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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月28日 医療一般

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201305280027.html
医療職の給与削らず 島根
'13/5/28 中国新聞

 島根県病院局は27日、7月から来年3月までの職員給与の改定について、病院局職労と合意した。東日本大震災の復興財源の確保を狙う国から、削減要請を受けていたが、医師や看護師、技師たち医療職935人の給与は削減しない。

 中川正久病院事業管理者は「カットは職員の士気低下につながる。医師不足の厳しい環境下での踏ん張りに応えたい」とした。

 一方、県は知事部局の職員給与について23日、同期間の月給を平均5・5%カットすることで県職労と合意している。初めて職員給与をカットした2003年度以来、医療職を削減対象から外すのは初めて。

 医療職以外の行政職61人は「主に知事部局の職員がローテーションで担当する」(中川事業管理者)として、知事部局に足並みをそろえて月給を3~10%カットする。

 県内の93医療機関を対象にした県の実態調査(12年10月)によると、医師は病院側の必要数に対し、277人不足。充足率は77%にとどまっている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=78407
初診料の違い どうして?
(2013年5月28日 読売新聞)

作図・デザイン課 閑野朗子

 紹介状を持たずに大きな病院にかかると、初診料が高くなることがあると聞きました。なぜですか。
大病院への集中防ぐ狙い

 初診料は、医療機関に初めてかかる時に支払う費用のことだ。血圧測定など基本的な検査や問診、カルテ作成などの費用とされている。

 窓口で支払う金額は、自己負担3割の場合で810円。6歳未満の子どもや、夜間や休日については加算される。

 注意したいのは、診療所などからの紹介状なしで大病院にかかると、初診料のほかに特別料金を求められる場合があることだ。病床200床以上の病院に特別料金の徴収が認められており、全国約2600か所のうちほぼ半数の1174か所が実施。金額は病院ごとに独自に決めることができ、105円から8400円まで幅がある。平均は1998円。紹介状があれば、大病院でも初診料810円だけですむ。救急車で搬送された場合なども徴収されない。

 特別料金の制度は、患者が大病院に集中することを避け、病院と診療所の役割分担を進める狙いで、1996年度に導入された。

 日本では、保険証があればどの医療機関でも自由にかかることができる。便利な一方、患者の中には、軽い病気でも安心感を求めて大きな病院にかかる人が多い。この結果、病院勤務医が軽症の外来診療に追われて疲弊し、本来の専門治療に専念できないのが現状で、医師不足の一因とも指摘される。国の調査では、病院勤務医の4割が外来診療を負担に感じ、8割が「軽症なら近隣の診療所を受診してほしい」と答えている。

 そこで、紹介状のない人に特別料金を課すことで、まず診療所を受診するよう誘導を図った。

 ただ、患者にとっては手間がかかるうえ、紹介状の費用負担(3割負担で750円)も生じる。そのせいか、実際は大学病院の初診患者の56%が紹介状なしで受診するなど、効果は今ひとつ。このため、政府の社会保障制度改革国民会議では、紹介状なしの大病院受診について「1万円などの定額自己負担を導入すべきだ」との意見も出ている。

 病院と診療所の役割分担を進めるには、普段からの連携強化や、幅広い診断ができるかかりつけ医の養成も課題。高齢化で医療費が膨張するなか、効率的な医療提供体制の構築が急がれる。(小山孝)



http://www.at-s.com/news/detail/681483299.html
看護師の夜勤見直し 離職に危機感、時間短縮の動き
(2013/5/28 7:52) 静岡新聞

 看護師の労働環境改善に向け、県内で夜間勤務の見直しの動きが広がり始めている。看護師不足が深刻化する一方で、毎年約1割が職場を去っていくといわれ、夜間の勤務時間が長いほど離職率が高いという調査結果もある。医療現場は危機感を背景に時間短縮や業務改善などの取り組みを進めている。
 看護職員約560人が勤める静岡市駿河区の静岡済生会総合病院。午後4時15分から翌午前9時15分までの「16時間勤務」が一般的だった夜間勤務に、昨年2月から始業時間を4時間遅らせる「12時間勤務」を一部で導入。仕事内容も見直し、時間外勤務も減らした。
 「体の負担が軽くなる」「家事や育児と仕事が両立できる」―。12時間勤務の利用者を対象にした調査では8割以上が勤務時間を「ちょうど良い」と回答し、継続を望んだという。
 同病院によると、常勤看護師の平均在職年数は8年。退職理由には結婚や育児だけでなく精神や身体面でのつらさも挙がる。佐野ちづる看護部長は「夜間帯の勤務は疲労感が大きい。長く働いてもらうために、多様な勤務形態を用意したい」と説明する。病棟全体の理解を得るため、看護師長や事務職員らでチームを組み、定期的に話し合っている。
 「12時間勤務」は、聖隷浜松病院(浜松市中区)でも総合周産期母子医療センターが2011年10月に導入し8部署に広げるなど、各地で試行の動きが出ている。
 日本看護協会は今年2月、「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を作成し、勤務の拘束時間を13時間以内とした。夜勤回数や休息にも配慮するよう基準を提示した。
 夜勤時間の見直しには給与体系の変更やシステム上の切り替えなども必要になる。県ナースセンターの岡村暁美所長は「働きやすい職場づくりに向け、病院全体での取り組みが大切」と話す。

 看護職員の離職率 県看護協会によると、県内の2011年度の看護職員の離職率は前年度比0・6ポイント減の9・6%。同協会や静岡労働局、県医師会などは11年度に委員会を設置し、働きやすい職場づくりのための研修会などを開いている。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/173051/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
医療を行うために医師がいる - 大島伸一・国立長寿医療研究センター総長に聞く◆Vol.1
専門医中心の医療、今のニーズに対応できず

2013年5月28日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

  「私が言っていることは、普通の医療人であれば、皆が当たり前に思っていること。タブーのように思われていたことを、私が口に出して言っただけ」。こう語るのは、政府の社会保障制度改革国民会議の構成員を務める、国立長寿医療研究センター総長の大島伸一氏。「フリーアクセスの制限」などを提言し、同会議の8月の取りまとめに向け、その言動が注目される大島氏に、現在の医療に対する問題意識や医療改革の方向性についてお聞きした(2013年5月16日にインタビュー。計4回の連載)。

――先生は4月19日の国民会議で、(1)必要な時に適切な医療を、適切な場所で、最小の費用で受けることができる医療へ、(2)「病院で治す」医療から、超高齢社会に合った「地域全体で、治し・支える医療」へ、(3)個人の全ての要求に応えることは、不可能ということを前提にした制度の再編――などを提言されています(資料は、国民会議のホームページに掲載)。この提言の背景にある、医療の現状に対する問題意識を教えてください。

 まず一番基本的なことから話します。医療提供体制を考えるには、どんな患者がいて、どのような医療が必要とされているのかを検討しなければならない。それが分かって始めて、「このような医療を提供しなければいけない」ということが分かる。次に、最も適切な医療を行うには、どんな医療資源、つまり医師やモノなどが必要かという流れになる。

 つまり、どんな医療が必要なのかをきちんと押さえずに、制度や仕組みの話が最初に来てしまうのは、おかしい。

――議論の順番が違う。

 そうです。では、なぜこんなことをあえて言うか。川喜田愛郎先生(編集部注:細菌学者、医学史学者)が1982年に、「病気があって医学が生まれ」「病人のために医療があり」と言っています。これは当たり前のことで、その逆はあり得ない。私は19日の国民会議で、この二つに「医療を行うために医師がいる」をつけ加えて発表しています。

 では、なぜこんな当たり前のことを、20世紀後半のあの時代に言わなければいけなかったのか。それを改めて考えた。これは推測ですが、川喜田先生は、当たり前の原則が壊れ始めており、「医学のために病気がある」「医療のために病人がいる」といった本末転倒の医療提供の在り方が定着しつつあることを危惧していたのではないか。その危惧が当たり、今、そうした展開になっている。

 最近、あえて言うようにしているのは、「医療の形」は、「医師の形」だと。完全ではないけれど、ほぼイコール。どこでどんな医師が、どのような医療を提供しているのかを見れば、「医療の形」が見える。このように「医師」という切り口で見てみると、今ちょうど議論されているのが専門医制度。

――この4月に、厚生労働省の検討会は報告書をまとめました(『「医師不足」消える、専門医制度の最終報告』を参照)。

 日本には、医師が約29万人いるが、専門医はそれ以上いると言われている。外国の方と話していると、「それは、どういうことなんだ」と不思議がる。国民が、普通に考えてもそうでしょう。20世紀は、専門医ばかりを養成してきた。そうした医療を20世紀は徹底的に追求してきた。

 この成果は非常に大きいもので、ある時期までは、意味や価値があることだったのだけれども、今の時点でどうか。医療費ベースで見ても、約37兆円のうち半分以上を人口の24%の高齢者が使っている。75歳以上でも、医療費全体の3分の1以上。しかもこの傾向は、さらに高まる。高齢化率が30%、40%になっていくような時代では、医療費の70%、80%を高齢者が使う構造になるのではないか。

 20世紀に徹底的に追求してきた専門医中心の医療は、高齢者にもピタリと当てはまるのかを考えた時に、「それはちょっと待てよ」と。素人が普通に考えても、今必要な医療は20世紀と本当に同じなのか、疑問に思う。

 こうした理屈で考えていくと、「20世紀型の医療とは、いったい何だったのか」という疑問がわく。『広辞苑』の「医療」の項目を見ると、「医術で病気を治すこと」としか書いていない。少し考えれば、「ちょっと変じゃないか」と思うでしょう。「緩和医療と言うけれど、あれは医療ではないのか」と思う。「終末期医療」もそう。

 「高齢者、高齢者」と言うけれど、昔は高齢者がいなかったのか。そんなことはない。昔も高齢者はいたけど、数が少なかった。だから、医療は「治す」ことが中心になり、しかも「治す」ことが極めて発展段階にあったために、サイエンスをベースとしてどんどん成果を挙げてきた。

――戦後、結核や各種の感染症を克服してきたことが象徴。

 そうした成功体験が確実にある。その結果として寿命を延ばすことに成功し、長寿社会ができた。医療が大きな貢献をしていることには間違いない。

 では、高齢者に対する医療と、これまでやってきた医療とは何が違うのか。20世紀の「治す医療」は、科学主義で説明が付きやすい医療。近代科学の方法論は、ニュートンの古典力学と、デカルトの要素還元主義をベースにしている。古典力学では、原因があって結果がある。病気には必ず原因がある。要素還元主義では、体を要素ごと、つまり臓器ごとに分けて研究を進めていき、原因を突き詰めていく。その結果を積み上げれば、全体が分かるという考え方。

 近代科学の方法論を使うことによってものすごい成果を上げてきたものの、本来、人間の体はそのように臓器ごとに分けられるか。確かに若い人では、「腎臓がおかしい」という場合、「肺や肝臓もおかしい」ということはあまりない。一つの臓器の障害の原因を見つけて、徹底的に治す。その結果、全体も良くなる。こうした構造で「治す医療」が生まれてきた。それを支えてきたのが近代科学の方法論であり、一挙に驚異的な成果を挙げて、その結果として、今のような高齢社会になった。けれども、高齢者に対する医療がどうあるべきかについては、深く考えずに来た。そのツケが来ているのが今の状態。

――「老化」とは何か、ということ。

 全くその通り。「老化」とは、「ダウンヒル」で、最後は死に至るというプロセス。途中から良くなることはあり得ない。必ず少しずつ体が弱っていく。その過程で、生活習慣病が来る。生活習慣病は、どこかの臓器が一つだけが悪いなどという話ではない。若い頃の健康状態を100点とすると、だんだん低下して、70点とか、60点といったところに生活習慣病が出てきて、全体がおかしくなってくる。

 若い頃は「新車」と同じ。「キャブレターやタイヤがおかしい」となれば、そこだけ直せば走るようになる。ところが、40年も乗った車が「何かおかしいぞ」となった時に、一部の部品だけ新車のように直しても、うまく走らない。40年乗ったら、40年乗ったバランスがある。そのバランスに併せるようにしないと、全体の調子は良くならない。人間も同じこと。

――例えば、癌の場合、若い人の胃癌は、早期に見つかり、その部分だけ手術すれば治る。しかし、高齢者の場合、手術しても術後の管理をはじめ、さまざまな問題を抱えることになる。

 一部分だけを徹底的に治すことによって、逆にバランスが崩れ、かえって悪くなることも起こり得る。私は、「調和平衡状態」と言っていますが、同じ80歳でも、若い頃を100点とすると、70点の人がいれば、60点の人もいる。70点の人は70点に、60点の人は60点にそれぞれ合わせるべき。

 高齢者の場合、全体の機能がどうなっているのかを、丸ごと診ていくことをまずしないとダメで、若い人と、高齢者の医療には根本的な違いがあることを認識するのが第一。医療の中身が全く違うならば、それに合わせた医療資源の準備配置、医療提供体制を考えていかないとおかしい。

 しかし、20世紀型の医療のまま来ているものだから、現実のニーズに対応できていない。



http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201305290003.html
福山に夜間診療所オープン
'13/5/29 中国新聞

 福山市三吉町南の福山夜間成人診療所が27日夜、診察を始めた。軽症者の受診が相次ぐ2次救急病院の負担を減らすために市が整備。福山、府中両市の4医師会でつくる一般社団法人が指定管理者として運営する。初日は10人が受診した。

 診療所に登録している約180人の医師のうち、この日は内科の土屋隆宏医師と外科の井上文之医師が担当。患者は午後7時半のオープン直後から訪れた。

 市保健所総務課によると、この日の受診者10人のうち、2次救急病院を紹介したのは骨折の疑いがあった1人。ほかの9人は軽症で、診療所で応急治療をした。同課は「市内の医療機関などにチラシを配り、夜間の急病時の利用を促す」としている。診療所=電話084(982)9946。



http://digital.asahi.com/area/yamaguchi/articles/MTW1305283600006.html?ref=comkiji_txt_end
がん検診車 知事「国の見解従い対応を」
2013年5月28日 朝日新聞 山口

  【水田道雄】山本繁太郎知事は27日の会見で、がん検診車で医師が立ち会わずに検診することについて、厚生労働省が改めて違法との認識を示したものの、「車内ではなくても会場に医師がいればよい」との見解を出したことを明らかにした。そのうえで「(国の対応には)満足していないが、市町は国の見解に従って対応してほしい」と述べた。


  厚労省が2月、検診車に医師の立ち会いがないことは診療放射線技師法に違反しているとの認識を県に伝え、下関市などが検診を中止した。山本知事は4月、厚労省に解決策を示すよう求め、その要請に対する「回答」として、見解が今月22日にメールで寄せられた。


  山本知事は「100%満足しているわけではないが、国も法律を守らなくていいという通達は出せないと理解している。配慮してくれたんだと思う」と述べ、厚労省の見解の範囲内で対応していく考えを表明した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39997.html
初診紹介患者など予約受付、夜8時まで延長- 大阪医科大学附属病院、利便性向上
( 2013年05月28日 16:42 ) キャリアブレイン

 夜間診療を行うクリニックとの連携や、紹介患者の利便性を図るため、大阪医科大学附属病院は、午後4時までだった医療連携室の受付時間を午後8時まで延長することを決めた。仕事が終わった後、夕方から夜間の時間帯にクリニックで受診した患者であっても、FAXで送られた申込書と紹介状を同日中に予約処理することで、診療科によっては最短で翌日から同大附属病院での受診が可能となる。ほとんどの大学病院では、地域医療連携室や地域連携部の受付終了時間は午後5時前後となっており、夜間時間帯の紹介患者の即日予約などを扱うケースは非常に珍しいという。

 同大学附属病院では、1996年に病診連携室を立ち上げ、クリニックなどの地域の医療機関との連絡や調整を行ってきた。このほかに、地域の医療機関からの初診紹介患者の予約受付、同大附属病院で診療を終えた患者を地域の医療機関に紹介する「逆紹介」などが主な業務で、大学病院と地域医療機関との連携に不可欠な業務を担ってきた。

 仕事が終わった後に受診したいとの患者側のニーズに応えて夜間帯まで診療時間を延長するクリニックなどが増えつつあることから、こうした医療機関や患者の利便性の向上が課題となっていた。同病院は、5月16日から試行期間を設け、午後8時まで延長したところ、「夕方以降も大学病院に患者を紹介できるようになって助かった」などと、クリニック側から時間延長を評価する声が相次いだという。

 試行期間中と6月3日以降の医療連携室の受付時間は、平日午前8時半から午後8時まで。土曜日は午前8時半から正午まで。FAXでの受け付けは24時間対応(受付確認票は時間内分のみ返信)。医療連携室は、「今後も、地域の医療機関と相互医療連携を円滑に進めていきたい」としている。【新井哉】



http://mainichi.jp/area/saitama/news/20130528ddlk11040204000c.html
久喜の救急搬送拒否:救急医療改善へ提言案 東部北のセンター整備を−−県部会 /埼玉
毎日新聞 2013年05月28日 地方版 埼玉

 1月に久喜市の男性(当時75歳)が救急搬送を36回にわたって断られ死亡した問題を受け、県医療対策協議会救急医療部会(部会長、原澤茂・済生会川口総合病院病院長)は27日、県内の救急医療体制の改善に向けた提言案を話し合った。緊急・短期的な取り組みと中長期的な取り組みに分けて対策を整理。今回のケースが発生した東部北地区の救命救急センター整備などを盛り込み、文言調整を経て近く県に提出する。

 提言案では、県内の救急医療を取り巻く現状を「全体としては高齢化などに伴って増大する救急医療の需要増に十分対応できていない状況にある」と分析。改善に向けた方向性として「救急搬送の迅速・円滑化」(搬送側)と、「救急医療体制の充実」(受け入れ側)の両面からの取り組みを求めた。

 受け入れ側では、東部北地区に救命救急センターがないため、県内8カ所目となる同センターを整備する必要性を指摘。済生会栗橋病院(久喜市)が候補だが、医師不足から実現に至っていない。県内では小児救急電話相談「#8000」が実施されており、大人版の開設を検討するよう求めている。搬送側では、救急隊がタブレット端末で受け入れ先の病院を探せる新たな「救急医療情報システム」を導入する。

 中長期的な取り組みは、救急医療にかかる費用を県民全体で支え合う仕組みの検討を提案した。救急患者の受け入れ実績数に応じた助成制度の導入にも期待した。【木村健二】



http://www.m3.com/iryoIshin/article/173053/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
社会保障審議会
「フリーアクセスの緩やかな制限」を容認
医療保険部会、国保の都道府県化は支持優勢

2013年5月28日 池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省の第63回社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が5月28日に開かれ、社会保障制度改革国民会議への指摘や要望についてまとめた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 取りまとめ案では、フリーアクセス制限の容認や、70-74歳の高齢者の医療費を本則の2割負担に戻す方向性を打ち出し、国民会議の議論を支持。ただ、両論併記となった点も多く、総花的な内容な上、国民会議における医療保険部会の意見の扱いは決まっておらず、国民会議の議論にどんな影響を与えるかは不透明だ。
社会保障審議会医療保険部会の取りまとめは、両論併記の事項も目立つ案となった。



 取りまとめ案では、フリーアクセスについては、一定病床数以上の初回の外来受診の定額自己負担導入が中心に取り上げられた。低所得者については負担免除とする方針だが、その判定方法などの技術的課題などが指摘されているが、「フリーアクセスの緩やかな制限に賛成」する方向性となった。70‐74歳の自己負担については、低所得者への配慮を求める意見が盛り込まれているが、基本的に「(2割の)本則にすべき」というまとめとなった。国民会議で、賛成の意見が多かった保険医療機関の指定・取消権限の都道府県への付与については、「全国一律の基準で運営すべき」との意見が大部分を占めた。

 ただ、方向性の固まらない論点も多かった。保険料に対する総報酬割の導入では、賛成の意見がある一方、「削減されるのは、公費だけ」「被用者保険からねん出した財源を国保支援に回すのは反対」などと両論併記となった。国保の保険者を都道府県とすることについては、「高齢者医療制度改革会議の取りまとめからの規定路線」と容認する声が多く盛り込まれたものの、「構造的な問題の抜本的な解決を図った上で検討すべき」「(国保保険者の都道府県化を提言した)高齢者医療制度改革会議の議論を(踏まえないまま)飛ばしており、戸惑う」などの意見も盛り込まれた。

国民会議への影響不明

 そもそも、今回の取りまとめ自体、国民会議の議論へどのような影響を与えるかは、この5月の3回の医療保険部会を通じても、不透明なまま(『「国民会議の議論には失望した」、不満も相次ぐ』、『保険者委員が「フリーアクセス制限容認」』を参照)。28日の質疑の中で、国民会議で会長代理を務める遠藤氏は、国民会議との連携の在り方を問われ、「連携を取る方向は決まっているが、形は未定。国民会議において、(集約した意見が)どう示されるかも、現時点では不明」と発言。「今後、国民会議の事務局と連携していく」としたが、具体的なイメージは示されなかった。



http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20130528l
病院にコンビニ続々出店、県内 新たな市場開拓
(2013/05/28 16:03 更新)秋田魁新聞

 県内の病院に、コンビニエンスストア大手の出店が相次いでいる。現在9病院で3社が営業しており、来月も新たな出店が予定されている。コンビニ側は、従来の路面店の出店が飽和気味の中、新たな市場を開拓する戦略を持つ。一方の病院側には、コンビニの多彩なサービスを患者や職員に提供して病院機能の充実を図る狙いがあることから、出店が進んでいるようだ。

 セブン—イレブン・ジャパン(東京)は今月13日、秋田赤十字病院(秋田市)に東北初の病院内店舗をオープンさせた。弁当や飲み物、雑誌など通常のコンビニの品ぞろえに加え、大人用おむつやガーゼといった医療衛生品、洗面器などの入院用品が並ぶ。

