取り組んでいるものの、今のところ十分な対応・対策は実行できていないのが実情だ。

 ICTを活用した健康管理や在宅見守りのサービスは医療費の抑制につながるだけではなく、将来的には家や施設、地域の生活環境をより快適・安心・安全なものに変える可能性を秘めている。新たなサービスの創生はビジネス機会を生み出し、地域自治体の活性化や健康・医療を配慮した街づくりが実現するだろう。

 予防医療では、医療費高騰の要因になっている生活習慣病の罹患者を低減する方策が必須である。そのためには、日々の自己の状態を正しく知る技術、つまり体重や血圧、心拍のようなさまざまな生体情報を継続的にモニタリングできる技術やシステムの開発が求められる。これにより、「どれくらい病気になりやすい状態か」などが分かり、体調や意向に応じた健康の増進、病気の予防が可能になる。

センサー技術の進化、スマホの普及が後押し

 この分野で活躍する技術の代表は、生体情報を計測する各種センサーである。センサー技術の進歩により、従来は主観的評価しかできなかった多くの生体情報が、いつでもどこでも気軽に計測できるようになり、個人が客観的に自分の健康状態を評価できるようになっていく。

 急速に普及するスマートフォンやタブレット端末が、生体情報の計測環境の広がりを後押しする。センサーで計測した情報を、これらのモバイル端末経由でリアルタイムにインターネット上に送信できる環境が、新しいサービスを創出していくことになるだろう。モバイル端末向けに健康管理用のアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)を開発するツールの整備が進み、アプリが増え、さまざまなニーズに向けたサービスの多様化が進んでいく。

 生体情報は周囲の環境情報や生活情報と関連付けられ、インターネットのクラウド環境などで統合的に解析・評価されるようになる。この環境は、病気の予防や早期発見システムの実現につながっていく。「ヘルスインフォマティクス(健康情報科学)」などを用いた推論エンジンの開発が進み、商品やサービスに応用されるようになりそうだ。

 例えば、生体情報と、その日の天候状況を関連付けて、健康や生活のアドバイスを提供するサービスなどが広がっていくだろう。人の体調は気圧、気温差など天候状態の変化に大きく左右される。この気象現象が人に与える影響を研究する「生気象学」の成果に裏付けられた解析に基づいて、摂取した方がいい食材や、おすすめの献立、栄養情報などを利用者に提示する。

 こうしたサービスは、特に慢性的に不定愁訴(「頭が重い」「イライラする」といった自覚症状はあっても、検査では原因が見つからない状態)を持つが、健康管理意識が低い人にとっては導入を促す魅力的なツールとなりそうだ。

 生体情報センサーは今後、身体に触れずに測る非侵襲計測、かつ無意識に計測できる方向に技術が進化していく。生体情報を活用する際の費用対効果を高めるためには、短時間かつ安価に計測できることが望ましいからだ。

 例えば、血液成分検出では、血液を採取しないで計測(非観血)できる近赤外線を用いたセンサーの開発が進んでいる。コレステロール値や血糖値、老化の原因物質であるAGE(終末糖化産物)値を計測するセンサーである。非観血による計測は、結果が即座に分かることも採血に比べた大きなメリットになる。血圧についても腕に巻くバンド(カフ)を使わずに測定できるシステムが登場していくことになるだろう。

 見守りサービスでは、生体情報の計測による健康管理サービスと融合させながら、SNSを活用した新しいタイプのシステムを実現する動きが活発になりそうだ。例えば、生体情報を用いた健康状態の評価を、あらかじめ登録しておいた家族や担当医にSNSを用いて通知するようなサービスである。

 今後、健康管理サービスや見守りサービスでは、日本版のCCRC(終身型高齢者施設)への対応が進むだろう。ここでは、ネットワーク型とワンプレース型という大きく二つのタイプのシステムが登場する。

 ネットワーク型は、在宅支援診療所や介護施設、デイセンターなどの複合施設と、地域の高齢者の住宅をネットワークでつないだシステムだ。この通信環境を活用して、個人の健康状態やニーズに応じたさまざまなサービスを提供する。ワンプレース型とは1カ所の自立型住宅の中で医療や介護、生活サービスの充実を図り、高齢者に新しい生き方を提案するシステムである。

 こうした取り組みの成否は、費用対効果の高い健康管 理システムや在宅見守りシステムの実現に掛かっている。加えて、利用者が効果を実感し、「恩恵(ありがたさ)」を感じられるサービスを実現することが、継続的な利用につながる。誰もが簡単に操作でき、科学的根拠に基づいた価値ある情報を提供するサービスの実現が求められている。



http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/523333.html
減塩食なのに塩分超過 北海道・市立函館病院、診療報酬を自主返還
(02/24 21:57、02/25 00:39 更新) 北海道新聞

 【函館】市立函館病院は24日、1年以上、病院食の一部で規定を超える塩分を使用したとして、診療報酬の特別食加算分約600万円を健康保険組合などに自主返還したことを明らかにした。

 問題の病院食は、腎臓病などの入院患者に提供する減塩食で、塩分量は「1日6グラム未満」と国の基準で定められている。昨年6月に患者から「味が濃い」との指摘があり内部調査したところ、同月まで少なくとも1年間、塩分の上限を上回った日が月数回ずつあったという。

 このため同病院は昨年12月、診療報酬のうち、減塩食などを提供した場合の特別食加算1年分に相当する約600万円を返還する手続きを取った。

 同病院によると、当時の管理栄養士だった女性職員が、減塩しょうゆを使うべきところを普通のしょうゆを使うよう指示。この職員は調査に対し「味を良くしたいと思ってやった。軽率だった」と話したという。病院側は職員を昨年11月に訓告処分としたが、職員は12月に依願退職した。

 塩分量は最大で上限を10%程度上回っていたが、患者の健康被害は見つかっていない。

 同病院は外部の管理栄養士の指導を仰ぐなどの再発防止策を取った。秋元浩事務局長は「地域の皆さんの信用を損なう行為で申し訳ない」と話している。



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=42127
13年度診療収益、前年度上回る伸び- 日病定期調査
( 2014年02月24日 18:31 )キャリアブレイン

 日本病院会(日病、堺常雄会長)が24日に公表した2013年度の「診療報酬等に関する定期調査」の集計結果によると、1病院当たりの入院と外来を合わせた診療収益は、前年度に比べ1.54%増加し、12年度調査(0.60%)を上回る伸びとなった。【君塚靖】

写真ニュース
 この調査は、診療報酬改定が病院収入に与える影響を精査・検証する目的で実施しており、13年度調査は、同年11月にインターネットを通じて、会員2370病院を対象に行った。回答数は820病院(回答率34.6%)で、有効回答は711病院。12年6月と13年6月の診療収益や診療単価のほか、延べ患者数などを比較した。

 711病院の平均値(=表=)は、入院と外来を合わせた1病院当たりの診療収益が、6億1025万円で前年度比1.54%増、入院と外来の伸び率は、それぞれ2.00%と0.41%となった。患者1人1日当たりの診療単価の伸び率は、入院が1.10%、外来が2.79%だった。

 記者会見で調査結果を公表した日病「病院経営の質推進委員会」の宮崎瑞穂委員長は、「今回調査では、中規模病院が経営努力で施設基準などの体制を整えてきたことが明らかになった。14年度改定の影響は、激変緩和措置や経過措置などがあるため15年度の調査あたりで落ち着いてくるのではないか」と述べた。

  日病2013年度定期調査
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▽診療収益(入院+外来) +1.54%
    入院  +2.00%
    外来  +0.41%
▽診療単価
    入院  +1.10%
    外来  +2.79%
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http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20140225/CK2014022502000025.html
【三重】利用開始は1年以上遅れ 津の夜間成人診療所
2014年2月25日 中日新聞 三重

 津市は二十四日の市議会全員協議会(全協)で、移転新築を検討している夜間成人応急診療所に関し、今後の整備と運営の方針を説明し、利用開始が当初予定より一年以上遅れる見通しとなった。施設は二部屋の診察室と、心電図検査、輸血、点滴処置に当たる処置室を整備するほか、新たに日曜と祝日、年末年始の昼間にも診療する。
 市役所西側の県営住宅跡地に移転。有識者検討会の提言などを踏まえ、一階に延べ二百五十平方メートルの診療所、二~四階に百七十~二百二十平方メートルの市の事務所を設ける。総事業費は六億五千万円で、合併特例債を活用する。
 市は昨年十二月、二〇一六年度中に利用開始する方針を表明していたが、全協では一四年度に施設全体の地質調査など、一五年度に実施設計、一六~一七年度に建設工事を進める計画を示した。
 (相馬敬)


  1. 2014/02/25(火) 05:56:27|
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2月23日 医療一般

http://www.huffingtonpost.jp/naoki-okada/doctor-shortage_b_4840556.html?utm_hp_ref=japan
医師不足:第二次世界大戦とオイルショックの爪痕
岡田直己 慶應義塾大学医学部三年
投稿日: 2014年02月23日 14時51分 ハフィントンポスト

現在、医師不足が深刻とされ、医学部の定員増、及び新設が検討されている。しかし、一昔前の80〜90年代には、将来的に医師は余るという見通しが常識とされていた。人口動態を予想することは、そう難しくはない。そこから、将来の患者数規模、つまり医師需要は、予測できたにもかかわらず、一体なぜ、真逆の未来を想定してしまったのだろうか。

本稿では、この問題について、我が国の歴史を基に考察する。

問題となっている80年代当時、医療界を牽引していた医師等は、自らが大学を卒業する前後に、同期医師の急増を経験した。元日本医師会会長村瀬敏郎氏(慶応義塾医学部1946年卒)は、マスコミの取材に「昭和十四年(1939年)に私が大学へ入ったとき、日本中の医科大学入学生が千九百人だったのが、卒業した二十一年(1946年)には、一万二千人になっていた。」(1995・3・10産經新聞)と答えている。なんと、同期のライバルが急に6倍になったのだ。

この「異常事態」の原因は、第二次世界大戦前後に、戦時の医療を支えるべく、一時的に生み出された、戦中医専という医師養成機関出身の医師の存在にあった。これに加え、台湾、朝鮮、樺太、満州等、外地には18もの医学校があり、そこから撤収してきた医師等も戦後の医師の増加に寄与していた。例えば京城医学専門学校の総卒業生数は設立以来約2600人おり、教員も含め学校所属者の半数でも帰国したとすればかなりの数になる。そしてその後、先に述べた世代の医師等は、戦後から1950年頃までつづく不況のなか、医療費が削減され、それに伴い医師養成数が約3000人へと縮小されていく様も目撃した。

この当時の医師数削減に関連し、特筆すべきはハイパーインフレーションである。鉛筆一本の値段が、1945年20銭だったのが、1950年には10円になっていた。5年で50倍である。これがいかに急騰であるかは、1969年に同じ鉛筆が15円(20年で1.5倍)となったことからも良くわかる。このような状況下で、傾斜生産方式が採用され、その延長線上で、当然のように、日本国の経済力の回復に関係しない財政支出は徹底的に削減された。実際、1949年の国民健康保険関係費は政府支出の600分の1であり、物価は上昇したにもかかわらず、診療報酬も1948年以来51年まで据え置きであった。

その後、日本経済は立ち直り、60年代の高度経済成長期を迎える。1961年の国民皆保険制度導入以後、15年間で、国民医療費は10倍以上に跳ね上がった。その間、消費者物価指数が約3倍になっていることを考慮しても、医療に割かれる費用の規模が4倍近くなったことになる。そして、この医療費の大幅な増加が以後の医師養成数の増員を可能にした。70年代についに、一県一医大構想が実現し、医師数が約2倍に増加したのである。

ところが、この時期にオイルショックが起こる。

1974年から1980年にかけてのスタグフレーションにより、所得は増大しないまま、物価は約1.5倍に急騰している(あんぱんの値段は50円→80円である。)。
 
1983年、当時の日本医師会長である武見太郎氏(1904年〜1983年)は、自著「実録日本医師会」にて「今医者がむちゃくちゃに増えている」「保険だけで、こんなに大勢の医者を食わせることが出来ない」と述べている。戦後以来再び、医師が増え、不況に陥るという経験をしたのだ。既視感を抱いたことは容易に推測できる。

当時の武見氏の頭の中にあったのは、どう社会保障を充実させるかではなく、どのように不況を乗り越えるかであったのだろう。「将来、医師が余る」という議論が以上のような観点からなされたことは、注目すべきである。

この状況は政府も同じだった。実際、医師数の抑制方針も、医療整備に関する閣議決定ではなく、財政再建に関する閣議決定に基づくものであった。具体的には1982年9月24日「今後における行政改革の具体化方策について」等によって決定された。1983年には、厚生省事務次官、吉村仁(1930年〜1986年)が「医療費をめぐる情勢と対応に関する私の考え方、医療費亡国論」を発表している。医師数の抑制という方針は、政府の支出削減の文脈において行なわれたのである。

戦後と80年代の状況を比較すると、規模は違うものの、両状況は、直前に増えた医師数を財政の観点から減らした点で、酷似している。言い換えれば、先の戦後の状況を経験した人々は、80年代に戦後と同様の対処を再現した。それが正しいと疑わなかったのである。実際、80年代に医療現場の中心におり、現場状況を把握すると同時に、最も発言力を持っていたであろう、先の世代の医師等も、当時の医師数抑制に素直に賛同した。1984年に始まった、佐々木智也 東京大学名誉教授(1922年〜2007年)を座長とする「将来の医師需給に関する検討委員会」では、「1995年を目処として医師の新規参入を最小限10%削減すべき」と答弁され、1990年の日本医師会による医業経営検討委員会答申においても、「平成12年より医学部入学定員20.8%削減すべき」と打ち出されたのだ。

しかし、国の財政にとって「適正」な医師数は、結果的に、国民の求める医療を提供するための「適正」な医師数とは一致しなかった。この二つの「適正」の意味する所の明確な区別無しに、医師数というものが議論されたことが、冒頭の矛盾を生み出したのである。

現在国民が求めているのが、間違えなく後者の「適正」な医師数である以上、今後の医師数の議論は、国の財政とは切り離して行なわれなければならない。



http://www.chibanippo.co.jp/news/local/180768
16診療科でスタート 初診料 東金、九十九里以外2割増 東千葉MC
2014年02月23日 16:17 千葉日報

 東金市は21日、4月から開院する東千葉メディカルセンター(MC)の概要を発表した。開院時の診療科は呼吸器内科とリハビリテーション科の2科を前倒しで開設するため16科。紹介状なしで受診する場合にかかる初診時選定療養費は2160円で東金市と九十九里町以外の住民では同療養費と差額室料が2割増となることも明らかにした。

 東千葉MCは中期計画では開院時の診療科は14科としていたが、1月末現在で医師29人(中期計画は30人)、看護師137人(同129人)が内定。医師の採用状況などから呼吸器内科とリハビリテーション科の2科の開設を前倒しすることになった。

 初年度は16科で開始することになったが、産婦人科や麻酔科で医師確保が難航しているといい、同センターは今後も医師の公募を進めていくという。

 開院日は4月1日とするが、救急患者の受け入れは同日午後5時から。一般外来は2日午後0時30分から。4日まで外来は午前中のみだが、7日から通常診療となる。診療日は月曜日から金曜日(祝日、年末年始は休診)。

 一般診療は診療所などからの紹介状がなくても受診できるが、初診時選定療養費(2160円)が別途かかる。入院時の差額室料は特別室2万1600円、LDR(産婦人科病棟の個室)1万7280円~1万8360円、一般個室7560円~1万1880円。東金市と九十九里町以外の利用者はこれらの料金が2割り増しとなる。

 バス路線も整備東千葉MCまでの交通アクセスとして、九十九里鉄道、ちばフラワーバス、小湊鉄道の3社が、バス路線を整備する。また、東金市が実証運行していた乗合タクシーも4月1日から市内全域で本格運行する。

 東千葉MCは東金市中心市街地から離れた同市丘山台に位置しているため、同市内では交通アクセスを不安視する声が根強かった。

 同市によると、九十九里町の片貝駅やJR東金駅、山武市のJR成東駅、大網白里市のJR大網駅、白子中里(サンライズ九十九里経由)の各方面から東千葉MCに向かう路線は上り計49便、下り計49便。千葉や東京方面の高速バス(上り計16便、下り計15便)も東千葉MCを経由する。

 病院内には駐車場(740台分)を完備しており、料金は無料。3月29日午後1時~4時(受付は3時まで)、内覧会を予定している。



http://www.gifu-np.co.jp/hot/20140223/201402231554_8170.shtml
子ども医師が“診察” 中津川市で体験教室
2014年02月23日 15:54 岐阜新聞

◆医療への理解深める

 中津川市川上の川上診療所などで22日、小中学生が新人研修医に扮(ふん)して医療を学ぶ「メディカルキッズかわうえ」が開かれ、子どもたちが本物の医療機器を使って診療や救命処置を体験した。

 医師不足が問題となる中、子どもたちに医療現場への理解を深め興味を持ってもらおうと、市地域総合医療センターが初めて開催。川上地区の小中学生約10人が参加した。

 子どもたちは同センターの医師らの指導で、血圧測定の方法や聴診器の使い方などを学び、実際に模擬診察に挑戦。患者に扮した男性を触診した。

 レントゲンを使ってドライヤーなど身の回りの物を観察したり、錠剤に似せた菓子を分包機で一包ずつとじたりする作業も体験。最後に、保護者と一緒にAED(自動体外式除細動器)の使い方を学んだ。



http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20140223ddlk42040293000c.html
長崎市:新市民病院、あす開院 ER開設先送りなど課題も /長崎
毎日新聞 2014年02月23日 地方版 長崎

 新しい長崎市立病院「長崎みなとメディカルセンター 市民病院」(同市新地町)が24日、開院する。心臓血管外科の新設などで診療内容の充実を目指すが、医師不足でER型救急救命センターの開設が先送りになるなど、課題を残した船出となる。

 市立病院機構によると、開院するのは地上8階、地下2階の延べ約3万平方メートルの1期棟で、広さは現病院の約1・7倍。屋上にヘリポートを設置したり、外来のみ受け付けていた脳神経外科で4月から手術・入院を開始したりして、医療機能の充実を図る。兼松隆之院長は「救急、高度急性期医療に力を入れた」と新病院の特徴を語る。

 しかし、運営を担う医師の確保は不十分なままだ。症状を問わず24時間体制で救急患者を受け入れるERは担当医が足りず、目標だった開院と同時の稼働は見送った。ER担当の救急科専門医は現在2人で、機構側は「円滑な運用にはさらに3〜5人は必要」とする。眼科でも常勤医を確保できていない。

 兼松院長は「直ちにERの看板は掲げられないが、24時間の救急体制はできており、地域の人を不安にはさせない」と強調。「(救急科専門医に)敬遠されないよう、各診療科などでERをサポートする環境を整える」と受け入れ態勢の充実を目指すが、確保のめどは立っていない。

 新市立病院の全面開院は2016年5月を予定。12年度から4年間の中期計画では、15年度に医師89人(2月現在84人)を目標にしており、機構は研修医の受け入れ増などで、医師を確保するとしている。【小畑英介】

〔長崎版〕



http://diamond.jp/articles/-/49150
伊藤元重の新・日本経済「創造的破壊」論 【第48回】 2014年2月24日
地域に密着した医師であるGP(General Practitioner)の拡充が、高齢化する日本を救う!

伊藤元重 [東京大学大学院経済学研究科教授、総合研究開発機構(NIRA)理事長]
ダイヤモンドオンライン

■ GP(General Practitioner)の役割とは何か

 前回、専門病院や大学病院へのゲートキーパーの存在について議論した。限られた人材と設備で運営されている専門病院を有効に活用するためには、そうした病院でないと対応できない患者に数を絞り込むことが重要である。そのためにも私たちが日々かかる地域の医師や診療所の役割が重要であると述べた。

 ただ、そこでの書き方に誤解を与える記述があった。「イギリスでは、国民は『ジェネラル・フィジシャン』と呼ばれる一般医を、かかりつけ医として持っている」との部分だ。まず、「ジェネラル・フィジシャン」は「General Practitioner」が正しく、お詫びして訂正する。またその邦訳を「一般医」としたが、これは正しい訳ではなく誤解を招くとのご指摘を受けた。

 たしかに、一般医というと、専門医と対になっているような印象を持たれる。大学病院や専門病院で自分の専門分野の診療を行っているのが専門医であり、それ以外の地域で活動している医師のことを一般医と呼ぶのでは、まるで地域の医師の方に専門性がないように誤解される。

 もちろん、地域で活動されている医師の方に専門性が要求されないはずはない。特殊な手術や難病の治療という専門性とは違うが、住民や患者のあらゆる医療ニーズに対応でき、日々患者と接することで継続的な健康管理やリハビリを支援し、そして看取りなどにも関わるということになれば、そこには専門病院の医師とは違ったかたちの高度な専門性が問われる。

 では、こうした地域で活動される専門医をどう呼ぶべきか。私にコメントを寄せられた専門家の方は「家庭医」と呼ぶのが適切だろうと言われた。患者と日々接する存在で、患者があてにする存在でもあるという意味で、家庭医という言い方は適切であると思う。ただ、以下ではとりあえず邦訳はしないで「GP」と表記して話を進めることにしたい。

 GPの重要な役割としてゲートキーパーというものがある。これが前回強調したことだ。ゲートキーパーの存在があるからこそ、専門病院や大学病院などの限られた資源の配分がより効率的になる。フリーアクセスを基本としている日本の医療制度では、このゲートキーパーの機能を十分に活用していない。しかし、そろそろそれについて、より突っ込んだ議論をすべきだというのが前回の主張だった。

 ただ、ゲートキーパーの役割を強調するあまり、GPがゲートキーパーの役割しか果たさないと誤解されては困る。高級店や途上国のオフィスなどには、どこでも守衛やガードマンが立っている。彼らの仕事は不審者などを中に入れないことである。文字通りゲートキーパーだ。そしてそれ以外の役割はほとんど期待されていない。ようするにゲートキーパーの専業といえる。

 地域で医療行為を行うGPは、ゲートキーパーの専業者ではない。その役割は非常に大切だが、他の部分でも実にさまざまな重要な役割が期待される。もし、前回をお読みになってゲートキーパー以外の役割が軽いように感じられたなら、その誤解は解いておきたい。

■ 石巻で見た医療改革の先進事例

 GPの機能について包括的に議論することは筆者の専門とするところではない。ただ、日本の医療が今大きな転換点にあり、地域医療の姿が大きく変わるよう求められていることは明らかだ。筆者が宮城県石巻市で見た光景についてお話しよう。

 東日本大震災で石巻市も大変な被害を受けた。医療施設も津波の影響を受けたし、医師や看護師などの人材不足も深刻な状況となった。もともと高齢化と人口減少が進んでいる地域であり、地域医療は難しい問題を抱えていた。そこに津波が来た。被災した医療関係者も少なくないし、やむを得ない事情でこの地を離れた医療関係者もいただろう。

 この石巻に東京の医師が中心となったチームがやってきて、地域医療の新しい試みをしている。高齢者を中心とした地域住民をカバーする包括的な訪問医療や介護ネットワークを構築しようというのだ。私がこのプロジェクトの活動を正確に理解できているか自信はないが、おおよそ次のようなことを目指していると理解している。

 まずは、地域住民の情報の集約化である。一人ひとりの高齢者の病歴、常用薬、その他諸々の健康上の問題など。万が一何かあったとき連絡をする親族の住所や電話番号など。訪問医療や訪問介護を進めていくためには、最低限必要な情報がある。これを一元的に管理することは大切で好ましく思えるが、プライバシーの問題など障害も多いと想像される。

 こうした情報を集めたうえで、次は訪問医療や介護のロジスティックスの構築が求められる。医師が頻繁に訪問する必要がある住民もいるだろう。看護師や介護担当者の訪問で当面は問題ない人もいるだろう。地域住民のボランタリー活動の支援、あるいは宅配便や郵便配達などの人に協力してもらう声かけでよい人もいるだろう。それぞれの住民の健康状況によって濃淡をつけた対応をすれば、限られた人材で地域の多くの高齢者をカバーすることが可能となるはずだ。

 石巻では、大震災と津波という非常事態が起きた。それへの対応として、地域医療や介護を支える新たな動きが起きた。しかし、現場で話を聞いてみると、これは被災地だけでなく、高齢化が進む日本全体に広げていくべき事例であると感じた。被災地の厳しい環境のなかで多くの人が懸命に取り組んでいる訪問医療や訪問介護の姿は、ひょっとすると貴重な先進事例なのかもしれない。

 限られた人材と設備のなかで、施設医療や施設介護ですべてをカバーすることは不可能だ。医療の性質や地域の特性によっては、訪問医療の仕組みのほうがはるかに優れている場合もある。訪問医療というと医師が患者のほうに出て行くことが想定されるが、もちろん、高齢者のほうが近くのGPにやってくることも同じような取り組みに含めることができる。

 医療はけっして特殊な産業ではない。以上で述べたことを、医療とはまったく違う他分野で起きている動きと比較してみると面白い。小売業の世界における動きだ。

■ 大商圏ビジネスと小商圏ビジネス

 小売業の世界では、多くの人を遠くから集める専門型の店舗と、地域の日常生活を支える小商圏型の店舗がある。大型家電店やユニクロのような店舗には、多くの人が自動車や公共交通機関で買い物にくる。百貨店には高級ブランドの商品が多く並んでいるが、これも専門性の非常に高い店舗といってよい。

 しかし、私たちの日常生活はこうした専門店や大型店だけでは満足のいくものにならない。コンビニエンスストアが全国にこれだけ広がっているのは、いつでも簡単に何でも購入できるという便利さが求められるからだ。地域に密着したスーパーは、その地域の人たちの生活を支える存在である。雪などでスーパーに商品が届かなくなるとよくわかることだが、「地域の人々の生活を支える」というのが、小商圏型の小売業の重要な機能である。

