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4月22日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/522566
シリーズ 社会保障審議会
地域医療構想、「調整会議」の運営に注文
医療部会、「公立病院以外にも改革プラン」との提案も

2017年4月21日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、4月20日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)で、2018年度からの第7次医療計画の策定に向け、改正した省令・告示・通知等を説明した。これらは、「医療計画の見直し等に関する検討会」の検討内容を踏まえたものだが、委員からは第7次から新たに盛り込まれる地域医療構想の実現に向けた調整会議での議論の進め方などについて、質問や意見が出た。

 地域医療構想は、2016年度中に全都道府県で策定を終え、2025年の医療提供体制構築に向けて2017年度からは地域医療構想調整会議での議論が本格化する。

 その進め方のイメージとして、厚労省は毎年秋には「機能ごとに具体的な医療機関名を挙げた上で、機能分化・連携もしくは転換についての具体的決定」するよう求めている(『2017年度下期には「具体的な医療機関名を」、地域医療構想調整会議』を参照)。この「決定」との文言を問題視し、「検討」とすべきと提案したのは、日本医療法人協会会長の加納繁照氏。今秋が病床機能転換等の期限と映りかねないからだ。厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、調整会議は毎年継続的に開催するものであり、「決定」は何も今年に限らないとした上で、「決定できるところは決定するということ。地域医療介護総合確保基金の活用のため、(病床転換等を行う)具体的な病院名を挙げてもらうことが必要」と説明した。

 同じく調整会議の進め方について、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「病床機能報告や医療計画データブック等を踏まえた役割分担について確認」を毎年行う点を質問。佐々木課長は、「病床機能報告制度は、毎年10月に集計するため、直近のデータを使い、議論する場を年度初めに持ってもらう」と説明。

 さらに中川氏は、地域医療構想そのものについて、「一番重要なのは、(2025年に向けて)不足する病床機能を充足させることが目的」などと述べ、「病床削減ではない」と釘を刺した。地域医療介護総合確保基金については、使い勝手が悪いため、「財政当局と交渉してもらいたい」と要望。さらに公立病院については、「新公立病院改革ガイドライン」で、地域医療構想を踏まえた役割の明確化が求められていることから、2016年度内が期限だった改革プランの策定状況を問うとともに、各地域の調整会議でその内容を説明すべきとした。さらに国立病院機構の病院など、自治体立病院以外についても、同様のガイドライン作成を提案した。



http://www.medwatch.jp/?p=13385
医師偏在対策を検討し、早期実行可能なものは夏までに固め医療計画に盛り込む—医療従事者の需給検討会
MedWatch 2017/04/20

 「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下、ビジョン検討会)が報告書をとりまとめたことを受け(ビジョン検討会の報告書はこちら)、医師などの需給推計や偏在対策などを議論する、「医療従事者の需給に関する検討会」(以下、検討会)および下部組織の「医師需給分科会」(以下、分科会)が半年ぶりに開催されました。

 医師需給分科会では、当面「医師の偏在対策」を議論し、▼早期に実行可能なものは夏までに具体策を固め、医療計画作成に向けた関連通知などに盛り込む▼法改正が必要な項目については、来年の通常国会提出を視野にいれて検討する—という2段構えの進め方となる見込みです。

ここがポイント!
1  昨年(2016年)の中間とりまとめ後、検討会・分科会は凍結状態に
2  ビジョン検討会報告書や最新データ踏まえて、改めて医師の需給推計を実施
3  ビジョン検討会や中間とりまとめ踏まえ、偏在対策の具体化を検討
4  「規制的手法」、ビジョン検討会では否定しており、具体化されない可能性も
5  偏在対策、早期実行可能なものと、法改正など必要なものと2段構えで検討

昨年(2016年)の中間とりまとめ後、検討会・分科会は凍結状態に

 検討会・分科会には、「いわゆる団塊の世代(1947-51年の第1次ベビーブームに生まれた方)が後期高齢者となる2025年や、その先の人口減少を見据え、医療従事者をどの程度養成していけばよいのかを推計する」というミッションが与えられました。さらに議論の過程で「とくに医師についてミクロ(地域や診療科)の過剰・不足が著しい」といった状況が大きな課題としてクローズアップされ、地域間・診療科間の医師偏在対策も重要なミッションの一つに位置付けられました。

 前者の「医師の需給」については昨年(2016年)6月に中間とりまとめが行われ、「早晩(早ければ2018年、遅くとも2033年)、医師の需給が均衡し、それ以降は医師の供給数が過剰になる」という推計結果が公表されました(関連記事はこちら)。後述するように、「医学部入学定員」をどう考えるかにおいて、極めて重要な意味を持つ推計結果です。


 後者の「偏在対策」については、昨年(2016年)末までに具体案を固め、2018年度からの新たな医療計画を作成するための指針などに盛り込まれる予定となっていました。

 しかし、中間とりまとめ後にビジョン検討会が設置され、そこで「ICTやAIの発展、地域包括ケアの推進など、医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、『医療従事者の新しい働き方』『今後求められる医療従事者像』を固め、さらに最新のデータをベースにして需給推計を行うべき」との方針が固められました。検討会・分科会はビジョン検討会の報告書まで「凍結」という扱いになっていたのです。

 今般、ビジョン検討会が報告書を取りまとめたことを受け、20日に開催された検討会と分科会の合同会合では、「凍結」とされた経緯や、報告書そのもの、さらにはビジョン検討会の運営などについて強い批判が多くの委員から出されています。これは、同日に開催された社会保障審議会・医療部会でも同様で、その模様は別途、お伝えいたします。

ビジョン検討会報告書や最新データ踏まえて、改めて医師の需給推計を実施

 いわば「解凍」された検討会と分科会ですが、今後検討・議論すべきテーマは▼報告書や最新データを踏まえた医師の需給推計▼医師の偏在対策―の2点となります。

 前者は、ビジョン検討会の報告書で示された「医師の働き方」や、併せて実施された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査)のデータを踏まえて、新たに医師の需要と供給数を推計しなおすものです。

 昨年(2016年)6月の推計(中間とりまとめ)をもとに、医学部入学定員の臨時増員措置を「当面(2019年度まで)、延長する」ことが決まりましたが、「2020年度以降」の考え方が決まっていません。厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「2018年度前半には新推計を行う必要がある」との考えを示しています。

ビジョン検討会や中間とりまとめ踏まえ、偏在対策の具体化を検討

 このように新推計には比較的時間の余裕があるため、検討会・分科会(主に分科会)における当面の検討テーマは、後者の「偏在対策」となります。ビジョン検討会は「報告書の内容を踏まえ、具体化に向けた検討を行う」よう指示しています。一方、昨年(2016年)6月の中間とりまとめにおいては、次の14項目について偏在対策の具体化を検討することが明確にされていました。

(1)医学部(地域枠の在り方など)

(2)臨床研修(募集定員配分などに対する都道府県の権限強化など)

(3)専門医(都道府県による調整権限の明確化など)

(4)医療計画による医師確保対策の強化(将来的な自由開業・自由標榜の見直しを含めた検討など)

(5)医師の勤務状況等のデータベース化

(6)地域医療支援センターの機能強化

(7)都道府県が国・関係機関などに協力を求める仕組みの構築

(8)管理者の要件(特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所などの管理者要件とすることを検討)

(9)フリーランス医師への対応

(10)医療事業の継続に関する税制(地域の医療機関の事業の承継に関し、中小企業と同様な優遇税制について検討)

(11)女性医師の支援(病院における柔軟な勤務形態の採用など)

(12)ICTなどの技術革新に対応した医療提供の推進

(13)チーム医療の推進

(14)サービス受益者に係る対策(かかりつけ医の情報提供など)

「規制的手法」、ビジョン検討会では否定しており、具体化されない可能性も


 厚労省医政局医事課の武井貞治課長は、「ビジョン検討会報告書で示された内容と、中間とりまとめで示された内容とがほぼ重複している」旨を説明。重複がないのは「自由開業・自由標榜の見直し」や「管理者要件」など『規制的手法』に関する部分です。中間とりまとめに向けた検討会・分科会の議論では、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長による『医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言』の中で、「医師の地域・診療科偏在の解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」との考えが示されたことを受け、「規制的手法」も検討対象とすることを明確にしていました(関連記事はこちら)。

 一方、ビジョン検討会の報告書では「規制的手段によらず、個々の医師のモチベーションを引き出す方策を講じるべき」との考えを示しています。

 今後の検討会・分科会での議論で「規制的手法」が検討対象となるのか、厚労省は明確にしていません。ただし、検討会・分科会を凍結してビジョン検討会で議論が進められたことや、ビジョン検討会が「本酷暑の内容を踏まえて、具体案を取りまとめるべき」と報告していることなどを考慮すれば、「規制的手法」は検討対象外になるのではないかと推測されます。

偏在対策、早期実行可能なものと、法改正など必要なものと2段構えで検討

 ところで厚労省は、検討会・分科会の議論を、▼早期に実行可能なものは夏までに具体策を固め、医療計画作成に向けた関連通知などに盛り込む▼法改正が必要な項目については、来年の通常国会提出を視野にいれて検討する—という2段構えで進める考えです。上記の14項目(ただし規制的手法を除く)のうち、どれが前者(早期実行可能)で、どれが後者(法改正が必要)なのかは必ずしも明確にされていませんが、(6)の「地域医療支援センターの機能強化」などでは法改正が必要(医療法に機能が定されているため)となります。また(5)のデータベース構築では、技術的に相当程度の時間がかかると考えられます。

 前者の具体策(早期実行可能なもの)が固まった暁には、「医療計画の見直し等に関する検討会」(必要があれば社会保障審議会・医療部会にも)に内容を報告し、了承を得た上で関連通知などが発出されることになります(関連記事はこちらとこちら)。

 なお、(3)の専門医については、新たな検討会(今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会)で「地域医療に求められる専門医制度の在り方」などを検討することとなっており、また日本専門医機構でも地域医療への配慮方策などが議論されています。検討会・分科会が、これらの検討に先んじて「専門医養成に関する都道府県の権限」などを固めるとは考えにくく、これらの議論を待って(早くてもこれらと並行して)検討を行うことになりそうです。


  1. 2017/04/23(日) 06:45:42|
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4月20日 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49774
地方に行きたい医師を拒む"ブラック組織"の罪
JBpress4月20日(木)6時14分

 4月6日、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果が発表された*1。これは、医師の勤務時間に加えて、勤務地の希望などを詳細に聞いたもので、全国の医師10万人を対象に配布し、1.6万件の回答があった。
 その結果、医師の約半数が地方での勤務意志があることが明らかになった。特に50代以下では、51% (5449/10650)が地方での勤務意志ありと回答した。
 この「地方」の定義は、「東京都23区及び政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外」であり、日本の人口の約6割を占める。
 大規模な設備が必要な先端医療や希少疾患の医療は都市部でしか成立しないことを考慮すると、基本的な医療が日本中で提供できることを目標にするならば、十分な数の医師が地方での勤務を希望としていると言える。

医師の流動性を阻害する医局人事

 つまり、医師が希望どおりに勤務地を選ぶことができるならば、地方の医師不足は緩和される可能性がある。では、何がその希望を阻むのか。
 今回の調査では、地方勤務を希望しなかった医師に対して、その理由を聞いている。それによると、全世代を通じて仕事内容、労働環境という回答が多い。加えて、20代の3位、30・40代で5位となった理由が「医局の人事等のためキャリア選択や居住地選択の余地がないため」であった。
 私が注目したいのはここだ。地方の医師不足解消には、医師の流動性を高めることが解決策になる。しかし、医局がその流動性を妨げている可能性がある。
 医局とは、大学の教授を頂点とするピラミッド型の組織である。もともとは、医局は関連病院に医師を派遣するため、一定の流動性を保つ役割を果たしていた。これを根拠に、医局関係者は「医局が地域医療を支えてきた」と主張する。
 しかし実際には、溜め込んだ医師の運用は非効率で、ダブつかせることが多い。その象徴が、医局の本丸たる大学病院だ。このことは、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」座長の渋谷健司先生の投稿*2にも描かれている。
 「大学付属病院での臨床実習に参加した時、私は衝撃的な光景を見た。それは、60代の医者が慣れないオペをし、その横で30代半ばの油が乗った医者が、人工心肺を冷やすために、ただひたすら氷を割る作業をしていたことだ」
*1=http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html
*2=http://www.huffingtonpost.jp/kenji-shibuya/doctor_work_life_balance_b_15857308.html
 このような、若手医師がする臨床業務と無関係の作業は、患者の車椅子を押す、入院した患者の常用薬のリストを作る、など現在でも枚挙にいとまがない。その原因は、医師が多すぎるからだ。
 医局は、医学生を在学中から勧誘できる。だから、人件費を抑えても大学病院には医師が入ってくる。とはいえ、医師が増えても患者が増えるわけではないから、臨床業務に関係ないような仕事を割り振ることになる。
 民間病院ではこうはいかない。特に昨今は医師・看護師の調達コストが上がっているため、これらの業務を他の医療職で分担するのが普通だ。
 例えば宮城県の仙台厚生病院では医療クラーク(医療事務作業補助者)の活用を進め、千葉県の亀田総合病院では臨床検査技師や薬剤師など、ほかの医療職を柔軟に運用して病棟業務で活用する、などの工夫を行っている。