 大館市立総合病院には昨年12月、ファミリーマート(東京)がオープン。ローソン(東京)は、平鹿総合病院(横手市)、仙北組合総合病院(大仙市)、湖東総合病院(八郎潟町)など7病院で営業。来月4日には秋田大医学部付属病院(秋田市)にも出店する。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/130529/hrs13052902090004-n1.htm
府中市民病院 27年開業目指し建て替え 来年2月着工 広島
2013.5.29 02:09  産經新聞

 府中市は、地方独立行政法人府中市病院機構「府中市民病院」(同市鵜飼町)について、建て替え計画の概要を発表した。平成26年2月に着工し、27年夏の完成を目指す。

 新病院は、鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積約1万平方メートル。約200台の駐車場を備える。建設費は30~35億円を見込んでおり、市が再生補助金などで15~16億円を負担。建て替え後に同機構へ無償提供する。

 病床数(150床)や診療科数(9)は現在と同じだが、将来的には診療科や婦人科を充実させ、医師の増員を見込んでいる。

 現病院は旧JA府中総合病院の建物で、昭和39年に建設。築50年近くになり老朽化が進んでいた。

                  ◇  ◇

 同市は、昨年4月に地方独立行政法人として発足した同病院機構の24年度の運営状況を発表。経営統合前の23年度の市立府中北市民病院(同市上下町)とJA府中総合病院の収支は計8億4515万円の赤字だったが、24年度の赤字は計4億4651万円まで圧縮する見通し。



http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/1335392.htm
「未来医療研究人材養成拠点形成事業」の公募
文部科学省 平成25年5月28日

大学における「メディカル・イノベーション推進人材」及び「リサーチマインドを持った総合診療医」を養成するための特色ある取組を公募します。

1.事業の背景・目的
  本事業(平成25年度予算額:22.5億円)では、急速に進展する高齢化等に伴う医療課題の解決に貢献し、国内外の医学・医療の発展を強力に推進するため、下記のテーマA・テーマBについて、新規性・独創性の高い特色ある取組にチャレンジする大学の事業を選定し支援します。

【テーマA】メディカル・イノベーション推進人材の養成
本テーマは、世界の医療水準の向上及び日本の医療産業の活性化に多大に貢献するため、世界の最先端医療の研究・開発等をリードし、将来的にその成果を国内外に普及できる実行力を備えた人材(イノベーションを推進できる人材)を養成することを目的とします。

【テーマB】リサーチマインドを持った総合診療医の養成
本テーマは、国民が将来にわたって安心して医療を受けられる環境を構築するため、地域の医療機関や市町村等と連携しながら、将来の超高齢社会における地域包括ケアシステムに対応できるリサーチマインドを持った優れた総合診療医等を養成することを目的とします。

2.事業概要
選定件数:テーマA・テーマBあわせて20件程度
補助金額:1件につき5千万円~2億円程度/年
事業期間:平成25年度から5年間以内(予定)

3.公募期間
平成25年5月28日(火曜日)~平成25年6月27日(木曜日)
※「未来医療研究人材養成推進委員会」において審査のうえ、8月頃、選定取組を決定予定

4.関係書類
未来医療研究人材養成拠点形成事業公募要領
【別添1】未来医療研究人材養成拠点形成事業審査要項
【別添2】審査の観点
【別添3】未来医療研究人材養成拠点形成事業申請書作成・記入要項
【別添4】未来医療研究人材養成拠点形成事業Q&A
【別添5】大学番号一覧
【様式1~2】未来医療研究人材養成拠点形成事業申請書
未来医療研究人材養成拠点形成事業公募要領【別添1~5】 (PDF:798KB)
未来医療研究人材養成拠点形成事業申請書【様式1~2】 (Excel:47KB)

お問合せ先
高等教育局医学教育課

医学教育係 菊池、林田、槙

大学病院支援室病院第二係 西尾、高原、松川



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39996.html
総合診療医など養成事業の公募開始- 6月下旬まで、文科省
( 2013年05月28日 16:15 )キャリアブレイン

 文部科学省は28日、メディカル・イノベーションを推進する人材や、臓器別・領域別でなく幅広く患者を診ることができる「総合診療医」の養成に取り組む大学に補助金を交付する今年度予算事業(22.5億円)の公募を開始した。6月27日まで受け付け、8月ごろに交付先を決める予定だ。

 「メディカル・イノベーション推進人材の養成」で5-10件程度、「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」で10-15件程度、計20件程度を選定する。1大学の「単独事業」、複数の大学が連携した「共同事業」のいずれかとして申請する。事業計画の期間は5年以内で、初年度の補助金交付額は、単独事業が5000万-7000万円程度、共同事業が1億-2億円程度。

 補助金の交付を受ける大学には、事業の趣旨や目的に沿った教育プログラム・コースを1つ以上設けるよう求められており、既に実施しているプログラムなどは対象にならない。文科省では、補助期間終了後も継続させることを念頭に事業を実施するよう求めている。【高崎慎也】



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news/20130528-OYT8T01328.htm
地域の総合診療医 育成・・・岡山市と岡大講座
(2013年5月29日 読売新聞)岡山

<協定締結 来春大学院に>

 岡山市と岡山大(岡山市北区)は28日、連携大学院講座を設置する協定を結んだ。先進医療などに強い岡山大と、多くの市民が利用する市立市民病院(岡山市北区天瀬)が連携し、地域医療を支える「総合診療医」を育成する狙い。来春、岡山大大学院の医歯薬学総合研究科博士課程に設置され、岡山大は今秋にも受講生(若干名)の募集を始める。

 総合診療医は、患者に対して幅広い知識で診察し、適切な治療を判断、必要な場合は専門医の紹介などをする医師。受講生は市民病院で診療にあたると共に、週に数度、岡山大で研究活動などを行う。4年課程で、同病院の医師が岡山大客員教授などとして診療技術を教えるという。

 この日、岡山大で協定書調印式があり、高谷茂男市長は「これからの岡山の医療にとって大きな柱になるはず」と話し、同大学の森田潔学長は「一緒になって人材を教育し、市民により充実した医療が提供出来れば」と期待を込めた。

 両者間では、市が新たに市立市民病院(2015年5月に開院予定)を同市北区北長瀬表町の岡山操車場跡地に設置することなどに伴い、09年に医療連携に関する協定を締結している。



http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/20130528000113
看護師確保に苦慮/坂出市立病院、運営に支障も
2013/05/28 09:40 四国新聞

 坂出市立病院(砂川正彦院長)が看護師らの確保に苦慮している。2014年秋の新病院開院に備え、本年度は全看護師の約4分の1に相当する40人程度を募集。休止している産科の再開に向け助産師も5人程度募集している。昨年度も同規模の募集を行ったが、採用基準を満たしたのは看護師8人のみ。人材が確保できなければ、病院運営に支障が生じる恐れもある。

 県内では「四国こどもとおとなの医療センター」(善通寺市仙遊町)など、機能強化に向けた病院整備が相次ぎ、看護師は「売り手市場」になっている。来春には新県立中央病院(高松市朝日町)が開院する予定で、県は本年度、例年より30人程度多い84人程度の看護師を募集している。

 新市立病院は、旧中央小学校跡地(坂出市寿町)に建設中。脳神経外科の新設や産科の再開を計画しており、看護師は現在の162人体制から40人程度の増員、助産師は5人程度が必要という。このほか、薬剤師(2人程度)や診療放射線技師(1人程度)、臨床工学技士(同)も募集している。

 砂川院長は「快適な労働環境を提供し、若い人を育てるという視点を大切にしたい」と話している。

 申し込みは郵送のみ、締め切りは6月7日(消印有効)。申込書類は同病院や市役所、ハローワーク坂出で配布。市のホームページからも入手できる。問い合わせは市職員課〈0877(44)5003〉。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/173055/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
医師「究極の選択」
出身大学病院の勤務、約9割が「条件次第」◆Vol.10
給与面で不安、後進育成に前向きな声も

2013年5月28日 池田宏之(m3.com編集部)

出身大学から「うちの病院に勤務してほしい」と言われたら

 出身大学から「うちの病院に勤務してほしい」と言われた際の対応について、m3.com医師会員に聞いた(調査概要は、『混合診療に否定的、9割弱に上る◆Vol.1』を参照)。

 全体で見ると「無条件に承諾(もしくば現在の職場)」と回答した会員が12.3.%、「給与などの条件次第」が87.7%となり、両者を合わせて9割弱となり圧倒的に多かった。「無条件」としたのは勤務医が13.5%、開業医が11.0%で、勤務医が若干多かったが、大きな差はなかった。

 「無条件に承諾」と回答した会員の自由意見としては、「名誉のあること」「地方でなく大都市で生活できる」とした声もあったが、一番多かったのは現状勤務しているという理由だった。「条件次第」の回答では、「大学病院の給与が安い」といった給与面での不安が最も多かった。開業医の会員では、体力面を不安視する声も強かったが、「開業しているが、それ以上のものがあれば考える。若い医師をしごきたい」と、後進の育成に前向きな回答もあった。

 理由として寄せられた主な意見は、以下の通り。


【無条件に承諾(勤務医)】
・出身大学に勤務しているから。
・他病院勤務であった場合は条件次第。
・大学で働いて、臨床に加えて研究してこそ医師になった意味がある。ルーチンの日常臨床のみの診療に魅力は感じない。
・医局に属している以上は医局人事に従います。
・地方でなく、大都市で生活できるから。


【無条件に承諾(開業医)】
・名誉あること。
・年齢的にその可能性はない。
・断われるものなら、断わりたい。
・講師以上であればぜひ。
・もう開業して長くて年寄りだから、そんなオファーが来るとも思えないが、現在の仕事や、患者を放り投げて、大学に行くこともできないし、役に立てないと思う。
・恩返し。
・行きたくとも、今はいけないが・・・。行きたい気はある。


【条件次第(勤務医)】
・大学病院では、複雑な人間関係や職場の雰囲気が悪いため、避けたい。
・能力を求めるなら代価を払ってもらいたい。個人に支払う金銭で組織は潰れないが、能力がなくては機能しない、個人はいくら能力があっても、金銭がなくては死んでしまう。それを交換するだけだ。
・年収1億ならオッケー。
・遠いので、家族とも相談。
・母校に対する思い入れはあるが、やはり勤務条件は重要。
・研究の能力皆無なので、大学病院勤務は嫌。今は大学のスタッフの多くが、私より年下なので、今更大学に呼ばれることもない。
・100%ありえないし、行く気もないが、とんでもなく良い条件ならあり得る。借金過多の現状でそんなことはない。
・大学病院は給料安過ぎ、仕事多過ぎ。多分断る。
・基本的には、現在の病院に満足しており、勤務することはない。
・医局講座制は、否定的な考えを持っているから。
・子供など家族の生活主体になっているので、変更は難しい。
・大学病院はあまりにも忙しく、給料がほとんどない。ステータスを追い求め、仕事にすべてを費やし、家族やプライベートに大きな犠牲を払わなければやっていけない。それを好む人がやればいい。
・大学病院勤務時代に不当な扱い、屈辱を多数受けたので、まず帰る気はない。医局も辞めたいくらい。


【条件次第(開業医)】
・このような事を言う大学があるのか。大学がそれ程権威を維持できているところはないだろう。
・現在開業しているので、それ以上のものがあれば考える。腐った若い医師をしごきたい。
・診療所を経営しているため、経済的保証は必須である。
・母校がいやになって辞めたから。
・人事異動で駒のように扱われるなら辞退。
・代々の開業医なので無理で、田舎を捨てるわけにはいかない。
・過去に言われたことがあるが、遠いこともあり、断った。
・出身大学が無条件の選択肢にはならない。
・もう50代後半で、当直や長時間勤務は現実的に厳しいが、研修医へのアドバイス程度なら、可能な面もあり。
・母校には貢献したいが、経済的な面と医療での条件の検討比較は必要。
・いまの診療スタイルと生活で満足しているから。
・やりたいことができるかで職場は選びたい。
・大学勤務だけで充分食べていけるなら、ぜひ行きたい。現状は、そうではないよね。
・以前、ポストを求めたが蹴られた経験あり。
・環境変化(職場・家族など)のハンデを考えると、無条件というわけにはいかない。


  1. 2013/05/29(水) 05:37:46|
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5月27日 医療一般

http://digital.asahi.com/articles/NGY201305270005.html?ref=comkiji_txt_end
災害に強い医師育てる 三重大に研究センター
2013年05月27日17時37分 朝日新聞

 【高木文子】三重大学に28日、大災害に備えて救急医を教育する機関が発足する。大学病院で治療の腕を磨き、治療が難しい病気の研究にもあたる。南海トラフ巨大地震やインフルエンザの大流行に向けて「一人でも多くの命を救いたい」と、若い医師や研究者が参加する。

 この組織は「災害救急医療・高度教育研究センター」。三重県内外から4~10人の救急医を募り、3カ年かけて指導する。1年間は大学病院の集中治療室で患者を治療し、残りの2年間は研究に充てるという。

 発足当初は、同大大学院医学系研究科の岡本貴行助教(35)=分子病態学=や、大学病院救命救急センターの川本英嗣医師(37)ら4人が参加する。

 発足に先立ち、岡本助教と川本医師は、すでに研究活動を始めている。重い呼吸不全のARDS(急性呼吸促迫症候群)を治療するための基礎研究だ。ARDSは患者のほぼ半数が亡くなる深刻な症状だが、治療法が確立していない。

 東日本大震災では、岩手、宮城、福島3県の死者のうち9割が溺死(できし)で、津波の被害が深刻だった。同センターの島岡要教授(48)によると、津波にのまれた場合、運良く逃れても肺に大量の海水が入るとARDSを引き起こし、亡くなる恐れがあるという。インフルエンザの大流行で肺炎を起こした場合も、ARDSになる恐れがある。

 病態を明らかにするため、2人はまず、炎症反応と血液の凝固反応が異常になる仕組みを、分子レベルで調べている。

 川本医師は救急医になって10年目。「医療の体制がしっかりしていないと、万が一の時に対応できない」と考え、基礎的な研究に加わることにした。津市出身だけに地震・津波への危機感も強く、「成果を出したい」と意気込む。

 医師不足に苦しむ救急医療の現場を助けようと、平日は研究に充て、金曜日の夜から土、日曜日は大学病院の当直に入っている。

 岡本助教も連日、朝7時半から深夜まで研究室にこもる。「医師が治療のなかで感じた疑問を聞くことで、自分も新しい課題を見つけられる」と話す。

 島岡教授によると、救急医は日ごろの治療に追われて、病気を研究・解明する技術を身につける機会がなかなかないという。「基礎研究と治療の分野を橋渡しできる、『臨床研究医』を育てたい」と話す。センターへの問い合わせは、今井寛教授(059・231・5329)へ。

     ◇

 〈ARDS〉 肺炎や感染症、外傷などで過剰な炎症反応が起き、血液中のたんぱく質を含んだ水分が肺に漏れ出す症状。肺だけでなく全身の臓器も傷つき、患者のほぼ半数が亡くなる。



http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013052700760
外国人医師の医療解禁など9項目=国家戦略特区の規制改革案
(2013/05/27-19:00)時事通信

 政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)は27日、大都市を中心に新たに導入する特区で重点的に対応する9項目の規制改革案を公表した。外国人医師への一部医療行為の解禁や、羽田空港の国際化促進などを盛り込んだ。
 国家戦略特区は、政府が6月にまとめる成長戦略の柱の一つ。WGは特区で実施する規制改革の具体的な中身を成長戦略に反映させる考えで、29日の会合で詰めの協議を行う。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1305/1305075.html
KYOTO HEART studyを“自己申告違反”と結論
日本医学会利益相反委員会が会合

[2013年5月27日] Metical Tribune / MT Pro

 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)バルサルタンのKYOTO HEART studyをめぐる利益相反の問題を受けて,日本医学会は5月24日に東京都で利益相反委員会を開き,日本循環器学会が論文を撤回した同試験の2報に利益相反の申告違反があったとする同学会の調査結果を踏まえ,これを申告違反と判断した。再発防止に向け,2011年に公表した日本医学会の「医学研究のCOIマネージメントにかかるガイドライン」のうち,利益相反の開示内容や申告期間などを改訂する方針を決めた。同日開いた記者会見で,同委員会委員長の曽根三郎氏(JA高知病院院長)が明らかにした。なお,記者会見には同医学会会長の髙久史麿氏の他,日本循環器学会代表理事の永井良三氏(自治医科大学学長)も出席し,同学会が日本医学会に報告した調査結果を明らかにした(関連記事)。

疑惑招かない臨床試験実施にルールが必要

 国策としての産学連携を進める上で,利益相反が問題になる。そのため,2006年に文部科学省検討班が「臨床研究に係る利益相反指針策定のためのガイドライン」を発表。2011年2月には日本医学会が「医学研究のCOIマネージメントにかかるガイドライン」を公表し,会員の118分科会が適正なCOIマネジメントの下で医学研究に取り組めるよう,各分科会のCOI指針(COIをマネージメントする指針)策定を後押ししてきた。

 同医学会のガイドラインでは,奨学寄付金,企業などが提供する寄附講座を含め,企業・団体から受け取るあらゆる金銭の申告を求めている。

 今回のKYOTO HEART studyでは,利益相反の自己申告に違反があったことと医師主導型臨床試験実施の曖昧さが問題視されている。

 日本循環器学会が撤回した2報(Circ J 2011; 75: 806-814,Circ J 2012 年9月12オンライン版)では,資金提供およびノバルティスファーマ社員(2013年5月退職)関与に関する開示がなかった。

 曽根氏は,同試験成績の発表を継続して行う場合でもサブ解析を含め,第1報(J Hum Hypertens 2009; 23: 188-195)同様に適切に申告すべきであったと述べ,同委員会として日本循環器学会が撤回した2報を利益相反の申告違反と判断した。

 しかし,日本循環器学会が定めた利益相反の細則の試行期間中に論文が投稿・掲載されていたこともあり,違反の是非を問うことはできないとした。

 研究成果には中立性の担保が求められることから,再発防止に向け,利益相反の開示内容や申告期間,寄付金の基準額などを見直し,同ガイドラインを改訂する方針を明らかにした。

 また同氏は,KYOTO HEART studyの事例が医師主導型臨床試験の曖昧さや不透明な産学連携活動に起因していると指摘し,疑惑を招かない医師主導型臨床試験を実施するにはルールづくりが必要であると述べた。

再発防止に向け自己開示の意義を各分科会に強調

 ノバルティスファーマの元社員が試験の統計解析に関わっていたにもかかわらず,社名を伏せて大阪市立大非常勤講師として論文に名を連ねていたことが,同社の調査で明らかになり,5月22日に日本医学会,日本循環器学会に報告された。

 髙久氏は,同社の社員であることを論文で開示していれば,医学雑誌の査読者や読者もそのことを念頭に置くが,所属を隠したことは非常に残念で許しがたい行為であり,臨床試験に対する信頼が揺らいだといわれても仕方のないことだと厳しく批判した。

 この点について,KYOTO HEART studyを主導した京都府立医科大学だけでなく,同試験と類似の臨床試験を実施した当該大学に対しても,適切な調査の遂行を求めた。

 今後必要なのは再発の防止であり,各分科会には自己開示の意義をあらためて強調したいと同氏は述べた。

(田上 玲子)



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1305/1305074.html
日循が利益相反の調査結果を日本医学会に報告
KYOTO HEART studyで

[2013年5月27日] Medical Tribune / MT Pro

 Circlation Journalから掲載論文を撤回したKYOTO HEART studyの利益相反問題を調査してきた日本循環器学会は,5月24日に東京都で開かれた日本医学会の利益相反委員会で(関連記事),同試験の第1報で記載されたノバルティスファーマからの資金提供が,同誌を含む第2報以降ではなされていなかったことから,これを利益相反の自己申告違反に当たると報告した。調査結果を報告した日本循環器学会代表理事の永井良三氏(自治医科大学学長)は,同学会の利益相反の指針細則の試行期間中のことであるにせよ開示が不十分であったとし,遺憾の意を示した。

データのクリーニング不十分により撤回

 永井氏によると,KYOTO HEART studyの利益相反に関する問題は,昨年(2012年)10月,複数の同学会員から同学会誌Circulation Journalに掲載された同試験サブ解析(Circ J 2012年9月12日オンライオン版およびCirc J 2011; 75: 806-814)の信憑性に疑義があるとの連絡が同誌編集長の下川宏明氏(東北大学循環器内科教授)にあったことに端を発するという。

 指摘されたのは,患者背景のナトリウム(Na)値およびカリウム(K)値の標準偏差が大きかったことなどであり,直ちに当該論文著者に回答を求めた。

 さらに,試験デザインなどが記された第1報などについても疑義があるとの指摘があったという。

 責任著者が第三者機関に依頼した調査結果では,複数のサブ解析データに問題がある可能性が翌11月に判明したため,責任著者とノバルティスファーマの執行役員にそれぞれヒアリングを実施。

 同月末に責任著者がデータのクリーニング不十分を認めたため,編集長宛に論文取り下げを申請,12月27日付けで編集長と代表理事長の連名で京都府立医科大学に論文撤回の通知を行い,同日撤回となった。

ねつ造の把握はない,調査結果を精査する

 日本医学会の呼びかけにより日本循環器学会を含む内科系13学会で「臨床研究の利益相反(COI)に関する共通指針」を2010年に作成した。

 翌年,日本循環器学会としての細則を定め,同年8月5日からの試行期間を経て,今年3月の同学会学術集会から本格的な実施となった。

 日本循環器学会が同試験の利益相反を調査したところ,試験デザインなどが記載された第1報(J Hum Hypertens 2009; 23: 188-195)にノバルティスファーマから資金提供を受けたこと,同社社員が関わっていたこと(所属名は大阪市立大学)が記述されていた。

 しかし,第2報以降(European Heart Jounal,Circulation Journal)にはそれらの記載がなく,同学会は利益相反の申告違反に当たると結論した。