 ある老人学の専門家から聞いた話だが、「日本人は70歳を超えると700メートル以上歩きたくない人が増える」ということのようだ。高齢社会のなかで地域の小売業が生き残るためには、自宅までデリバリーをするビジネスモデルの構築が大きな課題となっている。ミールサービスを進めるセブンイレブン、ネットスーパーに取り組む食品スーパー、即日配達という驚異的な物流を展開しようとしているアマゾンなど、デリバリー型小売業のビジネスモデルに注目が集まっている。

 小売業のデリバリーと訪問医療を同列に議論することに抵抗を感じる人も多いかもしれないが、いずれも限られた資源のなかでどうすれば有効なロジスティックスを展開できるのかという問題が関わっている。小売の世界で起きつつある動きは、医療サービスの世界でも起きないはずはない。

■ 継続的関係のなかにおけるGP

 誤解されるといけないが、コンビニとGPがまったく同じだと言っているわけではない。似た面があると言いたいのだ。ただ、ここは強調しておいたほうがよいだろうが、コンビニとGPのあいだには重要な違いがある。それはコンビニでは客に匿名性があるが、GPと患者のあいだには相互に長い付き合いがあるほうが好ましいということだ。

 患者と医師の関係が継続的であり、医師が患者についていろいろと知っているということが、GPが威力を発揮するための重要な要素だと思われる。

 専門病院に来る患者は、その多くが初めてその病院にかかる人だろう。電子カルテなどの情報が蓄積され、過去のいろいろな治療や健康の履歴が蓄積できるようになれば、一見の客(患者)であっても過去の蓄積を活用はできる。しかし、機械やデータに蓄積されるデータだけでは限界がある。

 ある専門家から聞いた話だが、イギリスでは精神疾患の患者の9割以上がGPに診てもらっているという。継続的に患者の気持ちや家族の事情、地域的な特性まで考慮してくれるGPの診察では、薬や検査に頼らない治療で症状がよくなるケースも多いそうだ。

 こうしたケースは、医療において継続的な関係を築き得る仕組みがいかに重要であるかを示している。精神疾患に限らず、生活習慣病の悪化を防ぐには医師と患者の日常的な対話が必要だろう。看取りでも、自宅で臨終を迎えるという選択をするためには、GPの存在が欠かせない。

 冒頭で、GPの専門性の重要さについて触れた。専門病院や大学病院の医師の専門性と性格の違うものではあるが、重要度では同レベルの専門性である。こうした専門的能力と経験を積んだGPが増え、そのGPのネットワークが整備されていくことが、高齢社会の日本の医療のあるべき姿を考えるうえで欠かせない。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42060.html
急性期病院の生き残り、カギは在宅医療?!- 14年度診療報酬改定を読み解く
( 2014年02月24日 00:00 )キャリアブレイン

 「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」が重点課題に位置付けられた2014年度診療報酬改定。在宅医療の分野で、緊急往診などの実績が豊富な医療機関に点数が手厚く配分された一方、一般病棟7対1入院基本料の要件厳格化や「地域包括ケア病棟入院料」「地域包括ケア入院医療管理料」の新設など、特に急性期機能を担ってきた病院にとっては、大きな方向転換を要求される内容も目立った。これから2回にわたり、病院・診療所が14年度から在宅医療を始めるメリットや、在宅医療部門の立ち上げ後、規模を拡大させていく方法を取り上げる。

■7対1の要件厳格化、在院日数のハードル高く

 14年度の診療報酬改定の目玉の1つは、一般病棟7対1入院基本料(14年度から1591点)を届け出るための要件の厳格化だ。同入院基本料の要件については、入院患者に占める重症者の割合(15%以上)は据え置いた上で、重症者かどうか判定する基準の一部を、急性期の患者像に合わせて変更。病院内に「救命救急入院料」を算定する治療室があれば重症者の割合を達成したとみなす現在の扱いも改める。

 これらの見直しだけで、現在7対1を算定している病院の4割以上が基準を満たせなくなると厚生労働省は試算。しかし、要件を厳しくする変更はほかにもある。

 まず、平均在院日数をカウントする対象から、「内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術」などの21種類の手術・検査による短期入院(5日以内)の患者を除外。さらに、「筋ジストロフィー」など12の状態に該当する患者に入院期間が90日を超えても一般病棟入院基本料を算定できる「特定除外制度」を廃止し、▽出来高で算定するが、平均在院日数のカウントに含める▽医療区分とADL区分を用いた包括評価の報酬体系とするが、カウントに含めない-のいずれかを、病棟ごとに病院が選ぶ仕組みにして、一般病棟7対1入院基本料の要件の1つ「平均在院日数が18日以内」を満たす難易度を引き上げる。

 さらに、病棟を出る患者の一定割合が自宅に帰ったり、在宅復帰機能を持つ病棟などに転棟したりしていることも要件に加える。原則14年9月末まで猶予期間が設けられるが、それまでに体制を整えて7対1入院基本料を算定し続けるか、一般病棟10対1入院基本料(1332点)やそれ以外の入院基本料に切り替えるか、病院経営者は大きな決断を迫られそうだ。

■7対1などからの移行想定し、亜急性期の評価手厚く

 社会保障・税一体改革の中で政府が掲げる25年の地域包括ケアシステムの構築=図1、クリックで拡大=に向け、2回目の見直しとなる14年度の改定では、急性期を乗り越えた患者の受け皿を整備するため、地域包括ケア病棟入院料(病棟単位)と地域包括ケア入院医療管理料(病室単位)も新設。どちらも2区分で、入院料・管理料1は2558点、入院料・管理料2は2058点。診療報酬の包括範囲は、病院の亜急性期機能を現在評価している「亜急性期入院医療管理料」(9月末で廃止)に合わせ、点数はそれ以上に手厚くする。看護職員や看護補助者の充実した配置を評価する加算も設ける。厚労省では、7対1入院基本料などからの移行を想定している。
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 新たな入院料・管理料で求める人員配置の基準は、看護職員13対1以上のほか、専従の理学療法士などのリハビリスタッフの配置など。一般病棟用の重症度の評価票で「A得点」1点以上の重症者が、入院患者のうち1割以上を占めることや、▽在宅療養支援病院(在支病)の届け出▽新設する「在宅療養後方支援病院」として年3件以上の在宅患者の受け入れ実績▽二次救急病院か救急告示病院の指定-のうちどれかに当てはまることなども求める。点数が高い同入院料・管理料1を届け出るには、これらのほかに入院患者の在宅復帰率70%以上などのクリアも必要になる。

■急性期病院は在宅医療参入を視野に

 こうした報酬改定を、医療機関はどう受け止めるべきなのか。「急性期を担う病院も、在宅医療を視野に入れなければならなくなったというのが、この報酬改定の印象です」。そう話すのは、医療経営コンサルタント会社「メディヴァ」(東京都世田谷区)の大石佳能子代表取締役社長だ。

 まず、7対1入院基本料の届け出を維持するには、平均在院日数を18日以内に抑え続ける必要がある。患者を早く退院可能な状態に戻すため、院内の医療提供体制をより手厚くしなければならないのは自明の理だ。

 しかし、急性期機能を充実させただけでは、平均在院日数を短縮できるとは限らない。退院後の患者を安心して任せることのできる病院や施設、在宅医などの連携先がなければ、退院までに時間がかかり、結果として在院日数が延びてしまう可能性もあるからだ。

 そこで大石氏は、病院内に在宅部門を設置するよう勧める。質の高い在宅医療を自病院で提供できれば、患者をスムーズに退院させることができる上、退院後に在宅に戻る患者割合の増加にもつながる。

 これに対し、7対1から10対1などに移行する病院は、在宅医療を始めることで、入院分の収益減を補てんできる。病棟に配置すべき看護職員の基準が緩くなるため、新たに看護職員を雇用しなくても、人員の振り分けで在宅部門の立ち上げが可能だ。

 大石氏は、「在宅医療では、キュアだけでなく、ケアの部分も必要で、看護スタッフの出番がたくさんあります。それに看護スタッフの多くは、退院した患者さんがどう生活されているのかに興味を持っています。『いざという時には任せて』という医師の後ろ盾を受けて在宅医療を始めた結果、強いやりがいを感じる人をたくさん見てきました」と話す。

 急性期病院が在宅部門を立ち上げて円滑に運営するためには、そのためのツールを新たに整備する必要もある。ツールとは、医師や看護職員の訪問スケジュールを管理したり、院内外で情報を共有したりするためのシステムなどだ。こうした設備をそろえて活用すれば、在宅医療に取り組む医師らの負担を軽くできるが、そのための初期投資に尻込みする医療機関も少なくない。しかし大石氏は、「先を見据えた視点が必要です」と指摘する。

 改定で注目すべきポイントには、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の新設もある。要件に在支病の届け出や高い在宅復帰率などが入ったことから、「亜急性期機能を担っていく病院も、在支病として在宅医療に力を入れていくかどうか、検討しなければならないでしょう」と大石氏は指摘。「7対1や10対1の病院が在宅医療を視野に入れるかどうかで、今後の生き残りが懸かってくると言っても過言ではありません」とし、特に急性期病院に決断を促す=在支病の要件については表1、クリックで拡大=。
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■有床診の入院や主治医機能の評価にも「在宅療養支援」の文字

 在宅医療を重視しなければならないのは、病院だけではない。14年度の改定では、有床診療所の入院医療の評価の在り方も見直され、有床診療所入院基本料が従来の3区分から6区分に変更される。在宅療養支援診療所(在支診)の届け出と訪問診療の実施といった機能も評価の対象に加えられる=在支診の要件については表2、クリックで拡大=。
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 また、診療所や中小病院の主治医機能を評価する「地域包括診療料」(月1回1503点)も創設され、この中で、複数の慢性疾患を持つ患者の外来診療や薬剤・検査の管理、訪問診療などが、包括して評価される。同診療料を届け出るための要件にも、在支病・在支診であることが含まれている。在宅医療の重要性が増すのは、急性期の病院だけではなさそうだ。

■実績の要件厳格化、カギは他医療機関との連携

 入院や外来に関する診療報酬が大きく変わる一方で、在宅医療関連では、実績をこれまで以上に重視。12年度の改定では、在支病・在支診のうち、在宅医療を担当する常勤医師3人以上の配置や過去1年間の緊急往診・看取りの実績の要件を満たす医療機関を、「機能強化型」に位置付け、往診料の加算や、定期的な訪問診療を評価する管理料などを手厚くした経緯がある。
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 14年度からは、機能強化型の実績要件を引き上げ、過去1年間の緊急往診10件以上、看取り4件以上を求める上、複数の診療所や病院が連携して機能強化型の要件を満たす場合には、それぞれの医療機関がクリアしなければならない実績の基準(過去1年間に緊急往診4件以上、看取り2件以上)も設ける=新しい機能強化型の要件は表3、クリックで拡大=。また、在宅医療を担当する常勤医師は2人以下でも、看取りなどで実績を多く持つ在支病・在支診には、加算を新設して手厚く評価。このほか、同一建物に住む患者数人を一日で訪問診療する場合の評価は大幅に引き下げる。施設訪問を主体とした医療機関には影響が大きい=グラフ1、クリックで拡大=。
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 こうした改定の内容を見ても、在宅医療に従事する医療機関の数は14年度以降も増加すると大石氏は予想。その結果、医療が供給過多に陥れば、患者確保は難しくなりそうだが、大石氏は「在支診や在支病の数は、まだ限られています。ほとんどの地域では、競争が厳しくなるというより、連携できる相手が増えると考えるべきでしょう。患者側の需要を見るに、仕組みさえしっかりとつくれば、緊急の往診や看取りの実績も十分に上げられます」と分析する=グラフ2、クリックで拡大=。
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 連携先を確保して機能強化型の在支診・在支病として届け出れば、緊急時の往診の加算などの点数が大幅にアップする=グラフ3、クリックで拡大=。14年度の改定を機に在宅医療を始める医療機関にとっては、経験豊富な在宅医療機関と連携することで、ノウハウの吸収も期待できそうだ=改定後の機能強化型在支診などの点数表は表4、クリックで拡大=。
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 今後も、さまざまな医療機関にとって、増収のポイントとなる在宅医療。次回の特集記事では、在宅部門を立ち上げ後、拡大、成長する際の課題と、ICT(情報通信技術)などを用いてそれを打破する方法について取り上げる。

 診療報酬改定の影響や、在宅医療拡大のポイントについては、富士通が主催する「現役在宅医と医療コンサルが語る 診療報酬改定から見る、経営戦略セミナー」(詳細はここをクリック)で大石氏が詳しく解説する。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140223ddm041040129000c.html
誤判断:生存でも「死亡」、救急隊員帰る 70代女性災難−−京都
毎日新聞 2014年02月23日 東京朝刊

 京都市消防局の救急隊員が室内で倒れていた70代女性を「死亡」と判断して引き揚げた後、現場の警察官が生きていることに気づき、救急搬送されたことが分かった。女性は入院中だが命に別条はないという。

 市消防局によると、今月14日午後11時5分ごろ、京都市中京区のマンションの住民男性から「女性が倒れている」と119番通報があった。駆けつけた救急隊員が「呼吸や脈がなく、死亡している」と判断し、約30分後に京都府警中京署に引き継いだ。

 ところが、さらに約1時間20分後、鑑識活動中の署員から「生命反応があるようだ」と連絡があり再び出動。別の隊員が、呼びかけなどにも応じることを確認し、救急搬送した。隊員は市消防局の調査に対し、死後硬直などを確認したという。市消防局は「原因を調査し、職員の処分も検討する」としている。【村田拓也】


  1. 2014/02/24(月) 06:23:19|
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2月21日 医療一般

http://www.huffingtonpost.jp/hiroaki-saito/tohoku-medical-faculty_b_4826848.html
なぜ東北に医学部新設?キーポイントは東京の医学教育〜医師不足には私立・国公立の学費の議論を〜
齋藤宏章  齋藤宏章東京大学医学部医学科5年
投稿日: 2014年02月21日 08時26分 ハフィントンポスト

昨年11月に下村博文・文科大臣が東北に医学部を新設する方針を表明した。医学部新設の機運が高まっている。

「医師が不足している。偏在している。医学部の新設が必要か否か。」そうした議論は私も耳にしたことはある。しかし、実際どの位不足し偏在しているのか、私にはよくわからない。

私は福岡市出身だ。福岡県は医師に恵まれている印象があるが、九州でみると医師不足は問題になっている。芸人のはなわの歌で田舎として有名になった佐賀県では、地域医療支援センターを新設するなど、医師不足の解消に取り組んでいると聞く。「どげんかせんといかん」の宮崎県も県の中心部に医師が集中し、医師不足に悩まされている。

医師不足は日本全国で問題になっているはずなのに、なぜ、東北に限って医学部を新設する必要があるのか。私はまず、日本の医師の数を調べた(1)。

世界的に見て、国の経済力・高齢化の進行などの医療のニーズの増加に対して、日本は医師の絶対数が少ない。日本の人口10万人あたりの医師数は237人。人口あたりの医師数が同じような国として、世界ではメキシコやポーランドが挙げられる 。これらの国の1人あたりのGDPはそれぞれ日本の4分の1程度だ(3)。また高齢化率は日本22.7%、メキシコ6.3%、ポーランド13.6%(4)と日本が突出している。

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図 1

さらに、日本は医師の偏在も著しい。図1は、各都道府県の人口10万人あたりの医師数を示す。暖色が多く、寒色が少ない県だ。医師の分布は東京都を除き、極端な「西高東低」だ。
例えば九州は福岡県(298人)だけでなく、佐賀県(260人)、大分県(265人)、熊本県(277人)と全国平均よりも軒並み高い。中四国も同様だ。対して東日本は全体的に低い。
意外なのは、大都会と思われている関東が少ないことだ。茨城県(174人)、千葉県(178人)、埼玉県(154人)と全国平均を大きく下回る。

「病気になったら東京に行くから、関東は医師が不足しても大丈夫だ」という人もいる。ところが、関東を平均しても225人と全国平均を下回る。今後、この地域で団塊世代が高齢化するのだから、事態は深刻だ。
なぜ、こんな差が出来たのだろうか。次に各地域の医師の養成数を調べた。

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図 2

図2は出身高校の所在地をもとに医学部に進学した数を18歳1,000人あたりの数で示したものだ(5)。全国では1,000人あたり7.2人が医学部に進学している(6)。

医学部進学者も西高東低だ。西日本では地方と呼ばれる県でも医学部進学者が多い。九州で人口が最も少ない佐賀県は18歳1,000人中13人が医学部に進学している(7)さらに、全国で人口が最も少ない鳥取県でも全国の平均を上回り、1,000人中7.6人が進学している(8)。

東日本は東京を除き、軒並み少ない。特に東北は中核都市である宮城県でも1,000人中5.5人と少ない(9)。
佐賀県には福岡県から高校へ通っている人もいるだろう、など県毎の事情もあるだろうが、総じて西日本は進学割合が高い。どうやら、医学部進学には地域格差があるようだ。

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図 3

次に大学医学部の入学枠を考える。図3は大学の医学部定員数を、各都道府県の18歳人口1,000人あたりの数で表したものだ(10)。全国では1,000人あたり7.42人が医学部に進学出来る。都道府県別にみると埼玉県(1.79人)、千葉県(2.16人)など関東圏が少ない。また、静岡県(3.23人)、長野県(5.49人)、愛知県(6.03人)などの中部地区も少ない。一方、鳥取県(17.95人)、島根県(14.79人)など西日本の県は多い。進学数では少なかった東北も、医学部の定員数では宮城県・福島県以外全国平均を上回っている

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図 4

医学部の入学枠を国公立大学に限定してみた。その結果を図4に示す。岩手県・栃木県・埼玉県の3県は国公立医学部がない。福島県・神奈川県・奈良県・和歌山県には国立大学の医学部がない。九州・中四国の全県に国立の医学部があるのと対照的だ。

関東は日本で最も人口が集中し、受験層も多いにも関わらず、国公立の医学部数が少ない。東京にある13の医学部のうち11は私立の医学部である。関東全体で考えると1000人中1.8人しか、国公立大学に進学出来ない。東京には塾・予備校が集まり、教育に熱心なイメージをお持ちの方もいるだろうが、東京から国公立の医学部に進学するのは至難の業だ。

医学部志望の学生にとって国公立大学の存在は重要だ。私立と国公立では学費が異なるからである。

国立大学に進学する場合、年間の学費は他の学部と同じく約50万。6年間の学納金は350万程度である。一方、私立大学は安いと言われる慶應義塾大学でも年間で約356万円、6年間で約2156万円を納めなければならない(11)。

日本の40歳代の世帯あたりの平均所得は678万円である(12)。平成22年の厚労省の調査では、1000万円以上の所得の世帯数は全体の12%に過ぎない。普通の家庭に生まれた高校生は、私立大学医学部に進学するのは難しい。普通の家庭に生まれた関東の高校生が、医師になりたい場合、地方の国公立大学に進むことも選択肢にいれなければならない。

現に、平成24年度のデータでは東北地方の医学部入学者のうち22%(13)が関東・信越地方からの入学者だった。一方、九州では九州以外からの進学者は全体の5%に過ぎない(14)。国公立大学の所在は学生の入学時の移動に影響していると言えるだろう。

西日本では地元の高校生が地元の大学に進学している。医師となっても、地元で働くことが多いだろう。

一方、他の地域からの流入が多い東北では医学生教育が地域の医師数の増加には結びつきにくい。関東から東北へ進学した学生は卒業後再び関東に戻るからだ。東北の医学部の枠に関東からの入学者が多ければ、東北の医師の養成が上手くいかないだろう。
 
日本の医師数は「西高東低」である。確かに東北は医師の数を増やす必要があり、医学部新設はその解決の一つの手段となる。しかし、医師不足を解消するためには、東北に医学部を新設するだけでは不十分だ。東北に定着する医師を増やすには地元出身の医学生を増やす、卒業生を地元で就職させる働きかけが必要になる。その仕組みを考える際には関東地方の問題を併せて考えねばならない。

関東には国公立大学が少なく、学生にとっては機会の不平等が起こっている。そのため、東北の医学部に関東からの流入が多い。この際、関東での医師養成数を増やすことも議論すべきだろう。同時に授業料負担についても考えねばならない。自治医大の様に在学中は学費を貸与する仕組みなど、参考になるかもしれない。

1 「平成23年都道府県、年齢階級別人口」、「平成24年医師・歯科医師・薬剤師調査」
2  メキシコ・ポーランド共に10万人あたり220人(OECD Health Statistics2013)
3  日本46,192ドル、メキシコ10,063ドル、ポーランド13,424ドル(総務省:世界の国内総生産)
4  World Population Prospects; The 2012 Revision
5  「医学部医学科の所在地と入学者の出身地について」(江原朗)、「平成22年国勢調査」平成24年度の進学数を23年の18歳人口で割って計算。
6  平成24年度医学部進学者数は8,805名。18歳人口120万人
7  9439人中123人
8  6026人中46人
9  22,714人中125人
10  「平成25年度医学部医学科入学状況」を参照。学士編入数も含む。
11  慶應義塾大学HP参照
12  平成22年世帯主の年齢階級別の所得の状況
13  724人中159人
14  1206人中64人



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42120.html
救急患者受け入れ5%増、数値目標を明記- 厚労省部会、新機構中期計画案を大筋了承
( 2014年02月21日 21:08 )キャリアブレイン

 社会保険病院などの土地や建物を所有する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が、今年4月から「地域医療機能推進機構」に改組されることを踏まえ、厚生労働省の独立行政法人評価委員会地域医療機能推進部会は21日、新機構の中期目標と中期計画の両案を検討し、大筋で了承した。全国で57の病院を直営することになる新機構の中期計画案には、救急医療に積極的に取り組む方針を明記。救急車による救急患者の受け入れについては、「5%以上の増加を目指す」との数値目標が盛り込まれた。【新井哉】

新機構の中期目標と中期計画の両案を検討した地域医療機能推進部会(21日、厚労省)  社会保険病院の厚生年金病院の土地や建物は現在、RFOが所有し、病院の経営は、全国社会保険協会連合会や厚生年金事業振興団などに委託されている。4月1日の新機構改組に伴い、病院の土地や建物の所有に加え、新機構が病院の直営に乗り出すことになる。直営となる病院は全国で57施設、介護老人保健施設は26施設。職員数は3万人弱で、全国規模の医療ネットワークが構築される見通しだ。

 21日の部会で示された新機構の5年間の中期目標案には、地域における医療提供体制の充実を明記。地域での取り組みが十分でない分野の補完や、協議会の開催など、地域の実情に合わせた運営を行うとした。また、14病院の2012年度の経常収支が赤字となっていることなどを踏まえ、適正な職員配置などの業務運営の見直しや、診療収入の増収や経費節減を図って各病院の収支改善を図る方向性を示した。

 一方、中期計画案には、各病院に期待される診療機能として、救急や災害、へき地医療などの5事業に加え、リハビリテーションや地域包括ケアに取り組むことを明記。特に救急医療については、地域住民に貢献するため、「積極的に取り組む」とし、中期目標の期間中に、救急車による救急患者の受け入れ数を、13年度に比べて5%以上増やすことや、病院群輪番体制や夜間休日対応の充実に努めるとした。

 このほか、大規模災害の発生に備え、新機構の災害拠点病院などに、医療救護班やDMAT(災害派遣医療チーム)を編成する必要性を提起。また、「機構全体の取り組み」に、全国的なネットワークを生かして医師不足の地域を支援することも盛り込んだ。同部会は来月の会合で両案を正式に了承する方針だ。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42117.html
医師確保で「バーチャル医大」開始へ、静岡- 医療機関と奨学生らに交流の場
( 2014年02月21日 19:26 )キャリアブレイン

 静岡県は来年度、仮想の医科大学「ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ」事業を始め、医師確保策を強化する。この事業では、実際に大学をつくるのではなく、同県の医療機関と奨学金を受ける医学生などが交流する場を設け、メールマガジンやセミナーなどを通じ、地域医療の魅力をアピールする。同県の担当者は、「県内の医療関係者やわたしたちが、奨学生らをまるで一つの大学の学生のように考えて、地域とのきずなを太くしてもらう取り組みだ」と語る。2014年度予算案に運営費として12億円を計上しており、3月中の成立を目指している。【丸山紀一朗】

 同県はこれまでも医師確保に積極的に取り組んできた。10年に、医師の充実した勤務やキャリアアップに向けた支援策を一元的に推進する「地域医療支援センター」を、全国に先駆けて設置。それに先立って、医学生向けの奨学金「医学修学研修資金」の貸与を開始し、現在、約550人がその制度を利用している。このような取り組みにもかかわらず、「県内の医療機関の医師確保は非常に厳しい状態が続いている」(県担当者)という。

 そこで同県は14年度、“理事長”に川勝平太知事、“学長”に同県公立大学法人の本庶佑理事長を据えた仮想医大を創設し、医師確保策のさらなる充実を図る。毎年100人だった奨学金の新規貸与者を14年度は120人に増やし、これまでの貸与者と合わせた500人程度の医学生がメーンの“学生”となるが、授業料など学生側の費用は発生しない。地域医療支援センターがこの事業を運営し、県内の病院長や先輩医師からのアドバイスなどをメールマガジンで配信するほか、地域医療の現場を紹介する動画も製作する。

 また、県内の医療機関の見学会やセミナーなどを開催し、奨学生が一堂に会する場を設けることで、医学生同士や県内の医療関係者との交流を深めてもらう。担当者は、「奨学金を貸す側と借りる側の関係は、ともすればドライになりがちだったが、医学生と医療関係者らが一丸となる機会をつくることで、県内の医療を支えていくきっかけになる」と話しており、今後は現実の大学に近い機能を担えるよう、取り組みを充実させる方針だ。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191739/
安倍晋三政権1年の医療政策評価
保険者の診療関与「一定程度必要」、勤務医の6割◆Vol.6
診療実績など「公開不要」は25%