効率経営と医師の成長を促す地方病院

 極端な話、外科医ならメスを、内科医ならカテーテルや内視鏡を、いかに長い時間持たせることが、医師の生産性を挙げることにつながり、ひいては病院の経営上も必須の命題である。
 近年、このような傾向は変わりつつあった。上記のような事実が知られるにつれ、効率よく臨床経験を積みやすい医局を選ぶ医師や、医局に入らずに研鑽を積むような医師が増加したからだ。
 2008年の初期臨床研修制度必修化を契機に、民間病院が積極的に情報発信を行うようになったこともあり、民間病院の中には症例数が多く若手医師でも豊富な研修を積める施設があることが知られるようになった。
 若手医師のキャリアが多様化したため、自大学の卒業生をただ取り込んでいた医局は、いまや「選ばれる存在」だ。魅力的な研修先を集める医局には今でも医師が集まるし、そうでないところは閑古鳥が鳴く。
 この時代の変化に気づかない医局はブラック化している。
 例えば、九州の某大学では、在学中に医局へ入ることを在学生に「強制」する診療科がある。そんな取り決めに意味はないし、そんな不自然なルールの押しつけがある時点でブラック臭がするが、社会経験のない学生は従ってしまう。
 そのうえで、年に1度の納会では医局から抜け出た医師の名前を挙げて吊るし上げる。辞めた当人は当然欠席しているし、痛くも痒くもないのだが、その場にいる若手医師、学生への恫喝には十分だろう。
 「うちの医局を辞めて○○地方で勤務できると思うな」という言葉を言われた研修医もいる。こうなると、やっていることは反社会勢力と変わらない。
 それに輪をかけたのが専門医制度改訂だ。
 制度改訂によって、専門研修を行える病院の要件項目が増加し、地方の中核病院でも専門研修施設の資格を満たさなくなった。その中には、症例数も豊富で、臨床成績も高く、専門研修の場として若手医師のリクルートに成功していたような病院もある。

時代に逆行する専門医制度改定

 いわば、独自の販路を開拓して利益を上げている農家を、政府に圧力をかけて販路を潰そうとするようなものだ。
 日本専門医機構の吉村博邦理事長は、「地域医療への配慮を分かりやすく示す」と主張している。しかし今回の調査では、多くの医師、特に専門医制度で影響を受ける若手の医師が地方での勤務ができない理由に「医局」を挙げている。
 つまり、医局は地域医療を支える屋台骨ではなく、医師の地方流出を阻む組織である。必要なのは、配慮ではなく、医師の束縛をやめることだ。医局以外の多様な研修先こそが、現場医師の希望をかなえ、さらには地方での医師不足緩和につながる。
 専門医制度は現在、変更へ向けて突き進んでいる。全国市長会、全国自治体病院協議会、さらには署名活動も行われて、反対への声明が出されている。
 日本専門医機構は少し意固地になっているようだが、それは大人げない。今回の調査結果が、新しい専門医制度へどのように反映されるのか、または現場医師の意見など無視して突き進むのか、興味深く見守りたい。
筆者:森田 知宏



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14926105357237
神栖2病院統合 済生会増築を決定 協議会
鹿島労災跡に分院

2017年4月20日(木) 茨城新聞

 医師不足で厳しい経営が続く神栖市の鹿島労災病院(同市土合本町)と神栖済生会病院(同市知手中央)の再編統合問題で、県医師会や両病院、県、市などの関係者でつくる再編統合協議会は19日、同市内で会議を開き、統合後の新病院について、神栖済生会を増築して本院とする案に正式決定した。鹿島労災跡には、19床までの診療所を分院として新築する予定で、2018年度をめどに両病院を統合する。神栖済生会の増築時期などに関しては今後検討するという。

 同日の会議で決まった基本構想によると、統合後、神栖済生会は救急医療や入院診療を担う本院とし、約350床の二次救急病院を目指す。鹿島労災の機能も継承し、災害拠点病院としての役割を担う。分院の診療科には内科、外科、整形外科、小児科などの設置のほか、介護福祉施設の併設なども検討する。

 両病院を巡っては、関係者や有識者でつくる「今後の在り方検討委員会」が昨年6月、経営基盤強化や大学などから医師派遣を受けやすい新病院の整備を柱とする報告書を橋本昌知事に提出。新病院の設立案として、(1)神栖済生会の増築(2)鹿島労災跡地に新築(3)中間地点に新築-の3案が示されていた。同8月に協議会を発足し、これまでに3回の住民説明会を開くなどして協議を進めてきた。

 これまでに協議会は、神栖済生会を増築して本院とする案について、概算事業費が最も安い約72億円(他案より約40億円安い)▽高台に立地し、津波が発生するなど災害時にも役割を果たせる▽本院の周辺人口が3案中最も多い▽鹿島臨海工業地帯に近く労働災害対応に適している-などとして最有力としてきた。

 会議は、前回に続き住民代表やコンビナート企業代表が加わり、再編3案の中から神栖済生会を本院とする案に正式に決めた。会議後、協議会長の小松満前県医師会長は「法人の違う病院の統合はハードルが高いが、大きな一歩を踏み出した。連携して地域医療構想の先頭を切ってやっていきたい」と述べた。

 保立一男市長は「救急医療の充実が最大の目標で、医師確保に向け積極的に取り組んでいきたい」とコメントした。

 これまでに、鹿島労災が位置する波崎地区の住民からは、神栖済生会を本院とする案について、「波崎地域の医療が衰退してしまうのでは」「高齢者など交通弱者にとって通院が大変になる」など、病院の存続を望む声も上がっていた。

 また、説明会に参加した住民対象の市のアンケート(回答291人)では、「どの再編案が1番いいと思うか」の問いに対し、神栖済生会の増築案が最多の46・4%で、「コストが最も安く、場所や役割も理にかなっている」「既存施設を有効活用すべき」などの意見も出ていた。 (関口沙弥加)



http://www.asahi.com/articles/ASK4N6RCZK4NUBQU00X.html
医師偏在対策の検討会に不満続出 半年ぶりに議論再開
野中良祐2017年4月20日20時16分 朝日新聞

 都市部や大病院などに医師が集中する、偏在への対策を話し合う厚生労働省の「医師需給分科会」が20日、開かれた。1~2カ月間隔で開催されてきたが、昨年10月から半年間、開かれない状態が続いていた。この間に別の検討会を設けて、同様のテーマの報告書をまとめた厚労省の進め方に有識者の委員から「納得いかない」と不満が続出した。

 分科会は2015年12月から、都道府県が策定する18年度からの医療計画に盛り込む偏在対策をまとめる検討を進めてきた。ところが、昨年10月に医師の偏在対策や勤務の見直しを同様に話し合う「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が設置されて以降は開かれなくなった。

 ビジョン検討会は今月6日、業務分担を進めて新たな職種を設けることなどを提言した報告書を塩崎恭久厚労相に渡した。

 20日にあった分科会では、こうした進め方や報告書の内容に異論が相次いだ。委員の今村聡・日本医師会副会長は「かなり納得できない」と語気を強めた。他の委員も「同感だ」とした上で、「私たちの役割が変わったのか」「なぜビジョン検討会ができたのか。真面目な議論ができない」と不満をあらわにした。

 厚労省は、医師偏在対策を具体化させる際には分科会で議論を深めると説明。委員で上部組織の「医療従事者の需給に関する検討会」の座長を務める森田朗・津田塾大教授は「これまでの分科会の議論を否定するものではない」と話し、理解を求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/522452
シリーズ 社会保障審議会
医師偏在対策、5月から集中的議論、医療計画に盛り込む
医師需給分科会が再開、法改正も視野に検討

2017年4月21日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の第4回「医療従事者の需給に関する検討会」(座長:森田朗・津田塾大学総合政策学部教授)と第8回「医師需給分科会」(座長:片峰茂・長崎大学学長)の合同会議が4月20日に開催され、医師偏在対策について5月以降、集中的に議論する方針を確認した。法改正を伴わず実行可能な偏在対策は、都道府県が現在策定中の2018年度からの第7次医療計画に盛り込むことが可能なよう検討を進める(「『医師確保対策は“未定”、医療計画の「作成指針」』を参照)。今夏頃にはまとまる見通し。法改正が必要な項目については、2018年の通常国会等での法案提出も視野に入れて検討を行う(資料は、厚労省のホームページ)。

 医師需給分科会は2016年10月以降、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の設置を機に、議論がストップしていた(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』、『「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長』などを参照)。ビジョン検討会がこの4月に報告書をまとめたのを受け、約半年ぶりに議論が再開した。

 具体的な議論は、ビジョン検討会報告書を踏まえて進める。同報告書には、女性医師支援策、地域医療支援センターの実効性の向上、専門医制度と関連付けた対策、都道府県主体の対策など、幾つかの医師偏在対策が盛り込まれている(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。

 医師需給分科会は2016年6月の中間報告で、14項目の医師偏在対策を打ち出していた(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。ビジョン検討会報告書の対策と重なる部分もあるが、同報告書は「規制的手段」は否定していることから、「管理者要件」(特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、診療所等の管理者要件とすること)は検討対象から除外される見通し。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、次回以降の本分科会で、今後の議論の進め方を示すと説明。

 厚労省は4月24日に、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」をスタートさせる(『新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省』を参照)。その検討課題は、(1)地域医療に求められる専門医制度の在り方、(2)卒前・卒後の一貫した医師養成の在り方、(3)医師養成の制度における地域医療への配慮――だ。

 医師需給分科会とのすみ分けについて、武井課長は、医師需給分科会は、中長期的な医師需給の見通し、医師確保対策、医師偏在対策が論点であり、特に偏在対策が当面の検討課題になる。一方、医師養成検討会は、地域医療との関連で新専門医制度をまず取り上げる。「新専門医制度については、地域医療への配慮が重要になっている」と武井課長は述べ、全国市長会の緊急要望に言及し、日本専門医機構での議論も踏まえて検討を進めるとした(『国民不在の新専門医制度を危惧」、全国市長会』を参照)。

 森田座長は、「医師需給分科会の構成員の立場」と断り、「前向きに議論していくことが必要だが、どこで何を議論していくかが少し錯綜している」と指摘し、各検討の場の結果が矛盾した内容になると混乱を来しかねないため、それぞれの役割をもう少し明確にするよう求めた。さらにビジョン検討会報告書については、「これまで我々が議論してきたことと重なる。筋を通して議論すれば、反映できるのではないか。ただ、財政面についてはほとんど触れていないので検討が必要」と述べた。


会議の冒頭、厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「医療従事者の需給に関する検討会」と「医師需給分科会」の議論が中断したことについて、「多大な迷惑をかけた」とお詫びの言葉を述べた。

 ビジョン検討会報告書への異論、質問相次ぐ
 もっとも、20日の会議は、ビジョン検討会の位置付けや報告書への異論や質問が相次いだ。同日に開催された社会保障審議会医療部会でも同様だ(『ビジョン検討会の報告書、医療部会で異議相次ぐ』を参照)。

 日本医師会副会長の今村聡氏はまず、医師需給分科会の中間報告書や医師需給推計が、「エビデンスに欠ける」と指摘されていたことを問題視した。同推計では、30~50代男性の労働力を「1」とした場合、女性医師の労働力は「0.8」などとしている。しかし、ビジョン検討会の基礎データを得るために実施された厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」では、女性医師は「0.77」だった。

 今村氏は、ビジョン検討会報告書の新専門医制度に言及した記載にも疑問を呈した。日本専門医機構のガバナンスの不十分さなどにも触れているが、ビジョン検討会であまり議論をした形跡がないことから、「こうしたこと書く根拠はどこにあるのか」と報告書作成プロセスを尋ねるとともに、社会保障審議会に「専門医養成の在り方に関する専門委員会」が2016年3月に設置されたものの、5月でストップしていることから、「専門医についてはどこで議論するのか」と質問(『新専門医、予定通り開始せず、2017年度は“試行”』を参照)。

 新専門医制度の関連では、日医常任理事の羽鳥裕氏も、「機構等に確認もせず、こうした文書が出てくることは全く納得できない」と問題視した上で、「(新専門医制度が)来年4月からスタートすることを前提に、日本専門医機構は準備をしている。これはそのまま進めていいのか」と確認。今村氏は同機構の監事、羽鳥氏は同機構の理事をそれぞれ務める。