 Circulation Journalに投稿掲載されたのは細則の試行期間中のことではあるが,永井氏は開示不十分であったことに対し「大変遺憾である」との認識を示した。

 また,このほど同社社員による統計解析への関与が明らかになり(関連記事),データの信頼性に疑義が生じるという事態に至った。

 この点については,同学会としてデータのねつ造などは把握していないとし,京都府立医科大学に依頼した調査を結果を精査しながら,適切に対応するとした。

(田上 玲子)



http://news24.jp/nnn/news8753466.html
島根県ドクターヘリが鳥取県西部へ乗り入れ
[ 5/27 20:33 日本海テレビ] (島根県)

出雲市を拠点とする島根県のドクターヘリが27日から鳥取県西部にも乗り入れを開始した。鳥取県のドクターヘリは京都と兵庫の3府県で運航され、ヘリ基地の兵庫県豊岡市から鳥取県西部は距離が遠く課題となっていた。鳥取県西部では、日南病院や日野病院から米子市の鳥大付属病院まで陸路で約1時間かかっていたがドクターヘリにより30分程度に短縮される。島根県によると、来月中には島根県のドクターヘリが、広島県北部へ。山口県のドクターへリが島根県西部へ乗り入れを開始するなど、隣接する県同士の連携が進むという。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/172953/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
医師「究極の選択」
「初期研修は市中病院」が6割超◆Vol.9
大学病院と両方経験する必要性を指摘する声も

2013年5月27日 池田宏之(m3.com編集部)

初期研修病院として、大学病院と市中病院のどちらを勧めるか

 Q.18で、初期研修病院として、大学病院と市中病院のどちらを勧めるか、m3.com医師会員に聞いた(調査概要は、『混合診療に否定的、9割弱に上る◆Vol.1』を参照)。

 全体では、「大学病院」が36.8%、「市中病院」が63.2%となり、市中病院との回答者が30ポイント弱上回った。ただ、「大学病院」と答えた割合を年代別で見ると、40代以上が41.1%、30代以下が23.5%と約18ポイントの差があり、年代が高い方が「大学病院」を選ぶ傾向が強かった。

 「大学病院」を選んだ医師の自由回答で目立ったのは、激務ではあるが、一度は経験した方が良いという指摘で、「市中病院から大学病院に移るときつい」といった回答もあった。基礎研究に触れることができる点や、人脈ができる利点を挙げる回答もあった。「市中病院」と回答した医師の自由意見として多かったのは、一般的な症例や手技など幅広く経験できることを含めて、実践的であることを指摘する声だった。大学病院は、「研修施設でなく、研究施設」「雑用が多い」という回答も多かった。「両方経験するべき」との回答は、どちらの回答者にも共通していた。


 理由として寄せられた主な意見は、以下の通り。


【大学病院(40代以上)】
・きちんとした初期教育が受けられるなら、どちらでも良い。しかし、たくさんの患者を捌かせるのみで、トレーニング・考える癖・正しい思考過程を提供できる市中病院は限られる。
・後の面倒見が良い印象。
・メジャーな科なら、市中病院も良いかもしれないが、マイナーな科の医師としては、偏った症例しか経験できないと思う。
・効率が悪くても、コストがかかっても、大学病院でしかできないことがあることを知っておくべき。市中病院だけでは視野が狭くなると思う。
・スタッフは大学の方が豊富だと思う。
・研究分野に触れるチャンスが無いのは、のちのち困ることになる。
・体系的な知己の習得が重要です。
・医療はいつでも学べるが医学は早い方が良い。
・自分が経験してきたものでは、大学の方が、偏りがなかったかな。
・やはり、しっかりした基礎を多くの指導医、先輩医師から学んだ後で、臨床経験をより多く経験できる市中病院勤務などが良いと考える。
・市中病院のことはよく分からないが、少なくとも大学病院の研修はある程度しっかりしていると思う。
・母校で働きたいから。
・一度は大学病院。その後、市中病院に勤めるべきです。逆はきつい。
・民間病院は、あとからいくらでも経験できる。民間病院しか経験しないと、研究者の視点がもてなくなる。
・旧世代なので。
・アカデミックな環境があり、多様性があるから。
・医局制度に戻したい。


【大学病院(30代以下)】
・個人の能力は数年経てば誰しもプラトーに達する。しかし、人脈は永続的に力になる。しかも年を取るほど信頼の置ける人脈を築くのは難しくなる。多少能力向上が遅れても、今しかできないのは人脈の形成だ。
・医局に入るならば、勧める。
・うちの大学病院は市中病院の機能も兼ね備えているので、市中病院にわざわざ出る必要はない。
・しんどいけど 間違いなく良い修行の場。
・大学病院にしかない症例や経験を積むべき。市中病院で学べるようなことは後からいくらでも習得できる。
・ある意味の理不尽さが将来役に立つ。ただし、一生大学病院にとどまるのはごめんこうむる。
・将来、大学で働く気がないなら、大学で働くことを勧める。


【市中病院(40代以上)】
・どちらも経験した方が良い
・それぞれ特徴があると思うが、実践を学ぶなら市中の病院がよいと思う。
・様々な疾患が経験でき、手技も多く経験できるから。
・いろいろな大学の出身者と仕事をしなさい。
・他科との連携がこまやかで気持ち良い。
・コモン・ディジィーズに触れられたり、症例に恵まれると期待できるから。
・大学は育成機関として十分な症例数やトレーニングプログラムが整備されていない。
・当たり前だが、市中病院もピンキリ。研修に値する病院ならOK。
・大学は初期研修の場ではない。それでも、「できている」と思っている人達がいることの方が問題。
・何とも言えないが、どちらでもきちんと考えの通った指導医がいれば問題ない。ただ、色々な話を聞いていると、市中病院の指導医の中に気骨のある人が多いと感じる。
・大学病院では、専門に偏りすぎ。
・医師の偏在の、最大の原因は、2年間のスーパーローテート。ついで、センター試験による、医学部女子の増加。最後に、拠点病院の集約化。三つとも全て、愚かな小役人の大失敗。2年間市中病院で、救急を主にやって、3年目からは大学医局に入ろう。医局制度は、僻地に医者を供給する優れた制度だった。ところで、どうして役人と政治家は、反省して責任を取らないのか。
・たくさん患者を診て受け持った方が、早く一人前になるであろう。しかし、大学病院の影響力が強い地域ならば、大学から派遣され、人脈を保っていた方が、将来、病気にでもなった際には助かるかもしれない。
・総合的に、患者さんを1人の人間として診られる医師を目指すのであれば、やはり市中病院の方が役立つように思う。


【市中病院(30代以下)】
・人間関係と色々なしがらみを考えると。
・実際に自分が市中病院で初期研修をし、良かったなと感じたため。大学で研修した人が、あまりに基本的な処置などをできなかったのを見て愕然としたことがある。
・大学病院はカンファ、雑務のdutyが多く、無駄が多い。外来もあまり見ず、成長が遅い。しかし、市中病院では、稀有な症例が乏しい欠点がある。
・残念ながら、世の中やはり金である。
・大学病院とのたすき掛けを勧める。
・好きなところに行きなさい。
・大学病院なんて特殊な疾患で、手を出せない。虫垂炎は市中病院にいたら日常茶飯時に見るが、大学病院にいたらすごく珍しい疾患になってしまう。
・初期研修終了後はたいてい市中病院に行く期間が長いので、その後を考えると最初から一般的な症例を多数経験していた方が良い。
・特に後期研修医が多い病院を勧める。



  1. 2013/05/28(火) 05:37:04|
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5月26日 医療一般

http://news.mynavi.jp/news/2013/05/26/049/
医師レベル低下 患者具合悪いも「彼女の誕生日で休みます」
  [2013/05/26] マイナビニュース
※週刊ポスト2013年5月31日号

 医師といえば、昔は「頭のいい人」の象徴だった。しかし、医療や医学の技術が飛躍的に進歩していく一方で、近年、医師の学力低下がさけばれている。少子化と定員増で偏差値60を切る医学部もでているという。その結果、医療の現場では信じられないような事故も起こっていた。

『病院はもうご臨終です』(ソフトバンク新書)の著者で医師の仁科桜子氏は、こう指摘する。

「私は医師がハサミを忘れた現場を見たことがあります。術後のレントゲンですぐに気づき、大事には至りませんでしたが、医療器具は臓器の裏に入り込むこともあるので、本当にあってはならないことです」

 もちろん、医療の現場が過酷であることや、患者を救おうと必死で働いている医師が多くいることは重々承知している。しかし、医療事故の発生要因の9割を占める「医師の経験不足や知識不足」に起因する事例は枚挙に暇がないのだ。

 ここ最近も、報告は相次いでいる。先月末、愛知県内の市民病院が、胃がんを潰瘍と誤診し、治療を約2年放置していたことを公表。

 同じく先月末、横浜市の病院が、女性患者の栄養チューブに高濃度の酢酸液を注入、約2週間後亡くなったことを公表。今月8日には、大阪市が、市内の病院で肛門管がんと診断された女性患者が、直腸を切除後にがんではなかったことが判明し、慰謝料を支払って患者側と和解したことを公表。

 がんでない人をがんと診断したり、がんを見落としたり、わが身や家族に置き換えると、たまったものではない。

 もちろん、取り上げたような事例には、ベテラン医師も含まれ、若い医師だけがミスを犯すわけではない。しかし、今後、学力や能力が疑問視される“医師の卵”たちが、現場に入ってくると、大丈夫なのかといいたくもなるだろう。前出・仁科氏は、既に若い医師の質の低下を感じているという。

「研修医制度が変わり、研修医になる直前の試験の成績で就職先を選択できるようになりました。中には成績だけはいいが、技術ややる気が伴わない医師が人気のある病院に振り分けられることもあります。そこでは、患者さんの具合が悪くても、『5時なので帰ります』とか、中には『彼女の誕生日なので休みます』という医師までいる。信じられないですよね」

 ある病院の中堅医師も、こう嘆く。

「担当医なのにオペに遅刻したり、オペの前日に飲み過ぎたりする。こういう連中を指導するとなると、相当根気がいる。実際に手術を経験させるまでの期間はどんどん長くなっています」

 こうして、能力も経験も不足した“ボンクラ医師”が増えていくのである。



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130526/k10014853561000.html
外科医の当直明け手術 20%が「質低下」
5月26日 19時18分 NHK ニュース

外科医の4人に3人が病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加し、このうちのおよそ20%の医師が手術の質の低下を感じていることが日本外科学会の調査で分かりました。

日本外科学会は、会員の勤務の実態を調べるため、去年10月から12月にかけて全国の外科医8300人余りにアンケート調査を行いました。
それによりますと、この1、2年間に病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加したことがあるか尋ねたところ、▽「いつもある」が36%、▽「しばしばある」が25%、▽「まれにある」が13%で合わせて74%が「ある」と回答しました。
また、手術への影響について尋ねたところ、「出血が増えたり、時間が長くなったりするなど、手術の質が低下することが多い」と答えた外科医が19%に上りました。
さらに「疲労から医療事故を起こしたり、一歩間違うと医療事故につながるおそれを感じたりした経験がある」と答えた外科医が4%いました。
改善策としては70%以上の外科医が「当直明けは休みにするルールをつくるべきだ」と回答しました。
調査を行った日本外科学会の理事で九州大学病院の富永隆治教授は「当直明けの手術をやめると外科医不足のため手術ができなくなるのが実態だ。外科は負担の重さやリスクの高さから新たななり手が減る悪循環に陥っていて、労働環境を改善するなどの対策を考える必要がある」と話しています。

背景に急速な医師不足

厚生労働省によりますと、国内で外科に従事する医師の数は、平成18年には2万6470人で、この10年前より2400人減りました。
特に当直勤務や手術の中核を担う50歳未満の世代が2000人以上減り急速な医師不足に直面しています。
勤務時間の負担の重さや医療安全のリスクの高さから新たに外科医になる人が減り、それがさらに勤務の負担を増加させる悪循環に陥っているということです。
これに対して、手術の件数は高齢化に伴って増え続けていて、全身麻酔を伴う手術の件数は、平成23年度には1か月平均で20万4000件余りとこの15年前の1.6倍になっています。
厚生労働省は手術に対する診療報酬を増やすなどして、外科の医師数の増加を促していますが、勤務環境を十分改善させるには到っていません。
現場の病院の対応は

年間1000件以上の手術を行っている大阪市にある総合病院でも当直明けの手術をどう安全に行うか課題になってきました。
この病院では当直の勤務時間は午後5時から翌朝9時までです。
しかし、実際は当直する日の午前9時から診療活動を行っていて、当直明けのあとも勤務が続く日もあります。
病院が外科医に聞いたところ、集中力や根気がなくなり細かい手術操作が確実にできなかったとか、判断が鈍って時間が長引き患者に負担を掛けたといった声が上がりました。
このためこの病院では、2年前に新たな対策を取りました。
外科では患者の主治医は1人のため、当直明けでも主治医が手術をしなければなりませんでした。
そこで同じ程度の技術や経験のある外科医2人がコンビを組んで互いの患者も担当する「バディ制度」を導入しました。
当直明けは、原則、自分が担当する患者の情報と緊急呼び出し用のPHSをコンビを組む医師に引き継ぐことで、手術をしなくても済むようにしました。
また、当直中に搬送された救急患者の手術についても見直しました。
これまでは緊急性がなければ、体制が十分に整う当直明けまで待って手術を行っていましたが、外科医やスタッフに手当てを支払って当直中に手術を行うようにしました。
こうした対策を取ることで、いまでは特殊なケースを除いて当直明けで手術をすることはなくなったということです。
多根総合病院の丹羽英記院長は「人の命を預かっているので、患者からすると万全な体調でやってほしいというのは当然だ。きちんとリフレッシュしないと医師も体力がもたないが、医師が足りないので仕方ないというのが実態だ。職場環境を改善することで外科医も増えてきて、それが医療安全にもつながっておりよい循環になっている」と話しています。



http://www.nbcnews.com/video/nightly-news/52002671/
Doctor shortage hits hard in rural America
NBC Nightly News | May 25, 2013

It's a national health care crisis. There just aren't enough doctors in our country. The shortage has hit rural America especially hard, but there may be some solutions. NBC's chief medical editor Dr. Nancy Snyderman reports.

>>> There just aren't enough doctors in our country. the shortage has hit rural america hard and there may be some solutions. Dr. Nancy Schneiderman for us tonight.

>> Hey, sir. how are you?

>> Dr. Melana jumps from one appointment to the next. Her two doctor practice in Littlefield, Texas, cares for 15,000 patients. some travel 40 minutes to see her.

>> Perfect. I just can't physically take care of the amount of people that are here. We turn people away every single day.

>> She is one physician among thousands nationwide who work in areas with too few health professionals to meet the need.

>> Right now, we're looking at a shortage of approximately 15 to 20,000 physicians across the country. Over the next decade, we're looking at that growing to over 100,000 physicians.

>> To curb the shortage, medical schools have boosted their enrollment by more than 18% since 2002. Some schools like the School of Medicine at Texas Tech University Health Sciences Center are offering accelerated programs and financial incentives.

>> When they offered an accelerated track where I could get out and be doing what I love a year sooner, for me, it was kind of a no brainer.

>> But even if students like Kee Keely graduate faster, they still need to go through a residency program for more training.

>> The part to have program that is not working right now is the bottleneck we've created between graduates and the available number of physicians.

>> It started in 1997 when congress cut off additional funding to train young doctors. They had introduced the bipart son turning Tomorrow's Doctors Today Act to reverse that freeze.

>> The bill would create an additional 15,000 federally funded residencies over the next five years. It's believed this has the potential to alleviate one-third of the physician shortage in the United States. While that will help, experts say having more doctors won't necessarily get them to where they're needed most.

>> Physicians cluster more into the urban centers and leave the rural areas and some other areas underserved in the process.

>> Innovative medical programs that could offer some relief to physicians and hopefully better care for patients around the country.
(英文ですが、米国三大ネットワークのNBCのニュース番組の記事なので転載しました。 Dr.G3 )



http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201305270006.html
福山に夜間成人診療所開所
'13/5/27 中国新聞

 福山市三吉町南の福山夜間成人診療所の開所式が26日、隣接する福山すこやかセンターであった。27日から診療が始まる。

 福山、府中両市の医師会関係者たち約100人が出席。開設する市の羽田皓市長は「広く周知し、救急医療の拠点として機能させる」とあいさつした。診療所は福山、府中両市の4医師会でつくる一般社団法人が指定管理者となり運営する。

 福山市医師会長で同法人の森近茂会長は「軽症患者を引き受けて2次救急の現場の負担を軽減したい」と述べた。診療所前でテープカットもあった。

 診療は午後7時半~同11時。毎日、医師2人と看護師2人、薬剤師1人、事務2人の態勢を組む。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/172947/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
東大、今秋から在宅医療の臨床実習を開始
「診察室を出よ、そして街をみよう」シンポ

2013年5月26日 橋本佳子(m3.com編集長)

 第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術集会の5月19日のシンポジウム「地域医療の現状と未来を考える―診察室を出よ、そして街をみよう―」で、東京大学高齢社会総合研究機構准教授の飯島勝矢氏は、在宅医療における「医育機関」の重要性を強調。教育・研究・臨床の各視点から在宅医療への取り組みを強化していくとし、その一環として、東大では今年11月から、「新クリニカルクラークシップ」(臨床実習)として地域医療実習を開始することを説明した。

 対象は、医学部5年生の後半から6年生の前半の学生。高齢社会総合研究機構が手掛ける千葉県の「柏プロジェクト」をフィールドとし、1グループ6人で2週間単位で行う。診療所の外来診療だけでなく、在宅医療での実習に力を入れるのが特徴。多職種連携の在り方、さらには地域を広く診る視点を学ぶ臨床実習ができるプログラムを予定している。

 「アーリー・エクスポージャー(早期臨床体験学習)が重要。最終的には、外科医、循環器内科医などになるにしても、在宅医療の現場を1回見ておき、“脳の引き出し”を用意しておくことが必要。訪問診療や訪問看護に同行するほか、ソーシャルワーカーなどに1日密着し、地域医療がどんなプレーヤーから成り立っているかなどを学んでもらう」(飯島氏)。在宅療養支援診療所などで研修する医師との交流の場も設ける予定だという。

 「柏プロジェクト」は、2010年にスタート。超高齢社会に対応するため、東大、行政、医師会など関係者が一体となって、住宅政策と連携した総合的な在宅医療福祉システムの構築と政策提言を進めるためのモデル事業だ。飯島氏は、2025年には75歳以上人口が2割を超え、高齢世帯の7割が独居・夫婦のみとなる見通しであることを踏まえ、(1)「生活の場」に医療と介護を、(2)生きがい就労、(3)住まいと移動――という三つの柱からプロジェクトに取り組んでいるとし、関連する人材育成の重要性も強調した。今回の臨床実習はその一環であり、東大が、柏市医師会と共同で、医学部教育に取り組んでいくという点でも、興味深いチャレンジと言える。

 「リフォームでは済まず、リセットが必要」

 シンポジウムではそのほか、国立長寿医療研究センター理事長の大島伸一氏、千葉大学医学部附属病院高齢社会医療政策研究部副部長の藤田伸輔氏、NPO法人ささえる医療研究所理事長の村上智彦氏が講演。

 共通していたのは、超高齢社会を迎え、従来の「治す」中心の医療から転換する必要性を強調していた点だ。

 大島氏は、20世紀型の「治す」医療は、人口の高齢化に伴う疾病構造の変化から、限界に来ているという持論を展開。「病気には治る病気と治らない病気とがある」「老化は治せない」「人は必ず死ぬ」とし、「医療の中に生活がある」のではなく、「社会生活の中の医療」という視点から取り組む重要性を強調。「リフォームではなく、リセットしなければ対応できないほどの大きな転換期にある。その中でプライマリ・ケア医が果たすべき役割はおのずから見えてくる」(大島氏)。

 大島氏は、さらに専門医制度の問題にも言及(『「医師不足」消える、専門医制度の最終報告』を参照)。まず基本的な考えとして、専門医には、社会的責任と公共性の背景の中で、自分たちの業務の質を担保することが求められるとした。大島氏は、「私自身は、専門医制度は、ジェネラルなものから専門化していく際に、その技術を評価していく、あるいは質を担保していく意味で、必要だと考えていた。したがって、総合医(総合診療医)にも専門医制度が必要なのか、その理論構造がよく分からない。総合医とかかりつけ医はどこが違うのかも分からない」との私見も述べた。

 シンポジウムの座長を務めた、日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉氏は大島氏の総合診療医への私見に反論。1978年の第1回プライマリ・ヘルス・ケアに関する国際会議(WHO、UNICEF主催)で「アルマ・アタ宣言」が採択された時から、総合診療医の専門医志向はあったと説明。以降、長年、全人的医療や多職種協働の医療に取り組んできたとし、「(総合診療医は)これまでの専門医療に対するアンチテーゼであるかもしれない」と大島氏に理解を求めた。

 「治す医療」から「支える医療」へ

 藤田氏は、高齢社会における「医療とは何を目的とするか」と問いかけ、「病気を治す」だけでなく、「苦痛を取り去る」重要性も強調。「苦痛」とは、「社会や家族からの過剰な期待、本人自身のゆがんだ意識、社会から無視されること、自分の存在意義の喪失」であるとした。「在宅医療が大切」なのではなく、生きること、その人が活躍できる場を作ることが大切だと説き、「新(真)GP General Practitioner」に求められるのは、「治療だけでなく、QOLを高め、自分の人生を肯定して死ぬことができる環境を提供すること」「地域疾病(健康)管理」であり、地域全住民の健康を守る、受診患者の生活改善支援、受診中断患者の支援、未受診者の支援、罹患・発症予防など、従来の医療の枠にとどまらないさまざまな取り組みが必要だとした。