2014年2月21日(金) 池田宏之(m3.com編集部)

 Q10では、2013年3月に、安倍政権が環太平洋経済連携協定(TPP)に交渉参加を決定したことを踏まえて、米国型医療の4つの特徴が、日本にも必要かを回答してもらった。

Q.10-1 受診する医療機関の制限は必要と考えますか?
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 まず「受診する医療機関の制限」の必要性について聞いた。民間保険が主流の米国では、受診可能な医療機関を限定している保険が多い。最も多かったのは「状況に応じて必要」で53.9%だった。日本でも、2014年度の診療報酬改定で「主治医機能」の評価が決まり、「かかりつけ医」制度が推進されている。最近の議論では、紹介なしの大病院受診について、自己負担増額も検討された。ただ、「必要ない」も35.3%となった。英国のような基本的に受診を必須とする「ゲートキーパー」を前提とするような「全面的に必要」との回答は10.8%にとどまった。


Q.10-2 診療行為や処方内容への保険者の関与(医師裁量の制限)は必要と考えますか?
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 次に、「診療行為や処方内容への保険者の関与(医師裁量の制限)」の必要性について聞いた。米国では、医療機関へ支払いを実施する保険者の力が強く、診療に関与することがあり、日本より医師の裁量が制限されている。

 結果を見ると、「必要ない」が50.2%、「状況に応じて必要」が43.9%となった。開業医に限定してみると、「必要ない」が最多(258人中160人、62.0%)となったが、勤務医では「状況に応じて必要」が最多(252人中140人、55.5%)となり、両者の見解が分かれた。多くの保険者が財政的な厳しさを訴える中で、持続可能な制度のために、一定程度、保険者の関与に理解を示す結果となった。


Q.10-3 市場原理による薬価決定は必要と考えますか?
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 3番目に、市場原理による薬価決定について聞いた。日本では薬価は公定価格だが、米国では、基本的に保険者と製薬会社の価格交渉を通じて、決定する仕組みとなっている。結果を見ると、「状況に応じて必要」が最も多く61.6%。「必要ない」は26.7%となった。


Q.10-4 医療機関や医師の診療実績・成績公開の必要と考えますか?
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 最後に、米国で普及している「医療機関や医師の診療実績・成績公開の必要性」について聞いた。この質問も、「状況に応じて必要」が61.8%となり最多。「全面的に必要」は13.1%で、4人に3人が「必要」との認識を示し、4問を通じて最も高い割合となった。



http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20140221/384775/
「飲み込むチップで医療費のムダを削減」、Proteus Digital Health社CTOが講演
Tech-On! 2014年2月21日 

 無線ICチップを埋め込んだ錠剤を飲み込み、胃の中から体外に情報を送信する。このような技術を米国のベンチャー企業、Proteus Digital Health社が開発している。同社Co-Founder and CTOのMark Zdeblick氏が2014年2月21日に開催された「Trillion Sensors Summit Japan 2014」で講演した。講演タイトルは「Trillions of health care sensors address a trillion dollar problem」。

 ヘルスケアの分野では患者が正しく薬を飲まないことで医療費が増えてしまうという課題がある。例えば、結核の場合、正しく薬を飲んでいれば短期間で治るものの、途中で薬を飲まなくなり、薬剤耐性が付いてしまうと、完全に治すまでには長い時間を必要とする。また心臓病の患者の約1/2は、退院後の薬の飲み忘れによって再入院をしてしまう。こうした問題を解決するのが「飲み込むチップ」というわけだ。

 チップは寸法約1mm角のSi製ICであり、あらかじめ錠剤の中に埋め込んでおく。Siチップの重さは0.02g。錠剤と一緒に飲み込んだICは、患者が身に付けたパッチ型の端末に体内から信号を送信する。その情報はパッチ型端末からスマートフォンに送信され、最終的にクラウド上のデータとなる。なお、チップの無線通信には独自仕様の技術を用いた。パッチ型端末とスマートフォンの通信にはBluetooth Low Energyを利用する。

 飲み込んだチップは、「砂粒を飲み込んだ時のように体外に排出される」(Zdeblick氏)という。チップが信号を送信できる時間は、「以前は1時間ほどだったが、現在は10分程度にしている」(同氏)。なお、この飲み込むチップは現在FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を待っている状態である。

 飲み込んだチップから送られる信号によって、摂取した薬の種類や量、時刻などが分かる。さらにパッチ型端末では患者の体温や心拍数、姿勢などの情報を検出する。こうした情報によって、医師は患者が処方箋通りに正しく薬を飲んでいるか、規則正しい生活をしているか、などを知ることができる。もし正しく薬を飲まなかったり、薬を多く飲み過ぎたりした場合には、医師から患者にメッセージを送ることができる。また、患者が正しく薬を飲むと、援助が必要な地域に同量の薬が寄付されるといった仕組みを導入することで、患者に対して薬を飲む動機を与えることができる。

 新薬の臨床試験においても今回の技術は有効だとZdeblick氏はいう。臨床試験では通常1万人の被験者に薬を投与して効果を調べるが、正しく薬を飲む人と、そうでない人がいるため、調査データには雑音が混ざってしまう。今回の技術を利用すれば、正しく薬を飲んだ人の結果のみを使うことができる。

 また、これまで薬は売った量によって儲けが決まっており、患者が正しく薬を摂取したかどうかは関係なかった。今回の技術を利用すれば、患者が薬を飲んだか、さらには患者が本当に治ったかどうかによって料金を決めるといったことも可能になるという。

 なお、薬の消費量は年間1兆個を優に超えており、今回の技術が実現すれば、トリリオン・センサーは「我々の用途だけでも実現できる」(Zdeblick氏)と述べた。



http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20140221-OYS1T00307.htm
徳洲会事件、職員報酬など2億円を虎雄前理事長が弁済
(2014年2月21日 読売新聞)

 医療グループ「徳洲会」の公職選挙法違反事件で、同会の徳田虎雄・前理事長(76)が、次男の徳田毅たけし衆院議員(42)(鹿児島2区)の選挙運動を手伝った病院職員への報酬や、地元議員の買収に充てられたとされる計約2億1500万円を、同会などに弁済していたことがわかった。20日に東京地裁であった長女の越沢徳美なるみ被告(50)の公判で、弁護側が明らかにした。

 弁護側によると、虎雄前理事長は今月10日に個人口座から医療法人「徳洲会」や関連会社の口座に全額を振り込んだ。弁護側は公判で、振り込みの明細書を証拠採用するよう求めたが、検察側が反論し、採用は見送られた。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191953/
>特区の新設医学部「理解できない」、医学部長病院長会議
「政府の腰がひけている」との指摘も

2014年2月21日(金) 池田宏之(m3.com編集部)

 2月に国家戦略特区における医学部新設について「東北の新設とは別」とする政府の答弁書が出たことについて、全国医学部長病院長会議の役員からは2月20日の会見で、「理解できない」「(特区に医学部ができるとは)考えていない」などとする声が出た。東北の新設に対する医療界などからの反発で「政府の腰がひけている」との指摘もあった。

 国家戦略特区における医学部新設について、同会議会長の別所正美氏は、東北の新設と違って検討方針がないことを踏まえて「考えていない」とした。同会議顧問の森山寛氏は、「英語による教育」や「海外で働く医師の育成」などのアイデアが出ている点について、「現実と夢が混ざっている。そもそも論が理解できない」とした上で「あってはいけない」と釘を刺した。

 同会議顧問の小川彰氏は、東北における新設方針が、医療界だけでなく、岩手県を除く東北5県の首長らからも反対意見が出ている点を指摘し、「政府は腰が引けている。『特区でも作る』と言ったら、もっと(反発が出て)炎上することは自明で、(政府も)簡単にできないのでは」と見通した。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20140221-OYT8T01665.htm
群大に「チーム医療」拠点
(2014年2月22日 読売新聞)

 群馬大は21日、世界保健機関(WHO)と協力して「チーム医療」の普及を目指す研修・研究機関「多職種連携教育研究研修センター」(渡辺秀臣センター長)を開設した。世界に約800あるWHOの協力機関の中でも、チーム医療に特化した拠点は初めて。

 チーム医療は、医師や看護師、理学療法士らが協力して高い医療サービスを提供する取り組み。群馬大は1990年代から医学部の課程に模擬実践を入れるなどチーム医療を重視した教育をしており、WHOの協力機関に指定された。

 今後はセンターに所属する教員らが国内外でチーム医療の研修を担当する。4月にラオスで研修を行い、夏頃にはインドネシアなどの研修生を受け入れる予定。

 同大の高田邦昭学長は21日、「優秀な人材を輩出し、群馬大の強みを増やしたい」と記者団に語った。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20140221-OYT8T01570.htm
新中核病院 筑西市が交付金減額で協議へ
(2014年2月22日 読売新聞)

 筑西市は21日、新中核病院建設問題で市議会全員協議会を開き、〈1〉新中核病院は桜川との2市で整備運営する〈2〉県西総合病院(桜川市)を病院として存続させる場合は桜川市で整備運営する――との立場で協議に臨む考えを説明した。

 全協は非公開。終了後に記者会見した須藤茂市長は「両市(の考え)は平行線となっており、このままでは市民の健康が守れない。交付金25億円は13億円になるが、この案で早急に桜川市と協議したい」と述べた。

 須藤市長が、両市間の協議開催を急ぐのは、国の地域医療再生臨時特例交付金を利用するには、年度内に新病院の基本構想・基本計画の策定に着手することが最低条件だからだ。本来、年度内の着工が条件とされていたが、昨年末に期限の延長が認められていた。

 また、交付金25億円を受けるには病院数を再編前より減らすことが条件。県西総合病院(299床)を19床以下の「診療所」として残すことで条件をクリアできるが、桜川市側は「地域医療の衰退につながる」として「病院」としての存続を主張している。病院として存続させた場合、交付金は13億円に減額されることになるが、期限を目前に控え、筑西市側は「やむを得ない」と判断した。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140222/ibr14022203190000-n1.htm
「県西病院存続なら病院経営から撤退」 茨城・筑西市長
2014.2.22 03:19 産経新聞

 筑西市の須藤茂市長は21日、新中核病院建設をめぐり、桜川市の大塚秀喜市長から出されていた「県西病院存続を前提とする建設推進会議設置」要望に対し、県西病院を存続とする場合、経営参加している同病院組合からの撤退を表明した。同日開かれた市議会全員協議会で説明、承認された。

 新中核病院建設で25億円の国交付金を活用するためには今年度中の基本計画着手が必要で、建設推進会議設置が急がれていた。桜川市議会の存続決議で計画は足踏み状態となり、筑西市の須藤市長は「現在の平行線状態を打開するための苦渋の決断」としている。県西病院存続の場合、交付金は13億円に減額される。


  1. 2014/02/22(土) 06:57:49|
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2月20日 医療一般

http://news24.jp/nnn/news8774457.html
高知医療センター来年度も精神科医師不足
(高知県)
[ 2/20 15:04 高知放送]

高知医療センターは20日に開いた県と高知市の病院企業団議会で、昨年度新設した精神科に5人の医師を配置していたが、退職により医師3人体制となり、昨年1月から成人患者の入院ができない状態が続いており、医師確保に向けてさまざまな大学に派遣を要請しているが、4月以降も確保の目処が立っていないことを明らかにした。また、医療センターが新たに設置するがんセンター関連予算など新年度の予算案も審議され、議員からは「精神科の問題と同様、確実に医師が確保できないのであれば、高額な施設を作っても責任が取れないのでは」と懸念の声が上がった。医療センターでは引続き、医師確保に全力をあげるとしている。



http://kotoba.asahi.com/danwa/2014021500001.html?iref=comtop_rnavi_chumo_l
患者が使うお国ことば 医師苦闘
佐藤 司
(2014/02/20) asahi.com / 朝日新聞

 方言を使う患者と医師との会話は、互いに意思がすんなり伝わるとは限らないようです。体のどこが、どのように痛むのか。症状を訴える患者と、それを理解しようとする医師がともに奮闘しています。

 昨年書いた「患者の方言、医師はどう理解」では、東日本大震災の被災地へ全国から応援に行った医療チームが、東北地方の方言にどう対処したのかを紹介しました。今回は、九州・中国地方の高齢者が話すことばの機微を、医師らがしっかり受け止めようと苦労している話を取り上げましょう。

 「ずきずき痛む」を「はしる」と言う地方があれば、「あまり痛くない」を「おろ痛い」と言う地方もあり、所変われば体の具合を表す言い方も多彩に変わるようです。その土地のことばを初めて聞く医師らは、どのように受け取っているのでしょうか?

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http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140220_6
震災当時の医療、心に刻む 全国の研修医が本県訪問 
(2014/02/20) 岩手日報

 日本災害医療実地研修in岩手(主催・岩手医大災害時地域医療支援教育センター)に参加する全国の初期臨床研修医31人は19日、陸前高田市など本県沿岸部を訪れ、医師らから東日本大震災での医療態勢について聞き、災害時の取り組みと課題を学んだ。

 参加者は同日午前、同市米崎町のコミュニティーハウス「朝日のあたる家」で、県立高田病院の石木幹人前院長の講演を聞いた。

 石木前院長は当時を振り返り、医療機関を含めた市街地が津波で被災したため、積極的に訪問診療に対応したことなどを説明。早期に被害状況を把握し、仮設診療所を立ち上げられた背景に、職員同士や市など関係機関との強い連携を挙げ「日頃から協力態勢を築くことが大切」と話した。一行は同日、釜石市と大槌町、宮古市も訪れた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=93199
地域包括診療料…高齢化社会で高まる主治医の役割 
(2014年2月20日 読売新聞)

 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は12日、2014年度からの診療報酬改定について答申しました。目玉のひとつが、主治医機能を評価したという「地域包括診療料」です。

 高血圧、糖尿病、脂質異常、認知症の4つの病気のうち2つ以上ある患者が対象。「主治医」になれるのは診療所または200床未満の病院の医師で、患者の健康管理を行うのはもちろん、患者がかかっている全ての医療機関や服薬内容を把握することや、介護保険に対応できること、在宅医療に対応できることなどの条件を満たすことが必要です。通常の再診料72点(1割負担なら70円、3割負担なら220円)に代わり、月1回1500点(同1500円、同4500円)を請求することができます。

 患者にとってみれば、月の負担は4200円~1500円ほど増えることになりますが、頼れる主治医を持つことで安心を得ることができるということになります。

 条件には、対象患者に対しては院内処方を行うことも定められています。国は従来、医師は処方箋を出し、薬は調剤薬局が出すという医薬分業の推進を図ってきました。医薬分業には、かつての薬価差益を背景とした薬漬け医療の是正に狙いがあったとされ、患者の服薬状況の全体的な管理は薬剤師が担います。今回、院内処方が条件とされたことは、主治医に服薬管理も任せる分、薬局における調剤料、管理料などの削減につながるものとなっています。

 「地域包括」とついた新設の診療料には、もうひとつ「地域包括ケア病棟入院料」があります。急性期の治療を終えて在宅復帰を目指す患者の受け皿となる入院病床という位置づけです。

 診療報酬での「包括」と言えば従来、様々な医療行為をひとまとめにして算定するものという意味合いでした。今回の「地域包括」は、単に丸めた意味での包括ではなく、患者を地域全体で支えるという意味であることが大きな違いです。(田村良彦)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42100.html
大雪影響の医療機関、診療機能ほぼ回復- 山梨県内、サイトで除雪状況公開も 
( 2014年02月20日 17:08 )キャリアブレイン

 記録的な大雪によって、医療提供体制の維持に支障が出ていた山梨県内の大学病院や公立病院で、診療機能の回復や敷地内の除雪が進みつつある。山梨大医学部附属病院(中央市)は19日から通常の診療体制に復帰。他の病院でも職員の確保の目途がついたり、駐車場の除雪が進んだりしている。ただ、山間部を中心に道路に雪が残っている地域もあり、患者の送迎バス運行を休止している病院もある。【新井哉】

 大雪に伴い、不要不急の受診を控えるよう呼び掛けていた山梨大医学部附属病院は、19日から通常の診療体制に戻ったという。一部の診療科が休診となっていた塩山市民病院(甲州市)でも、同日から通常の診療体制に復帰した。

 甲府駅からの送迎バスの運行を一時休止していた市立甲府病院(甲府市)では、19日からバスの運行を再開。敷地内についても、職員に加え、重機も投入して除雪作業を行い、駐車スペースや患者の動線となる通路を確保したという。ただ、送迎バスの運行は、「当分の間、交通渋滞などにより時刻表通りには運行できない可能性がある」(同病院)としている。

 山梨厚生病院(山梨市)も19日から通常の診療体制に復帰したが、送迎バスについては、運行エリアに道路の除雪が完了していない山間部などの地域が含まれているため、今週中の運行は見合わせる予定。今後の道路事情を踏まえ、週明けには運行を再開させたい考えだ。

 17日から18日にかけて、予約の変更や診療に関する問い合わせが殺到した富士吉田市立病院(富士吉田市)は、19日以降、問い合わせの件数が落ち着いてきたという。敷地内についても、職員らが除雪を進め、外来患者用の駐車場所をほぼ確保。ウェブサイトで除雪状況を公開するとともに、復旧しつつある公共交通機関の利用も呼び掛けている。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140220-OYT1T00721.htm
徳洲会前理事長、職員報酬など2億円超を弁済 
(2014年2月20日18時45分 読売新聞)

 医療グループ「徳洲会」の公職選挙法違反事件で、同会の徳田虎雄・前理事長(76)が、次男の徳田毅たけし衆院議員(42)(鹿児島2区)の選挙運動を手伝った病院職員への報酬や、地元議員の買収に充てられたとされる計約2億1500万円を、同会などに弁済していたことがわかった。

 20日に東京地裁であった長女の越沢徳美なるみ被告(50)の公判で、弁護側が明らかにした。

 弁護側によると、虎雄前理事長は今月10日に個人口座から医療法人「徳洲会」や関連会社の口座に全額を振り込んだ。弁護側は公判で、振り込みの明細書を証拠採用するよう求めたが、検察側が「明細書だけでは前理事長個人の金かどうかわからない」と反論し、採用は見送られた。



http://jp.ibtimes.com/articles/54675/20140220/706196.htm
グーグルグラスの活用法:アメリカ外科医が手術で試す 
Roxanne Palmer | 2014年2月20日 10時52分 更新 IB Times

 グーグルグラスの利点

 グーグルグラスのおかげで、医学生は執刀医と同じ目線で手術を見ることが出来る。以前の教室では見られなかったアングルだ。

 「ウィンクするだけで、グラスは手術中にあなたが見ているものを何でも撮影できる」とアリゾナ大学医療センターの外科医、ジェイソン・ワイルド(Jason Wild)さんは米テレビ局KVOAで語った。「他のカメラも試してみたけれど、タッチ操作が必要で、異物混入の危険がある。グラスでは、他のカメラでは不可能なアングルでの撮影が出来て、研修医の教育に役立つ」とワイルド医師は述べた。

 また、グラスの着用によって、医者が手術中に必要な情報をその都度、迅速に手に入れられるようになる。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の心胸外科医、ピエール・セオドア(Pierre Theodore)さんは、手術中にX線画像をちょっと確認する際に、グラスが有効な装置だと語る。グラスなしの場合、医師はふつう、画像を表示するディスプレイまで歩いて、見る必要がある。もちろんわずかな手術中断なのだが、デリケートな手術では、1秒、1秒がとても重要だ。

 セオドア医師によると、「外科医のほとんどは、レントゲン写真が必要なときに見られなかったという経験を持っている。手術が危険にさらされる恐れがあったからだ」とファスト・カンパニーに語っている。

 グーグルグラスを装着して手術に臨むセオドア医師は、手術に必要なCTスキャン画像やX線画像をグラスにプリロードしておく。そして、患者の手術中、必要な画像を目の前に呼び出すのだ。「手術室を離れたり、どこか別の場所で別のシステムにログインしたり、自分の注意を患者からそらしたりすることなく、X線画像を自分の目の前で見られることは、患者に対し100%の関心を維持するという点で非常に役立つ」と同医師はカリフォルニア大学サンフランシスコ校のプレスリリースで明かしている。

 他にも、手術中にグーグルグラスが使われた例がある。シカゴ大学の形成外科医は昨年12月、遊園地で負傷した患者への鼻形成手術を行う際にグーグルグラスを装着した。また同じ月に、アラバマ大学バーミンガム校の整形外科医は肩の置換手術を行った際にグラスを装着。約400キロ離れたアトランタにいる同僚にそのライブ映像を見てもらいながら、リアルタイムで助言を受けつつ、手術を行った。

 グーグルグラスの難点

 グラスは完璧ではない。バッテリー寿命に限りがあるので、外科医の中には替え用のバッテリーパックを用意して対応する者もいる。

 また、カメラの位置がいつも理想的だとは限らない。オハイオ州立大学の医学生、ライアン・ブラックウェル(Ryan Blackwell)さんはABCニュースで、グラスが撮影した手術ビデオがときどき切開部を画面の端に捉えていることがあり、見難かったと語った。

 さらに、グラスはWi-Fiを介して情報をやり取りするため、個人情報にも配慮する必要がある。セオドア医師は、X線画像の中から患者の個人情報を侵害すると思われる情報を削除して、グラスにプリロードした。また、Wi-Fi環境が良い手術室を選ぶ必要もある。

 またセオドア医師によると、グラスが音声コマンドにすぐには反応しないという。

 このような障壁もあるグーグルグラスだが、手術中に試してみた外科医は概ねその可能性に期待している。セオドア医師は「私にとって、(手術中に正確な)データを手にすることは、便利で、快適で、そして常に患者の前に居られることで、より高い効率とより良い意思決定につながる」と述べた。



http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304775004579394220373783740.html
規制が病院でのグーグルグラス普及の足かせに 
2014年 2月 20日 16:17 JST ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 米グーグルの眼鏡型端末「グーグルグラス」は、医療関係者が使えばさまざまな方法でコスト削減につながり、医師の育成が容易になり、治療成果も向上することが考えられる。しかし、近い将来の幅広い導入は期待できそうもなく、医療サービス側はその前にプライバシー保護規制に沿った使い方を見つけなければならない。

 グーグルが事業者に使い勝手の良い技術や道具を開発することより、利用者の体験をより良い物にすることに注力していることもまた、状況の好転につながっていない。

 連邦規制は、ウエアラブル(身につける)端末の幅広い使用については、最先端の設備を誇る病院に対してさえこれを妨げている。中には、手術時のグラス使用について患者の同意を得ることで規制上の障害を乗り越える医師もいる。しかし、こうした手段は、消費者向けの技術を事業で使用するというより大きな課題の前では場当たり的な対応にしかならない。

 病院とグラスの関係は、事業者が消費者向け技術を導入する上での難しさを浮き彫りにする。事業者の必要性より利用者の体験を優先するメーカーはグーグルだけではない。

 米アップルは「iPhone(アイフォーン)」発売から3年近くたって、ようやくその基本ソフト(OS)に事業者が従業員によるiPhoneの使用方法をある程度管理できるようにする機能を追加した。

 オンラインストレージサービスの米ドロップボックスも、人気共有アプリを導入したのち長い期間をへてから、事業者に文書の共有状況を管理する権限をもたらした。グラスはまだ試作段階にあるが、これらの製品と同じ道をたどることになりそうだ。

 グーグルグラスの利用者は音声命令や頭の動き、メガネフレームに取り付けたタッチパッドの操作を通じて内蔵カメラやデータを表示する半透明の画面を動かすことができる。医師たちは、検索や写真撮影、動画の録画などグラスのアプリを使えば作業の中断が少なくなるかもしれないと指摘する。例えばパソコンを見るために作業を中断しなくてもX線写真を確認できるようになる。

 オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの医師クリストファー・ケイディン氏は昨年8月、グラスを装着して前十字靱帯(じんたい)の手術を実行、遠隔地にいた同僚や医学生はパソコンの画面で手術状況を確認した。オハイオ大学のクレイ・マーシュ最高革新責任者は、これは医師が医学生を指導する際にグラスがいかに有効かを示す事例だとし、グラスを使えば医学生たちを手術室に詰め込む必要はなくなる、と述べる。

 この医療センターはグラスを装着して手術をするために患者から書面による同意を取り付けた。グラスの技術は個人情報保護法の保護対象にはなっていないからだ。しかし、グラスを装着して患者の医療情報を送信しようとするたびに患者の同意を得ることは実務上難しい。こうした事情から臨床の場でグラスはなかなか普及していない。

 ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)医療情報技術担当バイスプレジデントのラス・シュレスタ氏は、生体組織検査(患部の組織の一部を採取して顕微鏡で検査し、病理を見極めること)など、病理学の研究にグラスを試験利用しているが、個人の医療情報を記録したり保管したりするためには使っていない、と話す。法的にどこまで許されるのか、「その区分けに頭を悩ませている」と語った。

 こうした制限の背景には医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令(HIPAA)がある。この法令は患者の情報を守ること、そして誰がこの情報に接続したかの電子記録を作成することを医療機関に義務づけている。加えて病院に対し、提携先の技術提供者から個人情報保護法に則して患者情報の管理責任を負う旨の合意を取り付ける義務も課している。しかし、病院側によると、グーグルはグラスについてこうした契約、いわゆる「業務協力契約(BAA)」を結ぶつもりはない。

 グーグルの広報担当者は、グラスをめぐるBAAは結んでいないことと、グラスの生産においてHIPAAを順守することを念頭に置いていないことを確認した。「グラスは消費者向けの機器だ。さまざまな場で幅広い範囲の人たちに使ってもらえるように設計した」と説明した。

 UPMCのシュレスタ氏は昨年12月、グーグル技術者との電話で、グラスの幅広い利用への関心と同時に規制への懸念も表明したと話す。技術者はシュレスタ氏に同情を示したものの、UPMCが必要としているものの提供は約束しなかった。

