Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月28日 医療一般

http://eduon.jp/news/universities/20120628-002521.html
岡山大医学部が14年から地域枠を推薦入試へ
配信元:私塾界 06月28日08時24分

中国新聞(6月21日付)は、岡山大が地域医療に携わる医師を育成する医学部医学科の「地域枠」について、一般入試で実施していた入学者選抜を2014年春から推薦入試に変更すると報じた。

センター試験と面接のみで合否を判定する。地域枠は3年連続で定員割れとなっており岡山大は志願者数の拡大を狙う。
岡山大の地域枠は、医師不足が深刻な中山間地域の医療人材を育成するため、岡山県が09年に創設した。県出身の入学者を対象に月額20万円の奨学金を6年間支給。卒業後9年間、県指定の医療機関に勤務すれば、奨学金の返還を免除する。

岡山大は14年から新たに医学部医学科の推薦入試を実施。定員7人すべてを地域枠とする。一方、一般入試での地域枠の募集は打ち切る。13年6月に募集要項をまとめる。

岡山大によると、地域枠を開始した09年は定員5人の入学者を確保した。ただ定員を7人とした10年の入学者は6人に低迷。さらに11年は5人、12年は 4人に減少した。岡山大と県の周知不足や、勤務地が中山間地域に限定されることへの受験生の不安などから、志願者数が減る傾向にあった。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/155205/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
日医も、“国立大学医師の給与削減”を問題視
「運営費交付金削減は、診療報酬への付け替え」

2012年6月28日 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、6月28日の社会保障審議会医療部会で、国立大学法人の運営費交付金削減に伴う医療職員の給与削減について問題提起をした。前日27日には、中医協委員らが厚労相や文科相、さらには国立大学法人学長らに対し、医療職の職員については処遇改善の手当を行うよう要望していた(『国立大学の医師らの給与削減、「待った!」』を参照)。

日本医師会副会長の中川俊男氏は、「運営費交付金の削減は、診療報酬への付け替え」と批判。

 政府は5月11日の閣僚懇談会で、「運営費交付金により、人件費が賄われている独立行政法人等については、国家公務員の給与削減と同等の給与削減相当額を算定し、運営費交付金等から減額する」という方針を打ち出し、5月29日には、各国立大学法人に対し、その旨を事務連絡している。

 中川氏は、「国立大学は、これまでも運営費交付金を削減されてきており、附属病院では、特定機能病院としての高度医療の開発等の妨げになっている。病院収入の増収を診療報酬上で図ることが、大学病院勤務医の過重労働を招いており、病院勤務医の負担軽減の方向性と相反する」と現状を分析。その結果として、大学病院などに限られた診療報酬財源が偏在し、特に地方の医療機関の経営を圧迫している点も指摘。「見方を変えると、文部科学省予算である運営費交付金を、厚生労働省予算である診療報酬に付け替えていることになる」(中川氏)。

 その上で、中川氏は、「国立大学附属病院が、運営費交付金の削減により、特定機能病院としての機能を縮小したり、医療水準を低下させることがあってはならない」と述べ、今回の運営費交付金の削減という政府方針を問題視した。同時に、厚労省の審議会等で、この問題が議題に上がらないことも疑問視、「何らかの検討の場を設けるべき」とした。

 中川氏は、今回のような問題が生じる背景として、国立大学附属病院の勤務医が教員として処遇されている点を挙げた。「独立行政法人国立病院機構の医師と比較しても、国立大学法人の医師の給与水準は300万~400万円も低い。大学病院は、特定機能病院として高度の医療を提供し、研修を担い、さらに医師養成、教育を支えている。これらの機能を維持、向上しつつ、同医師の負担を軽減するためにも、運営費交付金の削減は容認できない」と中川氏は訴えた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=60954
江差病院、出産再開へ…北海道知事表明
(2012年6月28日 読売新聞)

 出産の扱いを休止している北海道立江差病院(江差町)について、高橋はるみ知事は27日、出産再開のめどが立ったことを明らかにした。道内21地域の「2次医療圏」のうち、同町など南檜山地域は地元で出産できない唯一の地域だったが、解消される見通しとなった。

 同日の道議会で、福原賢孝道議(民主党・道民連合)の一般質問に答えた高橋知事は、「産婦人科医などの年間を通した派遣について見通しが立っており、最終的な調整に向け協議したい」と話した。

 出産を含む入院医療のできる地域として分けられた道内21地域のうち、江差、乙部、上ノ国、厚沢部、奥尻5町の南檜山地域で出産を扱えるのは同病院だけ。従来は札幌医大からの派遣医師1人が常勤し、年間約150件の出産を扱っていたが、2004年に福島県で起きた医療事故をきっかけに、同大は「医師1人体制はリスクが高い」と常勤医師の派遣をやめ、同病院での出産は07年1月から休止となり、非常勤医師による平日診療のみとなった。

 このため南檜山地域の妊婦は函館市などに通わざるを得ず、緊急時でも救急車で1~2時間搬送されるケースが続発していた。

 道は札幌医大と協議を重ね、今月中旬、同大から「再開のめどが立った」と回答を得た。時期などは未定だが、医師1人以上が常駐する方針で、同大は「ベテラン医師なら1人で対応可能」と話しているという。

 江差町の長谷川篤副町長は、「出産再開が実現すれば非常にうれしい。切実な問題なので早く再開してほしい」と話している。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=60938
救急部医師1人に…松江赤十字病院
(2012年6月28日 読売新聞)

「危機的な状況だ」と記者会見で説明する秦院長(松江赤十字病院で)

 松江赤十字病院は27日、救急医療を担当する救急部の医師が、来月1日から1人になると発表した。

 これまで2人態勢を続けてきたが、うち女性医師1人が今月末で退職。後任の医師が配属される見通しは立っていないという。秦公平院長は「松江市の医療にとって危機的状況」として、他の病院にも医師の派遣を呼びかけている。

 同病院は2004年4月、救命救急センターを開設。センターで救急患者の診療を担当する同部にはピーク時、医師が6人いたが、徐々に減少。女性医師は実家の開業医を継ぐために退職するといい、同部の医師は佐藤真也救急部長1人となる。

 同病院は島根大医学部などに医師の派遣を求めたが、今のところ後任は見つかっていない。しばらくは、研修医に加え、他の部の医師1人が応援に入る。

 秦院長はこの日、病院で記者会見。今月15日に新病院がオープンし、救急患者を短時間で運べるヘリポートの運用が18日に始まったばかりだが、「何とか重症者は引き受けたいが、人手が足りない場合は転院搬送する可能性もある」と話した。また、医師が乗り込んで車内でも医療行為をする救急車「ドクターカー」も「佐藤部長がいなくなると立ち行かなくなるかも」と述べた。

 秦院長は今後、救急部の負担を減らすため、休日・夜間に受診を希望する患者向けに休日診療所の開設などを医師会に要請する。(寺田航)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37540.html
あの人に聞く医学部新設(5)- 地域主権で医師養成を
「地域のことは地域で話し合うべきだ」と強調する上特任教授
【上昌広・東大医科学研究所特任教授】

( 2012年06月28日 05:00 キャリアブレイン )

■国は地域の声に応えるべき
 東北地方では現在、大学医学部の新設をめぐる議論が活発化しています。仙台厚生病院を運営する厚生会と東北福祉大は、医学部を新設する構想を進めていますし、東北市長会は今月初旬、医学部新設を求める要望書を文部科学省に提出しました。また、地元紙の河北新報は、東日本大震災からの再生に向けた提言の中で、臨床に重点を置いた医学部の新設を推進しています。一連の河北新報の報道を通じ、東北の人々が医師不足の現状を把握し、医学部新設の意義を認識するようになりました。これは、ボトムアップの合意形成と言えるでしょう。

 仙台厚生病院には100人以上の常勤医師がいます。また、同病院の目黒泰一郎理事長は、医師招聘は東京や西日本を念頭に置いています。現に、東日本大震災以降、福島の浜通りには、東京、京都、九州のような医師が多い地域から常勤医として赴任しています。このような事実を考慮すれば、周辺の医療機関に影響を及ぼすことなく、国の設置基準をクリアできるでしょう。

 手を挙げている医療機関と大学があって、住民の要望があるにもかかわらず、医学部の新設は現在、閣議決定による大臣告示で認められていません。医学部は何のためにあるのか―。それは地域住民のためです。地方分権の流れの中、地域のことは地域で話し合うべきではないでしょうか。東北に関しては、市民のコンセンサスができているので、後は政治の判断になります。今、民主党の幹部の在り方が問われているのです。

 東北地方が医師不足なのは明白です。医師は西日本で多く、医学部も西に偏在しています。わたしは「西高東低」という言葉をよく使います。西日本では、人口100万-150万人圏内に少なくとも1 校は医学部があります。人口200万人以上の大きな県で1つしか医学部がないのは、西日本では広島県だけです。医師数に影響を与えるのは、都会か田舎かではなく、医学部の有無なのです。

 関東地方は医学部が少ない。千葉は人口600万人圏内に1校、埼玉は防衛医科大学校を含め720万人に2校、横浜市は 390万人に1校です。一方、高知県は400万人に4校、北陸では500万人に5校ある。これは、1300万人圏内に13校ある東京と同じ規模です。

 医学部数が多い地域の方が、臨床研究のレベルも高い傾向にあります。例えば、旧帝大の医師1人当たりの臨床論文数を見ると、西日本にある京大が最も多く、次いで阪大、名大、東大です。東日本にある東北大は逆に最も少ない。これは、悪く言えば競争がないからです。見方を変えると、医師が少ないため、地域医療に従事している先生が多いということでしょう。東北の医師不足は、東北大だけで間に合うレベルではありません。新たな医学部ができれば、東北大との間で良いライバル関係になると思います。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201206/525648.html
2010年度診療報酬改定の影響調査の結果まとまる
勤務医の負担変わらず、失望感漂う
回収率の低さを問題視する向きも

最上 政憲=医療ライター
2012. 6. 29 日経メディカルオンライン

 「病院勤務医の負担軽減」を重点課題に掲げた2010年度診療報酬改定の影響を調査した結果が、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)総会でまとまった(参考資料)。参加した委員からは、「医療崩壊が叫ばれ、勤務医の処遇改善のために改定を行ったはずだが、効果がなくてがっかりした」との声が上がる一方、回答率の低さに触れ、「診療サイドのアンケート項目なのに『医療関係者の関心がないのでは?』と疑いたくなる」との指摘もあった。

 厚労省は6月27日、中医協総会に先立ち、大学教授ら公益委員で構成する中医協の「診療報酬改定結果検証部会」を開き、前回改定の影響に関する6つの調査結果の最終版(本報告)を示した。この調査は昨年9月、厚労省が病院管理者や医師らを対象に行い、その速報値を 10月21日、26日の中医協総会に報告。その際、質疑応答は全く行われず、資料の配布のみにとどまった。調査データは、12年度改定を審議する資料の中で随時示され、今改定の審議を2月に終えた。

 厚労省はこの日の検証部会で、公益委員らが作成した「検証部会としての評価」を加えて本報告を取りまとめ、続いて開かれた中医協総会に示した。本報告の調査対象は、(1)病院勤務医の負担軽減、(2)精神入院医療、(3)リハビリ関連、(4)歯科医療関連、(5)在宅医療、(6)後発医薬品の使用状況─の6項目。厚労省の報告に続く意見交換では、病院勤務医の負担軽減に関する調査に意見が集中した。

「回答率アップの方法を考えてほしい」
 議論の口火を切ったのは、支払側委員で経団連社会保障委員会医療改革部会長代理の石山恵司氏。「大変な調査をされている」と公益委員らの労をねぎらった上で、診療側委員に苦言を呈した。「回答率は一番低い所で17%、高くても60%台。改定の参考にする調査と聞いているが、どちらかと言えば、2号(診療)サイドのアンケート項目なので、『関心ないんじゃないの?』と言いたくなる。ぜひ回答率アップの方法を考えてほしい」。

 これに対し、診療側委員で全日本病院協会会長の西澤寛俊氏が反論。「医療機関にいろいろな調査が来て、その負担が非常に重い。人員配置など経営的にギリギリでやっている中で、年間3ケタぐらいの調査が舞い込んできているので、それに対応しているという実態も知ってほしい」と訴えた。

 厚労省保険医療企画調査室長の屋敷次郎氏は、「回答率にバラツキがある。やはり正確な調査が必要だ」とコメント。次期改定に向けた調査方法について、「調査に応じる医療機関の負担を軽減するため、調査票の様式を簡素化したり、患者調査の数を増やしたりする工夫をして取り組んでいきたい」と述べた。

診療時間は週39.6時間、当直は月3.3回が平均
 調査結果によると、勤務医の労働時間などの平均値は、「診療時間」が週39.6 時間、「従業時間」が同44.4時間、「滞在時間」が同55.9 時間で、「当直回数」は1カ月に3.3回だった。10年度改定に伴う勤務時間の変化については、「変わらない」が66.1%と3分の2を占め、「長くなった」は21.4%、「短くなった」は11.3%という結果になった。当直の回数についても同様で、「変わらない」が66.2%で最も多く、「増えた」は 10.9%、「減った」は18.6%。また、当直翌日の勤務状況に関しても、「変わらない」が82.1%と大半を占め、「改善した」は5.5%、「悪化した」は5.4%で、状況が改善していない状況が示された。

 こうした結果を踏まえ、本報告の「検証部会としての評価」に公益委員らが次のコメントを記載した。「常勤医師の医師数についてみると、09年度と比較して増えており、勤務時間の総計については若干の減少がみられるが、当直については一部では逆に増加している等、勤務状況の改善効果は限定的である。医師に対する調査においても、総合的な勤務状況について『変わらない』との回答が最も多い54.5%であり、また悪化傾向との回答が24.3%と改善傾向との回答の18.9%より多くなっている等、さらなる改善の余地がある」。

 全国医学部長病院長会議相談役の嘉山孝正氏は、「医療崩壊が叫ばれて、勤務医の処遇改善のために診療報酬改定をやっているはずだが、調査結果を見てがっかりした」と述べ、調査方法の見直しを求めた。「これだけでは診療報酬改定に必要なデータにはならないので、医政局のデータを入れたり、グラフを使って見やすくしたりする必要がある。データについて公益委員だけでは分からないと思うので、公益側以外の委員も参加させるべきだ」と要望した。

