Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月15日 

https://dot.asahi.com/dot/2017101100086.html
連載「メディカルインサイト」
舛添要一氏が医師や官僚から評価されていた理由 既得権益との闘いが実を結ぶ

上昌広2017.10.13 07:00dot.#朝日新聞

「医療崩壊」あるいは「医師不足」という単語を含む全国紙の記事数の推移。医療ガバナンス研究所作成
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 東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。そのような中、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、医学部の定員を増やすことに尽力した人物について言及している。

*  *  *
 日本の医師不足は明らかであり、早急に若手の医師を増やす必要があります。そのためには、医学部の定員を増やすか、医学部を新設しなければなりません。

 ところが、これがなかなか進みません。

 医学部の定員を増やす、あるいは医学部を新設するには、政府の規制を緩和しなければならず、政治や行政を動かす必要があります。ところが、医師を増やそうとすると、それに反対し、抵抗する人々が出てくるのです。

 かつてそうした勢力と闘った一人が、前東京都知事の舛添要一氏でした。

 舛添氏は政治資金の使い途を追及され、都知事職を辞任しました。私自身も納税者の一人として、資金の使途や舛添氏の振る舞いは不適切なところがあったと考えています。

 しかし、政治家としては卓越した能力を持っていたと思います。厚労大臣として成し遂げた仕事の中には特筆すべきものがあります。医学部の増員を決めたのは彼だからです。

 日本経済新聞の報道によると、舛添氏が医学部定員を増やそうとしたとき、文部科学省(以下、文科省)に出向中だった医学教育課長ら、医師免許を持つ厚労省の幹部官僚が、東大などの医学部に「医師はなるべく増やさない方向で頼みます」と電話して回ったことが判明しています。

 厚労省の幹部官僚から、直接電話で「依頼」された国立大学の医学部長たちは悩んだはずです。厚労大臣は大きな権限を持ちますが、任期は通常1~2年です。一方、幹部官僚は、その人物が退官するまで、研究費の工面や審議会の人選などで「お世話」になります。大臣と幹部官僚の板挟みにあった場合、通常は官僚に与します。

 しかし、高級官僚が大臣の意向に反し、自ら管轄する業界に指示することは、公務員としての職務義務違反です。このことは、舛添氏の部下たちの働きかけもあったのでしょう、2008年10月10日、日本経済新聞が朝刊の一面で報じ、大臣に対して面従腹背の厚労官僚の姿が国民に曝されました。

 厚労省内の一部の官僚たちが舛添氏を応援したのは、07年8月の厚労大臣に就任後、誠実に勤務する姿が彼らの信頼を得たからです。

 当時、舛添氏は官僚の準備した資料に目を通し、自らの外部人脈も使い、厚労行政一般を勉強していました。官僚たちの説明を自分なりに理解し、わからないところは質問していました。地道な努力が舛添厚労大臣と厚労官僚の相互理解を深めたのです。

■医学部1500人増員の決定まで

 日本医師会など医療業界団体にとっての共通の敵は「規制緩和」でした。

 特に、医学部定員の増員は、将来的に自らのライバルを増やすことになりますから、絶対に承服できない話でした。

 彼らは舛添厚労大臣が、医学部定員増員を持ち出した途端に、一枚岩となって反対し始めました。

 こうした「抵抗勢力」に対抗するには、世論を味方につけるしかありません。舛添氏にとって幸いだったのは、06年の福島県立大野病院産科医師逮捕事件以降、社会の医療への関心が高まっていたことです。現に、07年に民主党が躍進した参議院議員通常選挙では、医療が主要なテーマとなりました。

 舛添氏が大臣に就任した時点で、すでに「医師不足」に対する社会的合意が形成されつつありました。

 当時の全国紙で「医療崩壊」、あるいは「医師不足」という単語を含む記事の推移を図に示します。舛添氏が厚労大臣を務めた期間は、「医師不足」や「医療崩壊」が連日のようにマスコミを賑わせていたことがわかります。

 さらに、08年10月には、東京都立墨東病院でたらい回しされた妊婦が死亡する事件が起こり、マスコミは連日のようにこの事件を報じていました。

 舛添氏は、こうした世論を背景に、日本医師会やその意向を受けた族議員の抵抗を抑えることに成功したのです。

 舛添氏は、参議院での与野党逆転の情勢も利用しました。当時、舛添氏は、後に民主党の医療政策をリードすることになる仙谷由人・元官房長官や鈴木寛氏(後の文科副大臣)と太いパイプを持っていました。仙谷氏や鈴木氏は、医師を増員すべきと考えており、彼らが中心になり作成した民主党のマニフェストは、ほぼ舛添氏の考えと同じでした。

 こうして、08年6月17日に、1997年の医学部の定員削減の閣議決定を撤回させることに成功しました。同日の記者会見で舛添氏は、「(政府は従来)医師数は十分だ、偏在が問題だと言ってきたが、現実はそうではない。週80〜90時間の医師の勤務を普通の労働時間に戻すだけで、勤務医は倍必要だ」と述べて、必要な医師数に関する具体的な数字を挙げました。

 翌日には、超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(会長:尾辻秀久・参議院議員)が、舛添厚労大臣を訪問し、医学部定員を毎年400人ずつ増やし、現在の8000人を10年後に1万2000人にまで増やすことを提案しました。

「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」は、民主党の仙谷氏や鈴木氏らが主導したものです。

 舛添氏は参議院で半数に近い民主党と連携することで自民党内の族議員を牽制しました。自民党の退潮、民主党の躍進という政治状況をうまく利用し、日本医師会や厚労官僚の抵抗を押しきったのです。この結果、2016年3月現在までに約1500人の医学部定員が増員されることになりました。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋



https://www.m3.com/news/iryoishin/562527
医療従事者の需給に関する検討会
「医師確保」に新計画、医療法に位置付けを検討
厚労省提案、「医師の偏在度合い」も見える化

2017年10月12日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は10月11日、「医療従事者の需給に関する検討会」の第12回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)に、医師偏在対策として「医師確保計画」を医療法上に新たに位置付け、都道府県が医療審議会で計画を策定、地域医療対策協議会や地域医療支援センターを活用し、計画を実行するというスキームを提案した(資料は、厚労省のホームページ)。

 現在でも医療計画には「医療従事者の確保に関する事項」の記載が求められるが、都道府県によって内容にばらつきがある。また医師確保対策関連の施策や会議体が複数あり、必ずしも効率的かつ実効性のある施策が実施されているとは言えないのが現状。これらの問題を解決するため、医療計画の一部として「医師確保計画」を策定、(1)都道府県内における医師の確保方針、(2)「医師偏在の度合い」に応じた医師確保の目標、(3)目標の達成に向けた施策の内容――を具体的に盛り込むのが厚労省の提案だ。
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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)
 (2)の「医師偏在の度合い」については、厚労省が全国統一指標を作成、2次医療圏別のデータ作成を目指す。このデータを基に、都道府県知事が、都道府県内の「医師多数区域(仮称)」と「医師少数区域(仮称)」を指定し、「医師多数区域」から「医師少数区域」への移動を促すなど、具体的な医師確保対策に結び付けることを目指す。

 「医師確保計画」を実現するための(3)の具体策の一つが、地域医療支援センターが行う「キャリア形成プログラム」。対象は、地域医療に従事する義務年限がある医学部の「地域枠」の医師、あるいは修学資金を受けた医師など。2008年度以降の医学部の定員増に伴い、地域枠等の入学者が順次卒業、臨床研修を終え、地域医療に従事し始めており、「医師確保計画」を踏まえながら、へき地等の勤務もしつつ、キャリア形成も可能になるよう、派遣調整を行うことを想定している。

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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)
 「医師偏在の度合い」は、医学部の「地域枠」や初期臨床研修のマッチングの際などにも活用する予定。例えば、「医師不足区域」と判断された場合には、都道府県知事が大学に対し、入学枠に地元出身者枠を設けることを要請する仕組みなどが案として挙がった。また「地域枠」等の医師のマッチングについては、診療義務が課せられた地域(都道府県)で勤務できるよう一般とは分けて実施するが、「医師多数区域」と判断された都道府県は「一律ではない慎重な検討」をする方向性などが提示された。

 都道府県の実施体制強化に異論なし
 以上のような地域医療対策協議会や地域医療支援センターによる「医師確保計画」をベースとした都道府県の医師確保対策の実施体制の強化については、構成員からは異論が出なかった。

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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)
 慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、医療計画が導入された1985年から30年以上、都道府県では有効な対策が講じられなかったものの、2018年度から国民健康保険の財政運営の責任主体が市町村から都道府県に移管することを踏まえ、「国保の保険者として、医療提供体制に責任を持つ立場になる」と指摘、都道府県がどう変わるかが注目されるとした。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は、「医師確保計画」を医療法上で位置付けることなどを支持。ただし、地域医療支援センターが行う「キャリア形成プログラム」は、現時点では公的医療機関への派遣調整が多いことから、「公私の区別なく、地域枠の医師を派遣調整するよう、明記してもらいたい」と求めた。NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、「医師確保計画」の具体例が分かるように、好事例を紹介するなどの取り組みを要望した。

 医師のキャリアに配慮したプログラムを
 地域医療支援センターが行う「キャリア形成プログラム」をめぐっては、日本医師会副会長の今村聡氏が、「医師の働き方改革が問題になっている。勤務環境改善が進んでいる医療機関に医師を優先的に派遣することは必須」と述べ、医療勤務環境改善支援センター(医療法の努力義務として、都道府県が運営するセンター)との連携の必要性を指摘。

 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長の堀之内秀仁氏は、「キャリア形成プログラム」において、「医師確保」という意図が前面に出ると「魅力が薄れてしまう」と指摘。医師のキャリアアップにも配慮しながらプログラムを組むことが必要だとし、厚労省が例示した徳島県の取り組みを評価した。さらに地域枠以外でも、初期研修や専門研修の開始時、さらに専門研修修了時などのタイミングで、出身地に戻る医師もいることから、「幅広く地元につながりのある医師に目配りしていくことが必要」と述べた。

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(2017年10月11日の「医師需給分科会」資料)

 「医師偏在の度合い」、小児科、産婦人科は診療科別でも
 「医師偏在の度合い」とは、2次医療圏単位で、医師の多寡を全国ベースで客観的に比較・評価することができる指標。(1)医療需要(ニーズ)、(2)将来の人口・人口構成の変化、(3)医師偏在の度合いを示す単位(区域、診療科、入院/外来)、(4)患者の流出入、(5)医師の年齢分布、(6)へき地や離島等の地理的条件――などを考慮して作成する。(3)で、小児科と産科については、標榜科と医療行為の関係が明確なことから、診療科単位での設定も想定。

 「2025年とあるが、医師育成には10、20年かかる。2025年のみを想定して設定すると、『医師が足りない』などともなりかねない。さらに10年先も見通したらどうか」(日本医師会常任理事の羽鳥裕氏)、「高齢化と人口減がある地方では、医療ニーズが減少するために厳しい。『セーフティーネットとして最低限、これだけの医師が必要』という視点をぜひ入れてもらいたい」(神野氏)、「地方では総合診療専門医などが必要とされる。どんな医師を育成するのかと言う視点も含めて議論してもらいたい」(国際医療福祉大学医学部長の北村聖氏)といった意見が挙がった。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/553210.html
厚労省、必要医師数踏まえた偏在状況の見える化を推進
都道府県に「医師確保計画」の策定を義務付けへ

2017/10/12 加納亜子=日経メディカル

 厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」は10月11日に会合を開き、医師の偏在是正策における都道府県の役割について議論した。この日の会合で厚労省は、医療法を改正して都道府県の医療計画の一環に、「医師確保計画」を位置づけること、都道府県ごとに診療科別の医師偏在状況を把握するための「指標」を新たに設定することを提案。委員からの反論はなく、大筋で合意が得られた。

 厚労省は前回までの議論で、医師偏在対策の主な論点として(1)都道府県主体の実効的な医師確保対策、(2)外来医療の提供体制のあり方、(3)医師養成過程と医師偏在対策――などを提示。これらの具体案を年内に取りまとめる予定だが、今回、(1)の医師確保対策の具体案が示された形だ(参考記事)。

 現在、各都道府県は、それぞれに医療計画を策定し、それに基づいて地域の医療提供体制の確保を行っている。しかし、このほどの厚労省の調査で、多くの都道府県の医療計画に十分な現状分析や個別対策が盛り込まれておらず、実効的な医師偏在是正策を策定できていない状況にあることが明らかになった。

 そこで厚労省は、今後の各都道府県の医療計画に、(1)都道府県内における医師の確保方針、(2)医師偏在の度合いに応じた医師確保の目標、(3)目標の達成に向けた施策内容――についての一連の方策「医師確保計画」を記載することを法律上に明確に位置づける方針を提案した。

 そして医師確保計画の実効性を高めるため、厚労省はこれまで地域医療対策協議会や都道府県医療審議会などと様々な形態で開催されていた各種会議体を地域医療対策協議会などに一元化することを提案。医師の派遣先の調整や、地域枠の医師などのキャリア形成支援などについてもこの協議会で議論をする方針を示した。

 さらに厚労省は、都道府県が医師確保計画を策定する際の目安となるよう、客観的に比較・評価可能な医師偏在度合いを示す全国統一の「指標」を策定する案を提示。この指標は、(1)医療ニーズ、(2)人口や人口構成の変化に伴う将来の医療ニーズの変化、(3)設定区域(二次医療圏など)、(4)診療科、(5)入院・外来医療の状況、(6)患者や医師の流出入、(7)医師の年齢分布、(8)へき地や離島などの地理的条件――で構成される。

 この指標を作成することで、都道府県・医療圏ごとの医師の偏在状況が可視化され、地域枠などの医師派遣の仕組みや初期臨床研修のマッチング、専門医研修などの施策を結びつけやすくなる。結果的に医師が多い地域から少ない地域に医師が再配置されることを狙っている。

 同検討会ではこれらの方針に反対意見はなく、指標に追加するべき要素について次のような発言があった。「医師の養成には15年掛かる。それを見越して10年以上先の未来の需給状況についても算出すべきではないか」(日本医師会常任理事の羽鳥裕氏)。「医師数だけでなく医療の質も指標に加えるべきではないか。医師の経験年数や女性医師の働き方も踏まえての要素を考慮する必要がある」(ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏)。「地域では高齢化に加えて人口減少も急速に進んでいる。セーフティーネットになるよう最低限配置すべき医師の数も指標として示すべき」(全日本病院協会副会長の神野正博氏)。

 権丈善一氏(慶應義塾大学商学部教授)は、厚労省の提案に対して、「昔と違い、今は総医療費・総医師数が固定されている状況で、それをどう配分するかという議論になっている。医師は今後、不足する場所に異動していくしかない状況になる。かつてとは大きく情勢が異なる段階に来ていることを理解する必要がある」と厚労省の提案を支持する意見を述べた。

 検討会では、臨床研修への都道府県の関与についても議題に上った。

 厚労省は、地域医療の確保の観点から初期研修医の都市部への集中を現状よりも更に抑制する必要性を示し、大都市部の初期研修の募集定員倍率を現状の1.17倍(2016年)から2025年には1.05倍にまで減らす案を提示。それに伴って懸念される、病院間の競争の低下やマッチングの際のアンマッチ率の増加、採用実績数の減少についての対策を検討すべきとする議題を提示した。

 これに対し、岩手医科大学理事長の小川彰氏は、日本医師会と全国医学部長病院長会議が2015年にまとめた提言「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」を引用し、「医籍番号とキャリア動向を紐付けた医師動向のデータベースを作り、医師のキャリア動向を評価する仕組みを作ってはどうか」とコメント(参考記事)。厚労省がデータベースを現在構築中であることを説明したところで閉会となった。臨床研修への都道府県の関与については、次回以降、引き続き検討される見込み。


http://www.medwatch.jp/?p=16235
地域包括ケアを支援する病院の評価新設、資源不足地域での要件緩和を―地域医療守る病院協議会
2017年10月12日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 2018年度の次期診療報酬改定において、地域包括ケアシステムを支援する【地域包括ケア支援病院】を新設するほか、医療資源の少ない地域において、例えば【感染防止対策加算】や【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】などの人員要件などを緩和した報酬区分を設けるべきである—。

全国自治体病院協議会・全国厚生農業協同組合連合会・全国国民健康保険診療施設協議会・日本慢性期医療協会・地域包括ケア病棟協会の5団体で構成された『地域医療を守る病院協議会』が10月11日、こうした要望項目をまとめたことを公表しました(関連記事はこちら)。10月中にも厚生労働省保険局に要望書を提出する考えです。

ここがポイント!
1 地方では、要件を一部満たさない場合に「診療報酬の減額算定」など認めるべき
2 地域包括ケアシステムを支援する中小病院を診療報酬で評価すべき
3 地域によっては「特別の関係」にある施設しか連携先がないところもある

地方では、要件を一部満たさない場合に「診療報酬の減額算定」など認めるべき

 協議会は、地域に拠点を置く5つの病院団体が「地域医療の維持・確保」を目指して設立したもので、▼2018年度診療報酬改定▼医師偏在対策▼働き方改革—などについて意見をまとめ、厚労省などに働きかけていきます。
 
10月11日の会合では、主に2018年度診療報酬改定について議論、次の4つの柱に立て、具体的な要望項目をまとめました。

(1)医療資源が少なく人材を確保しづらい、また医療資源が少ないために機能分化が進みにくい地域での「算定要件の緩和」など
(2)地域包括ケアの推進など
(3)へき地などにおける費用増大への措置による応需体制の確保など
(4)その他

 
 まず(1)について全自病の邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長)は「算定要件のうち、わずかでも人員が欠けていれば一切の診療報酬を算定できないが、オールオアナッシングなではなく、例えば『5人の人員が必要だが、4人しか確保できない』ような場合には、半額に減額した診療報酬の算定を認める」「医療資源の少ない地域において『専従』から『専任』への要件緩和を拡大する」ことなどを検討すべきと訴えています。具体的には、次のような要望をしてく考えです。

▼【感染防止対策加算】【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】【地域包括ケア病棟入院料】の要件緩和

▼医療資源の少ない地域に配慮した評価の「対象地域」「対象医療機関」の範囲拡大と、継続(改定の度に地域・医療機関が見直されたので中長期的な人材育成などができない)

▼歯科を標榜していない病院での医科歯科連携の評価(地域の歯科診療所との連携も算定対象に加えることで、入院患者への適切な口腔管理が可能となる)

▼【地域包括ケア病棟入院料】の地域特性への対応(診療報酬上の緩和措置、主に『専従』要件を『専任』に緩和するなど)

▼【総合入院体制加算】の要件緩和(療養病棟入院基本料や地域包括ケア病棟入院料を届け出ていると【総合入院体制加算】を届け出できないが、地域によっては1つの病院で高度急性期から慢性期までを担わなければならない。地域の実情を踏まえた要件緩和を行う必要がある)

地域包括ケアシステムを支援する中小病院を診療報酬で評価すべき

 また(2)では、【地域包括ケア支援病院】の新設が必要と全国国診協の押淵徹会長(長崎県国民健康保険平戸市民病院長)が訴えました。地域包括ケアシステムは、要介護度が高くなっても住み慣れた地域で在宅生活を送れるよう、住宅・生活支援・医療・介護・健康の各サービスを総合的・一体的に提供するシステムですが、緊急時などの受け入れ病床を確保する「病院」の存在も重要です(いわば最後の砦)。

しかし押淵国診協会長は「病院が地域包括ケアシステムを支援しても何のインセンティブもない状態である。報酬で評価することで中小病院が地域包括ケアシステム支援に積極的になり、システム構築が推進される」と指摘。例えば、▽地域包括ケア病床や回復期リハビリ病床を有している▽急性期病床を有していても7対1を届け出ず、「地域医療支援病院加算」を算定していない▽24時間救急患者を受け入れている▽訪問看護・訪問診療・在宅看取りを実施している▽行政と協力した「地域内多職種研修会」を実施している▽地域ケア会議への専門職種派遣を行っている▽地域での健康講座(出前講座)を年6回以上実施している—などの要件を満たす病院を、【地域包括ケア支援病院】として診療報酬に位置付けるよう要望しました。
 
さらに、要支援者に対して市町村は地域支援事業(要支援者に対する訪問介護サービス・通所介護サービス【介護予防・日常生活支援総合事業】、在宅医療・介護連携支援、認知症施策推進、地域包括支援センターなど)を提供しますが、ここに地域包括ケア支援病院がスタッフ派遣するなどの協力を行うことを介護報酬面でも評価することも提案しました。地方では市町村のマンパワーも限られており、ここに病院が協力することで、地域支援事業が円滑に拡充していくことも期待されます。
なお、この点に関連して仲井培雄地ケア協会長から「▼生活圏▼診療圏▼通勤圏―が同一の地域で一定期間、医療提供を行わなければ地域包括ケアを理解することはできない」という指摘があったことが紹介されました。例えばA地域に、近隣のB都市部から医師が通勤しても、なかなかA地域で求められる地域包括ケアを把握することはできず、A地域に暮らし(生活圏)、A地域の医療機関に勤め(通勤圏)、A地域で診療する(診療圏)ことを一定期間経験することで、やっと地域に求められる医療が理解できるといいます。これは、今後議論される「医師偏在対策」においても重要な視点の1つとなりそうです(邉見全自病会長らは「医師不足地方での一定期間の勤務経験を医療機関管理者要件に加えるべき」と訴えている)。

地域によっては「特別の関係」にある施設しか連携先がないところもある

さらに(3)では、▼【へき地加算】設(【離島加算】18点を参照して、16点程度を要望)▼【データ提出加算の増点】(地方では人材確保が困難ため)―を、(4)では▼「特別の関係」規定の廃止・緩和▼介護保険の訪問看護における交通費算定―を要望する考えです。

このうち「特別の関係」とは、▼同一法人▼開設者や代表者が同一あるいは親族関係にある―ことなどを指し、例えば「医療機関同士もしくは医療機関と介護老人保健施設が特別の関係にある場合には、診療情報を提供しても【診療情報提供料】を算定できない」「入院医療機関と在宅療養を担う訪問看護ステーションが特別の関係にある場合には【退院時共同指導料】を算定できない」といった規定が置かれています。しかし邉見全自病会長は、「地域によっては、医療機関と老健施設がそれぞれ1つずつしかなく、同一法人(つまり特別の関係)であるケースもある。この場合に診療報酬の算定制限などがなされてしまうのは厳しい」と述べ、地域の実情を踏まえた「廃止」「緩和」を検討するよう訴えています。

  

http://www.huffingtonpost.jp/foresight/eastern-european-medical-studies-japan_a_23234538/
「海外医学部」留学希望が急増する「医学教育」の情けない実情--上昌広
どうしても医者になりたい若者の中には、海外に飛び出そうとする者も出てくる。

2017年10月07日 15時10分 JST | 更新 2017年10月07日 17時42分 JST ハフィントンポスト

石川甚仁君という学生がいる。ハンガリーのセンメルワイス大学に通う36歳だ。日本の大学を卒業。社会人経験を積んだ後、医学の道を志した。

なぜ、ハンガリーなのか。石川君は「私にとって最適な医学部だったから」と言う。どういう意味だろうか。本稿では、その背景をご紹介したい。

急速に「難化」している地方医学部
いまさら言うまでもないが、医学部進学は狭き門だ。

我が国には82の医学部(大学校である防衛医大を含む)があり、そのうち31は私大医学部だ。6年間の学費は、もっとも安い国際医療福祉大学(千葉県成田市)で1850万円。もっとも高い川崎医科大学(岡山県倉敷市)は4550万円もする。開業医など一部の裕福な家庭を除き、子弟を進学させることはかなり困難だろう。

対して、我が国に50校存在する国公立大学の6年間の学費は約350万円。私立大学と比較すると格安だが、こちらは学力の面で入学するのが難しい。冒頭の図1は2016年の医学部の偏差値を比較したものだ。いまや地方大学の医学部の偏差値は東大理科1類と変わらない。

近年、医学部は急速に「難化」している。図2は、1986年と2016年の国公立大医学部の偏差値の変化を示している。比較のため、東大理1も示した。山梨大学、弘前大学などの地方大学の医学部が急速に難化していることがお分かり頂けるだろう。

格差広がる「西高東低」
実は、国公立大学の医学部は偏在している。圧倒的な西高東低だ。首都圏(1都3県)の人口は3613万人だが、国公立の医学部は4つ(東京大学、千葉大学、東京医科歯科大学、横浜市立大学)しか存在しない。一方、人口385万人の四国には4つの医学部があり、すべて国立だ。

私は、このような偏在は戊辰戦争の後遺症だと考えている。我が国の名門大学の多くは戦前に設立された。医学部の場合、戦前に17校が存在した。多くは江戸時代の藩の医学校から発展している。東京大学は江戸幕府の医学所、九州大学は福岡藩の賛生館という具合だ。

幕末、西洋列強の侵略を怖れた幕府や諸藩は藩校を整備し、蘭学を学ばせた。その中心が医学だった。このような学校が、その後、国立大学へと発展した。戦前までに九州に3 校の官立医学部(九州大学、熊本医科大学、長崎医科大学)があったのに対し、首都圏には東大と千葉医科大学(現・千葉大)、東北地方には東北大学、甲信越には新潟医科大学(現・新潟大学)だけしかなかった。

高度成長期、無医村解消を目指し、1県1医大政策が推し進められたが、これがさらに偏在を悪化させた。

西日本には小さい県が多いため、結果的に地域全体として多くの医学部が新設される形になったからだ。1975年の千葉県の人口は415万人で、404万人の四国とほぼ同じだった。ところが、徳島県以外の3県に国立の医学部が新設されたが、千葉大学があった千葉県には医学部は新設されなかった。その後、千葉県の人口は622万(2015年)と49%も増えて、四国は人口が減った。この結果、さらに格差は拡がった。

首都圏で国公立の医学部が不足しているのを緩和したのは、私大医学部の新設だ。現在、我が国には31校の私大医学部があるが、このうち首都圏に16校が集中する。

この結果、首都圏の医学部と言えば私大医学部、というイメージが定着した。そのため、普通の家庭で育った若者にとって、医学部は極めて狭き門となってしまった。図3は、18歳人口あたりの国公立の医学部定員を示したものだ。

地方大学は「地域密着」
読者の中には、「医師を目指すなら、首都圏にこだわらず、全国どこの医学部に行ってもいいだろう」とお考えの方もいらっしゃるだろう。

確かに、その通りだ。ところが、医学部に限らず、大学の多くは地元出身者で締められる。大学は、どこも「地域密着」なのだ。東大の関東出身者、京都大学や大阪大学の近畿地方出身者は、例年6割弱だ。九州大学や名古屋大学は7割以上を地元出身者が占める。

余談だが、もっとも地元出身者が少ない、つまり全国から学生があつまるのは北海道大学と東北大学だ。いずれも地元出身者は4割程度である。その分布を示す。

両者の分布は対照的だ。東北大は隣接する関東地方からの入学者が多く、地元出身率が低下する。北大は全国から集まっている。富山県など日本海側が多いのは、北前船や入植の歴史の影響だろう。かくの如く、大学入学者は地域の歴史を反映する。

話を戻そう。首都圏の高校生が医師になりたいと希望した場合、多くは首都圏か東北地方の国公立の医学部を目指す。それで駄目な場合は諦めるか、西日本の医学部に進学する。ただ、偏差値は高く、合格は至難の業だ。

どうしても医者になりたい若者の中には、海外に飛び出そうとする者も出てくる。これが冒頭にご紹介した石川君だ。

人気高まる「東欧」
海外の医学部と言えば、ハーバード大学など米国の医学部を思い浮かべる方が多いだろう。

ところが、最近注目を集めているのは、東欧の医学部だ。ハンガリー、スロバキア、チェコ、ブルガリアの医学部には、すでに約370人の日本人が在籍している。石川君も、その中の1人だ。

EUでは、EU内のどの医学部を卒業しても、医師資格試験に合格すれば、EU内で通用する共通免許を取得することができる。

文化レベルが高い割に、物価が安い東欧諸国は、この点を利用している。ハンガリーの医学部定員は約2万人だが、このうち5000人程度を英語で教育している。学生の出身地で多いのは、ドイツ・イスラエル・北欧だが、日本人の学生も多い。現在、約400人が在籍しており、2016年度は78人が入学した。

彼らが東欧を選ぶ理由は、比較的入学しやすく、かつ学費が安いことだという。図6は、国内、米国、東欧の医学部で、入学から卒業までに必要な学費を示している。日本の私大医学部や米国の有名医学部と違い、東欧の医学部なら、日本のサラリーマン家庭でも十分に負担出来る金額であることがお分かりいただけるだろう。

「学校歴」ではなく「学歴」
幸い、物価も安い。石川君は「年間の生活費は120万円もあれば十分です」という。

今後、この傾向は加速するだろう。なぜなら、東欧諸国は医学教育を外貨獲得の手段と考えているからだ。ハンガリーには4つの医学部があるが、留学生が納める学費は1億ドルを超える。

世界の高等教育は急速にグローバル化しつつある。低コストで、ハイレベルの教育が受けられる大学には世界中から学生が集まる。医師のような業務独占資格の場合は、なおさらだ。

日本人は東京大学やハーバード大学卒業などの「学校歴」が好きだが、世界では「学歴」がものをいう。医師免許、MBA、博士号などだ。資格をとれば、あとは実力勝負である。

では、日本人が東欧での医学部進学を考えた場合の問題はなんだろう。それは、入学は容易だが進学が難しいことだ。

この点については、月刊誌『選択』2017年3月号に「東欧への『医学部留学』がブーム」という論文が掲載されている。コンパクトにまとまっており、ご興味のある方はお読み頂きたい。

ハンガリーの医学部には、毎年40名程度の外国人が入学してきた。ただし、石川君によれば、「ストレートで進学できるのは4割程度。3割は留年、残りの3割は退学する」という。

チェコも状況は同じだ。毎年75~90人の外国人が入学するが、無事に卒業できるのは40~50人だ。これまでに20人の日本人が入学したが、すでに6人が退学している。

チェコで2番目に古い歴史をもつパラツキー大学で学ぶ坂本遙さんは、同大学の特徴を「入学後の1年間で3割から5割が退学すること」と言う。1年生のときに単位を落とすことが認められていないため、2回まで受けることが出来る追試で合格しなければ、自動的に退学となる。退学となった学生の多くは、授業を受け続けながら、翌年に再受験する。ポーランドなどEU内で難易度の低い大学を受け直す学生もいる。このようなやりかたは、1年間をかけて入学者を選抜していることに他ならない。日本とは異なるシステムを採用しており、日本の医学部とは異なる特性をもつ学生が選抜される。

日本の大学より魅力的
では、日本から東欧の医学部に進学する学生の背景はどうなっているのだろう。

石川君が、彼がアプローチ可能であったハンガリーの医学部で学ぶ日本人留学生61名の背景を調査した。興味深い結果だった。

親の職業が判明した45人のうち、親が医者だったのは23人、それ以外が22人だった。

入学者の出身地で多いのは、関東地方29人、九州11人、近畿8人、中国地方5人という順だった。出身地と親の職業の間には、明らかな関連はない。

冒頭で、首都圏の高校生は、国公立の医学部に進学するのが難しいことを紹介した。私は、石川君に依頼して、各地方の国公立大学の医学部の定員枠と、ハンガリーの医学部に進学している学生の割合を比較してもらった。勿論、少数例の検討で、確定的なことは言えない。

ただ、私は、この結果を見て驚いた。首都圏の若者がハンガリーの医学部に進学しているのは予想通りだったが、四国・九州・中国地方が、ほぼ同レベルだったのだ。

四国・九州・中国地方など西日本の若者の医学部志向が、我々の予想以上に根強いことがわかる。現在、厚生労働省は将来的な医師過剰を危惧し、日本の医学部の定員を抑制しようとしているが、こんなことをしても、海外の大学に進学するだけのようだ。英語で教育を受け、EU共通の医師免許を取れるため、日本の大学より魅力的と言っていいかもしれない。

しかも卒業後は、日本の病院での勤務も可能だ。2013年以降、ハンガリーの医学部を卒業し、日本の医師国家試験を受験したのは56人。このうち、41人が合格しいている。合格率は73%。日本の医師国家試験の合格率は88.7%(2017年)だから、立派な数字だ。

激変する日本の医学教育
最近になって、東欧の医学部で学ぶ若者が多くのメディアで取り上げられるようになった。その代表がスロバキア国立コメニウス大学医学部在学中の妹尾優希さんや、ハンガリー国立センメルワイス大学医学部在学中の吉田いづみさん(2017年9月8日「秋篠宮親子のハンガリー訪問から見た日本」、2017年9月26日「ハンガリーの『元移民』から見た『ドイツ総選挙』の影響」参照)だ。夏休みなどで日本に帰国している際には、私どもの研究室で研修している。

吉田さんは、「灘や開成など有名進学校の学生からの問い合わせが増えました」と言う。彼らにとっては、日本の医学部以上に有望な存在に映るのかもしれない。

政府は大学教育の国際化を推し進めている。ところが、その効果はイマイチだ。日本の主要大学の世界ランキングは低下の一途を辿っており、その理由の1つに国際化の遅れが挙げられている。政府の迷走を尻目に、若者たちはボトムアップで国際化を進めている。日本の医学教育は激変の最中にある。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20171011173854
医師偏在解消に指標を設定へ
医師確保計画案、需給分科会が大筋合意

2017年10月11日 17:59  CB news

 厚生労働省は11日、医療従事者の需給に関する検討会の医師需給分科会に対し、都道府県内の医師確保の目標や方針などを規定する「医師確保計画」の案を示し、大筋で合意を得た。医療法を改正し、医療計画の一環として位置付ける見通し。都道府県内の医師偏在を把握する「指標」を新たに設定。それを使って医師の「少数区域」と「多数区域」に分け、医師確保対策に結び付けたい考えだ。【新井哉】

 医療法に基づき、都道府県は医療計画に「医療従事者の確保」を明記する必要がある。しかし、都道府県の中には、十分な現状分析や個別の対策を盛り込まず、実効性のある地域医療対策を策定できていないケースもある。

 こうした状況を改善するため、厚労省は、▽都道府県内における医師確保の方針▽医師偏在の度合いに応じた医師確保の目標▽目標の達成に向けた施策内容―を盛り込んだ「医師確保計画」を医療計画の中に記載する必要があると判断した。

 また、「医師確保計画」の実効性を確保するため、医療需要、医師偏在の度合いを示す単位(区域、診療科、入院・外来)、将来の人口・人口構成の変化、医師の年齢分布などを考慮した「指標」を設定することを提案。これを参考にして都道府県内の偏在を可視化し、都道府県知事が医師の「少数区域」と「多数区域」を指定することで、「具体的な医師確保対策に結び付けて実行できる」とした。

 厚労省の案に対し、委員からは、医師の質などを指標に盛り込む提案があったほか、偏在対策を行う際、医師の派遣先が公立病院に偏らないよう配慮を求める意見も出た。



https://www.m3.com/news/iryoishin/560237
地域医療構想でも病床数は減らない-二木立・日本福祉大学相談役に聞く◆Vol.1
地域包括ケアシステムが分かりづらい3つの理由

2017年10月10日 (火)配信聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

 医師出身の医療政策・経済学者として、長年にわたり日本の医療政策を分析してきた日本福祉大学前学長で、現在は同大相談役・大学院特別任用教授の二木立氏。 今年3月に出版した『地域包括ケアと福祉改革』(勁草書房)では、地域医療構想、地域包括ケアシステムなど、医療界に大きな変化を与える政策について精緻な分析を行っている。二木氏にそれらの背景にある考え方や課題、そして近年の医療政策を検討する時に必要な視点を聞いた(2017年9月15日にインタビュー。全3回の連載)。

――医療機関の機能分化、連携を進めようとする「地域医療構想」という取り組みや動きに対してどのように評価されていますか。
 地域医療構想・地域医療連携には、私がかつてリハビリテーション専門医として実践・提唱したことがようやく具体化されたという面があると思っています。

 私は、1970年代後半~1980年代前半に東京・代々木病院にリハビリテーション医として勤務していました。今でこそ回復期リハビリテーション病棟が増えて、患者の取り合いという様相ですが、当時は一般病院(急性期病院)内にリハビリテーション専門病棟を持っている病院は全国的にも少なく、都内では代々木病院だけでした。そのため、たくさんの患者を受け入れるには在院日数を短縮するしかなかったです。


 しかしリハビリは一病院だけでは完結しません。急性期病院は在院日数も限られ、より長期間のリハビリを必要とする患者さんはリハビリ専門病院にお願いせざるを得ない。早期からリハビリをしても障害が重い人は自宅に帰れないこともあります。当時は特別養護老人ホームにはまず入れなかったので、老人病院などにお願いするしかありませんでした。自宅に帰れる人も、往診や訪問看護と連携を取っていました。このように必要に迫られて連携をし、全国各地で同じようなことが行われていました。

 私はリハビリの診療・臨床研究とともに、川上武先生(医師、医事評論家)の指導を受けながら医療問題の研究を二刀流で行っていました。病院の最年少理事として病院経営の近代化に取り組んだ経験もあり、連携の在り方について早くから論文化し、1985年には最初の単著『医療経済学-臨床医の視角から』(医学書院)を出版しました。この本では、当時の厚生省が1987年に発表した「国民医療総合対策本部中間報告」に先駆けて、病院の機能分化と施設間連携(今流に言えば「ネットワーク」形成)、平均在院日数の短縮と病院の一定部分の「中間施設」への転換等を主張しました。

――厚生労働省は今年度には、具体的な医療機関名を挙げて調整会議の場で議論することを求めています。
 厚労省が約束し、日本医師会が強調している当事者・関係者の“自主的な合意形成”を重視するステップ、手法が取られて行われるのなら、画期的と言えます。実際、多くの都道府県ではそれが守られています。ただ、ごく一部の県で、県に出向している厚労省の技官主導で病床削減ありきの地域医療構想が作られ、それに基づき議論が行われています。 典型なのは青森ですが、それ以外では強引にやっているところはほとんどないようです。

――地域医療構想の一連の取り組みの結果、地域の医療提供体制はどのように変わると予測されていますでしょうか。
 病院の機能分化は徐々に進みますが、病床数の大幅削減はなく、2025年も現状の134.7万床(医療施設調査)と大きく変わらないでしょう。

 2015年の社会保障制度改革推進本部「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」の報告は、2025年の必要病床数を115万~119万床と推計しています。現状よりも約20万床削減されるとして、マスコミでも大々的に報じられ、病院関係者の不安も増幅しました。

 ここで注意すべきなのは、115万~119万床という推計は、「機能分化等をしないまま高齢化を織り込んだ」とする現状投影シナリオの152万床から33万~37万床の大幅削減を見込んでいることです。しかし30万床もの大幅削減は現実的ではありません。「135万床から変わらない」と予測すると、すごく保守的に聞こえますが、実質的には17万床が減ることと同じです。

 過去のトレンドから考えると、病床は無理に減らさなくとも、徐々に減少していくのです。全国的には2025年までは人口高齢化のために患者数は増えますが、既に人口減少が始まっている県・地域では、今後高齢者数も減少し、患者さんが減っていきます。在院日数の短縮で病床稼働率はじわじわ減少し、それに伴い病床数も少しずつ減少していきます。一部の地域では地域包括ケアシステムの整備により受け皿も確保できるようになり、厚労省の期待通りに「必要病床数」が減る可能性もあります。これらを勘案すると、実質17万床削減は十分にあり得る数字です。地域レベルで調整していければ、大きな問題は生じないと思います。もちろん、個々の病院の経営問題は別ですが。

――地域包括ケアシステムの推進も求められていますが、理解が進んでいるとは言えない状況です。
 地域包括ケアシステムが分かりづらいのには3つの理由があります。1つには2003年に提起されて以降、概念・範囲が変化し続けていることです。当初それは介護保険制度改革として提起され、介護サービスが「中核」とされました。そのために、医療の側からは「医療のパイが小さくなる」という心配の声もあったほどです。その後の地域包括ケアシステムの進化や深化の歴史は、医療の範囲が広がっていった歴史でもあります。最初は診療所と在宅医療に限定されており、今では信じられないと思いますが、看取りにも触れていなかったのです。しかし、今では急性期病院と入所施設の積極的な役割を認めています。

 2つ目には地域包括ケアの実態が「ネットワーク」であるのに、「システム」と命名されたことです。地域包括ケアシステムという言葉の命名者は、広島県の公立みつぎ総合病院院長だった山口昇先生です。確かに、「みつぎ方式」は全てが公立の施設・事業で構成された、病院を核とした「システム」でした。しかし、厚労省が2000年代初頭に想定していたのは、尾道市医師会のような医療と福祉、介護の連携事業であり、ネットワークです。「みつぎ方式」が採用されなかったのは、費用が極めて高額であるためと思われます。このように地域包括ケアの実態は「ネットワーク」であるのに、「システム」と呼ぶことで、理解を妨げている面は否めません。

 3つ目には、地域包括ケアには「保健医療系」と「(地域)福祉系」の2つの源流があることです。しかし、両者は一部の地域を除いては交流がほとんどなかったのです。研究者の世界も縦割りで、それぞれの対象を分析・紹介する傾向にあります。私は医療経済・政策学の研究者ですが、日本福祉大に長年勤務し、福祉系研究者とも日常的に研究交流をしており、早くから2つの源流に気づいていました。



http://www.medwatch.jp/?p=16263
2017年9月までに751件の医療事故が報告、院内調査は63.4%で完了―日本医療安全調査機構
2017年10月13日|医療・介護行政全般 MedWatch

 今年(2017年)9月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は35件。一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしてから、累計で751件の医療事故が報告され、うち63.4%・476件で院内調査が完了し、遺族や医療機関からのセンターへの調査依頼は累計で43件となった―。

 こうした状況が、日本で唯一のセンターとして指定されている「医療安全調査機構」から10月10日に公表されました(機構のサイトはこちら)。

制度発足から、外科で127件、内科で96件の医療事故が発生

 一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしました。すべての医療機関において、院長などの管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産」のすべてを、センターに報告することが義務となっています。医療事故調査制度は、「責任追及」ではなく、事故の原因を究明する中で「再発防止」策を構築することを狙ったもので、センターでは今年(2017年)3月に再発防止策第1弾「中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―」を、9月に第2弾「急性肺血栓塞栓症に係る死亡の分析」を公表しています

 医療事故調査制度の流れをおさらいすると、▼管理者が医療事故を確認した場合、速やかにセンターに事故報告の旨を報告する→▼当該医療機関で、事故原因の調査【院内調査】を行い、その結果をセンターに報告する→▼当該医療機関が、調査結果に基づいて事故の内容や原因について遺族に説明する(調査結果報告書などを提示する必要まではない)→▼センターが、事故事例を集積、分析し具体的な再発防止策などを練る—というものです。

 
我が国唯一のセンターとして指定されている医療安全調査機構は、毎月、医療事故報告の状況を公表しており(前月の状況はこちら)、今年(2017年)9月には、新たに35件の医療事故が報告されました。制度発足からの累計報告件数は751件となっています。

 9月報告の内訳は、病院からが34件、診療所からが1件。診療科別に見ると、▼内科7件▼循環器内科4件▼外科3件▼―などで多くなっています。なお、これまでの751件を診療科別にみると、▼外科127件(16.9%)▼内科96件(12.8%)▼消化器科64件(8.5%)▼整形外科59件(7.9%)―などで多い状況です。

2017年9月に、新たに35件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で751件の医療事故が報告されている(図 略)
 
 センターに報告しなければならない医療事故は、医療機関で生じたすべての死亡・死産事例ではなく、院長などの管理者が▼予期しなかった▼医療に起因し、または起因すると疑われる—死亡・死産事例に限定されます。例えば「手の施しようのない重篤な状態で搬送された救急患者」は「死亡が予期される」ため報告対象から除外されます。
医療機関では「患者が予期せぬ死亡を遂げたが、センターに報告すべき医療事故だろうか?」、あるいは「初めての報告となるが、センターへの報告はどのように行えばよいのか?」といった疑問が生じると思われます。また遺族側には「家族が医療機関で死亡したが、医療事故として報告されていない。隠蔽されているのでは?」といった不信感をぬぐいされない方もおられることでしょう。こうした疑問を解決するために、センターでは医療機関・遺族からの相談に対応しており、今年(2017年)9月に、新たに161件の相談がセンターに寄せられました。制度発足からの累計は3732件となりました。

新規相談の内訳は、▼医療機関から91件▼遺族などから58件▼その他・不明12件―です。

 医療機関からの相談内容としては「報告の手続き」がもっとも多く57件(医療機関からの相談の62.6%)。「医療事故に該当するか否かの判断」は15件(同じく16.5%)にとどまっており、制度が医療現場への浸透し、理解が進んでいることが分かります。厚労省は医療事故調査制度の運用改善(医療事故該当性の判断などを標準化するための「支援団体等連絡協議会」を設置するなど)を昨年(2016年)6月に行われており、その効果も大きいと考えられます(関連記事はこちらとこちら。

 一方、遺族などからの相談内容としては、依然として「医療事故に該当するか否かの判断」が最多で、34件(遺族などからの相談の58.6%)となっています。ただしこの中には、「制度開始前の事例」「生存事例」など、そもそも「報告すべき医療事故でない」ものも含まれており、「一般国民への制度浸透」が今後の重要課題の1つと言えるでしょう(関連記事はこちら)。

センターへの相談は2017年9月に161件あり、うち91件が医療機関から、58件が遺族などからのものとなっているが、相談の中には「制度の対象外の事例」も含まれている点には注意が必要である(図 略)
 
 医療事故調査制度の目的は「再発防止」にあることから、事故発生医療機関において原因究明に向けた調査【院内調査】を行い、その過程で院内体制やルールの見直し、遵守の徹底などを行うこととされています。今年(2017年)9月に新たに院内調査が完了した事例は25件で、制度発足からの累計では476件となりました。これまでに報告された全751件のうち63.4%で院内調査が完了していることになります。調査スピードは前月に比べて若干アップしています。

医療事故を報告した医療機関のうち、新たに院内調査が完了したものは2017年9月に25件、制度発足からの累計で476件となった(報告された事故全体の63.4%)(図 略)
 
 ところで、遺族の中には「院内調査結果に納得できない」「院内調査が遅すぎる(何かを隠すために時間稼ぎをしているのではないか)」と感じる人もいることでしょう。また小規模な医療機関などでは、「自力での院内調査が困難」というところもあります(医師会や病院団体などの支援団体によるサポートは整備されているが)。そこで、センターは「遺族や医療機関からの調査依頼を受け付ける」体制も整えています(院内調査が時間・内容ともに適正に実施されているのか、という観点での調査が中心)。この点、今年(2017年)9月にはセンターへなされた調査依頼は1件(遺族からの調査依頼)で、制度発足からの累計は43件(遺族から32件、医療機関から11件)となりました。うち39件が「院内調査結果報告書の検証中」(院内調査が適切に行われたかの確認)、3件が「院内調査の終了待ち」となっています。
  


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/553222.html
厚生労働省 第2回医師の働き方改革に関する検討会(後編)
医師の働き方改革、今後の論点は大きく4項目

2017/10/13 増谷 彩=日経メディカル

 厚生労働省は9月21日、医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦=東京大学大学院法学政治学研究科教授)の第2回会合を開催した。前半では、第1回会合で出た論点の法律上の解釈を説明(前編記事)。後半では、第1回会合から抽出された今後の論点についてまとめた。

 検討会事務局はまず、医師の働き方や将来のキャリア選択について尋ねた「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(通称:医師10万人調査)の結果を簡略に説明した。同調査は、2016年12月8~14日に全国の医療施設に勤務する医師を対象に実施したもの。約10万人の医師に調査票を配布し、1万5677人(男性74.6%、女性22.7%)から回答を得た(回収率は約16%)。同調査結果は、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会(以下、ビジョン検討会)」(座長:渋谷健司=東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)が取りまとめた医療従事者の働き方に関する報告書に反映された。


 事務局は、週あたり勤務時間が40時間以上の病院常勤医師の勤務時間の内訳を示し、「勤務時間が長くなると診療時間、診療外時間、待機時間のいずれも長くなる。特に待機時間の占める割合が大きくなる」と説明した。勤務時間には診療科別に見ると差があった。特に週当たりの勤務時間が60時間以上になる病院常勤医師が約半数を超える診療科は、産婦人科(53.3%)、臨床研修医(48.0%)、救急科(47.5%)の順に多かった。

 病院常勤医師の月当たり当直回数としては、0回の医師が46%、1~4回が42%、5~8%が10%だった。当直回数が少ない医師と多い医師を比べると、診療時間と診療外時間には大きな差はないが、当直回数が多い医師では待機時間が顕著に増加していた。

 男女別、年代別に週当たり勤務時間60時間以上の病院常勤医師の割合を見ると、いずれの年代でも男性の割合が女性よりも多かった。20歳代では男女に大きな差は見られないものの、30~50歳代では男女差が大きい。60歳代以降では男女差が小さくなっていた。

 病院常勤医師の医療機関種類別の週当たり勤務時間で見ると、週当たり勤務時間は分院も含めた大学病院が約64時間と最も長い。その他では、2次・3次救急病院が約59時間、医療機関全体が約57時間だった。診療時間、待機時間は医療機関の種類で大きな違いはないが、大学病院では診療外時間が特に長かった。

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図 病院常勤医師の医療機関種類別の週当たり勤務時間(厚生労働省「第2回 医師の働き方改革に関する検討会」資料より)

 こうした調査の結果を受け、千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏は「医療の現場では、今回の働き方改革によって産科医療と救急医療が崩壊するのではないかと危惧されている。医師の時間外勤務にどのくらい依存して医療が回っているのかを明らかにしてほしい。調査で、大学病院の勤務時間が突出しているとの指摘があった。特に診療外時間が長いということだが、これは教育や研究の役割がある大学病院の特殊性だ。これらは大学病院としては必須の部分でもある。高度な医療を提供するという役割もあるが、いかに診療時間を効率化するか、診療の負担を減らすかといったことを今後は議論していきたい」と発言した。

 なお、同調査は医師に自記式で行った調査であるため、例えば「勤務時間」は「診療時間、診療外時間、待機時間の合計」と定義するなど、労働時間の定義が労基法上の定義と一致しないケースが含まれる。日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏はこれに触れ、「先ほど説明された10万人調査は、労働時間はもっと定義をしっかりした方がいいと思うが、今後もこの調査結果を基に議論を進めるのか?」と質問した。事務局は「同調査は、母数が大きい一方で、自記式のため大きなくくりでしか質問できていない。『診療外時間』と一口にいっても、中には非常に多くの内容が含まれているので、追加調査の必要があればしたい」と答えた。

 ビジョン検討会の座長を務めた渋谷健司氏は、「この調査は勤務時間だけを見たものではなく、地域偏在や女性医師の働き方なども調査している。質問票を見ていただくと分かるが、医師がどんな働き方をしているかというプロファイリングも取っている。今後は勤務時間だけでなく生産性や質、テクノロジーの活用、医療介護連携といったことが論点となってくると思う。こうした項目を改善すれば、勤務時間の改善が期待できる。量と質の両方から議論していきたい」と語った。

 その後、第1回会合での議論を踏まえ、以下の内容が主な論点として示された。

医師の働き方改革に関する検討会における主な論点案

1 医師の勤務実態の正確な把握と労働時間の捉え方
・医師の勤務実態の精緻な把握
・労働時間への該当性
・宿直業務の扱い
・自己研鑽(論文執筆や学会発表など)や研究活動の扱い

2 勤務環境改善策
(1)診療業務の効率化など
・タスクシフティング(業務の移管)、タスクシェアリング(業務の共同化)の推進
・AIやICT、IoTを活用した効率化
・その他の勤務環境改善策(仕事と家庭の両立支援策など)の検討
(2)確保・推進策
・医療機関の経営管理(労働時間管理など)のあり方
・勤務環境改善支援センターなどの機能強化
・女性医師の活躍支援
・その他勤務環境改善のための支援のあり方

3 関連して整理が必要な事項
・医師の応招義務のあり方
・病院の機能、医師の偏在、へき地医療など、適切な地域医療提供体制の確保との関係
・医師の労働時間の適正化に関する国民の理解

4 時間外労働規制などのあり方
・時間外労働規制の上限のあり方
・医療の質や安全性を確保する観点からの勤務のあり方
・適切な健康確保措置(休息・健康診断など)のあり方


 この論点の整理を受け、構成員からは以下のような発言があった。

保健医療福祉労働組合協議会事務局次長の工藤豊氏
「宿直業務の扱い」という項目があるが、救急を標榜しているところとしていないところとでは実態が違うので、分けて考える必要がある。また、自己研鑽は医療において重要なので、その中身は十分精査する必要があると考える。例えば、自己研鑽といいながら診療報酬上で評価されるようなものは果たして自己研鑽なのかどうか。論文発表や学会参加は医師だけでなく他の職業でもあることなので、どのくらい医師の特殊性と言えるのか、考えた方がいい。

日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏
勤務環境改善支援センター「など」に含まれるのは例えばナースセンターかと理解しているが、こうした組織がバラバラに動かず有機的に連携しなければ機能しないと思っている。ばらばらの仕組みになっているのが問題だと思うので、「など」をもっと具体的に書いてメッセージを出してほしい。それから、医師の働き方改革においては医療提供側だけが在り方を議論するのではなく、国民の理解が大変重要。患者の暴言・暴力によるストレスなども存在している。それから、病院内の会議や書類仕事がものすごく多いと聞く。安全や質の保証のために書類がどんどん増えているが、医師の負担にもなっているので、厚労省としても考えてほしい。

ハイズ(東京都新宿区)の裴英洙氏
経営者の意識改革はマストだと思う。経営者と話していると、これまで医師の自己犠牲に依存してやってきた部分がかなりあった。これを残業代などで支払うとなると、とても無理だという。しかし、労働の対価を支払うのは当然のこと。経営者の自助努力は必須ではあるが、現実的には原資を経営者の努力だけにかぶせるだけでは進まないと考える。ある程度、診療報酬などでガソリンとなる原資を入れていただけるとありがたい。

塩原公認会計士事務局特定社会保険労務士の福島通子氏
「勤務環境改善支援センターの機能強化」が挙げられているが、センター自身、どんなことをすればいいのか分からない状況なので、ある程度の方向性を示すべきだと思う。

東京女子医科大学東医療センター救急医の赤星昂己氏
週74時間以上の勤務を望む医師というのはほぼいないと思うが、ゼロにできていない実態があることを考えると、経営する病院側の資金繰りなどにも問題があると思うので、実態を明らかにしてほしい。若手の勤務医としては、書類の作成などでかなりの時間が取られていると感じている。タスクシフティングは昔から言われていることだが、なぜ現場で進んでいないのか、人が雇えないのか、その書類作成には医師の専門性が必須なのかといったことについて踏み込んで議論したい。

特定非営利法人架け橋理事長の豊田郁子氏
患者サポートの面からも考えることが重要だと思う。頼んだ書類が遅いなど、患者側が医療機関に不満を持つことがある。医師が休みの日にも診療してほしいという無謀な希望を持つ患者もいる。そこは医師が対応するというよりは、タスクシフティング、シェアリングを進めていくべき点だと思うので、医師の業務を示して、他職種がどう関われるか考えていかなければ進まないと思う。なので、医師の業務内容を具体的に示していただきたい。

 同検討会では、医師の勤務実態や勤務環境改善策、働き方と医療の質や安全性、健康との関係などを年内に話し合い、2018年1月に中間整理を行って、その内容を医師需給分科会の議論に反映させる予定。検討会としての報告書は、2019年3月を目途に取りまとめる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/561916?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD171014&dcf_doctor=true&mc.l=253073654
医師の働き方改革とキャリア
外科や産婦人科などで男性医師が長時間勤務◆Vol.3
女性は男性に比べ勤務時間は短く

医師調査 2017年10月13日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

Q:先生の「1カ月当たりの時間外労働」は何時間でしょうか。

男性
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 診療科別に集計すると、男性では数は少ないが産婦人科で10人中2人が「100時間以上」と回答した。外科では7.1%、循環器科と精神科で6.7%、整形外科で6.5%と100時間以上の割合が高くなっている。「80時間以上100時間未満」も外科が多くなっている。

女性
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女性では、循環器科が2人のうち1人、耳鼻咽喉科で4人中2人が「100時間以上」となっているのみで、「80時間以上100時間未満」も皮膚科、消化器科、産婦人科で1人ずつ。男性に比べれば、「過労死ライン」の80時間以上の長時間勤務は少ないという結果だった。

診療科ごとの回答数
男性406人(内科87、小児科17、呼吸器科16、皮膚科6、耳鼻咽喉科5、循環器科45、精神科30、腎・泌尿器科8、消化器科35、脳・神経科21、外科56、整形外科31、産婦人科10、眼科1、上記以外38)
女性100人(内科26、小児科6、呼吸器科4、皮膚科7、耳鼻咽喉科4、循環器科2、精神科10、脳・神経果1、消化器科3、外科15、整形外科6、産婦人科4、眼科3、上記以外9)



http://www.yomiuri.co.jp/national/20171013-OYT1T50130.html
一般病院の2割で自殺者、半数はがん患者
2017年10月14日 (土) 読売新聞

 精神科病床がない一般病院の約2割で入院患者が過去3年間に自殺していたことが、日本医療機能評価機構(東京)の調査でわかった。

 一般病院でも自殺が少なくない実態が浮き彫りになったことから、同機構は精神面の不調のチェックやケア、自殺が起きやすい設備の改修などを病院に呼びかける自殺予防の提言を公表した。

 同機構は2015年秋、全国の1376病院を対象に調査票を郵送で送り、12~14年度の自殺の発生状況などを質問した。38%の529病院が回答した。

 その結果、432の精神科のベッドがない一般病院のうち、19%にあたる83病院で計107人が自殺していた。主な病気別ではがんが52人で半数を占め、消化器や脳神経の病気がともに8人で続いた。自殺した患者のうち、46人でがんの痛みなど身体症状の悪化などがみられ、31人で「死にたい」など自殺に関連する発言があった。



https://www.m3.com/news/general/562963
耐震不足、旧基準建物の16% 「6強以上」倒壊の恐れ
2017年10月15日 (日) 朝日新聞

 1981年以前の旧耐震基準で建てられたホテルや病院、小中学校などの建物のうち、一定規模以上の約8700棟の耐震性を診断したところ、約16%が震度6強~7の地震で倒壊や崩壊の恐れがあることがわかった。国土交通省は改修などの対応を求めており、施設側は対応に追われている。

 診断は2013年11月施行の改正耐震改修促進法に基づくもの。震度6強~7の地震でも倒壊・崩壊しないとする新耐震基準(81年6月導入)以前に建てられた3階建て5千平方メートル以上の宿泊施設や病院、店舗▽2階建て3千平方メートル以上の小中学校といった多くの人が利用する建物などが対象。所有者が15年末までに診断を受け、報告を受けた自治体が結果を公表することが求められている。

 国交省などによると、10月現在で北海道と東京都、和歌山県は公表に至っていないが、ほかの44府県の各自治体(大津市を除く)は結果を公表した。棟数は計約8700棟で、その約16%にあたる約1400棟が現行の耐震基準を満たさず、震度6強~7の地震で倒壊、崩壊する危険性が高い▽もしくは危険性があることが判明した。県民会館や市民体育館、百貨店なども含まれ、診断結果を受けて廃業したホテルもある。



https://www.m3.com/news/general/562329
【福島】11月から葛尾村診療所 再開へ
2017年10月11日 (水) 読売新聞

 東京電力福島第一原発事故後、休止していた葛尾村落合の村診療所が田村医師会(小野町)の医師派遣を受け、11月から再開することが決まった。診療所の再開は約7年ぶり。村の避難指示の大半は昨年6月に解除されたが、後任医師が決まっていなかった。

 田村医師会に所属する医師13人が勤務先の休診時間をやりくりし、葛尾村で診療にあたる。看護師は同医師会のほか、郡山市の星総合病院からも派遣される。

 診療受け付けは第2、第4水曜と毎週木曜の午後1時半から同5時まで。診療科目は内科と小児科。来年4月に村で再開する幼稚園、小中学校での健康診断や予防接種なども行う。



https://www.m3.com/news/general/562304
院内調査の届け出751件 医療制度、開始2年で
2017年10月11日 (水) 共同通信社

 患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)は10日、「院内調査が必要」として9月に医療機関から届け出があった事案は35件と発表した。2015年10月の制度開始から2年間の累計は751件となった。

 機構は制度開始前、院内調査の件数は年に千~2千件と見込んでいた。当初の想定を大きく下回っており、制度の周知などが依然として大きな課題として指摘されている。

 9月に届け出があった35件の内訳は、病院(20床以上)が34件、診療所(20床未満)が1件。地域別では関東信越で14件、東海北陸と近畿でそれぞれ7件、東北3件、九州2件、北海道と中国四国が1件ずつだった。

 診療科別では内科が7件、循環器内科4件と続き、外科と消化器科、産婦人科、泌尿器科、呼吸器内科ではそれぞれ3件だった。

 9月に院内調査の結果が報告されたのは25件で、累計では476件となった。



  1. 2017/10/15(日) 19:02:01|
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10月8日 

http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20171006-OYTNT50035.html
医療センター民間移譲へ…小美玉市、経営再建の提案募る
2017年10月06日 読売新聞 茨城

 小美玉市が、市医療センターの民間移譲を計画している。直営時代を経て現在は指定管理者が運営しているが、完全な民間移譲で抜本的な経営再建を図り、地域医療の要となる病院の存続を目指す。ただ、2日に民間団体から提案の受け付けを始めたものの、5日現在で提案はない。受け付けは13日まで。

 同センターは、約1万5000平方メートルの敷地に立つ鉄筋コンクリート3階(一部4階)建て、延べ床面積約4600平方メートル。病床数は80床で、現在の常勤医は4人。非常勤の医師も担う外来診療科目は内科、整形外科、リハビリテーション科など10科目。

 地方を中心に全国的に医師不足が進む中、同センターも確保に苦慮。医師不足が常態化し、患者数も減少している。外来患者は2003年度の1日当たり266人に対して16年度は152人と約6割に。病床の利用率も03年度の60・0%に対して16年度は35・5%に落ち込んだ。

 市の一般会計から病院事業会計への繰り出し金も14年度までの10年間で、指定管理者制度に途中で移行して圧縮を進めたが、約32億円に上る。建物や医療機器などの老朽化も進み、市は今年6月、病院事業経営改革プランを策定。民間の優れた方策による経営再建を選択することにした。

 民間移譲を提案できるのは、県内や隣接県に病院を置く法人など。市は現在の医療センターの土地を無償貸与し、建物や医療機器などを無償譲渡する。

 今後、提案があれば内容を審査し、早ければ年度内にも移譲先を選定。市議会の承認などを経て早期の民間移譲を目指す。市医療保険課は「諸課題はあるが、病院存続を第一とし、民間の力を最大限活用することができれば」としている。

 問い合わせは小美玉市(0299・48・1111)の同課へ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/561560
「地域医療構想、回復期不足は誤解」、武田厚労省医政局長
日医・社会保険指導者講習会、9月に事務連絡を発出

レポート 2017年10月6日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省医政局長の武田俊彦氏は10月5日、日本医師会の社会保険指導者講習会で「地域医療構想の実現に向けて」をテーマに講演、地域医療構想の調整会議が進む中、「回復期機能の病床が不足している」との指摘がいまだあることから、「誤解のないように」と念を押し、病床機能報告の集計結果と地域医療構想の「病床の必要量」は単純に比較できるものではないと繰り返し注意を促した(『全国一律の施策は限界、地域医療構想で対応を』を参照)。

 厚労省が9月29日の都道府県に対して発出した事務連絡「地域医療構想・病床機能報告における回復期機能について」では、「現時点では、全国的に回復期を担う病床が大幅に不足し、必要な回復期医療を受けられない患者が多数生じている状況ではないと考えている」と記載している。

 武田局長は講演で、地域医療構想と調整会議の例も紹介。災害医療や比較的重症の急性期医療については、集約化する傾向にある一方、比較的軽症の急性期医療については、かかりつけ医をバックアップするためにも、地域密着型の医療機関が担い、「均てん化の方向で考えていくことが必要ではないか」との考えを示した。