 クリーブランド・クリニックのウィリアム・モリス最高医療情報責任者は、当院の医師たちは手術中にX線やMRI(核磁気共鳴画像)を見たり、医療記録を確認して患者にアレルギーがあるか否かを判断したりするためにグラスを装着したいと考えている、と話す。しかし、確実に患者の情報を守れない限りはグラスを使うつもりはないという。「グラスを使った」医療情報への接続は「非常に魅力的だが」としながらも、「この流行に乗ることには慎重だ」と述べた。

 独立系の調査会社、クリエーティブ・ストラテジーズのアナリスト、ティム・バジャリン氏は、グーグルがグラスの基盤を設計する際に第三者の開発業者でもアプリを自由に開発できるようにしたことを挙げ、医療産業は「グーグルがHIPAAの順守に協力してくれると期待」すべきではないと指摘する。一定のセキュリティーを必要とする市場は、自らグラスのアプリにこれを盛り込むか、さもなければ第三者のメーカーからアプリを購入すべきだとバジャリン氏は述べた。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191535/
医論争論 2014
企業の資金提供、もっと多くすべき-曽根三郎・日本医学会利益相反委員会委員長に聞く◆Vol.3
「COI開示は当然」の雰囲気作りを
 
2014年2月20日(木) 聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――医師主導の臨床研究はなぜ必要なのでしょうか。

 産学連携の臨床研究は「癒着」のようなマイナスイメージで見る向きもあり、誤解を招きやすいのも事実です。ただ、臨床試験をやらないと、日本発の医薬品や医療機器は出てこないし、薬として承認された後も、最適な治療に、どの薬を用いるか考えるデータも出てきません。

 2011年度の科研費の総額は、約2600億円だったのに対し、製薬企業が2012年のガイドラインに基づいて公表した医療機関や医師への支払い総額は、70社中65社分で4666億円で、2倍近くあります。良い医薬品や機器を届けるには、私は少ないと思っていて、もっと産学連携を推進し、企業からの資金提供を多くすべきだと主張しています。

 安倍晋三政権は「医療イノベーション」をうたい、医療を成長産業として位置づけています。国として日本版NIH構想(「日本医療研究開発機構」(仮称))のもと、日本発の製品で、国や世界のために収益あげることを考えるのは当然で、国際展開をする上で、(4600億円が)増やし、臨床研究の実施を支援する仕組み作りが必要です。

 メディアでは、産学連携を「悪」と考えがちですが、「他国と比較して企業支援が少ない」という論点の提示の仕方もあるわけです。現状が、精一杯と考えるなら、イノベーションは起きません。

 課題の一つとしては、医師が、臨床研究に誇りや充実感を持てるような制度・環境を作ることが大事です。また、患者が対象なので、社会から疑惑を招かない仕組みを作るのは、医療機関だけでなく、学会や製薬協、国が一緒に取り組む課題だと考えています。今回のようなことが起きると、製薬企業だけでなく、大学もダメージ受けます。


厚労省の検討委委員会の委員でもある曽根三郎氏は、臨床研究に治験並みの基準を適用した場合、「最悪1ケタに近い件数まで落ちる」と指摘する。
――企業からの資金提供には、講演料や執筆料のようなものもあります。

 製薬企業からの資金提供で重要なもう一つのポイントです。新しい医療・医学情報に基づいて、患者に医療を提供するのは、医療機関や医師の責務ですが、情報が提供されなければ、やりようがありません。国内では年間10万回の企業主催・共催の講演会が開かれ、30万人医療者が貢献していて、全国津々浦々の医療レベル向上に役立っています。

 この点でも、COIの開示が重要です。もし、講演会で、著名な教授がリップサービスで「スポンサー会社の新薬は、個人的な印象ですが、今までで一番よく効く」という講演をすれば、現場の医師に処方を変えるぐらいのインパクトを与えます。そのため、日本医学会は、講演会等などでもCOIを最初に公表するように各学会に求めていますし、製薬協も日医も賛同しています。

 開示すれば、本人は中立的な立場で講演する意識も生まれるでしょうし、聞く側もバイアスを考えます。だからこそ、講演を聞く医療者が「COI開示が当然」という状況作らないといけません。現実には、講演者も、企業との関係開示を嫌がっている人が多いです。

 ただ、物理的に考えて、多くの製薬会社が、資金提供している医師というのは、全くない人より、臨床現場の医師が知りたい情報を提供できると考えられます。しかも、複数の会社とから資金提供を受けている人なら、どれかに肩入れするというのも難しくなるのではないでしょうか。そういう評価が定着してほしいです。

――企業からの資金提供は、社会的な理解が得られていないとの認識でしょうか。

 あまりに講演料が多い場合は、そういう実感はあります。ただ、企業との関係を出した上で、内容を判断するのはオーディエンスです。特定の会社の薬剤のみを推薦するような話を続けている講演者なら、聞く方も眉唾ものとして、話半分になりますし、製薬会社も次第に呼ばなくなります。オーディエンスが、講演者を判断していく仕組みが、COIマネジメントの基本的な考え方です。

 講演料支払い中止の方針を示している会社もありますが、豊富な経験をもとに最新情報を提供する講師への謝金は正当な報酬であると思います。一気に中止したら、講師も行かなくなり、最新の医療情報の普及に支障が出るかもしれません。

――公的資金による臨床研究は必要ないでしょうか。

 降圧薬や糖尿病薬は同じ効果の薬が多数ある場合、薬剤比較・併用試験は必要です。現場が欲しい根拠ですし、企業からの関心も高いです。比較・併用試験については、特定企業の資金に頼るのでなく、国としての関与が重要だと考えます。

 現状、企業だとハードルが高くなりがちな副作用の救済のために、PMDA(医薬品医療機器総合機構)があります。問題のある薬剤が、改善しつつある現状では、比較・併用試験などのより有効な治療方法の研究を、サポートする仕組みづくりに、例えばPMDAのような公的機関が取り組んでいくのも良いと思います。処方の改善は、無駄な医療費を削り、大きな意味では患者の救済ですから。

 国からすれば、より有効な薬が売れて、企業がもうかる仕組みになるわけです。公募で集めた試験の実施計画書の内容や施設を審査して、公的に支援する仕組みあれば動くのではないでしょうか。コンセンサスを取るのは難しいと思いますが、患者の目線で議論すべき時期でしょう。

――治験並みの基準を臨床試験に適用するアイデアも出ていました。

 大学や特定機能病院などの高度医療機関への調査ですが、日本の医師主導の介入研究の数は、2009年以降、2万4414件あります。医師主導の自主的な介入研究を実施するルールがないのでいろいろと工夫してやっているのが現状です。ただ、市販後の薬剤の臨床試験で、治験並みの基準を適用したら、治験と同等の研究資金が必要となり、企業の十分な資金提供は望めないでしょう。治験並みの基準を適用したら、最悪1ケタに近い件数まで落ちる可能性があると思っています。

――臨床研究への法規制については、どうお考えですか。

 承認された医薬品を用いた臨床試験そのものは、薬の適正使用や治療の標準化を確立するために必須です。日本医学傘下の118学会の調査でも、半数以上が、「法的規制でなく、自主的に実施のためのルールやマニュアルを作るべき」との意見です。適正に臨床試験が行えるような環境を整えることが、現時点では大きな課題だと思います。グレーゾーンをホワイトに近づけるのがマネジメントです。

――製薬企業の対応についてはどう考えていますか。

 製薬協が主体となって、資金を公開する流れになっていますが、各企業の公開方法はばらばらで、公開とは名ばかりの方式も見られます。また、企業と研究者が、質の高い医療を提供のために、どう連携すべきかについては、何も示していません。不当な労務提供の問題もあり、「払った資金を公開すれば良い」というだけでは問題があると思います。

 販売面についても、各社員のコンプライアンス遵守やガバナンスが十分でなく、製薬協などの自主的かつ指導的な取り組みが必要だと思います。資金を回収したい企業としては、当然、販売促進をします。資金回収で、不当な宣伝など、社会通念や常識から逸脱したことがされていないかを監視するために、公取協があります。この点について、製薬協と公取協は、社会にメッセージを出すべきでしょう。臨床研究について、製薬協はアクセル、公取協はブレーキになります。ブレーキがないと不利益を被るのは患者です。両者の機能役割が、研究者からすると、現状はっきり見えていません。

――医師個人としての取り組みは必要でしょうか。 

 全ての指針は、2000年の世界医師会のヘルシンキ宣言に基づいていますが、医師個人レベルでの理解と意識が薄い実感です。我が国の臨床研究の倫理指針、医師の職業倫理指針があり、日本学術会議からも科学研究の健全化、COI指針順守の意義と重要性についての提言が2013年末に公表されています。医師として、それら趣旨と精神を守ることが、何より重要です。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42101.html
約2億7千万円の不正請求で指定取り消しへ- 福岡の病院、勤務表も改ざん 
( 2014年02月20日 18:27 )キャリアブレイン

 約2億7000万円の診療報酬を不正に請求したなどとして、厚生労働省の九州厚生局は、医療法人社団清涼会(才田英次理事長)が経営する岡垣記念病院(福岡県岡垣町、一般55床、医療療養50床)の保険医療機関の指定を取り消すと発表した。取り消しは6月1日付。【敦賀陽平】

 同局によると、同病院は2009年9月から3年間、一般病棟入院基本料13対1の施設基準に関して、看護職員1人当たりの月平均夜勤時間を72時間以内とする「72時間ルール」や平均在院日数などの要件を満たしていないにもかかわらず、虚偽の届け出で診療報酬を請求。透析室の看護職員を病棟で勤務したように見せ掛け、勤務表も改ざんしていた。

 県によると、現在、約90人の入院患者がおり、病院側が転院先などの調整を行っているという。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140220-OYT1T00422.htm
病院取り違え、別の市へ…救急搬送遅れた消防署 
(2014年2月20日11時49分 読売新聞)

 奈良県生駒市で昨年11月、生駒市消防署の救急隊が救急搬送先の病院を取り違え、肺炎の高齢男性の搬送が約10分、遅れていたことがわかった。

 今月14日には、出動するよう指令を受けた5隊のうち1隊が指令に気づかず、出動していなかった。ともに救助対象者の容体に影響はなかったという。市消防本部では「市民に申し訳ない。再発防止に努めたい」としている。

 同本部の説明によると、昨年11月17日午前0時30分頃、生駒市内の高齢男性から「熱があって動けない」と119番があり、出動した救急隊の隊員は、患者を受け入れるよう、病院に携帯電話で連絡した。

 隊員は、実際は市内の病院に電話していたが、奈良市の病院にかけたと勘違いして奈良の病院に搬送。その後、間違いに気付いて生駒の病院に運んだ。男性の容体に影響はなかったという。同本部は男性に謝罪し、隊員を処分した。処分内容は、「公表する基準に該当しない」として明らかにしていない。

 また、今月14日午前3時頃、男性が川に転落しているのに気づいた人からの119番を受けて消防署の2隊と分署の3隊の計5隊に出動指令が出た際、鹿ノ台分署の1隊が指令の音声放送のスイッチが切れていたため気がつかず、出動しなかった。ほかの4隊が約40分後に男性を救助し、影響はなかったという。同本部がスイッチが切れた原因を調べている。

 同本部の藤田隆文消防長は「ミスを防ぐため、隊員間で情報を共有するよう指導を徹底したい」と話している。(佐藤直子)



http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/522198.html
江別市立病院、不良債務解消の期限1年延長へ 経営改善、自力返済目指す 
(02/19 16:00)北海道新聞

 【江別】江別市立病院は18日、2014年度末までとしていた不良債務の解消期限を、1年延長して15年度末とする方向で国と協議する方針を明らかにした。14年度中に承認を得たい考え。12年度末の不良債務残高は約4億6千万円と多額だが、市の一般会計からの繰り入れによる債務解消を避け、自力での解消を目指す。

 同病院は、06年度の医師大量退職をきっかけに不良債務が発生し、08年度には8億円以上に膨らんだ。そのため、国に具体的な経営改善の計画を示した上で、「公立病院特例債」を発行。一時的に不良債務を解消した。

 それでも、当時の経営状況は不安定で、08年度~10年度に新たに約5億5千万円の不良債務が発生。この債務を14年度までに解消することを決め、11年度に約9千万円、12年度にも400万円弱を減らしていた。

 ただ、12年度末の不良債務は4億円以上も残り、一方で13、14年の2年間で2億円以上ずつの黒字を確保するのは難しい状況。そのため、財政計画を変更し、1年間の解消期間延長を国に求めることとした。

 13年4~12月の診療収益は、医療体制の充実や職員給与削減などにより、前年同期比5・18%増の44億5717万円と好調。13年度は、減価償却費などを除いた現金ベースの黒字が1億円に達する見込みになり、不良債務を大幅に圧縮できるという。

 同病院によると、経営が好転していることから、国は不良債務解消期限の延長に前向きで、14年度中に期限延長が認められる感触を得ているという。

 公立病院では、不良債務は一般会計からの繰り入れで解消することも多いが、同病院は「多額の税金を投入しての解消ではなく、経営を本質的に改善し、自力で不良債務を解消したい」としている。(竹内桂佑)



http://www.yakuji.co.jp/entry34818.html
【近畿大学/市立堺病院】4年制博士課程教育で連携講座を設置‐臨床に強い人材養成目指す 
2014年2月20日 (木) 薬事日報

 近畿大学と市立堺病院は、薬科学専攻博士課程(4年制)の教育研究実施に関する連携協定を締結した。博士課程の大学院生の臨床能力および見識の向上、高度な医療人の育成を目的としたもの。同協定により設置する連携講座では、大学院生が薬剤師レジデント(研修生)として市立堺病院の現場の薬剤師(客員教授)の指導のもと、チーム医療の基礎知識や患者とのコミュニケーションスキルを養う。近大の病院との連携講座設置は、昨年の国立循環器病研究センターに続いて2件目。大学院生が研修生として実務を担当し、給与を得ながら博士号取得を目指せる同制度は、全国的にも珍しく、有能な人材を大学院に呼び込む新しい教育モデルとして注目されている。
 市立堺病院は、堺市の中核病院として、救急医療や高度専門医療など幅広い診療領域の医療を提供しており、癌治療にも重点的に取り組んでいる。同病院薬剤科では2011年度から、臨床薬剤師業務およびチーム医療を実践できる薬剤師の養成を目指した薬剤師レジデント制度を導入。現在、2人の薬剤師レジデントが、病院薬剤師として調剤業務、医薬品情報提供業務などの基礎業務の修得に取り組んでいる。


  1. 2014/02/21(金) 06:18:42|
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2月19日 医療一般

http://www.med.or.jp/nichinews/n260220k.html
勤務医のページ
医学部から見た医師不足対策─医学生の学力,地域枠,医師の偏在
広島大学医学部長 吉栖正生

日医ニュース目次 第1259号(平成26年2月20日)

 今日,医学部では,卒業後のキャリア形成も視野に入れて医学教育を行っている.本稿では,医師不足対策に関連していくつかのポイントを論じる.なお,以下の文章は医学部長個人の意見であり,所属する組織の見解ではない.

学力低下の現状

 医学部入学定員の増加は目覚ましく,平成二十六年度(計画)と増員開始前の平成十九年度を比較すると全国で千四百三十六名増加している.大学別に見ると,和歌山県立医科大学は六十名から四十名増加して百名に,岩手医科大学と福島県立医科大学は八十名から五十名増加して百三十名と,広島大学の百名から二十名増の百二十名という状況とは比較にならない大幅増加の大学がある一方で,元々の定員に対する増加率が一〇%以下にとどまる大学は十八校に上る.
 さて,全国医学部長病院長会議・医学生の学力低下問題に関する検討WGが,「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査結果二〇一三年」という報告を出している.その結果を見ると,図のように入学定員の増加と並行して留年生が増加しているように見える.一方,この調査で興味深いのは,センター試験で見る限り,特に顕著な入学時の学力低下は認められないことである.
 ここ最近の学生において,古典的な不真面目な態度による学力不振よりも,覇気がないとか,何をどのように勉強していいか分からないといったタイプの学力不振が目立つ印象がある.このような学生気質の変化に,入学定員の増加などが加わり,留年者の増加を来たしているのかも知れない.
 全国における留年者や休学者の増加は,卒業生数の深刻な減少を招くため,今後,更なる調査・解析と対応策の確立が望まれる.

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勤務医のページ/医学部から見た医師不足対策─医学生の学力,地域枠,医師の偏在/広島大学医学部長 吉栖正生(図) ( http://www.ajmc.jp/pdf/youbou1/youbousho0926-2.pdf )

地域枠入学生の確保と卒業生の約束遵守

 医学部入学定員の増加は,その多くがいわゆる地域枠による増員である.
 広島大学の場合は,広島県の強力なご支援の下,高校への働き掛け,最終的に専門医を志望する者への進路保証,地域枠学生による活発な定期セミナーなどを通じて入学希望者の学力を担保してきた.
 更に,地域枠卒業生の約束遵守は極めて重要な課題である.広島大学では,学生・卒業生にさまざまなキャリアプランを提示することで,安心して義務の遂行をしてもらえるよう取り組んでいる.
 さて,結婚などの理由でやむを得ず他府県に異動する希望がある場合,義務年限についてどう対応するか,という問題がいずれ浮上する.各県が,他府県における地域医療勤務を自県における義務遂行と同等と認定する,自県における義務遂行を猶予し長期にわたり先延ばしする,などの方策が考えられる.

医師の地域偏在の軽減

 医学部入学定員の増員や医学部新設等について多くの議論がなされているが,いわゆる地域偏在の軽減策を同時に行うことが必須である.そこで個人的に大都市圏の人気初期研修病院への働き掛けを考えている.次にその例を示す.
 「桜田門病院長 彦根直弼先生(仮名)……さて,初期研修医枠に全国から多数の応募がある貴病院において,次のような公告を行って頂ける可能性はないでしょうか.すなわち『将来,当院の幹部医師職を目指される方々へ:医師不足に悩む全国の自治体での二年以上の地域医療勤務歴を,当院における平成三十五年度以降の院内人事の評価項目の一つと致します.』といった宣言です.長期にわたる約束になりますので設立母体であるKKRとの共同発表が望ましいと思います.ご検討のほど,何卒,よろしくお願い申し上げます.」
 キャリアを積んでいく医師が,比較的若い時に一定期間,自発的に地域医療に従事することを推奨する制度を,大都市圏の多くの有名病院が採用して下さることを切に希望する.



http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1703R_X10C14A2CR8000/
元京大教授に懲役2年 物品購入汚職で東京地裁
2014/2/17 22:18 日本経済新聞

 京都大の物品購入を巡る汚職事件で、収賄罪に問われた京大大学院薬学研究科元教授、辻本豪三被告(61)の判決公判で、東京地裁は17日、懲役2年(求刑懲役3年)の実刑を言い渡した。求刑通り約940万円の追徴金の支払いも命じた。

 贈賄罪に問われた医療機器販売会社元社長、木口啓司被告(64)は懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年)とした。

 公判で辻本被告側は、利益供与は賄賂ではなく、研究費をプールする「預け金」だったなどとして無罪を主張していた。

 吉村典晃裁判長は判決理由で「取引実績などに照らすと、辻本被告の職務行為と利益提供の間には賄賂性がある」と認定。「職務の公正さが著しくゆがめられた悪質な事案。不合理な弁解に終始し、反省の態度も示していない」と指摘した。

 判決によると、辻本被告は教授だった2007年9月~11年9月、京大が調達する物品の業者選定に関する便宜への謝礼などと知りながら、木口被告から受け取ったクレジットカードの使用を含む約943万円分の賄賂を受けた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=93208
常勤医師不在4か月…三重
(2014年2月19日 読売新聞)

 三重県鳥羽市相差町の市立長岡診療所の常勤医師の不在が4か月続いている。市は後任の医師を探しているが、募集期間を2度延長しても応募がない。

 同町などを含む市南部の長岡地区(人口約2200人)にある唯一の医療機関で、他の病院がある市中心部まで遠く、住民からは不安の声が上がっている。

 同診療所は昨年度、延べ8095人が受診。一般外来診療のほか、往診、小中学校の学校医、予防接種などの業務も担当していた。

 約10年勤めた前診療所長が昨年10月17日に急死して以降、医師不在となり、現在は離島の市立診療所や県内の病院の医師が交代で、半日(木曜のみ終日)の診察を実施しているが、夜間は医師が不在となる。

 市は前診療所長が亡くなった後、すぐに後任の募集を開始。昨年12月10日の締め切りまでに応募がなかったことから、今年1月17日まで締め切りを延長したが、応募者は現れなかった。

 そのため今月28日まで再延長し、年齢要件も「1953年4月2日以降生まれ」から「1949年4月2日以降生まれ」に緩和した。

 県のホームページでも募集を告知してもらい、大学病院などに医師のあっせんを依頼しているが、それでも応募がない状況が続いている。

 長岡地区から、他の病院がある市中心部までは車で約30分かかる。相差町の町内会長、中村幸照さん(59)は「急病人には初期診療が重要で、夜間に救急車のサイレンを聞くとぞっとする。観光客も多い所なので、一刻も早く対応してほしい」と要望している。問い合わせは、市総務課人事係(0599・25・1113)。



http://www.med.or.jp/nichinews/n260220a.html
鈴木常任理事に聞く
新たな財政支援制度は民間医療機関を中心とした支援に使われるべき

日医ニュース 第1259号(平成26年2月20日)

 昨年末の予算編成過程において,医療・介護サービスの提供体制改革のために創設されることが決まった「新たな財政支援制度」.今号では,鈴木邦彦常任理事に,その概要と今後の日医の対応等について説明してもらった.

鈴木常任理事に聞く/新たな財政支援制度は民間医療機関を中心とした支援に使われるべき(写真) 今回の「新たな財政支援制度」は,社会保障制度改革プログラム法に盛り込まれた,医療・介護サービスの提供体制改革のために創設されたものです.
 その仕組みは,病床機能の分化・連携,在宅医療・介護サービスの充実,医師・医療従事者の確保・養成のため,各都道府県が整備計画を作成し,その計画に基づいて,三分の二を国が,残りの三分の一を都道府県が負担してつくった基金から支援を行うというものになっています.
 次年度,平成二十六年度においては,まず,医療を対象とし,介護サービスの充実については平成二十七年度から実施するとされています.
 次年度の予算規模については,国・都道府県負担分を合わせて九百四億円(都道府県の負担分は,地方消費税の増収分と地方交付税で調整)が計上されており,消費税増税分を財源とする五百四十四億円と,上乗せ分として一般会計から支出される財源三百六十億円で賄うとしています.
 また,今回の財政支援制度は,消費税の引き上げによる増収分を活用するため,既にある「地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律」を改正して法制化されることになっています.その改正案は,医療と介護の総合的な確保の推進のため,医療法や介護保険法などの改正を一括して行う法案として,二月十二日に国会に提出されました.

鈴木常任理事に聞く/新たな財政支援制度は民間医療機関を中心とした支援に使われるべき(図)
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対象事業はこれから決定

 「基金」と聞かれると,先生方の中には「地域医療再生基金」を連想される方も多いと思いますが,この再生基金は民間医療機関には使いにくいものであったとの指摘を多くの先生方から頂きました.
 そのため,日医では昨年五月,平成二十六年度予算概算要求要望の際に,特に地域医療を担う民間医療機関に十分配慮し,地域の実情を反映した地域医療の再興を図ることを目的とした基金,「地域医療再興基金」の創設を厚生労働省に対して要望しました.
 また,社会保障審議会医療部会などの場においても,補助先の官民格差(公立公的七三・九%:民間二六・一%)について問題提起し続け,昨年末に同部会が取りまとめた「医療法等改正に関する意見」の中には,「新たな支援制度による医療機関への補助に当たっては,公的医療機関及び民間医療機関を公平に取り扱うこととすることを含め,地域にとって必要な事業に適切かつ公平に支援が行われ,透明性が確保される仕組みとすべきである」との文言が盛り込まれました.
 今回の支援制度は,これらのことを踏まえて設けられたものであり,日医としましては,前述の上乗せ分の三百六十億円を中心に,民間医療機関への支援を目的にした制度となるよう,その実現に向けて力を尽くす所存です.
 また,都道府県医師会に対しましては,昨年末の十二月二十七日付で横倉義武会長名により文書を発出し,民間医療機関の充実を中心とした計画の立案と,基金財源の確保に向けて,早急に行政と協議を開始して頂くようお願いしたところです.
 新たな財政支援制度の対象事業についてですが,(一)病床の機能分化・連携のために必要な事業(地域医療ビジョンの達成に向けた医療機関の施設・設備の整備を推進するための事業等),(二)在宅医療・介護サービスの充実のために必要な事業〔(1)在宅医療(歯科・薬局を含む)を推進するための事業(2)介護サービスの施設・設備の整備を推進するための事業等〕,(三)医療従事者等の確保・養成のための事業((1)医師確保のための事業(2)看護職員等の確保のための事業(3)介護従事者の確保のための事業(4)医療・介護従事者の勤務環境改善のための事業等)─などが挙げられています.
 具体的な事業については,今後,厚労省との調整・検討を行わなければなりませんが,日医としましては,(1)体制整備・連携(2)偏在解消・人材確保(3)研修─が必要であると考えています.
 もちろん,民間医療機関が中心になりますので,二次救急医療機関や,回復期・慢性期の体制整備も重要です.例えば,急性期医療機関から入院加療が必要な患者を受け入れる後方医療機関の改修・増築等が出来るよう,対応を求めていきたいと思います.