 村上氏は、「支える医療」という視点から、街作りの中における医療の在り方として、財政破綻した夕張市の医療の再建や、現在の岩見沢市での取り組みを紹介(「『医療にたかるな』は問題提起の書」を参照)。夕張市では、キュアよりもケアを重視するなどの視点から予防医療などに取り組んだ結果、救急搬送は全国レベルで見れば、過去10年で1.5倍になっているが、夕張市では半減、肺炎球菌ワクチンの接種開始で肺炎の死亡率も半減、2006年度までは右肩上がりだったが、2007年度以降、高齢者一人当たりの医療費は減少傾向にあると説明。村上氏は、高齢化率が27%と全国平均に近い岩見沢市で昨年から、全国のモデルとなるべく、新たな取り組みを開始している。



http://tanba.jp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1594
看護師養成へセミナー開く 丹波市内3高校合同で
2013年05月26日 丹波新聞

 丹波市内の柏原、 氷上西、 氷上の3高校が共同し、 6月から 「看護師養成セミナー」 を開く。 看護師を志望する生徒を対象に、 現場の看護師による講義、 看護体験でモチベーションを高めてもらい、 学力補充講座で入試を突破する基礎学力を培ってもらう。 将来にわたって地元の医療機関で活躍し、 地元の看護を担う人材の育成につなげていくとともに、 生徒を送り出すことで、 2015年4月に市に移管される柏原看護専門学校の側面支援にもつなげる。

 県の廃校決定から一転、 市立に移管され柏原看護専門学校が存続することを受け、 柏原高校の村山美生校長が発案した。 「地元の生徒が多く通うことで、 看専を活性化させる。 進路に目標を持つことで看護職への意欲を高めてもらえれば」 と、 氷上西、 氷上両高校に声をかけた。
 丹波市の支援、 同看専の協力を得て実施する。 3年生だけでなく、 1、 2年生も対象とする。 柏原高校の同窓会館 「柏陵会館」 が会場。
 開校式は6月4日。 「看護師を目指すに当たって (仮)」 と題し、 県立柏原病院の中川裕美子看護部長が講義する。 2回目は、 同看専の教員から、 看護学校で何を学ぶかを聞く。
 夏休みには、 入試を突破する基礎学力をつけるため、 英数国の3教科について各2回の勉強会と、 同病院などで一日看護師体験を予定。
 秋には、 同病院の秋田穂束院長の講義、 冬休みに追い込みの勉強会を3回開く。 入試前の1月には、 閉講式と激励会を開く。
 氷上西の小西重正校長は、 「1、 2年生に看護職志望者がいて、 願ってもないこと。 生徒にとっていい刺激になり、 ありがたい。 看専が市立になった時には指定校の枠を設けてもらい、 生徒の進学先として道がつけば」 と期待を寄せる。
 今春、 柏原高校では、 7人が看護大学に、 19人が看護専門学校 (うち柏原看専は5人) に進学した。 氷上高校は、 看護専門学校へ2人 (うち柏原看専1人)。 氷上西高校からは進学者がなかった。
 慢性的な人手不足の看護師は、 不況下にあって、 「就職率100%」 ともいわれる人気職種。
 県立柏原病院はピーク時240人 (2003年度、 353床稼働) だった看護師が、 168人 (4月1日時点、 164床稼働) に、 柏原赤十字病院は96人 (02年度、 167床稼働) が68人 (4月1日時点、 109床稼働) と、 大幅に減っている。 民間病院も常に看護師を募集しており、 公立、 民間を問わず、 看護師不足が常態化している。



http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-05-26_49683
浦添も救急ヘリピンチ 着陸場退去を市が通告
2013年5月26日 09時55分 沖縄タイムス

 【浦添】離島を含む県内全域で救急患者を運ぶ浦添総合病院の「ドクターヘリ」が、浦添市内に着陸できなくなる可能性が出ている。現在利用している浦添市民グラウンド跡地内にある港川ヘリポートの土地所有者の市から、いずれ退去するよう通告されているからだ。市は2015年度にも、フットサル場やテニスコートを備えた多目的運動場にする計画。同ヘリポートの利用は全県の搬送件数のほぼ3分の1を占め、利用できなくなれば救急搬送に大きな影響が出そうだ。(平島夏実)

 同病院のドクターヘリは県内で唯一、国と県の補助を受けた公的事業。病院側は「県内には約290カ所の着陸場所があるが、市内には実質、市民グラウンド跡地しかない。港川ヘリポートがなくなれば浦添総合病院で救命措置ができなくなる」と危機感を募らせる。一方、市企画課は「市民の健康増進を優先させたい」と話しており、議論は平行線だ。

 市民グラウンドの一角にある港川ヘリポートは約23メートル四方(約532平方メートル)。07年8月以来、市が年間約16万円で貸してきた。契約更新を迎えたことし、契約期間はこれまでの3年から1年に短縮された。市は15年にも「まちづくり構想策定支援事業」(防衛省が4分の3を負担する補助事業)として運動場整備に着手する。

 港川ヘリポートの使用頻度は高く、全県の搬送件数440件のうち133件(12年度)と約3割を占める。浦添総合病院は県内3カ所の救命救急センターの一つ。軽傷から重篤まで幅広い患者を診察できるため、同病院への搬送が多いという。

 浦添市からの“立ち退き通告”を受け、病院側は市内でのヘリポート移転を検討したが、どれも難しいのが現状。病院屋上につくった場合、ヘリが故障したらどうするかなど課題が多い。市港川に新しくできる海浜公園の共同使用も提案されたが、安全面を考えると避けたいという。

 別の候補地については、米軍や那覇空港事務所から「ストップはかけられないが、いつでも離着陸の許可を出す約束はできない」と指摘されたという。

 ヘリポートか、運動場か、代替地はないのか-。同病院管理本部の屋良朝司総務課長は「今後もヘリポートを使わせてもらえるよう、何とか市の協力をお願いしたい」と話している。



http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2013/05/26/new1305262001.htm
ドクターヘリ、三沢で3年ぶりの雄姿披露
(2013/05/26 20:41)デーリー東北

 青森県立三沢航空科学館で26日、開館10周年記念イベント「消防フェア・ドクターヘリ劇的救命緊急訓練」(同館主催、デーリー東北新聞社共催)が開かれた。同館を会場にしたドクターヘリの訓練は3年ぶりで、約千人の来場者が救急の最前線で活躍するドクターヘリの雄姿に触れた。
 訓練は、高所で作業中の女性職員が転落し骨折の大けがを負ったとの想定で、重傷患者をドクターヘリに収容するまでの一連の流れを紹介。三沢市消防本部の出動要請に応じたドクターヘリが八戸市立市民病院を離陸し、来場者が見守る同館ヘリポートに約5分で到着した。
 この後は機体の一般公開が行われ、同病院救命救急センターの今明秀所長らスタッフが来場者の質問に答えたり、家族連れが記念写真に納まったりした。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/44430/Default.aspx
日本医学会利益相反委 ディオバン医師主導臨床研究のCOI申告違反を確認 高久会長「大学・企業双方に責任ある」
公開日時 2013/05/27 05:04 ミクスonLine

日本医学会利益相反委員会は5月24日、ARBディオバン(一般名:バルサルタン)の医師主導臨床研究をめぐる一連の問題について議論し、利益相反(COI)の開示を定めた日本医学会の指針に違反することを確認した。日本医学会の高久史麿会長は委員会後に記者会見に臨み、「非常に残念なこと。信頼が揺らいだと言われても仕方がないと思っている」と指摘した。

この日の利益相反委員会は、日本循環器学会からディオバンの医師主導臨床研究の問題について報告を受け、今後の対応を議論した。日循学会は、学会機関誌のオンライン版に掲載されたKYOTO HEART Studyのサブ解析に関する2論文について、当時COIに関する指針細則の試行期間であったものの、申告すべき2点の開示がなかった点を指摘。具体的には、ノバルティスファーマの元社員が試験の統計解析に関わり、 かつ同社から京都府立医科大学循環器内科学・腎臓内科学へ200万円以上の奨学寄附金があったのにもかかわらず、それらが開示されなかったことを報告した。委員会後に会見した日循学会の永井良三代表理事は、「試行期間とはいえ2つの論文で利益相反の開示が不十分であったことは大変遺憾」と述べた。

◎ 論文撤回はデータクリーニングの不備

永井代表理事は会見で、KYOTO HEART Studyのサブ解析論文が日循学会の機関紙Circulation Journalから撤回された理由に言及し、「2012年10月に学会会員から試験対象者における血清ナトリウム値やカリウム値の標準偏差(ばらつき)が不自然に大きいと指摘があった」と説明。同誌編集長が京都府立医科大学の筆頭著者に問い合わせたところ「データのクリーニングが不十分なまま解析が行われていた」との回答を得ていたことを明らかにした。永井理事長は、「(ねつ造があったかどうかは)把握していない。カルテに戻って調査しないとわからないだろう」と述べ、現段階でのデータ改ざんの可能性は否定した。

また会見で日本医学会の高久会長は、同問題に関連する大学で第三者機関による調査が行われているとし、「日本医学会としては全国医学部長病院長連絡会議を通じて調査を進めていただきたいと考えている」と述べた。

◎高久会長「COIを守ることが日本の医学研究の進歩のために必要」

COIをめぐっては、日本医学会利益相反委員会が2011年に医学研究の「COIにかかわるガイドライン」を作成し、118の分科会に対してCOI指針の作成を推奨している。ただ、昨年時点で指針を作成した学会は58%に止まる状況だ。この日の会見に同席した利益相反委員会の曽根三郎委員長は、現行の指針でCOIの申告対象期間が「過去1年」となっている点にも触れ、「今回のように長い期間行われる研究もあり、その間、多額の資金が必要となる。1年前から(の開示)では利益相反が正しくわからないのではないか。研究ごとに情報が開示できる仕組みが必要」と指針の見直しも含めて検討していくことを明らかにした。

また高久会長は、日本では医学研究に対する公費助成が不十分であり、産学連携は医学の発展に不可欠との見地から「これからはCOIを守ることが日本の医学研究の進歩のために必要」と理解を求めた。

◎高久会長  京都府立医大によるノバルティスとの取引停止 「やりすぎ」

なお、高久会長は、京都府立医大が5月23日付でノバルティスとの医薬品の取引を停止すると発表したことについて、「今回の件は、京都府立医大とノバルティス双方に責任がある。取引の中止はやり過ぎだと思う。ノバルティスの社員が研究に参加し、統計に関与していたことは府立医大の人は知っていたはず。今になって(論文が)撤回されたから、あるいはメディアに公表されたから当該企業との取引をやめるということは、少しおかしいのでは」との認識を表明した。一方、ノバルティスに対して高久会長は、「現在は当該研究成果を販促に使用していないというが、それまで大いに宣伝してきた。その点については社会的責任がある」と指摘した。日本医学会としての対応については「日本医学会は罰する立場ではない。この件が公になり、社会的に罰を受けているのではないか」と述べた。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20130526-OYT8T00819.htm
[スコープ] 石巻地域の救急 夜間休日ピンチ
(2013年5月27日 読売新聞)宮城

 震災で医療機関にも大きな被害が出た石巻地域で、夜間や休日の救急医療が危機に直面している。高度な救命治療を行う地域唯一の医療機関、石巻赤十字病院(石巻市蛇田)に、軽症患者まで押し寄せているためだ。自治体や医師会などは「軽症は石巻市夜間急患センター(同市日和が丘)や当番医へ」と呼びかけているが、患者の受診行動を変えるのは難しいようだ。(石塚人生)

■2時間待ち

 5月21日午後7時過ぎ。石巻赤十字病院の救命救急センターに救急車3台が相次いで到着した。脳卒中や交通事故、病状悪化による他病院からの搬送など、午後10時を過ぎても救急車は間を置かずに来る。この日夕方から翌朝までの救急車での搬送は13人。石橋悟センター長は「救急車が集中する時間があったが、きょうは医師が3人いたので何とかなった」と話した。

 1階ホールでは、午後10時を過ぎても外来患者や付き添いの家族ら50人以上が待っていた。近所の女性は「きょうは2時間かかった」と疲れた様子だった。

 同病院の救急患者は震災後、増加している=グラフ=。中でも午後5時から翌朝午前8時半までの「時間外」患者をみると、震災前の2010年は月800人前後だった。それが12年は1200人~1600人と2倍近くに増えた。今年に入って1100人前後で推移しているが、時間外の救急車担当の医師は5月から原則2人へと1人減った。時間外の外来は原則医師3人で対応する。

 時間外の外来で、入院が必要になる病状の患者は1割に満たない。石橋センター長は「軽症患者が増えれば、重症患者の対応が手薄になりかねない。軽症患者にとっても、長時間待つなど良いことはない」と話す。

■一方は閑散

 一方、前日の20日の市夜間急患センターは、午後7時時点の患者はゼロ。午後8時頃になると10人ほどが来院した。時々、赤十字の時間外を利用している中2男子の母(50)は初めて来院し、受付から30分以内に支払いまで済ませた。「小児科の専門医もいて安心した。こんなに早く診察が終わるなんて知らなかった」と話す。

 翌朝までの外来患者は17人。同センターの田中裕太副所長(内科、小児科)は「センターの存在が認知されていないのかもしれない。もっと来ていただきたいのだが……」と苦笑した。

■募る危機感

 石巻市や周辺自治体、医師会などは昨年12月、「自分で歩ける夜間、休日の患者は市夜間急患センターや当番医へ」と呼びかけるチラシを作成した。「赤十字がパンクしてしまう」という危機感があったからだ。

 同センターは震災前、沿岸部にあった市立病院に併設されていたが、津波で被災。11年12月、市中心部の石巻中央公民館隣に移転して再開した。

 同センターの1~4月の合計患者数は、12年、13年とも約3300人で、1日平均30人弱。医師は内科、外科、小児科の3人で、態勢は赤十字の時間外外来とほぼ変わらない。田中副所長は「歩いて来られる病状のほとんどは急患センターで対応できる」と話す。

 2016年夏までに石巻駅前で開院予定の新市立病院は、軽症からある程度の重症までの「1・5次救急」を担う予定だ。それまでの3年間、石巻の夜間救急を破綻させないためには、住民のマナーに頼るしかないのが現状だ。
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  1. 2013/05/27(月) 06:25:56|
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5月25日 医療一般

http://www.m3.com/iryoIshin/article/172667/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
臨床研修病院の5割、総合診療部門を設置
2012年調査、ニーズ高いが医師の確保が課題に

2013年5月25日 橋本佳子(m3.com編集長)

 第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の5月19日のシンポジウム、「病院総合医は地域医療をどう支えるか」で、名古屋大学総合診療医学講師の鈴木富雄氏は、全国の臨床研修病院を対象にした、「病院総合医」に関するアンケート結果を紹介。「病院総合医部門」を持っているのは全体の52.9%で、同部門に対するニーズは高いものの、人材の確保がネックであることが示された。

 調査は●年●月に、773の臨床研修病院の管理者を対象に実施、289病院から回答を得た(回収率37.4%)。

 「病院総合医部門」を持っている病院(153病院)のうち、96.6%が「今後も継続したい」と回答している。同部門の役割として、最も多かったのは、「初診外来」で約90%。以下、「病棟診療」(約70%)、「再診外来」(約65%)、「教育研修」と「救急診療」が60%強で、多岐にわたる役割を果たしていることが分かった(複数回答)。一方、「在宅診療」と「集中治療」は約10%にとどまる。

 「病院総合医部門」に問題点があるとしたのは91.1%と高く、その内容は「絶対的な人数不足」「適切な人材不足」など(複数回答)。

 一方、「病院総合医部門」を持たない病院管理者でも、その必要性を感じているのは、74.3%に上った。今後、同部門を持つ場合に問題になる点としては、「適切な人材不足」「絶対的な人数不足」が上がり、既に同部門を持っている病院と同様に、医師の確保が課題となることが示唆されている。

 アンケートでは、日本プライマリ・ケア連合学会の病院総合医プロジェクトチームが作成した「病院総合医として期待される医師像」に対する意見も聞いている。同パンフレットで示した「病院総合医像」に対し、「求められる人材である」と回答したのは80%と高い。ただし、「結局、専門的治療は専門家に任すので、総合医がどこまで診るのかが分からない」「このような能力を持つ人が足りない」などの意見も見られた。

 4つの病院総合診療部門の事例を紹介

 そのほか、シンポジウムでは、京都市で洛和会音羽病院などを経営する洛和会ヘルスケアシステムの松村理司氏、千葉大学医学部附属病院総合診療医診療部教授の生坂政臣氏、北海道の江別市立病院総合内科主任部長の濱口杉大氏、岩手県県立釜石病院院長の遠藤秀彦氏が講演。

 松村氏は、洛和会音羽病院の総合診療科の年間入院患者数は約1250人で、43科中最多で、後期研修医18人を含め、29人体制であるなどの現状を紹介。ER型救急をはじめ、院内のさまざまなニーズに応えてきた結果、同院内でも重要な役割を果たすようになったとし、病院総合医の活躍のカギは、(1)リーダーの存在、(2)院長・行政の理解・協力、(3)専門諸科との協働、(4)経済的インセンティブ、(5)専門医認定、(6)医学界での市民権、(7)社会的(世間からの)評価――になるとした。

 生坂氏は、2003年に千葉大の教授に就任して以降、総合診療部を立ち上げてきた経緯を説明。洛和会音羽病院とは異なり、総合診療部の固有の病床は持っておらず、共有の病床で対応しており、他科・他院からの紹介理由の91%は「診断を希望」であるという。総合診療部の紹介患者数は、他科、他院ともに年々上昇しており、今では年間1000人に近い。生坂氏は、2003年以降の最初の10年が「ファースト・ステップ」とし、「セカンド・ステップ」としては地域の病院に総合診療医を派遣できる体制作りに努めていくとした。2014年に千葉大では、「新外来棟」がオープンする予定だが、総合診療部のスペースは今の5倍にも増加するという。

 濱口氏は、江別市立病院で2006年秋の「内科医総辞職」の後、同病院に赴任し、総合内科を軸とし、研修病院として再建に取り組んできた経緯を紹介した(『「内科医12人、総退職」、救ったのは総合内科医』を参照)。厚生労働省の研究費補助を受け、同病院で研修医を養成、地方の病院や有床診療所にチーム、あるいはローテーションで医師を派遣する仕組みを構築。全国的な知名度を誇る外部講師を招へいしたり、研修教育アドバイザーも依頼するほか、長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症学分野の市中肺炎研究の協力病院になるなど、臨床研究にも取り組み、魅力ある研修病院作りに工夫を凝らしている。

 遠藤氏は、県立釜石病院では2010年4月に総合診療科を開設して以降の取り組みを紹介。現在は2人体制で、院内では各診療科で対応しきれない患者の診察など、院外に対しては、慢性期病院や施設、在宅医療へのシームレスな橋渡し、地域包括ケアへの参画など、さまざまな場面で病院総合医が活躍している。ただし、指導医の確保が難しいなど、地域の病院で総合診療医を養成するには難しさもあるとした。



http://rocketnews24.com/2013/05/25/332042/
【日本のココが嫌】外国人が日本に来てガッカリしたこと8つ「本音と建前」「ビニ傘が盗まれる」
ロケットニュース24 2013/5/25

「あなたが日本でガッカリしたことは何?」ソーシャルニュースサイト『reddit』で、外国人と思われるユーザーがこんな質問を投稿した。「日本に行ってあなたが失望したこと、想定外だったこと、過小評価もしくは過大評価していたと感じたことなど。たまたま自分にだけ起こったことから誰にでも起こり得ることまで、日本でガッカリしたことをシェアしよう」。
 
・外国人目線で見てみると嫌なこと
この投稿に対し、日本での旅行や居住経験のある外国人たちから、多くの回答が寄せられていたので紹介したい。日本人にとっては当たり前のことでも外国人目線で見てみると、何か気づかされることがあるかもしれないぞ!
 