 地域による異なる医療ニーズに対応
 武田局長はまず地域医療構想が必要とされる背景事情として、人口構成の変化とその地域格差について説明。東京、大阪、神奈川、埼玉、愛知、千葉、北海道、兵庫、福岡の9都道府県で、2025年までの全国の65歳以上人口の増加数の約60%を占める。一方、既に高齢者人口の減少が始まっている県もあるほか、医療ニーズに大きな影響を与える75歳以上人口の動向も地域により大きく異なる。

 さらに「当面は2025年を見据えて医療提供体制の構築が進められている」としたものの、もう一つの節目が2040年であるとし、高齢者人口すら全国的に減ってくるため、「医療ニーズは将来的には減少が見込まれる」と指摘した。「医療ニーズを考えた場合に、若い世代の急性期医療のニーズは減少。一方で高齢者の医療に対応していくためには、地域密着型の医療が必要であり、各地域で医療のあり方を議論してもらうのが地域医療構想」(武田局長)。

 病床機能報告と「病床の必要量」、単純な比較はできず
 各都道府県は、2016年度中に地域医療構想の策定を終え、調整会議で2025年の医療提供体制を見据えた話し合いが各地で行われている。その際に「地域で誤解のないように議論を進めてもらいたい」と武田局長は要請した。

 武田局長は、「病床機能報告制度と地域医療構想の将来推計の違い」を強調。病床機能報告制度は、地域において医療機関が「担っていると考える機能」を報告する制度。一方、地域医療構想の「病床の必要量」は、「2013年の個々の患者の受療状況をベースに医療資源供給量に沿って区分したもの」であり、地域における「4機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとの患者発生量」だ。

 「高度急性期」と報告した病床にも、高度急性期を脱した後の回復過程の患者が入院している。一方で、「急性期」の病床にも、高度急性期の患者が入院していることもある。

 地域医療構想をめぐって、特に多いのが回復期機能を担う病床が少ないという誤解。9月29日の事務連絡では、「単に回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定している病棟のみを指すものではない」「回復期機能以外の機能が報告された病棟においても、在宅医療の支援のため急性期医療が提供されたりしている場合がある」などと説明。

 事務連絡には「Q&A」もあり、回復期機能の病棟であっても、回復期リハビリテーション病棟入院料や地域包括ケア病棟入院料しか算定できないわけではなく、「いずれの医療機能を選択した場合であっても、診療報酬の選択に影響を与えるものではない」などと解説している。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20171006195736
専門研修プログラム、地域の要望反映へ
専門医機構、関連施設の追加を容認

2017年10月06日 20:30

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は6日、専門医制度の専門研修プログラムなどについて、都道府県協議会の意見を反映させる方針を決めた。地域医療に配慮する観点から、専攻医の研修先となる関連施設の追加を認める。【新井哉】

 同機構によると、この日の理事会で、都道府県協議会などから出された意見について議論した。専門医制度や研修プログラムに関する要望については、10日から専攻医の一次登録を始めるため、見直しができる範囲で対応する方針を了承した。

 関連施設を増やしてほしいとの要望が多かったため、同機構から関連学会に対し、施設の追加を含めた対応を求める。一次登録が始まる10日までに対応が間に合わないケースについては、登録開始後の施設追加も容認する見通しだ。



https://mainichi.jp/articles/20171005/ddl/k06/040/063000c
病院再編
入院診療分担決まる 医師不足解消へ 米沢市立、三友堂 /山形

毎日新聞2017年10月5日 地方版 山形県

 「地域医療連携推進法人」を共同設立する米沢市立病院(322床)と三友堂病院(190床)は3日、設立後にそれぞれが担当する入院診療を決めた。適切な役割分担をすることで、医師不足解消と経営改善などが期待できるという。

 嘉山孝正・山形大医学部参与、中川勝市長、仁科盛之・三友堂病院理事長らによる検討委員会で、正式に決定した。

 一般内科などの9診療科について、市立病院が急性期医療を担当し、三友堂病院が回復期医療を担当する。市立病院は救急・手術も受け持ち、さらに歯科口腔(こうくう)外科の新設などを検討していく。

 三友堂病院は入院診療を回復期医療に集約することで、業務の効率化を図る。市立病院で急性期治療を終えた患者を受け入れ、在宅復帰までを支援することになる。外来診療では慢性期の人工透析、緩和ケア、人間ドック・健診、訪問診療などを担当する。

 法人設立による医療再編後の経営状況について、検討委は試算を実施。おおむね業務を維持・継続できる見通しができたという。2023年度までに開院できるよう、両病院ともに施設建て替えを行う。病床数は市立病院300、三友堂病院170が適正。今後、医師の適正配置などを検討する。【佐藤良一】

再編後に市立病院と三友堂病院が分担する入院診療◇
市立(急性期)三友堂(回復期) 一般内科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、神経内科、整形外科、糖尿病・内分泌科、リハビリ科、緩和ケア科

市立(急性・回復期) 腎臓内科、小児科、産婦人科、外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科など



http://www.sakigake.jp/news/article/20171005AK0005/
県内診療所医師の高齢化進む 60代以上「後継めど」25%
2017年10月5日 掲載

 60代以上の医師(院長)が経営する秋田県内の診療所のうち、後継者のめどが立っている施設は4分の1にとどまっていることが、県医師会が診療所を対象に行ったアンケートで分かった。院長の年齢構成では、60代以上が全体の半数以上を占めていることも判明。県内診療所は常勤医が院長1人の施設がほとんどで、日常生活に密着した1次医療を支える診療所医師の高齢化が進み、継続が困難になりつつある実態が浮かび上がった。

 アンケートは今年2~3月、診療所554施設を対象に実施。377施設から回答を得た。回答率は68・1%。県医師会の地域医療総合調査室が調査結果をまとめた。

 それによると、院長の年齢構成は60代が139施設(36・9%)で最多。50代118施設(31・3%)、40代49施設(13・0%)と続いた。70代は46施設(12・2%)、80代以上が23施設(6・1%)で、60代以上が55・2%を占めた。最高齢は91歳だった。
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https://www.m3.com/news/iryoishin/561241
2018年度改定、重点課題は「地域包括ケアシステムの構築」
医療保険部会、基本方針をめぐりディスカッション

レポート 2017年10月4日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、10月4日の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)で、2018年度診療報酬改定の基本方針のたたき台の4つの「改定の基本的視点」のうち、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能分化・強化、連携の推進」を「重点課題」に位置付ける方針を打ち出した。「2025年問題」への対応に向け、6年に一度の介護報酬との同時改定となることを踏まえた対応と言える(資料は、厚労省のホームページ)。

 この方針について、委員からは異論はなく、4日の議論は前回9月の会議に続き、各委員が自由に意見を述べた。

 基本方針のたたき台は、「改定に当たっての基本認識」と4つの「改定の基本的視点」から成る(『「医師の働き方改革」、2018年度改定の基本方針に』を参照)。厚労省は、各基本的視点について「考えられる具体的方向性の例」を提示。

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(2017年9月15日の「医師需給分科会」資料)

 委員から、方向性の追加候補として幾つか挙がった。経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長の望月篤氏は、「医療保険財政の持続可能性を確保するため、経済財政との調和を基本的視点に位置付けてもらいたい」と要望したほか、「視点4」の効率化・適正化について、「医薬品関連に偏っている印象がある」と指摘し、入院と外来の機能分化・連携などの面でも、効率化・適正化を検討すべきだと提言。

 国民健康保険中央会理事長の原勝則氏は、「視点3」に、「診療報酬に関する届出・報告等の簡略化」が挙がっていることを踏まえ、「審査支払業務の効率化の柱は、コンピューターチェックの拡充。それに見合うようレセプト様式を見直したり、審査基準の統一なども進めてもらいたい」と要望した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「基本認識と4つの基本的視点については異論がない」とコメント。その上で、「視点3」について、「医療従事者の負担は、10年くらい前から取り組んできており、看護補助者や医療クラークの導入などで、一定の成果を挙げたと思う。昨今は働き方改革の議論が活発になっている。異論はないが、診療報酬で手当てするのは難しいのではないか。むしろ(厚労省の)医政局の視点での改革が必要だろう」と述べた上で、厚労省に「具体的なアイデアはあるのか」と質した。

 厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、「今の段階で確たるものがあるわけではなく、どのように実効性を持たせるか、工夫が必要」と返答。オーソドックスなアプローチとしては、点数の算定要件に人員配置などを設けるほか、タスクシフティングやタスクシェアリングなどがあり、さまざまな方法の積み重ねで医療者の勤務環境の改善を進めていくことが考え得るとした。

 そのほか、医療者の委員の主な意見は以下の通り。

◆日本医師会副会長の松原謙二氏
 今後、都市部でも高齢者が増え、いかに最期を支えるかが重要になるが、(今後養成する)総合診療専門医に全てを任せるのは難しいため、「今ある医療機関が、チームを作って在宅医療を担う」という考え方をぜひ入れてもらいたい。

◆日本歯科医師会常務理事の遠藤秀樹氏
 今回は、診療報酬と介護報酬の同時改定だが、「医療と介護の役割分担」では、“線引きする”というイメージがある。複合的にそれぞれのサービスが入り組んだ形で、どう連携できるかという視点で議論を進めてもらいたい。

◆日本薬剤師会副会長の森昌平氏
「病診薬」の連携は重要であり、そのためにはまず関係者間で情報共有することが重要。またかかりつけ薬剤師が、その機能を発揮して薬学的管理・指導を推進すれば、患者の自己負担の軽減、医療保険財政にも貢献できる。訪問薬剤管理指導も少しずつ増えており、利用者の療養環境に応じた指導を行っていくことが必要。

◆日本看護協会副会長の菊池令子氏
「基本認識と4つの基本的視点」は賛成。特に安心して在宅療養ができるよう、入退院支援については、入院前、つまり外来の段階から支援をしていくことが必要。患者家族にとっても退院後の準備をしやすくなるほか、看護師にとっても入院前に情報把握しておけば、退院後の生活を視野に入れた適切なケアが可能になる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/561235
シリーズ 社会保障審議会
「紹介状なし」定額負担、対象病院拡大を検討
医療保険部会、「かかりつけ医以外受診で定額負担」見送りへ

レポート 2017年10月4日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)は、10月4日、政府の「経済・財政再生計画 改革工程表」で2017年末までに結論を出すことが求められている分野について議論、外来の機能分化・連携を進めるために「紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担」の徴収対象を拡大する方針でおおむね一致した。

 日本医師会副会長の松原謙二氏は、2016年度から特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院で義務化された初診の定額負担については、一定の効果があったとし、対象病院の病床数引き下げの検討を提案。さらに再診の定額負担についても、機能分化の観点から、病状が落ち着いた患者は大病院から中小病院や診療所に戻すことは、病院勤務医の負担軽減にもつながることから、推進すべきと指摘した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏も、定額負担徴収の対象病院の病床数の引き下げを支持。ただし、外来の機能分化・連携推進の方策は「お金の問題だけではない」と指摘し、患者の受診行動変容を促すためには、それ以外の国民の意識を変えるような施策が必要だとした。

 一方で、社保審医療保険部会や中医協でも再三議論、否定されてきた「かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入」と「先発医薬品価格のうち、後発医薬品に係る保険給付額を超える部分を、保険外併用療養費制度の選定療養として自己負担を徴収」については、いずれも見送る方針で一致(『「かかりつけ医以外」受診で負担増、改めて議論』、『先発品と後発品の「差額」徴収、反対が多数』などを参照)。

 「かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入」が否定されたのは、次のような理由からだ。「かかりつけ医とは何かが定義がされていない段階で、かかりつけ医以外を受診した場合に定額負担を徴収するのは、我々(医療保険部会の委員)も、また国民も、納得しないだろう。まずかかりつけ医の定義をはっきりすることからスタートしないと議論は進まない」(白川氏)。

 先発医薬品の問題についても、過去のさまざまな審議会の場で、「先発医薬品、後発医薬品の選択は、選定療養に馴染まない」「負担能力によって、医療が制限される恐れがある」などの慎重意見が出ていた。松原氏は、「この問題は何度も議論しており、この会(医療保険部会)で結論が出ているのでないか」と述べ、白川氏も「同意見。中医協でも、支払側、診療側、公益側がいずれも反対している」と述べ、この施策だけを切り出して議論するのではなく、薬価制度全体を総合的に議論する必要性を指摘した。

 そのほか、都道府県の医療費適正化計画の関連では、同計画の達成のために高齢者医療確保法第14条では「都道府県別の診療報酬設定」が認められている。厚労省は、都道府県の意見を踏まえ、中医協における諮問・答申を経るなど、丁寧なプロセスの必要性を提案。委員からは国民皆保険制度下では、全国どの地域でも、同一価格で医療を受けられるべきだとし、都道府県別の診療報酬設定の効果や妥当性なども含め、慎重な検討を求める声が上がった(資料は、厚労省のホームページ)。

 「お金の問題だけではない」
 厚労省の調査によると、2016年4月の「紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担」の導入で、500床以上の病院では、「紹介状なしの患者比率」は、42.6%(2015年10月)から、2.9ポイント減少し、39.7%(216年10月)に減少。

 白川氏が「お金の問題だけではない」と指摘したのは、この割合が少ないだけでなく、健保連の「医療・医療保険制度に関する国民意識調査」(2017年9月)で、「特別の料金を支払って大病院を受診することがなくなった」患者のうち、定額負担が理由と答えたのは約5%にとどまったからだ。「国として病院と診療所の機能を分けるという意思を示す意味でも、(徴収対象を)500床から引き下げてもらいたい」と述べた一方、国民の意識を変えるような施策との“合わせ技”でやることを求めた。

 そのほか定額負担をめぐっては、「ペナルティーか、あるいは大病院の“利用料”かなど、受け止め方が異なる」「救急外来を受診した場合には、定額負担はかからない。そのためか、軽症の救急患者が増えている病院もある」など、今後の制度設計に当たって念頭に置くべき意見が上がった。



http://www.medwatch.jp/?p=16116
紹介状なしに外来受診した際の特別負担、対象病院を拡大すべき—社保審・医療保険部会
2017年10月4日 | 2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 現在、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院において導入されている紹介状なし患者の特別負担(初診時5000円以上、再診時2500円以上)について、より小規模な病院にも拡大していくべき—。

 10月4日に開催された社会保障審議会・医療保険部会では、こういった意見が多数出されました。2018年度の次期診療報酬改定に合わせて拡大される可能性が高まっています。

ここがポイント!
1 200床以上の地域医療支援病院に拡大しては、との具体的提案も
2 かかりつけ医、かかりつけ医療機関の定義を明確化せよ
3 2018年度診療報酬改定、「働き方改革」の推進をどうサポートするか
4 都道府県別の診療報酬、都道府県サイドが「慎重検討」を要望

200床以上の地域医療支援病院に拡大しては、との具体的提案も

 外来医療について▽大病院は専門・紹介外来を担い▽小規模病院や診療所が一般外来を担う—という機能分化を進めるため、2016年度から特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院について、「紹介状なしに受診した患者から、通常の窓口負担とは別に、初診時5000円以上(歯科では3000円以上)、再診時2500円(同1500円以上)の特別負担徴収」が義務付けられています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

2016年度から、特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院において、紹介状なしに受診する場合には特別負担が義務付けられた(図 略)

 
経済・財政再生計画の改革工程表では、「対象の見直し」を2017年末までに検討するよう指示され、医療保険部会でも「拡充」の方向が示されていますが、今般、改めて議論されました。
費用負担者の立場で参画している白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)や望月篤委員(日本経済団体連合会社会保障員会医療・介護改革部会長)は「より小規模な病院への拡大を検討すべき」と主張。また医療提供者の立場で参画する松原謙二委員(日本医師会副会長)もこの主張に賛同。松原委員はメディ・ウォッチに対し、「地域医療支援病院は、もともと地域の医療機関から患者の紹介を受け、逆紹介していくことが求められている。この点に鑑みれば、特別負担を『200床以上の地域医療支援病院』に拡大していく方向は理解できる」と具体的なコメントを寄せています。

もっとも2016年度からの特別負担導入の効果を見ると、必ずしも芳しくありません。厚労省が500床以上と200床以上500床未満に分けて、紹介状なし患者割合を調査したところ、▼500床以上:導入前(2015年10)42.6%→導入後(2016年10月)39.7%▼200床以上500床未満:導入前60.3%→導入後59.4%—となっており、500床以上病院で「紹介状なし患者割合」の低下幅が大きいものの、低下率は「3ポイント未満」という状況です。

500床以上の大病院では、紹介状なしの受診時特別負担によって「紹介状なし患者割合」は3ポイント弱しか減少いていない(図 略)
 
白川委員は、この調査結果と健保連の独自調査結果を踏まえ、「受診行動は費用負担だけでは十分に変わらないのではないか。国民の意識を変える施策を国全体で考え、併せて実施しなければうまくいかない」と述べ、「紹介状なしの特別負担の対象病院拡大」と「国民の意識改革」をセットで実施するよう要請しています。
また松原委員と菅原琢磨委員(法政大学経済学部教授)は、「再診における特別負担」の重要性を指摘しました。外来機能分化は「病院勤務医の負担軽減」も目的としており、これを実現するためには、より患者数の多い再診患者をターゲットとし、「すでに当院(大病院)での専門的治療を終えたので、地域のかかりつけ医療機関に紹介(逆紹介)します。そのかかりつけ医療機関で『さらに大病院での治療が必要』と判断されて紹介状を持たない限り、当院(大病院)を受診した場合には特別負担がかかります」という説明を大病院で、より積極的に行うことが必要との見解です。今後の議論の中では「再診時の特別負担の引き上げ」なども検討される可能性がありそうです。

なお、この点に関連して菅原委員や井川誠一郎参考人(日本慢性期医療協会常任理事、武久洋三委員:日本慢性期医療協会会長の代理出席)は「特別負担がかからないように救急受診をする」といった事態が起きては本末転倒であると指摘しています。

 さらに菅原委員は「特別負担を小規模病院に拡大していけば、『この病院がかかりつけ医療機関です』と考える患者も出てくる。この点をどう考えるかも丁寧に議論すべき」と指摘しました。後に述べる「かかりつけ医」「かかりつけ医療機関」とも関連する重要な視点と考えられます。

 紹介状なし患者における特別負担については、2018年度の次期診療報酬改定に向けて「対象病院を拡大する」方向で、より具体的に中央社会保険医療協議会でも議論されることになるでしょう。

かかりつけ医、かかりつけ医療機関の定義を明確化せよ

 外来機能分化に関して改革工程表では「かかりつけ医以外を受診した場合の特別負担」徴収も検討テーマの1つであると指示しています。

 しかし、この点については、これまでにも医療保険部会で「かかりつけ医、かかりつけ医療機関の定義が明確ではない」という点で意見が一致しており、今般の会合でも同様の意見が相次ぎました。中医協では、「かかりつけ医機能の評価」が議題に上がり、定義明確化に向けて一歩踏み出した感がありますが、国民の中には「大学病院を数か月に1度定期的に受診している。私のかかりつけ医療機関は大学病院であり、かかりつけ医はその教授である」と考える人もおり、「明確な定義づけ」には時間がかかりそうです。

2018年度診療報酬改定、「働き方改革」の推進をどうサポートするか

 10月4日の医療保険部会では、診療報酬に関連して▼2018年度改定基本方針策定▼都道府県別の報酬設定▼後発品価格上回る部分の患者負担—も議題となりました。

まず2018年度改定基本方針については、厚労省保険局医療介護連携政策課の黒田秀郎課長から、3点の基本認識と4つの視点について改めての説明が行われました。例えば基本認識の1つ「人生100年時代を見据えた社会の実現」に関しては、国民1人1人が予防健康づくりの意識を涵養すること、健康寿命を延伸すること、皆保険を維持しながら効率的・効果的で質の高い医療を受けられるようにすることの重要性などを強調。また「働き方改革」の推進も重要視点の1つに組み込まれています(関連記事はこちらとこちら)。

委員からは「入院前からの退院支援の評価」(菊池令子委員:日本看護協会副会長)、「経済と調和のとれた診療報酬体系の確立」(望月委員)、「複数医療機関のチームによる在宅医療の推進」(松原委員)などを求める意見が出されました。ただし白川委員は「働き方改革が重視されているが、これに診療報酬で対応するのは困難ではないか。これまで労働基準局や医政局での改革が重要になろう」と指摘。これに対し厚労省保険局医療課の迫井正深課長は「相当の工夫が必要」と前置きをした上で、「診療報酬の算定要件や施設基準において、質を担保した上で、(医師要件を)タスクシフトしていくなどすることで勤務環境の改善が図られるのではないか」との見解を示しています。

都道府県別の診療報酬、都道府県サイドが「慎重検討」を要望

 都道府県別の診療報酬とは、高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)第14条において、医療の効率的提供・医療費適正化を推進するために必要と認められるときは、合理的と認められる範囲内において、予め厚生労働大臣と協議した上で、都道府県が「診療報酬と異なる定め」をすることを認めるものです。

この点、厚労省は、まず「都道府県において、適用の必要性について検討していく必要がある」との見解を提示。一方、都道府県を代表する委員からは「慎重な検討が必要」との声しか聞こえてきません。技術的にも「県外の医療機関を受診した場合にどうするのか」「都道府県が独自に診療報酬を設定するノウハウを持っているのか」といった課題もあり、近々に導入される可能性は極めて低そうです。

 
なお、「後発品価格上回る部分の患者負担」とは、いわゆる「参照価格制」(先発品価格について、後発品価格を上回る部分は自己負担とする)や「先発品価格を後発品価格と同水準に引き下げる」ことなどを総称したものです。改革工程表で検討を指示されていますが、「患者負担増には理解が得られない」「先発品と後発品を同価格にすれば価格競争が働かず、価格は高止まりする」といった批判が医療保険部会で相次いでいました(関連記事はこちら)。10月4日の会合でも「議論は尽くされた」として、導入を「否」とする見解で一致しています。こちらも近々に導入される可能性は極めて低いでしょう。

厚労省が示した論点、本文中の(1)選定療養案が向かって左、(2)新患者負担案が中央、(3)薬価引き下げ案が向かって右—に該当する (図 略)



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1004511049/
繰り返される過労死...医師の過重労働是正、次期政権の課題に〔読売新聞〕
2017年10月04日 15:25

 「医療界は18年前と少しも変わっていない」「なぜ繰り返されるのか」――。

 9月上旬、東京都内で開かれた「過重労働と医師の働き方を考えるシンポジウム」で、東京過労死を考える家族の会代表の中原のり子さんは、切々と語った。

 中原さんの夫で小児科医の利郎さんは1999年、勤務先の都内の病院で飛び降り自殺した。中原さんは過労死による労災認定や損害賠償を求める裁判などを通じて、医師の過重労働の是正を訴え続けてきた。

 だが、今年6月には、新潟市民病院の女性研修医が、8月には東京都内の病院に勤めていた男性研修医が、それぞれ過労自殺による労災認定を受けていたことが明らかになった。両者とも時間外労働は、過労死ラインを大きく上回る月当たり百数十時間にのぼっていた。

 衆院解散によって長時間労働の是正を柱とする「働き方改革関連法案」の審議は先送りとなった。医師については、医師法で正当な理由がなければ診療を拒めないことを定めた「応召義務」と、長時間労働の兼ね合いをどうするかといった問題があり、法施行後5年間の猶予が認められている。

 厚生労働省は、医療機関や労働組合関係者らによる検討会を8月発足させ、2019年3月までに結論を出す方針だ。

 医師の働き方改革では、医師不足に悩む地方の医療現場にも配慮する必要がある。現状のまま労働時間の是正が適用されれば、地方の救急医療は立ちゆかなくなる恐れがあるためだ。

 全国自治体病院協議会など5団体は9月28日、「地域医療を守る病院協議会」を設立。記者会見で、医師の地域偏在の解消などを訴えた。

 過重労働をなくすことは医療事故の防止にもつながる。また患者側も、適切な医療へのかかり方を心がける必要がある。次期政権には喫緊の課題として取り組んでほしい。

(2017年10月4日 読売新聞・田村良彦)



http://www.asahi.com/articles/ASKB44SM4KB4UBQU012.html
新病院計画 承認また見送り 長崎の医療構想調整会議
福岡泰雄 2017年10月4日15時00分 朝日新聞

 地域医療機能推進機構(東京)が長崎県松浦市で計画する新病院計画が、佐々町で2日にあった佐世保県北区域地域医療構想調整会議で論議された。しかし、医師確保策の実効性に疑問の声が出るなど、「詰めるべきところが多い」として、9月の調整会議に続き、この日も承認されなかった。

 これを受け、県医療政策課は、①調整会議の中核メンバーによる作業部会を設けて論議を詰め、その後に調整会議を再び開き、新病院計画を諮る②今月11日の県医療審議会では新病院を議題にせず、後日改めて新病院のみを議題とする県医療審議会を開く、との考えを示した。

 この日の審議で機構は、新病院の病床数について、前回9月5日の調整会議の意見を踏まえて松浦市内の医療機関と協議した結果として、40床としている地域包括ケア病床数を20床に減らし、その分、一般病棟の病床を20床増やして67床とする案を示した。病床数の総数は87床で変わらない。

 松浦市の医師でつくる松医会の木村幹史会長は、「会の中に賛否はあるが、市の計画に沿い、市民の要望も強い病院。会として反対はしない」と表明した。

 しかし、出席した委員やオブザーバーの医師らからは、医師確保策の実効性への疑問や、病床数の変更について佐世保市医師会に説明がなかったことの指摘などがあり、「詰めるべきところが多々ある」として新病院の承認を見送った。

 作業部会の時期について、県医療政策課の村田誠課長は会議終了後の取材に対し、「なんとか月内には開催したい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/561103
公立病院「病院マネジメントの観点を」、総務省研究会
医師確保へ財政支援拡充を要望、年内に報告書

レポート 2017年10月4日 (水)配信高橋直純(m3.com編集部)

 総務省の「地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会」(座長:辻琢也・一橋大学副学長)の第7回会合が10月3日に開催され、報告書を大筋でまとめた。「現状分析」と「提言」の2部構成で、提言部では「病院マネジメントの観点からの経営手段の充実」が必要と強調。新たに作成する「経営比較分析表」を使った経営指標の「見える化」を推進する一方、総務省においても「不採算地区病院に対する財政支援を拡充する方向で検討すべきである」としている(資料は総務省のホームページ)。

 調査検討会は今回で終了となり、細かい文言の修正を経て年内をめどに完成する。「病院マネジメント」を重視しているのが特徴で、事務局機能の強化のため外部人材の登用などを提案している。

 医師確保も重要な要素として指摘している。具体的には、以下を提言。

・小規模病院では医療行為に加えてその他の事務も医師が処理せざるを得ず、業務負担が重くなり、さらに医師確保が困難になっているという指摘がある。役割分担の適正化が望ましい。
・若手医師には、何よりも研修体制を充実させることが重要である。初期研修の地域医療研修を受け入れること、地域枠学生の実習を受け入れること、良い指導者を招くこと、必要により研修日を作り外部の医療機関で研修が行えるような仕組みを作ることが望ましい。
・地域における住みやすさ・暮らしやすさの向上といった居住環境の整備など生活面でのバックアップ体制を整えることや、地域住民との意見交換やコミュニケーションの場を整えるなど医師の業務以外の面に係る地域と連携した取組により、医師自身が、その地域の暮らしを支えている・必要とされていると実感できるような方策を考えることも有効である。

 医師を確保することで医業収益の改善に寄与するが、そのために多くの経費がかかっているとし、「不採算地区病院が、不採算地区以外の病院と比較してより厳しい経営状況にあることを踏まえ、総務省は不採算地区病院に対する財政支援を充実する方向で検討すべきである。合わせて、医師確保に係る取組に対しても、その重要性を認識した上で措置の検討が必要である」と指摘した。

見える化へ「経営比較分析表」
 総務省は公営企業会計の「見える化」に取り組んでおり、病院経営でも新たに「経営比較分析表」を作成する。検討会での案では「経営の健全性・効率性(経営の状況)」で、(1)経常収支比率、(2)累積欠損金比率、(3)医業収支比率、(4)病床利用率、(5)入院患者1人1日当たり診療収入、(6)外来患者1人1日当たりの診療収入、(7)職員給与費対医業収益比率、(8)材料費対医業収益比率――を提言。「老朽化の状況(資産の状況)」で、 (1)有形固定資産減価償却率(2)機械備品減価償却率(3)1床当たり有形固定資産――を指標とするとしている。

 辻座長は検討会の最後に「報告書の趣旨に即して、関係者がどう政策を行っていくかが重要。そのコミュニケーションがより実りあるものになるよう意を砕いていただきたい」と要望した。



http://www.medwatch.jp/?p=16077
10月10日から【病院総合医】育成プログラム申請を受け付け—日病・相澤会長、末永副会長
2017年10月3日 | 医療現場から MedWatch

 複数疾病をもつ高齢患者などに総合的な診療を行い、チーム医療、ひいては病院全体を牽引する力を持つ「病院総合医」の養成を来年度(2018年度)から開始。これに向け、10月10日から11月10日まで、「病院総合医」の理念に賛同する病院から「育成プログラム」の申込を受け付ける—。

日本病院会が10月3日に開いた記者会見で、相澤孝夫会長(社会医療法人財団慈泉会相澤病院理事長)と末永裕之副会長(小牧市民病院病院事業管理者)からこういった点が発表されました(日病のサイトはこちら、各種書式がダウンロードできます)(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

ここがポイント!
1 総合診療を提供し、チーム医療、将来は病院全体を牽引する【病院総合医】を養成
2 10月10日から育成プログラムの申請受付、2月頃から専修医の募集・登録

総合診療を提供し、チーム医療、将来は病院全体を牽引する【病院総合医】を養成

日本専門医機構が総合診療専門医の養成を2018年度から開始しますが、病院において複数の疾患を抱える患者への総合診療提供や、術後管理などを一手に引き受ける医師を養成するプログラムとなっているかについて疑問を持つ医療関係者も少なくないようです。そこで日病では、高齢化が進む中で「病院において総合診療を行う医師」の養成が急務と考え、1年ほどかけて構想を練ってきました。

相澤会長は「高齢化が進む中で、複数の診療科間で、さらに介護・福祉との間でも連携をとれる医師が求められている。一方で、こうした総合医療を提供する医師の地位をどう考えるか、キャリアアップをどう考えるかという点がはっきりしていなかった。そこで、包括的かつ柔軟に幅広い『全人的』な医療を提供する【病院総合医】の養成に踏み切ることになった。病院総合医は、チーム医療を牽引する役割も担い、将来的には病院全体をまとめることができるだろう」とコメント。病院総合医が「病院経営幹部」への1ルートとなることを強調しています。

 
 また【病院総合医】構想の中心メンバーである末永副会長は「高齢化が進む中では、複数疾病を抱える患者、診療科間の隙間に陥ってしまう患者が増加してくるため、特に中小病院で総合医の養成が急務とされ、また大規模病院でもその必要性は大きい」と指摘。また日本専門医機構の「総合診療専門医」とは別の仕組みである(【病院総合医】は、自院で活躍する「卒後6年目以降の医師」が対象)ことを明確にした上で、「機構でもサブスペシャリティ領域の中で病院の総合医的な資格を考えることになるかもしれない」と見通しました。その際に日病の【病院総合医】がそのままサブスペシャリティ資格になることはないものの、「一定の配慮」がなされる可能性もありそうです(それを期待した制度設計になっている)。

10月10日から育成プログラムの申請受付、2月頃から専修医の募集・登録

【病院総合医】の認定スケジュールは、次のようになっています。

▼【病院総合医】の理念に賛同する病院が基準に則った「育成プログラム」を日病に申請する(10月10日-11月10日)
  ↓
▼日病で育成プログラムを審査・認定(11月下旬から1月にかけて)した後、各病院で専修医を募集し、日病に登録する(2月頃)
  ↓
▼各病院で研修を開始し(4月スタート)、2年後(あるいは1年後)に日病が研修結果を評価し、基準を満たしていると判断された場合には【病院総合医】として認定する
  ↓
▼【病院総合医】資格は5年ごとに更新され、その際「医療安全管理」や「医療政策」などの最新情報を取得し、状況変化に適応できる能力を養っていることが期待される

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病院総合医認定・更新にかかる大きなスケジュール概要
 
 末永副会長は、【病院総合医】の理念として、(1)多様な状態を呈する患者に包括的かつ柔軟に対応できる総合的診療能力を持つ(2)全人的に対応できる(3)地域包括ケアシステムにおける医療・介護連携の中心的役割を担う(4)多職種をまとめチーム医療を推進できる(5)地域医療にも貢献できる—能力を持つ医師を養成することを掲げ、「便利屋の養成を行うわけではない」と強調しました。

 【病院総合医】を目指す「専修医」(研修期間の医師)は各診療科で指導を受けますが、その責任は「病院総合指導医」が負います。「病院総合指導医」とは、日病を初めとする各団体の実施する「臨床研修指導医講習会」を修了した医師、あるいは病院管理者とされ、「病院全体で将来の幹部候補を育てる」という意識が重要になってきます。病院総合指導医1人つき、専修医は3名までとされました。

また研修期間は2年間が原則ですが、すでに総合医療を提供していると認められるような場合には、研修期間を1年間に短縮することも可能です。例えば、▼最初の1年間(短縮の場合は6か月)は「救急科」に所属して救急外来を担当することで総合医研修を受ける▼残りの1年(短縮の場合は6か月)は「総合診療科」にて病棟医の研修を受ける—といった育成プログラムが考えられます。自院で研修を完結する必要はなく、複数病院が連携して研修を行うことも可能です。

日病では、研修期間中に ▼ショック ▼急性中毒 ▼意識障害 ▼全身倦怠感 ▼心肺停止 ▼呼吸困難 ▼身体機能の低下 ▼不眠 ▼食欲不振 ▼体重減少・るいそう ▼体重増加・肥満 ▼浮腫 ▼リンパ節腫脹 ▼発疹 ▼黄疸 ▼認知脳の障害 ▼頭痛 ▼めまい ▼失神 ▼言語障害 ▼けいれん発作 ▼視力障害・視野狭窄 ▼聴力障害・耳痛 ▼鼻漏・鼻閉 ▼鼻出血 ▼嗄声 ▼胸痛 ▼動悸 ▼咽頭痛 ▼誤嚥 ▼誤飲 ▼嚥下困難 ▼吐血・下血 ▼肛門・会陰部痛 ▼熱傷 ▼外傷 ▼褥瘡 ▼背部痛 ▼腰痛 ▼関節痛 ▼歩行障害 ▼四肢のしびれ ▼肉眼的血尿 ▼排尿障害(尿失禁・排尿困難) ▼乏尿・尿閉 ▼多尿 ▼不安 ▼気分の障害(うつ)―といった幅広い症例を経験することが必要と考えています。またチーム医療を牽引していく能力を養うために、さまざまなチーム医療活動、とくに「医療安全」「感染制御」チームへの参画は必須となります。

さらに、将来の「病院経営幹部」候補であることも踏まえ、病院経営・管理に関する各種講習会やセミナーに積極的に参加することも求められます。末永副会長は【病院総合医】資格を取得した医師が、次の病院総合指導医になることを期待し、「臨床研修指導医講習会には必ず参加してほしい」と求めています。

 
2年間(あるいは1年間)の研修を終えた後に、病院総合指導医が各専修医の(i)インテグレーションスキル(包括的診療の展開・実践)(ii)コンサルテーションスキル(必要な場合に専門診療科へ速やかな相談・依頼)(iii)コーディネーションスキル(多職種の連携・調整)(iv)ファシリテーションスキル(チーム医療の促進・実践)(v)マネジメントスキル(地域包括ケアシステムや日本全体を考慮した病院運営)―という5つの能力について評価。これをもとに日病で【病院総合医】の基準を満たしているかどうかを審査することになります。
 
なお、育成プログラムの審査には1件当たり3万円、総合医の認定・更新には1人当たり1万5000円の費用がかかります。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t280/201710/553041.html
シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定
DPC地域医療係数の見直し方向を固める
中医協DPC評価分科会、がん、脳卒中、災害の2項目は1つにまとめる

2017/10/3 土田絢子=日経ヘルスケア

 中央社会保険医療協議会(中医協)の「DPC評価分科会」は9月28日、2018年度診療報酬改定に向けて機能評価係数IIについて議論した。(1)地域医療係数はより均一な評価となるよう項目を整理する、(2)保険診療係数は未コード化傷病名の使用割合が高い場合の減算評価基準を「20%以上」から「2%以上」に厳格化する、(3)効率性係数などで行っている分散が一定となるような統計処理を行わないことにする――などの方針が固まった。

 まず(1)地域医療係数について。地域医療係数は地域医療への貢献を評価するもので、5疾病5事業などの診療体制を評価する「体制評価指数」と、地域の全患者に対する各病院の患者シェアを評価する「定量評価指数」という2つの指数の合計で評価している。

 このうち体制評価指数は現在、図1、図2の12項目について1項目最大1ポイントとして評価している。しかし、がんは「がん地域連携」と「がん拠点病院」の2つの項目があるのに対し、救急医療やへき地の医療などは1項目しかないため相対的に低い評価となっている。9月28日ではこうした点に着目し、2項目あるがん、脳卒中、災害については評価内容を整理して1項目にすることとした。

 また、「急性心筋梗塞の24時間診療体制」の項目は対象疾患を心血管疾患に変更。2017年7月の厚労省「脳卒中、心臓病その他の循環器病にかかる診療提供体制のあり方に関する検討会」のとりまとめ内容に沿って、脳卒中や心血管疾患では、地域ネットワークにおける「専門的医療を包括的に行う施設」と「専門的医療を行う施設」とに分けて、段階的な評価を取り入れる。

 災害では、「災害時における医療」「EMIS(広域災害・救急医療情報システム)」の2項目を1項目に整理しつつ、被災後に早期に診療機能を回復できるようBCP(業務継続計画)の整備に関する内容も評価に導入する方向となった。

図1●地域医療係数の体制評価指数の項目9月28日中医協DPC評価分科会資料より (図 略)


図2●地域医療係数の体制評価指数の項目の続き9月28日中医協DPC評価分科会の使用より (図 略)

 (2)保険診療係数は、質の保たれたDPCデータの提出などを評価するものであり、現在、レセプトの傷病名のうち未コード化傷病名である割合が20%以上の場合、0.05点減点することとなっている。ただし、厚労省が1カ月分のDPC様式1を調べたところ未コード化傷病名の使用割合が全病名中1.40%だったことを受け、減点対象となる基準を「20%以上」から「2%以上」に厳格化することとなった。

 そのほか(3)機能評価係数IIの効率性、複雑性、後発医薬品について各病院の指数の分散が均等となるように行っている統計処置についても議論。本来、医療機関群ごとに均一な分散が期待されているわけではないことから行わないこととした。

 III群のカバー率係数では、専門病院・専門診療機能に配慮して最小値が30%タイル値となるようにしている設定についても、ほかの係数と同様に0とすることについて検討した。この点については委員から反対意見があったため継続審議となった。



http://www.medwatch.jp/?p=16069
市販品類似薬を保険給付から外し、薬価引き下げ分は診療報酬に充てるな—健保連
2017年10月3日 | 2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度について、公費負担を「50%」とし、患者負担は「段階的に2割」へ引き上げる。また医療提供体制については、「機能分化・連携」「地域間格差の是正」を推進する。さらに軽疾患用の医薬品については保険給付範囲からの除外などを行う必要があり、まず「市販品類似医薬品」から除外を進めていく必要がある。また薬価引き下げで生じた財源は、診療報酬本体に充てず国民に還元せよ—。

 健康保険組合連合会は9月25日に「2025年度に向けた医療・医療保険制度改革について」を発表。その中でこうした提言を行いました(健保連のサイトはこちら)(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 医療保険、医療提供体制、診療報酬などに関する提言
2 75歳以上の後期高齢者でも窓口負担は2割とせよ
3 1人当たり医療費の都道府県格差は1.5倍、まず格差の「半減」を目指せ
4 薬価引き下げで生じた財源は診療報酬本体に充てず、国民に還元せよ

医療保険、医療提供体制、診療報酬などに関する提言

 主に大企業の従業員とその家族が加入する健康保険組合の連合組織である健保連は、「医療保険改革」「医療制度改革」について積極的な研究・提言を行っています。2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、これから医療・介護ニーズが飛躍的に高まり、医療費・介護費も急増します。健保連の試算では、2025年度には医療費が58兆円となり、うち75歳以上の後期高齢者医療費は25兆円(全体の43%)を占めると推計されました。
健保連の試算では、2025年度には57.8兆円になると推計された
健保連の試算では、2025年度には57.8兆円になると推計された
 
こうした状況の中で、健保連は「国民皆保険制度を維持するために医療制度・医療保険制度の改革を先送りしてはならない」と考え、今般の提言を行ったものです。提言内容は多岐にわたりますが、メディ・ウォッチでは次の項目に注目しました。
(1)後期高齢者拠出金負担割合に50%の上限を設定し、上限超過分は国庫負担とすべき
(2)後期高齢者の患者負担を段階的に2割とすべき
(3)「持続可能な医療保険制度」に向けたビジョンを示すべき
(4)医療機能の分化・連携を推進すべき
(5)医療の地域間格差を是正すべき
(6)薬剤費の伸びを抑制すべき
(7)保険給付範囲を見直すべき
(8)診療報酬体系を見直すべき

75歳以上の後期高齢者でも窓口負担は2割とせよ

 まず(1)と(2)は「後期高齢者医療制度」に関する見直し項目です。75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度の医療費は、▼公費5割▼若年世代からの支援金4割▼高齢者自身の保険料1割—という構成の財源で賄うこととされています。このうち若年世代からの支援金(拠出金)を詳しく見てみると、健保組合平均で50.7%となっており、「支出の過半が加入者ではなく、後期高齢者のために費やされている」状況になっています。そこで健保連は「拠出金(支援金)負担に50%の上限を設け、超過分は公費負担とすべき」と訴えているのです。

また現在、新たに70歳になった人から「2割の窓口負担」が課せられる仕組みとなっており、健保連は「2018年度から70-74歳の窓口負担がすべて2割となるので、75歳以上も2割負担を継続してはどうか」と提案しています。「医療費に対する自己負担」という視点で診ると、75歳以上では、74歳以下に比べて極めて負担割合が低く、「受益に応じた負担の公平化」を進めるべきと健保連は考えているようです。もっとも、75歳以上では、若い世代に比べて収入の水準が極めて低くなるため、「能力の応じた負担」という視点での検討も必要でしょう。

「医療費に対する自己負担」(応益負担)の視点だけでみると、75歳以上の高齢者は負担割合が若い世代に比べて低いことが分かる (図 略)
 
 一方(3)では、医療保険制度を「税金」と「保険料」でどのように賄うのか、「消費増税分の配分方法見直し」(高齢者医療へ充当)などを検討するよう求めています。
1人当たり医療費の都道府県格差は1.5倍、まず格差の「半減」を目指せ

また(4)と(5)は医療提供体制に関する提言です。▼地域包括ケアシステムの構築▼ゲートキーパー機能を担う総合診療専門医の育成推進▼適切な受診行動の啓発▼効率的・効果的な医療提供に向けた医師の意識改革▼病床数・入院日数・医療費などの地域間格差是正—などを行うべきと強調しています。

とくに「地域間格差」については、1人当たり医療費を都道府県別に比較した際に「最高の福岡県と最低の埼玉県では1.5倍の格差があり、病床数と入院医療費との間に相関がある」ことなどを指摘。この格差の半減を目指して、情報公開・データ分析の見える化を進めるよう強く求めています。

病床数と入院医療費には正の相関があり、都道府県別の1人当たり医療費には1.5倍の格差があることから、これをまず「半減」すべきと健保連は提案している (図 略)

薬価引き下げで生じた財源は診療報酬本体に充てず、国民に還元せよ

 さらに(6)から(8)は診療報酬に関する提言と言えます。(6)の薬剤費については、▼薬価制度抜本改革の基本方針に沿った「薬価の適正化」▼服薬指導管理、処方変更、リフィル処方箋などを活用した薬局・薬剤師の機能発揮—などを図るべきと提案。

また(7)では、これまでの診療報酬改定での提言に続き「まず市販品類似薬の保険給付からの除外」を進めるよう求めています。フランスでは、▼抗がん剤などは100%▼血圧降下剤などは65%▼アレルギー用剤などは30%▼耳鼻科用薬などは15%▼去痰剤などは0%—という具合に、医薬品の重要性を勘案した保険給付率の階段を設けており、こうした仕組みを参考にした改革が必要と訴えています。

フランスでは、医薬品の重要性を勘案して保険給付率が設定されており、我が国でもこの制度を参照すべきと健保連は訴えている (図 略)
 
さらに(8)では、▼薬価引き下げ分の財源は国民に還元する(診療報酬本体には充てない)▼診療報酬体系の包括化を拡大する―よう求めています。
 
診療報酬については中央社会保険医療協議会(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)、医療保険制度については社会保障審議会・医療保険部会(関連記事はこちらとこちらとこちら)、医療提供体制については社会保障審議会・医療部会(関連記事はこちらとこちら)で主に議論が進められており、今秋から来春にかけて熱い論議が繰り広げられます。各審議会・協議会には健保連からも委員が出席しており、この提言に沿った意見陳述が行われることになるでしょう。

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/560783
シリーズ 真価問われる専門医改革
「1次審査不合格、大変遺憾」、専門医機構に説明求める
総合診療専門研修プログラムの審査、大学本院での養成に疑義も

レポート 2017年10月3日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 「整備基準通りに専門研修プログラムを作り、研修実績があるにも関わらず、1次審査を通過しなかったのは大変遺憾。当院で来年度の研修を希望する初期研修医もおり、今からの再認定を強く要望する。認定を行わない場合はその理由をきちんと文章で明示していただきたい」

 こう問題視するのは、王子生協病院(東京都北区)の診療部長を務める平山陽子氏。同病院は、日本専門医機構に対し、回答を求める意見書を提出した。新専門医制度の総合診療専門研修プログラムの1次審査は9月20日に終了したが、審査結果への不満の声が、複数の病院から上がっているほか、医療関係団体も要望や意見を日本専門医機構に提出している。

 全日本民主医療連合は9月27日に緊急要望を、四病院団体協議会は10月2日に意見書を、それぞれ日本専門医機構に対し、提出した(『総合診療専門研修プログラム審査、「公正さを欠く」』、『四病協、総合診療専門研修プログラムの1次審査に疑義』を参照)。

 これに対し、日本専門機構副理事長で総合診療専門医の準備を進めてきた松原謙二氏は、あくまで理事会決定に基づき、総合診療専門研修プログラムの整備基準に加え、「1次審査基準」を設け、同基準に合致していたか否かで合否を判断したと説明する(『総合診療専門研修プログラム「1次審査基準」、都市集中回避が狙い - 松原謙二・日本専門医機構副理事』を参照)。

平山陽子氏は2001年東京大学医学部卒、卒後17年目の医師。日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医の指導医資格を持つ。

 「整備基準」に加え、2つの基準を追加
 他の18の基本領域については、各学会が、基幹病院から申請された専門研修プログラムの1次審査を行った。これに対し、新たに基本領域に加わった総合診療専門研修プログラムの1次審査は、日本専門医機構が担当。419の申請があり、1次審査に合格したのは360(『総合診療専門研修プログラム、1次審査通過は360』を参照)。その結果を「1次審査基準」とともに9月25日に同機構のホームページに掲載した。

 総合診療専門研修プログラムの整備基準は、7月の日本専門医機構の理事会で決定。8月9日に申請の受付開始、8月21日が受付終了の予定だったが、8月25日に延期された。

 この間、8月10日に「総合診療専門研修プログラムについては、地域医療に配慮し、1年以上の僻地等の専門研修が含まれるものを優先すること」との基準を公表。受付終了後の8月28日には「内科は、単独で 12カ月の研修が必要」との基準を追加し、必要であれば8月31日までに修正するよう求めた。

 全日本民医連は、基準が追加されたことから、「後付けで審査基準を示すのは道理に合わない、公正さを欠くものと考える」と指摘。四病協も、審査基準を明示的に事前に確認できる体制が必要だとし、1次審査基準を理事会決定した日時等を明らかにすることを求めている。

 総合診療専門医、養成は大学病院中心か
 王子生協病院は、2006年度から日本プライマリ・ケア学会の後期研修プログラムで家庭医療専門医の養成に取り組んでおり、修了者は計10人、現在研修中の専攻医も3人いる。3年で修了する通常プログラムに加え、時短勤務、当直免除、土日勤務免除を前提とし、4年修了を基本とする「女性医師復帰支援後期研修プログラム:カトレア」の2本立てで行ってきた。

 今回の申請に当たっては、プログラムを1本化、その中で4年コースを組み込む形で申請。内科:12カ月、小児科:3カ月、救急:3カ月、総合診療Ⅰ:12カ月、総合診療Ⅱ:6カ月というプログラムで、「連携病院として被災地(東日本大震災で被災した宮城県の病院)での研修6カ月、医療資源の乏しい地域(埼玉の医師不足地域の病院)での研修6カ月をそれぞれ含んでいる」(平山氏)。

 平山氏が疑問を投げかけるのは、1次審査のプロセスに加え、総合診療専門医の養成の在り方そのものだ。王子生協病院のある東京都北区は、都内でも人口の高齢化率が高い地域。病床数は159床で、一般病棟92床(10対1入院基本料75床、地域包括ケア病床17床)、回復期リハビリテーション病棟42床、緩和ケア病棟25床という体制で運営、救急搬送も受け入れる一方、在宅医療部も持つ、地域密着型の医療を提供する。

 「“地域で医師を育てる”という発想で、長年取り組んできており、総合診療専門医養成の基盤を確立してきた自負がある。地域包括ケアへの対応も求められる時代、その重要な担い手となる総合診療専門医の養成は、まさに当院のような地域密着型の医療を提供する施設で行うのがふさわしいのではないか」と平山氏は語る。

 東京都内で1次審査に合格した29プログラムのうち、大学病院のプログラムは、本院10、分院1、計11に上る。大学病院の中には、適切に連携病院と協力して総合診療専門医の養成に取り組むケースも確かにあるが、特定機能病院として高度医療の提供が求められる大学病院本院が、総合診療専門医養成の場としてふさわしいか、疑問視する声が少なくないのも確かだ。

 さらに総合診療専門研修プログラムの「1次審査基準」では、東京都など5都府県は1年以上、それ以外の地域では6カ月以上、「へき地・過疎地域、離島、被災地、医療資源の乏しい地域での研修を条件とし優先する」とされた。平山氏は「子育て中、あるいは親の介護をしているなど、何らかの事情で自宅を離れにくい医師は、総合診療専門医の研修を受けにくくなるのではないか」とも懸念している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/561741
シリーズ 真価問われる専門医改革
専攻医の1次登録、3060プログラムで10月10日開始
日本専門医機構、総合診療は「追加・辞退」で367

レポート 2017年10月6日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は10月6日の理事会で、都道府県協議会からの意見を検討、各都道府県内の専門研修プログラム自体を認めないとの意見はなかったことから、予定通り10月10日から専攻医の1次登録をスタートすることを確認した。

 19の基本領域で2次審査に合格した専門研修プログラム数は計3060。内訳は既存の18の基本領域が2693、総合診療専門医が367。9月21日の理事会後の会見で公表された1次審査合格プログラム数は3026だったが、その後、追加あるいは辞退があった。総合診療専門研修プログラムについては1次審査合格の360うち、2プログラムが辞退、一方で都道府県からの要請があり、9プログラムが追加された。

 新専門医制度では、各領域の専門研修プログラムの1次審査終了後、各都道府県協議会で協議することになっている。10月6日までに43の都道府県からその結果が日本専門医機構にフィードバックされた。残る4県についても返事待ちの状態だという。

 日本専門医機構副理事長の山下英俊氏は、「すぐに対応できる意見は、各基本領域の学会に伝えて対応してもらっている」と説明。中でも一番多かったのは、連携施設の追加要望だった。学会から対応方針についての返事をもらい次第、都道府県に対して回答する予定。

 都道府県協議会からの意見では、「制度設計そのものに関する意見も多々あった」(山下副理事長)。最も制度設計の根本に関わる意見は、研修プログラム制をやめ、研修カリキュラム制の採用を求める声だ。そのほか、専攻医の大都市集中への懸念、10月の専攻医登録開始というスケジュールの遅さ、資料提供の遅さなどに関する意見も上がった。山下副理事長は、「これでいいということはなく、新専門医制度で医師の偏在を増長することもあってはならない。まずはスタートした上で、検証しながら、フレキシビリティーを持って状況に応じて変えていきたい」と述べ、理解を求めた。

 日本専門医機構副理事長の松原謙二氏は、総合診療専門研修プログラムが追加された理由について、「都道府県から、具体的に固有名詞が出てきたプログラムに対し、修正依頼をした上で、審査基準に合格したものについて追加した」と説明した。1次審査については、その審査過程や結果について疑義が呈せられていた(『「1次審査不合格、大変遺憾」、専門医機構に説明求める』を参照)。不合格となった一部のプログラムは、都道府県を通じた日本専門医機構への働きかけにより、“復活”したことになる。なお、2次審査は、専門研修の各年次でどの施設で研修するかについてのスケジュールの提出を求め、適切に運用できるか否かという視点から行っ



https://www.m3.com/news/iryoishin/560989
シリーズ 真価問われる専門医改革
日病会長、総合診療専門研修プログラム「問題点きちんと言う」
独自の「病院総合医」はプログラム募集開始

レポート 2017年10月3日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本病院会会長の相澤孝夫氏は10月3日の定例記者会見で、日病も参加している四病院団体協議会が2日付で日本専門医機構理事長の吉村博邦氏に対して総合診療専門研修プログラムの1次審査結果についての意見書を提出したことについて、「(2018年)4月に今の形でスタートはするが、問題がある点についてはきちんと言っておかなければ、改善にはつながらない」と指摘。同プログラムは今後も改善していく必要があるとの認識を示した(『四病協、総合診療専門研修プログラムの1次審査に疑義』を参照)。

 相澤氏は、「新専門医制度は4月から始まるということで、大学にいる若い医師や病院、関係者も期待している。いろいろと手落ちがあるが、そこをいちいち突くと4月開始は無理。始まること自体は仕方がない」としながらも、総合診療専門研修プログラムに関しては、「まだ整っていない。慌てて間に合わせるようにやっている」と述べ、準備が十分でないと指摘。4月にスタートさせること自体は了解しているが、改善の必要はあることを強調した。

 日病は会見で、日本専門医機構の総合診療専門医とは別に、日病が独自に認定する「病院総合医」育成事業の育成プログラム募集開始を発表した(資料は日病のホームページ、記事は『日病独自の「病院総合医」、2018年4月から育成』を参照)。9月30日の理事会で、育成プログラム基準と、その細則を決定。認定された病院から、順次、「病院総合専修医」の登録を開始し、2018年4月から研修を開始する予定。

 研修の対象者は卒後6年目以降の医師で、研修期間は2年間。(1)多様な病態に対応できる幅広い知識や診断・治療によって包括的な医療を展開・実践できる(インテグレーションスキル)、(2)患者へ適切な初期対応を行い、専門的な処置・治療が必要な場合には、然るべき専門診療科への速やかな相談・依頼を実践できる(コンサルテーションスキル)、(3)専門科医師、薬剤師、看護師、メディカルスタッフ、その他全てのスタッフとの連携を重視し、その調整者としての役割を実践できる(コーディネーションスキル)、(4)多職種協働による患者中心のチーム医療の活動を促進・実践できる(ファシリテーションスキル)。(5)総合的な病院経営・管理の素養を身に付け、地域包括ケアシステムや日本全体の医療を考慮した病院運営を実践できる(マネジメントスキル)――という、5つのスキルを身に付けることを目標とする。

 事業担当副会長の末永裕之氏は、「当面は既に総合医としての実績を積んでいる医師が対象になってくる」と説明。その場合には病院総合指導医(臨床研修指導医講習会修了者か病院管理者)の判断で研修期間を1年間に短縮することができ、そうして認定された医師に、指導する側の役割を果たしてもらいたいとの狙いも示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/553487
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
長時間勤務、男性医師で抵抗少なめ◆Vol.1
時間外100時間超でも「適正」40%

医師調査 2017年10月1日 (日)配信水谷悠(m3.com編集部)

 社会全体で「働き方改革」の機運が高まる中、労働基準監督署による病院への是正勧告や、若い研修医の過労自殺など医療界にとっても対応を迫られる自体が次々と起こっている。
 政府が2017年3月に策定した「働き方改革実行計画」では、労使が合意した場合、特例として時間外労働は年720時間(月平均60時間)を上限とすることなどが盛り込まれているが、医師については5年間の適用猶予が決まっており、3月からの2年間を目処に議論をすることが求められている。厚生労働省や日本医師会、医療団体がそれぞれ「医師の働き方」に関する検討会を設置し、上限規制の在り方や、医師法に基づく応招義務や自己研鑽の扱いなど、各論の議論が始まっている。

 m3.com編集部では、こうした問題について、現場の病院勤務医の勤務実態やそれについての受け止め方などを尋ねた。
 調査は2017年8月8日から11日に、病院勤務医を対象に実施し、男性406人、女性100人から回答を得た。質問項目は、1カ月当たりの時間外勤務やその把握、その時間に対する感覚や、時間外労働への上限規制の是非、応招義務の是非、医師にとって何が労働に該当するか、長時間勤務対策など。

Q:「1カ月当たりの時間外労働」は何時間でしょうか。
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 男女とも概ね似たような傾向にあるが、80~100時間未満は男性が5.2%、女性が3.0%、100時間以上は男性5.4%、女性3.0%と、いわゆる「過労死ライン」とされる80時間以上は、男性の方がやや多くなっている。

 また、自身の勤務時間を把握していないとの回答が男性10.8%、女性14.0%と少なくない。研修医の過労死や労基署による指導・勧告への対応でも、勤務時間の把握は重要なポイントで、今後の議論の中でも重要な論点になっていく可能性がある。

Q:現状の勤務時間をどう感じていますか。
【男性】
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【女性】
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 時間外勤務時間の階層ごとに集計したところ、40~60時間未満からの層で男女差が現れた。40~60時間未満では、男性が「適正」と「減らしたい」が41.9%で拮抗しているのに対し、女性は「減らしたい」が2倍。また、「増えてもかまわない」が男性で4.8%だったのに対し、女性では20~40時間未満までの層にしか見られなかった。

 80時間以上の層では、回答数は少ないものの、女性は全て「減らしたい」との回答。それに対し、男性では80~100時間未満で19.0%、100時間以上ではさらに増えて40.9%も「適正」がおり、長時間勤務をいとわない姿勢がより大きく現れた。

【調査の概要】
調査期間:2017年8月8日-8月11日
対象:m3.com医師会員のうち病院勤務医
回答者数:男性406人(20代10人、30代57人、40代107人、50代155人、60代以上77人)、女性100人(20代6人、30代25人、40代37人、50代23人、60代以上9人)



https://www.m3.com/news/general/561650
かつらお診療所へ内科、小児科医派遣 田村医師会、11月再開へ
2017年10月6日 (金)配信福島民友新聞

 葛尾村と田村医師会は5日、医師派遣などに関する協定を締結した。村は医師派遣を受けて、村唯一の医療機関「かつらお診療所」での内科診療を11月に再開させる。

 かつらお診療所は村が建設し、男性医師が内科診療を担当しながら運営していた。男性医師が東日本大震災後、高齢などを理由に引退したため、医師確保が課題となっていた。

 田村、三春、小野の3市町の医療を担う田村医師会から医師が派遣される。複数の医師が各自の休診時間を活用し、交代で診療する。診療科目は内科と小児科。診療日は毎週木曜日と第2、4水曜日で受付時間は午後1時30分~同5時。村は診療所を村営にし、名称を「葛尾村診療所」に変更する。同医師会に加え、星総合病院(郡山市)が看護師派遣に協力する。

 締結式が三春町の葛尾村三春出張所で行われ、篠木弘村長と石塚尋朗会長が協定書を取り交わした。篠木村長は「医療体制の構築は村の復興に貢献する」、石塚会長は「村を応援できるよう頑張りたい」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/561637
鷹島無床化に批判、要望 新病院誘致で松浦市説明
地域 2017年10月6日 (金)配信長崎新聞

 伊万里松浦病院(佐賀県伊万里市)の移転問題で、松浦市は3日夜、新病院の誘致に向け鷹島診療所の病床をゼロにする計画について、鷹島町内で町民に説明した。出席者は「(削減病床の)受け皿を確保して」と注文を付けた上で理解を示す一方、「事前説明がなく町民をないがしろにしている」と批判の声も上げた。

 移転を巡っては、運営機構が老朽化に伴い松浦市を候補地と決定。だが同市を含む2次医療圏が病床過剰のため、機構は医療法上の特例での開院を目指している。市は移転に向け、鷹島、福島両町の診療所の無床化を含め市内で計88床を削減する計画を立てている。

 鷹島診療所は休床中の一般病床7床、介護療養病床12床があり、全19床を削減する計画。友広郁洋市長は冒頭「計画策定に当たり事前説明をしなかった。おわび申し上げたい」と陳謝した。その後、担当課長が(1)削減予定の介護療養病床は国が廃止方針を決めている(2)病床の利用者の受け皿の介護施設をつくる―などと説明した。

 これに対し、ある出席者は「計画段階でなぜ意見を求めないのか」と批判。一方で「国の方針ならば仕方ない。入院患者の理解を得てほしい」と注文も上がった。橋口忠美副市長は「(介護施設などの)受け皿は必ずつくる」と説明し、理解を求めた。

 市は診療所を無床化する福島町でも6日に説明会を開く予定。



https://www.m3.com/news/general/561037
京大病院で濃度700倍の製剤…患者が死亡
事故・訴訟 2017年10月4日 (水)配信読売新聞

 京都大医学部付属病院(京都市)は3日、通常の700倍を超す高濃度の製剤を自宅で点滴投与した60歳代の女性患者が死亡したと発表した。

 同病院は、調剤のミスを認め、女性の遺族に謝罪。京都府警と厚生労働省に届け出るとともに、院内に調査委員会を設置し、詳しい経緯などを調べる。

 発表によると、処方されたのは「セレン注製剤」。セレンは体内に欠かせない微量元素で、不足すると、免疫反応や神経系に悪影響が出るため、点滴などで投与する。血中濃度が濃くなりすぎると、内臓疾患などを引き起こすという。

 女性は同病院に外来で通っており、同製剤の処方を受けて9月26日夕に自宅で点滴。背中に痛みを覚え、翌27日朝に受診したが、数時間後に死亡した。同病院は病理解剖して死因を調べている。



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15070291125959
モルヒネ量、単位誤認 水戸済生会病院 女性死亡で謝罪
2017年10月4日(水) 茨城新聞

心臓カテーテル手術中に看護師が誤って10倍の量のモルヒネを投与して女性患者(69)が死亡した事故で、水戸済生会総合病院(水戸市双葉台)は3日、記者会見し、通常使わない量のモルヒネを医師が事前に準備し、看護師も量の単位を誤ったまま投与したと明らかにした。医師が看護師から投与量を確認されたが、聞き逃していたことも説明した。

村田実病院長は「亡くなった患者さんのご冥福をお祈りする。遺族の方々には大変な思いをさせてしまった」と謝罪した。

病院によると、カテーテル手術では通常、痛み止めのモルヒネ注射液は10ミリグラムが用意されていたが、今回は50ミリグラムが準備されていた。手術中、医師が看護師に「モルヒネ2・5ミリ」と指示したのに対し、看護師は2・5ミリリットル分と思い込み、1ミリリットルの溶液には10ミリグラムのモルヒネが含まれることから、本来の10倍に当たる25ミリグラムを注射した。

医師に看護師が「50ミリグラムの半分ですね」と確認したが、医師から返事がなかったため、そのまま投与したという。医師は聞かれた認識がないと話しているという。

モルヒネは手術前日、別の医師が多めに見積もって50ミリグラムと手配した。手術を担当した医師は通常より多く用意されていることに気付かなかった。

同病院は再発防止策として、カテーテル治療で準備するモルヒネ注射液は10ミリグラムの規格のみとするとともに、準備した量を手術の担当医も確認する。

女性患者は9月1日に入院した。心臓カテーテル手術を同14日に受け、同26日に多臓器不全などで死亡した。

同病院は事故調査委員会を設置し、事故の原因を詳しく調べることにしている。



https://mainichi.jp/articles/20171004/k00/00e/040/198000c
モルヒネ大量投与
原因は医師と看護師の伝達ミス 水戸

毎日新聞2017年10月4日 09時35分(最終更新 10月4日 10時42分)

 水戸済生会総合病院(水戸市双葉台3)で心臓のカテーテル手術を受けた女性患者(当時69歳)が大量のモルヒネを投与され、その後死亡した医療事故で、同病院は3日、記者会見を開き、医師と看護師の間での伝達ミスが原因で標準使用量の2.5~5倍を投与していたことを明らかにした。

 同病院によると、患者は9月14日、閉塞(へいそく)性肥大型心筋症の治療として、カテーテル手術を受けた。男性手術医が痛みを緩和する塩酸モルヒネの投与を女性看護師に指示する際、単位が「ミリグラム」のつもりで「モルヒネ2.5」と伝えたが、女性看護師は単位が「ミリリットル」と考え、「(事前に用意していた)50ミリグラムの半分(=2.5ミリリットル)ですね」と答え、そのまま25ミリグラムを投与した。標準使用量は5~10ミリグラムで、2人の他に医師ら8人が手術室にいたが、誤りに気が付かなかったという。

 患者は投与された後、血圧が低下して心肺停止。すぐに人工心肺を装着して、いったん蘇生したが、同月26日午後7時55分ごろ、多臓器不全で死亡した。

 村田実院長は「用意していたモルヒネの量は多く、用意した担当医の判断は適切ではなかった。それを病院もチェックできなかった」と述べた。

 病院はモルヒネの取り扱いについて規則などを新設するとともに、事故調査委員会を設置してさらに原因を調べる方針。【加藤栄】



https://www.m3.com/news/general/561046
死亡女性患者の病名訂正 モルヒネ過剰投与、水戸
2017年10月4日 (水)配信共同通信社

 水戸済生会総合病院(水戸市)に入院していた女性患者(69)が手術の際の痛み止めに塩酸モルヒネを過剰投与され死亡した問題で、同病院は3日、女性の病名を当初説明した拡張型心筋症から閉塞(へいそく)性肥大型心筋症に訂正した。

 病院によると、9月28日に報道各社から取材を受けた後、カルテなどを確認し病名の誤りが判明。手術前の診断自体は正しかったとしている。

 女性は9月14日の手術の際、塩酸モルヒネを予定の10倍の25ミリグラム投与された。心肺停止状態となり、一時回復したが、多臓器不全で同26日に死亡した。



https://www.m3.com/news/general/560902
三重県 病院事業 3年連続の黒字 一志病院の医業収益に伸び
地域 2017年10月3日 (火)配信伊勢新聞

 三重県は2日の予算決算常任委員会で、病院事業の平成28年度収支を報告した。収益から経費を差し引いた経常損益は、前年度より約3958万円多い約1億1177万円。会計基準を改正した26年度以来3年連続の黒字となった。

 黒字額が増えたのは、一志病院の医業収益が伸びたことが主な要因。国民健康保険診療所への医師の派遣件数が増えたほか、入院収益も拡大した。経常収益は前年度比7・9%増の約9億7094万円、経常損益は約8829万円の黒字となった。

 こころの医療センターは黒字を維持したが、黒字額は2431万円ほど落ち込んだ。入院診療単価や外来患者数の減少が理由。入院収益は約2442万円減の約18億2554万円。外来収益は約3億6005万円と476万円ほど減った。

 志摩病院は指定管理で運営を委託しているため、経営状況が県の決算には反映されないが、県会計の経常損益は221万円の赤字。指定管理者に交付する経営基盤強化交付金が増加したことなどが影響した。赤字幅は前年度より304万円ほど縮小した。



https://www.m3.com/news/general/560641
秋田の産婦人科、10年で8施設減 全国的な減少傾向続く2017年10月2日 (月)配信秋田魁新報

 厚生労働省は26日、2016年医療施設調査を公表した。昨年10月時点で産婦人科と産科を掲げていた全国の病院は1332施設(前年比21施設減)で、現在の形で統計を取り始めた1972年以降の過去最少を更新した。26年連続の減少で、内訳は産婦人科が1136施設、産科が196施設。小児科も前年より24施設少ない2618施設で、23年連続減となった。

 秋田県内でお産ができる医療機関は全国と同様に減少傾向にある。県によると、今年は病院15、診療所8の計23施設となり、この10年間で8施設減った。県は出生数の減少や少子化の影響に加え、就業環境の厳しさなどによる医師不足が背景にあるとみている。


  1. 2017/10/07(土) 11:53:09|
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Google Newsでみる医師不足 2017年9月30日

Google Newsでみる医師不足 2017年9月30日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース 5,530
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 16,700
First 5 in Google in English 

Indiana nurse, doctor shortage worries health care providers
WTHR‎ - PUBLISHED: SEP 29TH, 2017 - 7:35AM (EDT) (米国 インディアナ州)

INDIANAPOLIS (Statehouse File) — Indiana will need nearly 900 more doctors in the next 13 years, but getting them to come here - and stay here - feels nearly impossible for some healthcare professionals. “I have positions open daily and I could fill those positions today and they’d be reopened by the end of the week,” said Vince McCowan of Magnolia Health Systems. “I’m running job fairs, hosting job fairs, I’m raising wages, and it isn’t working.”