 これに対して、支払側委員で健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏は、矛先を公益委員に向けることに疑問を呈した上で、「今後は我々が議論するという手順で進めるべきだ」と提案。嘉山氏もこれに賛同し、「中医協総会で付け加えるべきデータを決め、他の調査結果なども踏まえて議論した方が改定に役立つ」と応じた。

 こうした診療側と支払側とのやり取りに対し、座長を務める公益委員の森田朗氏(学習院大教授)が、「少なくとも速報値については12年度改定の審議中に報告されているので、12年度改定には速報データが反映されている」と指摘し、次のように不満を表した。「今回の調査結果(本報告)は、速報値だけで済ませるのではなく、データを十分に検証、評価するために報告された。そういう意味で、本報告の趣旨を十分に理解されていないような発言もあった。速報値について最終的にきちんと評価した報告だということをご理解いただきたい」。



  1. 2012/06/29(金) 05:01:27|
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6月27日 医療一般

http://www.m3.com/iryoIshin/article/155091/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
国立大学の医師らの給与削減、「待った!」
中医協の診療側委員ら9人の連名で、各大学に要望

2012年6月27日 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会の診療側委員7人全員と、専門委員2人の計9人の連名で6月27日、全国の国立大学法人の学長、医学部長、病院長宛てに、医療職の職員については処遇改善の手当を行うことを求めた、「国立大学法人職員給与削減における医療人の取扱いに対する要望」を提出した。同日、平野博文・文部科学大臣、小宮山洋子・厚生労働大臣宛てに、大学に対し、要望を提出した旨の文書も送っている。

 この要望は、政府が、今年2月に成立した「国家公務員の給与の削減特例に関する法律」に基づき、今年5月の閣議後の閣僚懇談会で、独立行政法人や国立大学法人などの職員について、平均約7.8%の給与削減を行い、給与削減相当額分を運営費交付金等から減額する方針を打ち出したことを受けた対応だ。

 要望では、2010年度と2012年度の診療報酬改定で、「病院勤務医等の負担軽減・処遇改善」が重点課題となったことを指摘、この趣旨に基づき、医学部ならびに附属病院に勤務する医療人職員に対しては種々の工夫により処遇改善の手当をするよう要望している。

 この要望の提案者である、全国医学部長病院長会議相談役の嘉山孝正氏は、「7月からかなりの大学で給与削減を実行する形になる。医療現場が本当に多忙な中、過去2回の診療報酬改定で病院勤務医等の負担軽減を実施したが、医療職では同じ業務を実施しているにもかかわらず、国立大学法人に勤務しているが故に、処遇が悪くなるのは問題」と指摘。その上で、オールジャパンで医療に取り組む必要性から、診療側7 人だけでなく、日本看護協会と日本放射線技師会の専門委員2人も含めた形で要望を出したことに意義があるとした。つまり、何らかの対応を要望する対象は、医師に限らず、歯科医師、薬剤師、看護師、診療放射線技師など、国立大学法人に勤務するすべての医療職になる。

 京都府医師会副会長の安達秀樹氏も、「給与削減という方針は既に決定されている。この政策を覆すことが必要」とした上で、直近の対策として「診療報酬改定は、病院勤務医等の負担軽減というコンセプトで実施している。いろいろなやり方があるので、具体的な対応をしてもらえないかという提案だ。給与削減で大学のスタッフを維持できるかという懸念がある。内政干渉と言われるかもしれないが、この施策自体が異例であり、まずは各大学に対応を求めたい」と説明。さらに安達氏は、今の国立大学法人の医療職が、臨床、研究、教育を担当しているにもかかわらず、他学部と同じ給与体系であるという問題もあるとし、医療職の給与体系を抜本的に変更することも必要だとした。

 各委員も、異口同音に要望を支持。「日本医師会の会員の半数を占めるのが勤務医。その中で、国立大学に勤務する勤務医の処遇改善は重要であるという認識であるため、嘉山氏の提案を受け入れた」(鈴木邦彦・日医常任理事)、「一般病院か大学病院の勤務かで色が付くわけではない。中医協委員の立場から、処遇改善を要望する」(万代恭嗣・日本病院会常任理事)、「中医協で、時間かけて議論してきたことと、相容れない施策が打ち出されたことは問題」(堀憲郎・日本歯科医師会常務理事)、「国立大学には薬剤師も多数いる。チーム医療や、病棟薬剤業務などを積極的にやり、より良い医療を提供しようとしている最中にこの問題が出てきたため、処遇改善を求める要望に賛同した」(三浦洋嗣・日本薬剤師会常務理事)。

 同様に2人の専門委員も、「看護職員の給与体系、勤務負担はまだ改善しなければいけないことが多々ある。それが十分にできていない中で、賃金が低下すると、離職が懸念され、現にそうした声が聞かれる、何らかの対策を講じていかないと、2025年の医療供給体制を見据えた場合、十分な役割を看護職員が果たせない」(福井トシ子・日本看護協会常任理事)、「チーム医療が重要課題だが、その推進のために、人員確保と処遇改善を進めていくことが必要」(北村善明・日本放射線技師会理事)と、それぞれ支持した。



http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001206270003
理想の家庭医療探る
2012年06月27日 朝日新聞 三重

■三重大の医学部・人文学部がタッグ
■医師・患者の視点で地域を調査

 家庭医療にふさわしい環境を探ろうと、三重大学が珍しい研究を始めた。医学部と人文学部が学問領域の垣根を超えて手を取り合い、医師と患者の両方の視点から地域と密着する医療の理想像を見いだす。

 研究を始めたのは、同大大学院医学系研究科の竹村洋典教授(家庭医療学)と、同大人文学部の豊福裕二教授(産業経済論)らのグループ。社会科学的な立場で豊福教授らが地域住民の医療への意識をひもとき、これに基づき竹村教授らが医療環境を整える方法を練る。

 研究対象は県立一志病院のある旧白山町(現津市)地域だ。今年8月にも地域住民約3200人を対象にアンケートをして、▽世帯年収▽生活の満足度▽受診を我慢したことの有無などの社会科学的な項目に、▽健康状態▽過去1年間の受診回数などの医学的な視点を加える。

 竹村教授は「医療現場では、技術的に秀でた医者がいたり、医療機器が整っていたりすることが患者にとってプラスだと考えがち」と言う。一方、人文学部の井口克郎研究員は「経済状態や『我慢する』などといった気持ちの問題が、受診の判断基準になることも考えられる」と話す。

 こうした医療現場と地域の意識の隔たりを浮き彫りにし、それぞれが満足できる「落としどころ」を具体的に医療環境に反映させることが狙いだ。竹村教授は「医療現場が地域のニーズを確実に把握した受診態勢を整えれば、地域全体で疾病を予防できる環境にまで発展すると思う」と話す。

 人口規模や産業構造が異なる亀山市でも、旧白山町での調査が終わり次第、同様の調査を行う方針。研究成果は来年6月にチェコの首都プラハである「世界一般医・家庭医学会」(WONCA)で発表する。(安田琢典)



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201206/525603.html?bpnet
厚労省WGで基準見直し求める意見多数
臨床研修病院に「規模による差はない」
「外来やER研修などを必須項目に」との声も

012. 6. 26 日経メディカル
最上 政憲=医療ライター


 2015年の医師臨床研修制度の見直しに向けた検討を行っている「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」(WG)は、6月25日に開かれた第6回会合で、大規模病院と中小病院の研修状況などを比較し、「規模による大きな差異はない」との結論で一致した。

 委員からは、基幹型臨床研修病院の指定要件である「年間入院患者3000人以上」の見直しを求める声が相次ぎ、これに代わる要件として「診断の付いていない患者を診る機会」「一般外来での研修」などが挙がったほか、「ER研修を必須項目に入れてもいい」との声もあった。


厚労省が6月25日に開催した「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」の第6回会合風景

 新しい医師臨床研修制度が04年に導入されてから今年で9年目。09年には一度目の見直しが行われ(10年度の研修から適用)、次の見直しを5年後の14 年に行って15年度から適用する予定となっている。このWGは、見直しの始発点として昨年7月から開催されている。臨床研修の実態把握や論点整理などを行い、医道審議会の医師臨床研修部会につなげる。

 第6回の議題は、「基幹型臨床研修病院の指定基準」など。現在、基幹型臨床研修病院として指定されるためには、「臨床研修を行うために必要な症例があること」「研修医5人に対して指導医を1人以上配置すること」などが要件となっている。症例数についての具体的な基準は「年間入院患者3000人以上」とされており、この基準を満たさない中小病院での研修が、大規模な基幹型病院とどのように違うのかが検討課題の1つとなっている。

「病院規模による大きな差はない」
 この日はまず、聖路加国際病院長の福井次矢氏が、11年度の2年次研修医4715人を対象に実施した「臨床研修アンケート」の中間解析結果を報告。同研修医は、10年度から適用された臨床研修制度見直し後の1期生に当たる。調査は、年間の入院患者数3001人以上の病院と3000人以下の病院とに分け、研修医が習得した知識や技能、態度、経験症例数などを比較した。

 福井氏によると、年間入院数3000人以下の病院で研修した医師が「確実にできる、自信がある」などと回答した割合が3001人以上の病院よりも有意に高かったのは、98項目のうち3項目。具体的には、(1)医療費や社会福祉サービスに関する患者、家族の相談に応じ、解決法を指導できる、(2)高齢者の身体的、精神的、社会的活動をできるだけ良好に維持するような治療法を提示することができる、(3)診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む)を作成できる─の3つだった。

 一方、年間入院数3001人以上の病院の研修医の方が有意に高かった項目は、「カンファレンスなどで簡潔に受け持ち患者のプレゼンテーションができる」の1つだった。

 症例などの経験数も年間入院数3000人以下の病院の研修医の方が多く、85項目のうち6項目あった。具体的には、(1)不眠、(2)腰痛、(3)骨折(4)妊娠分娩、(5)関節リウマチ、(6)死亡診断書─が挙がった。一方、同3001人以上の病院の研修医の方が多かったのは、急性冠症候群、動脈疾患の2項目だった。

 報告の最後で福井氏は、「このデータで見る限り、年間3000人以下の入院患者数の病院で研修した研修医の知識や態度、技能が、それより多い入院患者数を抱えている病院で研修した研修医に比べて劣るということは言えず、ほとんど同じレベルとみなしていい」とコメントした。座長を務める国立がん研究センター理事長の堀田知光氏も、「規模が小さいからだめということはないという傾向のように思えた」と述べた。

 さらに福井氏は、「本来は研修医1人当たりの年間入院患者数を指標とすべきだと思う。入院患者数3000人以上の病院でも、研修医をぎりぎりまでたくさん採っている病院と、3000人以下の病院でも研修医2人でずっとやっている病院とでは、1人の研修医にとってのクオリティは違うのではないか」と指摘した。

「3000人という数字には全然意味がない」
 福井氏の報告に続き、東京医科歯科大附属病院副病院長の田中雄二郎氏が「オンライン卒後臨床研修評価システムEPOCを活用した臨床研修の評価に関する研究」の中間報告を示した。それによると、「熱傷など経験率の低い項目は大規模病院が有利」としながらも、「プログラム満足度は一般研修指定病院、病床数600床以下の方が有利」などと評価した。

 また、日本医師会常任理事の小森貴氏が医師会立病院での臨床研修についての調査結果を報告。自由記載欄のアンケート結果を示し、「基幹型臨床研修病院の基準が強化され、中小病院にとっては困難さを増している。本来の臨床研修の理念からすれば、地域医療やプライマリケアを担う中小病院こそが理想にかなう」との意見を読み上げた。

 さらに、厚労省が年間の入院患者数が3000人に満たない基幹型臨床研修病院(10年度の見直し時の移行措置として指定されたもので、訪問調査結果により指定継続可能)への訪問調査の結果を示し、「経験する症例の種類や数、あるいは検査や手技の経験内容などの傾向は病院規模にかかわらず大きな差異はない」とした。

 こうした調査結果を受け、座長の堀田氏は、「3000人以下の病院でも、ある程度の基準をクリアしている」と発言。済生会福岡総合病院長の岡留健一郎氏も、「3000という数字が独り歩きしている感がぬぐえない。3000人のエビデンスはあるのか。ノンアカデミックな所から出てきたのではないか。3000人以上かどうかで差がないのは当然の結果ではないか」と基準の見直しを求めた。

 社会医療法人財団董仙会理事長の神野正博氏も、「今後の見直しの中で3000人という数字には意味がないことは分かったので、3000人に代わる基準を埋めていく必要がある」と述べ、他の委員からも同様の意見が相次いだ。

「外来研修やER研修を必須項目に」
 では、「入院患者3000人」に代わる基準とは何か。

 北大教授の大滝純司氏は、「どの地域に何人の研修医がいれば妥当かを、何と対比させて考えていけばいいのか」と問い掛けた上で、「救急患者がどれぐらいその地域で発生しているか。救急受け入れなど、診断の付いていない患者を診る機会がどれだけあるのかということも1つの基準になる」と提案した。

 これに対し座長の堀田氏は、「救急車の受け入れ台数はすぐに出せるが、それに研修医がどれだけ絡んでいるかになると話は変わってくる」と回答。福井氏も、「歩いてくる脳卒中の患者もいるので、救急車だけでは救急の実態は把握できない」と述べた上で、「一般外来の研修をさせていない病院が多く、入院患者だけしか診せないプログラムがかなりある」と指摘した。

 一方、岡山大教授の片岡仁美氏は、「同じ規模の病院でも救急医療など地域への貢献度が高い病院もあるので、救急車の台数だけでは測れないとしても、1つのパラメーターにはなる」とコメント。「研修医がファーストタッチでどこまで関われるかを保証するという意味で、外来研修やER研修などはむしろ必須項目に入れてもいいのではないか」と提案した。

 委員らの意見を受け、厚労省医政局医事課長の田原克志氏は、「大変精力的にデータを出して議論していただいている。このWGは今年中に論点整理をしてもらうことになっているので、ぜひお願いしたい」とまとめた。次回は9月に開催する予定。



  1. 2012/06/28(木) 05:03:41|
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6月26日 医療一般

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37538.html
あの人に聞く医学部新設(4)- 医師は既に十分養成されつつある
【吉村博邦・全国医学部長病院長会議顧問】

( 2012年06月27日 05:00 キャリアブレイン )