・1 なにかとお金がかかることにガッカリ
 (略)
 
・2 「また近いうちに会おうね!」にガッカリ
 (略)
 
・3 地方の医療レベルにガッカリ
「地方の診療所では医者はおじいちゃんばかり。一流の医学部を卒業したのかもしれないけど、それは半世紀も前のこと。漢方ですべて治せると思っている」
「小さな診療所には絶対に行かない。英語が通じないから。大きな病院に行けば、英語が話せて腕の良い医者がいる」
「やたらと抗生物質を処方される」
 
・4 「本音と建前」にガッカリ
 (略)
 
・5 変な外国人が多いことにガッカリ
 (略)
 
・6 英語が通じなくてガッカリ
 (略)
 
・7 声が小さすぎてガッカリ
 (略)
 
・8 盗まれてガッカリ
 (略)
 
参照元:reddit(英文)(http://www.reddit.com/r/japan/comments/1a6w7c/what_has_disappointed_you_regarding_japan/?limit=500)



http://www.asahi.com/national/update/0525/TKY201305240461.html
製薬会社からの1億円超す資金申告せず 京都府医大論文
2013年5月25日8時19分 朝日新聞

高血圧治療薬ディオバンの研究をめぐる構図
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 【編集委員・浅井文和、今直也】製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べた京都府立医科大の臨床研究に対し、日本医学会(高久史麿会長)は24日、同社から1億円を超える資金提供と社員の関与があったことについて、申告違反があったと結論づけた。利益相反委員会で検討した。高久会長は「研究への信頼が揺らいだ。二度とおこしてはならない」と述べ、再発防止へ指針の改定を決めた。

 同大の松原弘明元教授(2月に退職)らは2009年以降、「ディオバンは他の薬より脳卒中などのリスクを下げる効果が高い」などとする論文6本を欧米や日本の医学誌に発表。しかし、この全部が「データに重大な問題がある」などとして撤回された。

 同大によると、同社日本法人から松原氏の研究部門に09~12年度、計1億440万円の奨学寄付金があった。ところが、日本循環器学会の英文誌に掲載された論文にこの資金提供を明示しなかった。循環器学会の利益相反指針細則では、1企業から年間200万円以上の奨学寄付金は申告して論文に明記するよう求めている。細則は今年3月まで試行期間だったが、利益相反委に出席した循環器学会の永井良三代表理事は「開示が不十分」とした。

 データ解析に同社日本法人の元社員が関与していたという同社の調査報告も検討。論文に社員の身分を明記せず、所属を書く場合も非常勤講師だった「大阪市立大」としたことも開示の原則に反しているとした。

 医学会は、元社員が関与した京都府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大の5大学に対し、論文に不正があったかどうかを検証し、説明責任を果たすように求めた。

 ディオバンの昨年の国内売上高は1083億円。同社は5大学の臨床研究論文を医師向けの宣伝資料として使うのを中止したが、高久会長は「そういう論文を根拠にして大いに宣伝したことについては社会的責任を感じてほしい」と同社を批判した。

 ディオバンは京都府立医大の研究が始まる前の00年に国の承認を受けた。10年には国の再審査も通り、同社は「安全性と有効性は確立している」と説明する。この問題で承認自体が揺らぐ事態にはなっていない。

 医学会は今後の対策として、(1)医学会に参加する医学系118学会すべてが利益相反指針を作る(2)利益相反マネジメント指針を改定するなどを決めた。現指針では資金提供は過去1年間分を開示する原則だが、臨床研究は数年にわたって巨額の資金提供を受ける場合があるため、長期にさかのぼっての開示を検討する。



  1. 2013/05/26(日) 07:13:13|
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5月25日 震災関連

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/05/20130525t15026.htm
石巻・雄勝病院 震災の悲劇追う 生存者に取材、出版
2013年05月25日土曜 河北新報

雄勝病院の震災を記録した「海の見える病院」

 東日本大震災で入院患者の40人全員と職員24人が犠牲になった宮城県石巻市立雄勝病院の記録を、作家の辰濃哲郎さんが「海の見える病院」(医薬経済社)としてまとめた。
 大津波に遭遇し、患者や職員は海辺の病院の3階建て屋上に避難した。津波は屋上をも越え、患者や職員たちをのみ込んだ。海に投げ出された職員の一部は、流されてきた屋根や漁船に飛び乗って寒い海を漂流し、4人だけが助かった。
 被害が壊滅的すぎたために、語られることが少ない悲劇だった。著者は生き残った職員たちを丹念に取材して真実に迫った。「患者を置いて逃げられない」という医療者の使命感を浮かび上がらせ、ずしりと重い。
 四六判、246ページで1575円。



http://www.minpo.jp/news/detail/201305258625
原発事故後の医療、本に 福医大の医師ら出版
( 2013/05/25 09:38  福島民報 )

 東京電力福島第一原発事故後の被ばく医療に携わる福島医大の医師らが、事故発生後の医療現場や県内の状況などをまとめた書籍「放射線災害と向き合って-福島に生きる医療者からのメッセージ」がこのほど、出版された。
 原発事故対応の最前線で医療に取り組んできた同大の医師、研究者ら約10人が執筆した。救命救急医が原発事故直後に同大付属病院内にいた医師の対応などを臨場感たっぷりに報告している。放射線科医や外科医らが放射性物質や健康リスクなどについて、専門知識に基づき解説。県民健康管理調査や、リスクコミュニケーション、危機管理も取り上げている。
 医師らは、現在も続く放射線対応や通常の診療などで忙しい合間を縫って執筆に当たった。序章を担当した同大の大戸斉医学部長は「過酷な最前線を体験した医師の生きた言葉がつづられている。科学に根差した客観的事実を積み重ね、百年後にも評価される内容を目指した」と話している。
 医学書を専門に出版しているライフサイエンス出版(東京)からの発行。定価は2千310円(税込み)。



  1. 2013/05/26(日) 07:11:41|
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5月24日 震災関連

http://toyokeizai.net/articles/-/14044
新世代リーダー 原澤慶太郎 南相馬市立総合病院医師
原発被害の地から「医療の未来」を創り出す

岡田 広行 :東洋経済 記者 2013年05月24日

南相馬市立総合病院 医師
原澤 慶太郎
1980年、東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒。現在は亀田総合病院家庭医診療科から南相馬市立総合病院に出向。「地域医療が抱える社会的問題への挑戦が、医師にとって最大のフロンティアである」と確信し、心臓外科医から医師7年目に家庭医に転身。南相馬市でこれまでに13のヘルスケア関連事業を手掛け、その一部は復興庁の支援事業にも認定される。ICカードによる医療福祉ローカルマイナンバー制度の導入も進めている。 趣味は登山、乗馬、辺境地への旅行。特技は剣道3段。座右の銘はDum spiro, spero. (while I breath, I hope. 生きている限り、希望を持つことができるという古代ローマの哲人政治家キケロの言葉)
原発事故で、7万人の市民の多くが着の身着のままの避難を強いられた福島県南相馬市――。福島第一原子力発電所から20キロメートル圏内に位置する南相馬市小高区の住民約1万1000人は現在も自宅に戻ることもできず、多くが同じ市内に設けられた仮設住宅で不自由な避難生活を送っている。
そうした人々から全幅の信頼を得ているのが、原澤慶太郎医師だ。33歳の若さながら、医師不足に苦しむ南相馬市立総合病院に赴任して「在宅診療部」を立ち上げ、仮設住宅の高齢者宅への訪問診療をスタートさせた。原発事故をきっかけとした人口流出で「高齢化のレベルではわが国平均の20年先を行く」といわれる南相馬を住みよい町にすべく、日夜、さまざまな活動に奔走している。原澤は慶應義塾大学医学部を卒業し、心臓外科医として研鑽を積んできたが、「どうしても地域医療をやりたい」との一心から、原発事故の被災地で住民支援に取り組む。
原澤の活動はスタート時からインパクト大だった。

在籍していた千葉県鴨川市の亀田総合病院から南相馬市立総合病院に赴任した2011年11年。相馬の由緒ある祭にちなんで“OperationNomaoi”と名付けたインフルエンザと肺炎球菌ワクチンの出張予防接種事業を呼びかけた。

だが、当初から厳しい反応に出くわすことになる。市役所の担当課からは「仮設住宅での医療行為は認められない」「開業医の先生方に迷惑がかかる」「医師会は許可しないと思う」などと思いがけぬ反応に直面したのである。それでも原澤はあきらめずに仮設住宅の集会所に足を運び、住民に出張予防接種のニーズについて聞き取りを続けた。

すると、住民が本音では仮設住宅で予防接種を受けることを望んでいたことがわかった。いわく、「予防接種はぜひしたいけれど、ただでさえ混んでいるので病院に受けにくいのはしんどい。それに手を患わせて申し訳ない」「できることなら、仮設住宅の集会所でやってもらいたい」……。

意を強くした原澤は、市役所との折衝を重ねつつ、協力してくれる医師の確保に奔走した。そして市内のほぼすべてにわたる30人近い仮設住宅の自治会長とも協議を重ね、南相馬市医師会の高橋亨平会長(当時)にも事情を説明した。

すると高橋会長からは反対されるどころか、「よいことだからぜひ頑張ってやってください」と激励の言葉をかけられた。そして亀田総合病院からの寄付で延べ2000人にワクチン接種を実施。インフルエンザや肺炎の流行を防いだ。仮設住宅での予防接種の取り組みは2年目の昨年暮れも続けられた。

原澤が手掛けた活動はその後も広がり続け、現在では13にのぼるプロジェクトが進行中。その中には、ICカードを用いた診療情報の管理など、わが国の最先端を行こうとする取り組みも含まれている。

ボスニア紛争見て医師に、南相馬との思いがけない出会い

「15歳の時にテレビに映るボスニア紛争を見て、外傷外科医を志した」という原澤は、大学を卒業して医師となるや、心臓外科医としてのキャリアを歩んだ。

だが、幼いころから読書が好きで社会の問題に関心を抱いていたことから、地域医療に貢献したいという気持ちも持ち続けていた。研修先の亀田総合病院でも家庭医療のレジデント(後期研修医)として、外来診療と患者宅への往診に従事していたが、南相馬赴任のきっかけは思いがけないところにあった。

亀田総合病院で先輩-後輩の間柄だった坪倉正治医師(31)から、「一度、南相馬の現場を見てもらえませんか」と頼まれたことがきっかけだった。震災から半年もたたない2011年8月のことだった。当時、坪倉はホールボディカウンター導入による内部被曝検診を立ち上げるために南相馬市立病院に赴任していた。

その坪倉からの依頼で、市内の鹿島区にある仮設住宅を訪ねた原澤は、家に閉じこもりきりで何もすることがない高齢男性が多いことを知り、衝撃を受ける。この訪問がきっかけとなって、原澤は南相馬での医療活動に加わることを決意。11年11月の赴任につながった。原澤は千葉県内の自宅を引き払い、南相馬市内の家具もないアパートで一人暮らしの生活を始めた。

坪倉や原澤の赴任は、原発事故直後に4人までに激減していた南相馬市立病院にとって、一騎当千の援軍だった。彼らの活躍は、亀田総合病院の先輩医師で、『医療崩壊--「立ち去り型サボタージュ」とは何か--』の著者として名高い小松秀樹医師のブログでの発信などを通じて全国に知れ渡ることになる。そして我も続かんという医師が全国各地から現れ、南相馬市立病院の常勤医は現在、20人を数えるまでになっている。


高齢者宅での訪問診療。患者の自宅での療養生活を支える
原澤の活躍の舞台である在宅診療部は現在、3人体制で切り回している。自宅を訪問している患者の数は約30人。かつては病院で長期入院を余儀なくされていた患者の自宅での療養生活を支えている。

南相馬市原町区の仮設住宅で83歳になる父親を介護する奧山常明さん(53)は「先生が仮設住宅までわざわざ訪問診療に来て下さるのはとても助かる」と語る。原発事故後、身体の具合の悪い父を連れて自家用車の車中で避難生活を続けた奧山さんは、原発事故前の自宅に戻ることもできず、かかりつけ医とのつながりも断ち切られた。それだけに「市立病院で訪問診療をしてもらえて本当に心強い」という。

南相馬は日本の未来、だからこそ改革を

とはいえ、南相馬市内の医療事情はきわめて厳しい。震災前に1300床以上あった市内の病院の病床数は現在、半分以下に減ったままだ。というのも、原発事故後、人口の激減とともに多くの医師や看護師が市内を離れ、今も多くが戻っていないためだ。原澤ら全国から駆けつけた医師も少なくないが、市内トータルで見た場合、医師や看護師不足はきわめて深刻だ。そのうえ、内部被曝検診など原発事故前には存在しなかった業務も新たに加わっている。南相馬市立病院の金沢幸夫院長は「特に看護師不足がネックになり、十分な医療体制を組むことができないのが悩み」と打ち明ける。

それでも原澤は、南相馬での取り組みの将来性に確信を持っている。「原発事故後にさらに高齢化率が上昇した南相馬は日本の未来の姿。言葉を換えると、この地での知見は必ず全国に役に立つ」。ここで鍵を握るのがIT(情報技術)にほかならないと原澤は確信している。

南相馬市民全員にICカードを配布する構想はその代表例だ。ICカードには、患者の基本情報(住所、氏名、生年月日など)や病歴、服薬歴、血液型のほか、延命治療の希望の有無などの情報などを盛り込むことを検討している。この「市民ICカード構想」は政府の予算を獲得したうえで今年冬にも実証実験を行い、さ来年度からの導入を視野に入れている。さらに将来は、ホールボディカウンターでの内部被曝データや緊急避難時の情報など、南相馬固有の情報もICカードを通じて把握できるようにしたい考えだ。

オムロンとの連携による実証実験として、NTTドコモの3G回線を利用した血圧測定事業も実施。これはかかりつけの医師が患者の健康状態を常時把握することで、脳卒中死亡率の増加を食い止めることを狙いとしている。

傍観者ではなく、実践者として活躍

在宅医療を手掛ける医師や訪問看護ステーション、ケアマネジャーなどとの連携による「相双ホームケアネットワーク」の立ち上げや、病院主催のラジオ体操……。原澤が関わる13もの事業のうちで特筆されるのが、中高年男性の生きがいを創り出すことを目的とした事業「HOHP」(頭文字を取って、「ひきこもりの(H)おとうさん(O)を引き寄せよう!(H)プロジェクト(P)」の意味)だ。


仮説住宅住民からは、絶大な信頼。「南相馬に来て本当に良かった」。
これは在宅診療部の呼びかけにより、市内の建設・木工所関係者や社会福祉協議会の協力を得て、男性の手で木製の机を製作するプロジェクトだ。4月9日にはできあがった机を市内小高区役所に設けられたコミュニティカフェに納入。桜井勝延市長も贈呈式に立ち会った。

地元の自動車教習所の経営者とは、被災地で学ぶ意思のある教習生を全国から呼びこむプロジェクトの実現に向けて打ち合わせを重ねている。

日夜、仕事に奔走する原澤は現在、まとまった休みを取ることは難しい。休日ともなると全国から求められて講演に出向く。「訪れた場所でおいしい料理をごちそうになることが息抜き」と原澤は語る。

原澤には気負いや悲壮感はない。「今の仕事はとても好き。南相馬に来て本当によかったと思う」。

心臓外科医時代は手術に明け暮れる毎日だっただけに、地域医療分野に転じた際は同僚の外科医から驚きの目で見られた。一方、それまでとは180度異なる現在の仕事の内容を説明すると、「社会派」としての一面を知る大学時代の仲間からは「福島での活動はいかにも原澤らしいな」と口々に言われた。傍観者ではなく実践者たろうとする原澤の活躍のフィールドは、無限に広がっている。(敬称略)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39970.html
被災病院、東電賠償「一括払い」報道に反論- 資金難これから正念場
( 2013年05月24日 22:24 ) キャリアブレイン

医療法人社団養高会高野病院 事務長 高野己保

 東京電力福島第1原子力発電所の事故から時間が経つにつれて、被災したわたしたちへの視線が厳しさを増していると感じます。地元紙は20日付で、避難区域に設定された地域の全病院に対し、損害賠償を一括で支払う「包括請求方式」を適用すると報道しました。これまでは中小企業や個人に限られていた請求方式の対象を、避難区域の13病院にも広げ、2015年2月までの賠償金として総額で約120億円の支払いが見込まれるという内容ですが、実際はそうではありません。この報道が、新たな風評被害をもたらさないかと心配しています。

 今回、避難区域の医療法人に適用されるのは、実際には包括請求方式ではなく、「まとめ払い」という方式で、これらの中身は異なります。
 包括請求方式は、年収が3億円を超えない中小企業と個人が対象で、昨年7月から15年2月末までの減収分が全額補てんされます。これに対して、まとめ払いの対象は営業損害のうちの「逸失利益」で、売り上げから高熱水費や人件費などの「変動費」を差し引いた額しか補償されません。

 われわれのような中小病院は、平時にはさまざまな制度の中で中小企業として扱われますが、福島第1原子力発電所事故の賠償に関しては、「年収3億円超」という線引きがなされ、大企業という扱いです。

■頑張るほど苦しい仕組み
 東電は、旧緊急時避難準備区域の病院への補償を原則年内に終了させる方針で、それ以降のことは、「営業損害が原発事故によるものだと証明できたら相談に乗る」と説明しています。このため、わたしたちへのまとめ払いは「15年2月」までではなく、今年いっぱいまでの賠償金が一度に支払われるにすぎません。

 賠償金のまとめ払いで変動費を割り引くのは、事故の影響で病院の売り上げが減少したとしても、診療を休止したり規模を縮小したりすれば、光熱水費や医療材料のコスト、人件費も減ったはずだという理屈です。しかし、高野病院では事故後も診療を継続したので、費用の減少は実際にはほとんどありませんでした。

 原発事故から1年ほどは精神科を休止していましたが、わたしたちの病院はもともと内科の入院がメーンです。「費用が減った」と言われても、電気はつけるし、患者さんのためにお風呂も沸かします。精神科の休止中に、医薬品は確かに減りましたが、今では震災前の9割程度まで回復しています。残り1割分の減少は、いざという時のためにキャッシュフローを蓄えようと、卸業者に協力していただいて、院内の在庫を減らす新しいシステムを入れたことに伴うものです。つまり東電の賠償は、原発事故後に診療を休止しなかったり、現場の努力でコストを削ったりするほど減る仕組みなのです。

 こうした点が不満でも、東電側の提示額に合意しないと賠償金は支払われません。資金ショートを防ぐには合意せざるを得ず、わたしたちからすると、いわば兵糧攻めにさらされているような状況です。

■賠償金に課税
 東電ルールで計算すると、われわれ養高会への賠償額は月300万円程度です。これでは、とてもまともに病院を運営していけません。しかも、減価償却などの必要経費を差し引いた所得は「事業所得等の収入金額」として扱われ、所得税が課税されます。医業収入などに対するものも含めると、11年10月-12年9月の課税額は法人全体で年5500万円ほど。まとめ払いの賠償金など一気に吹き飛びます。

 病院も介護施設も、原発事故の後に閉じていたら費用も一切かからないし、より多くの賠償金も受け取ることができたはずです。だけどわたしたちは、地域の医療と福祉を支えようと、これまでかなり無理をしてきました。

 入院基本料を請求するのに必要な夜勤看護職員の人数要件を満たせていないので、高野病院では現在、点数が極端に低い「特別入院基本料」を算定せざるを得ない状況です。東電は賠償の期限を年内としていますので、資金不足はそれ以降、いよいよ深刻さを増します。わたしたちにとっては、その後こそが正念場なのです。

 今回の報道をきっかけに、わたしたちが多額の賠償金を受け取れると多くの方が誤解されています。本当に受け取れたらいいのですが、実態は全く違う。最近では、実情を説明することにも疲れています。【聞き手・兼松昭夫】

※医療法人社団養高会
 福島県広野町で「高野病院」(療養65床、精神53床)を運営。福島第1原子力発電所から20-30キロ圏内にある広野町は事故後、入院診療が制限される旧緊急時避難準備区域に全域が指定されたが、高野病院では内科の入院診療を続行。昨年4月23日には、精神科の入院をほぼ1年ぶりに再開させた。関連の社会福祉法人養高会では、双葉郡で唯一の特別養護老人ホーム「花ぶさ苑」(定員40人、うちショートステイ4人)を運営している。



http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=201305240
県内に産婦人科医派遣 原発事故で医師減
2013年05月24日 09時41分 KFB福島放送

日本産科婦人科学会は23日までに、東京電力福島第一原発事故で医師数が減少している本県の産科医療を支援するため、県内への医師派遣を決めた。
既に今月から白河市の白河厚生総合病院に一人を派遣している。
さらに、郡山市の太田西ノ内病院など派遣先を順次増やす方針。
派遣する医師は全国の大学などに協力を呼び掛けている。
派遣期間は医師と受け入れ先で調整する。
同学会は震災直後に対策本部を設置、平成23年3月19日から同年12月17日まで全国34大学から公募した延べ108人の産婦人科医を岩手、宮城両県に派遣した。
今回は本県の産婦人科医が減少しているため、福島医大からの要請もあり対応する。


  1. 2013/05/25(土) 06:36:08|
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5月23日 医療一般

http://toyokeizai.net/articles/-/14018
医師の転職、稼げる地域、稼げる科目とは?
医師の偏在のせいで年収ダウン?

中村 正志 :医師専任キャリアコンサルタント
2013年05月23日

弁護士、会計士など、世間一般で「ゴールドライセンス」と呼ばれる資格の中でもピカイチの人気を誇るのが、「医師免許」だ。とはいえ、彼らのキャリアパスはあまり知られていない。
結婚、出世や転職、果ては、懐事情はどうなっているのか、一般のビジネスパーソンから見ても、彼らがどのようにキャリアを積んでいるのかは気になるところだ。この連載では医師専任のキャリアコンサルタントとして、300人以上の医師のキャリア設計に携わってきた中村正志氏が、医師たちの世間のイメージとは一風異なる内情をつづる。

前回のコラムでは、「医師の転職事情」として、主に大学医局を辞めるときのことをお話ししましたが、今回は大学医局に属さない医師の転職事情をお伝えしたいと思います。

大学医局に属している医師は、どこの病院に派遣されていようと所属は大学になるわけですから、身分は基本的に保証されています。したがって給与の低さや勤務に対する不満こそあるにせよ、自分から退局を希望しないかぎり、大学を辞めさせられるようなことはあまりありません。

一方、医局を辞めた医師は大学という後ろ盾がなくなるため、どこかの市中病院で勤務する場合は、医師自身と医療機関の直接契約という形を取ることになります。一般の方と同じく労働市場に身を置くことになるわけです。

医師の労働市場という考え方は、あまりピンとこないかもしれません。大学医局に所属する医師が多かった時代においては、医師の転職ということが一般的ではなく、医師が自分で職場を選ぶということは、医局を辞めて開業をする機会くらいしかありませんでした。しかしながら医局の力が弱くなり、医局に属さない医師が増えている今、需要(=医師を採用する側)と供給(=医師側)の関係を知らないと、転職で失敗することもあります。

全国的に医師不足ではあることに変わりはありませんが、医師が多いところと少ないところ(いわゆる偏在)は確かに存在します。ここでは主に“地域”と“科目”における偏在を中心に、医師の労働市場を見ていきたいと思います。

まずは、地域についてです。
医師のいる地域、いない地域

地域の偏在を知っていただくための資料として、厚生労働省が発表している「人口10万対医師数」というデータがあります。
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これは都道府県別に10万人の人口に対して何人の医師がいるかということを示したデータですが、多い県のベスト3は、1位京都府286.2人、2位東京都285.4人、3位徳島県283.0人となっており、反対にワースト3は、1位埼玉県142.6人、2位茨城県158.0人、3位千葉県164.3人となっています。少し意外な結果だと思いませんか?