How Trump's Move To End DACA May Worsen The Doctor Shortage
Forbes‎ -SEP 5, 2017 @ 04:26 PM (米国)

A decision by President Donald Trump to end the Deferred Action for Childhood Arrivals (DACA) program could exacerbate the U.S. doctor shortage and hurt patient care for thousands of Americans. There are hundreds of nurses, health-care workers, medical students and doctors-in-training with DACA status. That was put in jeopardy Tuesday when Trump ordered an end to the Obama-era program, which shields an estimated 800,000 young undocumented immigrants from being deported. The Trump White House is asking Congress to replace DACA with legislation before his administration begins to dismantle the program in six months.



University Study Finds Hawaii's Doctor Shortage Worsening
U.S. News & World Report‎ -Sept. 26, 2017, at 9:38 a.m. (米国ハワイ州)

A University of Hawaii assessment has found that the state's doctor shortage is worsening, except on the island of, a University of Hawaii assessment found.

The total shortage has grown to 769, compared with 707 in 2016, The Honolulu Star-Advertiser reported (http://bit.ly/2fvQaaW ) Monday.

The university's Physician Workforce Assessment found Oahu needs 381 physicians, up from 339 last year, while the Big Island is short 196 providers, compared with the 183 needed last year. Maui County has a deficit of 139, up from 125, while Kauai needs 53 doctors, down from 62.

Primary care providers are the largest group in short supply, followed by infectious disease specialists on Oahu and Kauai, colorectal surgeons on the Big Island and geriatric doctors in Maui County.



Tiber Health wants to solve the world's doctor shortage
TechCrunch‎ - Sep 14, 2017 (米国)
“These updated projections confirm that the physician shortage is real, it's significant, and the nation must begin to train more doctors now if patients are going to be able to receive the care they need when they need it in the near future,” said AAMC President and CEO Darrell G. Kirch, MD, in a statement when the initial study was released in 2016.



Editorial: Teamwork helps address Elko's doctor shortage
Elko Daily Free Press‎ - Sep 26, 2017 (米国ネバダ州)

The University of Nevada's Rural Family Medicine Residency Program will bring two medical residents to Elko beginning next summer to help address the shortage of primary-care doctors who accept patients enrolled in the government programs.



(他に10位以内のニュースは、全米、米国・ミシシッピ州、カナダ、カナダ・アルバータ州、ブリチッシュコロンビア州、からも)


  1. 2017/09/30(土) 09:18:10|
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9月30日 

https://www.m3.com/news/general/560223
天使病院、分娩受け付け再開へ 医師大半が退職撤回
地域 2017年9月29日 (金)配信北海道新聞

 6月から新規の分娩(ぶんべん)予約を中止していた札幌市東区の天使病院(藤井ひとみ院長、260床)が、10月2日から予約受け付けを再開する。退職の意思を示していた産婦人科医の大半が、引き続き天使病院での勤務を決めたため。ただ、医師数が4人減ることから、分娩数などの医療体制は一部縮小する。

 天使病院によると、退職の意思を示していた産婦人科医4人のうち、3人は継続して勤務する。医師数は退職や異動で減少し、従来の10人から6人となる。

 新規の分娩予約受け付けとともに、外来診療や分娩も再開する。婦人科は良性疾患の診療から受け付ける。医師数の減少により、出産時の痛みを和らげる「和痛分娩」は当面休止。年間約千件を扱ってきた出産は、半数程度に制限される見通し。



https://www.m3.com/news/iryoishin/560030
真価問われる専門医改革
総合診療専門研修プログラム「1次審査基準」、都市集中回避が狙い - 松原謙二・日本専門医機構副理事長に聞く
専攻医の2次募集、1次募集と異なる方法の可能性も

インタビュー 2017年9月28日 (木)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2018年度から開始予定の新専門医制度。1年延期された間、さまざまな制度設計の変更を経たものの、10月10日から専攻医の1次登録が始まる。
 新専門医制度の特徴の一つが、基本領域に総合診療専門医が加わったこと。総合診療専門研修プログラムの1次審査は9月20日に終了したが、一部現場からはその審査の在り方に疑義が挙がっている。総合診療専門医の準備を担当した日本専門医機構副理事長の松原謙二氏(日本医師会副会長)に、総合診療専門研修プログラムの審査のほか、新専門医制度の今後の見通しなどを聞いた(2017年9月27日にインタビュー)。

――新専門医制度については、都道府県協議会での協議の結果を9月29日までに集約し、10月10日の登録開始に向けて2次審査などの準備を進める予定です。残る何らかの懸念はあるのでしょうか。

 都道府県協議会とも連絡を取りながらやっており、幾つかの意見は挙がっていますが、それほど大きな課題はありません。あとは粛々と進めるだけです。専攻医の登録システムも、何回もテストしており、大丈夫でしょう。

――19領域で専門研修プログラムは計3026ですが、募集定員の総数は何人でしょうか。新専門医制度に対しては「大学中心」「都市部中心」などの懸念が依然としてあります。

 正確な総数は今手元にありません。実際にどのくらいの専攻医が登録するかによりますが、都市部に集まらないようにお願いして、そのように各学会に準備をしていただいています。

――初期臨床研修マッチングでは、募集定員が応募者数よりも多いと偏在が起きやすいために、都市部の募集定員を制限してきました。その辺りの調整は。

 都市部への専攻医の偏在は、恐らく起きないと思いますが、もし起きそうになれば私どもで調整します。

――その調整は、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)に限られる。

 5都府県以外については、道府県内の偏りの問題なので、各道府県で対応してもらうことになります。

――次に総合診療専門医についてお聞きします。9月20日に1次審査が終了し、9月25日に1次審査に合格した研修プログラムと、7項目の「1次審査基準」が公表されました(『総合診療専門研修プログラム、1次審査通過は360』を参照)。

 基準を設けないと、都市部に専攻医が集まってしまう懸念があります。それを避けるためにどうすればいいかを検討し、理事会で決定しました。

――現場の先生方にお聞きすると、8月10日に発表された「総合診療専門研修プログラムについて(お願い)」で、「総合診療専門研修プログラムについては、地域医療に配慮し、さらに1年以上のへき地等の専門研修が含まれるものを優先すること」とされたものの、「1次審査基準」による審査に対しては、「後出し」との指摘もあります。「総合診療専門研修プログラム整備基準」が基本ではないのでしょうか。

 整備基準が基本ですが、それに加えて理事会で「1次審査基準」を決定したわけです。整備基準の「10.他に、自領域のプログラムにおいて必要なこと」として、「今後とも、理事会の決定により変更することがあります」と記載しています。

 「1次審査基準」のうち、重要なのは二つ。一つは8月10日の「お願い」で示した「1年以上のへき地等の研修」。ただ基準をクリアするのが難しかったプログラムもあり、5都府県以外は6カ月以上に緩和しました。もう一つが「単独で内科は12カ月以上」という基準。これは日本内科学会からの要望に基づくもので、8月28日に「重要なお知らせ」として「総合診療専門研修プログラム申請の受付終了と内科研修についての確認のお願い」を出しています。

――他の18の基本領域の専門研修プログラムについては各学会が1次審査を実施しましたが、総合診療専門医については、誰が審査を担当されたのでしょうか。

 理事会で決めた「1次審査基準」に基づき、その基準に合致しているかどうかを事務的に事務局が確認、私も全てチェックしました。

――学会などは関与しなかったのでしょうか。

 日本プライマリ・ケア連合学会や国診協(全国国民健康保険診療施設協議会)など、主たる関係者に意見をお聞きしましたが、実際の作業は事務局が担当しました。その結果を踏まえ、運営委員会、基本問題検討委員会、理事会にそれぞれ諮り、最終的に決定しています。

 ただ、(8月の)「お願い」や「重要なお知らせ」を見て、多くのプログラムは修正されてきましたが、大学病院の中には、内科研修やへき地研修を考慮していないプログラムが幾つかありました。理事会決定に基づき、「地域において重要な役割を果たしている大学病院、基幹病院については、できる限り連絡を取り、必要に応じて修正をしてもらう」という対応をしました。大学病院については、基準を満たしていなかったところには全て連絡でき、そのほか地域医療を担っている基幹病院にも幾つか連絡を取りました。

――相当数のプログラムが1次審査に不合格となりました。「1次審査基準」を満たしてもなお、不合格となったプログラムはあるのでしょうか。

 「1次審査基準」を満たしていれば、全て合格しています。419のプログラムの申請があり、1次審査に合格したのは360。(不合格となったのは)多くは東京と大阪のプログラムです。今回、基準を満たさなかった施設は、もう一度、よく基準を見ていただいて、また来年度、申請をしていただければと思います。

――改めてお聞きしますが、大学病院などでも養成するとのことですが、そもそも総合診療専門医とはどんな役割を担う医師とお考えになっているのでしょうか。

 多科の領域にわたって診療できる医師です。その養成には、へき地等での研修が必要であり、その研修をプログラムに組み込んでいただいたわけです。

――へき地等で指導医の確保はできるのでしょうか。

 国診協にはベテランの先生方が多く、多科にわたって診療し、在宅医療もされています。

――へき地等での研修は、主に国診協での研修を想定されているのでしょうか。

 国は、そうした地域に医師が十分にいないために困っているわけです。

――しかし、東京など都市部でも地域医療は行われています。

 東京や大阪などで、地域医療を担っているのは、内科や外科をはじめ、専門医資格を取得して開業し、在宅医療などもやっておられる先生です。

――都市部では総合診療専門医はあまり必要ないのでしょうか。

 もちろん、かかりつけ医機能を持っている先生方が、一人で診ることができる範囲は一人で診ます。一方で、例えば褥瘡については、皮膚科の先生と組む。膀胱炎を起こす患者さんがいれば、泌尿器科の先生と組む。都市部では、他科の先生方とチームを組むことは容易です。

――総合診療専門医には、どの程度の応募があるとお考えでしょうか。

 それは専攻医の先生方次第ですが、「地域枠」の卒業生は今後、 1000人を超えてきます。これらの先生方が専門医資格を取得できるように、しかも多科にわたって診察できるようにすることが、(地域枠の)もともとの趣旨でしょう。

――「地域枠」の先生方は、やはり総合診療専門医を目指してもらいたいのでしょうか。

 内科や外科の専門医、あるいは総合診療専門医など、希望する専門医を選ぶことは可能ですが、義務年限の縛りがあり、その過程で医師を必要としている地域で研修する必要があります。国診協の診療所、あるいはへき地の町立、村立診療所などに指導医がおられるのであれば、そうした施設でぜひ研修をしていただきたい。「単独で内科は12カ月以上」の期間は、「J-OSLER」(専攻医登録評価システム)が使えるので、総合診療専門医のほか、内科専門医も目指すことができます。内科専門医では、連動プログラムも持っているので、サブスペシャルティ専門医資格の取得も容易になるでしょう。

――最後に19領域全般について、1次募集後の今後の予定についてお伺いします。

 2次応募をどうするかが課題です。1次応募が終了した時点で、都市部に空き枠が多ければ、都市部に集中する懸念があるからです。今議論していますが、2次募集は、1次募集と同じ方法で実施するとは限らないかもしれません。

 さらにサブスペシャルティについても議論を始めています。2018年春までには結論を出し、整備基準も作りたいと考えています。ほぼ内科系などは固まっていますが、内視鏡など技術認定制度の扱いなどの課題が残っています。

――先生ご自身は2016年7月から日本専門医機構の副理事長を務められています。新専門医制度が始まれば、専門医の質は向上するとお考えでしょうか。

 より良い専門医ができると考えています。例えば内科領域では「J-OSLER」を導入するなど、各領域で、各基幹病院の専門研修プログラムの責任者が責任を持って、「どこでどんな研修をしたか」を管理するようになるからです。専攻医等のデータをどのように活用するかは今後の議論ですが、専攻医には特定の地域や領域に強制的に行ってもらうのではなく、あくまで専攻医自身が研修を希望する領域や地域を選べるようにしていきます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/559869
臨床研修制度の見直し
マッチング、地域枠学生に「0次募集」枠を
厚労省医師臨床研修部会、「地域枠」義務違反の病院に罰則

2017年9月28日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・東京大学名誉教授)が9月27日に開催され、初期臨床研修マッチングにおいて地域枠学生に別枠を設けることなどが提案された。地域枠学生の義務違反を知りながら採用する病院に対して罰則を課すこともと決まった(資料は、厚労省のホームページ)。

 9月13日に開催された厚労省の医師需給分科会では、臨床研修修了後に出身県で勤務する割合は、大学、臨床研修も出身県である場合は90%であるのに対し、大学は出身県でも臨床研修が他県だと36%にまで下がることなどが示され、「臨床研修制度については、都道府県が管内の臨床研修病院の指定・定員設定に主体的に関わる仕組み」などを構築することが求められた(『勤務医・開業医の地域別の多寡、「指標」で見える化』を参照)。

 同分科会での議論は2017年中に方向性を示すことが求められており、事務局の厚労省はこの日、マッチングについて▽地域枠学生向けに別枠の選考を実施する▽募集定員の倍率を2020年度までに応募者数の約1.1倍に縮小することが決まっているが、さらに1.05倍などに縮小幅を拡大する▽都道府県の「調整枠」を拡大するなど、指定・募集定員設定への関与を拡大する――ことなどを提案。大筋で合意された。詳しい制度などを次回以降に提示するとしている。

地域枠学生に「0次募集」枠を
 現在は地域枠学生が一般の学生と同時にマッチングを実施するため、診療義務が課せられた地域での希望病院にマッチできない可能性が指摘されている。事務局によると、現状で問題が生じているケースは少ないとみられるが、今後、地域枠の卒業生がさらに増加する一方で、募集定員が減少していくため、アンマッチの可能性が高まることが予想される。

 事務局の素案としては「0次募集」として、各病院に地域枠学生用の枠を一定数設けるようにすることを想定。その上で、現行の1次、2次募集を行う。「0次募集」の枠は地域枠学生の総数よりは小さくし、地域枠以外の学生に不利益が生じることがないように配慮する。

募集定員をさらに縮小へ
 人口当たりの医師数や採用数の多い4都府県では平均採用率が90%であるのに対し、医師数が少ない4県では平均採用率は50%にとどまり、研修医確保の段階で格差が生じている。格差是正のため、研修医の募集定員については2010年度から上限を設定しており、2008年度の1.35倍をピークに、2020年度までに約1.1倍にまで縮小することが決まっている。大都市部(6都府県)の採用割合は2003年度の51.3%から2015年度の43.6%に低下しているが、今後は横ばいで推移することが見込まれるため、事務局は募集定員をさらに圧縮することを提案している。

 事務局の推計では募集定員を1.05倍にした場合では、2025年度では京都府のみで2017年度マッチング内定者数より募集定員上限が下回る。1.00倍では、東京都、大阪府、福岡県、京都府で下回ることになる。事務局は1.05倍を軸に、地理的条件などを加味した計算方法を次回以降に提案する方針。都道府県ごとの募集定員は厚労省が決めるが、都道府県内での臨床研修病院の指定・定員設定に都道府県が主体的に関われるようにする仕組みも導入する。

 委員からは「若い先生には腕を上げてほしい。適正配置のためにがちがちに決めるのもつらいかと思う」「人気の病院は研修内容を工夫しているから」「地域枠以外の学生が最優先されるべき。地域枠は余ったところに行くようにするのはいかがか」「地域枠の学生がマッチングを悪用することがある」「臨床と研究の医師を分けて考えないと、あまりにもかわいそう」などの意見が出た。桐野部会長は「裏技が通用するようなシステムは良いシステムではない。厚労省として、もう一工夫して提案してほしい」とまとめた。

「地域枠」義務違反の病院に罰則
 地域枠学生の採用をめぐっては、指定地域外の病院で初期臨床研修を行う問題が指摘されている(『「地域枠」義務違反の病院に罰則を検討、臨床研修部会』を参照)。前回の医師臨床研修部会の議論を踏まえて、厚労省は7月31日付けで、臨床研修病院に地域枠学生かどうかを確認し、義務違反に当たる場合は希望順位登録を行わないようにすることを求める通知を発出している。厚労省は全国の地域枠学生のリストを作成し、各病院に情報提供した。今回は700-800人程度だったが、最終的には2000人程度にまでなるという。

 この日の部会では病院に対する罰則の在り方について議論した。事務局は「臨床研修病院が、従事要件等に反する研修医を採用している場合、制度から逸脱した程度に応じて、当該病院に対する臨床研修費補助金を減額する(当該病院の募集定員の削減も含む)こととする。なお、減額を開始する時期については、十分な周知期間を取り、2019年度とする」という案を提示。委員からは補助金減額ではなく、募集定員削減の方が効果があるとの指摘が出たが、大筋合意に至った。

 また、一部の委員からは義務に反した地域枠学生に対しての罰則を求める声も相次いだ。厚労省が作成を進める医師データベースなどで、履歴として残るようにすることなどが提案されたが、同省医政局医事課長の武井貞治氏は「公的な不利益処分には法的な裏付けが必要。2、3年運用して、実績を見て検討するのはいかがか」と引き取った。

 「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」が話し合っている新たな到達目標・評価について、ワーキング座長の福井次矢氏が説明。現状までの議論について大筋合意した(『初期研修、7診療科必修化に?厚労省WGが議論本格化』を参照)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/560100
「地域医療を守る病院協議会」が発足
全自病など5団体、診療報酬などの提言目指す

レポート 2017年9月28日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会、JA全厚連、日本慢性期医療協会、全国国民健康保険診療施設協議会、地域包括ケア病棟協会の5団体が9月28日に都内で記者会見し、「地域医療を守る病院協議会」を同日発足したことを発表した。

 診療報酬や、医師偏在対策、岩手県知事の達増拓也氏が提唱している「地域医療基本法」などについて、国への提言などを行う。全自病会長の邉見公雄氏は「今はどんどん都市に人が集まっている。地域に重点を置いている団体に呼びかけ、地方を守る、地域を守る医療団体の設立を準備してきた」と設立の狙いを述べた。

 10月の次回会議以降、各団体の意見を取りまとめ、厚生労働省に要望や提言を提出する方針。なお、JCHO(地域医療機能推進機構)がオブザーバーとして参加する(地域医療基本法については、岩手県のホームページ)。

記者会見での各団体の発言の概要は次の通り。

全自病会長・邉見氏:今日の会議では、「診療報酬改定に関して医療資源の少ない所に、算定要件や施設基準を緩和してほしい。地域包括ケア支援病院など、小さい病院にも設定してほしい。また、在宅医療では、訪問薬剤指導や訪問栄養指導が大事になってくる。そういう所も付けてほしい」といった意見が出た。

JA全厚連会長・雨宮勇氏:全厚連はほとんどの会員病院が地域、農村部にあり、その市町村唯一の病院という所も19施設ある。医師がいなければ病院は成り立たないのだから、地域偏在は喫緊の課題であり、地域が疲弊しないよう、取り組んでいきたい。

日慢協常任理事・桑名斉氏:地域包括ケアでは、システムづくりも大事だが、その前に地域の文化があり、地域でどのような医療やケアが求められるかを考え、どのような機能や医師が必要かとを考えていく必要がある。圧倒的な問題は、医師偏在と、医療従事者の人材不足だ。

地域包括ケア病棟協会会長・仲井培雄氏:地域包括ケアシステム、地域医療構想の中で、質を担保しながら効率化も進めなければいけない。町づくりと一緒、地域のさまざまなプレーヤーと一緒に構築していく必要がある。この協議会に参加した目的は、地域包括ケア病棟を持つ病院がいかに持続可能性を追求していけるか、医師を確保していけるかを考えたからだ。

国診協会長・押淵徹氏:保険料や税を払っていても満足に医療を受けられない地域がある。疲弊し、人口減少が進み、人手のない地域をどうやって支えるかが目標だ。医師や医療に関わるスタッフの地域偏在是正を掲げて参加した。



http://www.medwatch.jp/?p=15995
「地方に焦点」を合わせた診療報酬改定、医師偏在対策などが必要—地域医療守る病院協議会
2017年9月28日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 同規模・同設立主体であっても、人口が多く近隣に病院が多い地域の病院と、過疎地で当該施設しかないような地域の病院とでは状況が全く異なっている。今後、「地方」に焦点を合わせた診療報酬改定、医師の地域偏在対策、働き方改革などについて国(厚生労働省)に働きかけていく—。

 全国自治体病院協議会(1100施設)・全国厚生農業協同組合連合会(174施設)・全国国民健康保険診療施設協議会(815施設)・日本慢性期医療協会(約1100施設)・地域包括ケア病棟協会(441施設)の5団体からなる「地域医療を守る病院協議会」が9月28日に発足。同日の記者会見で全自病の邉見公雄会長はこのような考えを強調しました(カッコ内は各団体の会員数、重複もある)。

全自病やJA厚生連、日慢協など地域に重点を置く5団体で協議会を組織

 病院は設立母体や規模などに応じて団体を組織し、医療政策に関する提言や独自の勉強会・研修会などを行っています。さらに、例えば「診療報酬改定については全国公私病院連盟や国立大学附属病院長会議、日本病院会、全日本病院協会など14の病院団体で構成される日本病院団体協議会」を創設するなど、病院団体同士の協議体組織による活動も行っています。

そうした中で、全自病の邉見会長の呼びかけにより、新たな『地域医療を守る病院協議会』が発足しました。全自病の邉見会長は、「地方では、もともと人が少ないが、さらに都市部に出ていき、地域社会が崩壊していっている。少なくとも医療と教育を充実しなければいけない。地域に重点を置く5団体が『どうにかしなければならない』と考え、協議会を立ち上げることになった」と説明しています。

協議会では、▼2018年度診療報酬改定▼医師偏在対策▼働き方改革—などについて議論し、意見をとりまとめて厚労省に働きかけていく考えです。

例えば2018年度改定に向けては、▼医療資源の少ない地域における算定要件や施設基準のさらなる緩和▼地域包括ケアシステムを支援する医療機関の評価充実▼在宅における歯科・薬剤指導・栄養指導などの評価充実▼過疎地における訪問診療などの評価充実(例えば北海道では移動だけで丸1日かかってしまう)―といった意見が出ているようです。

また医師偏在対策については、「都道府県が努力しなければいけないのはもちろんだが、都道府県だけではどうにもできない部分がある」(全自病の邉見会長)ため、すでに厚労省医政局の武田俊彦局長らに「国が大きな対策をとる」よう要望していることが全自病の邉見会長から明らかにされました。

働き方改革についても、比較的マンパワーの充実する都市部と、圧倒的な人手不足状態にある地方部では異なる取り組みが必要と考えられます。

   

https://www.m3.com/news/iryoishin/559831
四病協、「へき地対応できないのでは」
新専門医制度の総合診療専門研修プログラム

レポート 2017年9月27日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 四病院団体協議会は9月27日の総合部会で、新専門医制度や医師の働き方改革などについて議論した。日本専門医機構が、新専門医制度の総合診療専門研修プログラムの1次審査結果を発表した9月25日に、へき地・過疎地域、離島、被災地、医療資源の乏しい地域での研修を条件とすることを発表したことについて、全日本病院協会会長の猪口雄二氏は「急に、いきなり決まっていた。そういうところがない地域では、プログラムが組めないのではないかという意見が出た」と明らかにした(一次審査基準は同機構のホームページ、関連記事は、『総合診療専門研修プログラム、1次審査通過は360』を参照)。

 同機構は、7月7日の理事会で決定した「総合診療専門研修プログラム整備基準」で「へき地・離島、被災地、医療資源の乏しい地域での1年以上の研修が望ましい」とし、8月10日には「お願い」として「総合診療専門研修プログラムについては、地域医療に配慮し、さらに1年以上のへき地等の専門研修が含まれるものを優先すること」とする文書を公表。しかし、「条件」とすることを発表したのは1次審査結果の発表と同日だった。

 猪口氏は、「例えば、東京都にはまだ離島があるが、大阪府は全くないと聞いている。ないから、どこに行かせたらいいかが分からない。プログラムに応募する病院にとっても、(参加するのは)自分のところの医師。いきなりへき地と言われても、プログラムとして対応できないのではないか」と懸念を示した。

医師の働き方、議論沸騰
 9月21日に開かれた、厚生労働省の第2回「医師の働き方改革に関する検討会」についても総合部会で議題になり、「議論が沸騰した」(猪口氏)。

 「勤務医は労働基準法の労働者に当たることは争う余地がない」などの見解が検討会の岩村正彦座長により示され、これを前提に議論が進む見通しとなったことについて、猪口氏は「四病協としては現場の地域の医療をどう守るかの議論が大切」と指摘。医師の時間外勤務の規制が厳しくなった場合に、「救急医療が行えなくなる」、「地域の医療が守れなくなる」、「産科で十分に夜間の対応ができなくなる」、「精神科で指定医の夜間の勤務がなければ措置入院などができない」など多くの意見が交わされた(関連記事は、『「医師は労働者」は自明、「高プロ」も対象外』を参照)。猪口氏は「厚労省の検討会とは別に四病協としても意見を言うべき。四病協の病院医師の働き方検討委員会で議論していきたい」と述べた。同委員会は9月29日に会議を開く予定。



https://www.m3.com/news/iryoishin/559867
真価問われる専門医改革
総合診療専門研修プログラム審査、「公正さを欠く」
全日本民医連、専門医機構に緊急要望

レポート 2017年9月28日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 全日本民主医療連合は9月27日、日本専門医機構理事長の吉村博邦氏宛に、「総合診療領域のプログラム一次審査の結果をうけての意見と緊急要望」を提出した。総合診療専門研修プログラムの1次審査に現場から疑義が寄せられているとし、「『選抜的』審査であるかどうかについてはあらかじめ明示されておらず、事前に出された整備指針以外に、後付けの審査基準を示すのは道理に合わない、公正さを欠く」などと問題視する内容だ。

 審査に通らなかった理由について、各プログラム責任者に文書で示すとともに、総合診療専門研修プログラム整備基準を満たしているものの、1次審査基準に照らして不十分とされるプログラムには修正を助言し、それに応じるならば1次審査通過と同じ扱いとすることなどを求めている(資料は、全日本民医連のホームページ)。

 総合診療専門研修プログラムは9月20日に終了、その結果が9月25日に日本専門医機構のホームページに、「理事会決定に基づく1次審査基準」とともに掲載された(『総合診療専門研修プログラム、1次審査通過は360』を参照)。全日本民医連に加盟する事業所では、16のプログラムが不通過と判定されたという。意見・緊急要望の内容は、以下の通り。

「総合診療領域のプログラム一次審査の結果をうけての意見と緊急要望」(全日本民医連、2017年9月27日)
1.審査手続きに関する意見
1)1次審査結果の公表時(2017年9月25日)に「理事会決定に基づく1次審査基準(以下、「1次審査基準」)が同時に公表されました。「選抜的」審査であるかどうかについてはあらかじめ明示されておらず、事前に出された整備指針以外に後付けで「審査基準」を示すのは道理に合わない、公正さを欠くものと考えます。
2)1次審査基準の中の「2.地域医療に配慮するため、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡においては12カ月以上、 他の都道府県においては6カ月以上のへき地・過疎地域、離島、被災地、医療資源の乏しい地域での研修を条件とし優先する」は本年 8月 10日付の「総合診療プログラムについて(お願い)」(以下、「お願い」)にその根拠を求める意向と推察しますが、「お願い」の文章からは、この事項が「必須条件」であるとは読み取れません。不通過のプログラムがこの点で問題になったのだとしたら、現場としては到底納得できるものではないと考えます。

2.審査およびその手順の公正さを確保するための緊急要望
1)不通過のプログラム全ての判定理由を、各プログラム責任者に対して文書で知らせていただくよう要望いたします。
2)整備指針を満たしていて、しかし1次審査基準に照らして不十分とされるプログラムには修正を助言し、それに応じるならば一次審査通過と同じ扱いとしてください。
3)都道府県協議会に対して、1次審査で不通過とされたプログラムでも、2)で修正に応じるものは検討対象となるように、情報提供してください。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558771
医師の働き方改革とキャリア
大学医師、長時間労働の原因は「診療外業務」
厚労省、「10万人調査」を対象絞り分析

レポート 2017年9月25日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は、9月21日の第2回「医師の働き方改革に関する検討会」に、2016年12月に実施した「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」のデータを病院の常勤医師に絞って分析した結果を提示、大学病院勤務では週当たりの勤務時間が長いものの、内訳を見ると、診療以外の業務時間や待機の時間が長い一方、診療時間が短いことが分かった。診療以外にも、教育や研究などに時間を割かれている実態が浮き彫りになっている。

 そのほか、週当たり60時間以上勤務する病院常勤医師の割合は、最も高い産婦人科で53.3%、最小の精神科では27.5%であり、診療科による相違が大きいことも明らかになっている(資料は厚労省のホームページ)。

 この調査は厚生労働科学特別研究班が実施、「診療時間」、「診療外時間」、「待機時間」、「勤務時間」をそれぞれ次のように定義している。

  診療時間: 外来診療、入院診療、在宅診療に従事した時間。
  診療外時間: 教育、研究・自己研修、会議・管理業務等に従事した時間。
  待機時間: 当直の時間(通常の勤務時間とは別に、院内に待機して応急患者に対して診療等の対応を行う時間。実際に患者に対して診療等の対応を行った時間は診療時間にあたる)のうち診療時間及び診療外時間以外の時間。
  勤務時間: 診療時間、診療外時間、待機時間の合計(オンコールの待機時間は勤務時間から除外)。

大学病院は「診療外」が長い
 救急病院を「救急指定病院、2次救急医療施設、救命救急センター(3次)」、大学病院を「施設名に『大学』の文字が含まれる病院」として常勤医師の週当たり勤務時間を見ると、勤務時間全体では、病院平均57時間10分、救急病院59時間4分に対して、大学病院は63時間44分と長い。内訳を見ると、診療外時間は、大学病院が17時間27分で、救急病院の13時間11分、病院平均10時間46分に対して長く、逆に診療時間は大学病院が40時間18分で、救急病院の40時間57分、病院平均41時間24分より短くなっている。

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(2017年9月21日「第2回医師の働き方改革に関する検討会」資料)

勤務時間増加で、待機の割合増加
 週当たりの勤務時間が40時間以上の病院常勤医師の勤務時間の内訳では、時間が長くなるほど診療、診療外、待機のいずれの時間も長くなる。割合を見ると、「40~50時間未満」の層で待機時間が2%なのに対し、「80時間以上」では18%となっており、勤務が長時間になるにしたがい、待機時間の割合が高くなることが分かる。

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(2017年9月21日「第2回医師の働き方改革に関する検討会」資料)

 診療科別に見ると、最多は産婦人科の61時間42分。臨床研修医の60時間56分をはさみ、外科系60時間18分、救急科60時間16分と続く。診療外と待機を合わせた時間は、最多の救急科では19時間6分(同31.7%)に上り、診療以外にも多くの時間を割いていることが分かる。一方、最少の放射線科では10時間16分(勤務時間に占める割合は19.3%)。

 週当たり60時間以上勤務する病院常勤医師の割合は、最も高い産婦人科で53.3%、最小の精神科で27.5%と2倍以上の開きがある。産婦人科以外では臨床研修医が48.0%、救急科が47.5%、外科系が46.6%と高い。

 年代別と男女別に勤務時間が週60時間以上の病院常勤医師の割合を見ると、20代から70代以上まで全ての年代で、男性の方が高い。20代と60代以上では男女差は比較的小さいが、30代では男性56.9%に対し女性27.9%、40代で男性49.8%に対し女性22.5%と大きな差があり、その後、年代が上がるにつれて差は縮小する。

 男女別と子どもの有無で年代ごとに週当たりの勤務時間を見た場合、「女性子どもあり」では20代から40代までで40時間強で推移。他の「女性子どもなし」、「男性子どもなし」、「男性子どもあり」の同じ年代では約60時間となっているのに比べて大幅に少ない。「女性子どもあり」では50代以降勤務時間が増加するが、その他の層では年代とともに勤務時間が減少する。

 全ての年代で都市部は長時間
 都市部(東京23区、政令指定都市、県庁所在地)と地方部(都市部以外)に分けて年代別の週当たり勤務時間を見ると、20代から60代まで全ての年代で、都市部の方が勤務時間が長い。また、都市部、地方部とも、年代が上がるにつれて勤務時間は短くなる。

 月当たりの当直回数は、0回が46%。当直をした医師の中では1~4回が42%で最も多く、5~8回が10%、9回以上が2%だった。当直回数別の週当たりの勤務時間を見ると、回数が増えるほど長くなることに加え、待機時間の占める割合が高い。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558811
シリーズ 臨床研修制度の見直し
初期研修、7診療科必修化に?厚労省WGが議論本格化
レポートの「意義」巡って議論

レポート 2017年9月22日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の「第15回医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」(座長:福井次矢・聖路加国際病院長)が9月21日に開催され、臨床研修のローテーションについての議論を始めた(資料は、厚労省のホームページ)。構成員の多くは7診療科に戻すべきという意見が多かったが、来年3月を目処に議論を重ねていく(前回の議論は『臨床研修、必須29症候、25疾病を提案』を参照)。

 ローテーションで回るべき診療科・分野の配分を巡っては、2004年度の開始時は7診療科が必修となっていたが、その後の見直しで、現在は内科(6カ月以上)、救急科(3月カ月以上)、地域医療(1カ月以上)の3科目のみが必修となっている。外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科は、選択必修として5科目のうち2科目を選択する。

 岡山県精神科医療センター理事長の中島豊爾氏は、「選択必修という言葉がおかしい。7診療科を必修にすべき」、また精神科については「急性期を診ることが重要。一番の理由は時間の経過を見ないと分からないことがある。慢性期を見ても科のネガティブな側面を診ることにある。救急ではワンポイント。どうしても病棟(研修)が必要だろう」と指摘した。岩手県立中央病院医療研修部長の高橋弘明氏も、「うちの病院は7診療科を必修にしている。プライマリケアを身に付けるには、欠けるのはあり得ないという考え」と説明。美郷町地域包括医療局総院長の金丸吉昌氏も、「もともとの姿に戻ることが大事ではないか」と述べた。

 これに対し、全国医学部長病院長会議卒後臨床研修検討WG委員で東京医科歯科大学理事の田中雄二郎氏は、「7診療科時代から責任者をやっていた経験として、5科目になっても、EPOC(オンライン卒後臨床研修評価システム)レベルの分析では、経験症例はそれほど変わっていない」と指摘。制度開始当時と変わって、卒前の参加型臨床実習も充実してきているとして、「7科目に戻す場合はマイナス面を考えた方がいいのでは」と述べた。

 岡山大学大学院医歯薬総合研究科地域医療人材育成講座教授の片岡仁美氏も、7科目必修に否定的意見として「学生実習の延長ではないか」、「興味がないのに無理やりやらなくてはいけない」、「細切れになる」などがあると紹介。一方で、医師として「専門分野だけでなくこれまでよりジェネラルに、と求められている」とも指摘。岡山大学病院では柔軟性の高いカリキュラムになっているが、多くの診療科を選択する研修医も多いという。「結果的に7科目必修と変わらなくても、自分で選んで自分で意味を見いだすことに意義がある」としてローテーションする意義を「腑に落ちるように」説明すべきと述べた。

レポートの「意義」巡って議論
 臨床研修におけるレポートの意義づけについても意見が分かれた。愛知医科大学医学教育センター長の伴信太郎氏は、「学生実習の延長になってしまう。実際のプラクティスに入っていない」として反対を表明。福井氏も「僕自身も違和感を持っている」として否定的見解を示した。

 一方、田中氏は「症候について鑑別診断をまとめたものを、いくつか出してもらうのは意味がある」、東京慈恵会医科大学内科准教授の古谷伸之氏は、「疾病レポートは退院時サマリーで十分だが、症候についての分析は研修医によって稚拙なものが多い。退院時サマリーで済まない人が多い」と指摘した。聖マリアンナ医科大学医学部医学教育文化部門教授の伊野美幸氏も、「年に2回はレポートを出してもらっている。何を学んだか、研修医の成長が見られる」と述べた。

「臨床以外の道を決断できるように支援することも大切」
 この日は研修評価表についても議論。中島氏は「評価するに当たっては99%通すのではなく、将来、臨床医としてふさわしいかどうか、ここに最大の力点がある。まずい場合は落とさないといけない。臨床以外の道を早いうちに決断できるように支援することが大切だと思う」と強調した。

 「医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)」を見る評価表では、「心配」「ふつう」「安心」の3段階となっていることに対して、より良い言葉がないかと議論になった。

【訂正】
第2段落で「4科目のうち2科目を選択する」とあったのを「5科目のうち2科目を選択する」に修正しました。



https://www.cbnews.jp/news/entry/2017092709272100
医療計画、地域包括ケア病棟の在り方明記を
日医委員会が中間答申

2017年09月27日 20:00 CB News

 日本医師会(日医)は27日、来年4月からスタートする次期医療計画での日医の役割などを盛り込んだ委員会の中間答申を公表した。その中で、急性期を脱した患者への対応と、居宅患者の急性増悪時への対応の2つの機能を併せ持つ地域包括ケア病棟について、地域包括ケアシステムを十分に機能させる観点から、居宅患者の急性増悪時への対応の機能の拡充が必要だとして、医療計画に地域包括ケア病棟の在り方を明記すべきなどとした。【君塚靖】

 この中間答申は、日医の2016・2017年度病院委員会が日医の横倉義武会長からの諮問を受けて、議論を重ねてきた結果だ。都道府県の第7次医療計画の策定に向けて、日医の姿勢や各都道府県が医療計画に盛り込むべき内容などを整理した。この中間答申を基に、11月には最終答申のための最後の会合を開催する。

 中間答申の冒頭では、「医療計画の目的は質の高い医療を効率的かつ平等に国民に提供する体制を整備することにある」とした上で、「一部マスコミ報道に見られるような、“医療費適正化のために病床削減”といった表現は国民の誤解を招きかねず、医療計画と地域医療構想の本来の目的を阻害するものになりかねない」と指摘している。

 また、「国が提示するマニュアルに従って記述するだけでは、行動的な医療計画の策定は難しい。画一的に示された数字を実現することが目的化してしまうと本末転倒の事態につながりかねない」として、学術団体としての医師会が医療計画策定の基礎となるデータ分析や解釈に積極的に関わる必要があるとしている。



https://www.m3.com/news/general/559653
産婦人科と産科、最少更新 26年連続減、出生数が影響
行政・政治 2017年9月27日 (水)配信共同通信社

 厚生労働省は26日、2016年医療施設調査を公表した。昨年10月時点で産婦人科と産科を掲げていた全国の病院は1332施設(前年比21施設減)で、現在の形で統計を取り始めた1972年以降の過去最少を更新した。26年連続の減少で、内訳は産婦人科が1136施設、産科が196施設。小児科も前年より24施設少ない2618施設で、23年連続減となった。

 厚労省は「出生数の減少や少子化が影響した。就業環境の厳しさから医師が不足している状況もある」と分析。産婦人科と産科に関しては、施術を巡り患者から訴えられる「訴訟リスク」への懸念もあるとしている。

 調査によると、全国の医療機関数は前年より699増えて、17万8911施設。うち病院(20床以上)は38減の8442施設(一般病院7380施設、精神科病院1062施設)だったほか、診療所(20床未満)は534増の10万1529施設、歯科診療所は203増の6万8940施設だった。

 一方、厚労省が公表した16年病院報告によると、人口10万人当たりの病院の勤務医数は171・5人(前年比2・6人増)で、過去最多を更新。高知県が252・3人と最も多く、徳島(231・2人)、岡山(216・7人)と続いた。最も少ないのは埼玉の121・4人で、次いで岐阜(137・8人)、新潟(138・0人)だった。

 国が医療費適正化に向け入院期間の短縮を目指す中、患者1人当たりの入院期間を示す平均在院日数は前年より0・6日短い28・5日だった。



https://mainichi.jp/articles/20170927/ddm/012/040/084000c
産婦人科と産科、病院数過去最少 26年連続減
毎日新聞2017年9月27日 東京朝刊

 厚生労働省は26日、2016年の医療施設調査を公表し、昨年10月時点で産婦人科と産科を掲げていた病院は1332施設(前年比21施設減)で統計を取り始めた1972年以降の過去最少を更新した。減少は26年連続。小児科も前年より24施設少ない2618施設で、23年連続減となった。

 厚労省は「出生数の減少や少子化が影響した。就業環境の厳しさから医師が不足している状況もある」と分析。産婦人科と産科は、訴訟リスクへの懸念もあるとしている。

 一方、厚労省が公表した16年病院報告によると、人口10万人当たりの病院の勤務医数は171・5人(前年比2・6人増)で、過去最多を更新。高知県が252・3人と最も多く、徳島(231・2人)、岡山(216・7人)と続いた。

 最も少ないのは埼玉の121・4人で、次いで岐阜(137・8人)、新潟(138・0人)。患者1人当たりの入院期間を示す平均在院日数は、前年より0・6日短い28・5日だった。




https://www.m3.com/news/general/559273
市民病院の医師確保へ関係強化 荒尾市、熊本大と包括協定
地域 2017年9月25日 (月)配信熊本日日新聞

 荒尾市と熊本大は22日、医療・福祉やまちづくり分野などで協力する包括的連携協定を結んだ。両者で取り組む認知症の発症メカニズムの解明などを目指す研究をさらに促進。同市民病院への安定的な医師派遣に向けても関係を強化する。

 熊本大は2016年度から同市で、認知症の予防法確立などを目的に、特定の集団を10年間追跡する「コホート研究」に着手。大学研究者が医療、福祉関係者らと1500人以上を対象に検診やアンケートを進めている。

 同大は、市民病院にも常勤医26人を派遣。市は、現地建て替えが決まった同病院での小児医療も拡充する方針で、同大との協力を深めて医療環境の充実と、病院の安定経営に不可欠な医師の確保にもつなげたい考え。

 市役所での調印式に臨んだ同大の原田信志学長は「市民病院と熊本大医学部は昔から強い連携がある。コホート研究を核に協力関係を結んでいく」と強調した。

 浅田敏彦市長は、地域の産業振興や人材育成への期待感も示し、「大学の豊富な研究成果や英知を借りて、人口減少や地域経済の活性化への対応を充実させたい」と話した。(原大祐)



https://www.m3.com/news/general/559042
【長野】大町総合病院:出産休止、回避へ 新たに常勤医着任
地域 2017年9月23日 (土)配信毎日新聞社

 大町市立大町総合病院で、産婦人科の常勤医師の退職によって分娩(ぶんべん)(出産)の取り扱い継続が危ぶまれている問題で、同市は22日、来年1月から新たに常勤医師が着任し、出産受け入れ休止は回避される見通しとなったと明らかにした。

 2年前から勤めた常勤医師が9月末で退職するため、残る常勤医師1人だけでは対応が困難になるとされていた。後任の産婦人科医を探したところ、愛知県の30代の女性医師が大町に赴任することを承諾したという。着任までの3カ月間、常勤医師は1人になるが、複数の非常勤医師と協力して対応する。

 大町市と近隣町村を含む大北地域では、出産や妊婦検診ができる医療機関は大町総合病院だけ。2015年3月から約半年、産婦人科医不足で出産受け入れを休止したことがある。【小川直樹】



https://www.m3.com/news/general/559045
【滋賀】野洲市立病院:整備の関連予算を否決 市議会
地域 2017年9月23日 (土)配信毎日新聞社

 野洲市がJR野洲駅前で進める市立病院整備計画を巡り、市議会は22日の本会議で、市が提出した一般会計補正予算案から整備関連予算を削除した修正案を議長裁決で可決した。また、開院時期を2020年10月から21年1月に変更する市立病院設置条例改正案も議長裁決で否決した。

 今年度に行う予定の実施設計費などを盛り込んだ病院整備関連予算案が退けられるのはは、3、6月の定例議会、5月の臨時議会に続いて今回で4回目。修正案に賛成討論をした丸山敬二市議(野洲ネット)は「整備費用が当初計画からどんどん膨れあがり、市民から不安の声が出ている」などと語った。

 山仲善彰市長は報道各社の取材に対し、「(設置条例改正案は)必ず遅れることになるので誠実に対応するために提出した。それを否決したことは期間内に病院を建てろと言うことで、病院関連予算を否決したことと整合性がとれていない」と批判。その上で「(現計画の)根幹に問題は出されていないし、市民や医療関係者からの期待も高い」と述べ、次期市議会にも同様の予算案などを提出する考えを示した。【衛藤達生】



https://www.m3.com/news/general/558928
兵庫県病院事業56億円赤字 統合や移転が影響
地域 2017年9月22日 (金)配信神戸新聞

 兵庫県病院局は、県立10病院の2016年度決算見込みを発表した。純損益の赤字は15年度より35億4千万円改善したが、56億円に上った。開院2年目の尼崎総合医療センター(尼崎市)の巨額赤字は、15年度より縮小したが、依然として10億5千万円を計上。こども病院が16年5月に神戸・ポートアイランドに移転したことに伴い、36億8千万円の赤字に転じた。両病院の統合や移転に伴う影響が決算状況に表れている。

 純損益の赤字は4年連続。通常の業務による収支を示す経常損益の赤字は3年連続で、20億9千万円(15年度比21億6千万円減)に上った。病院別で黒字だったのは、前年度と同数の4病院だった。

 15年7月に尼崎、塚口両病院を統合した尼崎総合医療センターは、同年度に純損益で74億2千万円の巨額赤字を計上。16年度は地域の医療機関との連携強化などにより、患者数や手術件数が増加した。高度先進医療を本格的に提供するようになったことで診療単価も上がり、赤字幅は63億7千万円縮小した。

 こども病院の純損益は、15年度に2千万円の黒字だったが、移転前の旧建物の価値を損失として計上したことが響き、16年度は赤字になった。特別損失は27億8千万円に上り、移転に際して受け入れ患者数を調整したことで、医業収益も4億3千万円減った。

 県病院局は「地域医療連携の推進や新規患者の確保などに努め、病院事業全体の収支均衡を目指す」としている。

 10病院の病床数は、15年度より1床増の3898床。入院患者数は約1万3千人増の延べ約117万1千人となり、診療単価は3668円増の6万5426円だった。外来患者数は約5万4千人増の延べ約149万9千人。診療単価は812円増の1万9515円だった。



https://www.m3.com/news/general/558940
整備に20数億円 県病精神医療センター
地域 2017年9月22日 (金)配信大分合同新聞

 県は21日、2020年度中に県立病院(大分市)に新設予定の「精神医療センター(仮称)」について、建設費や資機材購入費などを含む整備費用が概算で二十数億円に上ると明らかにした。本年度中に実施設計し、具体的な金額を算出する。同日の県議会福祉保健生活環境委員会で説明した。

 県病院局によると、センターは病院敷地内に新病棟を建設する。鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積は約3千平方メートル。急性期や身体合併症がある患者らを受け入れる。病床は36床で、個室や高度治療室を設ける方針。現在の精神神経科を移設し、外来患者の診察もする。工事は来年10月に着手する考え。

 開設後の収支は、年間約4億円の赤字が見込まれている。診療報酬が主体となる収入は、入院患者約6千人、外来患者約4千人の利用を想定し1億5千万円。支出は人件費3億2100万円や医療材料費、建設償却費を含め計5億5500万円と試算している。



https://www.m3.com/news/general/558938
市立病院運営巡り審議会 跡地利用の方向性検討 松戸
地域 2017年9月22日 (金)配信千葉日報

 松戸市立病院の運営課題を巡り、市長から諮問を受ける市病院運営審議会(近藤俊之会長)が立ち上がった。今年12月に移転・開院を予定している千駄堀の市立総合医療センターの経営や、上本郷の現市立病院の跡地利用、高塚新田の市立東松戸病院と併設の介護老人保健施設「梨香苑」の在り方について、2019年8月までに検討する。

 委員は市医師会員や県内医療関係者、公認会計士ら8人で構成。病院経営の情報共有ネットワークをつくる特定非営利活動法人VHJ機構の近藤専務理事を会長に選出した。

 審議会の設立に際し、本郷谷健次市長は「病院は市民の関心が大きい。市立病院の経営上の課題を解決し、特に跡地をどうするか早急に方向を決める必要がある」と諮問を求めた。近藤会長は「課題は理解している。委員の皆さんの意見を伺い、方向性を出したい」と応じた。

 審議会に市側から示されたのは、東松戸病院を総合医療センターと同敷地内に移転する案に加え、別々に存続させる案だ。別々に存続させる場合は(1)現市立病院の一部を改修して東松戸病院を移転(事業費約23億円)、(2)東松戸病院を解体して現地で新築(同約41億円)、(3)東松戸病院を改修(同約14億円)の3パターンが用意された。

 新病院への移転に伴い現市立病院は未利用になる。このため、跡地利用の方向性は本年度内に取りまとめる。他の議題については19年8月までに意見を集約する方針。



https://www.joetsutj.com/articles/88599753
上越市が病院運営の一般財団法人設立へ 来年度から上越地域医療センター病院委託
2017年9月23日 (土) 12:42 上越タウンジャーナル

新潟県上越市は同市営の上越地域医療センター病院(同市南高田町)の運営管理について、来年度までに同市が出資して一般財団法人を設立し、指定管理者として委託する方針を明らかにした。病院設立当初から指定管理者として運営してきた上越医師会が、本年度末以降は受託しない意思を示していることから、来年度以降のあり方の検討を進めてきた。

2017年9月22日夜の同病院基本構想策定委員会で市が説明した。

同病院は2000年3月、国から移譲された国立高田病院を市営の病院として開院。以来これまでずっと上越医師会が指定管理者として運営してきた。昨年度末の指定管理契約更新に向けた協議の際、市が3年間の更新を求めたのに対し、医師会からは更新しない意向が示された。新たな形態への移行準備などのため、本年度1年間に限り指定管理を継続している。

市は、直営や独立行政法人など複数の形態を比較検討した結果、6年連続の経常黒字など安定的な経営をしてきた同病院の実績を踏まえて現状に近い経営形態として、一般財団法人を選んだ。市が100%出資して病院の管理を目的とした一般財団法人を設立し、指定管理を委託する。理事などの役員にも積極的に関与する。

現在の病院職員は、基本的に全員新たな法人に雇用され、給与などの待遇、退職金の勤続年数なども引き継がれる。市は14、15日に全病院職員を対象にした説明会を開き、その際大きな異論はなかったとしている。

市は今後、定款案などを作り、法人設立の経費などを市議会12月定例会に提案する。来年1月に法人を設立する予定で、来年4月からの職員の移行と運営開始を目指している。


  1. 2017/09/30(土) 09:16:47|
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9月22日 

https://www.cbnews.jp/news/entry/20170921203624
都市部の専攻医の上限値、厳格運用で振り分けも
専門医機構が決定

2017年09月21日 20:50 CB News

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は21日、専門医を目指す専攻医が都市部に集中することを防ぐために設けた、東京や大阪など5都府県の募集定員のシーリング(上限)について、厳格に運用することを決めた。上限を超えた場合、他の道府県に振り分ける方針だ。【新井哉】

 同機構は、都道府県別の募集定員に上限が設けられている初期臨床研修と同じように、大都市圏の東京と神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県で上限を設定。各領域の学会の過去5年間の採用実績を超えないとしている。この日の記者会見で、吉村理事長は、募集定員の上限について、「これを厳しく規定していく」と述べた。

 一次募集(10月10日-11月15日)が終わった後、11月末までに調整を行う予定。対象となるのは、医師数が減少・不足している外科、病理、産婦人科、臨床検査を除く14領域。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558756
真価問われる専門医改革
専攻医の1次登録遅れる、開始は10月10日
日本専門医機構、1次審査合格プログラムは「3026」

レポート 2017年9月21日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は9月21日の理事会後に記者会見を開き、専攻医の1次登録開始を、当初予定の10月1日から10月10日に変更すると発表した。総合診療専門医の専門研修プログラムの1次審査に時間がかかり、都道府県協議会からの意見集約の期限も延ばしたため。

 今後、都道府県協議会に諮り、9月29日までに意見をもらい、同機構が2次審査を行い、10月10日に1次登録を開始する。採否は12月15日に決定、引き続き2次募集を行い、2018年2月15日にその採否を決定する(スケジュールは、下記に掲載)。

 1次審査に合格した専門研修プログラムは、19の基本領域で合計3026。うち新しく基本領域に加わった総合診療専門医では、436のプログラムの応募があり、1次審査で360に絞られた。日本専門医機構副理事長の松原謙二氏によると、へき地・過疎地域で十分な研修を行うプログラムが優先的に合格したという。

 19の基本領域別の専門研修プログラム数は、2次審査終了後に公表される見通し。19の基本領域別の専攻医数は2次募集の採否決定以降、公表される予定になっている。新専門医制度をめぐっては、専攻医が都市部、あるいは大病院に集中するなど、医師の地域偏在を増長するとの懸念がある。理事長の吉村博邦氏は、一連の専攻医募集の過程でも、厚生労働省のほか、必要に応じて都道府県協議会にも専攻医の登録状況を中間報告する方針を説明した。

【専攻医募集のスケジュール(2017年9月21日理事会決定)】
2017年10月10日~11月15日:1次登録
2017年11月16日~11月30日:採用確認期間
2017年12月1日~12月14日:採用期間
2017年12月15日:結果通知
 ※プログラム統括責任者 採用・不採用の可否をシステムにアップ

2017年12月16日~2018年1月15日:2次登録
2018年1月16日~1月31日:採用確認期間
2018年2月1日~2月14日;採用期間
2018年2月15日:結果通知
 ※プログラム統括責任者 採用・不採用の可否をシステムにアップ

5都府県、「1次登録」でも不採用のケースも
 吉村理事長は、「初期臨床研修施設と研修医向けに、専攻医登録に関するマニュアルなどを近く送付する」と説明。専門研修を希望する医師は、18の基本領域については各学会のホームページから登録、総合診療専門医については日本専門医機構のホームページから登録する。専攻医が登録できる専門研修プログラムは1つのみで、事前に基幹施設のプログラム統括責任者と話し合った上で登録する(『専門研修、「プログラム登録は1つのみ」』を参照)。

 専攻医の総数は、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県については、医師数が減少している外科、産婦人科、病理、臨床検査を除く15の基本領域別に、専攻医総数の上限を定める。上限は、原則として過去5年の専攻医採用実績の平均値を超えない数。1次登録の後、5都府県において上限を超える基本領域があれば、日本専門医機構と各学会が話し合い、最終的には同機構が調整する。その結果、1次登録しても希望施設で研修できず、2次募集で改めて登録が必要になるケースも生じ得る。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558748
医師の働き方改革とキャリア
「医師は労働者」は自明、「高プロ」も対象外
厚労省「医師の働き方検討会」、年明けに中間整理、2019年3月に最終報告

レポート 2017年9月21日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は9月21日、第2回「医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)」を開き、今後の議論の進め方や論点を整理した。10月~12月にかけて、「医師の勤務実態について」、「勤務環境改善策について」、「働き方と医療の質や安全性、健康との関係」などについて議論し、2018年1月に中間整理をまとめて「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会」の議論に反映。

 以降は具体的な医師の働き方改革について検討し、2019年3月を目途に、最終的な報告書を取りまとめる予定(第1回会議は『医師の時間外労働の上限規制、年明けにも中間整理』、医師需給分科会は『勤務医・開業医の地域別の多寡、「指標」で見える化』を参照。資料は、厚労省のホームページ)。

 21日の議論では、医師は労働者か、一部専門職を残業代支払いなど労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の対象かなどの質問が構成員から出た。これに対し、岩村座長は、「労働基準法上の労働者であることは争う余地がない」としたほか、「医師の仕事は『高度』で『プロフェッショナル』なもの」としたものの、勤務形態などから高プロには該当しないと回答した。今後、これらを前提に議論が進められる見通し。


医師の働き方改革に関する検討会
 厚労省が提示した主な論点は次の通り。

1.医師の勤務実態の正確な把握と労働時間の捉え方
・医師の勤務実態の精緻な把握
・労働時間への該当性
・宿直業務の扱い
・自己研鑽(論文執筆や学会発表等)や研究活動の扱い

2.勤務環境改善策
(1)診療業務の効率化等
・タスクシフティング(業務の移管)、タスクシェアリング(業務の共同化)の推進
・AIやICT、IoTを活用した効率化
・その他の勤務環境改善策(仕事と家庭の両立支援策等)の検討
(2)確保・推進策
・医療機関の経営管理(労働時間管理等)の在り方
・勤務環境改善支援センター等の機能強化
・女性医師の活躍支援
・その他勤務環境改善のための支援の在り方

3.関連して整理が必要な事項
・医師の応召義務の在り方
・病院の機能、医師の偏在、へき地医療等、適切な地域医療提供体制の確保との関係
・医師の労働時間の適正化に関する国民の理解

4.時間外労働規制等の在り方
・時間外労働規制の上限の在り方
・医療の質や安全性を確保する観点からの勤務の在り方
・適切な健康確保措置(休息・健康診断等)の在り方
(2017年9月21日医師の働き方改革に関する検討会資料より)

 厚労省は議論の材料として、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が2016年12月に行った「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」から勤務実態に関するデータを提出。これに関し、日本医師会副会長・女性医師支援センター長の今村聡氏は「この調査をした時点では、『働き方改革』という視点はなかったのではないか。この調査を基に全ての議論をするのか」として、本検討会の議論に合わせて新たな調査をする必要性を指摘。千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏も、「地方の病院を中心に、特に産科や救急で崩壊の危機にあると言われるが、実態がどうなのか、医師の時間外労働にどれくらい依存しているのか、現状では客観的に見えないと思う」と同調した。厚労省は、必要な調査を行うかどうかを検討すると答えた。

 ビジョン検討会の座長を務めた東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、「この調査は時間を計る目的ではないことを確認しておきたい。今得られる最良のエビデンスだと思っている。働き方改革を時間だけで議論すると、誤ることになる」と指摘。議論の進め方については、「他の会議体と論点を互いに共有して、サマリーをここでの議論に反映してほしい」と、関連する会議との連携を求めた。

高プロの議論とはなじまず
 社会医療法人ペガサス理事長の馬場武彦氏は、政府が成立を目指している改正労働基準法に含まれる、一部専門職を残業代支払いなど労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」については議論の対象にしないのかと質問。これについては、岩村座長が「高プロは職務の特殊性ゆえに勤務時間を自分で決められる制度だ」と指摘。本検討会の議論の対象は勤務医であり、診療時間、勤務時間は医療機関側で決定され、それに従う必要があるとして、「高プロは本検討会の議論にはなじまないと理解している。医師の仕事は『高度』で『プロフェッショナル』なものではあるが、それと労働時間の制度は別のものではないか」として退けた。

 また、福岡県済生会福岡総合病院名誉院長で日本病院会副会長の岡留健一郎氏は、「資料は医師が労働者であることを前提としているが、それに根拠はあるのか。医師は病院管理者のためでなく、患者のために働いている」と質問。