 武井課長は、ビジョン検討会報告書は、構成員の意見やヒアリングなどで出た意見を踏まえ、何度も修正を重ねた上で報告書をまとめたと説明。女性医師の労働力については、以前は限られたデータに基づく推計であり、今回は1万5677人の回答を集計するなど、サンプル数に相違があるほか、女性医師が就業継続する際の阻害要因、地方勤務意思を調べるなど「従来の調査とは違う」と説明。ただ、新専門医制度のスタート時期については言及しなかった。

 「医師数を増やす必要がない環境作り」は可能か
 ビジョン検討会報告書の内容について、全日本病院協会副会長の神野正博氏は、タスク・シフティング(医師から看護師等への業務移管)、フィジシャン・アシスタントの新設、リフィル処方など、「今まであまり触れられていなかった施策が、『敢えて医師数を増やす必要がない環境作り』の前提となっている」と指摘し、「医師を増やす必要がない環境を作るのかどうか、またこの前提がなかったら、どうなるかについても議論しなければいけない」と求めた。

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、「敢えて医師数を増やす必要がない環境作り、というが、現状では医師が少ない」と指摘、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果について、「今、勤務している医師のアンケート。離職医師がいることを考えることが必要」と求めた。さらに医師の地方勤務意思についても、「今、地方に行くという意思ではなく、将来の意思」であるとし、どんなキャリアを描いているのか、きめ細かな分析を求めた。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏、全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏、日本医師会常任理事の釜萢敏氏からも、ビジョン検討会の位置付けなどに関する質問や疑問が出された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/522278
シリーズ 社会保障審議会
ビジョン検討会の報告書、医療部会で異議相次ぐ
中川日医副会長、「医療政策過程の大変な事態」

2017年4月20日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、4月20日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)で、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」がこの4月にまとめた報告書を説明したものの、報告書の内容だけでなく、医療行政の議論の進め方そのものにも異論が相次いだ。

 ビジョン検討会は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」と「医師需給分科会」の議論を中断して、2016年10月に発足した経緯があり、報告書がまとまった後も、いまだ関係者の理解が得られない状況が続いている(ビジョン検討会報告書は、『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。

 口火を切り、かつ最も強く異議を唱えたのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。「日本の医療政策の形成過程で、大変なことが起きていると思っている。厚労省は今までは、私的諮問機関も含めて審議会を通してきちんとした合意形成過程を経て、医療政策を決めてきた。それにより、公的な国民皆保険が維持されている。しかし、そうしたきちんとした議論、政策の形成過程が今回は大混乱したと考えている。元に戻さないと、大変なことになる。既に私的諮問機関があるのにもかかわらず、それを凍結して非公開の別の私的諮問機関を立ち上げるのはおかしい」と述べ、これまでの議論のプロセスそのものを問題視。

 ビジョン検討会の報告書で、「ビジョン実行推進本部(仮称)を設置し、5~10年程度の政策工程表を作成した上で、内閣としての政府方針に位置付け、進捗管理を行うよう求める」とある点については、「私的諮問機関が、審議会に指示をするのか」と疑義を呈した。報告書の中で診療報酬に言及した記載も列挙し、「私的諮問機関が、診療報酬の方向付けを行っているとしか読めない。このビジョン検討会の報告書に中医協も従うということか」などと問い、同報告書の位置付けを質した。

 厚労省医政局長の神田裕二氏は、これらの質問に対し、「上下関係とか、指示する、しないという関係ではない。会議の性格が違う。ビジョン検討会の構成員は、直接的なステークホルダーというより、有識者であり、今後の医療のあるべき姿や医師の働き方についての提言をまとめた。直接的な政策決定まではビジョン検討会では行わず、具体的な中身は、各ステークホルダーが参加した場で検討する」と回答。例えば、診療報酬が関連する事項については、「検討会の提言の熟度に応じて中医協に諮り、中医協での協議を経て、実現するかどうかを検討する」と説明。「報告書の内容を丸ごと中医協に諮るのか」と中川氏は返すと、神田局長は、「丸ごと諮ることにはならないが、個々の問題については、中医協で検討することになる」と答えた。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏も、ビジョン検討会報告書で、「医師需給分科会において、本報告書の内容を踏まえ、その具体化に向けた検討を行い、短期的な方策を精査し、必要な制度改正案を速やかにまとめるべき」としている点に触れ、「かなり上位に立った言い方がされている」と指摘。さらに「ビジョン実行推進本部(仮称)」については、「本当に設置されるのか」などと質した。

 神田局長は、2015年6月にまとめられた「保健医療2035」では、事務次官をトップとし、厚労省幹部で組織する「保健医療2035推進本部」を設置したことから、同様な組織が想定されると説明。各テーマは個別の検討会等で議論、推進本部はその総括的な役割を担うイメージだ。ただ「現実にいつ設置するかは決まっていない」(神田局長)。

 日本病院会副会長の相澤孝夫氏は、ビジョン検討会報告書が今後の医療の方向性の一つとして、「高い生産性と付加価値を生み出す」を掲げた点について、「基本的な物の考え方がおかしい」と強く訴えた。「社会保障は、高い生産性を必要とするのか。国民に安心、満足、豊かさなどを提供するものであり、もともと生産性は低い。高い生産性を求めたら、医療職や介護職に就く人がいなくなる」。

 ビジョン検討会の議論のエビデンス作りの一環として実施されたのが、厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)。同調査の結果にも、疑義が相次いだ。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏は、「医師の44%が、今後、地方で勤務する意思がある」との調査結果について、「これは実際に今、地方で働いている人の回答が含まれているデータ」と指摘。自身の経験から地方勤務の意思があっても、実際には赴任しない医師がたくさんいるとし、「現実はそれほど甘くはない。これを信じるほど、お人好しではない」と異議を唱えた。

 「医療従事者の需給に関する検討会」には、「看護職員需給見通しに関する検討会」も設置されているが、本検討会は2015年12月以来、開催されていない。同検討会の座長を務める、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏は、ビジョン検討会報告書で、今後の医師等の需給・偏在の在り方について、「人口構成、疾病構造、技術進歩、医療・介護従事者のマインド、住民・患者の価値観の変化等を需給の中・長期的見通しや供給体制に的確に反映」とある点について、「特に看護については、どのように反映させていくのか、中身が書かれておらず、分からない」と指摘した。

 ビジョン検討会は「屋上屋」
 中川氏が「日本の医療政策の形成過程で、大変なことが起きていると思っている」と問題視したのは、ビジョン検討会の設置経緯や位置付けが曖昧のため。神田局長とは、以下のようなやり取りがあった。

 「ビジョン検討会は、私的諮問機関か」と中川氏は質すと、神田局長は「性格としては審議会ではなく、大臣の意を受けて設置したもの。実施に当たっては、関係局が参加する形で、事務局は医政局が担当した。医政局に設定された検討会」と回答。「局長の私的諮問機関か、それとも大臣か」と中川氏が続けると、神田局長は、「大臣と相談し、事務局については医政局が行い、関係局と連携を取りながら進めた」と明言を避けた。

 医師需給分科会については、神田局長が「医政局の検討会」と説明したため、「局長の私的諮問機関を凍結して、屋上屋を重ねるように、新たに非公開のビジョン検討会を立ち上げたことはよかったと考えているのか」と畳みかけると、神田局長は、医師需給検討会の2016年6月の中間取りまとめで、医師の勤務実態調査やビジョンの策定が求められた上、塩崎恭久厚労相も国会答弁で、「基本的な哲学を定めた上で、医師需給推計などを行うべき」と述べていることから、ビジョン検討会を設置したと述べた(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 中川氏は、「報告書には、ビジョン検討会で議論の形跡がないものが、山ほどある」とも指摘。厚労省医政局医事長の武井貞治氏は、関係団体へのヒアリング、ネット上での議論、報告書をまとめる過程でのやり取りなどを通じて議論をしたと説明。そのほか、前述のように、中川氏は自身が委員を務める中医協でのビジョン検討会報告書の取り扱いも質した。

 「地方勤務意思あり、44%」は本当か
 「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」については、邊見氏以外からも、詳細な質問が複数出た。

 日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長の木戸道子氏は、「医師の44%が、今後、地方で勤務する意思がある」との調査結果について、「地方」の定義が、「東京都23区および政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外」だっため、「吉祥寺市や三鷹市なども、地方に入るのでは」と指摘したほか、そもそも現時点で地方勤務の医師は、基本的に「地方勤務の意思あり」となるので、都市部勤務の医師の意思を把握する必要があると指摘。さらに(1)当直とオンコールの扱い(待機時間は、勤務時間に含まれていないなど)、(2)女性医師問題については、離職した医師のデータがなく、バイアスがかかった結果になっている――などと指摘し、「報告書をうのみにせず、(議論になるデータ等の)信頼性を担保した上で施策を検討してもらいたい」と求めた。武井課長は、現在離職している女性医師809人分のデータはあるなどと説明、さらに詳細な分析を行う方針を示した。

 連合総合政策局長の平川則男氏は、当直とオンコールを区別して集計していないほか、勤務時間を「診療」と「診療外」に分けて調査しているが、「診療外」に含まれる研究や自己研さんが、「指揮命令系統下であるかどうかが分からない」などの問題点を指摘した。

 4月24日に新たな検討会発足、すみ分けは?
 なお、厚労省は4月24日に、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を発足する(『新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省』を参照)。日本医師会常任理事の釜萢敏氏が、同検討会の検討課題が、(1)地域医療に求められる専門医制度の在り方、(2)卒前・卒後の一貫した医師養成の在り方、(3)医師養成の制度における地域医療への配慮――となっていることから、関係検討会・審議会との関係を質すと、武井課長は、同検討会は、地域医療の観点から見た専門医制度の在り方について議論する一方、医師需給分科会は中長期的な医師需給、医師確保対策の議論の場であり、当面は医師偏在対策について議論すると説明した。

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏も、日本専門医機構が議論している新専門医制度はプロフェッショナルオートノミーで運営しているものであり、卒前教育は文部科学省、臨床研修については厚労省の部会が議論していることから、「それぞれの専門家が議論しているのに、なぜ新たな検討会で議論するのか。悪い影響を与えないようにしてもらいたい」と釘を刺した。


  1. 2017/04/21(金) 07:07:15|
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4月17日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/520407
シリーズ m3.com意識調査
勤務医の半数以上、過去1年で学会発表の経験あり
医師の所属学会数は平均4学会

レポート  2017年4月16日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 m3.com意識調査「学会、所属数は?参加回数は?」において、所属学会数を尋ねたところ、医師では平均4学会だった。昨年1年間で行った学会発表の回数では、勤務医の半数以上が1回以上していた。

Q 所属している学会の数をお教えください。
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 所属学会数の平均は、医師全体で4.0、開業医で3.4、勤務医で4.2、薬剤師で1.7だった(「9以上」は9とカウント)。

Q 2016年の一年間で 実際に参加した学会(総会・地方会含む)は何回ありましたか。
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 開業医の最多は1-2回で35.9%、勤務医は3-4回で30.8%だった。

Q そのうち発表は何回行いましたか。
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 勤務医と開業医では大きく差があり、勤務医では半数以上が発表を行っていた。

Q 学会の在り方についてご意見があればご記入ください

【会場・場所について】

・専門医維持の規定に学会参加が重視されている体制を、学会に参加できない会員のことも考慮し、Webセミナーでの講習で代替するなどの配慮が必要と考えられる。【勤務医】

・今の病院は僻地というほどではないですが、研修病院が僻地であったときに気が付いたこと:僻地では学会に参加すること自体が困難です。つまり、専門医の維持は困難となり、そもそも取得不可能のことが多いです。学会開催地が地方になるとさらに困難極まります。ホテルの確保も大変。学会の基準が厳しくなればなるほど、僻地医療は崩壊します。(まず学会の重鎮の方々が僻地医療をしてください(笑))【勤務医】

・日帰りができる東京から神戸の間で開催してほしい。日曜日にも開催してほしい。【開業医】

・専門医制度が始まると出ざるを得なくなるので、交通の便がいいところで毎年開催してほしい。【開業医】

・地方から現地に赴くのは大変なので、Web参加できる地方会場を設営してほしい。【開業医】

【数が多すぎる】

・統合したらどうか?特に肝臓や胆嚢や膵臓などは区別する意味が分からない。【勤務医】

・同じような学会が多くあり、違いが分からないものもある。すなわち、学会長になれなかった教授が新しい学会を作って学会長になるので、学会が増える一方なのではないかと感じているのは私だけでしょうか?【勤務医】

・自分で調整すればよいのでしょうが、最近はマイナー系も含めて、一つの科の中でも数が多くなってきています。数を減らして集約的にする、また、ネット社会に対応して、会場に行かずに参加できる学会を作る、または、サテライト会場を都道府県ごとに設けて、それをつなぐ形での学会などもあってよいと思います。【勤務医】