普通に考えると医師は東京に集中し、医師がいないのは東北や北海道ではないかと思われる方が多いかもしれません(ちなみに医師に医師が多い県、少ない県のベスト、ワーストを質問しても、完璧に答えられるような方はほとんどいません)。

このデータから労働市場的に読み取れることは何か?

たとえば京都府と埼玉県においては、医師の充足数が倍違うということになります。そうなると医師が多い京都は当然のことながら求人の数は少なく、求人があっても埼玉県などの医師不足の地域よりは、給与などの条件が悪くなる傾向があります。

埼玉県で2000万円の年収があった医師がいて、何かしらの理由により東京都に転居を希望されたとします。今の年収ベースの希望があったとしても、それが東京でもかなえられるのか?求人はあったとしても、その条件に見合うところはかなり少なくなると思います。

もちろん京都や東京においても、中心部の都市と交通アクセスが悪く都市部からかなり離れた地域では、医師数は少なくなります。ただ医師が転職するにあたって、その地域の医師の充足状況というのは、ある程度冷静に把握したうえで活動しないと、失敗する可能性があるのです。
科目においても偏在はある

次に知っていただきたいのは科目についてです。

医師は医師免許取得3年目の後期研修から、自分が進む専門科目を選択しなければなりません。自分がやりたい科目を選択するというのが大前提にはなるのですが、ここでも少し認識をしたほうがよいのが、科目別の求人ニーズです。

ら求人情報が送られてきます。医師は全国的に不足傾向があるため、その求人数は半端でなく多いのですが、どの科目も万遍なく多いかというと、そうではありません。当然、医師が不足している科目の求人が多く、充足傾向の科目は少なくなります。
圧倒的に求人が多いのは内科

では、医師数が足りていないのは何科か?
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求人ニーズが圧倒的に多いのは内科です。円グラフを見ていただくとわかるように、内科系、外科系、その他を分類すると半分が内科系になります。これは受診する患者の半分が内科系のため、医師の割合も内科が半分を占めるからです。つまり医師不足の半分は内科医不足と言うことができるのです。

また内科といってもいろいろな専門がありますが、求人科目を数の多い順から並べると表のようになります。ベスト10のうち6つが内科の科目です。
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一般の人が不足している科目をイメージすると、小児科や産婦人科、麻酔科などを思いつかれるのではないかと思います。不足状況にあることに間違いはないのですが、そういった科目は医師数が少ないうえに訴訟リスクや経営上の問題から、病院を集約化する動きがあります。それゆえ科目を標榜する医療機関が少なくなっており、求人の数ということでは、それほど多くはありません。

また皮膚科や耳鼻科、放射線科などといった他科系(内科や外科をメジャー科と呼ぶのに対してそれ以外の科目はマイナー科と呼んだりもしますが、ここでは他科系と言います)も、求人は比較的少なくなります。病院というのは赤字のところが多く、特に民間病院は収益性を気にします。一般的に検査や手術が多い科目というのは診療点数が高くなり収益性も伸びるのですが、皮膚科、耳鼻科に代表される他科系は手術が少ないことから、それほど医師を募集しません。また患者ニーズがそれほど高くない科目については、大きな総合病院でも1~2人くらいで事足りたりします。実際、特定の科目においては、弊社にも求人はほとんどないこともあります。
実はサラリーマンより選択肢は

実はサラリーマンより選択肢は狭い医師の転職事情

皆さん日本にはどれくらい病院があるかご存じですか?

現在8500くらいになります。つまり8500という数が需要側の総数です。医師が働くのは病院だけに限られませんが、ほとんどの勤務医は病院で働くため、医師が転職先を探すときはこの限られた市場の中で、自分に合った病院を探すことになるのです。

病院数はたとえば東京都では642ありますが、島根県では53しかありません。また地方であるほど大学医学部の影響が強くなりますし、大学からの派遣中心の病院だと直接応募しても、その大学との関係を病院が重視すると採用してもらえないこともありえます。とにかくサラリーマンに比べて、その転職先というのはかなり限られたものになるのです。

また、自分の専門の科目で必ずしも募集があるかどうかはわかりません。前述のとおり内科系であれば求人は多く、どこにいっても募集はありますが、外科系や他科系では募集が限られます。

医局という組織を離れてみたものの、希望勤務地では求人がほとんどないという状況も考えられます。そういった意味においても、医師が転職や退局を考えるうえでは、労働市場というのも意識して冷静な行動を取ることが必要となってくるのです。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39928.html
法が定める「適切な医療」を前に 医師は- 医療法学のススメ(5)
大磯義一郎(浜松医科大学医学部教授、帝京大学医療情報システム研究センター客員教授、弁護士、医師)
( 2013年05月23日 12:00 )キャリアブレイン


 国民皆保険制度を採り、国際的に高い評価を得ている日本の医療提供制度。しかし、高齢化が進み、また医学が進歩する中で、法や制度が規定する「適切な医療」が、時として現場の肌感覚になじまないことも多々あります。
 そもそも日本の医療提供制度は、法的にどのように定められているのでしょう。もしも、法が定める適切な医療に違和感を覚えてしまった時、医師は行政とどのように対峙したらいいのでしょうか。これらを考えるために、今回は健康保険にかかわる法について基礎から解説します。

■国民健康保険の基本のキ

 国民健康保険法5条は、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする」と定め、居住地の国民健康保険に強制加入することを定めています。そして、同法6条では、「前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、市町村が行う国民健康保険の被保険者としない」と定めており、「各号」として、健康保険を中心とする各職域保険、生活保護受給者などが列挙されています。

 したがって、国民は、6条各号に定める保険に加入するか、国民健康保険に強制加入することとなりますので、結果として、国民皆保険制度が採られることとなります。

 国民健康保険の場合は、被保険者は、保険者である市町村に対し保険料を支払い(国民健康保険法76条1項)、市町村から被保険者証(いわゆる保険証)の交付を受けます(同法9条2項)。そして、被保険者が疾病にかかった場合には、自分で選んだ保険医療機関に被保険者証を提出し、保険医から保険診療を受けます。(図1)

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 健康保険における保険給付は「現物給付」です。
 例えば、自動車の場合は、万が一事故が発生し自動車の修理が必要となった場合には、保険給付としてその修理費用が現金で支払われるので「現金給付」といいます。これに対して、健康保険の場合は、治療費として現金を給付するのではなく、保険医療機関において、保険医により診察、投薬、治療等現物を給付するという点で異なるのです(同法36条1項)。

 そして、保険給付として診察、治療を受けた被保険者は、受診した保険医療機関に対し、現役世代(6歳以上70歳未満)はかかった医療費の3割等、被保険者の年齢に応じた一部負担金(窓口負担)を支払います(同法42条1項)。

 診察を行った保険医療機関は一部負担金を除く残額を保険者である市町村に請求する(同法45条1項)のですが、市町村は、国民健康保険団体連合会(国保連)にその業務を委託している(同法45条5項)ので、結局、保険医療機関は、国保連に請求することとなります。そして、国保連で、請求に対する審査がなされ(同法45条4項)、審査結果に基づいて保険医療機関に対する医療費の支払いがなされることとなります。

■海外と比べた日本の特徴

 余談ですが、図1を見ていただければわかるとおり、保険医療機関に支払われる医療費の財源は、被保険者が支払う保険料、税金、一部負担金の3種類があり、2007年におけるそれぞれの比率は、保険料49.2%、税金36.7%、一部負担金14.1%となっています。

 諸外国と比べ、日本の医療費財源比率の特徴として、▽一部負担金が著しく高い(ほとんどの国では原則無料または低額な定額負担)こと▽税金からの支出が低いこと(2008年度においては国税からの支出は8兆7234億円で25.1%、OECD加盟国34か国中24位)が挙げられます。

 すなわち、本来国が支払うべき医療費を窓口負担として国民に負担させているため、国の支出は低水準であるにもかかわらず、窓口負担が高いために国民の医療費負担感は非常に高いというのが特徴となります。

■「裏の医師法」療担規則

 日本では、ほとんどの医療が保険診療として行われています。

 そして、「保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、厚生労働省令で定めるところにより、健康保険の診療又は調剤に当たらなければならない」(健康保険法72条1項)と定められており、これを受けて「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(療担規則)が定められています。

 療担規則に違反すると、保険医登録の取り消しを受ける(=保険診療ができなくなる)こととなります(同法81条1号)。ですから、療担規則は、「裏の医師法」とも言えます。

■療担規則が定めること

 では、この療担規則にはどのような定めがあるのでしょうか。療担規則は24条からなる規則ですが、その内容は非常に詳細であり、かつ、医療の中身について詳細に規定しています。

 第2章「保険医の診療方針等」においては、診療の一般指針として「保険医の診療は、一般に医師又は歯科医師として診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して、適確な診断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行われなければならない」(同規則12条)と規定され、また、「保険医は、診療にあたつては常に医学の立場を堅持して、患者の心身の状態を観察し、心理的な効果をも挙げることができるよう適切な指導をしなければならない」(同規則14条)と定められています。

 「適切な医療」を行うのは医師の当然の義務であり、これだけをみると、当たり前のことが書かれているだけのようにみえます。

■「適切な医療」を決めるのは

 しかし、同規則18条には、「保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣の定めるもののほか行つてはならない」と定められ、また、同規則19条1項でも、「保険医は、厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬物を患者に施用し、又は処方してはならない。ただし、薬事法に係る診療において、当該治験の対象とされる薬物を使用する場合その他厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない」としています。つまり、「適切な医療」の中身は厚生労働大臣が定めるとしているのです。

■「適切な医療」を前に―ドラッグ・ラグと混合診療規制

 一方で、療担規則で定める「適切な医療」にとらわれることで起こる問題も指摘されています。

 その代表が、ドラッグ・ラグです。
 医学は日々進歩しており、日夜、世界中で新規治療の開発が行われています。そんな中、昨今改善に向かおうとしてはいるものの、日本の薬事行政は規制に重きが置かれ、世界標準の薬が使用できない事態も生じています。
 特に抗がん剤の領域では、必要な薬がドラッグ・ラグで使えないとなると、たとえラグが2-3年であったとしても、その間に患者が死亡してしまうこともあり得ますから、大きな問題となります。

 先に述べたように、療担規則19条1項では、「厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬品を患者に施用又は処方してはならない」と定められていますので、例え世界標準の治療薬であっても、それを保険診療において使用した場合、「厚生労働大臣が定める適切な医療」ではないとして、使用した保険医は療担規則に違反することとなり、健康保険法81条1号により、保険医登録の取り消しを受けることとなりかねません。

 ただ一方、医師法17条では、「医師でなければ医業をなしてはならない」と定めていることから、その反対解釈として、医師であれば「医学的に適切な治療」を行うことができます。ただ、その場合でも、薬事承認されていない薬を保険診療として用いることはできず、自由診療になります。

■医師法と健康保険法での「ねじれ」

 このように、医学的に適切な治療であり、医師法上は適法な医療行為であっても、健康保険法上は違法な医療行為という「ねじれ」が存在することとなります。

 なお、しばしば見受けられる医学的根拠がない怪しげなアトピー治療や免疫療法、今春問題となった再生医療などは、医学的にも不適切な治療ですので、そもそも医療行為に該当せず、単純に傷害行為として15年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法204条)の対象となります(表1)。

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■混合診療の問題

 では、同一疾病に対して、健康保険の対象となる診療と、対象にならない診療を同時に行った場合(混合診療)には、健康保険法上どのような取扱いになるのでしょうか。

 厚生労働省は従前より、原則として、混合診療を行った場合には、保険対象外の診療はもとより、保険診療部分についても保険給付を一切行わないとする「混合診療保険給付外の原則」を主張してきました。

 しかし、健康保険法上は、保険収載された診療については保険給付すること(同法63条1項)、例外的に認められた先進医療等については、許された混合診療として保険診療部分に相当する額を金銭で給付すること(評価療養費制度=表2=、同法63条2項3号、86条)は定められているものの、評価療養に該当しない混合診療の場合に保険診療部分をどう取り扱うかは、法律上明記されていません。

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 この「法律の空白部分」の解釈について、最高裁まで争われた事案がありますので、その判決を見てみましょう。

【事案】

 患者Xは、腎がんの治療のため、A病院で、保険適用されているインターフェロン療法と、治療開始当時は高度先進医療に係る療養(旧健康保険法上認められた混合診療)の範囲に含まれていたLAK療法(活性化自己リンパ球移入療法)の併用療法を行っていました。

 しかし、LAK療法は、その有効性が明らかでないとして、2006年4月、高度先進医療に係る療養から除外されました。その結果、このままLAK療法との併用を継続する場合には、混合診療保険給付外の原則により、それまで保険診療として行っていたインターフェロン療法についても、保険給付がされないこととなると、病院から告げられました。

 そのため患者Xは、国に対し、当該併用療法をこのまま続けても、インターフェロン療法については、引き続き保険診療下で行うことができる権利があることを主張し、訴訟を提起しました。

【判決】
 この事案で最高裁は、下記のように原告の請求を棄却しました。

「保険医が特殊な療法又は新しい療法等を行うこと及び所定の医薬品以外の薬物を患者に施用し又は処方すること並びに保険医療機関が被保険者から療養の給付に係る一部負担金の額を超える金額の支払を受けることが原則として禁止される中で、先進医療に係る混合診療については、保険医療における安全性及び有効性を脅かし、患者側に不当な負担を生じさせる医療行為が行われること自体を抑止する趣旨を徹底するとともに、医療の公平性や財源等を含めた健康保険制度全体の運用の在り方を考慮して、保険医療機関等の届出や提供される医療の内容などの評価療養の要件に該当するものとして行われた場合にのみ、上記の各禁止を例外的に解除し、基本的に被保険者の受ける療養全体のうちの保険診療相当部分について実質的に療養の給付と同内容の保険給付を金銭で支給することを想定して、法86条所定の保険外併用療養費に係る制度が創設されたものと解されるのであって、このような制度の趣旨及び目的や法体系全体の整合性等の観点からすれば、法は、先進医療に係る混合診療のうち先進医療が評価療養の要件に該当しないため保険外併用療養費の支給要件を満たさないものに関しては、被保険者の受けた療養全体のうちの保険診療相当部分についても保険給付を一切行わないものとする混合診療保険給付外の原則を採ることを前提として、保険外併用療養費の支給要件や算定方法等に関する法86条等の規定を定めたものというべきであり、規定の文言上その趣旨が必ずしも明瞭に示されているとはいい難い面はあるものの、同条等について上記の原則の趣旨に沿った解釈を導くことができるものということができる」(最判平成23年10月25日民集65巻7号2923頁)

 ただし、一見すると、法の明文の規定なく、国民に対し不利益を課しているかのように見えるこの「混合診療保険給付外の原則」に対し、最高裁判事は、補足意見として下記のように述べています。


●裁判官田原睦夫の補足意見

 多数意見にて指摘するとおり、現行法86条は、その立法趣旨や立法経緯、法のその他の規定及び療担規則等と相俟って、混合診療保険給付外の原則を定めたものと解するのが相当であるが、その解釈を導くに当たり相当の法的論理操作を要するのであり、また法の規定の文言上は他の解釈の余地を残すものとなっている。そのこともあって、本件では一審と原審とで法86条の解釈が相違し、結論を異にするに至った。

 法の規定の明確性は、法による統治の基本を構成するものであり、その基本的な点において異なった解釈の余地のない明解な条項が定められることが望ましいといえる。
 殊に、法の規制の対象者が広範囲に及ぶ場合には、明解な規定が定められることがより一層求められる。そして混合診療保険給付外の原則は、法の直接の規制対象たる保険医、保険医療機関のみならず、保険給付を受ける患者にとっても大きな利害関係が存する制度だけに、それらの利害関係者が容易にその内容を理解できるような規定が整備されることが望まれるといえよう。
・・・
 例えば、以下の1-3等の各場合に同原則が適用されるのか否かについて、法及び関連諸規定によっても明確でなく、また公表されている文献においても余り論議されておらず、そのことが本来は同原則が適用されない場合であるに拘わらず、その適用があることを慮る医療機関が、患者の求める保険給付外の診療を差し控えるという萎縮診療に繋がる可能性がある。また、公表されている文献によれば、診療の現場でも同原則の適用の有無を巡って若干のトラブルがあることが窺える。・・・・

1.甲の疾病でA医療機関から保険給付に係る診療を受ける傍ら、同一期間内に同疾病についてB医療機関で保険給付外の診療を受ける場合、同原則は適用されるのか否か。

2.A医療機関で甲の疾病により保険給付に係る診療を受けている際に、甲の疾病とは関連しない乙の疾病に罹り、それにつき同医療機関で保険給付外診療を受けた場合、それは同原則の適用外と解してよいか。

 上記の場合に同原則が適用されないと解したとき、両疾病に係る基礎的診療行為が共通する場合に、その部分は元々保険給付の適用対象であったのであるから、引き続き保険給付の適用対象となると考えてよいか。

 また、当初乙の疾病により保険外診療を受けていて、その後甲の疾病により保険給付に係る診療を受ける場合、両疾病に係る基礎的治療行為が共通するときには、それまで保険外診療であった基礎的治療行為に係る部分を甲疾病の保険給付に係る診療として取り扱うことができるか。

3.A医療機関で甲の疾病により保険給付に係る診療を受けているときに、甲の疾病に関連して乙の疾病に罹り、乙の疾病に保険給付外診療を受けた場合には、それにより甲の疾病に係る診療も同原則の適用を受けることになるのか。

 乙の疾病については、A医療機関ではなくB医療機関で保険給付外診療を受けた場合はどうか。

 その他1-3以外にも同原則の適用の可否が問題となり得る事例は多数に上るが、それらの点についても、準則が明示されることが望ましいといえよう。

●裁判官岡部喜代子の補足意見

合診療保険給付外の原則により、ある一個の疾病について保険外の診療(自由診療)を受けた場合には、その疾病に対する保険給付を受給できなくなるのであるから、受給できなくなる範囲は相当程度広いものといわざるを得ない。その意味で、混合診療保険給付外の原則は受給者に対して重大な影響を及ぼすものである旨の上告人の主張は理解できるところである。しかし、多数意見の述べるとおり、現在においては混合診療保険給付外の原則が厳格に貫かれているわけではなく、保険外併用療養費に係る制度の下で評価療養として認められれば、保険診療相当部分については上記療養費が支給されるのである。現状における混合診療保険給付外の原則は、既に緩和されているといわなければならない。このような状況の下においては、しかるべき医療技術が評価療養として認められるという実態と信頼が混合診療保険給付外の原則ないし保険外併用療養費に係る制度の合理性を担保する要である。先進医療が評価診療として認定されるために定められた手続にのっとって、しかるべき医療技術が評価療養として取り入れられること、そして、これらの手続においてその医療技術の有効性の検証が適正、迅速に行われることが、この制度にとって正に肝要であるといわなければならない。

■医師はどのように行政と向き合うか

 国民皆保険制度を採っている日本では、ほとんどの医療が健康保険制度によって提供されています。医療機関のほとんどは保険診療を行うことができ、国民は、いつでもどこでも、安価に必要な医療を受けることができます。WHOの出している総合的な医療システム達成度(1.健康水準、2.健康の普及度、3.治療における対応水準、4.治療の普及度、5.負担の公平性)において、日本は世界一の評価を受けています。

 しかし、医学の発展により、医薬品・医療機器の費用が年々増加していく中、どのように財政との調整を図っていくかは日本にとって大きな課題と言えます。

 とはいえ、医師が財政上の課題に過度に配慮し、患者への適切な診療の提供を自ら制限することは、前々回示した「プロフェッショナル・オートノミーと臨床上の独立性に関する世界医師会ソウル宣言=表3=)からも許されません。

 わたしたち医師は、あくまで患者のそばに立ち続け、自らの良心に従い、常に患者の最善の利益のために行動しなければならないのです(患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言)。

 超高齢化社会を迎える中、最終的に日本が提供可能な医療サービスの水準がどの程度となるかは分かりません。ただ、療坦規則の定める「適切な医療」と、実医療における「適切な医療」に乖離が生じた時には、私たち医師は、患者のために、その乖離を埋めるべく努力をしなければならないのです。
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大磯義一郎(おおいそ・ぎいちろう)
1999年日本医科大医学部卒。同年より同大付属病院第三内科に入局し、消化器内科医として勤務していく中で、急激に進んだ医療現場への司法介入に疑問を感じ、2004年早大大学院法務研究科に入学。07年の卒業年に司法試験に合格。09年から旧国立がんセンターに勤務し、知的財産法務および倫理審査委員会業務などを行う。11年から帝京大医学部で、医療と司法の相互理解の促進をテーマとした「医療法学」の講義を開始。12年より国立大学法人浜松医科大学教授に着任。医学部教育において必要不可欠である「医療法学」を全国に推進している。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20130524-OYT8T00020.htm
同じ会場に医師いれば「運用可」 がん検診車問題で国回答
(2013年5月24日 読売新聞)

 医師が立ち会わないがん検診車でのX線撮影を厚生労働省が「違法」と判断した問題で、県は23日、「医師が立ち会う別の検診と同じ会場で行えば違法ではない」との内容の回答が、同省から届いたことを明らかにした。県は同日、全19市町にこの内容を通知した。

 県地域医療推進室によると、医師の立ち会いに関する同省の解釈は、医師が常駐する乳がん検診車などと同じ会場で、胸部検診車による検診を行う場合は、問題ないとする内容。県は4月、同省にがん検診の円滑な実施を求める要請書を送り、回答を求めていた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/44408/Default.aspx
ノバルティス ディオバン医師主導臨床研究 元社員の関与認める 「不適切だった」 データ改ざんは不明
公開日時 2013/05/24 05:01 ミクスオンライン