 「医師は労働者か否か」に関しては、医療界からは否定的な意見も表明されているが(『「医師は労働者か、抜本的議論を」横倉会長』、『勤務医は労働者」との決めつけ、乱暴すぎる - 邉見公雄・全自病会長に聞く◆Vol.2』などを参照)、これに対しては早稲田大学法学学術院教授の島田陽一氏が「勤務医は労働時間が決まっている。労働者かどうかという議論は閉めていただきたい」と反論。岩村座長も、勤務医と病院が時間外手当の支払などを争う裁判を例に、「病院側の代理人弁護士ですら『勤務医が労働者である』という点については、勝つ見込みがないため争わない。労基法上の労働者であることは争う余地がない。『患者のため』という意識は問題にならない」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558473
益田市医師会「親父の背中」、へき地医療研修プロジェクト
医師不足対策、若手医師を呼び込め

レポート 2017年9月20日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 島根県の益田市医師会は9月20日に東京都内で記者会見し、全国の若手医師を対象としたへき地医療研修プロジェクト「親父の背中」を2018年4月に開始すると発表した。医師不足解消を目指すとともに、若手医師にとっては益田地域医療センター医師会病院に所属し、地域の開業医の指導も受けながら地域医療に触れてスキルアップを図れるという(益田市医師会のホームページを参照)。

 同医師会会長の神崎裕士氏は、「医師会病院の特徴は、歩ける範囲で機能が全部集中していること。患者の急性期から回復期、慢性期へのシフトや、開業医に戻す、地域包括ケアシステムはほぼ満たしているが、肝心のそれを動かす医師がいない」と医師不足に苦しむ現状を説明。今年4月に独自の離島・へき地研修プログラム「RURAL GENERALIST PROGRAM JAPAN」を開始した、合同会社ゲネプロ代表の齋藤学医師の協力を得て、今回のプログラム立ち上げに至った。

 参加者はすでに一人前の医師として活躍する若手を想定して広く募り、新専門医制度の総合診療専門医とは全く別の枠組みとして行う。最大4人程度をゲネプロと益田市医師会で選考し、益田地域医療センター医師会病院で採用。2年間の研修期間中、午前中は参加者自身が選んだ診療科について講師役の開業医のもとで学び、午後は医師会病院で総合内科の入院診療に当たる。齋藤氏は「益田には、がっぷり四つで患者を診療するために、包み隠さず教えてくれる、素敵な親父(開業医)たちがいる」と、プログラムの名称の由来を説明。将来的には女性医師のための研修プロジェクトの立ち上げも考えているという。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201709/20170920_13030.html
石巻市立病院1億2000万円赤字 16年度再建後に患者数戻らず
2017年09月20日水曜日 河北新報

 東日本大震災で被災し、昨年9月にJR石巻駅前に移転新築した石巻市立病院の2016年度決算がまとまり、約1億2000万円の経常損失を計上した。当初見込みより赤字幅は小さかったものの、5年半の休業期間で患者離れが進み、医師の充足が急務になっている。
 市病院局によると、経常損失は決算見込みの赤字額より約1億3000万円縮小した。患者数が目標に及ばず医療経費が圧縮されたほか、人件費や維持管理費が見込みより少なく済んだのが要因という。
 外来患者は昨年9月~今年3月で1日平均93.2人にとどまり、目標の199.1人を大きく下回った。病床(180床)利用率は47.6%で、目標の65%より17.4ポイント低かった。
 利用者の伸び悩みは医師不足が一因で、手術日には外科、整形外科の外来診療をできなかったり、午後診療をしたくてもできなかったりするという。医師数の目標は常勤20人だが、現在は常勤17人に東北大病院からの派遣1人に加え、東北医科薬科大病院などの応援医師で対応している。
 市は2月に作成した病院改革プランで20年度の黒字転換を目指す。病院総務課の阿部仁課長は「医師を充足させ、患者数を目標に到達できるように努力したい」と話す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/547995
医師と地域・多職種連携の在り方
必要性と疑問、「在宅医療」、「地域包括ケア」への意見◆Vol.14
「普通の家庭で在宅は無理」「国が思うように進まず」

医師調査 2017年9月20日 (水)配信高橋直純(m3.com編集部)

 Q医療と介護、地域包括ケアシステムなどについてのお考え、疑問点がありましたらお書きください。

【体制の問題】
・自院への通院患者であっても、急変時の受け入れが不可能なケースがある。常勤医師不足によるもの。地域包括ケアシステムがうまく回るためには、1次・2次救急病院の受け入れ態勢が整わない限りは無理。医師の地域偏在は早急に解決されなければならないと思われる。自助・公助・互助・共助だけでは到底不可能!【民間病院】

・急性期病院からの早期の追い出しと介護側の手間のかかる患者の丸投げのために、地域包括ケアという言葉が利用されていると思わざるを得ない事例が多々見受けられます。【民間病院】

・勝手に在宅へと言うけれど、地域医療が崩壊しているのに、誰がそれを担うのか。点数などもないのに人的なリソースも投入できない。【診療所】

・自宅での療養、介護には限界がある。施設を利用するケースが多くなると思われる。そのためにも、経済的に余裕のない患者でも利用できる施設が必要である。【民間病院】

・人が足りない。特に医者。それから、それを評価する仕組みがない。また、無駄な医療や無駄なお金を使うことがないよう、行政も入るべき。また、これらのことが過剰になりすぎて、子供や若い世代にお金が回らなくなることがないよう、限度を設定すべき、また自己負担も絶対的に増やすべき。【公立病院】

・在宅!と国が進めるのは、団塊の世代をこれまでの病院施設で対応すると、多くの施設を作らなくてはならないからだと思う。その後、高齢世代の増加がなくて一定してくれば、病院と介護と老健施設が一体でも良いと思います。【公立病院】

・国がそうしようとしているのだから、従うしかない。しょうがない。本当は反対で今まで通りでいいのだが、国にもお金がないのでしょう。(本当なら教育とか医療には十分お金かかっても仕方ないのでしょうがね。他の事にお金使いたいのでしょう。我々が学生でお金のない時、食費を削ってでも遊ぶ金は作っていたときのようにですね、笑)。【民間病院】

・医療費の削減が主たる目的であってはならない。もしそうならば、弱者、高齢者は、医療を控えるように誘導される。また、弱者には、それに対抗する、経済力も体力も能力もない。【民間病院】

・システムを整備する必要はあるが、かなり作業は多くかつ煩雑で、何の収入もないボランティアとなっている。地域に熱心なスタッフあるいは事業所があれば進んでいくが、多くはそうではない。【民間病院】

・財政優先のシステムでは実情にそぐわないのではないか。【民間病院】

・医療資源が乏しい地域では、患者がかかりつけ医を探すことさえ難しく、厚労省が描くようなスムーズな動きは無理である。【公的病院】

・医師、看護師の人数が少なすぎるので、集約的な医療と介護が必要である。私の働く地域は農村部であり、公的医療機関が減床しており、私的医療機関は地域からサービスを更に期待されていますが、人材不足で医療、介護とも縮小を余儀なくされています。【民間病院】

・地域間で必要なシステムに差があると思うので難しいとは思いますが、自分たちが行なっていることが、他の地域(他の医療機関)と比べてどの程度のレベルなのか判断する方法がありません。【民間病院】

【在宅医療の“困難”】
・在宅は困難な場合が多い。介護は施設で行うことを原則とすべきと感じる。【公立病院】

・在宅医療(介護)の負担を減らすことを第一に考えるべきだと思います。【公的病院】

・在宅では現状医療の質の担保が困難なことを、行政は包み隠さず伝えるべき。【診療所】

・在宅は負担が多く普通の家庭では無理。【診療所】

・在宅はそのために仕事をやめるなど、社会全体の効率を落とす。施設介護をランク付けしてでも、施設介護がいいと思う。【診療所】

・在宅介護には限界がある。結局、家族に負担を強いている。【民間病院】

・今のシステムでの在宅は不可能。家族の要求が総合病院並みの無茶。【民間病院】

・離島では、無理。サービスがないところから金だけとるのはおかしい。【診療所】

・一般市民、家族の理解、支援がないと在宅医療介護で家庭崩壊の危険がある。丁寧に多職種で包括ケアをする必要がある。【診療所】

・高齢者だけの家族や、独居の患者がどんどん増えていく中で、在宅に移行させていくことは無理がある。患者側の要求も下げて、グループホームのようなものの拡充が必要なのではないか。【診療所】

【看取りの問題】
・死生観を確立せずに家で死ぬようにと言っても無理がある。【診療所】

・在宅で看取りどころか、救急車で搬送され、病院で看取りが増えている。施設でも看取りをしない。在宅でも夜間は病院頼み!現実と理想が乖離している。【民間病院】

・在宅への看取りが前提で在宅への移行の紹介を受けることがあるが、詳細が不明なことがある。【診療所】

・在宅でも家族の介護力が低下しているので、看取りなどはとてもできない家族が多い。【診療所】

・全ての患者さんが在宅で最期を迎えるのは、無理だ。共働きの家庭や、未婚男性が母親を介護する家庭もあるが、専門家のそろっている、スタッフの多い病院でなければできないこともある。最近は、介護付き住宅などの老人がすぐに入院できなくて重症化することが多いように思う。【診療所】

【医療機関の在り方】

・一部事業者の囲い込みが生じている。例えば介護施設入所の際に系列医療機関の訪問診療を条件とするなど。【その他】

・当法人は医療系、社会福祉系の施設を多く持っているので、法人内では問題はなし。【民間病院】

・職務や権限を十分理解していないため、それぞれの連携が悪い。特に病院看護師が介護職に対して看護と同等のレベルを要求してしまい、間で困ったことがある。【公立病院】

・終末期を担う病院で、在宅への移行はほとんどない。行政の方針とは逆行するが、必要とされているかぎり存続を図りたい。【民間病院】

・自身で診察している患者に対して往診を行わない開業医あり。【診療所】

・入院先の病院からの情報提供が不十分な場合が多い。【診療所】

・地域包括ケアシステムは病院より開業医の姿勢の問題。病院と家の中間施設は必要と思う。【民間病院】

・診療所の対応能力を考えず、家族に言われるがままに在宅移行し、だから僻地や離島の医師が疲弊し、対応できない診療所で、そこの医師やスタッフが悪者にされるのはいかがなものでしょうか?【診療所】

【行政に対して】
・サービス給付の基になる、手帳類の利用について(身体、精神、療育など)の丁寧な説明を行政に求めたい。医療機関の施設基準についての説明もしかり。【診療所】

・行政が動かないと包括ケアシステムは出来ない。きれいごとを言っているが、つまるところ医療費削減。【診療所】

・行政の誘導がやや強引で利用者の十分な理解を得ていないこと。【公立病院】

【その他】
・まず飲んだり食ったり歌ったりすることが大事だとなぜ言わないのか。【診療所】

・施設より病院の自己負担が安いのはおかしい。【民間病院】

・小児を対象とするところが少ない。小児科を卒業してからの受け入れ先がない。【公的病院】

・障害児を含めた地域の連携が必要で、圏域で行う方がよい。【民間病院】

・小児の地域包括ケアが抜けていることに疑問がある。【診療所】

・医療費削減の国の方針の中で、各病院や各施設が利益追求に走りすぎている。【民間病院】

・努力に見合う診療報酬がない。【診療所】

・隣近所との付き合いが昔から濃厚な地域は良いが、地域全体で見守ろうと声がけしても、新しく構築するのは難しい。学童誘拐事件などが報道されると、隣近所に依存すること事態が問題にならないかと腰が引ける。また余計なお節介を嫌がる人も少なくない。【診療所】

・構想だけ、画を描くのが上手い医師会幹部、開業医がいる。【民間病院】

・指揮者が複数(医療の指揮者と介護の指揮者)おり、考え方も違うのでうまくいかないことがある。【民間病院】

・医療の場(患者生活圏)と自宅との基本構造は全て共通では無く、また、認知症の高齢者は、暗闇でも従来の動き方をすることを全スタッフに理解させてほしい。【民間病院】

・重症の場合の責任の所在が不明確になりやすい。【民間病院】

・円滑に進めるには収益にならない部分も大きく、個々の施設や個人の負担が大きい。【診療所】

・リハビリの介護施設と医療機関での併用が複雑。【診療所】

・介護職の待遇改善は急務である。【診療所】

・ケアマネの段階で情報が途切れることが多く。必要とする情報の差が大きい。【民間病院】



https://www.nikkansports.com/general/news/201709200000558.html
女性医師の4人に1人、過労死ライン超の時間外労働
[2017年9月20日18時4分] 日刊スポーツ

 日本医師会(日医)が病院勤務の女性医師を対象としたアンケートで、4人に1人が「過労死ライン」と呼ばれる月80時間以上の時間外労働をしていることが20日、分かった。

 約半数が休職、離職の経験があり、理由に出産、子育てを挙げる人が最も多かった。月80時間以上の残業がある女性は働く女性全体の3%程度で、女性医師を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになった。

 女性が医師全体に占める割合は約20%、近年は国家試験合格者に占める女性比率も30%を超えている。残業規制を柱とする政府の働き方改革が進む中、医師は5年間適用を猶予されているが、医師不足を加速させないためにも労働環境の整備が急がれる。

 調査は、2~3月にかけ全国の約8500病院を対象に実施。約1万人人から回答を得た。

 その結果、月80~100時間の時間外労働に相当する週60時間以上65時間未満の女性医師は全体の12%、月100時間以上の人が13%に上り、合わせて25%だった。救急や脳神経など100時間を超える人が30%近くいる科もあった。

 研修医が多い20代は21%が80~100時間、27%が100時間以上だった。宿直や緊急時の呼び出しがあるのは全体で62%、研修医が多い20代は93%だった。宿直翌日は全ての年齢層で70%以上が通常勤務をしていた。

 全体の38%に当たる3896人が小学校6年生までの子を子育て中で、「普段子どもの面倒を見ている人は誰か」という質問に「本人のみ」「本人と保育所など」と答えた人が最も多かった。

 さらに、38%が夫の育児参加を「不十分」「どちらかというと不十分」と回答。「全く協力しない」も5%いた。日医は「医療現場で男女共同参画や育児支援の意識は高まりつつあるが、家庭内ではまだ女性の負荷が大きいようだ」と指摘している。(共同)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201709/CK2017091802000136.html
【千葉】
47億円の赤字に 95年度以降最大 県立病院決算16年度見込み

2017年9月18日 東京新聞

 県は、2016年度の県立6病院の事業会計をまとめた決算見込みを発表した。純損益は47億円の赤字で、15年度の16億円と比べて3倍に拡大、1995年度以降で過去最大となった。
 収益合計は1.6%減の421億円だったのに対し、費用合計は5.5%増の469億円。純損益の赤字のうち、がんセンターが28億円。腹腔(ふくくう)鏡手術の相次ぐ死亡事故をきっかけに発覚した診療報酬の不正・不当請求で、返還費用約21億円を特別損失に計上したのが響いた。佐原病院の純損益は十億円の赤字。
 入院患者数は、がんセンターが3385人減の8万7738人、医師不足の佐原病院が3808人減の4万8711人。 (村上豊)



http://www.asahi.com/articles/ASK9F5KGCK9FUTFL00L.html
医師も患者も「コスト意識」不足? 無駄遣い指摘の声も
生田大介
2017年9月18日05時02分 朝日新聞

医療費は伸び続けるが、それをまかなう税収や給与は増えていない

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 高齢化と医療技術の進歩で増え続ける医療費をどう抑えるのか。8月に3回にわたって朝刊に掲載した「医療とコスト」の企画に、読者から多くの反響が寄せられました。その声の一部とともに、医療経済の専門家、医療経済研究機構所長の西村周三さん(71)の見方も紹介します。

■「タダだから」安易に

 寄せられた意見からは、増え続ける医療費を前に、「無駄遣い」を続けることへの危機感が浮かび上がります。
     ◇

●5年前、末期がんの父が延命治療を拒否し、私はそれを受け入れました。「ない袖は振れない」というのが私の基本的な考えです。たとえ自分や自分の身内であっても、ベッドの上で闘病生活を続ける時間を少しだけ延ばすために、高額の血税を投じて欲しいと要求する権利はないと思っています。ただし、それでは新薬の開発意欲が低下する、といった反作用はあるかもしれません。それに対しては、血税を投入しても、大学などの研究をもっと手厚く援助するべきだと思います。(大阪府・50代女性)

●私が問題だと思うのは、自治体によって違いますが、子ども医療費の無料化です。病院に行くと、少し鼻水が出た、少し湿疹が出た、など本当に病院に行く必要があるかわからない子どもが大勢います。子どもはすぐに病気になり、医療費が大変ということはわかりますが、無料ということで安易に病院にかかる親が多いのも事実です。医療費を1割でも0.5割でも負担することにして、少しでも出費があれば、不要な受診は控えると思います。今後ますます高齢化が進む中、互いに痛み分けをして少しでも長くこの医療制度が保てたらよいと思います。(岡山県・40代女性)

●費用対効果と言われても、それが命にかかわる場合、やはり割り切れないことも多い。本来受けられる治療を、自分なら断れるけど、それが親なら、子どもならと思うと複雑です。まずは無駄に使われているコストを削減するために、特に高齢者が、必要な薬を本当に飲んでいるか、効果はどうか、と一括管理してもらえる仕組みがあればいい。「保険診療で自己負担は多くないから、出された薬は何でももらう」という意識の改革も、高齢者を別の病気から救うことにもなると思います。(兵庫県・50代女性)

●入院中に同じ部屋だった60代の女性は生活保護の受給者で、がんとうつ病を患っていました。自分の死を穏やかに受け止めているすてきな方でしたが、時々、「飲んでないうつ病の薬がどんどんたまってしまうから捨てている。でも、生活保護で薬代がタダだからいいの」と話していました。記事では、生活保護を受給している人の医療費が無料であることが記載されていません。生活保護受給者を差別することが本意ではありませんが、医療費を押し上げる要因の一つであること、その受給者が増加している実態についても取り上げていただきたいと思います。(神奈川県・40代女性)

■薬を減らすどころか

 医療現場からも声が寄せられました。
     ◇

●私は開業医ですが、症状に合った最良の選択をし、それが高かろうが安かろうが、全く意識にありません。患者のコスト意識には、かつて実施されていた高齢者医療費無料化も影響しているのではないでしょうか。今頃になってコスト意識が低いと言われても、政府の責任転嫁としか思えません。簡単に「風邪薬を保険から外す」と言いますが、風邪と肺炎を誰が判断するのですか。市販薬を飲んでいて肺炎の発見が遅れ重症化したら、政治家が責任を持ってくれるのですか。(茨城県・60代男性)

●調剤薬局の事務をしています。いったん生活習慣病で薬を処方すると、大抵の医者は薬を減らす努力を患者と共にしていないと感じます。内科受診のついでに湿布70枚を毎月出し続けているというのも多数あります。日本の医療制度は本当に素晴らしいと思いますが、今いちどその制度が国民に支えられて出来ていることに気付いてほしいと思います。本当に病気で困っている人のために医療制度が崩壊しないよう、国民一人一人が自覚してほしいです。(神奈川県・50代女性)

●私が勤める整形外科のクリニックでは、内科や皮膚科、耳鼻科などの薬でも、患者が希望すればした分だけ処方します。患者が希望しなくても、太った人には「痩せるから」と漢方薬を出したり、中性脂肪値を下げる薬を「高級サプリメントだよ」と言って処方したりします。誠実な医師もいますが、患者をお金としか思っていないような医師もいます。患者の側も、医師に言われるがまま検査を受け、診療明細書も見ないのでは、他人任せすぎると感じます。(神奈川県・30代女性)

■医師と患者、コスト話し合って 西村周三・医療経済研究機構所長

 欧米では「シェアード・ディシジョン・メイキング(shared devision making =共有意思決定)」という取り組みが広がっています。医師と患者が診察の場で、お金のことも含めて相談する。「これお金がかかるけど、どうする? 我慢する?」といった感じです。

 一方、日本では医師からの一方的な説明になりがちで、反論できる患者はあまりいない。医師がコスト意識を高め、もっと患者と話し合うべきです。例えば、腎臓病を治療する透析を受ける患者は30万人以上いて、1人あたり年500万円程度かかる。糖尿病も原因の一つですが、医師が「予備軍」の患者に透析の費用を伝えると、健康管理をする人が増えたという話もあります。

 抗がん剤など高額な薬も問題になっていますが、(薬の効果を調べる)治験の対象は現役世代が多く、75歳以上に本当に効くのか十分にわかっていません。抗がん剤を投与するより、緩和ケアなど精神面も含めたケアを受けながら生きる方が、高齢患者にとってより良い生活を送れる可能性があります。その結果、医療費が減るかもしれません。

 ただ、現役世代の人に対しては、高額な薬でも保険で使える状態を維持しておくべきです。公的保険の意義は、患者の負担が過度に大きくなるのを抑えること。だから、例えば風邪で診察を受ける場合は、逆に自己負担率を今より高めてもいい。

 財源としては、働けない高齢者にも負担を求める消費税の税率をある程度上げざるをえません。高齢者は資産を持っている人も多いので、資産課税の強化も必要になってくると思います。(聞き手・生田大介)

■西日本、医療費多い傾向

 医療費には地域差があります。

 年齢構成の違いを調整した1人あたりの医療費を都道府県別に見ると、2015年度に最も多かった福岡県は64.1万円。最も少ない新潟県(46.6万円)の1.4倍近くになりました。

 厚生労働省の分析では、西日本は多く、東日本は少ない傾向があります。5位の北海道を除き、九州、四国、中国地方がトップ10を占めました。

 医療費の多い地域は医療機関のベッド(病床)数が多く、平均的な入院日数も長くなります。在宅での死亡率は低い傾向にあります。例えば医療費が全国2位の高知県は、10万人あたりの病床数が約2700と全国平均の約2倍、最も少ない神奈川県の約3倍にのぼりました。厚労省は、都道府県ごとの病床数を適正な水準に抑える施策を進めています。

 高齢者の医療費が多い地域は介護費も多いという分析もあり、食事や運動など生活習慣の改善が重要だと指摘されています。そのため厚労省は、特定健診の実施や糖尿病の重症化予防などを進めた自治体に対する財政支援を手厚くする制度を18年度から本格的に始める予定です。

■都道府県別の医療費ランキング(2015年度、1人あたりの年額)

【多い順】
1位 福岡県 64.1万円
2位 高知県 63.7万円
3位 佐賀県 62.7万円
4位 長崎県 62.0万円
5位 北海道 61.1万円

【少ない順】
1位 新潟県 46.6万円
2位 千葉県 47.7万円
3位 静岡県 47.8万円
4位 岩手県 47.9万円
5位 栃木県 48.2万円

※厚生労働省の資料から。国民健康保険と後期高齢者医療制度の合算。年齢構成の違いは調整している。全国平均は53.7万円

     ◇

 日本では効果があればどんな薬でも保険適用される――。予算上、使える薬に制約がある英国で、患者団体の代表にそう話すと「天国のように思えるけど、みんなの負担を考えると……」と困惑しました。一方、日本では負担に関する意識が薄いと感じます。読者からも医師や患者のコスト意識の低さを指摘する声が多く寄せられました。私の家にも、子どもが無料でもらって使い切らないままの薬が多くあります。自らのこともかえりみながら、医療とコストについて今後も考えていきます。(生田大介)

◆ほかに伊藤綾が担当しました。



https://www.m3.com/news/general/558656
市民病院計画、初の住民投票へ 滋賀・野洲市議会で可決
地域 2017年9月21日 (木)配信京都新聞

 JR野洲駅前の野洲市民病院計画の是非を問う住民投票発議案について、滋賀県野洲市の山仲善彰市長が審議をやり直す再議を求めたことを受け、同市議会は20日の定例会本会議で改めて発議案を賛成多数で可決し、住民投票の実施が決まった。同市での住民投票は2009年12月の条例制定後、初めて。

 住民投票で問うのは「野洲駅南口市有地に市民病院を整備することについて」。定例会閉会後の25日に山仲市長が実施予算を専決処分し、市選挙管理委員会が日程を決める見通し。10月22日投開票予定の市議選後となる公算が大きい。

 市民病院は民間の野洲病院の経営悪化を受け計画。立地や運営形態を巡り市議会で反対の声が上がり、関連予算案が5度否決された。計画は基本設計の段階でストップしている。

 住民投票は山仲市長が「住民コンセンサス(合意)を得るべき」との意見を受けて実施を目指したが、6月定例会で付帯決議が可決され発議を見送った。8月定例会で反対派議員らが発議を提案し、今月6日の本会議で可決。市長が市議選の結果によっては意見の相違が解消されることなどを理由に再議を求めた。

 この日の本会議は市長が再議の提案理由を説明し、議員の反対、賛成討論のあと、採決で再び賛成11、反対7で可決した。



https://www.m3.com/news/general/558368
北村山病院分娩問題、支援の方針を確認 山形蔵王協議会の臨時総会
地域 2017年9月20日 (水)配信山形新聞

 山形大医学部と関連病院でつくる蔵王協議会(会長・嘉山孝正山形大医学部参与)の臨時総会が19日、山形市の同学部で開かれた。北村山公立病院(東根市)が来春から分娩(ぶんべん)扱いを休止することに関して、嘉山会長は「(協議会として)情報を共有しながら応援していく」と述べ、北村山地域を含む周辺の周産期医療体制を支援する方針を確認した。

 北村山公立病院は東根、村山、尾花沢、大石田の3市1町でつくる組合が設置主体。嘉山会長は管理者の土田正剛東根市長と13日に対応を協議し、来春以降について、妊婦健診は同病院が引き続き担うことや、分娩は医療体制が整った協議会加盟の総合病院などで扱うため協議会の情報網を生かしたシステムを構築する考えなどを共有している。協議会に先立ち、山形大学地域医療医師適正配置委員会でもこの方針を了承したという。

 この日は約200人が出席。日本専門医機構が来年度から始める新専門医制度の制度設計に関し、10月からの専攻医1次登録の開始に合わせた本県の研修体制なども説明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/557679
「医師は社会性に欠けるのか」、全日病学会
シンポジウム「医療の社会性をデザイン」で議論

レポート 2017年9月17日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 9月10日に金沢市で開催された第59回全日本病院学会のシンポジウム「医療の社会性をデザイン」では、「医師の社会性」という切り口で、ディスカッションが展開された。

 「医師になりたくて、医師になった人がどのくらいいるのか」

 こう問いかけたのは、慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏。バブル経済が崩壊した1990年代以降、医学部の偏差値が上がり、「成績が良かったから医学部に入学という学生が増えたと考えられ、社会性を求めるのは、昔より難しくなってきたのでないか」と見通した。

 社会医療法人河北医療財団理事長の河北博文氏も、「医師が社会性に欠けるというより、社会性に欠けた人が医師になっていると考えた方がいい」と指摘し、米国のようにリベラルアーツ等を学んだ後に、メディカルスクールに進学するなど、医師養成課程の多様化を提案。

 これに対し、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授の渋谷健司氏は、「今の医学生はすごく真面目であり、昔の先生の方が社会性がなかったのではないか」との見方を示し、「大事なのは、学生が求めているものを教える側が提供していくこと」と述べ、教育の重要性を訴えた。

 厚労省医政局長の武田俊彦氏も、民間病院とは異なり、公的病院では「病院長になって、初めて経営を考えた」という医師がいると聞き、「それまで社会との関わりを学ぶ機会がないことに驚いた」と言い、学びの場が求められるとした。

 ディスカッションは、医学部の偏差値問題にも発展。権丈氏は、「社会が複合的に変化する中で、偏差値が高い学生が医学部に集中したり、医師を目指したいが、地方の高校生が医師になれない社会が本当にいいのか」と問題提起。渋谷氏は、「偏差値を指標に大学を選ぶ国は、日本と韓国くらいではないか」と述べ、例えば米国では、教育内容、卒業生の就職先や初任給などを指標に大学が選択されており、「偏差値を重視し、それによって志望大学が変わること自体がおかしい」と指摘した。

 そのほか、武田氏が、「大学の問題だけでなく、医師が社会人になった後、どんな人と付き合うかも重要ではないか」などと述べ、三師会など医療界内だけでなく、さまざま立場の人とより良い関係性を作る大切さなど、さまざまな視点から医師の社会性が議論された。

 ディスカッションに先立つ4人のシンポジストの講演では、医療の社会性、また医師が社会的存在であることがさまざまな視点から論じられた。その主な発言は以下の通り。


第59回全日本病院学会のテーマは、「大変革前夜に挑め!今こそ生きるをデザインせよ」。「デザイン」をテーマにさまざまなプログラムが企画された。

社会医療法人河北医療財団理事長の河北博文氏
 キリスト教的社会では、「プロフェッショナル」とは、神学、法学、医学を習得した人を指す、つまり「神から人の命の判断を預けられた存在」に当たる。元日本医師会長の武見太郎氏が設立した、米ハーバード大の武見国際保健プログラムは、「School of Medicine」ではなく、「School of Public Health」に置かれた。「メディスンは基礎科学、自然科学を学ぶ場。パブリックヘルスは、社会から政治など全てを包括して学ぶ場」であり、医療と社会の結び付きの表れと言える。

厚労省医政局長の武田俊彦氏
 過去には病床規制、最近の施策としては地域医療構想などに見られるように、医療提供体制は自由放任ではなく、一定の仕組みの中で構築されてきた。地域医療構想は、民間も含め、合法的に医療の在り方を話し合う仕組みであり、他の分野にはあまり例がない。2013年の日本医師会・四病院団体協議会合同提言でも、治療だけでなく、地域包括ケアシステムの実現なども機能として位置付けていることから、かかりつけ医や病院を社会的存在と捉えていることが分かる。
 医師養成のコストも社会が負担しているが、医学部定員を増やしても、医師偏在は改善しないと言われていることから、自由開業医制とのバランスで、どんな議論ができるかを考えていかなければいけない。新専門医制度にも社会性が求められ、行政はプロフェッショナルとしての医師の自主性を最大限尊重するとともに、地域医療に責任を持つ立場から関与していく。

慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏
 (2013年8月の)社会保障制度改革国民会議の報告書に基づき、医療提供体制、医療保険制度、「地域医療構想の医師配置版」としてのマンパワーの改革は、「三位一体」で進む。(自身が構成員を務める)厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の2016年9月の会議で、「医師というのは、ガス、水道、電気に似ている。無いと皆が生活できない」「ニーズと提供体制がマッチするなら政策介入は必要ないが、ギャップが生まれるならば、ガス、水道、電気のような形で政策を展開しなければならない」と発言した。2015年12月の日本医師会・全国医学部長病院長会議の「医師偏在解消策検討合同委員会」でも「問題解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならい」としている。
 医師偏在対策は、医学部の「地域枠」を地元出身者が多く占めるようにするなどの方法が考え得る。また医学部ばかりに優秀な人が来て、他の分野に行かなくていいのかという問題もある。一方で医学部の中でも多様性が必要なことから、社会全体のマンパワーの在り方も、社会性というテーマの中で考えていかなければならない。

東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授の渋谷健司氏
 最古のプロフェッショナルは、聖職者、調停者・弁護士で、「神にprofessする存在」から「社会にprofessする存在」に変化している。(自身が座長を務め、2015年に報告書をまとめた)「保健医療2035」のキーメッセージの一つが、「保健医療は社会システムとして進化させる」ということ。
 医学教育も、1900年代は学ぶ対象はサイエンスで、学ぶ場は大学だったが、1970年代は関連施設などで仮説を立て問題解決の手法を学ぶ教育に変わった。2000年代には保健システムを学ぶことが目的となり、教育の場も多様化しており、その観点から医学教育を再編成しなければいけない。
 医師数の問題についても、「医師不足⇒医師を増やす」「医師偏在⇒医師を強制配置する」といった問題の裏返しを答えにするのではなく、医師が地方に行かない理由を解決して「土壌」を耕すことが必要だが、それをせずに医師を地方に行かせても問題は解決しない。医師をどのように養成し、どのように配置するかについて、知恵を絞って考えることが必要。



http://www.asahi.com/articles/ASK9J3DR1K9JUBQU005.html
匝瑳市民病院が建て替えへ 議会からは異論も
福田祥史
2017年9月16日20時30分 朝日新聞

 千葉県匝瑳市が運営する国保匝瑳市民病院(110床)の建て替え案が公表された。現病院の近くに約59億2千万円をかけて建設し、2022年度の開院を目指すとしている。ただ、建設地などをめぐり、市議会からは異論も相次いでいる。

 市の検討委員会が、建て替えの基本構想案と基本計画案を今月1日に公表。10月1日まで市民から意見を募るパブリックコメントを実施している。

 計画案では、新病院は一般病床70、地域包括ケア病床30の計100床とし、現病院の北約400メートルにある市の介護老人保健施設の隣接地に、地上3階一部4階建てで建設するという。

 同病院は1958年に旧八日市場市が開設した。JR八日市場駅の北西約2キロの山間部にあり、最も古い建物は71年建築で、大地震の際に倒壊の危険があるとされるなど老朽化が進む。市は有識者らによる委員会の提言を受け、15年に建て替え方針を決定。市民や病院関係者らによる検討委員会をつくり、計画案などの策定を進めてきた。

 公表された案に対し、今月14、15日の市議会一般質問では、これまでに市議から「八日市場駅南側への建設も検討を」などとする意見があったことも踏まえ、「案を見ると市民はあの場所しかないと思ってしまう。意見誘導だ」「我々の意見は論議されたのか」など厳しい声が上がった。

 市側は「あくまで検討委の提案。答申後に議会の意見も聴きながら検討していくことになる」と答弁したが、市議からは「議会としての見解を出さないといけない」との意見も出た。

 16年度決算によると、同病院の収支は1億1689万円の赤字。一般会計からの繰入金4億4814万円を除くと実質的には5億6503万円の赤字だった。医師不足も深刻で、01年度に22人いた常勤医が、現在は8人になっている。



https://dot.asahi.com/dot/2017091400070.html
医局トップでも「手取り40万円代」 大学病院の権威低下で広がる"副業"のカラクリ
連載「メディカルインサイト」
上昌広2017.9.15 07:00 dot.#朝日新聞出版の本#病院 AERA

 東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。だが、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、「副業」がはびこる医療界の現状について解説している。

*  *  *
 医局員だけでなく、医局のトップである教授も副業に勤しんでいます。首都圏の私大の教授を務める50代の外科系医師は、「給料は手取りで40万円台です」と言います。

 教授職にある彼も、毎週大学以外の病院で診療しています。アルバイト料は若干高いかもしれませんが、診療のアルバイトをしているという点は普通の医局員と変わりません。

 ただし、教授には、医局員ではできない副業があります。それは、医師派遣の斡旋です。

 日本のほとんどの民間病院は、大学医局から派遣される医師によって診療されています。大学の医局に所属する医師を招聘し、民間病院は最新の医療技術を導入してきました。大学医局と民間病院の人的交流は、地域医療の向上に大きな貢献を果たしてきたのです。

 大学病院は、あくまでも教育・研究・診療機関であり、人材派遣会社ではありません。法的には、大学病院が人材派遣により利益を得ることは認められていません。ただし、これは建前であり、両者の関係は時に不適切なものになります。都内の病院経営者は「外科医などを常勤で派遣してもらえば、億単位の売上が期待できる。教授に数百万円戻しても十分に元はとれる」と言い切ります。

 教授職に対する医局員派遣の見返りは、「顧問料」や「奨学寄附金」です。こうやって、医局を仕切る教授たちは「不労所得」にありつきます。

 教授の立場に立てば、給料が固定している大学で診療するより、関連病院での診療にウェイトを置いた方が儲かる。大学のガバナンスを考える上では、由々しき問題です。

 教授は、大学病院の経営陣という立場と、医局のトップという2つの立場を有します。

 大学病院の経営の立場からは、勤務医は安い給料で、できるだけ働いてもらう方がありがたい。一方、勤務医は、できるだけ待遇がよくなることを望みます。

 医局のトップとしての教授は、「医局員のエージェント」としての役割を担っています。医局員に投資し、成長させ、彼らをできるだけいい条件の関連病院に派遣する方が、利益が上がるからです。

 つまり、病院と教授の関係は、株式会社と取締役という側面と、興行主と芸能プロの社長のような側面があります。前者では教授は経営陣の一員ですが、後者では病院は取引相手です。教授の果たすべき役割は全く違います。

 これまで、これが問題にならなかったのは、大学に権威があったからです。山崎豊子さんの『白い巨塔』で描かれたように、医師が大学教授を目指して激しく競争する状況なら、大学は何もしなくても優秀な人材を確保することができたでしょう。

 ところが、昨今、大学病院の権威は低下しつつあります。首都圏では大学病院よりも専門病院を志向する医師が増えつつあります。がんならがん研有明病院、国立がん研究センター、循環器なら榊原記念病院、甲状腺なら伊藤病院という具合です。

 さらに、診療報酬が下がり、首都圏の大学病院は経営難に陥り、これまで医局に依存していた医師もキャリアを自分で考えなければならなくなりました。大学病院に勤務することは選択肢の一つに過ぎません。大学病院の経営と医師個人の利益が両立しないこともあります。大学教授の役割も、病院経営者と医局員のエージェントとの間で揺れ動いています。

 米国では、両者の立場は比較的明確に分かれています。日本の「勤務医」のような存在は少なく、医師は独立した事業主で、自らの患者を入院させるときには、個別に病院と契約します。このため、入院治療を受ける患者は、病院と主治医それぞれに治療費を支払います。前者はホスピタル・フィー、後者はドクター・フィーとして区別されています。

 今後、首都圏では大学病院の経営は悪化する一方で、医師の希少価値は高まるでしょう。大学教授は自らの病院で診療して稼ぐより、医局員のエージェントとしての側面を強めていくでしょう。これが大学病院の無責任体制を悪化させるのは言うまでもありません。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋



http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20170921347404.html
紫雲寺診療所、来春閉院
新発田市 医師の確保困難

【医療】 2017/09/21 14:02  新潟日報

 新発田市は20日までに、同市真野原の国保紫雲寺診療所の診察を来年2月に終了し、3月末で閉院する方針を決めた。診療所でただ一人の常勤医師の診療所長が来年3月末で退職する予定。後任の医師確保が困難なことや、近隣の民間医療機関で地域医療機能をカバーできることなどを理由としている。

 紫雲寺診療所は、明治時代に旧紫雲寺村などが整備した伝染病隔離病院が前身。1950年に国民健康保険診療所として再発足した。旧紫雲寺町が診療所と特別養護老人ホーム、保育園と一体化した複合施設として整備し、合併後は新発田市が診療所を運営している。

 現在は内科と心療内科があり、常勤医師1人と看護師3人が勤務している。

 診療所によると、延べ受診者数は2006年度には約1万7千人だったが、16年度は約8千人に減少。近隣にも民間医療機関があることから患者数が低迷し、実質的に赤字経営が続いていた。

 市は7月に地元住民らに診療所閉院を検討していると伝えた。出席者から意見などなかったことから「理解が得られた」としている。患者や予防接種などの利用者には、診療所内などで周知し、近隣の医療機関を紹介するなどして混乱がないよう対応する考えだ。



http://www.medwatch.jp/?p=15866
医師の勤務実態を精緻に調べ、業務効率化方策を検討―医師働き方改革検討会
2017年9月21日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師における「罰則付きの時間外労働上限規制」の特例を検討するにあたり、当面、「医師の勤務実態の精緻な把握」「労働時間の捉え方」、「勤務環境改善策」、「医療の質や安全性、健康との関係」などを議論していく—。

 9月21日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」では、こういった方針を固めました(関連記事はこちら)。年明け(2018年)早々に「今後の医師の働き方の在り方」に関するいくつかのシナリオを盛り込んだ中間整理を行い、それを2020年度以降の医学部定員の検討につなげ(医師需給分科会で議論)、さらに特例に関する議論などを深め2019年3月に報告書を取りまとめることになります。

ここがポイント!
1 病院の種類で医師の働き方がどう異なるのか、詳細に調査せよとの要請
2 救急・産科医療をどう確保するのか、国民への「適正受診」の勧奨も重要課題


病院の種類で医師の働き方がどう異なるのか、詳細に調査せよとの要請

医師も「罰則付きの時間外労働の上限規制」(▼1か月当たり45時間・1年当たり360時間の上限を違反した場合には罰則課す▼労使が合意しても年720時間(月平均60時間)の上限を超えてはならない▼労使合意による特例の上限を、2か月から6か月の平均で80時間以内、単月で100時間未満、年6回までとする)となることが決まっていますが、医師には応召義務(医師法第19条)が課されるなどの特殊性があるため、検討会で「規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策」などを議論します。

厚生労働省は▼10-12月に医師の勤務実態や勤務環境改善策などを議論する▼年明け(2018年)1月に中間整理を行う(結果を踏まえて、医師需給分科会で2020年度以降の医学部定員を検討する)▼検討会で引き続き、働き方改革について検討し、2019年3月目途に報告書を取りまとめる—という大きなスケジュール案を示しました。

さらに、8月2日に開催された初会合の議論を受け、今後の論点として(1)医師の勤務実態の精緻な把握、労働時間の捉え方(労働時間への該当性や宿直・研究活動の扱いなど)(2)勤務環境改善策(タスクシフト、タスクシェア、AIの活用、勤務環境改善支援センターの機能強化など)(3)整理が必要な事項(応召義務、医療提供体制の確保、国民の理解)(4)時間外労働規制の在り方(上限の在り方、医療の質・安全性確保など)―を例示しています。
 
このうち(1)で「勤務実態の把握」については、今年(2017年)4月に公表された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査、昨年12月に実施)結果があり、例えば▼医師の39%で週当たり勤務時間が60時間を超え、ほとんどが病院勤務医である▼診療科によって勤務時間や、その内訳は多様である▼当直回数が5-8回のケースと9回以上のケースとを比べると、「待機時間」に大きな差がある(診療時間や研究などの診療外時間に大きな差はない)▼大学病院では勤務時間、とくに研究などの診療外時間が他病院より長い傾向にある▼20-40代で子供のいる女性医師では勤務時間が比較的短くなる—といった状況が明らかになりました。
時間外労働が60時間を超える医師が4割弱おり、そのほとんどは病院勤務医である(10万人調査結果から)(図 略 )

診療科によって、時間外労働60時間となる医師の割合は異なる(10万人調査結果から)(図 略 )

月あたりの宿直回数が5-8回と9回以上とを比べると、診療時間・診療外時間に大きな差はないが、9回以上では待機時間に大きな差があるようだ(10万人調査結果から)(図 略 )

大学病院では、研究などの診療外時間が多く、結果として勤務時間が長くなっているようだ(10万人調査結果から)(図 略 )

10万人調査における、診療時間・診療外時間・待機時間・勤務時間の定義。「労働時間」とは異なる(労働時間のほうが短くなる)(図 略 )

 
過去最大規模で詳しく行われた「現時点で最良のエビデンス」(渋谷健司構成員・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)となる調査結果ですが、例えば診療外時間となる研究が、自発的に行われたものなのか、管理監督の下で行われたものなのか、などは明らかになっていないという限界もあります。このため、今村聡構成員(日本医師会女性医師支援センター長)らは「勤務実態をより詳細・整理に把握するための調査」を行うよう要望。厚労省は「検討する」との答えにとどめていますが、例えば「大学病院と地方の一般病院とで、研究時間にどのような差があるのか」などをタイムスタディ形式で調べることも視野にいれた新調査設計が検討される見込みです。この点、山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院院長)も「現在の医療提供体制、とくに救急・産科において、どれだけの時間外勤務に依存しているのかなどが見えるようにしてほしい」と強く求めています。
同じく(1)の労働時間の捉え方では、例えば「学会発表のための研究・資料作成」が労働時間にどこまで含まれるのか、「宿直」のうちどの部分が労働時間に含まれるのか、などを検討することになります。現在、「宿直許可基準」では▼宿直の中で行われる業務は、定時巡回・少数の要注意患者の定時検脈・検温など、特殊の措置を必要としない軽度・短時間のものに限る▼応急患者の診療、出産などで昼間と同態様の労働従事が状態のものは許可しない—といった例示をしていますが、さらに具体的な例示に向けた検討なども行われる可能性があります。

医師の宿直に関する規定・考え方(図 略 )

救急・産科医療をどう確保するのか、国民への「適正受診」の勧奨も重要課題

 また(2)の勤務環境改善に関しては、▼特定看護師の活用なども含めたタスクシフト・タスクシェアの推進▼AI・ICT・IoTの活用―などによる業務効率化、▼勤務環境改善支援センターの機能強化▼労働時間管理(経営管理)▼女性医師の活躍支援—といった方策などを幅広く議論します。

 この点について山本委員は「例えば大学病院では積極的な研究が必要となる」点を強調(このために勤務時間が他病院よりも長くなる)。タスクシフトを含めた『業務の効率化』なども積極的に議論すべきと訴えています。


大学病院では、研究などの診療外時間が多く、結果として勤務時間が長くなっているようだ(10万人調査結果から)(図 略 )

 なお業務効率化に関しては、今村構成員らから院内会議・文書作成の効率化・簡略化を求める声が出ています。診療報酬改定に向けた議論でも、こうした指摘がなされており、2018年度の診療報酬改定における対応にも期待が集まります(関連記事はこちら)。
 
 (3)の整理が必要な事項では、▼応召義務の在り方▼医療提供体制確保との関係▼国民の理解—という難しいテーマが列挙されました。

 医師法第19条には応召義務(診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない)が定められおり、これが長時間労働を招く大きな理由の1つとなっています。この点、渋谷構成員は「時代にあった応召義務を検討することも必要かもしれない」とコメント。「国民の理解」とも関係しますが、例えば夜間の救急外来に極めて軽症の患者が来た場合にも「応召義務」があるために当直医が対応しなければならないのか、いわゆる「適正受診の啓発」というテーマにも真正面から検討が行われる見込みです。

また「医療提供体制確保」に関して岡留健一郎構成員(福岡県済生会福岡総合病院名誉院長、日本病院会副会長)は「とくに救急医療、産科医療における時間外労働が重要テーマになる」と指摘。重点的な議論を要請しています。

 
さらに(4)では「時間外労働規制の上限の在り方」や「医療の質・安全の確保」などが論点として挙げられていますが、馬場武彦構成員(社会医療法人ペガサス理事長)や渋谷構成員、今村構成員らから「新たな裁量労働制」も検討してはどうかとの意見が出ています。

現在でも教授研究業務に従事する医師には「専門業型裁量労働制」を適用することが可能ですが、時間配分の決定を自身で行えない臨床医は「裁量労働制の適用に馴染まない」とされています。しかし、渋谷構成員や今村構成員は、医師の働き方が多様化する中で「例えば特殊な技術を持ち、自身の裁量で時間配分を行える臨床医もいるのではないか。新制度検討の余地は残しておくべきである」と要望しています。今後、おそらく年明け(2018年)に検討テーマの1つとなる可能性があります。

 

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/213884
決算書でわかる有名病院のフトコロ事情
7校のうち6つが黒字決算 私立医科大学は儲かっているのか

2017年09月20日 by 永田宏  日刊ゲンダイ

 大学付属病院は、教育施設という位置付けになっています。そのため課税対象外となっています。国公立大学の多くが1病院か、せいぜい2病院しか持っていないのに、私立の医科大学が3ないし4病院を開設していることに、ある種の違和感を覚える人が多いかもしれません。金儲けに走っているのでは、という批判もあります。
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 しかし、各大学の決算書を見ると、そうではないことが分かります。2016年度の事業活動収支を<表>にまとめました。関東の7つの私立医科大学のうち、6校までは黒字決算になっています。埼玉医大の黒字額は約109億円、業績好調という印象を受けます。しかし他大学の黒字幅は決して大きくありません。独協医大はわずか1・3億円、日本医大は5・5億円ほどにとどまっています。

 医学部には金がかかります。入学定員はせいぜい120人ほどに過ぎませんが、教えることが多いため、多くの教員を抱える必要があります。しかも設備・備品などは、常に新しいものに更新していかなければなりません。学生が何万人もいる総合大学なら、医学部の負担を全体でならすこともできますが、単科の医科大学には無理な相談。代わりに複数の付属病院を持つことによって、なんとか帳尻を合わせているのが実情です。そうでなければ学費を6年間で1億円も取らなければ、採算が合わないでしょう。つまり、私立医科大学の付属病院は、日本の医師供給の何割かを支える、裏方の役割を担っているというわけです。

 東京女子医大は22億円の赤字に終わりました。前年度に特定機能病院の指定が取り消されたことが、付属病院の収入に影響したといわれています。特定機能病院は一般病院よりも、入院基本料などの診療報酬が高めに設定されています。国や自治体からの補助金・委託金も多めに入ってきます。また臨床研修医を集めやすいというメリットもあります。取り消しによってそれらの特典が失われたことと、風評による患者数の減少などが重なったことが響いたのでしょう。

 しかし、名医が揃っている上に、循環器・リウマチ・神経疾患・血液疾患などで定評があり、信頼を取り戻しさえすれば、すぐに経営を立て直すことが可能でしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/558214
医師の働き方改革とキャリア
医師の働き方改革、「究極的には医療産業改革」
小西・関東労災病院経営戦略室室長、医療・病院管理学会で講演

レポート 2017年9月20日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 関東労災病院(川崎市中原区)経営戦略室室長・救急総合診療科科長の小西竜太氏は、9月18日に東京都内で開催された第55回日本医療・病院管理学会学術総会のパネルディスカッション「働き方改革の未来~医療者についてはどのようか~」の基調講演で、医師の働き方改革は究極的には「医療産業改革」につながり、医師の専門特性に応じた「働き方の多様性」を導入するなど、医療の生産性向上を進める必要性を強調した。

(図)(提供:小西氏)(略)

 「医療産業改革」に発展させず、時間外労働の上限規制や応招義務の見直しなど、表面的な対応にとどまっていたのでは、「将来の需要増に、“現有の労働力”では対応できない」とし、医療の衰退に陥る懸念を呈した。「医療産業改革」には、「労働力確保」「資本投入」「生産性向上」の方策がある。そのうち最も全国レベルでの実行可能性が高いとしたのが、ICT活用などのイノベーションの推進と診療体制の改革などの「生産性向上」。

 診療体制の改革の一つとして、小西氏が提案したのは、医師の専門特性に応じた「働き方の多様性」の導入。医師の働き方は、「空間固定的か、否か」「24時間対応が必要か、時間的に自由裁量があるか」の2軸で分類が可能とし、それに応じて「通常労働」「変形労働時間制」「裁量労働時間制」「シフト勤務」など、多様な働き方を認めていくべきと提言した。

(図)(提供:小西氏)(略)

 診療体制の変革については、「単独主治医制」に代わり、「複数主治医制/グループ診療制」の導入、医師から他職種へのタスク・シフティングなども提案。小西氏が属する関東労災病院救急総合診療科は、スタッフ医師と研修医数人で「複数主治医制/グループ診療制」とし、「ICU、HCU、病棟:20~30床」を24時間365日カバーしているという。

 基調講演後のディスカッションでは、小西氏の提案は支持しても、日本は少数医師体制の中小病院が多いことから、複数主治医制などの実現可能性を問う声も上がった。

 これに対し、小西氏は、「遠隔ICU」(集中治療医が、ネットワークを介して地域のICUにいる医師の診療支援を行う仕組み)などの例を挙げ、ICTの活用など、発想を変えて行けば対応は可能であるほか、小児科や産婦人科では複数主治医制の導入例が現に増えていると説明。「一番の抵抗勢力は医師」と指摘し、外科などメジャーな分野、また大学などで変革を進めれば、5年、10年と時間はかかるものの、全国に改革のうねりが広がっていくとした。

 さらに小西氏は、米国で医療安全の議論が進んだのは、「ダナ・ファーバー事件」(1994年にあるジャーナリストが抗がん剤の過剰投与で死亡した事件)であったことを挙げ、「残念ながら改革は、不幸な事件をきっかけに進むことが多い」と述べ、それを避けるためにも「医療産業改革」を進める大切さを説いた。

 本学術集会の会長で、パネルディスカッションの座長を務めた、労働者健康安全機構理事長の有賀徹氏も、小西氏の提案を支持、医療界が総力戦で「医療産業改革」を進める必要性を強調した。

「病院勤務医、約25%の減少に相当」
 小西氏の基調講演の内容は、政府が「働き方改革」を進める背景や医療へのインパクト、「働き方改革」に対する総論的打ち手、応招義務の問題など、多岐にわたった。

 まず医師の「働き方改革」は、診療報酬改定、医療計画、地域包括ケアシステム、地域医療構想、新専門医制度、医師偏在・需給問題など、現在進行形の改革の全てに影響し、「難しい舵取りが迫られる」と指摘。

 政府が2017年3月にまとめた「働き方改革実行計画」の内容は多岐にわたるが、中でも「時間外労働の上限規制」によるメリットとデメリット、「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」による医療界へのインパクトについて説明。後者については、特に非正規雇用が多い看護師での取り扱いが問題になるとした。

(図)(提供:小西氏)(略)

 「負の病院人材連環図」
「働き方改革」に対する総論的打ち手として、「医療産業改革」の必要性を挙げたのは、「時間外労働の上限規制」ばかりに目を向けていたのでは、下図のように負の連鎖に陥る危険性があるからだ。

(図)(提供:小西氏)(略)

 女性医師、高齢医師の活用も視野に
 「医療産業改革」を進めるに当たって、全国レベルで実行可能性がある施策として、「労働力確保」では女性医師や高齢医師の活用など、「資本投入」では医療産業外からの投資など、「生産性向上」ではイノベーションと診療体制の改革などをそれぞれ挙げた。

(図)(提供:小西氏)(略)

 診療体制の改革として、前述のように医師の専門特性に応じた「働き方の多様性」の導入を提言したのは、専門特性によって「時間」と「空間」で見た働き方が異なり、一律のルールを当てはめるのは難しく、非効率の場合もあるからだ。「通常労働」以外に、「変形労働時間制」「裁量労働時間制」「シフト制」など、多様な勤務体制を検討すべきとした。

 小西氏は応招義務の問題にも言及。歴史的経緯を見ると、明治・大正期において救急医療の担い手だった開業医に対する法令として始まったものの、今は救急医療の担い手が病院中心に変わっていることから、「現代の医療体制に合わせた応招義務に転換すべき」と提言した。

(図)(提供:小西氏)(略)

医療観、個人の責務を混同すべきではない」と指摘。「国家・行政による法の解釈」と「職能団体による綱領・規範」とは分けて考える必要性も強調し、講演を締めくくった。



https://www.m3.com/news/general/558066
【北海道】休診の納内診療所、再開見通せず 深川市、前院長と運営費巡りトラブル
地域 2017年9月20日 (水)配信北海道新聞

 【深川】深川市郊外の市立納内(おさむない)診療所が、市と前院長(52)の対立で6月に休診してから3カ月がたった。地方での医師確保が難しさを増す中、市は好待遇で前院長を招いたものの、契約の解釈を巡り両者に亀裂が入った。診療所経営への市のチェックが甘かったとも指摘され、後任医師の確保にも課題を残している。

 「市民の財産を立ち会ってチェックするのは公務員の『いろは』でないか」。6日の市議会一般質問で、診療所に対する市の管理体制をただす声が上がった。

 開設から70年以上たつ納内診療所は市中心部から約7キロ離れ、2016年の年間患者数は延べ約5千人。人口約1800人の過疎地域で1次医療を支えてきただけに、突然の休診に住民の間には困惑が広がる。



https://www.m3.com/news/general/558052
「かつらお診療所」11月再開へ 田村医師会協力、複数医師派遣
地域 2017年9月19日 (火)配信福島民友新聞

 内科医不在となっている葛尾村は、村唯一の医療機関「かつらお診療所」で内科診療を再開させる。田村医師会が医師派遣で協力し、11月の再開を目指す。15日開催の村9月議会で関連条例案が可決された。村は医療環境を整え、住民の帰還につなげたい考え。

 かつらお診療所は村が建設した。震災以前は田村市の男性医師1人が診療していたが、震災後、90歳を超える高齢などを理由に引退した。東京電力福島第1原発事故による避難指示が昨年6月に解除されたが、内科医の不在は続いている。

 村は田村、三春、小野の3市町の医療を担う田村医師会に相談、13人の医師が協力する意思を示した。村は診療所を村営にして、医師の受け入れを図る。内科診療は平日の1~2日間行い、複数の医師が交代で患者を診る見通し。

 馬場弘至副村長は「田村医師会などの助言を受け、できる限り早く再開させ、住民や働く人の安心につなげたい」と話している。



https://www.m3.com/news/general/558067
【北海道】天売島の常勤医不在 診療所長、8月末辞職
地域 2017年9月19日 (火)配信北海道新聞

 【天売】天売島(留萌管内羽幌町)で唯一の医療機関、道立天売診療所の所長の医師(64)が8月末で辞職し、9月から常勤医が不在になっていることが分かった。道は当面、札幌などから代診の医師を派遣して対応するとともに、後任の医師を募集している。

 道によると、医師は今年4月に赴任していたが「自己都合」で辞職願を提出した。現在、看護師1人が常勤している。



https://www.m3.com/news/general/558081
一志病院運営は津市で 三重県議会 提案説明で知事が考え
地域 2017年9月19日 (火)配信伊勢新聞

三重県は15日に始まった県議会9月定例月会議で、9億円を増額する一般会計補正予算案など11議案を提出した。鈴木英敬知事は冒頭の提案説明で、県立一志病院の運営について「地域の医療提供体制の確保は住民に身近な市町の役割」と述べた。

鈴木知事は「医療人材の育成は広域性の観点から県が関与すべき」としつつ「医療や介護を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築は市町の役割」と説明し、病院運営は津市で担うべきとの考えを示した。

本会議に先立ち、人事委員に任命された伊勢学園常務理事の戸神範雄氏(66)と、県公安委員の大阪大学名誉教授山本進氏(69)が議場で議員らに就任のあいさつを述べた。

補正予算案は、県産業支援センターからの返済金として9億円を計上。うち8億円は県を通じてセンターに貸し出していた中小企業基盤整備機構に返還する。残る1億円は財政調整基金に積み立てる。

提出議案はこのほか、産業廃棄物除去工事の契約金額を見直す議案など。県職員が公務中に起こした25件の交通事故について、損害賠償額を専決処分したことも報告した。



https://www.m3.com/news/general/557767
米沢2病院、病床数:適正数を算出 連携後、共に20床減方針
地域 2017年9月17日 (日)配信毎日新聞社

 医師不足解消を目的に医療連携を目指す米沢市立病院(同市相生町、322床)と三友堂病院(同市中央、190床)は、連携後の病床数を共に20床程度減らす方針を明らかにした。

 嘉山孝正・山形大医学部参与や中川勝市長らによる検討委員会の第4回会合で決まった。人口減少を見込んだ県の地域医療構想に沿い、市立病院300床、三友堂病院170床が適正と判断した。10月の次回会合までに、適正な医師の配置や新病院の概算建設費などを議題に挙げる予定。

 これまでの会合で、市立病院は高度・急性期医療、三友堂病院が回復期医療を担うことが決まっている。市は12月に連携の最終的な方向性を決定したいとしている。【佐藤良一】


  1. 2017/09/22(金) 05:38:42|
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9月15日 

http://www.medwatch.jp/?p=15757
医師偏在是正の本格論議開始、自由開業制への制限を求める声も―医師需給分科会
2017年9月14日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師偏在を是正するため、無床診療所を開業する場合にも「入院医療と同様に、地域の医療審議会の許可を要件とする」仕組みを導入してはどうか。ただし、一足飛びに開業制限を設けるのではなく、地域に必要な無床診療所数などの情報を提示し、医師自身で開業の是非を考える機会を設ける仕組みを導入してはどうか―。

13日に開催された医療従事者の需給に関する検討会「医師需給分科会」では、こういった議論が行われました。ほかにも▼都道府県主体の医師確保対策▼医師養成過程の見直しによる医師確保対策―などの論点が示され、年内に「偏在対策」に関する意見を取りまとめる考えです。

ここがポイント!
1 ビジョン検討会の意見踏まえて、実効性ある医師偏在対策を策定
2 無床診療所の新規開業、規制的に制限すべきか、自主的な調整に委ねるべきか
3 都道府県が「地域の医師の多寡」を判断できるような【指標】を設定
4 医学部地域枠の在り方や臨床研修医の募集定員なども検討テーマに

ビジョン検討会の意見踏まえて、実効性ある医師偏在対策を策定

医師需給分科会(以下、分科会)では、名称どおり「将来の医師需給」についてエビデンスに基づいて推計し、将来どの程度の医師が必要になるのかを検討しています。ただし、その過程で「医師の地域偏在・診療科偏在の是正が急務である」との認識が委員間で一致し、この点も重要検討テーマに据えられました。

昨年(2016年)9月には中間取りまとめが行われ、▼医学部における地域枠の在り方▼医師情報のデータベース化▼地域医療支援センターの機能強化▼チーム医療のさらなる推進―などのほか、「医療機関の管理者要件に医師不足地域での一定期間勤務を盛り込む」「自由開業・自由標榜の見直しを含めた、診療所の開設制限」など、いわば「強制的」な偏在対策を検討していってはどうかという考え方が示されています(14項目の偏在対策案)。

しかし、「医師の働き方」も含めた総合的な検討を行うべきとの塩崎恭久前厚生労働大臣の意向を踏まえ、分科会論議は一時中断、その間、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下、ビジョン検討会)で偏在対策を含めた働き方ビジョンの議論が行われていました。

今年(2017年)4月にビジョン検討会が意見を取りまとめたことを受け、6月に分科会が再開。「すぐに実施可能な偏在対策」をまとめるとともに、9月から「法改正も視野に入れた実効性のある偏在対策」の検討を行うこととなったのです(関連記事はこちら)。

無床診療所の新規開業、規制的に制限すべきか、自主的な調整に委ねるべきか

9月13日に開催された分科会では、厚生労働省から実効性ある偏在対策の策定に向けて(1)都道府県主体の実効的な対策(2)外来医療提供体制の在り方(3)医師養成過程と偏在対策―という大きく3つの論点が提示されました。

このうち(2)について厚労省から、「基準病床数」制度に関する資料が提示されたため、分科会では「自由開業制をどう考えるか」という議論が行われました。

都道府県の定める医療計画では、地域の事実上の病床数上限となる「基準病床数」が定められます。医療機関が基準病床数を超過するベッド整備を行おうと考えた場合には、都道府県医療審議会の意見を踏まえて、都道府県知事は開設許可を与えないことが可能です。この点を踏まえて神野正博委員(全日本病院協会副会長)は、「無床診療所も入院医療と同じではないか。『地域に無床診療所が多い』と判断された場合に、新規開業の無床診療所を保険医療機関として指定しないという仕組みもあり得るだろう」との見解を披露。無床診療所の開設に厳しい制限を設けてはどうかという、かなり踏み込んだ指摘です。

(図 略)
基準病床数制度、超過分のベッド整備について、都道府県知事は開設許可を与えないことなどが可能で、事実上の「病床上限」として機能している
 
これに対し、今村聡委員(日本医師会副会長)は、「この地域には患者がどの程度おり、高齢化がこの程度進んでいるので、無床診療所はどの程度必要になるか」というデータを公表する、というステップをまず踏むべきと強調。一足飛びに開業制限をするのではなく、まず医師側の自主的な調整を進めるべきとの見解と言えます。
いわば両極の意見と見ることができますが、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、こうした「自由開業の制限」方策を今後の論点に据えるかどうかについて明らかにしていません。前述のとおり、自由開業の制限などは分科会の中間とりまとめにこそ盛り込まれてはいるものの、ビジョン検討会が「個々の医師の能動的・主体的な意向を重視する」「モチベーションを引き出す方策を講じる」「規制的手段に依存すべきではない」との見解をまとめているためです(関連記事はこちら)。

このほかにも、病院団体が提唱する「医療機関の管理者要件として、一定期間の医師不足地域での勤務実績を盛り込む」という手法も、ビジョン検討会では「規制的手段」に位置付けており、分科会で真正面から議論されるか否かは不透明です(関連記事はこちら)。

都道府県が「地域の医師の多寡」を判断できるような【指標】を設定

 また(1)の「都道府県主体の実効的な対策」では、厚労省から次の2つの論点が提示されています。

▼「医師の多寡を把握できる指標」を導入し、都道府県自らが地域の状況を把握し、実効性のある医師確保対策を自らとれる(例えば医師養成に積極的に関与するなど)ようにしてはどうか

▼都道府県における医師確保対策を強化するため、管内の医療機関が主体的に役割分担・協議する体制を構築するとともに、各種ある医療提供体制に関する協議会について実効性を持たせる