・気管支鏡学会は呼吸器学会に吸収するのが妥当。総会でも演題も少ないし、症例報告が主体になっている。【勤務医】

・似たような系統の学会はできるだけまとまってほしい。あるいは、同時開催を進めてほしい。【勤務医】

【日程について】

・地方ですので、木曜~土曜開催の全国学会は、一人医長だと出席はかなり難しいです。【勤務医】

・なぜ平日ばかりにするのか?勤務医以外は参加するなということか?仕事を休まないと開業医は参加しにくい。患者にも迷惑な平日の学会は減らして土日や祝日、木曜日など医師会のある日にしては。【勤務医】

・私は開業医をしていますので、遠い場所での水曜や金曜日には学会には行けません。土曜午後か日曜の午前まで開催してもらえれば開業医の出席が増えるはずです。また専門医を維持しようと思う人も増えるのでは?【開業医】

【その他】

・日常診療に即役立つような内容、新しいガイドラインの紹介、難しいケースの対応方法など紹介してくれると助かります。【勤務医】

・老齢になると学会は出張の楽しみで、学会よりも美術館や博物館、買い物を楽しんでいます。【勤務医】

・各々が参加したい学会に出席できるように配慮していただきたい。学会の所属の有無とは関係なしに。【勤務医】

・これだけインターネットが発達した時代であっても、やはり一堂に会して対面することで学ぶことも多い。【勤務医】

・総会、地区総会、地方会、県内医会などそれぞれが重複しないような内容であってほしい。【勤務医】

・政府の進めている専門医機構はあまくだり役人の考えたあやしい機構だ。われわれは患者さんのために頑張ってやっている。専門医機構はそれにケチをつけて変えようとしている。学会はそんな専門医機構にこびへつらうことなく、対立してでも日本の医療のために頑張ってほしい。【勤務医】

・より社会全体に医療のあり方を積極的に発信していってほしい。【勤務医】

・専門医の点数稼ぎの場になっているのが残念です。【勤務医】

・(金集めの会という現実は別に)医療というあまりにも広い業界を乗り切るには、専門があってしかるべきなのでしょう。自分の会員を罰するくらいの覚悟を、学会が持っているか?専門を名乗る非学会員を糾弾できるくらいに権威を持てるか?教員や法律家など、専門性の曖昧さがある職業人も同様でしょうか?【勤務医】

・地域医療専門で職場を離れることもできず、認定医の更新も出来ないでいます。そろそろ学会は全部退会してもよいかと考えているところです。【勤務医】

・公に休めるので助かる。【開業医】

【調査の概要】

・調査期間:2017年4月3日-2017年4月12日
・対象:m3.com医師会員
・回答者数:1730人(開業医 : 312人 / 勤務医 : 1077人 / 歯科医師 : 7人 / 看護師 : 31人 / 薬剤師 : 230人 / その他の医療従事者 : 73人)
・回答結果画面:「学会、所属数は?参加回数は?」


  1. 2017/04/18(火) 05:28:44|
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4月16日 

http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170415/Postseven_509258.html
日本の現状に即した無駄な医療5つがリスト化、今後増加
NEWSポストセブン 2017年4月15日 16時00分 (2017年4月15日 16時33分 更新)

 現役医師が自らの手で、現代医療に蔓延る「過剰診療」、「無駄な医療」の内部告発に乗り出した。それがチュージング・ワイズリー(賢い選択)だ。2012年に米国の内科専門医認定機構(ABIM)財団が「不要かもしれない過剰な検診や、無駄であるばかりか有害な医療を啓発していこう」と呼びかけたキャンペーンだ。
 その活動は拡大し、現在は全米74の医学・医療の専門学会が協力し、400以上の「無駄な医療」を指摘している。例えば、「前立腺肥大の検査をするのはほとんど無意味」、「心筋梗塞などの予防のための冠動脈CT検査は無駄」などだ。
 この活動は今やカナダ、ドイツ、イタリアなど17か国に広がり昨年10月には日本でも『チュージング・ワイズリー・ジャパン(以下、CWJ)』が立ち上がった。発起人となった七条診療所所長で佐賀大学医学部名誉教授の小泉俊三氏のほか、約20人の現役医師や医療専門家が名を連ねている。
 これまで世界に公表されてきた「無駄な医療」は、米国の学術団体によるものだけだったが、CWJ発足を契機に“日本発の項目”も出始めている。
 CWJメンバーの徳田安春医師が世話人を務める日本の総合診療指導医の勉強会「ジェネラリスト教育コンソーシアム」が、米国やカナダの学会がまとめた提言を検証し、日本の現状に即した5つの「無駄な医療」を指摘した。

【1】無症状の健康な人にPET(陽電子放射断層撮影)検診は勧めない

【2】無症状の健康な人に腫瘍マーカー検査は勧めない

【3】無症状の健康な人に脳MRI検査は勧めない

【4】自然に治る腹痛(非特異的腹痛)に腹部CT検査は勧めない

【5】医学的適応のない尿路カテーテル留置は勧めない

【1】~【4】は健康診断や人間ドックにも含まれており、まさに“健康な人”が受けている検査だ。…


CWJメンバーで、総合診療医の岸田直樹氏が指摘する。
「【1】~【3】は誤って陽性だと診断してしまう“偽陽性”のケースが多数報告されており、過剰診療に繋がってしまう。PET検診や腫瘍マーカーはそれ自体では、がんを明確に発見することができず、“がんの可能性がある”と診断した結果、胃カメラや造影剤を用いたCT検査を受けたが、結局何もなかったというような事態が少なくない。これらの検査は症状が出たり、無症状でも家族歴がある人が行なうものです。
 同じく脳MRI検査で、数ミリ単位の小さな脳動脈瘤を発見したとする。無症状なら通常は放置しておくサイズだが、存在を知った患者が治療を懇願し、結果的に『コイル塞栓術』などリスクの高い手術を選ぶケースもある」
 コイル塞栓術とは、動脈瘤にコイルなどの人工的な物質を詰めることで破裂を防ぐ治療法。その過程で医療ミスによる脳内出血を招くなどのリスクが伴う。
【4】のCT検査は医療被曝リスクを考慮して摘示された。世界のCTスキャン保有台数の国別ランキングを見ると、日本は人口100万人当たりのCTスキャン保有台数が1万3636台でトップになっている。【5】の尿路カテーテル留置だが、患者は感染症リスクを負うことになる。「医学的適応のない」とは、治療目的ではなく、「看護しやすくなる」など“医療サイドの都合”を指すもの。
 そうした検査は病気の早期発見に繋がる可能性もあるが、それ以上に過剰診療、医療ミスや合併症などのリスクの方が高いとCWJは判断し、「無駄な医療」と指摘した。「現在は5項目しかありませんが、日本に約120あるすべての学会に『無駄な医療リスト』の作成を要請していくつもりです。6月に開かれる日本医学会のシンポジウムでも、CWJについて議論されます。日本独自のリストは、今後確実に増えていくと思います」(前出・小泉氏)
 CWJでは、日本独自項目の啓発を行なうと同時に、すでに米国で報告されている項目の中から日本人にも有益だと思われるものを翻訳し、ホームページ ( http://choosingwisely.jp/ ) 上で公開している。
※週刊ポスト2017年4月21日号



https://www.m3.com/news/iryoishin/520446
シリーズ m3.com意識調査
「外来は供給過剰」、開業医の68%
「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」【回答結果】

レポート 2017年4月15日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 開業医の68%、勤務医の59%は、自身の勤務地域の外来診療は「過剰」(診療科のほぼ全て、半数程度、一部の合計)と考えていることが、m3.com意識調査「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」で明らかになった(Q1-1)。地域ブロック別に見ると差があり、「過剰」が最も多いのは、近畿、次いで九州、北海道の順(Q1-2)。一方、東北では「過剰な診療科がない」との回答が半数近くを占めた。

 外来医療の需給ギャップを把握し、「見える化」を進める施策は、勤務医では「必要」との回答が「不要」の4倍、開業医でも2倍に上った(Q2)。

 地域の医療機関が連携して取り組む外来医療を定額支払い制(重複検査・投薬や医療ミスの回避などを目的に、病医院が自発的に連携し効率的な体制を構築した場合、参加施設全体のメリットが生じる支払方式)で評価することについては、「賛成」が、勤務医は計68%、開業医では計49%を占めたものの、容易ではない、もしくは困難とする回答が大半だった(Q3)。

 日本の医療制度は現在、自由標榜制だが、「患者の選択に資する標榜」とする施策については、勤務医で最も多かった回答は「賛成(専門医制度とリンク)」で35%を占めた。これに対し、開業医では、「賛成(専門医制度とのリンク以外の方法で)」、「賛成(専門医制度とリンク)」、「反対」が拮抗する結果となった(Q4)。

 本調査は、厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が4月6日にまとめた報告書を踏まえて実施。同報告書の中から、外来医療に関連する具体的施策の賛否を質問した。

◆意識調査の回答ページ ⇒ ◆「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」

Q1-1.外来医療(病院、診療所を問わず)について、ご自身の勤務地・居住地で「供給過剰」と思う診療科はありますか【勤務医、開業医別】。
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Q1-2.外来医療(病院、診療所を問わず)について、ご自身の勤務地・居住地で「供給過剰」と思う診療科はありますか【地域ブロック別】。
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Q2.各地域の外来医療の体制について、「需給ギャップ」(外来ニーズと医師数のギャップ)を把握し、「見える化」する仕組みは必要とお考えですか。
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Q3.外来医療に定額払い(重複検査・投薬や医療ミスの回避などを目的に、病医院が自発的に連携し効率的な体制を構築した場合、参加施設全体のメリットが生じる支払方式)の導入について
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Q4.自由標榜制を改め、患者の選択に資する標榜にすることについて
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【調査の概要】
・調査期間:2017年4月7日-2017年4月13日
・対象:m3.com医師会員
・回答者数:1096人(開業医 : 249人 / 勤務医 : 649人 / 歯科医師 : 7人 / 看護師 : 19人 / 薬剤師 : 134人 / その他の医療従事者 : 38人)
・回答結果画面:「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」



https://www.m3.com/news/iryoishin/520740
シリーズ m3.com意識調査
「日本の外来はクレイジー」「自由標榜、制限を」
「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」【自由意見】

レポート 2017年4月15日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆意識調査の結果解説記事 ⇒ ◆「外来は供給過剰」、開業医の68%」

◆意識調査のページ ⇒ ◆「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」

Q5.その他、外来医療の在り方について、ご意見、提言などがあればお書きください。

◆外来医療、過剰?不足?
・基幹病院では外来制限が必要と思います。【勤務医】
・病診連携による病院の外来抑制が必要。【勤務医】
・診療所は供給過多な地域はあると思う。救急医療に対応できる病院は足りない印象。【開業医】
・不要な投薬を防ぐ工夫をしてほしい。有効性に疑問のある薬剤の中止も含めて。【開業医】
・(1)時間外、救急に対して報酬を考慮していただきたい、(2)過剰な医療機関の密度の是正は、行政が何らかの形で関与が望ましい。地区医師会の新規開院のヒアリングに今後も任せてよいか疑問?【開業医】

・結構忙しいので、供給過剰ではないように思います。【勤務医】

◆外来医療、報酬は十分?不足?
・開業医が儲かる仕組みをやめましょう。技術の高い専門医を評価しないと診療レベルが上がりません。開業しても技術がないと稼げないようにするべきです。【勤務医】
・がんの薬物療法をやっており、外来診療を拡大させたいところであるが、入院での利益も増やしたい病院の思惑があり、外来の実施体制の整備の優先度が低い。新規薬剤は外来で投与できることが多いが、管理も難しくなっており、「患者数×管理難易度×予後改善による治療期間の長期化」=無限大、になりつつある。何とかしてほしい。【勤務医】

・欧米に比べて安すぎる初診料、再診料を少なくとも500円、3000円くらいに引き上げて、予約制でも外来が成り立つようにすべき。そうでなければ、労働基準法に準じた勤務体制での良好な医療経営は、不可能です。いつまで医者、医師会の良心に任せた過剰労働体制を続けるのでしょうか?欧米の医者からは、「日本の外来体制はクレイジー」だと言われています。【開業医】
・診療費が低いため、患者自身にもきちんと医療を受けるという意識が低いのではと思います。診療費を上げて、患者自身が金額に見合ったきちんとした医療を受けようという考えを持つことが必要ではないかと思います。診療費が上がれば、一人の医師が診療する必要がある人数が減り、今のような3分診療ではなく、時間をかけた診療も可能になり、そこに患者の厳しい目も加わることになり、医療の質の向上につながると思います。【開業医】
・かかりつけ医は総合的に地域の患者を診るべきだと思いますが、総合病院の外来軽減のためにも単科クリニックは必要だと思います。優秀なかかりつけ医には単科クリニックより有利なインセンティブを与えるべきだと思います。単科クリニックは、今まで通りに経営努力次第とすれば住み分けがなされるのでは?【開業医】