■いずれ定員減は明らか、なぜ新設するのか

 医学部新設の根拠の一つとして、医師不足を挙げる声がありますが、既に医師は十分養成されつつあります。

  2008年度以降、医学部入学定員はこれまでに1366人の増員が図られており、これは、定員100人の医学部を既に13校新設したのとほぼ同じ効果を持っています。当時の日本の医師数は人口1000人当たり2.1人で、経済協力開発機構(OECD)加盟30か国の平均3.1人を下回っていました。

 ただ、医学部定員増を行う前の07年度の入学定員は7625人で、当時の18歳人口は130万人です。つまり、18歳人口1000人当たりの入学者は 5.9人で、定員増の前でも、OECD平均である人口1000人当たり3.1人の2倍近いペースで医師が養成されていたことが分かります。今年度の定員は 8991人で、18歳人口は119万人なので、18歳人口1000人当たり7.6人という、極めてハイペースで養成されています。

 国立社会保障・人口問題研究所の50年の18歳人口の予想を基に、今年度の医学部定員数が維持されると仮定して計算すると、18歳人口1000人当たり11.7人もの医師が養成されることになります。

 ある一定の年代の中で医師養成数には、おのずと限度があってしかるべきです。医学部卒業後は50年近く、医師として働くことを考えると、毎年OECD加盟国の平均の医師数をはるかに上回る水準で医師を養成し続ければ、そう遠くない将来に医学部定員数を減らす必要があるのは間違いありません。減らすことを分かっていながら、新たに医学部を新設する必要は全くないと思います。

■「余ってもいい」は若い医師らへの冒とく

 医療の高度化により、必要な医師数が増えるとは限りません。例えば、がんを完治させる抗がん剤が登場すれば、必要な外科医の人数が少なくなる可能性もあります。また、高度化した医療を、すべての国民に平等に提供するのは、財政的に難しいでしょう。将来的には、標準的な医療は低負担の保険医療で提供して、先進的な医療には相応の負担を求めることなども必要になるかもしれません。国民がそれを望むかどうか、国民が求める医療によって、医師の必要数は変わってきます。

 また、医療需要の増加に、医師の増員だけで対応するのは、経済的に厳しいと思います。医師以外の職種、例えば認定看護師などの力を活用していくことも考慮すべきでしょう。

 「多少、医師が余ってもいい」という意見もあるようですが、これは若い医師や医学部生たちへの冒とくです。一人の医師が受け持つ患者数は少なくなり、経験を積む機会が損なわれます。また、海外の例を見ると、イタリアやスペインでは、医師が増え過ぎて、医学部を卒業した後も医師のポストが空くのを待っているような状況が起きています。

 医学部の新設でもう一つ懸念しているのは、医学部に入りやすくなることで、医学生の学力が低下しているのではないかということです。全国医学部長病院長会議が実施した調査では、医学部定員を増加して以降、医学部1年生の留年者の割合が増加しているという結果も出ています。

■地域偏在に医学部の新設以外で対応すべき

 地域偏在の解消のために医学部を新設するのは、現実的ではありません。その地域の医師養成数を増やすだけなら、そこにある既存の医学部の定員を増やしたり、分院をつくったりすることで対応できます。
 医師が少ない東北地方で、医学部新設を検討する動きがありますが、08年度以降の定員増で、最も定員が増えたのは東北地方です。07年度と12年度の医学部定員を比べると、全国80大学の合計が1.18倍に増えたのに対し、東北地方にある5大学では1.34倍に増えています。

 また、医学部新設により地方の医師不足を解消したとしても、将来も同じだけの医療需要があるとは限りません。人口が大きく減る地域も出てくるでしょう。

 地域偏在は、医学部の新設以外で対応すべき問題です。例えば、地域枠の拡充や、医学部卒業後、数年間は交代でへき地での研修や勤務を義務化する仕組みなどが考えられます。「職業選択の自由」との兼ね合いが問題視されるかもしれませんが、医師養成は国費で行われているのですから、学費を奨学金に振り替えるなど、何らかの工夫をして義務化することが必要だと思います。

 また、神奈川県では、黒岩祐治知事が英語などを授業に取り入れた国際的な医学部の新設を目指しています。わたしも医学における英語教育の必要性は感じています。ただ、新設という形ではなく、既存の医学部に外国人教授を招聘したり、英会話の実践や英語論文の指導を行ったりするなどして、現状の医学教育の底上げを図り、質を上げていくことの方が必要だと考えています。【聞き手・津川一馬、高崎慎也】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37517.html
あの人に聞く医学部新設(3)- 医師定着システムを持つ医学部新設を
【仙台厚生病院 目黒泰一郎 理事長】

( 2012年06月26日 05:00 キャリアブレイン )

■東北の医師不足解消には、医師定着システムを持った医学部新設を

 東北地方が医師不足を極めているのは、この地域の医学部・医科大学の地元定着率が低いことに一因があります(※)。ですから、そのようなところでの単純な入学定員増は、決して医師不足解消の決め手にはなりません。地域に医師を定着させるためには、実効性のあるシステムが不可欠であり、それを備えた新しい医学部が必要なのです。

 われわれは、そうしたシステムの一つとして、「逆賦課方式奨学金制度」を考えています。新設する医学部は、定員 100人。そのうちの3割は、この制度を利用できます。大学が87億円を負担して奨学制度基金を創設します。それを利用した卒業生は、臨床研修を終えたのち、奨学金を返済する代わりに一定年限、大学が指定する病院や診療所に勤務してもらいます。そして、その医師が勤務する医療機関や自治体が、返済を代行します。返済された奨学金は、次の入学生の奨学金に充てられることになるので、(年金とは逆に)先輩が後輩を支援するという意味で、「逆賦課方式」とネーミングしています。このほか、大学が学生の保証人になる学資ローンも検討中です。こちらは、一定年限、東北の任意の病院に勤務してもらえばよいという、緩い制約です。銀行に打診したところ、一般ローンよりも低利で検討するという回答を得ています。これも、卒業生の東北定着に有効だと期待しています。

※東北は全て全国平均(49.1%)以下、青森は35%以下、宮城は25%以下(「2007年度医学部卒業者の卒後翌年度の県内定着率」文部科学省高等教育局医学教育課資料)

■医師の心身の健康を守ることこそが、地域医療を守る

 医療の最前線、とりわけ病院医療では、しばしば市民や患者側の利益が優先され、医療提供者側の人権は軽視されがちでした。勤務医の超過勤務時間が、労働基準局推奨の月30時間を大幅に超えたまま(60~130時間)になっているのもその一例です。しかしわれわれは、医師も生身の人間であるという前提に立ちます。彼らの心身の健康やその家族に対する配慮が不足してきたところにこそ、医療崩壊の主たる原因があると考えています。

 そこで、「逆賦課方式奨学金制度」の実践に当たっては、医師に過度な負担がかからないような工夫をします。奨学生は、3人1チームで派遣します。チームで派遣するのには、意味があります。チーム医療を展開することによって、医療の質を上げることができるだけでなく、ディスカッションなどによって、互いにスキルアップもできるようになるからです。それは、彼らのモチベーションを上げます。また3日に1日は、十分な睡眠を取ることが可能となります。学会にも無理なく出席できますし、適度なリフレッシュもできるのです。われわれは、このような配慮こそが、地域医療の現場に医師を踏みとどまらせる要因になると考えます。大学はさらに、彼らが義務年限を終えた後も、安心して勤務医であり続けることを組織的に計画し、支援します。後顧の憂いなく、心身ともに元気な青年医師たちの 70チームが、やがて全東北の医療過疎地域に展開します。それは、最も困窮していた地域の医療の形を、劇的に変えるでしょう。

■医学部新設は地域の医師数を増加させる

 仙台厚生病院(宮城県仙台市)は、同じ市内にある東北福祉大と共に、医学部新設を目指しています。一方、医学部の新設は周辺から大量の医師を吸引するので、地域医療が崩壊するとして、反対している人たちがいます。しかし、われわれの計画では、それは当てはまりません。医学部本体で教育を担当する教員は、市中病院からではなく、主として全国の医学部・大学病院から募集し、大学病院も新規に作るのではなく、厚生病院(409床)や福祉大学付属病院(144床)を中心とする既存病院を活用するからです。学生実習協力病院についても、県外も含めた複数の市中病院がすでに協力の意思表示をしており、病床数で換算すると、計1300床程度の臨床実習病院群が確保されております。ですから、周辺地域から医師を引き抜く必要性は全くないのです。むしろ、教員として医学部本体に全国から集結する200人余の熟練医師が、新たに東北地方で活動することになりますから、地域医療は充実こそすれ、弱体化することはありません。

■震災復興事業の象徴として医学部新設を

 以前から、東北地方は医師不足に喘ぎ、地域医療は疲弊してました。そこに震災・原発事故です。鈴木寛元文科副大臣も指摘しているように、東北の医師不足の遠因は戊辰戦争にさかのぼります。東北は永らく、数々の格差に甘んじてきました。今また急速な衰退の危機にさらされているこの時、必要なのは彼らを勇気づける国家からのメッセージです。東北に医学部新設認可となれば、それは医療充実の予感をもたらし、住民の離散を抑止し、企業進出も促進するはずです。今の東北にはそうした明るいニュースが必要です。それは万里の防潮堤にも劣らぬ復興貢献策となり、東北地方の人々を勇気づけるでしょう。【聞き手・君塚靖】



http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2012062610021316/
医師不足の課題克服提言 笠岡市民病院調査報告書
(2012/6/26 10:02)山陽新聞

 笠岡市立市民病院(同市笠岡)は、病院の概要や医療需要、経営形態などをまとめた基礎調査報告書を作成した。医師不足の現状や将来の方向性などについての詳細や選択肢を提示。今後の病院経営を議論するため本年度設置予定の「あり方検討委員会」の資料とする。

 報告書はA4判で本編150ページ、資料編16ページ。市の人口や笠岡市が属する2次保健医療圏・県南西部保健医療圏の概要をはじめとした病院を取り巻く環境▽患者数など医療需要の状況▽圏域の病床数ほか医療提供体制の現況▽診療科等、病院の現状▽医療政策の動向▽当院の現状(問題点)と課題―の大きく6章で構成されている。

 報告書は市民病院の役割として、不採算分野の医療提供や救急告示病院として2次救急医療に対応することなどがあると説明。一方で医師不足による医業収益の大幅減少や病床利用率の低下、機動的な経営を行う管理者の不在などの問題を指摘する。

 最終章では「思い切った医師の確保策を講じて急性期医療を継続するか慢性期医療主体に転換を図るか」「常勤医師が確保できず病院経営が深刻な状況に陥っており、医師確保対策の上からも(近隣公立病院との)再編・ネットワーク化は選択肢の一つ」など提言。本年度設置する「あり方検討委員会」での議論を求めている。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/309775
放射線科医不足カバー 医療画像を遠隔診断
2012年6月27日 00:37 カテゴリー:九州 > 鹿児島
=2012/06/27付 西日本新聞朝刊=

 鹿児島県医師会は、医療機関が撮影しインターネットで送った画像を専門の放射線科医が遠隔診断するシステムの運用を始めた。24時間対応が可能で、放射線科医の不足を補い、迅速・的確な診療につなげる。26日には事務局となる「かごしま救急医療遠隔画像診断センター」を鹿児島市中央町のビル内に設置した。

 県医師会によると、10万人当たりの放射線科医は全国平均4・17人に対し、県内は2・78人。9割は鹿児島市に集中し、91ある県内の救急医療機関でも常駐の放射線科医がいるのは1~2割にとどまるという。

 同システムは、10年以上の経験がある国内外の放射線科医10人が当番制で診察する。それぞれが所属する医療機関で画像を受信し、電話などで返答する。センターは診断医のスケジュール管理などを担当。システムの開発費は約1億4千万円で、4月9日から運用を始めている。

 これまでに垂水市や西之表市などの4救急医療機関が契約し、約12件の診断依頼があった。月額基本料6万円で、診断は1回3千~4千円。県医師会の池田琢哉会長は「時間外や夜間の体制を支援し、救急医療を充実させていきたい」と話している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201206/525603.html
厚労省WGで基準見直し求める意見多数
臨床研修病院に「規模による差はない」
「外来やER研修などを必須項目に」との声も

最上 政憲=医療ライター
2012. 6. 26 日経メディカル オンライン

 2015年の医師臨床研修制度の見直しに向けた検討を行っている「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」(WG)は、6月25日に開かれた第6回会合で、大規模病院と中小病院の研修状況などを比較し、「規模による大きな差異はない」との結論で一致した。

 委員からは、基幹型臨床研修病院の指定要件である「年間入院患者3000人以上」の見直しを求める声が相次ぎ、これに代わる要件として「診断の付いていない患者を診る機会」「一般外来での研修」などが挙がったほか、「ER研修を必須項目に入れてもいい」との声もあった。


厚労省が6月25日に開催した「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」の第6回会合風景

 新しい医師臨床研修制度が04年に導入されてから今年で9年目。09年には一度目の見直しが行われ(10年度の研修から適用)、次の見直しを5年後の14 年に行って15年度から適用する予定となっている。このWGは、見直しの始発点として昨年7月から開催されている。臨床研修の実態把握や論点整理などを行い、医道審議会の医師臨床研修部会につなげる。

 第6回の議題は、「基幹型臨床研修病院の指定基準」など。現在、基幹型臨床研修病院として指定されるためには、「臨床研修を行うために必要な症例があること」「研修医5人に対して指導医を1人以上配置すること」などが要件となっている。症例数についての具体的な基準は「年間入院患者3000人以上」とされており、この基準を満たさない中小病院での研修が、大規模な基幹型病院とどのように違うのかが検討課題の1つとなっている。

「病院規模による大きな差はない」
 この日はまず、聖路加国際病院長の福井次矢氏が、11年度の2年次研修医4715人を対象に実施した「臨床研修アンケート」の中間解析結果を報告。同研修医は、10年度から適用された臨床研修制度見直し後の1期生に当たる。調査は、年間の入院患者数3001人以上の病院と3000人以下の病院とに分け、研修医が習得した知識や技能、態度、経験症例数などを比較した。