 前者では、「人口10万人当たり医師数」といった乱暴な指標ではなく、より精緻に「地域における医師の多寡」を把握できる指標の開発を目指すもので、現在、厚労省内で研究が進められています。この指標が策定され、全国で用いられるようになれば、「隣接地域や全国平均と比べて、自地域にどれだけの医師が足らないのか」といった定量的な把握を都道府県が自ら行えると期待されます。これを出発点に、○科の医師が何名足らないので、専門医の養成枠について学会と調整しよう、などといったアクションに結びつけることも可能になるでしょう。

ここで、例えば外科医については、患者調査などから地域の症例数を推測し、ここに外保連指数で示されている必要医師数を組み合わせることなどで、相対的な「必要医師数」を導くことができそうですが、内科系では難しそうです。委員からは「距離」を勘案すべきと言った指摘もあり、どのような指標が設定されるのか注目されます。

なお山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)や新井一委員(全国医学部長病院長会議会長)、今村委員らは、「都道府県の担当者には力量の差が大きい」という点を指摘。厚労省による強力なサポートや、思い切った権限移譲などを検討してはどうかと提案しています。

(図 略)
医師が多いのか少ないのか、定量的に判断できる「指標」の開発を厚労省が進めている
 
一方、後者では、多くの委員から「医療提供体制に関する地域の協議会が多すぎる。一本化してはどうか」との意見が出されました。ただし、一本化しても稼働が担保される保証はないため、都道府県の状況に応じて「協議会が実効性を持つ」ような仕組みを工夫していくことになります。

(図 略)
都道府県に設置が求められている、各種の医療提供体制に関する協議会について、「実効性」を持たせる工夫が必要となる
 
現在、法定の「地域医療対策協議会」、専門医養成のプログラムをチェックする「都道府県協議会」、地域医療構想の実現に向けた「地域医療構想調整会議」などがありますが、法定の地域医療対策協議会ですら、7自治体では5年間に一度も開催されていないという実態があります。開催のハードルとなっている要素は都道府県によって異なると考えられ、地域ごとに「協議会が動く」ような柔軟な仕掛けが期待されます。

(図 略)
都道府県に設置が求められている、各種の協議会

(図 略)
法定の地域医療対策協議会であっても、7つの県では、ここ5年間で1度も開催されていない

医学部地域枠の在り方や臨床研修医の募集定員なども検討テーマに

(3)では、▼医学部地域枠の工夫▼臨床研修指定病院の指定・定員設定(都道府県の関与強化と、募集定員の圧縮など)▼新専門医制度における工夫(診療科ごとの専門医需要の明確化と、自治体関与の法制化など)―という論点が示されました。

医学部地域枠については、前述した「すぐに実施可能な偏在対策」の中でも触れられており(原則として地元出身者に限定するなど)、より実効性のある工夫を検討していくことになります(関連記事はこちら)。

(図 略)
地域枠には、医師確保に大きな効果があり、より強力な仕組みとする必要がある
 
また初期臨床研修を行った地域に定着する医師が多いことから、募集定員の圧縮を更に進めて地方へ研修医を誘導するなどの方策も検討することになるでしょう(都市部の募集定員が小さくなれば、超過した希望者は地方部へ行かざるを得なくなる)。

(図 略)
都道府県における臨床研修医の募集定員を圧縮することで、都市部への偏在を解消できると期待される

(図 略)
専門医制度において、「診療科ごとの専門医の需要」を明確化することなどで、地域偏在対策が一歩進むことになる
 
厚労省医政局医事課の担当者は、9-11月にかけて上記の論点に沿った議論を行い、12月に意見とりまとめを行ってほしいと要請。例えば「協議会の設置根拠をすべて医療法に持たせる」などの意見が示されれば、年明けの通常国会に医療法改正案が提出される可能性もあります。

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/557160
医療従事者の需給に関する検討会
勤務医・開業医の地域別の多寡、「指標」で見える化
医師需給分科会が議論再開、年末に偏在対策取りまとめ

レポート 2017年9月14日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会」の第11回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学学長)は9月13日、実効性のある医師偏在対策の検討に向け、議論を再開した(資料は、厚労省のホームページ)。

 都道府県がPDCAサイクルを回しながら、計画的な医師偏在対策を実施できるよう「各地域の医師の多寡を客観的に評価できる、全国ベースで比較可能な指標」を導入したり、外来医療についても、無床診療所が都市部に偏る傾向があるため、その是正を図ることを検討するなど、注目すべき論点が並ぶ。

 「指標」は今後の検討課題だが、勤務医と開業医の両方の地域別の多寡を「見える化」する方針。厚労省は外来医療の偏在是正策案を提示しなかったが、構成員からは「病床が基準病床数制度で規制されているように、無床診療所についても過剰な地域は、保険指定を行わない」という案も挙がった。

 さらに医師養成過程においても、(1)医学部については地元出身者の入学生が増えるような仕組み、(2)臨床研修制度については、都道府県が管内の臨床研修病院の指定・定員設定に主体的に関わる仕組み、(3)専門研修については、将来の診療科ごとの専門医の需要の明確化のほか、地域偏在を助長しないよう法律上、専門医制度構築において、地方自治体の意見を踏まえる仕組み――などを検討する。

 医師需給分科会は今年6月に、2018年度からの第7次医療計画に盛り込むための「早期に実現可能な医師偏在対策」を取りまとめていた(『「地域枠、地元に限定」「医師データベースで異動を追跡」』を参照)。今年末にかけて前述の医師偏在対策についての議論を深め、取りまとめを行う予定であり、医師養成過程における(2)と(3)など、都道府県の権限の明確化に向けて、医療法等の改正も視野に入れる。来年初めからは、2020年度以降の医学部入学定員の議論に着手する予定。

 なお、医師需給分科会は、2016年10月に発足した厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」により、同年10月から4月の間、議論がストップした経緯がある(『医師偏在対策、5月から集中的議論、医療計画に盛り込む』を参照)。13日の医師需給分科会では、ビジョン検討会座長の東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏へのヒアリングも実施。またビジョン検討会のメンバーだった聖路加国際病院副院長の山内英子氏のほか、国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長の堀之内秀仁氏の2人が医師需給分科会の構成員に加わった。さらに在宅医療と「医療における役割分担」に関連した2人の構成員を今後追加予定。

 医師の需給や偏在対策は、厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」の議論とも関係する(『医師の時間外労働の上限規制、年明けにも中間整理』を参照)。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「同検討会の議論を踏まえながら、並行して実効的な医師偏在対策を強力に進めていくことが大切」との方針を示した。


医師需給分科会は月2回程度開催し、今年末に取りまとめを行う予定。
 医師偏在対策、3つの柱
 厚労省が提示した今年末までの「実効性のある医師偏在対策」の主な論点は、以下の通り。

1.都道府県主体の実効的な医師確保対策と実施体制の強化
・医師の多寡を把握できる指標を導入し、都道府県が、PDCAサイクルを通じて医師確保できる実効的な計画とする。
・地域医療対策協議会を中心に、管内の医療機関が主体的に役割分担・協議する体制が必要。
・医師確保に関する協議会等について、関係性を整理・統合するとともに、関係政策と医師確保対策の整合性を確保。
2.外来医療提供体制の在り方
3.医師養成過程と医師偏在対策
・医学部に地元出身者の入学生が増えるような仕組みの工夫が必要。
・臨床研修については、都道府県が管内の臨床研修病院の指定・定員設定に主体的に関わり、格差是正を進める、臨床研修病院の募集定員をさらに圧縮、臨床研修修了後における出身地や出身大学の都道府県への定着を図る。
・専門研修体制の構築に当たっては、将来の診療科ごとの専門医の需要を明確化していくほか、専門研修が地域偏在を助長しないよう、法律上、地方自治体の意見を踏まえる仕組みとすることが必要。
 「無床診療所、過剰地域は保険指定NG」との意見も
 構成員の間で意見が分かれたのが、「2.外来医療提供体制の在り方」。厚労省は「無床診療所の従事医師数は、病院・診療所の3分の1」「無床診療所は、都市部に開設が偏る傾向があるが、病床規制や地域医療のある病院・有床診療所と異なり、偏在解消策が不十分」と問題提起。

 これに対し、日本医師会副会長の今村聡氏は、医師需給分科会の2016年6月の中間取りまとめで、「自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討」となっている点を挙げ、「かなり踏み込んだ書きぶりになっている」と指摘。「開業する医師にとっては十分な情報がないのが現状で、開業して失敗するケースもある」とし、各地域の患者ニーズや現有・必要医師数などのデータを用意し、それを基に医師が開業地域を判断する仕組みがまず必要だとした。「そうしたこともやらないで、いきなり規制的なことをやるのは好ましくない」。

 これに対し、全日本病院協会副会長の神野正博氏は、基準病床数制度では、病床過剰地域では医療審議会の意見を聞いて、病院開設や増床等の申請中止などが可能なことから、同様の考え方で「自由開業制を拒むものではないが、医療審議会で診療所が多すぎると判断した場合には、保険医療機関の指定を行わない」とする方法もあり得ると提案。

 なお、中間取りまとめでは、医師偏在対策として「特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所等の管理者の要件とする」案も挙がっていた。ビジョン検討会では、規制的な手法を否定したものの、13日の医師需給分科会では検討を求める意見が出たことから、「今後、議論するか否かを検討する」(厚労省医政局地域医療計画課)。

 「都道府県の権限、法的な整備必要」
 「1.都道府県主体の実効的な医師確保対策と実施体制の強化」の方針については異論が出なかったものの、果たして可能なのか、実際に都道府県が対応できるよう、その責任と権限を明確化するとともに、国が指針を示す必要性などが指摘された。

 現行でも地域医療対策協議会以外に、地域医療支援センター運営委員会、へき地保健医療支援対策に関する協議会、専門医協議会など、医師確保に関する協議会等が多数ある。日本医師会常任理事の羽鳥裕氏は、「同じような会議があっても、設置の根拠が違うために同時に開催できないなどの問題がある。また専門医協議会の根拠は(厚労省)通知にすぎない」と述べ、法的な整備を行う必要性を指摘した。

 そのほか、「医師確保対策についての都道府県の協議会は一本化して、ミッションを明確にして、国から指針を出す必要があるのではないか」(神野氏)、「都道府県の力量に差がある。また地域医療対策協議会を開催しても、機能しているとは思えない。これまで機能していなかった原因を把握して、都道府県に委ねるならどんな権限が必要かなど、もう少し掘り下げた施策が必要ではないか」(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏)などの意見が挙がった。

 「医師の多寡を把握できる指標」について、山内氏は、県を越えた患者移動なども踏まえ、地域と診療科を踏まえた指標の必要性を指摘。慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、「地域医療構想を進めても、医師がいなかったら、意味がない。地域医療構想をスタート地点として議論すべき」としたほか、医師不足の県では自県内で医師偏在対策を実施するには限界があることから、「国がマンパワーを配置できるような仕組み」を求めた。堀之内氏は、「若い時期にどこで研修するかが、その後の勤務地に影響する」として、地域医療構想だけでなく、専門研修に関係するデータベースなども活用しつつ、有効な指標を作ることを提案。

 「3.医師養成過程と医師偏在対策」について、厚労省は下記の案を提示。聖路加国際病院院長の福井次矢氏は、「個人的には日本専門医機構だけに任せていると、専門研修アプローチは難しいのではないかと考えている」と述べ、厚労省の関与を求めた。

 ビジョン検討会「正直言って、そんなに新しいことはない」

 今年4月に公表されたビジョン検討会の報告書については、座長を務めた渋谷氏自身が、医師偏在対策を中心に説明(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。

 医師を対象に実施した「働き方実態調査」(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)を基に、医師の44%が「地方勤務をする意思を持つ」ことから、「土壌を耕さなければ、花は咲かない。きちんと土壌を耕し、花を咲かせることが必要」と述べ、地方勤務の障害を取り除き、「土壌を耕す」必要性を指摘した。

 福井氏は、ビジョン検討会が打ち出した医師偏在対策は、医師需給分科会の議論でも出ていたとし、「データを取って、それを裏打ちしたことは評価できる」としたものの、「これまで随分聞いてきた話。どんな違うことをビジョン検討会では提言したのか」と質した。他の複数の構成員からも、同様の指摘が出た。

 渋谷氏は、実際に調査をしてファクトを基に検討したこと、また「特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、管理者の要件とする」などの規制的な手法を否定したことと、タスク・シフティングやタスク・シェアリング、AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーの活用など、将来の医師の働き方についての構造的変化を取り上げ、医師需給推計等に反映させていることなどを挙げた。「正直言って、そんなに新しいことはない。『そんなに変わらないのではないか』というのはその通りだと思う。ただ、それをデータを基に提案した。規制的な手法以外は、一緒であることは、エンカレッジされる(勇気付けられる)メッセージではないか」。



https://hibishinbun.com/news/?a=8293
石巻市立病院 再開から1年 外来患者数 目標の半分程度
想定下回るも今年は改善傾向 マンパワー・病床利用など課題

石巻市 社会 石巻日日新聞 9月13日(水) 17時15分 配信

 東日本大震災で全壊し、石巻駅前に移転新築された石巻市立病院は、今月1日で再開から1年が経過した。一日当たりの患者数は開院初月が想定の半分以下の75.6人と低迷したが、今年7月はその1.7倍の129.2人となり、増加傾向。一般病床の利用率も7割を超えた。同院では市民の医療ニーズに合った診療科の拡充や専門外来の新設などに取り組む考えだが、医師確保をはじめとする課題を踏まえた運営改善が求められている。
 外来患者数は平成28年度(昨年9月―今年3月の7カ月間)で1万3053人、29年度(4―7月の4カ月間)で9676人。一日平均の外来患者数は28年度が収支目標の199.1人に対して46.8%の93.2人、29年度は改革プランで目標とした205人の57.6%にあたる118人となっており、増加傾向にある。
 昨年9月の開院時に80床だった一般病床は、翌月に140床に拡大。今年3月からは療養40床も稼働した。年間の月平均利用率は28年度(目標値65%)が47.6%、29年度(同79.4%)は56.6%。いずれも目標値を下回っている。
 ただ、直近の7月は一般病床70.3%、療養18.8%で全体では58.9%。一般に限れば開院時の24.3%の約3倍で、ほぼ目標値に達しているという。また、一般のうち20床は、来年度以降に圏域初の緩和病床となる計画で、機能が整えば利用率向上が見込まれる。
 課題は療養で、開設から間もないとはいえ2割に満たない。想定以上に圏域内の病床数が充足していたと分析されており、一部を介護者の休暇目的の入院(レスパイトケア)に充てるなどの対策を検討していく。
 復興基本計画で求められている石巻赤十字病院との相互連携では、急性期(石巻赤十字)と回復期(市立病院)の機能分担は円滑という。救急は圏域全体の1割ほどを受け入れており、石巻赤十字病院が以前に担っていた一部がそのまま移行した形になっている。
 圏域内のその他の医療機関との連携では、在宅患者の急変時対応などで実績を積んでいる。しかし、より細やかな連携を進める上では、担当スタッフや医療内容の浸透不足などが課題という。
 開院時に常勤19人だった医師は、前院長の伊勢秀雄氏が退職したほか、2人の常勤医が開業に伴って離れている。病棟診療や内部活動での医師の負担は増大しているようだ。
 医師不足は石巻市に限らない問題だが、患者目線では医師確保がサービス充実に直結する。実際に、市立病院では当初から常勤麻酔医がおらず手術日が限られている悩みもある。

 常勤医の退職の一方で、外部医師の派遣で呼吸器内科や乳腺科など専門外来は新設されており、ニーズに応じて診療の幅を広げている。同院では今後も医師の招へいに努めつつ、ハードの整備コストや圏域全体の医療体制を鑑みて診療体制の向上を図るという。
 市の28年度決算は、同院と牡鹿病院を合わせた病院事業会計は9億円弱の純利益を計上したものの、営業成績にあたる医業収益と費用の収支は16億円の赤字になっている。
 椎葉健一病院長は「目算が外れた部分を含めての2年目。32年度には黒字基調に乗せたい。実績の向上に特効薬はなく、いくつもの対策を講じて、全体を底上げしていく」としていた。



https://www.m3.com/news/general/556657
住民投票の再議求める 滋賀・野洲市長、市民病院計画巡り
地域 2017年9月11日 (月)配信京都新聞

 滋賀県野洲市のJR野洲駅南口に建設予定の市民病院計画を巡り、是非を問う住民投票の発議案が市議会で可決されたことを受け、山仲善彰市長は8日、審議のやり直しを求める再議書を坂口哲哉議長に提出した。

 山仲市長は会見し「今回の発議に基づく住民投票には多くの問題があり、再議を求めた」と説明。再議書では▽(10月22日に投開票される)市議選の結果によっては市議会と市長との意見の相違が解消され、(病院計画の是非が)重要事項でなくなる可能性がある▽発議は「住民投票の結果に従うこと」を実質的な条件とし、住民投票制度の趣旨に反する―など8項目の理由を挙げている。

 再議を受け、市議会は再び発議案を審議、採決する。坂口議長は「発議者とも相談し、審議日程などを決める議会運営委員会の時期を決めたい」とした。

 山仲市長は「住民コンセンサス(合意)を得るべき」との議員の意見を受けて住民投票の実施を表明したが、6月定例会で付帯決議が可決されたことを理由に発議を見送った。計画に反対する議員らが改めて発議案を提案し、6日の定例会で賛成多数で可決された。



http://kyoto-np.co.jp/politics/article/20170912000237
市民病院の経営移行を正式発表 滋賀・守山市長「直営限界」
【 2017年09月12日 23時00分 】京都新聞

 滋賀県守山市の宮本和宏市長は12日、慢性的な赤字が続く守山市民病院(同市守山4丁目)の社会福祉法人「恩賜財団 済生会」(東京都港区)への経営移行について「2018年4月から15年間の指定管理の後、33年4月に譲渡する」との方針を正式に発表した。20日から市民のパブリックコメント(意見公募)を行う。

 宮本市長は「(市による)直営は限界に来ている。比較検討し、市民への最善の医療提供ができる形態を選んだ」と話した。県内の公立病院で指定管理者制度を導入しているのは東近江市立能登川病院のみで、民間譲渡の例はない。

 指定管理後の病院名は「済生会守山市民病院」。一般病床と診療病床を合わせて現在と同じ199床とし、内科、外科、小児科など18診療科目を維持する。救急とリハビリ機能を強化するとしている。

 指定管理料として市は15年間で計約38億円を同法人に支払い、財源は地方交付税で賄う。期間を15年としたのは、過去の本館建て替え費の借入金の返済に少なくとも今後12年かかるためとしている。

 市は19年度中にリハビリ室や回復期病床を整備した新館を建設。本館は約8億円かけて改修し、別館は壊して駐車場とする。同法人は施設利用料として約17億円を市に払う。指定管理期間の市の負担額は総額で約35億円、年間約2億3千万円になるという。

 守山市民病院の累積赤字は16年度末で18億円を超える。一般会計からの繰り入れは年間約2億円だが、医師不足による収益減少などで今後10年間で年間約3億5千万円に膨らむと見込まれ、指定管理の方が負担が少ないとしている。

 パブリックコメントは10月3日まで募集し、市役所などで資料を閲覧できる。約15年間通院する田中登美子さん(91)=同市守山2丁目=は「経営が難しくなって変わるのは仕方がない。長年、診察してくれた医師が急にいなくならないか不安。近くの高齢者が安心して通院できる環境をつくってほしい」と話した。



https://www.nikkei.com/article/DGXLZO20994490R10C17A9L71000/
千葉県立病院 赤字47億円 過去最大
2017/9/12 7:00 日本経済新聞

 千葉県がまとめた病院事業会計の2016年度の決算見込みによると、最終損益は47億5700万円の赤字と15年度の3倍に拡大した。3年連続で最終赤字に沈み、比較可能な1995年度以降では最大の赤字幅となった。県がんセンターで診療報酬の不正請求が発覚し、国への返還金として約21億円の特別損失を計上したのが響いた。

 県立6病院の収益は前の年度に比べて1.6%減の421億円だったのに対し、費用は5.5%増の469億円。経常損益の赤字幅は前の年度に比べて66%増の33億7400万円に広がり、赤字幅は過去2番目に大きかった。

 医師不足を背景に患者数が減少し、佐原病院や循環器病センターの医業収益が落ち込んだ。08~14年に腹腔(ふくくう)鏡下手術による死亡事故が相次いだがんセンターも患者数の減少傾向に歯止めがかからず、収益は厳しい。

 赤字体質の解消を目指し、県は今年度から県立病院の本格的な経営改革に乗り出す。医師の増員などで診療体制を充実させ、入院・外来収益を伸ばす。割安な後発医薬品の使用割合を増やし、コスト削減も進める。25年度には病院事業の経常損益を黒字に転換させたい考えだ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/556586
医師の働き方改革とキャリア
「医療が壊れるか、勤務医が壊れるか」
都内で医師の過重労働シンポジウム

レポート 2017年9月11日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国医師ユニオンと東京過労死を考える家族の会、過労死弁護団全国連絡会議が9月9日、「過重労働と医師の働き方を考えるシンポジウム~医師の働き方改革への提言~」を東京都内で開催した。過労死弁護団全国連絡会議代表幹事の松丸正弁護士は、国立循環器病研究センターで、勤務医に「月300時間、年2070時間」まで時間外労働をさせられる「36協定」が結ばれていたことを「常軌を逸した協定」と指摘。ただし、過労死を生まず、健康を守るためには、勤務時間の適正把握が最も大事であるとし、「今は医療が壊れるか、勤務医が壊れるかの二律背反の状況だ」と訴えた。

国循300時間、「常軌逸した36協定」

 シンポジウムは、今年2件が相次いで労災認定された後期研修医の過労による自殺などを題材に議論が行われた。

 松丸氏は、国立循環器病研究センターの「36協定」を、情報公開請求により入手。同センターの「36協定」は、2012年度に結んだもので、第2条で時間外労働時間の上限を医師から事務職員まで全ての職種で一律に「月45時間、年360時間」とした上で、第4条で「特別の事情がある場合の時間外労働時間」として、医師は「月300時間、年2070時間」、臨床工学技士は「月100時間、年870時間」、交代勤務の看護職員は「月150時間、年1170時間」と規定。松丸氏は「こんなものがあるとは思わなかった。常軌を逸した36協定だ。これでは労働時間の管理が放棄されている」と厳しく批判した。

 松丸氏はもともと、「36協定」に盛り込まれるこのような「特別条項」が、「何時間働かせてもいい」という根拠になり、過労死の大きな原因があると考えていたが、多くの事例に携わる中で、考えが変わってきたという。現在は「そんなに生やさしいものではなかった。一番の問題は、勤務時間が適正に把握されていないこと。そこでは労働基準法は死に、『特区』が生まれる」と考えていると指摘。勤務時間の把握は、過重労働に関する裁判で必ず突き当たる問題で、パソコンのログイン・ログアウトや電子カルテのアクセス記録などを用いて、使用者側が適正把握に努めるべきだとした。

「客観的な把握が全てのスタート」

 2016年1月に新潟市民病院で後期研修中の女性医師が過労で自殺し、2017年6月に新潟労働基準監督署から長時間労働是正などの勧告を受けた問題で、女性医師の遺族の代理人を務めている齋藤裕弁護士は、過重労働の改善を求め、新潟市に対して労働時間の把握や医師の負担軽減などについての申し入れをたびたび行っていることを紹介(『新潟過労自殺、「医師の勤務適正化図る」―新潟市長』、『病院の責任と「働き方改革」のジレンマ - 片柳憲雄・新潟市民病院院長に聞く』などを参照)。新潟市民病院の回答では、労働時間の把握が「自己申告によるもので、各医師が適切に申告していると信じている」というものだったとして、「これでは速度計のない自動車を走らせているようなものだ。客観的な把握が全てのスタートだ」と述べた。また、これまでに過労死に至った事例について、プライバシーに配慮しながら、年齢や診療科などのデータを詳細に公表し、過労死予防のための議論をしていくべきだと主張した。

「公共性とは何ぞや」

 東京都内の公的医療機関の産婦人科に勤務していた男性医師が2015年7月に自殺し、長時間労働が原因だったとして、労災認定された事件で遺族側代理人を務める川人博弁護士は、開業医だった父が、元々肺が弱かったこともあり、深夜にドアを叩く患者の診療をした後には、たいてい体調を崩していたことを紹介し、「倫理観や応招義務があるから医師は頑張ってきたが、限界に達している。解決していく必要がある」と指摘(公的医療機関の記事は、『『産婦人科後期研修医の自死、労災認定』』を参照)。長時間労働を正当化する理由として「公共性が高いこと」が挙げられることに対して、「全ての仕事には公共性があるはず。『俺の仕事は公共性が高い、おまえは金儲けだけだ』などというのは変な話。公共性とは何ぞや、公共性と労働とは、ということも提起したい」と述べた。

 全国医師ユニオン代表の植山直人氏は、長時間労働の主な原因になっているのは医師の絶対数不足で、「当直明けで手術するような国は、先進国では日本しかない。制度の問題であり、ヨーロッパではそんなに働かずとも命を守っている」と指摘。トラック運転手では拘束時間に厳しい条件があり、破れば道路交通法違反で「免許取り消しと、3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という重い罰則があることを例に、「安全性が求められる職業には、体調管理が求められる」と述べた。

 また、長時間労働の問題は、その多くが時間外勤務手当の不払いとリンクしていることも指摘。「300時間も時間外勤務をさせたら、病院はそんなに(手当を)払えない。だから不払いになる」ことも問題点であるとの見解を示した。

応招義務、「廃止すべき」、「現代に合わせて」

 自由討論では、時間外労働の上限規制について、応招義務などの医師の「特殊性」を理由に5年間の適用猶予とされたことなどが議論された。植山氏は応招義務について定めた医師法19条についての旧厚生省の解釈が、1948年から1955年にかけてのものであることを挙げ、「現代の医療水準に合った、現実的な解釈を厚労省には求めたい」と主張。川人氏は「廃止すべき。国が個人に対し、業務上の義務を課す規定で、これが過重労働を肯定する背景になっている」、松丸氏は「個人の義務として位置付けるのは無理。医療機関の義務として議論しないといけない」とそれぞれ述べた。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=62908
来年4月赤羽根診療所開設へ
田原市 空白地域解消と在宅医療充実図る/地域の強い要望を受け/医師の往診も実施/22日にも条例可決/地元から歓迎の声

2017/09/14 東日新聞(愛知)

 医師の空白地域解消と在宅医療の充実を図ろうと、田原市は2018年4月、赤羽根福祉センター内に、公設民営の「赤羽根診療所」を開設する準備を進めている。

 赤羽根地域は15年度、医師が亡くなるなどして閉院が相次ぎ、約2年間医師がいない状態(準無医地区)となった。

 「無医地区」は、中心的な場所から半径4キロ以内の区域に50人以上が居住している地区であって、容易に医療機関を利用することができない地区。それに対し赤羽根地域の場合、日中のバスが少なく医療機関を利用しづらい状況にある「準無医地区」にあたる。

 同地域では、田原方面の病院や診療所などへ車で通う人が多いが、車を持たない人は家族などに「病院まで乗せてと頼みづらい」と、通院をためらうようになったケースもあったという。

 地域住民から近くで医療機関を設立するよう求める声が多く寄せられるようになったため、市は医療従事者の確保や診療所を開設する場所、運営方法などについて検討し、準備を進めてきた。

 診療所は、歯科・乳児健診などを行っていた赤羽根福祉センター内にある旧保健センター約300平方メートルを改修。医師は往診も実施する。

 設計・改修などに関する一般会計補正予算は、市議会6月定例会で約7500万円を計上。9月定例会の最終日にあたる22日には、設置と運営に関する条例が可決される見込み。医師は10月をめどに確保できる見込みで、11月中旬頃には着工。12月定例会で施設運営を行う指定管理者などを決定する予定。

 地元サーファーらでつくるボランティア団体「安全波乗隊」の加藤昌高隊長は「以前のように、事故にあったサーファーなどが、ちょっとした傷を負った時にすぐみてもらえるようになる。住民も安心」と期待している。

 農業の60代男性は「バスを使って田原の総合病院へ行くとなると半日以上かかる場合も。高齢者や小さい子どものいる家庭にとっては朗報」と喜ぶ。



https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_chikuhou/article/357762/
全内科常勤医退職を表明 くらて病院 「町長が逸脱した権限行使」 徳島町長は否定「無責任」 [福岡県]
2017年09月12日 06時00分 西日本新聞朝刊=(福岡)

 鞍手町の地方独立行政法人「くらて病院」の院長を含めた内科常勤医師6人全員が来年3月末までに退職を表明している問題が11日、町議会一般質問で取り上げられた。病院職員約270人は「町長独断の逸脱した権限行使で町への不信感が募った」と徳島真次町長への要求書、町議会議長への嘆願書を提出している。徳島町長は要求書の内容を全面的に否定した上で「6人の医師が辞めるのは無責任」と話している。

 要求書などによると、徳島町長の「逸脱した権限行使」として(1)事務統括・新病院建設担当の副理事長を退職に追い込んだ(2)外部理事3人を含む役員構成を指示した-など6項目を挙げ、6人の医師の診療継続が困難と主張している。内科医の退職に伴い、産業医科大病院からの医師派遣も困難になるという。要求書などは病院職員約330人の大半の署名を添え、8月30日付で町と議会に提出された。

 一般質問では、無所属の岡崎邦博議員が嘆願書の内容などをただした。徳島町長は6項目全てについて否定。取材に対して「6人の医師の退職はあるまじき行為。町として対抗策を考えていかなければならないが、まだ話し合う余地はある。町民にも説明したい」と語った。

 一方、病院関係者は「内科医がいなければ外科の手術も困難になる」「このままでは病院の存続が危うい」と危機感を募らせている。8月に就任した河野公俊理事長は「各大学を回っているが、常勤医師の確保は厳しい。地域医療を守るため、今後もできる限りリクルート(求人)は続ける」という。

 くらて病院は、元炭鉱の病院を町が譲り受け、1965年に町立病院として開設。2013年に地方独立行政法人に移行した。町で唯一20床以上の入院施設を持つ医療機関。17診療科で、222床。1日220~230人の外来がある。町は老朽化などを理由に移転新築を予定。同病院整備基本構想では18年度着工、20年度完成を目指している。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20170912202352
病床機能、どれを選んでも「入院料に影響なし」
厚労省が今年度のマニュアル公表

2017年09月12日 22:00  CBNews

 厚生労働省は12日、今年度の病床機能報告のマニュアルを公表した。医療機関が自院の医療機能をどう報告しても「診療報酬の入院料等の選択等に影響を与えるものではない」と明記し、実情を踏まえて適切に報告するよう促している。医療機能などの報告は10月中、インターネット上などで受け付ける。【佐藤貴彦】

 また、「回復期機能」を選ぶと急性期の7対1入院基本料を算定できなくなる、といった懸念を一部の医療関係者が示していることから、マニュアルでは、今回選んだ機能が診療報酬などの選択に影響を与えることはないと強調した。

 2014年度にスタートした病床機能報告は、病院や有床診療所が、自院の機能や診療実績などの情報を年1回、都道府県に報告する仕組み。集まった情報を基に、地域の医療機関同士の役割分担などを進める狙いがある。

 団塊世代が75歳以上になる25年には、リハビリテーションなどで患者を在宅復帰させる「回復期機能」の病床の需要が増すと予想される。

 病床機能報告では4つの医療機能の中から、自院が担っているものや今後担うつもりのものを医療機関が病棟単位で選び、自己申告する。昨年度の報告では、病床数ベースで「急性期」が46.8%、「慢性期」が28.4%などで、「回復期」は11.1%にとどまった=グラフ=。

 機能ごとの病床数が今後も変わらなければ、全国的な「回復期機能」の病床不足に陥りかねない。ただ厚労省では、医療機能を適切に選択できていないケースがあるとみており、今回のマニュアルで機能の選び方などを明確化させた。



https://www.m3.com/news/general/557318?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD170914&dcf_doctor=true&mc.l=247067931&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
年間赤字4億円見込み 新設予定の県立病院精神医療センター
地域 2017年9月14日 (木)配信大分合同新聞

 県は13日、2020年度中に県立病院(大分市)に新設予定の「精神医療センター(仮称)」について、年間約4億円の赤字が見込まれるとの収支見通しを明らかにした。医師・看護師の人件費に加え、他県の医療機関などを参考に必要経費を試算した。県は経営効率化を徹底した上で、一般会計からの繰り出し金で経費を補い、安定的な精神医療体制の確立を目指す。

 センター(36床)は休日・夜間を含めて24時間体制で救急対応し、家族らの同意があれば入院できる「医療保護入院」の患者を受け入れる。原則1カ月以内の短期入院型で、民間の医療機関では対応が難しい急性期か、身体合併症があるケースが基本になる。

 県病院局によると、運営体制は▽医師 5人以上▽看護師 24人以上▽精神保健福祉士 2人以上―の他、臨床心理士などの医療技術職や事務職員の確保が必要。収支の具体的な内訳は明らかにしていないが、収入は診療報酬が主体となり、支出は人件費、医療材料費、建設償却費などという。

 同局は経営効率化に向け、コスト削減の徹底や診療報酬の加算確保に取り組む方針。救急医療やがん診療などの必要経費は地方公営企業法で一般会計から負担(本年度は約12億円)することになっており、県は精神医療でも繰り出し金を負担して運営を支援する。

 田代英哉病院局長は13日の県議会本会議で「24時間365日の救急体制の収支や他県の状況から厳しい面も想定されるが、徹底した経営の効率化に努める」と述べた。衛藤明和氏(自民)の一般質問に対する答弁。



https://www.m3.com/news/general/557096
県立3病院:4年連続赤字 累積赤字約200億に 昨年度 /香川
地域 2017年9月14日 (木)配信 毎日新聞社 香川

 県立病院事業を評価する経営評価委員会(会長=久米川啓(はじめ)・県医師会長)が高松市内であり、県立3病院の昨年度決算がすべて赤字となり、計11億6900万円となる見通しが県側から示された。県立病院事業の赤字は4年連続だが、15年度の18億9400万円から縮小した。

 県病院局によると、赤字額は3病院別で、▽中央7億2000万円▽丸亀1億9200万円▽白鳥2億5700万円。前年度は、それぞれ15億900万円、1億9600万円、1億8900万円だった。

 中央病院は、入院延べ患者が15万6657人(前年度16万667人)▽稼働病床利用率85・2%(同87・1%)▽外来延べ患者が25万1611人(同25万7945人)――と減少する指標が目立った。ただ、診療単価が入院で7万1442円(同6万9270円)、外来で1万9282円(同1万8172円)と上昇したため、赤字額が大きく減った。

 また、県の病院事業会計の累積赤字は199億9500万円に達した。【植松晃一】



https://www.m3.com/news/iryoishin/557393
「医師支援死亡にどのように対応するか」、高久氏がCMAAOで講演
「終末期医療」テーマに東京で総会開催

レポート 2017年9月15日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 アジア大洋州医師会連合(CMAAO)の第53回総会・理事会が9月14日、東京都内で開催され、「終末期医療」をテーマに各国の出席者によるシンポジウムが行われた。第15回武見太郎記念講演として日本医学会前会長の高久史麿氏が講演し、日本の終末期医療を巡る議論の歴史や現状について説明。今後の課題として「海外で増加しつつある『医師支援死亡』(PAS、PAD)などにどのように我が国で対応するか」などと指摘した。

 高久氏は高齢化が進む日本の将来や、自身が座長を務めた日本医師会生命倫理懇談会の報告書などを踏まえて、日本の終末期医療の現状を紹介。依然として、「医療の目的は『キュア』だけだと考えていて、延命だけが目的と考えている医師がいる。亡くなる人の8割が病院で死亡するが、病院では何らかの措置をすることが役割となっていて、過剰な医療が行われる。患者の尊厳ある死、平穏な死を助ける『ケア』も医療だとする医学教育が不十分だった」との見方を示した。

 喫緊の課題は「平穏で適切な死に至ることを、個々の高齢者において実現すること」とし、課題を次の3点に整理した。(1)患者の意思決定支援の仕組みをどのように工夫するか、(2)在宅、施設、病院での望まない延命を防ぐために具体的にどのような方策があるか、(3)海外で増加しつつある医師支援死亡(PAS:Physician assisted suicide)に対して、わが国としてどのように対応するか――だ。PASについては、「日本でも避けて通れない課題である」と強調した。

 次いで、2011年の東日本大震災をきっかけに生まれた臨床宗教師の活動を紹介。海外からの参加者に向けて、「宗教、宗派を超えて協力する」という日本ならではのあり方を説明した。最後に、「穏やかな終末を迎えるため、自分の意思を適切に伝えておくことが大事」として、リビング・ウィルの重要性を呼びかけた。

 高久氏は現在86歳。約1時間の英語のスピーチを立ったまま行い、会場からは大きな拍手が送られ、講演の最後にCMAAO会長で、日本医師会会長の横倉義武氏が記念の盾を贈呈した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/557388
邉見全自病会長、「医療なければ人は住めず」
「管理者要件に医師不足地域勤務実績」実現訴える

レポート 2017年9月14日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は9月14日の定例記者会見で、5団体の連名で9月6日に厚生労働省に提出した、医師の地域偏在対策として医院の管理者要件に医師不足地域での勤務実績などを求める要望書について、「実現しなければならない。医療と教育、産業がない所は滅びてしまう。医療がなければ人は住めず、『コンパクトシティー』どころか『コンパクトネーション』になってしまう」と述べ、実現を改めて強く訴えた(『「医師不足地域での勤務実績」、病医院の管理者要件に』を参照)。

 邉見氏は、提出の際の厚労省医政局長の武田俊彦氏らとの会談では、「このまま『保険あって医療なし』の状況では困ると、行政訴訟も辞さないというくらい強く話しをした」とし、武田氏からは、「ピンチは逆にチャンスでもあり、医療崩壊の引き金を引いたときの医政局長は誰だ、と言われないように頑張る」という内容の話があったことを披露。この回答について、「一歩前進かなとは思う」と述べた。

 医師不足地域での勤務実績を病医院の管理者要件とする案は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会」で、2016年6月の「中間取りまとめ」に盛り込まれたが、同年10月以降は「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の設置により議論が中断。

 ビジョン検討会が2017年4月にまとめた報告書では、医師需給分科会の「中間取りまとめ」とは方向性の違う「『不足する地域に強制的に人材を振り向ける』という発想に頼るべきではない」などの提言がなされ、医師需給分科会では今後、議論するかどうかを検討される見込み(医師需給分科会の中間取りまとめは厚労省のホームページ、ビジョン検討会の報告書はこちら。関連記事は『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』、『勤務医・開業医の地域別の多寡、「指標」で見える化』)。

 邉見氏は、管理者要件について「医師需給分科会が2016年12月に最終報告を出す予定で、予算化されようとしていたが、ビジョン検討会が潰して、遅れた」と批判。医師の働き方改革の議論とも関連が深いとして、過重労働を減らすためには「医療の質を落とすわけにはいかないから、医師をものすごく増やすか、(態勢を縮小して仕事の)量を減らすしかない。働き方改革は医師偏在対策とも関係が深い」との認識を示した。全自病が行っている医師の働き方の実態調査については、結果は出そろっており、10月にも提言をまとめるとした。

 新専門医制度に関しては、10月から専攻医の1次登録が始まることについて、「どういう人を採用して、どういう人を落とすかという決まりがないなど、あいまい。初期臨床研修の施設でそのままという人が増えると思う。基幹施設に初期研修医が集まって、連携施設が総崩れになるのではないか」との懸念を示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/556527
「全国一律の施策は限界、地域医療構想で対応を」
武田・厚労省医政局長、全日病学会で特別講演

レポート 2017年9月11日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省医政局長の武田俊彦氏は、9月9日に金沢市で開かれた第59回全日本病院学会で地域医療構想について講演、人口の高齢化の状況が地域により異なる現状を踏まえ、「今後は全国一律の施策、物差しが当てはまらない」と指摘、地域医療構想の策定と調整会議による協議で、地域の実情に合った医療提供体制を構築していく必要性を強調した。

 地域医療構想は2016年度中に各都道府県で策定を終え、調整会議でその実現に向けた協議が進められている。武田局長は、現場では同構想への理解が十分ではなかったり、一部誤解もあるという。誤解の一つが、病床機能報告制度に基づく4つの医療機能の現状の病床数と、2025年の「病床の必要量」の関係であり、両者の意味は異なり、一致し得る数値ではない。また「地域包括ケアシステム構築に向けて、多様な機能を担う病院こそ必要」とも述べ、機能の集約化が解になるとは限らないケースもある。公的病院の役割についても、その病床を所与とするのではなく、調整会議での協議を踏まえ、検討することが求められる。

 武田局長は1983年の入省。「大きく分けて、10年ごとに施策のターニングポイントがあるのだろう」と述べ、次のように概観した。「1990年代は、高齢者介護が大きな問題になり、2000年度に介護保険制度がスタートした。2000年代は医療機能の分化と連携であり、急性期医療の充実が進められた。そして2010年代は、地域包括ケアの推進が課題となっている」。

 2018年度は、診療報酬と介護報酬の同時改定が行われるほか、第7次医療計画、第7期介護保険事業(支援)計画などが始まる。武田局長は、「いろいろな施策が一斉に動くので、ぜひ協力をお願いしたい」とした上で、「2018年度で全てが解決するわけではなく、2025年に向けて何度も改定がある。誤解のない形で、関係者の理解と納得の上で、医療提供体制の見直しを進めていきたい」とコメント。さらに新専門医制度、医師偏在対策、医師の働き方改革などを挙げ、各種の改革の動きを一体として進める必要性を指摘した。

 「全国一律の施策、当てはまらず」
 武田局長の特別講演のテーマは、「医療機関に求められる地域における役割の明確化と地域の合意」。(1)地域医療構想と調整会議、(2)公的医療機関等2025プラン、(3)病床機能報告制度――について解説した。

 (1)の地域医療構想については、前提として、人口の高齢化やその都道府県格差が今後の医療の在り方に大きな影響を与えることを指摘。日本は人口減少の局面を迎えているものの、今後の課題は、「高齢化率」ではなく、「高齢者数」であると注意を促した。都道府県によって状況が異なるのも特徴で、今後は首都圏をはじめ、都市部を中心に高齢者数が増加するものの、一方で人口減少が既に始まっている県もある。2020年から2025年までの65歳以上人口の増加数は、東京、大阪、神奈川、埼玉、愛知、千葉、北海道、兵庫、福岡(増加数の多い順)の9都道府県で、日本全体の約60%を占める。

 武田局長は、「従来の医療政策は、人口の高齢化が全国で進むという前提で対応してきた。しかし、今後は全国一律の施策、物差しが当てはまらない」と指摘。そのために導入したのが、地域医療構想の策定と調整会議による協議という仕組みであると説明した。

 地域医療構想の3つのステップ
 今年6月に政府が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2017」では、地域医療構想について、「病床の役割分担を進めるためデータを国から提供し、個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、2年間程度で集中的な検討を促進する」ことを求めている。

 武田局長は、地域医療構想は、3つのステップで進むと説明。(1)2025年の地域ごとの医療需要(4つの医療機能ごとの病床の必要量)を推計、(2)医療機関は医療提供内容を公開(病床機能報告制度)、(3)関係者が地域最適化に向けて調整会議で協議――だ。厚労省はこれらを進めるために、各種データと、病床機能の転換等を進めるための地域医療介護総合確保基金という二つのツールを用意。

 武田局長は、「地域によっては、地域医療構想や調整会議の狙いについて、若干受け止め方が異なる場合があり、より正確な情報提供に努めていく」と説明。例に挙げたのが、下記の仮想の地域。C病院は手術件数が少ないものの、リハビリテーションの実施件数は他院と同等であり、「C病院を回復期機能へ転換」といった議論が想定され得るが、必ずしもそうとは限らないとした。

・A病院、急性期250床、手術件数月50件、リハビリ件数月200件
・B病院、急性期200床、手術件数月40件、リハビリ件数月160件
・C病院、急性期100床、手術件数月5件、リハビリ件数月100件

 「2000年代の議論では、同じ領域であれば集約化し、急性期医療の質を向上していくという流れがあった。しかし、2010年代は、地域包括ケア機能を担う病院は、一定の急性期機能を持つことになるのではないか。調整会議では、こうした点も踏まえて議論してもらいたい」。武田局長はこう述べ、各調整会議では、「単純に手術件数が少ないから、集約化」ではなく、慎重な議論が求められるとした。

 一方で、「同じ地域に同じような機能を持つ病院があれば、経営は厳しくなる」とも指摘。武田局長は「こうした地域こそ、調整会議の意義がどこにあるのかを踏まえ、将来像を議論してもらいたい」と述べ、地域医療連携推進法人の活用も視野に入れながら、議論を進めることを提案。

 「公的病院ありき、では議論進まず」
 武田局長は、調整会議における公的医療機関の扱いについても言及。「まず大きな病院、大抵は公的病院になるが、その機能から決め、その残りの機能を他の病院で分け合うとなると、なかなか議論が進まない」。公的病院は、公的医療機関等2025プランの策定と実行が求められている。「公的病院は、自ら改革目標を掲げ、調整会議でそれについて話し合う。その上で自らの役割をもう一度、見直すことが必要ではないか。公的病院の病床数を所与として考えていくと、今後、入院ニーズの総量が減少していく中で、議論は進みにくくなる」。

 「多様な機能を担う病院こそ必要」
 さらに武田局長は、病床機能報告制度と地域医療構想の2025年の「病床の必要量」の相違にも注意を促した。病床機能報告制度は病棟単位で報告するが、さまざまな病期の患者が入院していても、一つの機能しか選べない。「急性期」と報告しても、急性期の病期以外の患者も入院している。一方、「病床の必要量」は患者数をベースに病床数を将来推計したもの。病床の転換を進めても、4つの医療機能別の病床機能報告制度の報告数と、「病床の必要量」は2025年においても一致するわけではない。

 「今後、特に問題になるのは、2次救急医療の受け入れ。回復期機能と報告していても、急性期機能も担っているケースもある。地域包括ケアシステム構築に向けて、多様な機能を担う病院こそ必要」。武田局長はこう述べ、「誤解のない議論を進めてもらいたい」と繰り返した。



https://www.m3.com/news/general/557290
蔵王協、北村山病院の分娩支援へ 診療情報の共有図る
地域 2017年9月14日 (木)配信山形新聞

 北村山公立病院(東根市)は来春から扱いを休止する分娩(ぶんべん)について、山形大医学部と関連病院でつくる蔵王協議会と連携し、周辺の総合病院で対応できる体制づくりを進めることが13日、分かった。来春以降も妊婦健診の機能は維持し、同協議会のネットワークを生かして診療情報の共有を図る。

 北村山公立病院は東根、村山、尾花沢、大石田の3市1町で組織する組合が設置主体で、管理者の土田正剛東根市長と、嘉山孝正山形大医学部参与らが同日、来春以降の村山地区の周産期医療供給体制について意見を交わした。

 関係者によると、村山地区での広域産科連携システムとして、妊婦健診は北村山公立病院が引き続き担い、小児科や麻酔科など十分な医療体制が整った同協議会加盟の総合病院が分娩を行うシステムづくりを進める方針を確認したという。

 蔵王協議会の会長を務める嘉山参与は「(北村山公立病院と総合病院とが)診療情報を共有していれば、いつでも安心してお産ができる。協議会としてバックアップしていく」とし、土田市長に妊婦の移動手段の確保を要請した。

 同学部産科婦人科学講座の永瀬智教授は北村山地区の出生数の約7割が他地域での出産である点を挙げ、「県産婦人科医会、県産科婦人科学会と具体的なシステムについて協議していきたい」と話している。

 意見交換を踏まえ、土田市長は「負担なく安全に出産できる環境は重要。情報共有を通じて地域住民が不安にならないような体制づくりに取り組みたい」としている。



https://www.m3.com/news/general/557115
2島の病床全廃、説明不足おわび 松浦市長が答弁 伊万里松浦病院移転問題
地域 2017年9月13日 (水)配信毎日新聞社

 松浦市が伊万里松浦病院(佐賀県伊万里市)誘致のため鷹島と福島の病床を全廃する計画で、友広郁洋市長は12日の市議会で「島のみなさんに十分説明せず、不安を与えたことをおわび申し上げたい」と述べ、早期に説明会を設けるとした。

 武辺鈴枝議員の一般質問に答えた。市は佐世保県北医療圏が過剰病床のため、誘致後の新病院の87病床を上回る88病床の削減を、両島の市営診療所の病床全廃と市内2病院の協力で達成する計画。友広市長は「診療体制を維持した上で、地域の意見を聞いて病床を介護施設などに転換する」と説明した。

 新病院を巡っては、同じ医療圏に属する佐世保市の朝長則男市長が病床削減の市内医療機関へのしわ寄せを危惧して「認めたくない」と発言している。武辺議員から「発言の影響は計り知れない」と指摘され、友広市長は「残念に思っている。病院誘致なくして市民の医療は確保できないと思っているので、理解を求めたい」と述べた。【峰下喜之】

〔長崎版〕



https://www.m3.com/news/general/556654
熊本市民病院、赤字36億円 震災で患者大幅減
地域 2017年9月11日 (月)配信熊本日日新聞

 熊本市は2016年度の病院事業会計決算をまとめた。市民病院(東区)は熊本地震で被災し、患者受け入れを休止した影響で、純損益は36億3134万円の赤字。植木病院(北区)も1億9016万円の赤字で、総額38億2149万円の純損失を計上した。累積欠損金は100億円を突破し、111億3277万円に膨らんだ。

 市民病院の延べ患者数は、入院が前年度比94・8%減の6407人、外来が52・4%減の7万8529人だった。震災で病棟3棟のうち2棟が使用不能になったことで、大幅に減少した。医師が49人減るなど、職員総数は583人となった。

 結果、入院収益が94・6%、外来収益が59・2%それぞれ減り、医業収益は84・7%減の16億7801万円。そのほか、駐車場使用料金の減収などにより、医業外収益も22・5%減り、9億3270万円になった。

 植木病院では、入院患者が1・9%増の3万7101人、外来患者が3・3%減の2万7186人。市民病院からの患者や職員受け入れにより支出が増えたことなどから、赤字を計上した。

 2病院と芳野診療所(西区)を合わせた病院事業会計の総収益は55%減の64億9015万円。総費用は29・9%減の103億1164万円だった。同診療所は、一般会計で赤字を穴埋めするへき地診療所のため純損益はない。(馬場正広)



  1. 2017/09/15(金) 07:40:02|
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9月10日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/556314
始動する“医療事故調”
「センター調査の結果公開、逸脱行為」
医法協医療安全部会長名で日本医療安全調査機構を問題視

レポート 2017年9月8日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医療法人協会医療安全部会長の小田原良治氏は、9月8日に会見し、日本医療安全調査機構が「センター調査の結果」を公開する方針を示していることに対し、「これが事実とすれば、センター業務の法律からの逸脱行為」と問題視する声明を公表した。「同機構が、このままセンター機能を担うことには、不安を感じざるを得ない」とし、厳格に法に従った活動を行うべきと指摘している。

 声明は、同日開催した同協会医療安全部会の緊急会議で決定した。「今回の問題は、機構の“フライング”と言えるが、センター調査の公表は、『厚生労働省と協議をして詰めていく』ということだったので、火を消さなければいけないと考えた」(小田原氏)。同部会に先立ち、小田原氏らは厚労省医政局総務課との面談の場を持ち、声明のたたき台を説明。小田原氏によると、同課は、日本医療安全調査機構に対し、「勇み足をしないように、と言った」と説明したという。

 2015年10月からスタートした医療事故調査制度は、医療安全を目的とし、それに資する事故調査を実施するため、事故を起こした関係者の秘匿性を原則としている。しかし、「報道によると、8月30日に開催された日本医療安全調査機構の医療事故調査・支援事業運営委員会で、同機構事務局は、医療事故調査・支援センターに依頼した再調査の結果を、個人情報保護に留意した上で、公開することを提案したという」(小田原氏)。

 医療事故調査・支援センターとして厚生労働大臣から指定されているのが、日本医療安全調査機構だ。医療事故調査制度では、医療事故が起きた場合、まず院内調査を実施するが、その結果に遺族等が不満を持った場合、あるいは医療機関がさらなる調査を必要と考えた場合に、センター調査を依頼できる。「センター調査で得られた情報は、個別事例として取り扱うのではなく、院内調査結果の報告と同じように、医療法第6条の16の規定に従い、複数事例の類別化、分析を行い、その共通課題を見付けることがセンター業務」(小田原氏)。

 小田原氏は、医療事故調査制度は、「有害事象の報告・学習システムのためのWHOドラフトガイドライン」に基づき、医療安全と責任追及の仕組みを分け、前者を目的とした制度としてスタートした経緯を説明。個人情報保護に留意してもセンター調査の結果が公表されるのであれば、医療現場の混乱を招き、事故調査だけでなく、医療自体が萎縮する恐れがある、と強い懸念を抱く。

 日本医療法人協会の顧問弁護士を務める井上清成氏も、「日本医療安全調査機構は、医療事故調査・支援センターとして厚生労働大臣から指定を受け、法律等で規定された制度の枠内で業務を行うことが求められる。にもかかわらず、枠内から逸脱した行為を意図的に行うことは、その地位にふさわしくない。法律等に則って、効果的な医療安全への取り組みを進めてもらいたい」とコメントした。「事故調査の報告書が公表されると分かった時点で、事故調査において萎縮、逡巡が起きる懸念があり、それでは再発防止に向けた調査が難しくなる」(井上氏)。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20170908151302
病院・診療所管理者、医師不足地域勤務を条件に
全自病などが提言

2017年09月08日 16:00

 全国自治体病院協議会(全自病)などは、医師の地域偏在対策に関する提言書を厚生労働省に提出した。病院・診療所の管理者について、医師不足地域での勤務実績を条件とするよう求めている。【新井哉】

 提言書は、全自病と全国厚生農業協同組合連合会、全国国民健康保険診療施設協議会、日本慢性期医療協会、地域包括ケア病棟協会が連名で取りまとめた。

 医学部の定員増や地域枠の創設などの医師需給に関する対策について、地域偏在の解消に結び付かず、有効な対策となっていないと指摘。医師が開業する場所や勤務先の選択が自由であることに触れ、「住民の公平に医療サービスを受ける機会を奪う」としている。

 こうした状況を改善するため、「病院または診療所の管理者となるためには、一定期間医師不足地域での勤務実績を条件とする」とし、各都道府県の医師不足地域における受け入れ人数、診療科、期間などを基に、国や全都道府県で組織する協議会で募集や調整を行うよう提案している。



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0908510673/
都市部に偏る医師、不足地域で一定期間勤務を...5病院団体が提言〔読売新聞〕
2017年09月08日 12:14(2017年9月8日 読売新聞)

 全国自治体病院協議会(辺見公雄会長)など5病院団体は7日、医師が都市部に偏り、地方で不足する地域偏在問題の解消に向けた提言書を厚生労働省に提出したと発表した。

 提言書は、病院や診療所の管理者になる条件として、医師が不足する地域で一定期間勤務するよう提案。また、地域医療の確保に関する国の責務を明確にし、厚労省や文部科学省、総務省など関係省庁が協力して問題に取り組むため、検討の場を設置するよう求めた。偏在問題を巡っては、厚労省の有識者会議が年内をめどに対策をまとめる予定。



http://www.medwatch.jp/?p=15651
医療機関の管理者、「医師不足地域での一定期間の勤務実績」を要件とせよ―全自病ら6団体
2017年9月8日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域偏在の是正に向けて、医療機関の管理者要件として「医師不足地域での一定期間の勤務実績」を盛り込むべきである—。

 全国自治体病院協議会、全国厚生農業協同組合連合会、全国国民健康保険診療施設協議会、日本慢性期医療協会、地域包括ケア病棟協会の6団体が9月6日、こうした要望を厚生労働省医政局の武田俊彦局長に行いました。

医師のモチベーションを維持しながら、地域偏在を是正していくことが重要

6団体は、医師の地域偏在は30年以上前から問題視され、これまでに医学部定員増や地域枠創設など各種の対策が講じられたものの、必ずしも有効ではなかったと指摘。そのため「実質的に高齢化の進んでいる地方ほど医師が少ない」状況になっており、国が「地域偏在を解消し、地域医療確保のための『緩やかなルール』を打ち出すべき」と提案。

緩やかなルールとしては、我が国医療の特色の1つである「医師が自由に開業地・勤務地を選べる仕組み」が偏在を招いている点に鑑み、【病院・診療所の管理者となるためには、一定期間、医師不足地域での勤務実績を条件とする】よう提案しています。

自由開業制を真っ向から廃止すれば「医師のモチベーションを阻害」してしまいかねず、一方、自由開業制を現在のまま維持すれば偏在対策が進まないため、モチベーションを確保したまま偏在を是正する観点で「一定期間の医師不足地域での勤務」を打ち出したものです。

6団体は、▼各都道府県の医師不足地域における受入人数、診療科、期間などをもとに、募集・受入人数の調整を全国組織で実施する▼受け入れ都道府県においては、勤務する医師について、できるだけ当人の意向を反映させて勤務地などを調整するとともに、その後のキャリア形成に資する体制を整える—との具体的な仕組みも提案しています。

 
今秋から厚労省の「医療従事者の需給に関する分科会・医師需給分科会」で、法改正も視野にいれた偏在対策論議が進められることになっており、6団体の提言もここで俎上にあげられる可能性があります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/555934
「医師不足地域での勤務実績」、病医院の管理者要件に
全自病など5団体、厚労省に要望書提出

レポート 2017年9月7日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 全国自治体病院協議会など5つの病院団体は9月6日、厚生労働省に対し、医師の地域偏在対策として、病医院の管理者要件に医師不足地域での勤務実績などを求める要望書を提出した。

 要望書で提案された医師の地域偏在対策は、二つ。(1)病院、診療所の管理者となるためには、一定期間、医師不足地域での勤務実績を条件とする、(2)地域医療の確保に関する責務について明確にし、国において検討の場を設置する――だ。今秋議論が本格化する厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」で、偏在対策の方向性について結論を得ることを期待している。

 (1)について要望書では、各都道府県における医師不足地域における受け入れ人数、診療科、期間等を基に、募集や受け入れ人数の調整は、国または全都道府県で組織する協議会で実施することを求めている。また受け入れる都道府県においては、勤務する医師について、できるだけ当人の意向を反映させ勤務地等を調整するとともに、その後のキャリア形成に資する体制を整える。

 要望書は、全自病をはじめ、全国厚生農業協同組合連合会、全国国民健康保険診療施設協議会、日本慢性期医療協会、地域包括ケア病棟協会の5団体の連名。

 提案に至った背景として、要望書ではまず医師の地域偏在対策が生じた理由に言及している。2004年度の臨床研修必修化で、大学医局による医師派遣システムが弱体化したものの、その代替機能がないまま現在に至っているなどと指摘。また、医師の開業地・勤務地の選択の自由が、医師の地域偏在をもたらし、住民の公平に医療サービスを受ける機会を奪うものとなっている点も問題視。その上で、「国政選挙における一票の格差問題と同じように、医師の地域偏在についても、国が率先して解消し、地域医療の確保のために緩やかなルールを打ち出すべき」と求めている。



https://mainichi.jp/articles/20170907/ddl/k22/010/208000c
沼津市
医師に就業支度金 市立病院人材確保 貸し出し条例制定へ /静岡

毎日新聞2017年9月7日 地方版 静岡県

 沼津市は6日、市立病院で新たに働く中核的な医師に700万円の就業支度金を貸し出す条例案を制定すると明らかにした。人材確保が狙いで、5年間勤めれば返済が免除される。市は「滋賀県高島市民病院で例があるが県内公立病院ではおそらく初めて」としている。13日開会の9月定例議会に提案する。

 全国的な医師不足を背景に、市立病院には常勤医がいない診療科がある。支度金貸与は「診療科の開設または維持に貢献できると市長が認めた」医師が対象で、具体的には泌尿器科▽腎臓内科▽麻酔科▽救急科--の医師を求めている。

 支度金の額は、勤務段階で沼津市内を住所とする人は700万円、市外の人は300万円。高給の医師が市内で5年暮らせば、市民税を約500万円支払う計算であることや、定住促進を勘案して差をつけた。

 市立病院の岩瀬宗一・病院管理課長は「医師確保で患者数増加、ひいては安定した病院経営につながれば」としている。【石川宏】



https://www.m3.com/news/iryoishin/555850
「医師の働き方改革」、2018年度改定の基本方針に
社保審医療保険部会で議論スタート、12月に策定予定

レポート 2017年9月6日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)は9月6日、2018年度診療報酬改定の基本方針の検討を始めた。厚労省は、「医療・介護現場の新たな働き方の実現、納得感の向上」など3項目の「改定に当たっての基本認識」と、4項目の「改定の基本的視点と具体的方向性」から成る基本方針のたたき台を提示した(資料は、厚労省のホームページ)。

 委員からは、追加意見や各論での要望が挙がったが、たたき台に対する異論は出なかった。厚労省は2018年度改定のスケジュール案も提示。ほぼ例年通りで、今後、社保審医療部会と並行して議論を深め、今年12月頃の基本方針の策定を目指す。基本方針を受け、中央社会保険医療協議会は2018年度改定の具体的な点数設定に係る審議などを行う。


(2017年9月6日の社保審医療保険部会資料)(図 略)

(2017年9月6日の社保審医療保険部会資料)(図 略)

(2017年9月6日の社保審医療保険部会資料)(図 略)

 「人は評価、薬関係は引き下げ」
 2016年度改定までの基本方針は、「重点課題」と「改定の視点」で構成。2018年度から「改定に当たっての基本認識」と「改定の基本的視点と具体的方向性」の2つの柱に組み替えられる予定だが、盛り込まれる項目は従来からの継続が多い。

 特徴の一つは、政府が「働き方改革」を進める中、2つの柱のいずれにも「医療者の働き方改革、負担軽減」が盛り込まれている点。この7月に設置された厚労省の「医師の働き方改革推進本部」は、「新たな医師の働き方を踏まえた診療報酬上の対応の方向性」も検討課題としていた(『医師の働き方、診療報酬も議論対象に』を参照)。具体的方向性の例として、「チーム医療の推進」(タスクシェア、タスクシフト等)、勤務環境の改善、業務効率化・合理化の取り組みを通じた医療従事者の負担軽減、遠隔医療も含めたICT等の活用が挙がった。

 さらに、介護報酬と同時改定となるため、地域包括ケアシステムの構築や多職種連携の取り組みの強化、医療介護の連携、病床機能の分化・強化、連携に合わせた入院医療の評価、在宅医療・訪問看護の確保なども重要課題となる。

 一方、「効率化・適正化を通じて制度の安定性・持続可能性を高める視点」では、薬価制度の抜本改革をはじめ、医薬品関連の項目が目立つ。2016年度改定に続き、薬価や調剤報酬については厳しい改定になるのは必至だ。

 「遠隔医療の定義、明確に」
 医療者側の委員からは、各論の要望が相次いだ。日本医師会副会長の松原謙二氏は、「遠隔医療」の定義を明確にすることを要望。「きちんと定義しないまま、何もかも遠隔医療とするのは間違い」。「かかりつけ医」等の評価に当たっては、「どんな機能を持つのかを十分に把握し、それを評価することが必要」と指摘。さらに医療の透明性を高めるため、外部評価を施設基準に加える点数を増やすことを要望した。

 日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、地域包括ケアシステムが進む中で、かかりつけ薬剤師が複数の医療機関を受診している患者の服薬を一元管理する重要性を強調。医療安全と医療費適正化のために、ポリファーマシーへの対応も大切だとした。さらに最近、医療機関の敷地内に調剤薬局(いわゆる門内薬局)を作る動きが出ていることを踏まえ、「通常の保険薬局とは明らかに異なり、かかりつけ薬剤師の機能を発揮できない。それに見合った評価をすべき」と訴えた。

 日本看護協会副会長の菊池令子氏は、厚労省のたたき台を妥当とし、特に(1)医療従事者の負担軽減と働き方改革の推進、(2)(1)を実現するためのチーム医療の推進(タスクシェア、タスクシフト)、特定行為の研修を修了した看護師の活用、(3)強化型の訪問看護ステーションの増加、(4)外来医療の機能分化・強化、糖尿病などの重症化予防への取り組み――などが重要だとした。