◆外来医療の見える化に賛成
・この「アンケート」中に「見える化」の用語が出てきました。賛成します。さらに、地域の保健所が地域住民の医療コンシェルジュの役割を果たすといいと思います(例「うちのバアちゃん、ここ1カ月で歩けなくなったんじゃけんど、どうしたもんかね」(医療コンシェルジュの初期問診でどうやらパーキンソン病の小刻み歩行と推察される)。「では、神経内科の『名医』のm3.com神経クリニックを受診されるのがいいですよ。お大事に」)【勤務医】
・外来医は、自身の専門分野以外で患者さんがどのような疾患で他にどこの病院等で治療されているかをきちんと把握していけば、こんな質問は出てこないのでは?【勤務医】
・常勤医なのか、非常勤医なのかを、患者に分かるように表示することを義務化するべき。【勤務医】

◆外来医療の定額制の是非
・医療費を節減するために、かぜ、歯科治療、マッサージや電気治療、腰痛治療などは自費とする。1カ月間に何度も受診することを避けるために、例えば、半年間に高血圧では何回受診しても、半年間で何円払うような、入院におけるDPCのようなものを始める。病院は院内処方とし、医療費を節減する。【勤務医】
・「あなたの給料を定額制にします」と言われたらあなたはどうしますか?現状より増えれば文句は言わないのは当然、少なくなれば拒否するだろう。財源が限られているのだから仕方が無いだろうと言うだろう。いいえ、そうではないだろう。あなた方が医療費財源を削って間違った優先順位を付けているだけである。現状でもインスリン治療をしている人の一部は赤字の部分があり、定額制こそ医療崩壊の原因となるのは必至。【開業医】

◆自由標榜制は制限を
・自由標榜はあまりよくないと感じます。【勤務医】
・開業医は自分の専門領域一つを選んで標榜すべき。あるいは専門領域が分かる形でクリニックの看板を掲げるようにしなければ、患者が混乱する。最近は「何でも屋」が増えすぎて、何が専門か分からない開業医が増えた。それに反して患者は専門性を求めている。患者の期待を裏切らない看板(標榜)を求めたい。【開業医】
・開業医の中には専門医ではない科目を診察して、薬剤処方している例が多く、問題だと思う。【開業医】

◆患者への啓発が必要
・まずはコンビニ受診をなくしましょう。救急車も有料にしましょう。できれば時間外受診も自費にすべきです。その手の費用は自己負担の生命保険特約などで補填していただきましょう。国が「自己責任」の啓蒙をきちんとすべきです。【勤務医】
・安易な時間外受診をやめてほしい。他の医療機関での検査結果等が全く分からない。それでいて高い水準を要求するのはもってのほか。なお既に新患は、他の医療機関からの紹介による予約診療にしている。採血結果や処方内容、画像診断(または画像そのもの)を付しての紹介である。その点で既に連携されている。【勤務医】
・患者教育が追い付かず、「ついで診療」が増加し,専門診療にならない。【勤務医】
・受診行動を取った人だけにとどまらない健康維持の考え方が必要。【勤務医】
・コンビニ診療の根絶が必要。無駄な医療費に直結する公費負担の徹底的な見直しをセットにやらないと無駄な外来診療は減らない。【勤務医】

◆その他
・開業医が増えて病院勤務医が疲弊するのはナンセンス。特に、単科専門医は病院に集約すべき。【勤務医】
・臓器別診療は、診療の質をある程度改善したように見える。しかし、実態は医師の臨床能力の低下につながっている。私は、カルテベースで、外来月に700人以上、年間7000人以上を診察し、入院を合わせると年間7億の利潤を生み出している。医者とは、こういうものと感じることができない医師には、専門医どころか、医師の看板を下ろしてほしい。【勤務医】
・病医院間の連携は、本来医師会のような組織が統制することが望ましいが、日本においては医師会が長年学術的に何の役割も果たしてこなかった。もっと地域医療、プライマリケアを中心に医療を率いていくべき。専門医機構など新たに作るより医師会の組織構成、強固なものにするべき。厚労省はそれを専門医数などの面で統制すべき。大学は教育に専念し、大学病院と大学を切り離すべき。医師を派遣するのは大学の役割であり、大学は厚労省のコントロールのもと、各病院へ医師偏在とならないよう派遣すること。派遣した病院は、大学に対し人件費として売り上げの何パーセントかを支払う。研究に関しては、各病院を中心とした臨床研究、大学の基礎医学教室を中心とした基礎や社会医学的研究にわけるなど。【勤務医】

・救急、産婦人科、外科、へき地みんな医者足りません。多くの医者はブラックな環境に置かれている。崇高な使命で働いているのはかわいそうだと思いませんか。【開業医】
・クリニックでできる限りの外来診療を、病院ではクリニックでできない検査を、という地域連携をしっかり実現させることが必要。一次受診はクリニックで十分対応可能だと思う。そのことを患者に理解してもらうことが大事。【開業医】
・医師の個性、能力を尊重し、患者さんに全力投球できるシステムが望ましい。制限を加えることはよくない。【開業医】
・産業競争力会議などの第三者委員会の意見に従うと、結局現場のことを分かり、さらに社会のことも分かる都道府県医師会上層部の考えと乖離してしまう。宇沢弘文先生の「社会的共通資本」の論理に基づき、職業専門団体の意見を尊重する方がいいように思う。【開業医】


  1. 2017/04/16(日) 10:48:41|
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4月14日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/520546
シリーズ 真価問われる専門医改革
パブコメは50~60件、賛否あり、新専門医制
運用細則は修正せず、Q&Aで制度解説予定

2017年4月14日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は4月14日、理事会後に記者会見し、「専門医制度新整備指針」の運用細則についてのパブリックコメントの結果を公表、同機構副理事長の松原謙二氏は、「50~60件のパブコメが寄せられたが、賛成と反対の意見があり、今のところ大きな修正はない」との見通しを説明した。運用細則は3月の理事会で了承、3月21日から4月4日までパブリックコメントを求めていた(『新専門医制度の「運用細則」、引き続き意見募集』を参照)。

 各基本領域の学会は現在、専門医制度新整備指針と運用細則を基に、領域別の専門研修プログラム整備基準等の作成を進めている。各学会とのやり取りの過程で、運用細則の微修正はあり得るため、最終的な運用細則決定後に公表予定。

 もっとも、依然として新専門医制度を問題視する声は根強い。厚生労働省は、新専門医制度も検討事項に加えた、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を今月中に発足予定(『新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省』を参照)。日本専門医機構理事長の吉村博邦氏も、メンバーに入る。

 こうした現状を踏まえ、吉村理事長は、「日本専門医機構の現状について、必ずしも十分に理解されていない」と述べ、「専門医制度Q&A」を同機構のホームページに近く掲載すると説明した。さらに新専門医制度については地域医療への懸念が呈せられていることから、地域医療に配慮した制度設計になっている旨の文書も公表予定であり、先の検討会でも説明すると見られる。

 19の基本領域のうち、総合診療専門医については、制度設計がまだ固まっていないが、「もう少しでコンセンサスに至ると思っている。(他の基本領域と)ぜひ一緒に2018年度から始めたいと考えている」(松原副理事長)。

 新専門医制度は、専攻医の募集を8月から開始し、2018年度から開始する予定になっている(『新専門医制、8月から専攻医の募集開始を予定』を参照)。厚労省の検討会発足の動き、総合診療専門医に関する検討の遅れなどを踏まえ、予定通りに進むのかが注目されるが、松原副理事長は、「今後の進展によっては遅れるかもしれず、あるいはそのまま実行するかもしれないが、2018年度の開始に向けて全力で努力をしているところ」と明言を避けた。

 14日の理事会は、「専門医制度Q&A」の議論に大半の時間を費やした。当初、14日にも公表予定だったが、以前の制度との変更点をはじめ、より詳細かつ分かりやすく記載すべきとの意見が出て、修正後の公表に変更された。そのほか同理事会では、形成外科、産婦人科、救急科の更新基準の変更が了承された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/520537
シリーズ 真価問われる専門医改革
「国民不在の新専門医制度を危惧」、全国市長会
塩崎厚労相に緊急要望、「地域医療を預かる首長の意見も聞くべき」

2017年4月14日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国市長会は4月14日、塩崎恭久厚労相に対し、「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」を提出した。「地域医療の実態を軽視した新専門医制度の議論が先行しており、このままでは国民医療の推進に大きな支障を来す」とし、地域医療を預かる責任のある首長等の意見や議論もなしに制度が構築されることを懸念した内容だ(資料は、全国市長会のホームページ)。緊急要望の提出は、4月12日に開催した同市長会の政策推進委員会で決定した。

 「日本専門医機構という、プロフェッショナルオートノミー(専門職自律)の建前のもとに、地域医療の実態を軽視した新専門医制度の議論が先行」と指摘、議論の進め方を問題視したほか、下記の6項目についても懸念があるとし、国民的議論を重ね、慎重に対応するよう求めている。

 医師など医療職の免許を持つ市長で構成する全国医系市長会は今年2月、塩崎厚労相に対し、新専門医制度に関する要望を提出していた(『「新専門医制度を危惧、拙速は反対」、全国医系市長会』を参照)。今回の緊急要望の6項目のうち4項目はほぼ一致し、基本な考え方は同じと言える。全国医系市長会の要望に盛り込まれた「総合診療医という専門医の矛盾。強引に専門医にあてはめるのは問題」の代わりに、全国市長会の要望では、「若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽」が入ったのは、「そもそも新専門医制度に反対しているため、各論ではなく、制度全体についての問題提起にしたため」(全国市長会副会長の立谷秀清・相馬市長)だ。

 なお、緊急要望が、会長代理の松浦正人・防府市長名なのは、全国市長会会長は現在は不在のため。

国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望
 1.中・小規模病院が危機に陥る懸念
 2.地方創生に逆行する危険と医師偏在の助長
 3.医師の診療活動開始年齢の遅延と医療コスト増大
 4.初期研修制度導入時に立ち返りPDCAで考えるべき
 5.若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽
 6.専門職自律という国民不在の議論


  1. 2017/04/15(土) 09:12:16|
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4月13日 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201704/550973.html
共用試験CBTとの重複を省く目的
18年度の医師国家試験、100問減らし2日間に

2017/4/13 加納亜子=日経メディカル

 厚生労働省は4月13日、2018年の第112回医師国家試験について、出題数を現行の500問から400問に縮小し、試験日数も3日間から2日間へと変更することを医道審議会に諮り、正式に決定した(同省ウェブサイト)。

 この決定は2015年3月に医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会から示された報告書を踏まえて判断された(過去記事:医師国家試験、100問減らし3日間から2日間へ)。

 15年3月の報告書では、2015年度から全ての医学部で臨床実習開始前の共用試験CBT(Computer based testing:コンピュータを用いた客観試験共用試験)の合格基準が統一されたこと、医師国家試験とCBTの出題内容の重複が指摘されていたことから、医師国家試験の設問数を100題程度減らすことが可能だという結論がまとめられていた。

 出題内容については、これまでの「医学総論」および「医学各論」から100題程度減らし、医師としての基本的な姿勢や基本的診療能力を問う「必修問題」と、臨床の思考過程に重点をおいた「臨床実地問題」の出題数については、現行維持する見込みだ。



http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20170413318217.html
県立吉田病院の診療科再編を提言
燕 検討会議が報告書

2017/04/13 11:24 新潟日報

 県病院局が改築方針を示す県立吉田病院(燕市)の将来的な医療提供体制を議論する検討会議は12日までに報告書をまとめた。医師の不足状況などに応じて現在18ある診療科の再編を検討するよう提言したほか、消化器系疾患の診療では県央地域で中心的な役割を担うよう求めた。

 検討会議は県が主催し、新潟大教授ら9人の医療関係者が吉田病院の「あるべき姿」について昨年8月から3回、議論した。

 報告書は吉田病院を、燕・弥彦地域の住民に身近な医療を提供する「地域密着型病院」と記載。本館棟が築43年を経過し、耐震化も終わっていないことから「早期の改築が望まれる」と指摘した。

 診療科については、脳神経外科と神経内科が医師を確保できずに休止し、産婦人科は分べんを取り扱っていないことを指摘。「地域の医療ニーズを踏まえ、医療資源を適切に活用し診療科の再編を検討する」とした。初診患者の窓口となる総合診療科を開設する方針も盛り込んだ。

 吉田病院には許可病床が199床あるが、患者が少ないため50床は稼働していない。稼働病床149床の平均利用率も2016年度(2月まで)は64・2%にとどまっている。報告書は「医療提供体制、患者受療動向を踏まえ病床数を検討する」とし、病床数を変更する可能性を示した。

 一方、消化器系の診療では年間5千件を超える内視鏡検査を行うなどの実績を評価し、「消化器内科と外科のさらなる充実を図り、地域における消化器疾患のセンター的役割を担う」ことを求めた。子どもの心の診療と小児慢性疾患診療、人工透析治療を維持する必要性も指摘した。