 福井氏によると、年間入院数3000人以下の病院で研修した医師が「確実にできる、自信がある」などと回答した割合が3001人以上の病院よりも有意に高かったのは、98項目のうち3項目。具体的には、(1)医療費や社会福祉サービスに関する患者、家族の相談に応じ、解決法を指導できる、(2)高齢者の身体的、精神的、社会的活動をできるだけ良好に維持するような治療法を提示することができる、(3)診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む)を作成できる─の3つだった。

 一方、年間入院数3001人以上の病院の研修医の方が有意に高かった項目は、「カンファレンスなどで簡潔に受け持ち患者のプレゼンテーションができる」の1つだった。

 症例などの経験数も年間入院数3000人以下の病院の研修医の方が多く、85項目のうち6項目あった。具体的には、(1)不眠、(2)腰痛、(3)骨折(4)妊娠分娩、(5)関節リウマチ、(6)死亡診断書─が挙がった。一方、同3001人以上の病院の研修医の方が多かったのは、急性冠症候群、動脈疾患の2項目だった。

 報告の最後で福井氏は、「このデータで見る限り、年間3000人以下の入院患者数の病院で研修した研修医の知識や態度、技能が、それより多い入院患者数を抱えている病院で研修した研修医に比べて劣るということは言えず、ほとんど同じレベルとみなしていい」とコメントした。座長を務める国立がん研究センター理事長の堀田知光氏も、「規模が小さいからだめということはないという傾向のように思えた」と述べた。

 さらに福井氏は、「本来は研修医1人当たりの年間入院患者数を指標とすべきだと思う。入院患者数3000人以上の病院でも、研修医をぎりぎりまでたくさん採っている病院と、3000人以下の病院でも研修医2人でずっとやっている病院とでは、1人の研修医にとってのクオリティは違うのではないか」と指摘した。

「3000人という数字には全然意味がない」
 福井氏の報告に続き、東京医科歯科大附属病院副病院長の田中雄二郎氏が「オンライン卒後臨床研修評価システムEPOCを活用した臨床研修の評価に関する研究」の中間報告を示した。それによると、「熱傷など経験率の低い項目は大規模病院が有利」としながらも、「プログラム満足度は一般研修指定病院、病床数600床以下の方が有利」などと評価した。

 また、日本医師会常任理事の小森貴氏が医師会立病院での臨床研修についての調査結果を報告。自由記載欄のアンケート結果を示し、「基幹型臨床研修病院の基準が強化され、中小病院にとっては困難さを増している。本来の臨床研修の理念からすれば、地域医療やプライマリケアを担う中小病院こそが理想にかなう」との意見を読み上げた。

 さらに、厚労省が年間の入院患者数が3000人に満たない基幹型臨床研修病院(10年度の見直し時の移行措置として指定されたもので、訪問調査結果により指定継続可能)への訪問調査の結果を示し、「経験する症例の種類や数、あるいは検査や手技の経験内容などの傾向は病院規模にかかわらず大きな差異はない」とした。

 こうした調査結果を受け、座長の堀田氏は、「3000人以下の病院でも、ある程度の基準をクリアしている」と発言。済生会福岡総合病院長の岡留健一郎氏も、「3000という数字が独り歩きしている感がぬぐえない。3000人のエビデンスはあるのか。ノンアカデミックな所から出てきたのではないか。3000人以上かどうかで差がないのは当然の結果ではないか」と基準の見直しを求めた。

 社会医療法人財団董仙会理事長の神野正博氏も、「今後の見直しの中で3000人という数字には意味がないことは分かったので、3000人に代わる基準を埋めていく必要がある」と述べ、他の委員からも同様の意見が相次いだ。

「外来研修やER研修を必須項目に」
 では、「入院患者3000人」に代わる基準とは何か。

 北大教授の大滝純司氏は、「どの地域に何人の研修医がいれば妥当かを、何と対比させて考えていけばいいのか」と問い掛けた上で、「救急患者がどれぐらいその地域で発生しているか。救急受け入れなど、診断の付いていない患者を診る機会がどれだけあるのかということも1つの基準になる」と提案した。

 これに対し座長の堀田氏は、「救急車の受け入れ台数はすぐに出せるが、それに研修医がどれだけ絡んでいるかになると話は変わってくる」と回答。福井氏も、「歩いてくる脳卒中の患者もいるので、救急車だけでは救急の実態は把握できない」と述べた上で、「一般外来の研修をさせていない病院が多く、入院患者だけしか診せないプログラムがかなりある」と指摘した。

 一方、岡山大教授の片岡仁美氏は、「同じ規模の病院でも救急医療など地域への貢献度が高い病院もあるので、救急車の台数だけでは測れないとしても、1つのパラメーターにはなる」とコメント。「研修医がファーストタッチでどこまで関われるかを保証するという意味で、外来研修やER研修などはむしろ必須項目に入れてもいいのではないか」と提案した。

 委員らの意見を受け、厚労省医政局医事課長の田原克志氏は、「大変精力的にデータを出して議論していただいている。このWGは今年中に論点整理をしてもらうことになっているので、ぜひお願いしたい」とまとめた。次回は9月に開催する予定。



http://news.mynavi.jp/news/2012/06/26/092/
初期研修を受ける病院」の6割近くは一般病院 - メドピア
OFFICE-SANGA  [2012/06/26] マイナビニュース

メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」にて、「初期研修を受ける病院」に関する調査を実施。その結果、6割近くは一般病院での初期研修を選択した。調査期間は5月7日~13日、2,779件の有効回答を得た。

「初期研修を受ける病院」について調査
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「もし、もう一度初期研修を行うなら、大学病院と一般病院のどちらで研修したいか」に回答した医師の中で、「大学病院で研修した医師」は全体の 63%、「一般病院で研修した医師」は29%だった。どちらのカテゴリも「一般病院で研修したい」という回答のほうが多く、大学病院で研修を受けた医師は 54%、一般病院で研修を受けた医師は、87%にのぼった。

一般病院で研修を受けるメリットとして、「一般的疾患をたくさん診る機会がある」「広範囲にわたって多くの症例を勉強できる」「より実践的な知識が身に付く」というコメントがあった。

一方で大学病院のメリットとしては、「先端医学は大学でしか経験できない」「医者の数が多く、時間的に余裕がある」「論文の読み方、書き方を教えてくれる」などが挙げられた。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/154655/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
“医療崩壊”との言葉はもはや聞かれず - 足立信也・民主党議員に聞く◆Vol.2
第三次試案・大綱案以降、状況は大きく変化

2012年6月27日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

足立信也氏は、「厚労省の第三次試案、大綱案が出た2008年以降の4年間で、状況は大きく変わっている」と見る。

――これら二法案が成立した後の影響ですが、時津風部屋力士暴行事件など、犯罪見逃しの防止につながることが期待されますが、医療の現場では何らかの影響があるのでしょうか。法医の養成や、Aiの体制作りなどは求められると思います。

 警察が取り扱う死体になるかどうかの判断は、結局は医師によるわけです。死体の診断は医師、歯科医師、検案をできるのは医師だけです。道端などで死亡し、一般の国民が警察に通報した場合は別ですが、医療機関に救急車で搬送され、その後すぐに死亡したような場合に、警察が取り扱う死体にするかどうかは医師の判断です。その判断において異状の見逃しはあってはいけない。

――今は小児の虐待なども問題になっています。だから、最初の部分の医師の判断が重要になってくる。

 児童虐待防止法では、虐待が疑われる場合の医師の通報義務が規定されています。私が厚生労働大臣政務官の時に立ち上げたAiに関する検討会でも、例えば、「揺さぶり」などの場合は、外表から見ても、また解剖でも、頭部を解剖しない限り、分からないといった議論があった。その代わりに、Aiをやればすぐ分かる。子どもの骨折も体表からでは分かりにくいが、専門の放射線科医師の診断率の方がはるかに高いという小児専門医の意見も出ていた。こうしたことも、今回の協議で議論になりました。

 Aiの結果を、しっかりと遺族に説明する。その後に、解剖の必要性を判断すれば、むやみにすべて解剖することにはなりません。

――そのほか、医師の役割として期待されることは。

 今、言ったことがすべてで、「これは病死あるいは自然死ではない」と思うかどうか、つまり警察が取り扱う死体とするかどうか、それは医師の判断にかかっています。

――その一方で、厚生労働省は現在、「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」で、事故調査に関する議論を進めています(『院内事故調査の現状認識、医療者と患者で差』を参照)。

 これは産科医療以外にも、無過失補償を拡大するという議論で出てきたことです。産科医療補償制度では、重度脳性麻痺の子供に対し、補償が行われる。分娩機関に過失があるかどうかは、補償の審査とは別の委員会で検討し、「過失あり」と判断された場合には、この無過失補償制度から外れる。

 厚労省の思考回路では、無過失補償を拡大し、その制度全体を考えた場合、過失の有無を判断する組織が必要になってきたわけです。それで、“医療事故調”の話がまた復活したという経緯でしょう。

 しかし、私は厚労省が“医療事故調”の第三次試案、大綱案を公表した2008年以降の4年間で、状況は大きく変化していると思っています。私は、医療崩壊と言われる要因は二つあると言ってきました。一つは、医療従事者の削減をはじめとする医療費の抑制。もう一つは情報の格差で、これにより不信、不満が生じ、医療訴訟が増えてきた。この二つが相まって医療現場を崖っぷちに追いつめたのです。

 民主党は、2009年の政権交代以降、2回の診療報酬改定で医療費に換算して1兆2000億円のプラス改定を実現し、医療費を確保した。人も増やし、労働条件も少しずつ改善してきた。例えば、日本医療機能評価機構に対する医療事故報告が年々増えていることに代表されるように、情報公開が進んできた。一方で、警察に届けられた件数や立件数も減っている。この間、歯科口腔保健の推進に関する法律や、今の薬事法の改正などが議論され、「国民の責務」が法律として規定されるようになり、お互いに情報の格差を埋めるよう努力する傾向になっています。こうした状況を見ると、いい方向に向いていると思う。ここ2年くらい、メディアで、“医療崩壊”という言葉が使われなくなってきたのも、その表れでしょう。

――“医療事故調”の議論の前提が変わってきた。

 ここからが本論ですが、ではなぜ4年前、あのような“医療事故調”の議論が沸き起こったのか。要は、医療現場への警察の介入をとにかく阻止したい、ということでしょう。厚労省は、その方法として、警察に届けるのはなく、警察と似たような機能を持った事故調査委員会に届け出る仕組みを考えたわけです。だからかなり強い権限を持ち、事故調査を行い、報告書を作成し、通知する体制にした。

 しかし、これは安直な考えです。当時の民主党が対案として出したのは、医療の問題、特に情報の格差の問題は、警察への届出の部分を変更すれば解決するものではないという考えからです。お互いに情報の格差を埋める努力をしなければならない。医療者には、できるだけ開示して説明する責任があります。国民も、自分たちが理解しなければいけない、という意識に変わってきている。その結果として、“医療崩壊”という言葉が聞かれなくなったのだと思っています。

 それでもなお、“医療事故調”を作るべきだと主張する人には、2008年当時の印象が強く、「せっかく“医療事故調”ができそうだったのに、民主党政権の誕生により、それが止まってしまった」という思いがあるのでしょう。

――4年前の時点で、思考が止まっている。

 そうです。私はいい方向に変化してきていると思っているのに、また話を引き戻すのかと申し上げたい。専門家から成る公的な事故調査の組織を作るべきだと主張する人には、(1)警察に代わる組織が必要、(2)事故の真相究明のためには、航空・鉄道事故調査委員会のような組織が必要――という、二つのタイプがあり、これらの人が厚労省の第三次試案、大綱案を支持した。

 しかし、公的な組織を作り、専門家を配置して、という気持ちは分からなくはないですが、それを担当できる人が果たしているでしょうか。医療現場から人を引き離して、医療事故調査に専念させるような余裕があるのでしょうか。



http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=25407
社会 : 地域完結型の医療を 諏訪日赤小口院長が基調講演
更新:2012-6-27 5:59 長野日報

 諏訪市は25日夜、第2回地域医療セミナーを市総合福祉センターで開いた。諏訪赤十字病院(同市)の現状と将来展望がテーマ。基調講演した同病院の小口寿夫院長は「入院して治るまで一つの病院で診るのは無理。病院と診療所が機能分担・連携し、地域完結型の医療を根付かせないといけない」と強調した。続いてパネルディスカッションも行い、地域の基幹病院のあり方を探った。約160人が聴講した。

 小口院長は基調講演で、入院患者数が年々増加している影響で、1人当たりの平均入院日数は2004年度の16.1日から11年度は13.2日に短くなったと説明。病床の稼働率は約95%で、「ほぼ100%と言ってよく、常に満床の状態」と語った。今後の展望として25年度をめどに「高度急性期病院を目指したい」と述べ、課題として病院敷地の狭さや医師不足を挙げた。

 パネルディスカッションは諏訪市医師会理事の小松郁俊さんが進行した。市民代表の小口秀幸さんは「患者にとって急性か慢性かの区別は難しく、患者の思いと(医師との)すれ違いがあり、治療の途中で帰されてしまうという不安がある。急性と慢性との中間的な医療を担う施設やシステムがあると安心する」と述べた。

 患者代表の有賀吉治さんは「医師と患者との信頼関係が大事。われわれの本音を受け止めて対応してほしい」と求め、「病院内の改善活動を発表する場を設けて」と要望した。

 市医師会長の渡辺知之さんは医師会と同病院との連携について検査機器の共同利用などを紹介し、「密接な連携ができている」と語った。

 地域医療セミナーは地域の医療の現状や役割を考えようと年6回程度を予定している。次回は県医師確保対策室長の井上雅彦さんを講師に7月20日午後1時から同センターで開く予定。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/37082.html
県が燕労災・三条総合に協力要請
4病院で基幹病院化検討へ

新潟日報2012年6月26日

 救命救急センターを併設した県央基幹病院構想で、県は26日、燕労災病院(燕市)を経営する労働者健康福祉機構と、三条総合病院(三条市)を経営するJA県厚生連に、県央エリアの医療再編に向けた協力を要請した。両病院と県立加茂、県立吉田の計4病院を軸に、既存の病院を再編して基幹病院とするための具体的な検討に入る。

 基幹病院をめぐっては、知事や地元5市町村長らでつくる合同会議が2月、既存の病院を再編し、500床規模で高度専門医療を担う施設を設置する方針を決めた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37541.html
経営方針の院内浸透に苦心も- 日本病院学会ワークショップ
( 2012年06月26日 17:43 キャリアブレイン )