新たな財政支援制度に対する懸念

 ここで,今回の財政支援制度に関して,特に留意すべき点について触れたいと思います.
 既存の国庫補助事業のうち,平成二十六年度より,この新たな財政支援制度で対応することが可能になる事業としましては,別掲のような事業が挙げられています.
 既存事業及び概算要求新規要求事業は合計でも約二百八十億円(平成二十六年度概算要求ベース)ですが,新たな財政支援制度では,これまでに比べて国庫で負担する割合が増え(都道府県の負担が減り),かつ法的に財源(消費税収)が安定的に確保されると同時に予算規模も拡大することになります.更に言えば,国の縛りも無くなるわけですから,各地域の実情に応じて柔軟に対応することが可能になるのです.
 これはある意味,良いことなのですが,逆に言えば,看護師等養成所運営費補助など,地域医療にとって必要不可欠な事業まで移行することになり,都道府県の判断によっては,補助金の減額等が行われることも懸念されます.そのため,昨年暮れと年明けに,厚労省担当者に対し,既存の補助事業を守ること,なおかつ民間医療機関への支援を担保することを強く要求しました.
 また,その際には,厚労省から,「シーリングの対象であったこれまでと違い,新たな財政支援制度では,しっかり財源も確保出来,むしろ補助金増額の機会とも言える」「既存の補助事業には,従来と同じような実施要項と基準を示す」といった説明を受けておりますので,その行方を注視していきたいと思います.

今後について

 今後についてですが,新たな財政支援制度を創設する法案の成立は遅くとも本年の六月になる見込みですので,日医としましては,引き続き,厚労省に対して,都道府県・郡市区医師会の意見や要望が反映されるような仕組みづくりを要求していきたいと思います.
 また,新たな財政支援制度は,前述のとおり,都道府県が医療と介護の総合的な確保の推進のために策定する計画に基づいて行われることになるわけで,都道府県医師会の役割がますます重要になります.
 そのため,都道府県医師会に対しましては,都道府県内の病院団体等の意見も取りまとめた上で,既存の事業の継続・充実はもちろん,民間医療機関を中心とした新たなメニューも含め,予算の確保を都道府県行政に要望して頂くよう,引き続き要請していきたいと考えておりますし,そのための情報提供についても積極的に取り組んでいく所存です.
 会員の先生方には,ぜひとも本支援制度をご活用頂き,国民のためになる医療・介護サービスの提供体制の改革の実現に向けてご協力頂ければ幸いです.
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http://www.m3.com/iryoIshin/article/191738/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
安倍晋三政権1年の医療政策評価
「卒業生、東北に定着」は1割弱、新設医学部◆Vol.5
教員就任要請の検討は25%

2014年2月19日(水) 池田宏之(m3.com編集部)

Q.8-1 新設医学部、地域医療への影響なくせると考えますか?
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Q.8-2 新設医学部、卒業生は東北に定着すると考えますか?
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 Q-8では、国が医学部新設の条件として挙げている「地域医療への影響をなくすこと」と「卒業生の医学部定着」の実現可能性について聞いた。「地域医療への影響」では「実現できない」が65.1%、「卒業生の定着」は「実現できない」が73.1%で、7割前後の医師が、国が掲げている条件をクリアできないとの考え方を示した。

 自由意見(最後に主な意見を紹介)では、「卒業生の定着」について、現在の臨床研修医制度で、研修先を自由に選べる点や、憲法に定められた「居住の自由」などとの整合性を疑問視する声が根強かった。

 一方、「地域医療への影響」について「実現できる」は9.8%、「卒業生の定着」は「実現できる」が8.6%で、ともに1割に満たなかった。文部科学省は、条件がクリアできない場合、「再検討になる可能性もある」としているが、「震災への復興」が目的として掲げられていて、政治主導の形で進んでいく可能性もある。


Q.9 新設医学部教員への就任要請が来たら、どうしますか?
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 Q-9では、新設医学部教員への就任要請が来た場合の対応を聞いた。最多は「条件と関係なく応じない」が63.3%。これに対し、「条件によって応じる」「可能な限り応じる」は、合わせて26.8%となり、4人に1人は応じる可能性がある結果となった。


 Q-8についての、アイデアなどの主な自由回答は、以下の通り。

【地域への影響】
・影響を与えないとしたら、貢献もない。影響は当然。
・新設の条件をクリアできるわけがない。医学部の教員を確保すれば、臨床する医者がいなくなる。法医学や病理医など、もともと少なくて既存の大学ですら確保するのに困っている基礎系の教員をどうやって確保するのか。
・新設により大学・病院などの中堅スタッフが教育のために引き抜かれ、一層の医療過疎の起こる危険がある。


【東北への医師定着】
・東北定着には、10年程度を義務としての東北勤務とする、などの条件付き入学許可とするのはどうか。
・出身大学に留まるものがいる。
・開業医養成のための医専をつくれば良い。入学試験をやさしくして他大学へ研修できないようにすれば、いやでも地元に根付くしかないだろう。
・医師は仙台に足りないのではない。東北の僻地に足りない。「東北」というだけでなく「地方」への勤務を義務化すべき。
・医師のレベルを維持しつつ東北(だけでなく地方に)に医師を根付かせようとするなら地元出身にこだわらず、むしろ定着させる努力が必要。
・東北の厳しい環境に住みたくないと考える人が多いのは当然で、診療報酬の増額などインセンティブを付けて給料を高くするなどの特別な対策もなく、ただ学校を作っただけでは、東京などの都市部に帰ってしまうだけだと思う。
・医局人事の再現。
・自治医科大ですら、お金で9年の地域医療勤務を免除されるくらいだから、金銭での解決はやめさせるべき。逆にそういう条件が守れない医師は、倫理規定違反で医師免許停止にするぐらいの罰則をつけ、逆に守れる医師には優遇処置を充実させるべき。
・現状も東北の自治体が無配慮に高額の奨学金を実に多くの学生に配っているが、そもそも、それだけの人員を自治体立病院などが人件費の面から受け入れられるはずもない。
・入学前は、建前を言っていても、医師になってしまえば、本音が出てきて、大都市圏へ戻ってしまうのは想像に難くない。
・勤務医の待遇改善。救急車使用料、時間外診療受付料として、それぞれ自費で1万円、2000円徴収する。そのお金を、診療した医師とオンコールで待機している医師に全て還元する。


【その他】
・東北以外の地方で、まずモデル的に成功している地方大学があるか?今ある大学で、大学への初期研修医マッチングの改善など、新設する前にやることがあると思う。
・東北では勤務する医者が減少していると聞いている。震災の復興とともに良い政策を考えてほしい。
・現存の医学部に東北枠を設けるべき。
・東北といっても広いので、何を目的としているか不明。
・蓋を開けなければ、何が起こるか分からないと思う。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191787/
The Voice
「注射で神経損傷」の訴訟に注意を
注意義務を検討せず、「過失認定」のケースも

2014年2月19日(水) 平岡敦(弁護士)

神経損傷事例の増加

 採血や点滴などで注射を行う際に、神経を損傷し、RSDやカウザルギーを発症する事例が増えている。症状の内容や程度が患者の素因に影響される部分も多く、医療側と患者との関係がこじれてしまうケースも多い。中には、医療側が訴えられる事例もあり、裁判例も蓄積されつつある。裁判例の分析を通じて、どのような場合に医療側の責任が認められるのかを分析する。

責任が認められるための要件

 医療側の責任が認められるための要件は、過失・因果関係・損害の存在である。

 まず患者に損害が発生していることが大前提である。何らかの症状が発生し、それにより治療費の支出や休業に伴って生じた逸失利益など具体的な損害が生じていることが必要となる。

 次に、過失の存在が必要となる。どのような場合に過失が認められるかについては、後述する。過失が認められたら、その過失と損害との間に因果関係が認められる必要がある。因果関係とは、「あれがなければこれがない」と言える関係が過失と損害の間に存在し、それが社会通念上、医療側に責任を負わせても仕方ないと思えるような関連性を有しているか否かで判断される。神経損傷に関する裁判例で、この因果関係が争点になったものは少ない。因果関係が争われた裁判例でも、患者の穿刺部に表れた症状は、神経を損傷した場合に想定される症状と矛盾しないという簡単な分析にもとづいて、因果関係が肯定されている。したがって、因果関係については、あまり争いになることなく認定される傾向があるようである。

過失が認められるための要件

 最も重要な問題は、過失がどのように認定されるかである。過失が認められるためには、過失の前提となる事実関係が存在し、その事実関係に照らして考えると、医療側の行為が期待される注意義務に反していたと言えることが必要である。要約すると、①事実関係の存在と、②注意義務違反が必要と言える。

事実関係認定の困難性

神経損傷事故は、日常数多く行われる採血や点滴に伴って生ずることが多い。したがって、どのような態様で施術が行われたのか、記録が不充分であることが多い。また、数多くの施術のうちの1つであるから、施術者の記憶も曖昧である。その結果、どのような態様で注射が行われたのか、事実関係を確定することが困難で、医療側と患者で事実関係の主張が相反する場合も多く見られる。

 健康診断時の採血で神経損傷が生じたかが争われた仙台高裁秋田支部平成18年5月31日の裁判例では、施術の態様(針を刺したまま血管を探る動作を行ったか否か)や、施術時の痛みの申告とその原因(神経損傷による痛みか、駆血帯による痛みか)について、患者と医療側の主張が異なっていた。裁判所は、結果として、患者の主張を採用した。裁判所が患者の主張を採用した根拠は、カルテなど直接的な証拠によったのではなく、主張内容の自然さなど間接的な証拠の積み重ねであった。

注意義務が認められるための要件

この裁判例の大きな問題点は、事実認定のあり方よりも、その後の注意義務違反の認定の仕方にある。この裁判例では、注射により神経損傷が生じたという事実関係を間接事実から確定すると、その医療側の行為が、医療側に求められる注意義務に反したのかをまったく検討せずに、即過失ありと認定してしまった。

 前述の通り、過失を認定するためには、確定された事実関係を前提に、そこで行われた行為が行為者に求められる注意義務に反していたか否かを判断する必要がある。そして、注意義務が認められるためには、行為の結果を予見することができ、かつ、悪しき結果を回避することができなければならないとされている。したがって、注射事故についても、神経損傷の結果を予見でき、それを回避できるという事情の存在が必要となる。

 この点、献血時の注射による神経損傷が争われた大阪地裁平成8年6月28日の裁判例では、裁判所は、注射による神経損傷という事実関係と、その神経損傷と症状発生間の因果関係までは認定した。しかし、裁判所は、「前腕皮神経に関しては、静脈のごく近傍を通過している前腕皮神経の繊維網を予見して、その部位を回避し、注射針による穿刺によって損傷しないようにすることは、現在の医療水準に照らしおよそ不可能である」として、注意義務の存在を否定した。

あるべき注意義務

 このように注射による神経損傷の裁判例は、注意義務についてほとんど検討していないような杜撰なものから、注意義務を全否定するものまで両極端に割れている。

 しかし、ネット上で公開されている採血のマニュアル等を見ると、神経損傷に対する配慮が記載されているものも散見される。それらを見ると、橈側<正中<尺側の順に神経損傷のリスクが高いとしているものが見られる。研究論文を見ても、「尺側皮静脈の外側には皮神経が橈側皮静脈の周囲と比べて明らかに多く分布した」「尺側皮静脈と肘正中皮静脈の分岐部には、検索全例で内側前腕皮神経由来の複数の皮神経が同部を囲むようにして交錯しながら走行する特徴が認められた」「静脈に近接する神経枝の径は約2.0~2.9mmに達し、23Gの注射針の径を大きく超えており、同部が神経損傷の危険性が最も大きい領域と考えられる」「橈側皮静脈と肘正中皮静脈の分岐部は、尺側に比べると外側前腕皮神経由来の神経枝の総数が少なく、しかも太さが1.1~3.0mmと細いため神経損傷の危険性は尺側よりも低いと考えられる」などとされている。

 上記の様な医学上の指針や研究成果を踏まえると、注意義務の内容も、あるべき注射の部位なども検討した、もう少し緻密なものが要求されて然るべきではないかとも考えられる。もちろん、どの部位に注射をするかは、注射の目的との兼ね合いで決まるので、杓子定規にどの部位にとルール化できるようなものではない。実際に手技が行われたときの事情を踏まえての判断となろう。

素因減額

 なお、裁判例の中には、患者が有している心因的要員が症状の悪化に寄与しているとして、損害賠償額を減額するものもある。例えば、仙台高裁秋田支部平成18年5月31日の裁判例では、「痛みの持続・深化に控訴人の心因的なものが関与していることが強くうかがわれる」として、「損害額(略)のうち三割は控訴人の個人的要因が寄与したもの」であると判断した。注射事故の場合、心因的要素が関係していると思われる事例が多いため、損害額を判断する際には、素因減額(患者の元もと有する素因を理由に損害賠償額を減額すること)を検討する余地がある。

事実関係を記録するための工夫

 また、過失を認定する前提として、事実関係を確定する必要がある。しかし、最初に述べたとおり、採血等は日常、頻繁に行われる医療行為であるため、充分な記録がなく、記憶も曖昧であることが多い。そのために事実関係の確定ができず、それが紛争を長期化させる原因となる場合もある。そこで、痛みの申告があったか否か、穿刺部位はどこかなどを簡単に記入できるようにカルテを工夫するなどの措置を執ることも一考の価値がある。

※本記事は、2014年2月18日に先見創意の会のホームページで掲載した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://iryo.sanyo.oni.co.jp/hosp/h/020/c2014021910543822
大学や病院との連携模索
メディカルネット岡山

(2014/2/19)山陽新聞

 岡山県内の金型、産業機械メーカーなどでつくる医療機器の共同受注グループ「メディカルネット岡山」(21社)が大学や病院との連携を模索している。発足から6年半。大手メーカーからの部品受注を目指してきたものの、受注は1件にとどまる。下請けではなく、自らニーズを掘り起こして製品開発から手掛けることで活路を開こうと、展示会などを通して医療現場とのパイプづくりを進めている。

 1月27〜31日、川崎医科大付属病院(倉敷市)で開かれたメディカルネット岡山の商品展示会。瑞穂医科工業(東京)に依頼された共同受注第1号である脊椎骨折用の手術台をはじめ、各社の手掛ける手術用器具などが並んだ。

 こうした展示会は初の試み。中原鉄工(岡山市)社長の中原成始郎・同ネット幹事は「会員の大半が金属や機械関連のため、これまで医療現場とは疎遠だった。これをきっかけに接点を増やしていきたい」と狙いを話す。
 
“ニッチ”狙う

 同ネットは2007年8月、医療機器を航空機や次世代自動車と並ぶ新産業育成の重点分野と位置付ける県の呼び掛けで発足。地場企業の精密加工技術を生かし、大手メーカーからMRI(磁気共鳴画像装置)といった高度医療機器の部品の共同受注を掲げた。

 島津製作所、日立メディコなどの大手を回り、関連の見本市に参加して技術を売り込んだものの、厳格な品質基準に加え、既存メーカーとの競争が激しい市場で苦戦。こうした中で受注した脊椎骨折用手術台が“方針転換”のきっかけとなった。

 可動式のパッドを採用することで手術台に載せたまま患者の背中の曲がり具合を調整でき、骨に医療用セメントを注入する治療を正確に施せる。高知大医学部付属病院から相談を受けていた瑞穂医科工業の開発担当者が09年、同ネットの勉強会を訪れた際に打診した。

 「手術や実験の器具といったニッチな分野に目をつければ市場に食い込めるという手応えをつかめた」と中原社長。この手術台は瑞穂医科工業が今春にも本格販売する計画だ。
 
会員拡充 

 同ネットでは医療現場のニーズをつかむため、岡山大を拠点に医療系ベンチャー育成を目指すNPO法人「メディカルテクノおかやま」との情報交換を昨年6月から開始。3月には岡山大などが開く医療機器や先端研究の展示会「岡山メディカルイノベーション」にも参加する。

 開発できる機器の裾野を広げるため会員拡充にも取り組んでおり、インターネットを使った遠隔診療システムを開発したエヌディエス(岡山市)が昨年12月、がんの放射線治療に使われる3次元測定装置製造のイーアールディー(同)も今年1月にメンバーへ加わった。

 厚生労働省によると医療機器の国内市場規模は約2・4兆円に上る。協和ファインテック(同)社長の橋本明典・同ネット会長は「各社の技術向上など課題は多いが、医療水準の高い大学や病院が集まる岡山の地の利を生かし、活動を軌道に乗せたい」と力を込める。



http://www.chibanippo.co.jp/news/local/180146
市立病院の在り方議論 識者の検討委初会合 銚子
2014年02月19日 16:38 千葉日報

 赤字経営が続く銚子市立病院の在り方を外部有識者が議論する「銚子市立病院の方向性を検討する委員会」の初会合が18日、同市内で開かれた。地域医療や市財政の現状を踏まえて同病院が目指す診療体制や経営形態を議論し、7月に越川信一市長へ答申する。

 同病院は経営難から2008年9月末に休止後、医療法人財団「銚子市立病院再生機構」が指定管理者になり10年5月に公設民営方式で再開したが、毎年赤字になっている。経費に占める人件費割合が高く、市は12年度、指定管理委託料や赤字穴埋めを合わせて約9億3千万円を支出した。

 新年度は繰り出し上限額を5億円に定めたが、市財政を圧迫する大きな要因になっており、指定管理期間が15年3月末であることから、以降の病院の在り方を検討することにした。

 地元医師会副会長や国保旭中央病院副院長ら8人が委員会メンバーになり、初会合では、銚子や周辺地域の医療の現状が事務局から説明された。徳島県内で病院事業管理者を務めた経験があり、委員長に就任した三村経夫氏は「求められる現実的な病院の姿を描いていきたい」と話している。



http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/522198.html
江別市立病院、不良債務解消の期限1年延長へ 経営改善、自力返済目指す
(02/19 16:00) 北海道新聞

 【江別】江別市立病院は18日、2014年度末までとしていた不良債務の解消期限を、1年延長して15年度末とする方向で国と協議する方針を明らかにした。14年度中に承認を得たい考え。12年度末の不良債務残高は約4億6千万円と多額だが、市の一般会計からの繰り入れによる債務解消を避け、自力での解消を目指す。

 同病院は、06年度の医師大量退職をきっかけに不良債務が発生し、08年度には8億円以上に膨らんだ。そのため、国に具体的な経営改善の計画を示した上で、「公立病院特例債」を発行。一時的に不良債務を解消した。

 それでも、当時の経営状況は不安定で、08年度~10年度に新たに約5億5千万円の不良債務が発生。この債務を14年度までに解消することを決め、11年度に約9千万円、12年度にも400万円弱を減らしていた。

 ただ、12年度末の不良債務は4億円以上も残り、一方で13、14年の2年間で2億円以上ずつの黒字を確保するのは難しい状況。そのため、財政計画を変更し、1年間の解消期間延長を国に求めることとした。

 13年4~12月の診療収益は、医療体制の充実や職員給与削減などにより、前年同期比5・18%増の44億5717万円と好調。13年度は、減価償却費などを除いた現金ベースの黒字が1億円に達する見込みになり、不良債務を大幅に圧縮できるという。

 同病院によると、経営が好転していることから、国は不良債務解消期限の延長に前向きで、14年度中に期限延長が認められる感触を得ているという。

 公立病院では、不良債務は一般会計からの繰り入れで解消することも多いが、同病院は「多額の税金を投入しての解消ではなく、経営を本質的に改善し、自力で不良債務を解消したい」としている。(竹内桂佑)



http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=544309006
山陰総合 : 済生会小児科常勤医4月に着任で不在解消へ 
('14/02/19) 山陰中央新聞

不在だった常勤小児科医が、4月から着任することが決まった島根県済生会江津総合病院=江津市江津町
 昨年4月から小児科の常勤医が不在となっている、江津市江津町の島根県済生会江津総合病院(堀江裕院長)に、4月から50代の男性常勤医1人が着任することが18日、分かった。ただ、現在休止している小児の入院と夜間・休日の救急外来対応は、医師の負担感を考慮し、当面は再開を見合わせる方針。

 関係者によると、男性医師は関西の病院に勤務しており、3月末で退職予定。新しい勤務地として、既に江津市へ下見に来ており、済生会病院と勤務体制について協議しているという。

 現在、同病院の小児科は、島根大医学部などから非常勤医の応援を受け、週5日の日中の外来診療を実施。4月以降も引き続き、非常勤医の応援を受ける予定。

 常勤医不在の影響で、近隣の浜田医療センター(浜田市浅井町)は、江津市からの小児患者が増加している状態。済生会病院の堀江院長は取材に対し「市民の皆さんに迷惑をかけたが、常勤医確保の見通しが立った。医師に負担がかからないよう、体制を整えたい」と述べた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20140219/CK2014021902000151.html
【茨城】
県西総合病院の存続 筑西市長が強い難色

2014年2月19日 東京新聞 茨城

 筑西市と桜川市が進める新中核病院をめぐり、桜川市側が合意後に新たに県西総合病院を病院として存続することを求めたことに対して、筑西市の須藤茂市長は十八日の会見で、受け入れられない意向を示した。
 両市の間では、公立二病院の再編統合後、県西総合病院は「十九床以下の診療所にする」案と「当面病院としての機能を残す」案の二案を併記し、今後設立する建設推進会議で検討することでいったん合意していた。須藤市長は「合意したことに従ってやっていくだけ。約束は約束として貫く」と述べた。
 一方、大学病院関係者などでつくる建設推進会議について、本年度内の設立を目指していたが、須藤市長は「メンバーがなかなかそろわない」と年度内でのスタートに厳しい見通しを示した。
 新中核病院の建設で、国からの交付金は年度内での基本構想・基本計画の策定への着手が条件で、策定を担う建設推進会議の発足がずれ込めば受けられない。 (原田拓哉)



http://mainichi.jp/select/news/m20140220k0000m040131000c.html
岡垣記念病院:診療報酬不正受給で保険医療機関取り消しへ
毎日新聞 2014年02月19日 22時17分

 九州厚生局は19日、福岡県岡垣町の「岡垣記念病院」(才田英次理事長、105床)が2009年9月〜12年8月に診療報酬計約2億7000万円を不正受給したとして、6月1日付で保険医療機関指定を取り消すと発表した。

 厚生局によると、一般病棟で1日に必要な看護師数を満たしていないのに、足りているよう書類を改ざんする手口で入院基本料などの診療報酬を不正受給した。厚生局の調べに、病院事務長が「病院を移転新築した際の借金があり、報酬額を下げたくなかった」と不正を認めたという。

 他に12年6〜7月、入院診療計画を策定しないなど要件を満たさないのに入院基本料など123万円を不正請求したことも判明。厚生局は病院側に再調査を命じており、不正受給額が膨らむ可能性もあるという。保険医療機関指定は取り消し後5年間は再指定されず、保険診療できなくなる。【林田雅浩】



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191824/
The Voice
外来軽視、地域包括ケア偏重の今改定を糺す
虎視眈々の医療ビジネス化へは警戒を
 桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

2014年2月19日(水) m3.com

 2月12日、今次診療報酬改定の点数が答申された。焦点の主治医制、「地域包括診療加算」は20点と、再診料72点の3割強の水準となった。今次改定は、診療所の根幹的評価の初診料、再診料は消費税補填を除き、実質アップは全くないだけに、今後の動向が非常に注目される。しかも、同「加算」は研修要件や患者と他院との調整など、本格稼働へはその選択判断に「逡巡」や「待機」が付随し、「迷走」が予想される。その間、国会では医療法・介護保険法改定の一括法案の審議となり、医療提供体制の整備に関する県の「規制」権限強化や、県が診療所にピンポイントでお金を落とす「基金」のメニューが示されることになる。自立・自助を社会保障の基本に据えたプログラム法の下、「住まい」を中心に医療・介護が連携し、病院完結型から「地域完結型」へ、提供体制の転換が図られる。

 この国策「地域包括ケア」は、2025年の超高齢社会を乗り切り、財政再生・財政再建への起死回生策だが、同時に100兆円のビジネスチャンスを当て込む企業群による医療の「商品」化を狙う思惑もあり、「同床異夢」で進んでいく。われわれは、今後の展開への危険性について、新たに警鐘する。

 今次改定で消費税対応とし、初診料12点、再診料3点、各々アップする。消費税は本来、事業者は負担をしない。「消費者」が負担をする。医療は社会保障であり「商品」ではない。「患者」も消費者ではない、よって消費税は負担をしない。しかし、「政策の失敗」により、事業者の医療機関が消費税を負担しつづける矛盾がある。この解決が税制大綱でうたわれ、途上の措置として補填がされた。一部にある執拗な批判報道は無理解に過ぎず、診療所にとって根幹の、初診料、再診料のプラス評価は何もなされなかったのである。つまり、外来全体の評価が軽視されたことになる。初・再診料は診療所の保険収益の2割を占めウエイトが大きく、診察・診断、外来看護、スタッフ人件費、事務費、光熱費、施設維持管理など技術・労働・管理を広範囲に経済評価したものであるが低廉であることが問題視されてきた。外来患者の7割、初診患者の8割は診療所が診ている。

 これに代わり、重点評価となったのは、「地域包括診療加算」20点(1点=10円)である。この算定要件は、(1)高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症の4疾病のうち「複数を診る」、(2)関係団体主催の研修を修了した「担当医」の専任、(3)患者同意の下、計画的な医学管理、(4)患者の受診医療機関すべての把握と服薬管理、(5)自院検査と院内処方、(6)健康管理・検診勧奨、(7)主治医意見書ほか介護サービス提供等で、全ての患者が対象である。研修要件は15年4月適用で、その間は暫定運用となる。内科の診療所の外来診療費は1,120.8点(月)、通院日数は月1.59日であり、この加算の算定で31.8点増、プラス2.8%の増となる。年間医療費で200万円程度の保険収益増となる。

 ただ、この加算を算定できる診療所は、24時間対応の「時間外対応加算1」または夜間対応の同「加算2」を算定する診療所が対象であり、各々9,197、1万5,555で計2万4千と対象は絞られる。診療所は全国10万、うち内科系は6万、うち在宅療養支援診療所(在支診)は1万3千施設である。報道で注目された「地域包括診療料」1,503点は、24時間在宅医療に応じる在支診の中でも医師が3人在籍する強化型が対象であり、全国に359施設しかない。