 県は報告書をベースにして2017年度、新病院の整備基本計画を策定する予定。県病院局業務課は「報告書を踏まえて整備基本計画を策定する中で改築について具体的に議論していきたい」としている。


  1. 2017/04/14(金) 06:11:03|
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4月12日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/519883
シリーズ 安倍政権の医療制度改革
医療費の地域差是正が重要課題、経済財政諮会議
都道府県は医療・介護等の「司令塔」、ガバナンス強化へ

2017年4月12日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 塩崎恭久厚労相は4月12日の経済財政諮問会議で、「地域の予防・健康・医療・介護の司令塔」として、都道府県のガバナンスの強化を進める方針を表明した。個人、保険者、医療機関等の「自発的な行動変容を促す」のが狙いで、制度(権限)、予算(財政)、人材、情報(データ)の面で強化し、さまざまな地域課題に取り組むのが狙い。

 その重要課題の一つと想定されるのが、医療費の地域差是正だ。塩崎厚労相は「全国統一の審査」を進める方針を掲げたほか、同会議では胃瘻造設術や人工透析などのレセプトにおける出現頻度などのデータも提出されており、「地域差是正」が今年6月頃にまとまる予定の「骨太の方針2017」、ひいては2018年度診療報酬改定の柱になる可能性が高まってきた(資料は、内閣府のホームページ)。

 安倍晋三首相は、地域医療構想の具体化も求めており、「今後は実行段階であり、構想の具体化に向けた行程と手段を決定する必要がある」と発言。塩崎厚労相は、地域医療構想の実現に向け、(1)機能分化・連携の推進のための診療等のデータ提供、(2)地域医療介護総合確保基金による支援――に加え、(3)診療報酬・介護報酬改定による対応、を掲げている。中医協では、診療側が、地域医療構想の実現に向け、“誘導”するように入院医療の診療報酬が設定されることへの懸念を呈しており、2018年度改定で地域医療構想の扱いが焦点になるのは必至だ(『「診療報酬、地域医療構想に“寄り添う”」、迫井医療課長』を参照)。

 塩崎厚労相は、都道府県のガバナンス強化と並行して、保険者機能の抜本強化も掲げた。予防・健康づくりの段階は保険者が、医療の段階では都道府県が、それぞれ果たすべき役割を明確化、その支援に向け、厚労省が施策等を打ち出していく図式になる。

 胃瘻造設術、都道府県で2.7倍の差
 会議後に会見した石原伸晃・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は、会議での主要な意見を紹介。民間議員からは、「一人当たりの医療費が高い地域は、介護費も高くなる傾向にあり、健康増進や予防の推進とともに、医療と介護を一体的に改革していくべき」との指摘があった。塩崎厚労相は、「データの利活用やインセンティブ改革を通じて、保険者機能や都道府県のガバナンスを抜本的に強化する」旨の発言があり、これらを受け、安倍首相は、塩崎厚労相に対して、「この3月までに全都道府県において策定された地域医療構想の具体化に向けて、実効的な施策をスピード感を持って実施するよう指示があった」と紹介。

 地域差については、民間議員から、「胃瘻造設術や人工透析など、地域差のデータを使いながら、厚労省が都道府県に対して、ガバナンスを利かせていくべき」「医療費の地域差が非常に大きい。都道府県で関係者の協議の場を設けて、行動変化を促していく必要がある」などの指摘が上がった。「医療費の都道府県の差が顕著にある。『トップランナーの方に併せていくことが重要』という提言も民間議員からあり、その対応についても塩崎厚労相から、『しっかりやっていく』という話があった」(内閣府事務局)。

 地域差のデータを“見える化”を進めているのは、経済・財政一体改革推進委員会の評価・分析ワーキング・グループ。NDBを活用したデータで、都道府県の性や年齢構成の違いを調整し、レセプトの出現比(SCR)として指数化したデータだ(全国平均と出現比が同じ場合は、100)。例えば、胃瘻造設術の場合、SCRが最も高いのは沖縄県で185、最低の静岡県は69で、約2.7倍の開きがある(資料は、内閣府のホームページ)。

 厚労省が都道府県のガバナンス強化策の一つとして掲げるのが、「保険者努力支援制度」を活用したインセンティブの付与だ。国民健康保険(国保)は、財政基盤を強化するため、2018年度から運営主体を市町村から都道府県に移管する。同時に創設されるのが「保険者努力支援制度」であり、何らかの「アウトカム」を出した場合には予算上の措置を優遇するなどして、「医療費適正化の実効的推進」を図る方針。

 さらに菅義偉内閣官房長官からは、「薬価や医療費を決める委員会をチェックするために、第三者の目を入れていくことが大切」との指摘も上がった。これに対し、塩崎厚労相は「全国統一的な基準で審査できるよう、データヘルス改革を進めていきたい」と答えた。

 保険者機能の強化は、健保組合に対しては、後期高齢者支援金の加減算率を用いて、自発的な取り組みを促すのが柱。法律の上限(±10%)まで引き上げる方針。これは目標の達成状況(特定健診・保健指導の実施率など)を指標に、実績を上げている保険者に対しては、支援金を減算(インセンティブ、現状は▲0.048%)、実績が上がっていない保険者に対しては、支援金を加算(ペナルティ、現状は0.23%)する仕組みだ。

 安倍首相「医療と介護を一体的に改革」
 会議の最後の安倍首相の発言は、以下の通り。

 「民間議員からは、一人当たり医療費が高い地域は、介護費も高くなる傾向にあり、健康増進や予防の推進とともに、医療と介護を一体的に改革していくべきという意見があった。これに対し、塩崎大臣から、データの活用やインセンティブ改革を通じて、保険者機能や都道府県のガバナンスの機能を抜本的に強化するという発言があった。2025年には団塊の世代が、全て75歳以上となり、医療介護ニーズも大きく変わっていくことが見込まれる。あと残り8年となるが、それぞれの地域でどの患者も適切な医療や介護を、適切な場所で受けられるように、用意していく必要がある。

 その第一段階として、この3月までに全都道府県において、地域ごとの将来の病床数を盛り込んだ地域医療構想の策定が完了し、目指す将来像が明らかになった。今後は実行段階であり、構想の具体化に向けた行程と手段を決定する必要がある。その際、第一にデータを最大限活用する、第二に中長期的に持続可能で、効率的なものとする、第三にアジア諸国の模範になるようなものにする、といった視点で取り組みを進めることが必要。民間議員の意見も踏まえ、塩崎大臣を中心に、自治体の先進事例の横展開や病床のスムーズな転換方策など、実行的な施策をスピード感を持って検討してもらいたい」



http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-12/2017041201_04_1.html
地域医療構想 病床削減 遠のく医療
命の保証どこに
重症化招く危険

2017年4月12日(水) 新聞あかはた

 入院ベッド数を全国の1割にあたる15万6千床も削減する計画となった地域医療構想。

 自治体病院の割合が全国より高い青森県では、構想策定後の昨年10月に、弘前市内の弘前市立病院と国立病院機構弘前病院の統廃合が提案され、この6月にも合意書が市議会に提出される見通しです。現行の4分の1にあたる150床程度も削減する計画です。

 黒石市の黒石病院や大鰐(おおわに)町立大鰐病院などのベッド削減も示しています。

 「住民の、いざという時の命の保証が削られる」と語るのは、青森県民主医療機関連合会の那須稔事務局長。

 「統廃合で病院が遠くなり、通いづらくなる高齢者も生まれます。在宅医療で担えと言っても、深刻な医師の人手不足・高齢化のなかで簡単ではありません。むしろ、統廃合の話がすすむなかで弘前市立病院では医師の退職が相次いでいます。ベッド削減ありきの計画はやめるべきです」

 一方、厚労省は都道府県に対し、調整会議で10~12月にも病院名をあげて「具体的な決定」をするよう提起。知事が公的医療機関に空床の削減命令ができる法改悪もしており、ベッド削減の狙いを鮮明にしています。

 全国団体からは「ベッドが現状で足りなくなることも考えられる」(全日本病院協会)と懸念が出ています。

 各県の構想では、「医療不足が診療活動、特に大幅な入院制限に影響を与えている」(滋賀県・湖北区域)などと、医師不足で空床にせざるをえない実態が示されています。

 「医師不足で、…日常的な疾病・外傷等に対処する機能が不足している地域がある」(秋田県)との指摘もあり、ベッド削減で医療がさらに遠のき、重症化につながる危険は明白です。医療体制の拡充こそ求められます。

(松田大地)
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(G3註:縦長の表を分割しました)(クリックで拡大)
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(G3註:上記の表を地図にしました)


  1. 2017/04/13(木) 09:26:06|
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4月11日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/519167?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170411&dcf_doctor=true&mc.l=216484904&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ 真価問われる専門医改革
新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省
「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」発足

2017年4月10日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は近く、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を発足、専門医制度を含め、医師養成の在り方と地域医療への影響などについて検討を着手する予定だ。メンバーは18人で、日本医師会や全国医学部長病院長会議、日本専門医機構などの医療関係団体の代表のほか、行政関係、学識経験者、患者代表などが入る見通し。文部科学省とも協力して、議論を進める。

 同検討会の開催要綱によると、2004年度から必修化された臨床研修制度が地域医療に影響を与えたとされ、新専門医制度についても同様の懸念が呈せられたために、2017年度から開始予定が1年延期された経緯を踏まえ、(1)地域医療に求められる専門医制度の在り方、(2)卒前・卒後の一貫した医師養成の在り方、(3)医師養成の制度における地域医療への配慮――などが検討課題。

 医師養成をめぐっては、卒前教育の改革・充実が進み、臨床研修や専門医制度も変わる中、卒前と卒後の間に医師国家試験があるなど、シームレスな実習・研修体制になっていないとの指摘がある。

 こうした中、「医学教育モデル・コア・カリキュラム」は2018年度から改訂、一方で各大学は、卒業時に臨床実習の成果を評価するため、Post-CC OSCE(Post-Clinical Clerkship OSCE)を導入するなど、臨床実習での成果を卒業時点で評価するなどの改革が進んでいる。2018年度から医師国試はこれまでの3日間から2日間に短縮、試験問題も500問から400問に減少。臨床研修については、2020年度からの見直しを控え、検討が進む。

 本検討会は、文字通り読めば、こうした動きを総括的に議論する場と受け取れるものの、発足の発端は実は新専門医制度。2018年度開始予定の同制度に対しては、地域医療への影響を懸念する声がいまだに強い。研修プログラム制への変更に伴い、専門医研修が大学など大病院中心となる懸念に加え、「医師は基本領域のいずれか一つの専門医を取得することが基本」とされている点を問題視する声などがある。

 厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」は、この4月にまとめた報告書の中で、新専門医制度と関連した施策を打ち出しつつ、「日本専門医機構のガバナンスを強化かつ透明化し、これが継続されるような制度的な支援を図ることが急務」とも指摘(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。現状の日本専門医機構の体制には不安を抱きつつも、将来の医療提供体制においては新専門医制度の確立・運営が必要としている。

 もっとも、新専門医制度については、地域医療への影響が懸念され、厚労省の社会保障審議会医療部会に、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」(委員長:永井良三・自治医科大学学長)が設置されたが、2016年5月30日の第3回会議を最後に、議論はストップしたまま(『新専門医、予定通り開始せず、2017年度は“試行”』を参照)。

 地域医療や医師不足との関連では、厚労省は「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の議論をしていたが、議論をいったん停止し、先のビジョン検討会が発足した経緯もある。厚労省が、正式な審議会等を通さずに、アドホックな検討会が立ち上がる現状に対し、制度設計の進め方が不透明という指摘も絶えない。

 これらの点も踏まえ、日本医師会副会長の今村聡氏は、「新専門医制度の問題は喫緊の課題だが、あくまで生涯にわたる医師養成の在り方を議論する場として理解している」と釘を刺し、新専門医制度の議論に留まらず、幅広い議論を期待する。

 2018年度から開始するのであれば、5月からは基幹施設から研修プログラムを募集、今年8月から専攻医の募集を開始できるよう準備を進める予定(『新専門医制、8月から専攻医の募集開始を予定』を参照)。地域医療への影響を鑑みつつ、専門医をこれから目指す若手医師のために、新専門医制度に関する明確な方針を早急に示すことが必要だろう。

 さらに、医師の生涯教育のシームレス化は積年の懸案事項。本検討会を好機と捉えた議論が進むことが期待される。



https://www.m3.com/news/iryoishin/519538
シリーズ 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
「医師養成は強化されるべき」、四病協
「ビジョン検討会」報告書に見解、「医師は絶対数不足」

2017年4月11日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 四病院団体協議会は4月11日、厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書に対し、医師の絶対数の不足が実情であるとし、「少なくとも、当分の間の医師養成は強化されるべきと強く主張する」との意見を公表した(資料は、日本医療法人協会のホームページ)。同報告書の「敢えて医師数を増やす必要がない環境を作り上げていく」との提言に異を唱える内容で、日本医師会との見解とも異なる(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』、『「医師養成数増は不要」は一致、各論には異論』を参照)。