 このほど開かれた第62回日本病院学会では、「病院経営の質向上と経営の安定化を求めて」をテーマに、ワークショップが行われた。病院の経営安定化に向けた具体的な取り組みが紹介されたが、方針を明確化し、いかに組織に浸透させるかが一つのテーマとなり、発表では、そのための苦心談も聞かれた。

「病院経営の質向上と経営の安定化」をテーマに行われた、日本病院学会のワークショップでは、方針を院内に浸透させるかが話題になった

 小倉記念病院(福岡県北九州市)医事課(病床管理)担当課長の長浦寛氏は、病院移転が経営に与えた影響について、病床管理の点から報告した。
 心臓疾患と脳血管疾患の急性期医療を得意とする同院は、2010年12月に新築移転。新病院(658床)は、心臓血管病棟と総合病棟に分かれているのも特徴だ。
 同院では、予定入院が7割を占めており、地域の医療機関と連携しながら、紹介率を高めることが重要。心臓疾患と脳血管疾患の救急患者を断らないことで、病床稼働率の向上と患者の安心に寄与している。
 病床管理は看護部門を中心とした体制が確立し、看護部長が統括する。心臓血管病棟と総合病棟の間で、日々ベッドの調整を行っているほか、各診療科の部長が参加する病棟管理委員会も、ベッドコントロールを進める上で重要な役割を果たす。
 新病院では、ICUやCCU(心臓血管疾患集中治療部)などのユニットを67床設けたが、特に心臓手術を受けた患者は、CCUやセミCCUで回復を待ってから一般病床に移ることも多い。長浦氏は、ユニットの患者の状態を把握しながら、重症度に応じて適切な病床に移す一方、特定集中治療室管理料もしっかり算定したいと言う。
 新病院では、239床の個室を設けており、差額ベッドの拡大は収益に大きく貢献しているほか、ベッドコントロールの面でも、4人部屋のように、男女比を考慮せずに済むため、以前よりも調整が柔軟になったと言う。

■情報システムのデータを活用、運営判断の材料に
 山口県済生会下関総合病院の企画・建設対策室の中村敦主幹は、病院情報システムから得られるデータを加工し、運営上の判断材料として活用するようになった。
 下関市内には、4つの急性期病院があるが、その一つである同院は、地域の小児・周産期医療の中心だ。しかし、周辺病院での小児科の閉鎖や縮小が続くなど、状況は厳しいことから、地域医療の状況を把握する必要があった。
 中村氏は、医事システムとオーダリングシステムのデータを結び付け、データベース化した。さらに、エクセルやアクセスを使って、地域の受診動向などをグラフや地図で示し、分かりやすくまとめている。
 中村氏は、病院経営も将来の見通しが立ちにくくなる中で、自院の位置づけを知ることが重要と言う。特に「地理上の位置」「地域における自院の医療レベル」「地域医療で担う役割」を把握することが重要で、職員にも知ってもらう必要がある。
 このほか、人口推計のデータも活用しながら、地域における今後の小児科や産科の対象患者数のシミュレーションなども行っている。
 中村氏は、病院情報システムには、そのままでは使用できないデータもあるが、それを加工し、分かりやすい形で示すことで、運営上の判断材料になると言う。また、自院の位置付けを知った上で、目標を定めることも重要としている。

 海老名総合病院(神奈川県海老名市)の内山喜一郎院長は、戦略的に業務管理を行うための手法、BSC(バランスト・スコアカード)の取り組みを紹介した。
 内山氏は、組織が大きくなる中で、理念やビジョンが浸透しにくくなっていたことから、コミュニケーション不足の解消や人材の育成が、病院としての課題と考えていた。
 そして、病院と職員の意識を変えようと、中長期計画(5年間)を更新するタイミングで、2010年度からBSCを導入した。
 導入では、医師5人によるプロジェクトチームを組織し、事務の専任者を配置した。最初は、職員が構えないように、コミュニケーションツールとして導入したと言う。また、スタート時は全部署に展開せず、できるところから始めた。
 導入の鍵は診療部へのアプローチだったという。プロジェクトチーム医師が指導を行うことで、コミュニケーションも良くなったという。そして、医師にも多職種とのグループワークに参加してもらい、多職種と「組織風土を変えるには」「チーム医療を推進するには」といったテーマを議論する中で、コミュニケーションも良くなったという。
 今年度からは、BSCの手法を全部署に展開することができた。内山氏はこれによって、組織における目標の可視化や共有化が進んだと言う。

■トップの方針を組織に浸透させる体制作り
 社会医療法人愛仁会(大阪市)常務理事の松本力氏は、TQM(総合的品質管理)システムを活用した、組織運営について紹介した。
 同会では、一般企業に学びながら、組織のミッションやビジョン、戦略を法人内で浸透させるための体制作りを進めてきた。
 事業計画を策定する際はまず、トップである理事長が方針の大枠を示す。これを受け、法人本部がグループとして取り組む目標や課題に落とし込み、さらに病院や施設ごとに詳細な目標を設定していく。それぞれの目標については、副院長、部長、科(課)長以上の管理職が責任を持つことになる。
 松本氏は、プロセスをどのように管理するかが、結果を左右すると指摘し、事業計画の実施状況や達成度の確認を重視する。
 同会ではまた、職員の評価を年2回行っていて、部署の目標達成度などを、人事考課に反映させる。良い成績を収めた職員(全職員の上位30%)については、期末に臨時賞与の対象とする。
 同会では、トップダウンによる方針管理と併せ、主任以下のスタッフを中心にQC手法による改善活動も行っている。
 松本氏は、トップの方針が組織に浸透するには、とりわけ中間管理職の役割が重要としている。【大戸豊】



http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201206260019.html
ドクターヘリ、全国平均超え
'12/6/26 中国新聞

 島根県は、昨年6月に導入した医療用ヘリコプター(ドクターヘリ、1機)の1年間の利用実績をまとめた。計645件と1日平均1・76件が出動し、全国平均(2011年度)の1・26件を上回った。病院が遠い中山間地域を中心にニーズの高さを反映した一方、出動が基地病院のある出雲と、隣接の雲南、大田地区に偏り、松江市以東で利用が低調な実態も示された。

 昨年6月13日~今年6月12日の366日間を調べた。出動件数の内訳は現場救急319件に対し、病院間で患者を運ぶ転院搬送が307件とほぼ二分。転院搬送は1日平均0・84件で、11年度の全国平均0・22件をはるかにしのぐ。救急医療態勢が不十分な小規模病院などから基地病院の県立中央病院(出雲市)へ運ぶケースが目立ったという。出動後の引き返しが19件あった。

 受け入れ先は、県立中央病院に約8割の487件が集中。島根大医学部付属病院(同)58件、松江赤十字病院(松江市)18件と続いた。

 要請元を消防本部別にみると、雲南の177件(27・4%)が最多。出雲と大田が128件(19・4%)で並び、江津邑智89件(13・8%)、隠岐46件(7・1%)と中山間地域と石見部の利用が目立った。松江、安来はそれぞれ11件(1・7%)、6件(0・9%)と少なかった。
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http://www2.knb.ne.jp/news/20120626_32901.htm
県議会、県立中央病院3年連続黒字
2012 年 06 月 26 日 11:12 現在 北日本放送(富山)

 県立中央病院の昨年度の決算は、当期純利益が2億2100万円の黒字となりました。

 黒字は3年連続です。

 これは、26日の県議会厚生環境委員会で県が報告しました。

 県立中央病院の昨年度の決算は、売り上げにあたる事業収益は、前の年度よりもおよそ5億円5千万円増えて、213億1900万円、当期純利益は、およそ1億4千万円減りましたが、2億2100万円の黒字となりました。

 黒字は平成21年度から3年連続です。

 理由について、県は、新たな精神科病棟での入院料やNICUなど周産期治療室の管理料などの収入があり、患者1人あたりの収益が増えたためと説明しています。



http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120626t11030.htm
気仙沼市の新市立病院 国道と直結 土地利用計画案示す 
2012年06月26日火曜日 河北新報

 2017年度の開業を目指す気仙沼市の新市立病院建設事業で、予定地(同市赤岩杉ノ沢)への施設配置など土地利用の素案が、25日の市議会全員協議会で示された。
 敷地の平地有効面積は4万平方メートルで、当初の基本構想・基本計画から狭まる。国道45号から病棟まで、北東に走る一直線の進入路で結び、円弧状の第1駐車場(患者用、550台)を配置する。駐車場は他に2カ所設け計800台を確保。その分、周辺の緑地面積がやや減少した。
 地上6階、地下1階の建物内には当初、別棟の予定だった看護学校なども収容する。1、2階が外来、診療補助部門で、3~6階は病棟。18診療科、340床の体制に変更はない。窓は北東向きだが、港などを見渡す眺望が利点という。4タイプの建物のデザイン案も示した。
 全員協では、敷地内を横切る送電線からの電磁波による機器への影響を懸念する質問が出た。設計業者は「鉄塔から一定の距離はある。影響を測定し、数値を見ながら計画を進めたい」と述べた。接続は国道と市道の2ルートだけで「事故などに備え、他の進入路が必要」との指摘もあった。
 市は、7月中旬に地権者、地元住民への説明会を開催。12月に基本設計を終え、来年1月から用地交渉に入る見通し。



  1. 2012/06/27(水) 06:23:39|
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6月26日 震災関連

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/2012062701000829.htm
通信回線使い血圧チェック 岩手医大、被災者を支援
2012年06月27日水曜日 河北新報

 岩手医大(盛岡市)は、岩手県内の仮設住宅で暮らす東日本大震災の被災者の血圧データを、通信回線で住宅から大学のサーバーに送る医療支援を始める。目の行き届きにくい仮設の住民の健康状態を定期的に把握し、高血圧症の発症などを防ぐのが狙い。
 医療支援名は「三陸海岸血圧ネットワーク検診」。携帯電話の通信回線で測定データを送信できる、専用の血圧計を使う。データは岩手医大で解析し、異常があればかかりつけの医師に連絡を取って、診察に役立ててもらう。
 陸前高田市や山田町などの仮設住宅に50台を配布して試験送信を既に開始。8月までに釜石市や大槌町などにも150台を配る。



  1. 2012/06/27(水) 06:20:54|
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6月25日 医療一般

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001206250005
常勤産科医が不足
2012年06月25日 朝日新聞 神奈川

 県内の常勤の産科医は今年4月現在523人で、調査を始めた2006年度と比べて、111人増えたことが県の調査で分かった。特に女性の産科医が増えた。ただ、現場では依然、医師が不足しており、県は助成策を進める。

 出産を扱う病院65、診療所62、助産所37の計164施設に調査、163施設から回答を得た。

 常勤の産科医は、男性333人、女性190人。昨年度より12人増え、うち女医は10人増えた。09年度との比較では、男性が13人増えたのに対し、女性は55人も増えた。

 県は分娩(ぶん・べん)手当や、短時間勤務をする産科医の給料を補助しており、その効果が表れたといえそうだ。県医療課によると、出産などで退職した女性医師が復帰するケースも出てきた。

 一方で、各施設に「どれぐらい医師が足りないか」を聞いたところ、計130人「足りない」と答えた。特に横浜市南部や三浦半島で「不足数」が多く、1施設あたり産科医が2人足りない計算だった。

 国の調査によると、県内の15~49歳の女性人口あたりの産科医数は、2010年時点で全国41位。県医療課では「徐々に産科医は増えてきているが、まだまだ不足している。今後も積極的な対策を打っていきたい」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37507.html
あの人に聞く医学部新設(2)- 医師不足の解消に有効でない
【海野信也・北里大病院長】

( 2012年06月25日 05:00 キャリアブレイン )

■既存医学部の定員増の方が効率的

  医学部新設をめぐる論点には、医師不足の問題、偏在の問題、医師の質の問題の3つがありますが、この3者が混乱して議論されていると感じています。整理することが必要でしょう。

 現在、多くのところでは、医師不足解消の観点から議論されています。医師数を増やすだけなら、新設の必要はありません。既存の医学部の定員増で対応する方が効率的です。

 将来の人口減少、医療需要の減少を考えると、医師の養成数を増やしたら、いずれ必ず減らすことになるからです。医療需要は、2025年ごろをピークに減少に転じます。25年に向け、養成数を増やす必要があるのは確かですが、その後も同じだけの医師数を養成する必要はありません。養成数を増やす方法と同時に、減らす方法も考える必要があるのです。
 医学部を新設するということは、将来的にはどこかの医学部をつぶすということです。病院が一つつぶれれば大騒ぎになるのに、どこかをつぶすことを前提に医学部を新設するのは、現実的ではないと思います。

 「既存の医学部はもう教室が満員だから、これ以上は定員を増やせない」という指摘もあるでしょう。ただ、1970年代に新設された医学部は、40年目を迎え、校舎の建て替えを計画しています。その前からあった医学部も、何十年に一度は校舎を建て替えます。建て替えの際に、教室を広くしてしまえばいいのです。

 医学部の新設と、日本全体の医師不足の解消は、独立した問題です。日本の医学部の定員は、100人から200人。80校ある医学部を、120校に増やすなら話は別ですが、片手で数えられる程度に医学部を新設して、養成数を数百人増やしても、日本全体の医師不足の解決にはなりません。逆に養成数を数百人増やすだけなら、それぞれの大学の定員を5人ずつ増やす方が、コストが安く済んでよいでしょう。

■偏在解消なら、底上げすべき地域の見極めを

  医学部を新設した地域には、局所的に良い影響があると考えています。医学部ができれば、大学病院ができ、地域の医療提供体制が変わります。大学病院には多くの医師が在籍しており、中には周辺の病院でアルバイトをする医師もいるからです。また、高度先進医療を提供する病院ができるのは、地域住民にとっても歓迎されるでしょう。

 患者さんがたくさんいるのに、極端に医師不足で、高度医療や救急医療の提供体制が不十分な地域に医学部を新設することには、意義があるかもしれません。仮に医学部を新設するとして、誰も反対できないのは埼玉県。人口当たりの医師数、研修医数が最も少ない都道府県です。
 既に東北大のある仙台市や、医学部が4つある神奈川県に新設しようというのは、優先順位が違うでしょう。国民にとって必要なことを議論するはずが、まず医学部を新設したい人がいて、そこから話がスタートしているように感じます。底上げが必要な地域を見極めなければなりません。