 2025年の75歳以上人口は2170万人、年間の死亡者150万人。これを極力、地域で診て、看取るためにつくられる「地域包括ケアシステム」は、人口1万人に1つ(中学校区単位)の想定で全国1万となる。このネットワークの拠点に、「地域包括診療加算」算定の診療所が位置づくことになる。この間、在宅医療連携拠点事業100か所が全国でモデル展開されたが、多くは診療所、病院、医師会などを実施主体とし、主治医・副主治医制の構築や「多職種連携」、「ケアカンファレンス」など、地域実情に応じ実践され高評価となっている。13年度からは在宅医療推進事業として、この音頭取り、マネージメントを「地域包括支援センター」に担わせるモデルが緒についたが力量的に未知数である。

 今次改定では、病院を専門外来に特化し、一般外来を診療所へ移行させるため、大学病院や大病院(500床以上)の入院基本料算定における患者の「紹介率・逆紹介率」のハードルを極端にあげた。紹介率は外来患者数を分母にとるため、一般患者の整理と、治療連携のため診療所の大病院への「登録」関係が強化されることになる。いわば、グループ化である。また、地域包括ケア支援病棟など在宅復帰率7割が指標とされ、多くが在宅に戻されて行く。

 診療所を中心に団塊世代の患者、大病院の外来・退院患者を診て行く構図だ。が、主軸を担う「地域包括診療加算」算定の診療所に、経済誘導で「複数疾病」を診させ医学管理させる構想には無理がある。高血圧を診る循環器の専門医療機関と糖尿病を診る専門医療機関では、治療内容に明確な差がある。これは「病診」の機能分担のゲートキーパーと違い、「診診」の連携を制限する性格を帯びたものである。しかも医学管理料も自ずと1医療機関算定に整理されていくため専門治療が崩れる。患者の4割は複数医療機関ないしは複数科受診が実態である(受療行動調査、中医協資料)。

 医療機関と患者を「1対1」の関係に縛り、患者を診療所に「登録」し、病院や専門医療機関へはここを「経由」し受診する。フリーアクセスを制限したものが「登録医」制であり、英国などヨーロッパが採用している。聴診器1本で、振り分けをすることから「ゲートキーパー」と揶揄される。

 日本では、この登録医制は古くは80年代の家庭医構想にはじまり、小泉内閣の02年に医療費の総枠管理制の方策として浮上。最近は国保中央会が06年に提言、厚労省幹部も07年に「登録料」「コーディネーター料」構想を公表、08年の後期高齢者診療料として、連綿として導入が狙われてきた。

 日本の診療所は専門医が開業し、専門性を柱に日常診療で遭遇する頻度の高い疾患にも対応している。この特徴ゆえに、病院紹介をせずとも、内視鏡的治療や冠動脈CT、重症の糖尿病など診診連携で完結している例もある。今回の「地域包括診療加算」算定は、緩やかなゲートキーパーではなく、現実を無視した自己完結型の登録医である。今回、4疾病の患者を先鞭に導入されるが、いずれ全患者に広がることは確実である。現場の混乱、齟齬は広がり、患者の保険適用でのトラブルにもなる。

 国会審議予定の医療法・介護保険法改定の一括法案は、民間主体の医療体制を、医療需要データにより再編・淘汰するため、「県」に地域医療ビジョンを策定させ、規制権限を与える。病床機能の報告をさせ必要数に応じ医療機関の機能転換を要請、従わない医療機関名公表、地域医療支援病院の承認取り消しなど可能とする。また新たな「基金」により、地域包括ケアの整備に使える補助金を県が差配できるようにする。向こう3年、市町村国保は県国保に統合され県は保険者として財政運営するだけに本気度は医療計画と格段に違ってくる。医療機関は「医療の絵図面」と無関係でいられなくなる。

 また一括法案は、会社法なみの医療法人の合併・再編に向けた手続きの規制緩和、法人種別の異なる財団と社団の合併に道を開くが、これは国公立の医療機関の経営部門と民間医療法人の合併などホールディングカンパニー化を睨んだものとなる。これは功罪半ばし、有名チェーン病院のような事務部門の効率化や医薬品・衛生材料・医療機器の一括購入、人材統合など、医療機関の系列・グループ化を促進する一方、産業競争力会議がこの改革を筆頭にあげ、融資や配当を可能とするよう要請するなど医療費の非営利性を壊し、会社化・企業化に大きく道を開くことになる。

 社会保障改革は、「施設から地域へ、医療から介護へ」がキーワードだが、裏を返せば、“住まいで医療を頼らず介護で”となる。すでに産業界は高齢者市場100兆円の皮算用のもと、生活支援サービスの高齢化シフトが顕著となり、介護周辺では配食・移動・家事など企業サービスが膨らみ、土建業が介護保険給付の住宅改修を当て込み訪問介護事業に参入するなど活発化している。

 しかし、本丸は医療である。地域包括診療加算は、院内処方が原則だが、院外処方の場合に、24時間対応の薬局との連携が要件となる。分業率が80%と高い神奈川県では連携が現実的となる。現在、この薬局は数が僅少であるが、ここに企業が進出している。ローソンが調剤薬局併設型コンビニを1都3県で展開、今年から佐賀県のチェーン薬局と業務提携し薬局併設コンビニが、複数の医療機関が入った医療モールで開業する。このモールは有料老人ホームと一体となっている。楽天のOTCのネット販売騒動は記憶に新しいが、本当の狙いは処方箋を切った、医療用医薬品であると公になっている。両社社長は産業競争力会議の委員だ。

 「地域包括診療加算」算定の診療所は、健康管理と「検診勧奨」が要件となっている。ローソンは「マチの健康ステーション」の新型店舗の展開を進めており、尼崎市と提携しメタボ健診の若年層の受診率向上へ「場」を提供し実をあげている。さらには、がん検診の受診率50%達成へ、都道府県とアフラックや東京海上日動などが提携し検診受診の啓発事業を行い関係性を強めている。国の審議会では、検診率50%超の韓国を視察し、検診受診による割引制、患者5割負担、混合診療など韓国の医療保険との対比が資料提出されている。

 メタボ健診は保険者の成績に応じ、高齢者医療の支援金にペナルティーが課せられ、適用が始まった。医療費適正化計画の達成のため独自の診療報酬設定を県が要望することは可能となっている。メタボ健診の受診へのポイント制(景品交換など)を一部、保険者が実施しているが、国としての導入検討が予定されている。かつてがん検診未受診者に保険料へのペナルティーをと官僚発言があった。県が国保の保険者となり提供体制の規制権限をもつことと、企業連携の動きを重ね合わせると意味深長である。健康管理、検診勧奨が、主治医の要件とされた意味合いは、単純ではない。

 医療の商品化の企図は執拗である。生活産業と医療・介護のグレーゾーンの峻別を説く産業界は、行政改革推進会議を通じた要望、市販薬類似薬の保険外しに成功した。うがい薬の保険外しだ。単剤使用を対象というが風邪症状で来院し咽頭の炎症治療でうがい薬の単剤処方は現場ではある。これが不可となると、複数処方の誘因となり医療経済上も負担が嵩む。患者も自費購入となり、放置し悪化の可能性もでる。それ以上に想定の医療費240億円(国費61億円)は院内処方で960万人分、院外処方でも480万人分に相当する。国民10人に一人という膨大な数であり、「治療目的外」の投与とされたが、審査・指導を通じ全てが外れされる可能性が高い。すでにビタミンの一部が外され、今後は漢方、湿布が射程に入るのは規定路線だ。厚労省は医学的反論をしたが押し切られている。

商業性がなく治験が見込めない、または費用対効果の低い先進医療の保険外併用(混合診療)の恒常化の「検討」もしかりであり、厚労省みずから新薬の保険適用に混合診療を検討する始末である。

 歯科においては「かかりつけ歯科初診料」以来、一貫する患者口腔の「長期維持管理」路線、PL法(製造物責任法)準拠路線が強固なまま、口腔リハビリテーションへと有床義歯の管理が衣替えとなり、自費との混合が可能な介護保険への移行が準備された。

 地域包括ケアは、高齢化が急激な都市部のプランであり、交通が不便で医療・介護資源が少なく単位面積が広い地方や過疎地、豪雪地帯では不合理である。施設集約型に理がある。また都市部であっても生活圏に潤沢なサービス提供があり、低い負担で利用できなければ画餅に帰す。退院強要に途方に暮れる患者・家族の苦境は一向に解消されず、高齢者医療と介護保険は患者負担が今後、引きあがる。介護地獄からの解放をうたった介護保険は家族介護を前提に組まれたまま、介護心中が後を絶たない。孤独死を例に出すまでもなく、単身者は増加の一途であり、2025年に65歳以上で700万人、単身世帯は34.8%となり、非常に心もとない。

 その一方、医療の商品化、市場化に向け、医療機関との結合を進める企業群が蠢いている。われわれは医療機器や医薬品の開発など産業化、企業活動を否定しているのではない。「医療提供」そのものを「商品」としていく流れを危険視しているのである。 今次改定は、主治医制を軸に医療提供体制の大転換への嚆矢となる。企業の伸長は医療・介護需要に応えている証左でもある。医療界が主導権を確実に握り医療実践と広報で、「商品化」の濁流を砕くことを広く呼び掛けたい。

※本記事は、2014年2月18日付けの談話として、神奈川県保険医協会が同協会のホームページ上で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.asahi.com/articles/ASG2M56TZG2MTTHB00N.html
佐賀)唐津赤十字への補助金期限1年延長
2014年2月20日03時00分 朝日新聞

 県は19日、今年度末までの工事着工が補助の条件となっていた医療施設耐震化臨時特例基金による事業について、補助の期限が1年延長されたと発表した。今年度内の着工を目指していた唐津赤十字病院(唐津市)の移転・新築工事に適用される。

 県によると、厚生労働省から、基金の要領を改正し、補助対象となる病院の着工期限を今年度末までから来年度末までにしたとの連絡があったという。佐賀以外のほかの県からも同様の要望が寄せられていたという。

 唐津赤十字病院は現在の唐津市二タ子1丁目から、同市町田、長谷、和多田にまたがる造成地への移転が決まっている。総事業費は、建設資材や人件費などの高騰を踏まえ、当初より約23億円増えて127億9千万円としていた。うち11億9千万円がこの基金から補助されることになっていた。

 しかし、今月6日に唐津赤十字病院の本体工事の入札をしたところ、応札した業者側の見積額が予定価格を上回り、不調に終わっていた。日本赤十字社は「今後の対応も含め検討中」としている。

 唐津赤十字病院の自己負担は総事業費の3割弱程度となる36億2千万円。ほかの財源は九州電力玄海原発に絡んだ原発関連交付金が25億円、県18億1千万円、唐津市・玄海町で18億1千万円などとなっている。(石田一光)



  1. 2014/02/20(木) 05:52:29|
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2月17日 医療一般

http://www.m3.com/iryoIshin/article/191532/?portalId=mailmag&mmp=MD140217&dcf_doctor=true&mc.l=33158199
安倍晋三政権1年の医療政策評価
医学部の統廃合求める声も2割◆Vol.4
医学部新設「納得できない」が5割超

2014年2月17日(月) 池田宏之(m3.com編集部)

Q.6 東日本大震災からの復興を目的として「東北に1校」の医学部新設方針は、納得できますか?
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 Q-6では、安倍政権が示している、東日本大震災からの復興を目的として「東北に1校」との条件付きで決定した医学部新設方針について、納得できるかどうかを聞いた。最も多かったのは「納得できない」で55.1%、次いで「どちらとも言えない」が33.9%。「納得できる」は11.0%で、1割強にとどまった。新設方針については、教員確保で「地域医療へ影響を与えない」ことや、「卒業生の東北への定着」などを条件としているが、実現性への疑問から、医療界は強く反対してきた経緯があり、そのような懸念が「納得できない」の回答の多さにつながったとみられる。

Q.7 今後の医学部新設方針の方向性は、どうあるべきですか?
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 Q-7では、「東北に1校」の医学部新設方針や、東北の医師不足への対応や中長期的な医師数需給見通しを踏まえて、「今後の医学部新設方針の方向性」について聞いた。最も多かったのは、「東北の新設医学部は不要で、現状の医学部数を維持」が49.4%となった。次いで多かったのは、「東北の新設医学部は不要で、現状の医学部も統廃合」の22.9%。合わせて7割以上が、東北に新設される医学部を「不要」と考えていて、2割の会員は、現状の医学部についても統廃合が必要と考えていた。

 医学部定員は、増加が続き、最近では9000人を超えていて、厚労省は「医師数は十分」とする見解を示している。日本全体の人口減少が進む中、高齢者人口も減少に転じれば「 医師が余る」との見方もある中で、医師養成数を増やす必要性を疑問視する見方が強いことが伺える結果となった。

 「東北の新設医学部は必要で、さらなる新設は不要」が15.5%、「東北の新設医学部は必要で、それ以外も増やすべき」は8.2%となった。3.9%の「その他」の自由意見では「もともと東北は医師の少ない地方。魅力的な地方にならない限り医師の定着はあり得ない」「地方の医師の収入を上げれば、OK」「自治医大をもう1校新設すれば良い」といった意見があった。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191059/
医論争論 2014
降圧剤論文の「犯人探し」では解決せず-曽根三郎・日本医学会利益相反委員会委員長に聞く◆Vol.1
日本版のORIの創設求める

2014年2月13日(木) 聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

 2013年、降圧剤「ディオバン」を巡る医師主導臨床研究について、京都府立医科大学の論文についてデータねつ造の可能性が指摘されたことに端を発し、ランセット誌に掲載された東京慈恵会医科大学の「Jikei Heart Study」が撤回される事態も起きた。厚生労働省は、再発防止を目的として「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」を立ち上げ、ディオバンの大規模臨床研究を行った計5大学の調査を始め、10月には、「会社と大学、両者に責任がある」とする中間報告書をまとめ、2014年に入っても、各大学での調査が続いている。

 日本医学会利益相反委員会委員長で、厚労省の検討委委員会の委員も務める曽根三郎氏(徳島大学名誉教授、JA高知病院院長)に、再発防止策や日本の臨床研究における問題点を聞いた(2014年1月17日にインタビュー。計3回の連載)。

検討委は90%責任果たした

――厚労省の検討委員会の委員を務めていますが、一番意識していることは何ですか。

 重要なのは、今回の検討委で明らかになった問題を、いかに早急に改善し、再発防止できるかです。産学連携による大規模の介入研究を推進していくことは標準的な治療を作るには必要ですので、科学性や倫理性を担保に実施できる仕組みや制度づくりを模索し、提案していくことです。今回のバルサルタン問題の原因は、企業の「販売促進」の側面が強く働いたことと、経験の乏しい医師が安易に大規模臨床試験を行ったことが大きいです。今回、問題解決できなければ、国際的に競争力を持った医薬品や医療機器の開発は我が国ではできないと思います。

――日本医学会のCOIマネジメントに関するガイドラインの改定案(2013年11月公開)では、資金提供や労務提供の開示に力を入れているように感じます。

 労務や資金の提供を記載すれば、OKという話ではありません。受託契約で防げるという考え方もありますが、契約の形式を変えれば、済むわけでもありません。医療機関は、研究の質である科学性と信頼性を国民目線で確保できるようにマネージメントしないといけません。実施計画書を見る倫理委員会と、金銭や労務の提供状況、契約などをチェックする利益相反委員会の役割が重要になります。

 例えば、ある製薬会社から寄附金や奨学金をもらい、同社の株も保有している医師は、深刻なCOI状態にあり、委員会は、その医師に研究責任者として良いのかの判断を求められます。「社会から疑惑を招く」とおかしさを指摘されたときに、説明できるかどうかです。余人をもって代えがたいというのなら、研究をやらせるのは良いですが、説明責任は、病院や大学に移るので、定期的なヒアリングや、データ不正防止対策を説明が求められるでしょう。倫理委員会は第三者機関であり、最終判断者は施設などの長になります。

――今回、医療界や医療行政の対応は十分だったでしょうか。

 検討委の目的は、真相解明ではなく、今回の問題点を明らかにして、再発防止策を検討するのが主です。法律違反は、司直に委ねるしかありません。検討委としての目的は、現段階でも90%は果たしていると考えます。アカデミアとしては、研究者自身の倫理感や研究資金の受け入れ方の問題に加え、自主的に行われる臨床試験について適正に実施するたえのルールや指針がないことが問題です。ただ、法的な規制でなく、臨床試験が適正にやれる手順やルールを作成を自律的にするべきと考えています。「誰が(不正に)関与した」という個人レベルの犯人探しに終始して、問題解決とするのは良くないと考えています。


厚労省の検討委委員会の委員でもある曽根三郎氏は、再発防止のために日本版ORIの重要性も強調する。
「癒着」とされないために企業名公表を

――日本医学会としてのCOIマネジメントの改定案が決まるのはいつごろでしょうか。

 2014年2月下旬に、理事会で承認される予定です。

――ガイドラインの改定案から大きく変わる部分はありますか。

 内容的には大きな変化はありませんが、今回の問題における研究資金や労務提供への対応を含めて、研究者として注意すべき点や回避すべき項目を、具体的な例示として盛り込みます。

 例えば、研究中はある製薬会社の社員で、論文発表時に、大学の所属となるケースがあります。発表時の所属が「大学」のみだから、所属先の大学だけを書けば良いかというと、我々の見解では「だめ」となります。会社に利益もたらす研究なら、成果が後から出たといっても、会社名は明記しないといけません。また、受託研究でも、研究結果の発表に影響力を及ぼすような契約は「すべきでない」と明記しています。

 これは研究の信頼性の問題性です。見かけ上の「独立性」を保ちたいなら、企業名は消した方が良いかもしれないが、企業が入っているかどうかで、読み手の読み方が違います。研究に協力した企業名を公表することが大切で、疑惑があれば、説明責任を果たすべきです。

――他にはありますか。

 具体的に理解しやすいように書きます。全体として、厳しくはなっていますが、米国も同じ流れで、さらに厳しいCOI状態の開示を求めています。

――企業との連携を「癒着」とする見方もある中で、出しにくいのではないでしょうか。

 研究は、患者にベストな医療が適切に還元されるのが目的です。ただ、社会から「癒着」と言われやすい面があるのも事実で、企業との金銭関係は透明化されなければなりません。

日本版ORIが必要

――他にも、考えるべき点はありますか。

 医療情報を提供する商業雑誌の問題があります。学会の雑誌は、ピアレビューされているので、中立性がある程度保たれていると考えます。ただ、ピアレビューのない商業誌は、よりバイアスがかかる可能性があります。製薬会社1社が、資金的に丸抱えしているような雑誌もあり、スポンサー名を書かずに、根拠が不明なまま「第一選択云々」と書いてあるケースが散見されます。その意味で、商業誌も製薬企業との金銭関係の透明性を確保する方向でやるべきでしょう。

――今回の検討委には、出版社の所属のメンバーもいます。

 出版社のメンバーの方は、色々批判されているようですが、検討委はいろいろな職種や立場の人を集めて、議論するのが目的です。そもそも、出席して変なことを言えば、発言内容は公開されるため、社会から厳しい視線を向けられますので問題ないと考えます。

――「誰も責任取っていないのでは」との声がありますが、どうお考えですか。

 現在の段階では、1つには、臨床研究の倫理指針に違反しても違反者への懲罰のためのルールがありません。治験を通過した薬で、不正があれば、承認取消になり、薬事法でも罰せられます。(1月の厚労省によるノバルティスファーマ社の告発容疑の)誇大広告も、法的に裁くためにやっています。ただ、医師主導の臨床研究、特に侵襲性のある介入研究の場合、重大な不正に結びつく違反をしても懲罰を与える仕組みがありません。

 もう1つは、研究不正を監視する公的な機構がないことがあります。米国には、研究公正局(ORI)がありますが、日本にも似た組織が必要と主張しています。重大な違反事例があれば、ホームページに、所属や内容の全容が掲載され、(不正を実施した研究者は)活躍できなくなる効果は大きいです。日本版のORIを検討すべき時期だと思います。

――今回は、ルールや組織がありませんでした。

 今回は、倫理原則であるヘルシンキ宣言や臨床研究に関する倫理指針も守られておらず、どうしようもありません。研究者には、名声欲や、研究費への欲があります。市販後医薬品の臨床試験の実施は、社会や企業からのニーズが非常に強いのも確かです。産学連携が活発になれば、COI状態が深刻化するケースがあるのは、仕方ありません。

――刑事告発について、どう感じられていますか。

 「真相解明をしてほしい」としかいいようがありません。容疑が「誇大広告」ですので、どこまで進むのかは分からない部分がありますが、仮に犯人が分かったとしても、検討委の検討内容を覆すものではないと思います。

――医療界の自浄作用を期待する声もあったように思います。

 実際に強制的な捜査権限があるわけでなく、できないというのが現実です。しかし、今回、当事者からヒアリングを行い、事情調査を出来た事は、臨床研究の実態と問題点が明らかになり、企業からの寄附金提供額や労務提供の状況が詳細に把握できた点で成果があったと思っています。今回のバルサルタン問題は、国際誌へ公表した複数の論文撤回に発展した事を真摯に受け止めるべきでしょう。再発防止に向けて、アカデミア、製薬企業、行政ともに、迅速に対応しなければいけません。



http://www.caremanagement.jp/?action_news_detail=true&storyid=11770&view=all
<診療報酬改定案>ケアマネと連携する医師に「支援料」創設
2014/02/17 17:00 配信 | 業界ニュース【ケアマネジメントオンライン編集部 樋口】

中央社会保険医療協議会(中医協)は、2014年度の診療報酬改定案を、2月12日、厚生労働大臣に答申した。

医療職、なかでも介護保険利用者の主治医意見書を書く立場にある医師は、地域ケア会議やサービス担当者会議への出席を要請しても、同意を得られない、参加してくれないなど、ケアマネジャーの悩みの種だった。
しかし、2025年までに地域包括ケアシステムが円滑に機能するためには、医療と介護が一体となって、高齢者を支えなければならない。

そうしたことから、今回の改定案には、在宅医療の推進が数多く盛り込まれている。
たとえば、サ高住や有料老人ホームの入居者に対する訪問診療料を引き下げるほか、地域ケア会議に出席したり主治医意見書を書く医師を評価する診療料の創設する、などがそれにあたる。

ほかにも、一定以上の常勤看護師、24時間対応、居宅介護支援事業所併設などの要件を満たす「機能強化型訪問看護ステーション」の創設や、在宅患者の受け入れや在宅復帰支援の業績がある病棟を評価する「地域包括ケア病棟入院料」の創設、維持期のリハビリをケアマネジャーとの連携で介護保険に移行した場合の支援料の創設などが盛り込まれている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42075.html
記録的な大雪、医療機関に打撃- 出勤困難で休診や診療体制縮小も
( 2014年02月17日 16:00 )キャリアブレイン

 記録的な大雪の影響で、休診したり診療体制を縮小したりする医療機関が相次いでいる。群馬と山梨の両県では、降り積もった雪による交通機関の乱れで、出勤できない職員が続出。積雪のために外来患者らの駐車スペースを確保できず、公共交通機関の利用を呼び掛ける医療機関もあった。また、山梨大医学部附属病院(山梨県中央市)でも、大雪によって十分な診療体制が取れないことから、外来患者に不要不急の受診を控えるよう求めている。【新井哉】

 群馬県は16日、県立小児医療センター(渋川市)から「食料が不足している」との連絡を受けたため、自衛隊に派遣を要請。同日午後、陸上自衛隊相馬原駐屯地の物資輸送部隊が食料などを届けた。同センターは17日午前の外来診療は、緊急の患者を除いて休診にしたという。

 県立心臓血管センター(前橋市)でも、積雪で出勤が困難な職員がいたため、17日午前の外来診療を縮小。構内の除雪作業を進めているが、駐車スペースを十分確保できないことから、外来患者らに対し、「構内に駐車できない場合があるため、可能な限り公共交通機関を利用してほしい」と呼び掛けている。

 山梨大医学部附属病院でも、交通機関の乱れなどで一部の職員が出勤できないことから、ウェブサイトに「経過観察などの定期的な診療の方は、できる限り受診を控えて」と掲載。外来患者らの駐車スペースを確保するため、職員らが除雪作業に追われているという。



http://news.mynavi.jp/news/2014/02/17/470/
求められる医師像は「こんにちはと挨拶できる人」の低レベル
  [2014/02/17] マイナビニュース

 医療現場ではどんな医師が求められるのか? そんなテーマが医療関係者の飲み会で話題になったという。以下は参加した38才の医師の話だ。

 * * *
 飲み会の席でのこと。これからの医療現場では、いったい、どんな医師が求められているかという話になったの。

「普通のことを求めようとなんて思わない。でも、人として最低限の部分はきちんとできる人であってほしい。患者さんが診察室に入ってきて、“こんにちは”って挨拶されたら、“こんにちは”ってちゃんと挨拶してほしいんだよね。椅子にふんぞりかえりながら、“なんで来たの?”って、そりゃあないでしょうよ」

 って、うちの病院の人事がしみじみ言うんだわ。

 ホントに、どんだけ理想が低いんだって、みんなしばらく黙ってビールを口に運んでましたっけ。

※女性セブン2014年2月27日号



http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140217/dst14021712190001-n1.htm
ヘリで透析患者を搬送 群馬・南牧村「除雪まだ3割」
2014.2.17 12:16 [自然災害] 産經新聞

 人口約2300人のうち65歳以上が占める割合が57%(平成23年現在)と全国で最も高齢化が進む群馬県南牧(なんもく)村。15日朝から続いた停電は同日夕に復旧し、下仁田町と結ぶ県道も16日午後6時ごろに除雪が一段落し、孤立状態からは脱した。