 意見ではまず、「社会の変化に変容し、また、患者 ・住民の価値観ばかりはでなく、医療従事者の働き方に対応したパラダイムシフトの必要性にまで言及した報告書」と高く評価。

 しかし、各論については、プライマリ ・ケア医の養成、地域医療支援センターの活用、タスク・シフティング/タスク・シェアリングやAI等のICT技術の活用の実効性を検証することなく、「敢えて医師数を増やす必要がない環境を作り上げていくと直線的に結論づけている」ことを問題視。「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」で医師の過重労働・超過勤務問題が改めて指摘されたとし、時間外労働時間の問題等を考えると医師は絶対数が足りないとして、医師養成の強化を求めている。

 その他、プライマリ・ケアの担い手として、中小病院の医師を位置付けるほか、アウトカム評価と医療費定額払い制度、リフィル処方、 PA (Physician Assistant) の創設などについては、「これまで、政府報告書で触れることが少なかった」とし、多面的、全体最適を目指した具体的議論の開始を強く求めている。


  1. 2017/04/12(水) 05:18:10|
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4月8日 

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20170408317354.html
町立津南病院、赤字が過去最高に
2017/04/08 12:50 新潟日報

 津南町の町立津南病院の2016年度決算で、赤字が過去最高の約5億8千万円になることが分かった。赤字相当分は、町の一般会計予算で穴埋めする。赤字が膨らむ中、町は、町立病院運営審議会に諮問しながら、将来の病院の在り方について探っていく考えだ。

 津南病院は現在、一般病床は62床。内科、外科、整形外科、小児科など9診療科を持つが、うち産婦人科は医師が確保できず15年3月から休止となっている。

 赤字は、15年度に初の5億円台(5億1373万円)となっており、16年度はさらに膨らんだ。11~15年度の赤字は平均で4億600万円。91~95年度の平均1億5020万から約2.7倍に増えている。

 病院稼働率でみると、1990年代半ばは70%台だったが、その後40%台に落ち込んだ。2003年度に一般病床を130床から62床に減らしたためいったん90%台になったが、04年度以降は再び減少。近年は40~50%台で推移している。

 入院、外来ともに患者数の減少が続き、赤字を膨らませている。人口減少に加え、道路などの交通アクセスが良くなったことで、他地域の病院を利用する町民が増えたことなどが要因とみられる。15年に魚沼基幹病院(南魚沼市浦佐)が開院したことも背景の一つとの指摘もある。

 また、常勤医師の減少にともない、東京からの非常勤医師の人件費も膨らんでいるという。

 少しでも経営を好転させようと、16年2月に療養病床(52床)を休止し、同3月には歯科を廃止した。ただ、少子高齢化が続く中、抜本的な解決策がないのが実情だ。

 町に諮問された審議会では、魚沼地域の医療環境の変化などを考慮しながら解決策を探り、年内に答申をまとめる方向だ。

 上村憲司町長は「町立病院の在り方などを総合的に導き出す必要がある。持続可能な町民への医療提供というのが基本だ。関係者と一丸となって地域医療の再構築に挑む」と述べた。

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  1. 2017/04/09(日) 07:17:42|
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4月7日 

http://www.medwatch.jp/?p=13171
外科と精神科、初期臨床研修で「必修の診療科」とすべき—四病協
2017年4月6日|医療・介護行政全般 MedWatch

 医師の初期臨床研修において、外科と精神科を必修科目とすべき—。

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院の4団体で構成される四病院団体協議会(四病協)は3月31日に、このような要望を厚生労働省医政局の神田裕二局長に宛てて行いました。

現在、内科と救急は必修、外科・精神科などは選択必修

 2004年度から新たな臨床研修医制度がスタートし、臨床現場に立つ医師には、すべて2年間以上の初期臨床研修を受けることが必修化されました。臨床に携わる医師は、自分が専門とする診療科だけでなく、すべての診療科について基本的な診断・治療技術を持つべきとの考えに基づくものです。

 必修化によって「医師の資質向上」という大きな成果が得られましたが、研修医が研修先を選べる(マッチングシステムの下で)ため地域の医師偏在が進むなどの問題も発生しました。また、▼多くの診療科で研修を課すため研修医のモチベーションが下がる(お客さんで終わってしまうケースもある) ▼病院ごとの特色ある研修が難しい—といった課題も指摘されていました。そこで厚労省は検討会を設置して、研修内容について議論し、2010年から ▼必修の診療科は内科(6か月以上)、救急(3か月以上)にとどめる ▼外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科は選択必修とし、この中から2診療科を選択する―などの見直しを行いました。

 しかし、この見直しによって「外科」医師が減少していると四病協は指摘。例えば、2010年に比べ、2014年に外科後期研修に入った医師は73%に減少しています。

 四病協は「小児科・産婦人科では医師不足が顕在化し待遇改善などがなされて、医師が増加傾向に転じたが、外科では医師不足が顕在化せず、このままでは救急医療現場が崩壊につながる可能性がある」「全人的医療を実践する医師養成のためには精神科の初期研修が必要である」と訴え、外科と精神科について初期臨床研修での「必修化」を強く要望しています。

 

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0406506920/
外科必修化で救急医療の崩壊を防げ!〔CBnews〕
臨床研修制度、関連団体が医政局長に要望書

CBnews | 2017.04.06 07:25

 日本病院会や日本精神科病院協会などは、厚生労働省の神田裕二医政局長に対し、初期臨床研修制度の見直しを求める要望書を提出した。外科医の減少に伴い救急医療の現場が崩壊する恐れがあることを挙げ、臨床研修における外科の扱いを格上げし、医療現場の改善につなげるよう求めている。

 2004年4月から始まった臨床研修制度では、幅広い診療能力を修得することを目的に2年以上の臨床研修が義務付けられている。しかし、10年の臨床研修制度の見直しに伴い、全研修医が学ぶ「必修科目」となっていた外科と精神科などは、5科目の中から2科目を選択する「選択必修科目」となり、外科を選ばない研修医も出てきた。

要望書では、初期研修(2年間)を終えて外科の後期研修に入った医師数が減少傾向となっていることに触れ、外科が「選択必修科目」になったことも減少の「大きな要因」と説明。小児科や産婦人科は医師不足が社会問題化されたことで待遇の改善が図られた一方、外科は減少傾向が表面化しなかったため、対応が図られなかったとの見解を示している。

また、高齢者の救急対応などを担う二次救急の現場で外科医が大きな役割を占めていることを挙げ、「このままの状況では、救急医療現場の崩壊につながる可能性がある」とし、「必修科目」に外科を位置付ける必要があるとしている。

このほか、精神科についても「全人的医療を実践する医師の養成のために不可欠」として「必修科目」に戻すよう求めている。

(2017年4月4日 新井哉・CBnews)



http://digital.asahi.com/articles/ASK463VG9K46ULBJ001.html?_requesturl=articles%2FASK463VG9K46ULBJ001.html&rm=373
20代勤務医、週55時間労働 さらに当直…12時間超
野中良祐
2017年4月7日01時52分 朝日新聞

 20代の勤務医は週平均55時間勤務し、これに当直や緊急時に備えた待機が12時間以上加わる――。厚生労働省研究班(研究代表者=井元清哉・東大医科学研究所教授)が、6日発表した初の大規模調査で、多くの医師が長時間働いている実態が浮かんだ。同省の検討会は同日、偏在対策や他職種との業務分担を盛り込んだ働き方を提言する報告書を塩崎恭久厚労相に提出した。

 全国約1万2千の施設に勤める10万人の医師に調査票を送付。昨年12月の1週間に、何時間働いたかの記入を依頼し、1万5677人が郵送で回答した。

 常勤の20代男性の平均勤務時間は、週に57・3。同女性は53・5。年代が上がるにつれ、勤務時間は減少の傾向だった。週60時間以上勤務していたのは男性の27・7%、女性の17・3%。診療科別では、救急科が最長の55・9。精神科は43・6と差がみられた。
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 ログイン前の続き医師の地域偏在の解消が課題となる中、地方勤務の意思を問うと、20代の60%、全体の44%が「ある」と答えた。「ない」と答えた人にその理由を聞くと、「労働環境への不安」が各年代で上位だった。厚労省の担当者は「休みを確保できるなど環境を整えれば偏在は解消できる」と話す。

 調査は、文書作成や予約業務などは他職種と分担が可能で、実現すれば医師の労働時間を1日に約47分軽減できると分析する。

 これらの結果を踏まえ、有識者らでつくる検討会は、看護師や事務職との業務の分担や同じ薬であれば診察なしで薬を処方できる仕組み、情報通信技術(ICT)の活用による効率化を提言。医師を増やさなくても、高齢化がさらに進む社会のニーズに応えられるよう、工程表をつくって実現するよう求めている。

 検討会座長の渋谷健司・東大教授は「現場が疲弊しないシステム作りは待ったなしだ。世の中全体で働き方を見直している時期でもあり、医療にもメスを入れる」と話した。

 厚労省は、介護職員の勤務実態についても、大規模な全国調査を始める。2025年までに約38万人足りなくなると見込まれる介護職の働き方を把握し、人材確保策に生かしたい考えだ。(野中良祐)



https://www.m3.com/news/iryoishin/518004
新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
医師10万人調査、結果公表!
男性医師27.7%が「週60時間以上」、地方勤務意向は44%

2017年4月6日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 常勤勤務医では男性27.7%、女性17.3%が、「週60時間以上」勤務し、1カ月当たりの時間外労働は「過労死ライン」の80時間を超える計算になる――。

 依然として一定数の勤務医が厳しい勤務を強いられている現状が、4月6日に発表された「医師10万人調査」から明らかになった。個人による差も大きく、週の勤務時間が100時間以上に上る医師も見られた一方、常勤でも40時間未満との回答もあった。

 「医師10万人調査」の正式名は、厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(『医師10万人調査がスタート!厚労省』を参照)。厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の議論や今後の医師需給推計の基礎データとなるため、昨年来、注目されていた調査だ。調査票は約10万人の医師に配布、回収できた1万5677人の回答を集計した。年代別などの勤務実態や勤務意向が明らかになり、政府が進める「働き方改革」にも影響し得る結果とも言える(資料は、厚労省のホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html)。

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(研究班資料による)

 週平均勤務時間を年代別に見ると、最も長いのは20代で55時間程度で、内訳は男性57.3時間、女性53.5時間。年代が上がるにつれて減少し、60代では男性45.5時間、女性39.3時間。

 診療科別では「救急科」(55.9時間)、「外科系」(54.7時間)、「臨床研修医」(53.8時間)などで長い傾向がある。一方、「精神科」(43.6時間)、「麻酔科」(49.1時間)などでは短い。

 医師の働き方改革や医師の地域偏在解消を進めるため、「他職種(看護師や事務職員等のコメディカル職種)との分担の可能性」、地方勤務の意向なども聞いている。「患者への説明・合意形成」「医療記録」など計5つの作業に費やした時間は、1日当たり平均約240分、うち20%弱(約47分)は他業種に分担が可能という結果だった(50代以下の常勤医師の場合)。

 また医師の44%は、地方勤務の意思があり、年代別に見ると最も割合が高かったのは20代で60%だった。地方勤務の期間は、20代では2~4年間を希望する割合が多く、30代以上では10年以上の希望者が増える傾向が見られた。一方、地方勤務の意思がない理由として、どの年代でも、「労働環境への不安」「希望する内容の仕事ができない」を挙げた回答が高かった。

 研究代表者を務めた東京大学医科学研究所ヘルスインテリジェンスセンター健康医療データサイエンス分野教授の井元清哉氏は、調査票が1週間の勤務実態を記録するなど、記入に手間がかかることから、「ハードな負担を強いる調査。時間に余裕がある医師だけが回答するというバイアスがかかると懸念されたが、回答内容を見ると、しっかり自分のデータを記載しており、信頼性が高い内容だと考えている」と説明した。

 なお、ここで言う「勤務時間」は、「診療」(外来、入院、在宅)と「診療外」(教育、研究・自己研鑽、会議・管理業務等)の時間の合計。これに「当直・オンコール」が別途加わるが、「当直・オンコール」中に行った診療等は、「勤務時間」に含めて計算している。例えば、20代の男性常勤勤務医の場合、「当直・オンコール」18.8時間のうち、待機時間は約16時間で、残る2.8時間を含めて「週平均勤務時間」(57.3時間)を計算。もっとも、「当直・オンコール」はその実態により、より多くの時間が勤務時間と見なされる場合もある一方、「診療外」の自己研鑽をどの範囲まで勤務と見なすかという問題は残る。