 「働き方改革」については、連合副事務局長の新谷信幸氏からも、「医療従事者の勤務環境の改善を進めていくことは当然のこと。過重労働を強いる医療体制であってはならない」との意見が上がった。

 そのほか、日本歯科医師会常務理事の遠藤秀樹氏は、診療報酬と介護報酬の同時改定をどうリンクさせていくかを書き込むべきと指摘。日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、医師不足で医療が成り立ちにくい地域もあるとし、「保険診療で何らかの手当てをしないと厳しい」と述べ、医師の地域偏在対策を診療報酬上でも検討すべきと指摘した。

 「メリハリのある報酬体系を」
 一方、保険者や経済界の立場の委員からは、「効率化・適正化」を念頭に置いた発言があった。経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長の望月篤氏は、「2025年を見据えて、質が高く、効率的な医療を目指した改定をしていくべき」とし、(1)医療と介護の連携のさらなる充実、サービスの効率化、(2)地域包括ケアシステムの構築、医療機能の分化と連携の推進、(3)限られた財源の中で、メリハリのある報酬体系を目指す――などを求めた。



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0906/ym_170906_1774257055.html
医師の過労防止 地域偏在の解消が欠かせない
読売新聞9月6日(水)6時0分

 医師が過労で心身に不調を来せば、医療の安全が脅かされかねない。患者にとっても問題が大きい。医師の働き過ぎの防止策が求められる。
 厚生労働省の有識者検討会が、医師の働き方改革に関する議論を始めた。残業の上限規制や労働時間の短縮策について、2年後をめどに結論を出す。
 政府は、働き方改革実行計画で残業時間に罰則付きの上限規制を設けることを決めた。
 医師については、適用を5年間猶予する。正当な理由なく診療を拒めない「応召義務」など、職務の特殊性に配慮したためだ。
 患者の命を預かり、容体に応じて対処する医師に、画一的な労働時間制限がなじまないのは事実だ。使命感から長時間労働を厭いとわない医師も少なくない。技術や知識の習得といった自主的研究と仕事の切り分けも難しい。
 業務実態に合った実効性ある対策を打ち出してもらいたい。
 1週間の労働時間が60時間を超える医師は、42%に上っている。全職種平均の14%を大幅に上回り、職種別で最も多い。
 中でも病院の勤務医は、宿直や緊急の呼び出しが頻繁にあるために、多忙を極める。
 勤務医の過労自殺も相次いだ。都内の総合病院に勤めていた男性研修医が自殺したのは、長時間労働による精神疾患が原因だとして7月に労災認定された。5月にも、新潟市民病院の女性研修医の自殺が労災と判断されている。
 医師は、手術時の緊張感や患者からの訴訟リスクなど、精神的重圧にもさらされている。医療機関は危機感を持つべきだ。
 女性医師が増え、家庭との両立に関心が高まったことも、働き方改革が必要とされる理由だ。
 地方や一部の診療科では、人手不足が深刻化している。医療機関には、一律の残業規制は地域医療を崩壊させるとの懸念が強い。
 人手不足の背景には、地域間などでの医師の偏在がある。働き方改革では、その解消が不可欠だ。医師の適正配置を促す効果的な方策を工夫せねばならない。
 医療機関の役割分担は重要だ。初期診療は診療所に委ねる。拠点病院に医師を集約し、当直などの負担軽減を図る。地域の実情に応じた取り組みが求められる。
 医師の業務見直しも進めたい。患者への基本的な説明や書類作成など、看護師や事務職に任せられる日常業務は少なくない。
 患者も、不要不急の受診をできるだけ避けることが大切だ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/555335
「医師の過重労働規制、焦眉の課題」
全国医師ユニオンなど3団体が声明

レポート 2017年9月4日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国医師ユニオン代表の植山直人氏、東京過労死を考える家族の会代表の中原のり子氏、過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博氏は9月4日に都内で記者会見し、医師の働き方改革に関する3団体連名の声明を発表した 。政府が進める働き方改革の問題点を指摘した上で医師の労働条件改善策を提言し、「新たな医師の過労死の労災認定が出るなど犠牲者が後を絶たず、医師の過重労働を規制することは緊急焦眉の課題だ。早急な医師の労働条件改善を求める」との内容で、今後厚生労働省に提出する方針。

 植山氏は、政府の働き方改革の問題点として、2017年3月に策定された「働き方改革実行計画」で労使が合意した場合に特例として、時間外労働は年720時間(月平均60時間)を上限とすることなどが盛り込まれているが、医師については改正労働基準法施行から5年間の適用猶予が決まっており、同3月から2年間を目途に議論するとされている点を指摘。「その間に一体どれだけの過労死が出るのかを危惧している。現行の労基法が全くだめなのではなく、守られていない。医師の労働時間を管理せず、自己申告に任せて放置している。医療の安全性を保つためにも、医師の過重労働は良くない」と訴えた。 また、今後の議論の中で、交代制勤務や労働時間の管理、時間外労働手当の支払いを行うと「当直が組めず、地域医療が崩壊する」という声が上がることが予想されるとして、「それは間違いではないが、それでは医師の過重労働は放置していいのか」とも主張。そうした議論の土台にするために、交代制勤務を導入して過重労働を減らしつつ地域医療を成り立たせるには、どのくらいの医師が必要なのかの詳細なデータを厚生労働省が出すべきだと述べた。

 2015年7月に自殺し、今年7月に長時間労働が原因として労災認定された、東京都内の公的医療機関の産婦人科に勤務していた男性医師の遺族側代理人を務める弁護士の川人氏は、後期研修医の負担が重くなっているという見方をする。初期研修医は短期間で異動するために病院側が多くの仕事を任せにくいが、後期研修医は「若く、ある程度経験があり、一定期間病院にいる。言い方は悪いが、病院としては酷使しやすいような誘惑に駆られる」と問題視。過労による自殺の具体的な事例を分析するなどして対策するべきだと主張した(関連記事は『産婦人科後期研修医の自死、労災認定』、『産婦人科医の過労自死を受けて声明、学会・医会』、『産科婦人科学会理事長「新しい視点で配慮を」』)。

 1999年に小児科医の夫を過労死で失った中原氏は、医師法19条の応招義務を、個人ではなく組織として負うべきものとするよう法改正が必要として、「過労死を生み出しかねない医療界を、変えていただきたい」と訴えた。

 声明の全文は以下の通り。

医師の働き方改革に関する声明
 現在、働き方改革が大きな社会的な焦点となっている。政府は、働き方改革として罰則付きの残業時間規制を行うとしているが、医師に関しては、時間外労働規制の対象とするものの、改正法の施行期日の5年後をめどに規制を適用することとし、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等についても検討し結論を得るとしている。8月2日に第1回の検討会が開催され、今後議論が進むものと思われる。一方、新たな医師の過労死の労災認定が出るなど犠牲者が後を絶たず、医師の過重労働を規制することは緊急焦眉の課題である。

 私たちは、これらの点に鑑み、政府が進める働き方改革の問題点を指摘するとともに、政府や使用者に対し、以下のとおり、早急な医師の労働条件改善を求めるものである。

政府の進める働き方改革の問題点

「100時間未満」との上限設定は、厚生労働省が策定している「過労死ライン」(月80時間の時間外労働)を容認することになり、また、労働時間の短縮に努力している使用者の取り組みに逆行している。
医師の深刻な過重労働が社会問題となっているにもかかわらず、5年にもわたり、医師に対して規制の対象から外すのは医師の命と健康に深刻な影響を与え、かつ、医療事故の原因となる。

考慮すべき重要事項

医師も人間であり、他の職種の労働者と同様、過重労働に耐えられるものではない。そして、人の命に直接的にかかわり責任が重くミスが許されないなど過度の緊張を求められており、ストレスの高い職業である。したがって、通常の労働者以上に健康障害に陥りやすいことを熟慮する必要がある。
医師の健康障害は、医療の質の低下や医療安全を脅かすのみならず、患者への説明責任等にも悪影響を及ぼすことを考慮する必要がある。
今回の働き方改革案では、深夜の交代制勤務の過重性を考慮した労働時間の視点が欠落している。医師の当直時に30時間を超える連続労働となることは、命に関わる職業として絶対に避けるべきである。
厚労省はトラック運転手の拘束時間に関して改善基準告示を策定し、一日の拘束の上限は原則13時間(例外16時間)としているが、医師に関しては、かかる行政上の規制がない。
国際的にみれば、我が国では医師不足を長時間労働で補っている。この現実を真摯に受け止め、改善策を作成すべきである。
医師法19条の応招義務は戦前以来の前近代的な内容であり医師が疲れていても診療に従事すべきと解釈されており、医師の過重労働を助長するものとなっている。政府案は、この応招義務を理由として医師の長時間労働を固定化しようとするものであり、本末転倒である。応招義務は廃止ないしは改正すべきである。

早急な医師の労働条件改善について

まずは現行の労基法遵守を徹底し、一刻も早く労働環境の改善を進める必要がある。とりわけ以下の点に関してはすぐに改善すべきである。
使用者が医師の労働時間管理を適正に行うこと。

 現状は、この管理が極めてずさんであり、単なる自己申告のみにもとづくところが多い。この間の医師の過労死労災認定では、使用者側が主張する時間外労働時間と労基署が認定した時間外労働時間との間に大きな乖離が認められる。さらに医師の年俸制に関する最高裁判決によっても労働時間管理の間題点が指摘されている。
 医師の労働時間を客観的資料に基づき適正に管理すること、及びそれに基づき割増賃金を含む残業代の支払いを正確に行うことが大切である。この適正な賃金支払を徹底することにより、使用者が経営・財政面からも長時間労働を減らすことの必要性に迫られる。

研修医に対する適正な処遇を行うこと。
 研修医について、医師としての労働を行っている時間帯にもかかわらず「自己研鑽」との名目で労働時間に算入しない傾向があるが、これは研修医の労働者性を否定するものであり、最高裁判決にも違反している。
 また、使用者は、研修医に対して、その健康管理のために、また、医療安全のためにも、労働時間管理をしっかりと行う必要がある。
「過労死ライン」を超える長時間労働を速やかに改善すること。
 この間の医師労働に関する調査などから、「過労死ライン」を超えた勤務、ならびに1カ月間を超えて全く休日のない勤務の常態化が明らかになっている。長時間労働の是正、休日の確保について、速やかに改善する必要がある。
医師の健康管理を厳格に行うこと。
 適正な労働時間管理の下で月80時間を超える時間外労働を行った医師に関しては、必ず産業医の面接を行うことが求められる。
 医師の過労死には、脳・心臓疾患による突然死も少なくないが、最近の特徴として、精神疾患を発病した後の自死が多い。現状ではうつ病等の精神疾患を抱えながら診療を行っている医師も少なくない。
 したがって、労働時間の削減とともに、早い時期からの精神科等への受診を促進する環境を整えるべきである。



http://toyokeizai.net/articles/-/186889
新専門医制度、「地域医療ファースト」の波紋
都市部の募集人員に「上限」

「CBnews」編集部 2017年09月04日

当記事は「CBnews」(株式会社 CBnews)の提供記事です

「基幹施設」の要件は緩められたが…(写真:Graphs / PIXTA)
地域医療への懸念から1年間延期されていた新専門医制度が、来年4月からスタートすることが確実になった。日本専門医機構(吉村博邦理事長)は8月25日、専門医を目指す医学生・臨床研修医に対し、制度開始が遅くなったことを「謝罪」する文書をサイトに掲載。この制度が「地域医療への配慮」を優先し、都市部の募集人員に「上限」を設けたことへの理解を求めている。紆余曲折を経た同制度の意義と今後の方向性を探った。

旧整備指針の「画一的な制度設計」見直す

新専門医制度は、なぜ都市部の扱いを厳格化し、「地域医療への配慮」を全面に打ち出す必要があったのか――。新制度の方向性が明らかになりつつあった1年半ほど前、大学病院に医師が集中するなどして「地域医療が崩壊する」との懸念が噴出。昨年7月に当時の同機構執行部のほとんどのメンバーが入れ替わるといった「再スタート」を余儀なくされた。このため、今年6月に公表した新整備指針では、旧整備指針を「画一的な制度設計」と評し、見直す必要があったことを率直に認めている。

地域医療にどのような配慮をしているのか。まず挙げられるのが、研修の中心となる「基幹施設」の要件を緩めたことだ。旧整備指針では要件などが厳しく、大学病院以外の医療機関が基幹施設になることは難しかった。これを改善するため、専攻医の採用実績が年間350人以上の領域(内科、外科、小児科、麻酔科、精神科、救急科など)については、大学病院以外でも基幹施設になれるようにした。

さらに都市部への集中を防ぐため、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県については、過去5年間の都市部の専攻医の採用実績の平均値を上回らないようにすることを「運用細則」に明記した。

しかし、都市部の定員を厳しく制限すると、他の県に医師を派遣していた大学病院が、自院の診療機能を落とさないために派遣医師を引き揚げる恐れもある。このため、地域医療に不都合が生じた場合は調整したり、仕組みを見直したりする方針だ。

医師不足地域の連携施設、指導医確保で“救済策”も

記者会見する吉村博邦理事長=写真右=と松原謙二副理事長(8月4日、東京都内)
専攻医を受け入れる中小病院などの連携施設は不可欠な存在だが、課題や問題点もある。原則として専攻医3人に1人の指導医が付くが、医師不足の地域では、常勤の指導医を確保できない連携施設が少なくないとみられる。このため、同機構は“救済策”を用意。指導医が連携施設に常時いなくても、テレビ会議を開催したり、指導医が施設を定期的に訪問して指導したりすれば、研修が可能とした。ただし、研修の質を担保することが「必要条件」だ。

同機構は専攻医の待遇も明確にした。研修は「職場内訓練」と位置付けられており、それぞれの研修施設が専攻医に給料を支払い、健康保険にも加入させることになる。妊娠や出産、介護などで研修を中断する場合は「中断前の研修実績は引き続き有効」との見解を示しており、研修復帰に道が開けている。

都道府県、医師会、大学、病院団体などで構成する都道府県協議会も重要な役割を担う。各領域(内科、精神科、外科など19領域)の研修プログラムを同機構が承認するが、都道府県協議会と事前に協議することが求められているからだ。

今後、研修プログラムが適切かどうか、各都道府県協議会による審議が本格化するが、プログラムの修正を求められた場合、10月上旬に予定されている専攻医の一次登録などにも影響が出かねない。

来年4月の開始に向けてタイトなスケジュールとなっているが、12月上旬から来年1月上旬まで予定されている二次登録の終了後も研修先が決まらない希望者について、同機構は「空席のある各領域の基幹施設と連絡を取り、研修プログラムへの登録を可能とする予定」と説明。研修プログラムに参加する機会を制度開始直前まで確保したい考えだ。



http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20170902/CK2017090202000013.html
指定管理後に譲渡検討 赤字続く守山市民病院で市長
2017年9月2日 中日新聞 滋賀

 守山市の宮本和宏市長は1日の市議会本会議で、赤字経営が続く市民病院について、社会福祉法人「恩賜財団済生会」(本部・東京)へ一定期間、指定管理を委ねた後、土地と建物を譲渡する方向で検討していることを明らかにした。議案の提案理由説明の中で述べた。

 市民病院は、診療報酬の改定や医師不足で慢性的な赤字経営が続き、2016年度決算で18億3853万円の累積赤字を計上。市直営の病院経営には限界があるとして、市は17年度に入ってから経営移行に向けた協議を済生会と続けている。

 市は18年度から15年間、済生会に指定管理を委ね、33年度に土地と本館を無償譲渡する案を練っているが、市民病院移行準備室は「まだ確定したわけではなく、これから市民の意見なども聞いていく必要がある」と話す。

 今月中旬までに市の方針をまとめ、市民から広く意見を募るパブリックコメントを実施し、市民説明会も開くことにする。

 (平井剛)



https://www.m3.com/news/iryoishin/554615
医療者の勤務改善に8.7億円、厚労省概算要求
2018年度、実質的に過去最大の31兆4298億円

レポート 2017年8月31日 (木)配信高橋直純、水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は8月31日、2018年度予算の概算要求を発表した(資料は、厚労省のウェブサイト)。予算規模は31兆4298億円で、2017年度より7426億円増加し、実質的に過去最大規模となる。そのうち6300億円は高齢化による自然増。重点施策や新規施策では、「医療従事者等の業種ごとの勤務環境の改善」「医師不足地域における若手医師のキャリア形成支援」などが挙がっている。

 財務省はここ数年、高齢化による社会保障の増加分を5000億円以下とする「目安」を示している。2016年度は診療報酬のマイナス改定などで概算要求段階から1700億円削減。2017年度は「高額療養費」の一部負担を引き上げるなどで1400億円削減し、5000億円以下を達成してきた。2018年度は1300億円の削減が必要になり、今年末に向けた予算編成の焦点になる。

 厚労省は2018年度重点施策として、
(1)働き方改革の着実な実行
(2)質の高い効率的な保健・医療・介護の提供の推進
(3)全ての人が安心して暮らせる社会に向けた環境づくり
の3点を掲げている。

 加藤勝信厚生労働相の前担当が一億総活躍担当大臣だったこともあり、特に働き方改革に重点を入れる方針。同分野での医療関連としては「医療従事者等の業種ごとの勤務環境の改善」(要求額8.7億円)があり、「働き方改革実行計画において、医師については時間外労働規制の対象となることから、医師の長時間労働是正に向け、病院実態調査を実施するほか、相談体制の強化を図ること等により、都道府県医療勤務環境改善支援センターがより効率的・効果的な支援を行う」としている。その他、「産業医・産業保健機能の強化」(45億円)、「治療と仕事の両立支援」(21億円)が入っている。

 2018年度予算編成では全体で要求総額は101兆円前後となり、4年連続で100兆円を超えた。財務省は98兆円程度まで絞り込む方針。

■医療関連の主要施策
・医師不足地域における若手医師のキャリア形成支援 (新規:8億円)
地域枠出身の若手医師が医師不足地域への派遣により地域診療義務を果たす場合等に、休日代替医師の派遣、複数医師によるグループ診療、テレビ電話等を活用した診療支援等をモデル的に実施し、派遣される医師のキャリア形成や勤務負担軽減を図るために必要な経費を支援する。

・地域の医療施策を担う人材の育成 (新規:1400万円)
地域における主体的な医療施策の企画立案能力の向上に向け、地域医療構想をはじめとする地域の医療施策や診療データの分析等に精通し、都道府県を支援することのできる専門家人材の育成を行う。

・AI、ゲノム医療、iPS 細胞等の最先端技術を活用した医療機器等に関する情報の収集、分析評価の体制整備 (新規:9500万円)
最先端技術を活用したゲノム検査装置やAI 診断プログラム等は、製品性能に影響する新たな知見が日々世界中で発表されていることから、最新の知見に基づいて適正かつ迅速に評価するために、これらの情報を随時収集するとともに、評価指標等を作成するための体制を整備する。

・保健医療分野におけるAI 開発の加速 (新規:3100万円)
保健医療分野でのディープラーニングや機械学習等のAI 開発を戦略的に進めるため、画像診断支援、医薬品開発、手術支援、ゲノム医療、診断・治療支援、介護・認知症の重点6 領域について開発・実用化を促進する。また、保健医療分野におけるAI 開発を効率的・効果的に進めるため、「保健医療分野AI 開発加速コンソーシアム(仮称)」において、AI 開発に必要なデータの円滑な収集や開発されたAI の実用化を加速するために必要な施策を整理・検討する。

・受動喫煙防止対策の推進 (一部新規:55億円)
飲食店等における喫煙専用室等の整備に対する助成や自治体が行う公衆喫煙所の整備への支援、国民や施設の管理者への受動喫煙防止に関する普及啓発を行う。

・医療従事者等の業種ごとの勤務環境の改善等 (8.7億円)
働き方改革実行計画において、医師については時間外労働規制の対象となることから、医師の長時間労働是正に向け、病院実態調査を実施するほか、相談体制の強化を図ること等により、都道府県医療勤務環境改善支援センターがより効率的・効果的な支援を行う。

・女性医師等のキャリア支援 (6600万円)
出産・育児・介護等における女性医師のキャリア支援を行う医療機関を普及させるため、男性医師や医師以外の医療従事者も対象とした普及可能な効果的支援策モデルの構築に向けた支援を行うとともに、モデル事業の取組みを更に展開するために全都道府県で「先進的な女性医師等キャリア支援連絡協議会」を開催する。

・医療保険分野における番号制度の利活用推進 (160億円)
2018年度からの段階的運用開始、2020年からの本格運用を目指す、医療保険のオンライン資格確認システムの導入等について、システム開発のために必要な経費を確保する。

・医療等分野におけるIDの導入 (43億円)
医療保険のオンライン資格確認の基盤を活用し、2018年度からの段階的運用開始、2020年からの本格運用を目指して、システム開発のために必要な経費を確保する。

・革新的医療機器・再生医療等製品等に関する日本発の有効性・安全性の評価方法の確立及び国際標準獲得推進 (1.9億円)
世界に先駆けて、革新的な医療機器・再生医療等製品・体外診断用医薬品の有効性・安全性に係る試験方法等を策定し、試験方法等の国際標準化を図り、製品の早期実用化とともに、グローバル市場における日本発の製品の普及を推進する。

・専門医に関する新たな仕組みの構築に向けた取組 (4.8億円)
新たな専門医の仕組み導入に伴う医師偏在の拡大を防止するため、研修プログラムについて協議する都道府県協議会の経費を増額するとともに、地域医療支援センターのキャリア支援プログラムに基づいた専門医研修の実施にあたり、指導医を派遣した場合や、各都道府県による調整の下で、医師不足地域の医療機関へ指導医の派遣等を行う場合に、必要な経費を補助する。また、日本専門医機構が各都道府県協議会の意見を取り入れて専門医の研修体制を構築するための連絡調整経費の増額や、医師偏在対策の観点から研修プログラムをチェックするために必要な経費等を補助する。

・特定行為に係る看護師の研修制度の推進 (4.3億円)
「特定行為に係る看護師の研修制度」(2015年10月1日施行)が円滑に実施されるよう、指定研修機関の確保、研修修了者の計画的な養成、指導者育成のための支援等を行う。また、2017年6 月に実施した厚生労働省行政事業レビューの公開プロセスの結果などに基づき、特定行為に係る看護師の研修の実態把握や課題分析等を行うとともに、eラーニング導入経費などを支援する。

・がん医療の充実 179億円
がんゲノム情報や臨床情報を集約化し、質の高いゲノム医療を提供するため、がんゲノム情報管理センター及びがんゲノム医療中核拠点病院等の体制整備を実施するとともに、がんゲノム医療に対応できる人材を育成する。希少がん対策の中核的な役割を担う「希少がん中央機関」を指定して、病理コンサルテーションの集約化、情報提供等を一体的に実施する。また、希少がんにおける病理診断の質の向上に必要な知識と技術を身につけるための人材育成を支援する。ゲノム医療の実現に資する研究、ライフステージやがんの特性に着目した研究(小児・AYA 世代(思春期世代と若年成人世代)のがん、高齢者のがん、難治性がん、希少がんなど)、がんの予防法や早期発見手法に関する研究などを重点的に推進する。



http://blogos.com/article/245172/
残業300時間 主治医制・応召義務・そして人件費 システムの問題
中村ゆきつぐ BLOGOS 2017年09月09日 09:08

昨日のNHKNW9にも出ていましたが、医師の労働時間に関する話題です。(国循、時間外労働「月300時間」の労使協定結ぶ…国の過労死ラインの3倍、見直しの方針示す)

本当旧国立病院の昔からのやり方を変えないことの弊害だと思われますが、まだ36協定結んでいるだけましかもしれません。(2009年では36協定結んでいるのは国公立病院の15%程度) ちなみに2月の新聞記事ではこのようなものもあります。(是正勧告 関電病院に 残業、36協定の200時間超え)

また労働者としてどの医師達が協定を結んだのかとても興味深いです。それこそ部長クラスの管理者が病院と締結していたのなら、まさに若い人たちの奴隷化です。そして残業代はどれだけ出ていたのか、そこまで報道してくれたらまさにブラック企業認定となるでしょう。

ちなみに私の若い時は、患者さんの病態にあわせて病院に数日泊まってもほとんどお金は出ませんでした。(正規の当直ならば数千円は出ます)つまり残業しても残業代がもらえるという感覚は正直医師にはなかったんですよ。それでもやりがいで楽しく働いていましたが。

主治医制・応召義務。人件費。

最初の2つが医師の仕事を増やす原因で、最後の高い人件費が医師を増やすことができない大きな理由です。もう主治医制ではなくチーム制に変えている病院も増えてきましたが、やはり患者さんにとって主治医は一人の方が安心という感覚を捨てられない医師が多いんですよね。そして応召義務が不規則な勤務体系を医師たちに課しています。そしてそれを当たり前と思う医師が中年以降にまだ多いんですよ。もう一人の頑張りで続けられるような昔の医療が通用する時代ではないのですが。

循環器内科はカテーテル治療で心筋梗塞で亡くなる方を大幅に減らしました。それは医師たちが常に待機し、時間をおかず救急で処置を行うようになったからです。それでも助けるためにカテーテルを1本多く使うと病院が赤字になります。そう、一生懸命患者を助けても病院が赤字になる、つまり儲かってないからどんなに忙しくても人なんて雇えないという流れがあるのです。
>「医師を増やしたり、事務作業を支援したりする仕組みを作り、労働時間の削減や適正な管理につながるよう取り組む必要がある。一方で、行政機関は『過労死ライン』を逸脱する36協定をなくす決意で、監督や指導にあたるべきだ」
弁護士さんのありがたい言葉ですが、安心安全な医療を行うためにはお金と人が必要です。今までボランティアをやっていた医師たちを守ろうとするのなら、今の医療料金体制を変えないと無理だと思っています。



http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170908/CK2017090802000051.html
規模縮小し診療所に 東栄病院、整備構想固まる
2017年9月8日 中日新聞 愛知

 東栄町は、町が設置し運営を指定管理者に委託している東栄病院(同町三輪)を町直営の診療所として整備する基本構想を固め、町議会に報告した。施設の老朽化に加え、利用者の減少で経営が悪化。医師や看護師の確保もままならないことから、町内の医療、社会福祉関係者と住民代表、町職員らでつくる「地域包括ケアシステム推進協議会」(佐々木経人会長)が5月以降、抜本的な見直しを進めていた。

 基本構想によると、2018年4月に直営化し、医師や看護師を町職員として採用。19年4月、病院を有床診療所(19床以下)に縮小する。20年9月には病床を廃止し、「町医療センター」として移転・新築。移転先の候補地として、東栄小学校の向かいにある町有地(同町本郷)を挙げている。

 東栄病院は1961(昭和36)年、国民健康保険病院として設立され、66年、町立病院となった。2007年の公設民営化後は、社会医療法人財団「せせらぎ会」が運営している。

 現在は内科、消化器科、整形外科など九つの診療科目と40床の入院設備を持ち、北設楽郡三町村の中核医療機関になっている。過疎化による利用者の減少などで、ここ数年は収益が悪化。赤字補填(ほてん)のため、町は13年度から交付金を支出し、16年度は1億8200万円に上った。

 村上孝治町長は「病院の建物は建築後40年以上がたち、改築が急務。これを機に医療、保健、介護、福祉が一体となった施設の整備を目指す。奥三河の市町村と連携し、医師や看護師の確保など医療の充実に努めていく」と話した。

 (鈴木泰彦)



http://www.asahi.com/articles/ASK973HG7K97UBQU00B.html
医師の残業規制は「猶予」 相次ぐ過労死に見直しの声
千葉卓朗2017年9月7日12時05分 朝日新聞

 医師の過労死が後を絶たないなか、高度医療を担う病院で「月300時間」までの時間外労働を可能にする労使協定が結ばれていることがわかった。医師の「働き方改革」をめぐる議論にも影響を与えそうだ。

 政府は、残業時間の罰則付き上限規制を2019年度に導入することを目指して、労働基準法改正案を今秋の臨時国会に提出する方針。ただ、医師については猶予期間を設け、改正法の施行5年後をめどに規制を適用するとしている。医師には原則として診療を拒めない「応召義務」があり、「特殊性をふまえた対応が必要」というのが理由だ。

 政府は、医師の残業規制について2年後をめどに検討して結論を得るとしている。このままいけば、残業時間の上限規制が導入されても、医師の残業時間は当面、これまで通り青天井で決められることになる。

 だが、総務省の112年の調査によると、「過労死ライン」とされる月80時間を超えて残業する人の割合は雇用者全体では14%だが、医師は41・8%。職種別では最も高い割合だ。都内の公的医療機関の産婦人科に勤めていた男性研修医や、新潟市民病院(新潟市)の女性研修医が今年、労災認定されるなど過労死も相次いでおり、規制の猶予を懸念する声が強まっている。

 過労死弁護団全国連絡会議(幹事長・川人博弁護士)や東京過労死を考える家族の会など3団体は今月4日、医師に対する規制の猶予を見直すよう求める声明を発表した。応召義務は「過重労働を助長する」として、廃止するか改正するべきだとしている。



http://www.medwatch.jp/?p=15643
2018年度診療報酬改定、効率的医療提供や働き方改革推進を視点に―医療保険部会
2017年9月7日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 2018年度の次期診療報酬改定に向けて、社会保障審議会の医療保険部会で「基本方針」策定議論が始まりました。

 6日の会合では、厚生労働省から▼改定に当たっての基本認識▼改定の基本的視点と具体的方向性—に関する叩き台が示され、これに基づく議論が行われました。「質の高い医療提供」のみならず、少子化を踏まえた「効率的な医療提供」や、働き方改革の推進に向けた「業務負担軽減」など、次期改定に向けたキーワードが見えてきました。

 基本方針策定論議は、社会保障審議会の医療部会でも並行して進められ、12月上旬にはまとまる見込みです。

ここがポイント!
1 人口減少社会の中で医療の支え手不足が生じる、「効率性」も重視した改定に
2 12月初旬には基本方針を固める、委員からは具体的な改定要望も

人口減少社会の中で医療の支え手不足が生じる、「効率性」も重視した改定に

 2006年度の診療報酬改定から、▼基本方針を社会保障審議会の医療保険部会と医療部会で策定する▼改定率は内閣が予算編成過程で決定する▼基本方針と改定率に沿って、具体的な点数設計を中央社会保険医療協議会で行う—という役割分担が行われています。かつて、中医協に改定に関する権能が集中し、汚職事件が起きてしまったためです。

 概ね、12月初旬に基本方針が決定され、12月下旬に改定率が定まり、年明け1月から中医協で「短冊」と呼ばれる具体的な改定項目案に沿った議論が行われます。もっとも基本方針を待っていたのでは改定論議が間に合わないことから、中医協では先んじて基礎的な議論が進められていることはメディ・ウォッチでもお伝えしているとおりです。

 9月6日の医療保険部会では、厚生労働省保険局医療介護連携政策課の黒田秀郎課長から基本方針策定論議のための、いわば「叩き台」が示されました。黒田課長は、2018年度には介護報酬との「同時改定」が行われることから、地域包括ケアシステム構築に向けて「医療・介護の役割分担と連携」が重要テーマになることを強調した上で、政府の進める働き方改革やこれまでの重点課題なども踏まえて、▼基本認識▼基本的視点と具体的方向性—のそれぞれについて、柱を立てるとともに、具体的な改定方向を例示しています。

 まず前者の基本認識では、(1)健康寿命の延伸、人生100年時代を見据えた社会の実現(2)地域包括ケアシステムの構築(3)医療・介護現場の新たな働き方の実現、制度に対する納得感の向上―という3つの柱を立てました。

このうち(1)では、「質が高く効率的な医療の実現」や「制度の持続可能性」など『効率性』を強く意識した項目が並んでいます。また(2)の地域包括ケアシステム構築に関しても、「切れ目のない医療・介護提供体制の構築」を上げるとともに、「生産年齢人口の減少などを踏まえ、将来を見据えた医療提供体制の構築」といった点を掲げており、ここでも「効率性」が意識されています。

さらに(3)では、安倍晋三内閣の進める「働き方改革」や「未来投資戦略2017」「ニッポン一億総活躍プラン」などへの対応と同時に、「医療資源の効率的な配分」といった項目にも言及され、やはり「効率性」が重視されています。

「高齢化の進展に伴う医療・介護ニーズの増大」が強調されますが、我が国では出生数そのものが減少しており、今後、医療の支え手(財政面はもちろん、医師・看護師などの医療従事者、メディカル・スタッフ)が減少していきます。こうした点を踏まえて「効率性」が強調されており、「医療費の適正化」だけの視点ではない点に留意する必要があります。
2018年度の次期診療報酬改定基本方針に向けて、厚労省が示した「叩き台」(その1)(図 略)

12月初旬には基本方針を固める、委員からは具体的な改定要望も

 後者の基本的視点としては、これまでの診療報酬改定基本方針も踏まえ、さらに近年の醸成などを勘案した次の4本の柱が立てられ、それぞれ「改定の方向性」が例示されました。

(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点
例えば、▼病床機能の分化・強化、連携に合わせた入院医療の評価▼退院支援、医科歯科連携、病診薬連携、栄養指導▼質の高い在宅医療・訪問看護の確保―など

(2)新しいニーズにも対応できる安心・安全で質の高い医療を実現・充実する視点
例えば、▼質の高いリハビリの評価などアウトカムに着目した評価の推進▼質の高いがん医療の評価▼難病患者への適切な医療の評価▼小児・周産期・救急医療の充実▼ICTなどの新技術を活用した医療連携、医療に関するデータの収集・利活用の推進―など

(3)医療従事者の負担を軽減し、働き方改革を推進する視点
例えば、▼チーム医療(タスクシェア、タスクシフトなど)、勤務環境の改善、医療従事者の負担軽減▼遠隔診療も含めたICTなどの活用―など

(4)効率性・適正化を通じて制度の安定性・持続可能性を高める視点
例えば、▼薬価制度抜本改革の推進▼費用対効果評価▼退院支援などの取り組みによる在宅復帰の推進―など
2018年度の次期診療報酬改定基本方針に向けて、厚労省が示した「叩き台」(図 略)
 
 この叩き台に沿って、12月初旬まで基本方針策定論議が行われますが、9月6日の会合でも委員から多数の意見が出されています。

 松原謙二委員(日本医師会副会長)は、「遠隔診療を含めたICTなどの活用」に関して、「医師が患者と対面してきちんと診療を行うことが基本である。スマートフォンで診療ができると主張される方もいるが、間違っている」と指摘。今後の中医協論議を牽制するものと言えます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。同じく医療者である武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は、過疎地では医療・介護サービスそのものが不足しており、保険制度で誘導しなければ医療・介護提供がかなわなくなってしまう」とし、診療報酬による地域偏在の是正を検討すべきと提言しています。

 菊池令子委員(日本看護協会副会長)は、▼機能強化型訪問看護ステーションの拡充▼医療保険の訪問看護レセプトの電子化推進▼特定行為研修を修了した看護師の活用推進―などを具体的に要望。

一方、費用負担者側のうち経営者サイドの望月篤委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会長)は、▼連携の強化とサービスの効率化▼地域包括ケアシステムの実現に向けた機能分化の推進▼メリハリのついた報酬体系―の3点を掲げ、「診療報酬改定にあたっては、経済成長や財政健全化との調和も重要な柱の1つ」と訴えています。

また、同じ費用負担者側でも労働者サイドの新谷信幸委員(日本労働組合総連合会副事務局長)は、「病院に勤務する医師も看護師も労働者である。働き方改革を推進する中で、医療従事者の勤務環境改善を進めてほしい」と強調しています。

さらに元中医協会長である遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所長)は「診療報酬と介護報酬の同時改定がメインテーマであるなら、基本方針にも両者のリンクが明確になるとよいのではないか」と提案しました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/556421
医師の勤務実態、病院種別、診療科別にタイムスタディ
鈴木・厚労省医務技監、全日病学会で講演し説明

レポート 2017年9月9日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省医務技監の鈴木康裕氏は、9月9日に金沢市で開催された第59回全日本病院学会で特別講演し、医師の働き方改革の議論に資するデータを得るため、病院種別や診療科別などの医師の勤務実態調査を実施する予定であることを公表した。講演後、m3.comの取材に対し、「医師のタイムスタディを検討している」と説明。タイムスタディとは、医師がいつ何を実施しているかを、一定の時間刻みで調べていく調査だ。病院団体や医師会などと協力して進める予定だという。

 鈴木医務技監は、厚労省の「医師の働き方改革推進本部」の本部長を務める(『医師の働き方、診療報酬も議論対象に』を参照)。

 今秋の臨時国会に法案提出予定の労働基準法改正法案では、「時間外労働」の上限規制は、医師は適用猶予とされ、2018年度末を目途に医師への適用の在り方を議論する。鈴木医務技監は、「医師は一般労働者、ここは変えられない」とし、変更の余地があるのは医師の応招義務であると指摘。また「労働と研修の線引き」「地域医療への影響」「(管理)当直」の問題のほか、「女性医師、若手医師」の視点からの検討も必要だとした。「病院に泊まり込んで覚える、といったやり方は、今は通用しない。(働き方改革を進めるには)医師にしかできない業務にシフトしていくことも必要ではないか」。

 その上で、「あまり厳格なルールを適用すると、救急医療や入院医療をやめる例も出てきかねない」とし、医師の勤務実態調査の実施予定を説明した。

 「なぜ変わらなければいけないか」

 鈴木医務技監の特別講演のテーマは、「平成30年 医療・介護同時改定 toward & beyond」。昨今の医療情勢を概説した上で、2018年度診療報酬改定の注目点を説明した。

 「なぜ変わらなければいけないのか。今、変わらなければいけない」

 講演の前段でこう問いかけた鈴木医務技監。「今までの人口の高齢化とこれからの高齢化は全く違う。今までは、高齢者人口が増加していたが、今後は高齢者人口はほとんど変わらない一方、生産年齢人口が減る。保険料収入も減少し、財政的に厳しくなる。現場にとっても大変であり、労働人口が減少する。また日本全国一律ではなく地域差があり、今後の高齢者増加の70%は大都市部」。

 団塊の世代が75歳を迎える2025年の医療、介護の体制を整えることが喫緊の課題だが、それから10、15年後が医療介護のニーズのピークであり、2040年を過ぎるとニーズはピークアウトする。病院経営においては、30、40年のスパンで、ニーズの増加と“引き戦”について考えていく必要性を指摘した。

 同時改定、ポイントは?

 同時改定については、まず財源論に言及。2018年度の社会保障費の「高齢化等に伴う増加額」は6300億円と推計されるが、政府の「経済・財政再生計画」の3カ年の集中改革期間の最終年度であることから、5000億円への抑制が求められる。「子育て支援にどのくらいかかるのか、それが大きなネック」と述べたほか、薬価改定財源をどの程度、診療報酬の改定財源に振り向けることができるかもポイントであるとした。

 さらに同時改定の内容について、「私見」と断り、(1)医療・介護サービス提供体制、(2)地域医療構想、(3)患者本位の医薬分業――について解説。そのほか、在宅、7対1入院基本料、ICT、遠隔医療などにも言及した。

 (1)に関しては、「これまで医療で対応していたものを、介護に変更するのは、同時改定時しかできない」とし、看取りも含めた適切なサービス提供体制などを検討課題として例示。(2)については、病床の機能分化と連携の推進(医療密度に応じた評価)などを例示。(3)の医薬分業については、処方情報の電子化・共有化(電子お薬手帳)などを例示したほか、「なぜ医薬分業を進めるのか」と問いかけ、最近話題の「敷地内門前薬局」を問題視した。院内処方と「敷地内門前薬局」の調剤の技術料には現行では差があるが、「同じ敷地内であるのに、これだけ差があるのは、本当にいいのか」と問いかけた。

 ICTの関連では、地域ネットワークに言及したのが注目点で、「これまでICT投資に対する診療報酬は少なかったが、これからは地域全体で進めるICTについては評価していく方針」。遠隔医療に関しては、「その是非を神学論争するのではなく、最新の技術を臨床現場でどう取り入るかを考えるべき」とした。

 特別講演の最後に、鈴木医務技監は、「将来に向けて(私見)」とし、今後の医療の在り方として、下記の4点について言及。さらに医療財源問題が一層厳しくなることを想定し、「私はここ1、2年のうちに、Catastrophic保険か、混合診療是認かなど、国民的議論を行うことが必要ではないかと考えている」と述べた。Catastrophic保険とは、個人では背負いきれない費用を皆で負担し合い、日常的な医療は保険外とする方法。反対に日常的な医療こそ保険とし、稀な医療は民間保険で対応するのが混合診療是認だという。

【将来に向けて(私見)】
1.Outcomeに基づく評価へ
 人員配置や患者数等のInput/Outputに基づく評価から、在宅復帰率や改善率などのOutcomeni基づく評価へ。
2. Best mix professional
 医師は診断し、診療方針を決定。フォローアップは、他の職種が行うといった、業務内容に応じた職種の適正配置。
3. Precision medicine
 ゲノム医療の進歩により、慢性疾患も遺伝子型により重症化や合併症発現リスクに応じた疾病管理が可能に。
4. ICTの推進
 ICTの導入、推進により、診療データの収集・一元化・分析により、診療状況をリアルタイムんで把握し、それらのデータに基づく電子診療支援システム等の提供を通じて、診療内容を標準化



https://www.m3.com/news/iryoishin/555034
真価問われる専門医改革
専攻医の1次登録、10月1日から開始、日本専門医機構
「研修医の先生は積極的に動いてほしい」

レポート 2017年9月3日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本専門医機構は9月1日の理事会で、2018年4月開始に向けた専攻医の登録スケジュールを合意した。19の基本領域で10月1日から1次登録を、12月16日から2次登録を受け付ける。同機構副理事長の山下英俊氏は 「研修医の先生は各施設に話を聞くなど、積極的に動いてほしい」と話した。

 この日の理事会で合意した、専攻医の登録のスケジュールは以下の通り。
■1次登録
 10月1日 ― 11月15日:受付
 11月16日 ― 11月30日:各学会での採用に対する調整
 12月1日 ― 12月15日:採否の決定

■2次登録
 12月16日 ― 2018年1月31日 受付
 2月1日 ― 2月14日:各学会での採用に対する調整
 2月15日 ― 2月28日:採否の決定

 2次登録決定後も、空席のある施設では登録申請をすることができる。

 理事会後の記者会見で、同機構理事長の吉村博邦氏は「変更があるかもしれない」としつつ、このスケジュールで進めると報告した。総合診療を除く各基本領域では、それぞれの学会ウェブサイトから登録する。総合診療について、副理事長の松原謙二氏は「医師の偏在にも私どもは責任があり、私どもの所で担当し表示していく」として、同機構のウェブサイトからとなることを説明した。同機構は登録のやり方などを記したマニュアルと、「学生と研修医に対する声明」を近く公表するとしている。

 来年度以降は5、6月に1次登録を受け付けるようなスケジュールにしたいとしている。

 専門研修プログラムについても、都道府県協議会の意見などを踏まえて9月中に確定させる。現時点でプログラムが確定しないことに研修医が不安を抱いているという指摘に対して、山下副理事長は「プログラム登録は、初期臨床研修のマッチングのようなものではない。研修医の先生はどこで何をしたいかというイメージを持っていると思う。各プログラムの情報は既に各学会から出ている。個人的にコンタクトを取ることには何の制限もない。自分の将来のことなので積極的に動いていただきたい。基幹施設もどんどん説明してくれる」と呼びかけた。

総合診療、「内科12カ月確認を」

 8月25日に受け付けを締め切った総合診療専門研修プログラムでは、8月28日に「内科研修についての確認のお願い」とする呼びかけを出した。『「内科研修」は「単独で 12 カ月」の研修が必要です。修正が必要の場合は、8月31日までに再提出をお願い申し上げます』と呼びかける内容で、松原氏は、「いくつか、(12カ月ということを)知らないまま出しているところもある。日本内科学会から正式に『自分たちもきっちり育てたいので、12カ月を取ってほしい。オスラー(J-OSLER:日本内科学会の専攻医登録評価システム)を使って内科専門研修と同じようにやる以上は、それが条件である 』 という申し入れがあったので掲載した」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/556405
野洲市立病院:住民投票、再議へ 市長、市議選前理由に
地域 2017年9月9日 (土)配信毎日新聞社

 JR野洲駅前に計画される野洲市立病院の是非を問う住民投票の発議案が6日に可決されたことに対し、山仲善彰市長は8日、記者会見し、市議会に対し、採決をやり直す再議を求めたことを明らかにした。市議会は開会中の定例会最終日の22日までに再度審議し、採決する見通し。

 山仲市長は会見で、来月22日に市議選が投開票されることを念頭に「住民投票が仮に市議選前に実施されても、投票結果を基にした議論は改選後の市議会で行われる」と指摘。その上で「選挙結果によっては、市長と市議会の意見の相違が解消される可能性がある」などと理由を述べて再議を求めた。一方、再議で発議案が再び可決された場合、「速やかに住民投票を実施するための予算案を議会に提出する」と語った。【衛藤達生】



https://www.m3.com/news/iryoishin/552078
勤務医の半数以上、「年収少ないと思う」
看護師の声「今の給与では質の担保難しい」

2017年9月8日 (金)配信m3.com編集部

 2017年8月8日 (火)~14日 (月)に実施したm3.com意識調査「現在の収入は、妥当?」において、現在の年収が妥当だと思うかについて質問したところ、全体の半数以上(53.2%)が「少ないと感じる」と回答した。職種別に見ると、看護師の78.6%が仕事の質・量を考慮すると現在の年収を少ないと感じると回答した。
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Q:現在の年収が少ないと感じる理由があればお書きください。
【開業医】

・離島医療に従事しているが、昨今の諸種の物価値上げで実質目減りしている。緊急時携帯電話を常時携帯しているが、その分の拘束料は支払われていない。(50代男性)

・以前経営状態が悪化し、そのため2015年4月から減給となり、その後、徐々に経営状態が改善傾向にあるが少しも昇給がない。(50代男性)

・税金および社会保険料が高いので、働いた労力に比べると勤労意欲がわかない。江戸時代の六公四民状態。(50代男性)

・借金や医療機器更新や人件費などを考えれば、実際に、手元に残る金額が少なすぎる。(50代男性)

・誰にもできないことを自分の時間や命を削って医療に捧げている以上、収入が十分でないと気力が湧かなくなってしまう。(60代男性)

【勤務医】

・今後大学院生活を控えておりできるだけ貯蓄しておきたい。医師一般としても収入が年により(赴任先、大学院生になるか)かなりムラがあり安定しない。(30代男性)

・うちの病院自体が、他県の同職の同キャリアの医師と比べてもらえていない。(30代女性)

・アメリカの癌治療や癌手術する外科医と比較すると低い。日本国内の物価とのバランスや、日本の外科医は技量が高い割に給与が少ない。(40代男性)

・大学病院ではアルバイト込みでやっと近隣基幹病院勤務医の収入に近づくが、超えるわけではない。福利厚生にも差があるようだ。(40代男性)

・研修医教育のため、年間140回講義しています。12~14時間労働かつ土曜日は1日中平日扱いで仕事です。(40代男性)

・脳外科の最高峰の難しい手術を引き受けるのに、他科と給料が同じということには納得ができない。(40代男性)

・そもそも、医学部の教授と教育学部などの他学部の教授の給与体系が全く同じなのが理解できません。また、学生の夏休み・冬休み・春休みは実質的に休みである他学部の教授に対して、医学部の教授は年間休みなく臨床業務を行っているのに給与が同じであるのは納得できません。また、年間麻酔件数が東京都・関東圏内の3倍以上である自分の給与が都内の麻酔科医の給与とほぼ同じことに納得がいきません。決して軽傷例だけを麻酔しているわけではなく、3列並列で1日平均6~7件の麻酔をしているのに、この給与は納得できません。(50代男性)

・勤務時間を考えれば全く少ないと考える。日当直の勤務も入れれば週70時間は働いている。完全な休日が1日も無い週が頻繁にある。私は当然研修医では無く、いわゆるベテラン医師です。(50代男性) ・患者を診ることより、そのシステムを構築すること、管理することを主業務としているので、現実的には膨大な仕事量をこなしている。(50代男性)

・後輩の教育など、業務に入るかどうか微妙な仕事が多く、実務が多いのに管理職で、臨時収入なし。(50代男性)

・専門医資格2種類の評価はなし。訪問診療にも行かされるが、老人ホームからの悪化症例を緊急で受け持つ。これは病院外に別の病棟を持たされているのと同じで、多忙。 週1回の当直あり。66歳より顧問での雇用に変更になったが、仕事の内容は同じかやや多くなったのに、年収は大幅に減らされてしまった。不満を感じる最大の原因は同一労働に対する年齢差別を感じること。(60代男性)

・現在は仕事量から考えれば、妥当な収入と思うが、若い頃、倍以上働いていたのに、収入は半分以下と少なかったので、また退職金制度はないので、他業種に比して、生涯収入は少ないと思う。余生を楽しむための貯蓄額は不十分なので、まだ働かなければならない。(60代男性)

・業績に対する評価としては 不十分。ただし、正確に一般化して評価できるスケールはないためやむを得ない面もある。(60代男性)

・否応なく管理職にさせられたため仕事が以前より忙しくなったにもかかわらず、時間外勤務手当を申請できない。(60代男性)

・労働条件が厳しく、他に研修医の教育や委員会などの活動もあり、自分の印象では、安すぎる。(60代男性)

【看護師】

・看護師の給料の低さについていつも不思議に思います。責任やリスクのある業務をしているにも関わらず、夜勤をしなければ手取りで15万なんて話を聞くと悲しい気持ちになりました。基本給の上昇率が低く、以前の病院では8年目の先輩と住民税がかからない新人の給料がほぼ同じでした。プリセプターをやっても1年で上がる給料は500円。普通の会社で500円なんて金額はないです、患者さんに暴言暴力、感染のリスク、腰痛や慢性疲労を受けるにしては安いと感じます。(30代女性)

・責任、役割が大きくなっているのに、額面が少ない感じがする。(30代男性)

・この収入で夢と希望を持って就職しようと思ったり、離職することで、この収入を手放したくないという気持ちになるような年収ではない。厳しい仕事量と質に対する単価が割に合わない。もっと医療全体の報酬を上げないと、質の保証が厳しくなる。(40代男性)

・現在の勤務先で、私と同じ業務がこなせる人材がなく、唯一無二の存在であるにもかかわらず、経済的評価はなく、自施設にとどめておこうという誠意が見られない。実際、転勤の話があったが、いなくなっては後が困るという理由でこちらに打診もなく上層部がつぶしたという一件があった。そんなに必要ならそれなりの報酬があっていいと感じている。(40代女性)

・夜勤はハードにもかかわらず、手当がかなり少ない。病院によってかなり違いがある。(40代女性)

・基本給が安いと思う(40代女性)

・勤務中にできない持ち帰りの仕事がある。またキャリアが長くなると、責任が重くなるが同じキャリアでも同等の責任配分ではない。(50代女性)

・ある年齢から減る仕組みにされている。(50代女性)

【薬剤師】

・勤務管理をしている管理薬剤師に月20時間程度残業時間を間引かれており、支払賃金が月4万前後少ない。同じ店舗でそのような扱いを受けているのは他におらず、月によっては残業時間の少ない管理薬剤師自身の残業時間のほうが多いこともあり、納得がいかない。当事者曰く「上から庇ってやっている」と脅され、恐怖を覚えた。人事責任者に訴えたところ、未払い分の支払いもなく、3カ月を置かずに2回転属を強要されている。もはや訴訟案件だとは思うものの、家庭内収入を考えると安易に転職もできず、同じm3.comを利用しているので掲示板に相談するわけにもいかず。また、同じ店舗の薬剤師の正社員は、自分のほか管理薬剤師とその妻であり、訴訟を起こすと薬局自体が立ち行かなくなるのは明らかでどうしようもない。(30代女性)

・当直を月3~4回。残業もほぼ毎日やっている。それくらい業務量が多いのに、給料が上がらない。(30代女性)

・管理職ということで残業代が支払われないが、管理職手当が月に1万円では割に合わないです。毎月50時間以上の残業ですし、座る暇もない程の仕事量です。(40代男性)

・調剤薬局勤務薬剤師は給料が頭打ちになる 700万円以上行けばよい方だ。他の職種で1000万円オーバーはざらにある。(40代男性)

【その他の医療従事者】

・大卒、6年目と考えると、やや少なく思える。また、年間での伸びしろがほとんどない状態。(20代男性)

・診療放射線技師として主にMRIの撮像、管理を行っています。各診療科医師も放射線科医もMRIの知識が乏しく、患者さんの安全性に関しては医師から丸投げ状態。また撮像シーケンスに関しても現場で考えて判断している状況です。読影に関しても明らかな見逃しが多く、私たちで医師に報告しなければ患者さんの命に関わることも多い状態です。(30代男性)

・パートの掛け持ちから常勤へ転向して、拘束時間ばかり増えて年収は増えていない。(50代女性)

【調査の概要】
調査期間:2017年8月8日~14日
対象:m3.com医師会員
回答者数:1735人(開業医227人、勤務医840人、歯科医師11人、看護師28人、薬剤師268人、その他の医療従事者45人)
回答結果画面:現在の収入は、妥当?



https://www.m3.com/news/iryoishin/552077
開業医「年収3000万超え」2割以上
講演料、不動産収入…勤務先以外からの収入源も

レポート 2017年9月8日 (金)配信m3.com編集部

 2017年8月8日 (火)~14日 (月)に実施したm3.com意識調査「現在の収入は、妥当?」において、現在の年収について質問したところ、医師と医師以外の職種で年収に大きな差が見られた。特に、開業医の2割以上が「年収3000万円を超えている」と回答した(22.5%)。また、勤務医で最も割合が高かったのは「1500万円~2000万円未満」の層だった(26.7%)。
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 医師のみで切り出して見ると、男性医師と女性医師の年収にも差が見られた。年収1000万円以上の回答者の割合が、男性医師が77.9%であるのに対して、女性医師は48.8%だった。
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 収入源について質問したところ勤務医の4割以上(41.1%)がアルバイト先から収入を得ており、開業医の割合(22.9%)の約2倍と大きく差をつけていた。
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Q3:【勤務先以外】の収入源について、どのような仕事(趣味)か、収入額はいくらかなどについてご自由にお書きください。
【開業医】

・内視鏡バイト半日4万5000円、講演料1時間で1万円~2万円程度。(30代男性)

・健診や内科、糖尿病外来、訪問などのスポットバイト。(40代女性)

・株の配当譲渡益、製薬会社の講演会座長など。(50代男性)

・支払基金の審査、50万程度。(50代男性)

・内科開業医です。校医をしています。(50代男性)

・介護保険関連や介護認定審査会の収入。(60代男性)

・リハビリテーション学校の講師。(60代男性)

・不動産賃貸、管理。1500万円。(60代男性)

・以前の勤務先を退職して、現在非常勤で週2日勤務している。別に他の病院でアルバイトを週1回程度している。時間は十分にあるので、若い時にできなかった医学以外の勉強(哲学、経済、歴史など)をしている。収入は少ないが生活には困らない。充実した生活を送っている。(60代男性)

・社会保険審査12万円前後、 産業医11万円、医師会出務費4万5000円(60代男性)

【勤務医】
・アルバイト先は定期非常勤が月2回、医局のバイト、ほぼ寝当直で4万円/回。自分で探したスポットが月1~3回ほど、大体が当直(寝当直)で3~5万/回。FXがほぼ趣味、良くて月数千円程度。(20代男性)

・きちんと報酬のある病院へ移りたい。おそらく、月3000万円以上売り上げている。年収1億程度が適切と考える。来年移動しようと考えている。(30代男性)

・常勤の勤務先以外に、内科外来・救急当直をしています。契約は年単位で月額も定額で100万円以上です。(30代男性)

・自分の診療科のバイト。週1でも、主たる勤務先の倍の額をもらえる。(30代男性)

・寝当直。半分以上はバイトが収入源。(30代男性)

・家賃収入・配当など。約2000万。(30代男性)

・バイト先から年収600万円程度。(30代男性)

・不動産投資で年収300万円ほど。(30代男性)

・株式の配当金100万円程度。(40代男性)

・保健所の嘱託医業務、製薬メーカーでの講演料、当直・日直アルバイトなど。(40代男性)

・看護学校等の講義。1コマ90分の講義で1回1万3000円。医学生に教えることと看護学生に教えることは異なり、90分の講義でもその準備には大変な労力がかかります。それでこの金額は信じられません。ただ、看護学校の学長が元医学部長なので断れません。本来、保健学科の教授が講義すべきですが、保健学科の教授の能力不足でできない状態です。(50代男性)

・医療機関顧問 年間150万円、講演料 年間120万円。(50代男性)

・公立病院の外科部長。年収税込みで1500万円くらい。(50代男性)

・緩和ケアに関連した外勤先が主。大学からの収入と同程度を得ている。(50代男性)

・子ども急患センターの準夜勤(19:00~23:00)が月2回+GW・年末年始に各1回で、140万円、4つの保育所の園医として健康診断等で25万円、保健所等の講演依頼があれば1回2~3万円。(60代男性)

・近くの旧国立病院(現在産婦人科なし)での入院患者のための出張診療(他科からのコンサル)、以前住んでいたところを賃貸に出している家賃収入。(60代女性)

・地域の急患診療所月1回当番。日中4時間または夜間3時間。1回で5~6万円。(60代男性)

・公務員なので何もやらせてくれない 禁止ですと宣言された。(60代男性)

・学校法人、社団などの理事報酬 。(60代男性)



https://www.m3.com/news/iryoishin/555529
医師「貯蓄額4000万円以上」2割超え
貯蓄の目的「老後のため」1位

2017年9月9日 (土)配信m3.com編集部

 2017年8月15日~8月21日に実施したm3.com意識調査「お財布のひも、固い?緩い?」において、現在の貯蓄額について質問したところ、開業医の6割以上、勤務医の半数以上の貯蓄額が1000万円以上だった。「貯蓄額4000万円以上」との回答も、開業医の28.6%、勤務医の18.9%で、医師全体で2割を超えた。また、医師以外の医療者を見ると、「100万円以上500万円未満」とした回答者の割合が最も多かった。
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 毎月の貯金額について質問したところ、勤務医で最も多かったのは「20万円以上40万円未満」。それ以外では、「5万円未満」との回答が最多だった。
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貯蓄の目的について質問したところ、以下の順位だった。

1位「老後のため」
2位「子どもの学費、生活費のため」
3位「積極的に貯金をしようとしていない」
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  1. 2017/09/10(日) 08:42:41|
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Google Newsでみる医師不足 2017年8月31日

Google Newsでみる医師不足 2017年8月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース 8,670
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 17,700
First 5 in Google in English 

Paging Dr. Freelance: Hospitals' use of contract doctors soars amid physician shortage
STAT AUGUST 28, 2017 (米国)

These shortages take a toll on Canadians' health. Patients with no regular doctor are less likely to get annual exams or other preventive care. Many are forced to use walk-in clinics staffed with doctors who don’t know them or their medical history. And the evidence shows that there’s a strong correlation between a population with access to effective primary care providers and positive health outcomes.



The rise of the freelance doctor: Hospitals are turning to pay-per-hour staff amid 10,000 physician shortage in the US

Daily Mail‎ online 28 August 2017 (米国)

In 2015, there was a shortage of close to 10,000 physicians across the US. Hospitals are hiring freelance doctors to help make up for the shortage. Freelancing in the medical field is growing due to better benefits and the ability to make your own schedule.



Rural areas hit hardest by growing doctor shortage
Herald-Whig‎ - Aug. 19, 2017 (米国、イリノイ州)

Quincy -- A doctor shortage is looming in America, and rural medical centers are bracing themselves to take the hardest hit. Sitting at the laptop computer in his office, during a rare moment of downtime, Scotland County Hospital's Dr. Randy Tobler picked apart every aspect of the shortage, as he sees it. Cultural factors, the lack of resources in rural areas, goverment red tape, doctor burnout -- all have melded to fuel what the Association of American Medical Colleges believes could be a shortage of up to 100,000 physicians by 2025.



Doctor Shortage Under Obamacare? It Didn't Happen
New York Times‎ - AUG. 14, 2017 (米国)

When you have a health problem, your first stop is probably to your primary care doctor. If you've found it harder to see your doctor in recent years, you could be tempted to blame the Affordable Care Act. As the health law sought to solve one problem, access to affordable health insurance, it risked creating another: too few primary care doctors to meet the surge in appointment requests from the newly insured.



Dr. Gene Dorio: Doctor Shortage
KHTS Radio‎ - August 26, 2017 (米国、カリフォルニア州)

We do not have enough doctors. Passage of the Affordable Care Act (Obamacare) amplified this deficiency in our healthcare system. Even with new insurance in hand, many patients had no where to go, or waited months for an appointment.
There is a solution to this shortage: Enroll experienced nurses, physician assistants, and nurse practitioners in accelerated medical schools for two years…not four. Cover their tuition costs with loans and service-back-to-the-community.



(他に10位以内のニュースは、全米、米国・フロリダ州、カナダ・マニトバ州(2)、ノバスコチア州、からも)


  1. 2017/09/01(金) 05:41:56|
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8月31日 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170830-OYTET50033/
田村編集委員の「新・医療のことば」
「専攻医」は、「研修医」とどう違う?

2017年8月31日 読売新聞

新専門医制度がスタート

 新しい専門医制度が、2018年4月に導入される見通しです。特定の診療領域について十分な知識や経験を持って適切な医療を提供できる「専門医」は、これまでさまざまな学会が独自に認定していました。新制度では、学会や医師会、病院団体らが参加する日本専門医機構が設けた統一基準で認定されます。目的は、専門医の質を確保するとともに、患者にも分かりやすい制度を作ることです。

 医師が専門医と認定されるには、原則3~5年程度の研修プログラムを修了した上で、試験に合格しなければなりません。新制度では、この専門医研修プログラムに登録、実践中の医師を「専攻医」と呼びます。

「研修医」に広義と狭義の意味

「専攻医」は、「研修医」とどう違う?