 村内の医療機関は下仁田町にあるクリニックの分院1軒しかなく、火曜日と金曜日しか診療していない。人工透析が必要な住民もいるが、脇道には雪が積もっているため車両での搬送は困難だという。

 村は県の防災ヘリに医療機関への搬送を要請。16日には住民1人を自宅前からヘリで吊り上げて、富岡市内の病院に搬送し、17日も2人の搬送を予定している。

 役場職員ら約60人は除雪や安否確認に追われている。ある男性職員は「まだ全世帯と連絡がついた訳ではなく、除雪も3割程度で、半分も終わっていない。除雪さえ終われば安心だが…」とため息をついた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42080.html
奈良・香芝病院の後継、藤井会に病床配分へ- 県の審議会が了承
( 2014年02月17日 20:28 ) キャリアブレイン

 奈良県香芝市にある東朋香芝病院(288床)の保険医療機関の指定取り消し処分をめぐる問題で、県の医療審議会(会長=吉岡章・県立医科大理事長)は17日、医療法人藤井会(大阪府東大阪市)が香芝市内に新設する「香芝生喜病院」(仮称)に対して、241床を配分するとする県の案を了承した。同病院は2017年4月の開設予定で、県では月内にも、この法人への配分を決定する方針だ。【敦賀陽平】

藤井会の新病院に配分する県の案を了承した医療審議会(17日、奈良市内)
 この問題をめぐっては、同病院への処分の決定を受け、県が昨年6月、今後の病床数の不足を想定し、同病院の病床を引き継ぐ医療法人などを公募。その結果、社会医療法人平成記念病院(橿原市)が今年夏に同市内に開設予定の「平成まほろば病院」に対して、47床分を配分することが決定したが、残る241床の配分先が決まっていなかった。

 県が昨年秋に事業計画書を公募した結果、医療法人と個人合わせて5件から申請があったが、▽東朋香芝病院の診療科をすべて引き継ぐ▽医療従事者の確保の実現性が高い▽複数の病院経営の実績がある―ことなどから、県側は藤井会に配分する案を示した。

■2年目以降に救急搬送1800件に

 今回の公募では、▽救急医療体制の整備▽香芝、葛城市内に開設・増床を予定▽東朋香芝病院の患者に対する医療の提供▽同病院と同様の診療機能を持つ-の主に4項目が評価対象となっている。

 藤井会の計画は、香芝市に一般191床(10対1)、医療療養50床(20対1)のケアミックス病院を建設するという内容だ。

 開設時は一般100床、医療療養50床、診療科10科でスタート。2年目には小児病棟と特定集中治療室(各10床)を設置し、17科まで拡大する。そして、3年後に全病床の稼働を目指す。救急搬送に関しては、当初は年間1200件を受け入れ、翌年以降に1800件に増やすとしている。

 医師は45人(常勤換算)を雇用する計画で、大阪市立大、関西医科大、大阪医科大からの派遣などで確保する。一方、看護師は140人(同)が働く予定で、連携する看護学校の奨学生らを採用する。同法人は、東大阪市を中心に7つの医療施設などを運営しており、グループの職員も異動させるという。

 大阪地裁は昨年夏、東朋香芝病院に対する処分の一時執行停止を決定し、同病院は当面の間、経営が維持できる見通しとなっている。藤井会側は、同病院の職員を受け入れる意向を示しているほか、開設までの間に処分が下された場合に備え、▽白庭病院▽東生駒病院▽阪奈中央病院▽阪奈サナトリウム―の県内4施設と患者の受け入れで協力する同意書も交わし、県側はこの点も評価した。

■「併存する可能性もある」

 県側はこの日、東朋香芝病院を経営する医療法人気象会と同病院の譲渡契約を締結した医療法人から、計画書の申請があったことを明らかにしたが、外部の有識者による審査会が意見聴取した結果、「病院開設の意図が不明確」「具体的な方策がない」などの意見が出たため、今回の配分先には選ばれなかった。

 東朋香芝病院の指定取り消し処分をめぐっては、気象会側が国を相手取り、処分の取り消しを求める訴訟を起こしている。裁判は長期化する見通しで、県側は「併存する可能性もある」としている。



http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/4/8/4813.html
防災歳時記 2月18日 大野病院事件と「当たり前」の時代
2014-02-18 00:30 地震予測検証 / 防災情報 ハザードラボ

 今から8年前、2006年(平成18年)の今日2月18日、一人の医師が医療ミスを問われ業務上過失致死の曜日で逮捕された。

 福島県立大野病院産科医逮捕事件、通称「大野病院事件」。

 それは逮捕から2年前のこと、前置胎盤(ハイリスク妊娠の一種)だった妊婦に医師は出産時の危険性を説明し、大学病院での分娩を勧めたが、「大学病院は遠い。交通費がかかる」と、地元だった大野病院での分娩を譲らなかった。

 2004年(平成16年)12月17日、大野病院で帝王切開による分娩手術が始まった。

 赤ちゃんは無事取り出されたが、産婦は前置胎盤だけでなく、子宮に胎盤が癒着する癒着胎盤も併発していた。

 このため、最終的には子宮摘出を行なうことになり、出血量は当初想定よりはるかに多い量になった。

 大量の輸血を行なったものの、子宮摘出から約1時間後、産婦は出血性ショックで死亡した。

 福島県は調査委員会を設置して、執刀医の判断ミスを認める報告書を作成した。

 その理由は、医療側の過失を認めないと、医賠責保険による遺族への補償支払が行なえないから。

 しかし、この報告書がきっかけになってマスコミにより大々的に「医療ミス」と報じられることに。

 そしてついには警察が動き、医師の逮捕という事態にまで発展した。

 その医師は、起訴されるが、結論は「事実上のえん罪事件」。

 医師の手術は、過失があるとは言えず、またその医師は非常に優秀な腕を持っていたことも分かった。

 無罪判決で、検察側は控訴を断念した。

 しかし、公判中に遺族は、「ミスが起きたのは医師の責任」、「言い訳をしないでミスを認めてほしい」などと主張し、死亡した産婦の墓前で土下座して謝罪するよう求め、医師はそれに唯々諾々と従った。

 彼が遺族から問われた「医師の責任」とは何か?

 分娩には、いや、生きるすべての営みにはリスクがともなう。

 「常に安全にお産が出来て当たり前」の世界にしたいと医師も社会も希求するが、現実は安全で健康な生活が100%保証されているわけではない。

 これは医療だけのことじゃない。

「大地震や大津波から行政が守ってくれるのが当たり前」

「遭難したら救助に来てくれるのが当たり前」

 人間には生と死の2つの状態しかない。生を選択する限り「死というリスク」から逃れることはできない。

 どんな土地に住むか?どこに行楽に行くか?子どもが欲しいと思うのか?…

 そうした生きていく上で当たり前の選択肢は、だがそのすべてが目に見えない「死のリスク」につながっている。

 そしてこのリスクは最終的には、この世に生を受けた自分が引き受けるしかない。

 医師や救急隊や行政は、少しでも安全で健康な生活をしてもらうための手助けができるに過ぎない。

 大野病院事件のような問題の反省から、2009年(平成21年)に「産科医療補償制度」が創設された。

 分娩によって発症した脳性まひの子どもや家族に、医師の過失がなくても補償が行なえる「無過失補償制度」だ。

 しかしそれでもリスクの高い産科医は敬遠され、その「なり手」は減り続けている。

 この状態では、リスクをあえて引受ける高邁な理想と信念を持った医師から順に、医療訴訟に倒れていくことになりかねない。

「当たり前の時代」が、「安全で健康な社会」の根幹を浸食している。



http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20140217-OYT8T00306.htm
五島列島に「予防医科学研究所」…長崎大が設置
(2014年2月17日 読売新聞)

 長崎大は、遺伝子解析などによる疾病予防の調査研究を行う「予防医科学研究所」を長崎県五島市の市福江総合福祉保健センターに設置した。

 同大は2016年に千葉大、金沢大と共同で予防医学研究のための大学院を開設する予定で、研究所は大学院生の教育拠点としても活用していく予定。

 長崎大は04年に診療支援などを目的に県五島中央病院(五島市)内に離島医療研究所を開設。予防医科学研究所は、離島医療研究所と連携し、同市などの協力を得ながら、生活習慣の改善や疾病の早期発見などのための研究を進める。さらに、遺伝子が持つ発病リスクの研究も行い、発病回避につなげることを目指す。

 同センターで7日に行われた開所式には大学や市の関係者ら約30人が出席。研究所の責任者を務める同大原爆後障害医療研究所の永山雄二所長は「高騰する医療費を抑えるためには、病気になる前に予測をすることが大切。より精度の高い予防医学の確立を図りたい」と話した。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140218/fki14021802180002-n1.htm
敦賀病院食中毒 見舞金支払いへ 院長ら2人訓告処分 福井
2014.2.18 02:18 産經新聞 福井

 市立敦賀病院は17日、病院給食が原因で昨年末から年始にかけ、入院患者らが発症した食中毒について、対象の計278人に見舞金を支払うと発表した。

 昨年12月26日の夕食から1月3日の夕食で、病院提供の給食を1食以上食べた入院患者246人に6千円を、ノロウイルス感染者32人には、2万円を支払う。

 ノロウイルス感染者で当初の予定よりも入院期間が長引いた5人に関しては、延長した日数に2万円を乗じた額を支払う。

 同病院は、今月18日から見舞金についてのお知らせを対象者に発送。同月下旬から戸別訪問により、見舞金を支払う。

 同病院は「安全、安心な病院給食を提供することに努める」としている。

                   ◇

 敦賀市は17日、市立敦賀病院で発生した食中毒で、米島学院長と本多恒夫事務局長を市長訓告、栄養管理室関係者の4人を厳重注意処分とした。



http://diamond.jp/articles/-/48858
出口治明の提言:日本の優先順位
【第108回】 超高齢社会に医療はどう対応すべきか

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]
2014年2月18日 ダイヤモンドオンライン

 病院等医療機関の収入となる診療報酬の改定内容が、2月12日に開かれた中央社会保険医療協議会でまとまった。それによると、改定の主眼は、病院依存の医療から在宅ケア重視への転換であるが、高齢者の多くが慢性病を患っている現状を考えれば、在宅医療に重点を移すことは理の当然であるように思われる。超高齢社会に医療はどう対応すべきか、今回はこの問題を考えてみたい。

■ 自宅で死を迎えたいが8割、
  現状は病院での死亡が8割

 僕は三重県の片田舎で育ったが、近所の人を含めて病院に行く人はあまりいなかった。かかりつけのお医者さんがいて、病気の時は往診に来てくれるのが普通だった。そして高齢者は自然に自宅で死を迎えていた。超高齢社会は言葉を変えれば多死社会である。超高齢社会の医療の問題は、最終的には死とどのように向き合うか、という問題を避けては通れないと考える。

 ここにホスピス財団が2012年にまとめた「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査」がある。これによると、「余命が限られている場合、自宅で過ごしたい人の割合」は、全体で81.4%にのぼるが、それが「実現可能だと思う」人は18.3%しかいない(63.1%は、実現は難しいと思う、と回答している)。

 次に「自宅で最期を過ごすための条件」をたずねると、「介護してくれる家族がいること、63.4%」「家族に負担があまりかからないこと、50.0%」「急変時の医療体制があること、42.2%」「自宅に往診してくれる医師がいること、41.2%」の4項目が4割を超えていた。

 また、「医療用麻薬のイメージ」については、「痛みが和らぐ、81.5%」「最後の手段だと思う、59.0%」「副作用がある、49.4%」がトップ3であり、まだまだ正しい理解は十分とは言えない状況である。先進国では、「最後の手段である」「副作用がある」などの考えはほとんど見られない。この意識の落差もわが国における、医療用麻薬の使用が少ない(先進国の1割程度)1つの要因であろう。

ところで、このような市民の意識とは裏腹に、わが国の現状では、病院での死亡が約8割となっている。そうであれば、かかりつけ医や、看取りや緊急往診に積極的な医療機関の報酬を上げることは正しい方向であろう。今回の改定案では、「主治医機能の評価」として、複数の慢性疾患を有する患者に対して、継続的かつ全人的な医療を行うことについて、地域包括診療料として1503点(1万5030円)を月額固定で新設した。具体的には診療報酬は次のように変わることになる。

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(出所:朝日新聞2月13日朝刊)

 このケースでは、46%の報酬アップとなるが、中小病院及び診療所の医師を、かかりつけ医として育成していくことは必要不可欠であろう。けだし、個々の患者がかかりつけ医を持つことによって初めて、長く続く(≒一生完全には治らない)慢性病についてきめ細かな生活指導を受けることが可能になるからである。

 次に、急変時の医療体制を強化する観点から、在宅医療を受ける患者があらかじめ指定した病院に緊急入院する場合に、初日に2500点(2万5000円)を新たに加算する、としている(在宅療養後方支援病院)。

 また、24時間対応で看取りや重症者の受け入れに積極的な訪問看護ステーションには、月の初日の訪問時に1万2400円(現行7300円)を支払う。

 この他、入院については、病床の機能分化を促進する施策(在宅復帰の促進・在宅復帰率の導入、大病院の一般外来の縮小、質の高い集中治療の評価、回復期の病床の充実と機能に応じた評価等)が採られており、大病院は専門医の方向に、また急性期の病床を減らして回復期の病床を増やす方向が、かなり明確に打ち出されている。いずれも妥当な施策であると評価していいだろう。

■ ACP=アドバンス・ケア・プランニングを
  医療点数票に組み込め

 ところで、超高齢社会では、終末医療の問題を避けては通れない。世代別1人当たり年間医療費を見ると75才以上が89.2万円と突出しており(次は45~64才の27.6万円)、しかも75才以上人口は2013年の1560万人から、2025年には団塊世代が後期高齢者入りを果たすことから、1.4倍の2179万人にふくれあがることが想定されている。

 以前当コラムでACP(アドバンス・ケア・プランニング)について述べたが、超高齢社会では、高齢者が残った人生の過ごし方を、元気なうちからよく考えておく必要がある。ACPは、決して医療費の節減といった短視眼的な観点からではなく、人生をいかに有意義に生き抜くかという、人間の尊厳に関わる観点から真摯に考えるべき事柄である。ある医師の本で読んだが「自分の生存能力を超えて生かされていることほど、人間にとって残酷なことはないのだ」と。そうであれば、世界の中で超高齢社会の先頭に立つわが国は、この際思い切ってACPを医療点数票に組み込んではどうか。

 例えば、主治医機能の評価の中に、ACPの作成及び更新(年1~2回を限度)として、2000点(2万円)ないし3000点(3万円)程度を付与すれば、一気にACPが普及するのではないか。ACPの作成・更新が、かかりつけ医の主たる役割の1つであるという意識付けを行うためにはインセンティブ(報酬改定)が欠かせない。

 なお、ACPの雛形は、専門家を集めて集中審議を行えば、1年もかからずに作成できるだろう。加えて、患者のカルテについては早く電子化して、主治医のところで集中管理することが望ましい。カルテが一元化されれば、より個々の患者に見合ったACPがスムーズに作成できるようになるだろう。

■ 公営住宅をコレクティブハウスにして
  高齢者のコンパクト化を図れ

 ホスピス財団の意識調査によれば「自宅で最期を過ごすための条件」のトップは「介護してくれる家族がいること」であった。しかし、わが国の世帯構成を見ると、32%が1人暮らしとなっている。また子どものいないカップルも19%いる。実に合わせて50%以上の人が最期は「おひとりさま」で迎えることになるのだ。これでは自宅で最期を迎えることなどできそうにない。では、どうするか。

 これも以前当コラムで論じたが、おそらく方法は1つしかあるまい。公営住宅をすべてコレクティブハウスにすることによって、1人暮らしの高齢者を集めてコンパクトシティを実現するのだ。

 コレクティブハウスの家賃を政策的に調整すれば、例えば学生等若者との混住も十分可能であろう。いわば政策的に疑似家族を作ることによって、高齢者の自立を促す仕組みをセットするのだ。高齢者がコンパクトにまとまっていれば主治医の往診も容易であろう。

 なぜ、高齢者専用の特定施設やグループホーム等ではなくて若い世代と混住する公営のコレクティブハウスなのか。これも医師の本で読んだのだが、「欧州の老人ホームでは、ケアマネージャーが朝になると入居者を正装させて(男性はネクタイをしめて)部屋から出るように促す。部屋のベッドで自由に休めるのは医師の指示があった場合に限られる。高齢者も普通の社会生活を毎日規則的に営まないと刺激がなくなり、老化が進むだけなのだ」と。

 若い世代と触れ合うことによってのみ、高齢者も元気で過ごせるのだ。だからこその混住であり、当然のこととして、このような公営のコレクティブハウスは町の中心部に建設すべきであることには論をまたない。在宅医療を充実させ、これまでの「病院完結型」から超高齢社会に見合った「地域完結型」の医療へと転換を遂げるためには、医療と住宅政策(混住。これまでの郊外の庭付き1戸建住宅やマンションを「所有」することから、家具付き賃貸住宅やコレクティブハウスへの入居への転換)をワンセットで考えることが必要だと思料するがどうか。

(文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である)

  1. 2014/02/18(火) 06:04:02|
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2月15日 医療一般

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/economics/news/20140215/1505843
栃木県の医療分野人材育成へ1000万円を寄付 栃木トヨタ自動車
2月15日 朝刊 下野新聞

 本県の医師確保と定着に寄与しようと、栃木トヨタ自動車は14日、県の「とちぎ安心医療基金」に1千万円を寄付した。

 同社の前社長故・新井祥夫氏が生前「慢性的な医師不足や地域医療機関の充実などに貢献したい」としていたことから、その遺志を受け、収益金から浄財を捻出した。

 県は中高生を対象とした職業体験や若手医師の研修支援、初期臨床研修医の研修セミナー開催など、医療分野の人材育成事業に充てる考えだという。



http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140215/crm14021518000005-n1.htm
【道丸摩耶の医事刻々】
製薬会社“お抱え”の臨床研究を助長する医師側の「鈍感」

2014.2.15 18:00  産経新聞 [医療事故・事件]

 東京大学付属病院など全国の22医療機関が実施する製薬大手ノバルティスファーマ(東京)の白血病治療薬の臨床研究をめぐり、ノ社の社員が患者アンケートの回収や資料作成などにかかわっていたことが明らかになった。医療機関が独立して行うべき医師主導の臨床研究への製薬会社の関与が明らかになるのは、ノ社の高血圧治療の降圧剤「ディオバン」事件と同じ。疑惑の臨床研究が相次ぐ背景には、患者本位の医療を提供すべき製薬会社と医師の、もたれ合いともいえる構図がある。

自社製品に誘導も

 「患者さんに不利益な投薬はしていないと信じているが、研究に参加してくれた患者さんに心配をかけた責任は痛切に感じている。謝罪したい」

 臨床研究へのノ社の関与が明らかになった1月下旬、研究に参加した都内の病院の男性医師は取材に対し、沈痛な面持ちで謝罪の言葉を口にした。

 臨床研究計画書によると、問題となった研究は、白血病の既存薬を服用する患者の副作用の現状を明らかにするとともに、ノ社の新しい治療薬「タシグナ」に切り替えた後に副作用が軽くなるかどうかを調べるものだ。「東京CML(慢性骨髄性白血病)カンファレンス」なる研究会が実施主体とされ、研究代表者は東大病院血液・腫瘍内科の黒川峰夫教授。黒川氏は東京CMLカンファレンスの代表世話人も務める。

 前述の男性医師が勤める病院では、患者約50人が研究に協力。しかし、白血病治療薬はノ社製品以外にもあり、患者によって合うタイプは異なるため、研究の規定に沿ってタシグナに切り替えたのは数人だけだったという。

 こうした現状に、病院に出入りしていたノ社の営業担当社員は、他の患者もタシグナに切り替えるよう医師に要請。実際に切り替えた例は確認されていないが、臨床研究の名のもとに、ノ社が販売促進を図ろうとしていたことが伺える。

研究そのものが不完全

 そもそも医師主導臨床研究とは、医師が主体となり患者のより良い治療を目指して行う研究だ。しかし、今回の研究については、より良い治療法を探るという目的からすると不完全だ。

 現在、白血病治療には主に3種類の薬が使われており、薬ごとの副作用を詳しく調べるのであれば3種を比較する研究がなじむはずだ。だが、今回の研究は前半部で3種の副作用を調べつつも、後半部はタシグナに切り替えた後に副作用が軽くなるかどうかを調べる不自然な計画となっている。


 研究に参加したある医師は、「研究がノ社の販売促進につながる恐れがあることは当初から指摘されていた」と打ち明ける。それでも参加を決めたのは、事務局を務めていた東大病院の知人から「患者の中には、副作用について医師に話しづらい人もいる。アンケートなら、言いにくいことをあぶり出せる」と説得されたからだ。参加医療機関には研究を主導した東大病院と人事交流を行っているところも多く、協力を断って波風を立てたくないという力も働いたようだ。

 タシグナに切り替えた後の副作用を研究しても、別の治療薬が合う患者に意味はなく、治療を行う医師側にもメリットは少ない。研究結果を論文にまとめたところで、内容が大きな医学的評価を得られるとも考えにくい。本来ならば患者のために行われるはずの臨床研究は当初から、目的があいまいのまま始まっていたのだ。

計画作成はノ社?

 目的があいまいで医学的成果が望める可能性が低い研究であっても、臨床研究には人件費や事務経費など一定の費用がかかる。研究計画には「研究は東京CMLカンファレンスの資金で行う」とあるが、関係者によると、研究会の資金は数回のセミナーで集めた参加費くらい。前述の医師は「ノ社から何らかの資金提供があるのだろうと予想していた」と話す。

 事実、ノ社は研究が行われていた平成24年度、黒川氏の研究室と参加7医療機関に、計1100万円の奨学寄付金を出している。ノ社は「臨床試験とは関係しない」と説明するが、奨学金以外にも、自社の会議室を提供したり、患者アンケートを回収するなどさまざまな“支援”を行っていたことは認めている。

 さらに、事務局の東大病院講師からメールで送られてきた臨床研究計画書などの文書データの作成者欄には、ノ社や同社社員の名前があった。昨年10月に日本血液学会で行われた研究の中間発表のスライドの最終更新者も、ノ社社員の名前になっており、ノ社が研究の計画から結果発表に至るまで深くかかわっていた可能性がある。東京CMLカンファレンスはノ社と共催でセミナーを行ったこともあり、ある医師は「事実上の事務局はノ社だと思っていた」と証言する。

医療者側にも責任

 臨床研究への製薬会社の“介入”が問題視されたのは、今回が初めてではない。ノ社の「ディオバン」の臨床研究では、ノ社の社員が身分を隠して研究に関わり、誰が行ったかは特定されていないものの、論文データの改竄(かいざん)があったことが分かっている。虚偽のデータを使った研究を販売促進に利用したとして、厚生労働省が薬事法違反(誇大広告)の罪でノ社を刑事告発したことは記憶に新しい。

 臨床研究に詳しい大学教授は「利益を追及する製薬企業が、自分たちに都合の良いデータや研究結果を求めることは当然のこと」と解説。「だからこそ研究を行う医師側がこうした介入を防がなくてはならない」と医療者側が歯止めとなる必要性を強調する。

 ところが、医療者側の認識はお寒い限りだ。各医療機関はアンケートをノ社社員に運ばせただけでなく、事務局はノ社の求めに応じてアンケートをノ社の社員に渡すなど、患者の情報やアンケート結果を漏洩(ろうえい)させていた。今回の研究の計画書には、「製薬企業の関与や利益相反はない」とはっきり記されており、患者にも同様の説明がされていた。結果的に、医師は患者に虚偽の説明をして研究に参加させ、個人情報を漏らしたことになり、その責任は重い。製薬会社“お抱え”の研究にもたれかかり、不正を助長したのは医療者側だ。

 だが、こうした声に対して、東大病院など医療者側の動きは鈍い。関係者によると、事務局は一連の疑惑について報道機関から取材を受けた後、協力医療機関に「これまで(ノ社社員が運ぶなどして)提出されたアンケートも、再度ファクスで送ってください」とするメールを送ってきたという。研究計画ではアンケートはファクスで送ることとなっており、証拠隠滅を図ったと疑われても仕方のない行為だ。関係者は「東大病院はまず事実関係を明らかにして、患者に説明するのが先だ」と憤る。

 こうした実態について、ノ社は元裁判官ら弁護士による調査委員会を設置し、3月までに調査結果を公表するとしている。また、東大側も第三者による調査を進める予定だ。疑惑の解明がどこまで進むか、ノ社、東大病院の双方に厳しい視線が注がれている。



http:// www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=93010&from=navlc
わたしの医見
高すぎる薬価

(2014年2月15日 読売新聞)

静岡県 医療従事者 40

 勤務する病院で7年前から乳がんの治療を受けている。高額な抗がん剤を毎週、点滴している。治療費は3割負担で、月額20万円以上。高額療養費制度の適用で、実際の負担額は4万5000円程度だが、この支払いはずっと続く。体調は優れないが働かねばならず、生活は苦しい。

 薬剤師によると、薬価が高いのは開発費が高いからだ。私の病院では、薬の採用は医師の要望書をもとに審議する。安いジェネリック薬を選んでほしいが、病院の利益を考え、製薬会社の示す売値と薬価との差の大きい薬を選ぶこともあるそうだ。