 本調査の概要と、主な調査結果は以下の通り。

【調査概要】

・医師調査:約10万人を対象に実施、1万5677人の回答を集計。男性74.6%、女性22.7%。回答者の男女割合、診療科の分布は、「医師・歯科医師・薬剤師調査」とほぼ同一。勤務形態は、常勤69.4%、非常勤12.6%、病院・診療所の開設者16.2%。
・医療施設調査:1万2035施設(うち病院2331施設)を対象に実施、3126施設の回答を集計。
・調査期間:2016年11月末から2017年1月。タイムスタディは、2016年12月8日から12月14日の1週間について、「診療」「診療外」「当直・オンコール」の時間について記録。

【調査結果】

◆勤務時間について、性別、診療科別などで大きく異なる。
・20代勤務医(常勤)の勤務時間(診療+診療外)の時間は、週平均55時間程度。これに当直・オンコールの待機時間(男性約16時間、女性約12時間)が加わる。
・勤務医(常勤)の勤務時間は、内科系51.7時間、外科系54.7時間、産婦人科50.6時間、小児科50.2時間、救急科55.9時間、麻酔科49.1時間、精神科43.6時間、放射線科51.9時間、臨床研修医53.7時間。

◆他職種との分担可能な業務について、調査した5種の業務に要する時間のうち、1日当たり平均47分を分担可能。
・「患者への説明・合意形成」、「血圧などの基本的なバイタル測定・データ取得」、「医療記録」(電子カルテの記載)、「医療事務」(診断書等の文書作成、予約業務)、「院内の物品の運搬・補充、患者の検査室等への移送」の業務に要する時間は、1日当たり約240分。中でも「患者への説明・合意形成」(82分)、「医療記録」(93分)が長い。しかし、他職種に分担できる割合は、「医療事務」(33%)、「院内の物品の運搬等」(30%)などで高く、「患者への説明・合意形成」(8%)、「医療記録」(14%)では低い。

◆地方勤務する意思がある医師の割合は44%。
・地方(東京都23区、政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外)で勤務する意思が「ある」のは、44.1%、「ない」は51.3%。年代別で差があり、最も高いのは20代勤務医で、60%が「ある」と回答。
・50代以下の勤務医のうち、約半数は地方勤務の意思がある。半年(0.4%)や1年(2.3%)を希望する割合は低く、10年以上を希望する割合は27.1%。
・地方勤務の意思がない理由として、どの年代でも、「労働環境への不安」「希望する内容の仕事ができない」を挙げた回答が高かった。年代別では、キャリアの変化に応じて、理由が異なっていた。20代では「医局人事のため選択の余地がない」のほか、「専門医の取得に不安」があることも特徴。30代、40代では「子供の教育環境が整っていない」「家族の理解が得られない」が高くなる一方、「専門医の取得に不安」は低くなり、50代では「家族の理解が得られない」は依然高いものの、「子供の教育環境が整っていない」は減少。

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(研究班資料による)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H5T_W7A400C1EE8000/
医師の偏在対策、強制に反対 厚労省検討会
2017/4/6 20:52 日本経済新聞

 医師の働き方などについて話し合う厚生労働省の検討会が6日、医師の偏在解消のために強制的な手段を使うことに反対する考えを示した報告書をまとめた。報告書では過酷な労働環境など支障を取り払えば、多くの医師が地方で働くと指摘した。ただ厚労省は過去に、別の会議で「偏在解消には規制が必要」との中間報告をまとめており、議論が混乱する懸念も浮かんでいる。

 検討会は団塊世代の高齢化に伴う「多死社会」への対応や、長時間労働が常態化する医師や看護師の働き方の見直しにつなげるために昨年10月に設置された。

 報告書で強調したのが医師の偏在問題への対応だ。偏在は都道府県によって人口あたりの医師の人数に大きな差があったり、特定の診療科に医師が偏っていたりする問題。救急患者のたらい回しや地域医療を支える医療機関の閉鎖・縮小に直結するため、国民にとっても放置できない課題だ。たとえば都道府県別の10万人あたりの医師数でみると、京都が307.9人と最多で、最少の埼玉と2倍の差があるなど地域差は大きい。

 これに対し報告書では全国1万6千人の医師への実態調査をもとに、44%の医師が地方勤務の意思があると指摘した。一方で想定通り医師の地方勤務が進まない理由として、極端に少ない休日や長時間勤務といった「過重労働」と「希望する仕事ができない」という2点を挙げた。

 そのうえで「支障が除かれれば、地方に従事する可能性が多く秘められている」と強調。「『規制的手段によって医療従事者を誘導・配置すれば足りる』との発想に依存すべきではない」と結論づけた。

 だが偏在対策を専門に検討する厚労省の医師需給分科会では昨年6月、偏在の解消には「規制を含む対策が必要」との中間報告を公表している。医師がどこでも自由に開業できる「自由開業」や、法律で定められた診療科であれば何を標榜してもよい「自由標榜」の見直しにも踏み込んでおり、有識者の間では「画期的だ」と期待する声もあった。

 それと比べると今回の報告書は、偏在対策が後退している印象が拭えない。厚労省内には「(6日の)報告書への塩崎厚労相のこだわりは強い」(同省幹部)との声もあり、今後の議論でどちらの考えが優先されるのかは見通せない状況だ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/518222
新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」
報告書公表、渋谷座長「医療者の働き方にメス」

2017年4月6日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は4月6日、「敢えて医師数を増やす必要がない環境作り」の重要性を打ち出した報告書をまとめ、塩崎恭久厚労相に提出した。

 2008年度以降、医学部の定員増が続いていたが、この傾向に歯止めをかけ、医師数の「量」の議論から、医療の在り方や医師の働き方の議論、それを踏まえた施策の実現への転換を求める報告書と言える。今後、5~10年程度を基本軸とし、着手可能な施策からの具体化を提言。医師偏在対策については、「成果を出すラスト・チャンス」と位置付け、強制力ではなく、地域と医療機関、医師の主体的な取り組みを求めている(資料は、厚労省のホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html)。

 検討会後に会見した座長の渋谷氏は、「大きく、そして急速な変化の中で、どのような未来を描いていくべきか、戸惑い、時に立ちすくんでいる医療従事者たちへのメッセージとなることを目的としている。医療者の働き方については、ある意味、メスを入れるような形で、さまざまな観点から議論した」と説明。特に喫緊の課題として、医師偏在対策に取り組むことを求めた。

 報告書を受け取った塩崎恭久厚労相は、ビジョン検討会が「医師10万人調査」(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)を踏まえて議論してきたとし、「ファクトに基づいた分析を踏まえて、大変画期的な医療介護のビジョンと働き方を示していただいた。いろいろ物議も醸すかもしれないが、それくらいでないと日本は変わらない。ありがたく検討させていただきたい」と労った。

 「ビジョン実行推進本部(仮称)」も提言
 報告書のキーワードは「高生産性、高付加価値」。喫緊の課題である医師偏在対策に加えて、外来医療の在り方の見直し、プライマリ・ケア機能の担い手の確保、医師から看護師等へのタスク・シフティング、「診療看護師」(仮称)や「フィジシャン・アシスタント」の創設など、さまざまな改革を進めるべきと提言。医師需給推計や2020年度以降の医学部定員増は、これらを実施した後に検討すべきとしている。

 医師偏在対策については、「不足する地域に強制的に人材を振り向ける」などの発想ではなく、「いかに医療・介護の質と従事者個々人の意欲と能力を引き出し、生産性と付加価値を高めて、国民の求める保健医療サービスの価値を提供していくかという方向性を重視すべき」と提言。

 「医師10万人調査」(「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」)で、地方勤務の意思がある医師も一定数いることなどを踏まえ、派遣医師と受入医療機関のマッチング支援、週4日勤務制の導入、休日の代替医師の派遣など医師の負担軽減、複数医師によるグループ診療、遠隔診療支援などを施策として盛り込んだ(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)。「遠回りかもしれないが、勤務医が働き続けることができる地道な環境作りが必要だろう」(渋谷座長)。

 本ビジョン検討会は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の議論をいったん停止してスタートした経緯がある(『「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長』を参照)。両検討会・分科会の2016年6月の中間報告で打ち出された保険医の配置・定数の設定など規制色が強い施策は、今回は盛り込まれていない(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 「外来医療の最適化に向けた枠組みの構築」を打ち出したことも注目点。2025年の「病床の必要量」を推計する地域医療構想に、外来医療の要素を加え、需給ギャップを把握、最適化を段階的に進めるとともに、「地域における効率的医療提供体制を構築し、診療報酬におけるアウトカム評価と医療費の定額払いを行うことによって、その地域の医療機関全体にメリットが生じるような医療保険制度の見直しを検討」、「自由標榜制の仕組みについても、例えば日本専門医機構の認定する専門医と標榜とを関連付けるなど、患者に分かりやすく、適切な選択に資する標榜の在り方を検討」なども求めた。

 さらに「地域を支えるプライマリ・ケアの構築」に向け、「日本専門医機構の認定するプログラムにより育成された総合診療専門医の育成を強化していく」など、プライマリ・ケア機能の担い手をまず確保していくことが重要なステップであるとした。その後、一定期間後には、日常の健康問題に関する資料は、まずプライマリ・ケアを担う医師をまず受診し、その紹介を通して専門診療を受診する仕組みも提言している。

 タスク・シフティングについては、「チーム医療」を発展させる形で有効活用すべきと指摘。まず2015年10月から創設された看護師の特定行為研修制度を充実させ、現時点で研修対象となっている医行為を拡大し、「診療看護師」(仮称)の養成を提案している。さらに、簡単な診断や処方、外科手術の助手、術後管理などができる「フィジシャン・アシスタント」の新設も検討すべきとしている。

 そのほか、遠隔医療、ICTにも言及するなど、医師の働き方改革に留まらず、医療提供体制全般にわたる課題を取り上げている。

 報告書の最後には、本提言を実現するため、厚労省内に「ビジョン実行推進本部(仮称)」を設置し、5~10年程度の政策工程表を作成、内閣としての政府方針に位置付け、進捗管理を行うよう求めている。実現困難な提言等については、「国家戦略特区の枠組み等を用いつつ、厚労省が主体となって着実に取り組みが進むようにすべき」とした。

 さらに喫緊の課題となる、医師偏在対策については、「医師需給分科会で、本報告書の内容を踏まえ、その具体化に向けた検討を行い、短期的な方策を精査し、必要な制度改正案を速やかに取りまとめるべき」と提言。その後に、働き方調査に基づく精緻な医師需給推計を行った上で2020年度以降の医学部入学定員の検討に着手すべきとしている。

 もっとも、報告書に盛り込まれた施策は、過去に議論になっては反対意見が上がり、議論が難航したり、実施が見送られたものも少なくない。塩崎厚労相が「いろいろ物議も醸すかもしれない」と発言したのも、この点が念頭にあったと思われる。さらに、医師偏在対策は、前述の通り、「医師需給分科会」などで議論しており、「ビジョン検討会は、大臣の私的検討会。政策につなげるためには、正式な審議会・検討会で議論していくべき」(日本医師会会長の横倉義武氏)などの意見は根強く、ビジョン検討会報告書の内容がどの程度、具体的検討の場に進むか、今後が注目される。

 「これからの医療政策の基本哲学」
 ビジョン検討会は2016年10月に設置、4月6日まで計15回の検討を重ねた。2016年12月には、中間報告をまとめている(『具体的な政策提言、「医師10万人調査」の結果待ち』を参照)。

 報告書はまずその位置付けとして、「これからの医療政策の基本哲学」であるとし、「若手や女性をはじめとして、医療従事者の誰もが将来の展望を持ち、新たな時代に即応した働き方を確保するための指針となることを目指した」と明記。

 その上で、医療を取り巻く構造的な変化、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」に触れた後、「新たなパラダイムと実現すべきビジョン」と「ビジョンの方向性と具体的方策」を列挙する体裁だ。

 「新たなパラダイムと実現すべきビジョン」では、根幹に据えるべき方向性として下記を提示。その実現に向け、「働き方」「医療の在り方」「ガバナンスの在り方」「医師等の需給・偏在の在り方」のそれぞれについて、パラダイムの転換を図ることを求めている。

・それぞれの医療・介護従事者が持つ力量を最大限に発揮できる環境を目指す。
・均一化・規格化されたサービスを大量かつ一方的に提供する(「プッシュ型」)モデルから、脱却し、住民・患者の能動的な関与とニーズに合わせて多様なサービスを設計し、創造する(「プル型」)モデルの確立を目指す。
・医療・介護従事者の役割や機能が、加速する社会的・経済的・技術的な時代の変化に、柔軟かつ迅速に適応できる環境作りを進め、進化できるシステムを目指す。

 「ビジョンの方向性と具体的方策」として、(1)能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方をフル・サポートする、(2)地域の主導により、医療・介護人材を育み、住民の生活を支える、(3)高い生産性と付加価値を生み出す――の3つの柱を立て、それぞれ「目指す姿」と「具体的アクション」を打ち出している。



  1. 2017/04/08(土) 06:02:00|
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