ノバルティスファーマは5月22日、ARBディオバン(一般名:バルサルタン)の5つの医師主導臨床研究に同社の元社員1人が関与していたこと、そして同社の社員であることを開示せずに論文に記載された点について、「不適切なものだった」とする調査内容を同社ホームページに同日付で掲載した。同社の社内調査を第三者の外部専門家が検証したもので、同社はこの調査結果を日本医学会、日本循環器学会、日本高血圧学会に提出した。第三者による外部専門家の検証は引き続き行われており、同社は、その結果に基づいて必要かつ適切な措置を講じるとしている。

問題となっているディオバンの医師主導臨床研究が実施された当時、元社員の管理者が、この元社員の関与を把握していたことも確認した。ただ、「元社員を関与させるという明確な戦略が当時あったとは特定できていない」と会社組織での関与は否定した。

元社員が問題となっているデータにどこまで関与したかについては「元社員がいくつかの研究でデータの解析にもかかわっていたことが判明した。これまでの調査で、意図的なデータの操作や改ざんに導いたことを示すものは判明していない」とし、データ改ざんの有無は判明していないとしている。

同社は、この問題について「きわめて重大なことと認識している」とのコメントを発表した。また、三谷宏幸社長(当時、現在は最高顧問)が2月の記者会見で、同社が医師主導臨床研究のデータ解析に関与することは不可能としていた点についても正式に撤回した。

元社員が関与した試験は、京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、千葉大学、名古屋大学、滋賀医科大学で行われた5試験で、いずれも医師主導臨床研究。そのうち京都府立医科大学で行われたKYOTO HEART studyの結果は、09年にEur Heart Jで論文発表されたが、13年4月に撤回されている。慈恵会医科大学が実施したJikei Heart studyは07年にLancetで発表され、12年4月に統計上の懸念が同誌内で指摘されていた。それら5つの臨床研究の内容はディオバンの販促資料として活用されてきたが、同薬の承認申請や追加適応取得には関係していない。

なお、24日に開催される日本医学会分科会の利益相反委員会では、この問題も取り上げられる予定。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20130523-OYT8T01256.htm
松江市立病院近くに診療所
(2013年5月24日 読売新聞)島根

<時間外患者の症状 事前判断>

 松江市は、市立病院(松江市乃白町)で夜間や休日の「コンビニ受診」をなくし、救急外来を担当する医師らの負担を軽減しようと、受診前に患者の症状を見極める診療所を同病院のそばに設置する方針を固めた。

 松浦正敬市長が23日の定例記者会見で明らかにした。同病院は、入院が必要になるような緊急性の高い患者を受け入れる2次救急医療機関で、毎晩3人が宿直して救急外来を担当。年間約2万3000人が救急外来を受診している。しかし、8割が入院にいたらないような軽い症状で訪れているという。

 また、救命救急センターをもつ松江赤十字病院(同市母衣町)では、救急部を一人で担当してきた医師が6月末で退職する予定で、松江医療圏では救急医療体制の立て直しが急務となっている。

 診療所は、厚生労働省の認可を得た上で、市立病院の近くに設置。夜間や休日、市立病院に行く前に患者に立ち寄ってもらい、駐在する医師が患者の症状を確認。症状が軽い場合、開業医を紹介したり、応急措置をしたりする。今後、開設時間や担当医師の確保について松江市医師会と協議する。

 市によると、自治体が同様の診療所(休日夜間急患センター)を設けている例は全国で556か所。松浦市長は「命に関わること。できるだけ早く設置したい」と話している。(岸下紅子)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/172833/?category=report
医師臨床研修部会
東京など6都府県、研修医減が必至か
研修医募集定員の「激変緩和措置」、2013年度末廃止へ

2013年5月23日 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の医道審議会医師分科会の医師臨床研修部会医師研修部会(部会長:桐野高明・国立病院機構理事長)が5月23日に開催され、都道府県および各研修病院の研修医の「募集定員の上限」に関する「激変緩和措置」を2013年度末で廃止することで合意した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。例えば、2011年度実績で見た場合、受入実績が都道府県の募集定員上限を超えている東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、兵庫県、京都府の6都府県では、「激変緩和措置」の廃止で募集自体の削減を余儀なくされる見込み。

 「募集定員の上限」は、(1)都道府県別の人口、(2)都道府県別の医学部入学定員数、(3)地理的条件(面積当たりの医師数や離島の人口などの条件)――という要素で設定されるが、今後は、人口当たりの医師数や、高齢者割合なども加味する方針についても、ほぼ合意が得られた。さらに、医師の地域偏在解消のために、新たな仕組みを導入するかについては今後の検討課題となる。桐野部会長は、「激変緩和措置を外すと、相当な影響が出てくる。都市部には我慢してもらわなければいけないことが相当ある」との見通しを示したが、岩手医科大学学長の小川彰氏は、「激変緩和措置の撤廃は従来から決まっていたこと。撤廃するだけでは、医師の地域偏在解消にあまり効果はない」と述べ、見方が分かれており、今後、議論を呼びそうだ。

 また「地域枠」で入学した学生については、マッチングとは別枠で、研修先を決めるべきとの意見も出ていたが、多くの委員は現状通り、マッチング内で研修先を決めるべきと指摘。桐野部会長も、「地域枠の学生が、最初から最後まで“エスカレーター”に乗せることにより、どんな影響が及ぶかが心配。マッチングの段階で、他の学生と同じ土俵の載せる方が健全ではないか」と述べ、別枠にはしない方針で決定。

 医師臨床研修部会は、6月、7月は月1回、8、9月は月2回のペースで開催する予定。厚労省は9月中には最終的な取りまとめを行う方針。


 募集定員と研修希望者数、どこまで近づける?

 「募集定員の上限」は、2004年度の臨床研修必修化が、医師の偏在を招いたとの指摘を受け、2010年度に導入されたもの。基本的には、東京都など都市部で上限が減らされる仕組みだが、都道府県の募集定員の上限は前年度の受入実績の90%を下回らないように、各病院の募集定員も前年度の内定者を下回らないように、それぞれ「激変緩和措置」が導入されている。

 23日の会議で議論になったのが、「激変緩和措置」の撤廃後、募集定員と研修希望者数をどこまで近づけるかという点。両者のかい離が、研修医の地域偏在につながる一因とされている。現在の募集定員は、研修希望者数の1.23倍だ。

 小川氏は、「大都市のマッチ率は80%台後半。一方、地方で人口が少ない地域では当然募集定員も少ないが、マッチ率も50%台。人口が少ない地域は、どんどんマッチ率も低くなってしまう。ここを埋める工夫をしないと、地域偏在は解消しないのではないか」などと述べ、できるだけ募集定員を研修希望者数に近づけるよう提言。2012年度の実績を基に、1.23倍よりも圧縮した場合に、各都道府県の上限がどのくらいになるか、シミュレーションするよう求めた。

 山形大学医学部長の山下英俊氏も、「募集定員と受入実績の差を縮めていくシステムを作る必要がある。今までの仕組みは、どこにも痛みが伴わない制度設計になっているが、完全に公平にするのは難しい」とコメント。また初期の臨床研修だけでなく、後期研修も視野に入れて地域で病院群を設定していくなど、地域に医師が定着する仕組み作りが必要だとした。

 桐野部会長は、2004年度の臨床研修必修化以降、6都府県(東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡)では研修医の受入実績が減少傾向にある点を挙げ、「大都市部が研修医を独占しているわけではない」と指摘。募集定員と研修希望者数の比については、「1.23から、1.3や1.4にする議論はないが、一方で、1.0(募集定員数と研修希望者数の数を一致させる)には現実的にできない。1.0と1.23のどこか適切なところに置かなければいけない。現状より少し下げた方がいいと思われるが、あまりに低い(1.0近い)とアンマッチ(マッチングで研修先が決まらない例)の数が増えて、(研修希望者数が)右往左往することになる。あらかじめ値を設定するのは難しい」と述べ、諸条件を勘案しながら、慎重に検討していくことが必要だとした。

 小森氏は、桐野氏の意見を支持、「激変緩和措置については、当初の予定通り廃止。また医師数の西高東低を補正するためには、シミュレーションをした上で決定すべき」と述べた。「日医では、偏在解消のために医師の募集定員と研修希望者の数をおおむね一致させることを主張しているが、1.0にすると、アンマッチ数が増えるのは問題なので、その点は考慮すべき」(小森氏)。

 日病と全日病にヒアリング

 23日の臨床研修部会では、日本病院会の臨床研修委員会副委員長で、聖路加国際病院院長の福井次矢氏と、全日本病院協会医療制度・税制委員会委員(医師臨床研修指導医講習会担当)の公益財団法人星総合病院理事長の星北斗氏へのヒアリングも行った。

 福井氏は、(1)基幹型臨床研修病院の指定要件である、「年間入院患者数3000人以上」の根拠は不明であり撤廃すべき、(2)研修プログラムの必修化は、2004年度の制度開始当初の7診療科に戻すべき、(3)到達目標の達成度について、より厳密な第三者評価を行うべき――の三つを提案した。「狭いテーマもしくは臓器別にしか診ない医師であっては困り、できるだけ幅広い研修を受けて、どんな病気でも取りあえず診る医師になってほしい、という声が日病内から出ている」と福井氏は説明。また(2)の提案根拠として、必修化を3診療科に減らした「弾力化プログラム」では、臨床研修プログラムの到達目標を達成していない研修医がいる可能性を挙げた。

 これに対し、日本医師会常任理事の小森貴氏は、多くの大学や臨床研修病院が導入している、EPOC(オンライン臨床研修評価システム)では、弾力化プログラムが必ずしも悪いというデータは出ていないとし、慎重な検討が必要だとした。

 星氏は、星総合病院や福島県全体の臨床研修の現状を説明。星総合病院では、地域の病院、さらには福島県立医科大学とも連携を組み、多様な研修ができる体制を整えているとした。ただし、福島県全体では、2012年度マッチングの場合、募集定員に対する充足率は50%で、前年度比8.2ポイント増だが、全国43位にとどまっている。「地域の病院の多くは、それぞれの個性を生かして、何とかいい研修をすれば、(後期研修で大学に戻っても)いずれは自分のところに戻ってくれるかもしれない、病院のレベルを上げていきたいと考え、必死に研修に取り組んでいることを理解してもらいたい」。星氏は、こう語り、地域の現状を踏まえた臨床研修制度の見直しの必要性を指摘した。



http://www.nnn.co.jp/news/130523/20130523006.html
島根のドクターヘリ乗り入れ 日南で実地訓練
2013年05月23日 日本海新聞(島根)

 島根県立中央病院(出雲市)のドクターヘリが27日から鳥取県中西部に乗り入れるのを前に、両県と西部消防局、日南病院は22日、鳥取県日南町でドクターヘリを使った実地訓練を行った。関係者は迅速な対応が可能になったことを実感し、万が一の搬送に備えた。
島根県立中央病院のドクターヘリへ患者を運び込む消防隊員ら=22日、日南町生山


 島根県のドクターヘリの出動は鳥取県中西部の14市町村が対象。日野郡の場合、これまでの豊岡病院(豊岡市)のヘリは要請から到着まで45~50分程度かかっていたが、20分程度に短縮される。

 訓練は、70代男性が大動脈解離を発症し、緊急手術のため鳥取大学医学部付属病院(米子市)に搬送する想定。日南病院が島根県立中央病院にヘリの派遣要請をすると、ヘリは日南町生山の旧木材市場へ飛行時間約15分で到着し、医師や消防隊員が男性を救急車からヘリに運び込んだ。

 日南病院の高見徹院長は「医師がヘリに同乗しているため、日南病院に医師を残すことができる。救急車を町内に残しておけるメリットも大きい」と話した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/172630/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
医師「究極の選択」
積極さより確実な看護師支持、7割弱◆Vol.7
「積極性は引き出せる」との回答も

2013年5月23日 池田宏之(m3.com編集部)

選ぶなら、どちらの病院
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 医師「究極の選択」として、「仕事は積極的に提案するが、口やかましい看護師だけの病院」と「言われたことは確実にこなすが、積極性に欠ける看護師だけの病院」、どちらを選ぶかを、m3.com医師会員に聞いた(調査概要は、『混合診療に否定的、9割弱に上る◆Vol.1』を参照)。

 全体で見ると「口やかましい看護師のみの病院」と回答した会員が33.0.%、「積極性に欠ける看護師のみ」が67.0%となり、「積極性に欠ける」方を選択した会員が2倍に上る結果となった。医師は、確実に仕事をこなせるかどうかを重視する傾向が分かった。「口やかましい看護師のみの病院」を選んだのは、勤務医で33.3%、開業医で32.7%でほぼ同じ割合だった。

 「口やかましい看護師のみの病院」と回答した会員の自由意見としては、仕事に積極的であることの重要性を挙げる回答が多かった。「多くの考え方や価値観があった方が、偏った医療を避ける事ができる」といったミスの防止や、医師自身への刺激を理由とする回答も多かった。一方、「積極性に欠ける看護師のみ」を選択した回答で多かったのは、「確実に仕事をこなすのが一番大事」との指摘。「積極性は引き出せる」「口やかましい看護師は、医師に責任転嫁しがち」という経験からくる意見を述べた会員もいた。さらに、「どちらも嫌」という回答も少なからず寄せられた。

理由として寄せられた主な意見は、以下の通り。


【口やかましい看護師のみ(勤務医)】
・コメディカルの積極性がない病院に未来はない。
・看護師の嫌味から発想を学んだり反省したりすることもあるので、うるさく言われたぐらいの方が私は自分のためになっている。
・口やかましいのが好き。
・多くの考え方や価値観があった方が、偏った医療を避ける事ができると思うため。
・コミュニケーションを取れる方が、ミスが少ないから。
・とにかく動きの良い人たちならば我慢できる。
・仕事は積極的に提案するが、口やかましい看護師がいる病院のほうが、より良いチーム医療を実践できると考える。もちろん,そのためには,医師も常に自己研鑽していなければならない。
・患者により良い医療が提供できると思うから。
・どちらかと言えばこうなるが、決して理想ではない。
・疑問があっても、何も言わないのは罪。
・患者さんの容体変化に敏感だと思うから。
・プロとしての自覚が足りない看護師は腹立たしい。
・嫌々やっている職場は、みなで足を引っ張り合い活気が落ち、モチベーションも落ち、やがては衰退する。口論が絶えなくても、患者を救うためにみんなが本気になっていれば、
・お互い独立した領域で仕事をしている関係。
・診療において看護師のアセスメントとそれに対する医師とのディスカッションは必要と考える。


【口やかましい看護師のみ(開業医)】
・人間関係を良くすることで問題は解決するから。
・看護師は看護のプロだから。
・口やかましい方が刺激になる。
・口やかましいのは困るが、やる気がないのはもっと困る。
・医師の仕事自体完璧を期し難いので、漏れる部分を積極的に指摘される方が安全性、質ともに上がるため。
・やはり医療は動けないとダメなので、積極的な看護師が良いと思う。口やかましいのはこちらが正しい事をしていればうるさくはならないと思う。
・看護師のほうがするどいこともある。
・仕事に熱心であることは重要であり、自由な発想は大事だと思います。
・積極性に欠ける人材は直せないため。
・チーム医療である以上、仕事に積極性のない看護師だけしかいない病院は、敬遠したい。
・究極の質問。
・提案があるということは、現場を良く知っているはず。
・医療はチームでやることで、医師の一方通行ではできない
・自分で考えて仕事をするほうが、最終的には患者のためになるので。
・仕事を積極的に提案してくれるほうがよいと思ったから(提案した仕事を確実にこなす前提で)。


【積極性に欠ける看護師のみ(勤務医)】
・口やかましいとストレスがたまる。
・看護師は決まった仕事をこなす職種だから。
・やかましいだけで合理性がないのであれば、黙っていてほしい。
・言うだけなら誰にでもできる。それこそ看護師である必要もない。有用な提案と判断したなら、まず自分の身をもって示してから他人に告げるべきだ。それに行動の伴わない人間の提案は、大抵実現可能性が低い。
・リスクの高い、救急搬送依頼を勝手に引き受けそうだから。
・頼んだ仕事がされてない時のリカバーは,時間的にも治療としても大変なことが多いから。
・理想的。
・前者のような看護師は、職場の雰囲気を破壊する。
・口やかましい看護師の方が、能力が低い場合が多いように感じている。言われたことができないと計画を実現できない。
・情報伝達及びその理解度に差があると感じるので。
・前者の病院だと、性格的に威圧されるため。
・仕事の実行力を求める。提案しても実行が伴わなければ意味が無い。看護師に積極性が無ければ、逆に自分が積極的に行動すればよい。
・自分も積極的に仕事していない。
・救急外来では特にそうだが、看護師は責任があるわけではないため、無責任な提案や判断は困る。
・仕切りたがる看護師に今ととても苦労している。
・極端な選択で選びにくいが、やはり仕事の邪魔をされたら困る。
・医療は確実性が大切と考えるから。
・看護師の中には権利意識の強い傲慢な口を聞く人がいるが、そういう人に限って、いざとなれば医師に責任転嫁しようとする人が多い。
・確実にこなせるというだけで賞賛に値する。現実問題、ミスは付き物だから。
・看護師は従順であってほしい。もちろん、誤りを訂正する正しい判断力は必要。


【積極性に欠ける看護師のみ(開業医)】
・コントロールされない看護師は危険。
・積極性なんていらない。
・口やかましい看護師はあまり使えない。ポイントもずれていることが多い。
・あまりうるさく言われるのは性に合わない。
・結局責任を取るのは医師であり、自己責任で治療を行いたい。不確定要素は省きたい。
・看護師のレベルは、自分以上ではない。
・研修医の頃、怖い看護師達に恐れ慄いていた思い出があるので。
・言われたことだけする看護師が一番重宝する。
・指揮命令系統が重要。
・仕事をこなせなければいても意味はない。前者は結局やる気がない人。後者にはこちらがみていてきちんと指示すれば良い。
・トラブル時の対応に問題なく、医師の責任で対応ができること。問題の責任が医師で確実フォローアップできる。
・言えばやってくれるのであれば、積極的に働いてもらえるよう指示すれば良い。
・静かな職場環境こそ産業衛生の理想。
・仕事をしてくれることが肝要。提案するだけでは,仕事は少しもできない。
・看護師のレベルを全面的には信じていない。
・不言実行が究極の職場(笑)。
・船頭多くして船山に上る。そもそも看護師は船頭の資格能力がない。
・大学にいた経験からすると、看護業務以上に手を出さない、医者がどんなに忙しくしていようと、手伝おうとしない看護師ほど手に負えないものはない。
・実際の仕事上のトラブルは少ないぶん、その職場での勤務が長続きしそうに思うから。
・積極性に欠ける看護師を積極的に変えられるが、口やかましい看護師の性格を変えるのは難しい。
・他人の積極性に求めるのは卑しい考え方。自分がちゃんとすれば良い。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46210261/
ことばシリーズ 『臨床方言学』への招待(12 最終回)
「さかな」か「ボー」か

[2013年5月23日(VOL.46 NO.21) p.26] MT Pro
呉工業高等専門学校人文社会系分野 准教授 岩城 裕之

 連載の最後に当たり,今月は医師ではなく言語聴覚士(ST)と方言についてご紹介したい。



 医療現場でことばそのものを扱うのが言語聴覚士である。ということは,方言の壁にぶつかってしまうことも多いはずであるが,意外にも,それが表面に出てくることはあまりなかったように感じる。昨年度から本格的に言語聴覚士と方言の問題について研究を始めたところ,現場の経験で試行錯誤しながら解決している姿が見えてきた。看護師にも同じような状況が起こりそうであるが,女性が多い職種であるため,結婚に伴う移住と,その移住先での就職で方言の壁にぶつかっている例は少なくなかったのだ。「本格的に活躍できるようになるまで3年」という話もあるほどだった。

 具体的には,「標準失語症検査」の語彙項目。絵カードを見せて,「そこに描かれているものは何か」を問うものである。基本的な20語には「本,鉛筆,犬,時計」などが登場し,多くは特徴的な語が出にくいものが選択されている。しかし,20語の中で地域色が出そうなのは「ふすま」である。西日本では「ふすま」を「カラカミ」という地域は多い。また,動作も同様に検査の項目になっているが,こちらは「〜ている」(進行態)が基準になっている。確かに通常の日本語会話では動詞の終止形を使うことはあまりない。ただ,「〜ている」,「〜たところ」(完了態)を区別する方言では,その意味合いが違ってしまうこともある。例えば,広島方言で「バスに乗っとる」は既に乗車を終え(もしかしたら既に走っているかもしれない)ているときに使うが,「バスに乗りよる」はバスに乗る途中(バスのドアが開き,ステップに足をかける感じか)であることを意味する。この違いは日常の言語生活では重要な違いである。

 この他にも漫画の説明がある。ここでは擬態語が問題になるであろう。



 ことばや認知症の検査,またはトレーニングで,動物の名前を言ったり野菜の名を言ったりすることもある。これが問題になるのは沖縄で,地域色豊かな動植物が見られる地域では,回答が果たして正しく動物や野菜のことを言っているのか,判断に迷うこともあるという。

 さて,言語聴覚士と方言の問題を考えたとき,言語聴覚士が方言を知ることが単に検査結果の評価の正確さにつながるだけでないことに気が付かされた。患者のQOLを高めるという視点で考えると,方言を知ることが重要であるということだ。例えば,能登では魚のことを「ボー」と言う(同じ能登でも地域によっては幼児語として使われる)。患者の住む地域で,魚は「ボー」で十分に通じるのであれば,あえてこれを「魚」と言い換える訓練をする必要はないのではないか。もしその時間があるなら,もっと別のことに時間を費やした方がよい。とりわけ,方言主流社会といわれる地域では,失語によって共通語が失われたとしても方言が残っているのであれば,それを積極的に活用することで不自由はないと考えられる。地域社会の中で患者がどのように生きていくのか,方言はこれを考える入り口でもある。