 病院では週1回、夕方になると、製薬会社の担当者が廊下で医師を待ち構え、30分くらい、製品の説明をする。その際、担当者は高そうな弁当や飲み物を台車で運んでくる。

 こうした出費がなくなれば、薬価を少しでも下げられるのではと、複雑な思いで見ている。


 医療に関する体験、意見、疑問をお寄せください。タイトルを「医見」として、住所、氏名、年齢、電話番号と、匿名希望の場合はペンネームを明記のうえ、iryou@yomiuri.com へお送りください。



http://toyokeizai.net/articles/-/30764
厚生労働省に重要事実「隠ぺい」の疑惑
白血病薬臨床研究で新たなスキャンダルに発展も

岡田 広行 :東洋経済 記者 2014年02月14日

「厚生労働省に重要事実「隠ぺい」の疑惑 白血病薬臨床研究で新たなスキャンダルに発展も | 産業・業界 - 東洋経済オンライン」をはてなブックマークに追加産業・業界のフィード印刷 厚生労働省に重要事実「隠ぺい」の疑惑
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「機密性2」と記された厚生労働省の内部資料(2月13日付け)
大手製薬会社ノバルティスファーマが関与した白血病治療薬を用いた医師主導臨床研究をめぐる不祥事(関連記事を参照)で、新たな問題が浮上している。

厚生労働省の担当部署が研究の中心を担った東京大学医学部附属病院から具体的な不正の内容を聴取した記録を残しておきながら、その内容を伏せた形で別の文書を作成していたことが分かった。

今回、取材の過程で入手した「機密性2」と記載された2月13日付けの厚労省医政局作成の文書には、「事実関係の詳細については承知していない」と記されている。この文書は、厚労大臣や担当局長など上層部にも提出されているとみられ、今後、大きな問題になりそうだ。

重大な事実を明かさない厚労省
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「ノバルティス社から聴取した事項」と題された2月10日付けの資料。こちらは1枚目

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同資料の2枚目。「ノ社のMRの依頼に応じて、全てのアンケート用紙のコピーを渡していた事実あり」と記載
実はこの件には伏線がある。この「機密2」文書が作成される3日前の2月10日、厚労省医政局で作成された東大病院への聴取記録には、次のような記載がある。

「なお、未だ報道されていない事実として、医局の技術補佐員が、ノ社のMRの依頼に応じて、全てのアンケート用紙のコピーを渡していた事実あり」

そして、この情報を踏まえたと見られるスクープ記事が13日付けの毎日新聞朝刊に掲載された。

臨床研究を所管する医政局研究開発振興課の担当者に毎日新聞報道の事実関係を確認したところ、「(すべての患者アンケートコピーを渡していたという)事実があるかどうかの詳細は把握していない」と回答した。「医薬品・医療機器産業の振興」を所管する医政局経済課の担当者も、「東大病院とノバルティスの間で説明内容に食い違いがある」ことを理由に、「確定した事実はわからない」などと答えている。

ところが実際には10日付けの厚労省作成文書から明白なように、東大病院が患者へのアンケートをノバルティスのMRに渡していたことを厚労省はすでに把握していた。当然、厚労省側はこの行為が不正行為に当たることを認識している、同じ文書の中で「東大に対しては、『臨床研究に関する倫理指針』違反の観点からも調査・報告するよう指示した」との記述があることからも、それは明らかだ。

厚労省はノバルティスおよび東大病院に「早急なる調査実施」を指示する一方、両者から重要な情報を得ておきながら、開示しないままにしている。その一方で、2月10日付け文書では、「リスクヘッジの観点から」として、「ノ社、東大に対し、マスコミからの接触や、新たな事実発覚があった場合、速やかに厚労省に報告するよう要請済み」との記述もある。

「医師は自ら真相を開示すべき」

「リスクヘッジの観点から」の意味について問うと、前出の研究開発振興課の担当者は、「両者が自らのリスクをヘッジをするために、という意味」と答えた。しかし、文章の前後関係からみて、「監督官庁として、両者から重要な報告が上がってこないリスクを回避するため」、あるいは「両者と厚労省の説明に食い違いが生じないようにするため」と読むのが自然だろう。

臨床研究の不正問題に詳しい上昌広・東京大学医科学研究所特任教授は、「東大病院など臨床研究に関与した医療機関の医師は自らの責任で真相を明らかにすべきだ。さもなければ関係者の間で隠ぺい工作が行われていると国民に思われても仕方がない」と警鐘を鳴らしている。



http://www.hidakashimpo.co.jp/news/201
ドクターヘリが運航10周年
2014年2月16日 日高新聞

 県立医大は、平成15年1月に導入したドクターヘリの10年間の運航状況をまとめ、このほど報告会を開いた。総数は3532件で、およそ一日1件の割合で出動しており、有効活用されていることをうかがわせている。医師がヘリに乗り込んで現場で処置を施し、県立医大などに搬送して高度救命が受けられる取り組みは、日高地方を含めとくに山間部で威力を発揮しており、救命率アップに役立っている。

 出動件数は初年度は235件にとどまったが、2年目からは毎年300件を超え、23年は最も多い416件を記録した。診療人数の総数は3475人で、内訳は消防からの要請で現場出動して搬送したのが2572人、病院から別の病院への搬送が903人。現場搬送2572人のうち交通事故など外因が1784人、病気など内因が788人。外因では外傷が1564人で最多、以下溺水58人、熱傷と中毒48人ずつと続いている。内因では中枢神経疾患が444人でトップ、心血管疾患177人、消化器疾患43人などとなっている。新生児や母体搬送も120人あった。要請消防別では那賀消防が361件で1位、有田川町消防が349件で2位と、救急到着から病院への搬送に時間がかかる山間部をかかえる消防が多かった。日高広域消防は152件、御坊市消防は52件となっている。

 現場から県立医大に搬送した1947例のうち軽症だったのは263例で全体の14%。1684例が中等症以上で、このうち転院したのが759人で全体の45%、退院が668人で40%おり、85%の救命率。死亡は233人で14%だった。

 このほか県内だけでなく奈良や三重県にも出動実績があるなど救急医療の充実に大きく貢献している一方、日没や天候不良でヘリ運航が不可能で要請に応じられなかった件数も毎年60件程度あった。

 県立医大医事課では「医師がいち早く適切な処置を施すことで、救命はもちろん後遺症の軽減が図られ、退院後の社会復帰率も高まっていると感じている。これからも消防など関係機関と連携し、地域の救命医療の充実に役立てていきたい」と話している。



http://blogos.com/article/80391/
2014年度診療報酬改定答申 厚労省と中医協が現在の医療を作って破壊 ビジネス形態のいびつさ
中村ゆきつぐ
2014年02月14日 23:45 The Blogos

ひさびさにブロゴスに前記事は載せてくれました。まあいつもすこしマニアックな記事ですからね。

また雪です。本当に東京は雪に弱いです。

また宇都宮でもバイクでこける郵便職員をみましたが、何をやってるんだか。

さあ今日は診療報酬の問題について書きます。少し愚痴かもしれません。

平成26年度年度診療報酬改定答申が中医協からおこなわれました。
平成26年度診療報酬改定の概要

今回の主体はニュース等でもあげられていますが下記要件になります。

「病院から在宅へ」「急性期病床の要件の厳格化に伴う削減」
「急性期を脱した患者向けの入院とスムーズな在宅等への移行」「在宅医療への患者サポート体制の構築」
「コストの高い大病院から、在宅主体の診療所へ」

まあ、対患者さんの看護師さんの数を7対1に保てば、そんなに重症の患者さんでなくても最大の入院点数をとることが可能にしたのは、以前の厚労省の指導なんですけどね。

おかげでそんなに患者さんの世話が大変じゃなくてもお金が儲かるわけですから、看護師さんを全国の病院で奪い合い、結果看護師さんをたくさん得た大きな病院が軒並み利益をあげるようになったんですけどね。

そしてリハビリ等の回復をさせるための病棟の患者さんの入院点数は思いっきり削り、急性期の患者さんの回復目的で病棟を作ったら病院が儲からないようにしたため、回復のための病棟がどんどんなくなったのもまさに厚労省の指導のおかげなんですけど。

その結果患者さんを後送できず救急病棟がいつも満床で、救急体制が崩壊し「たらい回し」というマスコミ用語ができたのもまさに厚労省の指導のおかげなんですけど。

今回のように、様々な医療の値段を厚労省主導で決めているため、医療の値段は毎回異なってきました。そして、現場を知らない官僚の指導で、机上の空論で点数がつけられ、病院の指導者達が儲かる医療を推進し、そして医療において本当に大事な生命を守るという部分に重点的にお金をつけることができてきませんでした。

指導料というなんだかよくわからない開業ドクターズフィーのようなものをつけたりだとか、救急認定の病院登録数だけ確保しておいて、実際には患者を取らない病院をもって救急体制は大丈夫だとか宣言するとか。文章上の体裁だけが複雑化していきます。

20年以上医師をやっていて最初はわかりませんでしたが、まったく点数の付け方は複雑怪奇、医療の重要度、大変さとは基本関係ないものでした。というよりやればやるほど赤字になる医療なんて本来ビジネスではやらないでしょう。(輸血なんて基本手出しです)

今回在宅医療を優遇する、つまり開業医の先生方にリスクのある在宅医療に参入を促す診療点数をつけたつもりでしょうが、今の時代これぐらいの値段で24時間の拘束というリスクをしょってくれるのかとても不安です。

回復病棟の点数もあがりましたが、点数の上昇を考えると現場の反応は微妙です。結局参入は自由ですので儲からないからやらないという医療者に強制はできないのです。

お年寄りの方への医療、介護の考え方は今回ある程度納得できるものですが、精神論だけでは今の医療者は残念ながらビジネスに参入しません。

技量に関係なく収入が保証されている全国共通点数形態が、中途半端なビジネス形態の自由にあてはまらないいびつさを生んでおり、医療という生命を守る公共の施策としては限界ではないかと思います。



http://mainichi.jp/area/gifu/news/20140215ddlk21040203000c.html
海津市消防本部:救急車患者搬送、病院間違え遅れ /岐阜
毎日新聞 2
014年02月15日 地方版

 海津市消防本部は14日、搬送中の救急車が病院を間違え、約14分遅れて到着したと発表した。患者の容体に影響はなかったという。同消防本部は「隊員間の連携不足が原因」と説明している。

 13日午後3時50分ごろ、同市徳田の女性(47)から「自宅で転び、左足を打った」と通報があり、救急隊員3人が出動した。当初は患者の希望で市医師会病院に搬送する予定だったが、隊員らが、整形外科の充実した西美濃厚生病院を勧め、患者の同意を得た。しかし、搬送先の変更が運転手に伝わらず、救急車は市医師会病院に向けて出発。約6キロ走って誤りに気付き、約14分遅れて西美濃厚生病院に到着した。

 吉田一幸消防長は「このような事態が発生しないよう、全署員が一致団結して万全を期してまいります」とのコメントを発表した。【山盛均】



http://sankei.jp.msn.com/life/news/140215/trd14021503050000-n1.htm
【主張】
診療報酬改定 高齢患者増へ病院再編を

2014.2.15 03:05 産経新聞

 4月からの診療報酬改定の内容が、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で決まった。

 重症患者向けの急性期病床を削減して回復期や慢性期向けへの転換を促すなど「在宅シフト」をより明確にした。

 高齢社会を迎えて患者の疾病構造が大きく変化し、慢性疾患などを抱える高齢患者は激増する。現在の医療提供態勢では、入院医療すら機能しなくなる地区も出てくる。

 受け皿を整えるには、各地域において医療機関が役割を分担して連携を図ることが不可欠だ。改定により、病院機能の再編に弾みがつくことを期待したい。

 病床転換を促すため、地域包括ケアを支える病棟や積極的なリハビリといった在宅復帰につながる取り組み、主治医への配分が手厚くされた。各病院は地域の患者の変化を読み取り、大胆な役割分担に踏み切ってもらいたい。

 高齢患者が増えれば、往診や看取(みと)りなどのニーズも大きくなる。病床転換した病院は積極的に在宅医療に取り組むべきだ。

 急性期病床は過去の改定で診療報酬が高く設定されたことから、多くの病院で必要以上に設けられた。患者7人に対して1人の看護師配置が必要なため、看護師の奪い合いに陥った。

 結果として、回復期や慢性期患者の受け入れ先が不足し、転院先が見つからずに急性期病床にとどまり続ける高齢者が少なくない。必要なリハビリを受けられず、退院が困難になる悪循環を生む。新たな救急患者が入院できない弊害も目立つ。厚労省は政策誘導の失敗を反省すべきだ。

 病院間の利害がぶつかるために、調整が難航することも予想される。もとより、診療報酬による誘導だけで再編が進むわけではない。地域ごとに必要な病床数を算出することが肝要だ。

 政府は今国会に法案を提出し、都道府県の権限を強化して「地域医療ビジョン」を策定させる考えだ。だが、十分なノウハウを持たないところもある。厚労省のバックアップが欠かせない。

 高度な救急医療を行う病院から在宅まで「医療の循環」体制の構築なくして、高齢患者激増時代は乗り切れない。介護職も含めた関係者が知恵を絞り、地域の実情に合った「ご当地医療」をつくり上げることが求められている。



http://mainichi.jp/select/news/20140215k0000m040169000c.html
バルサルタン臨床試験:滋賀医大の柏木付属病院長が辞職
毎日新聞 2014年02月15日 06時00分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、滋賀医大の研究責任者を務めた柏木厚典(あつのり)・付属病院長(副学長)が14日、責任を取って辞職した。販売元の製薬会社ノバルティスファーマの元社員が関与した一連の臨床試験疑惑では、京都府立医大の松原弘明氏が昨年2月に教授を辞めているが、疑惑の責任を明確化して辞職したのは初めて。

 柏木氏は論文を掲載した米国糖尿病学会誌から取り消しの通知を受け、先月20日に全ての職を辞める意向を表明していた。

 柏木氏は取材に対し「研究の結論は間違っていないが、科学者として責任を取る。今後はデータ管理や検証のあり方など国内の臨床研究の態勢づくりに、今回の経験を役立てたい」と述べた。病院長と副学長の後任には松末吉隆・副病院長が15日付で就任する。【千葉紀和】


  1. 2014/02/16(日) 05:54:23|
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2月14日 医療一般

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140215/trd14021503050000-n1.htm
【主張】
診療報酬改定 高齢患者増へ病院再編を

2014.2.15 03:05 [主張] 産経新聞

 4月からの診療報酬改定の内容が、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で決まった。

 重症患者向けの急性期病床を削減して回復期や慢性期向けへの転換を促すなど「在宅シフト」をより明確にした。

 高齢社会を迎えて患者の疾病構造が大きく変化し、慢性疾患などを抱える高齢患者は激増する。現在の医療提供態勢では、入院医療すら機能しなくなる地区も出てくる。

 受け皿を整えるには、各地域において医療機関が役割を分担して連携を図ることが不可欠だ。改定により、病院機能の再編に弾みがつくことを期待したい。

 病床転換を促すため、地域包括ケアを支える病棟や積極的なリハビリといった在宅復帰につながる取り組み、主治医への配分が手厚くされた。各病院は地域の患者の変化を読み取り、大胆な役割分担に踏み切ってもらいたい。

 高齢患者が増えれば、往診や看取(みと)りなどのニーズも大きくなる。病床転換した病院は積極的に在宅医療に取り組むべきだ。

 急性期病床は過去の改定で診療報酬が高く設定されたことから、多くの病院で必要以上に設けられた。患者7人に対して1人の看護師配置が必要なため、看護師の奪い合いに陥った。

 結果として、回復期や慢性期患者の受け入れ先が不足し、転院先が見つからずに急性期病床にとどまり続ける高齢者が少なくない。必要なリハビリを受けられず、退院が困難になる悪循環を生む。新たな救急患者が入院できない弊害も目立つ。厚労省は政策誘導の失敗を反省すべきだ。

 病院間の利害がぶつかるために、調整が難航することも予想される。もとより、診療報酬による誘導だけで再編が進むわけではない。地域ごとに必要な病床数を算出することが肝要だ。

 政府は今国会に法案を提出し、都道府県の権限を強化して「地域医療ビジョン」を策定させる考えだ。だが、十分なノウハウを持たないところもある。厚労省のバックアップが欠かせない。

 高度な救急医療を行う病院から在宅まで「医療の循環」体制の構築なくして、高齢患者激増時代は乗り切れない。介護職も含めた関係者が知恵を絞り、地域の実情に合った「ご当地医療」をつくり上げることが求められている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42070.html
主治医評価、医療課長「対象疾患を拡大へ」- 14年度は4疾患でモデルケース
( 2014年02月14日 21:18 )キャリアブレイン

 2014年度の診療報酬改定で新設される主治医機能への評価について、厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓課長は14日、東京都内での講演で、「今回は、(対象疾患を)絞った形。少しずつ広げていく」と述べた。【佐藤貴彦】

 新設される「地域包括診療料」(月1回1503点)の対象は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上を併発している患者。許可病床200床未満の中小病院と診療所の主治医機能を包括的に評価するもので、複数の疾患を持つ患者に対する計画的な診療や健康管理、服薬管理などを求める。診療所のみが対象の「地域包括診療加算」(1回20点)もつくる。

 宇都宮課長は、「どんな病気の患者に対しても、かかりつけ医(機能)はあるだろうという意見もある。それは当然」と述べた上で、地域包括診療料・加算を算定した医療機関を主治医機能の「モデルケース」に位置付け、今後の報酬改定で対象患者を広げていくための参考にするとの考えを示した。

 また、点数設定を現在の2区分から4区分に分ける「特定集中治療室管理料」については、「できるだけ現場に影響を与えにくいやり方を考えている」と述べ、算定要件が比較的緩い同管理料3・4に残るのも難しい病床は、それよりも算定しやすい「ハイケアユニット入院医療管理料」などへの移行を促すとした。

 「総合入院体制加算」(現在は1日120点)を2区分にし、現在の要件に加えて、人工心肺を用いた手術などの実績や精神科の入院患者の受け入れ機能を求める代わりに点数を倍にする「加算1」(240点)にも言及。基準をクリアする病院が「現在のところ11施設くらいしかない」とした上で、「本当にどんな病気でも合併症でも受け入れる病院が、手を挙げて出てきてくれると期待している」と述べた。

 医学通信社が主催するセミナーで講演した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42072.html
「急性期直撃」「ふるい落とし」懸念相次ぐ- 7対1入院基本料の見直しに
( 2014年02月14日 22:56 )キャリアブレイン

 2014年度診療報酬改定の影響を検証するセミナーが14日、東京都内で開かれ、国際医療福祉大大学院の武藤正樹教授は、今回の改定を「急性期直撃改定」と総括した。急性期病院向けの7対1入院基本料の算定要件が厳しく見直されるためで、この日講演した医療関係者がこれによる影響をそろって懸念した。【兼松昭夫】

 14年度の改定は医療機関の機能分化と連携、在宅医療の推進が大きなテーマになり、増え過ぎた7対1入院基本料の算定病院を絞り込む。このため、この点数を算定するための要件に在宅復帰率などを追加するほか、▽15%以上の受け入れが求められる重症患者の評価指標を厳しくする▽急性期病棟の長期入院や、入院が短期間の手術や検査の取り扱いを見直す-といった措置を取る。

 武藤氏は、このうち重症患者の評価指標の見直しが「最も大きい」と述べた。該当者が多い「血圧測定」や「時間尿測定」の項目が除外され、重症患者割合の低下が見込まれるためで、「かなりの病院が、このまま放っておけばランクダウンしていく」との見方を示した。

 また、短期滞在の手術や検査の見直しでは、ほかの診療報酬がすべて包括される点数の対象を計21の手術や検査に拡大し、これらの患者を平均在院日数のカウントから除外することになっている。これにより、患者数が多い白内障の手術や大腸の内視鏡手術が対象に加わるため、武藤氏は、眼科や消化器科の専門病院では影響が大きくなると予測した。

 在宅復帰率の基準が追加される点については、院内の地域包括ケア病棟への転棟などを在宅復帰に含めないなら「えらいことだ」と語った。

■重症者16.1%から14.8%の病院も-MMオフィス工藤氏
 医療機関向けコンサルティング業「MMオフィス」(横浜市青葉区)の工藤高代表も、重症度判定の指標の見直しは厳しいとの見方を示した。この指標の見直しで重症者割合が16.1%から14.8%にダウンする見通しの病院(120床)もあるという。工藤氏は「(今回の改定は)ふるい落とし感が強い」と語った。

 また、短期滞在の手術や検査の見直しによる影響は、病床利用率を高く維持するため入院を長引かせていた病院ほど、大きな影響を受ける可能性があると指摘。「7対1を算定して高度急性期を目指すような病院では、こういう手術はやらないでくれというメッセージではないか」との見方も示した。

 新しく加わる在宅復帰率の要件については、「脳神経外科の病院で院内に回復期リハ病棟を持っている所があるが、転棟が認められないなら一気にアウト」と述べた。

 全日本病院協会の西澤寛俊会長は、短期滞在の手術や検査の見直しについて、「(個々の手術や検査は)すごく大きいが、2年後に点数がどんと下がる可能性は十分に考えられる。だまし討ちではないか」と述べた。

 西澤氏も在宅復帰率の要件に注目しているといい、自病院の回復期リハビリテーション病棟などへの転棟が認められない場合の影響を懸念した。ただ、「詳しい通知が出ないと分からない」とも述べた。

 セミナーは「『2014年診療報酬改定』を読み解く」(医学通信社主催)。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=92883
戦略なき日本版NIH
(2014年2月13日 読売新聞)

 安倍政権が日本版NIHを創設するようです。私も米国の国立衛生研究所(NIH)のような組織を作って健康医療・医学研究政策を推進すべきだと提唱してきましたが、報道を読む限り、どこの国のNIHを範にしようとしているのか全く理解できません。

 かつては感染症の克服が健康を維持するための最大の課題だったために、NIHのH=「Health」を「衛生」と和訳したのでしょうが、研究所の目的が病気の克服にあることは明白です。米国NIHのウェブサイトにある「NIHが主導しているバイオ医学研究の影響」の項目は、(1)健康の増進への寄与(2)経済の活性化(3)雇用の創出、となっています。研究所の目指すゴールには基礎研究の重要性を明確にうたっていますが、それはあくまでも病気の予防や克服のための一里塚としてのものです。

 日本では、「国家戦略」とそれを達成するための「戦術」が混同され、私が知る範囲では、医学・医療分野における国家としての真の「戦略」はありません。複数の省庁に分散されている研究予算を統合して効率化を図ることは、税金の無駄遣いを減らすためには必要なことでしょうが、単なる細かい「戦術」の一つにすぎません。

 国家戦略の要としての日本版NIHならば、国内の医療供給体制を見据え、健康医療産業をどのように育成し、医療分野でどのように海外に貢献し、「日の丸」の誇りを取り戻すのか――などを含めた長期的展望を策定するところから始めねばなりません。

 政治や役所の意向に左右されず、国民の健康に寄与できる自律的な組織を作らなければ、医療機器や医薬品の輸入は増え続け、医療保険制度は崩壊するでしょう。(シカゴ大教授 中村祐輔)

※ NIH = National Institutes of Health



http://www.m3.com/iryoIshin/article/191411/
中央社会保険医療協議会
地域包括ケア病棟、機能強化し高点数に
在宅復帰率7割以上は高いハードルか

2014年2月14日(金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)は2月12日、2014年度診療報酬改定を答申、地域包括ケア病棟の入院料1は2558点、入院料2は2058点に決定した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。60日を限度として算定する。

 「地域包括ケア病棟入院料」は、2014年度診療報酬改定の入院医療の柱。急性期後や在宅急変時の患者の受け入れ、在宅復帰を支援する役割を担う(施設基準は、『亜急性期を廃止、「地域包括ケア病棟入院料」』を参照)。外来では、主治医機能を評価する「地域包括診療料」が新設されており、これら二つが地域包括ケアシステムの構築に向けた重要な点数になる。診療報酬で現在の亜急性期入院医療管理料は2014年9月末で廃止する。

 地域包括ケア病棟入院料は、病棟単位の算定。許可病床が200床未満の病院に限り、2病棟まで病室単位の算定が可能で、その場合には地域包括ケア病棟入院医療管理料を算定する。点数は同じだ。看護職員配置加算、看護補助者配置加算、救急・在宅等支援病床初期加算の3つの加算も新設された(いずれも150点)。

 地域包括ケア病棟の入院料1と入院料2は、ともに(1)在宅療養支援病院の届出、(2)在宅療養後方支援病院(新設)として年3件以上の在宅患者の受け入れ実績がある、(3)二次救急医療施設の指定、(4)救急告示病院――のいずれかを満たすことが求められる。

 そのほか、看護職員やリハビリスタッフ、重症度、医療・看護必要度、データ提出加算の届出などの施設基準がある上、入院料1は、「在宅復帰率が7割以上」「1人当たりの居室面積が6.4m2以上(内法)」という施設基準が加わる。なお、7対1入院基本料に新設された「自宅等退院患者割合」(75%以上)と、「在宅復帰率」は異なる。「自宅等退院患者割合」には、自宅や居住系施設のほか、在宅復帰機能強化加算を算定する療養病棟や、在宅復帰型の老人保健施設も含まれるが、「在宅復帰率」には含まれない。

 今改定により亜急性期入院医療管理料は、1が2119点、2が1965点。職員の配置をはじめ、各種施設基準が異なるため、単純な比較はできないが、「亜急性期入院医療管理料の施設基準を厳しくして機能を強化し、点数を引き上げたのが、地域包括ケア病棟入院料」と言える。

 今改定では、36万床に上った7対1入院基本料の算定病床を2年間で約25%(9万床)削減することを目指し、算定要件を厳格化する改定が行われている。経過措置が設けられているものの、7対1入院基本料の算定病院から、10対1入院基本料や地域包括ケア病棟入院料への移行が想定されるが、2月12日に会見した四病院団体協議会の幹部は、通知を見ないと詳細が不明のため、今改定の評価や各病院の今後の動きを予測するのは難しいとしている(『給与のベースアップ財源、出るのか』を参照)。ただ、現時点でも「在宅復帰率7割以上」など、移行のハードルは相応に高いとの声が出ている。


  1. 2014/02/15(土) 04:57:47|
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