 それでは、専攻医と研修医はどう違うのでしょうか。

 実は、研修医という言葉も、専門医認定が学会次第でばらばらだったように、あいまいに使われてきました。

 狭義では、医師国家試験に合格した後に2年間義務づけられている「初期臨床研修」中の医師を言います。初期臨床研修は、基本的な診療能力のある医師を養成することを目的に、2004年度に始まりました。法律に義務づけられた制度で、内科、外科、救急などを2年間かけて回ります。

 これに対して、初期研修を終えて専門の診療科へ進んだ医師を、よく「後期研修医」と呼びます。おおむね3~5年目の医師をさします。そこで、広義では、後期研修医も研修医という枠に含めてきました。

 ただ、初期研修と後期研修では、制度的な位置づけでも仕事の内容でも、両者の立場は、大きく異なります。3年目以降の後期研修医ともなれば、病院は若手の貴重な「戦力」と捉えます。

 新制度の「専攻医」は、この後期研修医にあたります。初期研修医とは呼び名でも区別されます。今後耳にすることが増えるでしょう。

10月初旬に登録開始の予定だが…

 新しい専門医師度は、もともと、今年度からの導入が予定されていました。しかし、大学病院中心の研修プログラムが、地域の中小病院の医師不足を助長するのではないか、との懸念が指摘され、制度の見直しのために1年延期されました。

 日本専門医機構は今月4日、新制度を来年4月に開始すると正式に表明しました。今年10月初旬をめどに、来年度の専攻医の募集、登録を始めたい考えです。

 制度の見直し作業に時間がかかったことから、来年4月の開始に向けたスケジュールはかなり厳しくなっています。これから9月にかけて、各都道府県で関係者による協議会が開かれ、研修プログラムが適切かどうか審議がされます。10月の登録開始後も、専攻医の応募状況に地域や診療科の偏りが出るかも知れません。機構は、今後も様々な調整を求められそうです。(田村良彦 読売新聞東京本社編集委員)



https://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201708/0010509599.shtml
赤穂市民病院が分娩受け入れ休止 再開めど立たず
2017/8/30 22:30神戸新聞NEXT

 兵庫県の赤穂市民病院(同市中広)が9月1日から、産婦人科の分娩の受け入れを休止する。常勤医師1人が今月に退職し、出産態勢が整わなくなった。同病院は、新たな医師を確保して早期の再開を目指すが、医師不足もあり見通しは立っていない。市内では赤穂中央病院(同市惣門町)が受け入れを続けているが、近隣市町の住民も利用する市民病院の休止に、関係者らからは不安の声も漏れる。(西竹唯太朗)

 同市民病院の休止に伴い、姫路市以外の西播磨地域で出産できるのは、赤穂中央病院と公立宍粟総合病院(宍粟市山崎町鹿沢)、公立神崎総合病院(神河町粟賀町)の3病院のみとなる。

 同市民病院によると、産婦人科は1952年に開設。医師不足のため2008~11年、分娩の受け入れを一時制限したことがある。

 その後、同科には昨年まで常勤医師が4人いたが、今年4月に定年などで2人が退職。さらに8月にも1人が退職したため、残る1人では帝王切開など緊急時の対応に不安があると判断し、休止を決めたという。

 産婦人科は9月以降、婦人科として診療する予定。出産を予定していた妊婦には希望を聞き、姫路市などの病院を紹介する。

 赤穂市民病院は「大学病院の医局に医師の派遣を依頼しているが、産婦人科医が減っており厳しい状況。できるだけ早く再開させたい」としている。

 赤穂市内の2病院が2016年度に扱った分娩は計648件。市民病院は249件(うち市外からの利用は144件)、赤穂中央病院は399件(同252件)だった。隣接する岡山県も含めて市外の利用者が約6割を占めた。

 このため、市民病院の分娩受け入れ休止で、赤穂中央病院の負担が増す可能性もあるが、同病院は「妊婦が増えても受け入れを制限する予定はない」とする。

 同病院は市民病院から100人程度の妊婦が移ってくると予想。産婦人科には常勤医師が3人と非常勤が2人在籍しており、「グループ病院から医師の応援もあるので、受け入れに問題はない」と力を込める。

 ただ、市民らの間には不安の声もある。出産を予定する赤穂市御崎の主婦(36)は「もし中央病院に受け入れてもらえなければ、姫路か宍粟まで行かないといけない。どうしたらいいのか…」と漏らす。

   ◇   ◇

 ■医師の地方派遣、余裕なく 少子化対策に壁

 分娩の受け入れを休止する赤穂市民病院。病院側は新たな医師の確保を模索するが、地方の産婦人科医不足が壁となっている。同市を含む近隣市町は若者の定住を狙い、出産や子育て支援の充実を掲げており、自治体の施策に影響する可能性もある。

 赤穂市は上郡町、岡山県備前市とともに「東備西播定住自立圏」を構成。中核病院に位置付ける同市民病院では通常、市民以外は医療費を高くしているが、自立圏を結ぶ両市町民は同額で出産することができる。

 このため、隣接する岡山県備前市などからも妊婦が訪れる。同市民病院で長男を出産した備前市の女性(32)は「岡山市の病院よりも近く便利だった」と振り返る。

 兵庫県医務課によると、県内で2014年度に勤務した産婦人科医は482人。医師数は10年前と比べてほぼ横ばいだが、地域別では差があるという。

 神戸市が最多の159人で、阪神154人、東播磨62人、中播磨49人と続く。一方で、西播磨は11人と丹波6人、但馬9人に次いで少なかった。

 日本産婦人科学会は、04年に導入された新臨床研修制度が影響しているとみる。同学会の担当者は「研修医が大学病院だけでなく、一般病院を研修先に選べる制度となり、大学病院は地方に派遣する余裕がなくなった」と推測する。過酷な労働環境もなり手不足に追い打ちをかけているという。

 赤穂市の明石元秀市長(66)は今月、市民病院の分娩受け入れ停止の決定を受けて、病院長と一緒に大学病院を訪れ、医師の派遣を申し入れた。明石市長は「少子化対策を打ち出す市にとって非常事態。一刻も早く再開させたい」と話している。



http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170830/KT170829FTI090007000.php
市立大町総合病院 再び分娩休止恐れ 医師1人が退職へ
(8月30日)信州毎日新聞

 大町市立大町総合病院が医師不足を理由に、10月から分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止する可能性があることが、29日分かった。2人いる常勤の産婦人科医のうち70代の医師が9月末で退職し、「1人態勢では困難になる」ことが理由。大北地方で唯一分娩を取り扱っており、2015年3〜9月も医師不足で分娩を休止した。病院は9月末までに新しい医師を確保し、休止回避を目指すとしている。

 牛越徹市長が市議会9月定例会のあいさつで明らかにした。退職する医師は分娩休止中の15年9月に着任。井上善博院長兼事業管理者は「懸命に働いてくれた」とするものの、一身上の都合で7月末に退職を申し出たという。

 産婦人科では現在、40〜50人の妊婦が検診を受けている。分娩休止となれば、安曇野市内や松本市内などの病院へ行くことになるが、最寄りの穂高病院(安曇野市)でも車で30分ほど遠くなる。

 大町総合病院は県医師確保対策室や民間の医師紹介会社などに医師確保を依頼しており、すでに数人と連絡を取ったという。井上院長は「どこの病院でも産婦人科医は不足している。確保のハードルは高いが懸命になって確保したい」と話している。

 県内では、飯山赤十字病院(飯山市)も医師不足により16年4月から分娩の取り扱いを休止している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/554433
日医会長「医師の倫理観と社会的使命、認識を」
臍帯血無届け投与事件受け声明

レポート 2017年8月30日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 他人の臍帯血を使った再生医療が無届けで行われ、臍帯血を投与した医師と臍帯血販売業者計6人が逮捕された事件を受け、日本医師会は8月30日、「医師には医療倫理や生命倫理に対するより深い理解と責任ある行動が強く求められている。改めて、医師として持つべき倫理観と社会的使命を、全ての医師が認識すべきと考える」などとする声明を発表した。

 声明は、倫理観とともに、再生医療の実施に当たって安全性と有効性の慎重な判断を医師に求め、国には臍帯血など人体組織の保管や流通について、法規制を含めた監督・監視体制の整備を求める内容。都内で記者会見した日医会長の横倉義武氏は「安全・安心な医療の提供は医師の責任だが、それによって民間の臍帯血バンクに対する(公的な)監督はなくてもいいということにはならない。血液は日本赤十字社を中心に準公的な機関で管理されており、少なくともそれに準ずるものが必要だと考えている」と述べた。横倉氏によると、今回逮捕された医師は日医の会員ではないという。

 日医の声明全文は次の通り
臍帯血の違法投与に対する声明

 今般、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、再生医療等安全性確保法という)違反容疑で、民間の臍帯血販売業者と臍帯血を投与した医師が逮捕された。この事件は、本年5~6月にかけて、再生医療等安全性確保法で義務付けられている第一種再生医療等提供計画を、国に提出せず臍帯血の投与をしていたとして、10以上の医療機関が同法の規定に基づく当該再生医療等の提供の一時停止命令を受けたことに関連するものである。

 再生医療は、難病治療への活用をはじめとして大きな期待のかかる医療である。その一方で、再生医療にはまだ未解明な部分も多く、その実施に当たっては安全性と有効性の慎重な判断、治療を受ける患者に対する十分な説明と同意が、医師に強く求められることは論をまたない。今回逮捕された医師は、再生医療等提供計画の届出違反のみではなく、再生医療等安全性確保法の適用除外となるよう、カルテの傷病名を改ざんしていたとの一部報道もある。事実関係の解明が急がれるが、これが事実だとすれば極めて悪質と言わざるを得ない。

 高い倫理観と医療安全の追求は、常に医師の根幹になければならない。日本医師会では1998年に「会員の倫理・資質向上委員会」を設置し、医師の倫理向上のための種々の取り組みを行っている。2000年に採択 した「医の倫理綱領」では、「医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める」こと、また「医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める」ことなどを、医師の持つべき倫理観としてうたっている。医学・医療の進歩と発展は、再生医療やゲノム編集などの新たな可能性を開き、国民にとって大きな福音となる可能性を秘めている。しかし同時に、医師には医療倫理や生命倫理に対するより深い理解と責任ある行動が強く求められている。改めて、医師として持つべき倫理観と社会的使命を、全ての医師が認識すべきと考える。

 また、今回医療機関が投与した臍帯血は、倒産した民間の臍帯血バンクが保管していたものを別の業者が販売したものであるといわれており、保管状況によっては深刻な感染症のリスクも懸念されるものである。今回の事件によって、再生医療全体の進歩が阻害されることがあってはならないと考える一方で、国は、民間の臍帯血バンク等の業者による臍帯血などの人体組織の保管や流通に関して、法的な規制を含め厳格な監督・監視体制の整備を早急に検討する必要があると考える。加えて、国民に向けた再生医療に関する正しい知識の普及と啓発に、一層の努力を傾注することを望む。

 日本医師会は,厚生労働省の厚生科学審議会再生医療等評価部会などの場を通じて、それらの実現にむけて積極的に発言していくとともに、国民の健康に資する再生医療の環境整備に向けて、今回の事件の真相が速やかに解明され、適切な再発防止策が取られるよう今後とも注視していきたい。



http://inamai.com/www/ictnews/detail.jsp?id=49002
新山診療所廃止を諮問 
2017年8月28日(月曜日)  伊那毎日新聞

 伊那市は患者数が減少し収支が悪化していることや、担当する医師の負担が大きいことなどから、新山診療所を今年度末をもって廃止したい考えを示しました。
 25日に伊那市医療政策審議会が伊那市役所で開かれ、新山診療所の廃止について、審議会に諮問されました。
 新山診療所では、毎週水曜日の午後3時30分から午後4時30分までの1時間診療を行っています。
 収支は年々悪化していて、昨年度は126万円の赤字でした。
患者数も減少傾向にあり、平成26年度に9人だった患者数は、今年度は固定の4人となっていて、今後も増える可能性は少ないとしています。
 また、担当する医師は、高遠町長藤、西箕輪、新山の3診療所を兼務していて負担が大きくなっているということです。
 これらのことから、伊那市では今年度末をもって新山診療所を廃止したい考えを示しました。
 地元からは廃止はやむを得ないとして一定の理解を得ましたが、廃止後の通院手段の確保について支援を求める意見が出されたということです。
 審議会の委員からは、「診療所の跡地はどうするのか」「送迎ボランティアの充実が必要だ」などの質問や意見が出されていました。
 審議会では9月中に再度会議を開き、答申書をまとめることにしています。



https://www.jiji.com/jc/article?k=20170830Pr4&g=jmp
横須賀市立市民病院に産科常勤医師が着任します=神奈川県横須賀市
(2017/08/30 13:54:08)時事通信/横須賀市プレスリリース

 平成29年9月16日、市民病院(指定管理者:公益社団法人地域医療振興協会)に産科常勤医師1人が着任します。
 市民病院では、平成22年11月から助産師が分娩を介助する「院内助産」に取り組んできましたが、産科常勤医師の着任により分娩受付の対象妊婦を拡大し、里帰り出産などのニーズにも応えてまいります。
1 対象妊婦
 (1)現在の妊娠経過が順調な方
 (2)持病の無い方
 (3)経産婦の場合で、前回の妊娠・分娩経過で異常が無かった方
【新たな対象者】
 (4) (1)から(3)を満たさないが、医師の診察の結果、市民病院での分娩が可能と判断した方
 (5)里帰り出産の方(医師の診察により判断します)
2 分娩予約受付開始日
 平成29年9月1日(金曜日)(分娩予定日が平成30年1月以降の方)
3 他の地域で里帰り出産を予定している方の妊婦健診
 平成29年9月から始めます。
 市民病院産科・婦人科外来までご相談ください。
4 問い合わせ先
 横須賀市立市民病院
 (電話)046-856-3136(代表)産科・婦人科外来へ
 (受付時間)平日午前8時30分から午後5時まで



https://www.m3.com/news/iryoishin/553179
地域医療構想調整会議の『調整』を、千葉大病院の取り組み-竹内公一・千葉大病院特任准教授に聞く◆Vol.1
大学の地域医療連携部、高度急性期病院としての使命を果たすこと

インタビュー 2017年8月31日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 地域医療構想調整会議を『調整』する――。千葉大学医学部附属病院地域医療連携部は千葉県からの依頼を受けて、千葉県内9つの調整会議にファシリテーターとして参加している。特任准教授の竹内公一氏は「厚労省が提示するツールがどうであれ、会議の『調整』に対して責任を負う人が必要」と語る(8月2日にインタビュー。全3回の掲載)。

 地域医療構想は2016年度末までに全国で策定され、今年度は各地域で具体的な医療機関名を挙げての調整を進めるように厚生労働省は求めている(『地域医療構想、47都道府県、構想区域別に一挙掲載』、『2017年度下期には「具体的な医療機関名を」、地域医療構想調整会議』を参照)。

――千葉県から委託を受けて、地域医療構想調整会議を『調整』しているとのことですが、そもそも千葉大病院の地域医療連携部はどのような組織なのでしょうか。

竹内公一氏 多くの病院にある地域連携部のように、看護師やソーシャルワーカーが中心となって退院調整を行っています。千葉大病院の独特な点としては、私たちのような研究部門も内部に抱えており、電子カルテ、病院情報システムを扱う企画情報部とも密接な関係にあることが挙げられます。研究部門は、もともとは地域医療再生基金によって設置された千葉県の医療政策について分析する研究組織が母体になっています。県庁からは常に1人が客員研究員として出向してきています。

 研究部門と入退院支援業務の関係ですが、地域の医療機関の情報が最も入ってくるのが入退院支援業務です。「この地域では新しい先生が開業して、みんな持って行っているらしいよ」「訪問看護ステーションが潰れた影響で混乱が生じている」といった、地域の医療状況をダイレクトにウオッチできます。イメージとしては、そういった情報を基に研究部門が地図を描き、その上で入退院支援のメンバーが仕事をするといった感じでしょうか。

 大学病院の地域医療連携部としては、高度急性期病院としての使命を果たすために、いかに患者さんを外に転院させていくか、在院日数を短くするかが重要です。そのための環境作りが研究部門に求められており、今ある地域資源の中で理想的に何ができるかを考えるのが我々の責務です。

――地域医療構想との関わりについて教えてください。
 地域医療構想策定に向けて話し合いが始まった2015年度は、一参加者としての立場でした。県庁から内々で見ておいてほしいという要請があり、最初はそれぞれの地域のホームページを見て、そこから傍聴希望を出していました。傍聴した結果を部内でシェアし、ディスカッションしていました。

 正直に言って、どこの会議も何を行うべきなのかが分かっておらず、議論がかみ合っていませんでした。日頃、行われている医療圏ごとの保健医療審議会は形骸化している面もあり、そこから脱していません。県庁と会議の実施主体である保健所の間にギャップがあり、さらに参加している医師たちとの間にもギャップがありました。「地域医療構想とは何か」という説明も、短いところでは10分、長いところでは1時間かけていましたが、どちらも上手く伝わっていませんでした。率直に言って、時間の無駄と言わざるを得ない状況でした。

 千葉大のある千葉市では、政令市であり県から離れていることもあり、うちの病院長が会議を呼びかけて病院長会議を開催し、実質上の調整会議のようなことをやっていました。

――計画策定が本格化した2016年度はどのような関わりだったのでしょうか。
 2016年度には県庁から地域医療連携部に「研究者」として出席依頼がありました。会議に参加している医師会の先生が、「さすがにこれはまずいよね」と県庁に相談したようで、我々にファシリテーションや会議を仕切れる人を派遣してほしいと話がきました。7月に依頼があり、8月に千葉県内の保健福祉センター長(保健所長)を対象とした、「調整会議で何をすべきか」というコンセンサスを得る勉強会を開催し、その後、10月までに各圏域での保健医療連携会議・地域医療構想会議に参加しました。

 やったこととしては、資料の徹底活用があります。これまでは大量のデータが紙で配られていましたが、それでは誰も見てくれません。我々は各地域の実情をまとめたA4表裏の箇条書きコメントシートを作成し、20分で話せるようにしました。

 私が担当している東葛南部(市川市、船橋市、習志野市、八千代市、鎌ケ谷市、浦安市:人口約180万人)では、高度急性期はやや過剰、急性期は過剰、回復期は不足となっています。しかし、回復期の病棟からは「いやいや、結構空いているよ」、急性期からは「回復期が見つからなくて困っている」との声がありました。急性期病床でも、患者さんを出す先が見つからず、事実上の回復期機能を担っていたりします。

 データを共有し、当事者たちの肌感覚を話してもらうだけで、すぐに「この地域ではこことここがつながればいいのでは」という話が、病院長、事務長同士ですぐに始まりました。会議として上手くいったかなと思います。



http://www.news24.jp/nnn/news8848364.html
大町総合病院 お産再び休止か
(長野県)[ 8/30 11:58 テレビ信州]

大町市の大町総合病院で、産婦人科の常勤医師2人のうち、70代の男性医師が9月末で退職することになり、10月からお産の取り扱いを休止する可能性があることが分かった。この病院では2年前にも半年ほど、お産を一時休止している。



https://www.kochinews.co.jp/article/121926/
嶺北中央病院 4年ぶり赤字 医師不足、患者減響く
2017.08.30 08:30 高知新聞

 嶺北地域唯一の公立・救急病院、長岡郡本山町の町立国保嶺北中央病院(佐野正幸院長)が、2016年度決算で4年ぶりの赤字に転落したことが分かった。病院事務局は「医師不足による患者数の減少が要因として考えられる。改革プランを進めて経営の安定化を目指したい」としている。赤字額は4771万円で、町は29日開会の町議会9月定例会に決算議案を提出した。...



http://www.medwatch.jp/?p=15468
適切なデータから、各病院が「地域の状況」と「等身大の姿」を把握してほしい―日病・相澤会長インタビュー(1)
2017年8月29日|GHCをウォッチ MedWatch

 今年(2017年)5月末に、日本病院会の新会長に相澤孝夫氏(社会医療法人財団慈泉会相澤病院理事長)が就任されました(関連記事はこちらとこちら)。
 
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、かねてより相澤会長・相澤病院と共同研究を続け、例えば「地域医療構想における、医療資源投入量に着目した高度急性期や急性期の切り分け」「重症度、医療・看護必要度のデータ精度向上」などが、国の政策にも取り入れられています。また、日本病院会が展開する出来高算定病院向け戦略情報システム「JHAstis(ジャスティス)」では、GHCが分析やレポート作成の支援を行っております。

 このたび、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)代表取締役社長の渡辺幸子と、米国グローバルヘルス財団理事長のアキよしかわが、相澤会長に、日本の医療改革に向けたお考えを詳しく伺いました。

相澤会長インタビューは2回に分けてメディ・ウォッチでお伝えします。第1回は、日本の医療変革において求められる視点と、日本病院会の「病院総合医」構想です。

ここがポイント!
1 データを基に、地域と自身の「等身大の姿」を見なければいけない
2 チーム医療から病院全体までマネジメントできる「病院総合医」養成
3 適切なデータをもとに、国への提言を進める

データを基に、地域と自身の「等身大の姿」を見なければいけない

渡辺:日本最大の病院団体である日本病院会の会長に就任されました。これから2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定が行われ、あわせて第7次医療計画、第7期介護保険事業(支援)計画のスタート、国民健康保険の財政単位都道府県化など、大改革が進みます。今後、病院自らも変革が求められると思われます。日本の医療、さらには病院がどう進んでいくべきか、お考えをお聞かせください。

相澤:日本の医療は嵐の中にあると思います。今、変わらなければいけない。私は、大きく2点の変革が急務であると考えています(関連記事はこちら)。

1つは、自院の機能、等身大の姿を見ることです。

これまで、ともすると「公立病院だから」「大学病院だから」「国が指定した認定病院だから」という設立主体の議論で、役割分担を考えてきたように感じます。

しかし、実際に提供している医療の内容から機能を見ていくことが重要でしょう。各病院が、客観的に「地域の状況」を把握して、「等身大の姿」を見ることがまず必要です。ここがスタートになります。

2つめに、適切なデータの整備が必要です。地域の状況を把握しようとしても、今のところデータはバラバラです。地域の状況が今どうなっていて、将来はどうなるのか、各病院の機能・役割を考えていく上で、こうしたデータが必要不可欠なのです。

 日本病院会の会長として、この2点をまず進める必要があると考えています。

 この2点を進めた上で、各病院のトップや経営陣が、適切なマネジメントをしていくことが求められます。日本の病院では、例えば肺がんなど、個別の疾患治療に関するマネジメントはしっかり行えていますが、病院という組織全体でのマネジメントは必ずしも適切に行えていないのではないでしょうか。そのために非効率になっている部分があると思います。

チーム医療から病院全体までマネジメントできる「病院総合医」養成

渡辺:非効率というと、具体的にはどういった点でしょうか?

相澤:先ほどの肺がん治療でいえば、執刀医自身が、術後の管理を行い、退院後も外来でフォローしています。これではあまりに非効率・非生産的なので、執刀医が「この先生なら信頼できる」という医師に術後の管理などを任せる仕組みを作りたいと思っています。現在、日本病院会では「病院総合医」養成に向けた体制づくりを進めています。

渡辺:新たな専門医制度の中で、「総合診療専門医」の養成が始まりますが、異なるものなのですか。

相澤:総合診療専門医は、卒後2年間の初期臨床研修を修了した医師を対象としています。しかし、まだ若手の先生であり、例えば肺がんの手術を担当した医師が「安心して任せられる」と考えるかどうか疑問です。これでは、執刀医が「自分で術後の管理も行わなければいけない」と考え、非効率の循環を断ち切れません。

そこで日本病院会では、6年・8年と一定の臨床経験を積んだ医師を対象に「病院総合医」として養成していこうと末永裕之副会長(小牧市民病院病院事業管理者)を中心に検討を進めています(関連記事はこちら)。アメリカでは、病棟管理と総合内科診療を行う「ホスピタリスト」という総合医が活躍しており、日本版のホスピタリストと言えるかもしれません。

10月頃に「病院総合医」の養成カリキュラムを固める予定です。このカリキュラムを実施できる施設を日本病院会で認定し、カリキュラムを修了した医師を「病院総合医」として日本病院会で認定することになります。

渡辺:壮大な計画ですね。術後管理のほかに、どういった役割を担うのでしょうか。

相澤:まず重要なのが「チーム医療のマネジメント」です。執刀医ではない、病院総合医が多職種のチームを調整します。その際、チームのリーダーを看護師が担うケースもあれば、リハビリ専門職が担うケースもあると思いますが、チーム全体のマネジメントは病院総合医に行ってもらう。

 こうした経験を積むことで、チームマネジメントとはどういうものかが分かってきます。その上で、病院総合医が病棟全体を管理し、さらには病院全体を管理する院長、副院長になることも期待しています。チーム医療が分かり、地域の状況・病院の組織全体が分かる人間に病院全体を統括してもらいたいと考えています。

 組織を統括するためには、「データを見て、考え、どう判断すべきか」を学ぶ必要があります。地域を見ることができ、かつ地域の変化も認識でき、さらに自院の医療も見ることができる。こういう人材が求められています。

 各病院でこういう人材を養成できれば、日本の医療全体が良い方向に動いていくでしょう。

 病院総合医を養成するには、少なくとも3、4年が必要です。来年(2018年)から養成を初めていけば、2025年にはなんとか間に合うのではないかな、と思っています。

適切なデータをもとに、国への提言を進める

アキ:相澤会長は、地域の医療を考える上でのデータの重要性に着目された草分けです。相澤会長がデータを見ることを初め、それが現在の政策論議にもつながってきています。厚生労働省も地域医療構想の実現に向けて、さまざまなデータを地域に提供していると聞きますが、そうしたデータを活用していくことになるのでしょうか。

相澤:さまざまなデータが出されていますが、まだまだしっくりときません。失礼を承知で言えば、今はまだ「中途半端なデータ」で物事が動いていると言わざるを得ません(関連記事はこちら)。

アキ:データによって、恣意的な導き方もできてしまいますね。だれか1人ではなく、いろいろなグループでデータ分析することが大事だと思います。

相澤:おっしゃる通りです。同じデータでも、切り口が異なれば、まったく異なる結論にたどり着いてしまいます。

 先日も「医療計画の見直し等に関する検討会」で、入院前後の患者の動きから病棟の機能が分かるのではないか、といった研究結果の中間報告がなされましたが、どうでしょう。もっと単純に、誰もが納得できる切り口があるのではないでしょうか。

例えば、以前にGHCと共同で「DPCの入院期間に基づき、資源投入量がどう変化していくのか」という研究を行いました。それを見れば、どこで資源投入量が大きく減少しているかが把握でき、それはまさに病棟が提供している医療機能を反映していると言えます。
一部の研究班では、患者が入棟前にどこからきて、退棟後にどこにいくのか、看護配置がどの程度かといった切り口で病棟機能を把握しようとしていますが、そうではなく、もっと明確に考えられると思うのですが。

アキ:「医療」については、なぜか難解に考えたがる傾向があるようですね。

相澤:日本の医療は国の政策に左右されます。厚生労働省や内閣に、おかしいものはおかしいと言わなければいけません。このためにはデータによる裏付けが必要ですね。日本病院会でもデータ整備に力を入れていきます。【続きます】
 

 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017082902000128.html
高野病院が経営ピンチ 福島第一から22キロ 再出発5カ月
2017年8月29日 東京新聞 朝刊

 東京電力福島第一原発事故後も避難せず、福島県双葉郡八町村で唯一、診療を続けてきた高野病院(広野町)が経営危機に陥っている。昨年末に高野英男元院長=享年(81)=が亡くなり、今春新たな医師を招いて再出発したが、財政問題が深刻化。病院関係者は「このままでは、休院も検討せざるを得ないのではないか」と懸念を強めている。 (片山夏子)
 「原発事故後、収入が減る中で、経費が膨れ上がっている」。元院長の次女の高野己保(みお)理事長が明かす。「元院長は過労で倒れながら『患者のために』とぎりぎりでやってきたが、さらに苦しくなっている」。今春以降、毎月五百万円の赤字が続くという。
 収入減の理由は、外来患者の減少。事故前は月に五百人前後だったが、事故で一時は数十人まで落ち込んだ。帰還した住民や原発作業員らでやや持ち直したものの、原状回復にはほど遠い。長期入院患者が多い高野病院のような現場に不利な昨年の国の診療報酬改定も、追い打ちとなった。

 一方、膨らむ経費の理由は人件費。一人で何人分も働いていた元院長の死去で、常勤・非常勤医が四人増えた。また県外から医療スタッフを呼んでいるため、高い給与を支払い、被災地手当も必要に。寮となるアパートも借りた。
 県外から雇用した場合、給与の半額を補助することを目指した県の支援策がある。しかし、その基準となるのは給与の全国平均額。これに対し、原発周辺地域の給与水準は事故前の一・五倍前後に高騰しているため、現実には給与の四分の一程度の補助にしかならない。高野理事長は「今のこの地域の水準に合っていない」と訴える。
 県は新たな支援の枠組みを検討すると二月に発表したが、今も決まっていない。県地域医療課の平(たいら)信二課長は「財政支援は避難指示区域全体の中で考え、個別に考えるわけにはいかない」と、高野病院だけの支援には後ろ向きだ。
 高野理事長は「地域の高齢化は一層進むため、長期入院できる病院はますます必要になる。先は見えないが、何とか続けたい。スタッフもあきらめてはいない」と前を向く。

 病院の代理人の馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士は「周辺は原発事故でできた過疎地。住民は簡単に戻らない。今後はへき地医療に準じる支援が必要だ」と指摘している。
<高野病院> 福島第一原発の南22キロに位置し、医療法人社団養高会が運営する。精神科や内科などがあり、病床は118床。双葉郡内では夜間対応や入院が可能な唯一の医療機関。昨年12月に高野英男元院長が死去し、常勤医が不在に。国や福島県、広野町などと協議し、今年4月から常勤・非常勤の医師計3人の派遣を県から受けている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/all/welcome_leaf.jsp?http%3A%2F%2Fmedical.nikkeibp.co.jp%2Fleaf%2Fmem%2Fpub%2Freport%2F201708%2F552513.html
動向解説◎どう変わる医師国家試験
問題数減の医師国試、臨床実地問題重視で難化へ
金沢医科大学教育学習支援センター長の東田俊彦氏に聞く

2017/8/29 聞き手:加納亜子=日経メディカル

 来年2月に行われる第112回医師国家試験は、出題数が現行の500問から400問に減り、試験期間が3日間から2日間になる(関連記事)。それに伴い、来年度以降の医師国家試験では、臨床の思考過程に力点を置いた「臨床実地問題」が重視されるのではないかとみられている。医師国家試験や医学部教育は今後、どのように変わるのか。金沢医科大学教育学習支援センター長で医師国家試験予備校マック・メディカル・アカデミー・コーポレーション講師の東田俊彦氏に聞いた。

――来年の医師国家試験では何が変わるのでしょうか。

 出題数と配点、そして試験期間が変わります。必修問題は今まで通り一般問題、臨床実地問題が50題ずつですが、医学総論・医学各論は、一般問題が200題から100題に減り、臨床実地問題は変わらず200題になると発表されています(厚生労働省ウェブサイト)。

 配点はこれまで一般問題は1問1点、臨床実地問題は1問3点でしたが、それが次回の国家試験では必修問題の臨床実地問題のみ1問3点となり、それ以外の問題は全て1問1点に変更されます(表1)。

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表1 第112回医師国家試験の変更点

 必修問題以外については合格基準の設定方法も変わってきます。

 これまでの評価方法では、必修問題の合格ラインは計200点の80%以上、そして必修問題以外の問題は一般問題、臨床実地問題それぞれで、識別指数などの一定の処理をした後の平均点と標準偏差を用いた相対基準によって合格基準が設定されていました。

 しかし、来年の試験からは必修問題以外の合格基準の定め方が変わります。一般問題と臨床実地問題の得点の合計をベースに相対基準により合格ラインを設定することになったのです。

 そこに、今まで通り禁忌肢を3問以上選んだ場合には不合格になるという基準が定められる予定です。

 確実に医師国家試験に合格するには、配点の高い臨床実地問題を含む必修問題の正答率を8割以上にし、さらには必修問題以外の300問で少しでも多くの点を取る必要があるのです。


金沢医科大学の東田俊彦氏は、「次の医師国家試験では医学知識だけではなく、臨床現場で患者を目の前にしたときに必要な判断力を問う問題が、さらに増えるのではないか」と推測する。

――問題の内容に変更はあるのでしょうか。

 問題の質も大きく変わると私は見ています。おおむね4年ごとに医師国家試験出題基準(ガイドライン)は改訂されており、この改訂の前年度の国家試験にはその傾向が表れるのが通例となっています。

 今年が改訂の年に当たり、それに向けて実は2017年に行われた第111回医師国家試験では難易度が上がっていたのです。十分な合格者数を出すために、臨床実地問題の合格基準は下がっていました。

 何が難しくなったかと言えば、臨床現場で患者を目の前にしたときに必要な知識を尋ねる問題が増えたという点でしょう。目の前にいる頭痛を抱えた患者に何を聞き、どのように対応するかといった、現場で求められる知識が問われる問題が増えたのです。

 こうした問題を出されると、疾患に関する知識を丸暗記することで何とか乗り切ろうとしていた学生は、何をどう考えて答えを導き出せばよいか分からなくなり、非常に難しく感じてしまいます。設問内容を見ると、今の臨床医の先生方は驚かれるかもしれません。試験問題はまるで内科専門医の試験かと思うほど、臨床的に高レベルな設問ばかりになっていますから。

――どんな問題が出ているのでしょうか。

 例えば、「頭痛を主訴に来院した患者が『頭が痛いのでCTを撮ってほしい』と訴えている。それに対してどう対応するか?」といった問題です。

 頭痛を訴える初診患者であれば、適切な問診と診察を行い、重篤な疾患が除外できると判断されれば頭痛薬を出して1~2週間様子を見るのが通常の対応でしょう。ですが、「来院した初診患者に『CTを撮ってほしい』と言われたらどう対処するか」とだけ聞かれてしまうと、現場の医師でも判断に迷うはずです。

 頭痛の程度など患者の状態や病院のリソース、環境、患者や医師の考え方の違いにより対応は変わります。細かな情報を記載してくれれば考える余地もありますが、医師国家試験ではそうした記載はありません。正解がなさそうな設問が複数提示されているのです。

 以前に、この問いを臨床医に解いてもらいましたが、医師によって答えは異なっていました。「医療はサービス業だから患者の満足度を高めればよいと思えば撮ればよい」という価値観を持つ医師がいれば、「検査は必要最小限にすべき」「医療費の抑制を考えなければならない」といった意見を持つ医師もいたのです。このように、医師の価値観により実際に何をするかという答えは変わってきてしまいます。

 では、正解は何かというと、「どうしてそれを知りたいと思ったのですか?」と聞く、という解答です。患者が訴えることには理由があり、その訴えの原因を解消すればよいという考えで設問は作られているのです。つまり、○か×かの答えを選ぶのではなく、判断に迷うようなグレーゾーンの選択肢がある中で、どの答えを優先すべきかを考える必要があるのです。

 本来は、万人が「それは確かに正しい答えだ」と納得できる回答を選ばせるのが国家試験の問題です。だからこそ、解くのにはテクニックが必要になります。問題の背景を理解し、何を考えさせたいのかまで把握する必要があるのです。

 こうした判断の難しい問題が出されていることからも、今までのように座学で疾患に関する情報を丸暗記するような対策では、今後はさらに合格しにくくなると気付いていただけると思います。たとえ、過去の国家試験の問題の答えを全て覚えていたとしても、今後は半分程度の点数しか取れなくなるのではないかと私は捉えています。

――では、医師国家試験の変更にどう対処すればよいのでしょうか。

 臨床現場に則した設問に対応するため、現在の医学部は患者・疾患をどのようにマネジメントするかという点を重視した教育に切り替えていかざるを得ない状況に置かれています。臨床実習の比重を高め、学問的知識や画像診断の意味、治療の知識を踏まえて判断するための思考力を育てなければならないのです(参考記事)。

 具体的には、診療現場で医学生が臨床医(指導医)の傍らで、問診や診察をする経験を積ませ、様々な患者のマネジメント方法を長い時間をかけてしっかりと教え込むことが求められています。

 これは、米国での臨床研修資格を発行するECFMG(米国における外国医学部卒業生のための教育委員会)が、2023年以降は世界医学教育連盟(WFME)か米国医学教育連絡委員会(LCME)と同等の基準で認証された医学部の出身者にのみ米国医師国家試験(USMLE)の受験資格を与えると発表したことを受けての流れでもあります。今、各医学部はUSMLEの受験基準に合わせて、臨床実習の時間を延ばす必要に迫られ、さらには医学教育モデル・コア・カリキュラムが変更されたこともあり、カリキュラムを大きく改変し始めています。各医学部からすれば、まだ改変のさなかというのが実情ですが、世界的な流れに合わせ、臨床問題を重視した教育の拡充を進める動きが出てきているとも捉えられるのです。

 とはいえ、ただ臨床実習の期間を延ばせばよいというわけではありません。臨床現場に則した判断方法を身に付けさせるための教育に注力し、システマティックに取り組める環境を作ることが求められています(参考記事)。

 理想を言えば、臨床医の後ろについて、どんなことをしていて、検査では何を考えてどんな検査を実施しているのか、何を参考に治療方針を考え、さらには薬剤をどのように選んでいるのかなどを見て逐一理解できる臨床実習がよいでしょう(参考記事)。

 しかし、どの大学も教員のマンパワーと教育に割ける時間が圧倒的に不足しています。多くの医学部では長時間の実習を設けても教えられる教育基盤ができておらず、学生は何をどのように身に付ければよいのかが分からずただ時間を過ごしてしまうこともあるようです。そうした医学部の学生は、せっかく目の前に患者がいるにもかかわらず、患者の症状や病態についてただカルテを基に文献を調べ、レポートを書いて終わりにしてしまっています。中には、国家試験の過去問を隙間時間でやっているという学生もいるのが実際のところです。そうした大学では今後、臨床研修先において、医学生を含めた屋根瓦式の教育体制を構築するなど、抜本的な教育体制の改変が求められていくでしょう。

――臨床実習だけでなく、座学も変化しつつあるのでしょうか。

 USMLEへの対応に加え、医師国家試験が変わることで臨床実習の期間・内容だけではなく、座学の内容についても少しずつ変わりつつあります。以前は臓器別での座学が基本となっていましたが、症例検討を重ね、症状をマネジメントするには何が必要か、どのような症状や患者の訴えに目を向け、判断していくのか、さらにはどのように鑑別診断を進め、治療方針を組み立てていくのかといった思考力を付ける取り組みが広がり始めています。

 このように、症候別にマネジメントをする方法を学ぶには、一般的な医学知識を事前にしっかりと蓄えておくことが求められます。低学年時代の座学で得た1つひとつの知識をつなぎあわせ、実臨床で使える多面的な考え方を身に付けていく。症例検討はその1つの手段だと言えるでしょう。

 その他にもテーマやケースを提示して、それを少人数で話し合う機会を作り学びを深めていく方法や、模擬患者の協力を得てシミュレーションをしてみたりと、様々な方法が各医学部で取り入れられています。

 教員からしてみれば、考え方を学ばせるのは時間と手間が掛かり非効率的です。そして、考え方から学ぼうとする学生ほど、成績だけを見るとなかなか伸びない傾向があります。ですが、歩みはゆっくりででも考え方や学び方を得た学生は、後になって様々な知識がつながりやすく、理解や思考力が急速に伸びることが多いように思います。さらに、そうした学生の大半は、医学部を卒業して医師になった後にも自ら学び、学習して伸びていく習慣が身に付いています。

 急速に思考力が成長する学生に共通するのは、医学への興味・関心や、医師として医療を行うことで人を救いたい、困っている人を助けたいという気持ちが強い点です。

 40~50代の医師が医学生・研修医だった頃は、医学部に卒業試験はないか、あってもそれほど難しくなく、もし国家試験に落ちたとすると、それは自らの責任だと、自分たちで勉強するよう指導されていました。医師国家試験に通るために自ら学ぶ技術を身に付けることが今よりも強く求められていたのです。だからこそ、受かった後にも勉強を継続していた医師が非常に多くいました。

 自ら学ぶ力を身に付けさせるためにも、ポリクリやベッドサイドラーニング(BSL)といった病院実習の間には、試験には絶対出そうにもないことも含め、臨床に関する様々なことを徹底的に教育されました。各診療科の実習が終わるたびに毎回、口頭試問や実技試験があり、それにパスすることを要求されていたのです。

 一方で、今の実習には多くの場合、実技試験も口頭試問もありません。国家試験に似たペーパー試験しか課せられていないところが多いのです。では学生はどうするか。過去の国家試験の問題を丸暗記することで対応しようとするのです。その積み重ねで、医師になった後にも医学への興味を失ってしまうという悪循環に陥っているともいえるでしょう。

 私は医学教育の根幹として、学生に「医師になりたい」という強い気持ちがなければならないと思っています。今後の医学部では、やる気のある学生をいかに選抜するか、そしてやる気を維持させるための興味、知的好奇心をいかに与えられるかがさらに重視されるようになるはずです。

 医学生が元々持つ医療へのモチベーションを保たせながら、知的好奇心をくすぐるようカリキュラムを作ることが求められているのです。

 とはいえ、医師に対してどのような姿をイメージしているかは学生により異なります。学生一人ひとりが違うポイントに興味を持っていることを前提に、しっかりとヒアリングをして学生の興味・関心を伸ばしていくカリキュラムを提供することが今後の医学部教育には求められているのでしょう。医学生が今・将来どうしたいのかを丁寧に拾い上げ、医学生に合わせた個別の教育を考えることが医学部には求められています。



https://mainichi.jp/articles/20170831/ddl/k45/010/300000c?ck=1
西諸自治体
地域外出産市民に支援金 妊娠1回2万円、出産可能な医療機関なく /宮崎

毎日新聞2017年8月31日 地方版

 西諸地域(小林、えびの市、高原町)で出産ができる医療機関がないため、えびの市は地域外で出産する市民に妊娠1回につき2万円を交付する出産支援金を一般会計補正予算案に計上、30日の臨時会で可決した。小林市と高原町でも来月開会の定例会に、同様の支援金を提案する方針。

 小林市では昨年11月に産婦人科診療所が休診。西諸地域で唯一分娩(ぶんべん)を扱っていた産婦人科病院(えびの市)も7月15日から受け入れを停止した。

 えびの市によると、多くは隣接の熊本県人吉市の医療機関で出産、妊婦健診に通院するなどの交通費に充ててもらう。対象は妊娠36週目以降で、今年度は150人分と市雇用の助産師の報酬を含めた402万円。小林市も妊娠1回に2万円を交付。多くは都城、宮崎市の医療機関で出産。妊娠22週目以降で今年度は240人分など約563万円を計上。高原町でも妊娠1回につき2万円を交付する支援金を補正予算案に計上している。【重春次男】



http://www.medwatch.jp/?p=15483
公立病院、大規模ほど経営が良好、小規模病院は近隣病院との統廃再編も視野に入れよ―内閣府
2017年8月30日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 公立病院では、大規模なほど医業収支比率が高く、一方で小規模病院では医業収支比率が低下傾向にあるため、大規模公立病院と小規模公立病院とで収支比率の差が広がっている。立地状況などにより経営課題は異なり、「地域の状況を踏まえた経営改善戦略」を建てる必要がある—。

 内閣府が25日に公表した、「公立病院経営の状況と小規模公立病院の経営課題-持続可能な地域の医療提供体制の確立へ向けて-」(政策課題分析シリーズ12)からこういった状況が明らかになりました(関連記事はこちら)(内閣府のサイトはこちら)”>こちら)。

ここがポイント!
1 大規模病院ほど医業収支比率が高く、小規模病院では繰入金比率が高い
2 入院単価の向上が経営改善の鍵、大規模なDPC病院で単価向上目立つ
3 地域の状況を踏まえ、近隣病院との「統合再編」なども視野に入れる必要

大規模病院ほど医業収支比率が高く、小規模病院では繰入金比率が高い

 公立病院については、「経営改善」と「地域医療構想の実現」を目指す改革プラン(新改革プランの作成)が求められていますが(関連記事はこちらとこちらとこちら)、収支改善が困難なケースもあり、内閣府では病床規模別に経営状況や経営課題などを調査・分析しています。

 まず病床規模別に公立病院の医業収支比率を見てみると、「大規模病院ほど医業収支比率が高い」(つまり経営状況が良い)ことが分かります。ただし公的病院・私的病院と比べると、公立病院では医業収支比率が低い(つまり経営状況が悪い)点には注意が必要です。
公立病院の医業収支比率を病床規模別に見ると、大規模なほど良好、つまり経営状況が良いことが分かる
(図 略)
公立病院の医業収支比率を病床規模別に見ると、大規模なほど良好、つまり経営状況が良いことが分かる
 
また公立病院については、赤字部分を自治体などからの繰入金で賄うことになりますが、これを病床規模別に見ると、50床未満・50-99床の小規模病院において高い割合となっています(小規模病院では医業収支比率が低く、繰入金による補てんが大きくなる)。
(図 略)
公立病院に対する繰入金比率を病床規模別に見ると、小規模な病院では、著しく高いことが分かる

入院単価の向上が経営改善の鍵、大規模なDPC病院で単価向上目立つ

次に、経営形態の変化(例えば地方独立行政法人化など)を行っていない605病院について、自治体からの繰入金などを除いた「修正医業収支」の状況を見てみましょう。

修正医業収支が改善した病院は257病院あり、規模が大きくなるほど「収益と費用がともに増加して経営が改善した」病院の割合が高くなり、逆に規模が小さい病院では「収益と費用がともに減少したが、経営が改善した」割合が高くなります。

一方、修正医業収支が悪化したのは348病院で、小規模になると「収益と費用がともに減少し、経営が悪化した」割合が高くなっています。
(図 略)
経営状況が改善した病院では、大規模なほど「収益・費用ともに増加して改善」する割合が高く、逆に経営状況が悪化した病院では、小規模なほど「収益・費用ともに減少して悪化」してしまった割合が高い
 
この点について内閣府では、とくに「入院単価の向上が収益増加に寄与している」点に注目。次のように公立病院をグループ分けし、単価の変動状況を見ています。
【グループ1】(400床以上の大規模、DPC導入、98病院):2014年度の入院単価は5万7479円で、5年前(2009年度)に比べて1万203円・21.6%増加。入院料と手術料が入院単価の8割程度を占め、主な単価向上要因も入院料と手術料である

【グループ2】(200床以上400床未満の中規模、DPC導入、73病院):2014年度の入院単価は4万8539円で、5年前から7192円・17.4%増加。入院料と手術が入院単価の8割程度を占めるが、大規模病院では手術料のシェアが26.9%なのに対し、中規模病院では23.2%にとどまる。主な単価向上要因は入院料である

【グループ3】(200床以上400床未満の中規模病院、非DPC、32病院):2014年度の入院単価は3万6813円で、5年前から3743円・11.3%増加。手術料のシェアは18.4%にとどまり、DPC導入病院と比べて「その他」(検査、放射線、食事など)が単価増に大きく影響している

【グループ4】(200床未満の小規模病院、非DPC、306病院):2014年度の入院単価は2万5554円で、5年前と比べて9377円・7.2%増加。他のグループと異なり手術料が減少、手術料のシェアも10.0%にとどまっている

 また各グループについて2009年度から14年度までの5年間における入院単価の1年度当たり伸び率を見ると、▼グループ1(大規模、DPC)4.0%▼グループ2(中規模、DPC)3.3%▼グループ3(中規模、非DPC)2.2%▼グループ4(小規模、非DPC)1.4%—となっています。もっとも単価の高いグループ1と、もっとも低いグループ4では、3万1925円・2.2倍の開きがあります。つまり、入院単価の高い大規模DPC病院はより単価が上がっており、入院単価の低い小規模非DPC病院は単価の伸びが小さく、「格差が広がる」傾向にあることが改めて認識できます。
(図 略)
大規模なDPC病院では、入院単価が高く、伸び率も高い。このため小規模病院との入院単価の格差は広がる一方である
 
 なお外来単価については、次のような状況です。入院ほどの大きな格差はないようです。

▼グループ1(大規模、DPC):2014年度単価は1万4621円で、5年前から20.9%増

▼グループ2(中規模、DPC):2014年度単価は1万2777円で、5年前から10.0%増

▼グループ3(中規模、非DPC):2014年度単価は1万733円で、5年前から11.4%増

▼グループ4(小規模、非DPC):2014年度単価は8856円で、5年前から4.0%増
(図 略)
入院単価ほどではないが、大規模なDPC病院で外来単価が高く、伸び率も高いため小規模病院との格差が広がる

地域の状況を踏まえ、近隣病院との「統合再編」なども視野に入れる必要

このように見ると、病院経営の改善には「大規模化」「DPC参加」などの方向が見えるようにも思えますが、人口規模の小さい地方の自治体に設立された小規模公立病院に、それを求めることはできません。

内閣府は、200床未満の小規模病院の経営改善方策を探るため、近隣病院との地理的配置などに着目した分析を実施。さらに、病院関係者の意見(インタビューを実施)も踏まえて、次のような改善方向を示しました。地域の状況を踏まえて、「病院の統合再編」を踏まえた検討を行うよう提言しています(こちら)とこちらとこちら)とこちら)。

【タイプ1】(不採算地区の外に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院がある):▽人口規模が大きい▽人口密度が高い▽高齢化率が低い—という好立地環境にあることが分かったが、病床シェアは低く、修正医業収支比率・病床稼働率は低下している(ただし他のタイプに比べて低下幅は小さい)。ここから▼他病院と機能分担を進め、地域にとって必要な医療を提供する▼地域包括ケアシステムの確立に貢献する—ことが必要と考えられる。地域によっては「病院の統廃合」などの抜本的な見直しも検討する必要がある

【タイプ2】(不採算地区の外に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院はない):▽人口規模は小さい▽人口密度は低い▽高齢化率・人口減少率が高い—という厳しい立地環境にあり、「地域に必要な医療機能の維持」が最優先の課題となる。将来、大幅人口減などが生じた場合には「病院規模などの見直し」を実施することが必要である

【タイプ3】(不採算地区に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院がある):近隣に規模の大きな病院があることから、▼他病院との機能分担を進め、地域に必要な医療を提供する▼地域包括ケアシステムの確立に貢献する—ことが必要。近隣病院との距離が近い場合には「統合再編」の検討も必要

【タイプ4】(不採算地区に設置され、15㎞圏内に300床以上の競合病院はない):1日平均外来患者数や病床稼働率が低く、経営指標は最も厳しい。「地域唯一の病院」と言うケースが多く、地域医療の確保という観点からも支援が必要。ただし、将来的には、地域の医療ニーズ見通しなどを踏まえ、▼病床削減・機能転換(診療所と老人福祉施設の複合施設への転換など)▼同一医療圏内の病院との統廃合・ネットワーク化―などを検討し、「産業・雇用・交通などを含めた地域全体の街づくりの中で、公立病院の位置づけを明確にしつつ、地域に一定の医療・介護サービスが確保される体制」を目指すことが必要である
公立病院を立地条件などに応じて分類すると、それぞれにおいて経営課題は異なっていることが分かる



http://www.medwatch.jp/?p=15455
2015年度1人当たり医療費、最高の福岡と最低の新潟で1.38倍の地域格差—厚労省
2017年8月29日|医療保険制度 MedWatch

 2015年度の1人当たり医療費(市町村国保+後期高齢者医療)は全国では53万7000円だが、都道府県別に見ると最高の福岡県(64万1000円)と最低の新潟県(46万6000円)との間では1.38倍の格差がある。また「西日本で1人当たり医療費が高く、東日本で低い」傾向は変わっていない—。

厚生労働省は25日に、2015年度の「医療費の地域差分析」を公表し、こういった状況を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 入院医療費で地域格差が大きく、「在院日数の短縮化」が地域差是正の鍵
2 1人当たりの実績医療費、高知県の自治体が上位を独占

入院医療費で地域格差が大きく、「在院日数の短縮化」が地域差是正の鍵

1人当たり医療費は年齢との関係が強いため、地域差を分析する際には「地域ごとの年齢構成(高齢者割合など)の差」を調整することが重要です。

市町村国保加入者と後期高齢者医療制度加入者を合計した1人当たり年齢調整後医療費を見てみると、全国では53万7000円ですが、都道府県別に見ると、最高は福岡県の64万1000円(全国の1.194倍)で、高知県63万7000円(同1.186倍)、佐賀県62万7000円(同1.168倍)と続きます。また最低は新潟県の46万6000円(同0.867倍)で、千葉県47万7000円(同0.888倍)、静岡県47万8000円(同0.890倍)などとなっています。最高の福岡県と最低の新潟県では1.38倍の開きがあります。

(図 略)
2015年度の、1人当たり年齢調整後医療費と地域差の状況
(図 略)
都道府県別に見た、1人当たり年齢調整後医療費のグラフ
 
医療費の地域差を、日本地図を色分けした医療費マップで見てみると、「西日本で高く、東日本で低い」(西高東低)の傾向が依然として続いていることを改めて確認できます。
(図 略)
地域差指数(年齢構成を調整し、医療費が平均からどれだけ離れているかを指数化)のマップ。西日本で高い地域(オレンジ色)が多く、東日本で低い地域(青色)が多いことが分かる
 
入院医療費を▼1日当たり医療費▼1件当たり日数▼受診率—の3要素に分解して、地域差にどの要素が影響しているのか(寄与度)を見てみると、入院医療費の高い地域(高知県、福岡県、鹿児島県など)では「受診率と1件当たり日数が医療費を高める方向に寄与し、1日当たり医療費は低くする方向に寄与している」傾向が、逆に入院医療費の小さな地域(静岡県、新潟県、千葉県など)では「受診率や1件当たり日数が医療費を低くする方向に寄与している」傾向があることが分かります。ここから、「入院回数が多く、入院日数の長いことが1人当たり入院医療費の高騰を招いている」と伺えます。
入院外医療費(調剤を含む)について、同様に▼1日当たり医療費▼1件当たり日数▼受診率—の3要素に分解した寄与度を見てみると、入院外医療費の高い地域(広島県、香川県、佐賀県など)では「受診率と1件当たり日数が医療費を高める方向に寄与し、1日当たり医療費は低くする方向に寄与している」傾向が、逆に入院外医療費の小さな地域(新潟県、沖縄県、富山県など)では「受診率や1件当たり日数が医療費を低くする方向に寄与している」傾向があることが分かります(入院と同じ構造)。「頻回の医療機関受診が、入院外医療費の高騰につながっている」ことが伺えます。
(図 略)
地域差指数に対する三要素別の寄与度。入院(上段)、入院外(下段)ともに「受診率」「1件当たり日数」の高さが地域差指数を高く(つまり医療費を高く)していることが伺える
 
さらに「入院では地域格差が大きく(最高と最少の格差は1.75倍)、入院外では地域格差が小さい(同1.20倍)」ことも踏まえると、医療費の地域差是正に向けて「在院日数の短縮」が最重要テーマ(入院外では頻回・重複受診などの適正化)であることを再認識できます。

1人当たりの実績医療費、高知県の自治体が上位を独占

 市町村別に1人当たり実績医療費(年齢調整をしていない)を見てみると、最も高いのは高知県馬路村で102万1965円。次いで高知県大豊村96万5906円、高知県北川村87万9101円、高知県奈半利町84万7872円、高知県大川村83万8166円となり、上位5市町村を高知県の自治体が独占しています。

 逆に1人当たり実績医療費が低いのは、下から東京都小笠原村25万5304円、長野県川上村31万7842円、東京都御蔵島村32万643円、沖縄県竹富島35万1008円、長野県南牧村36万7825円などで、離島や山間地が目立ちます。

 
 また年齢構成を調整した上で、医療費が全国平均からどれだけ乖離しているのかを示す「地域差」を市町村別に見てみると、もっとも高いのは高知県馬路村の1.49で、高知県奈半利町1.41倍、北海道壮瞥町1.36、高知県芸西村1.36、高知県大豊町1.35と続きます。

逆に地域差が低い自治体は、福島県檜枝岐村0.67、長野県王滝村0.68、長野県天龍村0.68、岩手県九戸村0.69、山梨県小菅村0.70となっています。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170826_7
奥州・新市立病院計画に異論 医師会、有識者会議を辞退
(2017/08/26) 岩手日報

 奥州市総合水沢病院(149床)に代わる新市立病院の建設計画が難題に直面している。奥州医師会(関谷敏彦会長、194会員)が市の有識者会議への出席を辞退した。同会は市の計画に対し「機能維持が前提」として異論を唱えている。医師会との連携は新病院の運営に欠かせず、認識の隔たりが解消されなければ2021年度の開院にも影響しそうだ。

 医師会は24日までに、市に文書を送付。辞退の理由について「有識者会議と決定会議は別。議論が意味のないものになるのではないか」と疑念を記した。一方で「建設に反対ではなく、懸念が払拭(ふっしょく)されれば再考の余地はある」とした。

 有識者会議は胆江地域の医療機関など16団体の委員で構成。庁内で検討した計画案に意見を述べる。8月末に初会合を予定していたが、医師会の辞退により奥州歯科医師会、奥州薬剤師会、県立江刺病院、奥州保健所の4団体からも出欠の回答が得られていない。

 医師会は病院機能の維持方針に対し「財政負担が大きく人材確保も難しい」「少子高齢化に対応する機能検討が必要」と主張。6月、歯科医師会、薬剤師会と医師確保計画などをただす質問書を市に提出した。



  1. 2017/09/01(金) 05:40:52|
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8月27日 

https://dot.asahi.com/dot/2017082300035.html
看護師不足が医師不足よりも深刻な理由
連載「メディカルインサイト」  上昌広
2017.8.25 07:00dot.#病院

全国の看護師の有効求人倍率。「平成25年度都道府県別求人数等の実績」「平成25年看護関係統計資料集」より。東大医科研 森田知宏、児玉有子(出典:医療ガバナンス研究所調べ)

 東京を中心に首都圏には多くの医学部があるにもかかわらず、医師不足が続いている。だが、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療ガバナンス研究所を主宰する上昌広氏は、著書『病院は東京から破綻する』で、深刻な看護師不足の現状についても明かしている。その解決策とは。

*  *  *
 高齢化が進む日本で、看護師不足対策は喫緊の課題です。ところが、その解決は医師不足以上に困難です。看護師の多くが女性であり、他の地域からの移住が期待できないからです。多くの看護師は、地元の学校を卒業し、地元に就職します。結婚して家庭を持つと、看護師不足の地域で働くための「単身赴任」は難しくなります。看護師不足を緩和するには、看護師の労働条件を改善するとともに、地元での育成数を増やすべきです。

 海外から看護師を受け入れることも原理的には可能ですが、現実的ではありません。日本語という言語の壁があります。また、多くの新興国では看護師の社会的な地位は高いため、日本に来るインセンティブがないのです。

 労働条件の改善については、さまざまな対策が採られ、成果が上がりつつあります。日本看護協会によれば、新卒看護師の離職率は7.50(14年度)。大卒の新入社員の約3割が入社後3年間で辞めるとされる中、看護師の離職率は飛び抜けて高いわけではありません。

 人口あたりの看護師の数は、人口あたりの看護師養成数に比例します。看護師が不足しているのは、地元での看護師養成数が少ないからです。首都圏の看護師を増やすには、地道に育成するしかありません。看護師養成数にも、地域間格差があります。12年現在、人口10万人あたりの看護師養成数は西日本が80人程度であるのに対し、関東は約40人に過ぎません。看護師数と同じく、養成数も2倍程度の差があるのです。この「西高東低」の格差は、日本の近代化を反映しています。明治以降、病院や医師会が中心となって、看護師を養成してきましたが、医師の数や医学部数は前述したように「西高東低」だからです。

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全国の看護師の有効求人倍率。「平成25年度都道府県別求人数等の実績」「平成25年看護関係統計資料集」より。東大医科研 森田知宏、児玉有子(出典:医療ガバナンス研究所調べ)

 看護師不足解消のため、平成以降、政府は看護師養成数を年間約4万人から6万人に増やしました。大学看護学部が急増しています。1989年には看護系学部があったのは11大学(関東に5大学)でしたが、2016年末現在で254大学(関東に73大学)に増えています。一方、専門学校の定員はむしろ減少傾向を示しています。平成以降の看護師養成数の増加は、ほぼ看護大学によると言っても過言ではありません。しかし、看護師を育成しても、急増する患者ニーズに応えることは困難です。

 看護師が多いとされる九州と四国で、看護師の有効求人倍率は1~2倍程度。つまり、最も看護師数の多い地域でも、看護師は足りていません。関西より東では看護師の有効求人倍率は2~5倍です。

 首都圏の看護師養成数を九州や四国並みに増やそうとすれば、さらに1万7000人、看護師養成数を増やさねばなりません。東京だけでも5000人です。震災復興や東京五輪を控え、人手不足が深刻な建設業よりも、看護師の人手不足は深刻です。

■急増する看護学部が希望か

 では、どうすればいいのでしょう。私は、市場はニーズがあれば、必ず成長すると考えています。この10年間で看護学部の定員が倍増しましたが、志望者数は3倍に増え、定員割れは起こしていません。

 大学経営者にとってありがたい活況です。看護学部は、医学部のように新設に対する規制がなく、事業者が看護学部設立を望めば、基本的に認められます。課題は教員の確保です。看護師の多い九州地区ですら、看護大学の教員確保は難しく、年収1000万円以上が珍しくないと言います。博士号を取っても就職先がない「ポスドク問題」とは対照的です。

 少子化が進み、大学経営が冬の時代を迎えた昨今、看護学部設立は大学経営者にとっても、教員にとっても魅力的です。東京や京都など、私立大学が多い地域では、私大がリードして看護師の養成数を増やしています。15 年4月には、関西の名門同志社女子大学も看護学部看護学科を開設しました。

 ただし、看護師不足が深刻な千葉県・埼玉県・神奈川県は、看護学部を作ろうにも、設立母体となる大学自体が多くありません。既存の私立大学が看護学部を開設するのを待っているだけでは、首都圏の看護師不足は緩和されそうにありません。私立大学の看護学部の授業料は決して安くなく、初年度納付金が200万円を超える大学も珍しくありません。それでも看護学部で学びたいという高校生は跡を絶ちません。

 なぜ、多くの高校生が看護学部を目指すのでしょうか。もちろん、看護師職にやりがいがあり、患者を支える「聖職」であることは大きいでしょう。最も大きな理由は、業務独占の国家資格であるため、看護師不足の昨今、食うには困らないということでしょう。給与も高く、14年の平均年収は473万円で、サラリーマンの平均年収(415万円)を上回ります。ある大手予備校の講師は「医学部や薬学部と比べて、看護学部の偏差値は低い。40台の学校も珍しくない。それでも卒業して、国家資格を取れば、高給が保証されている。こんな仕事はほかにはない」と言います。

 かつて「3K」といわれた職業もずいぶんと変わったものです。看護大学の人気を考えれば、偏差値も急速に上昇するでしょう。その過程で混乱が生じることも予想されます。今後、教育の質を担保しながら、さらに看護師養成数を増やす必要があります。

※『病院は東京から破綻する』から抜粋
病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日
朝日新聞出版
定価:1,620円(税込)
978-4023314931



http://www.sankeibiz.jp/econome/news/170824/ecd1708240500001-n1.htm
厚労省、地方への医師呼び込み 若手対象、週4日勤務制も
2017.8.24 05:00 SankeiBiz

 厚生労働省が来年度から、医師不足に悩む地方で働く若手医師を対象に、勤務環境の改善に乗り出すことが23日までに、関係者への取材で分かった。
 週4日制など柔軟な勤務体系やテレビ電話での診療支援などを進める。「働き方」を改善し、地方に若手を呼び込み、地域間の医師偏在を解消するのが狙いだ。
 国公立の医療機関だけでなく、民間で働く医師も対象。都道府県などによる環境整備を後押しするため、来年度予算案の概算要求に8億円を盛り込む。
 地方で働いてもいいという医師は一定数いるものの、人手不足で休みが取りにくいことや、希望する仕事ができないといった労働環境の厳しさやキャリア形成の難しさなどが地方定着を阻んでいるとみられる。
 新たな事業では、若手医師が休暇や自己研鑽(けんさん)のための時間を確保できるようにするため、週4日勤務制を導入したり、非勤務日をカバーする代替医師を派遣したりする自治体の取り組みを支援。テレビ電話を活用し、遠隔地からアドバイスを受けられるような仕組みも想定している。
 地方で一定期間働くことを条件に、医学部在学中の奨学金の返済を免除される「地域枠」制度を利用した若手や自ら地方勤務を選択した医師も対象になる。
 厚労省は、医療機関が医師不足地域にベテランの指導医を派遣する際に、旅費や代替医師の雇用にかかる費用を援助する事業も実施する予定だ。



https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082300127&g=soc
診療所の継承、相続税免除=過疎地の個人開設に-厚労省
(2017/08/23-15:24) 時事通信

 厚生労働省は、過疎地などで診療所や病院を相続した後継者の医師が安定的に運営を続けられるよう、医療業務に必要な土地・建物などにかかる相続税を免除する方針を固めた。対象は個人開設の医療機関で、相続後に5年間継続して運営することが条件。2018年度税制改正要望に盛り込む。
 近年、医師が都市部へ偏り、人口の少ない過疎地では医師不足が深刻化している。こうした地域で内科や外科などの医療を担ってきた医師も高齢化し、次世代への円滑な事業継承が喫緊の課題となっている。
 しかし現状では、過疎地の医療機関を親族の医師が相続しようとしても、診療所や病院の土地・建物を含めて多額の相続税が課されるため、やむなく廃業するケースも少なくない。
 そこで同省は、個人開設で都道府県知事が地域医療に不可欠と認定した診療所や病院に限り、土地・建物や検査機器など医療に必要な資産額相当の相続税を納税猶予とする。後継者の医師が5年間運営した時点で相続税を免除する。 
 事業承継をめぐっては、中小企業の後継者が先代から株式を引き継いだ場合、相続税や贈与税の納税が猶予・免除される仕組みがある。個人経営者でも事業用地の相続税を減額評価する制度があり、医師の後継者でもこうした事例を参考にした。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201708/CK2017082302000190.html
【千葉】
医学生が知事に修学資金の制度改善を要望 県庁で意見交換