 また、既存の医学部が養成している医師の質が悪いから、もっと良い医師を養成するために医学部を新設する、という考え方もあり得ると思います。大学病院で新しい医師を養成している立場なので、個人的には賛成できませんが、これが医師の「質」の議論です。例えば、神奈川県の黒岩祐治知事は、「世界に通用する医師を養成する」と発言しています。しかし、それは医学教育改革という文脈でまず検討されるべき問題ではないでしょうか。既存の医学部でも医学教育改革に取り組んでいるのです。既存の医学部が本当に駄目なのか、議論が必要だと思います。【聞き手・高崎慎也】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37519.html
あの人に聞く医学部新設(1)- 中長期ビジョンで医師養成を
【神奈川県参与・内田健夫さん(聖マリアンナ医科大臨床教授、日本医師会元常任理事)】

( 2012年06月25日 05:00 キャリアブレイン )

 神奈川県の黒岩祐治知事は今年春、大学医学部の新設を検討する方針を表明した。また、全国市長会は今月上旬、大学医学部の新設による地域医療の充実などを求める決議を採択。東日本大震災で被災した宮城県では、仙台厚生病院を運営する厚生会と東北福祉大による医学部新設の動きが本格化しているが、文部科学省は医学部の新設を認めておらず、医師会などは新設に反対の姿勢を崩していない。一方、大学関係者の中には、医学部の定員増で対応すべきとの声もある。今後、医師の養成はどう在るべきなのか―。6人の有識者から意見を聞いた。

■展望なき定員増には反対
 医学部の定員増は、確かに有効な政策の一つです。医学部を新設するよりも、比較的早い対応が可能ですし、財政面での負担も小さい。また、都道府県の奨学金を活用した選抜枠となる「地域枠」の導入で、医師の偏在対策という点でも一定の効果が出ています。しかしながら、将来の予測や展望がないまま、単に定員数を増やすことには反対です。

 2012年度の医学部の定員数は8991人で、07年度に比べて1366人増えていますが、地域の特性は考慮されているのでしょうか。例えば、人口当たりの医師数が少ない千葉や埼玉では、現在の倍以上に増やしても、医師が足りないのが現状です。1970年代前半に生まれた「団塊ジュニア」の世代が亡くなるまでの今後40年間、医師が足りない状態は続くでしょう。今後の超高齢化社会では、いわゆる「看取り難民」が出ることも懸念されています。
 中長期的な医療ビジョンを考え、どのくらいの医師数、どのような医師が必要なのかを議論することが重要なのです。

 既存の医学部の中で定員だけ増やしても、地域・診療科の偏在の解決には直結しないでしょう。なぜこのような偏在が生じるのかを議論した上での対策でなければ、その場しのぎの対応策に過ぎなかったという結果になる可能性が高いと思われます。医学部を新設するならば、従来の医学部にない機能を備えた特性を打ち出すことが大切です。すべての大学が同じ教育内容でなければならないという固定観念ではなく、もちろん医療を担うに足る能力を身につけるための教育は行わなければなりませんが、その上で各大学が目指す教育方針があってもよいと思います。

 東北では、もともと医師不足の地域であり、被災地でもあることから、地域医療を担う医師の養成を主とした新設医大を期待されているようですし、神奈川で地域特性を生かした教育機関設立を目指すことも今後の医療と医学教育を考える上で、一つの布石になるのではないかと考えます。

■「神奈川から新たな医療を」
 黒岩知事は、横浜、川崎両市の臨海部の「国際戦略総合特区」に医学部を新設し、世界で活躍できる医師を育成する構想を描いています。医療の中長期的な展望を描き、「神奈川から新たな医療を発信したい」という思いを強く持っています。

 特区では、海外の大学と連携し、外国人医師だけでなく、国外で活躍する日本人医師にも教育に携わってもらいたいとの思いがあります。授業や診療はすべて英語で行い、いわゆる「医療後進国」からも留学生を受け入れる。日本で学んだ技術を母国で生かしてもらえば、医学交流にもつながるでしょう。
 さらに言えば、今後の日本の発展という意味で、医療の国際化を実践する場にしたいと考えています。研究・開発と臨床、そして教育をつなげる。そこで「ドラッグ・ラグ」や「デバイス・ラグ」を解消させるような取り組みも進めば、地域医療の貢献にもつながるのではないでしょうか。黒岩知事は、先進医療を導入して国民医療への貢献になることと、国際貢献もできる研究・教育機関の設立を目指しているのです。

 新たな医学部をつくるのは、確かにハードルが高い。「人」「金」「場所」の問題が常に付きまといますので、例えば、大学医学部の分校のような形で、「国際医学交流センター」みたいなものをつくるという方法もあるでしょう。
 教員に関しては、海外から招くというやり方以外に、医師が充実している国内の医療機関に協力をお願いするという方法もある。例えば、千葉県の亀田総合病院は約900床のベッドに対して、およそ450人の医師がいる。普通の大学病院でも300-350人です。教育機関ではないのに、それだけ優秀な人材を抱え、先進的な医療を行っている病院があるわけですから、そういった医療機関との連携も、有力な選択肢の一つでしょう。

 黒岩知事は、もちろん現在の医師不足の状況をさらに悪化させることは避けたいという思いを有していますし、既存の医学部や医師会活動の邪魔をするような意図は全くありません。知事の構想は、現時点では容易に実現できることではないかもしれませんが、神奈川の既存の医学部・医師会からも協力・連携していただいて、現状の大学の中ではできないけれど、こういうことができればいいな、と考えていることなどを提案していただければ、さらに具体化・充実化を期待できるのではないでしょうか。【聞き手・敦賀陽平】



http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201206260020.html
市民病院の課題 報告書公表
'12/6/26 中国新聞

 笠岡市は25日、市民病院(笠岡)の現状や課題をまとめた基礎調査報告書を公表した。9月に設置する病院あり方検討委員会で議論する資料として策定。自治体病院の役割や救急態勢の強化、慢性期医療の考え方など方向性の決定に向け、客観的な視点で問題点を挙げている。

 報告書は市民病院の経営実績や職員からの聞き取り、全国的な医療動向を基に昨年度末の3月に策定。自治体病院共済会(東京都)に委託し、第三者による客観的な意見を求めた。

 現状は一般病床160、療養病床34で内科、外科などの12診療科で運営。職員数は191人。特に、医師数は2005年度の18人が昨年度は12人と6人減少した。各科で課題を列挙し、内科では医師不足の中で断らない救急診療の実現、外科は手術数の減少、整形外科では多様な手術に対応できる医師の確保などを指摘している。

 自治体病院の役割としては専門スタッフを必要とするがん診療などで質的水準の高い医療提供の機能が十分でないとされ、市内唯一の公的病院として地域医療充実、岡山県外医療機関に対する搬送減少へ救急態勢強化、慢性期医療の対応を求める。医師確保ではビジョンを明確にし、安心して働ける環境づくりの必要性を挙げる。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37534.html
基幹型研修病院、入院数の基準見直し検討へ- 15年度研修から新基準に
( 2012年06月25日 21:53 キャリアブレイン )

 厚生労働省は25日、基幹型臨床研修病院の指定基準のうち、新規の入院患者を単独で年間3000人以上受け入れる現在の基準について、見直しを検討する方針を固めた。この基準は2009年度の制度見直しに伴い、研修に必要な症例数を確保する狙いで加わったが、入院患者の年間の受け入れ人数が3000人を下回っても、研修医の習熟度や症例数に大きな差が認められないことが、同省の訪問調査で分かった。

 厚労省は、臨床研修病院の新たな指定基準について15年度から適用する方針で、来年度の早い時期には新基準の骨格を固めたい考え。「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」が、研修病院の指定基準見直しの論点を年内に取りまとめ、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会に報告する。最終判断は同部会が下す。

 年間3000人の新規入院受け入れが加わったことで、基幹型の指定基準をクリアできなくなった病院には、経過措置として今年 3月末まで指定が認められてきた。こうした病院に対しては、今年度以降は訪問調査を実施し、▽適切な指導・管理体制がある▽研修医が基本的な診療能力を修得できる-と認められれば、指定を継続することになっている。

 同省では昨年11月-今年2月、全国にあるこれら29病院への訪問調査を実施し、研修医から診療経験に関する自己評価をアンケートしたり、研修の状況を聞き取ったりした。これと並行して、東北地方各県(宮城以外)の基幹型7病院を対象に実施した調査の結果と比べたところ、習熟度の自己評価や経験症例数に大きな差はなかった。ただ、全国調査では、2病院で総合評価が低かった。

 同省は、25日に開かれたワーキンググループの会合に、これらの調査結果を提示。委員からは、「3000人という数字が独り歩きしているという印象がぬぐえない。エビデンスはどこにあるのか」など、この基準を見直すべきだとの意見が大勢を占めた。【兼松昭夫】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=60768
ドクターヘリ 機転の急行…亀岡暴走
(2012年6月25日 読売新聞)

 京都府亀岡市立安詳小の児童ら10人が無免許の少年(18)が運転する車にはねられて死傷した4月23日の事故では、2機のドクターヘリと京都市消防局の消防ヘリが救命救急活動に参加した。

 そのうち1機は、救命救急医らの機転を利かした判断で、決められた活動エリアの枠を超え、大阪大病院(大阪府吹田市)から飛来して患者を運んだ。当日の記録から、3機の軌跡を追った。

■1機では足りない

 「交通事故で11人の負傷者が出ている」。

 事故発生から20分が過ぎた、8時20分。亀岡市が守備範囲のドクターヘリを運用する、兵庫県・公立豊岡病院に情報が入った。同病院のヘリは9分前に離陸、93キロ離れた安詳小に向かっていた。だが、事故現場からの情報は1機では対応が難しいことを物語っていた。

 同病院の救命医らは、阪大病院のヘリに出動要請することを決断した。一方の阪大側では独自に入手した情報ですでに準備を整え、ヘリに出動が指示されていた。

 正式要請は同30分に届いた。10分後、医師と看護師を乗せたヘリが阪大病院の屋上を飛び立った。

■7分で現場に到着

 午前8時47分、阪大病院のヘリが22キロを飛び安詳小の運動場に着いた。校庭には豊岡のヘリも着き、女児を搬送する作業の最中だ。

 阪大のヘリは頭に重傷を負った西田琉輝君(6)を担当。同59分に西田君を乗せると即座に離陸し、5分後には15キロ先にある京都第一赤十字病院(東山区)の屋上に着陸した。豊岡のヘリは安詳小から同病院、公立南丹病院(南丹市)へと転戦、重体の小谷真緒さん(7)を豊岡病院まで運んだ。

 一方、阪大のヘリはいったん阪大病院へ帰投する。着陸から4分後、今度は南丹病院から出動要請が入った。同病院に運ばれていた横山奈緒さん(8)を、より高度な治療が可能な阪大病院へ運んでほしいという。

 午前10時43分、横山さんを南丹病院近くの中学校運動場で収容。同53分、28キロ先の阪大病院に到着した。

 午後1時13分には伏見区のヘリポートを市消防局のヘリが南丹病院に向けて離陸、同病院から京都第一赤十字病院へ松村幸姫さん(26)を運んだ。

■重体の6歳回復

 阪大のヘリは、今秋から京都府南部を活動範囲に加えることが、今年3月に決まっていた。事故当時の活動エリアは大阪、滋賀、奈良、和歌山。京都への出動は豊岡病院側の求めに応じた、緊急の措置だった。

 一時重体だった西田君は命を救われた。治療に当たったのは、京都第一赤十字病院救急救命センターの高階謙一郎副センター長らだ。高階さんは「ヘリで5分のところを救急車で20分かかれば、その時間差で容体が変わり、治療の成否が決まることはある。ヘリを効率よく運用できれば、重傷患者が同時多発しても救命率は上がるはず」と語る。

 日本にドクターヘリが登場して10年あまり。今回の事故は、その運用が着実に成果を上げていることを示した。事故を受け京都府は、阪大のヘリの府内での運用の前倒しを大阪府と調整、9月中の実施を決めた。(藤本将揮)



  1. 2012/06/26(火) 05:47:38|
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6月25日 震災関連

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062502000202.html
高齢者2割歩行困難 震災10カ月後も回復せず
2012年6月25日 夕刊 東京新聞

 東日本大震災で被災した、仙台市の六十五歳以上の高齢者約一万人を対象にした仙台市医師会などの調査で、二割強(二千百五十九人)が震災後に新たに歩行困難になり、地震十カ月後の一月末時点でもその多く(千八百九十九人)が回復していないことが二十五日、分かった。

 被災により仕事や趣味など体を動かす機会が減り、心と体の機能が低下した「生活不活発病」が原因とみられる。

 被災高齢者の生活不活発病は、宮城県南三陸町の仮設住宅でも報告されていたが、今回は民間から借り上げたアパートなどの「みなし仮設」で多発していることが判明、被災地で広がっていることが確認された。

 調査は仙台市医師会と国立長寿医療研究センターの大川弥生生活機能賦活研究部長が一月末に仙台市内の医療機関を受診した六十五歳以上の患者一万百五人を対象に実施した。

 その結果、震災後に歩行困難になったのは、居住タイプ別にみると、自宅(九千二百九十六人)の19%、仮設住宅(百人)の38%、みなし仮設(四百十八人)の48%、親族宅(二百十六人)の48%など。

 震災十カ月時点でも、自宅の17%、仮設の29%、みなし仮設の46%、親族宅の45%が歩行困難なままで、特にみなし仮設と親族宅に住む人はほとんど回復していなかった。

 大川部長は「(被災者を受け入れている)自治体側が不活発病予防の重要性を理解することが大切」と話している。
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http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120625t13013.htm
歩行能力、半数低下のまま みなし仮設・親族方転居の高齢者
2012年06月25日月曜日 河北新報

 東日本大震災後に歩行能力が低下し、回復していない宮城県内の高齢者(65歳以上)は民間賃貸のみなし仮設住宅の入居者、親族宅への転居者でそれぞれ半数近くに達し、その割合はプレハブ仮設入居者を大幅に上回ることが、仙台市医師会などの調査で分かった。