 医療現場で医師や看護師が方言を理解することは,患者の訴えを正面から受け止めることに役立つ。また,患者との心理的距離を小さくすることにも役立つ。特に後者は,共通語と大きく違わない方言を話す地域でも有効である。さらに言語聴覚士を加えるならば,方言を使って生きる患者の生活に寄り添うことが,方言理解の先に見えてくるのだ。

 たかが方言,されど方言。臨床方言学は言語学が世の中をどれくらい生きやすくできるかの挑戦でもある。臨床方言学は病の人を救う医学ほど分かりやすくもなければ,高度な営みでもないと筆者は思っている。しかし,これからも言語学の地平で挑戦を続けていきたいと考えている。

岩城 裕之(いわき・ひろゆき)
方言学(語彙論),臨床方言学が専門。
〈著者近況〉今月で連載は終了です。1年間,ありがとうございました。また紙面でお目にかかれる日を楽しみに,これからも全国を駆け回りたいと考えています。引き続き,方言の情報をお寄せいただきますよう,お願いいたします。
岩城研究室URL:http://ww4.tiki.ne.jp/~rockcat/hoken/index.html



http://www.iwate-np.co.jp/hisaichi/y2013/m05/h1305232.html
【洋野】現場で育む看護の心 病院で高校生が研修
(2013.5.23) 岩手日報

 洋野町種市の国保種市病院(磯崎一太院長)で22日、ふれあい看護体験が行われ、高校生7人が医療現場での研修を通して将来への関心を高めた。

 磯崎院長の講話に続き、看護や介護など自分の興味のある分野でそれぞれ研修を行った。

 舘野栞理(しおり)さん(久慈東高3年)と高際佳奈未(かなみ)さん(種市高2年)は介護の仕事を体験。職員からベッドメーキングの仕方を学び、七夕飾り作りを楽しむ利用者の世話をした。

 2人は利用者と和やかに話したり、車椅子を押すなどして交流。舘野さんは「介護と連携が必要な医師の仕事も知ることができて良かった」、高際さんは「お年寄りを笑顔にできる介護士になりたい」と意欲を見せた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39962.html
臨床研修の定員、「激変緩和」終了で一致- 医道審部会
( 2013年05月23日 21:36 )キャリアブレイン

 医師臨床研修の制度改正を検討している医道審議会の医師臨床研修部会は23日、各都道府県の研修医募集定員の上限を前年度の受け入れ実績の90%を下回らないように設定する「激変緩和措置」を、予定通り今年度末で終了させるべきだとの認識でおおむね一致した。激変緩和措置が廃止された場合、都市部への影響が大きいとみられ、研修医の「都市から地方へ」の流れが加速しそうだ。


 各都道府県の募集定員の上限は、研修医の総数を「人口により案分した数」と「医学部入学定員数により案分した数」の多い方に、「地理的条件を勘案した数」を加えて設定されている。厚生労働省によると、2011年度に受け入れ実績が募集定員の上限を超えていたのは東京、神奈川、大阪、愛知、兵庫、京都の6都府県で、激変緩和措置が廃止されれば、こうした所への影響が大きいとみられる。

 また、募集定員の総数は研修希望者の1.23倍に上っており、このギャップを小さくしていくべきだとの認識でもおおむね一致した。
 一部の委員からは、医師の地域偏在を解消するために大幅な縮小を求める声が上がったが、「激変緩和措置を廃止するだけで相当な『激変』になる」などの慎重論も出された。

 募集定員の設定方法をめぐっては、「人口当たり医師数」や「高齢者割合」を加味することも論点に挙がっているが、これについて踏み込んだ議論はなかった。

■「地域枠」のマッチング参加を継続

 部会ではまた、自治医科大と防衛医科大学校以外は「地域枠」の学生もほかと同様に、学生側と病院側の希望を突き合わせて研修先を決める「マッチング」に参加する現在の仕組みを継続することでおおむね合意した。

 制度改正の論点を整理したワーキンググループで、地域医療への従事を確実にするため、地域枠の学生はマッチングと別枠にすべきだとの意見があったが、部会では「地域枠の学生にも競争させるべきだ」との声が相次いだ。

 地域枠は、地域医療に従事する意欲のある学生を対象に、大学医学部が設定する入学者選抜枠。奨学金の有無や実施主体、勤務地の限定の有無、医学部定員増に伴い設けられた枠かどうかなどで、さまざまな形態がある。

■9月中にも新制度の方向性

 厚労省の担当者によると、同部会では15年度から適用される新制度の方向性を9月中にも固める。月1回のペースで会合を開いているが、8月以降は月2回の会合を開き、議論を加速させる予定だ。【高崎慎也】



http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201305240016.html
負担軽減へ休日診療所 松江
'13/5/24 中国新聞

 松江市の松浦正敬市長は23日の記者会見で、救急医療機関で軽症患者の受診を減らすため、ことしの早い時期に「休日診療所」(仮称)を市立病院(同市乃白町)か周辺に設ける意向を示した。救急医の負担軽減が目的。

 市医師会の会員などが診療所で診察する。重症患者は市立病院や松江赤十字病院(同市母衣町)に回ってもらい、軽症患者にはかかりつけ医での受診を促す。市医師会が、市と診療所の役割などの協議を進めている。

 市によると、市立病院と松江赤十字病院の2011年度救急外来受診件数は4万2100件。8割以上は軽症とみられ、入院は7342件(17・4%)にとどまる。

 市内では市立休日応急診療所(同市西嫁島)が利用低迷で07年に閉鎖。その後は市立病院と松江赤十字病院などが休日や夜間の患者を受け入れてきた。だが患者が多いため負担が増し、辞める医師もおり、松江赤十字病院では7月から救急部担当医が不在になる見通し。救急医の負担減は急務になっていた。


  1. 2013/05/24(金) 06:30:43|
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5月23日 震災関連

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/05/20130523t11023.htm
「患者の近くに」 東京の外科医、登米で往診専門診療所開業
2013年05月23日木曜日 河北新報

 東日本大震災後に県内の被災地支援に当たった縁で、東京の勤務医だった若手外科医がこの春、宮城県登米市に往診専門の「やまと在宅診療所」を開いた。「患者や家族に寄り添い、地域医療に貢献したい」。外科医は市内に移り住み、患者らの支えになっている。

 診療所は登米市民病院(同市迫町)敷地内に、同病院の旧事務室を賃借し4月に開業した。
 院長は東大医学部出身の田上佑輔さん(33)。同級生でやはり外科医の安井佑さん(33)と看護師ら計5人で、同市や栗原市などの自宅や福祉施設で療養する約40人の患者を往診する。田上さんは「住み慣れた所で最期を迎えたいという患者や家族の力になりたい」と話す。
 田上さんは熊本県出身。震災前まで東大病院に勤務し、主にがん治療の研究を手がけていた。震災後は安井さんらと一緒に気仙沼市や南三陸町など沿岸被災地を訪れ、炊き出しなどのボランティアに携わった。
 「医師不足にあえぐ地域の力になりたい」と同僚の医師とともに志願し、県を通じて2011年9月から13年3月末まで登米市民病院に毎月1回、非常勤で勤務した。
 「主に手術を手がける外科医は患者との関わりが病院内に限られ、助けられない患者もいる。もどかしさを感じていた」
 田上さんは市民病院での勤務を経て「最期まで患者の一番近くにいたい」との思いを強くし、開業を決意。内科医の妻(27)とともに3月末、登米市に転居し、妻は市民病院の常勤医になった。
 登米市の在宅療養支援診療所は人口10万人あたり3.6(12年8月現在)。当時7あった2次医療圏で最も少ない。往診を行う診療所の新設は、市民に歓迎されている。
 心臓弁膜症などを患う母親(83)が自宅で療養する同市登米町の自営業加藤惣吉さん(62)は「かつては通院するのも家族総出で大変だった。往診のおかげで、本人も家族も助かる」と話す。
 田上さんは4月、登米と同じ往診専門の診療所を東京都板橋区に開いた。登米と東京を毎週、行き来し、診療に当たる。
 「同じ志を持つ医師を募り、東京から宮城に医師を循環させ、医師不足解消に一役買いたい」。田上さんが抱く、もう一つの大きな夢だ。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130523_10
震災の教訓、独で報告へ 県立二戸病院の秋元医師
(2013/05/23) 岩手日報

 二戸市堀野の県立二戸病院の秋元義弘産婦人科長(48)は23日、ドイツ・ベルリンで開催中の第17回国際女性心身医学会で、東日本大震災での支援活動について報告し、産婦人科医から見た震災の教訓を発表する。秋元医師は震災発生後、活動団体を結成し、被災地の女性や青少年への支援を継続してきた。岩手の医師の一人として、被災者の声に耳を傾け、手を差し伸べてきた取り組みを世界に向けて発信する。

 秋元医師は県立高田病院、県立大船渡病院などに勤務し、2006年に二戸病院へ移った。震災後すぐに被災地へ駆け付けたかったが、被災した妊産婦らを引き受ける後方支援に徹した。

 秋元医師は「女性と若者が元気を取り戻すことが地域の復興につながる。産婦人科医として、震災を忘れず支援を続ける」と誓い、大役を担う。


  1. 2013/05/24(金) 06:20:00|
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5月22日 医療一般

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20130521-OYT8T01377.htm
ドクターヘリ連携を推進
(2013年5月22日 読売新聞) 大分

 宮崎、鹿児島両県のドクターヘリが県境をまたいで患者を搬送する際のマニュアルが策定され、6月1日から運用される。既に鹿児島県のドクターヘリが同県曽於市の患者を都城市の医療機関に運ぶなどしており、マニュアルの運用で両市以外の市や町での連携強化が期待されるという。

 宮崎大付属病院や県、消防機関などでつくる「県ドクターヘリ運航調整委員会」(委員長=池ノ上克・宮崎大付属病院長)が21日、宮崎市内で開かれ、マニュアルを承認した。

 マニュアルによると、ドクターヘリの相互乗り入れは〈1〉県内の救急患者を鹿児島県の医療機関に搬送する場合〈2〉救急現場近くに鹿児島県の離着陸場(ランデブーポイント、RP)があり、そこを利用して医療機関に搬送する場合――を想定している。宮崎のヘリが鹿児島県内のRPを使う際は同県の運航管理室に使用を依頼するなど、各県が定める運航要領に従って運用する。

 都城市消防局によると、4月以降だけでも計4回、鹿児島県曽於市などの患者が都城市の医療機関に搬送された。鹿児島のヘリが都城市内のRPを使用する際は、安全確保などのため、同市消防局の隊員が着陸前にRPに駆けつけ、受け入れ準備をしているという。

 都城市消防局の岸良克哉・警防救急課長は「今回のマニュアル策定を機に鹿児島県の消防機関などとの連携をさらに進め、患者の迅速な搬送に貢献したい」と話している。

 ドクターヘリを運航する宮崎大付属病院は今後、大分、熊本両県のドクターヘリとの連携についても模索するという。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=78093
がんと向き合う ~腫瘍内科医・高野利実の診察室~
マスメディアの情報

(2013年5月22日 読売新聞)

 「ココアを飲んで、血液サラサラ、体にいい!」

 かつて、昼のテレビ番組で、みのもんたさんが、そんなふうに「ズバッ」と言い切って、ココアの売り切れが相次いだという話がありました。

 (※ココアが体にいい理由として、実際にみのもんたさんが語ったのが「血液サラサラ」だったのかどうか、私には調べられませんでしたが、この部分が「腸がスッキリ」であっても、「血圧下がって」であっても、以下の説明は同様です。)

「血液サラサラ」の根拠は?

 ココアを飲むと血液がサラサラになるという科学的な根拠は?

 「血液がサラサラ」というのはどういうこと? それが本当にいいことなの?

 そもそも、「体にいい」ってどういうこと? それは実感できるの? あるいは、実証できるの?

 ココアを飲むことで「体に悪い」ことだってあるんじゃないの?

 コーヒーではなくココアを飲む方が幸せになれるということ?

 ココアが好きではない人も、がんばって飲んだ方がよいの?

 私には、いろんな疑問が浮かびますが、みのもんたさんの言葉を聞いて、そんなことを考える人はあまりいなかったのでしょう。でも、「エビデンスに基づく医療(EBM)」では、そういうことにこだわります。

 「昨日、みのもんたがこう言ってたから、早速飲んでます」

 患者さんからそう言われて、上に書いたようなことを問いかけたりしたら、「そんな、わけのわからないこと言ってないで、先生も飲めばいいのに。体にいいんだから」と言われそうです。

 「だから、『体にいい』って具体的にどういうことなんですか?」なんて問い詰めたら、患者さんの信用を失うだけでしょう。

「お医者様」に代わり信頼を得ている存在

 医者が「お医者様」と呼ばれていた「医療過信」の時代が終わり、その反動もあって「医療不信」の時代になっているということを、前回書きました。

 この時代に、「お医者様」に代わって、患者さんの信頼を得ている存在――。それは、みのもんたさんに象徴される、「マスメディア」です。

 マスメディアというのは、不特定多数へ情報を伝達する、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどのメディア(媒体)ことです。こうやって私がブログを書いているのも、(信頼を得ているかどうかはともかく)「マスメディア」の一形態ということになります。

 マスメディアが信頼を得た理由の一つは、「わかりやすさ」だと思います。

 たしかに、みのもんたさんの言葉は、ズバッとしていて、すんなりと理解できます。世の中が複雑になればなるほど、こういう、ズバッとしたわかりやすさが求められるようになるのかもしれません。

 ある大手放送局の医療担当ディレクターから、こんな言葉を聞いたことがあります。

 「グレーな情報を、白黒はっきり切り分けて、これは白でこれは黒だと、視聴者に提示するのが私たちの仕事です」

「善悪二元論」と「センセーショナリズム」

 この言葉は、現在のマスメディアの姿勢をよく表していると思います。その背景にあるキーワードは、「善悪二元論」と、「センセーショナリズム」です。

 「善悪二元論」というのは、世の中は、すべて、白(善)と黒(悪)に分けることができるという考え方です。それが本当なら、桃太郎が鬼を退治して、それでめでたしめでたしなのですが、現実はそんなに単純化できるものではありません。複雑で不確実な医療を理解するのに、善悪二元論の考え方は、むしろ妨げとなります。

 「センセーショナリズム」というのは、わざと刺激的な表現を使って、人々の感情を煽りたて、注目を引こうとする手法のことです。バランスのとれた中庸な情報よりも、多少極端でも刺激の強い情報を流す方が、視聴者や読者の関心が高まり、視聴率や雑誌の売れ行きもよくなります。受け手側も、そういう刺激を求めているのかもしれません。

 これらを象徴する出来事が、「イレッサ問題」です。

 肺がんに対する新薬である「イレッサ」が、世界に先駆けて日本で承認されたとき、マスメディアの多くは、「夢の新薬」としてはやし立て、その後、副作用による死亡が相次いで報告されると、一転、「悪魔の毒薬」であるかのように報道しました。

 いずれも、「善悪二元論」と「センセーショナリズム」に基づく、バランスを欠いた報道で、医療現場には、混乱だけがもたらされました。

 (※イレッサをめぐる一連の経緯と、そこから得るべき教訓については改めて取り上げたいと思っています。)

 マスメディアは、私たちが生活していくのに不可欠な存在ですが、「わかりやすさ」を重視するあまり、「善悪二元論」「センセーショナリズム」に走る傾向があり、私たちの正しい判断を妨げる可能性もあるわけです。

 マスメディアをうまく活用しつつ、その情報を正しく見極めるにはどうしたらよいのか、次回も、もう少し考えてみたいと思います。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39941.html
へき地医療、待遇次第で従事する医師3割強- 若年層ほど検討する傾向
( 2013年05月22日 20:15 )キャリアブレイン

 へき地医療に携わっていない医師のうち、3割強は、勤務日数や給与次第でへき地医療に従事してもいいと考えていることが、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。若年層ほど、前向きに従事を検討する傾向が見られた。

 ケアネットは4月26日、インターネット調査で、同社サイトの会員医師1000人から回答を得た。それによると、へき地で働いている医師は、常勤(7.5%)とパートタイムなど(4.8%)を合わせて12.3%。一方、以前携わっていたのは23.9%、未経験は63.8%だった。
 現時点で従事していると答えた人以外に、へき地医療への考え方を聞いたところ、「将来的には考えたい」が7.9%、「勤務体制(期間/曜日限定、要請時のみなど)次第で考えたい」が12.1%、「待遇(報酬・休息時間など)次第で考えたい」が14.7%で、計34.7%だった。この割合を年齢層別に見ると、30歳代以下(48.9%)が最も多く、以下は40歳代(36.6%)、50歳代(31.5%)、60歳代以上(23.1%)の順だった。

■従事しない理由、「家族の事情」や「総合的な診療への不安」

 調査では、へき地医療に全く関心がないか、興味があっても携われないと答えた医師に、その理由を複数回答で尋ねた。最も多かったのは「子供の教育・親の介護などで現在の住まいを移せないため」の36.1%。以下は「多忙で他の業務に携わる余裕がないため」(32.8%)、「開業しており、自分の交代要員がいないため」(27.1%)、「診療科を問わず総合的な診療を行うことが不安なため」(21.8%)、「自分の専門科の必要性が薄いと思うため」(21.5%)などと続いた=グラフ、クリックで拡大=。【佐藤貴彦】
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http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1305220013/
社会保険病院の不明金問題:川崎でもずさん処理、RFOが調査/神奈川
2013年5月22日 神奈川新聞

 全国の社会保険病院で多額の使途不明金が出ている問題で、川崎市は22日の市議会健康福祉委員会で、旧川崎社会保険病院(川崎区田町)を対象に行われた財務状況に関する調査結果を公表した。調査は2010年度決算が対象。発生原因が不明な特別利益として約1億500万円、特別損失として約2億2100万円がそれぞれ計上されていた。

 調査は年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が行った。伝票などを基に算出した「あるべき残高」と「会計帳簿」を照らし合わせ、その差額をはじき出して積み上げた。

 差額の発生理由として、RFOは会計担当者の不慣れ、会計ルールの誤った理解、確認の不徹底などを指摘。その一方で、「過去の管理状況が悪く、個々に理由を(完全に)把握することは困難な状況」としており、ずさんな会計処理の実態が浮き彫りになった。

 また、委員会では、これまで市が同病院に支出した6種類の補助金に関する調査結果についても報告。調査対象は07年度からの5年間で、いずれも適正に執行されていたという。

 調査はRFOが全国の社会保険病院10+ 件で実施。旧川崎社会保険病院は当初、民間への譲渡が決まっていたため調査の対象外だったが、市はことし2月に調査対象とするようRFOに要望していた。旧川崎社会保険病院は東京都の医療法人社団「葵会」に譲渡され、4月から川崎南部病院として運営されている。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2013/5/22/172618/?portalId=mailmag&mmp=MD130522&dcf_doctor=true&mc.l=13455969
バルサルタン 降圧剤論文撤回 臨床で千葉大が調査 薬会社社員が関与
毎日新聞社 5月21日(火)

 降圧剤「バルサルタン」の臨床試験を巡る京都府立医大の論文撤回問題に関連し、千葉大は21日、研究チームが実施した類似の臨床試験の経緯について、調査を始めたことを明らかにした。臨床試験には京都府立医大と同様に薬の販売元「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が関与した。

 臨床試験は、バルサルタンを使った患者で心臓と腎臓の保護作用が確認できたとして、2011年の日本高血圧学会誌に論文が掲載された。【宮地佳那子】


  1. 2013/05/23(木) 00:03:37|
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5月21日 震災関連

http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2013052112
相双13病院に適用 東電賠償一括支払い
KFB福島放送 2013年05月21日 11時58分 配信

東京電力は20日までに、福島第一原発事故に伴う損害賠償を一括で支払う「包括請求方式」を、避難区域が設定された地域の全病院に適用することを決めた。

原子力損害賠償紛争審査会の指針を踏まえて設けた賠償基準で対象外とした事業収入が年間3億円超の病院についても、賠償の終期となっている平成27年2月分までの分を前払いする。

総額は約120億円に上ると見込まれる。

まとまった資金を確保して経営再建を急ぎ、住民帰還に備えてもらう。

相双地方6市町の13病院が対象となる。

東電は避難区域の地域再生のためには病院再開が不可欠で、安定経営を続けてもらう必要があるとして包括請求の範囲拡大を決めた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39921.html
福島第1原発事故の被災法人にまとめ払い- 昨年7月以降の逸失利益、東電
( 2013年05月21日 12:44 ) キャリアブレイン

 東京電力は20日までに、福島第1原子力発電所の事故で被災した病院による「まとめ払い」の請求に応じる方針を固めた。政府が避難などの指示を出した「避難等対象区域」内の病院を運営する医療法人のうち、2010年度の年収が3億円を超えていた法人が対象で、昨年7月以降の逸失利益を、将来分も含めて請求できるようにする。

 東電ではこれまでに、最大で5年分の損害賠償を一括で支払う「包括請求方式」を、中小企業や個人向けに採用している。これに対して医療法人向けのまとめ払いでは、具体的な対象期間や支払い額は各法人の状況を踏まえて決める。
 東電では、地域の復興に不可欠な病院の経営を安定させるには、賠償金のまとめ払いが必要と判断した。開設者が医療法人以外の場合の対応は、病院側の請求を踏まえて判断するとしている。

 福島第1原発事故で被災した病院への賠償金の支払いをめぐっては、県病院協会(前原和平会長)の被災21病院で構成する「東電原発事故被災病院協議会」が昨年8月、旧警戒区域内の休止病院が「破綻の危機」にひんしているなどと指摘。賠償金の一括払いを要求していた。

 同協会によると、福島第1原発から30キロ圏内には13病院があり、年収はいずれも3億円を超えている。前原会長は「まとめ払いが実現すると、一定期間ではあるものの経営破綻の危機が回避されることが期待される」と話している。【兼松昭夫】



  1. 2013/05/22(水) 12:21:35|
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