2017年8月23日 東京新聞

 医師不足の解消を目的とした県の修学資金貸付制度を利用している医学生が、県庁で森田健作知事と意見交換をした。医学生は修学資金に感謝しつつ、「使い勝手を良くしてほしい」と要望した。
 千葉県は人口十万人当たりの医師数が一八二・九人と、全国四十五番目に少ない。医師を確保しようと、二〇〇九年度から同制度を設けた。貸し付けは公立で月十五万円(私立は月二十万円)程度で、県内の医療機関に九年勤めれば返還が免除される。
 意見交換は今月十七日にあり、医学生は、診療科が少ない地域病院に配属された場合や、卒業から勤務までの猶予期間が四年間と少ない点を踏まえ、「専門コースに進みたい人のキャリアプランを狭めてしまう」と指摘した。「妊娠、出産のタイミングが難しい」との声も上がった。 (村上豊)



http://www.asahi.com/articles/DA3S13098421.html
(社説)医師過労防止 地域医療と両立めざせ
2017年8月23日05時00分 朝日新聞

 東京都内の病院で働いていた研修医が、長時間労働が原因で自殺したとして、7月に労災認定された。5月にも新潟市民病院で同様の労災が認められたばかりだ。

 医師は、正当な理由がなければ診察や治療を拒めない。とりわけ病院の勤務医の多忙さはよく知られる。総務省の就業構造基本調査では週の労働時間が60時間を超える人の割合は医師が420と職種別でもっとも高い。

 だが、勤務医も労働者だ。過労で心身の健康がおびやかされれば、手術ミスなど医療の質の低下にもつながりかねない。患者の命と健康を守るためにも、勤務医の働き過ぎを改めていくべきだ。

 政府は働き方改革として、秋の臨時国会に「最長で月100時間未満」などと残業を規制する法案を提出し、長時間労働の是正に取り組む方針だ。

 ただ、医師については、画一的な規制が地域医療を崩壊させかねないとする医療側に配慮し、適用を5年間猶予して、これから残業規制のあり方を議論することになっている。

 実際、労働基準監督署から長時間労働の是正を求められた病院で、外来の診療時間や診療科目を縮小する動きがある。医師の過労防止で必要な医療が受けられなくなる事態は避けねばならない。

 そのためには、残業規制の強化を実行できる態勢を、同時に作っていく必要がある。

 まずは、病院の勤務医の仕事の量を減らすことだ。医師でなければできないことばかりなのか。看護師や事務職など、他の職種と仕事をもっと分かち合う余地はあるはずだ。

 初期の診療は地域の開業医に担ってもらうなど、病院と診療所の役割分担を進めていくことも重要だ。

 医師不足の背景には、地域や診療科ごとの医師の偏りという問題もある。実情に合わせて正す方策を考えたい。地域によっては、病院を再編し医師を必要なところに集中させることが適当なケースもあるだろう。

 様々な取り組みを進めたうえで、それでも全体として医師が足りないようなら、いまの計画より医師を増やすことも考えねばなるまい。

 そうした議論が、働き方を巡る規制の検討会、医師の需給見通しの審議会など政府内でバラバラに進むことのないよう、横断的・一体的に検討すべきだ。

 地域医療との両立をはかりながら、医師の働き方の見直しに道筋をつける。難題だが、避けては通れない。



https://www.komei.or.jp/news/detail/20170822_25353
主張 新専門医制度  患者の期待に応える内実に
公明新聞:2017年8月22日(火)付

内科や外科、小児科などの「専門医」を育成・認定する新たな制度が、来年4月にスタートする。医療の質の向上により、「専門医」に対する国民の信頼を高める契機としなければならない。

現在、多くの医師が「専門医」という肩書を使っているが、各学会が独自の基準で認定してきたものだ。その数は100を超え、一つの病名に複数の診療科名が存在しているケースもある。患者にとって分かりにくく、認定基準も学会によって異なるため、専門医の水準にばらつきを生む点が指摘されてきた。

新制度では、専門医の認定を第三者機関の日本専門医機構が行う。医師国家試験に合格し2年間の初期研修を終えた医師が、医療現場でさらに3年程度の研修を受け、機構が実施する試験に合格することで認定される。

医療現場での研修内容は各科の学会が策定するが、機構の審査が必要となる。専門医のレベルアップへ、研修から試験まで関わる機構の役割は極めて大きいといえよう。

機構はまた、専門医の種類を内科や外科など19の基本領域にまとめた。患者にとっては、耳慣れた科目名の方が分かりやすいのは当然だろう。

「総合診療専門医」の新設も新制度の特徴の一つだ。

総合診療専門医は、内科や外科など複数の領域にまたがり、病院で診察するだけでなく在宅医療や介護など幅広く担当する。住み慣れた自宅や地域で暮らしながら医療や介護サービスを受ける「地域包括ケアシステム」では重要な役割を担う。地域医療を重視した試みは期待できよう。

課題も指摘しておきたい。例えば、新制度による研修は大都市に多い大学病院などで行われるため、専門医をめざす医師が都市部に集中し、地方が医師不足に陥るのではとの懸念があるという。

機構は既に、▽大都市圏の研修定員に上限を設ける▽研修施設を地域の中核病院にも広げる―などを決めた。地域医療に従事しながら専門医をめざす医師が少なくない点にも目を向ける必要がある。

高齢化に伴い国民の医療への関心は高い。まして専門医となれば患者の信頼は格別だ。この点を肝に銘じ、新制度のスタートに臨んでほしい。



https://www.hokkaido-np.co.jp/article/126840
社説 働き方
医師の過労死 働き過ぎ解消は急務だ

08/21 05:00 北海道新聞

 人の命を救う医師が過重労働で疲弊し、自殺に追い込まれるケースも後を絶たない。

 東京都内の総合病院の産婦人科で働く30代の男性研修医が2015年7月に自殺したのは、長時間労働で精神疾患を発症したのが原因として労災認定された。

 遺族の代理人弁護士によると、自殺直前の1カ月の残業は約173時間に上り、厚生労働省の過労死ライン(直前1カ月100時間)を大幅に上回っていたという。

 医師の過労自殺では、今年5月にも、新潟市民病院(新潟市)に勤務していた30代の女性研修医が労災認定されている。

 もはや看過できない事態である。重い使命を担うとはいえ、医師も生身の人間だ。

 政府は、一刻も早く医師の長時間労働の解消策を打ち出さなければならない。

 男性研修医は自殺する前の半年間、月に143~208時間の残業を行い、休日はわずか5日間だった。当直明けが日勤の場合、拘束時間は30時間を超えていた。

 休日の呼び出しも多く、抑うつ症状があったという。すさまじい労働実態と言うほかない。

 医師の長時間労働は常態化している。厚労省によると、週60時間以上働く医師は41.8%に上り、職業別で最多だ。

 休日は月平均5.3日だけで、ゼロも11.4%いた。自殺(未遂含む)など労災認定は、16年までの5年間で21件に上る。

 医療過誤の原因として、慢性疲労を挙げた医師が7割を超えたという調査報告もあり、長時間労働の放置は、医療の質を低下させる恐れがある。

 政府が進める「働き方改革」には問題が多い。そもそも医師は残業時間の上限規制の例外として、5年の猶予期間が設けられた。

 医師には正当な理由なく診療を拒めぬ「応召義務」があるとしても、これでは何も変わらない。

 長時間労働の是正には、医師不足や偏在の解消も不可欠だ。

 人口比で見ると、日本の医師数は経済協力開発機構(OECD)加盟29カ国中26位で、1位のオーストリアの半分以下である。

 病院運営者は、医師も労働者との視点で、労働環境を再チェックしてもらいたい。交代勤務制への転換や、事務の役割分担などさまざまな工夫をすべきだろう。

 患者の側も、かかりつけ医などを活用し、時間外にむやみに駆け込む「コンビニ受診」は控えたい。意識改革が求められる。



http://www.asahi.com/articles/ASK8V23T0K8VUBQU004.html
膨らむ高齢者の医療費 治療、どこまで?
生田大介
2017年8月26日06時41分 朝日新聞

 日本は世界に誇る長寿国となった一方、それが医療費を膨張させている。薬や医療機器の高額化も進むなか、高齢者への医療はどうあるべきなのか。

■相次ぐ、画期的医療技術

 西日本のある病院に昨年末、90代後半の重症心不全の女性が運び込まれた。心臓から血液を全身に送るための弁が硬くなり、呼吸困難に陥った。本来なら胸を切って人工弁を埋める外科手術が必要だが、高齢過ぎて体力的に耐えられない。

 そこで、太ももの血管から細い管を通して人工心臓弁を届ける「経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI(タビ))」という治療が行われた。体への負担が少ない最先端の技術で費用は700万円ほど。保険が利くので患者負担は少ないが、保険料や公費の負担は大きい。

 治療は成功して女性は無事に退院したが、その数カ月後に肺炎で亡くなった。治療を担当した医師は振り返る。「症状が悪化するまで畑仕事をしており、『もう一度元気になりたい』という思いが強かった。高齢になるほど肺炎や脳梗塞(こうそく)のリスクは高くなるが、発症するのか予測は難しい」

 TAVIは国内では2013年に保険適用され、8千例以上行われた。だが、比較的余命が短い「超高齢者」にどこまで使うのか、医療現場は模索している。

 北里大学では、95歳の患者まで対象としたことがある。阿古潤哉教授は「体力や認知能力などから適応をしっかり選んで実施している。国民皆保険がこのまま持つかどうか懸念はあるが、年齢だけで区切っていいのか難しい」と漏らす。

 TAVIの費用対効果は高いとされるが、合併症を起こす可能性が大きい高齢者には費用対効果が低いという海外の研究もある。TAVIの関連学会協議会の事務局を務める鳥飼慶・大阪大講師は「手術できない高齢者にとってTAVIは福音となる技術。ただ、超高齢者にどこまで適応をするかは、医療費の観点も含めて議論していく必要があるのではないか」と話す。

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■75歳以上の医療費、年14兆円

 日本人の平均寿命は伸び続け、16年は女性が87・14歳、男性が80・98歳になった。一方、高齢になるほど医療費はかさみ、14年度の医療費(約41兆円)の3分の1以上にあたる約14兆円は、後期高齢者医療制度に入る75歳以上が使った。

 大島伸一・国立長寿医療研究センター名誉総長(71)は、こう訴える。

 「平均寿命を超えたら超高額な薬は使わないことや、治療内容によっては自己負担割合を引き上げることなどを本気で考えないと、医療が崩壊するかもしれない」

 とはいえ、高齢者の医療費を削減する議論は、命に直結する問題だけに容易ではない。とりわけ多くの医療費がかかる延命治療のあり方は難題だ。

 患者の意思が確認しづらく、望まない延命治療が行われる場合もあるとされる。そこで京都市は4月、患者の意識が明確なうちに延命治療をするかどうかなどを決めておく「事前指示書」を約3万部つくり、配布を始めた。すると「生命を軽んじている。国の医療費抑制に同調しているのでは」といった反発が出た。

 政府は08年4月に、医師が延命治療などの相談を受ければ報酬を加算する仕組みを導入したが、「高齢者は早く死ねということか」といった強い批判を受け、3カ月後に凍結。10年4月に廃止された。

 国立がん研究センターは4月、高齢の進行期がん患者は抗がん剤による延命効果がみられない可能性があるという研究結果を公表し、波紋を広げた。

 同センターの中釜斉(ひとし)・理事長は「研究の狙いは医療費抑制ではない。体力が乏しく副作用のリスクも大きい高齢者に最適な治療を考える研究の一環だ」と説明。症例数が少ないため、より大規模な研究が検討されている。

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/551583
m3.com意識調査
勤務医、暗い見通し「開業して儲かる時代は終わった」
「採算が合わない」開業に踏み出せない勤務医の声

レポート 2017年8月25日 (金)配信m3.com編集部
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 2017年8月1日 (火)~7日 (月)に実施した意識調査「開業したいと思ったこと、ある?」において、 勤務医の会員に対し、開業をしたいと思うかについて質問したところ、約4割が「開業したいと思う」と回答した(39.30)。
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Q2:上記回答の理由があればお書きください。

【開業したい】
・父が開業しており、自分の時間や資産が増えることに大きなメリットを感じる。しかし専門科が異なり兄弟が継ぐため、別に自分で開業する必要がある。(20代男性)
・親のクリニックを継続する。(30代男性)
・理想の地域医療を模索したい。(30代男性)
・勤務医の当直は安く、忙しい。開業医は簡単に総合病院に紹介してくる現状があり、それならば自分も開業したいと思う。(30代男性)
・独立して自分が長として働きたい。(30代男性)
・収入アップのために開業したいとは考えるが、体力に自信がなく、開業に至っていない。(40代男性)
・地域医療に貢献するには最適の形態と思うので。(40代男性)
・開業の方がやりがいがあるが、結局 勤務医が楽なのでこのままいきそうです。(40代男性)
・色々な面で自分でコントロールできるシステムとして組み立てられると思っているので、十分に準備をして開業したいと考えている。(60代男性)
・地域医療の原点であると思う。(60代男性)

【開業したいとは思わない】
・開業医はできることが限られ、接することのできる症例や人にも限られるので現時点ではやりたくない。(20代男性)
・実際場所があり、法人があり、身内が開業に引っ張られることも決定している。大学院に行くつもりもなく、 勤務医をこのまま続けると部長にはなれないので、どこかで追い出される。自分の親の介護を考えるとある程度見切りを付けて開業するのが賢明なのかもしれない。(30代男性)
・医局に属しており、医局のために働きたいと感じているから。(30代男性)
・もう開業医が儲かるという時代は終わったと思っています。(30代男性)
・開業しても借金が多く、返せるかどうか未知数。人口が30万人ずつ減少していく時代においては、破産するのでは。(40代男性)
・資金や来年の診療報酬改定後の採算面でかなり厳しいと思い、諦めました。(40代男性)
・今後、医療経営の厳しさが増すように思われるから。(40代男性)
・電子カルテを扱える医療事務の求人が少ない。(40代女性)
・年齢が時機を逸してしまったのと、今から借金をこしらえたら返済できないと思われるため。(50代男性)
・資金面と夜働く時間、医師会の仕事の割り当てなどで負の部分も多いかなと。(50代男性)
・児童思春期を中心とした精神科クリニックでは採算が合わないと思うから。(50代男性)
・借金してまで、開業しても上手くいくのかと考えてしまいます。(50代男性)
・組織のしがらみも辛いが、リスクは背負えないと思う。(50代男性)
・診療内容の裁量が高まるが、経営業務が負担。(50代男性)
・売り上げだけのために不必要な薬を処方させられるのが嫌。かといって、自分の理想だけでは 集客も経営もできそうにないので。(50代男性)
・近年の医療費増抑制のトレンドの中で、開業医のメリットが見い出せない。(50代男性)
・開業すると経営者になるわけで、職員に給料を出すことが義務になる。その他経費と収入のバランスを考えていると、自分の理想とする医療が行えなくなる。(60代男性)
・経営手腕に欠けていると思う。それに小児科医なので、今後は採算が取れないでしょう。(60代男性)
・開業医が儲かる時代は過去の彼方に消え去った。しかも今や、開業医は儲かるどころか、倒産のリスクも徐々に高まっている。(60代男性)
・年齢のこともあり、うまくいくかどうかの不安もあり、踏ん切りがつかなかった。(60代男性)
・仕事は継続したいが、他人の給料を決めたり、本来の仕事とは違う事をしたくない。(60代男性)
・老医であるが医師になる動機が今も変わらず、海外の無医地区で奉仕したいためであるので。(70代男性)

【調査の概要】
調査期間:2017年8月1日 (火)~7日 (月)
対象:m3.com会員
回答者数:開業医230人
回答結果画面:「開業したいと思ったこと、ある?」



https://mainichi.jp/articles/20170825/ddl/k24/040/270000c
山田診療所
休診へ 医師退職 伊賀市が廃止も検討 /三重

毎日新聞2017年8月25日 地方版 三重県

 伊賀市は市国民健康保険山田診療所(平田)を11月から休診とする方針を固めた。24日の市国民健康保険運営協議会に報告し、了承された。市は廃止も検討する。

 市によると、診療所の医師(83)から6月、退職の意向が伝えられた。診療所には医師1人と看護師2人、事務員2人が勤務。毎週火、水曜に診察している。代わりの医師は探さず、看護師らの新職場を確保したという。

 今後は協議会内の「診療所あり方検討委」で廃止を含め論議する。稲森洋幸・健康福祉部長は「診療所でなくなれば、あの建物をどうするかの調整も必要」と話した。

 山田診療所の受診者は2013年度4463人。16年度は1199人。昨年10月から診療日をそれまでの週4日から2日に減らした。市は市立上野総合市民病院の内科医師が増えたことなども休診や廃止論議の理由としている。

 山田診療所は旧大山田村時代の1993年開設。廃止されると、旧大山田村地区の医療機関は国保阿波診療所と個人医院の2カ所になる。【大西康裕】

〔伊賀版〕



http://www.sankei.com/life/news/170825/lif1708250012-n1.html
「老衰死」10年で3倍 死因より最期重視へ変化
2017.8.25 12:45 産経ニュース

老衰死の推移
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 特定できる病気がなく自然に亡くなる「老衰死」が増えている。平成27年は約8万5千人で、17年から10年間で3倍になった。高齢者の増加が要因とされるが、背景には死因究明より、人生の最期を重視することで死を受け入れようとする本人や家族、医師の価値観の変化もあるようだ。

 「立派な老衰です。大往生ですね」。27年7月、寺田さださん=当時(99)、滋賀県東近江市=を自宅でみとった長女の丸山イサ子さん(77)は、往診した花戸貴司医師(47)の言葉に涙が止まらなかった。「母の人生がいい人生だったと、認められたような気がした」からだ。

 さださんは病気知らずで、大根や白菜など季節の野菜を、自宅裏の畑で丹精込めて育てていた。しかし、死亡の3カ月ほど前から次第に食が細くなり、1週間前には何も食べられなくなった。

 「母は枯れて、美しい姿になっていきました」とイサ子さん。亡くなる前日、さださんは布団から起き上がり、集まった家族や診療に訪れた花戸医師ら一人一人に「ほんまにありがとうございました」と丁寧に頭を下げた。その翌日、さださんは眠るように亡くなり、死亡診断書の直接死因欄には「老衰」と記された。

 長年地域の医療に従事してきた花戸医師は「残された人を納得させるのは、最期を共に過ごす中で語られた本人の言葉ではないか」と話す。在宅医療の普及で、人々の意識は、死の原因ではなく、最期に至るまでの生きた過程を重視する方向に変わってきたという。

 厚生労働省の死亡診断書記入マニュアルでは、老衰は「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死」。人口動態調査によると、老衰死は診断技術の進歩に伴い減っていたが、その後増加に転じ、17年の2万6千人から27年には8万5千人近くに増え、死因の7位から5位になった。

 全国老人福祉施設協議会の24年度の調査によると、特別養護老人ホームでみとりをした人のうち、老衰で死亡した人は6割を超える。

 在宅医療に詳しい東埼玉病院(埼玉県蓮田市)の今永光彦医師は「高齢者の増加の影響が大きいが、終末期のあり方に関する社会の意識の変化も関係しているのでは」と指摘。「在宅で世話をしてきた家族にとって、きちんとみとった証し、勲章のような意味を持つ場合がある」と話す。

 一方、今永医師が、在宅医療で「老衰」と診断したことのある医師を対象に実施した調査では「診断を積極的に行わないことへの葛藤」や「病気の見逃し」に不安があることが分かっている。

 全国在宅療養支援診療所連絡会会長の新田国夫医師は「救える命を医師が『人生の最終段階』と判断し、医療を放棄するケースもあり、老衰の診断は慎重にすべきだ。ただし、本人、家族と医師との間で合意があり、穏やかに亡くなったのなら、問題ないのではないか」と話した。



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/457726
伊万里松浦病院、長崎県に特例申請
移転先、病床過剰地域で

2017年08月25日 08時11分 佐賀新聞

 伊万里市の伊万里松浦病院を長崎県松浦市に移転開設する問題で、松浦市が病床過剰地域に含まれるため医療法の特例措置に基づき病院の移転開設を認めるよう、運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(本部・東京)が長崎県に申請したことが24日、分かった。

 申請は23日付。松浦市を含む二次医療圏「佐世保県北医療圏」の病床数は約5千床で、基準の3858床を上回っている。このため病床を伴う医療機関の新設は原則認められない。しかし、医療法は複数の医療機関の再編で病床数が減少する場合、特例として病床過剰地域でも新設できるとしている。

 同機構は2020年4~7月、松浦市で病床数87床、12診療科の病院を開設予定。誘致を目指す松浦市は圏内の病床数が増えないよう、20年3月末までに市内の88床を減らす計画を策定している。同機構は市内に中核的な公的病院がなく、医師の高齢化や後継者不足などの問題を抱えているとして、「この地域の医療に貢献したい」と特例の適用を求めている。

 申請を受け、県医療審議会は今秋、地域の事情や地元医師会の意向などを審議。その後、特例を認めるべきかどうか知事に答申する。県は答申を踏まえて国と協議し、認可を判断する。(長崎新聞提供)



https://mainichi.jp/articles/20170826/ddl/k42/040/285000c
松浦中央病院
20年新設 伊万里から移転へ特例申請 /長崎

毎日新聞2017年8月26日 地方版 長崎県

 松浦市の友広郁洋市長は25日の市議会全員協議会で、伊万里松浦病院(佐賀県伊万里市)を運営する独立行政法人「地域医療機能推進機構」が県に特例を適用して松浦市への移転・新設を認めるよう申請したことを明らかにした。12診療科87病床の「松浦中央病院」(仮称)を2020年4~7月に開設するとしている。

 同市を含む佐世保県北医療圏は基準を上回る過剰病床地域のため、新設には周産期疾患など病床の特定や、公的医療機関の再編統合などの特例適用が必要。同機構は23日付で、市医療再編計画で削減可能とされた「88病床」の範囲内に規模を抑え「市内唯一の救急告示病院」として特例を適用するよう求めた。

 県が新設を諮る県医療審議会は10月に開催予定。答申を経て知事が最終判断するが、特例適用には「地元医師会の理解が重要」とされる。市によると、市内11医療機関でつくる松医会の賛否は割れたまま。全員協議会でも、既存の病院との患者の奪い合いなどを懸念する意見が出た。【峰下喜之】

〔長崎版〕



https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0823510281/
皮膚科医が地方で勤務する条件が明らかに
日本皮膚科学会アンケート

2017年08月23日 06:40 Medical Tribune

 医師の偏在や地域医療の崩壊は、多くの診療科が抱える共通の問題といえるが、抜本的な解決策はなかなか見いだすことができない。東北大学大学院皮膚科学准教授の山﨑研志氏は、全国の皮膚科科長や指導医、皮膚科勤務医を対象にアンケートを実施。それらの回答から、地方で皮膚科診療に携わる場合に医師が重視するポイントなどが明らかになったと、第116回日本皮膚科学会(6月2~4日)で発表した。

悪性黒色腫への外科対応不可の施設多い

 複数実施されたアンケートのうち、1つは「皮膚科長、指導医の立場からみる皮膚科診療の現状と要望」をテーマにしたもので、日本皮膚科学会認定主研修施設、一般研修施設に該当する334施設から回答を得た。回答者は皮膚科科長である。

 回答によると、皮膚科の常勤医師数は平均4.6人であるのに対し、必要とする皮膚科医数は平均5.4人で、現状では医師数の不足を感じながら診療している施設が多いことが示された。

 診療状況については、自己免疫性水疱症や乾癬、アトピー性皮膚炎などに対する治療やパッチテスト、ダーモスコピーといった皮膚科特有の疾患や手技、検査は大半の施設で可能であった。しかし、悪性黒色腫に対する外科手技・処置については可能な施設が少なく、原発巣切除は159施設、センチネルリンパ節生検は127施設、鼠径リンパ節郭清は122施設と、いずれも回答が得られた施設の半数に満たなかった。

所属する皮膚科医の数、当直回数が地方に医師を呼び込む鍵

 別のアンケートでは、「勤務医の立場から考える皮膚科医療に求める姿」をテーマとし、同学会認定専門医かつ勤務医の426人から回答を得た。

 出身地・出身大学と現勤務地を地域別に尋ねると、東北、中国、四国地方が出身地あるいは出身大学の医師が同じ地域に勤務する割合は60%前後であり、近畿地方の134.8%、関東や九州・沖縄地方の106.4%に比べ低かった。

 現在の勤務先で困っていることについては、「業務が多忙」との回答が142人と最も多く、次いで「働きがいや自分自身の将来展望」の111人だった。

 医師不足地域で診療に従事する場合に必要となる条件については、「自分と交代できる医師がいる」が317人で最も多く、「他病院とのネットワーク・連携がある」(291人)、「給与が良い」(226人)の順に多かった(表)。

表. 医師不足地域で診療に従事するとしたら、主にどのような条件が必要か(複数回答可)
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(山﨑研志氏提供)

 さらに、同様の観点から質問項目をより具体化し、「ある二次医療圏内で、唯一皮膚科を標榜科とし、皮膚科専門医が在職している病院への勤務を打診された場合」の判断条件を10項目示し、より重視する順に1~10の番号で回答を求める調査を実施。その結果、「皮膚科医の人数」が平均値2.8、「当直の回数」が3.5となり、他の項目よりも重視する条件であることが明らかになった。

 これらの結果を受け、山﨑氏は「多くの皮膚科専門医が、複数人体制で外科治療まで行える医療施設が理想的と考えており、そういった施設での勤務を求めていることがうかがえた」とまとめた。

(陶山 慎晃)



https://www.m3.com/news/iryoishin/553112
医師会立看護師養成所の減少、地域医療に影響
釜萢常任理事「医師会立の役割低減とはさらさら思わず」

レポート 2017年8月24日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の釜萢敏常任理事は8月23日の定例記者会見で、医師会立の看護師学校養成所などの状況について報告。応募者、入学者とも減少傾向にあるが、「医師会立の役割が低減しているとはさらさら思っていない」と強調した。医師会立養成所卒の看護師が減ることで、地域における看護職員の確保が困難になる恐れがあるとする危機感を表した。


 調査は入学者もしくは卒業者のあった施設を対象に2017年5月に実施。医師会立の准看護師課程は182校(2016年度186校)、看護師2年課程72校(同74校)、看護師3年課程70校(同68校)、助産師課程6校(同6校)で、全体では330校(同334校)だった。准看護師課程の入学者は2012年度の9393人から2017年度は7692人に減少している。

 看護師全体の養成数は1998年度の約7万5000人をピークに、1999年度にあった准看護師課程のカリキュラム改正の影響で減少。2005年度の約5万9000人を底に、看護系大学の増加とともに近年は増加傾向にあるが、それでも6万5000人程度に留まっている。看護師の有効求人倍率は2017年5月に1.49倍となり、1974年2月以来、43年3カ月ぶりの高さを記録している。医師会立養成所の卒業生は8割程度が県内に就職するのに対し、他の養成所では6-7割、看護系大学では5割に留まっている。

 釜萢氏は「(医師会立養成所の)役割が低減しているとはさらさら思っていない。なぜかと言うと地域定着は医師会立が高く、ある県に看護系大学ができたからといって、その大学生が定着する率は低い。医師会立の役割は非常に大きい」と強調。それでも、医師会立養成所が減少している背景には若年人口の減少などがあるとし、養成所がなくなった地域では看護師確保に苦労していると説明した。



http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=367463&comment_sub_id=0&category_id=256
地方の若手医師、「働き方」改善へ 厚労省
2017/8/23 中国新聞

 厚生労働省が来年度から、医師不足に悩む地方で働く若手医師を対象に、勤務環境の改善に乗り出すことが22日、関係者への取材で分かった。週4日制など柔軟な勤務体系やテレビ電話での診療支援などを進める。「働き方」を改善し、地方に若手を呼び込むことで、地域間の医師偏在を解消するのが狙いだ。
 国公立の医療機関だけでなく、民間で働く医師も対象。都道府県などによる環境整備を後押しするため、来年度予算案の概算要求に8億円を盛り込む。
 地方で働いてもいいという医師は一定数いるものの、人手不足で休みが取りにくいことや、希望する仕事ができないといった労働環境の厳しさやキャリア形成の難しさなどが地方定着を阻んでいるとみられる。
 新たな事業では、若手医師が休暇や自己研さんのための時間を確保できるようにするため、週4日勤務制を導入したり、非勤務日をカバーする代替医師を派遣したりする自治体の取り組みを支援。テレビ電話を活用し、遠隔地からアドバイスを受けられるような仕組みも想定している。
 地方で一定期間働くことを条件に、医学部在学中の奨学金の返済を免除される「地域枠」制度を利用した若手のほか、自ら地方勤務を選択した医師も対象とする。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20394750V20C17A8000000/
地域包括ケアのあるべき姿、ビッグデータで分析 
2017/8/26 8:00 日本経済新聞
日経デジタルヘルス

 「地域包括ケアシステムの深化」および「多様化する高齢者像を捉えた地域マネジメント」の実現に向けた最適ケアのあるべき姿を、ビッグデータから定量的に分析する。東芝デジタルソリューションズと筑波大学大学院は、こうした仕組みの共同研究を開始した。

 日本では現在、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」構築の重要性が叫ばれている。そのなかで東芝デジタルソリューションズは、介護サービス利用者のデータを活用したサービス効果の分析業務を、2016年度よりモデル自治体から受託。データにおける心身状態の改善・維持の傾向などから、効果を分析する指標の検証作業を進めている。また筑波大でも、認知症高齢者への実態調査に基づいた認知症予防や重度化防止を研究している。

 今回、両者の研究成果を融合する共同研究によって、ビッグデータから地域包括ケア事業の質の向上につながる最適なアプローチ方法を導き出す分析方法を考案。さらに、その分析結果を共有・提供する仕組みによって、介護保険運営を継続的に支援する地域診断情報の標準化を目指す。

 この共同研究の成果として、東芝デジタルソリューションズは地方自治体に向け「地域包括ケア事業支援ソリューション」を、2017年度中に順次提供開始する計画だ。また筑波大学大学院は、地域包括ケア事業の質の向上につながるアプローチ手法の具体化と標準化に関する研究を進め、国・自治体・サービス現場・有識者へのフィードバックを図る。

(スプール 近藤寿成)

[日経テクノロジーオンライン 2017年8月25日掲載]



http://www.medwatch.jp/?p=15422
入院前からの退院支援、診療報酬と介護報酬の両面からアプローチを—入院医療分科会(3)
2017年8月25日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 退院支援加算1と2の算定対象である「退院困難な患者」について、「家族問題などで支援が必要な状態」や「在宅サービス利用や再調整が必要な状態」なども含まれることを明示してはどうか。2018年度診療報酬改定後に「地域連携診療計画加算」の算定件数が大きく減少していることから算定要件の見直しを検討してはどうか―。

24日に開催された診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」では、こういった議論も行われました(関連記事はこちらとこちら)。

2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定となるため、退院後の円滑な介護施設入所を促進するためにも、診療報酬と介護報酬の両面からのアプローチを求める意見も出ています。

8月24日に開催された、「平成29年度 第6回 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」
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ここがポイント!
1 退院支援加算の算定対象である「退院困難患者」、より具体的に示すべき
2 入院前・入院早期からの退院支援により、円滑な退院に有用
3 地域連携診療計画加算の算定が大幅減、算定要件の見直しを求める声も
4 再入院率、病棟で提供する「医療の質」を図れる指標として注目

退院支援加算の算定対象である「退院困難患者」、より具体的に示すべき

 病院からの円滑な退院により、▼医療安全の確保▼患者のQOL向上▼医療費の適正化—などの効果が望めることから、診療報酬でも「退院支援」に力を入れる病院を評価しています。2016年度の前回診療報酬改定では、従前の「退院調整加算」を見直し、「退院支援加算」に組み替えています。具体的には、▼施設基準を厳格化(病棟に地域連携連中の看護師などを配置する)した【退院支援加算1】▼従前の退院調整加算に該当する【退院支援加算2】▼新生児の退院調整・支援を評価する【退院支援加算3】―の3区分となっています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

退院支援加算1・2の施設基準・算定要件の概要。加算1を届け出るためには病棟に退院支援業務等専従の看護職員・社会福祉士の配置などが必要となる
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 ところで退院支援加算は、すべての退院患者に算定できるわけではありません。加算1と2では主に「退院困難な要因を有しながら、在宅療養を希望する患者」が算定対象で、具体的には▼悪性腫瘍、認知症、誤嚥性肺炎などの急性呼吸器感染症のいずれか▼緊急入院▼要介護認定の未申請▼排泄の要介助▼入退院を繰り返している—などのほかに、「その他、患者の状況から判断して上記に準ずると認められる場合」も含まれます。厚労省は24日の入院医療分科会に、この「その他、患者の状況から判断して上記に準ずると認められる場合」として、病院側が具体的にどういう状態と考えているのか調べ、次のように整理して示しました。
【入院早期から把握し、速やかに関係機関と連携し、入院中から支援する必要があるケース】
▽家族からの虐待や家族問題があり支援が必要な状態
▽未婚などで育児のサポート体制がないため、退院後の養育支援が必要な状態
▽生活困窮による無保険、支払い困難な場合
▽保険未加入者であり市町村との連携が必要な場合 など

【入院早期に「入院前に利用していたサービス」を把握し、退院後に向けた調整が必要なケース】
▽施設からの入院で、施設での管理や療養場所の選択に支援が必要な状態
▽在宅サービス利用の再調整や検討が必要な状態

 この具体像について神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、「2018年度の次期改定では、悪性腫瘍などと同じように明示すべき」と要望しました。診療報酬点数表などには、同様の「その他、●●に準ずる場合」と記載されることがよくあります。患者の状態などはさまざまで、すべて列挙することは不可能な、こういった記載が用いられますが、可能な限り具体化したほうが、医療機関にとっても、審査支払機関にとっても分かりやすくなると考えられます。

退院支援加算の算定対象患者
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退院支援加算の算定対象患者のうち、「その他」の中にもさまざまなケースが含まれている
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入院前・入院早期からの退院支援により、円滑な退院に有用

 退院支援加算を算定するためには、入院後早期に前述の退院困難な患者を抽出し(加算1では3日以内、加算2では7日以内)、早期に患者・家族と面談し(加算1では7日以内、加算2ではできるだけはやく)、早期に多職種による退院支援に向けたカンファレンスを実施する(加算1では7日以内)ことが必要です。

 さらに、一部の病院では「入院前」から、退院支援に向けた取り組みを行っており、それが円滑な退院に効果をもたらしているといいます。例えば高齢者の予定入院において、外来診療の中で「この患者は入院が必要な状態だが、退院後に在宅介護が必要になるであろう。果たして要介護認定を受け、退院後すぐに介護保険サービスを受けられる状況にあるであろうか」といった点を考慮し、ケアマネジャーと連携することなどが考えられます(関連記事はこちら)。

厚労省の行った調査によれば、7対1病棟・療養病棟の2割程度、10対1病棟・回復期リハビリ病棟の3割程度、13対1・15対1病棟の4割程度、地域包括ケア病棟の5割弱では、入院前から担当ケアマネがおり、半数超で「ケアマネからの情報提供が有用であった」と感じていることが分かりました。

入院前にケアマネジャーとの連携を行っている病院があるが、病棟の種別によって連携状況はまちまちである
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入院前のケアマネとの情報連携について、半数超の病院は「有用」と捉えている
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また、個別事例について自治体との連携状況を見ると、7対1では7割弱、10対1では5割弱、地域包括ケア病棟では6割弱が連携しています。
さらに地域ケア会議(自治体職員、ケアマネ、介護事業者、医師、看護師、リハビリ専門職などが集い、個別の困難事例支援などを通じて▼地域支援ネットワーク構築▼高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援▼地域課題の把握―などを行う)への医療機関の参加状況を見ると、病棟の種別で若干の差はあるものの「5割前後が参加」している状況が分かりました。
病棟の種別で差があるが、5割前後の病院は地域ケア会議に参加し、個別の要介護高齢者事例を通じた地域連携ねとワークなどに積極的に関わっている
病棟の種別で差があるが、5割前後の病院は地域ケア会議に参加し、個別の要介護高齢者事例を通じた地域連携ねとワークなどに積極的に関わっている
 
また外来患者が自院に入院する際に、6割超の病院では「連携のための部署・窓口」を整備しており、3割超の病院では「看護師などが調整を行っている」ことも分かりました。ほとんどの病院で、入院前からの退院支援に向けた一定の取り組みを行っていることが伺えます。

ほとんどの医療機関で、外来部門と入院部門が連携し、「入院患者の情報連携」などを行っている
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このように、ケアマネや自治体などと連携した「入院前からの退院支援」などが円滑な退院に有効であることが示唆されており、厚労省は▼入院前▼入院早期—からの効果的な退院支援を診療報酬でどう評価していくか、検討を要請しています。
この点、武井純子委員(社会医療法人財団慈泉会相澤東病院看護部長)は、▼外来と入院をつなぐ「入退院センター」の設置▼薬剤師による入院前の使用薬剤把握—なども含めた評価を検討するよう要請。筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)は、「2018年度は同時改定になるので、診療報酬と介護
報酬の双方からのアプローチ(情報連携した場合、医療機関もケアマネも報酬で評価される)を行ってほしい」と要望しました。神野委員も同旨の考えを述べています。厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、診療報酬を担当する保険局医療課と介護報酬を担当する老健局老人保健課とで連携を図っていることを強調しています。

また池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長)は、▼高齢者の入院時に病院側がケアマネに連絡し、ケアマネから情報提供を受ける(ケアマネがいない場合には、病院側が要介護認定申請を支援する)▼入院中には病院とケアマネで情報連携する▼退院支援が開始されたら病院からケアマネに連絡し、ケアマネがケアプラン作成などを始める—という福井県退院支援ルール(福井モデル)の有効性を説明するとともに、「入院時の情報連携の評価充実」が重要と強調しています(関連記事はこちら)(福井県のサイトはこちら)。

福井県における退院支援ルールの概要
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地域連携診療計画加算の算定が大幅減、算定要件の見直しを求める声も

 ところで2016年度の前回診療報酬改定では、退院支援加算の創設に合わせて、従前の地域連携診療計画管理料(B005-2)、地域連携計画加算(A238退院調整加算の加算)などを、A246退院支援加算の加算【地域連携診療計画加算】に整理・統合しました。いずれも、いわゆる地域連携パスを用いた連携を評価するものです。

この点、厚労省が算定状況を調べたところ、2016年度改定後に算定件数が大幅に増加していることが判明しました(合計はもちろん、改定前の地域連携計画加算のみと比べても減少)。

2016年度の前回診療報酬改定後、地域連携診療計画加算の算定件数は大きく減少している
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この原因の1つとして、地域連携診療計画加算は『退院支援加算1と3の加算』という点がありそうです(退院支援加算1・3を届け出ていなければ、地域連携診療計画加算は算定できない)。
牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、例えば回復期リハビリ病棟では、患者の身体機能回復状況を踏まえながら退院支援困難者の抽出や多職種カンファレンスを行う実態などを紹介し、「回復期リハビリ病棟で大急ぎで退院支援する(退院支援加算1の取得につながる)必要があるだろうか。地域連携診療計画加算の退院支援加算1と3への限定は疑問だ」と述べ、次期改定での算定要件見直しを求めています。

再入院率、病棟で提供する「医療の質」を図れる指標として注目

 なお、7対1病棟や地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟の施設基準である「在宅復帰率」について、厚労省は「評価の趣旨を踏まえた整理が必要」と考えています。24日の入院分科会でも、多くの委員から「7対1では自宅以外に、地域包括ケア病棟や療養病棟への転院でも在宅復帰率にカウントされる。『連携率』などの名称に見直してはどうか」といった指摘がなされています。

また神野委員は「7対1を早期退院して、他の状態にあった病棟へ移ることを評価すればよい」とし、7対1における在宅復帰率は「廃止すべき」とコメントしました。本多伸行委員(健康保険組合連合会理事)も「形骸化しており廃止すべき。継続するのであれば『自宅への退院』を手厚くカウントすべき」と求めています。

これに関連して、厚労省は「再入院率」のデータを提示。1年間における再入院率を見ると、200以上300未満の病院がもっとも多く、また「同一疾患での6週間以内の再入院率」は100未満がほとんどとなっていますが、一部には再入院率が400を超える病院もあります。十分な治療をせずに早期退院のみを追い求めれば再入院が多くなるため、再入院率は「医療の質」を図る重要指標の1つと言えます。平均在院日数や退院支援などと併せて、再入院率の評価を組み合わせれば、「適切な医療を提供しながら、早期退院に力を入れている病院」を抽出して評価できるため、今後の検討に注目する必要がありそうです。

医療機関の再入院率を見ると200以上300未満がもっとも多く、ほとんどの病院では「同一疾患での6週間以内の再入院料」は100未満にとどまっているが、一部に400を超えている病院もある
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http://www.medwatch.jp/?p=15404
地域包括ケア病棟、初期加算を活用し「自宅からの入院患者」の手厚い評価へ—入院医療分科会(2)
2017年8月25日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 地域包括ケア病棟では、6割強の入院患者に対して【救急・在宅等支援病床初期加算】が算定されており、現在は「自宅などからの入院患者」でも「急性期病棟からの転院・転棟患者」でも算定可能となっている。しかし、両者では患者の医学的状態や検査実施状況などに違いがあり、これをどう考えていくべきか—。

24日に開催された診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」(以下、入院医療分科会)では、こういったテーマでも議論が行われました(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 自宅などからの入院患者のほうが、急性期後の転院患者よりも状態が不安定
2 「自宅などからの入院患者」の評価、初期加算の算定対象限定という手法も

自宅などからの入院患者のほうが、急性期後の転院患者よりも状態が不安定

 2018年度の次期診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会や入院医療分科会では「地域包括ケア病棟の機能分化」が論点の1つとなっています。主に「急性期病棟からの転院・転棟患者」を受け入れている病棟(post acute機能)と、「自宅などからの入院患者」も積極的に受け入れている病棟(sub acute機能)とがあり、後者のほうが「状態が不安定」な傾向があることから、報酬上でも両者を分ける必要があるのではないか、という議論です(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

24日の入院医療分科会では、厚生労働省から新たに次のようなデータが示されました。急性期後患者を「自院における転棟患者」と「他院からの転院患者」に分けてみています。

▼患者の主傷病を見ると、骨折の割合が、「自院の7対1などからの転棟患者」(26.00)では、「他院の7対1などからの転院患者」(16.50)、「自宅などからの入院患者」(16.10)に比べて高い

自院の急性期からの転棟患者では、他院の急性期からの転棟患者・自宅などからの患者に比べて、「骨折」の割合が高い
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▼患者の医療的な状態を見ると、「安定している」患者の割合が、「自宅などからの入院患者」(67.10)では、「自院の7対1などからの転棟患者」(76.20)、「他院の7対1などからの転院患者」(70.70)より低い

自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者よりも「状態が安定している患者」の割合が若干低い
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▼医学的な要因以外で退院できない患者の割合を見ると、「自院の7対1などからの転棟患者」(17.30)では、「他院の7対1などからの転院患者」(10.60)、「自宅などからの入院患者」(8.20)に比べて高い

自院の急性期病棟からの転院患者では、他院の急性期病棟からの転棟患者や自宅などからの入院患者に比べて、「医学的な要因」以外で退院できない患者の割合が高い
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▼状態が不安定で急性期治療を行っているので退院できない患者の割合を見ると、「自宅などからの入院患者」(26.70)では、「自院の7対1などからの転棟患者」(8.60)、「他院の7対1などからの転院患者」(3.20)よりも高い

自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者に比べて、「状態が不安定で急性期治療を行っており、退院できない」患者の割合が高い
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▼検体検査や生体検査、X線撮影などの実施状況を見ると、「自宅などからの入院患者」(生体検査では13.40)では、「自院の7対1などからの転棟患者」(6.00)、「他院の7対1などからの転院患者」(7.70)よりも高い

自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者に比べて、検査をより多く実施している(その1)
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自宅などからの入院患者では、急性期後の転院・転棟患者に比べて、検査をより多く実施している(その2)
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 改めて「自宅などからの入院患者」では、「急性期病棟からの転院・転棟患者」よりも状態が不安定で、医療の必要性が高いことが伺えます。牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、こうした状況を踏まえ「自宅などからの入院患者を多くい受け入れれば、それだけ病院には負荷がかかることになる。加算などで評価してはどうか」と提案しています。
「自宅などからの入院患者」の評価、初期加算の算定対象限定という手法も

 では、具体的にどういった評価方法が考えられるのでしょう。例えば、▼外形に着目し7対1病棟などを持つ病院の地域包括ケア病棟では、入院料の減額などを行う(逆に、7対1などを併設していなければ入院料の増点や加算新設などを行う)▼入院患者に着目し、「自宅などからの入院患者」割合が一定以上の地域包括ケア病棟では、入院料の増点や加算新設などを行う(逆に、「急性期後患者」が一定割合以上の地域包括ケア病棟では、入院料の減額などを行う)―ことなどが思い浮かびます。

 この点について厚労省は【救急・在宅等支援病床初期加算】(以下、初期加算)に注目しているようです。この初期加算は、(1)急性期を担う他院の一般病棟(2)自宅・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど(3)急性期を担う自院の一般病棟—からの患者について、14日まで、1日150点が入院料に上乗せされるものです。2016年6月のレセプトからは、件数ベースで630、回数ベースで360の患者に初期加算が算定されています。
初期加算を件数ベースで630、回数ベースで360の患者に算定しているが、ここには「自宅などからの入院患者」と「急性期後の転院・転棟患者」とが混在している
G3註:図略
 
 この初期加算の算定対象を、例えば(2)の「自宅などからの入院患者」に限定すれば、患者1人当たり最大2100点(2万1000円、150点×14日)の格差を設けることができます。また、上記の案では、「外形だけでは入院患者の状況を適切に反映できない」「自宅などからの入院患者割合などは変動するため、基準をどう設定するかが難しい」などの課題がありますが、初期加算を活用すれば、こうした課題はそもそも生じず、報酬体系上の「簡素で分かりやすい」と言えます。厚労省は「初期加算を活用する」といったコメントはしていませんが、有力候補の1つと言えそうです。
 
 なお、地域包括ケア病棟の患者像をより適切に把握するために、武井純子委員(社会医療法人財団慈泉会相澤東病院看護部長)や筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)は「重症度、医療・看護必要度におけるB項目」(患者の状況等、いわばADLを評価)の導入を提案しています。

  

https://www.m3.com/news/iryoishin/550240
「働き方改革」医師固有の事情を考慮 - 鈴木康裕・厚労省医務技監に聞く◆Vol.3
誤った上限規制、“医療崩壊”を招く懸念も

インタビュー 2017年8月23日 (水)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医師の働き方改革は、医療機関の経営者および現場の医師にとって、非常に関心が高いテーマです。これも、医療と労働の双方の部局が関係する問題です。

 私は、医療の現場が今のままでいいとは思っておらず、改革を進めなければ若い医師たちも付いてきません。ただし、医師固有の事情を全く考慮しないでいいわけではありません。


医師の働き方改革は、医政局、労働基準局、保険局など、関係各局が連携する課題であると指摘する。
 私が医学部を卒業した当時、女性の割合は100台でしたが、今は4割に近い。また最近の若い医師には、ワークライフバランスを重視する人も増えているようです。「皆、病院に泊まって覚えろ」みたいなやり方はもはや通用しないでしょう。

 (今年4月に報告書をまとめた)「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書でも盛り込まれたように、医師でなくてもできる仕事は、いつまでも抱えていたり、「訓練だ」と言って、若手に強制するのではなく、その他の職種にシフトできる部分はどんどんシフト、シェアしていくことが大事だと思うのです。

 その上で言いますが、医師が「9時 - 5時」といった時間管理が可能な工場労働者と全く同じ規制でいいかと言えば、私は少し違うと思うのです。それは一つには、救急や産科のように、自分は休みたいと思っていても、患者が来たら対応せざるを得ない応招義務があること。

 もう一つは、病院に来てから帰るまでの時間のうち、どこまでが「労働」に当たるかという問題です。外来診療や病棟勤務、各種会議などは当然、「労働」に当たります。しかし、例えば最新の知識を得るため、あるいは翌日の手術に備えるために文献を読んだり、臨床の合間に研究を行う場合、別に命令されてやっているわけではなく、「労働」と言えるのかどうか。

――自己研鑽などをどう扱うか、という問題がある。

 その通りです。そもそも今の時間外労働の上限規制は、企業のサイクルがベースになっており、例えば、決算期などの際に、経理担当者が一時的に忙しくなるため、その時期をどうするかという考え方の規制です。ところが医師の仕事にはそうした季節性がなく、今の残業規制のやり方をそのまま当てはめるのは難しいでしょう。

 医師固有の事情をどう考慮するかを、医政局と労働基準局の間で、専門家も含めて議論し、それを保険局なりが資金的にどう下支えをするかを考えることになるのだと思います。2018年度末までに議論し、国民の方にも理解されて、支持されるような仕組みにする必要があります。

――労働基準監督署が入っており、医師にも一律に労働規制を当てはめるため、医療現場の崩壊を懸念する声もあります。また規制を厳しくするあまり、「もっと研修したい」との考えから、自主的に「サービス残業」にするケースもあるようです。

 確かに過労自殺問題で社会の関心が高まっており、時には研修医の親が労基署に訴えるケースもあるとのこと。そうなると動かざるを得ません。

 ただ、都市部で医師が集まりやすい病院であれば、給与水準を下げ、残業手当を支払うことは可能でしょう。しかし、地方では高い給与を出すことで医師を確保できている病院も少なくないので、給与水準を下げたりなどしたら、医師がやめてしまう懸念があります。結果的に都市部に医師が集中し、意図せずに地方の医療崩壊を招いてしまうのは、非常に危ないと思います。

 救急など、誰もが大事だと思っている分野は、当然担ってもらうことが必要。かと言って全く労働規制を無視していいわけでもありません。中には、「36協定」すらも結んでいなかったり、全く労働面を考慮してない病院もあります。基本的な部分は守ってもらうルール作りは必要です。

 さらに言えば、「サービス過剰主義」が日本の病院にもあり、患者やご家族がそれを当然だと思っている一面もあり、この辺りの是正も必要でしょう。“コンビニ受診”をやめるなど、大切な地域の医療資源を守るために、患者さんや住民の方にも、医師の働き方についての現状を理解してもらい、受診行動を見直してもらうことも必要だと思います。

――その辺りは医療機関に任せずに、行政なども含め啓発していくことが必要。

 その通りです。行政、各関係団体の役割も大事だと思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/552256
「医師は労働者」、共通認識で議論を - 岡崎淳一・厚労省働き方改革担当参与に聞く
医療政策と労働政策、両面から検討を

インタビュー 2017年8月21日 (月)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 政府は今年3月、「働き方改革実行計画」を策定、長時間労働の是正に向け、罰則付きの時間外労働の上限規制導入などを盛り込んだ。今秋の臨時国会への関係法案提出、2019年度からの施行を目指す。
 ただし、医師は、上限規制の適用猶予対象になり、2018年度末を目途に規制の具体的な在り方、労働時間短縮策などの議論を別途進める。8月には、厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」を設置、議論がスタートした(『医師の時間外労働の上限規制、年明けにも中間整理』を参照)。
 「働き方改革実行計画」策定に携わった前厚労省審議官の岡崎淳一氏(現厚労省働き方改革担当参与)に、策定時の議論や医師の時間外労働について、どう捉えるべきかをお聞きした(2017年8月18日にインタビュー)。

――医師については、時間外労働の上限規制について、適用猶予にすべきという声が関係団体から出てきたのは、今年に入ってからのことです。

 去年の9月に政府は「働き方改革実現会議」を設置、働き方についての全体的な議論を重ねてきました。医療者に限らず、長時間労働の議論が出てきたのは、年明けからで、まず時間外労働についての基本的ルールを決めないことには、個別分野の議論ができなかったわけです。

 現行でも「36協定の適用除外業務」になっている「工作物の建設等の事業」と「自動車の運転の業務」についても、基本的ルールのたたき台が出た後に、国土交通省が関係団体などと本格的な議論、調整を行いました。

 一方、医師は、現行では「36協定の適用除外業務」には当たらないこともあって、医師をどう扱うかという議論が始まったのはさらにその後です。医療関係団体は、たたき台を見て、「(時間外労働の上限規制を)そのまま当てはめるのは難しい」との声を上げたのだと思います。もっとも、タイミングが遅かったため、建設業、自動車運転手については、適用猶予の内容を3月にまとめた政府の「働き方改革実行計画」に盛り込むことができました。しかし、医師についてはとても短期間で議論を深めることができず、「2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討する」とされました。

――建設業、自動車運転手を適用猶予にすることには、異論はなかったのでしょうか。また医師以外に適用猶予を求める職種はあったのでしょうか。

 基本的には、適用除外・猶予はない方がいいと思っていました。ただし、どうしても難しい業種については、杓子定規に当てはめるのは難しいという思いはありました。

 建設業、自動車運転手については、現行のような適用除外ではなく、適用猶予です。建設業は、「改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する」(復旧・復興の場合の例外あり)という話で関係業界と決着しています。自動車運転手に関しては、「5年後でも、そこまでは無理」とされ、まず「改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960 時間を適用」とされました。しかし、将来的には一般則の適用を目指すことになっています。つまりいずれの業種も、最終的には、「適用猶予をなくす」ことになります。

 医師についても、医師法に定める応招義務があり、現実に医療提供体制に支障が生じるといった懸念が上がりました。これはもっともな理由であり、連合を含めた構成員から成る「働き方改革実現会議」での議論で、「2年間かけて議論すべき」という整理になったのです。5年後に「時間外労働の上限規制」をそのまま適用できればいいですが、そうでない場合、どんな取り扱いにするかを、この2年間、実質的には約1年半の間に検討していくことになります。

 なお、職種や業種を問わず、引き続き適用除外となるのは、「研究開発業務」に従事する労働者です。

――そもそも労働基準法は、何を目的とした法律なのでしょうか。「研究開発業務」が適用除外になっているのは、労働時間では対価を計りにくいからなのでしょうか。

 労基法は、労働条件の最低基準を定めて、労働者の生活や健康を守るための基本的な法律です。一部例外もありますが、同法で定めた基準は全て適用するのが基本です。勤務医に労基法を当てはめる場合、地域医療に支障を来さないという観点はもちろん大切ですが、一方で、勤務医も労働者であり、その生活や健康を確保しなければなりません。

 「研究開発業務」の適用除外の意味ですが、1カ月の時間外労働の法的な上限規制が適用除外になっているだけで、「時間で労働時間を管理する」ことには変わりはありません。法的な上限を超えた時間外労働に対しては、割増賃金を支払う必要があります。しかし、法的に上限を規制すると、業務に支障が生じる恐れがあるので、別途、労使協定で上限を定めるという意味です。労働時間ではなく仕事の成果で処遇される働き方は、高度プロフェッショナル制度の考え方です。

――医師が高度プロフェッショナル制度の対象に該当する可能性はあるのでしょうか。

 大学などで研究がメーンの医師をどう扱うかという議論はありますが、臨床に相当程度従事している勤務医については、概念から考えると、あまりないと思います。通常の労基法の概念で考えれば、患者さんへの診療行為を行う時間を勤務医自身が決めているとは言えないからです。

――では医師の働き方について、どう見ておられますか。「自己研さん」の時間の扱いなどは、どう考えればいいのでしょうか。

 医師という専門職としての評価は当然必要でしょうが、一方で医師自身の健康を守るためのルールを設けて然るべきでしょう。夜勤が続く、当直明けも働くなどの現状が本当にいいのか。各病院の経営者から見れば、医師確保の問題もあるのでしょうが、他の業種の働き方と比べても、医師の無定量な仕事はやはり何とかしていかなければいけないでしょう。

 また「自己研さん」ですが、これは他の業種でも議論されることがありますが、勤務先への貢献になる研さんであれば、一般的には労働時間と見なされます。

――応招義務については、勤務医個人ではなく、医療機関単位で考えることも可能かと思います。

 ご指摘の通り、医師法が定める応招義務が、施設単位なのか、個人単位なのか、という点も議論しなければなりません。しかし、短時間で結論が出る話ではなかったので、2年間かけて議論するという整理になったのです。

――医師を「労働者」を見なすことに、心理的な抵抗感を覚える方もおられます。

 「医師は専門職だから、労働者ではない」と言ったところで、労働時間、賃金などの条件について、使用者と労働者は就業時に契約を結び、それを遵守することが必要。これが労働法制のルールであり、「医師は労働者ではない」「労働法制のルールの外側」というのは無理筋の議論。例えば、ノーベル賞受賞学者であっても、大学の教授であれば、労働者。金融機関で何億円もの年収を稼いでいるディーラーでも労働者です。ただし、労働法の全てを一律に適用しているわけではなく、それぞれの業種で例外を認めているわけです。

 また医師が疲弊していて、医師の過労死も見られる現実があるわけです。一方で、各医療機関が必要な医療を提供することを全く無視してルールを作ることはできません。医療政策的な面と、労働政策的な面の両方をにらみながら、検討していくことが必要です。



http://www.medwatch.jp/?p=15349
新公立病院改革プラン、92.70で策定完了だが、一部病院では2018年度にずれ込む―総務省
2017年8月22日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 今年(2017年)3月末時点で、新たな公立病院改革プランの策定が完了した病院は全体の92.70にあたる800病院。「2017年度に策定予定」が59病院(全体の6.80)、「2018年度に策定予定」が4病院(全体の0.50)となっている―。

 総務省は22日に、こうした状況を発表しました(総務省のサイトはこちら(概要)とこちら(都道府県別の状況)とこちら(個別病院の策定状況、サイトからExcellファイルをダウンロード可能))(2015年度末の状況はこちら)。

公立病院の改革方針は、地域医療構想実現に向けた重要な鍵の1つ

 公立病院については、2015年度または16年度中に「新公立病院改革ガイドライン」に沿った改革プラン(新公立病院改革プラン)を策定することが求められています。

 ガイドラインでは、新改革プランにおいて各病院が(1)地域医療構想を踏まえた役割の明確化(2)経営の効率化(3)再編・ネットワーク化(4)経営形態の見直し―という4つの柱を立て、それぞれについて具体的な計画と目標を設定するよう指示しています。

 このうち(1)の役割では、具体例として▼山間へき地・離島などの過疎地などにおける一般医療の提供▼救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供▼県立がんセンター、県立循環器病センターなど民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供▼研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点―などを提示。(2)の経営の効率化では、対象期間(プラン策定年度または次年度から2020年度まで)中に経常黒字化する数値目標を定める(著しく困難な場合には、経常黒字化を目指す時期と道筋を明らかにする)ことを掲げ、目標達成に向けて▼民間的経営手法の導入▼事業規模・事業形態の見直し▼経費削減・抑制対策▼収入増加・確保対策―などを具体的に示すよう要望しています。

 さらに(3)の再編・ネットワーク化においては、とくに▼施設の新設・建替等を行う予定の病院▼病床利用率が特に低水準(過去3年間連続して700未満)の病院▼地域医療構想などを踏まえ医療機能の見直しを検討することが必要な病院―について「再編・ネットワーク化の必要性について十分な検討を行う」(つまり統合などを行う)よう求めました。(4)の経営形態については、従前どおり▼地方公営企業法の全部適用▼地方独立行政法人化(非公務員型)▼指定管理者制度の導入▼民間への譲渡―などを検討するよう要求しています。

 総務省が2017年3月末(つまり2016年度末)の新改革プラン策定状況を調査したところ、全体の92.70にあたる800病院で改革プランが「策定済」であることが分かりました。ただし、「2017年度に策定予定」の病院が59(全体の6.80)、「2018年度に策定予定」の病院が4(全体の0.50)あり、総務省は「早期策定に向けた取り組みが必要」と訴えています。

92.70の公立病院で改革プランが策定済となっているが、一部は「2017年度中の策定」となり、さらにごく一部は「2018年度にずれ込む」状況である
G3註:図略
 
 都道府県別に新改革プランの策定状況を見ると、策定未完了病院があるのは▼北海道(未策定が8病院、策定率91.00)▼青森県(同3病院、88.00)▼岩手県(同2病院、92.90)▼山形県(同3病院、87.50)▼茨城県(同2病院、77.80)▼群馬県(同4病院、73.30)▼埼玉県(同4病院、71.40)▼千葉県(同8病院、73.30)▼神奈川県(同1病院、95.00)▼新潟県(同1病院、96.30)▼富山県(同1病院、91.70)▼石川県(同1病院、94.10)▼静岡県(同1病院、96.20)▼三重県(同1病院、94.40)▼滋賀県(同1病院、85.70)▼京都府(同2病院、85.70)▼大阪府(同3病院、87.00)▼奈良県(同1病院、90.90)▼岡山県(同1病院、94.40)▼広島県(同1病院、95.00)▼徳島県(同2病院、81.80)▼高知県(同2病院、80.00)▼福岡県(同5病院、72.20)▼佐賀県(同1病院、85.70)▼熊本県(同4病院、78.90)―となっています。多くの道府県で、改革プラン未策定病院があることが分かります。
 ただし、すでに策定に着手している病院を加味すると、未策定病院があるのは▼茨城県(策定済・策定中の合計で88.90)▼新潟県(同96.30)▼奈良県(同90.90)▼広島県(同95.00)▼佐賀県(同85.70)▼熊本県(同94.70)2015年度策定済が8病院・47.10)▼香川県(同5病院・41.70)▼大阪府(同7病院・30.40)▼神奈川県(同6病院・30.00)―となどとなっています。

都道府県別の策定状況(その1)
G3註:図略
都道府県別の策定状況(その2)
G3註:図略
 
これから各地において、地域医療構想の実現に向けた議論が本格化し、そこでは「公立病院の動向」が重要な鍵の1つになります。未策定の病院では、1日も早い改革プラン策定が急がれます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。



http://www.asahi.com/articles/ASK8P4CY2K8PUBQU008.html
山あいの公立病院、来春からお産中止 医師ら退職
三木一哉

2017年8月21日15時40分 朝日新聞

 山形県の東根、村山、尾花沢、大石田の3市1町が組合をつくって運営している北村山公立病院(東根市)が、来年4月から出産の受け入れを中止することを明らかにした。常勤の産婦人科医と助産師2人が退職する予定のため。来年度から北村山地域で出産ができる医療機関は、民間の1カ所のみとなる見通し。

 北村山公立病院によると、産婦人科の常勤医は現在、大塚茂院長1人。日本医科大学から派遣される非常勤医とともに年間に約100件の出産を手がけてきた。受け入れの中止は、今年度末に大塚院長が定年退職し、助産師も2人退職予定で後任の見通しがつかないことが理由という。産婦人科は存続するが、妊婦健診などに限定する。

 同病院では助産師を募集中で、新たな常勤の産婦人科医も探している。

 県地域医療対策課によると、出産ができる医療機関は減少傾向。2008年度には県内に36施設あったのが、現在は25施設になっている。



https://www.m3.com/news/general/553456
三沢病院 累積損失54億円に/16年度決算 7年連続の赤字
地域 2017年8月25日 (金)配信東奥日報

 三沢市立三沢病院の2016年度病院事業会計決算の収益的収支が4億1667万円の赤字となり、前年度比で赤字幅が1億5284万円(57・9%)増えたことが24日、同病院への取材で分かった。赤字は7年連続で、16年度末の未処理欠損金(累積損失)は54億114万円に膨らんだ。病院開設者の種市一正三沢市長は、決算の認定を求める議案を9月4日開会の市議会定例会に提案する。

 減価償却費などを除いた現金ベースの実質赤字は1億1706万円と、前年度より5424万円増えた。給与費や医薬材料費の増加などが響いた。

 収益的収支の赤字が増えたのは、地方公営企業法改正に伴い、14年度から収入に計上が必要となった長期前受金戻入や退職給付費引当金戻入が、導入3年目の16年度は15年度に比べ激減したのが原因。16年度の病院事業収益は前年度比2・8%減の55億1494万円、病院事業費用は同0・10減の59億3161万円だった。

 16年度の延べ患者数は入院が前年度比2・4%減の6万4428人、外来は同3・5%減の9万5830人だった。

 16年10月から、220床の急性期病床のうち51床を地域包括けあ病棟に移行した効果について、同病院の担当者は「入院の1日平均患者数は、16年4月の157人が11月は195人に増えるなど患者数の増加に寄与、赤字幅の圧縮に貢献している」と述べた。


  1. 2017/08/27(日) 10:26:26|
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