 専門家は、みなし仮設や親族宅に住む高齢者に、長時間体を動かさないことで日常動作に支障が出る「生活不活発病」に陥っているケースが多いとみて、注意を呼び掛けている。
 歩行能力が回復しない高齢者の割合を居住形態別にみると、みなし仮設の入居者(418人)が45.7%、親族宅への転居者(216人)は45.4%に上った。プレハブ仮設の入居者(100人)は29.0%、自宅の居住者(9296人)は16.7%。対象者全体では18.8%だった。
 市医師会の瀬野幸治災害対策部長は「生活不活発病にならないためには家庭や地域で役割を受け持ち、体を動かすことが必要だ」と強調した。
 調査はことし1月下旬、市医師会に加盟する医療機関で診察を受けた高齢者1万105人を対象に実施。国立長寿医療研究センター(愛知県)生活機能賦活研究部長の大川弥生医師が協力した。
 市医師会は大川医師と共に生活不活発病の予防や改善に向けた冊子を作り、7月ごろから被災者に配り始める方針。



http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=201206251
今秋にも設置へ 福医大放射線医療拠点
2012年06月25日 09時29分配信 福島放送

福島医大は平成28年度の運営開始を目指していた放射線医療の拠点となる新センターを当初予定より大幅に前倒しして今秋にも設置する方針を固めた。

新センターが担う県民健康管理調査などの重点事業が既に進行しているため、組織的な取り組み強化を急ぐ。

9月定例県議会に提出する補正予算案に設置関連経費を計上する予定。

24日に東京都港区のホテルオークラ東京で開かれた新センター基本構想有識者検討委員会で大学側が明らかにした。

新センターは28年度の施設完成に合わせて福島医大内に置く予定だったが、組織化を先行させ、各種施策の実行と課題解決に専門的に対応できる態勢と機能を整える。

24年度中の策定を目指していた新センター基本構想も7月中にまとめる。

補正予算で施設建設の実施計画費用などが認められれば、新センター設置の道筋が固まったとして組織運営を開始する。



  1. 2012/06/26(火) 05:46:42|
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6月24日 医療一般

http://mainichi.jp/select/news/20120625k0000m040128000c.html
論文不正:元東邦大准教授の疑惑、00年に指摘…米専門誌
毎日新聞 2012年06月25日 02時32分

 麻酔学に関する論文193本に不正が疑われている元東邦大准教授の藤井善隆医師(52)に対し、米国の専門誌が00年にも不正の疑いを指摘していたのに、藤井医師が97~05年に講師で在籍した筑波大は疑惑について調査していなかったことが分かった。不正の有無について当時適切な調査がなされていれば、これほど大規模な疑惑に発展しなかった可能性がある。【久野華代】

 海外の専門家が、不正を疑う文章を00年4月発行の米専門誌「アネステジア&アナルジジア(麻酔学と無痛学)」に投稿した。

 藤井医師が94~99年に複数の専門誌に発表した麻酔薬の効果に関する論文47本を分析し「副作用のデータが極めて均一で不自然」と指摘、不正を示唆した。



http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2000W_U2A620C1NN1000/
先端医療に評価基準 厚労省、有望技術の実用化急ぐ
2012/6/25 0:27 日本経済新聞

 先端医療の実用化を急ぐため、厚生労働省は全国21カ所の研究機関と連携し、効果や副作用を評価するための基準づくりに取り組む。先端医療の実用化には国の審査と承認が必要。様々な細胞に成長できる「iPS細胞」などの有望な技術ごとに評価の基準を定め、企業が臨床研究(治験)を進めやすくする。

 厚労省が選定した21機関には、iPS細胞の京都大学、心筋や角膜の細胞シートを研究する大阪大学、患者のDNA情報をもとに最適な医療を実施する「個別化医療」の国立がん研究センターなどが含まれる。厚労省が資金を補助し、有効性と安全性を確かめるのに必要な評価方法の研究を促す。

 21機関には、実際に審査を担う独立行政法人の医薬品医療機器総合機構との人材交流も求める。審査員が研究現場に出向いて先端医療の知識を蓄えておくことで、審査の時間を短くする。

 日本は医療分野の基礎研究は高い水準にあるが、治験を含む臨床研究が進めにくいため、新薬の開発などで米欧に後れをとってきた。先端医療の審査・承認の仕組みを世界に先駆けて整え、国際競争力を強化する。



  1. 2012/06/25(月) 05:12:55|
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6月23日 医療一般

http://www.m3.com/iryoIshin/article/154909/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
大学の臨床研修、必修化前後で満足度不変
医学部長病院長会議調査、学位取得低下の懸念も

2012年6月23日 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議が、2004年度に必修化された卒後臨床研修を受けた医師と、必修化以前の研修を受けた医師に、それぞれ調査したところ、全体で見れば、研修に対する満足度は必修化前後で変わらないことが分かった。6月21日の定例記者会見で調査結果を公表した。

 初期臨床研修について、「満足できる」と回答した医師は旧制度63.8%、新制度62.6%、「満足できない」との回答は旧制度13.3%、新制度12.9%で、新旧両制度で大差はない。

 新制度の特徴は、マッチング方式とスーパーローテーション方式の採用。マッチング方式などにより、全国から研修病院を選べる制度を支持するのは、新制度75.4%で、旧制度55.7%を上回っている。ただ、スーパーローテーション方式については、多くの診療科で研修できることを評価する声がある一方、臨床研修前に精神科、産婦人科、地域保健・医療を志望していた医師では、診療科別の研修を「役に立たない」との回答が2割を超えた。

 そのほか、初期研修と同じ大学病院に勤務しているのは、旧制度76.3%に対し、新制度56.5%にとどまり、初期研修に限らず、それ以降も医師の流動性が高まっていることも示されている。

 調査は、全国医学部長病院長会議が、厚生労働科学特別研究事業「初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究」班〔研究代表者:桐野高明・国立国際医療研究センター総長(当時)〕との共同研究の形で実施。全国の80の大学病院本院と、35の大学病院分院で研修を受けた、新制度(2004年~2008年卒業の医師)と、旧制度医師(1998年~2003年卒業の医師)を対象に実施。調査期間は、2011 年2月28日から3月25日、計1万788人から回答を得た(旧制度5753人、新制度5025人、無回答10人)。

 調査を担当した全国医学部長病院長会議の卒後臨床研修調整委員会委員長の山下英俊・山形大学医学部長は、「研修直後に調査したのでは、自らが受けた研修の意味付けが分からない。今回の調査は、新旧両制度を問わず、臨床研修を終え、一定期間が経過した医師を対象に実施したのが特徴」と説明。その上で、「新制度での問題点は、研修する診療科を義務にしたこと。研修の満足度が一部の診療科で低下している。これは将来の専門とは関係なく研修内容を決めた弊害と言える」と指摘する。

 研修で希望進路の実態把握

 本調査では、大学病院以外で研修を受けた医師について調査した桐野班研究との比較も行っている(計 628人。旧制度230人、新制度395人、無回答3人)。桐野班研究では、「満足できる」と回答した医師は、旧制度63.0%だったが、新制度は 68.6%とやや上昇した一方、「満足できない」のは旧制度15.7%、新制度8.8%に減少している。2004年度の必修化前後で、大学病院以外の方が、大学病院よりも、満足度の上昇率は高い。

 また、「臨床研修でよかった点」を複数回答で聞いたところ、旧制度では、1位「手技を豊富に経験できた」(50.7%)、2位「希望する診療科の実態を把握できた」(48.9%)、3位「研修医一人当たりの症例数が充実していた」(43.9%)。新制度では、1位「希望する診療科の実態を把握できた」(58.5%)、2位「多くの診療科をローテートできた」(46.4%)、3位「熱心な指導医がいた」(44.1%)。

 一方、改善すべき点は、旧制度では、1位「多くの診療科を選択できなかった」(23.5%)、2位「研修プログラムが充実していなかった」(22.3%)、3位「診療科同士の垣根が高かった」(19.9%)。これに対し、新制度では、1位「多くの診療科をローテーションするため深く学べなかった」(27.3%)、2位「手技を豊富に経験できなかった」(21.9%)、3位「シミュレーターや図書など機器や設備が充実していなかった」(18.3%)。

 適切な研修期間については、「2年以上」としたのは、旧制度50.9%、新制度49.1%。「1年以上2年未満」が旧制度28.3%、新制度35.4%、「1年未満」が旧制度9.9%、新制度9.5%と大差はないものの、「臨床研修は不要」としたのは、旧制度9.6%で、新制度5.2%よりやや多かった。

 「学位取得」、3割以上低下

 さらに、本調査では、臨床研修終了後の動向についても調査。

 主たる診療科を見ると、増加しているのは、皮膚科、精神科、形成外科、産婦人科、放射線科、麻酔科、病理診断科、救急科、総合診療科。一方、減少しているのは、小児科、外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、臨床検査科。

 「学位取得」あるいは「今後学位の取得」を目指している医師の合計は、旧制度80.6%に対し、新制度では52.6%と、3割以上も低下している。なお、桐野班調査では、旧制度44.3%と以前から低い上に、新制度31.6%になっている。

 医学生でも実施可能な基本的手技多い

 最近、「スチューデントドクター」などという形で、医学生が臨床実習で行う医行為の幅が広がっている。調査では、「指導医のもとでも、医学生には無理と考えられる基本手技20項目」についても質問。

 研修制度の新旧にかかわらず、50%以上の医師が「無理」としたのは、穿刺法(腰椎、胸腔、腹腔)、気管挿管、30%以上が「無理」としたのは、ドレーン・チューブ類の管理、除細動。それ以外の、皮膚縫合、簡単な切開・排膿、胃管の挿入と管理などは、「無理」としたのは30%未満で、大半が指導医のもとであれば医学生にも実施可能としている。

 山下氏は、これらの調査結果を踏まえ、次のように語っている。「全国医学部長病院長会議では従来から、卒前の臨床実習を充実させ、マッチングは専門医取得について導入すべきだと考えてきた。今回の調査でも、基本手技の多くが卒前に実習することができるという回答になっている。今回の調査を通じて、卒前教育、国試、卒後の専門医教育と生涯教育の体系的、継続的な教育システムを、厚生労働省や文部科学省と協力し、構築していく必要性を改めて実感した」。



http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-06-23_35435/
県立病院、3年連続黒字
2012年6月23日 09時47分 沖縄タイムス
(12時間6分前に更新)

 県病院事業局(伊江朝次局長)は22日、2011年度の県立病院決算見込みを発表し、経常収支が前年度比11億2400万円増の29億5千万円と過去最高額で、3年連続の黒字となった。

 経常収支は06年度には50億円の赤字だったが、09~11年度の経営再建計画で年間85億円の繰入金を一般会計から投入。赤字体質を改善した。ただ、繰入金は本年度59億円に減額となるため、同局は「一層の経営努力に努める」としている。

 11年度は人員増による休床の解消で入院患者数が増加。「7対1看護」導入など施設基準取得で診療単価が増え、医業収益が前年度比16億円増加した。

 これまで繰入金のうち、建物や医療機器の返済に充てる資本的収支予算が膨らみ、収益的収支分から配分していたが、財務改善により配分額が減少。

 給与費、材料費の増加で医業収支は同比2億9700万円と悪化したが、収益増につなげた。

 病院別では、精和病院をのぞく5病院が黒字計上。八重山病院は同比3200万円の収支増となったが、北部、中部、南部医療センター・こども医療センター、宮古は9800万~1億6900万円の収支減だった。

 伊江局長は「本年度の繰入額は減るが、収支が釣り合う見通しはある。長期収支推計も立て、無駄を省く運営を続けたい」と語った。



  1. 2012/06/24(日) 07:42:26|
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6月23日 震災関連

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120623-OYT1T00544.htm
生活不活発病、被災高齢者で深刻…2割歩行困難
(2012年6月23日14時33分 読売新聞)

特集 巨大地震

 東日本大震災後、外出や体を動かす機会がめっきり減ったことで、心身の機能が低下する生活不活発病の症状を訴える高齢者が増えている。

 仙台市医師会などが今年1月に行った調査では、65歳以上の外来患者1万人のほぼ2割が、歩くことも困難なほどだった。民間住宅を借り上げた「みなし仮設」や親類宅にいる高齢者では、実に4割が歩行困難な状態。

 調査は同医師会と国立長寿医療研究センター(愛知県)の大川弥生・生活機能賦活研究部長が共同で実施。仙台市内の診療所など約700か所を受診した高齢者に書面で調査し、1万105人が回答した。

 それによると、震災後に足腰が弱まり、1月時点でも歩行困難な状態が改善していなかった高齢者は、19%にあたる1899人に上った。

 「みなし仮設」に住む高齢者では418人のうち191人、親類宅に身を寄せる高齢者では216人のうち98人が、歩行困難な状態で、いずれも45%にあたり、プレハブ仮設住宅居住者の30%を大きく上回った。

 震災後に歩行困難となった要因を尋ねると、「日中の生活が不活発になった」が最も多く、「病気・ケガの発生」や「要介護認定」が続いた。

 調査を行った大川部長は、「プレハブ仮設住宅の居住者だけでなく、アパートや親類宅で暮らす高齢者も含め、幅広い対策が必要だ」と指摘する。同医師会の永井幸夫会長も「被災者に継続的に接しているかかりつけ医が、対策と予防に関わることが重要だ」と話す。



http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20120623dde041040068000c.html
東日本大震災:お年寄り歩行困難、仮設より親族宅に多く 日常活動量減り--仙台市医師会調査
毎日新聞 2012年06月23日 東京夕刊

 歩行などの生活機能が東日本大震災前より低下した高齢者は、借り上げ住宅や親族の家で暮らす人の半数近くに達し、仮設住宅での割合を大きく上回ることが仙台市医師会などの調査で分かった。震災で生活環境が変わり、日常の活動量が減ったのが原因とみられる。各地で避難生活を送る高齢者への配慮が必要になりそうだ。23日午後、仙台市で開かれる講演会で発表する。

 調査は今年1月、仙台市内の診療所を通して65歳以上の1万105人に生活や健康状態を聞いた。対象者の居住場所の内訳は、自宅9296人▽仮設住宅100人▽借り上げ住宅418人▽親族宅216人▽その他75人。

 「震災前より歩行が難しくなった」と感じている人の割合は自宅生活者の17%、仮設住宅の29%だったのに対し、借り上げ住宅で暮らす人では46%、自宅を離れ子どもなど親族の家で暮らす人では45%に達した。

 被災後、生活環境の変化や住み慣れた地域を離れて体を動かす機会が減ると、心肺機能や筋力が落ち、精神状態にも悪影響が生じる。「生活不活発病」と呼ばれ、歩行困難はその典型とされる。

 市医師会の永井幸夫会長は「仮設住宅には近所の知り合いが多く集まって暮らすが、借り上げ住宅や親族宅ではかえって孤立しやすい。行政の目も届きにくく、かかりつけ医による声かけや指導を続けたい」と話す。



http://www.kaigo-news.net/news_yS0oKg54G.html
東日本大震災被災地の高齢・在宅被災者の孤立を防げ
 2012年6月23日 10:00  介護ニュース

被災から1年以上 14%が「サポート必要」
 医療機関やNPOなどでつくる「石巻医療圏健康・生活復興協議会」の調査で、被災から1年以上が経過した今でも、宮城県石巻市の在宅被災者のうち14%がカウンセリングなど何らかのサポートを必要としていることがわかりました。またこうした在宅被災者の6割が65歳以上の高齢者で、支援を必要としている人も高齢者が多くみられました。

在宅被災者は高齢者多く、孤立防ぐ支援を
 同協議会は昨年10月から、石巻市と女川町で東日本大震災で被災した自宅に暮らし続けている在宅被災者の医療・介護相談や自立支援などの活動を行っています。河北新報の報道によると、調査は4月下旬~5月に行われ、石巻市の中でも津波の被害が大きかった住吉、門脇地区などの1321世帯のうち616世帯から回答を得ました。

 19日の活動報告会で発表された調査結果によると、調査に対し「何らかのフォローが必要」と回答したのは87世帯(14%)でした。サポートの内容としてはカウンセリングなど心のケアを希望する人が55%と最多で、続いて介護サポート(25%)、自立サポート(17%)、医療サポート(8%)と答えた人が多くみられました(複数回答可)。特に高齢者でサポートを必要とする人が多く、理由としては在宅被災者の6 割を65歳以上の高齢者が占めることと、お年寄りは外出が難しいことなどから孤立しやすい状況にあることが挙げられるといいます。

 河北新報の報道によると、協議会の武藤真祐代表は
「高齢の在宅被災者が復興から取り残されないよう、地域の住民を巻き込むなどして長期的な支援が必要だ」
と話しています。



http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120620t11028.htm
石巻の在宅被災者、ケア必要14% 高齢者孤立の恐れ
2012年06月20日水曜日 河北新報

 東日本大震災で被災した自宅で生活を続けている宮城県石巻市の在宅被災者のうち14%が、震災から1年以上を経ても心的ケアなどの支援を必要としていることが分かった。医療機関やNPOなどでつくる「石巻医療圏健康・生活復興協議会」が19日の活動報告会で、聞き取り調査結果として公表した。
 調査は4月下旬から5月にかけて、津波で浸水した住吉、門脇両地区などの1321世帯を対象に実施し、616世帯から回答を得た。
 「何らかのフォローが必要」と回答したり、判断されたりしたのは87世帯。内訳(複数集計)はカウンセリングや見守りなど心のケアが55%で最も多く、介護サポート25%、自立サポート17%、医療サポート8%と続いた。
 在宅被災者の6割は65歳以上で、支援が必要なケースも高齢者が目立った。体調を崩して外出が難しくなるなど、孤立しやすい状況が一因になっているという。
 協議会は昨年10月から石巻市と女川町で、公的支援が届きにくい在宅被災者を対象に、医療や介護の相談、自立支援などの活動を展開している。
 武藤真祐代表は「高齢の在宅被災者が復興から取り残されないよう、地域の住民を巻き込むなどして長期的な支援が必要だ」と話している。



  1. 2012/06/24(日) 07:41:56|
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6月22日 医療一般

http://iryojinzai.net/1141.html
MedPeer調査。「初期研修を受ける病院」に関する調査結果を発表 
[ 2012/06/22 ] 医療人材ニュース

メドピア株式会社は21日、同社が運営している医師コミュニティーサイト「MedPeer」において行った「初期研修を受ける病院」に関する調査結果を発表した。(参照:MedPeer調査。「勤務時間外の看取り」に関するアンケート調査結果を発表)

調査はメドピア会員の医師を対象に行われ、2,779の有効回答が得られた。質問内容は「もし、もう一度初期研修を行うなら、大学病院と一般病院のどちらで研修したいか」。この質問は「大学病院で研修した医師」、「一般病院で研修した医師」それぞれを対象に行われ、どちらも「もう一度行うなら、一般病院で研修したい」という回答が多いという調査結果になった。

「大学病院で研修した医師」が「一般病院で研修したい」と回答した割合は、54%。「一般病院で研修を受けた医師」が「一般病院で研修したい」と回答した割合は、87%となった。

大学病院で研修を受けるメリットとして、「先端医学は大学でしか経験できない」「医者の数が多く、時間的に余裕がある」「論文の読み方、書き方を教えてくれる」というコメントがあった。
一方、一般病院のメリットとしては、「一般的疾患をたくさん診る機会がある」「広範囲にわたって多くの症例を勉強できる」「より実践的な知識が身に付く」などが挙げられた。

【当直医局の杉本氏による一言コメント】
初期研修過程において、一般病院、大学病院それぞれで研修を受けるメリット・デメリットが鮮明に表れる調査結果となった。症例を数多く積んで臨床の最前線を目指すなら一般病院、基礎から理論立てて学んで、専門性を深めていくなら大学病院、と言えるのではないだろうか。

●執筆者プロフィール:杉本氏●
「当直医局」コンサルタント。日本初のスポット・当直アルバイトに特化した求人サイト「当直医局」を運営。当直・スポットアルバイトの仲介業務をこなす傍ら、医療機関への当直医の採用コンサルティングも手掛けている。



https://medpeer.jp/posting_view_review?rid=20120619-1
「初期研修を受ける病院」に関する調査結果
~6割近くは一般病院での初期研修を選択~
 
2012年6月19日 メドピア

メドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:石見陽)は、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」(URL:https://medpeer.jp/)にて、「初期研修を受ける病院」に関する調査を実施しました。

調査内容 「初期研修を受ける病院」に関するポスティング調査

調査期間 2012年5月7日~2012年5月13日

有効サンプル数 2,779サンプル

【リサーチ結果概要】
* 「もし、もう一度初期研修を行うなら、大学病院と一般病院のどちらで研修したいか」に回答した医師の中で、「大学病院で研修した医師」は全体の63%、「一般病院で研修した医師」は29%(「その他」は8%)だった。どちらのカテゴリも「一般病院で研修したい」という回答のほうが多く、大学病院で研修を受けた医師は54%、一般病院で研修を受けた医師は、87%にのぼった。
* 一般病院で研修を受けるメリットとして、「一般的疾患をたくさん診る機会がある」「広範囲にわたって多くの症例を勉強できる」「より実践的な知識が身に付く」というコメントがあった。一方、大学病院のメリットとしては、「先端医学は大学でしか経験できない」「医者の数が多く、時間的に余裕がある」「論文の読み方、書き方を教えてくれる」などが挙げられた。

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【本件に関するお問い合わせ先】
メドピア株式会社 経営企画室 TEL:03-6805-0345 / e-Mail:info@medpeer.co.jp

【引用に際してのお願い】
・「MedPeer調べ」であることの明記をお願い致します。
・web上での引用に際しましては、「 MedPeer: https://medpeer.jp/ 」へのリンクをお願い致します。

【ポスティング調査内容】
 初期研修についてお伺いします。
 新しい臨床研修制度が始まってから、地域や病院によっても異なるかも知れませんが、一般病院で初期研修を行う人が増えてきている傾向にある気がします。
 MedPeer会員医師は、大学病院・一般病院両方の勤務経験をお持ちの方が多いと思います。
 もし、もう一度、ご自身が初期研修を行うことが出来たら、大学病院と一般病院のどちらで研修したいとお考えでしょうか?
 以下の選択肢から、実際に研修を行った(行っている)病院の種類ともう一度研修を行うとしたらどちらが良いかをお選びいただき、そのメリット・デメリットをコメントでお答えください。

   1.【大学病院で研修】大学病院で研修したい
   2.【大学病院で研修】一般病院で研修したい
   3.【一般病院で研修】大学病院で研修したい
   4.【一般病院で研修】一般病院で研修したい
   5.その他

(注)ポスティング調査:
インターネット上のディスカッション機能を利用してリサーチを行うもので、通常の選択式のインターネットリサーチに加え、モニター会員が自由にコメントを記入できる形式。通常のリサーチに比べ、対象モニターのインサイト(意見、意識のような内面)をより反映したコメントが得られるものとされている。MedPeerでは、質問に対する選択式の回答「クイックリサーチ」と「コメント」を組み合わせての調査手法を導入している。



http://www.sakigake.jp/p/special/12/iryo/article2_05.jsp
あきた 医療を問う 第2部・偏在
[2次医療圏]
集約なら患者負担増 効率性欠けば共倒れも
 
(2012/06/22 付)秋田魁新聞

 午前8時すぎ。北秋田市阿仁合地区の停留所に1台のバスが到着した。打当発、北秋田市民病院行き。阿仁合地区を含む阿仁地域と、合川地域にある市民病院を結ぶ路線バスは1日1往復しかない。
阿仁合地区の停留所から北秋田市民病院行きのバスに乗る住民たち。阿仁地域と病院を結ぶバスは1日1往復だけだ

 阿仁合地区に住む女性(62)がつえを突きながら乗り込む。自宅から停留所までは約300メートルだが、両膝痛のため徒歩で10分かかる。バスは約1時間後、市民病院の玄関前に到着した。

 女性が通院するのは週1、2回。精神科を受診するほか、病院に併設した障害者らを対象としたデイケアセンターに通う。バス運賃は障害者手帳を所持しているため半額だが、往復980円掛かる。

 女性は不安そうに話す。「バスが1往復しかなく不安。急な事態になったら、病院と自宅を行き来するのが大変になる。交通手段を持たない人は病気にかかることもできない世の中になってしまったのだろうか」

  ■―――■

 県内を8地域に分けた2次医療圏の一つ、北秋田医療圏は北秋田市と上小阿仁村から成る。市民病院は2010年4月、公立米内沢(森吉地域)、市立阿仁、JA北秋中央(鷹巣地域)の市内3病院を統合・再編し、同医療圏の中核病院として開業した。

 病院を集約し、医療の充実を図ることを狙いとした統合・再編の背景には、市の財政事情もあった。以前の3病院は、深刻な医師不足により厳しい運営を強いられ、公立2病院に対する市の財政負担も限界にきていた。

 公立米内沢と市立阿仁の両病院は診療所(無床)となった。この2診療所を含め市内の現在の医療機関(歯科を除く)は19施設。うち15施設は鷹巣地域に集中している。市民病院から遠い森吉、阿仁両地域では、身近な医療機関の規模縮小で、高齢者や車を持たない住民の通院に伴う負担が増している。

  ■―――■

 2次医療圏は、各都道府県が医療計画(おおむね5年)の中で定めている。本県を含む大半の都道府県は、来年度から新たな計画への移行を控えている。国は今年3月、各都道府県に対し、次期計画策定に向けた基本的な考えを示した。

 その中で「人口規模が20万人未満で、入院患者の流入割合が20%未満、流出割合が20%以上の2次医療圏については、入院医療を提供する区域として成り立っていないと考えられる」と指摘、医療圏設定の見直しを求めた。

 県によると、県内の2次医療圏で人口規模を満たすのは秋田周辺だけ。残る7医療圏のうち、北秋田、大仙仙北、湯沢雄勝の3医療圏は入院患者の流入、流出割合についても国が示した目安を満たしていない。

 1医療圏当たりの面積が広大で人口の少ない本県の場合、医療圏を統合し中核病院の集約化を進めれば、高齢者や交通弱者の通院への負担が増す。一方で、限られた医療資源を効率的に配置しなければ、現場が疲弊し病院が“共倒れ”となる懸念もある。

 県医療審議会医療計画部会の坂本哲也部会長(県医師会副会長)は「本県の実情を踏まえれば、単なる数字合わせで2次医療圏の設定はできない。見直しありきではなく、住民の受診動向や既存医療圏の実情を検証した上で考えていく。議論の結果、現行のままという可能性もある」と強調した。

<第2部終わり>

医療圏
 病床の整備を図るため都道府県が設定する地域区分。1次医療圏は、日常生活に密着した医療・保健・福祉サービスを行う圏域で市町村単位。2次医療圏は、一般的な入院治療が地域内で可能な圏域とされ、本県では大館鹿角、北秋田、能代山本、秋田周辺、由利本荘にかほ、大仙仙北、横手、湯沢雄勝の8地域を設定している。3次医療圏は最先端、高度な医療を提供する圏域で、県全域となっている。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/120622/tky12062223110018-n1.htm
【練馬光が丘病院問題】
医療水準低下発言で「迷惑かけた」と練馬区長“情報公開不足”には言及せず 
 
2012.6.22 23:10 産經新聞

 東京都練馬区の志村豊志郎区長は22日、4月に地域医療振興協会が引き継いだ練馬光が丘病院の医療水準について、3日の記者懇談会で「最初から無理」と発言した真意を区議会運営委員会で釈明した。区長は「新聞報道で心配と迷惑をかけた」と謝罪したが、4月の引き継ぎ前から医師確保が困難などと知りながら区民に説明しなかったとの発言については触れなかった。

 志村区長は、懇談での発言は、協会が日大病院と全く同一の医療を提供するのは困難であるという趣旨だったが、「日大が21年かけて築いた体制や機能を(協会が)開院当初から実現は難しい」と述べたことが誤解を招いた、と謝罪した。だが、引き継ぎ前から、医師や医療水準の確保は無理だったと認識していたとの発言への言及はなかった。

 委員会では、情報公開が不十分だったとして「区民への謝罪はどうするのか」「説明会で事実と異なる説明をしたのは裏切り行為」などの批判が出て、区長の見解を求めたが、区長は答弁しなかった。

 区長は、3日の記者懇談会で、新病院の医療水準などについて、日大と同等とするのは「努力義務」「100%埋めるとは言えない」として、「言えば区政が混乱する」「心の機微は理解してほしい」と発言、批判が出ていた。



  1. 2012/06/23(土) 06:43:21|
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